(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】マスクを選択するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 16/06 20060101AFI20241003BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61M16/06 Z
A61B5/107 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521011
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 NZ2022050127
(87)【国際公開番号】W WO2023059205
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504298349
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カセ,ベンジャミン・ウィルソン
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル,クリストファー・ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】ムロー,パトリック・リアム
(72)【発明者】
【氏名】マッコンウェイ,マシュー・ジェイムス
(72)【発明者】
【氏名】ホーキンス,クリフトン・ジェイムス
(72)【発明者】
【氏名】ハク,ファハド・シャムス・タハニ・ビン
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB04
4C038VC05
(57)【要約】
呼吸療法デバイスと共に使用するための患者のマスクであって呼吸療法を患者へ提供するのに好適であるマスクを選択するためのシステム。本システムは、患者の顔の少なくとも1つのディジタル画像を表すデータを受信し;画像内に出現する所定基準顔面特徴であって患者の眼である所定基準顔面特徴を識別し;画像内の患者の眼の測定を判断し;所定寸法を測定へ割り振りそして測定と所定寸法との比である画像のスケーリング係数を判断し;画像内の別の顔面特徴を識別し;画像内の別の顔面特徴の測定を判断し;そして別の顔面特徴のスケーリング係数及び測定を使用することにより別の顔面特徴の寸法を計算するように構成されたプロセッサ;及び患者マスクに関連するマスクサイジングデータを格納するためのメモリを含み:本プロセッサは更に、別の顔面特徴の計算された寸法と患者マスクに関連する格納されたマスクサイジングデータとを比較し、そして比較に依存して患者のマスクを選択するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸療法デバイスと共に使用するための患者のマスクであって呼吸療法を前記患者へ提供するために好適であるマスクを選択する方法であって、
患者の顔の少なくとも1つのディジタル画像を表すデータを受信する工程;
前記画像内に出現する所定基準顔面特徴であって前記患者の眼である所定基準顔面特徴を識別する工程;
前記画像内の前記患者の前記眼の測定を判断する工程;
所定寸法を前記測定へ割り振りそして前記画像のスケーリング係数を判断する工程であって、前記スケーリング係数は前記測定と前記所定寸法との比である、工程;
前記画像内の別の顔面特徴を識別する工程;
前記画像内の前記別の顔面特徴の測定を判断する工程;
前記スケーリング係数及び前記別の顔面特徴の前記測定を使用することにより前記別の顔面特徴の寸法を計算する工程;及び
前記別の顔面特徴の前記計算された寸法と前記患者マスクに関連するマスクサイジングデータとを比較し、そして前記比較に依存して前記患者のマスクを選択する工程を含む方法。
【請求項2】
前記患者の前記眼の前記測定は眼幅である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記患者の前記眼の前記測定は眼高さである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記画像内の前記患者の眼を識別する前記工程は、前記眼に関連する前記画像内の少なくとも2つの所定顔面ランドマークを識別することにより行われる、請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記画像内の前記少なくとも2つの所定顔面ランドマークは前記眼の角である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記所定顔面ランドマークは内眼角及び外眼角である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記眼の前記測定は前記瞼裂の幅である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記別の顔面特徴は、前記別の顔面特徴に関連する少なくとも2つの顔面ランドマークを識別することにより識別される、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記別の顔面特徴は前記マスクをサイジングするために使用される、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
顔面特徴の測定を判断する前記工程は、前記顔面特徴に関連する前記画像内の少なくとも2つの顔面ランドマーク間の前記画像の画素の数を計算することにより行われる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記画像内の前記基準特徴の測定を判断する前記工程は、前記画像内の前記患者の2つの眼を識別し、そして各眼の測定を計算し、そして前記2つの眼の平均測定を計算することにより行われる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
顔面ランドマークは前記画像内で識別された患者の顔の人体計測学的特徴である、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ディジタル画像の少なくとも1つの属性を判断する工程;
前記少なくとも1つの属性と所定属性判断基準とを比較する工程;及び、
前記少なくとも1つの属性が前記所定属性判断基準を満足するかどうかを判断する工程を更に含み、
前記患者のマスクを選択する前記工程は、前記所定属性判断基準を満足する前記少なくとも1つの属性に依存して行われる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの属性は以下のもの:
前記画像内の前記ユーザの前記顔の角度であってピッチ角度、ヨー角度又はロール角度のうちの少なくとも1つである角度;
前記画像の焦点距離;
前記画像内の前記患者の顔の深さ;及び
前記画像内で識別される少なくとも1つの所定ランドマーク
のうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの属性は前記ピッチ角度であり、前記所定属性判断基準は前記画像の前記面に対し0~+6度の角度である、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの属性が前記所定属性判断基準を満足するかどうかに関係するフィードバックを提供する工程を更に含む請求項13、14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記別の顔面特徴の前記寸法を計算する前記工程は複数の計算された寸法を生成するために複数の画像に関して行われる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法であって、前記複数の画像全体にわたる前記別の顔面特徴の平均寸法を計算する工程;及び前記マスクサイジングデータと比較するために前記平均寸法を使用する工程を更に含む方法。
【請求項18】
前記平均寸法は所定数の画像全体にわたって計算される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ディジタル画像の少なくとも1つの属性を判断する工程;
前記少なくとも1つの属性と所定属性判断基準とを比較する工程;及び、
前記少なくとも1つの属性が前記所定属性判断基準を満足するかどうかを判断する工程
を含み、
前記平均寸法は前記所定属性判断基準を満足する画像に関して計算される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記患者のマスクカテゴリを判断する別の工程を含む先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1つのユーザ質問をユーザへ提示する工程;
前記少なくとも1つのユーザ質問に対する少なくとも1つのユーザ応答を受信する工程;及び
前記受信されたユーザ応答に依存して前記患者のマスクカテゴリを判断する工程を更に含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記別の顔面特徴は前記マスクカテゴリに依存して複数の顔面特徴から選択される、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
患者マスクに関連する前記マスクサイジングデータは前記判断されたマスクカテゴリのマスクに関連する、請求項20、21、又は22に記載の方法。
【請求項24】
マスクはマスクカテゴリおいて定義され、ここでは、様々なマスクカテゴリはマスクサイジングデータと顔面特徴の寸法との間の様々な関係を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記別の顔面特徴は複数の顔面特徴から選択され、前記選択は指定マスクカテゴリに基づきなされる、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
呼吸療法デバイスと共に使用するための患者のマスクであって呼吸療法を前記患者へ提供するために好適であるマスクを選択するためのシステムであって、前記システムは:
患者の顔の少なくとも1つのディジタル画像を表すデータを受信し;
前記画像内に出現する所定基準顔面特徴であって前記患者の眼である所定基準顔面特徴を識別し;
前記画像内の前記患者の前記眼の測定を判断し;
所定寸法を前記測定へ割り振りそして前記測定と前記所定寸法との比である前記画像のスケーリング係数を判断し;
前記画像内の別の顔面特徴を識別し;
前記画像内の前記別の顔面特徴の測定を判断し;そして
前記別の顔面特徴の前記スケーリング係数及び前記測定を使用することにより前記別の顔面特徴の寸法を計算するように構成されたプロセッサ;及び
患者マスクに関連するマスクサイジングデータを格納するためのメモリを含み;
前記プロセッサは更に:
前記別の顔面特徴の前記計算された寸法と患者マスクに関連する前記格納されたマスクサイジングデータとを比較し、そして前記比較に依存して前記患者のマスクを選択するように構成される、システム。
【請求項27】
前記選択されたマスクを前記患者へ表示するディスプレイを更に含む請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
患者の顔を表すディジタル画像データを捕捉するための画像捕捉デバイスを更に含む、請求項26又は27に記載のシステム。
【請求項29】
前記患者の前記眼の前記測定は眼幅である、請求項26乃至28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記患者の前記眼の前記測定は眼高である、請求項26乃至28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項31】
前記画像内の前記患者の眼を識別する前記工程は、前記眼に関連する前記画像内の少なくとも2つの所定顔面ランドマークを識別することにより行われる、請求項26乃至30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記画像内の前記少なくとも2つの所定顔面ランドマークは前記眼の角である、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記所定顔面ランドマークは内眼角及び外眼角である、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記眼の前記測定は前記瞼裂の幅である、請求項26に記載のシステム。
【請求項35】
前記プロセッサは前記別の顔面特徴に関連する少なくとも2つの顔面ランドマークを識別することにより前記別の顔面特徴を識別するように構成される、請求項26乃至34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
前記別の顔面特徴は前記マスクをサイジングするために使用される、請求項26乃至35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
顔面特徴の測定を判断する前記工程は、前記顔面特徴に関連する前記画像内の少なくとも2つの顔面ランドマーク間の前記画像の画素の数を計算することにより行われる、請求項26乃至36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記プロセッサは、前記画像内の前記患者の2つの眼を識別することにより、そして各眼の測定を計算し、そして前記2つの眼の平均測定を計算することにより前記画像内の前記基準特徴の測定を判断するように構成される、請求項26乃至37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
顔面ランドマークは前記画像内の識別された患者の顔の人体計測学的特徴である、請求項26乃至38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記プロセッサは更に:
前記ディジタル画像の少なくとも1つの属性を判断し;
前記少なくとも1つの属性と所定属性判断基準とを比較し;そして
前記少なくとも1つの属性が前記所定属性判断基準を満足するかどうかを判断する
ように構成され;
前記患者のマスクを選択する前記工程は、前記所定属性判断基準を満足する少なくとも1つの属性に依存して行われる、請求項26乃至39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記少なくとも1つの属性は、以下のもの:
前記画像内の前記ユーザの前記顔のピッチ角度、ヨー角度又はロール角度のうちの少なくとも1つの角度;
前記画像の前記焦点距離;
前記画像内の前記患者の顔の深さ;及び
前記画像内で識別される少なくとも1つの所定ランドマーク
のうちの少なくとも1つを含む請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記少なくとも1つの属性は前記ピッチ角度であり、前記所定属性判断基準は前記画像の面に対し0~+6度の角度である、請求項40又は41に記載のシステム。
【請求項43】
前記少なくとも1つの属性が前記所定属性判断基準を満足するかどうかに関係するフィードバックを提供する工程を更に含む請求項40、41、又は42に記載のシステム。
【請求項44】
前記プロセッサは、複数の計算された寸法を生成するために複数の画像の前記別の顔面特徴の前記寸法を計算するように構成され、前記プロセッサは前記複数の画像全体にわたる前記別の顔面特徴の平均寸法を計算するように構成され;そして前記マスクサイジングデータと比較するために前記平均寸法を使用するように構成される、請求項26乃至43のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項45】
前記平均寸法は所定数の画像全体にわたって計算される、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記プロセッサは:
前記ディジタル画像の少なくとも1つの属性を判断する工程;
前記少なくとも1つの属性と所定属性判断基準とを比較する工程;及び、
前記少なくとも1つの属性が前記所定属性判断基準を満足するかどうかを判断する工程を行うように構成され;
前記平均寸法は前記所定属性判断基準を満足する画像に関して計算される、請求項44又は45に記載のシステム。
【請求項47】
前記プロセッサは前記患者のマスクカテゴリを判断するように構成される、請求項26乃至46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
前記システムは:
少なくとも1つのユーザ質問をユーザへ提示し;
前記少なくとも1つのユーザ質問に対する少なくとも1つのユーザ応答を受信し;そして
前記受信されたユーザ応答に依存して前記患者のマスクカテゴリを判断するように構成される、請求項26乃至46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項49】
