(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】内部トリムコンパートメント用の電磁ラッチ
(51)【国際特許分類】
E05B 81/08 20140101AFI20241003BHJP
E05B 17/22 20060101ALI20241003BHJP
E05B 77/12 20140101ALI20241003BHJP
E05B 77/22 20140101ALI20241003BHJP
E05B 81/56 20140101ALI20241003BHJP
E05B 83/30 20140101ALI20241003BHJP
E05C 19/16 20060101ALI20241003BHJP
B60R 7/06 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
E05B81/08
E05B17/22 Z
E05B77/12
E05B77/22
E05B81/56
E05B83/30
E05C19/16 Z
B60R7/06 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515029
(86)(22)【出願日】2022-10-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 US2022045658
(87)【国際公開番号】W WO2023059624
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トリベディ,シェイル
(72)【発明者】
【氏名】ダンダ,アヴィナシュ
(72)【発明者】
【氏名】セオドア,シャキール
(72)【発明者】
【氏名】サンチェ ナヴァ,ルネ
【テーマコード(参考)】
2E250
3D022
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250CC18
2E250JJ32
2E250JJ45
2E250LL11
3D022CA08
3D022CB01
3D022CC03
3D022CD14
(57)【要約】
固定パネルと移動パネルとを含む車両格納アセンブリが提供される。固定パネルが開口を有し、移動パネルは開口に近接している。移動パネルは、開放形態と閉鎖形態との間で移動する。移動パネルは、閉鎖形態にあるときに開口の少なくとも一部を覆う。車両格納システムは、強磁性部材と、移動パネルが閉鎖形態にあるときに強磁性部材に磁気的に結合される1つ以上の磁石とを更に含む。車両格納アセンブリは、電磁コイルを更に含むことができる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する固定パネルと、
前記開口に近接し、開放形態と閉鎖形態との間で移動するように構成される移動パネルであって、前記閉鎖形態にあるときに前記開口の少なくとも一部を覆う移動パネルと、
強磁性部材、及び、前記移動パネルが前記閉鎖形態にあるときに前記強磁性部材に磁気的に結合される1つ以上の磁石と、
入力信号を受信するとともに、前記入力信号に少なくとも部分的に基づいて前記固定パネルと前記移動パネルとの間の吸引力を調整するように構成されるコントローラと、
を備える、車両格納アセンブリ。
【請求項2】
前記入力信号は、ディスプレイ、キーフォブ、衝突センサ、及びアジャースイッチのうちの1つ以上から受信される、請求項1に記載の格納アセンブリ。
【請求項3】
前記固定パネルは、グローブボックスとして構成される格納コンパートメントである、請求項1に記載の格納アセンブリ。
【請求項4】
前記移動パネルがドアである、請求項1に記載の格納アセンブリ。
【請求項5】
前記ドアがグローブボックスの一部である、請求項4に記載の格納アセンブリ。
【請求項6】
電磁コイルを更に備える、請求項1に記載の格納アセンブリ。
【請求項7】
前記電磁コイルが銅である、請求項6に記載の格納アセンブリ。
【請求項8】
前記電磁コイルは、電気的に通電されて、前記固定パネルと前記移動パネルとの間の吸引力を増大させる極性をもたらすように構成される、請求項6に記載の格納アセンブリ。
【請求項9】
前記電磁コイルは、電気的に通電されて、前記固定パネルと前記移動パネルとの間の吸引力を減少させる極性をもたらすように構成される、請求項6に記載の格納アセンブリ。
【請求項10】
前記入力信号を受けるように構成されるディスプレイを更に備え、前記固定パネルは、前記入力信号に少なくとも部分的に応答して前記開放形態に移動する、請求項1に記載の格納アセンブリ。
【請求項11】
前記入力信号が前記ディスプレイ上のスクリーンタップである、請求項10に記載の格納アセンブリ。
【請求項12】
前記ディスプレイは、前記強磁性部材及び前記1つ以上の磁石から離れて配置される、請求項11に記載の格納アセンブリ。
【請求項13】
前記1つ以上の磁石は、ネオジム鉄ホウ素(NdFeB)、AlNiCo、フェライト、又はSmCo磁石である、請求項1に記載の格納アセンブリ。
【請求項14】
前記1つ以上の磁石の外周の少なくとも一部の周りに配置される強磁性筐体を更に備える、請求項1に記載の格納アセンブリ。
【請求項15】
前記電磁コイルは、前記1つ以上の磁石の外周の少なくとも一部を取り囲んでいる、請求項6に記載の格納アセンブリ。
【請求項16】
前記電磁コイル及び前記1つ以上の磁石の外周の少なくとも一部の周りに配置される強磁性筐体を更に備える、請求項6に記載の格納アセンブリ。
