(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-09
(54)【発明の名称】スピーカ装置
(51)【国際特許分類】
H04R 9/06 20060101AFI20241002BHJP
H04R 1/06 20060101ALI20241002BHJP
【FI】
H04R9/06 A
H04R1/06 310
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520922
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 US2022077272
(87)【国際公開番号】W WO2023060009
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506030756
【氏名又は名称】ソノス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Sonos, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】シーク,ティモシー ルーベン
(72)【発明者】
【氏名】シーク,マティアス ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ワウテルセ,ラルス
(72)【発明者】
【氏名】ステーンハイス,オンノ ヘイン
(72)【発明者】
【氏名】シャンカル,サンジット
(72)【発明者】
【氏名】ファン アペルドールン,ナプル
(72)【発明者】
【氏名】ホフス,トーマス
【テーマコード(参考)】
5D012
5D017
【Fターム(参考)】
5D012DA04
5D012FA00
5D012GA01
5D017AH07
(57)【要約】
第1のダイアフラム(103,203,303)と、対向する第2のダイアフラム(104,204,304)と、第1のダイアフラム(103,203,303)が取り付けられる第1のフレーム部分(102a,202a)及び第2のダイアフラム(104,204,304)が取り付けられる対向する第2のフレーム部分(102b,202b)を備えるフレーム(102,202,302)とを備えるスピーカ装置(101,201,301)。第1のスピーカドライバ(105,205,305)は、第1のダイアフラム(103,203,303)を駆動し、第2のスピーカドライバ(106,206,306)は、第2のダイアフラム(104,204,304)を駆動する。第1のフレーム部分(102a,202a)、第1のスピーカドライバ(105,205,305)の移動可能な第1のコイルブラケット(107)、及び弾性の第1のダンパ部材(111)は、第1のシングルピース一体形成単一部品を形成する。第2のフレーム部分(102b,202b)、第2のスピーカドライバ(106,206,306)の移動可能な第2のコイルブラケット(109)、及び弾性の第2のダンパ部材(112)は、第2のシングルピース一体形成単一部品を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカ装置(101,201,301)であって、
フレーム(102,202,302)と、第1のダイアフラム(103,203,303)と、第2のダイアフラム(104,204,304)とを備え、前記フレーム(102,202,302)は、前記第1のダイアフラム(103,203,303)が取り付けられる第1のフレーム部分(102a,202a)と、前記第2のダイアフラム(104,204,304)が取り付けられる対向する第2のフレーム部分(102b,202b)とを備え、
前記第1のダイアフラム(103,203,303)を駆動するように構成される第1のスピーカドライバ(105,205,305)と、前記第2のダイアフラム(104,204,304)を駆動するように構成される第2のスピーカドライバ(106,206,306)とを備え、
前記第1のスピーカドライバ(105,205,305)は、移動可能な第1のコイルブラケット(107)と、前記第1のダイアフラム(103,203,303)及び前記第1のコイルブラケット(107)に接続される第1のダイアフラム接続部材(108)とを備え、
前記第2のスピーカドライバ(106,206,306)は、移動可能な第2のコイルブラケット(109)と、前記第2のダイアフラム(104,204,304)及び前記第2のコイルブラケット(109)に接続される第2のダイアフラム接続部材(110)とを備え、
前記第1のコイルブラケット(107)を前記第1のフレーム部分(102a,202a)に接続する弾性を有する第1のダンパ部材(111)と、前記第2のコイルブラケット(109)を前記第2のフレーム部分(102b,202b)に接続する弾性を有する第2のダンパ部材(112)とを備え、
前記第1のフレーム部分(102a,202a)、前記第1のコイルブラケット(107)、及び前記第1のダンパ部材(111)は、第1のシングルピース一体形成単一部品を形成し、
前記第2のフレーム部分(102b,202b)、前記第2のコイルブラケット(109)、及び前記第2のダンパ部材(112)は、第2のシングルピース一体形成単一部品を形成する、
スピーカ装置(101,201,301)。
【請求項2】
前記第1及び第2のダンパ部材(111,112)の各々が、前記第1及び第2のフレーム部分(102a,102b)のそれぞれの厚さよりも小さい厚さを有する、
請求項1に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項3】
前記第1のコイルブラケット(107)及び前記第1のダンパ部材(111)は、同一の第1の平面内に並列配置を形成し、前記第2のコイルブラケット(109)及び前記第2のダンパ部材(112)は、同一の第2の平面内に並列配置を形成する、
請求項1又は2に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項4】
前記第1のダンパ部材(111)が少なくとも2つの弾性の第1のダンパ脚(111a,111b)を備え、前記第1のダンパ脚(111a,111b)の各々が前記第1のコイルブラケット(107)を前記第1のフレーム部分(102a)に接続し、前記第2のダンパ部材(112)が少なくとも2つの弾性の第2のダンパ脚(112a,112b)を備え、前記第2のダンパ脚(112a,112b)の各々が前記第2のコイルブラケット(109)を前記第2のフレーム部分(102b)に接続する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項5】
前記第1及び第2のフレーム部分(102a,102b)、前記第1及び第2のダンパ部材(111,112)、並びに前記第1及び第2のコイルブラケット(107,109)の各々が1つ以上の壁を備え、各壁が0.3mm~5mmの壁厚を有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項6】
前記第1及び第2のダンパ部材(111,112)の各々の前記1つ以上の壁が0.3mmの最小壁厚を有する、
請求項5に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項7】
前記第1及び第2のフレーム部分(102a,102b)の1つ以上の壁、及び前記第1及び第2のコイルブラケット(107,109)の各々の1つ以上の壁は、5mmの最大壁厚を有する、
請求項5又は6に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項8】
前記第1のダンパ部材(111)と前記第1のフレーム部分(102a)との間で延在する第1のダンパ支持部分(113)と、
前記第2のダンパ部材(112)と前記第2のフレーム部分(102b)との間で延在する第2のダンパ支持部分(114)と、
を更に備える、
請求項1から7のいずれか一項に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項9】
前記第1及び第2のフレーム部分(102a,102b)の各々が、前記第1及び第2のスピーカドライバ(105,106)の一部を受けるように各々が配置される複数のキャビティ(115)を備える、
請求項1から8のいずれか一項に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項10】
前記第1のスピーカドライバ(105)及び前記第2のスピーカドライバ(106)は、前記第1のダイアフラム(103)及び前記第2のダイアフラム(104)をそれぞれ互いに逆方向に駆動するように構成される、
請求項1から9のいずれか一項に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項11】
第1の側(201a)と、離隔して対向する第2の側(201b)とを備え、前記第1のダイアフラム(203)が前記第1の側(201a)で前記フレーム(202)に取り付けられ、前記第2のダイアフラム(204)が前記第2の側(201b)で前記フレーム(202)に取り付けられ、
前記第1のダイアフラム(203)と前記第2のダイアフラム(204)とが異なる形状を有する、
請求項1から10のいずれか一項に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項12】
前記第1のダイアフラム(203)が略平坦なダイアフラムであり、前記第2のダイアフラム(204)が凹状のダイアフラムである、
請求項11に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項13】
前記第1のスピーカドライバ(205)に接続されてその支持のために前記第1のダイアフラム(203)に沿って延在する第1のダイアフラム支持部材(207)と、前記第2のスピーカドライバ(206)に接続されてその支持のために前記第2のダイアフラム(204)に沿って延在する第2のダイアフラム支持部材(208)とを更に備え、前記第1のダイアフラム支持部材(207)及び前記第2のダイアフラム支持部材(208)は、前記第1の側又は前記第2の側(201a,201b)と平行な平面内で測定される45°~90°の角度(α)で回転方向にオフセットされる、
請求項11又は12に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項14】
前記第1のダイアフラム支持部材(207)は、前記第1のダイアフラム(203)に沿って延在する1つ以上の凹状中央セクション(209)を備え、前記第2のダイアフラム支持部材(208)は、前記1つ以上の凹状中央セクション(209)に移動可能に受けられる、
請求項13に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項15】
前記第2のダイアフラム支持部材(208)は、前記第1のダイアフラム支持部材(207)を移動可能に受けるための1つ以上の切り欠き(210)を備える、
請求項13又は14に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項16】
前記第1のスピーカドライバ(205)は、離隔した2つの移動可能な第1のドライバ部分(205a,205b)を備え、前記第1のダイアフラム支持部材(207)は、前記2つの第1のドライバ部分(205a,205b)間で延在し、前記第2のスピーカドライバ(206)は、離隔した2つの移動可能な第2のドライバ部分(206a,206b)を備え、前記第2のダイアフラム支持部材(208)は、前記2つの第2のドライバ部分(206a,206b)間で延在する、
請求項13から請求項15のいずれか一項に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項17】
前記第1のダイアフラム支持部材(207)と前記第2のダイアフラム支持部材(208)とが90°の角度(α)で回転方向にオフセットされる、
請求項16に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項18】
第1のダイアフラムアセンブリ及び第2のダイアフラムアセンブリを更に備え、
前記第1のダイアフラムアセンブリは、前記第1のダイアフラム(203)と、前記2つの移動可能な第1のドライバ部分(205a,205b)と、前記第1のダイアフラム支持部材(207)とを備え、
前記第2のダイアフラムアセンブリは、前記第2のダイアフラム(204)と、前記2つの移動可能な第2のドライバ部分(206a,206b)と、前記第2のダイアフラム支持部材(208)とを備え、
前記第1のダイアフラムアセンブリの重量は、前記第2のダイアフラムアセンブリの重量に実質的に等しい、
請求項16又17に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項19】
