(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】再充電可能な電池を有するドアアセンブリ、当該電池を充電する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241003BHJP
E06B 5/00 20060101ALI20241003BHJP
E05B 47/00 20060101ALI20241003BHJP
H02S 10/10 20140101ALI20241003BHJP
H02S 10/20 20140101ALI20241003BHJP
【FI】
H02J7/00 303A
E06B5/00 A
E05B47/00 H
H02S10/10
H02S10/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517104
(86)(22)【出願日】2022-09-23
(85)【翻訳文提出日】2024-05-01
(86)【国際出願番号】 US2022044571
(87)【国際公開番号】W WO2023049371
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523301385
【氏名又は名称】マゾナイト コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ボドゥルカ アレックス
【テーマコード(参考)】
2E239
5F251
5G503
【Fターム(参考)】
2E239AA01
5F251BA03
5F251JA28
5F251KA05
5G503AA01
5G503AA06
5G503AA07
5G503BA02
5G503BB01
5G503BB04
5G503BB05
5G503BB06
5G503DA04
(57)【要約】
本発明は、住宅又は商業用、例えば、家、アパート、集合住宅、ホテルの部屋又はビジネス用の建物の室外又は室内ドアに関し、より具体的には、ドアに取り付けられた電気機器を動作させるために使用できる電力源として再充電可能な電池を備えたドアに関する。前記ドアには、電気機器が固定される。前記電気機器は、1つ以上のエネルギーハーベスタシステムによって、及び/又は電源への直接接続によって充電される1つ以上の再充電可能な電池によって電力供給される。前記エネルギーハーベスタシステム及び/又は前記有線接続から収集された電力を分配するためのシステムも提供される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が固定されたドアフレームと、
前記ドアフレームに枢動可能に固定されたドアと、
前記ドアの少なくとも第1側に固定された複数のDC電気機器と、
前記ドア内に固定され、前記電気機器に電気的に接続された再充電可能な一次電池と、
前記一次電池を充電するように構成された第1電池充電器システムと、
前記ドア内に固定され、前記電気機器及び前記第1電池充電器に電気的に接続された再充電可能な蓄電池と、
前記蓄電池を充電するように構成された第2電池充電器システムと、RF及び電磁波エネルギーハーベスタ、太陽エネルギーハーベスタ、機械的エネルギーハーベスタ、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含むエネルギーハーベスタシステムとを含み、
前記エネルギーハーベスタシステムは、前記第2電池充電器システムを介して前記蓄電池を充電するように構成される、ドアアセンブリ。
【請求項2】
前記第1電池充電器は、前記蓄電池から電力を受け取るように構成される、請求項1に記載のドアアセンブリ。
【請求項3】
前記太陽エネルギーハーベスタは、太陽パネルが周囲の太陽放射に曝されるように、前記ドアに固定される、請求項1又は2に記載のドアアセンブリ。
【請求項4】
前記ドアは、前記太陽エネルギーハーベスタを覆うように、前記太陽エネルギーハーベスタ上でスライド可能なドアパネルを含む、請求項3に記載のドアアセンブリ。
【請求項5】
前記ドアパネルは、電動式である、請求項4に記載のドアアセンブリ。
【請求項6】
前記太陽エネルギーハーベスタは、前記ドアの底部に固定される、請求項3又は4に記載のドアアセンブリ。
【請求項7】
前記太陽エネルギーハーベスタは、ドアライト内に配置される、請求項3又は4に記載のドアアセンブリ。
【請求項8】
前記ドアライト内のドアスラットは、前記太陽エネルギーハーベスタを含む、請求項7に記載のドアアセンブリ。
【請求項9】
前記太陽エネルギーハーベスタは、前記ドアから離れてその室外側に配置される、請求項1~8のいずれか一項に記載のドアアセンブリ。
【請求項10】
前記機械的エネルギーハーベスタは、前記ドア内に固定される、請求項1~8のいずれか一項に記載のドアアセンブリ。
【請求項11】
前記機械的エネルギーハーベスタは、固定された剛性支持体に保持された可撓性の片持ち梁と、前記可撓性の片持ち梁の前面に保持された前圧電板と、前記可撓性の片持ち梁の後面に保持された後圧電板と、前記片持ち梁の自由遠位端に保持されたプルーフマスとを含む、請求項10に記載のドアアセンブリ。
【請求項12】
前記機械的エネルギーハーベスタは、長尺状のケーシングと、前記ケーシングの一方の遠位端に固定された電磁コイルと、前記ケーシング内に固定され、電磁コイルに対して直線的に移動可能な磁石とを含む、請求項10又は11に記載のドアアセンブリ。
【請求項13】
磁石は、コイルスプリングによって電磁コイルに向かって弾性的に付勢される、請求項10又は11に記載のドアアセンブリ。
【請求項14】
前記エネルギーハーベスタシステムは、前記RF及び電磁波エネルギーハーベスタ、前記太陽エネルギーハーベスタ、及び前記機械的エネルギーハーベスタのそれぞれのための電力調整器及びエネルギー捕捉回路を更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のドアアセンブリ。
【請求項15】
電池は、前記ドア内の区画内に位置する、請求項1~13のいずれか一項に記載のドアアセンブリ。
【請求項16】
前記ドアから電源への有線接続を更に含み、前記有線接続は、前記第1電池充電器を介して前記一次電池を充電し、前記第2電池充電器を介して前記蓄電池を充電するように構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載のドアアセンブリ。
【請求項17】
フレームと、
前記フレームの両側に固定されたドアスキンと、
前記ドアスキン又は前記フレームに固定された複数のDC電気機器と、
前記ドアスキンの間に固定され、前記電気機器に接続された再充電可能な一次電池と、
前記一次電池を充電するように構成された第1電池充電器システムと、
前記ドアスキンの間に固定され、前記電気機器及び前記第1電池充電器に電気的に接続された再充電可能な蓄電池と、
前記蓄電池を充電するように構成された第2電池充電器システムと、
RF及び電磁波エネルギーハーベスタ、太陽エネルギーハーベスタ、機械的エネルギーハーベスタ、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含むエネルギーハーベスタシステムとを含み、
前記エネルギーハーベスタシステムは、前記第2電池充電器システムを介して前記蓄電池を充電するように構成される、ドア。
【請求項18】
前記第1電池充電器は、前記蓄電池から電力を受け取るように構成される、請求項17に記載のドア。
【請求項19】
前記太陽エネルギーハーベスタは、太陽パネルが周囲の太陽放射に曝されるように、前記ドアに固定される、請求項17又は18に記載のドア。
【請求項20】
前記ドアは、前記太陽エネルギーハーベスタを覆うように、前記太陽エネルギーハーベスタ上でスライド可能なドアパネルを含む、請求項19に記載のドア。
【請求項21】
前記ドアパネルは、電動式である、請求項20に記載のドア。
【請求項22】
前記太陽エネルギーハーベスタは、前記ドアの底部に固定される、請求項19に記載のドア。
【請求項23】
前記太陽エネルギーハーベスタは、ドアライト内に配置される、請求項19に記載のドア。
【請求項24】
前記ドアライト内のドアスラットは、前記太陽エネルギーハーベスタを含む、請求項23に記載のドア。
【請求項25】
前記太陽エネルギーハーベスタは、前記ドアから離れてその室外側に配置される、請求項17~24のいずれか一項に記載のドア。
【請求項26】
前記機械的エネルギーハーベスタは、前記ドア内に固定される、請求項17~24のいずれか一項に記載のドア。
【請求項27】
前記機械的エネルギーハーベスタは、固定された剛性支持体に保持された可撓性の片持ち梁と、前記可撓性の片持ち梁の前面に保持された前圧電板と、前記可撓性の片持ち梁の後面に保持された後圧電板と、前記片持ち梁の自由遠位端に保持されたプルーフマスとを含む、請求項26に記載のドア。
【請求項28】