【請求項17】
前記強磁性筐体が鋼カップである、請求項14に記載の格納アセンブリ。
【請求項18】
前記移動パネルがトリムパネルである、請求項1に記載の格納アセンブリ。
【請求項19】
前記強磁性部材が前記トリムパネル上に配置される、請求項18に記載の格納アセンブリ。
【請求項20】
前記トリムパネル上の前記強磁性部材が露出され/視認可能であり得る、請求項19に記載の格納アセンブリ。
【請求項21】
前記トリムパネル上の前記強磁性部材は、審美性を改善するために前記トリムパネル材料の内側に隠され得る、請求項19に記載の格納アセンブリ。
【請求項22】
前記強磁性部材及び/又は前記1つ以上の磁石は、審美性及び/又はNVH/音響性能を向上させるために織物又は布地カバーの下方に配置される、請求項1に記載の格納アセンブリ。
【請求項23】
前記強磁性部材が鋼である、請求項1に記載の格納アセンブリ。
【請求項24】
前記反発力が前記2つのパネルをラッチ解除するのに十分であるようにするべく前記トリムパネルと前記移動パネルとの間の最小隙間を制限する、及び/又はNVH改善/衝撃音低減を支援する及び/又は審美的もしくは視覚的表面として機能する、織物、布地、発泡体パッド、樹脂、ゲル、プラスチックオーバーモールド、又は他の被覆材料を更に備える、請求項18に記載の格納アセンブリ。
【請求項25】
グローブボックスのドアにおけるセキュリティレベルを高めるための方法であって、前記ドアが前記グローブボックスのコンパートメントを選択的に覆うように構成され、前記方法は、
前記グローブボックスのセキュリティのレベルを高めるための信号を受信するステップと、
前記ドアと前記グローブボックスとの間の吸引力を増大させるためにコイルに通電するステップと、を含む方法。
【請求項26】
前記セキュリティのレベルが車両衝突の場合である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記セキュリティのレベルは、許可されていないユーザが前記グローブボックスへのアクセスを試みる場合である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
筐体に関連する力を動的に管理するための方法であって、前記筐体がコンパートメントドア及びハウジングを含み、前記方法は、
前記コンパートメントドアに関連する磁気吸引力を調整するための信号を受信するステップと、
前記コンパートメントドアと前記ハウジングとの間の磁気吸引力を調整するためにコイルに通電するステップと、を含む方法。
【請求項29】
トリムパネルと移動パネルとの間の距離に応じて電磁石に電流を流すことによって、システムの引力又は反発力を動的に管理するための方法。
【請求項30】
前記トリムパネルと前記移動パネルとの間の衝撃音を低減する/NVHを改善する、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
開口を有する固定パネルと、
前記開口に近接し、開放形態と閉鎖形態との間で移動するように構成される移動パネルと、
強磁性部材と、
前記移動パネルが前記閉鎖形態にあるときに前記強磁性部材に磁気的に引き付けられるように構成される1つ以上の磁石と、
前記固定パネルと前記移動パネルとの間の吸引力を変更するように構成されるコントローラと、を備える、車両格納システム。
【請求項32】
前記移動パネルは、前記閉鎖形態にあるときに前記開口の少なくとも一部を覆う、請求項31に記載の格納アセンブリ。
【請求項33】
前記コントローラは、ディスプレイ、キーフォブ、衝突センサ、及びアジャースイッチのうちの1つ以上から入力信号を受信し、前記信号に少なくとも部分的に基づいて前記吸引力を変更するように構成される、請求項31に記載の格納アセンブリ。
【請求項34】
前記固定パネルは、グローブボックスとして構成される格納コンパートメントである、請求項31に記載の格納アセンブリ。
【請求項35】
前記移動パネルがドアである、請求項31に記載の格納アセンブリ。
【請求項36】
前記ドアがグローブボックスの一部である、請求項35に記載の格納アセンブリ。
【請求項37】
電磁コイルを更に備える、請求項31に記載の格納アセンブリ。
【請求項38】
前記電磁コイルが銅である、請求項37に記載の格納アセンブリ。
【請求項39】
前記電磁コイルは、電気的に通電されて、前記固定パネルと前記移動パネルとの間の吸引力を増大させる極性をもたらすように構成される、請求項37に記載の格納アセンブリ。
【請求項40】
前記電磁コイルは、電気的に通電されて、前記固定パネルと前記移動パネルとの間の吸引力を減少させる極性をもたらすように構成される、請求項37に記載の格納アセンブリ。
【請求項41】
前記1つ以上の磁石は、ネオジム鉄ホウ素(NdFeB)、AlNiCo、フェライト、又はSmCo磁石である、請求項31に記載の格納アセンブリ。
【請求項42】
前記1つ以上の磁石の外周の少なくとも一部の周りに配置される強磁性筐体を更に備える、請求項31に記載の格納アセンブリ。
【請求項43】
前記強磁性筐体が鋼カップである、請求項42に記載の格納アセンブリ。
【請求項44】
前記移動パネルがトリムパネルである、請求項31に記載の格納アセンブリ。
【請求項45】
前記強磁性部材が前記トリムパネル上に配置される、請求項44に記載の格納アセンブリ。
【請求項46】
