(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】病変横断衝撃波カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 17/22 20060101AFI20241003BHJP
A61B 18/26 20060101ALI20241003BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20241003BHJP
A61B 17/3207 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61B17/22 510
A61B18/26
A61M25/00 532
A61M25/00 540
A61B17/3207
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520009
(86)(22)【出願日】2022-09-02
(85)【翻訳文提出日】2024-04-25
(86)【国際出願番号】 US2022075903
(87)【国際公開番号】W WO2023059967
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515000292
【氏名又は名称】ショックウェーブ メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グエン, ホア
【テーマコード(参考)】
4C026
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C026AA04
4C026BB07
4C026DD10
4C026FF17
4C160EE08
4C160EE15
4C160MM36
4C160MM53
4C267AA05
4C267AA28
4C267BB02
4C267BB42
4C267BB47
4C267CC09
4C267CC26
4C267HH08
(57)【要約】
本発明は、身体管腔内の閉塞を治療するためのカテーテルを提供する。カテーテルは、流体で充填可能であるカテーテル本体を含む。インパクタが、カテーテル本体の遠位端に接続され、カテーテル本体の内側の近位端とカテーテル本体の外側の遠位端とを有する。カテーテルは、衝撃波を発生させるように構成された衝撃波源と、衝撃波源とカテーテル本体の遠位端との間でインパクタの近位端に結合された偏向器とも含む。衝撃波源が衝撃波を発生させると、衝撃波は、偏向器に衝突し、インパクタの遠位端が機械的力を閉塞に送達し、身体管腔への流動を回復させるように、インパクタと共に偏向器に前方方向に前進させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体管腔内の閉塞を治療するためのカテーテルであって、前記カテーテルは、
遠位端を有するカテーテル本体であって、前記カテーテル本体は、流体で充填可能である、カテーテル本体と、
前記カテーテル本体の前記遠位端に接続されたインパクタであって、前記インパクタは、前記カテーテル本体の内側の近位端と前記カテーテル本体の外側の遠位端とを有する、インパクタと、
衝撃波を発生させるように構成された衝撃波源と、
前記衝撃波源と前記カテーテル本体の前記遠位端との間で前記インパクタの近位端に結合された偏向器と
を備え、
前記衝撃波源が衝撃波を発生させると、前記衝撃波は、前記偏向器に衝突し、前記インパクタの前記遠位端が機械的力を前記閉塞に送達するように、前記インパクタと共に前記偏向器に前方方向に前進させる、カテーテル。
【請求項2】
前記カテーテル本体の前記遠位端は、可撓性材料を備え、前記可撓性材料は、前記インパクタが衝撃波の発生に応答して前方方向に前進することを可能にし、前記衝撃波が終了した後、前記インパクタに後方に戻らせる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記流体は、伝導性流体であり、前記衝撃波源は、電極対を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記カテーテルの長さに沿って延びている第1の絶縁ワイヤであって、前記第1の絶縁ワイヤは、露出させられた遠位先端を有する、第1の絶縁ワイヤと、
前記カテーテルの長さに沿って延びている第2の絶縁ワイヤであって、前記第2の絶縁ワイヤは、露出させられた遠位先端を有する、第2の絶縁ワイヤと、
前記カテーテル内に搭載され、前記第1および第2の絶縁ワイヤの前記露出させられた遠位先端を包囲している伝導性エミッタバンドと
をさらに備え、
電圧が前記第1の絶縁ワイヤおよび前記第2の絶縁ワイヤを横断して印加されると、電流が、前記第1の絶縁ワイヤの前記露出させられた遠位先端から前記伝導性エミッタバンドに流動し、第1の衝撃波を発生させるように構成され、前記電流は、前記電導性エミッタバンドから前記第2の絶縁ワイヤの前記露出させられた遠位先端に流動し、第2の衝撃波を発生させるようにさらに構成されている、請求項3に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記衝撃波源が衝撃波を発生させると、前記偏向器は、50μm~100μm前進するように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記衝撃波源が衝撃波を発生させると、前記偏向器は、衝撃波エネルギーの一部を前記カテーテルに対して横の方向に偏向させる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記偏向器の後部表面と前記カテーテル本体の縦方向軸との間の偏向器角度は、120°~150°である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記カテーテル本体内に搭載されたシリンダと、
前記偏向器の近位端に搭載されたシャフトと
をさらに備え、
前記シャフトは、前記シリンダ内でスライドするように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記シャフトは、スペーサを備え、前記スペーサは、前記シャフトと前記シリンダとの間で外向きに突出することによって、前記カテーテルの中心軸に沿った前記シャフトの移動を可能にしながら、前記シリンダのほぼ中心に前記シャフトを保持する、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記衝撃波源に高電圧パルスを送達するように構成された電圧源をさらに備え、前記高電圧パルスは、100V~3,000Vである、請求項3に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記電圧源は、10Hz~100Hzの率で前記電圧パルスを送達するように構成されている、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記衝撃波源は、光パルスを発生させるレーザを含み、前記光パルスは、光ファイバを介して前記カテーテル本体に送達される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記インパクタは、レーザ切断金属管を含む、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記インパクタは、ガイドワイヤを受け取るようにサイズを決定されたガイドワイヤ管腔を含む、請求項13に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記カテーテル本体の前記遠位端に結合されたテーパ状遠位先端をさらに備え、前記テーパ状遠位先端は、前記偏向器および前記インパクタと共に前方方向に前進し、機械的力を前記閉塞に送達するように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記テーパ状遠位先端は、堅い材料を備えている、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記カテーテル本体は、前記カテーテル本体上に配置された複数の折り目を備え、前記複数の折り目は、衝撃波の発生に応答して折り畳まれていない位置に拡張し、前記衝撃波が終了した後、折り畳まれた位置に戻るように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記カテーテル本体は、前記折り目と前記カテーテル本体の前記遠位端との間の振動区分と、前記折り目において終端する前記カテーテル本体の近位端上に位置する静止区分とを備え、前記振動区分は、前記折り目が前記折り畳まれていない位置に拡張するにつれて、前方方向に移動し、前記折り目が前記折り畳まれた位置に戻ると、後方に戻るように構成されている、請求項17に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記衝撃波源は、
前記カテーテル内に搭載された円筒形内側伝導性シースであって、前記円筒形内側伝導性シースは、遠位側縁を有する、内側伝導性シースと、
前記カテーテル内で前記内側伝導性シースの周囲に円周方向に搭載された円筒形外側伝導性シースであって、前記円筒形外側伝導性シースは、前記内側伝導性シースの前記遠位側縁の近位に遠位側縁を有する、外側伝導性シースと、
前記外側伝導性シースと前記内側伝導性シースとの間で前記カテーテル内に搭載された絶縁シースと
を備え、
電圧パルスが前記内側伝導性シースおよび前記外側伝導性シースを横断して印加されると、電流が、前記内側伝導性シースと前記外側伝導性シースとの間のアーク放電領域を横断して流動し、衝撃波を発生させる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記衝撃波源は、
前記カテーテル内に搭載された円筒形伝導性シースであって、前記伝導性シースは、遠位側縁を有する、伝導性シースと、
前記伝導性シース内に円周方向に搭載された絶縁シースであって、前記絶縁シースは、前記伝導性シースの前記遠位側縁の近位に遠位側縁を有する、絶縁シースと、
前記絶縁シースの内側表面および前記絶縁シースの前記遠位側縁上に配置された平坦コイルと
を備え、
電圧パルスが前記平坦コイルおよび前記伝導性シースを横断して印加されると、電流が、前記平坦コイルと前記伝導性シースとの間のアーク放電領域において流動し、衝撃波を発生させる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項21】
身体管腔内の閉塞を治療する方法であって、前記方法は、
患者の身体管腔の中にカテーテルを導入することであって、前記カテーテルは、
遠位端を有するカテーテル本体であって、前記カテーテル本体は、流体で充填可能である、カテーテル本体と、
前記カテーテル本体の前記遠位端に接続されたインパクタであって、前記インパクタは、前記カテーテル本体の内側の近位端と前記カテーテル本体の外側の遠位端とを有する、インパクタと、
前記カテーテル本体内に衝撃波を発生させるように構成された衝撃波源と、
前記衝撃波源と前記カテーテル本体の前記遠位端との間で前記インパクタの前記近位端に結合された偏向器と、
を備えている、ことと、
前記インパクタの前記遠位端が前記閉塞に近接して位置付けられるように、前記身体管腔内で前記カテーテルを前進させることと、
前記偏向器に衝突する一連の衝撃波を発生させ、前記インパクタの前記遠位端が各発生させられた衝撃波に関する機械的力を前記閉塞に送達するように、前記インパクタと共に前記偏向器に前方方向に前進させることと
を含む、方法。
【請求項22】
前記インパクタの前記遠位端がさらなる治療領域に近接して位置付けられるように、前記身体管腔内でさらに遠くに前記カテーテルを前進させることと、
さらなる一連の衝撃波を発生させることと
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記カテーテルは、前記カテーテル本体の前記遠位端に結合されたテーパ状遠位先端を備え、前記方法は、
前記テーパ状遠位先端が治療領域に近接して位置付けられるように、前記身体管腔内でさらに遠くに前記カテーテルを前進させることと、
さらなる一連の衝撃波を発生させることと
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記カテーテル本体の前記遠位端が治療領域に近接して位置付けられるように、前記身体管腔内でさらに遠くに前記カテーテルを前進させることと、
さらなる一連の衝撃波を発生させることと
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記身体管腔は、患者の血管系における血管または患者の泌尿器系の尿管である、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記閉塞は、慢性完全閉塞(CTO)、円周カルシウム、または腎臓結石を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記流体は、伝導性流体であり、前記衝撃波源は、電極対を含み、前記一連の衝撃波を発生させることは、前記電極対を横断して高電圧パルスを印加することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記衝撃波源は、レーザを含み、前記一連の衝撃波を発生させることは、前記レーザを使用して、レーザ光の高エネルギーパルスを送達することを含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全内容が参照することによって本明細書に組み込まれる2021年10月5日に出願された米国仮出願第63/252,467号および2022年6月7日に出願された米国仮出願第63/349,995号の利益を主張する。
【0002】
(開示の分野)
本開示は、概して、医療デバイスおよび方法の分野に関し、より具体的に、血管または泌尿器管腔等の身体管腔内の閉塞を治療するためのカテーテルデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
