(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】オストミー装具のためのバルブ
(51)【国際特許分類】
A61F 5/44 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A61F5/44 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521116
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 GB2022052796
(87)【国際公開番号】W WO2023079305
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2022-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510174727
【氏名又は名称】ソルツ ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ハワード、 リー
(72)【発明者】
【氏名】スミス、 リー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムス、 キーラン
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA09
4C098CC24
4C098CD01
4C098DD23
(57)【要約】
オストミー装具10のためのバルブ100である。バルブ100は、オストミー装具10への接続のための本体110と、流路によって接続される入口及び出口104と、閉位置と開位置との間で可動な閉鎖装置120とを含み、閉位置において閉鎖装置は出口104をブロックして液体が出口104を通って流れることができないようにし、開位置において出口104が開となって液体が出口104から流れ出ることが許容され、バルブ100は、流れ制御形成部300を含み、流れ制御形成部300は、開状態に初期設定されるように構成され、出口104からの液体の流れが妨げられ又は少なくとも抑制される閉状態を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オストミー装具のためのバルブであって、
前記オストミー装具への接続のための本体と、
流路によって接続される入口及び出口と、
閉位置と開位置との間で可動な閉鎖装置と
を含み、
前記閉位置において前記閉鎖装置は出前記口をブロックして液体が前記出口を通って流れることができないようにし、前記開位置において前記出口が開となって液体が前記出口から流れ出ることが許容され、前記バルブは、
開状態に初期設定されるように構成される流れ制御形成部であって、前記出口からの液体の流れが妨げられ又は少なくとも抑制される閉状態を有する流れ制御形成部を含む、バルブ。
【請求項2】
前記流れ制御形成部は、ユーザによる手動操作を介してその閉状態まで可動である、請求項1に記載のバルブ。
【請求項3】
前記流れ制御形成部は、前記流路を閉にするべく可動な偏向可能部を有する、請求項1又は2に記載のバルブ。
【請求項4】
前記流れ制御形成部は、さらなる第2の偏向可能部を含み、前記第1及び第2の偏向可能部が、前記流路を閉にするべく互いに向かって可動である、請求項3に記載のバルブ。
【請求項5】
前記第1及び/又は前記第2の偏向可能部は、前記開状態に対応する初期の形状及び/又は位置へと弾性的に付勢される、請求項3又は4に記載のバルブ。
【請求項6】
前記第1及び/又は前記第2の偏向可能部は、前記バルブの前記本体から突出する、請求項3から5のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項7】
前記流れ制御形成部は、前記出口の上流に接触面を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項8】
前記接触面は、前記流路が閉のときに前記オストミー装具の一部分に接触する、請求項7に記載のバルブ。
【請求項9】
前記接触面は凸部を含む、請求項7又は8に記載のバルブ。
【請求項10】
前記本体は、それぞれが前記入口から離れるように延びる第1及び第2の装着部分を含み、前記接触面が前記第1の装着部分と前記第2の装着部分との間に延びる、請求項7から9のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項11】
前記本体はU字又はV字の形状を形成する、請求項1から10のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項12】
前記流れ制御形成部の少なくとも一部分が、装着されたオストミー装具の内部に配置されるように構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載のバルブ。
【請求項13】
オストミー装具であって、
周縁まわりに接続されて内部収集容積を与える第1壁及び第2壁と、
液体が出ることを選択的に許容するべく前記内部収集容積に流体接続されるバルブと
を含み、
前記バルブは、
本体と、
流路によって接続される入口及び出口と、
閉位置と開位置との間で可動な閉鎖装置と
を含み、
前記閉位置において前記閉鎖装置は出前記口をブロックして液体が前記出口を通って流れることができないようにし、前記開位置において前記出口が開となって液体が前記出口から流れ出ることが許容され、前記バルブは、
開状態に初期設定されるように構成される流れ制御形成部であって、前記出口からの液体の流れが妨げられ又は少なくとも抑制される閉状態を有する流れ制御形成部を含む、オストミー装具。
【請求項14】
前記バルブの前記本体は前記第1壁と前記第2壁との間に接続される、請求項13に記載のオストミー装具。
【請求項15】
前記流れ制御形成部は、前記内部収集容積と前記出口との間で前記流路に配置される、請求項13又は14に記載のオストミー装具。
【請求項16】
前記流れ制御形成部は、前記出口の上流に接触面を含む、請求項13から15のいずれか一項に記載のオストミー装具。
【請求項17】
前記接触面は、前記流路を閉にするべく前記第1壁及び/又は前記第2壁に接触し、又は前記オストミー装具はさらに、前記内部収集容積と前記バルブとの間に設けられる出口部分を含み、前記出口部分は第1出口壁及び第2出口壁から形成され、前記第1出口壁及び前記第2出口壁の一方又は双方が前記流路を閉にするべく前記接触面に接触する、請求項16に記載のオストミー装具。
【請求項18】
前記接触面の片側又は両側に圧縮力が及ぼされて前記流路が閉になる、請求項17に記載のオストミー装具。
【請求項19】
前記接触面は凸部を含む、請求項16から18のいずれか一項に記載のオストミー装具。
【請求項20】