前記別の顔面特徴は前記マスクカテゴリに依存して複数の顔面特徴から選択される、請求項47又は48に記載のシステム。
【請求項50】
患者マスクに関連する前記マスクサイジングデータは前記判断されたマスクカテゴリのマスクに関連する、請求項47、48、又は49に記載のシステム。
【請求項51】
マスクはマスクカテゴリにおいて定義され、様々なマスクカテゴリはマスクサイジングデータと顔面特徴の寸法との間の様々な関係を有する、請求項26乃至50のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項52】
前記別の顔面特徴は複数の顔面特徴から選択され、前記選択は指定マスクカテゴリに基づきなされる、請求項26乃至51のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項53】
クライアントデバイス上で実行されるように構成されたソフトウェアアプリケーションであって請求項1乃至25のいずれか一項に記載の方法を行うように構成されたソフトウェアアプリケーション。
【請求項54】
呼吸療法デバイスと共に使用するための患者のマスクを選択するように構成されたモバイル通信デバイスであって、前記マスクは呼吸療法を前記患者へ提供するために好適である、モバイル通信デバイスにおいて、前記モバイル通信デバイスは:
ディジタル画像データを捕捉するための画像捕捉デバイス;
患者の顔の少なくとも1つのディジタル画像を表すデータを前記画像捕捉デバイスから受信し;
前記画像内に出現する所定基準顔面特徴であって前記患者の眼である所定基準顔面特徴を識別し;
前記画像内の前記患者の前記眼の測定を判断し;
所定寸法を前記測定へ割り振りそして前記測定と前記所定寸法との比である前記画像のスケーリング係数を判断し;
前記画像内の別の顔面特徴を識別し;
前記画像内の前記別の顔面特徴の測定を判断し;そして
前記別の顔面特徴の前記スケーリング係数及び前記測定を使用することにより前記別の顔面特徴の寸法を計算するように構成されたプロセッサ;及び
患者マスクに関連するマスクサイジングデータを格納するためのメモリを含み、
前記プロセッサは更に:
前記別の顔面特徴の前記計算された寸法と前記患者マスクに関連する前記格納されたマスクサイジングデータとを比較し、そして前記比較に依存して前記患者の少なくとも1つのマスクを選択するように構成され;
前記モバイル通信デバイスは更に、前記少なくとも1つの選択されたマスクに関係するデータを表示するためのユーザインターフェースを含む、モバイル通信デバイス。
【請求項55】
前記患者の前記眼の前記測定は眼幅である、請求項54に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項56】
前記患者の前記眼の前記測定は眼高である、請求項54又は55のいずれか一項に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項57】
前記画像内の前記患者の眼を識別する前記工程は前記眼に関連する前記画像内の少なくとも2つの所定顔面ランドマークを識別することにより行われる、請求項54、55、又は56に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項58】
前記画像内の前記少なくとも2つの所定顔面ランドマークは前記眼の角である、請求項57に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項59】
前記所定顔面ランドマークは内眼角及び外眼角である、請求項57に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項60】
前記眼の前記測定は前記瞼裂の幅である、請求項54に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項61】
前記プロセッサは前記別の顔面特徴に関連する少なくとも2つの顔面ランドマークを識別することにより前記別の顔面特徴を識別するように構成される、請求項54乃至60のいずれか一項に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項62】
前記別の顔面特徴は前記マスクをサイジングするために使用される、請求項54乃至61のいずれか一項に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項63】
顔面特徴の測定を判断する前記工程は、前記顔面特徴に関連する前記画像内の少なくとも2つの顔面ランドマーク間の前記画像の画素の数を計算することにより行われる、請求項54乃至62のいずれか一項に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項64】
前記プロセッサは、前記画像内の前記患者の2つの眼を識別することにより、そして各眼の測定を計算し、そして前記2つの眼の平均測定を計算することにより前記画像内の前記基準特徴の測定を判断するように構成される、請求項54乃至63のいずれか一項に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項65】
顔面ランドマークは前記画像内の識別された患者の顔の人体計測学的特徴である、請求項54乃至64のいずれか一項に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項66】
前記プロセッサは更に:
前記ディジタル画像の少なくとも1つの属性を判断し;
前記少なくとも1つの属性と所定属性判断基準とを比較し;そして
前記少なくとも1つの属性が前記所定属性判断基準を満足するかどうかを判断する
ように構成され;
前記患者のマスクを選択する前記工程は、前記所定属性判断基準を満足する前記少なくとも1つの属性に依存して行われる、請求項54乃至65のいずれか一項に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項67】
前記少なくとも1つの属性は、以下のもの:
画像内の前記ユーザの前記顔のピッチ角度、ヨー角度又はロール角度のうちの少なくとも1つの角度;
前記画像の焦点距離;
前記画像内の前記患者の顔の深さ;及び
前記画像内で識別される少なくとも1つの所定ランドマーク
のうちの少なくとも1つを含む請求項66に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項68】
前記少なくとも1つの属性は前記ピッチ角度であり、前記所定属性判断基準は前記画像の面に対し0~+6度の角度である、請求項66又は67に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項69】
前記少なくとも1つの属性が前記所定属性判断基準を満足するかどうかに関係するフィードバックを提供する工程を更に含む請求項66、67、又は68に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項70】
前記プロセッサは、複数の計算された寸法を生成するために複数の画像の前記別の顔面特徴の寸法を計算するように構成され、前記プロセッサは前記複数の画像全体にわたる前記別の顔面特徴の平均寸法を計算するように構成され;そして前記マスクサイジングデータと比較するために前記平均寸法を使用するように構成される、請求項54乃至69のいずれか一項に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項71】
前記平均寸法は所定数の画像全体にわたって計算される、請求項70に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項72】
前記プロセッサは:
前記ディジタル画像の少なくとも1つの属性を判断する工程;
前記少なくとも1つの属性と所定属性判断基準とを比較する工程;及び、
前記少なくとも1つの属性が前記所定属性判断基準を満足するかどうかを判断する工程を行うように構成され;
前記平均寸法は前記所定属性判断基準を満足する画像に関して計算される、請求項70又は71に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項73】
前記プロセッサは前記患者のマスクカテゴリを判断するように構成される、請求項54乃至72のいずれか一項に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項74】
前記システムは:
少なくとも1つのユーザ質問をユーザへ提示し;
前記少なくとも1つのユーザ質問に対する少なくとも1つのユーザ応答を受信し;そして
前記受信されたユーザ応答に依存して前記患者のマスクカテゴリを判断するように構成される、請求項54乃至73のいずれか一項に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項75】
前記別の顔面特徴は前記マスクカテゴリに依存して複数の顔面特徴から選択される、請求項73又は74に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項76】
患者マスクに関連する前記マスクサイジングデータは前記判断されたマスクカテゴリのマスクに関連する、請求項73、74、又は75に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項77】
マスクはマスクカテゴリにおいて定義され、様々なマスクカテゴリはマスクサイジングデータと顔面特徴の寸法との間の様々な関係を有する、請求項54乃至76のいずれか一項に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項78】
前記別の顔面特徴は複数の顔面特徴から選択され、前記選択は指定マスクカテゴリに基づきなされる、請求項54乃至77のいずれか一項に記載のモバイル通信デバイス。
【請求項79】
呼吸療法デバイスと共に使用するための患者の患者インターフェースであって呼吸療法を前記患者へ届けるのに好適である患者インターフェースを選択する方法であって、
患者の顔の少なくとも1つのディジタル画像を表すデータを受信する工程;
前記画像内に出現する所定基準顔面特徴であって前記患者の眼である所定基準顔面特徴を識別する工程;
前記画像内の前記患者の前記眼の測定を判断する工程;
所定寸法を前記測定へ割り振りそして前記画像のスケーリング係数を判断する工程であって、前記スケーリング係数は前記測定と前記所定寸法との比である、工程;
前記画像内の別の顔面特徴を識別する工程;
前記スケーリング係数を使用することにより前記別の顔面特徴の寸法を計算する工程;及び
前記患者の患者インターフェースを選択するために前記寸法を使用する工程を含む方法。
【請求項80】
前記スケーリング係数を使用することにより前記別の顔面特徴の寸法を計算する前記工程は:
前記画像内の前記別の顔面特徴の測定を判断することにより;そして
前記スケーリング係数及び前記別の顔面特徴の前記測定を使用することにより前記別の顔面特徴を寸法計算することにより行われる、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記患者の患者インターフェースを選択するために前記寸法を使用する前記工程は、前記別の顔面特徴の前記計算された寸法と前記患者マスクに関連するマスクサイジングデータとを比較することにより、そして前記比較に依存して前記患者のマスクを選択することにより行われる、請求項79又は80に記載の方法。
【請求項82】
呼吸療法デバイスと共に使用するための患者のマスクであって呼吸療法を前記患者へ提供するために好適であるマスクを選択するためのシステムであって、前記システムは:
患者の顔の少なくとも1つのディジタル画像を表すデータを受信し;
前記画像内に出現する所定基準顔面特徴であって前記患者の眼である所定基準顔面特徴を識別し;
前記画像内の前記患者の前記眼の測定を判断し;
所定寸法を前記測定へ割り振りそして前記測定と前記所定寸法との比である前記画像のスケーリング係数を判断し;
前記画像内の別の顔面特徴を識別し;
前記スケーリング係数を使用することにより前記別の顔面特徴の寸法を計算し;そして
前記患者の患者インターフェースを選択するために前記寸法を使用するように構成されるプロセッサを含む、システム。
【請求項83】
前記プロセッサは:
前記スケーリング係数を使用することにより前記別の顔面特徴の寸法を;前記画像内の前記別の顔面特徴の測定を判断することにより;そして前記スケーリング係数及び前記別の顔面特徴の前記測定を使用することにより前記別の顔面特徴を寸法計算することにより
計算するように構成される、請求項82に記載のシステム。
【請求項84】
前記プロセッサは、前記別の顔面特徴の前記計算された寸法とメモリ内に格納された前記患者マスクに関連するマスクサイジングデータとを比較することにより前記患者の患者インターフェースを選択するために前記寸法を使用するように、そして前記比較に依存して前記患者のマスクを選択するように構成される、請求項82又は請求項83に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本開示は、呼吸療法デバイスと共に使用するための患者のマスクを選択するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
持続的気道陽圧(CPAP:continuous positive airway pressure)療法の施行は閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea)を治療するために一般的である。CPAP療法は、顔マスクを介し患者に療法を届けるCPAP呼吸システムを使用することにより患者へ施される。全顔マスク、鼻顔マスク、及び鼻下マスクを含む様々なマスクタイプが患者に利用可能である。マスクは通常、様々な形状及びサイズの顔にフィットするために様々なサイズで入手可能である。マスクの正しいフィッティングは、療法の有効性を低減し得るCPAPシステム内の漏れを回避するために重要である。劣悪にフィットされたマスクはまた、患者にとって不快であり、そしてネガティブ且つ苦痛な療法経験を生じ得る。同様な考慮点はまた、マスクを介し他の加圧治療(例えば2レベル加圧治療)を提供する際に考慮される。
【0003】
マスクはしばしば、療法の処方中に医療専門家によりフィットされる。しばしば、患者は機器提供者又は内科医又は睡眠検査室へ行く必要がある。フィッティングプロセスは、トライアンドエラープロセスであり得、そして長期期間を要し得る。最近、マスクは、マスクが専門的にフィットされ得る環境内でマスクを物理的に購入することよりむしろ例えばオンライン発注店を介し患者によりリモートで選択され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
第1の態様では、本開示は呼吸療法デバイスと共に使用するための患者のマスクであって呼吸療法を患者へ提供するのに好適なマスクを選択する方法を提供し、本方法は:患者の顔の少なくとも1つのディジタル画像を表すデータを受信する工程;画像内に出現する所定基準顔面特徴であって患者の眼である所定基準顔面特徴を識別する工程;画像内の患者の眼の測定を判断する工程;所定寸法を測定へ割り振りそして画像のスケーリング係数(測定と所定寸法との比である)を判断する工程;画像内の別の顔面特徴を識別する工程;画像内の別の顔面特徴の測定を判断する工程;別の顔面特徴のスケーリング係数及び測定を使用することにより別の顔面特徴の寸法を計算する工程;別の顔面特徴の計算された寸法と患者マスクに関連するマスクサイジングデータとを比較する工程:及びこの比較に依存して患者のマスクを選択する工程を含む。
【0005】
患者の眼の測定は幅測定であり得る。患者の眼の測定は高さ測定であり得る。
マスクを選択する工程はマスクを識別する工程を含み得る。
【0006】
画像内の患者の眼を識別する工程は、眼に関連する画像内の少なくとも2つの所定顔面ランドマークを識別することにより行われ得る。画像内の少なくとも2つの所定顔面ランドマークは眼の角であり得る。所定顔面ランドマークは内眼角及び外眼角であり得る。眼の測定は瞼裂の幅であり得る。
【0007】
別の顔面特徴は、別の顔面特徴に関連する少なくとも2つの顔面ランドマークを識別することにより識別され得る。別の顔面特徴はマスクをサイジングするために使用され得る。
【0008】
顔面特徴の測定を判断する工程は、顔面特徴に関連する画像内の少なくとも2つの顔面ランドマーク間の画像の画素の数を計算することにより行われ得る。
【0009】
画像内の基準特徴の測定を判断する工程は、画像内の患者の2つの眼を識別し、そして各眼の測定を計算し、そして2つの眼の平均測定を計算することにより行われ得る。
【0010】
顔面ランドマークは画像内で識別された患者の顔の人体計測学的特徴であり得る。
