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特表2024-537039ダーリントンペアバイポーラ接合トランジスタセンサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ダーリントンペアバイポーラ接合トランジスタセンサ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8222 20060101AFI20241003BHJP
   B81C 1/00 20060101ALI20241003BHJP
   B81B 1/00 20060101ALI20241003BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20241003BHJP
   G01N 33/551 20060101ALI20241003BHJP
   G01N 33/84 20060101ALI20241003BHJP
   C12M 1/00 20060101ALI20241003BHJP
   C12Q 1/68 20180101ALI20241003BHJP
   H01L 21/8228 20060101ALI20241003BHJP
   H01L 21/8224 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H01L27/082 D
B81C1/00
B81B1/00
G01N33/53 D
G01N33/551
G01N33/53 M
G01N33/84 A
C12M1/00 A
C12Q1/68
H01L27/082 C
H01L27/082 V
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519108
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 EP2022077220
(87)【国際公開番号】W WO2023066637
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】17/504,175
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【弁理士】
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(74)【復代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘクマツォアルタバリ、バフマン
(72)【発明者】
【氏名】レズニチェク、アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ニン、タク
【テーマコード(参考)】
2G045
3C081
4B029
4B063
5F082
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045AA40
2G045BB05
2G045DA13
2G045DA14
2G045DA36
2G045DB03
2G045FB05
2G045GC18
2G045GC20
3C081AA01
3C081AA17
3C081BA22
3C081BA23
3C081CA02
3C081CA14
3C081CA15
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3C081CA26
3C081CA27
3C081CA29
3C081DA03
3C081DA04
3C081DA27
3C081DA29
3C081DA30
3C081DA43
3C081EA01
3C081EA05
3C081EA39
4B029AA07
4B029BB11
4B029FA12
4B029FA15
4B063QA01
4B063QQ02
4B063QQ03
4B063QQ42
4B063QS36
4B063QS39
4B063QX04
5F082BA41
5F082BC04
5F082CA01
5F082EA15
5F082EA24
5F082EA27
5F082EA28
5F082FA02
5F082FA20
(57)【要約】
ダーリントンペアセンサが開示される。ダーリントンペアセンサは、増幅/水平バイポーラ接合トランジスタ(BJT)及びセンシング/鉛直BJTを有し、バイオセンサとして使用され得る。増幅バイポーラ接合トランジスタ(BJT)は、基板上に水平に配置されている。増幅BJTは、水平エミッタ、水平ベース、水平コレクタ、及び共通外因性ベース/コレクタを有する。共通外因性ベース/コレクタは、増幅BJTに対する外因性ベースである。センシングBJTは、増幅BJTに対して鉛直な向きを有する。センシングBJTは、鉛直エミッタ、鉛直ベース、外因性鉛直ベース、及び共通外因性ベース/コレクタ(増幅BJTと共通である)を有する。共通外因性ベース/コレクタは、センシングBJTコレクタとして機能する。外因性鉛直ベースは、左外因性鉛直ベース及び右外因性鉛直ベースへと分離され、2つの分離された(デュアル)ベース、センシングベース及び制御ベースを有するセンシングBJTを得る。ダーリントンペアセンサは、低ノイズでの高in-situ信号増幅を有し、基板空間を効果的に使用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダーリントンペアセンサであって、
基板上に水平に配置されている増幅バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、前記増幅BJTは水平エミッタ、水平ベース、水平コレクタ、及び共通外因性ベース/コレクタを有し、前記共通外因性ベース/コレクタは前記増幅BJTのための増幅BJT外因性ベースであり、前記共通外因性ベース/コレクタは前記水平ベースに接触しその上に配置されている;
前記増幅BJTに対して鉛直向きのセンシングBJT、前記センシングBJTは鉛直エミッタ、鉛直ベース、左外因性鉛直ベース及び右外因性鉛直ベースへと分離されている外因性鉛直ベース、及び前記共通外因性ベース/コレクタを有し、前記共通外因性ベース/コレクタは前記センシングBJTのためのセンシングBJTコレクタでもある、
を備え、
ここで前記左外因性鉛直ベースは前記鉛直ベースの左側に接触しており、前記右外因性鉛直ベースは前記鉛直ベースの右側に接触しており、前記左外因性鉛直ベース及び右外因性鉛直ベースは互いから分離されている、
センサ。
【請求項2】
前記左外因性鉛直ベース及び前記右外因性鉛直ベースは、前記鉛直ベースによって互いから分離されている、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
a)前記増幅BJTはPNPであり前記センシングBJTはNPNである、及びb)前記増幅BJTはNPNであり前記センシングBJTはPNPである、という構成のうちの1つで構成される、請求項1に記載のセンサ。
【請求項4】
1又は複数のセンシングされる物質を含有する流体を受け取ることが可能な空間的ボイドであるセンシングトレンチ、前記センシングトレンチは、センシング外因性鉛直ベースである前記左外因性鉛直ベース及び前記右外因性鉛直ベースのうちの1つに隣接しており、前記センシング外因性鉛直ベースでない前記左外因性鉛直ベース及び前記右外因性鉛直ベースは制御外因性鉛直ベースである;及び
スライバーセンシング表面、前記スライバーセンシング表面は前記センシングトレンチ及び前記センシング外因性鉛直ベースの間の導電性材料であり、前記スライバーセンシング表面は前記センシング外因性鉛直ベースと電気的に接触している、
を更に備える、請求項1に記載のセンサ。
【請求項5】
前記センシングされる物質は生物学的物質であり、前記センサは生物学的センサとして使用される、請求項4に記載のセンサ。
【請求項6】
前記流体は液体及びガスのうちの1つである、請求項4に記載のセンサ。
【請求項7】
前記スライバーセンシング表面は前記センシングBJTのセンシングベースであり、前記スライバーセンシング表面は前記センシング外因性鉛直ベースへ信号を提供し、前記信号はスライバーセンシング表面材料及び前記センシングされる物質のうちの1又は複数の間の相互作用によって誘起される、請求項4に記載のセンサ。
【請求項8】
前記相互作用は電気的及び化学反応のうちの1又は複数である、請求項7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記制御外因性鉛直ベースは制御ベースである、請求項4に記載のセンサ。
【請求項10】
スライバーセンシング表面材料は窒化チタン(TiN)であり、前記センシングされる物質は水素イオンであり、前記センサはpHセンサである、請求項4に記載のセンサ。
【請求項11】
スライバーセンシング表面材料は塩化銀(AgCl)であり、前記センシングされる物質は1又は複数のDNA分子である、請求項4に記載のセンサ。
【請求項12】
スライバーセンシング表面材料はチオールで官能基化されており、前記センシングされる物質は1又は複数のたんぱく質である、請求項4に記載のセンサ。
【請求項13】
前記鉛直ベースは歪みベースである、請求項4に記載のセンサ。
【請求項14】
前記外因性鉛直ベース及び前記鉛直エミッタのうちの1又は複数は、大粒径多結晶材料から構成される、請求項4に記載のセンサ。
【請求項15】
前記センシングトレンチは、1又は複数の第2のセンサの1又は複数の第2のセンシングトレンチに接続されており、前記センシングトレンチ及び前記1又は複数の第2のセンシングトレンチは流体連通しており、その結果、前記センシングトレンチ及び前記1又は複数の第2のセンシングトレンチは共通の流体流を運び、前記センシングトレンチ及び前記1又は複数の第2のセンシングトレンチを通って流れる前記共通の流体内の1又は複数のセンシングされる物質をセンシングすることができる、請求項4に記載のセンサ。
【請求項16】
ダーリントンペアセンサを作成する方法であって、前記方法は:
基板上に水平エミッタ、水平ベース、及び水平コレクタを形成することによって、水平増幅BJTを作成する段階、前記水平ベースは前記水平エミッタ及び前記水平コレクタの間にある;
前記水平ベース上に共通外因性ベース/コレクタを堆積する段階;
前記共通外因性ベース/コレクタ上に鉛直真性ベースをエピタキシャル成長させる段階;
前記鉛直真性ベースの周囲に外因性鉛直ベースをエピタキシャル成長させる段階;
前記外因性鉛直ベースを右外因性鉛直ベース及び左外因性鉛直ベースへと分割する段階;
センシング外因性鉛直ベースである前記右外因性鉛直ベース及び前記左外因性鉛直ベースのうちの1つに隣接するセンシングトレンチ及び金属スライバーセンシング表面を作成する段階、前記金属スライバーセンシング表面は前記センシング外因性鉛直ベースに電気的に接続されている、;及び
前記鉛直真性ベース上に鉛直エミッタを堆積する段階、前記鉛直エミッタ、前記鉛直真性ベース、前記外因性鉛直ベース、及び前記共通外因性ベース/コレクタは鉛直センシングBJTを構成し、ここで前記共通外因性ベース/コレクタは前記鉛直センシングBJTのコレクタである、
を備え、
ここで前記共通外因性ベース/コレクタは、前記水平増幅BJTの前記水平ベース上の外因性ベースでもある、
方法。
【請求項17】
前記外因性鉛直ベースを分割する前記段階は、前記鉛直真性ベースによってなされる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記外因性鉛直ベースを分割する段階は、前記鉛直真性ベースのおもて端部及び背端部を露出する前記段階によってなされる、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