前記第2の側(201b)に配置される支持構造体(211)と、前記支持構造体(211)に取り付けられる二次スピーカ部材(212)とを更に備え、前記二次スピーカ部材(212)は、前記第2のダイアフラム(204)に離隔状態で隣り合って支持される、
請求項11から18のいずれか一項に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項20】
前記第2のダイアフラム(204)は、凹状空間を与える凹状ダイアフラムであり、前記二次スピーカ部材(212)の少なくとも一部が前記凹状空間に配置される、
請求項19に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項21】
前記支持構造体(211)は、前記第2のダイアフラム(204)の周囲で前記第2の側(201b)に沿って外周に取り付けられて前記二次スピーカ部材(212)に向かって延びる複数の支持脚(211a,211b)を備える、
請求項19又は20に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項22】
前記複数の支持脚(211a,211b)の各支持脚は、前記第2の側(201b)から離れるように突出するアーチ状セクションを備えるアーチ状支持脚である、
請求項21に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項23】
前記第1のスピーカドライバ(205)と前記第2のスピーカドライバ(206)とが同一平面内に配置される、
請求項11から22のいずれか一項に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項24】
前記フレーム(302)は、第1のフレーム側(302a)と、離隔して対向する第2のフレーム側(302b)とを有し、前記第1のダイアフラム(303)は、前記第1のフレーム側(302a)で前記フレーム(302)に取り付けられ、前記第2のダイアフラム(304)は、前記第2のフレーム側(302b)で前記フレーム(302)に取り付けられ、前記スピーカ装置(301)は、
前記第1及び第2のスピーカドライバ(305,306)に電気的に接続されるプリント回路基板(PCB)(307)を更に備え、前記PCB(307)は、前記スピーカ装置(301)を外部装置に接続するための1つ以上の位置(308)を与え、
前記フレーム(302)の前記第1のフレーム側(302a)及び/又は前記第2のフレーム側(302b)が前記PCB(307)を備える、
請求項1から23のいずれか一項に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項25】
前記PCB(307)は、センサ電子機器及び/又は集積チップを備える、
請求項24に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項26】
前記センサ電子機器及び/又は前記集積チップは、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、近接センサ、マイクロフォン、周波数フィルタリング要素、マイクロプロセッサ、気圧計、温度計、空気湿度センサのうちの少なくとも1つを備える、
請求項25に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項27】
前記PCB(307)は、FR-2、FR-4、及び/又は金属から形成される、
請求項24から26のいずれか一項に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項28】
前記PCB(307)が複数の層を備える、
請求項24から27のいずれか一項に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項29】
前記PCB(307)は、前記第1のフレーム側(302a)及び/又は前記第2のフレーム側(302b)と一体に形成される、
請求項24から28のいずれか一項に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項30】
前記PCB(307)は、前記第1及び/又は前記第2のフレーム側(302a,302b)に機械的に結合される、
請求項24から28のいずれか一項に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項31】
前記PCB(307)は、前記第1及び/又は前記第2のフレーム側(302a,302b)に化学的に結合される、
請求項24から28のいずれか一項に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項32】
前記PCB(7b)は、1つ以上の外部スピーカを前記PCB(307)に電気的に接続するための1つ以上の更なる位置(309)を与える、
請求項24から31のいずれか一項に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項33】
前記PCB(307)は、前記第1のフレーム側(302a)に第1のPCB部分(307a)を備え、前記第2のフレーム側(302b)に第2のPCB部分(307b)を備え、前記第1及び第2のPCB部分(307a,307b)が前記フレーム(302)に沿って電気的に接続される、
請求項24から32のいずれか一項に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項34】
前記PCB(307)は、前記第1及び/又は前記第2のダイアフラム(303,304)が貫通して延在する1つ以上の開口(310a,310b)を備える、
請求項24から33のいずれか一項に記載のスピーカ装置(301)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年10月7日に出願された欧州特許出願第21201399.9号、2021年10月7日出願の欧州特許出願第21201404.7号、及び2021年10月7日に出願された欧州特許出願第21201405.4号の優先権の利益を主張し、これらの欧州特許出願の各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、スピーカ装置に関し、特に、サスペンションドライバが一体化されたスピーカ装置に関する。更に、本発明は、スピーカ装置に関し、特に、薄型でフォームファクタが小さいスピーカ装置に関する。更にまた、本発明は、スピーカ装置に関し、特に、プリント回路基板が一体化されたスピーカ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
スピーカは、例えば、弾性フラットスピーカダンパを開示する米国特許出願公開第6853734号明細書、スピーカ駆動ユニットのボイスコイル用のサスペンションを開示する米国特許第7366318号明細書、及びラウドスピーカで使用可能な電磁バイブレータ用のスパイダ構成を開示する米国特許第8311263号明細書から知られている。
【0004】
ラウドスピーカにおける最も重要な開発は、好ましくは効率及びコストを犠牲にすることなく、スピーカをより強力かつよりコンパクトにすることである。ラウドスピーカは、比較的高い最大音圧レベルを有し、ドライバ及びハウジングのサイズを考慮して、例えば100Hz未満のより低い周波数を容易に再生することができる場合に、強力であると考えられる。
【0005】
また、コンパクトなラウドスピーカシステムは、重量が軽いことが多い。ラウドスピーカダイアフラムが軽量ハウジング内で大きく振動すると、望ましくない機械的振動が発生する可能性がある。1つの解決策は、二重対向ドライバキャンセル(DODC)として知られることもある構成である、既存のドライバから離れる方向を向く第2のドライバを付加することである。DODCの利点は、2つのドライバからの機械的振動が相殺することである。DODCの欠点は、2つのドライバが互いに背中合わせに配置されるため、ハウジングが少なくとも2倍の大きさであることであり、このハウジングサイズの増大は、コンパクトなラウドスピーカシステムにとって望ましくない。
【0006】
別の対向ドライバ構成が米国特許第9,609,405号明細書に記載されており、この特許では、複数のドライバが同じ横方向平面内に並んで配置され、ドライバの第1のセットが一方向を向き、ドライバの第2のセットが反対方向を向き、それにより、ドライバの2つのセットからの逸脱が相殺する。米国特許第9,609,405号明細書に記載される構成は、ドライバのセットを横方向平面内に配置することによって単一のドライバに匹敵する低い横方向プロファイル又は高さを達成する。しかしながら、ドライバは、ドライバが使用されているときに振動及び/又は力のモーメントを回避するために「A-B-B-A」構成でなければならない。したがって、より大きな横方向プロファイルを犠牲にして、低い横方向プロファイルが達成される。
【0007】
コーン形状のスピーカ膜と、スピーカ膜に対してその裏側に同軸に配置された膜ドライバ又はアクチュエータとを備えるスピーカトランスデューサなどのスピーカユニットが、従来技術において周知である。これらのスピーカは1つのコイルを有し、したがって、このコイルをフレーム上の端子に、又は増幅器に直接接続するために必要な配線の量は限られている。複数の駆動ユニットを有するスピーカは、より多くの配線を必要とし、(温度検知、近接検知、位置など)他の機能を組み込む必要があると同時に、高いフレーム剛性が必要とされる場合、スピーカ市場にとって魅力的な提案を生み出すために新しい解決策を開発する必要があった。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第1の態様は、高い性能及び直線性を提供しながら、外形寸法が縮小され、最小限の構成要素を有するスピーカ装置を提供しようとするものである。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、フレームと、第1のダイアフラムと、第2のダイアフラムとを備えるスピーカ装置が提供され、フレームは、第1のダイアフラムが取り付けられる第1のフレーム部分と、第2のダイアフラムが取り付けられる対向する第2のフレーム部分とを備え、スピーカ装置は、第1のダイアフラムを駆動するように構成される第1のスピーカドライバと、第2のダイアフラムを駆動するように構成される第2のスピーカドライバとを備える。第1のスピーカドライバは、移動可能な第1のコイルブラケットと、第1のダイアフラム及び第1のコイルブラケットに接続される第1のダイアフラム接続部材とを備える。第2のスピーカドライバは、移動可能な第2のコイルブラケットと、第2のダイアフラム及び第2のコイルブラケットに接続される第2のダイアフラム接続部材とを備える。弾性の第1のダンパ部材が、第1のコイルブラケットを第1のフレーム部分に接続し、弾性の第2のダンパ部材が、第2のコイルブラケットを第2のフレーム部分に接続する。第1のフレーム部分、第1のコイルブラケット、及び第1のダンパ部材は、第1のシングルピース一体形成単一部品を形成し、第2のフレーム部分、第2のコイルブラケット、及び第2のダンパ部材は、第2のシングルピース一体形成単一部品を形成する。
【0010】
第1及び第2のフレーム部分、第1及び第2のコイルブラケット、並びに第1及び第2のダンパ部材を第1及び第2のシングルピース部品としてそれぞれ設けることにより、例えば、第1のフレーム部分及び第2のフレーム部分、第1のコイルブラケット及び第2のコイルブラケット、並びに第1のダンパ部材及び第2のダンパ部材を製造するための単一ステップ射出成形プロセスを利用することが可能になる。そのような単一ステップ射出成形プロセスは、製造コスト及び製造の複雑さを大幅に低減する。更に、第1及び第2のフレーム部分、第1及び第2のコイルブラケット、並びに第1及び第2のダンパ部材が第1及び第2のシングルピース部品を形成するので、スピーカ装置のよりコンパクトで平坦な設計が非常に容易になる。
【0011】
本発明の第2の態様は、性能を維持しながら、薄型で小さなフォームファクタのスピーカ装置を提供しようとするものである。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、第1の側及び離隔して対向する第2の側と、フレームと、第1のダイアフラムと、第2のダイアフラムとを備えるこのタイプのスピーカ装置が提供され、第1のダイアフラムは、第1の側においてフレーム内に取り付けられ、第2のダイアフラムは、第2の側においてフレーム内に取り付けられる。第1のスピーカドライバは、第1のダイアフラムを駆動するように構成され、第2のスピーカドライバは、第2のダイアフラムを駆動するように構成され、第1のダイアフラム及び第2のダイアフラムは異なる形状を有する。
