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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】同期機構を備えるディスクブレーキ
(51)【国際特許分類】
   F16D 65/66 20060101AFI20241003BHJP
   F16D 55/224 20060101ALI20241003BHJP
   F16D 65/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F16D65/66
F16D55/224 Z
F16D65/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521813
(86)(22)【出願日】2022-10-05
(85)【翻訳文提出日】2024-05-15
(86)【国際出願番号】 EP2022077638
(87)【国際公開番号】W WO2023061815
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】102021126280.1
(32)【優先日】2021-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル-ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr-Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosacher Strasse 80, D-80809 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン イラシュコ
【テーマコード(参考)】
3J058
【Fターム(参考)】
3J058AA43
3J058AA48
3J058AA53
3J058AA63
3J058AA69
3J058AA73
3J058AA77
3J058AA87
3J058BA57
3J058CC04
3J058CC22
3J058CC66
3J058DA03
3J058DA11
3J058DA15
(57)【要約】
特に自動車用のディスクブレーキ(1)であって、ブレーキ回転レバー(11)を備えた締付け装置と、少なくとも2つのねじ山付きプランジャ(7,8)と、後調整装置(9)と、駆動装置(10)とが配置された締付け部分(3a)を有するブレーキキャリパ(3)と、ねじ山付きプランジャ(7,8)の回転運動を同期させる同期機構(12)とを有しており、同期機構(12)は、ブレーキキャリパ(3)のハウジングの外側において、ブレーキキャリパ(3)の締付け部分(3a)に設けられた封止されたカバー(21)の内部に配置されており、同期機構(12)は、少なくとも1つの同期部材(13)と、2つの同期ホイール(14,15)とを有しており、同期ホイール(14,15)のうちの第1の同期ホイール(14)は、一方のねじ山付きプランジャ(7)に連結されており、第2の同期ホイール(15)は、他方のねじ山付きプランジャ(8)に連結されている。同期機構(12)は、ブレーキキャリパ(3)の締付け部分(3a)において、ブレーキキャリパ(3)の締付け部分(3a)から突出したブレーキ回転レバー(11)のレバーハウジング(3c)の周囲を巡って配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に自動車用のディスクブレーキ(1)であって、
ブレーキ回転レバー(11)を備えた締付け装置と、少なくとも2つのねじ山付きプランジャ(7,8)と、後調整装置(9)と、駆動装置(10)とが配置された締付け部分(3a)を有するブレーキキャリパ(3)と、
前記ねじ山付きプランジャ(7,8)の回転運動を同期させる同期機構(12)と
を備え、
前記同期機構(12)は、前記ブレーキキャリパ(3)のハウジングの外側において、前記ブレーキキャリパ(3)の前記締付け部分(3a)に設けられた封止されたカバー(21)の内部に配置されており、
