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特表2024-537154人工まつ毛エクステンションを付け直したり、生まれつきのまつ毛と生まれつきのまつ毛に取り付けられている人工まつ毛エクステンションをカールさせたりするための電気式アプリケータおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】人工まつ毛エクステンションを付け直したり、生まれつきのまつ毛と生まれつきのまつ毛に取り付けられている人工まつ毛エクステンションをカールさせたりするための電気式アプリケータおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A41G 5/02 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A41G5/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520767
(86)(22)【出願日】2022-10-03
(85)【翻訳文提出日】2024-04-04
(86)【国際出願番号】 US2022045558
(87)【国際公開番号】W WO2023059559
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】63/252,049
(32)【優先日】2021-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/955,303
(32)【優先日】2022-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518343176
【氏名又は名称】ラシファイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Lashify, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】ロッティ サハラ
(57)【要約】
器具がハンドルおよびハンドルに結合された1対の対向したアームを有する。各アームは、第1の区分を有し、第1の区分は第1の区分の第1の端部分と第2の端部分との間に設けられた第1の湾曲部を有する。第1の湾曲部は、目のラッシュラインの近くで揃うように形作られている。本器具は、1対の対向アームに結合された状態で各アームの第1の区分を加熱するよう構成されている加熱ユニットを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具であって、
ハンドルを有し、
前記ハンドルに結合された1対の対向したアームを有し、各アームは、第1の区分を有し、前記第1の区分は、前記第1の区分の第1の端部分と第2の端部分との間に設けられた第1の湾曲部を有し、前記第1の湾曲部は、目のラッシュラインの近くで揃うように形作られ、
前記1対の対向アームに結合された加熱ユニットを有し、前記加熱ユニットは、各アームの前記第1の区分を加熱するよう構成されている、器具。
【請求項2】
各アームの前記第1の区分を冷却するよう構成された冷却ユニットをさらに有する、請求項1記載の器具。
【請求項3】
各アームは、
第1の側部、第1の側部と反対側の第2の側部、内面、および前記内面と反対側の外面をさらに有し、前記内面および前記外面は、前記第1の側部と前記第2の側部との間に延びている、請求項1記載の器具。
【請求項4】
各アームの前記第1の区分は、前記第1の端部分と前記第2の端部分との間にかつ前記第1の区分に対応した前記第1の側部の少なくとも一部に沿って設けられた第2の湾曲部を有し、前記第2の湾曲部は、前記第1の湾曲部とは反対側に位置している、請求項3記載の器具。
【請求項5】
前記第1の湾曲部は、前記第1の区分に対応した前記第2の側部の少なくとも一部に沿って設けられ、前記第1の湾曲部は、凹状の湾曲部であり、前記第2の湾曲部は、凸状の湾曲部である、請求項4記載の器具。
【請求項6】
前記第1の区分に対応した前記内面の少なくとも一部は、実質的に平坦である表面を含む、請求項3記載の器具。
【請求項7】
前記対向アームの前記第1の区分に対応した前記内面の前記少なくとも一部は、圧力を生まれつきのまつ毛および前記生まれつきのまつ毛の下側に配置された1つ以上の人工まつ毛エクステンションに加えるよう設計されている、請求項6記載の器具。
【請求項8】
前記第1の区分に対応した前記外面の少なくとも一部は、前記第1の側部と前記第2の側部との間に位置する第3の湾曲部を有する表面を備えた湾曲部分を含む、請求項3記載の器具。
【請求項9】
前記第1の区分の前記湾曲分の前記第3の湾曲部は、生まれつきのまつ毛のうちの1本以上または前記生まれつきのまつ毛の下側に配置された1つ以上の人工まつ毛エクステンションをカールさせるよう設計されている、請求項8記載の器具。
【請求項10】
各アームは、前記第1の区分と前記ハンドルとの間に位置する第2の区分をさらに有し、各アームの前記第2の区分は、前記第1の区分を開き位置から閉鎖位置に移行させるために互いに向かって押されるよう設計されている、請求項1記載の器具。
【請求項11】
前記第2の区分の少なくとも外面は、断熱材料からなる、請求項10記載の器具。
【請求項12】
前記加熱ユニットは、各アームの前記第1の区分内で延びる加熱部材をさらに含み、前記加熱部材は、熱エネルギーを各アームの前記第1の区分に伝えるよう構成されている、請求項1記載の器具。
【請求項13】
前記加熱部材は、抵抗線からなる、請求項12記載の器具。
【請求項14】
前記冷却ユニットは、各アームの前記第1の区分内で延びる冷却部材をさらに含む、請求項2記載の器具。
【請求項15】
前記冷却ユニットの前記冷却部材と前記加熱ユニットの加熱部材は、同一の部材である、請求項14記載の器具。
【請求項16】
前記加熱ユニットは、熱電部品を含む、請求項1記載の器具。
【請求項17】
前記加熱ユニットと前記冷却ユニットは、同一の熱電部品を含む、請求項2記載の器具。
【請求項18】
前記第1の区分の外面は、付着防止材料からなる、請求項1記載の器具。
【請求項19】
前記付着防止材料は、シリコーンからなる、請求項18記載の器具。
【請求項20】
前記器具は、前記1対の対向アームへの加圧に応動して開き位置から閉じ位置に移行させるよう構成され、前記開き位置では、前記1対の対向アームは、互いに分離される、請求項1記載の器具。
【請求項21】
前記器具の前記開き位置は、デフォルト位置である、請求項20記載の器具。
【請求項22】
前記閉じ位置では、前記1対の対向アームのうちの一方のアームの前記第1の区分に対応した内面は、前記1対の対向アームのもう一方のアームの対向した内面に接触するよう構成されている、請求項20記載の器具。
【請求項23】
前記第1の区分の少なくとも一部は、前記第2の区分に接合され、前記接合部は、前記第1の区分の前記第1の端部分よりも前記第2の端部分の方に近い、請求項10記載の器具。
【請求項24】
前記第1の区分、前記第2の区分、および前記ハンドルは、近位端に向かって長手方向へ延びている、請求項10記載の器具。
【請求項25】
前記凹状湾曲部の頂点は、前記第2の端部分から遠位側へ差し向けられるとともに、前記第1の端部分から近位側へ差し向けられていて、前記凹状湾曲部は、前記第1の区分に対応した前記第1の側部と反対側に向くようになっている、請求項5記載の器具。
【請求項26】
各アームの前記第1の区分の前記第1の端部分は、遠位端を有する、請求項1記載の器具。
【請求項27】
各アームの前記遠位端は、単一の遠位末端である、請求項26記載の器具。
【請求項28】
前記第1の区分の前記第1の湾曲部は、ラッシュラインの形状と実質的に同一平面上に位置した状態で揃うよう設計されている、請求項1記載の器具。
【請求項29】
方法であって、
1対の対向したアームおよび加熱ユニットを備えた電気式アプリケータを用意するステップを含み、各アームは、第1の区分を有し、前記第1の区分は、前記第1の区分の第1の端部分と第2の端部分との間に設けられた第1の湾曲部を有し、
前記電気式アプリケータの前記加熱ユニットを起動して各アームの前記第1の区分を加熱するステップを含み、
前記加熱された状態の電気式アプリケータをユーザの目の領域のところに揃えられた向きで位置決めするステップを含み、前記揃えられた向きでは、各アームの前記第1の湾曲部は、生まれつきのまつ毛のラッシュラインと揃うよう位置決めされ、
前記1対の対向アームの前記第1の区分を前記生まれつきのまつ毛および前記生まれつきのまつ毛に取り付けられた人工まつ毛エクステンション上で閉じることによって、前記加熱された状態の電気式アプリケータを閉じ位置に移行させるステップを含む、方法。
【請求項30】
前記人工まつ毛エクステンションを前記生まれつきのまつ毛に取り付けるために用いられる接着剤を軟化させるために前記加熱電気式アプリケータを第1の期間にわたって前記閉じ位置に維持するステップをさらに含む、請求項20記載の方法。
【請求項31】
前記加熱電気式アプリケータを前記閉じ位置において前記回転軸線に沿って回して前記加熱された状態の電気式アプリケータを前記揃えられた向きから回転後の向きに移行させるステップをさらに含み、前記回転後の向きでは、前記生まれつきのまつ毛の少なくとも一部および前記人工まつ毛エクステンションの少なくとも一部は、前記加熱された状態の電気式アプリケータの前記1対の対向アームのうちの少なくとも一方の前記第1の区分の外面に接触し、
前記加熱された状態の電気式アプリケータを第2の期間にわたって前記閉じ位置にかつ前記回転後の向きに維持して前記生まれつきのまつ毛または前記人工まつ毛エクステンションのうちの1つ以上をカールさせるステップをさらに含む、請求項29記載の方法。
【請求項32】
前記加熱された状態の電気式アプリケータを前記目の領域から取り去るステップと、
前記電気式アプリケータの冷却ユニットを起動して各アームの前記第1の区分を冷却するステップと、
前記冷却された状態の電気式アプリケータを前記ユーザの前記目の領域のところで前記揃えられた向きに位置決めするステップと、
前記冷却された状態の電気式アプリケータを前記閉じ位置に移行させるステップと、
前記冷却された状態の電気式アプリケータを第3の期間にわたって前記閉じ位置に維持して、前記人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に取り付けるために用いられる前記接着剤を硬化させるステップとをさらに含む、請求項30記載の方法。
【請求項33】
接着剤を前記ユーザの前記生まれつきのまつ毛に塗布するステップと、
前記人工まつ毛エクステンションを前記生まれつきのまつ毛のところに配置するステップと、
前記接着剤を用いて前記配置された人工まつ毛エクステンションを前記生まれつきのまつ毛に付けるステップとをさらに含む、請求項29記載の方法。
【請求項34】
前記塗布ステップ、前記配置ステップおよび前記取り付けステップは、第1の施術セッション中に実施され、前記起動ステップ、前記位置決めステップおよび前記移行ステップは、第2の施術セッション中に実施される、請求項33記載の方法。
【請求項35】
前記人工まつ毛エクステンションは、前記生まれつきのまつ毛の下側に取り付けられる、請求項29記載の方法。
【請求項36】
各アームは、第1の側部、前記第1の側部と反対側の第2の側部、内面、および前記内面と反対側の外面をさらに有し、前記内面および前記外面は、前記第1の側部と前記第2の側部との間に延びている、請求項29記載の方法。
【請求項37】
各アームの前記第1の区分は、前記第1の端部分と前記第2の端部分との間にかつ前記第1の区分に対応した前記第1の側部の少なくとも一部に沿って設けられた第2の湾曲部を有し、前記第2の湾曲部は、前記第1の湾曲部とは反対側に位置している、請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記第1の湾曲部は、前記第1の区分に対応した前記第2の少なくとも一部に沿って設けられ、前記第1の湾曲部は、凹状の湾曲部であり、前記第2の湾曲部は、凸状の湾曲部である、請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記第1の区分に対応した前記内面の少なくとも一部は、実質的に平坦である表面を含む、請求項36記載の方法。
【請求項40】
前記対向アームの前記第1の区分に対応した前記内面の少なくとも一部は、圧力を前記生まれつきのまつ毛および前記生まれつきのまつ毛に取り付けられた前記人工まつ毛エクステンションに加えるよう設計されている、請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記第1の区分に対応した前記外面の少なくとも一部は、前記第1の側部と前記第2の側部との間に位置する第3の湾曲部を有する表面を含む、請求項36記載の方法。
【請求項42】
前記第1の区分に対応した前記外面の前記少なくとも一部は、前記生まれつきのまつ毛または前記生まれつきのまつ毛に取り付けられた前記人工まつ毛エクステンションのうちの1つ以上をカールさせるよう設計されている、請求項41記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、生まれつきの(「地毛としての」の意)まつ毛および人工まつ毛エクステンション(「エクステンション」は、「エクステ」と略称される場合がある)用のアプリケータ、特に、人工まつ毛エクステンションを付け直したり、生まれつきのまつ毛および/または生まれつきのまつ毛に取り付けられた人工まつ毛エクステンションをカールさせたりするための電気式アプリケータに関する。
【背景技術】
【0002】
付けまつ毛エクステンション(false eyelash extension)は、従来、生まれつきのまつ毛の長さ、厚み、およびフルネス(豊富度または密集度)を増やすために用いられてきた。付けまつ毛の中には、各個人のまぶたに直接取り付けることができるものがある。付けまつ毛は、各個人のまぶたの幅に合うようトリミングできるストリップの状態(およびかくして、「ストリップまつ毛」とも呼ばれる)で売られている。
【発明の概要】
【0003】
以下は、本発明の幾つかの観点の基本的な理解を提供するために本発明の単純化された概要である。この発明の概要は、本発明の多岐にわたる概観ではない。この発明の概要は、本発明の重要なまたは不可欠な要素を特定するものではなく、本発明の特定の実施形態の範囲または特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を何ら定めるものでもない。発明の概要という項の唯一の目的は、後で提供されるより詳細な説明に対する前置きとして本発明の幾つかの技術的思想を単純化された形態で提供することにある。
