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特表2024-536967タイヤ及び/又は車両の完全性にとって危険又は潜在的に危険である道路舗装上の障害物/要素を検出及び位置特定するための方法及びシステム
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  • 特表-タイヤ及び/又は車両の完全性にとって危険又は潜在的に危険である道路舗装上の障害物/要素を検出及び位置特定するための方法及びシステム 図1
  • 特表-タイヤ及び/又は車両の完全性にとって危険又は潜在的に危険である道路舗装上の障害物/要素を検出及び位置特定するための方法及びシステム 図2
  • 特表-タイヤ及び/又は車両の完全性にとって危険又は潜在的に危険である道路舗装上の障害物/要素を検出及び位置特定するための方法及びシステム 図3
  • 特表-タイヤ及び/又は車両の完全性にとって危険又は潜在的に危険である道路舗装上の障害物/要素を検出及び位置特定するための方法及びシステム 図4
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  • 特表-タイヤ及び/又は車両の完全性にとって危険又は潜在的に危険である道路舗装上の障害物/要素を検出及び位置特定するための方法及びシステム 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】タイヤ及び/又は車両の完全性にとって危険又は潜在的に危険である道路舗装上の障害物/要素を検出及び位置特定するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/06 20120101AFI20241003BHJP
【FI】
B60W40/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024503738
(86)(22)【出願日】2022-07-15
(85)【翻訳文提出日】2024-03-14
(86)【国際出願番号】 EP2022069871
(87)【国際公開番号】W WO2023001707
(87)【国際公開日】2023-01-26
(31)【優先権主張番号】102021000019016
(32)【優先日】2021-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518333177
【氏名又は名称】ブリヂストン ヨーロッパ エヌブイ/エスエイ
【氏名又は名称原語表記】BRIDGESTONE EUROPE NV/SA
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100225543
【弁理士】
【氏名又は名称】上原 真
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツォ アレバ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレリオ ボルトロット
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ベネデッティ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ パスクッチ
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA50
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DB32Z
3D241DC41Z
(57)【要約】
本発明は、道路舗装上の障害物/要素を検出し且つ位置特定するための方法(1)に関し、方法(1)は、道路上で運転される自動車のホイールに関連するホイール速度値、及びホイール速度値に関連付けられ、自動車の対応する位置を示すジオリファレンスデータを取得するステップ(11)と、取得済みホイール速度値に基づいて、道路上に存在する障害物/要素を検出するステップ(12)であり、この検出は、ホイールが障害物/要素に接触した進入時刻、及びホイールが前記障害物/要素を通り越した退出時刻を識別することによって、また、障害物/要素に関連する正規化されたピーク・ツー・ピーク値を、進入時刻と退出時刻の間に含まれる衝撃関連時刻に関連する取得済みホイール速度値の最大値及び最小値、並びに、進入時刻の直前の第1無衝撃時刻に関連する取得済みホイール速度値の平均値に基づいて計算することによって行う、該検出するステップ(12)と、正規化されたピーク・ツー・ピーク値に基づいて、障害物/要素に関連付けられる重大度を決定するステップ(13)と、衝撃関連時刻、及び/又は第1無衝撃時刻、及び/又は退出時刻の直後の第2無衝撃時刻に関連する、取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に関連付けられる取得済みジオリファレンスデータに基づいて、障害物/要素の位置を決定するステップ(14)と、並びに障害物/要素の位置を、障害物/要素に関連付けられる重大度とともに記憶するステップ(15)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路舗装上の障害物/要素を検出及び位置特定するための方法(1)であって、
・以下を取得するステップ(11)、すなわち、
- 道路上で運転される自動車のホイールに関連するホイール速度値、及び
- 前記ホイール速度値に関連付けられ、前記自動車の対応する位置を示すジオリファレンスデータ
を取得するステップ(11)と、
・取得済みホイール速度値に基づいて、前記道路上に存在する障害物/要素を検出するステップ(12)であり、以下のサブステップ、すなわち、
-前記ホイールが前記障害物/要素に接触した進入時刻、及び前記ホイールが前記障害物/要素を通り越した退出時刻を識別するサブステップ、並びに、
-前記障害物/要素に関連する正規化されたピーク・ツー・ピーク値を計算するサブステップであって、この計算は、
- 前記進入時刻と前記退出時刻の間に含まれる衝撃関連時刻に関連する前記取得済みホイール速度値の最大値及び最小値、並びに
- 前記進入時刻の直前の第1無衝撃時刻に関連する前記取得済みホイール速度値の平均値
に基づいて行う、該計算するサブステップ
によって、前記道路上に存在する障害物/要素を検出するステップ(12)と、
・前記正規化されたピーク・ツー・ピーク値に基づいて、前記障害物/要素に関連付けられる重大度を決定するステップ(13)と、
・前記衝撃関連時刻、及び/又は前記第1無衝撃時刻、及び/又は前記退出時刻の直後の第2無衝撃時刻に関連する、前記取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に関連付けられる取得済みジオリファレンスデータに基づいて、前記障害物/要素の位置を決定するステップ(14)と、
・前記障害物/要素の位置を、前記障害物/要素に関連付けられる重大度とともに記憶するステップ(15)と、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記進入時刻及び前記退出時刻は、所定期間を有するスライド時間ウィンドウによって取得済みホイール速度値を分析することにより識別される、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記所定期間は、前記自動車の現在の速度を示す現在の車両速度値に基づいて、所定ウィンドウ期間の値の中から選択される、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記現在の車両速度値は、前記取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に基づいて計算される、方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法において、前記障害物/要素に関連する正規化されたピーク・ツー・ピーク値を計算するステップは、
