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特表2024-537230オストミー装具への接続のためのコネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】オストミー装具への接続のためのコネクタ
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/44 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A61F5/44 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521113
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 GB2022052790
(87)【国際公開番号】W WO2023079299
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】2115928.0
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510174727
【氏名又は名称】ソルツ ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】スミス、 リー
(72)【発明者】
【氏名】ジャシカ, エヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムス、 キーラン
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC24
4C098CD01
4C098DD23
(57)【要約】
オストミー装具1及びオストミー収集システムへの接続のためのコネクタ10である。コネクタ10は、排せつ物が通って流れることが許容される内部通路16によって接続される入口及び出口を有する導管12を含み、通路16に沿って構造部材14が延びる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オストミー装具への接続のためのコネクタであって、
排せつ物が通って流れることが許容される内部の通路によって接続された入口及び出口を有する導管を含み、
前記通路に沿って構造部材が延びる、コネクタが与えられる、コネクタ。
【請求項2】
前記構造部材は、前記通路の長さのほぼ半分に沿って延び、随意的に、前記構造部材はそれよりも長い長さに沿って延びる、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記導管の長さに沿って長手軸が画定され、前記構造部材は、前記軸を一般に横切るように動くことが許容される、請求項1又は2のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記構造部材は前記導管の中を自由に動く、請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記構造部材は、前記導管のいずれの部分にも固定されない、請求項3又は4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記構造部材はフィラメントである、請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記フィラメントは可撓性である、請求項6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記フィラメントは直径が、ほぼ1mmから2mmの間であり、好ましくはほぼ1.75mmである、請求項6又は7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記導管の直径と前記フィラメントの直径との比が、ほぼ32対7、又はほぼ40対7である、請求項6から8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記導管の直径はほぼ8mm又は 10mmである、請求項1から9のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記構造部材は、前記通路を分割して2以上のチャネルにするように形成され及び/又は位置決めされる、請求項1又は2に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記構造部材は前記通路にわたって径方向に延びる、請求項11に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記構造部材は、少なくとも2つの箇所において前記導管の内面に接触する、請求項11又は12に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記構造部材はスリーポインテッド・スター形状を形成し、好ましくは、スターのポイントのうち2以上が前記導管の内壁に接触する、請求項10から13のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記導管は可撓性であり、及び/又は前記導管はその長さに沿って実質的に一定の内径を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項16】
