(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ニトラピリン含有農薬配合物のための腐食抑制剤
(51)【国際特許分類】
A01N 25/02 20060101AFI20241003BHJP
A01N 43/40 20060101ALI20241003BHJP
A01N 25/30 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A01N25/02
A01N43/40 101A
A01N25/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515658
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 US2022041859
(87)【国際公開番号】W WO2023038824
(87)【国際公開日】2023-03-16
(32)【優先日】2021-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519350812
【氏名又は名称】ヴェルデシアン ライフ サイエンシーズ,ユー.エス.,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】VERDESIAN LIFE SCIENCES, U.S., LLC
【住所又は居所原語表記】1001 Winstead Drive, Suite 480, Cary, North Carolina 27513, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パレッタ,ジャニス
(72)【発明者】
【氏名】クイン,クイド
(72)【発明者】
【氏名】オアー,ゲーリー
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA01
4H011BA01
4H011BA05
4H011BB09
4H011BC03
4H011BC04
4H011DA02
4H011DC05
4H011DG16
(57)【要約】
本開示の主題は、概して任意のニトラピリン含有組成物と同時配合されて、金属系表面に曝露したときに腐食挙動の低減を呈する非腐食性ニトラピリン配合物を生成し得る、アミン系腐食抑制剤成分及び選択溶媒を含有する、腐食抑制剤配合物を対象とする。そのような非腐食性ニトラピリン配合物は、例えば、土壌に直接施用されるか、又は肥料と組み合わせて、栄養素の取り込みを増加させ、硝化及びウレアーゼ加水分解を抑制する、農業用途における特定の有用性を見出す。そのような非腐食性ニトラピリン含有配合物の調製も開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニトラピリン含有組成物のための腐食抑制剤組成物であって、
中和アミン、膜形成アミン、及びそれらの組み合わせから選択されるアミン系腐食抑制剤と、
グリコールエーテル、メチル化種子油、及びそれらの組み合わせから選択される溶媒と、を含み、
前記アミン系腐食抑制剤が、前記腐食抑制剤組成物の総重量に基づいて、少なくとも50重量%の濃度で存在する、腐食抑制剤組成物。
【請求項2】
前記中和アミンが、シクロヘキシルアミン(CHA)、メトキシプロピルアミン(MPA)、モノエタノールアミン(MEA)、モルホリン(MOR)、3-メトキシプロピルアミン(MOPA)、エチルアミン(ET)、ジメチルアミン(DMA)、1,8-ジア1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、2-ジエチルアミノエタノール(DEAE)、トリエタノールアミン(TEA)、モノエタノールアミン(EA)、ジエタノールアミン(DEA)、ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項3】
前記中和アミンが、モノエタノールアミン(EA)、ジエタノールアミン(DEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項2に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項4】
前記膜形成アミンが、以下の式(I)の脂肪アミンであり、
R
1-[NH-R
2]
n-NH
2
式中、nが、0~7の整数であり、
R
1が、置換又は非置換(C
10-C
22)アルキル基であり、
R
2が、置換又は非置換(C
2-C
10)アルキル基である、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項5】
前記溶媒が、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル(プロピルセロソルブ)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、2-ブトキシエタノール(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルセロソルブ)、及びそれらの組み合わせから選択されるグリコールエーテルである、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項6】
前記溶媒が、ブチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチル化種子油、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項7】
前記溶媒が、前記腐食抑制剤組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約50重量%の濃度で存在する、請求項6に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項8】
アミン系腐食抑制剤が、エタノールアミンであり、前記溶媒が、ブチルセロソブ、ヘキシルセルソブ、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、メチル化種子油、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項9】
前記溶媒が、ブチルセロソルブであり、前記アミン系腐食抑制剤が、エタノールアミン、ジエタノールアミン、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項10】
界面活性剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、安定剤、塩基性材料、及びそれらの組み合わせから選択される添加剤を更に含む、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項11】
腐食抑制剤配合物であって、
請求項1に記載の腐食抑制剤組成物と、
有機溶剤と、を含む、腐食抑制剤配合物。
【請求項12】
前記腐食抑制剤組成物が、ニトラピリン含有組成物と混合したときに、前記配合物の総重量に基づいて、約0.1~約5重量%の量で存在する、請求項11に記載の配合物。
【請求項13】
前記有機溶媒が、少なくとも1つの極性有機溶媒を含む、請求項11に記載の配合物。
【請求項14】
前記極性有機溶媒が、ポリエチレングリコール3350、Agnique AMD3L、Rhodiasol PolarClean、ジメチルスルホキシド、スルホラン、プロパン-1,2,3-トリオール、キシレン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の配合物。
【請求項15】
表面活性剤、消泡剤、分散剤、又はそれらの組み合わせを更に含む、請求項11に記載の配合物。
【請求項16】
前記配合物が、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物を含有しないニトラピリン配合物と比較して、腐食挙動の低減を呈する、請求項11に記載の配合物。
【請求項17】
前記配合物が、農業機器に使用される金属系材料に対して腐食挙動の低減を呈する、請求項11に記載の配合物。
【請求項18】
前記金属系材料が、アルミニウム、軟鋼、鉄、炭素鋼、合金鋼、及びそれらの組み合わせを含有する、請求項17に記載の配合物。
【請求項19】
前記ニトラピリン含有組成物が、市販のニトラピリン含有製品である、請求項11に記載の配合物。
【請求項20】
非腐食性ニトラピリン配合物を作製する方法であって、
ニトラピリン含有組成物を、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物と接触させて、前記非腐食性ニトラピリン配合物を形成すること、を含む、方法。
【請求項21】
前記ニトラピリン含有組成物が、前記ニトラピリン含有組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約50重量%のニトラピリン濃度を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ニトラピリン含有組成物が、N-Serve及びInstinctから選択される市販のニトラピリン含有組成物である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
農業機器に使用される金属系材料の腐食を低減する方法であって、前記方法が、
請求項11に記載の腐食抑制剤配合物を入手することと、
金属表面を前記非腐食性ニトラピリン配合物とある期間にわたって接触させることと、を含む、方法。
【請求項24】
前記金属表面が、農業で使用される金属系材料の一部である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記金属表面が、アルミニウム及び/又は軟鋼を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記金属表面と前記非腐食性ニトラピリン配合物との前記接触が、-20℃~約40℃の範囲の温度で生じる、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記期間が、1秒~約24時間の範囲である、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記入手ステップ及び前記接触ステップが、24時間以内に実施される、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
腐食が、前記腐食抑制剤組成物と接触していないニトラピリン配合物と比較して、少なくとも10%低減される、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、アミン系腐食抑制剤及び溶媒を含む腐食抑制剤組成物に関する。そのような組成物は、硝化抑制剤ニトラピリンを含有する配合物のための補助成分として有用であり、これは、多くの場合、栄養素の取り込みを増加させ、植物の成長を促進するために農業用途に用いられる。
【背景技術】
【0002】
土壌に添加された窒素肥料は、いくつかの生物学的及び化学的プロセスによって容易に変換される。そのようなプロセスのうちの1つは硝化であり、硝化では、土壌細菌が土壌中の窒素のアンモニウム型を代謝して、それによって、窒素を、脱窒を介した浸出又は揮発による窒素損失の影響をより受けやすい亜硝酸塩及び硝酸塩型に変換する。硝化抑制剤は、硝化に起因する窒素損失を抑制するために開発されている。使用されている硝化抑制剤の1つのクラスは、米国特許第3,135,594号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)においてGoringによって教示されるように、ピリジンに関連する様々な塩素化化合物で構成される。ニトラピリンは、そのような硝化抑制剤の一例である。
【0003】
現在のニトラピリン含有配合物は、多くの場合、液体窒素肥料溶液(例えば、UAN及び無水アンモニア)と混合されるか、又は粒状窒素肥料(例えば、尿素)にコーティングされる。残念ながら、液体肥料溶液又は空気中の水分のいずれかを介した、配合されたニトラピリン含有組成物と水との接触は、ニトラピリン含有配合物の腐食性に起因して、ニトラピリン組み込み肥料製品を施用するために使用される機器の故障を引き起こす可能性がある。腐食は、典型的には、構成要素がニトラピリン配合物と接触している肥料施用機器の金属構成要素において観察される。機器の故障は、限られた肥料施用時期の間のダウンタイム及び著しい経済的損失を引き起こす。
【0004】
現在のニトラピリン含有配合物の腐食挙動を低減するための努力は、非腐食性溶媒中でニトラピリンを配合することを伴い、そのような配合物中のニトラピリンのレベルは、腐食の増加を呈する溶媒を用いるニトラピリン配合物と比較して著しく低いという欠点がある。
【0005】
したがって、ニトラピリン配合物の濃度を増加させること及び/又はニトラピリンの揮発を低減することに関して、ニトラピリン配合物を改善するだけでなく、腐食性が低く、経済性が高く、毒性が低く、かつ環境に対する害が少ない配合物を開発する方式を見出すことが非常に望ましいであろう。
【発明の概要】
【0006】
一態様では、本明細書に記載の主題は、ニトラピリン含有組成物のための腐食抑制剤組成物であって、中和アミン、膜形成アミン、及びそれらの組み合わせから選択されるアミン系腐食抑制剤と、グリコールエーテル、メチル化種子油、及びそれらの組み合わせから選択される溶媒と、を含む、腐食抑制剤組成物を対象とし、アミン系腐食抑制剤は、腐食抑制剤組成物の総重量に基づいて、少なくとも50重量%の濃度で存在する。
【0007】
一態様では、本明細書に記載の主題は、非腐食性ニトラピリン配合物であって、ニトラピリン含有組成物と、本明細書に開示される腐食抑制剤組成物と、有機溶媒と、を含む、非腐食性ニトラピリン配合物を対象とする。
【0008】
一態様では、本明細書に記載の主題は、非腐食性ニトラピリン配合物を作製する方法であって、ニトラピリン含有組成物を、本明細書に開示される腐食抑制剤組成物と接触させて、非腐食性ニトラピリン配合物を形成することを含む、方法を対象とする。
【0009】
一態様では、本明細書に記載の主題は、農業機器に使用される金属系材料の腐食を低減する方法であって、方法が、本明細書に開示される非腐食性ニトラピリン配合物を入手することと、金属系表面を非腐食性ニトラピリン配合物とある期間にわたって接触させることと、を含む、方法を対象とする。
【0010】
これら及び他の態様は、以下に完全に記載される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、本開示の主題を、以下により完全に記載する。しかしながら、本明細書に記載された本開示の主題の多くの修正及び他の実施形態は、前述の説明に提示された教示の利益を有する本開示の主題に関連する当業者には思い浮かぶであろう。したがって、本開示の主題は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。換言すれば、本明細書に記載の主題は、全ての代替形態、修正形態、及び均等物を網羅する。組み込まれた文献、特許、及び同様の資料のうちの1つ以上が、本出願と異なるか又は本出願(定義された用語、用語の使用、記載された技術などを含むがこれらに限定されない)と矛盾する場合、本出願が統制する。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、この分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
【0012】
有利なことに、本明細書に記載の組成物、配合物、及び方法は、ニトラピリン及びその組成物を腐食抑制剤組成物とともに配合して非腐食性ニトラピリン配合物を付与することによって、農業におけるニトラピリンの使用に望ましい特性を提供することが示されている。本明細書に記載の他の態様は、ニトラピリン含有配合物の腐食挙動を調節するための組成物、配合物、及び本開示の腐食抑制剤組成物を用いる方法を含む。
【0013】
本明細書に開示される腐食抑制剤組成物と組み合わせたニトラピリンを含有する配合物は、他のニトラピリン含有配合物と比較して、農業機器、特に金属系材料で使用される材料に対する腐食レベルの低減を呈することが予想外に観察された。驚くべきことに、アミン系腐食抑制剤及び溶媒を含むそのような腐食抑制剤組成物を、ニトラピリン含有組成物に補助成分として添加すると、ニトラピリン含有組成物の望ましくない腐食特性が著しく低減される。
【0014】
腐食レベルの低減は、農業機器とともに使用される場合に、これらの配合物の使い易さの著しい増加を提供するだけでなく、限定されないが、農業機器及び/又はその構成要素の摩耗及び破損の減少(機器及びその構成要素の寿命の延長を提供する)、腐食性環境に曝露されていない場合の農業機器のメンテナンスの低減、金属系機器と組み合わせてそのような配合物を使用することの安全性の向上などの多くの他の利点を提供するため、特に重要である。
【0015】
農業機器は、不動態化酸化物層(金属系機器への腐食性物質のアクセスを停止する材料の表面上の薄膜)を形成して、酸化還元腐食システムの酸化又は還元部分のいずれかを抑制することによって、又は溶解酸素を排除することによって、化学的により安定になる。腐食レベルを低減した農薬組成物を使用することで、フィンファン冷却器、熱交換器、ポンプ周辺、及びタンクでの塩形成のリスクを低減する。
【0016】
腐食レベルの低減は、非腐食性の金属系リザーバにおける農業組成物のポンプ圧送及び輸送を介して著しい経済的価値を提供するだけでなく、環境を汚染から保護する。
【0017】
II.定義
