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特表2024-537046線状アルファオレフィン生産のためのシステム及び方法
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  • 特表-線状アルファオレフィン生産のためのシステム及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】線状アルファオレフィン生産のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 2/06 20060101AFI20241003BHJP
   C07C 11/02 20060101ALI20241003BHJP
   C08F 210/16 20060101ALI20241003BHJP
   C08F 10/00 20060101ALI20241003BHJP
   C08F 2/01 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
C07C2/06
C07C11/02
C08F210/16
C08F10/00 510
C08F2/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519311
(86)(22)【出願日】2022-09-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 EP2022077038
(87)【国際公開番号】W WO2023052464
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】21199661.6
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508171804
【氏名又は名称】サビック グローバル テクノロジーズ ベスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アッシュリー,アブドゥルラフマン
(72)【発明者】
【氏名】ハザー,ザイド・ビン
【テーマコード(参考)】
4H006
4J011
4J100
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AC21
4H006BA09
4H006BA14
4H006BA32
4H006BA35
4H006BA40
4H006BA41
4H006BB11
4H006BC10
4H006BC11
4H006BC19
4H006BD81
4J011AA05
4J011DA04
4J011DB13
4J011DB32
4J100AA02P
4J100AA16Q
4J100AA19Q
4J100CA04
4J100CA10
4J100DA02
4J100EA01
4J100EA05
4J100FA10
4J100FA19
4J100GA17
4J100GB01
4J100GB12
4J100GC13
4J100GD02
4J100JA15
4J100JA28
4J100JA58
(57)【要約】
オリゴマーを生産するシステム及び方法が開示される。オリゴマーは、ループ反応器において、モノオレフィンを触媒と接触させることによって生産される。このプロセスの間に生成する副生物は、ループ反応器の1つ以上の沈殿レグに収集される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリゴマーを生産する方法であって、
ループ反応器において、モノオレフィンを該モノオレフィンをオリゴマー化するのに十分な反応条件下で触媒と接触させて、(1)1種以上のオリゴマーと(2)1種以上のワックス及び/又はポリマーを含む副生物とを含む生成物ストリームを生産する工程であって、
前記ループ反応器が、その中に前記モノオレフィン及び前記触媒を受け取るように構成されているループ型チューブ容器と前記副生物を沈殿させる及び/又は収集するように構成されている1つ以上の沈殿レグとを備える、工程、及び
未処理副生物を前記1つ以上の沈殿レグに前記ループ型チューブ容器から直接受け取る工程
を含む、方法。
【請求項2】
前記ループ型チューブ容器と前記1つ以上の沈殿レグとの間に位置するバルブが、前記ループ型チューブ容器への逆流を防止する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記未処理副生物が、前記1つ以上の沈殿レグに入る前に処理流体に接触しない、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ループ型チューブ容器から前記モノオレフィン及び触媒をポンプ輸送するように構成されているポンプをさらに含み、前記1つ以上の沈殿レグと前記ポンプの上流側との間の距離が、前記ループ型チューブ容器の総線長の約5パーセント以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上の沈殿レグと前記ポンプの上流側との間の距離が、前記ループ型チューブ容器の総線長の約5メートル以下である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ループ反応器が、その中に前記モノオレフィン及び前記触媒を受け取るように構成されている前記ループ型チューブ容器を含むチューブと加熱媒体及び/又は冷却媒体を受け取るように構成されているシェルとを備えるシェルアンドチューブ構成を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ループ反応器が、実質的に一定の温度のプロファイルを有する、