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特表2024-537027同軸のチューブ状流体処理デバイス及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】同軸のチューブ状流体処理デバイス及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/01 20060101AFI20241003BHJP
   A61L 9/04 20060101ALI20241003BHJP
   A61L 2/20 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61L9/01 F
A61L9/04
A61L2/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518620
(86)(22)【出願日】2022-09-20
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 US2022044123
(87)【国際公開番号】W WO2023049114
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】63/246,876
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524111433
【氏名又は名称】アイシーエー トリノヴァ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ビアーズ スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】テニー ジョエル
【テーマコード(参考)】
4C058
4C180
【Fターム(参考)】
4C058AA20
4C058BB07
4C058JJ12
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA16
4C180BB02
4C180BB04
4C180BB06
4C180BB07
4C180BB08
4C180BB09
4C180CA06
4C180EA23X
4C180EA24X
4C180EA24Y
4C180EA26Y
4C180EA28Y
4C180EA30Y
4C180EA33Y
4C180EA35Y
4C180EA36Y
4C180EA39Y
4C180EA57X
4C180EA58X
4C180EA64Y
4C180EB05Y
4C180EB14Y
4C180FF07
(57)【要約】
様々な実装態様は、流体処理デバイスを含む。デバイスは、外側チューブ、内側チューブ、複数のブレード、及び媒体を含む。外側チューブは、内側表面を含む。内側チューブは、外側チューブ内に同軸に配設されている。内側チューブの外側表面及び外側チューブの内側表面は、内側チューブの端部の間に軸方向に延在する環状部を画定する。複数のブレードは、環状部内に配設されている。複数のブレードは、ブレードにわたって流れる流体の流れ方向の成分を円周方向及び/又は半径方向に変えるように構成されている。媒体は、内側チューブ内に配設されている。内側チューブは、その外側表面と内側表面との間に延在する複数の穿孔部を画定する。環状部は、外側チューブと内側チューブとの間を流れる流体の全体的な流路を画定する。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体処理デバイスであって、
内側表面を備える外側チューブと、
前記外側チューブ内に同軸に配設された内側チューブであって、前記内側チューブが、前記内側チューブの両端部の間に延在する内側表面及び外側表面を備え、前記内側チューブの前記外側表面及び前記外側チューブの前記内側表面が、前記内側チューブの前記端部の間に軸方向に延在する環状部を画定する、内側チューブと、
前記環状部内に配設された複数のブレードであって、前記ブレードにわたって流れる流体の流れ方向の成分を円周方向及び/又は半径方向に変えるように構成されている、複数のブレードと、
前記内側チューブ内に配設された媒体と、を備え、
前記内側チューブが、前記外側表面と前記内側表面との間に延在する複数の穿孔部を画定し、
前記環状部が、前記外側チューブと前記内側チューブとの間を流れる前記流体の全体的な流路を画定する、デバイス。
【請求項2】
前記複数のブレードの各々が、前記内側チューブの前記外側表面に固定的に結合されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
各ブレードが、前記内側チューブの前記外側表面に結合された近位端部と、前記ブレードの横軸に沿って前記近位端部とは反対側にあり、かつ前記近位端部から離間された遠位端部と、前縁部と、後縁部と、を有し、前記前縁部及び前記後縁部が、前記近位端部と前記遠位端部との間に延在し、前記ブレードの長手方向軸が、前記前縁部及び前記後縁部を通って延在する、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
各ブレードのブレード平面が、それぞれの前記ブレードの前記横軸及び前記長手方向軸を含み、
第1のサブセットのブレードが、前記内側チューブの周りで円周方向に第1の列に配置されており、第2のサブセットのブレードが、前記内側チューブの周りで円周方向に第2の列に配置されており、前記第1の列が、前記第2の列から軸方向に離間されており、
前記第1のサブセット内の第1のブレード及び前記第2のサブセット内の第1のブレードのための前記ブレード平面が、同一平面上にある、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
各ブレードのブレード平面が、それぞれの前記ブレードの前記横軸及び前記長手方向軸を含み、
第1のサブセットのブレードが、前記内側チューブの周りで円周方向に第1の列に配置されており、第2のサブセットのブレードが、前記内側チューブの周りで円周方向に第2の列に配置されており、前記第1の列が、前記第2の列から軸方向に離間されており、
前記第1の列及び前記第2の列内の前記ブレードのための前記ブレード平面が、円周方向に離間されている、請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1のサブセットのブレードの前記前縁部を含む平面が、前記内側チューブの中心長手方向軸に垂直である、請求項4又は5に記載のデバイス。
【請求項7】
各ブレードの前記後縁部が、弓形形状であり、各ブレードの前記前縁部が、平面状であり、前記近位端部の長さが、前記遠位端部の長さ未満であり、前記ブレードの前記長手方向軸を含む平面を通って取った各ブレードの断面形状が、三角形である、請求項3~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記複数のブレードのうちの少なくとも1つの前記横軸が、前記内側チューブの中心長手方向軸から半径方向に離間されている、請求項3~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記前縁部と前記後縁部との間に延在する各ブレードの表面が、前記ブレードの前記遠位端部から見た際に平面状である、請求項3~8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記媒体が、ガスが前記流体の前記流路内に放出されるように、前駆体から前記ガスを生成するように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記媒体が、前記前駆体を含む乾燥粒子を含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記媒体が、プロトン発生種を更に含む、請求項10又は11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記媒体が、前記プロトン発生種を含む乾燥粒子を更に含む、請求項10~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記内側チューブ内に配設された前記媒体が、前記前駆体を含む前記乾燥粒子と、前記プロトン発生種を含む前記乾燥粒子との混合物を含む、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記内側チューブ内に配設された前記媒体が、前記前駆体を含む前記乾燥粒子を含む層と、前記プロトン発生種を含む前記乾燥粒子の層との交互の層を含む層状床を含む、請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
前記層状床内の層の総数が、3以上である、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記前駆体が、二酸化塩素前駆体を含み、かつ前記ガスが、二酸化塩素(ClO)を含むか、前記前駆体が、二酸化炭素前駆体を含み、かつ前記ガスが、二酸化炭素(CO)を含むか、又はそれらの組み合わせである、請求項10~16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記前駆体を含む前記乾燥粒子が、ゼオライト結晶、シリカ、軽石、珪藻土、ベントナイト、及び粘土からなる群から選択される多孔質担体を更に含み、前記前駆体が、前記多孔質担体に含浸されている、請求項11~17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記前駆体を含む前記乾燥粒子が、1重量%~100重量%、1重量%~90重量%、又は1重量%~50重量%の前記前駆体を含む、請求項11~18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
前記前駆体が、二酸化炭素前駆体を含み、前記二酸化炭素前駆体が、炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される炭素含有化合物を含む、請求項10~19のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項21】
前記炭素含有化合物が、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記前駆体が、二酸化塩素前駆体を含み、前記二酸化塩素前駆体が、金属亜塩素酸塩、金属塩素酸塩、塩素酸、次亜塩素酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される二酸化塩素生成化合物を含む、請求項10~19のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項23】
前記金属亜塩素酸塩が、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸マグネシウム、若しくはそれらの組み合わせを含むか、又は前記金属塩素酸塩が、塩素酸ナトリウム、塩素酸リチウム、塩素酸カリウム、塩素酸マグネシウム、塩素酸バリウム、若しくはそれらの組み合わせを含む、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記プロトン発生種を含む前記乾燥粒子が、ゼオライト結晶、シリカ、軽石、珪藻土、ベントナイト、及び粘土からなる群から選択される多孔質担体を更に含み、前記プロトン発生種が、前記多孔質担体に含浸されている、請求項12~23のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項25】
前記プロトン発生種を含む前記乾燥粒子が、1重量%~100重量%、1重量%~90重量%、又は1重量%~50重量%の前記プロトン発生種の前記乾燥粒子を含む、請求項12~24のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項26】
前記プロトン発生種が、有機酸、無機酸、金属塩、又はそれらの組み合わせを含む、請求項12~25のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項27】
前記プロトン発生種が、酢酸、クエン酸、塩酸、リン酸、プロピオン酸、硫酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される有機酸及び/又は無機酸を含む、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
前記プロトン発生種が、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、CaCl、ZnSO、ZnCl、CoSO、CoCl、MnSO、MnCl、CuSO、CuCl、MgSO、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、リン酸水素、リン酸水素二ナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される金属塩を含む、請求項26に記載のデバイス。
【請求項29】
前記媒体が、前記ガスを前記流体の前記流路内に放出し、前記ブレードにわたって流れる前記流体の流れが、前記媒体が放出する前記ガスの量を増加させる、請求項10~28のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項30】
前記複数の穿孔部の各々が、前記内側チューブの前記外側表面から見た際に円形形状である、請求項1~29のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項31】
前記複数の穿孔部の各々が、前記内側チューブの前記外側表面から見た際に円形形状であり、前記前駆体を含む前記乾燥粒子が、第1の平均粒径を有し、前記複数の穿孔部の各々が、穿孔部直径を有し、前記第1の平均粒径が、前記媒体が前記複数の穿孔部から漏出しないように、前記穿孔部直径よりも大きい、請求項11~30のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項32】
前記複数の穿孔部の各々が、前記内側チューブの前記外側表面から見た際に円形形状であり、前記前駆体を含む前記乾燥粒子が、第1の平均粒径を有し、前記プロトン発生種を含む前記乾燥粒子が、第2の平均粒径を有し、前記複数の穿孔部の各々が、穿孔部直径を有し、前記第1の平均粒径及び前記第2の平均粒径が、前記媒体が前記複数の穿孔部から漏出しないように、前記穿孔部直径よりも大きい、請求項13~31のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項33】
透過性ライナを更に備え、前記ライナが、前記複数の穿孔部に隣接して前記内側チューブ内に配設されている、請求項1~32のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項34】
前記媒体が、前記ライナ内に配設されている、請求項33に記載のデバイス。
【請求項35】
前記ライナが、液体水に対して実質的に不浸透性である、請求項33又は34に記載のデバイス。
【請求項36】
