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特表2024-537094光学および/または電子素子のための冷却デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】光学および/または電子素子のための冷却デバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20241003BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 B
H05K7/20 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024519957
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-04-01
(86)【国際出願番号】 EP2022078391
(87)【国際公開番号】W WO2023062071
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】21202268.5
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520070127
【氏名又は名称】トムラ・ソーティング・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ディルク、バルタザール
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル、バルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】ニルス、ノアック
(72)【発明者】
【氏名】ニルス、ブリンクマン
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AB10
5E322BA01
5E322BA03
5E322BA04
5E322BA05
5E322BB03
(57)【要約】
本発明は、装置(2)の光学および/または電子素子(4)のための冷却デバイス(1)であって、冷気を生成するための少なくとも1つのボルテックスチューブ(7)、少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネル(14、14’)を含む少なくとも1つの空気対空気熱変換器(11、11’)を含み、空気対空気熱変換器(11、11’)は、冷気を受容し、それを少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネル(11、11’)内へ誘導するための熱交換器入口(13)、および少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネル(14、14’)から空気を排出するための熱交換器出口(15)をさらに含む、冷却デバイス(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置(2)の光学および/または電子素子(4)のための冷却デバイス(1)であって、
冷気を生成するための少なくとも1つのボルテックスチューブ(7)、
少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネル(14、14’)を含む少なくとも1つの空気対空気熱変換器(11、11’)を含み、
前記空気対空気熱変換器(11、11’)は、前記冷気を受容し、それを前記少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネル(11、11’)内へ誘導するための熱交換器入口(13)、および前記少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネル(14、14’)から空気を排出するための熱交換器出口(15)をさらに含む、冷却デバイス(1)。
【請求項2】
前記閉鎖式熱交換器チャネル(14)が、前記熱交換器出口(15)が前記閉鎖式熱交換器チャネル(14、14’)の最下点に、またはそれより下にあるように配向される場合、前記熱交換器入口(13)は、前記冷気の不純物および汚染物が重力および前記冷気の圧力に起因して前記出口(15)を通じて外へ出されるように、前記閉鎖式熱交換器チャネル(14、14’)の最高点に、またはそれより上にある、請求項1に記載の冷却デバイス(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネル(14)は、前記空気対空気熱変換器(8)の外側表面積を増加させるための複数の冷却リブ(21)を含む、請求項1または2に記載の冷却デバイス(1)。
【請求項4】
前記熱交換器入口(13)は、入口マニホールド(22)に提供され、前記熱交換器出口(15)は、出口マニホールド(23)に提供され、前記少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネル(14’)は、前記冷気を前記入口マニホールド(22)から前記出口マニホールド(23)へ流すための複数のチューブを含む、請求項1または2に記載の冷却デバイス(1)。
【請求項5】
