(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/37 20060101AFI20241003BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20241003BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20241003BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20241003BHJP
C09K 23/08 20220101ALI20241003BHJP
C11D 1/90 20060101ALI20241003BHJP
C11D 1/28 20060101ALI20241003BHJP
C11D 1/92 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61K8/37
A61K8/46
A61K8/44
A61Q19/10
C09K23/08
C11D1/90
C11D1/28
C11D1/92
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520534
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-05-22
(86)【国際出願番号】 GB2022052535
(87)【国際公開番号】W WO2023057767
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518411327
【氏名又は名称】インノスペック アクティブ ケミカルズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】INNOSPEC ACTIVE CHEMICALS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】コットレル フィリップ ロレイン
【テーマコード(参考)】
4C083
4D077
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AC132
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC391
4C083AC392
4C083AC532
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC791
4C083AC792
4C083BB05
4C083BB07
4C083CC22
4C083CC23
4C083CC38
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD39
4C083FF01
4D077AB10
4D077BA07
4D077BA12
4D077CA03
4D077CA12
4D077DC56X
4D077DC56Y
4H003AB21
4H003AD04
4H003EB06
4H003EB08
4H003EB09
4H003ED02
4H003ED29
4H003FA04
4H003FA07
4H003FA13
4H003FA28
4H003FA36
(57)【要約】
(a)少なくとも10重量%の脂肪酸のグリコールエステル、(b)式(I):[式中、R
1は、置換されていてもよいC
4-C
36ヒドロカルビル基を表し、R
2、R
3、R
4及びR
5のそれぞれは独立して水素又はC
1-C
4アルキル基を表し、R
2、R
3、R
4及びR
5の少なくとも1つは水素でなく、M
+はカチオンを表す]の少なくとも1つのアシルアルキルイセチオネート界面活性剤、及び(c)少なくとも1つの双性イオン界面活性剤又は両性界面活性剤を含む、濃縮組成物。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも10重量%の脂肪酸のグリコールエステル、
(b)式(I):
【化1】
[式中、R
1は、置換されていてもよいC
4-C
36ヒドロカルビル基を表し、
R
2、R
3、R
4及びR
5のそれぞれは独立して水素又はC
1-C
4アルキル基を表し、R
2、R
3、R
4及びR
5の少なくとも1つは水素でなく、M
+はカチオンを表す]の少なくとも1つのアシルアルキルイセチオネート界面活性剤、及び
(c)少なくとも1つの双性イオン界面活性剤又は両性界面活性剤
を含む、濃縮組成物。
【請求項2】
成分(a)が、ステアリン酸のモノエステル及び/又はステアリン酸のジエステルを含む、請求項1に記載の濃縮組成物。
【請求項3】
10~35重量%の成分(a)を含む、請求項1又は2に記載の濃縮組成物。
【請求項4】
成分(b)が、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム及びオレオイルメチルイセチオン酸ナトリウムの1つ又は2つ以上から選択される式(I)のアシルアルキルイセチオネート界面活性剤を含む、請求項1~3のいずれかに記載の濃縮組成物。
【請求項5】
0.5~15重量%の成分(b)を含む、請求項1~4のいずれかに記載の濃縮組成物。
【請求項6】
成分(c)が、ベタイン、例えばアルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、例えばコカミドプロピルベタイン、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アルキルアンホ酢酸、アルキルアンホジ酢酸、アルキルプロピオネート、アルキルアンホジプロピオネート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルイミノジプロピオネート及びアルキルイミノジアセテートから選択される1つ又は2つ以上の双性イオン界面活性剤又は両性界面活性剤を含む、請求項1~5のいずれかに記載の濃縮組成物。
【請求項7】
成分(c)が、ココアミドプロピルベタイン及び/又はココアミドプロピルヒドロキシスルタインを含む、請求項1~6のいずれかに記載の濃縮組成物。
【請求項8】
0.5~25重量%の成分(c)を含む、請求項1~7のいずれかに記載の濃縮組成物。
【請求項9】
キレート剤、保存剤、pH調整剤、ヒドロトロープ及びさらなる界面活性剤から選択される1つ又は2つ以上のさらなる成分を含む、請求項1~8のいずれかに記載の濃縮組成物。
【請求項10】
(i)以下の成分:
(a)少なくとも10重量%の脂肪酸のグリコールエステル、
(b)式(I):
【化2】
[式中、R
1は、置換されていてもよいC
4-C
36ヒドロカルビル基を表し、
R
2、R
3、R
4及びR
5のそれぞれは独立して水素又はC
1-C
4アルキル基を表し、R
2、R
3、R
4及びR
5の少なくとも1つは水素でなく、M
+はカチオンを表す]の少なくとも1つのアシルアルキルイセチオネート界面活性剤、及び
(c)少なくとも1つの双性イオン界面活性剤又は両性界面活性剤
を混合するステップ、
(ii)ステップ(i)において得られた混合物を少なくとも60℃の温度に加熱するステップ、及び
(iii)組成物をゆっくり冷却するステップ
を含む、濃縮組成物を調製する方法。
【請求項11】
水をステップ(i)において添加して、水性組成物を提供する、請求項10に記載の濃縮組成物を調製する方法。
【請求項12】
混合物が、ステップ(ii)において少なくとも75℃の温度に加熱される、請求項10又は11に記載の濃縮組成物を調製する方法。
【請求項13】
組成物が、ステップ(iii)の際に冷却されるとき、好ましくはせん断力の適用によって撹拌される、請求項10~12のいずれかに記載の濃縮組成物を調製する方法。
【請求項14】
パール光沢仕上げを製剤に施す方法であって、前記製剤にパール光沢化組成物を混合するステップを含み、前記パール光沢化組成物が、
(a)少なくとも10重量%の脂肪酸のグリコールエステル、
(b)式(I):
【化3】
[式中、R
1は、置換されていてもよいC
4-C
36ヒドロカルビル基を表し、
R
2、R
3、R
4及びR
5のそれぞれは独立して水素又はC
1-C
4アルキル基を表し、R
2、R
3、R
4及びR
5の少なくとも1つは水素でなく、M
+はカチオンを表す]の少なくとも1つのアシルアルキルイセチオネート界面活性剤、及び
(c)少なくとも1つの双性イオン界面活性剤又は両性界面活性剤
を含む、前記方法。
【請求項15】
30℃未満の温度で実施される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
パール光沢製剤を調製する方法であって、
(x)パール光沢のない製剤を調製するステップ、及び
(y)請求項1~9のいずれかに記載の濃縮組成物をステップ(x)において調製された前記製剤に添加するステップ