前記導管は熱可塑性エラストマー(TPE)から作られ、及び/又は前記構造部材はTPE、随意的に特にスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)、から作られる、請求項1から15のいずれか一項のコネクタ。
【請求項17】
前記導管の少なくとも一端が、前記導管の入口及び/又は出口の中に挿入されるアダプタデバイスを受容するように適合される、請求項1から16のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項18】
前記構造部材の長さが前記導管の長さよりも短いことにより、前記アダプタデバイスが、前記構造部材に邪魔されることなく前記入口及び/又は出口の中に延びる、請求項17に記載のコネクタ。
【請求項19】
オストミー装具への接続のためのコネクタであって、
排せつ物が通って流れることが許容される内部の通路によって接続された入口及び出口を有する導管を含み、
前記導管は多角形断面形状を有する、コネクタ。
【請求項20】
前記導管は、前記通路を画定する壁を有し、前記壁の内面と外面とが同じ断面形状を有する、請求項19に記載のコネクタ。
【請求項21】
前記導管は、前記入口及び/又は前記出口におけるアダプタデバイスの挿入を許容する適切な可撓性材料から形成され、好ましくは前記導管の材料は前記アダプタデバイスに対して封止し、前記導管と前記アダプタデバイスとの間の液体の浸出を抑制する、請求項19又は20に記載のオストミー装具。
【請求項22】
オストミー装具と、さらなる収集デバイスと、接続機構とを含むオストミー収集システムであって、
前記オストミー装具は、
ユーザのストーマまわりの装着のための接着部材と、
排せつ物を格納する収集容積と、
排せつ物が前記収集容積から出る出口と
を有し、
前記さらなる収集デバイスは、格納容器に接続されるインレットを含み、
前記接続機構は、請求項1から21のいずれか一項に記載のコネクタを含む、オストミー収集システム。
【請求項23】
オストミー装具と、さらなる収集デバイスと、接続機構とを含むオストミー収集システムであって、
前記オストミー装具は、
ユーザのストーマまわりの装着のための接着部材と、
排せつ物を格納する収集容積と、
排せつ物が前記収集容積から出る出口と
を有し、
前記さらなる収集デバイスは、格納容器に接続されるインレットを含み、
前記接続機構はコネクタを含み、
前記コネクタは、入口及び出口を有する導管を含み、前記出口は、排せつ物が通って流れることが許容される内部通路によって接続され、前記導管は、前記通路を画定する内面を有する壁によって形成され、前記内面は、内向き突出部材を含む、オストミー収集システム。
【請求項24】
前記導管の内面まわりに離間される2以上の内向き突出部材が存在し、随意的に前記内向き突出部材が、前記導管の連続的な波形内面を形成する、請求項23に記載のオストミー収集システム。
【請求項25】
前記内向き突出部材は、前記通路に沿って長手方向に延び、随意的に前記導管の全長の大部分に沿って延びる、請求項23又は24に記載のオストミー収集システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、オストミー装具への接続のためのコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
オストミー装具は、ストーマを持つユーザのための周知の医療デバイスである。一般に、装具は、ストーマを受容するための開口と、身体に接触して装具を所定位置に保持する接着部材とを有する。ストーマから出る排せつ物は、一緒に接続された2つの可撓性壁から形成される収集容積に収集される。多くの場合、装具は出口バルブを含み、ユーザは、装具全体を取り外して捨てる必要なしに、収集容積に収集された排せつ物を取り出して空にすることができる。
【0003】
時々ユーザは、例えば就寝しているときに、装具が空いている間の時間を延ばしたいと所望することがある。典型的には、ユーザが就寝している間に排せつ物を収容するべく大容量の袋が使用される。このシナリオにおいて、袋が排せつ物で満たされるようにするべく、出口バルブはチューブによって大容量の袋に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/176731号明細書
【特許文献2】国際公開第2017/127074号
【特許文献3】英国特許出願公開第2207902号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2003/018322号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態は、先行技術に関連する一以上の問題を軽減しようとする。
【0006】
