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特表2024-537285船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置、及び、船舶搭載式の充電方法
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  • 特表-船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置、及び、船舶搭載式の充電方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置、及び、船舶搭載式の充電方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20241003BHJP
   B63J 99/00 20090101ALI20241003BHJP
   B63H 21/17 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H02J7/04 A
B63J99/00 A
B63H21/17
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521786
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 NO2022050226
(87)【国際公開番号】W WO2023063830
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】20211217
(32)【優先日】2021-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521348030
【氏名又は名称】コングスベルグ・マリタイム・アーエス
【氏名又は名称原語表記】KONGSBERG MARITIME AS
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ザヘディ,ビジャン
(72)【発明者】
【氏名】ヨルテセ,イェンス
(72)【発明者】
【氏名】レゴ,ジョアン・ペドロ・メイラ
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA03
5G503BB01
5G503CA11
5G503CC07
5G503EA02
5G503GB01
(57)【要約】
その充電中に少なくとも一つのエネルギー保存装置(60)の電圧変動を補償することを可能にする船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置(10)及び舶搭載式の中電圧の充電方法。船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置(10)は、一方の側で、AC電源(40)に接続され、他方の側で、少なくとも一つの船舶搭載式のエネルギー保存装置(60)に接続される。充電装置(10)は、AC電源(40)及び、少なくとも一つのエネルギー保存装置(60)の間に直列に配置された整流変圧器(21)と、少なくとも一つの整流ブリッジ(22)と、を含む整流器ユニット(20)を含む。装置は、整流変圧器(21)の前段に配置され、少なくとも一つのエネルギー保存装置(60)の電圧変動を補償するように構成される制御可能式補償ユニット(30)を更に含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置(10)であって、前記装置(10)は、一方の側で、AC電源(40)に接続され、他方の側で、少なくとも一つの船舶搭載式のエネルギー保存装置(60)に接続され、前記装置(10)は、前記AC電源(40)と前記少なくとも一つのエネルギー保存装置(60)との間に直列に配置された整流変圧器(21)と、少なくとも一つの整流ブリッジ(22)と、を含む整流器ユニット(20)を含み、前記装置(10)は、整流変圧器(21)の前段に、前記整流器ユニット(20)又は前記少なくとも一つのエネルギー保存装置(60)と前記AC電源(40)との間に直列に配置された制御可能式補償ユニット(30)、をさらに含み、前記制御可能式補償ユニット(30)は、前記整流器ユニット(20)の整流器電圧(Vrec)を調整するために、供給されるAC電圧(V)に、異なる振幅及び位相角の直列電圧フェーザ(V)を加えることによって、前記少なくとも一つのエネルギー保存装置(60)の電圧変動を補償するように構成される、前記船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置(10)。
【請求項2】
前記装置(10)は、前記少なくとも一つのエネルギー保存装置(60)に直接接続されるか、又は、船舶用DC消費ネットワーク(50)を介して、前記少なくとも一つのエネルギー保存装置(60)に接続される、請求項1に記載の船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置(10)。
【請求項3】
