(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】レトログラフィック検出
(51)【国際特許分類】
G01B 11/25 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G01B11/25 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520968
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-30
(86)【国際出願番号】 US2022046129
(87)【国際公開番号】W WO2023059924
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519322750
【氏名又は名称】ゲルサイト インク
【氏名又は名称原語表記】GelSight,Inc.
【住所又は居所原語表記】179 Bear Hill Road, Suite #202,Waltham,Massachusetts 02451-1063,USA
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100082946
【氏名又は名称】大西 昭広
(74)【代理人】
【識別番号】100195693
【氏名又は名称】細井 玲
(72)【発明者】
【氏名】ロハリー,ジャノス
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,ミカ,キモ
(72)【発明者】
【氏名】アンセス,ジェイ,ウィリアム
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA53
2F065BB05
2F065FF01
2F065FF02
2F065FF05
2F065FF09
2F065GG04
2F065HH03
2F065HH06
2F065HH07
2F065HH12
2F065JJ03
2F065JJ09
2F065JJ26
2F065LL04
2F065LL42
(57)【要約】
表面形状測定システムは、剛性光学素子及び測定表面から高分解能の表面形状データをキャプチャするように構成された透明なエラストマーの検出表面を含む。剛性光学素子及びエラストマーの検出表面は、単一の一体型構成要素として、取り外され且つ交換され得る着脱可能なカートリッジとして構成され得る。光回折素子又は類似した光学系は、当該システムが表面上で使用するために配置された際に、撮像体積内の照明がエラストマーの検出表面に接触する且つ当該撮像体積と空間的に交差する表面のコンピュータによる再構成ことを容易にするように、当該撮像体積内に三次元照明パターンを生成するために使用され得る。また或いはその代わりに、本明細書で説明される技術は、非カートリッジベースの撮像システムに適用される場合があり、この場合、短い長さ、コンパクトサイズ、改善された照明、並びに補足的および補完的深度測定技術の使用のような、他の利点も、測定システムを改善できる。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
イメージをキャプチャするための三次元視野を画定する撮像体積と、
前記撮像体積を通り抜ける撮像軸を有するカメラと、
前記撮像体積と交差し、撮像装置の前記撮像軸に垂直な平面と、
固定焦点のコヒーレントな光を含む照明を提供するレーザと、
第1の表面で前記レーザから照明を受光するように配置された回折光学素子であって、前記回折光学素子の前記第1の表面は、前記第1の表面とは反対側の第2の表面から前記撮像体積内に三次元照明パターンを作成するためにマイクロパターン形成された構造体を含む、回折光学素子と、
前記撮像体積内の物体のターゲット表面にカメラの焦点を合わせるように構成された液体レンズと、
前記装置に着脱可能および交換可能に結合される撮像カートリッジであって、剛性基体、及び前記カメラの反対側の第1の側に柔軟で光学的に透明なエラストマーを有し、且つ前記カメラに向いている第2の側に薄い反射コーティングを有する光学素子を含む、撮像カートリッジと、
前記撮像体積内の前記物体の表面に対して変形する際にエラストマー光学素子の前記薄い反射コーティングにより反射されたパターンから光のイメージを受け取るための、メモリに格納された命令により構成されるプロセッサとを含み、
前記プロセッサは、前記イメージに基づいて、前記表面の定量的表面形状を計算するように、前記メモリに格納された命令により更に構成されている、装置。
【請求項2】
装置であって、
イメージをキャプチャするための三次元視野を画定する形状整合可能な撮像媒体内の撮像体積と、
前記撮像体積を通り抜ける撮像軸を有する撮像装置と、
前記撮像体積と交差し、撮像装置の前記撮像軸に垂直な平面と、
照明を提供する光源と、
第1の表面で前記光源から照明を受光し、且つ前記第1の表面とは反対側の第2の表面から前記撮像体積内にパターンを作成するように配置および構成された光学素子とを含み、
前記第2の表面は、前記撮像体積と交差する前記平面に対して或る角度をなしている、装置。
【請求項3】
前記第2の表面は、前記撮像体積と交差する前記平面に対して斜角をなしている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記光学素子は、回折光学素子を含み、前記装置は、前記撮像体積の周縁部の回りの、前記回折光学素子とは異なる場所に関して、前記撮像体積内に第2のパターンを作成するために配置および構成された第2の回折光学素子を更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記三次元視野内の表面により反射されたパターンから光のイメージを受け取り、且つ当該イメージに基づいて前記表面の定量的表面形状を計算するように構成されたプロセッサを更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記表面は、前記撮像体積と交差する形状整合可能な撮像媒体の変形可能な表面を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
2つ以上の異なる視点からの表面のイメージに基づいて、前記三次元視野内の表面の定量的表面形状を計算するように構成された多視点撮像システムを更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記光源の第1のスペクトル帯と重ならない波長を有する第2のスペクトル帯を用いて、前記表面の三次元形状を解釈する多視点撮像システムを更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
前記第2のスペクトル帯において照明を提供する第2の光源を更に含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記撮像体積内に少なくとも部分的に配置された撮像カートリッジを更に含み、前記撮像カートリッジは、前記撮像装置に反対側の第1の側に形状整合可能な撮像媒体、及び前記撮像装置に向いている第2の側に光学コーティングを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項11】
前記形状整合可能な撮像媒体は、柔軟で光学的に透明なエラストマーを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記形状整合可能な撮像媒体は、光学的に透明な流体を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記光学コーティングは、可視テクスチャーを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記光学コーティングは、可視パターンを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記光学コーティングは、薄い反射コーティングである、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記光学コーティングは、前記撮像カートリッジの前記第2の側の変形に応じて、色を変化させる、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
前記撮像体積内に配置されたレトログラフィック・センサを含む撮像カートリッジを更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項18】
前記撮像体積内に配置されたエラストマー光学素子を含む撮像カートリッジを更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項19】
前記撮像体積内の表面に前記撮像装置の焦点を合わせるように構成された液体レンズを更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項20】
前記撮像体積を通り抜ける前記撮像軸に沿って焦点を変更するように構成されたレンズを更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項21】
前記光学素子は、前記第1の表面に入射する前記光源からの光から前記撮像体積内にパターンを生成するように構成されたマイクロパターン化構造を有する回折光学素子を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項22】
前記光学素子は、前記第1の表面に入射する光から前記撮像体積内にパターンを生成するように構成されたメタ表面を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項23】
前記光学素子の前記第2の表面は、前記撮像体積と交差する前記平面に対して少なくとも30度の斜角を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項24】
前記光学素子からの光は、50度~70度で前記平面に入射する、請求項2に記載の装置。
【請求項25】
前記パターンは、前記撮像体積内の前記撮像軸に沿って変化する三次元パターンを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項26】
前記パターンは、前記平面内に密集した第1の複数の特徴要素、及び前記第1の複数の特徴要素から視覚的に区別でき且つ前記平面内に点在する第2の複数の特徴要素を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項27】
前記パターンは、前記平面内の規則的な幾何学的パターンを集合的に形成する第1の複数の特徴要素および第2の複数の特徴要素を含み、前記第2の複数の特徴要素は、前記パターン内に視覚的に区別可能なアンカー・ポイントを形成する、請求項2に記載の装置。
【請求項28】
前記パターンは、前記撮像体積内の深度の高分解能検出を提供するために密集した第1の複数の特徴要素、及び前記撮像体積内のエラストマー光学素子の接触面の最大予想変形中に、前記撮像体積内の前記撮像軸に沿った交差を回避するために、前記撮像体積を通る平面内で十分に遠く離れて配置された第2の複数の特徴要素を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項29】
前記パターンは、前記撮像体積内の深度の高分解能検出を提供するために密集した第1の複数の特徴要素、及び前記撮像体積内のエラストマー光学素子の接触面の最大の考えられる変形中に、前記撮像体積内の撮像軸に沿った交差を回避するために、前記撮像体積を通る平面内で十分に遠く離れて配置された第2の複数の特徴要素を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項30】
前記パターンは、1つ又は複数の線、ドット、及び多角形を含む複数の特徴要素を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項31】
前記光源は、コヒーレントな固定焦点を有する光を提供する、請求項2に記載の装置。
【請求項32】
前記光源はレーザを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項33】
前記光源はコリメート光源である、請求項2に記載の装置。
【請求項34】
装置であって、
イメージをキャプチャするための三次元視野を画定する、形状整合可能な撮像媒体内の撮像体積と、
撮像システムとを含み、その撮像システムは、前記撮像体積と交差し且つ前記三次元視野内の前記形状整合可能な撮像媒体を変位させるターゲット表面の定量的表面形状を、少なくとも照度差ステレオ及び多視点撮像を含む2つ以上の撮像様式を用いて、計算するように構成されている、装置。
【請求項35】
前記撮像システムは、前記撮像体積と交差する前記ターゲット表面により変形した前記形状整合可能な撮像媒体の表面により反射される投射テクスチャーを用いて、多視点三次元再構成および照度差三次元再構成の組み合わせを利用する、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記撮像システムは、前記撮像体積と交差する前記ターゲット表面により変形した前記撮像媒体の表面上のテクスチャーを用いて、多視点三次元再構成および照度差三次元再構成の組み合わせを利用する、請求項34に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2021年10月8日に出願された米国仮特許出願第63/253694号の優先権を主張しており、その全内容は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は概して、レトログラフィック検出システムに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
