(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】安定化されたレオロジー調整剤エマルジョン
(51)【国際特許分類】
A61K 8/81 20060101AFI20241003BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20241003BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20241003BHJP
A61K 8/362 20060101ALI20241003BHJP
A61K 8/90 20060101ALI20241003BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20241003BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20241003BHJP
C08F 220/10 20060101ALI20241003BHJP
C08F 2/22 20060101ALI20241003BHJP
C08L 33/04 20060101ALI20241003BHJP
C08F 2/44 20060101ALI20241003BHJP
C08F 251/00 20060101ALI20241003BHJP
C08G 65/332 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/60
A61K8/36
A61K8/362
A61K8/90
A61K8/86
A61Q19/10
C08F220/10
C08F2/22
C08L33/04
C08F2/44 B
C08F2/44 C
C08F251/00
C08G65/332
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024520976
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-04-05
(86)【国際出願番号】 US2022045873
(87)【国際公開番号】W WO2023059784
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506347528
【氏名又は名称】ルブリゾル アドバンスド マテリアルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】プラータ, ジョゼフ イー.
(72)【発明者】
【氏名】タマレセルビー, クリシュナン
(72)【発明者】
【氏名】スミス, スティーブン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】マルク, イオアン
(72)【発明者】
【氏名】リ, シナン
(72)【発明者】
【氏名】カーバー, トニ イー.
(72)【発明者】
【氏名】リップ, リンジー エル.
(72)【発明者】
【氏名】モハメド, サミー
【テーマコード(参考)】
4C083
4J002
4J005
4J011
4J026
4J100
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AB032
4C083AC102
4C083AC241
4C083AC291
4C083AC292
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC542
4C083AC662
4C083AC712
4C083AC782
4C083AD071
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD111
4C083AD112
4C083AD202
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4C083AD392
4C083BB04
4C083BB05
4C083BB06
4C083BB07
4C083BB43
4C083CC23
4C083EE01
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4J002BG011
4J002BG041
4J002BG051
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4J026GA06
4J100AJ02Q
4J100AL03P
4J100AL63Q
4J100CA05
4J100FA03
4J100FA20
4J100JA15
(57)【要約】
本技術は、消化デンプンと、ポリ(ビニルアルコール)と、飽和C2~C50一酸又は二酸、不飽和C10~C50一酸又は二酸、及びこれらの混合物から選択される酸成分と、を含む安定剤系の存在下で調製されるエマルジョンポリマーを開示する。一態様では、ポリマーは、良好なレオロジー及び透明度属性を達成するために、硫酸塩及び硫酸塩を含まない界面活性剤系においてアルカリ膨潤性エマルジョン(ASE)及び疎水変性アルカリ膨潤性エマルジョン(HASE)増粘剤として利用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマー組成物を重合することによって調製されるポリマーラテックス組成物であって、
a)約20~約60重量部、又は約30~約50重量部、又は約35~約40重量部の、少なくとも1つのエチレン性不飽和C
3-C
6酸基含有モノマーと;
b)約40~約75重量部、又は約50~約70重量部、又は約60~約68重量部の、少なくとも1つの(メタ)アクリル酸のC
1~C
30アルキルエステルと;
c)約0~約15重量部、又は約0.1~約10重量部、又は約1~約5重量部の、会合性モノマー、半疎水性モノマー、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマーと;
d)約0~約10重量部、又は約0.05~約8重量部、又は約0.1~約5重量部、又は約0.5~約3重量部、又は約0.75~約2重量部の、少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマーと;を含み、前記モノマー混合物中のa)、b)、c)及びd)の合計が100重量部であり、前記モノマー混合物が安定剤組成物の存在下で重合され、前記安定剤組成物が、
i)前記モノマー組成物100重量部当たり、約0.1~約75重量部、又は約0.5~60重量部、又は約1~約55重量部、又は約5~約35重量部、又は約10~約30重量部の酵素的に消化されたデンプンと;
ii)前記重合性モノマー組成物100重量部当たり、約0.001~約2重量部、又は約0.005~約1.5重量部、又は約0.05~約1重量部、又は約0.1~約0.75重量部、又は約0.15~約0.5重量部のPVOHと;
iii)重合性モノマー組成物100重量部当たり、約0.001~約0.5重量部、又は約0.005~0.4重量部、又は約0.01~約0.3重量部、又は約0.03~約0.2重量部、又は約0.05~約0.1重量部の、飽和C
2~C
50一酸若しくは二酸及び不飽和C
10~C
50一酸若しくは二酸、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1つの酸と、を含む、ポリマーラテックス組成物。
【請求項2】
前記モノマー組成物中の前記少なくとも1つのエチレン性不飽和C
3-C
6カルボン酸モノマー(a)が、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、及びこれらの混合物から選択される、請求項1に記載のポリマー組成物。
【請求項3】
前記モノマー組成物中の前記少なくとも1つの(メタ)アクリル酸(b)のC
1~C
30直鎖/分岐アルキルエステルが、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、n-プロピルアクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルアクリレート、tert-ブチルメタクリレート、sec-ブチルアクリレート、sec-ブチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、n-ペンチルアクリレート、n-ペンチルメタクリレート、ネオペンチルアクリレート、ネオペンチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-ヘキシルアクリレート、2-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルアクリレート、n-オクチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、ドデシルアクリレート、ドデシルメタクリレート、2-プロピルヘプチルアクリレート及び2-プロピルヘプチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、セチルアクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルアクリレート、ベヘニルメタクリレート、メリシルアクリレート、メリシルメタクリレート、及びこれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載のポリマー組成物。
【請求項4】
前記モノマー組成物中の前記少なくとも1つの会合性モノマー(c)が、式I及び/又はII:
【化1】
で表され、
式中、R
1が、水素又はメチルであり;Aが、-CH
2C(O)O-、-C(O)O-、-O-、-CH
2O-、-NHC(O)NH-、-C(O)NH-、-Ar-(CE
2)
z-NHC(O)O-、-Ar-(CE
2)
z-NHC(O)NH-、又は-CH
2CH
2NHC(O)-であり;Arが、二価アリーレン(例えば、フェニレン)であり;Eが、H又はメチルであり;zが、0又は1であり;kが約0~約30の範囲の整数であり、mが0又は1であるが、ただし、kが0である場合、mは0であり、kが1~約30の範囲である場合、mは1であり;Dが、ビニル又はアリル部分を表し;(R
2-O)
nが、C
2-C
4オキシアルキレン単位のホモポリマー、ランダムコポリマー、又はブロックコポリマーであり得るポリオキシアルキレン部分であり、R
2が、C
2H
4、C
3H
6、又はC
4H
8、及びこれらの組み合わせから選択される二価アルキレン部分であり、nが、一態様では約2~約150、別の態様では約10~約120、及び更なる態様では約15~約60の範囲の整数であり;Yが、-R
2O-、-R
2NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-R
2NHC(O)NH-、又は-C(O)NHC(O)-であり;R
3が、C
8-C
30直鎖アルキル、C
8-C
30分岐アルキル、C
8-C
30炭素環式アルキル、C
2-C
30アルキル置換フェニル、アラルキル置換フェニル、及びアリール置換C
2-C
30アルキルから選択される置換又は非置換アルキルであり;R
3アルキル基、アリール基、フェニル基が、ヒドロキシル基、アルコキシル基、ベンジル基、スチリル基、及びハロゲン基からなる群から選択される1つ以上の置換基を任意選択で含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項5】
前記モノマー組成物中の前記少なくとも1つの会合性モノマー(c)が、式III:
【化2】
で表され、
式中、R
1が、水素又はメチルであり;R
2が、C
2H
4、C
3H
6、及びC
4H
8から独立して選択される二価アルキレン部分であり、nが、約5~約60の範囲の整数を表し、(R
2-O)が、ランダム配置又はブロック配置で配置することができ;R
3が、C
8-C
30直鎖アルキル、C
8-C
30分岐アルキル、C
8-C
30炭素環式アルキル、C
2-C
30アルキル置換フェニル、アラルキル置換フェニル、及びアリール置換C
2-C
30アルキルから選択される置換又は非置換アルキルであり、R
16アルキル基、アリール基、フェニル基が、ヒドロキシル基、アルコキシル基、ベンジル基、スチリル基、及びハロゲン基からなる群から選択される1つ以上の置換基を任意選択で含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項6】
前記モノマー組成物中の前記少なくとも1つの会合性モノマー(c)が、ラウリルポリエトキシル化メタクリレート(LEM)、セチルポリエトキシル化メタクリレート(CEM)、セテアリルポリエトキシル化メタクリレート(CSEM)、ステアリルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、アラキジルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ベヘニルポリエトキシル化メタクリレート(BEM)、セロチルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、モンタニルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、メリシルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ω-トリスチリルフェニルポリオキシエチレンメタクリレートから選択され、前記モノマーの前記ポリエトキシル化部分が、約2~約150、又は約5~約120、又は約10~約60、又は約15~約30のエチレンオキシド単位を含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項7】
前記モノマー組成物中の前記少なくとも1つの半疎水性モノマー(c)が、式III及び/又はIV:
【化3】
で表され、
式中、R
4が、水素又はメチルであり;Aが、-CH
2C(O)O-、-C(O)O-、-O-、-CH
2O-、-NHC(O)NH-、-C(O)NH-、-Ar-(CE
2)
z-NHC(O)O-、-Ar-(CE
2)
z-NHC(O)NH-、又は-CH
2CH
2NHC(O)-であり;Arが、二価アリーレン(例えば、フェニレン)であり;Eが、H又はメチルであり;zが、0又は1であり;kが約0~約30の範囲の整数であり、mが0又は1であるが、ただし、kが0である場合、mは0であり、kが1~約30の範囲である場合、mは1であり;(R
5-O)
nが、C
2-C
4オキシアルキレン単位のホモポリマー、ランダムコポリマー、又はブロックコポリマーであり得るポリオキシアルキレン部分であり、R
5が、C
2H
4、C
3H
6、又はC
4H
8、及びこれらの組み合わせから選択される二価アルキレン部分であり、nが、約2~約150、又は約5~約120、又は約10~約60の範囲の整数であり;R
6が、水素及び直鎖又は分岐C
1-C
4アルキル基から選択され、Dが、ビニル又はアリル部分を表す、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項8】
前記モノマー組成物中の前記少なくとも1つの半疎水性モノマー(c)が、式VI及び/又はVII:
【化4】
で表され、
式中、R
4が、水素又はメチルであり、「a」が、0又は2~約120、又は約5~約45、又は更なる態様では約10~約25の範囲の整数であり;「b」が、約0~約120、又は約2~約45、又は約10~約25の範囲の整数であるが、ただし、「a」及び「b」は同時に0であることはできない、請求項1~7のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマー(d)が、多官能性(メタ)アクリレート、ポリアリルエーテル、両親媒性多価不飽和マクロモノマー、及びこれらの混合物から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマー(d)が、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジオールジメタクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルイタコネート、ジアリルフマレート、及びジアリルマレエート;1分子当たり2~8個のアリル基を有するスクロースのポリアリルエーテル、ペンタエリスリトールのポリアリルエーテル、トリメチロールプロパンのポリアリルエーテル、及びこれらの混合物から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマー(d)が、式(XI):
【化5】
で表される両親媒性多価不飽和マクロモノマーから選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項12】
前記酵素的に消化されたデンプンが、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ソルガムデンプン、及びこれらの混合物から選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項13】
前記酵素的に消化されたデンプンが、酸化ジャガイモデンプンである、請求項1~12のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項14】
前記酵素的に消化されたデンプンが、約10~約100kDa、又は約20~約80kDa、又は約30~70kDa、又は約55~60kDaの範囲のM
wを有する、請求項1~13のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項15】
前記ポリビニルアルコールが、約80~約95%、又は約85~約90%、又は約87~約89%の範囲の加水分解度を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項16】
前記飽和C
2~C
50一酸若しくは二酸、及び/又は前記不飽和C
10~C
50一酸若しくは二酸、並びにこれらの混合物が、酢酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、バクセン酸、リノレン酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、タプシン酸、ジャパニン酸、フェロゲン酸、エキセトリン酸、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、アガリン酸、トリメシン酸、タルトロン酸、メソシュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、オキサロ酢酸、アスパラギン酸、ジオキソコハク酸、24~44個の炭素原子を含むダイマー酸及びこれらの混合物から選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項17】
前記モノマー組成物が、
a)約30~約40重量部の、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの混合物から選択されるエチレン性不飽和カルボン酸モノマーと;
b)約60~約70重量部の、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、及びこれらの混合物から選択されるアクリル酸のアルキルエステルと;
c)約0~約5重量部の、ラウリルポリエトキシル化メタクリレート(LEM)、セチルポリエトキシル化メタクリレート(CEM)、セテアリルポリエトキシル化メタクリレート(CSEM)、ステアリルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、アラキジルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ベヘニルポリエトキシル化メタクリレート(BEM)から選択され、ポリエトキシル化部分が約10~約60個のエチレンオキシド単位を含む、任意選択の会合性モノマーと;
d)約0又は約0.1~約2重量部の、少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマーと;を含み、前記モノマー組成物中のa)、b)、c)及びd)の合計が100重量部であり;前記モノマー組成物が、安定剤組成物の存在下でフリーラジカル重合により重合され、前記安定剤組成物が、
i)前記モノマー組成物100重量部当たり約10~約30重量部の酵素的に消化されたジャガイモデンプンと;
ii)前記重合性モノマー組成物100重量部当たり約0.15~約0.5重量部のPVOHと;
iii)約0.05~約0.1重量部の、酢酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、C
36ダイマー酸、及びこれらの混合物から選択される、少なくとも1つの飽和C
2~C
50一酸若しくは二酸、及び/又は不飽和C
10~C
50一酸及び二酸、並びにこれらの混合物と、を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項18】
前記飽和C
2~C
50一酸若しくは二酸及び/又はC
10~C
50不飽和一酸若しくは二酸が、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びこれらの混合物から選択される、請求項1~17のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載のポリマー組成物と、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの界面活性剤と、を含むクレンジング組成物。
【請求項20】
前記少なくとも1つの界面活性剤が、硫酸塩を含まない、請求項19に記載のクレンジング組成物。
【請求項21】
前記少なくとも1つの界面活性剤が、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との混合物である、請求項19又は20に記載のクレンジング組成物。
【請求項22】
前記組成物が、アルカリ性物質で約4~12の範囲のpHに中和される、請求項19~21のいずれか一項に記載のクレンジング組成物。
【請求項23】
前記組成物が、約4~約12の初期塩基中和pH範囲より少なくとも約0.75~7pH単位低くなるように、酸性物質で逆酸処理される、請求項22に記載のクレンジング組成物。
【請求項24】
前記アニオン性界面活性剤が、少なくとも1つの脂肪酸石鹸から選択される、請求項19~22のいずれか一項に記載のクレンジング組成物。
【請求項25】
フリーラジカル乳化重合によってモノマー組成物を重合することを含むポリマーラテックス組成物の製造方法であって、前記モノマー組成物が、
a)約20~約60重量部、又は約30~約50重量部、又は約35~約40重量部の、少なくとも1つのエチレン性不飽和C
3-C
6酸基含有モノマーと;
b)約40~約75重量部、又は約50~約70重量部、又は約60~約68重量部の、少なくとも1つの(メタ)アクリル酸のC
1~C
30アルキルエステルと;
c)約0~約15重量部、又は約0.1~約10重量部、又は約1~約5重量部の、会合性モノマー、半疎水性モノマー、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマーと;
d)約0~約10重量部、又は約0.05~約8重量部、又は約0.1~約5重量部、又は約0.5~約3重量部、又は約0.75~約2重量部の、少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマーと;を含み、前記モノマー混合物中のa)、b)、c)及びd)の合計が、安定剤組成物の存在下で100重量部であり、前記安定剤組成物が、
i)前記モノマー組成物100重量部当たり、約0.1~約75重量部、又は約0.5~60重量部、又は約1~約55重量部、又は約5~約35重量部、又は約10~約30重量部の酵素的に消化されたデンプンと;
ii)前記重合性モノマー組成物100重量部当たり、約0.001~約2重量部、又は約0.005~約1.5重量部、又は約0.05~約1重量部、又は約0.1~約0.75重量部、又は約0.15~約0.5重量部のPVOHと;
iii)前記重合性モノマー組成物100重量部当たり、約0.001~約0.5重量部、又は約0.005~0.4重量部、又は約0.01~約0.3重量部、又は約0.03~約0.2重量部、又は約0.05~約0.1重量部の、飽和C
2~C
50一酸若しくは二酸、不飽和C
10~C
50一酸若しくは二酸、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1つの酸と、を含む、製造方法。
【請求項26】
前記モノマー組成物中の前記少なくとも1つのエチレン性不飽和C
3-C
6カルボン酸モノマー(a)が、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、及びこれらの混合物から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記モノマー組成物中の前記少なくとも1つの(メタ)アクリル酸(b)のC
1~C
30直鎖/分岐アルキルエステルが、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、n-プロピルアクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルアクリレート、tert-ブチルメタクリレート、sec-ブチルアクリレート、sec-ブチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、n-ペンチルアクリレート、n-ペンチルメタクリレート、ネオペンチルアクリレート、ネオペンチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-ヘキシルアクリレート、2-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルアクリレート、n-オクチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、ドデシルアクリレート、ドデシルメタクリレート、2-プロピルヘプチルアクリレート及び2-プロピルヘプチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、セチルアクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルアクリレート、ベヘニルメタクリレート、メリシルアクリレート、メリシルメタクリレート、及びこれらの混合物から選択される、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記モノマー組成物中の前記少なくとも1つの会合性モノマー(c)が、式I及び/又はII:
【化6】
で表され、
式中、R
1が、水素又はメチルであり;Aが、-CH
2C(O)O-、-C(O)O-、-O-、-CH
2O-、-NHC(O)NH-、-C(O)NH-、-Ar-(CE
2)
z-NHC(O)O-、-Ar-(CE
2)
z-NHC(O)NH-、又は-CH
2CH
2NHC(O)-であり;Arが、二価アリーレン(例えば、フェニレン)であり;Eが、H又はメチルであり;zが、0又は1であり;kが約0~約30の範囲の整数であり、mが0又は1であるが、ただし、kが0である場合、mは0であり、kが1~約30の範囲である場合、mは1であり;Dが、ビニル又はアリル部分を表し;(R
2-O)
nが、C
2-C
4オキシアルキレン単位のホモポリマー、ランダムコポリマー、又はブロックコポリマーであり得るポリオキシアルキレン部分であり、R
2が、C
2H
4、C
3H
6、又はC
4H
8、及びこれらの組み合わせから選択される二価アルキレン部分であり、nが、一態様では約2~約150、別の態様では約10~約120、及び更なる態様では約15~約60の範囲の整数であり;Yが、-R
2O-、-R
2NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-R
2NHC(O)NH-、又は-C(O)NHC(O)-であり;R
3が、C
8-C
30直鎖アルキル、C
8-C
30分岐アルキル、C
8-C
30炭素環式アルキル、C
2-C
30アルキル置換フェニル、アラルキル置換フェニル、及びアリール置換C
2-C
30アルキルから選択される置換又は非置換アルキルであり;R
3アルキル基、アリール基、フェニル基が、ヒドロキシル基、アルコキシル基、ベンジル基、スチリル基、及びハロゲン基からなる群から選択される1つ以上の置換基を任意選択で含む、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記モノマー組成物中の前記少なくとも1つの会合性モノマー(c)が、式III:
【化7】
で表され、
式中、R
1が、水素又はメチルであり;R
2が、C
2H
4、C
3H
6、及びC
4H
8から独立して選択される二価アルキレン部分であり、nが、約5~約60の範囲の整数を表し、(R
2-O)が、ランダム配置又はブロック配置で配置することができ;R
3が、C
8-C
30直鎖アルキル、C
8-C
30分岐アルキル、C
8-C
30炭素環式アルキル、C
2-C
30アルキル置換フェニル、アラルキル置換フェニル、及びアリール置換C
2-C
30アルキルから選択される置換又は非置換アルキルであり、R
16アルキル基、アリール基、フェニル基が、ヒドロキシル基、アルコキシル基、ベンジル基、スチリル基、及びハロゲン基からなる群から選択される1つ以上の置換基を任意選択で含む、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記モノマー組成物中の前記少なくとも1つの会合性モノマー(c)が、ラウリルポリエトキシル化メタクリレート(LEM)、セチルポリエトキシル化メタクリレート(CEM)、セテアリルポリエトキシル化メタクリレート(CSEM)、ステアリルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、アラキジルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ベヘニルポリエトキシル化メタクリレート(BEM)、セロチルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、モンタニルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、メリシルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ω-トリスチリルフェニルポリオキシエチレンメタクリレートから選択され、前記モノマーの前記ポリエトキシル化部分が、約2~約150、又は約5~約120、又は約10~約60、又は約15~約30のエチレンオキシド単位を含有する、請求項25~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記モノマー組成物中の前記少なくとも1つの半疎水性モノマー(c)が、式III及び/又はIV:
【化8】
で表され、
式中、R
4が、水素又はメチルであり;Aが、-CH
2C(O)O-、-C(O)O-、-O-、-CH
2O-、-NHC(O)NH-、-C(O)NH-、-Ar-(CE
2)
z-NHC(O)O-、-Ar-(CE
2)
z-NHC(O)NH-、又は-CH
2CH
2NHC(O)-であり;Arが、二価アリーレン(例えば、フェニレン)であり;Eが、H又はメチルであり;zが、0又は1であり;kが約0~約30の範囲の整数であり、mが0又は1であるが、ただし、kが0である場合、mは0であり、kが1~約30の範囲である場合、mは1であり;(R
5-O)
nが、C
2-C
4オキシアルキレン単位のホモポリマー、ランダムコポリマー、又はブロックコポリマーであり得るポリオキシアルキレン部分であり、R
5が、C
2H
4、C
3H
6、又はC
4H
8、及びこれらの組み合わせから選択される二価アルキレン部分であり、nが、約2~約150、又は約5~約120、又は約10~約60の範囲の整数であり;R
6が、水素及び直鎖又は分岐C
1-C
4アルキル基から選択され、Dが、ビニル又はアリル部分を表す、請求項25~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記モノマー組成物中の前記少なくとも1つの半疎水性モノマー(c)が、式VI及び/又はVII:
【化9】
で表され、
式中、R
4が、水素又はメチルであり、「a」が、0又は2~約120、又は約5~約45、又は更なる態様では約10~約25の範囲の整数であり;「b」が、約0~約120、又は約2~約45、又は約10~約25の範囲の整数であるが、ただし、「a」及び「b」は同時に0であることはできない、請求項25~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマー(d)が、多官能性(メタ)アクリレート、ポリアリルエーテル、両親媒性多価不飽和マクロモノマー、及びこれらの混合物から選択される、請求項25~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマー(d)が、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジオールジメタクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルイタコネート、ジアリルフマレート、及びジアリルマレエート;1分子当たり2~8個のアリル基を有するスクロースのポリアリルエーテル、ペンタエリスリトールのポリアリルエーテル、トリメチロールプロパンのポリアリルエーテル、及びこれらの混合物から選択される、請求項25~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマー(d)が、式(XI):
【化10】
で表される両親媒性多価不飽和マクロモノマーから選択される、請求項25~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記酵素的に消化されたデンプンが、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ソルガムデンプン、及びこれらの混合物から選択される、請求項25~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記酵素的に消化されたデンプンが、酸化ジャガイモデンプンである、請求項25~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記酵素的に消化されたデンプンが、約10~約100kDa、又は約20~約80kDa、又は約30~70kDa、又は約55~60kDaの範囲のM
wを有する、請求項25~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記ポリビニルアルコールが、約80~約95%、又は約85~約90%、又は約87~約89%の範囲の加水分解度を有する、請求項25~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記飽和C
2~C
50一酸若しくは二酸、及び/又は不飽和C
10~C
50一酸若しくは二酸、並びにこれらの混合物が、酢酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、バクセン酸、リノレン酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、タプシン酸、ジャパニン酸、フェロゲン酸、エキセトリン酸、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、アガリン酸、トリメシン酸、タルトロン酸、メソシュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、オキサロ酢酸、アスパラギン酸、ジオキソコハク酸、24~44個の炭素原子を含むダイマー酸及びこれらの混合物から選択される、請求項25~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記飽和C
2~C
50一酸若しくは二酸及び/又は不飽和C
10~C
50一酸若しくは二酸並びにこれらの混合物が、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びこれらの混合物から選択される、請求項25~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
請求項25~41のいずれか一項で得られたポリマーラテックス中の粒子の融着及び/又は凝集を軽減する方法であって、前記ラテックスに、有機酸、無機酸、還元剤、及びこれらの混合物を、前記エマルジョンポリマーラテックスの総重量に基づいて約1.25~約10重量%、又は約2.5~約7.5重量%、又は約3.5~約5重量%の範囲の量で投入することによる、方法。
【請求項43】
前記有機酸が、酢酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸、マンデル酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシカプリル酸、リンゴ酸、酒石酸、α-ヒドロキシプロピオン酸)、サリチル酸、トロパ酸、トレトカン酸、β-ヒドロキシプロピオン酸、β-ヒドロキシ酪酸、β-ヒドロキシβ-メチル酪酸、カルニチン、天然果実酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、バクセン酸、リノレン酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、タプシン酸、ジャパニン酸、フェロゲン酸、エキセトリン酸、イソクエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、アガリン酸、トリメシン酸、タルトロン酸、メソシュウ酸、オキサロ酢酸、アスパラギン酸、ジオキソコハク酸、ホルムアミジンスルフィン酸、有機スルフィン酸のナトリウム塩、ヒドロキシメタンスルホン酸、エリソルビン酸;アスコルビン酸;イソアスコルビン酸、グリセリン酸、2-ヒドロキシ-2-スルフィナト酢酸、それらの塩、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記無機酸が、塩酸、硝酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、及びこれらの混合物から選択される、請求項42又は43に記載の方法。
【請求項45】
前記還元剤が、ホルムアルデヒド硫酸ナトリウム、遷移金属、ヒドラジン、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヒドロ亜硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、水硫化ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、アセトン亜硫酸水素塩;エタノールアミン;単糖、二糖、オリゴ糖及びそれらの酸化誘導体;並びにこれらの混合物から選択される、請求項42~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記有機酸、無機酸、還元剤、及びこれらの混合物が、重合反応後に前記ポリマーラテックスに添加される、請求項42~45のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一態様において、本技術は、親水コロイド安定剤組成物の存在下で調製されたアルカリ膨潤性エマルジョンに関する。より詳細には、本発明は、ポリビニルアルコール(PVOH)と、少なくとも1つの飽和C2~C50一酸若しくは二酸及び/又は不飽和C10~C50一酸若しくは二酸と、を含む安定剤組成物の存在下で、アクリルモノマー混合物をフリーラジカル乳化重合することによって調製される、アルカリ膨潤性エマルジョン(ASE)及び疎水変性アルカリ膨潤性エマルジョン(HASE)レオロジー調整剤であって、特にこのような増粘剤が硫酸塩及び硫酸塩を含まない界面活性剤系において使用される場合に、改善された安定性、レオロジー及び透明度特性を有する、デンプン系安定剤組成物担持ASE又はHASE増粘剤組成物を製造するための、ASE及びHASEレオロジー調整剤に関する。