前記複数のチューブは、U字形状であり、各チューブを通り過ぎる空気流が冷却効率を増加させることを可能にするため、各チューブの間のエアギャップと横並びに配置される、請求項4に記載の冷却デバイス(1)。
【請求項6】
前記入口マニホールド(22)は、前記複数の閉鎖式熱交換器チャネル(14’)の第1の遠位端に提供され、前記出口マニホールド(23)は、前記複数の閉鎖式熱交換器チャネル(14’)の第2の遠位端に提供される、請求項4または5に記載の冷却デバイス(1)。
【請求項7】
前記冷却デバイス(1)は、前記空気対空気熱変換器(11、11’)の効率を増加させるための少なくとも1つのファン(12)をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の冷却デバイス(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのファン(12)は、前記複数の閉鎖式熱交換器チャネル(14’)を通り過ぎる空気を循環させるため、前記入口マニホールド(22)および前記出口マニホールド(23)に隣接して提供される、請求項4~6のいずれか一項に従属するとき請求項7に記載の冷却デバイス(1)。
【請求項9】
壁パネル(19)が、前記少なくとも1つのボルテックスチューブ(7)と前記少なくとも1つの空気対空気熱変換器(11、11’)との間に提供され、入口接続(12)が、前記少なくとも1つのボルテックスチューブ(7)からの冷気が前記壁パネル(19)を通って前記少なくとも1つの空気対空気熱変換器(11、11’)へ流れることを可能にする、請求項1~8のいずれか一項に記載の冷却デバイス(1)。
【請求項10】
前記壁パネル(19)は、前記少なくとも1つの空気対空気熱変換器(11、11’)を収容するための凹部(20)を含む、請求項9に記載の冷却デバイス(1)。
【請求項11】
キャビネット(3)内に収納される光学および/または電子素子(4)、ならびに前記光学および/または電子素子(4)を冷却するための請求項1~10のいずれか一項に記載の少なくとも1つの冷却デバイス(1)を含む装置(2)であって、前記少なくとも1つの冷却デバイス(1)の空気対空気熱変換器(11、11’)は、前記キャビネット(3)の内側(5)に配置され、前記熱交換器出口(15)は、空気を前記少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネル(14、14’)から前記キャビネット(3)の外側(6)へ排出するように配置される、装置(2)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのボルテックスチューブ(7)の前記ボルテックスチューブ高温端(9)は、前記キャビネット(3)の前記外側(6)に配置される、請求項11に記載の装置(2)。
【請求項13】
前記少なくとも1つのボルテックスチューブ(7)は、前記キャビネット(3)の前記外側(6)に配置され、加圧空気を提供するためのデバイスに接続される、請求項11または12に記載の装置(2)。
【請求項14】
前記装置(2)は、視覚選別装置であり、前記光学および/または電子素子(4)は、好ましくは、機械視覚システムおよび/または画像分光法システムを含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の装置(2)。
【請求項15】
前記装置(2)は、追加的に、一次冷却システムを含み、前記少なくとも1つの冷却デバイス(1)は、既定の温度しきい値で活性化される、請求項11~14のいずれか一項に記載の装置(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却デバイスに関し、より詳細には、ボルテックスチューブおよび空気対空気熱変換器を含む冷却デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
装置内の素子の冷却は、様々な産業用途において重要な側面である。十分な冷却は、熱の影響を受けやすい素子、または高温の影響を受ける素子を含む装置にとっては重要である。熱は、装置自体から生成され得るか、または周囲環境から生じ得る。
【0003】
選別機の光学および電子素子は、過剰な熱に対して感受性のある素子の一例である。選別機が干渉なしに正確に機能することができるように、選別機の光学素子がいかようにも汚染されないことが重要である。光学素子の温度は、例えば、熱膨張に起因して整列が乱れ得ることから、光学システムが正しく機能するための特定のしきい値を下回って制御される必要がある。高すぎる温度は、例えば、光学素子の変位、格子のドリフト、検出器内の雑音レベルの増加、光ダイオードの溶融などを引き起こし得る。電気部品の温度はまた、例えば、雑音を低減するため、溶融を防ぐため、最適機能を確実にするため、および過熱を防ぐための事前設定した温度レベルに起因した電源オフを防ぐために、制御され得る。
【0004】
最も極端な場所では、周囲温度は、最大65℃にまでなり得、そのようなものとして、商業的に実現可能なソリューションが、装置の光学および/または電子素子の冷却のために必要とされる。
【0005】
昇温で運転する産業用途のための光学システムを設計することは、最適性能および正確性を確実にするのが課題となり得る。そのような光学システムの冷却は、支持ジャケットを通って流れる冷却空気または水を使用して達成され得る。特に、視覚選別機内の空間制限において、50℃の周囲温度を冷却することは、後部冷却装置が冷水器に利用可能ではないことから、困難である。