レトログラフィック・センサ及び/又は他のイメージング(撮像)技術を用いる表面形状測定システムの改善の必要性が残っている。
【0004】
概要
表面形状測定システムは、剛性光学素子、及び測定表面から高分解能の表面形状データをキャプチャするように構成された透明なエラストマーの検出表面を含む。剛性光学素子およびエラストマーの検出表面は、単一の一体型構成要素として、取り外されて交換され得る着脱可能なカートリッジとして構成され得る。光回折素子または類似した光学系は、当該システムが表面上で使用するために配置された際に、撮像体積内の照明が、エラストマーの検出表面に接触する且つ当該撮像体積と空間的に交差する表面のコンピュータによる再構成ことを容易にするように、当該撮像体積内に三次元照明パターンを生成するために使用され得る。また或いはその代わりに、本明細書で説明される技術は、非カートリッジベースの撮像システムに適用される場合があり、この場合、短い長さ、コンパクトサイズ、改善された照明、並びに補足的および補完的深度(深さ、奥行き)測定技術の使用のような、他の利点も、測定システムを改善することができる。
【0005】
一態様において、本明細書で開示される装置は、イメージをキャプチャするための三次元視野を画定する撮像体積と;前記撮像体積を通り抜ける撮像軸を有するカメラと;前記撮像体積と交差し、撮像装置の前記撮像軸に垂直な平面と;固定焦点のコヒーレントな光を含む照明を提供するレーザと;第1の表面で前記レーザから照明を受光するように配置された回折光学素子であって、前記回折光学素子の前記第1の表面は、前記第1の表面とは反対側の第2の表面から前記撮像体積内に三次元照明パターンを作成するためにマイクロパターン形成された構造体を含む、回折光学素子と;前記撮像体積内の物体のターゲット表面にカメラの焦点を合わせるように構成された液体レンズと;前記装置に着脱可能および交換可能に結合される撮像カートリッジであって、剛性基体、及び前記カメラの反対側の第1の側に柔軟で光学的に透明なエラストマーを有し、且つ前記カメラに向いている第2の側に薄い反射コーティングを有する光学素子を含む、撮像カートリッジと;前記撮像体積内の前記物体の表面に対して変形する際にエラストマー光学素子の前記薄い反射コーティングにより反射されたパターンから光のイメージを受け取るための、メモリに格納された命令により構成されるプロセッサとを含み、前記プロセッサは、前記イメージに基づいて、前記表面の定量的表面形状を計算するように、前記メモリに格納された命令により更に構成されている。
【0006】
別の態様において、本明細書で開示される装置は、イメージをキャプチャするための三次元視野を画定する形状整合可能な撮像媒体内の撮像体積と;前記撮像体積を通り抜ける撮像軸を有する撮像装置と;前記撮像体積と交差し、前記撮像装置の前記撮像軸に垂直な平面と;照明を提供する光源と;第1の表面で前記光源から照明を受光し、且つ前記第1の表面とは反対側の第2の表面から前記撮像体積内にパターンを作成するように配置および構成された光学素子とを含み、前記第2の表面は、前記撮像体積と交差する前記平面に対して或る角度をなしている。
【0007】
前記第2の表面は、前記撮像体積と交差する前記平面に対して斜角をなしている場合がある。前記光学素子は、回折光学素子を含む場合があり、前記装置は、前記撮像体積の周縁部の回りの、前記回折光学素子とは異なる場所に関して、前記撮像体積内に第2のパターンを作成するために配置および構成された第2の回折光学素子を更に含む。前記装置は、前記三次元視野内の表面により反射されたパターンから光のイメージを受け取り、且つ当該イメージに基づいて前記表面の定量的表面形状を計算するように構成されたプロセッサを含む場合がある。前記表面は、前記撮像体積と交差する形状整合可能な撮像媒体の変形可能な表面を含む場合がある。
【0008】
前記装置は、2つ以上の異なる視点からの表面のイメージに基づいて、前記三次元視野内の前記表面の定量的表面形状を計算するように構成された多視点撮像システムを含む場合がある。前記装置は、前記光源の第1のスペクトル帯と重ならない波長を有する第2のスペクトル帯を用いて、前記表面の三次元形状を解釈する多視点撮像システムを含む場合がある。前記装置は、前記第2のスペクトル帯において照明を提供する第2の光源を含む場合がある。
【0009】
一態様において、前記装置は、撮像カートリッジを含む場合がある。その撮像カートリッジは、前記撮像体積内に少なくとも部分的に配置され得る。前記撮像カートリッジは、前記撮像装置に反対側の第1の側に形状整合可能な撮像媒体、及び前記撮像装置に向いている第2の側に光学コーティングを含む場合がある。前記形状整合可能な撮像媒体は、柔軟で光学的に透明なエラストマーを含む場合がある。前記形状整合可能な撮像媒体は、光学的に透明な流体を含む場合がある。前記光学コーティングは、可視テクスチャー又は可視パターンを含む場合がある。前記光学コーティングは、薄い反射コーティングである場合がある。前記光学コーティングは、前記撮像カートリッジの前記第2の側の変形に応じて、色を変化させる場合がある。一態様において、前記撮像カートリッジは、前記撮像体積内に配置されたレトログラフィック・センサを含む場合がある。前記撮像カートリッジは、また或いはその代わりに、前記撮像体積内に配置されたエラストマー素子を含む場合がある。
【0010】
一態様において、前記装置は、前記撮像体積内(例えば、前記撮像体積の中を通る平面または他の二次元スライス内)の表面に前記撮像装置の焦点を合わせるように構成された液体レンズを含む場合がある。より一般的には、前記装置は、例えば、前記撮像体積内からの三次元データの取得を容易にするために、前記撮像体積を通り抜ける前記撮像軸に沿って焦点を変更するように構成された1つ又は複数のレンズを含む場合がある。
【0011】
一態様において、前記光学素子は、前記第1の表面に入射する前記光源からの光から前記撮像体積内にパターンを生成するように構成されたマイクロパターン化構造を有する回折光学素子を含む場合がある。前記光学素子は、前記第1の表面に入射する光から前記撮像体積内にパターンを生成するように構成されたメタ表面を含む場合がある。前記光学素子の前記第2の表面は、前記撮像体積と交差する前記平面に対して少なくとも30度の斜角を有する場合がある。前記光学素子からの光は、50度~70度で前記平面に入射する場合がある。前記パターンは、前記撮像体積内の前記撮像軸に沿って変化する三次元パターンを含む場合がある。前記パターンは、前記平面内に密集した第1の複数の特徴要素、及び前記第1の複数の特徴要素から視覚的に区別でき且つ前記平面内に点在する第2の複数の特徴要素を含む場合がある。前記パターンは、前記平面内の規則的な幾何学的パターンを集合的に形成する第1の複数の特徴要素および第2の複数の特徴要素を含む場合があり、前記第2の複数の特徴要素は、前記パターン内に視覚的に区別可能なアンカー・ポイントを形成する。前記パターンは、前記撮像体積内の深さの高分解能検出を提供するために密集した第1の複数の特徴要素、及び前記撮像体積内のエラストマー光学素子の接触面の最大予想変形中に、前記撮像体積内の前記撮像軸に沿った交差を回避するために、前記撮像体積を通る平面内で十分に遠く離れて配置された第2の複数の特徴要素を含む場合がある。前記パターンは、前記撮像体積内の深さの高分解能検出を提供するために密集した第1の複数の特徴要素、及び前記撮像体積内のエラストマー光学素子の接触面の最大の考えられる変形中に、前記撮像体積内の撮像軸に沿った交差を回避するために、前記撮像体積を通る平面内で十分に遠く離れて配置された第2の複数の特徴要素を含む場合がある。前記パターンは、1つ又は複数の線、ドット、及び多角形を含む複数の特徴要素を含む場合がある。
【0012】
別の態様において、前記光源は、コヒーレントな固定焦点を有する光を提供する場合がある。また或いはその代わりに、前記光源はレーザを含む場合がある。前記光源は例えば、コリメート光源である場合がある。
【0013】
別の態様において、装置が本明細書で開示され、その装置は、イメージをキャプチャするための三次元視野を画定する、形状整合可能な撮像媒体内の撮像体積と;撮像システムとを含み、その撮像システムは、前記撮像体積と交差し且つ前記三次元視野内の前記形状整合可能な撮像媒体を変位させるターゲット表面の定量的表面形状を、少なくとも照度差ステレオ及び多視点撮像を含む2つ以上の撮像様式を用いて、計算するように構成されている。
【0014】
前記撮像システムは、前記撮像体積と交差する前記ターゲット表面により変形した前記形状整合可能な撮像媒体の表面により反射される投射テクスチャーを用いて、多視点三次元再構成および照度差三次元再構成の組み合わせを利用する場合がある。前記撮像システムは、前記撮像体積と交差する前記ターゲット表面により変形した前記撮像媒体の表面上のテクスチャーを用いて、多視点三次元再構成および照度差三次元再構成の組み合わせを利用する場合がある。
【0015】
本明細書で説明される装置(デバイス)、システム、及び方法の上記および他の目的、特徴、及び利点は、添付図面に示されるように、その特定の実施形態に関する以下の説明から明らかになるであろう。当該図面は、必ずしも一定の縮尺に従っておらず、むしろ、本明細書で説明される装置、システム、及び方法の原理を示すことに重点が置かれている。当該図面において、同様の参照符号は概して、対応する要素を識別する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【0017】
【
図2】撮像システムの撮像カートリッジの断面図である。
【0018】
【0019】
【
図4】撮像システムの撮像カートリッジ及びハウジングの斜視図である。
【0020】
【
図5】撮像システムの撮像カートリッジの側面図である。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【
図11】撮像カートリッジを用いるロボットシステムを示す図である。
【0027】
【
図12】撮像カートリッジを有する撮像システムを示す図である。
【0028】
【
図13】撮像カートリッジを有する撮像システムを示す図である。
【0029】
【
図14】撮像カートリッジを有する撮像システムの切り欠き図である。
【0030】
【
図15】撮像システムの撮像軸に対して角度を付けられた回折光学素子の断面図である。
【0031】
【0032】
【
図17】撮像システムで使用するためのカートリッジを示す図である。
【0033】
【
図18】撮像システムで使用するためのカートリッジの基体を示す図である。
【0034】
【
図19】撮像カートリッジのオーバーモールドされるコーティング(被覆)を示す図である。
【0035】
詳細な説明
本明細書で言及される全ての文献は、参照により全体として援用される。特に明確に明記しない限り又は文脈から明らかにならない限り、単数のアイテムに対する言及は、複数のアイテムを含む、及び逆もまた同じであると理解されるべきである。文法的接続詞は、特に明記しない限り又は文脈から明らかにならない限り、等位接続された節、文、及び単語などの任意および全ての選言的および接続的組み合わせを表わすことが意図されている。かくして、用語「又は」は一般に、「及び/又は」などを意味すると理解されるべきである。
【0036】
本明細書において、値の範囲に関する記述は、本明細書において別段の指示がない限り、制限することが意図されておらず、それよりむしろ当該範囲に入る任意の及び全ての値に個別に言及することが意図されており、係る範囲内の各別個の値は、まるでそれが本明細書において個別的に列挙されているかのように、本明細書へ組み入れられる。用語「約」、「ほぼ」、又は同様のものは、数値を伴う場合、意図された目的のために満足のいくように動作するために、当業者により認識されるような許容差を示すように解釈されるべきである。値の範囲および/または数値は、本明細書において単なる例として提供されており、説明された実施形態の範囲の制限を構成しない。本明細書で提供される任意の及び全ての例、又は例示的な言語(「例えば」、「のような」、又は同様のもの)の使用は、実施形態を単により良く説明することが意図されており、実施形態の範囲または特許請求の範囲に制限を課さない。本明細書において言葉が無いことは、実施形態の実施に不可欠であるような、特許請求の範囲に記載されていない何らかの要素を示すものとして解釈されるべきである。
【0037】
以下の説明において、「第1」、「第2」、「上部(頂部)」、「底部」、「上へ」、及び「下へ」などのような用語は、便宜上の単語であり、特に特段の記載がない限り、制限する用語として解釈されるべきでない。
【0038】
本明細書で説明される装置(デバイス)、システム及び方法は、2014年3月8日に出願された米国特許出願第14/201835号、2015年9月8日に付与された米国特許第9127938号、及び2013年4月2日に付与された米国特許第8411140号の教示を含む場合がある、又は当該教示と併用して使用され得る。上記のそれぞれの全内容は、参照により本明細書に援用される。特定の態様において、本明細書において説明される装置、システム及び方法は、手持ち式または定量的表面形状測定システム又は三次元測定システムにおいて使用するための、レトログラフィック・センサを有する容易に取り換え可能な撮像カートリッジ又は同様のものを提供するために使用され得る。しかしながら、本明細書で説明される装置、システム及び方法は、また或いはその代わりに、他のシステムに含まれ得る、又はそうでなければ当該他のシステムと共に使用され得る。例えば、本明細書で説明されるシステムは、例えば、部品識別および姿勢評価、力フィードバック、ロボット外科手術、及び健康診断などのようなロボット手先効果器システム、並びに1つ又は複数の接触測定、触覚検出測定、表面形状測定、又は三次元測定が必要である又は役に立つ他のシステム及び応用形態に有用である場合がある。