前記本体は、それぞれが前記入口から離れるように延びる第1及び第2の装着部分を含み、前記接触面が前記第1の装着部分と前記第2の装着部分との間に延びる、請求項16から19のいずれか一項に記載のオストミー装具。
【請求項21】
前記本体は、第1装着面及び第2装着面と、前記流路が貫通する一般に中心の部分とを含み、前記第1壁が前記装着面に装着され、前記第2壁が前記第2装着面に装着される、請求項20に記載のオストミー装具。
【請求項22】
前記流れ制御形成部の一部分が、前記第1壁と前記第2壁との間の内部に配置される、請求項13から21のいずれか一項に記載のオストミー装具。
【請求項23】
請求項1から12のいずれか一項に記載のバルブを含む、請求項13から22のいずれか一項に記載のオストミー装具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、オストミー装具又はウロストミー装具のためのバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
オストミー装具が当業界で周知である。これらは典型的に、ユーザの、接着剤を有するストーマまわりに延びる接着部材を介してユーザに装着され、ストーマから出る排せつ物(主に液体排せつ物)を収集する収集容積を与える。収集容積をドレインする機構が設けられることが多い。典型的に、これらはタップの形態であり、ユーザは、装具全体を取り外して捨てる必要なしに収集容積に収集された排せつ物を取り出して空にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102014104737号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/286187号明細書
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1側面によれば、オストミー装具のためのバルブであって、
オストミー装具への接続のための本体と、
流路によって接続される入口及び出口と、
閉位置と開位置との間で可動な閉鎖装置と
を含み、
閉位置において閉鎖装置は出口をブロックして液体が出口を通って流れることができないようにし、開位置において出口が開となって液体が出口から流れ出ることが許容され、バルブは、
開状態に初期設定されるように構成される流れ制御形成部であって、出口からの液体の流れが妨げられ又は少なくとも抑制される閉状態を有する流れ制御形成部を含む、バルブが与えられる。
【0005】
本発明の第2側面によれば、オストミー装具であって、
周縁まわりに接続されて内部収集容積を与える第1壁及び第2壁と、
液体が出ることを選択的に許容するべく内部収集容積に流体接続されるバルブと
を含み、バルブは、
本体と、
流路によって接続される入口及び出口と、
閉位置と開位置との間で可動な閉鎖装置と
を含み、
閉位置において閉鎖装置は出口をブロックして液体が出口を通って流れることができないようにし、開位置において出口が開となって液体が出口から流れ出ることが許容され、バルブは、
開状態に初期設定されるように構成される流れ制御形成部であって、出口からの液体の流れが妨げられ又は少なくとも抑制される閉状態を有する流れ制御形成部を含む、バルブが与えられる。
【0006】
本発明のこれらの側面に関するさらなる随意的な特徴が、添付の特許請求の範囲に概説される。
【0007】
本開示が容易に理解され得るようにするため、添付図面を参照して、その好ましい実施形態を、例としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】本開示の一実施形態に係るオストミー装具の斜視部分図である。
【
図6】オストミー装具、及び接続されたドレナージチューブの斜視部分図である。
【
図7】オストミー装具のためのバルブの斜視図である。
【
図8】本開示の一実施形態に係るオストミー装具の部分図である。
【
図9】オストミー装具のためのバルブの斜視図である。
【
図11】オストミー装具、及び接続されたドレナージチューブの斜視部分図である。
【
図13A-13B】オストミー装具のためのバルブを示す。
【0009】
図を参照すると、オストミー装具10(装具10)が示される。オストミー装具10は、装具10をユーザに装着するための装着部材(図示せず)を有するとともに、ユーザのストーマまわりの篏合のためのストーマ受容開口を画定する第1壁12を含む。第2壁14が、その周縁まわりで第1壁12の周縁に接続されることにより、第1壁12と第2壁14との間に(ストーマからの排せつ物を受容する)収集容積が形成される。
【0010】
オストミー装具10はさらに、出口部分20を含む。出口部分20は、第1出口壁22及び第2出口壁24から形成される。第1出口壁22及び第2出口壁24は、チューブ/導管を形成するべく周縁に沿って接続される。理解すべきことだが、出口部分20は、エクステンション/第1壁12及び第2壁14と同じシートから形成されてよい。
【0011】
装具10はまた、出口102を与えるバルブ100も含む。バルブ100は、出口部分20に接続される。よって、出口部分20及びバルブ100が、収集容積と出口102との間に流路を与える。換言すれば、出口部分20は、収集容積とバルブ100との間に導管を形成する。収集容積から流れる排せつ物は出口部分20を通り、次いでバルブ100を通り、出口102を介して装具10から出る。
【0012】
オストミー装具10は詳しくは、他のオストミー装具よりも液体の比率が高い排せつ物を収容するように構成されるウロストミー又はイレオストミー装具である。これゆえ、バルブ100は、その閉位置にあるときに液体が装具10から出ることを防止できなければならない。同様に、ユーザが装具10からの流出を変更するために設置される他の流れ制御手段(本明細書の最後の方を参照)もまた、液体のパーセンテージが高い排せつ物(すなわち相対的に低い粘性を有する排せつ物であり、これは排せつ物が水又は他の液体と同様の態様で流れることができることを意味する)に適していなければならない。
【0013】
バルブ100は、本体110と、流路によって出口102に接続される入口と、閉鎖装置120とを含む。閉鎖装置120は、開位置と閉位置との間で(及びその逆で)可動である。閉位置において、閉鎖装置120は出口102をブロックするので、液体は出口102を通って流れることができない。開位置において、出口102が開となるので、液体は出口102から外へ流れ出ることが許容される。
【0014】
いくつかの実施形態において、バルブ100の、一以上の外部表面が、出口部分20の、一以上の外部表面と協働して、出口部分20とバルブ100との間の滑らかな遷移部を形成する(例えば
図2及び
