(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ソースから送り先容器への飲料移送のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B67C 3/10 20060101AFI20241003BHJP
B67D 1/04 20060101ALI20241003BHJP
B65B 3/18 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B67C3/10
B67D1/04 C
B65B3/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521006
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 US2022046002
(87)【国際公開番号】W WO2023059861
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512300506
【氏名又は名称】コラヴァン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ライダー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】インチ,ローレン,ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ディランツ,オットー
【テーマコード(参考)】
3E079
3E082
3E118
【Fターム(参考)】
3E079AB01
3E079CC05
3E079DD02
3E079DD17
3E079DD43
3E082AA04
3E082BB01
3E082CC01
3E082FF05
3E082FF09
3E118AA01
3E118AB14
3E118BB15
3E118CA12
(57)【要約】
ワインなどの飲料をソース容器から送り先容器に移送するためのシステム及び方法。第1及び第2の移送ヘッドは、それぞれ、ソース容器及び送り先容器の開口部と密閉係合するように構成されることができる。容器開口部(複数可)は、コルク又はセプタム等の栓を有することができ、移送ヘッドは、例えば、1つ以上のニードルを閉鎖部に通過させることによって、栓を取り外すことなく、容器開口部と密閉係合することができる。移送ヘッド及びソース容器は、支持体によって保持されることができ、第1の移送ヘッドは、異なるサイズ及び/又は形状の容器に適応するように、支持体に対して、例えば、水平軸を中心として枢動移動するように取り付けられることができる。例えば、容器をパージ及び/又は加圧するために使用される加圧ガス、及び飲料の流れは、移送ヘッドの一方から他方に送られ得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料をソース容器から送り先容器に移送するためのシステムであって、
前記ソース容器の開口部と密閉係合して、前記ソース容器の内部空間にガスを送達し、かつ、前記ソース容器から飲料を受け取るように構成された第1の移送ヘッドと、
前記送り先容器と密閉係合して、前記ソース容器から前記送り先容器の内部空間に前記飲料を送達するように構成された第2の移送ヘッドと、
前記第1の移送ヘッド及び前記第2の移送ヘッドを支持し、かつ、前記ソース容器の前記開口部が前記ソース容器の底部の下方に位置決めされた状態で前記ソース容器を支持するように構成された支持体と、を備え、
前記第1の移送ヘッドは、前記支持体に対して枢動するように取り付けられている、システム。
【請求項2】
前記第2の移送ヘッドは、前記支持体に固定され、
前記第1の移送ヘッドは、前記第2の移送ヘッドに枢動可能に取り付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の移送ヘッドは、前記ソース容器の前記開口部内の栓を貫通して、前記ソース容器の前記内部空間内にガスを送達し、かつ、前記ソース容器から飲料を受け取るように構成された少なくとも1つのニードルを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第2の移送ヘッドは、前記送り先容器の前記開口部内の栓を貫通して、前記送り先容器の前記内部空間内にガスを送達して、前記送り先容器をパージし、かつ、前記ソース容器から前記送り先容器に飲料を送達するように構成された少なくとも1つのニードルを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の移送ヘッドに流体結合された第1のガス経路であって、加圧ガスを前記ソース容器内に送達して前記ソース容器の前記内部空間を加圧するように構成された加圧弁を含む、第1のガス経路と、
前記第2の移送ヘッドに流体結合された第2のガス経路であって、加圧ガスを前記送り先容器内に送達するように構成されたスパージ弁を含む、第2のガス経路と、
前記第1の移送ヘッドと前記第2の移送ヘッドとの間に流体結合された飲料経路であって、前記飲料経路を介した前記ソース容器から前記送り先容器への前記飲料の送達を制御するように構成された飲料弁を含む、飲料経路と、を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記送り先容器を前記第2の移送ヘッドに対して移動させ、前記送り先容器を前記第2の移送ヘッドと密閉係合させるように構成された送り先容器支持体を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の移送ヘッドと前記第2の移送ヘッドとの間に流体結合され、前記ソース容器から前記送り先容器に飲料を送達するように構成された飲料経路を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記飲料経路に沿った飲料の流れは、前記ソース容器の前記内部空間内の重力及び圧力のみによって駆動される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記飲料経路を介した前記ソース容器から前記送り先容器への前記飲料の送達を制御するように構成された飲料弁を更に備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の移送ヘッドは、前記支持体に対して水平軸を中心に枢動するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
飲料をソース容器から送り先容器に移送するためのシステムであって、
加圧ガスを受け取るように構成されたガス入口と、前記ガス入口で受け取られたガスを送達するための第1のガス出口及び第2のガス出口と、飲料を第1の容器で移送するように構成された第1の飲料経路とを含む第1の移送ヘッドであって、前記第1の移送ヘッドは、前記第1のガス出口及び前記第1の飲料経路を前記第1の容器の内部空間と流体結合するために前記第1の容器と係合するように構成された、第1の移送ヘッドと、
ガス入口と、ガス出口と、第2の容器で飲料を移送するように構成された第2の飲料経路とを含む第2の移送ヘッドであって、前記第2の移送ヘッドは、前記ガス出口及び前記第2の飲料経路を前記第2の容器の内部空間と流体結合するために前記第2の容器と係合するように構成された、第2の移送ヘッドと、
前記第1の移送ヘッドの前記第2のガス出口を前記第2の移送ヘッドの前記ガス入口に接続するガスラインと、
前記第1の飲料経路と第2の飲料経路とを接続して、前記第1の移送ヘッドと前記第2の移送ヘッドとの間で飲料を移送する飲料ラインと、
を備える、システム。
【請求項12】
前記第1のガス出口及び前記第1の飲料経路は、ガスを前記第1の容器内に送達し、飲料を前記第1の容器に移送するように構成された少なくとも1つのニードルに接続されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのニードルは、
前記第1のガス出口に接続された第1のニードルと、
前記第1の飲料経路に接続された第2のニードルと、を含み、
前記第1のニードル及び前記第2のニードルは、前記第1の容器の栓を貫通して、前記第1のニードル及び前記第2のニードルの遠位端を前記第1の容器の内部空間に配置するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の移送ヘッドの前記ガス出口及び前記第2の飲料経路は、ガスを前記第2の容器内に送達し、飲料を前記第2の容器に移送するように構成された少なくとも1つのニードルに接続されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つのニードルは、
前記第2の移送ヘッドの前記ガス出口に接続された第1のニードルと、
前記第2の飲料経路に接続された第2のニードルと、を含み、
前記第1のニードル及び前記第2のニードルは、前記第2の容器の栓を貫通して、前記第1のニードル及び前記第2のニードルの遠位端を前記第2の容器の内部空間に配置するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の移送ヘッドと前記第2の移送ヘッドとは、互いに接続され、前記第1の容器及び前記第2の容器の一方が前記第1の容器及び前記第2の容器の他方の上に配置された状態で、それぞれ前記第1の容器及び前記第2の容器と係合するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の移送ヘッドと前記第2の移送ヘッドとは、互いに枢動可能に接続されている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の容器は、前記送り先容器であり、
前記第2の容器は、前記ソース容器であり、
前記飲料ラインは、前記第2の飲料経路に接続されて、前記第1の飲料経路を介して前記ソース容器から前記送り先容器に飲料を送達する、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の移送ヘッドの前記ガス入口から前記第1のガス出口へのガス流を制御して、前記第1の容器内にガスを導入するように構成された第1のガス弁と、
前記第1の移送ヘッドの前記ガス入口から前記第2のガス出口へのガス流を制御して、前記第2の移送ヘッドの前記ガス出口を介して前記第2の容器内にガスを導入するように構成された第2のガス弁と、
前記飲料ラインを通る飲料の流れを制御するように構成された飲料弁と、を更に備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の容器は、前記送り先容器であり、
前記第2の容器は、前記ソース容器であり、
前記第1のガス弁は、開いて前記ガス入口から前記送り先容器にガスを送達し、前記送り先容器内の空気を前記ガス入口からのガスで交換するように構成されており、
前記第2のガス弁は、開いて前記ガス入口から前記ソース容器にガスを送達して前記ソース容器を加圧し、前記第1の飲料経路、前記飲料ライン、及び前記第2の飲料経路を介して、前記ソース容器から前記送り先容器への飲料の流れを引き起こすように構成されており、
前記飲料弁は、前記ソース容器から前記送り先容器への飲料の流れを可能にするために開き、前記ソース容器から前記送り先容器への飲料の流れを止めるために閉じるように構成されている、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の容器又は前記第2の容器を支持し、移動させて前記第1の移送ヘッド又は前記第2の移送ヘッドと係合させるように構成された容器支持体を更に備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項22】
前記容器支持体は、前記第1の容器を支持して移動させて前記第1の移送ヘッドと係合させるように構成され、
前記第1の容器は、栓を有し、
前記第1の移送ヘッドは、前記第1のガス出口及び前記第1の飲料経路に流体結合された少なくとも1つのニードルを含み、