前記整流変圧器(21)は、中電圧-低電圧のAC変圧器である、請求項1に記載の船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置(10)。
【請求項4】
前記制御可能式補償ユニット(30)は、前記整流器ユニット(20)の前記整流変圧器(21)と前記AC電源(40)との間に直列に配置された補償用変圧器(31)と、前記整流器ユニット(20)の前記少なくとも一つの整流ブリッジ(22)、前記船舶用DC消費ネットワーク(50)、又は前記少なくとも一つのエネルギー保存装置(60)と、前記補償用変圧器(31)と、の間に直列に配置された少なくとも一つの制御可能式補償用コンバーター(32)と、を含む、請求項1又は2に記載の船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置(10)。
【請求項5】
前記制御可能式補償用コンバーター(32)は、低電圧コンバーターである、請求項4に記載の船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置(10)。
【請求項6】
前記少なくとも一つの補償ユニット(30)は、前記直列電圧フェーザ(V)の振幅を、前記船舶用DC消費ネットワーク(50)、又は、前記少なくとも一つのエネルギー保存装置(60)に対して、要求されるDC電圧(VDC)の対称範囲又は非対称範囲として提供するように構成されている、請求項4に記載の船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置(10)。
【請求項7】
前記直列電圧フェーザ(V)の振幅の前記対称範囲は、前記要求されるDC電圧(VDC)の-15%~15%、より好ましくは-10%~10%、である、請求項6に記載の船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置(10)。
【請求項8】
前記直列電圧フェーザ(V)の振幅の前記非対称範囲は、前記要求されるDC電圧(VDC)の-30~0%の間、より好ましくは-20%~0%の間である、請求項6に記載の船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つの補償用コンバーター(32)が、前記直列電圧フェーザ器(V)の振幅及び位相角をスカラー制御、又は、ベクトル制御するように構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置(10)。
【請求項10】
前記少なくとも一つの補償ユニット(32)は、前記直列電圧フェーザ器(V)の振幅及び位相角を連続的に制御するように構成される、請求項9に記載の船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置(10)。
【請求項11】
前記少なくとも一つの補償ユニット(32)は、前記送電網電圧、前記エネルギー保存装置電圧、及び、前記充電電力設定点に基づいて、充電時間にわたって前記直列電圧フェーザ器(V)の振幅及び位相角を連続的に制御するように構成される、請求項9に記載の船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置(10)。
【請求項12】
AC電源(40)からの、船舶の少なくとも一つの船舶搭載式のエネルギー保存装置(60)の船舶搭載式の中電圧の充電方法であって、前記AC電源(40)と前記少なくとも一つのエネルギー保存装置(60)との間に直列に配置された整流変圧器(21)と、少なくとも一つの整流ブリッジ(22)と、を含む整流器ユニット(20)によって、前記少なくとも一つのエネルギー保存装置(60)を直接、又は、船舶用DC消費ネットワーク(50)を介して、充電すること、及び、前記整流器ユニット(20)の整流器電圧(Vrec)を調整するために、供給されるAC電圧(V)に、異なる振幅及び位相角を有する直列電圧フェーザ(V)を加えることによって、前記船舶用DC消費ネットワーク(50)、又は、前記少なくとも一つのエネルギー保存装置(60)の電圧変動を補償すること、を含む前記方法。
【請求項13】
前記直列電圧フェーザ(V)の振幅を、前記船舶用DC消費ネットワーク(50)、又は、前記少なくとも一つのエネルギー保存装置(60)、に必要なDC電圧(VDC)の対称範囲又は非対称範囲として、加える、請求項12に記載の船舶搭載式の中電圧で充電する方法。
【請求項14】
前記直列電圧フェーザ(V)の振幅の対称範囲を、前記必要なDC電圧(VDC)の-15%~15%の間、より好ましくは-10%~10%の間で使用する、請求項13に記載の船舶搭載式の中電圧の充電方法。
【請求項15】
前記直列電圧フェーザ(V)の振幅の非対称範囲を-30%~0%の間、より好ましくは前記必要なDC電圧(VDC)の-20%~0%の間で使用する、請求項13に記載の船舶搭載式の中電圧の充電方法。
【請求項16】
前記直列電圧フェーザ(V)の振幅及び位相角を、スカラー制御、又は、ベクトル制御によって制御する、請求項14又は15に記載の少なくとも一つのエネルギー保存装置(70)の船舶搭載式の中電圧の充電方法。
【請求項17】
前記直列電圧フェーザ(V)の振幅及び位相角を連続的に制御する、請求項16に記載の船舶搭載式の中電圧の充電方法。