本明細書で使用される場合、「化学的安定性」という用語は、空気(酸化をもたらし得る)、光(例えば、太陽光)、水分/湿気(水から)、熱(太陽から)、及び/又は化学剤などの外部作用に曝露されたときの構造的変化に対する物質の耐性を指す。例示的な化学剤としては、限定されないが、目的の化合物(例えば、本開示のニトラピリン-ポリアニオンポリマー錯体)の構造的完全性を劣化させ得る任意の有機又は無機物質が挙げられる。化学的安定性は、配合物の貯蔵寿命を決定するときに配合物の安定性を評価するためにも使用される。配合物の成分は、空気(酸化をもたらし得る)、光(例えば、太陽光)、水分/湿気(水から)、熱(太陽から)、及び/又は化学剤などの保管条件に曝露されたときに、ある特定の化学的安定性を呈する。
【0018】
本明細書で使用される場合、「熱的安定性」という用語は、所与の期間にわたって熱刺激に曝露されたときの物質の安定性を指す。熱刺激の例としては、限定されないが、電気供給源から生成された熱、及び/又は太陽から生成された熱が挙げられる。
【0019】
本明細書で使用される場合、「腐食」という用語は、その環境との化学的及び/又は電気化学的反応による材料(通常は金属系)の漸進的破壊を指す。例えば、腐食は、精製金属を、酸化物、水酸化物、又は硫化物などのより化学的に安定した形態に変換するプロセスであり得る。腐食は、その環境との化学的及び/又は電気化学的反応による材料(通常、金属系)の漸進的破壊である。この単語の最も一般的な使用において、腐食は、酸素又は硫酸塩などの酸化剤との反応における金属系材料の電気化学的酸化を意味する。酸化鉄の形成である錆びは、電気化学的腐食のよく知られている例である。このタイプの損傷は、典型的には、元の金属の酸化物(複数可)又は塩(複数可)を生成し、特徴的なオレンジ着色をもたらす。腐食は、セラミック又はポリマーなどの金属以外の材料でも発生し得るが、これに関しては「劣化」という用語がより一般的である。腐食は、強度、外観、並びに液体及び気体に対する透過性を含む材料及び構造の有用な特性を劣化させる。
【0020】
「腐食抑制剤」は、流体に添加されると、金属系表面又は合金の腐食速度を低下させる化合物である。腐食抑制剤の有効性又は腐食抑制効率は、流体組成物、組成物の量、流動様式などの多くの要因のうちの関数である。正しい抑制剤及び量が選択された場合、高い、99%の効率を達成することが可能である。
【0021】
本明細書で使用される場合、「土壌」という用語は、陸地表面上に生じる生体(例えば、微生物(細菌及び真菌など)、動物及び植物)及び非生体(例えば、鉱物及び有機物(例えば、様々な程度の分解の有機化合物)、液体、及び気体)から構成される自然体として理解されるべきであり、様々な物理的、化学的、生物学的、及び人為的プロセスの結果として初期材料から区別可能な土壌層位を特徴とする。農業の観点から、土壌は主に、植物のアンカー及び主要な栄養源(植物生息地)と考えられている。
【0022】
本明細書で使用される場合、「肥料」という用語は、植物及び果実の成長を促進するために施用される植物の栄養素を含む化合物として理解されるべきである。肥料は、典型的には、土壌を通して(植物の根による取り込みのために)、又は葉面散布によって(葉を通しての取り込みのために)施用される。「肥料」という用語は、a)有機肥料(腐敗した植物/動物質で構成される)及びb)無機肥料(化学物質及び鉱物で構成される)の2つの主要なカテゴリーに細分することができる。有機肥料としては、厩肥、スラリー、ミミズの糞、泥炭、海藻、下水、及びグアノが挙げられる。緑肥作物はまた、土壌に栄養素(特に窒素)を添加するために定期的に栽培される。製造された有機肥料としては、堆肥、血粉、骨粉、及び海藻抽出物が挙げられる。更なる例は、酵素的に消化されたタンパク質、魚粉、及び羽毛粉である。前年からの分解作物残留物は、別の肥沃源である。加えて、鉱山のリン酸岩、硫酸カリ、及び石灰石などの天然に存在する鉱物も無機肥料と考えられる。無機肥料は、通常、化学的プロセス(例えば、Haber-Boschプロセス)を通じて、また、天然に存在する堆積物を使用して、それらを化学的に変化させながら製造される(例えば、濃縮された重過リン酸石灰)。天然に存在する無機肥料としては、チリ硝酸ナトリウム、リン酸岩鉱石、及び石灰石が挙げられる。
【0023】
本明細書で使用される場合、「厩肥」という用語は、農業において有機肥料として使用される有機物である。その構造に応じて、厩肥は、液体厩肥、半液体厩肥、安定又は固体厩肥、及び藁厩肥に分けることができる。その起源に応じて、厩肥は、動物又は植物に由来する厩肥に分けることができる。一般的な形態の動物性厩肥としては、糞便、尿、農場スラリー(液体厩肥)、又は農場厩肥(FYM)が挙げられるが、FYMは、動物の寝床として使用されている可能性のある特定の量の植物材料(典型的には藁)も含有する。厩肥の給源として使用することができる動物には、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、七面鳥、ウサギ、並びに海鳥及びコウモリ由来のグアノが含まれる。肥料として使用する場合の動物性厩肥の施用量は、給源(動物のタイプ)に大きく依存する。植物性厩肥は、任意の種類の植物に由来し得るが、植物はまた、耕す目的で明示的に栽培されてもよく(例えば、マメ科植物)、したがって、土壌の構造及び肥沃度が改善される。更に、厩肥として使用される植物性物質としては、屠殺された反芻動物の第一胃内容物、使用済みホップ(ビール醸造の残渣)、又は海藻が挙げられ得る。
【0024】
本明細書で使用される場合、「種子」という用語は、例えば、コーン、種子、果実、塊茎、苗木、及び同様の形態などの全てのタイプの種子を含む。使用される種子は、上述の有用な植物の種子であり得るが、トランスジェニック植物又は慣習的な育種法によって得られる植物の種子でもあり得る。
【0025】
本明細書で使用される場合、「溶媒」という用語は、本明細書の他の箇所に記載されるニトラピリン含有組成物、アミン系腐食抑制剤組成物、及び/又は非腐食性ニトラピリン配合物を溶媒和する非水溶媒(非水溶媒は、非水溶媒の総重量に基づいて、2重量%、1重量%、0.5重量%、又は0.2重量%以下の水を含有する溶媒である)を指す。
【0026】
本明細書で使用される場合、「ウレアーゼを抑制する」などの用語は、ウレアーゼの活性の抑制を指す。抑制は、本明細書の他の箇所に記載されているように定量化され得る。
【0027】
本明細書で使用される場合、「N-Serve(登録商標)」は、全溶液に対して25.97%の濃度でニトラピリンを含む組成物を指す。溶液は、溶媒として石油蒸留物を含む。組成物は、1ガロン当たり2ポンドの活性成分(ニトラピリン)の濃度で配合される。
【0028】
本明細書で使用される場合、「Instinct(登録商標)II」は、全溶液に対して16.95%の濃度でニトラピリンを含む組成物を指す。溶液は、溶媒として石油蒸留物を含む。組成物は、1ガロン当たり1.58ポンドの活性成分(ニトラピリン)の濃度で配合される。
【0029】
本明細書及び特許請求の範囲を通じて、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含む(comprising)」という語句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、非排他的な意味で使用され、「含む(including)」、「含有する(containing)」、又は「~を特徴とする(characterized by)」と同義であり、それがオープンエンドであり、追加の、列挙されていない要素又は方法ステップを除外しないことを意味する。
【0030】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、値に言及する場合、いくつかの実施形態では±5%、いくつかの実施形態では±2%、いくつかの実施形態では±1%、いくつかの実施形態では±0.5%、及びいくつかの実施形態では±0.1%の特定の量からの変化を包含することを意味し、そのような変化は、本開示の方法を行うか、又は本開示の組成物を用いるのに適切である。
【0031】
以下に追加の定義を挙げることができる。
【0032】
III.腐食抑制剤組成物
中和アミン、膜形成アミン、又はそれらの組み合わせから選択されるアミン系腐食抑制剤と、グリコールエーテル、メチル化種子油、及びそれらの組み合わせから選択される溶媒と、を含有する、腐食抑制剤組成物が調製されている。これらの腐食抑制剤組成物は、金属系又はプラスチック系の表面に曝露されたときに、ニトラピリン含有組成物の腐食挙動を低減する目的で、ニトラピリン含有組成物に補助成分として添加される場合に非常に有用であることが示されている。本開示の腐食抑制剤組成物のこの耐食挙動は、非常に驚くべきものであり、かつ予想外であった。
【0033】
一般に、腐食抑制剤組成物は、ニトラピリンを含有する任意の組成物、すなわち、ニトラピリンを含有する任意の市販の組成物及び/若しくは溶液(例えば、Instinct II、N-Serve)並びに/又は本明細書に開示される任意の調製されたニトラピリン含有組成物に添加され得る。本明細書に開示される調製されたニトラピリン含有組成物は、ニートであるか、又は溶媒(例えば、有機溶媒)を含み得る。
【0034】
ニトラピリン含有組成物との補助成分として使用される場合に、腐食抑制剤組成物が耐食特性を示したことを発見することは、予想外であり、かつ驚くべきことであった。理論に拘束されるべきではないが、腐食抑制剤組成物の溶解特性は、その耐食能力に関して重要であると考えられる。より具体的には、腐食抑制剤組成物が、ニトラピリン含有配合物に添加された場合に腐食抑制剤組成物の混和性を可能にするように配合されることが重要である。2つの成分が互いに非混和性である場合、耐食特性は減少する。
【0035】
いくつかの実施形態では、記載された腐食抑制剤組成物は、水を比較的少量を含有するか、又は全く含有しない。多量の水を含有する組成物は、ニトラピリンの急速な分解を示しており、したがって、本明細書に開示される腐食抑制剤組成物と接触させたときに、ニトラピリン含有組成物の過剰量の水への曝露を最小限に抑えるべきである。いくつかの実施形態では、腐食抑制剤組成物中又はその配合物中に存在する水の量は、組成物又は配合物の総重量に基づいて、約10%未満、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%、又は0.5%w/w未満である。
【0036】
A.アミン系腐食抑制剤
本明細書に開示される腐食抑制剤組成物は、中和アミン、膜形成アミン、及びそれらの組み合わせから選択されるアミン系腐食抑制剤を含む。
【0037】
一般に、中和アミンは、腐食性種(典型的には本質的に酸性である)を中和することによって腐食を制御する化合物(例えば、弱塩基)である。いくつかの実施形態では、アミン系腐食抑制剤は、本明細書に開示されるそのようなアミン系腐食抑制剤並びに/又はそのようなアミン系腐食抑制剤を含有する組成物及び/若しくは配合物が接触する農業機器の任意の金属及び又はプラスチック含有表面又は部品及び/若しくは構成要素の腐食を低減する。
【0038】
本開示の腐食抑制剤組成物で用いられる中和アミンは、アンモニア(NH3)、シクロヘキシルアミン(CHA)、メトキシプロピルアミン(MPA)、モノエタノールアミン(MEA)、モルホリン(MOR)、3-メトキシプロピルアミン(MOPA)、エチルアミン(ET)、ジメチルアミン(DMA)、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、2-ジエチルアミノエタノール(DEAE)、モノエタノールアミン(EA)、トリエタノールアミン(TEA)、ジエタノールアミン(DEA)、ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、アミン系腐食抑制剤中に存在する中和アミンは、エタノールアミン(EA)、ジエタノールアミン(DEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、中和アミンは、モノエタノールアミン(MEA)である。いくつかの実施形態では、中和アミンは、モノエタノールアミン(EA)である。いくつかの実施形態では、中和アミンは、ジエタノールアミン(DEA)である。いくつかの実施形態では、中和アミンは、メチルジエタノールアミン(MDEA)である。いくつかの実施形態では、中和アミンは、エタノールアミン(EA)、ジエタノールアミン(DEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0039】
膜形成アミンは、腐食の発生を防止するために、金属表面(例えば、農業機器の表面)と作業溶液(例えば、配合物)との間に物理化学的バリアを形成することによって、腐食保護を提供する化合物である。いくつかの実施形態では、膜形成アミンは、以下の式(I)のアミンであり、
R1-[NH-R2]n-NH2
式中、nは、0~7の整数であり、
R1は、置換又は非置換(C1-C22)アルキル基であり、
R2は、置換又は非置換(C2-C10)アルキル基である。
【0040】
いくつかの実施形態では、nは、0である。そのような膜形成アミンは、モノアミンと称される。例示的なモノアミンとしては、限定されないが、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、n-ブチルアミン、n-ペンチルアミン、n-ヘキシルアミン、n-ヘプチルアミン、n-オクチルアミン、n-ノニルアミン、n-デシルアミン、及び/又はn-ウンデシルアミンが挙げられる。いくつかの実施形態では、モノアミンは、脂肪アミンである。例示的な脂肪アミンとしては、限定されないが、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノンデシルアミン、エイコシルアミン、ヘンエイコシルアミン、又はドコシルアミンが挙げられる。
【0041】
いくつかの実施形態では、nは、0ではない。そのような膜形成アミンは、ポリアミンと称される。例示的なポリアミンとしては、限定されないが、式(I)のアミンが挙げられ、式中、nは、1、2、3、4、5、6、及び7から選択される整数であり、R1は、置換又は非置換(C1-C22)アルキル基であり、R2は、置換又は非置換(C2-C10)アルキル基である。いくつかの実施形態では、nは、1及び2から選択される整数である。
【0042】
いくつかの実施形態では、R1は、置換又は非置換(C8-C22)アルキル基である。いくつかの実施形態では、R1は、置換又は非置換(C12-C18)アルキル基である。いくつかの実施形態では、R1は、置換又は非置換(C2-C8)アルキル基である。
【0043】
いくつかの実施形態では、R2は、置換又は非置換(C2-C10)アルキル基である。いくつかの実施形態では、R2は、置換又は非置換(C2-C8)アルキル基である。いくつかの実施形態では、R2は、置換又は非置換(C2-C6)アルキル基である。
【0044】
いくつかの実施形態では、アミン系腐食抑制剤は、1つ以上の中和アミンから選択される。いくつかの実施形態では、アミン系腐食抑制剤は、1つ以上の膜形成アミンから選択される。いくつかの実施形態では、アミン系腐食抑制剤は、1つ以上の中和アミン及び膜形成アミンの組み合わせである。そのような実施形態では、1つ以上の中和アミン及び1つ以上の膜形成アミンの重量比は、約1000:1~約1:1000、約100:1~約1:100、約10:1~約1:10、約5:1~約1:5、約2:1~約1:2の範囲、又は1:1である。
【0045】
腐食抑制剤組成物中に存在するアミン系腐食抑制剤の量(又は濃度)は、変化し得る。そのような実施形態では、アミン系腐食抑制剤(複数可)の量は、アミン系腐食抑制剤組成物の総重量に基づいて、約10重量%~約99重量%、約20重量%~約99重量%、約30重量%~約99重量%、約40重量%~約99重量%、約50重量%~約99重量%、約60重量%~約99重量%、約70重量%~約99重量%、約80重量%~約99重量%、約90重量%~約99重量%、又は約95重量%~約99重量の範囲である。いくつかの実施形態では、腐食抑制剤組成物の量(又は濃度)は、変動する。いくつかの実施形態では、腐食抑制剤組成物中に存在するアミン系腐食抑制剤の量は、腐食抑制剤組成物の総質量に基づいて、少なくとも約10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、又は少なくとも約98重量%である。
【0046】
B.溶媒
いくつかの実施形態では、腐食抑制剤組成物は、本開示のアミン系腐食抑制剤と、グリコールエーテル、メチル化種子油、及びそれらの組み合わせから選択される溶媒と、を含む。いくつかの実施形態では、腐食抑制剤組成物は、グリコールエーテル、メチル化種子油、及びそれらの組み合わせから選択される溶媒のみを含有し、他の溶媒、すなわち、任意の有機又は水性溶媒は存在しない。
【0047】
いくつかの実施形態では、溶媒は、グリコールエーテルである。グリコールエーテルは、農薬組成物で一般的に使用されるエチレングリコールのアルキルエーテルに基づく溶媒の群である。これらの溶媒は、典型的には、低分子量エーテル及びアルコールの好ましい溶媒特性とともに、低融点及び高沸点を有する。例示的なグリコールエーテルとしては、限定されないが、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル(プロピルセロソルブ)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル;プロピレングリコールメチルエーテル;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、及びジエチレングリコールモノヘキシルエーテル;ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、2-ブトキシエタノール(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルセロソルブ)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、グリコールエーテルは、ブチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、グリコールエーテルは、ブチルセロソルブである。いくつかの実施形態では、グリコールエーテルは、ヘキシルセロソルブである。
