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特表2024-536965エアロゾル生成装置及びエアロゾル生成装置を制御する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置及びエアロゾル生成装置を制御する方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/51 20200101AFI20241003BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20241003BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20241003BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20241003BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/465
A24F40/20
A24F40/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024501222
(86)(22)【出願日】2023-09-01
(85)【翻訳文提出日】2024-01-10
(86)【国際出願番号】 KR2023013103
(87)【国際公開番号】W WO2024053945
(87)【国際公開日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0112369
(32)【優先日】2022-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0006314
(32)【優先日】2023-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ファン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ヨン ポム
(72)【発明者】
【氏名】キム、トン スン
(72)【発明者】
【氏名】リム、フン イル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC12
4B162AC22
4B162AC34
4B162AC50
4B162AD06
4B162AD08
4B162AD12
4B162AD13
4B162AD15
4B162AD16
4B162AD18
4B162AD20
4B162AD23
(57)【要約】
エアロゾル生成装置は、サセプタを用いてエアロゾル生成装置に収容されたシガレットの誘導加熱を遂行するヒータアセンブリー、シガレットの挿入を感知する複数のシガレット感知チャネル及びエアロゾル生成装置外部の磁性体の接近を感知するエラー感知チャネルを含む複数のインダクタンス感知チャネルを備えたシガレット感知部、及びエラー感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化に対するシガレット感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化の程度に基づいてエアロゾル生成装置にシガレットが挿入されたか否か、あるいはエアロゾル生成装置外部に磁性体が接近したか否かを判断する制御部を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
サセプタを用いて前記エアロゾル生成装置に収容されたシガレットの誘導加熱を遂行するヒータアセンブリーと、
前記シガレットの挿入を感知する複数のシガレット感知チャネル及び前記エアロゾル生成装置外部の磁性体の接近を感知するエラー感知チャネルを含む複数のインダクタンス感知チャネルを備えたシガレット感知部と、
前記エラー感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化に対する前記シガレット感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化の程度に基づき、前記エアロゾル生成装置に前記シガレットが挿入されたか否か、あるいは前記エアロゾル生成装置外部に前記磁性体が接近したか否かを判断する制御部と、を含む、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記シガレット感知チャネルそれぞれによって感知されたインダクタンス変化と前記エラー感知チャネルによって感知された前記インダクタンス変化との違いの程度に基づいて前記判断を遂行する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記複数のシガレット感知チャネルは、第1シガレット感知チャネル及び第2シガレット感知チャネルを含み、
前記制御部は、
前記第1シガレット感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化と前記エラー感知チャネルによって感知された前記インダクタンス変化との第1の違い、及び前記第2シガレット感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化と前記エラー感知チャネルによって感知された前記インダクタンス変化との第2の違いの和を所定しきい値を比較することにより、前記判断を遂行する、請求項2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1の違い及び前記第2の違いの前記和が前記所定しきい値以上である場合、前記エアロゾル生成装置内に前記シガレットが挿入されたと決定し、
前記第1の違い及び前記第2の違いを合わせた値が前記所定しきい値未満である場合、前記エアロゾル生成装置外部に前記磁性体が接近したと決定する、請求項3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記複数のインダクタンス感知チャネルは、
前記サセプタの長手方向に沿って前記サセプタの外側に一列に配置される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記エラー感知チャネルは、
前記シガレット感知チャネル間に配置され、前記サセプタの長さより短い、請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記エラー感知チャネルは、
前記サセプタの遮蔽によって前記サセプタ内側でのインダクタンス変化の感知が遮断され、前記サセプタ外側での前記磁性体の接近によってもたらされたインダクタンス変化を感知する、請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記シガレット感知チャネルは、長手方向に前記サセプタより延びるように配置され、
前記シガレット感知チャネルそれぞれは、前記シガレットが挿入された場合、前記挿入されたシガレット内に含まれた電磁気誘導体によってもたらされたインダクタンス変化を感知する、請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記エアロゾル生成装置に前記シガレットが挿入されたと判断された場合、前記シガレットの前記誘導加熱を開始するように前記ヒータアセンブリーを制御し、
前記エアロゾル生成装置外部に前記磁性体が接近したと判断された場合、前記誘導加熱が開始されないように防止する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
エアロゾル生成装置において、
前記エアロゾル生成装置に収容されたシガレットを加熱するヒータアセンブリーと、
