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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】導波路配置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20241003BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20241003BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/20
H04N5/64 511A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024517412
(86)(22)【出願日】2022-09-08
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 FI2022050600
(87)【国際公開番号】W WO2023057680
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】20216042
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520184365
【氏名又は名称】ディスペリックス オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロムステット、カシミール
【テーマコード(参考)】
2H148
2H199
【Fターム(参考)】
2H148AA12
2H199CA24
2H199CA29
2H199CA30
2H199CA32
2H199CA45
2H199CA47
2H199CA53
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA94
(57)【要約】
本発明の実例の態様によると、光導波路配置であって、光照射野において符号化される構成可能な画像を生成するように構成される、光学系と、少なくとも1つの光導波路であって、光照射野からの光を受け取るように、及び放出のために光を光導波路における複数の位置へ伝達するように配置され、導波路ベースのディスプレイを作り出す、光導波路とを備え、光学系が、波長λを有する光源を備え、光導波路が、光導波路の外面に配設されて、光照射野からの光の漏れを防ぐ、波長λ’の阻止帯域を有するノッチ・フィルタ素子を備え、波長λ’の阻止帯域が、第1の入射角度でノッチ・フィルタ素子に入射する波長λの光をフィルタリングする、光導波路配置が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光導波路配置であって、
光照射野において符号化される構成可能な画像を生成するように構成される、光学系と、
少なくとも1つの光導波路であって、前記光照射野からの光を受け取るように、及び放出のために前記光を前記光導波路における複数の位置へ伝達するように配置され、導波路ベースのディスプレイを作り出す、光導波路と
を備え、
前記光学系が、波長λを有する光源を備え、
前記光導波路が、前記光導波路の外面に配設されて、前記光照射野からの光の漏れを防ぐ、波長λ’の阻止帯域を有するノッチ・フィルタ素子を備え、波長λ’の前記阻止帯域が、第1の入射角度で前記ノッチ・フィルタ素子に入射する波長λの光をフィルタリングし、
前記光導波路配置が、前記ノッチ・フィルタ素子への前記導波路における前記光の入射角度に基づいて、及び/又は前記導波路への前記光の入射角度に基づいて、前記光源の前記波長を変調するように構成される、
光導波路配置。
【請求項2】
前記光学系が、波長λを有する光源をさらに備え、前記ノッチ・フィルタ素子が、波長λ’の阻止帯域をさらに有し、波長λ’の前記阻止帯域が、前記第1の入射角度又は第2の入射角度で前記ノッチ・フィルタ素子に入射する波長λの光をフィルタリングする、請求項1に記載の光導波路配置。
【請求項3】
前記光学系が、波長λを有する光源をさらに備え、前記ノッチ・フィルタ素子が、波長λ’の阻止帯域を有し、波長λ’の前記阻止帯域が、前記第1の入射角度、前記第2の入射角度又は第3の入射角度で前記ノッチ・フィルタ素子に入射する波長λの光をフィルタリングする、請求項2に記載の光導波路配置。
【請求項4】
前記変調することが、前記ノッチ・フィルタの阻止帯域に対する光照射野の角度部分のマッピングに従って、前記光源の前記波長を調整することを含む、請求項1に記載の光導波路配置。
【請求項5】
前記光源が、レーザ光源を含む、請求項2から4までのいずれかに記載の光導波路配置。
【請求項6】
前記光源が、発光ダイオード光源を含む、請求項2から4までのいずれかに記載の光導波路配置。
【請求項7】
前記光導波路配置が、頭部装着型ディスプレイとしてディスプレイを提供するように構成される、請求項1から6までのいずれかに記載の光導波路配置。
【請求項8】
前記ノッチ・フィルタの阻止帯域が、最大で2ナノメートルの幅を有する、請求項2から7までのいずれかに記載の光導波路配置。
【請求項9】
前記ノッチ・フィルタが、反射型ノッチ・フィルタである、請求項2から8までのいずれかに記載の光導波路配置。
【請求項10】
前記ノッチ・フィルタの阻止帯域が、最大で2ナノメートルの幅を有する、請求項1に記載の光導波路配置。
【請求項11】
前記ノッチ・フィルタが、反射型ノッチ・フィルタである、請求項1に記載の光導波路配置。
【請求項12】
前記ノッチ・フィルタ素子が、前記光導波路配置における各光源に対して複数の阻止帯域を有するように構成される、請求項1から11までのいずれかに記載の光導波路配置。
【請求項13】
光学系を使用して、光照射野において符号化される構成可能な画像を生成することと、
前記光照射野から少なくとも1つの光導波路への光を受け取り、放出のために前記光を前記光導波路における複数の位置へ伝達し、導波路ベースのディスプレイを作り出すことと
