(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】医療デバイス用の拡張可能イントロデューサシース
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A61M25/06 550
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024520983
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 US2022047868
(87)【国際公開番号】W WO2023076372
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】コーカッチ,クリストファー,ネイソン
(72)【発明者】
【氏名】バリー,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】マクログリン,アン,ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】カークパトリック,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】シュー,イン
(72)【発明者】
【氏名】ファンタッジ,グレン,アール.
(72)【発明者】
【氏名】フィッシュマン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ラジャラム,ミトゥン
(72)【発明者】
【氏名】ダゴスティーノ,マシュー
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA15
4C267BB03
4C267BB07
4C267BB11
4C267BB15
4C267BB31
4C267BB40
4C267BB47
4C267CC08
4C267CC19
4C267HH17
(57)【要約】
血管に医療デバイスを挿入するための拡張可能イントロデューサシース及び関連するレーザ切断フレーム。いくつかの例では、拡張可能シースは、複数の半径方向拡張バンドと、隣接する半径方向拡張バンドを接続するための複数の接続ブリッジとを含むフレームを有し得る。半径方向拡張バンドは、半径方向の拡張に対応するように構成されており、複数の接続ブリッジは、長手方向に拡張可能であり、医療デバイスの挿入又は除去中など、医療デバイス(例えば、心臓内心臓ポンプ)がシースを通過する際に柱強度を付与するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸線に沿って近位端から遠位端まで延びる管状フレームであって、前記管状フレームは、
複数の半径方向拡張バンドであって、各半径方向拡張バンドは、少なくとも部分的に、前記管状フレームの周囲の周りに延びる、複数の半径方向拡張バンドと、
複数の接続ブリッジであって、各接続ブリッジは、1つの半径方向拡張バンドの一部分を隣接する半径方向拡張バンドの一部分に結合する、複数の接続ブリッジと、
を含み、前記半径方向拡張バンド及び前記接続ブリッジは、前記管状フレームをレーザ切断することによって形成される、管状フレームと、
前記管状フレームの少なくとも外側を覆って形成されたコーティングと、
を含む、拡張可能シース。
【請求項2】
前記複数の半径方向拡張バンドと前記複数の接続ブリッジは、前記管状フレームの前記長手方向軸線又は前記フレームの前記周囲の一方に沿って交互に配置されている、請求項1に記載の拡張可能シース。
【請求項3】
各半径方向拡張バンドは、前記管状フレームの前記周囲の周りにジグザグパターンを画定する複数のバンドセグメントを含む、請求項1又は2に記載の拡張可能シース。
【請求項4】
各半径方向拡張バンドは、前記管状フレームの前記周囲の周りに、前記長手方向軸線に対して実質的に垂直に延びる、請求項1~3のいずれか一項に記載の拡張可能シース。
【請求項5】
各半径方向拡張バンドは、前記管状フレームの前記周囲の周りに、前記長手方向軸線に対して斜めに延びる、請求項1~3のいずれか一項に記載の拡張可能シース。
【請求項6】
各半径方向拡張バンドは、前記半径方向拡張バンド内で連続する連続的なバンド支柱を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の拡張可能シース。
【請求項7】
各半径方向拡張バンドは、少なくとも2つの不連続部分を含み、前記不連続部分は、少なくとも1つの接続ブリッジによって接続されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の拡張可能シース。
【請求項8】
各接続ブリッジは、前記長手方向軸線に沿って前記管状フレームが少なくとも部分的に圧縮力に曝されたときに互いに干渉するように構成された部分を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の拡張可能シース。
【請求項9】
前記半径方向拡張バンドのそれぞれは、前記管状フレームの前記周囲全体の周りに延びる、請求項1~8のいずれか一項に記載の拡張可能シース。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
[0001] 心臓内心臓ポンプアセンブリは、心臓に外科的又は経皮的に導入され、心臓又は循環系内のある場所から心臓又は循環系内の別の場所に血液を送達するために使用され得る。例えば、心臓内に留置されると、心臓内ポンプは、心臓の左心室から大動脈に血液を駆出することができる、又は下大静脈から肺動脈に血液を駆出することができる。心臓内ポンプは、患者の体外に配置されたモータ(及び付随する駆動ケーブル)によって、又は患者の体内に配置された内蔵モータによって駆動され得る。一部の心臓内血液ポンプシステムは、天然の心臓と並行して動作し、心拍出量を補助し、心臓の部位の負荷を部分的又は完全に軽減することができる。そのようなシステムの例としては、IMPELLA(登録商標)デバイスファミリー(Abiomed, Inc.、Danvers MA)が挙げられる。
【0002】
[0002] 1つの一般的なアプローチでは、心臓内血液ポンプは、ピールアウェイイントロデューサシースなどのシースを用い、カテーテル処置によって大腿動脈を通して挿入される。代替的に、シースは、大腿静脈、又は心臓の左側若しくは右側をサポートするポンプを送達するための任意の経路などの他の位置に挿入することができる。
【0003】
[0003] イントロデューサシースは、動脈切開部を通して大腿動脈に挿入され、ポンプアセンブリの挿入経路を形成することができる。その後、ポンプアセンブリの一部をイントロデューサの内腔を通して動脈に前進させる。ポンプアセンブリが挿入されると、イントロデューサシースは剥がされる。その後、リポジショニングシースをポンプアセンブリ上で動脈切開部に前進させることができる。医療デバイスの挿入中にイントロデューサシースをリポジショニングシースに交換することで、止血弁と共に使用される場合に患者にシースがより良好に固定されるため、四肢虚血及び皮膚の挿入部位(及び/又は血管内の挿入部位)における出血を減少させることができる。
【0004】
[0004] 市販のティアアウェイイントロデューサーシースは半径方向に拡張可能ではないため、イントロデューサシースの内径は、カテーテルなどのポンプアセンブリの他の部分が極めて小さな直径を有する場合でも、常時、ポンプヘッドなどのポンプアセンブリの最大直径部分を収容するのに十分な大きさでなければならない。この例では、イントロデューサは、ポンプカテーテルを血管へと通過させるために必要な外径よりも広い外径を有する開口部を形成する。その後、イントロデューサシースを剥がすか又は裂くかして、より低プロファイルのリポジショニングシースと交換する。イントロデューサシースを剥がすことによる除去には、いくつかの課題がある。例えば、イントロデューサがあまりにも容易に及び/又は早期に裂かれ、出血又は血管合併症につながる可能性がある。一部のイントロデューサは、裂いて除去するために過剰な力を必要とする場合がある。医師が過度の力を加える場合、イントロデューサが最終的に裂かれるときに、医師は、心臓内のポンプの位置を不注意でずらす可能性がある。この構成はまた、同様に裂く必要があるイントロデューサのハブ内に位置する止血弁の設計を複雑にする。更に、ピールアウェイイントロデューサシースでは、システムが除去された後に血管開口部が大きくなり、血管閉鎖を複雑にする可能性がある。
【0005】