前記容器支持体は、前記少なくとも1つのニードルが前記栓を貫通するように前記第1の容器を移動させるように構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記少なくとも1つのニードルは、加圧ガスが前記第1のガス出口を介して前記第1の容器内に送達されるときに、前記第1の容器の内部空間を通気するように構成されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1の移送ヘッドは、周囲雰囲気が前記第1の容器の前記内部空間に入るのを防止するのに適した前記第1の容器の前記内部空間に、前記第1のガス出口及び前記第1の飲料経路を密閉結合するように構成されており、
前記第2の移送ヘッドは、周囲雰囲気が前記第2の容器の前記内部空間に入るのを防止するのに適した前記第2の容器の前記内部空間に、前記第2の移送ヘッドの前記ガス出口及び前記第2の飲料経路を密閉結合するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項25】
飲料をソース容器から送り先容器に移送するための方法であって、
前記送り先容器の内部空間に加圧ガスを送達するとともに、前記内部空間を通気して、前記内部空間の空気を前記加圧ガスに交換することと、
飲料経路を使用して、前記ソース容器の内部空間を前記送り先容器の内部空間に流体結合することと、
前記ソース容器の前記内部空間を加圧するように、流体が前記内部空間から出ることを防止しながら、前記ソース容器の前記内部空間に加圧ガスを送達することと、
前記ソース容器の前記内部空間への加圧ガスの送達を停止することと、
前記ソース容器の前記内部空間内への加圧ガスの送達を停止した後に、前記飲料経路を介して前記ソース容器から前記送り先容器に飲料が流れることを可能にすることであって、前記飲料経路を介した前記飲料の流れは、前記ソース容器の前記内部空間内の圧力によって駆動される、ことと、
を含む、方法。
【請求項26】
加圧ガスを前記送り先容器の前記内部空間に送達する前記ステップは、パージ弁を動作させて、前記送り先容器と密閉係合されたガス導管を介して前記送り先容器の前記内部空間に前記加圧ガスを送達することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
加圧ガスを前記送り先容器の前記内部空間に送達する前記ステップは、前記送り先容器の栓を通してニードルを挿入することを含み、前記加圧ガスは、前記ニードルを介して前記送り先容器の前記内部空間に送達される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
流体結合する前記ステップは、少なくとも1つの第1のニードルを前記送り先容器の栓を通して挿入し、少なくとも1つの第2のニードルを前記ソース容器の栓を通して挿入することを含み、
前記少なくとも1つの第1のニードル及び第2のニードルは、互いに流体結合されて前記飲料経路を画定する、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1つの第1のニードルは、前記飲料経路の一部を画定する第1のニードルを含み、
前記送り先容器の前記内部空間内に加圧ガスを送達する前記ステップは、前記第1のニードルを介して前記送り先容器の前記内部空間内に前記加圧ガスを送達することを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ソース容器の前記内部空間に加圧ガスを送達する前記ステップは、加圧弁を動作させて、前記ソース容器と密閉係合されたガス導管を介して、前記ソース容器の前記内部空間に前記加圧ガスを送達することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
飲料の流れを可能にする前記ステップは、飲料弁を開いて、前記ソース容器の前記内部空間の圧力下で、飲料が前記飲料経路を通って流れることを可能にすることを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
飲料の流れを可能にする前記ステップは、前記送り先容器と密閉係合された通気導管を介して、前記送り先容器からガスを通気することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
加圧ガスを前記送り先容器の前記内部空間に送達する前記ステップは、前記送り先容器に密閉係合された通気導管を介して、前記送り先容器からガスを通気することを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
液体飲料を保持する飲料容器であって、
前記液体飲料を保持する内部空間と、前記内部空間にアクセスするための開口部と、を有する容器本体と、
ガス又は液体が前記開口部を通過することを防止するために前記開口部を密閉して閉じるために前記容器本体と係合されたキャップと、
前記キャップが前記容器本体から取り外されていないことを示す、前記キャップ上のタンパーエビデントシールと、を備え、
前記キャップは、前記液体飲料を前記容器本体内に分注するためにニードルによって穿孔され、ガス又は液体が前記キャップを通過することを防止するために前記ニードルの引き抜き時に再密閉するように構成された部分を含み、
前記内部空間は、ガスのみを含み、液体を含まない、飲料容器。
【請求項35】
穿孔されるように構成された前記部分は、ニードルによって穿孔され、前記ニードルの引き抜き時に再密閉するように構成されたエラストマセプタムを含み、
前記エラストマセプタムは、ガス又は液体が前記キャップを通過するのを防止するために再密閉される穿孔開口部を含む、請求項34に記載の飲料容器。
【請求項36】
穿孔されるように構成された前記部分は、ガス又は液体が前記キャップを通過するのを防止するために再密閉される穿孔開口部を含む、請求項34に記載の飲料容器。
【請求項37】
前記内部空間は、アルゴン又はCO2ガスを含み、0.5%未満の酸素ガスを含む、請求項34に記載の飲料容器。
【請求項38】
前記穿孔されるように構成された部分は、ニードルによって穿孔され、前記ニードルの引き抜き時に再密閉するように構成されたエラストマセプタムを含む、請求項34に記載の飲料容器。
【請求項39】
前記キャップは、
前記キャップの上部開口部から下部開口部への通路を有するキャップ本体と、
前記上部開口部を通る酸素の侵入に抵抗するために前記上部開口部を覆うバリアラベルと、を含む、請求項34に記載の飲料容器。
【請求項40】
前記穿孔されるように構成された部分は、ニードルによって穿孔され、前記ニードルの引き抜き時に再密閉するように構成されたエラストマセプタムを含む、請求項39に記載の飲料容器。
【請求項41】
前記内部空間の圧力は、大気圧の20%以内である、請求項34に記載の飲料容器。
【請求項42】
前記内部空間の圧力は大気圧より高い、請求項34に記載の飲料容器。
【請求項43】
前記タンパーエビデントシールは、前記キャップを覆うシュリンクラップシールを含む、請求項34に記載の飲料容器。
【請求項44】
前記タンパーエビデントシールは、破断リング又はラベルを含む、請求項34に記載の飲料容器。
【請求項45】
液体飲料を保持する飲料容器であって、
前記液体飲料を保持する内部空間と、前記内部空間にアクセスするための開口部と、を有する容器本体と、
ガス又は液体が前記開口部を通過することを防止するために前記開口部を密閉して閉じるために前記容器本体と係合されたキャップと、を備え、
前記キャップは、前記液体飲料を前記容器本体内に分注するためにニードルによって穿孔され、ガス又は液体が前記キャップを通過することを防止するために前記ニードルの引き抜き時に再密閉するように構成された部分を含み、
前記内部空間はガスのみを含み、液体を含まず、
穿孔されるように構成された前記部分は、ガス又は液体が前記キャップを通過するのを防止するために再密閉される穿孔開口部を含む、飲料容器。
【請求項46】
飲料を受け入れるための飲料容器を準備する方法であって、
液体がなく、ガスのみを収容する前記飲料容器を提供することと、
液体がない間に前記飲料容器上にキャップを配置して、容器を密閉して閉じることと、
前記飲料容器内の前記ガスを移動させるために、キャップを通して前記飲料容器内に非反応性ガスを導入することと、
前記飲料容器に液体がない状態で、前記非反応性内側飲料容器を収容するように前記キャップを密閉することと、
を含む、方法。
【請求項47】
導入する前記ステップは、前記キャップの部分をニードルで穿孔して、前記ニードルを介して前記飲料容器内に前記非反応性ガスを導入することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
密閉する前記ステップは、前記キャップの前記部分から前記ニードルを引き抜くことを含み、それにより、前記キャップの前記部分が再密閉して、ガス又は液体が前記キャップを通過することを防止する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
導入する前記ステップは、0.5%未満の酸素ガスを含有する前記飲料容器の内部空間をもたらす、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
密閉する前記ステップは、前記キャップの上部開口部を覆うバリアラベルを提供して、前記上部開口部を通る酸素の侵入に抵抗することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
導入する前記ステップは、大気圧の20%以内の圧力を有する前記飲料容器の内部空間をもたらす、請求項46に記載の方法。
【請求項52】
前記キャップが前記容器本体から取り外されていないことを示す、前記キャップ上のタンパーエビデントシールを提供することを更に含む、請求項46に記載の方法。
【請求項53】
タンパーエビデントシールを提供する前記ステップは、導入する前記ステップの後に実行される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
タンパーエビデントシールを提供する前記ステップは、導入する前記ステップの前に実行される、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記タンパーエビデントシールは、前記キャップを覆うシュリンクラップシールを含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記タンパーエビデントシールは、破断リング又はラベルを含む、請求項54に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、米国特許法第119条の下で、2021年10月8日に出願された米国仮出願第63/253848号及び2022年5月2日に出願された米国仮出願第63/337365号に対する優先権を主張するものであり、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、例えば飲料を空気又は他の環境条件にさらすことなく、ソース飲料容器から送り先容器へ流体を移送することに関する。
【発明の概要】
【0003】
本発明の態様による1つ以上の実施形態は、ユーザが、コルク、プラグ、エラストマセプタム又は他の栓によって密閉された瓶内から、栓を取り外さずにワインなどの飲料を移送する、又は、そうでなければ、抽出することを可能にする。場合によっては、そのような瓶からの飲料の取り外しは1回以上実行されてもよいが、瓶の密閉を維持するために、各飲料の抽出中及び抽出後に栓が所定の場所に留まり得る。したがって、飲料は、飲料の品質にほぼ、又は全く影響を与えずに、瓶から多数回移送され得、各移送の間に長期間にわたって保管され得る。また、飲料は、飲料が空気又は他の環境条件にさらされないように、送り先容器に移送することができる。したがって、いくつかの実施形態では、ソース容器から送り先容器への飲料の移送中又は移送後のいずれでも、飲料と反応する空気などのガスはほとんど又は全くソース容器又は送り先容器のいずれにも導入され得ない。したがって、いくつかの実施形態では、ユーザは、コルクを取り外すことなく、又はコルクに損傷を与えることなく、かつ空気又は他の潜在的に損傷を与えるガス又は液体が瓶に侵入できることなく、ワイン瓶からワインを取り出すことができ、ワインを空気又は他の潜在的に損傷を与えるガス又は液体にさらすことなく、ワインを受け入れて保持する別の容器にワインを移すことができる。