【0013】
第1及び第2のダイアフラムが異なる形状を有することにより、小型のスピーカ装置を提供しながら、良好な音域及び性能を可能にする。すなわち、第1のダイアフラムは、第1の音要件を満たす形状を有することができ、第2のダイアフラムは、第2の音要件を満たす形状を有することができる。更に、第1及び第2のダイアフラムの異なる形状は、必要に応じて、二次スピーカ部材、例えばツイータを第1又は第2のダイアフラムの隣にコンパクトに取り付けることを可能にすることができる。
【0014】
例えば、一実施形態では、第1のダイアフラムは実質的に平坦なダイアフラムであってもよく、第2のダイアフラムは凹状ダイアフラムであってもよい。そのような平坦で凹状のダイアフラムは、スピーカ装置の薄型(例えば、厚さ)を維持しながら、特定の音響要件を満たすように構成することができる。
【0015】
本発明の第3の態様は、寸法が小さく、できるだけ少ない部品にできるだけ多くの機能を組み込みつつ、線形応答特性を提供するスピーカユニットを提供しようとするものである。
【0016】
本発明の第3の態様によれば、第1のフレーム側と離隔して対向する第2のフレーム側とを有するフレームと、第1のフレーム側において前記フレームに取り付けられる第1のダイアフラムと、第2のフレーム側においてフレームに取り付けられる対向する第2のダイアフラムとを備えるこのタイプのスピーカ装置が提供される。第1のスピーカドライバは、第1のダイアフラムを駆動するように構成され、第2のスピーカドライバは、第2のダイアフラムを駆動するように構成される。プリント回路基板PCBが、第1及び第2のスピーカドライバに電気的に接続され、PCBは、スピーカ装置を外部装置に接続するための1つ以上の位置を与え、フレームの第1のフレーム側及び/又は第2のフレーム側はPCBを備える。
【0017】
第1のフレーム側及び/又は第2のフレーム側のPCBは、第1及び第2のスピーカドライバを制御するとともにスピーカ装置を外部装置に接続するためのコンパクトな電気的配置を可能にする。更に、PCBは、第1のフレーム側及び/又は第2のフレーム側の構造的剛性を増加させ、したがってフレーム全体のそのような剛性が増加し、それによって例えば共振を低減する。
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明について更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係るスピーカ装置の三次元図を示す。
【
図2】本発明の一実施形態に係るスピーカ装置の第1のフレーム部分の三次元図を示す。
【
図3】本発明の一実施形態に係るスピーカ装置の第2のフレーム部分の三次元図を示す。
【
図4】本発明の別の実施形態に係るスピーカ装置の三次元図を示す。
【
図5】本発明の別の実施形態に係るスピーカ装置の第1のフレーム部分の三次元図を示す。
【
図6】本発明の別の実施形態に係るスピーカ装置の第2のフレーム部分の三次元図を示す。
【
図7】本発明の別の実施形態に係るスピーカ装置の三次元図を示す。
【
図8】本発明の一実施形態に係るスピーカ装置の第1のフレーム側の三次元図を示す。
【
図9】本発明の一実施形態に係るスピーカ装置の第2のフレーム側の三次元図を示す。
【
図10】本発明の一実施形態に係るスピーカ装置で使用されるPCBを示す。
【
図11】本発明の一実施形態に係るスピーカ装置で使用されるPCBを示す。
【
図12A】従来のデュアルダイアフラムスピーカ装置で使用されるのと同様の形状の対向するダイアフラムの実施形態を示す。
【
図12B】従来のデュアルダイアフラムスピーカ装置で使用されるのと同様の形状の対向するダイアフラムの実施形態を示す。
【
図12C】従来のデュアルダイアフラムスピーカ装置で使用されるのと同様の形状の対向するダイアフラムの実施形態を示す。
【
図13A】本発明の実施形態に係るスピーカ装置で使用される異なる形状の対向するダイアフラムの実施形態を示す。
【
図13B】本発明の実施形態に係るスピーカ装置で使用される異なる形状の対向するダイアフラムの実施形態を示す。
【
図13C】本発明の実施形態に係るスピーカ装置で使用される異なる形状の対向するダイアフラムの実施形態を示す。
【
図13D】本発明の実施形態に係るスピーカ装置で使用される異なる形状の対向するダイアフラムの実施形態を示す。
【
図13E】本発明の実施形態に係るスピーカ装置で使用される異なる形状の対向するダイアフラムの実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1~
図3を参照すると、フレーム102と、第1のダイアフラム103と、第2のダイアフラム104とを備えるスピーカ装置101が提供され、第1及び第2のダイアフラム103,104は離隔され、フレーム102に対向して取り付けられる。図示のように、例示的な実施形態では、第1及び第2のダイアフラム103,104は、離隔され、互いに実質的に平行に配置されると考えられてもよい。例えば、第1及び第2のダイアフラム103,104は、スピーカ装置101の第2の側101bとは反対側の第1の側101aにそれぞれ配置されている。第1の側101a及び第2の側101bは、略平行で平坦であると考えてもよい。第1の側101a及び第2の側101bはスピーカ装置101の前面及び背面と呼ばれてもよく、又はその逆であってもよく、「前面」及び「背面」という用語は必要に応じて交換可能であることは注目に値する。
【0021】
更に、フレーム102は、第1のダイアフラム103が取り付けられる第1のフレーム部分102aと、第2のダイアフラム104が取り付けられる対向する第2のフレーム部分102bとを備えることが分かる。第1のフレーム部分102aは、スピーカ装置101の前述した第1の側101aを備え、第2のフレーム部分102bは、前述した第2の側101bを備える。
【0022】
第1のスピーカドライバ105は、第1のダイアフラム103を駆動するように構成されており、第2のスピーカドライバ106は、第2のダイアフラム104を駆動するように構成されている。第1のスピーカドライバ105は、例えば直線的に上下に移動可能な第1のコイルブラケット107と、第1のダイアフラム103及び第1のコイルブラケット107に接続される、すなわち第1のダイアフラム103を移動可能な第1のコイルブラケット107に接続する第1のダイアフラム接続部材108とを備える。
【0023】
第2のスピーカドライバ106は、移動可能な、例えば直線的に上下に延びる第2のコイルブラケット109と、第2のダイアフラム104及び第2のコイルブラケット109に接続された、すなわち第2のダイアフラム104を移動可能な第2のコイルブラケット109に接続する第2のダイアフラム接続部材110とを備える。
【0024】
有利な実施形態では、第1のスピーカドライバ105及び第2のスピーカドライバ106は、第1のダイアフラム103及び第2のダイアフラム104をそれぞれ互いに逆方向に駆動するように構成される。すなわち、スピーカ装置101が使用されているとき、第1及び第2のダイアフラム103,104は、スピーカ装置101が改善された動的バランスを示すように、例えば第1及び第2のダイアフラム103,104の対向する動きが望ましくない共振、振動などを低減するように、逆方向に駆動される。
【0025】
第1のコイルブラケット107と第1のフレーム部分102aとを接続する弾性を有する第1のダンパ部材111が設けられ、第2のコイルブラケット109と第2のフレーム部分102bとを接続する弾性を有する第2のダンパ部材112が設けられる。
【0026】
第1のフレーム部分102a、第1のコイルブラケット107及び第1のダンパ部材111は、第1のシングルピース一体形成単一部品を形成し、第2のフレーム部分102b、第2のコイルブラケット109及び第2のダンパ部材112は、第2のシングルピース一体形成単一部品を形成する。
【0027】
本発明によれば、第1及び第2のフレーム部分102a,102bと、第1及び第2のコイルブラケット107,109と、第1及び第2のダンパ部材111,112とをそれぞれの第1及び第2のシングルピース部品として設けることにより、フレーム102、例えば第1及び第2のフレーム部分102a,102bと、第1及び第2のコイルブラケット107,109と、第1及び第2のダンパ部材111,112とを製造するための単一ステップ射出成形プロセスを利用することができる。そのような単一ステップ射出成形プロセスは、製造コスト及び製造の複雑さを大幅に低減する。また、第1及び第2のフレーム部分102a,102bと、第1及び第2のコイルブラケット107,109と、第1及び第2のダンパ部材111,112とが、それぞれ第1及び第2のシングルピース部品を構成するので、スピーカ装置101のよりコンパクトでフラットな設計が非常に容易になる。最も有利には、前述のような第1及び第2のシングルピース部品は、スピーカ装置101の性能を低下させず、すなわち、高い性能及び直線性が提供され維持される。
【0028】
有利な実施形態では、第1のフレーム部分102a、第1のコイルブラケット107、及び第1のダンパ部材111は第1のシングルピース部品を形成し、この第1のシングルピース部品は、例えばスピーカ装置101の第1の側101aに垂直な方向から見たときにいかなる点でもそれ自体と交差又は重なり合わないことは注目に値する。同様に、有利な実施形態では、第2のフレーム部分102b、第2のコイルブラケット109、及び第2のダンパ部材112は、第2のシングルピース部品を形成し、この第2のシングルピース部品は、例えばスピーカ装置101の第2の側101bに垂直な方向から見たときに、いかなる点においてもそれ自体と交差又は重なり合わない。
【0029】
例示的な実施形態では、第1及び第2のフレーム部分102a、102b、第1及び第2のコイルブラケット107,109並びに第1及び第2のダンパ部材111,112は、それぞれ第1及び第2のシングルピース一体形成単一部品を形成し、第1及び第2の単一部品は各々均質ポリマー部を形成し、効率的な射出成形プロセスを可能にする。
【0030】
図示の有利な実施形態では、第1のダイアフラム接続部材108及び第2のダイアフラム接続部材110は、第1及び第2のダイアフラム103,104への第1及び第2のコイルブラケット107,109の移動の良好な伝達を提供するために、それぞれ第1及び第2のダイアフラムに沿って延在する実質的に剛性の梁状部材であってもよい。
【0031】
例示的な実施形態では、第1のスピーカドライバ105は、第1の磁石105aと、第1の磁石と磁気的に係合する移動可能な第1のコイル105bとを備えてもよく、第1のコイル105bは第1のコイルブラケット107に接続されることに更に留意されたい。同様に、第2のスピーカドライバ106は、第2の磁石106aと、第2の磁石と磁気的に係合する移動可能な第2のコイル106bとを備えてもよく、第2のコイル106bは、第2のコイルブラケット109に接続されている。一実施形態では、第1のコイル105bは、第1の磁石105aの周りに移動可能に延び、第2のコイル106bは、第2の磁石106aの周りに移動可能に延びる。例示的な実施形態では、フレーム102、すなわち第1及び第2のフレーム部分102a、102bの各々は、第1及び第2のスピーカドライバ105,106の一部、例えばキャビティ115内に受け入れ可能な第1及び第2の磁石105a、106aを受け入れるように各々が配置された複数のキャビティ115を備えてもよい。
【0032】
有利な実施形態では、第1及び第2のダンパ部材111,112の各々は、第1及び第2のフレーム部分102a、102bの厚さよりも小さい厚さを有してもよい。第1及び第2のダンパ部材111,112の厚さをこのように小さくすることにより、第1及び第2のコイルブラケット107,109の動作中の弾性的かつ柔軟な懸架が可能になる。
【0033】
図示するように、有利な実施形態では、第1のコイルブラケット107及び第1のダンパ部材111は、同じ第1の平面内に並列配置を形成し、第2のコイルブラケット109及び第2のダンパ部材112は、同じ第2の平面内に並列配置を形成する。並列配置は、射出成形プロセス、例えば、第1のフレーム部分102a、第1のコイルブラケット107及び第1のダンパ部材111の金型からの取り外し、並びに第2のフレーム部分102b、第2のコイルブラケット109及び第2のダンパ部材112の金型からの取り外しを容易にする。この実施形態では、第1のコイルブラケット107及び第1のダンパ部材111は、例えばスピーカ装置101の第1の側101aから測定されるのと同じ又は同様の第1の距離に配置されていると考えられてもよく、第1のコイルブラケット107及び第1のダンパ部材111は、共有される第1の平面内で互いに隣接して又は隣接して配置され、例えば、共有される第1の平面は第1の側101aと実質的に平行である。同様に、第2のコイルブラケット109及び第2のダンパ部材112は、例えばスピーカ装置101の第2の側101bから測定されるのと同じ又は同様の第2の距離に配置されていると考えられてもよく、第2のコイルブラケット109及び第2のダンパ部材112は、共有される第2の平面内で互いに隣接して又は隣接して配置され、例えば、共有される第2の平面は第2の側101bと実質的に平行である。有利な実施形態では、スピーカ装置101の外形寸法を更に縮小するために、同じ第1の平面と同じ第2の平面とが一致してもよい。