【0004】
本発明の一観点は、器具であって、本器具は、ハンドルと、ハンドルに結合された1対の対向したアームとを有し、各アームは第1の区分を有し、第1の区分は第1の区分の第1の端部分と第2の端部分との間に設けられた第1の湾曲部を有し、第1の湾曲部は目のラッシュ(まつ毛)ラインの近くで揃うように形作られ、本器具は、1対の対向アームに結合された状態で各アームの第1の区分を加熱するよう構成されている加熱ユニットをさらに有することを特徴とする器具を含む。
【0005】
幾つかの実施形態では、本器具は、各アームの第1の区分を冷却するよう構成された冷却ユニットをさらに有する。
【0006】
幾つかの実施形態では、各アームは、第1の側部、第1の側部と反対側の第2の側部、内面、および内面と反対側の外面をさらに有し、内面および外面は、第1の側部と第2の側部との間に延びている。
【0007】
幾つかの実施形態では、各アームの第1の区分は、第1の端部分と第2の端部分との間にかつ第1の区分に対応した第1の側部の少なくとも一部に沿って設けられた第2の湾曲部を有し、第2の湾曲部は、第1の湾曲部とは反対側に位置している。
【0008】
幾つかの実施形態では、第1の湾曲部は、第1の区分に対応した第2の側部の少なくとも一部に沿って設けられ、第1の湾曲部は、凹状の湾曲部であり、第2の湾曲部は、凸状の湾曲部である。
【0009】
幾つかの実施形態では、第1の区分に対応した内面の少なくとも一部は、実質的に平坦である表面を含む。
【0010】
幾つかの実施形態では、対向アームの第1の区分に対応した内面の少なくとも一部は、圧力を生まれつきのまつ毛および生まれつきのまつ毛の下側に配置された1つ以上の人工まつ毛エクステンションに加えるよう設計されている。
【0011】
幾つかの実施形態では、第1の区分に対応した外面の少なくとも一部は、第1の側部と第2の側部との間に位置する第3の湾曲部を有する表面を備えた湾曲部分を含む。
【0012】
幾つかの実施形態では、第1の区分の湾曲分の第3の湾曲部は、生まれつきのまつ毛のうちの1本以上または生まれつきのまつ毛の下側に配置された1つ以上の人工まつ毛エクステンションをカールさせるよう設計されている。
【0013】
幾つかの実施形態では、各アームは、第1の区分とハンドルとの間に位置する第2の区分をさらに有し、各アームの第2の区分は、第1の区分を開き位置から閉鎖位置に移行させるために互いに向かって押されるよう設計されている。
【0014】
幾つかの実施形態では、第2の区分の少なくとも外面は、断熱材料からなる。
【0015】
幾つかの実施形態では、加熱ユニットは、各アームの第1の区分内で延びる加熱部材をさらに含み、加熱部材は、熱エネルギーを各アームの第1の区分に伝えるよう構成されている。
【0016】
幾つかの実施形態では、加熱部材は、抵抗線からなる。
【0017】
幾つかの実施形態では、冷却ユニットは、各アームの第1の区分内で延びる冷却部材をさらに含む。
【0018】
幾つかの実施形態では、冷却ユニットの冷却部材と加熱ユニットの加熱部材は、同一の部材である。
【0019】
幾つかの実施形態では、加熱ユニットは、熱電部品を含む。
【0020】
幾つかの実施形態では、加熱ユニットと冷却ユニットは、同一の熱電部品を含む。
【0021】
幾つかの実施形態では、第1の区分の外面は、付着防止材料からなる。
【0022】
幾つかの実施形態では、付着防止材料は、シリコーンからなる。
【0023】
幾つかの実施形態では、器具は、1対の対向アームへの加圧に応動して開き位置から閉じ位置に移行させるよう構成され、開き位置では、1対の対向アームは、互いに分離される。
【0024】
幾つかの実施形態では、器具の開き位置は、デフォルト位置である。
【0025】
幾つかの実施形態では、閉じ位置では、1対の対向アームのうちの一方のアームの第1の区分に対応した内面は、1対の対向アームのもう一方のアームの対向した内面に接触するよう構成されている。
【0026】
幾つかの実施形態では、第1の区分の少なくとも一部は、第2の区分に接合され、接合部は、第1の区分の第1の端部分よりも第2の端部分の方に近い。
【0027】
幾つかの実施形態では、第1の区分、第2の区分、およびハンドルは、近位端に向かって長手方向へ延びている。
【0028】
幾つかの実施形態では、凹状湾曲部の頂点は、第2の端部分から遠位側へ差し向けられるとともに、第1の端部分から近位側へ差し向けられていて、凹状湾曲部は、第1の区分に対応した第1の側部と反対側に向くようになっている。
【0029】
幾つかの実施形態では、各アームの第1の区分の第1の端部分は、遠位端を有する。
【0030】
幾つかの実施形態では、各アームの遠位端は、単一の遠位末端である。
【0031】
幾つかの実施形態では、第1の区分の第1の湾曲部は、ラッシュラインの形状と実質的に同一平面上に位置した状態で揃うよう設計されている。
【0032】
本発明の一観点は、方法であって、本方法は、1対の対向したアームおよび加熱ユニットを備えた電気式アプリケータを用意するステップを含み、各アームは、第1の区分を有し、第1の区分は、第1の区分の第1の端部分と第2の端部分との間に設けられた第1の湾曲部を有し、本方法は、電気式アプリケータの加熱ユニットを起動して各アームの第1の区分を加熱するステップと、加熱された状態の電気式アプリケータをユーザの目の領域のところに揃えられた向きで位置決めするステップとをさらに含み、揃えられた向きでは、各アームの第1の湾曲部は、生まれつきのまつ毛のラッシュラインと揃うよう位置決めされ、本方法は、1対の対向アームの第1の区分を生まれつきのまつ毛および生まれつきのまつ毛に取り付けられた人工まつ毛エクステンション上で閉じることによって、加熱された状態の電気式アプリケータを閉じ位置に移行させるステップを含むことを特徴とする方法を含む。
【0033】
幾つかの実施形態では、本方法は、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に取り付けるために用いられる接着剤を軟化させるために加熱電気式アプリケータを第1の期間にわたって閉じ位置に維持するステップをさらに含む。
【0034】
幾つかの実施形態では、本方法は、加熱電気式アプリケータを閉じ位置において回転軸線に沿って回して加熱された状態の電気式アプリケータを揃えられた向きから回転後の向きに移行させるステップをさらに含み、回転後の向きでは、生まれつきのまつ毛の少なくとも一部および人工まつ毛エクステンションの少なくとも一部は、加熱された状態の電気式アプリケータの1対の対向アームのうちの少なくとも一方の第1の区分の外面に接触し、本方法は、加熱された状態の電気式アプリケータを第2の期間にわたって閉じ位置にかつ回転後の向きに維持して生まれつきのまつ毛または人工まつ毛エクステンションのうちの1つ以上をカールさせるステップをさらに含む。
【0035】
幾つかの実施形態では、本方法は、加熱された状態の電気式アプリケータを目の領域から取り去るステップと、電気式アプリケータの冷却ユニットを起動して各アームの第1の区分を冷却するステップと、冷却された状態の電気式アプリケータをユーザの目の領域のところで揃えられた向きに位置決めするステップと、冷却された状態の電気式アプリケータを閉じ位置に移行させるステップと、冷却された状態の電気式アプリケータを第3の期間にわたって閉じ位置に維持して、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に取り付けるために用いられる接着剤を硬化させるステップとをさらに含む。
【0036】
幾つかの実施形態では、本方法は、接着剤をユーザの生まれつきのまつ毛に塗布するステップと、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛のところに配置するステップと、接着剤を用いて配置された人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に付けるステップとをさらに含む。
【0037】
幾つかの実施形態では、塗布ステップ、配置ステップおよび付けステップは、第1の施術セッション中に実施され、起動ステップ、位置決めステップおよび移行ステップは、第2の施術セッション中に実施される。
【0038】
幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンションは、生まれつきのまつ毛の下側に取り付けられる。
【0039】
幾つかの実施形態では、各アームは、第1の側部、第1の側部と反対側の第2の側部、内面、および内面と反対側の外面をさらに有し、内面および外面は、第1の側部と第2の側部との間に延びている。
【0040】
幾つかの実施形態では、各アームの第1の区分は、第1の端部分と第2の端部分との間にかつ第1の区分に対応した第1の側部の少なくとも一部に沿って設けられた第2の湾曲部を有し、第2の湾曲部は、第1の湾曲部とは反対側に位置している。
【0041】
幾つかの実施形態では、第1の湾曲部は、第1の区分に対応した第2の少なくとも一部に沿って設けられ、第1の湾曲部は、凹状の湾曲部であり、第2の湾曲部は、凸状の湾曲部である。
【0042】
幾つかの実施形態では、第1の区分に対応した内面の少なくとも一部は、実質的に平坦である表面を含む。
【0043】
幾つかの実施形態では、対向アームの第1の区分に対応した内面の少なくとも一部は、圧力を生まれつきのまつ毛および生まれつきのまつ毛に取り付けられた人工まつ毛エクステンションに加えるよう設計されている。
【0044】
幾つかの実施形態では、第1の区分に対応した外面の少なくとも一部は、第1の側部と第2の側部との間に位置する第3の湾曲部を有する表面を含む。
【0045】
幾つかの実施形態では、第1の区分に対応した外面の少なくとも一部は、生まれつきのまつ毛または生まれつきのまつ毛に取り付けられた人工まつ毛エクステンションのうちの1つ以上をカールさせるよう設計されている。
【0046】
本発明は、本発明の限定ではなく例示として添付の図面のうちの図に示されており、図中、同一の符号は、類似の要素を示している。理解されるべきこととして、本明細書における「一(複数のうちのどれか1つの意)」実施形態または「1つの」実施形態と互いに異なる記載をしている場合、これらの記載内容は、同一の実施形態であってもよいが、必ずしも同一の実施形態であることはなく、かかる記載は、「少なくとも1つ」を意味している。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明の幾つかの実施形態に従って目の領域を示す図である。
図2】本発明の幾つかの実施形態としての例示の人工まつ毛エクステンションの図である。
図3】本発明の幾つかの実施形態としての別の例示の人工まつ毛エクステンションの図である。
図4A】本発明の幾つかの実施形態としての電気式アプリケータの図である。
図4B】本発明の幾つかの実施形態に従って電気式アプリケータを閉じ位置で示す図である。
図4C】本発明の幾つかの実施形態に従って、電気式アプリケータの電気部品を示す図である。
図5A】本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションの生まれつきのまつ毛に付け、そして電気式アプリケータを用いて取り付け状態の人工まつ毛エクステンションをカールさせる一操作を示す図である。
図5B】本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションの生まれつきのまつ毛に付け、そして電気式アプリケータを用いて取り付け状態の人工まつ毛エクステンションをカールさせる一操作を示す図である。
図5C】本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションの生まれつきのまつ毛に付け、そして電気式アプリケータを用いて取り付け状態の人工まつ毛エクステンションをカールさせる一操作を示す図である。
図5D】本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションの生まれつきのまつ毛に付け、そして電気式アプリケータを用いて取り付け状態の人工まつ毛エクステンションをカールさせる一操作を示す図である。
図5E】本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションの生まれつきのまつ毛に付け、そして電気式アプリケータを用いて取り付け状態の人工まつ毛エクステンションをカールさせる一操作を示す図である。
図5F】本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションの生まれつきのまつ毛に付け、そして電気式アプリケータを用いて取り付け状態の人工まつ毛エクステンションをカールさせる一操作を示す図である。
図5G】本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションの生まれつきのまつ毛に付け、そして電気式アプリケータを用いて取り付け状態の人工まつ毛エクステンションをカールさせる一操作を示す図である。
図6A】本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に付け直す一操作を示す図である。
図6B】本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に付け直す一操作を示す図である。
図6C】本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に付け直す一操作を示す図である。
図6D】本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に付け直す一操作を示す図である。
図6E】本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に付け直す一操作を示す図である。
図6F】本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に付け直す一操作を示す図である。
図7A】本発明の諸実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションを付ける操作を示す流れ図のうちの1つである。