図11を参照)。換言すれば、バルブ100は、出口部分20の中に組み込まれてテール(tail)装置を形成する。かかる組み込みは、ユーザが着用するのに快適となる。例えば、装具10の鋭いコーナー及び部分がユーザの肉等に食い込むことが低減され得る。いくつかの実施形態において、出口部分20は、(テール装置の)上側外面及び下側外面を与えい、バルブ100は、左側外面及び右側外面を与える。いくつかの実施形態において、バルブ100は、(例えばユーザの快適性をさらに高めるべく)軟質及び/又は可撓性の材料から作られる。ひとたびバルブの機能性が説明されたので、バルブが装具にどのように装着されるのかが以下に詳述される。
【0015】
バルブ100の特徴部がここで詳述される。ここに説明される実施形態はすべて、上述されたオストミー装具10の構造と組み合わせてよい。
【0016】
上述されたように、バルブ100は、本体110、入口、出口102及び閉鎖装置120を含む。本体110は、オストミー装具10に接続されるように構成される(さらに、上述されたように出口部分20に装着され得る)。入口と出口102とが流路(すなわち、バルブ100と、バルブ100が装着される装具とから出る排せつ物のための流路)を介して接続される。上述したように、閉鎖装置120は、バルブ100を開閉するべく開位置と閉位置との間で可動である。
【0017】
いくつかの(
図2から
図7に示されるもののような)例において、閉鎖装置120は、本体110に取り外し可能に接続可能である。換言すれば、閉鎖装置120は、バルブ100の本体110から取り外し可能であり、所望に応じて再装着可能である。よって、閉鎖装置120は、バルブ100が開であっても閉であっても、本体110に装着されて本体110によって支持され得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、閉鎖装置120は、本体110との取り外し可能接続を与える接続部材122を含む。図示の例において、閉鎖装置120は閉鎖体124及び接続部材122を含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、接続部材122は、閉鎖体124から離れ(て本体110との接続を与え)るように延びる細長部分126を含む。よって、接続部材122は、バルブ100の本体110に装着され得る突起を与える。
【0020】
閉鎖体124は、閉鎖装置120がその閉位置にある(すなわちバルブ100から排せつ物が出ることをブロックする)ときに出口102に位置決めされるように構成される栓部分130を支持する。よって、栓部分130は、摩擦嵌め又は押圧嵌めによって出口に保持される。閉鎖体124(及び詳しくは栓部分130)は、接続部材122が本体110に装着されているか否かにかかわらず、バルブ100の出口102に挿入可能に構成される。
【0021】
いくつかの実施形態において、栓部分130は、出口102の内側にある内面に係合するフランジ部130aを含む。これにより、閉鎖部とバルブの本体110との間の接続が支援され、栓部分130がひとりでに外れたり、誤って出口102から出たりする可能性が低減される。
【0022】
いくつかの実施形態において、本体110は、接続部材122の一部分を受容するべく構成される第1係合形成部112を与える。接続部材122はまた、第1係合形成部112と係合するべく構成された対応する係合形成部128を含む。
【0023】
本例において、第1係合形成部112は受容部分である。換言すれば、本体110は、本体110に対して閉鎖体を保持及び支持するべく、接続部材122の一部分を「受容する」凹部又は開口部を含む。対応する係合形成部128は、本体110の凹部又は開口と係合するべく構成された突起を含む。凹部又は開口は、本体110の第1側面110aに位置決めされ、出口102の「後方」に(すなわち、装具の収集容積に向かうように又は出口102から上流に)離される。
【0024】
いくつかの実施形態において、第1係合形成部112は、凹部又は開口に通じるチャネル112aを含む。チャネル112aは、対応する係合形成部128が第1係合形成部112に受容されるときに、接続部材122(この例において接続部材122の細長部材126)を受容する追加の受容部分を与える。よって、接続部材122が本体110に接続されると、本体110の外面が接続部材122の外面と一致して、滑らかな又は連続した外面が得られる。これは、接続部材122が外部の物品に引っかかって本体110から不意に分離される可能性が低減されるので有利である(これは特に、ユーザが装具10を使用しているが、装具10を空にするためにバルブを使用していないために分離が生じたことに気付かない場合に当てはまる)。
【0025】
いくつかの実施形態において、閉鎖装置120と本体110との接続によって、閉鎖装置120の、装着されたままでの回転が許容される。換言すれば、接続部材122は、本体110における係合形成部と対応する係合形成部とが係合/接続している間に回転され得る。
【0026】
図示の例において(特に
図3を参照)、接続部材122の対応する係合形成部128は、ドーム状部分128aと狭小セクション128bとを有する突起を含む。第1係合形成部112は、表面の開口が後ろの凹部の幅に対して狭小化された凹部を含む。換言すれば、開口はピンチポイントを形成する。ドーム状部分128a及び第1係合形成部112の材料の少なくとも一方が、弾性変形可能材料から形成される。よって、ドーム状部分128aが開口を通って凹部に挿入されると、開口又はドーム状部分が変形してドーム状部分128aが開口を通過することが許容され、その後、初期の形態/形状に戻る。初期の形態に戻ると、開口を形成する材料が、ドーム状部分128aの外方への(すなわち本体110から離れる)動きには抵抗するが、狭小部分がドーム状部分128aを凹部内に維持しながら回転することを許容する。したがって、第1係合形成部112は、対応する形成部128の取り外しには抵抗するが、閉鎖体が本体110に対して回転することを許容する。
【0027】
いくつかの実施形態において、閉鎖装置120は、2つの異なる箇所において本体110に接続可能である。換言すれば、接続部材122は、少なくとも2つの箇所又は位置を選択して本体110に装着され得る。これらの接続オプションは、バルブ100を閉にするのに必要な出口102に対する栓部分130の位置決めに追加される(例えば、栓部分130/閉鎖体124が、閉鎖装置120をその閉位置まで動かすべく常に出口102に受容可能である)。
【0028】
かかる例において、本体110は第2係合形成部を含む。よって、対応する係合形成部128は、第1係合形成部又は第2係合形成部のいずれかと係合し得る。この例において、第2係合形成部が、第1係合形成部112と同様の又は同じ形態を有することにより、接続部材122の対応する係合形成部128は、ユーザの所望に応じて、これらの係合形成部のいずれかと係合し得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、第1受容形成部112が本体110の第1側面110aに配置され、第2受容形成部が第2側面110bに配置される。本例において、第1側面と第2側面とは、本体110の対向する側面に存在する。よって、接続部材122は、本体110の第1側面110a又は第2側面110bのいずれかと係合し得る。