[0005] 心臓ポンプの挿入以外の用途の医療用イントロデューサは、患者の血管系への経皮的デバイスの通過を可能にするために半径方向に拡張し得る拡張可能シース本体を有する。これらの既存の拡張可能なイントロデューサは、比較的短期間の使用のためであり、シース本体と留置カテーテルとの間の血栓症を防止するように設計され得る。これらのイントロデューサは、導入されるデバイスの外径よりも小さな内径を有して挿入される。イントロデューサは拡張して、デバイスがシースを通って血管系へと通過することを可能にし、その後、デバイスが通過した後に再度収縮し得る。いくつかの場合では、これらの拡張可能なイントロデューサは、別個の拡張可能な特徴、例えば、長手方向の折り目又はひだ、又は圧縮状態から拡張状態に移行させるための流体(例えば、生理食塩水)を注入するための管腔を必要とする。これらの既存の拡張可能なイントロデューサは、比較的短期間の使用を意図しているため、イントロデューサシースの外側に血栓が形成される可能性は低い。しかしながら、より長時間(例えば、1時間超、2時間超、6時間超、1日超、2日超、1週間超)放置された場合、拡張可能シースメッシュの外面に血栓が形成する可能性があり、後の時点で血流中に剥がれるリスクがある。更に、一部の市販の拡張可能シースは完全に可撓性であるため、その構造内に剛性が与えられず、それにより経皮的医療デバイスの挿入又は抜去中のキンク又は座屈につながる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
[0006] 医療デバイス(例えば、血管内医療デバイス)を挿入するためのシステム、デバイス、及び方法が提示される。デバイスは、拡張可能イントロデューサシースを通して送達される。拡張可能イントロデューサシースは、挿入経路(例えば、動脈切開部)に比較的長時間(例えば、1時間超、2時間超、6時間超、又は任意の適切な時間)留まるように構成されている。拡張可能なイントロデューサシースを使用することにより、小さなサイズのシースを挿入のために使用することを可能にし、シースが長時間使用されるにもかかわらず、血管開口部が大きな直径になっている時間を減らすことを可能にできる。例えば、拡張可能イントロデューサシースは、ポンプの挿入後、小さな直径により容易に戻ることができ、これにより、血管の開口部がより自然な位置に戻ることを可能にする。更に、医療デバイスは血管壁を瞬間的にしか通過しないため、血管の開口部は、より大きな拡張不能シースが使用される場合よりも小さくなると予想される。更に、医療デバイスは血管を瞬間的にしか通過しないため、デバイス、シース、及び血管壁の間の摩擦が最小限になり、軸方向荷重が減少し、血管に対する応力が低減される。即ち、シースはより小さなサイズであり、したがって、挿入/除去経路の軸線に沿って血管を押したり引いたりすることはない。その代わり、デバイスが血管を通過するとき、血管は半径方向外側に拡張する。
【0007】
[0007] 拡張可能イントロデューサシース構造体は、少なくとも1つのフレーム及び1つのコーティングを含む。コーティングは、患者内部での通過を容易にするために、シースの表面に適用される。任意選択的に、及びいくつかの構造では、コーティングは、シースの内面に適用されており、これは内径偏倚アプローチである。内径偏倚コーティングは、有利には、薄いコーティング厚さを提供し、有利には、偏倚のないコーティングを有するシースを拡張させるのに必要な力と比較して、シースを拡張させるのに必要な力が比較的小さくなる。別の実施形態では、コーティングは、シースの外面に適用されており、これは外径偏倚アプローチである。外径偏倚コーティングは、有利には、血栓形成のリスクを低下させ、拡張可能シースを通してデバイスを挿入する際の摩擦を最小限にする滑らかな外面を提供する。例えば、滑らかな外面を使用すると、有利には、拡張可能シースの表面上に血栓が形成されるリスクを最小限にし、波形の内面は、押し通されるデバイスと接触する拡張可能シースの表面積を最小限にし、それにより関連する摩擦力を最小限にする。外径偏倚コーティングは更に、有利には、薄いコーティング厚さを提供し、有利には、偏倚のないコーティングを有するシースを拡張させるのに必要な力と比較して、シースを拡張させるのに必要な力が比較的小さくなる。外径偏倚コーティングは、有利には、シースフレームが所望に応じて拡張及び収縮することを可能にする。即ち、薄いコーティング厚さは、フレーム要素が交差するフレームの部分をコーティングが被包しないようなものであるため、外径偏倚コーティングにより、フレームは一定の直径に固定されることはない。
【0008】
[0008] 拡張可能シースは、拡張器アセンブリと共に、患者の血管系に挿入されるように構成され得る。
【0009】
[0009] 拡張可能イントロデューサシース構造体は、熱接着又は外径偏倚ディッピングを使用して製造することができる。有利には、熱接着又は外径偏倚ディッピングにより、シースの所望のばね様の拡張可能な性質を失うことなく、シースの滑らかな外面が得られる。
【0010】
[0010] 拡張可能イントロデューサシースを取り外して二次的なリポジショニングシースと交換する必要がないため、時期尚早の裂き/剥がれのリスクが本質的に排除され、導入されるデバイスが(例えば、力の使い過ぎにより)意図せずしてずれるリスクが低下又は排除される。更に、拡張可能イントロデューサシースが挿入経路に残ることを可能にすることで、導入されるデバイスを挿入するプロセスが、挿入手順の工程数を減らすことにより、例えばシースとバルブを取り外す前に剥がしたり裂いたりしなければならない第2の工程を排除することにより、簡素化される。
【0011】
[0011] そのような拡張可能シースは、血管開口部(例えば、動脈切開部)に医療デバイス(例えば、心臓内心臓ポンプ)を導入するためにピールアウェイイントロデューサシース及びリポジショニングシースなどの複数のシースを有する従来のセットアップの必要性も排除する。そのような拡張可能シースは、必要に応じて、リポジショニングシースの併用を可能にするが、全ての場合にこれを必要とするわけではない。拡張可能シースは一旦配置されると、他の医療処置のためにアクセスが必要な場合、医療デバイスが除去された後でも血管へのそのようなアクセスを維持する。これにより、血管開口部へのアクセスを必要とする度にリポジショニングシースの挿入のためにイントロデューサシースを剥がす必要がないため、あらゆる医療処置の処置効率が向上する。更に、拡張可能イントロデューサシースは一旦挿入されると所定の位置に固定されるため、拡張可能イントロデューサシースでは医療デバイスのより正確な位置変更を達成することができるが、別個のリポジショニングシースの挿入には複数の工程を伴い、医療デバイスを置き違える可能性が高まる。
【0012】
[0012] したがって、拡張可能シースにより、患者の血管の開口部へのアクセスを必要とするあらゆる医療処置中における複数のシース(例えば、イントロデューサシース及びリポジショニングシース)の必要性を排除する。特に、耐キンク性でありながら拡張すること及び折り畳むことができ、変形後にその元の形状に戻ることができるフレーム及びコーティングアセンブリを使用することで、有利には、医療デバイスの送達及び回収を可能にする。イントロデューサシースとリポジショニングシースを単一のデバイスに統合することで、医療処置中に関わるコストを低減することができる。更に、血管への動脈切開アクセスを得るために単一のシースしか必要ないため、心臓ポンプなどの経皮的医療デバイスでのその長期使用中に伴う出血が少なくなる可能性がある。更に、拡張可能シースを拡張器アセンブリ及びスタイレットアセンブリに適合するように構成することで、拡張器の挿入及び除去に関する課題が減少するだけでなく、止血性能も向上する。いくつかの場合では、二重拡張器アセンブリ、拡張可能シース、及び止血スタイレットの組み合わせは、ポンプの変位が患者により深刻な結果をもたらす可能性のある手術などの処置の後期よりもむしろカテーテル検査室などの処置の比較的初期で使用することができる相乗的なシステムを提供し得る。このようなシステムは、処置の比較的初期で使用され得るため、潜在的なポンプの移動に早期に対処することができ、血管損傷を低減することができる。
【0013】