【0039】
図1は、撮像システムを示す。一般に、撮像システム100は、上記で明らかにされた文献に説明される1つ又は複数のレトログラフィック・センサを用いるレトログラフィック・センサ・システム、又は任意の他の撮像システムのような定量的または定性的表面形状測定および/または視覚化のための任意のシステムである場合がある。例えば、定性的データは、イメージ、面法線マップ、三次元表面形状の高さマップ、力マップ、弾性マップ、又はターゲット表面の柔らかさ/硬度の他の尺度などを含む場合がある。撮像システム100は、撮像カートリッジ102を保持するための固定具104と共に、撮像システム100の着脱可能な及び交換可能なカートリッジとして構成された撮像カートリッジ102を含む場合がある。固定具104は、撮像カートリッジ102が固定具104に固定された際にカメラ及び光源(単数または複数)に対して既知の位置および方向付けを有するように、撮像システムに対して(例えば、カメラのような撮像装置106、及び1つ又は複数の発光ダイオード又は他の光源のような照明源108に対して)、所定の幾何学的構成を有する場合がある。この強制的な配置は有利には、撮像カートリッジ102の較正データの再使用、及び撮像システム100の光学トレーン内に撮像カートリッジ102を信頼できて繰り返し可能に配置することを可能にする。
【0040】
認識されるべきは、以下の説明は、レトログラフィック・センサを備える着脱可能な撮像カートリッジ102の使用法に重きを置くが、その代わりに撮像カートリッジ102又はその一部は、概して着脱可能でない方法で撮像システム100に一体化され得る。かくして、本明細書で説明されるシステム及び方法の幾つかの利点は、任意の着脱可能な撮像カートリッジ102を含まない、概して本明細書で説明されるような撮像システム100に同様に当てはまる場合があるが、その代わりに撮像カートリッジ102の構成要素の幾つか又は全てを撮像システム100の本体へ組み込む。一態様において、剛性基体のような部分は、撮像システム100の本体へ一体化され得るが、ターゲット表面に接触する部分のような他の部分は、接触表面が使用するにつれて汚れる又は損傷した後に撮像システム100の再使用を可能にするために着脱可能および交換可能である場合がある。
【0041】
撮像カートリッジ102は、ガラス、ポリカーボネート、アクリル、ポリスチレン、ポリウレタン、光学的透明なエポキシ樹脂のような剛性で光学的透明な材料、又は本明細書で説明されるシステムで使用するために適切な機械的特性および光学的特性を備える任意の他の材料の少なくとも一部で形成される光学素子110を含む場合がある。一態様において、また或いはその代わりに、硬質のプラチナ硬化シリコーンのようなシリコーン、又は任意の他の光学的品質のポリマーが使用され得る。更なる利点として、光学的に透明で形状整合可能な材料からなる層116は、任意の接着剤を用いずに、光学素子110の剛性材料へ直接的に結合することを容易にする材料から形成され得る。例えば、光学素子110が硬質のプラチナ硬化シリコーンから形成される場合、形状整合可能で光学的に透明な材料からなる層116は、柔軟なプラチナ硬化シリコーンのようなエラストマーから形成され、接着剤を用いずに硬質シリコーンに結合され得る。光学素子110は、例えば撮像装置106により、光学素子110を介してイメージをキャプチャするための光学的に透明な表面を備える領域を含む第1の表面112を含む場合がある。また、光学素子110は、第1の表面112に対向する第2の表面114も含む場合があり、この場合、中心軸117は、第1の表面112及び第2の表面114を通り抜ける(通過する、貫通する)。
【0042】
一般に、第1の表面112は、第2の表面114からのイメージを、光学素子110を介して撮像装置106へ伝えるのに適した光学的特性を有する場合がある。この機能をサポートするために、第1の表面112は、第2の表面114からのイメージを光学的に拡大するためのレンズを提供する曲面のような、任意の適切な光成形特徴要素を含む場合がある。別の態様において、第1の表面112は、第2の表面114から光学素子110を介してキャプチャされたイメージにおいて球面収差または他の光学収差に対処するように形作られた非球面を含む場合がある。また或いはその代わりに、第1の表面112は、光学素子110を介してキャプチャされたイメージにおいて幾何学的歪みを低減する又はそうでなければ緩和するように形作られた自由曲面を含む場合がある。厚い媒体を介した撮像は一般に、撮像システム100(又はここでより具体的には、撮像レンズ106)の開口数に依存する大きさを有する球面収差につながる場合がある。かくして、光学素子110の第1の表面112は、厚い媒体を介した集束光線束の伝播によって生じる係る球面収差(及び他の高次収差)に対処するために湾曲され得る、又はそうでなければ適合され得る。より一般的には、第1の表面112は、光学素子110を用いた表面形状データのキャプチャをサポートするように、イメージを集束する、形作る又は修正するのに適した任意の形状または表面処理加工を含む場合がある。また或いはその代わりに、第2の表面114は、イメージ・キャプチャを改善するために変更され得る。例えば、光学素子110の第2の表面114は、ターゲット表面130から撮像装置106へ伝えられるイメージを拡大する又はそうでなければ形作るために、光学素子110から(例えば、撮像されているターゲット表面130の方へ)伸びる凸面を含む場合がある。
【0043】
光学素子110は一般に、本明細書で企図されるように、撮像システム100において多数の目的にかなう場合がある。一態様において、光学素子110は、イメージをキャプチャする際に、ターゲット表面130にわたって比較的一様に圧力を伝達するための剛性本体として機能する。特に、光学素子110の本体は、透明な基体の反対側の反射膜コーティングが測定される表面の表面形状と同じになるように、透明な基体ゲルに実質的に一様な圧力を印加する場合がある。一態様において、光学素子110は、グレージング角の照明または浅い角度の照明を提供する場合がある。また或いはその代わりに、光学素子110は、方向性暗視野照明を提供する場合がある。この目的で、十分に厚い光学材料が、異なる方向からの(例えば、照明源108の1つのLEDセグメントがオンになる)又は至る所からの(例えば、照明源108の全LEDセグメントがオンになる)反射膜表面の制御された一様のほぼコリメートされた暗視野またはグレージング照明を提供するためのライトガイドとして機能する場合がある。後者の構成は、例えば、各色が特定の照明方向と関連付けられたマルチスペクトルの照度差ステレオ用の多重光チャネルに、異なる色のLEDが使用される際に、有用である場合がある。
【0044】
エラストマー又は他の形状整合可能な材料のような、光学的に透明な材料からなる層116は、第2の表面114に配置され、本明細書で説明される手段の何れかのような、任意の適切な手段を用いて第2の表面114に取り付けられ得る。一般に、層116は、層116に形成された相補的形状が層116の反対面を通じて光学的にキャプチャされ得るように、ターゲット表面130の表面形状に合致するように変形できるエラストマー又は任意の他の比較的形状整合可能な材料から形成され得る。かくして、例えば、層116は、ゲル(例えば、光学的に透明なゲル)、流体(例えば、光学的に透明な流体)又は同様のものから形成され得る。液体または気体のような流体が使用される場合、層116は、関心のあるターゲット表面に形状整合することを可能にしながら、流体を収容できる弾性または変形可能な薄膜のような、薄膜を含む場合がある。柔軟性(従順性)の観点から、約5-60のショア00デュロメータ値を有するエラストマー又は他の材料あるいは材料の組み合わせは、本明細書で企図された層116として有用に機能する場合がある。一般に、光学素子110の第2の表面114に隣接する、層116の第1の側118は、第2の表面114の屈折率に一致する屈折率を有する場合がある。認識されるように、屈折率に言及する際に本明細書で使用される場合、用語「一致」は、全く同じ屈折率を必要としない。それよりむしろ、用語「一致」は概して、撮像装置106によるキャプチャのために2つの材料間の対応する界面を介してイメージを伝達するのに十分に近い屈折率を有することを意味する。かくして、例えば、アクリルは、約1.49の屈折率を有する一方で、ポリジメチルシロキサンは約1.41の屈折率を有し、これら材料は、互いに隣接して配置され得る且つ本明細書で企図されたように定量的または定性的表面形状測定に十分なイメージを伝達するために使用され得るのに十分に一致している。
【0045】
層116の第2の側120は、撮像システム100による表面形状撮像および測定を容易にする撮像装置106の方を向く表面を提供しながら、ターゲット表面130に形状整合するように構成され得る。第2の側120は例えば、不透明なコーティング又は反射コーティング、又はより一般的には、本明細書で企図されるような表面形状撮像をサポートするのに適した所定の反射率を有する任意の光学コーティングを含む場合がある。例えば、光学コーティングは、例えば、層116の第2の側120の形状を復元するために、撮像システムにより撮像されて分析され得る可視テクスチャー又は可視パターンを含む場合がある。また或いはその代わりに、光学コーティングは、変形に応じて変化する光学特性を有する場合がある。例えば、光学コーティングは、変形に応じて、色、透明度、反射性、又はテクスチャーを変化させる場合がある。これらの変化が撮像システムにより視覚的にキャプチャされ得る程度まで、それらは、三次元形状情報が回復され得る第2の側120に沿って変形場を推定するための基礎を提供する。
【0046】
一般に、このコーティングは、そうでなければ光学撮像を妨げる場合がある、色、半透明、光沢、及び鏡面性などのような、ターゲット表面130の光学特性に無関係である光学素子110を介したイメージのキャプチャを容易にすることができる。一態様において、第2の側120は、光学素子110から離れるように(例えば、ターゲット表面130の方へ)伸びる凸面を含む場合がある。この幾何学的構成は、大きな集合的な凹形状を有する表面の撮像を容易にする、及び撮像カートリッジ102が最初にターゲット表面130と接触して配置される際に視野内の気泡の蓄積を軽減するような、多くの利点を提供することができる。
【0047】
側壁122は、第1の表面112から第2の表面114まで伸びる光学素子110の内部124の回りに形成され得る。一般に、側壁122は、例えば、照明源108からの側壁122を介した第2の表面114の照明を制御するように構成された1つ又は複数の光成形特徴要素を含む場合がある。側壁122は、例えば、所望の角度で且つ均一に光を光学素子110の中へ及び光学素子110を介して操向するように、有用な光成形特徴要素を有する様々な幾何学的形状をとる場合がある。例えば、側壁122は、第1の表面112及び第2の表面114に形成された2つの円の間に円錐台形状を形成する連続平面を含む場合がある。また或いはその代わりに、側壁122は、第1の表面112と第2の表面114との間の領域の一部または全ての間に頂部が平面で切断された半球体を含む場合がある。別の態様において、側壁122は、中心軸117の回りの六角形または八角形のような、正多角形または正多角形でない多角形の幾何学的形状へ構成された2つ以上の別個の平面を含む場合がある。平面を有するこの後者の実施形態において、各係る表面は、光学素子110の中を通って要望通りに側方照明を提供するために、それに隣接する1つ又は複数の発光ダイオードのような照明源108を有する場合がある。理解されるべきは、平面は、光成形特徴要素としても機能する場合があり、この場合、当該平面は、システム100の撮像体積内で望ましい方法で光線を屈折させる及び/又はそうでなければ照明を制御する。
【0048】
また或いはその代わりに、他の光成形特徴要素が、例えば照明源108からの入射光を集束または操向するために、又は光学素子110内の及び/又は光学的に透明なエラストマーからなる層116内の光の反射を制御するために、側壁122又は第1の表面112のような、光学素子の表面と共に使用され得る。例えば、光成形特徴要素は、光学素子110の外面に沿って入射光の点光源を拡散するための拡散面を含む場合がある。これは、例えば、照明源108内の個々の発光ダイオード素子からの光を拡散することに、及び/又は側壁122の平面からより一様の照明場を提供することに役立つ場合がある。また或いはその代わりに、光学素子110の側壁122又は幾つかの他の外面は、入射光を光学素子110内へ屈折させるために研磨面を含む場合がある。また、認識されるように、拡散面および反射面も、光学素子110内の照明を全般的に形作るために様々な組み合わせで使用され得る。また或いはその代わりに、光学素子110の側壁122又は他の表面は、例えば望み通りに、入射光を光学素子110内へ集束または操向するためのレンズを形成する、曲面を含む場合がある。
【0049】
別の態様において、光学素子110の側壁122又は他の表面は、第2の表面114までの距離を補償するために段階的減衰を備える減光フィルタを含む場合があり、この場合、光学素子は、形状整合可能な材料からなる層116と界接する。より具体的には、光源に近い第2の表面114の領域の過度の照明、及び/又は光源から離れた第2の表面114の領域の照明不足を避けるために(例えば、中心軸117又は光学素子110の反対側により接近して)、光学素子110の表面は、第2の表面114に、より接近している領域においてより大きい減衰を提供し且つ第2の表面114からより遠い領域においてより少ない減衰を提供する減光フィルタでもって広帯域減衰を提供するフィルタを含む場合がある。このように、側壁122に隣接した下向きの角度で第2の表面114を直接的に照明する光線は、第2の表面114の中心の方へ照明源108を出射する他の光線よりも多く減衰され得る。この減衰は、例えば、連続的、個別的、又はそうでなければ側壁122に近づくほど概して大きくなる減衰を提供するように又はそうでなければ視野内の照明を均衡させるように徐々に変化する場合がある。
