(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】レンチキュラー画像印刷のための画像形成装置、方法及びカートリッジ
(51)【国際特許分類】
B41J 2/325 20060101AFI20241003BHJP
B65H 39/14 20060101ALI20241003BHJP
B41J 3/36 20060101ALI20241003BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20241003BHJP
B41M 3/06 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B41J2/325 A
B65H39/14
B41J3/36 Z
B41J29/00 A
B41M3/06 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024518779
(86)(22)【出願日】2022-09-27
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 EP2022076864
(87)【国際公開番号】W WO2023046994
(87)【国際公開日】2023-03-30
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524113161
【氏名又は名称】フォトスタックス インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】マクブライド、 ジョナサン ニール
(72)【発明者】
【氏名】パニグラヒ、 アブヒシェク
(72)【発明者】
【氏名】エノモト、 ユースケ
【テーマコード(参考)】
2C055
2C061
2C065
2H113
3F050
【Fターム(参考)】
2C055CC01
2C061AQ04
2C061AR01
2C061BB35
2C061CC03
2C065AC01
2C065AD07
2H113AA01
2H113BA27
2H113BB22
2H113CA37
3F050BD03
3F050LA01
3F050LB12
(57)【要約】
レンチキュラー画像印刷のための画像形成装置である。この装置は、複数のローラーと加熱素子を含む昇華印刷ヘッドとを封入するハウジングを含み、複数のローラーは、昇華リボンを昇華印刷ヘッドに装填することと、画像基材を画像基材格納部から又はレンチキュラーレンズ基材をレンチキュラーレンズ基材格納部から昇華印刷ヘッドまで動かすこととを行うべく構成され、昇華印刷ヘッドは、画像基材に又はレンチキュラーレンズ基材の表面に、複数のインターレース画像を含む画像を形成するべくリボンを使用するように構成され、複数のローラーは、レンチキュラーレンズ基材又は画像基材を動かしてレンチキュラーレンズ基材又は画像基材の他方に接触させるように構成され、画像形成装置は、レンチキュラーレンズ基材を画像基材に固定してレンチキュラー画像を形成するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンチキュラー画像印刷のための画像形成装置であって、
複数のローラーと加熱素子を含む昇華印刷ヘッドとを封入するハウジングを含み、
前記複数のローラーは、昇華リボンを前記昇華印刷ヘッドに装填することと、画像基材を画像基材格納部から又はレンチキュラーレンズ基材をレンチキュラーレンズ基材格納部から、前記昇華印刷ヘッドまで動かすこととを行うように構成され、
前記昇華印刷ヘッドは、前記画像基材に又は前記レンチキュラーレンズ基材の表面に、複数のインターレース画像を含む画像を形成するべく、前記リボンを使用するように構成され、
前記複数のローラーは、前記レンチキュラーレンズ基材又は前記画像基材を動かして前記レンチキュラーレンズ基材又は前記画像基材の他方と接触させるように構成され、
前記画像形成装置は、レンチキュラー画像を形成するべく、前記レンチキュラーレンズ基材を前記画像基材に固定するように構成される、画像形成装置。
【請求項2】
前記レンチキュラーレンズ基材の表面には、裏地層を有する接着剤が与えられ、前記複数のローラーのうちの一以上は、前記レンチキュラーレンズ基材を動かして前記画像基材に接触させたときに前記裏地層を前記レンチキュラーレンズ基材から剥がすように構成される、請求項1の画像形成装置。
【請求項3】
前記昇華印刷ヘッドの前記加熱素子は、前記レンチキュラーレンズ基材を前記画像基材に接合して前記レンチキュラー画像を形成するべく、前記レンチキュラーレンズ基材及び/又は画像基材を加熱するように構成される、請求項1又は2の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数のローラーのうちの一以上が、前記レンチキュラーレンズ基材を前記画像基材に接合して前記レンチキュラー画像を形成するべく、前記レンチキュラーレンズ基材及び/又は画像基材に圧力を及ぼすように構成される、請求項1から3のいずれか一項の画像形成装置。
【請求項5】
前記レンチキュラーレンズ基材を前記画像基材に接合して前記レンチキュラー画像を形成するべく、前記レンチキュラーレンズ基材及び/又は画像基材を照明するように構成される紫外光源を含む、請求項1から4のいずれか一項の画像形成装置。
【請求項6】
前記複数のローラーは、前記加熱の間に前記画像基材とレンチキュラーレンズ基材とを位置合わせするように構成される第1ローラー及びプレスを含む、請求項2の画像形成装置。
【請求項7】
前記昇華リボン、前記画像基材の格納部、及び前記レンチキュラーレンズ基材の格納部の一以上を保持するべく前記ハウジングに結合される一以上の取り外し可能カートリッジを含む、請求項1から6のいずれか一項の画像形成装置。
【請求項8】
前記複数のローラーは、
前記取り外し可能カートリッジが前記ハウジングに結合されたときに前記格納部から前記画像基材を動かすように前記取り外し可能カートリッジに位置決めされる第2ローラーと、
前記取り外し可能カートリッジが前記ハウジングに結合されたときに前記格納部から前記レンチキュラーレンズ基材を動かすように前記取り外し可能カートリッジに位置決めされる第3ローラーと、
前記画像の前記形成の間に前記昇華印刷ヘッドを通過した前記画像基材を動かすように前記昇華印刷ヘッドに位置決めされる第4ローラーと
を含む、請求項7の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1ローラー及びプレスは、前記ハウジングにおける開口に位置決めされて前記レンチキュラー画像を完成時に前記装置から排出するように構成される、請求項8の画像形成装置。
【請求項10】
制御器ユニット及びモーターを含み、前記モーターは、一以上のギアアセンブリによって前記複数のローラーに結合され、前記制御器ユニットは、前記複数のローラーを駆動するべく、及び前記レンチキュラー画像の前記形成の間に前記昇華印刷ヘッドを制御するべく、前記モーターを制御するように構成される。請求項1から9のいずれか一項の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御器ユニットに結合されるセンサーユニットであって、前記取り外し可能カートリッジの前記ハウジングへの挿入を検出して前記取り外し可能カートリッジのカートリッジタイプを識別するように構成されるセンサーユニットを含む、請求項10の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御器ユニットは、前記センサーユニットが前記カートリッジタイプを識別できないときに、前記装置が前記レンチキュラー画像を形成することを防止するように構成される、請求項11の画像形成装置。
【請求項13】
有線又は無線の接続を使用して前記制御器ユニットを外部デバイスに結合する通信インターフェイスを含む、請求項12の画像形成装置。
【請求項14】
前記ハウジングは、成形受容面と、その上に前記外部デバイスを保持するクランプとを画定する、請求項13の画像形成装置。
【請求項15】
