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特表2024-536972編成及びニードリングを一体化させるプリフォームの成形方法及びプリフォームの成形装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】編成及びニードリングを一体化させるプリフォームの成形方法及びプリフォームの成形装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/10 20060101AFI20241003BHJP
   B29C 65/62 20060101ALI20241003BHJP
   B29C 65/48 20060101ALI20241003BHJP
   B29C 70/54 20060101ALI20241003BHJP
   B29C 70/28 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B29C70/10
B29C65/62
B29C65/48
B29C70/54
B29C70/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506240
(86)(22)【出願日】2022-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 CN2022128612
(87)【国際公開番号】W WO2024055392
(87)【国際公開日】2024-03-21
(31)【優先権主張番号】202211120616.3
(32)【優先日】2022-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519291342
【氏名又は名称】南京航空航天大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】単 忠徳
(72)【発明者】
【氏名】孫 正
(72)【発明者】
【氏名】周 征西
(72)【発明者】
【氏名】王 尭尭
(72)【発明者】
【氏名】汪 ▲ウェイ▼昊
(72)【発明者】
【氏名】劉 家楽
【テーマコード(参考)】
4F205
4F211
【Fターム(参考)】
4F205AD16
4F205AG07
4F205AJ08
4F205HA02
4F205HA23
4F205HA37
4F205HA44
4F205HC07
4F205HF05
4F205HG01
4F205HK23
4F205HL02
4F205HL11
4F205HL21
4F211AC02
4F211AD16
4F211AH31
4F211AR07
4F211TA03
4F211TA06
(57)【要約】
本発明は、編成及びニードリングを一体化させるプリフォームの成形方法を開示し、織機の両端に摘持装置を配置することにより、芯型が織機の軸線に沿ってある方向に向けて運動するとともに芯型の表面の第1層の織物を編成するステップと、そして、メッシュタイヤ自動プレースメント装置によって第1層の織物の上方にメッシュタイヤをプレースメントし、且つニードリング装置によってメッシュタイヤ層を予備ニードリングしてメッシュタイヤを編成織物の表面に貼り合わせるステップと、再び織機を起動し、芯型が反対方向に向けて運動するとともにメッシュタイヤの表面の第2層の織物を編成するステップと、上記のステップを繰り返し、多層の編成織物とメッシュタイヤが相互に貼り合わせることを実現するステップと、最後、自動ニードリング装置によってプリフォームにメインニードリングを施して、そのZ方向における強化を実現するステップとを含む。本発明は、該編成及びニードリングを一体化させるプリフォームの成形方法用のプリフォーム成形装置をさらに提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
織機の両端にそれぞれ1つの摘持装置を配置することにより、織機の一端に位置する摘持装置によって芯型の1つの端部を摘持し、芯型を芯型の軸線に沿って運動させ、糸によって芯型の表面に芯型の表面を被覆する第1層の織物を形成するステップ(1)と、