【0006】
ボルテックス冷却は、高い効率性に起因して、50℃を上回る環境における有効な冷却オプションである。Ranque-Hilschボルテックスチューブとしても知られるボルテックスチューブは、圧縮空気により駆動され、圧縮ガスを高温流および低温流へと分ける、機械デバイスである。ボルテックスチューブの高温端から出るガスは、200℃の温度に達し得、低温端から出るガスは、-50℃に達し得る。
【0007】
軸の周りを回転する空気は、ボルテックスと呼ばれる。ボルテックスチューブは、空気を高速度(1,000,000rpm)でスピンさせてボルテックスにする生成チャンバに圧縮空気を強制的に通すことによって、冷気および熱気を作成する。高速の空気は、それがチューブの内壁に沿って制御弁に向かってスピンするときに熱くなる。ある割合の熱い高速の空気が、弁から出ることが許される。残りの(より遅い)空気流は、第2のボルテックス内の高速空気流の中心を逆流することを強いられる。より遅い動く空気は、熱の形態でエネルギーを引き渡し、それがチューブをスピンアップすると冷えた状態になる。内側の逆流ボルテックスは、極低温空気として反対端から出る。
【0008】
ボルテックスチューブは、入口空気温度よりも56℃も下回る温度を生成し得る。排出される熱気の割合は、出口冷気温度を変化させるために変動され得、排出が多いほど、より低い流量でより冷たい冷気流を結果としてもたらし、排出が少ないほど、より高い流量でより温かい冷気流を結果としてもたらす。
【0009】
残念ながら、ボルテックス冷却器は、油のような不純物によって汚染され得る冷気を排出し、この空気は、そのようなものとして、光学素子および同様のものの冷却に適さない。空気フィルタが、汚染の問題を低減または軽減するために設置され得るが、空気フィルタは、共通して、例えば、視覚選別機のための商業的に実現可能なソリューションをもたらさない堅苦しい繰り返しの保守を必要とする。
【0010】
既存の冷却デバイスはまた、共通して、特定の用途のために専用に構築されるものであり、既存の用途に容易に追加導入されるように設計されていない。
【0011】
本技術分野を理解するのに有用な文書としては、米国特許第10113734号明細書、欧州特許第2839724号明細書、国際公開第2020261897号、および米国特許第6840628号明細書が挙げられる。
【発明の概要】
【0012】
上で述べたことを考慮して、本発明の目的は、高い周囲温度(50℃を超える温度)での使用に好適である、およびクリーンな冷却空気を提供する、冷却デバイスを提供することである。
【0013】
別の目的は、任意選択的に、すでに存在する冷却に加えて、既存の装置に容易に追加導入され得るような冷却デバイスを提供することであり、この場合、既存の冷却は、そのまま維持されるか、除去されるか、または修正され得る。
【0014】
別の目的は、空気フィルタを必要とせず、最小保守を必要とするような冷却デバイスを提供することである。
【0015】
上記目的のうちの少なくとも1つ、および以下の説明から明らかになる他の目的も達成するため、クレーム1に規定される特徴を有する冷却デバイスが、本発明に従って提供される。本装置の好ましい変異形は、従属クレームから明らかになる。
【0016】
第1の態様によると、装置の光学および/または電子素子のための冷却デバイスが提供される。冷却デバイスは、冷気を生成するための少なくとも1つのボルテックスチューブ、少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネルを含む少なくとも1つの空気対空気熱変換器を含む。空気対空気熱変換器は、冷気を受容し、それを少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネル内へ誘導するための熱交換器入口、および少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネルから空気を排出するための熱交換器出口をさらに含む。
【0017】
ボルテックスチューブは、周囲温度とは独立して動作し、熱気流および冷気流を生成する。冷気流が、熱交換器入口を通って閉鎖式熱交換器チャネル内へ導かれると、空気対空気熱変換器が、冷却され、装置の光学および/または電子素子を効果的に冷却し得る。熱気流は、閉鎖式熱交換器チャネル内へ導かれず、有利には、空気対空気熱変換器から離れる方へ導かれる。冷気が閉鎖式熱交換器チャネルを通過するとき、冷気は、空気対空気熱変換器の周囲の空気と混合せず、周囲空気の潜在的な汚染は回避される。
【0018】
実施形態によると、閉鎖式熱交換器チャネルが、熱交換器出口が閉鎖式熱交換器チャネルの最下点に、またはそれより下にあるように配向される場合、熱交換器入口は、冷気の不純物および汚染物が重力および冷気の圧力に起因して出口を通じて外へ出されるように、閉鎖式熱交換器チャネルの最高点に、またはそれより上にある。
【0019】
実施形態によると、少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネルは、空気対空気熱変換器の外側表面積を増加させるための複数の冷却リブを含む。
