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特表2024-537244好ましくは血糖コントロールと組み合わせた、血管新生コントロール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】好ましくは血糖コントロールと組み合わせた、血管新生コントロール
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20241003BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20241003BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20241003BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20241003BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20241003BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20241003BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20241003BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20241003BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241003BHJP
   A61K 38/08 20190101ALI20241003BHJP
   A61K 38/07 20060101ALI20241003BHJP
   A61K 38/10 20060101ALI20241003BHJP
   A61K 38/02 20060101ALI20241003BHJP
   A61K 38/28 20060101ALI20241003BHJP
   A61K 38/18 20060101ALI20241003BHJP
   C07K 4/00 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
A61K45/00
A61P13/12
A61P27/02
A61P25/00
A61P25/02
A61P17/02
A61P3/10
A61P9/00
A61P43/00 121
A61K38/08
A61K38/07
A61K38/10
A61K38/02
A61K38/28
A61K38/18
C07K4/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521233
(86)(22)【出願日】2022-10-05
(85)【翻訳文提出日】2024-06-04
(86)【国際出願番号】 NL2022050558
(87)【国際公開番号】W WO2023059188
(87)【国際公開日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】63/252,488
(32)【優先日】2021-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523112013
【氏名又は名称】バイオテンプト ベー.フェー
(71)【出願人】
【識別番号】524130098
【氏名又は名称】リシリアン ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンスフォールト,ヘルト
【テーマコード(参考)】
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA17
4C084AA19
4C084AA20
4C084BA01
4C084BA03
4C084BA16
4C084BA17
4C084BA18
4C084CA59
4C084DB34
4C084DB52
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA011
4C084ZA012
4C084ZA201
4C084ZA202
4C084ZA331
4C084ZA332
4C084ZA361
4C084ZA362
4C084ZA811
4C084ZA812
4C084ZA891
4C084ZA892
4C084ZC351
4C084ZC352
4C084ZC411
4C084ZC412
4C084ZC75
4H045AA30
4H045BA15
4H045EA20
4H045FA10
(57)【要約】
本発明は、明確に異なりかつ新たに出現するクラスの薬物:オートファジー阻害化合物として作用し、機構的ラパマイシン標的(mTOR)の栄養素感知系を標的化し、血管新生活性を誘導する、mTORのペプチドモジュレーター、に関する。本発明は、好ましくは血糖コントロールに付随して、血管新生コントロールを達成または維持するために、脈管障害、特に、糖尿病性脈管障害を予防または処置するための製剤、方法および手段を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の脈管障害の予防または処置における血管新生活性の誘導を含む血管新生コントロールにおける使用のための、mTORのオートファジー阻害モジュレーターであって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも50%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)からなる群から選択される、モジュレーター。
【請求項2】
腎症の予防または処置における使用のための、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項3】
末期腎疾患の予防または処置における使用のための、請求項1または2に記載のモジュレーター。
【請求項4】
網膜症の予防または処置における使用のための、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項5】
盲目の予防または処置における使用のための、請求項1または4に記載のモジュレーター。
【請求項6】
神経障害の予防または処置における使用のための、請求項1に記載のモジュレーター。
【請求項7】
末梢糖尿病性神経障害の予防または処置における使用のための、請求項1または6に記載のモジュレーター。
【請求項8】
糖尿病性潰瘍の予防または処置における使用のための、請求項1、6または7に記載のモジュレーター。
【請求項9】
前記対象が、血糖コントロールを達成または維持するための処置も為される、請求項1~8のいずれか一項に記載のモジュレーター。
【請求項10】
前記対象が、血糖コントロールを達成または維持するためのインスリンによる処置も為される、請求項9に記載のモジュレーター。
【請求項11】
前記脈管障害が、糖尿病性脈管障害を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のモジュレーター。
【請求項12】
前記対象が、C-ペプチド欠乏を有しているかまたは有することが疑われる、請求項1~11のいずれか一項に記載のモジュレーター。
【請求項13】
成長因子およびmTORのオートファジー阻害モジュレーターの製剤であって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも50%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)からなる群から選択される、製剤。
【請求項14】
前記成長因子が、血糖コントロールにおける使用のためのインスリンと、血管新生コントロールにおける使用のためのmTORのオートファジー阻害モジュレーターとを含む、請求項13に記載の製剤。
【請求項15】
請求項13または14に記載の製剤を含む医薬製剤。
【請求項16】
対象の脈管障害の予防または処置における血管新生活性の誘導における使用のための、請求項13~15のいずれかに記載の製剤。
【請求項17】
腎症の予防または処置における使用のための、請求項16に記載の製剤。
【請求項18】
末期腎疾患の予防または処置における使用のための、請求項16または17に記載の製剤。
【請求項19】
網膜症の予防または処置における使用のための、請求項16に記載の製剤。
【請求項20】
盲目の予防または処置における使用のための、請求項16または19に記載の製剤。
【請求項21】
神経障害の予防または処置における使用のための、請求項16に記載の製剤。
【請求項22】
末梢糖尿病性神経障害の予防または処置における使用のための、請求項16または21に記載の製剤。
【請求項23】
糖尿病性潰瘍の予防または処置における使用のための、請求項16、21または22に記載の製剤。
【請求項24】
前記脈管障害が、糖尿病性脈管障害を含む、請求項13~23のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項25】
前記対象が、C-ペプチド欠乏を有しているかまたは有することが疑われる、請求項13~24のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項26】
mTORのオートファジー阻害モジュレーターを対象に投与するステップを含む、対象の脈管障害の予防または処置において血管新生活性を誘導するための方法であって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも50%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)からなる群から選択される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物の明確に異なりかつ新たに出現するクラス:オートファジー阻害化合物として作用し、ラパマイシン(rapamycine)の機構的標的(mTOR)の栄養素感知系を標的化し、オートファジーを阻害する、mTORのペプチドモジュレーターに関する。本発明は、血管新生コントロールを発揮するための医薬製剤、方法および手段を提供し、これらは、単独使用のためのものであると共に、特に、前記血管新生コントロールに付随して血糖コントロールを発揮するための確立されたインスリン製剤、方法および手段と組み合わされる。
【背景技術】
【0002】
真性糖尿病は、高血糖を引き起こす、全体的なインスリン欠乏または欠損したインスリン機能が原因の内分泌障害である。1型糖尿病は、通常、若年患者に見られ、世界的に症例の5%~10%を占め、膵臓のB島細胞の自己免疫性破壊に続発すると考えられる。2型糖尿病は、世界的に症例の90%~95%を占め、遺伝的および環境的要因が原因であると考えられ、結果として生じるインスリン抵抗性および膵ベータ細胞機能障害を伴う。高血糖から生じる合併症は、大血管性または微小血管性のいずれかであり得る。大血管性疾患は、心血管および脳血管系を主に冒し、微小血管性疾患は、腎症、網膜症および神経障害を含む。真性糖尿病における血糖コントロールは、多くの場合、膵島のベータ細胞の作用を置き換えて、インスリンの必要を検出し、患者の身体の必要に従ってインスリンが投与されるようにすることを必要とする。インスリンは、天然のホルモンであり、多数の病状に必須の薬物療法である。インスリンの最も重大な用途の1つは、1型真性糖尿病および2型真性糖尿病にある。インスリンは、妊娠糖尿病の管理における使用の必要が示される僅かな薬物療法の1つである。真性糖尿病患者において(Dave HD, Preuss CV. Human Insulin. [Updated 2021 Feb 17]. 以下に収載: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2021 Jan-. 以下から利用可能:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK545190/)、真性糖尿病がない健康な成人におけるような同様の24時間インスリン活性による正常な血糖コントロールの目標に達するために、作用の規定された開始、ピークおよび持続時間を有するある単一のインスリン製剤は、多くの場合、役に立たないと考慮される。したがって、異なる薬物動態を有する異なる種類のインスリンの必要がある。作用機序に基づき、少なくとも4つの異なる型のインスリンアナログが存在する。速効型インスリンは、作用の急速開始(約30分間未満)、約1時間目のピーク作用および作用の短い持続時間(最大5時間)を有する。インスリンリスプロおよびインスリンアスパルトが、速効型インスリンの例である。これらのインスリンは、特に摂食後状態における、血糖コントロールの達成に役立つ。短時間作用型インスリンアナログ活性は、約30~60分間で始まり、2~4時間目にピークに達し、活性は約8時間持続する。これらのインスリンアナログ、例えば、インスリングルリシンは、有効性のために食事のおよそ20~30分前に投与しなければならない。速効型または短時間作用型インスリンアナログ(インスリンリスプロ、インスリンアスパルトおよびインスリングルリシン等)は典型的に、レギュラーヒトインスリンよりも速く作用する。中時間作用型インスリンアナログは、1~2時間目前後の活性の開始、6~10時間目のピーク作用および最大約16時間の作用の持続時間を有する。中性プロタミンハーゲドルン(Neutral protamine Hagedorn)(NPH)およびレンテインスリンは、中時間作用型インスリンアナログの例である。長時間作用型インスリンアナログの一部は、インスリンデテミルおよびインスリングラルギンである。これらの活性は、2時間目前後に始まり、6~20時間のピーク効果であり、最大約36時間持続する。中時間作用型および長時間作用型(基礎)インスリンは、1型、2型または妊娠糖尿病の患者に推奨される。これらは、他の型の糖尿病(すなわち、ステロイド誘導性)において使用することもできる。1型糖尿病の人は一般に、レギュラーまたは速効型インスリンと併せて、中時間作用型インスリンまたは長時間作用型インスリンを使用して、血糖コントロールを達成する。2型糖尿病の人は、レギュラーもしくは速効型インスリンと併せてまたは経口薬物療法と併せて、中時間作用型または長時間作用型インスリンを使用して、血糖コントロールを達成することができる。
【0003】
しかし、血糖コントロールの達成または発揮は、内在性インスリン欠乏患者のあらゆる病気を消散させる訳ではない。特に、インスリン欠乏による全体的な状態における糖尿病性脈管障害、例えば、網膜症、末梢神経障害(DPN)は、最良の血糖コントロールによっても消散しない、真性糖尿病のよく知られた微小血管性合併症である。DPNは、例えば、さらなる感染を生じ、糖尿病性足部潰瘍(図1)、非外傷性切断および死亡のリスクを増加させる。高血糖と共に低血糖が、DPNの発症において重要な役割を果たすが、集中的な血糖コントロール(インスリンによるまたはインスリンによらない)は、糖尿病患者におけるDPNを発症するリスクを排除せず、インスリンの欠如および/または不安定なグルコース代謝以外の因子が、DPN発症に関与し得ることを示唆する。末梢血中のC-ペプチドレベルは、インスリン分泌の最も適切な尺度として広く受け入れられており、肝臓を介した初回通過代謝において排出されない。インスリン合成の不活性副産物であると以前に考慮されていたが、C-ペプチドは、ホルモン的に活性なペプチドである。1型糖尿病において、イタリアの研究(Panero et al. Fasting plasma C-peptide and micro- and macrovascular complications in a large clinic-based cohort of type 1 diabetic patients. Diabetes Care. 2009;32:301-5)は、C-ペプチドレベルと、神経障害を含む微小血管性合併症との間の有意なかつ負の関連を実証した。典型的にはC-ペプチド欠乏は、これらの微小血管性合併症と関連し、これは、そのような患者を外来性C-ペプチドで処置する試みの動機となる。糖尿病の動物モデルおよび1型糖尿病患者におけるいくつかの研究は、糖尿病における末梢および自律神経機能の両方におけるC-ペプチド補充の有益な効果を実際に実証した(Johansson et al. Beneficial effects of C-peptide on incipient nephropathy and neuropathy in patients with Type 1 diabetes mellitus. Diabetic Med. 2000;17:181-9.)。2型糖尿病において、中国の(Chinees)研究によると(Qiao et al. C-peptide is independent associated with diabetic peripheral neuropathy: a community-based study. Diabetol Metab Syndr 9, 12 (2017))、C-ペプチドレベルは、DPNを伴う微小血管性合併症とも有意にかつ負に関連した。内在性C-ペプチドは、我々の脈管系の血管新生コントロールによる脈管障害の消散に寄与し、前記脈管系において血管新生活性を発揮すると考えられる。低いC-ペプチドレベルを有する患者において、網膜症、腎症および神経障害を伴う脈管障害の高い有病率が観察される。身体に対する末梢神経障害性変化は、足の感覚の減少をもたらし、糖尿病性足部に機械的または圧力傷害による創傷の傾向を持たせる。微小血管性変化は、四肢への血流低減および創傷の治癒の遅延をもたらし得る。誘発因子はほとんどの場合軽度の外傷であるため、この合併症は予防することができる。これらの皮膚性傷害の早期同定は、進行のリスクを減少させつつ、アウトカム改善を生じることもできる。
【0004】
しかし、1型糖尿病および神経障害を有する対象における長時間作用型(ペグ化)C-ペプチドの有効性および安全性を評定する臨床治験は、その主要エンドポイントを満たすことができなかった(Wahren et al., Long-acting C-peptide and neuropathy in type 1 diabetes: A 12-month clinical trial. Diabetes Care. 2016 Apr;39(4):596-602.)。1型糖尿病および末梢神経障害を有する総計250名の患者は、52週間にわたり0.8mg(n=71)または2.4mg(n=73)またはプラセボ(n=106)の毎週投薬量において長時間作用型(ペグ化)C-ペプチドを受けた。52週間にわたる長時間作用型C-ペプチドの週1回の皮下投与は、両側性腓腹神経伝導速度(SNCV)も、他の電気生理学的変数も、修正トロント臨床神経障害スコア(modified Toronto Clinical Neuropathy Score)(mTCNS)も改善しなかったが、プラセボと比較した振動覚閾値(VPT)の改善のみをもたらし、この製剤中のC-ペプチドは、血管新生コントロールを生じなかった。
【0005】
足部の感染性壊疽は、糖尿病の重篤な合併症である。これは通常、一定レベルの下肢切断(LEA)を生じる。足部壊疽は、不適切な血流供給に起因する、足部における死んだ組織として定義される。これは、重大な肢虚血の最終徴候の1つである。これは、閉塞した末梢循環または微生物感染によって引き起こされ得る。糖尿病患者における足部潰瘍は、主に末梢動脈疾患が原因で、足部壊疽開始の増加したリスクがある。足部壊疽は、両極端:(図1A)虚血性および壊死性組織を有するが感染はない、乾性壊疽発症を伴う足部潰瘍の早期徴候から、(図1B)感染性および壊死性組織の両方を有する湿性壊疽の後期徴候に及ぶ。よって、乾性壊疽は、湿性壊疽につながる場合がある。乾性壊疽のより顕著なステージにおいて、罹患部は多くの場合、暗い緑色または紫色、ほとんど黒色の色によって特徴付けされる。湿性壊疽は、水疱および腫脹を伴う湿った外観を有する。湿性壊疽は、凍傷を有するかまたは重度熱傷を経験する人々においても起こり得る。糖尿病を有する人々は、例えば、水虫において見られるもの等、軽微な足指または足部傷害を経験した後に、最終的に湿性壊疽を発症し得る。四肢への血流は一般に、糖尿病を有する人々において縮小される。これは、これらの区域における組織が、速く治癒することができないことを意味する。結果として、より容易に感染が発症し得る。湿性壊疽は、速く拡散することができ、無処置のままでいた場合、致死性となり得る。典型的には、そのような患者は、敗血症を急速に発症し、死亡する。
【0006】