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記反応条件が、20~80℃の範囲の反応温度を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記反応条件が、65~75℃の範囲の反応温度を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1種以上のオリゴマーが、1種以上の線状アルファオレフィンを含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記1種以上のオリゴマーが、1-ヘキセン及び/又は1-オクテンを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記反応条件が、15~35barの反応圧を含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記生成物ストリームが、0重量%超であるが60重量%以下の1-ヘキセン及び/又は1-オクテンを含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の沈殿レグが、前記ループ反応器の動作を妨害することなく、洗浄のために取り外し可能となるようになされている、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記触媒が、Cr(acac)、PNPNH、トリエチルアルミニウム、又はそれらの組合せを含む、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
前記モノオレフィンが、前記ループ反応器に、キシレン、トルエン、ヘプタン、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、n-ヘキサン、シクロヘキサン、又はそれらの組合せを含む溶媒及び/又は希釈剤と共に供給される、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記触媒が、10重量%以下の前記ループ反応器内濃度を有する、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記ループ反応器が、その中のデッドスポットを非ループ反応器と比べて低減するように構成されている、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記ループ反応器が、1000分未満の滞留時間で動作される、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
オリゴマーを生産するシステムであって、
モノオレフィンの供給部及び触媒の供給部、
前記モノオレフィンの供給部及び前記触媒の供給部と流体連通したループ型チューブ容器を備えるループ反応器であって、前記モノオレフィンをオリゴマー化して、1種以上のオリゴマーを含む生成物と1種以上のワックス及び/又はポリマーを含む副生物とを生産するのに適用するループ反応器、及び
前記ループ型チューブ容器に流体連通し、未処理副生物ストリームを前記ループ型チューブ容器から直接受け取るように配置されている1つ以上の沈殿レグ
を含む、システム。
【請求項21】
前記ループ型チューブ容器と前記1つ以上の沈殿レグとの間に配置され、前記ループ型チューブ容器への逆流を防止するように構成されているバルブをさらに備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記ループ型チューブ容器から前記モノオレフィン及び前記触媒をポンプ輸送するように構成されているポンプをさらに含み、前記1つ以上の沈殿レグと前記ポンプの上流側との間の距離が、前記ループ型チューブ容器の総線長の約5パーセント以下である、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記1つ以上の沈殿レグと前記ポンプの上流側との間の距離が、前記ループ型チューブ容器の総線長の約5メートル以下である、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記ループ反応器が、その中に前記モノオレフィン及び前記触媒を受け取るように構成されているループ型チューブ容器を含むチューブと加熱媒体及び/又は冷却媒体を受け取るように構成されているシェルとを備えるシェルアンドチューブ構成を含む、請求項20に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、オリゴマーを生産するためのシステム及び方法に関する。より詳細には、本発明は、ループ反応器において、線状アルファオレフィンを生産するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
線状アルファオレフィンは、包装、工業用オイル、ワックス、エンジン及び他のスペシャリティケミカルズを含む、幅広い範囲の用途において使用されている。線状アルファオレフィンは、界面活性剤などの新規な化学物質を開発するための出発原料としても使用することができる。
【0003】
現在、線状アルファオレフィンは、フィッシャー・トロプシュ合成又はエチレンのオリゴマー化によって生産されている。フィッシャー・トロプシュ合成の場合、反応速度は、一般に遅く、生産コストは高い。さらに、フィッシャー・トロプシュ合成向けの反応器の設計は、通常、複雑であり、フィッシャー・トロプシュ合成の場合の生成物の精製プロセスは大規模であり、これによって、高い設備投資を必要とする。エチレンのオリゴマー化のプロセスの場合、反応器の汚染及びデッドスポットが、線状アルファオレフィンの場合の効率及び生産コストを制限する主要な問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
