(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】マルチモードロボットエンドエフェクタ
(51)【国際特許分類】
B25J 15/00 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
B25J15/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520671
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 US2022045866
(87)【国際公開番号】W WO2023059780
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521105662
【氏名又は名称】デクステリティ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】DEXTERITY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラヴェット・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】アルヴァーヨ・アルベルト・レイヴァ
(72)【発明者】
【氏名】クマー・シティジ
(72)【発明者】
【氏名】ネイダー・シリル
(72)【発明者】
【氏名】サン・カスバート
(72)【発明者】
【氏名】モダー・アンモル・サイプラサド
(72)【発明者】
【氏名】キム・ジャスティン・ソンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ナヤック・ヴァルン・ウダイ
(72)【発明者】
【氏名】メノン・サミア
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707DS03
3C707DS10
3C707LV15
(57)【要約】
【解決手段】エンドエフェクタが開示されている。エンドエフェクタは、ロボットエンドエフェクタが第1モードで動作される時に、少なくとも1つの第1物体を把持するための第1把持メカニズムと、ロボットエンドエフェクタが第2モードで動作される時に、第2物体を把持するための第2把持メカニズムと、を備える。第2把持メカニズムは、ロボットエンドエフェクタが第1モードで動作するよう制御される時に、ロボット制御で非アクティブ状態に配置される。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットエンドエフェクタであって、
ロボット作動式の第2グリッパと、
前記ロボットエンドエフェクタの中心垂直軸の両側に互いに向かい合って配置されている第1要素および第2要素を備えるロボット作動式の第1グリッパと、前記ロボット作動式の第2グリッパは、前記第1要素と前記第2要素との間に配置され、
前記第1グリッパが利用のために配置される動作の第1モードまたは前記第2グリッパが利用のために配置される動作の第2モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう構成されているロボット作動式の格納-伸長メカニズムと、
を備える、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のロボットエンドエフェクタであって、
前記ロボット作動式の第2グリッパは、前記ロボットエンドエフェクタが前記第1モードで動作するよう制御される時に、ロボット制御で非アクティブ状態に配置され、
前記ロボット作動式の第2把持メカニズムは、前記エンドエフェクタが前記第2モードで動作するよう制御される時に、ロボット制御でアクティブ状態に配置される、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項3】
請求項1に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボットエンドエフェクタを前記第1モードに配置することは、前記ロボット作動式の第1グリッパが第1物体と係合するために、前記ロボット作動式の第1グリッパの少なくとも一部を露出させる、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項4】
請求項1に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボット作動式の第2グリッパは、トレイまたはその他の容器を把持するよう構成されている、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項5】
請求項1に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボット作動式の第1グリッパは、トレイまたはその他の容器に含まれる少なくとも1つの第1物体を把持するよう構成されている、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項6】
請求項1に記載のロボットエンドエフェクタであって、
前記ロボットエンドエフェクタは、ロボットアームに接続されるよう構成され、
前記第1要素および前記第2要素は、前記物体の2以上の側面または前記物体の底面と係合するよう構成されているグリッパアームに対応する、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項7】
請求項6に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボットエンドエフェクタを前記第1モードに配置することは、前記グリッパアームの少なくとも1つを収容状態へ回転させることを含み、前記グリッパアームに前記少なくとも1つを回転させることは、物体と係合するように前記ロボット作動式の第1グリッパの少なくとも一部を露出させる、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項8】
請求項1に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボット作動式の第1グリッパは、複数の吸着ベース把持メカニズムと、前記複数の吸着ベース把持メカニズムに吸着力を印加するための1または複数の作動メカニズムと、を備える、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項9】
請求項8に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボット作動式の第1グリッパは、複数の第1物体を一度に把持するよう構成されている、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項10】
請求項9に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記複数の吸着ベース把持メカニズムの内の第1サブセットの把持メカニズムは、前記複数の吸着ベース把持メカニズムの内の第2サブセットの把持メカニズムとは独立的に制御されるよう構成されている、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項11】
請求項10に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記第1サブセットの把持メカニズムは、1または複数の第1物体の第1サブセットを把持するよう制御され、前記第2サブセットの把持メカニズムは、前記1または複数の第1物体の第2サブセットを把持するよう制御される、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項12】
請求項8に記載のロボットエンドエフェクタであって、
前記1または複数の作動メカニズムは、制御コンピュータから1または複数の信号を取得し、前記1または複数の信号の内の少なくとも1つに応じて動作するよう構成され、
前記1または複数の作動メカニズムは、前記1または複数の信号の内の少なくとも1つに応じて1または複数の第1物体を把持するための把持戦略に従って決定される、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項13】
請求項12に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記複数の吸着ベース把持メカニズムの少なくとも一部は、伸展可能な吸着カップを備える、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項14】
請求項13に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記伸展可能な吸着カップは、前記1または複数の信号の内の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて制御される、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項15】
請求項1に記載のロボットエンドエフェクタであって、さらに、物体またはカートと係合して、前記物体または前記カートを押すまたは引くよう構成されている1または複数の構造を備える、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項16】
請求項15に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記1または複数の構造は、前記ロボット作動式の第2グリッパ上に配置されている、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項17】
請求項1に記載のロボットエンドエフェクタであって、さらに、
ロボットアームに結合されるよう構成されている横部材を備え、
前記第1要素は、第1遠位端で前記横部材に結合され、把持される物体の第1側にある第1凹部と機会的に係合するよう構成され、
前記第2要素は、前記第1遠位端と反対側の第2遠位端で前記横部材に結合され、把持される前記物体の第2側にある第2凹部と機会的に係合するよう構成されている、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項18】
請求項17に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボット作動式の第1グリッパは、前記第1遠位端と前記第2遠位端との間の間の位置で前記横部材に結合されている、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項19】
請求項17に記載のロボットエンドエフェクタであって、さらに、前記第1要素または前記第2要素の一方または両方の位置に関する情報を取得するよう構成されているセンサを備える、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項20】
請求項19に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記センサは、前記第1要素または前記第2要素の前記一方または両方が、前記第2モードに対応する配備位置にあるのか前記第1モードに対応する収容位置にあるのかを示す情報を取得するよう構成されている機械式リミットスイッチである、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項21】
請求項19に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記センサは、前記第1要素または前記要素の前記一方または両方が、前記第2モードに対応する配備位置にあるのか前記第1モードに対応する収容位置にあるのかを示す情報を取得するよう構成されている光センサである、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項22】
請求項17に記載のロボットエンドエフェクタであって、
前記第1要素および前記第2要素の一方または両方は、前記横部材に対して可動であり、
前記第1要素および前記第2要素の前記一方または両方は、前記第2モードに対応する配備位置と前記第1モードに対応する収容位置との間で、ロボット制御で移動するよう構成されている、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項23】
請求項1に記載のロボットエンドエフェクタを備える自律型トレイハンドリングロボットシステムであって、前記システムは、さらに、
構築される1セットの出力スタックを示すデータを格納するよう構成されているメモリと、各出力スタックは、関連するセットの物体を含み、
前記メモリに接続され、1または複数のロボットの動作を制御するよう構成されているプロセッサと、を備え、前記1または複数のロボットの各々は、1または複数の対応する移動元スタックからピックされた第1物体または第2物体を出力スタック上へ連続的にプレースすることによって、各出力スタックを構築することなどにより、物体の移動元スタックから1または複数の第1物体を繰り返しピックして前記1セットの出力スタックを構築するために、計画に従って、1または複数の第1物体を一度に把持、移動、および、プレースするよう構成され、
前記ロボットの各々は、ロボットアームと、別のロボットの支援なしに前記1または複数の第1物体を把持、移動、および、プレースするよう構成されている前記ロボットエンドエフェクタと、備える、システム。
【請求項24】
方法であって、
1または複数のプロセッサによって、ロボットエンドエフェクタを備えるよう構成されているロボットアームを用いて物体を把持することを決定し、
前記1または複数の物体を把持するための戦略を決定し、前記1または複数の物体を把持するための戦略を決定することは、
前記ロボットエンドエフェクタを第1動作モードまたは第2動作モードで動作させることを決定することを含み、
前記戦略に少なくとも部分的に基づいて前記ロボットエンドエフェクタを制御すること、
を備え、
前記ロボットエンドエフェクタは、前記第1モードまたは前記第2モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう構成されているロボット作動式の格納-伸長メカニズムを備え、
前記戦略に少なくとも部分的に基づいて前記ロボットエンドエフェクタを制御することは、前記戦略に少なくとも部分的に基づいて、前記第1モードまたは前記第2モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう、前記ロボット作動式の格納-伸長メカニズムを制御することを含む、方法。
【請求項25】
コンピュータプログラム製品であって、非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体内に具現化され、
1または複数のプロセッサによって、ロボットエンドエフェクタを備えるよう構成されているロボットアームを用いて物体を把持することを決定するためのコンピュータ命令と、
前記1または複数の物体を把持するための戦略を決定するためのコンピュータ命令と、前記ロボットエンドエフェクタを第1動作モードまたは第2動作モードで動作させることを決定することを含む、コンピュータ命令と、
前記戦略に少なくとも部分的に基づいて前記ロボットエンドエフェクタを制御するためのコンピュータ命令と、
を備え、
前記ロボットエンドエフェクタは、前記第1モードまたは前記第2モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう構成されているロボット作動式の格納-伸長メカニズムを備え、
前記戦略に少なくとも部分的に基づいて前記ロボットエンドエフェクタを制御することは、前記戦略に少なくとも部分的に基づいて、前記第1モードまたは前記第2モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう、前記ロボット作動式の格納-伸長メカニズムを制御することを含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項26】
システムであって、
ロボットエンドエフェクタを備えるよう構成されているロボットアームと、前記ロボットエンドエフェクタは、第1動作モードまたは第2動作モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう構成されているロボット作動式の格納-伸長メカニズムを備え、
物体を把持するよう前記ロボットアームを制御するよう構成されている制御コンピュータと、
を備え、
前記制御コンピュータは、
ロボットエンドエフェクタを備えるよう構成されているロボットアームを用いて物体を把持することを決定し、
前記1または複数の物体を把持するための戦略を決定し、
前記ロボットエンドエフェクタを前記第1モードまたは前記第2モードで動作させることを決定し、
前記戦略に少なくとも部分的に基づいて前記ロボットエンドエフェクタを制御するように構成され、 前記戦略に少なくとも部分的に基づいて前記ロボットエンドエフェクタを制御することは、前記戦略に少なくとも部分的に基づいて、前記第1モードまたは前記第2モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう、前記ロボット作動式の格納-伸長メカニズムを制御することを含む、システム。
【請求項27】
請求項26に記載のシステムであって、前記ロボットエンドエフェクタは、
ロボット作動式の第2グリッパと、
前記ロボットエンドエフェクタの中心垂直軸の両側に互いに向かい合って配置されている第1要素および第2要素を備えたロボット作動式の第1グリッパと、前記ロボット作動式の第2グリッパは、前記第1要素と前記第2要素との間に配置され、
前記第1グリッパが利用のために配置される第1動作モードまたは前記第2グリッパが利用のために配置される第2動作モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう構成されているロボット作動式の格納-伸長メカニズムと、
を備える、システム。
【請求項28】
ロボットエンドエフェクタであって、
吸着力が印加された時に1または複数の物体を把持するよう構成されている1セットの吸着ベース把持メカニズムと、
少なくとも第1サブセットの吸着ベース把持メカニズムを移動させて、前記第1サブセットの吸着ベース把持メカニズムおよび第2サブセットの吸着ベース把持メカニズムの相対位置を変化させるよう構成されているロボット制御式作動メカニズムと、
を備える、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項29】
請求項28に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記1セットの吸着ベース把持メカニズムは、複数の吸着カップを備える、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項30】
請求項28に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記第1サブセットの吸着ベース把持メカニズムおよび前記第2サブセットの吸着ベース把持メカニズムの前記相対位置を変化させることは、前記第1サブセットの吸着ベース把持メカニズムの内の少なくとも1つと前記第2サブセットの吸着ベース把持メカニズムの内の少なくとも1つとの間の距離を変化させる、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項31】
請求項28に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボット制御式作動メカニズムは、作動された時に前記第1サブセットの吸着ベース把持メカニズムの前記相対位置を変化させる空気圧制御ピストンを備える、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項32】
請求項28に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボット制御式作動メカニズムは、制御コンピュータから受信された1または複数の制御信号に基づいて制御される、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項33】
請求項32に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記制御コンピュータは、特定の物体を把持するための戦略に少なくとも部分的に基づいて、前記第1サブセットの吸着ベース把持メカニズムおよび前記第2サブセットの吸着ベース把持メカニズムの前記相対位置を変化させることを決定する、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項34】
請求項33に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記制御コンピュータは、前記特定の物体のサイズが閾値距離を超えているとの判定に少なくとも部分的に基づいて、前記第1サブセットの吸着ベース把持メカニズムの内の少なくとも1つと、前記第2サブセットの吸着ベース把持メカニズムの内の少なくとも1つとの間の距離を増大させることを決定する、ロボットエンドエフェクタ。
【請求項35】
請求項28に記載のロボットエンドエフェクタを備えたマルチモードロボットエンドエフェクタであって、前記マルチモードロボットエンドエフェクタは、前記マルチモードロボットエンドエフェクタを第1モードで動作させることに関連して、請求項28のロボットエンドエフェクタを利用するよう構成されている、マルチモードロボットエンドエフェクタ。
【発明の詳細な説明】
【他の出願への相互参照】
【0001】
本願は、2021年10月6日出願の米国仮特許出願第63/253,045号「MULTI-MODE ROBOTIC END EFFECTOR」に基づく優先権を主張し、その仮特許出願は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
特定の倉庫業務および同様の業務において、「ラインキッティング」と呼ばれることがある一連のタスクが、さらなる流通(小売店への配達など)に向けて積み重なったアイテムのトレイを組み立てるために実行されうる。同じタイプのアイテムを収容しているトレイのスタックが受け取られてよく、(例えば、所与の目的地へ送られる)トレイの混合スタックを組み立てるために、対応するタイプのアイテムのトレイを各々有する異なる均一なスタックから、トレイが引き出される。
【0003】
例えば、製パン所は、異なるタイプの製品を焼くことができ、各々対応する一様なタイプの製品(特定のタイプのパンまたはその他の焼いた商品など)を積み重ね可能トレイに満たしうる。トレイのスタックは、例えば流通センターへ、製パン所によって提供されうる。或るスタックは、スライスした白パンを保持するトレイを備え、別のスタックは、全粒粉パンを保持するトレイを有し、さらに別のトレイは、ブルーベリーカップケーキのパッケージを保持するトレイを有しうる、などである。トレイが、(潜在的に)混合されたトレイのスタックを組み立てるために、様々なスタックから引き出されうる。例えば、6つの白パントレイ、3つの全粒粉パントレイ、および、1つのブルーベリーカップケーキトレイを含むスタックが、例えば小売店への配達に向けて、組み立てられうる。
【0004】
上記の例は、異なるタイプの焼いた商品のトレイを含むが、他のラインキッティング動作において、積み重ね可能トレイが、他の製品を保持してもよい。
【0005】
典型的なアプローチにおいて、トレイは、人間の作業員が扱う。トレイは、例えば、取っ手の上または中に作業員の手を置くことによって、人間の作業員がトレイをつかんで移動させることを可能にするために、取っ手を備えうる。人間の作業員によるかかる作業は、疲労または怪我の原因となりえ、完了するのに多くの時間が掛かりうるものであり、エラーが発生しやすい場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
以下の詳細な説明および添付の図面において、本発明の様々な実施形態を開示する。
【0007】
【
図1A】ロボットラインキッティングシステムの一実施形態を示すブロック図。
【0008】
【
図1B】ロボットラインキッティングシステムの一実施形態を示すブロック図。
【0009】
【
図2A】トレイのスタックを構築するための自動処理の一実施形態を示す状態図。
【0010】
【
図2B】トレイのスタックを構築するための自動処理の一実施形態を示すフローチャート。
【0011】
【
図2C】トレイへ/からアイテムをピックアンドプレースするための自動処理の一実施形態を示すフローチャート。
【0012】
【
図3A】ロボット制御トレイハンドリングエンドエフェクタの一実施形態を示す図。
【0013】
【
図3B】ロボット制御トレイハンドリングエンドエフェクタの一実施形態を示す図。
【0014】
【
図3C】ロボット制御トレイハンドリングエンドエフェクタの一実施形態を示す図。
【0015】
【
図4】様々な実施形態に従って、物体を移動させるようエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャート。
【0016】
【
図5A】様々な実施形態に従って、トレイへ/からアイテムをピックまたはプレースすることに関連してエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャート。
【0017】
【
図5B】様々な実施形態に従って、トレイへ/からアイテムをピックまたはプレースすることに関連してエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャート。
【0018】
【
図6A】様々な実施形態に従って、トレイまたはその他の容器をピックまたはプレースすることに関連してエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャート。
【0019】
【
図6B】様々な実施形態に従って、トレイまたはその他の容器をピックまたはプレースすることに関連してエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャート。
【0020】
【
図6C】様々な実施形態に従って、トレイへ/からアイテムをピックまたはプレースすることに関連してエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャート。
【0021】
【
図6D】様々な実施形態に従って、トレイへ/からアイテムをピックまたはプレースすることに関連してエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャート。
【0022】
【
図7A】様々な実施形態に従って、第1モードに構成されたエンドエフェクタを示す図。
【0023】
【
図7B】様々な実施形態に従って、第1モードに構成されたエンドエフェクタを示す図。
【0024】
【
図7C】様々な実施形態に従って、第1モードに構成されたエンドエフェクタを示す図。
【0025】
【
図8A】様々な実施形態に従って、ロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図。
【0026】
【
図8B】様々な実施形態に従って、ロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図。
【0027】
【
図8C】様々な実施形態に従って、ロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図。
【0028】
【
図9A】様々な実施形態に従って、ロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図。
【0029】
【
図9B】様々な実施形態に従って、ロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図。
【0030】
【
図10A】様々な実施形態に従って、ガイドフィンを備えたロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図。
【0031】
【
図10B】様々な実施形態に従って、ガイドフィンを備えたロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図。
【0032】
【
図10C】様々な実施形態に従って、ガイドフィンを備えたロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図。
【0033】
【
図10D】様々な実施形態に従って、ガイドフィンを備えたロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図。
【0034】
【
図11】様々な実施形態に従って、1または複数のトレイをスタック上にプレースするための自動処理を示すフローチャート。
【0035】
【
図12】特定のトレイの向きに積み重ねられるよう構成されているトレイのスタックの一例を示す図。
【0036】
【
図13】トレイハンドリングロボットの一実施形態を示す図。
【0037】
【
図14】様々な実施形態に従って、エンドエフェクタが動作されるモードを選択し、選択されたモードでエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャート。
【0038】
【
図15A】様々な実施形態に従って、吸着ベースエンドエフェクタの底面を示す図。
【0039】
【
図15B】様々な実施形態に従って、吸着ベースエンドエフェクタの底面を示す図。
【0040】
【
図15C】様々な実施形態に従って、吸着ベースエンドエフェクタの底面を示す図。
【0041】
【
図15D】様々な実施形態に従って、吸着ベースエンドエフェクタの底面を示す図。
【0042】
【
図15E】様々な実施形態に従って、吸着ベースエンドエフェクタの側面を示す図。