前記機械的エネルギーハーベスタは、長尺状のケーシングと、前記ケーシングの一方の遠位端に固定された電磁コイルと、前記ケーシング内に固定され、電磁コイルに対して直線的に移動可能な磁石とを含む、請求項26に記載のドア。
【請求項29】
磁石は、コイルスプリングによって電磁コイルに向かって弾性的に付勢される、請求項26に記載のドア。
【請求項30】
前記エネルギーハーベスタシステムは、前記RF及び電磁波エネルギーハーベスタ、前記太陽エネルギーハーベスタ、及び前記機械的エネルギーハーベスタのそれぞれのための電力調整器及びエネルギー捕捉回路を更に含む、請求項17~24のいずれか一項に記載のドア。
【請求項31】
電池は、前記ドア内の区画内に位置する、請求項17~24のいずれか一項に記載のドア。
【請求項32】
前記ドアから電源への有線接続を更に含み、前記有線接続は、前記第1電池充電器を介して前記一次電池を充電し、前記第2電池充電器を介して前記蓄電池を充電するように構成される、請求項17~24のいずれか一項に記載のドア。
【請求項33】
フレームを提供するステップと、
前記フレームの両側にドアスキンを固定するステップと、
ドアの少なくとも第1側に複数のDC電気機器を固定するステップと、
前記ドア内に再充電可能な一次電池を固定し、前記電気機器に電気的に接続するステップと、
前記一次電池を充電するように構成された電池充電器を提供するステップと、
前記ドア内に再充電可能な蓄電池を固定し、前記電気機器及び前記第1電池充電器システムに電気的に接続するステップと、
前記蓄電池を充電するように構成された第2電池充電器を提供するステップと、
RF及び電磁波エネルギーハーベスタ、太陽エネルギーハーベスタ、機械的エネルギーハーベスタ、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含むエネルギーハーベスタシステムを提供するステップとを含み、
前記エネルギーハーベスタシステムは、前記第2電池充電器システムを介して前記蓄電池を充電するように構成される、ドアの製造方法。
【請求項34】
前記ドアから電源への有線接続を提供するステップを更に含み、前記有線接続は、前記第1電池充電器を介して前記一次電池を充電し、前記第2電池充電器を介して前記蓄電池を充電するように構成される、請求項33に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本発明は、本明細書に組み込まれる、2021年9月23日に出願された米国仮特許出願第63/247,494号の優先権を主張するものとする。
【0002】
本発明は、住宅又は商業用、例えば家、アパート、集合住宅、ホテルの部屋又はビジネス用の建物の室外又は室内ドアに関し、より具体的には、ドアに固定された電気機器を動作させるために使用できる電力源として再充電可能な電池を備えたドアに関する。また、本発明は、ドア内の再充電可能な電池を自動的に充電する電池充電システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、住宅又は商業用の建物の既存の室外又は室内ドアは、電子アクセス制御、ドア状態フィードバック、エントリーカメラ及び音声通信、電動ドアラッチ、電動ドアロックなどの所望の機能を提供するために、ドアに固定された多数の電気機器(部品)がある場合がある。また、室外又は室内ドアの市場では、ビデオドアベル、スマートロック、LED照明、スマートガラス、電動ドアクローザ、無線接続電子機器などの追加電気機器の使用が増加している。これらの電気機器のうちの一部は、既存のドアへの付属品であり、既存のドア構造(door construction)とともに機能し、定期的な交換又は再充電を必要とする少なくとも1つの電池で個別に給電されるものがある。電池を交換又は再充電しないと、電気機器は、動作しなくなる。
【0004】
現在の電気機器は、見苦しく不快に感じる方式で室外又は室内ドアに固定されている。一般的には、それらは、それぞれ1つ以上の再充電可能な電池パック、又は定期的に交換又は充電する必要がある少なくとも1つの非再充電可能な電池を有し、何らかの種類の耐候性ハウジングを有する。
【0005】
一方、マルチテナントと混合用途の住宅、病院、オフィスなどの商業市場では、電気ストライク及びドアコントローラ技術を備えた電動ドアエントリーシステムが開発されているが、そのような機器の住宅市場への使用は限られている。既存の住宅のドア構造技術は、框及びレールの構造を中心としており、電力システムの統合、電力管理システム又は電気機器の統合はみられなかった。また、電源を統合したフルドアシステムを設置することは、コストが高く、電気技師と総合工事業者との連携が困難である。
【0006】
電気ヒンジ、電力コンバータなどのドアをグリッドに接続する電気システムを通じて、グリッド電力を供給することにより、ドアに電力を供給することが提案されている。このようなシステムでは、特に改造時など、建築(construction)後にドアを設置する場合に、困難な連携が必要となる場合がある。アフターマーケットの設置では、電気技師の作業は、総合工事業者と連携する必要があり、システムをグリッドに接続できるようにするために隣接する壁を開けることが必要になる可能性がある。これらの連携及び設置の困難により、コストが高くなり、設置が必要以上に困難になる可能性がある。
【0007】
したがって、ドア内に配置された再充電可能な電池を自動的に充電するための電池充電システムを備え、電気機器をドアに統合するように設計されたドアが必要となる。これにより、設置の容易性を向上させながら、電気機器を備えたドアアセンブリの性能を向上させ、コストを低減するという改善が可能である。
【発明の概要】
【0008】
本発明の一態様は、電気機器が取り付けられたドアを提供する。前記電気機器は、1つ以上のエネルギーハーベスタシステムによって、及び/又は電源への直接的な接続によって充電される1つ以上の再充電可能な電池によって電力供給される。前記エネルギーハーベスタシステム及び/又は前記有線接続から収集された電力を分配するためのシステムも提供される。
【0009】
本発明の別の態様は、開口部に固定されたドアフレームと、前記ドアフレームに固定されたドアヒンジとを有するドアアセンブリを提供する。
【0010】
本発明の異なる態様の製造方法及び使用方法も提供される。
【0011】
本発明の一部を構成する装置、機器、キット、プロセスなどを含む本発明の他の態様は、以下の例示的な実施形態の詳細な説明を読むことでより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面は、明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成する。図面は、上述の一般的な説明及び以下の例示的な実施形態及び方法の詳細な説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0013】
【
図1】電子機器を部分的に露出させたドアシステムの1つの例示的な実施形態に係る室外ドアアセンブリを示す。
【
図3】送信装置のための様々な位置を有する無線電力伝送システムを含む室外ドアアセンブリを示す。
【
図4】本発明に係る無線電力伝送及び電池充電技術が組み込まれたドアシステムの機能ブロック図である。
【
図5】本発明に係る第1の例示的な太陽エネルギーハーベスタシステムを含む室外ドアアセンブリを示す。
【
図6】本発明に係る第2の例示的な太陽エネルギーハーベスタシステムを含む室外ドアアセンブリを示す。
【
図7】本発明に係る第3の例示的な太陽エネルギーハーベスタシステムを含む室外ドアアセンブリを示す。
【
図8】本発明に係る第4の例示的な太陽エネルギーハーベスタシステムを含む室外ドアアセンブリを示す。
【
図9】本発明に係る第5の例示的な太陽エネルギーハーベスタシステムを含む室外ドアアセンブリを示す。
【
図10】本発明に係る圧電エネルギーハーベスタシステムを含む室外ドアアセンブリを示す。
【
図11】本発明に係る運動エネルギーハーベスタシステムを含む室外ドアアセンブリを示す。
【
図12】複数の外部エネルギーハーベスタ(RF及び太陽)と、システムの電池を再充電できる任意の高電圧AC電源とを備えたシステムを示す。
【
図13】複数のアンテナ/コイルが使用され、ドアの角部に位置する実施形態を示す。
【
図14】アンテナ/コイルが框の開口部に位置する実施形態を示す。
【
図15】大きなアンテナ/コイルがドアのほぼ中央に位置する実施形態を示す。
【
図16】システムのエネルギーフローの詳細を示す。
【
図17】電力管理ロジックを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面に示される例示的な実施形態及び例示的な方法を詳細に参照するが、図面全体を通じて同様の参照符号は、同様の部分又は対応する部分を示す。しかしながら、本発明は、そのより広範な態様において、例示的な実施形態及び例示的な方法に関連して示し説明した特定の詳細、代表的な材料及び方法、及び例示的な実施例に必ずしも限定されないことに留意されたい。