【0020】
実施形態によると、熱交換器入口は、入口マニホールドに提供され、熱交換器出口は、出口マニホールドに提供され、少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネルは、冷気を入口マニホールドから出口マニホールドへ流すための複数のチューブを含む。
【0021】
実施形態によると、複数のチューブは、U字形状であり、各チューブを通り過ぎる空気流が冷却効率を増加させることを可能にするため、各チューブの間のエアギャップと横並びに配置される。
【0022】
実施形態によると、入口マニホールドは、複数の閉鎖式熱交換器チャネルの第1の遠位端に提供され、出口マニホールドは、複数の閉鎖式熱交換器チャネルの第2の遠位端に提供される。
【0023】
実施形態によると、冷却デバイスは、空気対空気熱変換器の効率を増加させるための少なくとも1つのファンをさらに含む。
【0024】
実施形態によると、少なくとも1つのファンは、複数の閉鎖式熱交換器チャネルを通り過ぎる空気を循環させるため、入口マニホールドおよび出口マニホールドに隣接して提供される。
【0025】
実施形態によると、壁パネルが、少なくとも1つのボルテックスチューブと少なくとも1つの空気対空気熱変換器との間に提供され、入口接続が、少なくとも1つのボルテックスチューブからの冷気が壁パネルを通って少なくとも1つの空気対空気熱変換器へ流れることを可能にする。
【0026】
実施形態によると、壁パネルは、少なくとも1つの空気対空気熱変換器を収容するための凹部を含む。
【0027】
第2の態様によると、装置は、キャビネット内に収納される光学および/または電子素子、ならびに光学および/または電子素子を冷却するための、本発明の実施形態に従う少なくとも1つの冷却デバイスを含む。少なくとも1つの冷却デバイスの空気対空気熱変換器は、キャビネットの内側に配置され、熱交換器出口は、少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネルからキャビネットの外側へ空気を排出するように配置される。
【0028】
空気対空気熱変換器の冷気が閉鎖式熱交換器チャネルを通過するとき、それは、空気対空気熱変換器の周囲の空気と混合せず、周囲空気の潜在的な汚染は回避される。冷気は、熱交換器出口を通じて閉鎖式熱交換器チャネルから逃げ、キャビネットの外側へ排出される。したがって、空気対空気熱変換器と同じキャビネットの内側に収納される光学および/または電子素子は、冷気からの汚染のリスクなしに冷却される。
【0029】
実施形態によると、少なくとも1つのボルテックスチューブのボルテックスチューブ高温端は、キャビネットの外側に配置される。
【0030】
実施形態によると、少なくとも1つのボルテックスチューブは、キャビネットの外側に配置され、加圧空気を提供するためのデバイスに接続される。
【0031】
実施形態によると、装置は、視覚選別装置であり、光学および/または電子素子は、好ましくは、機械視覚システムおよび/または画像分光法システムを含む。
【0032】
実施形態によると、装置は、追加的に、一次冷却システムを含み、少なくとも1つの冷却デバイスは、既定の温度しきい値で活性化される。
【0033】
本発明の適用性の更なる範囲は、以下に提供される詳細な説明から明らかになる。しかしながら、詳細な説明および特定の例は、本発明の概念の好ましい変異形を示す一方で、本発明の概念の範囲内の様々な変更および修正が、この詳細な説明から、当業者にとって明らかになることから、単に例証として提供されるということを理解されたい。
【0034】
故に、本発明の概念は、デバイスの特定の構成要素部品に限定されず、そのようなものとして、デバイスは変化し得るということを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の変異形を説明する目的のためにすぎず、限定として解釈されるべきではないということも理解されたい。本明細書および添付のクレームにおいて使用されるとき、冠詞「a(1つの)」、「an(1つの)」、「the(その)」、および「前記」は、文脈が別途明白に示さない限り、要素の1つまたは複数が存在することを意味することが意図される。故に、例えば、「a unit(1つの装置)」または「the unit(その装置)」への言及は、いくつかのデバイス、および同様のものを含み得る。さらには、「comprising(含む)」、「including(含む)」、および「containing(含む)」という言葉、および同様の文言は、他の要素を除外しない。
【0035】
本発明の概念の態様は、その特定の特徴および利点を含め、以下の詳細な説明および添付の図面から容易に理解される。図面は、本発明の概念の一般的構造を例証するために提供される。同じ参照番号は、全体を通して同じ要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】冷却デバイスを含む装置の概略側面図である。
図2】装置に搭載される冷却デバイスの第1の実施形態の斜視図である。
図3A】冷却デバイスの第1の実施形態の上面図である。
図3B】冷却デバイスの第1の実施形態の側面図である。
図4】空気対空気熱変換器の第1の実施形態の斜視図である。
図5】熱交換器チャネルの第1の実施形態の斜視図である。