[0013] 本技術のいくつかの態様では、拡張可能シースは、シースの近位端と遠位端との間に長手方向に延びるフレームを有し得る。フレームは、管腔をその中に有するハイポチューブをパターン化することによって形成される。ハイポチューブは、レーザ切断によってパターン化される。ハイポチューブに導入されるパターンは、管腔の軸方向の拡張、半径方向の拡張、及び圧縮を制御するために設けられる。いくつかの例では、フレームは、複数の半径方向拡張バンドと、半径方向拡張バンドのそれぞれを接続するための複数の接続部分(本明細書中に記載されるように、これらは半径方向拡張バンドを橋渡しするため、本明細書では「接続ブリッジ」と呼ばれる)とを含み得、複数の半径方向拡張バンドは、主に半径方向に拡張可能であるように構成されており、複数の接続ブリッジは、長手方向の拡張を可能にすると共に、医療デバイス(例えば、心臓内心臓ポンプ)がシースを通過する際(例えば、医療デバイスの挿入又は除去中)に柱強度も提供するように構成されている。更に、接続ブリッジによって提供される長手方向の拡張及び柱強度は、シースが曲げ変形を受ける場合にキンクを回避するのに役立つ可能性がある。以下により詳細に説明するように、いくつかの例では、半径方向拡張バンドは、フレームの周囲の周りに(例えば、フレームの長手方向軸線に実質的に垂直に又は長手方向軸線に対して斜めに)延びる複数のバンドセグメントを含み得、半径方向拡張バンドと接続ブリッジは、フレームの長さに沿って交互に配置され得る。
【0014】
図面の簡単な説明
[0014] 上記及び他の目的及び利点は、同様の参照符号が全体を通して同様の部分を指す添付図面と併せて解釈される以下の詳細な説明を考慮することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】[0015]例示的な拡張器アセンブリに結合された例示的な拡張可能シースを含む例示的なシースアセンブリの等角図を示す。
【
図2】[0016]例示的な拡張可能シースアセンブリの等角図を示す。
【
図3】[0017]血管内に挿入後の例示的なイントロデューサシースを示す。
【
図4】[0018]例示的な拡張可能シースを通して挿入される例示的なポンプの等角図を示す。
【
図5】[0019]例示的な拡張可能シースから除去される例示的なポンプの等角図を示す。
【
図6】[0020]本開示の態様による、平らにされたときに現れ得るシース本体の例示的なレーザ切断フレーム設計の部分側面図を示す。
【
図7】[0021]巻かれたときに現れ得る
図6のレーザ切断フレームの部分側面図を示す。
【
図8】[0022]本開示の態様による、
図7のフレーム設計に基づくレーザ切断フレームの例示的構成の部分側面図を示す。
【
図9】[0022]本開示の態様による、
図7のフレーム設計に基づくレーザ切断フレームの例示的構成の部分側面図を示す。
【
図10】[0022]本開示の態様による、
図7のフレーム設計に基づくレーザ切断フレームの例示的構成の部分側面図を示す。
【
図11】[0022]本開示の態様による、
図7のフレーム設計に基づくレーザ切断フレームの例示的構成の部分側面図を示す。
【
図12】[0022]本開示の態様による、
図7のフレーム設計に基づくレーザ切断フレームの例示的構成の部分側面図を示す。
【
図13】[0022]本開示の態様による、
図7のフレーム設計に基づくレーザ切断フレームの例示的構成の部分側面図を示す。
【
図14】[0022]本開示の態様による、
図7のフレーム設計に基づくレーザ切断フレームの例示的構成の部分側面図を示す。
【
図15】[0022]本開示の態様による、
図7のフレーム設計に基づくレーザ切断フレームの例示的構成の部分側面図を示す。
【
図16】[0022]本開示の態様による、
図7のフレーム設計に基づくレーザ切断フレームの例示的構成の部分側面図を示す。
【
図17】[0022]本開示の態様による、
図7のフレーム設計に基づくレーザ切断フレームの例示的構成の部分側面図を示す。
【
図18】[0022]本開示の態様による、
図7のフレーム設計に基づくレーザ切断フレームの例示的構成の部分側面図を示す。
【
図19】[0022]本開示の態様による、
図7のフレーム設計に基づくレーザ切断フレームの例示的構成の部分側面図を示す。
【
図20】[0023]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図21】[0023]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図22】[0023]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図23】[0023]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図24】[0024]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図25】[0024]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図26】[0024]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図27】[0024]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図28】[0025]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図29】[0025]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図30】[0025]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図31】[0025]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図32】[0025]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図33】[0025]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図34】[0026]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図35】[0027]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図36】[0027]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図37】[0027]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図38】[0028]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図39】[0029]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図40】[0029]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図41】[0029]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図42】[0029]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図43】[0029]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【
図44】[0029]本開示の態様による、シース本体のレーザ切断フレームの例示的設計の部分斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
[0030] 本明細書中に記載されるシステム、方法、及びデバイスの全体的な理解を提供するために、特定の例示的な実施形態について説明する。本明細書中に記載される実施形態及び特徴は、心臓内心臓ポンプシステムと関連する使用に関して具体的に説明されるが、以下に概説する全ての構成要素及び他の特徴は、任意の適切な手法で互いに組み合わせることができ、他の種類の医療デバイス、例えば、電気生理学検査及びカテーテルアブレーションデバイス、血管形成及びステント留置デバイス、血管造影カテーテル、末梢挿入式中心静脈カテーテル、中心静脈カテーテル、正中線カテーテル、末梢カテーテル、下大静脈フィルタ、腹部大動脈瘤治療デバイス、血栓除去デバイス、TAVR送達システム、バルーンポンプを含む心臓治療及び心臓補助デバイス、外科的切開を使用して植え込まれる心臓補助デバイス、並びに任意の他の静脈又は動脈ベースの導入カテーテル及びデバイスに適合及び適用され得ることは理解されよう。
【0017】