を含む、光導波路配置を操作することを含む、方法であって、
前記光学系が、波長λを有する光源を備え、
前記光導波路が、前記光導波路の外面に配設されて、前記光照射野からの光の漏れを防ぐ、波長λ’の阻止帯域を有するノッチ・フィルタ素子を有し、波長λ’の前記阻止帯域が、第1の入射角度で前記ノッチ・フィルタ素子に入射する波長λの光をフィルタリングし、
前記方法が、前記ノッチ・フィルタ素子への前記導波路における前記光の入射角度に基づいて、及び/又は前記導波路への前記光の入射角度に基づいて、前記光源の前記波長を変調することをさらに含む、
方法。
【請求項14】
前記光学系が、波長λを有する光源をさらに備え、前記ノッチ・フィルタ素子が、波長λ’の阻止帯域をさらに有し、波長λ’の前記阻止帯域が、前記第1の入射角度又は第2の入射角度で前記ノッチ・フィルタ素子に入射する波長λの光をフィルタリングする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記光学系が、波長λを有する光源をさらに備え、前記ノッチ・フィルタ素子が、波長λ’の阻止帯域を有し、波長λ’の前記阻止帯域が、前記第1の入射角度、前記第2の入射角度又は第3の入射角度で前記ノッチ・フィルタ素子に入射する波長λの光をフィルタリングする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記変調することが、波長調整を用いて前記光照射野の角度部分をマッピングする、マッピングに従って、前記光源の前記波長を調整することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記光源が、レーザ光源を含む、請求項14から16までのいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記光源が、発光ダイオード光源を含む、請求項14から16までのいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記操作することが、頭部装着型ディスプレイとしてディスプレイを提供することを含む、請求項13から18までのいずれかに記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、機器に少なくとも、
光学系を使用して、光照射野において符号化される構成可能な画像を生成させ、
光を前記光照射野から、少なくとも1つの光導波路であって、前記光を受け取るように、及び放出のために前記光を前記光導波路における複数の位置へ伝達するように配置され、導波路ベースのディスプレイを作り出す、光導波路に伝達させる、
コンピュータ可読命令のセットを自身に記憶された非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記光学系が、波長λを有する光源を備え、
前記光導波路が、前記光導波路の外面に配設されて、前記光照射野からの光の漏れを防ぐ、波長λ’の阻止帯域を有するノッチ・フィルタ素子を有し、波長λ’の前記阻止帯域が、第1の入射角度で前記ノッチ・フィルタ素子に入射する波長λの光をフィルタリングし、
前記コンピュータ可読命令が、前記機器に、前記ノッチ・フィルタ素子への前記導波路における前記光の入射角度に基づいて、及び/又は前記導波路への前記光の入射角度に基づいて、前記光源の前記波長を変調させるようにさらに構成される、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項21】
請求項13から19までの少なくとも一項に記載の方法を実行させるように構成される、コンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光導波路を使用する有色光の管理に関する。
【背景技術】
【0002】
光導波路は、光周波数の光を伝達することが可能である。光又は可視周波数は、約400~700ナノメートルの波長を有する光を指す。光導波路は、ディスプレイに採用されており、1次ディスプレイからの光が、使用者の1つ又は複数の目への放出のための好適な位置へ、1つ又は複数の導波路を使用して伝達され得る。
【0003】
光導波路型ディスプレイは、頭部装着型の眼鏡又はヘルメットに搭載される場合があり、拡張現実又は仮想現実型の用途に好適であり得る。拡張現実において、使用者は、現実世界の視界と、そこに重ねられた補足的な表示を見る。仮想現実において、使用者は、現実世界の自身の視界を失い、代わりにソフトウエアにより定義された景色での視界が提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願第15812618.5号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】https://www.optilayer.com/notch-filters
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの態様により、独立請求項の主題が提供される。いくつかの実施例は、従属請求項において定義される。
【0007】
本開示の第1の態様によると、光導波路配置であって、光照射野(light field)において符号化される構成可能な画像を生成するように構成される、光学系と、少なくとも1つの光導波路であって、光照射野からの光を受け取るように、及び放出のために光を光導波路における複数の位置へ伝達するように配置され、導波路ベースのディスプレイを作り出す、光導波路とを備え、光学系が、波長λを有する光源を備え、光導波路が、光導波路の外面に配設されて、光照射野からの光の漏れを防ぐ、波長λ’の阻止帯域を有するノッチ・フィルタ素子を備え、波長λ’の阻止帯域が、第1の入射角度でノッチ・フィルタ素子に入射する波長λの光をフィルタリングする、光導波路配置が提供される。
【0008】