・以下を形成するステップ、すなわち、
- 前記衝撃関連時刻に関連する取得済みホイール速度値を有する衝撃関連速度ベクトル、及び
- 前記第1無衝撃時刻に関連する取得済みホイール速度値を有する無衝撃速度ベクトル
を形成するステップと、並びに
・前記正規化されたピーク・ツー・ピーク値を計算するステップであり、この計算は、
- 前記衝撃関連速度ベクトルにおける前記ホイール速度値の最大値及び最小値、並びに
- 前記無衝撃速度ベクトルにおける前記ホイール速度値の平均値
に基づいて行う、該計算するステップと、を含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、前記正規化されたピーク・ツー・ピーク値は、前記衝撃関連速度ベクトルにおける前記ホイール速度値の前記最大値と前記最小値との差の、前記無衝撃速度ベクトルにおける前記ホイール速度値の前記平均値に対する比率として計算される、方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法において、前記ホイール速度値を取得するステップ(11)は、前記自動車の全てのホイールに関連するホイール速度値を取得するステップを含み、前記方法(1)は、さらに、前記第1無衝撃時刻及び前記第2無衝撃時刻に関連する前記取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に関連付けられる前記取得済みジオリファレンスデータに基づいて、前記自動車の進行方向を決定するステップを含み、検出された前記障害物/要素の位置は、
・前記衝撃関連時刻に関連する取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に関連付けられる前記取得済みジオリファレンスデータに基づいて決定される車両位置と、
・検出された前記障害物/要素に衝撃を及ぼしたホイールの、前記自動車上の位置と、及び
・前記自動車の決定された進行方向と、
に基づいて決定される、方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法において、前記障害物/要素に関連付けられる重大度は、前記正規化されたピーク・ツー・ピーク値、及び、前記障害物/要素に衝撃を及ぼしたときの前記自動車の速度を示す衝撃時車両速度値に基づいて決定される、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記衝撃時車両速度値は、
・前記ホイール速度値を、前記自動車の対応する車両速度値と共に取得し、また、前記第1無衝撃時刻に関連する取得済み車両速度値のうちの1つ又は複数に基づいて前記衝撃時車両速度値を計算することによって、又は
・前記第1無衝撃時刻に関連する取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に基づいて、前記衝撃時車両速度値を計算することによって、
獲得される、方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の方法であって、さらに、前記障害物/要素の第1の幾何学的特徴を、
・前記進入時刻と前記退出時刻の時間差と、及び
・前記第1無衝撃時刻に関連する取得済みホイール速度値の平均値、又は前記衝撃時車両速度値と、
に基づいて推定するステップを備える、方法。
【請求項11】
請求項8~10のいずれか一項に記載の方法であって、さらに、前記正規化されたピーク・ツー・ピーク値、前記衝撃時車両速度値、及び所定基準データ/閾値に基づいて、前記障害物/要素の第2の幾何学的特徴を推定するステップを備える、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記所定基準データ/閾値は、
・様々な既知の幾何学的特徴を有する様々な障害物/要素に対して/上で、様々な車両速度で1つ又は複数の自動車を運転することを含む衝撃テストを実施すること、
・実施された前記衝撃テスト中に、テスト関連のホイール速度及びテスト関連の車両速度を測定/取得すること、並びに
・検出された前記障害物/要素の第2の幾何学的特徴を推定するために使用される基準データ/閾値を、前記テスト関連のホイール速度及び前記テスト関連の車両速度に基づいて計算/決定すること、
によって事前に獲得される、方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の方法において、検出された前記障害物/要素に関連付けられる重大度は、前記所定基準データ/閾値にも基づいて決定される、方法。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の方法であって、さらに、
・前記障害物/要素に接近中の運転者に、前記障害物/要素の存在について警告するステップと、及び/又は、
・前記障害物/要素の位置を、前記障害物/要素に関連付けられる重大度とともに、前記道路を担当する道路管理会社に通知するステップと、を備える、方法。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の道路舗装上の障害物/要素を検出及び位置特定するための方法(1)を実行するように設計されたシステム(2)。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、
・前記ホイール速度値及び前記ジオリファレンスデータを取得するように構成される取得手段(21)と、
・前記取得手段(21)から前記取得済みホイール速度値及び前記取得済みジオリファレンスデータを受け取り、前記障害物/要素を検出し、前記障害物/要素に関連付けられる重大度を決定し、また前記障害物/要素の位置を決定するように構成される処理手段(22)と、並びに
・前記処理手段(22)によって決定された前記障害物/要素の位置、及び前記障害物/要素に関連付けられる重大度を記憶するように構成される記憶手段(23)と、
を備える、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムにおいて、
・前記取得手段(21)は、
- 自動車内に搭載され、
- 前記自動車の車両バスに結合され、かつ
- 前記車両バスから前記ホイール速度値及び前記ジオリファレンスデータを取得する、
ように構成されている取得デバイスを含み、また
・前記処理手段(22)は、
- 前記自動車内に搭載され且つ前記取得デバイスに接続される処理デバイス、又は
- 前記取得デバイスに遠隔接続されるクラウドコンピューティングシステム
を含む、システム。
【請求項18】
請求項16又は17に記載のシステム(2)の処理手段(22)として構成される、処理デバイス/システム。
【請求項19】
1つ又は複数のソフトウェア及び/又はファームウェアコード部分を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記ソフトウェア及び/又はファームウェアコード部分は、
・処理デバイス又はシステム上にロード可能であり、また
・ロードされたときに、前記処理デバイス/システムが、請求項16又は17に記載のシステム(2)の処理手段(22)として構成されるようにさせる、
コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ及び/又は車両の完全性にとって危険又は潜在的に危険である道路舗装上の障害物/要素(例えば、道路の窪み(pothole)、隆起(bump)など)を検出及び位置特定するための、検出された障害物/要素の重大度/レベルを決定するための、また好ましくは、検出された障害物/要素の1つ又は複数の幾何学的特徴を決定するための、方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