本発明の第1側面によれば、オストミー器具への接続のためのコネクタであって、
排せつ物が通って流れることが許容される内部通路によって接続された入口及び出口を有する導管を含み、
通路に沿って構造部材が延びる、コネクタが与えられる。
【0007】
本発明の第2側面によれば、オストミー装具への接続のためのコネクタであって、
排せつ物が通って流れることが許容される内部通路によって接続された入口及び出口を有する導管を含み、
導管が多角形断面形状を有する、コネクタが与えられる。
【0008】
本発明の第3側面によれば、オストミー装具と、さらなる収集デバイスと、接続機構とを含むオストミー収集システムであって、オストミー装具は、
ユーザのストーマまわりの装着のための接着部材と、
排せつ物を格納する収集容積と、
排せつ物が収集容積から出る出口と
を有し、さらなる収集デバイスは、
格納容器に接続されるインレットを含み、
接続機構は、第1側面又は第2側面に係るコネクタを含む、オストミー収集システムが与えられる。
【0009】
本発明の第4側面によれば、オストミー装具と、さらなる収集デバイスと、接続機構とを含むオストミー収集システムであって、オストミー装具は、
ユーザのストーマまわりの装着のための接着部材と、
排せつ物を格納する収集容積と、
排せつ物が収集容積から出る出口と
を有し、さらなる収集デバイスは、
格納容器に接続されるインレットを含み、
接続機構はコネクタを含み、コネクタは、
入口及び出口を有する導管を含み、出口は、排せつ物が通って流れることが許容される内部通路によって接続され、導管は、通路を画定する内面を有する壁によって形成され、内面は、内向き突出部材を含む、オストミー収集システムが与えられる。
【0010】
本発明のこれらの側面に関するさらに好ましい特徴が、添付の特許請求の範囲に与えられる。
【0011】
本開示が容易に理解され得るようにするため、添付図面を参照して、その好ましい実施形態を、例としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】オストミー収集システムの説明図である。
図2】本開示の実施形態に係るコネクタの斜視図である。
図3】コネクタの部分切り取り図である。
図4A】使用中のコネクタの説明断面図である。
図4B】使用中のコネクタの説明断面図である。
図5】本開示の一実施形態に係るコネクタの断面図である。
図6A】本開示の一実施形態に係るコネクタの断面図である。
図6B】本開示の一実施形態に係るコネクタの断面図である。
図6C】本開示の一実施形態に係るコネクタの断面図である。
図6D】本開示の一実施形態に係るコネクタの断面図である。
図7】本開示の一実施形態に係るコネクタの断面図である。
図8】本開示の一実施形態に係るコネクタの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
オストミーデバイス1(又はオストミー装具)が、ユーザの(腹部領域の)ストーマまわりに装着されるように構成され、排せつ物がストーマから出るときに収集され得るようなる。オストミーデバイスは、接着性ウェハ、収集容積及び出口1aを含む。接着性ウェハは、ストーマが貫通する開口と、ユーザの皮膚にウェハを接着するのに適切な接着剤とを含む。収集容積が、2つの外壁から形成される。これらの外壁は、その周縁まわりに取り付けられて中に容積を画定する。ストーマ開口は収集容積に接続し、デバイスがユーザに装着されると、ストーマ開口においてストーマから出る排せつ物が収集容積に収集される。
【0014】
収集容積は出口1aに接続される。出口1aは、収集容積からの排せつ物を(例えばトイレ又は他の排せつ物容器の中に)ドレーンするべく選択的に開可能/閉可能である。出口1aは、デバイスの「テール」部分に形成される。「テール」部分は、主要収集容積と比べて狭くなっている。オストミーデバイス1から出る異なるタイプ/粘性の排せつ物に対応するように設計された異なる出口設計が存在する。
【0015】
本発明の実施形態は、液体の比率が高い排せつ物(例えばウロストミー又はイレオストミー)の使用に特に適している。この状況において、バルブ又はタップのデバイスが、所望に応じてオストミーデバイスから排せつ物を空にすることを許容する出口として使用される。
【0016】
出口1aは、収集システムのさらなる部品が取り付けられることを許容する機構を含む。収集システムは、コネクタ10を介してオストミーデバイスに接続される二次収集容積2を含む。これにより、排せつ物はオストミーデバイス1の中へと流れ、コネクタ10を通って二次収集容積2に至る。
【0017】
コネクタ10は導管12及び構造部材14を含む。導管12は、入口と、内部通路16(通路16とも称する)によって接続される出口とを含む。排せつ物は、この出口を通って流れることが許容される。
【0018】
導管12は、内面12a及び外面12bを有する壁によって形成される。内面12aが、内部通路16を画定する(すなわち通路16の外周を画定する)。外面12bは導管12の外側を形成する。いくつかの実施形態において、導管12は、その長さにわたって実質的に一定の直径を有する(すなわち通路16にわたって直径が実質的に一定である)。いくつかの実施形態において、導管12の壁が一定の厚さであるから、導管12の全体的な/外部の直径もまた実質的に一定である。