前記ライナが、不織布又は紙を含む、請求項33~35のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項37】
前記ライナが、ポリエチレン又はポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項33~36のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項38】
前記ライナが、前記プロトン発生種の前記乾燥粒子を前記前駆体の前記乾燥粒子から分離するために、二区画サシェを形成する、3層の膜材料を含むサシェである、請求項33~37のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項39】
前記媒体が、ガスを放出するように構成されており、前記複数のブレードによって作り出された前記流体の流れが、前記流体中のVOC及び/又は微生物とのガス反応性を増加させる、請求項1~38のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項40】
前記複数のブレードが、前記ブレードにわたって流れる前記流体の乱流を引き起こすように構成されている、請求項1~39のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項41】
前記複数のブレードが、前記ブレードにわたって流れる前記流体内に渦を作り出すように構成されている、請求項1~39のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項42】
前記流体が、空気を含む、請求項1~41のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項43】
前記空気が、20%~90%又は50%~80%の湿度を有する、請求項42に記載のデバイス。
【請求項44】
流体を処理するためのシステムであって、
複数の流体処理デバイスを備え、前記デバイスの各々が、
第1の端部と、
前記第1の端部とは反対側の第2の端部と、
前記第1の端部から前記第2の端部まで延在する内側表面を含む外側チューブと、
前記第1の端部から前記第2の端部まで延在する、前記外側チューブと同軸に配設された内側チューブであって、前記内側チューブが、前記内側チューブの両端部の間に延在する内側表面及び外側表面を備え、前記内側チューブの前記外側表面及び前記外側チューブの前記内側表面が、前記内側チューブの前記端部の間に軸方向に延在する環状部を画定する、内側チューブと、
前記環状部内に配設された複数のブレードであって、前記ブレードにわたって流れる流体の流れ方向の成分を円周方向及び/又は半径方向に変えるように構成されている、複数のブレードと、
前記内側チューブ内に配設された媒体と、を備え、
前記内側チューブが、前記外側表面と前記内側表面との間に延在する複数の穿孔部を画定し、
前記環状部が、前記外側チューブと前記内側チューブとの間を流れる前記流体の全体的な流路を画定し、
前記デバイスのうちの少なくとも1つの前記第1の端部のうちの少なくとも1つが、前記デバイスのうちの少なくとも別のデバイスの第2の端部内に配設可能である、システム。
【請求項45】
前記デバイスのうちの少なくとも1つの前記第1の端部のうちの少なくとも1つが、前記デバイスのうちの少なくとも別のデバイスの第2の端部内に取り外し可能に配設可能である、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記デバイスのうちの少なくとも1つの前記第1の端部のうちの少なくとも1つが、前記デバイスのうちの少なくとも別のデバイスの第2の端部内に固定的に配設可能である、請求項44に記載のシステム。
【請求項47】
前記複数のブレードの各々が、前記内側チューブの前記外側表面に固定的に結合されている、請求項44~46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
各ブレードが、前記内側チューブの前記外側表面に結合された近位端部と、前記ブレードの横軸に沿って前記近位端部とは反対側にあり、かつ前記近位端部から離間された遠位端部と、前縁部と、後縁部と、を有し、前記前縁部及び前記後縁部が、前記近位端部と前記遠位端部との間に延在し、前記ブレードの長手方向軸が、前記前縁部及び前記後縁部を通って延在する、請求項44~47のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項49】
各ブレードのブレード平面が、それぞれの前記ブレードの前記横軸及び前記長手方向軸を含み、
第1のサブセットのブレードが、前記内側チューブの周りで円周方向に第1の列に配置されており、第2のサブセットのブレードが、前記内側チューブの周りで円周方向に第2の列に配置されており、前記第1の列が、前記第2の列から軸方向に離間されており、
前記第1のサブセット内の第1のブレード及び前記第2のサブセット内の第1のブレードのための前記ブレード平面が、同一平面上にある、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
各ブレードのブレード平面が、それぞれの前記ブレードの前記横軸及び前記長手方向軸を含み、
第1のサブセットのブレードが、前記内側チューブの周りで円周方向に第1の列に配置されており、第2のサブセットのブレードが、前記内側チューブの周りで円周方向に第2の列に配置されており、前記第1の列が、前記第2の列から軸方向に離間されており、
前記第1の列及び前記第2の列内の前記ブレードのための前記ブレード平面が、円周方向に離間されている、請求項48に記載のシステム。
【請求項51】
前記第1のサブセットのブレードの前記前縁部を含む平面が、前記内側チューブの中心長手方向軸に垂直である、請求項49又は50に記載のシステム。
【請求項52】
各ブレードの前記後縁部が、弓形形状であり、各ブレードの前記前縁部が、平面状であり、前記近位端部の長さが、前記遠位端部の長さ未満であり、前記ブレードの前記長手方向軸を含む平面を通って取った各ブレードの断面形状が、三角形である、請求項48~51のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項53】
前記複数のブレードのうちの少なくとも1つの前記横軸が、前記内側チューブの中心長手方向軸から半径方向に離間されている、請求項48~52のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項54】
前記前縁部と前記後縁部との間に延在する各ブレードの表面が、前記ブレードの前記遠位端部から見た際に平面状である、請求項48~53のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項55】
前記媒体が、ガスが前記流体の前記流路内に放出されるように、前駆体から前記ガスを生成するように構成されている、請求項44~54のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項56】
前記媒体が、前記前駆体を含む乾燥粒子を含む、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記媒体が、プロトン発生種を更に含む、請求項55又は56に記載のシステム。
【請求項58】
前記媒体が、前記プロトン発生種を含む乾燥粒子を更に含む、請求項55~57のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項59】
前記内側チューブ内に配設された前記媒体が、前記前駆体を含む前記乾燥粒子と、前記プロトン発生種を含む前記乾燥粒子との混合物を含む、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記内側チューブ内に配設された前記媒体が、前記前駆体を含む前記乾燥粒子を含む層と、前記プロトン発生種を含む前記乾燥粒子の層との交互の層を含む層状床を含む、請求項58に記載のシステム。
【請求項61】
前記層状床内の層の総数が、3以上である、請求項60に記載のシステム。
【請求項62】
前記前駆体が、二酸化塩素前駆体を含み、かつ前記ガスが、二酸化塩素(ClO)を含むか、前記前駆体が、二酸化炭素前駆体を含み、かつ前記ガスが、二酸化炭素(CO)を含むか、又はそれらの組み合わせである、請求項55~61のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項63】
前記前駆体を含む前記乾燥粒子が、ゼオライト結晶、シリカ、軽石、珪藻土、ベントナイト、及び粘土からなる群から選択される多孔質担体を更に含み、前記前駆体が、前記多孔質担体に含浸されている、請求項56~62のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項64】
前記前駆体を含む前記乾燥粒子が、1重量%~100重量%、1重量%~90重量%、又は1重量%~50重量%の前記前駆体を含む、請求項56~63のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項65】
前記前駆体が、二酸化炭素前駆体を含み、前記二酸化炭素前駆体が、炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される炭素含有化合物を含む、請求項55~64のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項66】
前記炭素含有化合物が、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記前駆体が、二酸化塩素前駆体を含み、前記二酸化塩素前駆体が、金属亜塩素酸塩、金属塩素酸塩、塩素酸、次亜塩素酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される二酸化塩素生成化合物を含む、請求項55~64のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項68】
前記金属亜塩素酸塩が、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸マグネシウム、若しくはそれらの組み合わせを含むか、又は前記金属塩素酸塩が、塩素酸ナトリウム、塩素酸リチウム、塩素酸カリウム、塩素酸マグネシウム、塩素酸バリウム、若しくはそれらの組み合わせを含む、請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
前記プロトン発生種を含む前記乾燥粒子が、ゼオライト結晶、シリカ、軽石、珪藻土、ベントナイト、及び粘土からなる群から選択される多孔質担体を更に含み、前記プロトン発生種が、前記多孔質担体に含浸されている、請求項58~68のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項70】
前記プロトン発生種を含む前記乾燥粒子が、1重量%~100重量%、1重量%~90重量%、又は1重量%~50重量%の前記プロトン発生種の前記乾燥粒子を含む、請求項58~69のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項71】
前記プロトン発生種が、有機酸、無機酸、金属塩、又はそれらの組み合わせを含む、請求項57~70のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項72】
前記プロトン発生種が、酢酸、クエン酸、塩酸、リン酸、プロピオン酸、硫酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される有機酸及び/又は無機酸を含む、請求項71に記載のシステム。
【請求項73】
前記プロトン発生種が、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、CaCl、ZnSO、ZnCl、CoSO、CoCl、MnSO、MnCl、CuSO、CuCl、MgSO、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、リン酸水素、リン酸水素二ナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される金属塩を含む、請求項71に記載のシステム。
【請求項74】
前記媒体が、前記ガスを流体の前記流路内に放出し、前記ブレードにわたって流れる前記流体の流れが、前記媒体が放出する前記ガスの量を増加させる、請求項55~73のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項75】
前記複数の穿孔部の各々が、前記内側チューブの前記外側表面から見た際に円形形状である、請求項44~74のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項76】
前記複数の穿孔部の各々が、前記内側チューブの前記外側表面から見た際に円形形状であり、前記前駆体を含む前記乾燥粒子が、第1の平均粒径を有し、前記複数の穿孔部の各々が、穿孔部直径を有し、前記第1の平均粒径が、前記媒体が前記複数の穿孔部から漏出しないように、前記穿孔部直径よりも大きい、請求項56~75のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項77】
前記複数の穿孔部の各々が、前記内側チューブの前記外側表面から見た際に円形形状であり、前記前駆体を含む前記乾燥粒子が、第1の平均粒径を有し、前記プロトン発生種を含む前記乾燥粒子が、第2の平均粒径を有し、前記複数の穿孔部の各々が、穿孔部直径を有し、前記第1の平均粒径及び前記第2の平均粒径が、前記媒体が前記複数の穿孔部から漏出しないように、前記穿孔部直径よりも大きい、請求項58~76のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項78】
透過性ライナを更に備え、前記ライナが、前記複数の穿孔部に隣接して前記内側チューブ内に配設されている、請求項44~77のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項79】
前記媒体が、前記ライナ内に配設されている、請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
前記ライナが、液体水に対して実質的に不浸透性である、請求項78又は79に記載のシステム。
【請求項81】
前記ライナが、不織布又は紙を含む、請求項78~80のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項82】
前記ライナが、ポリエチレン又はポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項78~81のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項83】
前記ライナが、前記プロトン発生種の前記乾燥粒子を前記前駆体の前記乾燥粒子から分離するために、二区画サシェを形成する、3層の膜材料を含むサシェである、請求項78~82のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項84】