[0031] 本明細書中に記載されるシステム、方法、及びデバイスは、血管開口を通して血管に医療デバイス(例えば、心臓内心臓ポンプ)を挿入するための拡張可能シースアセンブリを提供し得る。拡張可能シースアセンブリは、拡張器アセンブリと、内面と外面とを有するシース本体であって、内面は、シースの近位端と遠位端との間に延びる管腔を画定する、シース本体とを含み得る。任意選択的に、拡張可能シースアセンブリは、止血スタイレットを含んでもよい。拡張可能シースアセンブリ(シース本体、拡張器アセンブリ、及び任意の止血スタイレットを含む)は、動脈の石灰化及び蛇行を呈し、イントロデューサシース及びカテーテルの送達を困難にする冠動脈疾患(CAD)及び末梢動脈疾患を有する患者に対して、既存の拡張可能シースアセンブリに勝る利点を提供し得る。本明細書の拡張可能シースアセンブリは、その挿入プロファイルの低減、可撓性の増大、屈曲下でのキンクのリスクの減少、及び圧縮下での柱強度の増大によって、従来のアセンブリよりも挿入が容易であり得る。挿入プロファイルの低減により、挿入に関連する合併症が最小限になる可能性があり、血管開口部の伸縮及び負荷が最小限になる可能性があり、四肢虚血のリスクが最小限になる可能性がある。本明細書中に記載されるシース本体の構造は、曲げ可撓性及び耐キンク性を維持しながら押し込み性及び耐座屈性のために十分な軸方向の剛性を提供することができ、更に、軸方向の伸張及び半径方向の圧縮を分離して、「フィンガートラッピング」を低減又は防止することができる。更に、本明細書中に記載されるシース本体の構造は、薄いコーティング厚さを有する滑らかな内面を有して、シースを拡張させるのに必要な力を、全く偏倚のないコーティングを有するシースを拡張させるのに必要な力と比較して減少させること、又は滑らかな外面を有して、長期間にわたる使用中の血栓形成のリスクを低下させることのいずれかと同時に、シースが所望のとおりに拡張及び収縮することを可能にし、シース本体とそれを通して挿入されるデバイスとの間の摩擦を低減することによって、既存のイントロデューサシース本体に対する改良をもたらし得る。
【0018】
[0032] 更に、シース本体の瞬間的な拡張により、患者の血管系にシースを挿入する際に必要な開口部、例えば動脈切開部のサイズを最小限にし得る。シース本体が拡張状態にある時間量を最小限にすることで、弛緩又は折り畳み状態のシース本体を収容するのに必要な開口部が小さくなるため、血管壁への損傷も最小限になる可能性があり、それによって血管の血栓性閉塞が最小限になる。開口部が小さくなると、医療デバイスの除去後に止血に達するまでの時間も最小限になる可能性がある。このような拡張可能シースは、血管に医療デバイス(例えば、心臓内心臓ポンプ)を導入するためにピールアウェイイントロデューサシース及びリポジショニングシースなどの複数のシースを有する必要性を低減又は排除し得る。それにもかかわらず、そのような拡張可能シースは、所望に応じて複数のシースと共に使用することもできる。拡張可能シースは、患者の血管の開口部内に一旦配置されると、他の医療処置のためにアクセスが必要な場合、医療デバイスが除去された後でも血管へのそのようなアクセスを維持し得る。これにより、別のアクセスを再取得したり同じアクセス部位に第2のシースを再挿入したりする必要性を低減又は排除することによって、あらゆる医療処置の処置効率が向上し得る。イントロデューサシースとリポジショニングシースの単一のデバイスへの効果的な統合により、医療処置中に関わるコストを低減することができる。更に、血管への動脈切開アクセスを得るために単一のシースしか必要ない場合があるため、心臓ポンプなどの経皮的医療デバイスの長期使用中に伴う出血が少なくなる可能性がある。シース本体及び拡張器アセンブリを止血スタイレットと一体化することで、更に、血管開口部における調整された(titrated)止血を可能にし得る。いくつかの実施態様では、止血スタイレットは、リポジショニングシースであり得、これは、拡張可能シースに沿って血流を制御し、出血を最小限にするためにも使用され得る。
【0019】
[0033] 更に、本明細書中の拡張可能シースアセンブリは、医療処置全体を通してガイドワイヤアクセスを維持するために使用され得、したがって、拡張可能シースアセンブリを所定の位置に残したままで、使用者が医療デバイス(例えば、心臓ポンプ)を除去することを可能にする。
【0020】
[0034]
図1~
図6は、例示的なシースアセンブリ並びに例示的な構成要素及び構成の異なる態様を示す。
図1は、拡張器アセンブリ300に結合された拡張可能イントロデューサシース200(
図2に関連して更に説明される)を含む例示的なシースアセンブリを示す。理解されるように、拡張可能イントロデューサシース200は、血管内の所望の位置への挿入前に、拡張器アセンブリ300に取り付けられてもよい。拡張可能イントロデューサシース200及び拡張器アセンブリ300が血管内の所望の位置に達した後、拡張器アセンブリは、血管から除去されてもよく、医療デバイス、例えばポンプが拡張可能イントロデューサシース200を通して導入される。
【0021】
[0035]
図2は、ハブ204と拡張可能シース本体202とを含む例示的な拡張可能イントロデューサシース200(例えば、
図1の拡張可能イントロデューサシース200)を示す。
図6~
図38に関連して以下に更に説明するように、拡張可能イントロデューサシース200の拡張可能シース本体202は、フレーム及び1つ以上のコーティングを含み得る。一実施形態では、拡張可能シース本体202は、フレーム(例えば、
図6~
図38に関連して以下に説明するものなど)と、フレームを被包するコーティング(例えば、ポリマー、エラストマー等)とを含み得る。更に、いくつかの場合では、拡張可能シース本体202は、コーティングされたフレームの内面及び/又は外面の一部分に親水性コーティングを更に含み得る。
図2に示される拡張可能シース本体202のフレームは、任意の適切な金属(例えば、ニチノール、ステンレス鋼)又はポリマー(例えば、PEEK)で作製されたレーザ切断フレームであり得る。例示的なレーザ切断フレーム設計については、以下で詳しく説明する。いくつかの場合では、拡張可能シース本体202のフレームは、シース本体内にデバイスを挿入するための力が最小限になり(例えば、5N未満)、シースが、患者の解剖学的構造によって必要とされるように角を曲がる(例えば、5N未満の力を使用し、55度にわたって30mmの曲げの最小曲げ構成で角を曲がる)ことができるように構成され得る。いくつかの場合では、親水性コーティングは、シースに対する摩擦力を低減する利点を提供する可能性があり、これにより、「フィンガートラッピング」の可能性が低下する可能性がある。「フィンガートラッピング」では、挿入されたデバイス(例えば、心臓内心臓ポンプ)がシースを軸方向に伸張させ、シースの直径の少なくとも一部が挿入されたデバイスに対して圧縮され、これによりひいては、挿入されたデバイスに対する摩擦力を更に増大させる可能性がある。更に、いくつかの場合では、本明細書中に記載される例示的なレーザ切断フレーム設計は、「フィンガートラッピング」の可能性が低下又は排除されるように、軸方向の伸張と半径方向の圧縮との間の関係を低減又は排除するように構成され得る。
【0022】
[0036]
図2に示すように、拡張可能シース本体202は、近位端208と、遠位端210と、近位端と遠位端との間に延びる管腔とを有し得る。近位端208において、拡張可能シース本体202は、ハブ204に取り付けられ得る。ハブ204もまた、近位端及び遠位端を有し得、近位端と遠位端との間に延びる管腔を有する。ハブ204は、その遠位端において、拡張可能シース本体202に取り付けられ得る。ハブ204の近位側において、シースハブ204内に止血弁206が存在し得る。止血弁206は、拡張可能シース本体202の遠位端から拡張可能シース本体202及びハブ204の外に流体(即ち血液)が流れることを阻止しつつ、ハブ及びシースを通して構成要素の挿入を可能にするように構成され得る。いくつかの場合では、ハブ204は更に、流体の吸引及びシースのフラッシングを可能にするサイドアーム(
図2には図示せず)を含み得る。更に、拡張可能シース本体202の遠位端210は、拡張器アセンブリと接続するように構成された幾何学的形状を有し得る。拡張可能シース本体202の遠位端210はまた、拡張可能イントロデューサシースアセンブリの挿入中、及び拡張可能イントロデューサシースアセンブリが患者内に留まっている間に、血管壁又は任意の他の解剖学的構造を損傷する可能性を低減又は排除するために、非外傷性であるように構成され得る。
【0023】
[0037]
図3は、患者の血管304内に挿入後の例示的な拡張可能イントロデューサシース200(例えば、