前記同期機構(12)は、少なくとも1つの同期部材(13)と、2つの同期ホイール(14,15)とを有しており、該同期ホイール(14,15)のうちの第1の同期ホイール(14)は、一方の前記ねじ山付きプランジャ(7)に相対回動不能に結合されており、第2の同期ホイール(15)は、他方の前記ねじ山付きプランジャ(8)に相対回動不能に結合されている、ディスクブレーキ(1)において、
前記同期機構(12)は、前記ブレーキキャリパ(3)の前記締付け部分(3a)において、前記ブレーキキャリパ(3)の前記締付け部分(3a)から突出した前記ブレーキ回転レバー(11)のレバーハウジング(3c)の周囲を巡って配置されていることを特徴とする、ディスクブレーキ(1)。
【請求項2】
前記ブレーキキャリパ(3)は、前記締付け部分(3a)の側方に取り付けられた、もしくは一体成形されたバルコニー状の支持体部分(19)を有しており、該支持体部分(19)は、前記ブレーキキャリパ(3)の前記締付け部分(3a)からブレーキディスク軸線(2a)の方向に突出しており、前記支持体部分(19)の上面(20)は、前記締付け部分(3a)の端面(18)と共通の平面内に延在している、請求項1記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項3】
前記支持体部分(19)は、前記ブレーキキャリパ(3)の前記締付け部分(3a)の追加的な鋳造輪郭である、請求項2記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項4】
前記同期機構(12)の前記少なくとも1つの同期部材(13)は、チェーンもしくはローラチェーンまたは歯付きベルトであり、巻掛け式伝動機構として前記同期ホイール(14,15)と協働し、前記同期機構(12)は、前記ブレーキキャリパ(3)の前記締付け部分(3a)および前記支持体部分(19)に設けられた前記封止されたカバー(21)の内部に配置されている、請求項2または3記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの同期部材(13)は、チェーンガイドを介して前記ブレーキ回転レバー(11)の前記レバーハウジング(3c)の周囲を巡って配置されている、請求項4記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項6】
前記チェーンガイドは、円筒形の隆起部、変向ローラおよび/またはガイドレールの形態のガイド部材(23,23a)を含む、請求項5記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項7】
前記ブレーキ回転レバー(11)の前記レバーハウジング(3c)の周りを取り囲む前記少なくとも1つの同期部材(13)の延在部は、仮想の台形の構成部分であり、前記同期部材(13)の前記延在部は、前記仮想の台形の脚部の構成部分を形成する、前記支持体部分(19)の傾斜した縁部(19b,19c)の領域と、前記仮想の台形の短い底辺である、前記支持体部分(19)の直線的な縁部(19a)の領域とに配置されている、請求項2から6までのいずれか1項記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項8】
前記同期機構(12)の前記少なくとも1つの同期部材(13)は、複数の同期歯車(24,25,25a)から形成されておりかつ平歯車伝動機構として前記同期ホイール(14,15)と協働し、前記同期機構(12)は、前記ブレーキキャリパ(3)の前記締付け部分(3a)および前記支持体部分(19)に設けられた前記封止されたカバー(21)の内部に配置されている、請求項2または3記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項9】
前記同期機構(12)の前記少なくとも1つの同期部材(13)は、複数の同期シャフト(26,26’,26’’)から形成されており、該同期シャフト(26,26’,26’’)は、互いにかつ前記同期ホイール(14,15)に、それぞれ前記同期シャフト(26,26’,26’’)の端部に取り付けられた連結ユニットを介して連結されている、請求項2または3記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項10】