前記ヒータアセンブリーの外側に配置されて可変磁場を遮断する遮蔽材と、
前記シガレットの挿入を感知する複数のシガレット感知チャネル及び前記エアロゾル生成装置外部の磁性体の接近を感知するエラー感知チャネルを含む複数のインダクタンス感知チャネルを備えたシガレット感知部と、
前記エラー感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化に対する前記シガレット感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化の程度に基づき、前記エアロゾル生成装置に前記シガレットが挿入されたか否か、あるいは前記エアロゾル生成装置外部に前記磁性体が接近したか否かを判断する制御部と、を含む、エアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記シガレット感知チャネルそれぞれによって感知されたインダクタンス変化と前記エラー感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化との違いの程度に基づいて前記判断を遂行する、請求項10に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
前記複数のインダクタンス感知チャネルは、前記エアロゾル生成装置の長手方向に沿って一列に配置され、
前記エラー感知チャネルの内側には、前記遮蔽材が配置され、
前記シガレット感知チャネルそれぞれは、長手方向に前記遮蔽材より延びるように配置されて前記シガレット内に含まれた電磁気誘導体によってもたらされたインダクタンス変化を感知する、請求項10に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項13】
エアロゾル生成装置を制御する方法において、
前記エアロゾル生成装置内のシガレットの挿入を感知する複数のシガレット感知チャネル及び前記エアロゾル生成装置外部の磁性体の接近を感知するエラー感知チャネルを含む複数のインダクタンス感知チャネルを備えたシガレット感知部によってインダクタンス変化を感知する段階と、
前記エラー感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化に対する前記シガレット感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化の程度に基づき、前記エアロゾル生成装置に前記シガレットが挿入されたか否か、あるいは前記エアロゾル生成装置外部に前記磁性体が接近したか否かを判断する段階と、を含む、方法。
【請求項14】
前記判断する段階は、
前記シガレット感知チャネルそれぞれによって感知されたインダクタンス変化と前記エラー感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化との違いに基づいて前記判断を遂行する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記エアロゾル生成装置に前記シガレットが挿入されたと判断された場合、前記シガレットの誘導加熱を開始するように、ヒータアセンブリーを制御する段階をさらに含み、
前記エアロゾル生成装置外部に前記磁性体が接近したと判断された場合、前記誘導加熱は開始されない、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置及びエアロゾル生成装置を制御する方法に係り、さらに詳細には、シガレットの挿入を認識してヒータの加熱を制御するエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、エアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成される方法に係わる需要が増加している。これにより、加熱式エアロゾル生成装置に対する研究が活発に進められている。一方、エアロゾル生成装置の使用便宜性を増大させるために、エアロゾル生成装置でシガレットの挿入を正確に識別してヒータの加熱を活性化することが要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、外部の物体をシガレットと誤認識することによるエアロゾル生成装置の誤動作を防止するエアロゾル生成装置及びエアロゾル生成装置の制御方法を提供することである。
【0004】
本開示の技術的課題は、上述したところに限定されず、以下の実施例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一側面によるエアロゾル生成装置は、サセプタを用いて前記エアロゾル生成装置に収容されたシガレットの誘導加熱を遂行するヒータアセンブリー;前記シガレットの挿入を感知する複数のシガレット感知チャネル及び前記エアロゾル生成装置外部の磁性体の接近を感知するエラー感知チャネルを含む複数のインダクタンス感知チャネルを備えたシガレット感知部;及び前記エラー感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化に対する前記シガレット感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化の程度に基づき、前記エアロゾル生成装置に前記シガレットが挿入されたか否か、あるいは前記エアロゾル生成装置外部に前記磁性体が接近したか否かを判断する制御部を含む。
【0006】
他の側面によるエアロゾル生成装置は、前記エアロゾル生成装置に収容されたシガレットを加熱するヒータアセンブリー;前記ヒータアセンブリーの外側に配置されて可変磁場を遮断する遮蔽材;前記シガレットの挿入を感知する複数のシガレット感知チャネル及び前記エアロゾル生成装置外部の磁性体の接近を感知するエラー感知チャネルを含む複数のインダクタンス感知チャネルを備えたシガレット感知部;及び前記エラー感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化に対する前記シガレット感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化の程度に基づき、前記エアロゾル生成装置に前記シガレットが挿入されたか否か、あるいは前記エアロゾル生成装置外部に前記磁性体が接近したか否かを判断する制御部を含む。
【0007】
さらに他の側面によるエアロゾル生成装置を制御する方法は、前記エアロゾル生成装置内のシガレットの挿入を感知する複数のシガレット感知チャネル及び前記エアロゾル生成装置外部の磁性体の接近を感知するエラー感知チャネルを含む複数のインダクタンス感知チャネルを備えたシガレット感知部によって、インダクタンス変化を感知する段階;及び前記エラー感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化に対する前記シガレット感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化の程度に基づき、前記エアロゾル生成装置に前記シガレットが挿入されたか否か、あるいは前記エアロゾル生成装置外部に前記磁性体が接近したか否かを判断する段階を含む。
【発明の効果】
【0008】
前述したところによれば、複数のインダクタンス感知チャネルで測定されたインダクタンス変化の相関関係を用いてシガレットが挿入されたか否か、あるいは外部磁性体が接近したか否かを正確に判別し、シガレットが挿入された場合にのみ加熱動作が遂行されうる。これにより、シガレットではない外部物体が接近した場合には、ヒータ加熱を防止するので、エアロゾル生成装置の誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施例によるエアロゾル生成システムを示す図面である。