を含む、前記方法。
【請求項17】
(a)少なくとも10重量%の脂肪酸のグリコールエステル、
(b)式(I):
【化4】
[式中、R
1は、置換されていてもよいC
4-C
36ヒドロカルビル基を表し、
R
2、R
3、R
4及びR
5のそれぞれは独立して水素又はC
1-C
4アルキル基を表し、R
2、R
3、R
4及びR
5の少なくとも1つは水素でなく、M
+はカチオンを表す]の少なくとも1つのアシルアルキルイセチオネート界面活性剤、及び
(c)少なくとも1つの双性イオン界面活性剤又は両性界面活性剤
を含む組成物のパール光沢化剤としての使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製剤化製品の調製において有用な濃縮組成物に関する。特に、本発明は、パール光沢製剤化製品の調製のための濃縮組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケア及び清浄用途において使用される液体組成物は、望ましくは不透明(opaque)な虹色外見を有することが多く、「パール光沢化されている」又はパール光沢仕上げを有すると呼ばれることがある。これらの製剤は、消費者に対して高い魅力をもち、したがってパール光沢化剤を多種多様な異なる液体化学製剤に添加することが一般的である。パール光沢化剤を、シャンプー、ボディーウォッシュ及び液体ハンドソープなどのパーソナル洗浄製剤;洗濯用洗剤、食器洗い用洗剤組成物及び他のハードサービス清浄組成物に添加することが多い。
【0003】
よく見られるパール光沢化剤としては、エチレングリコールモノステアレート(EGMS,ethylene glycol monostearate)及びエチレングリコールジステアレート(EGDS,ethylene glycol distearate)が挙げられる。これらの作用剤を使用して最適なパール品質を達成するために、製剤化製品は、典型的に製剤内のエチレングリコールモノステアレート又はジステアレートエステルを溶融するために70℃を上回る温度に加熱されなければならない。製剤が冷却するにつれて、パール光沢化剤はゆっくり結晶化して、パール/不透明外見をもたらす不溶性粒子を形成する。冷却速度及びせん断混合速度、並びに混合羽根のサイズ及び形状は、エステル粒子の結晶構造に影響を及ぼす。したがって、これらの因子は、達成されたパール効果の品質及び一貫性にかなりの影響を与える。したがって、調製された製剤化製品の各バッチについて均一なパール効果を達成するために、加熱、冷却及びせん断の指図書に厳密に従うことが不可欠である。使用された冷却速度がしばしば遅いことは、パール光沢化が非常に時間のかかるステップであることを意味する。この方法は、エステルを溶融するために製剤が加熱されなければならない高温;所望の冷却速度を得るために必要とされるエネルギー;並びに混合及び/又はせん断に必要とされるエネルギーのために、非常にエネルギー集約的でもあり、コストもかかる。
【0004】
その上、出発物質のバッチ間のばらつきは、一貫して製剤化された製品を得ることが困難でありうることを意味する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、有利なことに、高品質パールをもたらすために製剤化組成物に直接添加することができる濃縮パール光沢化組成物を開発した。本発明の濃縮組成物は、70℃に加熱する必要が回避され、製剤化組成物と周囲温度で混合することができる。これによって、有利なことに、製剤者は時間及びエネルギーを節約し、改善された製品の一貫性がもたらされる。
【0006】
本発明の第1の態様によれば、
(a)少なくとも10重量%の脂肪酸のグリコールエステル、
(b)式(I):
【化1】
[式中、R
1は、置換されていてもよいC
4-C
36ヒドロカルビル基を表し、
R
2、R
3、R
4及びR
5のそれぞれは独立して水素又はC
1-C
4アルキル基を表し、R
2、R
3、R
4及びR
5の少なくとも1つは水素でなく、M
+はカチオンを表す]の少なくとも1つのアシルアルキルイセチオネート界面活性剤、及び
(c)少なくとも1つの双性イオン界面活性剤又は両性界面活性剤
を含む濃縮組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
成分(a)は、脂肪酸のグリコールエステル、すなわち脂肪酸と少なくとも2つのアルコール官能基を含む化合物とのエステルを含む。好ましくは、成分(a)は、エチレングリコール、プロピレングリコール及びブチレングリコールから選択される1つ又は2つ以上のグリコールのエステルを含む。最も好ましくは、成分(a)は、エチレングリコールを含む。エステルは、モノエステル、ジエステル又はそれらの混合物とすることができる。
【0008】
脂肪酸は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸又はそれらの混合物とすることができる。好ましくは、脂肪酸は、単一のカルボン酸基を含む飽和脂肪酸である。好ましくは、脂肪酸は、10~24個の炭素原子、好ましくは12~20個の炭素原子、より好ましくは16~18個の炭素原子を有する飽和モノカルボン酸である。
【0009】
最も好ましくは、成分(a)は、ステアリン酸(オクタデカン酸)のグリコールエステルを含む。成分(a)は、ステアリン酸のモノエステル及び/又はステアリン酸のジエステルを含んでもよい。好ましくは、成分(a)は、エチレングリコールモノステアレート(EGMS)及び/又はエチレングリコールジステアレート(EGDS)を含む。
【0010】
当業者は、ステアリン酸の市販の供給源が、ステアリン酸及び1つ又は2つ以上の他の酸、例えばC16酸の混合物を含むことが多いことを認識する。一実施形態において、成分(a)は、50~60重量%のC16脂肪酸、40~50重量%のC18脂肪酸及び0~5重量%のC14脂肪酸を含む脂肪酸の混合物のグリコールエステル、好ましくはエチレングリコールエステルを含む。
【0011】
このタイプの製品は、トリプルプレスステアリン酸(a triple pressed stearic acid)として当業者に公知である。
【0012】
成分(a)は、本発明の濃縮組成物中に少なくとも10重量%の量で存在する。好ましくは、成分(a)は、少なくとも12重量%、例えば少なくとも15重量%の量で存在する。成分(a)は、本発明の濃縮組成物中に最大で50重量%、好ましくは最大で40重量%、例えば最大で35重量%の量で存在しうる。
【0013】
好ましくは、成分(a)は、本発明の濃縮組成物中に10~35重量%、好ましくは15~30重量%、より好ましくは20~30重量%の量で存在する。
【0014】
成分(a)がグリコールエステルの混合物を含む場合、上記の量は、組成物中に存在するこのようなすべての化合物の全量を指す。
【0015】
本明細書では、別段の指示がない限り、言及されたいかなる量も、組成物中に存在する活性成分の量に関する。当業者は、本明細書で言及された成分のうちの一部の商業的供給源が、不純物、副生成物及び/又は残留出発物質、並びに溶媒又は希釈剤を含む可能性があることを認識する。しかし、指定された量は、活性材料のみを指し、存在しうるいかなる不純物、副生成物、出発物質、溶媒又は希釈剤も含まない。
【0016】
本発明の濃縮組成物の成分(b)は、少なくとも1つの式(I)のアシルアルキルイセチオネートを含む。
【0017】
成分(b)は、本発明の濃縮組成物中に少なくとも0.01重量%の量で存在する。好ましくは、成分(b)は、少なくとも0.1重量%、例えば少なくとも0.5重量%の量で存在する。成分(b)は、本発明の濃縮組成物中に最大で40重量%、好ましくは最大で30重量%、例えば最大で20重量%の量で存在しうる。
【0018】
好ましくは、成分(b)は、組成物中に0.1~18重量%、好ましくは0.5~15重量%、より好ましくは1~12重量%、例えば約1~10重量%の量で存在する。
【0019】
成分(a)が式(I)の化合物の混合物を含む場合、上記の量は、組成物中に存在するこのようなすべての化合物の全量を指す。
【0020】
式(I)中、R1は、置換されていてもよいC4-C36ヒドロカルビル基を表し、R2、R3、R4及びR5はそれぞれ独立して、水素又は置換若しくは非置換C1-C4アルキル基を表し(ただし、R2、R3、R4及びR5の少なくとも1つは水素でないことを条件とする)、M+は、カチオンを表す。
【0021】
好適には、R1は、置換されていてもよいC4-C36アルキル、C4-C36アルケニル、C6-C12アリール又はC8-C22アルキル-C6-C12アリール基を表す。より好適には、R1は、置換されていてもよいC4-C36アルキル又はC4-C36アルケニル基、特に置換されていてもよいC4-C36アルキル基を表す。最も好適には、R1は、C4-C36アルキル又はC4-C36アルケニル基、特にC4-C36アルキル基を表す。