【0050】
別の態様において、光成形特徴要素は、例えば、光学素子110内の照明の特定の方向に特定の色を相関させるために、又はそうでなければ照明源108からの色付きの照明の使用を制御するために有用に利用され得る1つ又は複数のカラーフィルタを含む場合がある。撮像システムが波長多重撮像を使用する場合、側壁上のカラーフィルタも、関心のある周波数レンジを選択的に反射または透過することにより、カートリッジ内の迷光を低減する場合がある。別の態様において、光成形特徴要素は、第2の表面114に対する側壁の垂直でない角度を含む場合がある。例えば、
図1に示されるように、側壁122は、第2の表面114との鈍角を形成するように、第2の表面114から離れるように傾斜している。この手法は、例えば、第1の表面112の及び光学素子110への光のない全反射により、第2の表面114の間接照明を有利にサポートする場合がある。別の態様において、側壁122は、例えば、第2の表面114のより大きな直接照明をサポートするために、第2の表面との鋭角を提供するように第2の表面に向かって傾斜している場合がある。これら手法は、光を望み通りに光学素子110内へ及び光学素子110を介して操向するために、単独で又は組み合わせて使用され得る。
【0051】
また或いはその代わりに、光成形特徴要素は、望み通りに入射光を方向付けるために光学素子110の表面に配置された集束レンズ、平面領域、又は同様のもののような、幾何学的特徴要素を含む場合がある。また或いはその代わりに、他の光学素子が、光学素子110の側壁122又は他の表面領域上へ又はその中へ有用に形成され得る。例えば、光成形特徴要素は、入射光をフィルタリング、減衰、偏光、又はそうでなければ成形するための様々な市販のフィルム(膜)の何れかのような、光学フィルムを含む場合がある。また或いはその代わりに、光成形特徴要素は、照明源108からの入射光を操向または集束するためのマイクロレンズ・アレイ又は同様のものを含む場合がある。また或いはその代わりに、光成形特徴要素は、レンズ、回折格子または同様のもののような、複数のマイクロ複製および/または回折光学特徴要素を含む場合がある。例えば、微細構造側壁122は、光学的に透明な材料からなる層116の第2の側120上の、撮像カートリッジ102の撮像面に対する表面形状撮像のばらつきを改善するように、照明源108から光学素子110への光を操向するための光成形特徴要素として、例えば、マイクロイメージング・レンズ、レンチキュラー、マイクロプリズムなどを含む場合がある。例えば、微細構造特徴要素は、被測定領域にわたって一様の配光を提供するために、及び光学素子110内へ戻る又は光学素子110から外へ戻る光の反射を低減するなどのために、照明パターンを成形することを容易にする場合がある。微細構造は例えば、光学素子110の射出成形中に、又は所望の微細構造を有する光学フィルムを側面に付加することにより、もたらされ得る。例えば、市販の適切な光学フィルムは、3M社により販売されている「ビキュイティ(Vikuiti)(登録商標)」、アドバンスドライトコントロールフィルム(Advanced Light Control Film:ALCF)を含む。
【0052】
メカニカルキー126が、撮像システム100の固定具104内に光学素子110(より一般的には、撮像カートリッジ102)の所定位置を強制するために光学素子110の外面に配置され得る。メカニカルキー126は例えば、撮像システム100の固定具104内に光学素子110の一意の回転配向を強制するために、中心軸117の回りに少なくとも1つの半径方向非対称性の特徴要素を含む場合がある。また或いはその代わりに、メカニカルキー126は、撮像システム100内の所定の位置関係に光学素子110を保持するのに適切な任意の数の機械的要素または同様のものを含む場合がある。メカニカルキー126は例えば、光学素子110と固定具104との間の一致した幾何学的形状を含む場合がある。例えば、メカニカルキー126は、位置と同時に回転配向を有用に強制する場合がある、光学素子110から伸びる円柱構造体、又は楕円形プリズム又は同様のものを含む場合がある。
【0053】
一態様において、メカニカルキー126は、撮像システムの固定具104に光学素子110を固定する場合がある1つ又は複数の磁石128を含む場合がある。磁石128は、光学素子110が中心軸117の回りの特定の回転配向にだけ挿入されることを確実にするために、位置決め及び/又は極性を介して更に符号化され得る。また或いはその代わりに、メカニカルキー126は、少なくとも1つの突起部を含む複数の突起部を含む場合があり、当該少なくとも1つの突起部は、撮像システム100の固定具104内に中心軸117の回りに光学素子110の一意の回転配向を強制するために、複数の突起部の他のものと異なる形状を有する。また或いはその代わりに、メカニカルキー126は、撮像システム100の固定具104と運動幾何学的結合を形成するような形状および大きさになっている少なくとも3つの突起部(例えば、厳密に3つの突起部)を含む場合がある。また或いはその代わりに、メカニカルキー126は、所定の位置または配向で光学素子110を固定具140に堅固につがわせるために、フランジ、蟻継ぎ又は任意の他の機械的形状または特徴のような特徴要素を含む場合がある。多数の特定のメカニカルキー・システムが、特定の光学素子設計および構成に関連して本明細書で説明される。
【0054】
撮像カートリッジ102の表面は、本明細書で企図されるように、撮像システム100において使用するために必要に応じて又は役立つように更に処理され得る。例えば、光学素子110の上面、側面および底面の領域または撮像カートリッジ102の他の部分は、例えば照明源108からの光を封じ込めるために又は周囲光の浸入を低減するために、黒色ペイントのような光吸収層で覆われる場合がある。
【0055】
光学素子110のような剛体面に(層116における)フレキシブルなエラストマーを固定することの1つの課題は、特にターゲット表面130がエラストマーに付着する傾向がある場合に、繰り返されるイメージのキャプチャ後に剪断力および他のエッジ効果によって生じる可能性がある層間剥離である場合がある。この問題に対処するために、光学素子110及び透明なエラストマーの層116は、一体型で着脱可能且つ交換可能な装置として、エンドユーザに提供されるカートリッジとして形成され得る。エンドユーザは、必要に応じて、又は例えば、異なる撮像用途、分解能(解像度)または同様のもののために異なる光学特性を有する撮像カートリッジ102に置き換えるために、このカートリッジを迅速かつ容易に交換することができる。同時に、層116を有する光学素子110の同時交換は、エラストマーの層116を光学素子110に機械的に固定するためのより頑強な手段の使用を可能にする場合がある。重要な利点として、この手法は、エラストマーの層116と光学素子110との間に汚染物質または気泡を導入するような、エラストマーの層116の交換に関連したエンドユーザへの難題を軽減することができる。
【0056】
図2は、撮像システム用の撮像カートリッジの断面図を示す。一般に、撮像カートリッジ200は、光学素子204に結合された光学的に透明なエラストマーの層206を含む場合がある。これは、本明細書で説明されるエラストマーの層および光学素子の何れかを含む場合がある。一般に、エラストマーの層206は、任意の適切な保持構造体を用いて、光学素子204に結合され得る。エラストマーの層および光学素子204が一体型カートリッジとしてエンドユーザに提供されるので、エラストマーの層116の定期的な手動交換を必要とした従来技術の他のシステムと区別されるように、多種多様の技術および技術の組み合わせが、光学素子204に隣接して層206を堅固に保持するために使用され得る。
【0057】
保持構造体は、本明細書で説明される接着剤の何れかを含む、任意のタッキファイヤー又は他の接着剤、グルー(のり)、エポキシ樹脂又は同様のものを含む場合がある。撮像カートリッジ200が一体型の消費物品として使用するために製作される場合、エラストマーの層206を取り外して交換する必要性は概してない筈であり、層206は、比較的強力な剛性エポキシ樹脂でもって光学素子204に固定され得る。一態様において、保持構造体は、光学的に透明なエラストマーの層206と光学素子204の表面との間に配置される屈折率の一致した光学的接着剤を含む場合がある。上述されたように、本文脈における屈折率の一致したは、対応する界面を横切る有用なイメージの光学的透過をサポートするように十分に近い任意の屈折率を意味する。
【0058】
また、保持構造体は、光学素子204の表面に、光学的に透明なエラストマーの層206の周縁部を機械的に固定する、当該周縁部の回りの保持リング208も含む場合がある。保持リング208は、周縁部全体または周縁部の1つ又は複数の部分にわたる場合がある。保持リング208は、エラストマーの層206の上部機能表面に随意に広がる場合があり、これは、特にターゲット表面が実質的に平面である場合に、ターゲット表面上の撮像カートリッジ200の配置を邪魔する場合がある。かくして、一態様において、保持リング208は、層206のエッジ内に形成された凹み210又は同様のもの内に、又は層206のより形状整合可能なエラストマーに対する保持リング208の機械的な力により生じた凹み210内に有用に配置され得る。認識されるように、保持リング208は、多角形、及び楕円などのような、エラストマーの層206の周縁部の形状に概して対応する任意の形状を有する場合がある。かくして、本文脈で使用されるような用語「リング」は、円形または丸い形状を示唆または要求することは意図されていない。更に、保持リング208が説明されるが、また或いはその代わりに、保持構造体は、光学素子204と接触して層206の周縁部を機械的に固定するために、層206の上に又は層206内へ伸びる任意の数のタブ、突起部、フランジ又は同様のものを含む場合がある。
【0059】
また或いはその代わりに、保持構造体は、光学素子の表面内のリセス212、及び当該リセス212内へ伸びる、光学的に透明なエラストマーの層206における対応する突起部214を含む場合がある。リセス212は、突起部214を受容するのに適した溝または他の形状を含む場合がある。一態様において、リセス212は、エラストマーの層206と光学素子204との間に形成された結合の機械的強度を改善するために、層206の表面から離れたより広い領域を提供するために蟻継ぎされ得る。より一般的には、リセス212は、光学素子204の表面上に層206を保持するように構造的に構成され得る。このように、機械的結合は、例えば接着剤、保持リング208又は任意の他の保持構造体により生じた結合を置き換える又は強化するために、層206と光学素子204との間に形成され得る。
【0060】
制作中にリセス212を充填するために、エラストマーの層206は、任意の適切な光学的に透明なエラストマーを用いて、リセス212内へ液状成形または熱成形され得る。また或いはその代わりに、適切に形作られた変形可能なエラストマーが、リセス212内へ圧入またはそうでなければリセス212へ組み付けられ得る。しかしながら、エラストマーを液体として適用し、その後にエラストマーを硬化させることにより、エラストマーの層206は、リセス212の空間をより完全に満たし、光学素子204に対するより強い機械的結合を提供する場合がある。
【0061】
図3は、撮像カートリッジの上面図を示す。撮像カートリッジ300は、本明細書で説明される撮像カートリッジ又は類似した構成要素の何れかのような、撮像カートリッジである場合がある。一般に、撮像カートリッジ300は、ターゲット表面に接触して当該ターゲット表面のイメージをキャプチャするために使用される形状整合可能なエラストマーの層302を含む場合がある。層302は、層302の周縁部306の回りの保持リング304、又は光学素子のリセス内へ形成された突起部308のような、様々な保持構造体を通じて光学素子に固定され得る。一般に、撮像カートリッジ300及び/又は層302は、任意の様々な形状を有する場合がある。例えば、層302は、円形、楕円形、正方形、長方形、或いは任意の他の多角形または他の形状の周縁部306を含む場合がある。
【0062】
さて、本明細書で説明される特徴を組み込む様々な撮像カートリッジが説明される。
【0063】
図4は、撮像カートリッジ及び撮像システム用のハウジングに関する斜視図である。撮像カートリッジ402は例えば、本明細書で説明される撮像カートリッジの何れかである場合がある。一般に、撮像カートリッジ402は、ハウジング408内の一意の半径方向の配向を強制するために軸方向非対称性である場合がある多数の突起部404、406を含む場合がある。例えば、1つの突起部406は、半径方向キー係合を提供するために他の突起部404より大きい場合があり、又は当該突起部406は、一意の半径方向の配向、又はこれらの幾つかの組み合わせを強制するように、不規則に間隔を置いて配置され得る。ハウジング408は、突起部404、406が撮像カートリッジ402をハウジング408内に堅固に保持するように、撮像カートリッジ402が撮像システム400の軸412の回りに回転した後に、突起部404、406を受容するための多数のスロット410又は同様のものを含む場合がある。突起部404、406は例えば、ハウジング408及び関連した撮像システム内で撮像カートリッジ402の所定の幾何学的配向を強制するために、ハウジング408のスロット410と運動幾何学的結合を形成する場合がある。
