(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】電解液及びそれを含む二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0569 20100101AFI20241003BHJP
H01M 10/0568 20100101ALI20241003BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20241003BHJP
【FI】
H01M10/0569
H01M10/0568
H01M10/052
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529120
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2023-05-16
(86)【国際出願番号】 KR2022017205
(87)【国際公開番号】W WO2024053778
(87)【国際公開日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0114069
(32)【優先日】2022-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ウェブサイトの掲載日:2021年11月9日 刊行物:Non-fluorinated non-solvating cosolvent enabling superior performance of lithium metal anode battery ウェブサイトのアドレス:https://doi.org/10.21203/rs.3.rs-971099/v1
(71)【出願人】
【識別番号】509329800
【氏名又は名称】ソウル大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】SEOUL NATIONAL UNIVERSITY R&DB FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100149892
【氏名又は名称】小川 弥生
(74)【代理人】
【識別番号】100185672
【氏名又は名称】池田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】イム・ジョンウ
(72)【発明者】
【氏名】ムン・ジュンヨプ
【テーマコード(参考)】
5H029
【Fターム(参考)】
5H029AJ05
5H029AK01
5H029AK02
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL07
5H029AL08
5H029AL11
5H029AL12
5H029AL18
5H029AM02
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM05
5H029AM07
(57)【要約】
本発明は、リチウム塩;第1溶媒;及び第2溶媒を含み、前記第1溶媒及び前記第2溶媒のカムレットタフトパラメータ(Kamlet-Taft parameter)のうち、ルイス塩基度(Lewis basicity)をそれぞれβ1及びβ2で表すと、前記β1は0.40以上であり、前記β2は0.20以下である電解液及びそれを含む二次電池に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウム塩と、
第1溶媒と、
第2溶媒と、を含み、
前記第1溶媒及び前記第2溶媒のカムレットタフトパラメータ(Kamlet-Taft parameter)のうち、ルイス塩基度(Lewis basicity)をそれぞれβ
1及びβ
2で表すと、
前記β
1は0.40以上であり、
前記β
2は0.20以下である、電解液。
【請求項2】
前記第1溶媒及び前記第2溶媒の体積比は、1:1~1:3である、請求項1に記載の電解液。
【請求項3】
前記β
1及び前記β
2の差(β
1-β
2)が0.30以上である、請求項1に記載の電解液。
【請求項4】
前記第1溶媒は、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、線状カーボネート系溶媒、環状カーボネート系溶媒、及びアミド系溶媒からなる群より選択された1種以上を含む、請求項1に記載の電解液。
【請求項5】
前記β
2が-0.25~0.20である、請求項1に記載の電解液。
【請求項6】
前記第2溶媒のカムレットタフトパラメータ(Kamlet-Taft parameter)のうち、溶媒の分極率を表す
値が0.15以上である溶媒を含む、請求項1に記載の電解液。
【請求項7】
前記第2溶媒のLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)エネルギー準位が-1.0eV超過~0eV未満である、請求項1に記載の電解液。
【請求項8】
前記第2溶媒は、フラン(furan)、アニソール(anisole)、エトキシベンゼン(ethoxybenzene)、1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,3-テトラフルオロプロピルエーテル(1,1,2,2-tetrafluoroethyl-2,2,3,3-tetrafluoropropylether)、1,2-ジフルオロベンゼン(1,2-difluorobenzene)、及びフルオロベンゼン(fluorobenzene)からなる群より選択された1種以上を含む、請求項1に記載の電解液。
【請求項9】
前記第2溶媒が非フッ化溶媒である、請求項1に記載の電解液。
【請求項10】
前記リチウム塩は、LiPF
6、LiAsF
6、LiFSI、LiTFSI、LiCF
3SO
3、LiN(CF
3SO
2)
2、LiBF
4、LiBF
6、LiSbF
6、LiN(C
2F
5SO
2)
2、及びLiSO
3CF
3からなる群より選択された1種以上を含む、請求項1に記載の電解液。
【請求項11】
前記電解液は、前記第1溶媒及び前記第2溶媒の総体積を基準として前記リチウム塩を1~8mol含む、請求項1に記載の電解液。
【請求項12】
負極、正極、前記正極及び負極の間に介在される分離膜、及び電解液を含み、
前記電解液が
リチウム塩と、
第1溶媒と、
第2溶媒と、を含み、
前記第1溶媒及び前記第2溶媒のカムレットタフトパラメータ(Kamlet-Taft parameter)のうち、ルイス塩基度(Lewis basicity)をそれぞれβ
1及びβ
2で表すと、
前記β
1は0.40以上であり、
前記β
2は0.20以下である、二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解液及びそれを含む二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
電気、電子、通信、及びコンピュータ産業が急速に発展するにつれて、高性能及び高安定性の二次電池に対する需要が急激に増加している。
【0003】
二次電池は、正極、負極、及び前記正極と負極の間に介在された分離膜を含む電極組立体が積層又は巻き取られた構造を有し、前記電極組立体が電池ケースに内蔵し、その内部に電解液が注入される。
【0004】
近年、高容量及び高エネルギー密度を有する二次電池を具現するために、負極活物質としてリチウム金属を使用するリチウム金属電池(Lithium Metal Battery;LMB)に対する多様な研究が進行されている。
【0005】