前記連結ユニットは、かさ歯車(27,27a;27’,27’a;27’’,27’’a)を含み、前記同期ホイール(14,15)は、円錐歯列を備えた冠歯車である、請求項9記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項11】
前記連結ユニットは、ユニバーサルジョイント、等速ジョイントまたは弾性的な連結部材を有している、請求項9記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項12】
前記同期機構(12)の前記少なくとも1つの同期部材(13)は、1つまたは複数の可撓性のシャフトから形成されている、請求項2または3記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項13】
前記ブレーキキャリパ(3)は、前記支持体部分(19)と一緒にモノブロックキャリパとして一体に形成されている、請求項1から12までのいずれか1項記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項14】
当該ディスクブレーキ(1)は、圧縮空気により操作されている、請求項1から13までのいずれか1項記載のディスクブレーキ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の、特に自動車用の同期機構を備えるディスクブレーキに関する。
【0002】
車両および特定の技術的な装置は、運動エネルギーを変換するために摩擦ブレーキを使用することが多い。この場合、特に乗用車分野および商用車分野ではディスクブレーキが好適になる。
【0003】
先行技術に基づくディスクブレーキの典型的な構成形式が、図1に概略的な部分断面図で示されている。従来の変化態様は、図2および図3に概略的な斜視図で示されている。図4図5には、一般的なディスクブレーキ1の従来の同期機構の概略図が示されている。
【0004】
ディスクブレーキ1は、ブレーキディスク軸線2aを備えたブレーキディスク2と、内部機構を備えたブレーキキャリパ3と、通常2つのブレーキパッド4,5とを有している。内部機構には、例えば空圧式に操作されるブレーキシリンダ17を介してシリンダ力が導入されて偏心機構により増幅され、締付け装置の締付け力として、ねじ山付きスピンドルを介してブレーキパッドとブレーキディスクとに伝達され、この場合、ねじ山付きスピンドルとも呼ばれるねじ山付きプランジャ7,8を介して、ブレーキディスク2およびブレーキパッド4,5の摩耗が補償される。
【0005】
ねじ山付きプランジャ7,8は一般に、摩耗の均一な後調整のために同期機構12(同期装置)により互いに連結されている。空圧式に操作されるディスクブレーキの場合、ブレーキキャリパ3は通常、摺動キャリパ、旋回キャリパまたは固定キャリパとして形成されている。ブレーキキャリパ3内には、締付け装置が締付け部分3a内に配置されていて、ブレーキディスク2の両側のブレーキパッド4,5とブレーキディスク2とを互いに作用結合状態にもたらし、これにより、摩擦による制動作用を得るために用いられる。
【0006】
締付け装置は、ブレーキ回転レバー11を有しており、ブレーキ回転レバー11は、その下端部に偏心付加部を有しており、偏心付加部は、第1の旋回軸受を介して回転可能にブレーキキャリパ3の締付け部分3aに支持されており、かつ支持ローラを介してトラバース6に支持されており、トラバース6内には、ねじ山付きプランジャ7,8が螺入されており、ねじ山付きプランジャ7,8は、押圧部材を介して作用側のブレーキパッド4に作用することができるようになっており、これにより、作用側のブレーキパッド4を制動時にブレーキディスク2に向かって摺動させる。この公知の空圧式に操作されるディスクブレーキはさらに、パッド摩耗およびディスク摩耗を補償するために、自動後調整装置9を有している。
【0007】
このような後調整装置およびその機能の一例は、刊行物である独国特許出願公開第102004037771号明細書に記載されている。
【0008】
パッド摩耗を補償するために、ねじ山付きプランジャ7,8は雄ねじ山を備えている。パッド摩耗を補償することができるようにするためには、ねじ山付きプランジャ7,8を自動後調整装置9により、相応に回転させる必要がある。後調整装置9は、2つのねじ山付きプランジャ7,8を備えたディスクブレーキ1の場合には一方のねじ山付きプランジャ7にのみ配置されているため、第2のねじ山付きプランジャ8を、以下で同期部材13と呼ぶ伝達部材と、いわゆる駆動装置10とにより、一緒に回転させることが必要である。