前記強磁性部材が鋼である、請求項31に記載の格納アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この出願は、2021年10月6日に出願された米国仮出願第63/262,164号の利益を主張し、この米国仮出願の全開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
この出願は、車両格納コンパートメントに関し、より詳細には、車両のコンパートメントドアのラッチを制御するための格納コンパートメント閉鎖アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に説明すると、電気自動車、燃焼機関車、ハイブリッド車などの様々な車両は、1つ以上の格納コンパートメントで構成され得る。これらのコンパートメントは、車両付属品、私物及び他の物体を格納することができる。例えば、車両は、一般に、車室の助手席側のダッシュボードに位置されるグローブボックスを含む。グローブボックスは、開放形態と閉鎖形態との間で回動するドアを含むことができる。ドアは、ドアを閉じた状態にラッチするためのラッチアセンブリを有することができる。ラッチは、ドアを解放するためにユーザによって作動され得る。ラッチが解放されると、重力がドアを開放形態に駆動することが多い。衝突中に大きな力が加えられてコンパートメントドアが予期せず開放する場合、従来のラッチアセンブリは故障する可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
一態様は、開口を有する固定パネルと、開口に近接する移動パネルとを含む車両格納アセンブリに関する。移動パネルは、開放形態と閉鎖形態との間で移動するように構成され得る。移動パネルは、閉鎖形態にあるときに開口の少なくとも一部を覆うことができる。アセンブリは、強磁性部材と、移動パネルが閉鎖形態にあるときに強磁性部材に磁気的に結合される1つ以上の磁石とを更に含むことができる。
【0005】
上記態様の変形例では、固定パネルが格納コンパートメントである。
【0006】
上記態様の変形例では、格納コンパートメントがグローブボックスのハウジングである。
【0007】
上記態様の変形例では、移動パネルがコンパートメントドアである。
【0008】
上記態様の変形例では、ドアがグローブボックスの一部である。
【0009】
上記態様の変形例は、電磁コイルを更に備える。
【0010】
上記態様の変形例では、前記電磁コイルが銅である。
【0011】
上記態様の変形例では、電磁コイルが、電気的に通電されて、固定パネルと移動パネルとの間の吸引力を増大させる極性をもたらすように構成される。
【0012】
上記態様の変形例では、電磁コイルが、電気的に通電されて、固定パネルと移動パネルとの間の吸引力を減少させる極性をもたらすように構成される。
【0013】
上記態様の変形例は、ユーザ入力信号を受信するように構成されるディスプレイを更に備え、固定パネルは、ユーザ入力信号に少なくとも部分的に応答して開放形態に移動する。
【0014】
上記態様の変形例では、ユーザ入力信号がディスプレイ上のスクリーンタップである。
【0015】
上記態様の変形例では、ディスプレイが強磁性部材及び1つ以上の磁石から離れて配置される。
【0016】
上記態様の変形例では、1つ以上の磁石がネオジム鉄ホウ素(NdFeB)、AlNiCo、フェライト、又はSmCo磁石である。
【0017】
上記態様の変形例は、1つ以上の磁石の外周の少なくとも一部の周りに配置される強磁性筐体を更に備える。
【0018】
上記態様の変形例では、電磁コイルが1つ以上の磁石の外周の少なくとも一部を取り囲んでいる。
【0019】
上記態様の変形例は、電磁コイル及び1つ以上の磁石の外周の少なくとも一部の周りに配置される強磁性筐体を更に備える。
【0020】
上記態様の変形例では、強磁性筐体が鋼カップである。
【0021】
上記態様の変形例では、移動パネルがトリムパネルである。
【0022】
上記態様の変形例では、強磁性部材がトリムパネルに配置される。
【0023】
上記態様の変形例では、トリムパネル上の強磁性部材を露出/視認可能とすることができる。
【0024】
上記態様の変形例では、トリムパネル上の強磁性部材を、審美性を改善するためにトリムパネル材料の内側に隠すことができる。
【0025】
上記態様の変形例では、強磁性部材及び/又は1つ以上の磁石が、審美性及び/又はNVH/音響性能を改善するために織物又は布地のカバーの下方に配置される。
【0026】
上記態様の変形例では、強磁性部材が鋼である。
【0027】
上記態様の変形例は、反発力が2つのパネルをラッチ解除するのに十分であるようにするべくトリムパネルと移動パネルとの間の最小隙間を制限する、及び/又はNVH改善/衝撃音低減を支援する及び/又は審美的もしくは視覚的表面として機能する、織物、布地、発泡体パッド、樹脂、ゲル、プラスチックオーバーモールド、又は他の被覆材料を更に備える。
【0028】
一態様は、グローブボックスのドアにおけるセキュリティレベルを高めるための方法に関し、ドアがグローブボックスのコンパートメントを選択的に覆うように構成され、方法は、グローブボックスにおけるセキュリティのレベルを高めるための信号を受信するステップと、ドアとグローブボックスとの間の吸引力を増大させるためにコイルに通電するステップとを含む。
【0029】
上記態様の変形形態では、セキュリティのレベルが車両衝突の場合である。
【0030】
上記態様の変形例では、セキュリティのレベルが、許可されていないユーザがグローブボックスにアクセスしようと試みる場合である。
