(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】充電制御方法及び装置、車両、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H02J7/00 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024515848
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-04-22
(86)【国際出願番号】 CN2022126946
(87)【国際公開番号】W WO2023093410
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】202111410225.0
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】曾求勇
(72)【発明者】
【氏名】沈▲暁▼峰
(72)【発明者】
【氏名】▲でん▼林旺
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼苑▲紅▼
(72)【発明者】
【氏名】尤洪▲鋼▼
(72)【発明者】
【氏名】曹▲薫▼文
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA00
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA08
5G503FA06
(57)【要約】
電動機能を有する車両の充電制御方法は、ユーザの所定の時間内の車両使用習慣データを読み取るステップであって、使用習慣データが、所定の時間内に、車両の毎回充電の充電時点及び毎回走行の走行距離を含むステップと、現在の時刻での車両の現在の残電力量を検出するステップと、使用習慣データに基づいて、車両の予測需要電力量を決定するステップと、予測需要電力量及び現在の残電力量に基づいて、車両を充電する必要があるか否かを決定するステップとを含む。充電制御装置(100)、車両及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を更に提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機能を有する車両の充電制御方法であって、
ユーザの所定の時間内の車両使用習慣データを読み取るステップであって、前記使用習慣データが、前記所定の時間内に、前記車両の毎回充電の充電時点及び毎回走行の走行距離を含むステップ(S101)と、
現在の時刻での前記車両の現在の残電力量を検出するステップ(S102)と、
前記使用習慣データに基づいて、前記車両の予測需要電力量を決定するステップ(S103)と、
前記予測需要電力量及び前記現在の残電力量に基づいて、前記車両を充電する必要があるか否かを決定するステップ(S104)とを含む、ことを特徴とする車両の充電制御方法。
【請求項2】
前記使用習慣データに基づいて、前記車両の予測需要電力量を決定するステップは、
前記車両の満充電状態での航続距離Nを取得するステップ(S1031)と、
前記使用習慣データに基づいて、現在の時刻の後の次の充電時刻及び現在の時刻から前記次の充電時刻までの期間内の総走行距離Mを決定するステップであって、前記総走行距離Mが、現在の時刻から前記次の充電時刻までの期間内の全ての走行距離の和であるステップ(S1032)と、
前記総走行距離M及び前記航続距離Nに基づいて予測需要電力量SOC1を決定するステップであって、SOC1=M/N*100%であるステップ(S1033)とを含む、請求項1に記載の車両の充電制御方法。
【請求項3】
前記予測需要電力量及び前記現在の残電力量に基づいて、前記車両を充電する必要があるか否かを決定するステップは、
前記予測需要電力量が前記現在の残電力量よりも大きい場合、前記車両を充電する必要があると決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の充電制御方法。
【請求項4】
前記充電制御方法は、
前記車両を前記予測需要電力量以上である目標電力量まで充電するように制御するステップを更に含む、請求項3に記載の車両の充電制御方法。
【請求項5】
前記車両を目標電力量まで充電するように制御するステップは、
前記予測需要電力量が第1所定電力量よりも大きい場合、前記車両を前記予測需要電力量に等しい目標電力量まで充電するように制御するステップと、
前記予測需要電力量が前記第1所定電力量以下である場合、前記車両を前記第1所定電力量に等しい目標電力量まで充電するように制御するステップとを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の車両の充電制御方法。
【請求項6】
前記車両を目標電力量まで充電するように制御するステップは、
前記予測需要電力量と第2所定電力量との和が前記第1所定電力量以上である場合、前記車両を前記予測需要電力量と前記第2所定電力量との和に等しい目標電力量まで充電するように制御するステップと、
前記予測需要電力量と第2所定電力量との和が前記第1所定電力量よりも小さい場合、前記車両を前記第1所定電力量に等しい目標電力量まで充電するように制御するステップとを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の車両の充電制御方法。
【請求項7】
前記予測需要電力量及び前記現在の残電力量に基づいて、前記車両を充電する必要があるか否かを決定するステップは、
前記予測需要電力量が前記現在の残電力量以下であり、かつ前記現在の残電力量が第3所定電力量よりも小さい場合、充電する必要があると決定し、前記車両を前記第3所定電力量に等しい目標電力量まで充電するように制御するステップと、
前記予測需要電力量が前記現在の残電力量以下であり、かつ前記現在の残電力量が前記第3所定電力量以上である場合、充電する必要がないと決定するステップとを含む、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の充電制御方法。
【請求項8】
前記使用習慣データは、前記所定の時間内に、毎回走行の走行時点を更に含み、前記方法は、
前記車両を充電する必要があると決定した場合、前記毎回走行の走行時点に基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定するステップと、
現在の時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間を第1充電時間として決定するステップと、
前記第1充電時間及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、充電電流を決定するステップとを更に含む、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の車両の充電制御方法。
【請求項9】
前記第1充電時間及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、充電電流を決定するステップは、
前記目標電力量が前記予測需要電力量に等しい場合、前記第1充電時間及び前記予測需要電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、前記充電電流を決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項8に記載の車両の充電制御方法。
【請求項10】
前記使用習慣データは、前記所定の時間内に、毎回走行の走行時点を更に含み、前記方法は、
前記車両を充電する必要があると決定した場合、前記毎回走行の走行時点に基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定するステップと、
現在の時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間を第1充電時間として決定するステップと、
前記第1充電時間及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、充電電流を決定するステップとを更に含む、ことを特徴とする請求項6に記載の車両の充電制御方法。
【請求項11】
前記第1充電時間及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、充電電流を決定するステップは、
前記目標電力量が前記予測需要電力量と前記第2所定電力量との和に等しい場合、前記第1充電時間及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、前記充電電流を決定するステップであって、前記目標電力量と前記現在の残電力量との差が、前記予測需要電力量と前記第2所定電力量との和から前記現在の残電力量を引いたものであるステップと、
前記目標電力量が前記第1所定電力量に等しい場合、前記第1充電時間及び前記第1所定電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、前記充電電流を決定するステップとを含む、ことを特徴とする請求項10に記載の車両の充電制御方法。
【請求項12】
前記使用習慣データは、前記所定の時間内に、毎回走行の走行時点を更に含み、前記方法は、
前記車両を充電する必要があると決定した場合、前記毎回走行の走行時点に基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定するステップと、
所定の充電レート及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、現在の時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間よりも短い第2充電時間を決定するステップと、