【0019】
導管12の内径(すなわち通路のサイズ)は、コネクタ10がともに使用されるように設計されるオストミーのタイプに依存する。例えば、ウロストミー及びイレオストミー双方は典型的に、液体比率が高い排せつ物を出力し、それゆえ、ここに記載されるコネクタ10が排せつ物の輸送に適切となり得る。しかしながら、ウロストミーが遅い速度で排せつ物を出力する一方、イレオストミーははるかに速い速度で出力し得る。よって、コネクタ10は、異なる出力速度に適切なサイズの通路16を与えるようにサイズが改変されてよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、導管12の内径は、ほぼ6mmから16mmの間である。ウロストミーでの使用を目的とする導管12の内径は、当該範囲の下限(すなわちほぼ7から10mmの間、好ましくはほぼ8mm)となり得る。さらに、イレオストミーでの使用を目的とする導管12の直径は、当該範囲の上限(すなわちほぼ13から16mmの間、好ましくはほぼ10mm)となり得る。
【0021】
(図面に示されるもののような)いくつかの例において、導管10は可撓性チューブである。導管10は、必要な属性を与える任意の適切な材料から作られてよい。例えば、熱可塑性エラストマー(TPE)が必要な可撓性を与え得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、導管12は、一般に円筒の形状を形成する。導管12の可撓性により、導管12に加えられる力に応じて形状の変化が許容されるが、導管12は、ひとたび操作されなくなると、一般に円筒の形状に戻ることを理解すべきである。例えば、導管12は、曲げたり、押しつぶしたり、及び/又はねじったり等、してよいが、形状の変化を生じさせる力が除去されると(そして好ましくは損傷なく)、その初期形状に戻る。
【0023】
構造部材14は通路16に沿って延びる。構造部材16は、通路16が閉塞されるのを防止する(又は少なくとも阻止する)ために存在する。これが生じ得るのは、コネクタ10が、圧力を受けている/圧縮されている、ねじられている/曲げられている、又は他の態様で通路16が詰まるようになり及び/若しくは排せつ物が通路16を通って流れるのが阻止されるように操作されている場合である。
【0024】
いくつかの実施形態において、構造部材14は、通路16の長さのほぼ半分に沿って延びる。構造部材14は、詰まりやすい通路16のエリア/領域に意図的に挿入されてよい。例えば、一般に水平な表面(すなわちベッドのマットレス)に配置される導管12は、重力の引力がないために詰まりやすい。構造部材14は、この潜在的な問題に対処するべく、通路16内に戦略的に位置決めされ得る。代替的に、構造部材14は、通路16の長さの大部分に沿って延びてよい。
【0025】
いくつかの実施形態(例えば図2から図4Bに示されるもの)において、構造部材14はフィラメントである。換言すれば、構造部材14は、通路16に沿って延びる糸状の部材又はより糸である。本例において、構造部材14は、圧縮に耐え得るように実質的に中実に形成される(すなわち構造部材14が通路16内に付加的なチャネル又は流路を与えることがない)。換言すれば、フィラメントは導管12ほど変形可能ではない。
【0026】
いくつかの実施形態において、フィラメントは導管12ほど可撓性ではない。これもまた有益となり得る。使用中の(可撓性の差異の結果としての)導管12内のフィラメントの動きが、粘性の高い排せつ物の領域を分断又は撹乱するように作用し得る(すなわち、そうでなければ、導管12に滞留してコネクタ10を通る排せつ物の通過を減速され得る)からである
【0027】
フィラメント構造部材14は、通路16内に容易にフィットするように、通路のサイズに対して細い(そして好ましくは、その全長に沿って一定の直径である)。いくつかの実施形態において、フィラメントの直径は、1から2mmの間、好ましくはほぼ1.75mmから2mm、であってよい。
【0028】
よって、上述したウロストミーコネクタ10(例えばほぼ8mmの好ましい直径)において、フィラメントの直径と通路16の直径との比はほぼ2:8から7:32である。換言すれば、フィラメントは、通路16の直径のほぼ25%を下回る。実施形態において、フィラメント構造部材14の直径が(例えば直径がほぼ10mmの)イレオストミーコネクタ10における使用を目的として変更されることはないので、フィラメントの直径と通路16の直径との比は約2:10から7:40であってよい。換言すれば、フィラメントは、通路16の直径のほぼ20%を下回る。この場合、フィラメントは通路16に対してさらに小さくなり得る。扱われる排せつ物が、さらに高速であり、又は粘液の比率がさらに高く/固形排せつ物の量がさらに多いからである。
【0029】