【0009】
後調整装置9は、ここでは回転して第1のねじ山付きプランジャ7に作用し、これにより、ねじ山付きプランジャ7とトラバース6との間の相対ねじ締結により、このナットユニット-スピンドルユニットの長さを変化させ、これにより、ブレーキパッドと、ブレーキキャリパ3の締付け部分3aの内部に設けられた締付け装置の支持部との間の締付け装置の全長が延長され、これにより、パッド摩耗の増大もやはり補償される。
【0010】
図1に示す2つのねじ山付きプランジャ7,8は、同期機構12を介して連結されており、同期機構12は、第1のねじ山付きプランジャ7と連結された後調整装置9の軸の、後調整体軸線9aを中心とした回転を、第2のねじ山付きプランジャ8と連結された駆動装置10の駆動軸線10aを備えた軸に伝達する。後調整体軸線9aと駆動軸線10aとは、互いに平行に延びている。
【0011】
同期機構12は、ここでは同期部材13と2つの同期ホイール14,15とを含む。同期部材13は、チェーンもしくはローラチェーンまたは歯付きベルトであり、巻掛け式伝動機構として同期ホイール14,15と協働する。同期ホイール14,15は、図示の例ではチェーンホイールであり、これらのうちの第1の同期ホイール14は、第1のねじ山付きプランジャ7に相対回動不能に連結されている。第2の同期ホイール15は、駆動装置10の軸に、ひいては他方のねじ山付きプランジャ8に相対回動不能に結合されている。
【0012】
ディスクブレーキ1は、同期部材13としてのローラチェーンが、キャリパ3の締付け部分3aの外側で、締付け部分3aの壁の端面18に配置されているように構想されている。同期ホイール14,15と、同期ホイール14,15の周囲の領域とを含む同期部材13は、別個の封止されたカバー16内に配置されている。このことは図4に明示されている。同期部材13としてのローラチェーンは、後調整体軸線9aおよび駆動軸線10aの仮想の接続線の両側に配置されている。
【0013】
欧州特許出願公開第0566008号明細書には、圧縮空気操作式のディスクブレーキが示されている。
【0014】
空圧式に操作されるディスクブレーキ1のうち、ブレーキシリンダユニットに関しては実質的に2つの変化態様が存在する。
【0015】
ブレーキシリンダ17は、ブレーキキャリパ3の締付け部分3aのフランジ部分3bに取り付けられており、例えばねじ締結されており、そのプランジャでもって、ブレーキ回転レバー11と作用結合している。ブレーキ回転レバー11は、レバーハウジング3cにより包囲されており、レバーハウジング3cは、ここではブレーキキャリパ3の締付け部分3aの構成部材である。
【0016】
第1の変化態様は、いわゆるアキシャルブレーキである(図2)。これは、ブレーキディスク2のブレーキディスク軸線2aに対するブレーキシリンダ17の向きを意味する。アキシャル構成の場合、ブレーキシリンダ17の作用方向は、ブレーキディスク2のブレーキディスク軸線2aに対して概ね平行に向けられている。
【0017】
第2の変化態様は、いわゆるラジアルブレーキである(図3)。このラジアルブレーキの場合、ブレーキシリンダ17の作用方向は、ブレーキディスク2のブレーキディスク軸線2aに対して概ね垂直もしくは半径方向に向けられている。
【0018】
本明細書に記載のディスクブレーキ1の1つの別の構造上の特徴は、ブレーキキャリパ3が、いわゆるモノブロックキャリパとして形成されている点にある。このことは、ブレーキキャリパ3(摺動キャリパ)が単一の鋳造部品から成ることを意味する。この構成形式は、一方では頑丈性、強度および剛性を高めることを可能にし、かつ他方では製造コストを下げることを可能にする。
【0019】