前記第2充電時間に基づいて、充電開始時刻を決定するステップであって、前記充電開始時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間が前記第2充電時間であるステップとを更に含む、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の車両の充電制御方法。
【請求項13】
前記所定の充電レート及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、第2充電時間を決定するステップは、
前記目標電力量が前記予測需要電力量に等しい場合、前記所定の充電レート及び前記予測需要電力量に基づいて、前記第2充電時間を決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項12に記載の車両の充電制御方法。
【請求項14】
前記使用習慣データは、前記所定の時間内に、毎回走行の走行時点を更に含み、前記方法は、
前記車両を充電する必要があると決定した場合、前記毎回走行の走行時点に基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定するステップと、
所定の充電レート及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、現在の時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間よりも短い第2充電時間を決定するステップと、
前記第2充電時間に基づいて、充電開始時刻を決定するステップであって、前記充電開始時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間が前記第2充電時間であるステップとを更に含む、ことを特徴とする請求項6に記載の車両の充電制御方法。
【請求項15】
前記所定の充電レート及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、第2充電時間を決定するステップは、
前記目標電力量が前記予測需要電力量と前記第2所定電力量との和に等しい場合、前記所定の充電レート及び前記予測需要電力量と前記第2所定電力量との和に基づいて、前記第2充電時間を決定するステップと、
前記目標電力量が前記第1所定電力量に等しい場合、前記所定の充電レート及び前記第1所定電力量に基づいて前記第2充電時間を決定するステップとを含む、ことを特徴とする請求項14に記載の車両の充電制御方法。
【請求項16】
前記予測需要電力量及び前記現在の残電力量に基づいて、前記車両を充電する必要があるか否かを決定するステップは、
前記予測需要電力量が前記現在の残電力量以下である場合、充電する必要がないと決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の車両の充電制御方法。
【請求項17】
読み取りモジュール(10)と、検出モジュール(20)と、処理モジュール(30)とを含む車両の充電制御装置(100)であって、
読み取りモジュール(10)は、ユーザの所定の時間内の車両使用習慣データを読み取り、前記使用習慣データは、前記所定の時間内に、前記車両の毎回充電の充電時点及び毎回走行の走行距離を含み、
検出モジュール(20)は、現在の時刻での前記車両の現在の残電力量を検出し、
処理モジュール(30)は、前記使用習慣データに基づいて、前記車両の予測需要電力量を決定し、前記予測需要電力量及び前記現在の残電力量に基づいて、前記車両を充電する必要があるか否かを決定する、ことを特徴とする車両の充電制御装置(100)。
【請求項18】
電池(150)と、請求項17に記載の充電制御装置(100)とを含む、ことを特徴とする車両(200)。
【請求項19】
プロセッサによって呼び出されて実行されると、請求項1~16のいずれか一項に記載の充電制御方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年11月24日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202111410225.0で、発明の名称が「充電制御方法及び装置、車両、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本発明は、車両の技術分野に関し、特に、充電制御方法及び装置、車両、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の予約充電方式は、ユーザが設定した予約時間に応じて車両の電池を充電することであり、通常、当該予約時間は、電力需要のオフピーク時間であり、予約時間に達する前に、車両及び充電設備がスリープ状態にあり、予約時間に達すると、車両及び充電設備がウェイクアップされて充電を開始し、一般的に、電池は、満充電になるまで充電し続け、その充電終止SOC状態は、100%である。
【0004】
このような予約充電方式は、オフピーク充電を実現したが、各地の電力網の電力負荷と電気代のみを考慮したものであり、電池の電力量状態及び顧客の実際の車両使用需要を考慮して電池を充電する必要があるか否かを判断しておらず、電池を充電する必要がある場合に電池の充電終止SOC状態を決定していないため、電池が長時間高電力状態にあり、更に電池の耐用年数などに影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本願は、ユーザの車両使用習慣データに基づいて予測需要電力量を決定し、前記予測需要電力量と現在の残電力量との大きさを比較することにより充電する必要であるか否かを決定し、充電する必要がない場合、前記車両が高電力状態になるように充電することを回避でき、前記車両が高電力状態になることを回避することにより、電池の耐用年数を延ばし、充電する必要がある場合、前記車両を適時に充電することができる、車両の充電制御方法及び充電制御装置、車両、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1態様に係る電動機能を有する車両の充電制御方法は、ユーザの所定の時間内の車両使用習慣データを読み取るステップであって、前記使用習慣データが、前記所定の時間内に、車両の毎回充電の充電時点及び毎回走行の走行距離を含むステップと、現在の時刻での前記車両の現在の残電力量を検出するステップと、前記使用習慣データに基づいて、前記車両の予測需要電力量を決定するステップと、前記予測需要電力量及び前記現在の残電力量に基づいて、前記車両を充電する必要があるか否かを決定するステップとを含む。
【0007】
好ましくは、前記使用習慣データに基づいて、前記車両の予測需要電力量を決定するステップは、
前記車両の満充電状態での航続距離Nを取得するステップと、前記使用習慣データに基づいて、現在の時刻の後の次の充電時刻及び現在の時刻から前記次の充電時刻までの期間内の総走行距離Mを決定するステップであって、前記総走行距離Mが、現在の時刻から前記次の充電時刻までの期間内の全ての走行距離の和であるステップと、前記総走行距離M及び前記航続距離Nに基づいて予測需要電力量SOC1を決定するステップであって、前記SOC1=M/N*100%であるステップとを含む。
【0008】
好ましくは、前記予測需要電力量及び前記現在の残電力量に基づいて、前記車両を充電する必要があるか否かを決定するステップは、
前記予測需要電力量が前記現在の残電力量よりも大きい場合、前記車両を充電する必要があると決定するステップを含む。
【0009】
好ましくは、前記充電制御方法は、前記車両を前記予測需要電力量以上である目標電力量まで充電するように制御するステップを更に含む。
【0010】
好ましくは、前記車両を目標電力量まで充電するように制御するステップは、前記予測需要電力量が第1所定電力量よりも大きい場合、前記車両を前記予測需要電力量に等しい目標電力量まで充電するように制御するステップと、前記予測需要電力量が前記第1所定電力量以下である場合、前記車両を前記第1所定電力量に等しい目標電力量まで充電するように制御するステップとを含む。
【0011】
好ましくは、前記車両を目標電力量まで充電するように制御するステップは、前記予測需要電力量と第2所定電力量との和が前記第1所定電力量以上である場合、前記車両を前記予測需要電力量と前記第2所定電力量との和に等しい目標電力量まで充電するように制御するステップと、前記予測需要電力量と第2所定電力量との和が前記第1所定電力量よりも小さい場合、前記車両を前記第1所定電力量に等しい目標電力量まで充電するように制御するステップとを含む。
【0012】
好ましくは、前記予測需要電力量及び前記現在の残電力量に基づいて、前記車両を充電する必要があるか否かを決定するステップは、前記予測需要電力量が前記現在の残電力量以下であり、かつ前記現在の残電力量が第3所定電力量よりも小さい場合、充電する必要があると決定し、前記車両を前記第3所定電力量に等しい目標電力量まで充電するように制御するステップと、前記予測需要電力量が前記現在の残電力量以下であり、かつ前記現在の残電力量が前記第3所定電力量以上である場合、充電する必要がないと決定するステップとを含む。
【0013】
好ましくは、前記使用習慣データは、前記所定の時間内に、毎回走行の走行時点を更に含み、前記方法は、前記車両を充電する必要があると決定した場合、前記毎回走行の走行時点に基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定するステップと、現在の時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間を第1充電時間として決定するステップと、前記第1充電時間及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、充電電流を決定するステップとを更に含む。