図2】一実施例によるエアロゾル生成物品を示す図面である。
図3】一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】一実施例によるシガレット感知部の配置を説明するための図面である。
図5】一実施例によるシガレット感知部のインダクタンス感知チャネルを説明するための図面である。
図6】一実施例によるシガレット感知部のインダクタンス感知チャネルがインダクタンス変化を感知する領域を説明するための図面である。
図7】一実施例によるシガレット感知部でシガレットの挿入を感知することを説明するための図面である。
図8】一実施例によるシガレットが挿入された場合、インダクタンス感知チャネルのインダクタンス変化を説明するための図面である。
図9】一実施例によるシガレット感知部でエアロゾル生成装置外部の磁性体の接近を感知することを説明するための図面である。
図10】一実施例によるエアロゾル生成装置外部の磁性体が接近した場合、インダクタンス感知チャネルのインダクタンス変化を説明するための図面である。
図11】他の実施例によるエアロゾル生成装置に備えられたシガレット感知部を説明するための図面である。
図12】一実施例によるエアロゾル生成装置を制御する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施例で使用される用語は、本実施例での機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当業者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該説明部分で詳細にその意味を記載する。したがって、本実施例で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本実施例の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0011】
明細書全体である部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「-部」、「-モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトによって具現されるか、あるいは、ハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0012】
本明細書で使用されたように、「少なくともいずれか1つの」のような表現が配列された構成要素の前に位置するとき、配列されたそれぞれの構成ではない全体構成要素を修飾する。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくとも1つ」という表現は、a、b、c、または、aとb、aとc、bとc、または、aとbとcを含むと解釈せねばならない。
【0013】
以下、添付図面に基づき、本実施例について本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本実施例は、様々な互いに異なる形態によって具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0014】
以下、図面に基づいて本実施例を詳細に説明する。
【0015】
図1は、一実施例によるエアロゾル生成システムを示す図面である。
【0016】
図1を参照すれば、エアロゾル生成システム1は、エアロゾル生成装置10及びシガレット20を含みうる。エアロゾル生成装置10は、シガレット20が挿入されるためのシガレット挿入空間(シガレット収容空間)である空洞160を含み、空洞160に挿入されたシガレット20を加熱してエアロゾルを生成させうる。シガレット20は、エアロゾル生成基質の一種であって、エアロゾル生成物質を含みうる。
【0017】
エアロゾル生成装置10は、バッテリ110、制御部120、サセプタ130、誘導コイル140及びシガレット感知部150を含みうる。しかし、エアロゾル生成装置10の内部構造及び配置は、図1に図示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置10の設計によって、図1に図示されたハードウェア構成のうち一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加され、各ハードウェア構成は、多様な配置によって具現されうるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0018】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置10の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ110は、誘導コイル140が可変磁場を発生させるように電力を供給することができる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置10内に備えられた他のハードウェア構成、例えば、制御部120、各種センサ、ユーザインターフェース、メモリなどの動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ110は、充電が可能なバッテリであるか、使い捨てバッテリでもある。例えば、バッテリ110は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリでもあるが、バッテリのタイプはそれに制限されない。
【0019】
制御部120は、エアロゾル生成装置10の全般的な動作を制御するハードウェアである。例えば、制御部120は、バッテリ110、サセプタ130、誘導コイル140及びシガレット感知部150だけではなく、エアロゾル生成装置10に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部120は、エアロゾル生成装置10の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置10が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0020】
制御部120は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイによって具現され、汎用的なマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによって具現されうる。また、プロセッサが他形態のハードウェアによっても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0021】
サセプタ130は、誘導コイル140によって誘導された可変磁場が印加されることによって加熱される物質を含みうる。例えば、サセプタ130は、金属または炭素を含みうる。サセプタ130は、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼(stainless steel)及びアルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つを含みうる。また、サセプタ130は、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(nickel alloy)、金属フィルム(metal film)、ジルコニア(zirconia)のようなセラミック、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)のような遷移金属、ホウ素(B)やリン(P)のような半金属のうち、少なくとも1つを含んでもよい。但し、それらに制限されるものではない。
【0022】