本開示の第2の態様によると、光学系を使用して、光照射野において符号化される構成可能な画像を生成することと、光照射野から少なくとも1つの光導波路への光を受け取り、放出のために光を光導波路における複数の位置へ伝達し、導波路ベースのディスプレイを作り出すこととを含む、光導波路配置を操作することを含む、方法であって、光学系が、波長λを有する光源を備え、光導波路が、光導波路の外面に配設されて、光照射野からの光の漏れを防ぐ、波長λ’の阻止帯域を有するノッチ・フィルタ素子を有し、波長λ’の阻止帯域が、第1の入射角度でノッチ・フィルタ素子に入射する波長λの光をフィルタリングする、方法が提供される。
【0009】
本開示の第3の態様によると、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、機器に少なくとも、光学系を使用して、光照射野において符号化される構成可能な画像を生成させ、光を光照射野から、少なくとも1つの光導波路であって、光を受け取るように、及び放出のために光を光導波路における複数の位置へ伝達するように配置され、導波路ベースのディスプレイを作り出す、光導波路に伝達させる、コンピュータ可読命令のセットを自身に記憶された非一時的コンピュータ可読媒体であって、光学系が、波長λを有する光源を備え、光導波路が、光導波路の外面に配設されて、光照射野からの光の漏れを防ぐ、波長λ’の阻止帯域を有するノッチ・フィルタ素子を有し、波長λ’の阻止帯域が、第1の入射角度でノッチ・フィルタ素子に入射する波長λの光をフィルタリングする、非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。
【0010】
本開示の第4の態様によると、第2の態様による方法を実行させるように構成される、コンピュータ・プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の少なくともいくつかの実施例による、実例のシステムを例示する図である。
図2A】本発明の少なくともいくつかの実施例による、実例のシステムを例示する図である。
図2B】本発明の少なくともいくつかの実施例による、実例のシステムを例示する図である。
図3A】本発明の少なくともいくつかの実施例による、実例のシステムの光源及びフィルタのスペクトル及び透過率のグラフである。
図3B】本発明の少なくともいくつかの実施例による、実例のシステムの光源及びフィルタのスペクトル及び透過率のグラフである。
図4】本発明の少なくともいくつかの実施例を支援することが可能な、実例の機器を例示する図である。
図5】本発明の少なくともいくつかの実施例による、方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
レーザ又は発光ダイオード(LED:light emitting diode)などの光源を使用することによって、向上された導波路ベースのディスプレイが、本明細書において以下で説明されるように構築され得る。詳細には、導波路ベースのディスプレイに単一の色を生成するために複数の可視光波長を使用して、色は、色を適切に混合することによって、導波路ベースのディスプレイにわたってレンダリングされ得る。また、使用者が導波路ディスプレイで画像を見ることだけでなく、そこから外界に漏れる光が可能な限り少ないことが望ましい場合がある。通常の導波路ディスプレイにおいて、ディスプレイは、導波路ディスプレイの外面を通して光を漏らす。本発明のいくつかの実施例を用いて、この漏れは、以下に説明されるように、導波路ディスプレイの外面を覆って適用されるノッチ・フィルタ層を採用することによって、減少され得る又はほぼ完全に無くされ得る。
【0013】
図1は、本発明の少なくともいくつかの実施例による、実例のシステムを例示する。システムは、光源140、この場合では、3つの光源R、G及びBを備える。いくつかの実施例では、システムは、1~4つの光源を備え得る。光源は、例えば、レーザ又はLED光源を含む場合があり、レーザ光源は、それらがLEDより厳密に単色であるという利点を有する。光源140は、任意選択の鏡130とともに、導波路ディスプレイにその画像を生成させるのに使用可能である角度空間(angular space)において、光照射野を作り出すように構成される。画像は、光照射野において符号化される。光照射野は、図1にフィールド100として概略的に例示される。いくつかの実施例では、物理的な一次ディスプレイが、光照射野の画像を表示する場合があるが、他の実施例では、システムは、物理的な一次ディスプレイを備えず、画像は、単に、角度空間に分布される光照射野において符号化される。光照射野100からの光104は、直接的に、又は例えば鏡及び/若しくはレンズを備える光ガイド102を使用して、光導波路110へ伝達され得る。光ガイド102は、特定の実施例の仕様に応じて、それらが存在しなくてもよいという意味で、任意選択のものである。言い換えれば、光ガイド102は、全ての実施例において存在するわけではない。
【0014】
光104を導波路110に導くために、部分反射鏡、表面レリーフ格子、又は他の回折構造などのイン・カップリング構造が、当技術分野で公知であるように、入って来る光を導波路110へ方向付けるために使用され得る。いくつかの実施例では、光104は、導波路の端からイン・カップリングされ得る。導波路110において、光104は、導波路の内部で繰り返し反射されることによって前進し、それが素子112と相互作用し、それにより、画像を作成する光線114として目120に向かって光104を導波路110から空中へ偏向させるまで、素子112aと相互作用する。素子112a及び112は、例えば、部分反射型鏡、表面レリーフ格子、又は他の回折構造を含み得る。素子112aは、例えば、導波路ディスプレイの画像が正確に生成されるように、導波路110の内部で光照射野100を展開するように配置され得る。光照射野100の異なる角度部分からの光は、光線114が目120の網膜に光照射野100において符号化された画像を作成するように、素子112と相互作用する。素子112a及び素子112は、部分的に又は全体的に、同じ素子であり得る。言い換えれば、いくつかの実施例では、素子の単一のセットが存在し、他の実施例では、素子の2つの別個のセット112a、112が存在する。素子112により、光が射出位置で導波路110から出される。結果として、使用者は、使用者の目120の前方で、光照射野100において符号化された画像を知覚する。導波路110が少なくとも部分的に透明であり得るので、使用者はまた、有利には、例えば、導波路ベースのディスプレイが頭部装着型である場合に、導波路110を通して使用者の現実の周囲環境を見ることができる。光は、素子112a及び112の働きの結果として、素子112の複数の位置において複数の角度で導波路110から放出される。