既知のように、道路舗装は、道路舗装上で運転される自動車の安全性及び快適性の要件を満たすために、実質的に規則的で且つほとんど変形のない転がり面を確保するように設計されなければならない。
【0003】
実際、自動車のホイールが道路舗装上の障害物(道路の窪み、隆起など)に対する/における衝撃は、ホイールのタイヤ、特にタイヤのカーカス(carcass)(すなわち、ケーシング)、及び/又は自動車(例えば、ホイールリム及び/又はサスペンション)に損傷を引き起こす可能性がある。
【0004】
例えば、隆起及び道路の窪みのような物体の上を走行すると、個々のコードが破損する可能性があるため、タイヤのサイドウォールにおける外部膨出(bulge)は、典型的には、障害物に対する/における衝撃によって、カーカスの内部でコードが破損したことを示す。
【0005】
損傷したタイヤ(例えば、いくつかのコードが損傷しているタイヤ)が即座に検出されず、したがって即座に修理/交換されない場合、タイヤが損傷したまま運転を継続することにより、(例えば、損傷したタイヤが他の障害物に対する/におけるさらなる衝撃を受けた場合に)タイヤのカーカスが完全に破損/破壊し、さらにはホイールリム及び/又はサスペンションが損傷するリスクがある。
【0006】
したがって、自動車分野では、自動車のタイヤに対する潜在的な損傷を自動的且つ即座に検出可能なタイヤ損傷検出技術の必要性が、著しく感じられている。
【0007】
例えば、この種の公知の解決策は、本出願人の特許文献1(WO 2019/229627 A1)、特許文献2(WO 2019/229628 A1)、特許文献3(WO 2019/229629 A1)、特許文献4(WO 2019/229630 A1)、及び特許文献5(WO 2019/229634 A1)に開示されている。
【0008】
特に、特許文献1(WO 2019/229627 A1)は、取得デバイス、処理システム及び通知デバイスを含むタイヤ損傷検出システムに関する。この取得デバイスは、タイヤを装着した2以上のホイールを備えた自動車に搭載され、自動車の車両バスに結合され、また車両バスから、自動車及び自動車のホイールの速度を示す信号を取得し、かつ自動車及び自動車のホイールの速度を示す量を出力するように構成されている。処理システムは、所定タイヤ損傷モデルを記憶し、かつ取得デバイスから自動車及び自動車のホイールの速度を示す量を受け取るように構成されており、また自動車及び自動車のホイールの速度を示す量に基づいて、自動車の速度に対するホイールの速度の比を示す正規化されたホイール速度を計算し、かつ所定タイヤ損傷モデルと正規化されたホイール速度とに基づいて、自動車のホイールのタイヤへの潜在的な損傷を検出するようにプログラムされている。通知デバイスは、自動車のホイールのタイヤへの潜在的な損傷が処理システムによって検出された場合、検出された潜在的な損傷を、自動車に関連するユーザに通知するように構成される。特許文献1(WO 2019/229627 A1)によるタイヤ損傷検出システムにおいて、処理システムは、取得デバイスに無線で遠隔接続されているクラウドコンピューティングシステムであるとともに、通知デバイスは、ユーザに関連付けられ、また1つ又は複数の有線及び/又は無線ネットワークを介してクラウドコンピューティングシステムに遠隔接続された電子通信デバイスである。
【0009】
代わりに、特許文献2(WO 2019/229628 A1)は、タイヤ損傷検出ステップを含むタイヤ損傷検出方法に関し、この方法は、タイヤを装着した2つ以上のホイールを備えた自動車に搭載され、かつ自動車の車両バスに結合された取得デバイス、及び所定タイヤ損傷モデルを記憶している処理デバイス/システム、を準備するステップと、取得デバイスによって、車両バスから、自動車及び自動車のホイールの速度を示す信号を取得するステップと、取得デバイスによって、自動車及び自動車のホイールの速度を示す量を出力するステップと、処理デバイス/システムによって、取得デバイスから、自動車及び自動車のホイールの速度を示す量を受け取るステップと、処理デバイス/システムによって、自動車及び自動車のホイールの速度を示す量に基づいて、自動車の速度に対するホイールの速度の比を示す正規化されたホイール速度を計算するステップと、並びに処理デバイス/システムにより、所定タイヤ損傷モデル及び正規化されたホイール速度に基づいて、自動車のホイールのタイヤへの潜在的な損傷を検出するステップと、を備える。また、特許文献2(WO 2019/229628 A1)によるタイヤ損傷検出方法は、予備ステップも含み、この予備ステップは、様々な自動車速度で様々な障害物に対する/おけるテストタイヤ衝撃を含むテストを実行するステップと、実行されるテスト中において、テスト関連のホイール及び自動車速度を測定/取得するステップと、テスト関連のホイール及び自動車速度に基づいて、テスト関連の正規化されたホイール速度を計算するステップと、並びにテスト関連の正規化されたホイール速度及びテストタイヤ衝撃に対応するテスト関連の自動車速度に基づいて、タイヤ損傷検出ステップで処理デバイス/システムによって使用される所定タイヤ損傷モデルを決定するステップと、を含む。
【0010】
付加的に、特許文献3(WO 2019/229629 A1)は、取得デバイス、処理システム及び通知デバイスを含む、タイヤ損傷検出システムに関する。取得デバイスは、タイヤを装着した2以上のホイールを備えた自動車に搭載され、自動車の車両バスに結合され、また車両バスから、自動車のホイールの速度を示す信号を取得し、かつホイールの速度を示す量を出力する、ように構成されている。処理システムは、所定タイヤ損傷モデルを記憶し、かつ取得デバイスからホイールの速度を示す量を受け取るように構成され、またホイールの速度を示す量に基づいて、自動車速度を示す平均ホイール速度に対するホイールの速度の比を示す正規化されたホイール速度を計算し、かつ所定タイヤ損傷モデルと正規化されたホイール速度とに基づいて、自動車のホイールのタイヤへの潜在的な損傷を検出するようにプログラムされている。通知デバイスは、自動車のホイールのタイヤへの潜在的な損傷が処理システムによって検出された場合、検出された潜在的な損傷を、自動車に関連するユーザに通知するように構成されている。特許文献3(WO 2019/229629 A1)によるタイヤ損傷検出システムにおいて、処理システムは、取得デバイスに無線で遠隔接続されているクラウドコンピューティングシステムであるとともに、通知デバイスは、ユーザに関連付けられ、また1つ又は複数の有線及び/又は無線ネットワークを介してクラウドコンピューティングシステムに遠隔接続された電子通信デバイスである。
【0011】
付加的に、特許文献4(WO 2019/229630 A1)は、タイヤ損傷検出ステップを含むタイヤ損傷検出方法に関し、この方法は、タイヤを装着した2つ以上のホイールを備えた自動車に搭載され、かつ自動車の車両バスに結合された取得デバイスと及び所定タイヤ損傷モデルを記憶している処理デバイス/システム、を準備するステップと、取得デバイスによって、車両バスから、自動車のホイールの速度を示す信号を取得するステップと、取得デバイスによって、ホイールの速度を示す量を出力するステップと、処理デバイス/システムによって、取得デバイスから、ホイールの速度を示す量を受け取るステップと、処理デバイス/システムによって、ホイールの速度を示す量に基づいて、自動車の速度を示す平均ホイール速度に対するホイールの速度の比を示す正規化されたホイール速度を計算するステップと、並びに処理デバイス/システムにより、所定タイヤ損傷モデル及び正規化されたホイール速度に基づいて、自動車のホイールのタイヤへの潜在的な損傷を検出するステップと、備える。また、特許文献4(WO 2019/229630 A1)によるタイヤ損傷検出方法は、予備ステップも含み、この予備ステップは、様々な自動車速度で様々な障害物に対する/おけるテストタイヤ衝撃を含むテストを実行するステップと、実行されるテスト中において、テスト関連のホイール速度を測定/取得するステップと、テスト関連のホイール速度に基づいて、テスト関連の正規化されたホイール速度を計算するステップと、並びにテストタイヤ衝撃に対応するテスト関連の正規化されたホイール速度、及び関連付けられたテスト関連の平均ホイール速度に基づいて、タイヤ損傷検出ステップで処理デバイス/システムによって使用される所定タイヤ損傷モデルを決定するステップと、を含む。