サセプタ130は、管状または、円筒状であり、シガレット20が挿入される空洞160を取り囲むように、サセプタ130の外側に配置されうる。したがって、シガレット20がエアロゾル生成装置10の空洞160に挿入されれば、サセプタ130は、シガレット20を取り囲むようにシガレット20の外側に配置されうる。これにより、サセプタ130から伝達される熱によってシガレット20内のエアロゾル生成物質の温度は、増加しうる。
【0023】
誘導コイル140は、バッテリ110から電力が供給されることにより、可変磁場を発生させうる。誘導コイル140によって発生した可変磁場は、サセプタ130に印加され、これにより、サセプタ130が加熱されうる。制御部120の制御によって誘導コイル140に供給される電力が調整され、サセプタ130が加熱される温度が適切に保持されうる。
【0024】
シガレット感知部150は、シガレット20が空洞160に挿入されたか否かを感知しうる。シガレット感知部150は、シガレット20の挿入及び抽出によって発生するインダクタンスの変化量を感知しうる。そのために、シガレット20は、電磁気誘導体210を含みうる。電磁気誘導体210は、シガレット感知部150によって感知されるインダクタンスを変化させうる。電磁気誘導体210は、渦電流(Eddy current)が誘導される伝導体及び磁束変化を発生させる磁性体などを含みうる。例えば、電磁気誘導体210は、金属物質、マグネチックインク、マグネチックテープなどを含みうる。また、電磁気誘導体210は、アルミニウムのような金属物質でもある。但し、それらに制限されるものではなく、電磁気誘導体210は、シガレット感知部150によって感知されるインダクタンスの変化を引き起こす物質を制限なしに含みうる。
【0025】
シガレット感知部150は、エアロゾル生成装置10内部または外部で発生するインダクタンス変化によって変わる周波数値を、インダクタンス出力値に変換して出力することができる。ここで、エアロゾル生成装置10内部または外部で発生するインダクタンス変化は、エアロゾル生成装置10内へのシガレット20の挿入及び抽出、またはエアロゾル生成装置10外部からの磁性体の接近によってもたらされうる。
【0026】
シガレット感知部150は、1つ以上の感知コイルを含み、各感知コイルは、インダクタンス感知チャネルに対応しうる。すなわち、シガレット感知部150は、1つ以上のインダクタンス感知チャネルを備えており、各インダクタンス感知チャネルは、エアロゾル生成装置10内部または外部で発生するインダクタンス変化を感知しうる。
【0027】
制御部120は、シガレット感知部150が出力したインダクタンス出力値に基づいてインダクタンスの変化量を計算し、インダクタンスの変化量に基づいてシガレット20の挿入及び抽出如何、またはエアロゾル生成装置10外部からの磁性体の接近如何を判断することができる。
【0028】
制御部120は、シガレット20の挿入を感知する場合、追加的な外部の入力なしにも自動的に加熱動作を遂行することができる。例えば、制御部120は、シガレット感知部150を用いてシガレット20が挿入されたと感知すれば、バッテリ110が誘導コイル140に電力を供給するように制御することができる。誘導コイル140によって可変磁場が発生することにより、サセプタ130が加熱されうる。したがって、サセプタ130内部に配置されるシガレット20が加熱され、エアロゾルが発生しうる。
【0029】
これと異なって、制御部120がシガレット20の挿入ではない、外部磁性体の接近を感知する場合には、加熱が開始されない。
【0030】
一方、エアロゾル生成装置10は、バッテリ110、制御部120、サセプタ130、誘導コイル140及びシガレット感知部150以外に汎用的な構成をさらに含みうる。例えば、エアロゾル生成装置10は、シガレット感知部150以外に他のセンサ(例えば、温度センサ、パフセンサなど)、ユーザインターフェースなどをさらに含みうる。
【0031】
図1には図示されていないが、ユーザインターフェースは、ユーザにエアロゾル生成装置10の状態に係わる情報を提供しうる。ユーザインターフェースは、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカー、及びユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)を含みうる。また、ユーザインターフェースは、データ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI、WI-FI Direct、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near-Field Communication)など)を遂行するための通信インターフェーシングモジュールなどの多様なインターフェーシング手段を含みうる。
【0032】
但し、エアロゾル生成装置10には、前記例示された多様なユーザインターフェース一部のみが取捨選択されて具現されうる。また、エアロゾル生成装置10には、前記例示された多様なユーザインターフェースのうち、少なくとも一部が組合わせられて具現されうる。例えば、エアロゾル生成装置10は、前面に視覚情報を出力しながらユーザ入力も受信可能なタッチスクリーンディスプレイを含みうる。タッチスクリーンディスプレイは、指紋センサを含み、指紋センサによってユーザ認証が遂行されうる。
【0033】
図1には図示されていないが、エアロゾル生成装置10は、別途のクレードルと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置10のバッテリ110の充電に用いられうる。または、クレードルとエアロゾル生成装置10が結合された状態で誘導コイル140が加熱されうる。
【0034】
図2は、一実施例によるエアロゾル生成物品を示す図面である。
【0035】
図2を参照すれば、エアロゾル生成物品200は、図1のシガレット20に該当する。エアロゾル生成物品200は、第1部分201、第2部分202、第3部分203、及び第4部分204に区分され、第1部分201、第2部分202、第3部分203、及び第4部分204は、それぞれエアロゾル生成要素、タバコ要素、冷却要素、及びフィルタ要素を含みうる。具体的に、第1部分201は、エアロゾル生成物質を含み、第2部分202は、タバコ物質及び保湿剤を含み、第3部分203は、第1部分201及び第2部分202を通過する気流を冷却させる手段を含み、第4部分204は、フィルタ物質を含みうる。
【0036】
第1部分201、第2部分202、第3部分203、及び第4部分204は、エアロゾル生成物品200の長手方向を基準に順次に整列されうる。ここで、エアロゾル生成物品200の長手方向は、エアロゾル生成物品200の長さが延びる方向である。例えば、エアロゾル生成物品200の長手方向は、第1部分201から第4部分204に向かう方向である。これにより、第1部分201及び第2部分202のうち、少なくとも1つで発生するエアロゾルが第1部分201、第2部分202、第3部分203、及び第4部分204を順次に通過して気流を形成し、これにより、ユーザは、第4部分204からエアロゾルを吸い込みうる。
【0037】
第1部分201は、エアロゾル生成要素を含みうる。第1部分201は、エアロゾル生成要素として、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含み、メントールまたは保湿剤などの加香液を含みうる。ここで、エアロゾル生成要素は、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含みうる。
【0038】