前記リチウム金属電池に使用されるリチウム金属を含む負極は、体積に対する又は質量に対する容量が大きな物質であるので、バッテリーの体積や重さを減らすに効率的な素材であり、還元電位がリチウム二次電池の負極素材のうち最も低いことにより高いバッテリー電圧が得られるという利点がある。
【0006】
しかし、前記リチウム金属電池は、リチウム金属の高い化学的/電気化学的反応性により電解質、不純物、及びリチウム塩などと容易に反応して電極表面に電気化学的活性を有しない固体電解質界面(solid electrolyte interphase、SEI)層を形成することができ、このような電気化学的活性を有しない固体電解質界面層は、局所上の電流密度差をもたらしてリチウム金属表面に樹脂状リチウム(lithium dendrite)を形成させることができる。また、前記樹脂状リチウムは、リチウム金属の電解液との接触面積を増やして反応性が大きくなるにつれて二次電池の安定性低下は勿論、二次電池の容量、クーロン効率、及び寿命特性を低下させる問題点を引き起こすことができる。
【0007】
それに対する解決策として、充放電の序盤に前記リチウム金属を含む負極に電気化学的活性の強い固体電解質界面を形成しようとする努力が行われてきた。また、二次電池の性能を効率的に向上させるために、前記リチウム金属を含む負極表面に有機物基盤の界面よりは無機物基盤の固体電解質界面を形成しようとする試みが主流として定着することになり、それを用いて二次電池の性能をより向上させる研究が継続的に必要な実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国 公開特許 第2017-0028391号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Ditchfield、R et al.、The Journal of Chemical Physics 54、724-728(1971)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前述した従来技術の問題を解決するために考案されたものであって、第1溶媒及び第2溶媒を含む2種以上の共溶媒を含み、前記第1溶媒及び第2溶媒のカムレットタフトパラメータ(Kamlet-Taft parameter)のうち、ルイス塩基度(Lewis basicity)がそれぞれ特定値を満たすことで、電解液内でリチウムイオン(Li+)の周りにアニオンが存在する溶媒化環境を整えることができ、リチウム金属を含む負極に機械的に強い無機物基盤の固体電解質界面を形成することができ、さらに長期的な充放電でも二次電池の安定性を確保することができることは勿論、寿命特性を向上させ得る電解液の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、リチウム塩;第1溶媒;及び第2溶媒を含み、前記第1溶媒及び前記第2溶媒のカムレットタフトパラメータ(Kamlet-Taft parameter)のうち、ルイス塩基度(Lewis basicity)をそれぞれβ1及びβ2で表すと、前記β1は0.40以上であり、前記β2は0.20以下である、電解液を提供する。
【0012】
本発明の他の一実施形態によれば、負極、正極、前記正極及び負極の間に介在される分離膜、及び電解液を含み、前記電解液がリチウム塩;第1溶媒;及び第2溶媒を含み、前記第1溶媒及び前記第2溶媒のカムレットタフトパラメータ(Kamlet-Taft parameter)のうち、ルイス塩基度(Lewis basicity)をそれぞれβ1及びβ2で表すと、前記β1は0.40以上であり、前記β2は0.20以下である、二次電池を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る電解液は、リチウム金属を含む負極に電気化学的活性の強い無機物基盤の固体電解質界面を形成させることができるので、二次電池の充放電時に大きな体積変化にも前記固体電解質界面の脱離を最小化することができ、それにより負極の安定性をより強化させて、長期的に安定した負極の作動が可能にできる。
【0014】
それとともに、本発明に係る二次電池は、前記特性を有する電解液を含むことで、寿命特性をより向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、具現例を介して発明を詳しく説明する。具現例は、後述する内容に限定されるものではなく、発明の要旨が変更されない限り、多様な形態に変形されてよい。
【0016】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とすると、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでよいことを意味する。
【0017】
また、本明細書に記載された構成要素の物性値、寸法などを示す全ての数値範囲は、特に記載がない限り、全ての場合に「略」という用語で修飾されると理解しなければならない。
【0018】
[電解液]
本発明の一実施形態による電解液は、リチウム塩;第1溶媒;及び第2溶媒を含み、前記第1溶媒及び前記第2溶媒のカムレットタフトパラメータ(Kamlet-Taft parameter)のうち、ルイス塩基度(Lewis basicity)をそれぞれβ1及びβ2で表すと、前記β1は0.40以上であり、前記β2は0.20以下である。
【0019】
通常、電解液は、正極と負極の間にリチウムイオン(Li+)の移動を可能にする媒介体としてリチウムイオンの可逆的な充放電を可能にする。また、前記電解液は、正極と負極に直接接触されることでそれによる化学反応が起きるので、電解液の選択は、正極と負極の表面安定化に重要な変数となり、二次電池の性能に重要な影響を与えることができる。
【0020】
このような電解液は、リチウムイオン(Li+)が移動できる通路の役割を果たすリチウム塩、及びこのようなリチウム塩を溶解するか解離してイオンがよく移動できるように助ける溶媒を含む。この際、前記電解液の内部でリチウムイオン(Li+)の周りを溶媒が囲んで溶媒化(solvation)をなすようになる。
【0021】
ここで、前記用語「溶媒化」とは、溶媒によりリチウム塩が溶解されてリチウムイオン(Li+)を形成し、引力により前記リチウムイオン(Li+)の周りを溶媒が囲む現象を意味する。
【0022】
それとは逆に、用語「非溶媒化」とは、前記電解液の内部で溶媒によりリチウム塩が溶解されず、リチウムイオン(Li+)との溶媒化が起きない現象を意味する。
【0023】
もし、前記電解液がリチウム塩をよく溶解させてリチウムイオン(Li+)の溶媒化をなす溶媒(例えば、第1溶媒)のみを含むと、リチウムイオン(Li+)の周りに有機物である溶媒を中心に溶媒化(solvation)されるので、弱い有機物基盤の固体電解質界面(solid electrolyte interphase、SEI)層が形成されるようになり、繰り返す充放電過程で割れやすくなる。このような過程で、固体電解質界面層は、局所上の電流密度差をもたらして負極表面に樹脂状リチウムを形成させ、充放電が繰り返すと、安定性を確保しにくいのみでなく、二次電池の寿命特性を向上させることに限界がある可能性がある。
【0024】
本発明においては、第1溶媒及び第2溶媒を含む2種以上の混合溶媒を含み、前記第1溶媒及び前記第2溶媒のカムレットタフトパラメータのうち、ルイス塩基度を表すβ1及びβ2がそれぞれ特定の範囲を満たすことで、電解液内でリチウムイオン(Li+)の溶媒化程度を制御することができ、リチウム金属を含む負極に電気化学的活性の強い無機物基盤の固体電解質界面を形成することができ、さらに長期的な充放電でも二次電池の安定性を確保できることは勿論、寿命特性を向上させることができ、具体的には、二次電池の1番目サイクルでの放電容量に対する特定のサイクルでの放電容量の割合、及び0.2C充放電で特定のサイクル以上持続するなどの優れた寿命特性を有する。