【0012】
さらに、特許文献5(WO 2019/229634 A1)は、取得デバイス及び処理デバイス/システムを含むタイヤ損傷検出システムに関する。取得デバイスは、タイヤを装着した2以上のホイールを備えた自動車に搭載され、自動車の車両バスに結合され、また車両バスから、自動車のホイールの速度を示す信号を取得し、かつホイールの速度を示す量を出力するように構成されている。処理デバイス/システムは、一組の様々な基準ホイール速度値に関連する所定閾値のセット、及び一組の様々な基準ホイール速度値に関連する所定時間長さセットを含む所定タイヤ損傷モデルを記憶し、かつ取得デバイスからホイールの速度を示す量を受け取るように構成され、また以下のステップを行うようにプログラムされている、すなわち、スライド時間ウィンドウによりホイールの速度を分析するステップと、スライド時間ウィンドウの直前及び/又は直後のホイール速度値又はホイール速度値の平均である、与えられた基準ホイール速度値に基づいて、所定閾値のうちの1つ及び所定時間長さのうちの1つを、選択するステップであって、スライド時間ウィンドウは、選択された所定時間長さを有するものである、該選択するステップと、スライド時間ウィンドウ内でホイールの速度の最大値及び最小値を検出するステップと、最大値と最小値との間における差を計算するステップと、所与の基準ホイール速度値に対する最大値と最小値との間における差の比を計算するステップと、並びに所与の基準ホイール速度値に対する最大値と最小値との間における差の比が、選択された所定閾値を超える場合、自動車の前記ホイールのタイヤへの潜在的な損傷を検出するステップと、を行うようにプログラムされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2019/229627号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2019/229628号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2019/229629号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2019/229630号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2019/229634号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記を考慮して、出願人は、タイヤ及び/又は車両の完全性にとって危険又は潜在的に危険である道路舗装上の障害物/要素(例えば、道路の窪み、隆起など)を検出及び位置特定するための、検出された障害物/要素の重大度/レベルを決定するための、また好ましくは、検出された障害物/要素の1つ又は複数の幾何学的特徴を決定するための、革新的な技術的解決法を開発し、それにより、検出された危険な障害物/要素の位置を、(運転者が、危険な障害物/要素を回避し又は適切に低減された速度で対処できるようにするために)運転者に、及び/又は(例えば、道路保守作業を適切に計画及び/又は優先順位付けするために)道路管理会社に通知できるようにために、徹底的な研究を行うことの必要性を感じた。このようにして、出願人は本発明に到達した。
【0015】
したがって、本発明の目的は、タイヤ及び/又は車両の完全性にとって危険又は潜在的に危険である道路舗装上の障害物/要素を検出及び位置特定するための、検出された障害物/要素の重大度/レベルを決定するための、また好ましくは、検出された障害物/要素の1つ又は複数の幾何学的特徴を決定するための技術的解決法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明が、添付の特許請求の範囲で定義されるように、道路舗装上の障害物/要素を検出及び位置特定するための方法及びシステムに関するという点で、この及び他の目的は、本発明によって達成される。
【0017】
特に、本発明は、道路舗装上の障害物/要素を検出及び位置特定するための方法に関し、この方法は、
・以下を取得するステップ、すなわち、
- 道路上で運転される自動車のホイールに関連するホイール速度値、及び
- ホイール速度値に関連付けられ、自動車の対応する位置を示すジオリファレンスデータ
を取得するステップと、
・取得済みホイール速度値に基づいて、道路上に存在する障害物/要素を検出するステップであり、以下のサブステップ、すなわち、
- ホイールが障害物/要素に接触した進入時刻、及びホイールが障害物/要素を通り越した退出時刻を識別するサブステップ、並びに、
- 障害物/要素に関連する正規化されたピーク・ツー・ピーク値を計算するサブステップであって、この計算は、
- 進入時刻と退出時刻の間に含まれる衝撃関連時刻に関連する取得済みホイール速度値の最大値及び最小値、並びに
- 進入時刻の直前の第1無衝撃時刻に関連する取得済みホイール速度値の平均値
に基づいて行う、該計算するサブステップ
によって、道路上に存在する障害物/要素を検出するステップと、
・正規化されたピーク・ツー・ピーク値に基づいて、障害物/要素に関連付けられる重大度を決定するステップと、
・衝撃関連時刻、及び/又は第1無衝撃時刻、及び/又は退出時刻の直後の第2無衝撃時刻に関連する、取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に関連付けられる取得済みジオリファレンスデータに基づいて、障害物/要素の位置を決定するステップと、
・障害物/要素の位置を、障害物/要素に関連付けられる重大度とともに記憶するステップと、
を備える。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明をより良く理解するために、添付の図面(全てが縮尺通りではない)を参照して、純粋に非限定的な例として意図される好ましい実施形態について本明細書で説明する。
図1】本発明の好ましい実施形態による危険な障害物/要素の検出及び位置特定方法を概略的に示す。
図2】道路の窪みにおける自動車ホイールの衝撃に関する、経時的なホイール速度の挙動の例を示す。
図3】道路の窪みにおける自動車ホイールの衝撃に関する、経時的なホイール速度の挙動の例を示す。
図4】自動車ホイールの道路舗装上の障害物/要素における/に対する衝撃に関する、様々な重大度の例を示す。
図5】出願人によって、様々な高さの隆起に対して様々な速度で自動車を運転することにより実施された衝撃テストの結果の例を示す。
図6】様々な完全度に関連するチャートの例を示す。
図7】イタリアのローマ地域に関連する地図の例を示しており、検出された危険な障害物/要素が、障害物/要素に関連付けられるそれぞれの重大度とともに示されている。