【0048】
いくつかの実施形態では、溶媒は、メチル化植物油、アルコールエトキシレート、トール油脂肪酸、及びそれらの組み合わせを含む界面活性剤である。いくつかの実施形態では、溶媒は、メチル化種子油である。
【0049】
いくつかの実施形態では、溶媒は、ブチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチル化種子油、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0050】
いくつかの実施形態では、アミン系腐食抑制剤は、エタノールアミンであり、溶媒は、ブチルセロソブ(cellosove)、ヘキシルセルソルブ(cellusolve)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、メチル化種子油、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0051】
いくつかの実施形態では、溶媒は、ブチルセロソルブであり、アミン系腐食抑制剤は、エタノールアミン、ジエタノールアミン、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0052】
腐食抑制剤組成物中に存在する溶媒の量は、変化し得る。そのような実施形態では、溶媒の量は、腐食抑制剤組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約99重量%、約10重量%~約99重量%、約20重量%~約99重量%、約30重量%~約99重量%、約40重量%~約99重量%、約50重量%~約99重量%、約60重量%~約99重量%、約70重量%~約99重量%、約80重量%~約99重量%、約90重量%~約99重量%、又は約95重量%~約99重量の範囲である。いくつかの実施形態では、腐食抑制剤組成物中に存在する溶媒の量は、腐食抑制剤組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約50重量%、約1重量%~約50重量%、約10重量%~約50重量%、約20重量%~約50重量%、約30重量%~約50重量%、又は約40重量%~約50重量%の範囲である。
【0053】
いくつかの実施形態では、腐食抑制剤組成物中に存在する溶媒の量は、腐食抑制剤組成物の総重量に基づいて、約50重量%以下、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、5重量%、又は1重量%以下である。
【0054】
アミン系腐食抑制剤をグリコールエーテル及び/又は界面活性剤を含有する溶媒と配合した場合に、得られた腐食抑制剤組成物が、ニトラピリン含有組成物とともに補助成分として使用される場合に耐食特性を呈したことを発見することは、予想外であり、かつ驚くべきことであった。理論に拘束されるべきではないが、腐食抑制剤組成物の溶解特性は、その耐食能力に関して重要であると考えられる。より具体的には、アミン系腐食抑制剤が、ニトラピリン含有配合物に添加された場合に腐食抑制剤組成物の混和性を可能にする溶媒中に配合されることが重要である。2つの成分が互いに非混和性である場合、耐食特性は減少する。
【0055】
いくつかの実施形態では、腐食抑制剤組成物は、有機溶媒を含む腐食抑制剤配合物として配合され得る。有機溶媒のタイプは変化し得、以下でより詳細に考察される。
【0056】
IV.ニトラピリン含有組成物
上述のように、腐食抑制剤組成物は、以下でより詳細に更に記載されるニトラピリン含有組成物に添加され得る。更に、本明細書に開示されるニトラピリン含有組成物はまた、本出願の配合物セクションにより詳細に記載される非腐食性ニトラピリン配合物の成分であり得る。一般に、ニトラピリン含有組成物は、以下の構造を有する硝化抑制剤ニトラピリンを含有する。
【化1】
【0057】
ニトラピリンは、アンモニウムイオンを亜硝酸塩及び/又は硝酸塩に酸化することによってアンモニアに作用する土壌細菌Nitrosomonas内の硝化を抑制するように機能する。したがって、硝化抑制は、土壌からの窒素排出を低減させる。
【0058】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるニトラピリン含有組成物は、ニトラピリン、市販のニトラピリン含有溶液、又はそれらの組み合わせを含む。
【0059】
本開示のニトラピリン含有組成物中のニトラピリンの量は、変化し得る。いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有溶液中のニトラピリンの量は、ニトラピリン含有溶液の総重量に基づいて、15重量%超、例えば、ニトラピリン含有組成物の総重量に基づいて、約15重量%~約30重量%、約15重量%~約28重量%、約15重量%~約26重量%、約15重量%~約23重量%、約15重量%~約20重量%、約15重量%~約18重量%、又は16重量%超、17重量%超、18重量%超、19重量%超、20重量%超、21重量%超、22重量%超、23重量%超、24重量%超、25重量%超、26重量%超、27重量%超、28重量%超、29重量%超、30重量%超、35重量%超、40重量%超、若しくは45重量%超である。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50重量%の量のニトラピリンを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物は、ニートニトラピリン、すなわち、その元の形態のニトラピリンを含有する。いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物は、ニトラピリン及び有機溶媒を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物は、ニトラピリン含有の市販の溶液を含む。例示的なニトラピリン含有の市販の組成物及び/又は溶液は、Instinct(登録商標)II及び/又はN-Serve(登録商標)であるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物は、1つ以上のニトラピリン含有の市販の組成物/溶液及び溶媒を含む。いくつかの実施形態では、溶媒は、有機溶媒である。
【0062】
溶媒の量は、変化し得る。いくつかの実施形態では、溶媒の量は、組成物の総重量に基づいて、約10重量%~約90重量%、約20重量%~約85重量%、約50重量%~約85重量%、又は約60重量%~約80重量%である。いくつかの実施形態では、溶媒の量は、組成物の総重量に基づいて、約10重量%~約85重量%、約25重量%~約85重量%、約30重量%~約85重量%、又は約40重量%~約85重量%である。いくつかの実施形態では、溶媒の量は、ニトラピリン含有組成物の総重量に基づいて、85重量%未満、84重量%未満、83重量%未満、82重量%未満、81重量%未満、80重量%未満、79重量%未満、78重量%未満、77重量%未満、76重量%未満、75重量%未満、74重量%未満、73重量%未満、72重量%未満、71重量%未満、70重量%未満、65重量%未満、60重量%未満、又は55重量%未満である。実施形態では、溶媒の量は、ニトラピリン含有組成物の総重量に基づいて、55重量%~約98重量%、約60重量%~約97重量%、約61重量%~約95重量%、約62重量%~約90重量%、約63重量%~約85重量%、又は約64重量%~約80重量%である。
【0063】
いくつかの実施形態では、記載されたニトラピリン含有組成物は、水を比較的少量含有するか、又は全く含有しない。多量の水を含有する組成物は、ニトラピリンの急速な分解を示しており、したがって、ニトラピリン含有組成物の過剰量の水への曝露を最小限に抑えるべきである。いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物中又はその配合物中に存在する水の量は、組成物又は配合物の総重量に基づいて、約10%未満、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%、又は0.5%w/w未満である。そのような配合物及び/又は組成物において、ニトラピリンの化学的安定性は、少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は少なくとも約99.5%である。例えば、Meikle et al.“The hydrolysis and photolysis rates of nitrapyrin in dilute aqueous solution”Arch.Environ.Contam.Toxicol.7,149-158(1978)を参照されたい。
【0064】
A.有機溶媒
ニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒は、1つ以上の極性有機溶媒であり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の極性有機溶媒は、EPA認可されている。EPA認可溶媒は、食品及び非食品の使用について認可されているものであり、連邦規則の電子コード、例えば、Title 40,Chapter I,Subchapter E,Part 180に見られるものである。EPA認可溶媒には、限定されないが、表1に列記した有機溶媒が含まれる。
【表1-1】
【表1-2】
【0065】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒は、スルホン、スルホキシド、油、芳香族溶媒、ハロゲン化溶媒、グリコール系溶媒、脂肪酸系溶媒、アセテート含有溶媒、ケトン含有溶媒、エーテルポリオール含有溶媒、アミド含有溶媒、及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の有機溶媒は全て、水を比較的含まない。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、有機溶媒の総重量に基づいて、約10%w/w未満、約9%w/w、約8%w/w、約7%w/w、約6%w/w、約5%w/w、約4%w/w、約3%w/w、約2%w/w、約1%w/w、約0.9%w/w、約0.8%w/w、約0.7%w/w、約0.6%w/w、約0.5%w/w、約0.4%w/w、約0.3%w/w、又は約0.1%w/w未満の水を含有する。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、20℃で液体である。
【0066】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒は、スルホンである。スルホン溶媒は、限定されないが、スルホラン、メチルスルホラン(3-メチルスルホラン)、及びジメチルスルホン、並びにそれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、スルホキシドである。スルホキシド溶媒は、限定されないが、ジメチルスルホキシドであり得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒は、エーテルポリオールである。エーテル-ポリオール溶媒は、限定されないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアルキレングリコール、及び関連化合物であり得る。いくつかの実施形態では、ポリエチレングリコールは、2つの末端アルコールを有する(例えば、ポリエチレングリコール3350)。例示的なポリエチレングリコールとしては、限定されないが、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、及びそれらの組み合わせが挙げられる。例示的なポリプロピレングリコールとしては、限定されないが、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、ポリプロピレングリコールは、3つの末端アルコールを有する。プロポキシル化グリセロールとして既知である3つの末端アルコールを有する例示的なポリプロピレングリコールとしては、限定されないが、Dow PT250(分子量250の3つの末端ヒドロキシル基を含有するグリセリルエーテルポリマー)及びDow PT700(分子量700の3つの末端ヒドロキシル基を含有するグリセリルエーテルポリマー)が挙げられる。いくつかの実施形態では、エーテルポリオールは、約200~約10,000Daの分子量範囲のポリエチレン又はポリプロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、エーテルポリオール中に存在するヒドロキシル基のうちの1つ以上は、修飾される。例えば、いくつかの実施形態では、エーテルポリオール中に存在するヒドロキシル基のうちの1つ以上は、アルキル化及び/又はエステル化されている。例示的な修飾エーテルポリオールとしては、限定されないが、トリアセチン、ジエチレングリコールのn-ブチルエーテル、ジエチレングリコールのエチルエーテル、ジエチレングリコールのメチルエーテル、ジプロピレングリコールのエチルエーテルのアセテート、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、エーテルポリオールは、環状炭酸エステル(例えば、炭酸プロピレン)である。エーテルポリオールを含有する本開示の組成物は、エステルを含有する以前に記載された組成物よりも高い固体及び/又は活性内容物の形成に、より好適であることが見出されている。
【0068】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒は、グリコール系溶媒である。グリコールは、異なる炭素原子(例えば、末端炭素原子)に結合している2つのヒドロキシル(-OH)基を含有するアルコールである。最も単純なグリコールはエチレングリコールであるが、有機溶媒はこれに限定されるべきではない。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、プロピレングリコール、プロパン-1,2,3-トリオール、又はそれらの組み合わせである。
【0069】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒は、油である。例示的な油としては、限定されないが、鉱油及び/又はケロシンが挙げられる。
【0070】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒は、脂肪酸系溶媒である。いくつかの実施形態では、脂肪酸は、約3~約20個の炭素原子を含有する。脂肪酸系溶媒の例としては、限定されないが、脂肪酸のジアルキルアミド(例えば、ジメチルアミド)が挙げられる。脂肪酸のジメチルアミドの例としては、限定されないが、カプリル酸のジメチルアミド、Agnique(登録商標)AMD810(C8-C10脂肪酸ジメチルアミド;CAS番号1118-92-9及び14433-76-2)、Agnique(登録商標)AMD3L(N,N-ジメチルアクトアミド(dimethylactamide);CAS番号35123-06-9)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0071】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒は、ケトン含有溶媒である。ケトン含有溶媒の例としては、限定されないが、イソホロン、トリメチルシクロヘキサノン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0072】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒は、アセテート含有溶媒である。アセテート含有溶媒の例としては、限定されないが、アセテート、酢酸ヘキシル、酢酸ヘプチル、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0073】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒は、アミド含有溶媒である。アミド含有溶媒の例としては、限定されないが、Rhodiasolv(登録商標)ADMA10(CAS登録番号14433-76-2;N,N-ジメチルオクタンアミド)、Rhodiasolv(登録商標)ADMA810(CAS登録番号1118-92-9/14433-76-2;N,N-ジメチルオクタンアミド及びN,N-ジメチルデカンアミドのブレンド)、Rhodiasolv(登録商標)PolarClean(CAS登録番号1174627-68-9;メチル5-(ジメチルアミノ)-2-メチル-5-オキソペンタノエート)、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0074】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒は、ハロゲン化溶媒である。いくつかの実施形態では、ハロゲン化溶媒は、ハロゲン化芳香族炭化水素である。ハロゲン化芳香族炭化水素の例は、クロロベンゼンである。いくつかの実施形態では、ハロゲン化溶媒は、ハロゲン化脂肪族炭化水素である。ハロゲン化脂肪族炭化水素の例は、1,1,1-トリクロロエタンである。
【0075】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒は、芳香族溶媒である。いくつかの実施形態では、芳香族溶媒は、芳香族炭化水素である。例示的な芳香族炭化水素としては、限定されないが、ベンゼン、ナフタレン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、芳香族炭化水素は、置換されている。置換芳香族炭化水素の例としては、限定されないが、アルキル置換ベンゼン及び/又はアルキル置換ナフタレンが挙げられる。アルキル置換ベンゼンの例としては、キシレン、クメン、トルエン、プロピルベンゼン、2-メチルナフタレン、1-メチルナフタレン、1,2,4-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリメチルベンゼン、及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、キシレンを含む。いくつかの実施形態では、芳香族炭化水素は、限定されないが、ナフテンとアルキル置換ナフタレンとの混合物などの置換及び非置換芳香族炭化水素の混合物である。