【0002】
エチレン性不飽和カルボン酸モノマー(複数可)(例えば、メタクリル酸)、カルボン酸のエチレン性不飽和エステルモノマー(複数可)(例えば、エチルアクリレート)、及び任意選択の疎水変性会合性モノマー(複数可)(例えば、ベヘニルエトキシ化メタクリレート)から調製されるエマルジョンポリマーであるレオロジー調整剤を提供することは、当該技術分野において既知である。酸性形態で提供される場合、このようなポリマーは、アルカリ膨潤性エマルジョン(ASE)又は疎水変性アルカリ膨潤性エマルジョン(HASE)と呼ばれる。これらのポリマーは、塩基で中和されると水中で膨張して増粘剤として作用する。このようなポリマーエマルジョンは、典型的には界面活性剤によって安定化され、一般に乳白色の外観を有し、水性界面活性剤含有媒体中で中和されると、乳白色から透明に変化する。市販のASEコポリマーエマルジョンとしては、例えば、Akzo Nobel Surface Chemistry LLCによって販売されているAlcogum(商標)L 11及びLubrizol Advanced Materials,Inc.によって販売されているCarbopol(商標)Aqua SF-1が挙げられる。市販のHASEコポリマーエマルジョンとしては、例えば、Dowによって販売されているAculyn(商標)28、及びLubrizol Advanced Materials,Inc.によって販売されているNovethix(商標)L-10が挙げられる。
【0003】
これらのエマルジョンポリマーの使用は、最終生成物を「そのまま」使用することができ、反応器からの回収後に揮発性有機溶媒をストリッピングして乾燥させなければならない沈殿重合によって調製された粉末化ポリマーと比較して、一般に変性又は加工する必要がないという点で有利である。更に、ポリマーエマルジョンの液体の性質は、液体媒体全体に均一に分散され得る前に「ウェットアウト」を必要とする粉末化ポリマーに対して、より容易な最終生成物の処方を可能にする。
【0004】
乳化重合は、溶解した開始剤、モノマー液滴、及びモノマー膨潤ポリマーのコロイド粒子を含有する連続水相を含む三相反応系において起こるプロセスである。開始剤ラジカルは水相中で形成される。本質的に全ての重合反応がモノマー-ポリマー粒子中で起こり、液滴中のモノマーは、水相中に溶解し、水相を通って拡散することによってコロイド粒子に徐々に移動する。モノマー液滴及び膨潤モノマー-ポリマー粒子は、吸収された界面活性剤によって水性媒体中で安定化され、界面活性剤は重合の開始前に反応混合物中に組み込まれる。分子量を制限するために、連鎖移動剤又は調整剤を反応混合物に添加することができる。乳化重合は、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,copyright 2020,John Wiley & Sons,DOI:10.1002/0471238961.koe00054に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
しかしながら、従来の乳化重合技術にはいくつかの欠点がある。塗料、接着剤及び増粘剤用途に使用される典型的なラテックスポリマーエマルジョンを製造するためには、重合プロセス中の凝集物の形成を防止又は最小化し、乳化重合が安定して行われ、所望の最終製品が凝固に対して貯蔵寿命安定性を有することを確実にするために、エマルジョン安定剤又は界面活性剤を使用しなければならない。伝統的に、アニオン性界面活性剤は、重合中のラテックスの粒径を安定化するために使用されており、非イオン性界面活性剤は、ラテックス最終製品にせん断及び凍結融解安定性を与えるために使用されている。しかしながら、ポリマーエマルジョンが反応器から回収されるとき、界面活性剤は、エマルジョンを用いて配合された製品に有害な影響を有し得る「不純物」としてポリマーエマルジョン中に残る。したがって、安定剤は、エマルジョンポリマーが添加成分である最終製品の性能に悪影響を及ぼさないように、最小量で使用されることが望ましい。
【0006】
国際公開第2014/139904号は、アルカリ膨潤性エマルジョンを調製するために、多糖の存在下でカルボン酸及びエステルモノマーが共重合されるレオロジー調整剤を開示している。中和されると、これらのポリマーエマルジョンは乳白色から透明に変化すると言われている。一実施形態では、多糖は水溶性デンプンである。有利なことに、これらのデンプン変性コポリマーエマルジョンは、デンプンがエマルジョンを自己安定化させるので、界面活性剤の使用を必要としない。開示されたデンプン担持レオロジー調整剤は、配合物中に活性成分を懸濁させることができ、部分的に生分解性でもあると言われている。しかしながら、それらは、非デンプン系コポリマーエマルジョンと同じ短い貯蔵寿命の問題を有することが示されている。更に、このようなデンプン担持ラテックスエマルジョンが、硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤シャーシに配合される場合、これらの系の粘度及び透明度特性が損なわれる。
【0007】
硫酸塩系界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリルエーテル硫酸ナトリウム)は、クレンジング、泡生成、及び安定性におけるそれらの有効性のため、特に一般的である。硫酸塩系界面活性剤を含有するパーソナルケアクレンザーはまた、一般に、塩、セルロース系及び合成材料などの典型的な増粘剤で増粘するのが容易である。それにもかかわらず、これらの界面活性剤は、皮膚に対して過酷で刺激性であり得る。例えば、硫酸塩系界面活性剤の継続的な使用は、皮膚及び頭皮に乾燥及び/又は刺激を引き起こし、毛髪の退色及び乾燥の一因となり得る。クレンジング組成物から硫酸塩界面活性剤を排除することは、硫酸塩を含まない組成物が典型的には不十分な発泡特性を有し、増粘が困難であり、所望の程度の透明度又は透明性を提供しない場合があるため、困難であった。
消費者は、ボディウォッシュ、シャンプー、及びハンドクレンザー配合物などのパーソナルケア組成物が適切な粘度を示すことを期待する。この理想的な粘度は、少なくとも2つの目的を果たす。第1に、それは組成物の取り扱い及び広がりを改善する。第2に、それは、消費者が製品の有効性と関連付ける傾向がある感覚的手がかりとして作用する。許容可能な組成物粘度を達成することは、制御された方法で適用することができ、使用時に容易に広げることができるマイルドなパーソナルクレンジング組成物を提供する際の重要な要因である。組成物の粘度は、製品の透明度などの属性と共に、このような製品の消費者の知覚にも影響を与える可能性がある。硫酸塩界面活性剤が排除される場合、所望のレオロジー特性をもたらす微細構造を開発することは、特に低い界面活性剤濃度を有するマイルドな組成物の場合に困難であり得る。単純な塩、天然ガム、合成ポリマー、及び天然/合成ポリマーハイブリッドの添加によってこのような組成物の粘度を構築することは、問題となり得る。
したがって、硫酸塩を含まないが、従来通りに調製されたレオロジー調整剤を用いて配合された硫酸塩を含まない製品よりも改善された特性を有する、持続可能で、刺激性が低く、及び/又は環境に優しいパーソナルケア製品に対する需要が増加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,copyright 2020,John Wiley & Sons,DOI:10.1002/0471238961.koe00054
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本技術の一態様によれば、モノマー混合物のフリーラジカル重合によって調製されるアルカリ膨潤性エマルジョン(ASE)ポリマー又は疎水変性アルカリ膨潤性エマルジョン(HASE)ポリマーが提供され、モノマー混合物は、a)少なくとも1つのエチレン性不飽和酸基含有モノマーと;b)少なくとも1つの(メタ)アクリル酸のアルキルエステルと;c)エチレン性不飽和会合性モノマー、エチレン性不飽和半疎水性モノマー、及びこれらの混合物から選択される任意選択のモノマーと、d)安定なコポリマーエマルジョンを生成するために、消化デンプン、ポリビニルアルコール、並びに少なくとも1つの飽和C2~C50一酸若しくは二酸及び/又は不飽和C10~C50一酸若しくは二酸を含む安定剤組成物の存在下での任意選択の架橋モノマーと、を含む。
【0011】
本技術の開示されたASE及びHASEポリマーは、重合媒体中で界面活性剤を用いて又は用いずに調製することができる。
【0012】
本技術の一態様によれば、モノマー組成物のフリーラジカル重合によって調製されるアルカリ膨潤性エマルジョン(ASE)ポリマー又は疎水変性アルカリ膨潤性エマルジョン(HASE)ポリマーが提供され、モノマー組成物は、
a)約20~約60重量部、又は約30~約50重量部、又は約35~約40重量部の少なくとも1つのエチレン性不飽和C3-C6酸基含有モノマーと;
b)約40~約75重量部、又は約50~約70重量部、又は約60~約68重量部の少なくとも1つの(メタ)アクリル酸のC1~C30アルキルエステルと;
c)約0~約15重量部、又は約0.5~約10重量部、又は約1~約5重量部の、会合性モノマー、半疎水性モノマー、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマーと;
d)約0~約5重量部、又は約0.05~約3重量部、又は約0.1~約2重量部、又は約0.3~約1重量部の、少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマーと;を含み、モノマー混合物中のa)、b)、c)及びd)の合計が100重量部であり、モノマー混合物が安定剤組成物の存在下で重合され、安定剤組成物は、
i)モノマー組成物100重量部当たり、約0.1~約75重量部、又は約0.5~60重量部、又は約1~約55重量部、又は約5~約35重量部、又は約10~約30重量部の酵素的に消化されたデンプンと;
ii)重合性モノマー組成物100重量部当たり、約0.001~約2重量部、又は約0.005~約1.5重量部、又は約0.05~約1重量部、又は約0.1~約0.75重量部、又は約0.15~約0.5重量部のPVOHと;
iii)重合性モノマー組成物100重量部当たり、約0.001~約0.5重量部、又は約0.005~0.4重量部、又は約0.01~約0.3重量部、又は約0.03~約0.2重量部、又は約0.05~約0.1重量部の、少なくとも1つの飽和C2~C50一酸若しくは二酸及び/又は不飽和C10~C50一酸若しくは二酸、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1つの酸と、を含む。
【0013】
本技術の一態様によれば、重合性モノマー組成物のフリーラジカル重合によって調製されるアルカリ膨潤性エマルジョン(ASE)ポリマー又は疎水性アルカリ膨潤性エマルジョン(HASE)ポリマーが提供され、重合性モノマー組成物は、
a)約30~約40重量部の、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの混合物から選択されるエチレン性不飽和カルボン酸モノマーと;
b)約60~約70重量部の、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、及びこれらの混合物から選択される(メタ)アクリル酸のアルキルエステルと;
c)約0~約15重量部の、ラウリルポリエトキシル化メタクリレート(LEM)、セチルポリエトキシル化メタクリレート(CEM)、セテアリルポリエトキシル化メタクリレート(CSEM)、ステアリルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、アラキジルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ベヘニルポリエトキシル化メタクリレート(BEM)から選択され、ポリエトキシル化部分が約5~約60個のエチレンオキシド単位を含む、任意選択の会合性モノマーと;
d)約0又は約0.1~約2重量部の、少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマーと;を含み、モノマー組成物中のa)、b)、c)及びd)の合計が100重量部であり;モノマー混合物は、安定剤組成物の存在下で重合され、安定剤組成物は、
i)重合性モノマー組成物100重量部当たり約10~約30重量部の消化デンプンと;
ii)重合性モノマー組成物100重量部当たり約0.1~約0.5重量部のPVOHと;
iii)重合性モノマー組成物100重量部当たり、約0.01~約0.3重量部の、飽和C2~C50一酸若しくは二酸及び/又は不飽和C10~C50一酸若しくは二酸、並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1つの酸と、を含む。
【0014】
本技術の一態様によれば、重合性モノマー組成物のフリーラジカル重合によって調製されるアルカリ膨潤性エマルジョン(ASE)ポリマーが提供され、重合性モノマー組成物は、
a)約30~約40重量部の、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの混合物から選択されるエチレン性不飽和カルボン酸モノマーと;
b)約60~約70重量部の、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、及びこれらの混合物から選択されるアクリル酸のアルキルエステルと;
d)約0.1~約2重量部の、少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマーと;を含み、重合性モノマー組成物中のa)、b)、及びd)の合計が100重量部であり;モノマー混合物は、安定剤組成物の存在下で重合され、安定剤組成物は、
i)重合性モノマー組成物100重量部当たり約10~約30重量部の消化デンプンと;
ii)重合性モノマー組成物100重量部当たり約0.1~約0.5重量部のPVOHと;
iii)重合性モノマー組成物100重量部当たり約0.01~約0.3重量部の、ラウリン酸を含む少なくとも1つの酸と、を含む。
【0015】
本技術の一態様によれば、重合性モノマー組成物のフリーラジカル重合によって調製される疎水変性アルカリ膨潤性エマルジョン(HASE)ポリマーが提供され、重合性モノマー組成物は、
a)約30~約50重量部の、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのエチレン性不飽和酸基含有モノマーと;
b)約40~約60重量部の、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの(メタ)アクリル酸のアルキルエステルと;
c)約0.1~約15重量部の、ラウリルポリエトキシル化メタクリレート(LEM)、セチルポリエトキシル化メタクリレート(CEM)、セテアリルポリエトキシル化メタクリレート(CSEM)、ステアリルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ベヘニルポリエトキシル化メタクリレート(BEM)、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの会合性モノマーであって、会合性モノマーのポリエトキシル化部分が約2~約30個のエチレンオキシド単位を含む、会合性モノマーと;を含み、モノマー混合物中のa)、b)、及びc)の合計が100重量部であり、モノマー混合物が安定剤組成物の存在下で重合され、安定剤組成物は、
i)重合性モノマー組成物100重量部当たり約10~約30重量部の消化デンプンと;
ii)重合性モノマー組成物100重量部当たり約0.1~約0.5重量部のPVOHと;
iii)重合性モノマー組成物100重量部当たり約0.01~約0.3重量部の、ラウリン酸を含む少なくとも1つの酸と、を含む。
【0016】
一態様において、本技術は、本開示の技術に従って調製されたデンプン安定化エマルジョンポリマーラテックスに、酸及び/又は還元剤を添加して、エージング時の融着及び/又は凝集に対してラテックスポリマー粒子を更に安定化することに関する。
【0017】
本技術の一態様は、乳化界面活性剤(複数可)の非存在下で調製されるエマルジョンポリマーに関する。
【0018】
本技術の一態様は、パーソナルケア配合物における増粘剤としての、開示されるコポリマーエマルジョンの使用に関する。
【0019】
本技術の一態様は、界面活性剤含有パーソナルケア配合物における増粘剤としての、開示されるコポリマーエマルジョンの使用に関する。
【0020】
本技術の一態様は、硫酸塩界面活性剤含有パーソナルケア配合物における増粘剤としての、開示されるコポリマーエマルジョンの使用に関する。
【0021】
本技術の一態様は、硫酸塩を含まない界面活性剤含有パーソナルケア配合物における増粘剤としての、開示されるコポリマーエマルジョンの使用に関する。
【0022】
本技術の一態様は、パーソナルケア配合物における皮膜形成剤としての、開示されるコポリマーエマルジョンの使用に関する。
【0023】
本技術の一態様は、パーソナルケア配合物における毛髪固定剤としての、開示されるコポリマーエマルジョンの使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明のポリマー及び組成物は、本明細書に記載の成分、要素、及びプロセスの図表を適切に含むか、それからなるか、又は本質的にそれからなり得る。本明細書に例示的に開示される本開示の技術は、本明細書に具体的に開示されない任意の要素の非存在下で適切に実施され得る。
【0025】
本開示の技術の全ての態様では、全てのパーセンテージは、全組成物の重量によって計算される。全ての比は、重量比として表される。量の全ての数値範囲は、特に明記しない限り、包括的であり、組み合わせ可能である。
【0026】
本開示の技術の選択された実施形態及び態様について、本開示の組成物中に含有され得る様々な構成成分及び成分について重複する重量範囲が表されているが、本開示の組成物中の各構成成分の量は、組成物中の全ての構成成分又は成分の合計が合計100重量パーセントになるように、その開示される範囲から選択される。用いられる量は、所望の製品の目的及び特性に応じて変動し、当業者によって容易に決定されることができる。
【0027】
接頭辞「(メタ)アクリル」は、「アクリル」及び「メタクリル」を含む。例えば、「(メタ)アクリル酸」という用語は、アクリル酸及びメタクリル酸の両方を含む。
【0028】
モノマー組成物は、重合可能なコモノマーの混合物の組成物を意味する。
【0029】
本明細書で定義されるように、「安定」及び「安定性」は、周囲室温(20~約25℃)における、少なくとも約1週間の貯蔵、又は少なくとも約1ヶ月の貯蔵、又は少なくとも約6ヶ月の貯蔵の期間、目に見える相分離が観察されないことを意味する。別の態様では、開示される技術の製品は、45℃で、少なくとも約4週間、又は少なくとも約6週間、又は少なくとも約8週間の貯蔵後、又は少なくとも約12週間の貯蔵後に、目に見える相分離を示さない。
【0030】
本明細書で使用する場合、「光学的に透明」又は「透明」という用語は、本明細書の以下に記載の試験プロトコルに記載の濁度試験によって測定した場合に、約100ネフェロメ濁度単位(NTU)以下、又は約60NTU以下、又は約50NTU以下、又は約40NTU以下、又は約30NTU以下、又は約20NTU以下、又は約15NTU以下の濁度値を有する本技術の組成物を指す(より低いNTU値は、より高いNTU値を有する組成物よりもクリア又は透明な組成物に関する)。
【0031】
有利なことに、開示される技術のASE及びHASEポリマーは、パーソナルケア製品、ヘルスケア製品、ホームケア製品、施設及び産業用ケア製品などにおいて、並びに化成物プロセス及び用途において、例えば、レオロジー調整剤、皮膜形成剤、増粘剤、乳化剤、安定剤、可溶化剤、懸濁化剤などとして、限定されずに使用され得る。開示されたASE及びHASEポリマーは、パーソナルケア組成物、仕上げ、コーティング、及び印刷用途のための織物処理組成物、並びに工業用塗料及びコーティングにおける増粘剤として特に有用である。
【0032】
特に、開示された技術のHASEポリマーは、広い濃度範囲にわたって、理想的な粘度、長期懸濁安定性及び透明度を有する界面活性剤含有組成物を提供することができる。
【0033】
本明細書で使用するとき、「パーソナルケア」という用語は、これらに限定されないが、ヒト及び哺乳動物の皮膚、毛髪、頭皮、及び爪を含む身体に適用される、化粧品、トイレタリー、薬用化粧品、美容助剤、防虫剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、ハンドサニタイザー、パーソナル衛生製品及びクレンジング製品(例えば、シャンプー、コンディショニングシャンプー、フケ防止シャンプー、ボディウォッシュ、ハンドソープ、洗顔料など)を含む。
【0034】
本明細書で使用するとき、「ホームケア製品」という用語は、これらに限定されないが、台所及び浴室などの表面洗浄又は衛生状態の維持のために家庭で使用される製品(例えば、硬質表面クリーナー、手洗い及び自動食器ケア、便器クリーナー及び消毒剤)、並びに布地ケア及び洗浄のための洗濯製品(例えば、洗剤、布地コンディショナー、前処理染み除去剤)などを含む。
【0035】
本明細書で使用するとき、「ヘルスケア製品」という用語は、これらに限定されないが、医薬品(制御放出医薬品)、医薬品化粧品、口腔ケア(口及び歯)製品、例えば、経口懸濁液、うがい薬、練り歯磨き、歯磨剤など、並びに、健康関連又は医学的状態を改善するため、一般に衛生又は福祉を維持するためなどの、ヒト及び動物の皮膚、頭皮、爪及び粘膜を含む身体に外部から適用される、市販の製品及び器具(局所及び経皮)、例えば、パッチ、硬膏剤などを含む。
【0036】
本明細書で使用するとき、「施設及び産業用ケア」(「I&I」)という用語は、これらに限定されないが、施設用及び産業用環境における表面洗浄又は衛生状態の維持のために使用される製品、織物処理(例えば、織物コンディショナー、カーペット及び室内装飾用クリーナー)、自動車ケア(例えば、手及び自動洗車洗剤、タイヤ光沢剤、皮革コンディショナー、液体自動車研磨剤、プラスチック研磨剤及びコンディショナー)、塗料及びコーティングなどを含む。
【0037】
本明細書中で使用するとき、「レオロジー特性」という用語及びその文法上の変形は、これらに限定されないが、ブルックフィールド粘度、せん断応力に応答した粘度の増加又は減少、流動特性、ゲル特性(例えば、剛性、弾性、流動性など)、泡特性(例えば、泡安定性、泡密度、ピークを保持する能力など)、懸濁特性(例えば、降伏値)、及びエアロゾル特性(例えば、噴霧剤ベースのエアロゾルディスペンサー又は機械ポンプ型エアロゾルディスペンサーから分配される場合にエアロゾル液滴を形成する能力)のような特性を含む。
【0038】
組成物に適用される「美的特性」という用語及びその文法上の変形は、色、透明度、滑らかさ、粘着性、潤滑性、質感、コンディショニング及び感触などの視覚的及び触覚的な心理感覚製品特性を指す。
【0039】
ここで、並びに明細書及び請求項の他の場所で、個々の数値(炭素原子の数値を含む)、又は限界値は、組み合わせて、追加の非開示及び/又は非記載の範囲を形成することができる。
【0040】
本明細書で提供される見出しは、例示するのに役立つが、本発明をいかなる方法でも限定するものではない。
【0041】
エマルジョン安定剤パッケージ
デンプン成分
本技術のASE及びHASEポリマーは、消化デンプン、ポリビニルアルコール、並びに少なくとも1つの飽和C2~C50一酸又は二酸、少なくとも1つの不飽和C10~C50一酸又は二酸、及びこれらの混合物から選択される酸を含む安定剤パッケージの存在下で、モノマー組成物のフリーラジカル乳化重合によって調製される。安定剤組成物に使用するのに適切なデンプンの例は、例えば、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、タピオカデンプン、エンドウマメデンプン、ソルガムデンプン、及びこれらの混合物などの天然源から得られる消化デンプンである。
【0042】
デンプンの分解は、1)モノマーの重合前、2)モノマーの重合中、3)モノマーの重合後、及び4)3つ全ての組み合わせで行うことができる。分解反応は、酸化的に、熱的に、酸加水分解的に、酵素的に、及びそれらの組み合わせで行うことができる。一態様において、分解されたデンプンの分子量は、デンプンが水溶性であることを可能にする範囲内であるべきである。本明細書で使用するとき、「水溶性」とは、デンプンが、25℃の水中で、少なくとも約1~約100mg/mL、又は少なくとも約25~約85mg/mL、又は少なくとも約50~約75mg/mLの水中溶解度を有することを意味する。
【0043】
一態様では、重量平均分子量(Mw)は、約10~約200kDa、又は約20~約100kDa、又は約30~約80kDa、又は約40~約65kDa、又は約45~約56kDaの範囲である。分解デンプンの分子量(Mw)は、当技術分野で公知の方法によって、例えば、多角度光散乱検出器を使用したゲル浸透クロマトグラフィーによって容易に決定することができる。
【0044】
一態様では、デンプンは酵素を用いて消化される。デンプンの酵素分解は、当技術分野で公知の技術を用いて行われる。使用される酵素の量は、酵素の種類、供給源及び活性、使用されるデンプン材料、並びに所望の分解量に依存する。典型的には、酵素は、デンプンの重量に基づいて、約0.001~約1.0重量%、又は約0.01~約0.8重量%、又は約0.1~約0.6重量%の範囲の量で使用される。
【0045】
一態様において、デンプンの消化又は分解反応は、水性媒体中、約60℃の温度及びpH 5で行われる。
【0046】
公知のデンプン消化酵素のいずれも、安定剤パッケージのデンプン成分を消化するために使用することができる。適切な酵素としては、α-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ、イソアミラーゼ、マルトース生成アミラーゼ、β-アミラーゼ、脱分岐酵素、分岐酵素、マルトース生成アミラーゼ、サイクロデキストリングルコトランスフェラーゼ、α-グルカノトランスフェラーゼ、グルカノシルトランスフェラーゼ、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
一態様では、適切なデンプン消化酵素は、典型的には植物、細菌、又は真菌から単離されるプルラナーゼである。プルラナーゼ酵素は、Bacterial Pullulanase LとしてBio-Cat,Inc.から市販されている。別の態様では、適切な消化酵素は、アルファ/ベータ-アミラーゼ、並びにアミラーゼ及びプルラナーゼの組み合わせである。
【0048】
デンプンは、重合反応器中で前消化、後消化、又はその場で消化することができる。
【0049】
一態様では、デンプンは、水性媒体中で前消化され、PVOH、並びに少なくとも1つの飽和C2~C50一酸又は二酸、少なくとも1つの不飽和C10~C50一酸又は二酸、及びこれらの組み合わせから選択される酸と組み合わされて、前形成された安定剤パッケージを形成することができ、これは、重合されるモノマーを含有する反応器に、バッチによって、若しくは計量によって、又はバッチ添加と計量との組み合わせによって添加することができる。あるいは、前形成された安定剤パッケージをモノマー成分と前混合し、バッチ又は計量によって反応器に添加することができる。
【0050】
別の態様では、前形成された安定剤パッケージ及び重合されるモノマーは、別々の流れで反応器に計量供給することができる。
【0051】
別の態様では、安定剤パッケージの純粋な前消化されたデンプン成分、PVOH成分、及び酸成分は各々、バッチ添加によって、計量によって、又はバッチ添加と計量との組み合わせによって、反応器に別々に添加することができる。
【0052】
1つの例示的な態様において、デンプン成分は、重合反応器中でその場で消化することができる。この態様では、未消化デンプン、PVOH、少なくとも1つの飽和C2~C50一酸又は二酸、少なくとも1つの不飽和C10~C50一酸又は二酸、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの酸、水、並びに界面活性剤を反応器に投入し、反応器内容物のpHを約5に調整する。反応器内容物を約60℃の温度に加熱し、これを約120分間保持する。保持時間の後、酵素を混合物に供給し、デンプンを30分間消化させる。デンプン消化後、反応器を85℃の反応温度に加熱し、その後、モノマー及び開始剤を、上記のバッチ又は計量添加方法の任意の組み合わせによって反応器に添加する。一態様において、モノマー成分は、150分間にわたって反応器に連続的に計量供給される。供給に続いて、反応器の内容物を85℃で60分間保持し、次いで室温に冷却し、回収する。
【0053】
ポリビニルアルコール(PVOH)成分
安定剤パッケージのPVOH成分は、完全に加水分解されたPVOH、部分的に加水分解されたPVOH、及びこれらの混合物から選択される。ポリ(ビニルアルコール)組成物は、既知の従来の方法によって得ることができる。ポリ(ビニルアルコール)は、典型的には、酢酸ビニルモノマーの重合、その後の加水分解によるポリ(酢酸ビニル)のPVOHへの変換によって得られる。これらのPVOH生成物は、典型的には、「加水分解された」又は「部分的に加水分解された」と呼ばれる。「部分的に加水分解された」という用語は、アセテート基の全てがアルコール基に完全に変換されているわけではないことを意味する。ポリ(酢酸ビニル)ホモポリマーが部分的にしか加水分解されない場合、得られるPVOHは実際にはビニルアルコール/ビニルアセテートコポリマーである。しかしながら、上述したように、このようなポリマーは一般に、部分的に加水分解されたPVOHホモポリマーと呼ばれる。一態様では、部分的に加水分解されたPVOHは、約80~98%、又は約83~約95%、又は約85~約93%の範囲の加水分解度を有する。一態様では、PVOHの分子量は、約1kDa~約500kDa、又は約2kDa~約400kDa、又は約5kDa~約200kDa、又は約8kDa~約100kDa、又は約10~約50kDa、又は約11kDa~約25kDaの範囲である。
【0054】
様々な加水分解度の市販のPVOHは、Sekisui Specialty Chemicals(商品名Selvol(商標))、Kuraray America,Inc.(商品名Polval(商標)及びExceval(商標))、及びSigma-Aldrichによって販売されている。
【0055】
酸成分
本技術の安定剤パッケージの酸成分は、少なくとも1つの飽和C2~C50一酸又は二酸、少なくとも1つの不飽和C10~C50一酸又は二酸、及びそれらの組み合わせから選択される。代表的な飽和C2~C50一酸及び二酸並びに不飽和C10~C50一酸及び二酸は、これらに限定されないが、酢酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、バクセン酸、リノレン酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、タプシン酸、ジャパニン酸、フェロゲン酸、エキセトリン酸、クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、アガリン酸、トリメシン酸、タルトロン酸、メソシュウ酸、リンゴ酸、酒石酸、オキサロ酢酸、アスパラギン酸、ジオキソコハク酸及びこれらの混合物を含む。
【0056】
24~44個の炭素原子を含有するダイマー酸(二量化脂肪酸又はダイマー脂肪酸としても知られている)は、安定剤パッケージ中の二酸成分として使用することができる。ダイマー酸は、T.E.Breuer,「Dimer Acids」,Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,4th Ed.,John Wiley & Sons,New York,1993,Vol.8,pp.223-237に記載されている。それらは、例えば、不飽和植物脂肪酸を高温高圧で粘土触媒上で触媒二量化させ、次いで未反応の脂肪酸出発物質の大部分を蒸留によって除去することによって製造される。出発物質は、トール油などの天然源から得られる不飽和C12~C22脂肪酸であり、二量化によってC24~C44ダイマー酸が得られる。
【0057】
市販のダイマー酸の例としては、Arizona Chemical Companyによって販売されているUnidyme(商標)14及びUnidyme(商標)22、並びにCroda International Plcによって販売されているPripol(商標)1006、Pripol(商標)1013及びPripol(商標)1017が挙げられるが、これらに限定されない。
【0058】
ヒドロキシ酸(アルファ及びベータ)並びにアミノ酸(天然及び合成)は、安定剤パッケージの適切な酸成分である。ヒドロキシ酸としては、これらに限定されないが、グリコール酸、シュウ酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、カルニチン、マンデル酸、フマル酸、酒石酸、及びこれらの混合物が挙げられる。適切なアミノ酸としては、これらに限定されないが、アラニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン、チロシン、オルニチン、2,3ジアミノプロピオン酸、2,4ジアミノ酪酸及び/又はそれらの誘導体が挙げられる。
【0059】
安定剤パッケージは、i)モノマー組成物100重量部当たり、約0.1~約75重量部、又は約0.5~60重量部、又は約1~約55重量部、又は約5~約35重量部、又は約10~約30重量部の、酵素的に消化されたデンプン成分と;ii)モノマー組成物100重量部当たり、約0.001~約2重量部、又は約0.005~1.5重量部、又は約0.05~約1重量部、又は約0.1~約0.75重量部、又は約0.15~約0.5重量部のPVOHと;iii)モノマー組成物100重量部当たり、約0.001~約0.5重量部、又は約0.005~0.4重量部、又は約0.01~約0.3重量部、又は約0.03~約0.2重量部、又は約0.05~約0.1重量部の、飽和C2~C50一酸又は二酸、不飽和C10~C50一酸又は二酸、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの酸と、を含む。
【0060】
モノマー
本技術のポリマー組成物は、モノマー組成物を重合することによって調製され、モノマー組成物は、
a)約25~約60重量部、又は約30~約50重量部、又は約35~約40重量部の、少なくとも1つのエチレン性不飽和C3-C6酸基含有モノマーと;
b)約40~約75重量部、又は約50~約70重量部、又は約60~約68重量部の、少なくとも1つの(メタ)アクリル酸のC1~C30アルキルエステルと;
c)約0~約15重量部、又は約0.1~約8重量部、又は約1~約5重量部の、会合性モノマー、半疎水性モノマー、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマーと;
d)約0~約5重量部、又は約0.05~約3重量部、又は約0.1~約2重量部、又は約0.3~約1重量部の少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマーと;を含み、モノマー組成物中のa)、b)、c)及びd)の合計が100重量部である。
【0061】
例示的な成分(a)モノマーとしては、これらに限定されないが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸(AMPS(商標)モノマー)並びにそれらの無機塩及び有機塩(例えば、アンモニウム、有機アミン及びアルカリ金属塩)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0062】
一態様において、重合性モノマー組成物中のモノマー成分(a)下に記載される少なくとも1つのエチレン性不飽和C3-C6酸基含有モノマーの量は、約25~約60重量部、又は約30~約50重量部、又は約35~約40重量部の範囲である。
【0063】
例示的な成分(b)モノマーとしては、これらに限定されないが、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、n-プロピルアクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルアクリレート、tert-ブチルメタクリレート、sec-ブチルアクリレート、sec-ブチルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、n-ペンチルアクリレート、n-ペンチルメタクリレート、ネオペンチルアクリレート、ネオペンチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-ヘキシルアクリレート、2-ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルアクリレート、n-オクチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、イソオクチルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、ドデシルアクリレート、ドデシルメタクリレート、2-プロピルヘプチルアクリレート及び2-プロピルヘプチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、セチルアクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルアクリレート、ベヘニルメタクリレート、メリシルアクリレート、メリシルメタクリレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0064】
一態様では、重合性モノマー組成物中のモノマー成分(b)下に記載される少なくとも1つの(メタ)アクリル酸のC1~C30アルキルエステルの量は、約40~約75重量部、又は約50~約70重量部、又は約60~約68重量部の範囲である。
【0065】
一態様において、成分(c)の会合性モノマーは、以下の式I及び式IIによって表される。
【0066】
【化1】
式中、R
1は、水素又はメチルであり;Aは、-CH
2C(O)O-、-C(O)O-、-O-、-CH
2O-、-NHC(O)NH-、-C(O)NH-、-Ar-(CE
2)
z-NHC(O)O-、-Ar-(CE
2)
z-NHC(O)NH-、又は-CH
2CH
2NHC(O)-であり;Arは、二価アリーレン(例えば、フェニレン)であり;Eは、H又はメチルであり;zは、0又は1であり;kは約0~約30の範囲の整数であり、mは0又は1であるが、ただし、kが0である場合、mは0であり、kが1~約30の範囲である場合、mは1であり;Dは、ビニル又はアリル部分を表し;(R
2-O)
nは、C
2-C
4オキシアルキレン単位のホモポリマー、ランダムコポリマー又はブロックコポリマーであってもよい、ポリオキシアルキレン部分であり;R