図8】本発明の一般的な実施形態による危険な障害物/要素の検出及び位置特定システムを概略的に示しており、このシステムは、図1に示される危険な障害物/要素の検出及び位置特定する方法を実行するように設計されている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明は、当業者が本発明を実施及び使用できるようにするために提示される。実施形態に対する種々の変更は、請求されている本発明の範囲から逸脱することなく、当業者にとって容易に明らかになるであろう。したがって、本発明は、図示及び説明されている実施形態に限定されることは意図されず、添付の特許請求の範囲で規定される特徴と矛盾することのない最も広い保護範囲を与えられるべきである。
【0020】
本発明は、タイヤ及び/又は車両の完全性にとって危険又は潜在的に危険である道路舗装上の障害物/要素(例えば、道路の窪み、隆起など)を検出及び位置特定するための、検出された障害物/要素の重大度/レベルを決定するための、また好ましくは、検出された障害物/要素の1つ又は複数の幾何学的特徴を決定するための方法に関する。
【0021】
この点に関して、図1は、本発明の好ましい実施形態による危険な障害物/要素の検出及び位置特定方法(全体として参照符号1で示される)を概略的に示す。
【0022】
特に、危険な障害物/要素の検出及び位置特定方法1は、
・以下を取得するステップ(図1のブロック11)、すなわち、
- 道路上で運転される自動車(好都合には、二輪又は三輪のオートバイ、自動車、バス、トラック等の2つ以上のホイールを備えた自動車であり、内燃機関を装備し、ハイブリッドであり又は電気式である)のホイールに関連するホイール速度値、及び
- ホイール速度値に関連付けられ、自動車の対応する位置(例えば、自動車に搭載された、全地球測位システム(GPS)受信機などの全地球航法衛星システム(GNSS)受信機によって提供される位置)を示すジオリファレンスデータ
を取得するステップと、
・取得済みホイール速度値に基づいて、道路上に存在する障害物/要素を検出するステップ(図1のブロック12)であり、以下のサブステップ、すなわち、
- ホイールが障害物/要素に接触した進入時刻、及びホイールが障害物/要素を通り越した退出時刻を識別するサブステップ、並びに、
- 障害物/要素に関連する正規化されたピーク・ツー・ピーク値を計算するサブステップであって、この計算は、
- 進入時刻と退出時刻の間に含まれる衝撃関連時刻に関連する取得済みホイール速度値の最大値及び最小値、並びに
- 進入時刻の直前の第1無衝撃時刻に関連する取得済みホイール速度値の平均値
に基づいて行い、正規化されたピーク・ツー・ピーク値は、好都合には、
- 障害物/要素に対する/における衝撃に起因するホイール速度のピーク・ツー・ピーク値(すなわち、ホイール速度の最大値と最小値との差)の、
- 衝撃前のホイール速度の平均値(平均値は、障害物/要素に衝撃が及んだときの自動車の速度を示す)に対する
比率として計算され、それにより、前記比率は、衝撃ホイール速度に関して正規化された衝撃関連ピーク・ツー・ピークホイール速度を表す、該計算するサブステップ
を含む、該検出するステップと、
・正規化されたピーク・ツー・ピーク値に基づいて、検出された障害物/要素に関連付けられる重大度(すなわち、ホイールのタイヤの完全性に対する危険性又は潜在的危険性の度合い/レベル)を決定するステップ(図1のブロック13)と、
・衝撃関連時刻(すなわち、進入時刻と退出時刻の間に含まれる時刻)、及び/又は第1無衝撃時刻(すなわち、進入時刻の直前の時刻)、及び/又は退出時刻の直後の第2無衝撃時刻に関連する、取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に関連付けられる取得済みジオリファレンスデータに基づいて、検出された障害物/要素の位置を決定するステップ(図1のブロック14)と、
・例えばメモリ又はデータベースに、検出された障害物/要素の決定された位置を、検出された障害物/要素に関連付けられる決定された重大度と共に記憶するステップ(図1のブロック15)と、を備える。
【0023】
好都合には、進入時刻及び退出時刻は、所定期間を有するスライド時間ウィンドウによって取得済みホイール速度値を分析することにより識別される。好ましくは、所定期間は、自動車の現在の速度(好都合には、現在の平均速度)を示す現在の車両速度値に基づいて、所定ウィンドウ期間の値(例えば、記憶されている所定ウィンドウ期間の値)の中から選択され、好都合には、現在の車両速度値は、取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に基づいて計算することができる。
【0024】
好都合には、障害物/要素に関連する正規化されたピーク・ツー・ピーク値を計算するステップは、
・以下を形成するステップ、すなわち、
- 衝撃関連時刻(すなわち、進入時刻と退出時刻の間に含まれる時刻)に関連する取得済みホイール速度値を有する衝撃関連速度ベクトル、及び
- 第1無衝撃時刻(すなわち、進入時刻の直前の時刻)に関連する取得済みホイール速度値を有する無衝撃速度ベクトル
を形成するステップと、並びに
・正規化されたピーク・ツー・ピーク値を計算するステップであり、この計算は、
- 衝撃関連速度ベクトルにおけるホイール速度値の最大値及び最小値、並びに、
- 無衝撃速度ベクトルにおけるホイール速度値の平均値(前述のように、平均値は、障害物/要素に衝撃が及んだときの自動車の速度を示す)、
に基づいて行う、該計算するステップと、を含む。
【0025】
好ましくは、検出された障害物/要素に関連付けられる重大度は、計算済みの正規化されたピーク・ツー・ピーク値、及び、障害物/要素に衝撃が及んだときの自動車の速度、好都合には平均速度、を示す衝撃時車両速度値に基づいて決定される(図1のブロック13)。
【0026】
特に、衝撃時車両速度値は、好都合には、
・ホイール速度値(図1のブロック11)を、自動車の対応する車両速度値と共に取得し、且つ、第1無衝撃時刻(すなわち、進入時刻の直前の車両速度値)に関連する取得済み車両速度値のうちの1つ又は複数に基づいて衝撃時車両速度値を計算することによって、又は
・第1無衝撃時刻に関連する取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数、好都合には無衝撃速度ベクトルにおけるホイール速度値のうちの1つ又は複数に基づいて、衝撃時車両速度値を計算することによって、
獲得することができる。
【0027】
好都合には、ホイール速度値を取得するステップ(図1のブロック11)は、自動車の全てのホイールに関連するホイール速度値を取得するステップを含み、危険な障害物/要素の検出及び位置特定方法1は、さらに、第1無衝撃時刻及び第2無衝撃時刻に関連する取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に関連付けられる取得済みジオリファレンスデータに基づいて、自動車の進行方向を決定するステップを含み、検出された障害物/要素の位置は、
・衝撃関連時刻に関連する取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に関連付けられる取得済みジオリファレンスデータに基づいて決定される車両位置と、
・検出された障害物/要素に衝撃を及ぼしたホイールの、自動車上の位置(例えば、前/後、右/左ホイール)と、及び、
・自動車の決定された進行方向(これにより、検出された障害物/要素の位置は、高精度で決定され、検出された障害物/要素が位置する正確な道路車線も識別される)と、
に基づいて決定される(図1のブロック14)。
【0028】
好ましくは、危険な障害物/要素の検出及び位置特定方法1は、さらに、障害物/要素の第1の幾何学的特徴(好都合には、自動車の進行方向における障害物/要素の長さ)を、
・識別された進入時刻と退出時刻の時間差と、及び
・無衝撃時刻に関連する取得済みホイール速度値の平均値(好都合には、無衝撃速度ベクトルにおけるホイール速度値の平均値)、又は衝撃時車両速度値と、