【0076】
いくつかの実施形態では、芳香族溶媒は、炭化水素の混合物である。例えば、いくつかの実施形態では、芳香族溶媒は、芳香族100(主に芳香族炭化水素C8~C10からなる芳香族流の蒸留から得られる炭化水素の組み合わせであるナフサ(CAS登録番号64742-95-6)を含有する溶媒)、又は芳香族200(芳香族200組成物の総重量に基づいて、50~85重量%で存在する芳香族炭化水素(C11-C14);5~20重量%で存在するナフタレン(CAS登録番号91-20-3);5~15重量%で存在するナフタレンを含まない芳香族炭化水素(C10);及び5~15重量%で存在する芳香族炭化水素(C15-C16)の混合物を含有する溶媒)である。いくつかの実施形態では、芳香族炭化水素は、芳香族100及び芳香族200の混合物である。
【0077】
いくつかの実施形態では、芳香族溶媒は、重質芳香族溶媒ナフサ(石油)(CAS登録番号64742-94-5)であり、これは、主にC9~C16の範囲で炭素数を有し、約165℃~290℃(330°F~554°F)の範囲で沸騰する芳香族炭化水素から主になる芳香族流の蒸留から得られる炭化水素の複雑な組み合わせである。
【0078】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒は、限定されないが、芳香族溶媒(例えば、限定されないが、アルキル置換ベンゼン、キシレン、プロピルベンゼン、混合ナフタレン、及びアルキルナフタレン);及び鉱油;ケロシン;脂肪酸のジアルキルアミド(限定されないが、脂肪酸のジメチルアミド、カプリル酸のジメチルアミドを含む);塩素化脂肪族及び芳香族炭化水素(限定されないが、1,1,1-トリクロロエタン、クロロベンゼンを含む);グリコール誘導体のエステル(例えば、ジエチレングリコールのn-ブチル、エチル、又はメチルエーテル及びジプロピレングリコールのメチルエーテルのアセテート);ケトン含有溶媒(例えば、限定されないが、イソホロン及びトリメチルシクロヘキサノン(ジヒドロイソホロン)を含む);並びにアセテート含有溶媒(限定されないが、ヘキシル及び酢酸ヘプチルを含む)であり得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒は、重質芳香族溶媒ナフサ(石油)、芳香族100、芳香族200、アルキル化ベンゼン、アルキル置換ベンゼン及び/又はナフタレン、ハロゲン化芳香族溶媒、グリコール系溶媒、並びにそれらの組み合わせから選択される。
【0080】
いくつかの実施形態では、ニトラピリンは、少なくとも2つ以上の異なる有機溶媒タイプとともに配合され得る。いくつかの実施形態では、ニトラピリンは、高い溶媒和を呈し得る少なくとも2つの異なる有機溶媒タイプ中に配合され得る。いくつかの実施形態では、ニトラピリンを溶媒和するための少なくとも2つの異なる有機溶媒タイプは、1,2,4トリメチルベンゼン、キシレン、1,3,5トリメチルベンゼン、クメン、2-メチルナフタレン、ナフタレン、1-メチルナフタレン、重質芳香族溶媒ナフサ(石油)、及びそれらの組み合わせから選択される有機溶媒である。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの異なる有機溶媒は、1,2,4トリメチルベンゼン(CAS登録番号95-63-6)、キシレン(CAS登録番号1330-20-7)、1,3,5トリメチルベンゼン(CAS登録番号108-67-8)、及びクメン(CAS登録番号98-82-8)の混合物である。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの異なる有機溶媒は、2-メチルナフタレン(CAS登録番号91-57-6)、ナフタレン(CAS登録番号91-20-3)、1-メチルナフタレン(CAS登録番号90-12-0)、重質芳香族溶媒ナフサ(石油)(CAS登録番号64742-94-5)、及びそれらの組み合わせの混合物である。いくつかの実施形態では、2-メチルナフタレン(CAS登録番号91-57-6)、ナフタレン(CAS登録番号91-20-3)、1-メチルナフタレン(CAS登録番号90-12-0)、重質芳香族溶媒ナフサ(石油)(CAS登録番号64742-94-5)の混合物は、グリコール系溶媒(例えば、プロピレングリコール)と更に混合される。
【0081】
ニトラピリン含有組成物中に存在する各有機溶媒タイプの量は、変化し得る。いくつかの実施形態では、少なくとも2つ以上の異なる有機溶媒タイプのうちの第1の有機溶媒は、組成物の総重量に基づいて、約10%~約90%、約20%~約80%、約30%~約70%、約40%~約60%w/wの範囲の量で存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも2つ以上の異なる有機溶媒タイプのうちの第2の有機溶媒は、組成物の総重量に基づいて、約10%~約90%、約20%~約80%、約30%~約70%、約40%~約60%w/wの範囲の量で存在する。
【0082】
いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有組成物の溶解力は、変化し得る。いくつかの実施形態では、20℃での溶液/有機溶媒中のニトラピリン(ニトラピリンを含む配合物)の溶解力は、15%w/v超(総重量に対するニトラピリン)、例えば約15%~約30%w/v、約15%~約28%w/v、約15%~約26%w/v、約15%~約23%w/v、約15%~約20%w/v、約15%~約18%w/v、又は16%w/v超、17%w/v超、18%w/v超、19%w/v超、20%w/v超、21%w/v超、22%w/v超、23%w/v超、24%w/v超、25%w/v超、26%w/v超、27%w/v超、28%w/v超、29%w/v超、30%w/v超、35%w/v超、40%w/v超、若しくは45%w/v超である。
【0083】
ニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒の量は、変化し得る。いくつかの実施形態では、20℃でニトラピリン含有組成物中に存在する有機溶媒の量は、85%w/v未満(総重量に対する有機溶媒)、例えば、約85%~約70%w/v、約85%~約72w/v、約85%~約74%w/v、約85%~約77%w/v、約75%~約80%w/v、約75%~約82w/v、又は84%w/v未満、83%w/v未満、82%w/v未満、81%w/v未満、80%w/v未満、79%w/v未満、78%w/v未満、77%w/v未満、76%w/v未満、75%w/v未満、74%w/v未満、73%w/v未満、72%w/v未満、71%w/v未満、70%w/v未満、65%w/v未満、60%w/v未満、若しくは55%w/v未満である。
【0084】
いくつかの実施形態では、有機溶媒の量は、ニトラピリンの量が最大化されるにつれて最小化される。いくつかの実施形態では、有機溶媒の量は、80%w/v未満、79%w/v未満、78%w/v未満、77%w/v未満、76%w/v未満、75%w/v未満、74%w/v未満、73%w/v未満、72%w/v未満、71%w/v未満、70%w/v未満、65%w/v未満、60%w/v未満、又は55%w/v未満である。実施形態では、有機溶媒の量は、55%w/v~約98%w/v、又は約60%w/v~約97%w/v、又は約61%w/v~約95%w/v、又は約62%w/v~約90%w/v、又は約63%w/v~約85%w/v、又は約64%w/v~約80%w/vである。いくつかの実施形態では、有機溶媒の量は、約10%w/v~約90%w/v、約20%w/v~約80%w/v、約50%w/v~約70%w/v、又は約60%w/v~約70%w/vである。いくつかの実施形態では、有機溶媒の量は、約10%w/v~約50%w/v、又は約10%w/v~約40%w/v、又は約10%w/v~約30%w/v、又は約10%w/v~約20%w/vである。いくつかの実施形態では、有機溶媒の量は、約49.9%~約98.9%w/v、約50%w/v~約90%w/v、又は約50%w/v~約80%w/v、又は約50%w/v~約70%w/v、又は約50%w/v~約65%w/vである。いくつかの実施形態では、有機溶媒の量は、約0.1%w/v~約20%w/vである。
【0085】
V.配合物
本開示の腐食抑制剤組成物及び/又はニトラピリン含有組成物は、非修飾の元の形態(例えば、ニート)で使用され得るか、又は本開示の腐食抑制剤組成物及び/又はニトラピリン含有組成物を含有する配合物に配合され得る。いくつかの実施形態では、配合物は、本明細書に開示される腐食抑制剤組成物を含む(腐食抑制剤配合物と称される)。いくつかの実施形態では、配合物は、本明細書に開示されるニトラピリン含有組成物を含む(ニトラピリン含有配合物と称される)。いくつかの実施形態では、配合物は、本明細書に開示される腐食抑制剤組成物及びニトラピリン含有組成物を含み、非腐食性ニトラピリン配合物と称される。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される配合物(すなわち、腐食抑制剤配合物、ニトラピリン含有配合物、及び非腐食性ニトラピリン配合物)は、1つ以上の添加剤を含む。例示的な添加剤としては、限定されないが、表面活性剤、消泡剤、分散剤、乳化剤、安定剤、塩基性材料、又はそれらの組み合わせが挙げられる。当業者であれば、これらのタイプの添加剤に精通しており、本明細書に開示される配合物中に用いるのに好適な添加剤のタイプについての知識を有するであろう。
【0087】
いくつかの実施形態では、添加剤は、表面活性剤(例えば、界面活性剤)である。「界面活性剤」という用語は、液体の表面張力を低下させ、2つの液体間の界面張力を低下させる親水性部分及び疎水性部分を含む両親媒性化合物を意味する。いくつかの実施形態では、表面活性剤は、ポリオキシエチレントリデシルエーテルホスフェート(Rhodafac RS-610)、エチレンオキシド-プロピレンオキシドポリマーモノブチルエーテル(Antarox B848)、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル(Alkamuls VO/2003)、4-ドデシルベンゼンスルホン酸及びその塩(例えば、ドデシルベンゼンスフホネート、ナトリウム塩など)、並びにそれらの組み合わせから選択される。配合物中の表面活性剤の量は、変化し得る。いくつかの実施形態では、組成物及び/又は配合物中の表面活性剤の量は、組成物及び/又は配合物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約20重量%、約0.1重量%~約10重量%、約1重量%~約10重量%、約3重量%~約8重量%、約5重量%~約8重量%若しくは約10重量%~約20重量%、約12重量%~約18重量%、又は約14重量%~約16重量%である。
【0088】
いくつかの実施形態では、添加剤は、消泡剤である。消泡剤は、タンク内の泡の形成を低減する薬剤である。また、消泡剤は、タンク内で既に形成されている泡を破壊し得る。いくつかの実施形態では、消泡剤は、油性消泡剤、粉末系消泡剤、水性消泡剤、シリコーン系消泡剤、及びEO/PO系消泡剤、アルキルポリアクリレート系消泡剤、及びそれらの組み合わせから選択される。例示的な油性消泡剤としては、限定されないが、鉱油、植物油、白油、ワックス、又は疎水性シリカが挙げられる。例示的なワックスとしては、限定されないが、エチレンビスステアラミド(EBS)、パラフィンワックス、エステルワックス、炭化水素ワックス、脂肪アルコールワックス、及びそれらの組み合わせが挙げられる。例示的な粉末系消泡剤としては、限定されないが、シリカのような粒子状担体上の油性消泡剤が挙げられる。例示的なシリコーン系消泡剤としては、限定されないが、シリコン骨格を有するポリマー、シリコーン油中に疎水性シリカ分散剤を含むシリコン化合物、又はシリコーン処理シリカが挙げられる。例示的なEO/PO系消泡剤としては、限定されないが、エチレンオキシド-プロピレンオキシドコポリマーが挙げられる。配合物中の消泡剤の量は、変化し得る。いくつかの実施形態では、組成物及び/又は配合物中の消泡剤の量は、組成物及び/又は配合物の総重量に基づいて、0.1重量%~約20重量%、約0.1重量%~約10重量%、約1重量%~約10重量%、約3重量%~約8重量%、約5重量%~約8重量%若しくは約10重量%~約20重量%、約12重量%~約18重量%、又は約14重量%~約16重量%である。
【0089】
いくつかの実施形態では、添加剤は、分散剤である。「分散剤(dispersant)」又は「分散剤(dispersing agent)」は、粒子の分離を改善し、粒子の沈降又は凝集を防止するために、液体中の固体又は液体粒子の懸濁液に添加される物質である。いくつかの実施形態では、分散剤は、石鹸粉末、ロート油、アルキルスルホネート、アルキルアクリルスルホネート、ホルムアルデヒド、リグニンスルホネート、及びそれらの組み合わせから選択される。配合物中の分散剤の量は、変化し得る。いくつかの実施形態では、配合物中の分散剤の量は、配合物及び/又は組成物の総重量に基づいて、0.1重量%~約20重量%、約0.1重量%~約10重量%、約1重量%~約10重量%、約3重量%~約8重量%、約5重量%~約8重量%若しくは約10重量%~約20重量%、約12重量%~約18重量%、又は約14重量%~約16重量%である。
【0090】
上記添加剤は、例示的であることが意図されており、腐食抑制剤組成物及び/又はニトラピリン含有組成物を含む配合物に好適な添加剤及びそれらの対応する量について、当業者には明らかであろう。
【0091】
一般に、対応する配合物中に存在する腐食抑制剤組成物及び/又はニトラピリン含有組成物の量は、変化し得る。
【0092】
例えば、腐食抑制剤配合物中に存在する腐食抑制剤組成物の量は、配合物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約99.9重量%、約1重量%~約98.5重量%、約10重量%~約98重量%、約20重量%~約97重量%、約30重量%~約95重量%、約40重量%~約90重量%、約50重量%~約85重量%、約60重量%~約80重量%、又は約65重量%~約75重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、腐食抑制剤配合物中に存在する腐食抑制剤組成物の量は、配合物の総重量に基づいて、少なくとも約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約92重量%、約95重量%、又は少なくとも約98重量%である。
【0093】
いくつかの実施形態では、腐食抑制剤配合物は、有機溶媒を含む。有機溶媒のタイプは、ニトラピリン含有組成物について上述したものと同じであり得る。いくつかの実施形態では、腐食抑制剤配合物は、有機溶媒の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒の組み合わせは、ニトラピリン含有組成物について上述したものと同じ有機溶媒の組み合わせである。
【0094】
いくつかの実施形態では、所与の配合物中に存在するニトラピリン含有組成物の量は、変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有配合物中に存在するニトラピリン含有組成物の量は、配合物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約99.9重量%、約1重量%~約98.5重量%、約10重量%~約98重量%、約20重量%~約97重量%、約30重量%~約95重量%、約40重量%~約90重量%、約50重量%~約85重量%、約60重量%~約80重量%、又は約65重量%~約75重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、ニトラピリン含有配合物中に存在するニトラピリン含有組成物の量は、配合物の総重量に基づいて、少なくとも約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約92重量%、約95重量%、又は少なくとも約98重量%である。
【0095】
いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物中に存在する腐食抑制剤組成物及びニトラピリン含有組成物の量は、変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物中に存在する腐食抑制剤組成物の量は、配合物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約20重量%、約0.1重量%~約18重量%、約0.1重量%~約15重量%、約0.1重量%~約12重量%、約0.1重量%~約10重量%、約0.1重量%~約7重量%、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約4.5重量%、約0.1重量%~約4重量%、約0.1重量%~約3.5重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2.5重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.1重量%~約1.5重量%、約0.1重量%~約1重量%、又は約0.1重量%~約0.5重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物中に存在する腐食抑制剤組成物の量は、配合物の総重量に基づいて、約3重量%未満、約2.9重量%、約2.8重量%、約2.7重量%、約2.8重量%、約2.7重量%、約2.6重量%、約2.5重量%、約2.4重量%、約2.3重量%、約2.2重量%、約2.1重量%、約2.0重量%、約1.9重量%、約1.8重量%、約1.7重量%、約1.6重量%、約1.5重量%、約1.4重量%、約1.3重量%、約1.2重量%、約1.1重量%、約1.0重量%、約0.9重量%、約0.8重量%、約0.7重量%、約0.6重量%、約0.5重量%、約0.4重量%、約0.3重量%、約0.2重量%、約0.1重量%、又は0.05重量%未満である。