【0064】
図5は、撮像システム用の撮像カートリッジの側面図である。留意される点は、
図5の実施形態において、撮像カートリッジ504の上面502は、撮像カートリッジ504をハウジングに固定するように構造的に構成された多数の突起部506の上に伸びている。これは、ハウジングがエラストマーの層とターゲット表面との間の接触を妨げないように、エラストマーの層がハウジングの表面を十分に超えて伸びることを可能にする場合がある。上述されたように、透明なエラストマーの層(図示せず)は、任意の適切な技術を用いて、撮像カートリッジ504の表面に取り付けられ得る。
【0065】
撮像カートリッジは様々な異なる形状を有する場合があり、異なるタイプの撮像カートリッジが異なる撮像応用形態の同じハウジング内で使用され得るように、突起部のような取り付けインターフェースを有用に共用する場合がある。
図6は、薄型の撮像カートリッジ602の斜視図である。撮像カートリッジ602は、
図4のハウジング408のようなハウジング内に堅固に嵌合するような形状および大きさになっている場合があるが、例えば撮像カートリッジ602を通じてキャプチャされたイメージにおいて光学収差を低減するために、又は撮像カートリッジ602と撮像システムのカメラ又は他の撮像装置との間でフィルタ、及び撮像レンズなどのような追加の光学素子の使用を容易にするために、より薄くなる場合がある。また或いはその代わりに、この薄型は、トレンチ、及び深溝などのような、ターゲット表面上の高アスペクトの負の特徴要素の照明および撮像を容易にするために、カメラに面する(及びエラストマーの層およびターゲット表面に対向する)表面604を通じた照明を有利に適応させることができる。本文脈において、用語「高アスペクト」は、例えば面法線から45度より大きいグレージング照明角度での照明から遮られる(又は遮られる場合がある)特徴要素を意味することが意図されている。
【0066】
図7は、撮像カートリッジの斜視図である。撮像カートリッジ702は、撮像カートリッジ702から離れるように伸びるようにエラストマーの層を支持するように形作られた凸面704を含む場合があり、これは、比較的凹面の撮像を有利に可能にする場合があり、また、エラストマーの層がイメージ・キャプチャのためにターゲット表面上に配置される際に気泡形成を有利に軽減する場合もある。撮像カートリッジ702は、
図4のハウジング408のようなハウジング内に堅固に嵌合するような形状および大きさになる場合がある。
【0067】
図8は、撮像カートリッジの斜視図である。撮像カートリッジ802は、例えばハウジングと撮像表面との間により大きな隙間(空隙)を提供するために、撮像カートリッジ802の突起部806から離れるように伸びる厚型接触面804を有用に組み込む場合がある。撮像カートリッジ802は、
図4のハウジング408のようなハウジング内に堅固に嵌合するような形状および大きさになる場合がある。一般に、上記の撮像カートリッジは、単一のハウジングと互いに交換可能に使用される場合があり、かくして異なる撮像カートリッジの特性によりサポートされている動作の異なるモードを容易にする。更に、運動幾何学的結合または類似した配向に特有の取り付けシステムを提供することにより、特定の撮像カートリッジに関する較正結果などは、以前に使用された撮像カートリッジがもう一度ハウジング内に配置される際に、呼び戻されて再使用され得る。
【0068】
図9は、撮像カートリッジの斜視図である。撮像素子902は例えば、概して長方形の構成を有し、撮像素子902がハウジングの固定具と線形摺動係合することができるように、1つ又は複数のフランジ904又は同様のものを含む場合がある。このタイプの係合機構は、撮像素子902がロボットアームの手先効果器から取り除かれて取り換えられる場合のように、ロボットの応用形態または同様のものに特に好都合である場合がある。撮像素子902は例えば、対応する表面特性および側壁特性を備える、本明細書で説明される撮像カートリッジの何れかである場合がある。本明細書で説明される光学的に透明なエラストマーの層の何れかのような、層906は、ターゲット表面の表面形状イメージをキャプチャするための接触面を提供するように撮像素子902上に配置され得る。層906は、例えばハウジングからの逃げを提供するために、及び/又は層906がターゲット表面上で使用するために配置される際に気泡の生成を軽減するために、凸状である、又はそうでなければ撮像素子902から離れるように湾曲する場合がある。
図10は、
図9の撮像カートリッジの側面図である。
【0069】
図11は、撮像カートリッジを用いるロボットシステムを示す。一般に、システム1100は、本明細書で説明される撮像カートリッジ又は他の光学デバイスの何れかのようなカートリッジ1106を着脱可能かつ交換可能に受容するように構成されたハウジング1104に結合されたロボットアーム1102を含む場合がある。ロボットアーム1102(又は任意の他の適切なロボット要素(単数または複数))は、例えばハウジング1104内のカメラ又は他の撮像装置を用いて、カートリッジ1106を介してターゲット表面1108の表面形状イメージをキャプチャするために、ターゲット表面1108と接触するようにカートリッジ1106を配置するために構成され得る。一般に、システム1100は、撮像システム1100の固定具から(例えば、ハウジング1104内の)カートリッジを自動的に取り外し、第2のカートリッジ1110をハウジング1104内へ挿入するように構成され得る。第2のカートリッジ1110は、例えば、通常の摩耗および破れの後の交換を行うためにカートリッジ1106と同じである場合があり、又は第2のカートリッジ1110は、例えばより大きな倍率、より大きな視野、より良好な特徴要素の分解能、特徴要素の深い照明、異なる集合的な表面形状、及びターゲット表面1108に対する異なる形状許容誤差などを提供するために、第1のカートリッジ1106と異なる光学的構成を有する場合がある。第2のカートリッジ1110は、容器、又はシステム1100のロボットアーム1102にアクセス可能な他の入れ物に格納され得る。一般に、システム1100は、本明細書で説明されるようなカートリッジ1106の取り外しと交換を容易にするために、ハウジング1104内に又はより一般的にはシステム1100内に、1つ又は複数の磁石、電気機械ラッチ、及びアクチュエーターなどを含む場合がある。より一般的には、システム1100は、撮像プロセスで使用するために、カートリッジ1106を取り除いて交換し、カートリッジ1106を配置するのに適した任意の把持装置、クランプ、又は他の電気機械式手先効果器、又は同様のものを含む場合がある。
【0070】
図12は、撮像カートリッジを用いる撮像システムを示す。一般に、撮像システム1200は、後述される相違と共に、本明細書で説明されるレトログラフィック・センサ或いは他のエラストマー又は形状整合可能な光センサ又は同様のものの何れかを含むカートリッジ1202を含む場合がある。また、撮像システム1200は、光源1204、撮像装置1206、コントローラ1208、及び撮像体積(ボリューム)1210も含む場合がある。光学素子1212は、光源1204による撮像体積1210の照明を制御するために配置され得る。
【0071】
カートリッジ1202は、撮像システム1200に着脱可能かつ交換可能に結合される場合があり、カートリッジ1202の検出領域1214を撮像システム1200の撮像体積1210と位置合わせするように、撮像システム1200に機械的にキー係合され得る、又はそうでなければ結合され得る。カートリッジ1202は例えば、撮像装置1206の反対側の第1の側に柔軟で光学的に透明なエラストマーを有し、且つ撮像装置1206に向いている第2の側に薄い反射コーティングを有し、測定のためにターゲット表面と接触して配置される際に変形するように構成されたエラストマー光学素子を含む場合がある。より一般的には、カートリッジ1202は、三次元撮像を容易にするようにターゲット表面に接触するための、本明細書で説明されたレトログラフィック・センサ、或いは他のエラストマー又は形状整合可能な光学素子の何れかを含む場合があり、この場合、カートリッジ1202は、カートリッジ1202が撮像システム1200内に使用のために配置される際に、撮像体積1210内にセンサを配置するように構造的に構成されている。撮像システム1200は、撮像体積1210を通り抜ける、撮像軸または光軸のような軸1216を有する場合がある。かくして、カートリッジ1202が撮像システム1200内に使用するために配置される際、撮像装置1206が撮像システム1200の撮像体積1210内のカートリッジ1202の検出領域1214のイメージをキャプチャすることができるように、カートリッジ1202の検出領域1214は、撮像システム1200の軸1216と交差して、撮像体積1210内に位置する場合がある。
【0072】
光源1204は、光学素子1212を介して撮像体積1210内へ照明を提供するのに適した任意の照明源である場合がある。カートリッジ1202が撮像システム1200内に使用するために配置される際、光源1204は、カートリッジ1202の検出領域1214を照明して、撮像装置1206によるイメージのキャプチャを可能にする場合がある。次に、これらイメージは、カートリッジ1202の検出領域1214に接触する物体の三次元表面情報を解釈(解明)するために、コントローラ1208により処理され得る。一態様において、光源1204は、コヒーレントの固定焦点を有する及び/又はコリメートされた照明を提供するレーザ又は他の装置である場合がある。これに関連して、理解されるように、固定焦点は、無限遠点に集束された光、即ちコリメートされた又は平行な光線トレースから形成された光、並びに本明細書で説明される照明パターンを作成するために使用され得る任意の他の固定焦点を有する光を含む場合がある。別の態様において、光源1204は、光学素子1212及び他の光学特徴要素に対する適切な変更と共に、非集束照明を提供する場合がある。
【0073】
撮像装置1206は、三次元イメージを解釈する際にコントローラ1208により使用するために撮像体積1210のイメージをキャプチャするのに適したカメラ、又は光学デバイス、レンズ、フィルタ及び他のハードウェアの任意の他の組み合わせである場合がある。一般に、撮像装置1206は、そのイメージをキャプチャするために撮像体積1210を通り抜ける、撮像システム1200の軸1216のような、撮像軸を有する場合がある。コントローラ1208は、本明細書で説明されるような三次元情報を取得するために撮像システム1200の動作を制御するのに適した、任意のプロセッサ、マイクロコントローラ、又は他の回路、或いは上記の組み合わせを含む場合がある。一態様において、撮像システム1200に物理的に結合されたコントローラ1208は、例えば処理ための別個のプロセッサに伝達するためにデータを取得するような、データ取得の制限された制御を提供する場合がある。別の態様において、コントローラ1208は、イメージを処理して撮像体積1210内の表面の三次元データへとイメージ・データを解釈するために、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、グラフィックス・プロセッシング・ユニット、及び/又は他のプロセッサを含む場合がある。一態様において、コントローラ1208は、撮像体積1210内の物体の表面に対して変形する際に、光学素子1212により作成され、エラストマー光学素子または他の検出領域1214の薄い反射コーティングにより反射されたパターンから光のイメージを撮像装置1206から受け取るために、メモリに格納された命令により構成されるプロセッサを含む場合がある。撮像システム1200へ一体化される又は撮像システム1200に通信可能に結合されるこのプロセッサ又は別のプロセッサは、撮像装置1206によりキャプチャされたイメージに基づいて表面に関する定量的な表面形状を計算するために、メモリに格納された命令により更に構成され得る。本明細書で説明されるように、当該表面は、例えば撮像体積1210と交差し、測定されるべき物体のターゲット表面に対して形状整合するように構成されたエラストマー光学素子の変形可能な表面を含む場合がある。ターゲット表面が撮像体積1210と交差する際、撮像装置1206によりキャプチャされる変形可能な表面のイメージは、ターゲット表面の三次元形状を推定するために使用され得る。
【0074】
撮像体積1210は一般に、撮像装置1206用の三次元視野を画定する場合がある。上述されたように、撮像装置1206は、撮像体積1210を通り抜ける、撮像システム1200の軸1216のような、撮像軸を有する場合がある。平面は、撮像体積1210と交差し、撮像装置1206の撮像軸に実質的に垂直で位置する場合がある。また、この平面は、
図12の平面に実質的に垂直に位置し、線1220として示されており、この場合、当該平面は、
図12及び
図12で示された撮像体積1210と交差する。
【0075】