前記ハウジングに封入されたプリント回路基板を含み、前記制御器ユニット、センサーユニット及び通信インターフェイスは前記プリント回路基板及び電源に結合される、請求項14の画像形成装置。
【請求項16】
前記画像形成装置はさらに、静止画像を印刷するように構成され、前記複数のローラーは、前記画像基材を前記格納部から前記昇華印刷ヘッドまで動かすように構成され、前記昇華印刷ヘッドは、前記リボンを使用して前記画像基材に画像を形成するように構成され、前記複数のローラーはさらに、前記静止画像を完成時に前記装置から排出するように構成される、請求項1から15のいずれか一項の画像形成装置。
【請求項17】
前記画像基材は写真用紙基材、又は白色ビニールの層を含む、請求項1から16のいずれか一項の画像形成装置。
【請求項18】
レンチキュラーレンズ基材の格納部は、複数のレンチキュラーレンズ基材が設けられた連続ストリップを含む、請求項1から17のいずれか一項の画像形成装置。
【請求項19】
前記レンチキュラーレンズ基材は、所定のインターバルだけ離間されて前記連続ストリップに設けられ、各インターバルは実質的に前記レンチキュラーレンズ基材の長さであり、前記連続ストリップは複数回折りたたまれ、各折り目は、それぞれのインターバルの開始点及び終了点に存在する、請求項19の画像形成装置。
【請求項20】
前記折りたたまれた連続ストリップは、前記レンチキュラーレンズ基材の格納部の内側に積層構成で設けられる、請求項19の画像形成装置。
【請求項21】
レンチキュラー画像印刷のための画像形成装置であって、
複数のローラーと加熱素子を含む昇華印刷ヘッドとを封入するハウジングと、
昇華リボンとレンチキュラーレンズ基材の格納部とを保持するべく前記ハウジングに結合される一以上の取り外し可能カートリッジと
を含み、
前記複数のローラーは、前記リボンを前記昇華印刷ヘッドに装填することと、前記レンチキュラーレンズ基材を前記格納部から前記昇華印刷ヘッドまで動かすこととを行うように構成され、
前記昇華印刷ヘッドは、前記レンチキュラーレンズ基材の表面に、複数のインターレース画像を含む画像を形成するべく、前記リボンを使用するように構成され、
前記昇華印刷ヘッドは、前記印刷画像に保護層を形成するべく、前記リボンを使用するように構成される、画像形成装置。
【請求項22】
レンチキュラー画像を印刷する方法であって、
昇華リボン、画像基材及びレンチキュラーレンズ基材を、画像形成装置のハウジングに挿入することと、
複数のローラーによって、前記リボンを昇華印刷ヘッドに装填して前記写真用紙基材を前記格納部から前記昇華印刷ヘッドまで動かすことと、
前記昇華印刷ヘッドによって、複数のインターレース画像を含む画像を前記写真用紙基材に形成することと、
前記複数のローラーによって、前記レンチキュラーレンズ基材を動かして前記写真用紙基材に接触させることと、
前記昇華印刷ヘッドの加熱素子によって、前記レンチキュラーレンズ基材を前記写真用紙基材に接合してレンチキュラー画像を形成するべく、前記レンチキュラーレンズ基材及び/又は写真用紙基材を加熱することと
を含む、方法。
【請求項23】
前記挿入することは、前記昇華リボンと、前記画像基材の格納部と、前記レンチキュラーレンズ基材の格納部とを含む取り外し可能カートリッジを、画像形成装置のハウジングに挿入することを含む、請求項21の方法。
【請求項24】
請求項1から20のいずれか一項の装置に請求項21から23の方法のステップを実行させる命令を含むコンピュータプログラム。
【請求項25】
請求項24のコンピュータプログラムを記憶しているコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項26】
請求項1から23のいずれかの画像形成装置とともに使用されるカートリッジであって、
前記画像形成装置の昇華印刷ヘッドへの装填のための昇華リボンと、
画像基材の格納部と、
レンチキュラーレンズ基材の格納部と
を含む、カートリッジ。
【請求項27】
前記レンチキュラーレンズ基材がアニメーションレンチキュラー画像を製造するためのものか又は立体視レンチキュラー画像を製造するためのものかを前記画像形成装置に示す物理的機構又は電子的機構をさらに含む、請求項26のカートリッジ。
【請求項28】
外部デバイスからのレンチキュラー画像印刷のための画像形成装置であって、
前記外部デバイスを支持してベースを有するトレイと、
レンチキュラー印刷機構と、
前記外部デバイスに結合される無線通信システムと
を含み、
前記レンチキュラー印刷機構は前記トレイの前記ベースの中に作られる、画像形成装置。
【請求項29】
前記画像形成装置の昇華印刷ヘッドへの装填のための昇華リボンと、
画像基材の格納部と、
レンチキュラーレンズ基材の格納部と
のうち少なくとも2つを保持する取り外し可能カートリッジをさらに含み、
前記トレイは、前記カートリッジを受容する一のエッジに第1スロットを有する、請求項28の画像形成装置。
【請求項30】
前記トレイは、他のエッジに第2スロットを有し、前記第1スロットと第2スロットとの間の方向が、前記レンチキュラー印刷機構が通る輸送経路の方向を画定し、前記レンチキュラー印刷機構は、前記取り外し可能カートリッジからの前記画像基材及び前記レンチキュラーレンズ基材をそれぞれが巻き込むように互いから垂直方向に及び/又は横方向に変位される第1ローラー及び第2ローラーを含み、昇華印刷機が、前記第1ローラー及び第2ローラーと前記第2スロットとの間に前記輸送経路に沿うように位置決めされ、前記昇華印刷機は、前記画像基材への印刷と前記レンチキュラーレンズ基材の前記画像基材への固定との双方を行うように構成される昇華印刷ヘッドを有する、請求項29の画像形成装置。
【請求項31】
前記取り外し可能カートリッジにおけるレンチキュラーレンズ基材がアニメーションレンチキュラー画像を製造するためのものか又は立体視レンチキュラー画像を製造するためのものかを検知して基板タイプ信号を生成するセンサーをさらに含み、前記画像形成装置は前記基材タイプ信号をレンチキュラー印刷ソフトウェアに通信するように構成され、前記レンチキュラー印刷ソフトウェアは、前記外部デバイスから一以上の画像を受信して前記一以上の画像を、前記レンチキュラー印刷機構が前記画像基材への印刷を行う2以上のインターレース画像に変換するように構成され、前記変換することが前記基材タイプ信号に依存する結果、前記取り外し可能カートリッジにおけるレンチキュラーレンズ基材がアニメーションレンチキュラー画像を製造するためのものであることを前記基材タイプ信号が示す場合に前記インターレース画像は、前記レンチキュラーレンズ基材と組み合わされる場合のアニメーション画像を生成し、前記取り外し可能カートリッジにおけるレンチキュラーレンズ基材が3Dレンチキュラー画像を製造するためのものであることを前記基材タイプ信号が示す場合に前記インターレース画像は、前記レンチキュラーレンズ基材と組み合わされる場合の3D画像を生成する、請求項25又は26の画像形成装置。
【請求項32】
請求項29、30又は31の取り外し可能カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レンチキュラー画像印刷のための画像形成装置、それに使用されるカートリッジ、及びその使用方法を記載する。
【背景技術】
【0002】
レンチキュラー印刷とは、レンチキュラーレンズ(3Dディスプレイにも使用される技術)を使用して、奥行きの錯覚のある、又は見る角度によって変化したり動いたりする性能のある印刷画像を作り出す技術である。
【0003】
レンチキュラー印刷の例は、フリップ効果、ウインクする目のようなアニメーション効果、見る角度によってメッセージが変わる最新の広告グラフィックを含む。
【0004】
レンチキュラー印刷は、少なくとも2つの画像からレンチキュラー画像を作成することと、その画像をレンチキュラーレンズによって合成することとからなる多段階プロセスである。このプロセスは、(モーション効果を目的として)様々なフレームのアニメーションを作成するべく、(3D効果を目的として)様々な層を異なる増分でオフセットさせるべく、又は単に、互いに変身し合うように見える一組の交互の画像を示すべく、使用され得る。様々な画像がひとたび収集されると、これらの画像は、フラット化されて個別の異なるフレームファイルになり、その後、デジタル的に結合され、インターレースと称されるプロセスにおいて単数の最終ファイルになる。