【0015】
例示的な実施形態のこの説明は、添付図面と併せて読まれることを意図しており、添付図面は、明細書全体の一部とみなされるものとする。本明細書において、「水平」、「垂直」、「前」、「後」、「上」、「下」、「上部」、「下部」などの相対的な用語及びそれらの派生語(例えば、「水平方向に」、「垂直方向に」、「下方に」、「上方に」など)は、その時点で説明されている配向又は議論中の図面に示されている配向及び車体に対する配向を指すものと解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、説明の便宜上のものであり、通常、特定の配向を要求することを意図したものではない。「接続された」及び「相互接続された」などの取り付け、結合などに関する用語は、特に明記されていない限り、構造が直接的に、又は介在する構造を介して間接的に互いに保持されるか又は取り付けられている関係、及び移動可能又は剛体の取り付け又は関係の両方を指す。用語「動作可能に接続された」は、その関係によって、関連する構造が意図したとおりに動作できるようにする取り付け、結合又は接続を指す。用語「統合」(又は「一体」)は、単一の要素として構成された要素、又は互いに固定的に(即ち、移動不能に)接続された別個の部品から構成された要素を指す。更に、特許請求の範囲で使用される用語「a」及び「an」は、「少なくとも1つ(at least one)」を意味し、特許請求の範囲で使用される用語「2つ」は、「少なくとも2つ」を意味する。本明細書で「電池」が使用される場合、上記「電池」は、代わりにコンデンサで置き換えられ得ることが理解される。
【0016】
図1は、プレハングドアなどの、本発明の1つの例示的な実施形態に係るドアアセンブリ10を示す。ドアアセンブリ10は、従来のヒンジ付きの住宅用ドアアセンブリであり、ドアアセンブリ10は、住宅又は商業用、例えば、家、アパート、車庫、集合住宅、ホテル、オフィスビル用の建物に提供される室外又は室内のドアアセンブリであってもよいことを理解されたい。ドアアセンブリ10は、木材、金属、木材複合材料、ガラス繊維強化ポリマー複合材料などの任意の適切な材料で構成されてもよい。ドアアセンブリ10は、実質的に矩形状のフレームアセンブリ12と、2つのリーフを含む「背出しヒンジ」などの少なくとも1つのヒンジ16
1によって、枢動可能に取り付けられたドア14とを含む。
【0017】
フレームアセンブリ12は、平行で離間し垂直方向に延びる第1縦枠部材121及び第2縦枠部材122と、第1縦枠部材121及び第2縦枠部材122の上端を接続する、水平方向に延びる上枠部材又はヘッダ12cとを含む。当業者であれば、縦枠部材121、122の下端は、下枠12tを介して相互接続されていてもよいことを認識できる。
【0018】
少なくとも1つのヒンジ16
1は、ドア14を第1縦枠部材12
1に枢動可能に取り付けられる。典型的には、少なくとも2つのヒンジ16
1、16
2は、ドア14を第1縦枠部材12
1に保持する(secure)ために設けられる。好ましくは、
図1に最もよく示されるように、3つのヒンジ16
1、16
2、16
3は、ドア14をフレームアセンブリ12に保持するために使用される。以下の議論では、簡単のため、ヒンジのグループ全体を示すために下付き数字のない参照符号16を使用する場合がある。例えば、ヒンジ16
1、16
2、16
3と総称する場合には、参照符号16を使用する場合がある。
【0019】
ドア14は、矩形状の内部ドアフレーム20と、第1(又は室外)ドアスキン(又は表面)23と、内部ドアフレーム20の反対側に保持された第2(又は室内)ドアスキン(又は表面)24とを含む。第1ドアスキン23及び第2ドアスキン24は、互いに別個に形成されている。ドアスキン23、24は、内部ドアフレーム20が第1ドアスキン23と第2ドアスキン24との間に挟まれるように、内部ドアフレーム20の適切なコア及び/又は反対側に、例えば、典型的に接着して保持される。典型的に、第1ドアスキン23及び第2ドアスキン24は、シートモールディングコンパウンド(SMC)又は中密度繊維板(MDF)などのポリマー系複合材料、他の木質複合材料、ガラス繊維などの繊維強化ポリマー、ハードボード、繊維板、スチール及び他の熱可塑性材料で製造される。ドア14は、ヒンジ16によって内部ドアフレーム20に固定されたヒンジ側14Hと、水平方向に反対のラッチ側14Lとを有する。
【0020】
内部ドアフレーム20は、典型的には木材又は集成材、例えば単板積層材(LVL)から製造された、それぞれ平行に離間し水平方向に延びる一対の上部レール211及び下部レール222と、それぞれ平行に離間し垂直方向に延びる一対の第1框221及び第2框222とを有する。上部レール211及び下部レール212は、第1框221と第2框222との間に水平方向に延びている。また、上部レール211及び下部レール212は、接着剤又は機械的留め具などによって第1框221及び第2框222にしっかりと保持されてもよい。内部ドアフレーム20は、中間レールを更に含んでもよい。中間レールは、水平方向に延びており、それぞれ、上部レール211及び下部レール212から離間し、また、典型的には、木材又は集成材、例えば単板積層材(LVL)から製造される。更に、中間レールは、第1框221及び第2框222にしっかりと保持されてもよい。ヒンジ16は、内部ドアフレーム20のヒンジ框を画定する第1框221に保持される。
【0021】
内部ドアフレーム20と、典型的なドアの第1ドアスキン23及び第2ドアスキン24とは、内部空洞15を取り囲んでおり、内部空洞15は、中空であってもよく、必要に応じて、例えば波形パッド、発泡断熱材、又は他のコア材料で満たされてもよい。これにより、ドア14は、第1ドアスキン23と第2ドアスキン24との間の内部ドアフレーム20内に配置されたコアを含んでもよい。コアは、ポリウレタンフォーム材料、セルロース系材料及びバインダ樹脂、波形パッドなどの発泡断熱材から形成されてもよい。第1ドアスキン23及び第2ドアスキン24は、典型的には同一の外観を有しており、平坦であってもよく、面一であってもよく、1つ以上のパネル化部分を有してもよい。
【0022】
本発明の例示的な実施形態に係るドアアセンブリ10は、ドア14に固定され(mounted)、場合によっては、ドアアセンブリ10の内部ドアフレーム20にも固定されて、電子アクセス制御、ドア状態フィードバック、エントリーカメラ及び音声/映像通信などの機能を提供する多数の電気機器(部品)を含む。具体的には、ドアアセンブリ10に固定されてもよい電気機器は、
図1に最もよく示すように、ドアベル36
1、デジタルカメラ36
2、及び下枠LEDライト36
3を含むが、これらに限定されない。下枠LEDライト36
3は、許可された人が認識された場合又は、ある人がドア14に近づいた場合に点灯してもよい。電気機器36
1~36
3は、典型的には、低電圧DC電力(例えば、5ボルト(V)、12ボルト、24ボルト又は他の必要な電圧)によって動作する低電圧DC電気機器である。ドアに固定され、電子アクセス制御、ドア状態フィードバック、エントリーカメラ及び通信などの機能を提供する多数の電気機器が市販されているため、ドアアセンブリ10は、他の電気機器を含んでもよいことを理解されたい。以下の議論では、簡単のため、電気機器のグループ全体を示すために下付き数字のない参照符号を使用する場合がある。例えば、電気機器36
1~36
3を総称する場合には、参照符号36を使用する場合がある。
【0023】
低電圧直流電流(DC)は、50ボルト(V)以下として本分野で知られている。共通の低電圧は、5V、12V、24V、48Vである。低電圧は、通常、ドアベル、車庫ドアオープナーコントロール、冷暖房サーモスタット、アラームシステムセンサ及びコントロール、屋外地上照明、家庭用及び自動車用電池に使用される。低電圧(電源が正常に動作している場合)は、接触による衝撃を与えない。しかしながら、高電流、低電圧短絡回路(自動車用電池)は、アークフラッシュを引き起こし、焼損する可能性がある。
【0024】
ドアアセンブリ10は、ドア14に固定された電動ドアラッチ/ロック30を含んでもよい。
図1に最もよく示すように、電動ドアラッチ/ロック30は、伸縮位置間を移動可能な電動中央ラッチボルトを含む。
図1に最もよく示すように、電動ドアラッチ/ロック30は、ドア14のラッチ側14Lに固定される。具体的には、電動ドアラッチ/ロック30は、内部ドアフレーム20のラッチ框を画定する第2框22
2に固定される。電動ドアラッチ/ロック30は、好ましくは、低電圧DC電力で動作する。電動ドアラッチ/ロック30は、照明付きドアノブ32及び/又は照明付き鍵穴を有してもよい。
【0025】
図1に示すように、ドアアセンブリ10は、ドアフレーム20の框のうちの1つ(例えば、第2框22
2)内にスライドする一次電池(又は電池パック)40を更に含む。なお、Iは、一次電池40が框22