【0004】
いくつかの実施形態では、飲料をソース容器から送り先容器に移送するためのシステムは、ソース容器の開口部と密閉係合して、ソース容器の内部空間にガスを送達し、ソース容器から飲料を受け取るように構成された第1の移送ヘッドを含む。第2の移送ヘッドは、送り先容器と密閉係合して、ソース容器から送り先容器の内部空間に飲料を送達するように構成されてもよく、支持体は、第1の移送ヘッド及び第2の移送ヘッドを支持し、ソース容器の開口部がソース容器の底部の下方に位置決めされた状態で、ソース容器を支持するように構成され得る。場合によっては、第1の移送ヘッドは、例えば、水平軸を中心として支持体に対して枢動するように、及び/又はソース容器が第1の移送ヘッドと係合され、支持体に対して移動可能なままであり得るように、取り付けられることができる。場合によっては、第2の移送ヘッドは支持体に固定されることができ、第1の移送ヘッドは第2の移送ヘッドに枢動可能に取り付けられることができ、したがって支持体に枢動可能に取り付けられることができる。
【0005】
いくつかの実施形態では、第1の移送ヘッドは、ソース容器の開口部内のコルクなどの栓を貫通して、ソース容器の内部空間内にガスを送達し、ソース容器から飲料を受け取るように構成された少なくとも1つのニードルを含むことができる。同様に、第2の移送ヘッドは、送り先容器の開口部内の栓を貫通して、送り先容器の内部空間内にガスを送達して、送り先容器をパージし、ソース容器から送り先容器に飲料を送達するように構成された少なくとも1つのニードルを含むことができる。
【0006】
場合によっては、第1のガス経路は、第1の移送ヘッドに流体結合され得、加圧ガスをソース容器内に送達してソース容器の内部空間を加圧するように構成された加圧弁を含むことができる。第2のガス経路は、第2の移送ヘッドに流体結合され得、加圧ガスを送り先容器内に送達するように構成されたスパージ弁を含むことができる。飲料経路は、第1の移送ヘッドと第2の移送ヘッドとの間に流体結合されることができ、飲料経路を介したソース容器から送り先容器への飲料の送達を制御するように構成された飲料弁を含むことができる。加圧弁、スパージ弁、及び飲料弁は、送り先容器から空気をパージし、飲料をソース容器から送り先容器に移送するように動作させることができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、送り先容器支持体は、送り先容器を第2の移送ヘッドに対して移動させ、送り先容器を第2の移送ヘッドと密閉係合させるように構成され得る。したがって、例えば、第2の移送ヘッドの、送り先容器との係合及び/又は係合解除は、例えば、送り先容器支持体の移動に基づいて、自動化されることができる。
【0008】
場合によっては、飲料経路は、第1の移送ヘッドと第2の移送ヘッドとの間に流体結合され得、ソース容器から送り先容器に飲料を送達するように構成され得る。飲料経路に沿った飲料の流れは、ソース容器の内部空間内の重力及び圧力のみによって駆動され得る。いくつかの実施形態では、飲料弁は、飲料経路を介したソース容器から送り先容器への飲料の送達を制御するように構成され得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、飲料をソース容器から送り先容器に移送するためのシステムは、加圧ガスを受け取るように構成されたガス入口と、ガス入口で受け取られたガスを送達するための第1のガス出口及び第2のガス出口と、飲料を第1の容器で移送するように構成された第1の飲料経路とを有する第1の移送ヘッドを含む。第1の移送ヘッドは、第1のガス出口及び第1の飲料経路を第1の容器の内部空間と流体結合するために第1の容器と係合して、例えば、第1の容器から飲料を送達するように構成することができる。第2の移送ヘッドは、ガス入口と、ガス出口と、第2の容器で飲料を移送するように構成された第2の飲料経路とを含むことができる。第2の移送ヘッドは、ガス出口及び第2の飲料経路を第2の容器の内部空間と流体結合するために第2の容器と係合するように構成され得る。ガスラインは、第1の移送ヘッドの第2のガス出口を第2の移送ヘッドのガス入口に接続することができ、飲料ラインは、第1の飲料経路と第2の飲料経路とを接続して、第1の移送ヘッドと第2の移送ヘッドとの間で飲料を移送することができる。場合によっては、第1のガス出口及び第1の飲料経路は、ガスを第1の容器内に送達し、飲料を第1の容器に移送するように構成された少なくとも1つのニードルに接続され得る。少なくとも1つのニードルは、第1のガス出口に接続された第1のニードルと、第1の飲料経路に接続された第2のニードルとを含み得、第1のニードル及び第2のニードルは、第1の容器の栓を貫通して、第1のニードル及び第2のニードルの遠位端を第1の容器の内部空間に配置するように構成されている。場合によっては、第1の容器は送り先容器であり得、第2の容器はソース容器であり得、飲料ラインは第2の飲料経路に接続されて、第1の飲料経路を介してソース容器から送り先容器に飲料を送達することができる。
【0010】
場合によっては、第2の移送ヘッドのガス出口及び第2の飲料経路は、ガスを第2の容器内に送達し、飲料を第2の容器に移送するように構成された少なくとも1つのニードルに接続され得る。少なくとも1つのニードルは、第2の移送ヘッドのガス出口に接続された第1のニードルと、第2の飲料経路に接続された第2のニードルとを含み得、第1のニードル及び第2のニードルは、第2の容器の栓を貫通して、第1のニードル及び第2のニードルの遠位端を第2の容器の内部空間に配置するように構成されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の移送ヘッドと第2の移送ヘッドとは、互いに接続され得、第1の容器及び第2の容器の一方が第1の容器及び第2の容器の他方の上に配置された状態で、それぞれ第1の容器及び第2の容器と係合するように構成され得る。例えば、第1の移送ヘッドと第2の移送ヘッドとは、互いに枢動可能に接続され得る。
【0012】
場合によっては、システムは、第1の移送ヘッドのガス入口から第1のガス出口へのガス流を制御して、第1の容器内にガスを導入するように構成された第1のガス弁と、第1の移送ヘッドのガス入口から第2のガス出口へのガス流を制御して、第2の移送ヘッドのガス出口を介して第2の容器内にガスを導入するように構成された第2のガス弁と、飲料ラインを通る飲料の流れを制御するように構成された飲料弁と、を含むことができる。場合によっては、第1の容器は送り先容器であり、第2の容器はソース容器であり、第1のガス弁は、開いてガス入口から送り先容器にガスを送達し、送り先容器内の空気をガス入口からのガスで交換するように構成され得る。第2のガス弁は、開いてガス入口からソース容器にガスを送達してソース容器を加圧し、第1の飲料経路、飲料ライン、及び第2の飲料経路を介して、ソース容器から送り先容器への飲料の流れを引き起こすように構成され得る。飲料弁は、ソース容器から送り先容器への飲料の流れを可能にするために開き、ソース容器から送り先容器への飲料の流れを止めるために閉じるように構成され得る。
【0013】
場合によっては、容器支持体は、第1の容器又は第2の容器を支持し、移動させて第1の移送ヘッド又は第2の移送ヘッドと係合させるように構成され得る。例えば、容器支持体は、第1の容器を支持して移動させて第1の移送ヘッドと係合させるように構成され得、第1の容器は栓を有し、第1の移送ヘッドは、第1のガス出口及び第1の飲料経路に流体結合された少なくとも1つのニードルを含む。容器支持体は、少なくとも1つのニードルが栓を貫通するように第1の容器を移動させるように構成することができる。場合によっては、少なくとも1つのニードルは、加圧ガスが第1のガス出口を介して第1の容器内に送達されるときに、第1の容器の内部空間を通気するように構成され得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の移送ヘッドは、周囲雰囲気が第1の容器の内部空間に入るのを防止するのに適した第1の容器の内部空間に、第1のガス出口及び第1の飲料経路を密閉結合するように構成され得、第2の移送ヘッドは、周囲雰囲気が第2の容器の内部空間に入るのを防止するのに適した第2の容器の内部空間に、第2の移送ヘッドのガス出口及び第2の飲料経路を密閉結合するように構成され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、飲料をソース容器から送り先容器に移送するための方法は、送り先容器の内部空間に加圧ガスを送達するとともに、内部空間を通気して、内部空間の空気を加圧ガスに交換することと、飲料経路を使用して、ソース容器の内部空間を送り先容器の内部空間に流体結合することと、ソース容器の内部空間を加圧するように、流体が内部空間から出ることを防止しながら、ソース容器の内部空間に加圧ガスを送達することと、を含む。ソース容器の内部空間への加圧ガスの送達を停止することができ、ソース容器の内部空間への加圧ガスの送達を停止した後に、飲料経路を介してソース容器から送り先容器に飲料が流れることが可能になる。飲料経路を介した飲料の流れは、ソース容器の内部空間内の圧力によって駆動され得る。
【0016】
場合によっては、加圧ガスを送り先容器の内部空間に送達することは、パージ弁を動作させて、送り先容器と密閉係合されたガス導管を介して送り先容器の内部空間に加圧ガスを送達することを含み得る。いくつかの実施形態では、加圧ガスを送り先容器の内部空間に送達することは、送り先容器の栓を通してニードルを挿入することを含み得、加圧ガスは、ニードルを介して送り先容器の内部空間に送達される。場合によっては、ソース容器及び送り先容器の内部空間を流体結合することは、少なくとも1つの第1のニードルを送り先容器の栓を通して挿入し、少なくとも1つの第2のニードルをソース容器の栓を通して挿入することを含み得、少なくとも1つの第1のニードル及び第2のニードルは互いに流体結合されて飲料経路を画定する。少なくとも1つの第1のニードルは、飲料経路の一部を画定する第1のニードルを含むことができ、加圧ガスは、第1のニードルを介して送り先容器の内部空間内に送達することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、加圧弁は、ソース容器と密閉係合されたガス導管を介して、ソース容器の内部空間に加圧ガスを送達するように動作されることができる。飲料は、飲料弁を開いて、ソース容器の内部空間の圧力下で、飲料が飲料経路を通って流れることを可能にすることによって、流れることを可能にすることができる。場合によっては、ガスは、送り先容器と密閉係合された通気導管を介して、送り先容器から通気され得る。加圧ガスは、送り先容器と密閉係合された通気導管を介して、送り先容器からガスを部分的に通気することによって、送り先容器の内部空間に送達することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、液体飲料を保持する飲料容器は、液体飲料を保持する内部空間と、内部空間にアクセスするための開口部とを有する容器本体を含む。キャップは、ガス又は液体が開口部を通過することを防止するために開口部を密閉して閉じるために容器本体と係合され得、キャップは、液体飲料を容器本体内に分注するためにニードルによって穿孔され、ガス又は液体がキャップを通過することを防止するためにニードルの引き抜き時に再密閉するように構成された部分を含み得る。キャップが容器本体から取り外されていないことを示すタンパーエビデントシール、例えば、キャップを覆うシュリンクラップシール及び/又は破断リング若しくはラベルをキャップに含めることができる。容器本体の内部空間は、ガスのみを含み、液体を含まないことができ、例えば、タンパーエビデントシールは、容器が不活性ガスのみを含み、液体を含まないこと、及び空気が容器に入ることを可能にするように容器が開かれていないことを示すことができる。