実施形態において、構造部材14は可撓性材料から作られるので、通路16内で撓み/屈曲する。例えば、フィラメントは、導管12と同じ材料(例えばTPE)、詳しくはスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)、から作られてよい。しかしながら、フィラメントのさらに有利な材料は、ポリプロピレンであり得る。導管12まわりで導管12よりも可撓性とはならず、それゆえ、導管12のよじれを防止するように作用し得るからである。代替の可撓性材料も利用可能であり、その材料は好ましくは、PVCフリーであり及び/又は摩擦係数が高くない(例えばシリコンフリーである)。摩擦係数が低いことが有利となる。低い摩擦係数により、構造部材14と通路16を通って移動する排せつ物との接着性が低減されるからである。
【0030】
さらに、フィラメントは吸収性ではない。これにより、排せつ物は導管12を通って二次収集容積2まで(フィラメントまわりを/フィラメントを通過して)自由に流れることができる。
【0031】
いくつかの実施形態において、構造部材14は、いずれの箇所にも導管12に接続されない(又は詳しくは、導管の内面12aに取り付けられ/固定されることがない)。換言すれば、構造部材14は、導管12に対して単一の軸方向位置に保持されることがない。
【0032】
いくつかの実施形態において、構造部材14は、通路16内で左側と右側との間を自由に動くことができる(すなわち、構造部材14は、排せつ物が通路16を通って流れる方向を一般に横切る方向に動くことができる)。換言すれば、導管12は、コネクタ10の長さに沿って長手軸(例えば図3に示される軸A)を有し、構造部材14は、この軸に対して一般に横切る方向に動くことができる。これは図3に示される。ここで、構造部材14は、通路16の両「側」において内面12aに接触する一般に正弦波の形状を形成するように示される。
【0033】
上述のように、構造部材14は、導管12に取り付けられなくてもよい。しかしながら、たとえ構造部材14が導管12に、当該導管の長さに沿って離間された2つの位置で取り付けられても、依然として構造部材14は、ある程度左側と右側との間を動くことが許容されることを理解すべきである。構造部材14が多くの固定位置を有すれば有するほど、構造部材14の径方向の動きが制限される。いくつかの実施形態において、構造部材14が導管12に沿って移動するのを避けるべく、一以上のステーク溶接が使用されてよい。
【0034】
よって、構造部材14は、導管12に対し(そして軸Aに対し)自由に動いてよい。この動きは、導管12に沿った排せつ物の輸送を維持するのに有利である。例えば、排せつ物は、粘性が高い部分を含んで導管12に沿って容易に流れないことがある。構造部材14の動き(詳しくは通路16の左側と右側との間のフィラメントの動き)がこの状況で使用されることにより、粘性の高い排せつ物の領域の分断を助けて輸送プロセスを支援し/排せつ物がオストミーデバイス1から離れるように流れ続けることを確実にすることができる。加えて、ユーザが導管12を操作して、内部の構造部材14が左側と右側との間で動くように促す結果、粘性の高い排せつ物のエリアを分断することができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、導管12の少なくとも一つの端が、アダプタデバイス20を受容するように適合される。アダプタデバイス20は、オストミーデバイス1のアウトレット1a及び/又は二次収集容積2のインレットの一方に(液密接続を介して)係合するように構成される。図8に示される例において、アダプタデバイス20は、導管12の入口及び/又は出口に挿入される。この例において、アダプタデバイス20は、通路16に押し込まれるスピゴットタイプの継手20aを含み、その結果、アダプタデバイス20は導管12にしっかりと保持される。これにより、コネクタ10が、オストミーデバイス1と二次収集容積2との間の封止輸送通路を与えることが保証される。
【0036】
いくつかの実施形態において、アダプタデバイス20を受容するように導管12を適合させることは、導管12の「端」(すなわち、入口/出口に隣接する通路16内の適切な距離)から構造部材14のいずれかの部分を除去することを含む。よって、導管12は一端又は両端に、通路16のさらに下に存在する任意の部分から邪魔されることなくアダプタデバイス20が挿入され得るように、一般に遮られることがないボアを有する。換言すれば、構造部材14の長さは導管12の長さよりも短い。よって、アダプタデバイス20は、構造部材14に邪魔されることなく延びて入口及び/又は出口の中に入る。
【0037】
理解すべきことだが、すべてのアダプタデバイスが、導管12によって受容されるオス型接続を与えるわけではない。アダプタデバイスが、導管12まわりに嵌るメス型接続を有する場合、導管12の両端を、当該アダプタデバイスを収容するように適合させる必要がなくなる。
【0038】
いくつかの実施形態において、導管12と構造部材14とは別個に(例えば2つの異なる押し出しラインで)形成される。その後、構造部材14が導管12の中に挿入されてコネクタ10が形成される。いくつかの実施形態において、導管12と導管14とは共通の押し出し機械において同時に形成される。
【0039】