図7B】本発明の諸実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションをカールさせる操作を示す流れ図のうちの1つである。
図7C】本発明の諸実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションを付け直す操作を示す流れ図のうちの1つである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図は、例示目的でのみ種々の実施形態を示している。当業者であれば容易に認識されるように、変形実施形態を本明細書に開示した原理から逸脱することなく採用することができる。
【0049】
上述したように、まつ毛エクステンションは、生まれつきのまつ毛の長さ、厚み、およびフルネスを増やすために用いられている。ユーザのまぶたに付けられるストリップまつ毛は、ユーザの生まれつきのまつ毛とは違うことがすぐに分かるとともに、長時間にわたって着用した場合には不快感を生じる場合がある。まつ毛エクステンションの中には、一個人の生まれつきのまつ毛に、毛を一本ずつ、または場合によっては一房(クラスタ)ずつ付けるものがある。毛を一本ずつ、またはクラスタを1つずつ付ける作業は、性質上正確さを必要とするので、熟練した技術者が施術する。かかる役務(サービス)を行うにあたっては、数百ドルの費用がかかり、しかも完了するのに数時間かかる場合がある。
【0050】
幾つかの場合、個人は、当人の生まれつきのまつ毛および/または当人の生まれつきのまつ毛に付けられたまつ毛エクステンションをカールさせたい場合がある。目の領域の幾何学的形状が独特であり、しかも目の領域がデリケートなので、既存のツールは、生まれつきのまつ毛および/または人工まつ毛エクステンションをカールさせるために熱を用いることができない場合があり、あるいは、生まれつきのまつ毛および/またはまつ毛エクステンションをカールさせるのに不適な形状または他の特徴を有する場合がある。
【0051】
さらに他の場合、一個人によって着用されるまつ毛エクステンションは、外れて落ちる場合があり、あるいは個人の生まれつきのまつ毛への結合度が減少する場合がある。個人は、結合性を向上させるとともに、まつ毛エクステンションを個人が着用することができる時間の長さを延ばしたいと思う場合がある。
【0052】
上述の課題および他の課題に取り組むため、電気式アプリケータが本明細書において開示され、この電気式アプリケータは、生まれつきのまつ毛または生まれつきのまつ毛に取り付けられた人工まつ毛エクステンションのうちの1つ以上をカールさせるよう設計されている。電気式アプリケータは、従来の解決策よりも極めて鮮やかな手つきでまつ毛、人工まつ毛エクステンション、またはこれら両方をカールさせる新規かつ改良したやり方を提供する。電気式アプリケータはまた、生まれつきのまつ毛に以前(数日前に)取り付けられた人工まつ毛エクステンションを付け直すために使用でき、その結果、生まれつきのまつ毛と人工まつ毛エクステンションとの結合具合を高めるとともに、長持ちさせるようになっている。
【0053】
幾つかの実施形態では、電気式アプリケータは、ハンドルおよびハンドルに結合された1対の対向したアームを有する。各アームは、一区分を有し、一区分は、この区分の第1の端区分と第2の端部分との間に第1の湾曲部を有する。第1の湾曲部は、目の領域のラッシュラインの近くで揃うよう形作られている。電気式アプリケータは、各アームの一区分(例えば、この区分の内面と外面の両方)を加熱するよう構成された加熱ユニットを有する。
【0054】
幾つかの実施形態では、電気式アプリケータは、各アームの一区分を冷却するための冷却ユニットを有する。
【0055】
幾つかの実施形態では、各アームの第1の区分に対応した内面の少なくとも一部は、実質的に平坦であり、しかも圧力を生まれつきのまつ毛および生まれつきのまつ毛に(例えば、この下側に)取り付けられた1つ以上の人工まつ毛エクステンションに加えるよう設計された表面を有する。幾つかの実施形態では、第1の区分に対応した外面の少なくとも一部は、各アームの第1の側部と第2の側部との間に位置する湾曲部を有する表面を備えた湾曲部分を含む。第1の区分の湾曲部分の湾曲部は(熱とともに)、生まれつきのまつ毛のうちの1本以上または生まれつきのまつ毛に取り付けられた1つ以上の人工まつ毛エクステンションをカールさせるよう設計されている。
【0056】
生まれつきのまつ毛および人工まつ毛エクステンションをカールさせる例示の実施形態では、電気式アプリケータは、所望の温度まで加熱されるのがよい。加熱された状態の電気式アプリケータは、生まれつきのまつ毛および生まれつきのまつ毛に取り付けられた人工まつ毛エクステンション上で閉じられるのがよく、その結果、加熱された状態の電気式アプリケータのアームの加熱された状態の内面は、これら内面相互間の生まれつきのまつ毛および人工まつ毛エクステンションに接触して圧力をこれらに加えるようになっている。加熱された状態の電気式アプリケータを回転軸線回りに回すのがよく、生まれつきのまつ毛および/または人工まつ毛エクステンションは、少なくとも1本のアームの一区分の加熱された状態の外面(これまた湾曲しているのがよい)に接触するのがよい。生まれつきのまつ毛および/または人工まつ毛エクステンションと加熱された状態の電気式アプリケータのアームの内面および外面との接触状態は、生まれつきのまつ毛および/または人工まつ毛エクステンションのカールの状態をセットする期間にわたって維持されるのがよい。
【0057】
接着剤を用いて人工まつ毛エクステンションに取り付けられた人工まつ毛エクステンションを付け直すためのもう1つの例示の実施形態では、電気式アプリケータは、所望の温度まで加熱されるのがよい。人工まつ毛エクステンションの元の取り付け状態は、ある期間前に、例えば付け直しの前の数日で起こっている場合がある。加熱された状態の電気式アプリケータは、生まれつきのまつ毛および生まれつきのまつ毛に取り付けられた人工まつ毛エクステンション上で閉じられるのがよく、その結果、加熱された状態の電気式アプリケータのアームの加熱された状態の内面は、これら内面相互間の生まれつきのまつ毛および人工まつ毛エクステンションに接触して圧力をこれらに加えるようになっている。もともと塗布された接着剤は、軟化し始めるのがよく、そして生まれつきのまつ毛および隣の人工まつ毛エクステンション中に再分布されるのがよい。ある期間後、加熱された状態の電気式アプリケータを取り外し、そして電気式アプリケータの冷却ユニットを起動するのがよい。1対の対向アームは、所望の温度まで冷えるのがよく、そして生まれつきのまつ毛、人工まつ毛エクステンション、および再分布状態の接着剤上で閉じられるのがよい。再分布接着剤は、硬化し、そして生まれつきのまつ毛と人工まつ毛エクステンションとの結合部を再び作ってこの結合性を向上させ、その結果、人工まつ毛エクステンションを着用することができる期間が延ばされるようになっている。
【0058】
図1は、本発明の幾つかの実施形態に関する目の領域を示す図である。図1に示されているように、目の領域100、例えば人間の目の領域は、生まれつきの上まつ毛102A(「(複数本の)生まれつきのまつ毛102A」、「(複数本の)生まれつきのアイラッシュ(eyelash)102A」、または「(1本の)生まれつきのまつ毛102A」ともいう)および生まれつきの下まつ毛102B(同様に「(複数本の)生まれつきのまつ毛102B」、「(複数本の)生まれつきのアイラッシュ(eyelash)102B」、または「(1本の)生まれつきのまつ毛102B」ともいう)を含むと言える。生まれつきのまつ毛102A,102Bは、下側および下側と反対側に位置する上側を有すると言える。例えば、生まれつきのまつ毛102Aは、下側108を示している。生まれつきのまつ毛102Bは、上側110を示している。生まれつきのまつ毛102A,102Bを本明細書においてひとまとめに生まれつきのまつ毛102という。
【0059】
目の領域100は、上ラッシュ(ラッシュもまた、「まつ毛」を意味する)ライン104(本明細書では「ラッシュライン104」ともいう)および上ウォーターライン106(本明細書では「ウォーターライン106」ともいう)を含む。幾つかの実施形態では、ラッシュライン、例えば生まれつきのまつ毛102Bの上ラッシュライン104または下ラッシュラインは、生まれつきのまつ毛相互間の領域を含むのがよい。幾つかの実施形態では、ラッシュラインは、湾曲していて生まれつきのまつ毛102の整列状態に追随するのがよい。幾つかの実施形態では、上ラッシュライン104は、生まれつきのまつ毛102Aの上に(例えば、真上に)かつ/あるいは生まれつきのまつ毛102Aの下に(例えば、真下に)位置する皮膚の幾分かの領域を含むのがよい。同様に、下ラッシュラインは、生まれつきのまつ毛102Bの下に(例えば、真下に)かつ/あるいは生まれつきのまつ毛102Bの上に(例えば、真上に)位置する皮膚の幾分かの領域を含むのがよい。
【0060】
幾つかの実施形態では、ウォーターライン(本明細書では、「ウェットライン」ともいう)、例えば上ウォーターライン106および生まれつきのまつ毛102Bに対応した下ウォーターラインは、生まれつきのまつ毛102と目との間に露出した皮膚の領域(またはライン)を含むのがよい。
【0061】
空間的な相対的用語、例えば「下方」、「上側」、「下側」、「頂」、「底」などは、一要素の別の要素に対する相対位置を意味している。別段の指定がなければ、これら空間的に相対的な用語は、絶対的な向きに限定されることを意図しておらず、図示の向きに加えて、要素の互いに異なる向き(例えば、90゜回転した向き、反転した向き)を含むものである。例えば、図中の要素を180°回転させた場合、「上側」要素と記載されている要素を、この場合、「下側」要素として差し向けられたものとみなすことができ、これは、本発明の諸観点から逸脱しない。
【0062】
図2は、本発明の幾つかの実施形態としての例示の人工まつ毛エクステンションの図である。図3は、本発明の幾つかの実施形態としての別の例示の人工まつ毛エクステンションの図である。
【0063】
幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション200または人工まつ毛エクステンション300(本明細書では、これら両方を「まつ毛エクステンション」、「人工アイラッシュ(まつ毛)エクステンション」ともいう)のうちの1つ以上は、生まれつきのまつ毛のところに、例えばユーザの生まれつきのまつ毛の下側に、またはユーザの生まれつきのまつ毛の上側にさえ付けられるよう設計されまたは構成されている。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション200または人工まつ毛エクステンション300のうちの1つ以上は、1つの組をなす多数の人工まつ毛エクステンションの一部であるのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション300または人工まつ毛エクステンション300のうちの1つ以上は、「フル(full)」人工まつ毛エクステンションであるのがよく、その結果、例えば、多数の人工まつ毛エクステンションが生まれつきのまつ毛(例えば、生まれつきのまつ毛102A)の下側のところに隣接して配置されると、配置済みの人工まつ毛エクステンションは、生まれつきのまつ毛の長さに及ぶようになっている。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション(例えば、セグメント)は、生まれつきのまつ毛の水平長さ(例えば、ラッシュラインの長さ)よりも短いのがよい。他の実施形態では、人工まつ毛エクステンションは、人工まつ毛エクステンションが生まれつきのまつ毛の水平長さに実質的にまたがる「フル(full)」人工まつ毛エクステンションであるように長いのがよい。人工まつ毛エクステンションは、ユーザのラッシュラインと実質的に揃えるよう配置されるのがよい。幾つかの実施形態では、互いに独立したセグメントである人工まつ毛エクステンションを用いることにより、個々人の人工まつ毛エクステンションは、生まれつきのまつ毛の下側に結合されたときに別個独立に動くことができ、これは、生まれつきのまつ毛の動きをまねており、したがって人工まつ毛エクステンションの感覚、快適さ、および寿命を向上させることができる。
【0064】
人工まつ毛エクステンション200および人工まつ毛エクステンション300は、それぞれ、人工毛202A~202N(本明細書ではひとまとめに「人工毛202」という)および人工毛302A~302N(本明細書ではひとまとめに「人工毛302」という)を示している。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション、例えば人工まつ毛エクステンション200または人工まつ毛エクステンション300の人工毛を1種類以上の合成材料から形成することができ、かかる合成材料としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリル樹脂、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、他のポリマー、他の合成材料、またはこれらの組み合わせ)が挙げられるが、これらには限定されない。変形実施形態では、天然材料、例えば、天然の毛(例えば、人毛またはミンクの毛)を用いることができる。幾つかの実施形態では、特定の人工まつ毛エクステンションの人工毛は、1種類以上の長さおよび/または1種類以上の直径を有するのがよい。幾つかの実施形態では、人工毛の直径は、約0.0075ミリメートル(mm)(例えば、0.0075mm±0.0025mm)~0.3mm(例えば、0.3mm±0.05mm)であるのがよい。幾つかの実施形態では、人工毛のうちの1本以上の端部は、テーパしているのがよい。幾つかの実施形態では、人工毛の1本以上は、カールしているのがよくまたは特定の方向に造形されていてもよい。例えば、人工毛202の端部208または人工毛302の端部308は、テーパしていてもよくカールしていてもよく、またはこれらの両方の状態であってよい。幾つかの実施形態では、人工毛は、長さが3mmから30mmまでの範囲にあるのがよく、または幾つかの場合はこれよりも長くてもよい。
【0065】
幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンションは、ベースを有するのがよい。例えば、人工まつ毛エクステンション200は、ベース206を有する。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション300は、人工まつ毛エクステンション200のベース206に類似したベースを有してもよく、あるいは有さなくてもよい(図示のように)。ベースは、上側(例えば、紙面から出て読者の方へ向いている)、下側、裏側、表側、および2つの横側を有するのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンションの多数の人工毛のうちの1本以上は、ベースの表側から突き出ている。人工まつ毛エクステンションの裏側は、生まれつきのまつ毛の下側のところに配置されると、ユーザの目の方へ向くことができる。ベースの厚さ(例えば、上側と下側との間)は、約0.05ミリメートル(mm)~約0.15mm(例えば、0.05mm±0.01mm)であるのがよい。幾つかの実施形態では、ベースの厚さは0.05mm未満であるのがよい。幾つかの実施形態では、ベースの低プロフィールは、人工まつ毛エクステンションが生まれつきのまつ毛の下側に良好にくっついてユーザの視界の妨げにならないようにするよう軽量であることができるようにするよう設計されている。ベースが低プロフィールであることは、ベースの形成の際に熱が少なくとも部分的に加わっていることに起因している。
【0066】
幾つかの実施形態では、ベースの上側または下側(例えば、表面)のうちの1つ以上は、実質的に平坦である(例えば、±0.03mmまたは±0.015mmの平坦度対照公差値を有する)。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション200のベースの平坦度は、表面、例えば生まれつきのまつ毛の下側または別の人工まつ毛エクステンションの反対側の表面への接触およびくっつき具合を向上させるよう設計されるのがよい。ベースが低プロフィールであることは、ベースの形成の際に熱が少なくとも部分的に加わっていることに起因している。
【0067】
幾つかの実施形態では、ベースは、少なくとも一部がベースの領域のところまたはその近くに熱を加えることによって形成されるのがよい。熱を加えることにより、人工まつ毛エクステンションの人工毛のうちの1つ以上(例えば、全ての人工毛またはクラスタ)をベースにまたはベースのところで連結することができる。幾つかの実施形態では、加熱状態の固定具、例えば加熱状態の定盤、加熱状態のクリンプ、加熱ランプ、加熱オーブン、または他の器具を用いて(例えば、人工毛に押し付けて)、人工毛(例えば、1つ以上のクラスタの人工毛)を少なくとも軟らかい状態、ねばついた状態またはべとついた状態にする(少なくとも部分的に溶融させる)のがよい。幾つかの実施形態では、少なくとも部分的に溶融した人工毛(例えば、1つ以上のクラスタの)は、ベースの少なくとも一部を形成する。幾つかの実施形態では、熱を加えることにより、人工毛を少なくとも部分的に溶融させ、その結果、多数本の人工毛が人工まつ毛エクステンションのベースにまたはベースのところで繋がるようにする。幾つかの実施形態では、熱を加えることにより、人工毛が少なくとも部分的に溶解し、その結果、多数の人工毛のうちの少なくとも何割かが人工まつ毛エクステンションのベースのところで互いに結合するようになっている。
【0068】
幾つかの実施形態では、人工毛(例えば、および/またはクラスタの人工毛)をベースのところで少なくとも部分的に溶解させるため、人工毛を55~100℃の温度に加熱するのがよく、これにより、人工毛をベースにまたはベースのところで、かつ/あるいは幾つかの場合においては互いに連結させることができる。幾つかの実施形態では、熱を加えることは、上述の温度で、人工毛の材料のガラス転移温度以上、ガラス転移温度内、またはガラス転移温度で行われる。ガラス転移温度では、人工毛の材料は、脆い状態から柔らかい状態、ゴムのような状態、粘着性のある状態または柔軟な状態に移行する。幾つかの実施形態では、熱を加えることは、人工毛の材料の溶融温度以上、溶融温度内、または溶融温度で行われる。例えば、ベース領域(および/または人工まつ毛エクステンションの他の部分)を約200℃以上に加熱するのがよい。
【0069】
幾つかの実施形態では、1種類以上の追加の人工材料、例えば1種類以上の人工毛または他の材料を人工毛と実質的に直交して配置するのがよい(例えば、全体として人工毛の長さ方向に対して水平に揃えるのがよい)。幾つかの実施形態では、追加の人工材料を人工毛に連結するのがよい。幾つかの実施形態では、追加の人工材料をベースまたは少なくとも初期ベースとみなすことができる。幾つかの実施形態では、追加の人工材料を形成されるべきベースの少なくとも一部とみなすことができる。幾つかの実施形態では、熱をベースが形成されるべき領域(これは、追加の人工材料を含むのがよい)に加えるのがよい。幾つかの実施形態では、人工毛および/または追加の人工材料のうちの1つ以上を少なくとも部分的に溶解させて少なくとも部分的にベースを形成するのがよい。幾つかの実施形態では、追加の人工材料は、単独でまたは1種類以上の他の人工材料(例えば、水平人工毛、ナイロン等)とともに用いられる接着剤を含むのがよい(例えば、接着剤の塗布)。幾つかの実施形態では、熱を加えることにより、塗布した接着剤の硬化を助けることができる。接着剤を用いる幾つかの実施形態では、熱を加えることにより、人工毛を部分的に溶解させてもよいが、溶解させなくてもよい。
【0070】
幾つかの実施形態では、ベースは、圧力を加えることによって少なくとも部分的に形成できる。幾つかの実施形態では、圧力を加えることと熱を加えることを組み合わせることによってベースを形成することができる。例えば、熱を加えることとともに圧力を加えることは、人工まつ毛エクステンションのベースのところで同時に行われるのがよく、それにより人工毛の少なくとも何割か(例えば、クラスタの人工毛の何割か)を少なくとも部分的に溶解させて互いに連結する(例えば、互いに固定する)とともに/あるいは追加の人工材料に結合させる(例えば、これに固定する)。
【0071】
幾つかの実施形態では、熱を加える前に、人工毛を支持体またはベースの糸または繊維に結束して(例えば、結び付けて)人工毛を揃えるとともに人工毛が水平に広がるのを阻止するのがよい。熱を上述したように加えるのがよく(人工毛が支持糸に結びつけられた状態で)、その結果、支持糸がベースの要部をなすようになっている。他の場合、熱を水平支持糸の下に加えるのがよい。例えば、支持糸は、人工毛を定位置に保持することができ、加えた熱は、支持糸の下にベースを形成することができる。他の実施形態では、人工毛は、熱を加えてベースを形成する前または形成中、支持糸と整列しない(例えば、支持糸に結び付けられない)。
【0072】
他の実施形態では、人工毛は、熱を加えてベースを形成する前および/または形成中、ステンシルまたは他の配列器具を用いて配列されるのがよい。幾つかの実施形態では、熱を1回以上加えてベースを形成するのがよい。変形実施形態では、ベースは、化学プロセスを用いて部分的にまたは全体的に形成されてもよい。
【0073】
幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション200および人工まつ毛エクステンション300のうちの1つ以上は、人工毛のクラスタ204A~204G(本明細書では、ひとまとめに「クラスタ204」という)および人工毛のクラスタ304A~304G(本明細書では、ひとまとめに「クラスタ304」という)の状態にそれぞれ構成される人工毛202,302を含む。幾つかの実施形態では、人工毛のクラスタは、一緒にグループ化される2本以上の人工毛を指すことができる。幾つかの実施形態では、クラスタの2本以上の人工毛は、熱を加える前および/または熱を加えた後に互いに接触するのがよい。幾つかの実施形態では、2~30本の人工毛をクラスタ内に含めるのがよい。
【0074】
幾つかの実施形態では、人工毛のクラスタを上述したのと同様の仕方で熱を加えることによりベースにまたはベースのところで連結するのがよい。幾つかの実施形態では、熱を加えることにより、人工まつ毛エクステンションの1つ以上のクラスタ内の人工毛の少なくとも何割かを少なくとも部分的に溶解させることができる。幾つかの実施形態では、熱を加えることにより、少なくとも1つのクラスタの人工毛のうちの少なくとも何割かを少なくとも部分的に溶解させることができ、その結果、クラスタの人工毛のうちの少なくとも何割かが互いに結合するようにすることができる。幾つかの実施形態では、熱を加えることにより、少なくとも1つのクラスタの人工毛の少なくとも何割かを少なくとも部分的に溶解させることができ、その結果、クラスタの人工毛のうちの少なくとも何割かが人工まつ毛エクステンションのベースに結合する(とともに/あるいは少なくとも部分的に人工まつ毛エクステンションのベースを形成する)ようになっている。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのクラスタの人工毛のうちの少なくとも何割かは、少なくとも熱を加えることによって、ベースのそれぞれの部分で互いに連結される。
【0075】
幾つかの実施形態では、クラスタは、熱を加えることによってベースのところで互いに連結される。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンションの1つ以上のクラスタは、ベースのところで少なくとも1つの隣接のクラスタに直接連結される。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンションの1つ以上のクラスタは、ベースのところで人工まつ毛エクステンションの少なくとも1つの隣接のクラスタに間接的に連結される。
【0076】
幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンションの少なくとも2本の人工毛は、互いに十字に交差する。例えば、特定のクラスタの2本の人工毛は、互いに十字に交差するのがよい。幾つかの実施形態では、人工毛の1つ以上の個々のクラスタは、上述したように熱を加えることにより形成することができる。かくして、クラスタは、ベース(例えば、クラスタベース)を有することができる。上述したようにクラスタをクラスタベースに配置し熱を加えると、人工まつ毛エクステンションのベース(例えば、ベース206)を少なくとも部分的に形成することができる。
【0077】
幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション200または300は、幅が4~10mmであるのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション200または300は、幅が5~6mmであるのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンションは、代表的には幅が1~2mmの単一のクラスタよりも幅がはるかに広い。
【0078】
人工まつ毛エクステンション300は、十字交差状態の人工毛302の連結部分310A~310H(本明細書では、ひとまとめに「連結部分310」という)のところで互いに結合されまたは固定される隣接する人工毛(または隣接するクラスタ304)をさらに示している。例えば、特定のクラスタの少なくとも1本の毛は、連結部分のところで隣のクラスタの1つ以上の毛に固定されるのがよい(例えば、直接的にまたは間接的に)。幾つかの実施形態では、連結部分は、人工まつ毛エクステンションの人工毛が互いに直接的にまたは間接的に接続されて人工まつ毛エクステンションを形成し、人工毛の両端が一緒に接続されていない(例えば、両端が自由)ように、人工毛の2つの端部相互間の領域で人工まつ毛エクステンションの人工毛(例えば、クラスタ)を一緒に連結することができる。
【0079】
幾つかの実施形態では、連結部分310を本明細書において説明するようにベースとみなすことができる。幾つかの実施形態では、本明細書において説明するのと同様の仕方で熱を加えることによって連結部分を形成することができる。幾つかの実施形態では、本明細書において説明するのと同様の仕方で圧力を加えることによって連結部分を形成することができる。幾つかの実施形態では、本明細書において説明するように、熱を加えること、接着剤を塗布すること、圧力を加えること、または化学的プロセスのうちの1つ以上を用いて連結部分310を形成することができる。例えば、十字交差状態の人工毛302は、人工毛302の端部306(例えば、端部308と反対側の端部306)よりもほぼ約1mm~約5mm(±0.5mm)上のところで互いに連結されまたは固定される。
【0080】
幾つかの実施形態では、人工材料を用いてクラスタを端部306の上方で互いに固定して連結部分310を形成することができる。幾つかの実施形態では、追加の人工材料、例えば1つ以上の人工毛または他の材料を人工毛の長さ方向に対して水平に(例えば、連結部分310によって指示された領域を横切って)配置しまたは連結するのがよい。人工毛または人工毛のクラスタは、本明細書において説明するように、熱を加えること、接着剤を塗布すること、圧力を加えることまたは化学的プロセスのうちの1つ以上を用いて、追加の人工材料に連結されるのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション300の人工毛を連結するために用いられる追加の人工材料を利用することは、本明細書において説明するようなベースを形成するために用いられる追加の人工材料を利用することと類似しているのがよい。
【0081】
幾つかの実施形態では、ベース(人工まつ毛エクステンション200のベース206と類似している)は、連結部分310の形成後に形成され、次に除去されるのがよく、その結果、人工まつ毛エクステンション300は、ベースを備えないようになる。幾つかの実施形態では、固定された連結部分310は、ベースが存在しない状態で人工まつ毛エクステンション300の人工毛302を保持することができる。幾つかの実施形態では、十字交差人工毛302の連結部分310は、人工まつ毛エクステンション200のベース206に類似したベースを形成しないで形成できる。
【0082】
幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション、例えば人工まつ毛エクステンション200または人工まつ毛エクステンション300は、1本以上の人工毛および/または1つ以上のクラスタを人工まつ毛エクステンションから取り外すことができるよう分離可能であるように設計されているのがよい。幾つかの実施形態では、1本以上の人工毛および/または1つ以上のクラスタは、本明細書において説明するように、アプリケータを用いて人工まつ毛エクステンションから取り外すことができる。幾つかの実施形態では、ベースおよび/または連結部分は、人工まつ毛エクステンションのベースまたは連結部分を静止位置(例えば、平べったいベース)から45度未満曲げることによって人工毛および/またはクラスタを人工まつ毛エクステンションから取り外すことができるよう脆いのがよい。例えば、人工まつ毛エクステンションの人工毛および/またはクラスタは、人工毛および/ またはクラスタ相互間の連結が最小限の力で壊れるよう設計されているのがよい。
【0083】
理解されるべきこととして、人工まつ毛エクステンション200,300は、本発明を限定するものではなく、例示目的で提供されている。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション200および/または人工まつ毛エクステンション300を本明細書において説明するようにアプリケータとともに使用するのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション200,300とは異なる人工まつ毛エクステンションを本明細書において説明するようにアプリケータと併用することができる。
【0084】
図4Aは、本発明の幾つかの実施形態に従って電気式アプリケータを示す図である。電気式アプリケータ400は、熱を生まれつきのまつ毛のうちの1本以上または生まれつきのまつ毛に取り付けられた1つ以上の人工まつ毛エクステンションに少なくとも加えるよう設計されている。幾つかの実施形態では、加熱された状態の電気式アプリケータ400(例えば、加熱モード)は、生まれつきのまつ毛のうちの1本以上または生まれつきのまつ毛に取り付けられた1つ以上の人工まつ毛エクステンションをカールさせるために使用できる。幾つかの実施形態では、加熱された状態の電気式アプリケータ400は、1つ以上の人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に取り付ける接着剤、例えば既存の接着剤を軟化させるために使用できる。幾つか実施形態では、軟化された接着剤は、生まれつきのまつ毛と1つ以上の人工まつ毛エクステンションとの結合具合の向上を助けるために人工まつ毛エクステンションが生まれつきのまつ毛に接触する領域に再分布されるのがよい。
【0085】
幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、生まれつきのまつ毛の1本以上、生まれつきのまつ毛に取り付けられた1つ以上の人工まつ毛エクステンション、または人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に取り付ける接着剤を少なくとも冷却するよう設計されている。幾つかの実施形態では、冷却された状態の電気式アプリケータ400(冷却モード)は、加熱された状態の電気式アプリケータ400を用いて先に軟化され、そして人工まつ毛エクステンションおよび生まれつきのまつ毛中に再分布された接着剤を硬化させるために使用できる。
【0086】
幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、多数の区分、例えば区分406、区分408、および区分410を有するのがよい。幾つかの実施形態では、区分406(本明細書では「ハンドル」ともいう)は、電気式アプリケータ400の近位端404を有する。幾つかの実施形態では、区分406は、電気式アプリケータ400の電気素子のうちの少なくとも幾つかを収容することができる。幾つかの実施形態では、区分406は、ユーザが電気式アプリケータ400を持ちまたは掴むことができるように設計されているのがよい。
【0087】
幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、1対の対向したアーム、例えばアーム402Aおよびアーム402B(本明細書では、全体として「アーム402」という)を有する。幾つかの実施形態では、各アーム402は、多数の区分、例えば区分408や区分410を有するのがよい。幾つかの実施形態では、アーム402は、区分406にまたは区分406のところで接合されるのがよい。幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400の区分408は、電気式アプリケータ400のアーム402を閉じるために一個人によって使用されるのがよい。幾つかの実施形態では、本明細書において説明するように、区分410を加熱しまたは冷却し、そしてこれを用いて生まれつきのまつ毛のうちの1本以上、生まれつきのまつ毛に取り付けられた1つ以上の人工まつ毛エクステンション、または生まれつきのまつ毛を1つ以上の人工まつ毛エクステンションに結び付ける接着剤を操作するのがよい。幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400および特に各アーム402は、側部412(例えば、頂側部)および側部414(例えば、底側部)、外面416、および内面418を有する。幾つかの実施形態では、各アーム402に関し、側部412は、側部414と反対側に位置し、内面418は、外面416と反対側に位置する。幾つかの実施形態では、各アーム402の内面418および外面416は、側部412と側部414との間に延びている。
【0088】
幾つかの実施形態では、各アーム402の区分408は、対応したアーム402の区分410と区分406との間に位置している。幾つかの実施形態では、各アーム402の区分408は、一端が区分406のところに、そして反対側の端が区分410のところに位置した状態でこれらに連結されるのがよい。幾つかの実施形態では、各アーム402の区分408は、区分410を開き位置から閉じ位置に移行させるよう互いに向かって押されるよう構成されており、これについては以下においてさらに説明する。
【0089】
幾つかの実施形態では、区分408の少なくとも外面416は、断熱材料を含むのがよい。断熱材料は、ユーザの手を電気式アプリケータ400によって生じまたは出た熱エネルギー(例えば、加熱または冷却作用)から保護するのを助けるよう設計されているのがよい。幾つかの実施形態では、各アーム402の区分408は、区分408に対応した外面416の少なくとも一部に模様付き部分を有するのがよい。幾つかの実施形態では、模様付き部分は、電気式アプリケータ400を掴みやすいよう設計されているのがよい。幾つかの実施形態では、模様付き部分は、互いに平行な溝および/または突条を有するのがよい。他の実施形態では、模様付き部分は、任意形式の模様を有することができる。幾つかの実施形態では、区分408は、模様付き部分を備えず、しかも模様が付けられていない。
【0090】
幾つかの実施形態では、各アームの区分408は、位置合わせ部分420、例えば凹み(例えば、図示のように円形の凹み)を有するのがよい。位置合わせ部分420は、電気式アプリケータ400を開き位置から閉じ位置に移行させるためにユーザの指をユーザが対向したアーム402を互いに押すことができる電気式アプリケータ400の領域に案内するのを助けるよう使用されるのがよい。
【0091】
幾つかの実施形態では、各アーム402は、区分410を有する。幾つかの実施形態では、区分410は、区分408から遠位方向に延びている。幾つかの実施形態では、各アーム402の区分410は、2つの端部分を有する。例えば、アーム402Aの区分410は、端部分424Aおよび端部分426Aを有する。アーム402Bの区分410は、端部分424Bおよび端部分426Bを有する。各端部分424Aおよび端部分424Bを本明細書においては全体として端部分424という。端部分426Aおよび端部分426Bを本明細書においては全体として端部分426という。
【0092】
幾つかの実施形態では、各アームの区分410は、端部分424と端部分426との間に設けられた湾曲部428を有する。幾つかの実施形態では、各アーム402の湾曲部428は、区分410に対応したアーム402の側部414に沿って設けられている。幾つかの実施形態では、湾曲部428は、凹状の湾曲部である。幾つかの実施形態では、各アーム402の区分410の湾曲部428および/または湾曲部434の頂点438は、端部分426から遠位側にかつ端部分424から近位側に差し向けられており、その結果、湾曲部428は、区分410の反対側の側部412に向くようになっている。幾つかの実施形態では、各アーム402の区分410の湾曲部428は、目のラッシュラインの近くで(ユーザの目のラッシュラインの形状と実質的に同一平面上に位置した状態で)揃うよう設計されている。
【0093】
幾つかの実施形態では、各アーム402の区分410は、湾曲部434を有する。幾つかの実施形態では、各アーム402の区分410の湾曲部434は、端部分424と端部分426との間に設けられている。幾つかの実施形態では、湾曲部434は、区分410の側部412の少なくとも一部に沿って設けられている。幾つかの実施形態では、湾曲部428は、湾曲部434と反対側にある。幾つかの実施形態では、湾曲部434は、凸状の湾曲部を含む。
【0094】
幾つかの実施形態では、各アーム402の区分410の端部分424は、それぞれのアーム402の遠位端436(例えば、アームの先端部、すなわち電気式アプリケータ400の先端部)を有する。幾つかの実施形態では、各アーム402の遠位端部436は、それぞれのアーム402の単一の遠位末端である。
【0095】
幾つかの実施形態では、各アーム402に関し、区分410の少なくとも一部は、区分408と接合される。接合部分は、区分410の端部分424よりも端部分426の方に近い。幾つかの実施形態では、区分406、区分408、および区分410は、近位端404に向かって長手方向に延びている。
【0096】
幾つかの実施形態では、各アーム402に関し、区分410に対応した内面418の少なくとも一部は、実質的に平坦である(例えば、±0.5mmまたは±0.015mmの平坦度対照公差値を有する)(実質的に平面状または平坦ともいう)表面を含む。幾つかの実施形態では、区分410の端部分424と端部分426との間に延びる内面418は、全てがまたは大部分(例えば、50パーセント超)が実質的に平坦である。幾つかの実施形態では、対向したアーム402の区分410に対応した内面418の少なくとも一部は、圧力を生まれつきのまつ毛のうちの1本以上または生まれつきのまつ毛のところに(例えば、生まれつきのまつ毛の下側に)配置された1つ以上の人工まつ毛エクステンションに加えるよう設計されている。例えば、区分410の平坦な内面は、合わさって閉じ位置において互いに接触するよう構成されている。幾つかの実施形態では、平坦な内面418は、区分410の頂点438から各アーム402の端部分424に向かってかつ端部分426に向かって延びている。
【0097】
幾つかの実施形態では、アーム402の1本以上に関し、区分410に対応した外面416の少なくとも一部は、側部412と側部414との間に位置する湾曲部410を有する表面を備えた湾曲部分を含む。幾つかの実施形態では、湾曲部430は、側部412と側部414との間に延びている。幾つかの実施形態では、湾曲部430は、側部412と側部414との間に配置されているが、側部412と側部414との間にずっとは延びていない。幾つかの実施形態では、湾曲部430は、凸状の湾曲部である。幾つかの実施形態では、湾曲部分432の湾曲部430は、生まれつきのまつ毛のうちの1本以上または生まれつきのまつ毛のところに、例えば生まれつきのまつ毛の下側に配置された(またはこれに取り付けられた)1つ以上の人工まつ毛エクステンションをカールさせるよう設計されている。幾つかの実施形態では、湾曲部分432は、区分410の端部分424と端部分426の間の領域の全てまたは大部分(例えば、50%超)にわたって延びるのがよい。
【0098】
幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400の区分410の内面または外面のうちの1つ以上は、付着防止材料、例えばシリコーン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、または他の付着防止材料を含むのがよくまたは当該材料で形成されるのがよい。幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400の区分410の内面または外面のうちの1つ以上の材料は、熱伝導材料、例えば熱伝導性シリコーンを含むのがよい。幾つかの実施形態では、区分410は、1種類以上の金属、例えばアルミニウム、焼入鋼、付着防止材料で覆われたまたは覆われていないステンレス鋼をさらに含むのがよい。
【0099】
幾つかの実施形態では、回転軸線422を一軸線(水平軸線)として説明しており、かかる回転軸線は、他の位置関係を説明するための基準として使用できる。回転軸線422は、近位端404から遠位端436の方向に延びるのがよい。幾つかの実施形態では、回転軸線422は、電気式アプリケータ400の区分406および区分408を貫通して延びるのがよい。電気式アプリケータ400を回転軸線回りに回転させて異なる向き、例えば揃えられた向きまたは回転後の向きにすることができ、これについては以下にさらに説明する。
【0100】
幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、図4Aの電気式アプリケータ400によって示すように、開き位置で構成されるのがよい。幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400の開き位置は、デフォルト位置である。幾つかの実施形態では、開き位置では、各アーム402のそれぞれの区分410は、互いに接触することはない。開き位置では、1対の対向アーム402は、互いに分離される。
【0101】