【0005】
そこから、インターレースされた画像が、フォト用紙基材のような基材へ印刷されてレンチキュラーレンズ基材へとラミネートされ得る。レンチキュラーレンズ基材は、レンチキュラーアレイとも称されるレンチキュラーレンズ、例えば円筒レンズのアレイ、を支承する基材である。基材材料は、ポリマーを含み、例えば、アレイは、PMMA、PETG、又はポリカーボネートのようなプラスチックで成形され得る。
【0006】
レンチキュラーを組み合わせた印刷物は、当該印刷物を見る角度を変えるだけで、2以上の異なる画像を見せる。連続して撮像された多くの(30超えの)画像が使用される場合、約1秒のショートアニメーションシーケンスを見せることもできる。単純な画像又は異なる色を作品全体にインターレースすることによってシート形態に作成されるのが通常であるが、レンチキュラー画像は3D効果又は多色変化を伴うロール形態にも作成され得る。代替的に、同じ物体を、わずかに異なる角度で撮像した画像を一枚又は数枚使用して、立体視3D効果を示すレンチキュラー印刷物を作成することもできる。3D効果は、横方向(左右方向)で達成される。この場合、見る者の左目が、立体視効果を達成するべく右目とはわずかに異なる角度から見ることになるからである。モーフィング、モーション及びズームのような他の効果は、上下方向の効果として良好に(ゴースト又は潜在的な効果が少なく)機能するが、両方向で達成され得る。
【0007】
周知のレンチキュラー印刷方法の問題は、卓上サイズ又はそれより小さい消費者デバイスでの使用に適しておらず、典型的には熟練した専門家からの大量の手動入力を必要とすることである。これは、多大な時間を必要とし、規模が大きくなると実用的ではないので、高価となる。これにより、レンチキュラー印刷が平均的な消費者にとって利用しにくくなっている。
【0008】
本開示はこれらの問題及び他の問題に対処することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/188124号明細書
【特許文献2】国際公開第2009/037166号
【特許文献3】米国特許出願公開第2011/285974号明細書
【発明の概要】
【0010】
一般的に、本開示は、平均的な消費者による使用に適切な、小型化された卓上サイズ又はそれより小さいレンチキュラー印刷デバイスを与える。
【0011】
第1側面によれば、レンチキュラー画像印刷のための画像形成装置が与えられる。実装例において、装置は、複数のローラーを封入するハウジングと、加熱素子を含む昇華印刷ヘッドとを含む。実装例において、装置はまた、昇華リボンと、写真用紙、白ビニール、一層以上の塗料又は他のコーティングのような画像基材の格納部と、レンチキュラーレンズ基材の格納部とを含む。ここでは写真用紙が主要例として使用されるが、適切な場合には(例えば、後述されるような、レンチキュラーレンズ基材上に最初に画像が形成され、そこに画像基材が適用される実装例において)他の画像基材も使用され得ることが想定される。これらの画像基材は、まとめて又は個別に、ハウジングに結合される(例えばハウジングの中に保持される)一以上のカートリッジ又はパケット(例えば一以上の取り外し可能カートリッジ)に与えられる。取り外し可能カートリッジが、昇華リボン、写真用紙基材の格納部、及びレンチキュラーレンズ基材の格納部のうちの一以上又は2以上を、含み得る(例えば保持するように構成され得る)。実装例において、複数のローラーが、リボンを昇華印刷ヘッドに装填することと、写真用紙基材を格納部から昇華印刷ヘッドまで動かすこととを行うように構成される。実装例において、昇華印刷ヘッドは、写真用紙基材に又はレンチキュラーレンズ基材の表面に画像を形成するべくリボンを使用するように構成される。実装例において、画像は複数のインターレース画像を含む。実装例において、複数のローラーは、レンチキュラーレンズ基材を動かして写真用紙基材と接触させるように、又は写真用紙基材を動かしてレンチキュラーレンズ基材と接触させるように、構成される。実装例において、画像形成装置は、レンチキュラー画像を形成するべくレンチキュラーレンズ基材を画像基材に固定するように構成される。
【0012】
いくつかの実装例において、レンチキュラーレンズ基材の表面には、裏地層を有する接着剤が与えられ、複数のローラーのうちの一以上は、レンチキュラーレンズ基材を動かして画像基材に接触させたときに裏地層をレンチキュラーレンズ基材から剥がすように構成される。
【0013】
有利なことに、これにより、ユーザーエクスペリエンスが向上する。ユーザーが、(例えばカートリッジを使用して)レンチキュラーレンズ基材を装置に挿入する前に、手動で裏地層を取り除く必要がなくなるからであり、また、裏地層が接着剤を保存して格納中の硬化を防止することにより、レンチキュラーレンズ基材上の接着剤の長い保存可能期間が許容されるからである。さらに、このアプローチにより、レンチキュラーレンズ及び写真用紙の双方に対して加熱素子又は紫外(UV)光のいずれかを使用するエネルギー消費が低減される。このアプローチのさらなる利点は、接着剤分泌、すなわち本発明の他の内部部分との接着接合、の内部リスクをいかにして最小限にするかにある。
【0014】
いくつかの実装例において、昇華印刷ヘッドの加熱素子は、レンチキュラーレンズ基材を写真用紙基材に接合して印刷レンチキュラー画像を形成するべく、レンチキュラーレンズ基材及び/又は写真用紙基材を加熱するように構成される。
【0015】
有利なことに、レンチキュラーレンズ基材を写真用紙基材に接合するための、昇華印刷ヘッドにおける加熱素子の使用は、2つの基材を互いにまとめ合わせてレンチキュラー画像を完成させる嵩張る高価なさらなる加熱素子をデバイスに与える必要がないことを意味する。これは特に有利である。というのは、画像がデバイスにおける別個の位置合わせモジュール又は位置まで移動させる必要なくかつ特定のユーザー入力なく形成されていた昇華印刷ヘッドの下で、複数のローラーが基板に位置合わせされるからである。これにより、装置の空間要件が低減され、ユーザーには、周知の方法の場合のようにレンチキュラーレンズ基材を写真用紙基材に手動で位置合わせをする必要がないことが保証される。実装例において、写真用紙基材は、昇華印刷に適切な基材を含む。
【0016】
付加的な又は代替的な接合方法も想定される。例えば、いくつかの実装例において、複数のローラーの一以上が、レンチキュラーレンズ基材を画像基材に接合してレンチキュラー画像を形成するべく圧力をレンチキュラーレンズ基材及び/又は画像基材に及ぼすように構成される。付加的に又は代替的に、画像形成装置は、レンチキュラーレンズ基材を画像基材に接合してレンチキュラー画像を形成するべく、レンチキュラーレンズ基材及び/又は画像基材を照明するように構成される紫外光源を含む。いずれの場合も、使用される接着剤は、適用可能性に応じて熱、圧力及び/又は紫外(UV)光によって活性化されることが想定される。
【0017】
わかることだが、これらのアレンジメントにより、画像が最初に画像基材にされるのか、又はレンチキュラーレンズ基材の裏に形成されるのかに応じて、及び画像がどのようにしてレンチキュラーレンズ基材に固定されるのかに応じて、レンチキュラー画像を形成する一定数の異なる態様が許容される。
【0018】
例えば、以下の態様のそれぞれが想定され、画像が最初に画像基板に形成されるか否か、又は最初にレンチキュラーレンズ基材の裏に形成されるか否かに分類される。
【0019】
画像が最初に画像基板に形成される場合
【0020】
例1:画像が最初に画像基板に形成される場合
レンチキュラーレンズ基材が、接着剤によって前処理される。レンチキュラーレンズ基材を動かして画像基材に接触させ及び/又は押圧して当該画像基材に接着するときに、裏地層(例えばプラスチック裏地)が、ローラー又は他の適切な機構を使用して印刷機によって取り除く(例えば剥がす)ことができる接着剤層の全体に与えられる。
【0021】
例2:画像が最初に画像基板に形成される場合