第1部分201は、巻縮されたシートを含み、エアロゾル生成要素は、巻縮されたシートに含浸された状態で第1部分201に含まれうる。また風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質及び加香液は、巻縮されたシートに吸収された状態で第1部分201に含まれうる。巻縮されたシートは、高分子素材で構成されたシートでもある。例えば、高分子素材は、紙、酢酸セルロース(cellulose acetate)、リヨセル(lyocell)、ポリ乳酸(polylactic acid)のうち、少なくとも1つを含みうる。例えば、巻縮されたシートは、高温に加熱されても熱による異臭が発生しない紙シートでもある。但し、それに制限されるものではない。
【0039】
第1部分201は、エアロゾル生成物品200の末端から約7~20mm地点まで延び、第2部分202は、第1部分201の終了地点から約7~20mm地点まで延びうる。但し、そのような数値範囲に必ずしも制限されるものではなく、第1部分201及び第2部分202それぞれの延びる長さは、通常の技術者が容易に変更可能な範囲で適切に調節されうる。
【0040】
第2部分202は、タバコ要素を含みうる。タバコ要素は、特定形態のタバコ物質でもある。例えば、タバコ要素は、刻みタバコ、タバコ粒子(particle)、タバコシート(sheet)、タバコビーズ(beads)、タバコ顆粒(granule)、タバコ粉末(powder)、またはタバコ抽出物の形態を有する。また、タバコ物質は、例えば、タバコ葉、タバコ葉脈、膨化タバコ、切断された刻みタバコ、板状葉刻みタバコ、及び再構成タバコのうち、1種以上を含みうる。
【0041】
第3部分203は、第1部分201及び第2部分202を通過する気流を冷却させる手段を含みうる。第3部分203は、高分子物質または生分解性高分子物質からなり、冷却機能を有する。例えば、第3部分203は、ポリ乳酸(PLA)繊維によって作製されうるが、それに限定されない。または、第3部分203は、複数の孔が形成された酢酸セルロースフィルタによっても作製される。しかし、第3部分203は、上述した例示に限定されず、エアロゾルが冷却する機能を遂行する物質は、制限なしにそれに該当しうる。例えば、第3部分203は、中空を含むチューブフィルタまたは紙管フィルタでもある。
【0042】
第4部分204は、フィルタ物質を含みうる。例えば、第4部分204は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、第4部分204の形状には、制限がない。例えば、第4部分204は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、第4部分204は、リセス状ロッドでもある。もし、第4部分204が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なくとも1つが異なる形状に作製されうる。
【0043】
第4部分204は、香味が発生するように作製されうる。一例として、第4部分204に加香液が噴射され、加香液が塗布された別途の繊維が第4部分204の内部に挿入されうる。
【0044】
エアロゾル生成物品200は、第1部分201ないし第4部分204のうち、少なくとも一部を覆い包むラッパ250を含みうる。また、エアロゾル生成物品200は、第1部分201ないし第4部分204全部を覆い包むラッパ250を含みうる。ラッパ250は、エアロゾル生成物品200の最外郭に位置され、ラッパ250は、単一ラッパでもあるが、複数枚のラッパの組合わせでもある。
【0045】
ラッパ250は、図1のシガレット感知部150を用いたシガレット感知のための電磁気誘導体210であって、熱伝導物質を含みうる。例えば、熱伝導物質は、銀箔紙(Ag)、アルミニウム箔紙(Al)、銅箔紙(Cu)のような金属箔でもあるが、それらに限定されない。ラッパ250に備えられた熱伝導物質は、第1部分201ないし第2部分202に伝達される熱を均一に分散させて熱伝導率を向上させ、これにより、タバコ味を向上させうる。また、ラッパ250に備えられた熱伝導物質は、サセプタとしての機能も可能である。
【0046】
ラッパ250の熱伝導物質は、シガレット感知部150のインダクタンスを変化させうる。シガレット感知部150で感知されたインダクタンス変化に基づき、エアロゾル生成装置(図1の10)は、エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置(図1の10)に挿入されたか、または抽出されたかを判断しうる。
【0047】
図3は、一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0048】
図3を参照すれば、エアロゾル生成装置10は、バッテリ110、制御部120、サセプタ130、誘導コイル140、シガレット感知部150及びメモリ170を含みうる。図3に図示されたエアロゾル生成装置10には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、図3に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置10にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。一方、図1で説明されたエアロゾル生成装置10の動作は、図3のエアロゾル生成装置10にもそのまま適用されうる。
【0049】
シガレット感知部150は、空洞(図1の160)にシガレット20が挿入/抽出如何、またはエアロゾル生成装置10の外部に磁性体が接近したか否かを感知する。
【0050】
具体的に、シガレット感知部150は、周囲のインダクタンスの変化を感知することができるインダクティブセンサ(inductivesensor)によって具現されうる。シガレット20が挿入または抽出された場合、シガレット20に提供された電磁気誘導体210及びインダクティブセンサとの距離によって変化するインダクタンス変化量がシガレット感知部150によって測定されうる。また、シガレット感知部150は、エアロゾル生成装置10外部に磁性体が接近しつつ変化されるインダクタンス変化量を測定することができる。これにより、シガレット感知部150は、シガレット20の挿入/抽出、または外部磁性体の接近によってもたらされるインダクタンス変化量に関するデータを制御部120に伝送しうる。
【0051】
制御部120は、シガレット感知部150から獲得されたインダクタンス変化量データに基づいてシガレット20の挿入/抽出如何、または外部磁性体の接近如何を判断する。
【0052】
シガレット感知部150についてさらに詳細に説明すれば、シガレット感知部150は、シガレット20の挿入を感知する複数のシガレット感知チャネル及びエアロゾル生成装置10外部の磁性体の接近を感知するエラー感知チャネルを含む複数のインダクタンス感知チャネルを備える。すなわち、シガレット感知部150は、独立してインダクタンス変化量を感知する複数のインダクティブセンサを含みうる。それぞれのインダクティブセンサは、シガレット感知部150のそれぞれのインダクタンス感知チャネルに該当する。
【0053】
シガレット感知部150が外部磁性体の接近を感知することができるエラー感知チャネルのようなインダクタンス感知チャネルを含まない場合、シガレット感知部150は、外部磁性体によってもたらされるインダクタンス変化を、シガレット20の挿入によってもたらされたと誤って感知しうる。これにより、ヒータアセンブリー310は、シガレット20がないにもかかわらず、加熱を開始することになり、エアロゾル生成装置10の故障が招かれる。これに対して、本実施例によるシガレット感知部150は、シガレット感知チャネル及びエラー感知チャネルのような独立したインダクタンス感知チャネルを別途に備えてエアロゾル生成装置10の異常加熱を防止することができる。
【0054】