本主題の発明は、概して、腎臓結石、脈管内の石灰化病変、部分的冠動脈閉塞、または慢性完全冠動脈閉塞等の身体管腔内の閉塞を治療し、管腔への流動を回復させるためのカテーテルに関する。
【0004】
脈管内の慢性完全閉塞(「CTO」)は、経皮的介入の「最後の未開拓領域」のままである。動脈が、血栓、プラーク、線維性プラーク、またはカルシウム沈着物で部分的または完全に塞がれると、閉塞を除去するための介入は、患者にとってはるかにリスクがあり、医師のためにはるかに複雑かつ時間のかかるものになる。治療されないままでいると、CTOは、心臓および末梢肢への血流を減らし、重篤な虚血および切断を引き起こし得る。
【0005】
典型的なCTO介入では、医師は、最初、軟質の細いガイドワイヤを血管に通し、閉塞エリアを穿刺し、血管の遠位真腔に達する。次いで、血管形成術バルーンが、ガイドワイヤ上で血管を辿って妨害物の場所まで給送され、石灰化プラークを減らすために、または破壊するために加圧されることができる。
【0006】
多種多様なカテーテルが、動脈疾患を治療するために開発されているが、殆どの商業的デバイスは、CTO治療に関して高い成功率をもたらさない。バルーンカテーテルのような経皮的冠動脈血管形成術または末梢血管形成術のための既存の治療システムは、CTOにおいて一般的な抵抗性の線維化および石灰化組織を横断するために不向きである。従来のガイドワイヤは、CTOの厚い線維性被膜を貫通することが困難であり、脈管の狭く蛇行性の領域をナビゲートするとき、血管壁に外傷を与えるリスクがあり得る。軟質のガイドワイヤを使用してCTOを貫通する試みは、座屈(例えば、内膜下通路または側副枝へのガイドワイヤの偏向)を引き起こし得、より堅いガイドワイヤは、完全閉塞に対して推し進められるとき、動脈壁を貫通することを回避するように非常に慎重に使用されなければならない。ガイドワイヤを用いた初期穿刺が成功する場合であっても、血管形成術バルーンのような拡張デバイスの設置は、慢性閉塞血管内では非常に困難であり得る。これは、CTOの治療を介入心臓専門医の長い学習曲線を要求する技術的に困難な手技にする。
【0007】
最近では、血管形成術バルーンの内側に衝撃波を発生させるための1つ以上の衝撃波源(例えば、電極対)を含むカテーテルが、開発されている。衝撃波デバイスは、音響波が、周辺脈管に害を及ぼすことなく、血管形成術バルーンの近傍の病変を砕くことができるので、石灰化病変を治療するために特に効果的であり得る。これらのデバイスでは、カテーテルが、それが病変の近位に来るまで、患者の脈管内でガイドワイヤの上を前進させられることができる。次いで、バルーンが、伝導性流体で膨張させられ、病変に接触し、高電圧パルスが、電極対を横断して印加されることによって、音響波を病変の中に導く衝撃波を生じさせる。病変が砕かれると、バルーンは、血管内でさらに拡張され、管腔内に改善された血流を生成することができる。脈管内のより堅く、横断することがより困難な閉塞を粉砕するために、衝撃波からの音響エネルギーを前方方向に導く取り組みが、行われている。前方発射設計の例は、米国特許第10,966,737号(特許文献1)および米国公開第2019/0388110号(特許文献2)(その両方は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に見出されることができる。
【0008】
衝撃波カテーテル設計は、冠動脈血管用途および末梢血管用途の両方において展開されているが、それらの設計であっても、脈管内の慢性部分または完全閉塞を横断することは困難である。
【0009】
CTOを治療するためのいくつかの現在利用可能なデバイスは、超音波、圧電結晶、または線形音響衝撃波源を使用し、慢性閉塞を粉砕するための機械的エネルギーを送達する。多くの場合、これらのデバイスは、脈管内の線維化および石灰化組織を穿孔するために、ガイドワイヤに沿って強い機械的振動を導く。しかしながら、これらのシステムは、動作するために嵩張る高価な発電機を要求し、振動の強度は、ガイドワイヤの制御を困難にし、治療中に血管壁に損傷を与えるリスクがあり得る。他のシステムは、ガイドワイヤの上を導入され得る機械的ハンマを使用し、機械的エネルギーを抵抗性のCTOに送達する。しかしながら、これらのシステムも、類似する問題に直面する。なおもさらなるシステムは、閉塞を崩壊させるために、ガイドワイヤに沿って高周波エネルギーを導く。しかしながら、高周波エネルギーは、血管内に熱およびプラズマを発生させ、そのようなシステムにおけるガイドワイヤは、血管壁を焼くことを回避するために、慎重に中心に置かれ、連続的に移動させられなければならない。
【0010】
これらの問題に加えて、CTOを治療するための多くの既存のシステムは、介入を完了するための複数のデバイス、例えば、閉塞を貫通するための1つのデバイス、および血管壁に近接する石灰化組織を修正するための別のデバイスを要求する。故に、高価な発電機、複数のデバイス、および血管への外傷の不必要なリスクを伴わずに、CTOを治療するために抵抗性の線維化および石灰化組織を貫通し得るデバイスに関する満たされていない必要性が、存在する。
【0011】
類似するデバイスが、身体の他の部分において形成される閉塞、例えば、尿管内の腎臓結石のために必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第10,966,737号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2019/0388110号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的は、患者の脈管内の狭窄病変または尿管内の腎臓結石等の身体管腔内の閉塞に直接機械的力を送達するためのインパクタを含むカテーテルにおいて実現される。いくつかの設計では、インパクタは、カテーテル本体の遠位端に結合され、カテーテル本体の外側に遠位先端を有する可撓性ガイドワイヤである。他の例では、インパクタは、ガイドワイヤを受け取るための管腔を有する可撓性中空部材である。インパクタの近位端は、カテーテル本体内で前方および後方にスライドするように構成された偏向器に結合される。衝撃波がカテーテル本体内で発生させられると、衝撃波は、偏向器に衝突し、偏向器に前方方向に前進させる。インパクタの遠位端は、偏向器と共に閉塞の中に駆動され、機械的力を閉塞に送達する。繰り返される衝撃波は、偏向器およびインパクタに振動させ、閉塞を破裂させ、管腔への流動を回復させる「ジャックハンマ効果」を生じさせる。
【0014】
例示的発明は、身体管腔内の閉塞を治療するためのカテーテルを提供する。カテーテルは、遠位端を有するカテーテル本体を含み、カテーテル本体は、流体で充填可能である。カテーテルは、カテーテル本体の遠位端に接続されたインパクタも含み、インパクタは、カテーテル本体の内側の近位端とカテーテル本体の外側の遠位端とを有する。カテーテルは、衝撃波を発生させるように構成された衝撃波源と、衝撃波源とカテーテル本体の遠位端との間でインパクタの近位端に結合された偏向器とも含む。衝撃波源が衝撃波を発生させると、衝撃波は、偏向器に衝突し、インパクタの遠位端が機械的力を閉塞に送達するように、インパクタと共に偏向器に前方方向に前進させる。
【0015】
身体管腔内の閉塞を治療するための例示的方法は、患者の身体管腔の中にカテーテルを導入することを含む。カテーテルは、遠位端を有するカテーテル本体を含み、カテーテル本体は、伝導性流体で充填可能である。カテーテルは、カテーテル本体の遠位端に接続されたインパクタも含み、インパクタは、カテーテル本体の内側の近位端とカテーテル本体の外側の遠位端とを有する。カテーテルは、カテーテル本体内で衝撃波を発生させるように構成された衝撃波源と、衝撃波源とカテーテル本体の遠位端との間でインパクタの近位端に結合された偏向器とをさらに含む。方法は、インパクタの遠位端が閉塞に近接して位置付けられるように、身体管腔内にカテーテルを前進させることも含む。方法は、衝撃波源を横断して高電圧パルスを印加し、衝撃波を発生させることも含む。衝撃波源が衝撃波を発生させると、衝撃波は、偏向器に衝突し、インパクタの遠位端が機械的力を閉塞に送達するように、インパクタと共に偏向器に前方方向に前進させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の例証的側面が、以下の図面の図を参照して、下で詳細に説明される。本明細書に開示される実施形態および図が、制限的ではなく、例証的と見なされるものであることを意図している。
【0017】
【
図1】
図1は、本開示の側面による血管内の狭窄病変を治療するために使用されているカテーテルの図示である。
【0018】
【
図2】
図2は、本開示の側面による身体管腔内の閉塞を治療するためのカテーテルの遠位端の図示である。
【0019】
【
図3】
図3は、本開示の側面による偏向器に衝突する衝撃波を発生させる
図2のカテーテルの遠位端の図示である。
【0020】
【
図4A】
図4Aは、本開示の側面による中空の細長いインパクタを有するカテーテルの図示である。
【0021】
【
図4B】
図4Bは、本開示の側面による除去可能ガイドワイヤがインパクタを通して挿入される
図4Aのカテーテルの図示である。
【0022】
【
図5A】
図5Aは、本開示の側面によるテーパ状遠位先端を有するカテーテルの遠位端の図示である。
【0023】
【
図5B】
図5Bは、本開示の側面による閉塞を貫通するためのスプラインを有するテーパ状遠位先端のレンダリングである。
【0024】
【
図5C】
図5Cは、本開示の側面による滑らかな外側表面を有するテーパ状遠位先端のレンダリングである。
【0025】
【
図6】
図6は、本開示の側面によるガイドワイヤの機械的振動を生じさせるために衝撃波を発生させる、カテーテルの図示である。
【0026】
【
図7】
図7は、本開示の側面による身体管腔内の閉塞を治療するためにカテーテルを使用する方法のフローチャートである。
【0027】
【
図8】
図8は、本開示の側面によるテーパ状遠位先端とベローズとを有するカテーテルの遠位端の図示である。
【0028】
【
図9A】
図9Aは、本開示の側面によるテーパ状遠位先端と同軸エミッタとを有するカテーテルの遠位端の図示である。
【0029】
【
図9B】
図9Bは、本開示の側面による例示的同軸エミッタ衝撃波源を示す。
【0030】
【
図10A】
図10Aは、本開示の側面による堅いテーパ状遠位先端と平坦ワイヤエミッタとを有するカテーテルの遠位端の図示である。
【0031】
【0032】
【0033】
【
図11A】
図11Aは、本開示の側面による身体管腔内の完全閉塞を治療するために使用されている
図10Aのカテーテルの図示である。
【0034】
【
図11B】
図11Bは、本開示の側面による身体管腔内の完全閉塞を粉砕するために使用されている
図10Aのカテーテルの図示である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の説明は、当業者が、本明細書に開示される種々の実施形態を作製および使用することを可能にするために提示される。具体的デバイス、技法、および用途の説明は、例としてのみ提供される。本明細書に説明される例の種々の修正が、当業者に容易に明らかであり、本明細書に説明される一般的原理は、種々の実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、他の例および用途に適用され得る。したがって、種々の実施形態およびその側面は、本明細書に説明され、示される例に限定されることを意図しておらず、請求項と一貫する範囲を与えられるものである。
【0036】
本開示は、概して、患者の脈管内のCTOまたは円周カルシウムまたは患者の尿管内の腎臓結石等の身体管腔内の閉塞を治療するためのカテーテルシステムに関する。本明細書に説明されるカテーテルは、身体管腔内の閉塞に直接機械的力を送達し、より堅く、横断することがより困難な石灰化病変およびCTOの治療を可能にするインパクタ要素を組み込む。本発明は、それが、閉塞を治療するために患者の身体管腔の中に進入されるカテーテル上に1つ以上の衝撃波源(例えば、電極対)を備え得る点において、既存の血管内砕石術システムに類似する。しかしながら、本発明のカテーテルは、カテーテル本体の遠位端に接続されたインパクタ(例えば、ガイドワイヤまたは可撓性中空部材等の衝撃部材)をさらに含む。インパクタは、カテーテル本体の内側の偏向器に結合された近位端と、閉塞に機械的に衝撃を与えるために適合されたカテーテル本体の外側の遠位端とを有する。衝撃波が、カテーテル本体の内側の衝撃波源において発生させられると、衝撃波エネルギーの少なくとも一部は、偏向器に衝突し、それをインパクタと共に前方に前進させる。偏向器が、カテーテル本体内で前方に前進すると、インパクタの遠位先端は、身体管腔内で前方に前進し、機械的力を閉塞に直接送達する。カテーテル本体の遠位端は、インパクタが衝撃波に応答して前方に前進することを可能にする可撓性材料特性を有する。衝撃波が、終了すると、遠位端の材料特性は、インパクタおよび偏向器にカテーテル本体内のそれらの元の位置に後方に戻らせる。いくつかの例では、偏向器は、中心軸に沿った前方および後方移動を可能にしながら、カテーテル本体のほぼ中心軸に偏向器およびインパクタを維持する中心位置調整機構に結合されている。
【0037】
繰り返される衝撃波を発生させることは、偏向器にカテーテル本体の内側で振動させる。偏向器は、機械的エネルギーをインパクタに伝達し、インパクタの遠位先端において振動を引き起こし、身体管腔から閉塞を一掃するための振動する「ジャックハンマ効果」を生じさせる。有利なこととして、直接的な機械的力を閉塞に送達するインパクタ要素を組み込むことは、カテーテルが、従来的な血管形成術方法を通して治療することが困難である石灰化および線維化組織およびCTO等の身体管腔内の抵抗性かつ線維性領域を穿刺および横断することを可能にする。これは、カテーテルが、部分的または完全に塞がれるそれら等の身体管腔のさらにより堅い領域の中に前進し、それらを治療することを可能にし、管腔への正常な流動を回復させる。
