(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】超音波によって装備要素を被加工物に封着するための封着デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
B29C 65/08 20060101AFI20241003BHJP
B65B 7/28 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B29C65/08
B65B7/28 C
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024521152
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2022076666
(87)【国際公開番号】W WO2023057248
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】102021126177.5
(32)【優先日】2021-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507132710
【氏名又は名称】エスアイジー サービシズ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SIG Services AG
【住所又は居所原語表記】Laufengasse 18,CH-8212 Neuhausen am Rheinfall,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】マルティン バッケス
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン ハーゲン
(72)【発明者】
【氏名】パウル クロン
【テーマコード(参考)】
3E049
4F211
【Fターム(参考)】
3E049AA03
3E049AA04
3E049AB02
3E049BA01
3E049DB04
4F211AA04
4F211AD03
4F211AD06
4F211AG07
4F211AH56
4F211AR07
4F211AR20
4F211TA03
4F211TC08
4F211TN22
(57)【要約】
装備要素(2)を、特に複合積層体の形態の、被加工物(3)に超音波によって封着するための封着デバイス(1)であって、超音波を発生させるためのソノトロード(5)と、超音波を装備要素(2)および/または被加工物(3)に伝達するための封着面(6)と、ソノトロード(5)に相対するアンビル(7)と、装備要素(2)と被加工物(3)とをソノトロード(5)とアンビル(7)との間の封着用間隙(4)に少なくとも部分的に挿入するための開位置から、超音波封着中にソノトロード(5)の封着面(6)とアンビル(7)との間で被加工物(3)と装備要素(2)とを少なくとも部分的に押圧するための閉位置に、およびこの逆に、ソノトロード(5)とアンビル(7)とを互いに対して調整するための調整デバイスと、を有する封着デバイス(1)が説明および図示されている。注ぎ口などの装備要素を被加工物または包装用積層体に超音波によって封着することによる、包装用積層体などの被加工物における、例えば折り筋線の領域における、損傷および漏洩を防止するために、閉位置において被加工物(3)を挟持するための、封着面(6)からの振動が遮断された、少なくとも1対の相対する挟持手段(10、11)が封着用間隙(4)の両側に設けられ、この少なくとも1対の挟持手段(10、11)は、封着用間隙(4)に沿った方向に見たときに、装備要素(2)に対して封着面(6)の外側に設けられている。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装備要素(2)を、特に複合積層体の形態の、被加工物(3)に超音波によって封着するための封着デバイス(1)であって、超音波を発生させるためのソノトロード(5)と、前記超音波を前記装備要素(2)および/または前記被加工物(3)に伝達するための封着面(6)と、前記ソノトロード(5)に相対するアンビル(7)と、前記装備要素(2)と前記被加工物(3)とを前記ソノトロード(5)と前記アンビル(7)との間の封着用間隙(4)に少なくとも部分的に挿入するための開位置から、超音波封着中に前記ソノトロード(5)の前記封着面(6)と前記アンビル(7)との間で前記被加工物(3)と前記装備要素(2)とをそれぞれ少なくとも部分的に押圧するための閉位置に、およびこの逆に、前記ソノトロード(5)と前記アンビル(7)とを互いに対して調整するための調整デバイスと、を有する封着デバイス(1)において、
前記閉位置において前記被加工物(3)を挟持するための、前記封着面(6)に対して振動が遮断された少なくとも1対の相対する挟持手段(10、11)が前記封着用間隙(4)の両側に設けられていることと、前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)は、前記封着用間隙(4)に沿った方向に見たときに、前記装備要素(2)に対して前記封着面(6)の外側に設けられていることと、を特徴とする封着デバイス。
【請求項2】
前記装備要素(2)は注ぎ口として設計されている、および/または前記被加工物(3)は、特に厚紙/プラスチック複合積層体の形態の、包装用積層体として設計されていること、および/または前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)は、前記封着面(6)の周囲に少なくともほぼ周方向に、少なくともほぼ環状に、前記封着用間隙(4)に面して設けられていること、を特徴とする、請求項1に記載の封着デバイス。
【請求項3】
前記閉位置において前記被加工物(3)を挟持するための、前記封着面(6)に対して振動が遮断された少なくとも2対の相対する挟持手段(10、11)が前記封着用間隙(4)の両側に設けられていることと、前記少なくとも2対の挟持手段(10、11)は、前記封着用間隙(4)に沿った方向に見たときに、前記装備要素(2)に対して前記封着面(6)の外側の両側に設けられていることと、を特徴とする、請求項1または2に記載の封着デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの少なくとも1つの挟持手段(10、11)が、前記ソノトロード(5)からの振動を遮断するための弾性部分(13)を備えていることと、好ましくは、前記弾性部分(13)は、前記被加工物(3)を挟持するための前記挟持手段(10、11)の前記挟持面(14)を提供することと、を特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の封着デバイス。
【請求項5】
前記アンビル(7)に割り当てられた前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの、特に前記弾性部分(13)を備えた、少なくとも1つの挟持手段(11)が前記アンビル(7)の一部として設計されている、または前記封着用間隙(4)に少なくともほぼ平行な方向に前記アンビル(7)から離されていることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の封着デバイス。
【請求項6】