図6】空気対空気熱変換器の第2の実施形態の斜視図である。
図7】空気対空気熱変換器の第2の実施形態の概略側面図である。
図8】空気対空気熱変換器の第3の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の概念はこれより、本発明の概念の現在好ましい変異形が示される添付の図面を参照して以後より完全に説明される。しかしながら、本発明の概念は、多くの異なる形態で実施され得、本明細書に明記される変異形に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの変異形は、徹底性および完全性のために提供されるものであり、本発明の概念の範囲を当業者に完全に伝える。
【0038】
図1は、装置2内に配置される冷却デバイス1の概略側面図を示す。装置2は、光学および/または電子素子4が内側5に配置された状態のキャビネット3を含む。キャビネット3の内側5は、クリーンな環境であり得、外側6から遮蔽される。装置2は、そのようなものとして、視覚選別装置であり得、光学および/または電子素子4は、装置2の内側の異なる場所に配置され得る。光学および/または電子素子4は、レンズ、ミラー、ガラス窓、レーザ、照明、電磁源、検出器、スキャナ、または、例えば、装置2の外側もしくは近くの物体を識別するための任意の手段であり得る。キャビネット3は、そのようなものとして、窓25を含み得、これを通じて、内側5の光学素子が外側6の物体と相互作用する。好ましくは、光学および/または電子素子4は、カメラおよび/または分光計など、照明源および/または光学放射検出デバイスを含み得、カメラおよび/または分光計は、線または行列検出器を含み得る。1つの実施形態によると、光学および/または電子素子は、機械視覚システムおよび/または画像分光法システムの一部であるか、またはこれを形成する。
【0039】
装置2の外側6は、埃っぽい温かい周囲空気であり得る。外側6の周囲温度は、そのようなものとして、50℃を超える場合があり、時として65℃を超える場合がある。周囲温度が非常に高いか、非常に高くなることが予期される場合、キャビネット3は、内側5の温度が外側6の温度の影響を受けることを防ぐために、好ましくは断熱され得る。
【0040】
冷却デバイスは、ボルテックスチューブ7を含み、例証された実施形態では、1つのボルテックスチューブ7を含む。冷却デバイス1は、そのようなものとして、冷却能力を増加させるために、複数のボルテックスチューブ7を含み得る。ボルテックスチューブ7は、背景技術の章で説明されるように、非常に冷たい空気を生成するための周知のデバイスである。ボルテックスチューブ7は、ガス入口8を含み、これを通じて、ボルテックスチューブ7に圧縮空気などの加圧ガスが供給される。ボルテックスチューブ7は、圧縮空気を熱気流および冷気流へと変換する。ボルテックスチューブ7は、熱気が排出される高温端9、および冷気が排出される低温端10を含む。熱気流は、外側6へ直接排出され得るか、または有利には、熱気が内側5の温度に影響を及ぼすことを防ぐために、ボルテックスチューブ7および装置2からさらに離れる方へ導かれ得る。
【0041】
例証された実施形態において、ボルテックスチューブ7は、装置2のキャビネット3の外側6に配置される。故に、例証された実施形態のボルテックスチューブ7の高温端9および低温端10の両方が、キャビネット3の外側に配置される。代替の実施形態において、ボルテックスチューブ7は、キャビネット3の内側に部分的または完全に収納され得る。しかしながら、高温端9は、ボルテックスチューブ7からの熱気流がキャビネット3の外側へ排出されるように、外側6に接続されなければならない。高温端9、および代替的に、高温端9を外側6へ接続するための接続手段は、この実施形態において、高温端9からの放熱が内側5の温度に影響を及ぼすことを防ぐために、隔離されなければならない。この代替の実施形態において、熱ブレーキもまた、キャビネット3とボルテックスチューブ7の高温端9との間に提供され得る。
【0042】
ボルテックスチューブ7の低温端10は、熱交換器入口13において空気対空気熱変換器11に接続される。空気対空気熱変換器11の構成要素は、図1の綴じボックスAの内側に示される。入口接続12は、ボルテックスチューブ7の低温端10を、空気対空気熱変換器11に、より詳細には、空気対空気熱変換器11の閉鎖式熱交換器チャネル14に接続し得る。ボルテックスチューブ7からの冷気は、そのようなものとして、空気対空気熱変換器11に供給される。入口接続12は、剛性チューブ、可撓性ホース、弁、またはボルテックスチューブ7を空気対空気熱変換器11に接続するための任意の接続手段であり得る。入口接続12は、好ましくは、熱損失を最小限にするために、隔離されるか、または低熱伝導率を有する材料から作製され得る。ボルテックスチューブ7の低温端10は、熱交換器入口13に直接接続され得ることから、入口接続12は、任意選択である。
【0043】
空気対空気熱変換器11は、例証された実施形態において、装置2の内側5に位置する。空気対空気熱変換器11は、好ましくは、外側6に暴露されなくてもよく、キャビネット3は、ボルテックスチューブ7および冷却デバイス1の空気対空気熱変換器11を分離し得る。より好ましくは、空気対空気熱変換器11は、熱損失を回避するために、キャビネット3と熱伝導接触を有さなくてもよい。空気対空気熱変換器11は、そのようなものとして、キャビネット3から少し離れて配置され得る。代替的に、または追加的に、空気対空気熱変換器11は、キャビネット3から隔離され得るか、または低熱伝導率を有する要素だけがキャビネット3に接触し得る。