【0034】
例示的な実施形態では、第1のダンパ部材111は、各々が第1のコイルブラケット107を第1のフレーム部分102aに接続する少なくとも2つの弾性の第1のダンパ脚111a、111bを備えてもよく、第2のダンパ部材112は、各々が第2のコイルブラケット109を第2のフレーム部分102bに接続する少なくとも2つの弾性の第2のダンパ脚112a、112bを備えてもよい。少なくとも2つの第1のダンパ脚111a、111b及び少なくとも2つの第2のダンパ脚112a、112bは、第1及び第2のコイルブラケット107,109の第1及び第2のフレーム部分102a、102bへの弾性的かつ可撓性であるが堅牢で耐久性のある接続を可能にする。
【0035】
少なくとも2つの弾性の第1のダンパ脚111a、111b及び少なくとも2つの弾性の第2のダンパ脚112a、112bは、各々が湾曲した又はアーチ状の形状を有してもよく、第1及び第2のフレーム部分102a、102bに対する弾性移動を可能にするように配置されていることに留意されたい。すなわち、少なくとも2つの弾性の第1のダンパ脚111a、111bは、第1のコイルブラケット107と第1のフレーム部分102aとの間に緩く懸架されていると考えてもよい。同様に、少なくとも2つの弾性の第2のダンパ脚112a、112bは、第2のコイルブラケット9と第2のフレーム部分102bとの間に緩く懸架されていると考えることができる。
【0036】
前述のように、第1及び第2のフレーム部分102a、102b、第1及び第2のコイルブラケット107,109、並びに第1及び第2のダンパ部材111,112は、それぞれの第1及び第2のシングルピース一体形成単一部品を形成する。このように、上記の実施形態では、第1及び第2のフレーム部分102a、102b、第1及び第2のコイルブラケット107,109、並びに少なくとも2つの弾性の第1のダンパ脚111a、111b及び少なくとも2つの弾性の第2のダンパ脚112a、112bは、それぞれの第1及び第2のシングルピース一体形成単一部品を形成する。
【0037】
第1及び第2の一体型構成要素の部品及び部分の剛性及び弾性の差を達成するために、第1及び第2のフレーム部分102a、102b、第1及び第2のダンパ部材111,112、並びに第1及び第2のコイルブラケット107,109が各々1つ以上の壁を備え、各壁が0.3mmから5mmの間の壁厚を有する実施形態が提供される。したがって、特定の部分又はセクションの壁厚を変更することにより、特定の剛性及び弾性要件を満たすことが可能になる。同様に、一実施形態では、第1及び第2のフレーム部分102a、102b、少なくとも2つの弾性の第1のダンパ脚111a、111b及び少なくとも2つの弾性の第2のダンパ脚112a、112b、並びに第1及び第2のコイルブラケット107,109は、各々が1つ以上の壁を備え、各壁は、0.3mmから5mmの間の壁厚を有する。
【0038】
一実施形態では、第1及び第2のダンパ部材111,112の各々の1つ以上の壁は、0.3mmの最小壁厚を有し、それにより、第1及び第2のダンパ部材111,112の堅牢性及び耐久性を犠牲にすることなく、第1及び第2のコイルブラケット107,109の移動のための十分な弾性及び可撓性を達成する。
【0039】
一実施形態では、少なくとも2つの弾性の第1のダンパ脚111a、111b及び少なくとも2つの弾性の第2のダンパ脚112a、112bの各々の1つ以上の壁は、0.3mmの最小壁厚を有し、それにより、少なくとも2つの第1のダンパ脚111a、111b及び少なくとも2つの第2のダンパ脚112a、112bの堅牢性及び耐久性を犠牲にすることなく、第1及び第2のコイルブラケット107,109の移動に十分な弾性及び可撓性を達成する。
【0040】
一実施形態では、第1及び第2のフレーム部分102a、102bの1つ以上の壁並びに第1及び第2のコイルブラケット107,109の各々の1つ以上の壁は、5mmの最大壁厚を有する。この最大壁厚は、フレーム102、すなわち第1及び第2のフレーム部分102a、102b、並びに第1及び第2のコイルブラケット107,109が変形に耐え、第1及び第2のコイルブラケット107,109がそれらの動きを第1及び第2のダイアフラム接続部材108,110に伝達することを可能にするのに十分な剛性を提供し、寸法を可能な限り小さく保つ。
【0041】
一実施形態では、第1及び第2のダイアフラム接続部材108,110はまた、十分な剛性を達成するが寸法を可能な限り小さく保つために、各々が5mmの最大壁厚を有する1つ以上の壁を有してもよい。このような最大壁厚は、図示のように実質的に平坦な梁状のダイアフラム接続部材として形成される場合、第1及び第2のダイアフラム接続部材108,110について容易に達成される。
【0042】
更に図示するように、第1及び第2のダンパ部材111,112、特に少なくとも2つの弾性の第1のダンパ脚111a、111b及び少なくとも2つの弾性の第2のダンパ脚112a、112bは、上で概説したように、例えば約0.3mm又はそれ以上の比較的薄い壁厚を有してもよい。前述したように、第1及び第2のフレーム部分102a,102b、第1及び第2のコイルブラケット107,109、並びに第1及び第2のダンパ部材111,112は、第1及び第2のシングルピース設計により射出成形することができるため、射出成形時の変形、収縮及び/又は反り現象に問題が生じる場合がある。これらの射出成形の問題に対処するために、スピーカ装置101が、第1のダンパ部材111と第1のフレーム部分102aとの間に延在する第1のダンパ支持部分113を更に備え、第2のダンパ部材112と第2のフレーム部分102bとの間に第2のダンパ支持部分114が延在する実施形態が提供される。第1及び第2のダンパ支持部分113,114は、射出成形中の望ましくない変形、収縮及び/又は反りを防止し、その結果、第1及び第2のダンパ部材111,112は、射出成形プロセスが完了した後に必要な形状及び弾性を維持する。
【0043】
図4~
図6を参照すると、第1の側201aと離隔して対向する第2の側201bとを備えるスピーカ装置201が示されている。フレーム202と、第1のダイアフラム203及び第2のダイアフラム204とが設けられ、第1のダイアフラム203は第1の側201aでフレーム202内に取り付けられ、第2のダイアフラム204は第2の側201bでフレーム202内に取り付けられる。第1のダイアフラム203を駆動する第1のスピーカドライバ205が設けられ、第2のダイアフラム204を駆動する第2のスピーカドライバ206が設けられ、第1のダイアフラム203と第2のダイアフラム204とは異なる形状を有している。
【0044】
第1及び第2のダイアフラム203,204が異なる形状を有することにより、スピーカ装置201に小さなプロファイル(例えば、厚さ)を提供しながら、良好な音の範囲及び性能を可能にする。特に、第1のダイアフラム203は、第1の音要件を満たす第1の形状を有してもよく、第2のダイアフラム204は、第2の音要件を満たす第2の形状を有してもよく、第1及び第2の形状は、それぞれ第1及び第2の音要件を満たすように異なっている。最も有利には、以下で更に詳細に説明するように、第1及び第2のダイアフラム203,204の異なる形状はまた、二次スピーカ部材212、例えばツイータを、必要に応じてコンパクトに第1の又は第2のダイアフラム203,204に隣接して/隣接して取り付けることを可能にする。
【0045】
例示的な実施形態では、第1のダイアフラム203は実質的に平坦なダイアフラムであってもよく、第2のダイアフラム204は凹状ダイアフラムであってもよい。平坦なダイアフラム203,204及び凹状のダイアフラムは、スピーカ装置201の薄型、例えば厚さを維持しながら、異なる音響要件を満たすように構成されてもよい。第1のダイアフラム203は略平坦であってもよいので、スピーカ装置201の内部には、凹状の第2のダイアフラム204を収容するためのより多くの空間が設けられる。更に、このような凹状の第2のダイアフラム204は、スピーカ装置201の外形を更に小さくするために、前述した二次スピーカ部材212を少なくとも部分的に収容することができる凹状空間を提供する。
【0046】
有利な実施形態では、第1のスピーカドライバ205に接続されてその支持のために第1のダイアフラム203に沿って延在する第1のダイアフラム支持部材207が設けられる。また、第2のスピーカドライバ206に接続されてその支持のために第2のダイアフラム204に沿って延在する第2のダイアフラム支持部材208が設けられる。図示のように、第1のダイアフラム支持部材207及び第2のダイアフラム支持部材208は、第1の又は第2の側201a、201bに平行な平面内で測定したときに45°~90°の角度(α)で回転方向にオフセットされている。
【0047】
別の有利な実施形態では、第1のスピーカドライバ205及び第2のスピーカドライバ206は、同じ平面内に配置されてもよく、これはまた、スピーカ装置201のプロファイル(例えば、厚さ)の低減を促進する。
【0048】
図5及び
図6から推測することができるように、第1のダイアフラム支持部材207及び第2のダイアフラム支持部材208は、第1及び第2のダイアフラム支持部材207,208と第1及び第2のスピーカドライバ205,206との間の干渉を最小限に抑えるために、横方向に配置されてもよい。第1及び第2のダイアフラム支持部材207,208のこのような横方向の配置は、スピーカ装置201の幅、長さ及び/又は厚さの両方において、はるかに小さいプロファイル又はフォームファクタを可能にする。
【0049】
図5の第1のダイアフラム支持部材207及び
図6の第2のダイアフラム支持部材208が同様の向きを有するように示されていることは注目に値するが、
図4から、第1のダイアフラム支持部材207,208及び第2のダイアフラム支持部材は、スピーカ装置201の組み立てられた状態において前述の角度(α)で回転方向にオフセットされていると推測することができる。以下で更に説明するように、フレーム202は、第1のフレーム部分202a及び第2のフレーム部分202bを備えてもよく、第1のフレーム部分202aには、第2のスピーカドライバ206を少なくとも部分的に受け入れるための1つ以上の第1のキャビティ213が設けられており、第2のフレーム部分202bには、第1のスピーカドライバ205を少なくとも部分的に受け入れるための1つ以上の第2のキャビティ214が設けられている。そして、スピーカ装置201が組み立てられた状態において、前述したように、第1のダイアフラム支持部材及び第2のダイアフラム支持部材207,208が左右に並べられる。
【0050】
有利な実施形態では、第1のダイアフラム支持部材207は、第1のダイアフラム203に沿って延びる1つ以上の凹状中央セクション209を備え、第2のダイアフラム支持部材208は、1つ以上の凹状中央セクション209に移動可能に受け入れられる。このようにして、第1のダイアフラム支持部材207が、第2のダイアフラム支持部材208が第1のダイアフラム支持部材207と干渉することなく移動可能に交差するための空間を提供する一方で、第1のダイアフラム203と第2のダイアフラム204との間、すなわち第1の側201aと第2の側201bとの間の間隔を最小限に抑えることができるので、スピーカ装置201のプロファイル(例えば、厚さ)を更に低減/低減することが可能である。
【0051】
有利な実施形態では、第2のダイアフラム支持部材208は、第1のダイアフラム支持部材207を移動可能に受けるための1つ以上の切り欠き210を備える。
図5及び
図6から推測することができるように、1つ以上の切り欠き210は、第2のダイアフラム支持部材208が第1のダイアフラム支持部材207と干渉することなく省スペースで移動可能に交差する余地を提供する。
【0052】
第1のダイアフラム支持部材207の1つ以上の凹状中央セクション209及び/又は第2のダイアフラム支持部材208の1つ以上の切り欠き210はまた、スピーカ装置201の最適な性能を達成するために使用されるときに第1及び第2のダイアフラム203,204の十分な移動が可能であるようにすることは注目に値する。
【0053】
図5及び
図6に示す実施形態では、第1のスピーカドライバ205は、離隔した2つの、例えば対向する移動可能な第1のドライバ部分205a、205bを備えてもよく、第1のダイアフラム支持部材207は、2つの第1のドライバ部分205a、205bの間で延在する。同様に、第2のスピーカドライバ206は、離隔した2つの、例えば対向する移動可能な第2のドライバ部分206a、206bを備えてもよく、第2のダイアフラム支持部材208は、2つの第2のドライバ部分206a、206bの間で延在する。