本方法は:ディジタル画像の少なくとも1つの属性を判断する工程;少なくとも1つの属性と所定属性判断基準とを比較する工程;及び、少なくとも1つの属性が所定属性判断基準を満足するかどうかを判断する工程を含み;患者のマスクを選択する工程は、所定属性判断基準を満足する少なくとも1つの属性に依存して行われる。少なくとも1つの属性は、以下のもののうちの少なくとも1つを含み得る:画像内のユーザの顔のピッチ角度、ヨー角度又はロール角度のうちの少なくとも1つの角度;画像の焦点距離;画像内の患者の顔の深さ;及び画像内で識別される少なくとも1つの所定ランドマーク。
【0011】
少なくとも1つの属性はピッチ角度であり得、所定角度は画像の面に対し0~+6度である。
【0012】
本方法は更に、少なくとも1つの属性が所定属性判断基準を満足するかどうかに関係するフィードバックを提供する工程を含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、別の顔面特徴の寸法を計算する工程は、複数の計算された寸法を生成するために複数の画像に関して行われ得、本方法は更に、複数の画像全体にわたる別の顔面特徴の平均寸法を計算する工程;及びマスクサイジングデータと比較するために平均寸法を使用する工程を含む。平均寸法は所定数の画像全体にわたって計算され得る。
【0014】
いくつかの実施形態は:ディジタル画像の少なくとも1つの属性を判断する工程;少なくとも1つの属性と所定属性判断基準とを比較する工程;及び少なくとも1つの属性が所定属性判断基準を満足するかどうかを判断する工程を含み;平均寸法は所定属性判断基準を満足する画像に関して計算される。
【0015】
いくつかの実施形態は更に:少なくとも1つのユーザ質問をユーザへ提示する工程;少なくとも1つのユーザ質問に対する少なくとも1つのユーザ応答を受信する工程;及び受信されたユーザ応答に依存して患者のマスクカテゴリを判断する工程を含む。
【0016】
別の顔面特徴は、マスクカテゴリに依存して複数の顔面特徴から選択され得る。
患者マスクに関連するマスクサイジングデータは判断されたマスクカテゴリのマスクに関連し得る。
【0017】
マスクはマスクカテゴリにおいて定義され得、ここでは、様々なマスクカテゴリはマスクサイジングデータと顔面特徴の寸法との間の様々な関係を有する。
【0018】
別の顔面特徴は、複数の顔面特徴から選択され得、この選択は指定マスクカテゴリに基づきなされる。
【0019】
別の態様では、本開示は呼吸療法デバイスと共に使用するための患者のマスクであって呼吸療法を患者へ提供するのに好適なマスクを選択する方法を提供し、本方法は:少なくとも1つのユーザ質問をユーザへ提示する工程;少なくとも1つのユーザ質問に対する少なくとも1つのユーザ応答を受信する工程;受信されたユーザ応答に依存してユーザに関連するマスクカテゴリを判断する工程;患者の顔のディジタル画像を受信する工程;画像内で、画像内に出現する患者の顔の所定基準特徴を識別し、寸法を画像内の基準特徴へ割り振り、そして基準特徴に基づき画像のスケーリング係数を判断する工程;画像内で、画像内に出現する患者の顔の少なくとも1つの予め選択された特徴であって判断されたマスクタイプカテゴリに依存して選択される少なくとも1つの予め選択された特徴を識別し、そして、測定スケールを使用することにより少なくとも1つの予め選択された特徴に関連する寸法を計算する工程;及び予め選択された特徴の計算された寸法と患者マスクに関連するマスクサイジングデータとを比較し、そしてこの比較に依存して患者のマスクを選択する工程を含む。
【0020】
予め選択された特徴の計算された寸法は、判断されたマスクタイプカテゴリの患者マスクに関連するマスクサイジングデータと比較され得る。いくつかの実施形態は、予め選択された特徴が画像内に出現するかどうかを判断し、そして画像内に出現するかどうかに依存したフィードバックをユーザに提供する。
【0021】
別の態様では、本開示は呼吸療法デバイスと共に使用するための患者のマスクであって呼吸療法を患者へ提供するのに好適なマスクを選択する方法を提供し、本方法は:患者の顔のディジタル画像を受信する工程;ディジタル画像の属性を判断する工程;属性と所定属性判断基準とを比較する工程;及び、属性が所定属性判断基準を満足するかどうかに関係するフィードバックをユーザに提供する工程;画像内で、画像内に出現する患者の顔の所定基準特徴を識別し、寸法を画像内の基準特徴へ割り振り、そして基準特徴を使用することにより画像の測定スケールを判断する工程;画像内で、画像内に出現する患者の顔の少なくとも1つの予め選択された特徴を識別し、そして、測定スケールを使用することにより少なくとも1つの予め選択された特徴に関連する寸法を計算する工程;及び予め選択された特徴の計算された寸法と患者マスクに関連するマスクサイジングデータとを比較する工程;及びこの比較に依存して患者のマスクを選択する工程を含む。
【0022】
別の態様では、本開示は呼吸療法デバイスと共に使用するための患者のマスクであって呼吸療法を患者へ提供するのに好適なマスクを選択するためのシステムを提供し、本システムは:患者の顔の少なくとも1つのディジタル画像を表すデータを受信し;画像内に出現する所定基準顔面特徴であって患者の眼である所定基準顔面特徴を識別し;画像内の患者の眼の測定を判断し;所定寸法を測定へ割り振り、そして画像のスケーリング係数であって測定と所定寸法との比であるスケーリング係数を判断し;画像内の別の顔面特徴を識別し;画像内の別の顔面特徴の測定を判断し;そして、別の顔面特徴のスケーリング係数及び測定を使用することにより別の顔面特徴の寸法を計算するように構成されたプロセッサ;及び患者マスクに関連するマスクサイジングデータを格納するためのメモリを含み;プロセッサは更に:別の顔面特徴の計算された寸法と患者マスクに関連する格納されたマスクサイジングデータとを比較し、そしてこの比較に依存して患者のマスクを選択するように構成される。
【0023】
本システムは、選択されたマスクを患者へ表示するためにディスプレイを含み得る。本システムは、患者の顔を表すディジタル画像データを捕捉するための画像捕捉デバイスを含み得る。
【0024】
別の態様では、本開示は、クライアントデバイス上で実行されるように構成されたソフトウェアアプリケーションであって先行する態様のいずれか一態様の方法を行うように構成されたソフトウェアアプリケーションを提供する。
【0025】
別の態様では、本開示は、呼吸療法デバイスと共に使用するための患者のマスクであって呼吸療法を患者へ提供するのに好適なマスクを選択するように構成されたモバイル通信デバイスを提供し、モバイル通信デバイスは:ディジタル画像データを捕捉するための画像捕捉デバイス;患者の顔の少なくとも1つのディジタル画像を表すデータを画像捕捉デバイスから受信し;画像内に出現する所定基準顔面特徴であって患者の眼である所定基準顔面特徴を識別し;画像内の患者の眼の測定を判断し;所定寸法を測定へ割り振り、そして画像のスケーリング係数であって測定と所定寸法との比であるスケーリング係数を判断し;画像内の別の顔面特徴を識別し;画像内の別の顔面特徴の測定を判断し;別の顔面特徴のスケーリング係数及び測定を使用することにより別の顔面特徴の寸法を計算するように構成されたプロセッサ;及び患者マスクに関連するマスクサイジングデータを格納するためのメモリを含み、プロセッサは更に:別の顔面特徴の計算された寸法と患者マスクに関連する格納されたマスクサイジングデータとを比較し、そしてこの比較に依存して患者の少なくとも1つのマスクを選択するように構成され;モバイル通信デバイスは更に、少なくとも1つの選択されたマスクに関係するデータを表示するためのユーザインターフェースを含む。
【0026】
別の態様では、本開示は、呼呼吸療法デバイスと共に使用するための患者の患者インターフェースであって呼吸療法を患者へ提供するために好適である患者インターフェースを選択する方法を提供し、本方法は:患者の顔の少なくとも1つのディジタル画像を表すデータを受信する工程;画像内に出現する所定基準顔面特徴であって患者の眼である所定基準顔面特徴を識別する工程;画像内の患者の眼の測定を判断する工程;所定寸法を測定へ割り振り、そして画像のスケーリング係数であって測定と所定寸法との比であるスケーリング係数を判断する工程;画像内の別の顔面特徴を識別する工程;スケーリング係数を使用することにより別の顔面特徴の寸法を計算する工程;及び患者の患者インターフェースを選択するためにこの寸法を使用する工程を含む。
【0027】
別の態様では、本開示は呼吸療法デバイスと共に使用するための患者のマスクであって呼吸療法を患者へ提供するのに好適であるマスクを選択するためのシステムを提供し、本システムは:患者の顔の少なくとも1つのディジタル画像を表すデータを受信し;画像内に出現する所定基準顔面特徴であって患者の眼である所定基準顔面特徴を識別し;画像内の患者の眼の測定を判断し;所定寸法を測定へ割り振り、そして画像のスケーリング係数であって測定と所定寸法との比であるスケーリング係数を判断し;画像内の別の顔面特徴を識別し;スケーリング係数を使用することにより別の顔面特徴の寸法を計算し;そして、患者の患者インターフェースを選択するためにこの寸法を使用するように構成されたプロセッサを含む。
【0028】
図面の簡単な説明
以下に続く説明は、非制限的例としてだけ与えられており、添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】呼吸可能ガスの流れを生成するためのブロワー、導管、及び呼吸可能ガスの流れを患者へ届けるための患者インターフェースを含む呼吸療法デバイスの概略線図である。
【
図2Ai】顔上に位置決めされた全顔マスク及び顔上の全顔マスクの接触エリアを示す全顔マスクの図解である。
【
図2Aii】顔上に位置決めされた全顔マスク及び顔上の全顔マスクの接触エリアを示す全顔マスクの図解である。
【
図2Bi】顔上に位置決めされた鼻マスク及び顔上の鼻マスクの接触エリアを示す鼻マスクの図解である。
【
図2Bii】顔上に位置決めされた鼻マスク及び顔上の鼻マスクの接触エリアを示す鼻マスクの図解である。
【
図3i】顔上に位置決めされた鼻下鼻マスク及び顔上の鼻下鼻マスクの接触点を示す鼻下鼻マスクの図解である。
【
図3ii】顔上に位置決めされた鼻下鼻マスク及び顔上の鼻下鼻マスクの接触点を示す鼻下鼻マスクの図解である。
【
図5】サーバとモバイル通信デバイスとの相互作用を示す基本アーキテクチャを表わす。
【
図7】一実施形態において行われる工程を示すフローチャートである。
【
図8】マスクサイジングアプリケーションの画像を捕捉する際の患者の顔とカメラとのアラインメントを示す。
【
図9】画像捕捉中のモバイル通信デバイスのスクリーン上に表示される患者の顔の画像の図解である。
【
図10】患者の顔の人体計測学的特徴を識別する患者の顔の画像の図解である。
【
図11A】眼幅を識別する患者の顔の画像の図解である。
【
図11B】眼幅を識別する患者の顔の画像の図解である。
【
図12A】様々な顔面ランドマークを識別する患者の顔の画像の図解である。
【
図12B】様々な顔面ランドマークを識別する患者の顔の画像の図解である。
【
図14】ピッチ、ヨー及びロールを含む頭の回転軸を示す。
【
図15】様々な所定判断基準を満足するかどうかを判断するために画像を解析するために取られる工程を示す流れ図である。
【
図16】
図16、16A、16Bは、患者の顔の画像捕捉と患者へ提供される視覚的フィードバックとを示す。
【
図17】
図17、17A、17Bは、患者の顔の画像捕捉と患者へ提供される視覚的フィードバックとを示す。
【
図18】
図18、18A、18Bは、患者の顔の画像捕捉と患者へ提供される視覚的フィードバックとを示す。
【
図19】一実施形態により行われる工程を示す流れ図である。
【
図20】モバイル通信デバイス上に表示される例示的質問の図解である。
【
図21】患者へ表示される推奨マスクの図解である。
【
図22】様々なアンケート質問の例示的マスクデータスコアを示す。
【
図23】アンケートを完了した後の患者のスコアを示す。
【
図24】全顔マスクをフィッティングすることに関連する例示的重要特徴寸法を示す。
【
図25】鼻マスクをフィッティングすることに関連する例示的重要特徴寸法を示す。
【
図26】鼻下鼻マスクをフィッティングすることに関連する例示的重要特徴寸法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
詳細な説明
次に呼吸療法デバイスと共に使用するための患者のマスクを選択するための方法及びステムが
図1~26を参照して説明される。マスクを選択するためのシステムは呼吸療法デバイスと共に使用するべき患者のマスクを選択するように構成される。マスクは、患者の顔の画像を捕捉することにより、そして基準スケールを使用することにより患者の顔の様々な特徴の寸法を判断することにより、自動的に選択される。顔面特徴は顔面ランドマーク間で定義され得る。これらの寸法は、患者の好適なマスクを自動的に識別するために様々なマスク及びマスクサイズに関連するマスクサイジングデータと比較される。
【0031】
次に、例示的実施形態が以下の文において説明され、以下の文は添付図面に示される特徴に対応する参照符号を含む。
【0032】
図1は呼吸療法デバイス20の概略図である。呼吸療法デバイス20はCPAP(持続的気道陽圧法)療法又は2レベル加圧治療を提供するために使用され得る。呼吸療法デバイス20は加湿隔室22と隔室22内へ挿入されそしてそれにより収容される着脱可能加湿室24とを含む。
【0033】
加湿室24は隔室22が直立状態であると垂直方向に挿入される。隔室22は、室24が隔室22内へ導入される最上部開口を有する。最上部開口は蓋を有し得るので、加湿隔室22内の加湿室24は洗浄又は充填のための取り外しのためにアクセスされ得る。しかし、これは任意選択的であり、他の配置が企図され得る。例えば、他の実施形態では、加湿室24が加湿隔室22内へ水平に挿入されるということが可能である。追加的に/代替的に、呼吸療法デバイスは、ヒータ板を含むレセプタクルを含み得る。加湿室24は、室の導電性基部がヒータ板へ接触させられるようにレセプタクル内へそしてそれから摺動自在である。
【0034】
加湿室24は多量の水26により充填可能であり、そして加湿室24はヒータ基部28を有する又はそれへ結合される。ヒータ板29は、使用中に加湿室24内の水26を加熱するために室24のヒータ基部28へ(熱伝達板29を介し)転送される熱を生成するように給電される。
【0035】
呼吸療法デバイス20は、入口を介し大気及び/又は他の治療ガスを引き込みそしてブロワー30の出口においてガス流34を生成するブロワー30を有する。
図1は、ブロワー30の出口が接続導管38及び隔室出口36を介し室入口37へ直接流体接続される配置を示す。室入口37及び隔室出口36は加湿室24が動作位置にあると密封接続を有し得る。
【0036】
ガス流34は加湿室24を通過し、ここで、ガス流34の湿度が増加されそして加湿室のガス出口40を介し出る。ガス流は、導管44、マスク、カニューレ、又は同様な患者インターフェース46を介し患者へ届けられる。
【0037】
図1に示す構成では、室出口40は、密閉接続により隔室入口41へ密閉接続又はそれと密閉嵌合される。この実施形態では、隔室への蓋は設けられてもよいし設けられなくてもよい。
【0038】
図1の配置では、ガス流34は加湿室24を通過し、ここで、ガス流34の湿度が増加されてそして室出口40を介し出る。室出口40は隔室入口41へ密閉接続又はそれと密閉嵌合される。代替実施形態では「室出口40及び隔室入口41は、コネクタにより密閉接続される又はそうでなければそれと密閉嵌合される必要がない」ということが認識されることになる。ガス流は導管44を介し患者インターフェース46へ届けられる。患者インターフェースはマスクであり得る。患者インターフェースは、次のもののうちの1つを含み得る:鼻マスク、口/鼻マスク、口マスク、全顔マスク、鼻下マスク,又は他の好適な患者インターフェース。
【0039】
1つ又は複数のセンサ(
図1に示さない)が呼吸療法デバイス20内に置かれ得る。センサは呼吸療法デバイス20の様々な内部パラメータを監視するために使用される。
【0040】
センサ(示されない)は制御ユニットを含む制御システム(示されない)へ接続される。センサは制御システムと通信する。制御ユニットは通常、PCB上に置かれる。一形式では、制御ユニットはプロセッサ又はマイクロプロセッサであり得る。制御システムは、センサから信号を受信し、そして、これらの信号を圧力データ及び流量データなどの測定データへ変換することができる。いくつかの形式では、制御ユニットは、特定パラメータ(例えば気圧、湿度、電力出力、ブロワー速度など)が、所望範囲内に入る又は所望範囲、閾値又は値を満足するということを保証するのを助けるために呼吸療法デバイスの様々な部品の動作を制御及び変更するように構成され得る。通常、所望範囲、閾値又は値は、予め判断され、そして制御システムの制御ユニット内へプログラムされる。追加センサ(例えば、O2濃度センサ又は湿度センサ)が呼吸療法デバイス内に含まれ得る。別のセンサはまた、患者の血液酸素濃度を感知するためにパルス酸素濃度計を含み得る。パルス酸素濃度計は好適には患者上に取り付けられる。パルス酸素濃度計は有線又は無線接続によりコントローラへ接続される可能性がある。