ステップ(1)において1回目の織物の被覆を完了した後に、編成を停止するステップ(2)と、
メッシュタイヤ自動プレースメント装置によって、芯型の表面に被覆された第1層の織物にメッシュタイヤをプレースメントし、ニードリング装置によって予備ニードリングを行ってメッシュタイヤを第1層の織物の表面に貼り合わせるステップ(3)と、
芯型を摘持していた摘持装置は芯型の端部を解放するステップ(4)と、
再び織機を起動するとともに、他端の摘持装置によって芯型の他端部を摘持してステップ(1)における芯型の軸線に沿う運動方向の反対方向に向けて運動し、続いて第2層の織物を編成し、且つ第2層の織物をメッシュタイヤの表面に密着させながらメッシュタイヤの表面を完全に被覆するステップ(5)と、
上記のステップを繰り返し、多層の編成織物とメッシュタイヤを交互に密着し貼り合わせてプリフォームを形成することを実現するステップ(6)と、
最後、自動ニードリング装置によってプリフォームにメインニードリングを施すステップ(7)とを含む、ことを特徴とする編成及びニードリングを一体化させるプリフォームの成形方法。
【請求項2】
織機と、異形構造金型と、織機の両端にそれぞれ位置する芯型摘持装置と、メッシュタイヤ自動プレースメント装置と、自動ニードリング装置とを含み、
前記芯型摘持装置は、グリップ爪(12)と、グリップ爪取り付け台(13)とを含み、グリップ爪(12)はグリップ爪取り付け台(13)に取り付けられ、グリップ爪取り付け台(13)に摘持装置を水平移動させる運動装置が取り付けられ、
前記メッシュタイヤ自動プレースメント装置は、第1のロボットアーム(2)と、第1の弧形状支持リング(3)と、ストッパローラ(4)と、駆動ギア(8)と、メッシュタイヤ巻取輪(5)と、メッシュタイヤ裁断刃(6)と、真空吸着装置(7)と、接着剤吐出装置(11)と、第1の円弧状歯付きリング(19)と、メッシュタイヤプレースメント台(14)とを含み、第1の弧形状支持リング(3)は第1のロボットアーム(2)に取り付けられ、第1のストッパローラ(4)、第1の駆動ギア(8)及び第1の円弧状歯付きリング(19)は第1の弧形状支持リング(3)に取り付けられ、メッシュタイヤ巻取輪(5)及びメッシュタイヤプレースメント台(14)は第1の円弧状歯付きリング(19)に取り付けられ、メッシュタイヤ裁断刃(6)、真空吸着装置(7)及び接着剤吐出装置(11)はメッシュタイヤプレースメント台に取り付けられ、第1のロボットアーム(2)は水平運動することが可能な装置に繋げられ、第1の円弧状歯付きリング(19)の内側に少なくとも2つの第1の駆動ギア(8)が取り付けられ、2つの第1の駆動ギア(8)は回動して第1の円弧状歯付きリング(19)及び第1の弧形状支持リング(3)を正回転又は逆回転させるように駆動し、
前記メッシュタイヤ自動ニードリング装置は、第2のロボットアーム(15)と、第2の弧形状支持リング(16)と、第2の円弧状歯付きリング(18)と、第2のストッパローラ(29)と、第2の駆動ギア(20)と、ニードリングヘッド(9)とを含み、第2の弧形状支持リング(18)は第2のロボットアーム(15)に取り付けられ、第2の円弧状歯付きリング(18)、第2のストッパローラ(19)及び第2の駆動ギア(20)はいずれも第2の弧形状支持リング(16)に取り付けられ、ニードリングヘッド(9)は第2の円弧状歯付きリング(18)に取り付けられ、第2のロボットアーム(15)には、それを水平運動させることができる装置が取り付けられ、第2の円弧状歯付きリング(18)の内側に少なくとも2つの第2の駆動ギア(20)が取り付けられ、2つの第2の駆動ギア(20)は回動して第2の円弧状歯付きリング(18)及び第2の弧形状支持リング(16)を正回転又は逆回転させるように駆動する、ことを特徴とする請求項1に記載の編成及びニードリングを一体化させるプリフォームの成形方法用のプリフォームの成形装置。
【請求項3】