【0044】
空気対空気熱変換器11は、少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネル14を含み、熱交換器入口13は、ボルテックスチューブ7からの冷気が少なくとも1つの閉鎖式熱交換器チャネル14内へ流れることを可能にする。熱交換器チャネルが閉じているということは、空気が閉鎖式熱交換器チャネル14に入ることができる唯一の道が、熱交換器入口13を通じたものであるということ、および空気が閉鎖式熱交換器チャネル14から逃げることができる唯一の道が、熱交換器出口15を通じたものであることを意味する。閉鎖式熱交換器チャネル14は、好ましくは、熱交換器の先行技術において知られるように、高熱伝導率を有する材料から作製される。
【0045】
熱交換器出口15は、閉鎖式熱交換器チャネル14からの空気が外側6から排出されるように、キャビネット3の外側に接続される。熱交換器出口15は、直接的に、または出口接続17によってのいずれかで、外側6に接続され得る。出口接続17は、剛性チューブ、可撓性ホース、弁、または空気を空気対空気熱変換器11から外側6へ誘導するための任意の接続手段であり得る。出口接続17は、好ましくは、熱損失を最小限にするために、隔離されるか、または低熱伝導率を有する材料から作製され得る。出口接続17は、熱交換器出口15が閉鎖式熱交換器チャネル14の一部であり得ることから、任意選択である。熱交換器出口15はまた、キャビネット3に直接配置され得るか、または装置2から離れる方へさらに延長し得る。熱交換器出口15がキャビネット3に、またはその近くに配置される場合、熱ブレーキが、熱交換器出口15とキャビネット3との間に提供され得る。
【0046】
閉鎖式熱交換器チャネル14を通過する、汚染された可能性のある冷気は、装置2の内側5の空気と混合せず、故に、光学および/または電子素子4は、冷気からの汚染が防がれる。冷気が閉鎖式熱交換器チャネル14を通って流れると、装置2の内側5の空気が冷却され、光学および/または電子素子4が冷却される。
【0047】
熱交換器入口13は、好ましくは、閉鎖式熱交換器チャネル14の一方の端に位置し、熱交換器出口15は、好ましくは、閉鎖式熱交換器チャネル14の反対端に位置する。熱交換器出口15は、例証された実施形態にあるように、好ましくは、熱交換器入口13より下に配置され得る。閉鎖式熱交換器チャネル14が、熱交換器出口15が閉鎖式熱交換器チャネル14の最下点に、またはこれより下にあるように配置される場合、熱交換器入口13は、好ましくは、閉鎖式熱交換器チャネル14の最高点に、またはこれより上にあり得る。入口13より下の出口15のこの配置に起因して、ボルテックスチューブ7からの冷気内の不純物は、重力および冷気の圧力によって、閉鎖式熱交換器チャネル14を通って誘導され、熱交換器出口15を通じて外へ出される。故に、空気からの汚染が、空気対空気熱変換器11の効率または機能にリスクを及ぼさない。油汚染は、閉鎖式熱交換器チャネル14内に蓄積することなく、空気対空気熱変換器11は、自浄効果を提供する。
【0048】
1つの実施形態によると、閉鎖式熱交換器チャネルは、使用中流れを上方へ向けるいかなる湾曲部もなく、または実質的になく、これにより、不純物が、湾曲部に詰まること、および閉鎖式熱交換器チャネル内で増大することを回避する。閉鎖式熱交換器チャネルが流れを上方へ向けるいかなる湾曲部もないことを表現する代替の方法は、チャネル内のすべての屈曲部が、流れを横向きまたは下方に向けるように構成されるということである。1つの実施形態によると、閉鎖式熱交換器チャネルは、不純物が閉鎖式熱交換器チャネル内に詰まることを防ぐように、真っすぐまたは実質的に真っすぐである。
【0049】
図1の冷却デバイス1は、2つのファン18を含む。2つのファン18は、好ましくは、閉鎖式熱交換器チャネル14の両側に配置され得、閉鎖式熱交換器チャネル14に向けて空気を吹き込むように配置される。これは、閉鎖式熱交換器チャネル14を通り過ぎる空気の流れを作成することによって、空気対空気熱変換器11の効率を増加させる。冷却デバイス1は、そのようなものとして、任意の数のファン18を含み得る。ファン18はまた、キャビネット3の内側5の全体にわたって空気の流れを作成し、光学および/または電子素子4の最適な冷却を確実にする。
【0050】
代替の実施形態において、光学および/または電子素子4は、空気対空気熱変換器に直接提供され得る。光学および/または電子素子4は、そのようなものとして、直接冷却のため、熱交換器チャネルに直接提供され得る。そのような構成は、ファンの存在を必要としない場合がある。
【0051】