【0041】
ブロワー30は呼吸療法デバイス内の空気流及び/又は他のガス流を制御し得る。制御システム及び制御ユニットはブロワー30への制御信号の送信を介しブロワー30の状態を制御するように構成され得る。制御信号はブロワー30の動作の速度及び持続時間を制御する。
【0042】
制御システムは呼吸療法デバイスの複数の動作状態によりプログラムされる。各動作状態の制御ソフトウェアは制御システム内のメモリ内に格納される。制御システムは、呼吸療法デバイスの動作を制御してそして必要とされる動作状態を生成するために制御信号を呼吸療法デバイスのブロワー30及び様々な他の部品へ送信することにより制御ソフトウェアを実行する。
【0043】
呼吸療法デバイスの動作状態は呼吸療法状態及び非呼吸療法状態を含み得る。呼吸療法状態の例は以下のものを含む:閉塞性睡眠時無呼吸を治療するために一般的に使用されるCPAP(持続的気道陽圧法)、ここでは患者は4-20cmH20へ通常加圧される加圧空気流が提供される;NIV(非侵襲性換気:non-invasive ventilation)、例えば慢性閉塞性肺疾患(COPD-肺気腫、難治性喘息及び慢性気管支炎を含む)などの閉塞性呼吸疾患の治療のために使用される2レベル加圧治療;高流速;及び2レベル。非呼吸療法状態の例は以下のものを含む:ブロワーはオフであり従って呼吸療法デバイスを通るいかなる空気流も提供しないオフ状態;ブロワーはオンであり、そして呼吸療法デバイスを介し空気流を提供するが療法を提供しないアイドル状態;及びブロワーはオンであり得、そして所定速度パターンを繰り返すが療法を提供しない乾燥モード。乾燥モードでは、管内のヒータワイヤは所定レベル(例えば100%電力)まで活性化され得、そして、ブロワーは事前設定流量又はモータ速度まで活性化され、そして所定時間(例えば30~90分)の間駆動され得る。乾燥モードは、いかなる液体又は液体凝縮物の導管も乾燥する。
【0044】
呼吸療法デバイス内の様々な空気流条件は様々な動作状態のために必要とされる。制御システムは、呼吸療法デバイス内の必要とされる空気流条件を提供するためにブロワー動作パラメータ(活性化及び速度パラメータを含む)を制御するために制御信号をブロワー30へ提供する。
【0045】
呼吸療法デバイスの様々な動作状態のために必要とされる動作条件を定義するソフトウェアプログラムが制御システムのメモリ内に格納される。特定動作条件での動作中、制御システムは、通信モジュール62における呼吸療法デバイスの様々なセンサ及び部品から、呼吸療法デバイス内の条件を定義する信号(例えば圧力データ及び流量データ)を受信する。制御システム60(特にプロセッサ)は、呼吸療法デバイス内の条件と動作状態の所定動作条件とを比較するように構成され、そして更に、「特定条件(例えば気圧及び湿度、電力出力、ブロワー速度など)が所望範囲内に入る又は必要とされる動作状態に関連する所望閾値又は値を満足する」ということを保証するのを助けるように呼吸療法デバイスの様々な部品の動作を制御及び変更するように構成される。所望範囲、閾値又は値は、予め定義されそしてソフトウェアプログラムへプログラムされる。
【0046】
いくつかの実施形態では、呼吸療法デバイスは、無線信号又は他の通信信号を送受信するために送受信機を含む。送受信機は、ブルートゥース(登録商標)モジュール又はWiFiモジュール又は他の無線通信モジュールであり得る。送受信機は、セルラーネットワーク(例えば4G、5G)上の通信のためのセルラ通信モジュールであり得る。一例では、送受信機はデバイス内へ一体化されるモデムであり得る。送受信機は、デバイスが1つ又は複数のリモートコンピューティングデバイス(例えばサーバ)と通信することを可能にする。デバイスは1つ又は複数のリモートコンピューティングデバイス(例えばサーバ)に対する双方向通信のために(すなわちデータを送受信するように)構成される。例えば、デバイス利用データはデバイスからリモートコンピューティングデバイスへ送信され得る。別の例では、デバイスの療法設定が1つ又は複数のリモートコンピューティングデバイスから受信され得る。別の例では、呼吸療法デバイスは複数の送受信機(例えばWifiモジュール、ブルートゥースモジュール、セルラ通信又は通信の他の形式のモデム)を含み得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、送受信機はモバイル通信デバイスと通信し得る。
患者インターフェース46は通常、患者の顔への接続のために構成されたマスクである。マスクは、患者の頭の周囲に伸びるヘッドバンドを使用することにより患者の顔上の適所に保持され得る。マスクを適所に保持するための他の好適な手段(例えば接着又は吸引など)もまた使用され得る。マスクは呼吸システムの重要部分であり、そして好適には、患者へのガスの快適な配送(漏れの無い)を提供する。CPAPマスクは、吸気ガスがマスクから逃げることを許容するためにバイアス流れ穴を有する。全顔マスク、鼻顔マスク及び鼻下鼻顔マスクを含む様々なマスクタイプが患者に利用可能である。マスクは通常、様々な形状及びサイズの顔にフィットするために様々なサイズで入手可能である。マスクの正しいフィッティングは、療法の有効性を低減し得る又はマスクを介し届けられる呼吸支援を低減し得るCPAPシステム内の漏れを回避するために重要である。劣悪にフィットされたマスクはまた、患者にとって不快であり得、そして例えば顔の敏感部分上に床擦れを引き起こすことによりネガティブ又は苦痛な療法経験を生じ得る。患者のための正しいマスクを選択することは信頼可能且つ継続的療法を届けるために極めて重大である。
【0048】
以下の多くの要因が患者のマスクを検出する際に重要である:
第1の考慮は患者の正しいマスクカテゴリを選択することである。患者は様々なやり方で呼吸し、何人かの患者は鼻で呼吸する、何人かの患者は口で呼吸する、そして何人かの患者は鼻及び口の組み合わせで呼吸する。最適呼吸療法又は呼吸支援は、患者が呼吸するやり方にとって好適なマスクタイプを処方することにより患者へ提供され得る。主マスクカテゴリは次のとおりである:全顔マスク、鼻マスク、鼻下鼻マスク。他のタイプのマスクは口マスク(口の周りだけの密閉)、ハイブリッドマスク(口の周りを密閉し、そして鼻孔により密閉するための鼻枕(nasal pillow)を有するマスク)、全顔マスク変形形態(鼻枕を除く口の周り及び鼻下の密閉)、口により少なくとも部分的に及び/又は外鼻孔により少なくとも部分的に密閉するマスクを含む。各マスクは、圧力ベース療法(例えばCPAP)の効果的配送を維持するために、口又は鼻のいずれか又は両方により密閉を生成するように機能する。どのマスクを患者が使用すべきかの考慮は患者がどの気道から主に呼吸するかにより影響を受ける。この気道は、主気道の組織を開放状態に維持するためにそしてその破綻を防止するために圧力ベース療法が配送されるべき場所である。選択されたマスクは、気道に対して密閉し、そして呼吸を支援する療法デバイスまで流体的に気道を実質的に延伸する;例えば、患者が自身の鼻から主に呼吸すれば、患者は呼吸支援を最も効果的に受けることになる(鼻マスク、鼻下マスク又は鼻枕が当該気道を密閉するためにそして圧力を提供するために使用されれば)。
【0049】
様々なマスクカテゴリの例が
図2、3に示される。
図2は、患者の顔上の各マスクカテゴリを示し、そして患者の顔上の各マスクカテゴリの接触エリアを別々に示す。
【0050】
図2Aは患者の鼻及び口を覆う全顔マスク210Aを示す。全顔マスク210Aはヘッドギアを使用することにより患者の顔へ保持される。ヘッドギアは、患者の顎及び/又は頬並びに首の周囲に延伸するストラップ220Aと、患者の頭の頂部の周囲に延伸する第2のストラップ230Aとを含む。全顔マスクは、口及び鼻領域全体の周囲及び鼻梁全体にわたり密閉する。
図2A(ii)に示すように、シール240Aは、患者の口の下に、鼻の両側の周囲に、及び鼻梁全体にわたり延伸する。全顔マスクの軟質シールは、療法が届けられる際に圧力を維持するために効果的密閉を生成するために鼻及び口周りの可変表面に順応し得る/ぴったりと合い得る。
【0051】
図2Bは鼻顔マスクを示す。鼻顔マスクは鼻マスクと同じである。これらの用語は交換可能に使用され得る。鼻顔マスクは、鼻だけを覆い、口を覆わない。鼻顔マスク210Bは、患者の顎及び/又は頬並びに首の周囲に延伸するストラップ220Bと、患者の頭の頂部の周囲に延伸する第2のストラップ230Bとを使用することにより患者の顔へ保持される。鼻顔マスクは鼻領域の周囲及び鼻梁全体にわたり密閉する。
図2B(ii)に示すように、シール240Bは患者の鼻の周囲に延伸する。シール240Bは、患者の鼻の下、鼻孔の下及び口の上、並びに鼻の両側の周囲及び鼻梁の上を密閉する。鼻顔マスクの軟質シールは、療法が届けられる際の圧力を維持するために効果的密閉を生成するために鼻の周りの可変表面に順応し得る/ぴったりと合い得る。
【0052】
図3は鼻下鼻マスクを示す。鼻下鼻マスクは鼻孔だけを密閉する。これは、鼻マスクを使用することよりも、鼻シールを生成するための余り侵襲性でないやり方である。鼻下鼻マスク310Cは、患者の頭の後部の周囲に延伸するストラップ320Cと患者の頭の頂部の上に延伸する第2の330ストラップCとを使用することにより患者の顔へ保持される。鼻下鼻マスクは鼻領域の周囲だけを密閉する。
図3(ii)に示すように、シール340Cは患者の鼻孔の周囲に延伸する。鼻下鼻マスクの軟質シールは、療法が届けられる際の圧力を維持するために効果的シールを生成するために鼻周りの可変表面に順応し得る/ぴったりと合い得る。シールは患者の鼻の下側の一部分上に生成される。シール340Cは、鼻の両側の周囲に密閉し得る、又は鼻の側面の周囲(例えば腋窩皺の領域内又は患者の腋窩の周囲)を密閉し得る。鼻下鼻マスクの軟質シールは、療法が届けられる際に圧力を維持するために効果的密閉を生成するために鼻の周りの可変表面に順応し得る/ぴったりと合い得る。
【0053】
鼻下全顔マスクは口を覆いそして鼻下を密閉する。鼻下全顔マスクのサイジングは、口幅と組み合わせて鼻下鼻マスクサイジングパラメータを使用する鼻下鼻マスクのサイジングガイドを使用する。
【0054】
各マスクカテゴリ内で、マスクは様々なサイズ(例えばXS、S、M、L)で提供され得る。マスクのサイズは通常、シールサイズ(すなわち顔と接触するマスクシールのサイズ)により規定される。一般的に、より大きな頭を有する患者は最適又は実用的シールを提供するためにより大きなシールサイズを必要とする。ヘッドギアのサイズもまた、有効性及び快適性を考慮したものであり、そしてヘッドギアはまた、患者の頭のサイズに依存して様々なサイズで提供され得る。いくつかのマスクカテゴリはXLマスクサイズも含み得る。
【0055】
患者のマスクを選択する際、患者の睡眠習慣に関係する別の考慮がなされ得る。呼吸療法の典型的処方箋は、患者が睡眠中夜通しマスクを着用することを要求する。療法セッション中の患者運動を含む要因(例えば、患者が寝相の悪い人(restless sleeper)かどうか、そしてまた、患者がベッド内で眼鏡をかけているかどうか)もまた、療法の効果と患者の療法プログラムに対する継続的遵守性とを最適化するために患者のマスクを選択する際に考慮されるべき要因である。他の考慮点は安全性を含む:即ち、劣悪にフィットされたマスクは患者がフィット性及び設定などをいじることに繋がり得る。漏れもまた、騒々しく従って(患者及びパートナの)睡眠を阻害し得る。他の考慮点も考慮に入れられ得る。何人かのOSA患者は他の健康問題を有し得る。
【0056】
患者のマスクを選択する際、目的は、療法を最適化するために、そしてまた顔とマスクとの接触エリアの周りの過剰圧力を回避することにより患者の不快感を回避するためにマスクと顔との間の漏れを最小限にすることを含む。患者の呼吸タイプに整合しない劣悪フィッティングマスク又はマスク群は、療法、患者の快適性及び患者の療法遵守性の有効性に影響を与え得る。
【0057】
通常、マスクは患者診断中に臨床医によりフィットされる。マスクフィッティングは通常、専門家のガイダンス下で患者に関して最も適切なマスクタイプ及びマスクサイズを選択するために、様々なマスクタイプ及びサイズを試すことができる患者自身により行われる。臨床医は、技術専門家であり、従って患者のためのマスクフィッティングの経験を有する。
【0058】
マスクは最適使用の限られた寿命を有する消耗品であり、そして通常、患者は数か月おきにマスクを交換する必要がある。患者によるマスクのリモート発注の希望がずっとあった。追加的に、何人かの患者は、臨床医を訪問することなくマスクを選択することを好む。
【0059】
最近、マスク供給者は、リモートマスク選択及びリモートマスク発注選択肢を患者へ提供し始めた。これらの選択肢は、患者が、マスクのカタログを見ること、カタログからマスクを選択すること、そしてマスクをリモートで(例えばインターネット上で)注文することを許容する。患者がマスクを選択することを許容することに伴う1つの挑戦は、フィッティング手順が技術専門家により請け負われないので、患者により選択されるマスクはマスクカテゴリ又はマスクフィットの観点で最適ではないかもしれないということである。上に論述されたように、患者の呼吸スタイル及び/又は他の睡眠因子(例えば患者が眠り易い位置(例えば横向き寝の人))に整合しない劣悪フィッティングマスク又はマスク群は、準最適療法と患者に対しする不快感とをもたらし得る。これらの因子は、療法結果を低減し得、そして劣悪患者療法遵守性を生じ得る。
【0060】
患者データを収集しそしてマスクを患者へ推奨する自動マスクサイジングソフトウエアアプリケーションが開発されてきた。これらは、マスクの独立患者選択と比較して、改善された結果を提供し得る。しかし、自動マスク選択の挑戦の1つは、患者にフィットするマスクをソフトウェアアプリケーションが識別することを可能にするための精確な患者顔面測定データの捕捉である。これらのソフトウェアアプリケーションはしばしばかなりの処理を必要とする。マスクを患者に推奨するためのソフトウェアアプリケーションはしばしば、信頼できない測定データを提供する、又は測定を検索するための患者専門知識又は入力に依存する。これらの因子は、患者への準最適マスクの推奨を生じ得る。
【0061】
別の挑戦は、精確な測定及びサイジングを提供することに加えて、上記プロセスを使用し易く且つ速くすることである。患者は技術に慣れていないかもしれない又は制限された移動性を有し得るので、単純且つ直観的サイジングプロセスの必要性がある。
【0062】
一実施形態では、呼吸療法デバイス又はシステムと共に使用するための患者のマスクを選択するための方法及びシステムが提供される。マスクは呼吸療法又は呼吸支援を患者へ届けるのに好適である。本方法は、患者の顔の少なくとも1つのディジタル画像を表すデータを受信する工程を含む。本方法は画像内に出現する所定基準顔面特徴であって患者の眼である所定基準顔面特徴を識別する。本方法は、画像内の患者の眼の測定を判断し、そして所定寸法を測定へ割り振る。本方法は画像のスケーリング係数であって測定と所定寸法との比であるスケーリング係数を判断する。本方法は、画像内の別の顔面特徴を識別し、画像内の別の顔面特徴の測定を判断し、そして、別の顔面特徴のスケーリング係数及び測定を使用することにより別の顔面特徴の寸法を計算する。本方法は、別の顔面特徴の計算された寸法と患者マスクに関連するマスクサイジングデータとを比較し、そしてこの比較に依存して患者のマスクを選択する。
【0063】
いくつかの実施形態は、非技術専門家が良くフィットするマスクを推奨するために本システムに必要とされる情報を精確且つ信頼可能に捕捉することを可能にする精確な測定システムを提供する。本方法は非専門的機器を使用することにより実施され得る。いくつかの実施形態は、精確且つ信頼可能サイジングが基準スケールを使用することにより導出されることを可能にする患者の顔の画像を捕捉する。上記方法及びシステムは、ユーザ(例えばOSA患者)が臨床医を訪問する必要無く且ついかなる専門的機器の必要性も無く家で本方法を行い得るのでマスクサイジングのための便利な方法を提供する。更に、サイジングの方法は、ユーザのモバイルデバイス(例えばスマートフォン又はタブレット)上で実行され得るので便利である。マスクサイジングのための上記方法及びシステムはまた、マスクサイジングを行うために患者の顔の前に保持される必要がある別個の基準物体の必要性が無いので有利である。
【0064】
以下に説明される例示的実施形態では、患者の顔の画像をスケーリングするために使用される基準顔面特徴は眼である。
図6は人間の眼と顔の周囲部とを示す。眼は次の2つの角を含む:顔の中心に最も近い眼の最内側点における顔上に位置する第1の角620;及び顔の中心から最も遠い眼の最外側点における顔上に位置する第2の角625。眼の角間の距離は眼幅である。
【0065】