前記媒体が、ガスを放出するように構成されており、前記複数のブレードによって作り出された前記流体の流れが、前記流体中のVOC及び/又は微生物とのガス反応性を増加させる、請求項44~83のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項85】
前記複数のブレードが、前記ブレードにわたって流れる前記流体の乱流を引き起こすように構成されている、請求項44~84のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項86】
前記複数のブレードが、前記ブレードにわたって流れる前記流体内に渦を作り出すように構成されている、請求項44~84のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項87】
前記流体が、空気を含む、請求項44~86のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項88】
前記空気が、20%~90%又は50%~80%の湿度を有する、請求項87に記載のシステム。
【請求項89】
流体を処理する方法であって、
内側チューブ内に媒体を提供することであって、前記内側チューブが、複数のブレードを有する少なくとも外側表面を備える、提供することと、
前記複数のブレード及び前記媒体が流体流と接触するように、前記内側チューブを前記流体流内に配設することと、を含み、
前記複数のブレードが、前記ブレードにわたって流れる流体の流れ方向の成分を円周方向及び/又は半径方向に変える、方法。
【請求項90】
前記媒体が、ガスを放出し、前記複数のブレードによって作り出された前記流体の流れが、前記媒体の前記ガスと前記流体流との間の混合を増加させる、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記内側チューブの周りに同軸に配設された外側チューブを提供することと、前記流体流を収容及び集中させるように前記外側チューブを前記流体流内に配設することと、を更に含む、請求項89又は90に記載の方法。
【請求項92】
前記方法が、-25℃~50℃、0℃~40℃、又は32℃~38℃の温度で実施される、請求項89~91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記複数のブレードの各々が、前記内側チューブの前記外側表面に固定的に結合されている、請求項89~92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
各ブレードが、前記内側チューブの前記外側表面に結合された近位端部と、前記ブレードの横軸に沿って前記近位端部とは反対側にあり、かつ前記近位端部から離間された遠位端部と、前縁部と、後縁部と、を有し、前記前縁部及び前記後縁部が、前記近位端部と前記遠位端部との間に延在し、前記ブレードの長手方向軸が、前記前縁部及び前記後縁部を通って延在する、請求項89~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
各ブレードのブレード平面が、それぞれの前記ブレードの前記横軸及び前記長手方向軸を含み、
第1のサブセットのブレードが、前記内側チューブの周りで円周方向に第1の列に配置されており、第2のサブセットのブレードが、前記内側チューブの周りで円周方向に第2の列に配置されており、前記第1の列が、前記第2の列から軸方向に離間されており、
前記第1のサブセット内の第1のブレード及び前記第2のサブセット内の第1のブレードのための前記ブレード平面が、同一平面上にある、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
各ブレードのブレード平面が、それぞれの前記ブレードの前記横軸及び前記長手方向軸を含み、
第1のサブセットのブレードが、前記内側チューブの周りで円周方向に第1の列に配置されており、第2のサブセットのブレードが、前記内側チューブの周りで円周方向に第2の列に配置されており、前記第1の列が、前記第2の列から軸方向に離間されており、
前記第1の列及び前記第2の列内の前記ブレードのための前記ブレード平面が、円周方向に離間されている、請求項94に記載の方法。
【請求項97】
前記第1のサブセットのブレードの前記前縁部を含む平面が、前記内側チューブの中心長手方向軸に垂直である、請求項95又は96に記載の方法。
【請求項98】
各ブレードの前記後縁部が、弓形形状であり、各ブレードの前記前縁部が、平面状であり、前記近位端部の長さが、前記遠位端部の長さ未満であり、前記ブレードの前記長手方向軸を含む平面を通って取った各ブレードの断面形状が、三角形である、請求項94~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記複数のブレードのうちの少なくとも1つの前記横軸が、前記内側チューブの中心長手方向軸から半径方向に離間されている、請求項94~98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記前縁部と前記後縁部との間に延在する各ブレードの表面が、前記ブレードの前記遠位端部から見た際に平面状である、請求項94~99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記媒体が、ガスが前記流体の前記流路内に放出されるように、前駆体から前記ガスを生成するように構成されている、請求項89~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記媒体が、前記前駆体を含む乾燥粒子を含む、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記媒体が、プロトン発生種を更に含む、請求項101又は102に記載の方法。
【請求項104】
前記媒体が、前記プロトン発生種を含む乾燥粒子を更に含む、請求項101~103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記内側チューブ内に配設された前記媒体が、前記前駆体を含む前記乾燥粒子と、前記プロトン発生種を含む前記乾燥粒子との混合物を含む、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記内側チューブ内に配設された前記媒体が、前記前駆体を含む前記乾燥粒子を含む層と、前記プロトン発生種を含む前記乾燥粒子の層との交互の層を含む層状床を含む、請求項104に記載の方法。
【請求項107】
前記層状床内の層の総数が、3以上である、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記前駆体が、二酸化塩素前駆体を含み、かつ前記ガスが、二酸化塩素(ClO)を含むか、前記前駆体が、二酸化炭素前駆体を含み、かつ前記ガスが、二酸化炭素(CO)を含むか、又はそれらの組み合わせである、請求項101~107のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
前記前駆体を含む前記乾燥粒子が、ゼオライト結晶、シリカ、軽石、珪藻土、ベントナイト、及び粘土からなる群から選択される多孔質担体を更に含み、前記前駆体が、前記多孔質担体に含浸されている、請求項102~108のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記前駆体を含む前記乾燥粒子が、1重量%~100重量%、1重量%~90重量%、又は1重量%~50重量%の前記前駆体を含む、請求項102~109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記前駆体が、二酸化炭素前駆体を含み、前記二酸化炭素前駆体が、炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される炭素含有化合物を含む、請求項101~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記炭素含有化合物が、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記前駆体が、二酸化塩素前駆体を含み、前記二酸化塩素前駆体が、金属亜塩素酸塩、金属塩素酸塩、塩素酸、次亜塩素酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される二酸化塩素生成化合物を含む、請求項101~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記金属亜塩素酸塩が、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸マグネシウム、若しくはそれらの組み合わせを含むか、又は前記金属塩素酸塩が、塩素酸ナトリウム、塩素酸リチウム、塩素酸カリウム、塩素酸マグネシウム、塩素酸バリウム、若しくはそれらの組み合わせを含む、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記プロトン発生種を含む前記乾燥粒子が、ゼオライト結晶、シリカ、軽石、珪藻土、ベントナイト、及び粘土からなる群から選択される多孔質担体を更に含み、前記プロトン発生種が、前記多孔質担体に含浸されている、請求項104~114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記プロトン発生種を含む前記乾燥粒子が、1重量%~100重量%、1重量%~90重量%、又は1重量%~50重量%の前記プロトン発生種の前記乾燥粒子を含む、請求項104~115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記プロトン発生種が、有機酸、無機酸、金属塩、又はそれらの組み合わせを含む、請求項103~116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記プロトン発生種が、酢酸、クエン酸、塩酸、リン酸、プロピオン酸、硫酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される有機酸及び/又は無機酸を含む、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記プロトン発生種が、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、CaCl、ZnSO、ZnCl、CoSO、CoCl、MnSO、MnCl、CuSO、CuCl、MgSO、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、リン酸水素、リン酸水素二ナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される金属塩を含む、請求項117に記載の方法。
【請求項120】
前記媒体が、前記ガスを前記流体の前記流路内に放出し、前記ブレードにわたって流れる前記流体の流れが、前記媒体が放出する前記ガスの量を増加させる、請求項101~119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記複数の穿孔部の各々が、前記内側チューブの前記外側表面から見た際に円形形状である、請求項89~120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
前記複数の穿孔部の各々が、前記内側チューブの前記外側表面から見た際に円形形状であり、前記前駆体を含む前記乾燥粒子が、第1の平均粒径を有し、前記複数の穿孔部の各々が、穿孔部直径を有し、前記第1の平均粒径が、前記媒体が前記複数の穿孔部から漏出しないように、前記穿孔部直径よりも大きい、請求項102~121のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
前記複数の穿孔部の各々が、前記内側チューブの前記外側表面から見た際に円形形状であり、前記前駆体を含む前記乾燥粒子が、第1の平均粒径を有し、前記プロトン発生種を含む前記乾燥粒子が、第2の平均粒径を有し、前記複数の穿孔部の各々が、穿孔部直径を有し、前記第1の平均粒径及び前記第2の平均粒径が、前記媒体が前記複数の穿孔部から漏出しないように、前記穿孔部直径よりも大きい、請求項104~122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
透過性ライナを更に備え、前記ライナが、前記複数の穿孔部に隣接して前記内側チューブ内に配設されている、請求項89~123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
前記媒体が、前記ライナ内に配設されている、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記ライナが、液体水に対して実質的に不浸透性である、請求項124又は125に記載の方法。
【請求項127】
前記ライナが、不織布又は紙を含む、請求項124~126のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
前記ライナが、ポリエチレン又はポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項124~127のいずれか一項に記載の方法。
【請求項129】
前記ライナが、前記プロトン発生種の前記乾燥粒子を前記前駆体の前記乾燥粒子から分離するために、二区画サシェを形成する、3層の膜材料を含むサシェである、請求項124~128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
前記媒体が、ガスを放出するように構成されており、前記複数のブレードによって作り出された前記流体の流れが、前記流体中のVOC及び/又は微生物とのガス反応性を増加させる、請求項89~129のいずれか一項に記載の方法。
【請求項131】
前記複数のブレードが、前記ブレードにわたって流れる前記流体の乱流を引き起こすように構成されている、請求項89~130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項132】
前記複数のブレードが、前記ブレードにわたって流れる前記流体内に渦を作り出すように構成されている、請求項89~130のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
前記流体が、空気を含む、請求項89~132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
前記空気が、20%~90%又は50%~80%の湿度を有する、請求項133に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
例えば、流体中の揮発性有機化合物(VOC)及び/又は微生物などの汚染物質を低減又は排除するために、流体を処理するためのデバイス及び方法に対する当該技術分野における必要性が存在する。本明細書に開示されるデバイス、システム、及び方法は、これら及び他の必要性に対処する。
【発明の概要】
【0003】
