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特表2024-537172リチウムイオン蓄電デバイスのための負極水系スラリー組成物
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  • 特表-リチウムイオン蓄電デバイスのための負極水系スラリー組成物 図1
  • 特表-リチウムイオン蓄電デバイスのための負極水系スラリー組成物 図2
  • 特表-リチウムイオン蓄電デバイスのための負極水系スラリー組成物 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】リチウムイオン蓄電デバイスのための負極水系スラリー組成物
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/139 20100101AFI20241003BHJP
   H01M 4/62 20060101ALI20241003BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20241003BHJP
   H01M 10/0568 20100101ALI20241003BHJP
   H01M 10/0569 20100101ALI20241003BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20241003BHJP
   H01M 4/38 20060101ALI20241003BHJP
   H01M 4/48 20100101ALI20241003BHJP
   H01G 11/30 20130101ALI20241003BHJP
【FI】
H01M4/139
H01M4/62 Z
H01M4/13
H01M10/0568
H01M10/0569
H01M10/052
H01M4/38 Z
H01M4/48
H01G11/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520872
(86)(22)【出願日】2022-08-05
(85)【翻訳文提出日】2024-05-02
(86)【国際出願番号】 US2022074576
(87)【国際公開番号】W WO2023059953
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】63/252,634
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】399074983
【氏名又は名称】ピーピージー・インダストリーズ・オハイオ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PPG Industries Ohio,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クロウ、アダム ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】グレイ、ヘイリー、リン
(72)【発明者】
【氏名】シスコ、スコット、ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ディメグリオ、ジョン、レオナード
(72)【発明者】
【氏名】シルベスター、ケビン トーマス
【テーマコード(参考)】
5E078
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5E078BA19
5H029AJ02
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AK02
5H029AK03
5H029AK04
5H029AK05
5H029AK11
5H029AL02
5H029AL07
5H029AL11
5H029AM02
5H029AM03
5H029AM04
5H029AM07
5H029CJ08
5H029DJ08
5H029DJ15
5H029EJ04
5H029EJ11
5H029EJ12
5H029EJ14
5H029HJ01
5H029HJ11
5H029HJ14
5H050AA02
5H050AA19
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA02
5H050CA08
5H050CA09
5H050CA10
5H050CA11
5H050CA17
5H050CB02
5H050CB08
5H050CB11
5H050CB13
5H050DA03
5H050DA09
5H050DA10
5H050DA11
5H050DA18
5H050EA08
5H050EA22
5H050EA23
5H050EA28
5H050FA16
5H050GA10
5H050HA01
5H050HA11
5H050HA14
(57)【要約】
本開示は、負極水系スラリー組成物であって、結合剤と、必要に応じて、分散剤であって、分散剤が、(a)窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位、ならびに(b)(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/または酸官能性エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含む、コポリマーを含み、窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位を1重量%~50重量%含み、重量%が、分散剤の総重量に基づく、分散剤と、負極活物質と、必要に応じて、ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーと(分散剤およびポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーのうちの少なくとも1つが存在する)、水性媒体と、を含む、負極水系スラリー組成物を提供する。負極および蓄電デバイスもまた、開示される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負極水系スラリー組成物であって、
結合剤と、
分散剤であって、前記分散剤が、(a)窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位、ならびに(b)(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/またはアルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸官能性モノマーの残基を含む構成単位を含む、コポリマーを含み、窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位を1重量%~50重量%含み、前記重量%が、前記分散剤の総重量に基づく、分散剤と、
負極活物質と、
水性媒体と、を含む、負極水系スラリー組成物。
【請求項2】
前記窒素含有複素環を含むモノマーが、ビニルピロリドンを含む、請求項1に記載の負極水系スラリー組成物。
【請求項3】
前記分散剤が、前記(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/または前記アルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸官能性モノマーの残基を含む構成単位を1重量%~99重量%含む、先行請求項のいずれか一項に記載の負極水系スラリー組成物。
【請求項4】
前記分散剤が、ヒドロキシル官能基を含むエチレン性不飽和モノマーを更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の負極水系スラリー組成物。
【請求項5】
前記分散剤が、-70~+100℃のガラス転移温度を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の負極水系スラリー組成物。
【請求項6】
前記分散剤が、2,000~1,000,000g/molの重量平均分子量を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の負極水系スラリー組成物。
【請求項7】
ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーを更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の負極水系スラリー組成物。
【請求項8】
負極水系スラリー組成物であって、
結合剤と、
ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーと、
負極活物質と、
水性媒体と、を含む、負極水系スラリー組成物。
【請求項9】
前記結合剤が、スチレン-ブタジエンコポリマーを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の負極水系スラリー組成物。
【請求項10】
前記結合剤が、セルロースまたはセルロース誘導体を更に含む、請求項9に記載の負極水系スラリー組成物。
【請求項11】
前記負極活物質が、グラファイト、ケイ素、酸化ケイ素、スズ、ゲルマニウム、銀、アルミニウム、バリウム、ビスマス、銅、ガリウム、インジウム、ニッケル、リン、鉛、アンチモン、ケイ素、スズ、ストロンチウム、亜鉛、チタン、またはそれらの組み合わせを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の負極水系スラリー組成物。
【請求項12】
導電性炭素、カーボンナノチューブ、グラフェン、またはそれらの任意の組み合わせを含む導電性添加剤を更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の負極水系スラリー組成物。
【請求項13】
架橋剤を更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の負極水系スラリー組成物。
【請求項14】
前記組成物の総固体重量に基づいて、
1重量%~10重量%の前記結合剤と、
必要に応じて、0.1重量%~1重量%の前記分散剤であって、前記分散剤が、(a)窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位、ならびに(b)(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/またはアルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸官能性モノマーの残基を含む構成単位を含む、コポリマーを含み、窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位を1重量%~50重量%含み、前記重量%が、前記分散剤の総重量に基づく、前記分散剤と、
必要に応じて、0.005重量%~1.5重量%の前記ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーと(前記分散剤および前記ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーのうちの少なくとも1つが存在する)、
90重量%~98.9重量%の前記負極活物質と、を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の負極水系スラリー組成物。
【請求項15】
前記組成物の総重量に基づいて、
0.5重量%~5重量%の前記結合剤と、
必要に応じて、0.01重量%~0.5重量%の前記分散剤であって、前記分散剤が、(a)窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位、ならびに(b)(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/またはアルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸官能性モノマーの残基を含む構成単位を含む、コポリマーを含み、窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位を1重量%~50重量%含み、前記重量%が、前記分散剤の総重量に基づく、前記分散剤と、
必要に応じて、0.005重量%~1.5重量%の前記ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーと(前記分散剤および前記ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーのうちの少なくとも1つが存在する)、
45重量%~48.9重量%の前記負極活物質と、
45重量%~50重量%の前記水性媒体と、を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の負極水系スラリー組成物。
【請求項16】
前記組成物の総結合剤固体重量に基づいて、
75重量%~99.9重量%の前記結合剤と、
必要に応じて、0.1重量%~25重量%の前記分散剤であって、前記分散剤が、(a)窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位、ならびに(b)(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/またはアルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸官能性モノマーの残基を含む構成単位を含む、コポリマーを含み、窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位を1重量%~50重量%含み、前記重量%が、前記分散剤の総重量に基づく、前記分散剤と、
必要に応じて、0.1重量%~25重量%の前記ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーと(前記分散剤および前記ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーのうちの少なくとも1つが存在する)、を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の負極水系スラリー組成物。
【請求項17】
負極であって、
(a)集電体と、
(b)前記集電体上に形成されたフィルムであって、前記フィルムが、
結合剤と、
負極活物質と、
以下:
分散剤であって、前記分散剤が、(a)窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位、ならびに(b)(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/もしくは酸官能性エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含む、コポリマーを含み、窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位を1重量%~50重量%含み、前記重量%が、前記分散剤の総重量に基づく、分散剤、または
ポリ(2-アルキルもしくはアリールオキサゾリン)ポリマーのうちの少なくとも1つと、を含む、フィルムと、を備える、負極。
【請求項18】
前記フィルムが、請求項1~16のいずれか一項に記載の負極水系スラリー組成物から堆積される、請求項17に記載の電極。
【請求項19】
蓄電デバイスであって、(a)請求項17または18に記載の負極と、(b)正極と、(c)電解質と、を備える、蓄電デバイス。
【請求項20】
前記電解質(c)が、溶媒中に溶解されたリチウム塩を含む、請求項19に記載の蓄電デバイス。
【請求項21】
前記リチウム塩が、有機カーボネート中に溶解されている、請求項20に記載の蓄電デバイス。
【請求項22】
前記蓄電デバイスが、セル、電池パック、二次電池、キャパシタ、またはスーパーキャパシタを含む、請求項19~21のいずれか一項に記載の蓄電デバイス。
【請求項23】
負極活物質と、
セルロースまたはセルロース誘導体、およびスチレン-ブタジエンコポリマーを含む、結合剤と、
メラミン架橋剤と、
水性媒体と、を含む、負極水系スラリー組成物。
【請求項24】
請求項1~8のいずれか一項に定義される分散剤および/またはポリ(2-アルキルもしくはアリールオキサゾリン)ポリマーを更に含む、請求項23に記載の負極水系スラリー組成物。
【請求項25】
前記負極水系スラリー組成物が、請求項1~16のいずれか一項に定義される組成物である、請求項23または24に記載の負極水系スラリー組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
政府支援の通知
本発明は、米国国防省によって授与された政府契約第201950-140969号の下、政府支援を受けてなされたものである。米国政府は、本発明において特定の権利を有する。
【0002】
本開示は、電池などの蓄電デバイスで使用するための負極の製造に使用することができるスラリー組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
エレクトロニクス業界では、より小型かつ軽量な電池を動力源とするより小型のデバイスを製造する傾向がある。電池使用が高速(放電)充電用途に向けて更に移行するにつれて、電池電極コーティングは、より過酷な動作条件に耐える必要があるであろう。負極は、典型的には、必要に応じて(炭素質でもあり得る)導電性添加剤を含む負極活物質として炭素質材料を用いているが、しかしながら、これらの材料は、水系電極スラリー中に均一に分散することが困難であり得、分散を改善する現在の方法は、高価であり、典型的には、迅速な(放電)充電用途を容易にするためにより高いレベルで添加されている。導電性添加剤が、物理的/電気的接触を維持しながら、電極コーティング全体に十分に分散される場合、高速充電および/または放電用途を実現することができる。結果として、改善された水系負極スラリー組成物が望まれる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】ドローダウン法を介して基材上に塗布された、炭素分散体のコーティングの一連の白黒写真であり、塗布されたコーティングの品質を示す。
【0005】
図2】炭素含有フィルムの白黒TEM画像である。
【0006】
図3】時間の関数としてのセルデータを示すグラフである。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、負極水系スラリー組成物であって、結合剤と、分散剤であって、分散剤が、(a)窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位、ならびに(b)(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/またはアルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸官能性モノマーの残基を含む構成単位を含む、コポリマーを含み、窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位を1重量%~50重量%含み、重量%が、分散剤の総重量に基づく、分散剤と、負極活物質と、水性媒体と、を含む、負極水系組成物を提供する。
【0008】
本開示はまた、結合剤と、ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーと、負極活物質と、水性媒体と、を含む、負極水系スラリー組成物を提供する。
【0009】
本開示は、負極であって、(a)集電体と、(b)集電体上に形成されたフィルムであって、フィルムが、結合剤と、必要に応じて、分散剤であって、分散剤が、(a)窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位、ならびに(b)(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/もしくは酸官能性エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含む、コポリマーを含み、窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位を1重量%~50重量%含み、重量%が、分散剤の総重量に基づく、分散剤と、必要に応じて、ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーと(分散剤およびポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーのうちの少なくとも1つが存在する)、負極活物質と、を含む、フィルムと、を備える、負極を更に提供する。
【0010】
本開示は、負極であって、(a)集電体と、(b)集電体上に形成されたフィルムであって、フィルムが、結合剤と、負極活物質と、以下:分散剤であって、分散剤が、(a)窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位、ならびに(b)(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/もしくは酸官能性エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含む、コポリマーを含み、窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位を1重量%~50重量%含み、重量%が、分散剤の総重量に基づく、分散剤、またはポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーのうちの少なくとも1つと、を含む、フィルムと、を備える、負極を更に提供する。
【0011】
本開示はまた、蓄電デバイスであって、(a)本開示の負極と、(b)正極と、(c)電解質と、を備える、蓄電デバイスを提供する。
【0012】
本開示は、負極活物質と、セルロースまたはセルロース誘導体、およびスチレン-ブタジエンコポリマーを含む結合剤と、メラミン架橋剤と、水性媒体と、を含む、負極水系スラリー組成物を更に提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、負極水系スラリー組成物であって、結合剤と、分散剤であって、分散剤が、(a)窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位、ならびに(b)(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/または酸官能性エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含む、コポリマーを含み、窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位を1重量%~50重量%含み、重量%が、分散剤の総重量に基づく、分散剤と、負極活物質と、水性媒体と、を含む、負極水系組成物を提供する。
【0014】