【請求項18】
前記直列電圧フェーザ(V)の振幅及び位相角を、送電網電圧、エネルギー保存装置電圧、及び、充電電力の設定点、に基づいて、前記充電時間にわたって連続的に制御する、請求項17に記載の船舶搭載式の中電圧の充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文にあるように、船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置に関する。
【0002】
本発明は、又、請求項12の前文にあるように、船舶に搭載された少なくとも一つのエネルギー保存装置の、船舶搭載式の中電圧の充電方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、船舶業界では、環境に優しい船舶用の推進システムの開発に大きな関心が集まっており、その主な目標は、船舶からのゼロ・エミッション、又は、ゼロに近いエミッションを達成することである。電気、及び、ハイブリッド電気(電気と燃料)の推進システムの使用が増加している。これらのシステムは、エネルギー保存装置に蓄えられた電気エネルギーによって、船舶用の全部、又は、一部を駆動することを可能にする。
【0004】
現代の船舶、例えばフェリー、の多くは、エネルギー保存装置に接続されたDC(直流)配電システムを有する。
【0005】
エネルギー保存装置からのエネルギーを利用するためには、DC電力消費装置が、通常、船舶用のDC消費ネットワークを介して、エネルギー保存装置に接続されていなければならない。
【0006】
エネルギー保存装置を充電するために、船舶は、AC(交流)送電網電源からDC電圧に変換する電力変換ステージを必要とする。
【0007】
船舶用のMVAC(medium-voltage alternating current:中電圧の交流)充電ステーションの専用規格は存在しないため、船舶が既存の陸上接続規格の要件を満たす標準的なMVACネットワークに接続できるようにするためには、現在のところ、船舶搭載式の充電システムが望ましい。
【0008】
この分野では、さらに、船舶に必要な電気機器の設置面積を削減する必要がある。大型で重く高価なコンバーター、特に充電システムの船舶側コンバーター、の必要性を排除し、船舶へのそれらの導入コストを削減することも必要である。
【0009】
さらに、前述のコンバーターも電力損失をもたらすため、充電回路における電力損失を可能な限り低減することが要望されている。
【0010】
これを実現する一つの方法は、船舶への電力供給において、直列補償を利用することである。このようなシステムの例は、US2020189404 AA、US6331765 BA、及び、US2013016541 AAに記載されている。US2013016541A1の解決策では、HVDC(high-voltage direct current:高電圧の直流)システムとAC送電網との間のDC電流デカップリングのために、直列接続を使用している。US6331765B1には、無効電力の補償のための直列補償技術が開示されている。US2020189404A1からは、船舶の充電を、特定の構成及びコントローラを備えた特定のポートに制限する、地上充電ステーションが知られている。しかし、これらの解決策では、前述の要望を全て解決することはできない。
【0011】
従って、前述の要望を全て満たす船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置、及び、船舶搭載式の中電圧の充電方法が求められている。
【発明の概要】
【0012】
目的
本発明の主な目的は、従来技術の欠点の一部又は全部を解決し、及び/又は、前述の必要性の一部又は全部を満たす、船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置、及び、中電圧の船舶搭載式の充電方法を提供することである。
【0013】
本発明の目的は、船舶上の電気機器の設置面積を削減する、船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置、及び、船舶搭載式の中電圧の充電方法、を提供することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、船舶に必要な電気機器の体積を制限して、船舶搭載式の中電圧の充電のための、船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置、及び、方法、を提供することである。
【0015】
本発明の目的は、船舶を標準的なMVAC送電網に接続することを可能にする、船舶搭載式の中電圧の充電装置、及び、船舶搭載式の中電圧の充電方法、を提供することである。
【0016】
本発明の目的は、送電網から利用可能な電力に基づいて、船舶が充電電力を独自に調整することを可能にする、船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置、及び、船舶搭載式の中電圧の充電方法、を提供することである。
【0017】