【0014】
好ましくは、前記第1充電時間及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、充電電流を決定するステップは、前記目標電力量が前記予測需要電力量に等しい場合、前記第1充電時間及び前記予測需要電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、前記充電電流を決定するステップを含む。
【0015】
好ましくは、前記使用習慣データは、前記所定の時間内に、毎回走行の走行時点を更に含み、前記方法は、前記車両を充電する必要があると決定した場合、前記毎回走行の走行時点に基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定するステップと、現在の時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間を第1充電時間として決定するステップと、前記第1充電時間及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、充電電流を決定するステップとを更に含む。
【0016】
好ましくは、前記第1充電時間及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、充電電流を決定するステップは、前記目標電力量が前記予測需要電力量と前記第2所定電力量との和に等しい場合、前記第1充電時間及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、前記充電電流を決定するステップであって、前記目標電力量と前記現在の残電力量との差が、前記予測需要電力量と前記第2所定電力量との和から前記現在の残電力量を引いたものであるステップと、前記目標電力量が前記第1所定電力量に等しい場合、前記第1充電時間及び前記第1所定電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、前記充電電流を決定するステップとを含む。
【0017】
好ましくは、前記使用習慣データは、前記所定の時間内に、毎回走行の走行時点を更に含み、前記方法は、前記車両を充電する必要があると決定した場合、前記毎回走行の走行時点に基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定するステップと、所定の充電レート及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、現在の時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間よりも短い第2充電時間を決定するステップと、前記第2充電時間に基づいて、充電開始時刻を決定するステップであって、前記充電開始時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間が前記第2充電時間であるステップとを更に含む。
【0018】
好ましくは、前記所定の充電レート及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、第2充電時間を決定するステップは、前記目標電力量が前記予測需要電力量に等しい場合、前記所定の充電レート及び前記予測需要電力量に基づいて、前記第2充電時間を決定するステップを含む。
【0019】
好ましくは、前記使用習慣データは、前記所定の時間内に、毎回走行の走行時点を更に含み、前記方法は、前記車両を充電する必要があると決定した場合、前記毎回走行の走行時点に基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定するステップと、所定の充電レート及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、現在の時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間よりも短い第2充電時間を決定するステップと、前記第2充電時間に基づいて、充電開始時刻を決定するステップであって、前記充電開始時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間が前記第2充電時間であるステップとを更に含む。
【0020】
好ましくは、前記所定の充電レート及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、第2充電時間を決定するステップは、前記目標電力量が前記予測需要電力量と前記第2所定電力量との和に等しい場合、前記所定の充電レート及び前記予測需要電力量と前記第2所定電力量との和に基づいて、前記第2充電時間を決定するステップと、前記目標電力量が前記第1所定電力量に等しい場合、前記所定の充電レート及び前記第1所定電力量に基づいて前記第2充電時間を決定するステップとを含む。
【0021】
好ましくは、前記予測需要電力量及び前記現在の残電力量に基づいて、前記車両を充電する必要があるか否かを決定するステップは、前記予測需要電力量が前記現在の残電力量以下である場合、充電する必要がないと決定するステップを含む。
【0022】
本願の第2態様に係る車両の充電制御装置は、読み取りモジュールと、検出モジュールと、処理モジュールとを含み、読み取りモジュールは、ユーザの所定の時間内の車両使用習慣データを読み取り、前記使用習慣データは、前記所定の時間内に、車両の毎回充電の充電時点及び毎回走行の走行距離を含み、検出モジュールは、現在の時刻での車両の現在の残電力量を検出し、処理モジュールは、前記使用習慣データに基づいて、車両の需要電力量を決定し、前記需要電力量及び前記現在の残電力量に基づいて、車両を充電する必要があるか否かを決定する。
【0023】
本願の第3態様に係る車両は、電池と、前述の充電制御装置とを含む。
【0024】
本願の第4態様に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、プロセッサによって呼び出されて実行されると、前述の充電制御方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている。
【発明の効果】
【0025】
本願に係る車両の充電制御方法及び充電制御装置、車両、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、ユーザの車両使用習慣データを取得することにより、ユーザの車両使用需要を決定し、かつ車両使用需要に基づいて前記予測需要電力量を決定し、そして前記予測需要電力量と前記現在の残電力量とを比較することにより、前記車両を充電する必要があるか否かを決定し、一方では、前記車両を充電する必要がない場合、前記車両が高電力状態になるように充電することを回避でき、前記車両が高電力状態になることを回避することにより、電池の耐用年数を延ばすことができ、他方では、前記電気自動車を充電する必要がある場合、適時に充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本願の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施形態に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本願のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0027】
【
図1】本願の実施例に係る車両の充電制御方法のフローチャートである。
【
図2】
図1のステップS103のサブフローチャートである。
【
図3】本願の実施例に係る充電制御装置のブロック構成図である。
【
図4】本願の実施例に係る車両のブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術手段を明確かつ完全に説明し、明らかに、説明される実施例は、本願の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる他の全ての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0029】
本願の説明において、用語「第1」、「第2」、「第3」などは、異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序を説明するためのものではないため、本願に対する限定として理解されるべきではない。
【0030】
本願の説明において、別に明確な規定及び限定がない限り、用語「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定的に接続されてもよく、取り外し可能に接続されてもよく、一体的に接続されてもよく、直接的に接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、2つの部品の内部が連通してもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0031】
図1は、本願の実施例に係る電動機能を有する車両の充電制御方法のフローチャートである。
図1に示すように、上記充電制御方法は、以下のステップS101~S104を含む。
【0032】
ステップS101では、ユーザの所定の時間内の車両使用習慣データを読み取り、上記使用習慣データは、上記所定の時間内に、上記車両の毎回充電の充電時点及び毎回走行の走行距離を含む。
【0033】