【0022】
好適には、R1は、置換されていてもよいC8-C18アルキル又はC8-C18アルケニル基など置換されていてもよいC4-C36アルキル又はC4-C36アルケニル基を表す。
【0023】
好適には、R1は、C8-C18アルキル又はC8-C18アルケニル基などC4-C36アルキル又はC4-C36アルケニル基を表す。
【0024】
好適には、R1は、置換されていてもよいC7-C24アルキル基など置換されていてもよいC5-C30アルキル基、例えば置換されていてもよいC7-C21アルキル基、好ましくは置換されていてもよいC7-C17アルキル基を表す。
【0025】
好適には、R1は、C7-C24アルキル基などC5-C30アルキル基、例えばC7-C21アルキル基、好ましくはC7-C17アルキル基を表す。
【0026】
R1は、好適には脂肪酸の残基である。天然油から得られた脂肪酸は、脂肪酸の混合物を含むことが多い。例えば、ヤシ油から得られた脂肪酸は、C12ラウリン酸、C14ミリスチン酸、C16パルミチン酸、C8カプリル酸、C10カプリン酸、並びにC18ステアリン酸及びオレイン酸を含めて脂肪酸の混合物を含有する。
【0027】
R1は、1つ若しくは2つ以上の天然脂肪酸及び/又は1つ若しくは2つ以上の合成脂肪酸の残基を含んでもよい。例えば、R1は、単一の脂肪酸の残基から本質的になりうる。
【0028】
R1を誘導することができるカルボン酸の例としては、ココ酸(coco acid)、ヘキサン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ドコサヘキサン酸、リグノセリン酸;ヤシ油、獣脂、パーム核油、バター脂肪、パーム油、オリーブ油、トウモロコシ油、亜麻仁油、落花生油、魚油及び菜種油から得られたものなどの天然脂肪酸;単一長又は選択された鎖長分布の鎖として作製された合成脂肪酸;並びにそれらの混合物が挙げられる。好適には、R1は、ココ酸の残基、ヤシ油に由来する混合脂肪酸の残基又はパーム核油に由来する混合脂肪酸の残基を含む。より好適には、R1は、主として12個の炭素原子を有する飽和脂肪酸の残基を含む。
【0029】
式(I)のアシルアルキルイセチオネート界面活性剤は、先行技術に開示された方法のいずれによっても調製されうる。例えば、国際公開第94/09763号パンフレット及び同第2005/075623号パンフレットに記載されている方法を参照のこと。
【0030】
いくつかの実施形態において、式(I)の単一のアシルアルキルイセチオネート界面活性剤のみが第1の態様の濃縮組成物中に存在しうる。いくつかの実施形態において、式(I)の2つ又は3つ以上のアシルアルキルイセチオネート界面活性剤の混合物が存在しうる。そのような実施形態において、上記の量は、組成物中に存在する式(I)のすべてのアシルアルキルイセチオネート界面活性剤の全量を指す。
【0031】
R2、R3、R4及びR5のいずれも、置換されていてもよいC1-C4アルキル基を表す場合、アルキル基は、好適にはエチル又はメチルなどn-プロピル、エチル又はメチル、最も好ましくはメチルである。
【0032】
好ましくは、R2、R3、R4及びR5基の1つは、置換されていてもよいC1-C4アルキル基を表し、残りの基は水素を表す。例えば、R2は、置換されていてもよいC1-C4アルキル基を表すことができ、R3、R4及びR5はすべて、水素を表すことができる。例えば、R4は、置換されていてもよいC1-C4アルキル基を表すことができ、R2、R3及びR5はすべて、水素を表すことができる。
【0033】
好ましくは、R2は、C1-C4アルキル基を表し、R3、R4及びR5はすべて、水素を表す。好ましくは、R4は、C1-C4アルキル基を表し、R2、R3及びR5はすべて、水素を表す。
【0034】
最も好ましくは、R2は、メチル基を表し、R3、R4及びR5はすべて、水素を表す。最も好ましくは、R4は、メチル基を表し、R2、R3及びR5はすべて、水素を表す。
【0035】
好ましくは、成分(b)は、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム及びオレオイルメチルイセチオン酸ナトリウムの1つ又は2つ以上から選択される式(I)のアシルアルキルイセチオネート界面活性剤を含む。ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム(SLMI,sodium lauroyl methyl isethionate)が特に好ましい。
【0036】
好適には、M+は、金属カチオン又は置換されていてもよいアンモニウムカチオン、好ましくは金属カチオンを表す。「置換されていてもよいアンモニウムカチオン」とは、窒素原子が1~4つの置換されていてもよいヒドロカルビル基で置換されていてもよいアンモニウムカチオンを指すことを意味する。好適なアンモニウムカチオンとしては、アルキルアミン及びアルカノールアミンに由来するものが挙げられる。好ましいアンモニウムカチオンとしては、イソプロパノールアミン、イソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(AMPD,2-amino-2-methyl-1,3-propanediol)が挙げられる。好ましいアンモニウムカチオンとしては、NH4
+及びトリエタノールアミンのアンモニウムカチオンが挙げられる。
【0037】
好適な金属カチオンとしては、アルカリ金属カチオン、例えばナトリウム、リチウム及びカリウムカチオン、及びアルカリ土類金属カチオン、例えばカルシウム及びマグネシウムカチオンが挙げられる。好適には、M+は、アルカリ金属カチオン又は置換されていてもよいアンモニウムカチオンを表す。好ましくは、M+は、亜鉛、カリウム又はナトリウムカチオンを表す。最も好ましくは、M+は、ナトリウムカチオンを表す。
【0038】
当業者は、M+が2価の金属カチオンである場合、1モルのカチオンにつき2モルのアニオンが存在することを認識する。
【0039】
式(I)のアシルアルキルイセチオネート界面活性剤は、ナトリウムメチルイセチオネートと脂肪酸の反応生成物、すなわち式R1COOCHR2CHR4SO3
-M+[式中、R2及びR4の一方はメチルであり、他方は水素である]の化合物を含んでもよい。これらの異性体の混合物が存在しうる。
【0040】
本発明の固体洗浄組成物は、1つより多い式(I)のアシルアルキルイセチオネート界面活性剤の混合物を含んでもよい。例えば、式(I)のアシルアルキルイセチオネート界面活性剤の異性体混合物が存在しうる。そのような混合物としては、例えば、R2がC1-C4アルキル基(好適にはメチル)を表し、R3、R4及びR5がすべて水素であるアシルアルキルイセチオネート界面活性剤、及びR4がC1-C4アルキル基(好適にはメチル)を表し、R2、R3及びR5がすべて水素であるアシルアルキルイセチオネート界面活性剤を挙げることができる。
【0041】
特に、本発明の濃縮組成物は、異性体、すなわち式R1COOCH2CHR4SO3
-M+[式中、R4は、C1-C4アルキル基(好ましくはメチル)を表す]の化合物及び式R1COOCHR2CH2SO3
-M+[式中、R2は、C1-C4アルキル基(好ましくはメチル)を表す]の化合物の混合物を含んでもよい。
【0042】
好適には、そのような混合物は、R2がメチルであり、R4が水素である約90%の化合物、及びR2が水素であり、R4がメチルである約10%の化合物を含む。
【0043】
成分(c)は、両性界面活性剤又は双性イオン界面活性剤を含む。
【0044】
成分(c)は、本発明の濃縮組成物中に少なくとも0.01重量%の量で存在する。好ましくは、成分(c)は、少なくとも0.1重量%、例えば少なくとも0.5重量%の量で存在する。成分(c)は、本発明の濃縮組成物中に最大で40重量%、好ましくは最大で30重量%、例えば最大で20重量%の量で存在しうる。
【0045】
成分(c)は、好ましくは本発明の組成物中に0.1~30重量%、好ましくは0.5~25重量%、より好ましくは1~20重量%、より好ましくは3~18重量%、例えば5~15重量%の量で存在する。
【0046】
いくつかの実施形態において、成分(c)は、2つ又は3つ以上の両性界面活性剤及び/又は双性イオン界面活性剤の混合物を含む。そのような実施形態において、上記の量は、組成物中に存在するすべての双性イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の全量を指す。
【0047】
本発明の第1の態様の組成物における使用に適した両性界面活性剤としては、脂肪窒素誘導体をベースにしたもの及びベタインをベースにしたものが挙げられる。
【0048】