別個の外部接続を、前記水平エミッタ、前記水平コレクタ、前記センシング外因性鉛直ベースでない前記右外因性鉛直ベース及び前記左外因性鉛直ベースのうちの1つである制御ベース、及び前記鉛直エミッタの各々へ接続する段階を更に備える、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体回路に関する。より具体的には、本発明は半導体回路で作成され、それによって使用されるセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのセンサ、特に生体液の特性をセンシングするために使用されるセンサ、すなわちバイオセンサは通常、イオン感受性トランジスタを使用して作成される。これらのイオン感受性トランジスタ、例えばダーリントンペアトランジスタは、(例えば、ダーリントンペア内のトランジスタのうちの1つのベースにおいての)センシング及び増幅を提供する。増幅は、一般的にバイオセンサ信号は非常に弱いので、センサを他の回路(例えば、読み出し及び制御回路)と集積化するために必要とされる。
【0003】
これらセンサ/バイオセンサの、読み出し/制御回路などの回路とのモノリシック集積化は、エネルギー効率がよく、高性能で、且つ大量展開可能なシステムにとって極めて重要である。特に、増幅回路は、弱い信号の効率がよい増幅のためにセンサ/バイオセンサに近接してモノリシック集積化される必要がある。更に、センサを増幅回路の近くに保つことは、センサが増幅回路からより長い距離にわたって分離されられている場合に生じるノイズの累積及び蓄積を排除する。
【0004】
これらのセンサ/バイオセンサは、人工知能(AI)、ヘルスケアモニタリング、ポイントオブケア診断、モノのインターネット(IoT)、及びウェアラブルデバイスのために使用されているシステムを含む、高度集積化センシング/バイオセンシングシステムにおいて使用される。いくつかのバイオセンシング用途は、汗、唾液及び尿などの生体液を使用して非侵襲的に健康をモニタリングできるモバイル(ポータブル及びウェアラブル)センシング技術を含む。これらのバイオセンサは、費用対効果の高い且つ強化されたヘルスケアを、特に慢性疾患の治療において提供する可能性を有する。これらのバイオセンサ技術は、ヘルスケアの提供をより効率のよい且つ費用対効果の高いものにするために、患者のモバイル且つオンラインモニタリングを提供することが望ましい。
【0005】
正確で、高感度で、小さく、且つモバイルの、容易に半導体回路に集積化され標準的な半導体加工によって安価に大量生産され得る、低減されたノイズ及び強い信号増幅を有するセンサ、特にバイオセンサを提供することが必要である。
【発明の概要】
【0006】
ダーリントンペアセンサが開示される。ダーリントンペアセンサは、増幅/水平バイポーラ接合トランジスタ(BJT)及びセンシング/鉛直BJTを有する。
【0007】
増幅バイポーラ接合トランジスタ(BJT)は、基板上に水平に配置されている。増幅BJTは、水平エミッタ、水平ベース、水平コレクタ、及び共通外因性ベース/コレクタを有する。共通外因性ベース/コレクタは、増幅BJTに対する外因性ベースである。共通外因性ベース/コレクタは、水平ベースに接触しており、その鉛直に上方にある(上に配置されている)。
【0008】
センシングBJTは、増幅BJTに対して鉛直な向きを有する。センシングBJTは、鉛直エミッタ、鉛直ベース、外因性鉛直ベース、及びセンシングBJTコレクタとして機能する共通外因性ベース/コレクタ(増幅BJTと共通である)を有する。外因性鉛直ベースは、左外因性鉛直ベース及び右外因性鉛直ベースへと分離される。したがって、センシングBJTは、2つの(デュアル)ベースを有する。左外因性鉛直ベースはセンシングベースであり得、右外因性鉛直ベースは制御ベースであり得、又はその逆である。
【0009】
左外因性鉛直ベースは鉛直ベースの左側に接触しており、右外因性鉛直ベースは鉛直ベースの右側に接触している。左外因性鉛直ベース及び右外因性鉛直ベースは、鉛直ベースによって物理的に互いから分離されており、鉛直ベースを介して互いと電気的に結合されている。
【0010】
代替的な構成及びBJT極性がダーリントンペアBJTセンサを作成する方法と共に開示される。ダーリントンペアBJTセンサは、バイオセンサとして使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の様々な実施形態は、ここで簡潔に説明される添付図面を参照して、下記でより詳細に説明される。図は、本発明の様々な装置、構造、及び関連する方法の段階を示す。
【0012】
図1】半導体基板層、BOX/絶縁層、及び水平/横方向BJTベース層を含む、ダーリントンペアBJTセンサのための初期構造の断面図である。
【0013】
図2】予備外因性ベース/コレクタ層を追加する初期構造の断面図である。
【0014】
図3】共通外因性ベース/コレクタを作成するために使用される中間構造を示す断面図である。
【0015】
図4】マスクエッチング段階が水平ベースを作成した後の中間構造を示す断面図である。
【0016】
図5】水平(真性)ベースの側面のイオン注入後の中間構造を示す断面図である。
【0017】
図6】水平/横方向BJTのための水平エミッタ及び水平コレクタがエピタキシャル成長段階によって形成された後に、水平エミッタ及びコレクタが共通外因性ベース/コレクタと組み合わせてダーリントンペアBJTセンサの水平/横方向バイポーラ接合トランジスタ(BJT)部分を形成する水平(真性)ベースの両側にある、中間構造を示す断面図である。
【0018】
図7】中間構造を層間誘電体(ILD)で充填し、化学機械研磨(CMP)を適用した後の中間構造を示す断面図である。
【0019】
図8】CMPがハードマスクを除去し共通外因性ベース/コレクタを露出させた後の中間構造を示す断面図である。
【0020】
図9】水平(又は横方向/増幅)BJT上の底部スペーサの形成後の中間構造を示す断面図である。
【0021】
図10】底部スペーサ上の犠牲プレースホルダ材料の形成後の中間構造を示す断面図である。
【0022】
図11】犠牲プレースホルダ材料上の頂部スペーサの形成及びその後の頂部スペーサ上の酸化物層の形成後の中間構造を示す断面図である。
【0023】
図12】酸化物層、頂部スペーサ、及び犠牲プレースホルダ材料を通した底部スペーサに対して選択的な(そこで停止する)エッチングによるトレンチの形成後の中間構造を示す断面図である。
【0024】
図13】犠牲プレースホルダ材料の酸化によって作成されるトレンチの壁部上の薄い鉛直酸化物層の形成後の中間構造を示す断面図である。
【0025】
図14】(共通外因性ベース/コレクタ材料に対して選択的な)選択的エッチングがトレンチのベースにおいて底部スペーサを取り除いて、共通外因性ベース/コレクタを露出させ、共通外因性ベース/コレクタがダーリントンペアBJTセンサの鉛直/センシングBJT部分のコレクタになることを可能にした後の中間構造を示す断面図である。
【0026】
図15】鉛直/センサBJTのベースになるトレンチ内の鉛直ベース領域の形成後の中間構造を示す断面図である。
【0027】
図16】酸化物層まで戻る鉛直ベース領域の研磨(例えば、CMP)をして、ダーリントンペアBJTセンサの鉛直BJT部分の鉛直ベースを形成した後の中間構造を示す断面図である。
【0028】
図17】更なる酸化物の堆積が鉛直ベースを覆い、例えばCMPによって平坦化された後の中間構造を示す断面図である。
【0029】
図18】ベース領域マスクの鉛直投影部(図示せず)が水平ベースの両側に重なる、酸化物上のベース領域マスクの堆積後の中間構造を示す断面図である。
【0030】
図19】エッチング段階が、曝された酸化物、曝された頂部スペーサ、及び曝された犠牲材料を、底部スペーサの直上まで除去した後の中間構造を示す断面図である。
【0031】
図20】残っている犠牲材料を除去した後の中間構造を示す断面図である。
【0032】
図21】鉛直ベース上の薄い鉛直酸化物層の除去後の中間構造を示す断面図である。
【0033】
図22】鉛直ベースを囲むドーピングされた外因性鉛直ベース材料の成長後の中間構造を示す断面図である。
【0034】
図23】下記の図38A図38B図39A図39B図40A図40B図41A図41B図42A及び図42Bの系列(「分離図の系列」)中でより詳細に説明されるように、ベース分離ハードマスクが外因性鉛直ベースの左及び右側を分離するために使用されている、ベース領域マスクの除去及びベース分離ハードマスクの堆積後の中間構造を示す断面図である。
【0035】
図24】分離図の系列中で更に説明されるように、ベース分離ハードマスクによって保護されていないドーピングされた外因性鉛直ベース材料がエッチングで除去された後の中間構造を示す断面図である。
【0036】
図25】構造空間/ボイドを層間誘電体(ILD)で充填した後の中間構造を示す断面図である。
【0037】
図26】ベース分離ハードマスクの除去及び平坦化/CMP後の中間構造を示す断面図である。
【0038】
図27】エミッタマスクの堆積後の中間構造を示す断面図である。
【0039】
図28】保護されていない酸化物及び鉛直ベースの頂部を凹設し、鉛直ベースの露出される頂部表面を露出した後の中間構造を示す断面図である。
【0040】
図29】ダーリントンペアBJTセンサの鉛直BJT部分の形成をもたらす、鉛直ベースの露出された頂部表面上の鉛直エミッタの成長後の中間構造を示す断面図である。
【0041】
図30】エミッタマスクを除去し、任意選択のCMPを実行した後の中間構造を示す断面図である。
【0042】
図31】ILDがダーリントンペアBJTセンサの鉛直/センサBJT部分を覆い、構造空間を充填し、その後CMPした後の中間構造を示す断面図である。
【0043】
図32】マスキングされたエッチングがセンシングトレンチを形成した後の中間構造を示す断面図である。
【0044】
図33】センスコンタクトボイドを作成する、ドーピングされた外因性鉛直ベース材料の分離されたセンシング側の横方向エッチング後の中間構造を示す断面図である。
【0045】
図34】センシングトレンチ及びセンスコンタクトボイドが金属、すなわちセンシングトレンチ金属充填物で充填された後の中間構造を示す断面図である。
【0046】
図35】センシングトレンチ金属充填物が部分的にエッチングされた後の中間構造を示す断面図である。
【0047】
図36】金属スライバーセンシング表面を残しつつ、残っている金属充填物を除去した後の中間構造を示す断面図である。
【0048】
図37】外部コンタクトの形成後のダーリントンペアBJTセンサの完成した実施形態を示す断面図である。
【0049】
図38A】分離図の系列において、鉛直ベースを囲むドーピングされた外因性鉛直ベース材料の成長後の中間構造を示す断面図である。
【0050】
図38B図38A中で示される中間構造の上面図である。
【0051】
図39A】分離図の系列において、ベース領域マスクを除去した後の中間構造を示す断面図である。
【0052】
図39B図39A中で示される中間構造の上面図である。
【0053】
図40A】分離図の系列において、ベース分離ハードマスクを堆積した後の中間構造を示す断面図である。
【0054】
図40B図40A中に示される中間構造の上面図である。
【0055】
図41A】鉛直ベースの周囲の保護されていないドーピングされた外因性鉛直ベース材料を除去し、外因性鉛直ベース材料を右外因性鉛直ベース及び左外因性鉛直ベースへと分離した後の中間構造を示す断面図である。