【0030】
第1係合形成部及び第2係合形成部の双方が凹部又は開口に向かって延びるチャネル112aを含む実施形態において、接続部材122によって使用されていない係合形成部112の他方も機能を有する。対応する係合形成部128及び接続部材122は、チャネル及び凹部にそれぞれ受容され、実質的に連続した外面を形成する。反対側の側面110a又は110bにおいて、第1係合形成部及び第2係合形成部の「他方」のチャネルが、ユーザがバルブ100を開にするべく使用可能なノッチを与える(すなわち、ユーザが閉鎖体124を把持して出口102から外方へ引き出し、閉鎖装置120をその開位置まで動かすための空間を与える)。
【0031】
いくつかの実施形態において、閉鎖体124は、ユーザが閉鎖装置120をその開位置及び/又は閉位置へと動かすのを支援する把持部分132を含む。図示の例において(例えば
図7を参照)、把持部分132は、閉鎖体124の残り部分の滑らかな表面よりも把持しやすい表面を与える隆起面を含む。
【0032】
いくつかの実施態様において、少なくとも接続部材122(及び具体的には細長部分126)が、閉鎖装置と本体との間の接続が可撓性になって永久変形に抵抗することを許容する弾性の/弾性変形可能な材料から形成される。いくつかの実施態様において、バルブ100(すなわち本体110及び閉鎖装置120)は、単一材料(好ましくは、ユーザに快適な装着体験を与える柔らかい/柔軟な又は可撓性の材料、例えばTPE)から形成される。
【0033】
使用時、バルブ100は、閉鎖装置120をその開位置まで動かすことによって開く。本質的に、このことは、出口102のブロック解除を含む必要がある。よって、閉鎖体124は、出口102との接触から外れるように動かされる。加えて、閉鎖装置120は、バルブ100の本体110から取り外すことができる(これは、
図3に詳細に示されている)。いくつかの実施形態において、閉鎖装置120を回転させる能力もまた、上述したように与えられる。出口102が開いている間、閉鎖装置120をバルブ100の本体110に装着されたままにする能力が、
図4及び
図5にさらに詳細に示される。
図5は、閉鎖体124が初期に出口102から取り外されているときを示す。接続部材122が、本体110との接続を維持しながら撓むので、閉鎖体124を出口102から離れるように動かすことができる。
図4は、出口102から離れるように上方に回転される閉鎖装置120を示す。
【0034】
ユーザがそれらの装具10にアクセサリ150を装着する場合(例えば
図6を参照)、閉鎖装置120は取り払われるように動かされてもバルブ100の本体110に接続されたままとなる。代替的に、閉鎖装置120は、完全に取り外されて、アクセサリ150の使用中に他の場所に格納されてよい。
図6は、ユーザが別個のチューブ152を装具10に接続して排せつ物を第2収集容器にドレインすることを許容するいわゆる「夜間ドレナージアダプタ」の装着を示す。これにより、装具10が空いている間の時間を延ばすことができる(これは、人が長時間眠りたい夜間に特に有用である)。閉鎖装置120を取り外せることにより、バルブ100の付加材料を(本体に近接しない)他の場所に配置することができるので、快適性が向上し得る。
【0035】
バルブの第2実施形態が
図8から
図11に示される。明示されない限り、
図2から
図7に示されるバルブに関連する随意的な特徴は、
図8から
図11のバルブにも等しく使用可能である。バルブ又は装具の特徴が、すでに上述したものと同じ又は同様の場合、これらにはプライム記号を付した同じ参照番号が与えられる(すなわち10が10’になる)。
【0036】
バルブ100’、出口102’、及び閉鎖装置120’を含む。ここでも、閉鎖装置120’は、閉位置と開位置との間で可動である。閉位置において、閉鎖装置120’は、液体が出口102’を通って流れることができないように出口102’をブロックする。また、開位置において、出口102’が開となり、液体は出口102’から外に流れることが許容される。
【0037】
いくつかの実施形態において、閉鎖装置120’は、2箇所で本体110’に接続可能であり/接続される(特に
図8及び
図10を参照)。換言すれば、閉鎖装置120’は、本体110’上の2つの位置に永久的に又は取り外し可能に接続される。図示の例において、接続部材122’は本体110’に永久的に装着される。
【0038】
いくつかの実施形態において、閉鎖装置120’は、第1接続部材及び第2接続部材122’を含む。第1接続部材及び第2接続部材122’はそれぞれが本体110’に接続する。図示の例において、閉鎖装置120’は、閉鎖体124’と、第1接続部材及び第2接続部材122’とを含む。
【0039】
いくつかの実施形態において、各接続部材122’は、閉鎖体124’から離れるように延びる細長部分126’を含む。いくつかの実施形態において(例えば
図8以降)、閉鎖体124’は、一般に中心にかつ2つの接続部材122’の間に存在する。換言すれば、第1接続部材122’が閉鎖体124’の第1側面に接続し、第2接続部材122’が閉鎖体124’の第2側面に接続する。これらの接続部材122’は、閉鎖体124’の反対側に存在する。
【0040】
いくつかの実施形態において、第1接続部材122’が本体110’の第1側面110a’に接続し、第2接続部材122’が本体110’の第2側面110b’に接続する。よって、これらの接続部材122’は、バルブ100’の本体110’の反対側に存在する。本例において、これらの接続部材122’は、第1接続部材122’が閉鎖体124’の第1側面から本体110’の第1側面110a’まで延びて第2接続部材122’が閉鎖体124’の第2側面から本体110’の第2側面110b’まで延びる点で、バルブ100’の外「側面」を形成する。
【0041】
さらに、この例において、ここでも、閉鎖体124’は、閉鎖装置120’がその閉位置にある(すなわちバルブ100’から排せつ物が出ることをブロックする)ときに出口102’に位置決めされるように構成される栓部分130’を支持する。よって、栓部分130’は、摩擦嵌め又は押圧嵌めによって出口102’に保持される。この実施形態において、第1接続部材及び第2接続部材122’は、閉鎖体124’を、当該閉鎖体が出口102’と整列又は実質整列したときに、閉位置に向かうように促す付加的な付勢力を与える。
【0042】
上述した単一接続部材バルブのバージョンと同様に、栓部分130’は、出口102’の内側で内面に係合するフランジ部130a’を含む。これにより、閉鎖体とバルブの本体110’との接続がさらに強化され、栓部分130’がひとりでに外れたり/誤って出口102’から出たりする可能性が低減される。