前記ソノトロード(5)に割り当てられた前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの少なくとも1つの挟持手段(10)が、前記封着用間隙(4)に少なくともほぼ平行な方向に、前記ソノトロード(5)から離れているように設計されていることを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の封着デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの、特に前記ソノトロード(5)に割り当てられた、少なくとも1つの挟持手段(10、11)が、50gと400gの間、好ましくは80gと300gの間、特に125gと225gの間、の質量を有する振動ダンパ(15)に固定されていること、および/または前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの、特に前記ソノトロード(5)に割り当てられた、少なくとも1つの挟持手段(10、11)が、前記ソノトロード(5)の周囲に少なくともほぼ環状に設けられた振動ダンパ(15)に設けられていること、を特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載の封着デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの、特に前記ソノトロード(5)に割り当てられた、少なくとも1つの挟持手段(10、11)が、特に前記振動ダンパ(15)と共に、前記ソノトロード(5)および/または前記アンビル(7)に対して、前記封着用間隙(4)に少なくともほぼ平行な少なくとも1つの枢動軸線(16)を中心として、特に自由に、枢動可能に設けられていること、および/または前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの、特に前記ソノトロード(5)に割り当てられた、少なくとも1つの挟持手段(10、11)が、特に前記振動ダンパ(15)と共に、少なくともほぼ前記封着用間隙(4)の方向に、ばね付勢されていること、を特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載の封着デバイス。
【請求項9】
好ましくは請求項1~8の何れか一項に記載の、装備要素(2)を、特に複合積層体の形態の、被加工物(3)に、超音波によって封着するための方法であって、
- 前記装備要素(2)および前記被加工物(3)の各々がソノトロード(5)とアンビル(7)との間の封着用間隙(4)に少なくとも部分的に挿入され、そこで前記ソノトロード(5)と前記アンビル(7)との間で押圧され、
- 前記押圧された被加工物(3)は、前記装備要素(2)に対して、前記封着用間隙(4)の両側から、前記封着面(6)の外側で、少なくとも1対の相対する挟持手段(10、11)の間に挟持され、
- 前記被加工物(3)が挟持されているとき、前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)に対して振動が遮断された前記ソノトロード(5)の封着面(6)が前記押圧された装備要素(2)および/または前記押圧された被加工物(3)に超音波を伝達し、これにより前記装備要素(2)と前記被加工物(3)とが互いに封着される、
方法。
【請求項10】
- 装備要素(2)として注ぎ口が使用される、および/または被加工物(3)として、特に厚紙/プラスチック複合積層体の形態の、包装用積層体が使用される、および/または、
- 前記被加工物(3)は、前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの前記挟持手段(10、11)によって、前記挟持手段(10、11)の縦延在部分に、前記被加工物(3)の主繊維方向に対して少なくとも主に横断方向に、特に少なくともほぼ直角に、挟持される、および/または、
- 前記被加工物(3)は、前記装備要素(2)と前記被加工物(3)の折り筋線(12)との間で挟持される、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
- 前記被加工物(3)は、前記装備要素(2)の両側で前記挟持手段(10、11)によって挟持され、
- 好ましくは、前記被加工物(3)は、前記装備要素(2)の周囲で、少なくともほぼ周方向に、特に少なくともほぼ環状に、前記挟持手段(10、11)によって挟持される、
請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
封着中、前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの少なくとも1つの挟持手段(10、11)が、特に挟持面(14)を提供する、弾性部分(13)において前記振動を吸収する、請求項9~11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ソノトロード(5)から前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの前記少なくとも1つの挟持手段(10、11)に伝達された前記振動は、前記挟持手段(10、11)を支持している、50gと400gの間、好ましくは80gと300gの間、特に125gと225gの間、の質量を有する、振動ダンパ(15)によって減衰される、および/または、
- 前記ソノトロード(5)から前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの前記少なくとも1つの挟持手段(10、11)に伝達された前記振動は、前記挟持手段(10)を支持している、前記ソノトロード(5)の周囲に少なくともほぼ環状に延在する、振動ダンパ(15)によって減衰される、
請求項9~12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
挟持のために、前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの少なくとも1つの挟持手段(10、11)が、特に前記振動ダンパ(15)と共に、前記封着用間隙(4)に少なくともほぼ平行に位置合わせされた枢動軸線(16)を中心に枢動される、請求項9~13の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの前記少なくとも1つの挟持手段(10、11)は、特に前記振動ダンパ(15)と共に、少なくとも1つのばね手段(17)の復元力によって少なくとも部分的に形成された挟持力で、前記被加工物(3)を少なくとも部分的に挟持する、請求項9~14の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装備要素を、特に複合積層体の形態の、被加工物に超音波によって封着するための封着デバイスであって、超音波を発生させるためのソノトロードと、超音波を装備要素および/または被加工物に伝達するための封着面と、ソノトロードに相対するアンビルと、装備要素と被加工物とをソノトロードとアンビルとの間の封着用間隙に少なくとも部分的に挿入するための開位置から、超音波封着中にソノトロードの封着面とアンビルとの間で被加工物と装備要素とをそれぞれ少なくとも部分的に押圧するための閉位置に、およびこの逆に、ソノトロードとアンビルとを互いに対して調整するための調整デバイスと、を備えた封着デバイスに関する。更に、本発明は、装備要素を、特に複合積層体の形態の、被加工物に超音波によって封着するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被加工物は、包装用積層体の形態に設計され得る。このような包装用積層体は、充填対象のさまざまな製品を保持するための包装体を形成するために使用される。このような製品は、通常は食品、特に飲料、であり、必要に応じて塊状成分を有し得る。原則として、このような製品は、注出可能または易流動性、特に流動性、である。少なくとも1つの液状成分を有する食品を保持するための包装体が特に好適である。このような包装体は、一般に、所謂複合包装体として設計されており、通常、平面層構造を有する包装用積層体、特に厚紙/プラスチック複合積層体、から形成されている。
【0003】
厚紙複合包装体およびこのような包装体を製作するための厚紙/プラスチック複合積層体は、包装体にその基本的安定性、ひいてはその基本構造、を付与する厚紙層を有する。したがって、厚紙層は、構造を付与するキャリア層を形成する。このキャリア層は、包装用積層体の曲げ剛性の決定に少なくとも大きく関わるが、この曲げ剛性を特に圧倒的にもたらす。換言すると、包装用積層体およびこの包装用積層体から製作された包装体は、その構造を付与するキャリア層の故に、それぞれの形状を保持する。加えて、外側の、特に熱可塑性の、例えばポリエチレン(PE)製の、プラスチック層が通常設けられている。このプラスチック層は、湿気から厚紙を保護すると共に、包装体からの望ましくない物質の吸収から食品を保護する。包装用積層体を通した酸素および他の気体の拡散を防止するために、アルミニウム層などの付加層も設けられ得る。更に、外側の熱可塑性材料層は、包装体を密閉するための包装用積層体の封着と包装体への注ぎ口などの装備要素の取り付けとを可能にする。包装用積層体には、通常、外側のプラスチック層に印刷可能な装飾も印刷される。この装飾は、一般に、実際の外側プラスチック層よりはるかに薄い。包装用積層体は、気体および光に対するバリヤ効果を提供する、アルミニウム層などの、他の層を更に含み得る。