【0056】
図41B図41A中で示される中間構造の上面図である。
【0057】
図42A】層間誘電体(ILD)充填後の中間構造を示す断面図である。
【0058】
図42B図42A中に示される中間構造の上面図である。
【0059】
図43】ダーリントンペアBJTセンサを作成する方法のフローチャートである。
【0060】
図44】ダーリントンペアセンサの1つの実施形態の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本発明の実施形態は、本明細書で開示される例示的な方法、装置、構造、システム、及びデバイスに限定されず、むしろこの開示を考慮すると当業者にとって明らかになる他の代替的な且つより広範な方法、装置、構造、システム及びデバイスにより広範に適用可能であることが理解されるであろう。
【0062】
加えて、添付図面中で示されている様々な層、構造、及び/又は領域は縮尺通り描かれていないこと、及び1又は複数の一般に使用されているタイプの層、構造、及び/又は領域は所与の図面において明示的に示されていない場合があることが理解されるであろう。これは、明示的に示されていない層、構造、及び/又は領域が実際のデバイスから除かれていることを示唆しない。
【0063】
加えて、特定の要素は、説明がそのような省略対象の要素に必ずしも注目していない場合、明瞭さ及び/又は簡潔さのために図から除かれ得る。更に、図面を通して使用される同じ又は同様の参照符号は、同じ又は同様の特徴、要素、又は構造を示すために使用され、それゆえ、同じ又は同様の特徴、要素、又は構造の詳細な説明は図面の各々に対して繰り返されない場合がある。
【0064】
本発明の実施形態に係り開示される半導体デバイス、構造、及び方法は、アプリケーション、ハードウェア、及び/又は電子システムにおいて利用され得る。本発明の実施形態を用いて実装される好適なハードウェア及びシステムは、限定されないが、パーソナルコンピュータ、通信ネットワーク、電子商取引システム、ポータブル通信デバイス(例えば、携帯電話及びスマートフォン)、ソリッドステートメディア記憶デバイス、エキスパートシステム及び人工知能システム、機能回路、ニューラルネットワークなどを含み得る。半導体デバイス及び構造を組み込んでいるシステム及びハードウェアが本発明の企図されている実施形態である。
【0065】
本明細書において使用される場合、「高さ」は要素(例えば、層、トレンチ、穴部、開口部など)の、断面図又は立面図中の、要素の底部表面から頂部表面まで測定された、及び/又は要素が配置されている表面に対して測定された、鉛直サイズを指す。
【0066】
逆に、「深さ」は、要素(例えば、層、トレンチ、穴部、開口部など)の、断面図又は立面図中の、要素の頂部表面から底部表面まで測定された鉛直サイズを指す。「厚い」、「厚さ」、「薄い」又はその派生語のような用語は、記載の箇所で「高さ」の代わりに使用され得る。
【0067】
本明細書において使用される場合、「側(side)」及び左又は右側は、要素(例えば、層、開口部など)の側面、例えば図面中に示される左又は右側を指す。
【0068】
本明細書において使用される場合、「幅」又は「長さ」は、図面中の要素(例えば、層、トレンチ、穴部、開口部など)の、ある側面から当該要素の反対側の表面まで測定されたサイズを指す。「厚い」「厚さ」「薄い」又はその派生語のような用語は、記載の箇所で「幅」又は「長さ」の代わりに使用され得る。
【0069】
本明細書において使用される場合、「上側」「下側」「上方」「右」「左」「鉛直」「水平」「頂部」「底部」及びその派生語のような用語は、図面中で方向付けられるとおりの、開示される構造及び方法に関する。例えば、本明細書において使用される場合、「鉛直」は、立面図中の基板の頂部表面に対して垂直な方向を指し、「水平」は立面図中の基板の頂部表面に対して平行な方向を指す。
【0070】
本明細書において使用される場合、別様に指定されない限り、「上(on)」、「上にある(overlying)」、「上(atop)」、「上に(on top)」「上に配置(positioned on)」又は「上に配置(positioned atop)」のような用語は、第1の要素が第2の要素の上に存在し、ここで介在する要素が第1の要素及び第2の要素の間に存在し得ることを意味する。本明細書において使用される場合、別様に指定されない限り、「上(on)」「上にある(overlying)」、「上(atop)」、「上に(on top)」「上に配置(positioned on)」又は「上に配置(positioned atop)」、「上に配設(disposed on)」のような用語に関連して使用される「直接」という用語、又は「接触して」又は「直接接触」という用語は、第1の要素及び第2の要素が例えば、第1の要素及び第2の要素の間に存在する中間の導電、絶縁、又は半導体層のような介在する要素をまったく有さず接続されていることを意味する。
【0071】
これらの用語は、説明されるデバイスの向きによって影響され得ることが理解される。例えば、これらの説明の意味はデバイスが上下反転された場合には変化し得るが、説明は、それが本発明の特徴の間の相対的な関係を説明しているので、妥当なままである。
【0072】
デュアルベースダーリントンペアBJTセンサとして構成されたバイポーラ接合トランジスタ(BJT)のダーリントンペアが開示される。ダーリントンペアBJTセンサは、BJTのペアにおいて、第1の又は鉛直又はセンシングBJTトランジスタ、及び第2の又は横方向又は増幅BJTトランジスタを有する。
【0073】
ダーリントンペアBJTの第1のBJTトランジスタは、鉛直エミッタ、鉛直ベース、及び鉛直コレクタ(第2の水平/横方向BJTトランジスタの水平外因性ベースとしても機能する)を有する鉛直/センシングBJTである。鉛直/センシングBJTは、右外因性鉛直ベース及び左外因性鉛直ベースから構成されるデュアルベースを有する。鉛直BJTは、一般性を失うことなく、センサ/センシングトランジスタ又はデュアルベースBJTとも称される。
【0074】
左外因性鉛直ベース及び右外因性鉛直ベースは、鉛直ベースによって物理的に互いから分離されており、鉛直ベースを介して互いと電気的に結合されている。左外因性鉛直ベースは鉛直ベースの左側に接触しており、右外因性鉛直ベースは鉛直ベースの右側に接触している。
【0075】
ダーリントンペアBJTセンサの第2の部分/トランジスタ部分は、水平エミッタ、水平コレクタ、及び水平ベースを有する水平BJTである。また、水平BJTは、水平ベースに接触しており鉛直にその上方にある水平外因性ベースを有しそれを使用する。水平外因性ベースは、鉛直BJTの鉛直コレクタと共通でありそれと同一である、すなわち、それらは同じ要素における1つである。水平BJTは、一般性を失うことなく、横方向BJT、集積化BJT、又は増幅BJTとも称される。
【0076】
鉛直/デュアルベース/センシングBJTは、BJTに関連する、固有の利得を有する。開示されるダーリントンペアBJTセンサは、「in-situ」で(センシングBJTによって得られた信号を外部増幅器回路へ伝達する必要なく)この利得をブーストする。いくつかの実施形態において、ダーリントンペアBJTの実効利得はデュアルベースセンシング(鉛直)BJT利得及び水平/横方向/集積化BJT利得の積である。横方向BJTの水平外因性ベースは鉛直BJTの鉛直コレクタと同じ要素であるので、鉛直/センシングBJTのコレクタ及び横方向BJTのベースの間には本質的に接続距離が存在しない、すなわちこの「in-situ接続」にわたって発生するあらゆるノイズは劇的に低減される。
【0077】
鉛直/デュアルベース/センシングBJTは横方向BJTに対して垂直な方向において位置合わせされ、すなわちセンサBJTは水平/横方向BJTの上方に鉛直アライメント/方向で静置されるので、横方向BJTによって使用される以外にはダーリントンペアBJTセンサのために基板の追加の表面は本質的に必要とされない。それに応じて、ダーリントンペアBJTセンサは、標準的な半導体加工方法を使用して、半導体回路との高密度の且つ面積効率の高い集積化を可能にする。
【0078】
本発明は、センシングBJT及び横方向BJTが異なる極性である、シクライ構成としても知られる、相補的ダーリントンペア構成を用いてダーリントンペアBJTセンサが作成されることを可能にする。例えば、本明細書で説明される相補的ダーリントンペアBJTセンサは、n-p-n極性を有する横方向BJT及びp-n-p極性を有するセンシングBJTから構成され得(図1図42A、及び図44)、又はp-n-p極性を有する横方向BJT及びn-p-n極性を有するセンシングBJTから構成され得る。
【0079】
図1は、半導体基板層105、BOX/絶縁層110、及び水平/横方向BJTベース層150を含む、ダーリントンペアBJTセンサのための初期構造100の断面図である。
【0080】
いくつかの実施形態において、基板/バルク105は1又は複数の半導体材料から作成される。好適な基板/バルク105材料の非限定的な例は、Si(シリコン)、歪みSi、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、Si合金、Ge合金、III-V半導体材料(例えば、GaAs(ヒ化ガリウム)、InAs(ヒ化インジウム)、InP(リン化インジウム)、ヒ化インジウムガリウム(InGaAs)、又はヒ化アルミニウム(AlAs))、II-VI材料(例えば、CdSe(セレン化カドミウム)、CdS(硫化カドミウム)、CdTe(テルル化カドミウム)、ZnSe(セレン化亜鉛)、ZnS(硫化亜鉛)、又はZnTe(テルル化亜鉛))、又はその任意の組み合わせを含む。
【0081】
例示的な実施形態において、基板105はシリコンである。
【0082】
いくつかのシリコンオンインシュレータ(SOI)実施形態において、BOX層110は、用途に応じてウェハ表面105から通常は100ナノメートル(nm)未満~数マイクロメートルの範囲の深さで基板(ウェハ)105内に埋め込まれた、埋め込み酸化物層(例えば、SiO2)である。BOX層110の厚さは通常、約20ナノメートル(nm)~約150nmの範囲である。
【0083】
BOX層110、及び代替的に絶縁層110は、これらの層に接して構築される隣接する半導体構成要素の間の電流漏洩を防止する。BOX層110及び基板105は、周知である。
【0084】
例示的で代替的な絶縁層110は、パンチスルーストッパ(PTS)層に接して構築される活性層からの電流漏洩を防止するためにも使用される、公知のPTSドーピング層を含む。
【0085】
1つの実施形態において、SiGe層150、キャリア基板105及びBOX層110から構成される入手可能なシリコンゲルマニウムオンインシュレータ(SGOI)ウェハが使用される。SiGe層のドーピングは、イオン注入及びアニーリングのような公知の技法によって調整され得る。いくつかの実施形態において、in-situドーピングを用いるエピタキシがSiGe層150の厚さを所望の厚さまで増加させるために使用され得る。
【0086】
NPN横方向BJTを有する1つの実施形態において、半導体層150は、p型SiGeオンインシュレータ基板(SGOI)150を形成するp型ドーピングを有するシリコンゲルマニウム(SiGe)層である。
【0087】
代替的に、PTS層110及びSiGe層150と共に入手可能なバルクシリコンウェハ105が使用され得る。
【0088】
これらの技法及び材料は、公知である。
【0089】