結合剤は、負極水系スラリー組成物のための任意の好適な結合剤樹脂を含み得る。例えば、結合剤は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、およびフッ化ビニリデン-クロロトリフルオロエチレンコポリマーなどのフルオロポリマー;エチレン-プロピレン-ジエン三元コポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-ビニルアセテートコポリマー、およびエチレン-エチルアクリレートコポリマーなどのポリオレフィン樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリルスチレンコポリマー、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー、メチルメタクリレート-スチレンコポリマー、およびスチレン-ブタジエチレンゴムなどのポリスチレン樹脂;ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアクリル酸、アンモニウムポリアクリレート、ナトリウムポリアクリレート、およびポリメチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリ-3-ヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンスクシネート、およびポリエチレンスクシネート/アジペートなどのポリエステル樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂、修飾ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂;キチン、キトサン、およびリグニン:エポキシ樹脂、ウレタンアクリレート、フェノール酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびアルキド樹脂、ならびにそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0015】
上述のように、結合剤は、必要に応じて、スチレンブタジエンコポリマーを含み得る。本明細書で使用される場合、「スチレンブタジエンコポリマー」という用語は、スチレン(またはその誘導体)およびブタジエンを含む、コポリマーを指す。
【0016】
スチレンブタジエンコポリマーは、結合剤固体の総重量に基づいて、少なくとも30重量%など、少なくとも40重量%など、少なくとも45重量%など、少なくとも50重量%など、少なくとも65重量%など、少なくとも80重量%など、少なくとも90重量%など、少なくとも95%などの、少なくとも少なくとも20重量%の量で結合剤中に存在し得る。スチレンブタジエンコポリマーは、結合剤固体の総重量に基づいて、95重量%以下など、85重量%以下など、75重量%以下など、65重量%以下など、55重量%以下など、50重量%以下など、45重量%以下などの、99.9重量%の量で結合剤中に存在し得る。スチレンブタジエンコポリマーは、結合剤固体の総重量に基づいて、20重量%~95重量%など、20重量%~85重量%など、20重量%~75重量%など、20重量%~65重量%など、20重量%~55重量%など、20重量%~50重量%など、20重量%~45重量%など、30重量%~99.9重量%など、30重量%~95重量%など、30重量%~85重量%など、30重量%~75重量%など、30重量%~65重量%など、30重量%~55重量%など、30重量%~50重量%など、30重量%~45重量%など、40重量%~99.9重量%など、40重量%~95重量%など、40重量%~85重量%など、40重量%~75重量%など、40重量%~65重量%など、40重量%~55重量%など、40重量%~50重量%など、40重量%~45重量%など、50重量%~99.9重量%など、50重量%~95重量%など、50重量%~85重量%など、50重量%~75重量%など、50重量%~65重量%など、50重量%~55重量%など、65重量%~99.9重量%など、65重量%~95重量%など、65重量%~85重量%など、65重量%~75重量%など、80重量%~99.9重量%、80重量%~95重量%など、80重量%~85重量%など、90重量%~99.9重量%など、90重量%~95重量%など、95重量%~99.9重量%などの、20重量%~99.9重量%の量で結合剤中に存在し得る。
【0017】
スチレンブタジエンコポリマーは、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、少なくとも0.5重量%など、少なくとも1重量%など、少なくとも2重量%など、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%などの、少なくとも0.1重量%の量でスラリー組成物中に存在し得る。スチレンブタジエンコポリマーは、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、8重量%以下など、5重量%以下など、4重量%以下など、3重量%以下など、2重量%以下など、1重量%以下などの、10重量%以下の量で存在し得る。スチレンブタジエンコポリマーは、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、0.1重量%~8%重量%など、0.1重量%~5%重量%など、0.1重量%~4%重量%など、0.1重量%~3%重量%など、0.1重量%~2%重量%など、0.1重量%~1%重量%など、0.5重量%~10%重量%など、0.5重量%~8%重量%など、0.5重量%~5%重量%など、0.5重量%~4%重量%など、0.5重量%~3%重量%など、0.5重量%~2%重量%など、0.5重量%~1%重量%など、1重量%~10%重量%など、1重量%~8%重量%など、1重量%~5%重量%など、1重量%~4%重量%など、1重量%~3%重量%など、1重量%~2%重量%など、2重量%~10%重量%など、2重量%~8%重量%など、2重量%~5%重量%など、2重量%~4%重量%など、2重量%~3%重量%など、3重量%~10%重量%など、3重量%~8%重量%など、3重量%~5%重量%など、3重量%~4重量%など、4重量%~5%重量%などの、0.1重量%~10重量%の量で存在し得る。
【0018】
スチレンブタジエンコポリマーは、スラリー組成物の総重量に基づいて、少なくとも0.25重量%など、少なくとも0.5重量%など、少なくとも1重量%など、少なくとも1.5重量%など、少なくとも2重量%などの、少なくとも0.05重量%の量でスラリー組成物中に存在し得る。スチレンブタジエンコポリマーは、スラリー組成物の総重量に基づいて、3.5重量%以下など、3重量%以下など、2.5重量%以下など、2重量%以下など、1.5重量%以下など、1重量%以下など、0.5重量%以下などの、4重量%以下の量で存在し得る。スチレンブタジエンコポリマーは、スラリー組成物の総重量に基づいて、0.05重量%~3.5重量%など、0.05重量%~3重量%など、0.05重量%~2.5重量%など、0.05重量%~2重量%など、0.05重量%~1.5重量%など、0.05重量%~1重量%など、0.05重量%~0.5重量%など、0.25重量%~4重量%など、0.25重量%~3.5重量%など、0.25重量%~3重量%など、0.25重量%~2.5重量%など、0.25重量%~2重量%など、0.25重量%~1.5重量%など、0.25重量%~1重量%など、0.25重量%~0.5重量%など、0.5重量%~4重量%など、0.5重量%~3.5重量%など、0.5重量%~3重量%など、0.5重量%~2.5重量%など、0.5重量%~2重量%など、0.5重量%~1.5重量%など、0.5重量%~1重量%など、1重量%~4重量%など、1重量%~3.5重量%など、1重量%~3重量%など、1重量%~2.5重量%など、1重量%~2重量%など、1重量%~1.5重量%など、1.5重量%~4重量%など、1.5重量%~3.5重量%など、1.5重量%~3重量%など、1.5重量%~2.5重量%など、1.5重量%~2重量%など、2重量%~4重量%など、2重量%~3.5重量%など、2重量%~3重量%など、2重量%~2.5%などの、0.05重量%~4重量%の量で存在し得る。
【0019】
スラリー組成物および結合剤は、必要に応じて、セルロース誘導体を更に含み得る。セルロース誘導体は、例えば、カルボキシメチルセルロースおよびその塩(CMC)であり得る。CMCは、アンヒドログルコース環上のヒドロキシル基の一部分がカルボキシメチル基で置換された、セルロースエーテルである。カルボキシメチル置換の程度は、0.4~3の範囲であり得る。CMCは、長鎖ポリマーであり、水溶液中のその粘度は、その分子量に依存し、分子量は、重量平均基準で50,000~2,000,000g/molの間で変動し得る。カルボキシメチルセルロースは、少なくとも100,000g/mol、または場合によっては、少なくとも250,000g/molなどの、少なくとも200,000g/molなどの、少なくとも50,000g/molの重量平均分子量を有し得る。カルボキシメチルセルロースは、1,000,000g/mol以下など、500,000g/mol以下など、350,000g/mol以下など、300,000g/molなどの、2,000,000g/mol以下の重量平均分子量を有し得る。カルボキシメチルセルロースは、50,000~1,000,000g/molなど、50,000~500,000g/molなど、50,000~350,000g/molなど、50,000~300,000g/molなど、100,000~2,000,000g/molなど、100,000~1,000,000g/molなど、100,000~500,000g/molなど、100,000~350,000g/molなど、100,000~300,000g/molなど、250,000~2,000,000g/molなど、250,000~1,000,000g/molなど、250,000~500,000g/molなど、250,000~350,000g/molなど、250,000~300,000g/molなどの、50,000~2,000,000g/molの重量平均分子量を有し得る。CMC置換の程度(DS)は、少なくとも0.5など、少なくとも0.6など、少なくとも0.7など、少なくとも0.8など、少なくとも0.9など、少なくとも1など、少なくとも1.1など、少なくとも1.2などの、少なくとも少なくとも0.4であり得る。CMC置換の程度(DS)は、2以下など、1.4以下など、1.2以下など、1以下など、0.8以下など、0.7以下などの、3以下であり得る。CMC置換の程度(DS)は、0.4~2など、0.4~1.4など、0.4~1.2など、0.4~1など、0.4~0.8など、0.4~0.7など、0.5~3など、0.5~2など、0.5~1.4など、0.5~1.2など、0.5~1など、0.5~0.8など、0.5~0.7など、0.6~3など、0.6~2など、0.6~1.4など、0.6~1.2など、0.6~1など、0.6~0.8など、0.6~0.7など、0.7~3など、0.7~2など、0.7~1.4など、0.7~1.2など、0.7~1など、0.7~0.8など、0.8~3など、0.8~2など、0.8~1.4など、0.8~1.2など、0.8~1など、0.9~3など、0.9~2など、0.9~1.4など、0.9~1.2など、0.9~1など、1~3など、1~2など、1~1.4など、1~1.2など、1.1~3など、1.1~2など、1.1~1.4など、1.1~1.2など、1.2~3など、1.2~2など、1.2~1.4などの、0.4~3であり得る。
【0020】
セルロース誘導体は、結合剤固体の総重量に基づいて、少なくとも30重量%など、少なくとも40重量%など、少なくとも45重量%など、少なくとも50重量%など、少なくとも65重量%など、少なくとも80重量%など、少なくとも90重量%など、少なくとも95%などの、少なくとも20重量%の量で結合剤中に存在し得る。セルロース誘導体は、結合剤固体の総重量に基づいて、95重量%以下など、85重量%以下など、75重量%以下など、65重量%以下など、55重量%以下など、50重量%以下など、45重量%以下などの、99.9重量%の量で結合剤中に存在し得る。セルロース誘導体は、結合剤固体の総重量に基づいて、20重量%~95重量%など、20重量%~85重量%など、20重量%~75重量%など、20重量%~65重量%など、20重量%~55重量%など、20重量%~50重量%など、20重量%~45重量%など、30重量%~99.9重量%など、30重量%~95重量%など、30重量%~85重量%など、30重量%~75重量%など、30重量%~65重量%など、30重量%~55重量%など、30重量%~50重量%など、30重量%~45重量%など、40重量%~99.9重量%など、40重量%~95重量%など、40重量%~85重量%など、40重量%~75重量%など、40重量%~65重量%など、40重量%~55重量%など、40重量%~50重量%など、40重量%~45重量%など、50重量%~99.9重量%など、50重量%~95重量%など、50重量%~85重量%など、50重量%~75重量%など、50重量%~65重量%など、50重量%~55重量%など、65重量%~99.9重量%など、65重量%~95重量%など、65重量%~85重量%など、65重量%~75重量%など、80重量%~99.9重量%、80重量%~95重量%など、80重量%~85重量%など、90重量%~99.9重量%など、90重量%~95重量%など、95重量%~99.9重量%などの、20重量%~99.9重量%の量で結合剤中に存在し得る。
【0021】
セルロース誘導体は、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、少なくとも0.5重量%など、少なくとも1重量%など、少なくとも2重量%など、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%などの、少なくとも0.1重量%の量でスラリー組成物中に存在し得る。セルロース誘導体は、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、8重量%以下など、5重量%以下など、4重量%以下など、3重量%以下など、2重量%以下など、1重量%以下などの、10重量%以下の量で存在し得る。セルロース誘導体は、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、0.1重量%~8%重量%など、0.1重量%~5%重量%など、0.1重量%~4%重量%など、0.1重量%~3%重量%など、0.1重量%~2%重量%など、0.1重量%~1%重量%など、0.5重量%~10%重量%など、0.5重量%~8%重量%など、0.5重量%~5%重量%など、0.5重量%~4%重量%など、0.5重量%~3%重量%など、0.5重量%~2%重量%など、0.5重量%~1%重量%など、1重量%~10%重量%など、1重量%~8%重量%など、1重量%~5%重量%など、1重量%~4%重量%など、1重量%~3%重量%など、1重量%~2%重量%など、2重量%~10%重量%など、2重量%~8%重量%など、2重量%~5%重量%など、2重量%~4%重量%など、2重量%~3%重量%など、3重量%~10%重量%など、3重量%~8%重量%など、3重量%~5%重量%など、3重量%~4重量%など、4重量%~5%重量%などの、0.1重量%~10重量%の量で存在し得る。
【0022】
セルロース誘導体は、スラリー組成物の総重量に基づいて、少なくとも0.25重量%など、少なくとも0.5重量%など、少なくとも1重量%など、少なくとも1.5重量%など、少なくとも2重量%などの、少なくとも0.05重量%の量でスラリー組成物中に存在し得る。セルロース誘導体は、スラリー組成物の総重量に基づいて、3.5重量%以下など、3重量%以下など、2.5重量%以下など、2重量%以下など、1.5重量%以下など、1重量%以下など、0.5重量%以下などの、4重量%以下の量で存在し得る。セルロース誘導体は、スラリー組成物の総重量に基づいて、0.05重量%~3.5重量%など、0.05重量%~3重量%など、0.05重量%~2.5重量%など、0.05重量%~2重量%など、0.05重量%~1.5重量%など、0.05重量%~1重量%など、0.05重量%~0.5重量%など、0.25重量%~4重量%など、0.25重量%~3.5重量%など、0.25重量%~3重量%など、0.25重量%~2.5重量%など、0.25重量%~2重量%など、0.25重量%~1.5重量%など、0.25重量%~1重量%など、0.25重量%~0.5重量%など、0.5重量%~4重量%など、0.5重量%~3.5重量%など、0.5重量%~3重量%など、0.5重量%~2.5重量%など、0.5重量%~2重量%など、0.5重量%~1.5重量%など、0.5重量%~1重量%など、1重量%~4重量%など、1重量%~3.5重量%など、1重量%~3重量%など、1重量%~2.5重量%など、1重量%~2重量%など、1重量%~1.5重量%など、1.5重量%~4重量%など、1.5重量%~3.5重量%など、1.5重量%~3重量%など、1.5重量%~2.5重量%など、1.5重量%~2重量%など、2重量%~4重量%など、2重量%~3.5重量%など、2重量%~3重量%など、2重量%~2.5%などの、0.05重量%~4重量%の量で存在し得る。
【0023】
本開示によれば、スラリー組成物は、分散剤であって、分散剤が、(a)窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位ならびに、(b)(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/または酸官能性エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含む、コポリマーを含み、窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位を1重量%~50重量%含み、重量%が、分散剤の総重量に基づく、分散剤を更に含む。
【0024】
分散剤コポリマーは、窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位を、分散剤の総重量に基づいて、少なくとも3重量%など、少なくとも5重量%など、少なくとも7重量%など、少なくとも9重量%など、少なくとも12重量%など、少なくとも15重量%などの、少なくとも1重量%含む。窒素含有複素環を含むエチレン性不飽和モノマーの非限定的な例としては、とりわけ、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルイミダゾール、ビニルメチルオキサゾリジノンが挙げられる。分散剤コポリマーは、窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位を、分散剤の総重量に基づいて、30重量%以下など、20重量%以下など、15重量%以下など、12重量%以下など、10重量%以下など、7重量%以下など、5重量%などの、50重量%以下含む。分散剤コポリマーは、窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位を、分散剤の総重量に基づいて、1重量%~30重量%など、1重量%~20重量%など、1重量%~15重量%など、1重量%~12重量%など、1重量%~10重量%など、1重量%~7重量%など、1重量%~5重量%など、3重量%~50重量%など、3重量%~30重量%など、3重量%~20重量%など、3重量%~15重量%など、3重量%~12重量%など、3重量%~10重量%など、3重量%~7重量%など、3重量%~5重量%など、5重量%~50重量%など、5重量%~30重量%など、5重量%~20重量%など、5重量%~15重量%など、5重量%~12重量%など、5重量%~10重量%など、5重量%~7重量%など、7重量%~50重量%など、7重量%~30重量%など、7重量%~20重量%など、7重量%~15重量%など、7重量%~12重量%など、7重量%~10重量%など、9重量%~50重量%など、9重量%~30重量%など、9重量%~20重量%など、9重量%~15重量%など、9重量%~12重量%など、9重量%~10重量%など、12重量%~50重量%など、12重量%~30重量%など、12重量%~20重量%など、12重量%~15重量%など、15重量%~50重量%など、15重量%~30重量%など、15重量%~20重量%などの、1重量%~50重量%含む。分散剤コポリマーは、窒素含有複素環を含むエチレン性不飽和モノマーを、反応混合物中で使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、1重量%~30重量%など、1重量%~20重量%など、1重量%~15重量%など、1重量%~12重量%など、1重量%~10重量%など、1重量%~7重量%など、1重量%~5重量%など、3重量%~50重量%など、3重量%~30重量%など、3重量%~20重量%など、3重量%~15重量%など、3重量%~12重量%など、3重量%~10重量%など、3重量%~7重量%など、3重量%~5重量%など、5重量%~50重量%など、5重量%~30重量%など、5重量%~20重量%など、5重量%~15重量%など、5重量%~12重量%など、5重量%~10重量%など、5重量%~7重量%など、7重量%~50重量%など、7重量%~30重量%など、7重量%~20重量%など、7重量%~15重量%など、7重量%~12重量%など、7重量%~10重量%など、9重量%~50重量%など、9重量%~30重量%など、9重量%~20重量%など、9重量%~15重量%など、9重量%~12重量%など、9重量%~10重量%など、12重量%~50重量%など、12重量%~30重量%など、12重量%~20重量%など、12重量%~15重量%など、15重量%~50重量%など、15重量%~30重量%など、15重量%~20重量%などの、1重量%~50重量%の量で窒素含有エチレン性不飽和モノマーを含む反応混合物から誘導され得る。
【0025】