本開示のデバイス、システム、及び方法の目的に従い、本明細書において具現化され、広く記載されるように、本開示の主題は、同軸のチューブ状流体処理デバイス及びシステム、並びにその使用方法に関する。
【0004】
本明細書に開示されるのは、流体処理デバイスであって、デバイスは、内側表面を備える外側チューブと、外側チューブ内に同軸に配設された内側チューブであって、内側チューブは、内側チューブの両端部の間に延在する内側表面及び外側表面を備え、内側チューブの外側表面及び外側チューブの内側表面は、内側チューブの端部の間に軸方向に延在する環状部を画定する、内側チューブと、環状部内に配設された複数のブレードであって、ブレードにわたって流れる流体の流れ方向の成分を円周方向及び/又は半径方向に変えるように構成されている、複数のブレードと、内側チューブ内に配設された媒体と、を備え、内側チューブは、外側表面と内側表面との間に延在する複数の穿孔部を画定し、環状部は、外側チューブと内側チューブとの間を流れる流体の全体的な流路を画定する、流体処理デバイスである。
【0005】
いくつかの例では、複数のブレードの各々は、内側チューブの外側表面に固定的に結合されている。いくつかの例では、各ブレードは、内側チューブの外側表面に結合された近位端部と、ブレードの横軸に沿って近位端部とは反対側にあり、かつ近位端部から離間された遠位端部と、前縁部と、後縁部と、を有し、前縁部及び後縁部は、近位端部と遠位端部との間に延在し、ブレードの長手方向軸は、前縁部及び後縁部を通って延在する。
【0006】
いくつかの例では、各ブレードのブレード平面は、それぞれのブレードの横軸及び長手方向軸を含み、第1のサブセットのブレードは、内側チューブの周りで円周方向に第1の列に配置されており、第2のサブセットのブレードは、内側チューブの周りで円周方向に第2の列に配置されており、第1の列は、第2の列から軸方向に離間されており、第1のサブセット内の第1のブレード及び第2のサブセット内の第1のブレードのためのブレード平面は、同一平面上にある。
【0007】
いくつかの例では、各ブレードのブレード平面は、それぞれのブレードの横軸及び長手方向軸を含み、第1のサブセットのブレードは、内側チューブの周りで円周方向に第1の列に配置されており、第2のサブセットのブレードは、内側チューブの周りで円周方向に第2の列に配置されており、第1の列は、第2の列から軸方向に離間されており、第1の列及び第2の列内のブレードのためのブレード平面は、円周方向に離間されている。
【0008】
いくつかの例では、第1のサブセットのブレードの前縁部を含む平面が、内側チューブの中心長手方向軸に垂直である。いくつかの例では、各ブレードの後縁部は、弓形形状であり、各ブレードの前縁部は、平面状であり、近位端部の長さが、遠位端部の長さ未満であり、ブレードの長手方向軸を含む平面を通って取った各ブレードの断面形状が、三角形である。いくつかの例では、複数のブレードのうちの少なくとも1つの横軸は、内側チューブの中心長手方向軸から半径方向に離間されている。いくつかの例では、前縁部と後縁部との間に延在する各ブレードの表面が、ブレードの遠位端部から見た際に平面状である。
【0009】
いくつかの例では、媒体は、ガスを流体の流路内に放出し、ブレードにわたって流れる流体の流れは、媒体が放出するガスの量を増加させる。
【0010】
いくつかの例では、複数の穿孔部の各々は、内側チューブの外側表面から見た際に円形形状であり、複数の穿孔部の各々は、内側チューブの外側表面から見た際に円形形状であり、前駆体を含む乾燥粒子は、第1の平均粒径を有し、複数の穿孔部の各々は、穿孔部直径を有し、第1の平均粒径は、媒体が複数の穿孔部から漏出しないように、穿孔部直径よりも大きい。いくつかの例では、複数の穿孔部の各々は、内側チューブの外側表面から見た際に円形形状であり、前駆体を含む乾燥粒子は、第1の平均粒径を有し、プロトン発生種を含む乾燥粒子は、第2の平均粒径を有し、複数の穿孔部の各々は、穿孔部直径を有し、第1の平均粒径及び第2の平均粒径は、媒体が複数の穿孔部から漏出しないように、穿孔部直径よりも大きい。
【0011】
いくつかの例では、デバイスは、透過性ライナを更に備え、ライナは、複数の穿孔部に隣接して内側チューブ内に配設されている。いくつかの例では、媒体は、ライナ内に配設されている。いくつかの例では、ライナは、液体水に対して実質的に不浸透性である。いくつかの例では、ライナは、不織布又は紙を含む。いくつかの例では、ライナは、ポリエチレン又はポリテトラフルオロエチレンを含む。いくつかの例では、ライナは、プロトン発生種の乾燥粒子を前駆体の乾燥粒子から分離するために、二区画サシェを形成する、3層の膜材料を含むサシェである。
【0012】
いくつかの例では、媒体は、ガスが流体の流路内に放出されるように、前駆体からガスを生成するように構成されている。いくつかの例では、媒体は、前駆体を含む乾燥粒子を含む。
【0013】
いくつかの例では、媒体は、プロトン発生種を更に含む。いくつかの例では、媒体は、プロトン発生種を含む乾燥粒子を更に含む。
【0014】
いくつかの例では、内側チューブ内に配設された媒体は、前駆体を含む乾燥粒子と、プロトン発生種を含む乾燥粒子との混合物を含む。
【0015】
いくつかの例では、内側チューブ内に配設された媒体は、前駆体を含む乾燥粒子を含む層と、プロトン発生種を含む乾燥粒子の層との交互の層を含む層状床を含む。いくつかの例では、層状床内の層の総数は、3以上である。
【0016】
いくつかの例では、前駆体は、二酸化塩素前駆体を含み、かつガスが、二酸化塩素(ClO)を含むか、前駆体が、二酸化炭素前駆体を含み、かつガスが、二酸化炭素(CO)を含むか、又はそれらの組み合わせである。
【0017】
いくつかの例では、前駆体を含む乾燥粒子は、ゼオライト結晶、シリカ、軽石、珪藻土、ベントナイト、及び粘土からなる群から選択される多孔質担体を更に含み、前駆体は、多孔質担体に含浸されている。
【0018】
いくつかの例では、前駆体を含む乾燥粒子は、1重量%~100重量%、1重量%~90重量%、又は1重量%~50重量%の前駆体を含む。
【0019】
いくつかの例では、前駆体は、二酸化炭素前駆体を含み、二酸化炭素前駆体は、炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される炭素含有化合物を含む。いくつかの例では、炭素含有化合物は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0020】
いくつかの例では、前駆体は、二酸化塩素前駆体を含み、二酸化塩素前駆体は、金属亜塩素酸塩、金属塩素酸塩、塩素酸、次亜塩素酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される二酸化塩素生成化合物を含む。いくつかの例では、金属亜塩素酸塩は、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸マグネシウム、若しくはそれらの組み合わせを含むか、又は金属塩素酸塩は、塩素酸ナトリウム、塩素酸リチウム、塩素酸カリウム、塩素酸マグネシウム、塩素酸バリウム、若しくはそれらの組み合わせを含む。
【0021】
いくつかの例では、プロトン発生種を含む乾燥粒子が、ゼオライト結晶、シリカ、軽石、珪藻土、ベントナイト、及び粘土からなる群から選択される多孔質担体を更に含み、プロトン発生種は、多孔質担体に含浸されている。
【0022】
いくつかの例では、プロトン発生種を含む乾燥粒子は、1重量%~100重量%、1重量%~90重量%、又は1重量%~50重量%のプロトン発生種の乾燥粒子を含む。
【0023】
いくつかの例では、プロトン発生種は、有機酸、無機酸、金属塩、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの例では、プロトン発生種は、酢酸、クエン酸、塩酸、リン酸、プロピオン酸、硫酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される有機酸及び/又は無機酸を含む。いくつかの例では、プロトン発生種は、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、CaCl、ZnSO、ZnCl、CoSO、CoCl、MnSO、MnCl、CuSO、CuCl、MgSO、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、リン酸水素、リン酸水素二ナトリウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される金属塩を含む。
【0024】
いくつかの例では、媒体は、ガスを放出するように構成されており、複数のブレードによって作り出された流体の流れは、流体中のVOC及び/又は微生物とのガス反応性を増加させる。
【0025】
いくつかの例では、複数のブレードは、ブレードにわたって流れる流体の乱流を引き起こすように構成されている。
【0026】
いくつかの例では、複数のブレードは、ブレードにわたって流れる流体内に渦を作り出すように構成されている。
【0027】
いくつかの例では、流体は、空気を含む。いくつかの例では、空気は、20%~90%又は50%~80%の湿度を有する。
【0028】
本明細書に同様に開示されるのは、本明細書に開示されるデバイスのいずれかを含むシステムである。例えば、本明細書に同様に開示されるのは、流体を処理するためのシステムであって、複数の流体処理デバイスを備え、デバイスの各々は、第1の端部と、第1の端部とは反対側の第2の端部と、第1の端部から第2の端部まで延在する内側表面を含む外側チューブと、第1の端部から第2の端部まで延在する、外側チューブと同軸に配設された内側チューブであって、内側チューブは、内側チューブの両端部の間に延在する内側表面及び外側表面を備え、内側チューブの外側表面及び外側チューブの内側表面は、内側チューブの端部の間に軸方向に延在する環状部を画定する、内側チューブと、環状部内に配設された複数のブレードであって、ブレードにわたって流れる流体の流れ方向の成分を円周方向及び/又は半径方向に変えるように構成されている、複数のブレードと、内側チューブ内に配設された媒体と、を備え、内側チューブは、外側表面と内側表面との間に延在する複数の穿孔部を画定し、環状部は、外側チューブと内側チューブとの間を流れる流体の全体的な流路を画定し、デバイスのうちの少なくとも1つの第1の端部のうちの少なくとも1つは、デバイスのうちの少なくとも別のデバイスの第2の端部内に配設可能である、システムである。
【0029】
いくつかの例では、デバイスのうちの少なくとも1つの第1の端部のうちの少なくとも1つは、デバイスのうちの少なくとも別のデバイスの第2の端部内に取り外し可能に配設可能である。
【0030】
いくつかの例では、デバイスのうちの少なくとも1つの第1の端部のうちの少なくとも1つは、デバイスのうちの少なくとも別のデバイスの第2の端部内に固定的に配設可能である。
【0031】
いくつかの例では、複数のブレードの各々は、内側チューブの外側表面に固定的に結合されている。
【0032】
いくつかの例では、各ブレードは、内側チューブの外側表面に結合された近位端部と、ブレードの横軸に沿って近位端部とは反対側にあり、かつ近位端部から離間された遠位端部と、前縁部と、後縁部と、を有し、前縁部及び後縁部は、近位端部と遠位端部との間に延在し、ブレードの長手方向軸は、前縁部及び後縁部を通って延在する。
【0033】
いくつかの例では、各ブレードのブレード平面は、それぞれのブレードの横軸及び長手方向軸を含み、第1のサブセットのブレードは、内側チューブの周りで円周方向に第1の列に配置されており、第2のサブセットのブレードは、内側チューブの周りで円周方向に第2の列に配置されており、第1の列は、第2の列から軸方向に離間されており、第1のサブセット内の第1のブレード及び第2のサブセット内の第1のブレードのためのブレード平面は、同一平面上にある。
【0034】
いくつかの例では、各ブレードのブレード平面は、それぞれのブレードの横軸及び長手方向軸を含み、第1のサブセットのブレードは、内側チューブの周りで円周方向に第1の列に配置されており、第2のサブセットのブレードは、内側チューブの周りで円周方向に第2の列に配置されており、第1の列は、第2の列から軸方向に離間されており、第1の列及び第2の列内のブレードのためのブレード平面は、円周方向に離間されている。
【0035】
いくつかの例では、第1のサブセットのブレードの前縁部を含む平面が、内側チューブの中心長手方向軸に垂直である。
【0036】
いくつかの例では、各ブレードの後縁部は、弓形形状であり、各ブレードの前縁部は、平面状であり、近位端部の長さが、遠位端部の長さ未満であり、ブレードの長手方向軸を含む平面を通って取った各ブレードの断面形状が、三角形である。
【0037】
いくつかの例では、複数のブレードのうちの少なくとも1つの横軸は、内側チューブの中心長手方向軸から半径方向に離間されている。
【0038】
いくつかの例では、前縁部と後縁部との間に延在する各ブレードの表面が、ブレードの遠位端部から見た際に平面状である。
【0039】
いくつかの例では、システムは、透過性ライナを更に備え、ライナは、複数の穿孔部に隣接して内側チューブ内に配設されている。いくつかの例では、媒体は、ライナ内に配設されている。いくつかの例では、ライナは、液体水に対して実質的に不浸透性である。いくつかの例では、ライナは、不織布又は紙を含む。いくつかの例では、ライナは、ポリエチレン又はポリテトラフルオロエチレンを含む。いくつかの例では、ライナは、プロトン発生種の乾燥粒子を前駆体の乾燥粒子から分離するために、二区画サシェを形成する、3層の膜材料を含むサシェである。
【0040】
本明細書に同様に開示されるのは、本明細書に開示されるデバイスのシステムのいずれかを使用して流体を処理する方法である。例えば、本明細書に同様に開示されるのは、流体を処理する方法であって、内側チューブ内に媒体を提供することであって、内側チューブは、複数のブレードを有する少なくとも外側表面を備える、提供することと、複数のブレード及び媒体が流体流と接触するように、内側チューブを流体流内に配設することと、を含み、複数のブレードは、ブレードにわたって流れる流体の流れ方向の成分を円周方向及び/又は半径方向に変える、方法である。いくつかの例では、媒体は、ガスを放出し、複数のブレードによって作り出された流体の流れが、媒体のガスと流体流との間の混合を増加させる。
【0041】
いくつかの例では、方法は、内側チューブの周りに同軸に配設された外側チューブを提供することと、流体流を収容及び集中させるように外側チューブを流体流内に配設することと、を更に含む。
【0042】
いくつかの例では、方法は、-25℃~50℃、0℃~40℃、又は32℃~38℃の温度で実施される。
【0043】
本開示のデバイス、システム、及び方法の追加の利点は、以下の説明に一部記載され、この説明から一部明らかであろう。本開示のデバイス、システム、及び方法の利点は、添付の特許請求の範囲に特に指摘される要素及び組み合わせにより実現され、達せられるであろう。前述の概要及び以下の発明を実施するための形態の両方は、単に例示的及び説明的であり、特許請求される本開示のデバイス、システム、及び方法を限定するものではないことを理解されたい。
【0044】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載されている。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかであろう。