使用されるコネクタ10の説明断面図が図4A及び図4Bに示される。図4Aは、本来の丸い又は環状の状態にある導管12を示す。構造部材14は、説明のみを目的として導管12の中心に示される。構造部材14は、通路16内で左側と右側との間を動くことができる。排せつ物は、構造部材14まわりの通路16を自由に移動することができる。
【0040】
図4Bは、圧縮されているときの導管12を示す。この状態は、コネクタ10が鋭く曲げられ/よじれていることを理由に、及び/又はねじられ/ねじり力を受けていることを理由に、及び/又は圧縮力を受けている(例えば踏まれている)ことを理由に、生じ得る。図に見えることだが、導管12はもはや、本来の丸い/環状の形状を有しない。力を受けて楕円又は披針形に似た形状になっている。通路16内の構造部材14は、変形に抵抗し、導管12が完全に圧縮されるのを防ぐ(すなわち導管12の両「側」からの内面12aが接触するのを防ぐ)補強機能を与える。よって、通路16を通る流路が閉じること/閉塞されることが妨げられる(又は少なくとも抑制される)。
【0041】
代替的な構造部材が図5に示される。特徴がここに特に記載されて、すでに説明された特徴と類似する場合、参照番号はプライム記号を加えて同じとする(例えば10は10’となる)。図5に示される例は、コネクタ10’の断面図のみを与える。しかしながら、すでに記載されているが図5に明示的に示されていない特徴の多く(例えば、使用される材料、及びアダプタデバイス20’のために与えられる適合物)は、依然として適用可能であることを理解すべきである。
【0042】
いくつかの実施形態において、構造部材14’は、通路16’を分割して2以上のチャネルにするように形成される。換言すれば、通路16’において位置決めされ得るように構造部材14’の特定の形状が選択される。通路16’は、多重内腔を与えるように構造部材14’によって分割される。
【0043】
いくつかの実施形態において、構造部材14’は通路16’にわたって径方向に延びる。例えば、構造部材14’は、少なくとも2つの箇所において導管12’の内面12a’に接触する。
【0044】
図5に示される例において、構造部材14’は、スリーポインテッド・スターの断面形状で形成される。断面において(すなわち導管12’にわたって)、スターのこれらのポイントが外向きに延びて導管12’壁の内面12a’に接触する。換言すれば、構造部材14’は、通路16’を分割して3つのチャネル16a、16b、16cにする。理解されることだが、他の形状の構造部材14’が使用されても、通路16’内に与えられる多数のチャネルと同様の結果が達成され得る。例えば、通路16’を分割して3つを超えるチャネルにするべく、スリーポイントを超えるポイントを有するスター形状が使用され得る(換言すれば、導管12’を分割して4つのチャネル又は5つのチャネルそれぞれにするフォーポイント又はファイブポイントのスター形状が想定される)。さらに、通路16’を2つに分割するべく、導管12’の内面に2箇所のみで係合する構造部材も使用され得る。
【0045】
理解すべきことだが、構造部材14’は可撓性であるから、導管12’の内面12a’に接触する表面は、そのような封止を与えることがなく、それゆえ、形成された各チャネルが必ずしも他のチャネルから封止されるわけではない。導管12’がねじられ/曲げられ/圧縮され/等の場合、構造部材14’は、導管12’を強めて変形に抵抗させるように機能する。さらに、構造部材14’の、外向きに延びて導管12’の内面に至る部分(例えばスター形状のポイント)は、大きな変形を抑制して通路16’内のチャネル16a、16b、16cの一以上を、排せつ物が流れるように開に維持し得る。
【0046】
本開示の代替実施形態が図6Aに示される。特徴がここに特に記載されて、すでに説明された特徴と類似する場合、参照番号はダブルプライム記号を加えて同じとする(例えば10は10”となる)。新たな特徴もまたダブルプライムを有するが、参照はこれまで使用されていない。図6に示される例は、コネクタ10”の断面図のみを与える。しかしながら、すでに記載されているが図6に明示的に示されていない特徴の多く(例えば、使用される材料、及びアダプタデバイスのために与えられる適合物)は、依然として適用可能であることを理解すべきである。
【0047】
導管12”は、排せつ物が沿って流れる内部通路16”を画定する。この例において、内面12a”は内向き突出部材18”を含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、2以上の内向き突出部材18”(図示の例では3つ)が存在する。これらは、導管12”の内面12a”まわりに離間される。内向き突出部材18”は、導管12”の内面12a”まわりに等しく離間されてよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、単数又は複数の内向き突出部材18”が通路16”に沿って長手方向に延びる(随意的に、単数又は複数の内向き突出部材18”が導管12”の全長の大部分に沿って延びる)。換言すれば、内向き突出部材18”は、導管12”の入口から出口までに存在する。それにもかかわらず、これらが、すでに上述されたアダプタデバイス20”を収容するために入口及び/又は出口に直接隣接しなくてもよいことを理解すべきである。