【0004】
包装用積層体は、ウェブ材料または連続材料として、特にロール材料として、提供され得る。これらの材料から、最初にブランクを製作せずに、包装体が直接形成され得る。ロール材料は、最初に曲げられ、その縦方向端縁に沿って封着されて筒状に形成され、縦方向に液密に密閉される。その後、液密な横方向シームが一定間隔で封着される。その後、上部が開いている筒状ポケットに製品が充填され得る。その後、次の横方向シームによってこの筒状ポケットを密閉して、包装体を形成する。
【0005】
あるいは、包装体の形成前に、包装用積層体を縦方向および/または横方向に切断して所謂ブランクを製作できる。このブランクを更に加工して、包装ジャケットまたは包装スリーブの形態の所謂包装スリーブブランクを形成できる。この目的のために、縦方向端縁を互いに上下に重ね、互いに封着して縦方向封着シームを形成する。これにより、筒状の包装スリーブが複数得られる。これらは、別の場所、特に充填機、における更なる加工のために、扁平に折り畳まれ、積み重ねられる。その後、充填機において、包装スリーブから形成され、且つ充填された包装体が製作され得る。
【0006】
平らに折り畳まれた複数の包装スリーブは、スタックとして充填機のマガジンに移送され、次々と展張され得る。この展張は、折り癖が付けられた折り目線に沿って行われる。これら折り目線に沿って、包装用積層体の折り目付け、または折り曲げ、を容易に行うことができる。対応する折り目線は、折り筋線としても公知である。適切に展張された包装スリーブは、その後、一端が折り曲げられ、押圧され、封着、すなわち密閉、される。包装スリーブの密閉された端部は、その後、包装体の底部または頭部を形成し得る。こうして作成された、片側が開口している包装容器は、充填機に送り込まれる。そこで、包装容器は、高温の無菌空気によって予熱され、その後、一般には過酸化水素で、滅菌され、無菌空気で乾燥される。滅菌された包装容器は充填される。その後、充填された包装容器の開口部が密閉され、対応する包装体は充填機を離れる。
【0007】
包装スリーブ、包装容器の底部、および包装体の頭部を形成するために、包装材料ブランクが確実、迅速、且つ容易に折り曲げられ得ることを保証するために、包装材料ウェブに折り筋線が複数設けられる。これら折り筋線に沿って包装材料ブランクを折り曲げることができる。折り筋線は、一般に、筋付け工具を使用して包装材料ウェブに型押しされる。これにより、包装材料ウェブは、包装材料ウェブの一方の面に折り筋線に沿って窪みを有し、包装材料ウェブのもう一方の面に隆起を有する。
【0008】
包装体の頭部および底部領域には、特に多数の折り筋線が設けられている。これらの折り筋線は、包装体の頭部および底部を折り曲げるために必要とされる。折り筋線に加え、多くの場合、注ぎ口の形態の装備要素が包装体の頭部領域に取り付けられる。その後、この装備要素を通して包装体の中身を注ぎ出すことができる。注ぎ口は、一般に、製品を通すための基体と、注ぎ口を包装用積層体の熱可塑性材料層に接続するためのフランジとを有する。注ぎ口を閉じるために基体に螺装される蓋を設けることもできる。通常、包装用積層体には穴が設けられており、そこに後で包装体の内側または外側から注ぎ口が貼着される。包装用積層体の穴を密閉するために、この穴は、別の材料で、例えば、必要であれば容易に開封可能なフィルムで、被膜され得る。
【0009】
注ぎ口の取り付けは、一般に、注ぎ口のフランジを包装用積層体の穴の周囲に配置し、隣接する包装用積層体の熱可塑性材料層にフランジを超音波溶着することによって、行われる。この目的のために、包装用積層体と注ぎ口とは、超音波を発生させるソノトロードとこれに相対するアンビルとの間で押圧され、超音波によって部分的に加熱されるので、フランジおよび/または包装用積層体の隣接層が溶融する、または少なくとも軟化する。包装用積層体および注ぎ口に印加された圧力の結果として、注ぎ口と包装用積層体とは互いに溶着される。ただし、これにより、隣接する複数の折り筋線が繰り返し損傷される。ここで、包装用積層体は、破裂、漏洩、および/または層間剥離し得る。
【0010】
他の装備要素を包装用積層体に封着するときも、例えば蓋、カトラリー、ストロー、景品、およびこれらに類するものを封着するときも、同様の問題が発生し得る。ただし、装備要素を他の被加工物に封着するときも、対応する問題が発生し得る。この他の被加工物とは、好ましくは、少なくとも部分的に平坦な被加工物であり、積層体の形態であり得る。その表面の少なくともいくつかの部分が熱可塑性材料製であることが得策である。加えて、上記の諸問題が発生するのは、特に、被加工物の不連続箇所が封着位置に隣接して存在し、振動および/または熱の無制限の伝達を阻む場合である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明は、被加工物への注ぎ口などの装備要素の封着、または超音波による包装用積層体の封着、に起因する包装用積層体などの被加工物における、例えば折り筋線における、損傷および漏洩が回避され得るように、冒頭で言及し、上でより詳細に説明した種類の封着デバイスおよび方法を設計し、更に発展させるという目的に基づく。
【0012】
この目的は、請求項1の前提部分による封着デバイスにおいては、閉位置において被加工物を挟持するための、封着面に対して振動が遮断された少なくとも1対の相対する挟持手段が封着用間隙の両側に設けられていることで、およびこの少なくとも1対の挟持手段は、封着用間隙に沿った方向に見たときに、装備要素、特に注ぎ口、に対して封着面の外側に設けられていることで、解決される。
【0013】
前記目的は、更に、請求項9によると、好ましくは請求項1~8の何れか一項に記載の、装備要素を、特に複合積層体の形態の、被加工物に超音波によって封着するための方法によって解決される。本方法においては、
- 装備要素と被加工物とがそれぞれソノトロードとアンビルとの間の封着用間隙に少なくとも部分的に挿入され、そこでソノトロードとアンビルとの間で押圧され、
- 押圧された被加工物は、封着面の外側で、封着用間隙の両側から少なくとも1対の相対する挟持手段の間で、装備要素に対して挟持され、
- 被加工物が挟持されているとき、少なくとも1対の挟持手段に対して振動が遮断されたソノトロードの封着面が、押圧された装備要素に、および/または押圧された被加工物に超音波を伝達することによって、装備要素と被加工物とを互いに封着する。
【0014】
したがって、本発明によると、特に包装用積層体の形態の、被加工物ばかりでなく、特に注ぎ口の形態の、装備要素もソノトロードとアンビルとの間で押圧されて、装備要素が被加工物に封着される。被加工物も封着用間隙の両側に、ひいては封着用間隙に保持されている被加工物の両側に、配置された挟持手段の間に挟持される。ソノトロードとアンビルとが閉位置にあるとき、被加工物に装備要素が封着される一方で、被加工物を挟持するために、挟持手段も一緒に移動することができる。挟持手段はソノトロードからの振動が遮断されているので、ソノトロードの封着面を介した場合とは異なり、超音波は挟持手段を介して被加工物に大幅に伝達されることはない。
【0015】
加えて、挟持手段は、装備要素に対して封着対象領域の外側に設けられている。これは、挟持手段が被加工物を装備要素のフランジの外側で挟持することを必ずしも意味するものではない。挟持手段が被加工物を装備要素のフランジと一緒に、すなわち、封着対象領域の外側で、または一方の被加工物および/または装備要素と他方のソノトロードの封着面との間の接触面の少なくとも外側で、挟持するようにすることもできる。封着面の外側とは、その挟持面が被加工物に接触している挟持手段は、装備要素の中心領域に面する封着面の側には配置されず、封着面の反対側に配置されていることを意味する。
【0016】