代替的なPNP横方向BJT実施形態を形成するために、n型ドーピング材料、例えば、リン(P)、ヒ素(As)、及びアンチモン(Sb)が、半導体(例えば、SiGe)層150をドーピングするために使用される。
【0090】
図2は、構造100上に堆積された予備外因性ベース/コレクタ層250を有する初期構造200の断面図である。
【0091】
いくつかの実施形態において、予備外因性ベース/コレクタ層250は、半導体層150上にエピタキシャル成長する。予備外因性ベース/コレクタ層250の厚さは、10ナノメートル(nm)及び50nmの間であるが、より薄い又はより厚い層も使用され得る。
【0092】
「エピタキシャル成長及び/又は堆積する」及び「エピタキシャル成長及び/又は堆積された」という用語は、半導体材料の堆積表面上の半導体材料の成長を意味し、そこで成長する半導体材料は堆積表面の半導体材料と同じ結晶特性を有する。エピタキシャル堆積プロセスにおいて、堆積する原子が表面上で動き回り堆積表面の原子の結晶配列に対して自体を方向付けるのに十分なエネルギーを有して半導体基板の堆積表面に到着するように、ソースガスによって提供される化学反応物質は制御され、システムパラメータはセットされる。したがって、エピタキシャル半導体材料スタックの各半導体層は、それが形成される堆積表面と同じ結晶特性を有する。
【0093】
本願において利用され得る様々なエピタキシャル成長プロセス装置の例は、例えば、急速熱化学気相成長法(RTCVD)、低エネルギープラズマ堆積法(LEPD)、超高真空化学気相成長法(UHVCVD)、常圧化学気相成長法(APCVD)及び分子線エピタキシ法(MBE)を含む。エピタキシャル堆積の温度は通常、550℃~900℃の範囲である。通常、より高い温度がより速い堆積をもたらすが、より速い堆積は、結晶の欠陥及び膜のクラッキングをもたらし得る。いくつかの実施形態において、エピタキシャル成長のためのガスソースは、シリコン含有ガスソース及び/又はゲルマニウム含有ガスソースの混合物を含み得る。シリコンガスソースの例は、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン及びその組み合わせを含む。ゲルマニウムガスソースの例は、ゲルマン、ジゲルマン、又はその組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、エピタキシャルSiGe合金は、シリコン及びゲルマニウムを含有する化合物を含むソースガスから形成され得る。水素、窒素、又はヘリウムのようなキャリアガスが使用され得る。層のエピタキシャル成長のために、適切なドーパントタイプが前駆ガス又はガス混合物に追加される。チャネル材料層のいくつかの実施形態において、前駆ガス又はガス混合物内にドーパントは通常存在しないか、又はそれへと追加されない。
【0094】
いくつかの実施形態において、層は統合エピタキシプロセスによって成長する。統合エピタキシプロセスにおいて、構造は、ドーパントのタイプ及び/又は濃度が様々な時点及び期間において変更されながら連続的にエピタキシャル成長して、様々なドーパント及びドーパント濃度を有する様々な層が作成される。いくつかの温度調整も、エピタキシャル成長中に層のうちの1又は複数のためになされ得る。
【0095】
横方向BJTがNPN BJTである実施形態に関して、外因性ベース層250はpドープされる。横方向BJTがPNP BJTである実施形態に関して、外因性ベース層250はnドープされる。
【0096】
ドーパントは、例えば、エピタキシャル層250内にホウ素(B)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、及びタリウム(Tl)の群から選択されるp型ドーパントを、及び代替的な外因性ベース層250内にリン(P)、ヒ素(As)、及びアンチモン(Sb)の群から選択されるn型ドーパントを、様々な濃度で含み得る。例えば、非限定的な例において、ドーパント濃度範囲は、1×1018cm-3~3×1021cm-3、又は好ましくは2×1020cm-3~1×1021cm-3の間であり得る。
【0097】
図3は、共通外因性ベース/コレクタ350を作成するために使用される中間構造300を示す断面図である。
【0098】
ハードマスク375は、共通外因性ベース/コレクタ350が形成されることになる外因性ベース層250上のパターン内に堆積される。
【0099】
ハードマスク375は保護誘電材料、例えば、リソグラフィ保護材料である。いくつかの実施形態において、ハードマスク375材料は、限定されないが、下記材料:窒化シリコン(SiN)、炭窒化ホウ素シリコン(SiBCN)、酸炭窒化シリコン(SiOCN)、及び酸窒化シリコン(SiON)のうちのいずれか1つを含む。
【0100】
いくつかの実施形態において、ハードマスク375は、窒化シリコン(SiN)又は酸化シリコン(SiO2)から作成され、物理気相成長法(PVD)のような標準的な技法によって堆積される。
【0101】
水平/横方向BJTベース層150内の材料に対して選択的なエッチング段階は、ハードマスク375によって保護されていない(その下にない)外因性ベース層250内の全ての材料を除去する。残っている材料(ハードマスク375によって保護されている)は、共通外因性ベース/コレクタ350になる。
【0102】
スペーサ325材料が次に、例えば原子層堆積(ALD)のような公知のプロセスによって共通外因性ベース/コレクタ350の周囲にコンフォーマル堆積される。公知の鉛直エッチング、例えば反応性イオンエッチング(RIE)は、水平表面からスペーサ材料を除去して、共通外因性ベース/コレクタ350の側面にスペーサ325を残す。
【0103】
いくつかの実施形態において、鉛直エッチングは、ハードマスク375及び水平/横方向BJTベース層150を構成する材料に対して選択的である。
【0104】
いくつかの実施形態において、スペーサ325の結果として得られる幅/厚さは、3nm及び10nmの間である。代替的な実施形態において、スペーサ325の厚さは、約5nm~7nmである。
【0105】
いくつかの実施形態において、スペーサ325は:誘電酸化物(例えば、酸化シリコン)、誘電窒化物(例えば、窒化シリコン(SiN)、SiBCN、SiCN、及びSiBN)、誘電酸窒化物(例えば、SiOCN)、SiCO、及びSiC、又はその任意の組み合わせを含む材料から作成される。
【0106】
選択的エッチングは、ある材料及び/又は層を除去するが、別のもの(エッチングされない材料)は除去しない化学作用及び条件を有するエッチングプロセスであることに留意されたい。代替的に、非エッチング材料は、エッチングプロセスの化学作用によって、ただし除去される材料よりはるかに低いエッチング速度で、エッチングされる。ここで、選択性の尺度は、2つの所与の材料の間でのエッチング速度の間の比率であり得る。例えば、ある材料「に対して選択的な」エッチング化学作用とは、エッチング液がその材料を除去しないか、又はより遅い速度でそれを除去することを意味する。したがって、ハードマスク375及びスペーサ325を構成する材料に対して選択的なエッチング化学作用を使用することは、ハードマスク375及びスペーサ325を構成する材料を除去しないで(又は最小限に除去して)外因性ベース層250内の材料を除去する。
【0107】
図4は、マスキングされたベースのエッチング段階が水平ベース450を作成した後の中間構造400を示す断面図である。図3に関して上記で説明されたように、BOX/絶縁層110、ハードマスク375、及びスペーサ325を構成する材料に対して選択的な方向性エッチングが実行される。
【0108】
半導体層150内の残っている材料450、すなわち、ハードマスク375及びスペーサ325によって保護されている(その鉛直投影下にある)材料は、水平ベース450になる。
【0109】
図5は、注入される水平ベース450/550の側面576のイオン注入575後の中間構造500を示す断面図である。
【0110】
いくつかの実施形態において、水平/横方向BJTがPNPである、すなわち水平/横方向真性ベース550がN型ドープされる場合、イオン注入575の実施形態は高温BF2注入である。いくつかの実施形態において、水平/横方向BJTがNPNである、すなわち水平/横方向真性ベース550がP型ドープされる場合、イオン注入575の実施形態は高温As又はP注入である。
【0111】
いくつかの横方向NPN BJT実施形態において、イオン注入575は、水平/横方向ベース550(又は横方向真性ベース550)のエミッタ側の第1のドーパントの角度注入562/576及び横方向真性ベース550のコレクタ側の第2のドーパントの角度注入576/564である。第2のドーパント極性及び/又は種は、第1のドーパントと同じであるか、又はそれとは異なり得る。
【0112】
注入は、高温又は低温のいずれかであり得、しかしながら、高温注入が好ましい。通常、注入は角度付きイオン注入である。これらのイオン注入は公知である。このイオン注入段階は任意選択であり、いくつかの実施形態において省略され得る。
【0113】
図6は、水平/横方向BJT652/550/654/350のための横方向エミッタ652及び横方向コレクタ654が、エピタキシャル成長段階によって上記で説明されたように形成された後の中間構造600を示す断面図である。横方向エミッタ652は横方向真性ベース550のエミッタ側562に接しており、横方向コレクタ654は横方向真性ベース550のコレクタ側564に接している。横方向/水平エミッタ652及び横方向/水平コレクタ654は、物理的に、化学的に、及び電気的に、横方向真性ベース550のそれらのそれぞれの側562/564に接続されて、ダーリントンペアBJTセンサの水平バイポーラ接合トランジスタ(BJT)652/550/654/350が形成される。
【0114】
図7は、中間構造を層間誘電体(ILD)750で充填し、頂部表面775の化学機械研磨(CMP)を適用した後の中間構造700を示す断面図である。
【0115】
ILD750は、例えば、限定されないが酸化シリコン、スピンオンガラス、流動性酸化物、高密度プラズマ酸化物、ホウリンケイ酸塩ガラス(BPSG)、又はその任意の組み合わせを含むlow-k誘電体材料(k<4.0を有する)から形成され得る。ILD750は、限定されないが、化学気相成長法(CVD)、物理気相成長法(PVD)、プラズマ強化CVD、原子層堆積(ALD)、蒸着法、化学溶液堆積法、又は同様のプロセスを含む堆積プロセスによって堆積される。
【0116】
CMPは、構造700の頂部表面775を水平にするための公知のプロセスである。
【0117】
図8は、ハードマスク除去CMPがハードマスク375を除去し共通外因性ベース/コレクタ350を露出させた後の中間構造800を示す断面図である。いくつかの実施形態において、ハードマスク除去CMPは、共通外因性ベース/コレクタ350材料の除去部分がハードマスク除去CMP中に検出されるときに、共通外因性ベース/コレクタ350の頂部表面850で停止する。ハードマスク除去CMPは、構造800の平坦表面を作成し、共通外因性ベース/コレクタ350の頂部表面850を露出させる。
【0118】
図9は、水平(又は横方向)BJT652/550/654/350上の底部スペーサ950の形成後の中間構造を示す断面図である。
【0119】
底部スペーサ950は、公知のプロセスに従って形成されたlow-k誘電体から作成され得る。「low-k誘電体」という用語は一般的に、二酸化シリコン未満、例えば3.9未満の誘電率を有する絶縁材料を指す。例示的なlow-k誘電体材料は、限定されないが、誘電性酸化物(例えば、酸化シリコン)、誘電性窒化物(例えば、SiN、SiBCN)、誘電性酸窒化物(例えば、SiOCN、SiCO)、又はその任意の組み合わせ、又は同様のものを含む。底部スペーサ950用の材料の他の非限定的な例は、誘電性酸化物(例えば、酸化シリコン)、誘電性窒化物(例えば、窒化シリコン)、誘電性酸窒化物、又はその任意の組み合わせを含む。