図2に示される拡張可能イントロデューサシース200)を示す。図示のように、拡張可能イントロデューサシース200の遠位部分308は血管304内にある一方で、イントロデューサシース200の近位部分306は、患者の皮膚302の外側に留まる可能性がある。既に説明したように、拡張可能イントロデューサシース200の一部又は全部が1つ以上のコーティングでコーティングされていてもよい。したがって、いくつかの例では、少なくとも遠位部分(例えば、部分308)は、1つ以上のコーティングでコーティングされていてもよい。同様に、いくつかの例では、拡張可能イントロデューサシース200の全長は、1つ以上のコーティングでコーティングされていてもよい。いくつかの場合では、拡張可能イントロデューサシース200のコーティングは、シース及び挿入されるデバイスの様々な材料の間の摩擦を最小限にするように構成され得る。同様に、いくつかの場合では、拡張可能イントロデューサシース200のコーティングは、シースのフレーム内の全ての空隙を密封して、クローズドセルメッシュを形成するように構成され得る。拡張可能シースが多孔質でないようにクローズドセルメッシュを形成することで、血液又はフラッシング液が拡張可能シースを通して滲み出すことを防止し得る。加えて、クローズドセルメッシュを形成することで、動脈切開部を横切って出血するリスクをクローズドセルメッシュが低下させるため、拡張可能イントロデューサシース200の動脈切開部に対する位置決めにあまり敏感にならないようにすることができる。以下に更に説明するように、本明細書中に記載されるフレーム設計を使用した拡張可能シース本体は、拡張するのに十分な可撓性を保ちつつ、シース本体がその長手方向に開放した管腔を維持するのに十分な剛性を提供し得る。加えて、デバイスが引き抜かれる間に、シースを通過する医療デバイスが拡張可能シース本体を軸方向に圧縮する傾向にある特徴(例えば、心臓内心臓ポンプの遠位端にある球状ポンプヘッド又はピグテール)を有する場合、本明細書中に記載される拡張可能シース本体は、デバイスの除去中に、除去力に対抗し、シースがその長手方向に座屈する及び/又は折り重なることを防止するのに十分な長手方向の抵抗又は柱強度を提供するように構成され得る。
【0024】
[0038] 一例として、
図4は、イントロデューサシース200を通した心臓ポンプ402の挿入を示す。
図4の例に示すように、ポンプ402の外径は、拡張可能シース本体202の内径よりも大きく、ポンプが通過する際に拡張可能シース本体202を半径方向に拡張させる。カテーテル404の外径は、拡張可能シース本体202の内径よりも大きくてもよく、拡張可能シース本体202は、ポンプ402の通過後、カテーテル404上で元の状態に戻って折り畳まれ、拡張可能シース本体202はカテーテル404に密着する。
図5は、ポンプ402の除去の例示的な図である。イントロデューサシース200の遠位端は、ポンプ402が引き抜かれる際に、半径方向に拡張し得る。更に、イントロデューサシース200の柱強度は、イントロデューサシース200が、ポンプ402の摩擦負荷及びピグテールの復元力による座屈に耐えるかどうかを決定し得る。
【0025】
[0039] 上で述べたように、拡張可能シース本体のフレーム構成要素は、レーザ切断フレーム(例えば、
図6~
図44)であってもよい。レーザ切断フレームは、ニチノール、ステンレス鋼、又は別の適切な金属などの任意の適切な材料から作製されてもよい。同様に、いくつかの例では、フレーム材料は、PEEKなどの適切なポリマーから作製されてもよい。フレームにニチノールを使用する少なくとも1つの利点は、フレームが医用画像、例えば蛍光透視下で可視であり得、したがって、使用者がデバイスを配置するのを支援することができることである。同様に、いくつかの例では、拡張可能シース本体202のフレームは、放射性であってもよい。フレームに超弾性ニチノールを使用する更なる潜在的利点は、キンク及び/又は機械的変形に対する耐性が高まる可能性があることである。
【0026】
[0040]
図6~
図44は、本技術の態様による、拡張可能シース本体の様々な例示的なレーザ切断フレーム設計を示す。
【0027】
[0041]
図6は、切断され平らにされたときに現れ得るシース本体管腔のレーザ切断フレームの一部分を示し、
図7は、シースに(即ち、管状構成で)組み込まれた際に現れ得る
図6のシース本体管腔の側面図の一部分を示す。
図7に示すように、レーザ切断フレーム700は、レーザ切断フレーム700の周囲の周りに延びる複数の半径方向拡張バンド702であって、各半径方向拡張バンド702は、ジグザグパターンに配置されたバンド支柱704を有する、複数の半径方向拡張バンド702と、ブリッジ支柱708を有する各接続ブリッジ706を有する複数の接続ブリッジ706とを含み得る。複数の半径方向拡張バンド702及び複数の接続ブリッジ706は、フレーム700の全長にわたって交互のパターンで配置及び配列される。
【0028】
[0042] 図示のように、複数の半径方向拡張バンド702は、フレームが半径方向に拡張及び収縮することを可能にするように構成されており、複数の接続ブリッジ706は、フレームが制御された状態で長手方向に拡張及び収縮することを可能にするように構成されている。本技術のいくつかの態様では、複数の半径方向拡張バンド702は、所与の医療デバイス(例えば、心臓内心臓ポンプ)をフレーム700に挿入し、そこを通過させることを可能にするのに適切な半径方向の拡張を提供するように構成され得る一方で、半径方向の拡張と長手方向の収縮の比率を、フィンガートラッピングとして知られる問題を回避するほど十分に低く維持する。フィンガートラッピングは、フレームが半径方向に極限まで収縮し、それによりフレーム内に配置された任意の物品を「捕捉する」ような長手方向の拡張の状況を表すために用いられる。更に、複数の接続ブリッジ706は、医療デバイスがフレーム700を通して挿入されるときにフィンガートラッピングの可能性を更に低下させ、シース本体が曲げに曝されるときにキンクの可能性を低下させるために適切な長手方向の伸張を可能にするように構成され得る。更に、フレーム700が、シース本体が患者の血管系に押し込まれたときに座屈を回避できるようにするのに十分な柱強度(又は長手方向の抵抗)を有し得るように、各ブリッジ支柱708の脚部718、720は、フレーム700が長手方向に圧縮された後、互いに干渉(即ち接触)するように構成され得る。
【0029】
[0043]
図6及び
図7に示すように、複数の半径方向拡張バンド702のそれぞれは、フレーム700の周囲の周りで繰り返す複数のバンドセグメント728を含み得、各バンドセグメントは、正弦波、波状、又は波様のパターンを有するジグザグ配列を形成し、各バンド支柱704は、複数の第1の屈曲端部710と、複数の第2の屈曲端部712と、第1の屈曲端部710と第2の屈曲端部712とを接続する複数の直線部分714とを有する。例えば、
図7に示すように、直線部分714aは、第1の屈曲端部710によって、隣接する直線部分714bに接合されており、第2の屈曲端部712によって、第2の隣接する直線部分714cに接合されている。この態様によれば、各バンドセグメント728は、隣接する第1の屈曲端部710にまたがることができ、第2の屈曲端部712によって接続された一対の直線部分714を含む。しかしながら、バンドセグメント728は、バンド支柱704によって形成される任意の適切な繰り返し要素群によって画定され得ることは理解されたい。
図7に示すように、バンドセグメント728によって形成されるジグザグ配列は、フレーム700の周囲全体の周りで繰り返される。この例では、各半径方向拡張バンド702は、フレーム700の長手方向軸線に対して垂直に形成されているが、他の構成も企図されることを理解されたい。例えば、いくつかの例では、バンドセグメントは、拡張バンド702がフレーム700の長手方向軸線に対して角度を成すように、周囲の周りに斜めに延び得る。
図6に示すように、各半径方向拡張バンド702は、反対の屈曲端部の間(即ち、屈曲部710と屈曲部712との間)の長手方向距離である幅Aを有し得、各バンド支柱704は、厚さEを有し得る。
【0030】
[0044] 上述のように、各接続ブリッジ706は、第1の半径方向拡張バンド702の屈曲端部と第2の半径方向拡張バンド702の屈曲端部との間に配置されている。
図6に示すように、各接続ブリッジ706は、U字形又はV字形であってもよく、その各ブリッジ支柱708は、第1の脚部718と、第2の脚部720と、第1の脚部718と第2の脚部720とを接続する湾曲部722とを含み得る。第1の脚部718及び第2の脚部720のそれぞれは、直線状、又は実質的に直線状であり得、脚部から離れる方に延びて、バンド支柱704のうちの一方の隣接する屈曲端部に接続する端部部分724、726を更に含み得る。例えば、
図6では、第1の脚部718の端部部分724は、バンド支柱704aの屈曲端部710aに接続して示され、第2の脚部720の端部部分726は、バンド支柱704bの屈曲端部710bに接続して示される。また、接続ブリッジ構造は、
図6~
図27及び
図38に示されるようにフレームの周囲の周りで繰り返す。