【0038】
偏向器に衝突し、インパクタにおいて振動を生じさせることに加えて、衝撃波エネルギーの少なくとも一部は、カテーテルに対して横の方向に伝送され得る(例えば、伝搬させられ、および/または偏向器によって偏向させられる)。この横方向衝撃波エネルギーは、カテーテル本体の壁を通して伝搬し、管腔の壁上に形成されている石灰化領域等のカテーテル本体の近位の身体管腔の領域を治療する。インパクタの前方に導かれるジャックハンマと組み合わせられると、この横方向衝撃波エネルギーは、カテーテルが、閉塞血管のより大きいエリア(例えば、カテーテルの遠位の完全閉塞およびカテーテルを包囲する石灰化組織の両方)を連続的に治療することを可能にし、閉塞身体管腔の治療中の複数のデバイスに関する必要性を減らし得る。完全閉塞が崩壊させられる(例えば、カテーテル本体の遠位端の進入のための空間を提供するためにインパクタによって貫通される)と、カテーテルは、身体管腔の中にさらに前進させられ得、衝撃波治療が、カテーテルを包囲する石灰化組織を減らすために継続されることができる。
【0039】
図1は、身体管腔内の閉塞を治療するための例示的カテーテル10を図示する。カテーテル10は、カテーテル本体12の遠位端14に接続された除去可能ガイドワイヤ20または細長いインパクタ18を使用して、
図1に描写される狭窄病変等の患者の脈管内の閉塞の中に導入されることができる。治療中、カテーテル本体12は、インパクタ18の遠位先端が、閉塞に対して隣接するまで、および/またはカテーテル本体12の遠位端14が、管腔の石灰化領域に近接して位置付けられるまで、管腔内で前進させられる。いくつかの例では、カテーテル本体12は、カテーテルが、身体管腔内の閉塞の部位までカテーテル10を操縦するために、捩られ、湾曲させられ、物理的に操作され得るように、コンプライアント材料特性を有する。
【0040】
カテーテル本体12の遠位端14は、細長いインパクタ18(ガイドワイヤの一部、またはガイドワイヤ(例えば、除去可能ガイドワイヤ20)を受け取るようにサイズを決定された管腔を伴う中空の細長い部材等)に接続される。遠位端14は、衝撃波が、カテーテル本体12の壁によって画定される閉鎖系内で生じさせられるように、衝撃波源16を包囲する。衝撃波源16は、複数のエミッタ(例えば、電極対)において衝撃波を発生させ、カテーテル本体12の遠位端14を通して伝搬する音響波を生じさせる。いくつかの例では、電極対は、露出させられた部分(例えば、ワイヤの露出させられた遠位先端または絶縁体除去部分)を有する1つ以上の絶縁ワイヤと、カテーテル本体12内に搭載され、ワイヤの露出させられた部分を包囲する1つ以上の伝導性エミッタバンド(例えば、伝導性金属シース)とから形成され得る。電極対は、カテーテル10の遠位端14の直径を減らし、
図1に描写されるCTO(すなわち、狭窄病変)のようなより堅く、横断することがより困難な病変の治療を可能にする薄型外形構成において配置され得る。いくつかの例では、電極対は、内側伝導性シースの周囲に円周方向に、かつ内側伝導性シースと同心で搭載された外側伝導性シースから形成されることができ、各々は、カテーテル本体12内に搭載される絶縁ワイヤに接続されている。代替として、電極対は、伝導性シース内に配置された平坦コイルから形成され得、平坦コイルおよび伝導性シースの両方は、各々、絶縁ワイヤに接続され、カテーテル本体12内に搭載される。
【0041】
例示的カテーテル10は、治療中に患者の身体管腔の外側に留まる近位端22またはハンドルも含む。近位端22は、伝導性流体でカテーテル本体14を充填および空にする(例えば、膨張および収縮させる)ための流体ポート26を含む。電気接続ポート24も、カテーテル10の近位端22上に配置され、衝撃波源16と
図1に示される発電機等の外部パルス高電圧源28との間の電気接続を提供する。いくつかの例では、近位端22は、除去可能ガイドワイヤ20(例えば、閉塞に衝撃を与えるインパクタ18に加えて、身体管腔の中へのカテーテルの挿入および前進を支援するためのさらなるガイドワイヤ)を受け取るための進入ポートを含む。
【0042】
カテーテル10は、近位端22(すなわち、ハンドル)と遠位端14(すなわち、衝撃波源16を格納し、インパクタ18に結合されたカテーテル本体12の端部)との間に延びているカテーテル本体12(例えば、可撓性中空シャフト)も含む。ある場合、1つ以上の絶縁ワイヤが、カテーテル本体12の長さに沿って延び、高電圧源28と衝撃波源16の1つ以上の電極対との間の接続を提供する。いくつかの例では、カテーテル本体12の少なくとも一部は、遠位端14の要素をカテーテルの近位端ハンドル22と接続する、内部導管を含む。例えば、1つ以上のワイヤ管腔が、パルス高電圧源28を遠位衝撃波源16の電極と電気的に接続する絶縁ワイヤを運ぶために提供され得、および/または、1つ以上の流体管腔(例えば、流体入口管腔および流体出口管腔)が、流体ポート26からカテーテル本体12の遠位端14に伝導性流体を搬送するために提供され得る。いくつかの例、例えば、カテーテル10が除去可能ガイドワイヤを使用して挿入される例では、カテーテル本体12および/またはインパクタ18は、ガイドワイヤを受け取るようにサイズを決定されたガイドワイヤ管腔を含み得る。
【0043】
図2-3は、
図1に関連して説明されるカテーテル等の身体管腔内の閉塞を治療するための例示的カテーテルを図示する。
図2は、カテーテルの遠位部分の断面図を提供する。
図3は、カテーテルが身体管腔内の閉塞を治療するために衝撃波を発生させている間のカテーテルの遠位部分の断面図を提供する。
【0044】
図2を参照すると、カテーテル100は、カテーテル本体120と、可撓性インパクタ130と、偏向器140と、中心位置調整機構150と、衝撃波源160とを含む。インパクタ130は、シール125でカテーテル本体120の遠位端124にシールされ、カテーテル本体120の内側の近位端132と、カテーテル本体120の外側に留まる遠位端134とを含み、遠位端134は、身体管腔内の閉塞に衝撃を与えるための遠位先端135を有する。偏向器140は、インパクタ130の近位端132に結合され、衝撃波源160で発生させられた衝撃波が偏向器140の後部表面144に衝突するように、衝撃波源160とカテーテル本体120の遠位端124との間に配置されている。中心位置調整機構150は、偏向器140の近位端に結合され、カテーテル本体120内の偏向器140の振動する前方および後方移動を可能にしながら、カテーテル100の中心軸に沿って偏向器140およびインパクタ130を維持するように適合される。中心位置調整機構は、カテーテル本体120内に搭載されたシリンダ152と、シリンダ152内でスライドするように構成されたシャフト154とを含む。1つ以上の衝撃波源160、例えば、1つ以上の電極対が、カテーテル本体120内に衝撃波を発生させ、インパクタ130の遠位先端135を閉塞の中に前進させる。いくつかの例では、
図2-3に見られるように、衝撃波源160は、カテーテル内に搭載された伝導性エミッタバンド162と、カテーテル100の長さに沿って延びている1つ以上の絶縁ワイヤ(例えば、第1の絶縁ワイヤ164および第2の絶縁ワイヤ166)とを含む。
【0045】
カテーテル本体120は、近位端(図示せず)と、遠位端124とを有する中空の細長いシャフトである。本明細書に使用されるように、カテーテル本体120の近位端は、カテーテル100が使用されているときに医師に最も近い端部を指し、遠位端124は、身体管腔内の治療部位、例えば、血管内の閉塞または石灰化プラークの領域または尿管内の腎臓結石に近接して位置付けられ、管腔の外側からカテーテル100を制御する医師から最も遠いカテーテル本体120の端部を指す。いくつかの例では、カテーテル本体120の近位端は、カテーテル100のハンドル、例えば、
図1に示されるハンドルを含む。
【0046】
カテーテル本体120の壁は、衝撃波源160を包囲し、生理食塩水等の伝導性流体で充填可能である空洞を画定する。伝導性流体は、電流が衝撃波源160の電極を横断して流動することを可能にし、衝撃波が衝撃波源160から偏向器140に、かつカテーテル本体120の壁を通して伝搬することを可能にする。いくつかの実施形態では、伝導性流体は、使用中のカテーテル100の蛍光透視視認を可能にするために、X線造影剤も含み得る。流体は、流体入口ラインおよび流体戻りライン(図示せず)を介して、それぞれ、カテーテル本体120の内外に流動させられ得る。流体入口ラインは、カテーテル本体120の中に流体を流動させるカテーテル本体120の近位端に位置付けられた流体入口を含み得る。流体戻りラインは、カテーテル本体120の遠位端124の近傍に位置付けられた流体入口を含み得、流体入口は、カテーテル本体120の内部容積から伝導性流体を引き込む。このように、流体入口ラインおよび流体戻りラインは、カテーテル本体120の内部容積内で伝導性流体を循環させる。伝導性流体の循環は、衝撃波源160によって生成される気泡および破片が、先端内の限定された空間に起因して、カテーテル本体120の遠位端124内に閉じ込められた状態になることを防止し得る。さらに、伝導性流体の循環は、カテーテル100および治療部位を冷却することを支援し得る。
【0047】
カテーテル本体120の遠位端124(例えば、カテーテル本体の少なくとも最遠位の10mm~20mm部分)は、Pebaxまたはポリウレタン等の可撓性材料から形成される。遠位端124の可撓性材料は、インパクタ130が、衝撃波の発生に応答して前方方向に前進することを可能にし、衝撃波が終了した後、インパクタ130に後方に戻らせる。遠位端124の可撓性材料は、遠位端124が、偏向器140およびインパクタ130の軸方向移動に応答して伸びることまたは縮むことを可能にするコンプライアントまたは半コンプライアント材料特性を有する。いくつかの実施形態では、カテーテル本体120の遠位端124は、インパクタ130の前進を可能にし、インパクタ130の後方移動をもたらすために、遠位端124の伸びおよび縮みを促進する特徴、例えば、隆起または突出特徴を伴って成形される。
【0048】
カテーテル本体120(例えば、カテーテル本体120の近位端)は、任意の所望の材料、例えば、Pebaxまたはポリウレタン等の薄型外形可撓性または半コンプライアントポリマー材料から形成され得る。遠位端124は、カテーテル本体120に一体的であり、同じ材料から形成され得るか、または、異なる材料から形成され、例えば、レーザ接合または熱シールを用いて、カテーテル本体120の残りの部分に取り付けられ得る。いくつかの例では、カテーテル本体120(例えば、カテーテル本体120の近位端)は、堅い材料から形成され、カテーテル本体の遠位端124は、比較的により可撓性の材料から形成される。
【0049】
いくつかの例では、例えば、カテーテル本体120に近接し、それを包囲する身体管腔の領域の治療を促進するために、カテーテル本体の少なくとも一部は、カテーテル本体120の直径を増加させるために膨張可能である可撓性材料から形成される。例えば、カテーテル本体120の少なくとも遠位端124は、膨張可能材料から形成され得る。そのような例では、カテーテル本体120は、膨張状態において、遠位端124が身体管腔の周辺壁に接触し、衝撃波源160とカテーテル本体の壁との間に空間を提供するように、伝導性流体で膨張させられることができる。カテーテル本体120は、約1気圧~約6気圧であり得る所望の圧力まで膨張させられ得る。いくつかの例では、膨張状態におけるカテーテル本体120の直径(例えば、カテーテル本体120の可撓性または半コンプライアント遠位端124の直径)は、しぼんだ状態におけるカテーテル本体120の直径を約10~15%上回り得る。しかしながら、いくつかの例では、膨張状態におけるカテーテル本体120の直径は、しぼんだ状態におけるカテーテル本体120の直径を10%未満上回る、またはしぼんだ状態および膨張状態の両方においてほぼ等しい直径を有する。
【0050】
身体管腔へのまたはそれからのカテーテル100の挿入または除去に先立って、遠位端124は、身体管腔を通したカテーテル本体120の通過を促進するために、しぼませられることができる。加えて、または代替として、カテーテル本体120は、伝導性流体で充填されるときに膨張しない堅いまたは半コンプライアントのポリマー等の堅い材料から形成され得る。
【0051】
カテーテル本体120の遠位端124は、衝撃波が遠位端124の壁によって画定される閉鎖系内で生じさせられるように、衝撃波発生器160を包囲する。故に、遠位端124の可撓性材料は、カテーテル本体120の表面を通し、カテーテル本体120の表面に近接して位置する身体管腔の領域の中への音響エネルギーの伝送を可能にする。いくつかの例では、カテーテル本体120および/または遠位端124は、衝撃波治療中に衝撃波源160によって発生させられた熱によって引き起こされる材料の偶発的な破裂を防止するように適合された耐熱性材料から形成される。
【0052】
カテーテル本体120の遠位端124は、インパクタ130に接続され、インパクタ130の近位端132の少なくとも一部を包囲する。カテーテル本体120の遠位端124は、シール125、例えば、レーザ接合、熱シール、または接着剤でインパクタ130に接続される。別の例では、シール125は、細長いインパクタ130より小さい直径を有するカテーテル本体120の遠位端124の弾性材料内の孔から形成され、それによって、孔が、インパクタ130の外周を圧縮し、遠位端124と接続してインパクタ130を保持する。他の例では、孔は、遠位端124と接続してインパクタ130を緩く保持するようにサイズを決定され得る。遠位端124およびインパクタ130を接続する他の手段も、予想される。
【0053】
本明細書に使用されるように、インパクタ130は、機械的力を閉塞に直接送達するために、身体管腔内の閉塞に衝撃を与えるために適合された細長い可撓性シャフト状部材である。いくつかの例では、インパクタ130は、金属ガイドワイヤまたはガイドワイヤの一部である。他の例では、インパクタ130は、ガイドワイヤ(例えば、