ステップS102では、現在の時刻での上記車両の現在の残電力量を検出する。
【0034】
ステップS103では、上記使用習慣データに基づいて、上記車両の予測需要電力量を決定する。
【0035】
ステップS104では、上記予測需要電力量及び上記現在の残電力量に基づいて、上記車両を充電する必要があるか否かを決定する。
【0036】
本願の実施例に係る車両の充電制御方法は、ユーザの車両使用習慣データを取得することにより、ユーザの車両使用需要を決定し、かつ車両使用需要に基づいて上記予測需要電力量を決定し、そして上記予測需要電力量と上記現在の残電力量とを比較することにより、上記車両を充電する必要があるか否かを決定し、一方では、上記車両を充電する必要がない場合、上記車両が高電力状態になるように充電することを回避でき、上記車両が高電力状態になることを回避することにより、電池の耐用年数を延ばすことができ、他方では、上記電気自動車を充電する必要がある場合、適時に充電することができる。
【0037】
上記所定の時間は、1日、1週間、1ヶ月などであってもよく、例えば、上記所定の時間は、1週間であってもよく、上記使用習慣データは、月曜日から日曜日まで、毎日毎回充電の充電時点、毎日毎回走行の走行距離及び毎日毎回走行の走行時点を含む。上記所定の時間が長いほど、上記使用習慣データは、より一般的になる。
【0038】
なお、上記使用習慣データは、所定の時間内のユーザの充電及び車両使用の習慣を表しており、ほとんどのユーザの充電及び車両使用は、いずれも予測可能で汎用性があるため、所定の時間内の使用習慣データは、過去のユーザの充電及び車両使用の習慣を表し、特別な状況がない限り、上記使用習慣データは、ユーザの将来の充電及び車両使用の習慣を予測することができる。
【0039】
図2は、本願の実施例に係る
図1のステップS103のサブフローチャートである。
図2に示すように、いくつかの実施例では、上記使用習慣データに基づいて上記車両の予測需要電力量を決定するステップは、以下のステップS1031~S1033を含む。
【0040】
ステップS1031では、上記車両の満充電状態での航続距離Nを取得する。
【0041】
ステップS1032では、上記使用習慣データに基づいて、現在の時刻の後の次の充電時刻及び現在の時刻から上記次の充電時刻までの期間内の総走行距離Mを決定し、上記総走行距離Mは、現在の時刻から上記次の充電時刻までの期間内の全ての走行距離の和である。
【0042】
ステップS1033では、上記総走行距離M及び上記航続距離Nに基づいて予測需要電力量SOC1を決定し、上記SOC1=M/N*100%である。
【0043】
上記現在の時刻は、前の走行終了時刻の後及び次の走行開始時刻の前であってもよい。
【0044】
上記航続距離Nは、上記車両が満充電状態で最高走行速度で走行するときの航続可能な距離であってもよい。
【0045】
いくつかの実施例では、上記満充電とは、上記車両の電池の最大使用可能電力量であり、上記最大使用可能電力量は、上記電池の貯蔵可能な最大電力量と所定の固定電力量とに基づいて決定され、上記貯蔵可能な最大電力量と上記所定の固定電力量との差であり、例えば、上記貯蔵可能な最大電力量が100%であり、上記所定の固定電力量が10%である場合、上記最大使用可能電力量は、90%である。上記所定の固定電力量の値は、実際の需要に応じて他の値に設定することができ、上記所定の固定電力量は、使用不可電力量であり、即ち、上記電池の電力量が上記所定の固定電力量に等しいまで消費されると、上記電池は、上記車両に電力を供給しなくなる。上記所定の固定電力量を設定することにより、電力量が完全になくなることによって上記電池が過放電することを防止でき、それにより、電池の耐用年数を延ばすことができる。
【0046】
なお、上記使用習慣データにおける上記所定の時間内の毎回充電の充電時間に基づいて、現在の時刻の後の次の充電時刻を決定することができ、上記使用習慣データにおける上記所定の時間内の毎回走行の走行距離に基づいて、現在の時刻から上記次の充電時刻までの期間内の走行回数及び毎回走行の走行距離を決定することができ、更に、現在の時刻から上記次の充電時刻までの期間内の総走行距離Mを決定することができ、例えば、上記所定の時間内の毎回走行の走行距離に基づいて、現在の時刻から上記次の充電時刻までの期間内に合計n回走行し、1回目の走行距離がM1であり、2回目の走行距離がM2であり、…、n回目の走行距離がMnであると決定した場合、上記総走行距離M=M1+M2+…+Mnである。
【0047】
本願の実施例に係る車両の充電制御方法は、ユーザの上記使用習慣データを取得することにより、ユーザの現在の時刻から上記次の充電時刻までの時間内の総走行距離を決定し、かつ上記総走行距離に基づいて上記予測需要電力量を決定することにより、上記車両の消費電力を非常に迅速かつ簡単に計算して、上記予測需要電力量を得ることができ、また、車両の使用中に、消費電力が最大であるのは走行距離の長さであるため、上記総走行距離によって上記予測需要電力量を決定することは、ユーザによる上記車両の実際使用過程を考慮したことである。
【0048】
いくつかの実施例では、上記予測需要電力量及び上記現在の残電力量に基づいて、充電する必要があるか否かを決定するステップは、上記予測需要電力量が上記現在の残電力量よりも大きい場合、上記車両を充電する必要があると決定し、かつ上記車両を目標電力量まで充電するように制御するステップを含み、上記目標電力量は、現在の時刻から上記次の充電時刻までの車両使用需要を満たすように、上記予測需要電力量以上である。
【0049】
本願の実施例に係る車両の充電制御方法は、ユーザの上記使用習慣データを取得することにより、ユーザの現在の時刻から上記次の充電時刻までの期間内の車両使用需要を決定し、かつ上記車両使用需要に基づいて上記予測需要電力量を決定し、上記予測需要電力量が上記現在の残電力量よりも大きい場合、上記車両を充電する必要があると決定し、上記予測需要電力量に基づいて上記車両を充電することにより、上記車両の電力量がユーザの上記次の充電時刻前の車両使用需要を満たすだけでなく、上記車両が高電力状態になるように過充電することを防止し、高電力状態での電池の時間を効果的に減少させ、電池の耐用年数を延ばすことができる。
【0050】
いくつかの実施例では、上記車両を目標電力量まで充電するように制御するステップは、上記予測需要電力量が第1所定電力量よりも大きい場合、上記車両を上記予測需要電力量に等しい上記目標電力量まで充電するように制御するステップと、上記予測需要電力量が上記第1所定電力量以下である場合、上記車両を上記第1所定電力量に等しい上記目標電力量まで充電するように制御するステップとを含む。
【0051】
上記第1所定電力量は、実際の需要に応じて設定することができ、例えば、上記第1所定電力量を30%に設定する。上記車両を充電する必要がある場合、上記車両を上記第1所定電力量以上の上記目標電力量まで充電するように制御することにより、上記車両が駐車しているとき、電池の自己放電過程に用いるのに十分な電力量を有し、それにより、電池が過放電して電池の耐用年数を短縮することを防止することができる。
【0052】
他のいくつかの実施例では、上記車両を目標電力量まで充電するように制御するステップは、上記予測需要電力量と第2所定電力量との和が第1所定電力量以上である場合、上記車両を上記予測需要電力量と上記第2所定電力量との和に等しい上記目標電力量まで充電するように制御するステップと、上記予測需要電力量と、上記第1所定電力量よりも小さい第2所定電力量との和が第1所定電力量よりも小さい場合、上記車両を上記第1所定電力量に等しい上記目標電力量まで充電するように制御するステップとを含む。
【0053】
上記第2所定電力量は、実際の需要に応じて設定することができ、例えば、上記第2所定電力量を10%に設定する。上記車両を充電する必要がある場合、上記車両を上記予測需要電力量と上記第2所定電力量との和以上の上記目標電力量まで充電するように制御することにより、上記車両の目標電力量がユーザの車両使用需要を満たすとともに、上記車両には上記第2所定電力量がバックアップとして貯蔵され、ユーザが走行距離を一時的に増加させて上記車両が電力量不足で使用できなくなることを防止することができる。また、上記第2所定電力量は、上記車両に充電される電力量の補正補償量としてもよく、充電中に上記車両に充電される電力量と設定値との間に偏差が存在する可能性があるため、上記目標電力量を上記予測需要電力量と上記第2所定電力量との和以上の目標電力量まで充電するように制御することにより、充電中の充電電力量の偏差を補償して、上記目標電力量を少なくとも上記予測需要電力量よりも大きくし、ユーザの車両使用需要を満たすことができる。
【0054】
いくつかの実施例では、上記予測需要電力量及び上記現在の残電力量に基づいて、充電する必要があるか否かを決定するステップは、上記予測需要電力量が上記現在の残電力量以下であり、かつ上記現在の残電力量が第3所定電力量よりも小さい場合、充電する必要があると決定し、上記車両を上記第3所定電力量に等しい上記目標電力量まで充電するように制御するステップと、上記予測需要電力量が上記現在の残電力量以下であり、かつ上記現在の残電力量が上記第3所定電力量以上である場合、上記車両を充電する必要がないと決定するステップとを含む。
【0055】
上記予測需要電力量が上記現在の残電力量以下であり、かつ上記現在の残電力量が上記第3所定電力量よりも小さい場合、上記車両を上記第3所定電力量に等しい目標電力量まで充電するように制御することにより、上記車両が駐車しているとき、電池の自己放電過程に用いるのに十分な電力量を有し、それにより、電池が過放電して電池の耐用年数を短縮することを防止することができる。上記第3所定電力量は、実際の需要に応じて設定することができ、例えば、上記第3所定電力量を30%に設定する。
【0056】