レンチキュラーレンズ基材を動かして画像基材に接触させ及び/又は押圧して当該画像基材に接着するときに、レンチキュラーレンズ基材が、画像形成装置によって(例えば上述した加熱素子によって)活性化される熱活性化接着剤によって前処理される。
【0022】
例3:画像が最初に画像基板に形成される場合
レンチキュラーレンズ基材を動かして画像基材に接触させ及び/又は押圧して当該画像基材に接着するときに、レンチキュラーレンズ基材が、画像形成装置によって(例えば複数のローラーの一以上又は他の適切な機構によって)活性化される圧力活性化接着剤によって前処理される。
【0023】
例4:画像が最初に画像基板に形成される場合
レンチキュラーレンズ基材を動かして画像基材に接触させ及び/又は押圧して当該画像基材に接着するときに、レンチキュラーレンズ基材が、UV光源によって活性化されるUV活性化接着剤によって前処理される。
【0024】
これらの例のいずれにおいても、画像基材は、写真用紙、白色ビニール又は他の材料であってよい。
【0025】
画像が最初にレンチキュラーレンズ基材に形成される場合
【0026】
例6:画像がレンチキュラーレンズ基材の裏に形成され、ひとたび画像が形成されると、白色ビニール又は他の材料の層が、適切なプレス機構を使用してレンチキュラーレンズ基材の裏に熱プレスされる。熱源は、やはり上述した加熱素子であってよい。
【0027】
例7:塗料又はコーティングの層がレンチキュラーレンズの裏に適用される。塗料及び/又はコーティングの層の材料は、白色ビニール材料によって与えられるような付加的な保護層が必要ない程度に十分に強くかつ弾性的である。この文脈において、塗料又はコーティングの層自体が画像基材となる。
【0028】
一般的に、上記アレンジメントは一定数の理由ゆえに有利となる。
【0029】
第一に、予め充填された取り外し可能カートリッジ(カートリッジとも称され得る)を使用することによって、写真用紙基材とレンチキュラーレンズ基材とが、互換性を有し、これらの基材を複数のローラーがデバイスの中に受容するべく正しく位置決めされることが保証され、ユーザーによるデバイスの装填が簡素化される。したがって、いくつかの実装例において、複数のローラーは、前記加熱中に、例えば前記昇華印刷ヘッドにおいて、写真用紙基材とレンチキュラーレンズ基材とを位置合わせするように構成される第1ローラー及びプレスを含む。
【0030】
第二に、本発明者は、昇華印刷が、例えばインクジェット印刷又は他の印刷方法と比較して、卓上又はこれより小さいレンチキュラー印刷に特に適していることに気づいている。これは、レンチキュラー画像を正しく表示するためには印刷の精度が重要であり、画像におけるわずかなアーチファクト又は誤って印刷された要素であっても、レンズ基材を通して誤って表示される画像をもたらし得るからである。インクジェット印刷機は、重力がインク滴の軌跡に影響するので、特に配向に敏感である。消費者はデバイスを多くの異なる角度に向けることが多いので、低品質印刷又はデバイス誤動作をもたらし得る。これとは対照的に、昇華印刷は、任意の配向で使用されてよく、消費者デバイスにおけるレンチキュラー印刷に特に適している。相乗的に、このことはまた、上述したようにレンチキュラーレンズ基材を写真用紙基材に結合するべく昇華印刷ヘッドの加熱素子が使用されることも許容する。
【0031】
いくつかの実装例において、複数のローラーは、取り外し可能カートリッジがハウジングに結合される時に格納ベイから写真用紙基材を動かすべく取り外し可能カートリッジに位置決めされる第2ローラーと、取り外し可能カートリッジがハウジングに結合されるときに格納部からレンチキュラーレンズ基材を動かすべく取り外し可能カートリッジに位置決めされる第3ローラーと、前記画像の前記形成の間に昇華印刷ヘッドを越えるように写真用紙基材を動かすべく昇華印刷ヘッドに位置決めされる第4ローラーとを含む。いくつかの実装例において、第1ローラー及びプレスは、ハウジングにおける開口に位置決めされ、レンチキュラー画像を完成時に装置から排出するように構成される。
【0032】
有利なことに、このローラーのアレンジメントにより、レンチキュラー画像は、ユーザーからの入力をほとんどなしに印刷され得るので、消費者デバイスに適している。
【0033】
いくつかの実装例において、画像形成装置は、制御器ユニット及びモーターを含み、モーターは、一以上のギアアセンブリによって複数のローラーに結合され、制御器ユニットは、前記複数のローラーを駆動するべく、及びレンチキュラー画像の前記形成の間に前記昇華印刷ヘッドを制御するべく、前記モーターを制御するように構成される。
【0034】
有利なことに、制御器ユニット、モーター、及び一以上のギアアセンブリにより、レンチキュラー印刷プロセスが、ユーザーにとってレンチキュラーレンズ基材の手動による位置合わせ又は位置決めを必要とすることのないように自動化される。
【0035】
いくつかの実装例において、画像形成装置は、制御器ユニットに結合されるセンサーユニットであって、取り外し可能カートリッジのハウジングへの挿入を検出して取り外し可能カートリッジのカートリッジタイプを識別するように構成されるセンサーユニットを含む。いくつかの実装例において、制御器ユニットは、センサーユニットトがカートリッジタイプを識別できないときに装置が前記レンチキュラー画像を前記形成することを防止するように構成される。カートリッジタイプは、画像形成装置を制御するように、詳しくは写真用紙基材に形成される画像を制御するように、使用されてよく、その結果、画像は、カートリッジのタイプにとって、詳しくは、レンチキュラーレンズ基材のタイプのようなカートリッジにおける基材材料にとって、適切となる。
【0036】
有利なことに、デバイスのユーザーエクスペリエンスが高水準に維持されることを保証するべく、センサーユニットは、挿入されたカートリッジが、既知の信頼できる製造業者によって製造された純正カートリッジであるか否か、又は海賊版で低品質の可能性のあるコピー品であるか否かを検出する。例えば、センサーユニットが、カートリッジタイプが既知の信頼できる製造業者からのものであることを識別できない場合、ユーザーエクスペリエンスが影響を受け得ることを示してよく、それに応じて制御器ユニットが、レンチキュラー画像を印刷するために装置がカートリッジを使用することを防止する。これとは対照的に、カートリッジタイプが、既知の信頼できる製造業者からのタイプ(例えば、これは3Dレンチキュラーレンズ、写真用紙及び昇華リボンを包含する3Dレンチキュラーカートリッジであり、又はこれはモーションレンチキュラーレンズ、写真用紙及び昇華リボンを包含するモーションレンチキュラーカートリッジであり、又は、これは写真用紙及び昇華リボンのみを包含する静止画像カートリッジである)であることが検出される場合、制御器ユニットは、装置が印刷を続けることを許容する。
【0037】
いくつかの実装例において、画像形成装置は、有線又は無線の接続を使用して制御器ユニットをモバイルデバイスのような外部デバイスに結合する通信インターフェイスを含む。
【0038】
有利なことに、これにより、ユーザーは、例えば、画像形成装置に関連付けられるデバイス上のソフトウェアアプリケーションを使用することにより、スマートフォン、タブレット、又は他のデバイスのような自身のモバイルデバイスを使用して、印刷したいと所望する画像を装置に送信することが許容される。無線接続が使用される場合、通信インターフェイスは、例えば、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、又は他の無線接続インターフェイスを含んでよい。付加的に又は代替的に、有線接続が使用される場合、通信インターフェイスは、USB-C(登録商標)接続インターフェイス、又は他の、iPhone(登録商標)Lightning(登録商標)ポートのような接続を含んでよい。
【0039】
いくつかの実装例において、ハウジングは、成形受容面と、その上に外部モバイルデバイスを保持するクランプとを画定する。
【0040】