【0043】
【
図15F】様々な実施形態に従って、吸着ベースエンドエフェクタの側面を示す図。
【0044】
【
図16】様々な実施形態に従って、1セットのアイテをピックアンドプレースすることに関連してエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明は、処理、装置、システム、物質の組成、コンピュータ読み取り可能な格納媒体上に具現化されたコンピュータプログラム製品、および/または、プロセッサ(プロセッサに接続されたメモリに格納および/またはそのメモリによって提供される命令を実行するよう構成されたプロセッサ)を含め、様々な形態で実施されうる。本明細書では、これらの実施例または本発明が取りうる任意の他の形態が、技術と呼ばれうる。一般に、開示されている処理の工程の順序は、本発明の範囲内で変更されてもよい。特に言及しない限り、タスクを実行するよう構成されるものとして記載されたプロセッサまたはメモリなどの構成要素は、或る時間にタスクを実行するよう一時的に構成された一般的な構成要素として、または、タスクを実行するよう製造された特定の構成要素として実装されてよい。本明細書では、「プロセッサ」という用語は、1または複数のデバイス、回路、および/または、コンピュータプログラム命令などのデータを処理するよう構成された処理コアを指すものとする。
【0046】
以下では、本発明の原理を示す図面を参照しつつ、本発明の1または複数の実施形態の詳細な説明を行う。本発明は、かかる実施形態に関連して説明されているが、どの実施形態にも限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものであり、本発明は、多くの代替物、変形物、および、等価物を含む。以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細事項が記載されている。これらの詳細事項は、例示を目的としたものであり、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全てがなくとも特許請求の範囲に従って実施可能である。簡単のために、本発明に関連する技術分野で周知の技術事項については、本発明が必要以上にわかりにくくならないように、詳細には説明していない。
【0047】
自律型トレイハンドリングラインキッティングロボットが開示されている。様々な実施形態において、本明細書で開示されているラインキッティングロボットは、アイテムのトレイを把持するための構造を備えた本明細書に開示のエンドエフェクタを有するロボットアームを備える。様々な実施形態において、1または複数のかかるロボットは、移動元スタックからトレイを把持し、構築を要求されている出力スタックを示すインボイス、マニフェスト、または、その他の入力データに従って構築される移動先スタックへ、単独でまたはグループで、トレイを移動させるために、単一の作業空間で一緒に動作してよい。いくつかの実施形態において、本明細書で開示されている2以上のロボットが、同じレールまたはその他の運搬構造上で動作してよい。衝突を回避し、入力情報(インボイス、マニフェストなど)に従って、対応するトレイの組み合わせを各々有する複数の出力スタックを構築するなど、一連のラインキッティングタスク全体を完了させるようすべてのロボットを効率的に利用するために、動作が調整される。
【0048】
様々な実施形態が、1または複数のトレイ、トレイまたはその他の容器内のアイテム、もしくは、その他の物体を把持、移動、および、プレースするために、ロボットアームに備えられまたは接続されるエンドエフェクタデバイス(本明細書では、エンドエフェクタとも呼ばれる)を備える。エンドエフェクタは、(i)ロボットエンドエフェクタが第1モードで動作される時に、少なくとも1つの第1物体を把持するための第1把持メカニズムと、(ii)ロボットエンドエフェクタが第2モードで動作される時に、第2物体を把持するための第2把持メカニズムと、を備える。第2把持メカニズムは、ロボットエンドエフェクタが第1モードで動作するよう制御される時に、ロボット制御で非アクティブ状態に配置される。第2把持メカニズムは、エンドエフェクタが第2モードで動作するよう制御される時に、ロボット制御でアクティブ状態に配置される。
【0049】
様々な実施形態が、ロボットエンドエフェクタを含む。ロボットエンドエフェクタは、ロボット作動式の第2グリッパと、ロボットエンドエフェクタの中心垂直軸の両側で互いに向かい合って(反対側に)配置されている第1要素および第2要素を備えたロボット作動式の第1グリッパであって、ロボット作動式の第2グリッパは、第1要素と第2要素との間に配置されている、第1グリッパと、第1グリッパが利用のために配置される第1動作モードまたは第2グリッパが利用のために配置される第2動作モードにロボットエンドエフェクタを配置するよう構成されているロボット作動式の格納-伸長メカニズムと、を備える。
【0050】
本明細書で用いられているように、第1把持メカニズム(本明細書では、ロボット作動式第1グリッパとも呼ばれうる)は、吸着ベースエンドエフェクタまたはその他の把持メカニズムを備えてよい。いくつかの実施形態において、吸着ベースエンドエフェクタは、複数の吸着カップを備える。複数の吸着カップは、集合的に制御されてよく、または、複数の吸着カップの一部が、複数の吸着カップの別の一部とは独立的に制御されてもよい。いくつかの実施形態において、吸着ベースエンドエフェクタは、1または複数のアイテムを、ロボットの作業空間内のトレイまたはその他の容器からピックし、もしくは、1または複数のアイテムをそこへプレースするようロボット制御される。
【0051】
本明細書で用いられているように、第2把持メカニズム(本明細書では、ロボット作動式第2グリッパとも呼ばれうる)は、トレイの側面または底面を把持することによってトレイ(もしくは、その他のアイテムまたは容器)をピックアップする複数のグリッパアームっを備えたエンドエフェクタを備えてよい。いくつかの実施形態において、第2把持メカニズムの1または複数のグリッパアームは、エンドエフェクタがロボットアームへ接続されているマウントに関して可動である。一例として、1または複数の可動グリッパアームは、(例えば、トレイをピックアップすることに関連して)トレイに対してグリップを閉じるよう、または、(例えば、移動先位置でトレイを解放することに関連して)トレイに対するグリップを開くよう、ロボット制御されてよい。例えば、第2把持メカニズムは、アクティブアームおよびパッシブアームを備えてよく、アクティブアームは、トレイの把持/解放を調整するようロボット制御されてよい。
【0052】
様々な実施形態が、複数のモードで動作可能なマルチモードエンドエフェクタを含む。複数のモードは、第1モード、第2モード、および/または、第3モードの内の2以上を含んでよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、第1モードは、マルチモードエンドエフェクタに備えられている吸着ベースエンドエフェクタを制御することを含む。マルチモードエンドエフェクタは、トレイの荷降ろし、または、所定のマニフェスト(例えば、遂行されている注文)に基づいたキットの構築などに関連して、トレイまたはその他の容器から/へアイテムをピック/プレースするよう制御されてよい。いくつかの実施形態において、マルチモードエンドエフェクタが第1モードで動作される時、第2把持メカニズム(例えば、グリッパアームを備えたエンドエフェクタ)は、吸着ベースエンドエフェクタを露出させるため、または、吸着ベースエンドエフェクタがアイテムをより良好に把持することを可能にするためなどに、非アクティブ状態に配置されてよい(例えば、収容状態または格納状態に収容されてよい)。例えば、マルチモードエンドエフェクタを第1モードで動作させると決定したことに応じて、第2把持メカニズムの少なくとも一部(例えば、1または複数のグリッパアーム)は、第2把持メカニズムのかかる部分を非アクティブ状態に移行させるよう(例えば、把持されるアイテムへ吸着ベースエンドエフェクタをより良好に露出させる位置にグリッパアームを収容するように、グリッパアームを移動させるよう)制御される。
【0054】
いくつかの実施形態において、第2モードは、複数のグリッパアームを備えたエンドエフェクタを制御することを含み、かかるエンドエフェクタは、マルチモードエンドエフェクタに備えられている。マルチモードエンドエフェクタは、トレイまたはその他の容器をピックアンドプレースすることで、トレイをトレイスタックに積み重ね、もしくは、別のトレイを露出させるために(例えば、別のトレイ内のアイテムを露出させるために)空のトレイを除去するよう制御されてよい。いくつかの実施形態において、マルチモードエンドエフェクタが第2モードで動作される時、第2把持メカニズム(例えば、複数のグリッパアームを備えたエンドエフェクタ)は、複数のグリッパアームを備えたエンドエフェクタがトレイまたはその他の容器と係合することを可能にするなどのために、アクティブ状態に配置されてよい(例えば、配備状態に配置されてよい)。例えば、アクティブ状態で、グリッパアームは、グリッパアームによって係合されたトレイと、マルチモードエンドエフェクタに備えられている吸着ベースエンドエフェクタとの間のクリアランスを提供するように配置される。マルチモードエンドエフェクタを第2モードで動作させると決定したことに応じて、第2把持メカニズムの少なくとも一部(例えば、1または複数のグリッパアーム)は、第2把持メカニズムのかかる部分を非アクティブ状態からアクティブ状態へ移行させるよう(例えば、トレイを係合するためにグリッパアームをより良好に露出させる位置にグリッパアームを配備するように、グリッパアームを移動させるよう)制御される。
【0055】
いくつかの実施形態において、第3モードは、マルチモードエンドエフェクタに取り付けられた1または複数の剛性構造を用いて物体(例えば、アイテム、トレイなどの容器、または、トレイのスタックを備えたカートなどのカート)などを引くまたは押すよう、マルチモードエンドエフェクタを制御することを含む。第3モードに従ってマルチモードエンドエフェクタを動作させることで、ロボットアームは、物体の位置を調整できる。
【0056】
容器(例えば、トレイ、トート、コンテナ、など)を移動させるため、および、容器内に含まれるアイテムを移動させるための関連技術のシステムは、容器から/へアイテムをピックまたはプレースするための第1把持メカニズムと、容器(例えば、エンドエフェクタまたはコンベヤなど)を移動させるための第2把持メカニズムと、を利用する。関連技術のシステムは、第1把持メカニズムおよび第2把持メカニズムを備えたエンドエフェクタを備えていない(例えば、関連技術のエンドエフェクタは、特定のロボットアーム上に同時に配備されている第1把持メカニズムおよび第2把持メカニズムを備えていない)。例えば、いくつかの関連技術のシステムにおいて、第2把持メカニズムに対応する第2エンドエフェクタが、容器を移動させるためにロボットアームに取り付けられており、容器からアイテムをピック/プレースするために、ロボットアームは、別のエンドエフェクタ(例えば、第1把持メカニズムに対応する第1エンドエフェクタ)または第1エンドエフェクタをすでに備えている別のロボットアームを取り付けるよう制御される。換言すると、関連技術のシステムは、第2エンドエフェクタがロボットアームに取り付けられることを可能にするために、ロボットアームから第1エンドエフェクタを切り離す。関連技術に従ったエンドエフェクタは、複数のエンドエフェクタまたは把持メカニズムを備えておらす、関連技術に従ったエンドエフェクタは、エンドエフェクタが異なるモードに従って動作されるマルチモード式ではない。したがって、関連技術のシステムまたはエンドエフェクタは非効率的である。例えば、関連技術のシステムは、システムにおけるロボットアームのサブセットが、第1把持メカニズムを備え、システムにおけるロボットアームの別のサブセットが、第2把持メカニズムを備え、ロボットアームの異なるサブセットが、第1把持メカニズムによって可能になる機能および第2把持メカニズムによって可能になる機能を実行するために一緒に動作されるように、さらなるロボットアームを利用しうる。別の例として、関連技術のシステムは、第2把持メカニズムを取り付ける前にロボットアームから第1把持メカニズムを取り外す(例えば、切り離す)必要がありうるため、異なるエンドエフェクタのかかる切り離しおよび結合が、第1把持メカニズムによって可能になる機能および第2把持メカニズムによって可能になる機能の両方を実行する際に遅延をもたらす。
【0057】
いくつかの実施形態において、システムは、動作を自動的に実行するようマルチモードエンドエフェクタを制御するための制御コンピュータを備える。制御コンピュータは、さらに、制御コンピュータがタスクのセットを実行することに関連してロボットアームおよびマルチモードエンドエフェクタを集合的に制御するように、マルチモードエンドエフェクタに対するロボットアームを制御するために用いられてよい。動作を自動的に実行するようマルチモードエンドエフェクタを制御することは、グリッパアーム(例えば、第2把持メカニズムに備えられているグリッパアーム)を用いてトレイ(またはその他の容器または大きいアイテム)を把持または移動させること、グリッパアームを用いてトレイのスタック(例えば、台車またはその他の車の上に配備されたトレイのスタック)を押すまたは引くこと、第1把持メカニズム(例えば、吸着ベースエンドエフェクタ)を用いてトレイから/へアイテムをピックおよび/またはプレースすること、もしくは、作業空間内のより小さいアイテムを別の方法で移動させること、などを含みうる。
【0058】
いくつかの実施形態において、システムは、(例えば、1セットの注文を満たすなど、より高レベルの目標を達成するために)実行される1セットのタスクを決定し、タスクセット内のそれぞれのタスクを実行することに関連するコスト関数に基づいて、1セットのタスクが実行される順序を決定する。システムは、第1モードまたは第2モードの間でマルチモードエンドエフェクタの制御を移行させることに関連するコストに基づいて、1セットのタスクが実行される順序を決定してよい。例えば、システムは、非アクティブ状態とアクティブ状態との間で第2把持メカニズム(例えば、複数のグリッパアームを備えたエンドエフェクタ)を移行させることに関連するコストに少なくとも部分的に基づいて、1セットのタスクが実行される順序を決定する。
【0059】
いくつかの実施形態において、システムは、作業空間内のアイテムの1または複数のアイテム属性に関する情報と、作業空間の状態に関する情報とを、1または複数のセンサから取得する。1または複数の属性は、識別子(例えば、バーコード、シリアル番号、製品番号)、形状、剛性、サイズ、重量、アイテムが壊れやすいか否かの示唆、アイテムが柔らかいまたは変形しやすいパッケージを有するか否かの示唆、などを含みうる。作業空間の状態に関する情報は、トレイ(または、その他の容器、台車、カート、など)の数、作業空間内のトレイの位置、トレイに含まれる製品またはアイテムの示唆、(もしあれば)別のロボットアームの位置、作業空間内のその他の物体または人間の位置、などの内の1または複数を含みうる。アイテム属性および作業空間の状態に関する情報を取得したことに応じて、システムは、(例えば、トレイの荷積みまたは荷降ろしに関連して、または、インボイス、梱包票に従って注文をキッティングすることなどに関連して、アイテムをピックアンドプレースするために)実行されるM個のタスクのセットを決定し、M個のタスクのセットに対応するアイテムをピックアンドプレースするようロボットアームを制御するための1または複数の計画を決定する。いくつかの実施形態において、システムは、M個のタスクのセットを実行することに関連して、M個のタスクのセットの次のN個のタスクの最適なセットを決定する(例えば、Nは、M以下である)。例えば、システムは、1セットのM個のタスクが実行される最適な順序を決定する。N個のタスクの最適なセットまたは1セットのM個のタスクの順序は、コスト関数に基づいて、または、そうでなければ、マルチモードエンドエフェクタの状態(例えば、グリッパアームが配備されているか非込められているかなど、第2把持メカニズムの状態)に少なくとも部分的に基づいて、決定されうる。例えば、第2把持メカニズムの状態を(例えば、アクティブ状態と非アクティブ状態との間で)変更することは、時間、エネルギ、時間など、いくつかの関連コストを有する。したがって、システムは、N個のタスクのセットを実行する全体コストを最小化するように、または、コスト基準を満たすように(例えば、全体コストが所定のコスト閾値より小さくなるように)、または、N個のタスクのセットを実行しつつ第2把持メカニズムの状態を変更することに関連するコストを最小化するように、N個のタスクのセットを完了させるための最適な順序を決定できる。
【0060】
様々な実施形態において、本明細書で開示されているトレイハンドリングロボットシステムは、梱包された食料品または任意のその他の商品またはその他のアイテムを含むトレイのフルフィルメントで連携する複数のロボットによって占有される単一レールシステムを備える。トレイは、様々な高さのスタックに到着し、様々な向きで積み重ねられてよい。いくつかの実施形態において、システムは、2つの側、すなわち、均質なスタックが入る入力側、ならびに、様々な顧客および/またはその他の目的地に特化し、例えば、注文リストに基づいて入力側から様々な製品をキッティングすることによって形成される出力側、に分けられている。
【0061】
いくつかの実施形態において、複数のロボットが、同じレールまたはその他の運搬システム上で動作する。例えば、2以上のロボットが、同じレールシステム上で動作してよい。各ロボットは、互いのロボットから独立して、ロボット制御下でレールに沿って移動されうるシャーシ上に取り付けられている。ロボットは、互いを認識し、注文のフルフィルメントを最適化するためにそれらの動きを調整する。各ロボットは、(例えば、トレイグリッパなどの第2把持メカニズムを用いて)トレイを把持すると共に、(例えば、吸着ベースエンドエフェクタなどの第1把持メカニズムを用いて)トレイから/へアイテムをピックまたはプレースするよう設計された単一のマルチモードエンドエフェクタを用いてよい。あるいは、ロボットは、複数のトレイを一度に把持するよう設計されたトレイグリッパを用いてもよい。様々な実施形態において、グリッパは、モジュール式であり、様々な異なるトレイに適合されうる。
【0062】
様々な実施形態において、本明細書で開示されているロボットシステムは、台車(またはその他のカート)上に置かれたトレイ(またはその他の容器)の静止したスタックからピックするよう構成されている。かかるロボットシステムの一例は、2020年2月21日出願の米国特許出願第16/797,359号「Robotic Handling of Soft Products in Non-Rigid Packaging」に開示されており、その内容全体が、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。かかるロボットシステムの別の例は、2022年4月4日出願の米国特許出願第17/712,915号「Robotic Tray Gripper」に開示されており、その内容全体が、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。かかるロボットシステムの別の例は、日付に出願の米国特許出願第17/219,509号「Suction-Based End Effector with Mixed Cup Sizes」に開示されており、その内容全体が、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
本明細書に記載されている実施形態は、キッティングシステムまたはトレイからのアイテムのピックアンドプレースの文脈で提供されているが、様々な実施形態が、パレタイズシステム、シンギュレーションシステム、などの様々なその他の文脈で実施されてよい。
【0064】
本明細書で用いられているデパレチゼーションは、パレットから(パレット上のアイテムのスタックから、など)アイテムをピックして、アイテムを移動させ、移動先位置(搬送構造など)にアイテムをプレースすることを含む。アイテムのセットをパレタイズ/デパレタイズするためのパレチゼーション/デパレチゼーションシステムおよび/または処理の例が、米国特許出願第17/343,609号でさらに記載されており、その出願は、参照によりすべての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0065】
本明細書で用いられているアイテムのシンギュレーションは、移動元の山/流れからアイテムをピックして、搬送構造(例えば、仕切り付きコンベヤまたは同様の搬送手段)にアイテムをプレースすることを含む。任意選択的に、シンギュレーションは、移動元の山/流れからコンベヤ上のスロットまたはトレイへアイテムを1つずつプレースするなど、搬送構造上の様々なアイテムの仕分けを含みうる。アイテムのセットをシンギュレートするためのシンギュレーションシステムおよび/または処理の例が、米国特許出願第17/246,356号でさらに記載されており、その出願は、参照によりすべての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0066】
本明細書で用いられているキッティングは、1または複数のアイテム/物体を対応する位置からピックして、1または複数のアイテムのセットがキットに対応するように1または複数のアイテムを所定の位置にプレースすることを含む。アイテムのセットをキッティングするためのキッティングシステムおよび/または処理の例が、米国特許出願第17/219,503号でさらに記載されており、その出願は、参照によりすべての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。
【0067】
図1Aは、ロボットラインキッティングシステムの一実施形態を示すブロック図である。図の例においては、システム100は、この例において提供されている入力スタック搬送手段(例えば、搬送手段106)に沿って入力端108(ステージング/積み込みエリア)から移動している移動元トレイスタック102および104を含む。この例における移動元トレイスタック102および104の各々は、車輪付きカートまたはシャーシの上に積み上げられている様子が示されている。様々な実施形態において、移動元トレイスタック102および104は、搬送手段106上に手動で押され、搬送手段106は、搬送手段106によって規定された作業空間を通して移動元トレイスタック102および104を前進させるよう構成されているコンベヤベルトまたはその他の構造であってよい。様々な実施形態において、移動元トレイスタック102および104は、マルチモードエンドエフェクタがトレイのスタックを押す/引くために用いられる第3モードで制御されているロボットアームなど、ロボットアーム(例えば、ロボットアーム112または114)によって搬送手段106上に押されて/引かれてよい。いくつかの実施形態において、移動元トレイが積み上げられたシャーシまたはその他のベース構造は、自走式である。いくつかの実施形態において、移動元トレイスタック102および104は、ロボット制御下で搬送手段106を通して/によって前進される。例えば、移動元トレイスタック102および104が搬送手段106によって/を通して前進される速度および時刻は、移動元トレイスタック102および104からのトレイの効率的な把持を容易にするように制御される。
【0068】
図の例において、単一のレール(例えば、レール110)が、搬送手段106の片側の長辺に沿って配置されている。この例において、2つのロボット(一方はロボットアーム112を備え、他方はロボットアーム114を備える)が、レール110上へ互いに独立して移動可能に取り付けられている。例えば、各ロボットアーム112、114は、レール110に沿って進む自走式シャーシ上に取り付けられている。この例において、各ロボットアーム112、114は、トレイハンドリングエンドエフェクタ(例えば、エンドエフェクタ116、118)を末端に有する。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ116および/または118は、
図3A~
図3Cのエンドエフェクタ300、
図7A~
図7Cのエンドエフェクタ700、
図8A~
図8Cのエンドエフェクタ800、
図9A~
図9Bのエンドエフェクタ900、
図10A~
図10Dのエンドエフェクタ1000を実施する。
【0069】
様々な実施形態において、トレイハンドリングエンドエフェクタ(例えば、エンドエフェクタ116または118)は、移動元トレイスタック102、104から1または複数のトレイを把持するようにロボット制御下で操作される。いくつかの実施形態において、トレイハンドリングエンドエフェクタは、ロボットアーム112、114に取り付けられたマルチモードエンドエフェクタに含まれている。マルチモードエンドエフェクタの例は、
図3A~
図3Cのエンドエフェクタ300を含む。トレイハンドリングエンドエフェクタは、マルチモードエンドエフェクタの第2把持メカニズムに対応していてよい。例えば、トレイハンドリングエンドエフェクタは、複数のグリッパアームを備えており、その内の少なくとも一部は、ピック/プレースされるトレイのグリップを調整するために可動である。いくつかの実施形態において、マルチモードエンドエフェクタは、さらに、より小さいアイテム(トレイハンドリングエンドエフェクタによって移動される1または複数のトレイに含まれるアイテムなど)をピックアンドプレースするよう構成されている第1把持メカニズムを備える。
図1Aに示すように、各エンドエフェクタ116、118は、ロボットアーム112、114の端部に取り付けられている横部材を備える。サイド部材が、横部材の各端部に取り付けられている。図に示すように、サイド部材の少なくとも一方は、トレイが(サイド部材を閉じることによって)把持され、または、(サイド部材を開くことによって)解放されることを可能にするために、様々な実施形態において、ロボット制御下で開閉される。いくつかの実施形態において、ロボット制御下で開かれまたは制御される少なくとも一方のサイド部材は、横部材の長さの軸に垂直な軸を中心に回転するよう構成されている。いくつかの実施形態において、ロボット制御下で開かれまたは制御される少なくとも一方のサイド部材は、横部材の長さの軸に沿って、または、実質的に沿って/平行に、移動するよう構成されている。
【0070】
様々な実施形態において、各トレイハンドリングエンドエフェクタ116、118(例えば、マルチモードエンドエフェクタの第2把持メカニズム)は、1つの非可動(「パッシブ」)サイド部材と、1つの可動(「アクティブ」)サイド部材と、を備える。この例において、可動すなわち「アクティブ」サイド部材は、例えば、エンドエフェクタが1または複数のトレイを把持する位置に配置されることを可能にするために、スイングして開き(図のエンドエフェクタ116の位置)、例えば、1または複数のトレイの把持を完了させるために、スイングして閉じる(図のエンドエフェクタ118の位置)。他の例において、可動すなわち「アクティブ」サイド部材は、「アクティブ」および「パッシブ」サイド部材が接続されまたは別の方法で伸びているマルチモードエンドエフェクタの横部材の長さと実質的に平行に横移動で移動される。換言すると、「アクティブ」サイド部材は、ピック/プレースされるトレイに力を印加する時に、第2把持メカニズムのグリップを広げるため、または、第2把持メカニズムのグリップを狭めるために、横部材の軸に実質的に対応する方向に移動される。様々な実施形態において、ロボット制御システム(例えば、ロボットアーム112、114を制御するコンピュータ(制御コンピュータ128など))が、トレイの把持または解放などに関連して、エンドエフェクタの開閉を作動させるようエンドエフェクタを制御する。ロボット制御システムは、作業空間の画像データならびに/もしくは対応するエンドエフェクタに備えられている(または接続されている)1または複数のセンサに少なくとも部分的に基づいてエンドエフェクタを制御する。いくつかの実施形態において、対応するエンドエフェクタに備えられている(または接続されている)1または複数のセンサは、(i)マルチモードエンドエフェクタの把持メカニズム(例えば、第2把持メカニズムのアクティブ部材)が開位置にあるのか閉位置にあるのかを示す情報を取得し、(ii)把持メカニズムが開いている程度を示す情報を取得し、(iii)マルチモードエンドエフェクタが、マルチモードエンドエフェクタの少なくとも片側(例えば、パッシブ部材またはパッシブ部材に備えられている構造)をトレイ(例えば、把持されるトレイ)の片側に備えられている穴、凹部、または、aと係合させるよう制御される位置に、トレイ(またはトレイに対するエンドエフェクタ)があることを示す情報を取得し、(iv)マルチモードエンドエフェクタ(例えば、パッシブ部材またはパッシブ部材に備えられている構造)が、トレイの片側に備えられている穴、凹部、または、ハンドルと係合される位置に、トレイ(またはトレイに対するエンドエフェクタ)があることを示す情報を取得し、(v)把持メカニズムが閉じられまたは他の方法でトレイと係合されているか否かを示す情報を取得し、(vi)第2把持メカニズムが非アクティブ状態にあるかアクティブ状態にあるかを示す情報を取得し、(vii)アイテムがマルチモードエンドエフェクタの第1把持メカニズム(例えば、吸着ベースのエンドエフェクタ)によって把持されているか否かを示す情報を取得し、(viii)第1把持メカニズムの属性(例えば、吸着ベースのエンドエフェクタと、把持されているアイテムとの間の圧力)を示す情報を取得し、(ix)第1把持メカニズムが物体と係合されているか否かの示唆、(x)第1把持メカニズムの状態を示す情報(例えば、吸着カップの相対位置が少なくとも2つの吸着カップの間の距離を広げまたは狭めるように変更されうる場合の吸着カップの位置など、吸着カップの状態を示す情報)を取得するよう構成されている。
【0071】