【0043】
いくつかの実施形態において、閉鎖体124’は、閉鎖体124’を把持し及び/又は動かすときにユーザを支援するべく形成される把持補助部又はユーザ補助部132’を含む。補助部132’は、ユーザに付加的な把持性を与えるべく、指のための凹部/戻り止め、及び/又は隆起突条を含み得る。
【0044】
バルブ100’が機能する態様が以下に説明される。これは、閉鎖装置120’と本体110’との2つの接続点ゆえに、上述したバルブ100とは異なるからである。
【0045】
すでに述べたように、
図8及び
図9に示されるバルブ100’が閉になると(すなわち閉鎖装置120’がその閉位置にあると)、閉鎖体124’は一般に出口102’と整列する(これにより、栓部分130’を出口102’に挿入してバルブ100’を閉にすることが許容される)。いくつかの実施形態において、第1接続部材及び第2接続部材122’は、弾性変形可能な又は付勢される材料から形成される。これは、閉鎖体124’の栓部分130’を閉位置から取り外すべく(すなわち、それらを本体110’から外方にかつ離れるように動かすべく)、これら接続部材122’がその元の形状から引き伸ばされることを意味する。よって、接続部材122’は、閉位置からの閉鎖本体124’の取り外しに抵抗するように作用する。いくつかの実施形態において、接続部材122’は、閉位置にあるとき、閉鎖体124’に付加的な力を加える。よって、接続部材122’は、閉鎖体124’を「引いて」本体110’に密接に接触するようにする(すなわち、接続部材122’は、本体110’に向かう付勢力を加えるように、その本来の形状/サイズ/構成から偏向される)。
【0046】
閉鎖装置120’は、その開位置にあるとき、本体110’に隣接するように保持又は位置決めされる。いくつかの実施形態において(例えば
図10及び
図11参照)、閉鎖装置120’は、その開位置にあるとき、本体110’と接触する位置に保持される。
【0047】
閉鎖体124’を出口102’との整列(すなわち閉)から動かすべく、閉鎖体124’を本体110’から離れるように引くことができ、及び/又は横方向の力が使用されて閉鎖体124’が本体110’の前方又は後方に向かうように回転される。この動きは、閉鎖体124’の各側における接続部材122’の引っ張りに抵抗する。この動きの結果は、閉鎖体124’が出口102’から離れるように促されることを意味する。
【0048】
いくつかの実施形態において、閉鎖体124’は、出口102’との整列から外れたオフセット位置まで動かされる。第1接続部材及び第2接続部材122’は偏向されて閉鎖体124’を本体110’の外面に対して/接触するように保持する。上記のように、接続部材122’は、弾性変形可能な材料から作られるので、これらの自然な形状から偏向されることによって、本体110’の側面に向かう付勢力を閉鎖体124’に加える。
【0049】
ユーザがバルブ100’の閉を所望するとき、閉鎖体124’を、その開位置から出口102’に向かって能動的に動かさなければならない(すなわち、開位置にあるときの閉鎖装置120’に、閉位置まで戻すような力を加えなければならない)。これは、閉鎖装置120’が、開位置において出口から離れるように(かつバルブの本体110’に対して)明確に定められた/所定の位置に安定して保持されるので有利となる。従来設計は、開位置にあるときに自由空間に舞うことが許容される閉鎖体に依存することが多かったが、この閉鎖体は、バルブ100’のさらなる使用に干渉しない位置に保持される。
【0050】
ユーザがアクセサリ150’を装具10’に装着している場合(例えば
図11参照)、閉鎖装置120’は取り払われるように動かされても本体110’の側面に対して保持される。
図11は、夜間ドレナージアダプタの装着を示す。これによりユーザは、別個のチューブ152’を装具10’に接続し、排せつ物を第2収集容器にドレインすなわち排出し、装具10が空いている間の時間を延ばすことができる。
【0051】
閉鎖体124’が開位置にあるときに保持される所定位置を有することにより、ユーザの快適性が向上する。潜在的に不快な位置において閉鎖体が装具10’から離れて垂れ下がることがないからである。
【0052】
バルブ100、100’がどのようにしてオストミー装具10、10’に装着されるかに影響するバルブの追加の特徴が以下に説明される。
図7及び
図9は、上述した特徴をすでに有するバルブを示す。これらのバルブは単独で示され、いずれの装具10、10’にも装着されていない。バルブの特徴が説明される場合、明確性を目的として、プライムのない参照番号のみが使用される。しかしながら、プライム記号を有するバルブの参照が等しく適用可能であることを理解されたい。
【0053】
本体110は、第1装着部分200及び第2装着部分202を含む。各装着部分200、202は、入口から離れるように延びる。換言すれば、バルブ100は、一対の装着部分200、202を含む。これらは、細長く、バルブ100の本体110から離れるように突出する。バルブ100の上から見下げた図又は下から見上げた図において、装着部分200、202は、本体110から離れるように延び、その結果、全体的なバルブ形状は一般にU字型又はV字型となる(すなわち、各装着部分200、202が肢を形成する)。
【0054】
第1装着部分200及び第2装着部分202は、オストミー装具10に接続するための一以上の装着面を与える。図示の例において、装着部分200、202は、第1装着面210及び第2装着面212を与える。第1装着面210が実質的に第1平面内に位置し、第2装着面212が実質的に第2平面内に位置する。第1平面と第2平面とは互いに傾斜している。
【0055】
いくつかの実施形態において、第1装着面210は、本体110の一の外面から形成される。第2装着面212は、本体110の他の外面から形成される。図示の例において、第1装着面及び第2装着面を形成する外面は、バルブ100の、互いに反対側に存在する。換言すれば、第1装着面210がバルブ100の上面を形成し、第2装着面212がバルブ100の下面を形成する。
【0056】
この例において、入口及び出口102と、これらの間に延びる流路とが、本体110の一般に中心の部分を貫通する。よって、本体の一般に中心の部分は、第1装着面210と第2装着面212との間に延びる。換言すれば、本体の一般に中心の部分の外面、並びに第1装着部分200及び第2装着部分202(上側及び下側)の外面が、第1装着面210及び第2装着面212を形成する。
【0057】