本発明の目的は、AC電源を整流し、船舶搭載式のエネルギー保存装置に、制御されたDC電流を供給して充電することを可能にする、船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置、及び、船舶搭載式の中電圧の充電方法、を提供することである。
【0018】
本発明の目的は、能動部品を極力少なくした、船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置、及び、船舶搭載式の中電圧の充電方法、を提供することである。
【0019】
本発明の目的は、広範囲の電圧調整を可能にする、船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置、及び、船舶搭載式の中電圧の充電方法、を提供することである。
【0020】
本発明の目的は、コンバーターのディレーティングを結果的に最小にする、船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置、及び、船舶搭載式の中電圧の充電方法、を提供することである。
【0021】
本発明の目的は、直列電圧フェーザの振幅及びフェーザの位相角を加算することにより、電圧変動を補償する、船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置、及び、船舶搭載式の中電圧の充電方法、を提供することである。
【0022】
本発明のさらなる目的は、船舶搭載式のエネルギー保存装置の充電中に、自己調整された充電電流の制限、を提供する、船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置、及び、船舶搭載式の中電圧の充電方法、を提供することである。
【0023】
本発明の目的は、従来技術の解決策と比較して、より少ない投資、及び、設置コスト、並びに、メンテナンスコスト、を必要とする、船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置、及び、船舶搭載式の中電圧の充電方法、を提供することである。
【0024】
さらなる目的は、以下の記載、特許請求の範囲、及び、添付図面、から明らかになる。
【0025】
本発明
本発明に係る船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置は、請求項1の技術的特徴によって定義される。充電装置の好ましい特徴は、その従属する請求項に記載される。
【0026】
本発明に係る少なくとも一つの船舶搭載式のエネルギー保存装置の船舶搭載式の中電圧の充電方法は、請求項12の技術的特徴によって定義される。その方法の好ましい特徴は、従属する請求項に記載される。
【0027】
本発明に係る船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置は、一方の側でAC(交流)電源に、他方の側で少なくとも一つの船舶搭載式のエネルギー保存装置に、直接又は船舶用DC(直流)消費ネットワークを介して、接続するように構成されている。
【0028】
本発明に係る船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置は、AC電源と、少なくとも一つのエネルギー保存装置又は船舶用DC消費ネットワークと、の間に直列に配置された、整流変圧器及び少なくとも一つの整流ブリッジを含む整流器ユニット、を含む。
【0029】
本発明に係る船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置は、整流変圧器の前方において、整流器ユニット、船舶用DC消費ネットワーク又は少なくとも一つのエネルギー保存装置と、AC電源と、の間に直列に配置された制御可能式補償ユニット、をさらに含む。本発明に係る制御可能式補償ユニットは、整流器ユニットの整流器電圧を調整するために、供給されるAC電圧に、振幅及び位相角が異なる直列電圧フェーザを加えることによって、船舶用DC消費ネットワーク又は少なくとも一つのエネルギー保存装置、の電圧変動を補償するように構成される。
【0030】
従って、前述の整流器ユニット及び制御可能式補償ユニットは、少なくとも一つの船舶搭載式のエネルギー保存装置を充電するための充電回路を形成する。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、整流変圧器は、中電圧-低電圧AC変圧器である。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、制御可能式補償ユニットは、AC電源と、整流器ユニットの整流変圧器と、の間に直列に配置された補償用変圧器を含む。制御可能式補償ユニットは、整流器ユニットの少なくとも一つの整流ブリッジ、船舶用DC消費ネットワーク又は少なくとも一つのエネルギー保存装置と、補償用変圧器と、の間に直列に配置された、少なくとも一つの制御可能式補償用コンバーター、をさらに含む。
【0033】
本発明に係る船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置の一実施形態によれば、制御可能式補償用コンバーターは、低電圧コンバーターである。
【0034】