総合的に、線状アルファオレフィンを生産するためのシステム及び方法が存在するが、従来のシステム及び方法に対する少なくとも上述の欠点に照らし合わせると、この分野における改善が継続的に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
線状アルファオレフィンを生産するためのシステム及び方法に関連する上記の問題の少なくとも一部に対する解決策が開示されている。その解決策とは、ループ反応器を使用する、オリゴマーを生産するためのシステム及び方法にある。これは、オレフィンをオリゴマー化するための反応混合物の均一性を少なくとも改善することに利点があり得る。さらに、ループ反応器内の反応物質のすべてが、液相中に存在することができ、したがって、反応器内の温度分布及び温度制御が改善される。さらに、ループ反応器は、デッドスポット(すなわち、物質の蓄積)の形成及び汚染を低減することが可能であり、生産効率が改善する。さらに、ループ反応器は、反応プロセスの間に、反応物質から副生ポリマーを沈殿させるよう及び収集するように構成されている沈殿レグ(settling leg)を含んでもよく、これによって、下流での精製に対する負荷が軽減される。沈殿レグは、ループ反応器内のオリゴマー化反応を妨害又は停止させることなく、洗浄目的のために取り外し可能であり得、こうして、生産効率がさらに改善される。したがって、本発明のシステム及び方法は、線状アルファオレフィンを生産するための従来のシステム及び方法に関連する問題に対する技術的解決を実現する。
【0006】
本発明の実施形態は、オリゴマーを生産する方法を含む。本方法は、ループ反応器において、モノオレフィンを該モノオレフィンをオリゴマー化するのに十分な反応条件下で触媒と接触させて、(1)1種以上のオリゴマーと(2)1種以上のワックス/ポリマーを含む副生物とを含む生成物ストリームを生産する工程を含む。ループ反応器は、その中にモノオレフィン及び触媒を受け取るように構成されているループ型チューブ容器と副生物を沈殿させる及び/又は収集するように構成されている1つ以上の沈殿レグとを備える。
【0007】
本発明の実施形態は、1種以上の線状アルファオレフィンを生産する方法を含む。本方法は、ループ反応器において、モノオレフィンを該モノオレフィンをオリゴマー化するのに十分な反応条件下で触媒と接触させて、(1)1種以上のオリゴマーと(2)1種以上のポリマーを含む副生物をと含む生成物ストリームを生産する工程を含む。ループ反応器は、(a)その中にモノオレフィン及び触媒を受け取るように構成されているループ型チューブ容器と(b)ループ型チューブ容器に流体連通した1つ以上の沈殿レグとを備える。本方法は、1つ以上の沈殿レグにおいて、生成物ストリームから副生物の少なくとも一部を収集する工程を含む。
【0008】
本発明の実施形態は、1-ヘキセン及び/又は1-オクテンを生産する方法を含む。本方法は、ループ反応器において、エチレンを該エチレンをオリゴマー化するのに十分な反応条件下で触媒と接触させて、(1)1-ヘキセン及び/又は1-オクテンと(2)1種以上のエチレンポリマーを含む副生物とを含む生成物ストリームを生産する工程を含む。ループ反応器は、(a)その中にエチレン及び触媒を受け取るように構成されているループ型チューブ容器と(b)ループ型チューブ容器に流体連通した1つ以上の沈殿レグとを備える。本方法は、1つ以上の沈殿レグにおいて、生成物ストリームから副生物の少なくとも一部を収集する工程を含む。本明細書において明記されている任意の実施形態において、ループ反応器は、その中での汚染を制限するように構成されている、1つ以上のノズル及び/又は1つ以上のフィルターを備えることができる。本明細書において明記されている任意の実施形態において、反応条件は、20~80℃の範囲の反応温度、及び/又は15~35barの反応圧を含んでもよい。
【0009】
本開示は、非限定的に、以下の例となる実施形態を含む:
実施形態1:オリゴマーを生産する方法であって、
ループ反応器において、モノオレフィンを該モノオレフィンをオリゴマー化するのに十分な反応条件下で触媒と接触させて、(1)1種以上のオリゴマーと(2)1種以上のワックス及び/又はポリマーを含む副生物とを含む生成物ストリームを生産する工程であって、
ループ反応器が、その中にモノオレフィン及び触媒を受け取るように構成されているループ型チューブ容器と及び副生物を沈殿させる及び/又は収集するように構成されている1つ以上の沈殿レグを備える、工程、及び
未処理副生成物を1つ以上の沈殿レグにループ型チューブ容器から直接受け取る工程
を含む、方法。
【0010】
実施形態2:ループ型チューブ容器と1つ以上の沈殿レグとの間に位置するバルブが、ループ型チューブ容器への逆流を防止する、実施形態1に記載のの方法。
【0011】
実施形態3:未処理副生物が、1つ以上の沈殿レグに入る前に処理流体に接触しない、実施形態1又は2に記載の方法。
【0012】
実施形態4:ループ型チューブ容器からモノオレフィン及び触媒をポンプ輸送するように構成されているポンプをさらに含み、1つ以上の沈殿レグとポンプの上流側との間の距離が、ループ型チューブ容器の総線長の約5パーセント以下である、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
【0013】
実施形態5:1つ以上の沈殿レグとポンプの上流側との間の距離が、ループ型チューブ容器の総線長の約5メートル以下である、実施形態1~4のいずれかに記載の方法。
【0014】