【0054】
この実施形態では、第1のダイアフラム203は、対向する第1のドライバ部分205a、205bの間に接続された第1のダイアフラム支持部材207を介して駆動される。このようにして、第1のドライバ部分205a、205bの駆動力は、第1のダイアフラム203全体に最適に分配される。同様に、第2のダイアフラム204は、対向する第2のドライバ部分206a,206b間に接続された第2のダイアフラム支持部材208を介して駆動される。このようにして、第2のドライバ部分206a、206bの駆動力は、第2のダイアフラム204にわたって最適に分配される。
【0055】
例示的な実施形態では、第1のダイアフラム支持部材207及び第2のダイアフラム支持部材208は、(実質的に)90°の角度(α)で回転方向にオフセットされる。この実施形態では、第1及び第2のダイアフラム支持部材207,208は、第1の又は第2の側201a、201bに平行な平面内で測定した場合に、実質的に垂直に配置されているとみなすことができる。このようにして、例えばスピーカ装置201のコンパクトな正方形のプロファイルを達成するために、この平面内で測定されるスピーカ装置201の幅及び長さの両方を最小化することができる。
【0056】
更なる実施形態において、スピーカ装置201は、第1のダイアフラムアッセンブリ及び第2のダイアフラムアッセンブリを更に備える。第1のダイアフラムアセンブリは、第1のダイアフラム203と、2つの移動可能な第1のドライバ部分205a,205bと、第1のダイアフラム支持部材207とを備え、第2のダイアフラムアセンブリは、第2のダイアフラム204と、2つの移動可能な第2のドライバ部分206a,206bと、第2のダイアフラム支持部材208とを備える。そして、第1のダイアフラムアッセンブリの重量と第2のダイアフラムアッセンブリの重量とが略等しくされることで、スピーカ装置201を共振及び無振動で動作させることができる。重量の同等性は、動作中の可動部品の組み合わせに関することに留意されたい。一実施形態では、第1及び第2のダイアフラムアセンブリの3つの構成要素は全て、重量が実質的に等しい。更なる実施形態では、例えば、第2のダイアフラム204と比較してより高い又はより低い重量の第1のダイアフラム203を、第2のダイアフラム支持部材208と比較してより低い又はより高い重量の第1のダイアフラム支持部材207によってそれぞれ相殺することができる。
【0057】
図4を参照すると、一実施形態では、支持構造体211が設けられ、第2の側201bに配置され、二次スピーカ部材212が支持構造体211に取り付けられ、二次スピーカ部材212は、そこから離隔して第2のダイアフラム204に隣接して/隣接して支持される。二次スピーカ部材212は、スピーカ装置201のダイナミックレンジ及び性能を更に向上させることができる。例示的な実施形態では、二次スピーカ部材212はツイータである。支持構造体211は、スピーカ装置201の厚さなどのコンパクトな外形を維持しながら、二次スピーカ部材212を第2のダイアフラム204の近くに配置できるようにする。前述したように、二次スピーカ部材212は、スピーカ装置201の重量分布も改善して望ましくない共振及び振動を最小限に抑えるようなサイズ、形状、及び/又は配置であってもよい。
【0058】
スピーカ装置201の外形を更に小さくするために、例示的な実施形態が提供され、この実施形態において、第2のダイアフラム204は、凹状空間を提供する凹状ダイアフラムであり、二次スピーカ部材212は、少なくとも部分的に凹状空間内に配置される。凹状空間は、スピーカ装置201内に突出/突出(protrude/projection)していると理解される。この実施形態では、二次スピーカ部材212は、スピーカ装置201の更にコンパクトな設計が得られるように、凹状空間に少なくとも部分的に収容される。
【0059】
第1のダイアフラム支持部材207の1つ以上の凹状中央セクション209は、凹状の第2のダイアフラム204と、凹状の第2のダイアフラム204と凹状の第2のダイアフラム204を支持する回転方向にオフセットされた第2のダイアフラム支持部材208とを少なくとも部分的に入れ子状に受けることができるため、スピーカ装置201において凹状の第2のダイアフラム204のためのより多くの内部空間を提供することは注目に値する。
【0060】
図4の例示的な実施形態では、支持構造体211は、第2のダイアフラム204の周りの第2の側201bに沿って周方向に取り付けられ、二次スピーカ部材212に向かって延在する複数の支持脚211a、211bを備える。支持脚211a、211bの各々は、第2のダイアフラム204の周りの第2の側201bの周囲から二次スピーカ部材212まで延在することができ、二次スピーカ部材はその後、支持脚211a、211bの各々に接続される。このようにして、複数の支持脚211a、211bは、二次スピーカ部材212が第2のダイアフラム204の近位に省スペースで吊り下げられることを可能にする。
【0061】
第2のダイアフラム204が前述のように凹状空間を提供する凹状ダイアフラムである場合、支持脚211a、211bの各々が、第2の側201bから離れるように突出するアーチ状セクションを備えるアーチ状支持脚である有利な実施形態が提供される。複数のアーチ状支持脚211a、211bは、例えば第2のダイアフラム204のダイアフラムリム204aを避けることによって、第2のダイアフラム204と干渉することなく、二次スピーカ部材212を少なくとも部分的に凹状空間内に配置することを容易にする。したがって、複数のアーチ状支持脚211a、211bは、スピーカ装置201のよりコンパクトな設計を可能にする。
【0062】
一実施形態では、第1のダイアフラム支持部材207は、前述のように実質的に平坦な第1のダイアフラム203を支持するのに十分な剛性を提供するように構成されていることに留意されたい。この実施形態では、1つ以上の凹状中央セクション209の深さを増加させて、第2のダイアフラム支持部材208を移動可能に受け入れることができる。実質的に平坦な第1のダイアフラム203がスピーカ装置201内への凹状突起を回避するので、1つ以上の凹状中央セクション209の深さのこのような増大が可能である。
【0063】
前述したように、フレーム202は、第1のフレーム部分202a及び第2のフレーム部分202bを備えてもよく、第1のフレーム部分202aには、第2のスピーカドライバ206を少なくとも部分的に受け入れるための1つ以上の第1のキャビティ213が設けられ、第2のフレーム部分202bには、第1のスピーカドライバ205を少なくとも部分的に受け入れるための1つ以上の第2のキャビティ214が設けられている。スピーカ装置201が組み立てられた状態では、
図4~
図6から推測されるように、第1及び第2のダイアフラム支持部材207,208は回転方向に(横方向に)オフセットされる。
【0064】
一実施形態では、第1のスピーカドライバ205は、フレーム202の第2のフレーム部分202b内の離隔した2つの対応する第2のキャビティ214に収容され得る離隔した2つの第1の磁石部分215を備えてもよい。同様に、第2のスピーカドライバ206は、フレーム202の第1のフレーム部分202aの離隔した2つの対応する第1のキャビティ213に収容され得る離隔した2つの第2の磁石部分216を備えてもよい。各々が例えばコイルを備える前述の離隔した2つの移動可能な第1のドライバ部分205a、205bは、対応する離隔した2つの第1の磁石部分215に沿って移動可能に配置されてもよい。各々が例えばコイルを備える、離隔して配置された2つの移動可能な第2のドライバ部分206a、206bは、対応する2つの第2の磁石部分216に沿って移動可能に配置されてもよい。
【0065】
図7~
図11を参照すると、スピーカ装置301が提供され、第1のフレーム側302aと離隔して対向する第2のフレーム側302bとを有するフレーム302を備える。第1のフレーム側302aで第1のダイアフラム303がフレーム302に取り付けられ、第2のフレーム側302bで対向する第2のダイアフラム304がフレーム302に取り付けられる。例示的な実施形態では、理解を容易にするために、第1及び第2のフレーム側302a、302bは、それぞれスピーカ装置301の対向する離隔した前面及び背面(又はその逆)として見ることができる。第1のダイアフラム303及び第2のダイアフラム304は、音を生成するように構成された第1及び第2の膜303,304とも呼ばれ得ることが理解されよう。
【0066】
スピーカ装置301は、第1のダイアフラム303を駆動するように構成された第1のスピーカドライバ305と、第2のダイアフラム304を駆動するように構成された第2のスピーカドライバ306とを更に備え、すなわち、第1及び第2のスピーカドライバ305,306は、発音のために第1及び第2のダイアフラム303,304を移動させるように構成されている。
【0067】
図10及び
図11に示すように、プリント回路基板307、又は略してPCBは、第1及び第2のスピーカドライバ305,306に電気的に接続され、PCB307は、スピーカ装置301を外部装置に接続するための1つ以上の位置308を提供する。更に、フレーム302の第1のフレーム側302a及び/又は第2のフレーム側302bは、PCB307を備える。
【0068】
第1のフレーム側302a及び/又は第2のフレーム側302bはPCB307を備えるので、第1及び第2のスピーカドライバ305,306を制御し、スピーカ装置301を外部装置に接続するためのコンパクトな電気的配置が可能になる。PCB307は更に、スピーカ装置301の様々な電気部品間の電気接続のコンパクトで信頼性の高いルーティングを可能にする。更に、PCB307は、第1及び/又は第2のフレーム側302a、302bの構造的剛性を大幅に増加させ、したがってフレーム302のそのような剛性が増加し、それにより、スピーカ装置301の共振及び他の望ましくない振動を低減し、全体的な性能を潜在的に低下させる可能性がある。
【0069】
一実施形態では、PCB307は、センサ電子機器及び/又は集積チップを備える。すなわち、この実施形態では、PCB307は、様々なセンサ電子機器及び/又は集積チップを省スペースでスピーカ装置301内に収容することを可能にし、スピーカ装置301内の電気配線の緩みが最小限に抑えられる。例示的な実施形態では、センサ電子機器及び/又は集積チップは、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、近接センサ、マイクロフォン、周波数フィルタリング要素、マイクロプロセッサ、気圧計、温度計、空気湿度センサのうちの少なくとも1つを備える。したがって、この実施形態では、PCB7は、スピーカ装置1の構造剛性も改善しながら、多くの異なる種類の電子部品及びそれらの組み合わせの高集積化を可能にする。
【0070】
スピーカ装置301の構造的剛性及び安全性を更に向上させるために、例示的な実施形態では、PCB307は、FR-2、FR-4などの金属及び/又は難燃性/耐性材料FRで作られる。
【0071】
前述のような様々な電子部品及びそれらの組み合わせを、省スペースでPCB307上に設けることができる。その目的のために、PCB307が複数の層を備える実施形態が提供される。各層は、1つ以上の電子部品を収容するために利用されてもよく、様々な電気部品間の電気接続をルーティングするために使用されてもよい。
【0072】
前述したように、第1のフレーム側302a及び/又は第2のフレーム側302bはPCB307を備え、第1及び第2のスピーカドライバ305,306を制御し、スピーカ装置301を外部装置、例えば1つ以上の外部装置に接続するためのコンパクトな電気的構成を提供する。同時に、PCB307は、第1及び/又は第2のフレーム側302a、302bの構造的剛性、したがってフレーム302の全体的剛性を増加させる。このようにして構造的剛性を高めることにより、スピーカ装置301のコンパクトなフォームファクタを維持しながら、スピーカ装置301の全体的な性能を潜在的に低下させる可能性がある共振及び他の望ましくない振動を大幅に低減することができる。
【0073】
第1及び第2のフレーム側302a、302bの剛性の増大は、PCB307が第1のフレーム側302a及び/又は第2のフレーム側302bと一体的に、例えば一体的に形成される有利な実施形態において増大され得る。すなわち、図示のように、第1及び/又は第2のフレーム側302a、302bはPCB307自体として設けられてもよく、PCB307はスピーカ装置301の前面及び/又は背面を画定する。このようにして、スピーカ装置301に必要な全ての電気構成要素を依然として提供しながら、構造構成要素の数が最小限に抑えられる。
【0074】
