(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】外科手術システム、解剖モデル、および関連する方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/10 20160101AFI20241003BHJP
【FI】
A61B34/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521014
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 US2022046041
(87)【国際公開番号】W WO2023059877
(87)【国際公開日】2023-04-13
(32)【優先日】2021-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514290052
【氏名又は名称】アースレックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARTHREX, INC.
【住所又は居所原語表記】1370 Creekside Blvd, Naples, FL 34108, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ニック・メトカーフ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・モアランド
(72)【発明者】
【氏名】アーロン・ジェローム・ヒューイット
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・チャールズ・モリス
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・レゴ
(72)【発明者】
【氏名】ジアンナ・クリスティン・ヴェガ-ソト
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ジェイ・トンプソン
(57)【要約】
本開示は、外科手術処置を計画および実施するための外科手術システム、装置および方法に関する。本明細書に開示されるシステムおよび方法は、解剖学的構造の物理的モデルを確立するために利用され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的ゾーンと、解剖学的構造を表す構造を確立するように協働する、前記標的ゾーンに隣接する一つ以上の警告ゾーンと、を含む本体、を含み、
前記標的ゾーンが、前記解剖学的構造のそれぞれの部分に関連付けられた特性を有し、
各警告ゾーンが、前記解剖学的構造のそれぞれの部分の天然特性とは異なる、また前記標的ゾーンの前記特性とは異なる、それぞれの特性を有する、物理的解剖モデル。
【請求項2】
前記警告ゾーンの前記特性が、色、陰影、蛍光、発光、材料特性、弾性係数、密度、多孔率、導電率、触覚特性、および可聴特性のうちの少なくとも一つに関して、前記標的ゾーンの前記特性とは異なる、請求項1に記載の物理的解剖モデル。
【請求項3】
前記標的ゾーンの前記特性が、前記解剖学的構造の前記それぞれの部分の自然色に対応する色を含み、各警告ゾーンの前記特性が、前記解剖学的構造の前記それぞれの部分の自然色とは異なり、前記標的ゾーンに関連付けられる前記自然色との視覚コントラストを確立する、それぞれの人工色を含む、請求項1~2のいずれか一項に記載の物理的解剖モデル。
【請求項4】
前記一つ以上の警告ゾーンが、積み重ねられた関係にある複数の層に対応する複数の警告ゾーンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の物理的解剖モデル。
【請求項5】
前記層の前記人工色が、互いに異なる、請求項4に記載の物理的解剖モデル。
【請求項6】
前記複数の層が、前記標的ゾーンを実質的に取り囲む、請求項4または5に記載の物理的解剖モデル。
【請求項7】
前記標的ゾーンが、前記本体の外表面に沿って入口点を確立する基部を有する円錐台形状を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の物理的解剖モデル。
【請求項8】
前記複数の層が、前記本体の外表面とは異なる深さでオフセットされる、請求項4~7のいずれか一項に記載の物理的解剖モデル。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の物理的解剖モデルであって、
前記標的ゾーンが、前記外表面を確立し、前記解剖学的構造に関連付けられた皮質骨を表し、
前記本体が、前記解剖学的構造に関連付けられた海綿骨を表す第三のゾーンを含み、
前記複数の層が、前記警告ゾーンが前記標的ゾーンと前記第三のゾーンとの間に確立されるように配置される、物理的解剖モデル。
【請求項10】
前記複数の層が、第一の組の層および第二の組の層を含み、前記標的ゾーンが、前記第一の組の層と前記第二の組の層との間に確立される、請求項4~6のいずれか一項に記載の物理的解剖モデル。
【請求項11】
前記標的ゾーンが、前記本体の外表面から内向きに延在し、前記一つ以上の警告ゾーンが、前記外表面の下に確立される、請求項1~10のいずれか一項に記載の物理的解剖モデル。
【請求項12】
前記標的ゾーンおよび前記一つ以上の警告ゾーンが、前記解剖学的構造に関連付けられた骨組織を表す、請求項1~11のいずれか一項に記載の物理的解剖モデル。
【請求項13】
前記本体が高分子材料を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の物理的解剖モデル。
【請求項14】
請求項1~6のいずれか一項に記載の物理的解剖モデルであって、
前記標的ゾーンおよび前記一つ以上の警告ゾーンが、前記解剖学的構造に関連付けられた軟組織を表す、物理的解剖モデル。
【請求項15】
請求項14に記載の物理的解剖モデルであって、
前記軟組織が筋組織を含み、
前記本体が、前記筋組織を表す繊維の束を含み、前記繊維のうちの一つ以上が、前記警告ゾーンのそれぞれの一つを確立し、前記標的ゾーンが、前記繊維の隣接する対の間に確立される、物理的解剖モデル。
【請求項16】
前記繊維の各々が、エラストマー材料を含む、請求項15に記載の物理的解剖モデル。
【請求項17】
請求項15または16に記載の物理的解剖モデルであって、
前記繊維の束が、第一の組の繊維および第二の組の繊維を含み、前記第一の組の繊維が、前記標的ゾーンを確立し、前記第二の組の繊維の各繊維が、前記警告ゾーンのそれぞれの一つを確立する、物理的解剖モデル。
【請求項18】
請求項15または16に記載の物理的解剖モデルであって、
前記繊維の各々が、コアおよび前記コアを囲む外側シースを含み、
前記コアが、前記警告ゾーンのそれぞれの一つを確立する、物理的解剖モデル。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の物理的解剖モデルであって、前記構造が関節窩を表す、物理的解剖モデル。
【請求項20】
外科手術処置のための訓練装置であって、
解剖学的構造を表す本体を含む物理的解剖モデルと、
前記本体に埋め込まれた表示部材であって、前記表示部材が、前記解剖学的構造の神経を表し、前記表示部材が、所定の基準を満たすことに応答してインジケータを生成するように構成される、表示部材と、を備える、訓練装置。
【請求項21】
前記表示部材が、導電性材料を備え、前記インジケータが、電気信号と関連付けられ、前記表示部材が、導電性装置と前記表示部材との間の接触に応答して、前記電気信号を確立するように構成される、請求項20に記載の訓練装置。
【請求項22】
前記表示部材が歪みゲージに連結され、前記歪みゲージが、前記表示部材に張力をかけることに応答する、請求項20に記載の訓練装置。
【請求項23】
前記本体が、前記表示部材に沿って延在する警告ゾーンを含み、前記警告ゾーンが、前記解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色とは異なる人工色を有する、請求項20~22のいずれか一項に記載の訓練装置。
【請求項24】
外科手術処置のための訓練アセンブリであって、
解剖学的構造を表す構造を有する本体を含む物理的解剖モデルであって、前記本体が第一の端部分と第二の端部分との間に延在する、物理的解剖モデルと、
基部、タワー、およびアウトリガーを含む測定装置であって、前記タワーが前記基部から第一の方向に延在し、前記アウトリガーが前記タワーから横方向に延在し、前記アウトリガーが前記基部に沿って所定の位置の上に位置するルーラーを含む、測定装置と、を含み、
前記基部が、前記本体の前記第二の端部分に沿ったインジケータがルーラーに沿った位置と整列するように、前記所定の位置で前記本体の前記第一の端部分に沿って切除された表面を支持するように寸法設定され、前記ルーラーに沿った各位置が軸に対するそれぞれの角度と関連付けられ、前記軸が、前記所定の位置から前記第一の方向に延在する、訓練アセンブリ。
【請求項25】
前記本体の前記部分が、前記解剖学的構造の皮質骨を表す第一の領域と、前記解剖学的構造の海綿骨を表す第二の領域と、を含む、請求項24に記載の訓練アセンブリ。
【請求項26】
前記第一の端部分が前記第一の領域を含み、前記第一の領域が、前記解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色とは異なる人工色を有する少なくとも一つの警告ゾーンを含む、請求項25に記載の訓練アセンブリ。
【請求項27】
外科手術処置を練習するためのシステムであって、
メモリに結合されたプロセッサを含む計算装置であって、前記プロセッサが、
グラフィカルユーザインターフェース内の一つ以上のパラメータを選択することに応答して、前記メモリから仮想的解剖モデルにアクセスすることであって、前記仮想的解剖モデルが、解剖学的構造と関連付けられている、アクセスすることと、
前記仮想的解剖モデルを前記グラフィカルユーザインターフェース内に表示させることと、
前記仮想的解剖モデルを表す物理的解剖モデルに関連付けられた構成を生成することと、を行わせるように構成される、システム。
【請求項28】
前記一つ以上のパラメータが、前記メモリ内の複数の仮想的解剖モデルに関連付けられる患者分類および欠陥カテゴリーを含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
請求項27または28に記載のシステムであって、前記構成が、標的ゾーンと、前記物理的解剖モデル内の前記標的ゾーンの境界を定めるように協働する一つ以上の警告ゾーンと、を確立し、前記構成が、前記解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色に対応する色を割り当てられた前記標的ゾーンを含み、前記構成が、前記標的ゾーンに関連付けられた自然色との視覚コントラストを確立するそれぞれの人工色を割り当てられた各警告ゾーンを含む、システム。
【請求項30】
前記プロセッサが、
前記グラフィカルユーザインターフェースとのユーザの相互作用に応答して、前記仮想的解剖モデルの前記一つ以上の警告ゾーンに関連付けられた少なくとも一つのパラメータを設定するようにさらに構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記プロセッサが、
前記物理的解剖モデルの一つ以上の修正を前記仮想的解剖モデルと比較し、
前記一つ以上の修正が所定の閾値を満たすことに応答して、前記グラフィカルユーザインターフェース内にインジケータを生成するように構成される、請求項27~30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
外科手術処置を練習するための方法であって、
解剖学的構造に関連付けられた仮想的解剖モデルを定義することと、
材料の複数の層を形成して、前記仮想的解剖モデルを表す物理的解剖モデルを確立することであって、前記材料の層が、標的ゾーンと、前記標的ゾーンの境界を定める一つ以上の警告ゾーンを確立し、前記標的ゾーンが、前記解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色に対応する色を有し、各警告ゾーンが、前記標的ゾーンに関連付けられた前記自然色との視覚コントラストを確立するそれぞれの人工色を有する、形成することと、を含む、方法。
【請求項33】
計算装置のメモリに記憶された複数の仮想的解剖モデルから、前記仮想的解剖モデルを選択することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記仮想的解剖モデルを選択する工程が、グラフィカルユーザインターフェースとのユーザの相互作用に応答して、患者分類から選択することと、欠陥カテゴリーから選択することと、を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記仮想的解剖モデルを定義する工程が、グラフィカルユーザインターフェースとのユーザの相互作用に応答して、前記一つ以上の警告ゾーンに関連付けられた前記仮想的解剖モデルの一つ以上のパラメータを設定することを含む、請求項32~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記形成する工程が、前記標的ゾーンおよび前記一つ以上の警告ゾーンを確立するために、前記材料の層を互いに印刷することを含む、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記材料の層が、前記解剖学的構造のそれぞれの部分の弾性係数に実質的に対応するそれぞれの弾性係数を有する、請求項32~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記一つ以上の警告ゾーンが、前記警告ゾーンが前記標的ゾーンとは異なる距離でオフセットされ、前記警告ゾーンの前記人工色が互いに異なって視覚コントラストを確立するように、積み重ねられた関係にある複数の警告ゾーンを含む、請求項32~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記形成する工程が、前記警告ゾーンが前記標的ゾーンを取り囲むように発生する、請求項32~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記物理的解剖モデルの一部分を除去して、前記一つ以上の警告ゾーンを露出させることをさらに含む、請求項32~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記物理的解剖モデルの一部分を除去して、修正された物理的解剖モデルを確立することと、
前記修正された物理的解剖モデルを、前記仮想的解剖モデルの所定の幾何学的形状と比較することと、
前記物理的解剖モデルの前記除去された部分が所定の閾値を満たすことに応答して、インジケータを生成することと、をさらに含む、請求項32~40のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2021年10月7日出願の米国特許出願第63/253,290号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、解剖学的構造の物理的モデルを利用して外科手術処置を計画および実施するための外科手術システム、装置、および方法に関する。
【0003】
ヒトの筋骨格系の多くの骨は、関節面を含む。関節面は、他の骨に対して関節接合し、異なる種類および程度の関節の動きを促進する。関節面は、使用または摩耗が繰り返されることにより、経時的に摩滅する(例えば、骨損失を被る)、または外傷性衝撃の結果、骨折し得る。これらの種類の骨欠損は、関節の不安定性および疼痛を引き起こす可能性がある。
【0004】
外科医は、死体または大腿骨模擬骨に対して処置を実施することによって、整形外科手術の準備をし得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、外科手術処置を実施するシステム、装置、および方法に関する。システムは、解剖学的構造を表す物理的モデル上で一つ以上の外科手術処置を実施するために利用され得る。
【0006】
本開示の実装による物理的解剖モデルは、特に、標的ゾーンと、解剖学的構造を表す構造を確立するために協働し得る、標的ゾーンに隣接する一つ以上の警告ゾーンと、を含む、本体を含む。標的ゾーンは、解剖学的構造のそれぞれの部分に関連付けられた特性を有し得る。各警告ゾーンは、解剖学的構造のそれぞれの部分の天然特性とは異なり得、標的ゾーンの特性とは異なり得る特性を有し得る。