2に位置する場合を示しているが、一次電池40は、ドア14内の区画内に組み込まれてもよい。一次電池40は、DC配電ブロック42に電気的に接続される。一次電池40は、低い公称電圧(5ボルト(V)、24ボルト、又は他の必要な電圧など)を有する。ドアアセンブリ10の電気部品36は、電動ドアラッチ/ロック30及び電気機器36
1~36
3のための主電源としての一次電池40の電力によって電力供給され、動作する。一次電池40は、低電圧DC電力によって充電される再充電可能な電池(又は1つ以上の電池パック)である。低電圧DC電力は、配電ブロック42から、ドア14に固定された電動ドアラッチ/ロック30及び電気機器36
1~36
3に供給される。
【0026】
複数の電線45は、低電圧配電ブロック42を電動ドアラッチ/ロック30及び電気機器361~363に電気的に接続することにより、電動ドアラッチ/ロック30及び電気機器361~363を一次電池40に電気的に接続する。或いは、電気コネクタは、電気機器361~363が電気コネクタに単純に挿入して差し込むことができるように、ドア14の所望の位置に予め固定されてもよい。電気部品のフランジの位置に対する標準的なフランジのサイズ及び差し込みの位置は、供給者がドア14に差し込みやすい電気機器を供給できるように設定されていてもよい。
【0027】
図1に示すように、ドアアセンブリ10のドア14は、モーションセンサ(又はモーション検出器)、近接センサ、光センサなどの1つ以上のセンサからの入力を受信し、電気機器36
1~36
3、電動ドアラッチ/ロック30、及び家の所有者に命令を送信するようにプログラムされるように構成された中央電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)(又は電力管理コントローラ)48を更に含む。ECU48は、好ましくは、ECUの動作、及び、電気機器36及び関連するセンサ(存在する場合)との相互作用を保証するのに適したファームウェア及び/又は関連するソフトウェアを有する電子コントローラである。中央ECU48は、電動ドアラッチ/ロック30及び電気機器36
1~36
3を制御する。したがって、中央ECU48は、データリンク44
1、44
2、44
3、及び44Lを含む通信バス(CAN、イーサネット(登録商標)、シリアルなど)を介して、電動ドアラッチ/ロック30及び電気機器36
1~36
3と通信する。
【0028】
ドアアセンブリ10は、例えば、無線電力伝送システム50によって無線充電するための一次電池40を含む。
図1は、一次電池40を示しているが、特定の実施形態では、後述するように、システムを動作させるために電力が継続的に利用できることを保証するように、蓄電池300を含むことが望ましい。一般的に、無線電力伝送システム50は、
図2に最もよく示すように、電力送信装置(又は電力送信機)52と、電力送信機52に動作可能に接続された送信アンテナ(又は送信結合装置)54と、受信アンテナ(又は受信結合装置)56と、結合装置56に動作可能に接続された電力受信装置(又は電力受信機)58とを含む。電力受信機58は、一次電池40に動作可能に接続される。電力送信機52及び送信アンテナ54装置は、集合的に送信機アセンブリ500と呼ばれる。受信アンテナ56及び電力受信機58は、本明細書では、集合的に受信機アセンブリ501と呼ばれる。
【0029】
結合装置56、電力受信機58及び一次電池40は、好ましくは、ドアアセンブリ10のドア14内に配置され、電力送信機52及び送信結合装置54は、ドア14の外部に配置され、ドア14から離間しており、ドアアセンブリ10と直接的で物理的に接触しない。
【0030】
電力送信機52は、安定した(高電圧AC(110(又は120)V ACなど)など)又はDC電力電源60に電気的に接続される。好ましくは、電源60は、住宅又は商業用の建物に典型的にみられる壁コンセントによって電力が供給される。電力送信機52は、電源60からの高電圧AC電力を時変電磁場に変換する。送信結合装置54と受信結合装置56とは、協働して、時変電磁場を電力受信機58に伝送する。次に、電力受信機58は、時変電磁場を受信してDC電流に変換し、一次電池40を直接的又は間接的に充電することに使用される。
【0031】
電力送信機52では、入力された高電圧AC電力は、送信結合装置54などの「アンテナ」(結合装置)によって振動電磁場に変換される。本明細書で使用される用語「アンテナ」(又は結合装置)は、磁場を生成する配線のコイル、電場を生成する金属板、電波を放射するアンテナ、又は光を生成するレーザであってもよい。電力受信機58の同様のアンテナ又は結合装置56は、振動電磁場を受信して電流に変換する。波の種類を決定する1つのパラメータは、波長を決定する周波数である。
【0032】
無線電力伝送システム50の実装には、誘導結合(磁場によるコイル間の電磁誘導を使用した電気エネルギーの伝送)、共振誘導結合(1つが送信機にあり、もう1つが受信機にある2つの共振回路(同調回路)間の磁場によって電力が伝送される誘導結合の形態)、容量結合(電力の伝送のための静電容量を形成する2つの電極(アノードとカソード)間の電力の伝送のための電場を使用した電気エネルギーの伝送)、磁気力学的結合(1つが送信機にあり、もう1つが受信機にある、電機子(armatures)上の磁石によって生成される磁場によって互いに結合され、同期して回転する2つの電機子間の電気エネルギーの伝送)、マイクロ波(典型的にはマイクロ波範囲にある、電磁放射の短波長を有する電波を介した電気エネルギーの伝送)、及び光波(太陽と赤外線)などのいくつかの手法を使用することができる。無線電力伝送には、電波の使用が最も好ましく、次に赤外線(IR)の使用が続く。
【0033】
1つの技術では、電力送信機52は、無線周波数(RF)電力信号を生成し、送信アンテナ54及び受信アンテナ56を介して、RF電力信号を電力受信機58に伝送する。電力受信機58は、入力されたRF電力信号を受信して充電電流、好ましくはDCに変換することにより、変換した充電電流を一次電池40に入力する。以上のプロセスにより、一次電池40は、直接的又は間接的に充電することができる。ここで、RF電力信号は、送信電力充電信号を定義する。
【0034】
本発明によれば、
図3に最もよく示すように、電力送信機52は、以下の場所を含むがこれらに限定されない、ドアアセンブリ10から離れた1つ以上の位置に設置されてもよい。
【0035】
ドアアセンブリ10の近傍に位置する光スイッチジャンクションボックス621の場合、電力送信機52及び送信アンテナ54は、電力送信機52及び送信アンテナ54が組み込まれた状態で組み立てられた、例えば建物の壁などの光スイッチの内側に固定される。
【0036】
ドアアセンブリ10の近傍に位置する電気取出口622の場合、電力送信機52及び送信アンテナ54は、電力送信機52及び送信アンテナ54が組み込まれた状態で製造された電気取出口622の内側に固定される。
【0037】
ドアアセンブリ10の近傍に位置する電球用ソケット623の場合、電力送信機52及び送信アンテナ54は、電球用ソケット623に組み込まれる。
【0038】
外部レセプタクルプラグ送信機624の場合、電力送信機52及び送信アンテナ54は、電気取出口64に差し込まれる外部レセプタクル-プラグ送信機624に組み込まれる。
【0039】
ドアベル電力送信機625の場合、電力送信機52及び送信アンテナ54は、既存のドアベル配線に取り付けられる(attached)。
【0040】
受信アンテナ56は、ドア14のドアスキン23又は24に埋め込まれるか又は取り付けられることができ、これにより、受信アンテナ56のサイズ及び形状に大きな柔軟性を持たせることができる。好ましくは、受信アンテナ56は、ドアスキン23若しくは24に接着して取り付けられるか、又は、ドアスキン23若しくは24と框22
2若しくはドアフレーム20との間に挟まれているか、又は、ドアスキンとドアの発泡中間部との間に挟まれている。アンテナ56は、ドアスキン23又は24に取り付けられるとき、ドアスキン23又は24のドアの内部に面する表面に取り付けられ、そのため、ドア14の外部からは見えない。
図13~
図15は、ドア14内の受信アンテナ56の異なる例示的な実施形態を示す。アンテナ56は、平面アンテナであってもよく、コイルであってもよい。しかしながら、本発明は、これらの例示的な実施形態に限定されるものではない。
【0041】
図13に示すように、受信アンテナ56は、それぞれがドア14の角部に近接して位置する4つの異なるサブアンテナ56
1~46
4を含む。
図13には、4つの異なるサブアンテナが示されているが、任意の数が使用されてもよい。サブアンテナ56
1~46
4は、互いに接続され、例えば、リボンケーブル204によって電力受信機58に接続される。電力受信機は、好ましくは、ドア14の框22
1及び22