【0031】
一態様は、筐体に関連する力を動的に管理するための方法に関し、筐体がコンパートメントドア及びハウジングを含み、方法は、コンパートメントドアに関連する磁気吸引力を調整するための信号を受信するステップと、コンパートメントドアとハウジングとの間の磁気吸引力を調整するためにコイルに通電するステップとを含む。
【0032】
一態様は、トリムパネルと移動パネルとの間の距離に応じて電磁石に電流を流すことによって、システムの引力又は反発力を動的に管理するための方法に関する。
【0033】
上記態様の変形例では、方法は、トリムパネルと移動パネルとの間の衝撃音を低減する/NVHを改善する。
【0034】
一態様は、開口を有する固定パネルと、開口に近接し、開放形態と閉鎖形態との間で移動するように構成される移動パネルと、強磁性部材と、移動パネルが閉鎖形態にあるときに強磁性部材に磁気的に引き付けられるように構成される1つ以上の磁石と、固定パネルと移動パネルとの間の吸引力を変更するように構成されるコントローラとを備える車両格納システムに関する。
【0035】
上記態様の変形例では、移動パネルが、閉鎖形態にあるときに開口の少なくとも一部を覆う。
【0036】
上記態様の変形例では、コントローラが、ディスプレイ、キーフォブ、衝突センサ、及びアジャースイッチのうちの1つ以上から入力信号を受信し、信号に少なくとも部分的に基づいて吸引力を変更するように構成される。
【0037】
上記態様の変形例では、固定パネルが、グローブボックスとして構成される格納コンパートメントである。
【0038】
上記態様の変形例では、移動パネルがドアである。
【0039】
上記態様の変形例では、ドアがグローブボックスの一部である。
【0040】
上記態様の変形例は、電磁コイルを更に備える。
【0041】
上記態様の変形例では、前記電磁コイルが銅である。
【0042】
上記態様の変形例では、電磁コイルが、電気的に通電されて、固定パネルと移動パネルとの間の吸引力を増大させる極性をもたらすように構成される。
【0043】
上記態様の変形例では、電磁コイルが、電気的に通電されて、固定パネルと移動パネルとの間の吸引力を減少させる極性をもたらすように構成される。
【0044】
上記態様の変形例では、1つ以上の磁石がネオジム鉄ホウ素(NdFeB)、AlNiCo、フェライト、又はSmCo磁石である。
【0045】
上記態様の変形例は、1つ以上の磁石の外周の少なくとも一部の周りに配置される強磁性筐体を更に備える。
【0046】
上記態様の変形例では、強磁性筐体が鋼カップである。
【0047】
上記態様の変形例では、移動パネルがトリムパネルである。
【0048】
上記態様の変形例では、強磁性部材がトリムパネルに配置される。
【0049】
上記態様の変形例では、強磁性部材が鋼である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
添付図面を参照して本発明を説明するが、図面中、同様の参照符号は同様の要素を参照する。
【0051】
【
図1】一実施形態に係る車室内に車両格納システムを含む車両の内部の典型的な図である。
【0052】
【0053】
【
図3】固定パネルと、ユーザが車両格納システムの内部にアクセスできるようにするために固定パネルから離れるように回動するべく構成された移動パネルとを含む典型的な車両格納システムの側断面図である。
【0054】
【
図4】固定パネル及び/又は移動パネルに位置された1つ以上の磁石を示す、
図3の車両格納システムの一実施形態の上面図である。
【0055】
【
図5】1つ以上のリンケージを移動させて磁場の強度を低下させ、移動パネルを固定パネルからラッチ解除するリニアアクチュエータを示す、
図3の車両格納システムの他の実施形態の上面図である。
【0056】
【
図6】本明細書中に開示される車両格納システムの実施形態で用いることができる磁石アセンブリの実施形態を示す。
【0057】
【
図7】
図6の磁石アセンブリを使用する取り付け及び取り外し戦略を示す。
【0058】
【
図8】固定パネルと、ユーザが車両格納システムの内部にアクセスできるようにするために固定パネルから離れるように回動するべく構成された移動パネルとを含む他の典型的な車両格納システムの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
一般的に説明すると、本開示の1つ以上の態様は、内部トリムコンパートメントに関する。例えば、特定の実施形態では、1つ以上の態様は、保持機構を含む。特定の実施形態では、保持機構を使用して、内部トリムパネルをラッチ及び解放することができる。説明を容易にするために、静止したパネルを固定パネルと呼び、取り外される/着脱されるべきインタフェースパネルを移動パネルと呼ぶ。特定の実施形態では、保持機構は静的であり、可動部品を含まない。例えば、特定の実施形態では、第1の部品は、アセンブリを形成するために磁石の長さの少なくとも一部の周りにソレノイドが巻き付けられた固定パネル上に配置される永久磁石から構成される。特定の実施形態では、強磁性カバーがアセンブリを封入してもよい。特定の実施形態では、第2の部品は、移動パネル上に配置された永久磁石又は強磁性プレートのいずれかから構成することができる。
【0060】