様々な実施形態において、各エンドエフェクタ116、118は、把持されるトレイの両側の穴またはその他の開口部にはまり、様々な実施形態においてロボット制御下で滑り込ませられうるようなサイズおよび形状の1または複数の突起または同様の構造を、各サイド部材上に備える。例えば、いくつかの実施形態において、サイド部材の内面上の突起(本明細書では「サム(親指)」とも呼ぶ)が、後により完全に記載および説明するように、トレイの両側の取っ手(例えば、人間の手が収まるようなサイズの穴)に差し込まれる。
【0072】
様々な実施形態において、それぞれのロボットアーム112、114は、移動元トレイスタック102、104からトレイをピックし、搬送手段106および移動元トレイスタック102、104からレール110を挟んで反対側の移動先トレイスタックアセンブリエリアにおける移動先トレイスタック(移動先トレイスタック120、122など)の上にそれらをプレースするために、完全に自律的に、同時に動作される。移動先トレイスタックは、様々な実施形態において、インボイス、マニフェスト、注文書、または、その他の情報に従って、構築される。例えば、複数の物理的な目的地(例えば、小売店)の各々に対して、(例えば、目的地によってなされた注文に従った)その目的地に関連する移動先スタックが、それぞれの移動元トレイスタック102、104からトレイを選択して、対応する移動先トレイスタック120、122に積み上げることによって組み上げられる。完成した移動先トレイスタック120、122は、例えば、さらなる目的地(小売店など)への配達に向けて、トラック、鉄道車両、コンテナなどに配置されるために、矢印124で示すように、移動先トレイスタックアセンブリエリアから移動される。
【0073】
図1Aをさらに参照すると、図に示す例において、システム100は、システム100を構成するロボット要素と無線通信するよう構成されている制御コンピュータ128を備えており、ロボット要素は、様々な実施形態において、搬送手段106と、移動元トレイスタック102、104が積み上げられる車輪付きシャーシ(自走式である場合)と、ロボットアーム112、114、および/または、ロボットアーム112、114がレール110上で取り付けられるそれぞれのシャーシと、ロボット制御されるトレイハンドリングエンドエフェクタ(例えば、エンドエフェクタ116、118)と、の内の1または複数を含む。様々な実施形態において、ロボット要素は、インボイス、注文書、および/または、マニフェスト情報などの入力データと、移動元トレイスタックがどのようなタイプおよび/または数量の製品を含むのかを示すインベントリデータなどの入力状態情報とに基づいて、制御コンピュータ128によって制御される。
【0074】
様々な実施形態において、移動元トレイスタック102、104は、搬送手段106の入力端108でゲートまたはその他の入口/制御構造に挿入される。搬送手段106は、例えば、移動元トレイを把持してそれらをそれぞれの移動先スタック上にプレースするために、ロボットアーム112、114をレール110に沿って移動させなければならない距離および/または頻度を最小化することによって、スループットを最適化すると共にロボットの変位を最小化するように、レール110に沿って移動元トレイスタック102、104を移動させる装置(スタックムーバ)を備える。移動元トレイスタック102、104は、異なる向き/重量/および重量分布のトレイを備えて到着しうる。システム100は、力およびモーメントの制御を用いて、サム(親指)またはその他の突起を穏やかにしっかりとトレイに挿入するようロボットアーム112、114を動作させ、ロボット自身または環境と衝突しないようにロボットの動きおよびトレイの軌道を計画する。様々な実施形態において、各ロボットアーム112、114は、約2.5mの幅の非常に狭いスペースで動作し、非常に軽いフットプリントを有する。ロボットは、自身の作業空間全体を利用して、その把持を最適化する動きをインテリジェントに計画する。ロボットは、障害物を回避する際に、向きの変更を実行する必要性を認識し、それに従って対処する。ロボットは、レール110上の他のロボットと連携しつつ、正しい顧客に対応する正確な出力(例えば、移動先トレイスタック120、122)へ移動する。次いで、ロボットは、高度な力制御および環境との相互作用を利用して、適切なプレース戦略を見出す。次いで、サイクルは再開する。
【0075】
図1Aに示す例において、システム100は、3Dカメラ126を備える。様々な実施形態において、システム100は、複数の3Dカメラ(またはその他のカメラ)(カメラ126など)を備えており、かかるカメラによって生成された画像および深度データを用いて、作業空間およびシーン(
図1Aに示すシーン/状態など)の少なくとも関係のある部分の三次元ビューを生成する。いくつかの実施形態において、カメラ(カメラ126など)は、例えば、かかるアイテムのサイズ、形状、パッケージ、および/または、ラベリングを認識することによって、ならびに/もしくは、移動元スタックトレイ自体の形状、色、寸法、または、その他の属性を認識することによって、ならびに/もしくは、トレイ上にありまたはトレイによって発せられるバーコード、QRコード(登録商標)、無線タグ、もしくは、その他の画像ベースまたは非画像ベースの情報を読み取ることによって、トレイスタックを構成する移動元トレイにおけるトレイの内容を識別するために用いられる。
【0076】
様々な実施形態において、カメラ(カメラ126など)によって生成された画像データは、移動元スタックから把持およびピックされる1つのトレイまたは2以上のトレイのスタックの近くの位置に、ならびに/もしくは、トレイが配置される移動先の近くの位置に(例えば、対応する移動先スタックの上部に)、ロボットアームおよびエンドエフェクタを移動させるために用いられる。いくつかの実施形態において、ピック/把持エピソードおよび/またはプレースエピソードの最終段階を完了させるために、力制御が、後により完全に記載するように用いられる。
【0077】
システム100の作業空間に取り付けられた単一のカメラ(例えば、カメラ126)が
図1Aに示されているが、様々な実施形態において、複数のカメラまたはその他のセンサもしくはそれらの組み合わせが、作業空間に静的に取り付けられる。追加的または代替的に、1または複数のカメラまたはその他のセンサが、各ロボットアーム112、114の上または近く(アーム自体の上および/またはエンドエフェクタ116、118の上、など)に、ならびに/もしくは、レール110に沿って移動された時にロボットアーム112、114と共に移動する構造の上に、取り付けられる。
【0078】
図1Bは、ロボットラインキッティングシステムの一実施形態を示すブロック図である。
図1Bには、
図1Aのシステム100が動作しうる作業空間の俯瞰図の一例が示されている。図の例において、ロボットアーム112、114は、搬送手段106に沿って移動する移動元スタック140にアクセスしてそこからトレイをピックし、移動元スタック140および搬送手段106からレール110を挟んで反対側にある移動先スタックアセンブリエリアにおける対応する移動先スタック142上にトレイをプレイするために、
図1Aのように、共通のレール(例えば、レール110)に沿って移動する。この例では、人間の作業員が、搬送手段106上に移動元スタックを手動で供給しているが、いくつかの実施形態において、ロボット作業員が、例えば、対応する目的地に各々関連付けられている注文のセットを満たすようプログラム的に生成された計画に従って、タスクの全部または一部を実行する。移動先スタック142が完成すると、
図1Aの矢印124に対応する
図1Bの上部の矢印によって示すように、移動先スタックアセンブリエリアから移動される。
【0079】
図1Aおよび
図1Bに示す例において、トレイは各々、1つのタイプのみのタイムを収容しているが、他の実施形態および応用例において、混在したアイテムを有する移動元トレイおよび移動先トレイが、本明細書で開示されているように、トレイの移動先スタックを組み立てるために操作されてもよい。同様に、
図1Aおよび
図1Bに示す例において、トレイの移動元スタックは各々、同じタイプおよび内容のトレイのみを収容しているが、他の実施形態および応用例において、移動元トレイスタックは、混在したトレイおよび/またはアイテムタイプを含んでもよい。例えば、制御コンピュータ128は、どのタイプのトレイが各移動元トレイスタックのどの位置にあるのかを示す情報を提供され、各移動先トレイスタックの必要な内容を示すマニフェストまたはその他の情報と共に、その情報を用いて、移動元トレイスタック上の各々対応する位置から必要なトレイをピックし、対応する移動先スタックにトレイを追加することによって、必要とされる移動先トレイスタックを構築する。
【0080】
図2Aは、トレイのスタックを構築するための自動処理の一実施形態を示す状態図である。様々な実施形態において、状態
図200に従った処理は、制御コンピュータ(
図1Aの制御コンピュータ128など)によって実行される。図の例において、プランニング状態、プロセス、および/または、モジュール202が、本明細書で開示されているロボット装置を用いて、例えば、注文、インボイス、マニフェストなどのセットに従って、均質または不均質なトレイの移動元スタックからトレイをピックし、1または複数のタイプのトレイを各々有する移動先スタックを構築することによって、トレイの出力スタックを構築する計画を生成し、動的に更新する。プランニング状態、プロセス、および/または、モジュール202は、どの移動先トレイスタックが完了したか、どの移動元トレイのスタックが作業空間に移動されたか、ならびに/もしくは、移動先スタックを構築するために(スタック)トレイをピックアンドプレースする計画を更新し続けるために利用できるその他の状態およびコンテキスト情報、を示すフィードバックを受信する。状態204において、所与のロボット装置(例えば、
図1Aに示した例では、ロボットアーム112および/または114ならびに関連エンドエフェクタ116および118)を制御するプロセスが、プランニング状態、プロセス、および/または、モジュール202から受信した現在の全体計画に従って、移動元スタックから移動先スタックへ移動させる1または複数のトレイの次のセットを決定する。例えば、ロボットは、1、2、または、それより多いトレイを移動元スタックから把持して、移動先スタックにそれらを追加する(または、新たな移動先スタックに着手する)ことを決定する。ロボットは状態206に入り、そこで、1または複数のトレイを把持する位置に移動し、トレイを把持し、ならびに/もしくは、トレイを移動先スタック位置に向かってトレイを移動させ始めることの内の1または複数を行うための戦略および計画が決定され、ロボットは、適所に移動してトレイを把持する。1または複数のトレイが把持されると、ロボットは、移動先スタックの近傍(例えば、移動先スタックならびに/もしくは移動先スタックが構築される位置または構造の上でホバリングする位置)への計画された(そして、必要に応じて、動的に適合された)軌道に沿ってトレイが移動される状態208に入る。状態210において、ロボットは、トレイを移動先スタック上にプレースする。いくつかの実施形態において、状態210は、例えば、任意の相互接続構造が整列されてうまく差し込まれる(トレイの底面にあるタブが、トレイのプレースされる際に下になるトレイの側壁にある対応する凹部に収まるように配置される、など)ことを確実にするように、トレイを前後に(または、該当する場合には左右に)移動させる(または移動させようとする)ことによって、トレイが移動先スタック上にしっかりとプレースされることを確かめるために、力制御下での操作を含む。トレイがしっかりとプレースされたと判定されると、ロボットは、トレイを解放して、再び状態204に入り、そこで、1または複数のトレイの次のセットが、例えば、プランニング状態、プロセス、および/または、モジュール202から受信された全体計画情報に従って、対応する移動元スタックからピックされ、対応する移動先スタックへ移動されることが決定される。様々な実施形態において、本明細書で開示されているロボットシステムは、すべての移動先スタックが構築されるまで、
図2Aの状態204、206、208、および、210を繰り返し続ける。
【0081】
図2Bは、トレイのスタックを構築するための自動処理の一実施形態を示すフローチャートである。様々な実施形態において、1または複数のトレイハンドリングロボットを制御するプロセスまたはモジュールが、
図2Bの処理220を実行する。様々な実施形態において、
図2Bの処理220は、制御コンピュータ(
図1Aの制御コンピュータ128など)上で実行するプロセスまたはモジュールによって実行される。いくつかの実施形態において、処理220は、マルチモードエンドエフェクタの第2把持メカニズム(例えば、グリッパアームを備えた把持メカニズムなど)を用いてトレイを把持することに関連して実行される。図の例において、工程222で、1または複数のトレイの特定のセットが、移動元スタックから移動先スタックへ移動されることが決定される。いくつかの実施形態において、ロボットアームは、一度に1つだけのトレイのピックアンドプレースに対応するエンドエフェクタ(例えば、第2把持メカニズム)を有する。他の実施形態において、ロボットは、例えば、把持されるスタックにおけるトレイの一番下のトレイを把持することによって、2以上のトレイのスタックを把持できるエンドエフェクタを有する。工程224で、トレイまで移動し、トレイを把持するための戦略が決定される。例えば、ロボットは、把持されるトレイの上方の位置へ、または、その他の近い位置へ、エンドエフェクタを移動させるために、1セットの操作を計画して実行する。別の例として、ロボットは、トレイを把持するようエンドエフェクタを制御するための動作を計画して実行する。ロボットは、トレイまたはトレイからのアイテムを把持することに関連して、モードを変更するようエンドエフェクタ(例えば、マルチモードエンドエフェクタ)を制御する(例えば、エンドエフェクタがトレイを把持するのか、または、トレイからのアイテムを把持するのかに少なくとも部分的に基づいて、第1把持メカニズムまたは第2把持メカニズムを用いるようエンドエフェクタを制御するため、など)。トレイを把持するための戦略が決定され実行される。工程226で、トレイを移動先スタックへ移動させるための計画(例えば、軌道)が決定され実行される。軌道/計画は、作業空間における障害物(他のスタックなど)と、他のロボット装置(同じ作業空間で動作する別のピック/プレースロボット(例えば、
図1Aのロボットアーム112、114)など)との潜在的な衝突と、を考慮に入れる。工程228で、対応する移動先スタックの上へトレイをプレースするための戦略が決定され実行される。工程230で、ピック/プレース動作の結果が、例えば、プランニングプロセスまたはモジュールへ報告される。処理が完了した(例えば、すべての移動先スタックが完成した)と工程232で判定されるまで、工程222、224、226、228、および、230の次の反復が、繰り返される。
【0082】
図2Cは、トレイへ/からアイテムをピックアンドプレースするための自動処理の一実施形態を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、処理250は、
図1Aのシステム100によって実行される。いくつかの実施形態において、処理250は、マルチモードエンドエフェクタの第1把持メカニズム(例えば、吸着ベースの把持のための吸着カップを備えた把持メカニズムなど)を用いてトレイから/へアイテムをピックアンドプレースすることに関連して実行される。様々な実施形態において、1または複数のトレイハンドリングロボットを制御するプロセスまたはモジュールが、
図2Bの処理220を実行する。様々な実施形態において、
図2Bの処理220は、制御コンピュータ(
図1Aの制御コンピュータ128など)上で実行するプロセスまたはモジュールによって実行される。
【0083】
図の例において、工程252で、1または複数のトレイの特定のセットが、移動元位置から移動先位置へ移動されることが決定される。例えば、システムは、移動元位置(例えば、キッティング棚、コンベヤなど)からアイテムを取得して、トレイまたはその他の容器にアイテムをプレースすることを決定する。別の例として、システムは、トレイからアイテムをピックし、移動先位置(例えば、コンベヤ、シュート、その他の容器、など)にアイテムをプレースすることを決定する。いくつかの実施形態において、ロボットアームは、一度に1つだけのアイテムのピックアンドプレースに対応するエンドエフェクタ(例えば、吸着ベースエンドエフェクタなどの第1把持メカニズム)を有する。他の実施形態において、ロボットは、(例えば、吸着ベースエンドエフェクタの吸着カップの異なる一部を用いてアイテムの各々を把持することによって)複数のアイテムを把持できるエンドエフェクタを有する。
【0084】
工程254で、アイテムまで移動し、アイテムを把持するための戦略が決定される。例えば、ロボットは、把持されるアイテムの上方の位置へ、または、その他の近い位置へ、エンドエフェクタ(例えば、マルチモードエンドエフェクタの吸着ベースエンドエフェクタ)を移動させるために、1セットの操作を計画して実行する。別の例として、ロボットは、アイテムを把持するようエンドエフェクタを制御するための動作を計画して実行する。ロボットは、トレイまたはトレイからのアイテムを把持することに関連して、モードを変更するようエンドエフェクタ(例えば、マルチモードエンドエフェクタ)を制御する(例えば、エンドエフェクタがトレイを把持するのか、または、トレイからのアイテムを把持するのかに少なくとも部分的に基づいて、第1把持メカニズムまたは第2把持メカニズムを用いるようエンドエフェクタを制御するため、など)。アイテムを把持するための戦略が決定され実行される。
【0085】
工程256で、アイテムを移動先位置へ移動させるための計画(例えば、軌道)が決定され実行される。軌道/計画は、作業空間における障害物(他のアイテム、トレイのスタック、など)と、他のロボット装置(同じ作業空間で動作する別のピック/プレースロボット(例えば、
図1Aのロボットアーム112、114)など)との潜在的な衝突と、を考慮に入れる。
【0086】
工程258で、対応する移動先位置(例えば、移動先トレイ、コンベヤ、など)にアイテムをプレースするための戦略が決定され実行される。
【0087】
工程260で、ピック/プレース動作の結果が、例えば、プランニングプロセスまたはモジュールへ報告される。処理が完了した(例えば、すべてのアイテムがピックアンドプレースされた(例えば、アイテムが注文または梱包票などのマニフェストに対応する、もしくは、アイテムがピックされるトレイが空である、もしくは、アイテムがプレースされるトレイが満杯である))と工程262で判定されるまで、工程252、254、256、258、および、260の次の反復が、繰り返される。
【0088】
図3Aは、ロボット制御トレイハンドリングエンドエフェクタの一実施形態を示す図である。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ300は、ロボットアーム112、114などによって、
図1Aのシステム100に関連して実装される。エンドエフェクタ300は、少なくとも2つの把持メカニズム(例えば、第1把持メカニズムおよび第2把持メカニズム)を備えたマルチモードエンドエフェクタである。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ300は、実行されるタスクなどに基づいて、異なるモードに従って動作するようロボット制御される。例えば、エンドエフェクタ300は、第1把持メカニズム(例えば、吸着ベースエンドエフェクタがアイテムをピック/プレースするために用いられる)第1モードで動作する。別の例として、エンドエフェクタ300は、第2把持メカニズム(例えば、グリパアームを有するエンドエフェクタがトレイをピック/プレースするために用いられる)第2モードで動作する。別の例として、エンドエフェクタ300は、エンドエフェクタ300上の構造がトレイまたはトレイのスタックを押す/引くために用いられる第3モードで動作する。
【0089】
図の例において、エンドエフェクタ300は、複数の把持メカニズムを備える。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ300は、(i)吸着ベースエンドエフェクタ314に対応する第1把持メカニズムと、(ii)グリッパアーム(例えば、サイド部材)を備えた第2把持メカニズムと、を備える。エンドエフェクタ300に備えられている異なる把持メカニズムは、異なる作用のために、または、異なるモードで、利用される。吸着ベースエンドエフェクタ314は、1または複数の吸着カップ314a、314b、314c、および、314dを備える。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ300は、第1把持メカニズムおよび第2把持メカニズムの内の1または複数を選択的に制御することに基づいて、物体(例えば、トレイ、トレイ内のアイテム、など)を把持するようロボット制御される。
【0090】
図3Aに示すように、エンドエフェクタ300は、第1把持メカニズムへの横部材302を備え、および/または、第2把持メカニズムのための複数の要素が取り付けられている。例えば、エンドエフェクタ300は、横部材302を備えており、そこに、サイド部材304が、固定して取り付けられ、サイド部材306が、トレイを把持するための位置にエンドエフェクタ300を移動させるのを容易にする開位置へサイド部材306(例えば、アクティブサイド部材)を移動させることを可能にするように、ヒンジ留めされ、または、別の方法で可動に取り付けられている。アクティブサイドサム308が、サイド部材306の内面上に配置されている(もしくは、内面の一体的部分またはフィーチャを含む)。いくつかの実施形態において、両方のグリッパアーム(例えば、サイド部材)が、グリッパアームの間のグリップを広げまたは狭めることなどに関連して、横部材302に対して可動になっている。
【0091】
様々な実施形態によると、サイド部材306は、所定の可動域の範囲内で可動である。一例として、エンドエフェクタ300は、所定の可動域の範囲内にサイド部材306の動きを制限する1または複数の停止メカニズム(例えば、ストッパ、スイッチなど、または、それらの組み合わせ)を備える。エンドエフェクタ300は、サイド部材306が開位置閾値(例えば、横部材302が長さ方向に沿っている平面/ベクトルに対して130度、または、横部材302が沿っている平面/ベクトルとアクティブ部材306が実質的に垂直になる閉位置に対して30~50度)を超えて開方向に移動することを防止する開位置停止メカニズムを備える。エンドエフェクタ300は、サイド部材306が閉位置閾値(例えば、横部材302が長さ方向に沿っている平面/ベクトルに対して約90度)を超えて閉方向に移動することを防止する閉位置停止メカニズムを備える。様々な値が、開位置閾値および/または閉位置閾値に対して選択されてよい。いくつかの実施形態において、開位置閾値は、エンドエフェクタ300が接続されているロボットが動作する環境に少なくとも部分的に基づいて設定される。一例として、複数のロボットが比較的近い範囲内で動作している場合、サイド部材306の可動域は、ロボットの間または様々なロボット(例えば、隣接するロボット)が動作するゾーンの間の距離に少なくとも部分的に基づいている。サイド部材306が閉位置から開位置へ移動するにつれて、サイド部材306は、x方向へ伸びていく。さらに、サイド部材306が、閉位置から開位置へ長い距離にわたって移動できるほど、ロボットシステムがトレイの把持/プレースに関連してサイド部材306を開く/閉じるよう制御するために必要な時間が長くなる。したがって、サイド部材306の可動域を(例えば、エンドエフェクタが1または複数のトレイのセットを容易に把持することを可能にするのに十分な開位置閾値に)制限することで、ロボットシステムは、他のロボット(例えば、トレイを自律的に把持、移動、および、プレースしている他のロボット)の近傍でより効率的に動作できるようになる。
【0092】
いくつかの実施形態において、開位置閾値および/または閉位置閾値は、構成可能である。例えば、1または複数の停止メカニズムは、構成可能であり、所望の開位置閾値および/または閉位置閾値の構成に基づいて設定される。
【0093】
アクティブサイドサム308と、サイド部材304の内面上の対応する構造(
図3Aでは見えない)は、エンドエフェクタ300によって把持されるトレイの両側にある握りもしくはその他の凹部または穴に挿入されるのに適したサイズおよび形状を有する。様々な実施形態において、サム308は、着脱可能および交換可能であり、例えば、利用によって摩耗すると交換され、または、例えば、別のタイプのトレイを把持するのに適した別の形状、寸法、材料などを有するサムと交換される。アクティブサイドサム308は、(例えば、トレイのハンドルと係合している間などに)サム308の回転を妨げるなどのために、サイド部材306に固定して取り付けられている。例えば、アクティブサイドサムは、3つの取り付け点でサイド部材306に取り付けられている。様々なその他の取り付け構成または取り付け点の数が実施されてよい。
図3Aの右側の三面図に示すように、図の例において、サム308は、4つの面の各々に凸面308a~dを有する。様々な実施形態において、凸面308a~dは、力およびモーメント制御を用いて、把持されるトレイの側面にあるハンドルもしくはその他の穴または凹部にサム308を挿入することを容易にする。いくつかの実施形態において、凸面は、穏やかで確実な最終把持を保証するために、アクティブ力制御および向きのインピーダンス制御と共に用いられ、ここで、アクティブサイドは、完全にトレイ内に入る。例えば、整列が不完全な場合でも、穴の側面または縁に係合した凸面308a~dが、サム308の残りをより完全に穴の中へより容易に滑り込ませることを可能にする。サムのベースにある平面308eは、サムが取り付けられているサイド部材304、306の内側壁に最も近く、様々な実施形態において、エンドエフェクタ300と、把持されているトレイとの間のずれが修正および/またはアライメントを微調整されることを可能にする。例えば、ピックエピソードにおいて、サイド部材304(例えば、パッシブサイド部材)のサムが、把持されるトレイの片側にあるハンドルまたはその他の穴の近くの位置へ移動される。凸面308a~dは、サムを或る程度まで穴に滑り込ませるために、力制御下で用いられる。サムのベース付近の平面308eは、サイド部材306を閉じる前に、パッシブ側をトレイとより良好に整列させる。
【0094】
図3Aをさらに参照すると、図の例において、エンドエフェクタ300は、横部材302に取り付けられた力センサ310と、エンドエフェクタ300をロボットアームに取り付けるためのブラケット312と、を備える。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ300は、ブラケット312の穴を通して挿入されたピンを介してロボットアームに取り付けられることで、エンドエフェクタ300が、ピンの縦軸を中心に、例えば1または複数のモータを用いて、ロボット制御下で自由にスイングおよび/または回転されることが可能になっている。様々な実施形態において、力センサ310は、x、y、および/または、z方向でエンドエフェクタ300によって経験された力/モーメントを検出する。力センサ310は、少なくとも+10000Nのxまたはy方向の力(例えば、Fxy)の単軸過負荷、および/または、少なくとも+30000Nのz方向の力(例えば、Fz)の単軸過負荷を有してよい。力センサ310は、少なくとも+1000Nmのxまたはy方向のトルク(例えば、Txy)の単軸過負荷、および/または、少なくとも+1000Nmまでのz方向のトルク(例えば、Tz)の単軸過負荷を有してよい。いくつかの実施形態において、力センサ310は、約+18000Nのxまたはy方向の力(例えば、Fxy)の単軸過負荷、および/または、約+48000Nのz方向の力(例えば、Fz)の単軸過負荷と、約1700Nmのxまたはy方向のトルク(例えば、Txy)の単軸過負荷、および/または、約1900Nmのz方向のトルク(例えば、Tz)の単軸過負荷と、を有する。
【0095】
様々な実施形態において、サイド部材304は、横部材302に固定的に取り付けられている。サイド部材304の固定的な取り付けは、エンドエフェクタ300(例えば、サイド部材304)に作用する力およびモーメントが、エンドエフェクタのフレーム(例えば、横部材302およびサイド部材304)を通して力センサ310へ伝搬することを可能にする。例えば、サイド部材304の固定的な取り付けは、アクティブ部材306がトレイハンドルと係合するようサム308を動かす(例えば、サム308をトレイハンドルに挿入する)ために作動されている時に、力およびモーメントがエンドエフェクタの他の部分(アクティブ部材306など)の動きに変わるのを回避する。
【0096】
図3Bは、ロボット制御トレイハンドリングエンドエフェクタの一実施形態を示す図である。エンドエフェクタ300は、グリッパアーム(例えば、サイド部材304、306)を用いてアイテムを把持するよう(例えば、マルチモード動作の第2動作モード中に)制御される第2把持メカニズムを備える。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ300は、エンドエフェクタ300が物体(例えば、トレイ)を把持する位置に移動することを可能にするためにグリップを開くようにグリッパアームの内の1または複数を動かし、把持される物体に対してグリップを閉じるようにグリッパアームの内の1または複数を動かすよう制御される。
【0097】
図3Bに示す状態において、アクティブサイド部材306は、例えば、空気圧ピストンまたは油圧ピストン、モータ、もしくは、その他の原動力と、
図3Bにおける横部材302にしゅうようされ収容されている構造(図示せず)とによって、開位置へ開かれている。ベクトル/方向316は、閉位置(例えば、閉位置閾値)の一例を示している。様々な実施形態において、閉位置は、サイド部材306が横部材302に対して法線ベクトルを形成する際の構成である。例えば、閉位置閾値は、横部材302が沿っている方向に対して90度(または実質的に90度)である。