【0007】
本開示の実装による物理的解剖モデルは、特に、標的ゾーンと、解剖学的構造を表す構造を確立するために協働し得る、標的ゾーンに隣接する一つ以上の警告ゾーンと、を含み得る、本体を含む。標的ゾーンは、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色に対応し得る色を有し得る。各警告ゾーンは、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色とは異なり得、標的ゾーンに関連付けられる自然色との視覚コントラストを確立し得る、それぞれの人工色を有し得る。
【0008】
本開示の実装による外科手術処置のための訓練装置は、特に、解剖学的構造を表す本体と、本体に埋め込まれた表示部材と、を含む、物理的解剖モデルを含む。表示部材は、解剖学的構造の神経を表し得る。表示部材は、所定の基準を満たすことに応答してインジケータを生成するように構成され得る。
【0009】
本開示の実装による外科手術処置のための訓練アセンブリは、特に、解剖学的構造を表す構造を有し得る本体を含む、物理的解剖モデルを含む。本体は、第一の端部分と第二の端部分との間に延在してもよい。測定装置は、基部、タワー、およびアウトリガーを含み得る。タワーは、基部から第一の方向に延在してもよい。アウトリガーは、タワーから横方向に延在してもよい。アウトリガーは、基部に沿った所定の位置の上に位置し得るルーラーを含み得る。基部は、本体の第二の端部分に沿ったインジケータがルーラーに沿った位置と整列され得るように、所定の位置で本体の第一の端部分に沿って切除された表面を支持するように寸法設定され得る。ルーラーに沿った各位置は、軸に対するそれぞれの角度で関連付けられてもよい。軸は、所定の位置から第一の方向に延在してもよい。
【0010】
本開示の実装による外科手術処置を練習するためのシステムは、特に、メモリに連結されたプロセッサを含む計算装置を含む。プロセッサは、グラフィカルユーザインターフェース内の一つ以上のパラメータを選択することに応答して、メモリから仮想的解剖モデルにアクセスするように構成され得る。仮想的解剖モデルは、解剖学的構造と関連付けられてもよい。プロセッサは、仮想的解剖モデルをグラフィカルユーザインターフェースに表示するように構成され得る。プロセッサは、仮想的解剖モデルを表し得る物理的解剖モデルに関連付けられた構成を生成するように構成され得る。
【0011】
本開示の実装による外科手術処置を練習するための方法は、特に、解剖学的構造に関連付けられた仮想的解剖モデルを定義することと、材料の複数の層を形成して、仮想的解剖モデルを表し得る物理的解剖モデルを確立することと、を含む。材料の層は、標的ゾーンと、標的ゾーンの境界を定め得る一つ以上の警告ゾーンと、を確立し得る。標的ゾーンは、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色に対応し得る色を有し得る。各警告ゾーンは、標的ゾーンに関連付けられる自然色との視覚コントラストを確立し得る、それぞれの人工色を有し得る。
【0012】
本開示は、上記および/または以下に開示される個々の特徴のうちのいずれか一つ以上を、単独でまたはそれらの任意の組み合わせで含み得る。
【0013】
本開示の様々な特徴および利点は、以下の発明を実施するための形態から当業者には明らかになるであろう。詳細な説明に付随する図面は、以下のように簡潔に説明され得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】
図2は、ユーザインターフェースを含む別の例示的な計画システムを示す。
【
図3】
図3は、様々なパラメータを含む表示窓を含む、
図2のユーザインターフェースを示す。
【
図4】
図4は、例示的な欠陥分類を提示するヘルプスクリーンを含む、
図2のユーザインターフェースの表示窓を示す。
【
図5】
図5は、仮想的解剖モデルを示す表示窓を含む、
図2のユーザインターフェースを示す。
【
図6】
図6は、
図5の仮想的解剖モデルに対して位置付けられたインプラントモデルを示す表示窓を含む、
図2のユーザインターフェースを示す。
【
図7】
図7は、
図5の仮想的解剖モデルに対して確立された標的ゾーンを示す。
【
図8】
図8は、
図7の標的ゾーンに対して確立された警告ゾーンを示す。
【
図9】
図9は、グラフィカルユーザインターフェース内の別の仮想的解剖モデルを図示する。
【
図10】
図10は、グラフィカルユーザインターフェースにおける別の仮想的解剖モデルの図を示す。
【
図11】
図11は、グラフィカルユーザインターフェースにおける別の仮想的解剖モデルの図を示す。
【
図12】
図12は、グラフィカルユーザインターフェース内の標的ゾーンおよび警告ゾーンを含む別の仮想的解剖モデルを示す。
【
図13】
図13は、グラフィカルユーザインターフェースにおける別の仮想的解剖モデルを示す。
【
図14】
図14は、グラフィカルユーザインターフェースにおける仮想的解剖モデルの繊維配置を示す。
【
図15】
図15は、グラフィカルユーザインターフェースにおける仮想解剖学的構造の別の繊維配置を示す。
【
図16】
図16は、グラフィカルユーザインターフェースにおける仮想解剖学的構造の筋肉群の配置を示す。
【
図20】
図20は、修正を含む別の物理的解剖モデルの側面図を示す。
【
図22】
図22は、別の物理的解剖モデルのグレースケール画像である。
【
図23】
図23は、別の物理的解剖モデルのグレースケール画像である。
【
図24】
図24は、修正によって曝露される標的ゾーンおよび警告ゾーンを含む別の物理的解剖モデルを示す。
【
図25】
図25は、別の修正によって曝露される標的ゾーンおよび警告ゾーンを含む、
図24の物理的解剖モデルを示す。
【
図26】
図26は、海綿骨領域の周りに確立された警告ゾーンを含む、切開された物理的解剖モデルのグレースケール画像である。
【
図27】
図27は、海綿骨領域の周りに確立された警告ゾーンを含む、切開された物理的解剖モデルのグレースケール画像である。
【
図28】
図28は、物理的解剖モデルを組み込んだアセンブリを示す。
【
図29】
図29は、繊維配置を含む別の物理的解剖モデルを示す。
【
図32】
図32は、シートの配置を含む別の物理的解剖モデルを示す。
【
図33】
図33は、撮像装置に対する、修正された物理的解剖モデルを示す。
【
図34】
図34は、
図33の物理的解剖モデルに関連付けられた、元のおよび修正された仮想的解剖モデルを示す。
【
図36】
図36は、撮像装置に対して位置付けられた
図35の物理的解剖モデルの修正されたバージョンを示す。
【
図37】
図37は、
図36の物理的解剖モデルに関連付けられた、元のおよび修正された仮想的解剖モデルを示す。
【
図38】
図38は、修正された物理的解剖モデルに対して位置付けられた測定装置を含む訓練アセンブリを示す。
【
図39】
図39は、別の修正された物理的解剖モデルに対して位置付けられた
図38の測定装置を示す。
【
図40】
図40は、外科手術処置を計画および実施する例示的な方法を示す。
【
図41】
図41は、別の物理的解剖モデルを示す。様々な図面内の同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、解剖学的構造の物理的モデルを利用して外科手術処置を計画および実施するための外科手術システム、装置、および方法に関する。物理的解剖モデルを利用して、様々な外科手術処置について練習および訓練してもよい。
【0016】
開示された技術は、外科医に、スキルセット、経験などに基づいて、外科医を対象とするか、または外科医に合わせて提供できる訓練体験を提供するために利用され得る。外科医は、外科医が治療することを意図し得る解剖学的構造または病理に基づいて、物理的解剖モデルを確立するために、作製または別の形で形成され得る仮想的解剖モデルの特定の構成を選択し得る。シナリオでは、外科医は、特定の変形に慣れていない場合があり、物理的解剖モデルのその構成を利用して訓練することを選択し得る。外科医は、物理的解剖モデルを利用して、計画された手術のために意図され得る特定の器具、インプラント、および他の装置で訓練し得る。物理的解剖モデルに関する訓練が完了すると、外科医は、後続の訓練サイクルにおいて、より困難な症例を選択し得る。死体および大腿骨模擬骨とは異なり、物理的解剖モデルは、特定の患者と関連付けられてもよく、これは、外科医が意図された解剖学的構造に対して外科手術処置をどの程度うまく行ったかを決定する能力を改善し得る。
【0017】
外科医、アシスタント、または他のユーザは、物理的解剖モデルの様々なパラメータまたは特徴を選択するために、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)と相互作用してもよい。パラメータは、物理的解剖モデルの所望の構成を確立するための解剖学的構造、関節タイプ、組織タイプ、骨密度、欠陥タイプ、カラースキームなどを含み得る。外科医は、外科医が訓練したい内容に応じて、患者に特有の一つ以上の変数またはパラメータを調整または選択し得る。指定されたパラメータは、物理的解剖モデルで表され得る。
【0018】
外科医は、ユーザインターフェースと相互作用して、それぞれの仮想的解剖モデルと関連付けられた所望の症例を選択し得る。外科医は、ユーザインターフェースと相互作用して、それぞれの処置の「絶対的基準」として認識され得る特定の優良な外科医の症例などの以前の症例を検討し得る。外科医は、意図される患者に対応する症例を選択してもよく、または特定の分類に密接に対応し得る症例を選択し得る。
【0019】
標的ゾーンおよび警告ゾーンは、互いに異なる、および/または解剖学的構造のそれぞれの部分の一つ以上の天然特性とは異なる、一つ以上の特性を含み得る。物理的解剖モデルは、様々な密度、多孔率、テクスチャ、着色および/または陰影を含む、異なる構造を含み得る。物理的解剖モデルは、一つ以上の標的ゾーンおよび警告ゾーンを組み込み得る。警告ゾーンは、外科医にフィードバックを提供してもよく、視覚的、触覚的、および/または可聴インジケータを含み得る。標的ゾーンおよび警告ゾーンは、異なる色、陰影、蛍光、発光およびその他の視覚コントラスト、金属および/または非材料を含む組成物を含む異なる材料特性、弾性係数、密度、多孔率および導電率、異なるテクスチャを含む異なる触覚特性、および音出しを含む異なる可聴特性を含む、本明細書に開示される技術のいずれかを利用して実施され得る。
【0020】
物理的解剖モデルは、外科医のアーチファクトとして機能し得る。外科医は、訓練が完了すると、修正された物理的解剖モデルを有する訓練施設を離れてもよい。外科医は、それぞれの患者の外科手術処置の前および外科手術処置中に、修正された物理的解剖モデルを参照し得る。
【0021】
本開示の実装による物理的解剖モデルは、特に、標的ゾーンと、解剖学的構造を表す構造を確立するために協働し得る、標的ゾーンに隣接する一つ以上の警告ゾーンと、を含む、本体を含む。標的ゾーンは、解剖学的構造のそれぞれの部分に関連付けられた特性を有し得る。各警告ゾーンは、解剖学的構造のそれぞれの部分の天然特性とは異なり得、標的ゾーンの特性とは異なり得る特性を有し得る。
【0022】
さらなる実装では、警告ゾーンの特性は、色、陰影、蛍光、発光、材料特性、弾性係数、密度、多孔率、導電率、触覚特性、および可聴特性のうちの少なくとも一つに関して、標的ゾーンの特性とは異なってもよい。
【0023】
さらなる実装では、標的ゾーンの特性は、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色に対応し得る色を含み得る。各警告ゾーンの特性は、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色とは異なり得、標的ゾーンに関連付けられる自然色との視覚コントラストを確立し得る、それぞれの人工色を含み得る。
【0024】
本開示の実装による物理的解剖モデルは、特に、標的ゾーンと、解剖学的構造を表す構造を確立するために協働し得る、標的ゾーンに隣接する一つ以上の警告ゾーンと、を含み得る、本体を含む。標的ゾーンは、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色に対応し得る色を有し得る。各警告ゾーンは、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色とは異なり得、標的ゾーンに関連付けられる自然色との視覚コントラストを確立し得る、それぞれの人工色を有し得る。
【0025】
さらなる実装では、一つ以上の警告ゾーンは、積み重ねられた関係にある複数の層に対応し得る複数の警告ゾーンであってもよい。層の人工色は、互いに異なってもよい。
【0026】
さらなる実装では、複数の層は、標的ゾーンを実質的に取り囲んでもよい。
【0027】
さらなる実装では、標的ゾーンは、本体の外表面に沿って入口点を確立する基部を有する円錐台形状を有し得る。
【0028】
さらなる実装では、複数の層は、本体の外表面とは異なる深さでオフセットされ得る。
【0029】
さらなる実装では、標的ゾーンは、外表面を確立してもよく、解剖学的構造に関連付けられた皮質骨を表してもよい。本体は、解剖学的構造に関連付けられた海綿骨を表し得る第三のゾーンを含み得る。複数の層は、警告ゾーンが標的ゾーンと第三のゾーンとの間に確立され得るように配置され得る。
【0030】
さらなる実装では、複数の層は、第一の組の層および第二の組の層を含み得る。標的ゾーンは、第一の組の層と第二の組の層との間に確立され得る。
【0031】
さらなる実装では、標的ゾーンは、本体の外表面から内向きに延在し得る。一つ以上の警告ゾーンは、外表面の下に確立され得る。
【0032】
さらなる実装では、標的ゾーンおよび一つ以上の警告ゾーンは、解剖学的構造に関連付けられた骨組織を表し得る。
【0033】
さらなる実装では、本体は高分子材料を含み得る。
【0034】
さらなる実装では、標的ゾーンおよび一つ以上の警告ゾーンは、解剖学的構造に関連付けられた軟組織を表し得る。
【0035】
さらなる実装では、軟組織は筋組織を含み得る。本体は、筋組織を表し得る繊維の束を含み得る。一つ以上の繊維は、警告ゾーンのそれぞれの一つを確立し得る。標的ゾーンは、繊維の隣接する対の間に確立され得る。
【0036】
さらなる実装では、繊維のそれぞれはエラストマー材料を含み得る。
【0037】
さらなる実装では、繊維の束は、第一の組の繊維および第二の組の繊維を含み得る。第一の組の繊維は、標的ゾーンを確立し得る。第二の組の繊維の各繊維は、警告ゾーンのそれぞれの一つを確立し得る。
【0038】
さらなる実装では、繊維の各々は、コアおよびコアを囲む外側シースを含み得る。コアは、警告ゾーンのそれぞれの一つを確立し得る。
【0039】
さらなる実装では、構造は関節窩を表し得る。
【0040】
本開示の実装による外科手術処置のための訓練装置は、特に、解剖学的構造を表す本体と、本体に埋め込まれた表示部材と、を含む、物理的解剖モデルを含む。表示部材は、解剖学的構造の神経を表し得る。表示部材は、所定の基準を満たすことに応答してインジケータを生成するように構成され得る。
【0041】
さらなる実装では、表示部材は導電性材料を含み得る。インジケータは電気信号と関連付けられてもよい。表示部材は、導電性装置と表示部材との間の接触に応答して電気信号を確立するように構成され得る。
【0042】
さらなる実装では、表示部材は、歪みゲージに連結され得る。歪みゲージは、表示部材の張力に応答し得る。
【0043】
さらなる実装では、本体は、表示部材に沿って延在し得る警告ゾーンを含み得る。警告ゾーンは、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色とは異なり得る人工色を有し得る。
【0044】
本開示の実装による外科手術処置のための訓練アセンブリは、特に、解剖学的構造を表す構造を有し得る本体を含む、物理的解剖モデルを含む。本体は、第一の端部分と第二の端部分との間に延在してもよい。測定装置は、基部、タワー、およびアウトリガーを含み得る。タワーは、基部から第一の方向に延在してもよい。アウトリガーは、タワーから横方向に延在してもよい。アウトリガーは、基部に沿った所定の位置の上に位置し得るルーラーを含み得る。基部は、本体の第二の端部分に沿ったインジケータがルーラーに沿った位置と整列され得るように、所定の位置で本体の第一の端部分に沿って切除された表面を支持するように寸法設定され得る。ルーラーに沿った各位置は、軸に対するそれぞれの角度で関連付けられてもよい。軸は、所定の位置から第一の方向に延在してもよい。