実施形態6:ループ反応器が、その中にモノオレフィン及び触媒を受け取るように構成されているループ型チューブ容器を含むチューブと加熱媒体及び/又は冷却媒体を受け取るように構成されているシェルとを備えるシェルアンドチューブ構成を含む、実施形態1~5のいずれかに記載の方法。
【0015】
実施形態7:ループ反応器が、実質的に一定の温度のプロファイルを有する、実施形態1~6のいずれかに記載の方法。
【0016】
実施形態8:反応条件が、20~80℃の範囲の反応温度を含む、実施形態1~7のいずれかに記載の方法。
【0017】
実施形態9:反応条件が、65~75℃の範囲の反応温度を含む、実施形態1~8のいずれかに記載の方法。
【0018】
実施形態10:1種以上のオリゴマーが、1種以上の線状アルファオレフィンを含む、実施形態1~9のいずれかに記載の方法。
【0019】
実施形態11:1種以上のオリゴマーが、1-ヘキセン及び/又は1-オクテンを含む、実施形態1~10のいずれかに記載の方法。
【0020】
実施形態12:反応条件が、15~35barの反応圧を含む、実施形態1~11のいずれかに記載の方法。
【0021】
実施形態13:生成物ストリームが、0重量%超であるが、60重量%以下の1-ヘキセン及び/又は1-オクテンを含む、実施形態1~12のいずれかに記載の方法。
【0022】
実施形態14:1つ以上の沈殿レグが、ループ反応器の動作を妨害することなく、洗浄のために取り外し可能となるようになされている、実施形態1~13のいずれかに記載の方法。
【0023】
実施形態15:触媒が、Cr(acac)、PNPNH、トリエチルアルミニウム又はそれらの組合せを含む、実施形態1~14のいずれかに記載の方法。
【0024】
実施形態16:モノオレフィンが、ループ反応器に、キシレン、トルエン、ヘプタン、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、n-ヘキサン、シクロヘキサン、又はそれらの組合せを含む溶媒及び/又は希釈剤と共に供給される、実施形態1~15のいずれかに記載の方法。
【0025】
実施形態17:触媒が、ループ反応器において、10重量%以下の濃度を有する、実施形態1~16のいずれかに記載の方法。
【0026】
実施形態18:ループ反応器が、その中のデッドスポットを非ループ反応器と比べて低減するように構成されている、実施形態1~17のいずれかに記載の方法。
【0027】
実施形態19:ループ反応器が、1000分未満の滞留時間で動作される、実施形態1~18のいずれかに記載の方法。
【0028】
実施形態20:オリゴマーを生産するシステムであって、
モノオレフィンの供給部及び触媒の供給部、
モノオレフィンの供給部及び触媒の供給部と流体連通したループ型チューブ容器を備えるループ反応器であって、モノオレフィンをオリゴマー化して、1種以上のオリゴマーを含むと及び1種以上のワックス及び/又はポリマーを含む副生物とを生産するのに適用する、ループ反応器、及び
ループ型チューブ容器に流体連通し、未処理副生物ストリームをループ型チューブ容器から直接受け取るように配置されている1つ以上の沈殿レグ
を含む、システム。
【0029】
実施形態21:ループ型チューブ容器と1つ以上の沈殿レグとの間に配置され、ループ型チューブ容器への逆流を防止するように構成されているバルブをさらに備える、実施形態20に記載のシステム。
【0030】
実施形態22:ループ型チューブ容器からモノオレフィン及び触媒をポンプ輸送するように構成されているポンプをさらに含み、1つ以上の沈殿レグとポンプの上流側との間の距離が、ループ型チューブ容器の総線長の約5パーセント以下である、実施形態20又は21に記載システム。
【0031】
実施形態23:1つ以上の沈殿レグとポンプの上流側との間の距離が、ループ型チューブ容器の総線長の約5メートル以下である、実施形態20~22のいずれかに記載のシステム。
【0032】
実施形態24:ループ反応器が、その中にモノオレフィン及び触媒を受け取るように構成されているループ型チューブ容器を含むチューブと加熱媒体及び/又は冷却媒体を受け取るように構成されているシェルとを備えるシェルアンドチューブ構成を含む、実施形態20~23のいずれかに記載のシステム。
【0033】
本開示のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、添付の図面と一緒に以下の詳細説明を一読すると明白になり、これらが、以下に手短に記載されている。本発明は、2つ、3つ、4つ又はそれより多い上記の実施形態の任意の組合せ、及び任意の特徴又は要素が、本明細書における特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているかに関わらず、本開示において説明されている2つ、3つ、4つ又はそれより多くのこのような特徴又は要素の組合せを含む。本開示は、開示されている発明の任意の個別の特徴又は要素が、その様々な態様及び実施形態のいずれかにおいて、文脈が特に明瞭に指示しない限り、組合せ可能であることが意図されていると見なされるべきであるよう、総合的に読み込まれることが意図されている。
【0034】
以下は、本明細書全体を通じて使用されている、様々な用語及び言い回しの定義を含む。
【0035】
用語「約」又は「ほぼ」は、当業者によって理解されるものと近いものとして定義される。非限定的な一実施形態において、これらの用語は、10%以内、好ましくは5%以内、より好ましくは1%以内、最も好ましくは0.5%以内と定義される。
【0036】
用語「重量%」、「体積%」又は「mol%」とは、構成成分を含む物質の総重量、全体積又は合計モル数に基づいて、それぞれ、構成成分の重量、体積又はモル濃度の百分率を指す。非限定例において、物質100モル中の10モルの構成成分は、10mol%の構成成分となる。
【0037】
用語「実質的に」及びその変形は、10%以内、5%以内、1%以内又は0.5%以内の範囲を含むと定義される。