分散剤コポリマーは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/またはアルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸官能性モノマーの残基を含む構成単位を更に含む。(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/またはアルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸官能性モノマーの残基を含む構成単位は、分散剤コポリマーの総重量に基づいて、少なくとも15重量%など、少なくとも30重量%など、少なくとも35重量%など、少なくとも40重量%など、少なくとも45重量%など、少なくとも50重量%など、少なくとも55重量%など、少なくとも60重量%など、少なくとも70重量%など、少なくとも75重量%など、少なくとも80重量%などの、少なくとも少なくとも1重量%を構成し得る。(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/またはアルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸官能性モノマーの残基を含む構成単位は、分散剤コポリマーの総重量に基づいて、90重量%以下など、85重量%以下など、80重量%以下など、75重量%以下など、70重量%以下など、65重量%以下など、60重量%以下など、50重量%以下などの、99重量%以下を構成し得る。(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/またはアルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸官能性モノマーの残基を含む構成単位は、分散剤コポリマーの総重量に基づいて、1重量%~99重量%など、1重量%~90重量%など、1重量%~85重量%など、1重量%~80重量%など、1重量%~75重量%など、1重量%~70重量%など、1重量%~65重量%など、1重量%~60重量%など、1重量%~50重量%など、15重量%~99重量%など、15重量%~90重量%など、15重量%~85重量%など、15重量%~80重量%など、15重量%~75重量%など、15重量%~70重量%など、15重量%~65重量%など、15重量%~60重量%など、15重量%~50重量%など、30重量%~99重量%など、30重量%~90重量%など、30重量%~85重量%など、30重量%~80重量%など、30重量%~75重量%など、30重量%~70重量%など、30重量%~65重量%など、30重量%~60重量%など、30重量%~50重量%など、35重量%~99重量%など、35重量%~90重量%など、35重量%~85重量%など、35重量%~80重量%など、35重量%~75重量%など、35重量%~70重量%など、35重量%~65重量%など、35重量%~60重量%など、35重量%~50重量%など、40重量%~99重量%など、40重量%~90重量%など、40重量%~85重量%など、40重量%~80重量%など、40重量%~75重量%など、40重量%~70重量%など、40重量%~65重量%など、40重量%~60重量%など、40重量%~50重量%など、45重量%~99重量%など、45重量%~90重量%など、45重量%~85重量%など、45重量%~80重量%など、45重量%~75重量%など、45重量%~70重量%など、45重量%~65重量%など、45重量%~60重量%など、45重量%~50重量%など、50重量%~99重量%など、50重量%~90重量%など、50重量%~85重量%など、50重量%~80重量%など、50重量%~75重量%など、50重量%~70重量%など、50重量%~65重量%など、50重量%~60重量%など、55重量%~99重量%など、55重量%~90重量%など、55重量%~85重量%など、55重量%~80重量%など、55重量%~75重量%など、55重量%~70重量%など、55重量%~65重量%など、55重量%~60重量%など、60重量%~99重量%など、60重量%~90重量%など、60重量%~85重量%など、60重量%~80重量%など、60重量%~75重量%など、60重量%~70重量%など、60重量%~65%などを構成し得る。分散剤コポリマーは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルおよび/またはアルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸官能性モノマーを、反応混合物中で使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、1重量%~90重量%など、1重量%~85重量%など、1重量%~80重量%など、1重量%~75重量%など、1重量%~70重量%など、1重量%~65重量%など、1重量%~60重量%など、1重量%~50重量%など、15重量%~99重量%など、15重量%~90重量%など、15重量%~85重量%など、15重量%~80重量%など、15重量%~75重量%など、15重量%~70重量%など、15重量%~65重量%など、15重量%~60重量%など、15重量%~50重量%など、30重量%~99重量%など、30重量%~90重量%など、30重量%~85重量%など、30重量%~80重量%など、30重量%~75重量%など、30重量%~70重量%など、30重量%~65重量%など、30重量%~60重量%など、30重量%~50重量%など、35重量%~99重量%など、35重量%~90重量%など、35重量%~85重量%など、35重量%~80重量%など、35重量%~75重量%など、35重量%~70重量%など、35重量%~65重量%など、35重量%~60重量%など、35重量%~50重量%など、40重量%~99重量%など、40重量%~90重量%など、40重量%~85重量%など、40重量%~80重量%など、40重量%~75重量%など、40重量%~70重量%など、40重量%~65重量%など、40重量%~60重量%など、40重量%~50重量%など、45重量%~99重量%など、45重量%~90重量%など、45重量%~85重量%など、45重量%~80重量%など、45重量%~75重量%など、45重量%~70重量%など、45重量%~65重量%など、45重量%~60重量%など、45重量%~50重量%など、50重量%~99重量%など、50重量%~90重量%など、50重量%~85重量%など、50重量%~80重量%など、50重量%~75重量%など、50重量%~70重量%など、50重量%~65重量%など、50重量%~60重量%など、55重量%~99重量%など、55重量%~90重量%など、55重量%~85重量%など、55重量%~80重量%など、55重量%~75重量%など、55重量%~70重量%など、55重量%~65重量%など、55重量%~60重量%など、60重量%~99重量%など、60重量%~90重量%など、60重量%~85重量%など、60重量%~80重量%など、60重量%~75重量%など、60重量%~70重量%など、60重量%~65重量%などの、1重量%~99重量%の量で含む反応混合物から誘導され得る。
【0026】
アルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位に加えて、またはその代わりに、分散剤コポリマーは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位を含み得る。(メタ)アクリル酸のアルキルエステルは、アルキル基中に、1~12個の炭素原子など、1~8個の炭素など、1~6個の炭素原子など、1~4個の炭素原子など、1~3個の炭素原子など、1~2個の炭素原子など、2~18個の炭素原子など、2~12個の炭素原子など、2~8個の炭素など、2~6個の炭素原子など、2~4個の炭素原子など、2~3個の炭素原子など、3~18個の炭素原子など、3~12個の炭素原子など、3~8個の炭素など、3~6個の炭素原子など、3~4個の炭素原子など、4~18個の炭素原子など、4~12個の炭素原子など、4~11個の炭素原子など、4~10個の炭素原子など、4~9個の炭素原子など、4~8個の炭素など、4~7個の炭素原子など、4~6個の炭素原子などの、1~18個の炭素原子を含み得る。(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの非限定的な例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、およびドデシル(メタ)アクリレート、ならびにシクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどの脂環式基を有する(メタ)アクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位は、分散剤コポリマーの総重量に基づいて、少なくとも35重量%など、少なくとも40重量%など、少なくとも45重量%など、少なくとも50重量%など、少なくとも55重量%など、少なくとも60重量%など、少なくとも70重量%など、少なくとも75重量%など、少なくとも80重量%などの、少なくとも30重量%を構成し得る。(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位は、分散剤コポリマーの総重量に基づいて、90重量%以下など、85重量%以下など、80重量%以下など、75重量%以下など、70重量%以下など、65重量%以下など、60重量%以下などの、99重量%以下を構成し得る。(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位は、分散剤コポリマーの総重量に基づいて、30重量%~99重量%など、30重量%~90重量%など、30重量%~85重量%など、30重量%~80重量%など、30重量%~75重量%など、30重量%~70重量%など、30重量%~65重量%など、30重量%~60重量%など、35重量%~99重量%など、35重量%~90重量%など、35重量%~85重量%など、35重量%~80重量%など、35重量%~75重量%など、35重量%~70重量%など、35重量%~65重量%など、35重量%~60重量%など、40重量%~99重量%など、40重量%~90重量%など、40重量%~85重量%など、40重量%~80重量%など、40重量%~75重量%など、40重量%~70重量%など、40重量%~65重量%など、40重量%~60重量%など、45重量%~99重量%など、45重量%~90重量%など、45重量%~85重量%など、45重量%~80重量%など、45重量%~75重量%など、45重量%~70重量%など、45重量%~65重量%など、45重量%~60重量%など、50重量%~99重量%など、50重量%~90重量%など、50重量%~85重量%など、50重量%~80重量%など、50重量%~75重量%など、50重量%~70重量%など、50重量%~65重量%など、50重量%~60重量%など、55重量%~99重量%など、55重量%~90重量%など、55重量%~85重量%など、55重量%~80重量%など、55重量%~75重量%など、55重量%~70重量%など、55重量%~65重量%など、55重量%~60重量%など、60重量%~99重量%など、60重量%~90重量%など、60重量%~85重量%など、60重量%~80重量%など、60重量%~75重量%など、60重量%~70重量%など、60重量%~65重量%などを構成し得る。分散剤コポリマーは、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを、反応混合物中で使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、30重量%~90重量%など、30重量%~85重量%など、30重量%~80重量%など、30重量%~75重量%など、30重量%~70重量%など、30重量%~65重量%など、30重量%~60重量%など、35重量%~99重量%など、35重量%~90重量%など、35重量%~85重量%など、35重量%~80重量%など、35重量%~75重量%など、35重量%~70重量%など、35重量%~65重量%など、35重量%~60重量%など、40重量%~99重量%など、40重量%~90重量%など、40重量%~85重量%など、40重量%~80重量%など、40重量%~75重量%など、40重量%~70重量%など、40重量%~65重量%など、40重量%~60重量%など、45重量%~99重量%など、45重量%~90重量%など、45重量%~85重量%など、45重量%~80重量%など、45重量%~75重量%など、45重量%~70重量%など、45重量%~65重量%など、45重量%~60重量%など、50重量%~99重量%など、50重量%~90重量%など、50重量%~85重量%など、50重量%~80重量%など、50重量%~75重量%など、50重量%~70重量%など、50重量%~65重量%など、50重量%~60重量%など、55重量%~99重量%など、55重量%~90重量%など、55重量%~85重量%など、55重量%~80重量%など、55重量%~75重量%など、55重量%~70重量%など、55重量%~65重量%など、55重量%~60重量%など、60重量%~99重量%など、60重量%~90重量%など、60重量%~85重量%など、60重量%~80重量%など、60重量%~75重量%など、60重量%~70重量%など、60重量%~65重量%などの、30重量%~99重量%の量で含む反応混合物から誘導され得る。
【0027】
(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位に加えて、またはその代わりに、分散剤コポリマーは、アルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位を含み得る。アルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸の非限定的な例としては、アクリル酸およびメタクリル酸などの、最大16個の炭素原子など、最大12個の炭素原子など、最大10個の炭素原子などの、最大18個の炭素原子を含有するものが挙げられる。他の不飽和酸の非限定的な例は、マレイン酸またはその無水物、フマル酸およびイタコン酸などのアルファ、ベータ-エチレン性不飽和ジカルボン酸である。また、これらのジカルボン酸の半エステルが用いられ得る。アルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位は、分散剤コポリマーの総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%など、少なくとも1重量%など、少なくとも1.5重量%など、少なくとも3重量%など、少なくとも5重量%など、少なくとも7重量%など、少なくとも10重量%などの、少なくとも0.1重量%を構成し得る。アルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位は、分散剤コポリマーの総重量に基づいて、20重量%以下など、15重量%以下など、10重量%以下など、8重量%以下など、6重量%以下など、5重量%以下など、4重量%以下など、3重量%以下など、2重量%以下など、1.5重量%以下など、1.0重量%以下などの、30重量%以下を構成し得る。アルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位は、分散剤コポリマーの総重量に基づいて、0.1重量%~20重量%など、0.1重量%~15重量%など、0.1重量%~10重量%など、0.1重量%~8重量%など、0.1重量%~6重量%など、0.1重量%~5重量%など、0.1重量%~4重量%など、0.5重量%~3重量%など、0.1重量%~2重量%など、0.1重量%~1.5重量%など、0.1重量%~1.0重量%など、0.5重量%~30重量%など、0.5重量%~20重量%など、0.5重量%~15重量%など、0.5重量%~10重量%など、0.5重量%~8重量%など、0.5重量%~6重量%など、0.5重量%~5重量%など、0.5重量%~4重量%など、0.5重量%~3重量%など、0.5重量%~2重量%など、0.5重量%~1.5重量%など、0.5重量%~1.0重量%など、1重量%~30重量%など、1重量%~20重量%など、1重量%~15重量%など、1重量%~10重量%など、1重量%~8重量%など、1重量%~6重量%など、1重量%~5重量%など、1重量%~4重量%など、1重量%~3重量%など、1重量%~2重量%など、1重量%~1.5重量%など、1.5重量%~30重量%など、1.5重量%~20重量%など、1.5重量%~15重量%など、1.5重量%~10重量%など、1.5重量%~8重量%など、1.5重量%~6重量%など、1.5重量%~5重量%など、1.5重量%~4重量%など、1.5重量%~3重量%など、1.5重量%~2重量%など、3重量%~30重量%など、3重量%~20重量%など、3重量%~15重量%など、3重量%~10重量%など、3重量%~8重量%など、3重量%~6重量%など、3重量%~5重量%など、3重量%~4重量%など、5重量%~30重量%など、5重量%~20重量%など、5重量%~15重量%など、5重量%~10重量%など、5重量%~8重量%など、5重量%~6重量%など、7重量%~30重量%など、7重量%~20重量%など、7重量%~15重量%など、7重量%~10重量%など、7重量%~8重量%など、10重量%~30重量%など、10重量%~20重量%など、10重量%~15重量%などの、0.1重量%~30重量%を構成し得る。分散剤コポリマーは、アルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸を、反応混合物中で使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、0.1重量%~20重量%など、0.1重量%~15重量%など、0.1重量%~10重量%など、0.1重量%~8重量%など、0.1重量%~6重量%など、0.1重量%~5重量%など、0.1重量%~4重量%など、0.5重量%~3重量%など、0.1重量%~2重量%など、0.1重量%~1.5重量%など、0.1重量%~1.0重量%など、0.5重量%~30重量%など、0.5重量%~20重量%など、0.5重量%~15重量%など、0.5重量%~10重量%など、0.5重量%~8重量%など、0.5重量%~6重量%など、0.5重量%~5重量%など、0.5重量%~4重量%など、0.5重量%~3重量%など、0.5重量%~2重量%など、0.5重量%~1.5重量%など、0.5重量%~1.0重量%など、1重量%~30重量%など、1重量%~20重量%など、1重量%~15重量%など、1重量%~10重量%など、1重量%~8重量%など、1重量%~6重量%など、1重量%~5重量%など、1重量%~4重量%など、1重量%~3重量%など、1重量%~2重量%など、1重量%~1.5重量%など、1.5重量%~30重量%など、1.5重量%~20重量%など、1.5重量%~15重量%など、1.5重量%~10重量%など、1.5重量%~8重量%など、1.5重量%~6重量%など、1.5重量%~5重量%など、1.5重量%~4重量%など、1.5重量%~3重量%など、1.5重量%~2重量%など、3重量%~30重量%など、3重量%~20重量%など、3重量%~15重量%など、3重量%~10重量%など、3重量%~8重量%など、3重量%~6重量%など、3重量%~5重量%など、3重量%~4重量%など、5重量%~30重量%など、5重量%~20重量%など、5重量%~15重量%など、5重量%~10重量%など、5重量%~8重量%など、5重量%~6重量%など、7重量%~30重量%など、7重量%~20重量%など、7重量%~15重量%など、7重量%~10重量%など、7重量%~8重量%など、10重量%~30重量%など、10重量%~20重量%など、10重量%~15重量%などの、0.1重量%~30重量%の量で含む反応混合物から誘導され得る。分散剤コポリマー中のアルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸の残基を含む構成単位を含めることは、少なくとも1つのカルボン酸基を含む分散剤コポリマーを生じる。アルファ、ベータ-エチレン性不飽和カルボン酸を含めることから生じるカルボン酸基は、例えば、カルボジイミド、ポリエポキシド、ポリオキサゾリン、およびポリアジリジンなどの、カルボン酸基と反応する官能基を含む別に添加される架橋剤と反応することができる。
【0028】
分散剤は、必要に応じて、ヒドロキシル官能基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含み得る。ヒドロキシル官能基を含むエチレン性不飽和モノマーの非限定的な例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、およびヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。ヒドロキシル官能基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、分散剤の総重量に基づいて、少なくとも0.5%重量%など、少なくとも1%重量%など、少なくとも1.5%重量%など、少なくとも3%重量%など、少なくとも5%重量%など、少なくとも7%重量%など、少なくとも8重量%などの、少なくとも0.1重量%を構成し得る。ヒドロキシル官能基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、分散剤の総重量に基づいて、20重量%以下など、15重量%以下など、10重量%以下など、8重量%以下など、6重量%以下など、5重量%以下など、3重量%以下など、2重量%以下など、1重量%以下などの、25重量%以下を構成し得る。ヒドロキシル官能基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、分散剤の総重量に基づいて、0.1重量%~20重量%など、0.1重量%~15重量%など、0.1重量%~10重量%など、0.1重量%~8重量%など、0.1重量%~6重量%など、0.1重量%~5重量%など、0.1重量%~3重量%など、0.1重量%~2重量%など、0.1重量%~1重量%など、0.5重量%~25重量%、0.5重量%~20重量%など、0.5重量%~15重量%など、0.5重量%~10重量%など、0.5重量%~8重量%など、0.5重量%~6重量%など、0.5重量%~5重量%など、0.5重量%~3重量%など、0.5重量%~2重量%など、0.5重量%~1重量%など、1重量%~25重量%など、1重量%~20重量%など、1重量%~15重量%など、1重量%~10重量%など、1重量%~8重量%など、1重量%~6重量%など、1重量%~5重量%など、1重量%~3重量%など、1重量%~2重量%など、1.5重量%~25重量%など、1.5重量%~20重量%など、1.5重量%~15重量%など、1.5重量%~10重量%など、1.5重量%~8重量%など、1.5重量%~6重量%など、1.5重量%~5重量%など、1.5重量%~3重量%など、1.5重量%~2重量%など、3重量%~25重量%など、3重量%~20重量%など、3重量%~15重量%など、3重量%~10重量%など、3重量%~8重量%など、3重量%~6重量%など、3重量%~5重量%など、5重量%~25重量%など、5重量%~20重量%など、5重量%~15重量%など、5重量%~10重量%など、5重量%~8重量%など、5重量%~6重量%など、7重量%~25重量%など、7重量%~20重量%など、7重量%~15重量%など、7重量%~10重量%など、7重量%~8重量%など、8重量%~25重量%など、8重量%~20重量%など、8重量%~15重量%など、8重量%~10重量%などの、0.1重量%~25重量%を構成し得る。分散剤は、必要に応じて、ヒドロキシル官能基を含むエチレン性不飽和モノマーを、反応混合物中で使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、0.1重量%~20重量%など、0.1重量%~15重量%など、0.1重量%~10重量%など、0.1重量%~8重量%など、0.1重量%~6重量%など、0.1重量%~5重量%など、0.1重量%~3重量%など、0.1重量%~2重量%など、0.1重量%~1重量%など、0.5重量%~25重量%、0.5重量%~20重量%など、0.5重量%~15重量%など、0.5重量%~10重量%など、0.5重量%~8重量%など、0.5重量%~6重量%など、0.5重量%~5重量%など、0.5重量%~3重量%など、0.5重量%~2重量%など、0.5重量%~1重量%など、1重量%~25重量%など、1重量%~20重量%など、1重量%~15重量%など、1重量%~10重量%など、1重量%~8重量%など、1重量%~6重量%など、1重量%~5重量%など、1重量%~3重量%など、1重量%~2重量%など、1.5重量%~25重量%など、1.5重量%~20重量%など、1.5重量%~15重量%など、1.5重量%~10重量%など、1.5重量%~8重量%など、1.5重量%~6重量%など、1.5重量%~5重量%など、1.5重量%~3重量%など、1.5重量%~2重量%など、3重量%~25重量%など、3重量%~20重量%など、3重量%~15重量%など、3重量%~10重量%など、3重量%~8重量%など、3重量%~6重量%など、3重量%~5重量%など、5重量%~25重量%など、5重量%~20重量%など、5重量%~15重量%など、5重量%~10重量%など、5重量%~8重量%など、5重量%~6重量%など、7重量%~25重量%など、7重量%~20重量%など、7重量%~15重量%など、7重量%~10重量%など、7重量%~8重量%など、8重量%~25重量%など、8重量%~20重量%など、8重量%~15重量%など、8重量%~10重量%などの、0.1重量%~25重量%の量で含む反応混合物から誘導され得る。分散剤中のヒドロキシル官能基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含めることは、少なくとも1つのヒドロキシル基を含む分散剤を生じる(が、ヒドロキシル基は、他の方法によって包めることができる)。ヒドロキシアルキルエステルを含める(または他の手段によって組み込まれる)ことから生じるヒドロキシル基は、ヒドロキシル基と反応する官能基を含む別に添加される架橋剤と反応することができ、ヒドロキシル基と反応する基を有する、例えば、アミノプラスト、フェノールプラスト、ポリエポキシドなどが、分散剤に組み込まれる。
【0029】
あるいは、分散剤は、ヒドロキシル官能基を含むエチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を実質的に含まないか、本質的に含まないか、または完全に含まなくてもよい。
【0030】
分散剤は、アルキル基中に少なくとも8個の炭素原子を含む(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基を含む構成単位を実質的に含まないか、本質的に含まないか、または完全に含まなくてもよい。