【0045】
さらなる実装では、本体の一部分は、解剖学的構造の皮質骨を表し得る第一の領域と、解剖学的構造の海綿骨を表し得る第二の領域と、を含み得る。
【0046】
さらなる実装では、第一の端部分は、第一の領域を含み得る。第一の領域は、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色とは異なり得る人工色を有し得る、少なくとも一つの警告ゾーンを含み得る。
【0047】
本開示の実装による外科手術処置を練習するためのシステムは、特に、メモリに連結されたプロセッサを含む計算装置を含む。プロセッサは、グラフィカルユーザインターフェース内の一つ以上のパラメータを選択することに応答して、メモリから仮想的解剖モデルにアクセスするように構成され得る。仮想的解剖モデルは、解剖学的構造と関連付けられてもよい。プロセッサは、仮想的解剖モデルをグラフィカルユーザインターフェースに表示するように構成され得る。プロセッサは、仮想的解剖モデルを表し得る物理的解剖モデルに関連付けられた構成を生成するように構成され得る。
【0048】
さらなる実装では、一つ以上のパラメータは、メモリ内の複数の仮想的解剖モデルと関連付けられ得る、患者分類および欠陥カテゴリーを含み得る。
【0049】
さらなる実装では、構成は、物理的解剖モデル内に、標的ゾーンと、標的ゾーンの境界を定めるように協働し得る一つ以上の警告ゾーンを確立し得る。構成は、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色に対応し得る色を割り当てられた標的ゾーンを含み得る。構成は、標的ゾーンに関連付けられる自然色との視覚コントラストを確立し得る、それぞれの人工色を割り当てられた各警告ゾーンを含み得る。
【0050】
さらなる実装では、プロセッサは、グラフィカルユーザインターフェースとのユーザの相互作用に応答して、仮想的解剖モデルの一つ以上の警告ゾーンと関連付けられ得る少なくとも一つのパラメータを設定するように構成され得る。
【0051】
さらなる実装では、プロセッサは、物理的解剖モデルの一つ以上の修正を仮想的解剖モデルと比較するように構成され得る。プロセッサは、一つ以上の修正が所定の閾値を満たすことに応答して、グラフィカルユーザインターフェース内にインジケータを生成するように構成され得る。
【0052】
本開示の実装による外科手術処置を練習するための方法は、特に、解剖学的構造に関連付けられた仮想的解剖モデルを定義することと、材料の複数の層を形成して、仮想的解剖モデルを表し得る物理的解剖モデルを確立することと、を含む。材料の層は、標的ゾーンと、標的ゾーンの境界を定め得る一つ以上の警告ゾーンと、を確立し得る。標的ゾーンは、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色に対応し得る色を有し得る。各警告ゾーンは、標的ゾーンに関連付けられる自然色との視覚コントラストを確立し得る、それぞれの人工色を有し得る。
【0053】
さらなる実装では、方法は、計算装置のメモリに記憶された複数の仮想的解剖モデルから仮想的解剖モデルを選択することを含み得る。
【0054】
さらなる実装では、仮想的解剖モデルを選択する工程は、患者分類から選択することと、グラフィカルユーザインターフェースとのユーザの相互作用に応答して欠陥カテゴリーから選択することと、を含み得る。
【0055】
さらなる実装では、仮想的解剖モデルを定義する工程は、グラフィカルユーザインターフェースとのユーザの相互作用に応答して、一つ以上の警告ゾーンと関連付けられ得る仮想的解剖モデルの一つ以上のパラメータを設定することを含み得る。
【0056】
さらなる実装では、形成する工程は、標的ゾーンおよび一つ以上の警告ゾーンを確立するために、互いの上に材料の層を印刷することを含み得る。
【0057】
さらなる実装では、材料の層は、解剖学的構造のそれぞれの部分の弾性係数に実質的に対応するそれぞれの弾性係数を有し得る。
【0058】
さらなる実装では、一つ以上の警告ゾーンは、警告ゾーンが標的ゾーンから異なる距離でオフセットされ得るように、積み重ねられた関係での複数の警告ゾーンを含み得る。警告ゾーンの人工色は、視覚コントラストを確立するために互いに異なってもよい。
【0059】
さらなる実装では、形成する工程は、警告ゾーンが標的ゾーンを取り囲み得るように発生してもよい。
【0060】
さらなる実装では、方法は、物理的解剖モデルの一部分を除去して、一つ以上の警告ゾーンを露出させることを含み得る。
【0061】
さらなる実装では、方法は、物理的解剖モデルの一部分を除去して、修正された物理的解剖モデルを確立することを含み得る。方法は、修正された物理的解剖モデルを、仮想的解剖モデルの所定の幾何学的形状と比較することを含み得る。方法は、物理的解剖モデルの除去された部分が所定の閾値を満たすことに応答して、インジケータを生成することを含み得る。
【0062】
図1は、外科手術処置を計画するために利用され得る例示的な計画システム20を示す。システム20は、外科手術計画を作成、編集、実行、および/または検討するために、術前、術中、および/または術後を含む整形外科処置を計画するために使用され得る。システム20は、患者の以前の症例および外科手術計画を含む、様々な外科手術処置のための訓練および練習に使用され得る。
【0063】
システム20は、ホストコンピュータ21および一つ以上のクライアントコンピュータ22を含み得る。ホストコンピュータ21は、一つ以上のソフトウェアプログラムを実行するように構成され得る。一部の実装では、ホストコンピュータ21は、ソフトウェア命令を連続的にまたは並列に処理するように共同で構成された二つ以上のコンピュータである。
【0064】
ホストコンピュータ21は、一つ以上の計算装置から成るネットワーク23などの一つ以上のネットワークと通信し得る。ネットワーク23は、例えば、プライベートローカルエリアネットワーク(LAN)、プライベートワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、またはメッシュネットワークであってもよい。
【0065】
ホストコンピュータ21および各クライアントコンピュータ22は、コンピュータプロセッサ、メモリ、記憶手段、ネットワーク装置、ならびに入力および/または出力装置および/またはインターフェースのうちの一つ以上を含み得る。入力装置は、キーボード、マウスなどを含み得る。出力装置は、モニタ、スピーカ、プリンタなどを含み得る。メモリは、例えば、UVPROM、EEPROM、FLASH、RAM、ROM、DVD、CD、ハードドライブ、または本明細書に開示される特徴および技術に関連するデータおよび/または他の情報を記憶し得る他のコンピュータ可読媒体を含み得る。ホストコンピュータ21および各クライアントコンピュータ22は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレット、または他の任意の計算装置であってもよい。インターフェースは、ネットワーク23の他のシステムおよび/または構成要素との通信を容易にし得る。
【0066】
各クライアントコンピュータ22は、クライアントインターフェース24を直接介して、またはネットワーク23を介して、ホストコンピュータ21と通信するように構成され得る。クライアントコンピュータ22は、様々な外科手術器具などの一つ以上のソフトウェアプログラムを実行するように構成され得る。各クライアントコンピュータ22は、計画環境26にアクセスし、それをローカルおよび/またはリモートで実行するように動作可能であり得る。計画環境26は、スタンドアロンのソフトウェアパッケージであり得るか、または別の外科手術器具に組み込まれ得る。計画環境26は、ネットワーク23を介して、またはクライアントインターフェース24を直接介してのいずれかで、ホストコンピュータ21と通信するように構成され得る。別の実装では、クライアントコンピュータ22は、ピアツーピアインターフェース25を直接介して、互いに通信するように構成される。
【0067】
計画環境26は、一つ以上の仮想的解剖モデル29および関連画像、および/または一つ以上のインプラントモデル30のディスプレイまたは視覚化を、一つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介して提供し得る。各解剖モデル29、インプラントモデル30、並びに関連画像および他の情報は、指定されたデータ構造に従って、一つ以上のファイルまたは記録に記憶され得る。
【0068】
システム20は、少なくとも一つの記憶システム27を含み得、これは、データを他の計算装置に保存またはそれ以外の方法で提供するように動作可能であり得る。記憶システム27は、ネットワーク23を介してホストコンピュータ21および/またはクライアントコンピュータ22と通信するように構成された記憶エリアネットワーク装置(SAN)であり得る。実装では、記憶システム27は、ホストコンピュータ21および/またはクライアントコンピュータ22内に組み込まれてもよく、またはホストコンピュータ21および/またはクライアントコンピュータ22に直接結合され得る。記憶システム27は、コンピュータソフトウェア命令、データ、データベースファイル、構成情報などのうちの一つ以上を記憶するように構成され得る。
【0069】
実装では、システム20は、ホストコンピュータ21上でコンピュータソフトウェアを実行するように構成されたクライアントサーバアーキテクチャであり得、これは、クライアントコンピュータ22上で実行されるシンクライアントアプリケーションまたはウェブブラウザのいずれかを使用して、クライアントコンピュータ22によってアクセス可能であり得る。ホストコンピュータ21は、ローカル記憶装置から、または記憶システム27からコンピュータソフトウェア命令をメモリにロードし得、一つ以上のコンピュータプロセッサを使用して、コンピュータソフトウェアを実行し得る。
【0070】
システム20は、一つ以上のデータベース28を含み得る。データベース28は、記憶システム27などの中央の位置に記憶され得る。実装では、一つ以上のデータベース28は、ホストコンピュータ21に記憶され得、および/またはクライアントコンピュータ22のうちの一つ以上によって提供される分散型データベースであり得る。各データベース28は、一つ以上の解剖モデル29および/または一つ以上のインプラントモデル30を、相互に、かつ/または外科手術計画31と関連付けるように構成されたリレーショナルデータベースであり得る。各外科手術計画31は、それぞれの患者と関連付けられ得る。各解剖モデル29、インプラントモデル30、および外科手術計画31は、一意の識別子またはデータベース入力を割り当てられ得る。データベース28は、解剖モデル29、インプラントモデル30、および外科手術計画31に対応するデータを、一つ以上のデータベース記録若しくは入力に記憶するように構成され得、かつ/または各それぞれの解剖モデル29、インプラントモデル30、および外科手術計画31に対応する一つ以上のファイルをリンクする、若しくはそれ以外の方法で関連付けるように構成され得る。データベース28に記憶された解剖モデル29は、以前および/または計画された外科手術例からのそれぞれの患者の解剖学的構造に対応し得、性別、年齢、人種、サイズ、欠陥カテゴリー、処置の種類などの一つ以上の所定のカテゴリーに分類され得る。解剖モデル29および/またはインプラントモデル30は、関連する外科手術計画31を実施するために、それぞれの器具および装置と関連付けられてもよい。
【0071】
各解剖モデル29は、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴画像法(MRI)機械、および/または患者の一つ以上の画像を取得するX線機械などの一つ以上の医療デバイスまたはツールから取得された情報を含み得る。解剖モデル29は、医療デバイスから取得または導出された、患者の解剖学的構造に関連する一つ以上のデジタル画像および/または座標情報を含み得る。実装では、解剖モデル29のうちの一つ以上は、設計者によって作成されてもよく、仮想解剖学的構造を表してもよい。各インプラントモデル30は、所定の設計と関連付けられた座標情報を含み得る。計画環境26は、モデル29、30を、二次元(2D)および/または三次元(3D)の容積または構築物として描画するために、コンピュータ支援設計(CAD)パッケージなどの一つ以上のモデリングパッケージを組み込み、かつ/またはそれらと連結し得る。
【0072】
インプラントモデル30は、様々な形状およびサイズのインプラントおよび構成要素に対応してもよい。各インプラントは、プレート、アンカー、ねじ、釘、縫合糸、移植片などを含む外科手術部位に配置され得る一つ以上の構成要素を含み得る。各インプラントモデル30は、単一の構成要素に対応し得るか、またはアセンブリを確立するように構成され得る2つ以上の構成要素を含み得る。各解剖モデル29およびインプラントモデル30は、2Dおよび/または3Dの幾何学的形状に対応し得、ディスプレイ内にワイヤフレーム、メッシュ、および/または固体構築物を生成するために利用され得る。
【0073】
各外科手術計画31は、解剖モデル29および/またはインプラントモデル30のうちの一つ以上と関連付けられ得る。外科手術計画31は、解剖モデル29の一つ以上の修正、ならびに元のおよび/または修正された解剖モデル29に対するインプラントモデル30の位置に関連する情報を含み得る。外科手術計画31は、修正された解剖モデル29に関連する座標情報および所定のデータ構造におけるインプラントモデル30の相対位置を含み得る。各解剖モデル29、インプラントモデル30、および外科手術計画31の修正は、自動的に、および/またはシステム20とのユーザの相互作用に応答して、データベース28に記憶され得る。
【0074】
一人以上の外科医、アシスタントおよび他のユーザは、クライアントコンピュータ22を介して、計画環境26が提供され得、データベース28に記憶された各解剖モデル29、インプラントモデル30、および外科手術計画31に同時にアクセスし得る。各ユーザは、外科手術計画31の様々な態様を作成、表示、および/または修正するために、計画環境26と相互作用し得る。各クライアントコンピュータ22は、解剖モデル29、インプラントモデル30、および/または外科手術計画31のローカルインスタンスを記憶するように構成されてもよく、それらは、データベース28とリアルタイムでまたは定期的に同期され得る。計画環境26は、クライアントコンピュータ22上で実行されるスタンドアロンソフトウェアパッケージであり得、または例えば、ホストコンピュータ21上で実行される一つ以上のサービスとして提供され得る。
【0075】
図2は、外科手術処置のための計画、練習、および/または訓練のための外科手術システム120を示す。システム120は、関節を修復するための関節形成処置などの様々な整形外科および他の外科手術処置を計画、練習、訓練および実施するために利用され得る。システム120は、一つ以上の骨の切除または修正を計画する際に利用され得る。システム120は、解剖学的処置またはリバース型肩関節処置中に肩関節などの関節の機能を回復するために、インプラントの配置を計画する際に利用され得る。本明細書に開示される計画システムおよび方法は、肩の修復を主に指すが、計画システム120は、患者の他の場所の修復、ならびに足首、手首、手、腰、または膝などの他の関節の修復、ならびに骨折および軟骨、筋肉、腱および靭帯などの他の組織の修復を含む他の外科手術処置に利用され得ることが、理解されるべきである。
【0076】
システム120は、それぞれの物理的解剖モデルに関連付けられた構成を生成するように構成され得る。構成は、物理的解剖モデルの形成に利用され得る。各物理的解剖モデルは、実質的に対応する幾何学的形状、密度、多孔率、色などを含む、仮想的解剖モデル129を表し得る。外科医は、物理的解剖モデルに一つ以上の修正を実施して、外科手術処置のために練習または訓練してもよい。
【0077】
システム120は、メモリ134に結合された少なくとも一つのプロセッサ133を含む計算装置132を含み得る。計算装置132は、