上記予測需要電力量が上記現在の残電力量以下であり、かつ上記現在の残電力量が上記第3所定電力量以上である場合、上記車両を充電する必要がないと決定し、上記車両の現在の残電力量がユーザの車両使用需要を満たすだけでなく、上記車両が駐車しているとき、電池の自己放電過程に用いるのに十分な電力量を有し、電池が過放電して電池の耐用年数を短縮することを防止することができる。また、上記予測需要電力量及び上記現在の残電力量の大きさを比較することにより、上記現在の残電力量がユーザの車両使用需要を満たすことができると決定することができ、それにより、上記車両を充電する必要がないと決定し、上記車両を無駄に充電して、電池が高電力状態になり、耐用年数を短縮することを回避することができる。
【0057】
他の実施例では、上記予測需要電力量が上記現在の残電力量以下である場合、上記車両を充電する必要がないと決定することができる。上記車両の現在の残電力量が既にユーザの車両使用需要を満たすことができるため、上記車両を充電する必要がなくなるとともに、上記車両を無駄に充電して電池が高電力状態になり、耐用年数を短縮することを回避することができる。
【0058】
いくつかの実施例では、上記使用習慣データは、上記所定の時間内に、毎回走行の走行開始時刻を更に含み、上記充電制御方法は、上記車両を充電する必要があると決定した場合、上記走行習慣データに基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定するステップと、現在の時刻と上記次の走行開始時刻との間隔時間を第1充電時間として決定するステップと、上記第1充電時間及び上記目標電力量と上記現在の残電力量との差に基づいて、充電電流を決定するステップとを更に含む。上記車両を上記第1充電時間内に上記車両の目標電力量まで充電することを保証する前提で、できるだけ小さい充電電流で上記車両を充電して、上記車両の電池の耐用年数を延ばす。
【0059】
いくつかの実施例では、上記目標電力量が上記予測需要電力量に等しい場合、上記第1充電時間及び上記予測需要電力量と上記現在の残電力量との差に基づいて、上記充電電流を決定する。即ち、上記車両を上記第1充電時間内に上記車両の目標電力量が上記予測需要電力量に等しくなるまで充電することを保証する前提で、できるだけ小さい充電電流で上記車両を充電して、上記車両の電池の耐用年数を延ばす。
【0060】
他のいくつかの実施例では、上記目標電力量が上記予測需要電力量と上記第2所定電力量との和に等しい場合、上記第1充電時間及び上記目標電力量と上記現在の残電力量との差に基づいて、上記充電電流を決定し、上記目標電力量と上記現在の残電力量との差は、上記予測需要電力量と上記第2所定電力量との和から上記現在の残電力量を引いたものである。即ち、上記車両を上記第1充電時間内に上記車両の目標電力量が上記予測需要電力量と上記第2所定電力量との和に等しくなるまで充電することを保証する前提で、できるだけ小さい充電電流で上記車両を充電して、上記車両の電池の耐用年数を延ばす。
【0061】
他のいくつかの実施例では、上記目標電力量が上記第1所定電力量に等しい場合、上記第1充電時間及び上記第1所定電力量と上記現在の残電力量との差に基づいて、上記充電電流を決定する。即ち、上記車両を上記第1充電時間内に上記車両の目標電力量が上記第1所定電力量に等しくなるまで充電することを保証する前提で、できるだけ小さい充電電流で上記車両を充電して、上記車両の電池の耐用年数を延ばす。
【0062】
本願の実施例に係る充電制御方法は、上記所定時間内の毎回走行の走行時点に基づいて、上記次の走行開始時刻を決定し、かつ現在の時刻と上記次の走行開始時刻との間隔時間を第1充電時間として決定し、上記第1充電時間内にできるだけ小さい充電電流で上記車両を充電することにより、上記車両の電池の耐用年数を延ばす。また、上記次の走行開始時刻を決定することにより、上記車両の充電可能な時間、即ち、上記第1充電時間を正確に決定することができるため、上記第1充電時間内に上記車両を上記目標電力量まで充電することができ、ユーザの車両使用需要を保証する。
【0063】
いくつかの実施例では、上記使用習慣データは、上記所定の時間内に、毎回走行の走行開始時刻を更に含み、上記充電制御方法は、上記車両を充電する必要があると決定した場合、上記走行習慣データに基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定するステップと、所定の充電レート及び上記目標電力量と上記現在の残電力量との差に基づいて、現在の時刻と上記次の走行開始時刻との間隔時間よりも短い第2充電時間を決定するステップと、上記第2充電時間に基づいて、充電開始時刻を決定するステップであって、上記充電開始時刻と上記次の走行開始時刻との間隔時間が上記第2充電時間であるステップとを更に含む。
【0064】
上記所定の充電レートは、ユーザの使用習慣、充電需要又は上記車両の既定のレートパラメータに基づいて設定することができる。上記所定の充電レート及び上記目標電力量と上記現在の残電力量との差に基づいて、上記第2充電時間を決定し、かつ上記第2充電時間が現在の時刻と上記次の走行開始時刻との間隔時間よりも短い場合、選択された上記充電開始時刻を上記次の走行開始時刻にできるだけ近づけることにより、上記充電開始時刻から上記次の走行開始時刻までの間隔時間を上記第2充電時間と等しくするとともに、上記車両への充電をできるだけ遅らせることができ、それにより、上記車両の電池が高電力状態になる時間をできるだけ短くし、電池の耐用年数を延ばす。したがって、本願の実施例に係る充電制御方法は、上記充電開始時刻をインテリジェントに決定し、電池が高電力状態になる時間を短縮し、電池の耐用年数を延ばすことができる。
【0065】
いくつかの実施例では、上記目標電力量が上記予測需要電力量に等しい場合、上記所定の充電レート及び上記予測需要電力量に基づいて、上記第2充電時間を決定する。例えば、上記所定の充電レートは、10%/hであり、上記予測需要電力量は、50%であり、上記第2充電時間は、5hである。
【0066】
他のいくつかの実施例では、上記目標電力量が上記予測需要電力量と上記第2所定電力量との和に等しい場合、上記所定の充電レート及び上記予測需要電力量と上記第2所定電力量との和に基づいて、上記第2充電時間を決定する。
【0067】
他のいくつかの実施例では、上記目標電力量が上記第1所定電力量に等しい場合、上記所定の充電レート及び上記第1所定電力量に基づいて上記第2充電時間を決定する。
【0068】
以上より、本願の実施例に係る車両の充電制御方法は、ユーザの上記使用習慣データを取得することにより、ユーザの現在の時刻から上記次の充電時刻までの期間内の総走行距離を決定し、かつ上記総走行距離に基づいて上記予測需要電力量を決定し、上記予測需要電力量と上記現在の残電力量とを比較することにより、上記車両を充電する必要があるか否かを決定し、一方では、上記車両を充電する必要がない場合、上記車両が高電力状態になるように充電することを回避でき、上記車両が高電力状態になることを回避することにより、電池の耐用年数を延ばすことができ、他方では、上記電気自動車を充電する必要がある場合、適時に充電することができ、かつ上記予測需要電力量に基づいて上記車両を充電することにより、上記車両の電力量がユーザの上記次の充電時刻前の車両使用需要を満たすだけでなく、上記車両が高電力状態になるように過充電することを防止し、電池の高電力状態での時間を効果的に減少させ、電池の耐用年数を延ばすことができる。
【0069】
図3は、本願の実施例に係る車両の充電制御装置100のブロック構成図である。前述のいずれかの実施例に係る充電制御方法は、上記充電制御装置100に適用することができる。
図3に示すように、上記充電制御装置100は、読み取りモジュール10、検出モジュール20及び処理モジュール30を含む。上記読み取りモジュール10は、ユーザの所定の時間内の車両使用習慣データを読み取り、上記使用習慣データは、上記所定の時間内に、車両の毎回充電の充電時点及び毎回走行の走行距離を含む。上記検出モジュール20は、現在の時刻での車両の現在の残電力量を検出する。上記処理モジュール30は、上記使用習慣データに基づいて、車両の予測需要電力量を決定し、上記予測需要電力量及び上記現在の残電力量に基づいて、車両を充電する必要があるか否かを決定する。
【0070】
本願の実施例に係る車両の制御装置100は、ユーザの車両使用習慣データを取得することにより、ユーザの車両使用需要を決定し、かつ車両使用需要に基づいて上記予測需要電力量を決定し、そして上記予測需要電力量と上記現在の残電力量とを比較することにより、上記車両を充電する必要があるか否かを決定し、一方では、上記車両を充電する必要がない場合、上記車両が高電力状態になるように充電することを回避でき、上記車両が高電力状態になることを回避することにより、電池の耐用年数を延ばすことができ、他方では、上記電気自動車を充電する必要がある場合、適時に充電することができる。
【0071】
いくつかの実施例では、上記充電制御装置100は、記憶モジュール(図示せず)を更に含み、上記記憶モジュールは、ユーザの上記所定の時間内の車両使用習慣データを記憶し、上記使用習慣データは、車両の毎回充電の充電時点、毎回走行の走行距離及び毎回走行の走行時点を含む。上記所定の時間は、1日、1週間、1ヶ月などであってもよく、例えば、上記記憶モジュール内には、ユーザの直近の1週間内の使用習慣データが記憶されており、月曜日から日曜日までの毎日毎回充電の充電時点、毎日毎回走行の走行距離及び毎日毎回走行の走行時点を含む。上記所定の時間が長いほど、上記使用習慣データは、より一般的になる。
【0072】
なお、上記使用習慣データは、所定の時間内のユーザの充電及び車両使用の習慣を表しており、ほとんどのユーザの充電及び車両使用は、いずれも予測可能で汎用性があるため、所定の時間内の使用習慣データは、過去のユーザの充電及び車両使用の習慣を表し、特別な状況がない限り、上記使用習慣データは、ユーザの将来の充電及び車両使用の習慣を予測することができる。