【0038】
用語「阻害する」若しくは「低下させる」若しくは「防止する」若しくは「回避する」、又はこれらの用語のいかなる変形形態も、特許請求の範囲及び/又は本明細書において使用される場合、所望の結果を実現するための、なんらかの測定可能な低下又は完全防止を含む。
【0039】
用語「有効な」とは、この用語が本明細書及び/又は特許請求の範囲において使用される場合、所望の結果、期待する結果又は所期の結果の達成に適正であることを意味する。
【0040】
用語「ループ反応器」は、この用語が本明細書及び/又は特許請求の範囲において使用される場合、連続的なチューブ又はパイプ形状の反応器であって、反応混合物がループ内で循環される、上記の反応器を意味する。
【0041】
用語「反応物質」とは、この用語が本明細書及び/又は特許請求の範囲において使用される場合、反応器に入れられている物質を意味する。本発明の実施形態において、反応物質は、ループ反応器のチューブ内に入れられている物質の全部を含む。本発明の実施形態において、反応物質は、1種以上のモノオレフィン、1種以上のオリゴマー、1種以上の溶媒及び/又は希釈剤、及び1種以上の副生物を含む。
【0042】
語「a」又は「an」の使用は、特許請求の範囲又は本明細書における、「を含む(comprising)」、「を含む(including)」、「を含有する(containing)」又は「を有する(having)」という用語と関係付けて使用される場合、「1つ」を意味することができるが、「1つ以上の」、「少なくとも1つの」及び「1つ又は1つ超」という意味とやはり一致する。
【0043】
語「含む(comprising)」(及び「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」などの含む(comprising)の任意の形態)、「有する(having)」(及び「有する(have)」及び「有する(has)」などの有する(having)の任意の形態)、「含む(including)」(及び「含む(includes)」及び「含む(include)などの含む(including)の任意の形態」)、又は「含有する(containing)」(及び、「含有する(contains)」及び「含有する(contain)」などの含有する(containing)の任意の形態)は、包括的又はオープンエンドであり、追加の、非列挙の要素又は方法工程を除外するものではない。
【0044】
本発明のプロセスは、本明細書全体を通して開示されている、特定の成分、構成成分、組成物など「を含み(comprise)」、これら「から実質的になり(consist essentially of)」又はこれら「からなり(consist of)」得る。
【0045】
用語「主要な」とは、この用語が本明細書及び/又は特許請求の範囲において使用される場合、50重量%、50mol%及び50体積%のいずれかより大きいことを意味する。例えば、「主要な」は、50.1重量%~100重量%及びそれらの間のすべての値及び範囲、50.1mol%~100mol%及びそれらの間のすべての値及び範囲、又は50.1体積%~100体積%及びそれらの間のすべての値及び範囲を含んでもよい。
【0046】
本発明の他の目的、特徴及び利点が、以下の図及び詳細説明から明白になろう。しかし、図及び詳細説明は、本発明の特定の実施形態を示すが、単なる例示目的に示されているに過ぎず、限定を意図するわけではないことが理解されるべきである。さらに、本発明の趣旨及び範囲内の変更及び修正は、この詳細説明から当業者に明白となることが企図されている。さらなる実施形態において、特定の実施形態に由来する特徴は、他の実施形態に由来する特徴と組み合わされてもよい。例えば、一実施形態に由来する特徴は、他の実施形態のいずれかに由来する特徴と組み合わされてもよい。さらなる実施形態において、追加の特徴が、本明細書に記載されている特定の実施形態に追加されてもよい。
【0047】
一層完全な理解のために、添付の図面と関係付けられた以下の説明をこれより参照する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1図1は、本発明の実施形態による、オリゴマーを生産するシステムに関する模式図を示す。
図2図2は、本発明の実施形態による、オリゴマーを生産する概略フロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
現在、線状アルファオレフィンは、フィッシャー・トロプシュ合成又はエチレンのオリゴマー化によって生産されている。フィッシャー・トロプシュ合成は、多くの場合、反応速度が低いこと及び反応器の設計が複雑であることを含む問題がある。一方、線状アルファオレフィンを生産するエチレンのオリゴマー化は、多くの場合、反応器内における反応器の汚染及びデッドスポットという欠点に対処しなければならない。本発明は、これらの問題の少なくとも一部に対する解決を実現する。この解決は、反応器内において、反応物質の均一性の改善を容易にして、反応器内の温度分布及び温度制御の改善をもたらす、ループ反応器におけるオリゴマーの生産方法が前提である。したがって、本開示方法において使用されるループ反応器は、反応器内でのデッドスポットの形成(すなわち、物質の蓄積)及び付着を制限し、これによって、線状アルファオレフィンの生産効率を改善するように構成されている。本発明のこれらの及び他の非限定的な態様が、以下の項目にさらに詳細に議論されている。
【0050】
A.オリゴマーを生産するためのシステム
本発明の実施形態において、線状アルファオレフィンを含むオリゴマーを生産するためのシステムは、非ループ反応器に比べて、デッドスポットを低減し、かつ汚染を制限するのに適用するループ反応器を含む。図1を参照すると、模式図は、オリゴマーを生産するための反応器100に関して示されている。