図1のホストコンピュータ21および/またはクライアントコンピュータ22を含む、本明細書に開示される計算装置のいずれかを含み得る。プロセッサ133は、外科手術の術前、術中、および/または術後段階の間に、一つ以上の外科手術(例えば、術前)計画131を作成、編集、実行、および/または検討するための計画環境126を実行するように構成され得る。解剖モデル129および外科手術計画131は、患者についての実際の症例と関連付けられてもよく、または外科医、アシスタント、および医療スタッフを訓練するために確立された仮想症例であってもよい。
【0078】
計画環境126は、少なくともデータモジュール135、表示モジュール136、空間モジュール137、および比較モジュール138を含み得る。プロセッサ133は、データモジュール135、表示モジュール136、空間モジュール137、および比較モジュール138を実行するように構成され得る。四つのモジュールが示されているが、開示される機能を提供するために、三つ以下または五つ以上のモジュールが利用され得、および/またはモジュールのうちの一つ以上が組み合わされ得ることは、理解されるべきである。
【0079】
データモジュール135は、一つ以上の仮想的解剖モデル129、インプラントモデル130、および/または外科手術計画131に対応するデータおよび他の情報を、データベース128においてアクセスする、読み出す、および/または記憶するように構成され得る。データおよび他の情報は、一つ以上の記録または入力139としてデータベース128内に記憶され得る。一部の実装では、データおよびその他の情報は、記録139によって参照される一つ以上のオブジェクトまたはメモリ位置を参照することによってアクセス可能であり得る一つ以上のファイルに記憶され得る。
【0080】
メモリ134は、データモジュール135からの一つ以上のコマンドに応答して、一つ以上の解剖モデル129、インプラントモデル130、および/または外科手術計画131のインスタンスにアクセス、ロード、編集および/または記憶するように構成され得る。データモジュール135は、メモリ134に、解剖モデル129、インプラントモデル130、および/または外科手術計画131のローカルインスタンスを記憶させるように構成され得、これは、データベース128内の記録139と同期され得る。
【0081】
表示モジュール136は、少なくとも一つのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)142に、一つ以上の外科手術計画131に関連するデータおよび他の情報を表示するように構成され得る。計算装置132は、表示装置140へと連結してもよい。表示モジュール136は、表示装置140に、ユーザインターフェース142に情報を表示させるように構成され得る。外科医または他のユーザは、一つ以上の解剖モデル129の態様を作成、編集、および/または検討するために、計画環境126を介してユーザインターフェース142と相互作用し得る。外科医または他のユーザは、一つ以上の外科手術計画131の態様を作成、編集、実行、および/または検討するために、計画環境126を介してユーザインターフェース142と相互作用し得る。
【0082】
各外科手術計画131は、患者の解剖学的構造に実質的に近似し得る任意の修正の前に、一つ以上の(例えば、元の)仮想的解剖モデル129と関連付けられてもよい。各外科手術計画131は、患者の解剖学的構造および/または物理的解剖モデルに対する一つ以上の修正を組み込んだ一つ以上の(例えば、修正された)仮想的解剖モデル129と関連付けられてもよい。元の解剖モデル129および修正された解剖モデル129は、外科手術計画131において互いに関連付けられてもよい。実装では、修正は、元の解剖モデル129の一つ以上のパラメータとして記憶される。
【0083】
計画システム120は、外科手術計画131へのリンクを生成するように構成され得る。外科医、アシスタント、または他のユーザは、リンクと相互作用して、外科手術計画131を検討および編集し得る。リンクと相互作用することにより、計画システム120に、外科手術計画131の態様をグラフィカルユーザインターフェース142に表示させるか、または別の方法で提示させ得る。
【0084】
図2を引き続き参照しながら、
図3を参照すると、ユーザインターフェース142は、一つ以上の表示窓144および一つ以上のオブジェクト146を含み得る。オブジェクト146は、タブ146T、ボタン146B、ドロップダウンリスト146L、メニュー146M、入力フィールド146E(例えば、
図7)、方向インジケータ146D、146R(例えば、
図5)、およびグラフィック146G(例えば、
図7)などの、ユーザの相互作用によってアクセス可能なメニュー、タブ、およびボタンなどのグラフィックを含み得る。選択された仮想的解剖モデル129およびインプラントモデル130(例えば、
図6)および外科手術計画131に関連する他の情報を含む幾何学的オブジェクトは、表示窓144のうちの一つ以上に表示され得る。
【0085】
データモジュール135は、グラフィカルユーザインターフェース142の表示窓144-1内の一つ以上のパラメータを選択することに応答して、メモリ134および/またはデータベース128などのメモリから仮想的解剖モデル129にアクセスするように構成され得る。解剖モデル129は、以前の症例または計画された症例などの患者の解剖学的構造と関連付けられてもよい。表示モジュール136は、表示窓144-1またはユーザインターフェース142の別の部分とのユーザの相互作用に応答して、データベース128またはメモリ134などのメモリから解剖モデル129を選択するように構成され得る。
【0086】
解剖モデル129を選択するために、様々なパラメータを利用してもよい。表示窓144-1のパラメータは、パラメータの各選択に、残りのパラメータをフィルタリングさせて利用可能なオプションを描写し得るように、フィルタリング特徴を提供するために相互接続され得る。各パラメータは、計画環境126によってアクセス可能な解剖モデル129のセットと関連付けられてもよい。
【0087】
外科医は、ユーザインターフェース142と相互作用して、外科手術計画131に関連付けられた以前の症例、計画された症例、または仮想的な症例などの所望の症例を選択し検討し得る。外科医は、ユーザインターフェース142と相互作用して、特定の外科手術処置、解剖学的構造、および/または患者群に対する以前の症例を含む、以前の症例を検討し得る。計画システム120は、修復された関節の生体認証試験、有限要素分析(FEA)などの以前の症例の分析を提供するように構成され得る。外科医は、意図される患者に対応する仮想的解剖モデル129を選択し得る。選択されたモデル129は、患者の取得されたCTスキャンに対応し得る。外科医は、特定の分類と関連付けられ得る仮想的解剖モデル129を選択し得る。
【0088】
解剖モデル129は、解剖学的構造、患者、欠陥、症例などによって分類され得る。パラメータは、患者分類および欠陥カテゴリーを含み得る。解剖学的パラメータは、カテゴリー(例えば、関節など)、サブカテゴリー(例えば、肩、足首、腰など)、モデル(例えば、関節窩、上腕骨など)、および解剖学的サイズ(例えば、小、中、大)によって、一つ以上のリスト146Lに配置され得る。カテゴリーは、表面解剖学的構造(例えば、体外)、局所解剖学的構造(例えば、身体の特定の領域)、および全身解剖学的構造(例えば、特定の器官系)を含む肉眼的解剖学的構造によって細分され得る。患者のパラメータには、性別、年齢、および民族が含まれ得る。空間モジュール137は、解剖学的サイズの選択に応答して、選択された解剖モデル129の幾何学的形状をスケーリングするように構成され得る。
【0089】
外科医は、軽度、重度、非病理学的、骨折などの様々な欠陥の重症度に従って、仮想的解剖モデル129を選択し得る。欠陥パラメータは、様々な欠陥に対して確立されてもよく、分類、サブ分類などによって配置され得る。外科医、アシスタントまたはその他のユーザは、
図4の表示窓144-2によって図示されるように、欠陥パラメータの説明のためにボタン146B(例えば、?マークボタン146Qを参照)と相互作用し得る。例えば、リスト146Lからの関節窩モデルの選択は、ヘルプスクリーンを生成し、ボタン146Qの選択に応答して一つ以上の欠陥分類で表示させ得る。
図4に示すように、欠陥分類は、側性化に関連する骨棘を含む変形性関節症(例えば、Samilson and Prietoを参照)、関節窩中央の摩耗(例えば、Levigneを参照)、関節窩下方の摩耗と側性化(例えば、Habermeyerを参照)、上方摩耗および側性化を含む関節リウマチ(例えば、Levigneを参照)、上方摩耗を含む関節窩摩耗(例えば、Favardを参照)、関節窩傾斜角(例えば、Walchを参照)、亜脱臼(例えば、Walchを参照)および上方/下方分類を含む関節窩形態(例えば、Walchを参照)を含み得る。
図4の欠陥分類は公知であるが、本明細書に開示される欠陥分類の利用は知られていない。例えば、外科医は、ヘルプスクリーンに表示される情報に基づいて、関節窩のB2またはC2分類などの比較的まれな症例を選択し得る。ユーザは、ボタン146Bまたはユーザインターフェース142の別の部分と相互作用して、一つ以上の欠陥を特定し得る。外科医は、様々な分類から選択して、様々な治療選択肢を決定し得る。
【0090】
症例パラメータには、症例タイプ(例えば、以前、計画、および仮想)、症例番号などが含まれ得る。ユーザは、リスト146Lと相互作用して、パラメータの以前の選択に基づいてフィルタリングされ得る特定の症例を選択し得る。各症例は、それぞれの外科手術計画131と関連付けられ得る。外科手術計画131は、任意の修正の前に解剖モデル129と関連付けられてもよく、関連する外科手術処置の実施に基づいて、一つ以上の修正を組み込む別の(例えば、修正された)解剖モデル129と関連付けられてもよい。例示的な修正は、一つ以上のドリリング、ミリング、切除、リーミング、および切削の作業を利用した材料の除去を含み得る。
【0091】
図2~3を引き続き参照しながら、
図5を参照すると、外科医、アシスタント、または他のユーザは、ユーザインターフェース142と相互作用して、ユーザインターフェース142の表示窓144-2、144-3内の選択された解剖モデル129を表示してもよい。データモジュール135は、表示モジュール136に、パラメータの選択に応答して、選択された解剖モデル129をユーザインターフェース142内に表示させるように構成され得る。
図5の実装では、選択された解剖モデル129は、肩関節129Sの関節窩129Gと関連付けられてもよいが、当然のことながら、システム120は、様々な解剖学的構造で利用され得る。
【0092】
表示モジュール136は、様々な位置および/または配向で、選択された解剖モデル129を、表示窓144-2、144-3内に表示するように構成され得る。特定の数の表示窓144が図示されるが、当然のことながら、ユーザインターフェース142は、本明細書に開示される教示に従って、任意の数の表示窓144で構成され得ることが可能である。表示窓144-2、144-3は、選択された解剖モデル129の二次元(2D)および/または三次元(3D)表現を表示するように構成され得る。ユーザは、ユーザインターフェース142と相互作用して、様々な位置および配向で選択された解剖モデル129を閲覧することができる。
【0093】
図2および
図5を引き続き参照しながら、
図6を参照すると、外科医、アシスタント、または他のユーザは、ユーザインターフェース142と相互作用して、選択された解剖モデル129と関連付けられた一つ以上のパラメータをカスタマイズするか、または別の方法で指定してもよい。ユーザーは、メニュー146Mと、表示窓144-4、144-5と、またはユーザインターフェース142の別の部分と直接相互作用して、外科手術計画131の一つ以上の態様または修正を指定し得る。
【0094】
ユーザは、メニュー146Mまたはユーザインターフェース142の別の部分と相互作用して、データベース128またはメモリ134などのメモリに記憶されたインプラントモデル130のセットから一つ以上のインプラントモデル130を選択してもよい。データモジュール135は、自動的に、またはユーザインターフェース142とのユーザの相互作用に応答して、選択されたインプラントモデル130にアクセスするように構成され得る。データモジュール135は、仮想的解剖モデルおよびインプラントモデル130のインスタンスをメモリ134に記憶するように構成され得る。
【0095】
インプラントモデル130は、様々な構成、形状、サイズ、処置、器具などのインプラントと関連付けられてもよい。選択されたインプラントモデル130は、一つ以上の構成要素を含み得る。例示的なインプラントは、関節接続部材に結合されたベースプレート、隣接する骨または骨断片を相互接続するように構成された骨プレート、髄間釘、縫合アンカーなどを含み得る。関節接続部材は、対向する骨またはインプラントの関節面と嵌合するように寸法設定された関節面を有し得る。
【0096】
表示モジュール136は、一つ以上の選択された仮想的解剖モデル129および/またはインプラントモデル130を表示窓144に表示するように構成され得る。表示モジュール136は、選択された解剖モデル129および/またはインプラントモデル130が、ユーザインターフェース142とのユーザの相互作用に応答して、表示窓144のうちの一つ以上に選択的に表示され得、非表示にされ得る(例えば、トグルされる)ように構成され得、これにより、外科医に、外科手術計画131の態様を検討する際に、改善された柔軟性が提供され得る。
【0097】
表示窓144-4、144-5は、選択された解剖モデル129およびインプラントモデル130を互いに対して表示するように構成され得る。空間モジュール137は、選択されたインプラントモデル130を、指定されたまたは定義された位置および配向で、解剖モデル129と接触するように位置付けるように構成され得る。インプラントモデル130は、骨の関節面と関連付けられ得る関節接合表面129ASなどの解剖モデル129の表面に対して位置付けられ得る。ユーザは、メニュー146Mと、表示窓144-4、144-5と、またはユーザインターフェース142の別の部分と直接相互作用して、インプラントモデル130のインプラント軸IAを含む、解剖モデル129に対して選択されたインプラントモデル130を位置付け、配向してもよい。ユーザは、メニュー146M、表示窓144-4、144-5、またはユーザインターフェース142の別の部分と相互作用して、方向インジケータ146D、146Rとの相互作用に応答して発生し得る、2D空間(例えば、上、下、左、右)および/または3D空間(例えば、回転、傾斜、ズームなど)において、選択された解剖モデル129および/または選択されたインプラントモデル130を移動させ得る。
【0098】
表示モジュール136は、一つ以上の締結具モデルF(破線で示す)を表示するように構成され得る。締結具モデルFは、選択されたインプラントモデル130に関連付けられたインプラントを固定するように構成されたそれぞれの締結具と関連付けられてもよい。
【0099】
図2および
図5~6を引き続き参照しながら、
図7を参照すると、外科医、アシスタント、または他のユーザは、ユーザインターフェース142と相互作用して、選択された解剖モデル129と関連付けられた一つ以上のパラメータをカスタマイズしてもよい。表示窓144は、表示窓144-6、144-7を含み得る。ユーザは、メニュー146Mと相互作用して、選択されたインプラントモデル130の可視性をオンおよびオフにすることができる。
【0100】
外科医は、外科手術処置に関連付けられた一つ以上のゾーン(例えば、領域)を指定することを望んでもよい。ゾーンは、関連する物理的解剖モデルに形成されて、外科医にフィードバックを提供し得る。実装では、フィードバックは、相互作用に応答して、一つ以上の視覚的、可聴的、および/または触覚的インジケータを含み得る。
【0101】
空間モジュール137は、一つ以上の標的ゾーン(例えば、局所領域)148を確立するように構成され得る。ユーザは、メニュー146M、表示窓144-6、144-7、またはユーザインターフェース142の別の部分と相互作用して、標的ゾーン148を確立してもよい。各標的ゾーン148は、仮想的解剖モデル129の任意の部分に沿って確立され得る。実装では、標的ゾーン148は、解剖モデル129の関節接続表面129ASに沿って延在し得る。
【0102】