別の実施形態では、PCB307は、第1及び/又は第2のフレーム側302a、302bに機械的に結合されてもよい。この特定の実施形態では、第1及び/又は第2のフレーム側302a、302bは、PCB307が機械的に接合される専用の構造的側面/表面板として設けられてもよい。次いで、第1及び第2のフレーム側302a、302bは、構造的剛性を最大にする材料で作られてもよい。別の代替的な実施形態では、PCB307は、例えば接着剤によって、第1のフレーム側302a及び/又は第2のフレーム側302bに化学的に結合される。この実施形態はまた、第1のフレーム側302a及び/又は第2のフレーム側302bが、構造的剛性を最大にし、その上にPCB307が化学的に結合される専用の構造的側面/表面板として設けられることを可能にする。
【0075】
図11に示すように、PCB307は、例えば外部スピーカなどの1つ以上の外部電気部品をPCB307に電気的に接続するための1つ以上の更なる位置309を提供することができる。1つ以上の更なる位置309は、第1及び/又は第2のフレーム側302a、302bの周囲に沿って配置されてもよい。これは、一実施形態では第1及び/又は第2のフレーム側302a、302bの周囲に沿って配置されてもよい前述のような1つ以上の位置308にも当てはまる。
【0076】
一実施形態では、PCB307は、第1のフレーム側302aに配置された第1のPCB部分307aと、第2のフレーム側302bに配置された第2のPCB部分307bとを備えることができ、第1及び第2のPCB部分307a、307bは、フレーム302に沿って電気的に接続されていることが
図7から
図11に更に示されている。第1及び第2のPCB部分307a、307bの各々は、それらのそれぞれの第1及び第2のフレーム側302a、302bに構造的剛性を与え、省スペースで様々な電気部品を組み込む。一実施形態では、第1及び第2のPCB部分307a、307bは、第1及び第2のフレーム側302a、302bと一体的に、例えば一体的に形成され、フレーム302、すなわちスピーカ装置301に構造的剛性と、部品点数の削減とを同時に提供する。代替的な実施形態では、第1及び第2のPCB部分307a、307bは、それらのそれぞれの第1及び第2のフレーム側302a、302bに機械的及び/又は化学的に結合されてもよく、それによって構造的剛性を更に高めるが、スピーカ装置301の最大剛性を達成するための専用の第1及び第2のフレーム側/パネル302a、302bも可能にする。
【0077】
図10及び
図11では、PCB307が、第1及び/又は第2のダイアフラム303,304が貫通して延在する1つ以上の開口310a、310bを備えてもよいことが更に示されている。この実施形態では、どの第1及び/又は第2のフレーム側302a、302bがPCB307を備えるかに応じて、第1及び/又は第2のダイアフラム303,304を取り付けることができる1つ以上の開口310a、310bが設けられる。したがって、PCB307は、第1及び/又は第2のダイアフラム303,304を収容するためのそれぞれの開口310a、310bを有する第1及び/又は第2のフレーム側/プレート302a、302bとして見ることができる。図示の例示的な実施形態では、PCB307は、第1のフレーム側302aに第1のPCB部分307aを備え、第2のフレーム側302bに第2のPCB部分307bを備えてもよく、第1のPCB部分307aは、第1のダイアフラム303を収容するための第1の開口310aを備え、第2のPCB部分307bは、第2のダイアフラム304を収容するための第2の開口310bを備える。第1及び第2のPCB部分307a,307bは、フレーム302に沿って電気的に接続されている。空間の最適な使用及び外部装置への接続の容易さのために、1つ以上の位置308及び任意選択的に1つ以上の更なる位置309は、第1及び/又は第2の開口310a、310bの周りに、並びに第1及び/又は第2のフレーム側302a、302bの周囲に沿って配置されてもよい。
【0078】
先に述べたように、本発明のスピーカ装置101,201,301は、第1のダイアフラム103,203,303及び第2のダイアフラム104,204,304が異なる形状を有することを可能にし、それにより、スピーカ装置101,201,301に小さい又はコンパクトなプロファイルを提供しながら、良好な音域及び性能を可能にする。これは、
図4~
図6に照らして説明されたが、
図1~
図3及び
図7~
図11に示されたスピーカ装置101,303の実施形態にも等しく当てはまる。
【0079】
そのような異なる形状が何を意味するかを更に明確にするために、
図12A~
図12Cは各々が、個々のダイアフラム200が示された視線方向V1及びV2から見たときに実質的に同じ形状を有する従来のデュアルダイアフラムスピーカ装置に見られ得る2つの対向するダイアフラム200の例を示す。特に、
図12Aは、示された方向V1及びV2から見たときに両方とも凹状である同様の形状のダイアフラム200を示している。或いは、
図12Bは、示された視線方向V1及びV2から見たときに両方とも凸状である同様の形状のダイアフラム200を示している。
図12Cは、示された視線方向V1及びV2から見たときに両方とも実質的に平坦である同様の形状のダイアフラム200を示している。
【0080】
図12A~
図12Cとは対照的に、
図13A~
図13Eは、本発明のスピーカ装置の異なる形状のダイアフラム203,204の断面実施形態を示す。特に、
図13Aは、両方ともアーチ状である第1のダイアフラム203及び第2のダイアフラム204の断面を示しているが、第1のダイアフラム203は、視線方向V1から見て凹形状を有し、第2のダイアフラム204は、視線方向V2から見て凸形状を有する。本実施形態では、第1のダイアフラム203の囲み部Sは、視線方向V1から見て凸状であり、ダイアフラム204の囲み部Sは、視線方向V2から見て凹状である。
【0081】
図13Bは、両方ともアーチ状である第1のダイアフラム203及び第2のダイアフラム204の断面を示すが、第1のダイアフラム203は、視線方向V1から見て凹形状を有し、第2のダイアフラム204は、視線方向V2から見て凸形状を有する。更に、第1及び第2のダイアフラム203,204は各々が、対応する包囲部Sに接続する実質的に平坦な縁部203a、204aを備える。第1のダイアフラム203の囲み部Sは、視線方向V1から見て凸状であり、第2のダイアフラム204の囲み部Sは、視線方向V2から見て凹状である。
【0082】
図13Cは、両方ともアーチ状である第1のダイアフラム203及び第2のダイアフラム204の断面を示すが、第1のダイアフラム203は、視線方向V1から見て凹形状を有し、第2のダイアフラム204は、視線方向V2から見て凸形状を有する。この実施形態では、第1のダイアフラム203は、視線方向V1から見て、対応する包囲部Sに接続する凸縁部203aを備える。第2のダイアフラム204は、視線方向V2から見て、対応する包囲部Sに接続する凹状縁部204aを備える。第1のダイアフラム203の囲み部Sは、視線方向V1から見て凸状であり、第2のダイアフラム204の囲み部Sは、視線方向V2から見て凹状である。
【0083】
図13Dは、両方ともアーチ状である第1のダイアフラム203及び第2のダイアフラム204の断面を示すが、第1のダイアフラム203は、視線方向V1から見て凸形状を有し、第2のダイアフラム204は、視線方向V2から見て凹形状を有する。本実施形態では、第1のダイアフラム203の囲み部Sは、視線方向V1から見て凸状であり、ダイアフラム204の囲み部Sも、視線方向V2から見て凸状である。
【0084】
図13Eは、アーチ状の第1のダイアフラム203及び実質的に平坦な第2のダイアフラム204の断面を示す。第1のダイアフラム203は、視線方向V1から見て凹形状を呈している。
図13Dに示す実施形態と同様に、第1のダイアフラム203の包囲部Sは、視線方向V1から見て凸状であり、第2のダイアフラム204の包囲部Sも、視線方向V2から見て凸状である。
【0085】
図13A~
図13Eの実施形態は、それぞれ示された視線方向V1、V2で見たときに、異なる形状の第1及び第2のダイアフラム203,204を示す。このような異なる形状により、第1及び第2のダイアフラム203,204のより緊密な入れ子が達成されるように、第1及び第2のダイアフラム203,204を互いにより接近して配置することが可能になる。
【0086】
以上、本発明を、図面に示される幾つかの例示的な実施形態を参照して説明した。幾つかの部分又は特徴の変更及び代替の実装が可能であり、添付の特許請求の範囲に定義される保護の範囲に含まれる。また、前述したスピーカ装置101、スピーカ装置102及びスピーカ装置103の全ての機能が単一のスピーカ装置に統合されてもよい。
【0087】
上記の開示を考慮して、本発明及びその態様は、ここで以下の実施形態によって定義及び要約することができる。
【0088】
実施形態A1.フレーム(102,202,302)と、第1のダイアフラム(103,203,303)と、第2のダイアフラム(104,204,304)とを備え、フレーム(102,202,302)は、第1のダイアフラム(103,203,303)が取り付けられる第1のフレーム部分(102a,202a)と、第2のダイアフラム(104,204,304)が取り付けられる対向する第2のフレーム部分(102b,202b)とを備え、第1のダイアフラム(103,203,303)を駆動するように構成される第1のスピーカドライバ(105,205,305)と、第2のダイアフラム(104,204,304)を駆動するように構成される第2のスピーカドライバ(106,206,306)とを備え、第1のスピーカドライバ(105,205,305)は、移動可能な第1のコイルブラケット(107)と、第1のダイアフラム(103,203,303)及び第1のコイルブラケット(107)に接続される第1のダイアフラム接続部材(108)とを備え、第2のスピーカドライバ(106,206,306)は、移動可能な第2のコイルブラケット(109)と、第2のダイアフラム(104,204,304)及び第2のコイルブラケット(109)に接続される第2のダイアフラム接続部材(110)とを備え、第1のコイルブラケット(107)を第1のフレーム部分(102a,202a)に接続する弾性を有する第1のダンパ部材(111)と、第2のコイルブラケット(109)を第2のフレーム部分(102b,202b)に接続する弾性を有する第2のダンパ部材(112)とを備え、第1のフレーム部分(102a,202a)、第1のコイルブラケット(107)、及び第1のダンパ部材(111)は、第1のシングルピース一体形成単一部品を形成し、第2のフレーム部分(102b,202b)、第2のコイルブラケット(109)、及び第2のダンパ部材(112)は、第2のシングルピース一体形成単一部品を形成する、スピーカ装置(101,201,301)。
【0089】
実施形態A2.第1及び第2のダンパ部材(111,112)は各々が、第1及び第2のフレーム部分(102a,102b)のそれぞれの厚さよりも小さい厚さを有する、実施形態A1に記載のスピーカ装置(101)。
【0090】
実施形態A3.第1のコイルブラケット(107)及び第1のダンパ部材(111)は、同一の第1の平面内に並列配置を形成し、第2のコイルブラケット(109)及び第2のダンパ部材(112)は、同一の第2の平面内に並列配置を形成する、実施形態A1又はA2に記載のスピーカ装置(101)。
【0091】
実施形態A4.第1のダンパ部材(111)が少なくとも2つの弾性の第1のダンパ脚(111a,111b)を備え、第1のダンパ脚(111a,111b)の各々が第1のコイルブラケット(107)を第1のフレーム部分(102a)に接続し、第2のダンパ部材(112)が少なくとも2つの弾性の第2のダンパ脚(112a,112b)を備え、第2のダンパ脚(112a,112b)の各々が第2のコイルブラケット(109)を第2のフレーム部分(102b)に接続する、実施形態A1からA3のいずれかに記載のスピーカ装置(101)。
【0092】
実施形態A5.第1及び第2のフレーム部分(102a,102b)、第1及び第2のダンパ部材(111,112)、並びに第1及び第2のコイルブラケット(107,109)が、各々1つ以上の壁を備え、各壁が0.3mm~5mmの壁厚を有する、実施形態A1からA4のいずれかに記載のスピーカ装置(101)。
【0093】
実施形態A6.第1及び第2のダンパ部材(111,112)の各々の1つ以上の壁が0.3mmの最小壁厚を有する、実施形態A5に記載のスピーカ装置(101)。
【0094】
実施形態A7.第1及び第2のフレーム部分(102a,102b)の1つ以上の壁、及び第1及び第2のコイルブラケット(107,109)の各々の1つ以上の壁は、5mmの最大壁厚を有する、実施形態A5又はA6に記載のスピーカ装置(101)。
【0095】