2は、C
2H
4、C
3H
6、又はC
4H
8、及びこれらの組み合わせから選択される二価アルキレン部分であり、nは、一態様では約2~約150、別の態様では約10~約120、更なる態様では約15~約60の範囲の整数であり;Yは、-R
2O-、-R
2NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-R
2NHC(O)NH-、又は-C(O)NHC(O)-であり;R
3は、C
8-C
50直鎖アルキル、C
8-C
50分岐アルキル、C
8-C
30炭素環式アルキル、C
2-C
30アルキル置換フェニル、アラルキル置換フェニル、及びアリール置換C
2-C
30アルキルから選択される置換又は非置換アルキルであり;R
3アルキル基、アリール基、フェニル基は、ヒドロキシル基、アルコキシル基、ベンジル基、スチリル基、及びハロゲン基からなる群から選択される1つ以上の置換基を任意選択で含む。
【0067】
一態様において、成分(c)の会合性モノマーは、以下の式IIIによって表される。
【0068】
【化2】
式中、R
1は、水素又はメチルであり;R
2は、C
2H
4、C
3H
6、及びC
4H
8から独立して選択される二価アルキレン部分であり、nは、約5~約60の範囲の整数を表し、(R
2-O)は、ランダム配置又はブロック配置で配置することができ;R
3は、C
8-C
30直鎖アルキル、C
8-C
30分岐アルキル、C
8-C
30炭素環式アルキル、C
2-C
30アルキル置換フェニル、アラルキル置換フェニル、及びアリール置換C
2-C
30アルキルから選択される置換又は非置換アルキルであり、R
16アルキル基、アリール基、フェニル基は、ヒドロキシル基、アルコキシル基、ベンジル基、スチリル基、及びハロゲン基からなる群から選択される1つ以上の置換基を任意選択で含む。
【0069】
例示的な成分(c)モノマーとしては、これらに限定されないが、ラウリルポリエトキシル化メタクリレート(LEM)、セチルポリエトキシル化メタクリレート(CEM)、セテアリルポリエトキシル化メタクリレート(CSEM)、ステアリルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、アラキジルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ベヘニルポリエトキシル化メタクリレート(BEM)、セロチルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、モンタニルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、メリシルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ノニルフェニルポリエトキシル化(メタ)アクリレート、ω-トリスチリルフェニルポリオキシエチレンメタクリレートが挙げられ、モノマーのポリエトキシル化部分は、約2~約150、又は約5~約120、又は約10~約60、又は約15~約30のエチレンオキシド単位を含有する。
【0070】
一態様では、成分(c)の半疎水性モノマーは、以下の式IV及び式Vによって表される。
【0071】
【化3】
式中、R
4は、水素又はメチルであり;Aは、-CH
2C(O)O-、-C(O)O-、-O-、-CH
2O-、-NHC(O)NH-,-C(O)NH-、-Ar-(CE
2)
z-NHC(O)O-、-Ar-(CE
2)
z-NHC(O)NH-、又は-CH
2CH
2NHC(O)-であり;Arは、二価アリーレン(例えば、フェニレン)であり;Eは、H又はメチルであり;zは、0又は1であり;kは約0~約30の範囲の整数であり、mは0又は1であるが、ただし、kが0である場合、mは0であり、kが1~約30の範囲である場合、mは1であり;(R
5-O)
nは、C
2-C
4オキシアルキレン単位のホモポリマー、ランダムコポリマー、又はブロックコポリマーであり得るポリオキシアルキレン部分であり、R
5は、C
2H
4、C
3H
6、又はC
4H
8、及びこれらの組み合わせから選択される二価アルキレン部分であり、nは、約2~約150、又は約5~約120、又は約10~約60の範囲の整数であり;R
6は、水素及び直鎖又は分岐C
1-C
4アルキル基から選択され、Dは、ビニル又はアリル部分を表す。
【0072】
一態様では、成分(c)の半疎水性モノマーは、以下の式VI及び式VIIによって表される。
【0073】
【化4】
式中、R
4は、水素又はメチルであり、「a」は、0又は2~約120、又は約5~約45、又は更なる態様では約10~約25の範囲の整数であり;「b」は、約0~約120、又は約2~約45、又は約10~約25の範囲の整数であるが、ただし、「a」及び「b」は同時に0であることはできない。
【0074】
式VIの半疎水性モノマーの例としては、製品名Blemmer(商標)PE-90(R4=メチル、a=2、b=0)、PE-200(R4=メチル、a=4.5、b=0)、及びPE-350(R4=メチル、a=8、b=0)で入手可能なポリエチレングリコールメタクリレート;製品名Blemmer(商標)PP-1000(R4=メチル、b=4~6、a=0)、PP-500(R4=メチル、a=0、b=9)、PP-800(R4=メチル、a=0、b=13)で入手可能なポリプロピレングリコールメタクリレート;製品名Blemmer(商標)50PEP-300(R4=メチル、a=3.5、b=2.5)、70PEP-350B(R14=メチル、a=5、b=2)で入手可能なポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート;製品名Blemmer(商標)AE-90(R4=水素、a=2、b=0)、AE-200(R4=水素、a=2、b=4.5)、AE-400(R4=水素、a=10、b=0)で入手可能なポリエチレンアクリレート;製品名Blemmer(商標)AP-150(R4=水素、a=0、b=3)、AP-400(R4=水素、a=0、b=6)、AP-550(R4=水素、a=0、b=9)で入手可能なポリプロピレングリコールアクリレートが挙げられる。Blemmer(登録商標)は、NOF Corporation,Tokyo,Japanの商標である。
【0075】
式VIIの半疎水性モノマーの例としては、Evonik Rohm GmbH、ダルムシュタット、ドイツからの、製品名Visiomer(商標)MPEG 750 MA W(R4=メチル、a=17、b=0)、MPEG 1005 MA W(R4=メチル、a=22、b=0)、MPEG 2005 MA W(R4=メチル、a=45、b=0)、及びMPEG 5005 MA W(R4=メチル、a=113、b=0)で入手可能なメトキシポリエチレングリコールメタクリレート;GEO Specialty Chemicals、アンブラー、ペンシルベニアからのBisomer(商標)MPEG 350 MA(R4=メチル、a=8、b=0)、及びMPEG 550 MA(R4=メチル、a=12、b=0);Blemmer(商標)PME-100(R4=メチル、a=2、b=0)、PME-200(R4=メチル、a=4、b=0)、PME400(R4=メチル、a=9、b=0)、PME-1000(R4=メチル、a=23、b=0)、PME-4000(R4=メチル、a=90、b=0)が挙げられる。
【0076】
一態様において、重合性モノマー組成物中のモノマー成分(c)の下に記載される少なくとも1つの会合性モノマー及び/又は半疎水性モノマーの量は、約0~約15重量部、又は約0.5~約10重量部、又は約1~約5重量部の範囲である。
【0077】
例示的な成分(d)の多価不飽和架橋性モノマーとしては、これらに限定されないが、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジオールジメタクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフタレート、ジアリルイタコネート、ジアリルフマレート、及びジアリルマレエート;1分子当たり2~8個のアリル基を有するスクロースのポリアリルエーテル、ペンタエリスリトールのポリアリルエーテル、トリメチロールプロパンのポリアリルエーテル、両親媒性多価不飽和マクロモノマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0078】
本技術において利用される両親媒性多価不飽和マクロモノマーは、疎水性部分及び親水性部分を含有する。本技術での使用に適した例示的な両親媒性多価不飽和マクロモノマーとしては、これらに限定されないが、以下の式によって表される、米国特許第9,051,341号に開示されているものなどの化合物が挙げられる:
【0079】
【化5】
式中、R
20は、CH
3、CH
2CH
3、C
6H
5、又はC
14H
29であり;nは、1、2又は3であり、xは2~10であり、yは0~200であり、zは4~200、又は約5~60、又は約5~40であり;Zは、SO
3
-又はPO
3
2-のいずれかであり得、M
+は、Na
+、K
+、NH
4
+、又はアルカノールアミン、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンなどであり;
【0080】
【化6】
R
20は、CH
3、CH
2CH
3、C
6H
5、又はC
14H
29であり;nは、1、2又は3であり、xは2~10であり、yは0~200であり、zは4~200、又は約5~60、又は約5~40であり;
【0081】
【化7】
R
21は、一態様では、C
8-C
30アルキル、アルカリール、アルケニル、又はシクロアルキル基であり、別の態様では、C
10-C
24アルキル、アリール、アルキルアリール、及びアラルキルアリール基であり;R
22は、CH
3、CH
2CH
3、C
6H
5、又はC
14H
29であり;xは2~100又は2~10であり、yは0~200又は0若しくは1~50であり、zは4~200又は約5~60、又は約5~40であり;R
23はH又はZ
-M
+であり、ZはSO
3
-又はPO
3
2-のいずれかであり得、M
+はNa
+、K
+、NH
4
+、又はアルカノールアミン、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンである。
【0082】
一態様では、多価不飽和マクロモノマーは、以下の式(XI)又は(XII)によって表される化合物から選択される:
【0083】
【化8】
式中、nは、1又は2であり;zは、4~40、又は5~38、又は10~20であり;R
23は、H、SO
3
-M
+又はPO
3
2-M
+であり、Mは、Na
+、K
+、及びNH
4
+から選択される。
【0084】
【0085】
一態様では、重合性モノマー組成物中のモノマー成分(d)の下で記載される少なくとも1つの多価不飽和架橋性モノマーの量は、重合性モノマー組成物100重量部に対して、約0~約10重量部、又は約0.05~約8重量部、又は約0.1~約5重量部、又は約0.15~約3重量部、又は約0.2~約2重量部の範囲である。
【0086】
一態様では、両親媒性多価不飽和マクロモノマーは、分子中に平均約1.5~約2個の不飽和部分を含有する。
【0087】
重合性モノマー組成物中の成分(a)、成分(b)、成分(c)及び成分(d)から選択されるモノマーの合計は100重量部である。
【0088】
乳化プロセス
本技術のASE及びHASEポリマーは、米国特許第4,138,380号又は米国特許第4,110,291号に記載されているような当技術分野で周知の乳化重合技術によって合成することができ、これらは参照により本明細書に完全に組み込まれる。一態様では、本技術のポリマーは、安定なラテックスポリマー粒子を生成するために、段階的なセミバッチ乳化重合プロセスで合成することができる。モノマー(a)~(d)の乳化重合は、分解デンプン、PVOH、及び飽和C2~C50一酸又は二酸及び/又は不飽和C10~C50一酸又は二酸、並びにから選択される少なくとも1つの酸、並びに上記のこれらの混合物を含む安定剤パッケージの存在下、水性媒体中で行われる。反応器への安定剤パッケージ成分の添加は、前述のように、例えばバッチ添加及び計量、又は両方の組み合わせによって行うことができる。更に、未消化デンプン成分を反応器に添加して、その場で酵素的に消化することができる。
【0089】
モノマーは、バッチ添加又は計量により、別々に又は混合物としてのいずれかで反応器に添加することができる。モノマーの添加が計量による場合、添加は均一に又は不均一に、すなわち供給間隔にわたって計量速度を変化させることによって行うことができる。
【0090】
1つの例示的な態様では、モノマー(a)、(b)、及び(c)の混合物を、不活性雰囲気下、例えば窒素下で、撹拌機を備えた第1の反応器に投入し、均一に混合する。任意選択で、モノマー混合物は、脱イオン水及び所望の乳化界面活性剤(複数可)を含有する第1の反応器に添加され得る。
【0091】
撹拌機、不活性ガス入口、及び計量供給ポンプを備えた第2の反応器に、不活性雰囲気下、所望の量の脱イオン水、及び任意選択の追加の界面活性剤、及び乳化重合で典型的に使用される任意選択の加工助剤を添加する。第2の反応器の内容物を、窒素雰囲気下で混合撹拌しながら約45~約70℃の範囲の温度に加熱し、その後、安定剤パッケージの成分(未消化デンプン、PVOH及び飽和C2~C50一酸若しくは二酸及び/又は不飽和C10~C50一酸若しくは二酸から選択される少なくとも1つの酸)を反応器に充填する。脱イオン水を使用して、反応器壁に残っている任意の反応物を反応媒体中に洗浄することができる。反応器の内容物を均一に混合した後、適切なpH調整剤を使用して、混合物のpHを選択されたデンプン消化酵素に適したpH値に調整する。選択された酵素(複数可)に適した温度で約1~4時間保持した後、脱イオン水に溶解した適切な量の消化酵素(複数可)を、混合を続けながら反応媒体に添加する。酵素含有反応混合物を、選択された酵素(複数可)がデンプン成分を消化するのに最適な温度で5~120分間保持し、その後、反応器の内容物を65~99℃に加熱する。あるいは、同様の酵素処理を、単独で、又は前酵素処理と組み合わせて、後重合手順として行うことができる。65~99℃の温度に達したら、フリーラジカル重合開始剤(例えば、過硫酸アンモニウム)の水溶液を、適切な供給速度で反応器に計量供給する。開始剤の供給と同時に、第1の反応器からのモノマー混合物を第2の反応器に約60~約300分間かけて計量供給する。
【0092】
第2の反応器において、第1段階のラテックス粒子を10~約60分間形成させる。第2段階の重合において、適切な量のモノマー(b)と混合された適切な量の架橋モノマー(d)が、第1の反応器中の残りのモノマーに添加される。第2の反応器内容物の温度を約70~約99℃に上昇させ、その後、残りの第1の反応器モノマー(架橋モノマーを含有する)を60~300分の供給サイクルの残りにわたって第2の反応器に計量供給し、第1段階のラテックス粒子の存在下で重合させて、ポリマーラテックス生成物を得る。
【0093】
任意選択の工程において、所望の量の残留モノマーが減少するまで反応器にレドックス対(酸化剤及び還元剤)を導入することによって、残留モノマーをエマルジョン生成物から除去することができる。
【0094】
重合中、反応成分の完全な混合が行われるべきである。したがって、反応混合物は、重合及び任意の後続の後重合の全期間にわたって撹拌される。典型的には、重合プロセスは、約20~約150℃、又は約50~約125℃、又は約60~約90℃の範囲の反応温度で行うことができる。
【0095】
重合は、連鎖移動剤の存在下で行うことができる。適切な連鎖移動剤としては、チオ-及びジスルフィド含有化合物、例えば、C1-C18アルキルメルカプタン、例えば、tert-ブチルメルカプタン、n-オクチルカプタン、n-ドデシルカプタン、tert-ドデシルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン;メルカプトアルコール、例えば、2-メルカプトエタノール、2-メルカプトプロパノール;メルカプトカルボン酸、例えば、メルカプト酢酸、3-メルカプトプロピオン酸;メルカプトカルボン酸エステル、例えば、ブチルチオグリコレート、イソオクチルチオグリコレート、ドデシルチオグリコレート、イソオクチル-3-メルカプトプロピオネート、及びブチル-3-メルカプトプロピオネート;チオエステル;C1-C18アルキルジスルフィド;アリールジスルフィド;多官能性チオール、例えば、トリメチロールプロパン-トリス-(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール-テトラ-(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール-テトラ-(チオグリコレート)、ペンタエリスリトール-テトラ-(チオラクテート)、ジペンタエリスリトール-ヘキサ-(チオグリコレート)等;亜リン酸塩及び次亜リン酸塩;C1-C4アルデヒド類、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド;ハロアルキル化合物、例えば、四塩化炭素、ブロモトリクロロメタン等;ヒドロキシルアンモニウム塩、例えば、硫酸ヒドロキシルアンモニウム;ギ酸;亜硫酸水素ナトリウム;イソプロパノール;及び触媒連鎖移動剤、例えば、コバルト錯体(例えば、コバルト(II)キレート)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
連鎖移動剤は、一般に、重合媒体中に存在するモノマーの総重量に基づいて、0.001~10重量%の範囲の量で使用される。
【0097】
先に述べたように、重合は乳化界面活性剤を用いて又は用いずに行うことができる。モノマー混合物の乳化を促進するために、乳化重合は、少なくとも1つの界面活性剤の存在下で行うことができる。乳化重合を促進するための界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、両性、及びカチオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物を含む。最も一般的には、アニオン性及び非イオン性界面活性剤、並びにこれらの混合物を用いることができる。当該技術分野で使用される典型的な乳化剤は、文献に詳細に記載されており、例えば、Handbook of Industrial Surfactants,Ash,Michael,Ash,Irene,fifth edition,2010,Synapse Information Resources,Inc.を参照のこと。
【0098】
乳化重合を促進するのに適したアニオン性界面活性剤は、当該技術分野で周知であり、限定されないが、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、(C6-C16)アルキルフェノキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、(C6-C16)アルキルフェノキシベンゼンスルホン酸二ナトリウム、(C6-C16)ジアルキルフェノキシベンゼンスルホン酸二ナトリウム、ラウレス-3スルホコハク酸二ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジ-sec-ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルスルホン酸二ナトリウム、n-オクタデシルスルホコハク酸二ナトリウム、分岐アルコールエトキシレートのリン酸エステル等を含む。
【0099】
乳化重合を促進するのに適した非イオン性界面活性剤は、ポリマー技術の分野で周知であり、これらに限定されないが、直鎖又は分岐C8-C30脂肪アルコールエトキシレート、例えば、カプリルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート、ミリスチルアルコールエトキシレート、セチルアルコールエトキシレート、ステアリルアルコールエトキシレート、セテアリルアルコールエトキシレート、ステロールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、及びベヘニルアルコールエトキシレート;アルキルフェノールアルコキシレート、例えば、オクチルフェノールエトキシレート;及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーなどを含み、非イオン性界面活性剤として適切な追加の脂肪アルコールエトキシレートを以下に記載する。他の有用な非イオン性界面活性剤は、α-オレフィンスルホネート、例えば、C14-C16α-オレフィンスルホネート、ポリオキシエチレングリコールのC8-C22脂肪酸エステル、エトキシ化モノ及びジグリセリド、ソルビタンエステル及びエトキシ化ソルビタンエステル、C8-C22脂肪酸グリコールエステル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマー、並びにそれらの組み合わせを含む。前述のエトキシレートの各々におけるエチレンオキシド単位の数は、一態様では2以上、別の態様では2~約150の範囲であり得る。
【0100】
乳化界面活性剤の量は、使用される場合、使用されるモノマー(a)、(b)、(c)及び(d)の総重量に基づいて、約0又は約0.0001~約10重量%、又は約0.003~約8重量%、又は約0.01~約7重量%、又は約1~約3.5重量%の量の範囲である。
【0101】
有利には、モノマー(a)、(b)、(c)、及び(d)の組み合わせが、消化デンプン、PVOH、並びに飽和C2~C50一酸若しくは二酸及び/又は不飽和C10~C50一酸若しくは二酸から選択される少なくとも1つの酸、並びに本技術のこれらの混合物を含む安定剤パッケージの存在下で重合される場合、乳化界面活性剤は反応媒体中に必要ではない。したがって、界面活性剤(複数可)、特に硫酸塩含有界面活性剤を含まないポリマーエマルジョン製品が得られる。したがって、本技術のレオロジー調整剤を用いて硫酸塩を含まない化粧品を配合することを望むパーソナルケア製品配合者は、外因性硫酸塩(過硫酸塩開始剤(複数可)が使用される場合、非常に低レベルの開始剤成分以外)をその使用によって最終製品に導入しない。一態様では、過硫酸塩開始剤成分は、全モノマー100重量部当たり<1重量部の量で存在する。
【0102】
重合は、水などの好適な溶媒系で実施することができる。少量の炭化水素溶媒、有機溶媒、含水アルコール溶媒並びにこれらの混合物を使用することができる。重合反応は、好適なフリーラジカルの生成をもたらす任意の手段によって開始される。過酸化物、ヒドロペルオキシド、過硫酸塩、過炭酸塩、ペルオキシエステル、過酸化水素、及びアゾ化合物の熱的、ホモリティック解離からラジカル種が生成される熱誘導ラジカルを利用することができる。開始剤は、重合反応に使用される溶媒系に応じて水溶性又は水不溶性であり得る。
【0103】
例示的なフリーラジカル水溶性開始剤は、これらに限定されないが、無機過硫酸塩化合物、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、及び過硫酸ナトリウム;過酸化物、例えば、過酸化水素、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化ラウリル;有機ヒドロペルオキシド、例えば、クメンヒドロペルオキシド及びt-ブチルヒドロペルオキシド;有機過酸、例えば、過酢酸、及び水溶性アゾ化合物、例えば、アルキル基上に水溶性置換基を有する2,2’-アゾビス(tert-アルキル)化合物を含む。例示的なフリーラジカル油溶性化合物には、2,2’-アゾビスイソブチロニトリルなどが含まれるが、これらに限定されない。過酸化物及び過酸は、任意選択で、亜硫酸水素ナトリウム、ホルムアルデヒド硫酸ナトリウム(SFS)、又はアスコルビン酸、遷移金属、ヒドラジンなどの還元剤で活性化することができる。
【0104】
一態様において、アゾ重合開始剤としては、DuPontから入手可能なVazo(商標)フリーラジカル重合開始剤、例えばFujifilm Wako Pure Chemical CorporationからのVazo(商標)44(2,2’-アゾビス(2-(4,5-ジヒドロイミダゾリル)プロパン)、Vazo(商標)56(2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩)、Vazo(商標)67(2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル))、Vazo(商標)68(4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸))及びVA-086 2,2’-アゾビス([2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)が挙げられる。
【0105】
開始剤化合物は、乾燥ポリマーの総重量に基づいて、最大約30重量%、又は約0.01~約10重量%、又は約0.2~約3重量%の量で使用され得る。
【0106】
任意選択で、重合開始剤として既知のレドックス開始剤系の使用を採用することができる。このようなレドックス開始剤系には、酸化剤(開始剤)及び還元剤が含まれる。適切な酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、t-ブチルヒドロペルオキシド、t-アミルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、過リン酸及びその塩、過マンガン酸カリウム、並びにペルオキシ二硫酸のアンモニウム又はアルカリ金属塩が挙げられ、乾燥ポリマー重量に基づき、典型的には約0.01~約3.0重量%のレベルで使用される。適切な還元剤としては、例えば、硫黄含有酸のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩、例えば、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、硫化水素塩又は亜ジチオン酸ナトリウム、ホルマジンスルフィン酸、ヒドロキシメタンスルホン酸、アセトン亜硫酸水素塩、アミン、例えばエタノールアミン、グリコール酸、グリオキシル酸水和物、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、グリセリン酸、リンゴ酸、2-ヒドロキシ-2-スルフィナト酢酸、酒石酸が挙げられ、乾燥ポリマー重量に基づき、典型的には0.01~3.0重量%のレベルで上記の酸の塩が使用される。一態様では、ペルオキソ二硫酸塩とアルカリ金属又は重亜硫酸アンモニウムの組み合わせ、例えば、ペルオキソ二硫酸アンモニウム及び重亜硫酸アンモニウムを使用することができる。別の態様では、酸化剤としての過酸化水素含有化合物(t-ブチルヒドロペルオキシド)と、還元剤としてのアスコルビン酸又はエリソルビン酸との組み合わせを利用することができる。過酸化物含有化合物と還元剤との重量比は、約30:1~約0.05:1の範囲である。
【0107】
ポリマーエマルジョン製品は、エマルジョンの重量に基づいて、約5パーセント~約60パーセントの総ポリマー固形分(TS)、又は約10パーセント~約50パーセントの総ポリマー固形分、又は約15パーセント~約45パーセントの総ポリマー固形分、又は約17~約35パーセントの総ポリマー固形分、又は約18~約30パーセントの総ポリマー固形分を含有するように調製することができる。
【0108】
一態様では、ポリマーエマルジョンは、水及び/又は溶媒(複数可)(例えば、含水アルコール溶媒系)で希釈するか、又は水の一部を蒸発させることによって濃縮することができる。あるいは、得られたポリマーエマルジョンは、当該分野で周知の装置、例えば、噴霧乾燥機、ドラム乾燥機、凍結乾燥機などを利用することによって、粉末形態又は結晶形態に実質的に乾燥され得る。
【0109】
一態様では、ポリマー生成物はランダムコポリマーであり、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)で較正されたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される数平均分子量が、一態様では約500,000超~少なくとも約10億Da以上、別の態様では約600,000~約45億Da、更なる態様では約1,000,000~約3000000Da、なお更なる態様では約1,500,000~約2,000,000Daの範囲である(TDS-222,2007年10月15日,Lubrizol Advanced Materials,Inc.を参照のこと、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0110】
一態様では、酸及び/又は還元剤のエマルジョンポリマーラテックス生成物への反応後添加は、融着及び/又は凝集に対してポリマーラテックス粒子を更に安定化し、したがってラテックスの粒径の増加を緩和することが発見された。融着及び/又は凝集に起因して、より大きなラテックス粒径は、粘度の増加及びラテックス安定性の劣化をもたらし、取り扱い及び加工が困難な生成物をもたらす。酸及び/又は還元剤は、重合反応の完了後に反応器中のエマルジョンポリマーラテックス中に投入することができる。あるいは、酸及び/又は還元剤は、ラテックスが反応器から取り出された後にエマルジョンポリマーラテックス中に投入することができる。酸及び/又は還元剤は、酸及び/又は還元剤がラテックス中に均一にブレンドされることを確実にするために、適切に撹拌しながらエマルジョンポリマーラテックス中に投入される。
【0111】
本開示の技術のエマルジョンポリマーラテックス粒子の融着及び/又は凝集を軽減するための適切な酸としては、有機酸及び/又は無機酸が挙げられる。例示的な有機酸は、これらに限定されないが、酢酸、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、グリコール酸、乳酸、マンデル酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシカプリル酸、リンゴ酸、酒石酸、α-ヒドロキシプロピオン酸)、ベータ-ヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸、トロパ酸、トレトカン酸、β-ヒドロキシプロピオン酸、β-ヒドロキシ酪酸、β-ヒドロキシβ-メチル酪酸、カルニチン)、天然果実酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、バクセン酸、リノレン酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、タプシン酸、ジャパニン酸、フェロゲン酸、エキセトリン酸、イソクエン酸、アコニット酸、プロパン-1,2,3-トリカルボン酸、アガリン酸、トリメシン酸、タルトロン酸、メソシュウ酸、オキサロ酢酸、アスパラギン酸、ジオキソコハク酸、スルフィン酸誘導体(例えば、ホルムアミジンスルフィン酸、Bruggolite(商標)FF6Mとして市販されている有機スルフィン酸誘導体のナトリウム塩);ヒドロキシメタンスルホン酸;エリソルビン酸;アスコルビン酸;イソアスコルビン酸;グリセリン酸;2-ヒドロキシ-2-スルフィナト酢酸;及びそれらの組み合わせから選択される。
【0112】
例示的な無機酸は、塩酸、硝酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、及びこれらの組み合わせから選択されるが、これらに限定されない。
【0113】
例示的な還元剤は、これらに限定されないが、ホルムアルデヒド硫酸ナトリウム;遷移金属、ヒドラジン;硫黄含有化合物のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヒドロ亜硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、水硫化ナトリウム、及び亜ジチオン酸ナトリウム;アセトン亜硫酸水素塩;エタノールアミン;単糖、二糖、オリゴ糖及びそれらの酸化誘導体;並びにこれらの混合物から選択される。
【0114】
一態様では、後添加される酸及び/又は還元剤は、ラテックス中に、エマルジョンポリマーラテックスの総重量に基づき、約1.25~約10重量%、又は約2.5~約7.5重量%、又は約3.5~約5重量%の範囲の量で投入される。酸と還元剤の組み合わせを用いる場合、酸と還元剤との重量比は約10:1~約1:10の範囲である。
【0115】
開示される技術のASE及びHASEポリマーは、例えば、これらに限定されないが、パーソナルケア製品、局所ヘルスケア製品、家庭用ケア製品、施設用及び産業用(I&I)製品並びに工業プロセスのための配合組成物において、レオロジー調整剤、懸濁化剤、皮膜形成剤、増粘剤、安定剤、乳化剤、可溶化剤などとして利用することができる。前述の製品は、典型的には、酸性化又はアルカリ化pH調整剤及び緩衝剤を含むがこれらに限定されない、当技術分野で周知の様々な添加剤及び従来の補助剤;固定剤及び補助皮膜形成剤、例えばゴム、樹脂、合成又は天然由来のポリマーなど;補助レオロジー調整剤、例えば粘度増加ポリマー増粘剤又はゲル化剤、添加剤、例えば乳化剤、エマルジョン安定剤、ワックス、分散剤などの、及び粘度制御剤、例えば溶媒、電解質など;毛髪及び皮膚コンディショニング剤、例えば、帯電防止剤、合成油、植物油又は動物油、シリコーン油、モノマー又はポリマー第四級化アンモニウム塩、皮膚軟化剤、保湿剤、潤滑剤、日焼け止め剤、消毒剤、抗菌剤など;化学的毛髪ウェーブ剤又は矯正剤;毛髪着色剤、例えば、一時的、半永久的又は永久的な毛髪染色のための顔料及び染料;界面活性剤、例えばアニオン性、カチオン性、非イオン性、両性及び双性イオン性界面活性剤;ポリマーフィルム変性剤、例えば可塑剤、保湿剤、粘着付与剤、脱粘着付与剤、湿潤剤など、製品仕上げ剤、例えばキレート剤、乳白剤、真珠光沢剤、防腐剤、香料、可溶化剤、着色剤、例えば顔料及び染料、UV吸収剤など;フッ素化炭化水素、液体揮発性炭化水素、圧縮ガスなどの噴霧剤(水混和性又は水不混和性);並びにそれらの混合物を含有し得る。
【0116】
一態様では、開示される技術のASE及びHASEポリマーを利用して、水性組成物中に粒子状物質及び不溶性液滴を懸濁させることができる。このような流体は、石油及びガス、パーソナルケア、ホームケア、コーティング及びインク並びに接着剤/結合剤産業において有用である。
【0117】
安定な組成物は、45℃で少なくとも1ヶ月間などの長期間にわたって、粘度の有意な増加又は減少なしに、相分離、例えば、沈降若しくはクリーミングアウト(表面への上昇)、又は透明度の損失なしに、良好なずり減粘特性を有する滑らかで許容可能なレオロジーを維持する。
【0118】
コーティング、インク、及び接着剤/結合剤産業において、開示される技術のASE及びHASEポリマーは、液体組成物の粘度を調整して、a)連続媒体(多くの場合、水系)よりも高密度又は低密度である固体粒子、分散液体、捕捉ガス、及び微粒子(懸濁液中で補助する)の沈降又はクリーミングを制御又は最小化し;b)基材へのコーティング、インク、又は接着剤の連続層又は不連続層の塗布粘度を制御し;c)コーティング、インク、又は接着剤が連続ゲル化ポリマーを形成するまで、適用直前又は適用後の時間におけるコーティング、インク又は接着剤の移動又は流動を最小限に抑え;e)いくつかの適用プロセスにおけるスプラッタ及びミスチングを低減し;f)これらの用途での最適な保管、適用の容易さ、及び最終的な表面仕上げを容易にするのに有用である。コーティング、インク及び接着剤は、粒子状又は繊維状充填剤、顔料、染料、他のポリマー、界面活性剤及び/又は分散剤、凝集助剤、可塑剤、殺生物剤、並びにコーティング、インク及び接着剤に用いられる他の従来の添加剤を含んでもよい。コーティングは、金属、プラスチック、木材、石材、織物、紙などに使用することができる。インクは、紙、ポリマー、織物、不織布、フィルムなどの任意のインク基材に使用することができる。HASEポリマーは、コーティング、インク、又は接着剤の粘度制御と光学的透明度(着色組成物の色強度を助ける)の両方に寄与することができる。
【0119】
パーソナルケア、局所ヘルスケア、及びホームケア産業において、開示された技術のASE及びHASEポリマーは、水性及び界面活性剤含有組成物を増粘するため、並びに界面活性剤含有組成物、毛髪及びスキンケア組成物、及び化粧品の降伏応力(不溶性及び粒子状物質の安定な懸濁液)特性を改善するためのレオロジー調整剤として利用することができる。ASE及びHASEポリマーは、不溶性シリコーン、乳白剤及び真珠光沢剤(例えば、雲母、被覆雲母)、顔料、剥離剤、フケ防止剤、粘土、膨潤性粘土、ラポナイト、気泡(美的気泡)、リポソーム、マイクロスポンジ、化粧用ビーズ、フレグランスマイクロカプセル、フレグランス粒子、有益剤含有マイクロカプセル及び粒子、化粧用マイクロカプセル、並びにフレークを懸濁させるために利用することができる。開示される技術のASE及びHASEポリマーは、これらの材料を懸濁液中で、一態様では45℃で少なくとも1ヶ月間、別の態様では少なくとも6ヶ月間、更なる態様では少なくとも1年間安定化させることができる。
【0120】
パーソナルケア及び局所ヘルスケアのための組成物は、化粧品及び医薬品の文献から知られているレオロジー調整、増粘、及びフィルム形成を必要とする任意の化粧品、トイレタリー、及び局所医薬配合物を含むことができる。レオロジー調整剤としてASE及びHASEポリマーを含むことができる典型的なパーソナルケア配合物としては、シャンプー、化学的及び非化学的ヘアカーリング及び毛髪矯正製品、ヘアスタイル維持製品(例えば、毛髪固定剤及びヘアカラー製品)、爪、手、足、顔、頭皮及び身体用のエマルジョンローション及びクリーム、毛髪染料、顔及び身体用メイクアップ、ネイルケア製品、収斂剤、脱臭剤、制汗剤、脱毛剤、皮膚保護クリーム及びローション、例えば日焼け止め剤、皮膚及び身体洗浄剤、スキンコンディショナー、スキントナー、皮膚引き締め組成物、液体石鹸、石鹸バー、バス製品、シェービング製品などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
クレンジング又は鎮静のために皮膚及び粘膜に適用される局所ヘルスケアのための製剤化された組成物は、同じ製品形態のパーソナルケア製品に使用される同じ生理学的に許容される化粧品成分及び化学的に不活性な成分の多くと配合され、主に成分の純度グレードが異なり、局所活性医薬品の存在によって異なる。例えば、局所ヘルスケア製品としては、練り歯磨き、口腔懸濁液、及び口腔ケア製品などの口腔衛生製品が挙げられ、これらは、医薬品又は店頭販売製品として分類することができ、植物医薬品又は栄養補助食品成分を含有する医薬品化粧品を含む。
【0122】
パーソナルケア及び局所ヘルスケアのための組成物は、これらに限定されないが、液体、例えばリンス、ゲル、ヒドロアルコールゲル(例えば、ハンドサニタイザー)、スプレー、エマルジョン、例えばローション及びクリーム、シャンプー、ポマード、フォーム、軟膏、錠剤、スティック、例えばリップケア製品な、メイクアップ、及び坐剤、並びに皮膚及び毛髪に適用され、水ですすぐか又はシャンプー若しくは石鹸で洗浄することによって除去されるまでそれらと接触したままである同様の製品の形態であり得る。ゲルは、柔らかく、硬く、又は圧搾可能であり得る。エマルジョンは、水中油型、油中水型、又は多相であり得る。スプレーは、手動ポンプ式指作動噴霧器から送達される非加圧エアロゾルであってもよく、又は加圧エアロゾルであってもよい。ASE及びHASEポリマーは、エアロゾル組成物、例えば、スプレー、ムース、又は泡形成配合物中に処方され得、ここで、化学噴霧剤又は気体噴霧剤が必要とされる。圧縮ガス、フッ素化炭化水素及び液体揮発性炭化水素などの生理学的及び環境的に許容される噴霧剤、並びに使用される量及び適切な組み合わせは、化粧品及び医薬品の技術分野及び文献において周知である。