図3Bに示すように、サイド部材306は、開位置に移動される。サイド部材306が開位置に移動された時、サイド部材306とベクトル/方向316との間の角度は、角度313で表されている。様々な実施形態によると、開位置閾値は、角度313が35度から50度の間にある構成に対応する。いくつかの実施形態において、開位置閾値は、角度313が40度から50度の間にある構成に対応する。いくつかの実施形態において、開位置閾値は、角度313が40度から45度の間にある構成に対応する。
【0098】
様々な実施形態において、ロボットシステムは、サイド部材306(例えば、サイド部材306のサム308)に備えられているセンサ、サイド部材304(例えば、パッシブサイド部材のサム)に備えられているセンサ、エンドエフェクタ300が接続されているロボットの上または周りに(例えば、ロボットの作業空間に関する情報をキャプチャするために)備えられているカメラまたはその他のセンサなど、もしくは、それらの任意の組みあわせなど、1または複数のセンサによって取得された情報に少なくとも部分的に基づいて、サイド部材306を制御する(例えば、サイド部材306を移動させるよう作動装置を制御する)。サイド部材306は、1または複数のトレイのセットを把持、移動、および/または、プレースする計画と、1または複数のセンサから取得された情報とに従って制御される。サイド部材306は、別のトレイスタック(例えば、隣接するスタック)、別のトレイスタック(または同じトレイの)トレイを移動させるために作業している別のロボットなど、ロボットの作業空間内の障害物に従ってさらに制御される。
【0099】
様々な実施形態において、本明細書で開示されているトレイピック動作は、円滑、穏やか、かつ、正確であり、不確実性および撹乱に対して耐性がある。様々な実施形態において、第2把持メカニズムを用いる(例えば、グリッパアームを用いてトレイを把持する)ピックエピソードは、以下の内の1または複数を含む。
・トレイハンドルの場所の推定および動的な目標調整を改善するために、高さチェックと連動して、(スタック上方での)ホバー姿勢から(トレイに隣接する)ターゲット姿勢まで降下すること。
・トレイの誤配置であってもヒューマンエラーであっても、レールの方向における任意の不確実性を制御するために、エンドエフェクタのアクティブサイド面を用いること。様々な実施形態において、ホバー姿勢へ移動した後、ロボットは、ハンドルと整列するための位置へ降下し、この降下する動きを行う間、レール方向のアライメントが完璧である(または実質的に完璧である)ことを確実にするために、力制御が用いられる。グリッパは、それ自身の間にトレイの長さをほぼ完璧に収めるので、これは非常に起こりうることであり、任意のずれが接触につながりうる。この接触は、対角面を有するアクティブサイドパネル上で起きることが保証され、これは、ロボットシステムが、力制御を用いて位置を調整するために、グリッパと、ずれたトレイとの間の接触を効果的に利用できることを意味する。
・(例えば、力センサ310からのセンサ読み取り値に基づいて)3自由度(3DOF)力コントローラを用いて、パッシブサイドの(トレイハンドル)スロットの位置を見つけて、サムの凸面(例えば、どれがトレイと係合するのかに応じて、表面308a~dの内の1または複数)を用いてパッシブサイドサムをスロットに挿入し始めること。いくつかの実施形態において、サムが挿入されることを保証するためのXYZ力制御と、パッシブサイドパネルの平面がトレイ外面の平面に対してぴったりくっつくことを保証するためのXYZ軸モーメントとを実行するために、6DOFコントローラが用いられる。いくつかの実施形態において、第1トレイに対する第2サイド部材の位置を示す情報、(例えば、トレイをサイド部材304と係合させるプロセスを開始するためにエンドエフェクタ300が適切に配置されたことの検出などのために、トレイがグリッパの入口などトレイの近傍にあることを検出するために)第1構造に備えられている穴、凹部、または、ハンドルとパッシブサイド構造を係合させるようエンドエフェクタが制御される位置に第1トレイが存在することを示す情報、パッシブサイド構造が、第1構造に備えられている穴、凹部、または、ハンドルと係合される位置に第1トレイが存在することを示す情報など、もしくは、それらの任意の組みあわせなど、トレイの位置に関連する情報を取得するために、サイド部材304における(または、サイド部材304のサムにおける)1または複数のセンサが用いられる。
・任意の向きの不一致を調整するために、サムの平坦な端部(例えば、308e)を利用すること。
・(例えば、サイド部材304および/またはアクティブサイド部材がトレイを把持するために適切に配置されているとの判定などに応じて)すべてが良好である時に、トレイの姿勢における任意の残りの向きまたは位置の不確実性を考慮するために、力/モーメント制御を行いつつアクティブサイド(例えば、306)を閉じ、把持の質(例えば、予測された重量、バランスが取れ、別の方法で良好な把持と一致する力およびモーメント)についてのサニティーチェックを行うために、トレイを持ち上げる。いくつかの実施形態において、グリッパの状態が良好であるとみなされた時、アクティブサイドは、任意の残りの向き/位置のエラーを改善および補正するために力/モーメント制御を有効にした状態で閉じられ、これは、トレイのおだやかな操作を保証する。
・ロボットは、スタック内のトレイの重量または品質もしくはスタッキング自体の品質に関する任意の異常を検出した場合n、ピックを安全に中断する。
【0100】
様々な実施形態によると、エンドエフェクタ300は、アクティブ状態(例えば、配備状態)と非アクティブ状態(例えば、後退状態)との間で第2把持メカニズムを作動させるよう制御される。一例として、エンドエフェクタ300が(例えば、第1把持メカニズムを用いて、トレイからアイテムを把持するために)第1モードで動作するよう制御される時、第2把持メカニズムは、非アクティブ状態に構成されるよう作動される。第1モードでの動作中、エンドエフェクタ300は、第1把持メカニズムが物体(例えば、トレイ内のアイテムなど)を把持することを可能にするために第2把持メカニズムの1または複数の要素が移動される非アクティブ状態に移行される。別の例として、エンドエフェクタ300が(例えば、第2把持メカニズムを用いて、トレイを把持するために)第2モードで動作するよう制御される時、第2把持メカニズムは、アクティブ状態に構成されるよう作動される。第2モードでの動作中、エンドエフェクタ300は、グリッパアームが第2把持メカニズムによって把持されたトレイまたはその他の物体と係合することを可能にするために第2把持メカニズムの1または複数の要素が移動されるアクティブ状態に移行される。
【0101】
図3Cは、ロボット制御トレイハンドリングエンドエフェクタの一実施形態を示す図である。エンドエフェクタ300は、グリッパアーム(例えば、側方部材304、306)を用いてアイテムを把持するよう(例えば、マルチモード動作の第2動作モード中に)制御される第2把持メカニズムを備える。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ300は、エンドエフェクタ300が物体(例えば、トレイ)を把持する位置に移動することを可能にするためにグリップを開くようにグリッパアームの内の1または複数を動かし、把持される物体に対してグリップを閉じるようにグリッパアームの内の1または複数を動かすよう制御される。
【0102】
いくつかの実施形態において、第1モードでのエンドエフェクタ300の動作中、エンドエフェクタは、要素(例えば、グリッパアーム)が完全に格納(後退)状態に移動される非アクティブ状態へ移行される。
図3Cに示すように、サイド部材304、306は、サイド部材304、306が完全に引っ込められ、吸着ベースエンドエフェクタ314(例えば、吸着ベースエンドエフェクタなどの第1把持メカニズム)がアイテムを把持することを可能にするアクティブ状態に配置される。
【0103】
ベクトル/方向316は、(例えば、グリッパアームがアクティブ状態に配置される)第2モードで動作しているエンドエフェクタ300に対応する閉位置(例えば、閉位置閾値)の一例を示している。様々な実施形態において、閉位置は、サイド部材306が横部材302に対して法線ベクトル(または、実質的な法線ベクトル)を形成し、ロボットアームに取り付けられている横部材302の部分から離れる方向に伸びる構成である。例えば、閉位置閾値は、横部材302が沿っている方向に対して90度(または実質的に90度)である。
図3Cに示すように、サイド部材304、306は、開位置(例えば、後退状態)に移動される。サイド部材304、306が開位置に移動された時、サイド部材306とベクトル/方向316との間の角度は、角度315で表されている。様々な実施形態によると、開位置閾値は、角度313が145度から225度の間にある構成に対応する。いくつかの実施形態において、開位置閾値は、角度313が180度から225度の間にある構成に対応する。
【0104】
図4は、様々な実施形態に従って、物体を移動させるようエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、処理400は、
図3A~
図3Bのエンドエフェクタ300を制御することに関連して実施される。いくつかの実施形態において、処理400は、
図1Aのシステム100などによって実行される。
【0105】
工程402で、物体をピック/プレースするようエンドエフェクタ(例えば、マルチモードエンドエフェクタ)を動作させる決定がなされる。いくつかの実施形態において、物体は、トレイ、容器、トート、箱、アイテム(例えば、トレイに含まれうるアイテム)、などであってよい。
【0106】
工程404で、エンドエフェクタが動作されるモードが決定される。システムは、複数のモードから、エンドエフェクタが動作される際に従うモードを選択する。いくつかの実施形態において、システムは、第1把持メカニズム(例えば、吸着ベースエンドエフェクタ)が物体を把持するために用いられる際に従う第1モードでエンドエフェクタを動作させるか否か、および/または、第2把持メカニズム(例えば、複数のグリッパアームを備えたエンドエフェクタ)が物体を把持するために用いられる際に従う第2モードでエンドエフェクタを動作させるか否かを決定する。
【0107】
工程406で、エンドエフェクタが第1モードで動作されるか否かについて決定がなされる。エンドエフェクタが第1モードで動作されると工程406で決定したことに応じて、処理400は、工程408に進む。逆に、エンドエフェクタが第1モードで動作されないと工程406で決定したことに応じて、処理400は、工程412に進む。
【0108】
工程408で、吸着ベースエンドエフェクタを用いて物体をピック/プレースするための計画が決定される。エンドエフェクタを第1モードで動作させると決定したことに応じて、システムは、トレイまたはその他の容器に含まれるアイテムなどの物体を把持するため、および、移動先位置(例えば、トレイ、コンベヤ、棚、など)に物体をプレースするための計画(または戦略)を決定する。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタを第1モードで動作させると決定したことに応じて、システムは、(例えば、グリッパアームが後退位置に移動される)非アクティブ状態に第2把持メカニズムを移行させるようエンドエフェクタを制御する。物体を把持するために決定された計画は、第2把持メカニズムを非アクティブ状態に移行させる動作を含みうる。
【0109】
工程410で、吸着ベースエンドエフェクタは、移動先位置に物体をピックアンドプレースするよう制御される。システムは、吸着ベースエンドエフェクタの吸着カップと、把持される物体との間に吸着力を印加するために吸着メカニズムを作動させるよう、吸着ベースエンドエフェクタを制御する。システムは、吸着力(または、吸着カップと物体との間の吸着のその他の属性)を検出するセンサによって受信されたフィードバックに少なくとも部分的に基づいて、吸着メカニズムを制御する。いくつかの実施形態において、物体をピックアンドプレースするよう吸着ベースエンドエフェクタを制御すすることは、ロボットアームの吸着ベースエンドエフェクタを用いて物体をピックアンドプレースするよう、マルチモードエンドエフェクタが取り付けられているロボットアームを制御することを含む。
【0110】
工程412で、グリッパアームを備えたエンドエフェクタを用いて物体をピック/プレースするための計画が決定される。エンドエフェクタを第2モードで動作させると決定したことに応じて、システムは、トレイ(例えば、トレイのスタックに含まれるトレイ、など)などの物体を把持するための計画(または戦略)を決定する。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタを第2モードで動作させると決定したことに応じて、システムは、(例えば、グリッパアームが配備位置に移動される)アクティブ状態に第2把持メカニズムを移行させるようエンドエフェクタを制御する。物体を把持するために決定された計画は、第2把持メカニズムをアクティブ状態に移行させる動作を含みうる。
【0111】
工程414で、グリッパアームを備えたエンドエフェクタは、移動先位置に物体をピックアンドプレースするよう制御される。システムは、把持される物体(例えば、トレイ)を把持するためにグリッパアームの内の1または複数の移動を作動させるよう、グリッパアームを備えたエンドエフェクタ(例えば、第2把持メカニズム)を制御する。例えば、システムは、物体と係合するようにアクティブサイド部材を移動させるよう制御する。システムは、把持される物体に対する1または複数のグリッパアーム(または、かかるアームのサム)のポジショニングを検出するセンサによって受信されたフィードバックに少なくとも部分的に基づいて、グリッパアームを備えたエンドエフェクタを制御する。いくつかの実施形態において、物体をピックアンドプレースするよう、グリッパアームを備えたエンドエフェクタを制御することは、ロボットアームのグリッパアームを用いて、物体を把持およびピック/プレースするよう、マルチモードエンドエフェクタが取り付けられているロボットアームを制御することを含む。
【0112】
工程416で、処理400が完了したか否かについて判定がなされる。いくつかの実施形態において、処理400は、移動される物体(例えば、トレイ、アイテム)がこれ以上ないこと、(例えば、荷降ろし動作の場合に)タスクテーブルによって保持されているトレイが空になったこと、(例えば、荷積み動作の場合に)タスクテーブルによって保持されているトレイが満杯になったこと、ユーザがシステムを終了したこと、処理400が一次停止または停止される旨を管理者が指示したこと、などの決定に応じて、完了したと判定される。処理400が完了したとの判定に応じて、処理400は終了する。処理400が完了していないという判定に応じて、処理400は工程402へ戻る。
【0113】
図5Aは、様々な実施形態に従って、トレイへ/からアイテムをピックまたはプレースすることに関連してエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、処理500は、
図3A~
図3Bのエンドエフェクタ300を制御することに関連して実施される。いくつかの実施形態において、処理500は、
図1Aのシステム100などによって実行される。
【0114】
工程502で、エンドエフェクタ(例えば、マルチモードエンドエフェクタ)を第1モードで動作させる決定がなされる。いくつかの実施形態において、システムは、把持される物体がトレイから/へピック/プレースされるアイテムであると決定したこと、または、そうでなければ、物体が吸着ベースエンドエフェクタで把持されると決定したことに関連して、マルチモードエンドエフェクタを第1モードで動作させると決定する。
【0115】
工程504で、情報が1または複数のセンサから取得される。情報は、グリッパアームの内の1または複数がアクティブ状態にあるのか非アクティブ状態にあるのか(もしくは、非アクティブ状態または非アクティブ状態の間の中間的な状態にあるのか)を示す。いくつかの実施形態において、システムは、マルチモードエンドエフェクタが動作されるモードに従って、アクティブ状態または非アクティブ状態に移行するよう、グリッパアーム(または第2把持メカニズム)を制御することに関連して、グリッパアームのポジショニングに対応する情報を利用する。
【0116】
工程506で、グリッパアームが非アクティブ状態に配置されているか否かについての判定がなされる。工程506で、グリッパアームが非アクティブ状態にないと判定したこと(または、グリッパアームがアクティブ状態にあると判定したこと)に応じて、処理500は、グリッパアームの構成が調整される工程508に進む。例えば、システムは、グリッパアームを非アクティブ状態に(例えば、後退位置に)動かす(または動かし続ける)よう制御する。いくつかの実施形態において、非アクティブ状態は、グリッパアームが、グリッパアームとサイド部材との間の角度域の範囲内にあるなど、閾値後退状態に配置されていることに対応する(例えば、グリッパアームは、グリッパアームが完全には引っ込められていなくても、グリッパアームの後退の閾値内にあれば、非アクティブ状態にあると見なされる)。処理500は、グリッパアームが非アクティブ状態にあるとシステムが判定するまで、工程504~508を繰り返す。
【0117】
グリッパアームが非アクティブ状態にあると工程506で判定したことに応じて、処理500は、システムが、アイテム(トレイまたはその他の移動元位置(例えば、棚、コンベヤ、など)内のアイテムなど)と係合することを決定する工程510に進む。
【0118】
工程512で、システムは、吸着ベースエンドエフェクタ(例えば、第1把持メカニズム)の位置を調整するよう制御する。システムは、把持されるアイテムと係合するように吸着ベースエンドエフェクタを配置するよう制御する。例えば、システムは、吸着ベースエンドエフェクタ上の吸着カップがアイテムと係合する位置へロボットアームおよびエンドエフェクタを移動させる。
【0119】
工程514で、システムは、吸着制御を用いて、吸着ベースエンドエフェクタでアイテムを把持する。システムは、(例えば、吸着ベースエンドエフェクタに備えられている)1または複数の吸着カップと、把持されるアイテムとの間に吸着力を印加するために、吸着メカニズムを作動させる。いくつかの実施形態において、吸着ベースエンドエフェクタは、(例えば、それぞれの移動先位置へ複数のアイテムを同時に移動させるために)複数のアイテムを把持するよう制御される。
【0120】
工程516で、情報が1または複数のセンサから取得される。情報は、吸着ベースエンドエフェクタが、把持されるアイテムと係合されているか否かを示す。例えば、システムは、吸着ベースエンドエフェクタの吸着カップと、把持されるアイテムとの間の吸着力に関する情報を取得する。
【0121】
工程518で、システムは、アイテムが係合されているか否かを判定する。例えば、システムは、アイテムが吸着ベースエンドエフェクタによってしっかりと把持されているか否かを判定する。アイテムがしっかりと把持されていない(例えば、アイテムとエンドエフェクタとの間の吸着力が閾値吸着力より小さい、または、アイテムが吸着ベースエンドエフェクタと係合されていない)と工程518で判定したことに応じて、処理500は、システムが、吸着制御を用いて、吸着ベースエンドエフェクタを用いたアイテムの係合/把持を調整/確実にする工程514に戻る。処理500は、アイテムが吸着ベースエンドエフェクタによってしっかりと把持されているとシステムが判定するまで、工程514~518を繰り返す。
【0122】
工程520で、アイテムは、移動先位置へ移動され、吸着ベースエンドエフェクタは、アイテムをプレースするよう制御される。いくつかの実施形態において、システムは、移動先位置(または移動先位置の近く)へアイテムを移動させるようロボットアームを制御し、次いで、移動先位置でアイテムを解放するよう吸着ベースエンドエフェクタを制御する。例えば、システムは、吸着ベースエンドエフェクタとアイテムとの間の吸着力を低減/排除するよう、吸着ベースエンドエフェクタを制御する。
【0123】
図5Bは、様々な実施形態に従って、トレイへ/からアイテムをピックまたはプレースすることに関連してエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、処理550は、
図3A~
図3Bのエンドエフェクタ300を制御することに関連して実施される。いくつかの実施形態において、処理550は、
図1Aのシステム100などによって実行される。
【0124】
工程552で、システムは、エンドエフェクタを第1モードで動作させることを決定する。いくつかの実施形態において、工程552は、
図5Aの処理500の工程502に対応し、または、同様である。
【0125】
工程554で、情報が1または複数のセンサから取得される。いくつかの実施形態において、工程554は、
図5Aの処理500の工程504に対応し、または、同様である。
【0126】
工程556で、グリッパアームが非アクティブ状態に配置されているか否かについての判定がなされる。いくつかの実施形態において、工程556は、
図5Aの処理500の工程506に対応し、または、同様である。工程556で、グリッパアームが非アクティブ状態にないと判定したこと(または、グリッパアームがアクティブ状態にあると判定したこと)に応じて、処理500は、グリッパアームの構成が調整される工程558に進む。いくつかの実施形態において、工程558は、
図5Aの処理500の工程508に対応し、または、同様である。処理550は、グリッパアームが非アクティブ状態にあるとシステムが判定するまで、工程554~558を繰り返す。
【0127】
工程560で、システムは、トレイまたはその他の容器内のアイテム(または移動元位置からのアイテム)と係合することを決定する。システムは、マニフェスト(例えば、注文、梱包票、など)に基づいて、アイテムと係合することを決定する。
【0128】
工程562で、システムは、非アクティブ状態で吸着ベースエンドエフェクタ(例えば、第1把持メカニズム)の位置を調整するよう制御する。いくつかの実施形態において、工程562は、
図5Aの処理500の工程512に対応し、または、同様である。
【0129】
工程564で、システムは、吸着制御を用いて、吸着ベースエンドエフェクタでアイテムを把持する。いくつかの実施形態において、工程564は、
図5Aの処理500の工程514に対応し、または、同様である。
【0130】
工程566で、情報が1または複数のセンサから取得される。いくつかの実施形態において、工程566は、
図5Aの処理500の工程516に対応し、または、同様である。
【0131】
工程568で、システムは、アイテムが係合されているか否かを判定する。いくつかの実施形態において、工程568は、
図5Aの処理500の工程518に対応し、または、同様である。アイテムがしっかりと把持されていない(例えば、アイテムとエンドエフェクタとの間の吸着力が閾値吸着力より小さい、または、アイテムがアイテムと係合されていない)と工程568で判定したことに応じて、処理500は、システムが、吸着制御を用いて、吸着ベースエンドエフェクタを用いたアイテムの係合/把持を調整/確実にする工程564に戻る。処理550は、アイテムが吸着ベースエンドエフェクタによってしっかりと把持されているとシステムが判定するまで、工程564~568を繰り返す。
【0132】
工程570で、1または複数の他のアイテムが吸着ベースエンドエフェクタによって把持されるか否かについての判定がなされる。例えば、システムは、吸着ベースエンドエフェクタが複数のアイテムをそれぞれの移動先位置へ同時に移動させるか否かを判定する。1または複数の他のアイテムが(例えば、同時移動/プレースのために)吸着ベースエンドエフェクタによって把持されると工程570で判定したこと応じて、処理550は、工程560に戻り、処理550は、吸着ベースエンドエフェクタによって把持されるアイテムがもう存在しないとシステムが判定するまで、工程560~570を繰り返す。
【0133】
工程572で、アイテムは、移動先位置へ移動され、吸着ベースエンドエフェクタは、アイテムをプレースするよう制御される。いくつかの実施形態において、工程572は、
図5Aの処理500の工程520に対応し、または、同様である。
【0134】
図6Aは、様々な実施形態に従って、トレイまたはその他の容器をピックまたはプレースすることに関連してエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、処理600は、
図3A~
図3Bのエンドエフェクタ300を制御することに関連して実施される。いくつかの実施形態において、処理600は、
図1Aのシステム100などによって実行される。
【0135】
工程602で、エンドエフェクタ(例えば、マルチモードエンドエフェクタ)を第2モードで動作させる決定がなされる。いくつかの実施形態において、システムは、把持される物体がトレイのスタックなどにピックおよび/またはプレースされるトレイであると決定したこと、もしくは、そうでなければ、グリッパアームを有するエンドエフェクタで物体が把持されると決定したことに関連して、マルチモードエンドエフェクタを第2モードで動作させると決定する。
【0136】
工程604で、情報が1または複数のセンサから取得される。情報は、グリッパアームの内の1または複数がアクティブ状態にあるのか非アクティブ状態にあるのか(もしくは、非アクティブ状態または非アクティブ状態の間の中間的な状態にあるのか)を示す。いくつかの実施形態において、システムは、マルチモードエンドエフェクタが動作されるモードに従って、アクティブ状態または非アクティブ状態に移行するよう、グリッパアーム(または第2把持メカニズム)を制御することに関連して、グリッパアームのポジショニングに対応する情報を利用する。
【0137】
工程606で、グリッパアームが非アクティブ状態に配置されているか否かについての判定がなされる。工程606で、グリッパアームがアクティブ状態にないと判定したこと(または、グリッパアームが非アクティブ状態にあると判定したこと)に応じて、処理600は、グリッパアームの構成が調整される工程608に進む。例えば、システムは、グリッパアームをアクティブ状態に(例えば、配備位置に)動かす(または動かし続ける)よう制御する。いくつかの実施形態において、アクティブ状態は、グリッパアームが、グリッパアームとサイド部材との間の角度域の範囲内にあるなど、閾値配備状態に配置されていることに対応する(例えば、グリッパアームは、グリッパアームが完全には配備されていなくても、グリッパアームの配備の閾値内にあれば、アクティブ状態にあると見なされる)。一例として、
図3Cを参照すると、閾値配備状態は、サイド部材304、306が、ベクトル316に対して30度から-30度の範囲内にある状態に対応しうる。別の例として、
図3Cを参照すると、閾値配備状態は、サイド部材304、306が、ベクトル316に対して15度から-15度の範囲内にある状態に対応しうる。処理600は、グリッパアームが非アクティブ状態にあるとシステムが判定するまで、工程604~608を繰り返す。
【0138】
グリッパアームが非アクティブ状態にあると工程606で判定したことに応じて、処理600は、システムが、第2把持メカニズム(例えば、グリッパアーム)で物体(例えば、1または複数のトレイ)と係合することを決定する工程610に進む。
【0139】
工程612で、システムは、グリッパアーム(例えば、第2把持メカニズム)を有するエンドエフェクタの位置を調整するよう制御する。システムは、把持されるアイテムと係合するように、グリッパアームを有するエンドエフェクタを配置するよう制御する。例えば、システムは、エンドエフェクタのグリッパアームが物体(例えば、トレイ)と係合する位置にロボットアームおよびエンドエフェクタを移動させる。
【0140】
工程614で、システムは、グリッパアーム(例えば、グリッパアームを備えたエンドエフェクタ)でトレイを把持するよう、エンドエフェクタを制御する。システムは、グリッパアームと、把持されるトレイとの間に力を印加するよう、グリッパアームの内の1または複数を作動させる。いくつかの実施形態において、グリッパアームを有するエンドエフェクタは、(例えば、それぞれの移動先位置へ複数のアイテムを同時に移動させるために)複数のアイテムを把持するよう制御される。一例として、システムは、アクティブアーム(例えば、マルチモードエンドエフェクタの横部材に対して移動可能であるアクティブグリッパアーム)を制御して閉じさせ、力制御を用いて、トレイの把持穴にアクティブアームのサムを差し込ませる。
【0141】
工程616で、システム(例えば、ロボット)は、トレイの把持をテストし、把持がしっかりしていると工程618で判定された場合、ロボットは、トレイをその移動先へ移動させる(例えば、処理600は、工程622に進む)。把持がしっかりしていないと工程616で判定された場合、把持は、工程622で調整され、工程616で再びテストされる。例えば、ロボットは、トレイを移動元スタック上に戻し、トレイを解放し、新たな把持を試みる。もしくは、ロボットは、少なくとも部分的に移動元スタックに置き、例えば、力制御を用いて、パッシブおよび/またはアクティブサイドサムを、それぞれ、トレイの中へより完全に差し込もうとすることによって、完全にトレイを解放することなしに把持の調整を試みる。
【0142】
工程620で、トレイは、移動先位置へ移動され、エンドエフェクタは、トレイをプレースするよう制御される(例えば、グリッパアームは、トレイを離す/解放するよう制御される)。いくつかの実施形態において、システムは、移動先位置(または移動先位置の近く)へアイテムを移動させるようロボットアームを制御し、次いで、移動先位置でトレイを解放するようエンドエフェクタを制御する。
【0143】
様々な実施形態によると、処理600の処理625および650が、処理600の工程612~614に関連して実施される。
【0144】
図6Bは、様々な実施形態に従って、トレイまたはその他の容器をピックまたはプレースすることに関連してエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、処理625は、
図3A~
図3Bのエンドエフェクタ300を制御することに関連して実施される。いくつかの実施形態において、処理625は、
図1Aのシステム100などによって実行される。処理625は、トレイなどのアイテムを把持することに関連して実施される。
【0145】