本発明に係る船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置の一実施形態によれば、少なくとも一つの補償ユニットは、直列電圧フェーザの振幅を、船舶用DC消費ネットワーク又は少なくとも一つのエネルギー保存装置に、要求されるDC電圧の対称範囲又は非対称範囲として、提供するように構成される。
【0035】
本発明に係る船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置の一実施形態によれば、直列電圧フェーザの振幅の対称範囲は、必要なDC電圧の-15%~15%の間、より好ましくは、-10%~10%の間、である。例示された範囲は、単なる例であり、他の範囲は、当業者の知識の範囲内であるため、本発明を限定するもの、とはみなされない。
【0036】
本発明に係る船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置の一実施形態によれば、直列電圧フェーザの振幅の非対称範囲は、必要なDC電圧の-30%~0%の間、より好ましくは、-20%~0%の間、である。例示された範囲は、単なる例であり、他の範囲は、当業者の知識の範囲内であるため、本発明を限定するもの、とはみなされない。
【0037】
本発明に係る船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置の一実施形態によれば、船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置は、直列電圧フェーザの振幅及び位相角を、スカラー制御又はベクトル制御、するように構成される。
【0038】
本発明に係る船舶搭載式の中電圧の充電装置の一実施形態によれば、直列電圧フェーザの振幅及び位相角は、連続的に制御される。
【0039】
本発明に係る船舶搭載式の中電圧の電気装置の一実施形態によれば、直列電圧フェーザの振幅及び位相角は、送電網電圧、エネルギー保存装置の電圧、及び、充電電力設定点、に基づいて、充電時間にわたって連続的に制御される。
【0040】
本発明に係る、AC電源から、船舶の少なくとも一つの船舶搭載式のエネルギー保存装置を、船舶搭載式の中電圧で充電する方法は、AC電源と少なくとも一つのエネルギー保存装置との間に直列に配置された整流変圧器、及び、整流器ユニットによって、少なくとも一つの船舶搭載式のエネルギー保存装置を、直接又は船舶用DC消費ネットワークを介して、充電することを含む。本方法はさらに、整流器ユニットの整流器電圧を調整するために、供給されるAC電圧に、振幅及び位相角の異なる直列電圧フェーザを加えることによって、船舶用DC消費ネットワーク又は少なくとも一つの船舶搭載式のエネルギー保存装置、の電圧変動を補償することを含む。
【0041】
本発明の一実施形態に係る方法は、必要なDC電圧の対称範囲又は非対称範囲として、直列電圧フェーザの振幅を、船舶用DC消費ネットワーク又は少なくとも一つの船舶搭載式のエネルギー保存装置、に加えること、を含む。
【0042】
本発明に係る方法の一実施形態によれば、その方法は、必要なDC電圧の、-15%~15%の間、より好ましくは-10%~10%の間、の直列電圧フェーザの振幅の対称範囲を使用すること、を含む。例示した範囲は、単なる例であり、他の範囲は、当業者の知識の範囲内であるため、本発明を限定するもの、とはみなされない。
【0043】
本発明に係る方法の一実施形態によれば、その方法は、必要なDC電圧の、-30%~0%の間、より好ましくは-20%~0%の間、の直列電圧フェーザの非対称範囲を使用すること、を含む。例示された範囲は、単なる例であり、他の範囲は、当業者の知識の範囲内であるため、本発明を限定するもの、とはみなされない。
【0044】
本発明に係る方法のさらなる実施形態によれば、その方法は、スカラー制御又はベクトル制御によって、直列電圧フェーザ器の振幅及び位相角を制御すること、を含む。
【0045】
本発明に係る方法の一実施形態によれば、その方法は、直列電圧フェーザ器の振幅及び位相角を連続的に制御すること、を含む。
【0046】
本発明のさらなる実施形態によれば、その方法は、送電網電圧、エネルギー保存装置電圧、及び、充電電力設定点、に基づいて、充電時間にわたって、直列電圧フェーザの振幅及び位相角を連続的に制御すること、を含む。
【0047】
本発明に係る船舶搭載式の中電圧の充電装置、及び、船舶搭載式の充電方法によって、ほとんど受動部品を使用することができ、電圧調整を行うために、補償用コンバーターだけが能動的に使用されなければならないという、解決策が提供される。
【0048】
本発明に係る船舶搭載式の中電圧の充電装置、及び、船舶搭載式の充電方法は、船舶用が標準的なMVAC(medium-voltage alternating current:中電圧の交流)送電網に接続し、送電網からの利用可能な電力に基づいて、その充電電力を独自に調整できる解決策を提供する。
【0049】
本発明は、充電中のエネルギー保存装置の広範囲の電圧変動を補償できる、解決策を提供する。
【0050】
本発明によれば、電流が低い補償ユニットで、大きな電力フローが調整される、解決策が提供される。
【0051】
本発明は、高価なアクティブ・フロントエンド・コンバーターの代わりに、コンパクトで、安価で、かつ効率的な、ダイオード整流器を使用する、解決策を提供する。