あらゆる形態の壊疽のための処置には、死んだ組織を除去すること、感染の可能な拡散を処置および停止すること、ならびに壊疽を引き起こした状態を処置することが関与する。処置は、死んだ組織を除去して、感染が拡散するのを防ぐための外科手術(デブリードマンとも呼ばれる)を含むことができる。罹患した肢、手、手指、足部または足指を除去することが必要となり得る。時には、外科手術の代わりに、ハエの幼虫の蛆虫が潰瘍創傷上に置かれ、そこで蛆虫は、健康な組織を傷つけることなく、死んだ組織および感染した組織を食べる。抗生物質を使用して、感染を処置または予防することができ、高気圧酸素療法は、糖尿病または末梢動脈疾患に関係する湿性壊疽または潰瘍を処置することができる。
【0007】
よって、感染性壊疽は、肢および生命の両方を脅かす疾患である。抗生物質および創傷被覆材による適正な医学的処置は、壊死性および感染性組織を除去するための時宜を得た外科手術なしでは有効ではなく、最終的に肢の切断をもたらす可能性がある。しかし、報告は、糖尿病関連切断を行った患者が、切断の病因学に関係なく、40~48%の5年生存率による高い死亡リスクを依然として有することを示しており(Huang et al., Survival and associated risk factors in patients with diabetes and amputations caused by infectious foot gangrene. J Foot Ankle Res. 2018 Jan 4;11:1.)、図2も参照されたい。
【0008】
真性糖尿病(1または2型)患者は、25%(一部は50%を報告)もの高さの糖尿病性足部潰瘍合併症の全生涯リスクを有し、イングランド単独で既にNHSに対する9億3500万ポンドの推定費用を伴う(Diabetic foot care in England: an economic study - Marion Kerr, Insight Health Economics, 2017)。不適切な処置を受けた(ill-treated)糖尿病性潰瘍の最終結果は、全罹患率の増加である(Packer CF, Ali SA, Manna B. Diabetic Ulcer. [Updated 2021 Feb 20]. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2021 Jan-.以下から利用可能:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK499887/)。
【0009】
指し示される通り、糖尿病性潰瘍形成は、悪化した血糖コントロールの条件下で増悪およびスピードアップされる。Peledら(Association of Inpatient Glucose Measurements With Amputations in Patients Hospitalized With Acute Diabetic Foot, The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, Volume 104, Issue 11, November 2019, Pages 5445-5452)は、いずれかの高血糖およびいずれかのまたは重度の低血糖を経験する患者が、入院中にいずれかのまたは大切断を受ける可能性が高かったことを見出す。高い血糖可変性は、大切断に関連した。末梢血管性疾患(PVD)、高いワグナー(Wagner)スコアおよび低血糖は、切断の独立した予測因子であった。高齢、末梢血管性疾患(PVD)、以前の切断、上昇した白血球細胞レベル、高いワグナースコアおよび低血糖は、大切断の独立した予測因子であった。そのうち47例がメタ解析において含まれた60例の観察研究の系統的な総説において(Lane et al., Glycemic control and diabetic foot ulcer outcomes: A systematic review and meta-analysis of observational studies. J Diabetes Complications. 2020 Oct;34(10):107638.)、高血糖(より高いA1Cおよびより高い空腹時グルコース)は、糖尿病性足部潰瘍を有する対象の間の下肢切断の見込み増加に関連した。Laneらの知見は、8%以上のA1Cレベルおよび126mg/dl以上の空腹時グルコースレベルが、現存する糖尿病性足部潰瘍を有する患者における下肢切断の見込み増加に関連することを示唆する。
【0010】
糖尿病性潰瘍は、それ自体が患者を衰弱させるのみならず、不適切な処置を受けた(ill-treatable)足部潰瘍が原因の非外傷性下肢切断のリスクは、非糖尿病患者と比較して、糖尿病患者において15倍高い。糖尿病患者は、下肢切断、より高い医療費およびより低いクオリティ・オブ・ライフの高いリスクがある(Song K, Chambers AR. Diabetic Foot Care. [Updated 2021 Jul 31]. In: StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2021 Jan-.以下から利用可能:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK553110/)。真性糖尿病および末梢血管性疾患の患者の非外傷性切断に関する系統的な研究において(Thorud et al., Mortality After Nontraumatic Major Amputation Among Patients With Diabetes and Peripheral Vascular Disease: A Systematic Review. J Foot Ankle Surg. 2016 May-Jun;55(3):591-9)、膝より下の切断後の患者の5年死亡率は、40~82%であり、膝より上の切断後の死亡率は、40~90%であった。これらの合併症の多くは、徹底的な毎年の足部試験および患者によって行われるルーチンのフットケアによって予防可能である。正しいフットケア施術に関する患者教育は、糖尿病性足部疾患の予防の現在の土台である。足部潰瘍は、糖尿病を有する人々の病院滞在の一般的な理由である。足部潰瘍が治癒するには数週間またはさらには数カ月間を要する場合がある。糖尿病性潰瘍は多くの場合、無痛性である(足部における感覚減少が原因で)。潰瘍化した糖尿病性足部の処置は、複合的な問題である(Lepantalo et al., Chapter V: Diabetic foot. Eur J Vasc Endovasc Surg. 2011 Dec;42 Suppl 2:S60-74.)。虚血、神経障害および感染は、糖尿病性足部合併症を生じる3つの病理学的構成成分であり、これらは高頻度で、病原学的三徴候として一緒に起こる。神経障害および虚血は、ほとんどの場合、一緒に神経虚血(neuroischaemia)として生じるが、開始因子であり、一方、感染は大部分が結果である。さらに、潰瘍の治癒は、微小血管性機能障害によって妨害される。ガイドラインは、潰瘍化した糖尿病性足部に関係するこれらの特異的な需要を大部分は無視した。いかなる糖尿病性足部潰瘍も、そうでないことが立証されない限り、血管機能障害を有すると常に考慮されるべきである。早期照会、血管検査、イメージングおよび介入は、糖尿病性足部潰瘍治癒を改善し、切断を予防するのに決定的である。潰瘍を治癒し脚を残す治療機会は容易に失われるため、タイミングが肝要である。しかし、これらの糖尿病患者を診断および処置する最良の仕方に関するデータが不足している。糖尿病性足部を扱う研究の大部分は、患者集団、介入またはアウトカムの観点から比較できない。
【0011】
真性糖尿病は、損なわれた血管新生が原因で、創傷修復を破壊し、慢性創傷の発症をもたらす可能性がある。15年間を超える持続時間の真性糖尿病患者の約40%が自律神経障害に悩まされる。これは、温度調節の欠損、不能および膀胱機能障害と、それに続く心血管反射異常を通して発展し得る。後期徴候は、全身性発汗障害、体位性低血圧、胃腸の問題および低減された血糖コントロールを含むことができる。後者の症状は、不十分な創傷治癒、慢性潰瘍化および結果として生じる肢切断の重篤な合併症を含む種々の併存症が関与する重大な臨床意義を有する。明確な秩序だった相を有する皮膚創傷治癒において、糖尿病は、全ステージで不適正な機能をもたらす。慢性非治癒糖尿病性創傷の病因学は多面的であるが、非治癒表現型への進行は、不十分な脈管形成/血管新生を指し示す不十分な血管網に密接に関連付けられる。これらの用語は多くの場合、互換的に使用される(本明細書において同様に、血管形成および修復の様々な側面を表示する)が、厳密に言えば、脈管形成は、原始血管網へと癒合する前駆体細胞からの新たな血管の形成として定義され、血管新生は、確立された脈管構造からの新たな毛細血管の形成である。この区別は、血管が、2つのその後のプロセス、脈管形成および血管新生を経て発生し、これらは両者共に、血管維持および修復に決定的に重要であるという事実を描写する。これらのプロセスは、胎児および胎盤脈管構造の発生にも関与する。血管発生(新生血管形成、Rafii S, Lyden D. Therapeutic stem and progenitor cell transplantation for organ vascularization and regeneration. Nat Med. 2003 Jun;9(6):702-12;Masuda, H and Asahara, T. Post-natal endothelial progenitor cells for neovascularization in tissue regeneration, Cardiovascular Research, Volume 58, Issue 2, May 2003, Pages 390-398,)は、隣接する既存の血管からの既存の内皮細胞のin situ増殖および遊走によって操作される(血管新生)、または中胚葉前駆体からの内皮前駆細胞(EPC)の分化後の(脈管形成)、内皮細胞(EC)の増殖、遊走およびリモデリングが関与する調節されたプロセスである。脈管形成および血管新生は、細胞および成長因子の間の広範な相互関係が関与する重要なかつ複合的なプロセスである。脈管形成において、最も早い毛細血管の形成は、多能性間葉系細胞に由来する血管原性(hemangiogenic)幹細胞のin situ分化によって達成される。その後のプロセス、血管新生は、既に現存する血管および血管細胞から生じる細胞の増殖を伴う、血管新生活性による新たな血管の発生によって特徴付けされ、様々な成長因子の刺激によって開始される十分に調整されたプロセスである。典型的には、組織再生および創傷修復(すなわち、出生後)における新血管新生には主に血管新生活性が関与する。血管原性活性は典型的に、コロニーへと成長する単一細胞の能力に基づくin vitro細胞生存アッセイである、コロニーアッセイ(クローン原性アッセイまたはコロニー形成アッセイ)においてin vitroで研究される。血管新生活性は典型的に、血管新生を再現する、in vitroで毛細血管様構造を形成する被験細胞の能力に基づくin vitro細胞生存アッセイである、出芽アッセイ(管形成アッセイまたは血管新生アッセイ)においてin vitroで研究される。我々の身体において、内皮細胞は、薄い高度に特殊化された細胞外マトリックス(ECM)である基底膜に囲まれている。内皮細胞、例えば、ヒト臍帯静脈細胞(HUVEC)は、基底膜様表面(例えば、Matrigel(登録商標))上に播種されると、毛細血管に似ている分枝管または出芽(spout)を形成する。
【0012】
過去10年間に、ヒトおよび動物の両方における多数の研究は、C-ペプチドが、血糖コントロールに影響を与えないが、1型糖尿病の慢性合併症のいくつかの予防および潜在的に反転における役割を果たし得ることを実証した。Limら(Proinsulin C-peptide prevents impaired wound healing by activating angiogenesis in diabetes. J Invest Dermatol. 2015 Jan;135(1):269-278)は、ヒトC-ペプチドが、糖尿病における脈管障害から保護することができることを実証し、ストレプトゾトシン誘導性糖尿病マウスおよびヒト臍帯静脈内皮細胞を使用して、血管新生を誘導することによる損なわれた創傷治癒からの保護におけるC-ペプチドの潜在的な役割を調査した。糖尿病は、マウス皮膚における創傷治癒を遅延させ、浸透圧ポンプを使用したC-ペプチド補給は、糖尿病マウスにおける皮膚創傷閉鎖の速度を有意に増加させた。さらに、C-ペプチドは、0.5nMにおける最大効果により、用量依存的様式で内皮細胞遊走および管形成を誘導した。in vivoにおけるC-ペプチド増強性血管新生は、免疫組織化学およびMatrigelプラグアッセイによって実証された。Limらの知見は、糖尿病における修復的および治療的血管新生における有意な意義を有する可能性がある、C-ペプチドの血管新生的役割および損なわれた創傷治癒から保護するその能力に光を当て、C-ペプチド補充が、糖尿病における損なわれた血管新生および遅延した創傷治癒に対する有望な治療法であることを提起する。C-ペプチドの一貫した欠如は実際に、外来性C-ペプチドにより是正され得る微小血管性病変をもたらすことがあり、C-ペプチドが、血管修復プロセスにおける効能に関与することを指し示す。ベータ細胞が機能せず、C-ペプチドがほとんどまたは全く排出されない場合、前記微小血管性合併症は、網膜症、腎症および神経障害をもたらすことがあり、そのような合併症はおそらく、C-ペプチドによる処置によって是正され得る。C-ペプチドが、糖尿病マウスにおける損なわれた創傷治癒を正常化することができるか否か調査するために、ストレプトゾトシン誘導性糖尿病マウスにおいて皮下に植え込んだ浸透圧ポンプを使用してC-ペプチドを継続的に補給した。正常マウス、糖尿病マウスおよびC-ペプチドを補給した糖尿病マウスの後肢の背側表面に4mm直径の創傷を創出した。糖尿病マウスは、正常マウスと比較して、有意により遅い治癒速度を示した。しかし、C-ペプチド補給は、糖尿病マウスにおける創傷閉鎖を加速させた。この効果は、創傷直径を測定するLimら(前記の箇所に)によって定量的に解析された。これらの結果は、C-ペプチドが、糖尿病マウスにおける創傷閉鎖を含む損なわれた創傷治癒を有意に予防することを指し示す。血管新生は、創傷治癒のための決定的なプロセスであるため、Limら(前記の箇所に)は、C-ペプチドが、出芽アッセイとも呼ばれるin vitroアッセイにおいて内皮細胞遊走、増殖および管形成を活性化することができるか否か調査した。C-ペプチドが、血管新生に必須である内皮細胞遊走、増殖および管形成を活性化することにより出芽を誘導することが確認された。しかし、これらの有望な前臨床研究は、現在のところ糖尿病性脈管障害のコントロールにおいていかなる進歩をもたらすこともできなかった、C-ペプチドによるヒト臨床治験と完全に対比をなす。
【0013】
手短に言えば、C-ペプチド欠乏の患者における(典型的には1型および末期(end-phase)2型糖尿病における)腎症、網膜症および神経障害等の糖尿病性脈管障害を有する患者のケアにおける、よって、最終的に同様に糖尿病性潰瘍ケアにおけるパラダイムシフト;すなわち、臨床業務および研究に関する、血管機能障害を有する糖尿病患者の新たなアプローチおよび分類の差し迫った必要がある。選ばれた介入技術に無関係に、治癒を改善し、治癒速度をスピードアップし、切断を回避するために、腎症、網膜症および/または神経障害を有する患者等、糖尿病性脈管障害患者のためのならびに最終的に血管機能障害を有する潰瘍患者のための新たな戦略を開発および実行する必要がある。予測検査の値に関する集中的な研究、新たな処置モダリティならびに選択的なおよび標的化された戦略が必要とされる。潰瘍化糖尿病性足部に関する具体的なデータは不足しているため、推奨は多くの場合、低グレードのものである。手短に言えば、血糖コントロールの現存するおよび十分に検査された戦略を越えて、これらの患者の多くのため、何らかの形態の血管新生コントロールも探索される。
【0014】
栄養素感知は、正常な細胞成長および増殖の持続に重要である。mTOR複合体1(mTORC1)は、栄養素を感知して、細胞成長、オートファジーおよび他のmTORC1媒介性プロセスを調節する。インスリン、IGF、PDGFおよびVEGF等の成長因子、アミノ酸、エネルギー状態、ならびにストレスは、mTORC1を制御する。アミノ酸は、mTORC1活性化に必須である。成長因子単独は、アミノ酸補給なしで最大mTORC1活性を達成することができない(Sancak et al., The Rag GTPases bind raptor and mediate amino acid signaling to mTORC1. Science. 2008 Jun 13;320(5882):1496-501.)。増加した細胞内アミノ酸濃度は、mTORC1リソソーム局在化およびその後の活性化を促進する。
【発明の概要】
【0015】
一方では、本発明は、明確に異なりかつ新たに出現するクラスの薬物:その他の面では適正な血糖コントロール下にある患者であっても起こる前記脈管障害と戦うための、血管新生コントロールの確立に要求される血管新生活性の誘導における使用のためのオートファジー阻害化合物として作用するmTORのペプチドモジュレーター、の使用を提供する。本発明は、対象の脈管障害の予防または処置における血管新生活性の誘導における使用のための、mTORのオートファジー阻害モジュレーターであって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)の群から選択される、モジュレーターを提供する。好まれる実施形態では、本発明は、対象の脈管障害の予防または処置における血管新生活性の誘導における使用のための、mTORのオートファジー阻害モジュレーターであって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択される、モジュレーターを提供する。好まれる実施形態では、本発明は、対象の脈管障害の予防または処置における血管新生活性の誘導における使用のための、mTORのオートファジー阻害モジュレーターであって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)の群から選択される、モジュレーターを提供する。好まれる実施形態では、本発明は、対象の脈管障害の予防または処置における血管新生活性の誘導における使用のための、mTORのオートファジー阻害モジュレーターであって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびバリン(V)の群から選択される、モジュレーターを提供する。好まれる実施形態では、本発明は、対象の脈管障害の予防または処置における血管新生活性の誘導における使用のための、mTORのオートファジー阻害モジュレーターであって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびロイシン(L)の群から選択される、モジュレーターを提供する。好まれる実施形態では、本発明は、対象の脈管障害の予防または処置における血管新生活性の誘導における使用のための、mTORのオートファジー阻害モジュレーターであって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択される、モジュレーターを提供する。好まれる実施形態では、本発明は、対象の脈管障害の予防または処置における血管新生活性の誘導における使用のための、mTORのオートファジー阻害モジュレーターであって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択される、モジュレーターを提供する。別の好まれる実施形態では、本発明は、腎症の予防または処置における使用のための、特に、末期腎疾患の予防における使用のための、本発明に係るモジュレーターを提供する。別の好まれる実施形態では、本発明は、網膜症の予防または処置における使用のための、特に、部分的な盲目または失明の予防における使用のための、本発明に係るモジュレーターを提供する。別の好まれる実施形態では、本発明は、神経障害の予防または処置における使用のための、より好ましくは、末梢糖尿病性神経障害の予防または処置における使用のための、より好ましくは、糖尿病性潰瘍の予防または処置における使用のための、本発明に係るモジュレーターを提供する。前記対象がまた、血糖コントロールを達成または維持するために処置される場合、特に、前記対象がまた、血糖コントロールを達成または維持するためにインスリンで処置される場合、そのような本発明に係るmTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターが使用されることが特に好まれる。