好適な両性界面活性剤又は双性イオン界面活性剤は、ベタイン、例えばアルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、例えばコカミドプロピルベタイン、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アルキルアンホアセテート、アルキルアンホジアセテート、アルキルプロピオネート、アルキルアンホジプロピオネート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルイミノジプロピオネート及びアルキルイミノジアセテートから選択されてもよい。
【0049】
第1の態様の組成物における使用のための両性界面活性剤又は双性イオン界面活性剤としては、7~22個の炭素原子のアルキル又はアルケニル基を有し、全体構造式:
【化2】
[式中、R
7は、7~22個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、R
8及びR
9はそれぞれ独立して、1~6個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシアルキル又はカルボキシアルキルであり、mは2~4であり、nは0又は1であり、Xは、ヒドロキシルで置換されていてもよい、1~6個の炭素原子のアルキレンであり、Yは、-CO
2又は-SO
3である]に従うものを挙げることができる。
【0050】
両性界面活性剤又は双性イオン界面活性剤としては、次式の単純なベタイン
【化3】
及び次式のアミドベタイン
【化4】
[式中、mは2又は3である]
を挙げることができる。
【0051】
両方の式中、R7、R8及びR9は、先に定義されたとおりである。R7は、特に、R7基の少なくとも半分、好ましくは少なくとも4分の3が10~14個の炭素原子を有するようにココナッツに由来するC12及びC14アルキル基の混合物とすることができる。R8及びR9は、好ましくはメチルである。
【0052】
両性界面活性剤又は双性イオン界面活性剤としては、次式のスルホベタイン
【化5】
[式中、mは2又は3である]、又は、-(CH
2)
3SO
3
-が
【化6】
によって置き換えられているこれらの変形、[式中、R
7、R
8及びR
9は先に定義されたとおりである]を挙げることができる。
【0053】
両性界面活性剤又は双性イオン界面活性剤としては、アンホアセテート(amphoacetates)及びジアンホアセテートを挙げることができる。アンホアセテートは、一般に次式:
【化7】
に一致する。
【0054】
ジアンホアセテートは、一般に次式:
【化8】
[式中、R
10は、8~22個の炭素原子の脂肪族基であり、M
2
+は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又は置換アンモニウムなどのカチオンである]に一致する。
【0055】
好適なアセテートをベースにした界面活性剤としては、ラウロアンホ酢酸;アルキルアンホ酢酸;アルキルアンホ酢酸ナトリウム;ココアンホ(ジ)酢酸;ココアンホ酢酸;ココアンホジ酢酸二ナトリウム;ココアンホ酢酸ナトリウム;ココアンホジ酢酸二ナトリウム;カプリロアンホジ酢酸二ナトリウム;ラウロアンホ酢酸二ナトリウム;ラウロアンホ酢酸ナトリウム及びコムギ胚芽アンホジ酢酸二ナトリウムが挙げられる。
【0056】
好適なベタイン界面活性剤としては、アルキルアミドベタイン;アルキルベタイン、C12/14アルキルジメチルベタイン;ココアミドプロピルベタイン;獣脂ビス(ヒドロキシエチル)ベタイン;ヘキサデシルジメチルベタイン;ココジメチルベタイン;アルキルアミドプロピルスルホベタイン;アルキルジメチルアミンベタイン;ココアミドプロピルジメチルベタイン;アルキルアミドプロピルジメチルアミンベタイン;コカミドプロピルベタイン;ラウリルベタイン;ラウリルアミドプロピルベタイン、ココアミドベタイン、ラウリルアミドベタイン、アルキルアミノベタイン;アルキルアミドベタイン;ココベタイン;ラウリルベタイン;ジメチコンプロピルPG-ベタイン;オレイルベタイン;N-アルキルジメチルベタイン;ココビグアミド誘導体、C8アミドベタイン;C12アミドベタイン;ラウリルジメチルベタイン;アルキルアミドプロピルベタイン;アミドベタイン;アルキルベタイン;セチルベタイン;オレアミドプロピルベタイン;イソステアラミドプロピルベタイン;ラウラミドプロピルベタイン;2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン;2-アルキル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン;2-アルキル-N-ナトリウムカルボキシメチル-N-カルボキシメチルオキシエチルイミダゾリニウムベタイン;N-アルキル酸アミドプロピル-N,N-ジメチル-N-(3-スルホプロピル)-アンモニウム-ベタイン;N-アルキル-N,N-ジメチル-N-(3-スルホプロピル)-アンモニウム-ベタイン;ココジメチルベタイン;アンズアミドプロピルベタイン;イソステアラミドプロピルベタイン;ミリスタミドプロピルベタイン;パルミトアミドプロピルベタイン;アルカミドプロピルヒドロキシルスルタイン;コカミドプロピルヒドロキシルスルタイン;ウンデシレンアミドプロピルベタイン;ココアミドスルホベタイン;アルキルアミドベタイン;C12/18アルキルアミドプロピルジメチルアミンベタイン;ラウリルジメチルベタイン;リシノールアミドベタイン;獣脂アミノベタインが挙げられる。
【0057】
好適なグリシネート界面活性剤としては、アシルグリシネート、例えばココアンホカルボキシグリシネート;獣脂アンホカルボキシグリシネート;カプリロアンホカルボキシグリシネート、オレオアンホカルボキシグリシネート、ビス-2-ヒドロキシエチル獣脂グリシネート;ラウリルアンホグリシネート;獣脂ポリアンホグリシネート;ココアンホグリシネート;オレイン酸ポリアンホグリシネート;N-C10/12脂肪酸アミドエチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-グリシネート;N-C12/18-脂肪酸アミドエチル-N-(2-ヒドロキシエチル)-グリシネート;ジヒドロキシエチル獣脂グリシネートが挙げられる。
【0058】
成分(c)としての使用に好ましいアセテートをベースとした両性界面活性剤としては、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸二ナトリウム及びそれらの混合物が挙げられる。
【0059】
成分(c)としての使用に好ましいベタイン界面活性剤としては、ココアミドプロピルベタインが挙げられる。
【0060】
成分(c)としての使用に好ましいスルタイン界面活性剤としては、ココアミドプロピルヒドロキシスルタインが挙げられる。
【0061】
好ましくは成分(c)は、ココアミドプロピルベタイン及び/又はココアミドプロピルヒドロキシスルタインを含む。
【0062】
好ましい実施形態において、本発明の組成物中に存在する成分(a)と成分(b)の重量比は、50:1~1:2、好ましくは40:1~1:1.5、より好ましくは30:1~1:1である。
【0063】
好ましくは、本発明の組成物中に存在する成分(a)と成分(c)の重量比は、20:1~1:5、好ましくは10:1~1:2、より好ましくは6:1~1:1である。
【0064】
好ましくは、本発明の組成物中に存在する成分(b)と成分(c)の重量比は、10:1~1:10、より好ましくは4:1~1:4である。
【0065】
第1の態様の濃縮組成物は、1つ又は2つ以上のさらなる成分を含んでもよい。好ましくは、1つ又は2つ以上のさらなる成分は、キレート剤、保存剤、pH調整剤、ヒドロトロープ及びさらなる界面活性剤から選択される。
【0066】
第1の態様の濃縮組成物は、キレート剤を含んでもよい。好適なキレート剤としては、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸N,N-二酢酸、イミノ二コハク酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、エチドロン酸、並びにそれらのアニオン、塩及び混合物が挙げられる。
【0067】
好ましいキレート剤は、生分解性キレート剤、例えばエチレンジアミン-N,N’-二コハク酸、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸N,N-二酢酸、イミノ二コハク酸、並びにそれらのアニオン及び混合物である。エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸(EDDS,ethylenediamine-N,N'-disuccinic acid)が特に好ましい。当業者は、ポリカルボン酸キレート剤が遊離酸又はそれらの塩として存在しうることを認識する。