【0096】
いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物中に存在するニトラピリン含有組成物の量は、配合物の総重量に基づいて、約約50重量%~約99.9重量%、60重量%~約99.9重量%、70重量%~約99.9重量%、80重量%~約99.9重量%、約82重量%~約99.9重量%、約85重量%~約99.9重量%、約88重量%~約99.9重量%、約90重量%~約99.9重量%、約93重量%~約99.9重量%、約95重量%~約99.9重量%、約95.5重量%~約99.9重量%、約96重量%~約99.9重量%、約96.5重量%~約99.9重量%、約97重量%~約99.9重量%、約97.5重量%~約99.9重量%、約98重量%~約99.9重量%、約98.5~約99.9重量%、約99重量%~約99.9重量%、約98.5重量%~約99.9重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物中に存在するニトラピリン含有組成物の量は、配合物の総重量に基づいて、少なくとも約50重量%、約60重量%、約70重量%、約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%、約97重量%、97.1重量%、97.2重量%、97.3重量%、97.4重量%、97.5重量%、97.6重量%、97.7重量%、97.8重量%、97.9重量%、98重量%、98.1重量%、98.2重量%、98.3重量%、98.4重量%、98.5重量%、98.6重量%、98.7重量%、98.8重量%、99重量%、99.1重量%、99.2重量%、99.3重量%、99.4重量%、99.5重量%、99.6重量%、99.7重量%、99.8重量%、99.9重量%、又は少なくとも99.95重量%である。
【0097】
非腐食性ニトラピリン配合物中に存在するニトラピリンの量は、配合物の総重量に基づいて、約約1重量%~約99.9重量%、10重量%~約99.9重量%、10重量%~約80重量%、10重量%~約70重量%、約10重量%~約60重量%、約10重量%~約50重量%、約10重量%~約40重量%、又は約10重量%~約30重量%の範囲である。
【0098】
いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物中に存在する腐食抑制剤組成物及びニトラピリン含有組成物の量は、腐食抑制剤組成物:ニトラピリン含有組成物の重量比で約1:1000~約1000:1、1:500~約500:1、1:250~約250:1、約1:100~約100:1、約1:75~約75:1、約1:50~約50:1、約1:25~約25:1、約1:10~約10:1、約1:5~約5:1の範囲である。
【0099】
いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物は、上述の有機溶媒を更に含む。非腐食性ニトラピリン配合物中の有機溶媒の量は、変化し得る。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、非腐食性ニトラピリン配合物の総重量に基づいて、約1重量%~約90重量%、約10重量%~約85重量%、約15重量%~約80重量%、約20重量%~約75重量%、約30重量%~約70重量%、約35重量%~約65重量%、約40重量%~約60重量%、又は約45重量%~約55重量%の範囲である。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物中に用いられる有機溶媒は、少なくとも1つの極性有機溶媒を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、腐食抑制剤組成物及びニトラピリン含有組成物は、互いに完全に混和性である。換言すれば、腐食抑制剤組成物及びニトラピリン含有組成物は、互いに混合して、任意の沈殿物又は油形成を伴わずに均質な溶液を形成する。いくつかの実施形態では、腐食抑制剤組成物及びニトラピリン含有組成物は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は約24時間互いに混和性である。いくつかの実施形態では、腐食抑制剤組成物及びニトラピリン含有組成物は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は約24日間互いに混和性である。
【0101】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される配合物は、腐食抑制剤組成物を含有しないニトラピリン配合物と比較して、腐食挙動の低減を呈する。具体的には、本明細書に開示される配合物は、農業機器で使用される金属系材料に対して腐食挙動の低減を呈する。そのような金属系材料としては、限定されないが、アルミニウム、軟鋼、炭素鋼、鉄、炭素鋼、合金鋼、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0102】
いくつかの実施形態では、本開示の非腐食性ニトラピリン配合物は、他の配合物とともに配合されるニトラピリンと比較して、腐食挙動の低減を呈する。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物は、ニトラピリンを含有しないニトラピリン含有配合物(例えば、N-Serve(登録商標)及び/又はInstinct(登録商標)II)と比較して、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は少なくとも98%の腐食の低減を呈する。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物は、本明細書に開示される腐食抑制剤組成物を含有しないニトラピリン含有配合物と比較して、約1%~約100%、約50%~約100%、約60%~約100%、約70%~約100%、約80%~約100%、約90%~約100%、約1%~約70%、約10%~約70%、約10%~約60%、約20%~約50%、約30%~約50%、約40%~約50%、約20%~約80%、又は約10%~約90%の腐食の低減を呈する。
【0103】
III.農業用製品
記載された非腐食性ニトラピリン配合物及びその組成物のいずれも、肥料、農業活性化合物、種子、ウレアーゼ抑制活性、硝化抑制活性を有する化合物、1つ以上の殺生物剤(例えば、殺有害生物剤、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、及び/又は殺ダニ剤)などからなる群から選択される1つ以上の他の成分と組み合わされ得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、記載された非腐食性ニトラピリン配合物及びその組成物は、肥料製品と混合されてもよく、表面コーティングとして肥料製品に施用されてもよく、又はそうでなければ肥料製品と完全に混合されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような組み合わされた肥料/非腐食性ニトラピリン配合物組成物において、肥料は、およそ粉末サイズ(約0.001cm未満)~約10mm、より好ましくは約0.1mm~約5mm、更により好ましくは約0.15mm~約3mmの平均直径を有する粒子の形態である。ニトラピリンは、そのような組み合わされた製品中に、100gの肥料当たり約0.001g~約20g、100gの肥料当たり約0.01g~7g、100gの肥料当たり約0.08g~約5g、又は100gの肥料当たり約0.09g~約2gのレベルで存在し得る。組み合わされた肥料/非腐食性ニトラピリン配合物製品の場合、組み合わされた製品は、施用されるニトラピリン複合体の量が1エーカーの土壌当たり約10~150g、1エーカーの土壌当たり約30~125g、又は1エーカーの土壌当たり約40~120gとなるようなレベルで施用され得る。組み合わされた製品は、同様に、使用者の裁量で、液体分散液又は乾燥造粒製品として施用され得る。非腐食性ニトラピリン配合物をコーティングとして使用する場合、非腐食性ニトラピリン配合物は、コーティングされた肥料製品の約0.005重量%~約15重量%、コーティングされた肥料製品の約0.01重量%~約10重量%、コーティングされた肥料製品の約0.05重量%~約2重量%、及びコーティングされた肥料製品の約0.5重量%~約1重量%を構成し得る。
【0105】
A.肥料
いくつかの実施形態では、農業用製品は、肥料である。肥料は、限定されないが、粒状肥料などの固体肥料であり得、非腐食性ニトラピリン配合物は、液体分散液として肥料に施用され得る。肥料は、液体形態であり得、非腐食性ニトラピリン配合物は、液体肥料と混合され得る。肥料は、スターター肥料、リン酸塩系肥料、窒素を含有する肥料、リンを含有する肥料、カリウムを含有する肥料、カルシウムを含有する肥料、マグネシウムを含有する肥料、ホウ素を含有する肥料、塩素を含有する肥料、亜鉛を含有する肥料、マンガンを含有する肥料、銅を含有する肥料、尿素及び亜硝酸アンモニウムを含有する肥料、並びに/又はモリブデン材料を含有する肥料からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態では、肥料は、無水アンモニア肥料を含む尿素及び/又はアンモニアであるか、又はそれを含有する。いくつかの実施形態では、肥料は、植物可給性窒素、リン、カリウム、硫黄、カルシウム、マグネシウム、又は微量栄養素を含む。いくつかの実施形態では、肥料は、固体、粒状、流体懸濁液、気体、又は可溶化肥料である。いくつかの実施形態では、肥料は、微量栄養素を含む。微量栄養素は、植物が少量必要とする必須元素である。いくつかの実施形態では、肥料は、Fe、Mn、Mg、Zn、Cu、Ni、Co、Mo、V、及びCaからなる群から選択される金属イオンを含む。いくつかの実施形態では、肥料は、石膏、キーゼライト族メンバー、カリウム生成物、硫酸カリウムマグネシウム、元素硫黄、又は硫酸カリウムマグネシウムを含む。そのような肥料は、粒状、液体、気体、又は混合物(例えば、液体材料中の固体肥料粒子の懸濁液)であってもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物は、畑及び/又は作物に施用するための任意の好適な液体又は乾燥肥料と組み合わされる。
【0107】
記載された非腐食性ニトラピリン配合物、又はその組成物は、肥料の施用とともに施用され得る。非腐食性ニトラピリン配合物は、肥料の施用の前、後、又は同時に施用され得る。
【0108】
B.種子
いくつかの実施形態は、記載された非腐食性ニトラピリン配合物のうちの1つ以上でコーティングされた農業用種子について記載する。非腐食性ニトラピリン配合物は、コーティングされた種子製品の総重量に基づいて、約0.001~約10重量%、約0.004重量%~約2重量%、約0.01重量%~約1重量%、又は約0.1重量%~約1重量%(又は約10%以下、約9%、約8%、約7%約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%、約0.5%、約0.1%、約0.01%、若しくは約0.001%以下)のレベルで種子製品中に存在し得る。種子は、限定されないが、コムギ、オオムギ、エンバク、ライコムギ、ライムギ、イネ、トウモロコシ、ダイズ、ワタ、又はアブラナであり得る。
【0109】
C.その他
いくつかの実施形態では、記載された非腐食性ニトラピリン配合物のうちの1つ以上との組み合わせた、ウレアーゼ抑制化合物、硝化抑制化合物、殺生物剤(例えば、殺有害生物剤、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、及び/又は殺ダニ剤)を記載する。本明細書で使用される場合、「殺有害生物剤」は、殺有害生物活性を有する任意の薬剤(例えば、除草剤、殺虫剤、及び殺菌剤)を指し、好ましくは殺虫剤、除草剤、及びそれらの混合物からなる群から選択されるが、通常、植物肥沃効果を有すると主張される材料、例えばホウ酸ナトリウム及び亜鉛化合物、例えば酸化亜鉛、硫酸亜鉛、及び塩化亜鉛を除外する。限定されない殺有害生物剤のリストについては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる「Farm Chemicals Handbook 2000,2004」(Meister Publishing Co,Willoughby,OH)を参照されたい。
【0110】
例示的な除草剤としては、限定されないが、アセトクロール、アラクロール、アミノピラリド、アトラジン、ベノキサコール、ブロモキシニル、カルフェントラゾン、クロルスルフロン、クロジナホップ、クロピラリド、ジカンバ、ジクロホップメチル、ジメテナミド、フェノキサプロップ、フルカルバゾン、フルフェナセット、フルメトスラム、フルミクロラック、フルロキシピル、グルホシナートアンモニウム、グリホサート、ハロスルフロンメチル、イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イソキサフルトール、キンクロラック、MCPA、MCPアミン、MCPエステル、メフェノキサム、メソトリクロル、メトラクロール、s-メトラクロール、メトリブジン、メトスルフロンメチル、ニコスルフロン、パラコート、ペンジメタリン、ピクロラム、プリミスルフロン、プロポキシカルバゾン、プロスルフロン、ピラフルフェンエチル、リムスルフロン、シマジン、スルホスルフロン、チフェンスルフロン、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアレート、トリサルフロン、トリベヌロン、トリクロピル、トリフルラリン、2,4-D,2,4-Dアミン、2,4-Dエステルなどが挙げられる。
【0111】
例示的な殺虫剤としては、限定されないが、1,2ジクロロプロパン、1,3ジクロロプロペン、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセトアミプリド、アセチオン、アセトプロール、アクリナトリン、アクリロニトリル、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アルドリン、アレスリン、アロサミジン、アリキシカルブ、αシペルメトリン、αエクジソン、アミジチオン、アミドフルメト、アミノカルブ、アミトン、アミトラズ、アナバシン、酸化ヒ素、アチダチオン、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホスエチル、アジンホスメチル、アゾベンゼン、アゾシクロチン、アゾトエート、ヘキサフルオロケイ酸バリウム、バルトリン、ベンクロチアズ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、ベノキサホス、ベンスルタプ、ベンゾキシメート、安息香酸ベンジル、βシフルトリン、βシペルメトリン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ビナパクリル、ビオアレトリン、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビストリフルロン、ホウ砂、ホウ酸、ブロムフェンビンホス、ブロモDDT、ブロモシクレン、ブロモホス、ブロモホスエチル、ブロモプロピレート、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタカルブ、ブタチオホス、ブトカルボキシム、ブトナート、ブトキシカルボキシム、カズサホス、ヒ酸カルシウム、多硫化カルシウム、カムフェクロール、カルバノレート、カルバリル、カルボフラン、二硫化炭素、四塩化炭素、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、キノメチオナート、クロラントラニリプロール、クロルベンジド、クロルビシクレン、クロルデン、クロルデコン、クロルジメホルム、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェネトール、クロルフェンソン、クロルフェンスルフィド、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロロベンジレート、クロロホルム、クロロメブホルム、クロロメチウロン、クロロピクリン、クロロプロピレート、クロルホキシム、クロルプラゾホス(chlorprazophos)、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルチオホス、クロマフェノジド、シネリンI、シネリンII、シスメトリン、クロエトカルブ、クロフェンテジン、クロサンテル、クロチアニジン、アセト亜ヒ酸銅、ヒ酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、クマホス、クミチオエート、クロタミトン、クロトキシホス、クルエンタレンA及びB、クルホメート、クリオライト、シアノフェンホス、シアノホス、シアントエート、シクレトリン、シクロプロトリン、シエノピラフェン、シフルメトフェン、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シフェノトリン、シロマジン、シチオエート、d-リモネン、ダゾメット、DBCP、DCIP、DDT、デカルボフラン、デルタメトリン、デメフィオン、デメフィオンO、デメフィオンS、デメトン、デメトンメチル、デメトンO、デメトンOメチル、デメトンS、デメトンSメチル、デメトンSメチルスルホン、ジアフェンチウロン、ジアリホス、ジアミドホス、ジアジノン、ジカプトン、ジクロフェンチオン、ジクロフルアニド、ジクロルボス、ジコホル、ジクレシル、ジクロトホス、ジシクラニル、ジエルドリン、ジエノクロル、ジフロビダジン、ジフルベンズロン、ジロール、ジメフルトリン、ジメホックス(dimefox)、ジメタン、ジメトエート、ジメトリン、ジメチルビンホス、ジメチラン、ジネックス、ジノブトン、ジノカップ、ジノカップ4、ジノカップ6、ジノクトン、ジノペントン、ジノプロプ、ジノサム、ジノスルホン、ジノテフラン、ジノテルボン、ジオフェノラン、ジオキサベンゾホス、ジオキサカルブ、ジオキサチオン、ジフェニルスルホン、ジスルフィラム、ジスルホトン、ジチクロホス(dithicrofos)、DNOC、ドフェナピン、ドラメクチン、エクジステロン、エマメクチン、EMPC、エムペントリン、エンドスルファン、エンドチオン、エンドリン、EPN、エポフェノナン、エプリノメクチン、エスフェンバレレート、エタフォス(etaphos)、エチオフェンカルブ、エチオン、エチプロール、エトアートメチル、エトプロホス、エチルDDD、ギ酸エチル、二臭化エチレン、二塩化エチレン、酸化エチレン、エトフェンプロックス、エトキサゾール、エトリムホス、EXD、ファムフール、フェナミホス、フェナザフロル、フェナザキン、酸化フェンブタスズ、フェンクロルホス、フェネタカルブ、フェンフルトリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキサクリム、フェノキシカルブ、フェンピリトリン(fenpirithrin)、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、フェンソン、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェンチオンエチル、フェントリファニル、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルアクリピリム、フルアズロン、フルベンジアミド、フルベンジミン、フルコフロン、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルシトリネート、フルエネチル、フルフェネリム、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルオルベンシド(fluorbenside)、フルバリネート、ホノホス、ホルメタナート、ホルモチオン、ホルムパラナート(formparanate)、ホスメチラン、ホスピレート、ホスチアゼート、ホスチエタン、フラチオカルブ、フレトリン、フルフラール、γシハロトリン、γ HCH、ハルフェンプロックス、ハロフェノジド、HCH、HEOD、ヘプタクロル、ヘプテノホス、ヘテロホス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、HHDN、ヒドラメチルノン、シアン化水素、ヒドロプレン、ヒキンカルブ(hyquincarb)、イミシアホス、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、ヨードメタン、IPSP、イサミドホス、イサゾホス、イソベンザン、イソカルボホス、イソドリン、イソフェンホス、イソプロカルブ、イソプロチオラン、イソチオエート、イソキサチオン、イベルメクチンジャスモリンI、ジャスモリンII、ヨードフェンホス、幼若ホルモンI、幼若ホルモンII、幼若ホルモンIII、ケレバン、キノプレン、λシハロトリン、ヒ酸鉛、レピメクチン、レプトホス、リンダン、リリンホス、ルフェヌロン、リチダチオン、マラチオン、マロンベン、マジドックス、メカルバム、メカルホン、メナゾン、メホスホラン、塩化水銀、メスルフェン、メスルフェンホス、メタフルミゾン、メタム、メタクリホス、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メトクロトフォス、メトミル、メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、臭化メチル、イソチオシアン酸メチル、メチルクロロホルム、塩化メチレン、メトフルトリン、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス(mevinphos)、メキサカルベート、ミルベメクチン、ミルベマイシンオキシム、ミパホックス、ミレックス、MNAF、モノクロトホス、モルホチオン、モキシデクチン、ナフタロホス、ナレド(naled)、ナフタレン、ニコチン、ニフルリジド、ニッコーマイシン、ニテンピラム、ニチアジン、ニトリラカルブ、ノバルロン、ノビフルムロン、オメトエート、オキサミル、オキシデメトンメチル、オキシデプロホス、オキシジスルホトン、パラジクロロベンゼン、パラチオン、パラチオンメチル、ペンフルロン、ペンタクロロフェノール、ペルメトリン、フェンカプトン、フェノトリン、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスホラン、ホスメット、ホスニクロル、ホスファミドン、ホスフィン、ホスホカルブ、ホキシム、ホキシムメチル、ピリメタホス、ピリミカルブ、ピリミホスエチル、ピリミホスメチル、亜ヒ酸カリウム、チオシアン酸カリウム、p,p’-DDT、パレトリン、プレコセンI、プレコセンII、プレコセンIII、プリミドホス、プロクロノール、プロフェノホス、プロフルトリン、プロマシル、プロメカルブ、プロパホス、プロパルギット、プロペタンホス、プロポキスル、プロチダチオン、プロチオホス、プロトエート、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ピラクロホス、ピラフルプロール、ピラゾホス、ピレスメトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、ピリダベン、ピリダリル、ピリダフェンチオン、ピリフルキナゾン、ピリミジフェン、ピリミテート、ピリプロール、ピリプロキシフェン、カッシア、キナルホス、キナルホス、キナルホスメチル、キノチオン、ラホキサニド、レスメトリン、ロテノン、リアニア、サバジラ、シュラダン(schradan)、セラメクチン、シラフルフェン、亜ヒ酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、ソファミド、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルコフロン、スルフィラム、スルフラミド、スルホテップ、硫黄、フッ化スルフリル、スルプロホス、タウフルバリネート、タジムカルブ、TDE、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリムホス、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、TEPP、テラレトリン、テルブホス、テトラクロロエタン、テトラクロルビンホス、テトラジホン、テトラメトリン、テトラナクチン、テトラスル、θシペルメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チクロホス、チオカルボキシム、チオシクラム、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオナジン、チオキノックス、チオスルタップ、ツリンギエンシン(thuringiensin)、トルフェンピラド、トラロメトリン、トランスフルトリン、トランスペルメトリン、トリアラテン、トリアザメート、トリアゾホス、トリクロルホン、トリクロルメタホス3、トリクロロナト、トリフェノホス、トリフルムロン、トリメタカルブ、トリプレン、バミドチオン、バニリプロール、XMC、キシリルカルブ、ζシペルメトリン、及びゾラプロホスが挙げられる。
【0112】
例示的な殺菌剤としては、限定されないが、アシベンゾラル、アシルアミノ酸殺菌剤、アシペタックス(acypetacs)、アルジモルフ、脂肪族窒素殺菌剤、アリルアルコール、アミド殺菌剤、アムプロピルホス(ampropylfos)、アニラジン、アニリド殺菌剤、抗生物質殺菌剤、芳香族殺菌剤、アウレオフンギン(aureofungin)、アザコナゾール、アジチラム、アゾキシストロビン、多硫化バリウム、ベナラキシル、ベナラキシル-M、ベノダニル、ベノミル、ベンキノックス、ベンタルロン、ベンチアバリカルブ、塩化ベンザルコニウム、ベンザマクリル、ベンズアミド殺菌剤、ベンズアモルフ(benzamorf)、ベンズアニリド殺菌剤、ベンズイミダゾール殺菌剤、ベンズイミダゾール前駆体殺菌剤、ベンズイミダゾリルカルバメート殺菌剤、ベンゾヒドロキサム酸、ベンゾチアゾール殺菌剤、ベトキサジン、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ビチオノール、ビキサフェン、ブラストサイジン-S、ボルドー混合物、ホウ酸、ボスカリド、架橋ジフェニル殺菌剤、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブルゴーニュ混合物、ブチオベート、sec-ブチルアミン、多硫化カルシウム、カプタホール、カプタン、カルバメート殺菌剤、カルバモルフ、カルバニレート殺菌剤、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、カルボン、チェスハント混合物、キノメチオナート、クロベンチアゾン、クロラニホルメタン(chloraniformethan)、クロラニル、クロルフェナゾール、クロロジニトロナフタレン、クロロホルム、クロロネブ、クロロピクリン、クロロタロニル、クロルキノックス、クロゾリネート、シクロピロクス、クリンバゾール、クロトリマゾール、コナゾール殺菌剤、コナゾール殺菌剤(イミダゾール)、コナゾール殺菌剤(トリアゾール)、酢酸銅(II)、炭酸銅(II)、塩基性、銅殺菌剤、水酸化銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅、オキシ塩化銅、硫酸銅(II)、硫酸銅、塩基性、クロム酸銅亜鉛、クレゾール、クフラネブ(cufraneb)、クプロバム(cuprobam)、第一酸化銅、シアゾファミド、シクラフラミド(cyclafuramid)、環状ジチオカルバメート殺菌剤、シクロヘキシミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シペンダゾール、シプロコナゾール、シプロジニル、ダゾメット、DBCP、デバカルブ、デカフェンチン(decafentin)、デヒドロ酢酸、ジカルボキシイミド殺菌剤、ジクロフルアニド、ジクロン、ジクロロフェン、ジクロロフェニル、ジクロゾリン、ジクロブトラゾール、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ピロカルボン酸ジエチル、ジフェノコナゾール、ジフルメトリム、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、ジニトロフェノール殺菌剤、ジノブトン、ジノキャップ、ジノキャップ-4、ジノキャップ-6、ジノクトン、ジノペントン、ジノスルホン、ジノテルボン、ジフェニルアミン、ジピリチオン、ジスルフィラム、ジタリムホス、ジチアノン、ジチオカルバメート殺菌剤、DNOC、ドデモルフ、ドジシン、ドジン、ドナトジン(donatodine)、ドラゾキソロン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エタコナゾール、エテム(etem)、エタボキサム、エチリモール、エトキシキン、エチレンオキシド、エチル水銀2,3-ジヒドロキシプロピルメルカプチド、酢酸エチル水銀、臭化エチル水銀、塩化エチル水銀、リン酸エチル水銀、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナミノスルフ、フェナパニル、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェニトロパン、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチン、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルコナゾール、フルジオキソニル、フルメトベル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオルイミド、フルオトリマゾール(fluotrimazole)、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ホルペット、ホルムアルデヒド、ホセチル、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、フラミド殺菌剤、フラニリド殺菌剤、フルカルバニル、フルコナゾール(furconazole)、フルコナゾール-シス(furconazole-cis)、フルフラール、フルメシクロックス、フロファネート(furophanate)、グリオジン、グリセオフルビン、グアザチン、ハラクリネート(halacrinate)、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサクロロブタジエン、ヘキサクロロフェン、ヘキサコナゾール、ヘキシルチオホス、ヒドラガフェン、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミダゾール殺菌剤、イミノクタジン、無機殺菌剤、無機水銀殺菌剤、ヨードメタン、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロピルアルコール、イソプロチオラン、イソバレジオン(isovaledione)、イソピラザム、カスガマイシン、ケトコナゾール、クレソキシム-メチル、石灰硫黄(lime sulfur)(石灰硫黄(lime sulphur))、マンカッパー(mancopper)、マンコゼブ、マネブ、メベニル、メカルビンジド、メパニピリム、メプロニル、塩化水銀(廃止)、酸化水銀(廃止)、塩化第一水銀(廃止)、メタラキシル、メタラキシル-M(別名メフェノキサム)、メタム、メタゾキソロン、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メトフロキサム、臭化メチル、イソチオシアン酸メチル、安息香酸メチル水銀、メチル水銀ジシアンジアミド、メチル水銀ペンタクロロフェノキシド、メチラム、メトミノストロビン、メトラフェノン、メトスルホバックス、ミルネブ、モルホリン殺菌剤、ミクロブタニル、ミクロゾリン、N-(エチル水銀)-p-トルエンスルホンアニリド、ナバム、ナタマイシン、ナイスタチン、β-ニトロスチレン、ニトロタール-イソプロピル、ヌアリモル、OCH、オクチリノン、オフラセ、オプロジオン(oprodione)、有機水銀殺菌剤、有機リン殺菌剤、有機スズ殺菌剤(廃止)、オルトフェニルフェノール、オリサストロビン、オキサジキシル、オキサチイン殺菌剤、オキサゾール殺菌剤、オキシン銅、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンタクロロフェノール、ペンチオピラド、フェニルメルクリオ尿素(phenylmercuriurea)、酢酸フェニル水銀、塩化フェニル水銀、ピロカテコールのフェニル水銀誘導体、硝酸フェニル水銀、サリチル酸フェニル水銀、フェニルスルファミド殺菌剤、ホスジフェン、亜リン酸塩、フタリド、フタルイミド殺菌剤、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリカーバメート、ポリマージチオカルバメート殺菌剤、ポリオキシン、ポリオキソリム(polyoxorim)、多硫化物殺菌剤、カリウムアジド、多硫化カリウム、チオシアン酸カリウム、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオカルブ、プロチオコナゾール、ピラカルボリド、ピラクロストロビン、ピラゾール殺菌剤、ピラゾホス、ピリジン殺菌剤、ピリジニトリル、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピリミジン殺菌剤、ピロキロン、ピロキシクロル、ピロキシフル(pyroxyfur)、ピロール殺菌剤、キナセトール、キナザミド(quinazamid)、キンコナゾール、キノリン殺菌剤、キノメチオネート、キノン殺菌剤、キノキサリン殺菌剤、キノキシフェン、キントゼン、ラベンザゾール、サリチルアニリド、シルチオファム、銀、シメコナゾール、ナトリウムアジド、重炭酸ナトリウム[2][3]、オルトフェニルフェノキシドナトリウム、ペンタクロロフェノキシドナトリウム、多硫化ナトリウム、スピロキサミン、ストレプトマイシン、ストロビルリン殺菌剤、スルホンアニリド殺菌剤、硫黄、フッ化スルフリル、スルトロペン、TCMTB、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テコラム、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チアジフルオール(thiadifluor)、チアゾール殺菌剤、チシオフェン、チフルザミド、チモール、トリホリン、チオカルバメート殺菌剤、チオクロルフェンフィム、チオメルサール、チオファネート、チオファネート-メチル、チオフェン殺菌剤、チオキノックス、チラム、チアジニル、チオキシミド(tioxymid)、チベド(tivedo)、トルクロホス-メチル、トルナフテート、トリルフルアニド、酢酸トリル水銀、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアミホス、トリアリモール、トリアズブチル、トリアジン殺菌剤、トリアゾール殺菌剤、トリアゾキシド、トリブチル酸化スズ、トリクラミド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、未分類の殺菌剤、ウンデシレン酸、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P、尿素殺菌剤、バリダマイシン、バリンアミド殺菌剤、ビンクロゾリン、ボリコナゾール、ザリラミド、ナフテン酸亜鉛、ジネブ、ジラム、及び/又はゾキサミドが挙げられる。