【0123】
パーソナルケア及び化粧品成分及びそれらの機能の広範なリストは、例えば、一般にINCI Dictionary、及び特に第7版の第2巻第4節に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。パーソナルケア製品及びヘルスケア製品を配合する当業者は、いくつかの成分が多機能性であり、したがって、配合物において複数の目的を果たすことができることを認識している。したがって、パーソナルケア又はヘルスケア製品成分として使用されるASE及びHASEポリマーの量は、配合された組成物の目的及び特性がその意図された機能を果たす限り、限定されない。
【0124】
レオロジー調整剤として開示された技術のASE及びHASEポリマーを含有することができる典型的な家庭用ケア及びI&Iケア製品には、これらに限定されないが、台所及び浴室のカウンタートップ用の表面クレンザー、タイル処理された表面、及びその中に使用されるか又は配置される器具を含むユーティリティ、トイレ用クレンザー、例えばトイレ便器のリムゲル、床用クレンザー、壁用クレンザー、ポリッシュ、芳香剤ゲル、洗剤、食器及び洗濯物用の処理及びクレンザー、例えば布地柔軟剤、スポット縮小剤、布地処理などが含まれる。
【0125】
前述の組成物中使用することができるASE及びHASEポリマーの量は、配合物分野の当業者によって決定することができる。したがって、所望の製品の物理化学的及び機能的特性が達成される限り、全組成物重量基準でのポリマーの有用な量は、典型的には、全組成物の重量に基づいて、約0.01~約25重量%、約0.1~約15重量%、又は約0.5~約10重量%、又は約1~約5重量%の範囲で変化し得る(全てのポリマー重量は、100パーセント活性ポリマー固体に基づく)。
【0126】
一態様では、開示される技術は、水、1つ以上の界面活性剤、及び開示される技術によるASE又はHASEポリマーを含むパーソナルケア組成物に関する。本技術の一態様において、開示されたASE又はHASEポリマーは、増粘された界面活性剤含有組成物を提供するために、界面活性剤と共に配合され得る。界面活性剤は、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、少なくとも1つのカチオン性界面活性剤、少なくとも1つの両性又は双性イオン性界面活性剤、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択することができる。
【0127】
一態様では、開示される技術は、水、1つ以上の界面活性剤、及び開示される技術による少なくとも1つのASE又はHASEポリマーを含むパーソナルケア組成物に関し、1つ以上の界面活性剤は、全組成物の重量に基づいて、約3~約25重量%、又は約5~約20重量%、又は約8~約16重量%の広い範囲の濃度にわたって存在し、少なくとも1つのASE又はHASEポリマーは、組成物の総重量に基づいて、約1~約10重量%、又は約1.5~約5重量%、又は約1.75~約3重量%で存在し、そのような組成物は、約1,000~約35,000mPa・s、又は約3,000~約25,000mPa・s、又は約5,000~約20,000mPa・s、又は約8,000~約15,000mPa・sの範囲の理想的な粘度を有し(ブルックフィールド回転スピンドル粘度計、モデルRVTで、約20rpm、20~25℃の範囲の周囲室温で測定)、そのような組成物は、以下の試験プロトコルに記載される濁度試験によって測定される場合、約60比濁計濁度単位(NTU)以下、又は約50NTU以下、又は約40NTU以下、又は約30NTU以下、又は約20NTU以下の濁度値を有する。より低いNTU値(20NTU未満)は、硫酸塩を含まない界面活性剤系において達成可能である。
【0128】
一態様では、開示される技術は、水と、1つ以上の硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤と、開示される技術によるASE又はHASEポリマーと、を含むパーソナルケア組成物に関する。一般的に言えば、硫酸塩を含まない界面活性剤系を含有する組成物を増粘する場合、高い透明度、降伏応力(不溶性物質及び粒子状物質を懸濁させる能力)を得ること、並びに粘度を構築及び維持することは困難である。開示された技術のポリマーは、硫酸塩を含まない界面活性剤を含有する配合物を増粘することができる一方で、良好な透明度、降伏応力、粘度、並びにそのような配合物内の不溶性及び粒子状物質の安定な懸濁液を提供する。
【0129】
pH調整材料
本技術によるASE及びHASEポリマー並びにそれらを含有するポリマー組成物は、pH応答性である。乳化重合が起こるより低いpHレベル、すなわち5以下のpHレベルでは、組成物は比較的薄いか又は非粘性である。ポリマー分散液又はポリマーを含有する水性組成物のpHがアルカリ性物質(塩基)の添加によって中和又は調整される場合、組成物は実質的に増粘する。粘度は、ポリマーが組成物の水相に部分的又は完全に溶解するにつれて増加する。中和は、エマルジョンポリマーが塩基とブレンドされ、水相に添加されるときにその場で起こり得る。あるいは、所定の用途について所望される場合、中和は、所望の最終生成物の処方における任意の工程で行われ得る。本技術のASE及びHASEポリマーを含む組成物は、約4~約12、又は約6~約7.5、又は約6.5~約7の所望のpH範囲を有する。
【0130】
ポリマーを中和するために、無機塩基及び有機塩基、並びにこれらの組み合わせを含む多くの種類のアルカリ性物質を使用することができる。無機塩基の例としては、アルカリ金属水酸化物(特に、ナトリウム、カリウム、及びアンモニウム)、及び無機酸のアルカリ金属塩、例えば、ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムなど、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。有機塩基の例には、トリエタノールアミン(TEA)、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、ドデシルアミン、コカミン、オレアミン、モルホリン、トリアミルアミン、トリエチルアミン、テトラキス(ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、L-アルギニン、アミノメチルプロパノール、トロメタミン(2-アミノ2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール)、及びPEG-15コカミンが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、他のアルカリ性物質を単独で、又は上記の無機塩基及び有機塩基と組み合わせて使用することができる。このような材料としては、界面活性剤、界面活性剤混合物、前中和界面活性剤、又は本技術のポリマーを含有する組成物中で組み合わされた場合にポリマー骨格上の酸基を中和若しくは部分的に中和することができる材料が挙げられる。組成物のpHを上昇させることができる任意の材料が適切である。
【0131】
一態様では、本開示技術の塩基中和組成物は、酸性物質で逆酸処理することができる。組成物のpHを実際に低下させることによって、アルカリ性pH範囲で配合された組成物の粘度及び安定性を更に増加させるために、逆酸増粘技術を使用することができる。本技術の一態様では、最終目標pH(逆酸滴定後)は、最終pH範囲が4~12の塩基中和範囲内であるという条件で、塩基中和系の初期pHの少なくとも約0.5~8pH単位下であるべきである。別の態様では、逆酸処理系の目標pHは、初期塩基中和pHより少なくとも約0.75~7pH単位低く、更に別の態様では、逆酸処理系の目標pHは、系の初期塩基中和pHより少なくとも約1~6pH単位低い。
【0132】
一態様では、本技術に従って調製されたポリマーを含む界面活性剤組成物(硫酸塩含有又は硫酸塩非含有)は、約6~約7の範囲のpH値に塩基中和され、続いて約5~約5.5の範囲のpH値に逆酸滴定され得る。
【0133】
適切な酸性化物質としては、クエン酸、酢酸、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸、サリチル酸、乳酸、グリコール酸、天然果実酸、又はこれらの組み合わせなどの有機酸が挙げられる。加えて、無機酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、及びこれらの組み合わせを利用して、組成物のpH値を低下させることができる。
【0134】
緩衝剤
緩衝剤を例示的な組成物に使用することができる。好適な緩衝剤としては、アルカリ又はアルカリ土類金属の炭酸塩、リン酸塩、炭酸水素塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、酸無水物、コハク酸塩など、例えば、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸ナトリウムが挙げられる。
【0135】
利用される緩衝剤の量は、緩衝又は維持される所望のpH範囲に依存する。そのような量は、当業者によって容易に決定することができる。
【0136】
キレート剤
金属イオンの有害な影響に対して組成物を安定化させるために、キレート剤を用いることができる。利用される場合、適切なキレート剤としては、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)及びその塩、例えばEDTA二ナトリウム及び四ナトリウム、クエン酸及びその塩、シクロデキストリンなど、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0137】
そのような適切なキレート剤は、毛髪矯正組成物の総重量の0.001重量%~3重量%、例えば0.01重量%~2重量%、又は0.01重量%~1重量%含むことができる。
【0138】
界面活性剤
好適なアニオン性界面活性剤としては、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルスルホネート、アルカリールスルホネート、α-オレフィンスルホネート、アルキルアミドスルホネート、アルカリールポリエーテルサルフェート、アルキルアミドエーテルサルフェート、アルキルモノグリセリルエーテルサルフェート、アルキルモノグリセリドサルフェート、アルキルモノグリセリドスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルエーテルスルホスクシネート、アルキルスルホスクシナメート、アルキルアミドスルホスクシネート、アルキルスルホアセテート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アルキルアミドエーテルカルボキシレート、アシルラクチレート、アルキルイセチオネート、アシルイセチオネート、カルボキシレート塩、脂肪酸石鹸、及びアミノ酸由来界面活性剤、例えばN-アルキルアミノ酸、N-アシルアミノ酸、並びにアルキルペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】
一態様では、前述の界面活性剤のカチオン部分は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、及びアルカノールアンモニウムイオン、例えばモノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウムトリエタノールアンモニウムイオン、並びにモノイソプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム、及びトリイソプロピルアンモニウムイオンから選択される。一実施形態では、前述の界面活性剤のアルキル基及びアシル基は、一態様では約6~約24個の炭素原子、別の態様では8~22個の炭素原子、及び更なる態様では約12~18個の炭素原子を含有し、不飽和であり得る。界面活性剤中のアリール基は、フェニル又はベンジルから選択される。上記のエーテル含有界面活性剤は、一態様では、界面活性剤分子当たり1~10個のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド単位を含有し得、別の態様では、界面活性剤分子当たり1~3個のエチレンオキシド単位を含有することができる。
【0140】
アニオン性界面活性剤の例としては、1、2、及び3モルのエチレンオキシドでエトキシ化された、ラウレスサルフェート、トリデセスサルフェート、ミレスサルフェート、C12-C13パレスサルフェート、C12-C14パレスサルフェート、及びC12-C15パレスサルフェートのナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、及びアンモニウム塩;ラウリルサルフェート、ココサルフェート、トリデシルサルフェート、ミリスチルサルフェート、セチルサルフェート、セテアリルサルフェート、ステアリルサルフェート、オレイルサルフェート、及びタローサルフェートのナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、アンモニウム、及びトリエタノールアンモニウム塩、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、C12-C14オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウレス-6カルボン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、モノラウリルリン酸トリエタノールアミン、並びに約8~約22個の炭素原子を含有する飽和及び不飽和脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びトリエタノールアミン塩を含む脂肪酸塩(石鹸)が挙げられる。
【0141】
一態様では、アミノ酸界面活性剤は、以下の式のN-アシルアミノ酸から選択され、
【0142】
【化10】
式中、R
10は、7~17個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の直鎖又は分岐アルキル鎖であり、R
12は、H又はメチル基であり、R
13は、H、COO
-M
+、CH
2COO
-M
+、又はCOOHであり、nは0~2であり、Xは、COO
-又はSO
3
-であり、Mは、独立して、H、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はトリエタノールアンモニウムを表す。
【0143】
一態様では、すぐ上の式によって表されるN-アシルアミノ酸界面活性剤は、タウレート、グルタメート、アラニン、アラニネート、サコシネート、アスパルテート、グリシネート、及びそれらの混合物から誘導される。
【0144】
代表的なタウレート界面活性剤は、以下の式に適合し、
【0145】
【化11】
式中、R
10は、一態様では7~17個の炭素原子、別の態様では9~13個の炭素原子を含有する飽和又は不飽和の直鎖又は分岐アルキル鎖であり、R
12はH又はメチルであり、MはH、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又はトリエタノールアンモニウムである。
【0146】
タウレート界面活性剤の非限定的な例は、ココイルタウリンカリウム、ココイルメチルタウリンカリウム、カプロイルメチルタウリンナトリウム、ココイルタウリンナトリウム、ラウロイルタウリンナトリウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、及びそれらの混合物である。
【0147】
代表的なグルタメート界面活性剤は、以下の式に適合し、
【0148】
【化12】
式中、R
10は、一態様では7~17個の炭素原子を含有し、別の態様では9~13個の炭素原子を含有する、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐アルキル鎖であり、nは、0~2であり、Mは、独立して、H、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はトリエタノールアンモニウムである。
【0149】
グルタメート界面活性剤の非限定的な例は、カプリロイルグルタミン酸二カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二カリウム、カプリロイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸カリウム、カプリロイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、オリボイルグルタミン酸ナトリウム、パルミトイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸ナトリウム、及びそれらの混合物である。
【0150】
代表的なアラニン及びアラニネート界面活性剤は、以下の式に適合し、
【0151】
【化13】
式中、R
10は、一態様では7~17個の炭素原子、別の態様では9~13個の炭素原子を含有する飽和又は不飽和の直鎖又は分岐アルキル鎖であり、R
12はH又はメチルであり、MはH、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又はトリエタノールアンモニウムである。
【0152】
アラニン及びアラニネート界面活性剤の非限定的な例は、ココイルメチルβ-アラニン、ラウロイルβ-アラニン、ラウロイルメチルβ-アラニン、ミリストイルβ-アラニン、ラウロイルメチルβ-アラニンカリウム、ココイルアラニンナトリウム、ココイルメチルβ-アラニンナトリウム、ミリストイルメチルβ-アラニンナトリウム、及びそれらの混合物である。
【0153】
代表的なグリシネート界面活性剤は、以下の式に適合し、
【0154】
【化14】
式中、R
10は、一態様では7~17個の炭素原子、別の態様では9~13個の炭素原子を含有する飽和又は不飽和の直鎖又は分岐アルキル鎖であり、MはH、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又はトリエタノールアンモニウムである。
【0155】
グリシネート界面活性剤の非限定的な例は、パルミトイルグリシンナトリウム、ラウロイルグリシンナトリウム、ココイルグリシンナトリウム、ミリストイルグリシンナトリウム、ラウロイルグリシンカリウム、ココイルグリシンカリウム、ステアロイルグリシンナトリウム、及びそれらの混合物である。
【0156】
代表的なサルコシネート界面活性剤は、以下の式に適合し、
【0157】
【化15】
式中、R
10は、一態様では7~17個の炭素原子、別の態様では9~13個の炭素原子を含有する飽和又は不飽和の直鎖又は分岐アルキル鎖であり、MはH、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又はトリエタノールアミンである。
【0158】
サルコシネート界面活性剤の非限定的な例は、ラウロイルサルコシンカリウム、ココイルサルコシンカリウム、ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、パルミトイルサルコシンナトリウム、及びそれらの混合物である。
【0159】
代表的なアスパルテート界面活性剤は、以下の式に適合し、
【0160】
【化16】
式中、R
10は、一態様では7~17個の炭素原子を含有し、別の態様では9~13個の炭素原子を含有する、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐アルキル鎖であり、Mは、独立して、H、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はトリエタノールアンモニウムである。
【0161】
アスパルテート界面活性剤の非限定的な例は、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、ミリストイルアスパラギン酸ナトリウム、ココイルアスパラギン酸ナトリウム、カプロイルアスパラギン酸ナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸二ナトリウム、ミリストイルアスパラギン酸二ナトリウム、ココイルアスパラギン酸二ナトリウム、カプロイルアスパラギン酸二ナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸カリウム、ミリストイルアスパラギン酸カリウム、ココイルアスパラギン酸カリウム、カプロイルアスパラギン酸カリウム、ラウロイルアスパラギン酸二カリウム、ミリストイルアスパラギン酸二カリウム、ココイルアスパラギン酸二カリウム、カプロイルアスパラギン酸二カリウム、及びそれらの混合物である。
【0162】
本開示の技術の一態様では、アニオン性界面活性剤は、約8~約22個の炭素原子、又は約10~約20個の炭素原子、又は約12~約18個の炭素原子、又は約12~約16個の炭素原子を含有する脂肪酸石鹸(複数化)、及びこれらの混合物から選択することができる。
【0163】
例示的な飽和脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸のナトリウム、カリウム、及びアンモニウム塩、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0164】
本技術の一態様では、適切なカチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン、アミドアミン、アルキルイミダゾリン、エトキシル化アミン、四級化合物、及び四級化エステルが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、アルキルアミンオキシドは、低pHでカチオン性界面活性剤として機能し得る。
【0165】
アルキルアミン及びその塩の非限定的な例としては、ジメチルコカミン、ジメチルパルミタミン、ジオクチルアミン、ジメチルステアラミン、ジメチルソイアミン、ソイアミン、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリルアミン、N-タロープロパンジアミン、エトキシル化ステアリルアミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、アラキジルベヘニルアミン、ジメチルラウラミン、ステアリルアミンハイドロクロリド、塩化ソイアミン、ステアリルアミンホルメート、N-タロープロパンジアミンジクロリド、及びアモジメチコンが挙げられる(シリコーンポリマーのINCI名で、アミノエチルアミノプロピルシロキサンのようなアミノ官能基で末端ブロックされているもの)。
【0166】
アルキルイミダゾリン界面活性剤の非限定的な例としては、アルキルヒドロキシエチルイミダゾリン、例えば、ステアリルヒドロキシエチルイミダゾリン、ココヒドロキシエチルイミダゾリン、エチルヒドロキシメチルオレイルオキサゾリンなどが挙げられる。
【0167】
エトキシル化アミンの非限定的な例としては、PEG-ココポリアミン、PEG-15タローアミン、クオタニウム-52などが挙げられる。
【0168】
例示的な第四級アンモニウム界面活性剤としては、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、ジセチルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジエイコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジドコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムアセテート、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、及びジ(ココアルキル)ジメチルアンモニウムクロリド、ジタロージメチルアンモニウムクロリド、ジ(水素化タロー)ジメチルアンモニウムクロリド、ジ(水素化タロー)ジメチルアンモニウムアセテート、ジタロージメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジタロージプロピルアンモニウムホスフェート、及びジタロージメチルアンモニウムニトレートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0169】
本技術の一態様において、適切な双性イオン性又は両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、例えばラウリルベタイン;アルキルアミドベタイン、例えば、コカミドプロピルベタイン及びココヘキサデシルジメチルベタイン;アルキルアミドスルタイン、例えば、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン;(モノ-及びジ-)アンホカルボキシレート、例えば、ナトリウムココアンホアセテート、ナトリウムラウロアンホアセテート、ナトリウムカプリロアンホアセテート、二ナトリウムココアンホジアセテート、二ナトリウムラウロアンホジアセテート、二ナトリウムカプリルアンホジアセテート、二ナトリウムカプリロアンホジアセテート、二ナトリウムココアンホジプロピオネート、二ナトリウムラウロアンホジプロピオネート、二ナトリウムカプリルアンホジプロピオネート、及び二ナトリウムカプリロアンホジプロピオネート、アミンオキシド、例えば、ジメチル-ドデシルアミンオキシド、オレイルジ(2-ヒドキシエチル)アミンオキシド、ジメチルテトラデシルアミンオキシド、ジ(2-ヒドキシエチル)-テトラデシルアミンオキシド、ジメチルヘキサデシルアミンオキシド、ベヘナミンオキシド、コカミンオキシド、デシルテトラデシルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルC12~15アルコキシプロピルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルコカミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウラミンオキシド、ジヒドロキシエチルステアラミンオキシド、ジヒドロキシエチルタローアミンオキシド、水素化パーム核アミンオキシド、水素化タローアミンオキシド、ヒドキシエチルヒドロキシプロピルC12~C15アルコキシプロピルアミンオキシド、ラウラミンオキシド、ミリスタミンオキシド、セチルアミンオキシド、オレアミドプロピルアミンオキシド、オレアミンオキシド、パルミタミンオキシド、PEG-3ラウラミンオキシド、ジメチルラウラミンオキシド、カリウムトリホスホノメチルアミンオキシド、ソイアミドプロピルアミンオキシド、コカミドプロピルアミンオキシド、ステアラミンオキシド、タローアミンオキシド、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0170】
前述の双性イオン性又は両性界面活性剤(すなわち、ベタイン及びスルタイン)は、対イオンなしで開示され、当業者であれば、両性界面活性剤を含有する組成物のpH条件下で、これらの界面活性剤は、正電荷と負電荷のバランスをとることによって電気的に中性であるか、又は電荷バランス部分としてアルカリ金属、アルカリ土類又はアンモニウムイオンなどの対イオンを含有することを認識するであろう。
【0171】
非イオン性界面活性剤は、水性界面活性剤組成物の技術分野において既知であるか又は以前に使用されていた非イオン性界面活性剤のいずれであり得る。好適な非イオン性界面活性剤としては、脂肪族(C6~C18)一級又は二級直鎖又は分岐鎖酸、アルコール、又はフェノール;アルキルエトキシレート;アルキルフェノールアルコキシレート(特にエトキシレート及び混合エトキシ/プロポキシ部分);アルキルフェノールのブロックアルキレンオキシド縮合物;アルカノールのアルキレンオキシド縮合物;並びにエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な非イオン性界面活性剤としては、モノ又はジアルキルアルカノールアミド;アルキルポリグルコシド(alkyl polyglucoside、APG);ソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビトールエステル;ポリオキシエチレン酸、及びポリオキシエチレンアルコールが挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤の他の例としては、ココモノエタノールアミド又はココジエタノールアミド、ココグルコシド、デシルジグルコシド、ラウリルジグルコシド、ココジグルコシド、ポリソルベート20、40、60、及び80、エトキシ化直鎖アルコール、セテアリルアルコール、ラノリンアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸グリセリル、PEG-100ステアレート、ラウレス7、及びオレス20が挙げられる。
【0172】
別の実施形態において、非イオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが、アルコキシル化メチルグルコシド、例えば、Lubrizol Advanced Materials,Inc.からそれぞれGlucam(登録商標)E10、Glucam(登録商標)E20、Glucam(登録商標)P10及びGlucam(登録商標)P20の商品名で入手可能なメチルグルセス-10、メチルグルセス-20、PPG-10メチルグルコースエーテル及びPPG-20メチルグルコースエーテルが挙げられ;疎水変性アルコキシル化メチルグルコシド、例えば、Lubrizol Advanced Materials,Inc.からそれぞれGlucamate(登録商標)DOE-120、Glucamate(商標)LT及びGlucamate(商標)SSE-20の商品名で入手可能な、PEG120メチルグルコースジオレエート、PEG-120メチルグルコーストリオレエート及びPEG-20メチルグルコースセスキステアレートも適している。他の例示的な疎水変性アルコキシル化メチルグルコシドは、米国特許第6,573,375号及び同第6,727,357号に開示されており、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0173】
本技術において利用することができる他の界面活性剤は、国際公開第99/21530号、米国特許第3,929,678号、米国特許第4,565,647号、米国特許第5,720,964号、及び米国特許第5,858,948号により詳細に記載されている。更に、適切な界面活性剤は、McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents(North American and International Editions,by Schwartz,Perry and Berch)に記載されており、これは参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0174】
本技術の方法で利用することができる他の界面活性剤は、国際公開第99/21530号、米国特許第3,929,678号、米国特許第4,565,647号、米国特許第5,456,849号、米国特許第5,720,964号、米国特許第5,858,948号及び米国特許第7,115,550号に更に詳細に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。更に、適切な界面活性剤は、McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents(North American and International Editions,by Schwartz,Perry and Berch)に記載されており、これは参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【0175】
カチオン性ポリマー
カチオン性ポリマーは、コンディショニング剤の送達及び沈着を増強することができ、及び/又は本技術の組成物によって送達されるコンディショニング効果を改善及び増強するために毛髪、頭皮又は皮膚に補助コンディショニング効果を提供することができる成分である。カチオン性ポリマーとは、イオン化してカチオン性部分を形成することができる少なくとも1つのカチオン性部分又は少なくとも1つの部分を含むポリマーを指す。典型的には、これらのカチオン性部分は、第四級アンモニウム又はプロトン化アミノ基などの窒素含有基である。カチオン性プロトン化アミンは、一級、二級、又は三級アミンであり得る。カチオン性ポリマーは、典型的には、意図される組成物の使用のpHで約0.2~約7meq/gの範囲のカチオン電荷密度を有する。カチオン性ポリマーの平均分子量は、約5,000ダルトン~約10,000,000ダルトンの範囲である。そのようなポリマーの非限定的な例は、CTFAウェブサイトを介したCTFAInternational Cosmetic Ingredient Dictionary/Handbook、CTFACosmetic Ingredient Handbook,Ninth Ed.,Cosmetic and Fragrance Assn.,Inc.,Washington D.C.(2002)(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されており、使用することができる。
【0176】
好適なカチオン性ポリマーは、合成的に誘導することができるか、又は天然ポリマーは、カチオン性部分を含有するように合成的に修飾することができる。一態様では、カチオン性ポリマーは、第四級アンモニウム塩部分を含む少なくとも1つの繰り返し単位を含む。このようなポリマーは、一態様ではアルキル基が1~約22個の炭素原子を含み、別の態様ではメチル又はエチルを含むジアルキルジアリルアンモニウム塩又はそのコポリマーなどのジアリルアミンの重合によって調製することができる。ジアルキルジアリルアンモニウム塩から誘導される四級部分と、アクリル酸及びメタクリル酸のアニオン性モノマーから誘導されるアニオン性構成成分とを含有するコポリマーは、好適なコンディショニング剤である。また、ジメチルジアリルアンモニウム塩などのジアリルアミンの誘導体から調製されるカチオン構成成分と、アクリル酸又は2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のアニオン性モノマーから誘導されるアニオン構成成分と、アクリルアミドの非イオン性モノマーから誘導される非イオン性構成成分とを有するポリ両性電解質ターポリマーも好適である。そのような第四級アンモニウム塩部分含有ポリマーの調製は、例えば、米国特許第3,288,770号、同第3,412,019号、同第4,772,462号、及び同第5,275,809号に見出すことができ、これらの関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0177】
一態様では、適切なカチオン性ポリマーとしては、アルキル基がメチル又はエチルである前述の四級化ホモポリマー及びコポリマーの塩化物塩が挙げられ、Lubrizol Advanced Materials,Inc.からMerquat(商標)シリーズの商標で市販されている。CTFA名ポリクオタニウム-6を有するジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)から調製されたホモポリマーは、Merquat 100及びMerquat 106の商標で入手可能である。CTFA名ポリクオタニウム-7を有する、DADMAC及びアクリルアミドから調製されるコポリマーは、Merquat 550の商標で販売されている。CTFA名ポリクオタニウム-22を有する、DADMAC及びアクリル酸から調製される別のコポリマーは、Merquat280の商標で販売されている。ポリクオタニウム-22及びその関連ポリマーの調製は、米国特許第4,772,462号に記載されており、この関連する開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0178】
アクリルアミド又はメチルアクリレートから誘導される非イオン性構成成分、DADMAC又はメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(methacrylamidopropyl trimethyl ammonium chloride、MAPTAC)から誘導されるカチオン性構成成分、及びアクリル酸又は2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はアクリル酸と2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸との組み合わせから誘導されるアニオン性構成成分から調製される両性ターポリマーも有用である。CTFA名ポリクオタニウム-39を有する、アクリル酸、DADMAC、及びアクリルアミドから調製される両性ターポリマーは、Merquat Plus 3330及びMequat 3330PRの商標で入手可能である。CTFA名ポリクオタニウム-47を有する、アクリル酸、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、及びメチルアクリレートから調製される別の両性ターポリマーは、Merquat 2001の商標で入手可能である。CTFA名ポリクオタニウム-53を有する、アクリル酸、MAPTAC、及びアクリルアミドから調製される更に別の両性ターポリマーは、Merquat 2003PRの商標で入手可能である。そのようなターポリマーの調製は、米国特許第5,275,809号に記載されており、この関連する開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0179】
ヘアコンディショニング組成物での使用に適した例示的なカチオン変性天然ポリマーとしては、多糖ポリマー、例えばカチオン変性セルロース及び第四級アンモニウムハライド部分で変性されたカチオン変性デンプン誘導体が挙げられる。例示的なカチオン修飾セルロースポリマーは、トリメチルアンモニウム置換エポキシド(CTFA、ポリクオタニウム-10)と反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩である。他の好適なタイプのカチオン修飾セルロースとしては、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシド(CTFA、ポリクオタニウム-24)と反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー第四級アンモニウム塩が挙げられる。CTFA名デンプンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを有するカチオン修飾ジャガイモデンプンは、Lubrizol Advanced Materials,Inc.からSensomer(商標)CI-50の商標で入手可能である。
【0180】
他の適切なカチオン変性天然ポリマーとしては、カチオン性ポリガラクトマンナン誘導体、例えばグアーガム誘導体及びカシアガム誘導体、例えばCTFA:グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド及びカシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが挙げられる。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、Rhodia Inc.からJaguar(商標)の商品名シリーズで、Ashland Inc.からN-Hanceの商品名シリーズで市販されている。カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、Lubrizol Advanced Materials,Inc.からSensomer(商標)CT-250及びSensomer(商標)CT-400の商標で市販されている。