特定の実施形態では、ラッチは磁気引力によって達成される。特定の実施形態では、磁気引力は、固定パネルおよび移動パネル上に配置された強磁性構成要素間にある。特定の実施形態では、ラッチ解除は、ソレノイドに電流を誘導するために固定パネル上のソレノイドに電圧を供給することによって達成される。電流は、固定パネル上の永久磁石の磁束密度を減少させ、したがって、システムの保持力を減少させてラッチ解除を可能にする磁場を生成する。特定の実施形態では、システムの保持力を増大させる磁場を生成するために、印加電圧の極性を逆にすることもできる。
【0061】
保持機構の特定の実施形態は静的であり、可動部品を含まない。特定の実施形態は、より低い全体質量、より小さいパッケージング体積、より単純な制御戦略、より低い構成要素数、より低いノイズ、振動、及びハーシュネス(NVH)、並びにより低いブザー、鳴き、及びがたつき(BSR)のリスクを有することもでき、これらは全て、既知の保持システムと比較してより肯定的なユーザ体験に寄与することができる。保持システムの利点としては、固定パネルと移動パネルとの間に一定の引力を与えること、移動パネルから固定パネルをラッチ解除するために対向する磁場を生成すること、特定の状況(盗難防止、衝突など)中に固定パネルと移動パネルとの間の保持力を増大させるために補助磁場を生成すること、運動学的要素なし、及び/又は包装容積が小さく、成分数が少ないことを挙げることができる。
【0062】
図1は、車両格納システム12を含む車両10の内部の典型的な例示である。特定の実施形態では、車両格納システム12は車室16内にある。特定の実施形態では、車両格納アセンブリ12は、保持機構14を備える。本明細書に記載の保持機構14は、任意の自動ラッチ及び解放用途に使用することができる。特定の実施形態では、構成に応じて、保持機構14は、例えば、アームレストを所望まで開いた状態から固定し、格納コンパートメント(例えば、グローブボックス、センターコンソールの蓋、トランクタブのカバー)をラッチして解放し、内部トリムパネルとそのインタフェースとの間の保持力を増大させ(盗難を防止するため、又は激しいクラッシュ/エアバッグ展開中のパネルの取り外しを回避するため)、及び/又は構成要素の保守性の改善を可能にする(保持機構をオンにして、そうでなければ手動で取り外すことが困難なトリムパネルを取り外す/ポップオフパネルを取り外す)ために使用することができる。勿論、保持機構14について列挙された用途は網羅的なリストではない。保持機構14は、当業者に知られている他の多くの用途に使用することができる。
【0063】
特定の実施形態では、保持機構14の1つ以上の特性及び/又は特徴は、用途に応じて変えることができる。例えば、特定の実施形態では、1つ以上の特性及び/又は特徴は、固定パネル上の永久磁石の材料のサイズ及び種類を含むことができる。特定の実施形態では、永久磁石の材料のサイズ及び種類は、保持力を決定するための総体積を含むことができる。特定の実施形態では、永久磁石の材料のサイズ及び種類は、ソレノイドのパッケージ空間の長さを含むことができる。特定の実施形態では、永久磁石の材料のサイズ及びタイプは、磁束密度飽和限界、保磁力値、残留値、ヒステリシス損失、及び/又は動作温度範囲に使用される材料のタイプを選択することを含むことができる。特定の実施形態では、固定パネルと移動パネルとの間の空隙を選択することにより、最大保持力を決定することができる。例えば、特定の実施形態では、引力は、インタフェースパネル間の距離に対して逆二乗の関係を示す(例えば、空隙)。特定の実施形態では、固定パネル上のソレノイドに使用される磁気ワイヤのサイズ(例えば、永久磁石を取り囲むソレノイド内の巻線及びワイヤの層の数)を選択することにより、全システム電流引き込み、熱出力、生成される磁場の強度を決定することができる。特定の実施形態では、ワイヤゲージを選択することにより、許容可能な電流引き込み及びデューティサイクルを決定することができる。
【0064】
保持システム14の特定の実施形態は、コスト及び質量の削減をもたらすことができる。保持システム14の特定の実施形態は、車室16にプレミアムレベルを提供する。保持システム14の特定の実施形態は、ユーザ体験を改善する。本明細書に記載の保持機構14は、任意の自動ラッチ及び解放用途に使用することができる。
【0065】
図2は、
図1の車両格納システム12の概略図である。特定の実施形態では、車両格納システム12は、車室16内に配置することができる。例えば、特定の実施形態では、車両格納システム12は、車両10のダッシュ18内に配置される。ダッシュ18は、車室16の助手席側のほぼ前方にある。特定の実施形態では、車両格納システム12は、車両10の内部に物品を格納するために利用可能にされたグローブボックスとして具現化することができる。
【0066】
車両格納システム12は、保持機構14を採用する。特定の実施形態では、保持機構14は電磁閉鎖を使用する。車両格納システム12としてグローブボックスが示されるが、保持機構14は、センターコンソールの蓋、トランクタブのカバー、及びコンパートメントへのアクセスを制御するドアを有する他のコンパートメントなどの、他の車両格納システム12に採用されてもよいことを理解すべきである。特定の実施形態では、車両格納システム12は、固定パネル又はコンパートメントハウジング20と、移動パネル又はコンパートメントドア22とを備える。特定の実施形態では、移動パネル22は、ドア外側スキン24、ドア外側基板26、ドア内側基板28、及びドア内側スキン30(
図8)を備えることができる。
【0067】