2のうちの1つの開口部206に位置する。開口部206は、好ましくは、電力受信機58にアクセスできるように取り外し可能であるカバー208によって覆われている。各サブアンテナの位置が異なることで、電力の収集効率が向上する。一般的に、捕捉可能なRF電力量は、電波が送信アンテナ54から受信アンテナ56まで進行する距離に比例する。したがって、直接経路は、壁で跳ね返って受信機に向かう電波と比較して、より多くのエネルギーを捕捉することができる。製造時には、家のレイアウト及びドア14の設置場所が分からないため、送信機が受信アンテナに対してどこに位置するかは、一般的に分からない。最良の性能を得るには、送信アンテナ54と受信アンテナ56が互いに見通し内にある必要がある。したがって、ドア14上の異なる位置に複数のサブアンテナを有することにより、送信アンテナ54をどこに配置できるかについての柔軟性が可能になる。
【0042】
図14に示すように、電力受信アンテナ56及び電力受信機58は、両方とも、ドア14の框22
1及び22
2のうちの1つの開口部206内に位置する。受信アンテナ56は、例えば、リボンケーブル204によって電力受信機58に接続される。開口部は、好ましくは、受信アンテナ56及び電力受信機58にアクセスできるように取り外し可能なカバー208によって覆われている。
【0043】
図15に示すように、受信アンテナ56は、ドアスキン23(又は24)のほぼ中央に取り付けられ、例えば、リボンケーブル204を介して電力受信機58に接続される。この位置により、アンテナ56を非常に大きくすることができる。電力受信機58は、框22
1(又は22
2)の開口部206の内側に位置する。カバー208は、開口部206を覆い、電力受信機58にアクセスできるように取り外し可能である。第2の例示的な実施形態に係るドアアセンブリ10は、一次電池40を最終的に充電するための外部エネルギーハーベスタシステム66の形態の無線電力伝送システムを含む。一般的に、外部エネルギーハーベスタシステム66は、
図4に最もよく示すように、1つ以上の外部エネルギー源からエネルギーを収集(harvesting)(即ち、採集(gathering))して、最終的にドア14の一次電池40を充電することに基づく。外部エネルギーハーベスタ66及びエネルギーハーベスティング(電力ハーベスティング又はエネルギースカベンジング又は周囲電力としても知られている)は、一般的に、環境内に存在するエネルギー、又は、外部エネルギー源から得られるエネルギー(例えば、周囲エネルギーとしても知られている太陽エネルギー、熱エネルギー、風力エネルギー、RFエネルギー、塩分濃度差、及び低周波励起又は回転などの運動エネルギー)を、通常、その後の電池への蓄積のために周囲エネルギーを電気に変換することによって、収集及び蓄積するための装置及びプロセス又は方法を指す。外部エネルギー源は、配線によってドア14又はドアアセンブリ10に直接的に送達されない、電磁放射又は機械的エネルギーなどのエネルギー源である。典型的に、周囲エネルギーは、捕捉されて小型の無線自律機器に蓄積される。通常、エネルギーハーベスタは、低エネルギー電子機器に非常に少量の電力を供給する。一部のエネルギーハーベスタのエネルギー源は、周囲環境に自然に存在するが、他のエネルギーハーベスタのエネルギー源は、意図的に生成される(即ち、特定用途向け)。外部エネルギー源が利用されて電気エネルギーに変換され、最終的に一次電池40を充電する。
【0044】
ドア14の一次電池40を充電するために収集可能な外部エネルギー源は、いくつかある。全てのドアの設置(installation)が独特であるため、エネルギーハーベスタシステム66には、収集されるエネルギーのタイプに固有の独立したハーベスタが装備されている。各ハーベスタシステム66は、plug-n-play・インタフェース74
1~74
4を有しており、plug-n-play・インタフェース74
1~74
4は、様々な外部エネルギー源がエネルギーハーベスタシステム66によって容易に収集されることが可能になり、かつ
図4に示すように、ドア14のplug-n-play・インタフェース41に接続されて、最終的に電池充電器43を介して一次電池40を充電するように構成される。plug-n-play・インタフェース41は、ドア14に位置し、エネルギーハーベスタシステム66のplug-n-play・インタフェース74を差し込むための電気コネクタを含む。ドア14上のplug-n-play・インタフェース41、74及びハーベエステルシステム66は、異なるエネルギー源をシステムから迅速に追加及び削除することを可能にする。ドアアセンブリ10の各設置は独特であり、全ての外部エネルギー源が利用可能であるとは限らない。例えば、一部のドアアセンブリは、直射日光の当たらない場所に設置される場合がある。このシナリオでは、太陽エネルギーハーベスタシステム66
2は、不要である。現場で異なる永久のエネルギー源に更新できるため、その特定の設置に適切なタイプのエネルギーを柔軟に収集することができる。ドアの製造プロセス中にどのようなタイプの外部エネルギー源が存在するかを予測することは、困難である。これにより、システムを現場で迅速にカスタマイズして、最大限のエネルギーを収集することを可能にする。
【0045】
エネルギーハーベスタシステム66のplug-n-play・インタフェース74がドア14上のplug-n-play・インタフェース41に差し込まれる場合、エネルギーハーベスタシステム66は、ドア14に電気的に接続される。
図4では、参照符号66
1~66
3は、それぞれ、RF及び磁波(magnetic wave)エネルギーハーベスタシステム、太陽エネルギーハーベスタシステム、及び機械的エネルギーハーベスタシステムを指す。参照符号66
4は、任意の他の使用可能なエネルギーハーベスティングシステムを指す。ドア14上のplug-n-play・インタフェース41は、好ましくは、エネルギーハーベスタシステム66のplug-n-play・インタフェース74に嵌合する複数の電気コネクタを含む。更に、ドア14上のplug-n-play・インタフェース41は、高電圧AC電源60に直接有線接続するための電気的接続に嵌合するための1つ以上のコネクタを含んでもよい。
図4に示すように、ドア14は、再充電可能な蓄電池300も含む。電池が放電と充電を同時に行うことができないため、蓄電池300は、充電器43を介して一次電池40を充電し、一次電池40が再充電される必要がある場合、システム(ECU48、スマートロック30及び電気機器36)に電力を供給する。一次電池40がシステムを動作させるのに十分な電力を有する場合、蓄電池300は、充電器304を介してエネルギーハーベスタシステム66により充電される。蓄電池300は、収集されたエネルギーを蓄積する。様々な外部エネルギー源が安定した電力送達を有していない可能性があるため、蓄電池300は、利用可能となる度にそのエネルギーを蓄積する必要がある。蓄電池300は、一次電池40を複数回、好ましくは2回以上充電することができるように、大量のエネルギーを蓄積する大容量を有するべきである。一次電池40が充電される必要がある場合、蓄電池300は、一次電池を再充電しながら、システムに電力を供給するためにも使用される。蓄電池300が一次電池40を充電するために使用されている場合、電池が放電と充電を同時に行うことができないため、ハーベスタシステムも無効になり、そのため、蓄電池300の充電は、利用できなくなる。充電器43及び304は、それぞれ、電池40及び300を充電するために使用される。電池充電器は、取り付けられた電池の充放電を制御する。また、充電器43及び304は、それぞれの電池40及び300の充電及び充電状態をECU48に提供する。また、充電器43及び304は、過電流/不足電流、過電圧/不足電圧、過充電/深放電、及び極端な温度(熱すぎる、冷たすぎる)の防止を含むが、これらに限定されない電池保護機能を含む。一次電池40及び蓄電池300の充電の動作の詳細については後述する。
【0046】
次に、一次電池40は、システムの実行に必要な電力を調整する電力出力調整器308を介して、ECU48、電動ドアラッチ/ロック30、及び電気機器36に接続される。ドア114上の電気機器36に電力を供給するために必要な電力は、出力電力制御(ECU)48によって制御される。利用可能な外部エネルギー源によっては、全てのハーベスタ66がドア14に設置されるわけではない。例えば、太陽光が限られたドアを有する家には、太陽エネルギーハーベスタが設置されていない場合がある。ECU48は、plug-n-play・インタフェース41及び74上の信号を介して、特定のエネルギーハーベスタ66が設置されているか否かを自動的に検出することができる。各エネルギーハーベスタ66は、専用の電力調整器67と、そのタイプの収集されたエネルギーに固有のエネルギー捕捉回路(即ち、ハーベスタ68)を備える。エネルギーハーベスタシステム66は、複数のエネルギー源を同時に収集することも可能である[どのように?]。各エネルギー源が常に存在するわけではないか、或いは、同じレベルのエネルギーが常に存在するとは限らないため(即ち、曇っている可能性があるため、収集される太陽エネルギーが少なくなる可能性がある)、これらの機能により、システムが利用可能なエネルギーに適応することができる。これらのエネルギーハーベスタ66のうちのいくつかは、ドア14に電力を供給したり、ドア14の電池(300及び/又は40)を再充電したりするのに十分なエネルギーを確実に生成するために併用されてもよい。収集できる様々なエネルギーは、