【0045】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示のいくつかの態様を例示し、説明とともに本開示の原理を説明する役割を果たす。
【0046】
例示的な特徴及び実装態様を、添付の図面に開示する。しかしながら、本開示は、まさに示された配置及び手段に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1A】一実装態様による、流体処理デバイスの斜視図である。
図1B】外側チューブを取り外した状態の図1Aの流体処理デバイスの斜視図である。
図1C】外側チューブを取り外した状態の図1Aの流体処理デバイスの側面図である。
図1D図1Aの流体処理デバイスの端面図である。
図2A】別の実装態様による、流体処理デバイスの斜視図である。
図2B】外側チューブを取り外した状態の図2Aの流体処理デバイスの斜視図である。
図2C】外側チューブを取り外した状態の図2Aの流体処理デバイスの側面図である。
図2D図2Aの流体処理デバイスの端面図である。
図3】互いに結合された2つの流体処理デバイスを含む、流体を処理するためのシステムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本明細書に記載されるデバイス、システム、及び方法は、本開示の主題の特定の態様の以下の詳細な説明、及びそこに含まれる実施例を参照することによって、より容易に理解され得る。
【0049】
本デバイス、システム、及び方法を開示及び説明する前に、以下に説明される態様が特定の合成方法又は特定の試薬に限定されず、そのため、当然ながら変わり得ることを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的とし、限定することが意図されないことも理解されるべきである。
【0050】
また、本明細書全体を通して、様々な刊行物が参照される。これらの刊行物の開示は、それらの全体が、本開示の主題が関係する技術水準をより完全に説明するために参照により本出願に組み込まれる。開示される参考文献はまた、参考文献に依る文章で論じられ、それらに含まれる材料について、個別にかつ具体的に参照により本明細書に組み込まれる。
【0051】
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、以下の意味を有するべく定義されたいくつかの用語を参照されたい。
【0052】
本明細書で使用される場合、「備える」という用語及びその変形は、「含む」という用語及びその変形と同義に使用され、開放的で非限定的な用語である。「備える」及び「含む」という用語が、様々な実装態様を説明するために本明細書で使用されたが、より特定的な実装態様を提供するために、「備える」及び「含む」の代わりに、「本質的にからなる」及び「からなる」という用語を使用することができ、開示もされる。
【0053】
本明細書で及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、「the」は、文脈が明らかに別様に示さない限り、複数参照を含む。したがって、例えば、「a composition(ある組成物)」に対する言及は、2つ以上のそのような組成物の混合物を含み、「the compound(その化合物)」に対する言及は、2つ以上のそのような化合物の混合物を含み、「an agent(ある薬剤)」に対する言及は、2つ以上のそのような薬剤の混合物を含むなどである。
【0054】
「例示的な」は、「~の例」を意味し、好ましい又は理想的な実施形態の指示を伝えることを意図しない。「など」は、限定的な意味で使用されるのではなく、説明目的で使用される。
【0055】
本明細書全体を通して、識別子「第1の」及び「第2の」は、本開示の主題の様々な構成要素、特徴、又はステップの区別において読み手を助けるために単に使用されることが理解される。識別子「第1の」及び「第2の」は、これらの用語によって修飾された構成要素又はステップに対する任意の特定の順序、量、優先性、又は重要性を暗示することを意図しない。
【0056】
「又はそれらの組み合わせ」という用語は、本明細書で使用される場合、その用語に先行して列挙された項目の全ての順列及び組み合わせを指す。例えば、「A、B、C、又はそれらの組み合わせ」は、A、B、C、AB、AC、BC又はABCのうちの少なくとも1つ、また特定の文脈において順序が重要である場合は、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、又はCABのうちの少なくとも1つも含むことが意図される。この例を続けると、BB、AAA、AB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどといった1つ以上の項目又は用語の反復を含む組み合わせが明示的に含まれる。当業者は、文脈から別段明らかでない限り、典型的には、任意の組み合わせにおける項目又は用語の数に制限がないことを理解するであろう。
【0057】
流体の処理を提供するデバイス、システム、及び方法が本明細書に開示される。
【0058】
本明細書で使用される場合、「流体」は、液体、ガス、超臨界流体、又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの例では、流体は、空気、水蒸気、二酸化炭素などのようなガスを含む。いくつかの例では、流体は、液体水などの液体を含む。
【0059】
本明細書で使用される場合、「処理すること」という用語、又は「処理する」、「処理された」若しくは「処理」などのこの文言の他の形態は、特定の特徴又は事象(例えば、細菌の成長又は生存)を低減、予防、阻害、又は排除するための、組成物の投与又は方法の実施を指す。本明細書で使用される場合、「処理すること」という用語、又は「処理する」、「処理された」若しくは「処理」などのこの文言の他の形態は、「酸化」、「殺菌」、「消毒」、「滅菌」、「脱臭」、「甘味付け」、「酸性化」、及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない。本明細書で使用される場合、「低減する」、又は「低減すること」若しくは「低減」などのこの文言の他の形態は、事象又は特徴(例えば、細菌集団又は活性)の低下を指す。
【0060】
流体の処理を提供する本明細書に開示されるデバイス、システム、及び方法は、外側チューブ内に配設された内側チューブを備えることができ、環状部が、内側チューブの外側表面と外側チューブの内側表面との間に画定される。内側チューブは、複数の穿孔部を画定し、媒体が、媒体によって生成されたガスが内側チューブから流れ出て環状部に流れ込み、流体が環状部を通って流れるにつれて流体をきれいにすることができるように、内側チューブ内に配設される。デバイスは、流体とガスとの混合を促進するために、環状部を通る流体の流れ方向を変えるために環状部内に配設された複数のブレードを含む。
【0061】
様々な実装態様は、流体処理デバイスを含む。デバイスは、外側チューブと、内側チューブと、複数のブレードと、媒体と、を含む。外側チューブは、内側表面を含む。内側チューブは、外側チューブ内に同軸に配設されている。内側チューブは、内側チューブの両端部の間に延在する内側表面及び外側表面を含む。内側チューブの外側表面及び外側チューブの内側表面は、内側チューブの端部の間に軸方向に延在する環状部を画定する。複数のブレードは、環状部内に配設されている。複数のブレードは、ブレードにわたって流れる流体の流れ方向の成分を円周方向及び/又は半径方向に変えるように構成されている。媒体は、内側チューブ内に配設されている。内側チューブは、外側表面と内側表面との間に延在する複数の穿孔部を画定する。環状部は、外側チューブと内側チューブとの間を流れる流体の全体的な流路を画定する。
【0062】
様々な他の実装態様は、流体を処理するためのシステムを含む。システムは、上で記載したように、複数の流体処理デバイスを含む。デバイスの各々は、第1の端部と、第1の端部とは反対側の第2の端部と、を更に含む。外側チューブの内側表面は、第1の端部から第2の端部まで延在し、内側チューブは、第1の端部から第2の端部まで延在する。デバイスのうちの少なくとも1つの第1の端部のうちの少なくとも1つが、デバイスのうちの少なくとも別のデバイスの第2の端部内に配設可能である。
【0063】
様々な他の実装態様は、流体を処理する方法を含む。方法は、複数のブレードを有する少なくとも外側表面を含む内側チューブ内に媒体を提供することと、複数のブレード及び媒体が流体流と接触するように、内側チューブを流体流内に配設することと、を含む。複数のブレードは、ブレードにわたって流れる流体の流れ方向の成分を円周方向及び/又は半径方向に変える。
【0064】
図1A図1Dは、一実装態様による、流体処理デバイス100を示す。デバイス100は、第1の端部102と、第2の端部104と、外側チューブ110と、内側チューブ120と、複数のブレード140と、媒体170と、を含む。
【0065】
外側チューブ110は、外側チューブ長手方向軸112と、内側表面114と、外側表面116と、を有する。外側チューブ110の内側表面114及び外側チューブ110の外側表面116は、デバイス100の第1の端部102からデバイス100の第2の端部104まで延在する。
【0066】
内側チューブ120は、内側チューブ長手方向軸122と、内側表面124と、外側表面126と、を有する。内側チューブ120の内側表面124及び内側チューブ120の外側表面126は、デバイス100の第1の端部102からデバイス100の第2の端部104まで延在する。内側チューブ120は、外側チューブ長手方向軸112が内側チューブ長手方向軸122と同軸であるように、外側チューブ110内に配設されている。媒体170は、以下で論じられるように、内側チューブ120内に配設されている。
【0067】
内側チューブ120の外側表面126及び外側チューブ110の内側表面114は、デバイス100の第1の端部102とデバイス100の第2の端部104との間に軸方向に延在する環状部130を画定する。環状部130は、内側チューブ120の外側表面126内の外側チューブ110の内側表面114の間を流れる流体の全体的な流路132を画定する。
【0068】
内側チューブ120の外側表面126は、内側チューブ120の外側表面126から内側チューブ120の内側表面124まで延在する複数の穿孔部128を画定する。媒体170は、媒体170が環状部130と流体連通するように、内側チューブ120内に配置されている。媒体170は、前駆体からガスを生成するように構成されている。媒体170は、以下で更に詳細に論じられる。複数の穿孔部128は、前駆体から生成されたガスが内側チューブ120から流れ出て、内側チューブ120の外側表面126及び外側チューブ110の内側表面114によって画定される環状部130を通って流れる流体の流路132内に流れ込むことを可能にするように構成されている。
【0069】
いくつかの例では、媒体170は、前駆体を含む乾燥粒子を含む。前駆体を含む乾燥粒子は、第1の平均粒径を有することができる。複数の穿孔部128の各々は、穿孔部直径を有し、第1の平均粒径は、媒体170が複数の穿孔部128から漏出しないように、穿孔部直径よりも大きい。
【0070】
いくつかの例では、媒体170は、プロトン発生種を更に含む。いくつかの例では、媒体170は、プロトン発生種を含む乾燥粒子を更に含む。
【0071】
いくつかの例では、媒体170は、前駆体を含む乾燥粒子と、プロトン発生種を含む乾燥粒子と、を含む。前駆体を含む乾燥粒子は、第1の平均粒径を有し、プロトン発生種を含む乾燥粒子は、第2の平均粒径を有する。いくつかの例では、複数の穿孔部128の各々は、穿孔部直径を有し、第1の平均粒径及び第2の平均粒径は、媒体170が複数の穿孔部128から漏出しないように、穿孔部直径よりも大きい。いくつかの例では、デバイス100、200は、以下で更に論じられるように、透過性ライナ134、234を含むことができる。
【0072】
複数の穿孔部128の各々は、内側チューブ120の外側表面126から見た際に円形形状である。しかしながら、他の実装態様では、複数の穿孔部128は、線形スロット、卵形形状、三角形形状、長方形形状、又は媒体170が複数の穿孔部128から漏出しないように、第1の平均粒径及び/又は第2の平均粒径よりも小さい穿孔部寸法を有する任意の他の形状である。
【0073】
図1A図2Dに示されるデバイス100、200はまた、内側チューブ120、220の内側表面124、224に沿って内側チューブ120、220内に配設され、複数の穿孔部128、228に隣接する透過性ライナ134、234を含むことができる。ライナ134、234は、液体水に対して実質的に不浸透性であるが、空気、二酸化塩素、及び二酸化炭素などのガスが通過することを可能にする。媒体170、270は、ライナ134、234内に配設されており、透過性ライナ134、234は、媒体170、270が複数の穿孔部128、228から漏出することを防止することによって、媒体170、270を内側チューブ120、220内に保持するのを支援する。しかしながら、他の実装態様では、デバイスは、透過性ライニングを含まない。ライナ134、234を含む実装態様では、ライナは、媒体170、270が複数の穿孔部128、228から漏出することを防止する。したがって、ライナ134、234を含む実装態様では、第1の平均粒径及び第2の平均粒径は、穿孔部直径よりも小さくあり得る。
【0074】
複数のブレード140のうちのブレードの各々は、複数のブレード140が環状部130内に配設されるように、内側チューブ120の外側表面126に固定的に結合されており、内側チューブ120の外側表面126から延在する。ブレード140の各々は、内側チューブ120の外側表面126に結合された近位端部142と、ブレード140の横軸150に沿って近位端部142とは反対側の離間した遠位端部144と、ブレード140の近位端部142と遠位端部144との間に延在する前縁部146と、ブレード140の近位端部142と遠位端部144との間に延在する後縁部148と、を有する。ブレード長手方向軸152が、ブレード140の各々の前縁部146及び後縁部148を通って延在する。ブレード140の各々は、横軸150及びブレード長手方向軸152を含むブレード平面154を更に含む。第1のサブセットのブレード160のブレード140の各々の前縁部146は、内側チューブ長手方向軸122に垂直な平面内に配設されている。図1A図1Dに示されるブレード140の各々の横軸150は、ブレード140が内側チューブ120の外側表面126の接線に対して斜めの角度で延在するように、内側チューブ長手方向軸122から半径方向に離間される。しかしながら、他の実装態様では、ブレードの各々の横軸は、ブレードが内側チューブの外側表面の接線に対して垂直に延在するように、内側チューブ長手方向軸と交差する。
【0075】
各ブレード140の前縁部146は、平面状であり、各ブレード140の後縁部148は、弓形形状である。前縁部146と後縁部148との間に延在する各ブレード140の表面は、ブレード140の遠位端部144から見た際に平面状である。近位端部142の長さは、遠位端部144の長さ未満である。ブレード長手方向軸152を含む平面を通って取った各ブレード140の断面形状は、三角形である。