【0073】
いくつかの実施例では、上記読み取りモジュール10は、上記記憶モジュールに記憶されたユーザの所定の時間内の車両使用習慣データを読み取り、上記使用習慣データを上記処理モジュール30に送信し、上記処理モジュール30は、上記使用習慣データを受信すると、上記使用習慣データに基づいて上記車両の予測需要電力量を決定し、かつ上記予測需要電力量及び上記現在の残電力量に基づいて車両を充電する必要があるか否かを決定する。上記処理モジュール30は、上記使用習慣データを受信すると、上記使用習慣データを統計及び分析して、現在の時刻の後の上記次の充電時刻及び現在の時刻から上記次の充電時刻までの期間内の上記総走行距離Mを決定し、上記総走行距離Mは、現在の時刻から上記次の充電時刻までの期間内の全ての走行距離の和である。
【0074】
いくつかの実施例では、上記処理モジュール30は、更に、上記車両の満充電状態での航続距離Nを取得し、上記総走行距離M及び上記航続距離Nに基づいて予測需要電力量SOC1を決定し、上記SOC1=M/N*100%であり、いくつかの実施例では、上記航続距離Nは、上記車両が最高走行速度で走行するとき、走行可能な距離であってもよい。
【0075】
上記読み取りモジュール10及び処理モジュール30は、プロセッサ、ワンチップマイクロコンピュータ、コントローラなどの処理チップであってもよく、上記読み取りモジュール10及び処理モジュール30は、別個の処理チップであってもよいし、統合された処理チップであってもよい。上記検出モジュール20は、電池の電圧を取得する電圧検出計であってもよく、所定の電圧と電力量とのマッピング関係に基づいて対応する電力量を得ることができ、或いは、上記検出モジュール20は、上記読み取りモジュール10及び処理モジュール30と同じ処理チップに統合されてもよい。上記記憶モジュールは、ソリッドステートディスク、SDカードなどのメモリであってもよい。
【0076】
本願の実施例に係る車両の充電制御方法は、ユーザの上記使用習慣データを取得することにより、ユーザの現在の時刻から上記次の充電時刻までの時間内の総走行距離を決定し、かつ上記総走行距離に基づいて上記予測需要電力量を決定することにより、上記車両の消費電力を非常に迅速かつ簡単に計算して、上記予測需要電力量を得ることができ、また、車両の使用中に、消費電力が最大であるのは走行距離の長さであるため、上記総走行距離によって上記予測需要電力量を決定することは、ユーザによる上記車両の実際使用過程を考慮したことである。
【0077】
いくつかの実施例では、上記処理モジュール30が、上記使用習慣データに基づいて上記車両の予測需要電力量を決定し、かつ上記予測需要電力量及び上記現在の残電力量に基づいて上記車両を充電する必要があるか否かを決定することは、上記処理モジュール30が、上記予測需要電力量が上記現在の残電力量よりも大きい場合、上記車両を充電する必要があると決定し、上記車両を上記予測需要電力量以上の目標電力量まで充電するように制御することを含む。
【0078】
上記処理モジュール30は、上記予測需要電力量と上記現在の残電力量との大きさを比較し、上記予測需要電力量が上記現在の残電力量よりも大きい場合、充電が必要であると決定し、上記車両を上記予測需要電力量以上の目標電力量まで充電するように制御する。
【0079】
いくつかの実施例では、上記処理モジュール30は、上記予測需要電力量が上記現在の残電力量よりも大きく、かつ上記第1所定電力量よりも大きい場合、上記車両を上記予測需要電力量に等しい目標電力量まで充電するように制御し、上記予測需要電力量が上記現在の残電力量より大きく、かつ第1所定電力量以下である場合、上記車両を上記第1所定電力量に等しい上記目標電力量まで充電するように制御する。
【0080】
上記車両を充電する必要がある場合、上記処理モジュール30は、上記車両を上記第1所定電力量以上の上記目標電力量まで充電するように制御することにより、上記車両が駐車しているとき、電池の自己放電過程に用いるのに十分な電力量を有し、それにより、電池が過放電して電池の耐用年数を短縮することを防止することができる。
【0081】
他のいくつかの実施例では、上記処理モジュール30は、更に、上記予測需要電力量が上記現在の残電力量よりも大きく、かつ上記予測需要電力量と第2所定電力量との和が第1所定電力量以上である場合、上記車両を上記予測需要電力量と上記第2所定電力量との和に等しい上記目標電力量まで充電するように制御し、上記予測需要電力量が上記現在の残電力量よりも大きく、かつ上記予測需要電力量と、第1所定電力量よりも小さい第2所定電力量との和が第1所定電力量よりも小さい場合、上記車両を上記第1所定電力量に等しい上記目標電力量まで充電するように制御する。
【0082】
上記第2所定電力量は、実際の需要に応じて設定することができ、例えば、上記第2所定電力量を10%に設定する。上記車両を充電する必要がある場合、上記処理モジュール30は、上記車両を上記予測需要電力量と上記第2所定電力量との和以上の上記目標電力量まで充電するように制御することにより、上記車両の目標電力量がユーザの車両使用需要を満たすとともに、上記車両には上記第2所定電力量がバックアップとして貯蔵され、ユーザが走行距離を一時的に増加させて上記車両が電力量不足で使用できなくなることを防止することができる。また、上記第2所定電力量は、上記車両に充電される電力量の補正補償量としてもよく、充電中に上記車両に充電される電力量と設定値との間に偏差が存在する可能性があるため、上記車両を上記予測需要電力量と上記第2所定電力量との和以上の上記目標電力量まで充電するように制御することにより、充電中の充電電力量の偏差を補償して、上記目標電力量を少なくとも上記予測需要電力量よりも大きくし、ユーザの車両使用需要を満たすことができる。
【0083】
いくつかの実施例では、上記処理モジュール30が、上記予測需要電力量及び上記現在の残電力量に基づいて、上記車両を充電する必要があるか否かを決定することは、上記処理モジュール30が、上記予測需要電力量が上記現在の残電力量以下であり、かつ上記現在の残電力量が第3所定電力量よりも小さい場合、充電する必要があると決定し、上記車両を上記第3所定電力量に等しい目標電力量まで充電するように制御し、上記予測需要電力量が上記現在の残電力量以下であり、かつ上記現在の残電力量が上記第3所定電力量以上である場合、充電する必要がないと決定することを更に含む。
【0084】
上記処理モジュール30は、更に、上記現在の残電力量と上記第3所定電力量との大きさを比較する。
【0085】
上記予測需要電力量が上記現在の残電力量以下であり、かつ上記現在の残電力量が上記第3所定電力量よりも小さい場合、上記処理モジュール30は、上記車両を上記第3所定電力量に等しい上記目標電力量まで充電するように制御することにより、上記車両が駐車しているとき、電池の自己放電過程に用いるのに十分な電力量を有し、それにより、電池が過放電して電池の耐用年数を短縮することを防止することができる。いくつかの実施例では、上記第3所定電力量は、実際の需要に応じて、例えば、30%に設定することができる。
【0086】
上記予測需要電力量が上記現在の残電力量以下であり、かつ上記現在の残電力量が上記第3所定電力量以上である場合、上記処理モジュール30は、上記車両を充電する必要がないと決定し、上記車両の現在の残電力量がユーザの車両使用需要を満たすだけでなく、上記車両が駐車しているとき、電池の自己放電過程に用いるのに十分な電力量を有し、電池が過放電して電池の耐用年数を短縮することを防止することができる。また、上記予測需要電力量及び上記現在の残電力量の大きさを比較することにより、上記現在の残電力量がユーザの車両使用需要を満たすことができると決定することができ、それにより、上記車両を充電する必要がないと決定し、上記車両を無駄に充電して、電池が高電力状態になり、耐用年数を短縮することを回避することができる。
【0087】
他の実施例では、上記処理モジュール30は、更に、上記予測需要電力量が上記現在の残電力量以下である場合、上記車両を充電する必要がないと決定する。上記車両の現在の残電力量が既にユーザの車両使用需要を満たすことができるため、上記車両を充電する必要がなくなるとともに、上記車両を無駄に充電して電池が高電力状態になり、耐用年数を短縮することを回避することができる。
【0088】
いくつかの実施例では、上記処理モジュール30は、更に、上記車両を充電する必要があると決定した場合、上記毎回走行の走行時点に基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定し、現在の時刻と上記次の走行開始時刻との間隔時間を第1充電時間として決定し、上記第1充電時間及び上記予測需要電力量に基づいて、充電電流を決定する。
【0089】
上記読み取りモジュール10は、上記記憶モジュールに記憶された上記所定の時間内の毎回走行の走行時点を読み取って上記処理モジュール30に送信し、上記処理モジュール30は、上記所定の時間内の毎回走行の走行時点を受信すると、上記所定の時間内の毎回走行の走行時点を統計及び分析して、現在の時刻の後の上記次の走行開始時刻を決定し、現在の時刻と上記次の走行開始時刻との間隔時間を第1充電時間として決定し、上記第1充電時間及び上記予測需要電力量に基づいて、充電電流を決定する。上記処理モジュール30は、上記車両を上記第1充電時間内に上記目標電力量が上記予測需要電力量以上になるまで充電するように制御する前提で、できるだけ小さい充電電流で上記車両を充電するように制御して、上記車両の電池の耐用年数を延ばす。
【0090】