【0120】
底部スペーサ950材料は、堆積プロセス、例えば、CVD又はPVDによって堆積される。底部スペーサ950は約3nm~約15nm、又は約5nm~約10nmの厚さを有し得る。堆積プロセスは、スペーサ950の厚さが精密に制御されることを可能にする。
【0121】
いくつかの実施形態において、底部スペーサは誘電性窒化物である。
【0122】
図10は、底部スペーサ950上の犠牲プレースホルダ材料1050の形成後の中間構造1000を示す断面図である。
【0123】
犠牲プレースホルダ材料1050は、例えば、アモルファスシリコン(α-Si)、又は多結晶シリコン(ポリシリコン)から作成される。犠牲材料1050は、限定されないが、PVD、CVD、プラズマ強化化学気相成長法(PECVD)、誘導結合プラズマ化学気相成長法(ICP CVD)又はその任意の組み合わせを含む堆積プロセスによって堆積され得る。犠牲材料は約10nm~約100nm、又は約20nm~約50nmの厚さを有する。公知の堆積技法は、犠牲プレースホルダ材料1050の厚さが精密に制御されることを可能にする。
【0124】
いくつかの実施形態において、犠牲プレースホルダ材料1050はアモルファスシリコンである。
【0125】
図11は、犠牲プレースホルダ材料1050上の頂部スペーサ1150の形成及びその後の頂部スペーサ1150上の酸化物層1175の形成/堆積後の中間構造1100を示す断面図である。
【0126】
頂部スペーサ1150は、底部スペーサ950を作成するために使用されたのと同じ又は同様の材料から、及び同じ又は同様の堆積技法を使用して、作成される。
【0127】
酸化物層1175は公知の技法、例えば、CVD又はPVDによって堆積され、炭窒化ホウ素シリコン(SiBCN)、酸炭窒化シリコン(SiOCN)、及び酸化シリコンのような材料から作成される。
【0128】
いくつかの実施形態において、酸化物層1175は、二酸化シリコンから作成され、頂部スペーサ1150は窒化シリコン、SiNから作成される。
【0129】
図12は、酸化物層1175、頂部スペーサ1150、及び犠牲プレースホルダ材料1050を通した底部スペーサ950に対して選択的な(そこで停止する)エッチングによるトレンチ1250の形成後の中間構造1200を示す断面図である。
【0130】
いくつかの実施形態において、トレンチエッチングは、段階的に実行され得る。例えば、第1のRIEは、酸化物層1175、頂部スペーサ1150を通して、及び犠牲プレースホルダ材料1050を部分的に通してエッチングし得る。底部スペーサ950内の材料に対して選択的な第2のRIEが次に使用されて、犠牲プレースホルダ材料1050の残りが除去され得る。
【0131】
図13は、トレンチ1250の壁部1355上の薄い鉛直酸化物層1350の形成後の中間構造1300を示す断面図である。薄い鉛直酸化物層1350は、犠牲プレースホルダ材料1050の酸化によって作成される。
【0132】
プラズマへの曝露又は酸化の任意の他の方法は、トレンチ1250内の犠牲材料1050の側壁部1355上に非常に薄い酸化物形成1350を作成する。底部スペーサ950は、共通外因性ベース/コレクタ350を、プラズマ/酸化によって酸化されることから保護する。
【0133】
図14は、(共通外因性ベース/コレクタ350材料に対して選択的な)選択的エッチングがトレンチ1250のベース1450において底部スペーサ950を取り除いて、共通外因性ベース/コレクタ350を露出させ、共通外因性ベース/コレクタ350がダーリントンペアBJTセンサの鉛直/センシングBJTのコレクタにもなることを可能にした後の中間構造1400を示す断面図である。
【0134】
いくつかの実施形態において、トレンチの幅は、10nm及び50nmの間であるが、より幅広の又はより狭いトレンチも使用され得る。
【0135】
図15は、鉛直BJTの鉛直ベースになるトレンチ1250内の鉛直ベース領域1550の形成後の中間構造を示す断面図である。
【0136】
鉛直ベース領域1550内のベース材料のエピタキシャル成長は、共通外因性ベース/コレクタ350材料に対して格子整合している。鉛直ベース領域1550は、上記で説明された公知の方法によってトレンチ1250内にエピタキシャル成長する半導体材料である。
【0137】
いくつかの実施形態において、歪み鉛直ベースは、鉛直ベース領域1550内の材料を共通外因性ベース/コレクタ350材料の格子に近接してただし厳密にではなく格子整合することによって形成される。
【0138】
いくつかの実施形態において、鉛直ベース領域1550内のベース材料は、1018cm-3~1020cm-3の濃度でシリコンゲルマニウムドープされ、1019cm-3~5×1019cm-3の範囲の濃度がより典型的である。鉛直/センシングBJTがPNP極性を有する場合、鉛直ベース領域1550内の材料はNドープされる。鉛直/センシングBJTがNPN極性を有する場合、鉛直ベース領域1550内の材料はPドープされる。
【0139】
図16は、酸化物層1175の表面1676まで戻り、それと水平になる鉛直ベース領域1550の頂部の研磨(例えば、CMP)をした後の中間構造1600を示す断面図である。平坦化/CMPは、酸化物層1175の表面1676の上方の余分なエピタキシャル成長を除去し、ダーリントンペアBJTセンサの鉛直BJT部分の鉛直ベース1650を形成する。
【0140】
図17は、更なる酸化物の堆積が以前の酸化物層1175の表面1676を覆い、厚さを増してより厚い酸化物層1775をもたらした後の中間構造1700を示す断面図である。より厚い酸化物層1775は、鉛直ベース1650及び構造1600の表面1676を覆う。より厚い酸化物層1775は、例えば、CMPによって平坦化される。
【0141】
いくつかの実施形態において、堆積される酸化物は、酸化物層1175のものと同じ方法によって堆積される同じ材料である。
【0142】
図18は、ベース領域マスクの鉛直投影部が水平横方向真性ベース550の両側に重なる、酸化物1775上のベース領域マスク1850の堆積後の中間構造1800を示す断面図である。ベース領域マスク1850は、マスクに関して上記で説明された材料から作成され、その方法を使用して堆積される。
【0143】
いくつかの実施形態において、ベース領域マスク1850は、窒化シリコン(SiN)から作成される。
【0144】
図19は、鉛直エッチング段階(例えば、RIE)が酸化物層1775の露出した(ベース領域マスク1850によって覆われていない)部分、頂部スペーサ1150の露出した部分、及び犠牲材料1050の露出した部分を除去した後の中間構造1900を示す断面図である。いくつかの実施形態において、鉛直エッチングは、底部スペーサ950を覆うだけの犠牲材料1050のいくらかを残している時点(実験的に決定される)において停止する。
【0145】
鉛直エッチングは、鉛直ベース1650及び鉛直ベース1650を包囲する材料950/1150/1975の周囲の空隙1950を残す。エッチングされた酸化物層1975は、この鉛直エッチング段階の後に酸化物層1775から残ったものである。
【0146】
図20は、残っている犠牲材料1050を除去し、鉛直ベース1650の側面の鉛直酸化物層1350を露出させた後の中間構造2000を示す断面図である。
【0147】
いくつかの実施形態において、犠牲プレースホルダ材料1050はアモルファスシリコンである。いくつかの実施形態において、この材料は、ドライエッチング又は室温より高い温度での水酸化アンモニウム(NHOH)への曝露を用いて除去される。場合によっては、除去はフッ化水素酸(HF)の溶液又はドライ化学的酸化物エッチングを使用して実現される。
【0148】
図21は、鉛直ベース1650の周囲の側面の薄い鉛直酸化物層1350の除去2150後の中間構造2100を示す断面図である。側面の薄い鉛直酸化物層1350の除去は、底部スペーサ950の上方の空隙2155の体積を増加させる。
【0149】
いくつかの実施形態において、鉛直酸化物層1350は、短いHFエッチングへの曝露を用いて、又は他の公知の技法を使用して実現される。
【0150】
図22は、鉛直ベース1650を囲むドーピングされた外因性鉛直ベース材料2250の成長後の中間構造2200を示す断面図である。
【0151】
外因性鉛直ベース材料2250は、空隙2155を充填しつつ鉛直ベース1650からエピタキシャル成長し、それを囲み得る半導体材料である。いくつかの実施形態において、外因性鉛直ベース材料2250は、頂部スペーサ1150の側面、及びエッチングされた酸化物層1975の側面の一部又は全部を覆み得る。
【0152】
いくつかの実施形態において、外因性鉛直ベース材料2250は欠陥エピタキシであり得る。「欠陥エピタキシ」によって、外因性鉛直ベース材料2250がスタック不良及び点欠陥などの構造上の欠陥を含み得ることを意味する。鉛直ベース1650は、外因性鉛直ベース材料2250のエピタキシャル成長のためのシード層としてのみ使用されるので、これらの欠陥のうちのいずれも、鉛直ベース1650へと伝搬しないことに留意されたい。
【0153】
外因性鉛直ベース材料2250内の欠陥は、完成したダーリントンペアセンサの動作にも性能にも悪影響を与えることは見られないことに留意されたい。
【0154】
更に、図22中で示される外因性鉛直ベース材料2250の形状は単に例示的なものであることに留意されたい。
【0155】
いくつかの代替的な実施形態において、外因性鉛直ベース材料2250は、大粒径多結晶シリコン(ポリシリコン)であり得る。外因性鉛直ベース材料2250をエピタキシャル成長させるのではなく、ポリシリコンは、限定されないが、PVD、CVD、プラズマ強化化学気相成長法(PECVD)、誘導結合プラズマ化学気相成長法(ICP CVD)、又はその任意の組み合わせを含む堆積プロセスによって堆積され得る。
【0156】
外因性ベース材料2250は、鉛直ベース1650と同じドーピング極性、及び鉛直ベース1650より高いドーピング濃度を有する。外因性ベース材料2250のドーピング濃度は、例えば、1020cm-3~3×1021cm-3の範囲であり得る。いくつかの実施形態において、外因性ベース材料2250は、鉛直ベース1650より幅広のバンドギャップを有する。公知のように、これはベース漏洩を低減するのに有利であり得る。例えば、鉛直ベース1650がGe又はSiGeから構成されている場合、外因性ベース2250は鉛直ベース1650のそれより高い濃度を有するSiGeから構成され得る。
【0157】
図23は、ベース領域マスク1850の除去及びベース分離ハードマスク2350の堆積後の中間構造2300を示す断面図である。下記の図38A図38B図39A図39B図40A図40B図41A図41B図42A及び図42Bの系列(「分離図の系列」)中でより詳細に説明されるように、ベース分離ハードマスク2350は、外因性鉛直ベース2250材料の左2250L及び右2250R側を物理的に分離するために使用される。
【0158】
図24は、例えば、鉛直RIE中に、ベース分離ハードマスク2350によって(その下で)保護されていない外因性鉛直ベース材料2250がエッチングで除去された後の中間構造を示す断面図である。残っている外因性鉛直ベース材料2250は、電気的に及び物理的に互いから分離された左2450L及び右2450R側を有する外因性鉛直ベース2450を形成する。外因性鉛直ベース2450を左2450L及び右2450R側へと物理的に分離するプロセスは、下記の分離図の系列中で更に説明される。