【0068】
本発明の濃縮組成物は、保存剤を含んでもよい。好適な保存剤は当業者に公知であり、それらとしては、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、DMDMヒダントイン、イミダゾリジニル尿素、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン、サリチル酸、サリチル酸ベンジル、メチルパラベン、プロピルパラベン及びカプリリルグリコールが挙げられる。本明細書における使用に好ましい保存剤は、安息香酸ナトリウムである。
【0069】
本発明の濃縮組成物は、ヒドロトロープを含んでもよい。好適なヒドロトロープは当業者に公知であり、それらとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ソルビトール、キシレンスルホネート、クメンスルホネート、エタノール、尿素、ジプロピレングリコールが挙げられる。明細書における使用に好ましいヒドロトロープは、ソルビトールである。
【0070】
本発明の濃縮組成物は、pH調整剤を含んでもよい。好適なpH調整剤は当業者に公知であり、それらとしては、乳酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、トリエタノールアミン及びグルコン酸ナトリウムが挙げられる。好ましいpH調整剤は、クエン酸である。
【0071】
好ましくは本発明の組成物は、3~9、好ましくは4~8、例えば4.5~7.5のpHを有する。
【0072】
いくつかの実施形態において、組成物は、4.5~5.5のpHを有する。
【0073】
いくつかの実施形態において、組成物は、6.5~7.5のpHを有する。
【0074】
本発明の濃縮組成物は、1つ又は2つ以上のさらなる界面活性剤を含んでもよい。
【0075】
そのような界面活性剤は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤及びそれらの混合物から選択されうる。本発明の組成物における使用に適したさらなる界面活性剤の選択は当業者の権能内である。
【0076】
本発明の第1の態様の組成物における使用に適したアニオン界面活性剤としては、C12-C18カルボン酸、エトキシ化カルボン酸、エステルカルボキシレート及びエトキシ化エステルカルボキシレート及びサルコシネートの塩が挙げられる。他の好適なアニオン界面活性剤としては、スルフェート及びスルホネート、例えばアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルコールスルフェート、アルコールエーテルスルフェート、α-オレフィンスルホネート、直鎖状アルキルスルホネート;及びホスフェートエステルが挙げられる。
【0077】
好適なアニオン界面活性剤は、脂肪酸の塩;モノアルキル又はジアルキルスルフェートのアルカリ金属塩;モノアルキル又はジアルキルエーテルスルフェート;ラウリルエーテルスルフェート;アルキルスルホネート;アルキルアリールスルホネート;第一級アルカンジスルホネート;アルケンスルホネート;ヒドロキシアルカンスルホネート;アルキルグリセリルエーテルスルホネート;アルファ-オレフィンスルホネート;アルキルホスフェート;アルキルフェノールポリグリコールエーテルのスルホネート;アルキルスルホポリカルボン酸エステルの塩;アルキルスルホスクシネート及びそれらの塩、アルキルエーテルスルホスクシネート及びそれらの塩、アシルイセチオネート、非アシル化アルキルイセチオネート;脂肪酸タウレート;アシルタウレート;グルタメート及びグリシネートなどのアミノ酸界面活性剤;脂肪酸とオキシ及びアミノアルカンスルホン酸の縮合生成物;脂肪酸とポリグリコールの硫酸化誘導体;アルキル及びアシルサルコシネート;スルホアセテート;アルキルホスフェート;アルキルホスフェートエステル;アシルラクテート;硫酸化脂肪酸のアルカノールアミド並びにリポアミノ酸の塩から選択されうる。上記の特に例示的な塩は適用可能な場合、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム及びトリエタノールアミン塩である。好適なアンモニウムカチオンとしては、アルキルアミン及びアルカノールアミンに由来するものが挙げられる。好ましいアンモニウムカチオンとしては、イソプロパノールアミン、イソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(AMPD)が挙げられる。好ましいアンモニウムカチオンとしては、NH4
+及びトリエタノールアミンのアンモニウムカチオンが挙げられる。
【0078】
好ましいアニオン界面活性剤は、脂肪酸の塩;アルキルスルホネート;アルキルアリールスルホネート;第一級アルカンジスルホネート;アルケンスルホネート;ヒドロキシアルカンスルホネート;アルキルグリセリルエーテルスルホネート;アルファ-オレフィンスルホネート;アルキルホスフェート;アルキルフェノールポリグリコールエーテルのスルホネート;アルキルスルホポリカルボン酸エステルの塩;アルキルスルホスクシネート及びそれらの塩、アルキルエーテルスルホスクシネート及びそれらの塩、アシルイセチオネート、非アシル化アルキルイセチオネート;脂肪酸タウレート;アシルタウレート;グルタメート及びグリシネートなどのアミノ酸界面活性剤;脂肪酸とオキシ及びアミノアルカンスルホン酸の縮合生成物;アルキル及びアシルサルコシネート;スルホアセテート;アルキルホスフェート;アルキルホスフェートエステル;アシルラクテート;並びにリポアミノ酸の塩から選択される。上記の特に例示的な塩は適用可能な場合、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム及びトリエタノールアミン塩である。好適なアンモニウムカチオンとしては、アルキルアミン及びアルカノールアミンに由来するものが挙げられる。好ましいアンモニウムカチオンとしては、イソプロパノールアミン、イソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(AMPD)が挙げられる。好ましいアンモニウムカチオンとしては、NH4
+及びトリエタノールアミンのアンモニウムカチオンが挙げられる。
【0079】
好適なスルホアセテートとしては、アシルスルホアセテート、特にナトリウムアシルスルホアセテートが挙げられる。
【0080】
好適なグルタメート界面活性剤としては、アシルグルタメートが挙げられる。
【0081】
本発明の第1の態様の組成物における使用のためのアシルイセチオネートは、式(II):
【化9】
[式中、R
6は、置換されていてもよいC
4-C
36ヒドロカルビル基を表し、M
1
+は、カチオンを表す]のものであってもよい。
【0082】
好適には、R6は、置換されていてもよいC4-C36アルキル、C4-C36アルケニル、C6-C12アリール又はC8-C22アルキル-C6-C12アリール基を表す。より好適には、R6は、置換されていてもよいC4-C36アルキル又はC4-C36アルケニル基を表す。最も好適には、R6は、C4-C36アルキル基又はC4-C36アルケニル基、特にC4-C36アルキル基を表す。
【0083】
好適には、R6は、置換されていてもよいC7-C24アルキル基などの置換されていてもよいC5-C30アルキル基、例えば置換されていてもよいC7-C21アルキル基、好ましくは置換されていてもよいC7-C17アルキル基を表す。
【0084】
好適には、R6は、C7-C24アルキル基などのC5-C30アルキル基、例えばC7-C21アルキル基、好ましくはC7-C17アルキル基を表す。
【0085】
R6は、好適には脂肪酸の残基である。天然油から得られた脂肪酸は、脂肪酸の混合物を含むことが多い。例えば、ヤシ油から得られた脂肪酸は、C12ラウリン酸、C14ミリスチン酸、C16パルミチン酸、C8カプリル酸、並びにC18ステアリン酸及びオレイン酸を含めて脂肪酸の混合物を含有する。
【0086】
R6としては、1つ若しくは2つ以上の天然脂肪酸及び/又は1つ若しくは2つ以上の合成脂肪酸の残基を挙げることができる。例えば、R6は、単一の脂肪酸の残基から本質的になる。
【0087】
R6を誘導することができるカルボン酸の例としては、ココ酸、ヘキサン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ドコサヘキサン酸、リグノセリン酸;ヤシ油、獣脂、パーム核油、バター脂肪、パーム油、オリーブ油、トウモロコシ油、亜麻仁油、落花生油、魚油及び菜種油から得られたものなどの天然脂肪酸;単一長又は選択された鎖長分布の鎖として作製された合成脂肪酸;並びにそれらの混合物が挙げられる。好適には、R6は、ココ酸の残基、ヤシ油に由来する混合脂肪酸の残基又はパーム核油に由来する混合脂肪酸の残基を含む。