図1の除去可能ガイドワイヤ20)を受け取るように閉鎖系内で生じサイズを決定された管腔を有する中空管様部材である。インパクタ130は、カテーテル本体120の内側の近位端132と、遠位先端135を含むカテーテル本体120の外側の(例えば、カテーテル本体120の外部であるが、身体管腔の内側の)遠位端134とを含む。インパクタ130の遠位端134は、インパクタ130とカテーテル本体120の遠位端124との間のシール125の遠位にあるインパクタ130の部分を指し、インパクタ130の近位端132は、偏向器130と遠位端124との間のシール125の近位にある部分を指す。
【0054】
インパクタ130の近位端132は、偏向器140において終端し得る。しかしながら、代替として、近位端132は、偏向器140を通過し、中心位置調整機構150において(すなわち、中心位置調整機構150のシャフト154が、インパクタ130の近位端132を含むように)終端し得る。なおさらなる例では、インパクタ130の近位端132は、カテーテル本体120のシャフトを通して延び、ある場合、身体管腔の外部のカテーテル100の近位端ハンドル(例えば、
図1に描写されるハンドル22等のカテーテルの前進および使用中に医師によって制御されるハンドル)まで延びている。
【0055】
インパクタ130の遠位端134は、カテーテル本体120の外側に留まり、身体管腔内の閉塞に機械的力を送達し、閉塞を破裂させ、一掃するように適合される、遠位先端135を含む。いくつかの例では、インパクタ130の遠位端134は、30mm~50mmであるが、しかしながら、より短いおよびより長いインパクタも、予想される。
【0056】
可撓性インパクタ130は、狭い蛇行したまたは湾曲した血管または尿管等の身体管腔を通したカテーテル100の前進を促進する材料特性を有する。可撓性インパクタ130の材料特性は、衝撃波によって病変の中に駆動されるとき、CTO被膜等の石灰化病変を穿刺するために十分に堅い。インパクタ130の材料特性はまた、管腔壁の軟質組織を損傷させることなく、管腔を通して前進するために十分にコンプライアントである(すなわち、インパクタ130の材料特性は、インパクタ130が、身体管腔を通してナビゲートするために、捩れ、湾曲し、屈曲することを可能にし得る)。インパクタ130の材料は、例えば、金属(例えば、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、またはそれらの合金)を含み得る。他の例では、インパクタ130の材料は、堅いまたは耐熱性のポリマー、例えば、テフロン(登録商標)、パリレン、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、またはULTEM(ポリエーテルイミド:PEI)を含み得る。いくつかの例では、インパクタ130の遠位先端135は、インパクタ130の残りの部分より堅い材料(例えば、インパクタ130の遠位端134または近位端132の材料より堅い材料)から形成される。いくつかの例では、インパクタの遠位先端135は、CTO等の閉塞の厚い線維性被膜を貫通するために適合された穿刺特徴を含む。
【0057】
図2-3は、1つの例示的カテーテル100の遠位端およびインパクタ130を図示するが、例示的カテーテルは、遠位端の近傍に追加のまたは代替の衝撃特徴を伴って設計され得る。例えば、
図4A-4Bは、別の例示的カテーテル400を図示し、インパクタ430は、除去可能ガイドワイヤ490を受け取るための縦方向チャネル(例えば、ガイドワイヤ管腔)を有する中空の細長い可撓性部材である。
図4Aは、中空の細長いインパクタ430を有する例示的カテーテル400を示し、
図4Bは、(例えば、カテーテル400の挿入および前進および/またはカテーテル400の除去および二次デバイスの挿入を支援するために)除去可能ガイドワイヤ490がインパクタのガイドワイヤ管腔に通されたカテーテル400を示す。
【0058】
図4Aに示されるように、インパクタ430は、インパクタ430が、湾曲した複雑な身体管腔を通してナビゲートし得るように、曲げ可能または除去可能である細長い中空部材であり得る。インパクタ430は、例えば、レーザ切断金属管(例えば、レーザ切断ステンレス鋼またはニチノール管)または中実金属管を含み得るが、代替として、コンプライアントまたは半コンプライアントポリマーから形成され得る。インパクタ430を通して延びているガイドワイヤ管腔は、従来のガイドワイヤを受け取るようにサイズを決定される。そのような例では、中心位置調整機構450(例えば、
図2-3を参照して説明される中心位置調整機構150)のシャフト454も、ガイドワイヤを受け取るようにサイズを決定されるチャネル(例えば、ガイドワイヤ管腔)を含み得る。中心位置調整機構450はまた、シャフト454およびインパクタ430の中空ガイドワイヤ管腔を通したカテーテル本体420からの流体の漏出を防止するために、シャフト454とシリンダ452との間で外向きに突出するOリングを含み得る。
【0059】
図5A-5Cに見られるように、例示的カテーテル500はまた、カテーテル本体520の遠位端524に結合され、インパクタ530の一部を包囲するテーパ状遠位先端570を含み得る。テーパ状遠位先端570は、偏向器540およびインパクタ530と共に振動し、すなわち、カテーテル本体520内の衝撃波の発生に応答して前方に前進することによって、機械的力を閉塞に送達し、カテーテル本体の遠位端524の可撓性材料特性に起因して後方に前進するように構成される。
図5Aは、カテーテル本体の遠位端に結合されたテーパ状遠位先端570を含む例示的カテーテル500の遠位端を示す。
図5Bおよび5Cは、例示的カテーテル設計に含まれ得るテーパ状遠位先端570の2つの例のレンダリングを提供する。
【0060】
図5A-5Cに示されるように、例示的テーパ状遠位先端570は、カテーテル本体520の遠位端524とインパクタ530との間でテーパ状である外側表面を伴う実質的に円錐形の形状を有し得る。テーパ状遠位先端570は、インパクタ530に適合するようにサイズを決定されたチャネル(例えば、インパクタ管腔)も含み、それによって、インパクタは、遠位先端570を通過し、遠位先端570に接続される。テーパ状遠位先端570は、カテーテル本体524の可撓性および/または膨張可能遠位端より比較的に堅い材料から形成され得る。例えば、テーパ状遠位先端570は、半コンプライアントポリマーまたは堅いポリマーから形成され得る。テーパ状遠位先端570は、例えば、レーザ接合または熱シールを用いて、カテーテル本体524および/またはインパクタ530の遠位端に結合され得る。
図5A-5Bに見られるように、テーパ状遠位先端570は、CTOの堅い被膜等の身体管腔内の閉塞の穿刺および横断を促進するために、貫通特徴572も含み得る。貫通特徴572は、例えば、テーパ状遠位先端570の外側表面に沿って延びている縦方向スプライン(例えば、隆起)を含み得る。貫通特徴572は、比較的により小さい表面積のエリアで閉塞にテーパ状遠位先端570に衝撃を与えさせ、滑らかな外側表面を伴う遠位先端と比較して、閉塞に対して比較的に増加された機械的力をもたらし得る。他の例では、
図5Cに見られるように、テーパ状遠位先端570の外側表面は、滑らかであり得る。
【0061】
図2-3に再び目を向けると、例示的カテーテル100は、インパクタ130の近位端132に結合された偏向器140も含む。偏向器140は、衝撃波源160とカテーテル本体122の遠位端124との間に配置され、前部表面142と、後部表面144とを含む。
図2-3に見られるように、偏向器140の前部表面142は、カテーテル本体120の遠位端124に面し、インパクタ130に結合されている一方、偏向器140の後部表面144は、衝撃波源160に面し、中心位置調整機構150のシャフト154に結合されている。衝撃波源160が、衝撃波を発生させると、衝撃波の少なくとも一部は、偏向器140の後部表面144に衝突し、偏向器140をインパクタ130と共に前方方向に(言い換えると、カテーテル本体120の遠位端124に向かって)前進させる。いくつかの例では、衝撃波源160が、衝撃波を発生させると、偏向器140は、50μm~100μm前進する。しかしながら、他の例では、偏向器140は、衝撃波の発生に応答してより長いまたはより短い距離、例えば、100μm~200μm、200μm~500μm、または50μm未満、またはこれらの範囲内の距離の増分および勾配で前進するように構成される。
【0062】
偏向器140は、カテーテル本体120の壁に向かってカテーテル100の縦方向軸から半径方向に外向きに突出する(例えば、インパクタ130および/またはシャフト154から外向きに突出する)。偏向器は、カテーテル本体120の遠位端124に向かって面する遠位前部表面142と、カテーテル本体120の近位端に向かって面する近位後部表面144とを含む。偏向器140は、
図2-3に見られるように、略ディスク形であり得るか、または、略円筒形形状を有し得、前部表面142および後部表面144が、偏向器140の周囲の円周縁において接合されている。いくつかの例では、偏向器140の前部表面142は、湾曲し、または非線形であり、例えば、凸状湾曲形状を有する。いくつかの例では、偏向器140の前部表面142または後部表面144は、偏向器140の前方前進によって引き起こされる抗力を減らすように(言い換えると、偏向器140がカテーテル120内の伝導性流体中で振動するときの流体抵抗を減らすように)成形される。偏向器140の後部表面144も、湾曲するか、または、非線形であり、例えば、凹状湾曲形状を有し得る。偏向器140の直径は、カテーテル本体120の直径にほぼ等しくあり得る。しかしながら、他の例では、偏向器140の直径は、偏向器140の外周とカテーテル本体120の壁との間の間隙(言い換えると、偏向器140がカテーテル本体120内で前方および後方に振動するとき、流体が流動し得る間隙)を提供するように、カテーテル本体120の直径未満である。
【0063】
図6は、カテーテル本体620内の衝撃波源660によって発生させられる衝撃波を偏向させる偏向器640を示す例示的カテーテル600の遠位端の斜視断面図を提供する。
図6に見られるように、衝撃波源660が、衝撃波を発生させると、衝撃波の少なくとも一部は、偏向器640の後部表面644に衝突する。偏向器640の後部表面644に衝突する衝撃波の少なくとも一部は、カテーテル600に対して横の方向に、言い換えると、カテーテル本体620の中心軸に直交する方向に偏向させられる。そのような例では、初期衝撃波は、前方方向に導かれ得る一方、偏向させられた衝撃波は、カテーテル600に対して横の方向に偏向させられ得る。偏向させられた衝撃波エネルギーは、伝導性流体を通して、かつカテーテル本体620の遠位端624の壁を通して伝搬し、カテーテル本体620を包囲する身体管腔の石灰化領域を治療するための音響エネルギーを送達し得る。
【0064】
いずれかの目的に導かれる衝撃波エネルギーの割合(すなわち、カテーテル本体620に対して横の方向に偏向させられる衝撃波エネルギーの大きさと比較した、偏向器640を前方方向に前進させる衝撃波エネルギーの大きさ)は、偏向器640とインパクタ630との間の偏向器角度646によって決定され得る。
図6に示されるように、偏向器角度646は、カテーテル600の縦方向軸(カテーテル本体620の軸方向中心、インパクタ630の近位端632、またはシャフト654を通過する中心縦方向軸として理解され得る)と偏向器640の後部表面644との間の角度である。ある場合、例えば、偏向器640の後部表面644が、非線形であるとき、偏向器角度646は、カテーテル本体620の縦方向軸と偏向器640の後部表面644の線形近似との間の角度である。偏向器角度646は、インパクタ630の前方前進またはカテーテル本体620の壁を通した音響波の伝送のいずれかを通して治療の所望の大きさを提供するように選択され得る。より具体的に、偏向器角度646は、インパクタ630を前進させることに対して導かれる衝撃波エネルギー(すなわち、前方衝撃波エネルギー)の第1の所望の割合およびカテーテル本体620に対して横の方向に導かれる衝撃波エネルギー(すなわち、横方向衝撃波エネルギー)の第2の所望の割合を提供するように選択され得る。例えば、90度の偏向器角度646の(すなわち、偏向器640の後部表面644が、カテーテル本体620の縦方向軸に対して90度の角度で突出する)実施形態は、最大量の衝撃波エネルギーがインパクタ630を前進させることに対して導かれる結果(すなわち、側方に導かれるエネルギーを殆どまたは全く伴わない最大量の前方に導かれる衝撃波エネルギー)をもたらすであろう。約135度の偏向器角度646の(すなわち、偏向器640の後部表面644が、カテーテル本体620の縦方向軸に対して鈍角の135度の角度で突出する)実施形態は、最大量の衝撃波エネルギーがカテーテルに対して横の方向に導かれる結果(すなわち、最大量の横方向衝撃波エネルギー)をもたらし得る。いくつかの例では、偏向器640とインパクタ630との間の偏向器角度646は、90度~180度であるか、または、本範囲内の角度の増分または勾配にある。さらなる例では、偏向器640とインパクタ630との間の偏向器角度646は、120度~150度である。なおさらなる例では、偏向器640とインパクタ630との間の偏向器角度646は、約135度である。
【0065】
偏向器640は、任意の所望の材料から形成され得るが、より好ましくは、音響音波を反射する材料から形成される。例えば、偏向器640は、PEEK(ポリエーテルエステルケトン)またはULTEM(ポリエーテルイミド:PEO)またはそれらのある組み合わせのような堅いおよび/または耐熱ポリマー材料、金属、またはある他の堅いまたは半剛体材料等の堅い材料を含み得る。いくつかの例では、偏向器640は、可撓性インパクタ630または中心位置調整機構650のシャフト654と同じ材料から形成される。しかしながら、他の例では、偏向器640は、異なる材料から形成され、例えば、インパクタ630および/またはシャフト654にレーザ接合または熱シールされ得る。
【0066】