しかしながら、ブレーキキャリパ3のモノブロック構成形式は、ラジアルブレーキおよび同期機構12の同期部材13としてのローラチェーンの従来の配置では具現化され得ない。このことは欠点であるということがわかっている。ブレーキ回転レバー11の自由な動きを保証するためには、ローラチェーンの配置に基づき、ブレーキ回転レバー11を強く曲げることが必要であり、これにより、ブレーキ回転レバー11用に、極めて突出したスワンネック状の形状が生じることになる。この構成は図5に示されている。この場合も、これによりブレーキ回転レバー11の重量にも極めて不都合な影響が及ぼされるということが欠点であると見なされる。しかし1つの特別な欠点は、ブレーキ回転レバー11のこの突出した形状付与に基づき、ブレーキ回転レバー11を、アキシャルブレーキのブレーキキャリパ3とは異なり、モノブロックキャリパとして構成されたブレーキキャリパ3における開口を介して締付け部分3a内に導入することがもはや不可能である点である。ブレーキキャリパ3におけるこの開口は、締付け部分3aの開口であり、この開口は、ブレーキディスク2の方に向いていて、いわゆる底部金属薄板Bにより閉鎖されている。ねじ山付きプランジャ7,8は、この底部金属薄板Bを貫通してブレーキディスク軸線2aに対して平行に、ブレーキディスク2に向かって延びている(図1参照)。これは、底部金属薄板インタフェースとも呼ばれる。
【0020】
よって、ラジアルブレーキのブレーキキャリパ3(ラジアルキャリパ)をモノブロックキャリパとして構想することは不可能である。したがって、現行のラジアルブレーキは、比較的手間のかかるインタフェースを介して互いにねじ締結されねばならない3つの鋳造部品から成っている。この場合、インタフェースの密閉性および強度は、比較的大きな手間をかけることによってのみ保証され得る。このことは、特に不都合であると見なされる。
【0021】
したがって本発明の課題は、後調整機構のねじ山付きプランジャ用の改良された同期機構を備え、ラジアルブレーキのブレーキキャリパをモノブロックキャリパとして具現化することも可能にする、改良されたディスクブレーキを提供することにある。
【0022】
この課題を解決することが、本発明の目的である。
【0023】
本発明はこの課題を、請求項1の対象により解決する。
【0024】
本発明による、特に自動車用のディスクブレーキは、ブレーキ回転レバーを備えた締付け装置と、少なくとも2つのねじ山付きプランジャと、後調整装置と、駆動装置とが配置された締付け部分を有するブレーキキャリパと、ねじ山付きプランジャの回転運動を同期させる同期機構とを含み、同期機構は、ブレーキキャリパのハウジングの外側において、ブレーキキャリパの締付け部分に設けられた封止されたカバーの内部に配置されており、同期機構は、少なくとも1つの同期部材と、2つの同期ホイールとを有しており、同期ホイールのうちの第1の同期ホイールは、一方のねじ山付きプランジャに連結されており、第2の同期ホイールは、他方のねじ山付きプランジャに連結されている。同期機構は、ブレーキキャリパの締付け部分において、ブレーキキャリパの締付け部分から突出したブレーキ回転レバーのレバーハウジングの周囲を巡って配置されている。
【0025】
後調整ねじ山付きスピンドル用の同期機構の本発明による配置により、このようにして有利には、ブレーキ回転レバーを、取付けがアキシャルブレーキの場合と同様に底部金属薄板に対する開口を介して可能であるように形成することが可能である。
【0026】
ブレーキ回転レバーが可能な限り単純でコンパクトな形状を有しているという1つの別の重要な利点は、同期機構がレバーの周囲を巡らされることにより、得られる。
【0027】
さらに有利には、車両におけるブレーキの取付けに関する制約に基づき、同期機構は、ブレーキ用の許容取付け空間を超過しないように配置されている、ということが達成される。
【0028】
したがって同期機構は、有利には、同期機構がホイールリムの外側で、ブレーキキャリパハウジングの、車両のアクスルビームとは反対の側に配置されているように配置されている。
【0029】
別の有利な構成は、その他の従属請求項から看取され得る。
【0030】
1つの構成では、ブレーキキャリパは、締付け部分の側方に取り付けられた、もしくは一体成形されたバルコニー状の支持体部分を有しており、支持体部分は、ブレーキキャリパの締付け部分からブレーキディスク軸線の方向に突出しており、この場合、支持体部分の上面は、締付け部分の端面と共通の平面内に延在している。これにより、同期機構を簡単にレバーハウジングの周囲を巡らせて配置するために、有利には面積の拡大が達成される。
【0031】
このことは、支持体部分が、ブレーキキャリパの締付け部分の追加的な鋳造輪郭である場合に、特に有利である。それというのも、これにより、支持体部分を取り付けるための追加的な取付け作業が省かれるからである。