【0025】
具体的には、本発明の電解液において、前記β1が0.4以上を満たす第1溶媒を含むことで、リチウム塩をよく溶解させてリチウムイオン(Li+)の円滑な移動が容易になり、前記β2が0.2以下を満たす第2溶媒を含むことで、前記第2溶媒が前記第1溶媒の共溶媒(cosolvent)として作用してリチウムイオン(Li+)の溶媒化をより安定化させることで、機械的に強い無機物基盤の安定した固体電解質界面層を作製することができ、負極表面の樹脂状リチウムの形成を最小化させることで、安定した充放電を助けることができる。この場合、負極、特にリチウム金属を含む負極の安定性をより強化させることで、長期的な負極の作動が可能にできる。
【0026】
本発明の実施形態によれば、リチウムイオンの溶媒化程度を目的とする水準に達成するために、特定の水準のカムレットタフトパラメータのβ1及びβ2を有する第1溶媒及び第2溶媒を選別して使用することができる。
【0027】
前記カムレットタフトパラメータは、UV分光計を用いて溶媒内で特定の波長帯の光を照射して吸光波長の差により求めたパラメータである。
【0028】
前記カムレットタフトパラメータのうち、ルイス塩基度(β)は、例えば、UV分光計を用いて前記第1溶媒及び前記第2溶媒のそれぞれに4-ニトロアニリン(nitroaniline)及びN,N-ジエチル-4-ニトロアニリン(N,N-diethyl-4-nitroaniline)を投入して最大吸光波長(λmax)を用いて算出した塩基度であって、これはリチウムイオン(Li+)に対する前記第1溶媒及び第2溶媒の溶媒化程度を表す尺度になり得る。
【0029】
具体的には、前記電解液において、リチウムイオン(Li+)が電子を必要とするルイス酸(lewis acid)として作用し、前記第1溶媒及び第2溶媒が電子を与えるルイス塩基(lewis base)として作用するので、前記カムレットタフトパラメータを介して、前記第1溶媒及び第2溶媒がそれぞれ前記リチウムイオン(Li+)と結合する程度に応じて最大吸光波長の差が現われる可能性がある。したがって、このような最大吸光波長により前記第1溶媒及び第2溶媒がそれぞれ前記リチウムイオン(Li+)と結合する程度、すなわち、リチウムイオン(Li+)に対する溶媒化程度が分かる。
【0030】
本発明の一実施形態において、前記カムレットタフトパラメータのうち、ルイス塩基度は、例えば、Shimadzu UV-2600分光計を用いて、約300~500nm波長帯域で吸光度を測定して求めることができる。
【0031】
具体的には、前記カムレットタフトパラメータのうち、ルイス塩基度を測定しようとする溶媒(第1溶媒、第2溶媒)に、4-ニトロアニリン(nitroaniline)を約1X10-4M濃度になるように投入して最大吸光波長(λmax(4))を求め、N,N-ジエチル-4-ニトロアニリン(N,N-diethyl-4-nitroaniline)を1X10-4M濃度になるように投入して最大吸光波長(λmax(n))をそれぞれ求めることができる。
【0032】
その後、前記λmax(4)及びλmax(n)をそれぞれkK(kilokaiser、1kK=1000cm-1)単位に変換した後、下記式1-1及び1-2を用いてルイス塩基度(β)を求めることができる。
【0033】
[式1-1]
λmax(N)(kK)=λmax(n)(kK)X1.035+2.64
【0034】
前記式1-1において、
前記λmax(n)は、前記溶媒及びN,N-ジエチル-4-ニトロアニリン(N,N-diethyl-4-nitroaniline)の混合溶液1X10-4M濃度で測定した最大吸光波長(λmax(n))であり、
前記1.035及び2.64は、多様な種類の無極性溶媒に4-ニトロアニリン(nitroaniline)を約1X10-4M濃度になるように投入して最大吸光波長(λmax(4))を求め、N,N-ジエチル-4-ニトロアニリン(N,N-diethyl-4-nitroaniline)を1X10-4M濃度になるように投入して最大吸光波長(λmax(n))をそれぞれ求め、前記λmax(4)及びλmax(n)を一次線状近似(linear regression)して出た勾配とy-切片である。
【0035】
【0036】
前記式1-2において、
前記λmax(N)は、前記式1-1で定義したとおりであり、
前記λmax(4)は、前記溶媒及び4-ニトロアニリン(nitroaniline)の混合溶液1X10-4M濃度で測定した最大吸光波長(λmax(n))である。
【0037】
例えば、前記第1溶媒に4-ニトロアニリン及びN,N-ジエチル-4-ニトロアニリンをそれぞれ投入してそれぞれの最大吸光波長を求め、前記式1-1及び1-2を用いて第1溶媒のルイス塩基度(β1)を求めることができる。
【0038】
また、前記第2溶媒に4-ニトロアニリン(nitroaniline)及びN,N-ジエチル-4-ニトロアニリン(N,N-diethyl-4-nitroaniline)をそれぞれ投入してそれぞれの吸光波長を求め、前記式1-1及び1-2を用いて第2溶媒のルイス塩基度(β2)を求めることができる。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、前記カムレットタフトパラメータで前記第1溶媒のルイス塩基度を表すβ1が0.40以上であり、前記第2溶媒のルイス塩基度を表すβ2が0.20以下であって、ルイス塩基度が互いに異なる2種の混合溶媒を含むことで、リチウムイオンの周りにアニオンが分布する溶媒化環境造成が可能となり、それにより二次電池の性能、特に寿命特性をより向上させることができる。
【0040】
以下、本発明の電解液の各成分を具体的に説明する。
【0041】
リチウム塩
本発明の一実施形態による電解液は、リチウム塩を含んでよい。
前記リチウム塩は、リチウムイオン(Li+)が移動できる通路の役割を果たすことができる。
【0042】
前記リチウム塩は、本発明で特に限定しておらず、二次電池用電解液に通常使用可能なものであれば、制限なしに使用されてよい。
【0043】
具体的には、前記リチウム塩は、LiPF6、LiAsF6、LiFSI、LiTFSI、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiBF4、LiBF6、LiSbF6、LiN(C2F5SO2)2及びLiSO3CF3からなる群より選択された1種以上を含んでよい。より具体的には、前記リチウム塩は、LiPF6、LiAsF6、LiFSI、LiTFSI、及びLiBF4からなる群より選択された1種以上を含んでよい。前記リチウム塩を使用する場合、前記第1溶媒に容易に溶解及び解離され、イオンの移動、溶解度、及び化学的安定性がより向上することができる。
【0044】
具体的には、前記第1溶媒及び前記第2溶媒の総体積を基準として、例えば1~8mol、例えば1~7mol、例えば1~6mol、例えば1~5mol、例えば2~5mol、例えば1~4mol、例えば2~4mol、又は例えば1~3molであってよい。前記リチウム塩の濃度が前記範囲未満であると、二次電池の駆動に好適なイオン伝導度の確保が難しい可能性があり、前記リチウム塩の濃度が前記範囲を超えると、電解液の粘度が増加してリチウムイオン(Li+)の移動性が低下する可能性があり、リチウム塩自体の分解反応が増加して二次電池の性能を低下させる可能性がある。