本発明は、血管新生活性を誘導することができる好ましくはL-タンパク質原性のアミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを同定するための方法であって、L-タンパク質原性アミノ酸を含むペプチドを細胞に提供するステップであって、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)の群から選択される、ステップと、出芽アッセイにおいて血管新生活性を決定するステップとを含む方法を提供する。血管新生活性は、本明細書に提供される通り、毛細血管の管形成を評価することにより、また、毛細血管の分枝形成を評価することにより決定することができる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)の群から選択されることが好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択されることがより好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、ロイシン(1文字コードでは:L)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびバリン(V)の群から選択されることがより好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびバリン(V)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびロイシン(L)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択されることがさらになお好まれる。本発明はまた、好ましくはL-タンパク質原性のアミノ酸の供給源を細胞に提供するステップを含む、血管新生活性を誘導するための方法であって、前記アミノ酸が、少なくとも50%にわたり、より好ましくは、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)の群から選択される、方法を提供する。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択されることがより好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびバリン(V)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、ロイシン(1文字コードでは:L)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびバリン(V)の群から選択されることがより好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびロイシン(L)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択されることがさらになお好まれる。
本発明はまた、好ましくはL-タンパク質原性のアミノ酸の供給源を細胞に提供するステップを含む、血管新生活性を誘導するための方法であって、前記アミノ酸が、少なくとも50%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)の群から選択され、より好ましくは、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、プロリン(P)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)の群から選択される、方法を提供する。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択されることがより好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびバリン(V)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、ロイシン(1文字コードでは:L)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびバリン(V)の群から選択されることがより好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびロイシン(L)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択されることがさらになお好まれる。
本発明はまた、好ましくはL-タンパク質原性のアミノ酸の供給源を細胞に提供するステップを含む、血管新生活性を誘導するための方法であって、前記アミノ酸が、少なくとも50%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)の群から選択される、方法を提供する。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択されることがより好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびバリン(V)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、ロイシン(1文字コードでは:L)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびバリン(V)の群から選択されることがより好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびロイシン(L)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択されることがさらになお好まれる。
本発明はまた、好ましくはL-タンパク質原性のアミノ酸の供給源を細胞に提供するステップを含む、血管新生活性を誘導するための方法であって、前記アミノ酸が、少なくとも50%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)の群から選択される、方法を提供する。本発明はまた、好ましくはL-タンパク質原性のアミノ酸の供給源としてペプチドを細胞に提供するステップを含む、血管新生活性を誘導するための方法であって、前記ペプチドが、少なくとも50%にわたり、より好ましくは、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、プロリン(P)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)の群から選択されるアミノ酸からなる、方法を提供する。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択されることがより好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびバリン(V)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、ロイシン(1文字コードでは:L)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびバリン(V)の群から選択されることがより好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびロイシン(L)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択されることがさらになお好まれる。
本発明はまた、好ましくはL-タンパク質原性のアミノ酸の供給源を細胞に提供するステップを含む、血管新生活性を誘導するための方法であって、前記アミノ酸が、少なくとも50%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)の群から選択される、方法を提供する。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択されることがより好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびバリン(V)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたりロイシン(1文字コードでは:L)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびバリン(V)、の群から選択されることがより好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびロイシン(L)の群から選択されることがさらになお好まれる。前記アミノ酸が、少なくとも60%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択されることがさらになお好まれる。
本発明はまた、好ましくはL-タンパク質原性のアミノ酸の供給源を細胞に提供するステップを含む、血管新生活性を誘導するための方法であって、前記アミノ酸が、少なくとも50%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)の群から選択される、方法を提供する。本発明はまた、好ましくはL-タンパク質原性のアミノ酸の前記供給源、好ましくは、ペプチドが、本明細書に提供される方法により同定可能である、本発明に係る処置の方法を提供する。本発明は特に、前記供給源またはペプチドが、血管新生活性を有することが示されたかまたはそれを有することが疑われるペプチドまたはタンパク質に由来するアミノ酸配列を有する、本発明に係る処置の方法を提供する。多くの場合、生物のプロテオームにおいて、タンパク質におけるそのような血管新生配列は、よりNおよびC末端に配置されたアルギニン(R)またはリジン(K)残基の近くに又はその間に配置され、コンバターゼ等の酵素が、前記血管新生アミノ酸配列を切り離すことを可能にし、これにより、その配列をmTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターとして使用することができる。ペプチド使用を、それが入れられて使用される細胞の種と相関させることが好まれる。例えば、ペプチドが、mTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターとしてヒト細胞において使用される場合、前記ペプチドが、ヒトプロテオームから派生することが好まれる。同様に、種X等の別の種の細胞において、種Xプロテオームから派生するペプチドを使用することが好まれる。好まれる実施形態では、本発明は、妊娠中の血管新生活性に関与するタンパク質である絨毛性ゴナドトロピン(CG)に由来するアミノ酸配列を有する前記オートファジー阻害ペプチドを提供し、好ましくは、前記ペプチドは、CGのベータ鎖、好ましくは、前記ベータ鎖のループ2に由来する。ヒトCG(hCG)は、血管新生アミノ酸配列MTRVLQGVLPALPQVVCNYRを有し、配列中、コア血管新生配列は、NおよびC末端に配置されたアルギニン(R)残基の間に配置される。さらに、この血管新生コアは、ERC結合モチーフxGxxPxを含む。このモチーフの分割は、特に、血糖と血管新生コントロールの両方を発揮するための、速効型および短時間作用型インスリン調製物と組み合わせた、オートファジー阻害ペプチドモジュレーターとしてのhCG誘導体LQGV、VLPALP AQGV、LAGV、LQAV、LQGA、ALPALP、VAPALP、VLAALP、VLPAAPおよびVLPALAの使用を容易にする。例えば、ペプチドVLQGVLPALPQVVは、中時間作用型および長時間作用型インスリン調製物との組合せにおいて、より優れた用途を見出し、これは、より遅く、よりインスリンの放出速度に合致して放出される。別の好まれる実施形態では、本発明は、前記オートファジー阻害ペプチドであって、C-ペプチドに由来する血管新生アミノ酸配列を有するペプチドを提供する。プレプロインスリン分子において、ヒトC-ペプチドは、配列RREAEDLQVGQVELGGGPGAGSLQPLALEGSLQKRを有し、実際に血管新生コア配列は、アルギニン(R)またはリジン(K)残基によってフランキングされている。さらに、この血管新生コアは、ERC結合モチーフxGxxPGを含む。ERC結合モチーフは、これらの配列を有するペプチドのオリゴマー化による(trough)コアセルベーションに関与するため、ERG結合モチーフを有するそのようなオートファジー阻害ペプチドは典型的に、注射されたときに、より遅い放出速度を有し、典型的に、中時間作用型またはより好ましくは長時間作用型インスリンとの組合せ製剤中等、そのような遅い放出が所望される状況下で、より有用かつ好まれる。コアセルベーションには典型的に、静電引力によって一緒に保持されたペプチドのコロイド液滴の凝集が関与し、これは、より速い放出特徴を典型的に有する、ERCモチーフがなくコアセルベーションを示さないペプチドと少なくとも比較して、注射されたときの、ペプチドを構成するそのようなERCモチーフの遅い放出の性質を説明する。特に、C-ペプチド欠乏の状況における、血管新生機能障害の処置におけるmTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターとしての使用のための好まれるC-ペプチド断片ペプチドは、好ましくは、単離されたおよび/または合成の、好ましくは非ペグ化(peggylated)の、C-ペプチド断片である。全てxGxxPGモチーフを含む、EAEDLQVGQVELGGGPGAGSLQPL、DLQVGQVELGGGPGAGSLQP、LVGQVELGGGPGAGSLQPL、QVGQVELGGGPGAGSLQPL、ELGGGPGAGSLQPL、DLQVGQVELGGGPGAGSLQPLALEGSLQ、GQVELGGGPGAGSLQPLALEGSLQ、およびLGGGPGAGSLQPLALEGSLQ、LVGQVELGGGPGAGSLQPL、LGGGPGAGSLQPLおよびLQVGQVELGGGPGならびに機能的均等物は、よって、中時間作用型または長時間作用型インスリンにおける包含またはそれとの組合せに最も適しておりかつ好まれる。xGxxPGモチーフを含まないLQVGQVELGGおよび/またはGGPGAGSLQPLならびに機能的均等物は、よって、速効型または短時間作用型インスリンにおける包含またはそれとの組合せに最も適しておりかつ好まれる。
【0016】
別の好まれる実施形態では、本発明は、前記オートファジー阻害ペプチドであって、ガレクチン-3に由来する血管新生アミノ酸配列を有するペプチドを提供する。ヒトガレクチン-3の成熟N末端断片、PQGWPGAWGNQPAGAGGYPGASYPGAYPGQAPPGAYPGQAPPGAYPGAPGAYPGAPAPGVYPGPPSGPGAYPSSGQPSATGAYPATGPYGAPAGPLIVPYNLPLPGGVVPRMは典型的に、複数のERC結合モチーフxGxxPGによって特徴付けされ、血管新生コア配列は、加水分解によっても遊離される。典型的には(Pineda et al.,Trypanosoma cruzi cleaves galectin-3 N-terminal domain to suppress its innate microbicidal activity. Clin Exp Immunol. 2020 Feb;199(2):216-229.)、ヒト病原体クルーズトリパノソーマ(T. cruzi)は、ヒトN末端ガレクチン-3に結合するだけでなく、その加水分解も行う。注目すべきことに、この機構は、ガレクチン-3媒介性の寄生生物の死を防止し、クルーズトリパノソーマ(T. cruzi)が、その哺乳類宿主内での感染、生存および繁栄に成功するようにガレクチン-3機能をモジュレートする複雑な戦略を開発した可能性があることを示唆する。実際に、非病原性ランゲルトリパノソーマ(T. rangeli)は、ガレクチン-3に結合するが、タンパク質構造を修飾しない。よって、クルーズトリパノソーマ(T. cruzi)は、N末端コラーゲン様ドメインを切断し、C末端ガレクチン-3を、コアセルベーションによるオリゴマー化をできなくし、モチーフxGxxPGを有するN末端断片が、ERCと相互作用し、寄生生物の利益となるようにmTORをモジュレートすることを可能にする。具体的には、寄生生物加水分解により得られる3つの断片のN末端配列は、バンド1:AGGYPGASYPG、バンド2:GAPGAYPGAPおよびバンド3:GAPAGPLIVPであり、人間におけるAGGYPGASYPGAYPGQAPPGAYPGQAPPGAYP、GAPGAYPGAPAPGVYPGPPSGPGAYPSSGQPSATGAYPATGPYおよびGAPAGPLIVPYNLPLPGGVVPに由来するガレクチン-3 N末端ペプチド断片のmTORモジュレート特徴を指し示す。例えば、断片GAYPGAPGAYPGAPAPGVおよびPGAYPGは、本明細書で実証される通り、血管新生コア活性を有し、PGAYPGQAPPGAYPG、PGAYPGQAおよびGQAPPGAYPGも、特に、中時間作用型または長時間作用型インスリンの中にまたはそれと共に含まれる場合、人間における使用に有用なオートファジー阻害ペプチドにする。本発明はまた、前記ペプチドが、女性における血管新生活性に毎月関与することが多いタンパク質であるルトロピン(LH)に由来するアミノ酸配列を有し、好ましくは、前記ペプチドが、LHのベータ鎖、好ましくは、前記ベータ鎖のループ2に由来する、本発明に係る処置の方法およびそこでの使用を提供する。ヒトLH(hLH)のベータ-2-ループは、血管新生アミノ酸配列MMRVLQAVLPPLPQVVCTYRを有し、配列中、コア血管新生配列は、NおよびC末端に配置されたアルギニン(R)残基の間に配置される。さらに、この血管新生コアは、ERC結合モチーフxGxxPxを含まず、速効型および短時間作用型インスリン製剤におけるmTORモジュレーターとしてのVLQAVLPPLPQVV、VLQAVLP、VLQA、LQAVLP、LQAV、PLPQVVおよびPPLQVならびにさらに別の誘導体等のLH由来配列の使用を容易にする。本発明はまた、前記ペプチドが、細胞外マトリックスタンパク質(ECM)に由来するアミノ酸配列を有する、本発明に係る処置の方法およびそこでの使用を提供する。ECMタンパク質は、オートファジー阻害アミノ酸の豊富な供給源を含み、オートファジー阻害ペプチドの設計のための鋳型として有用である。基質としてのプロリンは、細胞外マトリックス、結合組織および骨におけるエラスチンおよびコラーゲンにおいて貯蔵され、マトリックスメタロプロテイナーゼ、ペプチダーゼ、エラスターゼおよびプロリダーゼの逐次作用によって、このリザーバーから急速に放出される。唯一のタンパク質原性二級(secondary)アミノ酸として、プロリンは、特殊な生物学的効果を有し、全てのタンパク質-タンパク質相互作用および代謝ストレスに対する応答の調節因子として機能し、オートファジーを含む種々の下流代謝活性を開始する(Kadowaki et al. Nutrient control of macroautophagy in mammalian cells. Mol Aspects Med. 2006 Oct-Dec;27(5-6):426-43)。本発明はまた、前記細胞外マトリックスタンパク質がエラスチンである、本発明に係る処置の方法およびそこでの使用を提供する。典型的コア-血管新生活性は、両者共にヒトエラスチンのエクソン24領域に由来する、本明細書におけるペプチド、VGVAPGおよびVGVAPGVGVAPGVGVAPGにより実証された。本発明はまた、前記細胞外マトリックスタンパク質がコラーゲンである、本発明に係る処置の方法およびそこでの使用を提供する。コラーゲンは、有用となり得るPGP配列に満ちている。コア血管新生配列AQGVPQIAVLVならびに誘導体、例えば、AQGVPQ、AQGVPQI、AQGVPQIA、GVPQIAVLV、PQIAVLV、IAVLVおよびその他を同定する、RRAQGVPQIAVLVTHR等、RまたはKによってフランキングされた血管新生コアペプチドを含む一部のコラーゲン(本明細書において、ヒトCOL6A5からの例が示される)に典型的である。より多くのそのような配列は、RまたはK反復によってフランキングされる血管新生コアペプチド配列の反復出現を実証することが見出され、そこからmTORの望ましいペプチドモジュレーターを選択することができる、(ヒトCOL6A5における)RGAPGQYGEKGFPGDPGNPGQNNNIKGQKGSKGEQGRQGRSGQKGVQGSPSSRGSRGREGQRGLRGVSGEPGNPGPTGTLGAEGLQGPQGSQGNPGRKGEKGSQGQKGPQGSPGLMGAKGSTGRPGLLGKKGEPGLPGDLGPVGQTGQRGRQGDSGIPGYGQMGRKGVKGPRGFPGDAGQK、等のコラーゲンストレッチにおいて見出すことができる。そのペプチドが本明細書に提供される別の血管新生タンパク質は、ヒトアルファ-フェトプロテインであり、抗原性コアQAQGVALQを含む配列KDLCQAQGVALQTMKを有するペプチドが観察され、誘導体AQGV、AQGVA、AQGVAL、QGVALQおよびGVALQが見出され、全て、好ましくは速効型または短時間作用型インスリンと組み合わせた、mTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターとして有用である。典型的には、mTOR AQのジペプチドモジュレーターによるオートファジー阻害は近年、子豚において実証され、アミノ酸A+Qよりも改善されたモジュレート特徴を有する(Zhang et al., Alanyl-glutamine supplementation regulates mTOR and ubiquitin proteasome proteolysis signaling pathways in piglets. Nutrition. 2016 Oct;32(10):1123-31.)。