これらの角は眼の2つの眼角により定義され得る。眼の最内側点に関係する顔面ランドマークは内眼角620である。眼の最外側点に関係する顔面ランドマークは外眼角625である。
【0066】
眼の幅は、その寸法が成人(通常16歳以上の)の中で最小分散を有するということが分かっているので顔の基準特徴として使用すべき有用な特徴である。
【0067】
一例では、眼の幅は眼の角間の距離である。
他の実施形態では、眼の幅は内眼角620と外眼角625との間の距離である。
【0068】
他の例では、眼の幅は眼の白色領域の距離として定義され得る、ここでは角620、625は眼の白色と顔とのコントラストの点として定義される。
【0069】
他の例では、眼の幅は内眼角620と外眼角625との間の水平距離である。この距離は水平方向瞼裂630である。水平方向瞼裂は基準特徴として使用すべき顔の有用な特徴である。この特徴は16歳以上の個人の中で最小分散を有すると分かった。水平方向瞼裂は男性と女性との間でほぼ一貫しており、そしてまた様々な民族に関してほぼ一貫している。他の例では、眼の高さが基準特徴として使用され得る。眼の高さは眼が開いた状態の時の上眼瞼650と下眼瞼660との間の距離として定義され得る。眼の高さは眼が開いた状態の時の上眼瞼と下眼瞼との間の最大距離であり得る。この高さは垂直方向瞼裂640として定義され得る。
【0070】
眼幅は患者の顔の画像又は映像内で検出され得る。眼角は、虹彩又は瞳のような目玉の部分よりむしろ顔のランドマークであるので、これらのランドマークは患者の瞼により曖昧にされない。眼角は顔のランドマークであるので、眼幅は、眼が閉じられたときですら、部分的に閉じられたときですら、又は瞬き中にですら画像内で捕捉され得る。これらのランドマークは、目玉の虹彩及びいくつかの部分より容易に検出され得る。虹彩又は瞳のような目玉のいくつかの部分の検出はまた、光源からの反射に起因して、又は瞼又は眉から投げかけられる陰影に起因して難しいかもしれない。目玉のいくつかの部分も瞼により不明瞭にされ得る。眼の幅は、基準特徴として使用され得る他のいくつかの部分(例えば虹彩又は瞳)より大きな長さであるので、いかなる百分率測定誤差もより小さな基準特徴の誤差よりも恐らく低い可能性が高い。同様に、眼高は患者の顔の画像又は映像内で検出され得る。
【0071】
眼の幅又は眼の高さを基準特徴として使用する別の恩恵は、測定が画像内の患者の両眼に関し取得され得、これにより平均測定が計算されることを可能にすることである。この平均化はまた、測定値の誤差を低減し得る。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態は、呼吸療法デバイスと共に使用するための患者のマスクを選択するための方法及びシステムを提供する。マスクは呼吸療法を患者へ届けるために好適である。本システムは、患者の顔面画像を受信し、そして患者のマスクを選択するためにこの顔面画像を使用する。本システムは画像から患者の顔の重要特徴の寸法を抽出する。本システムは患者の顔の様々な寸法をフィットすることになる患者のインターフェースを選択する。
【0073】
顔面画像は患者の顔を含むディジタル画像である。
本方法はユーザデバイス上に実装され得る。ソフトウェアアプリケーションがユーザデバイス(例えばモバイルフォン、タブレット、デスクトップ又は他のコンピューティングデバイス)上へ装填され得る。ソフトウェアアプリケーションは、ユーザデバイス上でもっぱら動作し得る、又は通信ネットワーク全体にわたってサーバへ接続され得る。
【0074】
今説明した第1の例示的実施形態では、本方法はモバイル通信デバイス上で実行されるソフトウェアアプリケーションにより実装される。「用語」:モバイル通信デバイス、モバイル通信デバイス、ユーザデバイス及びモバイルデバイスは交換可能に使用される。
【0075】
モバイル通信デバイスの図式表現が
図4に示される。モバイル通信デバイス400は画像捕捉デバイス405を含む。
図4の例では、画像捕捉デバイスはディジタルカメラである。モバイル通信デバイス400はメモリ420を含む。メモリ420は通信デバイス400内のローカルメモリである。メモリ420は、モバイル通信デバイス上の実行のためのソフトウェアアプリケーション、アルゴリズム及びデータを格納するのに好適である。データタイプは、マスクカテゴリデータ及びマスクサイジングデータを含むマスクデータ、顔面特徴及びランドマークのための基準スケール及び寸法情報、画像内の顔面特徴及びランドマークを識別するために好適な画像認識ソフトウェアアプリケーション、ユーザへの提示のための質問、等々を含む。
【0076】
モバイル通信デバイス400は、メモリ420内に格納されたソフトウェアアプリケーションを実行するためのプロセッサ410を含む。モバイル通信デバイスはディスプレイ430を含む。ディスプレイは、情報をユーザへ提示する(例えばテキスト又は画像の形式で)ためにそしてまたカメラ405により捕捉された画像を表示するために好適である。ユーザ入力デバイス425は入力をユーザから受信する。ユーザ入力デバイスはユーザ入力のために好適なタッチスクリーン又はキーパッドであり得る。いくつかの実施形態では、ユーザ入力デバイス425はタッチスクリーンとしてディスプレイ430と組み合わせられ得る。ユーザ入力デバイスの他の例はマイクロホンを含む。マイクロホンは音声命令又は他の口頭指示を患者から受信する。
【0077】
送受信機415は通信ネットワーク全体にわたる通信接続を提供する。送受信機415は無線送受信機であり得る。送受信機415は短距離無線通信(例えばブルートゥース及び/又はWiFi)を支援し得る。送受信機415はまた、セルラ通信を支援する。代替的に、各々が例えばWiFi、ブルートゥース、セルラ通信などのような特定通信方法(すなわち通信プロトコル)を支援するように構成された複数の送受信機が実装され得る。
【0078】
以下の例では、モバイル通信デバイス400は、モバイルフォンであるが、
図4に関して説明された部品及び能力を有するタブレット、ラップトップ又は他のモバイル通信デバイスである可能性がある。いくつかの示された例では、モバイル通信デバイスはスマートフォンである。
【0079】
モバイル通信デバイス400と様々なサーバとの間の通信路が
図5に示される。
図5では、モバイル通信デバイス400は通信ネットワーク510全体にわたってサーバ515と通信する。サーバ515はデータベース520にアクセスする及び/又はそれと通信する。モバイル通信デバイス400はデータをサーバ515及びデータベース520と交換する。通信デバイス400はデータをサーバ515及び/又はデータベース520から要求し得る。通信デバイス400はデータをサーバ515及び/又はデータベース520へ提供し得る。サーバ515及び/又はデータベース520は、モバイル通信デバイスからの要求に応じてデータをモバイル通信デバイス400へ提供し得る及び/又はデータをモバイル通信デバイス400へ選択的にプッシュし得る。
【0080】
ネットワークサーバは通常、モバイル通信デバイス400に更新を提供する。更新は、メモリ420内に格納されたルックアップテーブル及び他のデータベースのためのデータ更新に関係し得る。更新は、患者インターフェースフィッティングアプリケーションに関係し得、患者インターフェースフィッティングアプリケーションの動作を変更又は改善するために変更をソフトウェアアプリケーションへ提供する。
【0081】
患者インターフェースフィッティングの方法はモバイルデバイス420に対し行われてもよいし分散コンピュータシステム全体にわたって行われてもよい。モバイル通信デバイス上で実行される際、すべての処理、画像捕捉、データ格納及び推奨はモバイル通信デバイスに対し行われる。本アプリケーションは外部サーバへの通信接続無しにオフラインで動作し得る。本方法が分散コンピューティングシステムを使用することにより行われる場合、本方法実行中に行われる機能は様々なデバイス上で又は様々な場所において行われ得る。データは、様々な場所内に格納され、そして通信ネットワーク全体にわたって検索又は提供され得る。いくつかの例では、アプリケーションは、クラウド構成では、リモートデータベース内に格納されたデータを使用することによりリモートサーバ上でもっぱら実行され得る。
【0082】
マスク選択ソフトウェアアプリケーションに関係するデータは以下のものを含み得る:マスク選択プロセス中に患者へ提示される患者質問表内の質問;様々なマスクカテゴリに対するアンケート質問に対する応答に関連するデータベースデータ;顔面特徴寸法とマスクサイズとを関連付けるサイジング情報に関係するデータ;及びデバイス又はマスクに関する一般的情報(例えばマスク指令、洗浄指令、FAQ及び安全性情報)。様々な実施形態において使用されるいくつかの特定データベースの詳細が以下に提供される。
図5の線図は例示目的のためだけのものであり、別の実装形態は複数のサーバとデータベースとの間の通信接続を含み得る。
【0083】
次に、モバイル通信デバイス上で動作するマスク選択ソフトウェアアプリケーションにより行われる工程が
図7を参照して説明される。この説明では、用語:マスク選択ソフトウェアアプリケーション;マスクサイジングアプリケーション;ソフトウェアアプリケーション;及びアプリケーションは交換可能に使用される。マスク選択ソフトウェアアプリケーションは、メモリ420内に格納されそしてプロセッサ410により実行され得るソフトウェアプログラムである。ソフトウェアプログラムは、モバイル通信デバイス400のプロセッサ410を使用することによる実行のためのコンピュータ実行可能プログラムである。コンピュータプログラムは、プロセッサ410により実行される一連の指令を含み得、そしてアルゴリズムを含み得る。プログラムは、モバイル通信デバイス400において取得されるデータを使用することによりローカルに実行される。以下の説明では、様々なモジュール(例えば顔面検出モジュール、顔検出モジュール、顔メッシュモジュール、アプリケーション、アルゴリズム)は、マスク選択ソフトウェアアプリケーションの一部を特に形成してもよいし、必要に応じ実行中にマスク選択ソフトウェアアプリケーションにより呼び出されるメモリ420内に格納された別個のコンピュータプログラムとして常在してもよい。
【0084】
710において、マスク選択ソフトウェアアプリケーションはモバイル通信デバイス400上で開かれる。マスク選択ソフトウェアアプリケーションは呼吸療法マスクを患者に推奨する目的のために開かれる。マスク選択ソフトウェアアプリケーションは、メモリ420内に格納されそしてプロセッサ410により実行され得るソフトウェアプログラムである。
【0085】
患者によりマスク選択ソフトウェアアプリケーションが選択されると、マスク選択ソフトウェアアプリケーションは710において開始される。マスク選択ソフトウェアアプリケーションは、715において走査することにより患者の顔のディジタル画像を捕捉するためにカメラ405にアクセスする。好適には、デバイスの表示画面と同じ側の前向きカメラがマスク選択ソフトウェアアプリケーションによりアクセスされる。この方位は「自撮り」モードにおいて画像を捕捉する方位として通常認識されるので、患者は画像捕捉中に画像を表示画面上に視得る。マスク選択ソフトウェアアプリケーションは、患者が好適画像を捕捉するのを助けるためのガイダンスを患者へ提供し得る(例えば表示画面430上のテキスト指令又は例示的画像の形式で)。他の例では、裏面カメラが画像捕捉のために使用される。これは、患者をサイジングする臨床医によるマスクサイジングアプリの使用を容易にし得る。これは、患者が顔面画像を捕捉する際に誰かに支援させることを可能にする。
【0086】
マスク選択ソフトウェアアプリケーションは患者により独立に操作されるように構成されるので、患者の顔の画像は、モバイル通信デバイスを患者から離れて保持しそしてカメラを患者の顔に向けることにより取得され得る(
図8に示すように)。好適には、カメラにより捕捉された画像は
図9に示すように表示画面430上でユーザへ表示される。画像を捕捉する際に患者を支援するための視覚的ガイダンスが例えばフレーム910の形式で提供され得る。顔をフレーム内に位置決めするようにユーザに指示するテキストを含み得る別のガイダンスが画面上に提示され得る。
【0087】
画像捕捉中、アプリケーションはディジタル画像フレームのストリームを捕捉する。フレームが捕捉される速度はアプリケーション又はデバイス間で変動し得る。フレームが捕捉される速度はモバイルデバイス内のクロックに関係し得、そしてモバイルデバイスのタイプに依存し得る。いくつかの実施形態では、単一画像フレームだけが捕捉される。このようなシステムでは、アプリケーションは、患者に画像を捕捉するように促し得る(例えば画像を撮影するためのボタンを画面上に提供することにより)。他の実施形態では、複数のフレームがフレームシーケンス内の映像の一部として捕捉される。解析のための個々の又は複数のフレームが複数のフレームから抽出され得る。例示的システムでは、複数のフレームが自動的に捕捉される。映像画像フレーム又は画像フレームが、720において捕捉され、そして患者の顔のディジタル画像ファイルを生成するために処理される。このファイルは任意の好適なファイル形式(例えばJPEG)であり得る。代替的に、捕捉それ自体が無い:すなわち、処理は画像バッファから採取された画像フレーム自体に対し行われ得る。このような例では、いかなる特定画像ファイル(jpegのような)も生成されない。
【0088】
マスク選択ソフトウェアアプリケーションは顔面検出モジュールを含む。顔面検出モジュールは、画像ファイルを解析しそして画像内の所定顔面ランドマークを検出するように構成されたソフトウェアプログラムである。725において、マスク選択ソフトウェアアプリケーションは顔面検出モジュールを画像に対し実行する。マスク選択ソフトウェアは顔面ランドマークを識別する。いくつかの実装形態では、実際のJPGは生成されないが、むしろソフトウェアは、データ(例えば画素値)の行列又はアレイを使用し、そしてこれを一時的メモリ内へ格納する。好適には、画像のいかなる恒久的記録も、処理がローカルに行われるので格納又は送信されない。画像は、キャッシュ化、処理、そして次に削除され得る。これは、ユーザのプライバシーを尊重し、そして、その顔面データが送信されないという信頼をユーザへ提供する。
【0089】
いくつかの例示的実施形態では、顔面検出モジュールは、顔検出及び顔面ランドマーク検出のための機械学習モジュールである。顔面検出モジュールは顔のランドマークを識別し追跡するように構成される。好適には、顔面検出モジュールは、リアルタイムで動作し、そしてモバイルデバイスのカメラにより生成された画像が捕捉されるとそれを解析する。
【0090】
例示的顔面検出モジュールは顔検出モジュール及び顔メッシュモジュールを含み得る。顔検出モジュールは、顔のリアルタイム顔面検出及び追跡を可能にする。顔メッシュモジュールは、ユーザの顔の顔面特徴及びランドマークを検出するために機械学習手法を提供する。機械学習手法は、そのライブラリを絶えず更新し、そして、捕捉画像内の異常を補正するために複数のサンプリングされた顔に関する格納されたデータを使用する。顔メッシュモジュールは、顔ランドマークの場所を提供し、そして各ランドマークの座標位置を提供する。ランドマーク位置は座標系として提供される。例えば、座標系はデカルト座標系又は極座標系であり得る。座標系の零点すなわち基準点は好適には患者の顔上に(例えば鼻の中心に)置かれる。代替的に、基準点(即ち顔面ランドマークの場所を判断しそして場所情報を提供する際にモジュールにより使用される空間内の点(例えば座標))は顔から離れて置かれ得る。顔検出モジュール及び顔メッシュモジュールは併せてランドマーク及び特徴の追跡を可能にする。これらは2つの別個のプログラムであってもよいし単一プログラム又はアルゴリズム内へ取り込まれてもよい。代替的に、顔検出モジュール及び顔メッシュモジュールは別個のコンピュータプログラム(すなわちモバイル通信デバイスのメモリ内に格納され得る)であり得る。プロセッサ410はこの代替構成においてプログラムを実行するように構成される。
【0091】
いくつかの例示的実施形態は、顔面検出モジュールにより検出された顔面ランドマーク全体の所定サブセットを選択するように、そしてこれらのランドマークにより定義された特徴の寸法だけを計算するように構成され得る。顔面ランドマーク全体の特定サブセットは、マスク選択ソフトウェアアプリケーションの現在の動作、患者入力、マスクカテゴリ又は他の選択基準に基づき選択され得る。
【0092】
図10は様々な顔面ランドマークを識別する患者の顔の図解である。顔面ランドマークは顔の点である。これらの顔面ランドマークは顔の人体計測学的ランドマークであり、例えば限定しないが以下のものを含む:
a)内眼角
b)外眼角(すなわち外眼角:ectro canthus)。
【0093】
c)眉間
d)鼻梁
e)鼻孔点
f)鼻尖小葉
g)鼻尖
h)左腋窩(腋窩小葉)
i)右腋窩(腋窩小葉)
j)鼻下
k)左唇交連(すなわち口の左角)
l)右唇交連(すなわち口の右角)
m)口唇下
n)下顎点
o)顎
p)眼点