【0113】
いくつかの実施形態では、本開示の主題の組成物は、殺有害生物剤及び非腐食性ニトラピリン配合物を含む、殺有害生物剤/非腐食性ニトラピリン配合物含有組成物である。いくつかの実施形態では、殺有害生物剤は、除草剤、殺虫剤、又はそれらの組み合わせである。
【0114】
いくつかの実施形態では、本開示の主題の組成物は、殺菌剤及び非腐食性ニトラピリン配合物を含む、殺菌剤/非腐食性ニトラピリン配合物含有組成物である。
【0115】
殺有害生物剤/非腐食性ニトラピリン配合物含有組成物及び/又は殺菌剤/非腐食性ニトラピリン配合物含有組成物中の非腐食性ニトラピリン配合物の量は、変化し得る。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物の量は、100重量%とした殺有害生物剤/非腐食性ニトラピリン配合物含有組成物又は殺菌剤/非腐食性ニトラピリン配合物含有組成物の総重量に基づいて、約0.05~10重量%(より好ましくは約0.1重量%~4重量%、最も好ましくは約0.2~2重量%)のレベルで存在する。
【0116】
殺ダニ剤の例示的なクラスとしては、限定されないが、植物性ダニ駆除剤、架橋ジフェニルダニ駆除剤、カルバメートダニ駆除剤、オキシムカルバメートダニ駆除剤、カルバジン酸ダニ駆除剤、ジニトロフェノールダニ駆除剤、ホルムアミジンダニ駆除剤、イソキサリンダニ駆除剤、大環状ラクトンダニ駆除剤、アベルメクチンダニ駆除剤、ミルベマイシンダニ駆除剤、ミルベマイシンダニ駆除剤、ダニ成長調節剤、有機塩素ダニ駆除剤、有機リン酸ダニ駆除剤、有機チオリン酸ダニ駆除剤、ホスホン酸ダニ駆除剤、ホスホアルミドチオラートダニ駆除剤、有機イチンダニ駆除剤、フェニルスルホンアミドダニ駆除剤、ピラゾールカルボキサミドダニ駆除剤、ピレスロイドエーテルダニ駆除剤、四級アンモニウムダニ駆除剤、ピレスロイドエステルダニ駆除剤、ピロールダニ駆除剤、キノキサリンダニ駆除剤、メトキシアクリレートストロビルリンダニ駆除剤、テロン酸ダニ駆除剤、チアソリジンダニ駆除剤、チオカルバメートダニ駆除剤、チオ尿素ダニ駆除剤、及び未分類のダニ駆除剤が挙げられる。これらのクラスの殺ダニ剤の例としては、限定されないが、植物性ダニ駆除剤-カルバクロール、サンギナリン;架橋ジフェニルダニ駆除剤-アゾベンゼン、ベンゾキシメート、ベンジル、安息香酸塩、ブロモプロピレート、クロルベンシド、クロルフェネトール、クロルフェンソン、クロルフェンスルフィド、クロロベンジレート、クロロプロピレート、シフルメトフェン、DDT、ジコホル、ジフェニル、スルホン、ドフェナピン、フェンソン、フェントリファニル、フルオルベンシド、ゲニト(genit)、ヘキサクロロフェン、フェンプロキシド(phenproxide)、プロクロノール、テトラジホン、テトラスル;カルバメートダニ駆除剤-ベノミル、カーバノレート、カルバリル、カルボフラン、メチオカルブ、メトルカルブ、プロマシル、プロポクスル;オキシムカルバメートダニ駆除剤-アルジカルブ、ブトカルボキシム、オキサミル、チオカルボキシム、チオファノックス;カルバゼートダニ駆除剤-ビフェナゼート;ジニトロフェノールダニ駆除剤-ビナパクリル、ジネクス、ジノブトン、ジノキャップ、ジノキャップ-4、ジノキャップ-6、ジノクトン、ジノペントン、ジノスルホン、ジノテルボン、DNOC;ホルムアミジンダニ駆除剤-アミトラズ、クロルジメホルム、クロロメブホルム、ホルメタネート、ホルムパラネート、メジメホルム(medimeform)、セミアミトラズ;イソキサゾリンダニ駆除剤-アフォキソラネル、フルララネル、ロチラネル、サロラネル;大環状ラクトンダニ駆除剤-テトラナクチン;アベルメクチンダニ駆除剤-アバメクチン、ドラメクチン、エプリノメクチン、イベルメクチン、セラメクチン;ミルベマイシンダニ駆除剤-ミルベメクチン、ミルベマイシン、オキシム、モキシデクチン;ダニ増殖調節剤-クロフェンテジン、シロマジン、ジフロビダジン、ドフェナピン、フルアズロン、フルベンゾイミン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキシチアゾクス;有機塩素ダニ駆除剤-ブロモシクレン、カンフェクロル、DDT、ジエノクロル、エンドスルファン、リンダン;有機リン酸ダニ駆除剤-クロルフェンビンホス、クロトキシホス、ジクロルボス、ヘプテノホス、メビンホス、モノクロトホス、ナレド、TEPP、テトラクロルビンホス;有機チオリン酸ダニ駆除剤-アミジチオン、アミトン、アジンホス-エチル、アジンホス-メチル、アゾトエート、ベノキサホス、ブロモホス、ブロモホス-エチル、カルボフェノチオン、クロルピリホス、クロルチオホス、クマホス、シアントエート、デメトン、デメトン-O、デメトン-S、デメトン-メチル、デメトン-O-メチル、デメトン-S-メチル、デメトン-S-メチルスルホン、ジアリホス、ダイアジノン、ジメトエート、ジオキサチオン、ジスルホトン、エンドチオン、エチオン、エトエート-メチル、ホルモチオン、マラチオン、メカルバム、メタクリホス、オメトエート、オキシデプロホス、オキシジスルホトン、パラチオン、フェンカプトン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスチン(phostin)、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロチダチオン、プロトエート、ピリミテート、キナルホス、キンチオホス(quintiofos)、ソファミド、スルホテップ、チオメトン、トリアゾホス、トリフェノホス、バミドチオン;ホスホネートダニ駆除剤-トリクロルホン;ホスホルアミドチオエートダニ駆除剤-イソカルボホス、メタミドホス、プロペタンホス;ホスホロジアミドダニ駆除剤-ジメフォックス、ミパフォックス、シュラーダン;有機スズダニ駆除剤-アゾシクロチン、シヘキサチン、フェンブタチン、酸化物、ホスチン;フェニルスルファミドダニ駆除剤-ジクロフルアニド;フタルイミドダニ駆除剤-ジアリホス、ホスメット;ピラゾールダニ駆除剤-シエノピラフェン、フェンピロキシメート;フェニルピラゾールダニ駆除剤-アセトプロール、フィプロニル、バニリプロール;ピラゾールカルボキサミドダニ駆除剤-ピフルブミド、テブフェンピラド;ピレスロイドエステルダニ駆除剤-アクリナトリン、ビフェントリン、ブロフルスリネート(brofluthrinate)、シハロトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルメトリン、フルバリネート、タウ-フルバリネート、ペルメトリン;ピレスロイドエーテルダニ駆除剤-ハルフェンプロックス;ピリミジナミンダニ駆除剤-ピリミジフェン;ピロールダニ駆除剤-クロルフェナピル;四級アンモニウムダニ駆除剤-サンギナリン;キノキサリンダニ駆除剤-キノメチオナート、チオキノックス;メトキシアクリレートストロビルリンダニ駆除剤-ビフジュンジ(bifujunzhi)、フルアクリピリム、フルフェノキシストロビン(flufenoxystrobin)、ピリミノストロビン(pyriminostrobin);亜硫酸エステルダニ駆除剤-アラマイト、プロパルギット;テトロン酸ダニ駆除剤-スピロジクロフェン;テトラジンダニ駆除剤、クロフェンテジン、ジフロビダジン;チアゾリジンダニ駆除剤-フルベンゾイミン、ヘキシチアゾクス;チオカルバメートダニ駆除剤-フェノチオカルブ;チオ尿素ダニ駆除剤-クロロメチウロン、ジアフェンチウロン;未分類のダニ駆除剤-アセキノシル、アシノナピル、アミドフルメト、三酸化ヒ素(arsenous, oxide)、クレンピリン(clenpirin)、クロサンテル、クロタミトン、シクロプレート、シミアゾール、ジスルフィラム、エトキサゾール、フェナザフロル、フェナザキン、フルエネチル、メスルフェン、MNAF、ニフルリジド、ニッコーマイシン、ピリダベン、スルフィラム、スルフルラミド、硫黄、ツリンギエンシン、トリアラテンが挙げられる。
【0117】
いくつかの実施形態では、殺ダニ剤はまた、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アルジカルブ、アレトリン、リン化アルミニウム、アミノカルブ、アミトラズ、アザジラクチン、アジンホス-エチル、アジンホス-メチル、Bacillus thuringiensis、ベンジオカルブ、ベータシフルトリン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ボミル、ブプロフェジン、シアン化カルシウム、カルバリル、カルボフラン、二硫化炭素、四塩化炭素、クロルフェンビンホス、クロロベンジレート、クロルピクリン、クロルピリホス、クロフェンテジン、クロルフェナピル、クロチアニジン、クマホス、クロトキシホス、クロトキシホス+ジクロルボス、クライオライト、シフルトリン、シロマジン、シペルメトリン、ディート、デルタメトリン、デメトン、ジアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロロプロペン、ジクロルボス、ジコホル、ジクロトホス、ジエルドリン、ジエノクロル、ジフルベンズロン、ジカル(dikar)(殺菌剤+殺ダニ剤)、ジメトエート、ジノキャップ、ジノテフラン、ジオキサチオン、ジスルホトン、エマメクチンベンゾエート、エンドスルファン、エンドリン、エスフェンバレレート、エチオン、エトプロップ、二臭化エチレン、二塩化エチレン、エトキサゾール、ファムフル、フェニトロチオン、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピロキシメート、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェンバレレート、フロニカミド、フルシトリネート、フルバリネート、ホノホス、塩酸ホルメタネート、ガンマ-シハロトリン、ハロフェノジド、ヘキサキス、ヘキシチアゾクス、ヒドラメチルノン、水和石灰、インドキサカルブ、イミダクロプリド、ケロセン、キノプレン、ラムダ-シハロトリン、ヒ酸鉛、リンダン、マラチオン、メホスホラン、メタアルデヒド(metaldehyde)、メタム-ナトリウム、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メトミル、、ロテノン、s-メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、臭化メチル、メチルパラチオン、メビンホス、メキサカルベート、ミルキースポア病(Milky Spore Disease)、ナレド、ナフタレン、硫酸ニコチン、ノバルロン、オキサミル、オキシデメトン-メチル、オキシチオキノックス、パラ-ジクロロベンゼン、パラチオン、PCP、ペルメトリン、石油、ホレート、ホサロン、ホスホラン、ホスメット、ホスファミドン、ホキシム、ピペロニルブトキシド、ピリミカルブ、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロパルギット、プロペタンホス、プロポキスル、ピメトロジン、ピレトロイド-合成:アレスリン参照、ペルメトリン、フェンバレレート、レスメトリン、ジョチュウギク、ピリダベン、ピリプロキシフェン、レスメトリンメトプレン、石鹸、殺有害生物剤、フッ化ナトリウム、スピノサド、スピロメシフェン、スルホテップ、スルプロホス、テメホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラクロルビンホス+ジクロルボス、テトラジホン、チアメトキサム、チオジカルブ、トキサフェン、トラロメトリン、トリメタカルブ、及びテブフェノジドから選択され得る。
【0118】
IV.方法
いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物は、生産的農業の文脈においてそれらの使用を便宜的にする方式で配合される。これらの方法で使用される非腐食性ニトラピリン配合物は、上述のニトラピリン含有組成物を含む。非腐食性ニトラピリン配合物は、以下のような方法で使用され得る。
A.植物の成長を改善し、かつ/又は土壌を肥沃化する方法
B.硝化又はアンモニア放出若しくは発生を抑制する方法
C.土壌条件を改善する方法
D.非腐食性ニトラピリン配合物を調製する方法
E.金属系材料の腐食を低減する方法
【0119】
A.植物の成長を改善するための方法は、本明細書に開示される非腐食性ニトラピリン配合物又はその農業組成物を土壌と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物又は農業組成物は、植栽した作物の出芽前に土壌に施用される。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物は、植物に隣接する土壌、及び/又は植物の基部、及び/又は植物の根域に施用される。
【0120】
植物の成長を改善するための方法はまた、非腐食性ニトラピリン配合物を、乾燥すると乾燥残渣を形成する液体分散液の形態で種子に種子コーティングとして施用することによって達成され得る。これらの実施形態では、種子コーティングは、ニトラピリンが、最も必要とされる環境においてその有益な効果を発揮することができるように、植栽するときに、非腐食性ニトラピリン配合物を種子に極めて接近して提供する。すなわち、非腐食性ニトラピリン配合物は、効果が所望の植物の周りに局在化され得る領域において、植物の成長を向上させるのを助ける環境を提供する。種子の場合、非腐食性ニトラピリン配合物を含有するコーティングは、種子の発芽、その後の植物の成長、及び植物の栄養素の利用可能性の増加のための増強された機会を提供する。
【0121】
B.影響を受ける領域における硝化又はアンモニア放出又は発生を抑制/低減するための方法は、非腐食性ニトラピリン配合物又はその組成物を、影響を受ける領域に施用することを含む。影響を受ける領域は、植物、畑、牧草地、家畜、又は家禽の収容施設、ペット用トイレ、厩肥収集ゾーン、囲いを形成する直立壁、又は領域を実質的に覆う屋根に隣接する土壌であってもよく、そのような場合、非腐食性ニトラピリン配合物は、収集ゾーン内の厩肥に直接施用されてもよい。非腐食性ニトラピリン配合物は、好ましくは、1トンの厩肥当たり約0.005~3ガロンのレベルで、ニート形態で、又は約1~5のpHを有する水性分散液の形態で施用される。
【0122】
C.硝化プロセス、ウレアーゼ活性、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される土壌条件を改善するための方法は、有効量の、記載された非腐食性ニトラピリン配合物又はその組成物を土壌に施用するステップを含む。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物は、アンモニア性固体、液体、又は気体肥料、特に固体肥料と混合され、後者の場合、非腐食性ニトラピリン配合物は、水性分散液として肥料の表面に施用され、続いて乾燥され、その結果、ニトラピリン-有機酸イオン混合物が、乾燥残渣として固形肥料上に存在する。非腐食性ニトラピリン配合物は、一般に、100重量%とした非腐食性ニトラピリン配合物/肥料製品の総重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%のレベルで施用される。肥料が水性液体肥料である場合、非腐食性ニトラピリン配合物は、混合しながら肥料に添加される。非腐食性ニトラピリン配合物は、ニート形態であるか、又は水性分散液中にあり、最大約3のpHを有する。
【0123】
D.非腐食性ニトラピリン配合物を調製する方法は、ニトラピリン含有組成物を腐食抑制剤組成物と接触させることを含む。ニトラピリン含有組成物は、ニートであるか、又は腐食抑制剤組成物との接触ステップの前に、第1の有機溶媒をニトラピリンと混合することによって調製され得る。方法は、任意選択で、第2の有機溶媒の添加を更に含み、第2の有機溶媒は、2つの組成物の接触ステップの前又は後のいずれかに添加される。いくつかの実施形態では、表面活性剤、消泡剤、乳化剤、及び/又は分散剤などの添加剤は、接触ステップの後に添加される。有機溶媒を必要としない実施形態では、腐食抑制剤組成物を、ニトラピリン含有組成物と直接接触させて、非腐食性ニトラピリン配合物を形成する。
【0124】
E.農業機器で使用される金属系材料の腐食を低減する方法は、本明細書に開示される非腐食性ニトラピリン配合物又は腐食抑制剤配合物を入手することと、金属表面を非腐食性ニトラピリアン(nitrapyrian)配合物又は腐食抑制剤配合物とある期間にわたって接触させることと、を含む。いくつかの実施形態では、金属表面は、農業機器の一部分である。いくつかの実施形態では、金属表面は、アルミニウム、軟鋼、炭素鋼、鉄、炭素鋼、合金鋼、又はそれらの組み合わせを含有する。そのような方法では、金属系材料の腐食量は、本明細書に開示される腐食抑制剤組成物を含有しないニトラピリン含有組成物又は腐食抑制剤配合物と接触している金属系材料の腐食量よりも少ない。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物又は腐食抑制剤配合物は、本明細書に開示される腐食抑制剤組成物を含有しないニトラピリン含有配合物又は腐食抑制剤配合物と比較して、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は少なくとも99%の金属系材料の腐食を抑制する。いくつかの実施形態では、非腐食性ニトラピリン配合物又は腐食抑制剤配合物は、本明細書に開示される腐食抑制剤組成物を含有しないニトラピリン含有配合物又は腐食抑制剤配合物と比較して、約20%~約99%、約30%~約99%、約50%~約99%、約60%~約99%、約75%~約99%、約85%~約99%、又は約90%~約99%の量で金属系材料の腐食を抑制する。いくつかの実施形態では、入手した非腐食性ニトラピリン配合物は、既に事前に作製されている、すなわち、本明細書に開示される非腐食性ニトラピリン配合物である。いくつかの実施形態では、入手した非腐食性ニトラピリン配合物は、本開示の腐食抑制剤組成物を本明細書に開示されるニトラピリン含有組成物に添加することによって作製される。