実施形態A8.第1のダンパ部材(111)と第1のフレーム部分(102a)との間で延在する第1のダンパ支持部分(113)と、第2のダンパ部材(112)と第2のフレーム部分(102b)との間で延在する第2のダンパ支持部分(114)とを更に備える、実施形態A1からA7のいずれかに記載のスピーカ装置(101)。
【0096】
実施形態A9.第1及び第2のフレーム部分(102a,102b)は各々が、第1及び第2のスピーカドライバ(105,106)の一部を受けるように各々が配置される複数のキャビティ(115)を備える、実施形態A1からA8のいずれかに記載のスピーカ装置(101)。
【0097】
実施形態A10.第1のスピーカドライバ(105)及び第2のスピーカドライバ(106)は、第1のダイアフラム(103)及び第2のダイアフラム(104)をそれぞれ互いに逆方向に駆動するように構成される、実施形態A1からA9のいずれかに記載のスピーカ装置(101)。
【0098】
実施形態B1.第1の側(201a)と離隔して対向する第2の側(201b)と、フレーム(202)と、第1のダイアフラム(203)と、第2のダイアフラム(204)とを備え、第1のダイアフラム(203)が第1の側(201a)でフレーム(202)に取り付けられ、第2のダイアフラム(204)が第2の側(201b)でフレーム(202)に取り付けられ、第1のダイアフラム(203)を駆動するように構成される第1のスピーカドライバ(205)と、第2のダイアフラム(204)を駆動するように構成される第2のスピーカドライバ(206)とを備え、第1のダイアフラム(203)と第2のダイアフラム(204)とが異なる形状を有する、スピーカ装置(201)。
【0099】
実施形態B2.第1のダイアフラム(203)が略平坦なダイアフラムであり、第2のダイアフラム(204)が凹状のダイアフラムである、実施形態B1に記載のスピーカ装置(201)。
【0100】
実施形態B3.第1のスピーカドライバ(205)に接続されてその支持のために第1のダイアフラム(203)に沿って延在する第1のダイアフラム支持部材(207)と、第2のスピーカドライバ(206)に接続されてその支持のために第2のダイアフラム(204)に沿って延在する第2のダイアフラム支持部材(208)とを更に備え、第1のダイアフラム支持部材(207)及び第2のダイアフラム支持部材(208)は、第1の側又は第2の側(201a,201b)と平行な平面内で測定される45°~90°の角度(α)で回転方向にオフセットされる、実施形態B1又はB2に記載のスピーカ装置(201)。
【0101】
実施形態B4.第1のダイアフラム支持部材(207)は、第1のダイアフラム(203)に沿って延在する1つ以上の凹状中央セクション(209)を備え、第2のダイアフラム支持部材(208)は、1つ以上の凹状中央セクション(209)に移動可能に受けられる、実施形態B3に記載のスピーカ装置(201)。
【0102】
実施形態B5.第2のダイアフラム支持部材(208)は、第1のダイアフラム支持部材(207)を移動可能に受けるための1つ以上の切り欠き(210)を備える、実施形態B3又はB4に記載のスピーカ装置(201)。
【0103】
実施形態B6.第1のスピーカドライバ(205)は、離隔した2つの移動可能な第1のドライバ部分(205a,205b)を備え、第1のダイアフラム支持部材(207)は、2つの第1のドライバ部分(205a,205b)間で延在し、第2のスピーカドライバ(206)は、離隔した2つの移動可能な第2のドライバ部分(206a,206b)を備え、第2のダイアフラム支持部材(208)は、2つの第2のドライバ部分(206a,206b)間で延在する、実施形態B3からB5のいずれか記載のスピーカ装置(201)。
【0104】
実施形態B7.第1のダイアフラム支持部材(207)と第2のダイアフラム支持部材(208)とが90°の角度(α)で回転方向にオフセットされる、実施形態B6に記載のスピーカ装置(201)。
【0105】
実施形態B8.第1のダイアフラムアセンブリ及び第2のダイアフラムアセンブリを更に備え、第1のダイアフラムアセンブリは、第1のダイアフラム(203)と、2つの移動可能な第1のドライバ部分(205a,205b)と、第1のダイアフラム支持部材(207)とを備え、第2のダイアフラムアセンブリは、第2のダイアフラム(204)と、2つの移動可能な第2のドライバ部分(206a,206b)と、第2のダイアフラム支持部材(208)とを備え、第1のダイアフラムアセンブリの重量は、第2のダイアフラムアセンブリの重量に実質的に等しい、実施形態B6又B7に記載のスピーカ装置(201)。
【0106】
実施形態B9.第2の側(201b)に配置される支持構造体(211)と、支持構造体(211)に取り付けられる二次スピーカ部材(212)とを更に備え、二次スピーカ部材(212)は、第2のダイアフラム(204)に離隔状態で隣り合って支持される、実施形態B1からB8のいずれかに記載のスピーカ装置(201)。
【0107】
実施形態B10.第2のダイアフラム(204)は、凹状空間を与える凹状ダイアフラムであり、二次スピーカ部材(212)は、少なくとも一部が凹状空間に配置される、実施形態B9に記載のスピーカ装置(201)。
【0108】
実施形態B11.支持構造体(211)は、第2のダイアフラム(204)の周囲で第2の側(201b)に沿って外周に取り付けられて二次スピーカ部材(212)に向かって延びる複数の支持脚(211a,211b)を備える、実施形態B9又はB10に記載のスピーカ装置(201)。
【0109】
実施形態B12.複数の支持脚(211a,211b)の各支持脚は、第2の側(201b)から離れるように突出するアーチ状セクションを備えるアーチ状支持脚である、実施形態B11に記載のスピーカ装置(201)。
【0110】
実施形態B13.第1のスピーカドライバ(205)と第2のスピーカドライバ(206)とが同一平面内に配置される、実施形態B1からB12のいずれかに記載のスピーカ装置(201)。
【0111】
実施形態C1.第1のフレーム側(302a)と、離隔して対向する第2のフレーム側(302b)とを有するフレーム(302)を備えるスピーカ装置(301)であって、第1のダイアフラム(303)が、第1のフレーム側(302a)でフレーム(302)に取り付けられ、対向する第2のダイアフラム(304)が、第2のフレーム側(302b)でフレーム(302)に取り付けられ、第1のダイアフラム(303)を駆動するように構成される第1のスピーカドライバ(305)と、第2のダイアフラム(304)を駆動するように構成される第2のスピーカドライバ(306)と、第1及び第2のスピーカドライバ(305,306)に電気的に接続されるプリント回路基板(307)、PCBとを備え、PCB(307)は、スピーカ装置(301)を外部装置に接続するための1つ以上の位置(308)を与え、フレーム(302)の第1のフレーム側(302a)及び/又は第2のフレーム側(302b)がPCB(307)を備える、スピーカ装置(301)。
【0112】
実施形態C2.PCB(307)は、センサ電子機器及び/又は集積チップを備える、実施形態C1に記載のスピーカ装置(301)。
【0113】
実施形態C3.センサ電子機器及び/又は集積チップは、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、近接センサ、マイクロフォン、周波数フィルタリング要素、マイクロプロセッサ、気圧計、温度計、空気湿度センサのうちの少なくとも1つを備える、実施形態C2に記載のスピーカ装置(301)。
【0114】
実施形態C4.PCB(307)は、FR-2、FR-4、及び/又は金属から形成される、実施形態C1からC3のいずれかに記載のスピーカ装置(301)。
【0115】
実施形態C5.PCB(307)が複数の層を備える、実施形態C1からC4のいずれかに記載のスピーカ装置(301)。
【0116】
実施形態C6.PCB(307)は、第1のフレーム側(302a)及び/又は第2のフレーム側(302b)と一体に形成される、実施形態C1からC5のいずれかに記載のスピーカ装置(301)。
【0117】
実施形態C7.PCB(307)は、第1及び/又は第2のフレーム側(302a,302b)に機械的に結合される、実施形態C1からC5のいずれかに記載のスピーカ装置(301)。
【0118】
実施形態C8.PCB(307)は、第1及び/又は第2のフレーム側(302a,302b)に化学的に結合される、実施形態C1からC5のいずれかに記載のスピーカ装置(301)。
【0119】
実施形態C9.PCB(7b)は、1つ以上の外部スピーカをPCB(307)に電気的に接続するための1つ以上の更なる位置(309)を与える、実施形態C1からC8のいずれかに記載のスピーカ装置(301)。
【0120】
実施形態C10.PCB(307)は、第1のフレーム側(302a)に第1のPCB部分(307a)を備え、第2のフレーム側(302b)に第2のPCB部分(307b)を備え、第1及び第2のPCB部分(307a,307b)がフレーム(302)に沿って電気的に接続される、実施形態C1からC9のいずれかに記載のスピーカ装置(301)。
【0121】
実施形態C11.PCB(307)は、第1及び/又は第2のダイアフラム(303,304)が貫通して延在する1つ以上の開口(310a,310b)を備える、実施形態C1からC10のいずれかに記載のスピーカ装置(301)。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカ装置(101,201,301)であって、
フレーム(102,202,302)と、第1のダイアフラム(103,203,303)と、第2のダイアフラム(104,204,304)とを備え、前記フレーム(102,202,302)は、前記第1のダイアフラム(103,203,303)が取り付けられる第1のフレーム部分(102a,202a)と、前記第2のダイアフラム(104,204,304)が取り付けられる対向する第2のフレーム部分(102b,202b)とを備え、
前記第1のダイアフラム(103,203,303)を駆動するように構成される第1のスピーカドライバ(105,205,305)と、前記第2のダイアフラム(104,204,304)を駆動するように構成される第2のスピーカドライバ(106,206,306)とを備え、
前記第1のスピーカドライバ(105,205,305)は、移動可能な第1のコイルブラケット(107)と、前記第1のダイアフラム(103,203,303)及び前記第1のコイルブラケット(107)に接続される第1のダイアフラム接続部材(108)とを備え、
前記第2のスピーカドライバ(106,206,306)は、移動可能な第2のコイルブラケット(109)と、前記第2のダイアフラム(104,204,304)及び前記第2のコイルブラケット(109)に接続される第2のダイアフラム接続部材(110)とを備え、
前記第1のコイルブラケット(107)を前記第1のフレーム部分(102a,202a)に接続する弾性を有する第1のダンパ部材(111)と、前記第2のコイルブラケット(109)を前記第2のフレーム部分(102b,202b)に接続する弾性を有する第2のダンパ部材(112)とを備え、
前記第1のフレーム部分(102a,202a)、前記第1のコイルブラケット(107)、及び前記第1のダンパ部材(111)は、第1のシングルピース一体形成単一部品を形成し、
前記第2のフレーム部分(102b,202b)、前記第2のコイルブラケット(109)、及び前記第2のダンパ部材(112)は、第2のシングルピース一体形成単一部品を形成する、
スピーカ装置(101,201,301)。
【請求項2】
前記第1及び第2のダンパ部材(111,112)の各々が、前記第1及び第2のフレーム部分(102a,102b)のそれぞれの厚さよりも小さい厚さを有する、
請求項1に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項3】
前記第1のコイルブラケット(107)及び前記第1のダンパ部材(111)は、同一の第1の平面内に並列配置を形成し、前記第2のコイルブラケット(109)及び前記第2のダンパ部材(112)は、同一の第2の平面内に並列配置を形成する、
請求項
1に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項4】
前記第1のダンパ部材(111)が少なくとも2つの弾性の第1のダンパ脚(111a,111b)を備え、前記第1のダンパ脚(111a,111b)の各々が前記第1のコイルブラケット(107)を前記第1のフレーム部分(102a)に接続し、前記第2のダンパ部材(112)が少なくとも2つの弾性の第2のダンパ脚(112a,112b)を備え、前記第2のダンパ脚(112a,112b)の各々が前記第2のコイルブラケット(109)を前記第2のフレーム部分(102b)に接続する、
請求項