様々な実施形態によると、サイド部材(例えば、エンドエフェクタ300のサイド部材304など、パッシブサイド部材)が、1または複数のセンサを備える。サイド部材上に備えられた1または複数のセンサは、エンドエフェクタ(または、特にパッシブサイド部材)の位置に対する構造(例えば、トレイ)の位置に関する情報を取得するよう構成されている。1または複数のセンサによって取得される情報の例は、(i)エンドエフェクタが、エンドエフェクタの少なくとも片側(例えば、パッシブ部材またはパッシブ部材に備えられている構造)を、トレイ(例えば、把持されるトレイ)の片側に備えられている穴、凹部、または、aと係合させるよう制御される位置に、トレイ(またはトレイに対するエンドエフェクタ)があることを示す情報の取得、(ii)エンドエフェクタ(例えば、パッシブ部材またはパッシブ部材に備えられている構造)の位置に、トレイ(またはトレイに対するエンドエフェクタ)があることを示す情報の取得、などを含む。ロボットシステムは、パッシブサイド部材(または、一般にエンドエフェクタ)を配置することに関連して、1または複数のセンサから取得した情報を利用する。いくつかの実施形態において、ロボットシステムは、エンドエフェクタ(例えば、トレイと係合するためにパッシブサイド部材に備えられているサム)を制御するために、1または複数のセンサから取得した情報を力センサから取得した情報と共に用いる。
【0146】
様々な実施形態において、エンドエフェクタは、エンドエフェクタが、パッシブサイド構造(例えば、パッシブサイド構造上に配置されたサム)を、トレイの構造に備えられている穴、凹部、または、ハンドルと係合させるよう制御される位置に、トレイがあることを示す情報を取得するよう構成されている第1センサを備える。第1センサは、パッシブサイド部材の遠位端またはその近くに(例えば、パッシブサイド部材のフィンの底部または遠位端の近くに)など、パッシブサイド部材上に配置されている。エンドエフェクタがトレイの近くに移動されると、ロボットシステムは、パッシブサイド構造上の構造(例えば、パッシブサイド部材上に配置されたサム)とトレイを係合させるためにエンドエフェクタを移動させることに関連して、第1センサから取得した情報を用いる。例えば、ロボットシステムは、第1センサから取得した情報を用いて、エンドエフェクタを粗く配置する(例えば、トレイがエンドエフェクタのサイド部材の間にあるか否かを判定するため、など)。
【0147】
様々な実施形態において、エンドエフェクタは、パッシブサイド構造が、構造(例えば、トレイの側面の構造)に備えられている穴、凹部、または、ハンドルと係合される位置に、トレイがあることを示す情報を取得するよう構成されている第2センサを備える。第2センサは、パッシブサイド部材上の構造の近くに(例えば、パッシブサイド部材のサムの近くまたはパッシブサイド部材のフィンの上部の近くに)など、パッシブサイド部材上に配置されている。エンドエフェクタがトレイの近くに移動されると、ロボットシステムは、パッシブサイド構造上の構造(例えば、パッシブサイド部材上に配置されたサム)とトレイを係合させるためにエンドエフェクタを移動させることに関連して、第2センサから取得した情報を用いる。例えば、ロボットシステムは、第2センサから取得した情報を用いて、エンドエフェクタのポジショニングを微調整する。
【0148】
工程626で、情報が第1センサから取得される。情報は、エンドエフェクタのパッシブアーム(パッシブサイド部材)がトレイの近くにあるか否かを示す。
【0149】
工程628で、ロボットシステムは、パッシブアームを係合させるか否かを決定する。例えば、ロボットシステムは、第1センサから取得した情報を用いて、トレイをパッシブアームと係合させるか否かを決定する。ロボットシステムは、トレイを移動させるための計画が、トレイを移動先位置にピックアンドプレースさせることを示すこと、および、トレイがエンドエフェクタの近くにあることの判定に応じて、トレイをパッシブアームと係合させることを決定する。いくつかの実施形態において、システムは、第1センサから取得した情報を用いて、トレイがエンドエフェクタのパッシブアームおよびアクティブアームの間にあるか否かを判定する。
【0150】
パッシブアームが(例えば、トレイと)係合されないと工程628で決定したことに応じて、処理625は、パッシブアームの位置が調整される工程630に進む。ロボットシステムは、トレイのより近くなどにエンドエフェクタを移動させるようロボットアームを制御する。その後、処理625は、工程626に戻る。
【0151】
パッシブアームが(例えば、トレイと)係合されると工程628で決定したことに応じて、処理625は、ロボットシステムが力制御を用いてパッシブアームサムをトレイと係合させる工程632に進む。例えば、ロボットシステムは、力制御を用いて、トレイの構造(例えば、穴、凹部、ハンドル、など)の中にパッシブアームのサムを係合させる。
【0152】
工程634で、情報が第2センサから取得される。情報は、パッシブアームサムがトレイの構造と係合されているか否かを示す。
【0153】
工程636で、ロボットシステムは、パッシブアームのサムがトレイと係合されているか否かを判定する。
【0154】
パッシブアームサムがトレイと係合されていないと工程636で判定したことに応じて、処理625は、工程632に戻り、工程632~636が繰り返される。例えば、ロボットシステムは、トレイの構造をパッシブアームサムと係合させるために、エンドエフェクタを移動させるようさらに制御する。
【0155】
パッシブアームサムがトレイと係合されていると工程636で判定したことに応じて、処理625は、パッシブアームがトレイと係合されている旨の示唆の工程638に進む。例えば、処理625が処理600の工程612によって呼び出された場合、工程628は、パッシブサムアームがトレイと係合され、処理600が工程606に進む旨の示唆を、ロボットシステム(例えば、ロボットシステム上で実行しているプロセス)へ提供する。
【0156】
図6Cは、様々な実施形態に従って、トレイへ/からアイテムをピックまたはプレースすることに関連してエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、処理650は、
図3A~
図3Bのエンドエフェクタ300を制御することに関連して実施される。いくつかの実施形態において、処理650は、
図1Aのシステム100などによって実行される。処理650は、トレイなどのアイテムを把持することに関連して実施される。処理650は、トレイ(または複数のトレイ)などのアイテムを把持することに関連して実施される。例えば、処理650は、処理600の工程610~614に関連して実施される。
【0157】
様々な実施形態によると、エンドエフェクタ(例えば、横部材、アクティブアーム、または、両方のグリッパアーム)は、アクティブアームまたは複数のグリッパアーム(例えば、エンドエフェクタ300のサイド部材304、306)の位置に関する情報を取得する1または複数のセンサを備える。例えば、システムは、その情報を用いて、グリッパアームがアクティブ状態(例えば、配備状態)に配置されているのか非アクティブ状態(例えば、後退状態)に配置されているのか否かを判定する。システムは、異なるモードで動作するよう、または、別の方法で異なる状態(例えば、アクティブ状態、非アクティブ状態、など)へ移行するよう、エンドエフェクタ(例えば、マルチモードエンドエフェクタ)を制御できる。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ(例えば、横部材、アクティブアーム、または、両方のグリッパアーム)は、アクティブアームが開位置にあるのか閉位置にあるのかを検出するセンサを備える。例えば、センサは、アクティブサイド部材が開位置にあるのか閉位置にあるのかを示す情報を取得するよう構成されている機械式リミットスイッチである。別の例として、センサは、対応するグリッパアームが配備位置にあるのか後退状態にあるのか(または、完全配備と完全後退との間の中間状態などにあるのか)を示す情報を取得するよう構成されている機械式リミットスイッチである。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ(例えば、横部材またはアクティブアーム)は、グリッパアームが開位置または閉位置にある程度を検出するセンサを備える(例えば、センサは、開位置と閉位置との間(境界を含む)のグリッパアームの特定の向きまたはグリッパアームの特定の位置を決定する)。別の例として、センサは、光センサである。光センサは、アクティブサイド部材が開位置にあるのか閉位置にあるのかを示す情報を取得するよう構成されている。別の例として、センサは、光センサである。光センサは、対応するグリッパアームが配備位置にあるのか後退状態にあるのか(または、完全配備と完全後退との間の中間状態などにあるのか)を示す情報を取得するよう構成されている。光センサは、さらに、アクティブサイド部材が開いている程度(例えば、アクティブアームが、開位置と閉位置との間の中間などにあるなど、部分的に開いているか否か)を示す情報を取得するよう構成されていてよい。ロボットシステムは、1または複数のセンサ(例えば、アクティブアームの位置に関する情報を取得するセンサ)を用いて、移動するように(例えば、閉位置と開位置との間でアクティブアームを移動するように)グリッパアームを移動させるアクチュエータの作動を制御する。
【0158】
いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ(例えば、エンドエフェクタのアクティブアーム)は、アクティブアーム(例えば、アクティブアームのサム)がトレイ(例えば、穴、凹部、または、ハンドルなど、トレイ上の構造)と係合されているか否かを検出するために用いられる1または複数のセンサを備える。例えば、エンドエフェクタは、
図3Cに示したエンドエフェクタ300のセンサ315aおよび/または315bを備える。
【0159】
工程652で、アクティブアームが開いているか/閉じているかを示す情報が、センサ(例えば、エンドエフェクタ上で横部材またはアクティブ部材などに備えられているセンサ)から取得される。ロボットシステムは、センサを用いて、アクティブアームの位置に関する情報を取得する。
【0160】
工程654で、ロボットシステムは、アクティブアームが開位置にあるか否かを判定する。例えば、ロボットシステムは、アクティブアームが完全に開いている(例えば、開位置閾値まで開かれている)か否かを判定する。別の例として、ロボットシステムは、(例えば、隣接するスタックが、ロボットシステムがアクティブアームを完全に開くのを阻止/制限している場合に)アクティブアームがトレイを把持するのに十分に開いているか否かを判定する。
【0161】
アクティブアームが開位置にないと工程654で判定したことに応じて、処理650は、アクティブアームの位置が調整される工程656に進む。例えば、アクティブアームの位置は、エンドエフェクタがトレイを把持することを可能にするように(例えば、エンドエフェクタがトレイを把持するよう制御された時のトレイのクリアランスを確保するように)調整される。ロボットシステムは、アクティブアームをさらに開くためまたはアクティブアームを完全に開くためにアクティブアームを動かすよう、ロボットアームを制御する。その後、処理650は、工程652に戻る。
【0162】
アクティブアームが開位置にあると工程654で判定したことに応じて、処理650は、ロボットシステムがトレイを係合することを決定する工程658に進む。例えば、ロボットシステムは、トレイをアクティブアーム(例えば、アクティブアームサムなど、アクティブアーム上の構造)と係合させるためにアクティブアームを移動させるよう、アクチュエータを制御することを決定する。
【0163】
工程660で、力制御を用いて、アクティブアームの構成が閉位置に調整される。トレイと係合すると決定したことに応じて、ロボットシステムは、アクティブアームを閉位置に移動させるようアクチュエータを制御する。
【0164】
工程662で、情報がセンサから取得され、その情報は、アクティブアームサムがトレイの構造と係合されているか否かを示す。例えば、ロボットシステムは、
図3Cに示したエンドエフェクタ300のセンサ315aおよび/または315bから情報を取得する。
【0165】
工程664で、アクティブアームサムがトレイと係合されているか否かの判定が実行される。いくつかの実施形態において、ロボットシステムは、センサから取得した情報(例えば、アクティブアームサムがトレイの構造と係合されているか否かを示す情報)を用いて、アクティブアームサムがトレイと係合されているか否か(例えば、アクティブアームサムが、トレイの穴、凹部、または、ハンドルに挿入されているか否か)を判定する。いくつかの実施形態において、ロボットシステムは、さらに、力センサから情報を取得し、アクティブアームサムがトレイと係合されているか否かを判定することに関連して、エンドエフェクタに作用する力に関する情報を利用する。
【0166】
アクティブアームサムがトレイと係合されていないと工程664で判定したことに応じて、処理650は、アクティブアームの構成をさらに調整するために工程660に戻る。処理650は、アクティブアームサムがトレイと係合されているとロボットシステムが判定するまで、工程660、662、および、664を繰り返す。
【0167】
アクティブアームサムがトレイと係合されていないと工程664で判定したことに応じて、処理650は、アクティブアームがトレイと係合されている旨の示唆が提供される工程666に進む。例えば、処理650が処理600の工程612によって呼び出された場合、工程666は、アクティブサムアームがトレイと係合され、処理600が工程614に進む旨の示唆を、ロボットシステム(例えば、ロボットシステム上で実行しているプロセス)へ提供する。
【0168】
図6Dは、様々な実施形態に従って、トレイへ/からアイテムをピックまたはプレースすることに関連してエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、処理675は、
図1Aのシステム100および/または
図13のロボット1300によって実行される。処理675は、トレイなどのアイテムを把持することに関連して実施される。
【0169】
工程677で、1または複数のトレイをプレースする決定がなされる。システムは、1または複数のトレイが移動先位置にプレースされることを決定する。例えば、システムは、別のトレイの上部に1または複数のトレイをプレースすることによってトレイのスタックを生成することを決定する。別の例として、システムは、最上部のトレイが空であると判定したことに応じて(例えば、最上部のトレイの下にあるトレイの中のアイテムを露出させるために)、トレイのスタックの上部にあるトレイを移動させることを決定する。
【0170】
工程679で、力制御を用いて、エンドエフェクタのアクティブアームの構成が開位置に調整される。例えば、エンドエフェクタの第2把持メカニズムは、ロボット制御でアクティブ状態に配置され、エンドエフェクタは、第2把持メカニズムを用いて1または複数のトレイをプレースすることに関連して、第2把持メカニズムのアクティブアームを移動させるよう作動される。いくつかの実施形態において、システムは、トレイに対する把持を解放することに関連して複数のグリッパアームを移動させるよう、エンドエフェクタを制御する。
【0171】
工程681で、アクティブアームが開いているのか閉じているのかを示す情報が、1または複数のセンサから取得される。いくつかの実施形態において、システムは、グリッパアームがアクティブ状態にあるのか非アクティブ状態にあるのかを判定する。
【0172】
工程683で、アクティブアームが開いている(または引っ込められている)か否かの判定がなされる。例えば、システムは、グリッパアームがアクティブ状態にあるのか非アクティブ状態にあるのかを判定する。システムは、1または複数のセンサから取得した、アクティブアームが開いているか閉じているかを示す情報に少なくとも部分的に基づいて、アクティブアームが開いている否かを判定する。
【0173】
アクティブアームが開いていないと工程683で判定したことに応じて、処理675は、アクティブアームの構成が調整される工程685に進む。システムは、アクティブアームを開位置へ移動させるよう、エンドエフェクタ(例えば、アクティブアーム)の作動を制御する。その後、処理675は、工程681に戻り、アクティブアームが開いているとシステムが判定するまで、工程681~685を繰り返す。
【0174】
アクティブアームが開いていると工程683で判定したことに応じて、処理675は、アクティブアームサムがトレイの構造と係合されているか否かを示す情報が1または複数のセンサから取得される工程687に進む。
【0175】
工程689で、アクティブアームのサムがトレイと係合されているか否かについての判定がなされる。いくつかの実施形態において、システムは、1または複数のセンサから取得した、アクティブアームサムがトレイの構造と係合されているか否かを示す情報に少なくとも部分的に基づいて、アクティブアームのサムがトレイと係合されているか否かを判定する。
【0176】
工程691で、システムは、アクティブサムがトレイから切り離された旨の示唆を提供する。いくつかの実施形態において、システムは、グリッパアームがトレイから切り離された(例えば、トレイが解放された)旨の示唆を提供する。システムは、処理675を呼び出したプロセス(例えば、処理600の工程620)にその示唆を提供できる。
【0177】
図7Aは、様々な実施形態に従って、第1モードに構成されたエンドエフェクタを示す図である。図の例において、マルチモードエンドエフェクタ700が、トレイ720からアイテムをピックするために用いられる。トレイ720からアイテムをピックすることを決定したことに応じて、システムは、サイド部材704および706が非アクティブ状態に移動される第1モードでマルチモードエンドエフェクタを動作させることを決定する。サイド部材704および706を非アクティブ状態に移動させることは、吸着ベースエンドエフェクタ714を露出させるのに(例えば、吸着ベースエンドエフェクタ714がアイテムに対して係合/把持することを可能にするのに)十分な程度までサイド部材を移動させることを含む。図の例において、サイド部材704および706は、サイド部材704および706がアクティブ状態にある位置に対してサイド部材704および706が約180度開かれる非アクティブ状態(例えば、後退状態)に配置されている。様々な実施形態において、サイド部材704および706は、(例えば、サイド部材704および706が横部材702の上面に関して鋭角を形成するように)180度を超えて開かれる。
【0178】
図7Bは、様々な実施形態に従って、第1モードに構成されたエンドエフェクタを示す図である。図の例において、マルチモードエンドエフェクタ700は、アイテム724の近くに配置されている(例えば、吸着ベースエンドエフェクタ714が、アイテム724と係合されている)。システムは、吸着ベースエンドエフェクタ714をアイテム724の移動元位置へ移動させるために、マルチモードエンドエフェクタ700が取り付けられているロボットアームをロボット制御する。システムは、アイテム724との吸着力を印加するために、吸着ベースエンドエフェクタ714をロボット制御する。例えば、システムは、吸着ベースエンドエフェクタ714の少なくとも1つの吸着カップとアイテム724との間の吸着を形成するために、吸着ベースエンドエフェクタ714(またはマルチモードエンドエフェクタ700)の吸着制御を作動させる。システムは、アイテム724を移動させるためにロボットアームおよび/またはマルチモードエンドエフェクタ700を移動させる前に、アイテム724がしっかりと把持されているか否かを判定する。
【0179】
図7Cは、様々な実施形態に従って、第1モードに構成されたエンドエフェクタを示す図である。図の例において、マルチモードエンドエフェクタは、トレイ720からアイテム724をピックしている。いくつかの実施形態において、吸着ベースエンドエフェクタ714がアイテム724をしっかりと把持していると判定したことに応じて、システムは、対応する移動先位置にアイテム724を移動させるよう、ロボットアームを制御する。
【0180】
図8Aは、様々な実施形態に従って、ロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図である。様々な実施形態において、エンドエフェクタ(
図3Aおよび
図3Bのエンドエフェクタ300など)は、
図8Aに示す構造を備える。図の例において、エンドエフェクタ800は、横部材802と、トレイの第1側上のハンドルもしくはその他の穴または凹部に挿入されるよう構成されているサム805、808をそれぞれ有するサイド部材804、806と、を備える。図に示すように、サイド部材804、806は、サイド部材804、806の内側の上部に取り付けられたタブまたはブラケット810、822を備えており、それは、この例において、横部材802を通る貫通孔812(または、1セットの貫通孔)と整列するように配置されている。横部材802に対するサイド部材804、806の様々な他の構成または取り付けが実施されてもよい。いくつかの実施形態において、サイドサム805およびサイドサム808は、異なるプロファイルを有する。例えば、サイドサム808は、サイドサム805よりも急な湾曲またはプロファイルを有する。別の例として、サイドサム808は、サイドサム805よりも大きい高さを有する。
【0181】
様々な実施形態によると、エンドエフェクタ300は、マルチモードエンドエフェクタである。例えば、エンドエフェクタ800は、吸着ベースエンドエフェクタ830が物体を把持するために用いられる第1モード、および、サイド部材804、806を含む第2把持メカニズムが物体を把持するために用いられる第2モードで動作するよう制御される。図の例において、吸着ベースエンドエフェクタ830は、横部材802の底面に接続されている。吸着ベースエンドエフェクタ830は、吸着カップ832、834、836、および、838を備える。いくつかの実施形態において、吸着カップ832、834、836、および、838は、一緒に制御される(例えば、吸着カップ832、834、836、および、838の各々の吸着を引き起こすために、単一の制御が用いられる)。いくつかの実施形態において、吸着カップ832、834、836、および、838は、個別にまたは小集団ごとに制御される。例えば、システムは、吸着カップ832、834を一緒に制御し、それとは別に、吸着カップ836、838を一緒に制御する。吸着カップ832、834、836、および、838の少なくとも一部の独立制御により、マルチモードエンドエフェクタ800は、(例えば、それぞれの移動先位置にアイテムをプレースするために)複数のアイテムを把持すると同時にアイテムを移動させることができる。
【0182】
図8Bは、様々な実施形態に従って、ロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図である。様々な実施形態において、エンドエフェクタ(
図3A~
図3Cのエンドエフェクタ300など)は、
図8Bに示す構造を備える。図に示す例および状態において、
図8Aのエンドエフェクタ800は、組み立て済みの状態で(アクティブ状態に対応する配備位置で)示されている。段付きボルト814(または、ヒンジピン、または、同様の構造)が、貫通孔812およびタブ/ブラケット810を通して挿入されていることが示されている。サイド部材804は、横部材802へ同様に接続されていてよい。空気圧または油圧シリンダ(例えば、シリンダ816)が、横部材802内の内面に(例えば、ピボットブラケットまたはその他のブラケットによって)取り付けられている。
【0183】
様々な実施形態において、シリンダ816(例えば、空気圧シリンダ)およびエンドロッド818は、クッション付き2方向空気圧シリンダを備える。1または複数の可動サイド部材(例えば、サイド部材804、806)の作動は、シリンダ816を作動させることによって実行される。シリンダ816のエンドロッド818は、サイド部材804、806に接続されている。サイド部材806は、段付きボルト814を孔812とタブまたはブラケット810とに挿入することによって形成されたピボットジョイントを介して横部材802へ回転可能に接続されており、サイド部材806を閉/開するために、空気圧シリンダによってそれぞれ押され/引っ張られる。サイド部材804は、同様に横部材802に接続され、移動するよう(例えば、アクティブ状態と非アクティブ状態との間で移行するよう)同様に制御されてよい。シリンダ816の作動は、様々な実施形態において、4方向2ポジションのシングルソレノイドによって制御される。
【0184】
図8Cは、様々な実施形態に従って、ロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図である。図の例において、サイド部材804および806は、非アクティブ状態(例えば、後退位置)に移行される。サイド部材804、806を移動させるようエンドエフェクタ800を制御することで、エンドエフェクタ800は、吸着ベースエンドエフェクタ830を利用できるようになる。
【0185】
図9Aは、様々な実施形態に従って、ロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図である。図の図において、トレイハンドリングエンドエフェクタ900は、横部材902、サイド部材904、および、サイド部材906を備える。エンドエフェクタ900は、力センサ910およびピボットブラケット912を介してロボットアーム(図示せず)に取り付けられている。図に示す状態において、エンドエフェクタ900は、サイド部材904および906がアクティブ状態にあり、物体(トレイ914など)を把持するために用いられる第2モードで動作される。例えば、サイド部材904、906のサム(図示せず)が、それぞれ、トレイ914の両方にある対応する穴(図示せず)に挿入されてよい。
【0186】
図の例において、エンドエフェクタ900は、それぞれ、サイド部材904、906の底縁部に沿って取り付けられているガイドフィン918および920をさらに備える。様々な実施形態において、ガイドフィン918、920は、サイド部材904、906の底縁部のすべての部分またはかなりの部分に沿って伸びている。図に示すように、各ガイドフィン918、920は、底部で外側に広がる形状を有しており、その結果、ガイドフィン918、920のそれぞれの底縁部の間の距離は、図に示すように、トレイ914の幅、および、閉位置にある時のサイド部材904、906の内面の間の距離よりも長くなっている。
【0187】
図9Bは、様々な実施形態に従って、ロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図である。いくつかの実施形態において、ガイドフィン918、920は、それに応じて回転可能にサイド部材904、906へ接続されている。一例として、サイド部材904、906が非アクティブ状態に(例えば、後退位置に)移動される時、ガイドフィン918、920は、ガイドフィン918、920をさらに引っ込めるためにサイド部材904、906に対して回転するよう制御される。図の例において、サイド部材904、906は、非アクティブ状態にあり、ガイドフィン918、920は、さらに引っ込められている(例えば、ガイドフィン918、920は、(例えば、サイド部材904、906がアクティブ状態にある時の伸長(展開)された位置から)サイド部材902の中心に向かって回転されている)。
【0188】
サイド部材904、906が非アクティブ状態に移動される第1モードでエンドエフェクタ900を動作させると、トレイ914からアイテム(例えば、アイテム922、924、926)を把持するために吸着ベースエンドエフェクタ930が露出される。
【0189】
図10Aは、様々な実施形態に従って、ガイドフィンを備えたロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図である。図の例において、トレイハンドリングエンドエフェクタ1000は、横部材1002と、サイド部材1004、1006と、を備える。エンドドエフェクタ1000は、力センサ1010および1セットのピボットブラケット(図示せず)を介してロボットアーム(図示せず)に取り付けられている。図に示す状態において、エンドエフェクタ1000は、トレイ1014を把持している。例えば、サイド部材1004および1006のサイドサム(図示せず)が、それぞれ、トレイ1014の両方にある対応する穴(図示せず)に挿入されていてよい。エンドエフェクタ1000の例は、(例えば、空気圧ピストンなどを用いて)可動である唯一のサイド部材1006を備えるが、両方のサイド部材1004および1006が、横部材1002へ回転可能に接続されていてもよい。
【0190】
図の例において、エンドエフェクタ1000は、それぞれ、サイド部材1004、1006の底縁部に沿って取り付けられているガイドフィン1018および1020をさらに備える。様々な実施形態において、ガイドフィン1018、1020は、サイド部材1004、1006の底縁部のすべての部分またはかなりの部分に沿って伸びている。図に示すように、各ガイドフィン1018、1020は、底部で外側に広がる形状を有しており、その結果、ガイドフィン1018、1020のそれぞれの底縁部の間の距離は、図に示すように、トレイ1014の幅、および、閉位置にある時のパッシブ部材およびサイド部材1004、1006の内面の間の距離よりも長くなっている。
【0191】
図10Aに示すように、エンドエフェクタ1000は、トレイ1014をトレイ1016の上に配置するために(例えば、トレイ1014をトレイ1016の上にプレースするために)用いられている。例えば、トレイ1016は、トレイ1014が追加される移動先スタック上の最上部のトレイであってよい。
【0192】
いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ1000は、サイド部材1004、1006、または、ガイドフィン1018、1020上に、1または複数の車両グリッパモジュール1021aまたは1012bを備える。車両グリッパモジュール1021aまたは1021bは、サイド部材1004、1006、または、ガイドフィン1018、1020の内面よりも比較的高い摩擦を有する内面(例えば、トレイまたは車両(台車など)と係合する表面)を備えうる。1または複数の車両グリッパモジュール1021aまたは1021bは、エンドエフェクタが、1または複数の車両グリッパモジュール1021aまたは1021bをかかる車両と係合させるよう制御された時に、車両(例えば、台車)を安定的に把持するよう成形または構成されうる。
【0193】
図の例において、エンドエフェクタ1000は、吸着ベースエンドエフェクタ1030を備える。例えば、エンドエフェクタ1000は、複数のモード(例えば、吸着ベースエンドエフェクタ1030が物体を把持するために用いられる第1モード、サイド部材1004、1006が物体を把持するために用いられる第2モード、および/または、エンドエフェクタ1000がトレイ、カート、またはその他の物体を引く/押すよう制御される第3モード)で選択的に動作されるマルチモードエンドエフェクタである。
【0194】
図10Bは、様々な実施形態に従って、ガイドフィンを備えたロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図である。
図10Bに示す例および状態において、ガイドフィン1018、1020は、図に示すように、トレイ1016上にトレイ1014を整列させてプレースするための力制御の利用を円滑にしている。様々な実施形態において、ガイドフィン1018、1020は、トレイのプレースを円滑にする或る程度のコンプライアンスを有する。ガイドフィン1018、1020は、様々な実施形態において、動作速度および公差ならびに精度を高めるために屈曲特性を有するよう設計されている。
【0195】
様々な実施形態において、本明細書で開示されているシングルロボット式トレイ把持ロボットによるトレイプレースエピソードは、円滑、穏やか、かつ、正確であり、不確実性およびぶれに対して耐性がある。様々な実施形態において、プレースエピソードは、以下の内の1または複数を含む。
・(例えば、
図10Aに示したように)移動先スタック上方のホバリング位置から降りるために力制御を利用し、ガイドフィン(例えば、ガイドフィン1018、1020の一方または両方)と最初に接触する。
・ガイドフィン1018、1020は、プレース対象のトレイがプレースされる先のトレイとより整列した位置へプレース対象のトレイをガイドするよう助け、ガイドフィン1018、1020は、さらに、スタックの上部に到着するトレイの位置を調整するために、ロードセル(例えば、力センサ1010)を介してフィードバック信号を提供する。
・力制御を用いて、ロボットは、移動先スタックと安定的に接触し、その上にトレイ(例えば、1014)を穏やかに挿入する。
【0196】
図10Cは、様々な実施形態に従って、ガイドフィンを備えたロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図である。
図10Dは、様々な実施形態に従って、ガイドフィンを備えたロボット制御トレイ/アイテムハンドリングエンドエフェクタを示す図である。
図10Cおよび
図10Dに示す例において、エンドエフェクタ1000は、さらに、センサ1022および/またはセンサ1024を備える。ロボットシステムは、エンドエフェクタ1000を制御してサイド部材1004、1006の一方または両方の上の構造とトレイ1014を係合させるためなど、エンドエフェクタ1000がトレイ1014を把持する際にガイドすることに関連して、センサ1022および/またはセンサ1024を利用する。
【0197】
ロボットシステムは、センサ1024を用いて、例えば、ロボットシステムが、サイド部材1004上の構造(例えば、サイド部材1004上のサム)とトレイを係合させるためにエンドエフェクタの移動を細かく制御できるように、トレイ1014がエンドエフェクタ1000の近くにあるか否かを検出する。いくつかの実施形態において、センサ1024は、エンドエフェクタ1000が、トレイ1014に備えられている穴、凹部、または、ハンドルと係合するよう制御される位置にトレイ1014が存在することを示す情報を取得する。
【0198】
ロボットシステムは、センサ1022を用いて、トレイ1014がサイド部材1004によって(例えば、サイド部材1004上の構造(サムなど)によって)係合されているか否かを検出する。いくつかの実施形態において、センサ1024は、トレイ1014に備えられている穴、凹部、または、ハンドルとパッシブサイド構造が係合される位置にトレイ1014が存在することを示す情報を取得する。
図10Dに示すように、システムは、(i)センサから取得された情報が、構造がセンサと隣接している(例えば、光がセンサ1022へ反射される)ことを示す時、(ii)センサ1024によって取得された情報が、センサ1022に近接する構造が存在しないことを示す(例えば、センサ1024へ反射する光がない)時、パッシブサイド構造が、トレイ1014に備えられている穴、凹部、または、ハンドルと係合される位置にトレイ1014が存在するとロボットシステムが判定することを決定する。
【0199】
いくつかの実施形態において、ロボットシステムは、トレイ1014を把持するために(例えば、サイド部材1004、1006のサムとトレイ1014を係合させるように)サイド部材1004、1006の一方または両方を移動させるようアクチュエータを制御するか否かを決定することに関連して、センサ1022および/または1024によって取得された情報を利用する。
【0200】
エンドエフェクタ1000は、1または複数のサイド部材(例えば、グリッパアーム)上に1または複数の剛性構造(サイド部材1004、1006の剛性構造1040a、1040bなど)を備える。いくつかの実施形態において、システムは、剛性構造1040aおよび/または1040bを用いて、台車(または、その他のカートなど)を移動させる、トレイを押すまたは引く、などするよう、ロボットおよび/またはエンドエフェクタ1000を制御する。一例として、エンドエフェクタ1000は、車両グリッパモジュール1021aまたは1021bに加えて、または、その代わりに、剛性構造1040を備える。
【0201】
図10A~10Dに示した例は、トレイを把持する文脈で提供されているが、サイド部材1004および1006は、様々な他の物体を把持するために用いられる。例えば、サイド部材1004および1006は、グリッパアームとして用いられる(例えば、グリッパアームは、アイテムを挟むためのピンサーと同様に用いられる)。グリッパアームは、箱またはその他のアイテムをピックアップするために用いられる。
【0202】
図11は、様々な実施形態に従って、1または複数のトレイをスタック上にプレースするための自動処理を示すフローチャートである。様々な実施形態において、
図11の処理1100は、本明細書で開示されているように、1または複数のシングルロボット式トレイハンドリングロボットを制御するよう構成されている制御コンピュータ(
図1Aの制御コンピュータ128など)によって実行される。図の例において、工程1102で、位置制御を用いて、プレースされる1または複数のトレイを、例えば、移動先スタックの上部に、配置する。例えば、3Dカメラおよび/またはその他の画像データが、移動先スタックの位置および向きを決定するために用いられ、ロボットは、(例えば、レールに沿って)移動先スタック付近の位置へ移動され、次いで、ロボットアームは、移動先スタック上方にトレイを配置するよう操作される。工程1104で、力制御を用いて、移動先スタックの上部と係合する。例えば、
図10Aおよび
図10Bに示した例を参照すると、トレイ1014は、ガイドフィン1018、1020の一方または両方の底縁部が、移動先スタックの上部にあるトレイ1016とちょうど触れるまで降下される。工程1106で、力制御を用いて、トレイ(例えば、トレイ1014)を誘導して移動先スタックの上部(例えば、トレイ1016の上部)に置く。工程1108で、ロボットは、プレースされているトレイが移動先スタックの最上部トレイの上部と完全かつ適切に整列され、しっかりと差し込まれているか否かを判定するためにテストする。
【0203】
様々な実施形態において、差し込みエピソード(例えば、工程1108)は、スタックの上部でのトレイの安定性と、その適切な挿入とを確実にするよう機能する。z軸(上下)およびy軸(トレイスロットと共にレールに沿った軸、例えば、
図9Aおよび
図9Bに示されているように紙面に垂直な軸)における調整の後、ロボットは、第3方向(x軸、
図9Aおよび
図9Bに示されているように、横方向の軸)も安定的であることを確実にするためのルーティングを実行する。様々な実施形態において、差し込みエピソードは、以下を含む。
・スタックに対して前方にオフセットした位置にプレースされた時に、トレイをスロットの上部に穏やかに引き戻す。
・トレイを引き離して円滑に移動させる一連の力の動き。トレイが過剰にスロットされていることを力フィードバックが示す場合、補正動作がスロットを逆転するように実行される。例えば、システムがトレイの後部のノッチを見つけることに失敗し、トレイの前部に同等のノッチが存在する場合、システムは、差し込み動作の方向を逆転させることによって、そのノッチに対して「差し込み」を試みる。
・スロットの質は、トレイを前後に動かし、結果として得られる力信号を解析することによって検証される。様々な実施形態において、ロボットは、しっかりした(または、しっかりしていない)差し込みを示す力信号を認識するように、学習しおよび/または手動でトレーニングされる。
【0204】
トレイがしっかりと差し込まれていると判定された場合(工程1110)、ロボットは、トレイを解放し(例えば、サイド部材の内の1または複数を開き、サムが挿入されている穴からサムを引き抜き)、処理は終了する。そうでない場合(工程1110)、工程1112で配置が調整され、工程1108で再びテストされる。構成された回数の試行の後に、トレイがしっかりとプレースされたことを検証できない場合、様々な実施形態において、システムは、例えば、遠隔操作または手作業によって、人間の作業員が支援するよう促す。
【0205】
図12は、特定のトレイの向きに積み重ねられるよう構成されているトレイのスタックの一例を示す図である。図の例において、移動先スタック1200は、トレイ1204の上部に積み重ねられたトレイ1202を含む。トレイ1206が、スタック1200の上部に追加される。トレイ1202、1204、1206は各々、トレイの上部にある異なる形状の一対の凹部(例えば、トレイ1202の上部にある凹部1210および1214、片方が第1側にあり、他方が反対側にある)と、トレイの底部にある対応する突起(例えば、トレイ1206の底部にある突起1208および1212)と、を備える。
図12に示すように、突起1208は、凹部1214に収まるサイズおよび形状を有し、一方、突起1212は、凹部1210に収まるサイズおよび形状を有する。しかしながら、図に示すように、トレイ1206は、突起1208が、一致しない凹部1210の上に配置され、突起1212が、一致しない凹部1214の上に配置されるように、反転されている。
【0206】
様々な実施形態において、本明細書で開示されているトレイハンドリングロボットシステムは、
図12に示すようなミスアライメントに関連する力センサの読み取り値および/またはプロファイルを認識するよう学習しおよび/またはトレーニングされる。システムは、例えば、トレイ1202上にトレイ1206をプレースする試行後に、
図12に示すように、トレイ1206が逆姿勢に反転されていることに関連する形で、トレイ1206がトレイ1202上にしっかりと差し込まれていないことを検出する。様々な実施形態において、
図12に示すような不正確な向きを検出したことに応じて、システムは、トレイ(例えば、1206)を持ち上げ、トレイ180をz(上下)軸の周りで180度回転させ、移動先スタックの上部にトレイをプレースする試行を再開する。
【0207】
図13は、トレイハンドリングロボットの一実施形態を示す図である。ロボット1300は、
図4の処理400、
図5Aの処理500、
図5Bの処理550、
図6Aの処理600、
図6Bの処理625、
図6Cのプロセス650、
図6Dの処理675、および/または、
図14の処理1400を実行する(または、実行するために用いられる)。
【0208】
様々な実施形態において、1または複数のロボット(
図13のロボット1300など)が、本明細書で開示されているロボットトレイハンドリングシステムに備えられてよい(例えば、
図1Aおよび
図1Bのロボットアーム112、114など)。図の例において、ロボット1300は、レール1308および1310に沿ってロボット制御下で移動されるよう構成されているシャーシ1306(例えば、キャリッジなど)上に取り付けられたロボットアーム1302およびトレイハンドリングエンドエフェクタを備える。垂直支持1312および1314ならびに上側フレーム1316を備えた上部構造が、3Dカメラ1318、1320、1322、および、1324のための取り付け位置を提供する。様々な実施形態において、1または複数の3Dカメラは、ロボットのベースの近くに配置されている。
【0209】
様々な実施形態において、ロボット1300は、
図1Aおよび
図1Bに示したように、トレイハンドリングシステムに配備されている。移動元トレイスタックが、レール1308および1310の一方の側(例えば、図に示すように、レール1308の向こう側)に提供され、移動先トレイスタックが、レール1308および1310の反対側(例えば、図に示すように、レール1310の手前側)に構築される。移動元トレイスタック側にある一対のカメラ(例えば、1318、1320)および移動先トレイスタック側にある一対のカメラ(例えば、1322、1324)は、ロボット1300が配置され作業を行う近傍で作業空間の関連部分のビューを提供するために用いられる。
【0210】
様々な実施形態において、画像データは、作業空間に存在する他のロボット、トレイスタック、および、その他のアイテムとの衝突を避け、軌道を計画し、エンドエフェクタ1304および/またはエンドエフェクタ1304に把持されているトレイを位置制御下で少なくとも初期位置に配置すること、の内の1または複数を実行するために用いられる。エンドエフェクタ1304は、第1把持メカニズム(例えば、吸着ベースエンドエフェクタ)および第2把持メカニズム(例えば、グリッパアームを有するエンドエフェクタ)を備えたマルチモードエンドエフェクタである。エンドエフェクタは、物体が吸着ベースエンドエフェクタを用いて把持される第1モード、物体がグリッパアームを有するエンドエフェクタを用いて把持される第2モード、エンドエフェクタ1304が物体(トレイのスタック、カート、台車、など)を押すまたは引くために用いられる第3モードなど、複数の異なる動作モードの1つで動作するようロボット制御される。様々なその他のモードが、実装されてもよい。
【0211】
いくつかの実施形態において、カメラ1318、1320、1322、および、1324は、本明細書で開示されているロボットトレイハンドリングシステムの制御に用いられるビジョンシステムに含まれている。いくつかの実施形態において、ビジョンシステムは、自己較正するよう設計されている。ロボットは、その関節の1つに設置されているマーカを利用し、マーカを認識して世界座標系における自身の姿勢を理解するために姿勢評価を実行するシステム内のカメラ(例えば、カメラ1318、1320、1322、および、1324)にマーカを見えるようにする。ロボットは、カメラに近い位置にマーカを移動させて高品質の較正を実現するために、衝突回避を用いて自身の動きを計画する。
【0212】
いくつかの実施形態において、一回の手動処理が、処理の質をさらに保証するために自動較正の後に行われる。点群が、システムのシミュレートされたグラフィックスの上に重ねられ、人間のオペレータが、ロボット上に取り付けられたカメラによって見られた点群に対して、シミュレータ内のロボットおよび環境のレンダリングされたグラフィックスのマッチングを実行する。世界フレーム(座標)における既知の高さの物体の認識された深度を検証するために、さらなる検証手順も実施される。
【0213】
いくつかの実施形態において、本明細書で開示されているシステムは、自身の寸法を自己較正する。ロボットは、ピックアンドプレース位置を探すためにレールを行き来し、力制御を用いて、入力出力スロットの座標を見出す。更新が動的に実行される。例えば、いくつかの実施形態において、システムは、特別に設計された較正動作(力制御を含む)を用いて、「レイアウト」と呼ばれる(トレイのスタックが存在する)入力面および出力面の各々の正確な位置を見出し、何度も変化(不均一な地面、周辺機器の設置ずれ、など)を明らかにするレイアウト値を内部で更新する。ロボットは、様々な実施形態において、その寿命を通じて動的にこれらの更新を実行する。
【0214】
いくつかの実施形態において、ビジョンシステムは、ロボットの目標動作をチェックするために、ターゲットトレイまたはターゲット移動先スタックの姿勢を近似する。ビジョンシステムスケジューラが、可能であり入力ターゲットおよび出力ターゲットの両方が視界の中にある時に同時チェックを保証する。
【0215】
図14は、様々な実施形態に従って、エンドエフェクタが動作されるモードを選択し、選択されたモードでエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、処理1400は、
図1Aのシステム100および/または
図13のロボット1300によって実行される。
【0216】
工程1402で、物体をピック/プレースするようエンドエフェクタ(例えば、マルチモードエンドエフェクタ)を動作させる決定がなされる。いくつかの実施形態において、物体は、トレイ、容器、トート、箱、アイテム(例えば、トレイに含まれうるアイテム)、などであってよい。
【0217】
工程1404で、エンドエフェクタが動作されるモードが決定される。システムは、複数のモードから、エンドエフェクタが動作される際に従うモードを選択する。いくつかの実施形態において、システムは、(i)第1把持メカニズム(例えば、吸着ベースエンドエフェクタ)が物体を把持するために用いられる第1モード、(ii)第2把持メカニズム(例えば、複数のグリッパアームを備えたエンドエフェクタ)が物体を把持するために用いられる第2モード、および、(iii)マルチモードエンドエフェクタの構造が物体(トレイのスタック、カート、台車、トレイ、トレイの中のアイテム、など)を押すまたは引くために用いられる第3モード、の内のどのモードでエンドエフェクタを動作させるのかを決定する。
【0218】
工程1406で、エンドエフェクタが動作されるモードが第1モードであるか否かについて決定がなされる。エンドエフェクタが動作されるモードが第1モードであると工程1406で決定したことに応じて、処理1400は、工程1408に進む。逆に、エンドエフェクタが第1モードで動作されないと工程1406で決定したことに応じて、処理1400は、工程1412に進む。
【0219】
工程1408で、吸着ベースエンドエフェクタを用いて物体をピック/プレースするための計画が決定される。エンドエフェクタを第1モードで動作させると決定したことに応じて、システムは、トレイまたはその他の容器に含まれるアイテムなどの物体を把持するため、および、移動先位置(例えば、トレイ、コンベヤ、棚、など)に物体をプレースするための計画(または戦略)を決定する。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタを第1モードで動作させると決定したことに応じて、システムは、(例えば、グリッパアームが後退位置に移動される)非アクティブ状態に第2把持メカニズムを移行させるようエンドエフェクタを制御する。物体を把持するために決定された計画は、第2把持メカニズムを非アクティブ状態に移行させる動作を含みうる。
【0220】
工程1410で、吸着ベースエンドエフェクタは、移動先位置に物体をピックアンドプレースするよう制御される。システムは、吸着ベースエンドエフェクタの吸着カップと、把持される物体との間に吸着力を印加するために吸着メカニズムを作動させるよう、吸着ベースエンドエフェクタを制御する。システムは、吸着力(または、吸着カップと物体との間の吸着のその他の属性)を検出するセンサによって受信されたフィードバックに少なくとも部分的に基づいて、吸着メカニズムを制御する。いくつかの実施形態において、物体をピックアンドプレースするよう吸着ベースエンドエフェクタを制御すすることは、ロボットアームの吸着ベースエンドエフェクタを用いて物体をピックアンドプレースするよう、マルチモードエンドエフェクタが取り付けられているロボットアームを制御することを含む。
【0221】
工程1412で、エンドエフェクタが動作されるモードが第2モードであるか否かについて決定がなされる。エンドエフェクタが動作されるモードが第2モードであると工程1412で決定したことに応じて、処理1400は、工程1414に進む。逆に、エンドエフェクタが第1モードで動作されないと工程1412で決定したことに応じて、処理1400は、工程1418に進む。
【0222】
工程1414で、グリッパアームを備えたエンドエフェクタを用いて物体をピック/プレースするための計画が決定される。エンドエフェクタを第2モードで動作させると決定したことに応じて、システムは、トレイ(例えば、トレイのスタックに含まれるトレイ、など)などの物体を把持するための計画(または戦略)を決定する。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタを第2モードで動作させると決定したことに応じて、システムは、(例えば、グリッパアームが配備位置に移動される)アクティブ状態に第2把持メカニズムを移行させるようエンドエフェクタを制御する。物体を把持するために決定された計画は、第2把持メカニズムをアクティブ状態に移行させる動作を含みうる。
【0223】
工程1416で、グリッパアームを備えたエンドエフェクタは、移動先位置に物体をピックアンドプレースするよう制御される。システムは、把持される物体(例えば、トレイ)を把持するためにグリッパアームの内の1または複数の移動を作動させるよう、グリッパアームを備えたエンドエフェクタ(例えば、第2把持メカニズム)を制御する。例えば、システムは、物体と係合するようにアクティブ側方部材を移動させるよう制御する。システムは、把持される物体に対する1または複数のグリッパアーム(または、かかるアームのサム)のポジショニングを検出するセンサによって受信されたフィードバックに少なくとも部分的に基づいて、グリッパアームを備えたエンドエフェクタを制御する。いくつかの実施形態において、物体をピックアンドプレースするよう、グリッパアームを備えたエンドエフェクタを制御することは、ロボットアームのグリッパアームを用いて、物体を把持およびピック/プレースするよう、マルチモードエンドエフェクタが取り付けられているロボットアームを制御することを含む。
【0224】
工程1418で、エンドエフェクタを第3モードで動作する決定がなされる。一例として、システムは、把持されるアイテムが吸着ベースエンドエフェクタよりもエンドエフェクタの構造に最適であると決定したことに応じて、エンドエフェクタを動作させることを決定する。別の例として、システムは、アイテムがわずかに動かされまたは移動されること、もしくは、トレイのスタックまたはカート/台車が移動され/押されることを決定したことに応じて、第3モードでエンドエフェクタを動作させることを決定する。
【0225】
工程1420で、物体を押すおよび/または引くための計画が決定される。物体は、作業空間内のトレイのスタック、カート、台車、アイテム、などであってよい。第3モードでエンドエフェクタを動作させると決定したことに応じて、システムは、エンドエフェクタの一部(剛性構造、フック、など)を用いて物体を少し動かしまたは押す/引くことに基づいて物体を移動させるための計画(または戦略)を決定する。物体を把持するために決定された計画は、第2把持メカニズムをアクティブ状態に移行させる動作を含みうる。
【0226】
工程1422で、エンドエフェクタは、物体を押す/引くよう制御される。いくつかの実施形態において、システムは、マルチモードエンドエフェクタの一部(例えば、剛性構造、フック、など)を用いてアイテムと係合するよう、マルチモードエンドエフェクタが取り付けられているロボットアームを制御し、マルチモードエンドエフェクタを用いて物体を押す/引くよう、ロボットアームを制御する。
【0227】
工程1424で、処理1400が完了したか否かについて判定がなされる。いくつかの実施形態において、処理1400は、移動(例えば、ピックまたはプレース)されるさらなる物体、トレイ、または、カートが存在しないこと、マニフェスト(例えば、注文)に対応するトートまたはその他の容器が構築/パッキングされたこと、ユーザがシステムを終了したこと、処理1400が一次停止または停止される旨を管理者が指示したこと、などの決定に応じて、完了したと判定される。処理1400が完了したとの判定に応じて、処理1400は終了する。処理1400が完了していないという判定に応じて、処理1400は工程1402へ戻る。
【0228】
図15Aは、様々な実施形態に従って、吸着ベースエンドエフェクタの底面を示す図である。いくつかの実施形態において、
図1のシステム100は、エンドエフェクタ1500を実装する。様々な実施形態によると、エンドエフェクタ1500は、吸着ベースエンドエフェクタである。エンドエフェクタ1500は、マルチモードエンドエフェクタに備えられてよい。例えば、エンドエフェクタ1500は、マルチモードエンドエフェクタの第1把持メカニズムに対応する。
【0229】
図15Aに示す例において、正方形の面1502(例えば、正方形のベース)を有するエンドエフェクタ1510が、複数の吸着カップを備え、複数の吸着カップの少なくとも第1サブセットは、複数の吸着カップの第2サブセットとは異なっている。例えば、吸着カップ1504は、吸着カップ1506よりも大きい。別の例として、吸着カップ1504は、エンドエフェクタ1500上の別の吸着カップ(吸着カップ1506など)の直径よりも大きい直径を有する。
【0230】
エンドエフェクタ1500へ動作可能に接続されている作動メカニズム(図示せず)が、エンドエフェクタ1500の吸着カップの内の1または複数のための吸着を作動させる。いくつかの実施形態において、作動メカニズムは、第2吸着カップの作動とは独立的に第1吸着カップを作動させる。いくつかの実施形態において、吸着カップは、吸着カップが属する吸着カップセットに従って作動される。作動メカニズムは、計画(例えば、シンギュレーション動作のための計画、キッティング動作のための計画、などに含まれる把持戦略)に少なくとも部分的に基づいて、エンドエフェクタ1500上の吸着カップの内の1または複数を作動させる。
【0231】
図15Bは、様々な実施形態に従って、吸着ベースエンドエフェクタの底面を示す図である。いくつかの実施形態において、
図1のシステム100は、エンドエフェクタ1520を実装する。いくつかの実施形態において、
図1のシステム100は、エンドエフェクタ1520を実装する。様々な実施形態によると、エンドエフェクタ1520は、吸着ベースエンドエフェクタである。エンドエフェクタ1520は、マルチモードエンドエフェクタに備えられる。例えば、エンドエフェクタ1520は、マルチモードエンドエフェクタの第1把持メカニズムに対応する。
【0232】
いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ1520は、1または複数の可動吸着カップを備える。可動吸着カップのポジショニングは、エンドエフェクタ1520によって把持されるアイテムに基づいて、または、把持される複数のアイテムに基づいて、制御される。例えば、可動吸着カップのポジショニングは、エンドエフェクタ1520を用いて1または複数のアイテムを把持するための計画に基づいて制御される。吸着カップは、アイテムの同時把持/移動を可能にするためにエンドエフェクタ1520が2つの異なるアイテムを把持することを可能にすることなどに関連して、エンドエフェクタ1520上の少なくとも2つの吸着カップの間の距離を広げるようにエンドエフェクタ1520の面に対して移動される。吸着カップは、エンドエフェクタ1520が2つの吸着カップを用いて単一のアイテムを把持することを可能にすることに関連して、エンドエフェクタ1520上の少なくとも2つの吸着カップの間の距離を狭くするようにエンドエフェクタ1520の面に対して移動されてもよい。
【0233】
図の例において、エンドエフェクタ1520は、吸着カップの3つのセット(すなわち、第1セット1525、第2セット1530、および、第3セット1535)を備える。第1セット1525は、吸着カップ1527、1529を備え、第2セット1530は、吸着カップ1532、1534を備え、第3セット1535は、吸着カップ1537、1539を備える。
【0234】
いくつかの実施形態において、第1セット1525、第2セット1530、および、第3セット1535の内の少なくとも2つは、互いに独立して制御される(例えば、吸着力が、3つの吸着カップセットの内の異なるセットに独立して印加されうる)。いくつかの実施形態において、第1セット1525、第2セット1530、および、第3セット1535の内の少なくとも2つは、一緒に制御される(例えば、集合的な制御が、かかる少なくとも2つのセットの吸着カップに吸着力を印加するために用いられる)。いくつかの実施形態において、3つの吸着カップセットの内の任意の1つのセットのための吸着力は、かかるセット内の様々な吸着カップに対して独立制御され、または、サブセットごとに制御されてもよい。例えば、第1セット1525に関して、吸着カップ1527は、吸着カップ1529から独立的に制御される。
【0235】
エンドエフェクタ1520は、様々な吸着カップセットの中の1または複数の吸着カップを移動させるよう制御される。
【0236】
図15Cは、様々な実施形態に従って、吸着ベースエンドエフェクタの底面を示す図である。いくつかの実施形態において、
図1のシステム100は、エンドエフェクタ1550を実装する。いくつかの実施形態において、
図1のシステム100は、エンドエフェクタ1550を実装する。様々な実施形態によると、エンドエフェクタ1550は、吸着ベースエンドエフェクタである。エンドエフェクタ1550は、マルチモードエンドエフェクタに備えられる。例えば、エンドエフェクタ1550は、マルチモードエンドエフェクタの第1把持メカニズムに対応する。