【0050】
図示される実施形態において、内向き突出部材18”は、導管12”の内面12a”から内向きに延びる隆起した滑らかなバンプである。しかしながら、これは必ずしもそうである必要はなく、突出部材18”が一般に矩形又は他の形状(後述)であってよいことを理解すべきである。重要な側面は、単数又は複数の内部突出部材18”が、本明細書の他の箇所で詳述される圧縮/他の操作を受けても通路16”が閉塞されることを防止又は少なくとも抑制するということである。
【0051】
図6Bから図6Dに示される例は、径方向内向きに延びる一以上の突出部材18”を含む点で、上述されたものと同様である。図6Bにおける例もまた、3つの内向き突出部材18”を含む。内向き突出部材18”は一般に三角形であり、通路16”の中へ最も遠くに延びるポイントを有する。
【0052】
図6Cにおける例は、単数のみの内向き突出部材18”を与える。部材18”は一般に断面が円形であり、導管の内面12a”に取り付けられた一部分を有する。
【0053】
図6Dにおける例では、導管12”の内面12a”は連続的な波形である。これは8つの内向き突出部材18”から形成されるが、必要な部材18”のサイズと導管12”のサイズとに応じて調整され得ることを理解すべきである。
【0054】
代替的な導管12’’’が図7に示される。特徴がここに特に記載されて、すでに説明された特徴と類似する場合、参照番号はトリプルプライム記号を加えて同じとする(例えば12は12’’’となる)。新たな特徴もまたトリプルプライムを有するが、参照はこれまで使用されていない。図7に示される例は、コネクタ12’’’の断面図のみを与える。しかしながら、すでに記載されているが図7に明示的に示されていない特徴の多く(例えば、使用される材料)は、依然として適用可能であることを理解すべきである。
【0055】
この実施形態において、導管12’’’は、排せつ物が流れることが許容される内部通路16’’’によって接続された入口及び出口を含む。導管12’’’は多角形断面形状を有する。(図7に示される)いくつかの実施形態において、導管12’’’は断面が、シックスポインテッド・スター形状を形成する。しかしながら、異なる形状(例えば異なる数のポイントを有するスター又は他の多角形状)も使用され得ることを理解すべきである。
【0056】
導管12は、内面12a’’’及び外面12b’’’を有する壁によって形成される。内面12a’’’は内部通路16’’’を画定する。外面12b’’’は導管12’’’の外側を形成する。本例において、壁は、その長さにわたって実質的に一定の厚さであり、それゆえ通路16’’’及び導管12’’’の直径も、コネクタ10’’’の大部分に沿って実質的に一定である。換言すれば、壁の内部形状と壁の外部形状とは同じ断面形状を有する。
【0057】
いくつかの実施形態において、導管12’’’は、入口及び/又は出口におけるアダプタデバイスの挿入を許容する適切な可撓性材料から形成される。この例において、導管12’’’は、アダプタデバイス(図示せず)(例えば変形された導管12’’’の中へと押し入れられるスピゴット継手)を受け入れるべく環状形状まで引き延ばされ/変形される。加えて、導管12’’’は、アダプタデバイスに対して封止し、導管12’’’とアダプタデバイスとの間の液体の浸出を抑制する。
【0058】
ここに記載される開示の実施形態は、導管12、12’、12”、12’’’が圧縮され、ねじられ、曲げられ、よじれ、及び/又は使用中に生じ得る他のタイプの操作がされる事象における閉塞に抵抗するコネクタ10、10’、10”、10’’’を与える。かかる閉塞は、排せつ物が、必要以上に長く導管16、16’、16”、16’’’において詰まるようになり、及び/又は導管16、16’、16”、16’’’を逆流し、並びに初期の接続ポイントにおける(すなわちオストミーデバイスとコネクタとの間の又はオストミーデバイス自体における)漏れをもたらす結果となり、これは、ユーザを苦しませることになり得、及び/又は与えられたシステム/コネクタのユーザ信用失墜を引き起こし得る。
【0059】
本発明はまた、本明細書において言及され又は示される部品、要素、ステップ、例、及び/又は特徴に、個別に、又は2以上の前記部品、要素、ステップ、例、及び/若しくは特徴のありとあらゆる組み合わせで集合的に、広く存在してよい。特に、ここに記載された実施形態のいずれかにおける一以上の特徴を、ここに記載されたいずれかの他の実施形態からの一以上の特徴と組み合わせてよい。
【0060】
本発明の所定の例示的な実施形態が記載されてきたにもかかわらず、添付の特許請求の範囲は、これらの実施形態のみに限定されることを意図しない。特許請求の範囲は、文字通りに、意図的に、及び/又は均等物を包括するように解釈されるべきである。
【0061】
代表的な特徴は、以下の条項に記載され、これらは、本明細書の本文及び/又は図面に開示された一以上の特徴と、単独で、又は任意の組み合わせで、組み合わせてよい。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
【国際調査報告】