冷却デバイス1は、加えて、装置2の別個および異なる冷却システムであり得る。そのような別個および異なる冷却システムは、典型的には50℃周囲温度未満で動作する、冷水器、後部冷却器、熱電冷却器、対流冷却器、および熱ポンプなどの一次冷却システムであり得る。一般に、冷却デバイス1は、キャビネット3の内側5または外側6のいずれかの温度が既定の温度限界を上回る場合にオンに切り替わるように構成され得る。冷却デバイス1は、一次冷却システムが光学および/または電子素子4を冷却するのに十分でないときの、特に高温のための二次冷却システムであり得る。冷却デバイス1は、冷却デバイス1がオンになるのをトリガする温度センサを含み得るか、またはこれに接続され得る。冷却デバイス1は、特に影響を受けやすい光学および/または電子素子4の温度によってトリガされ得る。冷却デバイス1は、例えば、45℃、50℃、55℃、60℃、または65℃の既定の温度しきい値で活性化され得る。
【0052】
これより図2図3A、および図3Bを参照する。図は、装置2に搭載される2つの冷却デバイス1の第1の実施形態を示す。この実施形態において、キャビネット3の側壁は、冷却デバイス1を含む壁パネル19と置き換えられている。
【0053】
壁パネル19は、装置2の内部に更なる空間を追加する凹部20を含み得る。空気対空気熱変換器11は、壁パネル19の凹部20内に配置され得る。故に、凹部20は、冷却デバイス1が、装置2の以前の内部からの空間を占有することなく装置2に追加導入されることを可能にする。図3Aは、上から見たときの、冷却デバイス1を含む壁パネル19を分離して示し、図3Bは、図3A内の矢印Bに沿った図である。図3Bは、壁パネル19の内側および凹部20を示す。
【0054】
各冷却デバイス1は、ボルテックスチューブ7を含む。ボルテックスチューブ7は、凹部20の外側に配置され得、空気対空気熱変換器11は、壁パネル19の反対側、つまり凹部20の内側に配置され得る。ボルテックスチューブ7から排出される冷気は、壁パネル19を通って、入口接続12(図2では見えない、図3Bを参照)を通じて空気対空気熱変換器11内へ導かれる。冷気は、熱交換器入口13を通って空気対空気熱変換器11の閉鎖式熱交換器チャネルへ流れる。(より温かい)空気は、熱交換器出口15を通じて閉鎖式熱交換器チャネルから逃げ、出口接続17によって外側6へ誘導される。閉鎖式熱交換器チャネルを通過した空気は、こうして周囲空気へ排出される。
【0055】
この実施形態の各冷却デバイス1は、4つのファン18を含む。2つのファン18は、閉鎖式熱交換器チャネルの各側面に対で配置される。図1を参照して説明されるように、冷却デバイス1は、装置2内に提供される別個および異なる冷却システムに加えて、追加導入または追加され得る。
【0056】
別の実施形態において、空気対空気熱変換器は、壁パネル内の凹部の代わりに、全体的に閉じたハウジング内に収納され得る。ハウジング内に空気対空気熱変換器を含む冷却デバイスは、装置のほぼどこにでも配置および固定され得、装置上のホットスポットを冷却するのに特に好適であり得る。特に、冷却デバイスは、好ましくは、装置の外側に配置され得、これにより容易な追加導入を可能にする。複数の冷却デバイスが装置上に配置され得る。冷却デバイスがもはや必要でない場合、それは、装置から容易に取り外され得る。そのような冷却デバイスは、特定の安価かつ多目的のオプションであり得る。
【0057】
図4は、空気対空気熱変換器11の第1の実施形態を示す。故に、空気対空気熱変換器11は、図1の綴じボックスAの内側に示される空気対空気熱変換器の第1の実施形態であり得る。空気対空気熱変換器11は、閉鎖式熱交換器チャネル14を含み、ファン18を含み得る。例証された実施形態は、4つのファン18を含む。2つのファン18は、閉鎖式熱交換器チャネル14の各側面に提供される。閉鎖式熱交換器チャネル14は、閉鎖式熱交換器チャネル14がファン18の間に挟まれ得るように、例証された実施形態において、略矩形の立方骨内に収納され得る。
【0058】
閉鎖式熱交換器チャネル14の外側は、1つまたは複数の冷却リブ21を含み得る。閉鎖式熱交換器チャネル14は、そのようなものとして、閉鎖式熱交換器チャネル14の周りに均等に分布されるか、または最適な冷却効果を提供する場所に分布される複数の冷却リブ21を含み得る。冷却リブ21は、閉鎖式熱交換器チャネル14の外側表面積を増加させ、こうして冷却能力を増加させる。冷却リブ21は、好ましくは、概して平坦な矩形立方骨の2つの大きい方の側面に配置され得る。ファン18は、熱気を冷却リブ21の間に吹き込み、空気が冷却される。空気対空気熱変換器11は、熱交換器入口13、例証された実施形態においては、単純に、ボルテックスチューブからの冷気が入ることができる開口部を含む。熱交換器出口(図4では見えない)が、空気対空気熱変換器11上のどこか、以前に説明されるように、好ましくは、熱交換器入口13より下、および熱交換器入口13の反対側に提供される。
【0059】
図5は、閉鎖式熱交換器チャネル14の第1の実施形態を示す。図は、閉鎖式熱交換器チャネル14の内側を示す。閉鎖式熱交換器チャネル14は、好ましくは、一緒に取り付けられるときに、閉鎖式熱交換器チャネル14を形成する、2つの対応する半体の間に形成され得る。
【0060】
閉鎖式熱交換器チャネル14は、例証された実施形態において、ジグザグパターンで延びる狭いチャネルとして成形される。閉鎖式熱交換器チャネル14の第1の実施形態において、ボルテックスチューブからのすべての空気が通過しなければならない唯一のチャネルが存在する。閉鎖式熱交換器チャネル14は、上に熱交換器入口13および下に熱交換器出口15を伴って例証される。冷却リブ21もまた、閉鎖式熱交換器チャネル14に提供される。
【0061】