【0088】
好適には、M1
+は、金属カチオン又は置換されていてもよいアンモニウムカチオン、好ましくは金属カチオンを表す。好適なアンモニウムカチオンとしては、NH4
+及びトリエタノールアミンのアンモニウムカチオンが挙げられる。好適なアンモニウムカチオンとしては、アルキルアミン及びアルカノールアミンに由来するものが挙げられる。好ましいアンモニウムカチオンとしては、イソプロパノールアミン、イソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン及び2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール(AMPD)が挙げられる。好ましいアンモニウムカチオンとしては、NH4
+及びトリエタノールアミンのアンモニウムカチオンが挙げられる。
【0089】
適切な金属カチオンとしては、アルカリ金属カチオン、例えばナトリウム、リチウム及びカリウムカチオン、並びにアルカリ土類金属カチオン、例えばカルシウム及びマグネシウムカチオンが挙げられる。好ましくは、M1
+は、亜鉛、カリウム又はナトリウムカチオンを表す。最も好ましくは、M1
+は、ナトリウムカチオンを表す。
【0090】
当業者は、M1
+が2価の金属カチオンである場合、1モルのカチオンにつき2モルのアニオンが存在することを認識する。
【0091】
いくつかの実施形態において、式(II)の単一のアシルイセチオネートのみが第1の態様の固体洗浄組成物中に存在しうる。いくつかの実施形態において、式(II)の2つ又は3つ以上のアシルイセチオネートの混合物が存在しうる。
【0092】
例えば、式(II)のアシルイセチオネートは、ラウロイルイセチオネン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム及びミリストイルイセチオン酸ナトリウム1つ又は2つ以上から選択されうる。ココイルイセチオン酸ナトリウムが特に好ましい。
【0093】
本発明の第1の態様の組成物における使用に好ましい追加の洗浄性アニオン界面活性剤としては、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、アンモニウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウレススルフェート、トリエチルアミンラウリルスルフェート、トリエチルアミンラウレススルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウレススルフェート、モノエタノールアミンラウリルスルフェート、モノエタノールアミンラウレススルフェート、ジエタノールアミンラウリルスルフェート、ジエタノールアミンラウレススルフェート、ラウリン酸モノグリセリドナトリウムスルフェート、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、トリエタノールアミンラウリルスルフェート、モノエタノールアミンココイルスルフェート、モノエタノールアミンラウリルスルフェート、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0094】
本発明の第1の態様の組成物における使用に適した非イオン性界面活性剤としては、アルコールアルコキシレート、例えばアルコールエトキシレート、アルコールプロポキシレート、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー由来の界面活性剤、脂肪族エステル、芳香族エステル、糖エステル、特にソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸エトキシレート及び脂肪酸プロポキシレートなどの脂肪酸アルコキシレート、又はポリエチレングリコールエステル及び部分エステル、グリセロール部分エステル及びグリセロールトリエステルを含めてグリセロールエステル、脂肪アルコール(セテアリルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなど)、アルカノールアミド並びにアミンオキシドが挙げられる。
【0095】
好適な非イオン性界面活性剤は、以下から選択されうる:疎水基及び反応性水素原子を有する化合物、例えば脂肪族アルコール、酸、アミド又はアルキルフェノールとアルキレンオキシド、特にエチレンオキシド単独又はプロピレンオキシドとの反応生成物(例えば、アルキル(C6-C22)フェノール-エチレンオキシド縮合物、脂肪族(C8-C18)第一級又は第二級直鎖状又は分岐状アルコールとエチレンオキシドの縮合生成物、及びエチレンオキシドをプロピレンオキシドとエチレンジアミンの反応生成物と縮合させることによって作製された生成物);長鎖第三級アミンオキシド、長鎖第三級ホスフィンオキシド及びジアルキルスルホキシド;アルキルアミンオキシド、アルキルアミドアミンオキシド;アルキル第三級ホスフィンオキシド;アルコキシルアルキルアミン;ソルビタン;ソルビタンエステル;ソルビタンエステルアルコキシレート;グリセロールエステルアルコキシレート;ショ糖エステル;多糖アミドなどの糖アミド;ラクトビオナミド;並びにアルキル多糖非イオン性界面活性剤、例えばアルキルポリグリコシド。
【0096】
本発明の第1の態様の組成物における使用に適したカチオン界面活性剤は、典型的に脂肪アミン誘導体又はホスホニウム第四級イオン、及び第四級アンモニウム化合物をベースにしたものである。高分子カチオン界面活性剤も使用することができる。
【0097】
本発明の第1の態様の組成物における使用に適したカチオン界面活性剤としては、第三級アミン塩、モノアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、モノアルキルトリメチルアンモニウムメチルスルフェート、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムメチルスルフェート、トリアルキルメチルアンモニウムクロリド及びトリアルキルメチルアンモニウムメチルスルフェートが挙げられる。
【0098】
好適なカチオン界面活性剤の例としては、第四級アンモニウム化合物、特にトリメチル第四級化合物が挙げられる。
【0099】
好ましい第四級アンモニウム化合物としては、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド(BTAC,behenyltrimethylammonium chloride)、セチルピリジニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、デシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、獣脂トリメチルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド、PEG-2オレイルアンモニウムクロリド及びこれらの塩(クロリドがハロゲン(例えば、ブロミド)、アセテート、シトレート、ラクテート、グリコレート、ホスフェート、ニトレート、スルフェート、又はアルキルスルフェートによって置き換えられている)が挙げられる。
【0100】
さらに好適なカチオン界面活性剤としては、CTFA名称クアテルニウム(Quaternium)-5、クアテルニウム-31及びクアテルニウム-18を有する物質が挙げられる。上記の物質のうちのいかなる物質の混合物も好適でありうる。毛髪コンディショニング剤としての使用に特に有用なカチオン界面活性剤は、例えばGENAMIN CTACとして旧Hoechst Celanese社から市販されているセチルトリメチルアンモニウムクロリドである。
【0101】
第一級、第二級、及び第三級脂肪アミンの塩も、好適なカチオン界面活性剤である。そのようなアミンのアルキル基は、好ましくは12~22個の炭素原子を有し、置換されていてもよいことがありうる。
【0102】
有用なカチオン界面活性剤としては、アミド置換第三級脂肪アミン、特に1つのC12-C22アルキル鎖又はアルケニル鎖を有する第三級アミンが挙げられる。そのようなアミンとしては、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジメチルアミン、アラキドアミドプロピルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジエチルアミン、アラキドアミドエチルジメチルアミン、ジエチルアミノエチルステアラミドが挙げられる。
【0103】
ジメチルステアラミン、ジメチルソイアミン、ソイアミン、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリルアミン、N獣脂プロパンジアミン、(5モルのエチレンオキシドで)エトキシ化ステアリルアミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、及びアラキジルベヘニルアミンも有用である。