図2-3に再び目を向けると、いくつかの例では、カテーテル100は、偏向器140の前方および後方軸方向運動を可能にしながら、カテーテル本体120のほぼ軸方向中心に(すなわち、カテーテルの縦方向軸に沿って)インパクタ130の近位端132および偏向器140を維持するように構成された中心位置調整機構150を含む。中心位置調整機構150は、カテーテル本体内に搭載されたシリンダ152と、偏向器140の近位端に搭載されたシャフト154とから形成され、シャフト154は、シリンダ152内でスライドするように構成され得る。衝撃波源160が、衝撃波を発生させると、シャフト154は、偏向器140およびインパクタ130と共にシリンダ152内で前方にスライドする。シャフト154は、随意に、スペーサ156を含み、スペーサ156は、シャフト154とシリンダ152の壁との間で外向きに突出し、カテーテル本体120の中心軸に沿ったシャフト154の前方および後方移動を可能にしながら、シリンダ152のほぼ軸方向中心にシャフト154を保持する。
【0067】
シリンダ152は、任意の所望の場所においてカテーテル本体120内に搭載され得る。例えば、
図2-3に見られるように、シリンダ152は、カテーテル本体120のほぼ中心軸に沿って偏向器140の近位に搭載され得る。しかしながら、他の例では、シリンダ152は、偏向器140の遠位に搭載され得、言い換えると、偏向器140と遠位端124との間でカテーテル本体120内に搭載され得る。いくつかの例では、シリンダ152は、シリンダ152が、カテーテル本体120の縦方向軸と同心ではないように、オフセット位置に搭載される。いくつかの例では、シリンダ152は、1つ以上の絶縁ワイヤ(例えば、第1の絶縁ワイヤ164および第2の絶縁ワイヤ166)の間に搭載され、随意に、絶縁ワイヤのうちの1つ以上に結合され得る。いくつかの例では、カテーテル本体120は、カテーテル本体120の長さに沿って延びている1つ以上の管腔を具備し、中心位置調整機構150は、カテーテル本体120の管腔内でスライドするように構成されたシャフト152を含む。
【0068】
シャフト154は、略円筒形であり、偏向器140の後部表面144から、カテーテル本体120の縦方向軸に略平行に延びている。いくつかの例では、インパクタ130の近位端132は、中心位置調整機構150のシャフト154を形成する。その点で、インパクタ130の長さは、偏向器140を通過し、シリンダ152内でスライドするシャフト154を提供し得る。他の例では、シャフト154は、例えば、レーザ接合、熱シール、接着剤、またはある他の取り付けを介して、偏向器140に結合され得る。いくつかの例では、
図2-3に見られるように、シャフト154は、偏向器140の後部表面144の近位にある。しかしながら、他の例では、シャフト154は、偏向器140とカテーテル本体120の遠位端124との間に配置される(すなわち、偏向器140の前部表面142に結合されるか、または、偏向器140とカテーテル本体120の遠位端124との間で偏向器140の遠位に延びているインパクタ130の一部を含む)。
【0069】
中心位置調整機構150のシャフト154は、シリンダ内で緩くスライドするようにサイズを決定され得る。例えば、シャフト154は、シリンダ152の直径にほぼ等しい直径またはわずかにシリンダ152の直径未満の直径を有し得、それは、それによって、シャフト154がシリンダ152内で前方および後方に前進する間、流体が流動し得るシャフト154とシリンダ152との間の間隙を提供することができる。加えて、または代替として、シャフト154は、シャフト154とシリンダ152の壁との間で外向きに突出するスペーサ156を含む。スペーサ156は、カテーテル本体120の中心軸に沿ったシャフト154の移動を可能にしながら、シリンダ152のほぼ中心にシャフト154を保持するように適合される。いくつかの例では、スペーサ156は、リング形状または平らな円筒形形状においてシャフト154から外向きに突出する。いくつかの例では、スペーサ156は、孔または切り抜きを含み、孔または切り抜きは、スペーサ156およびシャフト152がシリンダ152内で前方および後方に前進するとき、または言い換えると、衝撃波が発生させられ、偏向器140、シャフト154、およびスペーサ154をカテーテル本体120内で振動させるとき、流体がスペーサ156の周囲で流動することを可能にする。切り抜きは、スペーサ156の円周の周囲の等しい距離に位置付けられ得る。いくつかの例では、中心位置調整機構150は、2つ以上のスペーサ156を含む。
【0070】
カテーテル100は、カテーテル本体120の内側の伝導性流体中に衝撃波を発生させるように構成された衝撃波源160も含む。カテーテル本体120の遠位端124は、衝撃波源160で発生させられた衝撃波がカテーテル本体120の壁を通して伝搬し、遠位端124に近接する身体管腔の領域を治療するように、衝撃波源160を包囲する。衝撃波源160は、衝撃波源160が衝撃波を発生させると、衝撃波エネルギーの少なくとも一部が偏向器140に衝突するように、偏向器140の後部表面144の近位に位置付けられる。
【0071】
図3に見られるように、繰り返される衝撃波は、偏向器140にカテーテル本体内で前方および後方に振動させる。偏向器の軸方向振動は、取り付けられたインパクタ130において対応する軸方向(すなわち、前方および後方)振動を引き起こし、身体管腔内の閉塞を貫通し得る「ジャックハンマ」効果を生じさせる。カテーテル本体120の外側に留まるインパクタ130の遠位先端135は、衝撃波源160における繰り返される衝撃波に応答して振動し、閉塞をさらに崩壊させる。「ジャックハンマ」効果およびインパクタ130の遠位先端135の振動の組み合わせは、CTOの線維性被膜を貫通し、身体管腔の石灰化領域を修正し、身体管腔への流動を回復させることができる。
【0072】
いくつかの例では、衝撃波源160は、10Hz~100Hzの周波数における衝撃波を発生させ(すなわち、衝撃波は、10Hz~100Hzの繰り返し率で生じさせられる)、偏向器140を約10Hz~100Hzの周波数において振動させる。そのような例では、インパクタ130は、衝撃波に応答して10Hz~100Hzの周波数において振動または「ジャックハンマ」し得る。しかしながら、衝撃波は、例えば、病変のサイズ、石灰化の範囲、血管のサイズ、患者の属性、または治療の段階に応じて、より高いまたはより低い繰り返し率で発生させられ得る。
【0073】
本明細書に使用されるように、衝撃波源160は、1つ以上の電極対を含み、各電極対は、間隙によって分離された第1の電極と第2の電極とを含む。衝撃波は、対の第1および第2の電極を横断して高電圧パルスを印加することによって、衝撃波源160において発生させられることができる。各パルスは、最初、電極に近接するカテーテル本体120内の伝導性流体をイオン化する。ある時点で、プラズマアークが、電極対間の間隙を横断して形成され、電流が自由に流動する低インピーダンス経路を生成する。プラズマアークからの熱エネルギーは、伝導性流体を加熱し、急速に拡張する蒸気泡を生成する。蒸気泡の拡張は、カテーテル本体120の内側の伝導性流体を通して伝搬する音響衝撃波を生成する。
【0074】
電極対は、本譲受人の先行出願である米国公開第2019/0150960号に説明されるように、伝導性エミッタバンド(例えば、伝導性シースまたはリング電極)の側縁およびワイヤの伝導性部分から形成されることができる。ワイヤの伝導性部分は、ワイヤの遠位端の近傍の絶縁ワイヤの絶縁層の一部を除去し、ワイヤの導電性部分を露出させることによって形成されることができる。除去される部分の場所、サイズ、および形状は、衝撃波の場所、方向、および/または大きさを制御するために、変動し得る。いくつかの実施形態では、電極は、絶縁ワイヤの端部を切断し、導電性断面を露出させることによって形成され得る(すなわち、ワイヤの露出させられた遠位先端)。
【0075】
電極対は、カテーテル本体120の遠位端124の直径を減らし、CTOのようなよりきつく、横断することがより困難な病変の治療を可能にする薄型外形構成において配置され得る。いくつかの例では、衝撃波源160は、1つ以上の共面電極対、または、伝導性エミッタバンドによって少なくとも部分的に包囲された1つ以上の電極を含む。いくつかの実施形態では、丸形ワイヤではなく、平坦ワイヤが、電極アセンブリの横断外形をさらに減らすために使用される。
【0076】
本明細書の本譲受人は、CTO等の閉塞を治療するためのカテーテルにおける使用のために好適であり得るいくつかの薄型外形衝撃波電極を開発している。例えば、米国公開第2019/0150960号では、本譲受人は、外側電極が、伝導性シースによって形成され、内側電極が、絶縁ワイヤの伝導性部分(例えば、ワイヤの露出させられた遠位先端、またはワイヤから絶縁体の層を除去することから形成されたワイヤの絶縁体除去部分)によって形成された薄型外形電極アセンブリを開示している。内側電極は、所与の電流および電圧に関して再現可能なアークを可能にするために、伝導性シースの側縁から制御された距離で離れて設置される。
【0077】
より最近では、本譲受人は、カテーテルにおける使用のためのいくつかの共面電極アセンブリを開発している。種々の共面電極構成が、米国特許第8,888,788号、第10,966,737号、第10,555,744号、および米国公開第2019/0150960号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されている。これらの設計は、例えば、螺旋構造およびさねはぎ設計を有する電極対の新規の構成を提供し、同じ側方平面上のそれぞれの電極が、電極アセンブリの全体的厚さを限定する。これらのアセンブリは、きつく、通過することが困難な病変または完全閉塞脈管において衝撃波を発生させるために特に有利である。例えば、米国特許第9,993,292号および米国公開第2018/0098779号(参照することによって本明細書に組み込まれる)では、本譲受人は、管状構造の周囲に円周方向に位置付けられた種々の間隙で衝撃波を発生させるために、螺旋状に巻かれたワイヤから電極対を形成することを開示している。米国特許第10,555,744号(同様に参照することによって本明細書に組み込まれる)では、本譲受人は、電極対が、伝導性シース内の溝形切り抜きおよび溝形切り抜きの中に延びている共面舌形突出部から形成されたさねはぎ電極アセンブリを開示している。
【0078】
図2-3に再び目を向けると、例示的カテーテル100は、カテーテル100の長さに沿って延びている第1の絶縁ワイヤ164と、カテーテル100の長さに沿って延びている第2の絶縁ワイヤ166と、カテーテル100内に搭載された伝導性エミッタバンド162とを含む。第1および第2の絶縁ワイヤ164、166の各々は、絶縁ワイヤであり得、伝導性金属は、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、モリブデン、タングステン、またはそれらの組み合わせであり得る。第1および第2の絶縁ワイヤ164、166の各々は、電極対の第1の電極として機能する、ワイヤの露出させられた遠位先端等の非絶縁伝導性部分を含む。
【0079】
伝導性エミッタバンド162は、第1および第2の絶縁ワイヤ164、166の露出させられた遠位先端を包囲し、電極対の第2の電極として機能する。伝導性エミッタバンドは、カテーテル本体120の内部容積内に搭載され、ワイヤに接触することなく、2つの絶縁ワイヤ164、166の端部を包囲する。伝導性エミッタバンド162は、伝導性シリンダ、例えば、ステンレス鋼、タングステン、白金、イリジウム、またはそれらの合金を含む金属シリンダであり得る。いくつかの例では、エミッタバンド162は、実質的に前方の方向に(例えば、偏向器140の後部表面144およびカテーテル本体120の遠位端124に向かって)伝搬するように衝撃波の勢いをけるために、第1の絶縁ワイヤ164および第2の絶縁ワイヤ166の露出させられた遠位先端より遠位の位置においてカテーテル本体120内に搭載される。
【0080】
そのような例では、
図2-3に描写されるように、衝撃波源160は、各それぞれの対の電極が絶縁ワイヤ164、166の伝導性部分から形成された2つの電極対と、カテーテル本体120内に搭載された伝導性エミッタバンド162とを含む。より具体的に、衝撃波源160は、第1の電極対を含み、第1の電極対は、第1の絶縁ワイヤ164の露出させられた遠位先端から形成された第1の電極と、伝導性エミッタバンド162から形成された第2の電極とを含み得る。衝撃波源160は、第2の電極対をさらに含み、第2の電極対は、第2の絶縁ワイヤ166の露出させられた遠位先端から形成された第1の電極と、伝導性エミッタバンド162から形成された第2の電極とを含み得る。
【0081】
カテーテル100は、衝撃波源160を横断して高電圧パルスを送達するように構成された電圧源(例えば、
図1に描写される発電機28)も含む。高電圧パルスが第1の絶縁ワイヤ164および第2の絶縁ワイヤ166を横断して印加されると、電流が、第1の絶縁ワイヤ164の露出させられた遠位先端から伝導性エミッタバンド162に流動し、第1の電極対を横断して第1の衝撃波を発生させるように構成される。電流は、電導性エミッタバンド162から第2の絶縁ワイヤ166の露出させられた遠位先端に流動し、第2の電極対を横断して第2の衝撃波を発生させるようにさらに構成される。いくつかの例では、電圧源は、100V~3,000V、またはより具体的に、2,300V~3,000Vの電圧において高電圧パルスを送達するように構成される。さらなる実装では、電圧源は、100V~10,000Vの電圧において、およびその範囲内の電圧の増分または勾配において高電圧パルスを送達するように構成されることができる。さらに、電圧源は、所望の繰り返し率で、例えば、10Hz~100Hzの率で高電圧パルスを送達するように構成され得る。しかしながら、電圧源は、任意の所望の電圧および繰り返し率で衝撃波源160を横断して電圧パルスを送達するように構成されることができる。いくつかの例では、電圧源は、治療中に医師によって、所望されるとき、より高いまたはより低い電圧パルス、またはより高いまたはより低い繰り返し率の電圧パルスを送達するように制御され得る。例えば、医師は、低エネルギー衝撃波から開始し、治療中に必要に応じてエネルギーを増加させ得る。代替として、医師は、例えば、インパクタ130を用いて線維性CTO被膜を破断するために、高エネルギー衝撃波から開始し得、残りの治療中に必要に応じてエネルギーを減少させ得る。衝撃波の大きさは、パルス電圧源からのパルス電圧の電圧、電流、持続時間、および繰り返し率を制御することによって修正されることができる。衝撃波発生およびそれらの制御の物理学についてのさらなる情報が、米国特許第8,956,371号、第8,728,091号、第9,522,012号、および第10,226,265号(それらの各々は、参照することによって組み込まれる)に見出されることができる。