顔面特徴は顔面ランドマークにより定義される。例えば、顔面特徴は顔面ランドマーク間に位置し得る。顔面特徴の寸法は顔面ランドマーク間の距離として定義され得る。例えば、鼻幅の顔面特徴は、左腋窩小葉と右腋窩小葉(
図10のランドマークh及びi)との間で定義される。鼻幅は、左腋窩小葉と右腋窩小葉との間の顔上の距離として計算され得る。鼻幅は左腋窩小葉及び右腋窩小葉の座標が知られると計算され得る。
【0094】
725において、本アプリケーションは、患者デバイスにより捕捉された画像内の所定顔面ランドマークを識別する。本アプリケーションは座標系を患者の顔のディジタル画像上へ適用する。一例示的実施形態では、座標系は3次元座標系(x,y,z)である。一実装形態では、鼻の中心は座標(0,0,0)として設定され、そしてすべてのランドマークの座標は(0,0,0)点に対して判断される。
【0095】
図11Aに示すように、本アプリケーションは、患者の顔の画像内の内眼角1110及び外眼角1120(すなわち患者の眼の2つの角)を識別する。内眼角及び外眼角のx,y,z座標(外眼角(x1,y1、z1)及び内眼角(x2,y2,z2))が識別される。
【0096】
次に、
図11Bに示すように、眼幅1130の基準特徴の測定が画像内で計算される。この例示的実施形態では、眼幅の測定はx及びy座標だけを使用することにより計算され、z座標は無視される。他の実施形態では、z座標もまた、この測定を計算する際に使用され得る。
【0097】
この例示的実施形態では、眼幅測定は次式を使用することにより眼角間で計算される:
【0098】
【0099】
この測定は画像内の特徴の長さである。測定の単位は画像の画素であり得る。測定のための他の単位(例えば画像ベクトル)が使用され得る。二次元(x及びy座標)だけに基づく計算は計算を節約するので有用であり得る。
【0100】
別の実施形態は眼角だけのx座標を使用することにより眼幅測定を計算する。これらの例示的実施形態では、眼幅測定は式|x1-x2|又は|x2-x1|を使用することにより計算される。いくつかの実施形態では、顔面特徴のいかなる非標準位置決めも考慮するためにx、y及びz座標のうちの2つ以上を使用することが有用かもしれない。
【0101】
本アプリケーションは上述のように工程730において画像内の1つの眼の幅を計算し得る。別の実施形態では、本アプリケーションは、画像内に出現する患者の顔の両方の眼の角を識別する。幅測定は、眼毎に計算され、そして画像内の患者の平均眼幅を取得するために平均化される。両眼全体にわたる平均幅の使用が誤差を低減し得る。
【0102】
735において、画像のスケーリング係数が計算される。メモリ420は、眼に関連する基準寸法を格納する。上に論述されたように、眼幅は、大人全体にわたる最小分散を示すので有用な基準特徴である。この寸法は患者の顔上の特徴のサイズである。いくつかの例示的実施形態は、28mmとなる眼幅の基準寸法を使用する。基準寸法は人間の眼の平均眼幅(すなわち水平方向瞼裂)に関係し得る。眼の高さの異なる基準寸法(例えば10mm)が使用され得る。これは平均眼高(すなわち垂直方向瞼裂)に対応する。示され説明されるサイジング方法では、眼幅が使用される。他のいくつかの実施形態は眼幅の代替基準寸法(例えば29mm)を選択し得る。
【0103】
本アプリケーションは、画像内の眼幅測定と28mmの眼幅寸法とを使用することにより画像のスケーリング係数を計算する。スケーリング係数は画像内の幅測定と幅寸法との比である。上に論述されたように、幅測定は画素で又はいくつかの他の好適な単位で行われ得る。
【0104】
図12Aを参照すると、740において、顔面ランドマークは顔面検出モジュールにより画像内で識別され、そして画像内の各顔面ランドマークの座標(x,y,z)が判断される。モバイルデバイスのプロセッサは識別された顔面ランドマーク毎の画像座標を受信するように構成される。興味のある人体計測学的ランドマークは、画像内で識別される人体計測学的ランドマーク全体の予め選択されたサブセットであり得る。
【0105】
図12Bを参照すると、予め選択された顔面特徴の測定は、各予め選択された顔面特徴に関連する2つの人体計測学的ランドマークを識別しそして画像内のランドマーク間の長さを判断することにより計算される。この測定はx座標(例えばx1-x2)の絶対値だけ又はy座標(y1-y2)の絶対値だけの差であり得る。水平方向寸法すなわちx寸法はx座標間の差を判断することにより取得され得、そして垂直方向寸法すなわちy寸法はy座標間の差を判断することにより取得され得る(前に説明されたように)。代替的に、ランドマーク間の測定は数式
【0106】
【0107】
を使用することにより計算され得る。いくつかの例示的実施形態は、二次元又は三次元を使用することにより測定を計算し得る。再び、測定は画素で又は測定の任意の他の好適な単位で計算され得る。
【0108】
図12Bでは、矢印は計算され得る様々な顔面特徴の測定を示す。z寸法は例えば鼻深さ(例えば鼻下と鼻尖との間のz距離)を計算するために使用され得る。鼻特徴の測定は画素で又は他のいくつかの測度(例えば画像ベクトル)で計算される。z寸法は特定マスクカテゴリ(例えば
図3に示す鼻下マスク)だけに関し得る。z深さ測定|z2-z1|又は|z1-z2|が、画像内で計算され、そして前に説明されたように眼幅から導出される同じスケーリング係数を使用することにより患者の顔面寸法へ変換され得る。
【0109】
745において、画像(すなわち多くの画素)内の顔面測定は、眼幅寸法に関して計算された画像のスケーリング係数を使用することにより顔面寸法へ変換される。例えば、眼幅の寸法として28mmを使用することにより:
【0110】
【0111】
任意選択的に、測定の各々はスケーリング係数を掛けられ得る。スケーリング係数は予め定められた好適なスカラーである。いくつかの実施形態では、スケーリング係数はカメラレンズの魚眼効果及び/又は他の歪要因を補償し得る。
【0112】
特徴識別及び寸法計算は単一画像から計算され得る。別の実施形態では、各々が別個の画像フレームである複数の画像がカメラにより捕捉されそして処理され得る。各画像では、寸法は特徴毎に計算され得、そして患者の顔上の特徴の最終計算寸法は誤差を低減するために複数の画像全体にわたる平均寸法である。
【0113】
顔面検出モジュールは、全体にわたる平均寸法を計算するために最少数のフレームを捕捉するために予めプログラムされ得る。一例示的実施形態では、少なくとも30個のフレームが捕捉及び/又は処理される。別の例では、少なくとも100個のフレームが捕捉及び/又は処理される。顔面検出モジュールは「データが最小時間長にわたって捕捉される(例えば10秒間の映像(すなわち顔面ランドマークの10秒のx,y,zデータ)が捕捉及び処理される」ことを要求するように予めプログラムされ得る。次に、測定は捕捉されたフレーム全体にわたって平均化される。
【0114】
メモリ格納空間を管理するために、フレーム又は患者画像はメモリ内に格納されなくてもよい(すなわち何も存続しない)。フレームは、処理するための時間の間格納され、そして次に削除される。一時的メモリはROM、RAM及び任意選択的にいくつかの一時的キャッシュメモリである可能性がある。
【0115】
処理はモバイル通信デバイス上でリアルタイムで行われ得る。一例示的実施形態では、プロセッサは、モバイル通信デバイス上でフレーム毎にリアルタイムで処理する。代替実施形態では、複数のフレームが格納されそして次にバッチで処理される、例えば、録画の期間からの又は所定数のフレームからのフレームが電話機上に格納され処理される。追加的に/代替的に、捕捉された映像/画像は送信されそしてクラウドサーバ上で処理される。別の代替案は、各フレームが処理のために捕捉されそしてクラウドへ送信されるということである。
【0116】
上述のように、顔面検出モジュールは機械学習(ML:machine learning)モジュールを含み得る。機械学習モジュールは1つ又は複数の深層ニューラルネットワークモデルを適用するように構成される。一例では、2つのMLモデルが使用される。第1の顔検出モジュールは、リアルタイム顔面検出及び顔の追跡のための画像(又は映像のフレーム)に対し働く。第2の顔メッシュモジュールは、顔面特徴及び顔のランドマークを検出し、そして、顔ランドマークの場所を提供する。顔メッシュモデルは、回帰により表面ジオメトリを予測及び/又は近似するために、識別された場所に対し働き得る。
【0117】
顔面検出モジュールは、顔面特徴及びランドマークを識別するために2つのMLモデルを使用する。識別された顔面特徴は画面上に表示され得る。これらの顔面特徴は、記録された画像を処理する(又は録画の各フレームを処理する)ことの一部として使用され得る。ランドマークは、患者が移動し得るのでリアルタイムで識別され追跡され得る。MLモデルは、画像内のランドマークの場所を予測するために既知の顔面ジオメトリ及び顔面ランドマークを使用する。
【0118】
745において計算された後、寸法は、患者の好適なマスクを識別するために、データベース内に格納されたマスクデータと比較される。顔面特徴の寸法に対応するマスクサイズが750において患者へ推奨される。患者へ表示される推奨マスクの一例が
図13に示される。
図13の例では、推奨マスクは全顔マスク(Mサイズ)である。本アプリケーションは患者のための購入選択肢へのリンクを提供し得る。例えば、本アプリケーションは、このようなマスクを提供するマスク小売業者又はディーラからの選択されたマスク及びサイズの購入を可能にするリンクを提供し得る。
【0119】
いくつかの方法は「カメラが患者の顔の画像を捕捉するために正しく位置決めされた」ということを照査する。カメラと患者の顔との角度が計算される。例えば、本方法がモバイル通信デバイス(例えば受話器)上に実装される場合、角度は、カメラも含む電話機内のセンサを使用することにより計算され得る。一例では、センサは1つ又は複数の加速度計及び1つ又は複数のジャイロスコープを含み得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、画像は、画像の属性が所定判断基準を満足するかどうかを判断するために解析される。画像の属性が所定判断基準を満足しなければ、それらの画像からの測定は患者の顔の寸法を計算するためには使用されない。これらの画像は廃棄され得る。これは、測定が不正確かもしれなく患者の顔の不正確な寸法の計算に至る画像を無視するフィルタリング工程である。所定判断基準は判断基準をフィルタリングすることにより予め定義される。画像が所定判断基準を満足するかどうかを判断するために画像を解析する工程は画像が処理された後に行われ得る。
【0121】
画像の属性の一例は画像内のカメラに対する患者の頭の角度である。画像の属性の別の例は:カメラと患者の頭との距離;照明レベル;ディスプレイ内の頭の位置;及びすべての必要とされる特徴が画像内に含まれるかどうかを含む。
【0122】
図14は患者の頭の3つの回転軸を示す。ピッチ1410は頭の上下傾斜角である。ヨー1420は左右回転角である。ロール1430は横方向回転角である。ピッチ、ヨー及びロールの角度はカメラの角度に対し測定される。画像内の特徴の寸法の計算の精度は画像のピッチ、ヨー及びロールの角度の変動により影響され得る。ピッチ、ヨー又はロールの様々な角度を有する画像はいくつかの特徴の様々な測定を生成する可能性があり、それらの特徴のランドマーク間の距離は変化し得る、ランドマーク同士は互いにより近くに見え得る、又は実際より離れて見え得る。
【0123】
図15は、画像の属性が所定判断基準を満足するかどうかを判断するために本アプリケーションにより実装され得る工程を示す。画像の属性が所定判断基準を満足すれば、この画像は患者の顔面寸法を計算するために使用され得る。一般的に、
図15の工程は、画像フレームが
図7の工程720において捕捉されるとリアルタイムで行われる。
【0124】
1510において、画像はカメラにより捕捉されそして処理される(工程1510は
図7の工程720に等しい)。1520において、本アプリケーションは、画像内の患者の頭のピッチ角度、ヨー角度及びロール角度及び任意の他の必要な属性を判断する。一例示的実施形態では、これらの属性はリアルタイムで判断される。
【0125】
様々な方法が、ピッチ、ヨー及びロールの角度を判断するために使用され得る。1つの例示的方法では、本アプリケーションは顔ジオメトリの行列を生成する。行列は、ユークリッド空間内の顔上の点のx、y及びz値を定義する。マスクサイジングアプリケーションは、ユーザの顔が移動しそして角度を変えるとx、y及びzユークリッド値の相対的変化からピッチ、ヨー、及びロールを判断する。ユーザの顔が移動しそして角度を変えると、あるランドマーク又は点の座標は、変更された角度におけるピッチ、ヨー及びロールの新しい値を導出するために、顔が(0,0,0)のピッチ、ヨー、及びロール、又は以前の角度、又は校正基準点を測定したときの当該ランドマークの座標と比較され得る。ピッチ、ヨー及びロールは、共通原点において交差する様々な軸を中心に+ve及び-ve値で測定され得る。ピッチ、ヨー及びロールを測定するために使用されるx、y及びz点はすべて、例えば鼻梁又は鼻尖に位置し得る共通原点(0,0,0)に対して測定される。
【0126】
1530において、ピッチ、ヨー及びロールの角度はメモリ内に格納された所定閾値と比較される。これらの閾値は受容可能画像の公差レベルを定義する。所定閾値はピッチ、ヨー及びロールに関して異なり得る。一実施形態では、ピッチ角度の所定閾値は+ve又は-ve方向のいずれかで10度である。ピッチ角度が+ve又は-ve方向のいずれかで10度より大きければ、画像からの測定は患者の顔の寸法を計算するために使用されない。
【0127】
所定閾値はまた、ヨー及びロールへ適用される。一例では、ロール及びヨーの所定閾値は+ve又は-ve方向で2度より大きい。
【0128】
所定閾値はいくつかの実施形態間で変動し得る。一実施形態では、ピッチの閾値は+ve又は-ve方向で10度の間である。いくつかの例示的実施形態では、ピッチの閾値は+ve又は-ve方向で6度である。他の閾値が他の実施形態において使用され得る。いくつかの実施形態では、閾値はピッチ、ヨー及びロールへ適用され得る。他の実施形態では、閾値はピッチ、ヨー及びロールのうちの1つ又は複数へ適用され得る。通常、精確な測定値及び寸法値を取得するために十分に小さい値を選択することにより公差値を選択する際に考慮するべきバランスがあるが、所定判断基準を満足する画像を患者が捕捉することが難しくなるほどに制約的ではない。
【0129】
画像が1530において所定閾値判断基準を満足すれば、画像から計算された患者の顔の測定又は寸法は1540においてマスク選択中に使用され得る。画像が1530において所定閾値判断基準を満足しなければ、画像は、
図7の工程750において推奨に向かうマスク選択プロセスにおいて使用されない。
【0130】
画像が所定判断基準を満足するかどうかを判断するフィルタリング工程は様々な段階で行われ得る。所定判断基準を計算するタイミングは、デバイスの処理能力、フレーム率又は他の因子に基づき選択され得る。
【0131】
一実施形態では、顔面特徴の寸法は、画像の属性が所定閾値判断基準を満足するかどうかにかかわらず計算される。このような実施形態では、
図7の工程725~745は、画像の属性が所定判断基準を満足するかどうかにかかわらず行われる。本アプリケーションは、所定判断基準を満足しない画像から計算された寸法を廃棄するので、これらの寸法は患者のマスクを選択する際に使用されない。他のアプリケーションでは、画像の属性は画像捕捉直後の画像処理中に計算されそして閾値判断基準に対し比較される。属性が要求判断基準を満足しない画像は
図7の工程720後に廃棄され、従って寸法はこれらの画像を使用することにより計算されない。
【0132】
工程720において画像捕捉直後にリアルタイムで画像を廃棄することにより、メモリ格納負荷及び処理負荷は低減される。各フレームは、映像ストリーム又は画像フレームバッファから抽出されると評価される。代替的に、本システムはすべての又は所定数のフレームを格納し、そして次に、上述の画像属性などのフィルタリング判断基準を評価し得る。所定判断基準を満足しない属性を有する画像を廃棄することにより、誤った眼幅寸法又は不精確な眼幅寸法を与える可能性がある又は歪んだ顔面特徴を与える可能性があるフレームは寸法の計算の際に考慮されない。
【0133】
いくつかの実施形態では、本アプリケーションは、患者により捕捉されている画像又は画像群の属性が所定判断基準を満足するか否かを確認するためのフィードバックを患者に提供する。フィードバックは視覚的フィードバックであり得る。フィードバックは視覚的指示子であり得る。フィードバックはテキストであり得る。フィードバックを患者へ提供することにより、患者は、必要要件を満足する画像を捕捉するためにリアルタイムでフィードバックに応答することができる。これは、ユーザ経験を改善するのを助け得る。
【0134】