図6は、空気対空気熱変換器11’の第2の実施形態を示し、図7は、空気対空気熱変換器11’の概略側面図を示す。故に、空気対空気熱変換器11は、図1の綴じボックスAの内側に示される空気対空気熱変換器の第2の実施形態であり得る。第2の実施形態において、閉鎖式熱交換器チャネル14’は、複数のチューブを含む。チューブは、銅などの高熱伝導率を有する材料から作製され得る。
【0062】
各閉鎖式熱交換器チャネル14’は、好ましくは、略U字形状であり得る。複数の閉鎖式熱交換器チャネル14’はまた、好ましくは、横並びに配置され得る。U字形状のチューブは、平行である2つの脚部を含み得る(図7に示される)。熱交換器入口(図示せず)は、入口マニホールド22に提供され得る。入口マニホールド22は、ボルテックスチューブからの冷気を複数の閉鎖式熱交換器チャネル14’へ均等に分配するための、チューブ、分配チャネル、または同様の手段であり得る。閉鎖式熱交換器チャネル14’は、熱交換器出口(図示せず)において対応する出口マニホールド23に接続され得る。この実施形態において、冷気は、故に、ボルテックスチューブから、入口マニホールド22内へ、複数の閉鎖式熱交換器チャネル14’を通って出口マニホールド23内へ導かれ、熱交換器出口を通じて排出される。
【0063】
また、第2の実施形態について、熱交換器出口は、ボルテックスチューブからの空気内の不純物が、閉鎖式熱交換器チャネル14’を通じて輸送され、重力および空気流の圧力によって熱交換器出口を通じて外へ吹き出されるように、好ましくは、熱交換器入口より下に配置される。
【0064】
少なくとも1つのファン18は、好ましくは、閉鎖式熱交換器チャネル14’を通り過ぎる空気を循環させるため、入口および出口マニホールド22、23に隣接して提供され得る。ファン18は、閉鎖式熱交換器チャネル14’がファン18からの風に全体的に暴露されるように、入口マニホールド22と出口マニホールド23との間に提供され得る。例証された実施形態は、1つのファン18を示すが、複数のファン18が空気対空気熱変換器11’内に提供され得る。ファン18は、装置の内側から空気を引き込み、閉鎖式熱交換器チャネル14’を通り過ぎる空気を吹き込む。閉鎖式熱交換器チャネル14’は、好ましくは、各閉鎖式熱交換器チャネル14’の間にエアギャップが存在し、各閉鎖式熱交換器チャネル14’を通り過ぎる空気の流れが冷却効率を増加させることを可能にするように、配置される。好ましくは、空気対空気熱変換器11’は、各遠位の閉鎖式熱交換器チャネル14’に提供される側壁24を含む。側壁24は、ファン18からの空気を、閉鎖式熱交換器チャネル14’に沿って、および閉鎖式熱交換器チャネル14’の方へ向け、空気がどこかに流れるのを防いで、閉鎖式熱交換器チャネル14’を通り過ぎるようにする。
【0065】
図7は、どのようにして空気がファン18を通って、および閉鎖式熱交換器チャネル14’を通り過ぎて吹き込まれるかを示す。少なくとも1つのボルテックスチューブからの冷気は、入口マニホールド22に入り、閉鎖式熱交換器チャネル14’を通って流れる。ファン18からの空気は、それが閉鎖式熱交換器チャネル14’を通過する際に冷却される。複数の閉鎖式熱交換器チャネル14’を通過する空気は、出口マニホールド23内に収集され、以て、出口を通じて排出される。
【0066】
図8は、空気対空気熱変換器11’’の第3の実施形態を示す。この実施形態において、光学および/または電子素子は、閉鎖式熱交換器チャネル14’’に隣接して配置される。光学および/または電子素子は、閉鎖式熱交換器チャネル14’’に直接配置され得るか、またはそれらは、かなり近接して配置され得る。光学および/または電子素子はまた、例証された実施形態にあるように、素子ハウジング26の内側に配置され得る。素子ハウジング26は、空気対空気熱変換器11’’に隣接して固定または位置付けられ得る。素子ハウジング26は、高熱伝導率を有する材料から作製され得るか、または熱的に絶縁され得るか、または組み合わせである。組み合わせは、素子ハウジング26が、熱伝導性であり、かつ閉鎖式熱交換器チャネル14’’に接触するように提供される側面を含むが、素子ハウジング26の1つまたは複数の残りの側面は絶縁されるというものを含み得る。
【0067】
光学および/または電子素子は、光学および/または電子素子の冷却を最大限にするために、閉鎖式熱交換器チャネル14’’上に直接取り付けられるか、またはそれに隣接して収容されるように製造および設計され得る。空気対空気熱変換器11’’は、追加的に、周囲への冷却効率を増加させるためのファン18を含み得る。空気対空気熱変換器11’’の例証された実施形態は、3つのファン18を含む。
【0068】
追加的に、開示された変異形に対するバリエーションは、図面、本開示、および添付のクレームの研究から、特許請求された発明の実践において当業者により理解および達成され得る。クレームにおいて、「comprising(含む)」という言葉は、他の要素を除外せず、また不定冠詞「a(1つの)」または「an(1つの」は、複数を除外しない。特定の方策が相互に異なる従属クレームに列挙されるという単なる事実は、これらの方策の組み合わせを使用して利益をもたらすことができないということは示さない。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】