【0082】
いくつかの例では、カテーテル100は、伝導性エミッタバンド162と絶縁ワイヤ164、166の露出させられた遠位先端との間のカテーテル本体120内に搭載された絶縁シース(例えば、ポリイミド絶縁リング)を含む。絶縁シースは、伝導性エミッタバンド162と同心に、かつその内部に搭載され得、カテーテル本体120内の電極間の(例えば、絶縁ワイヤ164、166の伝導性部分と伝導性エミッタバンド162との間の)偶発的な電流流動および漏出を防止するように適合され得る。絶縁シースは、絶縁シースが、電流が伝導性エミッタバンド162と絶縁ワイヤ164、166の伝導性部分との間で流動するための経路を提供するように、それぞれの電極対の電極間に位置する孔を含み、経路は、絶縁シースの孔を通して流動し得る。
【0083】
電極対(例えば、伝導性エミッタバンド162および絶縁ワイヤ164、166)の設置および間隔は、より効果的な衝撃波治療を提供するように制御されることができる。例えば、衝撃波源160の電極対は、カテーテル100の周囲により均一に衝撃波を発生させるために、一貫した増分において、例えば、180度または90度離れて、カテーテル本体120の遠位端124の内側に円周方向に間隔を置かれ得る。例えば、
図2-3に示されるカテーテルは、第1の絶縁ワイヤ164と第2の絶縁ワイヤ166とを含むが、カテーテル100は、3つ以上のワイヤを有し得、電極の3つ以上の対で衝撃波を発生させるように構成され得る。特定の例では、カテーテルは、第1および第2の絶縁ワイヤ164、166から90度オフセットされた絶縁ワイヤの第2の対(図示せず)を含み得る。例えば、第1および第2の絶縁ワイヤ164、166が、0および180度に位置付けられる場合、第3および第4の絶縁ワイヤが、90および270度に位置付けられ得る。第3および第4の絶縁ワイヤも、カテーテル本体の遠位端の近傍で終端し、電極として機能する伝導性の露出させられた遠位先端を含む。伝導性エミッタバンド(例えば、伝導性エミッタバンド162またはさらなるエミッタバンド)が、第3および第4の絶縁ワイヤの露出させられた遠位先端を包囲し、別個の高電圧パルスが、絶縁ワイヤとエミッタバンドとの間に衝撃波の第2の対を発生させるために、第3および第4の絶縁ワイヤを横断して印加され得る。結果として、衝撃波の第2の組が、伝導性エミッタバンドおよび第3および第4の絶縁ワイヤの伝導性部分から形成されたカテーテルの第3および第4の電極対から開始され得る。絶縁ワイヤの第1の対(すなわち、第1の絶縁ワイヤ164および第2の絶縁ワイヤ166)および絶縁ワイヤの第2の対(すなわち、第3の絶縁ワイヤおよび第4の絶縁ワイヤ)は、交互に活性化され得、それは、カテーテルの円周の周囲に衝撃波をさらに拡散させることによって、デバイスの有効性を改良し得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、衝撃波源160は、カテーテル本体120の内側で縦方向に間隔を置かれた種々のグループに分けて位置付けられた電極対を含む。例えば、カテーテル本体120内のより中間の場所において衝撃波を発生させるために、すなわち、有利なこととして、カテーテル本体120を包囲する身体管腔のより大きいエリアを治療するために、カテーテル100は、1つ以上の中間衝撃波源を含み得る。遠位衝撃波源(例えば、衝撃波源160)は、衝撃波を発生させ、偏向器140およびインパクタ130を前進させ、カテーテル本体120の遠位の閉塞を治療するように構成され得る(衝撃波エネルギーの一部は、カテーテル100に対して横の方向にも導かれ、カテーテル本体120の遠位端124を包囲する身体管腔の領域を治療する)一方、中間衝撃波源は、衝撃波を発生させ、カテーテル本体120の中間部分を包囲する身体管腔の領域を治療するように構成され得る。いくつかの例では、カテーテル100は、カテーテル本体120の中間場所において(例えば、伝導性エミッタバンド162の近位の場所において)搭載された二次伝導性エミッタバンドと、二次エミッタバンドから間隔を置かれた絶縁ワイヤの関連付けられた対(例えば、上で説明される第3および第4の絶縁ワイヤ)とを含み、それらは、衝撃波を発生させるためのそれぞれの第1および第2の中間電極対を形成する。高電圧パルスが第3の絶縁ワイヤおよび第4の絶縁ワイヤを横断して印加されると、電流が第3の絶縁ワイヤの露出させられた遠位先端から二次伝導性エミッタバンドに流動し、第1の中間電極対を横断して第1の中間衝撃波を発生させるように構成される。電流は、二次伝導性エミッタバンドから第4の絶縁ワイヤの露出させられた遠位先端に流動し、第2の電極中間対を横断して第2の中間衝撃波を発生させるようにさらに構成される。
【0085】
任意の数の伝導性エミッタバンドが、カテーテル本体120の長さに沿った種々の場所において衝撃波を発生させるために使用され得る。例えば、いくつかの例では、カテーテル100は、カテーテル本体120の長さに沿って間隔を置かれた3つ、4つ、または5つの伝導性エミッタバンドと、それぞれのバンドから間隔を置かれた絶縁ワイヤの関連付けられた対を含み、それらは、衝撃波を発生させるためのそれぞれの電極対を形成する。いくつかの例では、二次またはさらなるエミッタバンドが、デバイスの遠位端におけるエミッタバンドから独立して衝撃波を発生させ得る。
【0086】
上で議論される衝撃波源の全ては、電極対と、電極間の間隙を横断して電気水圧衝撃波を発生させるための高電圧源とを含む。他のタイプの衝撃波源を利用することも、本主題の発明の範囲内である。例えば、集束レーザ光が流体中に衝撃波を発生させ得ることが、周知である。レーザ光は、外部レーザデバイスから光ファイバを介してカテーテル本体の中に送達されることができる。光ファイバは、ワイヤ164または166に類似する管腔内でカテーテルに沿って延びていることができる。動作時、高エネルギーレーザ光のパルスが、光ファイバの近位端の中に入射され、ファイバの遠位端から外に送達される。ファイバの遠位端は、偏向器140の後方の領域内に位置するであろう。パルスは、流体を蒸発させ、偏向器140の表面144上に衝撃を与えるであろう衝撃波を生成するであろう。使用時、レーザ光のパルスが、発生させられ、一連の衝撃波を生成し、ガイドワイヤに振動させ、閉塞をジャックハンマさせるであろう。高い生理食塩水または水吸収係数を伴うレーザが、それらがより効果的な衝撃波を発生させるため、特に着目される。高い吸収係数は、浅い吸収深さに対応し、したがって、レーザエネルギーは、液体中のわずかな深さに制限され、したがって、それを非常に急速に加熱し、蒸発させる。好ましいレーザの例は、Ho:YAG(2,120nm)、Tm:YAG(2,010nm)、Tmファイバレーザ(1,940nm)、およびEr:YAG(2,940nm)を含む。
【0087】
図7は、患者の尿管内の腎臓結石または患者の血管内のCTOまたは円周カルシウム等の身体管腔内の閉塞を治療するための例示的方法700のフローチャート表現である。
図7に描写されるように、カテーテルが、患者の血管系における血管または患者の泌尿器系における尿管等の患者の身体管腔の中に導入される(702)。カテーテルは、
図1-3、4A-4B、5A-5C、6、8、9A、または10Aを参照して本明細書に説明されるカテーテルのうちのいずれかであり得る。より具体的に、カテーテルは、少なくとも、遠位端を有するカテーテル本体であって、カテーテル本体は、伝導性流体で充填可能である、カテーテル本体と、カテーテル本体の遠位端に接続されたインパクタであって、インパクタは、カテーテル本体の内側の近位端とカテーテル本体の外側の遠位端とを有する、インパクタと、衝撃波を発生させるように構成された衝撃波源と、衝撃波源とカテーテル本体の遠位端との間でインパクタの近位端に結合された偏向器とを含む。
【0088】
動作時、医師は、最初、患者上の進入部位(例えば、脚の鼠径部面積内の動脈)の中にインパクタを挿入し、次いで、カテーテル本体およびハンドルを操縦し、管腔を通して標的治療領域(例えば、管腔への流動を回復させるために破裂される必要がある閉塞を有する領域)までカテーテルを前進させることによって、患者の身体管腔の中にカテーテルを導入し得る。加えて、または代替として、例えば、インパクタがガイドワイヤ管腔を含む例では、医師は、最初、ガイドワイヤをガイドワイヤ管腔に通し、ガイドワイヤを身体管腔の中に除去可能挿入し得る。医師は、次いで、除去可能ガイドワイヤの上を標的治療領域に向かってカテーテルを身体管腔の中に前進させ得る。
【0089】
カテーテルは、次いで、インパクタの遠位端が身体管腔内の閉塞に近接して位置付けられるように、身体管腔内で前進させられる(704)。いくつかの例では、
図1に見られるように、カテーテルは、インパクタの遠位端が閉塞に対して隣接するまで、または、それが少なくとも部分的に閉塞の内側に来るまで、前進させられ得る。加えて、または代替として、カテーテルは、カテーテル本体の遠位端が管腔の石灰化領域に近接して位置付けられるまで(すなわち、カテーテル本体の壁を通して衝撃波治療を送達するために)前進させられ得る。カテーテルが除去可能ガイドワイヤの上を前進させられた場合、医師は、随意に、ガイドワイヤを除去し得る。しかしながら、他の例では、医師は、治療中にカテーテルの内側に除去可能ガイドワイヤを保持し得る(例えば、破片および組織がインパクタに進入することを防止するために、インパクタの管腔の内側に、および/またはインパクタの遠位先端と同一平面でガイドワイヤを保持する)。
【0090】
カテーテル本体は、次いで、伝導性流体(例えば、生理食塩水または造影剤と混合された生理食塩水)で充填され、それによって、流体が、衝撃波源(例えば、1つ以上の電極)を覆う。ある場合、カテーテルは、伝導性流体が少なくとも部分的にカテーテル本体を膨張させるまで、充填される。インパクタの遠位端が閉塞に近接して位置付けられ、カテーテル本体が伝導性流体で充填されると、一連の衝撃波が、カテーテル本体の内側で発生させられることができる(706)。一連の衝撃波は、偏向器に衝突し、偏向器をインパクタと共に前方方向に前進させ、それによって、インパクタの遠位端が、各発生させられた衝撃波に関する機械的力を閉塞に送達する。いくつかの例では、衝撃波源は、1つ以上の電極対を含み、一連の衝撃波を発生させることは、1つ以上の電極対を横断して高電圧パルスを印加することを含む。別の例では、衝撃波源は、レーザであり、一連の衝撃波を発生させることは、レーザを使用して、レーザ光の高エネルギーパルスを送達することを含む。一連の衝撃波のうちの各衝撃波の間に、カテーテル本体の遠位端の可撓性材料特性は、カテーテル本体内のそれらの元の位置にインパクタおよび偏向器に後方に戻らせる。上で説明されるように、繰り返される衝撃波は、閉塞を貫通および一掃し、身体管腔への流動を回復するように、インパクタに往復および振動させる。
【0091】
身体管腔の標的領域を通したカテーテルの繰り返される前進および繰り返される衝撃波サイクルの印加は、身体管腔の堅く、慢性的に塞がれた領域であっても一掃することができる。例えば、いくつかの例では、方法は、インパクタの遠位先端が、さらなる治療領域、例えば、CTOのより遠位の閉塞エリアまたは石灰化または部分的に塞がれた脈管のより遠位の領域に近接するように、身体管腔内でカテーテルをさらに前進させることをさらに含む。方法は、次いで、さらなる一連の衝撃波を発生させることを含み得る。
図5A-5Cを参照して上で説明されるように、いくつかの例では、カテーテルは、衝撃波の発生に応答して、インパクタおよび偏向器と共に前進するように構成されたテーパ状遠位先端を含む。テーパ状遠位先端は、カテーテル本体により近接する(すなわち、インパクタの遠位先端と比較して、管腔のより近位の領域における)閉塞の部分に機械的力を送達し、閉塞を貫通および一掃し続けるために使用されることができる。そのような例では、方法は、テーパ状遠位先端が、治療領域、例えば、インパクタによって事前に貫通された治療領域に近接して位置付けられるように、身体管腔内でさらに遠くにカテーテルを前進させること(708)を含み得る。方法は、次いで、閉塞の中にテーパ状遠位先端を前進させるために、さらなる一連の衝撃波を発生させること(710)を含み得る。
【0092】
1つ以上の例では、閉塞の中にテーパ状遠位先端を前進させるために、さらなる一連の衝撃波を発生させた(708)後、方法700は、再びさらなる一連の衝撃波を発生させる(710)前、再び、テーパ状遠位先端がさらに遠くの標的領域に近接するように、身体管腔内でさらに遠くにカテーテルを前進させることができる(710)。すなわち、1つ以上の例では、ステップ710の後、方法700は、ループにおいてステップ708、次いで、ステップ710を繰り返すことができる。随意に、ステップ708および710を繰り返すこのループは、複数回繰り返されることができる。
【0093】