いくつかの実施形態において、第1装着部分200及び/又は第2装着部分202は、バルブ100の本体の中心部分から離れるように延びるにつれてテーパ状になる(すなわち徐々に狭くなる)。換言すれば、第1装着部分200及び第2装着部分202はそれぞれが、側面から見たときに、一般にくさびの形状を形成する。よって、第1装着面210及び第2装着面212が一般に延びる第1平面及び第2平面が交差して、バルブが終わる点を形成する。換言すれば、第1装着面210及び第2装着面212が第1装着部分200の一端で合流し、第1先端部220(すなわちU字/V字形状の両端の一方)を形成する。同様に、第2装着部分202において、第1装着面210及び第2装着面が出会って(U字/V字形状の他端に)第2先端部222を形成する。
【0058】
いくつかの実施形態において、第1先端部220及び第2先端部222の一方又は双方がノッチ部分220a、222aを含む。これは、製造プロセスを支援し、出口部分20、20’の材料と装着面210、212との間の封止を達成することを容易にするので有利である。
【0059】
バルブ100は、出口部分20に装着される。本例において、第1装着面210が第1出口壁22に接続され、第2装着面212が第2出口壁24に接続される。好ましくは、出口部分20は、第1装着部分210及び第2装着部分212に熱溶着される。これにより、これらのコンポーネント間に安全かつ高信頼性の封止が得られる。
【0060】
よって、テール装置は、出口部分20及びバルブ100を含む。内部的には、(バルブ100の流路に入る前の)排せつ物の通路が、バルブ100の第1出口壁22及び第2出口壁24と、第1装着部分200及び第2装着部分202とから形成される。出口部分20の頂部において、第1出口壁22及び第2出口壁24が一緒に装着される。その後、バルブが(収集容積からさらに離れるように)始まると、第1先端部220及び第2先端部222が「壁」に含まれるようになる(すなわち第1出口壁及び第2出口壁がもはや互いに装着され合わず、その代わりに第1装着面210及び第2装着面212に装着される)。バルブ100の多くの部分が組み込まれるにつれて(すなわち入口及び出口102近くなるにつれて)、本体110の装着部分200、202が徐々に広くなる。よって、テール装置の側面が、入口/出口102へと近づくにつれて徐々に広くなる。この構成により、前述したような装具10の表面の滑らかなテーパが得られる。
【0061】
いくつかの例において、バルブ100は、流れ制御形成部300を含む(
図12及び
図13を参照)。流れ制御形成部300は、開状態に初期設定されるように構成され、出口104からの液体の流れが妨げられ又は少なくとも抑制される閉状態を有する。換言すれば、流れ制御形成部300は、閉状態まで動かされない限り、開のままである(そして排せつ物を出口へ通すことが許容される)。いくつかの例において、流れ制御形成部300は、その閉状態までユーザの操作によって動かされる。
【0062】
理解すべきことだが、流れ制御形成部300は、上述したバルブ100、100’のいずれかに設けられ得る。流れ制御形成部300の少なくとも一部分が、装具10の内部に(すなわち、出口部分20及びバルブ100によって形成されるテール装置の中に)配置される。流れ制御形成部300の内部によって、ユーザによる効果的な流れ制御が許容される。
【0063】
これらの図は、流れ制御形成部300の2つの異なる構成を示す。
図12A及び
図12Bに示される例が最初に記載される。流れ制御形成部300は、偏向可能部302と、さらなる第2の偏向可能部304とを有する。第1及び第2の偏向可能部302、304は、出口104に向かう流路を閉にするべく互いに向かって可動である。理解すべきことだが、バルブ100の他表面に対して又は装具10の他部に対して流路を閉にするべく動く単一の偏向可能部が存在してよい。
【0064】
第1及び第2の偏向可能部302、304は、装具10の内部に配置される。この例において、第1及び第2の偏向可能部302、304は、(
図12Aに示される)初期の形状及び/又は位置へと弾性的に付勢される。この初期形状及び/又は位置は、流れ制御形成部300の開状態に対応する。
【0065】
この図示の例において、第1及び/又は第2の偏向可能部302、304が、バルブ100の本体110から突出する。換言すれば、偏向可能部302、304は、本体110の「上流」及び出口104まで延びる。
【0066】
第1及び第2の偏向可能部302、304は、出口104に通じる本体110の開口310まわりに配置される。第1の偏向可能部302は、開口の半分まわりに延び、本体110から離れるように/上流に延びる(すなわち上側くちばし部を形成する)。第2の偏向可能部304は、開口の第2半分まわりに延び、またも本体110から離れるように/上流に延びる(すなわち下側くちばし部を形成する)。
【0067】
その「通常」すなわち初期設定の位置において、本体110の開口から最も遠くにある第1及び第2の偏向可能部302、304の端302a、304aは、互いから離間され、液体/排せつ物が通って流れる開通路を与える(排せつ物がバルブ100から外へ流れるか否かは、閉鎖装置120(
図12A及び
図12Bに示さず)の位置に依存する)。
【0068】
使用時(すなわちユーザが閉鎖装置120を使用せずに、バルブを通る排せつ物の流れに影響を与えたいと望む時)、偏向可能部302、304は互いに向かって動かされる(すなわち対向する圧力が各「側」にかけられる)。両端302a、304aが動かされて互いに接触するようになる。上側くちばし部と下側くちばし部とが、端に加えて側面に沿っても互いに接触し、流路が閉となる(すなわち、少なくともある程度は、くちばし部の両側への圧力によって側面/端が一時的に封止され、液体が開口310へと流れることが防止又は少なくとも抑制される)。
【0069】
流れ制御形成部300iは、偏向可能部302、304を一緒に保持する圧力が及ぼされている限り、この閉状態に維持される。よって、ひとたびユーザが液体を再び流すことに満足すれば、圧力は解放されて流路は再び開となる。
【0070】
図13A及び
図13Bに示される例が以下に記載される。流れ制御形成部300は、出口104の上流に接触面320を含む(すなわち装具10の内部収集容積とバルブ100の出口104との間に接触面320が配置される)。さらに、本例において、接触面320は装具10の内部に(すなわち出口部分20の層間に)存在する。本例において、接触面320は、本体110の一装着部分200から第2の装着部分202まで延びる。よって、接触面320は、本体110の肢間に形成される空間を横切るように延びる。
【0071】
この例において、接触面320は凸部を含む(この凸部は好ましくは、接触面320に対して一般に中心に存在し、出口104に接続する本体110の開口に一般に整列する)。図示の例において、接触面320は一側上で凸になるが、両側が凸部を含み得ることを理解すべきである。
【0072】