に基づいて推定するステップを備える。
【0029】
さらに、危険な障害物/要素の検出及び位置特定方法1は、好ましくは、正規化されたピーク・ツー・ピーク値、衝撃時車両速度値、及び所定基準データ/閾値に基づいて、障害物/要素の第2の幾何学的特徴(好都合には、障害物/要素の高さ/深さ)も予測するステップを備え、所定の基準データ/閾値は、
・様々な既知の幾何学的特徴(例えば、様々な既知の深さ/高さ及び/又は長さを有する道路の窪み、隆起など)を有する様々な障害物/要素に対して/上で、様々な車両速度で1つ又は複数の自動車を運転することを含む衝撃テストを実施すること、
・実施された衝撃テスト中に、テスト関連のホイール速度(及び、好都合には、テスト関連の車両速度)を測定/取得すること、並びに
・検出された障害物/要素の第2の幾何学的特徴を推定するためにその後に使用される基準データ/閾値を、テスト関連のホイール速度(及び、好都合には、テスト関連の車両速度)に基づいて計算/決定すること、
によって事前に獲得することができる。
【0030】
好ましくは、検出された障害物/要素に関連付けられる重大度は、所定基準データ/閾値にも基づいて決定される(図1のブロック13)(好都合には、前述の衝撃テストを予備的に実施することによって決定される)。
【0031】
好ましくは、危険な障害物/要素の検出及び位置特定方法1は、さらに、
・障害物/要素に接近中の運転者に、障害物/要素の存在について警告するステップ(それにより、運転者が、障害物/要素を回避し又は適切に低減された速度で対処することを可能にする)と、及び/又は、
・障害物/要素の決定された位置を、決定された位置に関連付けられる決定された重大度とともに(好都合には、障害物/要素の推定された1つ以上の第1及び/又は第2の幾何学的特徴もともに)、道路を担当する道路管理会社に通知するステップ(例えば、それにより、道路管理会社が道路保守作業を適切に計画及び/又は優先順位付けすることを可能にするステップ)と、を備える。
【0032】
有利には、危険な障害物/要素の検出及び位置特定方法1は、単一のタイプの又は複数の/様々なタイプの自動車(例えば、二輪又は三輪のオートバイ、自動車、バス、トラック等の2つ以上のホイールを備えた自動車であり、内燃機関を装備し、ハイブリッドであり又は電気式である)のホイールに関するホイール速度値及びジオリファレンスデータ(及び、好都合には、車両速度値も)を取得すること(図1のブロック11)によって実行することができる。
【0033】
上記を考慮して、危険な障害物/要素の検出及び位置特定方法1により、道路舗装上に存在する危険な障害物/要素(道路の窪み、隆起など)を検出及び位置特定することによって、また好都合には、ホイール速度の分析に基づいて障害物/要素の幾何学的形状を推定することによって、道路状態を評価することが可能になる。
【0034】
特に、好都合には、危険な障害物/要素の検出及び位置特定方法1は、道路の危険な障害物/要素に関する幾何学的形状及び地図上の位置などの情報を提供し、したがって、事前に運転者に対して、(例えば、道路の危険な障害物/要素の存在を事前に通知することによって、またタイヤ、ホイールリム、サスペンションなどへの損傷を防止するように適切に低減された速度を提案することによって、)道路の危険な障害物/要素に対する潜在的衝撃を回避するように警告することができる。さらに、危険な障害物/要素の検出及び位置特定方法1を利用することにより、好都合には、道路管理会社にも道路の危険な障害物/要素について知らせることができ、それにより道路保守作業を適切に計画することが可能になる。付加的には、危険な障害物/要素の検出及び位置特定方法1によって得られた情報は、タイヤ、サスペンション、ステアリングシステム、及びシャーシなどの車両部品の評価にも使用することができる。
【0035】
前述のように、道路舗装上の障害物/要素の検出(図1のブロック12)には、障害物/要素における/に対する衝撃に関連する進入時刻及び退出時刻を正確に識別すること、したがって、(速度がほぼ一定である場合には)障害物/要素における/に対する衝撃の前の時間に関連するホイール速度値を正確に識別すること、及び、(例えば、隆起又は道路の窪みに応じて、速度が典型的に最小値をとり、次いで最大値をとる場合、又はその逆の場合には)衝撃中の時刻に関連するホイール速度値を正確に識別することが必要になる。
【0036】
好都合には、連続的な分析/処理のために使用される衝撃前時間ウィンドウ及び衝撃後時間ウィンドウを正確に識別するために、有利には以下の数式を使用して、ホイールが道路の窪みなどの障害物/要素の退出縁部に接触する時刻を識別することができる。
【数1】
【0037】
この点に関して、道路の窪みにおける自動車ホイールの衝撃に関する、経時的なホイール速度の挙動の例を示す図2及び3を参照することができる。特に、図3を参照すると、道路の窪みにおける衝撃から生じる波形を分析することにより、進入時刻t及び退出時刻tを特定することができる。付加的には、時間差Δtimp=t-tに衝撃時車両速度値を乗算することで、道路の窪みの推定長さを獲得することができる。
【0038】
自動車ホイールが遭遇した障害物/要素に関連する進入時刻及び退出時刻が識別されれば、対応する正規化されたピーク・ツー・ピーク値PPを、好都合には以下の数式に従って計算することができる。
【数2】
,
ここで、Vは、進入時刻tと退出時刻tの間に含まれる時刻(すなわち、衝撃の一時的な期間中)に関連するホイール速度値を含む前記衝撃関連速度ベクトルを示し、Vは、衝撃の直前(すなわち、進入時刻tの直前)の時刻に関連するホイール速度値を含む上記の無衝撃速度ベクトルを示す。
【0039】
次に、計算済みの正規化されたピーク・ツー・ピーク値PPに基づいて、遭遇した障害物/要素に関連する重大度を決定することができる(図1のブロック13)。この点に関して、自動車ホイールが道路舗装上の障害物/要素における/に対する衝撃に関する様々な重大度の例を示す図4を参照することができる。
【0040】
付加的には、前述のように、好都合には予備衝撃テストを実行することができる。このようにして、様々な高さ/深さ及び長さを有する様々な障害物/要素上での車両速度信号に対して、相対的なピーク・ツー・ピークホイール速度信号の指数関数的な挙動を評価することが可能である。この点に関しては、図5を参照することができ、図5は、1cmである第1の高さを有する第1の隆起(実線)、3cmである第2の高さを有する第2の隆起(一点鎖線)、8cmである第3の高さを有する第3の隆起(破線)に対して、様々な速度で自動車を運転することにより、出願人によって実施された衝撃テストの結果の例を示す。
【0041】
前述のように、障害物/要素に対して決定された重大度(図1のブロック13)は、タイヤの完全性に対する障害物/要素の危険性又は潜在的危険性を示す。特に、重大度は、好都合には、以下のように衝撃テストで使用される1つ以上の自動車の正規化されたピーク・ツー・ピーク応答を再スケーリングすることによって計算することができる。
・重大度=1(非常に軽度) PP<50% Exp
・重大度=2(軽度) PP>60% Exp
・重大度=3(関連あり) PP>80% Exp
・重大度=4(重大) PP>100% Exp
【0042】
この点に関して、様々な完全度に関連するPP対速度のチャートの例を示す図6を参照することができる。
【0043】
したがって、好都合には、追加の様々な隆起/窪みの幾何学的形状及び形状を用いて追加の衝撃テストを実行することにより、基準閾値を調整することができる。
【0044】
図7は、イタリアのローマ地域に関連する地図の例を示し、検出された危険な障害物/要素が、障害物/要素に関連付けられるそれぞれの重大度とともに示されている。
【0045】
また本発明は、システムであって、