【0159】
例えば、下記で説明されるように、一部の外因性鉛直ベース材料2250は、エッチングで除去されて、鉛直ベース1650の端部を図24に向かう及びそれから出る方向が露出し、その結果、鉛直エッチング後に残っている鉛直ベース2450の左2450L及び右2450R側は物理的に分離される。
【0160】
いくつかの実施形態において、鉛直ベース2450の左2450L及び右2450R側は、鉛直ベース1650によって物理的に分離されている。左外因性鉛直ベース2450Lは鉛直ベース1650の左側に接触しており、右外因性鉛直ベース2450Rは鉛直ベース1650の右側に接触している。
【0161】
鉛直エッチング/RIEは、底部スペーサ950の上方にあり、残っているエッチングされた酸化物層1975、頂部スペーサ1150、及び外因性鉛直ベース2450を囲む、空間的ボイド2460を残す。
【0162】
図25は、上記で説明された材料及び堆積方法を使用して空間的ボイド2460を層間誘電体(ILD)2550で充填した後の中間構造2500を示す断面図である。
【0163】
図26は、ベース分離ハードマスク2350の除去、及びエッチングされた酸化物層1975及びILD2550の頂部を水平にする平坦化/CMP後の中間構造を示す断面図である。
【0164】
図27は、パターン堆積、又は堆積及びその後の鉛直ベース1650の上方にマスク開口部2775を位置決めするパターニングを用いてのエミッタマスク2750の堆積後の中間構造2700を示す断面図である。エミッタマスク2750は、上記で説明された周知のマスク材料を使用し、上記で説明された周知の堆積方法によって堆積される。
【0165】
図28は、エッチングされた酸化物層1975の保護されていない部分を凹設し、鉛直ベース1650の頂部表面2850を露出した後の中間構造2800を示す断面図である。エッチングされた酸化物層1975凹設は、例えば、頂部スペーサ1150内の材料に対して選択的である方向性RIEによって実行され得る。凹設は、鉛直ベース1650の頂部表面2850の上方に空間的ボイド2875を残す。
【0166】
図29は、ダーリントンペアBJTセンサの鉛直/センシング/デュアルベースBJT350/1650/2950/2450の形成をもたらす、鉛直ベース1650の露出された頂部表面2850上の鉛直エミッタ2950のエピタキシャル成長によって空間的ボイド2875を充填した後の中間構造2900を示す断面図である。
【0167】
鉛直エミッタ材料2950(又は鉛直エミッタ材料2950の頂部部分)は、欠陥エピタキシから作成され得る。鉛直ベース1650は、鉛直エミッタ材料2950のエピタキシャル成長のためのシード層としてのみ使用されるので、これらの欠陥のうちのいずれも、鉛直ベース1650へと伝搬しないことに留意されたい。
【0168】
外因性鉛直エミッタ材料2950内のこれらの欠陥は、完成したダーリントンペアセンサの動作にも性能にも悪影響を与えることは見られないことに留意されたい。
【0169】
鉛直/センシングBJT350/1650/2950/2450がPNP型である場合、鉛直エミッタ材料2950はPドープされる。鉛直/センシングBJT350/1650/2950/2450がNPN型である場合、鉛直エミッタ材料2950はNドープされる。ドーピングは、公知である上記で説明された技法によってなされる。
【0170】
代替的な実施形態において、鉛直エミッタ材料2950は、大粒径多結晶シリコン(ポリシリコン)である。鉛直エミッタ材料2950をエピタキシャル成長させるのではなく、ポリシリコンは、限定されないが、PVD、CVD、プラズマ強化化学気相成長法(PECVD)、誘導結合プラズマ化学気相成長法(ICP CVD)、又はその任意の組み合わせを含む堆積プロセスによって空間的ボイド2875内に堆積され得る。
【0171】
鉛直エミッタ材料2950は、例えば、1020cm-3~3×1021cm-3の範囲のドーピング濃度を有し得る。いくつかの実施形態において、鉛直エミッタ材料2950の底部部分は、比較的低い、例えば、1019cm-3~1020cm-3の範囲のドーピング濃度を有し得る。公知のように、底部部分のより低いドーピングは、バンドギャップ狭小化及びオージェ再結合を低減することにおいて有利であり得る。いくつかの実施形態において、鉛直エミッタ材料2950は、鉛直ベース1650より広いバンドギャップを有する。公知のように、これは、エミッタ伝達比を高め、したがってBJT利得を高めることにおいて有利であり得る。例えば、鉛直ベース1650がGe又はSiGeから構成されている場合、鉛直エミッタ2950は、鉛直ベース1650のそれより高い濃度を有するSiGeから構成され得る。
【0172】
図30は、CMPによってエミッタマスク2750を除去した後の中間構造3000を示す断面図である。代替的に、エミッタマスク2750は、公知の選択的エッチング、及びその後の任意選択のCMPによって選択的に除去され得る。
【0173】
図31は、ILD堆積3150が、下側スペーサ950の上方の(鉛直エミッタ2950を含む)ダーリントンペアBJTセンサの鉛直/センシングBJTを覆った後の中間構造を示す断面図である。任意選択のCMPがILD堆積に続き得る。ILD3150材料及び堆積方法は、上記で説明されたとおりである。
【0174】
図32は、マスキングされたエッチングがセンシングトレンチ3250を形成した後の中間構造3200を示す断面図である。例えば、マスキングされたエッチング化学作用は、曝されたILD3250材料を除去し、底部スペーサ950材料に対して選択的である。センシングトレンチ3250の幅は、10nm~1μmの範囲であり得るが、より狭い及びより幅広のセンシングトレンチも使用され得る。
【0175】
図33は、センシングトレンチ3250に接触しているセンスコンタクトボイド3350を作成するドーピングされた外因性鉛直ベース材料2450の分離されたセンシング側のうちの1つ(ここでは右側2450R)の横方向エッチング後の中間構造3300を示す断面図である。
【0176】
横方向エッチングが実行されて、センシングトレンチ3250に接触している外因性鉛直ベース2450側(左2450L又は右2450R)の外因性鉛直ベース2450から材料が除去される。横方向エッチングは、センシングトレンチ3250に接触している外因性鉛直ベース2450の側2450L/2450Rにおいてセンスコンタクトボイド3350を作成し、その結果、センシングトレンチ3250に入る流体(例えば、液体及び/又はガス)は、センシングトレンチ3250に接触している外因性鉛直ベース2450の側2450L/2450Rに接触することになる。
【0177】
いくつかの実施形態において、センスコンタクトボイド3350が、外因性鉛直ベース2450材料へと10~50nmの深さまでエッチング除去される。他の深さが構想される。
【0178】
したがって、センシングトレンチ3250は、センシングトレンチ3250内の任意の流体が外因性鉛直ベース2450のそれぞれの分離された側2450L/2450R(当該側は図33中で示される2450Rである)に接触することになるという点で、センスコンタクトボイド3350と流体連通している。
【0179】
外因性ベース2450の曝された側から材料を除去する横方向エッチングは、ウェットエッチング又はガスエッチングであり得る。しかしながら、ウェットエッチングがより好ましい。
【0180】
図34は、センシングトレンチ3250及びセンスコンタクトボイド3350が金属、すなわちセンシングトレンチ3250金属充填物3450で充填された後の中間構造3400を示す断面図である。
【0181】
センシングトレンチ3250及びセンスコンタクトボイド3350は、金属又は他の導電性材料3450のALD堆積で充填され得る。代替的に、センシングトレンチ3250及びセンスコンタクトボイド3350は、例えば、ALD堆積を用いて金属又は他の導電性材料の層でライニングされる。次にセンシングトレンチ3250及びセンスコンタクトボイド3350の残りは、CVD又はPVD又はめっきのようなプロセスによって金属又は他の導電性材料の堆積を用いて充填される。いくつかの実施形態において、センシングトレンチ3250及びセンスコンタクトボイド3350は、金属又は導電性材料の代わりに半導体又はhigh-k誘電体のような絶縁材料を用いて充填又はライニングされる。
【0182】
いくつかの実施形態において、充填物導電性材料/金属3450は、窒化チタン(TiN)である。しかしながら、他の充填物材料が構想される。例えば、充填物導電性材料/金属3450は、下記でより詳細に説明されるように、センシングトレンチ3250においてセンシングされる特定の流体又はセンシングされる物質への化学的及び/又は電気的反応を理由に選択され得る。
【0183】
図35は、トレンチ金属充填物3450のいくらかが部分的にエッチングされて、エッチバックされたトレンチ金属充填物3550が形成された後の中間構造3500を示す断面図である。
【0184】
いくつかの実施形態において、トレンチ金属エッチバックは、タイミングが調整されたウェットエッチングによって、充填物導電性材料/金属3450を除去する化学作用を用いて実行される。ウェットエッチングのタイミングは、実験的に決定され得る。代替的な実施形態において、鉛直RIEが、一度の操作でセンシングトレンチ内の全ての金属を除去するために使用される。エッチバックされたトレンチ金属充填物3550は、センシングされる材料に対して特有の金属/物質が選択され得る。
【0185】
図36は、金属スライバーセンシング表面3650を残しつつ、残っているトレンチ金属充填物3550を除去した後の中間構造3600を示す断面図である。いくつかの実施形態において、金属スライバーセンシング表面3650は、センスコンタクトボイド3350内に残り、センシングトレンチ3625/3250に隣接する鉛直外因性ベース2450の2450L/2450R(2450Rが非限定的な例として図36中で示される)の側に電気的に及び物理的に接触したままである。
【0186】
残っているトレンチ金属充填物3550が方向性RIEを用いて除去される。したがって、センシングトレンチ3625/3250は再度開口されて、例えば、センシングされる物質3670を含有する流体(液体又はガス)を受け取るための開口空間を作成する。
【0187】
金属スライバーセンシング表面3650は、例えば50nm及び1μmの間のセンシング表面高さ3652、及びセンシング表面領域3654を有し得る。いくつかの実施形態において、センシング表面領域3654は、センシング表面高さ3652×センシングトレンチ3250/3625の深さ(図36に向かう又はそれから出る方向)におよそ等しい。センシング表面領域3654が増すと、センシングトレンチ3250/3625内に配置されるセンシングされる物質3670へのダーリントンペアセンサの感度が増大する。いくつかの実施形態において、センシング表面領域3654は、平坦表面でなくてよく、方向性RIEに起因して凸面であり得ることに留意されたい。
【0188】
センシングされる物質3670(「xxx」として示される)は、例えば、センシングトレンチ3250/3625内の流体(液体及び/又はガス)内の懸濁液内及び/又は溶液内の、センシングトレンチ3250/3625内に配置する材料の分子及び/又はイオンを含み得る。
【0189】