2台の摘持装置のグリップ爪は、いずれも芯型及び織物が編成リングの軸線に沿って編成平面の左右両側において、糸と干渉せずに、水平に独立運動し又は協働運動するように牽引するとともに、編成する過程において、摘持装置のグリップ爪は、芯型及び織物に規定の付勢力を付与して織物を芯型の表面に密着し且つ芯型の表面を完全に被覆可能にし、芯型の表面と同様な織物プロフィールが形成される、ことを特徴とする請求項2に記載のプリフォーム成形装置。
【請求項4】
前記グリップ爪は、空気圧、電磁又は機械のうちの1つの形態を採用して、制御によって芯型及び織物の端部を自動的に解放し又はクランプする、ことを特徴とする請求項3に記載のプリフォーム成形装置。
【請求項5】
メッシュタイヤプレースメント及び予備ニードリングは、自動プレースメント装置及び自動ニードリング装置が協働して実現するものであり、メッシュタイヤを編成織物の表面に完全に貼り合わせる、ことを特徴とする請求項2に記載のプリフォーム成形装置。
【請求項6】
前記メッシュタイヤ自動プレースメント装置におけるメッシュタイヤ巻取輪(5)にメッシュタイヤが巻き取られ、メッシュタイヤプレースメントプラットフォーム(14)にメッシュタイヤを提供するために用いられ、第1の弧形状支持リング(3)、第1のストッパローラ(4)及び第1の駆動ギア(8)は、第1の円弧状歯付きリング(19)が中心周りに回転し且つその運動軌跡をリング状の範囲内に制限することを実現するために用いられ、真空吸着装置(7)を起動する際に、真空吸着装置(7)の表面に負圧が形成されメッシュタイヤを強固に吸着し、接着剤吐出装置(11)は接着剤を吐出してメッシュタイヤを織物の表面に接着し、且つメッシュタイヤプレースメントプラットフォーム(14)の端部による押圧によって、メッシュタイヤを織物の表面に粘着する、ことを特徴とする請求項2に記載のプリフォーム成形装置。
【請求項7】
前記自動ニードリング装置におけるニードリングヘッド(9)は、ニードルを解放し且つニードルを織物から引き抜き、ニードリングヘッド(9)の上方にニードルと織物の表面との相対位置を感知するためのセンサが取り付けられ、第2のロボットアーム(15)の運動姿勢が収集された位置情報に基づいて調整・制御され、さらに、ニードリングヘッド(9)のニードルは織物の平面の法線に平行である、ことを特徴とする請求項2に記載のプリフォーム成形装置。
【請求項8】
前記第1の弧形状支持リング(3)にメッシュタイヤプレースメントプラットフォーム(14)を取り付けるための接続孔が設けられ、第2の弧形状支持リング(16)にニードリングヘッド(9)を取り付けるための接続孔が設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載のプリフォーム成形装置。
【請求項9】
第1の弧形状支持リング(3)及び第1の弧形状支持リング(16)のいずれにも位置センサ(27)が取り付けられ、前記位置センサ(27)は、第1の円弧状歯付きリング(18)及び第2の円弧状歯付きリング(19)の位置を決定し、且つ第1の円弧状歯付きリング(18)及び第2の円弧状歯付きリング(19)が第1の駆動ギア(8)、第2の駆動ギア(20)、第1のストッパローラ(4)及び第2のストッパローラ(29)による拘束を逸脱することを防止するために用いられる、ことを特徴とする請求項3に記載のプリフォーム成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料の三次元構造のプリフォームの成形の技術分野に関し、具体的に、編成及びニードリングを一体化させるプリフォームの成形方法及び機器に関する。
【背景技術】
【0002】
複合材料は、各種の材料を複合技術によって組み合わせてなる新規な材料であり、該材料は従来の各成分の特徴を保持することができるだけでなく、材料の組み合わせによる複合効果によって材料全体が従来の成分より優れた特性を取得することができる。繊維強化体に基づく先端の複合材料は比強度が高く、比弾性率が高く、耐疲労性、耐浸食性、耐衝撃性、設計可能性が良いなどの利点を有するため、航空宇宙、自動車船舶、軌道交通などの分野で幅広く応用されている。
【0003】