図6に示すように、各接続ブリッジ706は、長さB及び幅Cを有し得、各ブリッジ支柱708は、厚さDを有し得る。B、C、及びDの値は、予想荷重下での所望の量の長手方向の伸張、脚部(718、720)が互いに干渉する前(即ち、それらが互いに対して「積み重なる」前)の所望の量の圧縮性、所望の量の可撓性等を可能にするフレーム700及びシース本体を提供するために変更することができる(例えば、単独で、又はバンド幅A及びバンド支柱厚さEなどの他の値と併せて)。本明細書では、これらの屈曲端部710a、710bは、接続ブリッジ間に形成される一連のそのようなバンドによって形成されるジグザグパターンの山及び谷を形成するため、「山」又は「谷」とも呼ばれる。
【0031】
[0045]
図8~
図19は、
図7のフレーム設計に基づくレーザ切断フレームの様々な代替的構成を示す。代替的構成間の特徴の変化を明確に理解するために、
図6及び
図7に記載された特徴の参照番号が、
図8~
図19の対応する特徴を示すために使用される。
図8~
図19から分かるように、例示的なフレーム800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900はそれぞれ、ジグザグパターンに配置されたバンド支柱704を有する半径方向拡張バンド702と、
図7に示されるものと同様に機能するが
図7に記載されている特徴とは異なる形状及び相対寸法を有するブリッジ支柱708を有する接続ブリッジ706とを含む。例えば、各バンド支柱704の直線部分(例えば、
図7の直線部分714a、714b、714c)は、フレームが弛緩状態にあるとき、互いに平行でなくてもよく(即ち、角度を成していてもよい)(例えば、
図7、
図8、
図10、
図12、
図13、
図14、
図16及び
図18に示すように)、又は互いに実質的に平行であってもよい(例えば、
図9、
図11、
図15、
図17及び
図19に示すように)。本明細書で使用する場合、「実質的に平行」は、平行でない見た目ではなく平行な(即ち、支柱が伸張した場合、それらがある点で交差しないような)見た目を表す。更に、図から分かるように、各半径方向拡張バンド702におけるジグザグの繰り返しの数は、異なり得る(即ち、半径方向拡張バンドにおけるバンドセグメント728の数は、異なり得る)。例えば、
図7、
図8、
図12、
図16及び
図18は、10回繰り返すジグザグパターン(例えば、測定された山から山又は谷から谷)を有する半径方向拡張バンド702を示し、
図9、
図11、
図15、
図17及び
図19は、16回繰り返すジグザグパターンを有する半径方向拡張バンド702を示す。同様に、図から分かるように、各接続ブリッジ706の端部部分(例えば、
図6の端部部分724、726)の長さも異なり得る。例えば、各端部部分の長さは、
図7、
図10、
図12、
図15及び
図19に示すように比較的短くしてもよく、又は各接続ブリッジ706の脚部(例えば、
図6の脚部718、720)の間、及び各隣接する半径方向拡張バンド702の屈曲端部(例えば、
図6の屈曲端部710a、710b)の間の長手方向の間隔を増加させるために、
図8、
図9、
図11、
図13、
図14、
図16、
図17及び
図18に示すように長くしてもよい。この長さは、フレームの半径方向の拡張又は収縮に応じて軸方向の伸張又は圧縮の程度を更に制御するために調整してもよい。
【0032】
[0046]
図6~
図19の例は、様々な異なる組み合わせを示すが、本開示によるレーザ切断フレームは、各半径方向拡張バンド702内に任意の適切な数のジグザグ、及び各半径方向拡張バンド702内に任意の適切な数の接続ブリッジ706を含み得ることが企図される。理解されるように、これら及び他の値は、シース本体の企図される使用に従って半径方向の拡張性、半径方向の圧縮性、長手方向の伸張性、長手方向の圧縮性、柱強度、可撓性、耐キンク性、耐座屈性、及び/又はフィンガートラッピング耐性のうちの1つ以上を調整又は制御するように選択され得る。加えて、
図6~
図19に示される例示的なフレームは、各バンド支柱704のほぼ直線部分(例えば、
図7の直線部分714a、714b、714c)が互いに実質的に平行又は角度を成している半径方向拡張バンド702を含み得るが、所与の適用要因に対して適切であると考えられる他の設計及び構成がコラム及び接続ブリッジに対して使用されてもよいことは理解されよう。例えば、本技術のいくつかの態様では、各半径方向拡張バンド702のジグザグパターンは、支柱704が直線部分を全く有しないように、完全に湾曲していてもよい(例えば、正弦波)。
【0033】
[0047] 更に、寸法(例えば、半径方向拡張バンド幅A、接続ブリッジ長さB、接続ブリッジ幅C、ブリッジ支柱厚さD、バンド支柱厚さE)は、上述の及び/又は
図6~
図19に示されるフレーム設計のいずれかにおいて適切であると考えられるように変化させてもよい。例えば、本技術のいくつかの態様では、半径方向拡張バンド幅Aは、2~6mmであり得、バンド支柱厚さEは、0.1~0.2mmであり得、接続ブリッジ幅Cは、0.66~2mmであり得、壁厚は、0.08~0.2mmであり得る。同様に、本技術のいくつかの態様では、各半径方向拡張バンド702におけるジグザグの繰り返し(例えば、測定された山から山又は谷から谷)の数は、10~16個であり得る。この点に関して、以下の表は、
図7~
図19に示される例示的なレーザ切断フレーム構成において使用される選択された値をまとめたものである。
【0034】
【0035】
[0048]
図7~
図19と同様に、
図20~
図23及び
図39~
図42は、バンド支柱(例えば、それぞれ2002、2102、2202、2302、3902、4002、4102、4202)がジグザグパターンで配置された半径方向拡張バンド(例えば、2004、2104、2204、2304、3904、4004、4104、4204)を有する例示的なフレーム2000、2100、2200、2300、3900、4000、4100、4200を示す。
図43及び
図44は、
図39~
図42のものと類似しているが、バンド支柱4302、4402が菱形状又は楕円状のパターンで配置されている半径方向拡張バンド4304、4404を有する例示的なフレーム4300及びフレーム4400を示す。
図7~
図19とは異なり、
図20~
図23及び
図39~
図44の例示的なフレーム設計のそれぞれは、それらの各々の半径方向拡張バンド2004、2104、2204、2304、3904、4004、4104、4204、4304、4404に接続する接続ブリッジ2006、2106、2206、2306、3906、4006、4106、4206、4306、4406の代替的なタイプの構造を有する。例えば、接続ブリッジ2006、2106は、
図20に示すように半径方向拡張バンドに接続する湾曲した端部を有する実質的に直線の支柱であり得る単一支柱、又は
図21及び
図39~
図44に示すような波形の単一支柱であり得る。
図20において、各半径方向拡張バンドは、隣接する半径方向拡張バンドと位相のずれた山及び谷を有する。
図21において、各半径方向拡張バンドの山及び谷は、隣接する半径方向拡張バンドと同位相である。したがって、各接続ブリッジ2006は、1つの半径方向拡張バンドの山から隣接する半径方向拡張バンドの谷まで周方向に延びる。これとは反対に、各接続ブリッジ2106は、1つの半径方向拡張バンドにおける1つのバンド支柱の屈曲端部と隣接する半径方向拡張バンドにおける隣接するバンド支柱の屈曲端部との間を接続する(即ち、
図6~
図19の同位相の接続ではなく位相のずれた接続)ように周方向に延び得る。例えば、
図20において、各半径方向拡張バンド2004は、その隣接する半径方向拡張バンド2004のジグザグパターンと同位相のジグザグパターンを有し、各接続ブリッジ2006は、1つのジグザグパターンの山(例えば、バンド支柱2002aの山)から隣接するジグザグパターンの最も近い谷(例えば、バンド支柱2002bの谷)まで周方向に延びる。
図39~
図42はまた、各半径方向拡張バンド(3904、4004、4104、4204)のジグザグパターンの同位相の配置を示すが、第1の半径方向拡張バンドの第1のジグザグパターンの山が、第1の半径方向拡張バンドの第1のジグザグパターンの山と半径方向に整列していない隣接する半径方向拡張バンドの隣接するジグザグパターンの谷に接続するように、軸方向及び周方向の両方に延びる螺旋状接続ブリッジ(3906、4006、4106、4206)を有する。即ち、螺旋ブリッジ接続によって接続された山と谷は、半径方向にオフセットしている。一方、
図21、
図43及び
図44の例では、各半径方向拡張バンド2104、4304、4404は、各パターンの山と谷が互いに自然に接近する(同じく
図6~