【0017】
前記脈管障害が、糖尿病性脈管障害を含み、特に、前記対象が、C-ペプチド欠乏を有しているかまたは有することが疑われる場合、血管新生コントロールにおける使用のために、本発明に係るmTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターが特に提供される。多くの場合、そのような患者は、糖尿病性脈管障害に一般的に関連付けられ、それに起因すると考えられる、盲目、末期腎不全または下肢切断に関するリスクのいずれかと戦うために、インスリンにより(速効型インスリンによりオンポンプ(on-pump)にて、または速効型、短時間作用型、中時間作用型もしくは長時間作用型インスリンにより皮下に、他の成長因子、例えば、IGF、PDGFもしくはVEGFまたはそれらに関係する成長因子により)既に処置されている場合がある。そのようなmTORのモジュレーターは、C-ペプチド欠乏を患う患者における特定の有利な使用を見出し、前記患者が、少なくとも1nmol/L未満、好ましくは少なくとも0.5nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.3nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.2nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.1nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.06nmol/L未満の、好ましくは再発性の空腹時C-ペプチドレベルを有する場合、前記欠乏が、例えば、存在する。特に、本発明は、脈管障害、好ましくは糖尿病性脈管障害の処置におけるmTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターの使用を提供する。別の実施形態では、本発明は、腎症、好ましくは糖尿病性腎症の処置におけるmTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターの使用を提供する。さらに別の実施形態では、本発明は、網膜症、好ましくは糖尿病性網膜症の処置におけるmTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターの使用を提供する。さらに別の実施形態では、本発明は、神経障害、好ましくは糖尿病性神経障害の処置におけるmTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターの使用を提供する。
【0018】
他方では、本発明は、本明細書に提供される通り、血管新生コントロールの目的で、mTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターと共に提供された、成長因子製剤(好ましくは医薬製剤または医薬組成物を含む、本明細書における製剤)、例えば、インスリン製剤、IGF製剤、PDGF製剤、VEGF製剤、または血管性疾患の処置において有用な、特に、血糖コントロールにおいて有用な別の成長因子の製剤を提供する。成長因子およびmTORのオートファジー阻害モジュレーターの製剤であって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)の群から選択される、製剤が提供される。好まれる実施形態では、本発明は、mTORのオートファジー阻害モジュレーターを有するインスリン製剤であって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択される、製剤を提供する。好まれる実施形態では、本発明は、mTORのオートファジー阻害モジュレーターを有するインスリン製剤であって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)の群から選択される、製剤を提供する。好まれる実施形態では、本発明は、mTORのオートファジー阻害モジュレーターを有するインスリン製剤であって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびバリン(V)の群から選択される、製剤を提供する。好まれる実施形態では、本発明は、mTORのオートファジー阻害モジュレーターを有するインスリン製剤であって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)およびロイシン(L)の群から選択される、製剤を提供する。好まれる実施形態では、本発明は、mTORのオートファジー阻害モジュレーターを有するインスリン製剤であって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択される、製剤を提供する。好まれる実施形態では、本発明は、mTORのオートファジー阻害モジュレーターを有するインスリン製剤であって、前記モジュレーターが、アミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを含み、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択される、製剤を提供する。本発明に係るmTORのオートファジー阻害モジュレーターを含む(有する)インスリンの製剤は、血糖コントロールの達成または維持も必要とする対象の脈管障害の予防または処置における血管新生活性の誘導における使用に好まれ、特に、腎症の予防または処置における使用に、末期腎疾患の予防または処置における使用に、網膜症の予防または処置における使用に、盲目または視力の実質的な喪失(>30%~<90%)の予防または処置における使用に、神経障害の予防または処置における使用に、末梢糖尿病性神経障害の予防または処置における使用に、糖尿病性潰瘍の予防または処置における使用に好まれ、本明細書に定義される通り、特に、前記対象が、C-ペプチド欠乏を有しているかまたは有することが疑われる場合、特に、前記脈管障害は、糖尿病性脈管障害を含む。本明細書に提供される通り、そのようなmTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターおよび成長因子製剤におけるその使用は典型的に、それを必要とする患者における機構的ラパマイシン標的、mTORの栄養素、特に、アミノ酸感知系を標的化し、オートファジーを阻害し、それと共に、血管新生活性を誘導する、ペプチドおよび/またはアミノ酸の供給源を含む。典型的には、インスリン製剤の使用による血糖コントロールの場合、インスリン必要量(ユニット/kg/日)は、患者の年齢、体重および残存膵インスリン活性に基づいて決定される。患者は典型的に、0.4~1.0ユニット/kg/日の総1日インスリン用量を必要とし、代謝的に安定な患者における典型的な出発用量は、0.5ユニット/kg/日である。しかし、前記の通り、血糖コントロールは、インスリンを用いた場合であっても、C-ペプチド欠乏に代わるものにはならない。これは、特に、C-ペプチド欠乏を患う患者において、mTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターも含むインスリン製剤を使用するために、本明細書において提供され、前記患者が、少なくとも1nmol/L未満、好ましくは少なくとも0.5nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.3nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.2nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.1nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.06nmol/L未満の、好ましくは再発性の空腹時C-ペプチドレベルを有する場合、前記欠乏が、例えば、存在する。
【0019】
それと共に、本発明は、腎症(末期腎疾患の素因になる)、網膜症(盲目の素因になる)および/または神経障害、特に、末梢糖尿病性神経障害を有する患者の処置等、患者における糖尿病性脈管障害の出現を予防または処置するための医薬製剤、方法および手段を提供し、最終的に、特に、人間における下肢の切断の素因になる血管機能障害、糖尿病性潰瘍を有する潰瘍患者の処置を提供する。典型的には、本明細書において、ペプチドは、本開示の目的のため、50個以下のアミノ酸を有するものとして定義され、タンパク質は、>50個のアミノ酸を有するものとして定義される。mTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターは、本明細書において、オートファジー阻害アミノ酸アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、プロリン(P)、イソロイシン(I)、アルギニン(R)およびアスパラギン(N)の群から選択される少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、最も好ましくは100%アミノ酸を有するペプチド配列を含む50個以下のアミノ酸の直鎖状、分枝状または環状のストリングとして定義される。この群のペプチドの分子作用機序(MoA)は、その正確な配列に依存しない。代わりに、その構成物アミノ酸が、mTORの栄養素感知系にオートファジー阻害シグナルを提供し;疾患の消散を伴って、オートファジーの阻害を生じ、タンパク質生成(proteogenesis)をもたらす。
【0020】
Sciarrettaら(New Insights Into the Role of mTOR Signaling in the Cardiovascular System. Circ Res. 2018 Feb 2;122(3):489-505)において総説される通り、機構的(以前は哺乳類と呼ばれる)ラパマイシン標的(mTOR)は、ホスホイノシチドキナーゼ関連キナーゼ(PIKK)ファミリーに属する異型セリン/スレオニンキナーゼである。これは、細胞生理学、代謝およびストレス応答の調節において中心的な役割を果たす進化的に保存されたタンパク質である。これは一部では、細胞マスタースイッチと呼ばれる。mTORは、特異的アダプタータンパク質と相互作用し、mTOR複合体1(mTORC1)およびmTOR複合体2(mTORC2)と命名された2種の明確に異なる巨大分子複合体を形成する。mTOR生物学における以前のパラダイムは、タンパク質合成、細胞成長およびリボソーム新生の調節、ならびに成長因子、栄養素、アミノ酸、飢餓および低酸素等の異なる上流インプットの感知および統合におけるmTORの関与を含んだ。しかし、現在、mTOR経路が、細胞生存、ミトコンドリア新生および機能、脂質合成およびオートファジーを含む他の重要な細胞プロセスも制御することが知られている。mTORC2のシグナル伝達ネットワークは、mTORC1のシグナル伝達ネットワークほどには特徴付けされていない。いくつかの研究は、mTORC1およびmTORC2の活性が強く相互接続されており、mTORC2が、急性ラパマイシン処置に対して、mTORC1よりも感受性が低いことを示唆した。以前の研究は、mTORC2が、細胞生存、成長および増殖の調節に関与し、細胞アーキテクチャおよび極性を制御することも指し示した。典型的には、アミノ酸は、タンパク質の構成要素であるだけではなく、健康および疾患におけるアミノ酸およびその代謝物の決定的な役割を有する、シグナル伝達分子ならびに遺伝子発現、代謝プロセスおよび発生上の身体変化の調節因子でもある。十分な証拠により、アミノ酸が、脈管系において基礎的な役割を果たすことが指し示されている。アミノ酸は、タンパク質合成のための基本的構成要素として機能し、重要なエネルギー源を構成するが、選抜された群が、血管性疾患の文脈で広く研究されている。mTOR、特にmTORC1は、アミノ酸およびグルコース等の栄養素を感知することにより細胞成長および増殖を調節する重大なキナーゼである。アラニンおよびグルタミンは、血液中で循環する最も豊富なアミノ酸である。アミノ酸は、中間代謝に関与するのみならず、主要代謝経路を制御するインスリン-機構的ラパマイシン標的(MTOR)媒介性シグナルトランスダクションも刺激する。これらの中でもとりわけ、長い時間存在したタンパク質の分解および損傷したまたは機能的に冗長なオルガネラの排除を担当するオートファジーの経路が挙げられる。このプロセスの適正な機能は、細胞生存に必須である。オートファジーの調節不全は、いくつかの病理の病因学に関係付けられてきた。明らかに、ある特定のアミノ酸のみが、オートファジーをモジュレートすることができ、それらの機能は、高度に細胞特異的である。しかし、ある特定のアミノ酸および細胞代謝の間の関係性の詳細の多くは不明である(さらに図5を参照)。
【0021】
さらなる実施形態
1 血管新生活性を誘導することができる好ましくはL-タンパク質原性のアミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドを同定するための方法であって、L-タンパク質原性アミノ酸を含むペプチドを細胞に提供するステップであって、前記アミノ酸が、少なくとも(least)50%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)およびアルギニン(R)の群から選択される、ステップと、出芽アッセイにおいて血管新生活性を決定するステップとを含む方法。
2 好ましくはL-タンパク質原性のアミノ酸の供給源を細胞に提供するステップを含む、血管新生活性を誘導するための方法であって、前記アミノ酸が、少なくとも50%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)およびアルギニン(R)の群から選択される、方法。
3 好ましくはL-タンパク質原性のアミノ酸の供給源としてペプチドを細胞に提供するステップを含む、血管新生活性を誘導するための方法であって、前記ペプチドが、少なくとも50%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)およびアルギニン(R)の群から選択されるアミノ酸からなる、方法。
4 好ましくはL-タンパク質原性のアミノ酸の前記供給源、好ましくは、ペプチドが、さらなる実施形態1に記載の方法により同定可能である、さらなる実施形態2または3に記載の方法。
5 前記アミノ酸が、少なくとも50%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)およびプロリン(P)の群から選択される、さらなる実施形態1~4のいずれか1つに記載の方法。
6 前記供給源またはペプチドが、血管新生活性を有することが示されたかまたはそれを有することが疑われるペプチドまたはタンパク質に由来するアミノ酸配列を有する、さらなる実施形態2~5のいずれか1つに記載の方法。
7 前記ペプチドが、絨毛性ゴナドトロピンに由来するアミノ酸配列を有する、さらなる実施形態6に記載の方法。
8 前記ペプチドが、C-ペプチドに由来するアミノ酸配列を有する、さらなる実施形態6に記載の方法。
9 前記ペプチドが、ガレクチン-3に由来するアミノ酸配列を有する、さらなる実施形態6に記載の方法。
10 前記ペプチドが、ルテオトロピンに由来するアミノ酸配列を有する、さらなる実施形態6に記載の方法。
11 前記ペプチドが、細胞外マトリックスタンパク質に由来するアミノ酸配列を有する、さらなる実施形態6に記載の方法。
12 前記細胞外マトリックスタンパク質が、エラスチンまたはコラーゲンである、さらなる実施形態12に記載の方法。
13 前記ペプチドが、31個未満のアミノ酸、好ましくは26個未満のアミノ酸、より好ましくは21個未満のアミノ酸、より好ましくは16個未満のアミノ酸、より好ましくは13個未満のアミノ酸を含む、さらなる実施形態1~12のいずれか1つに記載の方法。
14 前記ペプチドが、3個超のアミノ酸、好ましくは5個超のアミノ酸、より好ましくは7個超のアミノ酸、より好ましくは少なくとも9個のアミノ酸を含む、さらなる実施形態1~13のいずれか1つに記載の方法。
15 前記細胞が、インスリンまたはその誘導体等、血糖コントロールが可能な化合物も提供される、さらなる実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法。
16 前記インスリンが、速効型インスリンである、さらなる実施形態15に記載の方法。
17 前記供給源が、3個超のアミノ酸かつ13個未満のアミノ酸を含むペプチドを含む、さらなる実施形態16に記載の方法。
18 前記インスリンが、短時間作用型インスリンである、さらなる実施形態15に記載の方法。
19 前記供給源が、4個超のアミノ酸かつ21個未満のアミノ酸を含むペプチドを含む、さらなる実施形態18に記載の方法。
20 前記インスリンが、中時間作用型インスリンである、さらなる実施形態15に記載の方法。
21 前記供給源が、6個超のアミノ酸かつ26個未満のアミノ酸を含むペプチドを含む、さらなる実施形態20に記載の方法。
22 前記インスリンが、長時間作用型インスリンである、さらなる実施形態15に記載の方法。
23 前記供給源が、7個超のアミノ酸かつ31個未満のアミノ酸を含むペプチドを含む、さらなる実施形態22に記載の方法。
24 前記ペプチドが、有機酸の塩として提供され、好ましくは、前記ペプチドが、マレイン酸の、より好ましくは酢酸の、より好ましくは酒石酸の、最も好ましくはクエン酸の塩として提供される、さらなる実施形態1~23のいずれか1つに記載の方法。
25 前記細胞が、ヒト起源のものである、さらなる実施形態1~24のいずれか1つに記載の方法。
26 前記ペプチドが、ヒト起源のものである、さらなる実施形態1~25のいずれか1つに記載の方法。
27 脈管障害、好ましくは糖尿病性末梢神経障害を有するかまたは有することが疑われる対象の処置のための医薬組成物の製造のための、好ましくはL-タンパク質原性のアミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドの使用であって、前記アミノ酸が、少なくとも50%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)およびアルギニン(R)の群から選択される、使用。
28 前記対象が、糖尿病性潰瘍、好ましくは足部潰瘍を有するかまたはそれを発症するリスクがある、さらなる実施形態26に記載の使用。
29 前記対象が、C-ペプチド欠乏を有するかまたはそれを有すると疑われる、さらなる実施形態26または27に記載の使用。
30 前記対象が、少なくとも1nmol/L未満、好ましくは少なくとも0.5nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.3nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.2nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.1nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.06nmol/L未満の空腹時C-ペプチドレベルを有する、さらなる実施形態26~28のいずれか1つに記載の使用。