バルブ100は、第1出口壁22と第2出口壁24との間に位置決め/装着される(それにもかかわらず、装具10が、第1壁12及び第2壁14に一体化された出口部分20を有するように作られる場合、バルブ100は、その代わりに第1壁12と第2壁14との間に位置決め/装着される)。接触面320にとって重要なことは、装具10の可撓性膜(すなわち壁12、14、22、24によって与えられる層)が接触面320の両側に延びて、内部収集容積と出口104との間に流路を与えることにある。
【0073】
接触面320へのユーザ又は他の圧力からの相互作用が存在しない場合、収集容積とバルブ100の出口104との間の流路は開いたままである(すなわち液体がバルブから流出することが許容されるか否かは、閉鎖装置120によって/出口104が開か閉かによって決定される)。
【0074】
使用時(すなわちユーザが閉鎖装置120を使用せずに、バルブ100を通る排せつ物の流れに影響を与えたいと望む時)、接触面320の片側又は両側に圧縮力が及ぼされて流路が閉になる。換言すれば、装具10の壁のフィルムが接触面320に当たるように挟まれて出口104への流路がブロックされる。圧縮力/圧力はユーザによって及ぼされてよく、例えば、指と親指とを使用してフィルムの層を、接触面320に当たるようにつまんで液体の流れをせき止める。よって、接触面320の凸部は、手の指(すなわち、装具10のユーザ又は支援を与える看護師の親指/指)の曲面が層を効率的に及び/又は快適に挟むことを許容するので、有利となり得る。
【0075】
流路は、層が接触面320に押し付けられている限り、閉のままであり、液体の流れが防止(又は少なくとも抑制)される。ひとたび閉鎖状態がもはや必要とされなくなると、圧力は解放され、層(第1壁12及び第2壁14/第1出口壁22及び第2出口壁24)が、液体が(例えば重力を受けて)出口104へと流れることによって押されて接触面320から離れる。
【0076】
実施形態において、流れ制御形成部300は、閉鎖装置120に関係なくバルブ100からの液体の流れの手動改変を許容するので有利である。よって、その装具10を空にしたいと望むユーザは、制御流れ形成部300を使用して閉鎖装置120がその開位置まで動かされた後であっても、バルブ100、100’を「閉」に維持することができる。これが意味するのは、ユーザが、閉鎖装置120を開にした後でも出口104からの液体の流れを即座に止めることができるので、望ましくない排せつ物が指、衣服又は他の表面上を流れることが、その流れがトイレ又は他の容器へ向けられるようにバルブ100の方向を合わせる前でも回避できるということである。これにより、装具10を使用する人に清潔かつ尊厳のある経験が得られる。
【0077】
本明細書及び特許請求の範囲において使用されるとき、用語「含む」及び「備える」、並びにその変形は、特定の特徴、ステップ、又は整数が含まれることを意味する。これらの用語は、他の特徴、ステップ、又はコンポーネントの存在を除外すると解釈されてはならない。
【0078】
本発明はまた、本明細書において言及され又は示される部品、要素、ステップ、例、及び/又は特徴に、個別に、又は2以上の前記部品、要素、ステップ、例、及び/若しくは特徴のありとあらゆる組み合わせで集合的に、広く存在してよい。特に、ここに記載された実施形態のいずれかにおける一以上の特徴を、ここに記載されたいずれかの他の実施形態からの一以上の特徴と組み合わせてよい。
【0079】
本発明の所定の例示的な実施形態が記載されてきたにもかかわらず、添付の特許請求の範囲は、これらの実施形態のみに限定されることを意図しない。特許請求の範囲は、文字通りに、意図的に、及び/又は均等物を包括するように解釈されるべきである。
【0080】
代表的な特徴は、以下の条項に記載され、これらは、本明細書の本文及び/又は図面に開示された一以上の特徴と、単独で、又は任意の組み合わせで、組み合わせてよい。
[条項1]オストミー装具のためのバルブであって、オストミー装具への接続のための本体と、流路によって接続される入口及び出口と、閉位置と開位置との間で可動な閉鎖装置とを含み、閉位置において閉鎖装置は出口をブロックして液体が出口を通って流れることができないようにし、開位置において出口は開となって液体が出口から流れ出ることが許容され、閉鎖装置は、本体に取り外し可能に接続可能である、バルブ。
[条項2]閉鎖装置は、2つの異なる箇所において本体に取り外し可能に接続可能である、条項1に記載のバルブ。
[条項3]閉鎖装置は、本体に取り外し可能に接続する接続部材を含む、条項1又は2に記載のバルブ。
[条項4]本体は第1係合形成部を含み、接続部材は対応係合形成部を含む、条項3に記載のバルブ。
[条項5]第1係合形成部は、対応係合形成部の一部分を受容するように構成される受容形成部を含む、条項4に記載のバルブ。
[条項6]本体は、接続部材の一部分を受容するように構成される第2の受容形成部を与える、条項4又は5に記載のバルブ。
[条項7]第1の受容形成部は本体の第1側面に配置され、第2の受容形成部は第2側面に配置される、条項6に記載のバルブ。
[条項8]第1側面及び第2側面は本体の対向する側面に存在する、条項7に記載のバルブ。
[条項9]第1及び/又は第2の受容形成部が凹部を含む、条項5から8のいずれか一条項に記載のバルブ。
[条項10]第1及び/又は第2の受容形成部はさらに、凹部につながるチャネルを含む、条項9に記載のバルブ。
[条項11]閉鎖装置は閉鎖体を含み、接続部材は、閉鎖体から離れるように延びる細長部分を含む、条項3から10のいずれか一条項に記載のバルブ。
[条項12]接続部材は、細長部分から延びて凹部に係合する突起を含む、条項10及び11に記載のバルブ。
[条項13]閉鎖体は、ユーザが閉鎖装置をその開位置及び/又は閉位置まで動かす支援をする把持部分を含む、条項11又は12に記載のバルブ。
[条項14]細長部分が弾性の又は弾性変形可能な材料から形成されることにより、閉鎖装置と本体との接続が可撓性となる、条項11から13に記載のバルブ。
[条項15]閉鎖装置は、閉鎖装置がその閉位置にあるときに出口に位置決めされる栓部分を含み、好ましくは栓部分は、摩擦嵌め/押圧嵌めによって出口に保持される、条項1から14のいずれか一条項に記載のバルブ。
[条項16]栓部分は、出口の内側の内面に係合するフランジ部を含む、条項14に記載のバルブ。
[条項17]閉鎖装置と本体との接続が回転可能である、条項1から16のいずれか一条項に記載のバルブ。
[条項18]オストミー装具であって、ユーザへの装着のための接着部材と、第1壁と第2壁とがこれらの周縁まわりに接続されて画定される収集容積と、条項1から31のいずれか一条項に記載のバルブとを含む、オストミー装具。
[条項19]オストミー装具のためのバルブであって、オストミー装具への接続のための本体と、流路によって接続される入口及び出口と、閉位置と開位置との間で可動な閉鎖装置とを含み、閉位置において閉鎖装置は出口をブロックして液体が出口を通って流れることができないようにし、開位置において出口は開となって液体が出口から流れ出ることが許容され、閉鎖装置は、2つの箇所において本体に接続可能である/接続されている、バルブ。