有利なことに、成形面とクランプの組み合わせにより、任意の形状又はサイズのモバイルデバイスをデバイスに保持することにより、ユーザーエクスペリエンスの向上と、印刷プロセス中に無線及び/又は有線の任意の接続の保証との双方を果たすことができる。
【0041】
いくつかの実装例において、画像形成装置は、ハウジングに封入されたプリント回路基板(PCB)を含み、制御器ユニット、センサーユニット及び通信インターフェイスがプリント回路基板及び電源に結合される。
【0042】
有利なことに、これらのユニット及びインターフェイスをハウジング内のPCB上に設けることにより、装置は、消費者の使用に適した完全に統合された装置として与えられる。
【0043】
いくつかの実装例において、画像形成装置はさらに、静止画像を印刷するように構成され、複数のローラーは、写真用紙基材を格納部から昇華印刷ヘッドまで動かすように構成され、昇華印刷ヘッドは、リボンを使用して写真用紙基材に画像を形成するように構成され、複数のローラーはさらに、静止画像を完成時に装置から排出するように構成される。
【0044】
有利なことに、ユーザーはそれゆえ、別個の印刷機を必要とすることなく同じ装置でレンチキュラー画像及び静止画像の双方を印刷することができる。
【0045】
いくつかの実装例において、レンチキュラーレンズ基材の格納部は、接着剤が与えられた複数のレンチキュラーレンズ基材を有する(例えばプラスチック又は他の裏地材料の)連続ストリップを含む。裏地材料は、上述した態様で剥がされるように構成される。随意的に、複数のレンチキュラーレンズ基材は、連続ストリップに、当該ストリップの同じ側に所定のインターバルだけ離間して設けられる。各インターバルは実質的にレンチキュラーレンズ基材の長さであり、連続ストリップは複数回折りたたまれ、各折り目は、それぞれのインターバルの開始点及び終了点に存在し、これにより随意的に、折りたたまれた連続ストリップが、レンチキュラーレンズ基材の格納部の内側に積層構成で設けることが許容される。
【0046】
有利なことに、この構成によって、一つのローラーがプラスチック層廃棄物を巻きつけることが許容される点でエネルギー消費を少なくすることができる。さらに、このアレンジメントは、レンチキュラーレンズ基材の個別片を非連続的な態様で積層する構成と比較して詰まりが生じにくい。このレンチキュラーレンズ基材ストリップを前方に引っぱるローラー機構が、個別片構成の場合に当てはまり得るような、前のシートが次のシートを引っぱってローラーに接触させる必要性に依存しないからである。したがって、これにより、画像形成装置の信頼性が向上する。この構成はまた、破棄された裏地ストリップが、裏地ストリップの個別片が詰まりを引き起こすリスクなしにローラーにおいて容易に回収されることも許容する。
【0047】
さらなる側面によれば、レンチキュラー画像印刷のための画像形成装置が与えられ、この装置は、ハウジングと一以上の取り外し可能カートリッジとを含み、ハウジングは複数のローラーと加熱素子を含む昇華印刷ヘッドとを封入し、一以上の取り外し可能カートリッジは、昇華リボンとレンチキュラーレンズ基材の格納部とを保持するべくハウジングに結合され、複数のローラーは、リボンを昇華印刷ヘッドに装填することと、レンチキュラーレンズ基材を格納部から昇華印刷ヘッドまで動かすこととを行うべく構成され、昇華印刷ヘッドは、レンチキュラーレンズ基材の表面に画像を形成するべくリボンを使用するように構成され、画像は複数のインターレース画像を含み、昇華印刷ヘッドは、印刷された画像に保護層を形成するべくリボンを使用するように構成される。
【0048】
有利なことに、これにより、上記実装例のうち一定数に記載されるように、写真用紙又は他の画像基材を使用する必要なしに、レンズに直接印刷する手段が得られる。
【0049】
本開示のさらなる側面によれば、レンチキュラー画像を印刷する方法が与えられる。この方法は、昇華リボン、画像基材及びレンチキュラーレンズ基材を、画像形成装置のハウジングに挿入することと、複数のローラーによって、リボンを昇華印刷ヘッドに装填して写真用紙基材を格納部から昇華印刷ヘッドまで動かすことと、昇華印刷ヘッドによって、複数のインターレース画像を含む画像を写真用紙基材に形成することと、複数のローラーによって、レンチキュラーレンズ基材を動かして写真用紙基材に接触させることと、昇華印刷ヘッドの加熱素子によって、レンチキュラーレンズ基材を写真用紙基材に接合してレンチキュラー画像を形成するべくレンチキュラーレンズ基材及び/又は写真用紙基材を加熱することとを含む。
【0050】
実装例において、挿入するステップは、前記昇華リボンと、前記画像基材の格納部と、前記レンチキュラーレンズ基材の格納部とを含む取り外し可能カートリッジを画像形成装置のハウジングに挿入することを含む。
【0051】
本開示のさらなる側面によれば、上記装置に上記方法のステップを実行させる命令を含むコンピュータプログラムが与えられる。
【0052】
本開示のさらなる側面によれば、上記コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体が与えられる。
【0053】
本開示のさらなる側面によれば、上記画像形成装置との使用のためのカートリッジが与えられる。このカートリッジは、画像形成装置の昇華印刷ヘッドへの装填のための昇華リボン、画像基材の格納部、及びレンチキュラーレンズ基材の格納部のうちの一以上又は2以上を含む。
【0054】
カートリッジは、レンチキュラーレンズ基材が、アニメーションレンチキュラー画像又は立体視レンチキュラー画像を生成することに適合されているか否かを画像形成装置に示す物理的又は電子的な機構を含み得る。この文脈において、アニメーションレンチキュラー画像は、一以上の画像フリップ若しくは画像モーフ(視野角の変化にともなって画像が一の画像から他の画像へと離散的又は準連続的に変化する)、又は画像ズーム、を示す画像であってよい。
【0055】
いくつかの実装例において、レンチキュラーレンズ基材(及びソフトウェア)は、アニメーション立体視(3D)レンチキュラー画像を製造することに、例えば、視点によって変わるアニメーション3Dを生成することに、適合される。
【0056】
この方法、コンピュータプログラム及びコンピュータ可読記憶媒体、並びにカートリッジは、上述したものと同じ利点を与える。
【0057】
本開示のさらなる側面によれば、携帯電話機又は同様のデバイスからのレンチキュラー画像印刷のための画像形成装置が与えられる。この装置は、携帯電話機を支持するトレイであって、ベースを有するトレイと、レンチキュラー印刷機構と、実装例において、携帯電話機への無線結合のための無線通信システムとを含む。レンチキュラー印刷機構は、トレイのベースの中に作られる。すなわち、レンチキュラー印刷機構は、ベースの厚さ内に実質的に包含される。
【0058】
画像形成装置はさらに、画像形成装置の昇華印刷ヘッドへの装填のための昇華リボン、画像基材の格納部、及びレンチキュラーレンズ基材の格納部のうち少なくとも2つを保持する取り外し可能カートリッジを含んでよい。トレイは、カートリッジを受容するべく少なくとも一のエッジに第1スロットを有し得る。
【0059】
トレイは、反対側のエッジ又は任意のエッジとなり得る他のエッジに第2スロットを有し得る。第1スロットと第2スロットとの間の方向は、レンチキュラー印刷機構を通る輸送経路の方向を画定し得る。この経路は、直接であってよく、又は一定数の他経路を介してもよい。例えば、カートリッジが、進行方向に対して垂直な方向で第1スロットに挿入されてよい。他の方向及び構成もまた想定される。レンチキュラー印刷機構は、取り外し可能カートリッジからの画像基材及びレンチキュラーレンズ基材をそれぞれが巻き込むように互いから垂直方向に及び/又は横方向に変位される第1ローラー及び第2ローラーを含み得る。トレイのベースは、第1ローラー及び第2ローラーと第2スロットとの間の輸送経路に沿うように位置決めされる昇華印刷機を含み得る。昇華印刷機は、写真用紙基材への印刷とレンチキュラーレンズ基材の写真用紙基材への固定との双方を行うべく構成される昇華印刷ヘッドを有し得る。これは、上記固定の方法のいずれかを使用することであってよい。
【0060】
かかるアレンジメントの実装例により、レンチキュラーを、相対的に小さな厚さを有するトレイのベース内に設けることが容易となり得る。