・タイヤ及び/又は車両の完全性にとって危険又は潜在的に危険である道路舗装上の障害物/要素(例えば、道路の窪み、隆起など)を検出及び位置特定し、
・検出された障害物/要素の重大度/レベルを決定し、また
・好ましくは、検出された障害物/要素の1つ又は複数の幾何学的特徴も決定する
ように設計されたシステムに関する。
【0046】
この点に関して、図8は、危険な障害物/要素の検出及び位置特定方法1を実行するように設計された、本実施形態による危険な障害物/要素の検出及び位置特定システム(全体として2で示される)の機能アーキテクチャを、ブロック図によって概略的に示す。
【0047】
特に、危険な障害物/要素の検出及び位置特定システム2は、取得手段21、処理手段22、記憶手段23、及び通知手段24を備える。
【0048】
取得手段21は、危険物/要素の検出及び位置特定方法1におけるホイール速度及びジオリファレンスデータの取得ステップ(図1のブロック11)を実行するように構成される。
【0049】
好都合には、取得手段21は、自動車内に搭載され、且つ(例えば、標準的なコントローラエリアネットワーク(CAN)バスに基づく)自動車の車両バスに結合されて、前記車両バスからホイール速度値及びジオリファレンスデータ(及び、好都合には車両速度値)を取得する、取得デバイスを含む。
【0050】
より一般的には、取得手段21は、好ましくは、複数の取得デバイスを含み、各取得デバイスは、各自動車に搭載され、且つ前記各自動車の各車両バスに結合されて、前記各車両バスから、各ホイール速度値及び各ジオリファレンスデータ(及び、好都合には、各車両速度値)を取得する。
【0051】
処理手段22は、
・取得手段21から、取得済みのホイール速度値及びジオリファレンスデータ(及び、好都合には、取得済み車両速度値)を受け取り、
・障害物/要素の検出ステップ(図1のブロック12)、重大度判定ステップ(図1のブロック13)、並びに、危険な障害物/要素の検出及び位置特定方法1の位置判定ステップ(図1のブロック14)を実行し、
・好都合には、検出された障害物/要素の1つ以上の第1及び/又は第2の幾何学的特徴を推定する前述の1つ以上のステップも実行する
ように構成される。
【0052】
処理手段22は、好都合には、
・分散型アーキテクチャであって、
- 処理デバイス(例えば、自動車型の電子制御ユニット(ECU))が、自動車内に搭載され、且つ前記自動車に搭載されている取得デバイスに接続されて、取得済みホイール速度値及びジオリファレンスデータ(及び、好都合には、車両速度値)を受け取る、若しくは、
- より一般的には、複数の処理デバイスのそれぞれが、各自動車内に搭載され、また各自動車に搭載されている各取得デバイスに接続されて、各取得デバイスから、各取得デバイスによって取得された各車両速度値及びジオリファレンスデータ(及び、好都合には、各車両速度値)を受け取る、
該分散型アーキテクチャ、又は、
・集中型アーキテクチャであって、クラウドコンピューティングシステムが使用され、クラウドコンピューティングシステムは、(例えば、2G、3G、4G、及び/又は5G携帯電話技術などの1つ又は複数の移動通信技術を介して)1つ以上の取得デバイスに無線で且つ遠隔で接続されて、1つ以上の取得デバイスによって取得された(各)ホイール速度値及び(各)ジオリファレンスデータ(及び、好都合には、(各)車両速度値)を受け取る、該集中型アーキテクチャ、
にしたがって実装することができる。
【0053】
記憶手段23は、検出された障害物/要素の位置と、処理手段22によって決定された関連付けられた重大度(及び、好都合には、検出された障害物/要素の推定された幾何学的特徴)と、を記憶するステップ(図1のステップ15)を実行するように構成される。
【0054】
記憶手段23は、好都合には、
・前記分散型アーキテクチャにおける、
- 自動車内に搭載され、また前記自動車に搭載されている処理デバイスに結合されたデータメモリ、若しくは、
- より一般的には、各処理デバイスにローカルで結合された各データメモリ
によって、又は
・前記集中型アーキテクチャにおける、前記クラウドコンピューティングシステムに結合されたデータベースによって、
実装することができる。
【0055】
通知手段24は、運転者及び/又は道路管理会社に、検出された障害物/要素について警告する1つ以上のステップを実行するように構成される。
【0056】
通知手段24は、好都合には、
・運転者によって使用される電子デバイスに及び/若しくは道路管理会社の処理システムに搭載されている、1つ若しくは複数のソフトウェアアプリケーション、並びに/又は
・運転者が使用する自動車に搭載されているヒューマンマシンインターフェース(HMI)手段、
によって実装することができる。
【0057】
以上から、本発明の技術的利点及び革新的特徴は、当業者には直ちに明らかである。
【0058】
特に、本発明により、道路の窪み、隆起などの、タイヤ及び/又は車両の完全性にとって危険又は潜在的に危険である道路舗装上の障害物/要素の検出、位置特定、及び重大度による特徴付け(また、好都合には、幾何学的な特徴付け)が可能になることを、再度指摘することが重要である。
【0059】
さらに、本発明により、検出された危険な障害物/要素の位置を、(運転者が、危険な障害物/要素を回避し又は適切に低減された速度で対処できるようにするために)運転者に、及び/又は(例えば、道路保守作業を適切に計画及び/又は優先順位付けするために)道路管理会社に通知することが可能になる。
【0060】
結論として、本発明に対して、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲の中に含まれる多数の変更及び改変を実施することが可能であることは明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路舗装上の障害物/要素を検出及び位置特定するための方法(1)であって、
・以下を取得するステップ(11)、すなわち、
- 道路上で運転される自動車のホイールに関連するホイール速度値、及び
- 前記ホイール速度値に関連付けられ、前記自動車の対応する位置を示すジオリファレンスデータ
を取得するステップ(11)と、
・取得済みホイール速度値に基づいて、前記道路上に存在する障害物/要素を検出するステップ(12)であり、以下のサブステップ、すなわち、
-前記ホイールが前記障害物/要素に接触した進入時刻、及び前記ホイールが前記障害物/要素を通り越した退出時刻を識別するサブステップ、並びに、
-前記障害物/要素に関連する正規化されたピーク・ツー・ピーク値を計算するサブステップであって、この計算は、
- 前記進入時刻と前記退出時刻の間に含まれる衝撃関連時刻に関連する前記取得済みホイール速度値の最大値及び最小値、並びに
- 前記進入時刻の直前の第1無衝撃時刻に関連する前記取得済みホイール速度値の平均値
に基づいて行う、該計算するサブステップ
によって、前記道路上に存在する障害物/要素を検出するステップ(12)と、
・前記正規化されたピーク・ツー・ピーク値に基づいて、前記障害物/要素に関連付けられる重大度を決定するステップ(13)と、
・前記衝撃関連時刻、及び/又は前記第1無衝撃時刻、及び/又は前記退出時刻の直後の第2無衝撃時刻に関連する、前記取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に関連付けられる取得済みジオリファレンスデータに基づいて、前記障害物/要素の位置を決定するステップ(14)と、