【0045】
第1溶媒
本発明の一実施形態による電解液は、第1溶媒を含んでよい。
【0046】
前記第1溶媒は、前記リチウム塩をよく溶解させてリチウムイオン(Li+)が円滑に移動できるように誘導する役割を果たすことができる。
【0047】
本発明の一実施形態による電解液において、前記第1溶媒は、カムレットタフトペロミトのうち、ルイス塩基度を表すβ1が、例えば0.40以上、例えば0.45以上、例えば0.50以上、例えば0.55以上、又は例えば0.60以上であってよい。具体的には、前記β1は、例えば0.45以上~1.00以下、例えば0.50以上~1.00以下、例えば0.55以上~1.00未満、例えば0.55以上~0.90以下、例えば0.55以上~0.80以下、又は例えば0.55以上~0.75以下、又は例えば0.55以上~0.70以下であってよい。前記β1が前記範囲を満たすと、前記第1溶媒がリチウム塩をよく溶解させてリチウムイオン(Li+)の円滑な移動をより促進させることができる。
【0048】
前記第1溶媒は、例えば、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、線状カーボネート系溶媒、環状カーボネート系溶媒、及びアミド系溶媒からなる群より選択された1種以上を含んでよい。
【0049】
前記エーテル系溶媒は、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジメトキシエタン(例えば、1,2-ジメトキシエタン)、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルエチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、及び2-メチルテトラヒドロフランからなる群より選択された1種以上を含んでよいが、これに限定されるものではない。
【0050】
前記エステル系溶媒は、メチルアセテート、エチルアセテート、プロピルアセテート、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、γ-カプロラクトン、σ-バレロラクトン、及びε-カプロラクトンからなる群より選択された1種以上を含んでよいが、これに限定されるものではない。
【0051】
前記線状カーボネート系溶媒は、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、及びエチルプロピルカーボネート(EPC)からなる群より選択された1種以上を含んでよいが、これに限定されるものではない。
【0052】
また前記環状カーボネート系溶媒は、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2-ブチレンカーボネート、2,3-ブチレンカーボネート、1,2-ペンチレンカーボネート、2,3-ペンチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、及びこれらのハロゲン化物からなる群より選択された1種以上を含んでよいが、これに限定されるものではない。
【0053】
また、前記ハロゲン化物としては、例えば、フルオロエチレンカーボネート(FEC)などがあり、これに限定されるものではない。
【0054】
前記アミド系溶媒は、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、及びジメチルホルムアミド(DMF)からなる群より選択された1種以上を含んでよいが、これに限定されるものではない。
【0055】
前記電解液が前記第1溶媒を含むと、リチウム塩をよく溶解させてリチウムイオン(Li+)の円滑な移動をより促進させることができるので、二次電池の性能の向上に有利なことがある。
【0056】
第2溶媒
本発明の一実施形態による電解液は、第2溶媒を含んでよい。
【0057】
前記第2溶媒は、第1溶媒の共溶媒(cosolvent)として作用し、カムレットタフトパラメータが第1溶媒よりも小さくてリチウムイオン(Li+)の溶媒化区域(solvation sheath)から外れて第1溶媒の溶媒化区域を限定するので、リチウムイオン(Li+)の溶媒化にアニオンが参加できるようになる。そこで、機械的に強い無機物基盤の安定した固体電解質界面層を作製することができ、負極表面の樹脂状リチウムの形成を最小化することで、充放電が持続しても比較的安定したリチウム負極を維持させることができ、窮極的に、二次電池の性能をより向上させることができる。
【0058】
このような特性を有するために、前記第2溶媒としてカムレットタフトパラメータのうち、ルイス塩基度を表すβ2が特定値を有するように調節することが非常に重要なことがある。
【0059】
具体的には、前記電解液において、前記β2は、例えば0.20以下、例えば0.19以下、又は例えば0.18以下であってよい。具体的には、前記β2は、例えば-0.30以上~0.20以下、例えば-0.25以上~0.20以下、例えば-0.20以上~0.20以下、例えば-0.10以上~0.20以下、例えば0以上~0.20以下、例えば0超過~0.20以下、例えば0.01以上~0.20以下、例えば0.02以上~0.20以下、例えば0.10以上~0.20以下、例えば0.10以上~0.20以下、例えば0.12以上~0.19以下、又は例えば0.12以上~0.18以下であってよい。前記β2が前記数値範囲を満たすと、本発明で目的とする溶媒化構造を維持することができ、負極に機械的に強い無機物基盤の固体電解質界面を形成させることができるので、二次電池の充放電時に大きな体積変化にもかかわらず前記固体電解質界面の脱離を最小化することができ、それにより負極の安定性をより強化させることで、長期的に安定した負極の作動が可能にできる。
【0060】
また、前記β1及び前記β2の差(β1-β2)は、例えば0.30以上、例えば0.35以上、例えば0.40以上、例えば0.42以上、例えば0.43以上、又は例えば0.44以上であってよい。具体的には、前記β1及び前記β2の差(β1-β2)は、例えば0.30以上~1.00以下、例えば0.35以上~1.00以下、例えば0.40以上~1.00以下、例えば0.42以上~1.00以下、例えば0.44以上~1.00未満、例えば0.44以上~0.90以下、又は例えば0.44以上~0.87以下であってよい。前記β1及び前記β2の差(β1-β2)が前記範囲を満たすと、本発明で目的とする効果の具現により有利なことがある。
【0061】
一方、本発明の一実施形態によれば、前記第2溶媒のカムレットタフトパラメータのうち、溶媒の分極率を表す値が0.15以上であってよい。
【0062】
本発明の目的とする効果を有するために、前記第2溶媒は、双極子(dipole)状のカチオンとアニオンが主となっている電解質環境を安定化させ、電解液内で層分離なしによく混合しなければならないが、前記
値は、電解液内で前記第2溶媒の混合程度を判断する指標になり得る。
【0063】
前記
値は、UV分光計を用いて溶媒内で特定の波長帯、例えば、約400~700nm波長帯の光を照射し、最大吸光度を測定して求めることができる。
【0064】
例えば、溶媒(第2溶媒、水、テトラメチルシラン(TMS))に双性イオン(Zwitterionic)である染料(Reichardt’s dye)、(2,6-ジフェニル-4-(2,4,6-トリフェニル-1-ピリジニオ)フェノレート)(2,6-Diphenyl-4-(2,4,6-triphenyl-1-pyridinio)phenolate)を1X10