【0031】
本明細書で使用される場合、分散剤は、モノマーの残基を含む構成単位を「実質的に含まず」、仮にモノマーが存在するとしても、分散剤の総重量に基づいて、0.1重量%未満の量で存在する。本明細書で使用される場合、分散剤は、モノマーの残基を含む構造単位を「本質的に含まず」、仮にモノマーが存在するとしても、分散剤の総重量に基づいて、0.01重量%未満の量で存在する。本明細書で使用される場合、モノマーが分散剤中に存在しない場合、分散剤は、モノマーの残基を含む構成単位を「完全に含まない」、すなわち、分散剤の総重量に基づいて、0.000重量%である。
【0032】
分散剤コポリマーは、ビニル芳香族化合物の残基を含む構成単位を更に含み得る。ビニル芳香族化合物の非限定的な例としては、スチレン、アルファ-メチルスチレン、アルファ-クロロスチレン、およびビニルトルエンが挙げられる。ビニル芳香族化合物の残基を含む構成単位は、分散剤コポリマーの総重量に基づいて、少なくとも1重量%など、少なくとも5重量%など、少なくとも10重量%など、少なくとも15重量%など、少なくとも20重量%など、少なくとも25重量%などの、少なくとも0.1重量%を構成し得る。ビニル芳香族化合物の残基を含む構成単位は、分散剤コポリマーの総重量に基づいて、40重量%以下など、30重量%以下など、20重量%以下など、15重量%以下など、10重量%以下などの、50重量%以下を構成し得る。ビニル芳香族化合物の残基を含む構成単位は、分散剤コポリマーの総重量に基づいて、0.1重量%~50重量%など、0.1重量%~40重量%など、0.1重量%~30重量%など、0.1重量%~20重量%など、0.1重量%~15重量%など、0.1重量%~10重量%など、1重量%~50重量%など、1重量%~40重量%など、1重量%~30重量%など、1重量%~20重量%など、1重量%~15重量%など、1重量%~10重量%など、5重量%~50重量%など、5重量%~40重量%など、5重量%~30重量%など、5重量%~20重量%など、5重量%~15重量%など、5重量%~10重量%など、10重量%~50重量%など、10重量%~40重量%など、10重量%~30重量%など、10重量%~20重量%など、10重量%~15重量%など、15重量%~50重量%など、15重量%~40重量%など、15重量%~30重量%など、15重量%~20重量%など、20重量%~50重量%など、20重量%~40重量%など、20重量%~30重量%など、25重量%~50重量%など、25重量%~40重量%など、25重量%~30重量%などを構成し得る。分散剤コポリマーは、ビニル芳香族化合物を、反応混合物中で使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、0.1重量%~50重量%など、0.1重量%~40重量%など、0.1重量%~30重量%など、0.1重量%~20重量%など、0.1重量%~15重量%など、0.1重量%~10重量%など、1重量%~50重量%など、1重量%~40重量%など、1重量%~30重量%など、1重量%~20重量%など、1重量%~15重量%など、1重量%~10重量%など、5重量%~50重量%など、5重量%~40重量%など、5重量%~30重量%など、5重量%~20重量%など、5重量%~15重量%など、5重量%~10重量%など、10重量%~50重量%など、10重量%~40重量%など、10重量%~30重量%など、10重量%~20重量%など、10重量%~15重量%など、15重量%~50重量%など、15重量%~40重量%など、15重量%~30重量%など、15重量%~20重量%など、20重量%~50重量%など、20重量%~40重量%など、20重量%~30重量%など、25重量%~50重量%など、25重量%~40重量%など、25重量%~30重量%などの量で含む反応混合物から誘導され得る。
【0033】
分散剤は、必要に応じて、他のアルファ、ベータ-エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含み得る。他のアルファ、ベータ-エチレン性不飽和モノマーの非限定的な例としては、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルなどの有機ニトリル;塩化アリルおよびアリルシアニドなどのアリルモノマー;1,3-ブタジエンおよび2-メチル-1,3-ブタジエンなどのモノマージエン;アセトアセトキシエチルメタクリレート(AAEM)(自己架橋され得る)などのアセトアセトキシアルキル(メタ)アクリレート;エチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレートなどの二官能性不飽和モノマー;ビニルアセテートなどのビニルエステル;N-ビニル非環式アミド;アクリルアミド、N-ブトキシメチロールアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、およびジアセトンアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミドが挙げられる。他のアルファ、ベータ-エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、分散剤の総重量に基づいて、少なくとも1重量%など、少なくとも1.5重量%などの、少なくとも少なくとも0.5重量%を構成し得る。他のアルファ、ベータ-エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、分散剤の総重量に基づいて、15重量%以下など、8重量%以下など、6重量%以下など、5重量%以下など、4重量%以下など、3重量%以下など、2重量%以下など、1.5重量%以下など、1.0重量%以下などの、20重量%を構成し得る。他のアルファ、ベータ-エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位は、分散剤の総重量に基づいて、0.5重量%~15重量%など、0.5重量%~10重量%など、0.5重量%~8重量%など、0.5重量%~6重量%など、0.5重量%~5重量%など、0.5重量%~4重量%など、0.5重量%~3重量%など、0.5重量%~2重量%など、0.5重量%~1.5重量%など、0.5重量%~1.0重量%など、1重量%~20重量%など、1重量%~15重量%など、1重量%~10重量%など、1重量%~8重量%など、1重量%~6重量%など、1重量%~5重量%など、1重量%~4重量%など、1重量%~3重量%など、1重量%~2重量%など、1重量%~1.5重量%など、1.5重量%~20重量%など、1.5重量%~15重量%など、1.5重量%~10重量%など、1.5重量%~8重量%など、1.5重量%~6重量%など、1.5重量%~5重量%など、1.5重量%~4重量%など、1.5重量%~3重量%など、1.5重量%~2重量%などの、0.5重量%~20重量%を構成し得る。分散剤は、必要に応じて、他のアルファ、ベータ-エチレン性不飽和モノマーを、反応混合物中で使用される重合性モノマーの総重量に基づいて、0.5重量%~15重量%など、0.5重量%~10重量%など、0.5重量%~8重量%など、0.5重量%~6重量%など、0.5重量%~5重量%など、0.5重量%~4重量%など、0.5重量%~3重量%など、0.5重量%~2重量%など、0.5重量%~1.5重量%など、0.5重量%~1.0重量%など、1重量%~20重量%など、1重量%~15重量%など、1重量%~10重量%など、1重量%~8重量%など、1重量%~6重量%など、1重量%~5重量%など、1重量%~4重量%など、1重量%~3重量%など、1重量%~2重量%など、1重量%~1.5重量%など、1.5重量%~20重量%など、1.5重量%~15重量%など、1.5重量%~10重量%など、1.5重量%~8重量%など、1.5重量%~6重量%など、1.5重量%~5重量%など、1.5重量%~4重量%など、1.5重量%~3重量%など、1.5重量%~2重量%などの、0.5重量%~20重量%の量で含む反応混合物から誘導され得る。
【0034】
あるいは、分散剤は、上述の他のアルファ、ベータ-エチレン性不飽和モノマーのうちのいずれかの残基を含む構成単位を実質的に含まないか、本質的に含まないか、または完全に含まなくてもよい。
【0035】
モノマーおよび相対量は、生じる分散剤が、+100℃または+100℃未満のTgを有し得るように選択され得る。生じる分散剤は、例えば、少なくとも-60℃など、少なくとも-55℃など、少なくとも-50℃など、少なくとも-40℃など、少なくとも-30℃など、少なくとも-20℃など、少なくとも-15℃など、少なくとも-10℃など、少なくとも-5℃など、少なくとも0℃などの、少なくとも少なくとも-70℃のTgを有し得る。生じる分散剤は、例えば、+50℃以下など、+40℃以下など、+25℃以下など、+15℃以下など、+10℃以下など、+5℃以下など、0℃以下などのTgを有し得る。生じる分散剤は、例えば、-70~+100℃など、-70~+50℃など、-70~+40℃など、-70~+25℃など、-70~+20℃など、-70~+15℃など、-70~+10℃など、-70~+5℃など、-70~0℃など、-60~+100℃など、-60~+50℃など、-60~+40℃など、-60~+25℃など、-60~+20℃など、-60~+15℃など、-60~+10℃など、-60~+5℃など、-60~0℃など、-55~+100℃など、-55~+50℃など、-55~+40℃など、-55~+25℃など、-55~+20℃など、-55~+15℃など、-55~+10℃など、-55~+5℃など、-55~0℃など、-50~+100℃など、-50~+50℃など、-50~+40℃など、-50~+25℃など、-50~+20℃など、-50~+15℃など、-50~+10℃など、-50~+5℃など、-50~0℃など、-40~+100℃など、-40~+50℃など、-40~+40℃など、-40~+25℃など、-40~+20℃など、-40~+15℃など、-40~+10℃など、-40~+5℃など、-40~0℃など、-30~+100℃など、-30~+50℃など、-30~+40℃など、-30~+25℃など、-30~+20℃など、-30~+15℃など、-30~+10℃など、-30~+5℃など、-30~0℃など、-20~+100℃など、-20~+50℃など、-20~+40℃など、-20~+25℃など、-20~+20℃など、-20~+15℃など、-20~+10℃など、-20~+5℃など、-20~0℃など、-15~+100℃など、-15~+50℃など、-15~+40℃など、-15~+25℃など、-15~+20℃など、-15~+15℃など、-15~+10℃など、-15~+5℃など、-15~0℃など、-10~+100℃など、-10~+50℃など、-10~+40℃など、-10~+25℃など、-10~+20℃など、-10~+15℃など、-10~+10℃など、-10~+5℃など、-10~0℃など、-5~+100℃など、-5~+50℃など、-5~+40℃など、-5~+25℃など、-5~+20℃など、-5~+15℃など、-5~+10℃など、-5~+5℃など、-5~0℃など、0~+100℃など、0~+50℃など、0~+40℃など、0~+25℃など、0~+20℃など、0~+15℃などのTgを有し得る。低温での許容可能な電池性能を確保するには、0℃未満のTgが望ましい場合がある。
【0036】
分散剤は、少なくとも5,000g/molなど、少なくとも20,000g/molなど、少なくとも50,000g/molなど、少なくとも75,000g/molなど、少なくとも95,000g/molなどの、少なくとも2,000g/molの重量平均分子量を有し得る。分散剤は、500,000g/mol以下など、200,000g/mol以下など、150,000g/mol以下など、100,000g/molなどの、1,000,000g/mol以下の重量平均分子量を有し得る。分散剤は、2,000~500,000g/molなど、2,000~200,000g/molなど、2,000~150,000g/molなど、2,000~100,000g/molなど、5,000~1,000,000g/molなど、5,000~500,000g/molなど、5,000~200,000g/molなど、5,000~150,000g/molなど、5,000~100,000g/molなど、20,000~1,000,000g/molなど、20,000~500,000g/molなど、20,000~200,000g/molなど、20,000~150,000g/molなど、20,000~100,000g/molなど、50,000~1,000,000g/molなど、50,000~500,000g/molなど、50,000~200,000g/molなど、50,000~150,000g/molなど、50,000~100,000g/molなど、75,000~1,000,000g/molなど、75,000~500,000g/molなど、75,000~200,000g/molなど、75,000~150,000g/molなど、75,000~100,000g/molなど、95,000~1,000,000g/molなど、95,000~500,000g/molなど、95,000~200,000g/molなど、95,000~150,000g/molなど、95,000~100,000g/molなどの、2,000~1,000,000g/molの重量平均分子量を有し得る。
【0037】
分散剤は、重合性モノマーが、溶媒または溶媒の混合物を含む有機媒体中に溶解され、変換が完了するまでフリーラジカル開始剤の存在下で重合される、従来のフリーラジカル開始溶液重合技術によって調製され得る。
【0038】
フリーラジカル開始剤の例としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(アルファ、ガンマ-メチルバレロニトリル)、三級ブチルペルベンゾエート、三級ブチルペルアセテート、ベンゾイルペルオキシド、ジ三級ブチルペルオキシド、および三級アミルペルオキシ2-エチルヘキシルカーボネートなどの有機媒体に可溶性であるものである。
【0039】
必要に応じて、アルキルメルカプタンなどのモノマー、例えば、三級ドデシルメルカプタン;メチルエチルケトンなどのケトン、クロロホルムなどの塩化炭化水素の混合物に可溶性である連鎖移動剤が使用され得る。連鎖移動剤は、様々なコーティング塗布に必要な粘度を有する生成物を与えるように、分子量に対する制御を提供する。
【0040】
分散剤を調製するために、溶媒を最初に加熱して還流させてもよく、次いで重合性モノマーの混合物および有機媒体中のフリーラジカル開始剤の混合物を別々に一定期間にわたって還流中の溶媒に添加してもよい。次いで、反応混合物を重合温度で保持して、重合性モノマーの混合物の総重量に基づいて、1.0パーセントを下回り、通常は0.5パーセントを下回るように遊離モノマー含有量を低減させる。
【0041】
有機媒体中での重合後、および水性媒体中への分散前に、分散剤のカルボン酸基は、存在する場合、当該分散剤を中和塩基と接触させることによって少なくとも部分的に中和され得る。好適な中和塩基の例としては、限定されないが、例えば、ジメチルエタノールアミン(DMEA)、トリメチルアミン、メチルジエタノールアミン、エチルメチルエタノールアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、ジメチル3-ヒドロキシ-1-プロピルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジメチル2-ヒドロキシ-1-プロピルアミン、ジエチルメチルアミン、ジメチル1-ヒドロキシ-2-プロピルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N-メチルモルホリンなどの三級アミン;アンモニア;ヒドラジン;金属アルミニウム;金属亜鉛;元素Li、Na、K、Mg、Ca、Fe(II)、およびSn(II)の水溶性酸化物;元素Li、Na、K、Mg、Ca、Fe(II)、およびSn(II)の水溶性水酸化物;元素Li、Na、K、Mg、Ca、Fe(II)、およびSn(II)の水溶性カーボネート;ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。中和塩基は、三級アミンを含み得る。中和塩基は、ジメチルエタノールアミン(DMEA)を含み得る。
【0042】
溶液重合分散剤は、中和塩基の添加前、添加中、または添加後に、水中に実質的に溶解および/または分散され得る。溶液重合分散剤は、中和塩基の添加中に、水中に実質的に溶解および/または分散され得る。したがって、溶液重合分散剤を溶媒中で形成し、その後、水中に実質的に溶解および/または分散させてもよい。溶液重合分散剤を溶媒中で形成し、その後、水中に実質的に溶解させてもよい。溶液重合分散剤は、十分な官能性を有するので、水中に実質的に溶解させることができる。
【0043】
分散剤はまた、従来のエマルション重合技術によって調製され得る。分散剤は、従来のエマルションバッチプロセスまたは連続プロセスによって調製され得る。バッチプロセスの一例では、モノマー組成物を、最初に水を充填した加熱した反応器に、1時間~4時間の期間にわたって供給する。開始剤は、同時に供給してもよく、モノマー組成物の一部であってもよいか、またはモノマー組成物に供給される前に反応器に充填してもよい。最適な温度は、使用される特定の開始剤に依存する。時間の長さは、2時間~6時間の範囲であり得、反応温度は、25℃~90℃の範囲であり得る。
【0044】
別の例では、水およびモノマー組成物の少量の部分を少量の界面活性剤およびフリーラジカル開始剤とともに反応器に充填して、シードを形成してもよい。残りのモノマー、界面活性剤、および水のプレエマルションを、窒素ブランケットを使用して、約80℃~85℃の反応温度で、所定の期間(例えば、3時間)にわたって開始剤とともに供給する。1時間保持した後、モノマー供給が完了したら、残りの(過酸化水素/イソアスコルビン酸を含む)遊離モノマーを還元するための後酸化還元供給物(post redox feed)を反応器に添加する。次いで、ラテックス生成物を7~8のpHまで中和する。
【0045】
エマルション重合反応混合物は、界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、または非イオン性の種類の安定剤であり得る。アニオン性界面活性剤の好適な例としては、限定されないが、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムまたはポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムなどのアルキルスルフェート;例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアリールスルホネート;例えば、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、およびジシクロヘキシルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホスクシネート;ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。非イオン性乳化剤の好適な例としては、限定されないが、例えば、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテルなどの脂肪アルコールエトキシレート;例えば、ポリエチレングリコールモノステアレートまたはポリエチレングリコールモノラウレートなどの脂肪酸エトキシレート;例えば、プルロニック(登録商標)としても知られているポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールブロックポリマーなどのポリエーテルブロックポリマー(この種類の市販の製品としては、Dow Chemicalから市販されているTergitol(RTM)XJ、XH、またはXDが挙げられる)、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。カチオン性乳化剤の好適な例としては、限定されないが、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウムまたは臭化ベンジルドデシルジメチルアンモニウム、およびそれらの組み合わせなどのアミン塩が挙げられる。アニオン性およびカチオン性乳化剤の混合物が望ましくない場合があることは、当業者によって理解されるであろう。また、界面活性剤がエチレン性不飽和モノマーと共重合することが可能なアリル基などの不飽和基を含有する、反応性界面活性剤が使用され得る。好適な例としては、限定されないが、Adeka Reasoap SR-10、Hitenol BC-1025、およびMaxemul 6106が挙げられる。
【0046】
エチレン性不飽和モノマーの重合を行うために、通常、フリーラジカル開始剤が存在する。水溶性および油溶性開始剤の両方が使用され得る。酸化還元開始剤などの特定の開始剤の添加は、強い発熱反応を生じ得るので、一般に、反応が行われる直前に、開始剤を他の成分に添加することが望ましい。水溶性開始剤の例としては、過酸化二硫酸アンモニウム、過酸化二硫酸カリウム、および過酸化水素が挙げられる。油溶性開始剤の例としては、t-ブチルヒドロペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、t-ブチルペルベンゾエート、および2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)が挙げられる。ペルオキシ二硫酸アンモニウム/メタ重亜硫酸ナトリウムまたはt-ブチルヒドロペルオキシド/イソアスコルビン酸などの酸化還元開始剤が、本明細書で利用され得る。
【0047】
あるいは、水性媒体中の分散剤は、Newton,MassのMicrofluidics Corporationから入手可能なMICROFLUIDIZER(登録商標)乳化器を使用することによるマイクロ流体化などの高応力技術によって調製することができる。MICROFLUIDIZER(登録商標)高圧インピンジメント乳化器は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,533,254号に開示されている。デバイスは、高圧(最大1.4×10kPa(20,000psi))ポンプおよび乳化が行われる相互作用チャンバからなる。ポンプは、水性媒体中の反応物の混合物をチャンバ内に強制的に送り、チャンバ内で、反応物は、少なくとも2つの流れへと分割され、少なくとも2つのスリットを非常に高速で通過し、衝突し、小さな粒子への混合物の微粒子化が生じる。一般に、3.5×10~1×10kPa(5,000~15,000psi)の圧力で、反応混合物を乳化器に1回通過させる。複数回通過させることによって、より小さい平均粒径およびより狭い粒径分布範囲を生じることができる。前述のMICROFLUIDIZER(登録商標)乳化器を使用する場合、応力は、説明されているように、液体-液体インピンジメントによって印加される。しかしながら、望ましい場合、必要な粒径分布を達成するのに十分な応力が印加される限り、すなわち、重合後にポリマー微粒子の20%未満が5ミクロン超の平均直径を有するように、事前乳化混合物に応力を印加する他のモードを利用することができることが理解されるべきである。例えば、応力を印加する1つの代替的な様式は、超音波エネルギーの使用であろう。
【0048】
重合が完了したら、生じた生成物は、水性媒体中での分散剤の安定な分散体である。したがって、水性媒体は、水溶性分散剤を実質的に含まなくてもよい。生じる分散剤は、無論、水性媒体に不溶性である。本明細書で使用される場合、「実質的に含まない」とは、水性媒体が、分散剤の総重量に基づいて、15重量%以下などの、30重量%以下の溶解された分散剤を含有することを意味する。「安定的に分散した」とは、ポリマー微粒子が静置時に沈降せず、製造中または静置中に本質的に凝固または凝集しないことを意味する。
【0049】