・前記障害物/要素の位置を、前記障害物/要素に関連付けられる重大度とともに記憶するステップ(15)と、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記進入時刻及び前記退出時刻は、所定期間を有するスライド時間ウィンドウによって取得済みホイール速度値を分析することにより識別される、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、前記所定期間は、前記自動車の現在の速度を示す現在の車両速度値に基づいて、所定ウィンドウ期間の値の中から選択される、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記現在の車両速度値は、前記取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に基づいて計算される、方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法において、前記障害物/要素に関連する正規化されたピーク・ツー・ピーク値を計算するステップは、
・以下を形成するステップ、すなわち、
- 前記衝撃関連時刻に関連する取得済みホイール速度値を有する衝撃関連速度ベクトル、及び
- 前記第1無衝撃時刻に関連する取得済みホイール速度値を有する無衝撃速度ベクトル
を形成するステップと、並びに
・前記正規化されたピーク・ツー・ピーク値を計算するステップであり、この計算は、
- 前記衝撃関連速度ベクトルにおける前記ホイール速度値の最大値及び最小値、並びに
- 前記無衝撃速度ベクトルにおける前記ホイール速度値の平均値
に基づいて行う、該計算するステップと、を含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、前記正規化されたピーク・ツー・ピーク値は、前記衝撃関連速度ベクトルにおける前記ホイール速度値の前記最大値と前記最小値との差の、前記無衝撃速度ベクトルにおける前記ホイール速度値の前記平均値に対する比率として計算される、方法。
【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載の方法において、前記ホイール速度値を取得するステップ(11)は、前記自動車の全てのホイールに関連するホイール速度値を取得するステップを含み、前記方法(1)は、さらに、前記第1無衝撃時刻及び前記第2無衝撃時刻に関連する前記取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に関連付けられる前記取得済みジオリファレンスデータに基づいて、前記自動車の進行方向を決定するステップを含み、検出された前記障害物/要素の位置は、
・前記衝撃関連時刻に関連する取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に関連付けられる前記取得済みジオリファレンスデータに基づいて決定される車両位置と、
・検出された前記障害物/要素に衝撃を及ぼしたホイールの、前記自動車上の位置と、及び
・前記自動車の決定された進行方向と、
に基づいて決定される、方法。
【請求項8】
請求項1~のいずれか一項に記載の方法において、前記障害物/要素に関連付けられる重大度は、前記正規化されたピーク・ツー・ピーク値、及び、前記障害物/要素に衝撃を及ぼしたときの前記自動車の速度を示す衝撃時車両速度値に基づいて決定される、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記衝撃時車両速度値は、
・前記ホイール速度値を、前記自動車の対応する車両速度値と共に取得し、また、前記第1無衝撃時刻に関連する取得済み車両速度値のうちの1つ又は複数に基づいて前記衝撃時車両速度値を計算することによって、又は
・前記第1無衝撃時刻に関連する取得済みホイール速度値のうちの1つ又は複数に基づいて、前記衝撃時車両速度値を計算することによって、
獲得される、方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、さらに、前記障害物/要素の第1の幾何学的特徴を、
・前記進入時刻と前記退出時刻の時間差と、及び
・前記第1無衝撃時刻に関連する取得済みホイール速度値の平均値、又は前記衝撃時車両速度値と、
に基づいて推定するステップを備える、方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法であって、さらに、前記正規化されたピーク・ツー・ピーク値、前記衝撃時車両速度値、及び所定基準データ/閾値に基づいて、前記障害物/要素の第2の幾何学的特徴を推定するステップを備える、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記所定基準データ/閾値は、
・様々な既知の幾何学的特徴を有する様々な障害物/要素に対して/上で、様々な車両速度で1つ又は複数の自動車を運転することを含む衝撃テストを実施すること、
・実施された前記衝撃テスト中に、テスト関連のホイール速度及びテスト関連の車両速度を測定/取得すること、並びに
・検出された前記障害物/要素の第2の幾何学的特徴を推定するために使用される基準データ/閾値を、前記テスト関連のホイール速度及び前記テスト関連の車両速度に基づいて計算/決定すること、
によって事前に獲得される、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法において、検出された前記障害物/要素に関連付けられる重大度は、前記所定基準データ/閾値にも基づいて決定される、方法。
【請求項14】
請求項1~のいずれか一項に記載の方法であって、さらに、
・前記障害物/要素に接近中の運転者に、前記障害物/要素の存在について警告するステップと、及び/又は、
・前記障害物/要素の位置を、前記障害物/要素に関連付けられる重大度とともに、前記道路を担当する道路管理会社に通知するステップと、を備える、方法。
【請求項15】
請求項1~のいずれか一項に記載の道路舗装上の障害物/要素を検出及び位置特定するための方法(1)を実行するように設計されたシステム(2)。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、
・前記ホイール速度値及び前記ジオリファレンスデータを取得するように構成される取得手段(21)と、
・前記取得手段(21)から前記取得済みホイール速度値及び前記取得済みジオリファレンスデータを受け取り、前記障害物/要素を検出し、前記障害物/要素に関連付けられる重大度を決定し、また前記障害物/要素の位置を決定するように構成される処理手段(22)と、並びに
・前記処理手段(22)によって決定された前記障害物/要素の位置、及び前記障害物/要素に関連付けられる重大度を記憶するように構成される記憶手段(23)と、
を備える、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムにおいて、
・前記取得手段(21)は、
- 自動車内に搭載され、
- 前記自動車の車両バスに結合され、かつ
- 前記車両バスから前記ホイール速度値及び前記ジオリファレンスデータを取得する、
ように構成されている取得デバイスを含み、また
・前記処理手段(22)は、
- 前記自動車内に搭載され且つ前記取得デバイスに接続される処理デバイス、又は
- 前記取得デバイスに遠隔接続されるクラウドコンピューティングシステム
を含む、システム。
【請求項18】
請求項16に記載のシステム(2)の処理手段(22)として構成される、処理デバイス/システム。
【請求項19】
1つ又は複数のソフトウェア及び/又はファームウェアコード部分を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記ソフトウェア及び/又はファームウェアコード部分は、
・処理デバイス又はシステム上にロード可能であり、また
・ロードされたときに、前記処理デバイス/システムが、請求項16に記載のシステム(2)の処理手段(22)として構成されるようにさせる、
コンピュータプログラム製品。
【国際調査報告】