-4M濃度になるように投入し、各溶媒に対する最大吸光波長(λ
max)を求め、下記式2-1及び2-2を用いて溶媒の分極率
を求めることができる。
【0065】
【0066】
前記式2-1において、
λmaxは、溶媒、例えば、第2溶媒、水、又はテトラメチルシラン(TMS)に(2,6-ジフェニル-4-(2,4,6-トリフェニル-1-ピリジニオ)フェノレート)(2,6-Diphenyl-4-(2,4,6-triphenyl-1-pyridinio)phenolate)を1X10-4M濃度になるように投入するときの前記溶媒に対する最大吸光波長であり、前記28591は定数であって、プランク定数(h)、光の速度(c)、及びアボガドロ数(NA)の積による結果値である。これはET(30)がモル当たり電子遷移エネルギーを示すので、前記定数値を有するものである。
【0067】
【0068】
前記式2-2において、
ET(30、solvent)は、前記溶媒が第2溶媒である場合のET(30)であり、
ET(30、water)は、前記溶媒が水である場合のET(30)であり、
ET(30、TMS)は、前記溶媒がテトラメチルシラン(tetramethylsilane、TMS)である場合のET(30)である。
【0069】
本発明の実施形態によれば、前記第2溶媒の
値は、例えば0.15以上、例えば0.16以上、例えば0.15以上~1.00未満、例えば0.15以上~0.90以下、例えば0.15以上~0.80以下、例えば0.15以上~0.70以下、例えば0.15以上~0.60以下、例えば0.15以上~0.50以下、例えば0.15以上~0.40以下、例えば0.15以上~0.30以下、例えば0.15以上~0.25以下、又は例えば0.15以上~0.20以下であってよい。第2溶媒の
値が前記数値範囲を満たすと、前記第2溶媒が電解液内で層分離なしによく混合され得るので、本発明で目的とする効果を具現することができる。
【0070】
特に、本発明の実施形態によれば、前記第2溶媒が前記カムレットタフトパラメータのうち、ルイス塩基度を表すβ
2が0.20以下であり、前記溶媒の分極率を表す
値が0.15以上を満たすと、本発明で目的とする効果の具現により有利なことがある。
【0071】
一方、本発明のさらに他の実施形態によれば、前記第2溶媒のLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)エネルギー準位は、例えば-1.0eV超過~0eV未満、例えば-0.95eV以上~0eV未満、例えば-0.95eV以上~-0.01eV以下、例えば-0.95eV以上~-0.05eV以下、例えば-0.95eV以上~-0.08eV以下、例えば-0.95eV以上~-0.09eV以下、例えば-0.95eV以上~-0.10eV以下、例えば-0.95eV以上~-0.15eV以下、例えば-0.95eV以上~-0.16eV以下、例えば-0.95eV以上~-0.17eV以下、例えば-0.95eV以上~-0.18eV以下、例えば-0.95eV以上~-0.20eV以下、例えば-0.95eV以上~-0.30eV以下、例えば-0.95eV以上~-0.40eV以下、例えば-0.95eV以上~-0.50eV以下、又は例えば-0.90eV以上~-0.50eV以下であってよい。第2溶媒のLUMOエネルギー準位が前記数値範囲を満たすと、高いLUMOエネルギー準位により、持続的な充放電でも電解液内の溶媒量の減少なしに安定した電解液環境を維持することができる。
【0072】
前記第2溶媒のLUMOエネルギー準位は、Gaussian 16、Revision A.03プログラムを用いて、Ditchfield、R et al.、The Journal of Chemical Physics 54、724-728(1971)のように、extended gaussian type basis(基底)の計算により算出したエネルギー準位である。例えば、前記LUMOエネルギー準位は、前記プログラムを用いて密度汎関数理論(density-functional theory、DFT)のB3LYP/6-31G+(d、p)準位の理論、及びGrimme dispersion(D3BJ)とultrafine integrationにより算出したエネルギー準位である(Parr、R.G.&Yang、W.Density-functional theory of atoms and molecules(Oxford Univ.Press[u.a.]、1994).Frisch、M.J.et al.Gaussian 16 Rev.C.01.(2016))。
【0073】
前記第2溶媒は、例えば、フラン(furan)、アニソール(anisole)、エトキシベンゼン(ethoxybenzene)、1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,3-テトラフルオロプロピルエーテル(1,1,2,2-tetrafluoroethyl-2,2,3,3-tetrafluoropropyl ether)、1,2-ジフルオロベンゼン(1,2-difluorobenzene)、及びフルオロベンゼン(fluorobenzene)からなる群より選択された1種以上を含んでよい。
【0074】
本発明のさらに他の実施形態によれば、前記第2溶媒は、非フッ化溶媒であってよい。例えば、前記第2溶媒は、フラン(furan)、アニソール(anisole)、及びエトキシベンゼン(ethoxybenzene)からなる群より選択された1種以上を含んでよい。
【0075】
この場合、長期的な充放電環境でも、フッ化溶媒と同様にリチウムイオン(Li+)との溶媒化が起きないとともに(非溶媒化)、充放電の間に安定した電解液環境を維持することができ、特にリチウム金属を含む負極を使用する場合及び/又は前記負極を正極と結合して完全な二次電池として使用する場合に安定性を維持することができるので、二次電池の優れた性能を提供することができ、さらに費用効率の側面で利点がある。
【0076】
一方、本発明の一実施形態によれば、前記第1溶媒及び前記第2溶媒の含量を調節することで、最適の電解液環境を維持して二次電池の性能をより向上させることができる。
【0077】
具体的には、前記第2溶媒の量は、前記第1溶媒の量と同一であるかより多くてよい。
【0078】
より具体的には、前記第1溶媒及び前記第2溶媒の体積比は、例えば1:1~1:3、例えば1:1~1:2、例えば1:2~1:3、例えば1:1.5~1:2.5、又は例えば1:2であってよい。前記第1溶媒及び前記第2溶媒の体積比が前記範囲を満たすと、電解液の濃度を低くしつつリチウムイオン(Li+)の溶媒化程度を制御できるので、前記体積比を有する溶媒を二次電池に適用すると、本発明で目的とする安定した溶媒化構造を維持することができる。
【0079】
また、本発明の一実施形態によれば、前記第1溶媒は1種以上又は2種以上であり、前記第2溶媒は1種以上又は2種以上であってよい。具体的には、前記第1溶媒は1種からなり、前記第2溶媒は1種からなってよい。すなわち、電解液に含まれる溶媒の種類が2種以上、又は3種以上であってよく、具体的には、2種からなってよいが、これに限定されるものではない。
【0080】
[添加剤]
本発明の一実施形態による電解液は、添加剤を含んでよい。
【0081】
前記添加剤は、本発明の効果を阻害しない限り、通常使用される各種添加剤を含んでよく、所望の物性及び用途に合わせて含量を調節して多様に添加されてよい。
【0082】