31 前記ペプチドが、有機酸の塩として提供され、好ましくは、前記ペプチドが、マレイン酸の、より好ましくは酢酸の、より好ましくは酒石酸の、最も好ましくはクエン酸の塩として提供される、さらなる実施形態26~29のいずれか1つに記載の使用。
32 前記処置が、さらなる実施形態2~25のいずれか1つに記載の血管新生活性を誘導するための方法を含む、さらなる実施形態26~30のいずれか1つに記載の使用。
33 脈管障害、好ましくは糖尿病性末梢神経障害を有するかまたは有することが疑われる対象の処置における、好ましくはL-タンパク質原性のアミノ酸の供給源、好ましくは、ペプチドであって、前記アミノ酸が、少なくとも50%にわたり、アラニン(1文字コードでは:A)、グルタミン(Q)、グリシン(G)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)およびアルギニン(R)の群から選択される、供給源、好ましくは、ペプチド。
34 前記対象が、糖尿病性潰瘍、好ましくは足部潰瘍を有するかまたはそれを発症するリスクがある、さらなる実施形態30に記載の供給源。
35 前記対象が、C-ペプチド欠乏を有するかまたはそれを有すると疑われる、さらなる実施形態30または31に記載の供給源。
36 前記対象が、少なくとも1nmol/L未満、好ましくは少なくとも0.5nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.3nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.2nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.1nmol/L未満、より好ましくは少なくとも0.06nmol/L未満の空腹時C-ペプチドレベルを有する、さらなる実施形態32~34のいずれか1つに記載の供給源。
37 前記ペプチドが、有機酸の塩として提供され、好ましくは、前記ペプチドが、マレイン酸の、より好ましくは酢酸の、より好ましくは酒石酸の、最も好ましくはクエン酸の塩として提供される、さらなる実施形態32~35のいずれか1つに記載の供給源。
38 前記処置が、さらなる実施形態2~24のいずれか1つに記載の血管新生活性を誘導するための方法を含む、さらなる実施形態30~33のいずれか1つに記載の供給源。
39 脈管障害、好ましくは糖尿病性末梢神経障害を有するかまたは有することが疑われる対象の処置の方法であって、より好ましくは、前記対象が、糖尿病性潰瘍、好ましくは足部潰瘍を有するかまたはそれを発症するリスクがあり、前記方法が、さらなる実施形態30~34のいずれか1つに記載のアミノ酸の供給源を前記対象に提供するステップを含む、処置の方法。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】血糖コントロールに付随した血管新生コントロールの必要性は、C-ペプチド欠乏を伴う1型糖尿病または2型糖尿病を患う患者の大きいセットにおいて必ず発症する糖尿病性末梢神経障害(DPN)を伴う糖尿病性脈管障害の症例において特によく説明される。DPNは、足部壊疽へと発展し得る足部潰瘍の素因になる。これは、(図1A)乾性壊疽、虚血性および壊死性組織の発症を伴うが感染は伴わない潰瘍と、(図1B)感染性および壊死性組織の両方を伴う湿性壊疽との間に及ぶ。乾性壊疽は、湿性壊疽につながる場合がある。ここに描かれたものよりも顕著な乾性壊疽ステージにおいて、罹患部は多くの場合、暗い緑色または紫色、ほとんど黒色の色によって特徴付けされる。皮膚は、酸素の欠如が原因で、乾燥してしわが寄っている場合がある。湿性壊疽は、湿った外観を有する。この型は、劇症型炎症を指し示す水疱および腫脹によって特徴付けされる。
図2】同様に、血糖コントロールに付随した血管新生コントロールの必要性は、C-ペプチド欠乏を伴う1型糖尿病または2型糖尿病を患う患者の大きいセットにおいて最終的に発症する糖尿病性末梢神経障害(DPN)および腎症を伴う糖尿病性脈管障害の症例において特によく説明される。下肢切断(LEA)状態および腎機能状態によるコックス比例ハザードモデルから補正された生存曲線。 2A 小LEA群と比較して、死亡率の補正されたハザード比は、大LEA患者について1.80(95%CI 1.05~3.09、P=0.03)であった。 2B 正常腎機能群と比較して、死亡率の補正されたハザード比は、CKD患者について0.87(95%CI 0.48~1.59、P=0.66)であり、透析を受けている患者について2.09(95%CI 0.99~4.41、P=0.05)であった。
図3】骨格筋、肝臓および腸において開始するグルタミン組織間代謝フラックスは、免疫細胞において続く。略語:グルタミン、GLN;グルタミン酸、GLU;アスパラギン酸、ASP;アルギニン、ARG;ロイシン、LEU;アラニン、ALA;グルコース、Gluc;ピルビン酸、Pyr;ピルビン酸デヒドロゲナーゼ;PDC;ピルビン酸カルボキシラーゼ、PC;リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、MD;グリセルアルデヒド-3-リン酸、G3-P;乳酸、Lac;トリアシルグリセロール、TG;リボース5-リン酸、R5P;アラニンアミノトランスフェラーゼ、ALT;グルタミン酸デヒドロゲナーゼ、GDH;グルタミンシンテターゼ、GS;グルタミナーゼ、GLS;誘導型一酸化窒素シンターゼ、iNOS;細胞内熱ショックタンパク質、iHSP;熱ショック因子1、HSF-1;熱ショックエレメント、HSE;サーチュイン1、SIRT1;ヘキソサミン生合成経路、HBP;アンモニア、NH3;グルタチオン、GSH;酸化型GSH、GSSG;グルタチオンS-リダクターゼ、GSR;タンパク質キナーゼB、Akt;AMP活性化タンパク質キナーゼ、AMPK;mTOR複合体1および2、mTORC1/2、細胞外シグナル調節キナーゼ、ERK;c-Jun N末端キナーゼ、JNK;ガンマ-アミノ酪酸、GABA。
図4】グルタミンに直接的に結合したPib2複合体へのグルタミン結合によるmTOR複合体活性化機構は、TOR複合体を活性化し、細胞成長を誘導し、オートファジーを阻害する。グルタミンが利用できる場合、細胞は成長を開始するが、利用できない場合、オートファジーを開始する。
図5】エラスチン受容体複合体(ERC)結合モチーフxGxxPxは、β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(ベータ-hCG)のループ2におけるほぼ41~57位に由来するペプチド断片に存在する。 左側:Lapthorn AJ, Harris DC, Littlejohn A, Lustbader JW, Canfield RE, Machin KJ, et al. Crystal structure of human chorionic gonadotropin. Nature. 1994;369(6480):455-61から書き換えた、灰色で指し示されるループ2を有するβ-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(ベータ-hCG)の構造。 右上:ベータ-hCGのループ2のアミノ酸配列。そのxGxxPxモチーフは、ヘキサペプチドQGVLPAによって表される。ベータ-hCGの様々な「ニックを入れられた」または断片化されたペプチドは、アミノ酸40~54の間のペプチド骨格からタンパク質分解によって派生する(Birken S, Berger P, Bidart J-M, Weber M, Bristow A, Norman R, et al. Preparation and Characterization of New WHO Reference Reagents for Human Chorionic Gonadotropin and Metabolites. Clinical Chemistry. 2003;49(1):144-54)。全てのアミノ酸配列は、1文字コードで表される。 右下:MTRVLQGVLPALPQ、環状CVLQGVLPALPQVVC、VLQGVLPALPQVVC、VLQGVLPALPQ、LQGV、AQGV、VLPALPおよびVLPALPQ等、ループ2のニックを入れられた断片に由来する様々な合成ペプチドは、免疫および/または血管細胞において検査されたときに生物活性がある。これらの断片の受容体は、現在に至るまで開示されていない。
図6】ヒトC-ペプチドの活性は、xGxxPGモチーフに依存し、ERCのアンタゴニストによって遮断される。 A:合成ヒト-C-ペプチド(1~31、ERC結合モチーフLGGGPGを有する)を、ヒトCD4+リンパ球遊走アッセイにおいて、陰性および処置対照と一緒に検査した:C-ペプチド添加なし、スクランブルバージョンのヒトC-ペプチド(1~31、いかなるxGxxPxモチーフも欠如する)およびブタ-C-ペプチド(1~29、ヒトC-ペプチドに対してほぼ74%類似性だが、いかなるxGxxPxモチーフも欠如する;本明細書により示されるヒトC-ペプチドとのアライメント)。 新鮮に単離されたヒトCD4+細胞を、指し示されるC-ペプチドバリアント(10nM)と共に3時間インキュベートして、修正Boydenチャンバーにおいて細胞遊走における効果を評価した。結果は、平均±SEMとして表される。****P<0.001 処置vs.対照。 B:新鮮に単離されたヒトCD4細胞を、V14ペプチド(10μM)またはラクトース(10mM)と共に3時間プレインキュベートし、次いで、(A)に指し示される通りにC-ペプチド(1~31)で3時間刺激した。結果は、平均±SEMとして表される。*P<0.05、****P<0.001 処置vs.対照、####P<0.001 処置vs.ヒトC-ペプチド(1~31)。 ブタC-ペプチドにおけるERC結合モチーフの欠如を、ヒトC-ペプチドにおけるその存在と対比して説明するために、ヒトおよびブタC-ペプチドのCLUSTAL O(1.2.4)多重配列アライメントが示される。
図7】栄養素感知は、正常な細胞成長および増殖の持続に重要である。mTOR複合体1(mTORC1)は、栄養素を感知して、細胞成長、オートファジーおよび他のmTORC1媒介性プロセスを調節する。インスリン、IGF-1、PDGFおよびVEGF等の成長因子、アミノ酸、エネルギー状態、ならびにストレスは、mTORC1を制御する。アミノ酸は、mTORC1活性化に必須である。成長因子単独は、アミノ酸補給なしで最大のmTORC1活性を達成することができない(Sancak et al., The Rag GTPases bind raptor and mediate amino acid signaling to mTORC1. Science. 2008 Jun 13;320(5882):1496-501.)。増加したアミノ酸濃度は、mTORC1リソソーム局在化およびその後の活性化を促進する。典型的には、一部のアミノ酸は、他のアミノ酸よりもmTORを活性化し、それにより、他のアミノ酸よりもオートファジーを阻害する。mTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターは、最もよくmTORを活性化するために、相対的な増加した含有量のこれらのオートファジー阻害アミノ酸を有するペプチドを優先的に含む。そのようなペプチド(本明細書に示す、QVGQVELGGGPGAGSLQP(ヒトC-ペプチドに由来する)、QGVLPAまたはAQGV(両者共にhCGに由来する)と共に、本出願に開示されているその他)は、左上に描写される通り、細胞外加水分解および様々なアミノ酸トランスポーターによる取込みの共通機構によって細胞に進入することができる。細胞内グルタミンも、細胞外必須アミノ酸(https://www.nature.com/articles/ncomms11457 - ref-CR14)、特にロイシンと交換する能力を有する。ペプチド進入が右上に描写されている。細胞外ジおよびトリペプチドは、ペプチドトランスポーター(PEPT1/2)調節性輸送を介して進入することができる。より大型のペプチドは、(受容体媒介性)エンドサイトーシスまたはファゴサイトーシスを介して進入することができる。アルギニンリッチ細胞透過ペプチドは、膜多層(multilamellarity)および融合を誘導することにより、小胞および生細胞に受動的に進入することができる。オートファジー阻害ペプチドのさらなる細胞内加水分解は、mTORをモジュレートするオートファジー阻害アミノ酸を遊離させ、細胞生存から細胞死に及ぶ、代謝合成(タンパク質生成)または分解(オートファジー)の間のバランスを保つ多数のプロセスをシグナル伝達する。
図8】Matrigelにおいて育成され、増加する濃度のペプチド、ヘキサペプチドQGVLPA(hCGに由来する)および18-merのペプチドQVGQVELGGGPGAGSLQP(ヒトC-ペプチドに由来する)に応答した、ヒト肺微小血管内皮細胞の微小血管血管新生(出芽)アッセイ。示されるデータは、t=24時間目の総管長測定値である。*p<0.05;**p<0.01。ヘキサペプチド、VGVAPG(ヒトエラスチンに由来する)、LGGGPG(ヒトC-ペプチドに由来する)およびPGAYPG(ヒトガレクチン-3に由来する)も、本実験において血管新生活性を有意に誘導した(図示せず)。
図9】Matrigelにおいて育成され、増加する濃度のペプチド3(18-merのペプチドVGVAPGVGVAPGVGVAPG、ヒトエラスチンに由来する)、6(18-merのペプチドQVGQVELGGGPGAGSLQP、ヒトC-ペプチドに由来する)および8(18-merのペプチド、GAYPGAPGAYPGAPAPGV、ガレクチン-3のヒトN末端断片に由来する)に応答した、ヒト肺微小血管内皮細胞の微小血管血管新生(出芽)アッセイ(それぞれ図9a、図9bおよび図9c)。示されるデータは、t=24時間目の総管長測定値および総分枝長測定値である。*p<0.05;**p<0.01;***p<0.001。
図10図9において検査された、mTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターVGVAPGVGVAPGVGVAPG(ヒトエラスチンに由来する)、QVGQVELGGGPGAGSLQP(ヒトC-ペプチドに由来する)およびGAYPGAPGAYPGAPAPGV(ヒトガレクチン-3に由来する)の管または分枝形成における50%血管新生活性を得るために要求される薬理学的濃度である、EC50の決定。
図11】皮膚創傷治癒は、皮膚バリアの統合性を最終的に回復させる、様々な細胞型(炎症性細胞、ケラチノサイト、内皮細胞(EC)、線維芽細胞、血小板)の増殖および遊走からなる、炎症応答、血管新生、新たな組織形成および組織リモデリングが関与する包括的かつ複合的なプロセスである。創傷治癒における血管新生には、アンジオポエチン(angiopoetin)1(ANG1)対アンジオポエチン(angiopoetin)2(ANG2)のモジュレーションが関与し、それと共に、血管新生におけるPI3K/AKT/mTOR経路も含む。PI3K/AKT/mTOR経路は、一酸化窒素およびアンジオポエチン等の血管新生因子の発現をモジュレートする。PI3K/AKT/mTOR経路の多数の阻害剤が開発されており、そのような薬剤は、VEGF分泌および血管新生を減少させ、それにより、創傷治癒を妨害することが示された。それとは反対に、mTORC1の活性化は実際に、血管新生を促進することが示された(Karar J, Maity A. PI3K/AKT/mTOR Pathway in Angiogenesis. Front Mol Neurosci. 2011 Dec 2;4:51)。本明細書に提供されるmTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターは、mTORを活性化し、それにより、創傷治癒におけるVEGF分泌および血管新生を増加させる。
図12】創傷治癒減少に寄与するさらに別の因子は、高血糖を含み、適正な血糖コントロールを維持することの重要性を説明する。
図13】C-ペプチド欠乏の決定。 Qiaoら(C-peptide is independent associated with diabetic peripheral neuropathy: a community-based study. Diabetol Metab Syndr 9, 12 (2017).)は、2型糖尿病患者における残存C-ペプチドおよびDPNの間の関係性を研究した。糖尿病の持続時間の増加に伴い、島機能は徐々に縮小し、低減したC-ペプチドおよびインスリンレベルをもたらし、DPNの有病率が増加する。非DPN群における空腹時C-ペプチド、摂食2時間後C-ペプチドおよびΔC-ペプチド(すなわち、摂食2時間後C-ペプチド、マイナス、空腹時C-ペプチド)血清濃度は、臨床DPN群(全てP≦0.040)および確認されたDPN群(全てP<0.002)における血清濃度よりも有意に高かった。
【発明を実施するための形態】
【0023】
オートファジー阻害ペプチド
1文字コード
本明細書においてタンパク質またはペプチド組成、構造および機能を表す際に、アミノ酸を参照する。本明細書において、アミノ酸残基は、次の略語を使用することにより同定される。また、明示的にそれ以外のことが指し示されていない限り、ペプチドおよびタンパク質のアミノ酸配列は、N末端からC末端に、左末端から右末端に同定され、N末端は、第1の残基として同定される。Ala:アラニン残基;Asp:アスパラギン酸残基;Glu:グルタミン酸残基;Phe:フェニルアラニン残基;Gly:グリシン残基;His:ヒスチジン残基;Ile:イソロイシン残基;Lys:リジン残基;Leu:ロイシン残基;Met:メチオニン残基;Asn:アスパラギン残基;Pro:プロリン残基;Gln:グルタミン残基;Arg:アルギニン残基;Ser:セリン残基;Thr:スレオニン残基;Val:バリン残基;Trp:トリプトファン(tryptophane)残基;Tyr:チロシン残基;Cys:システイン残基。アミノ酸は、その従来の1文字コード略語によって参照することもできる;A=Ala;T=Thr;V=Val;C=Cys;L=Leu;Y=Tyr;I=Ile;N=Asn;P=Pro;Q=Gln;F=Phe;D=Asp;W=Trp;E=Glu;M=Met;K=Lys;G=Gly;R=Arg;S=Ser;およびH=His。
【0024】
ペプチド
ペプチドは本明細書において、ペプチド(アミド)結合によって連結されたアミノ酸単量体の天然の生物学的なまたは人工的に製造された(合成)短鎖を意味するものとする。グルタミンペプチドは本明細書において、ペプチド(アミド)結合によって連結されたアミノ酸単量体の天然の生物学的なまたは人工的に製造された(合成)短鎖であって、前記アミノ酸単量体の1つがグルタミンである、短鎖を意味するものとする。化学合成されたペプチドは一般に、遊離NおよびC末端を有する。N末端アセチル化およびC末端アミド化は、ペプチドの全体的な電荷を低減させ;したがって、その全体的な溶解性が減少し得る。しかし、末端アセチル化/アミド化は、ネイティブタンパク質のより類似した模倣物を生成するため、ペプチドの安定性も増加し得る。これらの修飾は、ペプチドの生物学的活性を増加させることができ、これらもまた本明細書に提供される。
【0025】
ペプチド合成
本出願において、ペプチドは、固体支持体上で(Ansynth BV、Roosendaal、The Netherlands)または溶液中で(Syncom BV、Groningen、The NetherlandsおよびDiosynth BV、Oss、The Netherlands)、古典的に知られている化学合成によって合成される。医薬ペプチド組成物は、対イオンまたは塩としてトリフルオロ酢酸塩を使用して合成することができ、その後、トリフルオロ酢酸塩は、マレイン酸塩(マレイン酸由来)、酢酸塩(酢酸由来)、酒石酸塩(酒石酸由来)またはクエン酸塩(クエン酸由来)等の対イオンによって交換される。前臨床および臨床ヒト研究における使用のためのAQGVの原薬(EA-230)は、Organon N.V(以前はDiosynth B.V.)(Oss、The Netherlands)によって製造され、一方、最終製品の充填および仕上げは、Octoplus Development、Leiden(The Netherlands)によって行われた。EA-230(AQGV)の分子量は、373g/molである。
【0026】
走化活性の決定