手順上の観点から、これは、最初に装備要素および被加工物の各々をソノトロードとアンビルとの間の封着用間隙に少なくとも部分的に挿入し、そこでソノトロードとアンビルとの間で押圧することによって実現される。少なくとも被加工物と装備要素との超音波封着中、押圧されている被加工物は、封着用間隙の両側から少なくとも1対の相対する挟持手段の間に、すなわち、ソノトロードの封着面の外側の一箇所において、装備要素に対して挟持されている。この場合、挟持手段に対して振動が遮断されているソノトロードは、ソノトロードとアンビルとの間で押圧されている被加工物に、同じくソノトロードとアンビルとの間で押圧されている装備要素を封着できる。これは、押圧されている被加工物および/または押圧されている装備要素に、ソノトロードの封着面が超音波振動を伝達することによって行われる。
【0017】
超音波は、最終的に、局所的封着のために必要なエネルギーを被加工物および/または装備要素に導入するために使用される。ただし、この対応するエネルギーは、ソノトロードの封着面からの距離の増大に伴い、エネルギー散逸の故に、被加工物におけるエネルギー密度が低下する場合でも、封着シームの領域で利用可能であるばかりでなく、被加工物の他の複数の領域にも放射される。ただし、被加工物におけるエネルギーの伝導は、特に、被加工物の挟持によって終端する、または少なくとも大きく弱化する。このエネルギーは、挟持領域を通過できないか、または容易に通過できない。
【0018】
このエネルギーは、特に、熱伝導によって、および超音波振動の伝導によって、被加工物を通って拡散する。被加工物の被挟持領域においては、挟持の故に、被挟持領域が振動し得ない、または限定的にしか振動し得ないので、超音波振動の伝導が妨げられる。したがって、被加工物の被挟持領域は、被加工物の振動に対する障害物である。加えて、挟持手段は、被加工物によって伝導される熱のかなりの量を吸収し得る。これが意味するのは、熱のはるかに小さな部分だけが被加工物の被挟持領域から伝導されることである。したがって、この熱伝導は挟持自体によっては阻止されない。熱は、被加工物の被挟持領域からも伝導される。ただし、挟持手段との接触によって、挟持領域に伝導された熱のかなりの部分が被加工物から除去される。
【0019】
したがって、被加工物を挟持することによって、このような高密度のエネルギーが、例えば、被加工物の隣接折り筋線に伝導されることが防止される。折り筋線も被加工物における超音波振動の伝搬に対する障害物である。これは、被加工物は、折り筋線の領域において、より稠密且つ硬質であることによる。この理由により、被加工物の折り筋線の領域における振動の伝導は、被加工物の隣接領域に比べ、著しく小さい。したがって、折り筋線に到達した振動は、折り筋線によって部分的に吸収されるか、または部分的に反射される。これは、機械的応力を折り筋線上に直接もたらし、折り筋線における発熱を間接的にもたらす。この発熱に加え、熱伝導によって折り筋線に輸送される熱も存在する。これらは何れも、個々に、または一緒に、折り筋線に損傷をもたらし得る。その結果、上記のように挟持手段が使用されなかった場合は、被加工物の漏洩、破裂、および層間剥離に至り得る。
【0020】
折り筋線についての上記プロセスは、被加工物の他の不連続箇所にも起こり得る。このような不連続箇所は、屈曲部、溝、テーパー部、開口部、穴、接合部、およびこれらに類するものであり得る。これらの要素も、被加工物における超音波振動および/または温度の無制限の伝搬に対する障害物になり得る。必要であれば、被加工物は複合積層体でもあり得る。このような被加工物の場合、本発明によると、望ましくない層間剥離、すなわち、積層体の個々の層の分離、が恐らく防止され得る。
【0021】
基本的に、少なくとも1対の相対する挟持手段の挟持力は実証されている。この挟持力は、一般的な用途の場合は10Nと150Nの間であり得る。ただし、25Nと100Nの間、または45Nと70Nの間、の挟持力が特に好適であり得る。
【0022】
明瞭化のために、および不要な繰り返しを回避するために、以下においては、封着デバイスと方法とを詳細に区別せずに、封着デバイスと方法とを一緒に説明する。ただし、当業者には、封着デバイスおよび方法のそれぞれに特に好適な諸特徴が文脈から明らかであろう。
【0023】
封着デバイスの特に好適な第1の実施形態において、装備要素は注ぎ口として設計されている、および/または被加工物は、特に厚紙/プラスチック複合積層体の形態の、包装用積層体として設計されている。このような場合、封着デバイスの諸利点が特に高度に利用される。そうでなければ、被加工物が特に容易に損傷され得るからである。包装用積層体なしに注ぎ口を使用することもできる。この逆も可能である。諸利点が特に明らかであるのは、厚紙/プラスチック複合積層体の形態の被加工物が使用される場合である。これらは、特に層間剥離し易い。厚紙複合包装体を製作するために、このような被加工物も、多くの場合、最初に折り筋線が接合され、その後に装備要素が接合される。これが意味するのは、装備要素の取り付けは、折り筋線の不都合な損傷をもたらし得ることである。対応する被加工物、特に厚紙/プラスチック複合積層体、は厚紙層を有する。この厚紙層は、構造を付与するキャリア層として、包装体の基本的な安定性、ひいては基本構造、をもたらすことが意図されている。加えて、被加工物の封着と湿気からの厚紙の保護とを可能にするために、熱可塑性材料製の、例えばポリエチレン(PE)製の、外層が設けられることが好ましい。被加工物を通した酸素および他の気体の拡散を防止するために、アルミニウム層などの付加層を設けることもできる。被加工物の少なくとも1つの側面に、装飾またはこれらに類するものを印刷することもできる。
【0024】
代わりに、または加えて、少なくとも1対の挟持手段を封着面の周囲に少なくともほぼ周方向に、封着用間隙に面して設けることができる。これにより、ソノトロードの封着面によって装備要素の領域に導入された封着エネルギーは全方向に外方に拡散できなくなる、または大幅に拡散できなくなる。簡素化のために、および被加工物における応力ピークを回避するために、少なくとも1対の挟持手段を封着面の周囲に少なくともほぼ環状に設けることも得策で有り得る。
【0025】
例えば、閉位置において被加工物を挟持するために、封着用間隙の両側に少なくとも2対の相対する挟持手段を設けることもできる。これが有用であるのは、複数の折り筋線が装備要素に隣接して複数の特定方向にのみ設けられている場合である。封着中に導入されたエネルギーの拡散は、これらの方向においてのみ制限されればよい。同じことは、被加工物が、主繊維方向とも称され得る、好適な繊維方向を有する繊維含有層、特に厚紙層、を有する場合にも当てはまり得る。この場合、被加工物に導入された振動は、好ましくは、主繊維方向に伝導される。これが意味するのは、封着中に導入されたエネルギーの伝搬をこの主繊維方向にのみ、必要であれば装備要素の中心領域から両側にのみ、制限すればよいということである。少なくとも1対の更なる挟持手段も封着面からの振動が遮断されている。各挟持手段は、如何なる大きな更なる振動も被加工物に伝達すべきでない。このことに関係なく、特に有利であるのは、封着用間隙に沿った方向に見たときに、装備要素に対して、少なくとも2対の挟持手段が封着面の外側に、両側に設けられている場合である。これにより、被加工物における封着エネルギーの両方向への過度の伝搬を妨げることができる。
【0026】
少なくとも1対の挟持手段のうちの少なくとも1つの挟持手段が弾性部分を有する場合は、ソノトロードからの振動を更に遮断できる。この場合、ソノトロードからの振動は、弾性材料によって少なくともかなりの部分が吸収され、ひいてはシステムから除去される。代わりに、または加えて、必要であれば、被加工物のより確実な挟持を実現できる。この場合、挟持手段の弾性部分は、挟持領域における被加工物の高低差を打ち消すために役立ち得る。したがって、被加工物は均等に、且つ同時に十分に、挟持され得る。特に簡素且つ実用的であるのは、被加工物を挟持するための少なくとも1つの挟持手段の挟持面が弾性部分によって提供される場合である。あるいは、挟持面は、好ましくは専ら弾性部分を介して、挟持手段の他の部分に接続されているべきである。挟持手段の弾性部分は、振動エネルギーの少なくとも一部を被加工物から除去することもできる。被加工物の振動は、弾性部分を振動させる。弾性部分は、内部摩擦の結果として、これらの振動を熱に変換する。その後、対応する熱は、環境に、または挟持手段の他の部分に、伝達され得る。弾性部分をヤング率が低い材料で製作することは基本的に良い考えである。材料のヤング率は、5.0N/mm2未満、好ましくは2.5N/mm2未満、特に1.0N/mm2未満であることが好ましい。あるいは、弾性部分は、20ショアと100ショアの間、特に40ショアと80ショアの間、の硬さを有し得る。これらの硬さで、適切な振動減衰挙動が実現された。