【0051】
本発明の実施形態によれば、反応器100は、1種以上のオレフィンからオリゴマーを生産するように構成されているループ反応器である。本発明の実施形態において、オリゴマーは、1種以上の線状アルファオレフィンを含んでもよい。1種以上のオレフィンは、エチレンを含んでもよい。例示的な線状アルファオレフィンは、1-ヘキセン及び/又は1-オクテンを含んでもよい。
【0052】
本発明の実施形態によれば、反応器100は、その中に反応物質を含むように構成されている、反応器本体101を含んでもよい。本発明の実施形態において、反応器本体101は、ループ型チューブ容器を含む。反応器本体101は、チューブ(すなわち、チューブ容器)に入れられた反応物質(プロセス流体)、及び反応器本体101のシェルに入れられた加熱媒体及び/又は冷却媒体を備える、シェルアンドチューブ構成を有してもよい。本発明の実施形態において、反応器本体101は、ステンレス鋼、炭素鋼又はそれらの組合せから作製され得る。本発明の実施形態において、反応器本体101は、20~2000の範囲の全長対内径(チューブの場合、直径)の比を有する。反応器本体101は、2~20の範囲、及び2~4、4~6、6~8、8~10、10~12、12~14、14~16、16~18及び18~20の範囲を含む、全範囲及びそれらの間の値のシェル対チューブ径の比を有してもよい。
【0053】
本発明の実施形態によれば、反応器100は、反応器本体101にフィードストリーム11を受け取るように構成されている、フィード入口102を含む。本発明の実施形態において、フィードストリーム11は、オリゴマー化のためのフィードガス及び/又は触媒を含む。フィードストリーム11は、溶媒及び/又は希釈剤をさらに含んでもよい。例示的なフィードガスは、エチレン、水素、窒素、イソペンタン、及びそれらの組合せを含んでもよい。触媒は、Cr(acac)、PNPNH、トリエチルアルミニウム(TEAL)又はそれらの組合せを含んでもよい。溶媒及び/又は希釈剤は、キシレン、トルエン、ヘプタン、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、n-ヘキサン、シクロヘキサン又はそれらの組合せを含んでもよい。
【0054】
本発明の実施形態によれば、反応器100は、反応器本体101のチューブに流体連通した少なくとも1つの沈殿レグ103を備えており、こうして、反応器本体101のチューブ内で生産された少なくとも一部の副生物が、沈殿レグ103において収集される。本発明の実施形態において、沈殿レグ103の出口は、収集ドラム104と流体連通しており、こうして、沈殿レグ103に収集された副生物は、収集ドラム104へとさらに流される。本発明の実施形態において、反応器100は、1つ以上の沈殿レグ103を備えており、1つ以上の沈殿レグ103は、1つの収集ドラム104を共有してもよく、又は代替として、各沈殿レグ103は、個別の収集ドラム104に連結されている。
【0055】
本発明の実施形態において、1つ以上の沈殿レグ103は、反応器100の動作を妨害することなく洗浄のために取り外し可能となるようになされている。図1に示されている通り、ある特定の実施形態において、複数の沈殿レグ103は、反応器本体101のチューブと流体連通した沈殿レグの各々と並行して配置されている。このように、複数の沈殿レグ103の1つは、反応器100の動作を中断させることなく洗浄のために、システムから取り外され得る/着脱され得る。
【0056】
図1に示されている通り、沈殿レグ103は、これと反応器本体101のチューブとの間に介在ユニット動作構造又は処理なしに、反応器本体101のチューブと直接的な流体連通を有するのが有利である。このように、反応器本体101からの副生物は、反応器本体101への逆流をもたらす恐れのある介在処理なしに、沈殿レグ103に収集され得る。例えば、反応器本体101を出た副生物は、沈殿レグに入る前に、溶媒に接触される場合、反応器101内において反応物質が混入する可能性がある。このような混入は、望ましくないさらなるポリマー副生物の形成及び/又は結晶化をもたらす恐れがある。したがって、本明細書において使用する場合、「未処理副生物」と言及する場合、副生物の特徴を変化させることを意図した及び/又は反応器本体101への逆流を意図した、いかなる処理流体にも接触することなく、反応器本体101から直接、沈殿レグ103に入る副生物を指す。
【0057】
バルブ112は、沈殿レグ103と反応器本体101との間に配置されている。バルブ112により、未処理副生成物が、反応器本体101から沈殿レグ103に流れることが可能となり、通常、沈殿レグから反応器への逆流を防止するように構成されている。このように、沈殿レグからのポリマー副生物による反応器の汚染が、防止又は低減され得る。したがって、バルブ112の構造は多機能を発揮することができる、又は反応器本体101と沈殿レグ103との間の流体接続部を開口及び閉鎖すること、及び沈殿レグから反応器本体への逆流を防止することを含む、様々な機能を発揮する構成要素の組立体からなってもよい。バルブ112の部分として使用され得る例となるバルブ及び逆流構造は、ダブルチェックバルブ、圧力バキュームブレーカー、スイングチェックバルブ、ダブルディスクバルブ、リフトチェックバルブ及びボールチェックバルブを含んでもよい。バルブ112は、機械的又は電気的のどちらかで動作され得る、又はその他には制御され得る。
【0058】