プリフォームは、先端の複合材料の強化体として、その機械的性能に影響を与える決定的な要素である。二次元積層プリフォーム複合材料は先行して発展しており、技術は比較的に成熟し、現在最も広く応用されている複合材料であるが、その層間強度が低く、耐せん断及び耐衝撃性が弱いなどの欠点により、高層間のせん断応力及び高衝撃などの複雑な極限環境での普及及び応用が妨げられている。層間強化繊維を備える三次元構造のプリフォーム複合材料は従来の二次元構造の複合材料に比べて、三次元層間強化プリフォーム複合材料は二次元構造のプリフォーム複合材料の耐衝撃性が低く、層間剥離しやすいなどの欠点を克服し、優れた機械的性能を有し、ますます重視される。
【0004】
三次元構造のプリフォームは、一般的に紡績手段によって得られ、それに対応する製織及び非製織成形技術は、主に三次元織り、三次元編成、三次元縫合、可撓性ガイドによる三次元製織、三次元ニードリングなどを有する。三次元ニードリング技術は、二次元織物とメッシュタイヤとを層ごとに相互に重ね合わせた後、ニードルを突き刺して織物の層間強化相を形成する方法であり、他の三次元構造のプリフォームの成形技術に比べて、そのプロセスが簡単で、コストが低く、大きな注目を集めている。現在採用されているニードリング・二次元織物の複合成形技術に関して、二次元織物の成形、プレースメント及びニードリング過程は独立しており、その中の各過程でいずれも手動で行う必要があり、生産効率が低く、製品の品質を保証しにくく、複合材料業界ではプリフォームの成形技術の高効率、低コスト化をますます求めているため、現在、自動化されたニードリング・二次元織物を一体化させる成形方法及び機器を緊急に必要としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術における欠点に鑑み、多層の編成織物の連続的な編成及びニードリングを一体化させる自動成形することを実現するように、編成及びニードリングを一体化させるプリフォームの成形方法を提供することを目的とする。
【0006】
本発明は、上記の編成及びニードリングを一体化させるプリフォームの成形方法を実現するプリフォームの成形装置をさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術目的を実現するために、本発明は次のような技術案を採用し、編成及びニードリングを一体化させるプリフォームの成形方法及び機器であって、その具体的な内容は次のとおりである。
【0008】
編成及びニードリングを一体化させるプリフォームの成形方法であって、
織機の両端にそれぞれ1つの摘持装置を配置することにより、織機の一端に位置する摘持装置によって芯型の1つの端部を摘持し、芯型を芯型の軸線に沿って運動させ、糸によって芯型の表面に芯型の表面を被覆する第1層の織物を形成するステップ(1)と、
ステップ(1)において1回目の織物の被覆を完了した後に、編成を停止するステップ(2)と、
メッシュタイヤ自動プレースメント装置によって、芯型の表面に被覆された第1層の織物にメッシュタイヤをプレースメントし、ニードリング装置によって予備ニードリングを行ってメッシュタイヤを第1層の織物の表面に貼り合わせるステップ(3)と、
芯型を摘持していた摘持装置は芯型の端部を解放するステップ(4)と、
再び織機を起動するとともに、他端の摘持装置によって芯型の他端部を摘持してステップ(1)における芯型の軸線に沿う運動方向の反対方向に向けて運動し、続いて第2層の織物を編成し、且つ第2層の織物をメッシュタイヤの表面に密着させながらメッシュタイヤの表面を完全に被覆するステップ(5)と、
上記のステップを繰り返し、多層の編成織物とメッシュタイヤを相互に密着し貼り合わせてプリフォームを形成することを実現するステップ(5)と、
最後、自動ニードリング装置によってプリフォームにメインニードリングを施すステップ(6)とを含む、ことを特徴とする編成及びニードリングを一体化させるプリフォームの成形方法。
【0009】
本発明が提供する、上記の編成及びニードリングを一体化させるプリフォームの成形方法用のプリフォームの成形装置は、次の技術案を採用する。
【0010】