【0104】
これらのアミンを、典型的に、酸と組み合わせて使用して、カチオン種を提供する。好適な酸としては、L-グルタミン酸、乳酸、塩酸、リンゴ酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、L-グルタミン酸の塩酸塩、及びそれらの混合物、より好ましくはL-グルタミン酸、乳酸、クエン酸が挙げられる。
【0105】
他の有用なカチオン性アミン界面活性剤としては、米国特許第4275055号明細書に開示されたものが挙げられる。
【0106】
好適な高分子カチオン界面活性剤としては、ポリクアテルニウム-7、ポリクアテルニウム-10、ポリクアテルニウム-11、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、及びヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが挙げられる。
【0107】
いくつかの好ましい実施形態において、第1の態様の濃縮組成物は、2.5重量%未満、好ましくは2重量%未満、より好ましくは1.5重量%未満、好ましくは1重量%未満、好適には0.75重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、好ましくは0.25重量%未満、好ましくは0.1重量%未満、好適には0.05重量%未満、例えば0.01重量%未満、好ましくは0.005重量%未満、最も好ましくは0.001重量%未満のスルフェート含有界面活性剤を含む。
【0108】
いくつかの実施形態において、本発明の第1の態様の濃縮組成物は、好ましくはスルフェート含有界面活性剤を含まない。
【0109】
いくつかの好ましい実施形態において、成分(b)及び(c)は共に、第1の態様の濃縮組成物中に存在するすべての界面活性剤の少なくとも70重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、好適には少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%を構成する。
【0110】
本発明の濃縮組成物は、好ましくは水性組成物である。いくつかの実施形態において、組成物は、水に加えて1つ又は2つ以上のさらなる溶媒を含んでもよい。そのような好適な共溶媒は、当業者に公知である。
【0111】
しかし、好ましい実施形態において、水は、本発明の濃縮組成物中に存在する主要な溶媒であり、好適には存在するすべての溶媒の少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%を構成する。
【0112】
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の第1の態様の濃縮組成物は、水性組成物であって、
- 10~40重量%の成分(a)、
- 0.1~20重量%の成分(b)、
- 1~25重量%の成分(c)
を含み、
- キレート剤、保存剤、pH調整剤、ヒドロトロープ及びさらなる界面活性剤から選択される1つ又は2つ以上のさらなる成分
を含んでいてもよい、水性組成物である。
【0113】
いくつかの好ましい実施形態において、本発明の第1の態様の濃縮組成物は、水性組成物であって、
- 15~30重量%の成分(a)、
- 1~12重量%の成分(b)、
- 5~15重量%の成分(c)
を含み、
- キレート剤、保存剤、pH調整剤、ヒドロトロープ及びさらなる界面活性剤から選択される1つ又は2つ以上のさらなる成分
を含んでいてもよい、水性組成物である。
【0114】
本発明の第1の態様の濃縮組成物は、不透明な組成物とすることができる。
【0115】
本発明の第1の態様の濃縮組成物は、好ましくはパール光沢の組成物である。
【0116】
第1の態様の濃縮組成物は、好ましくは液体組成物又は半(semi)液体組成物である。それは、濃厚なペーストの形態をした濃厚な粘性液体とすることができ、又は流れやすい液体とすることができる。好ましくは、濃縮組成物は、流動性があり、ポンピング可能(pumpable)である。
【0117】
好ましくは、第1の態様の濃縮組成物は、No.5のスピンドルを2.5RPMで使用して25℃で測定して、1000~100000cps、好ましくは1000~50000cpsのBrookfield粘度を有する。
【0118】
本発明の第1の態様の濃縮組成物は、複雑な加熱、冷却又はせん断ステップを必要とすることなく、ほぼ完全に製剤化された組成物に添加することで、パール効果をもたらすことができるので、極めて有利である。
【0119】
本発明の濃縮組成物は、周囲条件下で単純に混合しながら少量で製剤に添加されうる。
【0120】
本発明の濃縮組成物は、好適に、撹拌しながら成分を加熱し、ゆっくり冷却することによって作製される。濃縮混合物の加熱は、最終製剤化製品の加熱よりはるかにエネルギー効率がよい。さらに、周囲温度における濃縮組成物の添加により、製剤者が長く複雑な加熱及び冷却方法を使用する必要がなくなる。
【0121】
本発明の第2の態様によれば、
(i)以下の成分:
(a)少なくとも10重量%の脂肪酸のグリコールエステル、
(b)式(I):
【化10】
[式中、R
1は、置換されていてもよいC
4-C
36ヒドロカルビル基を表し、
R
2、R
3、R
4及びR
5のそれぞれは独立して水素又はC
1-C
4アルキル基を表し、R
2、R
3、R
4及びR
5の少なくとも1つは水素でなく、M
+はカチオンを表す]の少なくとも1つのアシルアルキルイセチオネート界面活性剤、及び
(c)少なくとも1つの双性イオン界面活性剤又は両性界面活性剤
を混合するステップ、
(ii)ステップ(i)において得られた混合物を少なくとも60℃の温度に加熱するステップ、及び
(iii)組成物をゆっくり冷却するステップ
を含む濃縮組成物を調製する方法が提供される。
【0122】
ステップ(i)は、1つ又は2つ以上のさらなる成分を添加することを含み得る。好ましくは、1つ又は2つ以上のさらなる成分は、キレート剤、保存剤、pH調整剤、ヒドロトロープ及びさらなる界面活性剤から選択される。これらは、好適には、第1の態様に関して定義されているとおりである。
【0123】
好ましくは、水をステップ(i)において添加して、水性組成物を提供する。任意選択で、1つ又は2つ以上のさらなる溶媒、例えば1つ又は2つ以上の水混和性溶媒が添加されうる。好ましい実施形態において、水が唯一の使用溶媒である。
【0124】
第2の態様の好ましい特徴は、第1の態様に関して定義されているとおりである。
【0125】
混合物は、ステップ(ii)において少なくとも60℃の温度に加熱される。好ましくは、混合物は、少なくとも70℃、例えば少なくとも75℃の温度に加熱される。
【0126】
好ましくは、組成物は、ステップ(iii)の際に冷却されるとき、好ましくはせん断力の適用によって撹拌される。
【0127】
好適なせん断速度及び冷却プロファイルの選択は、当業者の裁量内である。指針は、例えば国際公開第200125378号パンフレット、同第2003066796号パンフレット、同第2004028676A1号パンフレット及び同第2011023803号パンフレットに記載されている。
【0128】
例えば、当業者であれば、冷却及び/又はせん断速度が結晶化を制御する助けとなり、好ましくはエステルが小板状構造に結晶化することを理解する。より大きい小板状構造がパール光沢製剤には好ましい。
【0129】
本発明の第3の態様によれば、パール光沢仕上げを製剤に施す方法であって、製剤にパール光沢化組成物を混合するステップを含み、パール光沢化組成物が、
(a)少なくとも10重量%の脂肪酸のグリコールエステル、
(b)式(I):
【化11】
[式中、R
1は、置換されていてもよいC
4-C
36ヒドロカルビル基を表し、
R
2、R
3、R
4及びR
5のそれぞれは独立して水素又はC
1-C
4アルキル基を表し、R
2、R
3、R
4及びR
5の少なくとも1つは水素でなく、
M
+はカチオンを表す]の少なくとも1つのアシルアルキルイセチオネート界面活性剤、及び
(c)少なくとも1つの双性イオン界面活性剤又は両性界面活性剤
を含む、方法が提供される。
【0130】
第3の態様の好ましい特徴は、第1及び第2の態様に関して定義されているとおりである。
【0131】
「製剤」とは、一緒に混合された複数の成分を含有する化学組成物を指すことを意味する。製剤は、好適には特定の材料を含有するように調製され、特定の目的を有する。例えば、製剤は、清浄組成物又はパーソナルケア組成物とすることができる。典型的に、そのような組成物中に存在する成分のタイプは、当業者に公知である。