水性媒体中の分散剤の粒径は、均一に小さくてもよい、すなわち、重合後に、分散剤の20重量%未満が、1ミクロン超などの、5ミクロン超の平均直径を有する。一般に、分散剤は、0.01ミクロン~10ミクロンの平均直径を有する。重合後の分散剤の平均直径は、0.05ミクロン~0.5ミクロンの範囲であり得る。粒径は、Coulterから市販されているCoulter N4機器などの粒径分析器で測定することができる。機器には、粒径測定のための詳細な説明書が付属している。しかしながら、簡単に言えば、試料濃度が機器によって必要とされる指定された限界内になるまで、水性分散体の試料を水で希釈する。測定時間は、10分である。
【0050】
分散剤コポリマーは、結合剤固体の総重量に基づいて、少なくとも1重量%など、少なくとも3重量%など、少なくとも5重量%など、少なくとも7重量%など、少なくとも9重量%など、少なくとも10重量%などの、少なくとも0.1重量%の量で結合剤中に存在し得る。分散剤は、結合剤固体の総重量に基づいて、20重量%以下など、15重量%以下など、10重量%以下などの、25重量%以下などの量で結合剤中に存在し得る。分散剤は、結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~20重量%など、0.1重量%~15重量%など、0.1重量%~10重量%など、1重量%~25重量%など、1重量%~20重量%など、1重量%~15重量%など、1重量%~10重量%など、3重量%~20重量%など、3重量%~15重量%など、3重量%~10重量%など、5重量%~20重量%など、5重量%~15重量%など、5重量%~10重量%など、7重量%~20重量%など、7重量%~15重量%など、7重量%~10重量%など、9重量%~20重量%など、9重量%~15重量%など、9重量%~10重量%など、10重量%~20重量%など、10重量%~15重量%などの、0.1重量%~25重量%の量で結合剤中に存在し得る。
【0051】
分散剤は、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、少なくとも0.05重量%など、少なくとも0.1重量%など、少なくとも0.3重量%などの、少なくとも0.01重量%の量でスラリー組成物中に存在し得る。分散剤は、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、2重量%以下など、1重量%以下など、0.5重量%以下などの、3重量%以下の量で存在し得る。分散剤は、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、0.01重量%~2重量%など、0.01重量%~1重量%など、0.01重量%~0.5重量%など、0.05重量%~3重量%など、0.05重量%~2重量%など、0.05重量%~1重量%など、0.05重量%~0.5重量%など、0.1重量%~3重量%など、0.1重量%~2重量%など、0.1重量%~1重量%など、0.1重量%~0.5重量%など、0.3重量%~3重量%など、0.3重量%~2重量%など、0.3重量%~1重量%など、0.3重量%~0.5重量%などの、0.01重量%~3重量%の量で存在し得る。
【0052】
分散剤は、スラリー組成物の総重量に基づいて、少なくとも0.02重量%など、少なくとも0.05重量%など、少なくとも0.15重量%などの、少なくとも0.005重量%の量でスラリー組成物中に存在し得る。分散剤は、スラリー組成物の総重量に基づいて、1重量%以下など、0.5重量%以下など、0.3重量%以下などの、1.5重量%以下の量で存在し得る。分散剤は、スラリー組成物の総重量に基づいて、0.005重量%~1重量%など、0.005重量%~0.5重量%など、0.005重量%~0.3重量%など、0.02重量%~1.5重量%など、0.02重量%~1重量%など、0.02重量%~0.5重量%など、0.02重量%~0.3重量%など、0.05重量%~1.5重量%など、0.05重量%~1重量%など、0.05重量%~0.5重量%など、0.05重量%~0.3重量%など、0.15重量%~1.5重量%など、0.15重量%~1重量%など、0.15重量%~0.5重量%など、0.15重量%~0.3重量%などの、0.005重量%~1.5重量%の量で存在し得る。
【0053】
本開示のスラリー組成物は、水性媒体を更に含む。本明細書で使用される場合、「水性媒体」という用語は、水性媒体の総重量に基づいて、50重量%超の水を含む液体媒体を指す。水性媒体は、水性媒体の総重量に基づいて、少なくとも70重量%など、少なくとも80重量%など、少なくとも90重量%などの、少なくとも60重量%の量で水を含み得る。水性媒体は、水性媒体の総重量に基づいて、60重量%~100重量%など、70重量%~100重量%など、80重量%~100重量%など、90重量%~100重量%などの、51重量%~100重量%の量で水を含み得る。水性媒体は、スラリー組成物の総重量に基づいて、少なくとも35%重量%など、少なくとも40%重量%など、少なくとも45重量%などの、少なくとも30重量%の量で存在し得る。水性媒体は、スラリー組成物の総重量に基づいて、55重量%以下など、50重量%以下などの、60重量%以下の量で存在し得る。水性媒体は、スラリー組成物の総重量に基づいて、30重量%~60重量%など、30重量%~55重量%など、30重量%~50重量%など、35重量%~60重量%など、35重量%~55重量%など、35重量%~50重量%など、40重量%~60重量%など、40重量%~55重量%など、40重量%~50重量%など、45重量%~60重量%など、45重量%~55重量%など、45重量%~50重量%などの量で存在し得る。
【0054】
上述の分散剤に加えて、またはその代わりに、スラリー組成物は、ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーを含み得る。本明細書で使用される場合、「ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマー」は、アシル置換線状ポリエチレンイミンポリマーを生じるカチオン性開環重合反応によって2-アルキルまたはアリールオキサゾリンモノマーを重合することによって調製されるポリマーを指し、また、2-アルキルまたはアリールオキサゾリンモノマーの残基を含むコポリマーを指す。2-アルキルまたはアリールオキサゾリンモノマーの非限定的な例としては、とりわけ、2-メチル-2-オキサゾリン、2-エチル-2-オキサゾリン、2-フェニル-2-オキサゾリン、2-ブチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、および2-イソプロピル-2-オキサゾリンが挙げられる。例えば、ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーは、以下の概略図に従って調製することができ、式中、Rが、C~C10アルキル基など、C~Cアルキル基など、C~Cアルキル基など、C~Cアルキル基などのアルキルもしくはアリール基、またはフェニル基であり、開始剤Xが、アルキルトシレート(Xが、メチルであり、Xが、トルエンスルホネートであるなど)またはトリフレート(Xが、アルキルまたはアリール基であり、Xが、トリフレートアニオンである)、またはベンジルブロミドなどのハロゲン化アルキルであり得る。開始剤はまた、重合中に反応しない限り、例えば、オレフィン、アルキン、エステル、アミド、ウレタン、および/またはエーテル基などの他の官能基を含有し得る。
【化1】

重合を停止させるために、求核性終結剤Yが使用され得る。一般的な例としては、水、アルコール(脂肪族または芳香族)、アンモニア、アミン(脂肪族または芳香族)、チオール(脂肪族または芳香族)、および/またはカルボン酸(脂肪族または芳香族)、ならびに対応するカルボン酸塩が挙げられる。終結剤はまた、エチレン性不飽和の、例えば、アクリル酸およびメタクリル酸などの他の官能基を含有し得る。官能性開始剤および/または終結基を含有する対応するポリオキサゾリンは、共有結合反応によって他のポリマー系に組み込むことができる。ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーの非限定的な例は、ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)ポリマーであり、式中、上の概略図のRが、エチル基である。式中、Rが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、プロペニル、クロチル、もしくはベンジルを含むヒドロカルビル基、またはホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、アクリロール、もしくはクロトニルを含むアシル基、またはそれらの任意の組み合わせである、ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーの他の非限定的な例。重合反応は、例えば、水、アルコール、酸、アミン、または求核剤との反応などの任意の好適な手段によって終結され得る。
【0055】
ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーは、結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~20重量%など、0.1重量%~15重量%など、0.1重量%~10重量%など、1重量%~25重量%など、1重量%~20重量%など、1重量%~15重量%など、1重量%~10重量%など、3重量%~20重量%など、3重量%~15重量%など、3重量%~10重量%など、5重量%~20重量%など、5重量%~15重量%など、5重量%~10重量%など、7重量%~20重量%など、7重量%~15重量%など、7重量%~10重量%など、9重量%~20重量%など、9重量%~15重量%など、9重量%~10重量%など、10重量%~20重量%など、10重量%~15重量%などの、0.1重量%~25重量%の量で存在し得る。ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーは、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、0.005重量%~1重量%など、0.005重量%~0.5重量%など、0.005重量%~0.3重量%など、0.02重量%~1.5重量%など、0.02重量%~1重量%など、0.02重量%~0.5重量%など、0.02重量%~0.3重量%など、0.05重量%~1.5重量%など、0.05重量%~1重量%など、0.05重量%~0.5重量%など、0.05重量%~0.3重量%など、0.15重量%~1.5重量%など、0.15重量%~1重量%など、0.15重量%~0.5重量%など、0.15重量%~0.3重量%などの、0.005重量%~1.5重量%の量で存在し得る。ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーは、スラリー組成物の総重量に基づいて、0.005重量%~1重量%など、0.005重量%~0.5重量%など、0.005重量%~0.3重量%など、0.02重量%~1.5重量%など、0.02重量%~1重量%など、0.02重量%~0.5重量%など、0.02重量%~0.3重量%など、0.05重量%~1.5重量%など、0.05重量%~1重量%など、0.05重量%~0.5重量%など、0.05重量%~0.3重量%など、0.15重量%~1.5重量%など、0.15重量%~1重量%など、0.15重量%~0.5重量%など、0.15重量%~0.3重量%などの、0.005重量%~1.5重量%の量で存在し得る。
【0056】
驚くべきことに、負極水系スラリー中の分散剤コポリマーおよび/またはポリ(2-アルキルもしくはアリールオキサゾリン)ポリマーの使用によって、炭素質材料の凝集体が効果的に分解されて、連続的な炭素ネットワークを維持して十分な電気的接触を促進することが発見された。
【0057】
スラリー組成物は、必要に応じて、架橋剤を更に含み得る。架橋剤は、水性媒体に可溶性または分散性であり、存在する場合、カルボン酸基およびヒドロキシル基などの分散剤コポリマーの活性水素基と反応性であるはずである。好適な架橋剤の非限定的な例としては、アミノプラスト樹脂、フェノプラスト樹脂、カルボジイミド、ポリオキサゾリン、ポリアジリジン、ブロックポリイソシアネート、およびポリエポキシドが挙げられる。
【0058】
架橋剤として使用するためのアミノプラスト樹脂の例は、メラミンまたはベンゾグアナミンなどのトリアジンをホルムアルデヒドと反応させることによって形成されるものである。これらの反応生成物は、反応性N-メチルロール基を含有する。通常、これらの反応性基を、それらの混合物を含むメタノール、エタノール、ブタノールでエーテル化して、それらの反応性を調節する。アミノプラスト樹脂の化学調製および使用については、Dr.Oldringによって編集された“The Chemistry and Applications of Amino Crosslinking Agents or Aminoplast”,Vol.V,Part II,page21 ff.,;John Wiley&Sons/Cita Technology Limited,London,1998を参照されたい。これらの樹脂は、MAPRENAL MF980などの商標MAPRENAL(登録商標)で、およびCytec Industriesから入手可能なCYMEL 303およびCYMEL 1128などの商標CYMEL(登録商標)で、市販されている。
【0059】
ブロックポリイソシアネート架橋剤は、典型的には、イソシアネート基が、エプシロン-カプロラクトンおよびメチルエチルケトキシムなどの材料と反応(「ブロック化」)するイソシアネート二量体およびその三量体を含む、トルエンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、およびイソホロンジイソシアネートなどのジイソシアネートである。硬化温度では、ブロッキング剤は、ブロックを解除して、結合剤の反応性ポリマーと会合するヒドロキシル官能基と反応性であるイソシアネート官能基を露出させる。ブロックポリイソシアネート架橋剤は、DESMODUR BLとしてCovestroから市販されている。
【0060】
フェノプラスト樹脂は、アルデヒドとフェノールとの縮合によって形成される。好適なアルデヒドとしては、ホルムアルデヒドおよびアセトアルデヒドが挙げられる。パラホルムアルデヒドおよびヘキサメチレンテトラミンなどのメチレン放出剤およびアルデヒド放出剤もまた、アルデヒド剤として利用され得る。フェノール自体、クレゾール、または直鎖、分岐鎖、もしくは環式構造のいずれかを有する炭化水素ラジカルが芳香族環の水素と置換されている置換フェノールなどの様々なフェノールが使用され得る。また、フェノールの混合物が用いられ得る。好適なフェノールのいくつかの特定の例は、p-フェニルフェノール、p-tert-ブチルフェノール、p-tert-アミルフェノール、シクロペンチルフェノール、およびブテニル基をオルト、メタ、またはパラ位に含有し、二重結合が炭化水素鎖の様々な位置に生じるモノブテニルフェノールなどの不飽和炭化水素置換フェノールである。
【0061】
カルボジイミド架橋剤は、モノマーもしくはポリマー形態、またはそれらの混合物であり得る。カルボジイミド架橋剤は、以下の構造を有する化合物を指し:
【化2】

式中、RおよびR’が、各々個々に、脂肪族基、芳香族基、アルキル芳香族基、カルボン酸基、または複素環式基を含み得る。市販のカルボジイミド架橋剤の例としては、例えば、CARBODILITE V-02-L2、CARBODILITE SV-02、CARBODILITE E-02、CARBODILITE SW-12G、CARBODILITE V-10、およびCARBODILITE E-05などの、Nisshinbo Chemical Inc.から入手可能なCARBODILITEの商標名で販売されているものが挙げられる。
【0062】
ポリオキサゾリンの例としては、分子内に2つまたは2つより多くのオキサゾリン基を有する化合物またはポリマーが挙げられる。アシル置換線状ポリエチレンイミンポリマーを生じるカチオン性開環重合反応によって、2-アルキルまたはアリールオキサゾリンモノマーを重合することによって調製される上に論じられるポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマーとは異なり、ポリオキサゾリン架橋剤は、分子内に少なくとも2つのオキサゾリン基を含む。オキサゾリン基の水素原子の一部または全ては、他の基で置換され得る。二価オキサゾリン化合物の非限定的な例としては、2,2′-ビス(2-オキサゾリン)、2,2′-ビス(4-メチル-2-オキサゾリン)、2,2′-ビス(4,4-ジメチル-2-オキサゾリン)、2,2′-ビス(4-エチル-2-オキサゾリン)、2,2′-ビス(4,4′-ジエチル-2-オキサゾリン)、2,2′-ビス(4-プロピル-2-オキサゾリン)、2,2′-ビス(4-ブチル-2-オキサゾリン)、2,2′-ビス(4-ヘキシル-2-オキサゾリン)、2,2′-ビス(4-フェニル-2-オキサゾリン)、2,2′-ビス(4-シクロヘキシル-2-オキサゾリン)、2,2′-ビス(4-ベンジル-2-オキサゾリン)が挙げられる。ポリオキサゾリンポリマーの非限定的な例としては、2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-エチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-プロピル-2-オキサゾリン、2-ビニル-4-ブチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-エチル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-プロピル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-ブチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-エチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-プロピル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-4-ブチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-エチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-5-プロピル-2-オキサゾリン、および2-イソプロペニル-5-ブチル-2-オキサゾリンを含む、オキサゾリン基含有モノマーの残基を含むものが挙げられる。これらのオキサゾリン基含有モノマーは、単独で、または任意の比率でそれらの2つまたは2つより多くの組み合わせで使用することができ、他のエチレン性不飽和モノマーと重合させてもよい。市販のポリオキサゾリン硬化剤の非限定的な例としては、NIPPON SHOKUBAI CO.,LTDから入手可能な架橋剤のEPOCROS類が挙げられる。
【0063】
ポリエポキシド架橋剤の例は、他のビニルモノマーと共重合したグリシジルメタクリレートから調製したもの、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルなどの多価フェノールのポリグリシジルエーテル;ならびに3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、およびビス(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシル-メチル)アジペートなどの脂環式ポリエポキシドなどのエポキシ含有(メタ)アクリルポリマーである。
【0064】
架橋剤は、結合剤固体の総重量に基づいて、少なくとも0.3%重量%など、少なくとも0.5重量%など、少なくとも1.0重量%など、少なくとも1.25重量%など、少なくとも1.5重量%など、少なくとも2.0重量%など、少なくとも2.5%重量%などの、少なくとも0.1重量%の量でスラリー組成物中に存在し得る。架橋剤は、結合剤固体の総重量に基づいて、20重量%以下など、15重量%以下など、12.5重量%以下など、10重量%以下など、7.5重量%以下など、5重量%以下など、3重量%以下など、1.5%重量%以下などの、25重量%以下の量でスラリー組成物中に存在し得る。架橋剤は、結合剤固体の総重量に基づいて、0.1重量%~20重量%など、0.1重量%~15重量%など、0.1重量%~12.5重量%など、0.1重量%~10重量%など、0.1重量%~7.5重量%など、0.1重量%~5重量%など、0.1重量%~3重量%など、0.1重量%~1.5重量%など、0.3重量%~25重量%など、0.3重量%~20重量%など、0.3重量%~15重量%など、0.3重量%~12.5重量%など、0.3重量%~10重量%など、0.3重量%~7.5重量%など、0.3重量%~5重量%など、0.3重量%~3重量%など、0.3重量%~1.5重量%など、0.5重量%~25重量%など、0.5重量%~20重量%など、0.5重量%~15重量%など、0.5重量%~12.5重量%など、0.5重量%~10重量%など、0.5重量%~7.5重量%など、0.5重量%~5重量%など、0.5重量%~3重量%など、0.5重量%~1.5重量%など、1.0重量%~25重量%など、1.0重量%~20重量%など、1.0重量%~15重量%など、1.0重量%~12.5重量%など、1.0重量%~10重量%など、1.0重量%~7.5重量%など、1.0重量%~5重量%など、1.0重量%~3重量%など、1.0重量%~1.5重量%など、1.25重量%~25重量%など、1.25重量%~20重量%など、1.25重量%~15重量%など、1.25重量%~12.5重量%など、1.25重量%~10重量%など、1.25重量%~7.5重量%など、1.25重量%~5重量%など、1.25重量%~3重量%など、1.25重量%~1.5重量%など、1.5重量%~25重量%など、1.5重量%~20重量%など、1.5重量%~15重量%など、1.5重量%~12.5重量%など、1.5重量%~10重量%など、1.5重量%~7.5重量%など、1.5重量%~5重量%など、1.5重量%~3重量%など、2.0重量%~25重量%など、2.0重量%~20重量%など、2.0重量%~15重量%など、2.0重量%~12.5重量%など、2.0重量%~10重量%など、2.0重量%~7.5重量%など、2.0重量%~5重量%など、2.0重量%~3重量%など、2.5重量%~25重量%など、2.5重量%~20重量%など、2.5重量%~15重量%など、2.5重量%~12.5重量%など、2.5重量%~10重量%など、2.5重量%~7.5重量%など、2.5重量%~5重量%など、2.5重量%~3%重量%などの、0.1重量%~25重量%の量でスラリー組成物中に存在し得る。
【0065】
本明細書で使用される場合、「結合剤固体」という用語は、スラリー組成物の樹脂性成分を指し、少なくとも結合剤樹脂(例えば、スチレンブタジエンコポリマー)、セルロースまたはセルロース誘導体、分散剤コポリマー、ポリ(2-アルキルまたはアリールオキサゾリン)ポリマー、および架橋剤を含む。
【0066】
結合剤固体は、スラリーの総固体重量に基づいて、少なくとも1.5重量%など、少なくとも2重量%など、少なくとも3重量%など、少なくとも4重量%などの、少なくとも1重量%の量でスラリー組成物中に存在し得る。結合剤固体は、スラリーの総固体重量に基づいて、7.5重量%以下など、5重量%以下など、4重量%以下など、3重量%以下などの、10重量%以下の量でスラリー組成物中に存在し得る。結合剤固体は、スラリーの総固体重量に基づいて、1重量%~7.5重量%など、1重量%~5重量%など、1重量%~4重量%など、1重量%~3重量%など、1.5重量%~10重量%など、1.5重量%~7.5重量%など、1.5重量%~5重量%など、1.5重量%~4重量%など、1.5重量%~3重量%など、2重量%~10重量%など、2重量%~7.5重量%など、2重量%~5重量%など、2重量%~4重量%など、2重量%~3重量%など、3重量%~10重量%など、3重量%~7.5重量%など、3重量%~5重量%など、3重量%~4重量%など、4重量%~10重量%など、4重量%~7.5重量%など、4重量%~5重量%などの、1重量%~10重量%の量でスラリー組成物中に存在し得る。