インダクタンス感知チャネルには、エアロゾル生成装置10がエアロゾルを生成していない待機モードであっても、インダクタンス変化を直ちに感知するための電力が続けて供給されている。制御部120は、シガレット感知部150によってインダクタンス変化が感知された場合、エラー感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化に対するシガレット感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化の程度に基づいてエアロゾル生成装置10にシガレット20が挿入されたか否か、あるいはエアロゾル生成装置10外部に磁性体が接近したか否かを判断する。
【0055】
具体的に、制御部120は、シガレット感知チャネルそれぞれによって感知されたインダクタンス変化量とエラー感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化量との違いに基づいて判断を遂行することができる。例えば、制御部120は、第1シガレット感知チャネルによって感知された変化量とエラー感知チャネルによって感知された変化量との第1の違い、及び第2シガレット感知チャネルによって感知された変化量とエラー感知チャネルによって感知された変化量との第2の違いを合わせた値と所定しきい値を比較することにより、判断を遂行することができる。その結果、制御部120は、第1の違い及び第2の違いの和が所定しきい値以上である場合、エアロゾル生成装置10内にシガレット20が挿入されたと決定する。しかし、第1の違い及び第2の違いの和が所定しきい値未満である場合、制御部120は、シガレット20の挿入ではない、エアロゾル生成装置10外部に磁性体が接近したと決定する。
【0056】
制御部120は、エアロゾル生成装置10にシガレット20が挿入されたと判断された場合、シガレット20の誘導加熱を開始するようにヒータアセンブリー310を制御する。しかし、制御部120は、シガレット20の挿入ではない、エアロゾル生成装置10外部に磁性体が接近したと判断された場合、誘導加熱が開始されないように防止する。一方、制御部120は、シガレット20が抽出されたと判断した場合、ヒータアセンブリー310に供給されている電力を遮断することで加熱が終了するように制御することができる。
【0057】
ヒータアセンブリー310は、サセプタ130及び誘導コイル140を含み、エアロゾル生成装置10に収容されたシガレット20を誘導加熱するように配置されたサセプタ130を用いてエアロゾルを生成させる。この際、制御部120は、パルス幅変調(Pulse Width Modulation: PWM)方式などを介してヒータアセンブリー310に供給される電力を制御しうる。一例において、制御部120は、誘導コイル140への電力供給のみを制御するための別途の加熱IC(integrated circuit)を備えることもできる。
【0058】
メモリ170は、エアロゾル生成装置10内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、メモリ170は、制御部120で処理されたデータ及び処理されるデータを保存しうる。メモリは、DRAM(dynamic random access memory)、SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory)、ROM(read-only memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの多様な種類によって具現されうる。
【0059】
メモリ170には、シガレット20の挿入/抽出如何、または外部磁性体の接近如何を判断するためのインダクタンス変化量の基準値(または、しきい値)が保存されうる。それ以外にも、メモリ170には、エアロゾル生成装置10の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、ユーザの喫煙パターンに係わる多様なデータが保存されうる。
【0060】
図4は、一実施例によるシガレット感知部の配置を説明するための図面である。
【0061】
図4を参照すれば、サセプタ130は、円筒状であり、シガレット20を収容する空洞(図1の160)は、サセプタ130の内側に形成されている。すなわち、サセプタ130は、エアロゾル生成装置10に収容されたシガレット20を誘導加熱するように配置される。
【0062】
サセプタ130の外側には、サセプタ130の長手方向に沿って誘導コイル140が配置されうる。誘導コイル140は、制御部(図3の120)の制御によって電力が供給されることにより、可変磁場を生成してサセプタ130の誘導加熱を制御することができる。
【0063】
サセプタ130と誘導コイル140との間の領域には、シガレット感知部150が配置される。シガレット感知部150の長さは、サセプタ130の長さより長く、シガレット感知部150が配置された長さ内にサセプタ130が含まれるように配置されることが望ましいが、それに制限されない。一方、誘導コイル140が誘導加熱動作を開始する前には、誘導コイル140によって磁場が生成されないので、シガレット感知部150によって感知されるインダクタンス変化は、シガレット20の挿入または外部磁性体の接近によってもたらされたと判断されうる。
【0064】
図5は、一実施例によるシガレット感知部のインダクタンス感知チャネルを説明するための図面である。
【0065】
図5を参照すれば、シガレット感知部150は、第1シガレット感知チャネル150a、エラー感知チャネル150b及び第2シガレット感知チャネル150cのような複数のインダクタンス感知チャネルを含みうる。図5に図示されたように、複数のインダクタンス感知チャネルは、サセプタ130の長手方向に沿ってサセプタ130の外側に一列に配置されうる。
【0066】
複数のインダクタンス感知チャネルのうち、シガレット感知チャネル150a及び150cそれぞれは、長手方向にサセプタ130より長く延びるように配置される。エラー感知チャネル150bは、シガレット感知チャネル150a及び150cの間に配置され、サセプタ130の長さよりも短い。
【0067】
サセプタ130は、シガレット20が挿入されるためのシガレット挿入空間(シガレット収容空間)である空洞160の外周面を取り囲む形態に配置されている。また、シガレット感知部150の第1シガレット感知チャネル150a、エラー感知チャネル150b及び第2シガレット感知チャネル150cそれぞれは、サセプタ130の外周面を取り囲む形態に配置されている。
【0068】
図6は、一実施例によるシガレット感知部のインダクタンス感知チャネルがインダクタンス変化を感知する領域を説明するための図面である。
【0069】
図6を参照すれば、第1シガレット感知チャネル150a及び第2シガレット感知チャネル150cは、サセプタ130内側の空洞160でのインダクタンス変化とエアロゾル生成装置10外部でのインダクタンス変化を感知しうる。すなわち、シガレット感知部150の内側及び外側のいずれにおいても、インダクタンス変化を感知しうる。したがって、第1シガレット感知チャネル150a及び第2シガレット感知チャネル150cは、空洞160内にシガレット20が挿入されるか、または空洞160から抽出される場合、または外部磁性体がエアロゾル生成装置10に接近する場合、インダクタンス変化を感知しうる。
【0070】
一方、図6のチャネル配置によれば、第1シガレット感知チャネル150a及び第2シガレット感知チャネル150cの一部領域では、サセプタ130の遮蔽によって空洞160内の一部領域(一部方向)でのインダクタンス変化を感知し得ない場合がある。しかし、実施例は、図6のような配置に制限されず、第1シガレット感知チャネル150a及び第2シガレット感知チャネル150cがサセプタ130の遮蔽を避けるようにサセプタ130の長さを完全に外れた位置に配置されるように具現されうる。