ヒトU937単球細胞を、アメリカ培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection)(ATCCカタログ番号CRL-1593.2、Manassas、Va)から購入する。10%ウシ胎仔血清および抗生物質を補給したRPMI 1640培地を含有するT-75フラスコにおいて懸濁培養で細胞を維持し、3~5日毎に培養物を分割する。走化性アッセイにおける使用の3日前に、記載された通り、1mmol/Lジブチリルサイクリックアデノシン一リン酸(dbcAMP;Sigma Chemical Co)への曝露により、U937細胞を刺激して、マクロファージ系列に沿って分化させる。細胞を3回洗浄して、培養培地を除去し、次いで、2.5×106細胞/mLの最終濃度でアッセイチャンバーへとプレーティングするために走化性培地(1%ラクトアルブミン加水分解物を補給したダルベッコ変法必須培地)に再懸濁する。48ウェルマイクロケモタキシス(microchemotaxis)チャンバー(Neuro Probe、Cabin John、Md)において走化性アッセイを行う。チャンバーの底部ウェルに、3回繰り返して25mLの走化性刺激剤(または培地単独)を充填する。5mmのポアサイズを有するコーティングされていない10mm厚のポリビニルピロリドン不含ポリカーボネートフィルターを、試料の上に置く(Neuro Probe)。シリコンガスケットおよびチャンバーの上部ピースを適用し、50mLの単球細胞懸濁液を上部ウェル内に置く。加湿5%CO2雰囲気下にて3時間37℃でチャンバーをインキュベートし、フィルターの上部表面から非遊走細胞を穏やかに拭き取る。メタノールベースの固定液中にフィルターを30秒間浸漬し、修正Wright-Giemsa技法(Protocol Hema 3染色セット;Biochemical Sciences、Inc、Swedesboro、NJ)で染色し、次いでスライドガラス上にマウントする。フィルターを通って完全に遊走した細胞を光学顕微鏡下で計数し、ウェル当たり3個のランダムな強拡大視野(HPF;本来の拡大率×400)を計数する。他の箇所に記載されている通りに、連続フィコール/ペラスチン受容体複合体(ERC)オール(Pelastin receptor complex(ERC)oll)勾配遠心分離を使用して、健康なボランティアの新鮮に採取された血液からヒト単球を単離する。単離後に静止状態になるように、0.5%ヒト血清を補給したRPMI-1640培地において細胞を16時間培養する。細胞の純度は、フローサイトメトリー解析によって決定された場合>95%である。48ウェルマイクロケモタキシスチャンバー(Neuroprobe、Gaithersburg、MD)内で無血清培地において単球走化性をアッセイする。上部および下部チャンバーにおけるウェルは、ポリビニルピロリドン不含ポリカーボネート膜(ポアサイズ5μm;Costar)によって分離されている。5×105/mLの密度の新鮮に単離された単球を、組換えC-ペプチド(Sigma)と共に2.5時間インキュベートし、その後、フィルターの底面における遊走した細胞を染色し、光学顕微鏡下で計数する。最大走化活性は、0.1mmol/L N-ホルミル-メチオニル-ロイシル-フェニルアラニン(f-MLF;Sigma Chemical Co)により測定され、チェッカーボード解析を使用して、ケモキネシスから走化性を区別する。
【0027】
細胞単離
健康なボランティアから、抗凝固薬としてクエン酸塩を含有するチューブ中へと血液を採取する。製造業者の説明書に従ってPolymorphprepキット(Nicomed、Oslo、Norway)を使用することにより好中球を単離する;単球は、磁気ビーズ(Miltenyi Biotech)を用いて精製する。フローサイトメトリー(抗CD45、14、DRおよびCD66b)によって評価される細胞の純度は、>93%である。細胞型毎に、2名の異なるドナー由来の試料を試験する。
【0028】
マウスにおける静脈内注射された[14C]-AQGVの分布および排出
TNO Biosciences、Utrechtseweg、Netherlandsによって行われた本研究は、50mg/kgの単一静脈内用量の後に雄CD-1マウスにおける[14C]-AQGV(Ala-Gln-[1-14C]Gly-Val)の分布および代謝に関するデータを提供するように設計された。この目的のために、放射標識されたAQGVの投与後10、30および60分目ならびに6および24時間目にマウスを屠殺し、様々な組織におけるカウントを決定し、尿および血漿中に存在する放射能をHPLCによって解析した。
【0029】
放射標識されたペプチドが注射されてから10分後に血液中の放射能は相対的に少なかった。カウントの全てがインタクトペプチド中にあった場合、存在する量は、17.2μg/gとなる筈である。10分後に血漿中に親化合物を検出することはできなかったが;[14C]-AQGVは、非常に急速に加水分解されたと思われた。尿中にもまた親化合物は検出されなかった。尿中の放射能は、HPLCカラムのデッドボリュームにおいてまたはその直後に溶出する親水性化合物として大部分は存在した。
【0030】
様々な臓器中に存在する放射能は、血液中の放射能を超えた。10分後の「ペプチド」の最高濃度は、腎臓(362μg/g)、肝臓(105μg/g)、精巣(85.7μg/g)、肺(75.2μg/g)および脾臓(74.7μg/g)中に見出された。全般に、放射能の漸進的な減少がその後に観察された。24時間後に、最高濃度は、腎臓(61.9μg/g)、胸腺(43.1μg/g)、脾臓(39.3μg/g)、肝臓(37.6μg/g)および皮膚(37.5μg/g)中に見出された。
【0031】
用量投与の10、30および60分後ならびに6および24時間後の放射能の平均総回収率は、それぞれ83.2、70.5、62.9、52.6および50.8%であった。これらの結果は、呼気により発散される、用量投与後の[14C]-揮発性物質、最も可能性が高いのは14C-CO2の急速形成が為されることを強く指し示す。24時間後に、投与された放射能の10.2%が尿中に排泄され、2.6%が糞便中に排泄された。
【0032】
- 結論
静脈内注射後に、[14C]-AQGVは、血液から急速に除去された。これは、下に提示される薬物動態研究の結果と一致している。血漿および尿中の代謝物プロファイルは、親化合物がないことを明らかにし、[14C]-AQGVの急速代謝を指し示す。投与された放射能の約50%は、最大24時間まで、揮発性物質、最も可能性が高いのは14C-CO2として発散された。本研究の結果は、[1-14C]-グリシンを生じる[14C]-AQGVの急速加水分解を指し示し、[1-14C]-グリシンはその後、14C-CO2へと代謝され、呼気中に発散される。血漿および尿中の親化合物の非存在は、組織および臓器中に存在する放射能が、[14C]-AQGVの代謝の加水分解産物としてのみ存在し得ることを示唆する。
【0033】
ペプチド加水分解
本開示は、ペプチドAQGV等のオートファジー阻害アミノ酸を有するペプチドが細胞に遭遇すると、細胞外であれば、当該細胞の表面において、または血管細胞の場合は、例えば、細胞によるペプチドのエラスチン受容体媒介性エンドサイトーシスによるエンドサイトーシス後に、ファゴリソソームにおいて、ペプチドは加水分解されると定める。多くのペプチダーゼは、細胞表面にまたは細胞内に存在することが知られており、これは、ペプチドを急速に加水分解することができ、継続した加水分解は、トリペプチドおよびジペプチドを必ず生じる。同様に、トリペプチジルおよびジペプチジルペプチダーゼによるリソソームにおける加水分解は、単一アミノ酸を等しくもたらすであろう。14C標識AQGVを用いた研究は、事実上、マウスにおけるその投与後の15分間においてペプチドの完全加水分解を示した。トリペプチド、ジペプチドおよび単一アミノ酸は、細胞に提示された場合の、AQGVもしくはその姉妹化合物LQGVの加水分解に起因する、または当該物質については、他のいずれかの適したオリゴペプチドに起因するであろう。
【0034】
ペプチド輸送
同様に、いくつかの研究が、異なる型の成熟顆粒球の生存におけるp38 MAPKの役割を報告した。顆粒球(例えば、好中球、好酸球、好塩基球)は、それらの終末分化ステージにおいて共通点がある。これらの細胞は、断片化された核を有し、予め形成された分泌因子を含有する顆粒の蓄積を有する。本明細書において、p38 MAPKが、好中球の生存のために要求され、p38 MAPKの不活性化が、これらの細胞の死および排除に必須であると共に、p38 MAPKが、内皮細胞の収縮のために要求され、p38 MAPKの不活性化が、血管壁統合性を回復することができるようなそのような血管細胞の弛緩に必須であると共に、p38 MAPK活性の不活性化が、血管内皮血管壁の血管透過性を探索する好中球および他の白血球細胞を静めるのに必須であることが提案された。
【0035】
ジペプチドおよびトリペプチドは、PEPT1/2トランスポーターを介して選択的に輸送される。トリペプチド、ジペプチドおよび単一アミノ酸は、細胞膜を通して能動的に輸送され、それによって、ジペプチドおよびトリペプチドの取込みには、単一アミノ酸の取込みとは別々の機構が関与し、すなわち、PEPT1およびPEPT2トランスポーターを介する。潜在的に、全400種のジペプチドおよび8,000種のトリペプチドが、PepT1およびPEPT2によって輸送され得る。ペプチドの形態のアミノ酸の腸管細胞輸送は、遊離形態のそれらの構成物アミノ酸よりも速い、単位時間当たりの取込みの経路であることが実証された(J Anim Sci, 2008; 9, 2135-2155に総説)。
【0036】
mTORが関与する
最後に、本出願人らは、機構的ラパマイシン標的、mTORの関与を提案する。この展望において、ペプチドは、PEPT1/2経由で、または能動的エンドサイトーシスもしくはファゴサイトーシスプロセシングによって細胞に進入し、その後、ペプチドは、ファゴリソソームにおいて完全に加水分解され、その結果生じるオートファジー阻害アミノ酸は、mTOR複合体に提示され、そこで、細胞のオートファジーの阻害を引き起こす。テトラペプチド、トリペプチドおよびジペプチド活性は全て、アミノ酸A、Q、G、V、LおよびPの群から選択される、単一アミノ酸A、Q、G、Vの最終因果活性を反映することができる。このようにして、アミノ酸A、Q、G、V、LおよびPは、mTORのための食べ物である。実際に、FPRシグナル伝達アッセイにおいてAQGVに由来する異なるトリペプチドおよびジペプチドが使用される場合、予備的結果は、p38経路の阻害において同様の効果を示す。個々のアミノ酸は、サイトゾル経由でmTORにアプローチすることができるが、ペプチド断片(AQGV等のストリング)におけるアミノ酸は、ファゴリソソーム経由でmTORの仕組みに進入する可能性がある。したがって、ペプチド等の供給源におけるアミノ酸によるmTORの活性化は、2種の展望、1)それによって、ペプチドストリングのエンドサイトーシスが、全ファゴサイトーシス細胞、例えば、好中球および単球について最高である展望、2)それによって、ペプチド断片が、PEPT1/2経由で進入する展望から説明することができる。
【0037】
アミノ酸は、mTOR経路を活性化し、オートファジーを阻害する
オートファジーは、栄養素が不十分である場合、細胞の生存のためにアミノ酸を産生するように機能し、アミノ酸は、オートファジーの有効な阻害剤である。機構的ラパマイシン(rapamicin)標的(mTOR)は、オートファジー誘導の重大な調節因子であり、活性化されたmTORは、オートファジーを抑制し、mTORの負の調節は、それを促進する。アミノ酸は実際に、細胞増殖、タンパク質合成、オートファジーおよび生存に影響を与える、mTOR複合体1または2活性化の重要な調節因子であると考慮される。これらの知見は、アミノ酸によって使用される新たなシグナル伝達経路を同定し、細胞代謝におけるこれらの栄養素の決定的な重要性を強調し、薬学的に活性なペプチドの開発における新たな機構的洞察を提案する。
【0038】
mTOR経路に対するアミノ酸の差次的シグナル伝達
いくつかのアミノ酸は、他のアミノ酸よりもタンパク質生成(mTORキナーゼ)またはタンパク質分解(オートファジー)を制御することが知られている。近年およびそれ以前のデータは、効果がないかまたは反対の効果を有することが報告されたグルタミン酸(E)、スレオニン(T)、セリン(S)、リジン(K)、スレオニン(T)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)およびメチオニン(M)等の他のアミノ酸よりも強力なmTORの活性化因子またはオートファジーの阻害剤として、ロイシン(L)、バリン(V)、イソロイシン(I)、アラニン(A)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、グリシン(G)、プロリン(P)およびアスパラギン(N)を単独でまたは組み合わせて同定する。アミノ酸ロイシン(L)、アラニン(A)、グルタミン(Q)およびプロリン(P)は、ヒト細胞において最も顕著なオートファジー効果を有することが報告される(AJ Meijer et al Amino Acids 2015, 47, 2037-2063.)。
【0039】
いくつかのmTORのオートファジー阻害ペプチドモジュレーターおよびいくつかのそのようなペプチドの有機塩は、PCT/NL2018/052822、PCT/NL2020/050535、PCT/NL2020/050605またはPCT/NL2021/050223において、炎症の処置または血行動態不安定の問題に取り組むことにおいて有用であることが前に見出された。本出願において、このクラスのオートファジー阻害ペプチドが、ヒト血管内皮細胞の出芽アッセイにおいて示される通り、血管新生特性を有し、ヒトにおける糖尿病性(足部)潰瘍の治癒において有用であることが開示されている。
【0040】
これらのペプチドのいくつかは、ヒトエラスチン受容体複合体(ERC)への結合モチーフを保有する;そのような結合モチーフxGxxPxは、例えば、β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(ベータ-hCG)のループ2におけるほぼ41~57位に由来するペプチド断片に存在する(図5も参照)。β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(ベータ-hCG)におけるほぼ41~57位(一部は、40~54に指定する)に由来する小型のペプチドは、妊娠中の母子免疫応答から母子共に保護する可能性がある(US6583109B1、US7358330B2、Khan, Immunoregulatory Properties of Break Down Products of Human Choriogonadotropin, thesis, 2010)。US6583109B1は、関与するとしてLQGVLPALPQVVCを同定し、Khan(前記の箇所に、2010年)は、関与するとしてMTRVLQGVLPALPQを同定し、US7358330B2は、前記保護の提供に少なくとも関与するとして共通モチーフLQGVLPALPQ(本出願において、コアERC結合モチーフQGVLPAにより認識される)を同定する。Khan(前記の箇所に、2010年)は、1型糖尿病(T1D)におけるLQGVおよびVLPALPを検査する: - 両方のペプチドは、NODマウスにおけるT1D開始を有意に(p<0.0001)遅延させる。Biotempt(US7358330B2)は、LPS研究においてin vitroでLQGV、VLPALPおよびそれぞれのhCG由来アラニン補充ペプチドを検査した:LQGV、AQGV、LAGV、LQAV、LQGA、VLPALP、ALPALP、VAPALP、VLAALP、VLPAAPおよびVLPALA。全てが、in vitroでLPS-活性を有意に阻害した。Van den Bergら(Synthetic oligopeptides related to the [beta]-subunit of human chorionic gonadotropin attenuate inflammation and liver damage after (trauma) haemorrhagic shock and resuscitation. Shock. 2009 Mar;31(3):285-91)は、出血性ショックのラットモデルにおいてin vivoでLQGV、AQGVおよびLAGVを検査する。全3種は、TNF-αおよびIL-6の全身性放出を有意に(p<0.001)予防した。
ヒトC-ペプチドの活性も、xGxxPGモチーフに依存し、ERCのアンタゴニストによって遮断される(図6も参照)。図6Aは、早期血管新生における重要なプロセスであるCD4リンパ球遊走におけるxGxxPGを有するヒトC-ペプチドの上方調節効果を示す(Kwee et al., CD4 T-cells regulate angiogenesis and myogenesis. Biomaterials. 2018 Sep;178:109-121)。また(Lemaire et al. The elastin peptide VGVAPG increases CD4(+) T-cell IL-4 production in patients with chronic obstructive pulmonary disease. Respir Res. 2021;22(1):14)、VGVAPGエラスチンペプチドのプロトタイプxGxxPG結合モチーフは、CD4リンパ球IL-4産生をモジュレートし、血管新生におけるエラスチン由来ペプチドの同様のCD4結合活性を指し示す。xGxxPGモチーフを有しないスクランブルC-ペプチドおよびブタC-ペプチドは、CD4+遊走に影響を与えなかった。Gal-3は、CD4細胞によって発現されると考慮されるため、同様のアッセイにおいて検査されなかった。図6Bは、C-ペプチドのCD4遊走性効果が、モチーフVGVAPGを有するペプチドの技術分野で実証される通り、それぞれxGxxPG-エラスチン受容体結合の特異的阻害剤であるV14ペプチドおよびラクトースによって鈍らされることを示す。よって、ヒトC-ペプチドの中央部分(断片)の結合は、エラスチン受容体特異的であり、血管新生におけるxGxxPGモチーフの存在に依存し、このようなxGxxPGを有するペプチドが、受容体媒介性エンドサイトーシスによって細胞に進入することをさらに説明する。実際に、Luppiら(Luppi et al., C-peptide is internalised in human endothelial and vascular smooth muscle cells via early endosomes. Diabetologia. 2009 Oct;52(10):2218-28.)は、C-ペプチドが、エンドサイトーシスによって細胞に進入し、エンドソーム内からシグナル伝達することを示す。Luppiら(前記の箇所に)によると、エンドソームは、C-ペプチドがその細胞効果を達成することができる、シグナル伝達ステーションを表す。これは、加水分解するためのセットアップ、アミノ酸が、mTORを活性化し、オートファジーを阻害するのに必要な条件を説明する。典型的には、いくつかのアミノ酸は、他のアミノ酸よりもmTORを活性化し、それにより、他のアミノ酸よりもオートファジーを阻害する(図7も参照)。アラニンは、オートファジーにおいて非常に特異的な同時調節効果を有することが示された(Meijer et al., Regulation of autophagy by amino acids and MTOR-dependent signal transduction. Amino Acids. 2015 Oct;47(10):2037-63;Kadowaki et al. Nutrient control of macroautophagy in mammalian cells. Mol Aspects Med. 2006 Oct-Dec;27(5-6):426-43)。生理的濃度でのアラニンおよびロイシンの組合せは、ラット肝細胞におけるオートファジータンパク質分解において、全20種のアミノ酸の完全混合物と同じ阻害効果を誘発する(Meijer et al、前記の箇所に)。この同じ研究は、アラニンの代謝が、オートファジーにおけるその阻害効果に要求されることも示した。また、栄養および健康におけるL-グルタミン(Gln)の役割は、広範に報告されてきたが、心血管系におけるその効果は、つい最近になって明るみに出た(Bertero et al., The molecular rationale for therapeutic targeting of glutamine metabolism in pulmonary hypertension. Expert Opin Ther Targets. 2019 Jun;23(6):511-524)。Tanら(Glutamine metabolism regulates autophagy-dependent mTORC1 reactivation during amino acid starvation. Nat Commun. 