具体的には、前記電解液は、硝酸系化合物をさらに含んでよい。一例として、硝酸リチウム(LiNO3)、硝酸カリウム(KNO3)、硝酸セシウム(CsNO3)、硝酸マグネシウム(MgNO3)、硝酸バリウム(BaNO3)、亜硝酸リチウム(LiNO2)、亜硝酸カリウム(KNO2)、及び亜硝酸セシウム(CsNO2)からなる群より選択された1種以上を含んでよい。
【0083】
その他にも、例えば、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチルカーボネート(VEC)、フッ化リチウム(LiF)、硫化リチウム(Li2Sx、2≦x≦8)、及び二フッ化リチウムホスフェート(LiPO2F2)などの添加剤をさらに含んでよい。
【0084】
前記添加剤は、前記電解液の総重量を基準として、例えば0重量%超過~30重量%、例えば1重量%~30重量%、又は例えば5重量%~20重量%で含んでよい。前記添加剤の含量が非常に多いと、二次電池の性能がむしろ低下する可能性がある。
【0085】
[二次電池]
本発明の一実施形態によれば、前記電解液を含む二次電池を提供することができる。
【0086】
前記二次電池は、負極、正極、前記正極及び負極の間に介在される分離膜、及び電解液を含み、前記電解液がリチウム塩;第1溶媒;及び第2溶媒を含み、前記第1溶媒及び前記第2溶媒のカムレットタフトパラメータ(Kamlet-Taft parameter)のうち、ルイス塩基度(Lewis basicity)をそれぞれβ1及びβ2で表すと、前記β1は0.40以上であり、前記β2が0.20以下であってよい。
【0087】
具体的には、前記正極は、正極集電体と前記正極集電体の片面又は両面に塗布された正極活物質を含んでよい。
【0088】
前記正極集電体は、正極活物質を支持し、前記二次電池に化学的変化を誘発することなく、高い導電性を有するものであれば、特に制限されるものではない。
【0089】
前記正極集電体は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、パラジウム、焼成炭素、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、銀などで表面処理したもの、アルミニウム-カドミウム合金などが使用されてよい。
【0090】
前記正極集電体は、それの表面に微細な凹凸を形成して正極活物質との結合力を強化させることができ、フィルム、シート、ホイル、メッシュ、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態を使用してよい。
【0091】
前記正極活物質は、正極活物質と選択的に導電材及びバインダーを含んでよい。
【0092】
前記正極活物質は、例えば、LiMn2O4、V2O5、LiCoO2、LiNiO2、LiFePO4、Li4Ti5O12、LiNixCoyMnzO2(x+y+z=1)及びLiNixCoyAlzO2(x+y+z=1)からなる群より選択された1種以上を含んでよい。
【0093】
前記導電材は、電気伝導性を向上させるためのものであって、二次電池で化学変化を引き起こさない電子伝導性物質であれば、特に制限なしに適用可能である。
【0094】
前記導電材は、例えば、カーボンブラック(carbon black)、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ、金属粉末、導電性金属酸化物、有機導電材などを使用してよく、現在導電材として市販の商品としては、アセチレンブラック系列(シェブロンケミカルコンパニー(Chevron Chemical Company)又はガルフオイルコンパニー(Gulf Oil Company)製品など)、ケッチェンブラック(Ketjen Black)EC系列(アルマックコンパニー(Armak Company)製品)、ブルカン(Vulcan)XC-72(キャボットコンパニー(Cabot Company)製品)、及びSUPER Pなどを含んでよい。
【0095】
また、前記正極活物質は、正極活物質を正極集電体に固定させ、活物質の間を繋ぐ機能を有するバインダーをさらに含んでよい。前記バインダーとして、例えば、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン(PVDF-co-HFP)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF、poly(vinylidene fluoride)、ポリアクリロニトリル(polyacrylonitrile)、ポリメチルメタクリレート(polymethyl methacrylate)、スチレン-ブタジエンゴム(styrene butadiene rubber、SBR)、カルボキシルメチルセルロース(carboxyl methyl cellulose、CMC)、ポリアクリル酸(poly(acrylic acid)、PAA)、ポリビニルアルコール(poly(vinyl alcohol)、PVA)などの多様な種類のバインダーが使用されてよい。
【0096】
一方、前記負極は、負極集電体及び前記負極集電体上に位置する負極活物質を含んでよい。又は、前記負極は、リチウム金属薄膜を含んでよい。
【0097】
前記負極集電体は、負極活物質の支持のためのものであって、優れた導電性を有して二次電池の電圧領域で電気化学的に安定したものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、パラジウム、焼成炭素、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、銀などで表面処理したもの、アルミニウム-カドミウム合金などが使用されてよい。
【0098】
前記負極集電体は、それの表面に微細な凹凸を形成して負極活物質との結合力を強化させることができ、フィルム、シート、ホイル、メッシュ、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの多様な形態を使用してよい。
【0099】
前記負極活物質は、リチウム(Li+)を可逆的に吸蔵(Intercalation)又は放出(Deintercalation)できる物質、リチウムイオンと反応して可逆的にリチウム含有化合物を形成できる物質、リチウム金属又はリチウム合金を含んでよい。
【0100】
前記リチウムイオン(Li+)を可逆的に吸蔵又は放出できる物質は、例えば、結晶質炭素、非晶質炭素、又はこれらの混合物であってよい。
【0101】
前記リチウムイオン(Li+)と反応して可逆的にリチウム含有化合物を形成できる物質は、例えば、酸化スズ、チタンナイトレート、又はシリコンであってよい。
【0102】
前記リチウム合金は、例えば、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、フランシウム(Fr)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ラジウム(Ra)、アルミニウム(Al)、及びスズ(Sn)からなる群より選択された1種以上を含む金属とリチウム(Li)の合金であってよい。
【0103】
具体的には、前記負極活物質は、リチウム金属であってよく、好ましくはリチウム金属薄膜又はリチウム金属粉末の形態であってよい。
【0104】
前記負極活物質の形成方法は特に制限されず、当業界で通常使用される層又は膜の形成方法を用いてよい。例えば、圧着、コーティング、又は蒸着などの方法を用いてよい。また、集電体にリチウム薄膜のない状態で電池を組み立てした後、初期充電により金属板上に金属リチウム薄膜が形成される場合も本発明の負極に含まれてよい。
【0105】