[条項20]オストミー装具のためのバルブであって、オストミー装具への接続のための本体と、流路によって接続される入口及び出口と、閉位置と開位置との間で可動な閉鎖装置とを含み、閉位置において閉鎖装置は出口をブロックして液体が出口を通って流れることができないようにし、開位置において出口は開となって液体が出口から流れ出ることが許容され、閉鎖装置は、その開位置にあるときに本体に隣接するように保持又は位置決めされる、バルブ。
[条項21]閉鎖装置は、その開位置にあるときに本体に隣接するように保持又は位置決めされる、条項19に記載のバルブ。
[条項22]閉鎖装置は、その開位置にあるときに本体に接触する位置に保持される、条項20又は21に記載のバルブ。
[条項23]閉鎖装置は、2つの箇所において本体に接続可能である/接続される、条項20に記載のバルブ。
[条項24]閉鎖装置は、それぞれが本体に接続する第1及び第2の接続部材を含む、条項19又は21から23のいずれか一条項に記載のバルブ。
[条項25]第1の接続部材が本体の第1側面に接続し、第2の接続部材が本体の第2側面に接続する、条項24に記載のバルブ。
[条項26]閉鎖装置はさらに閉鎖体を含む、条項25に記載のバルブ。
[条項27]第1及び/又は第2の接続部材は、閉鎖体から離れるように延びる細長部分を含む、条項26に記載のバルブ。
[条項28]第1の接続部材と第2の接続部材とは閉鎖体の対向両側に配置される、条項25又は26に記載のバルブ。
[条項29]閉鎖装置がその閉位置にあるときに第1及び第2の接続部材が閉鎖体を出口に接触するように保持し、及び/又は閉鎖装置がその開位置にあるときに第1及び第2の接続部材が閉鎖体を本体に接触するように保持する、条項24から28のいずれか一条項に記載のバルブ。
[条項30]第1及び/又は第2の接続部材は、閉鎖装置と本体との接続が可撓性となるように弾性変形可能である、条項23から29のいずれか一条項に記載のバルブ。
[条項31]オストミー装具であって、ユーザへの装着のための接着部材と、第1壁と第2壁とがこれらの周縁まわりに接続されて画定される収集容積と、条項1から31のいずれか一条項に記載のバルブとを含む、オストミー装具。
[条項32]オストミー装具のためのバルブであって、オストミー装具への接続のための本体と、流路によって接続される入口及び出口と、閉位置と開位置との間で可動な閉鎖装置とを含み、閉位置において閉鎖装置は出口をブロックして液体が出口を通って流れることができないようにし、開位置において出口は開となって液体が出口から流れ出ることが許容され、本体は第1装着面及び第2装着面を含み、第1装着面は実質的に第1平面に存在し、第2装着面は実質的に第2平面に存在し、第1平面と第2平面とは互いに対して傾斜する、バルブ。
[条項33]オストミー装具のためのバルブであって、オストミー装具への接続のための本体と、本体を貫通する流路によって接続される入口及び出口と、閉位置と開位置との間で可動な閉鎖装置とを含み、閉位置において閉鎖装置は出口をブロックして液体が出口を通って流れることができないようにし、開位置において出口は開となって液体が出口から流れ出ることが許容され、本体は第1装着部分及び第2装着部分を含み、第1装着部分及び第2装着部分はそれぞれが、入口から離れるように延びてオストミー装具への接続のための一以上の装着面を与える、バルブ。
[条項34]本体は、それぞれが入口から離れるように延びる第1及び第2の装着部分を含む、条項32に記載のバルブ。
[条項35]本体は第1装着面及び第2装着面を含む、条項33に記載のバルブ。
[条項36]本体は、流路が貫通する一般に中心の部分を含む、条項34又は35のいずれか一条項に記載のバルブ。
[条項37]第1装着面と第2装着面とは本体の異なる側面に、随意的に本体の対向両側に、存在する、条項34から36のいずれか一条項に記載のバルブ。
[条項38]一般に中心の部分は、第1装着面と第2装着面との間に画定される、条項36及び37に記載のバルブ。
[条項39]第1装着面及び第2装着面はそれぞれが実質的にV字又はU字形状である、条項32又は34から38のいずれか一条項に記載のバルブ。
[条項40]第1装着面及び第2装着面の一部分がくさび形状を画定する、請求項32又は34から39のいずれか一条項に記載のバルブ。
[条項41]第1装着面及び第2装着面の第2の一部分が第2のくさび形状を画定する、条項40に記載のバルブ。
[条項42]第1装着面と第2装着面とが出会って先端部を形成し、随意的に先端部はノッチ部分を含む、条項32又は34から41のいずれか一条項に記載のバルブ。
[条項43]第1及び第2の装着部分が、入口から離れるように延びるテーパ脚を形成する、34から42のいずれか一条項に記載のバルブ。
[条項44]閉鎖装置は、閉鎖装置がその閉位置にあるときに出口に位置決めされる栓部分を含み、好ましくは栓部分は、摩擦嵌め/押圧嵌めによって出口に保持される、条項1から14のいずれか一条項に記載のバルブ。
[条項45]閉鎖装置は、本体に接続する接続部材を含む、条項1から45のいずれか一項に記載のバルブ。
[条項46]第1装着面及び/又は第2装着面は、オストミー装具の出口部分に装着可能であり、随意的に、熱溶着を介してオストミー装具に装着可能であり、随意的に熱溶着は、出口部分と第1装着面及び第2装着面との間に実質的にU字又はV字の形状を形成する、条項1から46のいずれか一条項に記載のバルブ。
[条項47]オストミー装具であって、装着部材と、第1壁及び第2壁と、第1壁によって画定されるストーマ開口と、ストーマからの排せつ物を受容する収集容積であって、前記収集容積は第1壁及び第2壁によって画定され、第1壁及び第2壁はこれらの周縁まわりで接続される、収集容積と、第1出口壁及び第2出口壁から形成される出口部分と、出口を与えるバルブとを含み、バルブが出口部分に接続されることによって、出口部分及びバルブが、収集容積と出口との間に流路を与える、オストミー装具。
[条項48]バルブは、出口部分に接続される本体と、流路によって出口に接続する入口と、閉位置と開位置との間で可動な閉鎖装置とを含み、閉位置において閉鎖装置は出口をブロックして液体が出口を通って流れることができないようにし、開位置において出口が開となって液体が出口から流れ出ることが許容される、条項47に記載のオストミー装具。
[条項49]本体は、それぞれが入口から離れて収集容積に向かうように延びる第1及び第2の装着部分を含む、条項48に記載のオストミー装具。
[条項50]バルブの一以上の外面が出口部分の一以上の外面と協働して出口部分とバルブとの間の滑らかな遷移部を形成する、条項47から49に記載のオストミー装具。
[条項51]出口部分が上側外面及び下側外面を与え、バルブが左側外面及び右側外面を与える、条項50に記載のオストミー装具。
[条項52]条項1から46のいずれか一条項に記載のバルブを含む、条項47から51のいずれか一条項に記載のオストミー装具。
【国際調査報告】