図4Bは、本発明の幾つかの実施形態に従って電気式アプリケータを閉じ位置で示す図である。幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、開き位置から閉じ位置に、そして閉じ位置から開き位置に移行するよう構成されている。幾つかの実施形態では、開き位置から閉じ位置への移行は、1対の対向アーム402への加圧に応動する。幾つかの実施形態では、閉じ位置では、アーム402Aの区分410の内面418は、アーム402Bの対向した内面118に接触するよう構成されている。幾つかの実施形態では、アーム402Aの内面418の実質的に平坦な部分は、アーム402Bの対向した内面118の実質的に平坦な部分に接触するよう構成されている。幾つかの実施形態では、アーム402Aの区分410の湾曲部428の長さにわたって(または、少なくとも端部分424と端部分426との間に)延びる実質的に平坦な部分全体は、アーム402Bの対向した内面118の実質的に平坦な部分に接触するよう構成されている。幾つかの実施形態では、実質的に平坦な部分により、電気式アプリケータ400は、実質的に均等な圧力を平坦な部分を横切ってかつ電気式アプリケータ400の対向アーム402相互間に絞られている生まれつきのまつ毛および/または多数の人工まつ毛エクステンションに加えることができる。
【0102】
図4Cは、本発明の幾つかの実施形態に従って電気式アプリケータの電気部品を示す図である。幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、1つ以上の電気部品または1つ以上の電子部品を有するのがよい。
【0103】
1つの実施形態では、電気式アプリケータ400は、加熱ユニット446を有する。加熱ユニット446は、各アーム402の少なくとも第1の区分410に熱を提供するよう構成されている。加熱ユニット446は、各アーム402の区分410の内面418および/または外面416を加熱することができる。幾つかの実施形態では、加熱ユニット446は、各アーム402の区分410のそれぞれの表面を華氏(F)77度(25.0℃)から255F(123.9℃)までの(例えば、120F(48.9℃)~205F(96.1℃)の温度範囲にある1つ以上の温度まで加熱することができる。幾つかの実施形態では、温度は、例えばスイッチ440を用いて温度範囲のうちの1つ以上の温度に選択できる。
【0104】
幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、電気式アプリケータ400の温度を指示する温度計を有するのがよい。例えば、電気式アプリケータ400の温度(例えば、各アーム402の区分410のそれぞれの表面のところの温度)は、電気式アプリケータ400のディスプレイ(図示せず)上に表示されるのがよい。ディスプレイは、例えば液晶ディスプレイを含むのがよい。
【0105】
幾つかの実施形態では、加熱ユニット446は、加熱部材、例えば加熱部材448を含むのがよくまたはこれに結合されるのがよい。幾つかの実施形態では、加熱部材448は、電気式アプリケータ400の各アーム402内に設けられるのがよい。幾つかの実施形態では、加熱部材は、各アーム402の区分410内で延びる。幾つかの実施形態では、加熱部材は、熱エネルギー(例えば、加熱作用)を各アーム402の区分410に伝導する。幾つかの実施形態では、加熱部材448は、抵抗線を含むのがよい。幾つかの実施形態では、抵抗線は、非磁性ニッケル・クロム合金、鉄‐ニッケル‐アルミニウムまたは鉄‐クロム‐アルミニウム合金で作られる。幾つかの実施形態では、抵抗線の抵抗率は、1センチメートル当たり0.1オームから0.5オーム(Ωcm-1)までの範囲にある(例えば、0.225Ωcm-1)である。幾つかの実施形態では、抵抗線の直径は、0.1mmから2mmまでの範囲にある(例えば、この直径は、電気式アプリケータ400の動作温度の関数として選択される)。
【0106】
幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、冷却ユニット450を有するのがよい。冷却ユニット450は、各アームの区分410の少なくとも内面418および/または外面416を冷却するよう構成されているのがよい。幾つかの実施形態では、冷却ユニット450は、上述の表面を室温未満に冷却する。幾つかの実施形態では、冷却ユニット450は、上述の表面を25F(-3.9℃)から65F(18.3℃)までの温度範囲内にある1つ以上の温度まで冷却することができる。幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、この温度範囲の中の1つ以上の温度に冷却するよう設定されているのがよい。
【0107】
幾つかの実施形態では、冷却ユニット450は、冷却部材452を含みまたはこれに結合される。幾つかの実施形態では、冷却ユニット450は、熱エネルギーを冷却部材452から導き去るとともに、冷却部材451の周りの媒体から導き去ることができる。幾つかの実施形態では、冷却部材451は、各アーム402の区分内で延びている。
【0108】
幾つかの実施形態では、加熱ユニット446は、熱電部品(TEC)を含むのがよい。幾つかの実施形態では、TECは、ペルチェ効果を利用して加熱または冷却作用をTECの表面のところに及ぼすことができる。幾つかの実施形態では、TECは、ペルチェ素子であるのがよい。幾つかの実施形態では、TECは、2枚のプレート、例えば2枚のセラミックプレート相互間に設けられた交互に位置するn型とp型の半導体のアレイを含むのがよい。電圧をTECに印加することにより、一方のプレートは冷え、対向したプレートは、発熱する。例えば、電圧をTECに印加するのがよく、その結果、一方のプレートは熱を生じ、対向したプレートは冷えるようになっている。加熱部材448は、TECの加熱された状態のプレートに熱的に結合されるのがよく、TECに生じた熱エネルギーは、加熱部材448に伝達されるのがよい。
【0109】
幾つかの実施形態では、冷却ユニット450は、TECをさらに含むのがよい。幾つかの実施形態では、冷却ユニット450のTECは、加熱ユニットのTECとは異なっていてもよい。幾つかの実施形態では、冷却ユニット450のTECは、加熱ユニットで用いられるのと同一のTECであってもよい。幾つかの実施形態では、加熱ユニット446または冷却ユニット450の一方だけがTECを有する。冷却ユニット450がTECを含む幾つかの実施形態では、電圧をTECに印加して一方のプレートを冷却するのがよい。冷却部材452は、冷却された状態のプレートに熱的に結合されるのがよく、熱エネルギーは、冷却部材および/または冷却部材452の周りの媒体から奪うことができる。
【0110】
幾つかの実施形態では、冷却部材452と加熱部材448は、互いに異なる部材である。幾つかの実施形態では、加熱部材448と冷却部材452は、同一の部材である。例示の実施例では、加熱/冷却部材は、TECの一方の側に熱的に結合されるのがよい。TECに結合された電圧極性は、切り替わるのがよく、その結果、TECの温度結合プレートは、所望に応じて加熱から冷却に、また冷却から加熱に切り替わることができるようになっている。
【0111】
幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、電源、例えばバッテリ444を有する。幾つかの実施形態では、バッテリ444は、充電式バッテリであるのがよい。他の実施形態では、バッテリ444は、例えばユーザによって交換可能な使い捨てバッテリ、例えばアルカリ電池であるのがよい。
【0112】
幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、外部エネルギーをバッテリ444用の利用可能なエネルギーに変換する1つ以上のパワーエレクトロニクス442を有する。例えば、バッテリ444は、誘導充電器を用いて充電されるのがよい。パワーエレクトロニクス442は、誘導充電器によって送られた磁気エネルギーを取り入れるコイルおよび他の適当なエレクトロニクスを含むのがよい。幾つかの実施形態では、パワーエレクトロニクス442は、AC‐DC変換器(および/または整流器)を含むのがよい。例えば、電気式アプリケータ400は、電気アウトレットへの物理的接続手段(例えば、電線)を有するのがよい。パワーエレクトロニクス442は、AC電力を定またはパルスDCに変換することができ、このDCは、バッテリ444を充電しまたは電気式アプリケータ400(例えば、加熱ユニット446および/または冷却ユニット450)に直接電力を供給する。
【0113】
幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、スイッチ440を有する。スイッチ440は、電気式アプリケータ400をオンまたはオフにするよう機能することができる。幾つかの実施形態では、スイッチ440は、電気式アプリケータ400の状態を冷却状態(例えば、冷却モード)から加熱状態(例えば、加熱モード)にまた、加熱状態から冷却状態に制御することができる。幾つかの実施形態では、スイッチ440は、冷却状態または加熱状態のうちの1つ以上において温度を調節することができる。例えば、スイッチ440は、ロータリースイッチであるのがよく、ユーザは、このロータリースイッチを回して冷却状態または加熱状態にある電気式アプリケータ400の温度を調節することができる。幾つかの実施形態では、スイッチ440は、バッテリ444、加熱ユニット446、または冷却ユニット450のうちの1つ以上に電気的に結合される。
【0114】
幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、オフタイマ(図示せず)を有する。加熱ユニット446または冷却ユニット450の温度が設定温度に達した後、オン位置にあるスイッチ440は、あらかじめ設定された時刻に(例えば、5分後に)オフ位置に自動的に進んで加熱ユニット446または冷却ユニット450のうちの1つ以上への電力を遮断する。
【0115】
図5A図5Gは、本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に取り付け、そして電気式アプリケータを用いて取り付け状態の生まれつきのまつ毛をカールさせる操作を示す図である。先行する図の要素は、本発明を限定するのではなく、例示目的で、図5A図5Gの記載に関して言及される。
【0116】
図5Aは、本発明の幾つかの実施形態に従って、接着剤を生まれつきのまつ毛に塗布する状態を示している。図5Aは、接着剤塗布ツール556(例えば、ブラシ)を用いて、目550の生まれつきの上まつ毛552の下側に塗布された接着剤554を示している。接着剤としては、グルー、マスカラ、結合剤、エポキシ、ペースト、または接着性を備えた任意他の天然または合成物質のうちの1つ以上を含むのがよい。
【0117】
図5Bは、本発明の幾つかの実施形態による生まれつきのまつ毛のところへの人工まつ毛エクステンションの配置状態を示している。図5Bは、ユーザの目の生まれつきのまつ毛の下側に配置された第1の組をなす人工まつ毛エクステンション500A~500E(本明細書では、全体として「人工まつ毛エクステンション500」という)を示している。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステ500A~500Eは、それぞれ、ベース506A~506Eを有する。ベース506A~506Eは、生まれつきのまつ毛552の下側のところに配置されるのがよい。幾つかの実施形態では、ベース506A~506Eは、目550のまつ毛ラインの近くに配置されている。幾つかの実施形態では、ベース506A~506Eの上側の少なくとも一部分は、生まれつきのまつ毛552の下側に(接着剤により)取り付けられている。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション500の人工毛のうちの何割かの少なくとも一部分は、生まれつきのまつ毛552の下側に(接着剤により)取り付けられている。理解されるべきこととして、人工まつ毛エクステンションのサイズおよび数ならびに人工まつ毛エクステンションのタイプは、本発明を限定するものではなく、例示の目的で示されている。幾つかの実施形態では、任意の数の人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に取り付けることができる。人工まつ毛エクステンションが所定のサイズのセグメントとして示されているが、他の実施形態では、人工まつ毛エクステンションは、例えば、まつ毛ラインのほぼ半分を横切って延びる、大きめのセグメント(または小さめなセグメント)であってもよい(例えば、2つの人工まつ毛エクステンションが上のまつ毛を覆ってもよい)。さらに他の実施形態では、単一の人工まつ毛エクステンションがまつ毛ラインを実質的に覆ってもよい。幾つかの実施形態では、異なるタイプの人工まつ毛エクステンションを使用することができる。
【0118】
図5Cは、本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションが生まれつきのまつ毛に取り付けられている状態を示している。図5Cは、人工まつ毛エクステンション500A~500Eがアプリケータを用いて生まれつきのまつ毛の下側に取り付けられている状態を示している。図示のようなアプリケータは、本明細書においてしたのと同じまたは異なるアプリケータであってよい。例えば、純粋に機械式のアプリケータを用いて人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛の下側に取り付けることができる。幾つかの実施形態では、アプリケータのアームの内面は、圧力を人工まつ毛エクステンションおよび生まれつきのまつ毛に加えることができ、それにより、人工まつ毛エクステンションは、生まれつきのまつ毛とのよりしっかりとした(追加の圧力が加えられない場合よりもしっかりとした)結合部を得るようになっている。圧力を加えることにより、人工まつ毛エクステンションと生まれつきのまつ毛の結合面が増大することができる(圧力が加えられなかった場合よりも)。幾つかの実施形態では、ユーザが圧力をアプリケータに加えるのがよく、それにより、対向したアームが合わさって圧力を対向アーム相互間に位置する人工まつ毛エクステンション、接着剤、および生まれつきのまつ毛に加える。圧力は、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に固定しまたは結合するのを助けることができる。
【0119】
幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に取り付けるために用いられる。電気式アプリケータ400は、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に取り付ける際に加熱状態にあってもよく、冷却状態にあってもよく、あるいはオフ状態にあってもよい。