光学素子1212は、撮像体積1210内に所望の照明パターンを作成するのに適した回折格子、レンズ、フィルタ、マイクロテクスチャー表面、及びメタ表面などを含む任意の光学素子を含む場合がある。一般に、パターンは、撮像装置1206によりキャプチャされる撮像体積1210のイメージ内で識別され得るドット、線(ライン)、多角形、又は同様のもののような、複数の特徴要素を含む場合がある。例えば、パターンは、平面内に密集した第1の複数の特徴要素、及び第1の複数の特徴要素から視覚的に区別でき且つ平面内に点在する第2の複数の特徴要素を有用に含む場合がある。このパターンにおいて、点在する特徴要素は、処理を助けるために撮像体積1210内に基準または目印を提供する場合があると同時に、密集した特徴要素は、表面形状に対する高分解能の感度を支援する。また或いはその代わりに、パターンは、平面内の規則的な幾何学的パターンを集合的に形成する第1の複数の特徴要素および第2の複数の特徴要素を含む場合があり、この場合、第2の複数の特徴要素は、パターン内に視覚的に区別可能なアンカー・ポイントを形成する。アンカー・ポイント又は目印が軸1216に沿ったたわみに起因して撮像平面内で交差しそうにない(又は物理的に交差できない)ように、十分に遠く離れて隔置され得る。これら実施形態において、パターンは一般に、撮像体積内の深さの高分解能検出を提供するために密集した第1の複数の特徴要素、及び撮像体積1210内のエラストマー光学素子、レトログラフィック・センサ又は同様のものの接触面の最大予想変形中に、撮像体積1210内の撮像軸(例えば、軸1216)に沿った交差を回避するために、撮像体積1210を通る平面内で十分に遠く離れて配置された第2の複数の特徴要素を含む場合がある。理解されるように、これに関連して、当該予想変形は、Z軸変位、並びに撮像システム1200がターゲット表面に対して配置されてユーザにより操作される際に、エラストマー光学素子のすべり、及びしわなどから生じる任意のX軸変位またはY軸変位を含む場合がある。
【0076】
一態様において、光学素子1212は、第1の表面1212a(例えば、光源12004に面する表面)で光源1204(例えば、レーザのようなコヒーレント光源)からの照明を受光し且つ第1の表面1212aに対向する第2の表面1212bから撮像体積1210内に三次元照明パターンを作成するように配置された回折光学素子を含む場合がある。回折光学素子が使用される場合、回折光学素子は、例えば、適切な光源が第1の表面1212aの方へ向けられている際に所望の照明パターンを作成するように協働する、表面1212a、1212bの一方または双方上に、随意に追加のレンズと共に、マイクロパターン化構造を含む場合がある。様々なタイプの回折光学素子が当該技術において知られており、遠視野平面において輝度が変化し且つ撮像軸に沿って輝度および/または焦点が変化する照明パターンを作成するために使用され得る。重要な利点として、これらの特性は、カートリッジ1202の検出領域1214上の表面から三次元情報の分解を容易にするために、撮像システム1200の撮像体積1210内に三次元照明パターンを作成するために利用され得る。より具体的には、回折光学素子は、複雑な三次元構造(例えば、距離と共に線形的に比例する単純な二次元投射でない)でもって照明パターンを作成するために使用され得る。これらパターンは、単一のイメージからの形状復元を容易にすることができるように撮像体積内の距離を有用に符号化することができる。また或いはその代わりに、任意の数の追加の光学構成要素が、本明細書で説明されるような照明パターンを作成するために含まれ得る。例えば、光学系の層または構成要素の間の界面(接合部分)は、例えば屈折力を制御するために、及び歪み又は波面誤差を補償するなどのために、レンズ及びフィルタなどのような、光成形特徴要素を組み込む場合がある。
【0077】
更に、適切な回折光学素子(Diffractive Optical Element:DOE)が、例えば
図12に示されたように別個の光学素子の様々な光学面上のマイクロパターン化構造および/またはナノパターン化構造でもって構成され得るが、DOEは、また或いはその代わりに、例えばカートリッジ基体の側壁、上部および/または底部の、および/またはシステムの他の光学素子内のマイクロパターンでもって、照明の光路内の他の物理的な位置において実現され得る。
【0078】
これに関連して、三次元照明パターンは、光学素子1212からの深度または距離で変化する任意の三次元形状、パターン又は構造を含む場合がある。例えば、三次元照明パターンは、光学素子1212からの距離が増加するにつれて発散する(例えば、撮像平面においてより大きくなる)格子パターン、点アレイのパターン、円錐パターン、又は角錐パターンのような発散する照明投射、又はより具体的には、撮像体積1210内で撮像軸(例えば、軸1216)に沿って変化する三次元パターンを含む場合がある。別の態様において、三次元照明パターンは、光学素子1212からの投射のラインに沿って変化する1つ又は複数の特徴要素を有するパターンを含む場合がある。例えば、円、ドット、又は他のイメージは、光学素子1212からの投射イメージの距離が増加するにつれて、輝度または焦点において変化する(サイズの変化を伴う又は伴わない)場合がある。三次元照明パターンのこれら幾何学的特性は、回折光学素子により有用に作成され、撮像装置1206によりキャプチャされる検出領域1214のイメージに基づいて三次元データの精度を改善するために使用され得る。
【0079】
一態様において、光学素子1212は、撮像体積1210と交差する平面に対する斜角(例えば、少なくとも30度の角度、少なくとも45度の角度、少なくとも60度の角度、約60度の角度、又は50度~70度の角度)で表面から撮像体積1210内にパターンを作成するために配置され得る。理解されるように、光学素子1212からの光線トレースは、光学素子1212からの光が検出領域1214に光学的に結合される際に、角度を複数回変更する場合がある。例えば、光は、石英シート1240の表面を通り抜けて進む場合があり、当該石英シート1240は例えば、カートリッジ1202がカートリッジ1202の本体に着脱可能に結合される場合の外部環境から撮像システム1200内部を保護/シールするために使用される石英ディスク又は同様のものである。これに関連して、特に明記しない限り、関心のある角度は、照明がカートリッジ1200の変形可能な表面に当たり且つイメージ・データが三次元形状を解釈するためにキャプチャされる場所である検出領域1214を通じて、これら光線トレースが平面(線1220により特定される)と交差する角度である。
【0080】
認識されるように、撮像体積1210と交差する平面は、撮像システムの他の特徴および構造を考察するための有用な座標系(基準系)を提供するが、一態様において、例えば、レトログラフィック・センサが、球状面、円柱面、或いは他の凹面または凸面、或いはより一般的には、既知の特徴的形状を有する任意の他のターゲット表面を測定するために予め形作られている場合に、撮像体積1210は、曲面により境界を形成され得る。そのような場合、単一の平面は、撮像体積1210のかなりの程度を省く場合がある。それにも関わらず、撮像体積1210のイメージをキャプチャするために使用される撮像装置の光軸に垂直である平面、又は撮像体積1210からイメージを集束するために使用されるレンズの軸に垂直な平面、又はターゲット表面の接触領域に接する平面、又はそうでなければ照明、撮像、及び接触などの角度を表わすための基準系を提供するように配向された平面のような、関心のある平面が選択され得る。
【0081】
多くの照明パターンにおいて、急な入射角度(例えば、平面に対して、より鋭角)は、三次元変位に対するより大きな感度を提供することができる。そのため、
図12に示されるように、側方照明が行われる場合、撮像体積1210の異なる領域が急傾斜の側方照明から恩恵を受けることができるように、撮像装置1200の軸1216の回りの異なる方向から照明を提供するために、1つ又は複数の追加の光源1204及び/又は光学素子1212を含むことが有利である場合がある。また、一態様において、これら追加の光源1204は、視覚的特徴が波長に基づいて特定の光源1204及びDOE(又は他の光学素子)と関連付けられ得る場合に、様々なパターンが、例えば単一のイメージ・フレームで同時にキャプチャされ得るように、異なるスペクトル帯を使用する場合がある。また、この手法は、閉鎖領域および/または表面の急勾配の表面特徴または先鋭な表面特徴の検出を有利に改善することもできる。かくして、一態様において、検出領域1214の異なる部分の三次元データは、様々な光源および/または光学素子からの照明を用いて計算され得る。係る実施形態において撮像装置1206によりキャプチャされたイメージは、このように厳密に分割されて処理され得る(例えば、撮像体積1210の一方の側が、撮像体積1210の反対側からの照明を用いて処理される)が、異なる照明方向からのイメージ・データは、また或いはその代わりに、多数の方法で組み合わされる又は重み付けされる場合があり、この場合、係る組み合わせは、特定の撮像システムの精度または再現性を改善するように実証され得る、又は係る組み合わせは、閉鎖領域、及び深い谷などの分析を可能にする。
【0082】
別の態様において、様々な照明源は、例えば、異なる方向から撮像体積1210を照明するために異なる波長範囲(又は異なる特定の波長)の光を用いることにより、及び複数の照明方向からの複数のイメージが並行してキャプチャ及び/又は処理され得るように、これら異なる波長範囲からのイメージを別個に処理することにより、多重化され得る。前述に従って、撮像システム1200は、撮像体積の周縁部の回りの、第1の回折光学素子とは異なる場所に関して、撮像体積1210内に第2のパターンを作成するために配置および構成された第2の回折光学素子を有用に含む場合がある。より一般的には、様々な撮像条件下で様々な表面形状と共に撮像を改善するために、2つ以上の追加の光源および/または光学素子が撮像システム1200へ組み込まれ得る。
【0083】
別の態様において、例えば、撮像システム1200の精度および頑強性を改善するために、特定の撮像事情(イメージのプレビュー、まばらの三次元処理など)のために高速で低解像度の処理をサポートするために、又は他の理由で、追加の撮像技術が撮像システム1200へ組み込まれ得る。かくして、一態様において、撮像システム1200は、2つ以上の異なる視点からの表面のイメージに基づいて、撮像体積1210内の表面の定量的表面形状を計算するように構成された多視点撮像システム(例えば、立体撮像システム、照度差ステレオ・システム、又は同様のもの)を含む場合がある。これに関連して、多視点撮像システムは、立体撮像システム、照度差ステレオ・システム、又は同様のもの、及び/又は蛍光波長、様々な可視波長および/または赤外線波長などを用いて多重化される撮像システムを含む場合がある。別の態様において、勾配ベースのシステムは、三次元表面情報を解釈するために様々な方向からの非集束照明を使用する場合がある。一般に、これら代替の撮像様式は、上述されたシステムとの並行動作のために光学的に多重化され得る。例えば、これらの代替のシステムは、撮像システム1200により使用される光源1204及び/又は1つ又は複数の他の光源の第1のスペクトル帯と重ならない波長を有する第2のスペクトル帯の、第2の光源からの光を用いて、表面の三次元形状を解釈する場合がある。また或いはその代わりに、撮像システム1200は、撮像体積を通り抜ける二次元スライスにおいて焦点外の光を排除してイメージを増分的にキャプチャするために共焦点三次元撮像を利用する場合がある。次いで、焦点が合った表面のこれら個々のスライスは、三次元再構成へ組み合わせられ得る。
【0084】
より一般的には、立体視差に基づいた多視点三次元撮像、又は深さを直接的にX-Y変位へ変換する光学的パターンを有するシステム、又は任意の他の三角測量ベース又は他の深度(深さ)測定技術のような、任意の様々な相補的撮像モードを用いて、より優れた精度で絶対深度を測定する場合がある。重要な利点として、絶対深度を測定するためのこれら相補的技術は、勾配ベースの深度計算または同様のものでもってミクロン・スケールの表面特徴を測定する前に好適に取り除かれるターゲット表面の巨視的な大きいスケールの特徴要素のような、低い空間周波数の三次元特徴要素の改善された測定をサポートする。更に、これらの深度測定は、撮像ゲル内のエラストマーの圧縮量に関する情報を提供し、最適な圧縮に関してリアルタイムの助言およびユーザ・フィードバックを提供し、より高速のレンダリング(例えば、疎データ・アレイを用いて)をサポートし、及び高周波の力(例えば、エラストマーの有限要素モデルを用いて)の測定をサポートするなどできる。
【0085】
一態様において、本明細書で説明される撮像システムの何れかのような、撮像システムが本明細書で開示され、当該撮像システム1200は、ターゲット表面までの距離を測定し、本明細書で説明されるエラストマー光学素子の何れかのような、エラストマー撮像媒体の圧縮を推定し、ユーザを接触力の最適な範囲に案内するフィードバックをユーザに提供するために使用される相補的深度測定モードを含む。これは例えば、本明細書で説明されるようなハンドヘルド撮像装置の多数のLED又は同様のもの、聴覚出力装置、又は当該装置のユーザ・インターフェースのディスプレイ(例えば、ハンドヘルド装置に結合されたコンピュータ又は同様のもの)を介したユーザ・フィードバックを含む場合がある。
【0086】
一態様において、撮像システム1200は、レトログラフィック・センサ又はエラストマー光学素子を含む他の装置の反射面または同様のもののような、撮像体積1210内の表面上に撮像装置1206の焦点を可変的に合わせるためのレンズ1230を含む場合がある。例えば、レンズ1230は、形状を変化させることにより焦点を変更するための光学流体およびポリマー膜の組み合わせを使用する液体レンズ、又は任意の他の適応レンズ又は同様のものである場合がある。液体レンズは、機械的な可動部分を用いずに且つ焦点距離を変更するために撮像軸に沿ってレンズを物理的に移動させずに、焦点を制御するためのコンパクトなメカニズムを有利に提供する。しかしながら、また或いはその代わりに、ピエゾ焦点ドライブ、ボイス・コイル・モータでもって焦点合わせされるレンズシステム、又はZスタック・イメージ取得に適した任意の他の電気機械的制御レンズ又はレンズシステムのような、他のレンズは、撮像体積1210を介して且つ撮像軸に沿って様々な深度またはZ軸位置において撮像装置1206の焦点を合わせるために使用される場合があり、本明細書で説明されるように撮像システム1200で使用するように適合され得る。