前記電解液は、リチウムイオンを含み、これを媒介として正極と負極で電気化学的な酸化又は還元反応を引き起こすためのものであって、前述したとおりである。
【0106】
前記電解液の注入は、最終製品の製造工程及び要求物性に応じて、電気化学素子の製造工程のうち適切な段階で行われてよい。すなわち、電気化学素子の組み立て前又は電気化学素子の組み立ての最終段階などで適用されてよい。
【0107】
一方、前記正極と負極の間には、さらに分離膜が含まれてよい。
【0108】
前記分離膜は、本発明の二次電池において、両電極を物理的に分離するためのものであって、通常リチウム二次電池において分離膜として使用されるものであれば、特に制限なしに使用可能であり、特に電解液のイオン移動に対して、低抵抗でありながら電解液含湿能力に優れたものが好ましい。
【0109】
前記分離膜は、多孔性基材からなってよく、前記多孔性基材は、通常電気化学素子に使用される多孔性基材であれば全て使用可能であり、例えば、ポリオレフィン系多孔性膜又は不織布を使用してよいが、これに特に限定されるものではない。
【0110】
前記ポリオレフィン系多孔性膜の例としては、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンのようなポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリペンテンなどのポリオレフィン系高分子をそれぞれ単独で又はこれらを混合した高分子で形成した膜(membrane)が挙げられる。
【0111】
前記不織布は、ポリオレフィン系不織布以外に、例えば、ポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate)、ポリブチレンテレフタレート(polybutyleneterephthalate)、ポリエステル(polyester)、ポリアセタール(polyacetal)、ポリアミド(polyamide)、ポリカーボネート(polycarbonate)、ポリイミド(polyimide)、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone)、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone)、ポリフェニレンオキサイド(polyphenyleneoxide)、ポリフェニレンスルフィド(polyphenylenesulfide)、及びポリエチレンナフタレート(polyethylenenaphthalate)などをそれぞれ単独で又はこれらを混合した高分子で形成した不織布を含んでよい。前記不織布の構造は、長繊維で構成されたスパンボンド不織布又はメルトブローン不織布であってよい。
【0112】
前記多孔性基材の厚さは特に制限されないが、1~100um又は5~50umであってよい。
【0113】
前記多孔性基材に存在する気孔の大きさ及び気孔度も特に制限されない。例えば、前記多孔性基材に存在する気孔の大きさは0.001~50umであってよく、気孔度は10~95%であってよい。
【0114】
本発明に係る二次電池は、一般的な工程である巻取(winding)以外にも、分離膜と電極の積層(lamination、stack)及び折り畳み(folding)工程が可能である。
【0115】
前記二次電池の形状は特に制限されず、円筒型、積層型、コイン型などの多様な形状を含んでよい。
【0116】
また、本発明の実施形態による二次電池は、0.2C-rateの充放電速度で120サイクル以上持続することができる。
【0117】
本発明の一実施形態による二次電池は、前記電解液を含むことで、二次電池の寿命特性を向上させることができる。
【0118】
[電池モジュール]
本発明の一実施形態によれば、前記二次電池を単位電池として含む電池モジュールを提供することができる。
【0119】
前記電池モジュールは、高温安定性、長いサイクル特性、及び高い容量特性などが求められる中大型デバイスの電源として使用することができる。
【0120】
前記中大型デバイスの例としては、電池的モータにより動力を受けて動くパワーツール(power tool);電気自動車(electric vehicle、EV)、ハイブリッド電気自動車(hybrid electric vehicle、HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(plug-in hybrid electric vehicle、PHEV)などを含む電気車;電気自転車(E-bike)、電気スクーター(E-scooter)を含む電気二輪車;電気ゴルフカート(electric golf cart);電力貯蔵用システムなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0121】
前記内容を下記実施例により詳細に説明する。ただし、下記実施例は、本発明を例示するためのものであるだけで、実施例の範囲がこれらのみに限定されるものではない。
【0122】
<実施例1>電解液及び二次電池の製造1
リチウム塩としてLiFSIを準備した。また、第1溶媒としてカムレットタフトパラメータ(Kamlet-Taft parameter)のうち、ルイス塩基度(Lewis basicity)を表すβ1が0.62である1,2-ジメトキシエタン(DME、1,2-dimethoxyethane)を準備し、第2溶媒としてカムレットタフトパラメータ(Kamlet-Taft parameter)のうち、ルイス塩基度(Lewis basicity)を表すβ2が0.18であるアニソール(anisole)をそれぞれ準備した。
【0123】
前記第1溶媒と前記第2溶媒を1:2の体積比で混合した混合溶媒を、前記混合溶媒の総体積(L)当たり3.0molのLiFSIと混合して電解液を製造した。
【0124】
二次電池の製造においては、厚さが90umであるLiFePO4電極を正極(LFP)とし、厚さが20umであるリチウム金属薄膜を負極(Li)として使用した。この際、前記正極(LFP)は、正極活物質としてLiFePO4、導電材としてSuper P、及びバインダーとしてポリビニリデンフルオライド(PVDF、poly(vinylidene fluoride)を93.5:4:2.5の重量比で混合してスラリーを作製した後、集電体として20umのアルミニウムホイル上にキャスティングした電極である。
【0125】
前記製造された正極と負極を対面するように位置させ、その間にポリエチレン分離膜を介在した後、前記電解液80ulを注入して二次電池を製造した。
【0126】
<実施例2>電解液及び二次電池の製造2
β2が0.17である第2溶媒を使用したこと以外は、実施例1と同一の方法で電解液及びそれを用いた二次電池を製造した。
【0127】
<実施例3>電解液及び二次電池の製造3
β2は、0.12である第2溶媒を使用し、前記第1溶媒と前記第2溶媒の混合溶媒の総体積(L)当たり1.0molのLiFSIを使用して混合したこと以外は、実施例1と同一の方法で電解液及びそれを用いた二次電池を製造した。
【0128】
<実施例4>電解液及び二次電池の製造4
β2が-0.25である第2溶媒を使用したこと以外は、実施例1と同一の方法で電解液及びそれを用いた二次電池を製造した。
【0129】
<実施例5>電解液及び二次電池の製造5
β2が0.02である第2溶媒を使用したこと以外は、実施例1と同一の方法で電解液及びそれを用いた二次電池を製造した。
【0130】
<実施例6>電解液及び二次電池の製造6
β2が0.04である第2溶媒を使用したこと以外は、実施例1と同一の方法で電解液及びそれを用いた二次電池を製造した。