ユーザは、ユーザインターフェース142と相互作用して、標的ゾーン148の様々な態様を指定してもよい。標的ゾーン148は、円錐、円筒、立方体および直方体、プリズム、角錐、球、複雑な幾何学的形状などを含む、様々な3D幾何学的形状を有し得る。空間モジュール137は、選択された解剖モデル129、インプラントモデル130、外科手術計画131、および/またはユーザによって選択される他のパラメータに基づいて、標的ゾーン148のデフォルト幾何学的形状を割り当てるように構成されてもよい(例えば、
図3を参照)。各標的ゾーン148は、選択されたインプラントモデル130の容積の一部分に近似するように寸法設定され得る。標的ゾーン148は、選択されたインプラントモデル130のアンカーまたはポストなどの固定部材を位置付けるために寸法設定されてもよい(例えば、
図6を参照)。各標的ゾーン148は、それぞれのグラフィック146Gと関連付けられてもよい。グラフィック146Gは、標的ゾーン148の幾何学的形状に実質的に対応する幾何学的形状を有し得る。
【0103】
ユーザは、ユーザインターフェース142と相互作用して、標的ゾーン148に関連付けられた標的軸TAの位置および配向を指定し得る。空間モジュール137は、標的軸TAの位置および配向を、インプラントモデル130のインプラント軸IAと実質的に共線であるか、または別の方法で実質的に平行になるように設定するように構成されてもよい(
図6)。本開示の目的のためには、「実質的に」、「約」、および「約」という用語は、別途指示されていない限り、記載された値または関係の±5パーセントを意味する。ユーザは、メニュー146Mと相互作用して、標的ゾーン148の幾何学的形状に基づいて、幅、長さ、深さ、半径などを含む、標的ゾーン148の一つ以上の寸法を指定し得る。
【0104】
図2および
図7を引き続き参照しながら、
図8を参照すると、空間モジュール137は、一つ以上の警告ゾーン150を確立するように構成され得る。警告ゾーン150は、それぞれの標的ゾーン148を確立することに応答して、手動でまたは自動的に生成され得る。警告ゾーン150は、選択された解剖学的構造、処置タイプ、欠陥分類、症例などを含む、選択されたパラメータに従って確立され得る。警告ゾーン150は、処置特異的および/または病理特異的であり得る。表示モジュール136は、選択された解剖モデル129に対して警告ゾーン150を表示窓144-8に表示するように構成され得る。空間モジュール137は、第三のゾーン154を確立するように構成され得る。第三のゾーン154は、標的ゾーン148および警告ゾーン150を除いて、解剖モデル129の容積の残りの部分を含み得る。
【0105】
標的ゾーン、警告ゾーン150および/または第三のゾーン154は、仮想的解剖モデル129の本体129Bによって確立され得る。警告ゾーン150は、解剖モデル129の外表面に沿って、および/または関節接合表面129ASなどの外表面の下にある解剖モデル129の厚さ内に確立され得る。外科医、アシスタント、または他のユーザは、ユーザインターフェース142と相互作用して、警告ゾーン150が解剖モデル129の外表面に沿って見えるかどうかを指定してもよい。
図8の実装では、警告ゾーン150は、関節接合表面129ASから内向きに延在し得る三つの警告ゾーン150-1~150-3を含み得る。警告ゾーン150-1~150-3は、外科医に標的ゾーン148への近接の視覚的表示を提供する役割を果たし得る。外部警告ゾーンは、外科医にとってより少ない課題を示し得る。外科医は、解剖モデルの外表面の下にのみ形成される警告ゾーンを有するように選択してもよく、これは、解剖学的構造上の外科手術処置により密接に近似してもよく、比較的より困難であり得る。
【0106】
計画環境126は、ユーザインターフェース142とのユーザの相互作用に応答して、警告ゾーン150に関連付けられた少なくとも一つ以上のパラメータが設定され得るように構成され得る。ユーザは、メニュー146Mと、表示窓144-8と、またはユーザインターフェース142の別の部分と直接相互作用して、警告ゾーン150の各々を定義してもよい。定量、オフセット(例えば、厚さ)などを含む、警告ゾーン150に関連付けられた様々なパラメータを利用してもよい。
【0107】
警告ゾーン150は、警告ゾーン150が標的ゾーン148から異なる所定の距離でオフセットされるように、積み重ねられた関係にある複数の層152に対応し得る。実装では、警告ゾーン150およびそれぞれの層152は、標的ゾーン148の周囲からのオフセットの増加において確立され得る。警告ゾーン150の厚さは、同一であってもよく、または異なっていてもよい。
図8の実装では、標的ゾーン148に隣接した三つの警告ゾーン150の数量が確立され得る(150-1、150-2、150-3で示される)。三つの警告ゾーン150が示されているが、一つの警告ゾーン150のみなど、各標的ゾーン148に対して三つ未満または三つ以上の警告ゾーン150が確立され得ることが理解されるべきである。警告ゾーン150およびそれぞれの層152は、外科手術処置を実施するための境界を確立するために、標的ゾーン148を実質的に取り囲むか、または別の方法で境界を定めてもよい。
【0108】
警告ゾーン150は、互いおよび/または標的ゾーン148と視覚的に対比して、外科医に標的ゾーン148からの逸脱の量についての表示を提供し得る。例えば、外科医は、標的ゾーン148を通って、警告ゾーン150のうちの一つ以上を通して延在し得るドリリング作業を行ってもよい。警告ゾーン150は、ドリリング作業の過剰な深さの量を表示する役割を果たし得る。表示モジュール136は、警告ゾーン150と、標的ゾーン148および第三のゾーン154を含む解剖モデル129の残りの部分との間の視覚コントラストを表示するように構成され得る。実装では、視覚コントラストは、それぞれの標的ゾーン148、警告ゾーン150、および/または第三のゾーン154(例示目的のためにハッチング線で示される)に適用される一つ以上の視覚的インジケータVIによって確立され得る。実装では、標的ゾーン148および/または第三のゾーン154は、任意の視覚的インジケータVIを省略してもよい(例えば、
図9を参照)。
【0109】
標的ゾーン148、警告ゾーン150、および第三のゾーン154は、一つ以上の視覚的スキームまたはカラースキームに従って確立され得る。実装では、標的ゾーン148および/または第三のゾーン154は、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色に対応する色を割り当てられてもよい。警告ゾーン150は、視覚コントラストを確立するために、一つ以上の人工色を割り当てられてもよい。視覚コントラストは、外科医が標的ゾーン148、および標的ゾーン148から警告ゾーン150への任意の逸脱を識別することを支援し得る。本開示の目的のため、「自然」色という用語は、それぞれの組織の予想される色または実際の色に実質的に対応する色を意味し、「人工」色という用語は、それぞれの組織に対して自然には発生しない色を意味する。
【0110】
各警告ゾーン150は、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色とは異なり得、標的ゾーン148に関連付けられる自然色との視覚コントラストを確立し得る、それぞれの人工色を割り当てられ得る。警告ゾーン150および関連する層152の人工色は、同一であってもよく、または互いに異なってもよい。警告ゾーン150-1~150-3のそれぞれの色は、例示的な目的のためにハッチング線で示されている。例示的な人工色は、黄色、オレンジ色、赤色、緑色、青色などを含み得る。他の実装では、警告ゾーン150は、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色に実質的に対応するが、視覚コントラストを確立するために自然色と少なくとも10パーセント以上異なる色を有し得る色を割り当てられてもよい。
【0111】
標的ゾーン148および警告ゾーン150は、他の構成を有し得る。
図9の実装では、仮想的解剖モデル229は、本体229Bを有し得る。標的ゾーン248および一つ以上の警告ゾーン250は、本体229B内に確立され得る。標的ゾーン248は、第一の基部B1および第二の基部B2を有する実質的に円錐台形状を有し得る。第一の基部B1は、第二の基部B2の半径とは異なる(例えば、それよりも小さい)半径を有し得る。第一の基部B1は、本体229Bの外表面に沿って入口点EPを確立し得る。入口点EPは、標的軸TAと実質的に整列され得る。外表面は、選択された解剖モデル229の関節接合表面229ASによって確立され得る。標的軸TAは、インプラントおよび/または締結具の一部分の適切な軌道と関連付けられてもよい。入口点EPは、組織の一部分を通る外科手術装置のための安全な通路を表し得る。入口点EPは、締結具モデルF(破線で示す)を受容するように寸法設定され得る。標的ゾーン248の壁は、標的軸TAに対する締結具モデルFの角度の範囲を制限するように傾斜してもよい。警告ゾーン250は、第二の基部B2に沿って延在して、標的ゾーン248の高さおよび締結具モデルFの挿入深さの境界を定めてもよい。
【0112】
図10~11の実装では、標的ゾーン348の容積は、実質的に長方形の周囲を有する実質的に立方体形状を有し得る。標的ゾーン348および警告ゾーン350は、関節接合表面329ASによって確立され得る、解剖モデル329の本体329Bの外表面から離間し得る。警告ゾーン350は、同心ループのセットとして標的ゾーン348を実質的に囲むように構成され得る。
【0113】
図12の実装では、標的ゾーン448および警告ゾーン450は、仮想的解剖モデル429の外表面に対して横方向化され得る。グラフィカルユーザインターフェース442は、表示窓444-8、444-9を含み得る。表示窓444-8は、基準面REF1(破線で示す)に対する解剖モデル429の断面図を表示するように構成され得る。表示窓444-9は、基準面REF1に沿って切開された解剖モデル429の斜視図を表示するように構成され得る。
【0114】
標的ゾーン448、警告ゾーン450および/または第三のゾーン454は、解剖モデル429の本体429Bの容積内に確立され得る。標的ゾーン448は、本体429Bの外表面に沿って確立されてもよく、本体429Bの外表面から内向きに延在してもよい。外表面は、それぞれの解剖学的構造の関節に関連付けられた関節面429ASであってもよい。
【0115】
警告ゾーン450は、横方向にされてもよく、様々なリーミング深度に対応してもよい。警告ゾーン450は、実装されたリーミング深度が不十分および/または過剰であり得ることを示し得る。警告ゾーン450は、それぞれの層452によって確立された警告ゾーン450-1~450-3を含み得る。警告ゾーン450は、本体429Bの外表面の下に確立され得る。警告ゾーン450およびそれぞれの層452は、標的ゾーン448および/または本体429Bの外表面とは異なる深さでオフセットされ得る。
【0116】
標的ゾーン448および警告ゾーン450は、解剖学的構造に関連付けられた骨組織を表し得る。標的ゾーン448は、関節窩の関節面に沿った皮質骨などの解剖学的構造に関連付けられた皮質骨を表し得る。第三のゾーン454は、解剖学的構造に関連付けられる海綿骨または骨梁を表す非皮質領域を確立し得る。標的ゾーン448および第三のゾーン454は、それぞれ患者の解剖学的構造の皮質骨および骨梁に近接する色を割り当てられ得る。層452は、警告ゾーン450が標的ゾーン448と第三のゾーン454との間に確立されるように配置され得る。実装では、警告ゾーン450-1~450-3は、標的ゾーン448の1mm、2mm、および3mm下の深さに対応し得る。
【0117】
図13の実装では、標的ゾーン548は、一つ以上の警告ゾーン550の間に確立され得る。警告ゾーン550は、それぞれの層552によって形成され得る。層552は、実質的に平行であってもよく、実質的に同じ厚さを有してもよく、または厚さは異なってもよい。層552は、第一の組の層552-1および第二の組の層552-2を含み得る。第一の組の層552-1は、警告ゾーン550-1~550-3を確立し得る。第二の組の層552-2は、警告ゾーン550-4~550-6を確立し得る。標的ゾーン548は、第一の組の層と第二の組の層552-1、552-2との間に確立され得る。標的ゾーン548は、例えば、往復式鋸または振動式鋸と係合して、脛骨の近位部分または大腿骨の遠位部分などの長骨に沿って切断を形成し得る、意図される切除面と関連付けられ得る。
【0118】
物理的解剖モデルは、警告ゾーンを組み込む他の代表的な組織を含み得る。ある特定の処置は、3D筋間隔内および3D筋間隔を通して進行することを含み得る。処置は、筋肉構造に違反することなく(例えば、切断することなく分離する)、層を通り抜け、層間を進行することを含み得る。例えば、股関節形成術を計画する外科医は、軟組織への損傷を最小化するか、または別の方法で低減することを望む場合がある。警告ゾーンは、外科医が、代表的な軟組織を引き裂くことなく、代表的な軟組織を開く必要があり得るように、軟組織の物理的解剖モデルの特定の領域を限定し得る。外科医が代表的な軟組織を切断する場合、警告ゾーンは外科医に提示され得る。外科医は、警告ゾーンを避けるために、自然の境界に沿って代表的な軟組織を切除し得る。警告ゾーンは、代表的な軟組織の外表面上では見えない場合がある。外科医がゾーンの側面に逸脱する場合、警告ゾーンが明らかにされ得る。
【0119】
図2を引き続き参照しながら、
図14を参照すると、仮想的解剖モデル629は、骨、および軟組織を含む他の組織を含み得る。軟組織は、一つ以上の繊維を含む腱、靭帯および/または筋組織を含み得る。ユーザインターフェース642は、解剖モデル629を表示するように構成された表示窓644-10、644-11を含み得る。表示窓644-11は、基準面REF2(破線で示す)に関する解剖モデル629の断面図を表示するように構成され得る。
【0120】
空間モジュール137は、一つ以上の標的ゾーン648および警告ゾーン650を確立するように構成され得る。標的ゾーン648および警告ゾーン650は、解剖学的構造に関連付けられた軟組織を表し得る。第三のゾーン654が確立されてもよく、これは軟骨および/または骨組織などの比較的硬い組織を表し得る。
【0121】
解剖モデル629は、解剖学的構造の繊維に関連付けられた一つ以上の繊維656を含み得る。繊維の束656は、本体629Bに沿って形成されてもよく、本体629Bから延在してもよく、または本体629Bに隣接して配置され得る。繊維の束656は、筋組織などの軟組織を表し得る。標的ゾーン648および警告ゾーン650は、繊維の束656を確立するために協働し得る。表示モジュール136は、表示窓644-10、644-11にそれぞれ図示されるように、繊維656を平面図および断面図で表示するように構成され得る。一つ以上の標的ゾーン648は、繊維656内および/または隣接する繊維656の間に確立され得る。
【0122】
繊維656の各々は、内部コア656Cおよび外側シース656Sを含み得る。シース656Sは、コア656Cを実質的に囲んでもよい。一つ以上の標的ゾーン648は、隣接する繊維656の間に確立され得る。標的ゾーン648は、隣接する繊維656間の経路を表し得る。コア656Cは、警告ゾーン650のそれぞれの一つを確立し得る。シース656Sは、それぞれの繊維656の少なくとも一つの警告ゾーン650を実質的に囲んでもよい。実装では、隣接する繊維656のシース656Sは、それぞれの標的ゾーン648を確立し得る。
【0123】
各繊維656のシース656Sによって確立された外表面には、それぞれの組織の自然色に実質的に対応する色が割り当てられ得る。コア656Cは、標的ゾーン648および警告ゾーン650が互いに視覚的に対比するように、それぞれの組織の自然色とは異なる場合がある人工色を割り当てられてもよい。
【0124】
図15の実装では、繊維の束756は、第一の組の繊維756-1、第二の組の繊維756-2、および第三の組の繊維756-3を含み得る。第一の組の繊維756-1は、標的ゾーン748を確立し得る。第二の組の繊維756-2および第三の組の繊維756-2の各繊維756は、それぞれの警告ゾーン750を確立し得る。個々の標的ゾーン748は、それぞれの繊維756によって確立され得る。個々の警告ゾーン750は、それぞれの繊維756のコアおよび/またはシースによって確立され得る。第二の組の繊維756-2および第三の組の繊維756-3は、第一の組の繊維756-1が局所領域または経路を確立するように、第一の組の繊維756-1の対向する側面上に確立され得る。