該プリフォームの成形装置は、織機と、異形構造金型と、織機の両端にそれぞれ位置する芯型摘持装置と、メッシュタイヤ自動プレースメント装置と、自動ニードリング装置とを含み、前記芯型摘持装置は、グリップ爪と、グリップ爪取り付け台とを含み、グリップ爪はグリップ爪取り付け台に取り付けられ、グリップ爪取り付け台に摘持装置を水平移動させる運動装置が取り付けられ、前記メッシュタイヤ自動プレースメント装置は、第1のロボットアームと、第1の弧形状支持リングと、ストッパローラと、駆動ギアと、メッシュタイヤ巻取輪と、メッシュタイヤ裁断刃と、真空吸着装置と、接着剤吐出装置と、第1の円弧状歯付きリングと、メッシュタイヤプレースメント台とを含み、第1の弧形状支持リングは第1のロボットアームに取り付けられ、第1のストッパローラ、第1の駆動ギア及び第1の円弧状歯付きリングは第1の弧形状支持リングに取り付けられ、メッシュタイヤ巻取輪及びメッシュタイヤプレースメント台は第1の円弧状歯付きリングに取り付けられ、メッシュタイヤ裁断刃、真空吸着装置及び接着剤吐出装置はメッシュタイヤプレースメント台に取り付けられ、第1のロボットアームは水平運動することが可能な装置に繋げられ、第1の円弧状歯付きリングの内側に少なくとも2つの第1の駆動ギアが取り付けられ、2つの第1の駆動ギアは回動して第1の円弧状歯付きリング及び第1の弧形状支持リングを正回転又は逆回転させるように駆動し、前記メッシュタイヤ自動ニードリング装置は、第2のロボットアームと、第2の弧形状支持リングと、第2の円弧状歯付きリングと、第2のストッパローラと、第2の駆動ギアと、ニードリングヘッドとを含み、第2の弧形状支持リングは第2のロボットアームに取り付けられ、第2の円弧状歯付きリング、第2のストッパローラ及び第2の駆動ギアはいずれも第2の弧形状支持リングに取り付けられ、ニードリングヘッドは第2の円弧状歯付きリングに取り付けられ、第2のロボットアームには、それを水平運動させることができる装置が取り付けられ、第2の円弧状歯付きリングの内側に少なくとも2つの第2の駆動ギアが取り付けられ、2つの第2の駆動ギアは回動して第2の円弧状歯付きリング及び第2の弧形状支持リングを正回転又は逆回転させるように駆動する。
【0011】
さらに、2台の摘持装置のグリップ爪は、いずれも芯型及び織物が編成リングの軸線に沿って編成平面の左右両側において、糸と干渉せず、水平に独立運動し又は協働運動するように牽引するとともに、編成する過程において、摘持装置のグリップ爪は、芯型及び織物に規定の付勢力を付与して織物を芯型の表面に密着し且つ芯型の表面を完全に被覆可能にし、芯型の表面と同様な織物プロフィールが形成される。
【0012】
さらに、前記グリップ爪は、空気圧、電磁又は機械のうちの1つの形態を採用して、制御によって芯型及び織物の端部を自動的に解放し又はクランプする。
【0013】
さらに、メッシュタイヤプレースメント及び予備ニードリングは、自動プレースメント装置及び自動ニードリング装置が協働して実現するものであり、メッシュタイヤを編成織物の表面に完全に貼り合わせる。
【0014】
さらに、前記メッシュタイヤ自動プレースメント装置におけるメッシュタイヤ巻取輪にメッシュタイヤが巻き取られ、メッシュタイヤプレースメントプラットフォーム(14)にメッシュタイヤを提供するために用いられ、第1の弧形状支持リング、第1のストッパローラ及び第1の駆動ギアは、第1の円弧状歯付きリングが中心周りに回転し且つその運動軌跡をリング状の範囲内に制限することを実現するために用いられ、真空吸着装置を起動する際に、真空吸着装置の表面に負圧が形成されメッシュタイヤを強固に吸着し、接着剤吐出装置は接着剤を吐出してメッシュタイヤを織物の表面に接着し、且つメッシュタイヤプレースメントプラットフォームの端部による押圧によって、メッシュタイヤを織物の表面に粘着する。
【0015】
さらに、前記自動ニードリング装置におけるニードリングヘッドは、ニードルを解放し且つニードルを織物から引き抜き、ニードリングヘッドの上方にニードルと織物の表面との相対位置を感知するためのセンサが取り付けられ、第2のロボットアームの運動姿勢が収集された位置情報に基づいて調整・制御され、さらに、ニードリングヘッドのニードルは織物の平面の法線に平行である。
【0016】