【0131】
<実施例7>電解液及び二次電池の製造7
β2は0.12である第2溶媒を使用し、前記第1溶媒と前記第2溶媒の混合溶媒の総体積(L)当たり2.0molのLiFSIを使用して混合したこと以外は、実施例1と同一の方法で電解液及びそれを用いた二次電池を製造した。
【0132】
<比較例1>電解液及び二次電池の製造8
β2が0.55である第2溶媒を使用したこと以外は、実施例1と同一の方法で電解液及びそれを用いた二次電池を製造した。
【0133】
<比較例2>電解液及び二次電池の製造9
β1は0.18、β2は-0.25を有する第1溶媒及び第2溶媒を使用したこと以外は、実施例1と同一の方法で電解液及びそれを用いた二次電池を製造した。
【0134】
<実験例1>カムレットタフトパラメータ(Kamlet-Taft parameter)のうち、ルイス塩基度(Lewis basicity)(β(β1、β2)))
カムレットタフトパラメータ(Kamlet-Taft parameter)のうち、ルイス塩基度(Lewis basicity、(β(β1、β2))))は、Shimadzu UV-2600分光計を用いて、約300~500nmの波長帯域で吸光度を測定して求めた。
【0135】
具体的には、前記(β(β1、β2))値を測定しようとする溶媒(第1溶媒、第2溶媒)に、4-ニトロアニリン(nitroaniline)を1X10-4M濃度になるように投入して最大吸光波長(λmax(4))を求め、N,N-ジエチル-4-ニトロアニリン(N,N-diethyl-4-nitroaniline)を1X10-4M濃度になるように投入して最大吸光波長(λmax(n))をそれぞれ求めた。
【0136】
前記λmax(4)及びλmax(n)をそれぞれkK(kilokaiser、1kK=1000cm-1)単位に変換した後、下記式1-1及び1-2を用いてルイス塩基度(β(β1、β2))を求めた。
【0137】
[式1-1]
λmax(N)(kK)=λmax(n)(kK)X1.035+2.64
【0138】
前記式1-1において、
前記λmax(n)は、前記溶媒及びN,N-ジエチル-4-ニトロアニリン(N,N-diethyl-4-nitroaniline)の混合溶液1X10-4M濃度で測定した最大吸光波長(λmax(n))であり、前記1.035及び2.64は、多様な種類の無極性溶媒に4-ニトロアニリン(nitroaniline)を約1X10-4M濃度になるように投入して最大吸光波長(λmax(4))を求め、N,N-ジエチル-4-ニトロアニリン(N,N-diethyl-4-nitroaniline)を1X10-4M濃度になるように投入して最大吸光波長(λmax(n))をそれぞれ求め、前記λmax(4)及びλmax(n)を一次線状近似(linear regression)して出た勾配とy-切片である。
【0139】
【0140】
前記式1-2において、
前記λmax(N)は、前記式1-1で定義したとおりであり、前記λmax(4)は、前記溶媒及び4-ニトロアニリン(nitroaniline)の混合溶液1X10-4M濃度で測定した最大吸光波長(λmax(n))である。
【0141】
<実験例2>溶媒の分極率
カムレットタフトパラメータ(Kamlet-Taft parameter)のうち、溶媒の分極率
は、Shimadzu UV-2600分光計を用いて、約400~700nm波長帯域で吸光度を測定して求めた。
【0142】
具体的には、溶媒(第2溶媒、水、テトラメチルシラン(TMS))に双性イオン(Zwitterionic)である染料(Reichardt’s dye)、(2,6-ジフェニル-4-(2,4,6-トリフェニル-1-ピリジニオ)フェノレート)(2,6-Diphenyl-4-(2,4,6-triphenyl-1-pyridinio)phenolate)を1X10-4M濃度になるように投入し、各溶媒に対する最大吸光波長(λmax)をそれぞれ求めた。
【0143】
前記各溶媒に対する最大吸光波長(λ
max)を用いて、下記式2-1及び2-2を用いて溶媒の分極率
を求めた。
【0144】
[式2-1]
前記式2-1において、
λ
maxは、溶媒、例えば、第2溶媒、水、又はテトラメチルシラン(TMS)に(2,6-ジフェニル-4-(2,4,6-トリフェニル-1-ピリジニオ)フェノレート)(2,6-Diphenyl-4-(2,4,6-triphenyl-1-pyridinio)phenolate)を1X10
-4M濃度になるように投入するときの前記溶媒に対する最大吸光波長であり、
[式2-2]
前記式2-2において、
E
T(30、solvent)は、前記溶媒が第2溶媒である場合のE
T(30)であり、E
T(30、water)は、前記溶媒が水である場合のE
T(30)であり、E
T(30、TMS)は、前記溶媒がテトラメチルシラン(tetramethylsilane、TMS)である場合のE
T(30)である。
【0145】
<実験例3>LUMOエネルギー準位
LUMOエネルギー準位は、Gaussian 16、Revision A.03プログラムを用いて、密度汎関数理論(density-functional theory、DFT)のB3LYP/6-31G+(d、p)準位の理論、及びGrimme dispersion(D3BJ)とultrafine integrationにより算出したエネルギー準位である(Parr、R.G.&Yang、W.Density-functional theory of atoms and molecules(Oxford Univ.Press[u.a.]、1994).Frisch、M.J.et al.Gaussian 16 Rev.C.01.(2016))。
【0146】
<実験例4>二次電池の充放電及び寿命(サイクル)特性の評価
実施例1~7、比較例1及び2による二次電池をそれぞれ5サイクルずつ順次に0.1C、0.25C、0.5C、0.75C、1C、2C、3Cで電圧が3.8Vまで充電し、同一のC-rateで2.0Vまで放電する方式で充放電速度の評価を進行した。
【0147】
実施後に高いC-rateで0.1Cに対する放電容量がどのくらい維持したかを電解液別に比べる方式で二次電池に対する充放電特性を評価し、下記[式A]で表される二次電池の寿命特性(%)を算出した:
[式A]
二次電池の寿命特性(%)=120番目サイクルでの放電容量/1番目サイクルでの放電容量X100(%)
前記評価例1~4で得た結果を下記表1に整理した。
【0148】
【0149】
前記表1で分かるように、第1溶媒のβ1が0.40以上であり、第2溶媒のβ2が0.20以下を満たす電解液が適用された実施例1~7の二次電池は、1番目サイクルでの放電容量に対する120番目サイクルでの放電容量の割合が殆ど85%以上であり、0.2C充放電で120サイクル以上持続して寿命特性に優れていることを確認した。
【0150】
それとは逆に、第1溶媒のβ1が0.40以上を満たしても、第2溶媒のβ2が0.55である電解液を適用した比較例1による二次電池の場合、LFPを用いたサイクリングが不可能であり、第2溶媒のβ2が0.20以下を満たしても、第1溶媒のβ1が0.18で低い電解質を適用した比較例2の場合、電解質の層分離によりフルセル(full cell)の製作自体が不可能となり、二次電池の性能分析が不可能であった。
【0151】
前記結果から、本発明の実施例1~7による電解液の場合、負極に電気化学的活性の強い無機物基盤の固体電解質界面が形成され、長期的に安定した負極の作動が可能となって、二次電池の性能を向上させることができることを確認した。
【国際調査報告】