【0015】
用語「色空間」は、平均的な人間の目のスペクトル応答から得られる知覚色に対応する(二次元の)色度図を指す。装置の色域は、その装置によって再現可能である色空間の領域である。具体的には、ここでは、色域は、観察者が焦点面から発すると知覚する光照射野に対して、システムにおける光源140と導波路との組合せによって再現され得る、色空間における領域に対応する。関心領域(ROI:Region of Interest)は、次に、フル・カラー画像として知覚されるものを再現するのに十分である、色空間の領域を指すが、色空間のより小さい又はより大きい領域に対応する場合もある。波長の異なる組合せによって、色空間における特定の点に到達できるので、可視スペクトルにおけるピークなどの、別個のスペクトル特性の異なる組合せを使用して、特定のROIに到達することができる。
【0016】
カラー画像は、例えば、使用者の色覚の知覚が標準的な目に対応すると想定することによって、及び対応する色空間(の一部)を再現することによって、生成され得る。色空間の定義から明らかであるように、使用者は、いくつかの異なる光信号スペクトルの結果として、同じ色を知覚する。これは、導波路110の動作の仕方に自由度を与える。加えて、波長などの別個のスペクトル特性の異なる組合せが、同じ色を生成するために使用され得る。光がどのように導波路からカップリングされるかは、射出位置の関数であり得る。すなわち、入力画像における特定の位置(特定の伝搬角)に対応する光線は、射出位置に応じて異なる角度で導波路から出ることが可能である。一般に、使用者は、光信号114の複数のスペクトルから同じ色を知覚し得る。これは、導波路110の製造における自由度をもたらす。具体的には、本発明者らは、ROIが各個別の画素の有効波長に対応する色域の交点に位置するように選択される場合に、同じ色刺激が、各画素で再現され得ることに着目する。それ故に、画素単位での光源の変調又はフィルタリングには、どの色がシステムによって再現され得るかについての根本的な制限が生じない。
【0017】
導波路ベースのディスプレイにおいて、複数の導波路110が存在する場合があり、例えば、画像伝送能力を高めるために、並びに任意選択で、例示を明確にするために図1には例示されない使用者のもう一方の目のために、光を伝達する。
【0018】
画像を符号化する光照射野100は、例えば、鏡130、並びに光源R、G及びBを備える光学系を使用して、生成され得る。鏡130は、例えば、角度空間100を走査することによって、制御された方式で画像を符号化する光照射野100を生成するように、レーザなどの光源140からの光を反射するように構成される、例えば、微小電気機械(MEMS:microelectromechanical)鏡を含み、それによって、画像を符号化する光照射野を生成し得る。鏡130は、したがって、角度空間において光を光源140から光照射野100の適切な部分へ方向付けるように、異なる角度に傾斜するように作動され得る。いくつかの実施例では、光学系は、光源が例えばLEDである場合があり、一次ディスプレイが液晶オン・シリコン(LCOS:liquid crystal on silicon)装置の形態で存在する場合がある、プロジェクタなどの他の種類の画像生成装置から成り得る。光学系は、例えば、光源、及び角度空間に光源からの光を供給するように構成されるMEMSアクチュエータを備え、それによって、導波路110への入力のための光照射野を生成し得る。
【0019】
図1に例示されるシステムは、3つの光源140を備える。これは、本開示を限定しない実例であり、むしろ、3つより少ない又は3つより多い光源が、存在してもよい。例えば、ある特定の実施例では、モノクロ・ディスプレイが、唯一の光源で製作される。光源140は、それらが、レーザにおけるように、単一のピーク波長を有する狭いスペクトル帯域の光を生成する、又はそれらのスペクトル帯域が、LEDを用いる場合のように、より広い場合があるという意味で、単色であり得る。より複雑なスペクトル分布を有する光源もまた、可能である。原理的には、人間が見ることができる色空間は、網膜の光受容体を適切に励起することによって生成され得る。典型的には、これは、例えば、可視スペクトルの赤色、緑色及び青色部分の各々における1つの波長での、3つの波長の光を混合することによって達成される。
【0020】
レーザ光は、それらが単色であるとみなされ得る程度に、非常に狭い帯域幅を有する。単色とは、例えば、レーザによって生成される光の帯域幅が、例えば、0.1ナノメートルより狭い、又は2ナノメートルより狭いことを意味し得る。レーザ光源は、例えば、MEMS鏡であり得る鏡130との同調された組合せで使用される、圧電選択可能なキャビティ長を有する開放キャビティ・ダイオード・レーザなどの、選択可能な波長を有するレーザ光源を使用することによって、画像の画素に対応する光線の角度の関数として、それらの波長を変調させられ得る。レーザ光源は、1つ又は複数のレーザを含み得る。複数のレーザは、同じ又は異なる波長を有し得る。
【0021】