【0027】
簡素化のために、アンビルに割り当てられた少なくとも1対の挟持手段のうちの少なくとも1つの挟持手段がアンビルの一部として設計され得る。これが特に当てはまるのは、対応する挟持手段が弾性部分を有する場合である。この場合、更なる振動遮断が実現され得る。ただし、振動は、通常、封着自体によって、装備要素および/または被加工物を介して、アンビルに伝達される。したがって、アンビルに割り当てられた少なくとも1つの挟持手段の更なる振動遮断が通常実現され得るのは、この挟持手段がアンビルから、封着用間隙に少なくともほぼ平行な方向に、距離を置いて設計されている場合である。その結果、特に空気またはこれに類するものがアンビルと挟持手段との間に設けられている場合は、如何なる振動もこの距離を介して伝達され得ない。このことに関係なく、ここで、対応する挟持手段が弾性部分を有する場合も有利であり得る。この場合、少なくとも被加工物に対して、振動遮断が実現され得る。この場合、この振動遮断は、被加工物の被挟持領域における喜ばしい振動減衰を同時にもたらす。
【0028】
ソノトロードに関しても、できる限り広範囲の振動遮断が特に重要であり得る。したがって、有用であり得るのは、ソノトロードに割り当てられた少なくとも1対の挟持手段のうちの少なくとも1つの挟持手段が、封着用間隙に少なくともほぼ平行な方向に、ソノトロードから距離を置いて配置されている場合である。その結果、特に、この挟持手段とアンビルとの間に空気またはこれに類するものが設けられている場合は、如何なる振動もこの距離を介して伝達され得ない。
【0029】
代わりに、または加えて、慣性を増大させた堅牢な構成要素の形態の振動ダンパが振動を減衰させるために使用され得る。これは、少なくとも1対の挟持手段のうちの少なくとも1つの挟持手段を50gと400gの間、好ましくは80gと300gの間、特に125gと225gの間、の質量を有する振動ダンパに固定することによって可能である。これは、アンビルに割り当てられた少なくとも1つの挟持手段、および/またはソノトロードに割り当てられた少なくとも1つの挟持手段、であり得る。ただし、後者が特に有用であり得る。その理由は、ソノトロードが超音波を発生させ、この超音波がソノトロードから被加工物および/または装備要素に伝達されるからである。この振動が振動ダンパによって、主に慣性によって、減衰され得るように、振動ダンパをヤング率が少なくとも50,000N/mm2、好ましくは少なくとも100,000N/mm2、特に少なくとも150,000N/mm2である材料製にすることが得策であり得る。
【0030】
このことに関係なく、一様な振動減衰のために有用であり得るのは、少なくとも1対の挟持手段のうちの少なくとも1つの挟持手段を、ソノトロードおよび/または封着面の周囲に少なくともほぼ環状に設けられた振動ダンパに設けることである。ここでも、この少なくとも1つの挟持手段は、アンビルおよび/またはソノトロードに割り当てられ得る。上記のように、ソノトロードが超音波を発生させ、この超音波がソノトロードの封着面から被加工物および/または装備要素に伝達されるので、ここでも特に有用であり得るのは、対応する挟持手段がソノトロードに割り当てられている場合である。
【0031】
可能な許容誤差または他の偏差も考慮に入れて、被加工物の可能最適な挟持を実現するために、得策であり得るのは、少なくとも1つの挟持手段が調整可能に、好ましくは枢動可能または傾動可能に、設けられていることである。このことが特に有用であるのは、少なくとも1対の挟持手段のうちの少なくとも1つの挟持手段が、ソノトロードおよび/またはアンビルに対して、封着用間隙に少なくともほぼ平行に位置合わせされた少なくとも1つの枢動軸線を中心に枢動可能に、設けられている場合である。これにより、挟持手段と被加工物との間の良好な接触が保証される。これが特に確実に実現され得るのは、挟持手段が、この枢動軸線を中心に自由に枢動可能に、設けられている場合である。ソノトロードは振動を発生させるので、対応する挟持手段はソノトロードに割り当てられていることが好ましい。代わりに、または加えて、振動減衰の観点から特に好適であるのは、挟持手段が、振動ダンパと共に、少なくとも1つの枢動軸線を中心に枢動可能に設けられている場合である。
【0032】
確実且つ適切な挟持を保証するために、少なくとも1対の挟持手段のうちの少なくとも1つの挟持手段を少なくともほぼ封着用間隙の方向にばね付勢できる。これにより、最終的に、挟持力を特定の限度に既定または調整できる。簡素化のために適切であるのは、挟持手段を、振動ダンパと共に、ばね付勢することである。この場合も特に良好な結果の実現が可能になるのは、振動を引き起こすソノトロードにこの挟持手段が割り当てられている場合である。
【0033】
本方法の特に好適な第1の実施形態では、装備要素として注ぎ口が使用される、および/または被加工物として、特に厚紙/プラスチック複合積層体の形態の、包装用積層体が使用される。このような場合、本方法の諸利点が特に高度に利用される。そうしないと、被加工物が特に容易に損傷され得るからである。包装用積層体なしに、注ぎ口を使用することもできる。この逆も可能である。厚紙/プラスチック複合積層体の形態の被加工物が使用される場合も、本方法の諸利点が特に明らになる。このような被加工物は、特に層間剥離の傾向がある。厚紙複合包装体を製作するために、このような被加工物も、多くの場合、最初に折り筋線が接合され、その後に装備要素が接合される。すなわち、装備要素の取り付けは、折り筋線の不都合な損傷をもたらし得る。対応する被加工物、特に厚紙/プラスチック複合積層体、は厚紙層を有する。この厚紙層は、構造を付与するキャリア層として、包装体の基本的な安定性ひいては基本構造をもたらすことが意図されている。加えて、被加工物の封着と湿気からの厚紙の保護とを可能にするために、熱可塑性材料製の、例えばポリエチレン(PE)製の、外層が設けられていることが好ましい。被加工物を通した酸素および他の気体の拡散を防止するために、アルミニウム層などの付加層を設けることもできる。被加工物には、その少なくとも1つの側面に、装飾またはこれに類するものの印刷も可能である。
【0034】
代わりに、または加えて、被加工物は、少なくとも1対の挟持手段によって、この被加工物の主繊維方向を少なくとも主に横断する挟持手段の縦延在部分において、挟持され得る。これにより、挟持手段と被加工物の対応する挟持とによって、主に繊維方向に生じる振動および熱の伝導が確実に中断される、または少なくとも大幅に低減される。これが特に当てはまるのは、挟持手段の縦延在部分が被加工物、特に厚紙、の主繊維方向に少なくともほぼ直角に位置合わせされている場合である。多くの場合、被加工物、特に被加工物の厚紙層、の全ての繊維が互いに平行に位置合わせされているとは限らない。それにも拘わらず、被加工物の、特に被加工物の厚紙層の、大半および/または最長の繊維は、互いに少なくともほぼ平行に位置合わせされていることが多いであろう。この場合、この方向は、主繊維配向と見なされる。
【0035】
代わりに、または加えて、有利であるのは、被加工物が、装備要素と被加工物の折り筋線との間で、挟持手段によって挟持される場合である。これにより、封着中に振動および熱として被加工物に導入されたエネルギーが被加工物から折り筋線に向けて、折り筋線および/または被加工物を損傷させ得る程無制限に、伝導されることが防止される。挟持手段によって被加工物を挟持することによって、エネルギーの伝導が少なくともかなりの程度まで制限される。
【0036】
特に主繊維方向に見たときに、折り筋線は装備要素の両側に配置されていることが多いので、特に主繊維方向に見たときに、被加工物を、装備要素の両側で、挟持手段によって挟持することが得策である。他の複数の方向、例えば主繊維方向に垂直な方向、においては、そこで被加工物を保護するために、挟持を省くことができる。これが得策であり得るのは、複数の折り筋線がこれらの方向にある程度離れた位置にのみ設けられている場合、または主繊維方向に垂直なエネルギーの伝導が低いため、そこでの折り筋線の障害を懸念する必要なしに、エネルギーの伝導を許容できる場合、である。