【0071】
エラー感知チャネル150bは、エアロゾル生成装置10外部でのインダクタンス変化のみ感知し、サセプタ130内側の空洞160でのインダクタンス変化は、感知することができない。すなわち、エラー感知チャネル150bは、サセプタ130の遮蔽によってサセプタ130内側(空洞160)でのインダクタンス変化の感知が遮断され、サセプタ130外側での外部磁性体の接近によってもたらされたインダクタンス変化のみを感知しうる。
【0072】
図7は、一実施例によるシガレット感知部でシガレットの挿入を感知することを説明するための図面である。
【0073】
図7を参照すれば、シガレット20が挿入された場合、第1シガレット感知チャネル150a及び第2シガレット感知チャネル150cそれぞれは、挿入されたシガレット20内に含まれた金属物質の電磁気誘導体210によってもたらされたインダクタンス変化を感知しうる。すなわち、空洞160内のシガレット20が挿入されていない図6の実施例と異なり、図7のようにシガレット20が挿入された場合には、第1シガレット感知チャネル150a及び第2シガレット感知チャネル150cのインダクタンス測定値が変化されうる。ここで、インダクタンス測定値の変化量は、第1シガレット感知チャネル150a及び第2シガレット感知チャネル150cそれぞれに備えられたインダクティブセンサのセンシング周波数の変化量に対応しうる。
【0074】
これと異なって、エラー感知チャネル150bは、サセプタ130の遮蔽によってサセプタ130内側でのインダクタンス変化を感知することができないので、シガレット20が挿入されたとしても、エラー感知チャネル150bのインダクタンス測定値の変化がほとんどない。
【0075】
図8は、一実施例によるシガレットが挿入された場合、インダクタンス感知チャネルのインダクタンス変化を説明するための図面である。
【0076】
図8を参照すれば、図7で説明されたシガレット20が挿入された場合、第1シガレット感知チャネル150a、エラー感知チャネル150b及び第2シガレット感知チャネル150cのインダクタンス変化量のグラフが図示されている。
【0077】
まず、第1シガレット感知チャネル150a及び第2シガレット感知チャネル150cのインダクタンス変化量のグラフを参照する。シガレット20が挿入されれば、第1シガレット感知チャネル150a及び第2シガレット感知チャネル150cそれぞれのインダクタンス測定値が急変する。すなわち、シガレット20の挿入によるシガレット20内の電磁気誘導体210によってインダクタンス変化量が急増する。
【0078】
しかし、エラー感知チャネル150bは、サセプタ130の遮蔽によってシガレット20が挿入されたとしても、インダクタンス測定値の変化がほとんどない。
【0079】
前記図3で説明されたように、そのようなインダクタンス変化の現象に基づいて制御部120は、シガレット20が挿入されたか否かを判断しうる。
【0080】
下記表1は、シガレット20が挿入された場合、第1シガレット感知チャネル150a、エラー感知チャネル150b及び第2シガレット感知チャネル150cそれぞれのインダクタンス変化量を繰り返して測定したシミュレーション結果である。
【0081】
【表1】
【0082】
「LCH1」は、第1シガレット感知チャネル150aで感知されたインダクタンス変化量であり、「LCH2」は、エラー感知チャネル150bで感知されたインダクタンス変化量であり、「LCH3」は、第2シガレット感知チャネル150cで感知されたインダクタンス変化量である。「diff」は、(LCH1-LCH2)+(LCH3-LCH2)の値に該当する。
【0083】
表1を参照すれば、シガレット20が挿入された場合、第1シガレット感知チャネル150a及び第2シガレット感知チャネル150cのインダクタンス変化量(LCH1及びLCH3)は、エラー感知チャネル150bで感知されたインダクタンス変化量LCH2よりはるかに大きいということが分かる。これは、第1シガレット感知チャネル150a及び第2シガレット感知チャネル150cは、シガレット20内の電磁気誘導体210によるインダクタンス変化を感知することができるが、エラー感知チャネル150bは、サセプタ20内側のインダクタンス変化を感知し得ないからである。
【0084】
制御部120は、そのようなインダクタンス感知チャネルの感知特性の差を考慮し、シガレット20が挿入されたか否かを判断しうる。
【0085】
具体的に、シガレット感知チャネル150a、150cによって感知されたインダクタンス変化量LCH1,LCH3と、エラー感知チャネル150bによって感知されたインダクタンス変化量LCH2との違いの程度に基づいて判断を遂行する。例えば、制御部120は、第1シガレット感知チャネル150aによって感知された変化量LCH1とエラー感知チャネル150bによって感知された変化量LCH2との第1の違いLCH1-LCH2及び第2シガレット感知チャネル150cによって感知された変化量LCH3とエラー感知チャネル150bによって感知された変化量LCH2との第2の違いLCH3-LCH2を合わせた値である「diff」値(LCH1-LCH2)+(LCH3-LCH2)と所定しきい値とを比較することにより、判断を遂行する。一方、本実施例では、説明の便宜上、前記第1の違い及び前記第2の違いを合わせた値は「diff」値とも称される。
【0086】
制御部120は、「diff」値が所定しきい値以上である場合にのみ、エアロゾル生成装置10内にシガレット20が挿入されたと決定する。すなわち、「diff」値が所定しきい値未満である場合、制御部120は、シガレット20が挿入されていないと決定する。そのような場合は、外部磁性体が接近したか、またはシガレット20ではない異物が空洞160に挿入された場合である。
【0087】
一方、「diff」値と比べるためのしきい値(または、基準値)は、予め設定されうる。シガレット20内に備えられた電磁気誘導体210の材料、厚さなどの物理的特性、インダクティブセンサの敏感度などのセンサ特性のような多様な要因によってインダクティブ感知チャネルで測定されたインダクティブ変化量の範囲は、変わりうる。すなわち、最適のしきい値は、エアロゾル生成システム(図1の1)に採用された構成要素の特性によっても異なる。したがって、しきい値は、具現しようとするエアロゾル生成システム(図1の1)を用いた数十回、数百回.数千回、数万回などのシミュレーション結果から測定されたインダクタンス変化量に依存して最適の値に決定されうる。例えば、しきい値は、多数のシミュレーション結果から獲得された「diff」値の最小値、平均値のような統計量に基づいて望ましい値に予め決定されうる。
【0088】
制御部120は、エアロゾル生成装置10にシガレット20が挿入されたと判断された場合、シガレット20の誘導加熱を開始するように、ヒータアセンブリー310を制御する。しかし、制御部120は、シガレット20の挿入ではなく、エアロゾル生成装置10外部に磁性体が接近したと判断された場合、誘導加熱が開始されないように制御する。
【0089】
図9は、一実施例によるシガレット感知部でエアロゾル生成装置外部の磁性体の接近を感知することを説明するための図面である。
【0090】
図9を参照すれば、外部磁性体900がエアロゾル生成装置10に接近した場合、第1シガレット感知チャネル150a、エラー感知チャネル150b及び第2シガレット感知チャネル150cそれぞれは、外部磁性体900の接近によってもたらされたインダクタンス変化を感知しうる。すなわち、エアロゾル生成装置10に外部磁性体の接近がなかった図6の実施例と異なり、外部磁性体900が接近した場合には、第1シガレット感知チャネル150a、エラー感知チャネル150b及び第2シガレット感知チャネル150cのインダクタンス測定値が変化されうる。