LED光源は、レーザより幅広い波長範囲を有する。また、LED光源は、角度の関数として、それらの波長を変調させられ得る。例えば、それらは、通過帯域フィルタでフィルタリングすることによって、画素単位で単色にされることが可能であり、通過帯域の中心波長は、選択可能である。LEDを使用する所与の画素の単色照明を得るさらに優れた手法は、所望の波長が所与の画素へ方向付けられるように、LEDから出力される光を回折により及び/又は屈折により分散させることである。画素にわたる中心波長の分布を達成するための他の手段もまた、当然可能である。最も重要な点は、これが、具体的には、導波路の内部の画素を表す光線の伝搬角度とその(中心)波長との間に対応関係があるように行われ得ることである。さらに、この対応関係は、典型的にはノッチ・フィルタにおいて発生する、入射角度に対するフィルタリングされた波長帯域の変化に(緊密に)一致させられ得る。LED光源は、LCOSの実施において使用され得る。代替的又は追加的に、レーザ及び好適な光学素子が、LED光源の代わりに使用され得る。一般に、ノッチ・フィルタは、例えば、最大で2ナノメートル又は最大で3ナノメートルの幅の阻止帯域を有し得る。
【0022】
角度空間100の光照射野において符号化されるカラー画像を作成するために、光源140は、例えば、プログラムにより制御され得る。鏡130が存在する例において、光源140及び鏡130は、光源140からの光が、例えば仮想現実又は拡張現実コンピュータなどの、外部供給源から受信された静止又は動入力画像を再現する、カラー画像の表示をそこに作成するように、制御された方式で光照射野100の特定の角度領域を照らすように、互いに同調され得る。外部供給源から受信される静止又は動画像は、例えば、デジタル画像又はデジタル・ビデオ・フィードを含み得る。光照射野100において符号化される画像は、したがって、適切に選択された入力画像を提供することによって、構成可能である。
【0023】
角度空間100における所与の面で特定の色を作成するために、角度空間100におけるこの所与の面は、1つ又は複数の光源140、例えば3つ以上の光源140のセットによって照らされ得る。この特定の色は、次に、角度空間100における所与の面からの光が素子112へ導波路110内を進み、そこで、光が角度空間100における所与の面に対応する角度で射出される場合に、光線114によって再現される。
【0024】
導波路ディスプレイの外面202を通した光の漏れは、使用者が見る画像の輝度を低減し、画像が表示されているということを他者に知らせるので、望ましくない。さらに、漏れた光が、煩わしくちらつく、又は画像の内容そのものが見えさえする場合がある。最適な場合において、光は、導波路110の内面201を通して、制御された方式で導波路110からのみ出る。外面202を通した光の漏れを緩和するため、ノッチ・フィルタ素子200が、外面202に取り付けられる。ノッチ・フィルタ素子は、回折格子であり得る、又は光源140と一致する波長の光が通過するのを防ぐが、他の波長の光を通すように設計されるノッチ・フィルタを含む、ほぼ透明なフィルムから成り得る。したがって、使用者は、導波路110を通して見ることができるが、光源140からの特定の光の漏れは、低減される。ノッチ・フィルタは、例えば、フィルタの特性が層の数、各層の厚さ、及び層の材料によって決定される、薄い均質な(誘電)層の積層体として実現され得る。典型的な層材料として、SiO2及びTiO2が挙げられる。一般に、誘電体フィルタは、反射フィルタである。吸収フィルタを構築するために、金属などの吸収材が必要とされる。
【0025】
一般に、導波路110を介して伝達される画像が、狭い波長帯域のセット(又は単一の狭い波長帯域でさえ)から成るので、1つ又は複数のノッチ・フィルタを使用してそれを遮断することは、可視スペクトルの僅かな部分にのみ関与し、したがって、導波路110を通した使用者の視認性は、ほぼ影響を受けない。これは、使用者が使用者の周囲に見る光照射野が、幅広い波長範囲の可視光を含むためである。ノッチ・フィルタは、したがって、使用者が使用者の周囲から見る光の情報量に最小限の影響を与える。導波路110におけるノッチ・フィルタは、反射型フィルタが導波路における光の強さを保持するという技術的有益性をもたらすように、通されなかった光を反射し得る。個別の吸収ノッチ・フィルタ構造が、反射型ノッチ・フィルタが使用者の周囲の人に対して及ぼす、導波路の鏡のような効果を減衰させるために、フィルタ素子200の外面に設置され得る。したがって、ノッチ・フィルタを配置するための以下の4つの選択肢が存在し、第1に、純粋な吸収型ノッチ・フィルタ、第2に、純粋な反射型ノッチ・フィルタ、第3に、外側で反射型ノッチ・フィルタを覆う吸収型ノッチ・フィルタを有する、使用者に向いた反射型ノッチ・フィルタ、及び第4に、その挙動が、光がその上に入射する側に依存し得る、したがって、最も一般的に選択される、回折型ノッチ・フィルタである。
【0026】
図2A及び図2Bは、本発明の少なくともいくつかの実施例による、実例のシステムを例示する。同様の番号付けは、図1におけるものと同様の構造を示す。図2Aにおいて、3つの光源140は、光源B、光源G及び光源Rとして、個別に識別される。例えば、光源Bは、可視スペクトルの青色部分にある場合があり、光源Gは、可視スペクトルの緑色部分にある場合があり、光源Rは、可視スペクトルの赤色部分にある場合がある。一般に、光源は、スペクトルの可視部分にあり得る。
【0027】
図2Aにおいて、光源B、G及びRは、光照射野100の角度部分100aにおいて特定の色を生成するために、使用される。特定の色は、光源B、G及びRの相対的な強さによって決定され、色の輝度はこれらの光源の強さの合計によって決定される。
【0028】
次に図2Bに進むと、光源B、G及びRは、特定の色、例えば、光照射野100の角度部分100bにおいて図2Aと同じ色を生成するために使用される。角度部分100bは、角度部分100aがある場所とは異なる光照射野の角度部分にある。特定の色は、光源B、G及びRの相対的な強さによって決定され、色の輝度は、これらの光源の強さの合計によって決定される。角度部分100aへ導波路110内を前進する光は、角度部分100bへ前進する光とは異なる角度で、導波路110の内部で反射され得る。