【0019】
場合によっては、穿孔されるように構成された容器の部分は、ニードルによって穿孔され、ニードルの引き抜き時に再密閉するように構成されたエラストマセプタムを含み、エラストマセプタムは、ガス又は液体がキャップを通過するのを防止するために再密閉される穿孔開口部を含み得る。穿孔開口部は、キャップ及びタンパーエビデントシールが容器本体と係合された後に容器から空気をパージすることによって形成することができる。例えば、内部空間は、アルゴン又はCO2ガスを含有することができ、0.5%未満の酸素ガスを含むことができる。いくつかの実施形態では、穿孔されるように構成された部分は、ガス又は液体がキャップを通過するのを防止するために再密閉される穿孔開口部を含むことができる。いくつかの実施形態では、内部空間の圧力は、大気圧の20%以内、例えば、大気圧を上回る圧力である。
【0020】
場合によっては、キャップは、キャップの上部開口部から下部開口部への通路を有するキャップ本体と、上部開口部を通る酸素の侵入に抵抗するために上部開口部を覆うバリアラベルとを含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、液体飲料を保持する飲料容器は、液体飲料を保持する内部空間と、内部空間にアクセスするための開口部とを有する容器本体を含む。キャップは、ガス又は液体が開口部を通過することを防止するために開口部を密閉して閉じるために容器本体と係合され得、キャップは、液体飲料を容器本体内に分注するためにニードルによって穿孔され、ガス又は液体がキャップを通過することを防止するためにニードルの引き抜き時に再密閉するように構成された部分を含む。内部空間はガスのみを含み、液体を含まないことができ、穿孔されるように構成された部分は、ガス又は液体がキャップを通過するのを防止するために再密閉される穿孔開口部を含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、飲料を受け入れるための飲料容器を準備するための方法は、液体がなくガスのみを含む飲料容器を提供することと、液体がない間に飲料容器上にキャップを配置して容器を密閉して閉じることと、飲料容器内のガスを移動させるために、キャップを通して飲料容器内に非反応性ガスを導入することと、飲料容器が液体を空にした状態で、非反応性内側飲料容器を収容するようにキャップを密閉することと、を含む。これにより、飲料を空気にさらすリスクを最小限に抑えながら、飲料サンプルを受け入れるように容器を準備することができる。
【0023】
場合によっては、キャップの部分をニードルで穿孔して、ニードルを介して飲料容器内に非反応性ガスを導入することができる。ニードルを引き抜くと、キャップの部分が再密閉して、ガス又は液体がキャップを通過するのを防止することができる。場合によっては、飲料容器の内部空間は、非反応性ガスが容器に導入された後に、0.5%未満の酸素ガスを含有することができる。容器内の圧力は、大気圧の20%以内であってもよく、大気圧より高くてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、バリアラベルは、上部開口部を通した酸素侵入に抵抗するためにキャップの上部開口部を覆って提供されることができ、及び/又はタンパーエビデントシールは、キャップが容器本体から取り外されていないことを示すためにキャップ上に提供されることができる。バリアラベル及び/又はタンパーエビデントシールは、非反応性ガスが容器内に導入される前に提供されることができる。
【0025】
デバイスの様々な例示的な実施形態が、以下に更に示され、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の態様は、以下を含む様々な実施形態及び図面を参照して説明される。
【
図1】例示的な実施形態における飲料移送システムの概略図を示す。
【
図2】第1の移送ヘッドと第2の移送ヘッドとが互いに接続されている飲料移送システムの概略図である。
【
図3】移送ヘッドのための支持体と、ソース容器及び送り先容器とを含む飲料移送システムの概略図を示す。
【
図4】栓が容器本体と係合して内部空間を密閉して閉じ、飲料の容器へのスパージ又は移送の準備ができている送り先容器を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の態様は、例示的な実施形態を参照して以下に説明されるが、本発明の態様は、説明された特定の実施形態を考慮して狭く解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、本発明の態様は、本明細書で説明される実施形態に限定されない。また、様々な実施形態は、単独で、及び/又は互いとの任意の好適な組み合わせで使用され得、したがって、様々な実施形態は、特定の組み合わせ又は特徴の組み合わせを必要とすると解釈されるべきではない。代わりに、説明された実施形態の1つ以上の特徴は、他の実施形態の他の好適な特徴と組み合わせることができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、ワインなどの飲料は、飲料を空気又は他の環境条件にさらすことなく、1つの容器から別の容器に移送することができる。したがって、例えば、ワインのサンプルは、後の試飲又は他の分析のために、ソース瓶又は他の容器から別の容器(例えば、より小さいサンプル瓶)に移送され得る。これは、様々な利点を提供することができ、例えば、販売者が樽又は大きな瓶などのより大きな容器にワインを貯蔵し、例えば、卸売業者による小売販売又は評価時に、貯蔵された容量のより小さな部分をより小さな容器に移すことを可能にする。空気又は他の環境条件にさらすことなく飲料をサンプル容器に移送することができるので、飲料は、より大きな容器に保管される場所で分析される必要がない。代わりに、飲料は、飲料がサンプル容器に移送されたときと同じ状態であることを保証しながら、消費及び/又は分析のために、別の遠隔場所へのより小さいサンプル容器に入れられ得る。
【0029】
図1は、飲料をソース容器10から送り先容器20に移送するためのシステムの概略図を示す。いくつかの実施形態では、ソース容器10は、ワイン瓶、例えば、コルク、プラグ、キャップ、ストッパなどの栓15によって密閉された開口部を有するガラス瓶であってもよく、栓15は、開口部に嵌合されるか、又は他の方法で瓶と係合されて、容器ネックとねじ係合することなどによって開口部を密閉して閉じる。しかしながら、実施形態はワイン瓶とともに使用することに限定されず、樽、キャスクなどの任意の適切な飲料用の任意の適切な容器とともに用いることができる。送り先容器20は、任意の適切な方法で、例えば、ソース容器10と同様に構成されることができ、容器20の開口部に嵌め込まれるか、さもなければ開口部を密閉して閉じるように配置された、コルク、プラグ、キャップ、ストッパなどの栓25を有することができる。第1の移送ヘッド1及び第2の移送ヘッド2は、ソース容器10及び送り先容器20(第1の容器10及び第2の容器20とも呼ばれる)と密閉係合するように構成され、例えば、移送ヘッド1、2が容器10、20と係合しているときに、空気、水蒸気、又は他の環境条件が容器10、20に入ることができないようになっている。このタイプの係合は、飲料の風味、外観、無菌性又は他の特性に影響を及ぼし得る環境条件に飲料をさらすことなく、飲料が一方の容器10から他方の容器20に移送されることを確実にするのを助けることができる。移送ヘッド1、2は、容器10、20の栓15、25がどのように配置されるかに依存し得る任意の適切な方法で、対応する容器10、20と係合することができる。例えば、いくつかの実施形態では、移送ヘッド1、2(一方又は両方)は、ニードルの遠位端が容器10、20の内部空間内に位置付けられるように、容器10、20の栓15、25を通過するように構成される少なくとも1つのニードルを含むことができ、したがって、ニードルは、流体(ガス及び/又は液体)がニードルの1つ以上の内腔を通る以外は容器10、20の内部空間に対して出入りすることができないように栓15、25とシールを形成する。栓15、25がワインのコルク又はセプタムである場合、例えば、少なくとも1つのニードルは、ニードルがコルク又はセプタムを貫通してコルクとのシールを維持することができるように、比較的狭いゲージ(例えば、16~22ゲージ)であってもよい。ニードルは、ニードルが引き抜かれたときにコルク又はセプタムが再密閉して、容器の内外への流体の通過を防止するように配置することができる。栓15、25が、ストッパを通る通路を有するストッパである場合、ニードルは、通路を通過し、ストッパとシールを形成するように適切なサイズにすることができ、例えば、ストッパ通路が直径0.25インチの開口部を有する場合、ニードルは、通路を通過し、通路と適切なシールを形成するために直径約0.25インチの管状要素を含むことができる。いくつかの実施形態において、栓15、25は、移送ヘッド1、2が容器10、20の開口部と密閉係合することを可能にするために取り外されてもよい。例えば、栓が金属キャップである場合、キャップを取り外してから、移送ヘッド1、2を開口部に係合させてもよい。移送ヘッド1、2は、移送ヘッド1、2のプラグ又はストッパ要素を開口部に嵌め込むこと、移送ヘッド1、2を容器ネックにねじ係合させること、開口部と移送ヘッド1、2との間にシールが形成されるように移送ヘッド1、2を容器ネックに締め付けることなど、任意の適切な方法で容器開口部と係合することができる。場合によっては、容器10、20の栓(金属キャップなど)を取り外し、容器10、20の開口部を密閉して閉じ、移送ヘッド1、2の密閉係合を可能にするように構成されたコルク、ストッパ、キャップなどの別の栓15、25と交換することができる。いくつかの実施形態では、交換栓15、25は、移送ヘッド1、2が、容器10、20の内部と連通している交換栓15、25の1つ以上のニードル又は他の導管に流体結合されることを可能にするために、1つ以上の迅速接続継手を含むことができる。例えば、容器10、20の栓15、25を取り外し、交換栓10、20を容器10、20に係合させて、容器10、20の内部空間への開口部を閉じることができる。交換栓15、25は、容器10、20の内部空間と流体連通する1つ以上の導管を含むことができ、交換栓15、25の1つ以上の迅速接続又は他の継手は、移送ヘッド1、2の流体経路が容器10、20の内部空間と連通することを可能にするように、移送ヘッド1、2と取り外し可能に係合することができる。いくつかの実施形態では、移送ヘッド1、2は、交換栓15、25と物理的に係合することができ、例えば、交換栓15、25は、移送ヘッド1、2を容器10、20上に物理的に支持する。栓の取り外し(例えば、交換栓15、25の係合のため)によって容器10、20内に導入された任意の空気又は他の環境物質は、以下で更に説明するように、不活性ガス又は他の適切なガスを容器10、20内に導入することによってパージ又はスパージすることができる。
【0030】
図1は、移送ヘッド1、2が各々、それぞれの容器10、20の栓15、25を通過するように構成された少なくとも1つのニードルを含む実施形態を示す。いくつかの実施形態では、第1の移送ヘッド1は、ニードルの遠位端が第1の容器10の内部空間内に位置するように、各々が少なくとも1つの内腔を有し、栓15を通過する第1のニードル11及び第2のニードル12を含む。場合によっては、第1のニードル11は、第1の容器10から飲料の流れを導くために使用することができ、第2のニードル12は、加圧ガスを第1の容器10に導入するために使用することができる。例えば、第1のニードル11は、第1のニードル11の遠位端が第1の容器10の底部又はその付近に配置されるように、容器10内に延びるように構成することができる。そのような構成は、容器10が