本発明の実施形態によれば、反応器本体101のチューブの生成物出口は、生成物ドラム105と流体連通しており、こうして、オリゴマーを含む生成物ストリーム12は、チューブから生成物ドラム105に流れる。本発明の実施形態において、反応器100は、反応器本体101の生成物出口及び生成物ドラム105と流体連通した試料導入口106を備えており、こうして、反応器本体101のチューブからの生成物の少なくとも試料は、試料導入口106から流れ出る。
【0059】
本発明の実施形態によれば、反応器100は、反応器本体101のシェルに加熱媒体を受け取るように構成されている、加熱媒体入口107を備える。例示的な加熱媒体は水を含んでもよい。本発明の実施形態において、反応器100は、反応器本体101のシェルから加熱媒体を放出するように構成されている、加熱媒体出口108を備えることができる。本発明の実施形態において、反応器100は、反応器本体101のチューブにおいて、チューブの内側を物質が移動するように構成されているポンプ109を含んでもよい。ポンプ109は、軸ポンプ、遠心ポンプ又は容積式ポンプを含んでもよい。本発明の実施形態によれば、反応器100は、反応器本体101のチューブに流体連通したベント110を備えており、こうして、未反応フィードガス、窒素、酸素又はそれらの組合せ物は、反応器100から放出される。
【0060】
本発明の実施形態によれば、沈殿レグ103は、ポンプ109より前に配置されており、こうして、副生物は、反応器本体101から取り出され、これによって、副生物によるポンプ109の汚染が軽減及び/又は防止される。ポンプ109の上流及び近位における沈殿レグ103の設置は、ポンプのポリマー副生物による汚染の低減に有利であり、ポンプの下流での生成物回収率を増大させるようにも働く。ある特定の実施形態において、反応器本体101と沈殿レグ103との間の流体接続部は、沈殿レグとの流体接続部とポンプの上流側(すなわち、入口の側)との間の反応器本体101の線長に関して測定されると、ポンプ109の上流側の約5メートル以内(例えば、約4メートル以内、又は約3メートル以内、又は約2メートル以内)に配置する。別の実施形態において、沈殿レグ103との流体接続部とポンプの上流側との間の距離は、沈殿レグとポンプとの間に置かれている、反応器本体101の総線長の百[100]分率で数値化され得る。例えば、ある特定の実施形態において、沈殿レグとポンプとの間の反応器の総線長の百[100]分率は、約5パーセント以下、又は約4パーセント以下、又は約3パーセント以下、又は約2パーセント以下である。言い換えると、反応器本体101の総線長が200メートルである場合、沈殿レグとポンプとの間の距離は、約10メートル以下である。
【0061】
本発明の実施形態において、反応器100は、副生物によってポンプ109における汚染を制限するように構成されている沈殿レグ103に1つ以上のノズル及び/又は1つ以上のフィルターを備える。例えば、メッシュスクリーンは、固体粒子が沈殿レグに進入するのを回避するため、沈殿レグ103の上流、及びバルブ112の上流又は下流のどちらか一方に置かれ得る。
【0062】
B.オリゴマー生産方法
線状アルファオレフィンを含むオリゴマーを生産する方法が発見された。図2に示されている通り、本発明の実施形態は、従来の方法に比べて、生産効率の改善及び反応器内での汚染及びデッドスポットの低減を伴う、オリゴマーを生産するための方法200を含む。方法200は、図1に示されている通り、及び上記の通り、反応器100によって実施され得る。
【0063】
本発明の実施形態によれば、ブロック201に示されている通り、方法200は、反応器100において、モノオレフィンを該モノオレフィンをオリゴマー化するのに十分な反応条件下で、触媒と接触させて、1種以上のオリゴマーと1種以上のポリマーを含む副生物をと含む生成物ストリーム12を生産する工程を含む。本発明の実施形態において、オリゴマーは、1種以上の線状アルファオレフィンを含む。例示的な線状アルファオレフィンは、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ブテン、1-デセン、及びそれらの組合せを含む。本発明の実施形態において、モノオレフィンはエチレンを含む。例示的な触媒は、Cr(acac)、PNPNH、TEAL、及びそれらの組合せを含む。
【0064】
本発明の実施形態において、ブロック201において、モノオレフィン及び触媒は、溶媒及び/又は希釈剤と混合される。例示的な溶媒及び/又は希釈剤は、キシレン、ヘプタン、MMAO、トルエン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、及びそれらの組合せを含む。本発明の実施形態において、ブロック201における接触工程の前に、フィードストリーム11は、反応器本体101のチューブに流される。フィードストリーム11は、1~100重量%のモノオレフィン、0~50重量%の触媒及び0~100重量%の溶媒を含んでもよい。本発明の実施形態において、副生物は、ポリエチレンを含む。
【0065】
本発明の実施形態において、生成物は1-ヘキセンであり、ブロック201における反応条件は、20~80℃の反応温度、及び20~25℃、25~30℃、30~35℃、35~40℃、40~45℃、45~50℃、50~55℃、55~60℃、60~65℃、65~70℃、70~75℃及び75~80℃の範囲を含む、それらの間のすべての範囲及び値を含む。本発明の実施形態において、生成物は1-ヘキセンであり、ブロック201における反応条件は、15~35barの反応圧、及び15~17bar、17~19bar、19~21bar、21~23bar、23~25bar、25~27bar、27~29bar、29~31bar、31~33bar及び33~35barの範囲を含む、それらの間のすべての範囲及び値を含む。本発明の実施形態において、生成物は1-ヘキセンであり、ブロック201における反応条件は、10~1000分間の滞留時間を含む。