図19の各例の場合と同様に)ように、その隣接する半径方向拡張バンド2004のパターンの鏡像のパターンを有するが、それにもかかわらず、各接続ブリッジ2106、4306、4406は、1つのパターンの山(例えば、バンド支柱2102aの山)を隣接するパターンの半径方向にオフセットした谷(例えば、バンド支柱2102bの谷)に接続するように、周方向に延びるように構成されている。理解されるように、
図20~
図23及び
図39~
図44はそれぞれ、半径方向拡張バンドの各セットと接続ブリッジの各セットが半径方向に繰り返すパターンで配置されているものの、そのような半径方向拡張バンド及び接続ブリッジが軸線に対して横方向に静的な設計を示すが、本技術のいくつかの態様では、フレームは、軸線に対して横方向に静的であるように半径方向に繰り返さないいくつかの半径方向拡張バンド及びいくつかの接続ブリッジを含んでもよい(即ち、半径方向拡張バンド及び接続ブリッジは、軸線に対して円形バンドではなく、その代わりに、軸線に対して斜めであってもよい)。
【0036】
[0049]
図22及び
図23を参照すると、接続ブリッジ2206、2306は、軸方向に延びるウェービー又はジグザグパターンを有し得る。この場合も、各半径方向拡張バンド(例えば、2204、2304)が、
図22に示すように1つのジグザグパターンの山が隣接するパターンの谷と自然に整列するようにその隣接する半径方向拡張バンドのジグザグパターンの鏡像であるジグザグパターン(例えば、バンド支柱2202のジグザグパターン)を有する、又は各半径方向拡張バンドが、
図23に示すように山と谷が軸方向に整列されるように隣接する半径方向拡張バンドと整列されたジグザグパターン(例えば、バンド支柱2302のジグザグパターン)を有するウェービー又はジグザグ形状の接続ブリッジ(例えば、2206、2306)が用いられ得る。
【0037】
[0050] いくつかの例では、半径方向拡張バンドのバンド支柱は、バンドの全体にわたって連続している必要はない。例えば、以下に説明するいくつかの実施形態は、1つ以上の接続ブリッジによって互いに結合された1つ以上の不連続部分を有するバンド支柱を含む分割リングとして形成された半径方向拡張バンドを含む。
図24~
図27は、それぞれ、1つ以上の接続ブリッジ2404、2504、2604、2704によって接続された分割リング2402、2502、2602、2702として形成された一連の半径方向拡張バンドを含む例示的なフレーム2400、2500、2600、2700を示す。接続ブリッジは、
図24及び
図25に示すようなU字形構成、
図26に示すようなオフセットU字形構成2604、
図27に示すようなオフセットローブ形構成2704等などの任意の適切な形状を有し得る。図示の実施形態では、各分割リングは、1つ以上の間隙2406、2506、2606、2706(例えば、
図25に示されるような1つの間隙、又は
図24、
図26及び
図27に示されるような2つの間隙)を有する。しかしながら、本技術のいくつかの態様では、分割リングは、3つ、4つ、5つ等などの任意の他の適切な数の間隙を含んでもよい。
図24~
図27に示すように、各フレーム内の分割リングは、任意の適切な距離だけ軸方向に離隔していてもよい。更に、各分割リング間の軸方向の間隔は、フレームの長さに沿って均一であってもよく(フレームが弛緩状態にあるとき)、又はフレームの長さに沿って変化してもよい。
【0038】
[0051]
図28は、フレーム2800の長さに沿って離隔する分割リング2804として形成された複数の半径方向拡張バンドを接続している背骨2802を含む例示的なフレーム2800を示す。
図28の例では、背骨2802は、実質的に直線の構成であり、フレーム2800の長手方向軸線Xに平行又は実質的に平行であり得る。複数の分割リング2804は、背骨2802から長手方向軸線Xの周りに周方向に延びる。複数の分割リング2804のそれぞれは、フレームの長さに沿って均一であっても変化してもよい任意の適切な距離だけ長手方向に離隔し得る。
【0039】
[0052]
図29は、
図28のフレーム2800に類似するが、重なり合う端部を有する分割リングとして形成された半径方向拡張バンドを有する例示的なフレーム2900を示す。即ち、分割リング2904のそれぞれは、フレームが弛緩状態にあるときに互いを越えて延びる端部を有する。デバイスがこのような構造体を通って前進するとき、構造体は、半径方向に拡張することができるが、リングの端部は、軸方向の拡張を制御するために隣接したままである。したがって、
図29の例では、フレーム2900は、フレーム2900の長さに沿って離隔した複数の分割リング2904を接続する少なくとも1つの背骨2902も含む。
【0040】
[0053]
図30は、
図28のフレーム2800に類似するが、分割リング半径方向拡張バンドの2つの別個の組を有する2つの背骨を含む例示的なフレーム3000を示す。したがって、
図30の例では、フレーム3000は、第1の背骨3002及び第2の背骨3004を含み、これらはそれぞれ、フレーム3000の長さに沿って離隔した複数の分割リングを含む。この例では、第1の背骨3002及び第2の背骨3004は、互いに実質的に平行であり、長手方向軸線Xの周りで互いに約180度間隔を置いて配置されている。同様に、
図30に示すように、各背骨3002、3004は、実質的に直線の構成であり、フレーム3000の長手方向軸線Xに実質的に平行である。
図28に示されるフレームと同様に、複数の第1の分割リング3006が第1の背骨3002から長手方向軸線Xの周りで周方向に延びており、複数の第2の分割リング3008が第2の背骨3004から長手方向軸線Xの周りで周方向に延びている。第1の分割リング3006のそれぞれは、第2の背骨3004に達する前に終端し、第2の分割リング3008のそれぞれは、第1の背骨3002に達する前に終端する。
【0041】
[0054] この例では、複数の第1の分割リング3006及び複数の第2の分割リング3008は、各第1の分割リング3006の後に第2の分割リング3008が続くように、長手方向軸線に沿って交互のパターンで配置されている。この点に関して、任意の他の適切な交互のパターンを使用することもできる。したがって、例えば、本技術のいくつかの態様では、2つの第1の分割リングの後に2つの第2の分割リングが続いてもよい。同様に、本技術のいくつかの態様では、2つの第1の分割リングの後に1つの第2の分割リングが続いてもよい。この場合も同様に、複数の第1の分割リング3006と複数の第2の分割リング3008とはそれぞれ、フレームの長さに沿って均一であっても変化してもよい任意の適切な距離だけ長手方向に離隔していてもよい。
【0042】
[0055]
図31は、
図28のフレーム2800に類似するが、螺旋形状の背骨を含む例示的なフレーム3100を示す。したがって、
図31の例では、フレーム3100は、フレーム3100の長さに沿って離隔した複数の分割リング3104を接続する背骨3102も含む。しかしながら、この例では、背骨3102は、長手方向軸線Xの周りに螺旋状に延びる。この場合も同様に、分割リング3104のそれぞれは、背骨3102から長手方向軸線Xの周りで周方向に延びており、フレーム3100の長さに沿って均一であっても変化してもよい任意の適切な距離だけ長手方向に離隔し得る。この例では、背骨3102は長手方向軸線Xの周りで螺旋状の経路をたどるため、各分割リング3104内の間隙も同様に、長手方向軸線の周りの螺旋状の経路に沿って落下する(fall along)。
【0043】
[0056]
図32及び
図33は、
図31のフレーム3100に類似するが、各分割リングの端部がローブ3206を含む例示的なフレーム3200を示す。
図31と同様に、
図32及び
図33のフレーム3200は、長手方向軸線X(即ち、フレームの長さ)に沿って螺旋状に延びる螺旋形状の背骨3202と、フレーム3200の長さに沿って離隔した複数の分割リング3204とを有する。各分割リング3204の端部はローブ3206を有する。ローブ3206の大きさ及び形状は、フレーム3200が圧縮されたときに隣接する分割リング3204と干渉するように構成され得、したがって、圧縮下で増大した柱強度を提供する。加えて、ローブ3206は、フレーム3200とシース本体の他の材料(例えば、ポリマー又はエラストマーコーティング)との間の接着のためのより大きな面積を提供することができ、各分割リング3204の端部がシース本体を通過する際に医療デバイスに引っ掛かることを防止するのに役立ち得る。
【0044】
[0057]
図34は、半径方向ではなく軸方向に延びるバンドに配置された複数のパターンを含む例示的なフレーム3400を示す。