【0061】
画像形成装置はさらに、取り外し可能カートリッジにおけるレンチキュラーレンズ基材が、アニメーションレンチキュラー画像を製造することを目的とするか、又は立体視レンチキュラー画像を製造することを目的とするか、を検知して基材タイプ信号を生成するセンサーを含み得る。
【0062】
画像形成装置は、基材タイプ信号を、装置の不揮発性メモリに記憶された、又は携帯電話機、タブレット若しくはコンピュータのような外部デバイスの不揮発性メモリに若しくはクラウドに記憶された、レンチキュラー印刷ソフトウェアに通信するべく構成されてよい。実装例において、画像形成装置は、例えば無線通信リンクを介して携帯電話機から取得された一以上の画像からの印刷用インターレース画像を生成するべく、装置の不揮発性メモリに記憶された命令によって制御されるプロセッサを含む。
【0063】
レンチキュラー印刷ソフトウェアは、携帯電話機から一以上の画像を受信して、当該一以上の画像を、レンチキュラー印刷機構が画像基材に印刷する一以上のインターレース画像に変換するように構成されてよい。この変換は、基材タイプ信号に依存してよい。その結果、例えば、基材タイプ信号が、取り外し可能カートリッジにおけるレンチキュラーレンズ基材がアニメーションレンチキュラー画像の製造を目的とすることを示す場合に、インターレース画像が、レンチキュラーレンズ基材と組み合わされる場合のアニメーション画像を生成し、基材タイプ信号が、取り外し可能カートリッジにおけるレンチキュラーレンズ基材が3Dレンチキュラー画像の製造を目的とすることを示す場合に、インターレース画像が、レンチキュラーレンズ基材と組み合わされる場合の3D画像を生成する。
【0064】
上述した取り外し可能カートリッジも与えられる。
【0065】
例示的レンチキュラー印刷プロセスの概要
【0066】
レンチキュラー印刷プロセスの例示的かつ非限定的な説明が以下に記載される。ユーザーは、電話機のようなモバイルデバイスの関連アプリにおいて、静止画像、3D画像又はモーション画像のいずれをキャプチャ及び/又は印刷したいかを選択し、又は代替的に、挿入されたカートリッジの種類を識別することによってこれを決定する。
【0067】
いくつかの実装例において、電話機又は他のデバイス上のアプリケーションソフトウェアはユーザーが画像を印刷する前に修正/編集することができるように構成される。実装例において、アプリケーションソフトウェアは、ユーザーが複数の別個の画像を選択できるようにし、それらをつなぎ合わせてレンチキュラー画像を形成し、その後このレンチキュラー画像は印刷機へと出力される。さらに又はその代わりに、レンチキュラー画像を形成する複数の画像が、単一の初期画像から生成されてよい。
【0068】
電話機又は他のデバイスが、Bluetooth(登録商標)、Wifi(登録商標)、又は電話機のUSB-C(登録商標)/Lightning(登録商標)ポートを介して写真を画像形成装置に送信する。画像形成装置は、そのローラーを使用して一片の写真用紙をつかんで昇華印刷ヘッドに向けて押し出す。印刷ヘッドはその後、シアン、マゼンタ、イエロー(及び潜在的にはブラック、他の色、及びクリアコート)をマルチパス法で基材に塗布する。
【0069】
画像がレンチキュラー(詳しくは行又は列で複数のインターレース画像の層を包含する処理画像)である場合、画像形成装置はレンチキュラーレンズを把持し、写真用紙上の印刷画像に位置合わせさせる(位置合わせは、写真用紙及びレンチキュラーレンズのサイズに基づく物理的制約を含む機械的手段を使用して行われるが、フォトセンサーを使用レンチキュラーレンズと写真用紙との位置合わせを自動的に行うこともできる)。レンチキュラーレンズと写真用紙とは、昇華印刷ヘッドに向かって一緒に運ばれる。昇華印刷ヘッドは、レンチキュラーレンズの裏にすでに配置されている接着剤を加熱し、当該レンズを写真用紙に接合する。代替的又は付加的に、上述したように、画像形成装置には、接着剤層がすでに塗布されているレンチキュラーレンズ基材の裏地層を剥がす機構が設けられてよい。この機構は、複数のローラーの一部として設けられてよい。
【0070】
画像が静止画像の場合、画像形成装置は最終保護コーティングを、最終パスにおいて画像の頂部に塗布する。
【0071】
画像形成デバイスは、電池へ給電するUSB-Cポートを介して充電され得る。
【0072】
画像形成装置は、以下の3タイプのカートリッジ
1.3Dカートリッジ(3Dレンチキュラーレンズ、写真用紙及び昇華リボンを包含する)、
2.モーションカートリッジ(モーションレンチキュラーレンズ、写真用紙及び昇華リボンを包含する)、
3.静止カートリッジ(写真用紙及び昇華リボンを包含する)
のうちの一つを取り込む消耗品ポートを有し得る。
【0073】
画像形成装置は、カートリッジが既知の信頼できる製造業者からのものか、又は被正規品か、を検知するセンサーを含み得る。後者であれば、画像形成装置は印刷しないように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0074】
本発明のこれら及び他の側面が、例としてのみ、添付図面及び参照番号を参照して以下にさらに記載される。
【0075】
【
図3】本開示に係る消耗品ポートを紹介する外装ケーシングの等角図を示す。
【
図4】本開示に係るケーシングの分解内装図を示す。この図は、PCB、電池、ギア及びローラー、昇華リボンを包含する昇華消耗品カートリッジ、写真用紙、及びレンチキュラーレンズを含む。
【
図5】本開示に係る、消耗品カートリッジと、そのプラスチック裏地のレンチキュラーレンズを剥ぎ取ってプラスチック裏地を消耗品カートリッジの内側に格納する剥離方法とに関連付けられる消耗品カートリッジ、昇華印刷ヘッド、ローラーの横断側面図を示す。
【
図6】本開示に係る消耗品カートリッジに関連付けられる消耗品カートリッジ、昇華印刷ヘッド及びローラーの横断等角図を示す。
【
図7】本開示に係るプラスチック下地層の一ストリップに貼り付けられた一連のレンチキュラーレンズを示す。
【
図8】本開示に係る単一のレンチキュラーレンズを示す。
【
図9】2つの画像をインターレースして、本開示に係る2画像レンチキュラーフリップ画像を生成するプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0076】
図1に見える表カバー1は、
図2に見える裏カバー2に嵌るように設計される。これらのカバーは、本発明の内部機構を包含する中空シェル3を形成する。このシェルは、小さなタブレット又はモバイルデバイス4を取り囲むように構成され得る。表カバー1又は裏カバー2は、小さなタブレット又はモバイルデバイス4を所定位置に保持するべく使用され得るクランプシステム5を包含し得る。
【0077】
図に示される画像形成装置は、本発明が、例えばBluetooth(登録商標)、NFC(登録商標)又はWiFi(登録商標)の手段を介して他の無線デバイスに接続することを許容する近接場のための通信モジュールを含むことが想定される。画像形成装置は、電子デバイスとの直接の有線通信を許容するUSB-C又はLightningポートのような有線ポート6を含み得る。
【0078】
画像形成装置は、
図3に見えるような消耗品カートリッジが挿入されるスロット7、又は昇華リボン8、写真用紙9及びレンチキュラーレンズ10のような特定の消耗品コンポーネントが挿入される一連のスロット、を含むように構成される。
【0079】
図に示されるシステムの例示的構成に基づいて、画像形成装置は、電源13に結合される制御器ユニット、センサーユニット及び通信インターフェイスを包含するプリント回路基板12に取り付けられるギア及びローラー11を使用する。例示的電源13は、他の電源との充電接続を介して再充電可能である。電源13の他構成が、交換可能かつ挿入可能な電池を含み得る。
図4に見えるギア及びローラー11は、基材を把持し、この基材を昇華印刷ヘッド14まで駆動する。昇華印刷ヘッド14は、画像を直接基材に印刷する。
【0080】