【0067】
スラリー組成物は、負極活物質を更に含む。スラリーに含有される負極活物質を構成する材料は、特に限定されず、対象となる蓄電デバイスの種類に従って、好適な材料が選択され得る。負極活物質は、グラファイト、ケイ素、酸化ケイ素、スズ、ゲルマニウム、銀、アルミニウム、バリウム、ビスマス、銅、ガリウム、インジウム、ニッケル、リン、鉛、アンチモン、ケイ素、スズ、ストロンチウム、亜鉛、チタン、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0068】
負極活物質は、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、少なくとも85重量%など、少なくとも90重量%など、91重量%など、少なくとも92重量%など、少なくとも93重量%など、少なくとも94重量%など、少なくとも95重量%など、少なくとも97重量%など、少なくとも98重量%など、93重量%など、94重量%など、95重量%など、97重量%など、98重量%などの、少なくとも80重量%の量でスラリー組成物中に存在し得る。負極活物質は、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、97重量%以下など、95重量%以下などの、98.9重量%以下の量でスラリー組成物中に存在し得る。負極活物質は、スラリー組成物の総固体重量に基づいて、80重量%~97重量%など、80重量%~95重量%など、85重量%~98.9重量%など、85重量%~97重量%など、85重量%~95重量%など、90重量%~98.9重量%など、90重量%~97重量%など、90重量%~95重量%など、91重量%~98.9重量%など、91重量%~97重量%など、91重量%~95重量%など、92重量%~98.9重量%など、92重量%~97重量%など、92重量%~95重量%など、93重量%~98.9重量%など、93重量%~97重量%など、93重量%~95重量%など、94重量%~98.9重量%など、94重量%~97重量%など、94重量%~95重量%など、95重量%~98.9重量%など、95重量%~97重量%など、97重量%~98.9重量%など、98重量%~98.9重量%などの、80重量%~98.9重量%の量でスラリー組成物中に存在し得る。
【0069】
負極活物質は、スラリー組成物の総重量に基づいて、少なくとも40重量%など、少なくとも42重量%など、少なくとも44重量%など、少なくとも45重量%など、少なくとも47重量%など、少なくとも49重量%など、少なくとも51重量%などの、少なくとも35重量%の量でスラリー組成物中に存在し得る。負極活物質は、スラリー組成物の総重量に基づいて、52重量%以下など、48.9重量%以下など、48重量%以下など、46重量%以下などの、54重量%以下の量でスラリー組成物中に存在し得る。負極活物質は、スラリー組成物の総重量に基づいて、35重量%~52重量%など、35重量%~48.9重量%など、35重量%~48重量%など、35重量%~46重量%など、40重量%~54重量%など、40重量%~52重量%など、40重量%~48.9重量%など、40重量%~48重量%など、40重量%~46重量%など、42重量%~54重量%など、42重量%~52重量%など、42重量%~48.9重量%など、42重量%~48重量%など、42重量%~46重量%など、45重量%~54重量%など、45重量%~52重量%など、45重量%~48.9重量%など、45重量%~48重量%など、45重量%~46重量%など、47重量%~54重量%など、47重量%~52重量%など、47重量%~48.9重量%など、47重量%~48重量%など、49重量%~54重量%など、49重量%~52重量%などの、35重量%~54重量%の量でスラリー組成物中に存在し得る。
【0070】
本開示のスラリー組成物は、必要に応じて、導電性添加剤を更に含み得る。導電性添加剤は、グラファイトよりも高い導電性を有する材料である。導電性添加剤の非限定的な例としては、活性炭などの炭素質材料、アセチレンブラックおよびファーネスブラックなどのカーボンブラック、グラフェン、単層カーボンナノチューブおよび/または複層カーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブ、炭素繊維、フラーレン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0071】
導電性添加剤は、スラリーの総固体重量に基づいて、少なくとも0.05重量%など、少なくとも0.1重量%など、少なくとも0.5重量%など、少なくとも1重量%など、少なくとも1.5重量%など、少なくとも2重量%などの、少なくとも0.01重量%の量でスラリー中に存在し得る。導電性添加剤は、スラリーの総固体重量に基づいて、7.5重量%以下など、5重量%以下など、4重量%以下など、3重量%以下など、2.5重量%以下など、2重量%以下など、1.5重量%以下などの、10重量%以下の量でスラリー中に存在し得る。導電性添加剤は、スラリーの総固体重量に基づいて、0.01重量%~7.5重量%など、0.01重量%~5重量%など、0.01重量%~4重量%など、0.01重量%~3重量%など、0.01重量%~2.5重量%など、0.01重量%~2重量%など、0.01重量%~1.5重量%など、0.05重量%~10重量%など、0.05重量%~7.5重量%など、0.05重量%~5重量%など、0.05重量%~4重量%など、0.05重量%~3重量%など、0.05重量%~2.5重量%など、0.05重量%~2重量%など、0.05重量%~1.5重量%など、0.1重量%~10重量%など、0.1重量%~7.5重量%など、0.1重量%~5重量%など、0.1重量%~4重量%など、0.1重量%~3重量%など、0.1重量%~2.5重量%など、0.1重量%~2重量%など、0.1重量%~1.5重量%など、0.5重量%~10重量%など、0.5重量%~7.5重量%など、0.5重量%~5重量%など、0.5重量%~4重量%など、0.5重量%~3重量%など、0.5重量%~2.5重量%など、0.5重量%~2重量%など、0.5重量%~1.5重量%など、1重量%~10重量%など、1重量%~7.5重量%など、1重量%~5重量%など、1重量%~4重量%など、1重量%~3重量%など、1重量%~2.5重量%など、1重量%~2重量%など、1重量%~1.5重量%など、1.5重量%~10重量%など、1.5重量%~7.5重量%など、1.5重量%~5重量%など、1.5重量%~4重量%など、1.5重量%~3重量%など、1.5重量%~2.5重量%など、1.5重量%~2重量%など、2重量%~10重量%など、2重量%~7.5重量%など、2重量%~5重量%など、2重量%~4重量%など、2重量%~3重量%など、2重量%~2.5重量%などの、0.01重量%~10重量%の量でスラリー中に存在し得る。
【0072】
負極水系スラリー組成物は、スラリーの総重量に基づいて、少なくとも35重量%など、少なくとも40重量%など、少なくとも45重量%など、少なくとも50重量%など、少なくとも55重量%など、少なくとも60重量%などの、少なくとも30重量%の固体含有量を有し得る。負極水系スラリー組成物は、スラリーの総重量に基づいて、60重量%以下など、55重量%以下など、50重量%以下など、45重量%以下など、40重量%以下など、35重量%以下などの、70重量%以下の固体含有量を有し得る。負極水系スラリー組成物は、スラリーの総重量に基づいて、30重量%~60重量%など、30重量%~55重量%など、30重量%~50重量%など、30重量%~45重量%など、30重量%~40重量%など、30重量%~35重量%など、35重量%~70重量%など、35重量%~60重量%など、35重量%~55重量%など、35重量%~50重量%など、35重量%~45重量%など、35重量%~40重量%など、40重量%~70重量%など、40重量%~60重量%など、40重量%~55重量%など、40重量%~50重量%など、40重量%~45重量%など、45重量%~70重量%など、45重量%~60重量%など、45重量%~55重量%など、45重量%~50重量%など、50重量%~70重量%など、50重量%~60重量%など、50重量%~55重量%など、55重量%~70重量%など、55重量%~60重量%などの、30重量%~70重量%の固体含有量を有し得る。
【0073】
本明細書で使用される場合、「固体含有量」または「総固体」は、スラリー組成物の不揮発性物質、すなわち、150℃で60分間加熱されると揮発しないであろう材料の含有量を指す。
【0074】
負極水系スラリー組成物は、負極活物質と、スチレンブタジエンコポリマーおよびセルロースまたはセルロース誘導体を含む結合剤と、分散剤コポリマーと、水性媒体と、を含み得、必要に応じて、架橋剤および/または導電性添加剤を更に含み得る。
【0075】
負極水系スラリー組成物は、負極活物質と、スチレンブタジエンコポリマーおよびセルロースまたはセルロース誘導体を含む結合剤と、メラミン架橋剤と、水性媒体と、を含み得る。
【0076】
水性媒体と、負極活物質と、結合剤(別に添加される架橋剤を含み得る)と、分散剤コポリマーと、導電性添加剤などの必要に応じた成分と、を含む負極水系スラリー組成物は、成分を組み合わせてスラリーを形成することによって調製され得る。これらの物質は、撹拌器、ビーズミル、または高圧ホモジナイザーなどの既知の手段で撹拌することによって、一緒に混合され得る。
【0077】
電極スラリー組成物の製造のための混合および撹拌については、満足のいく分散条件を満たす程度にこれらの成分を撹拌することができるミキサーを選択すべきである。分散の程度は、粒ゲージで測定され得、混合および分散によって、100ミクロンまたは100ミクロンより大きい凝集体が存在しないことを確保することができる。この条件を満たすミキサーの例としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、粉砕機、押出機、ローターステータ、パグミル、超音波分散機、ホモジナイザー、遊星ミキサー、ホバートミキサー、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0078】
本開示はまた、負極であって、(a)集電体と、(b)集電体上に形成されたフィルムであって、フィルムが、結合剤と、分散剤であって、分散剤が、(a)窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位、ならびに(b)(メタ)アクリル酸のアルキルエステルの残基および/または酸官能性エチレン性不飽和モノマーの残基を含む構成単位を含む、コポリマーを含み、窒素含有複素環を含むモノマーの残基を含む構成単位を1重量%~50重量%含み、重量%が、分散剤の総重量に基づく、分散剤と、負極活物質と、を含む、フィルムと、を備える、負極を対象とする。フィルムは、上述の負極水系スラリー組成物から堆積され得る。負極は上述のスラリー組成物を集電体の表面に塗布してコーティングフィルムを形成し、その後コーティングフィルムを乾燥および/または硬化させることによって製造され得る。コーティングフィルムは、少なくとも1~500ミクロン(μm)など、10~100ミクロンなど、10~70ミクロンなど、10~50ミクロンなど、10~30ミクロンなど、20~100ミクロンなど、20~70ミクロンなど、20~50ミクロンなど、20~30ミクロンなど、25~100ミクロンなど、25~70ミクロンなど、25~50ミクロンなど、25~30ミクロンなど、35~100ミクロンなど、35~70ミクロンなど、35~50ミクロンなどの、少なくとも1ミクロンの厚さを有し得る。コーティングフィルムは、架橋コーティングを備え得、フィルムは、架橋剤の残基を更に含み得る。集電体は、導電性材料を含み得、導電性材料は、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、およびそれらの合金、ならびにステンレス鋼などの金属を含み得る。例えば、集電体は、メッシュ、シート、または箔の形態のアルミニウムまたは銅を含み得る。集電体の形状および厚さは、特に限定されないが、集電体は、約0.001~0.5mmの厚さを有するメッシュ、シート、または箔など、約0.001~0.5mmの厚さを有し得る。
【0079】
結合剤は、良好な電荷密度を有する負極活物質としてグラファイトを含む負極の製造を可能にすることができる。例えば、電極は、少なくとも1.0mAh/cmなど、少なくとも2.0mAh/cmなど、少なくとも2.5mAh/cmなど、少なくとも3.0mAh/cmなど、少なくとも3.5mAh/cmなど、少なくとも4.0mAh/cmなど、少なくとも4.5mAh/cmなど、少なくとも5.0mAh/cmなど、少なくとも6.0mAh/cmなど、少なくとも7.0mAh/cmなど、少なくとも8.0mAh/cmなど、少なくとも10.0mAh/cmなどの、少なくとも0.5mAh/cmの面積容量を有し得る。電極は、8.0mAh/cm以下など、7.0mAh/cm以下など、6.0mAh/cm以下など、5.0mAh/cm以下など、4.5mAh/cm以下など、4.0mAh/cm以下など、3.5mAh/cm以下など、3.0mAh/cm以下など、2.5mAh/cm以下など、2.0mAh/cm以下など、1.5mAh/cm以下など、1.0mAh/cm以下などの、10.0mAh/cm以下の面積容量を有し得る。電極は、0.5~8.0mAh/cmなど、0.5~7.0mAh/cmなど、0.5~6.0mAh/cmなど、0.5~5.0mAh/cmなど、0.5~4.5mAh/cmなど、0.5~4.0mAh/cmなど、0.5~3.5mAh/cmなど、0.5~3.0mAh/cmなど、0.5~2.5mAh/cmなど、0.5~2.0mAh/cmなど、0.5~2.0mAh/cmなど、0.5~1.5mAh/cmなど、0.5~1.0mAh/cmなど、1.0~10.0mAh/cmなど、1.0~8.0mAh/cmなど、1.0~7.0mAh/cmなど、1.0~6.0mAh/cmなど、1.0~5.0mAh/cmなど、1.0~4.5mAh/cmなど、1.0~4.0mAh/cmなど、1.0~3.5mAh/cmなど、1.0~3.0mAh/cmなど、1.0~2.5mAh/cmなど、1.0~2.0mAh/cmなど、1.0~2.0mAh/cmなど、1.0~1.5mAh/cmなど、1.5~10.0mAh/cmなど、1.5~8.0mAh/cmなど、1.5~7.0mAh/cmなど、1.5~6.0mAh/cmなど、1.5~5.0mAh/cmなど、1.5~4.5mAh/cmなど、1.5~4.0mAh/cmなど、1.5~3.5mAh/cmなど、1.5~3.0mAh/cmなど、1.5~2.5mAh/cmなど、1.5~2.0mAh/cmなど、1.5~2.0mAh/cmなど、2.0~10.0mAh/cmなど、2.0~8.0mAh/cmなど、2.0~7.0mAh/cmなど、2.0~6.0mAh/cmなど、2.0~5.0mAh/cmなど、2.0~4.5mAh/cmなど、2.0~4.0mAh/cmなど、2.0~3.5mAh/cmなど、2.0~3.0mAh/cmなど、2.0~2.5mAh/cmなど、2.5~10.0mAh/cmなど、2.5~8.0mAh/cmなど、2.5~7.0mAh/cmなど、2.5~6.0mAh/cmなど、2.5~5.0mAh/cmなど、2.5~4.5mAh/cmなど、2.5~4.0mAh/cmなど、2.5~3.5mAh/cmなど、2.5~3.0mAh/cmなど、3.0~10.0mAh/cmなど、3.0~8.0mAh/cmなど、3.0~7.0mAh/cmなど、3.0~6.0mAh/cmなど、3.0~5.0mAh/cmなど、3.0~4.5mAh/cmなど、3.0~4.0mAh/cmなど、3.0~3.5mAh/cmなど、3.5~10.0mAh/cmなど、3.5~8.0mAh/cmなど、3.5~7.0mAh/cmなど、3.5~6.0mAh/cmなど、3.5~5.0mAh/cmなど、3.5~4.5mAh/cmなど、3.0~4.0mAh/cmなど、3.0~3.5mAh/cmなど、3.5~10.0mAh/cmなど、3.5~8.0mAh/cmなど、3.5~7.0mAh/cmなど、3.5~6.0mAh/cmなど、3.5~5.0mAh/cmなど、3.5~4.5mAh/cmなど、3.5~4.0mAh/cmなど、4.0~10.0mAh/cmなど、4.0~8.0mAh/cmなど、4.0~7.0mAh/cmなど、4.0~6.0mAh/cmなど、4.0~5.0mAh/cmなど、4.0~4.5mAh/cmなど、4.5~10.0mAh/cmなど、4.5~8.0mAh/cmなど、4.5~7.0mAh/cmなど、4.5~6.0mAh/cmなど、4.5~5.0mAh/cmなど、5.0~10.0mAh/cmなど、5.0~8.0mAh/cmなど、5.0~7.0mAh/cmなど、5.0~6.0mAh/cmなど、6.0~10.0mAh/cmなど、6.0~8.0mAh/cmなど、6.0~7.0mAh/cmなど、7.0~10.0mAh/cmなど、7.0~8.0mAh/cmなど、8.0~10.0mAh/cmなどの、0.5~10.0mAh/cmの面積容量を有し得る。
【0080】
加えて、集電体は、スラリー組成物を堆積させる前に、前処理組成物で前処理され得る。本明細書で使用される場合、「前処理組成物」という用語は、集電体と接触すると、集電体表面と反応し、集電体表面を化学的に変化させ、集電体表面に結合して、保護層を形成する組成物を指す。前処理組成物は、IIIB族金属および/またはIVB族金属を含む前処理組成物であり得る。本明細書で使用される場合、「IIIB族金属および/またはIVB族金属」という用語は、例えば、Handbook of Chemistry and Physics,63rd edition(1983)に示されているように、CAS元素周期表のIIIB族またはIVB族にある元素を指す。該当する場合、金属自体が使用され得るが、しかしながら、IIIB族金属化合物および/またはIVB族金属化合物も使用され得る。本明細書で使用される場合、「IIIB族金属化合物および/またはIVB族金属化合物」という用語は、CAS元素周期表のIIIB族またはIVB族にある少なくとも1つの元素を含む化合物を指す。集電体を前処理するための好適な前処理組成物および方法は、米国特許第9,273,399号の第4欄、第60行~第10欄、第26行に説明されており、その引用部分は、参照により本明細書に組み込まれる。正極または負極を生成するために使用される集電体を処理するために、前処理組成物が使用され得る。
【0081】
スラリー組成物を集電体に塗布する方法は、特に限定されない。スラリー組成物は、ドクターブレードコーティング、ディップコーティング、リバースロールコーティング、ダイレクトロールコーティング、グラビアコーティング、押出コーティング、浸漬、またはブラッシングによって塗布され得る。スラリー組成物の塗布量は、特に限定されないが、水性媒体が除去された後に形成される、集電体の片側当たりのコーティングの厚さは、1~500ミクロン(μm)など、150~500μmなど、200~500μmなど、またはそれよりも厚いなどの、少なくとも1ミクロンであり得る。例えば、形成されるコーティングの厚さは、片側当たり200ミクロンまたは200ミクロンよりも厚い場合がある。
【0082】
該当する場合、塗布後のコーティングフィルムの乾燥および/または架橋は、例えば、少なくとも40℃など、少なくとも50℃など、少なくとも60℃など、40~145℃など、50~120℃など、60~100℃などの高温で加熱することによって行われ得る。加熱時間は、幾分、温度に依存するであろう。一般に、温度が高いほど、硬化に必要な時間は短くなる。典型的には、硬化時間は、少なくとも2分など、少なくとも5分などの、少なくとも30秒間であり、最大60分の範囲であり得る。温度および時間は、(該当する場合)硬化フィルム内の結合剤が架橋される、すなわち、結合剤のポリマー上のカルボン酸基およびヒドロキシル基などの共反応性基と、アミノプラストのN-メチルロールおよび/もしくはN-メチルロールエーテル基、ブロックポリイソシアネート架橋剤のイソシアネート基との間に共有結合が形成されるように、十分であるべきである。コーティングフィルムを乾燥させる他の方法としては、周囲温度乾燥、マイクロ波乾燥、および赤外線乾燥が挙げられ、コーティングフィルムを硬化させる他の方法としては、電子ビーム硬化およびUV硬化が挙げられる。
【0083】
リチウムイオン蓄電デバイスの放電中、リチウムイオンは、負極から放出され、電流を正極に伝えることができる。このプロセスは、デインターカレーションとして知られるプロセスを含み得る。充電中、リチウムイオンは、正極の電気化学的活物質から負極に移動し、負極に存在する電気化学的活物質中に埋め込まれる。このプロセスは、インターカレーションとして知られるプロセスを含み得る。
【0084】
本発明はまた、蓄電デバイスを対象とする。本開示による蓄電デバイスは、本開示の負極水系スラリー組成物から調製された上の負極を使用するステップによって製造され得る。電気貯蔵デバイスは、正極と、電解質と、ポリマーセパレータを更に含み得る。正極は、正極活物質を含み、活物質を含む正極活物質の非限定的な例としては、(リチウムインターカレーション/デインターカレーションを通じた取り込みを含む)リチウムを組み込むことが可能な材料、リチウム変換が可能な材料、またはそれらの組み合わせを含み得る。リチウムを組み込むことが可能な電気化学的活物質の非限定的な例としては、LiCoO、LiNiO、LiFePO、LiCoPO、LiMnO、LiMn、Li(NiMnCo)O(「NMC」としても知られ、式中、x+y+zが、およそ1であり、例えば、NMC111またはNMC333と略されるLiNi0.333Mn0.333Co0.333、NMC532(またはNCM523)と略されるLiNi0.5Mn0.3Co0.2、NMC622と略されるLiNi0.6Mn0.2Co0.2、およびNMC811と略されるLiNi0.8Mn0.1Co0.1など)、Li(NiCoAl)O、炭素コーティングLiFePO、ならびにそれらの組み合わせなどが挙げられる。リチウム変換が可能な材料の非限定的な例としては、硫黄、LiO、FeF、およびFeF、Si、アルミニウム、スズ、SnCo、Fe、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。本開示による蓄電デバイスとしては、セル、電池、電池パック、二次電池、キャパシタ、およびスーパーキャパシタが挙げられる。
【0085】
蓄電デバイスは、電解液を含み、一般的に使用される方法に従って、セパレータなどの部品を使用することによって製造され得る。より具体的な製造方法として、負極と正極とを、それらの間のセパレータと一緒に組み立て、生じたアセンブリを、電池の形状に従って、丸めるかまたは折り曲げ、電池容器に入れ、電解液を電池容器に注入し、電池容器を密封する。電池の形状は、コイン、ボタン、またはシート様、円筒形、正方形、または平面であり得る。
【0086】
電解液は、液体またはゲルであり得、電池として効果的に機能することができる電解液は、負極活物質および正極活物質の種類に従って蓄電デバイスで使用される既知の電解液の中から選択され得る。電解液は、好適な溶媒中に溶解させた電解質を含有する溶液であり得る。電解質は、リチウムイオン二次電池のための従来から既知のリチウム塩であり得る。リチウム塩の例としては、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiB10Cl10、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、LiB(C、LiCFSO、LiCHSO、LiCSO、Li(CFSON、LiBCHSOLi、およびCFSOLiが挙げられる。上の電解質を溶解させるための溶媒は、特に限定されず、その例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、およびジエチルカーボネートなどの有機カーボネート化合物、γ-ブチルラクトンなどのラクトン化合物;トリメトキシメタン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2-エトキシエタン、テトラヒドロフラン、および2-メチルテトラヒドロフランなどのエーテル化合物;ならびにジメチルスルホキシドなどのスルホキシド化合物が挙げられる。電解液中の電解質の濃度は、0.5~3.0モル/L、例えば0.7~2.0モル/Lであり得る。