他のいくつかの実施例では、上記処理モジュール30は、更に、上記車両を充電する必要があると決定した場合、上記毎回走行の走行時点に基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定し、所定の充電レート及び上記予測需要電力量に基づいて、現在の時刻と上記次の走行開始時刻との間隔時間よりも短い第2充電時間を決定し、上記第2充電時間に基づいて、充電開始時刻を決定し、上記充電開始時刻と上記次の走行開始時刻との間隔時間が上記第2充電時間である。
【0091】
上記所定の充電レート及び上記予測需要電力量に基づいて、上記第2充電時間を決定し、かつ上記第2充電時間が現在の時刻と上記次の走行開始時刻との間隔時間よりも短い場合、選択された上記充電開始時刻を上記次の走行開始時刻にできるだけ近づけることにより、上記充電開始時刻から上記次の走行開始時刻までの間隔時間を上記第2充電時間と等しくするとともに、上記車両への充電をできるだけ遅らせることができ、それにより、上記車両の電池が高電力状態になる時間をできるだけ短くし、電池の耐用年数を延ばす。したがって、本願の実施例に係る充電制御方法は、上記充電開始時刻をインテリジェントに決定し、電池が高電力状態になる時間を短縮し、電池の耐用年数を延ばすことができる。
【0092】
いくつかの実施例では、上記充電制御装置100は、上記車両に設けられてもよく、上記充電制御装置100は、通信モジュール及び制御スイッチ(図示せず)を更に含み、上記通信モジュールは、上記車両を充電する給電設備と通信し、上記制御スイッチは、上記車両の電池と上記車両の充電ポートとの間に接続される。上記給電設備が上記車両の充電ポートに接続された後、上記制御スイッチは、オン状態にあるときに上記電池と上記給電設備との接続をオンにし、オフ状態にあるときに上記電池と上記給電設備との接続をオフにする。上記給電設備は、充電パイルなどであってもよい。
【0093】
上記車両を充電する必要があると決定した場合、上記処理モジュール30は、上記車両を上記目標電力量まで充電する充電指令を上記通信モジュールに送信し、上記制御スイッチをオフ状態からオン状態に切り替えるように制御して上記電池と上記給電設備をオンにし、上記通信モジュールは、上記充電指令を上記給電設備に送信し、上記給電設備は、上記充電指令に基づいて上記車両を充電し、上記車両を電力量が上記目標電力量まで充電する。
【0094】
上記車両を充電する必要がないと決定した場合、上記処理モジュール30は、上記制御スイッチをオフ状態に保持するように制御して上記電池と上記給電設備とをオフに保持することにより、上記給電設備が上記電池を充電することができない。
【0095】
上記給電設備は、DC充電パイル又はAC充電パイルであってもよい。上記通信モジュールは、CAN(Controller Area Network、コントローラエリアネットワーク)バスを介して上記給電設備と通信することができる。上記制御スイッチは、DCコンタクタ又はACコンタクタであってもよい。
【0096】
上記読み取りモジュール10、検出モジュール20及び処理モジュール30は、プロセッサ又はコントローラ(例えば、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application-Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、トランジスタロジックデバイス、ハードウェア部品又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。本発明の開示内容に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール及び回路を実現又は実行することができる。上記プロセッサはまた、1つ以上のマイクロプロセッサの組み合わせ、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせなど、コンピューティング機能を実現する組み合わせであってもよい。通信モジュールは、トランシーバ、トランシーバ回路、無線周波数チップ、通信インターフェースなどであってもよく、記憶モジュールは、メモリであってもよい。
【0097】
本願の上記方法及び上記充電制御装置100によって実行される機能操作は、上記車両の充電ポートが上記給電設備に接続された後に行われてもよい。
【0098】
図4は、本願の実施例に係る車両200である。
図4に示すように、上記車両200は、電池150と、充電ポート160と、前述のいずれかの実施例に係る充電制御装置100とを含む。
【0099】
上記電池150は、充電制御装置100に接続され、上記充電制御装置100は、電池150の充電プロセスを制御する。上記充電ポート160は、上記充電制御装置100に接続される。上記充電ポート160は、上記給電設備が上記充電ポート160を介して上記電池150を充電できるように、上記給電設備に接続される。
【0100】
本願の実施例に係る上記車両200は、動力電池が内蔵された車両、例えば、純粋な電気自動車、ハイブリッド車両などであってもよい。車両200がハイブリッド車両である場合、上記総走行距離Mは、ハイブリッド車両が上記電池150の電力によって走行するように駆動される部分に相当する。上記車両200は、純粋な電気自動車、純粋な電気トラック、純粋な電気トラック、ハイブリッド電気自動車、ハイブリッド電気トラック、ハイブリッド電気トラックなどであってもよい。
【0101】
本願の実施例に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、プロセッサによって呼び出されて実行されると、前述のいずれかの実施例に係る充電制御方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている。
【0102】
当業者であれば、上記実施例の様々な方法におけるステップの全部又は一部は、プログラムによって関連するハードウェアを命令することにより完了されてもよく、当該プログラムは、コンピュータ読み取り可能なメモリに記憶されてもよく、メモリは、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスク又は光ディスクなどを含んでもよいことを理解するであろう。
【0103】
なお、前述の各方法の実施例については、説明を簡便にするために、一連の動作の組み合わせとして表現したが、当業者であれば、本願が説明された動作順序に限定されるものではなく、本願に基づいて、一部のステップが他の順序で又は同時に行われてもよいことを知るべきである。次に、当業者であれば、明細書に説明された実施例がいずれも好ましい実施例であり、関連する動作及びモジュールが必ずしも本願に必須のものではないことを知るべきである。
【0104】
上記実施例では、各実施例の説明についてはそれぞれ重点が置かれ、ある実施例で詳しく説明していない部分については、他の実施例の関連部分の記述を参照されたい。
【0105】
以上は、本願の実施例の実施形態であり、当業者にとって、本願の実施例の原理を逸脱しない前提で、いくつかの改良及び修正を行うことができ、これらの改良及び修正も本願の保護範囲にあるとみなされることに留意されたい。
【符号の説明】
【0106】
100 充電制御装置
10 読み取りモジュール
20 検出モジュール
30 処理モジュール
150 電池
160 充電ポート
200 車両
【手続補正書】
【提出日】2024-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機能を有する車両の充電制御方法であって、
ユーザの所定の時間内の車両使用習慣データを読み取るステップであって、前記使用習慣データが、前記所定の時間内に、前記車両の毎回充電の充電時点及び毎回走行の走行距離を含むステップ(S101)と、
現在の時刻での前記車両の現在の残電力量を検出するステップ(S102)と、
前記使用習慣データに基づいて、前記車両の予測需要電力量を決定するステップ(S103)と、
前記予測需要電力量及び前記現在の残電力量に基づいて、前記車両を充電する必要があるか否かを決定するステップ(S104)とを含む、ことを特徴とする車両の充電制御方法。
【請求項2】
前記使用習慣データに基づいて、前記車両の予測需要電力量を決定するステップは、
前記車両の満充電状態での航続距離Nを取得するステップ(S1031)と、
前記使用習慣データに基づいて、現在の時刻の後の次の充電時刻及び現在の時刻から前記次の充電時刻までの期間内の総走行距離Mを決定するステップであって、前記総走行距離Mが、現在の時刻から前記次の充電時刻までの期間内の全ての走行距離の和であるステップ(S1032)と、
前記総走行距離M及び前記航続距離Nに基づいて予測需要電力量SOC1を決定するステップであって、SOC1=M/N*100%であるステップ(S1033)とを含む、請求項1に記載の車両の充電制御方法。
【請求項3】
前記予測需要電力量及び前記現在の残電力量に基づいて、前記車両を充電する必要があるか否かを決定するステップは、
前記予測需要電力量が前記現在の残電力量よりも大きい場合、前記車両を充電する必要があると決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項
1に記載の車両の充電制御方法。
【請求項4】
前記充電制御方法は、
前記車両を前記予測需要電力量以上である目標電力量まで充電するように制御するステップを更に含む、請求項3に記載の車両の充電制御方法。
【請求項5】
前記車両を目標電力量まで充電するように制御するステップは、
前記予測需要電力量が第1所定電力量よりも大きい場合、前記車両を前記予測需要電力量に等しい目標電力量まで充電するように制御するステップと、
前記予測需要電力量が前記第1所定電力量以下である場合、前記車両を前記第1所定電力量に等しい目標電力量まで充電するように制御するステップとを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の車両の充電制御方法。