【0091】
図10は、一実施例によるエアロゾル生成装置外部の磁性体が接近した場合、インダクタンス感知チャネルのインダクタンス変化を説明するための図面である。
【0092】
図10を参照すれば、図9で説明された外部磁性体900が接近した場合、第1シガレット感知チャネル150a、エラー感知チャネル150b及び第2シガレット感知チャネル150cのインダクタンス変化量のグラフが図示されている。
【0093】
外部磁性体900が接近した時点から、第1シガレット感知チャネル150a、エラー感知チャネル150b及び第2シガレット感知チャネル150cのインダクタンス測定値が急変する。
【0094】
下記表2は、外部磁性体900が接近した場合、第1シガレット感知チャネル150a、エラー感知チャネル150b及び第2シガレット感知チャネル150cそれぞれのインダクタンス変化量を繰り返して測定したシミュレーション結果である。
【0095】
【表2】
【0096】
表1と異なり、外部磁性体900の接近は、あらゆるインダクタンス感知チャネルでインダクタンスの急激な変化を引き起こす。これにより、表2での「diff」値は、表1での「diff」値よりほとんどにおいて小さいということが分かる。すなわち、外部磁性体900の接近された状況で獲得された「diff」値は、所定しきい値より小さい。したがって、制御部120は、「diff」値が所定しきい値未満である場合、制御部120は、シガレット20が挿入されていないと決定する。そのような場合、外部磁性体が接近したか、またはシガレット20ではない異物が空洞160に挿入された場合であると判断されうる。
【0097】
このように、本実施例によるシガレット感知部150は、シガレット20の挿入を感知するインダクタンス感知チャネルとエアロゾル生成装置10の外部の磁性体900の接近を感知するインダクタンス感知チャネルとを別途に備える。これにより、シガレット感知部150は、インダクタンス感知チャネルで測定されたインダクタンス変化量間の相関関係を用いてシガレット20が挿入されたか、あるいは外部磁性体900が接近したかを正確に判別することができる。これにより、本実施例によるエアロゾル生成装置10は、実際にシガレット20が挿入された場合にのみ加熱動作を遂行し、シガレット20ではない外部物体が接近した場合には、異常加熱の誤動作が防止されうる。
【0098】
一方、本実施例による制御部120は、インダクタンスチャネルのインダクタンス変化量の相関関係に該当する「diff」値の計算のみを用いてシガレット20の挿入または外部磁性体900の接近を判別することができる。したがって、各インダクタンスチャネルごとに測定されたインダクタンス変化量を個別しきい値と段階的に比較することにより、シガレット20の挿入または外部磁性体900の接近を判別する他の方式に比べて、さらに正確で迅速な判別が行える。
【0099】
図11は、他の実施例によるエアロゾル生成装置に備えられたシガレット感知部を説明するための図面である。
【0100】
図11を参照すれば、エアロゾル生成装置1100は、図1のエアロゾル生成装置10とは違い、空洞1110内にシガレット内に挿入される内部加熱タイプの細長型ヒータ1121が備えられるか、またはシガレット外側面を加熱する外部加熱タイプの円筒状フィルムヒータ1122が備えられる。すなわち、エアロゾル生成装置1100は、図4で説明された円筒状サセプタ130及び誘導コイル140を具備せず、他の種類のヒータ組立体を備えた装置でもある。
【0101】
エアロゾル生成装置1100には、前述した図面でのエアロゾル生成装置10のサセプタ130位置に、サセプタ130の代わりに、遮蔽材1130が配置されうる。複数のインダクタンス感知チャネル1500a、1500b、1500cは、エアロゾル生成装置1100の長手方向(すなわち、遮蔽材1130の長手方向)に沿って一列に配置される。
【0102】
エラー感知チャネル1500bの内側には、シガレットの挿入によるインダクタンス変化の感知を遮断するための遮蔽材1130が配置されることで、エラー感知チャネル1500bは、外部磁性体の接近のみを感知しうる。シガレット感知チャネル1500a、1500cそれぞれは、長手方向に遮蔽材1130より延びるように配置されてシガレット内に含まれた金属物質のような電磁気誘導体によってもたらされたインダクタンス変化を感知しうる。
【0103】
すなわち、エアロゾル生成装置1100は、ヒータ組立体の具現方式において、サセプタ130の代わりに、遮蔽材1130が配置されているという点で、図1のエアロゾル生成装置10と差があり、図1ないし図10で説明された実施例での他の特徴は、シガレット感知部のインダクタンス感知チャネル1500a、1500b、1500cを用いてシガレット挿入または外部磁性体接近を判別する方式に適用されうる。一方、遮蔽材は、インダクティブセンサによって生成された磁場を遮蔽する物質によって具現されうる。遮蔽材の物質的特性は、サセプタ130と異なるので、「diff」値と比較されるためのしきい値は、サセプタ130を用いる場合とは異なって設定されうる。
【0104】
図12は、一実施例によるエアロゾル生成装置を制御する方法のフローチャートである。図12の制御方法は、前述した図面の説明で説明されたエアロゾル生成装置10において時系列的に処理される段階に該当する。したがって、以下省略された内容であるにしても、先立って図面で説明された内容は、図12の制御方法にも適用されうる。
【0105】
1201段階において、シガレット感知部150は、インダクタンス変化を感知する。シガレット感知部150は、エアロゾル生成装置10内のシガレット20の挿入を感知する複数のシガレット感知チャネル及びエアロゾル生成装置10外部の磁性体の接近を感知するエラー感知チャネルを含む複数のインダクタンス感知チャネルを備える。
【0106】
1202段階において、制御部120は、シガレット感知部150によってインダクタンス変化が感知されたと判断された場合、エラー感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化に対するシガレット感知チャネルによって感知されたインダクタンス変化の程度に基づいてエアロゾル生成装置10にシガレット20が挿入されたか否か、あるいはエアロゾル生成装置10外部に磁性体が接近したか否かを判断する。
【0107】
上述した方法は、コンピュータで実行可能なプログラムによって作成可能であり、コンピュータで読取り可能な記録媒体を用いて前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータによって具現されうる。また、上述した方法で使用されたデータの構造は、コンピュータで読取り可能な記録媒体に様々な手段を通じて記録されうる。前記コンピュータで読取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM、USB、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光学的判読媒体(例えば、CD-ROM、DVDなど)のような記録媒体を含む。
【0108】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前述した記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態によって具現されうるということを理解するであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本開示の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本開示に含まれたと解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】