それに応じて、いくつかの実施形態において、トレンチ金属充填物3450材料は、金属スライバーセンシング表面3650を構成する金属/導電性材料のタイプを決定する。いくつかの実施形態において、トレンチ充填物3450は、high-k誘電体のような非金属/非導電性材料から構成され、したがってhigh-k誘電体スライバーセンシング表面3650を構成する。いくつかの実施形態において、センシング表面3650は、センシングされる種に適した材料で官能基化され得る。例えば、センシング表面3650がhigh-k誘電体から構成される場合、自己組織化有機単分子層が、公知の手法を使用する官能基化のために使用され得る。
【0190】
非限定的な例として、所与のセンシングされる物質3670へのスライバーセンシング3650表面3654の反応に起因して、いくつかの実施形態において、TiNトレンチ金属充填物3450材料がセンス物質水素イオン(例えば、pH)3670をセンシングするために選択され、AgCl3450が塩化物3670をセンシングするために選択され、Au3450がDNA3670をセンシングするために選択され、チオール材料の化学作用が、たんぱく質3670をセンシングするために選択(3450)される。
【0191】
したがって、センシングトレンチ3250/3625は、センシングトレンチ3250/3625内の金属スライバーセンシング表面3650と接触しそれと相互作用するように向けられた、1又は複数のセンシングされる物質3670を含有する又はそれである流体を受け取ることが可能な空間的ボイドである。
【0192】
構造3600の対称性に起因して、金属スライバーセンシング表面3650が外因性鉛直ベース2450の左2450L側又は右2450R側のいずれかに接触するように、センシングトレンチ3625及び金属スライバーセンシング表面3650は一緒に形成され得ることに留意されたい。金属スライバーセンシング表面3650に接触している外因性鉛直ベース2450の側(それぞれ、2450L又は2450Rのいずれか)は、センシング/鉛直BJTのセンシングベースになる。それに応じて、金属スライバーセンシング表面3650に接触していない外因性鉛直ベース(それぞれ、2450R又は2450Lのいずれか)は、センシング/鉛直BJTの非センシングベース、制御外因性鉛直ベース、又は制御ベースになる。センシングベース及び制御ベースは、センシング/鉛直BJTの2つのベースである。
【0193】
金属スライバーセンシング表面は、センシングトレンチ3625及びそれぞれのセンシングベースの間にあり、それぞれのセンシングベースに電気的に接続されている。非限定的な例として図36中に示されるように、センシングベースは右側外因性鉛直ベース2450Rであり、制御(非センシング)外因性鉛直ベース(制御ベース)は左側外因性鉛直ベース2450Lである。
【0194】
説明された実施形態において、外因性鉛直ベース2450の側2450L/2450Rの物理的な分離は、2つの別個の(デュアル)ベース端子を作成し、ここで、制御ベース2450L/2450Rが入力(外部)信号又はバイアスに接続され得る一方で、センシングベース端子はセンシングされる物質3670を介するスライバーセンシング3650表面3654の電気的/化学反応を受けることに留意されたい。制御及びセンサベース端子は、あらゆるデュアルベースBJTの場合と同様に、互いに電気的に(例えば、静電的に)結合されており、BJTの出力特性(例えば、電流-電圧特性)を共同で決定する。
【0195】
鉛直/センサBJT350/1650/2950/2450/2450L/2450Rは、非限定的な例としてセンシングベース2450R及び制御ベース2450Lを含む、ダーリントンペアBJTセンサのデュアルベース2450L/2450R/1650鉛直/センサBJTである。
【0196】
図37は、外部コンタクト3150/3754/3756/3758の形成後のダーリントンペアBJTセンサ3700の完成した実施形態3700を示す断面図である。スライバーセンシング表面3650の官能基化は、所望される場合、通常はこの段階で実行される。
【0197】
外部コンタクト3150は、水平/横方向BJT652/550/654/350の水平エミッタ652に接続している。外部コンタクト3754は、外因性ベース外因性鉛直/制御ベース2450(非限定的な例として、左側2450L)に接続している。外部コンタクト3756は、鉛直/センシングBJT2950/1650/350/2450/2450L/2450R/350の鉛直エミッタ2950に接続している。外部コンタクト3758は、水平/横方向BJT652/550/654/350の水平コレクタ654に接続している。
【0198】
いくつかの実施形態において、複数の外部コンタクト3150及び3756が存在し、そのうちのいくつかは図面平面に向かう又はそれから出るように電気的に接続され、図37中には図示されていない。
【0199】
外部コンタクト3150/3754/3756/3758は、公知のメタライゼーション技法によって形成される。例えば、外部コンタクトトレンチは、例えば、レーザ切断又はパターニングされたエッチングによって形成される。外部コンタクト導体材料は、次にコンタクトトレンチへと堆積される。例示的なコンタクト導体材料は、タングステン、コバルト、ルテニウム、ロジウム、ジルコニウム、銅、アルミニウム、及び白金のような元素金属を含む。いくつかの実施形態において、コンタクト導体材料は、コバルト又はタングステンである。外部コンタクトトレンチの任意の余盛過剰は、CMPによって除去され得る。
【0200】
追加のコンタクトが構造3700の外部に作成されて、BJTペア内のそれぞれのBJTの極性及び回路設計基準に応じて、鉛直/センシングBJT及び水平/横方向BJTの代替的な構成が作成され得る。非限定的な例として、鉛直/センシングBJTのための外部エミッタコンタクト3754は、水平/横方向BJTの外部コレクタコンタクト3758に外部で接続されるように構成される。
【0201】
上記で説明されたように、横方向/増幅BJT及び鉛直/センシングBJTは、異なる極性であり得る。例えば、BJTは下記の構成のうちの1つで構成され得、増幅BJTはPNPでありセンシングBJTはNPNである、及び増幅BJTはNPNでありセンシングBJTはPNPである。
【0202】
代替的な構成において、ダーリントンペアBJTセンサ3700のうちの2つ以上は、第1のダーリントンペアBJTセンサ3700及び1又は複数の第2のダーリントンペアBJTセンサ3700のセンシングトレンチ3625が流体連通して接続しているように構成され得る。流体連通によって、共通の流体ストリームが、流体流に対する抵抗が全く又はほとんどない状態で、接続されているセンシングトレンチ3625の全ての各々を通って流れることが意味されている。これは、ダーリントンペアBJTセンサ3700の各々がセンシングトレンチ3625を通って流れる共通の流体内の1又は複数のセンシングされる物質3670をセンシングし得るように、接続されたダーリントンペアBJTセンサ3700の各々が、接続されたセンシングトレンチ3625の各々を通って共通の流体を運ぶことを可能にする。この構成において、複数のタイプのセンシングされる物質3670が、複数のダーリントンペアBJTセンサ3700を有する単一の統合センサにおいてセンシングされ得る。
【0203】
図38Aは、分離図の系列において、鉛直ベース1650を囲むドーピングされた外因性鉛直ベース材料2250の成長後の中間構造3800を示す断面図である。上記の図22の説明も参照されたい。ベース領域マスク1850は、エッチングされた酸化物層1975上にあり、ベース領域マスク1850の鉛直投影部(図示せず)は、水平共通外因性ベース/コレクタ350の両側及び両端部(おもて及び背、図示せず)に重なる。
【0204】
図38Bは、ベース領域マスク1850の頂部表面及び保護されていない(ベース領域マスク1850の下にない)外因性鉛直ベース材料2250の表面の部分を示す図38A中で示される中間構造3850の上面図である。
【0205】
図38A及び図38B中に示される外因性鉛直ベース材料2250の形状は、説明の目的で示されていること、及び外因性鉛直ベース材料2250の実際の形状は異なり得ることを再度留意されたい。水平エミッタ652、共通外因性ベース/コレクタ350、横方向真性ベース550、スペーサ825、及び横方向コレクタ654は簡潔さのために省略されていることにも留意されたい。
【0206】
図39Aは、分離図の系列において、上記で説明されたように、ベース領域マスク1850を除去した後の中間構造3900を示す断面図であり、図23の説明を参照されたい。
【0207】
図39Bは、エッチングされた酸化物層1975、及び外因性鉛直ベース材料2250の保護されていない表面を示す、図39A中で示される中間構造3900の上面図3950である。
【0208】
図40Aは、分離図の系列において、ベース分離ハードマスク2350を堆積した後の中間構造4000を示す断面図である。
【0209】
図40Bは、図40A中に示される中間構造の上面図4050である。堆積されたベース分離ハードマスク2350の頂部表面が示される。外因性鉛直ベース材料2250の頂部の保護されていない(ベース分離ハードマスク2350の下にない)表面も示されている。ベース分離ハードマスク2350のおもて縁部4222及び背縁部4224が示されており、その結果、構造4050を通って下がるそれらの鉛直投影部は、図41B中で下記で説明されるように、鉛直ベース1650のおもて1650F及び背端部1650Bをそれぞれ、明らかにする。それに応じて、ベース分離ハードマスク2350は、除去されたベース領域マスク1850「より短い」。
【0210】
図41Aは、鉛直ベース1650の端部1650F/1650B及び鉛直ベース1650を囲む他の体積を囲む保護されていないドーピングされた外因性鉛直ベース材料を底部スペーサ950まで下へ除去した後の中間構造4100を示す断面図である。このエッチング/除去は、外因性鉛直ベース2450材料を、右外因性鉛直ベース2450R及び左外因性鉛直ベース2450Lへと分離する。上記の図24の説明も参照されたい。
【0211】
図41Bは、図41A中に示される中間構造4100の上面図4150である。「短くなった」ベース分離ハードマスク2350は、外因性鉛直ベース2450材料の除去が、鉛直ベース1650のおもて端部1650F及び背端部1650Bを露出することを可能にする。鉛直ベース1650のおもて端部1650F及び背端部1650Bが外因性鉛直ベース2450を越えて突出することを可能にすることによって、外因性鉛直ベース2450は、鉛直ベース1650によって左2450L及び右2450R側へと物理的に分離される。これは、ダーリントンペアBJTセンサ(鉛直/センシングBJT)の実施形態が、デュアルベースを有することを可能にする。いくつかの実施形態において、ベースのうちの1つは、例えば2450Rのような、金属スライバーセンシング表面3650に接続されるベースなどのセンシングベースとして使用される。例えば、金属スライバーセンシング表面3650に接続されないベース(例えば2450L)などの、他方の又は非センシングベース又は制御ベースは、別個の制御ベースとして使用され得る。
【0212】
図42Aは、層間誘電体(ILD)2550充填後の中間構造4200を示す断面図である。
【0213】
図42Bは、図42A中に示される中間構造4200の上面図4250である。
【0214】
図25中のILD充填の説明も参照されたい。
【0215】
図43は、ダーリントンペアBJTセンサ3700を作成するプロセス4300のフローチャートである。
【0216】
段階4310は、図1図9の説明において説明されたように、共通外因性ベース/コレクタ350を有する水平/横方向/増幅BJT652/550/654を作成する段階でプロセス4300を始める。