【0120】
図5Dは、本発明の幾つかの実施形態に従って、電気式アプリケータを揃えられた向きに位置決めする仕方を示している。図5Dは、目の領域のところで揃えられた向きに位置決めされた加熱状態の電気式アプリケータ400を示している。揃えられた向きでは、各アーム402の湾曲部428は、生まれつきのまつ毛のラッシュラインに揃えられている。図5Dには示していないが、幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、電気式アプリケータ400の加熱ユニットを起動して各アーム402の区分410を所望の温度まで加熱するよう構成されるとともに起動される。図示のように、電気式アプリケータ400は、開き位置にある間、揃えられた向きに位置決めされるのがよい。
【0121】
図5Eは、本発明の幾つかの実施形態に従って閉じ位置への電気式アプリケータの移行状態を示す図である。図5Eは、1対の対向したアーム402の区分410を生まれつきのまつ毛および生まれつきのまつ毛に取り付けられている(例えば、接着されている)人工まつ毛エクステンション500上で閉じることによって開き位置(例えば、図5Dに示されている)から閉じ位置に移行している加熱された状態の電気式アプリケータ400を示している。幾つかの実施形態では、特に生まれつきのまつ毛または人工まつ毛エクステンション500のうちの1つ以上をカールさせるため、加熱された状態の電気式アプリケータ400を生まれつきのまつ毛または人工まつ毛エクステンション500の端寄りに位置決めし、またはその近くに位置決めするのがよい(例えば、それぞれラッシュラインまたはベースから遠ざけて位置決めするのがよい)。閉じ位置にある加熱された状態の電気式アプリケータ400が揃えられた向きで示されている。
【0122】
図5Fは、本発明の幾つかの実施形態に従って回転後の向きへの加熱された状態の電気式アプリケータの回転状態を示している。幾つかの実施形態では、加熱された状態の電気式アプリケータ400は、加熱された状態の電気式アプリケータ400を揃えられた向きから回転後の向きに移行させるために回転軸線に沿って閉じ位置で回される。回転後の向きでは、生まれつきのまつ毛の少なくとも一部および人工まつ毛エクステンションの少なくとも一部は、加熱された状態の電気式アプリケータ400の1対の対向したアーム402の少なくとも一方の区分410の外面416に接触する。幾つかの実施形態では、加熱された状態の電気式アプリケータ400の区分410の内面418または外面416のうちの1つ以上は、加熱状態において所望の温度まで加熱される。図示のように区分410の外面416は、生まれつきのまつ毛または人工まつ毛エクステンションのうちの1つ以上をカールさせるのに役立つ湾曲部430を有する。
【0123】
幾つかの実施形態では、加熱された状態の電気式アプリケータ400は、ある期間にわたって(例えば、5~60秒間)回転後の向きにかつ閉じ位置に維持され、それにより生まれつきのまつ毛または人工まつ毛エクステンション500のうちの1つ以上をカールさせる(例えば、カール状態を固定して電気式アプリケータ400を取り外した後においてもカール状態がそのままでいるようにする)。
【0124】
人工まつ毛エクステンションをカールさせる操作が、本発明を限定するのではなく、例示目的で示されている。幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400を用いて本明細書に説明したのと同様な仕方で人工まつ毛エクステンションなしで生まれつきのまつ毛をカールさせることができる。
【0125】
図5Gは、本発明の幾つかの実施形態に従って、カール状態の人工まつ毛エクステンションおよび生まれつきのまつ毛を示している。幾つかの実施形態では、加熱された状態の電気式アプリケータ400をある期間にわたって閉じ位置にかつ回転後の向きに維持した後、加熱された状態の電気式アプリケータ400を取り外して生まれつきのまつ毛または人工まつ毛エクステンション500のうちの1つ以上をカール後の位置で見えるようにするのがよい(例えば、少なくとも、人工まつ毛エクステンションまたは生まれつきのまつ毛をカールさせるために上述の操作を実施する前よりも、カール度が強いように)。
【0126】
図6A図6Fは、本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に付け直す操作を示す図である。先行する図の要素は、本発明を限定するのではなく、例示目的で、図6A図6Fの記載に関して言及される。
【0127】
図6Aは、本発明の幾つかの実施形態に従って、生まれつきのまつ毛に取り付けられている人工まつ毛エクステンションを示している。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション500は、図5A図5Cを参照して上述したように生まれつきのまつ毛に取り付けられまたはこれに合わせて配置されるのがよい。簡潔にするために、図5A図5Cに関する説明は、幾つかの実施形態では、図6Aに当てはめ可能であり、従ってここではこれを繰り返さない。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション500を本明細書において説明したようにカールさせることができる。他の実施形態では、電気式アプリケータ400を用いて人工まつ毛エクステンションをカールさせない。
【0128】
幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンション500を第1の施術セッション中に取り付ける(例えば、配置するかつ/あるいは接着する)。幾つかの実施形態では、図6B図6Fを参照して以下において説明する操作を第2の施術セッション中に実施する。第2の施術セッション(付け直し)を第1の施術セッションの実施後に、ある期間の経過後(例えば、数時間後または数日後)に実施することができる。幾つかの実施形態では、第2のセッションの付け直し操作を実施すると、人工まつ毛エクステンションと生まれつきのまつ毛との接合とを再び結合することができまたはこれら相互間の結合部を強くすることができる。
【0129】
図6Bは、本発明の幾つかの実施形態に従って、揃えられた向きへの電気式アプリケータの位置決め状態を示している。図6Bは、目の領域のところで揃えられた位置に位置決めされている加熱された状態の電気式アプリケータ400を示している。揃えられた向きでは、各アーム402の湾曲部428を生まれつきのまつ毛のラッシュラインに揃える。図6Bには示していないが、幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、電気式アプリケータ400の加熱ユニットを起動して各アーム402の区分410を所望の温度まで加熱するよう構成されるとともに起動される。電気式アプリケータ400はまた、開き位置で示されている。
【0130】
図6Cは、本発明の幾つかの実施形態に従って、閉じ位置への電気式アプリケータの移行状態を示している。図6Cは、1対の対向アーム402の区分410をこれら相互間の生まれつきのまつ毛および人工まつ毛エクステンション500上で閉じることによって、開き位置(例えば、図6Bに示されている)から閉じ位置に移行された加熱された状態の電気式アプリケータ400を示している。幾つかの実施形態では、特に人工まつ毛エクステンション500を付け直すため、加熱された状態の電気式アプリケータ400を生まれつきのまつ毛のラッシュラインまたは人工まつ毛エクステンション500のベース寄りに位置決めし、またはその近くに位置決めするのがよい(例えば、人工まつ毛エクステンションの端から遠ざけて位置決めするのがよい)。閉じ位置にある加熱された状態の電気式アプリケータ400が揃えられた向きで示されている。
【0131】
幾つかの実施形態では、付け直し操作を実施するため、加熱された状態の電気式アプリケータ400は、人工まつ毛エクステンション500を生まれつきのまつ毛に取り付ける(例えば、配置するとともに/あるいは接着する)ために用いられる接着剤を軟化させるために、ある期間にわたって(例えば、5~300秒間)閉じ位置に(かつ揃えられた向きにまたは別の向きに)維持される。幾つかの実施形態では、接着剤は、当初の施術セッション中に人工まつ毛エクステンションを配置するとともに取り付けるために用いられた元の接着剤(例えば、図5A参照)であるのがよい。幾つかの実施形態では、追加の接着剤を塗布してもよい。幾つかの実施形態では、追加の接着剤は塗布されない(例えば、当初の施術セッションに加えて)。例えば、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に結合する接着剤は、数日前のものであってよく、そして当該期間にわたって硬化していてもよい。硬化後の接着剤への熱の導入により、接着剤は、軟化することができ、そして接着剤を人工まつ毛エクステンションと生まれつきのまつ毛との間の互いに異なる接触領域に再び流動させまたは再分布させることができる。
【0132】
図6Dは、本発明の幾つかの実施形態に従って、加熱された状態の電気式アプリケータを取り外した後における人工まつ毛エクステンションを示している。図6Dは、目の領域からの加熱された状態の電気式アプリケータ400の取り外し後における人工まつ毛エクステンションを示している。接着剤は、加熱されており、依然として粘着性がありまたはべとついていてもよい。幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400の冷却ユニット450を起動すると、電気式アプリケータ400の各アーム402の区分410を冷却させることができる。
【0133】
図6Eは、本発明の幾つかの実施形態に従って揃えられた向きにかつ閉じ位置に位置決めされている冷却された状態の電気式アプリケータを示している。幾つかの実施形態では、冷却された状態の電気式アプリケータ400を開き位置(図示していないが、図6Bと同様である)で目の領域のところに揃えられた向きに位置決めするのがよい。揃えられた向きでは、各アーム402の湾曲部428を生まれつきのまつ毛のラッシュラインに揃える。幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400の冷却ユニット450を起動して各アーム402の区分410を所望の温度まで冷却する。
【0134】
幾つかの実施形態では、1対の対向したアーム402の区分410を生まれつきのまつ毛および生まれつきのまつ毛に取り付けられている(例えば、接着されている)人工まつ毛エクステンション500上で閉じることによって、開き位置(例えば、図6Bに類似した位置)から閉じ位置に移行している冷却された状態の電気式アプリケータ400を示している。幾つかの実施形態では、特に人工まつ毛エクステンション500を付け直すため、冷却された状態の電気式アプリケータ400を生まれつきのまつ毛のラッシュラインまたは人工まつ毛エクステンション500のベース寄りに位置決めし、またはその近くに位置決めするのがよい(例えば、人工まつ毛エクステンションの端から遠ざけて位置決めするのがよい)。閉じ位置にある冷却された状態の電気式アプリケータ400が揃えられた向きで示されている(が、幾つかの実施形態では、異なる向きにあってもよい)。
【0135】
幾つかの実施形態では、付け直し操作を実施するため、冷却状態の電気式アプリケータ400をある期間にわたって(例えば、5~180秒間)、閉じ位置に(かつ揃えられた向きにまたは別の向きに)維持して、人工まつ毛エクステンション500を生まれつきのまつ毛に付けるために用いられた接着剤を硬化させる。幾つかの実施形態では、接着剤の加熱と加熱された状態の接着剤の冷却との間の時間は、少なくとも同一の施術セッション中、5分未満であるのがよい。接着剤を冷却することによって、接着剤が硬化して人工まつ毛エクステンションと生まれつきのまつ毛との間の結合部を再び作り、それどころかこれを強める。
【0136】
図6Fは、本発明の幾つかの実施形態に従って、冷却状態の電気式アプリケータが取り外された後における人工まつ毛エクステンションを示している。図6Fは、目の領域からの冷却状態の電気式アプリケータ400の取り外し後における人工まつ毛エクステンションを示している。接着剤は、加熱されており、そして次に冷却されている。電気式アプリケータ400は、接着剤の冷却状態を説明するために用いられているが、幾つかの実施形態では、異なるアプリケータを用いることができる。例えば、純粋な機械的アプリケータ(例えば、金属アプリケータ)を冷蔵庫内に置き、その後、これを用いて本明細書において説明したように冷却を実施することができる。
【0137】
一連の操作(または行為)として方法700について説明する。理解されるべきこととして、幾つかの操作を他の操作と同時に実施することができる。幾つかの実施形態では、同数、これよりも少ないまたは多い数の操作を同一または異なる順序で実施することができる。幾つかの実施形態では、互いに異なる操作を実施することができ、あるいは多数の操作を単一の操作に組み合わせることができ、あるいは、多数の操作を用いて単一の操作を実施することができる。
【0138】
図7A図7Cは、本発明の幾つかの実施形態に従って、人工まつ毛エクステンションを付け、人工まつ毛エクステンションをカールさせ、そして人工まつ毛エクステンションを付け直す操作を示す流れ図である。図7A図7Cの方法700は、ユーザによって実施できる。幾つかの実施形態では、ユーザは、本明細書において説明したようにアプリケータ400、または異なるアプリケータを用いて方法700の操作のうちの少なくとも幾つかを実施することができる。方法700のユーザは、人工まつ毛エクステンションを付けるのと同一のユーザであってもよく、あるいは、当該ユーザに代わって人工まつ毛エクステンションを付ける別のユーザであってもよい。
【0139】
方法700の操作705では、接着剤をユーザの生まれつきのまつ毛に塗布するのがよい。幾つかの実施形態では、接着剤を生まれつきのまつ毛の下側、例えば、生まれつきの上まつ毛の下側に塗布するのがよい。幾つかの実施形態では、下側ではなく、接着剤を生まれつきの上まつ毛の上部または側部に塗布してもよい。
【0140】