【0125】
図16の実装では、グラフィカルユーザインターフェース842は、解剖モデル829を表示するように構成された表示窓844-12を含み得る。解剖モデル829は、骨、軟骨、腱、靭帯、筋組織などを含む、一つ以上の組織タイプと関連付けられてもよい。解剖モデル829は、一つ以上の筋肉群858を確立する繊維の束856を含み得る。筋肉群858は、一つ以上の標的ゾーン848および/または警告ゾーン850と関連付けられてもよい。
図16の実装では、解剖モデル829は、筋肉群858のうちの一つ以上を含む肩関節を表し得る。
【0126】
外科医、アシスタント、または他のユーザは、表示窓844-12またはユーザインターフェース842の別の部分と直接、メニュー846Mと相互作用して、筋肉群858の各々を標的ゾーン848または警告ゾーン850として設定し得る。
図16の実装では、標的ゾーン848は、三角筋の外側頭部と関連付けられてもよく、警告ゾーン850-1は、三角筋の後頭部と関連付けられてもよく、警告ゾーン850-2は、三角筋の前頭部と関連付けられてもよい。別の実装では、三角筋に関連付けられた仮想的解剖モデルの一部分は、第一の色(例えば、赤色)を割り当てられた第一の警告ゾーンとして選択されてもよく、小円筋は、第二の色(例えば、青色)を割り当てられた第二の警告ゾーンとして選択されてもよく、三角筋と小円筋との間の領域は、第三の色(例えば、緑色)を割り当てられた標的ゾーンとして選択され得る。本明細書に開示される技術を利用して、外科医は、肩関節形成処置中に外科医が筋肉を通して器具を進行または誘導するのを助けるための訓練ツールとして、仮想的解剖モデル829によって定義される構造から形成される物理的解剖モデルと相互作用し得る。
【0127】
図2を再び参照すると、外科医、アシスタント、または他のユーザは、ユーザインターフェース142と相互作用して、選択された仮想的解剖モデル129に関連付けられた様々なパラメータの選択を承認してもよい。実装では、ユーザは、ボタン146Bを選択して、仮想的解剖モデル129と関連付けられた選択および他のパラメータを承認してもよい(例えば、
図8を参照)。
【0128】
空間モジュール137は、物理的解剖モデルに関連付けられた構成(例えば、定義)を生成するように構成され得る。構成は、仮想的解剖モデル129を表し得る。構成は、任意の標的ゾーン148および警告ゾーン150を含む、選択された仮想的解剖モデル129に関連付けられたパラメータの選択に従って確立されてもよい(例えば、
図8を参照)。構成は、データベース128内の記録139に記憶された、またはデータベース128内の記録139にリンクされたファイルであってもよい。構成は、座標情報、関連する組織の弾性係数、標的ゾーン148および警告ゾーン150に関連付けられたカラースキームなどを含む、選択された仮想的解剖モデル129の幾何学的形状およびパラメータに基づいて、物理的解剖モデルを確立するのに十分なデータおよび他の情報を含み得る。
【0129】
物理的解剖モデルは、仮想的解剖モデル129および様々なパラメータを選択および承認した後に形成され得る。物理的解剖モデルは、骨組織および軟組織を含む様々な組織を表し得る。物理的解剖モデルは、関節、骨、筋肉、腱、靭帯、内臓などを含む解剖学的構造を表す構造を有し得る。物理的解剖モデルは、外科手術処置の実行前、実行中、および/または実行後に、外科医にインジケータまたはフィードバックを提供するように構成され得る。フィードバックは、患者特異的であっても、または患者特異的でなくてもよい。実装では、計画システム120は、外科医が骨または軟組織の特定の領域を目指すためのプロンプトなどの言語フィードバックまたは視覚的フィードバックを提供するように構成され得る。
【0130】
様々な技術を利用して、物理的解剖モデル960を含む、本明細書に開示される物理的解剖モデルを構築または別の方法で形成してもよい。物理的解剖モデルは、本明細書に開示される技術のいずれかを利用して構築または別の方法で形成されてもよく、それぞれの仮想的解剖モデルの幾何学的形状、関連する組織の弾性係数、カラースキーム、ならびに標的ゾーンおよび/または警告ゾーン、層および繊維配置に関連する幾何学的形状などを含む、本明細書に開示される特徴のいずれかを組み込み得る。物理的解剖モデルは、軟組織および骨を含む、関連する解剖学的構造の幾何学的形状と、厳密に類似または近似するように形成され得る。実装では、外科医は、物理的解剖モデルの一部分が、軟質(例えば、海綿)骨組織と類似していると感じ得るように、物理的解剖モデルと相互作用し得る。物理的解剖モデルは、ユーザインターフェースで選択された様々なパラメータに従って印刷されてもよく、または別の方法で形成され得る。骨および軟組織の密度、皮質骨の厚さ、標的ゾーンおよび警告ゾーン、患者の年齢など、本明細書に開示されるパラメータのいずれかを含む様々なパラメータを利用して、物理的解剖モデルを形成し得る。
【0131】
計画システム120は、仮想的解剖モデル129を、選択されたパラメータに基づいて印刷するか、または他の方法で形成させるように構成され得る。実装では、材料は、物理的解剖モデルを確立するために、基材上の一つ以上の層に印刷され得る。材料は、仮想的解剖モデルに関連付けられた構成に従って印刷され得る。他の実装では、物理的解剖モデルは、一つ以上のギプス固定操作によって確立される。物理的解剖モデルは、単一の構造を有してもよく、またはユニットを確立するために互いに固定して取り付けられるか、もしくは別の方法で固定された二つ以上の構成要素を有し得る。
【0132】
図2を引き続き参照しながら、
図17Aを参照すると、物理的解剖モデル960の実装が示されている。
図17Bは、物理的解剖モデル960のグレースケール画像である。物理的解剖モデル960は、本明細書に開示される解剖学的構造のいずれかと関連付けられてもよい。
【0133】
解剖モデル960は、部分962、964、966を含み得る。部分962は、本体960Bを確立してもよく、上腕骨頭部を含む上腕骨の一部分などの骨組織を表し得る。部分964は、部分962上に形成されてもよく、または別の方法で部分962から延在してもよく、一つ以上の腱などの軟組織を表し得る。腱は、回旋腱板と関連付けられてもよい。部分966は、それぞれの部分964から延在してもよく、筋組織を表し得る。
【0134】
様々な材料を利用して、物理的解剖モデル960を含む、本明細書に開示される物理的解剖モデルを形成してもよい。実装では、本体960Bを確立する部分962は、フォトポリマー、シリコーン、および熱可塑性プラスチックを含む高分子材料などの実質的に剛直な材料から形成され得る。部分964、966の繊維の各々は、ゴムまたはシリコーンなどのエラストマー材料を含む、比較的可撓性の材料から形成され得る。
【0135】
図17Aを引き続き参照しながら、
図18~19を参照すると、物理的解剖モデル960は、アセンブリ(例えば、訓練装置)968に組み込まれ得る。アセンブリ968は、一つ以上の固定具(例えば、治具)970を含み得る。各固定具970は、再使用可能であってもよく、または単回使用であってもよい。各固定具970は、周囲の組織または関節の一部分を表し得る。第一の固定具970-1は、上腕骨の一部分を表し得る。第二の固定具970-2は、関節を確立するように寸法決定された関節面を有する関節窩またはインプラントなどの肩の一部分を表し得る。物理的解剖モデル960は、インターフェース972で一つ以上の固定具970に取り付けられてもよく、または別の方法で固定され得る。インターフェース972は、締まり嵌め、クイックリリース接続、または締結具によって確立され得る。外科医は、固定具970を利用して、手術室内での肢の回転または移動をシミュレーションし得る。アセンブリ968は、
図19に示すように、皮膚組織を表す固定具970-3を含み得る。固定具970-3は、エラストマー材料などの比較的可撓性の材料から形成され得る。外科医は、関節または解剖学的構造の別の部分を露出させるため切開をシミュレートするために、固定具970-3内に一つ以上の開口部974を形成し得る。
【0136】
図17を引き続き参照しながら、
図20~21を参照すると、外科医は、物理的解剖モデル1060によって例示されるように、物理的解剖モデル960に対して一つ以上の修正を行ってもよい。外科医は、上腕骨頭部(
図19に破線で示す)と関連付けられ得る関節接合表面1060ASの一部分の切除をシミュレーションし得る、基準面REF3に沿って切除を実施し得る。切除は、第一の領域R1および第二の領域R2を露出し得る(
図20)。第一の領域R1は、実質的に固体であってもよい。第二の領域R2は、比較的多孔性であってもよい。第一の領域R1は、皮質骨を表し得る。第二の領域R2は、海綿骨を表し得る。
【0137】
図22~23は、異なる組織タイプに対応する部分を含む、別の物理的解剖モデルのグレースケール画像である。物理的解剖モデルは、上腕骨および肩の一部分、回旋腱板の腱、ならびに筋組織を含む肩関節を表し得る。
【0138】
図24~25は、別の物理的解剖モデル1160を示す。解剖モデル1160は、仮想的解剖モデル429ならびに標的ゾーン448および警告ゾーン450(
図12)に関連付けられた構成など、システム120(
図2)によって生成される構成に従って確立され得る。解剖モデル1160は、標的ゾーン1148(
図24)および仮想的解剖モデル429に関連付けられた一つ以上の警告ゾーン1150を確立する本体1160Bを含み得る。標的ゾーン1148および警告ゾーン1150は、協働して、解剖学的構造を表す構造を確立し得る。実装では、構造は関節窩を含む肩を表し得る。標的ゾーン1148、警告ゾーン1150、および第三のゾーン1154(
図25)は、仮想的解剖モデル429に関連付けられる構成によって確立され得る。
【0139】
警告ゾーン1150は、標的ゾーン1148に隣接して確立され得る。警告ゾーン1150および第三のゾーン1154は、協働して、物理的解剖モデル1160内の標的ゾーン1148に連結し得る。標的ゾーン1148は、標的ゾーン448に対応し得る。警告ゾーン1150は、それぞれの警告ゾーン450に対応し得る。第三のゾーン1154は、第三のゾーン454に対応し得る。構成は、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色に対応するそれぞれの色を割り当てられた標的ゾーン1148を形成するために利用され得る。構成は、標的ゾーン1148に関連付けられる自然色との視覚コントラストを確立する、それぞれの人工色を割り当てられた警告ゾーン1150を形成するために利用され得る。各警告ゾーン1150は、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色とは異なり得るそれぞれの人工色を有し得る。
【0140】
外科医は、物理的解剖モデル1160に一つ以上の修正を実施してもよい。外科医は、関節接合表面1160ASまたは解剖モデル1160の別の外表面に対して、様々な角度または配向(
図24~25の破線で示される異なる配向)でリーミング操作を実施し得る。関節接合表面1160ASは、関節窩面などの骨の関節面を表し得る。リーミング操作は、標的ゾーン1148および/または警告ゾーン1150のうちの一つ以上を露出または明らかにし得る。標的ゾーン1148および警告ゾーン1150は、外科医が材料を通してリーミングするために異なる量の圧力を加える必要があり得るように、異なる弾性係数を有する材料で形成され得る。実装では、標的ゾーン1148は、一つ以上の警告ゾーン1150の弾性係数よりも大きくてもよい弾性係数を有し得る。警告ゾーン1150の弾性係数は、標的ゾーン1148からのそれぞれの警告ゾーン1150のオフセットに対して漸進的に減少し得る。
【0141】
図26~27は、物理的解剖モデルのグレースケール画像である。物理的解剖モデルは、関節窩に沿って切開された肩を表し得る。切断は、骨の皮質領域および海綿骨領域を表す材料を露出し得る。材料は、海綿骨領域の周囲の周りに確立された警告ゾーンを含み得る。
【0142】
図28は、別のアセンブリ(例えば、訓練装置)1268を図示する。アセンブリ1268は、物理的解剖モデル1260を組み込み得る。物理的解剖モデル1260は、骨または関節などの解剖学的構造を表す本体1260Bを含み得る。
【0143】
物理的解剖モデル1260は、骨および神経組織を含む隣接する組織に関連するフィードバックを提供するように構成され得る。高齢患者については、関節が動くと過張力が生じる場合がある。物理的解剖モデル1260は、相互作用に応答して、パチッという音を生成するように構成され得る。実装では、代表的な骨であり得る物理的解剖モデル1260の特定の部分は、折れるように構成され得る。これは、例えば、外科医が、特定の可動域にわたって代表的な関節を動かそうと試みたときに生じ得る。例えば、8mmの側性化は、若年患者に好適であり得るが、高齢患者には好適ではない場合がある。肩の修復中、外科医は、上腕骨の周りに延在する軸神経を考慮し得る。患者は、軸神経の過張力(例えば、開創器の使用による)による麻痺を経験し得る。
【0144】
様々な技術を利用して、スナップ機能を確立してもよい。所定の力では、軟組織(例えば、筋肉、神経など)または骨組織の変形は永久的であり得る。破断線BLは、本体1260Bまたは物理的解剖モデル1260の別の部分(例示の目的で破線で示される)に形成され得る。破断線BLは、ノッチ、材料の低減、および/または密度の低減によって確立され得る。
【0145】
物理的解剖モデル1260の本体1260Bは、一つ以上の標的ゾーン1248および一つ以上の警告ゾーン1250を組み込み得る。標的ゾーン1248は、表示部材1276からの距離(例示の目的で破線で示される)を確立され得る。表示部材1276は、標的ゾーンとして機能してもよく、または警告ゾーンもしくはインジケータとして機能してもよい。表示部材1276は、標的ゾーン1148(1148’で示される)を確立し得る。一つ以上の警告ゾーン1250は、表示部材1276に沿って延在し得る。
【0146】
一つ以上の表示部材1276は、本体1260B内に埋め込まれてもよく、または本体1260Bに沿って延在してもよい。表示部材1276は、解剖学的構造の神経を表し得る。表示部材1276は、所定の基準を満たすことに応答してインジケータを生成するように構成され得る。表示部材1276は、スナップ機能を確立するように構成され得る。表示部材1276は、エラストマーなどの可撓性材料によって形成され得る。表示部材1276は、表示部材1276を所定の限度を超えて伸張または張力をかけることに応答して折れるように構成され得る。
【0147】
他の実装では、表示部材1276は、歪みゲージまたは電子回路などのゲージ1278に結合されたケーブルであってもよい。歪みゲージ1278は、表示部材1276の張力に応答し得る。所定の基準は、表示部材1276に張力をかけることに関連付けられた所定の閾値を含み得る。所定の閾値は、代表的な神経の永久的な変形または代表的な骨の折れを引き起こすのに十分な力の量と関連付けられてもよい。ゲージ1278は、所定の閾値または他の所定の基準が満たされるのに応答して、可聴信号(例えば、ブンブンという音)または視覚信号(例えば、発光ダイオードの照明)を生成してもよく、これは、過剰な張力が表示部材1276に適用されたことを示し得る。
【0148】
実装では、表示部材1276は、曝露されたワイヤ、または金属もしくは合金の一つ以上の層などの導電性材料を含み得る。表示部材1276は、プラスチック材料などの非導電性材料上に形成され得る。本体1260Bは、表示部材1276の周辺の周りに印刷されてもよく、もしくは別の方法で形成されてもよく、または表示部材1276は、本体1260Bが形成された後に挿入され得る。表示部材1276は電気信号と関連付けられてもよい。表示部材1276は、表示部材1276と金属器具などの導電性装置との間の接触に応答して電気信号を確立するように構成され得る。表示部材1276は、物理的解剖モデル1260の本体1260B内への縫合糸の縫い込みなどの他の構成を有し得る。
【0149】
図29は、別の物理的解剖モデル1360を示す。物理的解剖モデル1360は、上腕骨の一部分などの骨と関連付けられてもよい。物理的解剖モデル1360は、仮想的解剖モデル629、ならびに標的ゾーン648および警告ゾーン650(
図14を参照)を含む関連パラメータに関連付けられた構成など、システム120(