さらに、第1の弧形状支持リングにメッシュタイヤプレースメントプラットフォームを取り付けるための接続孔が設けられ、第2の弧形状支持リングにニードリングヘッドを取り付けるための接続孔が設けられる。
【0017】
さらに、第1の弧形状支持リング及び第1の弧形状支持リングのいずれにも位置センサが取り付けられ、前記位置センサは、第1の円弧状歯付きリング及び第2の円弧状歯付きリングの位置を決定し、且つ第1の円弧状歯付きリング及び第2の円弧状歯付きリングが第1の駆動ギア、第2の駆動ギア、第1のストッパローラ及び第2のストッパローラによる拘束を逸脱することを防止するために用いられる。
【発明の効果】
【0018】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は次のとおりである。本発明は従来の2.5D織機に基づいて、芯型の表面に繰り返し貼り合わせてメッシュタイヤを編成し且つプレースメントして予備ニードリングを行い、最後、全体ニードリングを行う方法を新たに提供し、二次元織物の自動且つ連続的な編成、自動且つ連続的なニードリングを統合することができる機器が構成される。従来の全手動又は半自動による織物のプレースメント及び繊維のZ方向における強化・複合技術に比べて、本発明による方法及び機器は、多層の編成織物の連続的な編成及びニードリングを一体化させる自動成形を実現することができ、三次元構造のプリフォームを編成・ニードリングする成形効率及び製品の信頼性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の編成及びニードリングを一体化させる成形方法のフローチャートである。
図2】本発明に記載の編成及びニードリングを一体化させる成形機器の構造概略図(方向1)である。
図3】本発明に記載の編成及びニードリングを一体化させる成形機器の構造概略図(方向2)である。
図4】本発明に記載の摘持装置のグリップ爪(12)によって芯型を摘持して、それが位置する方向に向けて編成する概略図である。
図5】本発明に記載の摘持装置のグリップ爪(22)によって編成及び被覆が完了された芯型を摘持する概略図である。
図6】本発明に記載のニードリングヘッド及びメッシュタイヤプレースメントプラットフォームが搭載される装置の概略図である。
図7】本発明に記載のメッシュタイヤのプレースメント及び予備ニードリングの過程の概略図である。
図8】本発明に記載のメッシュタイヤを1周プレースメントし、メッシュタイヤを裁断する概略図である。
図9】本発明に記載のメッシュタイヤの表面における編成過程の概略図である。
図10】本発明に記載の編成層―メッシュタイヤ層―編成層の扇形断面概略図である。
図11】本発明に記載の予備ニードリング及びメインニードリングの結果の対比概略図である。
図12】本発明に記載の最終製品の扇形断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の技術案をさらに説明する。
【0021】
従来の編成・ニードリングプロセスの複合過程のうちの二次元織物の製造、プレースメント及びニードリングの各過程は相互に独立し、いずれも人手に頼るので効率が低く、コストが高いなどの問題に対して、本発明は、編成及びニードリングを一体化させる成形方法を提供し、且つこの方法に基づいて対応するプリフォームの成形装置を提供する。
【0022】
図2図7に示すように、該プリフォームの成形装置の実施例は次のとおりである。プリフォームの成形装置は、織機と、異形構造金型と、織機の両端にそれぞれ位置する芯型摘持装置と、メッシュタイヤ自動プレースメント装置と、自動ニードリング装置とを含む。
【0023】