【0087】
重要な利点として、これは、狭い被写界深度を有する高解像度レンズの使用をサポートする。もしそうでなければ局所的に焦点が外れたレンズによりもたらされる場合がある低域フィルタリングを避けるために、レンズ1230は、それぞれの所望の深度において部分的に局所的に焦点を合わせたイメージを提供する、或る範囲の深度(例えば、Z軸または撮像軸に沿って)にわたって走査するために可変的に焦点を合わせられ得る。イメージのこのスタックは、例えば、照度差ステレオを用いて、又は撮像視野内の局所的領域の様々な焦点深度の中で最良の焦点を見出すことにより、定量的な深度情報を直接的に測定するために、後続の三次元処理のためにより大きい被写界深度を有する単一のイメージへ組み立てられ得る。また、改善された被写界深度を有するこの単一のイメージは、テクスチャー(質感)又は同様のものの復元も可能にし、歪みのアーチファクト無しに撮像視野にわたってより正確で高分解能の表面測定を行うために、他の撮像様式(照度差ステレオのような)と組み合わせられ得る。
【0088】
さて、モジュール式レトログラフィック検出システムの他の態様が、制限しない例示的な実施形態によって説明される。
図13は、撮像システム1300のハウジング1304から取り外され得る及び当該ハウジング1304に取って代えられ得るレトログラフィック検出カートリッジ1302を有する撮像システム1300を示す。
図14は、撮像システムの破断図を示す。
【0089】
一態様において、システムは、例えば、三次元表面データを解釈(解明)するために積分され得るピクセル輝度に基づいた表面法線ベクトルとして、表面配向を測定するために照度差ステレオ撮像を使用する場合がある。この再構成手法は、低周波歪みを生じる、表面配向の小さい変化に敏感であることができるが、被測定界にわたって小さい規模の歪みという結果になる。かくして、システムは、より低い分解能において歪みの無い3D測定を行うために、各位置において直接的な深度測定を有利に可能にする三角測量ベースの3D再構成でもって照度差ステレオ撮像を補足する場合がある。この組み合わせられた手法は有利に、全撮像視野にわたって首尾一貫した分解能および精度と共に高分解能3D測定を有利にサポートする。
【0090】
上述されたように、装置用のパターン投射システムは、ターゲット表面に対して高度な斜角で投射されるドット・パターンを作成する場合がある。適切なパターンは、回折光学素子(DOE)のレーザ照明を用いて作成される場合があり、当該DOEは、ドット又は他の物体、形状、記号(シンボル)などの所望の位置と共に光学的パターンを作成するために、(レーザのコヒーレンスを用いて)特定の回折次数を抑制および増幅(増大)するためにマイクロパターン形成され得る。また或いはその代わりに、DOEは、撮像体積内の撮像平面に対して投射の高度な斜角に起因した撮像体積を横切る変化する焦点を調整するように(例えば、その表面(単数または複数)をマイクロパターン形成することにより)構成され得る。一般に、投射パターンは、3D撮像に三角測量を提供するために、撮像装置により撮像され得る。測定のための物体がレトログラフィック・センサの接触面内へ押し付けられるので、ドット・パターンは、局所的な深度変化に従って、撮像体積内で歪められる。かくして、ドットの動きは、撮像装置およびプロセッサでもって3Dデータへとキャプチャされて解釈され得るように、物体の3D形状を符号化する。
【0091】
上記の設計は、短い光軸を有する小さい装置において、パターン生成および三次元データの解釈を有利に可能にする場合がある多数の特徴要素を取入れる。例えば、ドット投射ベースの3D再構成方法が知られているが、開示された装置は、短い距離内の急勾配側方照明においてドット・パターン生成をサポートするために大きなDOE出射角を有利に使用することができる。一態様において、光学系は、撮像体積を横方向に横切って焦点を調整するように構成されたDOEを用いて、ターゲット上に(例えば、撮像体積内の点上に又は内部の撮像平面上に)集束されるレーザを使用する。係る系を実現するために、レーザは、レーザからターゲット表面までの完全な光学チェーンを考慮に入れながら、ターゲット上に集束(合焦)する集束レンズ又は系を含む場合がある。別の態様において、システムは、非常に斜めの投射を使用する。
【0092】
一態様において、システム用のハウジング1304は、撮像装置、照明システム、及び他の関連した光学および電気構成要素を外部環境から隔離するための内部チャンバの内部のこれら構成要素を含む。例えば、ハウジングは、モジュール式レトログラフィック・センサのカートリッジが使用のためにハウジングに結合する石英ディスク1306又は他の光学的に透明な領域を含む場合がある。しかしながら、レーザから検出領域までの光学チェーンのこれら様々な光学構成要素(回折光学素子、ハウジング用の石英ディスク1306、モジュール式センサ用の剛性で光学的に透明な基体を形成するポリメチル・メタクリレート(PMMA)のようなポリマー、及び透明な基体に結合された検出領域のエラストマーゲルを含む場合がある)を介した屈折率の変化に起因して、幾つかの態様において、DOEの出射角は、カートリッジの検出領域内のビーム角度よりも更にいっそう斜めである。かくして、所望の側方照明により必要とされる既に大きな出射角は、
図13~
図14に開示されるようなカートリッジ・ベースのシステムに関して、更に大きくなる場合がある。
【0093】
前述に従って、撮像システムは、より一般的には、エラストマー撮像媒体を有するレトログラフィック・センサ又は他のデバイス内の様々な三次元撮像様式の任意の適切な組み合わせを使用する場合がある。例えば、一態様において、エラストマー又は本明細書で説明される他の形状整合可能な光学的に透明な材料の何れかのような、形状整合可能な撮像媒体内の撮像体積を含む装置が本明細書で開示され、当該撮像体積は、少なくとも照度差ステレオ及び多視点ステレオ撮像を含む2つ以上の三次元撮像様式を用いて、三次元視野内の撮像体積と交差する(及び形状整合可能な媒体を変位させる)ターゲット表面の定量的な表面形状を計算するように構成された撮像システムと共に、イメージをキャプチャするための三次元視野を画定する。
【0094】
一般に、照度差ステレオは、2つ以上の方向から提供される方向性のある照明と共に、単一のカメラを使用する場合がある。深度は、キャプチャされたイメージ間の陰影(シェーディング)変化(例えば、輝度勾配)において符号化される。この様式は、例えば、単一のイメージ・フレームにおいて複数の照明方向でもってイメージをキャプチャするために赤-緑-青(RGB)又はハイパースペクトル撮像で、スペクトル多重化をサポートする。
【0095】
同時多視点ステレオ撮像様式は、複数のカメラ又は視野から深度情報を得るための様々な技術の何れかを使用する場合がある。別の態様において、単一カメラの三角測量が使用され得る。この様式において、撮像体積は、1つ又は複数の方向(カメラの視認方向とは異なる)からの構造化された光(構造化光と称する)で照明され、深度は、較正中にキャプチャされる構造化光の基準イメージに対して撮像されたパターンに基づいて求められる。照明のために複数の光の方向が使用される場合、これらは、重なる照明パターン間で視覚的干渉を回避するために、逐次的に又はスペクトル的に多重化されなければならない。別の態様において、多視点ステレオ又は三角測量を用いて、構造化照明の下で2つ以上のカメラから深度情報を得る場合がある。別の態様において、多視点ステレオ又は三角測量を用いて、表面テクスチャーに基づいて2つ以上のカメラから深度情報を得る場合がある。
【0096】
別の態様において、撮像様式の1つは、撮像体積を通り抜ける光軸に沿った合焦/脱焦が深度を推測するために使用される多焦点合成を含む場合がある。これは、上述された多視点ステレオ技術の代わりに又は当該多視点ステレオ技術に加えて、使用され得る。多焦点合成システムは、ターゲット表面が焦点を算出するための十分な天然テクスチャーを含むという条件で、一様な自然光を使用する場合がある。別の態様において、特に、ターゲット表面が焦点を算出するための適切な特徴要素を提供しない場合に、構造化光(一般に光軸と同軸)が使用され得る。どちらにせよ、スペクトル的多重化を用いる増大した深度分解能をサポートするために、異なる色が異なる深度に集束され得る。
【0097】
例示的な一実施形態において、撮像システムは、エラストマー光学素子の接触面上の人工的にテクスチャード加工された膜または同様のもの共に、照度差ステレオ及び多視点ステレオを使用する場合がある。特に、当該テクスチャーは、特定の照明が使用されない限り、不可視であるランダムなテクスチャーである場合がある。例えば、UVライトにより照明された時だけ可視である、当該ランダムなテクスチャーは、蛍光顔料(色素)を用いて作成され得る。代案として、当該膜は、当該テクスチャーを可視にするためにIR照明を必要とする当該ランダムなテクスチャーを作成するためにIR吸収顔料(色素)を用いる場合がある。この組み合わせにおいて、当該ランダムなテクスチャーは、多視点ステレオに専用のカメラだけにより撮像される一方で、照度差ステレオ・カメラ(単一のカメラ)は、異なる照明方向を有する異なるスペクトル帯の照明を用いてテクスチャーの無い撮像体積内の視野をとらえる。理解されるように、また或いはその代わりに、上述された照度差ステレオの他の構成および様々な多視点撮像技術が使用され得る。
【0098】
図15は、撮像システムの撮像軸に対して傾斜しているDOEの断面図を示す。DOE出射角は、改善された精度のために有用に平衡化され得る。一般に、パターンのかどに対応するDOE出射角は、できる限り互いに接近することが好適である。一態様において、これは、撮像体積および/または撮像平面の中心から離れている照明パターンにゼロ次ドットを配置するために撮像軸に対してDOEを傾けることにより達成されることができ、それは、撮像システムの検出領域を横切るより一定の照明角度を有利に提供する。また或いはその代わりに、DOEは、撮像体積内の投射されたドットパターンを横切って焦点を調整するための既知の技術を用いて設計される場合があり、それは、パターン内のゼロ次スポットに集束されたレーザビームに基づく場合がある。
【0099】
理解されるように、一般に、DOEは、例えば剛性カートリッジ基体の一部として着脱可能なカートリッジへ一体化され得る、又はDOEは、カートリッジが配置される撮像システムに結合される別個の構成要素であることができる。DOEがカートリッジに含まれる場合、DOEは、カートリッジの側壁、又はカートリッジ基体の上部/底部へエッチングされたマイクロテクスチャーから形成され得る。次いで、このマイクロテクスチャーは、(撮像システム内の)レーザビームにより照射されることができ、当該レーザビームは、撮像体積内で所望の照明パターンを達成するためにDOEの構造に従ってコリメート又は集束され得る。利点として、カートリッジ内のDOEは、入射光が、どんなに集束されても、均質媒質(例えば、剛性カートリッジ+ゲル)に直接的に向かって行くという理由からのパターンの傾いた生成に起因して、収差を最小限にする場合がある。照明源が、異なる材料(例えば、保護ガラス、剛性カートリッジ、ゲル、空気)の複数の界面を斜角で通過しなければならない場合、各界面における光学波面収差が、追加のパターン・アーチファクトを発生させる場合がある。
【0100】
図16は、本明細書で説明される照明システムにより生成され得る照明パターンを示す。
【0101】
一態様において、上述された投射の固定斜角のせいで、特定の測定された幾何学的形状が、閉鎖された状態を引き起こす場合がある。更に、投射角度は、撮像体積を横切って変化し、不均一な深度の感度を生じる場合がある。この不都合な状況を補償するために、複数のパターン生成システムが、同じ波長を有する場合には逐次に動作し、異なる波長を有する場合には並行して動作する場合がある。これらシステムは、上述されたようなシステムの軸の回りに配置され得る。
【0102】
別の態様において、ドット又は他のマーキングは、輝度を変化させながら生成され得る。同じ輝度を有するドットを備える規則的なドット・パターンは、あまり好ましくない。その理由は、当該ドットが容易に互いから区別できないからである。重要な利点として、照明システムは、パターンの追跡をより容易にするためのアンカーとして機能するより高い輝度を有する幾つかのドットを生成する場合がある。更に、より高い輝度のこれらドットは、多重分解能(解像度)処理方式をサポートするために、より大きい直径で生成され得る。一態様において、かくして、照明システムは、大きいドット及び小さいドットを生成する場合があるが、他の形状および/または追加のサイズの列が、追加の分解能レベルのために生成され得る。更に、これらドットは、より容易な追跡を可能にするために異なる形状またはより小さい規模の輝度パターンを有する場合がある。
【0103】
別の態様において、撮像システムは、回折光学素子からのパターンに基づいた三角測量を用いる並行(同時)撮像、及び方向性のある側方照明を用いる照度差ステレオ撮像のために構成され得る。一般に、照度差ステレオに使用されるイメージは、3D再構成に基づいた三角測量に使用されるドット・パターンを含むことができない。かくして、これらイメージは、同じスペクトル帯が双方に使用される場合に、逐次的にキャプチャされなければならない。別の態様において、システムは、双方のイメージの同時(並行)キャプチャをサポートするために光学的に多重化され得る。例えば、システムは、赤色スペクトルの側方照明、及び青色スペクトルのDOEパターンを提供する場合がある。次いで、RGB(赤、緑、青)又はCYM(シアン、イエロー、マゼンタ)感受性を有する撮像装置は、赤色チャネルで陰影イメージを、及び青色チャネルでDOEパターンを同時にキャプチャするために、これらイメージをスペクトル的に多重化することができる。この手法は、陰影および三角測量に基づいた3Dデータの一時的な同期を有利に可能にする。