1に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項5】
前記第1及び第2のフレーム部分(102a,102b)、前記第1及び第2のダンパ部材(111,112)、並びに前記第1及び第2のコイルブラケット(107,109)の各々が1つ以上の壁を備え、各壁が0.3mm~5mmの壁厚を有する、
請求項
1に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項6】
前記第1及び第2のダンパ部材(111,112)の各々の前記1つ以上の壁が0.3mmの最小壁厚を有する、
請求項5に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項7】
前記第1及び第2のフレーム部分(102a,102b)の1つ以上の壁、及び前記第1及び第2のコイルブラケット(107,109)の各々の1つ以上の壁は、5mmの最大壁厚を有する、
請求項
5に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項8】
前記第1のダンパ部材(111)と前記第1のフレーム部分(102a)との間で延在する第1のダンパ支持部分(113)と、
前記第2のダンパ部材(112)と前記第2のフレーム部分(102b)との間で延在する第2のダンパ支持部分(114)と、
を更に備える、
請求項
1に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項9】
前記第1及び第2のフレーム部分(102a,102b)の各々が、前記第1及び第2のスピーカドライバ(105,106)の一部を受けるように各々が配置される複数のキャビティ(115)を備える、
請求項
1に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項10】
前記第1のスピーカドライバ(105)及び前記第2のスピーカドライバ(106)は、前記第1のダイアフラム(103)及び前記第2のダイアフラム(104)をそれぞれ互いに逆方向に駆動するように構成される、
請求項
1に記載のスピーカ装置(101)。
【請求項11】
第1の側(201a)と、離隔して対向する第2の側(201b)とを備え、前記第1のダイアフラム(203)が前記第1の側(201a)で前記フレーム(202)に取り付けられ、前記第2のダイアフラム(204)が前記第2の側(201b)で前記フレーム(202)に取り付けられ、
前記第1のダイアフラム(203)と前記第2のダイアフラム(204)とが異なる形状を有する、
請求項
1に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項12】
前記第1のダイアフラム(203)が略平坦なダイアフラムであり、前記第2のダイアフラム(204)が凹状のダイアフラムである、
請求項11に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項13】
前記第1のスピーカドライバ(205)に接続されてその支持のために前記第1のダイアフラム(203)に沿って延在する第1のダイアフラム支持部材(207)と、前記第2のスピーカドライバ(206)に接続されてその支持のために前記第2のダイアフラム(204)に沿って延在する第2のダイアフラム支持部材(208)とを更に備え、前記第1のダイアフラム支持部材(207)及び前記第2のダイアフラム支持部材(208)は、前記第1の側又は前記第2の側(201a,201b)と平行な平面内で測定される45°~90°の角度(α)で回転方向にオフセットされる、
請求項1
1に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項14】
前記第1のダイアフラム支持部材(207)は、前記第1のダイアフラム(203)に沿って延在する1つ以上の凹状中央セクション(209)を備え、前記第2のダイアフラム支持部材(208)は、前記1つ以上の凹状中央セクション(209)に移動可能に受けられる、
請求項13に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項15】
前記第2のダイアフラム支持部材(208)は、前記第1のダイアフラム支持部材(207)を移動可能に受けるための1つ以上の切り欠き(210)を備える、
請求項1
3に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項16】
前記第1のスピーカドライバ(205)は、離隔した2つの移動可能な第1のドライバ部分(205a,205b)を備え、前記第1のダイアフラム支持部材(207)は、前記2つの第1のドライバ部分(205a,205b)間で延在し、前記第2のスピーカドライバ(206)は、離隔した2つの移動可能な第2のドライバ部分(206a,206b)を備え、前記第2のダイアフラム支持部材(208)は、前記2つの第2のドライバ部分(206a,206b)間で延在する、
請求項1
3に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項17】
前記第1のダイアフラム支持部材(207)と前記第2のダイアフラム支持部材(208)とが90°の角度(α)で回転方向にオフセットされる、
請求項16に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項18】
第1のダイアフラムアセンブリ及び第2のダイアフラムアセンブリを更に備え、
前記第1のダイアフラムアセンブリは、前記第1のダイアフラム(203)と、前記2つの移動可能な第1のドライバ部分(205a,205b)と、前記第1のダイアフラム支持部材(207)とを備え、
前記第2のダイアフラムアセンブリは、前記第2のダイアフラム(204)と、前記2つの移動可能な第2のドライバ部分(206a,206b)と、前記第2のダイアフラム支持部材(208)とを備え、
前記第1のダイアフラムアセンブリの重量は、前記第2のダイアフラムアセンブリの重量に実質的に等しい、
請求項1
6に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項19】
前記第2の側(201b)に配置される支持構造体(211)と、前記支持構造体(211)に取り付けられる二次スピーカ部材(212)とを更に備え、前記二次スピーカ部材(212)は、前記第2のダイアフラム(204)に離隔状態で隣り合って支持される、
請求項1
1に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項20】
前記第2のダイアフラム(204)は、凹状空間を与える凹状ダイアフラムであり、前記二次スピーカ部材(212)の少なくとも一部が前記凹状空間に配置される、
請求項19に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項21】
前記支持構造体(211)は、前記第2のダイアフラム(204)の周囲で前記第2の側(201b)に沿って外周に取り付けられて前記二次スピーカ部材(212)に向かって延びる複数の支持脚(211a,211b)を備える、
請求項1
9に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項22】
前記複数の支持脚(211a,211b)の各支持脚は、前記第2の側(201b)から離れるように突出するアーチ状セクションを備えるアーチ状支持脚である、
請求項21に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項23】
前記第1のスピーカドライバ(205)と前記第2のスピーカドライバ(206)とが同一平面内に配置される、
請求項1
1に記載のスピーカ装置(201)。
【請求項24】
前記フレーム(302)は、第1のフレーム側(302a)と、離隔して対向する第2のフレーム側(302b)とを有し、前記第1のダイアフラム(303)は、前記第1のフレーム側(302a)で前記フレーム(302)に取り付けられ、前記第2のダイアフラム(304)は、前記第2のフレーム側(302b)で前記フレーム(302)に取り付けられ、前記スピーカ装置(301)は、
前記第1及び第2のスピーカドライバ(305,306)に電気的に接続されるプリント回路基板(PCB)(307)を更に備え、前記PCB(307)は、前記スピーカ装置(301)を外部装置に接続するための1つ以上の位置(308)を与え、
前記フレーム(302)の前記第1のフレーム側(302a)及び/又は前記第2のフレーム側(302b)が前記PCB(307)を備える、
請求項1から23のいずれか一項に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項25】
前記PCB(307)は、センサ電子機器及び/又は集積チップを備える、
請求項24に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項26】
前記センサ電子機器及び/又は前記集積チップは、温度センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、近接センサ、マイクロフォン、周波数フィルタリング要素、マイクロプロセッサ、気圧計、温度計、空気湿度センサのうちの少なくとも1つを備える、
請求項25に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項27】
前記PCB(307)は、FR-2、FR-4、及び/又は金属から形成される、
請求項2
4に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項28】
前記PCB(307)が複数の層を備える、
請求項2
4に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項29】
前記PCB(307)は、前記第1のフレーム側(302a)及び/又は前記第2のフレーム側(302b)と一体に形成される、
請求項2
4に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項30】
前記PCB(307)は、前記第1及び/又は前記第2のフレーム側(302a,302b)に機械的に結合される、
請求項2
4に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項31】
前記PCB(307)は、前記第1及び/又は前記第2のフレーム側(302a,302b)に化学的に結合される、
請求項2
4に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項32】
前記PCB(7b)は、1つ以上の外部スピーカを前記PCB(307)に電気的に接続するための1つ以上の更なる位置(309)を与える、
請求項2
4に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項33】
前記PCB(307)は、前記第1のフレーム側(302a)に第1のPCB部分(307a)を備え、前記第2のフレーム側(302b)に第2のPCB部分(307b)を備え、前記第1及び第2のPCB部分(307a,307b)が前記フレーム(302)に沿って電気的に接続される、
請求項2
4に記載のスピーカ装置(301)。
【請求項34】
前記PCB(307)は、前記第1及び/又は前記第2のダイアフラム(303,304)が貫通して延在する1つ以上の開口(310a,310b)を備える、
請求項2
4に記載のスピーカ装置(301)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
先に述べたように、本発明のスピーカ装置101,201,301は、第1のダイアフラム103,203,303及び第2のダイアフラム104,204,304が異なる形状を有することを可能にし、それにより、スピーカ装置101,201,301に小さい又はコンパクトなプロファイルを提供しながら、良好な音域及び性能を可能にする。これは、
図4~
図6に照らして説明されたが、
図1~
図3及び
図7~
図11に示されたスピーカ装置101,
301の実施形態にも等しく当てはまる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
以上、本発明を、図面に示される幾つかの例示的な実施形態を参照して説明した。幾つかの部分又は特徴の変更及び代替の実装が可能であり、添付の特許請求の範囲に定義される保護の範囲に含まれる。また、前述したスピーカ装置101、スピーカ装置201及びスピーカ装置301の全ての機能が単一のスピーカ装置に統合されてもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】