2つの構造が同じ前記芯型摘持装置を含み、それぞれ織機の軸方向の両端に位置し、その一端に位置する芯型摘持装置は、グリップ爪12と、グリップ爪取り付け台13とを含み、グリップ爪12はグリップ爪取り付け台13に取り付けられ、グリップ爪取り付け台13に摘持装置を軸方向に沿って水平移動させる運動装置が取り付けられる。他端に位置する芯型摘持装置は、グリップ爪22と、グリップ爪取り付け台23とを含み、グリップ爪22はグリップ爪取り付け台23に取り付けられ、グリップ爪取り付け台23に摘持装置を軸方向に沿って水平移動させる運動装置が取り付けられる。2台の摘持装置のグリップ爪は、いずれも芯型及び織物が編成リングの軸線に沿って編成平面の左右両側において、糸と干渉せずに、水平に独立運動し又は協働運動するように牽引するとともに、編成する過程において、摘持装置のグリップ爪は、芯型及び織物に規定の付勢力を付与して織物を芯型の表面に密着し且つ芯型の表面を完全に被覆可能にし、芯型の表面と同様な織物プロフィールが形成される。前記グリップ爪は、空気圧、電磁又は機械のうちの1つの形態を採用して、制御によって芯型及び織物の端部を自動的に解放し又はクランプする。
【0024】
前記メッシュタイヤ自動プレースメント装置は、第1のロボットアーム2と、第1の弧形状支持リング3と、ストッパローラ4と、駆動ギア8と、メッシュタイヤ巻取輪5と、メッシュタイヤ裁断刃6と、真空吸着装置7と、接着剤吐出装置11と、第1の円弧状歯付きリング19と、メッシュタイヤプレースメント台14とを含み、第1の弧形状支持リング3は第1のロボットアーム2に取り付けられ、第1のストッパローラ4、第1の駆動ギア8及び第1の円弧状歯付きリング19は第1の弧形状支持リング3に取り付けられ、メッシュタイヤ巻取輪5及びメッシュタイヤプレースメント台14は第1の円弧状歯付きリング19に取り付けられ、メッシュタイヤ裁断刃6、真空吸着装置7及び接着剤吐出装置11はメッシュタイヤプレースメント台に取り付けられ、第1のロボットアーム2は水平運動することが可能な装置に繋げられ、第1の円弧状歯付きリング19の内側に少なくとも2つの第1の駆動ギア8が取り付けられ、2つの第1の駆動ギア8は回動して第1の円弧状歯付きリング19及び第1の弧形状支持リング3を正回転又は逆回転させるように駆動する。前記メッシュタイヤ自動ニードリング装置は、第2のロボットアーム15と、第2の弧形状支持リング16と、第2の円弧状歯付きリング18と、第2のストッパローラ29と、第2の駆動ギア20と、ニードリングヘッド9とを含み、第2の弧形状支持リング18は第2のロボットアーム15に取り付けられ、第2の円弧状歯付きリング18、第2のストッパローラ19及び第2の駆動ギア20はいずれも第2の弧形状支持リング16に取り付けられ、ニードリングヘッド9は第2の円弧状歯付きリング18に取り付けられ、第2のロボットアーム15には、それを水平運動させることができる装置が取り付けられ、第2の円弧状歯付きリング18の内側に少なくとも2つの第2の駆動ギア20が取り付けられ、2つの第2の駆動ギア20は回動して第2の円弧状歯付きリング18及び第2の弧形状支持リング16を正回転又は逆回転させるように駆動する。前記第1の弧形状支持リング3にメッシュタイヤプレースメントプラットフォーム14を取り付けるための接続孔が設けられ、第2の弧形状支持リング16にニードリングヘッド9を取り付けるための接続孔が設けられる。第1の弧形状支持リング3及び第1の弧形状支持リング16のいずれにも位置センサ27が取り付けられ、位置センサ27は、第1の円弧状歯付きリング18及び第2の円弧状歯付きリング19の位置を決定し、且つ第1の円弧状歯付きリング18及び第2の円弧状歯付きリング19が第1の駆動ギア8、第2の駆動ギア20、第1のストッパローラ4及び第2のストッパローラ29による拘束を逸脱することを防止するために用いられる。
【0025】
前記メッシュタイヤ自動プレースメント装置におけるメッシュタイヤ巻取輪5にメッシュタイヤが巻き取られ、メッシュタイヤプレースメントプラットフォーム14にメッシュタイヤを提供するために用いられ、第1の弧形状支持リング3、第1のストッパローラ4及び第1の駆動ギア8は、第1の円弧状歯付きリング19が中心周りに回転し且つその運動軌跡をリング状の範囲内に制限することを実現するために用いられ、真空吸着装置7を起動する際に、真空吸着装置7の表面に負圧が形成されメッシュタイヤを強固に吸着し、接着剤吐出装置11は接着剤を吐出してメッシュタイヤを織物の表面に接着し、且つメッシュタイヤプレースメントプラットフォーム14の端部による押圧によって、メッシュタイヤを織物の表面に粘着する。前記自動ニードリング装置におけるニードリングヘッド9は、ニードルを解放し且つニードルを織物から引き抜き、ニードリングヘッド9の上方にニードルと織物の表面との相対位置を感知するためのセンサが取り付けられ、第2のロボットアーム15の運動姿勢が収集された位置情報に基づいて調整・制御され、さらに、ニードリングヘッド9のニードルは織物の平面の法線に平行である。メッシュタイヤプレースメント及び予備ニードリングは、自動プレースメント装置及び自動ニードリング装置が協働して実現するものであり、メッシュタイヤを編成織物の表面に完全に貼り合わせる。