閉塞の治療中の複数のデバイスに関する必要性を排除するために、同じカテーテルが、カテーテル本体の壁を通して音響衝撃波エネルギー(例えば、横方向衝撃波)を送達することによって、カテーテル本体に近接する石灰化および部分的閉塞領域を修正するために使用され得る。例えば、インパクタの遠位先端からの衝撃を使用して管腔の完全または部分的閉塞領域を修正した後、方法700は、カテーテル本体が、横方向に位置する治療領域に(例えば、インパクタによって事前に貫通された閉塞またはある他の石灰化または部分的閉塞領域に)近接して位置付けられるように、身体管腔内でさらに遠くにカテーテルを前進させること(712)をさらに含み得る。身体管腔内でさらに遠くにカテーテルを前進させた後、方法は、横方向に位置する閉塞に音響衝撃波エネルギーを送達するために、横方向に導かれる衝撃波を発生させること(714)を含み得る。横方向衝撃波エネルギーは、カテーテル本体の壁を通して伝搬し、カテーテル本体の近位の身体管腔の領域を治療することができる。1つ以上の例では、ステップ712においてカテーテルの本体が横方向に位置する治療領域に近接するように、カテーテルを前進させると、遠位先端も、さらなる治療領域に近接し得る。そのような場合、ステップ714において横方向に導かれる衝撃波を発生させているとき、カテーテルに対して横の方向に衝撃波エネルギーを伝送することに加えて、衝撃波エネルギーの少なくとも一部は、インパクタの遠位端を前進させる振動を生じさせるように伝送され得る。
【0094】
1つ以上の例では、ステップ714において横方向に導かれる衝撃波を発生させた後、方法700は、再び横方向に導かれる衝撃波を発生させる(714)前、再び、カテーテルの本体が、横方向に位置する治療領域に近接するように、身体管腔内でさらに遠くにカテーテルを前進させることができる(714)。すなわち、1つ以上の例では、ステップ714の後、方法700は、ループにおいてステップ712、次いで、ステップ714を繰り返すことができる。随意に、ステップ712および714を繰り返すこのループは、複数回繰り返されることができる。
【0095】
いくつかの例では、身体管腔内の閉塞を治療することは、1つ以上の治療段階を含み得る。例えば、管腔のきついまたは完全に塞がれた領域の初期治療中、第1の治療段階は、インパクタの遠位先端を用いて閉塞を貫通し、管腔内の流動を回復させることを含み得る。閉塞領域がカテーテル本体の通過を可能にするために十分に広くなると、カテーテル本体は、閉塞領域の中にさらに前進させられることができる。第2の後続治療段階中、追加の衝撃波が、カテーテル本体を包囲する管腔の領域に追加の衝撃波エネルギーを送達するために発生させられることができる。衝撃波の電圧および繰り返し率は、必要に応じて、医師によって種々の治療段階中に修正され得る。
【0096】
カテーテルが、2つ以上の衝撃波発生器(例えば、遠位および中間電極対)を含む場合、第1の治療段階は、第1の(例えば、遠位)電極対において衝撃波を発生させることを含み得、第2の治療段階は、第2の(例えば、近位)電極対において衝撃波を発生させることを含み得る。治療の第1の段階では、遠位電極対のみが、衝撃波を発生させ、インパクタに前方に前進させ、機械的力を身体管腔内の閉塞に送達し得る。閉塞が修正された(例えば、堅いCTO被膜がインパクタの遠位先端によって貫通された)後、カテーテルは、閉塞の中にさらに遠くに前進させられ得、追加の電極対が、より中間の衝撃波を発生させるために活性化されることができる。
【0097】
他の例では、カテーテルは、治療を継続するために、身体管腔から除去され、二次デバイスと交換され得る。二次デバイスは、ガイドワイヤ(例えば、上で説明される除去可能ガイドワイヤまたはさらなるガイドワイヤ)の上を身体管腔の標的領域の中に挿入され、前進させられ得る。
【0098】
図8は、
図1に関連して説明されるカテーテル等、身体管腔内の閉塞を治療するためのベローズ880を伴う例示的カテーテル800を図示する。上で説明され、
図8に示されるようなカテーテルと同様、カテーテル800は、上で議論されるように構成され得る偏向器840と、中心位置調整機構850と、カテーテル本体820と、可撓性インパクタ830と、衝撃波源860とを含む。
【0099】
図8に示されるように、カテーテル800は、カテーテル本体820の壁上に配置されたベローズ880を含む。いくつかの実施形態では、ベローズ880は、カテーテル本体820の前部部分が軸方向に(例えば、右向きおよび左向きに)平行移動することを可能にする軸方向クッションを提供する、カテーテル本体820の壁の蛇腹状部分から形成されることができる。いくつかの実施形態では、ベローズ880は、カテーテル本体820が、ベローズ880を平らにすることによって引き伸ばされた位置に伸び、ベローズ880が折り畳まれた態様に位置付けられた引き伸ばされていない位置に戻ることを可能にすることができる。故に、いくつかの実施形態では、ベローズ880は、ベローズ880が引き伸ばされると、カテーテル本体820の遠位端824、より具体的に、遠位端824とベローズ880との間に位置するカテーテル本体820の部分が前方方向に移動することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、カテーテル800の近位端とベローズ880との間に位置するカテーテル本体820の部分は、ベローズ880と遠位端824との間に位置するカテーテル本体820の部分が移動する間、静止したままであろう。いくつかの実施形態では、ベローズ880は、ベローズ880の折り目が上で議論されるように伸び、平らになることを可能にする可撓性または半コンプライアント材料から形成されることができる。
【0100】
カテーテル800の衝撃波源860は、上で議論される衝撃波源のように構成されることができる。例えば、衝撃波源860は、カテーテル本体820の内側の伝導性流体中にカテーテル本体820の壁を通して伝搬する衝撃波を発生させ、カテーテル800の遠位端824に近接する身体管腔の領域を治療するように構成されることができる。上で議論されるように、衝撃波源860による繰り返される衝撃波の発生は、偏向器840をカテーテル本体820内で前方および後方に振動させることができる。さらに、偏向器840の軸方向振動は、取り付けられたインパクタ830において対応する軸方向(すなわち、前方および後方)振動を引き起こし、身体管腔内の閉塞を貫通し得る「ジャックハンマ」効果を生じさせることができる。インパクタ830の遠位先端835は、衝撃波源860からの繰り返される衝撃波に応答して振動し、閉塞をさらに崩壊させることができる。いくつかの実施形態では、インパクタ830の遠位先端835およびベローズ880と遠位端824との間のカテーテルの部分の両方は、衝撃波源860からの繰り返される衝撃波に応答して振動することができる。遠位先端835および/またはカテーテル800の振動部分の「ジャックハンマ」効果および/または振動は、CTOの線維性被膜を貫通し、身体管腔の石灰化領域を修正し、身体管腔への流動を回復させることができる。
【0101】
衝撃波源860は、1つ以上の電極対を含み、各電極対は、間隙によって分離された第1の電極と第2の電極とを含むことができる。上で議論され、
図8に示されるように、衝撃波源860の電極対は、伝導性エミッタバンド(例えば、伝導性シースまたはリング電極)の側縁とワイヤの伝導性部分とから形成される。
【0102】
代替電極構成が、本発明によるカテーテルにおける使用のために好適である。例えば、
図9Aに描写されるカテーテル900は、同軸エミッタを伴う衝撃波源960に依拠する。カテーテル900は、それ以外は、上で議論されるカテーテル800と同様に構成されることができる。衝撃波源960の同軸エミッタは、内側伝導性シースの周囲に円周方向に同心で搭載された外側伝導性シースから形成されることができ、各々は、絶縁ワイヤに接続されている。
【0103】
カテーテル900の衝撃波源960等の例示的同軸エミッタ衝撃波源が、
図9Bに示される。衝撃波源960は、内側伝導性シース930として構成された第1の円筒形伝導性シースと、外側伝導性シース922として構成された第2の円筒形伝導性シースとを含む。外側伝導性シース922は、内側伝導性シース930の周囲に円周方向に、それと同心で搭載され、内側および外側伝導性シースは、電極対のそれぞれの内側および外側電極を形成する。
【0104】
伝導性シース930、922は、伸ばされた管状または円筒形形状に成形された伝導性金属等の伝導性材料から形成される。いくつかの例では、内側伝導性シース930および/または外側伝導性シース922は、ステンレス鋼、白金、イリジウム、モリブデン、タングステン、または銅管類等の耐浸食性金属管類から形成される。内側伝導性シース930は、任意の所望の厚さ、例えば、0.002~0.003インチの厚さであり得る。外側伝導性シース922は、内側伝導性シースより比較的に厚くあり得る。例えば、外側伝導性シース922は、約0.004~0.006インチの厚さであり得る。しかしながら、他の例では、内側伝導性シース930は、外側伝導性シース922より厚い。例えば、内側伝導性シース930は、0.004~0.006インチの厚さであり得、外側伝導性シース922は、比較的により薄く、例えば、0.002~0.003インチの厚さであり得る。
【0105】
内側伝導性シース930および外側伝導性シース922の各々は、それぞれの遠位側縁931、923を含む。内側伝導性シース930の遠位側縁931は、外側伝導性シース922の遠位側縁923に近接して位置付けられ、シース間にアーク放電領域を提供し、電流が、アーク放電領域を横断して流動し、カテーテルの内側に衝撃波を発生させ得る。内側伝導性シース930の遠位側縁931および外側伝導性シース922の遠位側縁923は、電極アセンブリの電極対を一緒に形成する。下でより詳細に説明されるであろうように、内側伝導性シース930の遠位側縁931は、遠位側縁931の特定の部分(例えば、部分925)が遠位側縁の残りの部分より外側伝導性シース922に近接するように(すなわち、伝導性シース間に所定の初期アーク放電領域を提供するために)成形され得る。
【0106】
図9Bに見られるように、内側伝導性シース930および外側伝導性シース922は、伝導性シース930、922の間に、それと同心で搭載された円筒形絶縁層942、例えば、絶縁シースによって分離される。絶縁層942は、外側伝導性シース922の内側表面と内側伝導性シース930の外側表面との間の意図せぬ電流流動を防止する非伝導性絶縁材料から形成される。いくつかの例では、絶縁層942は、伸ばされた管状または円筒形形状に成形されたポリマー材料、例えば、ポリイミドから形成される。いくつかの例では、絶縁層942は、約0.002~0.004インチの厚さである。
図1に見られるように、絶縁層942は、それぞれの内側および外側伝導性シース930、922の遠位側縁931、923に近接する(例えば、それと同一平面である)遠位側縁を有する。絶縁層の近位側縁は、内側伝導性シース930および/または外側伝導性シース922のうちの少なくとも一方の近位側縁を越えて延び、伝導性シース930、922の近位側縁の間の意図せぬ電流流動を防止する。絶縁層942の形状および位置は、内側伝導性シース930と外側伝導性シース922との間の初期アーク放電領域(すなわち、通常はシースの間の最も近い距離の場所である電流流動に関して最少抵抗の経路)が、それぞれの遠位側縁931、923の間、より具体的に、内側伝導性シース930の同一平面部分925にあることを確実にする。
【0107】
いくつかの例では、内側伝導性シース930の遠位側縁931は、外側伝導性シース922の対合される遠位側縁923により近い、またはそれからより遠い種々の領域を有するように成形され、すなわち、所定の様式または半制御された様式において効率低下を促進するように成形される。例えば、内側伝導性シース930の遠位側縁931は、遠位側縁931の部分925が外側伝導性シース922の遠位側縁923に最も近いように、すなわち、伝導性シース930、922の間の電流流動のための所定の初期アーク放電領域を提供するために成形され得る。第2およびさらなるアーク放電領域が、遠位側縁923に2番目に最も近いように遠位側縁931の追加の部分を成形することによって提供され得、以下同様である。
【0108】
図9Bに示されるように、電極衝撃波源960は、カテーテルの長さに沿って延びている2つの絶縁ワイヤ966、964も含む。より具体的に、第1の絶縁ワイヤ966は、内側伝導性シース930と電気的に接続され、第2の絶縁ワイヤ964は、外側伝導性シース922と電気的に接続される。絶縁ワイヤ966、964は、伝導性シース930、922と外部電圧源、例えば、高電圧パルス発生器(描写せず)との間の電気接続を提供する。いくつかの例では、内側伝導性シース930は、電圧源の正端子に接続され、外側伝導性シース922は、電圧源の負端子または接地に接続される。しかしながら、逆の接続も、想定される(すなわち、外側伝導性シース922は、正端子に接続され、内側伝導性シースは、負端子または接地に接続される)。いくつかの例では、ワイヤ966、964の伝導性部分は、直接電気接続を提供するために、伝導性シース930、922に熱シールまたは別様に固定される。絶縁ワイヤ966、964は、カテーテルの流体管腔内に延び得る(例えば、管腔の側壁に固定され得るか、または、管腔に沿って延びている溝内に配置され得る)。他の例では、ワイヤ966、964は、カテーテルの別個の管腔、例えば、ワイヤ管腔を通して延びている。
【0109】
一連の高電圧パルスが、電極衝撃波源960において一連の衝撃波を発生させるために、外部電圧源、例えば、パルス高電圧源によってワイヤ966、964を横断して送達されることができる。外部電圧源の負および正端子は、第1の絶縁ワイヤ964および第2の絶縁ワイヤ964の近位端に接続され、高電圧パルスがワイヤ966、964を横断して送達されると、内側伝導性シース930および外側伝導性シース922(すなわち、電極アセンブリの電極対)を横断して電位差を生成する。電位差は、電流を電極対を通して流動させ、衝撃波を発生させる。電流流動の方向は、電極の極性に依存し、電流は、より正に荷電される電極(すなわち、電圧源の正端子に接続される電極)からより負に荷電される電極(すなわち、電圧源の負端子に接続される電極)に流動する。電圧パルスの持続時間および大きさは、電極の表面上の(すなわち、伝導性シース930、922の遠位側縁931、923上の)ガス気泡および/または衝撃波を発生させるために十分である。
【0110】
別の電極構成が、