図1に示されるように直立又は垂直配向であるとき、第1のニードル11が飲料の第1の容器10を空にする、又は実質的に空にすることを可能にすることができる。場合によっては、システムの第1のニードル11又は他のニードル若しくは導管は、長さが調節可能であり、例えば、容器内に所望の距離だけ延在するように、伸縮式又は別様に調節可能であり得る。そのような配置は、例えば、ニードル又は他の導管が容器内に所望の方法で位置付けられることを可能にすることができ、例えば、ニードル又は導管の遠位端は、容器の底部の近くにあるか、又はニードル又は導管の遠位端は、容器の上部の近くにあるか、又はガス空間内にある。第2のニードル11は、加圧ガスを第1の容器10内に導入することができ、それにより、飲料が第1のニードル11に流入し、第1のニードル11を通って第1の容器10から流出するように強制される。いくつかの実施形態では、移送ヘッド1は、第1及び第2のニードル11、12ではなく、2つの内腔を伴う単一のニードルを含むことができ、当然ながら、上述のように、ニードルは、完全に排除され得る(例えば、栓15が取り外され、第1の移送ヘッド1が、移送ヘッド1の一部であるストッパ要素又は他のシールを使用して、容器10の開口部と密閉係合する場合)。第1の容器10から飲料の流れを導くために使用される第1のニードル11又は他の導管が、容器10の底部又はその近くに配置されていない(又は移送ヘッド1が移送ヘッド1から延びるニードル又は他の導管を含まない)実施形態では、飲料が第1のニードル11の入口又は移送ヘッド1の他の流路に達することができるように、容器10を傾ける、反転させる、又は他の方法で配置することができる。同様のことが、図示のように第2の容器20の栓25を通過する第1、第2及び第3のニードル21、22、23を含むことができる第2の移送ヘッド2にも当てはまる。3つのニードル21~23は、例えば、1つ~3つの内腔を有する1つのニードルに組み合わせられることができ、又はニードルは、例えば、移送ヘッド2が交換栓15、25と係合することを可能にするために、又はニードルを必要としない他の実施形態では、完全に排除されることができる。
【0031】
第1及び第2の移送ヘッド1、2がそれぞれの容器10、20とどのように係合及び/又は流体結合されるかにかかわらず、移送ヘッド1、2は、容器10、20に対して流体(ガス及び/又は液体)を移送するように構成され得る(例えば、容器の中及び/又は外に)。
図1において、第1の移送ヘッド1は、第2のニードル12を介して第1の容器10の内部空間に加圧ガスを送達し、第1のニードル11を介して第1の容器10から飲料を受け取るように構成される。具体的には、第1の移送ヘッド1は、ガス源ライン31を介して加圧ガス源3に流体結合されたガス入口を有する。加圧ガス源3は、任意の適切な圧力(例えば、10~3000psi)下で任意の適切なガス(例えば、アルゴン、二酸化炭素、窒素など)を第1の移送ヘッド1のガス入口に提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ガス源3は、例えば、加圧ガスシリンダのねじ付きネックを第1の移送ヘッド1上のねじ穴と係合させることによって、第1の移送ヘッド1と直接係合することができる。いくつかの実施形態では、ガス源3は、移送ヘッド1から離れていてもよく、可撓性ホース又は他のライン若しくは導管によって第1の移送ヘッド1に流体結合されてもよい。図示されていないが、第1の移送ヘッド1及び/又は容器10、20に供給されるガスの圧力を適切に調整又は制御するために、1つ以上の調整器、流量制限器、及び/又は他の構成要素を、ガス源、移送ヘッド、及び/又は他の場所に設けることができる。いくつかの実施形態では、例えば、比較的高い圧力の加圧ガスをガス源ライン31に供給することができるように、第1の調整器をガス源3に供給することができる。各移送ヘッド1、2は、第1の調整器及びガス源ライン31を介して提供されるガスのガス圧を、それぞれの容器10、20とともに使用するのに適したレベルに調整するために、それ自体の第2の調整器を有してもよい。例えば、第1の調整器は、ガス源ライン31を介して移送ヘッド1、2に、50~100psiの比較的高い圧力でガスを供給するように構成されてもよい。各移送ヘッド1、2における第2の調整器は、特定の用途又は使用条件のためにガス圧力を調整することができる。例えば、移送ヘッド1調整器は、ガス圧力及び流量を、ソース容器10を加圧して容器10から1つ以上の送り先容器20への流れを駆動するのに適したレベルに調整することができる(例えば、5~30psiの圧力を使用する)。移送ヘッド2の調整器は、ガス圧力及び流量を、容器20内に飲料を分注する前に、空気又は他のガスの送り先容器20をパージするのに適したレベルに(例えば、30psi以上の圧力を使用して)、及び/又は容器20内の発泡性飲料の炭酸化を維持するのに適したレベルに(例えば、10~30psiの圧力を使用して)調整することができる。移送ヘッド1、2によって使用される圧力及び/又は流量は、必要に応じて、使用中に異なっていてもよく、及び/又は能動的に制御されてもよい。例えば、パージのために使用される圧力及び流量は、飲料の流れを駆動するために使用される圧力及び流量、及び/又は発泡性飲料における炭酸化を維持するために使用される圧力及び流量とは異なってもよい。また、圧力及び/又は流量は、所望に応じて、パージ及び/又は飲料移送中に調整することができる。例えば、より高い(又はより低い)圧力が、飲料移送中に最初に採用されてもよく、続いて、飲料移送が開始すると、より低い(又はより高い)圧力が採用されてもよい。
【0032】
第1の移送ヘッド1は、第1の移送ヘッド1のガス入口に流体結合され、したがって加圧ガスを受け取るためにガス源3に流体結合された第1及び第2のガス経路4、5を有することができる。第1のガス経路4は、加圧ガスを第1の容器10の内部空間に導入するように流体結合することができ、例えば、第1のガス経路4は、第2のニードル12を含み、加圧ガスを第2のニードル12を介して第1の容器10に導入することができる。したがって、第1のガス経路4は、ガスを第1の容器10に送達するための第1のガス出口(例えば、第2のニードル12の遠位端に)を含むことができる。第1のガス経路4は、経路4に沿ったガス流を制御するための第1のガス弁41(及び/又は調整器、圧力センサなどの他の構成要素)を含むことができる。第1のガス弁41は、ユーザによって、例えば、レバー又はボタンを使用して手動で開閉するように動作可能であり、それによって、ユーザが、加圧ガスを第1の容器10の中に制御可能に導入することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、弁41は、プログラムされたデータプロセッサ又は他の制御回路等のコントローラによって制御されることができる。例えば、弁41は、適切な電子信号に基づいて、例えば、容器10内の感知された圧力に応答して開閉するように制御することができる、電気的に動作するソレノイド弁を含むことができる。コントローラは、第1の容器10に供給されるガスのガス圧及び/又は流量を適宜調整することができる。第1の容器10に導入される加圧ガスは、第1の容器10の内側の圧力を所望のレベル、例えば、5~50psi、又は第1の容器10から飲料の流れを駆動するのに適した他の圧力まで上昇させることができ、圧力は、飲料移送中に所望に応じて調整することができる。いくつかの実施形態では、第1のガス弁41は、ソース容器10内の圧力に基づいて制御することができ、例えば、弁41は、容器10内の圧力が特定のレベルに達したときに自動的にオフにすることができる。これは、容器10の過剰加圧を防止するのに役立ち得る。第2のガス経路5は、第2の容器20の内部空間に加圧ガスを導入するために、第2の移送ヘッド2に流体結合することができる。例えば、第2のガス経路5は、(例えば、第2の移送ヘッド2のガス出口を画定する)第2のニードル22に流体結合された第2の移送ヘッド2のガス入口に接続するガスラインに結合された、第1の移送ヘッド1の第2のガス出口を含むことができる。
【0033】
第2のガス経路5は、経路5に沿ったガス流を制御するための第2のガス弁51(及び/又は調整器、圧力センサなどの他の構成要素)を含むことができる。第2のガス弁51は、ユーザによって、例えば、レバー又はボタンを使用して手動で使用して、及び/又はコントローラによって、開閉するように動作可能であり、それによって、ユーザが加圧ガスを第2の容器20の中に制御可能に導入することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、第2の容器20内の圧力は、例えば、第2の移送ヘッド2の通気口24を使用して通気することができる。通気口24は、第3のニードル23に流体結合され得、したがって、第2の容器20から流体を通気することが可能である。いくつかの実施形態では、第2のガス弁51を選択的に開いて、加圧ガスを第2の容器20に導入して、空気又は他のガスを第2の容器20からパージすることができる。例えば、飲料を第2の容器20に移送する前に、容器20から空気又は他の潜在的な汚染ガスをパージすることが望ましい場合がある。第2のガス弁51は、加圧ガスを第2の容器内に送達するために開くことができ、上述のように、加圧ガスは、飲料に対して適切に不活性、非反応性、又は非損傷性であってもよい。加圧ガスが第2の容器に導入されると、通気口24は、容器20から任意のガス圧力を通気することができ、それによって、不要な空気又は他のガスを容器20から放出する。通気は、特定の圧力で通気するように設定されているか、ユーザによって調整され、及び/又はコントローラ、逆止弁、一方向弁、電子制御弁などによって制御され得る可変設定で設定されているかのいずれかの、様々な圧力逃がし弁のいずれかを使用することによって達成することができる。あるいは、通気は、やはり調整可能又は固定された流れ抵抗に設定された流量制限器を使用して達成することができる。このような制限器は、単に、移送ヘッド2から出る小さな穴又は細長い経路であってもよい。そのような穴又は経路は、液体の流れを制限するがガスの流れを可能にする半透膜を使用することができる。したがって、通気口24は、空気又は他の材料が通気口24を通って第2の容器20に入るのを防止するのに適した一方向弁、逆止弁、又は他の構造を含むことができる。場合によっては、第2のガス弁51は、タイマ(例えば、機械的又は電子的に制御されるアクチュエータ又はコントローラ)によって動作させられることができ、弁51は、タイマ期間中に第2の容器20が加圧ガスによってパージされるように、規定された期間にわたって開放される。その後、第2のガス弁51を閉じることができ、第2の容器20は飲料を受け取る準備ができる。いくつかの実施形態では、第2の容器20に提供されるガスの圧力及び/又は流量は、例えば、コントローラ及び関連付けられた調整器によって、調節されるか、又は別様に好適に制御されることができる。例えば、場合によっては、容器20は、飲料を受け入れるために周囲圧力を超えて加圧することができ、例えば、飲料は炭酸を含む。第2のガス弁51は、例えば、容器20内の感知された圧力に応答して、容器20内の所望の圧力を維持するように制御することができる。
【0034】
飲料経路6は、飲料が第1の容器10から第2の容器20に移送され得るように、第1の移送ヘッド1と第2の移送ヘッド2との間に設けられ得る。最初に、第1の容器又はソース容器10は、飲料で完全に又は部分的に充填されることができ、第2の容器又は送り先容器20は、いかなる液体も完全にないか、又は内部にいくらかの液体を有することができる。いくつかの実施形態では、飲料経路6は、飲料ライン、例えば移送ヘッド1、2の間に接続された導管を介して、第2の移送ヘッド2の第2の飲料経路に流体結合された第1の移送ヘッド1の第1の飲料経路を含むことができる。飲料経路は、飲料経路6を介したソース容器10から送り先容器20への飲料の送達を制御するように構成された飲料弁61を含むことができる。例えば、加圧ガスが第1のガス経路4を介して第1の容器10に送達された後、第1の容器10の内部空間は、周囲圧力を超えて、及び/又は第2の容器20内の圧力を超えて加圧され得る。飲料弁61を(例えば、手動で又はコントローラによって自動的に)開くことができ、飲料は、飲料経路6を通って第1の容器10から第2の容器20に流れることができる。飲料が第1のニードル21を介して第2の容器20に入ると、容器20内の圧力を通気口24によって通気することができ、それによって、容器20内の周囲よりも高い比較的低い圧力を維持しながら、第2の容器20を飲料で充填することができる。いくつかの実施形態では、第1のニードル21は、容器20の内部空間の底部又は他の最下部又はその付近の場所で飲料を第2の容器20内に送達する。例えば、第1のニードル21は、遠位端が容器20の底部に接触するか、又はその近くにあるように、容器20内に延在することができる(例えば、ニードル21は長さが調節可能であり得る)。必要に応じて、第1の容器10は、追加の加圧ガスを第1の容器10に導入することによって、例えば、容器10内の圧力が特定のレベル未満に低下したときに第1のガス弁41を手動で又は自動的に開くことによって再加圧することができ、これは、飲料弁61を開いた状態又は閉じた状態で行うことができる。第2の容器20が飲料で適切に充填されると、飲料弁61を閉じることができ、移送ヘッド2を第2の容器20から係合解除することができる。場合によっては、飲料移送中及び/又は飲料移送が完了したときに、加圧ガスを第2の容器20に導入して、例えば、容器20内の発泡性飲料の炭酸化を維持し、かつ/又は容器10、20間に適切な圧力勾配を確立することができる。