【0052】
従って、本発明では、船舶用に必要とされる電気機器の容積及び設置面積、を制限する。
【0053】
本発明により、AC電源を整流し、少なくとも一つの船舶搭載式のエネルギー保存装置を充電するための、制御されたDC電流を供給することができる装置及び方法、が提供される。
【0054】
本発明は、又、従来技術の解決策と比較して、より広い範囲にわたる電圧調整を提供する。
【0055】
従って、本発明は、直列補償を用いた電力調整を行い、その一方で、DCデカップリングが、船舶搭載された直流的に絶縁された変圧器によって、自然に行われる。
【0056】
本発明は、エネルギー保存装置の充電電力を調整しながら、無効電力も調整し、コンバーターの作動点をも最適化する、有効電力の制御を目的とする。
【0057】
本発明により、船舶を特定の充電ステーションから独立させる、船舶に搭載式の電気構成及び制御システム、が提供される。船舶は、標準的な中電圧のACネットワークに接続し、その充電電力を独自に調整することができる。
【0058】
本発明のさらに好ましい特徴及び有利な詳細は、以下の実施例の説明、特許請求の範囲、及び、添付図面、から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0059】
以下、添付図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
図1】本発明に係る装置の原理図である。
図2】本発明の制御原理の概略図である。
図3a】それぞれ、本発明に係る装置と、対応する制御原理、の実施形態の原理図である。
図4a】それぞれ、本発明に係る装置と、対応する制御原理、のさらなる実施形態の原理図である。
図5】本発明に係る装置の制御の原理図である。
図6】本発明に係るベクトル制御モードの原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
実施例
図1には、広範囲にわたるAC(交流)電圧調整を提供する、本発明に係る船舶搭載式の中電圧の船舶用充電装置10(medium-voltage vessel electric charging apparatus:MVVECA)の原理図が示されている。
【0061】
船舶搭載式のMVVECA10は、船舶(図示せず)上に配置され、図1に示すように、一方の側ではAC電源40に、他方の側では船舶の少なくとも一つの船舶搭載式のエネルギー保存装置60に、直接又は船舶用DC(直流)消費ネットワーク50を介して、接続されるように適合される。
【0062】
図示の例における消費ネットワーク50は、DC配電システムである。AC電源40は、例えば、ACの陸上の電力送電網である。図示の例では、DC配電システム50は、バッテリーによって形成されたエネルギー保存装置60に配置される。もちろん、DC配電システム50とエネルギー保存装置60との間に、インテリジェント充電の電子回路を配置することもできる。
【0063】
本発明に係る船舶搭載式のMVVECA10は、AC電源40と、少なくとも一つのエネルギー保存装置60又は船舶用DC消費ネットワーク50と、の間に配置された整流器ユニット20を含む。整流器ユニット20は、整流変圧器21、例えば、DFE(Diode front end)と、AC電源40と少なくとも一つのエネルギー保存装置60又は船舶用DC消費ネットワーク50との間に直列に配置された少なくとも一つの整流ブリッジ22と、を含む。整流変圧器21は、本発明によれば、MV(Medium Voltage:中電圧)-LV(Low Voltage:低電圧)変圧器21であり、一方の側でAC電源40に接続される。少なくとも一つの整流ブリッジ22は、本発明によれば、好ましくはダイオード整流器である。
【0064】
本発明に係る船舶搭載式のMVVECA10は、整流器ユニット20とAC電源40との間、すなわち、整流器ユニット20の整流変圧器21の前、に直列に配置された少なくとも一つの制御可能式補償ユニット30、をさらに含む。本発明に係る制御可能式補償ユニット30は、AC電源40と、整流器ユニット20の整流変圧器21と、の間に直列に配置された補償用変圧器31を含む。本発明に係る制御可能式補償ユニット30は、補償用変圧器41と整流ブリッジ22との間に直列に配置された制御可能式補償用コンバーター32、例えば、AFE(active front end)、船舶用DC消費ネットワーク50又は少なくとも一つのエネルギー保存装置60、をさらに含む。本発明の一実施形態によれば、制御可能式補償用コンバーター32は、LV(Low Voltage:低電圧)コンバーターである。
【0065】
このようにして、前述の制御可能式補償ユニット30及び整流器ユニット20は、少なくとも一つのエネルギー保存装置60のための制御可能式充電回路を形成する。
【0066】
本発明に係る船舶搭載式のMVVECA10のさらなる実施形態によれば、船舶搭載式のMVVECA10を、AC電源40に、接続及び切断するための制御可能式スイッチ11、を含むことが好ましい。
【0067】