【0237】
図の例において、
図15Bのエンドエフェクタ1520と対照的に、第1セット1525の吸着カップおよび第3セット1535の吸着カップが移動されている。例えば、エンドエフェクタ1550は、吸着カップ1527、1529、1537、および、1539をエンドエフェクタ1550の面の外周に向かってシフトさせるよう制御されている。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ1550は、エンド1550上の吸着カップの一部を移動させる(例えば、シフトさせる)よう制御される。例えば、エンドエフェクタ1550は、吸着カップ1527、吸着カップ1529、または、その両方をシフトさせ、吸着カップ1532、1534、1537、および、1539をそれらの通常位置に維持するよう制御される。
【0238】
図15Cに示すように、第1セット1525内の吸着カップ1527および1529のシフトは、吸着カップ1527および1532の間の距離と、吸着カップ1529および1534の間の距離とを増大させる。したがって、エンドエフェクタ1550は、より大きいアイテムの把持を容易にするため(例えば、より大きいアイテムの表面にわたって吸着カップをより良好に配置するため)、または、エンドエフェクタ1550が複数のアイテムを同時に把持する(例えば、第1アイテムが第1セット1525で把持され、第2アイテムが第2セット1530で把持される)ことを可能にするため、その把持(または把持範囲)を広げるよう制御されてよい。
【0239】
図15Dは、様々な実施形態に従って、吸着ベースエンドエフェクタの底面を示す図である。いくつかの実施形態において、
図1のシステム100は、エンドエフェクタ1575を実装する。いくつかの実施形態において、
図1のシステム100は、エンドエフェクタ1575を実装する。いくつかの実施形態において、
図1のシステム100は、エンドエフェクタ1575を実装する。様々な実施形態によると、エンドエフェクタ1575は、吸着ベースエンドエフェクタである。エンドエフェクタ1575は、マルチモードエンドエフェクタに備えられる。例えば、エンドエフェクタ1575は、マルチモードエンドエフェクタの第1把持メカニズムに対応する。
【0240】
図の例において、
図15Bのエンドエフェクタ1520と対照的に、第1セット1525の吸着カップおよび第3セット1535の吸着カップが移動されている。例えば、エンドエフェクタ1575は、吸着カップ1527、1529、1537、および、1539をエンドエフェクタ1575の内側部分に向かってシフトさせるよう制御されている(例えば、吸着カップは、第2セット1530に近づくように移動されている)。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ1575は、エンド1575上の吸着カップの一部を移動させる(例えば、シフトさせる)よう制御される。例えば、エンドエフェクタ1575は、吸着カップ1527、吸着カップ1529、または、その両方をシフトさせ、吸着カップ1532、1534、1537、および、1539をそれらの通常位置に維持するよう制御される。
【0241】
図15Dに示すように、第1セット1525内の吸着カップ1527および1529のシフトは、吸着カップ1527および1532の間の距離と、吸着カップ1529および1534の間の距離とを減少させる。したがって、エンドエフェクタ1575は、より小さいアイテムの把持を容易にするため(例えば、より小さいアイテムの表面にわたって吸着カップをより良好に配置するため)、把持(または把持範囲)を狭くするよう制御されてよい。
【0242】
いくつかの実施形態において、1または複数の吸着カップの第1セットは、かかる吸着カップと吸着ベースエンドエフェクタの中心との間の距離を増大させるように移動され、一方、1または複数の吸着カップの第2セットは、かかる吸着カップと吸着ベースエンドエフェクタの中心との間の距離を減少させるように移動される。
図15Cおよび
図15Dを参照すると、第1セット1525は、
図15Cに示すように配置され(例えば、外側に移動され)、一方、第3セット1535は、
図15Dに示すように配置される(例えば、内側に移動される)。
【0243】
図15Eおよび
図15Fは、様々な実施形態に従って、吸着ベースエンドエフェクタの側面を示す図である。いくつかの実施形態において、吸着ベースエンドエフェクタは、マルチモードエンドエフェクタ(
図3A~
図3Cのマルチモードエンドエフェクタ300、
図8A~
図8Cのマルチモードエンドエフェクタ800、
図9A~
図9Bのマルチモードエンドエフェクタ900、および、
図10A~
図10Dのマルチモードエンドエフェクタ1000など)のための第1把持メカニズムとして実装される。例えば、マルチモードエンドエフェクタは、第1モードで動作することに関連して、物体を把持するために吸着ベースエンドエフェクタを利用する。
【0244】
図の例において、吸着ベースエンドエフェクタ1580は、複数の吸着カップ1527、1532、1535を備える。いくつかの実施形態において、吸着ベースエンドエフェクタ1580は、複数の吸着カップ1527、1532、1535の少なくとも一部の構成または相対的な配置を変更するようロボット制御される。例えば、吸着ベースエンドエフェクタ1580は、吸着カップ1535の位置/構成を変更するよう構成されている作動メカニズム1588を備える。複数の吸着カップ1527、1532、1535は、取り付けプレート1584、1586に取り付けられており、制御コンピュータによって送信された制御信号などにより、作動されたことに応じて、作動メカニズム1588は、取り付けプレート1584に対して取り付けプレート1586を移動させるよう作動され、それにより、吸着カップの一部(例えば、吸着カップ1586)の構成/位置を、吸着カップの別の一部(例えば、吸着カップ1527、1532)に対して変更する。
図15Fに示すように、吸着ベースエンドエフェクタ1580は、取り付けプレート1586(ひいては、吸着カップ1535)が移動する際に沿うスライダ1592、1594を備える。スライダ1592、1594は、取り付けプレート1586に支持を提供し、作動メカニズム1588が作動される時の取り付けプレート1586による横断を可能にするピストンまたはチャネルであってよい。いくつかの実施形態において、スライダ1592、1594は、取り付けプレート1584に対して取り付けプレート1586を移動させることなどによって、吸着カップの一部(例えば、吸着カップ1586)の構成/位置を、吸着カップの別の一部(例えば、吸着カップ1527、1532)に対して変更するよう制御される空気圧スライダである。
【0245】
図15Eおよび
図15Fは、空気圧ピストンである作動メカニズム1588を図示しているが、様々なその他の作動メカニズムが実装されてもよい。他の作動メカニズムの例は、ラックアンドピニオン構成、モータ、などを含む。
【0246】
図16は、様々な実施形態に従って、1セットのアイテをピックアンドプレースすることに関連してエンドエフェクタを動作させるための処理を示すフローチャートである。いくつかの実施形態において、処理1600は、
図3A~
図3Bのエンドエフェクタ300を制御することに関連して実施される。いくつかの実施形態において、処理1600は、
図1Aのシステム100などによって実行される。処理1600は、マルチモードエンドエフェクタの異なる動作モードを用いることなどによって、1セットのアイテムを把持することに関連して実行される。
【0247】
工程1602で、マルチモードエンドエフェクタを用いてN個の物体のセットを移動させる決定がなされる。いくつかの実施形態において、システムは、出荷に向けて構築/収集されるアイテムのキットに対応するマニフェストまたは注文に基づいて、移動されるN個の物体のセットを決定する。N個の物体の一部は、マルチモードエンドエフェクタが取り付けられているロボットアームの作業空間内の1または複数のトレイ内に含まれるアイテムであってよい。N個の物体の別の一部は、トレイのスタックの中で、空である上部トレイまたはマルチモードエンドエフェクタが上部トレイからアイテムを把持するよう制御される間に空にされる上部トレイ、もしくは、アイテムが把持される別のトレイを露出させるために移動される上部トレイなど、作業空間内の1または複数のトレイであってよい。システムは、作業空間内に配備されている1または複数のセンサによって取得された情報に少なくとも部分的に基づいて、N個の物体のセットを決定する。
【0248】
工程1604で、N個の物体のセットが移動される順序が、コスト関数に少なくとも部分的に基づいて決定される。コスト関数は、(i)様々な物体が把持される様々な動作モード、(ii)物体のそれぞれの移動先位置、(iii)物体のそれぞれの移動元位置、(iv)作業空間内の別の物体または構造の位置、(v)物体を移動させるための予測軌道、(vi)異なるモードに従って動作するようにマルチモードエンドエフェクタを移行させるためのコストなど、の内の1または複数に少なくとも部分的に基づいている。
【0249】
いくつかの実施形態において、システムは、(例えば、1セットの注文を満たすなど、より高レベルの目標を達成するために)実行される1セットのタスクを決定し、タスクセット内のそれぞれのタスクを実行することに関連するコスト関数に基づいて、1セットのタスクが実行される順序を決定する。システムは、第1モードまたは第2モードの間でマルチモードエンドエフェクタの制御を移行させることに関連するコストに基づいて、1セットのタスクが実行される順序を決定する。例えば、システムは、非アクティブ状態とアクティブ状態との間で第2把持メカニズム(例えば、複数のグリッパアームを備えたエンドエフェクタ)を移行させることに関連するコストに少なくとも部分的に基づいて、1セットのタスクが実行される順序を決定する。
【0250】
工程1606で、把持されるN個の物体の第1サブセットが、注文に基づいて選択される。いくつかの実施形態において、N個の物体の第1サブセットは、マルチモードエンドエフェクタの初期動作モードに従って選択される。例えば、注文は、コスト関数に基づいて決定されるので、アイテムを移動させることに関連するコストは、異なる動作モード/状態の間でマルチモードエンドエフェクタを移行させるためのコストを含む。一例として、N個の物体の第1サブセットは、マルチモードエンドエフェクタの同じ動作モードに従って把持されるよう選択される。例えば、第1セットのN個の物体は、N個の物体の第1サブセットの中の様々なアイテムを把持する間、マルチモードエンドエフェクタの状態を変更すること(例えば、非アクティブ状態とアクティブ状態との間でグリッパアームを移行させること)を避けるために、吸着ベースエンドエフェクタを用いてトレイから把持されるアイテムである。
【0251】
別の例として、N個の物体の第1サブセットは、マルチモードエンドエフェクタの同じ動作状態に従って把持されるよう選択される。例えば、マルチモードエンドエフェクタのグリッパアームの状態は、第2モードで動作する際と第3モードで動作する際で同じである。第2モードは、グリッパアームを用いてアイテムを把持することを含んでよく、第3モードは、マルチモードエンドエフェクタ上(例えば、グリッパアーム上)の構造/フックを用いて、物体(カート、トレイのスタック、など)を押すまたは引くことを含んでよい。したがって、N個の物体のサブセットは、第2モードに従って移動される物体および第3モードに従って移動される物体を含む。
【0252】
工程1608で、情報が1または複数のセンサから取得される。情報は、グリッパアームの内の1または複数がアクティブ状態にあるのか非アクティブ状態にあるのか(もしくは、非アクティブ状態または非アクティブ状態の間の中間的な状態にあるのか)を示す。いくつかの実施形態において、システムは、マルチモードエンドエフェクタが動作されるモードに従って、アクティブ状態または非アクティブ状態に移行するよう、グリッパアーム(または第2把持メカニズム)を制御することに関連して、グリッパアームのポジショニングに対応する情報を利用する。
【0253】
工程1610で、グリッパアームが正しい状態に配置されているか否かについて決定がなされる。正しい状態は、N個の物体の対応するサブセットセットを移動させる際にグリッパアームが配置される状態に対応する。例えば、アイテムのサブセットが吸着ベースエンドエフェクタを用いて把持される場合、グリッパアームの正しい状態は、非アクティブ状態(例えば、後退位置)である。別の例として、物体のサブセットがグリッパアームを用いて把持される場合、グリッパアームの正しい状態は、アクティブ状態(例えば、配備位置)である。グリッパアームが正しい状態にないと工程1610で判定したことに応じて、処理1600は、グリッパアームの構成が調整される工程1612に進む。例えば、システムは、修正された状態にグリッパアームを動かす(または動かし続ける)よう制御する。処理1600は、グリッパアームが正しい状態にあるとシステムが判定するまで、工程1608~1612を繰り返す。
【0254】
グリッパアームが正しい状態にあると工程1610で判定したことに応じて、処理1600は、選択されたアイテムのサブセットが第1モードを用いて移動される場合にはトレイまたはその他の移動元位置(例えば、棚、コンベヤ、など)内のアイテム、もしくは、選択された物体が第2モードを用いて移動される場合にはトレイなど、物体と係合することをシステムが決定する工程1614に進む。
【0255】
工程1616で、システムは、マルチモードエンドエフェクタの位置を調整するよう制御する。システムは、把持される物体と係合するようにマルチモードエンドエフェクタを配置するよう制御する。例えば、システムは、マルチモードエンドエフェクタ上の吸着カップが物体と係合する位置へロボットアームおよびエンドエフェクタを移動させる。
【0256】
工程1618で、システムは、マルチモードエンドエフェクタで物体を把持するよう、マルチモードエンドエフェクタを制御する。システムは、物体を把持するために把持メカニズムを作動させる。例えば、マルチモードエンドエフェクタが、吸着ベースエンドエフェクタを用いて物体を把持するために用いられる場合、システムは、(例えば、吸着ベースエンドエフェクタに備えられている)1または複数の吸着カップと、把持される物体との間に吸着力を印加するために、吸着メカニズムを作動させる。例えば、マルチモードエンドエフェクタが、グリッパアームを有するエンドエフェクタを用いて物体を把持するために用いられる場合、システムは、物体を把持するために、1または複数のグリッパアームの位置を変更するメカニズムを作動させる。
【0257】
工程1620で、情報が1または複数のセンサから取得される。情報は、吸着ベースエンドエフェクタが把持されるアイテムと係合されているか否か、または、グリッパアーム(例えば、グリッパアームのサム)が把持されるトレイと係合されているか否か、などを示す。
【0258】
工程1622で、システムは、物体が係合されているか否かを判定する。例えば、システムは、物体がマルチモードエンドエフェクタによってしっかりと把持されているか否かを判定する。物体がしっかりと把持されていない(例えば、アイテムとエンドエフェクタとの間の吸着力が閾値吸着力より小さい、または、アイテムがグリッパアームによって把持されていない)と工程1622で判定したことに応じて、処理1600は、システムが適切な把持メカニズムを用いて物体を把持するよう制御する工程1618に戻る。処理1600は、アイテムがっかりと把持されているとシステムが判定するまで、工程1618~1622を繰り返す。いくつかの実施形態において、マルチモードエンドエフェクタは、(例えば、それぞれの移動先位置への同時移動のために)一度に1セットのアイテムを把持するために用いられ、工程1618~1622の繰り返しは、移動される1セットのアイテムの各々がしっかりと把持されているか否かを判定するために用いられる。
【0259】
物体がしっかりと把持されていると工程1622で判定したことに応じて、処理1600は、物体が移動先位置へ移動される工程1624に進み、(例えば、マルチモードエンドエフェクタによる)物体の把持が、物体をプレースするために(例えば、移動先位置で物体を解放するために)制御される。
【0260】
例えば、マルチモードエンドエフェクタが第1モードで動作される場合、システムは、移動先位置(または移動先位置の近く)へアイテムを移動させるようロボットアームを制御し、次いで、移動先位置でアイテムを解放するよう吸着ベースエンドエフェクタを制御する。システムは、吸着ベースエンドエフェクタとアイテムとの間の吸着力を低減/排除するよう、吸着ベースエンドエフェクタを制御する。
【0261】
例えば、マルチモードエンドエフェクタが第2モードで動作される場合、システムは、移動先位置(または移動先位置の近く)に物体を移動させるようロボットアームを制御し、次いで、移動先位置で物体を解放するよう第2把持メカニズム(例えば、グリッパアームの内の1または複数)を制御する。
【0262】
工程1626で、適切な物体サブセットにおける1または複数の他の物体が移動されるか否かについて判定がなされる。例えば、システムは、物体の別のサブセットを移動させるためにマルチモードエンドエフェクタの状態を移行させる前にマルチモードエンドエフェクタが特定の状態に構成されている間に、任意のさらなる物体が移動されるか否かを判定する。
【0263】
適切な物体サブセットにおける1または複数の他の物体が移動されると工程1626で判定したことに応じて、処理1600は、工程1614に戻り、移動されるさらなる物体が存在しないとシステムが判定するまで、工程1614~1626を繰り返す。逆に、適切な物体サブセットにおいて移動されるさらなる物体が存在しないと工程1626で判定したことに応じて、処理1600は、工程1628に進む。
【0264】
工程1628で、システムは、さらなるサブセットの物体がマルチモードエンドエフェクタを用いて移動されるか否かを判定する。例えば、システムは、さらなるサブセット物体がマルチモードエンドエフェクタの別のモードを用いて用いられるか否かを判定する。他のサブセットの物体は、以前のサブセットの物体とは異なるグリッパアームの構成/状態のマルチモードエンドエフェクタを用いて移動される。
【0265】
さらなるサブセットの物体がマルチモードエンドエフェクタを用いて移動されると工程1628で判定したことに応じて、処理1600は、物体の次のサブセットが選択される工程1630に進み、マルチモードエンドエフェクタは、動作モードを変更するよう制御される。例えば、システムは、グリッパアームの状態を移行させるようマルチモードエンドエフェクタを制御する。処理1600は、N個の物体のセットの中で移動されるサブセットがなくなるまで、工程1608~1630を繰り返す。
【0266】
先述した実施形態は、1または複数のトレイを把持、移動、および、プレースすることに関連して記載されているが、様々なその他の容器またはコンテナが実装されてもよい。その他の容器またはコンテナの例は、バッグ、箱、パレット、クレート、などを含む。
【0267】
本明細書に記載されている実施形態の様々な例は、フローチャートに関連して記載されている。それらの例は、特定の順序で実行されるいくつかの工程を含みうるが、様々な実施形態に従って、様々な工程が、様々な順序で実行されてよく、および/または、様々な工程が、単一の工程に統合されまたは並行して実行されてよい。
【0268】
上述の実施形態は、理解しやすいようにいくぶん詳しく説明されているが、本発明は、提供されている詳細事項に限定されるものではない。本発明を実施する多くの代替方法が存在する。開示されている実施形態は、例示であり、限定を意図するものではない。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0057】
いくつかの実施形態において、システムは、動作を自動的に実行するようマルチモードエンドエフェクタを制御するための制御コンピュータを備える。制御コンピュータは、さらに、制御コンピュータがタスクのセットを実行することに関連してロボットアームおよびマルチモードエンドエフェクタを集合的に制御するように、マルチモードエンドエフェクタが備えられているロボットアームを制御するために用いられてよい。動作を自動的に実行するようマルチモードエンドエフェクタを制御することは、グリッパアーム(例えば、第2把持メカニズムに備えられているグリッパアーム)を用いてトレイ(またはその他の容器または大きいアイテム)を把持または移動させること、グリッパアームを用いてトレイのスタック(例えば、台車またはその他の車の上に配備されたトレイのスタック)を押すまたは引くこと、第1把持メカニズム(例えば、吸着ベースエンドエフェクタ)を用いてトレイから/へアイテムをピックおよび/またはプレースすること、もしくは、作業空間内のより小さいアイテムを別の方法で移動させること、などを含みうる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
様々な実施形態において、本明細書で開示されているロボットシステムは、台車(またはその他のカート)上に置かれたトレイ(またはその他の容器)の静止したスタックからピックするよう構成されている。かかるロボットシステムの一例は、2020年2月21日出願の米国特許出願第16/797,359号「Robotic Handling of Soft Products in Non-Rigid Packaging」に開示されており、その内容全体が、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。かかるロボットシステムの別の例は、2022年4月4日出願の米国特許出願第17/712,915号「Robotic Tray Gripper」に開示されており、その内容全体が、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。かかるロボットシステムの別の例は、2021年3月31日出願の米国特許出願第17/219,509号「Suction-Based End Effector with Mixed Cup Sizes」に開示されており、その内容全体が、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0070
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0070】
様々な実施形態において、各トレイハンドリングエンドエフェクタ116、118(例えば、マルチモードエンドエフェクタの第2把持メカニズム)は、1つの非可動(「パッシブ」)サイド部材と、1つの可動(「アクティブ」)サイド部材と、を備える。この例において、可動すなわち「アクティブ」サイド部材は、例えば、エンドエフェクタが1または複数のトレイを把持する位置に配置されることを可能にするために、スイングして開き(図のエンドエフェクタ116の位置)、例えば、1または複数のトレイの把持を完了させるために、スイングして閉じる(図のエンドエフェクタ118の位置)。他の例において、可動すなわち「アクティブ」サイド部材は、「アクティブ」および「パッシブ」サイド部材が接続されまたは別の方法で伸びているマルチモードエンドエフェクタの横部材の長さと実質的に平行に横移動で移動される。換言すると、「アクティブ」サイド部材は、ピック/プレースされるトレイに力を印加する時に、第2把持メカニズムのグリップを広げるため、または、第2把持メカニズムのグリップを狭めるために、横部材の軸に実質的に対応する方向に移動される。様々な実施形態において、ロボット制御システム(例えば、ロボットアーム112、114を制御するコンピュータ(制御コンピュータ128など))が、トレイの把持または解放などに関連して、エンドエフェクタの開閉を作動させるようエンドエフェクタを制御する。ロボット制御システムは、作業空間の画像データならびに/もしくは対応するエンドエフェクタに備えられている(または接続されている)1または複数のセンサに少なくとも部分的に基づいてエンドエフェクタを制御する。いくつかの実施形態において、対応するエンドエフェクタに備えられている(または接続されている)1または複数のセンサは、(i)マルチモードエンドエフェクタの把持メカニズム(例えば、第2把持メカニズムのアクティブ部材)が開位置にあるのか閉位置にあるのかを示す情報を取得し、(ii)把持メカニズムが開いている程度を示す情報を取得し、(iii)マルチモードエンドエフェクタが、マルチモードエンドエフェクタの少なくとも片側(例えば、パッシブ部材またはパッシブ部材に備えられている構造)をトレイ(例えば、把持されるトレイ)の片側に備えられている穴、凹部、または、ハンドルと係合させるよう制御される位置に、トレイ(またはトレイに対するエンドエフェクタ)があることを示す情報を取得し、(iv)マルチモードエンドエフェクタ(例えば、パッシブ部材またはパッシブ部材に備えられている構造)が、トレイの片側に備えられている穴、凹部、または、ハンドルと係合される位置に、トレイ(またはトレイに対するエンドエフェクタ)があることを示す情報を取得し、(v)把持メカニズムが閉じられまたは他の方法でトレイと係合されているか否かを示す情報を取得し、(vi)第2把持メカニズムが非アクティブ状態にあるかアクティブ状態にあるかを示す情報を取得し、(vii)アイテムがマルチモードエンドエフェクタの第1把持メカニズム(例えば、吸着ベースのエンドエフェクタ)によって把持されているか否かを示す情報を取得し、(viii)第1把持メカニズムの属性(例えば、吸着ベースのエンドエフェクタと、把持されているアイテムとの間の圧力)を示す情報を取得し、(ix)第1把持メカニズムが物体と係合されているか否かの示唆を取得し、(x)第1把持メカニズムの状態を示す情報(例えば、吸着カップの相対位置が少なくとも2つの吸着カップの間の距離を広げまたは狭めるように変更されうる場合の吸着カップの位置など、吸着カップの状態を示す情報)を取得するよう構成されている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
図1Bは、ロボットラインキッティングシステムの一実施形態を示すブロック図である。
図1Bには、
図1Aのシステム100が動作しうる作業空間の俯瞰図の一例が示されている。図の例において、ロボットアーム112、114は、搬送手段106に沿って移動する移動元スタック140にアクセスしてそこからトレイをピックし、移動元スタック140および搬送手段106からレール110を挟んで反対側にある移動先スタックアセンブリエリアにおける対応する移動先スタック142上にトレイを
プレースするために、
図1Aのように、共通のレール(例えば、レール110)に沿って移動する。この例では、人間の作業員が、搬送手段106上に移動元スタックを手動で供給しているが、いくつかの実施形態において、ロボット作業員が、例えば、対応する目的地に各々関連付けられている注文のセットを満たすようプログラム的に生成された計画に従って、タスクの全部または一部を実行する。移動先スタック142が完成すると、
図1Aの矢印124に対応する
図1Bの上部の矢印によって示すように、移動先スタックアセンブリエリアから移動される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
図1Aおよび
図1Bに示す例において、トレイは各々、1つのタイプのみの
アイテムを収容しているが、他の実施形態および応用例において、混在したアイテムを有する移動元トレイおよび移動先トレイが、本明細書で開示されているように、トレイの移動先スタックを組み立てるために操作されてもよい。同様に、
図1Aおよび
図1Bに示す例において、トレイの移動元スタックは各々、同じタイプおよび内容のトレイのみを収容しているが、他の実施形態および応用例において、移動元トレイスタックは、混在したトレイおよび/またはアイテムタイプを含んでもよい。例えば、制御コンピュータ128は、どのタイプのトレイが各移動元トレイスタックのどの位置にあるのかを示す情報を提供され、各移動先トレイスタックの必要な内容を示すマニフェストまたはその他の情報と共に、その情報を用いて、移動元トレイスタック上の各々対応する位置から必要なトレイをピックし、対応する移動先スタックにトレイを追加することによって、必要とされる移動先トレイスタックを構築する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
図3Aは、ロボット制御トレイハンドリングエンドエフェクタの一実施形態を示す図である。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ300は、ロボットアーム112、114などによって、
図1Aのシステム100に関連して実装される。エンドエフェクタ300は、少なくとも2つの把持メカニズム(例えば、第1把持メカニズムおよび第2把持メカニズム)を備えたマルチモードエンドエフェクタである。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ300は、実行されるタスクなどに基づいて、異なるモードに従って動作するようロボット制御される。例えば、エンドエフェクタ300は、第1把持メカニズム(例えば、吸着ベースエンドエフェクタ
)がアイテムをピック/プレースするために用いられ
る第1モードで動作する。別の例として、エンドエフェクタ300は、第2把持メカニズム(例えば、グリパアームを有するエンドエフェクタ
)がトレイをピック/プレースするために用いられ
る第2モードで動作する。別の例として、エンドエフェクタ300は、エンドエフェクタ300上の構造がトレイまたはトレイのスタックを押す/引くために用いられる第3モードで動作する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0115
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0115】