【0029】
ノッチ・フィルタ、例えば薄いフィルムのノッチ・フィルタの特徴は、フィルタが遮断するノッチ周波数が入射する照射光の角度に依存性を呈し得ることである。言い換えれば、ノッチ・フィルタによって遮断される波長は、入射角の定数関数ではない場合がある。したがって、特定の波長をフィルタリングする能力は、中心/設計波長から離れると低下し得る。ノッチ・フィルタのノッチの中心波長は、これほど厳密に一定ではなく、入射角度に依存する。ノッチの中心波長は、光が特定の第1の入射角度で入射する場合の中心波長という観点で表され得る。本発明の少なくともいくつかの実施例では、これは、角度の関数として光源の波長を変えることによって、補正される。
【0030】
光源140は、結果として、光が導波路110の異なる部分においてノッチ・フィルタによって効果的に遮断されるように、使用されるノッチ・フィルタの入射角度のばらつきを事前に修正するような方式で、制御され得る。光照射野100の角度空間に静止又はビデオ画像を符号化する場合に、光照射野100の角度部分は、連続的に走査される場合があり、その結果、光照射野100の面が、連続走査中に、異なって調整された光源周波数を使用して走査される。連続走査とは、本明細書において、色要素が光照射野100にレンダリングされるようにする反復工程を意味する。したがって、本明細書に記載されるノッチ・フィルタとの組合せで使用される単色光源の組合せは、使用者の個人的な光情報が漏洩せず、同時に、導波路ディスプレイを通して使用者が自身の周囲環境を見る機能が損なわれないという有益性をもたらす。
【0031】
図1の実施例では、使用者の目に近い第1の内面201、及び導波路110の反対側の第2の外面202を有する導波路110は、光照射野100からの光が導波路ディスプレイの使用者以外の人物に見えるのを防ぐために、第2の外面202にノッチ・フィルタ素子200を有する。
【0032】
ノッチ・フィルタ素子200は、光源140、R、G及びBの各々に対する帯域阻止フィルタとして機能するように設計される、多層構造であり得る。1つの実例では、ノッチ・フィルタ素子200は、3つの異なるノッチ・フィルタのサンドイッチ構造として形成される。別の実例として、単一の層が、複数のノッチを備える。
【0033】
図3aにおいて、x軸が波長を表し、y軸が振幅を表す、光源B、G及びRの波長のグラフが提示される。描写に提示されるように、対応して、光源Bが波長λを有し、光源Gが波長λを有し、光源Rが波長λを有する。この実例における光源は、単色のもの、例えばレーザである。
【0034】
図3bにおいて、図3aの光源について、ノッチ・フィルタ素子200の透過率のグラフが提示される。グラフに示されるように、フィルタの各阻止帯域G’、B’及びR’は、光源G、B及びRと同じ中心波長を有する。実際には、ノッチ・フィルタ200への導波路110の内部の光の入射角度により、ノッチ・フィルタ200のフィルタリング特性が変更され、したがって、異なる角度でノッチ・フィルタ素子200に入る光の波長の調整が、必要であり得る。これは、例えば、光源の波長が、相互に関係し得る、ノッチ・フィルタ素子200に入射する導波路110における光の入射角度に基づいて、又は導波路110への入射角度に基づいて、変調及び/又は調整されるような、光源140の波長の変調及び/又は調整によって為され得る。いくつかの実施例では、ノッチ・フィルタは、導波路の内部の異なる伝搬方向を網羅するために、単一の光源に対応する複数の阻止帯域を有し得る。例えば、阻止帯域G’は、複数の伝搬方向を網羅するために、光源Gに対して複数の阻止帯域を含み得る。単一の光源から発する光の複数の伝播方向は、例えば、複数の回折次数への回折によるものであり得る。代替又は追加の解決策は、ノッチ・フィルタ素子200の阻止帯域R’、G’及びB’を広げることであり得るが、この解決策は、ノッチ・フィルタ素子200の全体的な透過率を減少させる。
【0035】
図3a及び図3bの実例において、3つの光源、及び対応する3つの阻止帯域が、考慮される。より一般的な場合において、阻止帯域の数及び位置は、実施例において使用される1つ又は複数の光源のスペクトル特性に対応する。例えば、別個の波長を有する2つの光源を有する配置において、2つの別個の波長に対応する2つの阻止帯域を有するノッチ・フィルタが、使用され得る。
【0036】
光ノッチ・フィルタの設計の仕方についての教示は、例えば以下のウェブ・ページ、https://www.optilayer.com/notch-filtersから見出され得る。光ノッチ・フィルタの使用もまた、欧州特許出願第15812618.5号に提示される。
【0037】
したがって、全体として、レーザなどの光源140の波長は、導波路110における光が、導波路におけるノッチ・フィルタ素子200へのその入射角度に関係なく、ノッチ・フィルタ素子200のノッチの阻止帯域と一致させられるために、光照射野100の作成中に変調され得る。或いは、変調は、たとえ漏れた光の全てが捕捉されなくても、漏れた光の濾過におけるノッチ・フィルタ素子200の効率を少なくとも増大させ得る。このような変調は、波長調整を用いて光照射野の角度部分をマッピングする、マッピングに従って、光源の波長を調整することを含み得る。マッピングは、入射角度の関数としてのノッチの動き方が決定論的であるので、例えば、予め実験的に決定され得る。マッピングは、光照射野100における画像の符号化を制御するように構成される、図4に例示されるものなどの、コンピュータのメモリに記憶され得る。LED光源を使用して、受動的制御機構が、本明細書において上記のように、例えば、LED出力波長帯域の回折による又は屈折による分割に基づいて、使用され得る。極端な場合では、ノッチ・フィルタにおける阻止帯域と同じ幅の通過帯域を有するフィルタが、LED出力を単色にレンダリングするために、使用され得る。他の光源変調及び光源フィルタリング技術もまた、伝搬角と(中心)波長との間の所望の対応関係を達成するために、使用され得る。