【0125】
いくつかの実施形態では、入手ステップと接触ステップとの間の時間は、変化し得る。いくつかの実施形態では、入手ステップ及び接触ステップは、約24時間、約20時間、約15時間、約10時間、約5時間、約3時間、又は約1時間以内に実施される。
【0126】
いくつかの実施形態では、非腐食性配合物又は腐食抑制剤配合物と金属系材料の表面との間の接触時間は、変化する。いくつかの実施形態では、非腐食性配合物又は腐食抑制剤配合物と表面との間の接触時間は、約1分~約24時間、約約1時間~約24時間、約2時間~約22時間、約3時間~約20時間、約5時間~約15時間、約7時間~約12時間の範囲である。いくつかの実施形態では、接触時間は、約24時間未満、約1時間~約24時間、約3時間~約21時間、約6時間~約18時間、約9時間~約21時間、約9時間~約24時間、約10時間~約24時間、又は約14時間~約24時間である。いくつかの実施形態では、接触時間は、約1分~約60分、約1分~約30分、約5分~約45分、約10分~約55分、約15分~約55分、約25分~約60分の1時間未満である。
【0127】
いくつかの実施形態では、接触ステップの温度は、変化し得る。いくつかの実施形態では、接触ステップが生じる温度は、約-20℃~約40℃、約-19℃~約39℃、℃~、約-17℃~約36℃、約-15℃~約32℃、約-10℃~約30℃、約-5℃~約25℃、約-2℃~約21℃、約0℃~約16℃の範囲である。
【0128】
いくつかの実施形態では、上記の方法A、B、及びCは、所望の領域を、1エーカー当たり約100g~約120gの非腐食性ニトラピリン配合物の割合で非腐食性ニトラピリン配合物と接触させることを含む。非腐食性ニトラピリン配合物は、いくつかの実施形態では、米国ガロン当たり約0.5ポンド~約4ポンド、又は米国ガロン当たり約1ポンド~約3ポンド、又は米国ガロン当たり約2ポンドの量で溶液中にあり得る。いくつかの実施形態では、方法は、所望の領域を約0.5~約4qt/A、又は約1~約2qt/Aの割合で接触させることを含む。
【0129】
本明細書に記載の主題の特定の実施形態は、以下を含む。
【0130】
1.ニトラピリン含有組成物のための腐食抑制剤組成物であって、
中和アミン、膜形成アミン、及びそれらの組み合わせから選択されるアミン系腐食抑制剤と、
グリコールエーテル、メチル化種子油、及びそれらの組み合わせから選択される溶媒と、を含み、
アミン系腐食抑制剤が、腐食抑制剤組成物の総重量に基づいて、少なくとも50重量%の濃度で存在する、腐食抑制剤組成物。
【0131】
2 中和アミンが、シクロヘキシルアミン(CHA)、メトキシプロピルアミン(MPA)、モノエタノールアミン(MEA)、モルホリン(MOR)、3-メトキシプロピルアミン(MOPA)、エチルアミン(ET)、ジメチルアミン(DMA)、1,8-ジア1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、2-ジエチルアミノエタノール(DEAE)、トリエタノールアミン(TEA)、モノエタノールアミン(EA)、ジエタノールアミン(DEA)、ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1に記載の腐食抑制剤組成物。
【0132】
3.中和アミンが、モノエタノールアミン(EA)、ジエタノールアミン(DEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、及びそれらの組み合わせから選択される、実施形態2に記載の腐食抑制剤組成物。
【0133】
4.膜形成アミンが、以下の式(I)の脂肪アミンであり、
R1-[NH-R2]n-NH2
式中、nが、0~7の整数であり、
R1が、置換又は非置換(C10-C22)アルキル基であり、
R2が、置換又は非置換(C2-C10)アルキル基である、実施形態1に記載の腐食抑制剤組成物。
【0134】
5.溶媒が、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル(プロピルセロソルブ)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、2-ブトキシエタノール(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルセロソルブ)、及びそれらの組み合わせから選択されるグリコールエーテルである、上記実施形態のいずれかに記載の腐食抑制剤組成物。
【0135】
6.溶媒が、ブチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、メチル化種子油、及びそれらの組み合わせから選択される、上記実施形態のいずれかに記載の腐食抑制剤組成物。
【0136】
7.溶媒が、腐食抑制剤組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約50重量%の濃度で存在する、上記実施形態のいずれかに記載の腐食抑制剤組成物。
【0137】
8.アミン系腐食抑制剤が、エタノールアミンであり、溶媒が、ブチルセロソブ、ヘキシルセルソブ、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、メチル化種子油、及びそれらの組み合わせから選択される、上記実施形態のいずれかに記載の腐食抑制剤組成物。
【0138】
9.溶媒が、ブチルセロソルブであり、アミン系腐食抑制剤が、エタノールアミン、ジエタノールアミン、及びそれらの組み合わせから選択される、上記実施形態のいずれかに記載の腐食抑制剤組成物。
【0139】
10.界面活性剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、安定剤、塩基性材料、及びそれらの組み合わせから選択される添加剤を更に含む、上記実施形態のいずれかに記載の腐食抑制剤組成物。
【0140】
11.腐食抑制剤配合物であって、
実施形態1~9のいずれか1つに記載の腐食抑制剤組成物と、
有機溶剤と、を含む、腐食抑制剤配合物。
【0141】
12.腐食抑制剤組成物が、ニトラピリン含有組成物と混合したときに、配合物の総重量に基づいて、約0.1~約5重量%の量で存在する、実施形態11に記載の配合物。
【0142】
13.有機溶媒が、少なくとも1つの極性有機溶媒を含む、実施形態11又は12に記載の配合物。
【0143】
14.極性有機溶媒が、ポリエチレングリコール3350、Agnique AMD3L、Rhodiasol PolarClean、ジメチルスルホキシド、スルホラン、プロパン-1,2,3-トリオール、キシレン、及びそれらの混合物からなる群から選択される、実施形態13に記載の配合物。
【0144】
15.表面活性剤、消泡剤、分散剤、又はそれらの組み合わせを更に含む、実施形態11、12、13、又は14のいずれか1つに記載の配合物。
【0145】
16.配合物が、実施形態1に記載の腐食抑制剤組成物を含有しないニトラピリン配合物と比較して、腐食挙動の低減を呈する、実施形態11、12、13、14、又は15のいずれか1つに記載の配合物。
【0146】
17.配合物が、農業機器に使用される金属系材料に対して腐食挙動の低減を呈する、実施形態11、12、13、14、15、又は16のいずれか1つに記載の配合物。
【0147】
18.金属系材料が、アルミニウム、軟鋼、鉄、炭素鋼、合金鋼、及びそれらの組み合わせを含有する、実施形態17に記載の配合物。
【0148】
19.ニトラピリン含有組成物が、市販のニトラピリン含有製品である、実施形態11、12、13、14、15、16、17、又は18のいずれか1つに記載の配合物。
【0149】
20.非腐食性ニトラピリン配合物を作製する方法であって、
ニトラピリン含有組成物を、実施形態1~9のいずれか1つに記載の腐食抑制剤組成物と接触させて、非腐食性ニトラピリン配合物を形成すること、を含む、方法。
【0150】
21.ニトラピリン含有組成物が、ニトラピリン含有組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約50重量%のニトラピリン濃度を含む、実施形態20に記載の方法。
【0151】
22.ニトラピリン含有組成物が、N-Serve及びInstinctから選択される市販のニトラピリン含有組成物である、実施形態20又は21に記載の方法。
【0152】
23.農業機器に使用される金属系材料の腐食を低減する方法であって、方法が、
実施形態11~19のいずれか1つに記載の腐食抑制剤配合物を入手することと、
金属表面を非腐食性ニトラピリン配合物とある期間にわたって接触させることと、を含む、方法。
【0153】
24.金属表面が、農業で使用される金属系材料の一部である、実施形態23に記載の方法。
【0154】
25.金属表面が、アルミニウム及び/又は軟鋼を含む、実施形態23又24に記載の方法。
【0155】
26.金属表面と非腐食性ニトラピリン配合物との接触が、-20℃~約40℃の範囲の温度で生じる、実施形態23~25のいずれか1つに記載の方法。
【0156】
27.期間が、1秒~約24時間の範囲である、実施形態23~26のいずれか1つに記載の方法。
【0157】
28.入手ステップ及び接触ステップが、24時間以内に実施される、実施形態23~26のいずれか1つに記載の方法。
【0158】
29.腐食が、腐食抑制剤組成物と接触していないニトラピリン配合物と比較して、少なくとも10%低減される、実施形態23~28のいずれか1つに記載の方法。
【実施例】
【0159】
以下の実施例は例示のみを目的として提供されており、その中のいかなるものも限定要因として解釈されるべきではないことを理解されたい。
【0160】
実施例1.非腐食性配合物
以下の配合物を調製し、それらの腐食挙動について、「Corrosivity of Water in the absence of Heat Transfer(Weight Loss Methods)」と題するASTM D-2688規格に従って測定した。試験は、ニトラピリン複合体を含有する配合物を、一般的に使用され、かつ市販されている2つのニトラピリン配合物であるN-Serve及び/又はInstinct IIと比較するように策定された。
【0161】
一般的に使用され、かつ市販されている2つのニトラピリン配合物であるN-Serve及び/又はInstinct IIとのニトラピリン複合体を含有する。
【表2】
【0162】
具体的には、上記配合物を以下の手順に概説されるように試験した。3.0インチ×0.75インチと測定される規格ASTM A1008/A366を満たす軽度の冷間圧延鋼クーポンを、約3分間穏やかに撹拌しながらアセトンに浸漬することによって洗浄し、脱イオン水ですすぎ、その後乾燥させた。乾燥したら、クーポンを秤量し、それらの重量を記録した。次いで、クーポンを、10グラムの様々な配合物を含む50mlの円錐管に入れ、しっかりと蓋をした。これらの試料を約54℃のオーブンに断続的に入れるか(合計時間24時間)、又は室温(約21℃)で約21日間放置した。インキュベーション期間の終わりに、金属クーポンを円錐管から取り出し、脱イオン水を使用して洗浄し、ペーパータオルで拭き取って、いずれの遊離微粒子も除去した。クーポンを完全に乾燥させ、それらの重量を記録した。クーポン重量(前)は、配合物とともに円錐管に入れられる前のクーポンの重量である。円錐重量(後)は、インキュベーション後及び洗浄後に配合物からクーポンを取り出したときのクーポンの重量である。重量損失、%は、出発重量から最終重量を差し引いたものである。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニトラピリン含有組成物のための腐食抑制剤組成物であって、
中和アミン、膜形成アミン、及びそれらの組み合わせから選択されるアミン系腐食抑制剤と、
グリコールエーテル、メチル化種子油、及びそれらの組み合わせから選択される溶媒と、を含み、
前記アミン系腐食抑制剤が、前記腐食抑制剤組成物の総重量に基づいて、少なくとも50重量%の濃度で存在する、腐食抑制剤組成物。
【請求項2】
前記中和アミンが、シクロヘキシルアミン(CHA)、メトキシプロピルアミン(MPA)、モノエタノールアミン(MEA)、モルホリン(MOR)、3-メトキシプロピルアミン(MOPA)、エチルアミン(ET)、ジメチルアミン(DMA)、1,8-ジア1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、2-ジエチルアミノエタノール(DEAE)、トリエタノールアミン(TEA)、モノエタノールアミン(EA)、ジエタノールアミン(DEA)、ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項3】
前記膜形成アミンが、以下の式(I)の脂肪アミンであり、
R
1-[NH-R
2]
n-NH
2
式中、nが、0~7の整数であり、
R
1が、置換又は非置換(C
10-C
22)アルキル基であり、
R
2が、置換又は非置換(C
2-C
10)アルキル基である、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項4】
前記溶媒が、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル(プロピルセロソルブ)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、2-ブトキシエタノール(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(ヘキシルセロソルブ)、及びそれらの組み合わせから選択されるグリコールエーテルである、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項5】
前記溶媒が、前記腐食抑制剤組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約50重量%の濃度で存在する、請求項
1に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項6】
アミン系腐食抑制剤が、エタノールアミンであり、前記溶媒が、ブチルセロソブ、ヘキシルセルソブ、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、メチル化種子油、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項7】
前記溶媒が、ブチルセロソルブであり、前記アミン系腐食抑制剤が、エタノールアミン、ジエタノールアミン、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項8】
界面活性剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、安定剤、塩基性材料、及びそれらの組み合わせから選択される添加剤を更に含む、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物。
【請求項9】
腐食抑制剤配合物であって、
請求項1に記載の腐食抑制剤組成物と、
有機溶剤と、を含む、腐食抑制剤配合物。
【請求項10】
前記腐食抑制剤組成物が、ニトラピリン含有組成物と混合したときに、前記配合物の総重量に基づいて、約0.1~約5重量%の量で存在する、請求項
9に記載の配合物。
【請求項11】
前記有機溶媒が、
ポリエチレングリコール3350、Agnique AMD3L、Rhodiasol PolarClean、ジメチルスルホキシド、スルホラン、プロパン-1,2,3-トリオール、キシレン、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの極性有機溶媒を含む、請求項
9に記載の配合物。
【請求項12】
前記配合物が、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物を含有しないニトラピリン配合物と比較して、腐食挙動の低減を呈する、請求項9に記載の配合物。
【請求項13】
前記配合物が、農業機器で使用される金属系材料に対して腐食挙動の低減を呈し、前記金属系材料が、アルミニウム、軟鋼、鉄、炭素鋼、合金鋼、及びそれらの組み合わせを含有する、請求項9に記載の配合物。
【請求項14】
前記ニトラピリン含有組成物が、N-Serve及びInstinctから選択される市販のニトラピリン含有製品である、請求項9に記載の配合物。
【請求項15】
非腐食性ニトラピリン配合物を作製する方法であって、
ニトラピリン含有組成物を、請求項1に記載の腐食抑制剤組成物と接触させて、前記非腐食性ニトラピリン配合物を形成すること、を含む、方法。
【請求項16】
前記ニトラピリン含有組成物が、前記ニトラピリン含有組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約50重量%のニトラピリン濃度を含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
農業機器に使用される金属系材料の腐食を低減する方法であって、前記方法が、
請求項
9に記載の腐食抑制剤配合物を入手することと、
金属表面を非腐食性ニトラピリン配合物とある期間にわたって接触させることと、を含む、方法。
【請求項18】
前記金属表面が、アルミニウム及び/又は軟鋼を含む、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記金属表面と前記非腐食性ニトラピリン配合物との前記接触が、-20℃~約40℃の範囲の温度で生じる、請求項
17に記載の方法。
【請求項20】
腐食が、前記腐食抑制剤組成物と接触していないニトラピリン配合物と比較して、少なくとも10%低減される、請求項
17に記載の方法。
【国際調査報告】