【0076】
図2A図2Dに示されるように、第1のサブセット260のブレード240は、第1の列で内側チューブ220の周りに円周方向に配置されており、第2のサブセット262のブレード240は、第1の列から軸方向に離間される第2の列で内側チューブ220の周りに円周方向に配置されている。第1のサブセット260内の第1のブレード240のブレード平面254は、第2のサブセット262内の第2のブレード240のブレード平面254と同一平面上にある。しかしながら、図1A図1Dに示されるデバイスなどの他の実装態様では、第1のサブセット160の第1の列内のブレード140のためのブレード平面154、及び第2のサブセット162の第2の列内のブレード140のためのブレード平面154は、円周方向に離間している。他の実装態様では、第1の列及び第2の列内のブレードのためのブレード平面は、互いに対して任意の他の配置で配設される。処理デバイス200は、図1A図1Dに示されるデバイス100と同様であるため、図1A図1Dに示されるデバイス100に使用されるものと同様の参照符号が、図2A図2Dに示されるデバイス200の同様の特徴を参照するために使用される。
【0077】
図1A図2Dに示されるデバイス100、200について、流体が内側チューブ120、220の外側表面126、226及び外側チューブ110、210の内側表面114、214によって画定される環状部130、230を通って軸方向に流れるとき、複数のブレード140、240は、ブレード140、240にわたって流れる流体の流れ方向の成分を円周方向及び/又は半径方向に変える。流体の流れ方向を変えることは、媒体170、270によって生成されるガスと流体との混合を促進する。
【0078】
図1A図1Dに示されるデバイス100の複数のブレード140は、ブレード140にわたって流れる流体の乱流を引き起こすことによって流体の流れ方向を変えるように構成されている。乱流は、環状部130を通って流れるより半径方向外向きの流体が穿孔部128に向かって半径方向内向きに移動可能であるように、内側チューブ120の外側表面126に隣接して形成され得る任意の境界層を破壊する。
【0079】
図2A図2Dに示されるデバイス200などの他の実装態様では、デバイス200の複数のブレード240は、ブレード240にわたって流れる流体内に渦を作り出すように構成されている。環状部230を通って流れる流体の渦巻きの増加は、媒体270によって生成されるガスと流体との混合を促進する。他の実装態様では、デバイスの複数のブレードは、媒体によって生成されるガスと流体との混合を促進するために、環状部を通って流れる流体の任意のタイプの移動を引き起こすように構成することができる。
【0080】
図1A図2Dに示されるブレード140、240の各々は、内側チューブ120、220の外側表面126、226に結合されているが、他の実装態様では、ブレードの各々は、外側チューブの内側表面に結合される。図1A図2Dに示されるブレード140、240は同様の形状であるが、他の実装態様では、各ブレードは、ブレードにわたって流れる流体の流れ方向の成分を円周方向及び/又は半径方向に変える任意の形状を有する。図1A図2Dのブレードの各サブセット160、162、260、262のブレード140、240は、内側チューブ120、220の周りに等しく円周方向に離間されているが、他の実装態様では、ブレードは、等しくない円周方向の間隔で配置される。他の実装態様では、ブレードはサブセットに配置されず、任意の他の配置に配設されるか、又は内側チューブの外側表面に沿ってランダムに配設される。
【0081】
使用中、媒体170、270は、内側チューブ120、220内に配設されている。媒体170、270は、前駆体からガスを生成するように構成されている。内側チューブ120、220によって画定される穿孔部128、228は、ガスが内側チューブ120、220から流れ出て環状部130、230に流れ込むことを可能にするが、媒体170、270が穿孔部128、228を通って漏出することを防止するほど十分に小さい。
【0082】
次いで、流体流は、内側チューブ120、220の外側表面126、226及び外側チューブ110、210の内側表面114、214によって画定される環状部130、230の第1の端部102、202に、環状部130、230を通って流し込まれ、環状部130、230の第2の端部104、204から流し出される。流体流は、自然に、又はファン、ポンプ、若しくは流体の移動を引き起こすためにデバイスにわたって圧力差を作り出すことが可能な任意の他のデバイスによって作り出すことができる。デバイス100、200の第1の端部102、202、デバイス100、200の第2の端部104、204、又はその両方は、流体流がデバイス100、200の環状部130、230を通って流されるように、流体流が通って流れるダクト、チューブ、又は他のタイプの流体チャネリングデバイスに結合することができる。流体がデバイス100、200の環状部130、230を通って軸方向に流れるとき、複数のブレード140、240は、ブレード140、240にわたって流れる流体の流れ方向の成分を円周方向及び/又は半径方向に変え、これは、媒体170、270によって生成されるガスと流体との混合を促進する。
【0083】
いくつかの例では、流体は、空気を含むことができる。いくつかの例では、空気は、20%以上の湿度を有することができ、湿度は、結露しない(例えば、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、又は90%以上)。いくつかの例では、空気は、100%以下の湿度を有することができ、湿度は、結露しない(例えば、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、又は30%以下)。空気中の湿度の量は、上で記載した最小値のいずれかから上で記載した最大値のいずれかまでの範囲であり得る。例えば、空気は、20%~100%の湿度を有することができ、湿度は、結露しない(例えば、20%~60%、60%~100%、20%~40%、40%~60%、60%~80%、80%~100%、又は50%~80%)。
【0084】
いくつかの例では、流体と、媒体によって生成されるガスとを接触又は混合することは、例えば、流体に炭酸を添加又は富化することによって、流体を処理することができる。特定の例では、流体を処理することは、流体を例えば炭酸で甘味付け及び/又は酸性化することを含むことができる。
【0085】
いくつかの例では、流体と、媒体によって生成されるガスとを接触又は混合することは、例えば、流体中の揮発性有機化合物(VOC)及び/又は微生物などの汚染物質を低減又は排除することによって、流体を処理することができる。例えば、環状部の第2の端部から流れ出る流体は、それがデバイスに入る前に、流体に対して処理される。
【0086】
いくつかの例では、流体を処理することは、流体中の微生物(例えば、細菌)の集団の低減又は不活性化をもたらし得る。いくつかの例では、流体を処理することは、細菌の集団における完全な(100%)低減又は不活性化(例えば、細菌の排除)をもたらし得る。
【0087】
いくつかの例では、流体を処理することは、流体中の細菌の集団の活性(例えば、伝染性、感染性、伝搬性、又はそれらの組み合わせ)の低減をもたらし得る。例えば、流体を処理することは、細菌を不活性化し、及び/又は細菌の伝染性を低減することができる。
【0088】
いくつかの例では、細菌は、バクテリア、ウイルス、真菌、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の微生物である。
【0089】
細菌の例としては、アデノウイルス、アストロウイルス、バチルス属バクテリア、ブラストミセスデルマティティジス、ウシコロナウイルス、ウシウイルス性下痢、マルタ熱菌、クロストリジウム菌、コクシジオイデスイミチス、風邪(例えば、ライノウイルスA、ライノウイルスB、及びライノウイルスCなどのライノウイルス)、コリネバクテリウムボビス、クリプトコッカスネオフォルマンス、エコーウイルス、エンテロウイルス、エンテロバクターアエロゲネス、大腸菌、ネコカリシウイルス(FCV)、インフルエンザウイルス(例えば、A型肝炎、B型肝炎、単純ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペス1、単純ヘルペス2)、ヒストプラズマカプスラツム、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、インフルエンザA、インフルエンザウイルスB、及びインフルエンザウイルスCなどのインフルエンザウイルス)、クレブシエラニューモニエ、クレブシエラオキシトカ、レジオネラニューモフィラ、他のレジオネラ種、結核菌、マイコプラズマ属、ノロウイルス、パスツレラ属、ポリオウイルス(例えば、ポリオウイルス1型)、プロテウス属、緑膿菌、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ロタウイルス、腸チフス菌、セラチアマルセッセンス、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、B群溶血性レンサ球菌、A群溶血性レンサ球菌、ウベリスレンサ球菌、トゥルエペレラピオゲネス、及びワクシニアウイルスが挙げられるが、それらに限定されない。
【0090】
いくつかの例では、ウイルスは、インフルエンザウイルス、コロナウイルス、又はそれらの組み合わせを含み得る。インフルエンザウイルスの例としては、インフルエンザウイルスA(H1N1、H2N2、H3N2、H5N1、H7N7、H1N2、H9N2、H7N2、H7N3、H10N7、H7N9、及びH6N1血清型を含む)、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、並びにインフルエンザウイルスDが挙げられるが、それらに限定されない。コロナウイルスの例としては、鳥コロナウイルス(IBV)、ブタ流行性下痢ウイルス(PEDV)、ブタ呼吸器コロナウイルス(PRCV)、伝染性胃腸炎ウイルス(TGEV)、猫コロナウイルス(FCoV)、猫感染性腹膜炎(FIPV)、猫腸コロナウイルス(FECV)、犬コロナウイルス(CCoV)、ウサギコロナウイルス(RaCoV)、マウス肝炎ウイルス(MHV)、ネズミコロナウイルス(RCoV)、ラット唾液腺涙腺炎ウイルス(SDAV)、ウシコロナウイルス(BCoV)、ウシエンテロウイルス(BEV)、ブタコロナウイルスHKU15(PorCoV HKU15)、ブタ流行性下痢ウイルス(PEDV)、ブタ血球凝集性脳脊髄炎ウイルス(HEV)、シチメンチョウブルーコムコロナウイルス(TCoV)、ヒトコロナウイルス(HCoV)‐229E、HCoV‐OC43、HCoV‐HKU1、HCoV‐NL63、重症急性呼吸器症候群(SARS)-コロナウイルス(CoV)(SARS-CoV)、重症急性呼吸器症候群(SARS)-コロナウイルス(CoV)-2(SARS-CoV-2)、及び中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルス(CoV)(MERS‐CoV)が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの例では、ウイルスは、重症急性呼吸器症候群(SARS)-コロナウイルス(CoV)-2(SARS-CoV-2)を含むことができる。
【0091】
いくつかの例では、流体を処理することは、流体中の揮発性有機化合物(例えば、VOC)の量又は濃度の低減をもたらし得る。いくつかの例では、流体を処理することは、VOCの量の完全な(100%)低減(例えば、VOCの排除)をもたらし得る。
【0092】
VOCの例としては、アセトン、エタノール、イソプロパノール、ブタナール、プロパン、ブタン、ヘキサナール、塩化メチレン、ベンゼン、ペルクロロエチレン、エチレングリコール、ホルムアルデヒド、テトラクロロエチレン、四塩化炭素、トルエン、キシレン、1,3-ブタジエン、塩化ビニル、ジスルフィド炭素、クロロホルム、ガソリン、メチルメルカプタン、ヘキサン、NO(例えば、NO、NOなど)、SO(例えば、SO、SO、SOなど)、HS、シアン化水素、硫化水素、塩酸、フッ化水素、ヨウ化水素、臭化水素、硝酸蒸気、塩素、二硫化炭素、メルカプタン、スカンケリン、プトレシン、カダベリン、トリメチルアミン、スカトール、エタンチオール、チオ酢酸s-エチル、ジエチルスルフィド、ジメチルスルフィド、メタンチオール、インドール、ピリジン、アンモニア、メチオニン、それらの誘導体、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0093】
いくつかの例では、方法は、-25℃以上(例えば、-20℃以上、-19℃以上、-18℃以上、-17℃以上、-16℃以上、-15℃以上、-10℃以上、-5℃以上、0℃以上、5℃以上、10℃以上、15℃以上、20℃以上、25℃以上、30℃以上、31℃以上、32℃以上、33℃以上、34℃以上、35℃以上、36℃以上、37℃以上、38℃以上、39℃以上、又は40℃以上)の温度で実施することができる。いくつかの例では、方法は、50℃以下(例えば、45℃以下、40℃以下、39℃以下、38℃以下、37℃以下、36℃以下、35℃以下、34℃以下、33℃以下、32℃以下、31℃以下、30℃以下、25℃以下、20℃以下、15℃以下、10℃以下、5℃以下、0℃以下、-5℃以下、-10℃以下、-15℃以下、-16℃以下、又は-17℃以下)の温度で実施することができる。方法が実施される温度は、上で記載した最小値のいずれかから上で記載した最大値のいずれかまでの範囲であり得る。例えば、方法は、-25℃~50℃(例えば、-25℃~15℃、15℃~50℃、-25℃~-15℃、-15℃~0℃、0℃~25℃、25℃~50℃、0℃~40℃、又は32℃~38℃)の温度で実施することができる。
【0094】
いくつかの実装態様では、図1A図2Dに示されるものなどの2つ以上の流体処理デバイスを、モジュール式及び/又は恒久的なシステムで一緒に結合して、流体を2つ以上のデバイスに通過させることができる。図3は、第1の流体処理デバイス300及び第2の流体処理デバイス400を含む、流体を処理するためのそのようなシステム500を示す。第1及び第2の処理デバイス300、400は、図1A図1Dに示されるデバイス100と同様であるため、図1A図1Dに示されるデバイス100に使用されるものと同様の参照符号が、図3に示されるデバイス300、400の同様の特徴を参照するために使用される。第1のデバイス300の外側チューブ310の第1の端部302の内径及び第2のデバイス400の外側チューブ410の第2の端部404の外径は、第1のデバイス300の外側チューブ310の第1の端部302が、第2のデバイス400の外側チューブ410の第2の端部404内に配設可能であるようにサイズ設定される。したがって、第1のデバイス300及び第2のデバイス400は、第1のデバイス300の環状部330及び第2のデバイス400の環状部430が軸方向に整列し、互いに流体連通するように、一緒に結合可能である。第1のデバイス300の外側チューブ310の第1の端部302は、図3に示されるシステム500における第2のデバイス400の外側チューブ410の第2の端部404内に取り外し可能に配設可能であるが、他の実装態様では、第1のデバイスの外側チューブの第1の端部は、第2のデバイスの外側チューブの第2の端部内に固定的に配設可能である。