【0181】
本開示の技術においてコンディショナー及び/又は付着助剤として適切な代表的なカチオン性及び両性ポリマー及びコポリマーは、CTFA名ポリクアテルニウム-1、ポリクアテルニウム-2、ポリクアテルニウム-4、ポリクアテルニウム-5、ポリクアテルニウム-6、ポリクアテルニウム-7、ポリクアテルニウム-8、ポリクアテルニウム-9、ポリクアテルニウム-10、ポリクアテルニウム-11、ポリクアテルニウム-12、ポリクアテルニウム-13、ポリクアテルニウム-14、ポリクアテルニウム-15、ポリクアテルニウム-16、ポリクアテルニウム-17、ポリクアテルニウム-18、ポリクアテルニウム-19、ポリクアテルニウム-20、ポリクアテルニウム-22、ポリクアテルニウム-24、ポリクアテルニウム-27、ポリクアテルニウム-28、ポリクアテルニウム-29、ポリクアテルニウム-30、ポリクアテルニウム-31、ポリクアテルニウム-32、ポリクアテルニウム-33、ポリクアテルニウム-34、ポリクアテルニウム-35、ポリクアテルニウム-36、ポリクアテルニウム-37、ポリクアテルニウム-39、ポリクアテルニウム-42、ポリクアテルニウム-43、ポリクアテルニウム-44、ポリクアテルニウム-45、ポリクアテルニウム-46、ポリクアテルニウム-47、ポリクアテルニウム-48、ポリクアテルニウム-49、ポリクアテルニウム-50、ポリクアテルニウム-51、ポリクアテルニウム-52、ポリクアテルニウム-53、ポリクアテルニウム-54、ポリクアテルニウム-55、ポリクアテルニウム-56、ポリクアテルニウム-57、ポリクアテルニウム-58、ポリクアテルニウム-59、ポリクアテルニウム-60、ポリクアテルニウム-61、ポリクアテルニウム-62、ポリクアテルニウム-63、ポリクアテルニウム-64、ポリクアテルニウム-65、ポリクアテルニウム-66、ポリクアテルニウム-67、ポリクアテルニウム-68、ポリクアテルニウム-69、ポリクアテルニウム-70、ポリクアテルニウム-71、ポリクアテルニウム-72、ポリクアテルニウム-73、ポリクアテルニウム-74、ポリクアテルニウム-75、ポリクアテルニウム-76、ポリクアテルニウム-77、ポリクアテルニウム-78、ポリクアテルニウム-79、ポリクアテルニウム-80、ポリクアテルニウム-81、ポリクアテルニウム-82、ポリクアテルニウム-83、ポリクアテルニウム-84、ポリクアテルニウム-85、ポリクアテルニウム-86、ポリクアテルニウム-87、及びこれらの組み合わせを有する。
【0182】
カチオン性及び両性ポリマーは、組成物の総重量に基づき、約0.05~約5重量%パーセント、又は約0.1~約3重量%、又は約0.5~約2.0重量%で存在することができる。
【0183】
シリコーンコンディショニング剤
シリコーンコンディショニング剤は、本技術のASE及びHASEポリマーを用いる組成物において使用することができる。任意選択のシリコーンヘアコンディショニング剤は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はそれらの組み合わせを含み得る。シリコーンコンディショニング剤の粒子は、揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はそれらの組み合わせを含み得る。好ましいのは、不揮発性シリコーンコンディショニング剤である。揮発性シリコーンが存在する場合、それらは典型的には、シリコーンゴム及び樹脂などの市販の形態の不揮発性シリコーン物質成分のための溶媒又は担体としてのそれらの使用に付随する。本開示の技術で使用するためのシリコーンヘアコンディショニング剤は、25℃で測定した場合に、約20~約2,000,000センチストークス(1センチストークは1×10・-6m2/sである)、又は約1,000~約1,800,000センチストークス、又は約50,000~約1,500,000、又は約100,000~約1,500,000センチストークスの範囲の粘度を有する。
【0184】
一実施形態において、分散されたシリコーンコンディショニング剤の粒子は、約5μm~約125μmの範囲の体積平均粒径を有することができる。毛髪に小粒子を塗布する場合、体積平均粒径は、約0.01μm~約4μm、別の態様では約0.01μm~約2μm、更に別の態様では約0.01μm~約0.5μmの範囲である。毛髪へのより大きな粒子適用のために、体積平均粒径は、典型的には、約5μm~約125μm、又は約10μm~約90μm、又は約15μm~約70μm、又は約20μm~約50μmの範囲である。
【0185】
シリコーン流体、ガム、及び樹脂を論じているセクションを含むシリコーンに関する背景材料、並びにシリコーンの製造は、参照により本明細書に組み込まれる、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,vol.15,2d ed.,pp 204-308,John Wiley & Sons,Inc.(1989)に見られる。シリコーン流体は、一般にアルキルシロキサンポリマーとして記載されている。適切なシリコーンコンディショニング剤、及びシリコーン用の任意選択の懸濁化剤の非限定的な例は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び米国特許第5,106,609号に記載されており、これらの記載は参照により本明細書に組み込まれる。
【0186】
シリコーン流体はシリコーン油を含み、シリコーン油は、25℃で測定して1,000,000cSt未満、典型的には約5cSt~約1,000,000cStの範囲の粘度を有する流動性シリコーン材料である。好適なシリコーン油は、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、及びそれらの混合物を含む。ヘアコンディショニング特性を有する他の不溶性の不揮発性シリコーン流体も使用され得る。
【0187】
シリコーン油は、以下の式に適合するポリアルキル、ポリアリールシロキサン、又はポリアルキルアリールシロキサンを含み:
【0188】
【化17】
式中、R
20は脂肪族であり、独立して、アルキル、アルケニル、及びアリールから選択され、R
20は置換又は非置換であり得、wは1~約8000の整数である。本開示の技術のパーソナルクレンジング組成物に使用するのに適した非置換R
20基は、限定されないが、アルコキシ、アリールオキシ、アルカリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルカミノ、並びにエーテル置換、ヒドロキシル置換、及びハロゲン置換脂肪族及びアリール基を含む。好適なR
20基は、カチオン性アミン及び第四級アンモニウム基も含む。
【0189】
開示される技術の一態様では、例示的なR20アルキル及びアルケニル置換基は、C1-C5アルキル及びアルケニル、別の態様ではC1-C4、更なる態様ではC1-C2の範囲である。他のアルキル、アルケニル、又はアルキニル含有基(例えば、アルコキシ、アルカリール、及びアルカミノなど)の脂肪族部分は、直鎖又は分岐鎖であり得、一態様ではC1-C5、別の態様ではC1-C4、更なる態様ではC1-C2の範囲であり得る。上記のように、R20置換基は、第一級、第二級若しくは第三級アミン又は第四級アンモニウムであり得るアミノ官能基(例えば、アルカノ基)を含むこともできる。これらには、モノ-、ジ-及びトリ-アルキルアミノ及びアルコキシアミノ基が含まれ、脂肪族部分の鎖長は上述の通りである。
【0190】
例示的なシロキサンは、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、及びポリメチルフェニルシロキサンである。これらのシロキサンは、例えば、General Electric CompanyからViscasil R及びSF96シリーズとして、またDow Corningから販売されているDow Corning 200シリーズとして入手可能である。使用することができる例示的なポリアルキルアリールシロキサン流体には、例えば、ポリメチルフェニルシロキサンが含まれる。これらのシロキサンは、例えば、General Electric CompanyからSF 1075メチルフェニル流体として、又はDow Corningから556 Cosmetic Grade Fluidとして入手可能である。
【0191】
カチオン性シリコーン流体もまた、本開示の技術における使用に適している。カチオン性シリコーン流体は、限定されないが、一般式
【0192】
【化18】
で表すことができ、
式中、Gは、水素、フェニル、ヒドロキシ又はC
1-C
8アルキル、好ましくはメチルであり;eは、0又は1~3の整数であり;fは0又は1であり;gは0~1999の数であり;hは1~2000、好ましくは1~10の整数であり;gとhの合計は、本開示の技術の一態様では1~2000の数であり、別の態様では50~500の数であり;R
21は、一般式C
qH
2qLに従う一価の基であり、式中、qは、2~8の値を有する整数であり、Lは、以下の基:
a)-N(R
22)CH
2CH
2N(R
22)
2
b)-N(R
22)
c)-N(R
22)
3CA
-
d)-N(R
22)CH
2CH
2N(R
22)
2H
2CA
-
から選択され、R
22は、独立して、水素、C
1-C
20アルキル、フェニル、ベンジルから選択され、A
-は、塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン、及びヨウ化物イオンから選択されるハロゲン化物イオンである。
【0193】
すぐ上に定義した前の式に対応する例示的なカチオン性シリコーンは、以下の式の「トリメチルシリルアモジメチコン」として知られているポリマーである:
【0194】
【0195】
本開示の技術において有用な別のカチオン性シリコーンは、以下の式で表すことができる:
【0196】
【化20】
式中、R
22は、C
1-C
18アルキル及びC
1-C
18アルケニル基から選択される基を表し;R
23は、独立して、C
1-C
18アルキレン基又はC
1-C
18アルキレンオキシ基から選択される基を表し;Qはハロゲン化物イオンであり;rは、一態様では2~20、別の態様では2~8の平均統計値を表し;sは、一態様では20~200、別の態様では20~50の平均統計値を表す。一態様では、R
22は、メチルである。別の態様では、Qは塩化物である。
【0197】
他の任意選択的なシリコーン流体は、不溶性シリコーンゴムである。これらのゴムは、25℃で1,000,000センチストークス以上の粘度を有するポリシロキサン材料である。シリコーンガムは、米国特許第4,152,416号;Noll and Walter,Chemistry and Technology of Silicones,New York:Academic Press 1968;及びGeneral Electric Silicone Rubber Product Data Sheets SE 30,SE 33,SE 54 and SE 76に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。シリコーンゴムは、典型的には、約200,000ダルトンを超える、一般に約200,000~約1,000,000ダルトンの質量分子量を有し、その具体例として、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサンコポリマー、ポリジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン/メチルビニルシロキサン)コポリマー、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0198】
不揮発性不溶性シリコーン流体コンディショニング剤の別のカテゴリーは、少なくとも約1.46、又は少なくとも約1.48、又は少なくとも約1.52、又は少なくとも約1.55の屈折率を有する高屈折率ポリシロキサンである。ポリシロキサン流体の屈折率は、一般に約1.70未満、典型的には約1.60未満である。これに関連して、ポリシロキサンの「流体」には、ゴムだけでなく油も含まれる。
【0199】
高屈折率ポリシロキサン流体には、上記のポリアルキル、ポリアリール、及びポリアルキルアリールシロキサンについて記載された一般式で表されるもの、並びに以下の式で表される環状ポリシロキサン(シクロメチコン)が含まれる:
【0200】
【化21】
式中、置換基R
20は上で定義された通りであり、繰り返し単位の数kは、一態様では約3~約7、別の態様では3~5の範囲である。高屈折率ポリシロキサン流体は、屈折率を上記の所望のレベルに増加させるのに十分な量のアリール含有R
20置換基を含むことができる。また、R
20及びkは、材料が不揮発性であるように選択されなければならない。アリール含有置換基としては、脂環式及び複素環式の5員環及び6員環のアリール環を含むもの、並びに縮合した5員環又は6員環を含むものが挙げられる。アリール環は、置換又は非置換であり得る。置換基は脂肪族置換基を含み、アルコキシ置換基、アシル置換基、ケトン、ハロゲン(例えば、Cl及びBr)、アミンなども含むことができる。例示的なアリール含有基には、置換及び非置換アレーン、例えばフェニル、並びにフェニル誘導体、例えばC
1-C
5アルキル又はアルケニル置換基を有するフェニル、例えばアリルフェニル、メチルフェニル及びエチルフェニル、ビニルフェニル、例えばスチレニル及びフェニルアルキン(例えば、フェニルC
2-C
4アルキン)などが含まれる。複素環式アリール基には、フラン、イミダゾール、ピロール、ピリジンなどに由来する置換基が含まれる。縮合アリール環置換基には、例えば、ナフタレン、クマリン及びプリンが含まれる。
【0201】
高屈折率ポリシロキサン流体は、ポリシロキサン流体の重量に基づいて、少なくとも約15重量%、又は少なくとも約20重量%、又は少なくとも約25重量%、又は少なくとも約35重量%、又は少なくとも約50重量%のアリール含有置換基を有する。典型的には、アリール置換の程度は、約90重量%未満、より典型的には約85重量%未満であり、一般に、ポリシロキサン流体の約55重量%~約80重量%の範囲であり得る。
【0202】
別の態様では、高屈折率ポリシロキサン流体は、フェニル又は置換フェニル誘導体の組み合わせを有する。置換基は、C1-C4アルキル(例えば、メチル)、ヒドロキシ、及びC1-C4アルキルアミノ(例えば、-R24NHR25NH2、式中、各R24及びR25基は、独立して、C1-C3アルキル、アルケニル、及び/又はアルコキシである)から選択することができる。
【0203】
高屈折率シリコーンが本技術の組成物に使用される場合、それらは、任意選択的に、シリコーン樹脂又は界面活性剤などの拡散剤と共に溶液中で使用することができ、表面張力を十分な量低下させて拡散を向上させ、それによってそのような組成物で処理した毛髪の(乾燥後の)光沢を向上させる。本技術の組成物に使用するのに適したシリコーン流体は、米国特許第2,826,551号、米国特許第3,964,500号、米国特許第4,364,837号、英国特許第849,433号、及びSilicon Compounds,Petrarch Systems,Inc.(1984)に記載されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。高屈折率ポリシロキサンは、Dow Corning Corporation(Midland,Mich.)Huls America(Piscataway,N.J.)、及びGeneral Electric Silicones(Waterford,N.Y.)から入手可能である。
【0204】
シリコーン樹脂は、本組成物中における使用に適したシリコーンコンディショニング剤に含めることができる。これらの樹脂は、架橋ポリシロキサンである。架橋は、シリコーン樹脂の製造中に、三官能性及び四官能性シランに単官能性又は二官能性(又は両方)のシランを組み込むことによって導入される。
【0205】
当該技術分野でよく理解されているように、シリコーン樹脂をもたらすために必要とされる架橋の程度は、シリコーン樹脂中に組み込まれる特定のシラン単位に応じて変動する。一般に、十分なレベルの三官能性及び四官能性シロキサンモノマー単位(したがって、十分なレベルの架橋)を有し、それらが乾燥して剛性又は硬質の膜になるシリコーン材料は、シリコーン樹脂と見なされる。酸素原子とケイ素原子の比は、特定のシリコーン材料の架橋レベルを示している。ケイ素原子1個当たり少なくとも約1.1個の酸素原子を有するシリコーン材料は、一般に本明細書におけるシリコーン樹脂である。一態様では、酸素原子:ケイ素原子の比は、少なくとも約1.2:1.0である。シリコーン樹脂の製造に使用されるシランは、モノメチル-、ジメチル-、トリメチル-、モノフェニル-、ジフェニル-、メチルフェニル-、モノビニル-、及びメチルビニル-クロロシラン、並びにテトラクロロシランを含み、メチル置換シランが最も一般的に利用される。シリコーン樹脂は、GESS4230及びSS4267としてGeneralElectricから提供される。
【0206】
シリコーン材料及び特にシリコーン樹脂は、当業者に「MDTQ」命名法として知られている略記命名法に従って特定される。このシステムでは、シリコーンは、シリコーンを構成する様々なシロキサンモノマー単位の存在に従って記載される。簡単に言えば、記号Mは、単官能性単位(CH3)3SiO0.5を表し;Dは、二官能性単位(CH3)2SiOを表し;Tは、三官能性単位(CH3)SiO1.5を表し、Qは、四官能性単位SiO2を表す。単位記号のプライム記号(例えば、M’、D’、T’、及びQ’)は、メチル以外の置換基を示し、出現ごとに具体的に定義する必要がある。典型的な代替の置換基には、ビニル、フェニル、アミン、ヒドロキシルなどの基が含まれる。様々な単位のモル比は、シリコーン中の各種類の単位の総数(又はその平均)を示す記号への添字に関して、又は分子量と組み合わせて具体的に示される比として、MDTQシステムでのシリコーン材料の記載を完成させる。シリコーン樹脂中のD、D’、M及び/又はM’に対するT、Q、T’及び/又はQ’のより高い相対モル量は、より高いレベルの架橋を示している。しかしながら、前述のように、全体的な架橋のレベルは、酸素対ケイ素の比によって示すこともできる。
【0207】
本技術の組成物に使用するための例示的なシリコーン樹脂には、限定されないが、MQ、MT、MTQ、MDT及びMDTQ樹脂が含まれる。一態様では、メチルはシリコーン樹脂置換基である。別の態様では、シリコーン樹脂は、MQ樹脂から選択され、M:Q比は、約0.5:1.0~約1.5:1.0であり、シリコーン樹脂の平均分子量は、約1000~約10,000ダルトンである。
【0208】
屈折率が1.46未満の不揮発性シリコーン流体と共に用いられる場合、不揮発性シリコーン流体とシリコーン樹脂成分との重量比は、特に、シリコーン流体成分が上述のようにポリジメチルシロキサン流体である場合、又はポリジメチルシロキサン流体とポリジメチルシロキサンゴムとの混合物である場合、一態様では約4:1~約400:1、別の態様では約9:1~約200:1、更なる態様では19:1~100:1の範囲である。シリコーン樹脂が本明細書の組成物においてシリコーン流体と同じ相の一部を形成する限り、すなわち、コンディショニング活性である限り、組成物中のシリコーンコンディショニング剤のレベルを決定する際に、流体と樹脂の合計が含まれるべきである。
【0209】
上記の揮発性シリコーンには、環状及び直鎖ポリジメチルシロキサンなどが含まれる。環状揮発性シリコーン(シクロメチコン)は、典型的には、不揮発性環状シリコーンについて上述したような環状環構造に、酸素原子と交互に約3~約7個のケイ素原子を含む。しかしながら、式中の各R20置換基及び繰り返し単位kは、材料が不揮発性になるように選択されなければならない。典型的には、R20は2つのアルキル基(例えば、メチル基)で置換されている。線状揮発性シリコーンは、上記のように、約25mPa・s以下の粘度を有するシリコーン流体である。「揮発性」とは、シリコーンが測定可能な蒸気圧、又は20℃で少なくとも2mmHgの蒸気圧を有することを意味する。不揮発性シリコーンは、20℃で2mmHg未満の蒸気圧を有する。環状及び線状揮発性シリコーンの説明は、各々参照により本明細書に組み込まれる、Todd and Byers,「Volatile Silicone Fluids for Cosmetics」,Cosmetics and Toiletries,Vol.91(1),pp.27-32(1976)、Kasprzak,「Volatile Silicones」,Soap/Cosmetics/Chemical Specialities,pp.40-43(December 1986)に見られる。
【0210】
例示的な揮発性シクロメチコンは、D4シクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)、D5シクロメチコン(デカメチルシクロペンタシロキサン)、D6シクロメチコン、及びそれらのブレンド(例えば、D4/D5及びD5/D6)である。揮発性シクロメチコン及びシクロメチコンブレンドは、SF1173、SF1202、SF1256、及びSF1258としてG.E.Siliconesから、及びDow Corning(商標)244、245、246、345及び 1401 FluidsとしてDow Corning Corporationから市販されている。揮発性シクロメチコンと揮発性直鎖ジメチコンのブレンドも企図される。
【0211】
例示的な揮発性直鎖ジメチコンとしては、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサン及びそれらのブレンドが挙げられる。揮発性直鎖ジメチコン及びジメチコンブレンドは、Dow Corning 200(商標)Fluid(例えば、製品指定0.65 CST、1 CST、1.5 CST、及び2 CST)及びDow Corning(商標)2-1184 Fluidとして、Dow Corning Corporationから市販されている。
【0212】
乳化シリコーンもまた、本開示の技術における組み合わせに適している。典型的には、シリコーンエマルジョンは、30μm未満、又は20μm未満、又は10μm未満の組成物中の平均シリコーン粒径を有する。開示される技術の一態様では、組成物中の乳化シリコーンの平均シリコーン粒径は2μm未満であり、理想的には0.01~1μmの範囲である。<0.15マイクロメートルの平均シリコーン粒径を有するシリコーンエマルジョンは、一般にマイクロエマルジョンと呼ばれる。粒径は、Malvern Instrumentsの2600D Particle Sizerを使用して、レーザー光散乱技術によって測定することができる。本開示の技術で使用するのに適したシリコーンエマルジョンは、予め乳化された形態でも市販されている。好適な予め形成されたエマルジョンの例として、エマルジョンDC2-1766、DC2-1784、並びにマイクロエマルジョンDC2-1865及びDC2-1870が挙げられ、全てDow Corningから入手可能である。これらは全てジメチコノールのエマルジョン/マイクロエマルジョンである。架橋シリコーンゴムも、予め乳化された形態で入手可能であり、これは配合を容易にするために有利である。例示的な材料は、DC X2-1787としてDow Corningから入手可能であり、これは架橋ジメチコノールゴムのエマルジョンである。別の例示的な材料は、DC X2-1391としてDow Corningから入手可能であり、これは架橋ジメチコノールゴムのマイクロエマルジョンである。アミノ官能性シリコーンの予め成形されたエマルジョンは、Dow Corning及びGeneral Electricなどのシリコーン油の供給業者からも入手可能である。非イオン性及び/又はカチオン性界面活性剤を含むアミノ官能性シリコーン油のエマルジョンが特に適している。具体例として、DC929カチオン性エマルジョン、DC939カチオン性エマルジョン、DC949カチオン性エマルジョン、並びに非イオン性エマルジョンDC2-7224、DC2-8467、DC2-8177、及びDC2-8154(全てDow Corningから入手可能)が挙げられる。上記の種類のシリコーンのいずれかの混合物を使用することもできる。適切なアミノ官能性シリコーンの具体例は、アミノシリコーン油DC2-8220、DC2-8166、DC2-8466、及びDC2-8950-114(全てDowCorningから入手可能)、並びにGE1149-75(GeneralElectricSilicones)である。本開示の技術において有用な第四級シリコーンポリマーの例は、ドイツのGoldschmidtから入手可能な材料K3474である。
【0213】
他の好適なシリコーン油としては、アルキレンオキシド単位で修飾されたジメチルシロキサン(ジメチコン)の直鎖又は分岐鎖コポリマーであるジメチコンコポリオールが挙げられる。アルキレンオキシド単位は、ランダム又はブロックコポリマーとして配置することができる。一般的に有用なクラスのジメチコンポリオールは、ポリジメチルシロキサンの末端及び/又はペンダントブロックと、ポリアルキレンオキシドのブロック、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、又はその両方のブロックとを有するブロックコポリマーである。ジメチコンコポリオールは、ジメチコンポリマー中に存在するポリアルキレンオキシドの量に応じて可溶性又は不溶性であり得、アニオン性、カチオン性、又は非イオン性の特性であり得る。
【0214】
水溶性又は水分散性シリコーンもまた、本開示の技術に使用することができる。このような水溶性シリコーンは、シリコーンを水溶性又は水分散性にするのに適したアニオン性官能基、カチオン性官能基及び/又は非イオン性官能基を含む。一実施形態において、水溶性シリコーンは、少なくとも1つのアニオン性部分がグラフトされたポリシロキサン主鎖を含む。アニオン部分は、ポリシロキサン骨格の末端にグラフトすることができるか、又はペンダント側基としてグラフトすることができるか、又はその両方である。アニオン性基とは、塩基による中和に続いてアニオン性基にイオン化することができる、少なくとも1つのアニオン性基又は少なくとも1つの基を含有する任意の炭化水素部分を意味する。前述のように、シリコーン鎖にグラフトされるアニオン性の炭化水素基の量は、対応するシリコーン誘導体が、イオン化可能な基を塩基で中和した後に水溶性又は水分散性となるように選択される。アニオン性シリコーン誘導体は、既存の市販品から選択することができるか、又は当該技術分野既知の任意の手段によって合成することができる。非イオン性シリコーンは、アルキレンオキシド末端及び/又はペンダント側鎖単位(例えば、ジメチコンコポリオール)を含む。
【0215】
アニオン性基を有するシリコーンは、(i)ケイ酸水素を含むポリシロキサンと(ii)アニオン性官能基も含むオレフィン性不飽和を含む化合物との間の反応によって合成することができる。このような反応の例は、Si-H基(複数可)を含有するポリ(ジメチルシロキサン)とオレフィン、CH2=CHR26(式中、R26はアニオン性基を含有する部分を表す)との間のヒドロシリル化反応である。オレフィンは、モノマー、オリゴマー、又はポリマーであり得る。ペンダント反応性チオ(-SH)基を含むポリシロキサン化合物もまた、不飽和アニオン性基含有化合物をポリ(シロキサン)骨格にグラフトするのに適している。
【0216】
本開示の技術の一態様によれば、エチレン性不飽和を含むアニオン性モノマーは、単独で又は組み合わせて使用され、直鎖又は分岐鎖の不飽和カルボン酸から選択される。例示的な不飽和カルボン酸は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸及びクロトン酸である。モノマーは、任意選択的に、アルカリ、アルカリ土類金属、及びアンモニウム塩を形成するように、塩基で部分的又は完全に中和することができる。好適な塩基は、限定されないが、アルカリ、アルカリ土類(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム)及び水酸化アンモニウムを含む。同様に、前述のモノマーから形成されたオリゴマー及びポリマーグラフトセグメントは、塩基(水酸化ナトリウム、アンモニア水等)で後中和されて塩を形成することができることに留意されたい。本開示の技術における使用に適したシリコーン誘導体の例は、特許出願番号EP-A-0582,152及び国際公開第93/23009号に記載されている。シリコーンポリマーの例示的なクラスは、以下の構造によって表される繰り返し単位を含むポリシロキサンである:
【0217】
【化22】
式中、G
1は、水素、C
1-C
10アルキル及びフェニル基を表し;G
2は、C
1-C
10アルキレンを表し;G
3は、エチレン性不飽和を含有する少なくとも1つのアニオン性モノマーの重合から得られるアニオン性ポリマー残基を表し;jは0又は1であり;tは1~50の範囲の整数であり;uは10~350の整数である。本開示技術の一実施形態において、G
1はメチルであり;jは1であり;G
2はプロピレンラジカルであり;G
3は、カルボン酸基(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、アコニット酸等)を含む少なくとも1つの不飽和モノマーの重合から得られるポリマー基を表す。
【0218】
最終ポリマー中のカルボキシレート基含有量は、好ましくは、ポリマー200g当たり1モルのカルボキシレートから、ポリマー5000g当たり1モルのカルボキシレートの範囲である。シリコーンポリマーの数分子量は、好ましくは10,000~1,000,000の範囲であり、更により好ましくは10,000~100,000の範囲である。カルボン酸基を含有する例示的な不飽和モノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸である。更に、カルボン酸基含有モノマーに、アクリル酸及びメタクリル酸のC1-C20アルキルエステルをポリマー骨格中に共重合させることができる。例示的なエステルには、限定されないが、アクリル酸及びメタクリル酸のエチルエステル及びブチルエステルが含まれる。市販のシリコーンアクリレートポリマーは、Silicones「Plus」Polymer 9857C(VS80 Dry)の商標で3M Companyから販売されている。これらのポリマーは、ポリ(メタ)アクリル酸及びポリ(メタ)アクリレートのブチルエステルのランダム繰り返し単位が(チオプロピレン基を介して)グラフトされたポリジメチルシロキサン(PDMS)骨格を含む。これらの製品は、従来、チオプロピル官能化ポリジメチルシロキサンと、(メタ)アクリル酸及びブチル(メタ)アクリレートを含むモノマーの混合物との間のラジカル共重合によって得ることができる。
【0219】
別の実施形態において、本開示の技術の実施に有用な水溶性シリコーンコポリオールは、以下の式で表されるシリコーンコポリオールカルボキシレートで表すことができる:
【0220】
【化23】
式中、R
27及びR
28は、C
1-C
30アルキル、C
6-C
14アリール、C
7-C
15アラルキル、C
1-C
15アルカリール、又は1~40個の炭素のアルケニル基、ヒドロキシル、-R
31-G’又は-(CH
2)
3O(EO)
a(PO)
b(EO)
c-G’から独立して選択され、ただし、R
27及びR
28の両方がメチルではなく;R
29は、C
1-C
5アルキル又はフェニルから選択され;この式において、a、b及びcは、独立して、0~100の範囲の整数であり;EOは、エチレンオキシド、-(CH
2CH
2O)-であり;POは、プロピレンオキシド、-(CH
2CH(CH
3)O)-であり;この式において、oは1~200の範囲の整数であり、pは0~200の範囲の整数であり、qは0~1000の範囲の整数であり;R
30は、水素、C
1-C
30アルキル、アリール、C
7-C
15アラルキル、C
7-C
15アルカリール又は1~40個の炭素のアルケニル基又は-C(O)-Xであり、Xは、C
1-C
30アルキル、C
6-C
14アリール、C
7-C
15アラルキル、C
1-C
15アルカリール、又は1~40個の炭素のアルケニル基、又はこれらの混合物であり;R
31は、6~18個の炭素のアリーレン基又は不飽和の2~8個の炭素を含有するアルキレン基で中断されていてもよい1~40個の炭素原子のアルキレン基から選択される二価基であり;G’は、独立して、
【0221】
【化24】
から選択され、
R
32は、1~40個の炭素のアルキレン、2~5個の炭素原子を含む不飽和基、又は6~12個の炭素原子のアリーレン基から選択される二価基であり;Mは、Na、K、Li、NH
4又はアミン含有C
1-C
10アルキル、C
6-C
14アリール(例えば、フェニル、ナフチル)、C
2-C
10アルケニル、C
1-C
10ヒドロキシアルキル、C
7-C
24アリールアルキル又はC
7-C
24アルカリール基から選択されるカチオンである。代表的なR
32基は:-CH
2CH
2-、-CH=CH-、-CH=CHCH
2-、及びフェニレンである。
【0222】
別の実施形態において、本開示の技術の実施に有用な水溶性シリコーンは、以下の式で表されるアニオン性シリコーンコポリオールで表すことができる:
【0223】
【化25】
式中、R
33は、メチル又はヒドロキシルであり;R
34は、C
1-C
8アルキル又はフェニルから選択され;R
35は、基-(CH
2)
3O(EO)
x(PO)
y(EO)
z-SO
3
-M
+を表し;Mは、Na、K、Li、又はNH
4から選択されるカチオンであり;この式において、x、y及びzは、独立して、0~100の範囲の整数であり;R
36は、基-(CH
2)
3O(EO)
x(PO)
y(EO)
z-Hを表し;この式において、a及びcは、独立して、0~50の範囲の整数であり、bは1~50の範囲の整数であり;EOは、エチレンオキシド、例えば、-(CH
2CH
2O)-であり;POは、プロピレンオキシド、例えば、--(CH
2CH(CH
3)O)-である。
【0224】
更に別の実施形態において、本開示の技術の実施に有用な水溶性シリコーンは、以下の式で表されるアニオン性シリコーンコポリオールで表すことができる:
【0225】
【化26】
式中、R
37及びR
38は独立して、-CH
3又は-(CH
2)
3O(EO)
a(PO)
b(EO)
c-C(O)-R
40-C(O)OHによって表される基であり、ただし、R
37及びR
38の両方が同時に-CH
3ではなく;R
40は、二価ラジカル-CH
2CH
2、-CH=CH-、及びフェニレンから選択され;R
39は、C
1-C
5アルキル又はフェニルから選択され;この式において、a、b及びcは、独立して、0~20の範囲の整数であり;EOは、エチレンオキシド残基、例えば、-(CH
2CH
2O)-であり;POは、プロピレンオキシド残基、例えば、-(CH
2CH(CH
3)O)-であり;この式において、oは1~200の範囲の整数であり、qは0~500の範囲の整数である。
【0226】
本開示の技術において有用な他の水溶性シリコーンは、四級化シリコーンコポリオールポリマーである。これらのポリマーは、ペンダント第四級窒素官能基を有し、以下の式で表される:
【0227】
【化27】
式中、R
41は、第四級置換基--N
+R
3R
4R
5 X
-を表し、R
3及びR
4、及びR
5は、独立して、水素並びに直鎖及び分岐C
1-C
24アルキルから選択され、X
-は、窒素原子上のカチオン電荷のバランスをとるのに適したアニオンを表し;R
42は、C
1-C
10アルキル及びフェニルから選択され;R
43は、-(CH
2)
3O(EO)
x(PO)
y(EO)
z-Hであり、EOは、エチレンオキシド残基、例えば、-(CH
2CH
2O)-であり;POは、プロピレンオキシド残基、例えば、-(CH
2CH(CH
3)O)-であり;この式において、aは0~200の整数であり、bは0~200の整数であり、cは1~200の整数であり;この式において、x、y及びzは整数であり、0~20から独立して選択される。一態様において、アニオンX
-は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、硫酸メチル、スルホン酸塩、硝酸塩、リン酸塩及び酢酸塩から選択されるアニオンを表す。
【0228】
他の好適な水溶性シリコーンは、以下の式で表されるアミン置換シリコーンコポリオールである:
【0229】
【化28】
R
44は、-NH(CH
2)
nNH
2又は-(CH
2)
nNH
2から選択され、この式において、nは2~6の整数であり;xは0~20の整数であり;EOは、エチレンオキシド残基、例えば、-(CH
2CH
2O)-であり;POは、プロピレンオキシド残基、例えば、-(CH
2CH(CH
3)O)-であり;この式において、aは0~200の整数であり、bは0~200の整数であり、cは1~200の整数であり;この式において、x、y及びzは整数であり、0~20から独立して選択される。
【0230】
更に他の水溶性シリコーンは、以下の式で表される非イオン性シリコーンコポリオール(ジメチコンコポリオール)からすることができる:
【0231】
【化29】
式中、R
45は、独立して、C
1-C
30アルキル、C
6-C
14アリール、及びC
2-C
20アルケニルから選択される基を表し;R
46は、C
1-C
30アルキル、C
6-C
14アリール、及びC
2-C
20アルケニルから選択される基を表し;EOは、エチレンオキシド残基、例えば、-(CH
2CH
2O)-であり;POは、プロピレンオキシド残基、例えば、-(CH
2CH(CH
3)O)-であり;この式において、(a)、(b)及び(c)は、独立して、0~100であり;この式において、xは0~200であり、yは1~200である。
【0232】
別の実施形態において、水溶性シリコーンは、以下の式で表される非イオン性シリコーンコポリオールから選択することができる:
【0233】
【化30】
式中、R
48及びR
49は、独立して、C
1-C
30アルキル、C
6-C
14アリール、及びC
2-C
20アルケニルから選択される基を表し;EOは、エチレンオキシド残基、例えば、-(CH
2CH
2O)-であり;POは、プロピレンオキシド残基、例えば、-(CH
2CH(CH
3)O)-であり;この式において、a、b及びcは、独立して、0~100であり、この式において、nは0~200である。
【0234】
上記のコポリオールの実施形態において、EO及びPO残基は、ランダム、非ランダム、又はブロック状の配列に配置することができる。
【0235】
ジメチコンコポリオールは、米国特許第5,136,063号及び同第5,180,843号に開示されており、これらは、参照により本明細書に組み込まれる。更に、ジメチコンコポリマーは、General Electric Company(GE-OSi)からSilsoft(登録商標)及びSilwet(登録商標)の商標名で市販されている。具体的な製品名称としては、これらに限定されないが、Silsoft 305、430、475、810、895、Silwet L 7604(GE-OSi);Dow Corning CorporationからのDow Corning(登録商標)5103及び 5329 from;及びEvonik Goldschmidt CorporationからのAbil(商標)ジメチコンコポリオール、例えば、WE 09、WS 08、EM 90及びEM 97 from;並びにLubrizol Advanced Materials,IncからのSilsense(商標)ジメチコンコポリオール、例えばSilsense Copolyol-1及びSilsense Copolyol-7が挙げられる。