図2)によって確立される構成に従って形成され得る。解剖モデル1360は、部分1362、1364/1366を含み得る。部分1362は、本体1360Bを確立してもよく、骨組織を表し得る。部分1364/1364は、部分1362上に形成されてもよく、一つ以上の繊維1380を含み得る。繊維1380は、腱、靭帯、または筋組織などの軟組織を表し得る。各繊維1380は、コア1380Cおよびシース1380Sを含んでもよく、これは繊維656のそれぞれのコア656Cおよびシース656Sに従って構成されてもよい(
図14)。
【0150】
コア1380Cは、一つ以上の警告ゾーン1350を確立し得る。一つ以上の標的ゾーン1348は、隣接する繊維1380の間に確立され得る。標的ゾーン1348は、隣接する繊維1380間の経路を表し得る。実装では、隣接する繊維1380のシース1380Sは、それぞれの標的ゾーン1348を確立し得る。
【0151】
外科医は、物理的解剖モデル1360に一つ以上の修正を実施してもよい。外科医は、基準面REF4および/または基準面REF5に沿って、繊維1380をメスなどの器具で分離し得る。基準面REF4は、標的ゾーン1348のうちの一つ以上と交差してもよい。基準面REF5は、警告ゾーン1350のうちの一つ以上と交差してもよい。繊維1380を基準面REF4に沿って分離することは、
図30の物理的解剖モデル1360’によって図示されるように、警告ゾーン1350を露出または明らかにすることを回避し得る。繊維1380’を分離することは、繊維を実質的に無傷のまま残しながら、靭帯、腱、または筋組織の繊維を分離または分割することを表し得る。繊維1380を基準面REF5に沿って分離することは、
図31の物理的解剖モデル1360”によって図示されるように、警告ゾーン1350のうちの一つ以上を露出し得る。警告ゾーン1350”を露出または明らかにすることは、靭帯、腱、または筋組織の繊維を切断することを表し得る。
【0152】
図32の実装では、物理的解剖モデル1460は、本体1460B上に形成されるか、または別の方法で本体1460Bに沿って配置された一つ以上のシート1482を含み得る。本体1460Bは、部分1462を確立し得る。シート1482は、それぞれの部分1464/1466を確立し得る。シート1482は、それぞれの標的ゾーン1448および/または警告ゾーン1450を確立し得る。シート1482は、一つ以上の標的ゾーン1448および警告ゾーン1450を確立するために、様々なパターンで配置され得る。実装では、シート1482の組は、標的ゾーン1448の列または行を確立し得る。シート1482の隣接する組は、警告ゾーン1450の列または行を確立し得る。シート1482の隣接する組は、警告ゾーン1450-1、1450-2によって図示されるように、標的ゾーン1448から異なる距離でオフセットされた警告ゾーン1450を確立するように配置され得る。シート1482は、本明細書に開示される材料のいずれかで作製されてもよく、比較的柔軟性があってもよい。
【0153】
図2を引き続き参照しながら、
図33を参照すると、システム120は、外科医にフィードバックを提供するように構成された計画特徴との比較を含み得る。外科医は、物理的解剖モデル1560に一つ以上の修正を実施してもよい。物理的解剖モデル1560は、物理的解剖モデル1160と実質的に同じ幾何学的形状および構造を有してもよいが、標的ゾーン1148および警告ゾーン1150を省略してもよい(
図25)。外科医は、関節窩の関節面の一部分の切除をシミュレーションし得る、モデル1560上のリーミング操作(破線で示す)を実施し得る。切除は、第一の領域R1および第二の領域R2を露出し得る。第一の領域R1は、実質的に固体であってもよい。第二の領域R2は、比較的多孔性であってもよい。第一の領域R1は、皮質骨を表し得る。第二の領域R2は、海綿骨を表し得る。解剖モデル1560の実装では、第一の領域R1および第二の領域R2の各々は、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色に対応する色を有し得る。
【0154】
一つ以上の撮像装置1584(例示の目的で破線で示す)は、物理的解剖モデル1560の幾何学的形状および外科医による任意の修正を捕捉するように構成され得る。撮像装置1584は、モデル1560の周りのアレイに配置された一つ以上のカメラを含み得る。解剖モデル1560は、撮像装置1584でスキャンされ、一つ以上のデジタル画像にデジタル化され得る。
【0155】
図2および
図33を引き続き参照しながら、
図34を参照すると、空間モジュール137は、撮像装置1584からのデジタル画像に基づいて、一つ以上の修正された仮想的解剖モデル1529を生成するように構成され得る。表示モジュール136は、ユーザインターフェース1542の表示窓1544-13、1544-14に、修正された仮想的解剖モデル1529を表示するように構成され得る。
【0156】
比較モジュール138は、モデル1560に関連付けられた画像および/または修正された仮想的解剖モデル1529を外科手術計画131と比較して、物理的解剖モデル1560を利用して外科医によって外科手術計画131がどの程度正確に実施されたかを決定するように構成され得る。比較モジュール138は、軌道および配置などの様々な基準を利用して決定し得る。実装では、比較モジュール138は、表示モジュール136に、修正によって物理的解剖モデル1560に露出された各標的ゾーン1548、警告ゾーン1550、および/または第三のゾーン1554の部分を表示させ得る。露出標的ゾーン1548は、第一の領域R1と関連付けられてもよく、露出された警告ゾーン1550は、物理的解剖モデル1560の第二の領域R2と関連付けられてもよい。
【0157】
比較モジュール138は、確立された標的ゾーン448および警告ゾーン450および他のパラメータ(
図12)を含め、物理的解剖モデル1560の一つ以上の修正を、物理的解剖モデル1560の構成を確立するのに利用される元の仮想的解剖モデル429と比較するように構成され得る。比較モジュール138は、仮想的解剖モデル1529によって表される物理的解剖モデル1560の一つ以上の修正を、関連する仮想的解剖モデル429と比較するように構成され得る。
【0158】
比較モジュール138は、一つ以上の修正が所定の閾値を満たすことに応答して、グラフィカルユーザインターフェース1542内に一つ以上のインジケータPIを生成するように構成され得る。テキストおよびグラフィカルインジケータを含む、様々なインジケータPIを利用してもよい。警告ゾーン1550の容積および標的ゾーン1548からのオフセットは、それぞれの閾値を確立し得る。警告ゾーン1550は、インジケータPIを確立するそれぞれの視覚的インジケータVIと関連付けられてもよい。実装では、ユーザインターフェース1542は、インジケータPIとして機能するグラフィック1546Iを含み得る。
【0159】
実装では、外科医は、情報が古い場合がある過去の教育または訓練に基づいて、物理的解剖モデル1560上で外科手術処置を実施してもよい。システム120は、それぞれの結果に関連付けられた材料を含む訓練計画を生成するように構成され得る。計画システム120(
図2)は、外科医を教育するために、比較的より最近の文献を外科医に提示するように構成され得る。文献は、どの警告ゾーン1550が外科医によって係合され得るかに基づいて、外科医に合わせるまたは提示され得る。実装では、ポップアップウィンドウは、警告ゾーン1550の特定の一つと係合することに応答して生成され得る(例えば、外科医がゾーン1550-2と係合する場合)。外科医、アシスタント、または他のユーザは、ボタン1546Bまたはユーザインターフェース1542の別の部分と相互作用して、訓練材料を検討してもよい。外科医は、物理的解剖モデル1560の別のインスタンスを利用して処置を繰り返して、新しい技術または製品を含めて、訓練を検証してもよい。
【0160】
システム120は、外科医のグループについてデジタル化された結果を比較するために利用され得る。システム120は、共通の外科手術計画131に関連付けられた共通の物理的解剖モデルのインスタンスを生成するために利用され得る。外科医による共通の物理的解剖モデルに対する修正は、外科手術処置、器具、装置などを検証または別の方法で評価するために比較され得る。
【0161】
図35は、別の物理的解剖モデル1660を示す。物理的解剖モデル1660は、脛骨などの長い骨であってもよい。外科医は、物理的解剖モデル1660に一つ以上の修正を実施してもよい。例えば、外科医は、モデル1660上の基準面REF6に沿って切除を実施して、モデル1660の材料の一部分を除去してもよく、これは骨の関節面の一部分を切除することをシミュレーションし得る。材料を除去することは、
図36に示すように、修正された物理的解剖モデル1660’を確立し得る。撮像装置1684(例示の目的で破線で示す)は、修正を含む物理的解剖モデル1660’の幾何学的形状を捕捉するように構成され得る。
【0162】
図2および
図35~36を引き続き参照しながら、
図37を参照すると、修正された仮想的解剖モデル1629は、撮像装置1684からのデジタル画像に基づいて生成されるように構成され得る。表示モジュール136は、修正された仮想的解剖モデル1629を表示窓1644-16に、および関連する元の仮想的解剖モデル129を表示ウィンドウ1644-15に表示するように構成され得る。比較モジュール138は、修正された物理的解剖モデル1660’に関連付けられた画像および/または修正された仮想的解剖モデル1629を外科手術計画131の元の仮想的解剖モデル129と比較して、物理的解剖モデル1660を利用して外科医によって外科手術計画131がどの程度正確に実施されたかを決定するように構成され得る。比較モジュール138は、指定された基準面REF7および/または他のパラメータを含め、物理的解剖モデル1660の一つ以上の修正を、物理的解剖モデル1660の構成を確立するのに利用される元の仮想的解剖モデル129と比較するように構成され得る。
【0163】
比較モジュール138は、仮想的解剖モデル1629によって表される修正された物理的解剖モデル1660’を、関連する仮想的解剖モデル129の所定の幾何学的形状と比較するように構成され得る。実装では、基準面REF7は、仮想的解剖モデル129の長手方向軸Aに対する計画された切除面を表し得る。基準面REF7は、長手方向軸Aに対して角度αを確立し得る。基準面REF6は、物理的解剖モデル1660への切除によって形成される実際の切除面を表し得る。基準面REF6は、長手方向軸Aに対して角度βを確立し得る。角度α、βは、「内反/外反角度」と呼ばれ得るか、または近位脛骨、遠位大腿骨、遠位上腕骨などの「後傾角」とも呼ばれ得る。角度α、βは、近位大腿骨、上腕骨頭部などに対して、「頭-頸部-骨幹(CCD)角度」または「頚体角」とも呼ばれ得る。比較モジュール138は、角度α、βの間の差を決定するように構成され得る。比較モジュール138は、物理的解剖モデル1660の除去された部分が所定の閾値を満たすことに応答して、インジケータPIを生成するように構成され得る。実装では、第一の所定の閾値は、角度α、βが絶対的に3パーセントよりも大きい間の差であってもよい。二つ以上の所定の閾値を利用してもよい。実装では、第二の所定の閾値は、角度α、βが絶対的に5パーセントよりも大きい間の差であってもよい。
【0164】
インジケータPIは、一つ以上のグラフィック1646I、1646Gを含み得る。グラフィック1646Gは、角度α、β間の差の値を表示するように構成され得る。グラフィック1646Iは、角度α、βの差が所定の閾値を超えるかどうかを示すように構成され得る。
【0165】
図38は、外科手術処置のための訓練アセンブリ1786を示す。訓練アセンブリ1786は、物理的解剖モデル1760の一つ以上の修正を、本明細書に開示されるパラメータのいずれかを含めて、物理的解剖モデル1760の構成を確立するのに利用される仮想的解剖モデル129(
図2)と比較するように構成された測定装置1788を含み得る。
【0166】
測定装置1788は、基部1789、タワー1790、およびアウトリガー1791を含み得る。タワー1790は、基部1789から第一の(例えば、垂直)方向Yに延在し得る。アウトリガー1791は、タワー1790から第二の(例えば、水平)方向Xに横方向に延在し得る。アウトリガー1791は、基部1789に沿った所定の位置Pの上に位置するルーラー1792を含み得る。ルーラー1792は、所定の位置で基部1789の上に、アウトリガー1791から懸架され得る。ルーラー1792および/またはアウトリガー1791は、基部1789およびタワー1790に対して移動可能であってもよい。基部1789は、テーブル上部または別の静止構造上に位置付けられてもよい。
【0167】
物理的解剖モデル1760は、解剖学的構造を表す構造を有する本体1760Bを含み得る。本体1760Bは、第一の端部分1760Aと第二の端部分1760Cとの間に延在してもよい。
【0168】
一つ以上のマーカー(例えば、インジケータ)Mは、装置1788に対してモデル1760を位置付けるために、解剖モデル1760の表面に沿って形成され得る。各マーカーMは、モデル1760の軸Aに対して所定の位置および配向で確立され得る。マーカーMは、第一のマーカーM1および第二のマーカーM2を含み得る。第一のマーカーM1は、モデル1760の第一の端部分1760Aに沿って形成され得る。第二のマーカーM2は、モデル1760の第二の端部分1760Cに沿って形成され得る。第一のマーカーM1は、第二のマーカーM2がルーラー1792に沿った位置と整列され得るように、所定の位置Pと実質的に整列され得る。
【0169】
基部1789は、マーカーM2がルーラー1792に沿った位置と整列され得るように、所定の位置Pで本体1760Bの第一の端部分1760Aに沿って切除された表面1760Rを支持するように寸法設定され得る。本体1760Bの切除された部分は、解剖学的構造の皮質骨を表し得る第一の領域と、解剖学的構造の海綿骨を表し得る第二の領域と、を含み得る(例えば、
図21を参照)。実装では、第一の端部分1760Aは、第一の領域および/または第二の領域を含み得る。第一の領域は、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色とは異なる人工色を有してもよい少なくとも一つの警告ゾーンを含み得る(例えば、
図33を参照)。
【0170】
ルーラー1792は、印1792Iを含み得る。印1792Iによって確立されたルーラー1792に沿った各位置は、装置1788の軸Lに対するそれぞれの角度と関連付けられてもよい。軸Lは、所定の位置Pから第一の方向Yに延在してもよい。軸Lは、所定の位置Pを通って延在してもよく、所定の位置Pに対して実質的に垂直であってもよい。
【0171】
外科医は、印1792Iに対するマーカーM2の位置に基づいて、切除された表面1760Rとモデル1760の軸Aとの間に確立された角度βを評価し得る。例えば、角度βは、
図39の物理的解剖モデル1760’の切除された表面1760R’に関連付けられた角度βより小さくてもよい。装置1788は、撮像装置を用いた切除を評価することなく、切除によって形成される角度βに関するフィードバックを外科医に提供するように機能し得る。外科医は、モデル1760に一つ以上の追加の修正を行って、新しい切除された表面1760Rを確立してもよく、次いで、関連する角度βの変化を評価してもよい。
【0172】
図40は、外科手術処置を実施する例示的な計画方法をフローチャート1894で図示する。方法1894は、肩、足首、膝、腰、および進行性軟骨疾患を有する他の関節に対する機能を回復させるための関節形成処置などの様々な外科手術処置について、術前に計画、練習、および/または訓練するために利用され得る。方法1894は、本明細書に開示される計画システムおよび仮想および物理的解剖モデルのいずれかで利用され得る。方法1894は、外科医が患者の解剖学的構造に関連付けられた物理的解剖モデルに外科手術処置を実施する精度を評価するために利用され得る。より少ない工程または追加的な工程が下記に列挙され、本開示の範囲内で実施することが可能であり、また列挙される工程の順序は、本開示を限定することを意図するものではない。例示的な目的のために、システム120およびユーザインターフェース142を参照する。
【0173】
図40を引き続き参照しながら、
図2を参照すると、工程1894-1で、一つ以上の仮想的解剖モデル129が生成され得る。各仮想的解剖モデル129は、患者の解剖学的構造と関連付けられてもよく、本明細書に開示される技術のいずれかを利用して生成され得る。