【0095】
流体の処理を提供する本明細書に開示されるデバイス、システム、及び方法は、媒体を含むことができ、媒体は、ガスが流体の流路内に放出されるように、前駆体からガスを生成するように構成されている。
【0096】
前駆体は、前駆体が(例えば、プロトン発生種からの)プロトンと反応してガスを生成することを可能にする任意の形態で提供され得る。いくつかの例では、媒体は前駆体を含み、前駆体は流体中のプロトンと反応する。
【0097】
いくつかの例では、媒体は、前駆体を含む乾燥粒子を含む。本明細書で使用される場合、「乾燥粒子」という用語は、粒子が、20重量%以下(例えば、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下)の水含有量を有することを示す。
【0098】
いくつかの例では、前駆体を含む乾燥粒子は、粉末の形態である。いくつかの例では、前駆体を含む乾燥粒子は、前駆体が多孔質担体に含浸された多孔質担体を含むことができる。いくつかの例では、多孔質担体は、不活性である。いくつかの例では、多孔質担体は、その中に位置する細孔、チャネルなどを有する。例示的な多孔質担体としては、シリカ、軽石、珪藻土、ベントナイト、粘土、多孔質ポリマー、アルミナ、ゼオライト(例えば、ゼオライト結晶)、又はそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0099】
多孔質担体は、平均粒径を有することができる。「平均粒径」及び「平均的な粒径」は、本明細書で互換的に使用され、概して、粒子集団中の粒子の統計的な平均的な粒径を指す。例えば、実質的に球形の形状を有する複数の粒子の平均粒径は、複数の粒子の平均直径を含むことができる。異方性粒子の場合、平均粒径は、例えば、粒子の平均最大寸法(例えば、ロッド形状の粒子の長さ、立方体形状の粒子の対角線、三角形形状の粒子の二等分線など)を指すことができる。平均的な粒径は、ふるい分け又は顕微鏡法などの当該技術分野で既知の方法を使用して測定することができる。
【0100】
いくつかの例では、多孔質担体は、それらの最大寸法において、0.5マイクロメートル(ミクロン、μm)以上(例えば、1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上、25μm以上、30μm以上、35μm以上、40μm以上、50μm以上、60μm以上、70μm以上、80μm以上、90μm以上、100μm以上、125μm以上、150μm以上、175μm以上、200μm以上、225μm以上、250μm以上、300μm以上、350μm以上、400μm以上、450μm以上、500μm以上、600μm以上、700μm以上、800μm以上、900μm以上、1ミリメートル(mm)以上、2mm以上、3mm以上、4mm以上、5mm以上、6mm以上、7mm以上、8mm以上、9mm以上、10mm以上、15mm以上、又は20mm以上)の平均粒径を有することができる。いくつかの例では、多孔質担体は、25.4mm(例えば、1インチ)以下(例えば、24mm以下、23mm以下、22mm以下、21mm以下、20mm以下、19mm以下、18mm以下、17mm以下、16mm以下、15mm以下、14mm以下、13mm以下、12mm以下、11mm以下、10mm以下、9mm以下、8mm以下、7mm以下、6mm以下、5mm以下、4mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下、900μm以下、800μm以下、700μm以下、600μm以下、500μm以下、450μm以下、400μm以下、350μm以下、300μm以下、250μm以下、225μm以下、200μm以下、175μm以下、150μm以下、125μm以下、100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、35μm以下、30μm以下、25μm以下、20μm以下、15μm以下、10μm以下、又は5μm以下)の平均粒径を有することができる。それらの最大寸法における多孔質担体の平均粒径は、上で記載した最小値のいずれかから上で記載した最大値のいずれかまでの範囲であり得る。例えば、多孔質担体は、0.5μm~25.4mm(例えば、0.5μm~1mm、1mm~25.4mm、0.5μm~100μm、100μm~500μm、500μm~1mm、1mm~10mm、10mm~25.4mm、175μm~400μm、又は600μm~2mm)の平均粒径を有することができる。多孔質担体の平均粒径は、様々な要因を考慮して選択することができる。いくつかの例では、多孔質担体の平均粒径は、ライナの有無、複数の穿孔部の各々の直径、又はそれらの組み合わせに基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、多孔質担体は、細孔、チャネルなどを介して、多孔質担体の体積全体にわたって前駆体が均一に含浸される。
【0101】
いくつかの例では、前駆体を含む乾燥粒子は、1重量%以上の前駆体を含む(例えば、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、又は90%以上)。いくつかの実施例では。前駆体を含む乾燥粒子は、100重量%以下の前駆体を含む(例えば、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、又は10%以下)。いくつかの実施形態では、前駆体を含む乾燥粒子は、前駆体が含浸された多孔質担体を含み、多孔質担体は、1重量%以上(例えば、上で提供された量)の前駆体及び/又は50重量%以下の前駆体(例えば、40%以下、30%以下、20%以下、又は10%以下)を含む。前駆体を含む乾燥粒子中の前駆体の量は、上で記載した最小値のいずれかから上で記載した最大値のいずれかまでの範囲であり得る。例えば、前駆体を含む乾燥粒子は、1重量%~100重量%の前駆体を含むことができる(例えば、1%~50%、50%~100%、1%~25%、25%~50%、50%~75%、75%~100%、1%~90%、5%~50%、5%~45%、又は10%~40%)。
【0102】
いくつかの例では、多孔質担体は、低い水分(例えば、水)含有量を有する多孔質担体を使用することによって前駆体で含浸される。いくつかの例では、低い水分含有量は、5重量%以下である(例えば、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下)。いくつかの例では、多孔質担体は、5%を超える初期水分含有量を有し、したがって、5%以下の水分含有量を生成するために脱水することができる。いくつかの例では、次いで、脱水された多孔質担体を、高温(例えば、120°F~190°Fの範囲)で前駆体の水溶液に浸漬するか、又は前駆体の水溶液を噴霧し、得られたスラリーを完全に混合する。いくつかの例では、混合スラリーは、次いで、20重量%以下(例えば、0重量%~20重量%、0重量%~15重量%、0.25重量%~10重量%、0.5重量%~5重量%、0.5重量%~3重量%)の水分レベルまで空気乾燥されて、本明細書に開示される含浸剤(すなわち、多孔質担体に含浸された前駆体)を生成する。いくつかの例では、本明細書に開示される含浸剤は、所望の最終水分レベル(例えば、0%~20%、0%~15%、0.25%~10%、0.5%~5%、0.5%~3%)を達成するために必要な前駆体の水溶液の量を計算し、この量の水溶液を脱水された多孔質担体に添加して多孔質担体を含浸させることによって、乾燥ステップなしで調製され得、それによって、前駆体を含む乾燥粒子を形成する。
【0103】
いくつかの例では、前駆体を多孔質担体に含浸させ、塩基で処理する。いくつかの例では、塩基は、利用可能なプロトンを低減し、プロトン発生種が塩基を克服し、前駆体と反応するまで反応を阻害して、混合物が活性化されると、棚安定性を高め、反応速度を遅くすることができる任意の好適な塩基である。例示的な塩基としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、又はそれらのブレンドが挙げられるが、それらに限定されない。
【0104】
いくつかの実施形態では、前駆体は、例えば、二酸化塩素前駆体を含み得、ガスは、二酸化塩素を含み得、前駆体は、二酸化炭素前駆体を含み得、ガスは、二酸化炭素を含み得、又はそれらの組み合わせである。
【0105】
いくつかの例では、前駆体は、二酸化塩素前駆体を含む。二酸化塩素前駆体は、プロトンと反応して二酸化塩素ガスを生成可能な任意の組成物から選択され得る。二酸化塩素前駆体は、例えば、金属亜塩素酸塩、金属塩素酸塩、塩素酸、次亜塩素酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される二酸化塩素生成化合物を含むことができる。金属亜塩素酸塩の例としては、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸マグネシウム、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。金属塩素酸塩の例としては、塩素酸ナトリウム、塩素酸リチウム、塩素酸カリウム、塩素酸マグネシウム、塩素酸バリウム、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの例では、二酸化塩素前駆体は、上で記載したような、並びにそれらの全体が参照により組み込まれる米国特許第5,567,405号、同第5,573,743号、同第5,730,948号、同第5,776,850号、同第5,853,689号、同第5,885,543号、同第6,174,508号、同第6,379,643号、同第6,423,289号、同第7,347,994号、同第7,922,992号、及び同第9,382,116号に記載されるような、ゼオライト結晶などの多孔質担体中に含浸される。
【0106】
いくつかの例では、前駆体は、二酸化炭素前駆体を含む。二酸化炭素前駆体は、プロトンと反応して二酸化炭素ガス又は炭酸を生成可能な任意の組成物から選択することができる。二酸化炭素前駆体は、例えば、炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される炭素含有化合物を含むことができる。炭素含有化合物の例としては、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの例では、二酸化炭素前駆体は、上で記載したような、並びにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,992,992号及び同第8,709,396号に記載されるような、ゼオライト結晶などの多孔質担体中に含浸される。
【0107】
媒体は、例えば、プロトン発生種を更に含むことができる。本明細書に開示されるようなプロトン発生種は、プロトンを発生させて前駆体と反応させ、ガスを発生可能な任意の組成物であり得る。プロトン発生種は、例えば、有機酸、無機酸、金属塩、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0108】
いくつかの例では、有機酸及び/又は無機酸は、酢酸、クエン酸、塩酸、リン酸、プロピオン酸、硫酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、プロトン発生種は、金属塩を含む。いくつかの実施形態では、金属塩は、水と結合して酸、すなわち、プロトンを生成する塩化物、硫酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、酢酸塩、又はクエン酸塩である。いくつかの実施形態では、金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は遷移金属である。
【0110】
金属塩の例としては、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、CaCl、ZnSO、ZnCl、CoSO、CoCl、MnSO、MnCl、CuSO、CuCl、MgSO、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、リン酸水素、リン酸水素二ナトリウム、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0111】
いくつかの実施形態では、プロトン発生種は、保水物質(例えば、CaCl、MgSO)としても作用することができる金属塩である。
【0112】
いくつかの実施形態では、プロトン発生種は、プロトン発生種を水分含有(又は水含有)流体と接触させることによって、プロトンを生成するように活性化される。いくつかの実施形態では、金属塩は、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、又はそれらの混合物であり、これらの鉄塩は、プロトン発生種として機能することに加えて水を吸収することができる。いくつかの実施形態では、水分含有流体は、液体水又は水溶液である。いくつかの実施形態では、水分含有流体は、空気又は水蒸気などの水分含有ガスである。いくつかの実施形態では、プロトン発生種によって生成されたプロトンは、ガスの前駆体と反応する。プロトン発生種はまた、水分含有流体への曝露以外の方法で活性化することができる。いくつかの実施形態では、プロトン発生種は、活性化されることができ、前駆体を含有する粉末又は含浸多孔質担体中の水に曝露するとプロトンを放出することができる。
【0113】
プロトン発生種は、プロトンの放出を可能にする任意の形態で提供することができる。
【0114】
いくつかの例では、媒体は、プロトン発生種を含む乾燥粒子を更に含む。本明細書で使用される場合、「乾燥粒子」という用語は、粒子が、20重量%以下(例えば、15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下)の水含有量を有することを示す。
【0115】
いくつかの例では、プロトン発生種を含む乾燥粒子は、粉末の形態である。いくつかの例では、プロトン発生種を含む乾燥粒子は、多孔質担体を更に含み得、プロトン発生種は、多孔質担体中に含浸され得る。いくつかの例では、多孔質担体は、不活性である。いくつかの例では、多孔質担体は、その中に位置する細孔、チャネルなどを有する。例示的な多孔質担体としては、シリカ、軽石、珪藻土、ベントナイト、粘土、多孔質ポリマー、アルミナ、ゼオライト(例えば、ゼオライト結晶)、又はそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0116】