【0236】
シリコーンコンディショニング剤の濃度は、それが含まれる組成物の約0.01重量%~約10重量%の範囲であり得る。別の態様では、シリコーンコンディショニング剤の量は、全て組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約8重量%、更に別の態様では約0.1重量%~約5重量%、更なる態様では約0.2重量%~約3重量%の範囲である。
【0237】
シリコーンは、全組成物の重量に基づき、約0.05~約20重量%、又は約0.08~約5重量%、又は約0.1~約3重量%添加することができる。
【0238】
コンディショニングオイル、ワックス及びエステル
本開示の技術の組成物中のコンディショニング剤(例えば、毛髪、頭皮、皮膚、及び爪の場合)として使用するのに適したコンディショニング油としては、これらに限定されないが、少なくとも約10個の炭素原子を有する炭化水素油、例えば、環状炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、及び分岐鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)が挙げられ、それにはポリマー及びこれらの混合物を含む。直鎖炭化水素油は、典型的には、約12~19個の炭素原子を含有する。炭化水素ポリマーを含む分岐鎖炭化水素油は、典型的には、19個超の炭素原子を含有する。
【0239】
これらの炭化水素油の非限定的な具体例としては、パラフィン油、鉱物油、飽和及び不飽和ドデカン、飽和及び不飽和トリデカン、飽和及び不飽和テトラデカン、飽和及び不飽和ペンタデカン、飽和及び不飽和ヘキサデカン、ポリブテン、ポリデセン、並びにそれらの混合物が挙げられる。これらの化合物の分岐鎖異性体、及びより長い鎖長の炭化水素も使用することができ、その例としては、高度に分岐した飽和又は不飽和アルカン、例えば、パーメチル置換異性体、例えば、ヘキサデカン及びエイコサンのパーメチル置換異性体、例えば、2,2,4,4,6,6,8,8-ジメチル-10-メチルウンデカン及び2,2,4,4,6,6-ジメチル-8-メチルノナン(パーメチルCorporationから入手可能)が挙げられる。ポリブテン及びポリデセンなどの炭化水素ポリマー。好ましい炭化水素ポリマーは、イソブチレンとブテンのコポリマーなどのポリブテンである。このタイプの市販の材料は、BP Chemical Company製のL-14ポリブテンである。
【0240】
天然油コンディショナーはまた、開示された技術の実施において有用であり、これらに限定されないが、ピーナッツ、ゴマ、アボカド、ココナッツ、ココアバター、アーモンド、ベニバナ、トウモロコシ、綿実油、ゴマ種子油、クルミ油、ヒマシ、オリーブ、ホホバ、パーム、パーム核、大豆、コムギ胚芽、亜麻仁、ヒマワリ種子;ユーカリ、ラベンダー、ベチバー、リチア、クベバ、レモン、サンダルウッド、ローズマリー、カモミール、セイボリー、ナツメグ、シナモン、ヒソップ、キャラウェイ、オレンジ、ゼラニウム、ケイド、ベルガモット油、魚油、グリセロールトリカプロカプリレート;及びこれらの混合物を含む。天然油は皮膚軟化剤としても利用することができる。
【0241】
天然及び合成ワックスコンディショニング剤は、本開示の技術の組成物に使用することができ、これらに限定されないが、カルナウバワックス、カルナウバ酸ワックス、加水分解カルナウバワックス、エトキシ化カルナウバワックス(例えば、PEG-12カルナウバワックス)、カンデリラワックス、加水分解カンデリラワックス、クローバーワックス、アルファルファワックス、パラフィンワックス、オゾケライトワックス、オリーブワックス、ライスワックス、水素化カスターワックス、ヤマモモワックス、水素化ホホバワックス、蜜蝋、変性蜜蝋、例えば、セラベルナワックス、エトキシ化蜜蝋(例えば、PEG-6蜜蝋、PEG-8蜜蝋、PEG-12蜜蝋、PEG-20蜜蝋)、ジメチコンコポリオール蜜蝋エステル及びジメチコノール蜜蝋エステル(例えば、ビス-ヒドロキシエトキシプロピルジメチコン蜜蝋エステル、ジメチコンPEG-8蜜蝋、及びUltrabee(商標)の商品名でLubrizol Advanced Materials,Inc.からのジメチコノール蜜蝋)、マリンワックス、ポリオレフィンワックス、例えば、ポリエチレンワックス;及びこれらの混合物を含む。
【0242】
液体ポリオレフィンコンディショニングオイルを、本開示の技術の組成物に使用することができる。液体ポリオレフィンコンディショニング剤は、典型的には、水素化されたポリα-オレフィンである。本明細書で使用するためのポリオレフィンは、C4を約C14のオレフィン性モノマーに重合することによって調製することができる。本明細書におけるポリオレフィン液体の調製に使用するためのオレフィン性モノマーの非限定的な例としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、分岐鎖異性体、例えば4-メチル-1-ペンテン、及びそれらの混合物が挙げられる。開示される技術の一態様において、水素化α-オレフィンモノマーには、1-ヘキセン~1-ヘキサデセン、1-オクテン~1-テトラデセン、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0243】
フッ素化又は過フッ素化油も、本開示の技術の範囲内で企図される。フッ素化油としては、欧州特許第0486135号に記載されているペルフルオロポリエーテル及び国際公開第93/11103号に記載されているフルオロ炭化水素化合物が挙げられる。フッ素化油はまた、フルオロアミン、例えば、ペルフルオロトリブチルアミンなどのフルオロカーボン、ペルフルオロデカヒドロナフタレン、フルオロエステル、及びフルオロエーテルなどのフッ素化炭化水素であり得る。
【0244】
他の好適な成分として、限定されないが、少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪エステルが挙げられる。これらの脂肪エステルは、脂肪酸又はアルコールから誘導されるエステル(例えば、モノエステル、多価アルコールエステル、並びにジカルボン酸及びトリカルボン酸エステル)を含む。本明細書の脂肪エステルは、それらに共有結合した他の相溶性官能基、例えば、アミド及びアルコキシ部分(例えば、エトキシ又はエーテル結合など)などを含み得るか又は有し得る。
【0245】
例示的な脂肪エステルとしては、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、アジピン酸ジヘキシルデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オレイル、酢酸ラウリル、プロピオン酸セチル、及びアジピン酸オレイルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0246】
本開示の技術の組成物に使用するのに適した他の脂肪エステルは、一般式R50C(O)OR51のモノカルボン酸エステルであり、式中、R50及びR51はアルキル又はアルケニル基であり、R50及びR51の炭素原子の合計は、本開示の技術の一態様では少なくとも10であり、別の態様では少なくとも22である。
【0247】
開示される技術の組成物に使用するのに適した更に他の脂肪酸エステルは、カルボン酸のジ-及びトリ-アルキル及びアルケニルエステル、例えばC4-C8ジカルボン酸のエステル(例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸のC1-C22、好ましくはC1-C6)である。カルボン酸のジアルキル及びトリアルキル並びにアルケニルエステルの非限定的な具体例としては、ステアロイルステアリン酸イソセチル、アジピン酸ジイソプロピル、及びクエン酸トリステアリルが挙げられる。
【0248】
本開示の技術の組成物での使用に好適な他の脂肪エステルは、多価アルコールエステルとして既知のものである。そのような多価アルコールエステルは、アルキレングリコールエステル、例えば、エチレングリコールモノ-及びジ-脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ-及びジ-脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノ-及びジ-脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ-及びジ-脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコールモノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシ化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ-及びジ-脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ-脂肪酸エステル、エトキシ化グリセリルモノステアレート、1,3-ブチレングリコールモノステアレート、1,3-ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
【0249】
開示される技術のパーソナルクレンジング組成物に使用するのに適した合成脂肪エステルの具体的な非限定的な例としては、P-43(トリメチロールプロパンのC8-C10トリエステル)、MCP-684(3,3ジエタノール-1,5ペンタジオールのテトラエステル)、MCP121(アジピン酸のC8-C10ジエステル)が挙げられ、これらは全てExxonMobil Chemical Companyから入手可能である。
【0250】
ゲルベエステルも本技術の組成物に適している。ゲルベエステルは、ゲルベアルコールによる単官能性又は多官能性カルボン酸のエステル化から形成することができる。あるいは、エステルは、ゲルベ酸を単官能性又は多官能性アルコールと反応させることによって形成することができる。ゲルベ化学の総説については、O’Lenick,A.J.,Jr.2001.Guerbet chemistryを参照のこと。Journal of Surfactants and Detergents 4:311-315を参照のこと。ゲルベエステルは、Lubrizol Advanced Materials,Inc.から製品名称G-20、G-36、G-38及びG-66で市販されている。
【0251】
コンディショニング油、ワックス及びエステルの量は、組成物の総重量に基づき、約0.05~約10重量%、又は約0.5~約5重量%、又は約1~約3重量%の範囲であり得る。
【0252】
脂肪酸及び脂肪アルコール
脂肪酸及び脂肪アルコールは、本技術の組成物において使用することができる。適切な脂肪酸としては、飽和及び不飽和C8~C30脂肪酸が挙げられる。例示的な脂肪酸には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、バクセン酸、リノール酸、α-リノレン酸、γ-リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、EPA(5,8,11,14,17-エイコサペンタエン酸)、ベヘン酸、エルカ酸、DHA(4,7,10,13,16,19-ドコサヘキサエン酸)、リグノセリン酸、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0253】
アルコキシル化脂肪酸も本明細書において有用であり、脂肪酸をエチレンオキシド及び/若しくはプロピレンオキシド又は前形成されたポリマーエーテル(例えば、ポリエチレングリコール又はポリプロピレングリコール)でエステル化することによって形成することができる。生成物は、それぞれの脂肪酸のポリエチレンオキシドエステル、ポリプロピレンオキシドエステル、又はポリエチレン/ポリプロピレンオキシドエステルである。一態様では、エトキシル化脂肪酸は、式:R’-C(O)O(CH2CH2O)n’-Hによって表すことができ、式中、R’は脂肪酸の脂肪族残基を表し、n’はエチレンオキシド単位の数を表す。別の態様では、n’は、約2~約50、別の態様では約3~約25、更なる態様では約3~約10の範囲の整数である。本技術の更に別の態様において、R’は、8~30個の炭素原子を含有する飽和又は不飽和脂肪酸に由来する。別の態様では、ジエステルは、2モルの脂肪酸を1モルのポリエチレン又はポリプロピレングリコールと反応させることによって形成することができる。ジエステルは、式:R’-C(O)O(CH2CH2O)n’(O)CR’によって表すことができ、式中、R’及びn’は直前に定義した通りである。
【0254】
例示的なアルコキシル化脂肪酸としては、これらに限定されないが、カプリン酸エトキシレート、ラウリン酸エトキシレート、ミリスチン酸エトキシレート、ステアリン酸エトキシレート、オレイン酸エトキシレート、ヤシ脂肪酸エトキシレートなどが挙げられ、前述のエトキシレートの各々におけるエチレンオキシド単位の数は、一態様では2以上、別の態様では2~約50の範囲であり得る。エトキシル化脂肪酸のより具体的な例は、PEG-8ステアレート(8は反復エチレンオキシド単位の数を意味する)、PEG-8ジステアレート、PEG-8オレエート、PEG-8ベヘネート、PEG-8カプレート、PEG-8カプリレート、PEGココエート(数の指定なしのPEGはエチレンオキシド単位の数が2~50の範囲であることを意味する)、PEG-15ジコエート、PEG-2ジイソノナノエート、PEG-8ジイソステアレート、PEG-ジラウレート、PEG-ジオレエート、PEG-ジステアレート、PEG-ジタレート、PEG-イソステアレート、PEG-ホホバ酸、PEG-ラウレート、PEG-リノレネート、PEG-ミリステート、PEG-オレエート、PEG-パルミチテート、PEG-リシノレエート、PEG-ステアリレート、PEG-トーラレートなどである。
【0255】
本発明の組成物に使用するのに適切な脂肪アルコールとしては、飽和及び不飽和C8-C30脂肪アルコールが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な脂肪アルコールとしては、カプリルアルコール、ペラルゴン酸アルコール、カプリン酸アルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、イソセチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セテアリルアルコール、パルミトレイルアルコール、エライジルアルコール、ステロール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、エライドリノレイルアルコール、リノレニルアルコール、リシノレイルアルコール、アラキジルアルコール、イコセニルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、モンタニルアルコール、ミリシルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。脂肪アルコールは広く入手可能であり、エステル化された植物性及び動物性の油及び脂肪の水素化によって得ることができる。
【0256】
アルコキシル化脂肪アルコール化合物は、脂肪アルコールとアルキレンオキシド、一般にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドとの反応から形成されるエーテルである。好適なエトキシ化脂肪族アルコールは、脂肪族アルコールとポリエチレンオキシドとの付加物である。本技術の一態様において、エトキシル化脂肪族アルコールは、式R’’’-(OCH2CH2)n’’-OHによって表すことができ、式中、R’’’は親脂肪族アルコールの脂肪族残基を表し、n’’はエチレンオキシド単位の数を表す。本技術の別の態様において、R’’’は、8~30個の炭素原子を含有する脂肪アルコールに由来する。一態様では、n’’は、2~50、別の態様では、3~25、更なる態様では3~10の範囲の整数である。なお更なる態様では、R’’’は、上記の直前の段落で示される脂肪アルコールに由来する。例示的なエトキシル化脂肪アルコールは、これらに限定されないが、カプリルアルコールエトキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート、ミリスチルアルコールエトキシレート、セチルアルコールエトキシレート、ステアリルアルコールエトキシレート、セテアリルアルコールエトキシレート、ステロールエトキシレート、オレイルアルコールエトキシレート、及びベヘニルアルコールエトキシレートであり、前述のエトキシレートの各々におけるエチレンオキシド単位の数は、一態様では2以上、別の態様では2~約150の範囲であり得る。前述の脂肪アルコールのプロポキシル化付加物及び前述の脂肪アルコールの混合エトキシル化/プロポキシル化付加物も本技術の範囲内で企図されることが認識されるべきである。エトキシ化/プロポキシル化脂肪族アルコールのエチレンオキシド及びプロピレンオキシド単位は、ランダム又はブロック状の順序で配置することができる。
【0257】
例示的なエトキシ化ステロールとしては、例えば、大豆ステロールなどのエトキシ化植物油ステロールが挙げられる。エトキシ化の程度は、一態様では約5超であり、別の態様では少なくとも約10である。好適なエトキシ化ステロールは、PEG-10大豆ステロール、PEG-16大豆ステロール、及びPEG-25大豆ステロールである。
【0258】
エトキシル化アルコールの更なる例は、これらに限定されるものではないが、ベヘネス5-30(5-30は反復エチレンオキシド単位の範囲を意味する)、セテアレス2-100、セテス1-45、セトレス24-25、コレス10-24、コケス3-10、C9-11パレス3-8、C11-15パレス5-40、C11-21パレス3-10、C12-13パレス3-15、デシス4-6、ドドキシノール5-12、グリセレス7-26、イソセテス10-30、イソデセス4-6、イソラウレス3-6、イソステアレス3-50、ラネート5-75、ラウレス1-40、ノキシノール1-120、ノニルノキシノール5-150、オクトキシノール3-70、オレト2-50、PEG4-350、ステアレス2-100、及びトリデセス2-10である。
【0259】
プロポキシル化アルコールの具体例は、PPG-10セチルエーテル、PPG-20セチルエーテル、PPG-28セチルエーテル、PPG-30セチルエーテル、PPG-50セチルエーテル、PPG-2ラノリンアルコールエーテル、PPG-5ラノリンアルコールエーテル、PPG-10ラノリンアルコールエーテル、PPG-20ラノリンアルコールエーテル、PPG-30ラノリンアルコールエーテル、PPG-4ラウリルエーテル、PPG-7ラウリルエーテル、PPG-10オレイルエーテル、PPG-20オレイルエーテル、PPG-23オレイルエーテル、PPG-30オレイルエーテル、PPG-37オレイルエーテル、PPG-50オレイルエーテル、PPG-11ステアリルエーテル、PPG-15ステアリルエーテル、PPG-2ラノリンエーテル、PPG-5ラノリンエーテル、PPG-10ラノリンエーテル、PPG-20ラノリンエーテル、PPG-30ラノリンエーテル、及びPPG-1ミリスチルエーテルであるが、これらに限定されない。
【0260】
エトキシ化/プロポキシル化アルコールの具体例は、PPG-1ベヘネス-15、PPG-12カプリレス-18、PPG-2-PPG-2-セテアレス-9、PPG-4-セテアレス-12、PPG-10-セテアレス-20、PPG-1-セテス-1、PPG-1-セテス-5、PPG-1-セテス-10、PPG-1-セテス-20、PPG-2-セテス-1、PPG-2-セテス-5、PPG-2-セテス-10、PPG-2-セテス-20、PPG-4-セテス-1、PPG-4-セテス-5、PPG-4-セテス-10、PPG-4-セテス-20、PPG-5-セテス-20、PPG-8-セテス-1、PPG-8-セテス-2、PPG-8-セテス-5、PPG-8-セテス-10、PPG-8-セテス-20、PPG-2 C12-13パレス-8、PPG-2 C12-15パレス-6、PPG-4 C13-15パレス-15、PPG-5 C9-15パレス-6、PPG-6 C9-11パレス-5、PPG-6 C12-15パレス-12、PPG-6 C12-18パレス-11、PPG-3 C12-14 Sec-パレス-7、PPG-4 C12-14 Sec-パレス-5、PPG-5 C12-14 Sec-パレス-7、PPG-5 C12-14 Sec-パレス-9、PPG-1-デセス-6、PPG-2-デセス-3、PPG-2-デセス-5、PPG-2-デセス-7、PPG-2-デセス-10、PPG-2-デセス-12、PPG-2-デセス-15、PPG-2-デセス-20、PPG-2-デセス-30、PPG-2-デセス-40、PPG-2-デセス-50、PPG-2-デセス-60、PPG-4-デセス-4、PPG-4-デセス-6、PPG-6-デセス-4、PPG-6-デセス-9、PPG-8-デセス-6、PPG-14-デセス-6、PPG-6-デシルテトラデセス-12、PPG-6-デシルテトラデセス-20、PPG-6-デシルテトラデセス-30、PPG-13-デシルテトラデセス-24、PPG-20-デシルテトラデセス-10、PPG-2-イソデセス-4、PPG-2-イソデセス-6、PPG-2-イソデセス-8、PPG-2-イソデセス-9、PPG-2-イソデセス-10、PPG-2-イソデセス-12、PPG-2-イソデセス-18、PPG-2-イソデセス-25、PPG-4-イソデセス-10、PPG-12-ラネス-50、PPG-2-ラウレス-5、PPG-2-ラウレス-8、PPG-2-ラウレス-12、PPG-3-ラウレス-8、PPG-3-ラウレス-9、PPG-3-ラウレス-10、PPG-3-ラウレス-12、PPG-4 ラウレス-2、PPG-4 ラウレス-5、PPG-4 ラウレス-7、PPG-4-ラウレス-15、PPG-5-ラウレス-5、PPG-6-ラウレス-3、PPG-25-ラウレス-25、PPG-7ラウリルエーテル、PPG-3-ミレス-3、PPG-3-ミレス-11、PPG-20-PEG-20水素化ラノリン、PPG-2-PEG-11水素化ラウリルアルコールエーテ、PPG-12-PEG-50ラノリン、PPG-12-PEG-65ラノリン油、PPG-40-PEG-60ラノリン油、PPG-1-PEG-9ラウリルグリコールエーテル、PPG-3-PEG-6オレイルエーテル、PPG-23-ステアレス-34、PPG-30ステアレス-4、PPG-34-ステアレス-3、PPG-38ステアレス-6、PPG-1トリデセス-6、PPG-4トリデセス-6、及びPPG-6トリデセス-8であるが、これらに限定されない。
【0261】
脂肪酸及び脂肪アルコールは、組成物の総重量に基づき、約0.1~約30重量%、又は約0.5~25重量%、又は約3~20重量%、又は5~約10重量%の範囲の量で利用される。
【0262】
保湿剤
湿潤剤は、環境の相対湿度に応じて、水蒸気を吸収又は放出する材料として定義される(Harry’s Cosmeticology,Chemical Publishing Company Inc.,1982 p.266)。適切な保湿剤としては、これに限定されないが、アラントイン;ピロリドンカルボン酸及びその塩;ヒアルロン酸及びその塩;ソルビン酸及びその塩;尿素、リジン、シスチン及びアミノ酸;ポリヒドロキシアルコール、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ヘキサントリオール、エトキシジグリコール、ジメチコンコポリオール、及びソルビトール、並びにそれらのエステル;ポリエチレングリコール;グリコール酸及びグリコール酸塩(例えば、アンモニウム及び第四級アルキルアンモニウム);キトサン、アロエベラ抽出物;藻類抽出物;ハチミツ及びその誘導体;イノシトール;乳酸及び乳酸塩(例えば、アンモニウム及び第四級アルキルアンモニウム);糖及びデンプン(例えば、マルトース、グルコース、フルクトース);糖及びデンプン誘導体(例えば、グルコース、アルコキシル化グルコース、マンニトール、キシリトール);DL-パンテノールリン酸アスコルビルマグネシウム、アルブチン、コウジ酸、ラクタミドモノエタノールアミン;アセトアミドモノエタノールアミンなど、及びこれらの混合物が挙げられる。湿潤剤はまた、C3~C6ジオール及びトリオール、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ブタン-1,2,3-トリオール、ヘキシレングリコール、ヘキサントリオールなど、及びこれらの混合物を含む。例えば、ラウリルメチルグルセス-10ヒドロキシプロピルジモニウムクロリド、メチルグルセス-10及びメチルグルセス-20というINCI名で入手可能なものなど、平均5~30モルのエトキシ化を含有するエトキシ化メチルグルコースエーテルが適している。
【0263】
このような保湿剤は、組成物の0.01~20重量%、例えば少なくとも0.1重量%、又は少なくとも1重量%、例えば最大8重量%、又は最大5重量%存在し得る。
【0264】
感覚剤
皮膚感覚剤は、ユーザによるその適用の適切さ、活動、及び均一性の感覚的確認を提供するのに役立つ。皮膚感覚剤のいくつかの非限定的な例は、第4,230,688号、同第4,136,163号、同第6,183,766号、及び同第7,001,594号に記載されており、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。適切な感覚剤の非限定的な例としては、ブタン二酸モノメンチルエステル、カンファー、カルボン、シネオール、クローブ油、エチルカルボキサミド、エチルメンタンカルボキサミド、ユーカリ油、ユークリトール、ジンジャー油、l-イソプレゴール、メントール、メントングリセリンアセタール、メントキシ-1,2-プロパンジオール、乳酸メンチル、メチルジイソプロピルプロピオニアミド、サリチル酸メチル、ペパーミント油、ローズマリー油、トリメチルブタンアミド、バニリルブチルエーテル又はそれらの組み合わせが挙げられる。
【0265】
感覚剤は、組成物の総重量に基づき、組成物中に、一態様では約0.01重量%~約2重量%、別の態様では約0.05重量%~約1重量%含まれ得る。
【0266】
ボタニカル
開示される技術の組成物は、1つ以上のボタニカル剤を含有することができる。適切なボタニカル剤は、例えば、エキナセア(Echinacea)(例えば、sp.アングスティフォリア(angustifolia)、プルプレア(purpurea)、パルディダ(pallida))、ユッカグラウカ(yucca glauca)、ヤナギハーブ、バジルの葉、トルコオレガノ、ニンジンの根、グレープフルーツ、フェンネルの種、ローズマリー、ターメリック、タイム、ブルーベリー、ベルペッパー、ブラックベリー、スピルリナ、ブラックカラントフルーツ、茶の葉、例えば、中国茶、紅茶(例えば、var.FloweryOrangePekoe、GoldenFloweryOrangePekoe、FineTippyGoldenFloweryOrangePekoe)、緑茶(例えば、var.Japanese、GreenDarjeeling)、ウーロン茶、コーヒーの種、ダンデリオンの根、ナツメヤシの果実、ギンゴーの葉、緑茶、サンザシのベリー、甘草、アプリコットの穀粒、セージ、イチゴ、スイートエンドウ、トマト、ヒマワリの種の抽出物、サンダルウッドの抽出物、ブドウの種、アロエの葉、バニラの果実、コンフリー、アルニカ、センテラ・アジアチカ(Centella asiatica)、コーンフラワー、西洋ウマワリ、西洋ナッツ、マカダミア・ターニフォリア(Macadamia ternifolia)の種子、マグノリア(magnolia)、エンバク、パンジー、スカルキャップ、シーバックソーン(seabuckthorn)、シロゴキブリ(white nettle)、及びマンサク(witch hazel)を含み得る。ボタニカル抽出物としては、例えば、クロロゲン酸、グルタチオン、グリチルリチン、ネオヘスペリジン、ケルセチン、ルチン、モリン、ミリセチン、アブサン、及びカモミールも挙げられ得る。
【0267】
一態様では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約0.01~約10重量%、又は約0.05~約5重量%、又は約0.1重量%~約3重量%、又は約0.5~約1重量%の1つ以上のボタニカル抽出物を含有することができる。
【0268】
香料及び香水
例示的な香料、香水及びフレグランスオイルとしては、これらに限定されないが、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アンブレットリド、Ambrox(商標)DL(ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチルナフト[2,1-b]フラン)、アミルベンゾエート、アミルシンナメート、アミルシンナムアルデヒド、アミルサリチレート、アネトール、アウランチドール、ベンゾフェノン、ベンジルブチレート、ベンジルイソバレレート、ベンジルサリチレート、カジネン、カンピルシクロヘキシル、セドロール、セドリルアセテート、シンナミルシンナメート、シトロネリルアセテート、シトロネリルイソブチラート、シトロネリルイソブチラート、シトロネリルプロピオネート、クミニックアルデヒド、シクロヘキシルサリチレート、シクラメン属アルデヒド、シクロミラル、ジヒドロイソジャスモネート、ジフェニルメタン、ジフェニルオキサイド、ドデカナール、ドデカラクトン、エチレンブラシレート、エチルメチルフェニルグリシデート、エチルウンデシレネート、エキサラトリド、Galoxilide(商標)1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ,4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-シクロペンタ-γ-2-ベンゾピラン)、ゲラニルアセテート、ゲラニルイソブチレート、ヘキサデカノリド、ヘキセニルサリチレート、ヘキシルシンナムアルデヒド、ヘキシルサリチレート、α-イオノン、β-イオノン、γ-イオノン、α-イロン、イソブチルベンゾエート、イソブチルキノリド、Iso E Super(商標)7-アセチル,1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ,1,1,6,7-テトラメチルナフタレン)、cis-ジャスモン、リリアール、リナリルベンゾエート、20メトキシナフタレン、メチルシンナメート、メチルオイゲノール、γ-メチルイオノン、メチルリノレート、メチルリノレネート、ムスクインダノン、ムスクケトン、ムスクチベチン、ミリスチシン、ネリルアセテート、δ-ノナラクトン、γ-ノナラクトン、パッチュウリアルコール、フェントリド、フェニルエチルベンゾエート、フェニルエチルフェニルアセテート、2-フェニルエタノール、フェニルヘプタノール、フェニルヘキサノール、α-サンタロール、チベトリド、トナリド、δ-ウンデカラクトン、γ-ウンデカラクトン、ベルテネックス、酢酸ベチベリル、ヤラヤラ、イランゲン、アロ-オシメン、カプロン酸アリル、ヘプタン酸アリル、アニソール、カンフェン、カルバクロール、カルボン、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルニトリル、クマリン、エチル酢酸シクロヘキシル、p-シメン、デカナール、ジヒドロミルセノール、酢酸ジヒドロミルセニル、ジメチルオクタノール、エチルリナロール、エチルヘキシルケトン、ユーカリプトール、酢酸フェンシル、ゲラニオール、ギ酸ゲルニル、イソ酪酸ヘキセニル、酢酸ヘキシル、ネオペンタン酸ヘキシル、ヘプタナール、酢酸イソボルニル、イソオイゲノール、イソメントン、酢酸イソノニル、イソノニルアルコール、イソメントール、イソプレゴール、リモネン、リナロール、酢酸リナリル、酢酸メンチル、メチルチャビコール、メチルオクチルアセトアルデヒド、ミルセン、ナフタレン、ネロール、ネラル、ノナナール、2-ノナノン、酢酸ノニル、オクタノール、オクタナール、α-ピネン、β-ピネン、酸化ローズ、α-テルピネン、γ-テルピネン、α-テルピネノール、テルピノレン、酢酸テルピニル、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロミルセノール、ウンデセナール、ベラトロール、ベルドックス、アセトアニソール;アミルアセテート;アニスアルデヒド;アニシルアルコール;ベンズアルデヒド;ベンジルアセテート;ベンジルアセトン;ベンジルアルコール;ベンジルホルメート;ヘキセノール;レボ-カルベオール;d-カルボン;シンナムアルデヒド;シンナミルアルコール;シンナミルアセテート;シンナミルホルメート;シス-3-ヘキセニルアセテート;サイクラルC(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド);ジヒドロキシインドール;ジメチルベンジルカルビノール;エチルアセテート;エチルアセトアセテート;エチルブタノエート;エチルブチレート;エチルバニリン;トリシクロデセニルプロピオネート;フルフラール;ヘキサナール;ヘキセノール;ヒドロトロピックアルコール;ヒドロキシシトロネラール;インドール;イソアミルアルコール;イソプレギルアセテート;イソキノリン;リグストラル;リナロールオキシド;メチルアセトフェノン;メチルアミルケトン;メチルアントラニレート;メチルベンゾエート;メチルベンジルアセテート;メチルヘプテノン;メチルヘプチルケトン;メチルフェニルカルビニルアセテート;メチルサリチレート;オクタラクトン;パラ-クレゾール;パラ-メトキシアセトフェノン;パラ-メチルアセトフェノン;フェネチルアルコール;フェノキシエタノール;フェニルアセトアルデヒド;フェニルエチルアセテート;フェニルエチルアルコール;プレニルアセテート;プロピルブチレート;サフロール;バニリン及びビリジンが挙げられる。
【0269】
香料又は香水成分の各々の量は、組成物の重量に基づき、約0.000001~約2重量%、0.00001~約1.5重量%、0.0001~約1重量%、又は約0.001~約0.8重量%の範囲であり得る。
【0270】
アミノ酸
本明細書で提供されるヘアケア組成物は、アミノ酸を含有する1つ以上の非グアニジン部分を含有することができる。使用することができるアミノ酸の例としては、カプリルケラチンアミノ酸、カプリルシルクアミノ酸、ホホバアミノ酸、ケラチンアミノ酸、パルミトイルケラチンアミノ酸、パルミトイルシルクアミノ酸、ココイルナトリウムアミノ酸、ココイルナトリウムシルクアミノ酸、及びスイートアーモンドアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0271】
アミノ酸の量は、組成物の総重量に基づき、約0.001~約5重量%、又は約0.01~約3重量%、又は約0.1~約2重量%、又は約0.5重量%~約1重量%の範囲である。
【0272】
フケ防止剤
本技術のフケ防止剤は、フケの症状を軽減することができ、毛髪、頭皮及び皮膚に対して実質的であり、シャンプー間に残留フケ防止特性を与える任意の微粒子化合物である。本明細書で有用なフケ防止特性を示す多くの微粒子化合物の中には、サリチル酸、硫黄元素、硫化セレン、アゾール化合物、1-ヒドロキシ-2-ピリドンに基づく2-ピリドン誘導体、及びピリチオンの多価金属塩がある。
【0273】
硫黄は、開示される技術の組成物において有効な粒子状フケ防止剤である。硫黄は、全組成物の重量に基づき、約1~約5重量%、又は約2~約4重量%の範囲の量で利用することができる。
【0274】
硫化セレンは、本技術のフケ防止組成物における使用に適した粒子状フケ防止剤であり、式Se8-xSxの化合物から選択され、式中、xは1~7の範囲の数である。硫化セレンの有効濃度は、組成物の重量に基づき、約0.1~約4重量%、又は約0.3~約2.5重量%、又は約0.5~約1.5重量%の範囲であり得る。
【0275】
アゾールフケ防止剤としては、イミダゾール、例えばベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブトコナゾール、クリンバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチアゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸スルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、及びトリアゾール、例えばテルコナゾール、及びイトラコナゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。組成物中に存在する場合、アゾールフケ防止剤は、組成物の重量に基づき、約0.01~約5重量%、又は約0.1~約3重量%、又は約0.3~約2重量%の量で含まれ得る。
【0276】
1-ヒドロキシ-2-ピリドンに基づく例示的なフケ防止剤は、1-ヒドロキシ-4-メチル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-6-メチルピリドン、1-ヒドロキシ-4,6-ジメチル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-シクロヘキシル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(メチル-シクロヘキシル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2-ビシクロ[2,2,1]ヘプチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6(4-メチルフェニル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6[1-[4-ニトロフェノキシ]-ブチル]-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(4-シアノフェノキシメチル-2-ピリドン)、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(フェニルスルホニルメチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(4-ブロモベンジル)-2-ピリドン及びそれらの塩である。一実施形態では、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-ピリドンのモノエタノールアミン塩、商品名Octopirox(商標)でClariantから入手可能なモノエタノールアミン塩は、適切なフケ防止剤である。
【0277】
ピリチオンの多価金属塩には、例えばマグネシウム、バリウム、ビスマス、ストロンチウム、銅、亜鉛、カドミウム、ジルコニウム、及びこれらの混合物などの多価金属から形成されたものが含まれる。ピリチオンの多価金属塩は、以下の式Xによって表すことができる:
【0278】
【化31】
式中、Mは、マグネシウム、バリウム、ビスマス、ストロンチウム、銅、亜鉛、カドミウム及びジルコニウムから選択される多価金属イオンであり、nは、Mの原子価に対応する。多価金属ピリチオン塩の任意の物理的形態(プレートレット及びニードル構成を含む)を使用することができる。
【0279】
一態様では、ピリチオンの多価金属塩は、1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオンの亜鉛塩、すなわち、以下によって表される2-ピリジンチオール-1-オキシドの亜鉛錯体(「亜鉛ピリチオン」又は「ZPT」として知られる)から選択される。
【0280】
【0281】
一態様では、ZPTフケ防止剤は、最大約20μm、又は最大約5μm、又は最大約2.5μm、又は最大約1μmの平均粒径を有する。更なる態様では、平均粒径は、約0.1μm~約1μm、又は約0.25μm~約0.75μmの範囲であり得る。平均粒径は、粒状材料の平均粒径を決定するための当技術分野で周知の光散乱技術によって測定することができる。そのような方法の一つは、HoribaモデルLA 910レーザー散乱粒度分布分析器(Horiba Instruments,Inc.、アーバイン、カリフォルニア)を使用してレーザー光散乱技術によって粒径を測定することを含む。