【0037】
封着中に被加工物に導入されたエネルギーの拡散を特に容易且つ確実に制限できるのは、被加工物が挟持手段によって少なくともほぼ周方向に挟持されている場合である。この場合、全方向への拡散を制限できる。これを特に容易且つ一様に実現できるのは、被加工物がソノトロードおよび/または封着面の周囲に少なくともほぼ環状に挟持されている場合である。
【0038】
振動を全体的に減らすために、ひいては振動をシステムから除去するために、少なくとも1対の挟持手段のうちの少なくとも1つの挟持手段が少なくとも1つの弾性部分を有し得る。この場合、この弾性部分は、封着中の超音波振動を少なくとも部分的に吸収するために使用され得る。ただし、この目的のために、振動を弾性部分に伝達するために、被加工物との適切な接触が必要とされる。これが特に容易に実現されるのは、弾性部分が挟持手段の挟持面を提供する場合である。あるいは、挟持面は、好ましくは、専ら弾性部分を介して、挟持手段の他の部分に接続されているべきである。被加工物の振動は弾性部分を振動させる。これらの振動は、内部摩擦の結果として、熱に変換される。その後、対応する熱は挟持手段の周辺部または他の部分に伝達され得る。弾性部分をヤング率が低い材料製にすることは、基本的に良い考えである。材料のヤング率は、好ましくは5.0N/mm2未満、好ましくは2.5N/mm2未満、特に1.0N/mm2未満、であるべきである。あるいは、弾性部分は、20ショアと100ショアの間、特に40ショアと80ショアの間、の硬さを有し得る。これら硬さであると、適切な振動減衰挙動が実現された。
【0039】
振動の適切な吸収の代わりに、またはそれに加えて、振動の減衰ももたらされ得る。吸収の場合、振動は弾性部分の弾性変形に変換され、これにより、対応するエネルギーが散逸される。他方、減衰は、振動ダンパの十分な質量の慣性を利用する。振動ダンパも、振動を被加工物から振動ダンパに伝達できるように、被加工物に接触させる必要がある。手順上の観点から、ソノトロードから少なくとも1対の挟持手段のうちの少なくとも1つの挟持手段に伝達される振動を、この挟持手段を支持している、50gと400gの間、好ましくは80gと300gの間、特に125gと225gの間、の質量を有する振動ダンパによって減衰させることができる。これにより、エネルギーがシステム内で十分に散逸されるので、隣接する折り筋線はこのエネルギーから保護される。振動を振動ダンパによって、主に慣性によって、減衰できるように、得策であり得るのは、ヤング率が少なくとも50,000N/mm2、好ましくは少なくとも100,000N/mm2、特に少なくとも150,000N/mm2、の材料で振動ダンパを製作することである。
【0040】
代わりに、または加えて、好都合であるのは、ソノトロードから少なくとも1対の挟持手段のうちの少なくとも1つの挟持手段に伝達された振動が、この挟持手段を支持している、ソノトロードの周囲に周方向に延在している、振動ダンパによって減衰される場合である。これにより、封着中に導入された振動がさまざまな方向に別々に伝達される場合は、振動エネルギーの均等化がもたらされる。この均等化が特に高度に実現されるのは、振動ダンパがソノトロードの周囲に少なくともほぼ環状になるように設計されている場合である。
【0041】
挟持手段と被加工物との間の十分な接触を保証するために、得策であるのは、挟持のために、少なくとも1対の挟持手段のうちの少なくとも1つの挟持手段を封着用間隙に少なくともほぼ平行に位置合わせされた枢動軸線を中心に枢動させることである。したがって、本方法の、または被加工物に関する、不正確さを打ち消すことができ、既定どおりの一様な挟持に寄与する。簡素化のために、および振動のより良好な減衰のために、少なくとも1つの挟持手段を、振動ダンパと共に、封着用間隙に少なくともほぼ平行に位置合わせされた枢動軸線を中心に枢動させることができる。
【0042】
少なくとも1対の挟持手段のうちの少なくとも1つの挟持手段は、少なくとも1つのばね手段の復元力によって少なくとも部分的に形成された挟持力によって、被加工物を少なくとも部分的に挟持できる。これにより、必要に応じて容易に保証されるのは、封着中に被加工物に導入されたエネルギーの拡散を防止するために十分な挟持力で、被加工物が挟持されることである。この挟持力は、挟持中に被加工物を損傷する程大き過ぎることはない。挟持中、振動ダンパと共に、少なくとも1つのばね手段によって、復元力を少なくとも1つの挟持手段に印加することが得策である。これにより、被加工物から挟持手段に伝達される振動が振動ダンパに確実且つ適切に伝達されることも保証される。
【0043】
以下においては一つの実施形態のみを示す図面を参照して、本発明を説明する。図面には、以下の図が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1A】本発明による封着デバイスが開位置にあるときの斜視図である。
【
図1B】本発明による封着デバイスが開位置にあるときの斜視図である。
【
図2】
図1の封着デバイスのアンビルの上面図である。
【
図3】
図1の封着デバイスのソノトロードおよび振動ダンパの上面図である。
【
図4A】本発明による方法の実施中に開位置にある
図1の封着デバイスである。
【
図4B】本発明による方法の実施中に開位置にある
図1の封着デバイスである。
【
図4C】本発明による方法の実施中に閉位置にある
図1の封着デバイスである。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1Aおよび
図1Bは、注ぎ口の形態の装備要素2を包装用積層体の形態の、特に厚紙/プラスチック複合積層体の形態の、被加工物3に超音波によって封着するための封着デバイス1を示す。封着デバイス1は、被加工物3の一部と装備要素2の一部とを挿入できる封着用間隙4を提供する。封着用間隙4の一方の側にソノトロード5が設けられている。ソノトロード5は超音波振動を発生させ、ソノトロード5の封着面6を介して、超音波振動を被加工物3に伝達できる。封着用間隙4のもう一方の側に、ソノトロード5に相対して、アンビル7が配置されている。アンビル7は、装備要素2のフランジ9を受け部8に収容できる。その後、ソノトロード5は、装備要素2のフランジ9を被加工物3の対応位置に封着するために、被加工物3をこのフランジ9に押し当てる一方で、超音波振動を被加工物3に伝達する。
【0046】
同時に、封着中に被加工物3に導入された振動と、結果として被加工物3に誘導された熱とが被加工物3を通って殆ど無制限に、隣接する複数の折り筋線12の方向に伝導されることを防止するために、2対の相対する挟持手段10、11の挟持手段10、11が互いの間に被加工物3を挟持する。そうしないと、振動および熱が発生させた被加工物3のエネルギーは、複数の折り筋線12を損傷し得る。例えば、被加工物3は、折り筋線12の領域で、破裂、漏洩、および/または層間剥離を起こし得る。
【0047】
被加工物3の被挟持領域では、熱および振動が被加工物3から対応する挟持手段10、11に伝達されるので、被加工物3から外側にはそれ程伝導され得ない。挟持手段10、11は、封着用間隙4の両側に相対して設けられており、したがって、アンビル7またはソノトロード5のどちらかに割り当てられている。アンビル7に割り当てられた挟持手段11は、弾性材料製であるが、本ケースにおいては必ずしもシリコーン製である必要はない。すなわち、挟持手段11の弾性部分13は、その挟持手段11の挟持面14も形成する。これにより、被加工物3からアンビル7への、またはアンビル7から被加工物3への、振動の無制限の伝達が挟持手段11によって防止される。これらの振動は、挟持手段11によって部分的に吸収され、そこで弾性変形をもたらす。これにより、振動エネルギーは、挟持手段11において吸収される。
【0048】