図5に見える構成において、画像形成装置は最初に、ローラー15を使用して写真用紙9を把持し、写真用紙9を昇華印刷ヘッド14に向かうように駆動する。写真用紙9は、機械的制約を使用して駆動されるが、写真の位置を維持するべくフォトセンサー制約を含むように構成されてもよい。写真が印刷されると、写真は最終ローラー16を介して本発明から排出される。他層の色を印刷する必要があれば、画像形成装置は、写真を再取り込みし、その写真の位置を維持するべく機械的制約を使用する。画像形成装置は、写真の位置が所望位置にあることを保証するべくフォトセンサーを使用し得る。構成に応じて、画像形成装置が写真の色を印刷し終えた後、画像形成装置はクリアな保護層を印刷するか、又はレンチキュラーレンズ10を写真用紙9に接合することに備えて写真を本発明内の特定の位置に引き込むか、することができる。写真用紙9及びレンチキュラーレンズ10の位置は、所望の位置合わせを保証するべく機械的制約及びフォトセンサー制約によって制御され得る。一構成において、写真用紙9は、レンチキュラーレンズ10を写真用紙9に接合する加熱素子を介してレンチキュラーレンズ10に接着され得る。図示しない他構成において、画像形成装置は、写真をレンチキュラーレンズに直接印刷し、その後、熱を加えて白色ビニール裏地のような裏地材料をレンチキュラーレンズ10に接合する。
【0081】
図5及び
図6は、昇華リボンコンテナ18、写真用紙コンテナ19及びレンチキュラーレンズコンテナ20を包含する消耗品カートリッジ17を示す。これらの図は付加的に、レンチキュラーレンズ10を写真用紙9に接合するステップを示す。この構成において、画像形成装置は、ローラー21を使用してレンチキュラーレンズ10を前方に引っぱる。ローラー21がレンチキュラーレンズ10を、当該レンチキュラーレンズに塗布された接着剤層を保護して剥がされるプラスチック層22に向かうように引っぱる。層22は、剥がされると消耗品カートリッジ17の内側のキャビティに引き込まれるので、廃棄品の容易な格納が許容される。レンチキュラーレンズ10に取り付けられたプラスチック層22は、プラスチック層22を格納する消耗品カートリッジ17に中空キャビティを必要とする各レンチキュラーレンズ10に別個に取り付けられ得るか、又はプラスチック層22が、明確なポイントにレンチキュラーレンズ10が貼り付けられた一連続層となり得るか、のいずれかである。後者の方法により、一つのローラー21がプラスチック層22を自身まわりに巻きつけることが許容され、プラスチック層22を格納する明確な中空キャビティの必要性がなくなる。
【0082】
図7は、上述したプラスチック下地層22の一連続ストリップに貼り付けられた一連のレンチキュラーレンズ10の構成を描く。
【0083】
図8において、レンチキュラーレンズ10及びプラスチック下地層22の一例が描かれる。レンズは、下地画像を表示するべく、見る者の配向に基づいて光を屈折させる。レンチキュラーレンズ10は、当業者にはわかるように、各目が同じ画像を、異なる画像を、又は一連の異なる画像を見ることを許容するように構成され得る。
【0084】
図9は、画像形成装置23がどのようにしてレンチキュラー写真を生成するのかのステップを示す。画像形成装置は、本発明に挿入されるカートリッジ17のタイプを識別するべくセンサー24を使用する。画像形成装置23におけるセンサー24は、システムに挿入されている消耗品17を登録する。センサー24は、消耗品17についての情報を、Bluetooth(登録商標)、Wifi(登録商標)、NFC(登録商標)又は有線接続の手段を介して画像形成装置23に接続された接続済み電子デバイス25に送信する。接続済み電子デバイス25は、情報を送受信することができるモバイルテレコミュニケーションデバイス、タブレット、ラップトップ、又は他の電子デバイスであってよい。接続済み電子デバイス25におけるソフトウェア26が、画像形成装置23に、何タイプの消耗品17が挿入されているか、消耗品17が何回使用されてきたか、何枚の印刷が消耗品17に残っているかを含むがこれらに限られない情報を通信する。接続済み電子デバイス25におけるソフトウェア26が、この情報をユーザーのために、関連するアプリケーション27にも投入する。ユーザーは、アプリケーション27を使用して一以上の写真を選択及び/又はキャプチャしてよい。アプリケーション27は、ユーザーが選択する設定に基づいて、複数の写真をインターレースして最終の印刷において、3D、モーション、フリップ、ズーム、ピクセレーション等のような異なる効果を生成し得る。ユーザーがそれらの写真を選択及び/又はキャプチャした後、アプリケーション27は画像形成装置23に、何を印刷すべきかに関する情報を送信する。
【0085】
画像形成装置23には、当該画像形成装置のプリント回路基板(PCB)上にコンピュータ可読記憶媒体、例えばメモリ、が設けられる。PCB上に設けられた適切な処理リソース、例えば一以上のプロセッサ、ASIC、又は他のコンピューティングリソース、が印刷命令を読み取って画像形成装置のコンポーネントに写真印刷プロセスを開始させる。
【0086】
写真がレンチキュラー写真の場合、画像形成装置は最初に、ローラーを使用して写真用紙9を把持し、写真用紙9を昇華印刷ヘッド14まで運ぶ11。画像形成装置23に送信された情報に基づいて、画像形成装置23は、一以上の層の色を写真に印刷する。写真は、画像形成装置から排出されながら、印刷層の端に到達するまで印刷される。写真にシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、クリアのような多層の印刷が必要な場合、画像形成装置は同じ方法を使用して次の層を印刷するべく写真を再取り込みする。
【0087】
上述したように、画像形成装置は、印刷中及びレンチキュラー接着プロセス中に印刷の位置合わせを維持するべく、フォトセンサーと物理的制約との双方を使用してよい。
【0088】
本発明がレンチキュラー写真を印刷する場合、物理的制約及びフォトセンサーを使用して写真用紙9とレンチキュラーレンズ10との位置合わせを行い得る。本発明は、ひとたび写真用紙9の位置合わせを完了すると、ローラー11を使用してレンチキュラーレンズ10を前方に引き出すことができる。レンチキュラーレンズ10が本発明において前方に動くので、当該レンチキュラーレンズの下のプラスチックコーティング22が他のローラー21によって把持されてカートリッジ内の中空空間に引き込まれる。このプラスチック下地層22の目的は、レンチキュラーレンズ10の下側にある接着剤コーティングを、所望されるまで接合されないように保護することにある。レンチキュラーレンズ10は前方に引っぱられて写真用紙9へと押圧される。この接合されたレンチキュラーレンズ10と写真用紙9とが、他セットのローラー16を通るように引っぱられ、これら2つの基材がきつく押圧され、生じ得る気泡が押し出される。
【0089】
疑いなく、多くの他の効果的な代替例が当業者に想起される。理解されることだが、本発明は、説明される実施形態に限られることはなく、添付される特許請求の範囲内にある当業者にとって明らかな修正例を包括する。
【0090】
例えば、図に示される本開示は、熱、UV又は圧力で活性化される接着剤を介した接合を含む上述した他の接合方法の一以上を使用し得る。
【0091】
例えば、一つのポート7(昇華リボン8用ポート、レンチキュラーレンズ10用ポート、写真用紙9用ポート)のみでなく、消耗品用の複数のフィーダをハウジングに設け、交換可能カートリッジ17の代わりに使用してよい。
【0092】
例えば、上述したように、画像形成装置は、レンチキュラーレンズ10基材に直接印刷することによって画像基材が、印刷済み画像を保護するべくその上に接合される白色ビニール又は他の材料の一層となる。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-25
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンチキュラー画像印刷のための画像形成装置であって、
複数のローラーと加熱素子を含む昇華印刷ヘッドとを封入するハウジングを含み、