AC送電網は、通常、高電圧を供給し、AC電源40は、本発明の一実施形態によれば、高電位のAC電圧を、船舶、例えば本発明による船舶搭載式のMVVECA10、に供給するのに適した中電位のAC電圧に変圧するためのHV-MV変圧器41を含んで構成される。従って、AC電源40は、電圧V及び電流Iを、本発明に係る船舶、例えば船舶搭載式のMVVECA10、に供給する。又、制御可能式スイッチ42がAC電源40の出力に配置されることも有利である。
【0068】
AC電源40からエネルギー保存装置60を充電する最も安価な装置は、ダイオード整流器である。しかし、エネルギー保存装置60の電圧は、充電サイクル中に広い範囲で変化するため、ダイオード整流器は、電力を調整するために、VDCと変化する調整可能なAC電圧を必要とする。
【0069】
本発明に係る直列補償は、広範囲にわたるAC電圧調整のための、優れた可能性を提供する。
【0070】
少なくとも一つの補償ユニット30を、電流が小さいAC電源40のMV部に直列に配置することにより、少なくとも一つの制御可能式低電圧補償用コンバーター31で大電力の流れを調整することが可能になる。従って、本発明により、整流器ユニット20のLV側の高価なアクティブ・フロントエンドを、コンパクトで、安価で、効率的な対応物である、ダイオード・ブリッジ22、に置き換えることができる。
【0071】
本発明によれば、補償ユニット30は、整流器ユニット20に供給される整流電圧Vrecを調整するために、AC電源40の供給媒体AC電圧Vに、異なる振幅及び位相角の直列電圧フェーザV、を加えるように適合されている。
【0072】
次に、本発明に係る制御原理の原理図である図2を参照する。本発明に係る少なくとも一つの制御可能式補償用コンバーター32は、図に示す破線の円内の任意の電圧ベクトルを印加することができる。しかしながら、この破線円内の任意の電圧は、過電流又は不安定性につながる可能性があるため、実際には実行不可能である。
【0073】
本発明に係る直列補償ユニット30により、各装置の電圧は、それらの電流が等しい間、独自に変化し得る。従って、少なくとも一つの制御可能式補償用コンバーター32が自身の電流を調整することにより、少なくとも一つの制御可能式補償用コンバーター32は、船舶搭載式のMVVECA10の他の装置/コンポーネントの電流を調整し、その結果、それらの有効電力及び無効電力を調整する(AC電源40が電圧を維持するのに十分な強さを有する限り)。
【0074】
DC消費ネットワーク50又はエネルギー保存装置60上のDC電圧VDCは、少なくとも一つのエネルギー保存装置60の充電中に、約20%変動するのが一般的である。これに対処するために、本発明の一実施形態に係る少なくとも一つの制御可能式補償用コンバーター32は、VDCの約20%の範囲の電圧ウィンドウを提供するように構成され、適合された直列電圧フェーザVを、AC電源40の供給電圧Vに加えることによって、整流器ユニット20に供給されるAC電圧Vrecを適合させるように構成される。前述したように、範囲は、システムの用途及び仕様に応じて変化する可能性がある。
【0075】
制御可能式補償ユニット30の最適な設計/動作の条件は、直列電圧フェーザVのベクトルが、整流器ユニット20に供給される整流電圧ベクトルVrecとほぼ一致するときである。これらの条件が満たされるとき、必要な直列電圧フェーザVの振幅は最も小さくなり、少なくとも一つの制御可能式補償用コンバーター32による補償ユニット30は、主に有効電力で寄与する。これらの条件の双方は、コンバーターのディレーティングを最小にする。
【0076】
次に、制御可能式補償ユニット30が、VDCの-20%~0%まで変化する直列電圧フェーザVの振幅を提供するように構成される、本発明の実施形態の原理図を示す図3a~b、及び、制御可能式補償ユニット40が、VDCの-10%~10%まで変化する直列電圧フェーザVの振幅を提供するように構成される、本発明の実施形態の原理図を示す図4a~b、を参照する。
【0077】
図4a~bの実施形態に対する図3a~bの実施形態の主な利点は、第1の実施形態において、循環電流を回避することである。図3a~bの実施形態は、図4a~bの実施形態に関連して、さらにいくつかの欠点を有する。補償用変圧器31の一次電圧(及び、電力)と二次電流は、図4a~bの実施形態と比較して2倍になる。従って、図3a~bの実施形態では、図4a~bの実施形態と比較して、2倍のAFE(Active Front End)が必要となる。
【0078】
図3a~bの実施形態に対する図4a~bの実施形態の一つの利点は、必要なAFEの数が減少することである。代わりに、DFE側に、同等の定格のDFE(Diode front end)を追加する必要があり、これはAFEよりも低コストである。図4a~bの実施形態の解決策は、図3a~bの実施形態の解決策と比較して、さらに低い損失をもたらす。
図4a~bの実施形態のさらなる利点は、補償用変圧器31が、図3a~bの実施形態の補償用変圧器31の半分のサイズしか必要とされないことである。従って、前述の利点に加えて、図4a~bの実施形態は、図3a~bの実施形態よりも少ないスペースしか必要としない。
【0079】
図3a~bに対する図4a~bの解決策の欠点は、エネルギー保存装置60の充電サイクルの半分の間に、循環電流が流れることである。図3a~bの実施形態と比較したさらなる欠点は、DFE/整流変圧器21が、わずかに大きいことである。