フィードバックは触覚的フィードバックであり得る。触覚的フィードバックは、指令をユーザに指示するための振動又は特定振動パターンを含み得る。例えば、2つの短い振動が上方向傾きを意味し得、そして単一の短い振動は下方向傾きを意味し得る。顔から電話機までの距離の同様な触覚的フィードバックが提供され:例えば、3回の振動はカメラを頭のより近くに移動することを意味し、そして4回の振動はカメラを頭から更に遠くに移動することを意味する可能性がある。
【0135】
フィードバックは音声フィードバックであり得る。音声フィードバックは、頭に対するカメラの相対的配向又は位置を変更する指令を患者へ提供するために音声指令又は音を提供し得る。音声フィードバック命令は視覚障害の患者を支援するのに特に有用である。
【0136】
いくつかの実施形態はフィードバックの組み合わせ(例えば触覚的、視覚的、及び音声フィードバックの組み合わせ)を含む。いくつかの実施形態は、触覚的フィードバックと視覚的フィードバックとの組み合わせ、触覚的フィードバックと音声フィードバックとの組み合わせ、音声フィードバックと視覚的フィードバックとの組み合わせ、又は触覚的フィードバック、視覚的フィードバック、及び音声フィードバックの組み合わせを含み得る。
【0137】
図16は、画像捕捉中のモバイル通信デバイス1610に対する患者の頭1620の方位の一例を示す。
図16の例では、この画像内ピッチ要件は満足される。
図16Bは、カメラに対する患者の頭のピッチ角度を示す側面図である。同様な画像がヨー角度及びロール角度を示すために提供される可能性がある。モバイル通信デバイスのカメラ1640は、カメラにより捕捉された画像を表示するためのディスプレイを含むモバイル通信デバイスの前面1650上にある。上に論述されたように、この配置は、画像捕捉プロセス中に患者が自身の顔の画像を見ることを可能にする。カメララインレベルが1630として表わされる。カメラの面(従って画像の面)は
図16Bでは1670として表わされる。患者の頭の関連角度は1660として示される。
図16の例では、患者の頭はカメラに直接面しており、従ってカメラの面1670に対する患者の頭の角度は略零である。これは、零の又はそれに近いピッチ角度を生成する。
図16の例では、カメラにより捕捉される画像はピッチ角度が閾値内に在るので所定閾値判断基準を満足する。本アプリケーションは、捕捉画像が判断基準を満足するということを確認するフィードバックを患者へ提供する。このフィードバックは、緑色輪郭指示子1680をモバイル通信デバイス1610のディスプレイ上へ提示することにより患者へ提供される。このカラー指示子は、ユーザがデバイスを正しく使用しているということと顔が真っすぐであるということとの指示をユーザへ提供する。テキストフィードバック1690「顔を枠の内側に合わせて下さい」もまたモバイル通信デバイスの画面上に提供され得る。
【0138】
図17は、画像捕捉中のモバイル通信デバイス1710に対する患者の頭1720の方位の別の例を示す。
図17の例では、画像内のピッチ要件は満足されない。
図17Bは、カメラに対する患者の頭のピッチ角度を示す側面図である。カメララインレベルは1730として表わされる。カメラの面(従って画像の面)は1770として
図17Bでは表わされる。患者の頭の角度は1760として示される。
図17の例では、患者の頭はカメラ面1770に対し前方傾斜されている。カメラに対する頭のこの傾斜は負の非零ピッチ角度を生成する。患者の頭はカメラに直面していなく、そして患者の顔の立面景観が画像内に出現する。
図17の例では、ピッチ角度は、閾値の外側にあるので所定閾値判断基準を満足しない。本アプリケーションは、捕捉画像が判断基準を満足しないということを確認するフィードバックを患者へ提供する。このフィードバックは、モバイル通信デバイス1710のディスプレイ上に赤色輪郭指示子1780を提示することにより患者へ提供される。
図17の例では、デバイスの画面上のテキストの形式の別のフィードバックが、好適な画像を患者が捕捉するのを支援するために患者へ提供される。テキストフィードバック指令1790は患者に「電話を眼レベルに保持する」ように指示する。
【0139】
図18は、画像捕捉中のモバイル通信デバイス1810に対する患者の頭1820の方位の別の例を示す。
図18の例では、画像内でピッチ要件は満足されない。
図18Bは、カメラに対する患者の頭のピッチ角度を示す側面図である。カメララインレベルは1830として表わされる。カメラの面(従って画像の面)は1870として
図18Bでは表わされる。患者の頭の角度は1860として示される。
図18の例では、患者の頭は、カメラ面1870に対し後方傾斜されている。カメラに対する頭のこの傾斜は正の非零ピッチ角度を生成する。患者の頭はカメラに直面していなく、そして患者の顔の下側景観が画像内に出現する。
図18の例では、ピッチ角度は、閾値の外側にあるので所定閾値判断基準を満足しない。本アプリケーションは、捕捉画像が判断基準を満足しないということを確認するフィードバックを患者へ提供する。このフィードバックは、モバイル通信デバイス1810のディスプレイ上に赤色輪郭指示子1880を提示することにより患者へ提供される。
図18の例では、好適な画像を捕捉するのを支援するための別のフィードバックがデバイスの画面上にテキストの形式で患者へ提供される。テキストフィードバック指令1890は患者に「電話機を眼のレベルに保持する」ように指示する。
【0140】
図16、17及び18は、画像内の患者の頭の様々なピッチ角度の図解を提供する。同様な計算がヨー及びロール角度に関し行われ得、そして、本アプリケーションは、必要に応じて、電話機と顔との相対位置を再配置するためにそれらの角度の同様な患者フィードバックを提供し得る。
【0141】
画像は患者によるカメラの使用中にリアルタイムで処理され、そして、患者フィードバックがリアルタイムで提供される。従って、本システムは、患者が顔の寸法を判断するための使用可能画像を捕捉するのを助けるために本アプリケーションを使用することに関するガイダンスを患者に提供する。この患者フィードバックは、マスクサイジングのために使用される精確な寸法を計算し得る精確な測定を取得するために使用され得る画像を非専門的ユーザが捕捉するのを支援する。
【0142】
別の実施形態では、画像フレームの属性の1つは患者の顔とカメラとの距離である。この属性は、画像フレームが顔面特徴の寸法を計算するために使用されるかどうかを判断するためのフィルタリング判断基準として使用される。好適には、電話機はユーザの顔から所定距離に保持されるべきである。一例では、設定される距離はカメラの焦点距離又焦点長である。別の例では、設定される距離は基準特徴(すなわち眼幅)に基づく。基準特徴(眼幅である)は28mmなどの基準寸法を割り振られる。ユーザの顔とカメラ(従って電話機)との距離は、基準特徴寸法及び他の検索可能測定(カメラの焦点距離など)を使用することにより計算され得る。このような情報は、デバイスメタデータ内に又はデバイスにより捕捉される画像内に格納され得る。更に、基準特徴の測定は、デバイスにより捕捉された画像内に出現すると本アプリケーションにより計算され得る。この測定は画素単位であり得る。次に、下記式が、上述の測定の比をとることによりカメラからの顔の距離を発見するために使用され得る:
【0143】
【0144】
一例では、所定距離は公差(例えば30cm+/-5cm)を有する設定距離であり得る。代替的に、所定距離は例えば15cm~45cmの範囲として定義され得る。カメラとユーザの顔との相対位置が所定距離又は範囲内に在るかどうかを指示するための視覚的フィードバックが患者へ提供される。
【0145】
図16A及び17A、18Aに示すように、視覚的フィードバックは、患者の顔の画像の周りの円として画面上に表示される指示子の形式で提供される。指示子(顔の周りの円)は、電話機が所定距離に保持されていない又は他の要求属性を満足しないと第1の色(例えば赤)である。電話機が設定距離に保持されていれば、指示子(円)は所定属性を満足するということを指示する緑色である。これは、モバイル通信デバイスを正しく位置決めするために理解し易さと視覚的指示子とをユーザに提供するので、有利である。更に、視覚的指示子は、患者の頭及びモバイル通信デバイスを正しく位置決めするためのリアルタイムフィードバックを提供するので有利である。任意選択的に、リアルタイム音声フィードバック及び/又はリアルタイム触覚的フィードバックも提供され得る。音声フィードバック及び触覚的フィードバックは任意選択的に、モバイル通信デバイスの画面上に提示される視覚的フィードバックと組み合わせて提供され得る。
【0146】
別の例示的実施形態は、患者の顔の画像データに加えて患者から主観的データを収集する。いくつかの実施形態は患者へ提示される質問を含む。一例示的実施形態では、質問はメモリ内に格納される。いくつかの例示的実施形態では、質問はモバイル通信デバイスのディスプレイ上に提示される。患者は、応答を提供することにより質問に応じるように促される。一例示的実施形態では、応答はユーザ入力デバイス425を介し受信される。質問は、患者へ提示される「はい/いいえ」質問又は所定応答選択肢を有する質問であり得る。
【0147】
本アプリケーションはマスク選択プロセスの一部として質問を患者へ提示する。質問は上述の画像捕捉プロセスに加えて提示される。質問は、マスク選択中のデータ収集のプロセスの別の部分又はデータ処理のプロセスの別の部分である。
【0148】
上述の主観的データの形式の患者応答は、患者のマスクカテゴリの選択において使用される。患者からの応答は、どのマスクが患者のために最も好適であるかを本アプリケーションが識別するのを助けるために使用される。患者応答は、マスクを患者に推奨するために患者の顔の画像から計算された寸法データと組み合わせて使用され得る。
【0149】
次に、患者質問を含む実施形態が
図19に関して説明される。以下の実施形態では、質問はマスクサイジングアプリケーションが活性化されると患者へ提示される。質問が提示され、そして応答は本アプリケーションが画像捕捉プロセスのカメラを始動する前に受信される。
【0150】
質問は、患者の適切なマスク又はマスクの適切なグループ又はマスクカテゴリを推奨する際にマスク選択ソフトウェアアプリケーションを支援するために提供される。以下の例では、患者のための好適なマスクタイプ又はマスクカテゴリを選択するための質問が患者へ提示される。マスクカテゴリは全顔マスク、鼻マスク、準鼻マスク、鼻下マスクを含む。上に論述されたように、各マスクカテゴリは患者の顔上へ様々なやり方でフィットする。各マスクカテゴリは患者の顔の様々な特徴に関与し得る。
【0151】
1910において、マスク選択ソフトウェアアプリケーションはモバイル通信デバイス上で患者によりアクセスされる。1915において、質問が患者へ提示される。一例示的実施形態では、質問はモバイル通信デバイスの画面上に提示される。質問は個々に又は集合的に提示され得る。
図20は、モバイル通信デバイスの画面上に提示される質問の図解である。質問はテキスト2010として提示され、そして「あなたは口で呼吸しますか?」と患者に尋ねる。ユーザは応答選択肢「はい」2020又は「いいえ」2030を提示される。好適には、ディスプレイはタッチスクリーンディスプレイであり、そして患者はディスプレイ上の適切な応答テキストに触れることにより応答を提供し得る。応答は1920において本アプリケーションにより受信される。
【0152】
他の実施形態では、可聴質問が患者へ提示される。電話機の音声認識ソフトウェアが、患者からの音声応答を受信するために使用され得る。好適なソフトウェアの一例はアップルのSiriアプリケーション又はアンドロイド(登録商標)の音声アクセスアプリケーションである。このアプリケーションが、質問を患者へ提示するために使用され得る。患者応答は、ユーザにより、タッチスクリーンを介し、仮想ボタンを介し、又は可聴的やり方(患者が自身の応答を話し得る)を介し提供され得る。
【0153】
複数の質問が連続して提示され得る。一例示的実施形態ではすべての質問が「はい/いいえ」質問であるが、いくつかの実施形態では、追加の所定応答が提示され得る、又は患者は独立オープンテキスト応答を提供することができるかもしれない。
【0154】
様々な質問セットが様々な患者へ提供され得る。一例では、本アプリケーションは、患者が陽性気道圧(PAP:Positive Airway Pressure)デバイスを以前に使用したかどうかを判断するために1915において初期質問を提示する。患者がPAPデバイスを以前に使用したかどうかに依存して様々な質問セット又は質問系列が患者へ提示される。
【0155】
1915において、患者は次の質問をされる:あなたはPAPデバイス又はマスクを以前使用したことがありますか?
ユーザは応答選択肢「はい」及び「いいえ」を提示される。ユーザ応答は1920において受信される。
【0156】
1925において、本アプリケーションは、患者応答を識別し、そしてどの質問が次になされるべきかを判断する。以下の質問系列は、質問「あなたはPAPデバイス又はマスクを以前に使用したことがありますか?」に「はい」又は「いいえ」で答えるかに依存して患者へ提示され得る質問系列の例である。質問は、連続して提示され得る:すなわち一度に単一質問を表示し、そして次の質問を患者へ表示するまで患者応答を待つ。代替的に、質問は同時に又はグループで表示され得る。
【0157】
いくつかの例示的実施形態では、患者が質問「あなたはPAPデバイスを以前に使用したことがありますか?」に対して「いいえ」と答えれば、本アプリケーションは以下の質問を患者に提示する:
【0158】
【0159】
いくつかの例示的実施形態では、患者が質問「あなたはPAPデバイスを以前に使用したことがありますか?」に対して「はい」と答えれば、本アプリケーションは異なる組の質問を患者に提示する:
【0160】
【0161】
上に列挙された質問は「はい/いいえ」質問と複数の選択質問との組み合わせである。質問はまた、「分かりません」と答えるための選択肢を含み得る。これは、より好適なスコアが、質問に対する回答を知らない患者に関し計算されることを可能にする。そして、患者が「はい」又は「いいえ」回答を推測することを防ぐ。別の実施形態は様々な質問を含み得る。別の実施形態は、患者が自由テキスト応答を提供するという選択肢を含む。別の例は、その後の質問の提示を判断する初期質問を有さない。別の例は、ユーザが質問形式の質問表を進むにつれて、質問を更新させる、スキップさせる又は質問の内容を変更させる、又は別の質問を追加させる。
【0162】
一連の質問は予め定義され固定され得る。別の実施形態では、一連の質問は患者により提供される応答に依存し得る。そして、本アプリケーションは、どの質問を次に提示すべきかを以前の応答に基づき判断する。
【0163】
1920において応答を受信すると、本アプリケーションは、別の質問が要求されるかどうかを1925において判断する。「はい」であれば、別の質問が1915において患者へ提示される。そうでなければ、この患者応答は1930において解析される。任意選択的に、本アプリケーションは、ユーザ(例えば患者)が質問「あなたはPAPデバイスを以前に使用したことがありますか?」に対して「はい」と答えれば単一質問を提示しなくてもよい。ユーザ回答が「はい」であれば、本アプリケーションは「あなたが使用する/以前に使用したマスクカテゴリを選択してください」などの質問を提示し得る。次に、本アプリケーションは利用可能マスクカテゴリ(例えば全顔マスク、鼻マスク、鼻下マスクなど)を提示し得る。
【0164】
図22、23を参照して以下により詳細に説明される一例では、本アプリケーションにより受信された応答の各々にはスコア及び重み付けが提供される。患者の全体スコアが計算される。マスクカテゴリは特定スコアと共に提供され、そしてマスクカテゴリ推奨が1935において生成される。他の実施形態では、2つ以上のマスクカテゴリのリストが推奨され得る(例えば好適性の順に)。マスクカテゴリ推奨は1940においてモバイル通信デバイス上に表示され得る。別の情報がマスク推奨と共に表示され得る。別の情報の例は、マスクの画像及びマスクに関する情報(例えばマスクカテゴリ、又はマスクの妥当性)を含む。
図21は、全顔マスクが患者へ推奨されるということを識別するディスプレイの一例を提供する。ディスプレイは、全顔マスクが患者により提供された回答に基づき90%整合性を提供するということを識別する。
【0165】
図22は、患者へ提示される一連の質問に関連する採点表の一例を示す。質問表は、患者へ提示される7つの質問を含む。
図22の例では、各質問は「はい/いいえ」回答を有する。患者応答は3つの異なるマスクカテゴリ(すなわち全顔マスク、鼻下鼻マスク、鼻マスク)に対して収集されマッピングされる。追加カテゴリ及び回答の関連マッピングも含まれ得る。
【0166】
図22に示す表は、特定患者の各マスクの好適性スコアを当該特定患者の質問に対する回答に基づき計算するために使用される。この工程は
図19の工程1930において行われる。各マスクは様々な特徴を有するので、各質問は様々なマスクの様々な妥当性/重み付けを有し得る。重み付けは、様々なマスクの「はい/いいえ」応答へ割り振られる様々なスコアにより表わされる(