【0217】
段階4320は、図10図31及び図38A図38B図39A図39B図40A図40B図41A図41B図42A、及び図42Bの説明において説明されたように、デュアル外因性ベース2450/2450L/2450R、及び横方向BJTに対する外因性ベース350及び鉛直/センシングBJTの鉛直コレクタ350である共通外因性ベース/コレクタ350を有する鉛直/センシングBJT2950/1650/350/2450を作成する。
【0218】
段階4330は、図32図36の説明において説明されたように、センシングトレンチ3625/3250及び金属スライバーセンシング表面3650を作成する。
【0219】
段階4340は、図37の説明において説明されたように、外部接続3150/3754/3756/3758及び外部構成接続を作成する。
【0220】
図44は、鉛直/センシングBJT4425が2つのベース(制御ベース、外部接続3754、及びセンシングベース、接続3650)を有するPNP BJTであり、水平/横方向/増幅BJT4475はNPN BJTである、デュアルベース、相補的(シクライ)ダーリントンペアBJTセンサ4400の非限定的な例の回路図である。
【0221】
上記で述べられたように、様々なBJT極性及び構成が構想される。
【0222】
鉛直/センシングBJT4425は、鉛直エミッタ2950外部接続3756を有する。鉛直コレクタ350は、図44中で共通内部接続として示される水平/増幅BJT4475/652/550/654/350の水平ベース550に接触している外因性ベース350と全く同じ要素である。鉛直/センシングBJT4425は、別個の真性ベース2450/2450L/2450Rを有し、ここで、制御ベース、1つの例として2450Lが外部接続3754に接続されている。金属スライバーセンシング表面3650は、外因性鉛直ベース2450の右側2450R(1つの例として)に接続されており、センシングベース3650である。いくつかの実施形態において、鉛直/センシングBJT4425のエミッタが水平/増幅BJT4475のコレクタに対して外部接続/構成されて、ダーリントンペアセンサ3700/4400の構成を完成させる。ダーリントンペアセンサの様々な構成を可能にする他の外部接続/構成が構想される。
【0223】
鉛直センシングBJT4425及び水平/増幅BJT4475の他の極性が構想される。例えば、鉛直センシングBJT4425がNPN BJTであり水平/増幅BJT4475がPNP BJTである、相補的(シクライ)ダーリントンペアが構成され得る。
【0224】
本発明の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されたが、網羅的であることも、開示された実施形態に限定されることも意図するものではない。説明された実施形態の範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変形が、当業者には明らかであろう。例えば、本発明の実施形態に係り開示される半導体デバイス、構造、及び方法は、アプリケーション、ハードウェア、及び/又は電子システムにおいて利用され得る。本発明の実施形態を実装するための好適なハードウェア及びシステムは、限定されないが、パーソナルコンピュータ、通信ネットワーク、電子商取引システム、ポータブル通信デバイス(例えば、携帯電話及びスマートフォン)、ソリッドステートメディア記憶デバイス、エキスパートシステム及び人工知能システム、機能回路などを含み得る。半導体デバイスを組み込んでいるシステム及びハードウェアが本発明の企図されている実施形態である。
【0225】
本明細書で使用される用語は、実施形態の原理及び実際の用途又は市場で見られる技術に対する技術的な改善を説明するために、又は他の当業者が本明細書で開示される実施形態を理解することを別様に可能にするために選択された。様々な用語を用いて説明された、実質的に同じ機能を実行し、実質的に同じように機能し、実質的に同じ用途を有し、及び/又は同様の段階を実行する、デバイス、構成要素、要素、特徴、装置、システム、構造、技法、及び方法が本発明の実施形態として企図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
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図19
図20
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図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38A
図38B
図39A
図39B
図40A
図40B
図41A
図41B
図42A
図42B
図43
図44
【手続補正書】
【提出日】2024-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダーリントンペアセンサであって、
基板上に水平に配置されている増幅バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、前記増幅BJTは水平エミッタ、水平ベース、水平コレクタ、及び共通外因性ベース/コレクタを有し、前記共通外因性ベース/コレクタは前記増幅BJTのための増幅BJT外因性ベースであり、前記共通外因性ベース/コレクタは前記水平ベースに接触しその上に配置されている;
前記増幅BJTに対して鉛直向きのセンシングBJT、前記センシングBJTは鉛直エミッタ、鉛直ベース、左外因性鉛直ベース及び右外因性鉛直ベースへと分離されている外因性鉛直ベース、及び前記共通外因性ベース/コレクタを有し、前記共通外因性ベース/コレクタは前記センシングBJTのためのセンシングBJTコレクタでもある、
を備え、
ここで前記左外因性鉛直ベースは前記鉛直ベースの左側に接触しており、前記右外因性鉛直ベースは前記鉛直ベースの右側に接触しており、前記左外因性鉛直ベース及び右外因性鉛直ベースは互いから分離されている、
センサ。
【請求項2】
前記左外因性鉛直ベース及び前記右外因性鉛直ベースは、前記鉛直ベースによって互いから分離されている、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
a)前記増幅BJTはPNPであり前記センシングBJTはNPNである、及びb)前記増幅BJTはNPNであり前記センシングBJTはPNPである、という構成のうちの1つで構成される、請求項1に記載のセンサ。
【請求項4】
1又は複数のセンシングされる物質を含有する流体を受け取ることが可能な空間的ボイドであるセンシングトレンチ、前記センシングトレンチは、センシング外因性鉛直ベースである前記左外因性鉛直ベース及び前記右外因性鉛直ベースのうちの1つに隣接しており、前記センシング外因性鉛直ベースでない前記左外因性鉛直ベース及び前記右外因性鉛直ベースは制御外因性鉛直ベースである;及び
スライバーセンシング表面、前記スライバーセンシング表面は前記センシングトレンチ及び前記センシング外因性鉛直ベースの間の導電性材料であり、前記スライバーセンシング表面は前記センシング外因性鉛直ベースと電気的に接触している、
を更に備える、請求項1から3の何れか一項に記載のセンサ。
【請求項5】
前記センシングされる物質は生物学的物質であり、前記センサは生物学的センサとして使用される、請求項4に記載のセンサ。
【請求項6】
前記流体は液体及びガスのうちの1つである、請求項4に記載のセンサ。
【請求項7】
前記スライバーセンシング表面は前記センシングBJTのセンシングベースであり、前記スライバーセンシング表面は前記センシング外因性鉛直ベースへ信号を提供し、前記信号はスライバーセンシング表面材料及び前記センシングされる物質のうちの1又は複数の間の相互作用によって誘起される、請求項4に記載のセンサ。
【請求項8】
前記相互作用は電気的及び化学反応のうちの1又は複数である、請求項7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記制御外因性鉛直ベースは制御ベースである、請求項4に記載のセンサ。
【請求項10】
スライバーセンシング表面材料は窒化チタン(TiN)であり、前記センシングされる物質は水素イオンであり、前記センサはpHセンサである、請求項4に記載のセンサ。
【請求項11】
スライバーセンシング表面材料は塩化銀(AgCl)であり、前記センシングされる物質は1又は複数のDNA分子である、請求項4に記載のセンサ。
【請求項12】
スライバーセンシング表面材料はチオールで官能基化されており、前記センシングされる物質は1又は複数のたんぱく質である、請求項4に記載のセンサ。
【請求項13】
前記鉛直ベースは歪みベースである、請求項4に記載のセンサ。
【請求項14】
前記外因性鉛直ベース及び前記鉛直エミッタのうちの1又は複数は、大粒径多結晶材料から構成される、請求項4に記載のセンサ。
【請求項15】
前記センシングトレンチは、1又は複数の第2のセンサの1又は複数の第2のセンシングトレンチに接続されており、前記センシングトレンチ及び前記1又は複数の第2のセンシングトレンチは流体連通しており、その結果、前記センシングトレンチ及び前記1又は複数の第2のセンシングトレンチは共通の流体流を運び、前記センシングトレンチ及び前記1又は複数の第2のセンシングトレンチを通って流れる前記共通の流体内の1又は複数のセンシングされる物質をセンシングすることができる、請求項4に記載のセンサ。
【請求項16】
ダーリントンペアセンサを作成する方法であって、前記方法は:
基板上に水平エミッタ、水平ベース、及び水平コレクタを形成することによって、水平増幅BJTを作成する段階、前記水平ベースは前記水平エミッタ及び前記水平コレクタの間にある;
前記水平ベース上に共通外因性ベース/コレクタを堆積する段階;
前記共通外因性ベース/コレクタ上に鉛直真性ベースをエピタキシャル成長させる段階;
前記鉛直真性ベースの周囲に外因性鉛直ベースをエピタキシャル成長させる段階;
前記外因性鉛直ベースを右外因性鉛直ベース及び左外因性鉛直ベースへと分割する段階;
センシング外因性鉛直ベースである前記右外因性鉛直ベース及び前記左外因性鉛直ベースのうちの1つに隣接するセンシングトレンチ及び金属スライバーセンシング表面を作成する段階、前記金属スライバーセンシング表面は前記センシング外因性鉛直ベースに電気的に接続されている、;及び
前記鉛直真性ベース上に鉛直エミッタを堆積する段階、前記鉛直エミッタ、前記鉛直真性ベース、前記外因性鉛直ベース、及び前記共通外因性ベース/コレクタは鉛直センシングBJTを構成し、ここで前記共通外因性ベース/コレクタは前記鉛直センシングBJTのコレクタである、
を備え、
ここで前記共通外因性ベース/コレクタは、前記水平増幅BJTの前記水平ベース上の外因性ベースでもある、
方法。
【請求項17】
前記外因性鉛直ベースを分割する前記段階は、前記鉛直真性ベースによってなされる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記外因性鉛直ベースを分割する段階は、前記鉛直真性ベースのおもて端部及び背端部を露出する前記段階によってなされる、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
別個の外部接続を、前記水平エミッタ、前記水平コレクタ、前記センシング外因性鉛直ベースでない前記右外因性鉛直ベース及び前記左外因性鉛直ベースのうちの1つである制御ベース、及び前記鉛直エミッタの各々へ接続する段階を更に備える、請求項16から18の何れか一項に記載の方法。
【国際調査報告】