【0026】
本発明による編成及びニードリングを一体化させる成形方法の実施例は次のとおりである。
【0027】
(1)図4を参照し、2.5D織機1の両端に摘持装置を配置することにより、1台の摘持装置のグリップ爪12によって芯型21の1つの端部を摘持し、芯型21は織機の軸線に沿ってある矢印に示す方向に向けて運動することができ、糸24によって芯型の表面に第1層の織物25を形成する。
【0028】
(2)図5を参照し、ステップ(1)において1回目の織物の被覆を完了した後に、編成を停止し、他端の摘持装置のグリップ爪22によって芯型21の他端の端部を摘持する。
【0029】
(3)図7を参照し、メッシュタイヤ自動プレースメント装置及び自動ニードリング装置は、水平運動装置によって織物及び金型の側面に移動して動作を始め、メッシュタイヤ巻取輪5は回転することによりメッシュタイヤ26を徐々に放出し、真空吸着装置7を起動しメッシュタイヤ26をメッシュタイヤプレースメント台14の端部に強固に吸着し、第1のロボットアーム2、第1の弧形状支持リング3及び第1の円弧状歯付きリング19(第1の駆動ギア8によって駆動され、第1のストッパローラ4によってストッパされる)は協働して、メッシュタイヤプレースメント台14の端部によって適切な予圧でメッシュタイヤ26を第1層の織物25の表面に押圧するとともに、接着剤吐出装置11は接着剤を吐出しメッシュタイヤ26を第1層の織物25の表面に粘着し、そして、真空吸着装置7は動作を停止し、メッシュタイヤ26をプレースメントするとともに、ニードリング装置は距離センサによってメッシュタイヤ26との距離を感知し、距離情報を処理することにより、第2のロボットアーム15、第2の弧形状支持リング16及び第2の円弧状歯付きリング19の位置・姿勢を調整し、ニードリングヘッド9を所定の位置に搬送し、ニードリングヘッド9は第1層の織物25の平面の法線までに回転し、予備ニードリングを行う。図8を参照し、一周のメッシュタイヤのプレースメント及び予備ニードリングを完了した後に、メッシュタイヤ裁断刃6によってメッシュタイヤ26を裁断し、再び真空吸着装置7を起動しメッシュタイヤ26をメッシュタイヤプレースメント台14の端部に強固に吸着する。
【0030】
(4)芯型摘持装置のグリップ爪12は芯型を解放する。
【0031】
(5)図9を参照し、再び織機を起動するとともに、摘持装置のグリップ爪22によって芯型を摘持して反対方向に向けて運動し、糸24によって第2層の織物28を編成し形成することを開始し、第2層の織物28をメッシュタイヤ26の表面を密着させながら完全に被覆することができ、現時点に得られた編成層―ニードリング層―編成層のプリフォームの扇形断面は図10に示す。
【0032】
(6)上記のステップを繰り返し、多層の編成織物とメッシュタイヤを相互に貼り合わせることを実現し、得られたプリフォームの扇形断面は図12に示す。
【0033】
(7)最後、図5に示すように、自動ニードリング装置によってプリフォームをメインニードリングし、図11は、予備ニードリング(a)とメインニードリング(b)の効果の対比図である。
【0034】
以上は本発明の好ましい実施の形態に過ぎず、本発明の保護範囲は上記の実施例に制限されず、本発明の思想に属する技術案はいずれも本発明の保護範囲に含まれる。指摘すべきこととして、当業者にとっては、本発明の原理を逸脱しない前提で行われた若干の改良及び修飾は、本発明の保護範囲として見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】