図4及び
図12に最もよく示すように、以下を含むが、これらに限定されない。
【0047】
自然に存在する周囲放射線源(RF(無線周波数)エネルギーハーベスティング)の場合、エネルギーは、電波を送信する送信機から得られる。例えば、家のWi-Fi(登録商標)システムは、収集されてエネルギー源として使用できる電波を送信する。RF及び電磁波エネルギーハーベスタシステム661は、蓄電池300に電気的に接続されたエネルギーハーベスタ681を含む。
【0048】
電波又は電磁波は、ドア14に意図的に送達されてもよい。このような例は、
図2に示されており、上で説明されている。高電圧AC電源60からの電力は、例えば、以下及び
図2及び
図12で説明するように、RF及び/又は電磁エネルギーを介して、ドア14に送達されてもよい。
【0049】
光起電力(太陽エネルギー)の場合、ドア14には、太陽エネルギーハーベスタシステム662が設けられ、太陽エネルギーハーベスタシステム662は、ドア14の外面スキン又はドア14に隣接して、例えば壁に隣接して、組み込まれた1つ以上の太陽パネル70の形態の太陽ハーベスタ682を含む。
【0050】
機械的エネルギーハーベスタシステム663の場合、1つ以上の圧電/磁気ハーベスタ683の圧電材料に対するドア閉鎖の機械的歪みは、蓄電池300(及び間接的には、一次電池40)を充電するための電力を生成することに使用することができる。圧電ハーベスタ683は、1つ以上のヒンジ16内又はドア14の内側に組み込まれてもよく、蓄電池300に接続されてもよい。或いは、ドア14を強く閉めるときの振動エネルギー若しくは運動エネルギー、又は家の中でみられる他の自然振動は、収集されて、エネルギーを生成することもできる。
【0051】
或いは、機械的エネルギーハーベスタ663は、電磁誘導(又は運動エネルギー)を利用してエネルギーを収集することができ、電力は、変動磁場によって生成することができる。変動磁場は、ドア14の開閉時の回転によって生成することができる。或いは、変動磁場は、ドアを強く閉めるときの振動又は家の中でみられるその他の自然振動によって生成することができる。1つ以上の電磁誘導装置は、電力を生成して蓄電池300を充電することに使用することができる。
【0052】
エネルギーハーベスタ68に加えて、エネルギーハーベスタシステム66のそれぞれは、エネルギーハーベスタ68とplug-n-play・インタフェースとの間に位置する電力調整器67も含む(
図4及び
図16を参照)。可能な限り多くのエネルギーを収集する最も効率的な方法は、外部エネルギー源の各タイプのために別個のエネルギーハーベスタ68と電力調整器67を設け、そして、各独立した電力調整器67の後で収集したエネルギーを結合することである。電力調整器67は、1)収集された電力を効果的に蓄積できるように調整する機能、2)負荷特性を調整してハーベスタシステムのエネルギー伝達を最適化する機能、及び3)出力電圧及び電流を調整する機能を実行するが、これらに限定されない。多くのハーベスタシステム、特に、太陽の利点は、最大電力点追跡(MPPT:Maximum Power Point Tracking)と呼ばれるプロセス又は同様の技術から得られる。このため、通常は、使用されている特定の供給源から最も効率的にエネルギーを収集するようにエネルギーハーベスタシステム66を調整することが最も効率的である。同様に、2つの全く異なる起源(sources)から収集するようにエネルギーハーベスタシステム66を調整しようとすると、単に、2つの別個のエネルギー処理パイプラインを使用した同様のシステムと比較して、システムの動作は大幅に最適化されないという結果を引き起こす。特定のソースから収集する場合、小さな電圧のみが誘導されてもよく、場合によっては、0.5Vをはるかに下回る。そのため、ほとんどの最新のトランジスタ技術は、0.7V以上の電圧差でのみ機能し、これは、特定のエネルギー源を効率的に収集するために、低入力電圧で機能することを意図するカスタム部品を選択しなければならないことを意味する。したがって、収集されるエネルギー源に合わせて特別に選択された部品を使用することが重要である。また、電力調整器67は、収集されたエネルギーから直接的に電力供給されるのではなく、ドアシステム(即ち、一次電池40又は蓄電池300)から電力供給されて、特定の集積回路(IC)が正しく起動できるようにすることもできる。特定のICは、入力が通常の動作電圧まで更に低下する前に、機能を開始するために最小入力電圧を必要とする。例えば、チップは、0.2Vの入力で動作するように定格されている場合があるが、機能を開始するために2.6Vの起動電圧を必要とする場合がある。これは、設計が0.5Vを生成することしかできなければ、チップを起動に必要な2.6Vにさせることができる他の回路が必要になり、そうしないと、チップが機能し始めることはないことを意味する。ドアシステムが電力調整器67に電力を供給することにより、システムの低コスト化を可能にする、より一般的な利用可能な調整器を使用することができる。収集されたエネルギーから電力調整器67に直接的に電力を供給するためには、起動電圧が極めて低いカスタム電力調整器を使用する必要がある場合があり、これによりシステムのコストが増加する可能性がある。特定の実施形態では、電力調整器67は、必要がない場合、エネルギーを消費しないようにオフにするか、又はスリープモードにすることができる。例えば、太陽エネルギーハーベスタシステム66
2の電力調整器67
2は、収集される太陽エネルギーがない場合、任意のエネルギーを消費しないために、夜間にオンになるようにECUにより制御されてもよい。
【0053】
ドアアセンブリ10
1は、
図5に最もよく示すように、太陽ハーベスタ68
2として太陽パネル70
1を含む。太陽パネル70
1は、ドア14
1の外面スキン23に組み込まれている。太陽パネル70
1は、ドア14
1内に配置されており、
図5に最もよく示すように、ドア14
1の外側から視認可能なように、外面スキン23と直交して配向される。これにより、太陽パネル70
1は、周囲の太陽放射に曝され、本分野で周知のように電気エネルギーに変換される。太陽パネルは、様々なサイズとエネルギー出力で利用可能である。
【0054】
図6に示すドアアセンブリ10
2では、太陽パネル70
1は、太陽パネル70
2によって置き換えられる。太陽パネル70
2は、
図6に最もよく示すように、ドア114
2の外側から見えるようにドア14
2に固定される。ドア14
2は、垂直方向にスライドして、退避位置にあるときに太陽パネル70
2を露出させ、上昇位置にあるときに太陽パネル70
2を遮蔽するドアパネル71を更に含む。ドアパネル71は、損傷を引き起こす可能性のある過酷な環境(雨、雹、飛来する破片、及び極端な温度)から太陽パネル70
2を保護するために、上昇してもよい。ドアパネル71は、例えば、ECU48によって制御されて昇降可能であってもよい。更に、太陽光が検出されないときにドアパネル71を上昇させることもでき、これにより、太陽パネル70が使用されていないときにドアの美観(aesthetics)を向上させることができる。例えば、光センサは、利用可能な太陽光を検出し、太陽光が利用可能な場合にドアパネル71を開く。ドアパネル71は、好ましくは、電動式であり、家の所有者によって、例えば、アプリを介して起動することができ、又はドア14に位置するセンサによって起動することができる。
【0055】
図7に示すドアアセンブリ10
3では、太陽パネル70
1は、太陽パネル70
3によって置き換えられる。太陽パネル70
3は、ドア14
3の外面スキン23の底部に固定され、それにより、
図7に最もよく示すように、ドア14
3の外側から視認可能となっている。この位置では、太陽パネル70は、ドアに共通の特徴である蹴板として見えるので、ドア全体の美観に悪影響を及ぼす可能性を抑える。パネルは、硬化したパネルなどの材料で構成され、過酷な環境から保護されてもよい。
【0056】
図8に示すドアアセンブリ10
4では、太陽パネル70
1は、太陽パネル70
4によって置き換えられる。太陽パネル70
4は、
図8に示すように、ウェルカムマットなどのドア14の前方に配置される。太陽パネル70
4は、plug-n-play・インタフェース41に差し込まれるケーブルによってドア14に接続されてもよい。太陽パネルが捕捉できるエネルギーの量は、太陽パネルの表面積に比例する。パネルが大きいほど、より多くのエネルギーを捕捉することができる。したがって、太陽パネルのサイズは、システムのエネルギー消費に依存する。しかしながら、その考慮は、美観と更なる電力との間のトレードオフであると考えられる必要がある。或いは、太陽パネル70