【0282】
ピリジンチオン抗微生物剤及びフケ防止剤は、例えば、米国特許第2,809,971号;米国特許第3,236,733号;米国特許第3,753,196号;米国特許第3,761,418号;米国特許第4,345,080号;米国特許第4,323,683号;米国特許第4,379,753号、及び米国特許第4,470,982号に記載されている。亜鉛ピリチオンは、米国特許第2,809,971号に示されるように、1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン(すなわち、ピリチオン酸)又はその可溶性塩を亜鉛塩(例えば、硫酸亜鉛)と反応させて亜鉛ピリチオン沈殿物を形成することによって製造することができる。亜鉛ピリチオンは、Arch Chemicals,Inc.(Lonza Group Ltd.)からZinc Ormadine(商標)の商品名で市販されている。
【0283】
一態様では、本技術の組成物における使用に適したピリチオンの多価金属塩(例えば、ZPT)の量は、組成物の重量に基づき、約0.01~約5重量%、又は約0.1~約2重量%範囲である。
【0284】
本技術の一態様では、ピリチオンの多価金属塩は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0213751号明細書及び米国特許第8,491,877号に開示されているような二次粒子亜鉛塩と組み合わせて使用することができる。亜鉛含有層状物質(ZLM)は、ピリチオンの多価金属塩、特にZPTの抗菌効力を増強する有用な二次塩であることが開示されている。
【0285】
例示的なZLMとしては、これらに限定されないが、水亜鉛土(炭酸水酸化亜鉛)、塩基性炭酸亜鉛、水銅鉱(炭酸水酸化亜鉛銅)、ロササイト(炭酸水酸化銅亜鉛)、及び亜鉛含有の多くの関連鉱物が挙げられる。粘土型鉱物(例えば、フィロケイ酸塩)などのアニオン性層種がイオン交換亜鉛ギャラリーイオンを含有する天然ZLMも生じ得る。
【0286】
一態様において、塩基性炭酸亜鉛は、ZPTと組み合わせて使用される。塩基性炭酸亜鉛は、商業的に「炭酸亜鉛」又は「炭酸亜鉛塩基性」又は「炭酸亜鉛ヒドロキシカーボネート」とも呼ばれ、天然に存在するハイドロジンサイトと同様の材料からなる合成バージョンである。理想的な化学量論は、Zn5(OH)6(CO3)2として表されるが、実際の化学量論比はわずかに変動し得、他の不純物が結晶格子中に組み込まれ得る。塩基性炭酸亜鉛の市販の供給源は、Zinc Carbonate Basic(Cater Chemicals:ベンセンビル、イリノイ州、米国)、Zinc Carbonate Basic(Sigma-Aldrich:セントルイス、ミズーリ州、米国)、Zinc Carbonate(Shepherd Chemicals:ノーウッド、オハイオ州、米国)、Zinc Carbonate(CPS Union Corp.:ニューヨーク、ニューヨーク州、米国)、Zinc Carbonate(Elementis Pigments:ダラム、英国)、及びZinc Carbonate AC(Bruggemann Chemical:ニュータウン・スクエア、ペンシルベニア、米国)を含む。
【0287】
本技術の態様において、ZLM(例えば、塩基性炭酸亜鉛)は、粒子の90%が約50μm未満である粒径分布を有することができる。別の態様において、ZLMは、粒子の90%が約30μm未満である粒径分布を有することができる。更に別の態様において、ZLMは、粒子の90%が約20μm未満である粒径分布を有することができる。
【0288】
本技術の別の態様では、ZLM(例えば、塩基性炭酸亜鉛)は、約10m2/gmより大きい表面積を有することができる。更なる態様において、ZLMは、約20m2/gmを超える表面積を有することができる。更に別の態様では、ZLMは、約30m2/gmを超える表面積を有することができる。
【0289】
ZLM及びピリチオンの多価金属塩(例えば、ZPT)を利用する態様では、ZLMとピリチオンの多価金属塩との比は、一態様では約5:100~約10:1、別の態様では約2:10~約5:1、更に別の態様では約1:2~約3:1(全ての比率は重量/重量に基づく)である。
【0290】
本技術の一態様では、ピリチオンの多価金属塩は、その中の関連する開示のために参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第01/00151号に開示されているように、銅及び亜鉛塩などの金属イオン源と組み合わせて使用することができる。銅及び亜鉛塩などの金属イオン源と組み合わせて、ZPTなどのピリチオンの多価金属塩を使用する局所用組成物において、フケ防止効果を劇的に増加させることができることが開示されている。金属イオン源は、亜鉛、銅、銀、ニッケル、カドミウム、水銀、及びビスマスから選択することができる。一態様では、金属イオンは、亜鉛塩、銅塩、銀塩、及びこれらの混合物から選択される。
【0291】
一態様では、金属イオンは、亜鉛塩、銅塩、及びこれらの混合物から選択される。亜鉛及び銅の例示的な金属イオン塩としては、酢酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、クエン酸亜鉛、フッ化亜鉛、ヨウ化亜鉛、乳酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、リン酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、セレン酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硫化亜鉛、タンニン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、吉草酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、ウンデシル酸亜鉛などが挙げられるが、これらに限定されない。亜鉛塩の組み合わせもまた、開示された技術の組成物において使用され得る。例示的な銅の金属イオン塩としては、クエン酸銅二ナトリウム、銅トリエタノールアミン、炭酸銅、炭酸第一銅アンモニウム、水酸化第二銅、塩化銅、塩化第二銅、銅エチレンジアミン錯体、オキシ塩化銅、オキシ塩化銅硫酸、酸化第一銅、チオシアン酸銅などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの銅塩の組み合わせもまた、開示される技術の組成物中で使用され得る。
【0292】
金属イオン源は、一態様では約5:100~約5:1、別の態様では約2:10~約3:1、及び更に別の態様では約1:2~約2:1のピリチオンと多価金属塩の比(重量/重量)で組成物中に存在する。
【0293】
医薬活性物質及び化粧品活性物質
本技術の組成物は、所望の効果を送達するために医薬活性物質及び/又は化粧品活性物質と共に配合することができる。このような活性成分の例としては、これらに限定されないが、カフェイン、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、抗ストレッチマーク化合物、収斂剤(例えば、ミョウバン、オートミール、ノコギリソウ、ウイッチヘーゼル、ヤマモモ、及びイソプロピルアルコール)、ドレイン化合物、脱毛剤(例えば、カルシウム及びナトリウムヒドロキシド、カルシウム又はナトリウムチオグリコレート、又はこれらの混合物)、毛髪成長促進化合物(例えば、ミノキシジル)、皮膚及び毛髪栄養化合物、皮膚及び毛髪保護化合物、セルフタンニング化合物(例えば、モノ又はポリカルボニル化合物、例えば、イサチン、アロキサン、ニンヒドリン、グリセルアルデヒド、メソ酒石酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、エリトルロース、チロシン、チロシンエステル、及びジヒドロキシアセトン)、UV吸収剤(例えば、エチルヘキシルメトキシシンナメート、オクチノキサート、オクチサレート、オキシベンゾン)、皮膚美白剤(例えば、コウジ酸、ハイドロキノン、アルブチン、果実、植物又は植物性抽出物、例えば、レモンピール抽出物、カモミール、緑茶葉、コウゾ抽出物など、アスコルビル酸誘導体、例えば、アスコルビルパルミテート、アスコルビルステアレート、マグネシウムアスコルビルホスフェートなど)、リッププランピング化合物、抗老化、抗セルライト、及び抗ざ瘡化合物(例えば、酸性薬剤、例えば、α-ヒドロキシ酸(AHA)、β-ヒドロキシ酸(BHA)、α-アミノ酸、α-ケト酸(AKA)、酢酸、アゼライン酸、及びこれらの混合物)が挙げられる。一態様では、AHAは、乳酸、グリコール酸、果実酸、例えばリンゴ酸、クエン酸、酒石酸、AHAを含有する天然化合物の抽出物、例えばリンゴ抽出物、アンズ抽出物など、ハチミツ抽出物、2-ヒドロキシオクタン酸、グリセリン酸(ジヒドロキシプロピオン酸)、タルトロン酸(ヒドロキシプロパン二酸)、グルコン酸、マンデル酸、ベンジル酸、アゼライン酸、α-リポ酸、サリチル酸、AHA塩及び誘導体、例えばアルギニングリコレート、アンモニウムグリコレート、グリコール酸ナトリウム、アルギニンラクテート、乳酸アンモニウム、乳酸ナトリウム、α-ヒドロキシ酪酸、α-ヒドロキシイソ酪酸、α-ヒドロキシイソカプロン酸、α-ヒドロキシイソ吉草酸、アトロ乳酸などを含むことができるが、これらに限定されない。BHAとしては、3-ヒドロキシプロパン酸、β-ヒドロキシ酪酸、β-フェニル乳酸、β-フェニルピルビン酸などが挙げられ得るが、これらに限定されない。α-アミノ酸としては、フルーツ酸と組み合わせて用いられることがある、アスパラギン酸、グルタミン酸、及びそれらの混合物などのα-アミノジカルボン酸が挙げられるが、これらに限定されない。AKAは、ピルビン酸を含む。いくつかの抗老化組成物において、酸性活性剤は、レチノイン酸、トリクロロ酢酸などのハロカルボン酸、アスコルビン酸(ビタミンC)などの酸性酸化防止剤、鉱酸、フィチン酸、リゾホスファチジン酸などであり得る。いくつかの酸性抗ざ瘡活性物質は、例えば、サリチル酸、サリチル酸の誘導体、例えば5-オクタノイルサリチル酸、レチノイン酸、及びその誘導体、及び安息香酸、抗炎症化合物(例えば、アスピリン、イブプロフェン、及びナプロキセン)、鎮痛剤(例えば、アセトアミノフェン)、抗酸化化合物、制汗剤化合物(例えば、ハロゲン化アルミニウム、アルミニウムヒドロキシハロゲン化物、硫酸アルミニウム、ジルコニウム(ジルコニル)オキシハロゲン化物、ジルコニウム(ジルコニル)ヒドロキシハロゲン化物、及びこれらの混合物又は錯体)、防臭剤化合物(例えば、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール(AMP)、フェノールスルホン酸アンモニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム、ブロモクロロフェン、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、クロロフィリン-銅錯体、クロロチモール、クロロキシレノール、クロフルカルバン、塩化デカリニウム、ジクロロフェン、ジクロロ-m-キシレノール、ジヒドロキシエチルスルホスクシニルウンデシレン酸二ナトリウム、臭化ドミフェン、ヘキサクロロフェン、塩化ラウリルピリジニウム、塩化メチルベンゼトニウム、フェノール、重炭酸ナトリウム、フェノールスルホン酸ナトリウム、トリクロカルバン、トリクロサン、フェノールスルホン酸亜鉛、リシノール酸亜鉛及びこれらの混合物);及び上記のいずれかの適切な混合物を含むことができる。
【0294】
活性皮膚トリートメント組成物の使用及び配合の議論は、いずれもAllured Publishing Corporationから入手可能であり、参照により本明細書に組み込まれる、1995年に出版されたCOSMETICS&TOILETRIES,C&T Ingredient Resource Series,「AHAs & Cellulite Products How They Work」及び1998年に出版された「Cosmeceuticals」に記載されている。
【0295】
一態様では、医薬活性物質及び化粧品活性物質の量は、全組成物の重量に基づいて、約0.0001~約5重量%、又は0.001~約3重量%、又は0.01~約1.5重量%、又は約0.1~約0.1重量%の範囲であり得る。
【0296】
電解質
任意選択で、本開示の技術のクレンジング及びコンディショニング組成物は、電解質を含有することができる。適切な電解質は既知の化合物であり、多価アニオンの塩、例えばピロリン酸カリウム、トリポリリン酸カリウム、及びクエン酸ナトリウム又はクエン酸カリウム、塩化カルシウム及び臭化カルシウムなどのアルカリ土類金属塩を含む多価カチオンの塩、並びにハロゲン化亜鉛、塩化バリウム、硫酸マグネシウム及び硝酸カルシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウム、及び臭化アンモニウムなどのアルカリ金属又はハロゲン化アンモニウムを含む一価カチオンとの塩、アルカリ金属又は硝酸アンモニウム、並びにそれらのブレンドが挙げられる。
【0297】
使用される電解質の量は、一般に、組み込まれるエマルジョンポリマーの量に依存するが、全組成物の重量に基づいて、約0.1~約4重量%、又は約0.2~約2重量%の濃度レベルで使用され得る。
【0298】
毛髪着色染料及び顔料
本技術の組成物はまた、酸化染料前駆体、染料カップラー、直接染料、染料、顔料、及びこれらの混合物を含有してもよく、これらは、当該技術分野において一般的に知られている永久、半永久及び一時的染料を包含する。毛髪着色剤は、CTFA International Color Handbook,2ndEdition,Micelle Press,England(1992)及びCosmetic Handbook,US Food and Drug Administration,FDA/IAS Booklet(1992)に開示されており、これらの内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0299】
例示的な酸化染料前駆体としては、4-アミノ-m-クレゾール、1-ヒドロキシエチル-4-5-ジアミノフィラゾールサルフェート、N,N,ビス[2-ヒドロキシエチル]-p-フェニレン-ジ-アミンサルフェート、ヒドロキシエチル-p-フェニレン-ジ-アミンサルフェート、p-アミノフェノール、m-アミノフェノール、3-メチル-4-アミノフェノール、p-メチルアミノフェノールサルフェート、p-フェニレンジアミンサルフェート、テトラアミノピリミジンサルフェート、トルエン-2-5-ジアミンサルフェート、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0300】
例示的な染料カップラーとしては、レゾルシノール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、2-メチルレゾルシノール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソールサルフェート、1-ナプトール、2,4,ジアミノフェノキシエタノールサルフェート、m-アミノフェノール、フェニルメチルピラゾロン、4-クロロレゾルシノール、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0301】
毛髪分野において周知であるように、酸化染料前駆体及び染料カップラーは、2成分系として配合される。各構成成分は別々に包装され、使用直前に一緒に混合される。酸化染料前駆体、染料カップリング剤、及びアルカリ化剤(例えば、アンモニア)を含む第1の成分は、酸化剤(例えば、過酸化水素)を含む第2の成分とは別個に包装される。第1及び第2の成分は、使用直前に混合され、毛髪に適用される。
【0302】
例示的な直接染料としては、4-[4’-アミノフェニル)-(4’’-イミノ-2’’,5’’-シクロヘキサジエン-1’’-イリデン)メチル]-2-メチルアミノベンゼン一塩酸塩(C.I.42 510)、4-[4’-アミノ-3’-メチルフェニル)-(4’’-イミノ-3’’-メチル-2’’,5’’-シクロヘキサジエン-1’’-イリデン)メチル]-2-メチルアミノベンゼン一塩酸塩(C.I.42 520)、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、4-アミノ-3-ニトロフェノール、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、HC Blue 2、HC Yellow 4、HC Red 3、Disperse Violet 4、Disperse Black 9、HC Blue 7、HC Blue 12、HC Yellow 2、HC Yellow 12、Disperse Blue 3、Disperse violet 1、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0303】
好適な半永続的染料は、塩基性染料、HC染料、酸性染料、直接染料、分散染料、及びそれらの混合物から選択することができる。
【0304】
好適な半永続的染料は、塩基性染料、HC染料、酸性染料、直接染料、分散染料、及びそれらの混合物から選択することができる。
【0305】
好適な分散染料としては、Disperse Black 9、Disperse Blue 1、3、及び7;Disperse Brown 1、Disperse Orange 3、Disperse Red 11、15、及び17;並びにDisperse Violet 1、4、及び15が挙げられる。
【0306】
一時的毛髪着色剤は、一時的染色製品において一般的に使用される任意の染料であり得る。一態様では、一時的着色剤は、少なくとも1つの顔料から選択される。本明細書で使用される場合、「顔料」という用語は、毛髪に色を付与する任意の顔料を意味する。
【0307】
使用され得る少なくとも1つの顔料は、Kirk-Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology及びUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistryに記載されているものなどの、当技術分野で既知の有機及び/又は鉱物顔料から選択することができる。
【0308】
少なくとも1つの顔料は、粉末又は顔料ペーストの形態であり得る。顔料は、コーティングされ得るか、又はコーティングされ得ない。
【0309】
少なくとも1つの顔料は、例えば、鉱物顔料、有機顔料、レーキ、特別な効果を有する顔料、例えば真珠層又は光輝性フレーク、及びそれらの混合物から選択され得る。
【0310】
少なくとも1つの顔料は、鉱物顔料であり得る。本明細書で使用される場合、「鉱物顔料」という用語は、ウルマン百科事典の無機顔料に関する章における定義を満たす任意の顔料を意味する。本開示において有用であり得る鉱物顔料としては、酸化鉄、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物、及びフェリックブルーが挙げられる。
【0311】
着色鉱物顔料は、例えば、赤色酸化物、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の赤色顔料、γ酸化鉄等の無機褐色顔料、黄色酸化鉄、黄土等の無機黄色顔料、黒色酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機バイオレット顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、鉄青、群青等の無機青色顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等のタール系染料をフレーク化して得られる顔料、カルミン酸、ラッカ酸、カルタミン、ブラジリン等の天然顔料、酸化チタン被覆雲母、チタン酸化雲母、酸化鉄処理チタン被覆雲母、酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、酸化チタン被覆着色雲母、アルミニウム、金、銀、銅、白金、ステンレス等の金属粉顔料をフレーク化して得られるもの;及びこれらの混合物を含む。
【0312】
少なくとも1つの顔料は、有機顔料であり得る。本明細書で使用される場合、「有機顔料」という用語は、ウルマン百科事典の有機顔料に関する章における定義を満たす任意の顔料を意味する。例えば、少なくとも1つの有機顔料は、ニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、キノリン、アントラキノン、フタロシアニン、金属錯体、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、チオインジゴ、ジオキサジン、トリフェニルメタン、及びキノフタロン化合物から選択され得る。
【0313】
白色又は着色有機顔料は、カルミン、カーボンブラック、アニリンブラック、メラニン、アゾイエロー、キナクリドン、フタロシアニンブルー、ソルガムレッド、カラーインデックスにおいて参照番号CI 42090、69800、69825、73000、74100、及び74160で体系化された青色顔料、カラーインデックスにおいて参照番号CI 11680、11710、15985、19140、20040、21100、21108、47000、及び47005で体系化された黄色顔料、カラーインデックスにおいて参照番号CI 61565、61570、及び74260で体系化された緑色顔料、カラーインデックスにおいて参照番号CI 11725、15510、45370、及び71105で体系化された橙色顔料、カラーインデックスにおいて参照番号CI 12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、17200、26100、45380、45410、58000、73360、73915、及び75470で体系化された赤色顔料、並びに仏国特許公開第2679771号に記載されているようなインドール又はフェノール誘導体の酸化重合によって得られる顔料から選択され得る。
【0314】
有機顔料の例示的な顔料ペーストとしては、Pigment Yellow 3(CI 11710)、Pigment Yellow 1(CI 11680)、Pigment Orange 43(CI 71105)、Pigment Red 4(CI 12085)、Pigment Red 5(CI 12490)、Pigment Violet 23(CI 51319)、Pigment Blue 15.1(CI 74160)、Pigment Green 7(CI 74260)、Pigment Black 7(CI 77266)、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0315】
本技術による少なくとも1つの顔料はまた、欧州特許公開第1184426号に記載されているような少なくとも1つの複合顔料の形態であり得る。これらの複合顔料は、例えば、鉱物コア、コアへの有機顔料の結合を確実にするための少なくとも1つの結合剤、及びコアを少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの有機顔料を含む、粒子の化合物であり得る。
【0316】
有機顔料はまた、レーキであり得る。本明細書で使用される場合、「レーキ」という用語は、不溶性粒子上に吸着された染料を意味し、このようにして得られた集合体は、使用中に不溶性のままである。染料が吸着される不溶性粒子は、例えば、アルミナ、シリカ、カルシウムナトリウムボロシリケート、カルシウムアルミニウムボロシリケート、及びアルミニウムであり得る。レーキの非限定的な例は、D&C Red 7(CI 15 850:1)である。
【0317】
例示的な染料としては、コチニールカルミン、D&C Red 21(CI 45 380)、D&C Orange 5(CI 45 370)、D&C Red 27(CI 45 410)、D&C Orange 10(CI 45 425)、D&C Red 3(CI 45 430)、D&C Red 4(CI 15 510)、D&C Red 33(CI 17 200)、D&C Yellow 5(CI 19 140)、D&C Yellow 6(CI 15 985)、D&C Green(CI 61 570)、D&C Yellow 1 O(CI 77 002)、D&C Green 3(CI 42 053)、及びD&C Blue 1(CI 42 090)が挙げられる。
【0318】
少なくとも1つの顔料はまた、特別な効果を有する顔料であり得る。本明細書で使用される場合、「特別な効果を有する顔料」という用語は、観察条件(光、温度、観察角度など)の関数として変化する不均一な着色外観(ある特定の色合い、ある特定のビバシティ、及びある特定の明度によって特徴付けられる)を一般に作り出す顔料を意味する。したがって、それらは、標準的な均一な不透明、半透明、又は透明な色合いを与える白色又は着色顔料とは対照的である。特別な効果を有するいくつかのタイプの顔料には、蛍光性、光発色性、又は熱変色性顔料などの低屈折率を有するもの、及び真珠層又は光輝性フレークなどの高屈折率を有するものが存在する。
【0319】
特別な効果を付与する顔料の例としては、雲母/赤色酸化鉄、チタン又はオキシ塩化ビスマスでコーティングされた雲母などの真珠層顔料、酸化鉄を有するチタン雲母、フェリックブルー又は酸化クロムを有するチタン雲母、上記の有機顔料を有するチタン雲母などの着色真珠層顔料、及びオキシ塩化ビスマスに基づく真珠層顔料が挙げられる。例示的な真珠層顔料としては、雲母-TiO2レーキ、雲母-TiO2、雲母-Fe2O3、及び雲母-TiO2-Fe2O3が挙げられる。
【0320】
雲母支持体上の真珠層に加えて、アルミナ、シリカ、カルシウムナトリウムボロシリケート、カルシウムアルミニウムボロシリケート、及びアルミニウムなどの合成基質に基づく多層顔料が利用され得る。
【0321】
基質上に固定されていない干渉効果を有する顔料、例えば、液晶(Material District製のHelicones(商標)HC)及びホログラフィック干渉フレーク。特別な効果を有する顔料としては、蛍光性顔料、リン光性顔料、光発色性顔料、熱変色性顔料、及び量子ドットも挙げられる。
【0322】
毛髪着色染料及び顔料は、組成物の総重量に基づき、約0.0005~約20重量%、又は約0.005~10重量%、又は約0.05~約6重量%の範囲の量で存在することができる。
【0323】
補助固定剤
本技術のASE及びHASEポリマーは、毛髪固定組成物における使用に適した皮膜形成特性を有するが、補助的な毛髪固定ポリマーをそれと共に使用してもよい。例示的な補助毛髪固定ポリマーとしては、例えば、ポリアクリレート、ポリビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、変性セルロース、デンプン、及びこれらの混合物などの天然及び合成ポリマーが挙げられる。これらのポリマーは、本質的に非イオン性、アニオン性、カチオン性及び両性であり得、これらに限定されないが、1つ以上のポリオキシエチレン化酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、酢酸ビニルクロトン酸コポリマー、ビニルメタクリレートコポリマー、ポリ(メチルビニルエーテル(PVM)/無水マレイン酸(MA)のモノアルキルエステル、例えば、PVM/MAコポリマーアクリル酸/エチルアクリレート/N-tert-ブチル-アクリルアミド三元共ポリマーのエチル、ブチル及びイソプロピルエステル、並びにポリ(メタクリル酸/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)、アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、アクリレート/オクチルアクリルアミドコポリマー、酢酸ビニル(VA)/クロトン酸塩/ネオデカン酸ビニルコポリマー、ポリ(N-ビニルアセトアミド)、ポリ(N-ビニルホルムアミド)、変性コーンスターチ、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリクオタニウム、例えばポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-5、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-11、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-28、ポリクオタニウム-29、ポリクオタニウム-32、ポリクオタニウム-34、ポリクオタニウム-37、ポリクオタニウム-39、ポリクオタニウム-44、ポリクオタニウム-46、ポリクオタニウム-47、ポリクオタニウム-52、ポリクオタニウム-53、ポリクオタニウム-55、ポリクオタニウム-68、ポリクオタニウム-69、ポリクオタニウム-87、ラウ-16、ポリエーテル-1、VA/アクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレンAMP/アクリレートコポリマー、メタクリロールエチルベタイン/アクリレートコポリマー、アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム/アクリル酸、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン(VP)/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、アクリル酸/VPクロスポリマー、VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾールコポリマー、VP/ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)アクリレートコポリマー、VP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレートコポリマー、ビニルカプロラクタム/VP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、VA/マレイン酸ブチル/イソボルニルアクリレートコポリマー、VA/クロトネートコポリマー、アクリレート/アクリルアミドコポリマー、VA/クロトネート/プロピオン酸ビニルコポリマー、VP/酢酸ビニル/プロピオン酸ビニル三元共重合体、VP/酢酸ビニルコポリマー、VP/アクリレートコポリマー、VA/クロトン酸/プロピオン酸ビニル、アクリレート/アクリルアミド、アクリレート/オクチルアクリルアミド、アクリレート/ヒドロキシアクリレートコポリマー、アクリレート/ヒドロキシエステルアクリレートコポリマー、アクリレート/ステレオ-20メタクリレートコポリマー、tert-ブチルアクリレート/アクリル酸コポリマー、ジグリコール/シクロヘキサンジメタノール/イソフタレート/スルホイソフタレートコポリマー、VA/アルキルマレエートハーフエステル/N-置換アクリルアミド三元共重合体、ビニルカプロラクタム/VP/メタクリロアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド三元共重合体、メタクリレート/アクリレートコポリマー/アミン塩、ポリビニルカプロラクタム、ヒドロキシプロピルグアー、ポリ(メタクリル酸/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPSA)、エチレンカルボキサミド(EC)/AMPSA/メタクリル酸(MAA)、ポイルウレタン/アクリレートコポリマー及びヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドグアー、アクリレートクロスポリマー、アクリレートクロスポリマー-3、AMP-アクリレート/アリルメタクリレートコポリマー、ポリアクリレート-14、ポリアクリレート-2クロスポリマー、アクリレート/ラウリルアクリレート/ステアリルアクリレート/エチルアミンオキシドメタクリレートコポリマー、メタクリロイルエチルベタイン/メタクリレートコポリマー、ポリウレタン/アクリレートコポリマー、キトサンのピロリドンカルボン酸塩、キトサングリコール酸塩、カチオン性ポリガラクトマンナン、例えばグアーの四級化誘導体、例えばグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、カシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド及びヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドを含む。前述のポリマーの多くは、Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Washington D.C.によって出版されたInternational Cosmetic Ingredient Dictionaryに記載されているそれらのINCI命名法によって参照される。他の適切な補助固定ポリマーは、米国特許第7,205,271号に開示されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0324】
補助固定ポリマーは、典型的には、組成物の総重量に基づき、約0.01~約8重量%、又は約0.1~約5重量%、又は約0.2~約3重量%含まれる。
【0325】
不透明化/真珠光沢材料
一部の配合物は、多くの場合、真珠光沢として知られる化粧品的に魅力的な真珠のような外観を達成するために、真珠光沢材料を意図的に組み入れることにより不透明化される。乳白剤は、多くの場合、審美的に望ましくない特性をマスクするために、例えば、微粒子成分の存在に起因して暗い色になった組成物の色を改善するために、又は組成物中の微粒子の存在をマスクするために、組成物中に含められる。乳白剤はまた、別様に審美的に不快な組成物の審美性及び消費者の許容性を改善するためにも、水性組成物に含まれる。例えば、乳白剤は、透明な組成物に真珠光沢のある外観を付与することができ、それによってクリーミーでマイルドな、かつボディの外観を消費者に伝えることができる。当業者は、安定した真珠光沢のある配合物を調製する際に配合者が常に直面する問題を認識している。詳細な考察は、Huntingによる文献「Opacifiers and pearling agents in shampoos」、Cosmetic and Toiletries,Vol.96,pages 65-78(July 1981)に見出され、乳白剤の代表的なリストは、the CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,J.Nikitakis,ed.,The Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association,Inc.,Washington,D.C.,1988,at page 75に見出され、これらの両方は参照により本明細書に組み込まれる。
【0326】
不透明化又は真珠光沢材料としては、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ステアリルアルコール、オキシ塩化ビスマス被覆マイカ、マイカ被覆金属酸化物(例えば、二酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄)、ミリスチルミリステート、グアニン、グリッター(ポリエステル又は金属)、及びこれらの混合物が挙げられる。他の真珠光沢材料は、米国特許第4,654,207号、米国特許第5,019,376号、及び米国特許第5,384,114号に見出すことができ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
【0327】
一態様では、真珠光沢性材料の量は、安定化組成物の総重量に基づいて、約0.05重量%~約10重量%、別の態様では約0.1重量%~約3重量%の範囲の量で使用することができる。
【0328】
微粒子
安定化及び/又は懸濁を必要とする多数の他の実質的に不溶性の化合物及び成分を、本技術の組成物において利用することができる。このような他の不溶性化合物の例としては、顔料及び剥離剤が挙げられる。
【0329】
例示的な顔料は、金属化合物又は半金属化合物であり、イオン、非イオン又は酸化形態で使用され得る。顔料は、個々又は混合物のいずれかの形態であり、又は個々の混合酸化物若しくはそれらの混合物(混合酸化物と純粋酸化物との混合物を含む)としての形態であり得る。例は、酸化チタン(例えば、TiO2)、酸化亜鉛(例えば、ZnO)、酸化アルミニウム(例えば、Al2O3)、酸化鉄(例えば、Fe2O3)、酸化マンガン(例えば、MnO)、酸化ケイ素(例えば、SiO2)、ケイ酸塩、酸化セリウム、酸化ジルコニウム(例えば、ZrO2)、硫酸バリウム(BaSO4)、及びこれらの混合物である。
【0330】
顔料の他の例としては、D&C Red No.30、D&C Red No.36、D&C Orange No.17、Green 3 Lake、Ext.Yellow 7 Lake、Orange 4 Lake、Red 28 Lake、D&C Red Nos.7、11、31及び34のカルシウムレーキ、D&C Red No.12のバリウムレーキ、D&C Red No.13のストロンチウムレーキ、FD&C Yellow No.5及びNo.6のアンモニウムレーキ、FD&C No.40のアルミニウムレーキ、D&C Red Nos.21、22、27、及び28のアルミニウムレーキ、FD&C Blue No.1のアルミニウムレーキ、D&C Orange No.5のアルミニウムレーキ、D&C Yellow No.10のアルミニウムレーキ;D&C Red No.33のジルコニウムレーキ、酸化鉄、温度によって変色するサーモクロミック染料、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、カオリン、フェロシアン化第二鉄アンモニウム、炭酸マグネシウム、カルミン、硫酸バリウム、マイカ、オキシ塩化ビスマス、ステアリン酸亜鉛、マンガンバイオレット、酸化クロム、二酸化チタンナノ粒子、酸化バリウム、群青、クエン酸ビスマス、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸ジルコニウム、カーボンブラック粒子などが挙げられる。他の適切な微粒子としては、米国特許第7,202,199号に記載されているような様々な光学改質剤が挙げられる。
【0331】
多数の美容上有用な粒子状剥離剤が当該技術分野において既知であり、その選択及び量は、美容分野の当業者によって認識されるように、組成物の使用から所望される剥離効果によって決定される。有用な剥離剤としては、天然研磨剤、無機研磨剤、合成ポリマーなど、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。代表的な剥離剤としては、これらに限定されないが、粉砕又は粉末化された軽石、石、ゼオライト、ナッツ殻(例えば、扁桃、ペカン、クルミ、ココナッツなど)、ナッツミール(例えば、扁桃など)、果粒(例えば、アプリコット、アボカド、オリーブ、モモなど)、外皮、種子及び穀粒(例えば、エンバクぬか、コーンミール、米ぬか、ブドウ種子、キウイ種子、コムギ、ホホバ種子、ロファア種子、ローズヒップ種子など)、植物性物質(例えば、ティーツリーリーフ、コーンコブ、果物繊維、海草、ロファアスポンジ、微晶質セルロースなど)、二枚貝殻(ボレイなど)、カルシウムカーボネート、ジカルシウムピロホスフェート、白亜、シリカ、カオリンクレー、ケイ酸、酸化アルミニウム、酸化第二スズ、海塩(例えば、Dead Sea salt)、タルク、糖(例えば、テーブル、ブラウンなど)、ポリエチレン、ポリスチレン、微晶質ポリアミド(ナイロン)、微晶質ポリエステル、ポリカーボネート、及びステンレススチール繊維が挙げられる。前述の剥離剤は、顆粒、粉末、粉、及び繊維の形態で使用することができる。