【0035】
図1は、第1の容器10から飲料を受け取る1つの第2の容器20のみを示しているが、いくつかの実施形態では、複数の第2の容器20を1つ以上の第1の容器10に流体結合することができる。これにより、複数の第2の容器20に、1つ以上の第1の容器10からの飲料を同時に及び/又は連続的に提供することができる。場合によっては、複数の第2の容器20の各々は、第1の容器10に関連付けられた移送ヘッド1に流体結合されたそれぞれの移送ヘッド2に結合することができる。そのような配置は、複数の第2の容器20が第1の容器10からの飲料で同時に(又は連続して)充填されることを可能にすることができる。場合によっては、例えば、複数の第1の容器10からの飲料が各第2の容器20内で一緒に混合されることを可能にするために、複数の第2の容器20を複数の第1の容器10に結合することができる。場合によっては、複数の第2の容器20を単一の移送ヘッド2と直列に結合することができ、例えば、1つの第2の容器20に第1の容器10からの飲料を充填し、次に別の第2の容器20を充填し、次に別の第2の容器20を充填するなどである。単一の移送ヘッド2を各第2の容器20と順次結合することができる(例えば、容器20の栓25にニードルを挿入することによって)。場合によっては、第2の容器20は、移送ヘッド2に結合するために移送ヘッド2に自動的に(例えば、ロボット又は他の自動化システムによって)提供することができる。いくつかの実施形態では、移送ヘッド2は、静止及び/又は移動している第2の容器20と結合するために必要に応じて移動することができる。例えば、第2の容器20は、回転式ターンテーブル、コンベヤ、又は他のキャリア上に提供されることができ、1つ以上の移送ヘッド2は、容器20と結合することができる。容器20は、移送ヘッド2と結合するために1つ以上の移送ヘッド2に対して移動させる、例えばインデックスを付けることができ、かつ/又は移送ヘッド2は、容器20と結合するために適切に移動することができる。
【0036】
図1では、第1及び第2の移送ヘッド1、2は、ヘッド1、2間に可撓性又は剛性の接続を提供することができるガス及び飲料ラインによって接続される。一方の移送ヘッドの他方に対する移動を可能にする可撓性又は他の接続は、容器10が移送ヘッド1と係合されている間に、飲料が第1のニードル11又は飲料経路6への他のポートに入ることができる一方で、送り先容器20が直立したままであることを可能にするように、ソース容器10などの容器のうちの1つを傾ける、反転させる、又は他の方法で操作することを可能にするなどの利点を提供することができる。しかしながら、移送ヘッド1、2間の剛性の接続は、同様に利点を提供することができる。例えば、
図2は、第1及び第2の移送ヘッド1、2が一緒に固定される、例えば単一のアセンブリとして作製される実施形態を示す。(通気口24は
図2には示されていないが、
図1のように第2の移送ヘッド2に設けることができる。この配置は、特に、より小さい容器10、20を使用するときに、システムの便利な使用を提供することができる。例えば、移送ヘッド1、2のニードルでソース容器10及び送り先容器20の開口部のコルク又はセプタムを貫通することによって、最初に送り先容器20を第2の移送ヘッド2と係合させ、次に第1の移送ヘッド1と係合されたソース容器10と係合させることができる。送り先容器20は、必要に応じて第2のガス弁51を操作することによって空気をパージすることができる。次に、ソース容器10、移送ヘッドアセンブリ、送り先容器20は、ソース容器10の開口部が容器10の底部と同じ高さ又はそれより下に位置付けられるように、例えば、飲料が第1の移送ヘッド1に向かって流れるように、ユニットとして操作されることができる。この構成は、仮にニードルが使用される場合、移送ヘッド1のためにより短いニードル11、12の使用を可能にすることができ、又は飲料が飲料経路6と連通する第1の移送ヘッド1の本体上のポートに重力によって流れることができるため、ニードルを完全に排除することができる。第1のガス弁4は、ソース容器10を加圧するように動作することができ、飲料弁61は、飲料経路6を介して送り先容器20への飲料の移送を可能にするように開くことができる。ソース容器10内の圧力及び重力は、飲料の流れを送り先容器20へと駆動することができ、これは、第1のガス弁41が閉じている間又は開いている間に起こり得る。送り先容器20が飲料で適切に充填されると、ソース容器10を傾けて飲料を第1のニードル11又は第1の移送ヘッド1の他の飲料ポートから離すことができ、及び/又は飲料弁6を閉じて飲料の流れを止めることができる。次いで、移送ヘッド1、2を容器10、20から適切に係合解除することができる。
【0037】
図3は、第1及び第2の移送ヘッド1、2が支持体7に取り付けられている実施形態を示し、これはまた、ソース容器10及び送り先容器20を支持するように構成される。支持体7は、例えば、支持体7がテーブルトップ又は他の表面上に配置されることを可能にするために、ベース72を有することができる。いくつかの実施形態では、支持体7は、開口部及び開口部における任意の栓15が容器10の底部16の下に位置するように、ソース容器10を保持することができる。容器10のこの向きは、飲料が飲料経路6内に流れることができるように、飲料を開口部に向かって、したがって第1の移送ヘッド1に向かって移動させるのを助けることができる。
図3において、支持体7は、例えば、開口部(又は栓15)の中心及び底部16の中心を通って延びる容器10の長手方向軸が水平に対してある角度で配置されるように、ソース容器10を傾斜位置に保持するように構成されたクレードル73を有するように示されている。いくつかの実施形態では、容器10は、長手方向軸が垂直と整列し、開口部(及び任意の栓15)が底部16の下にあるように、垂直配向で支持することができる。クレードル73は、容器10を保持するための1つ以上のY又はU字形要素、容器10に係合するためのクランプ、容器10を支持するためのストラップ、スリーブなどを含むなど、任意の適切な方法で構成することができる。いくつかの実施形態では、クレードル73又は他の容器係合特徴は、支持体7ではなく第1の移送ヘッド1に取り付けることができ、例えば、移送ヘッド1上のクランプ又はスリーブは、容器10のネックと係合して、容器10を所望のように保持することができる。飲料が重力によって開口部に流れるので、開口部が底部16の下に位置決めされた状態でソース容器10を支持することにより、ニードル又は容器10の内部空間内に達する長さを有するニードルを使用する必要性を回避することができる。したがって、ニードル11が使用される場合、ニードル11の遠位端は、栓15の底部又は内側を越えて比較的短い距離だけ延びる必要がある。いくつかの実施形態では、クレードル73又は他の容器係合特徴は、容器10と移送ヘッド1との係合のために容器10を第1の移送ヘッド1と位置合わせするのを助けることができる。例えば、容器10は、クレードル73上に配置され得、次いで、容器10が第1の移送ヘッド1と密閉係合するように、例えば、ニードル11が栓15を通過するように、クレードル73に沿って摺動され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2の移送ヘッド1、2は、支持体7に対して及び/又は互いに対して移動するように取り付けることができる。例えば、
図3は、第1の移送ヘッド1がピボット74によって第2の移送ヘッド2及び支持体7に取り付けられていることを示す。すなわち、第2の移送ヘッド2は支持体7に固定されており、したがって、第1の移送ヘッド1は、支持体7及び第2の移送ヘッド2の両方に対して移動可能に取り付けられている。しかしながら、ピボット74は、第2の移送ヘッド2ではなく支持体7に直接取り付けることができ、第2の移送ヘッド2自体は、支持体7に対して移動するように支持体7に別個に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、第1の移送ヘッド1は、
図3のように水平軸を中心に、及び/又は所望に応じて他の軸を中心に枢動移動するように取り付けることができる。第1の移送ヘッド1が支持体7に対して水平軸を中心として移動することを可能にすることは、異なるサイズ及び/又は形状のソース容器10との使用を可能にするのに役立ち得る。例えば、水平軸を中心とした第1の移送ヘッド1の移動は、第1の移送ヘッド1が、
図3に示されるものとは異なる直径及び/又は長さを有するソース容器10と密閉係合することを可能にすることができる。すなわち、
図3に示されるものよりも小さい/大きい直径又は短い/長い容器10に対して、第1の移送ヘッド1は、移送ヘッド1と容器開口部との係合を維持しながら、容器10がクレードル73に係合することを可能にするために必要に応じて枢動することができる。第1の移送ヘッド1は、枢動することに加えて、支持体7に対して並進移動するように構成することができ、例えば、ピボット74の枢動軸は、垂直面内で移動するとともに、移送ヘッド1の水平軸周りの枢動を可能にするように構成することができる。支持体7に対して移動するように第1の移送ヘッド1を取り付けることはまた、ソース容器10を第1の移送ヘッド1と係合させるためのより容易な及び/又は異なる方法を可能にすることができる。例えば、
図3の実施形態では、第1の移送ヘッド1は、移送ヘッド1の容器係合側(例えば、第1のニードル11が延在する側)が
図3において上方及び/又は右に向くように、時計回り方向に枢動され得る。これは、例えば、容器10が第1の移送ヘッド1上に下げられるときに、上向きの第1のニードル11が容器10の栓15内に延びることができるように、ソース容器10を第1の移送ヘッド1上に下げることを可能にすることができる。別の例として、移送ヘッド1の容器係合側が
図3の右に向いている状態で、ユーザは、ソース容器10を水平に(又はほぼ水平方向に)押して第1の移送ヘッド1と係合させることができる。容器10及び移送ヘッド1の係合後、容器10及び移送ヘッド1は、容器10がクレードル73又は他の容器係合特徴によって受け取られ支持されるように、
図3に見られるように反時計回り方向に枢動され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、飲料移送システムは、ソース容器10又は送り先容器20をそれぞれの移送ヘッド1、2と自動的に係合させるための特徴を含むことができる。例えば、
図3は、プラットフォーム駆動装置75によって支持体7に対して、例えば
図3で見て上下の垂直方向に移動させることができる送り先容器プラットフォーム71を示す。したがって、送り先容器20をプラットフォーム71上に配置し、プラットフォーム駆動装置75によって上方に移動させて、送り先容器20が第2の移送ヘッド2と密閉係合するようにすることができ、例えば、第1及び第2のニードル21、22が栓25を通して挿入されるようにすることができる。