加えて、封着中に装備要素2によってアンビル7に伝達された振動は、挟持手段11によって被加工物3に伝達され得ない、または限定的にしが伝達されない。これらの振動も、弾性材料製の挟持手段11の弾性変形を引き起こし、したがって、対応するエネルギーが吸収される。したがって、このエネルギーは、アンビル7から、アンビル7に割り当てられた挟持手段11を介して、被加工物3に伝達され得ない。これは、最終的に、アンビル7に割り当てられた挟持手段11を介した、アンビル7と被加工物3との間の振動の遮断をもたらす。
【0049】
ソノトロード5に割り当てられた挟持手段10は、振動ダンパ15によって保持される。振動ダンパ15は、ソノトロード5から距離を置いて配置されているので、ソノトロード5およびソノトロード5の封着面6からの振動が遮断される。振動ダンパ15自体は、枢動軸線16上に自由に枢動可能に保持されている。枢動軸線16は、封着用間隙4に少なくともほぼ平行に延在する。したがって、挟持手段10の挟持面14は、被加工物3を挟持面14全体にわたって均等に挟持するために、被加工物3に常に平行に位置合わせされる。
【0050】
枢動軸線16、ひいては振動ダンパ15は、ソノトロード5およびソノトロード5の封着面6に対して、封着用間隙4に少なくともほぼ直角の方向に、調整され得る。振動ダンパ15は、封着用間隙4の方向にばね付勢されている。換言すると、振動ダンパ15は、ばね手段17の復元力に抗して、封着用間隙4から離され得る。これにより、各対の相対する挟持手段10、11の間の最大挟持力が制限される。
【0051】
図2には、アンビル7が封着用間隙4から見た上面図で示されている。アンビル7は、装備要素2のフランジ9を収容できる受け部8を有する。装備要素2を被加工物3に封着するとき、装備要素2は、ソノトロード5によって、被加工物3を介して、アンビル7の受け部8に押し当てられる。開口部18がアンビル7の受け部8に設けられている。装備要素2をアンビル7の受け部8に確実に保持するために、真空が開口部18を通して受け部8に引き込まれ得る。アンビル7に割り当てられた挟持手段11は、受け部8の両側に、受け部8から距離を置いて、配置されている。挟持手段11は、受け部8に比べ、封着用間隙4内に僅かに突出している。ただし、挟持手段11は弾性材料から形成されているので、挟持手段11は、例えば挟持手段11が受け部8より突出しなくなるまで、または大きく突出しなくなるまで、僅かに圧縮され得る。このとき、挟持手段11の挟持面14は、アンビル7の受け部8、および/または装備要素2のフランジ9、と面一になり得る。
【0052】
図3には、ソノトロード5が、振動ダンパ15と共に、封着用間隙4から見た上面図で示されている。ソノトロード5は、被加工物3を横切って外側に突出する装備要素2の部分を収容するための中心受け部19を有する。装備要素2のこの部分は、ねじ式キャップ20を備えていることが好ましい。ソノトロード5の封着面6は、この受け部19の周囲に周方向に設けられている。この点に関して好適な図示のソノトロード5の封着面6は、環状である。ソノトロード5は、同じく環状のフランジ9の上方に配置された被加工物3に封着面6を押し当て、超音波をこの接合部に印加し、ひいては接合部を封着、すなわち溶着、する。振動ダンパ15は、ソノトロード5および封着面6の周囲に、ソノトロード5から距離を置いて、設けられている。振動ダンパは、アンビル7に割り当てられた挟持手段11に相対するように設計された2つの挟持手段10を担持している。ソノトロード5に割り当てられた挟持手段10は堅牢であり、より堅牢な振動ダンパ15によって保持されている。好適な図示の封着デバイス1において、ソノトロード5に割り当てられた挟持手段10および振動ダンパ15は、金属製、特に鋼製、である。
【0053】
振動ダンパ15は、ソノトロード5および封着面6に対して周方向に設けられており、封着デバイス1の対応する凹部に、2つのピン21を介して、保持されている。これらのピン21は、枢動軸線16を規定する。振動ダンパ15は凹部22に対して、枢動軸線16を中心に、封着用間隙4に少なくともほぼ平行に、枢動され得る。凹部22は、封着面6に対して、封着用間隙4の方向に僅かに前後に調整され得る。凹部22および/または振動ダンパ15は、ばね手段17によってばね付勢されているので、振動ダンパ15は、ソノトロード5に対して、ばね手段17の復元力に抗してアンビル7から離れる方向に、調整される。
【0054】
図4A~
図4Cは、本封着方法を実施中の封着デバイス1のさまざまな位置を示す。
図4Aには、ソノトロード5とアンビル7とが開位置にある封着デバイス1が示されている。開位置では、装備要素2を封着用間隙4に挿入でき、フランジ9を対応する受け部8に挿入できる。受け部8に真空を印加することによって、装備要素2は図示の位置に保持される。
【0055】
その後、
図4Bに示されているように、被加工物3に設けられた対応する穴23を通って装備要素2が突出するように、被加工物3を封着用間隙4に配置する。ただし、被加工物3を最初に適切に配置しておくこともできる。その後、装備要素2を封着用間隙4に挿入し、被加工物3に設けられた対応する穴23に押し込むこともできる。その後、被加工物3は、被加工物3に設けられた穴23に対して周方向に、装備要素2のフランジ9を覆う。
【0056】
この時点で、ソノトロード5および/またはアンビル7を互いに対して調整して、
図4Cに示されているような閉位置にすることができる。閉位置において、ソノトロード5は起動され、超音波を被加工物3に伝達する。被加工物3は、装備要素2のフランジ9と共に、フランジ9の領域で加熱され、ひいては被加工物3と装備要素2との間に材料結合を形成する。同時に、被加工物3は挟持手段10、11の間に挟持されるので、被加工物3内の超音波および熱は、あったとしても、装備要素2に対して、挟持手段10、11の間の被加工物3の挟持を越えて外部に限定的に伝達され得る。したがって、被加工物3のこの領域の折り筋線12は、被加工物3と装備要素2との封着によって、過度に損なわれない。封着後、ソノトロード5とアンビル7とは、互いに対して調整されて開位置に戻される。その後、被加工物3を、被加工物3に封着された装備要素2と共に、封着用間隙4から取り外すことができる。これでサイクルが完了し、今や、別の被加工物3を装備要素2に接続するために、このサイクルを繰り返すことができる。
【符号の説明】
【0057】
1 封着デバイス
2 装備要素(注ぎ口)
3 被加工物(包装用積層体)
4 封着用間隙
5 ソノトロード
6 封着面
7 アンビル
8 受け部
9 フランジ
10 挟持手段(ソノトロード)
11 挟持手段(アンビル)
12 折り筋線
13 弾性部分
14 挟持面
15 振動ダンパ
16 枢動軸線
17 ばね手段
18 開口部
19 受け部
20 ねじ式キャップ
21 ピン
22 凹部
23 穴
【手続補正書】
【提出日】2024-06-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装備要素(2)を、特に複合積層体の形態の、被加工物(3)に超音波によって封着するための封着デバイス(1)であって、超音波を発生させるためのソノトロード(5)と、前記超音波を前記装備要素(2)および/または前記被加工物(3)に伝達するための封着面(6)と、前記ソノトロード(5)に相対するアンビル(7)と、前記装備要素(2)と前記被加工物(3)とを前記ソノトロード(5)と前記アンビル(7)との間の封着用間隙(4)に少なくとも部分的に挿入するための開位置から、超音波封着中に前記ソノトロード(5)の前記封着面(6)と前記アンビル(7)との間で前記被加工物(3)と前記装備要素(2)とをそれぞれ少なくとも部分的に押圧するための閉位置に、およびこの逆に、前記ソノトロード(5)と前記アンビル(7)とを互いに対して調整するための調整デバイスと、を有する封着デバイス(1)において、
前記閉位置において前記被加工物(3)を挟持するための、前記封着面(6)に対して振動が遮断された少なくとも1対の相対する挟持手段(10、11)が前記封着用間隙(4)の両側に設けられていることと、前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)は、前記封着用間隙(4)に沿った方向に見たときに、前記装備要素(2)に対して前記封着面(6)の外側に設けられていることと、を特徴とする封着デバイス。
【請求項2】