図22に示すように)。例えば、鼻マスクは、鼻で呼吸する患者に好適であるので、「患者は口で呼吸するかどうか」を尋ねる質問に対する「いいえ」回答に関し5の高スコアを提供する。特定スコアは、様々な臨床研究及び他の研究に基づき生成され、そして将来ツィークされそして再較正され得る。
【0167】
いくつかの質問は特定マスクに関して中立である可能性があり、この場合、当該質問に関し与えられるスコアは、当該質問が当該特定マスクの重要性/妥当性をほとんど有しないということを患者が指示する回答にかかわらず同じである。例示的質問は次の質問5である:「あなたは物事に対処するのに苦労しますか?又はあなたの現在のマスクヘッドギアを装着しますか?」。患者は、この質問が当該特定カテゴリの妥当性をほとんど有しないので鼻下カテゴリに関し入力回答が「はい」又は「いいえ」かどうかにかかわらず「4」と採点する。
【0168】
次に、
図22の質問に対する患者応答の一例が、患者のマスクカテゴリを選択するためにどのようにマスク選択ソフトウェアアプリケーションが患者応答を使用するかを示すために
図23を参照して説明される。患者応答は下表内に示される:
【0169】
【0170】
各質問に対する回答は、患者により提供される応答に対する当該マスクの好適性に依存する各マスクカテゴリのスコアを生成する。例えば、質問1:あなたは睡眠中口で呼吸しますか?(あなたは口渇により朝目覚めますか?)。患者は回答「はい」を入力した。回答「はい」は全マスクカテゴリ内で5をスコアする。これは、全顔マスクカテゴリが口で呼吸する患者にとって好適であるということを指示する高スコアである。回答「はい」は、鼻下鼻カテゴリ及び鼻マスクカテゴリ内においてだけ2をスコアし:これらのマスクは口で呼吸する患者にとって余り好適ではないということを指示する。
【0171】
この例では、質問6:あなたは自身のPAP圧を知っていますか?PAP圧は10cmH20より高いですか?患者は「いいえ」と答えた。この回答はマスクカテゴリの各々において4をスコアする。これは「マスクのいずれも、自身のPAP圧を知らない患者の他のマスクより好適ではない」ということを指示する。これは中立応答の一例である。
【0172】
提供された応答に基づく患者のマスクスコアはマスクのカテゴリ毎に計算される。
図23に示す例では、患者の最高スコアマスクカテゴリは全顔マスクである。最低スコアマスクカテゴリは鼻下鼻マスクである。これらのスコアは、患者の最好適マスクカテゴリが全顔マスクであるということを指示する。上に論述されたように、患者のマスクカテゴリが判断された後、マスクカテゴリは1940において患者へ表示され得る。
図21は、マスクカテゴリを患者へ提示する表示画面の一例を示す。
【0173】
一例示的実施形態では、質問表はマスク選択プロセスの第1段階において患者へ提示される。応答が本アプリケーションにより受信された後、本アプリケーションは、1945においてマスク選択プロセスの第2の段階に入り、患者の顔の画像を捕捉しそして患者の顔の寸法を計算する。マスク選択プロセスの第2の段階は
図7に関連して上に説明された工程のうちの多くの工程に従う。通常、質問を患者へ提示するマスク選択プロセスの第1段階は最好適マスクカテゴリの選択に関する。マスク選択プロセスの第2の段階は、患者のマスクをサイジングすることと好適なマスクカテゴリ内の最も適切なサイズマスクを選択することとに関する。
【0174】
図19の工程1945において画像捕捉及び解析が完了すると、本アプリケーションは、質問表データ及び画像データを使用することにより1950においてマスクを選択しそして患者に推奨する。
【0175】
様々なマスクカテゴリは、
図2、3に示しそして上に説明したように顔の様々な点において顔と接触する。結局、様々な顔面寸法は様々なカテゴリのマスクをフィッティングする際に重要である。いくつかのケースでは、いくつかの顔面寸法はフィッティング時に他のものより支配的であり得る、又はいくつかの寸法は要求されないかもしれない。
【0176】
患者応答は、どのマスクカテゴリがマスクサイジングに含まれることになるかを識別するために使用される。以下のパラグラフは、様々なマスクカテゴリにとって重要であり得る顔面寸法の例を提供する。患者の最好適マスクカテゴリを判断した後、本アプリケーションのいくつかの例示的実施形態は、判断されたマスクカテゴリにとって重要な顔面特徴の寸法を計算し、そして、判断されたカテゴリ内のマスクのサイズを選択するためにこれらの寸法を使用する。
【0177】
図24は全顔マスクのマスクと顔との間のシール2420を示す。全顔マスクに関して、サイジングのための例示的重要特徴寸法が
図24に示される。第1の重要寸法は鼻梁から下唇までの寸法2430である。
図10を参照すると、これはランドマーク(d)鼻梁からランドマーク(m)口唇下までの寸法である。第2の重要寸法は口の幅2450である。
図10を参照すると、これは、ランドマーク(k)左唇交連とランドマーク(l)右唇交連との間の寸法である。第3の重要寸法は鼻の幅2440である。
図10を参照すると、これはランドマーク(h)左腋窩とランドマーク(i)右腋窩との間の寸法である。
【0178】
ここで
図19を参照すると、患者が全顔マスクを必要とするということを1945における画像解析中に1920における患者質問表に対する患者応答に基づき本アプリケーションが1935において判断すれば、本アプリケーションは、全顔マスクをサイジングすることに関連する以下の6つの例示的ランドマークの座標を検索する:(d)鼻梁;(m)口唇下;(k)左唇交連;(l)右唇交連;(h)左腋窩及び(i)右腋窩。ランドマークにより定義された以下の特徴(すなわち鼻梁から下唇まで;口の幅;及び鼻の幅)の寸法が計算される。次に、これらの寸法は、どの寸法マスクが患者に好適であるかを判断するために寸法又は閾値を含むマスクサイジングデータと比較される。マスクサイジングデータはモバイル通信デバイス400のメモリ420内に格納され得る。マスクサイジングデータをモバイル通信デバイス上に格納することにより、本アプリケーションはネットワーク接続を必要とすることなくマスクを患者へ推奨することができる。
【0179】
いくつかの実施形態では、顔面検出モジュールは画像内のすべての顔面ランドマークの座標を判断する。本アプリケーションは、特定マスクカテゴリに関連するランドマークを識別し、そして画像内の重要顔面特徴の測定とそれらの重要顔面特徴の寸法とを計算するために当該座標を検索する。
【0180】
次に、鼻顔マスクのサイジングプロセスが
図25を参照して説明される。鼻顔マスクに関して、重要顔面特徴は鼻高2530及び鼻幅2540である。鼻高の顔面特徴は顔面ランドマーク(d)鼻梁とランドマーク(j)鼻下との間で定義される。鼻幅の顔面特徴は左腋窩小葉と右腋窩小葉(
図10のランドマークhとi)との間で定義される。再び
図19を参照すると、患者が1920における患者質問表に対する応答に基づき1935において鼻顔マスクを必要とするということを本アプリケーションが判断すると、画像解析中、本アプリケーションは、鼻顔マスクをサイジングすることに関連する以下の4つの例示的ランドマークの座標を検索する:(d)鼻梁;(j)鼻下;(h)左腋窩小葉及び(i)右腋窩小葉。ランドマークにより定義された特徴の寸法(すなわち鼻高及び鼻幅)は、鼻顔マスクのどの寸法マスクが患者に好適であるかを判断するための寸法又は閾値を含むマスクサイジングデータと比較される。
【0181】
下表は鼻顔マスクの例示的サイジングデータを提供する。様々な鼻高及び鼻幅に関する推奨マスクサイズが提供される。一例示的実施形態では、データはメモリ420内にルックアップテーブルとして格納され、そして、本アプリケーションは、患者のためのマスクサイズを選択するためにサイジングデータを参照する。
【0182】
【0183】
表内のマスクサイジングデータは鼻顔マスクをサイジングするためのものである。ルックアップテーブルは、重要特徴の寸法の様々な可能な組み合わせに関する既知結果を提供する。例えば、鼻マスクに関して、患者の鼻高が4.4~5.2cmであると計算されそして鼻幅が4.1cmより大きいと計算されれば最好適寸法は大(L)である。
【0184】
同様なルックアップテーブルがマスクカテゴリ毎に提供される。例えば、n個の重要寸法を有する全顔マスクをサイジングするために、n-Dルックアップテーブル(n個の入力パラメータを有するルックアップテーブル又は関数であり、そして入力パラメータとそれらの様々な範囲との様々な可能な組み合わせに基づき既知結果を生成する)が使用されるだろう。様々なマスクは様々なサイジングチャート、ルックアップテーブル又はサイジング関数を有し得る。ルックアップテーブルはメモリ内に格納される。
【0185】
次に、鼻下鼻マスクのサイジングプロセスが
図26を参照して説明される。鼻下鼻マスクに関して、重要顔面特徴は鼻幅2620及び鼻長2630(すなわち鼻深)である。これは、シールが鼻の下に座しそして鼻の下の周囲を包むからである。
【0186】
鼻幅は、左腋窩小葉(
図10内の特徴h)と右腋窩小葉(
図10内の特徴i)との間の寸法として定義される。鼻長は、例えば鼻尖端(
図10内の特徴g)から鼻下(
図10内の特徴j)までの距離に基づき判断される。再び
図19を参照すると、患者が1920における患者質問表に対する応答に基づき1935において鼻下マスクを必要とするということを本アプリケーションが判断すると、画像解析中、本アプリケーションは、鼻下鼻顔マスクをサイジングすることに関連する以下の4つの例示的ランドマークの座標を検索する:左腋窩小葉(h);右腋窩小葉(i);鼻尖端(g);及び鼻下(j)。ランドマークにより定義された特徴の寸法(鼻長及び鼻高)は、鼻下鼻マスクのどの寸法マスクが患者に好適であるかを判断するための寸法又は閾値を含むマスクサイジングデータと比較される。寸法は、4つのランドマークの3(x,y,z)座標すべてを使用することにより又はy、zだけを使用することにより計算され得る。
【0187】
上述のように、いくつかの例示的実施形態では、質問表に対する応答からの患者のマスクカテゴリの選択は、マスクサイジングのためにどの寸法が必要とされるかを判断するために使用される。質問表が最初に提示され、そして患者応答がマスクのカテゴリを判断するために使用される。カテゴリが識別されると、当該マスクカテゴリために必要とされる特定ランドマークが本アプリケーションにおいて識別される。すべてのランドマークが収集され得るが、特定ランドマーク間の距離の計算は、識別されたマスクカテゴリに基づき本アプリケーションにより行われる。
【0188】
患者のためのマスクカテゴリを判断するための他の方法が使用され得る。例えば、本アプリケーションは患者の特定マスクカテゴリにより予め構成され得る、又は、本アプリケーションは患者がマスクカテゴリを選択することに依存し得る。
【0189】
上述の実施形態では、本アプリケーション及び様々なデータベースはモバイル通信デバイス上にローカルに格納された。加えて、マスク選択中のすべての処理はモバイル通信デバイス上で行われる。この配置は、マスク選択プロセス中のいかなるネットワーク接続の必要性も回避する。ローカル処理及びデータ検索はまた、マスク選択プロセスを実行するためにかかる時間を低減し得る。1つの利点は質問及び画像がローカルに処理され得るということであり、そして、計算されたマスクサイズだけが例えば製品を発注する際に送信されればよい。これは、送信されるデータを低減しそしてデータ費用を低減する。
【0190】
しかし、別の実施形態は、分散データ格納及び処理アーキテクチャを使用することによりマスクサイジングアプリケーションを実行する。このような実施形態では、データベース(例えばマスクサイジングデータベース、又は質問表データベース)は、モバイル通信デバイスから離れて配置され、そしてマスク選択アプリケーションの実行中に通信ネットワークを介しアクセスされ得る。処理(例えば顔面ランドマーク識別)はリモートサーバ内で行われ得、そしてモバイル通信デバイスは処理するための捕捉画像を通信ネットワーク上で送信し得る。他の例では、質問表応答の処理はリモートで行われ得る。このような実施形態は外部処理能力及びデータ格納設備を活用する。
【0191】
上述の実施形態では、本アプリケーションはモバイル通信デバイス上で実行された。別の実施形態では、本アプリケーション又は本アプリケーションの一部は呼吸療法デバイス上で実行され得る。
【0192】
説明された例は、患者のために選択されるマスクのマスクカテゴリと特定カテゴリ内のマスクサイズとを推奨する自動的やり方を提供する。いくつかの実施形態は、呼吸療法デバイスと共に使用するために好適なマスクの選択を可能にするために非専門的機器を使用することにより非専門的ユーザがデータを捕捉することを可能にするように構成される。サイジング判断は、本アプリケーションがスマートフォン又は他のモバイル通信デバイス上で実行されることを可能にする単一カメラを使用することにより発生し得る。いくつかの実施形態は、いかなる他の電話機能/センサ(例えば加速度計)の使用も必要としない。
【0193】
いくつかの実施形態は、リモートマスク選択及びサイジングを可能にするアプリケーションを提供する。これは、リモート患者セットアップを可能にし、そして患者がマスクフィッティング及びセットアップのための専門家事務所に入る必要性を低減する。本アプリケーションはまた、一般的マスク情報を提供し得、そして追加情報として、ユーザ指令、洗浄指令及びトラブルシューティングに関する指令を提供し得る。
【0194】
本アプリケーションは、患者の顔の画像内の基準測定として瞼裂幅を使用する。瞼裂は、顔面特徴検出ソフトウェアを使用することにより顔面画像内で検出可能であり、そして眼の特徴(例えば虹彩又は瞳)と比較して、患者の瞼により不明瞭にされる可能性が低い。虹彩のようなより小さな顔面特徴又は眼特徴と比較して眼のより大きな幅は、患者が自身の頭を静かに保持しない場合ですら又は使用されるデバイスがより高い解像度画像を捕捉することができない場合ですら、本アプリケーションが精確な測定を捕捉することを可能にする。基準測定としての瞼裂の使用はまた、本アプリケーションが単一眼幅を測定することを可能にする又は2つの眼幅の測定が測定され平均化されることを可能にする。眼の角はまた、眼の白色部と皮膚とのコントラストから検出され得る。
【0195】
いくつかの実施形態は、過度な傾斜(すなわちピッチ)に起因して誤差を引き起こし得る患者の頭の傾斜を考慮しそして測定をフィルタリングする。同様なフィルタリングはロール及びヨーに関して使用され得る。説明された実施形態はまた、傾斜がモバイル通信デバイスの慣性測定ユニット(例えば加速度計又はジャイロスコープ)を使用しなくそしてモバイル通信デバイスのプロセッサ上の処理負荷及び時間を低減し得るので、有利である。これはまた、「慣性測定ユニットを有し無い可能性がある余り最先端でないデバイスが、説明された例を実装するために依然として使用され得る」ということを意味する。
【0196】
サイジング測定は顔からの電話機距離が変動する場合ですら行われ得る。「興味ある顔面特徴が精確な寸法を取得するために十分高い分解能で捕捉される」ということを保証するための好ましい距離がある。ユーザがサイジングアプリをナビゲートし使用するのを助ける視覚的ガイドが存在する。サイジングは多くの異なる環境(例えば屋外光、屋内光))内で行われ得る。サイジングはユーザ方位(すなわち、ユーザは横になる又は座る又は立つ可能性がある)にかかわらず行われ得る。これは、患者インターフェースをサイジングするためのより頑強なサイジングアプリを提供する。
【0197】
いくつかの例示的実施形態は単一画像だけから画像を捕捉するように構成され、そして、患者は様々な角度からプロファイル画像又は複数の画像を撮影することを要求されない。
【0198】
いくつかの例示的実施形態は画像/映像フレームのリアルタイム処理を提供する。これは処理負荷を低減し、そして大きなキャッシング/メモリ要件を必要としない。いくつかの例示的実施形態は大きなメモリ又はキャッシングを必要としなく、フレーム/画像は受信されると格納されないが処理又は廃棄される。
【0199】
上の例は「選択すること」を説明する。いくつかの例示的実施形態では、選択はマスクを識別することに関与する。
【0200】
いかなる従来技術出版物が本明細書において参照されたとしてもこのような参照は「この出版物が、オーストラリア又はいかなる他の国においても当該技術領域における共通一般的知識の一部を形成する」という承認をしないということを理解すべきである。
【0201】
以下に続く請求項において、そして先行する説明において、言語又は必要な含意を表わすために文脈が別途必要とする場合を除いて、用語「含む」又はその変形形態は、包括的意味で使用される:すなわち、言明された特徴の存在を規定するために使用されるのであって、本発明の様々な実施形態における別の特徴の存在又は追加を除外するために使用されるのではない。
【0202】
これまでの説明は本発明のいくつかの例示的実施形態だけを参照するということと、本発明のいくつかの例示的実施形態に対する変形形態及び修正形態が本発明の精神及び範囲から逸脱すること無く可能になるということとを理解すべきであり、その範囲は以下の請求項から決定される。
【国際調査報告】