【0104】
別の態様において、方向性のある照明の下で検出領域の接触面上へドットのパターンを投射するために、気泡または他の光学的干渉が、透明なエラストマーに対する固体の基体の界面のような、光学的界面に付加され得る。
【0105】
図17は、本明細書で説明されるシステム及び方法で使用するためのカートリッジを示す。
図18は、撮像システムで使用するためのカートリッジの基体を示す。理解されるように、
図18又は本明細書の図面の何れかに示された寸法は、単なる例示のために提示されており、明示的に特段の記載が無い限り、他の寸法も又はその代わりに可能である。一般に、基体は、ハウジングに結合し且つ撮像に使用するためのレトログラフィック・センサを支持するのに適した透明なポリマー、ガラス、又は任意の他の透明で機械的に剛性な材料のような、剛性で光学的に透明な材料から形成され得る。一態様において、カートリッジ1700は、六角形の設計を有する場合があり、及び1つ又は複数の発光ダイオード、又は回折光学素子からの照明パターンを用いて三角測量ベースの3D再構成と同時に照度差ステレオ撮像をサポートするために使用され得る、(例えば、
図1において)上述されたような六角形設計の側面1804沿った側方照明用の任意の他の適切な照明源を含む場合がある。
【0106】
カートリッジ1700の側面1804は、撮像システムの性能を改善するために、多数の光学コーティング又は他の処理を有する場合がある。例えば、側面1804は、迷光を低減するための光学コーティングを有利に含む場合がある。幾つかの構成において、光は、例えばカートリッジの外表面から、カートリッジ1700の基体へと戻るように反射することができる。これは、例えば、カートリッジ1700の外面上の散乱側面(例えば、ディフューザ)に起因する場合がある、又はカートリッジ1700の外表面からカートリッジ1700内へと戻るように反射する光線を生成する全反射(Total Internal Reflection:TIR)に起因する場合があり、それらの何れかは、三次元再構成に使用される所望の照明パターンと干渉する不必要な照明を生成する場合がある。これらの条件下で迷光を低減するために、側面1804及び任意の他の側面(及び/又はカートリッジ1700の上部および底部以外の他の表面)は、減光(Neutral Density:ND)フィルタでコーティングされ得る。このNDフィルタ層は、光がカートリッジ体積内へ戻るように反射することができる前にNDフィルタを2度通過するように、カートリッジ1700の光学的に透明な基体(例えば、PMMA)を形成する材料と同じ屈折率を有する場合がある。例えば、NDフィルタが50%の透過率を有する場合、撮像体積内へ戻るように反射する迷光の輝度は、NDフィルタ無しで側面から戻るように反射される光と比べて(0.5×0.5=)25%だけ低減される。
【0107】
別の態様において、発光ダイオード(又は側方照明用の他の照明源)からの光が、カートリッジ1700の検出領域のターゲット表面に、より均一に分散されるように、ディフューザが、カートリッジ1700の側面1804に追加され得る。一般に、外部光源からカートリッジ内へ入射する光線は、撮像される領域(例えば、カートリッジ1700の検出領域の反射面)を照明することに失敗する可能性がある。更に、カートリッジ1700の表面に対する発光ダイオードの近接性を考慮すると、LEDは、撮像体積内に、照明輝度における高い空間周波数のばらつきをもたらす場合がある。これら問題に対処するために、ディフューザがLED照明を受光する側面1804に追加される場合があり、それは、ターゲット表面のより均一な照明を提供するために、入射照明を概して広げる及び空間的に低域フィルタリングする場合がある。
【0108】
別の態様において、側面は、側方照明を改善するために撮像軸に対して傾けられ得る。一般に、カートリッジに対する垂直面は、2つのモードの直接的な照明を可能にする。第1のモードは、垂直面を通り抜け、検出領域に向かって進み、最終的にターゲット表面を照明する。第2のモードは、検出領域の方へ戻るように内部反射するカートリッジの上部に向かって上へ進む。この第2のモードは、ターゲット表面の全体的な照明を増大させる。しかしながら、これら2つのモードの組み合わせは、例えば、側方照明の輝度および照度差ステレオ再構成に使用される結果としての表面の通常の推定を変更することにより、三次元再構成においてアーチファクトを生じる可能性がある。かくして、側面は、側方照明から反射された光を低減するためにターゲット表面の方へ有利に傾斜している場合がある。
【0109】
別の態様において、側面を介した側方照明用の発光ダイオードは、各側面にそった列の状態で構成され得る。個々のダイオードがほぼ点光源を提供するので、それらは、撮像体積内に小さな強い照明領域を生成することができる。更に、単一の点光源は距離の二乗に比例して減衰する照明を生成するが、LEDの列(ライン)又はアレイは、距離に比例して減衰する照明を生成することができる。かくして、カートリッジの側面の1つに沿ったLEDの列は、距離にわたって、照明の方向に垂直でより大きな輝度のより均一な照明場を有利に生成する。
【0110】
別の態様において、反射防止膜がカートリッジの様々な表面に有用に付着され得る。例えば、カートリッジの上面、撮像装置に最も近く且つ撮像軸に概して垂直な表面は、斜角で上面に到着するDOEからのパターン投射を改善するために、反射防止膜または他の表面処理でコーティングを施され得る。また或いはその代わりに、検出領域のエラストマー材料の上面は、カートリッジを介した及び撮像体積内へのパターン投射の伝播を同様に促進するために、反射防止膜を受け入れる場合があるが、これは、剛性基体の屈折率がエラストマー材料の屈折率に接近している場合、不要である場合がある。
【0111】
別の態様において、カートリッジは、カートリッジへ光学的に符号化された識別子を含む場合がある。これは、カートリッジの表面へレーザマーキングされたシリアルナンバー、又はバーコード、QRCコード、又は機械可読形式で情報を識別する他のパターン又は同様の符号化のような、人間が読める識別子である場合がある。また或いはその代わりに、RFIDタグ又はNFCタグのような他の自己識別技術が使用され得るが、光学的に符号化されて機械可読な識別子は、撮像システムに既に存在するカメラ(又は他の撮像システム)及びプロセッサを用いて、カートリッジ識別子の自動キャプチャと分析を有利に可能にする。
【0112】
図19は、撮像カートリッジのオーバーモールド設計を示す。一般に、本明細書で説明される撮像カートリッジの何れかのような撮像カートリッジ1902は、外層1906でオーバーモールドされた基体1904を含む場合がある。一般に、基体は、任意に適切に剛性で光学的に透明な材料である場合がある。外層1906は好適には、同じ材料から形成されるが、吸収層に工学的透過を提供するために異なる光学的濃度を有する。例えば、基体1904は、光学的に透明なポリメチル・メタクリレート(PMMA)から形成される場合があり、外層1906は約0.5~約1.0の光学的濃度を有するPMMAから形成され得る。この構成において、外層1906は、生成される実質的な屈折または全反射無しで、入射光を散乱させるように光を吸収する。基体1904に関して、様々な幾何学的形状が可能であるが、外層1906は好適には、基体内の及び基体を介した照明を制御するために側面および上面を覆う。重要な利点として、このように構成された撮像カートリッジは、撮像体積の内部で散乱する迷光を低減しながら、(撮像全視野の照明をサポートするために)照明源からの光を拡散することができる。
【0113】
上記のシステム、装置(デバイス)、方法、及びプロセスなどは、特定の用途に適切なハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの任意の組み合わせで実現され得る。ハードウェアは、汎用コンピュータ及び/又は専用コンピューティング装置を含む場合がある。これは、内部メモリ及び/又は外部メモリと共に、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、組み込みマイクロコントローラ、プログラム可能なデジタル・シグナル・プロセッサ又は他のプログラム可能なデバイス又は処理回路での現実化を含む。また或いはその代わりに、これは、1つ又は複数の特定用途向け集積回路、プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラム可能アレイ論理構成要素、又は電子信号を処理するように構成され得る任意の他のデバイス(単数または複数)を含む場合がある。更に認識されるように、上述されたプロセス又は装置の現実化は、上記のデバイス、並びにプロセッサ、プロセッサ・アーキテクチャの異機種環境の組み合わせ又は異なるハードウェア及びソフトウェアの組み合わせの1つで実行するために格納され得る、コンパイルされ得る又は解釈され得る、Cのような構造化プログラミング言語、C++のようなオブジェクト指向プログラミング言語、又は任意の他の高水準プログラミング言語または低水準プログラミング言語(アセンブリ言語、ハードウェア記述言語、及びデータベース・プログラミング言語および技術を含む)を用いて、生成されたコンピュータ実行可能コードを含む場合がある。別の態様において、方法は、そのステップを実行するシステムで具現化される場合があり、多数の方法で装置にわたって分配され得る。同時に、処理は、上述された様々なシステムのような装置にわたって分配され得る、又は機能の全ては、専用の独立型装置(デバイス)又は他のハードウェアへ組み込まれ得る。別の態様において、上述されたプロセスと関連したステップを実行するための手段は、上述されたハードウェア及び/又はソフトウェアの何れかを含む場合がある。全ての係る置換および組み合わせは、本開示の範囲内に入ることが意図されている。
【0114】
本明細書に開示された実施形態は、1つ又は複数のコンピューティング装置で実行している際にそのステップの何れか及び/又は全てを実行するコンピュータ実行可能コード又はコンピュータ使用可能コードを含むコンピュータ・プログラム製品を含む場合がある。当該コードは、コンピュータ・メモリに持続性の方式で格納される場合があり、当該コンピュータ・メモリは、プログラムが実行されるメモリ(プロセッサと関連したランダム・アクセス・メモリのような)、又はディスク・ドライブ、フラッシュメモリ、又は任意の他の光学的デバイス、電磁気デバイス、磁気デバイス、赤外線デバイス又は他のデバイス又はデバイスの組み合わせのような、記憶装置である場合がある。別の態様において、上述されたシステム及び方法の何れかは、コンピュータ実行可能コード及び/又は任意の入力またはそれからの出力を伝送する任意の適切な伝送媒体または伝播媒体で具現化され得る。
【0115】
認識されるように、上述された装置、システム及び方法は、一例として記載されており、制限のためではない。それと反対の明確な指示がない限り、開示されたステップは、本開示の範囲から逸脱せずに、変更され得る、補足され得る、削除され得る、及び/又は再順序付けされ得る。多数の変形、追加、削除、及び他の変更が、当業者には明らかであろう。更に、上記の説明および図面における方法のステップの順序または提示は、特定の順序が明確に必要とされない限り又は文脈から明らかにならない限り、列挙されたステップを実行するこの順序を必要とすることは意図されていない。
【0116】
本明細書で説明される具現化形態の方法のステップは、異なる意味が明確に提供されない限り又は特に文脈から明らかにならない限り、係る方法のステップが実行される任意の適切な方法を含むことが意図されており、以下の特許請求の範囲の特許性と首尾一貫している。そのため、例えば、Xのステップを実行することは、遠隔ユーザ、遠隔処理源(例えば、サーバ又はクラウドコンピュータ)又はマシンのような別のパーティがXのステップを実行するための任意の適切な方法を含む。同様に、ステップX、Y及びZを実行することは、係るステップの利益を得るために、ステップX、Y及びZを実行するために係る他の固体またはリソースの任意の組み合わせに命じる又は当該任意の組み合わせを制御する任意の方法を含む場合がある。かくして、本明細書で説明される具現化形態の方法のステップは、異なる意味が明確に提供されない限り又は特に文脈から明らかにならない限り、1つ又は複数の他のパーティ又はエンティティが当該ステップを実行する任意の適切な方法を含むことが意図されており、以下の特許請求の範囲の特許性と首尾一貫している。係るパーティ又はエンティティは、任意の他のパーティ又はエンティティの指揮または制御の下にある必要はなく、特定の管轄区域内に位置する必要はない。
【0117】
更に認識されるべきは、上記の方法は、一例として提供される。それと反対の明確な指示がない限り、開示されたステップは、本開示の範囲から逸脱せずに、変更され得る、補足され得る、削除され得る、及び/又は再順序付けされ得る。
【0118】
認識されるように、上述された方法およびシステムは、一例として記載されており、制限のためではない。多数の変形、追加、削除、及び他の変更は、当業者には明らかになるであろう。更に、上記の説明および図面における方法のステップの順序または提示は、特定の順序が明確に要求されない限り又は特に文脈から明らかにならない限り、列挙されたステップを実行するこの順序を必要とすることは意図されていない。かくして、特定の実施形態が図示されて説明されたが、当業者には明らかなように、形態および細部の様々な変更および変形が、本開示の思想および範囲から逸脱せずに行われる場合があり、以下の特許請求の範囲により定義されるように本発明の一部を形成することが意図される。以下の特許請求の範囲は、法律によって許されている最も広い意味で解釈されるべきである。
【国際調査報告】