図34において、一対の第1の軸方向に延びるバンドパターン3402、3404(それぞれ長手方向軸線Xに沿って延びている)は、それぞれ長手方向軸線Xに沿って延びている一対の第2の軸方向に延びるバンドパターン3406によって分離されている。この例では、一対の第1の軸方向バンド3402、3404は菱形パターンを有し、一対の第2の軸方向バンド3406は、長手方向軸線Xに沿って延びており、複数の接続ブリッジ3410を介して互いに接続されている複数の波形背骨3408を含む。一対の第1の軸方向バンド3202、3204は、想定される使用中にフレーム3400に適切な耐キンク性を与えるために十分な量の長手方向の伸張を可能にするように構成され得る一方で、第2の軸方向バンド3406は、フレーム3400により大きな物体(例えば、心臓内心臓ポンプなどの医療デバイス)を通過させるために十分な量の半径方向の拡張を可能にするように構成され得る。したがって、第2の軸方向バンド3406は軸方向に延びるが、それらが可能にする拡張という点では、それらは半径方向拡張バンドである。
【0045】
[0058]
図35~
図37は、それぞれ、フレームの長さに沿って軸方向に延びる異なる菱形パターンを含む様々な例示的なフレーム3500、3600、3700を示す。理解されるように、菱形形状(即ち、フレーム内の開口が菱形状であるが厳密な菱形ではない形状を有する菱形状パターン)の開口3502、3602、3702の大きさ及び形状は、異なる量の半径方向の拡張、耐キンク性、及び柱強度を提供するように構成され得る。そのような開口の任意の適切な形状を用いてもよい。したがって、見て分かるように、
図35及び
図36のフレーム3500、3600は、フレーム3500、3600の長さに延び、(一方が時計回りに延び、他方が反時計回りに延びるので)交差して、菱形形状の開口3502、3602のパターンを画定する一対の螺旋リブ3504、3604によって形成されている。同様に、
図37に見られるように、フレーム3700の菱形様形状の開口3702は非対称であり、したがって、フレーム3700の長さに延び、段部3706で交差する段付きリブ3704によって形成されている。
【0046】
[0059]
図38は、複数のジグザグ半径方向拡張バンド3804と複数の直線接続ブリッジ3806とを接続することによって形成された複数のボウタイ形状の開口3802を含む例示的なフレーム3800を示す。理解されるように、フレーム3800のボウタイ形状のパターンは、フレーム3800がそれを半径方向に拡張させる力に曝されたときに(例えば、心臓内心臓ポンプなどの医療デバイスの挿入中)フレーム3800が軸方向に(短縮するのとは対照的に)延びるように構成され得、したがって、フィンガートラッピングのリスクが低下する。
【0047】
[0060] 本明細書に記載される全ての例において、フレーム材料及びコーティング材料は、軸方向の剛性及び弾性を維持しつつ、薄いフレーム壁を可能にするように選択され得る。コーティングは、ポリマーなどの材料で作製されてもよい。ポリマーコーティングは、シリコーン又は熱可塑性ポリウレタンであり得る。いくつかの例では、ポリマーは、フレームの全長を完全に覆ってもよく、シース本体は、シースの全長に沿って均質な構造(フレーム及びコーティング)を呈してもよい。他の例では、コーティングは、フレームの近位部分を覆って延び、フレームの近位部分の長さの5~50%を覆ってもよい。或いは、コーティングは、フレームの遠位部分を覆って延び、フレームの遠位部分の長さの5~50%を覆ってもよい。他の例では、コーティングは、フレームの任意の部分を覆って延びてもよく、フレームの長さの5~95%を覆ってもよい。他の例では、コーティングは、フレームの複数の部分を覆って延びてもよく、その部分は、長さが不連続及び/又は周囲が不連続であり得る。ポリマー被包物は、典型的なショアAシリコーン並びにショアA及びショアD熱可塑性ポリウレタンによって示されるような低弾性率のものであってもよい。フレームをコーティングするための材料は、拡張可能シース本体202の性能要件に合わせて変更することができる。低い弾性率を有する材料は、より低い半径方向強度を可能にして拡張を促進することができる一方、高い弾性率を有する材料は、より強い耐久性を可能にして使用中のコーティングの破損を防止することができる。ウレタン系のエラストマーは、血管の開口部及び内面が受ける摩擦力を低減するために、内層及び外層上の追加の親水性コーティングを可能にすることができる。厚いエラストマーコーティングは、コーティングの耐久性に有益であり、拡張可能シース本体202の剛性を高めることができる。薄いエラストマーコーティングは、半径方向の拡張を促進し、小さなシースプロファイルを通した心臓ポンプの送達を可能にし得る。更に、材料は、循環系内の血液と最大28日間直接及び連続的に接触することができるように生体適合性であるように選択され得る。上述の材料のいずれも、例えば上述のフレーム設計のいずれかを使用する構成を含む任意の拡張可能シースフレーム構成に使用することができる。
【0048】
[0061] シース本体のフレーム及びコーティングの金属及びポリマー/エラストマー複合構造の少なくとも1つの利点は、200マイクロメートル(.008”)以下の薄肉構造を可能にし、これにより、動脈切開部のサイズが最小になり、血管閉鎖が改善し、血管合併症(即ち、出血/滲出)が最小限になる可能性があることであり得る。これに対し、14Frのデバイスを通過させることができる従来のポリマーシースは、約400ミクロンの壁厚を有し得、23Frのデバイスを通過させることができる従来のシースは、約680ミクロンの壁厚を有し得る。フレーム及びコーティングの金属及びポリマー/エラストマー複合構造の少なくとも別の利点は、拡張可能シースが、(例えば、耐キンク性のための)十分な曲げ可撓性及び/又は軸方向伸張性を維持しながら(例えば、適切な押し込み性及び/又は耐座屈性のための)十分な柱強度を保持することを可能にすることであり得、これは、他の薄肉構造では達成できない可能性がある。
【0049】
[0062] 一態様では、本明細書中に記載されるのは、長手方向軸線に沿って近位端から遠位端まで延びる管状フレームであって、管状フレームは、複数の半径方向拡張バンドであって、各半径方向拡張バンドは、少なくとも部分的に及び任意選択的に完全に、管状フレームの周囲の周りに延びる、複数の半径方向拡張バンドと、複数の接続ブリッジであって、各接続ブリッジは、1つの半径方向拡張バンドの一部分を隣接する半径方向拡張バンドの一部分に結合する、複数の接続ブリッジと、を含み、半径方向拡張バンド及び接続ブリッジは、管状フレームをレーザ切断することによって形成される、管状フレームと、管状フレームの少なくとも外側を覆って形成されたコーティングと、を含む、拡張可能シースである。
【0050】
[0063] 上記態様のいずれかによれば、複数の半径方向拡張バンドと複数の接続ブリッジは、フレームの長手方向軸線又はフレームの周囲の一方に沿って交互に配置されている。
【0051】
[0064] 上記態様のいずれかによれば、各半径方向拡張バンドは、フレームの周囲の周りにジグザグパターンを画定する複数のバンドセグメントを含む。
【0052】
[0065] 上記態様のいずれかによれば、各半径方向拡張バンドは、フレームの周囲の周りに、長手方向軸線に対して実質的に垂直に延びる。
【0053】
[0066] 上記態様のいずれかによれば、各半径方向拡張バンドは、フレームの周囲の周りに、長手方向軸線に対して斜めに延びる。
【0054】
[0067] 上記態様のいずれかによれば、各半径方向拡張バンドは、半径方向拡張バンド内で連続する連続的なバンド支柱を含む。
【0055】
[0068] 上記態様のいずれかによれば、各半径方向拡張バンドは、少なくとも2つの不連続部分を含み、不連続部分は、少なくとも1つの接続ブリッジによって接続されている。
【0056】
[0069] 上記態様のいずれかによれば、各接続ブリッジは、フレームが長手方向軸線に沿って少なくとも部分的に圧縮力に曝されたときに互いに干渉するように構成された部分を含む。
【0057】
[0070] 上記から、及び様々な図を参照することにより、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示に対して特定の修正を加えることもできることを理解するであろう。本開示のいくつかの態様を図に示したが、本開示がそれらに限定することを意図するものではなく、本開示は、当該技術分野で許容される広い範囲であり、本明細書は同様に解釈されることが意図される。したがって、上記の説明は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に本技術の特定の態様の例示として解釈されるべきである。
【国際調査報告】