図10A-Bに示され、それらは、ベローズ1080と、堅いテーパ状遠位先端1030と、伝導性シース内の平坦ワイヤエミッタを備えている衝撃波源1060とを有するカテーテル1000の遠位端を図示する。具体的に、
図10Aは、カテーテル1000の遠位先端を描写する一方、
図10Bは、衝撃波発生器1060を介して衝撃波1010を発生させている間のカテーテル1000の遠位先端を描写する。
【0111】
ある実施形態によると、カテーテル1000は、上で議論されるような中心位置調整機構と、偏向器1040と、ベローズ1080を伴うカテーテル本体1020とを含み、衝撃波源1060は、偏向器1040の後部側に衝突する衝撃波を同様に発生させるように構成されることができる。
図10Aに示されるように、偏向器1040は、カテーテル本体1020の内側に配置され、偏向器1040からカテーテル1000の堅い先端1070まで延びているインパクタ1030に接続される。堅い先端1070は、上で議論されるように、種々の様式においてテーパ状であり得る。カテーテル本体1020の外部上で外向きに延びているのではなく、インパクタ1030の遠位先端1035は、カテーテル1000の堅い先端1070に近接して配置されている。
【0112】
図10Aに示されるように、カテーテル1000の衝撃波源1060が、衝撃波を発生させていないとき、カテーテルのベローズ1080は、折り畳まれた引き伸ばされていない位置にあり得る。しかしながら、衝撃波源1060が、衝撃波を発生させているとき、ベローズ1080は、平らになり、それによって、カテーテル1000の遠位端1024とベローズ1080との間に位置するカテーテル1000の部分が前方方向に移動することを可能にすることができる。ある実施形態によると、ベローズ1080の前方に位置するカテーテル1000のこの部分は、衝撃波が偏向器1040に衝突する結果として、軸方向(例えば、前方および後方)に振動するように構成されることができる。上で議論されるように、いくつかの実施形態では、カテーテル1000の近位端とベローズ1080との間に位置するカテーテル本体1020の部分は、ベローズ1080と遠位端1024との間に位置するカテーテル本体1020の部分が移動する間、静止したままであろう。
【0113】
1つ以上の例では、インパクタ1030は、衝撃波発生器1060を介して発生させられる衝撃波に応答して、軸方向に平行移動するように構成されることができる。偏向器1040の軸方向振動は、取り付けられたインパクタ1030において対応する軸方向(すなわち、前方および後方)振動を引き起こし、身体管腔内の閉塞を貫通し得る「ジャックハンマ」効果を生じさせることができる。インパクタ1030の遠位先端1035は、衝撃波源1060からの繰り返される衝撃波に応答して振動し、閉塞をさらに崩壊させることができる。いくつかの実施形態では、インパクタ1030の遠位先端1035およびベローズ1080と遠位端1024との間のカテーテルの部分の両方は、衝撃波源1060からの繰り返される衝撃波に応答して振動することができる。遠位先端1035の「ジャックハンマ」効果および/または振動、および/またはカテーテル本体の振動部分は、CTOの線維性被膜を貫通し、身体管腔の石灰化領域を修正し、身体管腔への流動を回復させることができる。上で議論されるように、インパクタ1030の「ジャックハンマ」効果に加えて、衝撃波源1060を介して発生させられる衝撃波の少なくとも一部は、偏向器1040の後部表面によってカテーテル1000に対して横である方向に偏向させられることができる。したがって、カテーテル1000は、下でさらに議論されるであろうように、インパクタ1030の遠位先端1035に近接する閉塞を粉砕するためのインパクタ1030の「ジャックハンマ」効果および/またはカテーテル本体の振動部分と、カテーテル1000の本体1020に近接する閉塞を粉砕するための横方向に伝搬される衝撃波との両方を利用するように構成されることができる。
【0114】
ある実施形態によると、平坦ワイヤコイルの電極対は、伝導性シース内に配置される平坦コイルから形成されることができ、平坦コイルおよび伝導性シースの両方は、各々、絶縁ワイヤに接続される。カテーテル1000の衝撃波源1060等の例示的平坦コイルエミッタ衝撃波源が、
図10Cに示される。衝撃波源1060は、絶縁シース1042によって分離された平坦コイル1020として構成された平坦螺旋ワイヤと伝導性シース1022として構成された円筒形伝導性シースとを含む。絶縁シース1042は、伝導性シース1022内に円周方向に搭載され、平坦コイル1020は、絶縁シース1022の内側表面上に配置され、それによって、平坦コイル1020および伝導性シース1022は、電極対のそれぞれの電極を形成する。
【0115】
伝導性シース1022および平坦コイル1020は、伝導性金属等の伝導性材料から形成されることができる。1つ以上の例では、伝導性シース1022は、伸ばされた管状または円筒形形状に成形されたステンレス鋼、白金、イリジウム、モリブデン、タングステン、または銅管類等の耐浸食性金属管類から形成されることができる。平坦コイル1020は、平坦螺旋コイルに成形されたステンレス鋼、白金、イリジウム、モリブデン、タングステン、または銅等の耐浸食性金属材料から同様に形成されることができる。平坦コイル1020は、任意の所望の厚さ、例えば、0.002~0.003インチの厚さであり得る。1つ以上の例では、伝導性シース1022は、平坦コイル1020より比較的に厚くあり得る。例えば、伝導性シース1022は、約0.004~0.006インチの厚さであり得る。代替として、平坦コイル1020は、伝導性シース1022より厚くあり得る。例えば、平坦コイル1020は、0.004~0.006インチであり得る一方、伝導性シース1022は、比較的により薄く、例えば、0.002~0.003インチの厚さであり得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、平坦コイル1020および伝導性シース1022は、カテーテルのための電極アセンブリの電極対を形成する。
図10Cに示されるように、平坦コイル1020は、遠位端1021を有し、伝導性シースは、遠位側縁1023を有する。平坦コイル1020の遠位端1021は、外側伝導性シース1022の遠位側縁1023に近接して位置付けられ、電流が平坦コイル1020と伝導性シース1022との間で流動し得るアーク放電領域を生成する。1つ以上の例では、このアーク放電領域を横断して流動する電流は、カテーテルの内側に衝撃波を発生させることができる。
【0117】
図10Cに見られるように、平坦コイル1020と伝導性シース1022とは、絶縁体シース1042によって分離される。絶縁シース1042は、平坦コイル1020のある領域と伝導性シース1022との間の意図せぬ電流流動を防止する非伝導性絶縁材料から形成されることができる。1つ以上の例では、絶縁体シース1042は、絶縁体シース1042の長さに沿った平坦コイル1020と伝導性シース1022との間の電流のいかなる流動も遮断することができる。電流が絶縁体シース1042の長さに沿って平坦コイル1020と伝導性シース1022との間で流動することを防止されるので、電流は、伝導性シース1022の遠位端1023と平坦コイル1020の遠位端1021との間のアーク放電領域を横断してのみ流動することができる。1つ以上の例では、絶縁体シース1042は、伸ばされた管状または円筒形形状に成形されたポリマー材料、例えば、ポリイミドから形成されることができる。1つ以上の例では、絶縁体シース1042は、約0.002~0.004インチの厚さであり得る。
【0118】
図10Cに示されるように、絶縁体シース1042は、遠位側縁1041を有する。1つ以上の例では、絶縁体シース1042の遠位側縁1041は、伝導性シース1022および/または平坦コイル1020の遠位側縁に近接し得る(例えば、それと同一平面である)。絶縁体シース1042の近位側縁は、伝導性シース1022および平坦コイル1020のうちの少なくとも一方の近位側縁を越えて延び、伝導性シース1022および平坦コイル1020近位側縁間の意図せぬ電流流動を防止することができる。絶縁シース1042の形状および位置は、平坦コイル1020と伝導性シース1022との間のアーク放電領域(例えば、通常は平坦コイルとシースとの間の最も近い距離である、電流流動に関して最少抵抗の経路)が平坦コイル1020の遠位端1021と伝導性シース1022遠位側縁1023との間にあることを確実にすることができる。1つ以上の例では、アーク放電領域は、より具体的に、コイルの最も端に位置する平坦コイル1020の遠位端1021において最初に始まるであろう。
【0119】
図10Cに見られるように、衝撃波源1060は、カテーテルの長さに沿って延びている2つの絶縁ワイヤ1066、1064を含むこともできる。特に、第1の絶縁ワイヤ1066が、平坦コイル1020に電気的に接続されることができ、第2の絶縁ワイヤ1064が、伝導性シース1022に電気的に接続されることができる。1つ以上の例では、絶縁ワイヤ1066、1064は、平坦コイル1020および伝導性シース1022と、外部電圧源、例えば、高電圧パルス発生器(描写せず)との間の電気接続を提供することができる。1つ以上の例では、平坦コイル1020は、電圧源の正端子に接続され、伝導性シース1022は、電圧源の負端子または接地に接続されることができる。代替として、平坦コイル1020は、電圧源の負端子または接地に接続されることができる一方、伝導性シースは、電圧源の正端子に接続される。ワイヤ1066、1064の伝導性部分は、直接電気接続を提供するために、伝導性シース1022および平坦コイル1020に熱シールまたは別様に固定されることができる。1つ以上の例では、絶縁ワイヤ1066、1064は、カテーテルの流体管腔内に延び、例えば、管腔の側壁に固定されること、または管腔に沿って延びている溝内に配置されることができる。ワイヤ1066、1064はまた、カテーテルの別個の管腔、例えば、ワイヤ管腔を通して延びていることができる。1つ以上の例では、ワイヤ1066、1064は、絶縁銅ワイヤであり得る。
【0120】
一連の高電圧パルスが、衝撃波源1060において一連の衝撃波を発生させるために、外部電圧源、例えば、パルス高電圧源によってワイヤ1066、1064を横断して伝送されることができる。外部電圧源の負および正端子は、第1の絶縁ワイヤ1066および第2の絶縁ワイヤ1064の近位端に接続され、それによって、高電圧パルスがワイヤ1066、1064を横断して送達されると、平坦コイル1020と伝導性シース1022(すなわち、電極アセンブリの電極対)とを横断した電位差を生成することができる。電位差は、電流を電極対の間に流動させ、衝撃波を発生させることができる。1つ以上の例では、電流流動の方向は、電極の極性に依存し、電流は、より正に荷電される電極(すなわち、ワイヤ1066、1064のうちの一方を介して電圧源の正端子に接続される電極)からより負に荷電される電極(すなわち、ワイヤ1066、1064のうちの一方を介して電圧源の負端子に接続される電極)に流動することができる。電圧パルスの各々の持続時間および大きさは、電極の表面において(すなわち、平坦コイル1020の遠位端1021および伝導性シース1022の遠位側縁1023上に)ガス気泡を発生させるために十分であり得る。
【0121】
図11A-Bは、身体管腔内の完全閉塞を治療するために使用されている、
図10A-Bのカテーテル1000を図示する。上で議論されるように、カテーテル1000の衝撃波源1060が、偏向器1040に衝突する衝撃波を発生させると、インパクタ1030は、インパクタ1030の遠位先端1035の軸方向平行移動に基づいて、「ジャックハンマ」効果を生成することができる。
図11Aは、身体管腔1104内の閉塞エリア1102の中に効果的に穿孔するためにこのジャックハンマ効果を能動的に利用するカテーテル1000を描写する。カテーテル1000が閉塞1102の中にさらに前方に進むとき、横方向に伝搬される衝撃波(例えば、偏向器1040の後部側に衝突した後、横方向に偏向させられる衝撃波)は、
図11Bに描写される亀裂1106によって示されるように、閉塞1102を粉砕することに役立つ。したがって、
図11Aは、閉塞エリア1102の中へのチャネルを生成する、カテーテル1000を示し、
図11Bは、カテーテル1000が閉塞エリア1102のさらに中に進むことを可能にすること、および閉塞エリア1102の粉砕を促進することの両方を行うそのチャネルを拡大するカテーテル1000を示す。故に、カテーテル1000は、前方に導かれるジャックハンマおよび横方向衝撃波エネルギーの両方を利用し、カテーテル1000の遠位端1024の近位のものおよびカテーテル本体1020に隣接するものの両方の身体管腔の領域を治療するように構成されることができる。
【0122】
上で議論される例示的カテーテルの要素および特徴が、本発明から逸脱することなく、再配置され、再び組み合わせられ、修正され得ることに留意されたい。例えば、いくつかの衝撃波源が、上で議論されているが、本発明によるカテーテルは、衝撃波を発生させるための様々な電極構成を使用するように構成されることができ、電極対の数、設置、および間隔は、本主題の発明から逸脱することなく、修正されることができる。さらに、
図7は、1つの例示的方法を図示するが、方法のステップは、本主題の発明から逸脱することなく、再配置され、再順序付けられ、除去され、または修正され得る。
【0123】
前述が、本発明の原理の例証にすぎず、種々の修正、改変、および組み合わせが、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者によって行われ得ることを理解されたい。本明細書に開示される種々のカテーテルの変形例のうちのいずれかは、任意の他のカテーテルまたは本明細書のカテーテルの組み合わせによって説明される特徴を含むことができる。さらに、方法のうちのいずれかは、開示されるカテーテルのうちのいずれかと併用されることができる。故に、本発明が、添付される請求項によるものを除いて、限定されることを意図していない。
【国際調査報告】