【0087】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、広義に、オリゴマー、ならびにホモポリマーおよびコポリマーの両方を指す。「樹脂」という用語は、「ポリマー」と交換可能に使用される。
【0088】
「アクリル酸」および「アクリレート」という用語は、互換的に使用され(互換的に使用することによって、意図された意味を変えることがない限り)、別途明確に示されない限り、アクリル酸、それらの無水物および誘導体、C~Cアルキルエステル、低級アルキル置換アクリル酸、例えば、メタクリル酸、2-エチルアクリル酸などのC~C置換アクリル酸など、ならびにそれらのC~Cアルキルエステルが挙げられる。「(メタ)アクリル酸」または「(メタ)アクリレート」という用語は、示される材料、例えば(メタ)アクリレートモノマーのアクリル酸/アクリレートおよびメタクリル酸/メタクリレート形態の両方を網羅することが意図される。「(メタ)アクリルポリマー」という用語は、1つまたは1つより多くの(メタ)アクリルモノマーから調製されたポリマーを指す。
【0089】
本明細書で使用される場合、分子量は、ポリスチレン標準物質を使用するゲル透過クロマトグラフィーによって決定される。別途示されない限り、分子量は、重量平均を基準とする。本明細書で使用される場合、「重量平均分子量」または「(M)」という用語は、ASTM D6579-11(「Standard Practice for Molecular Weight Averages and Molecular Weight Distribution of Hydrocarbon,Rosin and Terpene Resins by Size Exclusion Chromatography」。UV検出器;254nm、溶媒:不安定化THF、保持時間マーカ:トルエン、試料濃度:2mg/ml)によるポリスチレン標準物質を使用するゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される重量平均分子量(M)を意味する。本明細書で使用される場合、「数平均分子量」または「(M)」という用語は、ASTM D6579-11(「Standard Practice for Molecular Weight Averages and Molecular Weight Distribution of Hydrocarbon,Rosin and Terpene Resins by Size Exclusion Chromatography」。UV検出器;254nm、溶媒:不安定化THF、保持時間マーカ:トルエン、試料濃度:2mg/ml)によるポリスチレン標準物質を使用するゲル浸透クロマトグラフィーによって決定される数平均分子量(M)を意味する。
【0090】
本明細書で使用される「ガラス転移温度」という用語は、理論的値であり、T.G.Fox,Bull.Am.Phys.Soc.(Ser.II)1,123(1956)およびJ.Brandrup,E.H.Immergut,Polymer Handbook 3rdedition,John Wiley,New York,1989によるモノマー電荷のモノマー組成を基準にした、Foxの方法によって計算されるガラス転移温度である。
【0091】
本明細書で使用される場合、別途定義されない限り、実質的に含まないという用語は、成分が、仮にあったとしても、スラリー組成物の総重量に基づいて、5重量%未満の量で存在することを意味する。
【0092】
本明細書で使用される場合、別途定義されない限り、本質的に含まないという用語は、成分が、仮にあったとしても、スラリー組成物の総重量に基づいて、1重量%未満の量で存在することを意味する。
【0093】
本明細書で使用される場合、別途定義されない限り、完全に含まないという用語は、成分が、スラリー組成物中に存在しない、すなわち、スラリー組成物の総重量に基づいて、0.00重量%であることを意味する。
【0094】
本明細書で使用される場合、「総固体」という用語は、本開示のスラリー組成物の不揮発性成分を指し、具体的には、水性媒体を除外する。
【0095】
本明細書で使用される場合、「から本質的になる」という用語は、記載の材料またはステップ、ならびに特許請求される本開示の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響を及ぼさないものを含む。
【0096】
本明細書で使用される場合、「からなる」という用語は、記載されていない全ての要素、ステップ、または成分を除外する。
【0097】
詳細な説明の目的のために、本開示が、相反することが明示的に指定されている場合を除き、様々な代替的な変形およびステップシーケンスが想定され得ることが理解されるべきである。更に、任意の動作例以外、または別途示されない限り、値、量、パーセンテージ、範囲、部分範囲、および端数を表すものなどの全ての数は、用語が明示的に現れない場合でさえも、「約」という言葉が前にあるかのように閲読することができる。したがって、別途相反することが示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載の数値パラメータは、本開示によって得られる所望の特性に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、かつ、等価物の見解の適用を特許請求の範囲に限定しようとするものではなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有意な桁の数に照らし合わせて、かつ通常の四捨五入技法を適用することによって解釈されるべきである。クローズまたはオープンエンドの数値範囲が本明細書に説明される場合、数値範囲内または数値範囲によって包含される全ての数、値、量、パーセンテージ、部分範囲、および端数は、これらの数、値、量、パーセンテージ、部分範囲、および端数がそれらの全体が明示的に書き出されているかのように、本出願の元の開示に具体的に含まれ、かつそれに属するものとみなされるものである。
【0098】
本開示の広範な範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値ではあるが、特定の例で示される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、それらのそれぞれの試験測定値に見出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に含有する。
【0099】
本明細書で使用される場合、別途示されない限り、複数の用語は、別途示されない限り、その単数の対応物を包含することができ、その逆もまた同様である。例えば、本明細書では、「1つ(a)」の負極活物質、「1つ(a)」の分散剤コポリマー、および「1つ(an)」の導電性添加剤についての言及がなされているが、これらの成分の組み合わせ(すなわち、複数)が使用され得る。加えて、本明細書では、別途具体的に記述されない限り、「または」の使用は、「および/または」を意味するが、特定の場合、「および/または」が明示的に使用され得る。
【0100】
本明細書で使用される場合、「含むこと(including)」、「含有すること(containing)」、および同様の用語は、本出願の文脈において「含むこと(comprising)」と同義であることが理解され、したがって、オープンエンドであり、追加の記述されていないかまたは説明されていない要素、材料、成分、または方法ステップの存在を除外しない。本明細書で使用される場合、本出願の文脈において、「からなる」は、任意の不特定の要素、成分、または方法ステップの存在を除外すると理解される。本明細書で使用される場合、本出願の文脈において、「から本質的になる」は、特定の要素、材料、成分、または方法ステップ、および説明されているものの「基本的かつ新規の特徴に実質的に影響を及ぼさないもの」を含むと理解される。本開示の様々な実施形態が、「含むこと(comprising)」という観点で説明されているが、本質的にからなるかまたはからなる実施形態も、本開示の範囲内である。
【0101】
本明細書で使用される場合、「上(on)」、「上に(onto)」、「上に塗布される(applied on)」、「上に塗布される(applied onto)」、「上に形成される(formed on)」、「上に堆積される(deposited on)」、「上に堆積される(deposited onto)」という用語は、表面上に形成されるか、重ねられるか、堆積されるか、または提供されることを意味するが、必ずしも表面と接触する必要はない。例えば、基材「上に堆積される」組成物は、電着可能なコーティング組成物と基材との間に位置する、同じかまたは異なる組成物の1つまたは1つより多くの他の介在するコーティング層の存在を排除しない。
【0102】
本開示の特定の実施形態が詳細に説明されているが、本開示の全体的な教示に照らして、それらの詳細に対する様々な修正および代替案が開発され得ることが当業者によって理解されるであろう。したがって、開示される特定の構成は、例示のみであり、添付の特許請求の範囲の全容ならびにその任意のおよび全ての等価物を与える本開示の範囲に対する限定ではないことが意図される。本明細書に説明されている特徴および例、ならびにそれらの組み合わせの各々は、本開示によって包含されていると言える。
【0103】
以下の実施例は、本開示を例示しているが、しかしながら、本開示をそれらの詳細に限定するとみなされるものではない。別途示されない限り、以下の実施例において、ならびに本明細書の全体を通して、全ての部およびパーセンテージは、重量によるものである。
【実施例
【0104】
EX-A:
分散剤コポリマーの調製
比較分散剤Aの調製:機械的撹拌ブレード、熱電対、および還流凝縮器を備えた4つ口丸底フラスコに、114グラムのDowanol PMを添加した。窒素雰囲気下で、溶媒を125℃の設定点まで加熱した。228.8グラムのエチルアクリレートおよび25.42グラムのアクリル酸を含有するモノマー溶液を、別の容器内でしっかり混合した。2.47グラムのtert-アミルペルオクトエート(tert-amyl peroctoate)および44.5グラムのDowanol PMの開始剤溶液を、別の容器内で調製した。開始剤およびモノマー溶液を、それぞれ210および180分にわたって添加漏斗を使用して、同時にフラスコに共投入した。開始剤供給およびモノマー供給が完了した後、モノマー添加漏斗を12.2グラムのDowanol PMですすいだ。生じた分散剤混合物を125℃の設定点で1時間保持した。1.52グラムのtert-アミルペルオクトエートおよび13.3グラムのDowanol PMの第2の開始剤溶液を調製した。第2の開始剤溶液の半分を、30分にわたって、添加漏斗を使用してフラスコ内に供給した。分散剤混合物を125℃の設定点で30分間保持した。開始剤溶液の残りを30分にわたって添加した。次に、開始剤添加漏斗を6.08グラムのDowanol PMですすいだ。次いで、分散剤混合物を125℃の設定点で30分間保持した。30分保持した後、混合物を70℃まで冷却した。70℃まで冷却した後、31.43グラムのジメチルエタノールアミンを10分にわたって添加した。添加後、混合物を70℃で10分間保持した。次いで、258グラムの温かい(70℃)脱イオン水を60分にわたって添加し、その後15分間混合した。混合後、樹脂分散体を好適な容器に注いだ。分散剤コポリマー溶液の総固体は、36.05%の固体であることが測定された。
【0105】
分散剤Bの調製:機械的撹拌ブレード、熱電対、および還流凝縮器を備えた4つ口丸底フラスコに、114グラムのDowanol PMを添加した。窒素雰囲気下で、溶媒を125℃の設定点まで加熱した。204.6グラムのエチルアクリレート、24.2グラムのN-ビニルピロリドン、および25.42グラムのアクリル酸を含有するモノマー溶液を、別の容器内でしっかり混合した。2.47グラムのtert-アミルペルオクトエートおよび44.5グラムのDowanol PMの開始剤溶液を、別の容器内で調製した。開始剤およびモノマー溶液を、それぞれ210および180分にわたって添加漏斗を使用して、同時にフラスコに共投入した。開始剤供給およびモノマー供給が完了した後、モノマー添加漏斗を12.2グラムのDowanol PMですすいだ。生じた分散剤混合物を125℃の設定点で1時間保持した。1.52グラムのtert-アミルペルオクトエートおよび13.3グラムのDowanol PMの第2の開始剤溶液を調製した。第2の開始剤溶液の半分を、30分にわたって、添加漏斗を使用してフラスコ内に供給した。分散剤混合物を125℃の設定点で30分間保持した。開始剤溶液の残りを30分にわたって添加した。次に、開始剤添加漏斗を6.08グラムのDowanol PMですすいだ。次いで、分散剤混合物を125℃の設定点で30分間保持した。30分保持した後、混合物を70℃まで冷却した。70℃まで冷却した後、31.43グラムのジメチルエタノールアミンを10分にわたって添加した。添加後、混合物を70℃で10分間保持した。次いで、258グラムの温かい(70℃)脱イオン水を60分にわたって添加し、その後15分間混合した。混合後、樹脂分散体を好適な容器に注いだ。分散剤コポリマー溶液の総固体は、36.00%の固体であることが測定された。
【0106】
分散剤Cの調製:機械的撹拌ブレード、熱電対、および還流凝縮器を備えた4つ口丸底フラスコに、108グラムのDowanol PMを添加した。窒素雰囲気下で、溶媒を125℃の設定点まで加熱した。193.9グラムのブチルアクリレート、22.9グラムのN-ビニルピロリドン、および24.1グラムのアクリル酸を含有するモノマー溶液を、別の容器内でしっかり混合した。2.34グラムのtert-アミルペルオクトエートおよび42.1グラムのDowanol PMの開始剤溶液を、別の容器内で調製した。開始剤およびモノマー溶液を、それぞれ210および180分にわたって添加漏斗を使用して、同時にフラスコに共投入した。開始剤供給およびモノマー供給が完了した後、モノマー添加漏斗を11.5グラムのDowanol PMですすいだ。生じた分散剤混合物を125℃の設定点で1時間保持した。1.44グラムのtert-アミルペルオクトエートおよび12.6グラムのDowanol PMの第2の開始剤溶液を調製した。第2の開始剤溶液の半分を、30分にわたって、添加漏斗を使用してフラスコ内に供給した。分散剤混合物を125℃の設定点で30分間保持した。開始剤溶液の残りを30分にわたって添加した。次に、開始剤添加漏斗を5.76グラムのDowanol PMですすいだ。次いで、分散剤混合物を125℃の設定点で30分間保持した。30分保持した後、混合物を70℃まで冷却した。70℃まで冷却した後、29.8グラムのジメチルエタノールアミンを10分にわたって添加した。添加後、混合物を70℃で10分間保持した。次いで、244.4グラムの温かい(70℃)脱イオン水を60分にわたって添加し、その後15分間混合した。混合後、樹脂分散体を好適な容器に注いだ。分散剤コポリマー溶液の総固体は、35.60%の固体であることが測定された。
【0107】
分散剤Dの調製:機械的撹拌ブレード、熱電対、および還流凝縮器を備えた4つ口丸底フラスコに、108グラムのDowanol PMを添加した。窒素雰囲気下で、溶媒を125℃の設定点まで加熱した。193.9グラムの2-エチルヘキシルアクリレート、22.9グラムのN-ビニルピロリドン、および24.1グラムのアクリル酸を含有するモノマー溶液を、別の容器内でしっかり混合した。2.34グラムのtert-アミルペルオクトエートおよび42.1グラムのDowanol PMの開始剤溶液を、別の容器内で調製した。開始剤およびモノマー溶液を、それぞれ210および180分にわたって添加漏斗を使用して、同時にフラスコに共投入した。開始剤供給およびモノマー供給が完了した後、モノマー添加漏斗を11.5グラムのDowanol PMですすいだ。生じた分散剤混合物を125℃の設定点で1時間保持した。1.44グラムのtert-アミルペルオクトエートおよび12.6グラムのDowanol PMの第2の開始剤溶液を調製した。第2の開始剤溶液の半分を、30分にわたって、添加漏斗を使用してフラスコ内に供給した。分散剤混合物を125℃の設定点で30分間保持した。開始剤溶液の残りを30分にわたって添加した。次に、開始剤添加漏斗を5.76グラムのDowanol PMですすいだ。次いで、分散剤混合物を125℃の設定点で30分間保持した。30分保持した後、混合物を70℃まで冷却した。70℃まで冷却した後、29.8グラムのジメチルエタノールアミンを10分にわたって添加した。添加後、混合物を70℃で10分間保持した。次いで、244.4グラムの温かい(70℃)脱イオン水を60分にわたって添加し、その後15分間混合した。混合後、樹脂分散体を好適な容器に注いだ。分散剤コポリマー溶液の総固体は、35.4%の固体であることが測定された。
【0108】
分散剤Eの調製:機械的撹拌ブレード、熱電対、および還流凝縮器を備えた4つ口丸底フラスコに、114グラムのDowanol PMを添加した。窒素雰囲気下で、溶媒を125℃の設定点まで加熱した。204.6グラムのエチルアクリレート、24.2グラムのN-ビニルピロリドン、および25.42グラムのポリ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート(Mn500)を含有するモノマー溶液を、別の容器内でしっかり混合した。2.47グラムのtert-アミルペルオクトエートおよび44.5グラムのDowanol PMの開始剤溶液を、別の容器内で調製した。開始剤およびモノマー溶液を、それぞれ210および180分にわたって添加漏斗を使用して、同時にフラスコに共投入した。開始剤供給およびモノマー供給が完了した後、モノマー添加漏斗を12.2グラムのDowanol PMですすいだ。生じた分散剤混合物を125℃の設定点で1時間保持した。1.52グラムのtert-アミルペルオクトエートおよび13.3グラムのDowanol PMの第2の開始剤溶液を調製した。第2の開始剤溶液の半分を、30分にわたって、添加漏斗を使用してフラスコ内に供給した。分散剤混合物を125℃の設定点で30分間保持した。開始剤溶液の残りを30分にわたって添加した。次に、開始剤添加漏斗を6.08グラムのDowanol PMですすいだ。次いで、分散剤混合物を125℃の設定点で30分間保持した。30分保持した後、混合物を70℃まで冷却した。分散剤を好適な容器に注いだ。分散剤コポリマー溶液の総固体は、36.1%の固体であることが測定された。
【0109】
炭素分散体の調製
比較実施例1:CMC対照-分散剤コポリマーなし:プラスチックカップに、14.8gのカルボキシメチルセルロース(「CMC」、Sigma Aldrich、DS=1.2、Mw=250,000、2.66%の固体)、8.0gの脱イオン水、および0.5gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。混合物を60秒間手動混合した後、30秒間隔で合計2分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合し、ドローダウンを介して炭素分散体の質を定期的に検査した。
【0110】
比較実施例2:分散剤A:プラスチックカップに、13.36gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、Mw=250,000、2.66%の固体)、7.5gの脱イオン水、0.22gの分散剤A(36.05%の固体)、および0.53gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。混合物を60秒間手動混合した後、30秒間隔で合計2分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合し、ドローダウンを介して炭素分散体の質を定期的に検査した。
【0111】
実施例3:分散剤B:プラスチックカップに、13.36gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、Mw=250,000、2.66%の固体)、9.5gの脱イオン水、0.22gの分散剤B(36%の固体)、および0.53gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。混合物を60秒間手動混合した後、30秒間隔で合計2分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合し、ドローダウンを介して炭素分散体の質を定期的に検査した。
【0112】
実施例4:分散剤C:プラスチックカップに、13.36gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、Mw=250,000、2.66%の固体)、11.0gの脱イオン水、0.22gの分散剤C(35.6%の固体)、および0.53gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。混合物を60秒間手動混合した後、30秒間隔で合計2分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合し、ドローダウンを介して炭素分散体の質を定期的に検査した。
【0113】
実施例5:分散剤D:プラスチックカップに、13.36gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、Mw=250,000、2.66%の固体)、12.0gの脱イオン水、0.22gの分散剤D(35.4%の固体)、および0.53gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。混合物を60秒間手動混合した後、30秒間隔で合計2分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合し、ドローダウンを介して炭素分散体の質を定期的に検査した。
【0114】
実施例6:10%のMPEG、80.5%のEA、および9.5%のNVPを有する分散剤E:プラスチックカップに、13.36gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、Mw=250,000、2.66%の固体)、13.0gの脱イオン水、0.22gの分散剤E(36.1%の固体)、および0.53gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。混合物を60秒間手動混合した後、30秒間隔で合計2分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合し、ドローダウンを介して炭素分散体の質を定期的に検査した。
【0115】
比較実施例7:0.3%のPVP:プラスチックカップに、13.36gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、Mw=250,000、2.66%の固体)、14.0gの脱イオン水、0.08gのPVP(Sigma Aldrich)、および0.53gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。混合物を60秒間手動混合した後、30秒間隔で合計2分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合し、ドローダウンを介して炭素分散体の質を定期的に検査した。
【0116】
炭素分散体の評価:ドローダウンを介して最終分散体を塗布し、視覚的に評価した。図1に示されるように、分散剤BおよびCは、比較分散剤AおよびPVPと少なくとも同等であり、分散剤を欠いた比較実施例1の対照よりも優れた炭素分散体を提供した。EHAの使用からの分散剤D中のより長いアルキル鎖は、分散体品質をわずかに劣化させたように思われる。加えて、分散剤E中にアクリル酸を欠き、MPEGを含めることは、分散体品質を顕著に低下させた。