【0132】
例えば、洗濯用及び食器洗い用組成物は、典型的に、界面活性剤、ビルダー、漂白剤、漂白剤活性化剤、再沈着添加剤、移染防止剤、酵素、着色剤及び香料などの材料を含む。
【0133】
パーソナルケア組成物は、典型的に、界面活性剤(アニオン、両性、非イオン性及びカチオン界面活性剤を含む);コンディショニング剤(第四級アンモニウム化合物、カチオン性ポリマー、カチオン性コンディショニングポリマー、シリコーン、合成又は天然油、又は樹脂などを含む)、脂肪アルコール、電解質又は他のレオロジー改質剤、不透明化/パール光沢化剤、頭皮ベネフィット剤、香料、染料、UVフィルター、浸透増強剤(例えば、プロピレンカーボネート、ベンジルアルコールなど)、保存剤、抗酸化剤、乳化剤、pH調整剤及び緩衝液、並びに整髪用ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドンなど)などの材料を含む。
【0134】
製剤は、好ましくは液体組成物又は半液体組成物である。それは、濃厚なペーストの形をした濃厚な粘性液体とすることができ、又は流れやすい液体とすることができる。好ましくは、濃縮組成物は、流動性があり、ポンピング可能である。
【0135】
好ましくは、第3の態様の方法によってもたらされた製剤は、0.1~3重量%、好適には0.5~2重量%、好ましくは0.5~1.5重量%の成分(a)を含む。
【0136】
好ましくは、第3の態様の方法は、60℃未満、好ましくは50℃未満、より好ましくは40℃未満、好ましくは30℃未満の温度で実施される。
【0137】
好ましくは、製剤は、本発明の第3の態様の方法において加熱されない。
【0138】
いくつかの実施形態において、好ましくは、製剤は、初期に(initially)不透明でもパール光沢でもない。
【0139】
第3の態様の方法によって得られた生成物は、パール光沢化/パール光沢製剤化製品である。
【0140】
第3の態様の方法は、好ましくは製剤化製品の不透明を高めた。
【0141】
本発明の第4の態様によれば、パール光沢製剤を調製する方法であって、
(x)パール光沢のない製剤を調製するステップ、及び
(y)第1の態様の濃縮組成物を、ステップ(x)において調製された製剤に添加するステップ
を含む方法が提供される。
【0142】
好ましくは、ステップ(y)において使用される第1の態様の濃縮組成物は、第2の態様の方法によって調製される。
【0143】
本発明の第5の態様によれば、パール光沢化剤として、
(a)少なくとも10重量%の脂肪酸のグリコールエステル、
(b)式(I):
【化12】
[式中、R
1は、置換されていてもよいC
4-C
36ヒドロカルビル基を表し、
R
2、R
3、R
4及びR
5のそれぞれは独立して水素又はC
1-C
4アルキル基を表し、R
2、R
3、R
4及びR
5の少なくとも1つは水素でなく、M
+はカチオンを表す]の少なくとも1つのアシルアルキルイセチオネート界面活性剤、及び
(c)少なくとも1つの双性イオン界面活性剤又は両性界面活性剤
を含む組成物の使用が提供される。
【0144】
第4及び第5の態様の好ましい特徴は、第1、第2及び第3の態様に関して定義されているとおりである。
【0145】
本発明は、パール光沢仕上げを有する組成物の提供に関する。好ましくは、本発明によってもたらされるパール光沢効果は一貫しており、同じ条件下で容易に再生成されうる。そのようなパール光沢効果は、当業者によって目視評価されうる。
【0146】
いくつかの実施形態において、本発明を使用して、組成物のパール光沢を高めることができる。
【0147】
次に、以下の非限定的な例を参照して、本発明をさらに明らかにする。
[実施例]
【0148】
列挙された材料を含む表1の組成物を、以下の方法に従って調製した。
【表1】
【0149】
安息香酸ナトリウムは、100%活性成分として用意した。
【0150】
EDDSは、エチレンジアミン-N,N’-二コハク酸の三ナトリウム塩の38重量%水性溶液として用意した。
【0151】
CAPBは、コカミドプロピルベタインの30重量%水溶液として用意した。
【0152】
CAPHSは、コカミドプロピルヒドロキシスルタインの30重量%水溶液として用意した。
【0153】
ソルビトールは、70重量%水溶液として用意した。
【0154】
クエン酸は、50重量%水溶液として用意した。
【0155】
SLMIは、85重量%活性のラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウムを含む固体材料として用意した。
【0156】
EGDSは、主にエチレングリコールジステアレート及び少量のモノステアレート製品を含む市販の製品として用意した。
【0157】
方法
1.「A」材料を組み合わせる。滑らかな機械的撹拌を行いながら、完全に均一になるまで混合する。以上に詳述したように、成分Aの材料の複数を水溶液として用意した。表1に言及された成分Aの材料の量は、存在する活性成分の量であり、存在するいかなる溶媒又は希釈剤も無視する。しかし、ステップ1において、そのような水が含められ、さらなる水もこの段階で添加されうる。
2.滑らかな機械的撹拌を行いながら、系のpHを、必要に応じて50%水性クエン酸で4.8~5.2に調整する。滑らかな撹拌を行いながら、系を50℃に温める。
3.滑らかな撹拌を行いながら、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウムのフレークを加えてゆっくりブレンドする。完全に清澄で均一になるまで混合する。滑らかな撹拌を行いながら、系を70~80℃に加熱し続ける。
4.急速であるが滑らかな撹拌を行いながら、EGDS/EGMSフレークを加熱された系にブレンドする。80~85℃に加熱し続ける。20分間混合しながら、80~85℃の温度を維持し、次いで熱源を取り外す。急速であるが滑らかな撹拌を行いながら、45~50℃に冷却し続ける。
5.急速であるが滑らかな撹拌を行いながら、20~25℃の水中でゆっくりブレンドする。この段階で、さらに水を添加して、各組成物について表1に列挙された成分の100%を提供する。しかし、いくらかの水が成分Aの材料の一部分として既に添加されており、ステップ1において追加的に添加されてもよい。完全に均一になるまで混合する。急速であるが滑らかな撹拌を行いながら、系を25~30℃に冷却し続ける。20~25℃で包装する。
【0158】
パール光沢化効果
6gの各濃縮組成物を194gの脱イオン水及び1滴の食品着色料に添加することによって、実施例3~8の組成物のパール光沢化効果を評価した。
【0159】
材料を室温で組み合わせ、機械的撹拌を行いながら、冷パール濃縮物が完全に分散されるまで混合した。得られた系を目で観察し、パール品質について評価した。以下の格付けシステムを使用した。
【0160】
格付け尺度
不十分=パール外見のない不透明な液体
中程度=わずかなパール外見を伴う不透明な液体
良好=中程度のパール外見を伴う不透明な液体
優秀=高光沢パール外見を伴う不透明な液体
【0161】
【0162】
表3に詳述する材料を有するさらなる組成物を後述する方法に従って調製した。組成物9は本発明の組成物である。組成物10は比較である。
【表3】
【0163】
SCIは、85%活性のココイルイセチオン酸ナトリウムを含む固体材料として用意した。残りの材料は、実施例1に記載されているとおりである。
【0164】
方法:
1.成分「A」の材料を、清澄で均質な組成物が得られるまで混合した。材料Aの脱イオン水成分は、溶液として添加された材料の一部分を形成する水及び別に添加された追加の水を含む。
2.系のpHをクエン酸溶液で4.8~5.2に調整し、次いで混合しながら45~50℃に加熱した。
3.成分「C」の材料を添加し、急速であるが滑らかな機械的混合を行いながら、70~80℃に加熱し続けた。
4.急速であるが滑らかな機械的撹拌を行いながら、成分「C」の材料を添加した。急速であるが滑らかな撹拌を行いながら、85℃に加熱し続けた。温度を20分間維持し、次いで熱源を取り外した。急速であるが滑らかな撹拌を行いながら、系が45~50℃の温度に到達するまで冷却を実施した(系は、ローション/ペーストに落ち着き始める)。
5.急速であるが滑らかな撹拌を行いながら、20~25℃の水を加えてゆっくりブレンドし、急速であるが滑らかな撹拌を行いながら、25℃に冷却し続けた。
【0165】
得られた組成物は、表4に列挙する特性を有した。
【表4】
【0166】
組成物9は、急速に分散し、優秀なパール品質を有する組成物を提供し、組成物10は、非常にゆっくり分散した。
【0167】
組成物10とは違って、組成物9は容易に注ぐことが可能である。これは、組成物9の方が取り扱いが容易であり、組成物を操作するために加熱が必要とされないので改善された環境プロファイルを有することを意味する。
【国際調査報告】