前記装備要素(2)は注ぎ口として設計されている、および/または前記被加工物(3)は、特に厚紙/プラスチック複合積層体の形態の、包装用積層体として設計されていること、および/または前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)は、前記封着面(6)の周囲に少なくともほぼ周方向に、少なくともほぼ環状に、前記封着用間隙(4)に面して設けられていること、を特徴とする、請求項1に記載の封着デバイス。
【請求項3】
前記閉位置において前記被加工物(3)を挟持するための、前記封着面(6)に対して振動が遮断された少なくとも2対の相対する挟持手段(10、11)が前記封着用間隙(4)の両側に設けられていることと、前記少なくとも2対の挟持手段(10、11)は、前記封着用間隙(4)に沿った方向に見たときに、前記装備要素(2)に対して前記封着面(6)の外側の両側に設けられていることと、を特徴とする、請求項1または2に記載の封着デバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの少なくとも1つの挟持手段(10、11)が、前記ソノトロード(5)からの振動を遮断するための弾性部分(13)を備えていることと、好ましくは、前記弾性部分(13)は、前記被加工物(3)を挟持するための前記挟持手段(10、11)の前記挟持面(14)を提供することと、を特徴とする、請求項
1に記載の封着デバイス。
【請求項5】
前記アンビル(7)に割り当てられた前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの、特に前記弾性部分(13)を備えた、少なくとも1つの挟持手段(11)が前記アンビル(7)の一部として設計されている、または前記封着用間隙(4)に少なくともほぼ平行な方向に前記アンビル(7)から離されていることを特徴とする、請求項
1に記載の封着デバイス。
【請求項6】
前記ソノトロード(5)に割り当てられた前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの少なくとも1つの挟持手段(10)が、前記封着用間隙(4)に少なくともほぼ平行な方向に、前記ソノトロード(5)から離れているように設計されていることを特徴とする、請求項
1に記載の封着デバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの、特に前記ソノトロード(5)に割り当てられた、少なくとも1つの挟持手段(10、11)が、50gと400gの間、好ましくは80gと300gの間、特に125gと225gの間、の質量を有する振動ダンパ(15)に固定されていること、および/または前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの、特に前記ソノトロード(5)に割り当てられた、少なくとも1つの挟持手段(10、11)が、前記ソノトロード(5)の周囲に少なくともほぼ環状に設けられた振動ダンパ(15)に設けられていること、を特徴とする、請求項
1に記載の封着デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの、特に前記ソノトロード(5)に割り当てられた、少なくとも1つの挟持手段(10、11)が、特に前記振動ダンパ(15)と共に、前記ソノトロード(5)および/または前記アンビル(7)に対して、前記封着用間隙(4)に少なくともほぼ平行な少なくとも1つの枢動軸線(16)を中心として、特に自由に、枢動可能に設けられていること、および/または前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの、特に前記ソノトロード(5)に割り当てられた、少なくとも1つの挟持手段(10、11)が、特に前記振動ダンパ(15)と共に、少なくともほぼ前記封着用間隙(4)の方向に、ばね付勢されていること、を特徴とする、請求項
1に記載の封着デバイス。
【請求項9】
好ましくは請求項
1に記載の、装備要素(2)を、特に複合積層体の形態の、被加工物(3)に、超音波によって封着するための方法であって、
- 前記装備要素(2)および前記被加工物(3)の各々がソノトロード(5)とアンビル(7)との間の封着用間隙(4)に少なくとも部分的に挿入され、そこで前記ソノトロード(5)と前記アンビル(7)との間で押圧され、
- 前記押圧された被加工物(3)は、前記装備要素(2)に対して、前記封着用間隙(4)の両側から、前記封着面(6)の外側で、少なくとも1対の相対する挟持手段(10、11)の間に挟持され、
- 前記被加工物(3)が挟持されているとき、前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)に対して振動が遮断された前記ソノトロード(5)の封着面(6)が前記押圧された装備要素(2)および/または前記押圧された被加工物(3)に超音波を伝達し、これにより前記装備要素(2)と前記被加工物(3)とが互いに封着される、
方法。
【請求項10】
- 装備要素(2)として注ぎ口が使用される、および/または被加工物(3)として、特に厚紙/プラスチック複合積層体の形態の、包装用積層体が使用される、および/または、
- 前記被加工物(3)は、前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの前記挟持手段(10、11)によって、前記挟持手段(10、11)の縦延在部分に、前記被加工物(3)の主繊維方向に対して少なくとも主に横断方向に、特に少なくともほぼ直角に、挟持される、および/または、
- 前記被加工物(3)は、前記装備要素(2)と前記被加工物(3)の折り筋線(12)との間で挟持される、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
- 前記被加工物(3)は、前記装備要素(2)の両側で前記挟持手段(10、11)によって挟持され、
- 好ましくは、前記被加工物(3)は、前記装備要素(2)の周囲で、少なくともほぼ周方向に、特に少なくともほぼ環状に、前記挟持手段(10、11)によって挟持される、
請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
封着中、前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの少なくとも1つの挟持手段(10、11)が、特に挟持面(14)を提供する、弾性部分(13)において前記振動を吸収する、請求項
9に記載の方法。
【請求項13】
前記ソノトロード(5)から前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの前記少なくとも1つの挟持手段(10、11)に伝達された前記振動は、前記挟持手段(10、11)を支持している、50gと400gの間、好ましくは80gと300gの間、特に125gと225gの間、の質量を有する、振動ダンパ(15)によって減衰される、および/または、
- 前記ソノトロード(5)から前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの前記少なくとも1つの挟持手段(10、11)に伝達された前記振動は、前記挟持手段(10)を支持している、前記ソノトロード(5)の周囲に少なくともほぼ環状に延在する、振動ダンパ(15)によって減衰される、
請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
挟持のために、前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの少なくとも1つの挟持手段(10、11)が、特に前記振動ダンパ(15)と共に、前記封着用間隙(4)に少なくともほぼ平行に位置合わせされた枢動軸線(16)を中心に枢動される、請求項
9に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1対の挟持手段(10、11)のうちの前記少なくとも1つの挟持手段(10、11)は、特に前記振動ダンパ(15)と共に、少なくとも1つのばね手段(17)の復元力によって少なくとも部分的に形成された挟持力で、前記被加工物(3)を少なくとも部分的に挟持する、請求項
9に記載の方法。
【国際調査報告】