【請求項6】
前記車両を目標電力量まで充電するように制御するステップは、
前記予測需要電力量と第2所定電力量との和が前記第1所定電力量以上である場合、前記車両を前記予測需要電力量と前記第2所定電力量との和に等しい目標電力量まで充電するように制御するステップと、
前記予測需要電力量と第2所定電力量との和が前記第1所定電力量よりも小さい場合、前記車両を前記第1所定電力量に等しい目標電力量まで充電するように制御するステップとを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の車両の充電制御方法。
【請求項7】
前記予測需要電力量及び前記現在の残電力量に基づいて、前記車両を充電する必要があるか否かを決定するステップは、
前記予測需要電力量が前記現在の残電力量以下であり、かつ前記現在の残電力量が第3所定電力量よりも小さい場合、充電する必要があると決定し、前記車両を前記第3所定電力量に等しい目標電力量まで充電するように制御するステップと、
前記予測需要電力量が前記現在の残電力量以下であり、かつ前記現在の残電力量が前記第3所定電力量以上である場合、充電する必要がないと決定するステップとを含む、ことを特徴とする請求項
1に記載の車両の充電制御方法。
【請求項8】
前記使用習慣データは、前記所定の時間内に、毎回走行の走行時点を更に含み、前記方法は、
前記車両を充電する必要があると決定した場合、前記毎回走行の走行時点に基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定するステップと、
現在の時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間を第1充電時間として決定するステップと、
前記第1充電時間及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、充電電流を決定するステップとを更に含む、ことを特徴とする請求項
4に記載の車両の充電制御方法。
【請求項9】
前記第1充電時間及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、充電電流を決定するステップは、
前記目標電力量が前記予測需要電力量に等しい場合、前記第1充電時間及び前記予測需要電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、前記充電電流を決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項8に記載の車両の充電制御方法。
【請求項10】
前記使用習慣データは、前記所定の時間内に、毎回走行の走行時点を更に含み、前記方法は、
前記車両を充電する必要があると決定した場合、前記毎回走行の走行時点に基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定するステップと、
現在の時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間を第1充電時間として決定するステップと、
前記第1充電時間及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、充電電流を決定するステップとを更に含む、ことを特徴とする請求項6に記載の車両の充電制御方法。
【請求項11】
前記第1充電時間及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、充電電流を決定するステップは、
前記目標電力量が前記予測需要電力量と前記第2所定電力量との和に等しい場合、前記第1充電時間及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、前記充電電流を決定するステップであって、前記目標電力量と前記現在の残電力量との差が、前記予測需要電力量と前記第2所定電力量との和から前記現在の残電力量を引いたものであるステップと、
前記目標電力量が前記第1所定電力量に等しい場合、前記第1充電時間及び前記第1所定電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、前記充電電流を決定するステップとを含む、ことを特徴とする請求項10に記載の車両の充電制御方法。
【請求項12】
前記使用習慣データは、前記所定の時間内に、毎回走行の走行時点を更に含み、前記方法は、
前記車両を充電する必要があると決定した場合、前記毎回走行の走行時点に基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定するステップと、
所定の充電レート及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、現在の時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間よりも短い第2充電時間を決定するステップと、
前記第2充電時間に基づいて、充電開始時刻を決定するステップであって、前記充電開始時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間が前記第2充電時間であるステップとを更に含む、ことを特徴とする請求項
4に記載の車両の充電制御方法。
【請求項13】
前記所定の充電レート及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、第2充電時間を決定するステップは、
前記目標電力量が前記予測需要電力量に等しい場合、前記所定の充電レート及び前記予測需要電力量に基づいて、前記第2充電時間を決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項12に記載の車両の充電制御方法。
【請求項14】
前記使用習慣データは、前記所定の時間内に、毎回走行の走行時点を更に含み、前記方法は、
前記車両を充電する必要があると決定した場合、前記毎回走行の走行時点に基づいて、現在の時刻の後の次の走行開始時刻を決定するステップと、
所定の充電レート及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、現在の時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間よりも短い第2充電時間を決定するステップと、
前記第2充電時間に基づいて、充電開始時刻を決定するステップであって、前記充電開始時刻と前記次の走行開始時刻との間隔時間が前記第2充電時間であるステップとを更に含む、ことを特徴とする請求項6に記載の車両の充電制御方法。
【請求項15】
前記所定の充電レート及び前記目標電力量と前記現在の残電力量との差に基づいて、第2充電時間を決定するステップは、
前記目標電力量が前記予測需要電力量と前記第2所定電力量との和に等しい場合、前記所定の充電レート及び前記予測需要電力量と前記第2所定電力量との和に基づいて、前記第2充電時間を決定するステップと、
前記目標電力量が前記第1所定電力量に等しい場合、前記所定の充電レート及び前記第1所定電力量に基づいて前記第2充電時間を決定するステップとを含む、ことを特徴とする請求項14に記載の車両の充電制御方法。
【請求項16】
前記予測需要電力量及び前記現在の残電力量に基づいて、前記車両を充電する必要があるか否かを決定するステップは、
前記予測需要電力量が前記現在の残電力量以下である場合、充電する必要がないと決定するステップを含む、ことを特徴とする請求項
1に記載の車両の充電制御方法。
【請求項17】
読み取りモジュール(10)と、検出モジュール(20)と、処理モジュール(30)とを含む車両の充電制御装置(100)であって、
読み取りモジュール(10)は、ユーザの所定の時間内の車両使用習慣データを読み取り、前記使用習慣データは、前記所定の時間内に、前記車両の毎回充電の充電時点及び毎回走行の走行距離を含み、
検出モジュール(20)は、現在の時刻での前記車両の現在の残電力量を検出し、
処理モジュール(30)は、前記使用習慣データに基づいて、前記車両の予測需要電力量を決定し、前記予測需要電力量及び前記現在の残電力量に基づいて、前記車両を充電する必要があるか否かを決定する、ことを特徴とする車両の充電制御装置(100)。
【請求項18】
電池(150)と、請求項17に記載の充電制御装置(100)とを含む、ことを特徴とする車両(200)。
【請求項19】
プロセッサによって呼び出されて実行されると、請求項1~16のいずれか一項に記載の充電制御方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
上記第2所定電力量は、実際の需要に応じて設定することができ、例えば、上記第2所定電力量を10%に設定する。上記車両を充電する必要がある場合、上記車両を上記予測需要電力量と上記第2所定電力量との和以上の上記目標電力量まで充電するように制御することにより、上記車両の目標電力量がユーザの車両使用需要を満たすとともに、上記車両には上記第2所定電力量がバックアップとして貯蔵され、ユーザが走行距離を一時的に増加させて上記車両が電力量不足で使用できなくなることを防止することができる。また、上記第2所定電力量は、上記車両に充電される電力量の補正補償量としてもよく、充電中に上記車両に充電される電力量と設定値との間に偏差が存在する可能性があるため、上記車両を上記予測需要電力量と上記第2所定電力量との和以上の目標電力量まで充電するように制御することにより、充電中の充電電力量の偏差を補償して、上記目標電力量を少なくとも上記予測需要電力量よりも大きくし、ユーザの車両使用需要を満たすことができる。
【国際調査報告】