【0038】
図4は、本発明の少なくともいくつかの実施例を支援することが可能な、実例の機器を例示する。例えば、図1又は図2に例示されるものなどの配置を操作するための制御機構を備え得る、装置400が例示される。例えば、シングル若しくはマルチ・コア・プロセッサ、又はマイクロコントローラを備え、シングル・コア・プロセッサが1つの処理コアを備え、マルチ・コア・プロセッサが複数の処理コアを備える、プロセッサ410が装置400に備えられる。プロセッサ410は、一般に、制御装置を備え得る。プロセッサ410は、複数のプロセッサを備え得る。プロセッサ410は、制御装置であってもよい。処理コアは、例えば、ARMホールディングス製のCortex-A8処理コア、又はAdvanced Micro Devices Corporationによって設計されたSteamroller処理コアを備え得る。プロセッサ410は、少なくとも1つのQualcomm Snapdragon及び/又はIntel Atomプロセッサを備え得る。プロセッサ410は、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit)を備え得る。プロセッサ410は、少なくとも1つのフィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA:field-programmable gate array)を備え得る。プロセッサ410は、生成、受信及び伝達などの、装置400における方法のステップを実行するための手段であり得る。プロセッサ410は、少なくとも部分的にコンピュータ命令によって、動作を実行するように構成され得る。
【0039】
装置400は、メモリ420を備え得る。メモリ420は、ランダム・アクセス・メモリ及び/又は永久メモリを含み得る。メモリ420は、少なくとも1つのRAMチップを備え得る。メモリ420は、例えば、ソリッド・ステート・メモリ、磁気メモリ、光学メモリ、及び/又はホログラフィック・メモリを含み得る。メモリ420は、少なくとも部分的に、プロセッサ410へアクセス可能であり得る。メモリ420は、少なくとも部分的に、プロセッサ410に備えられ得る。メモリ420は、情報を記憶するための手段であり得る。メモリ420は、プロセッサ410が実行するように構成される、コンピュータ命令を含み得る。プロセッサ410に特定の動作を実行させるように構成されるコンピュータ命令がメモリ420に記憶され、装置400全体がメモリ420からのコンピュータ命令を使用してプロセッサ410の指示の下で動作するように構成される場合に、プロセッサ410及び/又はその少なくとも1つの処理コアは、前記特定の動作を実行するように構成されると考えられ得る。メモリ420は、少なくとも部分的に、プロセッサ410に備えられ得る。メモリ420は、少なくとも部分的に、装置400の外部にあり得るが、装置400へアクセス可能であり得る。メモリ420は、例えば、光照射野100の角度部分を定義する情報を記憶し得る。
【0040】
装置400は、送信機430を備え得る。装置400は、受信機440を備え得る。送信機430及び受信機440は、少なくとも1つのセルラ又は非セルラ規格に従って、情報をそれぞれ送信及び受信するように構成され得る。送信機430は、複数の送信機を備え得る。受信機440は、複数の受信機を備え得る。受信機440は、入力画像を受信するように構成される場合があり、送信機430は、入力画像に従って、例えば、存在する場合に、鏡130、及び光源140を方向付ける制御指令を出力するように構成される場合がある。
【0041】
装置400は、ユーザ・インターフェース(UI:user interface)460を備え得る。UI460は、ディスプレイ、キーボード、タッチスクリーン、装置400を振動させることによって使用者に合図するように配置されるバイブレータ、スピーカ、及びマイクのうちの少なくとも1つを備え得る。使用者は、例えば、表示パラメータを設定するために、UI460を介して装置400を操作することが可能であり得る。
【0042】
プロセッサ410は、プロセッサ410から装置400内の電気リード線を介して装置400に備えられた他の装置へ情報を出力するように配置される、送信機を備え付けられ得る。このような送信機は、例えば、メモリ420における記憶のために、少なくとも1本の電気リード線を介してメモリ420へ情報を出力するように配置される、シリアル・バス送信機を含み得る。シリアル・バスの代わりに、送信機は、パラレル・バス送信機を含み得る。同様に、プロセッサ410は、装置400に備えられた他の装置から装置400内の電気リード線を介して、プロセッサ410における情報を受信するように配置される、受信機を備え得る。このような受信機は、例えば、プロセッサ410における処理のために、受信機440から少なくとも1本の電気リード線を介して情報を受信するように配置される、シリアル・バス受信機を含み得る。シリアル・バスの代わりに、受信機は、パラレル・バス受信機を含み得る。
【0043】
装置400は、図4に例示されないさらなる装置を備え得る。いくつかの実施例では、装置400には、上記の少なくとも1つの装置がない。例えば、装置400によっては、ユーザ・インターフェース460がない場合がある。
【0044】
プロセッサ410、メモリ420、送信機430、受信機440、NFCトランシーバ450、UI460及び/又は使用者識別モジュール470は、多数の異なる手法で、装置400内の電気リード線によって相互接続され得る。例えば、前述の装置の各々は、装置400内のマスタ・バスへ個別に接続されて、装置が情報を交換することを可能にし得る。しかしながら、当業者であれば理解されるように、これは、1つの実例に過ぎず、実施例に応じて、前述の装置のうちの少なくとも2つを相互接続する様々な手法が、本発明の範囲から逸脱することなく選択され得る。