図3では、容器20は平坦なプラットフォーム71上に支持されているが、容器20は、容器20が第2の移送ヘッド2と係合及び/又は係合解除され得るように、クランプ、ストラップ、スリーブなどの任意の適切な方法で係合され得る。例えば、容器20は、容器20が第2の移送ヘッド2との係合から下方に引き抜かれ得るように、プラットフォーム71又は他の支持要素に固定されることができる。同様の構成をソース容器10に使用することができ、例えば、容器10は、容器10が第1の移送ヘッド1と係合及び係合解除されるように、第1の移送ヘッド1に向かって及びそこから離れるように移動することができるクレードル73の部分に固定することができる。容器10、20を移動させるために使用される駆動装置は、親ねじ及びモータ駆動装置、ラックピニオン駆動装置、リンク機構、油圧又は空気圧アクチュエータ、手動レバー駆動装置などを含むなど、任意の適切な方法で構成することができる。また、容器10、20は、支持体7に対して静止状態に保持され、容器10、20と係合及び係合解除される第1及び/又は第2の移送ヘッド1、2を移動させることができる。例えば、送り先容器20は、静止したままであり得るプラットフォーム71に締め付けられるか、又は他の方法で固定されることができる。第2の移送ヘッド2は、例えば、第1の移送ヘッド1及びソース容器10が送り先容器20とともに静止したままである間に、ニードル21、22を容器20と係合させるように下方に移動可能であり得る。飲料の移送後、第2の移送ヘッド2を上方に移動させて、ニードル(複数可)21、22を栓25から引き抜くか、又は他の方法で第2の移送ヘッド2を送り先容器20から係合解除することができる。
【0040】
図3は、1つのソース容器10及び1つの送り先容器20のみを含む配置を示しているが、いくつかの実施形態では、1つ以上のソース容器10及び/又は1つ以上の送り先容器20を使用することができる。例えば、1つ以上の移送ヘッド1に流体結合された複数の移送ヘッド2を設けることができる。複数の移送ヘッド2の各々は、パージ、容器20への飲料の提供などのために、それぞれの送り先容器20と結合することができる。複数の容器20は、例えば、容器20をそれぞれの移送ヘッド2と係合するように移動させるプラットフォーム71(又はプラットフォーム71)上に複数の容器20を取り付けることによって、自動化された方法でそれぞれの移送ヘッド2と係合及び/又は係合解除することができる。代替的に、移送ヘッド2は、複数の静止容器20と係合するように移動可能にされ得る。ソース容器10及び移送ヘッド1についても同様である。
【0041】
図3の実施形態はまた、上述した特定の修正を含む。例えば、第1及び第2のガス弁41、51は、第1の移送ヘッド1ではなく第2の移送ヘッド2に取り付けられている。また、第1のガス経路4及び飲料経路6は、少なくとも第1の移送ヘッド1に関連する部分において、例えば、第1のニードル11の内腔及び第1の移送ヘッド1に取り付けられた導管において、単一の導管にマージされる。したがって、加圧ガスは、第1のニードル11を介してソース容器10内に導入することができ、飲料を第1のニードル11を介してソース容器10から移送することができる。上述のように、ソース容器10内の圧力(並びに重力)は、飲料経路6に沿った流れを駆動することができ、したがって、ソース容器10は、最初に、例えば、第1のガス(又は加圧)弁41を開くことによって、第1のガス経路4を介して加圧ガスを導入することによって加圧され、次いで、飲料弁61を開くことによって、飲料が送り先容器20に移送され得る。第2の移送ヘッド2は、この実施形態では通気口を含まないが、通気口を設けることもできる。例えば、第2のガス(又はスパージ)弁51が開かれるパージ又はスパージ動作中に、送り先容器20を通気するために、飲料弁61が飲料移送位置及び通気位置を有するように、飲料弁61を三方弁として構成することができる。通気位置では、飲料弁61は、加圧ガスが第2のガス経路5を介して導入されるときに、送り先容器20からのガスの通気を可能にすることができる。飲料移送位置において、弁61は、飲料経路6に沿った飲料の移送を可能にすることができる。同様に、飲料移送中に送り先容器20を通気するために、第2のガス弁51は、ガス流位置及び通気位置を有する三方弁として構成することができる。通気位置では、第2のガス弁51は、飲料が飲料経路6を介して容器20に流入する際に、ガスが送り先容器20から出ることを可能にすることができる。ガス流位置では、弁51は、加圧ガス流を送り先容器20に流入させることができる。送り先容器20が飲料で適切に充填されていることを判定することは、ユーザが容器20を観察し、適切な時間に飲料弁61を閉じることなどによって、異なる方法で行うことができる。いくつかの実施形態では、2つ以上のニードル21~22の間の導電率を使用して、容器20の上部又はその付近への飲料の到達を検出することができる。例えば、飲料を容器20内に送達するために使用される第1のニードル21は、容器の底部又はその付近に位置付けられた遠位端を有することができ、したがって、充填動作の大部分を通して飲料と接触することができる。通気ニードル23などの別のニードルは、容器20の底部の十分上に、例えば栓25の下側の近くに配置された遠位端を有することができる。したがって、ニードル21、23間の導電性が検出されると、飲料が通気ニードル23と接触しており、したがって栓25の近くのレベルに達しているという決定がなされ得る。
【0042】
ソース容器10からの飲料を収容する送り先容器20は、コンピュータデータベース及び容器10、20上の適切な識別子を使用することによるなど、様々な方法でソース容器10に関連付けることができる。例えば、ソース容器10及び送り先容器20は、容器10、20の一意の識別情報を得るため、並びに任意選択でそれらの内容物に関する情報を得るために、容器10、20から読み取ることができる機械可読コード(例えば、バーコード、RFIDタグなどの場合のように光学的、磁気的、及び/又は電磁的に読み取り可能)などの印を有することができる。例えば、特定のソース容器10からの飲料を保持する送り先容器20を識別及び追跡することができるように、ソース容器10及び送り先容器20の識別情報及び関連付けをデータベースに記憶することができる。例えば、各ソース容器10(又は各送り先容器20)について記録を作成し、ソース容器10からの飲料を収容する関連する送り先容器20(又はソース容器10)に関する情報をソース容器10の記録に記憶することができる。飲料タイプ又は他の特性、飲料移送が行われた日付及び/又は場所、送り先容器20の現在の場所又は所有者、飲料をソース容器から送り先容器に移送するために使用されるシステムの識別子などを含む、他の関連情報も同様に記憶され得る。記録を形成するために、RFIDタグ、バーコード、瓶ラベル又は他の印をソース容器10から読み取ることができ、例えば、ソース容器10の一意の識別情報、及び/又はそのような情報が機械可読コードに記憶されている場合には、種類、ブドウ園、瓶詰めされた年などの飲料に関する他の情報を決定することができる。ソース容器10が、容器10を一意に識別することができる印を有していない場合(例えば、UPCラベルは、一般に、同じ飲料を有する他の瓶から特定の瓶を一意に識別することができない)、一意の印を含むラベルを容器10に貼り付け、次いで、適切な記録を形成するために読み取って使用することができる。必要に応じて、ソース容器10内の飲料に関する情報は、ソース容器10のラベル又は他の部分をスキャンし、データベース又は他の情報源にアクセスすることによって得ることができる。例えば、瓶のラベルを走査して、ぶどう園、ワインの種類及び年を識別することができ、ワインに関する情報をデータベースから検索することができる。送り先容器20上の印も読み取ることができ、ソース容器10及び関連する送り先容器20の一意の識別子は、後で取り出すために、飲料及び/又は飲料移送に関する他の情報とともに1つ以上の記録に記憶される。これにより、送り先容器20のユーザは、容器20内の飲料がどのソース容器10からのものであるか、並びに飲料のタイプ又は他の特性、いつサンプルが採取されたかなどの他の情報を容易に識別することができる。
【0043】
上述したように、送り先容器20は様々な方法で構成することができ、
図4は一実施形態を示す。
図4の容器20は、液体飲料を保持するための内部空間と、内部空間にアクセスするための開口部27とを有する容器本体を含む。容器20はまた、栓15を有し、栓15は、いくつかの実施形態では、ガス又は液体が開口部27を通過するのを防止するために、容器本体と係合して開口部27を密閉して閉じるキャップ151を含むことができる。キャップは、液体飲料を容器本体26内に分注するためにニードルによって穿孔され、ガス又は液体がキャップ151を通過するのを防止するためにニードルの引き抜き時に再密閉するように構成された、セプタム152などの部分を含むことができる。例えば、セプタム152は、キャップ151によって画定される内部空間内に保持されるエラストマ材料のブロック又は本体であり得る。セプタム152は、キャップ151によって半径方向及び/又は軸方向に圧縮されることができ、例えば、セプタム152は、キャップ151によって画定される内部空間内に受容されるために半径方向及び/又は軸方向に圧縮される必要があり得る。そのような圧縮は、セプタム152がキャップ151とのシールを画定するのを助けることができ、及び/又はニードルがセプタム152を貫通している間及びその後に、セプタム152が再密閉するのを助けることができる。セプタム152は、容器本体26とのシールを画定するために、例えば開口部27の周りの部分で容器本体26に対して押圧され得る。いくつかの実施形態では、セプタム152と容器本体26との間にバリア層153を設けて、例えば、酸素バリア及び/又は水分などの他の材料に対するバリアを強化するのを助けることができる。いくつかの実施形態では、セプタム152は、それ自体がバリア特性を有する、例えば酸素に対するバリアを提供するエラストマ材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、セプタム152は、セプタム152の上面及び/又は下面(例えば、容器20の内部空間に面し、容器20の内部空間から離れて面する表面)に適用されたバリアフィルム又は層を有することができる。そのようなバリアフィルム又は層は、酸素、水分及び/又は他の材料に対するバリアを提供することができる。いくつかの実施形態において、バリア層153は、PVDC(ポリ二塩化ビニリデン)フィルム又はフォーム層を含むことができる。キャップ151は、ニードルがキャップ151の内部空間に入り、例えばセプタム152を貫通することができる上部開口部156を有することができる。バリアラベル154は、例えば、キャップ151のための酸素又は他のバリアを提供するために、上部開口部156の上に提供され得る。いくつかの実施形態では、バリアラベル154は、容器20に飲料が提供された後に、上部開口部156を覆って適用される好適なバリア特性(例えば、酸素、水分及び/又は他の材料に対する)を有する金属化フィルム又は他の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、バリアラベル156は、栓15を覆って容器本体26まで延在することができ、タンパーエビデント特徴として機能することができる(例えば、ラベル156が容器20上に配置された後に取り外されたか、又は別様に妨害されたかどうかを示すため)。いくつかの実施形態では、紙ラベル、シュリンクフィルム又は他のタンパーエビデント特徴をラベル156及び/又は栓15の他の部分の上に配置することができる(例えば、栓15を取り外そうと試みられたか、容器を開封しようと試みられたか、又は容器の内容物を外部環境に露出しようと試みられたかを示すために)。
【0044】