4は、圧電板がマットに埋め込まれたウェルカムマットによって置き換えられてもよい。この実施形態では、マットは、圧電エネルギーハーベスタとして機能しており、ユーザがマットを踏むたびにエネルギーが生成される。
【0057】
図9に示すドアアセンブリ10
5では、太陽パネル70
1は、ドアライト(door lite)78を覆うために設けられた太陽パネル70
5によって置き換えられる。太陽パネル70
5は、
図9に示すように、ドア14
5の外側から見えるように、ドア14
5に固定される。太陽パネル70
5は、複数の個別のブラインドスラット72によって画定され、各スラットは、個別の光起電力(PV)モジュールによって覆われている。ウィンドウブラインドを形成する太陽パネル70
5は、垂直方向にスライドして、ドアライト78を開閉する。ウィンドウブラインドは、好ましくは、ドア内のスペースを節約するために互いに折り畳まれる。光起電力(PV)モジュールは、それぞれ、太陽エネルギーを電気に変換する。光起電力(PV)モジュールは、相互接続され、適当な配線を介して電力調整器67
1に集合的に接続される。ブラインドは、自動及び手動で開閉可能である。これは、ドアアセンブリ10
5に位置するセンサを使用できるECU48によって制御されてもよい。クラウド/アプリから受信された命令も、ブラインドの開閉をトリガしてもよい。
【0058】
図10は、ドア14内に配置された圧電ハーベスタ68
3を含む例示的な圧電エネルギーハーベスタシステム66
3を示す。圧電ハーベスタ68
3は、固定された剛性支持体82に保持された可撓性の片持ち梁80と、可撓性の片持ち梁80の前面及び後面に保持された前後の圧電板84と、片持ち梁80の自由遠位端に保持されたプルーフマス86とを含む。ドア14の開閉時には、プルーフマス86は、固定された剛性支持体82に対して移動し、可撓性の片持ち梁80及び圧電板84を変形させる。圧電板84は、変形すると、蓄電池300を再充電するために使用される電流を生成する。
【0059】
図11は、ドア14内に配置された運動エネルギーハーベスタ68
4を含む例示的な運動エネルギーハーベスタシステム66
4を示す。運動エネルギーハーベスタ68
4は、長尺状(例えば円筒状)のケーシング90と、ケーシング90の対向する遠位端のうちの1つに固定された電磁コイル92と、電磁コイル92に対して直線的に移動可能な磁石94とを含む。また、磁石94は、コイルスプリング96によって電磁コイル92に向かって弾性的に付勢される。ドア14の開閉時には、プルーフマス86が、固定された剛性支持体82に対して移動し、磁石94がケーシング90内で電磁コイル92に対して直線的にスライドすることにより、電磁コイル92に電流が発生し、この電流が蓄電池300を介して一次電池40を再充電することに使用される。
【0060】
したがって、本発明に係るドアアセンブリは、常時存在する有線の外部電源を必要としないため、家の所有者又はユーザにとって、より安価であり、より容易に設置される(電気技師が不要である)。また、本発明のドアアセンブリは、ユーザがドア又は周辺機器の電池を再充電するために、手動操作のみに頼らなければならないという問題も解決する。また、外部無線エネルギー源(利用可能な電力は不安定で予測不可能である)を使用してドアに完全に電力を供給しようとする代わりに、本発明の無線電力システムは、電池をゆっくりと充電する。このため、本発明の無線電力伝送システムは、短時間に大量の電力を伝送する必要がなく、それにより、伝送アセンブリ500をコンパクトにすることができる。plug-n-play・インタフェースの便利な設置のオプションにより、本発明の無線電力システムを現場で容易に構成し、熟練していない個人によって設置することができる。
【0061】
好ましくは、蓄電池300は、オンデマンド高電圧AC電源60(直接有線接続)、太陽エネルギーハーベスタシステム662、電波又は磁波エネルギーハーベスタシステム661、機械的エネルギーハーベスタシステム663、又はそれらの組み合わせを含む1つ以上のエネルギー源によって充電することができる。この構成では、上述した異なる実施形態を組み合わせて、蓄電池300(ひいては一次電池40)を再充電する。例えば、蓄電池300は、外部高電圧AC電源60(オンデマンド有線接続)及び太陽エネルギーハーベスタ662によって充電されてもよく、太陽エネルギーハーベスタ662、機械的エネルギーハーベスタシステム663、及び外部高電圧AC電源60(オンデマンド有線)によって充電されてもよく、太陽エネルギーハーベスタシステム662、電波又は磁波エネルギーハーベスタシステム661、及び機械的波エネルギーハーベスタシステム663によって充電されてもよく、太陽エネルギーハーベスタシステム662、電波又は磁波エネルギーハーベスタシステム661、及び機械的エネルギーハーベスタシステム663などによって充電されてもよい。
【0062】
図12に示す例示的なシステムでは、一次電池40は、蓄電池300又は高電圧AC電源60によって充電されている。
図12に示すように、高電圧AC電源60は、一時的な有線接続によって一次電池40を再充電するために使用することができる。有線接続の場合、AC電力は、AC/DCコンバータ200によって変換される。次に、AC/DCコンバータ200からのDC電力は、好ましくは、AC/DCコンバータ200からの電力線をドア14のplug-n-play・インタフェース41に差し込むことによって、ドアに配線される(
図4を参照)。AD/DCコンバータ200は、好ましくは、ドア14上のplug-n-play・インタフェース41と結合するplug-n-play・インタフェース502を含む。しかしながら、ドア14に接続される配線がドアの美観を損なうものであり、一般的には望ましくないため、有線充電接続が望ましい状況は、一次電池40が直ちに電力を必要とする限られた状況(一次電池40と蓄電池300の両方が枯渇した場合など)のみである。一次電池40が十分に充電されたら、配線を取り外してもよい。AC/DCコンバータ200は、蓄電池300を再充電するためにも使用されてもよいことも理解されたい。
【0063】
また、
図12では、無線充電のために、
図2に示すような無線電力伝送システム50が使用される。無線電力伝送システム50は、電力送信機52と、電力送信機52に動作可能に接続された送信アンテナ54と、受信アンテナ56と、結合装置56に動作可能に接続された電力受信機58とを含む。受信アンテナ56及び電力受信機58は、ドア14上又はその内側に位置するが、電力送信機52及び送信アンテナ54は、上述し、
図3に開示したように、ドア14から離れている。基本的には、
図12に示すように、受信アンテナ56及び電力受信機58は、電波及び電磁波ハーベスタシステム66
1のそれぞれのRF及び電磁波エネルギーハーベスタ68
1及び電力調整器67
1として機能する。受信アンテナ56は、好ましくは、上述し、
図13、
図14及び
図15に開示したように、ドアスキン22及び/又は24内に形成される。電力受信機58は、上述したように、ドア14上のplug-n-play・インタフェース41を介して、エネルギー源セレクタ302、最終的に、中央ECU48に電気的に接続される。太陽エネルギーハーベスタシステム66
2は、好ましくは、上述したように、太陽エネルギーハーベスタシステム66
2をエネルギー源セレクタ302、最終的には、中央ECU48に接続する、ドア14上のplug-n-play・インタフェース41に差し込まれる。中央ECU48は、エネルギー源セレクタ302を監視制御して、太陽エネルギーハーベスタシステム66
2及び電力受信機58から収集された電力を、電池充電器304によって充電される蓄電池300に分配する。蓄電池300は、一次電池40の電力(ECU48、スマートロック30、他の電気機器36、電力調整器67、エネルギー源セレクタ、及び他のドア14の電力消費部品を実行するのに不十分な電力)が枯渇した場合、一次電池40を充電するために使用される。一次電池40(又は後述する蓄電池300)からの電力は、電力出力調整器308を介して、ドア14のECU48、スマートロック30、他の電気機器36、電力調整器67、エネルギー源セレクタ、及び他の電力消費部品に分配される。
【0064】
図12は、蓄電池300を充電するために使用される太陽エネルギーハーベスタシステム66
2、及び、電波及び磁気波エネルギーハーベスタ66
1を示しているが、機械的エネルギーハーベスタシステム66
3及び/又は他のエネルギーハーベスタシステム66
4などの他のエネルギーハーベスタシステム66も同様に使用されてもよい。これらのエネルギーハーベスタシステム66
1、66
3~66
4は、太陽エネルギーハーベスタシステム66
2と併用されてもよく、太陽エネルギーハーベスタシステム66
2の代わりに使用されてもよい。更に、