いくつかの例では、多孔質担体は、それらの最大寸法において、0.5マイクロメートル(ミクロン、μm)以上(例えば、1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、5μm以上、10μm以上、15μm以上、20μm以上、25μm以上、30μm以上、35μm以上、40μm以上、50μm以上、60μm以上、70μm以上、80μm以上、90μm以上、100μm以上、125μm以上、150μm以上、175μm以上、200μm以上、225μm以上、250μm以上、300μm以上、350μm以上、400μm以上、450μm以上、500μm以上、600μm以上、700μm以上、800μm以上、900μm以上、1ミリメートル(mm)以上、2mm以上、3mm以上、4mm以上、5mm以上、6mm以上、7mm以上、8mm以上、9mm以上、10mm以上、15mm以上、又は20mm以上)の平均粒径を有することができる。いくつかの例では、多孔質担体は、それらの最大寸法において、25.4mm(例えば、1インチ)以下(例えば、24mm以下、23mm以下、22mm以下、21mm以下、20mm以下、19mm以下、18mm以下、17mm以下、16mm以下、15mm以下、14mm以下、13mm以下、12mm以下、11mm以下、10mm以下、9mm以下、8mm以下、7mm以下、6mm以下、5mm以下、4mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下、900μm以下、800μm以下、700μm以下、600μm以下、500μm以下、450μm以下、400μm以下、350μm以下、300μm以下、250μm以下、225μm以下、200μm以下、175μm以下、150μm以下、125μm以下、100μm以下、90μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、35μm以下、30μm以下、25μm以下、20μm以下、15μm以下、10μm以下、又は5μm以下)の平均粒径を有することができる。それらの最大寸法における多孔質担体の平均粒径は、上で記載した最小値のいずれかから上で記載した最大値のいずれかまでの範囲であり得る。例えば、多孔質担体は、0.5μm~25.4mm(例えば、0.5μm~1mm、1mm~25.4mm、0.5μm~100μm、100μm~500μm、500μm~1mm、1mm~10mm、10mm~25.4mm、175μm~400μm、又は600μm~2mm)の平均粒径を有することができる。多孔質担体の平均粒径は、様々な要因を考慮して選択することができる。いくつかの例では、多孔質担体の平均粒径は、ライナの有無、複数の穿孔部の各々の直径、又はそれらの組み合わせに基づいて選択することができる。いくつかの例では、多孔質担体は、細孔、チャネルなどを介して、多孔質担体の体積全体にわたってプロトン発生種が均一に含浸される。
【0117】
いくつかの例では、プロトン発生種を含む乾燥粒子は、1重量%以上のプロトン発生種を含む(例えば、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、又は90%以上)。いくつかの例では、プロトン発生種を含む乾燥粒子は、100重量%以下のプロトン発生種を含む(例えば、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、又は10%以下)。いくつかの実施形態では、プロトン発生種を含む乾燥粒子は、プロトン発生種が含浸された多孔質担体を含み、多孔質担体は、1重量%以上(例えば、上で提供された量)のプロトン発生種及び/又は50重量%以下のプロトン発生種(例えば、40%以下、30%以下、20%以下、又は10%以下)を含む。プロトン発生種を含む乾燥粒子中のプロトン発生種の量は、上で記載した最小値のいずれかから上で記載した最大値のいずれかまでの範囲であり得る。例えば、プロトン発生種を含む乾燥粒子は、1重量%~100重量%のプロトン発生種を含むことができる(例えば、1%~50%、50%~100%、1%~25%、25%~50%、50%~75%、75%~100%、1%~90%、5%~50%、5%~45%、又は10%~40%)。いくつかの例では、プロトン発生種を含浸させた多孔質担体は、前駆体を含浸させた多孔質担体とは別である。
【0118】
いくつかの実施例では、多孔質担体は、低い水分(例えば、水)含有量を有する多孔質担体を使用することによって、プロトン発生種で含浸される。いくつかの実施形態では、低い水分含有量は、5重量%以下(例えば、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下)である。いくつかの実施形態では、多孔質担体は、5%を超える初期水分含有量を有し、したがって、5%以下の水分含有量を生成するために脱水することができる。いくつかの実施形態では、次いで、脱水された多孔質担体を、高温(例えば、120°F~190°Fの範囲)でプロトン発生種の水溶液に浸漬するか、又はプロトン発生種の水溶液を噴霧し、得られたスラリーを完全に混合する。いくつかの実施形態では、混合スラリーは、次いで、0重量%~20重量%(例えば、0重量%~15重量%、0.25重量%~10重量%、0.5重量%~5重量%、0.5重量%~3重量%)の水分レベルまで空気乾燥されて、含浸剤(すなわち、多孔質担体に含浸されたプロトン発生種)を生成する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される含浸剤は、所望の最終水分レベル(例えば、0%~15%、0.25%~10%、0.5%~5%、0.5%~3%)を達成するために必要なプロトン発生種の水溶液の量を計算し、この量の水溶液を脱水された多孔質担体に添加して多孔質担体を含浸させることによって、乾燥ステップなしで調製され得る。いくつかの実施形態では、プロトン発生種は、前駆体と反応するときにガスを生成するのに必要な化学量論量を上回って提供される。
【0119】
いくつかの例では、媒体は、潮解剤を更に含むことができる。潮解剤の例としては、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、酸性フッ化アンモニウム、硝酸カドミウム、水酸化セシウム、塩化カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化コバルト(II)、塩化金(III)、塩化鉄(III)、硝酸鉄(III)、ヨウ化リチウム、硝酸リチウム、塩化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マンガン(II)、メソキサル酸、炭酸カリウム、酸化カリウム、過塩素酸銀、ギ酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、タキヒドライト、タウロコール酸、四塩化テルル、塩化スズ(II)、硫酸スズ(II)、塩化イットリウム(III)、塩化亜鉛、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの例では、潮解剤は、粉末の形態である。いくつかの例では、潮解剤は、多孔質担体中に含浸させることができる。いくつかの例では、多孔質担体は、不活性である。いくつかの例では、多孔質担体は、その中に位置する細孔、チャネルなどを有する。いくつかの例では、多孔質担体は、細孔、チャネルなどを介して、多孔質担体の体積全体にわたって潮解剤が均一に含浸される。いくつかの例では、潮解剤を含浸させた多孔質担体は、前駆体を含浸させた多孔質担体及び/又はプロトン発生種を含浸させた多孔質担体とは別である。
【0120】
いくつかの例では、媒体は、乾燥剤を更に含むことができる。乾燥剤の例としては、活性アルミナ、ベンゾフェノン、ベントナイト粘土、酸化カルシウム、硫酸カルシウム(Drierite)、スルホン酸カルシウム、硫酸銅(II)、塩化リチウム、臭化リチウム、硫酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、分子ふるい、炭酸カリウム、水酸化カリウム、シリカゲル、ナトリウム、塩素酸ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、硫酸ナトリウム、スクロース、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの例では、乾燥剤は、粉末の形態である。いくつかの例では、乾燥剤は、多孔質担体中に含浸させることができる。いくつかの例では、多孔質担体は、不活性である。いくつかの例では、多孔質担体は、その中に位置する細孔、チャネルなどを有する。いくつかの例では、多孔質担体は、細孔、チャネルなどを介して、多孔質担体の体積全体にわたって乾燥剤が均一に含浸される。いくつかの例では、乾燥剤を含浸させた多孔質担体は、前駆体を含浸させた多孔質担体及び/又はプロトン発生種を含浸させた多孔質担体とは別である。
【0121】
いくつかの例では、媒体は、前駆体を含む乾燥粒子と、プロトン発生種を含む乾燥粒子と、を含む。
【0122】
いくつかの例では、内側チューブ内に配設された媒体は、前駆体を含む乾燥粒子と、プロトン発生種を含む乾燥粒子との混合物を含む。
【0123】
いくつかの例では、内側チューブ内に配設された媒体は、前駆体を含む乾燥粒子を含む層と、プロトン発生種を含む乾燥粒子の層との交互の層を含む層状床を含む。いくつかの例では、層状床内の層の総数は、3以上(例えば、4層以上、5層以上、6層以上、7層以上、8層以上、9層以上、10層以上、11層以上、12層以上、13層以上、14層以上、15層以上、16層以上、17層以上、18層以上、19層以上、20層以上、22層以上、24層以上、26層以上、28層以上、30層以上、35層以上、又は40層以上)である。いくつかの例では、層状床内の層の総数は、48層以下(例えば、46層以下、44層以下、42層以下、40層以下、38層以下、36層以下、34層以下、32層以下、30層以下、28層以下、26層以下、24層以下、22層以下、20層以下、19層以下、18層以下、17層以下、16層以下、15層以下、14層以下、13層以下、12層以下、11層以下、10層以下、9層以下、8層以下、7層以下、6層以下、又は5層以下)である。層状床内の層状の総数は、上で記載した最小値のいずれかから上で記載した最大値のいずれかまでの範囲であり得る。例えば、層状床内の層の総数は、3層~48層(例えば、3層~24層、24層~48層、3層~30層、3層~20層、又は4層~16層)であり得る。
【0124】
いくつかの例では、床は、層を分離するために、層のうちの1つ以上の間に多孔質の織布層又は不織布層を更に含むことができる。織布層又は不織布層は、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))などのポリマー材料から形成することができる。例えば、多孔質セパレータ層は、スパンボンド不織布ポリエステル層であり得る。
【0125】
いくつかの例では、2つ以上の流体処理デバイスを、モジュール式及び/又は恒久的なシステムで一緒に結合して、流体を2つ以上のデバイスに通過させることができる。図3は、第1の流体処理デバイス300及び第2の流体処理デバイス400を含む、流体を処理するためのそのようなシステム500を示す。特定の例では、第1の流体デバイスの内側チューブ内に配設された媒体は、前駆体(例えば、前駆体を含む乾燥粒子)を含むことができ、第2の流体デバイス内に配設された媒体は、プロトン発生種(例えば、プロトン発生種を含む乾燥粒子)を含むことができ、又はその逆もまた同様である。
【0126】
流体の処理を提供する本明細書に開示されるデバイス、システム、及び方法は、媒体を含むことができ、媒体は、ガスが流体の流路内に放出されるように、前駆体からガスを生成するように構成されている。いくつかの例では、媒体は、ガスを流体の流路内に放出し、ブレードにわたって流れる流体の流れは、媒体が放出するガスの量を増加させる。いくつかの例では、媒体は、ガスを放出するように構成されており、複数のブレードによって作り出された流体の流れは、流体中のVOC及び/又は微生物とのガス反応性を増加させる。
【0127】
いくつかの実施形態では、プロトン発生種は、多孔質担体中に含浸された前駆体を含む含浸剤とともに同じ筐体内に提供される。例えば、媒体は、内側チューブの内側表面に沿って、複数の穿孔部に隣接して内側チューブ内に配設された透過性ライナ内に配設することができる。いくつかの実施形態では、封入材料(例えば、ライナ)は、液体水に対して実質的に不浸透性である任意の封入材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、媒体は、湿度活性化サシェ内に配置され、ライナ内に封入される。例示的なライナとしては、不織布又は紙が挙げられるが、それらに限定されない。ライナ用の例示的な市販材料には、TYVEK(登録商標)(高密度ポリエチレン)などのポリエチレン、及びGORE-TEX(登録商標)などのポリテトラフルオロエチレンが挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、ライナは、水蒸気が入ることを可能にする。いくつかの実施形態では、ライナは、ガスがそこから流体の流路内に放出されることを可能にする。いくつかの実施形態では、ライナは、プロトン発生種(多孔質担体に含浸されているかにかかわらず)を前駆体(多孔質担体に含浸されているかにかかわらず)から分離するために、二区画サシェを形成する、3層の膜材料を含むサシェである。いくつかの実施形態では、膜材料の複数の層は、異なる膜材料から選択することができ、外側膜の透過性は、前駆体及びプロトン発生種を活性化するために、湿気がどのくらい速くサシェに入ることができるかを決定することができる。いくつかの実施形態では、膜材料の複数の層は、異なる膜材料から選択することができ、中心膜は、プロトン発生源からのプロトンがどのくらい速く前駆体に通過して反応し、ガスを発生させることができるかを決定することができる。
【0128】
複数の例示的な実装態様が本明細書に提供される。しかしながら、本明細書の開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われ得ることが理解される。
【0129】
開示の方法、システム、及びデバイスのために使用することができる、それらと併せて使用することができる、それらの準備のために使用することができる、又はそれらの製品である、材料、システム、デバイス、方法、組成物、及び構成要素が開示されている。これら及び他の構成要素が本明細書に開示されており、これらの構成要素の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループ、その他が開示されるとき、これらの構成要素の各様々な個別の及び集合的な組み合わせ及び並べ換えの特定の参照は、明示的に開示されていない場合があるが、各々は、本明細書で具体的に企図及び説明されていることが理解される。例えば、デバイスが開示され、デバイスのありとあらゆる組み合わせ及び並べ換えについて説明されている場合、特に逆が示されていない限り、可能である改変が具体的に企図される。同様に、これらの任意のサブセット又は組み合わせも具体的に企図され、開示される。この概念は、これに限定されないが、開示のシステム又はデバイスを使用する方法におけるステップを含む、この開示の全ての態様に適用される。したがって、実施することができる様々な追加ステップが存在する場合、これらの追加ステップの各々は、開示の方法の任意の特定の方法ステップ又は方法ステップの組み合わせで実施することができること、及びそのような組み合わせ又は組み合わせのサブセットの各々が具体的に企図され、開示されていると考えられるべきであることが理解される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
【国際調査報告】