特定の実施形態では、保持システム14は、強磁性部材又はストライクプレート32と、1つ以上の磁石34とを含むことができる。特定の実施形態では、強磁性部材又はストライクプレート32は鋼板である。勿論、強磁性部材又はストライクプレート32の材料は、鋼板である必要はなく、代わりに他の強磁性材料であってもよい。
【0068】
特定の実施形態では、強磁性部材又はストライクプレート32は、移動パネル22に配置され、1つ以上の磁石34は、固定パネル20に配置され、或いはその逆もまた同様である。特定の実施形態では、1つ以上の磁石34は、固定パネル20及び移動パネル22に配置される。特定の実施形態では、1つ以上の磁石34は永久磁石である。特定の実施形態では、1つ以上の磁石34は、ネオジム鉄ホウ素永久磁石である。勿論、1つ以上の磁石34は、ネオジム鉄ホウ素永久磁石である必要はなく、代わりに任意の他の磁性材料とすることができる。
【0069】
特定の実施形態では、車両格納システム12はコントローラ36を備える。特定の実施形態では、コントローラ36は、1つ以上の入力を受信する。特定の実施形態では、1つ以上の入力は、センサから受信される。特定の実施形態では、1つ以上の入力は、ユーザから受信される。例えば、特定の実施形態では、1つ以上の入力は、スクリーンタップ又はディスプレイ40(
図1)への入力38、衝突センサ42からの信号、及び/又は角度スイッチからの信号を含むことができる。特定の実施形態では、コントローラ36は、1つ以上の磁石34への電流の印加を制御する。例えば、特定の実施形態では、保持システム14はコイル46を備える。特定の実施形態では、コイル46は銅線である。特定の実施形態では、コントローラ36は、コイル46に通電して、強磁性部材又はストライクプレート32と1つ以上の磁石34との間の吸引レベルを変化させて、移動パネル22を開くか、又は移動パネル22を固定パネル20に更に固定することができる。例えば、コントローラ36は、衝突事象が検出されたときに、移動パネル22を閉鎖形態に保つために追加の閉鎖力を生成する電流を印加することによって、移動パネル22を更に固定することができる。特定の実施形態では、コントローラ36は、入力38、42、及び44に基づいて保持機構14を制御することができる。他のデバイス(例えば、キーフォブ)をユーザが使用して、入力信号をコントローラ36に提供することができることを理解すべきである。特定の実施形態では、車両格納システム12は、断熱材48(例えば、ポッティング又はエポキシ)、強磁性筐体72、及び/又は端子もしくはワイヤリード線54を更に備える。特定の実施形態では、強磁性筐体72は鋼カップである。勿論、車両格納システム12は、強磁性筐体72を含む必要はない。
【0070】
特定の実施形態では、コントローラ36は、画面40がユーザによってタップ38されたかどうかを決定する。タップされると、特定の実施形態では、コントローラ36は、コイル46に電流を印加して車両格納システム12を開く。特定の実施形態では、コントローラ36は、移動パネル22が固定パネル20から落下するのに十分な短時間電流を印加することができる。
【0071】
タップされると、セキュリティを高めたい特定の他の実施形態では、コントローラ36は、コイル46に電流を印加して、移動パネル22を更に閉鎖状態に保持する。コントローラ36は、ユーザが増大したセキュリティをオフにするまでの期間にわたって電流を印加することができる。例えば、ユーザは、車両10がバレーの世話を受けているときにセキュリティを高めることができる。
【0072】
特定の実施形態では、コントローラ36は、衝突が発生したかどうかを決定する。衝突センサ42から衝突信号を受信した場合、コントローラ36は、移動パネル22を閉鎖形態に保持するためにコイル46に電流を印加することができる。コントローラ36は、短時間又は衝突の終了後まで、及び/又は衝突から生じる力を印加することができる。したがって、コントローラ36は、様々な検知された入力に従って、セキュリティ事象中又は衝突中に、磁気吸引のレベルを低減又は除去するように、移動パネル22に対して反発力を生じさせるように、及び/又は磁気吸引のレベルを増大させて移動パネル22を更に閉鎖するように、車両格納システム12を制御することができる。
【0073】
図3は、固定パネル20及び移動パネル22を含む例示的な車両格納システム12の側断面図である。図示の実施形態では、移動パネル22は、ユーザが車両格納システム12の内部にアクセスできるようにするために、固定パネル20から離れるように回動するべく構成される。車両格納システム12は、固定パネル20及び移動パネル22の一方に配置された強磁性部材又はストライクプレート32を含む。
図3に示す実施形態では、強磁性部材又はストライクプレート32は、移動パネル22の上縁部の近くに配置される。勿論、強磁性部材又はストライクプレート32は、移動パネル22の上縁部付近に位置する必要はなく、代わりに移動パネル22上の他の位置に位置することができる。図示の実施形態では、強磁性部材又はストライクプレート32は、移動パネル22と共に回動する。強磁性部材又はストライクプレート32は、特定の実施形態によれば、鋼スラグ又はバーなどの鋼部材を含むことができる。別の実施形態によれば、強磁性部材又はストライクプレート32は、鉄棒などの軟鉄材料を含むことができる。軟鉄材料は、電流の印加によって磁化されてもよい。軟鉄材料は、電流が停止すると磁性を失うことがある。
【0074】