幾つかの実施形態では、接着剤は、グルー、マスカラ、結合剤、エポキシ、ペースト、または接着性を備えた任意他の天然または合成物質のうちの1つ以上であるのがよい。幾つかの実施形態では、接着剤は、人工まつ毛エクステンション(および/またはこれらの取り外した人工毛)が幾つかの期間(例えば、数時間、数日、数週間、または数か月)にわたって個人の生まれつきのまつ毛に固定されたままの状態でいることができるようにする耐水性の調剤であってよい。幾つかの実施形態では、接着剤は、従来型まつ毛エクステンション用の市販の接着剤または本明細書において説明するまつ毛エクステンション用の特別な組成物であってよい。接着剤は、透明であってもよく、着色(例えば、乳白色またはマスカラに匹敵する黒色)されていてもよい。
【0141】
幾つかの実施形態では、接着剤は、ブラシ、櫛、または任意他の形式の塗布用ツールを用いて塗布されるのがよい。幾つかの実施形態では、接着剤は、ウォーターラインから1~2ミリメートル離れたところに塗布されるのがよい。幾つかの実施形態では、接着剤は、生まれつきのまつ毛に沿うあるいはウォーターラインに沿う任意の場所に塗布されるのがよい。幾つかの実施形態では、接着剤がその接着特性を発揮する(例えば、接着剤を部分的に硬化させまたは乾燥させる)ことができるようにするために操作710に進む前に所定の期間待つことが望ましい場合がある。
【0142】
操作710では、ユーザは、1つ以上の人工まつ毛エクステンションをユーザの生まれつきのまつ毛のところに配置する。幾つかの実施形態では、1つ以上の人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛の下側のところに配置するのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンションの各々のベースの上側を生まれつきのまつ毛の下側に(まぶたにではなく)配置してこれに直接付けるのがよい。幾つかの実施形態では、1つ以上の人工まつ毛エクステンションをまつ毛ラインの湾曲部とそろうよう配列するのがよい。例えば、多数の人工まつ毛エクステンションを互いに隣接して(例えば、オーバーラップさせないで、またはオーバーラップさせて)配列するのがよく、その結果、ベースは、まつ毛ラインの湾曲部と整列するようになる。かくして、1つ以上の人工まつ毛エクステンションは、人工まつ毛エクステンションがまつ毛ラインの近くに配置されると、まつ毛ラインと実質的に同一平面上に位置するようになるのがよい。
【0143】
幾つかの実施形態では、1つ以上の人工まつ毛エクステンションは、生まれつきのまつ毛の下側のところに配置されるのがよい。例えば、単一の人工まつ毛エクステンションを最初に配置し、別の人工まつ毛エクステンションをその次に配置するのがよく、以下同様である。幾つかの実施形態では、アプリケータ、例えば電気式アプリケータ400を用いると、1つ以上の人工まつ毛エクステンションを配置することができる。ユーザは、さらに、所望に応じて人工まつ毛エクステンションのうちの1つ以上を配置しなおすことができる。
【0144】
幾つかの実施形態では、1つ以上の人工まつ毛エクステンションをユーザの生まれつきのまつ毛のところに配置する操作は、互いに隣りに位置する1つ以上の人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛のところに配置する操作を含む。
【0145】
幾つかの実施形態では、生まれつきのまつ毛のところに配置される人工まつ毛エクステンションは、1つ~8つの別々の人工まつ毛エクステンションを含むことができる。生まれつきのまつ毛のところに配置される人工まつ毛エクステンションの数は、人工まつ毛エクステンションの幅、用いられる人工毛の太さ、所望のスタイル、所望のまつ毛密度(ユーザのまつ毛の「フルネス」ともいう)などに応じるのがよい。
【0146】
幾つかの実施形態では、接着剤を生まれつきのまつ毛に塗布し(操作705で説明したように)、次に1つ以上の人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に配置する(操作710で説明したように)のではなく、接着剤を1つ以上の人工まつ毛エクステンションに(例えば、これらの上側に)塗布し、次に、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛の(例えば、下側に)配置してもよい。
【0147】
操作715では、ユーザは、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に取り付けるのがよい。幾つかの実施形態では、人工まつ毛エクステンションの各々を生まれつきのまつ毛の下側に取り付けるのがよい(例えば、結合するのがよい)。幾つかの実施形態では、1つ以上の人工まつ毛エクステンションを所望の配置状態にいったん配置すると、人工まつ毛エクステンションを表面、例えば生まれつきのまつ毛の下側に固定し、特にずっと(例えば、数日間)取り付ける。幾つかの実施形態では、本明細書において説明したような電気式アプリケータ400またはこれとは異なるアプリケータを用いて圧力を加えることや接着剤を硬化させるために時間を経過させることのうちの1つ以上を利用すると、取り外した人工毛を付けるのを助けることができる。
【0148】
幾つかの実施形態では、第1の施術セッション中、操作705~715を実施する。幾つかの実施形態では、操作720~775のうちの1つ以上を第2の施術セッション中に実施する。幾つかの実施形態では、第2の施術セッションを第1の施術セッション後のある期間に実施する。この期間は、例えば、6時間超または1日超であるのがよい。幾つかの実施形態では、操作705~775のうちの1つ以上を同一の施術セッション中に実施することができる。
【0149】
操作720では、電気式アプリケータ400を用意する。幾つかの実施形態では、電気式アプリケータ400は、1対の対向したアームおよび加熱ユニットを有する。各アームは、第1の区分(例えば、区分410)を有し、第1の区分は、この第1の区分の第1の端部分(例えば、端分424)と第2の端部分(例えば、端部分426)との間に設けられた第1の湾曲部(例えば、湾曲部428)を有する。
【0150】
幾つかの実施形態では、各アームは、第1の側部(例えば、側部412)、これと反対側の第2の側部(例えば、側部414)、内面(例えば、内面418)、およびこれと反対側の外面(例えば、外面416)をさらに有する。内面および外面は、第1の側部と第2の側部との間に延びている。
【0151】
幾つかの実施形態では、各アームの第1の区分は、第1の端部分と第2の端部分との間に、かつ第1の区分に対応した第1の側部の少なくとも一部に沿って設けられた第2の湾曲部(例えば、湾曲部434)を有する。幾つかの実施形態では、第2の湾曲部は、第1の湾曲部と反対側に位置している。幾つかの実施形態では、第1の湾曲部は、第1の区分に対応した第2の側部の少なくとも一部に沿って設けられている。幾つかの実施形態では、第1の湾曲部は、凹状の湾曲部であり、第2の湾曲部は、凸状湾曲部である。
【0152】
幾つかの実施形態では、第1の区分に対応した内面の少なくとも一部は、実質的に平坦である表面を含む。幾つかの実施形態では、対向したアームの第1の区分に対応した内面の少なくとも一部は、圧力を生まれつきのまつ毛および生まれつきのまつ毛に取り付けられた人工まつ毛エクステンションに加えるよう設計されている。
【0153】
幾つかの実施形態では、第1の区分に対応した外面の少なくとも一部は、第1の側部と第2の側部との間に延びる第3の湾曲部(例えば、湾曲部430)を有する表面を含む。幾つかの実施形態では、第1の区分に対応した外面の少なくとも一部は、生まれつきのまつ毛または生まれつきのまつ毛に取り付けられた人工まつ毛エクステンションのうちの1つ以上をカールさせるよう設計されている。
【0154】
操作725では、ユーザは、電気式アプリケータの加熱ユニットを起動する。幾つかの実施形態では、加熱ユニットを起動して各アームの区分を所望の温度まで加熱するのがよい。
【0155】
操作730では、加熱された状態の電気式アプリケータをユーザの目の領域のところで揃えられた向きに位置決めする。幾つかの実施形態では、揃えられた向きでは、各アームの第1の湾曲部は、生まれつきのまつ毛のラッシュラインに揃うよう位置決めされる。幾つかの実施形態では、加熱された状態の電気式アプリケータを開き位置にある間、揃えられた位置に位置決めする。
【0156】
操作735では、加熱された状態の電気式アプリケータを閉じ位置に移行させる。幾つかの実施形態では、1対の対向したアームの第1の区分を生まれつきのまつ毛および生まれつきのまつ毛に取り付けられた人工まつ毛エクステンション上で閉じることによって、加熱された状態の電気式アプリケータを閉じ位置に移行させる。幾つかの実施形態では、枝枠A(例えば、生まれつきのまつ毛および/または人工まつ毛エクステンションをカールさせる)に進む場合、加熱された状態の電気式アプリケータの第1の区分を生まれつきのまつ毛および/または人工まつ毛エクステンションの端の近くで人工まつ毛および/または人工まつ毛エクステンション上で閉じるのがよい。幾つかの実施形態では、枝枠B(例えば、人工まつ毛エクステンションを付け直す)に進む場合、加熱された状態のアプリケータの第1の区分をラッシュラインまたはベースの近くでそれぞれ生まれつきのまつ毛および/または人工まつ毛エクステンション上で閉じるのがよい。
【0157】
図7Bにおいて、枝枠Aの操作740では、閉じ位置にある加熱された状態の電気式アプリケータを回転後の向きまで回す。幾つかの実施形態では、ユーザは、加熱された状態の電気式アプリケータを閉じ位置で回転軸線に沿って回して加熱された状態の電気式アプリケータを揃えられた向きから回転後の向きに移行させる。幾つかの実施形態では、回転後の向きでは、生まれつきのまつ毛の少なくとも一部または人工まつ毛エクステンションの少なくとも一部のうちの1つ以上は、加熱された状態の電気式アプリケータの1対の対向アームのうちの少なくとも一方の第1の区分の外面に接触する。
【0158】
枝枠Aの操作745では、加熱された状態の電気式アプリケータをある期間にわたって閉じ位置にかつ回転後の向きに維持して生まれつきのまつ毛または人工まつ毛エクステンションの1つ以上をカールさせる。
【0159】
図7Cにおいて、枝枠Bの操作750では、加熱された状態の電気式アプリケータをある期間にわたって閉じ位置に維持する。幾つかの実施形態では、加熱された状態の電気式アプリケータをある期間にわたって閉じ位置に維持して、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に用いられた接着剤を軟化させる。
【0160】
枝枠Bの操作755では、加熱された状態の電気式アプリケータを目の領域から取り去る。
【0161】
枝枠Bの操作760では、電気式アプリケータの冷却ユニットを起動する。幾つかの実施形態では、冷却ユニットを起動することにより、各アームの少なくとも第1の区分を冷却する。
【0162】
枝枠Bの操作765では、冷却状態の電気式アプリケータをユーザの目の領域のところに位置決めする。幾つかの実施形態では、冷却状態の電気式アプリケータを開き位置にある間、揃えられた向きに位置決めする。
【0163】
枝枠Bの操作770では、冷却状態の電気式アプリケータを閉じ位置に移行させる。
【0164】
枝枠Bの操作775では、冷却状態の電気式アプリケータをある期間にわたって閉じ位置に維持する。冷却状態の電気式アプリケータに閉じ位置に維持することにより、人工まつ毛エクステンションを生まれつきのまつ毛に取り付けるために用いられた接着剤を硬化することができる。
【0165】
クレーム記載された本発明の種々の実施形態についての上記記載内容は、例示および説明の目的のために提供されている。網羅的であることまたはクレーム記載された本発明を開示した形態そのものに限定することは意図されていない。多くの改造および変形が当業者には明らかであろう。本発明の原理およびその実用的用途を最もよく説明するために実施形態を選択して説明しており、それにより、当業者がクレーム記載された本発明、種々の実施形態、および想定される特定の使用にあった種々の改造例を理解することができる。
【0166】
本明細書全体を通じて「1つの実施形態」、「ある幾つかの実施形態」、「1つ以上の実施形態」、または「(複数のうちのどれか1つの)実施形態」(訳文では、「一実施形態」という場合がある)は、当該実施形態と関連して説明する特定の特徴、構造、材料、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味している。かくして、本明細書全体を通じて種々の場所に、例えば「1つ以上の実施形態では」、「ある特定の実施形態では」、「一実施形態では」、または「(複数のうちのどれか1つの)実施形態では」のようは語句が現れる場合、これらは、必ずしも本発明の同一の実施形態を意味しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、または特性は、1つ以上の実施形態において任意適当な仕方で組み合わせ可能である。
【0167】
「連結され」、「結合され」という用語、またはこれらの任意の変形語は、直接的であり間接的でありいずれにせよ、2つ以上の要素相互間の任意の連結または結合を含む。
【0168】
原文明細書で用いられる単数形“a”、“an”および“the”は、別段の明示の指定がなければ、複数を意味している。かくして、例えば、「一要素」といった場合、これは、単一の要素ならびに2つ以上の異なる要素を含む。「実施例」または「例示の」という用語は、本明細書においては、実施例、場合、または例示としての役目を果たすことを意味するために用いられている。「実施例」または「例示の」として本明細書で説明される任意の観点または設計は、必ずしも、他の観点または設計と比較して好ましいまたは有利であるとみなされるべきではない。これとは異なり、「実施例」または「例示の」という用語が用いられている場合、これは、技術的構想を具体的な仕方で提供することを意図している。本願で用いられる「または」という用語は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味することが意図されている。すなわち、別段の指定がなければ、または文脈から明らかな場合を除き、「XがAまたはBを含む」という表現は、自然な包括的並べ替えのうちの任意のものを意味することが意図されている。すなわち、XがAを含み、XがBを含み、またはXがAとBの両方を含む場合、「XがAまたはBを含む」という表現は、上記の場合のうちの任意のものにおいて満たされる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7A
図7B
図7C
【国際調査報告】