【0332】
本組成物に使用するのに適した他の一般的に不溶性の成分としては、粘土、膨潤性粘土、ラポナイト、気泡、リポソーム、マイクロスポンジ、化粧用ビーズ及びフレークが挙げられる。化粧品ビーズ、フレーク、及びカプセルは、審美的外観のために組成物中に含めることができるか、又は毛髪及び皮膚に有益な薬剤を送達するためのマイクロカプセル及びマクロカプセルとして機能することができる。例示的なビーズ構成成分としては、寒天ビーズ、アルギネートビーズ、ホホバビーズ、ゼラチンビーズ、Styrofoam(商標)ビーズ、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate、PMMA)、ポリエチレンビーズ、Unispheres(商標)及びUnipearls(商標)化粧品ビーズ(Induchem USA,Inc.、New York,NY)、Lipocapsule(商標)、Liposphere(商標)、及びLipopearl(商標)マイクロカプセル(Lipo Technologies Inc.、Vandalia,OH)、及びConfetti II(商標)皮膚送達用フレーク(United-Guardian,Inc.,Hauppauge,NY)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0333】
本技術の一態様において、微粒子又は不溶性成分の量は、組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約10重量%の範囲であり得る。
【0334】
噴霧剤
所望であれば、任意の既知のエアロゾル噴霧剤を利用して、本技術のASE及びHASEポリマーを含有するパーソナルケア、ホームケア、ヘルスケア組成物、ヘルスケア組成物、及び施設ケア組成物を、そのような製品に従来から又は一般的に含まれる、1つ以上の前述の活性成分及び/又は1つ以上の添加剤及び/又は補助剤と組み合わせて送達することができる。例示的な噴霧剤としては、これらに限定されないが、C3-C6直鎖及び分岐炭化水素などの低沸点炭化水素が挙げられる。例示的な炭化水噴霧剤としては、プロパン、ブタン、イソブテン、及びそれらの混合物が挙げられる。他の適切な噴霧剤としては、エーテル、例えばジメチルエーテル、ヒドロフルオロカーボン、例えば1,1-ジフルオロエタン、及び圧縮ガス、例えば空気及び二酸化炭素が挙げられる。
【0335】
一態様では、これらの組成物は、組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約60重量%の噴霧剤、別の態様では約0.5重量%~約35重量%の噴霧剤を含有することができる。
【0336】
防腐剤
一態様では、パーソナルケアでの使用に適した任意の防腐剤を、毛髪を矯正するための組成物に使用することができる。好適な防腐剤としては、ポリメトキシ二環式オキサゾリジン、メチルパラベン、プロピルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、ベンジルトリアゾール、DMDMヒダントイン(1,3-ジメチル-5,5-ジメチルヒダントインとしても既知である)、イミダゾリジニル尿素、フェノキシエタノール、フェノキシエチルパラベン、メチルイソチアゾリノン、メチルクロロイソチアゾリノン、ベンゾイソチアゾリノン、トリクロサン、及び上記に開示された好適なポリクオタニウム化合物(例えば、ポリクオタニウム-1)が挙げられる。
【0337】
別の態様では、酸ベースの防腐剤は、例示的な組成物において有用である。酸ベースの防腐剤を使用すると、低pH範囲での製品の配合が容易になる。配合物のpHを下げることは、本質的に、改質プロセスに適していることに加えて、微生物の増殖に適さない環境を提供する。更に、低pHで配合すると、酸ベースの防腐剤の有効性が向上し、皮膚の酸性pHバランスを維持するパーソナルケア製品が得られる。パーソナルケア製品に有用である任意の酸ベースの防腐剤を例示的な組成物に使用することができる。一態様では、酸防腐剤は、式:R80C(O)OHによって表されるカルボン酸化合物であり、式中、R80は、水素、1~8個の炭素原子を含有する飽和及び不飽和ヒドロカルビル基又はC6~C10アリールを表す。別の態様では、R80は、水素、C1~C8アルキル基、C2~C8アルケニル基、又はフェニルから選択される。例示的な酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ソルビン酸、カプリル酸、及び安息香酸、並びにそれらの混合物であるが、これらに限定されない。
【0338】
別の態様では、適切な酸は、これらに限定されないが、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、クエン酸、アスコルビン酸、サリチル酸、フタル酸、マンデル酸、ベンジル酸、及びこれらの混合物を含む。
【0339】
前述の酸の塩は、それらが低いpH値で有効性を保持する限り有用である。好適な塩としては、上記に列挙した酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム)及びアンモニウム塩が挙げられる。
【0340】
酸ベースの防腐剤及び/又はその塩は、単独で、又はパーソナルケア、ホームケア、ヘルスケア、並びに施設及び産業用ケア製品に典型的に用いられる非酸性防腐剤と組み合わせて使用することができる。
【0341】
防腐剤は、全組成物の重量に基づき、0.01~3.0重量%、又は約0.1~約1重量%、又は約0.3~約1重量%含み得る。
【0342】
補助溶媒及び希釈剤
上述のパーソナルケア、ヘルスケア、ホームケア、及び施設ケア製品に従来又は一般的に含まれる、前述の有効成分の1つ以上及び/又は1つ以上の添加剤及び/又は補助剤と組み合わせて本技術の増粘界面活性剤組成物を含有するパーソナルケア、ホームケア、ヘルスケア、及び施設ケア組成物は、水を含まない又は水性の配合物、並びに水混和性補助溶媒及び/又は希釈剤を含有する配合物として調製することができるが、これらに限定されない。本技術のASE及びHASEポリマーは、水ベース、溶媒ベース、含水アルコールベース、及び混合溶媒配合物、並びに水混和性補助溶媒を含有する配合物に特に有用である。一般的に使用される有用な溶媒は、典型的には液体、例えば水(脱イオン水、蒸留水又は精製水)、アルコール、脂肪アルコール、ポリオール等、及びこれらの混合物である。非水性又は疎水性補助溶媒は、一般に、ネイルラッカー、エアロゾル噴霧剤スプレーなどの実質的に水を含まない製品において、又は油性汚れ、皮脂、化粧品の除去などの特定の機能のために、又は染料、香料などを溶解するために使用され、あるいはエマルジョンの油相に組み込まれる。水以外の補助溶媒の非限定的な例としては、直鎖及び分岐アルコール、例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、ヘキサノールなど;芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール、シクロヘキサノール等;飽和C12~C30脂肪アルコール、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどが挙げられる。ポリオールの非限定的な例としては、ポリヒドロキシアルコール、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、C2~C4アルコキシル化アルコール及びC2~C4アルコキシル化ポリオール、例えば約2~約30個の炭素原子及び1~約40個のアルコキシ単位を有するアルコール、ジオール及びポリオールのエトキシル化、プロポキシル化及びブトキシル化エーテル、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどが挙げられる。非水性補助溶媒又は希釈剤の非限定的な例としては、シリコーン、及びシクロメチコンなどのシリコーン誘導体、アセトン及びメチルエチルケトンなどのケトン;天然及び合成の油及びワックス、例えば、植物(vegetable)油、植物(plant)油、動物油、精油、鉱物油、C7~C40イソパラフィン、酢酸エチル、酢酸アミル、乳酸エチルなどのアルキルカルボン酸エステル、ホホバ油、サメ肝油などが挙げられる。前述の非水性補助溶媒又は希釈剤のうちのいくつかは、コンディショナー及び乳化剤であってもよい。
【0343】
例示的な組成物
ボディウォッシュ
一態様では、本技術のポリマーが有用であるパーソナルケア組成物は、ボディウォッシュである。ボディウォッシュの典型的な成分は、ポリマー増粘剤及び水に加えて、少なくとも1つの界面活性剤;約4~約7.5、又は約4.5~約6.5、又は約5.0~約6.0のpHを達成するのに十分なpH調整剤(塩基及び/又は酸);並びにシリコーン、真珠光沢剤、ビタミン、油、香料、染料、防腐剤、植物、剥離剤、不溶性気泡、リポソーム、マイクロスポンジ、化粧用ビーズ及びフレークから選択される有益剤を含む、上述の補助剤、添加剤及び有益剤、並びにこれらの混合物から選択される任意選択の成分を含む。一態様では、界面活性剤はアニオン性界面活性剤である。別の態様では、界面活性剤は、任意選択で非イオン性界面活性剤と組み合わされた、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との混合物である。アニオン性界面活性剤は、硫酸化されていてもよく、又は硫酸塩を含まなくてもよい。別の態様では、界面活性剤は、任意選択でカチオン性及び/又は非イオン性界面活性剤と組み合わされた、アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との混合物である。一態様では、アニオン性硫酸化又は硫酸塩を含まない界面活性剤は、ボディウォッシュ組成物の総重量に基づいて、約5~約40重量%、又は約6~約30重量%、又は約8~約25重量%の範囲の量で存在することができる。硫酸化又は硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との混合物が使用される場合、硫酸化又は硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤:両性界面活性剤の重量比は、約1:1~約15:1、又は約1.5:1~約10:1、又は約2.25:1~約9:1、又は約4.5:1~約7:1の範囲であり得る。本技術のポリマーの量は、ボディウォッシュ組成物の総重量に基づき、約0.5~約5重量%、又は約1~約4.5重量%、又は約1.5~約3.5重量%の範囲であり得る。
【0344】
本技術のボディウォッシュ実施形態は、保湿ボディウォッシュ、抗菌ボディウォッシュ、二重目的ボディウォッシュ及びシャンプー、バスゲル、シャワーゲル、液体ハンドソープ、ボディスクラブ、バブルバス、フェイシャルスクラブ、フットスクラブなどとして製剤化することができる。
【0345】
シャンプー
一態様では、本技術のポリマーが有用であるパーソナルケア組成物は、シャンプーである。シャンプーの典型的な成分は、ポリマー増粘剤及び水に加えて、少なくとも1つの界面活性剤;約4~約7.5、又は約3.5~約6.0、又は約4.0~約5.5のpHを達成するのに十分なpH調整剤(塩基及び/又は酸);並びにコンディショニング剤(例えば、シリコーン、油、エステル及び/又はカチオン性コンディショニング剤)、真珠光沢剤、ビタミン、香料、染料、酸、ボタニカル、及び不溶性気泡を含む防腐剤、リポソーム、並びに化粧用ビーズ及びフレーク、並びにフケ防止剤、並びにこれらの混合物から選択される有益剤を含む、上述の補助剤、添加剤及び有益剤、並びにこれらの混合物から選択される任意選択の成分を含む。一態様では、界面活性剤は、硫酸化又は硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤である。別の態様では、界面活性剤は、任意選択でカチオン性及び/又は非イオン性界面活性剤と組み合わされた、硫酸化又は硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との混合物である。一態様では、硫酸化又は硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤は、シャンプー組成物の総重量に基づいて、約5~約40重量%、又は約6~約30重量%、又は8~約25重量%の範囲の量で存在することができる。硫酸化又は硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との混合物が使用される場合、硫酸化又は硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との重量比は、約1:1~約10:1、又は約2.25:1~約9:1、又は約4.5:1~約7:1の範囲であり得る。本技術のポリマーの量は、シャンプー組成物の総重量に基づき、約0.5~約5重量%、又は約1~約3重量%、又は約1.5~約2.5重量%の範囲であり得る。
【0346】
開示される技術のシャンプー実施形態は、ツーインワンシャンプー、ベビーシャンプー、コンディショニングシャンプー、ボディファリングシャンプー、保湿シャンプー、一時的ヘアカラーシャンプー、スリーインワンシャンプー、フケ防止シャンプー、ヘアカラー維持シャンプー、酸(中和)シャンプー、薬用シャンプー、及びサリチル酸シャンプーなどとして配合され得る。
【0347】
脂肪酸液体石鹸系クレンザー
一態様では、本技術のポリマーが有用であるパーソナルケア組成物は、脂肪酸石鹸系クレンザーである。脂肪酸石鹸系クレンザーの典型的な成分は、ポリマー増粘剤に加えて、少なくとも1つの脂肪酸塩;任意選択の界面活性剤(脂肪酸石鹸以外)又は界面活性剤の混合物;7を超える、又は約7.5~約14、又は約8~約12、又は約8.5~約10のpHを達成するのに十分なpH調整剤(塩基及び/又は酸);並びにシリコーン、保湿剤、真珠光沢剤、ビタミン、油、香料、染料、防腐剤、ボタニカル、抗菌剤、フケ防止剤、剥離剤、不溶性気泡、リポソーム、マイクロスポンジ、化粧用ビーズ及びフレークから選択される有益剤を含む、上述の補助剤、添加剤及び有益剤、並びにこれらの混合物から選択される任意選択の成分を含む。
【0348】
一態様では、脂肪酸石鹸は、約8~約22個の炭素原子を含有する少なくとも1つの脂肪酸塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム)から選択される。本技術の別の態様では、液体石鹸組成物は、約12~約18個の炭素原子を含有する少なくとも1つの脂肪酸塩を含有する。石鹸に利用される脂肪酸は、飽和及び不飽和であり得、合成源から、並びに適切な塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化アンモニウム)による脂肪及び天然油の鹸化から誘導され得る。例示的な飽和脂肪酸としては、これらに限定されないが、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸など、及びこれらの混合物が挙げられる。例示的な不飽和脂肪酸には、これらに限定されないが、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの塩(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム)、及びこれらの混合物が含まれる。脂肪酸は、獣脂などの動物性脂肪、又はヤシ油、赤油、パーム核油、パーム油、綿実油、オリーブ油、大豆油、ピーナッツ油、トウモロコシ油、及びこれらの混合物などの植物油に由来し得る。この実施形態の液体クレンジング組成物中使用することができる脂肪酸石鹸の量は、全組成物の重量に基づいて、約1~約50重量%、又は約10~約35重量%、又は約12~25重量%の範囲である。
【0349】
任意選択の硫酸化又は硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤は、石鹸組成物中、石鹸組成物の総重量の重量に基づき、約1~約25重量%、又は約5~約20重量%、又は8~約15重量%の範囲の量で存在することができる。硫酸化又は硫酸塩を含まないアニオン性及び両性界面活性剤の混合物を使用することができる。アニオン性界面活性剤と両性界面活性剤との重量比は、約1:1~約10:1、又は約2.25:1~約9:1、又は約4.5:1~約7:1であり得る。
【0350】
本技術の前述の石鹸の実施形態では、ポリマーの量は、石鹸組成物の総重量に基づき、約0.5~約5重量%、又は約1~約3重量%、又は約1.5~約2.5重量%の範囲であり得る。
【0351】
本技術の液体脂肪酸石鹸系クレンザーの実施形態は、ボディウォッシュ、バスジェル、シャワージェル、液体ハンドソープ、ボディスクラブ;バブルバス、フェイシャルスクラブ、及びフットスクラブ、ツーインワンシャンプー、ベビーシャンプー、コンディショニングシャンプー、ボディファリングシャンプー、保湿シャンプー、一時的ヘアカラーシャンプー、スリーインワンシャンプー、フケ防止シャンプー、ヘアカラー維持シャンプー、酸(中和)シャンプー、フケ防止シャンプー、薬用シャンプー、及びサリチル酸シャンプーなどとして配合され得る。
【0352】
固定剤
一態様では、本技術のポリマーが有用であるパーソナルケア組成物は、毛髪固定剤である。ポリマーに適用される「固定剤」という用語は、ポリマーが適用される表面上に堆積されるフィルム形成、接着、又はコーティングの特性を包含する。ヘアケア分野で一般的に理解され、本明細書で使用される「ヘアスタイリング、ヘアセッティング、及び毛髪固定剤」という用語は、毛髪固定剤及び皮膜形成剤であり、ヘアセットのスタイリング及び/又は保持の容易さに能動的に寄与し、ヘアセットの再スタイリング性を維持するために毛髪に局所的に適用されるヘアセッティング剤を集合的に指す。したがって、ヘアセッティング組成物は、ヘアスタイリング製品、毛髪固定剤、及びヘアグルーミング製品を含み、これらは、従来、ゲル、リンス、エマルジョン(水中油型、油中水型又は多相)、例えばローション及びクリーム、ポマード、スプレー(加圧又は非加圧)、スプリッツ、フォーム、例えばムース、シャンプー、固体、例えばスティック、半固体などの形態で毛髪(湿潤又は乾燥)に適用されるか、又はヘアセッティング組成物が含浸又はコーティングされたヘアセッティング補助具から適用されて、ヘアセッティング剤を、洗浄によって除去されるまでのある期間、毛髪に接触させたままにする。
【0353】
一態様では、ヘアセッティング組成物は、本技術の少なくとも1つのASE及び/又はHASEポリマーを単独で、又はヘアセット補助剤としての補助固定ポリマーと組み合わせて含む製品を包含する。製品は、製品形態に関して制限なく、毛髪を所望の形状(カール状又は直線状)に構成する前、その間、又はその後に毛髪(湿潤又は乾燥)に適用することができる。本技術のASE及びHASEポリマーは、市販の補助毛髪固定ポリマー、例えば非イオン性、カチオン性、及び両性のヘアセッティングポリマー、カチオン性コンディショニングポリマー、並びにこれらの組み合わせなどとの組み合わせにおいて有用である。従来の毛髪固定剤及びヘアスタイリングポリマーは、上記の「補助固定剤」の項に記載されている。
【0354】
本技術のポリマー増粘剤及び水に加えて、毛髪固定剤の典型的な成分は、約4~約7.5、又は約3.5~約6.0、又は約4.0~約5.5のpHを達成するのに十分なpH調整剤(塩基及び/又は酸);並びにコンディショニング剤(例えば、シリコーン、油、エステル、ワックス及び/又はカチオン性コンディショニング剤)、真珠光沢剤、脂肪酸、脂肪アルコール、ビタミン、香料、染料、顔料、酸、ボタニカル、及び不溶性気泡を含む防腐剤、リポソーム、並びにこれらの混合物から選択される有益剤を含む、上述の補助剤、添加剤及び有益剤、並びにこれらの混合物から選択される任意選択の成分を含む。
【0355】
固定ポリマーは、典型的には、固定剤組成物の総重量に基づき、約0.01~約25重量%、又は約0.1~約10重量%、又は約0.2~約5重量%含まれる。
【0356】
本技術は、単に例示を目的とするものであって、技術又はそれが実施され得る方法の範囲を限定するものと見なすべきではなく、以下の実施例によって例示される。特に明記されていない限り、部及びパーセントは重量に基づいて示されている。全ての重量及び百分率は、特に明記しない限り、100パーセント活性物質として表される。
【0357】
方法
分子量の決定
本明細書で参照されるポリマーの数平均分子量は、Polymer Laboratories(Varian,Inc.)によって製造されるPL-GPC 220高温GPC機器を使用して、GPCによって測定される。約0.02gのポリマーサンプルを、250ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及び0.05モルのNaNO3を含有する5mLのジメチルアセトアミド(DMAc)中に溶解する。試験サンプル溶液を約2時間穏やかに振盪し、サンプル溶液を0.45μmのPTFEディスポーザブルディスクフィルターに通すことによって濾過する。クロマトグラフィー条件は以下の通りである:移動相:250ppmのBHT及び0.05mのNaNO3を含むDMAc、70℃、1.0mL/分、サンプルサイズ:100μLカラムセット:PLgel(Guard+2×Mixed-A)、全て10μm、直列。Waters Empower Pro LC/GPCソフトウェアを使用して、結果を分析し、本技術のポリマー成分のMnを計算する。
【0358】
デンプン成分について本明細書で言及される数平均分子量は、Polymer Laboratories(Varian,Inc.)によって製造されたPL GPC-220高温GPC装置を使用してGPCによって測定される。約0.20gのサンプル溶液を、250ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及び0.02MのNaNO3を含有する5mLのDMSOに溶解した。溶液を30の速度のシェーカー上に一晩置いた。次いで、これを80℃のオーブンに2時間入れた。得られたサンプル溶液を、0.45μMのPTFEディスポーザブルシリンジフィルターを通して濾過した。クロマトグラフィー条件は、移動相:50mM LiBr及び250ppm BHTを含むDMSO、80℃、1.0mL/分、サンプルサイズ:100μL カラムセット:PLgelガード50×7.5mmを備えるPLgel混合-C 5μm 300×7.5mmである。Waters Empowers Proを使用して、結果を分析し、多糖標準に対するポリマー成分の分子量を計算する。
【0359】
粘性
ブルックフィールド回転スピンドル法(本明細書で報告される全ての粘度測定は、言及されているか否かにかかわらず、ブルックフィールド法によって行われる):粘度測定は、ブルックフィールド回転スピンドル粘度計、モデルDV2TRV(Brookfield Engineering Laboratories,Inc.)を用いて、約20回転/分(rpm)、約20~25℃の周囲室温で、mPa・sで報告される(以下、粘度と呼ぶ)。スピンドルのサイズは、製造業者からの標準的な推奨動作条件に従って選択される。一般に、スピンドルサイズは以下のように選択される。
【0360】
【0361】
スピンドルサイズの推奨は、例示のみを目的としている。当業者は、測定される系に適したスピンドルサイズを選択するであろう。
【0362】
降伏値
降伏応力とも称される降伏値は、応力下での流れに対する初期抵抗として定義される。これは、約20~25℃の周囲温度で、ブルックフィールド粘度計(モデルRV)を使用してブルックフィールド降伏値(BYV)外挿法によって測定される。ブルックフィールド粘度計を使用して、0.5~100rpmの速度で液体サンプルを通してスピンドルを回転させるのに必要なトルクを測定する。トルク読み取り値にスピンドル及び速度についての適切な定数を掛けると、見かけの粘度が得られる。降伏値は、せん断速度ゼロへの測定値の外挿である。BYVは以下の式によって計算される:
BYV,dyn/cm2=(ηα1-ηα2)/100
式中、ηα1及びηα2=2つの異なるスピンドル速度(それぞれ0.5rpm及び1.0rpm)で得られた見かけの粘度である。これらの技術及び降伏値測定の有用性は、参照により本明細書に組み込まれるNoveon Consumer Specialties of Lubrizol Advanced Materials,Incからの技術データシート番号244(改訂版:5/98)に説明されている。
【0363】
透明度
組成物の透明度(濁度)は、約20~25℃の周囲室温で比濁分析濁度計(Mircro 100 Turbidimeter、HF Scientific,Inc.)を用いて比濁計濁度単位(NTU)で決定される。蒸留水(NTU=0)を標準として用いる。6ドラムスクリューキャップバイアル(70mm×25mm)のほぼ頂部まで試験サンプルを充填し、全ての気泡が除去されるまで3200rpmで遠心分離する。遠心分離してから、濁度計に入れる前に、各サンプルバイアルをティッシュペーパーで拭いてあらゆる汚れを除去する。サンプルを濁度計に入れ、読み取りを行う。読み取り値が安定したら、NTU値を記録する。バイアルを4分の1回転させ、もう1回読み取りを行って記録する。4回の読み取りが行われるまでこれを繰り返す。4つの読み取り値のうち最も低い値を濁度値として報告する。約>100のNTU値を有する組成物は、曇っているか又は濁っていると判断された。
【0364】
懸濁液安定性試験
懸濁液試験手順:活性及び/又は審美的に心地よい不溶性の油状又は粒状材料を懸濁するポリマー系の能力は、製品の有効性及び訴求の観点から重要である。6ドラムバイアル(高さ約70mm×直径25mm)に約65mmの点までバスゲル試験配合物を充填する。各サンプルバイアルを遠心分離して、配合物中に含まれる捕捉された気泡を除去する。化粧用ビーズ(例えば、Lipopearl(商標)ゼラチンカプセル;平均直径500~3000ミクロン)を遠心分離したサンプル中に秤量し(全組成物の重量に基づいて1.0重量%)、それらがバスゲルサンプル全体に均一に分散されるまで木製棒で穏やかに撹拌する。各サンプルバイアル内の約10個のビーズの位置を、バイアルの外側ガラス表面上の黒色マーカーペンでビーズの周りに円を描くことによって書き留めて、ゲル内のビーズの初期位置を確立する。バイアルを45℃のオーブンに入れて、12週間熟成させる。輪郭が描かれた円内のビーズの位置は、各サンプルの懸濁特性を示し、毎週モニターされる。懸濁液の結果を、それらのそれぞれの対象となる手書きの円内に残っているビーズの数(元の10個の円で囲まれたビーズから)に基づいて、単に合格/不合格として視覚的に等級付けする。したがって、合格サンプルグレードは、バイアルガラスの外側に描かれた円で囲まれた標的内に依然として可視的に位置する少なくとも(7)個の円で囲まれたビーズを有することによって示される。不合格グレードは、12週間後に描かれた標的円の外側にドリフトする標的ビーズ及び円ビーズのうちの(3)を超えるか又は全てを有する任意のサンプルに与えられる。
【0365】
粒径測定
ラテックスの粒径は、動的光散乱(DLS)によって測定した。2滴のポリマーラテックス(5.8mLのVWR 16001-180ディスポーザブルポリエチレン目盛り付きトランスファーピペットから分注)を5mLの脱イオン(D.I.)水で希釈することによってサンプルを調製した。強度加重平均粒径(直径(d.nm))は、Particle Size Systems(PSS)Nicomp 380 ZLS粒径分析器を使用して測定した。測定は、90°に設定された散乱角及び300kHzの強度設定点(光パルス速度)で632.5~635nmのレーザー波長を使用して行われた。
【0366】
略語及び商品名成分リスト
以下の成分が本発明の実施例に使用される:
【0367】
【0368】
実施例1(ポリマー合成)
エマルジョンポリマーを、段階的なセミバッチ乳化重合プロセスで合成して、安定なラテックスポリマー粒子を生成した。撹拌機を備えた第1の反応器に、62.95phmのEA及び34.5のMAAを窒素雰囲気下で投入し、700rpmで混合して安定なモノマー混合物を形成した。撹拌機を備え、温度制御された第2の反応器に、217.39gの脱イオン水を添加し、窒素雰囲気下、210rpmで混合し、60℃に加熱した。反応器を加熱しながら、29.38phm(85%重量/重量)の酸化的に分解されたジャガイモデンプン(Perfectamyl(商標)A 4692)、0.07phmのラウリン酸、及び0.17phmのSelvol(商標)203 PVOHを反応器に投入し、続いて86.96phmの脱イオン水を使用して、反応器壁に付着した固体粉末を定量的に反応器に移し、すすぎ洗浄した。反応成分の均質な混合物が得られたら、10%酢酸を用いて混合物のpHを5に調整した。60℃で120分間保持した後、5.65phmの脱イオン水に溶解した0.1phmのプルラナーゼ酵素を反応混合物に添加した。酵素含有混合物を60℃で30分間保持し、その後、反応器内容物を85℃に加熱した。
【0369】
反応器の内容物が85℃に達したとき、0.004phm/g(重量/重量)の過硫酸アンモニウム開始剤水溶液を0.27phm/分の供給速度で第2の反応器に供給した。開始剤供給と同時に、第1の反応器からのモノマー混合物を、150分間にわたって0.67phm/分の供給速度で第2の反応器に計量供給した。
【0370】
30分間反応させた後、第1段階ポリマーラテックス粒子が形成された。30分間の第1段階反応の終わりに、2.17phmのEA中に混合された0.378phmのTMPTA架橋剤を含む第2段階モノマーを第1反応器に添加し、150分間のモノマー供給サイクルの残りの部分にわたって残りの第1反応器モノマーと共に第2反応器に供給した。第2段階モノマー混合物を反応器に導入するにつれて、反応温度は88℃に上昇した。
【0371】
150分間のモノマー供給サイクルの完了後、反応温度を88℃で60分間保持した。60分間の保持の終わりに、反応器内容物を49℃に冷却した。残留モノマーを減少させるために、4phmの脱イオン水中に希釈された0.15phmのt-ブチルヒドロペルオキシドの溶液を含むレドックス酸化剤を反応器内容物に添加し、続いて、4phmの脱イオン水中に希釈された0.16phmのエリソルビン酸を含むレドックス還元剤を添加した。酸化還元反応を30分間進行させた。30分間の終わりに、酸化還元反応を繰り返した。2回目の30分間の酸化還元反応の終了時に、得られたポリマー生成物を室温まで冷却し、反応器から排出し、ポリマーラテックスとして回収した。
【0372】
実施例2~11(ポリマー合成)
実施例2~11のポリマーを、それぞれのモノマー、開始剤、及び安定性パッケージ成分(デンプン、PVOH、酸)の量を表1に示すように変更したことを除いて、実施例1に記載したものと同じ成分、条件及び手順を利用して合成した。
【0373】
【表1】
*合成実施例1、2、3及び5~11のラテックスは約25重量%のポリマー固形分を含有し、合成実施例4のラテックスは約32重量%のポリマー固形分を含有していた。
1全モノマー100部当たりの部(重量部)
2部/全モノマー100部(重量/重量)
3ラウリン酸
4C
36ダイマー酸
5比較例
【0374】
実施例12~18
表3に記載のポリマー(1.7重量%活性ポリマー)及び表2に記載の成分を利用して、別個の硫酸塩含有クレンジング組成物を配合した。更に、国際公開第2014/139904号の実施例47及び57に従って調製した2つのポリマーを同様に配合し、試験した。別個の混合容器中で、各実施例のポリマーを、アニオン性界面活性剤を含有する硫酸塩の水溶液に添加し、続いて50%水酸化ナトリウム溶液でpHを6.5に調整した。次いで、両性界面活性剤、EDTA四ナトリウム、及び安息香酸ナトリウムを容器に添加し、pHをクエン酸で5.0~5.2のpHに逆酸性調整した。各硫酸塩含有クレンジング配合物をレオロジー特性及び透明度属性について評価し、これらを表3に報告する。
【0375】
【0376】
【表3】
1比較例
21.6重量%の活性ポリマーを配合した。
3国際公開第2014/13990号の実施例47に従って調製した。
4国際公開第2014/13990号の実施例57に従って調製した。
5機器の測定スケールの範囲外
【0377】
本技術のポリマーは、硫酸塩含有界面活性剤系に配合された場合、同一の硫酸塩含有系に配合された本技術の安定剤系なしで調製されたポリマーよりも良好な透明度値(NTU)を示す。
【0378】
実施例19~26
それぞれ表5及び表4に記載のポリマー及び成分を用いて、硫酸塩を含まないクレンジング組成物を別々に処方した。容器中で、各ポリマーラテックスを脱イオン(D.I.)、ココイルグルタミン酸二ナトリウム及びココグルコシドと合わせ、均一になるまで混合した。20%水酸化ナトリウムでpHを6.5に調整した。次いで、両性界面活性剤を容器に添加し、均質になるまで内容物と混合した。次いで、最終pHを20%水酸化ナトリウムでpH7.0~7.2に調整した。
【0379】
サンプル粘度は、スピンドル番号4(又は得られる粘度に適切なスピンドル)を使用するブルックフィールドRV粘度計を使用して測定した。サンプルの粘度を20rpmで60秒間、周囲室温(20~24℃)で測定した。各サンプル配合物の降伏値及び透明度(NTU)も測定した。
【0380】
【0381】
【0382】
本技術のポリマーは、硫酸塩を含まない界面活性剤系に配合された場合、同一の硫酸塩を含まない系に配合された本技術の安定剤系なしで調製されたポリマーよりも顕著に良好な透明度値(NTU)を示す。これは、硫酸塩を含まない系が配合するのに極めて困難なシャーシである傾向があるため、他の液体レオロジー調整剤よりも大きな利点を提供する。透明な硫酸塩を含まない系において高い粘度及び降伏値を得ることは、本技術のポリマーを用いて配合することによって達成可能である。
【0383】
実施例27(水性アルコールゲル配合物)
合成実施例7のポリマー及び表6に記載の成分を利用して、含水アルコールゲルハンドサニタイザーを配合した。250mLビーカーに、純ポリマーラテックスを脱イオン水と合わせ、均一になるまで混合した。ポリマーをアミノメチルプロパノールで所望のpH(7.3~7.7)に中和した。次いで、中和されたラテックス分散液に変性エタノールを添加した。配合物の所望の最終pHは、7.3~7.7の範囲であるべきであり、追加のアミノメチルプロパノールで調整することができる。配合物のレオロジー特性を、表7に記載の、同一に配合された市販のASEベンチマークポリマーと比較した。
【0384】
サンプル粘度は、スピンドル番号3(又は得られる粘度に適切なスピンドル)を使用してブルックフィールドRV粘度計で測定した。サンプル降伏値は、0.5rpmで60秒間、次いで1.0rpmで60秒間の粘度を測定することによって計算した。次いで、これらの粘度を式1に入力して、サンプルの降伏値を計算する。粘度及び降伏値のデータを表5にまとめる。
【0385】
【0386】
【表7】
1Carbopol Aqua SF-1ポリマー-(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸のC
1-C
5アルキルエステルから調製された架橋ASEポリマー
2目視観察に基づく
【0387】
実施例7のポリマーを用いて配合された水性アルコール組成物は、市販のASEベンチマークポリマーを用いて調製された同一の組成物と比較して濁っているが、本技術のポリマーを用いて調製された組成物のレオロジー特性(ブルックフィールド粘度及び降伏値)は、ベンチマークASEポリマーを用いて調製された組成物よりも有意に良好である。
【0388】
実施例28(クエン酸添加後の4℃での粒径安定性の改善)
エマルジョンポリマーラテックスを実施例1に記載したように合成した。例示的なラテックスの貯蔵寿命を向上させるために、異なる量のクエン酸/脱イオン水の50%溶液(重量/重量)をポリマーラテックスに添加した。ポリマーに、ラテックスの重量に対して50%(重量/重量)クエン酸/脱イオン水の2.5%(1.25%活性クエン酸)、5.0%(2.5%活性クエン酸)、7.5%(3.75%活性クエン酸)又は10%(5%活性クエン酸)溶液のいずれかを添加した。10%脱イオン水(重量/重量)で希釈した対照サンプルも含めた。安定性を、何も添加していないサンプル(「純ラテックス」)と比較した。ラテックス生成物の長期安定性に対するクエン酸の影響を理解するために、全てのサンプルを4℃で保持し、粒径を定期的に測定してラテックス粒子の凝集をモニターした。結果を表8に記載する。
【0389】
【表8】
1全ての後添加材料(クエン酸溶液、活性クエン酸、及び水)は、湿潤ラテックスの重量に対して計算される。
【0390】
ラテックス中のクエン酸の量を増加させると、粒径成長の勾配が徐々に減少し、低温でのラテックスの寿命が延びる。水処理ラテックスの粒径は、純粋な未処理ラテックスが増加したのと同様に増加した。水対照は、遅い粒径成長がラテックスを単に希釈することの関数ではないことを示している。ラテックスへのクエン酸の添加は、粒径成長を遅くする。ポリマー粒子が過度に成長すると、ラテックスは粘稠になり、材料を取り扱うことができなくなる。
【0391】
実施例29(エリソルビン酸添加後の4℃での粒径安定性の改善)
エマルジョンポリマーラテックスを実施例1に記載したように合成した。異なる量のエリソルビン酸(脱イオン水中25%溶液としてラテックスへの添加)の粒径に対する効果を表9に示す。後添加したエリソルビン酸の量は、使用した湿潤ラテックスの重量を基準とした。
【0392】
【0393】
粒径成長(融着)は、エマルジョンポリマーラテックスに2.5%及び5%(ラテックスの総重量に基づく)のエリソルビン酸を投入することによって、非投入ラテックスと比較して経時的に軽減された。
【0394】
実施例30(クエン酸及びエリソルビン酸のブレンド添加後の4℃での粒径安定性の改善)
エマルジョンポリマーラテックスを実施例1に記載したように合成した。異なる量のクエン酸(脱イオン水中の50%溶液(w/w)として添加)及びエリソルビン酸(脱イオン水中25%溶液(w/w)として4℃でのラテックスへの添加)の粒径に対する効果を表10に示す。後添加したクエン酸/エリソルビン酸の量は、使用した湿潤ラテックスの重量を基準とした。
【0395】
【0396】
クエン酸/エリソルビン酸ブレンドの投入レベルが増加するにつれて、ラテックス粒子の経時的な粒径成長(融着)が軽減された。
【0397】
実施例31(亜硫酸水素ナトリウム添加後の4℃での粒径安定性の改善)
エマルジョンポリマーラテックスを実施例1に記載したように合成した。異なる量の亜硫酸水素ナトリウム(脱イオン水中25%溶液(w/w)としてラテックスへの添加)の粒径に対する効果を表11に示す。後添加した亜硫酸水素ナトリウムの量は、使用した湿潤ラテックスの重量に基づいた。
【0398】
【0399】
結果は、亜硫酸水素ナトリウムの投入レベルが、非投入れラテックスと比較して、ラテックス粒子の融着を軽減することを示す。
【0400】
実施例32(クエン酸添加後の周囲室温での粒径安定性の改善)
融着の軽減が周囲条件に及ぶことを確認するために、クエン酸処理ラテックスサンプルを室温(20~25℃)でモニターし、未処理ラテックスの平均貯蔵寿命と比較した。ポリマーラテックスを実施例1に記載したように合成した。ラテックスを10%(重量/重量)の50%クエン酸溶液(重量/重量)で処理し、クエン酸で処理しなかった同じポリマーラテックスと比較した。結果を表12に提示する。
【0401】
【0402】
クエン酸で処理せず、室温で3ヶ月間保持したラテックスの平均粒径は、急速に合体した。クエン酸処理サンプルの粒径は、室温で保持された未処理サンプルよりも有意に低かった。これは、低温で観察される安定性が室温安定性にも及ぶことを実証している。
【国際調査報告】