特定の実施形態では、車両格納システム12は、固定パネル20及び移動パネル22の他方に配置された1つ以上の磁石34を含むことができる。1つ以上の磁石34は、移動パネル22が閉鎖形態にあるときに強磁性部材又はストライクプレート32に磁気的に結合するようになっている。図示の実施形態では、磁石34が強磁性部材又はストライクプレート32と整列するように、1つ以上の磁石34が固定パネル20の上縁部に組み立てられる。当然のことながら、1つ以上の磁石34は、固定パネル20の上縁部の近くに位置する必要はなく、代わりに強磁性部材又はストライクプレート32の位置を考慮して固定パネル20上の他の位置に位置することができる。移動パネル22が閉鎖形態にあるとき、1つ以上の磁石34は、強磁性部材又はストライクプレート32に引き付けられ、通常の車両動作中に閉鎖形態にあるときに、移動パネル22を閉鎖力で保持する。
【0075】
図4は、固定パネル20上に配置された1つ以上の磁石34を示す、
図3の車両格納システム12の一実施形態の上面図である。図示の実施形態では、移動パネル22が閉鎖形態にあるとき、1つ以上の磁石34は、強磁性部材又はストライクプレート32に磁気的に結合するようになっている。特定の実施形態では、固定パネル20上の1つ以上の磁石34は、電磁コイル46を含むことができる。特定の実施形態では、コイル46の作動は逆磁場を生成する。
【0076】
電磁コイル46は、1つ以上の磁石34に電磁的に結合されるように配置及び位置合わせすることができる。電磁コイル46は、電流によって電気的に通電されて、1つ以上の磁石34に印加磁場をもたらすことができる。特定の実施形態では、1つ以上の磁石34に印加される磁場は、移動パネル22と固定パネル20との間の吸引力を減少させる。特定の実施形態では、吸引力の減少は、ユーザがディスプレイ40に入力を提供することによってトリガされる。特定の実施形態では、1つ以上の磁石34に印加される磁場は、検出された衝突中に有利であり得る固定パネル20に対して追加の閉鎖力を移動パネル22に加えるように選択することができる。
【0077】
図4に示すように、電磁コイル46は、1つ以上の磁石34の周りに巻き付けられた複数の巻回部を有することができる。電磁コイル46の端子に電流が印加されると、電磁界が発生する。電磁コイル46に第1の方向に電流が印加されると、第1の電磁場が発生し、1つ以上の磁石34に第1の極性が生じる。電流が電磁コイル46上で反対の感知方向に反転されると、電磁界は反対方向になり、その結果、反対の第2の極性が一以上の磁石34上に生成される。1つ以上の磁石34によって生成される極性及び力の量は、電磁コイル46に印加される電流の量、並びに電磁コイル46の巻数、サイズ/幾何学的形状、巻線効率、及び/又はワイヤ材料に依存し得る。
図4には2つの電磁コイル46が示されているが、任意の数の電磁コイルを使用できることを理解すべきである。
【0078】
図5は、リニアアクチュエータ60を示す、
図3の車両格納システム12の別の実施形態の上面図である。特定の実施形態では、リニアアクチュエータ60は、リンケージ62を移動させて磁場の強度を低下させる。磁界の強度を低減することにより、移動パネル22は、固定パネル20からラッチ解除することができる。特定の実施形態では、リニアアクチュエータ60は、リンケージ62をy方向に移動させる。特定の実施形態では、リンケージ62は、いずれかの端部に、一以上の磁石34又は強磁性部材又はストライクプレート32を担持する。図示の実施形態では、リンケージ62は、1つ以上の磁石34を担持する。
【0079】
特定の実施形態では、リンケージ62及び1つ以上の磁石34はオーバーモールドされる。勿論、他の製造方法を使用することもできる。
【0080】
動作中、リンケージ62の作動又は移動は、保持機構14を係合解除させる磁場強度を減少させる。1つ以上の磁石34は、y軸に沿った様々な位置に配置することができ、図示の位置によって限定されない。
【0081】
図6は、保持機構14の磁石アセンブリ70を示す。特定の実施形態では、磁石アセンブリ70は、1つ以上の磁石34及び電磁コイル46を備える。特定の実施形態では、磁石アセンブリ70は、鋼カップ72を更に備える。特定の実施形態では、鋼カップ72は、1つ以上の磁石34の外周の少なくとも一部の周りに配置される。特定の実施形態では、磁石アセンブリ70のコイル46は、1つ以上のワイヤ74を介して電力を受ける。
図6は、固定パネル20と移動パネル22との間のインタフェースを更に示す。固定パネル20と移動パネル22との間の空隙75は、最大保持力を調整するように選択することができる。例えば、吸引磁力の大きさは、固定パネル20と移動パネル22との間の空隙75又は距離に対して逆二乗の関係を有することができる。車両格納システム12はまた、主電源が利用できない場合にコイル46に電力を供給することができるバックアップ電源又は独立電源を組み込むことができる。
【0082】
図7は、
図6の磁石アセンブリ70を使用した取り付け及び取り外し戦略を示す。通常の車両動作中、1つ以上の磁石34は、強磁性部材又はストライクプレート32に引き付け(1を参照)、移動パネル22を固定パネル20に対して閉鎖形態に保持するための閉鎖力を生成する(2を参照)。移動パネル22を開くために、ユーザは、ダッシュ18に取り付けられて示されているディスプレイ40などのユーザ入力を作動させることができる(
図1)。コントローラ36は、1つ以上の磁石34の固有磁場とは反対の印加磁場を生成するコイル46に印加される電流を有し(3参照)、それにより、吸引力が十分に低減されて移動パネル22を開く(4参照)。次いで、移動パネル22を閉鎖するために、移動パネル22をユーザが手動で作動させる(持ち上げて内側に押し込む)ことができる。