前記複数のローラーは、昇華リボンを前記昇華印刷ヘッドに装填することと、画像基材を画像基材格納部から又はレンチキュラーレンズ基材をレンチキュラーレンズ基材格納部から、前記昇華印刷ヘッドまで動かすこととを行うように構成され、
前記昇華印刷ヘッドは、前記画像基材に又は前記レンチキュラーレンズ基材の表面に、複数のインターレース画像を含む画像を形成するべく、前記
昇華リボンを使用するように構成され、
前記複数のローラーは、前記レンチキュラーレンズ基材又は前記画像基材を動かして前記レンチキュラーレンズ基材又は前記画像基材の他方と接触させるように構成され、
前記画像形成装置は、レンチキュラー画像を形成するべく、前記レンチキュラーレンズ基材を前記画像基材に固定するように構成される、画像形成装置。
【請求項2】
前記レンチキュラーレンズ基材の表面には、裏地層を有する接着剤が与えられ、前記複数のローラーのうちの一以上は、前記レンチキュラーレンズ基材を動かして前記画像基材に接触させたときに前記裏地層を前記レンチキュラーレンズ基材から剥がすように構成される、請求項1の画像形成装置。
【請求項3】
(i)前記昇華印刷ヘッドの前記加熱素子は、前記レンチキュラーレンズ基材を前記画像基材に接合して前記レンチキュラー画像を形成するべく、前記レンチキュラーレンズ基材及び/又は画像基材を加熱するように構成される
との特徴と、
(ii)前記複数のローラーのうちの一以上が、前記レンチキュラーレンズ基材を前記画像基材に接合して前記レンチキュラー画像を形成するべく、前記レンチキュラーレンズ基材及び/又は画像基材に圧力を及ぼすように構成されるとの特徴と、
(iii)前記レンチキュラーレンズ基材を前記画像基材に接合して前記レンチキュラー画像を形成するべく、前記レンチキュラーレンズ基材及び/又は画像基材を照明するように構成される紫外光源との特徴と
のうち一以上の特徴を含む、請求項1又は2の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数のローラーは、前記加熱の間に前記画像基材とレンチキュラーレンズ基材とを位置合わせするように構成される第1ローラー及びプレスを含む、請求項
3の画像形成装置。
【請求項5】
前記昇華リボン、前記画像基材の格納部、及び前記レンチキュラーレンズ基材の格納部の一以上を保持するべく前記ハウジングに結合される一以上の取り外し可能カートリッジを含
み、
前記複数のローラーは、
前記取り外し可能カートリッジが前記ハウジングに結合されたときに前記格納部から前記画像基材を動かすように前記取り外し可能カートリッジに位置決めされる第2ローラーと、
前記取り外し可能カートリッジが前記ハウジングに結合されたときに前記格納部から前記レンチキュラーレンズ基材を動かすように前記取り外し可能カートリッジに位置決めされる第3ローラーと、
前記画像の前記形成の間に前記昇華印刷ヘッドを通過した前記画像基材を動かすように前記昇華印刷ヘッドに位置決めされる第4ローラーと
を含み、
前記第1ローラー及びプレスは、前記ハウジングにおける開口に位置決めされて前記レンチキュラー画像を完成時に前記画像形成装置から排出するように構成される、請求項
4の画像形成装置。
【請求項6】
(i)制御器ユニット及びモーターを含み、前記モーターは、一以上のギアアセンブリによって前記複数のローラーに結合され、前記制御器ユニットは、前記複数のローラーを駆動するべく、及び前記レンチキュラー画像の前記形成の間に前記昇華印刷ヘッドを制御するべく、前記モーターを制御するように構成される
ことであって、前記制御器ユニットは、前記制御器ユニットに結合されるセンサーユニットが前記取り外し可能カートリッジのカートリッジタイプを識別できないときに、前記画像形成装置が前記レンチキュラー画像を形成することを防止するように構成されることとの特徴と、
(ii)前記制御器ユニットに結合されるセンサーユニットであって、前記取り外し可能カートリッジの前記ハウジングへの挿入を検出して前記カートリッジタイプを識別するように構成されるセンサーユニットとの特徴と、
(iii)有線又は無線の接続を使用して前記制御器ユニットを外部デバイスに結合する通信インターフェイスとの特徴と
のうち一以上の特徴を含む、請求項
5のいずれか一項の画像形成装置。
【請求項7】
前記ハウジングは、成形受容面と、その上に前記外部デバイスを保持するクランプとを画定
し、
さらに、前記ハウジングに封入されたプリント回路基板を含み、前記制御器ユニット、センサーユニット及び通信インターフェイスは前記プリント回路基板及び電源に結合される、請求項
6の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置はさらに、静止画像を印刷するように構成され、前記複数のローラーは、前記画像基材を前記格納部から前記昇華印刷ヘッドまで動かすように構成され、前記昇華印刷ヘッドは、前記
昇華リボンを使用して前記画像基材に画像を形成するように構成され、前記複数のローラーはさらに、前記静止画像を完成時に前記
画像形成装置から排出するように構成される、請求項
5から
7のいずれか一項の画像形成装置。
【請求項9】
前記画像基材は写真用紙基材、又は白色ビニールの層を含む、請求項1から
8のいずれか一項の画像形成装置。
【請求項10】
前記レンチキュラーレンズ基材の格納部は、複数のレンチキュラーレンズ基材が設けられた連続ストリップを含
み、
前記レンチキュラーレンズ基材は、所定のインターバルだけ離間されて前記連続ストリップに設けられ、各インターバルは実質的に前記レンチキュラーレンズ基材の長さであり、前記連続ストリップは複数回折りたたまれ、各折り目は、それぞれのインターバルの開始点及び終了点に存在し、
前記折りたたまれた連続ストリップは、前記レンチキュラーレンズ基材の格納部の内側に積層構成で設けられる、請求項1から
9のいずれか一項の画像形成装置。
【請求項11】
レンチキュラー画像印刷のための画像形成装置であって、
複数のローラーと加熱素子を含む昇華印刷ヘッドとを封入するハウジングと、
昇華リボンとレンチキュラーレンズ基材の格納部とを保持するべく前記ハウジングに結合される一以上の取り外し可能カートリッジと
を含み、
前記複数のローラーは、前記
昇華リボンを前記昇華印刷ヘッドに装填することと、前記レンチキュラーレンズ基材を前記格納部から前記昇華印刷ヘッドまで動かすこととを行うように構成され、
前記昇華印刷ヘッドは、前記レンチキュラーレンズ基材の表面に、複数のインターレース画像を含む画像を形成するべく、前記
昇華リボンを使用するように構成され、
前記昇華印刷ヘッドは、前
記画像に保護層を形成するべく、前記
昇華リボンを使用するように構成される、画像形成装置。
【請求項12】
レンチキュラー画像を印刷する方法であって、
昇華リボン、画像基材及びレンチキュラーレンズ基材を、画像形成装置のハウジングに挿入することと、
複数のローラーによって、前記
昇華リボンを昇華印刷ヘッドに装填して前記
画像基材を格納部から前記昇華印刷ヘッドまで動かすことと、
前記昇華印刷ヘッドによって、複数のインターレース画像を含む画像を前記
画像基材に形成することと、
前記複数のローラーによって、前記レンチキュラーレンズ基材を動かして前記
画像基材に接触させることと、
前記昇華印刷ヘッドの加熱素子によって、前記レンチキュラーレンズ基材を前記
画像基材に接合してレンチキュラー画像を形成するべく、前記レンチキュラーレンズ基材及び/又は
画像基材を加熱することと
を含む、方法。
【請求項13】
前記挿入することは、前記昇華リボンと、前記画像基材の格納部と、前記レンチキュラーレンズ基材の格納部とを含む取り外し可能カートリッジを、画像形成装置のハウジングに挿入することを含む、請求項
12の方法。
【請求項14】
請求項1から
10のいずれかの画像形成装置とともに使用されるカートリッジであって、
前記画像形成装置の昇華印刷ヘッドへの装填のための昇華リボンと、
画像基材の格納部と、
レンチキュラーレンズ基材の格納部と
を含む、カートリッジ。
【請求項15】
前記レンチキュラーレンズ基材がアニメーションレンチキュラー画像を製造するためのものか又は立体視レンチキュラー画像を製造するためのものかを前記画像形成装置に示す物理的機構又は電子的機構をさらに含む、請求項
14のカートリッジ。
【国際調査報告】