キャップ151は、下部開口部を有し、例えば、ねじ係合、接着剤、圧着、摩擦嵌合などによって容器本体26と係合することができる。したがって、キャップ151は、上部開口部から下部開口部まで延在するキャップを通る通路を有することができる。タンパーエビデントシール155をキャップ上に設けて、キャップが容器本体26から取り外されていないことを示すことができる。例えば、タンパーエビデントシール155は、キャップ151が容器本体26から取り外されたかどうかをユーザが容易に識別することを可能にするシュリンクラップカバー、ステッカー、ラベル、又は他の配置を含むことができる。場合によっては、タンパーエビデントシール155は、容器本体26に固定された下部と、キャップ151を画定する上部とを有するミシン目付き金属バンド又はスリーブを含むことができる。例えば、キャップ151を本体26から外すことによって、キャップ151が取り外されると、ミシン目が破断又は分離して、キャップが本体26から取り外されたことを示すことができる。キャップ151が取り外されたかどうかに関する表示を提供することによって、ユーザは、容器20が飲料を収容しているかどうかにかかわらず、容器20の内部空間が空気又は他の環境条件にさらされたかどうかを容易に判断することができる。例えば、送り先容器20は、キャップが本体26に固定されている間に空気をスパージ又はパージすることができ、したがって、不活性又は非反応性ガスのみを収容し、液体を収容しない。したがって、タンパーエビデントシール155は、スパージ又はパージされた容器20が未開封のままであり、飲料を受け入れる準備ができていることを示すことができる。あるいは、キャップ151が本体26に固定されている間に、容器20に少なくとも部分的に飲料を充填することができる。この場合、タンパーエビデントシール155は、キャップ151を取り外すことによって飲料が空気又は他の環境条件にさらされたかどうかを示すことができる。タンパーエビデントシール155は、上部開口部156の上に延在することができ、例えば、バリアラベル154を画定するか、又は所望であればバリアラベル154の上に延在することができる。
【0045】
飲料移送をユーザにとってより便利にするために、ユーザには、予め密閉された内部空間を有する、例えば、容器本体26と、本体26の内部空間を密閉するキャップ151とを有する送り先容器20を提供することができ、予め密閉された内部空間は、空気及び他の材料をスパージ又はパージすることができる。使用前に内部空間をスパージすることは、例えば、ユーザが移送前に容器20をスパージする必要がないため、及び/又はユーザが容易に再現することができない可能性がある特定の条件を有するように容器20がスパージされることを保証することができるため、飲料移送をより容易にすることができる。例えば、容器20は、内部空間がガスのみを含み液体を含まない、アルゴン又はCO2ガスを含む、0.5%未満の酸素ガスを含む、及び/又は大気圧の20%以内の内圧を有する(例えば、周囲空気又は他の外部環境が内部空間に入るのを防止するのを助けるために大気圧を上回る)ようにスパージされ得る。スパージは、キャップ151又は他の栓15が容器本体26に固定された後に行うことができるので、栓15のセプタム又は他の穿孔可能な要素は、スパージ動作の結果としてガス又は液体がキャップを通過するのを防止するために再密閉される穿孔開口部を有することができる。代替として、容器20は、予めスパージされる必要はなく、例えば、飲料を容器20に移送する直前に、ユーザによってスパージ又はパージされてもよい。飲料のスパージ又は移送の後、バリアラベル154をキャップ151又は他の栓15上に配置して、例えばセプタム又はセプタム内の再密閉された開口部を通る酸素又は他の材料の侵入に対するバリアを提供するのを助けることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、容器本体26は、特定の固定容積を有するように容器本体26の内部空間を画定する剛性構造であり得る。例えば、容器本体26は、ガラス、金属、硬質プラスチック、又は他の材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、容器本体26は、折り畳み可能であるか、拡張可能であるか、又はそうでなければ内部空間の可変容積を画定することができる。一例として、容器本体26は、可変内部容積を有するパウチ又は他の容器を形成するために、可撓性フィルム又は他の材料から作製することができる。場合によっては、折り畳み可能及び/又は拡張可能な容器本体26を有する容器20は、飲料が容器20に移送される前に最小内部容積を有するように構成することができる。これにより、飲料を容器20に移送する前に容器20の内部容積をパージする必要性を回避又は低減することができる。代替として、そのような容器20は、(例えば、不活性又は他の好適なガスを使用して)パージされることができるが、パージ中の容器20の低減又は最小化された内部容積は、パージのために必要とされるガスの量を低減することができる。折り畳み可能又は拡張可能な容器本体26を有する容器20は、上述したような任意の適切なタイプの栓15を有することができる。容器20への飲料の移送は、飲料を収容するために容器20の内部容積を増加させるように容器本体26を膨張させることができる。
【0047】
容器の内部空間にアクセスするために様々な実施形態において使用され得るニードルに関して、滑らかな壁の外部、ノンコアリングペンシルポイント(ニードル側壁に開口部を有する)、又は15ゲージ以上のHuberポイントニードルを有するニードルが、ワイン瓶のコルク栓、セプタム、又は他の栓を貫通するのに効果的である一方で、飲料移送中及び/又はニードルの取り外し後にコルクで効果的に密閉してガス又は流体の進入又は退出を防止することが見出されている。更に、そのような針は、針を抜いた後にコルクが再密閉することを可能にし、瓶、及びいかなる残った飲料も、飲料の風味を異常な変化を伴わずに数か月又は数年間保管されることを可能にする。また、そのような針は、ワイン瓶及び他の瓶に一般的に見られるホイルカバー又は他の包装を貫通するために使用されてもよい。したがって、針は、箔カバー又は他の要素並びに栓を貫通することができ、飲料抽出の前に箔又は他の包装を除去する必要性を排除する。他のニードルのプロファイル及びゲージもシステムで使用可能である。ニードルは、コルクから材料を除去することなくコルク又は他の栓を通過させられ得る、ノンコアリング先端を有することができる。1つのノンコアリング先端は、コルクを通る通路を拡張するペンシル先端であるが、偏向先端及びスタイレットニードルもまた、適切に機能することが見出されており、使用され得る。ペンシル先端ニードルは、好ましくは、ペンシル先端の反対側の端部の少なくとも1つの入口及びペンシル先端に近位の少なくとも1つの出口からその長さに沿って延びる少なくとも1つの内腔を有する。ニードル出口は、ニードルの遠位端でニードルの側壁に位置付けられてもよいが、ニードル先端の近位である。複数の比較的小さな穴がニードル側壁に設けられてもよい。
【0048】
正しいニードルゲージを使用すると、コルク、セプタム又は他の栓からニードルを取り外した後も残存する通路(存在する場合)は、通常の保管条件下での流体及び/又はガスの出入りに抗して自己密閉することが分かっている。したがって、針が栓を通して挿入されて飲料を抽出し、次に、取り外され、飲料及びガスの栓の通過が防止されるように、栓が再密閉することを可能にする。多数のニードルゲージが機能できる一方で、好ましいニードルゲージは16~22ゲージの範囲で、いくつかの実施形態では、最適なニードルゲージは16~20ゲージである。これらのニードルゲージは、瓶内の圧力を最小限に抑えながら、挿入と抽出を繰り返した後でも、コルクに許容可能な低い度合いの損傷を与えながら、最適な流体の流れを提供する。
【0049】
多数のニードルの長さが様々な実施形態で正しく機能するように適合させられ得るが、標準のワイン瓶のコルクを通過するには、一般に最小で約1.5インチ(3.8cm)のニードルの長さが必要であり得ることが分かっている。例えば、瓶の開口部から瓶の底部まで延びるように、9インチ以上の長さのニードルを使用することができる。2本以上のニードルが使用される場合、ニードルの長さは同じであってもよく、又は異なっていてもよく、0.25インチ~10インチ(0.64~25.4cm)まで変化してもよい。ニードルの入口/出口間に距離を生成することは、2つの内腔間の相互汚染/流動を防止することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、ニードルの長さ、ゲージ、開口サイズ、及び/又は他の特性は、飲料の泡又は泡立ちを引き起こすことなくガス及び飲料の流れを最適化するように調整され得る。この点に関して、Huberポイント及び同様のニードルが特に有効であることが分かっている。場合によっては、ニードルは、その長さを減少させ、ワインなどの飲料の泡又は泡立ちを引き起こすことなく最速の流体流を提供するように最適化される。ニードルは、異なる方法でセプタム又は他の栓を貫通するために使用されることができ、例えば、ニードルは、栓の入口平面に垂直な方向に、栓の入口平面に対して非垂直角度の方向に、及び他の方法でセプタム又は他の栓を通過する。いくつかの実施形態では、湾曲形状を有するニードルが採用され、コルク、セプタム、又は他の栓を通して貫通されることができる。このような湾曲したニードルは、ニードルの先端が栓の入口平面に垂直な方向に栓を貫通するが、ニードルが栓を通る湾曲した経路をたどるように、軸を中心にニードルを枢動させることによって栓を貫通させることができる。いくつかの実施形態では、出口開口部を有するニードルの遠位端又は他の部分が容器の内壁に隣接して位置するように、湾曲したニードルが栓を貫通することができる。これにより、ワインなどの飲料が容器内に流入し、比較的高い流量で容器の内壁に接触することを可能にすることができ、泡又は泡立ちを生成することなく、あるいは飲料と容器内のガスとの混合を最小限に抑えることができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、飲料を抽出するために、ソース容器内に適切なガス圧が導入される。例えば、約20~100psi(1.4~6.9バール)の最大圧力が、コルクでの漏出又はコルクの排出のリスクを伴わずに瓶内に導入され得ることが見出されているが、他の圧力が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、システムは、ソース容器内の元の圧力を検出する圧力計を含むことができる。圧力計は、ソース容器に導入する適切な圧力に関してユーザへのガイドとして機能することができる。あるいは、電子制御システムを使用して、飲料を自動的に分注し、ソース容器を移送に適した圧力に加圧することができる。圧力監視又は制御システムの任意のバージョンを、ユーザによるか又は電子的に使用することもできる。
【0052】
加圧ガスの供給源は、任意の多種の非反応性ガスで満たされた、任意の多種の規制された又は規制されていない加圧ガス瓶であり得る。好ましい実施形態では、ガスシリンダは、約2000~3000psi(138~207バール)の初期圧力でガスを含む。この圧力は、複数のワインの瓶の内容物の移送のために単一の比較的小さな圧縮ガスシリンダ(例えば、長さが約3インチ[7.6cm]、直径が0.75インチ[1.9cm])を使用することを可能にすることが分かっている。複数のガスが、延長された貯蔵期間にわたって首尾よく試験されている。好ましくは、使用されるガスは、ワインなどの瓶内の飲料と非反応性であり、飲料を酸化又は他の損傷から保護する役割を果たすことができるが、飲料と反応性又は非反応性である任意の適切なガスを使用することができる。好適なガスは、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、ネオンなどを含む。ガスの混合物もまた、可能である。例えば、アルゴンと別のより軽いガスの混合物は、ワイン又は他の飲料をアルゴンで被覆し得、より軽いガスは瓶内の容積を占有し、おそらく、ガスの全体的なコストを下げ得る。純粋な二酸化炭素は、ほとんどの発泡性ワイン飲料にとって好ましいガスとして見出されている。
【0053】
本発明の態様が、例示的な実施形態を参照して図示及び説明されたが、添付の特許請求の範囲に含まれる本発明の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細に様々な変更が加えられ得ることが当業者には理解されよう。
【国際調査報告】