2017 Aug 24;8(1):33)は、グルタミン代謝が、オートファジー依存的様式で、延長されたアミノ酸飢餓においてmTORC1活性を回復させるのに十分であることを示す。Ukaiら(Gtr/Ego-independent TORC1 activation is achieved through a glutamine-sensitive interaction with Pib2 on the vacuolar membrane. PLoS Genet 14(4): e1007334. https://doi.org/10.1371/journal.pgen.1007334, 2018)は、2種の分子的な仕組み、Pib2およびGtr/Egoが、相互に排他的な様式で、明確に異なる複合体をTORC1と形成し、様々なアミノ酸に応答したTORC1およびPib2またはGtr/Ragの間の排他的な機能的関係性を暗示することを示す。彼らは、TORC1のアミノ酸依存的活性化が、これらを液胞膜に繋留することにより、Pib2およびGtr/Ego経路により達成されることも示し、グルタミンが、Pib2複合体に直接的に結合し、Pib2-TORC1複合体形成を増強することも示し、mTORに対する推定グルタミンセンサーのエレメントとしてPib2を見出す(図4も参照)。細胞内グルタミンも、細胞外必須アミノ酸と交換し(https://www.nature.com/articles/ncomms11457 - ref-CR14)(Nicklin et al., Bidirectional transport of amino acids regulates mTOR and autophagy. Cell. 2009 Feb 6;136(3):521-34)、それにより、mTOR活性をさらに調節する(Jewell Metabolism. Differential regulation of mTORC1 by leucine and glutamine. Science. 2015 Jan 9;347(6218):194-8. doi: 10.1126/science.1259472. Epub 2015 Jan 7)能力を有する。Sunら(Glycine Regulates Protein Turnover by Activating Protein Kinase B/Mammalian Target of Rapamycin and by Inhibiting MuRF1 and Atrogin-1 Gene Expression in C2C12 Myoblasts. J Nutr. 2016 Dec;146(12):2461-2467.)は、グリシンが、mTORC1を活性化し、タンパク質分解のための遺伝子の発現を阻害することによりタンパク質ターンオーバーを調節することを見出す。また、デカルボキシラーゼ(GLDC、グリシン切断系に属する酵素)によるグリシン除去は、オートファジーを刺激する(Zhuang et al., Glycine decarboxylase induces autophagy and is downregulated by miRNA-30d-5p in hepatocellular carcinoma. Cell Death Dis 10, 192 (2019))。さらに、T2Dは、内皮機能障害を引き起こし、異常な血管新生を誘導し、特に、高血糖が原因で有意に減少しているグリシンに関する血清アミノ酸代謝を変化させる。
アミノ酸プロファイルのメタボロミック解析は、細胞内グリシンが、糖尿病患者由来の内皮細胞(EC)に由来する人工多能性幹細胞由来細胞(iPSC)において、健康な対象に由来するそのような細胞よりも有意に低かったことを示し(Su et al., Diabetic Endothelial Cells Differentiated From Patient iPSCs Show Dysregulated Glycine Homeostasis and Senescence Associated Phenotypes. Front Cell Dev Biol. 2021 May 31;9:667252)、T2DにおけるECのグリシン喪失を指し示す。ヒトの必須アミノ酸である分枝鎖アミノ酸(BCAA)バリンは、細胞成長および代謝において特に重要な役割を果たす。いくつかの研究は、哺乳類ラパマイシン標的(MTOR)経路の刺激により、タンパク質合成およびミルク収量を増加させるバリンの能力に光を当てた(Long et al., Valine increases milk fat synthesis in mammary gland of gilts through stimulating AKT/MTOR/SREBP1 pathway, Biology of Reproduction, Volume 101, Issue 1, July 2019, Pages 126-137,)。近年、血漿BCAA濃度は、脂質代謝恒常性の新規証明として考慮された。ヒトおよびラットにおける証拠は、バリン代謝および脂肪代謝の間の強い関係性を同定した。オートファジーの制御において、ロイシンは、アルギニンと共に、最もまたは少なくとも特に顕著な、阻害性アミノ酸であると思われる。加えて、その抗タンパク質分解効果は、インスリンおよび細胞腫脹によって増強された(Meijer et al、前記の箇所に)。基質としてのプロリンは、細胞外マトリックス、結合組織および骨においてコラーゲンとして貯蔵され、マトリックスメタロプロテイナーゼ、ペプチダーゼおよびプロリダーゼの逐次作用によってこのリザーバーから急速に放出される。唯一のタンパク質原性二級アミノ酸として、プロリンは、特殊な生物学的効果を有し、全てのタンパク質-タンパク質相互作用および代謝ストレスに対する応答の調節因子として機能し、オートファジーを含む種々の下流代謝活性を開始する(Kadowaki et al. Nutrient control of macroautophagy in mammalian cells. Mol Aspects Med. 2006 Oct-Dec;27(5-6):426-43)。1)のため、プロリンを利用する酵素は、ストレスシグナル伝達に応答し;2)のため、プロリンの大きい可動性のプールが存在し;3)のため、プロリンの代謝は、特殊なストレス機能を果たす。がんにおいて、プロリンは、オートファジーにおける栄養素および酸素喪失に対する応答者として作用することが報告された。さらになお、ここ数年間、プロリンは、神経細胞オートファジーにおけるその弁別的な代謝機能について調査されてきた。プロリンが、神経細胞オートファジーを阻害し、一方、プロリン-オキシダーゼによるプロリンの酸化が、酸化的ストレスを増強し、次いで酸化的ストレスが、オートファジーを誘発することが示された。数十年に及ぶ研究は、酵素NOシンターゼ(NOS)によるガス一酸化窒素(NO)の生成を介した心血管健康の促進におけるL-アルギニンの重要性を確立した。内皮細胞(EC)によるNOの放出は、動脈緊張を阻害することにより血流および血圧を調節する。さらに、NOは、血小板凝集および接着を限定することにより、血液流動性を維持し、血栓症を予防する。NOはまた、平滑筋細胞(SMC)増殖、遊走およびコラーゲン合成を遮断することにより、内膜肥厚から保護する。近年、L-アスパラギンは、グルタミンと同様に、Rag GTPasesの非存在下で、Arf1を介してmTORC1にシグナル伝達し、グルタミンと同様に、細胞内アスパラギンが、細胞外アミノ酸と交換することが見出された。グルタミンは、グルタミン酸の産生を介して異なるアミノ酸の合成に関与することができるが、アスパラギンのみが、de novo合成のためにグルタミンを要求する。アスパラギンシンテターゼ(ASNS)は、ATP依存的様式でグルタミンおよびアスパラギン酸からグルタミン酸およびアスパラギンへと変換する酵素である。ASNS発現は、活性化転写因子4(ATF4)の活性化により、アミノ酸飢餓中に上方調節される。アスパラギンは、セリン/スレオニンキナーゼ哺乳類ラパマイシン標的複合体1(mTORC1)、ヌクレオチド生合成および増殖を調節する交換アミノ酸因子として同定された(Bodineau et al., Two parallel pathways connect glutamine metabolism and mTORC1 activity to regulate glutamoptosis. Nat Commun. 2021 Aug 10;12(1):4814.)。
【0041】
Matrigel中で育成されたヒト血管内皮細胞の微小血管血管新生(出芽)アッセイ(図8図9および図10も参照)
ヒト肺微小血管内皮細胞(Hpmec、HUVEまたは他の血管ECを使用することもできる)を、10%FBS、ならびにヒト組換えFGF-B、ヒト組換えVEGF、ヒト組換えR3-IGF-1、アスコルビン酸、ヒト組換えEGFおよびGA-1000(ゲンタマイシン硫酸塩-アンホテリシン)を含有するビュレット(bullet)キット(Lonza、CC-4147)中に存在する全構成成分を補給したEBM-2培地(Lonza、CC-3156)において培養した。アッセイの24時間前に、10%FBSの代わりに0.5%FBSを含有するEBM-2培地においてHpmecを飢餓状態にした。血管新生アッセイにおける導入のため、内皮細胞を温かいPBSで2回洗浄し、トリプシン処理し、無血清EBM-2培地に再懸濁した。血管新生アッセイのため、Matrigel(Fisher Scientific、Landsmeer、The Netherlands#11523550)を無血清EBM-2培地において1:1希釈し、96ウェルプレート(50uL)においてプレーティングした。重合後に、細胞を実験ペプチド断片と組み合わせ、Matrigel(100μL)の上面に添加した。インキュベーションの24時間後に4×対物レンズを用いて微小血管網の写真を撮り、ImageJにおけるプラグイン血管新生分析計を使用して解析した。
【0042】
創傷治癒における血管新生は、アンジオポエチン1(ANG1)対アンジオポエチン2(ANG2)のモジュレーションを要求する(図11も参照)
アンジオポエチンファミリー(Ang-1~4)は、生理学的血管新生および病理学的新血管新生のモジュレーションにおいて重大な役割を果たすことが示された。VEGFおよびアンジオポエチンは、血管発生および胚発生において独立した役割を果たしつつ一緒に機能する;VEGFは、血管形成において早期に作用し、Ang-1は、血管リモデリング、成熟および安定化においてより後期に作用する。アンジオポエチン1および2は、in vivoおよびin vitroモデルにおいて研究された。VEGFの血管新生促進性(pro-angiogenic)特性の多くを共有する十分に確立された分泌70KDaリガンドであるAng-1は、VEGFによって刺激される経内皮透過性を相殺することにより、増加した血漿漏出から血管を保護する。Ang-1は、血管内皮において遍在的に発現され、静止状態の血管においてリン酸化される膜貫通受容体チロシンキナーゼ(Tie2)を主に介してシグナル伝達する。Ang-1は、インテグリンを介して好中球、内皮細胞および線維芽細胞等のいくつかの細胞と相互作用して、生存、細胞接着および遊走を媒介する。Ang-1は、胚性致死であるAng-1ヌルマウスによって証明される通り、血管発生の必須かつ重大な調節因子である。対照的に、Ang-1およびTie2シグナル伝達のアンタゴニストであるAng-2は一般に、健康な成人の組織において発現されないが、創傷の治癒等、炎症および血管リモデリングを起こしている分泌性組織において発現される。
【0043】
減少した創傷治癒に寄与する因子(図12も参照)
慢性糖尿病性潰瘍は、毎年の米国における42,500件を超える非外傷性下肢切断および糖尿病医療費の27%の原因である。皮膚性糖尿病性創傷治癒の表現型における機能障害は、示されているいくつかの内因性および外因性因子に関連する。糖尿病患者におけるならびにI型およびII型糖尿病のマウスモデルにおける創傷は、血管新生、再上皮化および創傷閉鎖の欠損を示す。初期再上皮化は、血管新生に依存しないが、完全治癒および成熟は、血管新生活性に関与するいくつかの細胞の血管性応答および細胞・マトリックス相互作用によって密接に調節される。血管新生の欠乏は、不十分に管理された血液グルコースレベルに、ならびに内皮細胞(EC)および内皮前駆細胞(EPC)の両方における関連する血管欠損に起因した。糖尿病における新血管新生の欠損は、代謝撹乱の結果として、創傷治癒における虚血に対する応答が損なわれていることと関連することが知られているが、この曖昧な理解を越えて、糖尿病における虚血性組織の血行を再建する能力が損なわれていることは、理解が不十分である。この機能障害を説明するための潜在的な機構は、血管内皮成長因子(VEGF)、アンジオポエチン-1(Ang-1)およびそれらの受容体等の血管新生成長因子の発現の減少である。2型糖尿病対象の下肢の創傷周囲区域から採取された皮膚試料(創傷周縁部から1cm以内の皮膚)は、非糖尿病対象の皮膚組織よりも有意に少ない、VEGF(46%)およびAng-1(36%)の両方の発現を有する。多くのグループが、損なわれた新血管新生を、糖尿病性創傷の遅延された閉鎖と関連付ける証拠を示し、さらに、組換え成長因子療法または遺伝子移入による血管新生成長因子、例えば、VEGF、Ang-1、EGF、bFGFおよびHIF1-α、またはこれらの因子の組合せの補給が、新血管新生の改善および糖尿病性創傷閉鎖のアウトカムにおいてプラスの効果を有することを示した。
【0044】
C-ペプチド欠乏の決定(図13も参照)
Paneroら(Fasting plasma C-peptide and micro- and macrovascular complications in a large clinic-based cohort of type 1 diabetic patients. Diabetes Care. 2009 Feb;32(2):301-5)は、微小血管性脈管障害を有するT1D患者における空腹時血漿C-ペプチド(正常値0.36~1.17nmol/l;Diagnostics Product Corporation、Los Angeles、CA)を測定することにより、残存β-細胞機能と、それに伴う、相対的C-ペプチド欠乏を評価した。彼らは次いで、微小血管性(網膜症、ミクロアルブミン尿およびマクロアルブミン尿、ならびに糖尿病性末梢神経障害(DPN))および大血管性合併症(心筋梗塞、アンギナ、冠動脈バイパス移植、脳卒中および末梢動脈症)に独立して関連する変数を研究するためにロジスティック回帰解析を行った。C-ペプチドの独立した役割は、その分布の三分位値を使用して試験した(<0.06、0.06~0.10および0.11~2.76nmol/l)。最低三分位値(<0.06 nmol/l)における空腹時C-ペプチド値に関して、より高い値は、微小血管性合併症のより低い有病率に関連した(オッズ比[OR]0.59[95%CI 0.37~0.94])。大血管性合併症との関連は明らかでなかった(0.77[0.38~1.58])。
【0045】
Qiaoら(C-peptide is independent associated with diabetic peripheral neuropathy: a community-based study. Diabetol Metab Syndr 9, 12 (2017).)は、2型糖尿病患者における残存C-ペプチドおよびDPNの間の関係性を研究した。糖尿病の持続時間の増加に伴い、島機能は徐々に縮小し、低減したC-ペプチドおよびインスリンレベルをもたらし、DPNの有病率が増加する。非DPN群における空腹時C-ペプチド、摂食2時間後C-ペプチドおよびΔC-ペプチド(すなわち、摂食2時間後C-ペプチド、マイナス、空腹時C-ペプチド)血清濃度は、臨床DPN群(全てP≦0.040)および確認されたDPN群(全てP<0.002)における血清濃度よりも有意に高かった。3種のC-ペプチドパラメータは、年齢、性別、糖尿病持続時間、喫煙状態、収縮期圧、肥満度指数、アンジオテンシン変換酵素阻害剤/アンジオテンシン受容体遮断薬使用、空腹時血漿グルコース、HbA1c、トリグリセリドおよび推定糸球体濾過率について補正した後にDPN(全てP<0.05)に独立して関連した。ΔC-ペプチド四分位値1(参照)と比較して、四分位値3(オッズ比[OR]、0.110;95%信頼区間[CI]0.026~0.466;P=0.003)および四分位値4(OR、0.012;95%CI 0.026~0.559;P=0.007)における患者は、交絡要因について補正した後にDPNのより低いリスクを有した。200μLの試料体積を使用して、ADVIA Centaur XP自動分析計(Siemens Healthcare Diagnostics)におけるケミルミネッセンス(Siemens Healthcare Diagnostics、Malvern、USA)によってC-ペプチドを測定した。これらの研究から、DPNを有する患者における空腹時C-ペプチド欠乏が、1nmol/l未満の値で、より具体的には、0.5nmol/l未満の値で、より具体的には、0.3nmol/L未満で、より具体的には、0.3nmol/l未満の値で、より具体的には、0.2nmol/L未満で、より具体的には、0.1nmol/l未満の値で、より具体的には、0.06nmol/L未満で、ますます存在することが分かってきた。そのような患者をよりよく区別するために、摂食後C-ペプチドレベル(例えば、Qiao et al、前記の箇所によって提供される通り)を決定することにより、さらなる解析を為すことができ、臨床的に関連性があるC-ペプチド欠乏が、1nmol/l未満で摂食後に既に見出され得ることを指し示す。ΔC-ペプチド(すなわち、摂食2時間後C-ペプチド、マイナス、空腹時C-ペプチド、例えば、Qiao et al、前記の箇所によって提供される通り)の決定は、患者がC-ペプチド欠乏を患っているか否かについてさらに決定することができる。一般に、1nmol/l未満のΔC-ペプチドを有する患者は、DPNのリスクがあると考えられる。
【実施例
【0046】
さらなる用量設定研究後の製剤、変数の実施例。
【0047】
[実施例1]
QAQGVALQ-マレイン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
QAQGVALQ-マレイン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0048】
[実施例2]
LQGVLPAL-マレイン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
LQGVLPAL-マレイン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0049】
[実施例3]
VLQAVLPP-マレイン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
VLQAVLPP-マレイン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0050】
[実施例4]
PGAYPGQA-マレイン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
PGAYPGQA-マレイン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0051】
[実施例5]
AQGV-マレイン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
AQGV-マレイン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0052】
[実施例6]
LQGVL-マレイン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
LQGVL-マレイン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0053】
[実施例7]
AQGLQ-マレイン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
AQGLQ-マレイン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0054】
[実施例8]
LQGLQ-マレイン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
LQGLQ-マレイン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0055】
[実施例9]
QAQGVALQ-酢酸塩