【0174】
図2および36を引き続き参照しながら、
図3を参照すると、工程1894-2で、一つ以上の仮想的解剖モデル129は、仮想的解剖モデル129の組から選択され得る。仮想的解剖モデル129は、データベース128または計算装置132のメモリ134など、計算装置のメモリに記憶され得る。仮想的解剖モデル129を選択することは、仮想的解剖モデル129の組に関連付けられた様々なパラメータから選択することを含み得る。パラメータは、患者分類および欠陥カテゴリーを含む、本明細書に開示されるパラメータのいずれかを含み得る。パラメータは、グラフィカルユーザインターフェース142とのユーザの相互作用に応答して選択され得る。仮想的解剖モデル129は、骨、靭帯、腱、軟骨などを含む、本明細書に開示される解剖学的構造および組織タイプのいずれかを含み得る。
図2および
図40を引き続き参照しながら、
図5を参照すると、工程1894-3で、選択された仮想的解剖モデル129は、グラフィカルユーザインターフェース142で閲覧することができる。
【0175】
図2および
図40を引き続き参照しながら、
図6を参照すると、工程1894-4で、一つ以上のインプラントモデル130は、選択された仮想的解剖モデル129に対して選択および位置付けられ得る。各インプラントモデル130は、インプラントモデル130の組から選択され得る。インプラントモデル130は、データベース128または計算装置132のメモリ134など、計算装置のメモリに記憶され得る。インプラントモデル130は、本明細書に開示されるインプラントのいずれかと関連付けられてもよい。
【0176】
工程1894-5では、仮想的解剖モデル129のうちの一つ以上の態様が定義され得る。各仮想的解剖モデル129は、工程1894-1で仮想的解剖モデル129を生成する前、間、および/または後に定義されてもよく、および/または工程1894-2で仮想的解剖モデル129を選択してもよい。仮想的解剖モデル129を定義することは、本明細書に開示されるパラメータのいずれかを含む、仮想的解剖モデル129の一つ以上のパラメータを設定することを含み得る。パラメータは、
図7~8に示すように、グラフィカルユーザインターフェース142とのユーザの相互作用に応答して選択され得る。パラメータは、一つ以上の標的ゾーン148および/または警告ゾーン150と関連付けられてもよい(
図8)。
【0177】
工程1894-5は、
図7の標的ゾーン148によって図示されるように、ステップ1894-5Aで一つ以上の標的ゾーンを確立することを含み得る。工程1894-5は、
図8の警告ゾーン150によって図示されるように、工程1894-5Bで一つ以上の警告ゾーンを確立することを含み得る。標的ゾーン148および警告ゾーン150は、開示された幾何学的形状、配置、ならびに視覚コントラストおよびカラースキームのいずれかを含む、本明細書に開示される技術のいずれかを利用して確立され得る。
【0178】
工程1894-6で、一つ以上の構成(例えば、定義)が生成され得る。各構成は、物理的解剖モデルと関連付けられてもよく、本明細書に開示される技術のいずれかを利用して生成され得る。構成は、選択された仮想的解剖モデル129を表してもよい。各構成は、工程1894-2でそれぞれの仮想的解剖モデル129を選択すること、および/または工程1894-5で選択された仮想的解剖モデル129を定義することに応答して生成され得る。構成は、任意の標的ゾーン148および警告ゾーン150を含む、選択された仮想的解剖モデル129に関連付けられた任意のパラメータの選択または仕様に従って確立されてもよい(例えば、
図7~8を参照)。構成は、座標情報、関連する組織の弾性係数、標的ゾーンおよび警告ゾーンに関連付けられたカラースキームなどを含む、選択された仮想的解剖モデル129のパラメータに基づいて、物理的解剖モデルを確立するのに十分なデータおよび他の情報を含み得る。
【0179】
工程1894-7で、一つ以上の物理的解剖モデルが、生成された構成に基づいて作製されるか、または別の形で形成され得る。各物理的解剖モデルは、本明細書に開示される技術のいずれかを利用して形成され得る。
図41の実装では、材料の一つ以上の層1895は、物理的解剖モデル1860を確立するために、基材1896上に印刷されるか、または別の形で形成される。物理的解剖モデル1860は、仮想的解剖モデルを表し得る。三次元プリンタなどの装置1897は、それぞれの構成に関連付けられたデータおよびその他の情報(例示の目的で破線で示す)に従って層1895を形成するように構成され得る。材料の層1895は、本明細書に開示される構造、材料、着色、テクスチャ、多孔率などのうちのいずれかを含み得る。材料の層1895は、解剖学的構造のそれぞれの生体材料の弾性係数に実質的に対応するそれぞれの弾性係数を有し得る。
【0180】
物理的解剖モデル1860を形成する材料の多孔率は、それぞれの組織の多孔率または密度に実質的に近似し得る。実装では、多孔率は、特定の技術に対して合わせてまたは変更され得る。密度は、解剖学的サイズおよび/または病理とは無関係に変化し得る。物理的解剖モデルによって表される骨密度の不良は、外科医に、骨に埋め込むための特定のインプラントを選択するように促し得る。外科医が上腕骨頭部の物理的解剖モデルを切除する場合、外科医は、代表的な骨の軟らかさを感じ、スキャンされた画像に表される可能性が高い代表的な骨の暗さを見ることによって、視覚的または触覚的な応答を取得し得る。外科医が、骨密度が不良な骨への移植のためにステムレスデバイスを選択する場合、外科医は、修正された物理的解剖モデルの観察を通して選択が有益ではない場合がある理由を理解する場合がある。フィードバックは、外科医に、骨質に基づいてステムベースの装置を選択させ得る。別の訓練セッションでは、外科医は、比較的より高密度の骨を表す物理的解剖モデルを提示され得る。外科医は、切除された骨を表す表面を感じる場合があり、外科医は、感覚に基づいて、代表的な骨が比較的より高密度であると決定してもよく、これが外科医にステムレスインプラントを選択するように促す場合がある。本明細書に開示される技術を利用して、外科医は、感覚に基づいてインプラント選択を行う機会を有し、物理的解剖モデルを可視化し得る。
【0181】
工程1894-7は、物理的解剖モデル1860を確立するために、材料の層1895を形成することを含み得る。層1895は、同時および/または連続的に形成され得る。各層1895は、均一または不均一であってもよい。不均一の層は、それぞれの組織タイプ、密度、多孔率、色などに関連する異なる領域を組み込み得る。工程1894-7は、
図25の物理的解剖モデル1160の標的ゾーン1148および警告ゾーン1150によって図示されるように、一つ以上の標的ゾーン、および/または標的ゾーンの境界を定める一つ以上の警告ゾーンを確立するために、互いの上に材料の層1895を印刷することを含み得る。警告ゾーン1150は、警告ゾーン1150が標的ゾーン1148から異なる距離でオフセットされるように、積み重ねられた関係で形成され得る。層1195は、警告ゾーン1150が標的ゾーン1148を実質的に取り囲み得るように形成され得る。標的ゾーンおよび警告ゾーンは、本明細書に開示されるカラースキーム、視覚コントラスト、および他のインジケータのいずれかを確立するように形成され得る。各標的ゾーンは、解剖学的構造のそれぞれの部分の自然色に対応し得る色を有し得る。各警告ゾーンは、標的ゾーン1148および警告ゾーン1150によって図示されるように、標的ゾーンに関連付けられる自然色との視覚コントラストを確立し得る、それぞれの人工色を有し得る。警告ゾーンの人工色は、標的ゾーン1148および警告ゾーン1150によって図示されるように、視覚コントラストを確立するために互いに異なってもよい。
【0182】
他の実装では、工程1894-7は、
図18の部分964、966および関連する繊維によって図示されるように、束で配置され得る一つ以上の繊維を形成することを含み得る。
【0183】
工程1894-8で、物理的解剖モデルは、位置付けられてもよく、または別の方法で準備され得る。
図18に示すように、物理的解剖モデル960は、アセンブリ968を確立するために、一つ以上の固定具970に固定され得る。
【0184】
工程1894-9で、物理的解剖モデルに対する一つ以上の修正が実施され得る。工程1894-9は、物理的解剖モデルの一部分を除去して、修正された物理的解剖モデルを確立することを含み得る。一つ以上の切開、切削、ドリリング、リーミング、切除、および移植の作業(例えば、
図20~21を参照)などの本明細書に開示される修正のいずれかを含む、解剖学的構造上で実施される外科手術をシミュレーションするために、様々な修正が実施され得る。各修正は、物理的解剖モデルの幾何学的形状を永久的に変更することをもたらし得る。工程1894-9は、
図24~25の物理的解剖モデル1160および
図31の物理的解剖モデル1360”によって図示されるように、物理的解剖モデルの一部分を除去して、一つ以上の警告ゾーンを露出させることを含み得る(
図26~27も参照)。
【0185】
工程1894-10で、物理的解剖モデルに対する修正は、本明細書に開示される技術のいずれかを利用して評価され得る。工程1894-10は、
図32の物理的モデル1560および
図34の修正された仮想モデル1529によって例示されるように、修正された物理的解剖モデルに基づいて仮想的解剖モデルを生成することを含み得る(
図36~37のモデル1660’および1629も参照)。工程1894-10は、
図34および37に示すように、修正された物理的解剖モデルを仮想的解剖モデルの所定の幾何学的形状と比較することを含み得る。工程1894-10は、本明細書に開示されるインジケータのいずれかを含む、工程1894-10Aで一つ以上のインジケータを生成することを含み得る。インジケータは、
図34および
図37に示すように、一つ以上の所定の閾値など、本明細書に開示される所定の基準のいずれかを満たす物理的解剖モデルの除去された部分に応答して生成され得る。物理的解剖モデルに対する修正を評価することは、
図37の測定装置1788に対して、修正された物理的解剖モデルを位置付けることを含み得る。
【0186】
本開示の新規な装置および方法は、物理的解剖モデルを利用した外科手術処置の計画、練習、および訓練における多用途性を提供する。物理的解剖モデルは、様々な分類および欠陥に関連付けられた解剖学的構造を含む、様々な解剖学的構造を表し得る。外科医は、開示されたシステムと相互作用して、外科手術計画を実施するために利用され得る、選択された解剖学的構造および様々な外科手術処置に精通し得る。物理的解剖モデルは、様々な組織タイプを表してもよく、標的ゾーンおよび警告ゾーンを含む一つ以上のインジケータを組み込み得る。インジケータは、外科医が物理的解剖モデルに外科手術処置を実施する精度を決定するのを補助し得る。
【0187】
異なる非限定的な実施形態が、特定の構成要素または工程を有するものとして例示されているが、本開示の実施形態は、それらの特定の組み合わせに限定されない。非限定的な実施形態のいずれかからの構成要素または特徴のいくつかを、他の非限定的な実施形態のいずれかからの特徴または構成要素と組み合わせて使用することが可能である。
【0188】
当然のことながら、同様の参照符号は、いくつかの図面全体を通して、対応する要素または同様の要素を特定する。さらに当然のことながら、これらの例示的な実施形態では、特定の構成要素の配置が開示され、また図示されるが、他の配置もまた、本開示の教示から恩恵を受けることができる。
【0189】
前述の記述は、例示的であるとして解釈されるべきであり、いかなる限定的な意味でも解釈されるべきではない。当業者は、ある特定の修正が、本開示の範囲内になる場合があることを理解するであろう。これらの理由により、以下の特許請求の範囲が、本開示の真の範囲および内容を決定するために検討されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的ゾーンと、解剖学的構造を表す構造を確立するように協働する、前記標的ゾーンに隣接する一つ以上の警告ゾーンと、を含む本体、を含み、
前記標的ゾーンが、前記解剖学的構造のそれぞれの部分に関連付けられた特性を有し、
各警告ゾーンが、前記解剖学的構造のそれぞれの部分の天然特性とは異なる、また前記標的ゾーンの前記特性とは異なる、それぞれの特性を有する、物理的解剖モデル。
【請求項2】
前記警告ゾーンの前記特性が、色、陰影、蛍光、発光、材料特性、弾性係数、密度、多孔率、導電率、触覚特性、および可聴特性のうちの少なくとも一つに関して、前記標的ゾーンの前記特性とは異なる、請求項1に記載の物理的解剖モデル。
【請求項3】
前記標的ゾーンの前記特性が、前記解剖学的構造の前記それぞれの部分の自然色に対応する色を含み、各警告ゾーンの前記特性が、前記解剖学的構造の前記それぞれの部分の自然色とは異なり、前記標的ゾーンに関連付けられる前記自然色との視覚コントラストを確立する、それぞれの人工色を含む、請求項1に記載の物理的解剖モデル。
【請求項4】
前記一つ以上の警告ゾーンが、積み重ねられた関係にある複数の層に対応する複数の警告ゾーンである、請求項1に記載の物理的解剖モデル。
【請求項5】
前記層の前記人工色が、互いに異なる、請求項4に記載の物理的解剖モデル。
【請求項6】
前記複数の層が、前記標的ゾーンを実質的に取り囲む、請求項4または5に記載の物理的解剖モデル。
【請求項7】
前記標的ゾーンが、前記本体の外表面に沿って入口点を確立する基部を有する円錐台形状を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の物理的解剖モデル。
【請求項8】
前記複数の層が、前記本体の外表面とは異なる深さでオフセットされる、請求項4~7のいずれか一項に記載の物理的解剖モデル。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の物理的解剖モデルであって、
前記標的ゾーンが、前記外表面を確立し、前記解剖学的構造に関連付けられた皮質骨を表し、
前記本体が、前記解剖学的構造に関連付けられた海綿骨を表す第三のゾーンを含み、
前記複数の層が、前記警告ゾーンが前記標的ゾーンと前記第三のゾーンとの間に確立されるように配置される、物理的解剖モデル。
【請求項10】
前記複数の層が、第一の組の層および第二の組の層を含み、前記標的ゾーンが、前記第一の組の層と前記第二の組の層との間に確立される、請求項4~6のいずれか一項に記載の物理的解剖モデル。
【請求項11】
前記標的ゾーンが、前記本体の外表面から内向きに延在し、前記一つ以上の警告ゾーンが、前記外表面の下に確立される、請求項1~10のいずれか一項に記載の物理的解剖モデル。
【請求項12】
前記標的ゾーンおよび前記一つ以上の警告ゾーンが、前記解剖学的構造に関連付けられた骨組織を表す、請求項1~11のいずれか一項に記載の物理的解剖モデル。
【請求項13】
前記本体が高分子材料を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の物理的解剖モデル。
【請求項14】
請求項1~6のいずれか一項に記載の物理的解剖モデルであって、
前記標的ゾーンおよび前記一つ以上の警告ゾーンが、前記解剖学的構造に関連付けられた軟組織を表す、物理的解剖モデル。
【請求項15】
請求項14に記載の物理的解剖モデルであって、
前記軟組織が筋組織を含み、
前記本体が、前記筋組織を表す繊維の束を含み、前記繊維のうちの一つ以上が、前記警告ゾーンのそれぞれの一つを確立し、前記標的ゾーンが、前記繊維の隣接する対の間に確立される、物理的解剖モデル。
【請求項16】
前記繊維の各々が、エラストマー材料を含む、請求項15に記載の物理的解剖モデル。
【請求項17】
請求項15または16に記載の物理的解剖モデルであって、
前記繊維の束が、第一の組の繊維および第二の組の繊維を含み、前記第一の組の繊維が、前記標的ゾーンを確立し、前記第二の組の繊維の各繊維が、前記警告ゾーンのそれぞれの一つを確立する、物理的解剖モデル。
【請求項18】
請求項15または16に記載の物理的解剖モデルであって、
前記繊維の各々が、コアおよび前記コアを囲む外側シースを含み、
前記コアが、前記警告ゾーンのそれぞれの一つを確立する、物理的解剖モデル。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の物理的解剖モデルであって、前記構造が関節窩を表す、物理的解剖モデル。
【国際調査報告】