図12は、直接有線接続によって、一次電池40を再充電するために使用される高電圧AC電源60を示しているが、AC電源及び有線充電の使用は、上記に議論した無線オプションでは好ましくないが、上述したように、ストレージ300とプライマリ40の両方がシステムを実行するのに十分な電力を持たない特別な場合にのみ使用される。
【0065】
蓄電池300(ひいては一次電池40)を充電するためのエネルギーハーベスタシステム66)の使用を示す
図4を参照する。
図4に示すように、エネルギーハーベスタシステム66と併せて、蓄電池300は、AC/DCコンバータを介した高電圧AC電源60への有線接続によって充電することもできる。この有線接続は、好ましくは、ドア14上のplug-n-play・インタフェース41に差し込まれる。
図4は、ドア上のplug-n-play・インタフェース41に接続されている、電波及び電磁波エネルギーハーベスタシステム66
1、太陽エネルギーハーベスタシステム66
2、機械的エネルギーハーベスタシステム66
3、及び他のエネルギーハーベスタシステム66
4を示しているが、全てのエネルギーハーベスタシステム66を一度にドアに差し込む必要はない。信頼性の高いエネルギー源を提供するために、1つ以上、好ましくは2つ以上を使用することができる。更に、
図4、
図12及び
図16に示すように、一次電池40は、有線の高電圧AC電源60によって直接的に充電されてもよい。
【0066】
上述したように、蓄電池300は、充電器304を介して、エネルギーハーベスタシステム66及び/又は有線の高電圧AC電源60によって充電される。次に、蓄電池300は、充電器43を介して一次電池40を充電するために使用される。このシステムは、一次電池40がシステム(電力調整器、エネルギー源セレクタ、ECU48、スマートロック30及び/又は電気機器36)に電力を供給するために同時に放電されている間、エネルギーが(蓄電池300に)蓄積されることを可能にするように設計されている。一次電池40がシステムを動作させるのに十分な電力を有する場合、蓄電池300は、エネルギーハーベスタシステム66及び/又は有線の高電圧AC電源60によって充電される。一次電池40が枯渇した場合、
図4、
図12及び
図16に示すように、蓄電池300の充電が無効になり、蓄電池300は、一次電池40を充電し、システムに電力を供給するために使用される。これにより、システムの中断のない動作が可能になる。一次電池40及び蓄電池300の電池動作の切り替えを担当する電気回路は、エネルギー源セレクタモジュール(ESSM)302内に位置する(
図4、
図12及び
図16を参照)。ECU48は、ESSM302と通信しESSM302を制御する電力監視及び管理ロジックモジュール(MMLC)306を含む(
図16を参照)。
【0067】
全体として、ECU48は、システムの中枢部として機能する。ECU48は、ESSM302から受信された信号を監視して、電池の充電を有効/無効にし、一次電池を充電するための適切な電源を選択し、システムを動作させるための適切な電源を選択し、及び/又は必要がないときにエネルギーハーベスタシステム66を有効/無効にする。中央ECU48は、通常動作に必要な適切な電力/通信を提供及び監視することにより、スマートロック30及び電気機器36の管理も行う。
【0068】
図4及び
図16に示すように、plug-n-play・インタフェース74、41の結合により、エネルギーが異なるエネルギーハーベスタシステム66で同時に収集され、その後、ESSM302に送達されることが可能になる。ESSM302は、ドア14内に位置し、1)システム(電気機器36、スマートロック30、電力調整器67、エネルギー源セレクタ302、及び任意の他の電動機器)への電力をルーティングし、2)一次電池への再充電のための電力をルーティングし、3)蓄電池40、300(放電と再充電を同時に行うことができない電池)への充電を有効/無効にし、そして4)様々なエネルギーハーベスタシステムから収集されたエネルギーを組み合わせて蓄電池300を再充電することに使用できるという四(4)つの主機能を提供するが、これらに限定されないハードウェアを含む。また、当業者であれば、ESSM302もソフトウェアを使用できることを理解する。ESSM302は、ECU48とインタフェースして、信号を送受信する。ECU48から受信された信号は、例えば、蓄電池の充電を有効/無効にする信号、一次電池40を充電するための電源を変更する信号、システムの電力に適した電源を選択する信号、必要がない場合にエネルギーハーベスタシステムを有効/無効にする信号を含むが、これらに限定されない。ECU48に送信された信号には、一次電池40及び/又は蓄電池300の充電状態(低充電、満充電など)、一次電池40及び/又は蓄電池300の充電状態(充電中、非充電中)、有線接続されたAC/DCコンバータ200の有無が含まれるが、これらに限定されない。
【0069】
電力は、一次電池40又は蓄電池300から送信されて、ドアロック30及び/又は電気機器36への電力送達を管理するECU48に供給される。電力伝送中には、
図4及び
図16に示すように、電力は、ESSM302とECU48との間の電力出力調整器308を通過する。電力出力調整器308は、システムが電力を効率的に使用できるように、電力を調整する。例えば、電力出力調整器308は、異なる電気機器36の要件を満たし及び/又はドアロック30に電力を供給するように、電圧を調整する。また、電力出力調整器308は、電流の流れを監視及び制限して、電源に損傷を与える可能性のある過剰な電流を防止する。
【0070】
図17は、システム内の電力使用を管理するために、MMLC306によって使用されるロジックを示す概略図である。このロジックにより、ECUが異なる外部エネルギー源から収集された電力を直接的に供給し、蓄電池(300及び40)を充電し、システムの電気機器に電力を供給することができる。MMLC306は、まず、線路電力(電源60への有線接続)が利用可能であるか否かを決定する(ボックス400)。線路電力が接続(電源60に直接有線接続)されている場合には、線路電力は、システムの残りの部分に電力を供給するために使用され(ボックス428)、必要に応じて、電力が一次電池充電器43にルーティングされることを有効にすること(ボックス401)によって、一次電池40を充電する(ボックス402)。同時に、必要に応じて、外部エネルギーハーベスタシステム66は、蓄電池300(ボックス406)を充電するためだけに、有効になる(ボックス404)。蓄電池300を充電する必要がない場合、エネルギーハーベスタは、無効になり(ボックス430)、それにより蓄電池の充電を停止する(ボックス432)。
【0071】
線路電力がない場合、一次電池充電器43への線路電力は、無効になる(ボックス408)。必要に応じて、一次電池40は、蓄電池300から一次電池40に電力をルーティング(分配、routing)すること(ボックス410)により、充電される(ボックス402)。しかしながら、同時に、外部エネルギーハーベスタシステム66が無効になり(ボックス412)、それにより蓄電池300の充電も無効になり、蓄電池300の充放電が同時に充電及び放電されることを防止する(ボックス414)。蓄電池300に蓄積されたエネルギーによって一次電池40が充電されている間、蓄電池300は、システムの他の部分に電力を与えることにも使用される(ボックス416)。一次電池40を充電する必要がない場合、蓄電池300から一次電池40への電力の供給は、無効になり(ボックス418)、それにより一次電池40の充電を無効にする(ボックス420)。同時に、一次電池40からの電力は、システムに供給することに使用される(ボックス422)。一次電池40がシステムに電力を供給することに使用されると(ボックス422)、外部エネルギーハーベスタシステム(ボックス424)は、有効になって蓄電池300を充電する(ボックス426)。蓄電池300を充電する必要がない場合、エネルギーハーベスタは、無効になり(ボックス434)、それにより蓄電池の充電を停止する(ボックス436)。
【0072】
本発明の例示的な実施形態に関する上記説明は、特許法の規定に従って例示を目的として提示されたものである。これは、網羅的であること、又は本発明を開示された正確な形式に限定することを意図したものではない。上記の教示に照らして、明らかな修正又は変形が可能である。本明細書に開示された実施形態は、本発明の原理及びその実用的な適用を最もよく説明するために選択されたものであり、それにより、当業者は、本明細書に記載された原理に従う限り、意図された特定の用途に適した様々な実施形態及び様々な変更を伴って本発明を最もよく利用することができる。したがって、上述した発明には、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、変更を加えることができる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されることも意図されている。
【国際調査報告】