1Lの組成物を調製するために、
QAQGVALQ-酢酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0056】
[実施例10]
LQGVLPAL-酢酸塩
1Lの組成物を調製するために、
LQGVLPAL-酢酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0057】
[実施例11]
VLQAVLPP-酢酸塩
1Lの組成物を調製するために、
VLQAVLPP-酢酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0058】
[実施例12]
PGAYPGQA-酢酸塩
1Lの組成物を調製するために、
PGAYPGQA-酢酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0059】
[実施例13]
AQGV-酢酸塩
1Lの組成物を調製するために、
AQGV-酢酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0060】
[実施例14]
LQGVL-酢酸塩
1Lの組成物を調製するために、
LQGVL-酢酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0061】
[実施例15]
AQGLQ-酢酸塩
1Lの組成物を調製するために、
AQGLQ-酢酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0062】
[実施例16]
LQGLQ-酢酸塩
1Lの組成物を調製するために、
LQGLQ-酢酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0063】
[実施例17]
QAQGVALQ-酒石酸塩
1Lの組成物を調製するために、
QAQGVALQ-酒石酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0064】
[実施例18]
LQGVLPAL-酒石酸塩
1Lの組成物を調製するために、
LQGVLPAL-酒石酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0065】
[実施例19]
VLQAVLPP-酒石酸塩
1Lの組成物を調製するために、
VLQAVLPP-酒石酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0066】
[実施例20]
PGAYPGQA-酒石酸塩
1Lの組成物を調製するために、
PGAYPGQA-酒石酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0067】
[実施例21]
AQGV-酒石酸塩
1Lの組成物を調製するために、
AQGV-酒石酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0068】
[実施例22]
LQGVL-酒石酸塩
1Lの組成物を調製するために、
LQGVL-酒石酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0069】
[実施例23]
AQGLQ-酒石酸塩
1Lの組成物を調製するために、
AQGLQ-酒石酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0070】
[実施例24]
LQGLQ-酒石酸塩
1Lの組成物を調製するために、
LQGLQ-酒石酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0071】
[実施例25]
QAQGVALQ-クエン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
QAQGVALQ-クエン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0072】
[実施例26]
LQGVLPAL-クエン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
LQGVLPAL-クエン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0073】
[実施例27]
VLQAVLPP-クエン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
VLQAVLPP-クエン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0074】
[実施例28]
PGAYPGQA-クエン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
PGAYPGQA-クエン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0075】
[実施例29]
AQGV-クエン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
AQGV-クエン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0076】
[実施例30]
LQGVL-クエン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
LQGVL-クエン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0077】
[実施例31]
AQGLQ-クエン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
AQGLQ-クエン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0078】
[実施例32]
LQGLQ-クエン酸塩
1Lの組成物を調製するために、
LQGLQ-クエン酸塩--1.8mol
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0079】
[実施例33]
QAQGVALQ-マレイン酸塩と、短時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
QAQGVALQ-マレイン酸塩--1.8mol
ヒト短時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0080】
[実施例34]
LQGVLPAL-マレイン酸塩と、中時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
LQGVLPAL-マレイン酸塩--1.8mol
ヒト中時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0081】
[実施例35]
VLQAVLPP-マレイン酸塩と、速効型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
VLQAVLPP-マレイン酸塩--1.8mol
ヒト速効型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0082】
[実施例36]
PGAYPGQA-マレイン酸塩と、中時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
PGAYPGQA-マレイン酸塩--1.8mol
ヒト中時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0083】
[実施例37]
AQGV-マレイン酸塩と、速効型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
AQGV-マレイン酸塩--1.8mol
ヒト速効型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0084】
[実施例38]
LQGVL-マレイン酸塩と、速効型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
LQGVL-マレイン酸塩--1.8mol
ヒト速効型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0085】
[実施例39]
AQGLQ-マレイン酸塩と、短時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
AQGLQ-マレイン酸塩--1.8mol
ヒト短時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0086】
[実施例40]
LQGLQ-マレイン酸塩と、速効型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
LQGLQ-マレイン酸塩--1.8mol
ヒト速効型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0087】
[実施例41]
QAQGVALQ-酢酸塩と、短時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
QAQGVALQ-酢酸塩--1.8mol
ヒト短時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0088】
[実施例42]
LQGVLPAL-酢酸塩と、中時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
LQGVLPAL-酢酸塩--1.8mol
ヒト中時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0089】
[実施例43]
VLQAVLPP-酢酸塩と、短時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
VLQAVLPP-酢酸塩--1.8mol
ヒト短時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0090】
[実施例44]
PGAYPGQA-酢酸塩と、中時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
PGAYPGQA-酢酸塩--1.8mol
ヒト中時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0091】
[実施例45]
AQGV-酢酸塩と、速効型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
AQGV-酢酸塩--1.8mol
ヒト速効型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0092】
[実施例46]
LQGVL-酢酸塩と、速効型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
LQGVL-酢酸塩--1.8mol
ヒト速効型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0093】
[実施例47]
AQGLQ-酢酸塩と、短時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
AQGLQ-酢酸塩--1.8mol
ヒト短時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0094】
[実施例48]
LQGLQ-酢酸塩と、速効型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
LQGLQ-酢酸塩--1.8mol
ヒト速効型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0095】
[実施例49]
QAQGVALQ-酒石酸塩と、短時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
QAQGVALQ-酒石酸塩--1.8mol
ヒト短時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0096】
[実施例50]
LQGVLPAL-酒石酸塩と、中時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
LQGVLPAL-酒石酸塩--1.8mol
ヒト中時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0097】
[実施例51]
VLQAVLPP-酒石酸塩と、短時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
VLQAVLPP-酒石酸塩--1.8mol
ヒト短時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0098】
[実施例52]
PGAYPGQA-酒石酸塩と、中時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
PGAYPGQA-酒石酸塩--1.8mol
ヒト中時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0099】
[実施例53]
AQGV-酒石酸塩と、速効型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
AQGV-酒石酸塩--1.8mol
ヒト速効型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0100】
[実施例54]
LQGVL-酒石酸塩と、速効型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
LQGVL-酒石酸塩--1.8mol
ヒト速効型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0101】
[実施例55]
AQGLQ-酒石酸塩と、速効型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
AQGLQ-酒石酸塩--1.8mol
ヒト速効型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0102】
[実施例56]
LQGLQ-酒石酸塩と、短時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
LQGLQ-酒石酸塩--1.8mol
ヒト短時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0103】
[実施例57]
QAQGVALQ-クエン酸塩と、短時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
QAQGVALQ-クエン酸塩--1.8mol
ヒト短時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0104】
[実施例58]
LQGVLPAL-クエン酸塩と、短時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
LQGVLPAL-クエン酸塩--1.8mol
ヒト短時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0105】
[実施例59]
VLQAVLPP-クエン酸塩と、短時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
VLQAVLPP-クエン酸塩--1.8mol
ヒト短時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0106】
[実施例60]
PGAYPGQA-クエン酸塩と、中時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
PGAYPGQA-クエン酸塩--1.8mol
ヒト中時間作用型(imntermediate-acting)インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0107】
[実施例61]
AQGV-クエン酸塩と、速効型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
AQGV-クエン酸塩--1.8mol
ヒト速効型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0108】
[実施例62]
LQGVL-クエン酸塩と、速効型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
LQGVL-クエン酸塩--1.8mol
ヒト速効型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0109】
[実施例63]
AQGLQ-クエン酸塩と、短時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
AQGLQ-クエン酸塩--1.8mol
ヒト短時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0110】
[実施例64]
LQGLQ-クエン酸塩と、短時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
LQGLQ-クエン酸塩--1.8mol
ヒト短時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0111】
[実施例65]
VGVAPGVGVAPGVGVAPG-クエン酸塩と、中時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
VGVAPGVGVAPGVGVAPG-クエン酸塩--1.8mol
ヒト中時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0112】
[実施例66]
QVGQVELGGGPGAGSLQP-クエン酸塩と、中時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
QVGQVELGGGPGAGSLQP-クエン酸塩--1.8mol
ヒト中時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0113】
[実施例67]
GAYPGAPGAYPGAPAPGV-クエン酸塩と、中時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
GAYPGAPGAYPGAPAPGV-クエン酸塩--1.8mol
ヒト中時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000Uを混合する。
【0114】
[実施例68]
VGVAPGVGVAPGVGVAPG-クエン酸塩と、長時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
VGVAPGVGVAPGVGVAPG-クエン酸塩--2.4mol
ヒト長時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0115】
[実施例69]
QVGQVELGGGPGAGSLQP-クエン酸塩と、長時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
QVGQVELGGGPGAGSLQP-クエン酸塩--2.4mol
ヒト長時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
【0116】
[実施例70]
GAYPGAPGAYPGAPAPGV-クエン酸塩と、長時間作用型インスリン
1Lの組成物を調製するために、
GAYPGAPGAYPGAPAPGV-クエン酸塩--2.4mol
ヒト長時間作用型インスリン(2800U/mg)--100000U
M-Kreosol--25mg、グリセロール--160mg、0.9%NaCL、必要に応じて、1Lの組成物体積および所望の最終pHを得るのに十分な、水および10%塩酸または10%水酸化ナトリウムのいずれかを混合する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】