【0080】
次に、本発明に係る船舶搭載式のMVVECA10の制御のブロック図を示す図5を参照する。船舶搭載式のMVVECA10を制御するために、船舶搭載式のMVVECA10は、船舶搭載式のMVVECA10の全ての構成要素をその制限内に維持するために、各条件下で、正しい電圧を、求める/計算する、ことによって、補償ユニット30を制御するための手段及び/又はソフトウェア、を備えた制御装置100を含む。船舶搭載式のMVVECA10は、さらに好ましくは、制御装置100への入力として、VDC、V、Irec、及び、Vrecの測定値を提供するために、一つ以上のセンサー、及び/又は、バッテリー管理システム、又は、他のインテリジェント充電電子回路、を含む。さらに、制御可能式コンバーター32は、制御装置100への入力として、Iconverter及びVconverterの測定値を提供するように配置される。
【0081】
前述の制御装置100は、前述したように、補償ユニット30のスカラー制御又はベクトル制御のための、手段及び/又はソフトウェア、を含む。制御装置100の安全かつ単純な制御モードにおいては、制御装置100は、補償ユニット30の少なくとも一つの制御可能式補償用コンバーター32の制御変数として、電流を制御/設定するように適合されている。
【0082】
本発明の一実施形態によれば、制御装置100は、制御可能式補償ユニット30によって供給される直列電圧フェーザVの振幅及び位相角を調整し、有効電力及び無効電力を調整し、整流器ユニット20の電流Irecを間接的に調整することによって、スカラー制御に適合される。この制御方法の遅いダイナミクスは、特に、直列電圧フェーザVがゼロに近い場合、不安定になりやすい。
【0083】
本発明の一実施形態によれば、制御装置100は、図6に示すように、d-q座標での制御によって、ベクトル制御に適合されており、その結果、スカラー制御方法と比較してはるかに高速なダイナミクスが得られ、一方でこの構成は単純である。ベクトル制御法のキーは、AC電源40から供給されるAC Vにd軸を合わせることである。この場合、d軸電流は、整流器ユニット20の電流Irecの能動成分となる。ベクトルモードでは、制御装置100は、制御可能式補償ユニット30の充電電力(active power:有効電力)を調整するための制御変数としてIを使用し、少なくとも一つの制御可能式補償用コンバーター32のインバーターブリッジの力率を単一に維持するための制御変数として、Iを使用するように適合される。後者によって、少なくとも一つの制御可能式補償用コンバーター32の最小ディレーティングが達成される。
【0084】
従って、d-q座標における電流モード制御は、その高速なダイナミクスと精度から好ましい解決策となる。
【0085】
一実施形態に係る制御装置100は、直列電圧フェーザVの振幅及び位相角を連続的に制御するための、手段及び/又はソフトウェア、を含むように構成/提供される。本発明のさらなる実施形態では、制御装置100は、送電網電圧、エネルギー保存装置の電圧、及び、充電電力の設定点に基づいて、充電時間にわたって直列電圧フェーザVの振幅及び位相角を連続的に制御するための、手段及び/又はソフトウェア、を含むように構成/提供される。
【0086】
本発明に係る船舶搭載式の中電圧の充電方法及び装置によれば、本発明に係る制御可能式補償ユニット30の直列構成により、10MWまでの充電電力を、単一の1700kW整流ブリッジ22で調整することができる。
【0087】
短絡電圧(uk%)、二次電圧、一次電圧、及び、異なる変圧器(補償用変圧器31及び整流変圧器21)のタッピングは、船舶搭載式のMVVECA10の最適化された構成における重要なパラメータである。費用対効果の高い構成の例としては、船舶用電圧Vが0.9puに設定され、直列電圧Vが0.1puに設定され、変圧器21と31のuk%にわたる電圧降下を補償するように、変圧器21と31のタッピングが調整される場合である。
【0088】
コストを最適化するためには、整流器ユニット20と制御可能式補償用コンバーター32との間の、充電時間の後半にわたって、小さな循環電力を与えることが最善である。これにより、必要なAFEの数を減少させると共に、損失も減少させることができる。
【0089】
制御可能式補償ユニット30は、過変調に敏感であり、過渡時においてもm>1.15は避けるべきである。さもなければシステムが不安定になる。従って、船舶搭載式のMVVECA10の受動部品は、全ての条件下で、mが厳密に1.15未満に維持される、ように設計されるべきである。
【0090】
前述した整流ブリッジ22は、直列又は並列の構成に配置された一つ以上のサブ整流器によって形成することができる。
【0091】
前述した制御可能式補償用コンバーター32は、直列又は並列に配置された一つ以上のサブAFEによって形成することができる。
【0092】
実施例ではAC電源40の送電網を利用しているが、本発明は、船舶間の送電でも適用可能である。
【0093】
前述した実施形態の特徴は、添付の特許請求の範囲の範囲内で、他の実施形態を形成するために組み合わせることができる。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
【国際調査報告】