工程504で、情報が1または複数のセンサから取得される。情報は、グリッパアームの内の1または複数がアクティブ状態にあるのか非アクティブ状態にあるのか(もしくは、非アクティブ状態およびアクティブ状態の間の中間的な状態にあるのか)を示す。いくつかの実施形態において、システムは、マルチモードエンドエフェクタが動作されるモードに従って、アクティブ状態または非アクティブ状態に移行するよう、グリッパアーム(または第2把持メカニズム)を制御することに関連して、グリッパアームのポジショニングに対応する情報を利用する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0131
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0131】
工程568で、システムは、アイテムが係合されているか否かを判定する。いくつかの実施形態において、工程568は、
図5Aの処理500の工程518に対応し、または、同様である。アイテムがしっかりと把持されていない(例えば、アイテムとエンドエフェクタとの間の吸着力が閾値吸着力より小さい、または、アイテムが
吸着ベースエンドエフェクタと係合されていない)と工程568で判定したことに応じて、処理500は、システムが、吸着制御を用いて、吸着ベースエンドエフェクタを用いたアイテムの係合/把持を調整/確実にする工程564に戻る。処理550は、アイテムが吸着ベースエンドエフェクタによってしっかりと把持されているとシステムが判定するまで、工程564~568を繰り返す。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0136
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0136】
工程604で、情報が1または複数のセンサから取得される。情報は、グリッパアームの内の1または複数がアクティブ状態にあるのか非アクティブ状態にあるのか(もしくは、非アクティブ状態およびアクティブ状態の間の中間的な状態にあるのか)を示す。いくつかの実施形態において、システムは、マルチモードエンドエフェクタが動作されるモードに従って、アクティブ状態または非アクティブ状態に移行するよう、グリッパアーム(または第2把持メカニズム)を制御することに関連して、グリッパアームのポジショニングに対応する情報を利用する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0137
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0137】
工程606で、グリッパアーム
がアクティブ状態に配置されているか否かについての判定がなされる。工程606で、グリッパアームがアクティブ状態にないと判定したこと(または、グリッパアームが非アクティブ状態にあると判定したこと)に応じて、処理600は、グリッパアームの構成が調整される工程608に進む。例えば、システムは、グリッパアームをアクティブ状態に(例えば、配備位置に)動かす(または動かし続ける)よう制御する。いくつかの実施形態において、アクティブ状態は、グリッパアームが、グリッパアームとサイド部材との間の角度域の範囲内にあるなど、閾値配備状態に配置されていることに対応する(例えば、グリッパアームは、グリッパアームが完全には配備されていなくても、グリッパアームの配備の閾値内にあれば、アクティブ状態にあると見なされる)。一例として、
図3Cを参照すると、閾値配備状態は、サイド部材304、306が、ベクトル316に対して30度から-30度の範囲内にある状態に対応しうる。別の例として、
図3Cを参照すると、閾値配備状態は、サイド部材304、306が、ベクトル316に対して15度から-15度の範囲内にある状態に対応しうる。処理600は、グリッパアームが非アクティブ状態にあるとシステムが判定するまで、工程604~608を繰り返す。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0145
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0145】
様々な実施形態によると、サイド部材(例えば、エンドエフェクタ300のサイド部材304など、パッシブサイド部材)が、1または複数のセンサを備える。サイド部材上に備えられた1または複数のセンサは、エンドエフェクタ(または、特にパッシブサイド部材)の位置に対する構造(例えば、トレイ)の位置に関する情報を取得するよう構成されている。1または複数のセンサによって取得される情報の例は、(i)エンドエフェクタが、エンドエフェクタの少なくとも片側(例えば、パッシブ部材またはパッシブ部材に備えられている構造)を、トレイ(例えば、把持されるトレイ)の片側に備えられている穴、凹部、または、ハンドルと係合させるよう制御される位置に、トレイ(またはトレイに対するエンドエフェクタ)があることを示す情報の取得、(ii)エンドエフェクタ(例えば、パッシブ部材またはパッシブ部材に備えられている構造)の位置に、トレイ(またはトレイに対するエンドエフェクタ)があることを示す情報の取得、などを含む。ロボットシステムは、パッシブサイド部材(または、一般にエンドエフェクタ)を配置することに関連して、1または複数のセンサから取得した情報を利用する。いくつかの実施形態において、ロボットシステムは、エンドエフェクタ(例えば、トレイと係合するためにパッシブサイド部材に備えられているサム)を制御するために、1または複数のセンサから取得した情報を力センサから取得した情報と共に用いる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0167
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0167】
アクティブアームサムがトレイと係合されていると工程664で判定したことに応じて、処理650は、アクティブアームがトレイと係合されている旨の示唆が提供される工程666に進む。例えば、処理650が処理600の工程612によって呼び出された場合、工程666は、アクティブサムアームがトレイと係合され、処理600が工程614に進む旨の示唆を、ロボットシステム(例えば、ロボットシステム上で実行しているプロセス)へ提供する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0181
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0181】
様々な実施形態によると、エンドエフェクタ800は、マルチモードエンドエフェクタである。例えば、エンドエフェクタ800は、吸着ベースエンドエフェクタ830が物体を把持するために用いられる第1モード、および、サイド部材804、806を含む第2把持メカニズムが物体を把持するために用いられる第2モードで動作するよう制御される。図の例において、吸着ベースエンドエフェクタ830は、横部材802の底面に接続されている。吸着ベースエンドエフェクタ830は、吸着カップ832、834、836、および、838を備える。いくつかの実施形態において、吸着カップ832、834、836、および、838は、一緒に制御される(例えば、吸着カップ832、834、836、および、838の各々の吸着を引き起こすために、単一の制御が用いられる)。いくつかの実施形態において、吸着カップ832、834、836、および、838は、個別にまたは小集団ごとに制御される。例えば、システムは、吸着カップ832、834を一緒に制御し、それとは別に、吸着カップ836、838を一緒に制御する。吸着カップ832、834、836、および、838の少なくとも一部の独立制御により、マルチモードエンドエフェクタ800は、(例えば、それぞれの移動先位置にアイテムをプレースするために)複数のアイテムを把持すると同時にアイテムを移動させることができる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0221
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0221】
工程1412で、エンドエフェクタが動作されるモードが第2モードであるか否かについて決定がなされる。エンドエフェクタが動作されるモードが第2モードであると工程1412で決定したことに応じて、処理1400は、工程1414に進む。逆に、エンドエフェクタが第2モードで動作されないと工程1412で決定したことに応じて、処理1400は、工程1418に進む。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0224
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0224】
工程1418で、エンドエフェクタを第3モードで動作する決定がなされる。一例として、システムは、把持されるアイテムが吸着ベースエンドエフェクタよりもエンドエフェクタの構造に最適であると決定したことに応じて、エンドエフェクタを第3モードで動作させることを決定する。別の例として、システムは、アイテムがわずかに動かされまたは移動されること、もしくは、トレイのスタックまたはカート/台車が移動され/押されることを決定したことに応じて、第3モードでエンドエフェクタを動作させることを決定する。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0252
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0252】
工程1608で、情報が1または複数のセンサから取得される。情報は、グリッパアームの内の1または複数がアクティブ状態にあるのか非アクティブ状態にあるのか(もしくは、非アクティブ状態およびアクティブ状態の間の中間的な状態にあるのか)を示す。いくつかの実施形態において、システムは、マルチモードエンドエフェクタが動作されるモードに従って、アクティブ状態または非アクティブ状態に移行するよう、グリッパアーム(または第2把持メカニズム)を制御することに関連して、グリッパアームのポジショニングに対応する情報を利用する。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0264
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0264】
工程1628で、システムは、さらなるサブセットの物体がマルチモードエンドエフェクタを用いて移動されるか否かを判定する。例えば、システムは、さらなるサブセット物体がマルチモードエンドエフェクタの別のモードを用いて移動されるか否かを判定する。他のサブセットの物体は、以前のサブセットの物体とは異なるグリッパアームの構成/状態のマルチモードエンドエフェクタを用いて移動される。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0268
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0268】
上述の実施形態は、理解しやすいようにいくぶん詳しく説明されているが、本発明は、提供されている詳細事項に限定されるものではない。本発明を実施する多くの代替方法が存在する。開示されている実施形態は、例示であり、限定を意図するものではない。
[適用例1]ロボットエンドエフェクタであって、
ロボット作動式の第2グリッパと、
前記ロボットエンドエフェクタの中心垂直軸の両側に互いに向かい合って配置されている第1要素および第2要素を備えるロボット作動式の第1グリッパと、前記ロボット作動式の第2グリッパは、前記第1要素と前記第2要素との間に配置され、
前記第1グリッパが利用のために配置される動作の第1モードまたは前記第2グリッパが利用のために配置される動作の第2モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう構成されているロボット作動式の格納-伸長メカニズムと、
を備える、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例2]適用例1に記載のロボットエンドエフェクタであって、
前記ロボット作動式の第2グリッパは、前記ロボットエンドエフェクタが前記第1モードで動作するよう制御される時に、ロボット制御で非アクティブ状態に配置され、
前記ロボット作動式の第2把持メカニズムは、前記エンドエフェクタが前記第2モードで動作するよう制御される時に、ロボット制御でアクティブ状態に配置される、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例3]適用例1に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボットエンドエフェクタを前記第1モードに配置することは、前記ロボット作動式の第1グリッパが第1物体と係合するために、前記ロボット作動式の第1グリッパの少なくとも一部を露出させる、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例4]適用例1に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボット作動式の第2グリッパは、トレイまたはその他の容器を把持するよう構成されている、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例5]適用例1に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボット作動式の第1グリッパは、トレイまたはその他の容器に含まれる少なくとも1つの第1物体を把持するよう構成されている、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例6]適用例1に記載のロボットエンドエフェクタであって、
前記ロボットエンドエフェクタは、ロボットアームに接続されるよう構成され、
前記第1要素および前記第2要素は、前記物体の2以上の側面または前記物体の底面と係合するよう構成されているグリッパアームに対応する、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例7]適用例6に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボットエンドエフェクタを前記第1モードに配置することは、前記グリッパアームの少なくとも1つを収容状態へ回転させることを含み、前記グリッパアームに前記少なくとも1つを回転させることは、物体と係合するように前記ロボット作動式の第1グリッパの少なくとも一部を露出させる、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例8]適用例1に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボット作動式の第1グリッパは、複数の吸着ベース把持メカニズムと、前記複数の吸着ベース把持メカニズムに吸着力を印加するための1または複数の作動メカニズムと、を備える、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例9]適用例8に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボット作動式の第1グリッパは、複数の第1物体を一度に把持するよう構成されている、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例10]適用例9に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記複数の吸着ベース把持メカニズムの内の第1サブセットの把持メカニズムは、前記複数の吸着ベース把持メカニズムの内の第2サブセットの把持メカニズムとは独立的に制御されるよう構成されている、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例11]適用例10に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記第1サブセットの把持メカニズムは、1または複数の第1物体の第1サブセットを把持するよう制御され、前記第2サブセットの把持メカニズムは、前記1または複数の第1物体の第2サブセットを把持するよう制御される、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例12]適用例8に記載のロボットエンドエフェクタであって、
前記1または複数の作動メカニズムは、制御コンピュータから1または複数の信号を取得し、前記1または複数の信号の内の少なくとも1つに応じて動作するよう構成され、
前記1または複数の作動メカニズムは、前記1または複数の信号の内の少なくとも1つに応じて1または複数の第1物体を把持するための把持戦略に従って決定される、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例13]適用例12に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記複数の吸着ベース把持メカニズムの少なくとも一部は、伸展可能な吸着カップを備える、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例14]適用例13に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記伸展可能な吸着カップは、前記1または複数の信号の内の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて制御される、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例15]適用例1に記載のロボットエンドエフェクタであって、さらに、物体またはカートと係合して、前記物体または前記カートを押すまたは引くよう構成されている1または複数の構造を備える、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例16]適用例15に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記1または複数の構造は、前記ロボット作動式の第2グリッパ上に配置されている、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例17]適用例1に記載のロボットエンドエフェクタであって、さらに、
ロボットアームに結合されるよう構成されている横部材を備え、
前記第1要素は、第1遠位端で前記横部材に結合され、把持される物体の第1側にある第1凹部と機会的に係合するよう構成され、
前記第2要素は、前記第1遠位端と反対側の第2遠位端で前記横部材に結合され、把持される前記物体の第2側にある第2凹部と機会的に係合するよう構成されている、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例18]適用例17に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボット作動式の第1グリッパは、前記第1遠位端と前記第2遠位端との間の間の位置で前記横部材に結合されている、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例19]適用例17に記載のロボットエンドエフェクタであって、さらに、前記第1要素または前記第2要素の一方または両方の位置に関する情報を取得するよう構成されているセンサを備える、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例20]適用例19に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記センサは、前記第1要素または前記第2要素の前記一方または両方が、前記第2モードに対応する配備位置にあるのか前記第1モードに対応する収容位置にあるのかを示す情報を取得するよう構成されている機械式リミットスイッチである、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例21]適用例19に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記センサは、前記第1要素または前記要素の前記一方または両方が、前記第2モードに対応する配備位置にあるのか前記第1モードに対応する収容位置にあるのかを示す情報を取得するよう構成されている光センサである、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例22]適用例17に記載のロボットエンドエフェクタであって、
前記第1要素および前記第2要素の一方または両方は、前記横部材に対して可動であり、
前記第1要素および前記第2要素の前記一方または両方は、前記第2モードに対応する配備位置と前記第1モードに対応する収容位置との間で、ロボット制御で移動するよう構成されている、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例23]適用例1に記載のロボットエンドエフェクタを備える自律型トレイハンドリングロボットシステムであって、前記システムは、さらに、
構築される1セットの出力スタックを示すデータを格納するよう構成されているメモリと、各出力スタックは、関連するセットの物体を含み、
前記メモリに接続され、1または複数のロボットの動作を制御するよう構成されているプロセッサと、を備え、前記1または複数のロボットの各々は、1または複数の対応する移動元スタックからピックされた第1物体または第2物体を出力スタック上へ連続的にプレースすることによって、各出力スタックを構築することなどにより、物体の移動元スタックから1または複数の第1物体を繰り返しピックして前記1セットの出力スタックを構築するために、計画に従って、1または複数の第1物体を一度に把持、移動、および、プレースするよう構成され、
前記ロボットの各々は、ロボットアームと、別のロボットの支援なしに前記1または複数の第1物体を把持、移動、および、プレースするよう構成されている前記ロボットエンドエフェクタと、備える、システム。
[適用例24]方法であって、
1または複数のプロセッサによって、ロボットエンドエフェクタを備えるよう構成されているロボットアームを用いて物体を把持することを決定し、
前記1または複数の物体を把持するための戦略を決定し、前記1または複数の物体を把持するための戦略を決定することは、
前記ロボットエンドエフェクタを第1動作モードまたは第2動作モードで動作させることを決定することを含み、
前記戦略に少なくとも部分的に基づいて前記ロボットエンドエフェクタを制御すること、
を備え、
前記ロボットエンドエフェクタは、前記第1モードまたは前記第2モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう構成されているロボット作動式の格納-伸長メカニズムを備え、
前記戦略に少なくとも部分的に基づいて前記ロボットエンドエフェクタを制御することは、前記戦略に少なくとも部分的に基づいて、前記第1モードまたは前記第2モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう、前記ロボット作動式の格納-伸長メカニズムを制御することを含む、方法。
[適用例25]コンピュータプログラム製品であって、非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体内に具現化され、
1または複数のプロセッサによって、ロボットエンドエフェクタを備えるよう構成されているロボットアームを用いて物体を把持することを決定するためのコンピュータ命令と、
前記1または複数の物体を把持するための戦略を決定するためのコンピュータ命令と、前記ロボットエンドエフェクタを第1動作モードまたは第2動作モードで動作させることを決定することを含む、コンピュータ命令と、
前記戦略に少なくとも部分的に基づいて前記ロボットエンドエフェクタを制御するためのコンピュータ命令と、
を備え、
前記ロボットエンドエフェクタは、前記第1モードまたは前記第2モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう構成されているロボット作動式の格納-伸長メカニズムを備え、
前記戦略に少なくとも部分的に基づいて前記ロボットエンドエフェクタを制御することは、前記戦略に少なくとも部分的に基づいて、前記第1モードまたは前記第2モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう、前記ロボット作動式の格納-伸長メカニズムを制御することを含む、コンピュータプログラム製品。
[適用例26] システムであって、
ロボットエンドエフェクタを備えるよう構成されているロボットアームと、前記ロボットエンドエフェクタは、第1動作モードまたは第2動作モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう構成されているロボット作動式の格納-伸長メカニズムを備え、
物体を把持するよう前記ロボットアームを制御するよう構成されている制御コンピュータと、
を備え、
前記制御コンピュータは、
ロボットエンドエフェクタを備えるよう構成されているロボットアームを用いて物体を把持することを決定し、
前記1または複数の物体を把持するための戦略を決定し、
前記ロボットエンドエフェクタを前記第1モードまたは前記第2モードで動作させることを決定し、
前記戦略に少なくとも部分的に基づいて前記ロボットエンドエフェクタを制御するように構成され、 前記戦略に少なくとも部分的に基づいて前記ロボットエンドエフェクタを制御することは、前記戦略に少なくとも部分的に基づいて、前記第1モードまたは前記第2モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう、前記ロボット作動式の格納-伸長メカニズムを制御することを含む、システム。
[適用例27]適用例26に記載のシステムであって、前記ロボットエンドエフェクタは、
ロボット作動式の第2グリッパと、
前記ロボットエンドエフェクタの中心垂直軸の両側に互いに向かい合って配置されている第1要素および第2要素を備えたロボット作動式の第1グリッパと、前記ロボット作動式の第2グリッパは、前記第1要素と前記第2要素との間に配置され、
前記第1グリッパが利用のために配置される第1動作モードまたは前記第2グリッパが利用のために配置される第2動作モードに前記ロボットエンドエフェクタを配置するよう構成されているロボット作動式の格納-伸長メカニズムと、
を備える、システム。
[適用例28] ロボットエンドエフェクタであって、
吸着力が印加された時に1または複数の物体を把持するよう構成されている1セットの吸着ベース把持メカニズムと、
少なくとも第1サブセットの吸着ベース把持メカニズムを移動させて、前記第1サブセットの吸着ベース把持メカニズムおよび第2サブセットの吸着ベース把持メカニズムの相対位置を変化させるよう構成されているロボット制御式作動メカニズムと、
を備える、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例29]適用例28に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記1セットの吸着ベース把持メカニズムは、複数の吸着カップを備える、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例30]適用例28に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記第1サブセットの吸着ベース把持メカニズムおよび前記第2サブセットの吸着ベース把持メカニズムの前記相対位置を変化させることは、前記第1サブセットの吸着ベース把持メカニズムの内の少なくとも1つと前記第2サブセットの吸着ベース把持メカニズムの内の少なくとも1つとの間の距離を変化させる、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例31]適用例28に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボット制御式作動メカニズムは、作動された時に前記第1サブセットの吸着ベース把持メカニズムの前記相対位置を変化させる空気圧制御ピストンを備える、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例32]適用例28に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記ロボット制御式作動メカニズムは、制御コンピュータから受信された1または複数の制御信号に基づいて制御される、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例33]適用例32に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記制御コンピュータは、特定の物体を把持するための戦略に少なくとも部分的に基づいて、前記第1サブセットの吸着ベース把持メカニズムおよび前記第2サブセットの吸着ベース把持メカニズムの前記相対位置を変化させることを決定する、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例34]適用例33に記載のロボットエンドエフェクタであって、前記制御コンピュータは、前記特定の物体のサイズが閾値距離を超えているとの判定に少なくとも部分的に基づいて、前記第1サブセットの吸着ベース把持メカニズムの内の少なくとも1つと、前記第2サブセットの吸着ベース把持メカニズムの内の少なくとも1つとの間の距離を増大させることを決定する、ロボットエンドエフェクタ。
[適用例35]適用例28に記載のロボットエンドエフェクタを備えたマルチモードロボットエンドエフェクタであって、前記マルチモードロボットエンドエフェクタは、前記マルチモードロボットエンドエフェクタを第1モードで動作させることに関連して、請求項28のロボットエンドエフェクタを利用するよう構成されている、マルチモードロボットエンドエフェクタ。
【国際調査報告】