本発明の実施形態において、生成物は1-オクテンであり、ブロック201における反応条件は、20~80℃の反応温度、及び20~25℃、25~30℃、30~35℃、35~40℃、40~45℃、45~50℃、50~55℃、55~60℃、60~65℃、65~70℃、70~75℃及び75~80℃の範囲を含む、それらの間のすべての範囲及び値を含む。ある特定の実施形態において、反応器は、上記の範囲の1つの範囲内に温度を維持する実質的に一定の温度のプロファイルなどの実質的に一定の温度のプロファイルを維持する。本発明の実施形態において、生成物は1-オクテンであり、ブロック201における反応条件は、15~35barの反応圧、及び15~17bar、17~19bar、19~21bar、21~23bar、23~25bar、25~27bar、27~29bar、29~31bar、31~33bar及び33~35barの範囲を含む、それらの間のすべての範囲及び値を含む。本発明の実施形態において、生成物は1-オクテンであり、ブロック201における反応条件は、10~1000分間の滞留時間を含む。本発明の実施形態において、反応器100における反応動力学は、連続撹拌式槽反応器(CSTR)の反応動力学に実質的に従う。本発明の実施形態によれば、ブロック201における接触工程は、液相中において行われる。反応器100は、その中において実質的に一定の温度のプロファイル(すなわち、ループ反応器全体に、実質的に一様な温度)を有してもよい。本発明の実施形態において、生成物ストリーム12は、0重量%超であるが60重量%以下の生成物、及び0~50重量%の副生物を含む。本発明の実施形態において、生成物ストリーム12は、生成物ドラム105に流される。本発明の実施形態において、生成物ストリーム12は、0重量%超であるが、60重量%以下、及び0.00001重量%~5重量%、5~10重量%、10~15重量%、15~20重量%、20~25重量%、25~30重量%、30~35重量%、35~40重量%、40~45重量%、45~50重量%、50~55重量%及び55~60重量%の範囲を含む、それらの間のすべての範囲及び値の1-ヘキセンを含む。本発明の実施形態において、生成物ストリーム12は、0重量%超であるが、60重量%以下、及び0.00001重量%~5重量%、5~10重量%、10~15重量%、15~20重量%、20~25重量%、25~30重量%、30~35重量%、35~40重量%、40~45重量%、45~50重量%、50~55重量%及び55~60重量%の範囲を含む、それらの間のすべての範囲及び値の1-オクテンを含む。
【0066】
本発明の実施形態によれば、方法200は、ブロック202に示されている通り、1つ以上の沈殿レグ103において、反応物質から副生物の少なくとも一部を収集する工程を含む。沈殿レグ103における副生物は、沈殿レグ103から収集ドラム104にさらに流されてもよい。本発明の実施形態において、方法200におけるエチレンの変換率は、0~100%の範囲にある。本発明の実施形態によれば、方法200は、ブロック203において示されている通り、生成物ストリーム12を分離して、1種以上のオリゴマーを得る工程を含む。本発明の実施形態において、ブロック203における分離する工程は、回分蒸留、カラム蒸留又はそれらの組合せを使用して行われる。本発明の実施形態によれば、方法200の場合、線状アルファオレフィンを生産する選択性は、0~100の間である。
【0067】
本発明の実施形態によれば、方法200の場合の目標生成物を切り替える際に、反応器本体101のチューブは、洗浄用媒体を使用する加熱沸騰又はホットフラッシング(hot flushing)により洗浄される。本発明の実施形態において、洗浄用媒体は、ヘプタン、キシレン、イソペンタン又はそれらの組合せを含んでもよい。加熱沸騰又はホットフラッシングは、20~200℃の範囲の温度において行われ得る。
【0068】
本発明の実施形態が、図2のブロックを参照して記載されているが、本発明の動作は、特定のブロック、及び/又は図2に例示されているブロックの特定の順序に限定されないことが理解されるべきである。したがって、本発明の実施形態は、図2の順序とは異なる順序の様々なブロックを使用して、本明細書に記載されている通りの機能を実現することができる。
【0069】
本明細書において記載されているシステム及び方法はまた、化学加工の当業者に公知ではない及び公知である様々な装置を含んでもよい。例えば、制御装置、パイプ、コンピュータ、バルブ、ポンプ、ヒータ、熱電対、圧力表示器、混合機、熱交換器などの一部が示されていないことがある。
【0070】
本出願の実施形態及びその利点が詳細に記載されているが、様々な変更、置き換え及び改変が、添付の特許請求の範囲によって規定されている実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書において行われ得ることを理解すべきである。さらに、本出願の範囲は、本明細書において記載されている、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法及び工程の特定の実施形態に限定されることを意図するものでない。当業者は、上記の開示から容易に理解するので、本明細書に記載されている対応する実施形態と同じ機能を実質的に発揮する又は同じ結果を実質的に実現する、現在、存在する又は今後に開発されるプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法又は工程が利用されてもよい。したがって、添付の特許請求の範囲は、このようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法又は工程をそれらの範囲内に含むことが意図されている。
図1
図2
【国際調査報告】