【0117】
負極水系スラリーの調製
比較実施例1:CMC/SBR対照:プラスチックカップに、14.8gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、M=250,000、2.66%の固体)、8.0gの脱イオン水、および0.5gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。混合物を、30秒間隔で合計5分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合した。次いで、25gのグラファイト(Superior 1506T)を添加し、混合物を、30秒間隔で合計5分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合した。最後に、0.9gのSBR(40%の固体、Zeon BM-451B)を添加し、混合物を60秒間手動撹拌した後、4ミルドローダウンバーを使用してコーティングして、銅箔上に4.67mg・cm-2のコーティング重量を得た。
【0118】
比較実施例2:比較分散剤A:プラスチックカップに、13.36gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、Mw=250,000、2.66%の固体)、7.5gの脱イオン水、0.22gの比較分散剤A(36.05%の固体)、および0.53gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。混合物を、30秒間隔で合計5分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合した。次いで、25gのグラファイト(Superior 1506T)を添加し、混合物を、30秒間隔で合計5分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合した。最後に、0.9gのスチレンブタジエンゴム(「SBR」、(40%の固体、Zeon BM-451B)を添加し、混合物を60秒間手動撹拌した後、5ミルドローダウンバーを使用してコーティングして、銅箔上に4.71mg・cm-2のコーティング重量を得た。
【0119】
実施例3:分散剤B:プラスチックカップに、13.36gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、Mw=250,000、2.66%の固体)、9.5gの脱イオン水、0.22gの分散剤B(36%の固体)、および0.53gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。混合物を、30秒間隔で合計5分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合した。次いで、25gのグラファイト(Superior 1506T)を添加し、混合物を、30秒間隔で合計5分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合した。最後に、0.9gのSBR(40%の固体、Zeon BM-451B)を添加し、混合物を60秒間手動撹拌した後、5ミルドローダウンバーを使用してコーティングして、銅箔上に4.71mg・cm-2のコーティング重量を得た。
【0120】
実施例4:分散剤C:プラスチックカップに、13.36gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、Mw=250,000、2.66%の固体)、11.0gの脱イオン水、0.22gの分散剤C(35.6%の固体)、および0.53gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。混合物を、30秒間隔で合計5分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合した。次いで、25gのグラファイト(Superior 1506T)を添加し、混合物を、30秒間隔で合計5分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合した。最後に、0.9gのSBR(40%の固体、Zeon BM-451B)を添加し、混合物を60秒間手動撹拌した後、5ミルドローダウンバーを使用してコーティングして、銅箔上に4.77mg・cm-2のコーティング重量を得た。
【0121】
実施例5:分散剤D:プラスチックカップに、13.36gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、Mw=250,000、2.66%の固体)、12.0gの脱イオン水、0.22gの分散剤D(35.4%の固体)、および0.53gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。混合物を、30秒間隔で合計5分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合した。次いで、25gのグラファイト(Superior 1506T)を添加し、混合物を、30秒間隔で合計5分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合した。最後に、0.9gのSBR(40%の固体、Zeon BM-451B)を添加し、混合物を60秒間手動撹拌した後、5ミルドローダウンバーを使用してコーティングして、銅箔上に4.71mg・cm-2のコーティング重量を得た。
【0122】
実施例6:分散剤E:プラスチックカップに、13.36gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、Mw=250,000、2.66%の固体)、13.0gの脱イオン水、0.22gの分散剤E(36.1%の固体)、および0.53gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。混合物を、30秒間隔で合計5分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合した。次いで、25gのグラファイト(Superior 1506T)を添加し、混合物を、30秒間隔で合計5分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合した。最後に、0.9gのSBR(40%の固体、Zeon BM-451B)を添加し、混合物を60秒間手動撹拌した後、5ミルドローダウンバーを使用してコーティングして、銅箔上に4.8mg・cm-2のコーティング重量を得た。
【0123】
比較実施例7:0.3%のPVP:プラスチックカップに、13.36gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、Mw=250,000、2.66%の固体)、14.0gの脱イオン水、0.08gのポリビニルピロリドン(「PVP」(Sigma Aldrich)、および0.53gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。混合物を、30秒間隔で合計5分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合した。次いで、25gのグラファイト(Superior 1506T)を添加し、混合物を、30秒間隔で合計5分間、2000rpmの遠心ミキサー内で混合した。最後に、0.9gのSBR(40%の固体、Zeon BM-451B)を添加し、混合物を60秒間手動撹拌した後、5ミルドローダウンバーを使用してコーティングして、銅箔上に4.61mg・cm-2のコーティング重量を得た。
【0124】
完全セルコインセル評価
対照90/5/5正極対照:正極活物質として90重量%のLiNi0.5Mn0.3Co0.2、導電性添加剤として5重量%のSUPER P導電性炭素、および5重量%のフルオロポリマー系結合剤を有する正極を、以下に説明されている全てのコインセルの製造において電極として使用した。
【0125】
コインセル:特定のアノード電極に対して90/5/5カソード電極対照を使用して、完全コインセルを製造した。セパレータとしてセラミックコーティングされた厚さ20μmのCelgardセパレータを使用し、2重量%のVCとともに、3:7の比率のEC:EMC中1.2MのLiPFで構成される75μLの電解質溶液に浸した。316ステンレス鋼ケーシングを使用してコインセルを製造し、直径1.0cmのカソード電極を直径1.2cmのアノード電極と対合させた。0.1Cでの3回の形成サイクル、続いて、表1および表2に指定される各レートでの5回のサイクルを使用して、Bio-Logic BCS-805試験機で、セルの評価を実施した。
【表1】

【表2】
【0126】
表1に示されるように、実施例3~6の各々は、比較実施例1ならびに比較実施例2および7の対照と比較して、各サイクルで同等の性能を提供した。実施例3~6の各々は、12Cでの比較実施例1の対照よりも優れていた。
【0127】
表2に示されるように、実施例3~6の各々は、比較実施例1ならびに比較実施例2および7の対照と比較して、各サイクルで同等の性能を提供した。実施例3~6の各々は、3C、6C、および12Cでの比較実施例1の対照よりも優れていた。
【0128】
EX-B:
炭素フィルムの調製
実施例B1:CMC/SBR:プラスチックカップに、15のCMC(Nipon、DS=0.7、Mw=350,000、2%の固体)、および0.4gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。ZrOフライスビーズ(Glen mills、超高密度酸化ジルコニウム、5mm)を含む遠心ミキサー内で、混合物を2000rpmで3分間混合した。4.85gの脱イオン水を添加し、遠心ミキサー内で30秒間混合した。最後に、0.75gのSBR(40%の固体、Zeon BM-451B)を添加し、混合物を遠心ミキサー内で30秒間混合した後、10ミルドローダウンバーを使用してポリテトラフルオロエチレンフィルム上にコーティングした。このフィルムを、55℃の電気オーブン内で2分間、および100℃で4分間順次乾燥させた。
【0129】
実施例B2:CMC/SBR+0.1重量%の分散剤F:プラスチックカップに、14.5のCMC(Nipon、DS=0.7、Mw=350,000、2%の固体)、および0.4gの分散剤F(MW=50,000、PDI=3~4を有する(ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン、脱イオン水中5重量%溶液)としてSigma Aldrichから入手可能)を添加した。混合物を2,000rpmの遠心ミキサー内で30分間混合した。0.4gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)およびZrOフライスビーズ(Glen mills、超高密度酸化ジルコニウム、5mm)を添加し、2000rpmで3分間混合した。炭素分散体を4.97gの脱イオン水で希釈し、遠心ミキサー内で30秒間混合した。最後に、0.72gのSBR(40%の固体、Zeon BM-451B)を添加し、混合物を遠心ミキサー内で30秒間混合した後、10ミルドローダウンバーを使用してポリテトラフルオロエチレンフィルム上にコーティングした。このフィルムを、55℃の電気オーブン内で2分間、および100℃で4分間順次乾燥させた。
【0130】
炭素微細構造の透過型電子顕微鏡(TEM)評価:少量の各フィルム試料をEMBed-812エポキシ中に包埋させ、60℃で24時間硬化させた。次いで、薄い切片(<80nm)を超微細切断し、Cu TEMグリッド上に収集した。200kVで動作させながら、Tecnai T20 TEMで画像を取得した。図2の炭素フィルムのTEM画像は、ポリマー結合剤ネットワーク(より軽い、灰色の領域)に散在するナノサイズの炭素粒子(黒い球体)を含有する透明な領域を示している。実施例B1では、図の左側部分の円によって強調されるように、ナノサイズの炭素ネットワークが破壊されている領域が存在する。実施例B2で調製した炭素フィルムを使用してこの分析を繰り返すと、カーボン粒子ネットワークの不連続性が著しく少なくなる。一度、実施例2のTEM画像において、上から下への連続的な炭素粒子経路を容易にトレースすることができる。より連続的なフラクタルな炭素ネットワークは、例えば、B1と比較して、実施例B2では、改善された電力性能を伴い、より導電性の高いコーティングを生じることが予想される。
【0131】
多層パウチセルレート容量:
対照92/4.5/3.5正極:正極活物質として92重量%のLiNi0.6Mn0.2Co0.2、導電性添加剤として4.5重量%のSUPER P導電性炭素、および3.5重量%のフルオロポリマー系結合剤を有する正極を、以下に説明されている全てのパウチセルの製造において電極として使用した。
【0132】
実施例B3 94/2/4対照アノード:10Lの混合ポットに、3.99kgのCMC(Nipon、DS=0.7、Mw=350,000、2%の固体)、および106gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)を添加した。混合物を、40rpmのデュアルヘリカルミキサーおよび1600rpmの高速分散ブレードで1時間混合した。605gの脱イオン水とともに5kgのグラファイト(Superior 1506-T)を添加し、40rpmのデュアルヘリカルミキサーおよび1600rpmの高速分散ブレードで1時間混合した。次いで、追加の605gの水を添加し、40rpmのデュアルヘリカルミキサーおよび1600rpmの高速分散ブレードで2時間混合した。40rpmのデュアルヘリカルミキサーで一晩混合した後、332gのSBR(40%の固体、Zeon BM-451B)を添加し、混合物を40のデュアルヘリカルミキサーで5分間混合した。スラリーを150μmフィルタに通して濾過し、リバースコンマコータを使用して銅箔上に6.7mg/cmの充填量でコーティングした。
【0133】
実施例B4 94/2/4分散剤Cアノード:5Lの混合ポットに、1.80kgのCMC(Nipon、DS=0.7、Mw=350,000,2%の固体)および39.89gの分散剤C(20%の固体)を添加した。この混合物を、40rpmのデュアルヘリカルミキサーで5分間混合した。53.2gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)。混合物を、40rpmのデュアルヘリカルミキサーおよび1600rpmの高速分散ブレードで1時間混合した。387gの脱イオン水とともに2.5kgのグラファイト(Superior 1506-T)を添加し、40rpmのデュアルヘリカルミキサーおよび1600rpmの高速分散ブレードで1時間混合した。次いで、追加の387gの水を添加し、40rpmのデュアルヘリカルミキサーおよび1600rpmの高速分散ブレードで2時間混合した。40rpmのデュアルヘリカルミキサーで一晩混合した後、156gのSBR(40%の固体、Zeon BM-451B)を添加し、混合物を40のデュアルヘリカルミキサーで5分間混合した。スラリーを150μmフィルタに通して濾過し、リバースコンマコータを使用して銅箔上に6.7mg/cmの充填量でコーティングした。
【0134】
実施例B5 94/2/4分散剤Fアノード:5Lの混合ポットに、1.93kgのCMC(Nipon、DS=0.7、Mw=350,000、2%の固体)および53.2gの分散剤F(Sigma-Aldrichから市販されているポリ(2-エチル-2-オキサゾリン、MW=50,000、PDI=3~4、脱イオン水中5重量%の溶液)を添加した。この混合物を、40rpmのデュアルヘリカルミキサーで5分間混合した。53.2gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)。混合物を、40rpmのデュアルヘリカルミキサーおよび1600rpmの高速分散ブレードで1時間混合した。160gの脱イオン水とともに2.5kgのグラファイト(Superior 1506-T)を添加し、40rpmのデュアルヘリカルミキサーおよび1600rpmの高速分散ブレードで1時間混合した。次いで、追加の160gの水を添加し、40rpmのデュアルヘリカルミキサーおよび1600rpmの高速分散ブレードで2時間混合した。40rpmのデュアルヘリカルミキサーで一晩混合した後、163gのSBR(40%の固体、Zeon BM-451B)を添加し、混合物を40のデュアルヘリカルミキサーで5分間混合した。スラリーを150μmフィルタに通して濾過し、リバースコンマコータを使用して銅箔上に6.7mg/cmの充填量でコーティングした。
【0135】
特定のアノード電極に対して92/4.5/3.5カソード電極対照を使用して、1.1Ahの容量を有する多層パウチセルを製造した。部分的に自動化されたZフォルダスタッカーを使用して、2重量%のVCとともに、3:7の比率のEC:EMC中1MのLiPFで構成される4.4gの電解質溶液に浸したEntek 12 EPHをセパレータとして用いて、4つのカソードおよび5つのアノードでセルを組み立てた。0.1Cでの4回の形成サイクル、続いて表3に指定される各レートでの5回のサイクルを使用して、10A Maccor試験機で、セルの評価を実施した。
【表3】

【表4】
【0136】
表3に示されるように、実施例B4およびB5の各々は、9Cのレートで放電すると、対照配合物と比較して高い放電容量を示した。
【0137】
表4に示されるように、実施例B4およびB5は、9Cのレートで放電すると、対照配合物と比較して高い正規化保存容量を示した。
【0138】
低温性能評価:
30mAhの容量を有する単層パウチセルを、多層パウチセルについて上述したものと同様の様式で調製したが、しかしながら、この実施例では、カソードおよびアノードの1つの層のみを使用する。これらのセルは、2重量%のVC電解質とともに、2:2:6のEC:PC:EMC(体積%)中1Mの0.6gのLiPFを充填した。室温での4回の0.1C形成サイクルの後、これらのセルを、-18℃でEspec BTZ-475熱チャンバに配置し、この温度で6時間平衡化させた。その後、これらのセルを0.1Cで充電し、-12Cで放電させた。図3に示されるように、実施例B5を含有するセルは、実験2Vのカットオフ電圧に達するまでに数秒長くかかることによって、対照実施例B3よりも優れていた。改善された低温性能は、実施例B5単層パウチセルのより低い内部抵抗を示している。分散剤Fを組み込んだ際の低減された内部抵抗は、導電性炭素分散体の改善に相関する。
【0139】
EX-C:
負極水系スラリーの調製
比較実施例C1-PVP:このスラリーを、分散剤として0.079gのPVP、13.356gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、M=250,000,2.66%の固体)、9.0gの脱イオン水、0.526gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)、25.0gのグラファイト(Superior 1506T)、および0.888gのSBR(40%の固体、Zeon BM-451B)を使用して、EX-Aの比較実施例1に類似した様式で調製した。スラリーの固体パーセントは、総組成に基づいて、53.9重量%であった。4ミルドローダウンバーを使用してグラファイトアノードフィルムをキャスティングして、銅箔上に4.5mg・cm-2のコーティング重量を得た。
【0140】
比較実施例C2-分散剤G:このスラリーを、0.039gのPVP、0.039gのポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)(MW=50,000、PDI=3~4を有する粉末としてSigma-Aldrichから市販されている)、13.356gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、M=250,000、2.66%の固体)、9.0gの脱イオン水、0.526gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)、25.0gのグラファイト(Superior 1506T)、および0.888gのSBR(40%の固体、Zeon BM-451B)を使用して、EX-Aの比較実施例1に類似した様式で調製した。分散剤Gは、PVPおよびポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)で構成される。スラリーの固体パーセントは、53.9重量%であった。5ミルドローダウンバーを使用してグラファイトアノードフィルムをキャスティングして、銅箔上に4.67mg・cm-2のコーティング重量を得た。
【0141】
実施例C3-分散剤H:このスラリーを、0.175分散剤C(総重量に基づいて22.55%の固体)、0.039gのポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)(MW=50,000、PDI=3~4を有する粉末としてSigma-Aldrichから市販されている)、13.356gのCMC(Sigma Aldrich、DS=1.2、M=250,000、2.66%の固体)、9.0gの脱イオン水、0.526gの炭素(TIMCAL C-NERGY(商標)SUPER C45)、25.0gのグラファイト(Superior 1506T)、および0.888gのSBR(40%の固体、Zeon BM-451B)を使用して、EX-Aの比較実施例1に類似した様式で調製した。分散剤Hは、分散剤Cおよびポリ(2-エチル-2-オキサゾリン)で構成される。スラリーの固体パーセントは、53.7重量%であった。5ミルドローダウンバーを使用してグラファイトアノードフィルムをキャスティングして、銅箔上に4.54mg・cm-2のコーティング重量を得た。
【0142】
完全セルコインセル評価
対照92/4/4正極対照:正極活物質として92重量%のLiNi0.5Mn0.3Co0.2、導電性添加剤として4重量%のSUPER P導電性炭素、および4重量%のフルオロポリマー系結合剤を有する正極を、以下に説明されている全てのコインセルの製造において電極として使用した。
【0143】
コインセル:特定のアノード電極に対して92/4/4カソード電極対照を使用して、完全コインセルを製造した。セパレータとしてセラミックコーティングされた厚さ20μmのCelgardセパレータを使用し、2重量%のVCとともに、3:7の比率のEC:EMC中1.2MのLiPFで構成される75μLの電解質溶液に浸した。316ステンレス鋼ケーシングを使用してコインセルを製造し、直径1.0cmのカソード電極を直径1.2cmのアノード電極と対合させた。0.1Cでの3回の形成サイクル、続いて、表5および表6に指定される各レートでの5回のサイクルを使用して、Bio-Logic BCS-805試験機で、セルの評価を実施した。
【表5】

【表6】
【0144】
表5および表6に示されるように、分散剤H(C3)の使用は、PVP(C1)または分散剤G(C2)と比較して、高いCレート(6Cおよび12C)で、等しいかまたはより良好な絶対容量および最良の保存容量を提供した。予想外にも、ポリ(2-アルキル-2-オキサゾリン)またはポリ(2-アリール-2-オキサゾリン)分散剤と組み合わせて、分散剤中に高レベル(50%超)の窒素含有複素環モノマーが存在すると、電気化学的性能の劣化が観察された。
【0145】
本明細書に説明および例示される広範な本発明の概念から逸脱することなく、上の開示に照らして、多数の修正および変形が可能であることが当業者によって理解されるであろう。したがって、前述の開示は、本出願の様々な例示的な態様の単なる例示であり、本出願および添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内にある多数の修正および変形が、当業者によって容易に行われ得ることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
【国際調査報告】