【0045】
図5は、本発明の少なくともいくつかの実施例による、方法のフロー・グラフである。例示される方法の段階は、導波路ベースのディスプレイ、導波路ベースのディスプレイにおける若しくはそれのための光導波路配置、又はそこに組み込まれる場合に、その機能性を制御するように構成される制御機構におけるものであり得る。
【0046】
段階510は、光学系を使用して、光照射野において符号化される構成可能な画像を生成することを含む。段階520は、光照射野から少なくとも1つの光導波路への光を受け取り、放出のために光を光導波路における複数の位置へ伝達し、導波路ベースのディスプレイを作り出すことを含む。段階530は、光学系が、それぞれ波長λ、λ及びλを有する3つの光源を備え、光導波路が、光導波路の外面に配設されて、光照射野からの光の漏れを防ぐ、波長λ’、λ’及びλ’の阻止帯域を有するノッチ・フィルタ素子を有することを明示する。先に説明されたように、λ及びλ’は、一般的な場合において、等しくない場合がある。その代わりに、λ’の阻止帯域を有するノッチ・フィルタは、特定の角度で入射する、波長λを有する光を阻止するように設計され得る。例えば、λ’の阻止帯域は、中心画素に対応する角度で入射する、波長λを有する光に対応し得る。異なる入射角度で画素を照らす場合に、光源の波長λは、λ’の阻止帯域がその光も阻止するように、調整され得る。同じことが、各光源、及びノッチ・フィルタの対応する阻止帯域、すなわち、図5の段階530における波長λ及びλを有する光源に対応するλ’、λ’の阻止帯域に、それぞれ適用される。
【0047】
開示された本発明の実施例が、本明細書に開示される特定の構造、工程のステップ、又は材料に限定されず、関連する技術分野の当業者によって認識されるであろう、それらの均等物にまで適応されることを理解されたい。また、本明細書で採用される用語法は、特定の実施例を説明する目的でのみ使用され、限定することを意図されないことを理解されたい。
【0048】
一実施例又は実施例への本明細書を通じた言及は、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じて様々な箇所において、語句「一実施例において」又は「実施例において」が現れるが、必ずしも全てが同じ実施例を指すわけではない。例えば約又は実質的になどの、用語を使用して数値が言及される場合に、正確な数値もまた、開示される。
【0049】
本明細書で使用される場合に、複数の物品、構造的要素、構成的要素及び/又は材料は、便宜上、共通の列挙箇所において提示され得る。しかしながら、これらの列挙箇所は、列挙箇所の各因子が別個の特有の因子として個々に識別されるかのように、解釈されるべきである。したがって、このような列挙箇所の個々の因子はいずれも、それに反することが示されなければ、共通の群におけるそれらの提示にのみ基づいて、同じ列挙箇所の他の因子と事実上均等であると解釈されるべきではない。加えて、本発明の様々な実施例及び実例が、その様々な構成要素に対する代替物を伴って、本明細書で言及され得る。このような実施例、実例及び代替物が、互いの事実上の均等物と解釈されるべきではなく、本発明の別個の自立的な表示とみなされるべきであることが理解される。
【0050】
さらに、説明される特徴、構造又は特性は、1つ又は複数の実施例において任意の好適な方式で組み合わされ得る。前出の説明において、本発明の実施例の徹底した理解をもたらすために、長さ、幅、形状等の実例などの、多数の具体的な詳細が提供される。しかしながら、関連する技術分野の当業者であれば、本発明が、具体的な詳細のうちの1つ又は複数を用いずに、又は他の方法、構成要素、材料等を用いて、実践され得ることを認識するであろう。他の例では、周知の構造、材料又は操作は、本発明の態様を不明瞭にすることを避けるために、詳細には示されも、説明されもしない。
【0051】
上述の実例は、1つ又は複数の特定の用途における本発明の原理を例示するものであるが、実施の形態、用法及び詳細における多数の改変が、発明の才を発揮することなく、及び本発明の原理及び概念から逸脱することなく、為され得ることが、当業者には明らかであろう。したがって、以下に記載される請求項による場合を除き、本発明を限定することは意図されない。
【0052】
動詞「備える」及び「含む」は、本文書において、さらに記載されない特徴の存在を除外することも要求することもない、開放的な限定として使用される。従属請求項に記載される特徴は、そうでないことが明示的に述べられない限り、相互に自由に組合せ可能である。さらに、「1つの(a)」又は「1つの(an)」、すなわち単数形の使用は、本文書を通じて、複数であることを除外しないことを理解されたい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の少なくともいくつかの実施例により、導波路ディスプレイを向上させることにおける産業上の適用が見出される。
【符号の説明】
【0054】
LED 発光ダイオード
MEME 微小電気機械
100 光照射野
102 光ガイド
104 光
110 導波路
112a、112 素子
114 方向付けられた光
120 目
130 鏡
140 光源
100a、100b 光照射野100の角度部分
400~460 図4の機器の構造
410~430 図4の方法の段階
200 ノッチ・フィルタ素子
201 導波路の第1の(内)面
202 導波路の第2の(外)面
R 波長λを有する光源
G 波長λを有する光源
B 波長λを有する光源
R’ 波長λを有するノッチ・フィルタの阻止帯域
G’ 波長λを有するノッチ・フィルタの阻止帯域
B’ 波長λを有するノッチ・フィルタの阻止帯域
λ1~3 光源及び阻止帯域の中心波長
図1
図2A
図2B
図3a
図3b
図4
図5
【国際調査報告】