【0083】
特定の実施形態では、コントローラ36は、画面40がユーザによってタップ38されたかどうかを決定する。タップされると、特定の実施形態では、コントローラ36は、コイル46に電流を印加して車両格納システム12を開く。コントローラ36は、移動パネル22が固定パネル20から落下するのに十分な短時間の電流を印加することができる。
【0084】
特定の実施形態では、車両格納システム12は、好適には、1つ以上の衝突センサ42を監視することによって車両の衝突又は衝突を検知し、移動パネル22を閉鎖形態に維持するための力を増大させる。特定の実施形態では、これは、コイル46に電流を印加して、1つ以上の磁石34と強磁性部材又はストライクプレート32との間の引力を増大させるのに十分な振幅の極性を1つ以上の磁石34に生成することによって達成することができる。この増大した引力閉鎖力は、移動パネル22を閉鎖形態に保つことを意図している。
【0085】
図8は、固定パネル20及び移動パネル22を含む別の典型的な車両格納システム12の側断面図である。図示の実施形態では、移動パネル22は、ユーザが車両格納システム12の内部にアクセスできるようにするために、固定パネル20から離れるように回動するべく構成される。車両格納システム12は、格納レセプタクル80と、格納レセプタクル80へのアクセスを可能にする開口82とを有することができる。格納レセプタクル80は、格納レセプタクル80の形状及びサイズを画定する壁(例えば、背面、側面、底面、及び上面)を有することができる。特定の実施形態では、移動パネル22は、移動パネル22が開放形態と閉鎖形態との間で回動することを可能にするために、軸84を中心に回転するように固定パネル20に回動可能に接続される。
【0086】
前述の開示は、本開示を開示された正にその形態又は特定の使用分野に限定しようとするものではない。したがって、本明細書中に明示的に記載されるか又は暗示されるかにかかわらず、本開示に対する様々な別の実施形態及び/又は修正が本開示に照らして想定し得ると考えられる。このように本開示の実施形態を説明してきたが、当業者であれば分かるように、本開示の範囲から逸脱することなく形態及び詳細に変更を行うことができる。したがって、本開示は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0087】
上記の明細書では、特定の実施形態を参照して本開示を説明した。しかしながら、当業者であれば分かるように、本明細書に開示される様々な実施形態は、本開示の思想及び範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で修正又は実施することができる。したがって、この説明は、例示と見なされるべきであり、開示されたグローブボックス作動アセンブリの様々な実施形態を作成し使用する態様を当業者に教示する目的のためである。本明細書に示され説明される開示の形態は、代表的な実施形態として解釈されるべきであることを理解すべきである。同等の要素、材料、プロセス、又は、ステップが、ここで典型的に図示されて説明されるものと置き換えられてもよい。更に、本開示の特定の特徴は、本開示のこの説明の利益を受けた後に当業者に明らかであるように、他の特徴の使用とは無関係に利用されてもよい。本開示を説明して特許請求の範囲に記載するために使用される「含む(including)」、「備える(comprising)」、「組み込む(incorporating)」、「から成る(consisting of)」、「有する(have)」、「である(is)」などの表現は、非排他的な態様で解釈されること、すなわち、明示的に説明されていない項目、構成要素又は要素も存在できるようにすることを意図している。また、単数形への言及は、複数形にも関連すると解釈されるべきである。
【0088】
更に、本明細書に開示される様々な実施形態は、例示的かつ説明的な意味で解釈されるべきであり、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではない。全ての結合についての言及(例えば、取り付け、固定、結合、接続など)は、読者の本開示の理解を助けるためにのみ使用され、特に本明細書に開示されるシステム及び/又は方法の位置、向き、又は使用に関して限定を生じさせるものではない。したがって、結合についての言及がある場合、それは広く解釈されるべきである。更に、そのような接合についての言及は、必ずしも2つの要素が互いに直接接続されているとは限らない。更に、これらに限定されないが、「第1」、「第2」、「第3」、「一次」、「二次」、「主」などの全ての数値的用語或いは任意の他の通常の及び/又は数値的用語も、本開示の様々な要素、実施形態、変形例及び/又は修正についての読者の理解を助けるための識別子としてのみ解釈されるべきであり、特に、他の要素、実施形態、変形及び/又は修正に対する又はそれを超える任意の要素、実施形態、変形及び/又は修正の順序又は選好に関していかなる制限をもたらし得ない。
【0089】
また、図面/図に描かれた要素のうちの1つ以上を特定の用途にしたがって有用であるようにより分離された又は統合された方法で実装することもでき或いは更には特定の場合には動作不能であるように除去する又はレンダリングすることもできるのが分かる。
【国際調査報告】