【0032】
1つの構成では、同期機構の少なくとも1つの同期部材は、チェーンもしくはローラチェーンまたは歯付きベルトであり、巻掛け式伝動機構として同期ホイールと協働する、ということが想定されており、この場合、同期機構は、ブレーキキャリパの締付け部分および支持体部分に設けられた封止されたカバーの内部に配置されている。チェーンは、頑丈で廉価な構成部材であり、市場において高品質で入手可能である。これは、歯付きベルトにも当てはまる。
【0033】
少なくとも1つの同期部材が、チェーンガイドを介してブレーキ回転レバーのレバーハウジングの周囲を巡って配置されていると有利である。
【0034】
1つの構成では、チェーンガイドは、円筒形の隆起部、変向ローラおよび/またはガイドレールの形態のガイド部材を含む。これにより、有利には簡単に低摩擦のガイドを可能にすることができる。
【0035】
1つの別の構成では、ブレーキ回転レバーのレバーハウジングの周りを取り囲む少なくとも1つの同期部材の延在部は、仮想の台形の構成部分であり、この場合、同期部材の延在部は、仮想の台形の脚部の構成部分を形成する、支持体部分の傾斜した縁部の領域と、仮想の台形の短い底辺である、支持体部分の直線的な縁部の領域とに配置されている。この配置は、有利には省スペースである。
【0036】
1つの択一的な構成では、同期機構の少なくとも1つの同期部材は、複数の同期歯車から形成されておりかつ平歯車伝動機構として同期ホイールと協働する、ということが想定されており、この場合、同期機構は、ブレーキキャリパの締付け部分および支持体部分に設けられた封止されたカバーの内部に配置されている。このことは、伝達損失が変位の大きさによりほとんど影響を及ぼされないため、有利である。高品質で廉価に入手可能な廉価な歯車も有利である。取付けも簡単である。
【0037】
1つの別の択一的な構成では、同期機構の少なくとも1つの同期部材は、複数の同期シャフトから形成されており、同期シャフトは、互いにかつ同期ホイールに、それぞれ同期シャフトの端部に取り付けられた連結ユニットを介して連結されている。この場合の利点は、少ない部品数および簡単な取付けにある。
【0038】
さらに1つの構成では、連結ユニットがかさ歯車を有しており、この場合、同期ホイールが、円錐歯列を備えた冠歯車であると、有利である。これらの構成部材は廉価である。
【0039】
1つの択一的な構成では、連結ユニットは、ユニバーサルジョイント、等速ジョイントまたは弾性的な連結部材を有していてもよい。これらの構成部材も、市場において高品質で廉価に入手可能である。
【0040】
1つの別の構成では、同期機構の少なくとも1つの同期部材が、1つまたは複数の可撓性のシャフトから形成されている場合に、部品数の有利な減少が考えられる。
【0041】
1つの特に好適な構成では、ブレーキキャリパは、支持体部分と一緒にモノブロックキャリパとして一体に形成されている。この場合、簡単で好都合な取付けが生じる点が、特に有利である。この場合の1つの別の重要な利点は、モノブロック構成形式に基づき、鋳造重量の節減による重量低下を可能にし得る点にある。
【0042】
1つの別の好適な構成では、ディスクブレーキは圧縮空気により操作されている。この構成形式は確実で頑丈であるため、このことは有利である。
【0043】
つまり、従来技術に比べ、本発明により、ブレーキキャリパとしてのいわゆるモノブロックキャリパを、以下の利点、すなわち:
大幅なコスト節減(より少ない鋳造部品、インタフェースの回避)、
ブレーキキャリパケーシングの領域にねじ締結されかつ封止されるインタフェースの回避による、頑丈性および信頼性の改善、
簡略化された、より好都合な取付け、
モノブロック構成形式に基づく鋳造重量の節減による重量低下、
ブレーキキャリパ重量の減少に基づくブレーキキャリパ支持部の負荷の減少ひいては頑丈性の向上、
ブレーキキャリパのよりコンパクトな構成形式に基づく、車両におけるより好都合な取付け条件
を備えて実現することができる。
【0044】
以下に、本発明の実施例を添付の図面につき説明する。これらの実施例は、単に本発明を好適な構造に基づき具体的に示すために用いられるだけに過ぎず、本発明を決定的に成すものではない。この点で、各請求項の枠内で別の実施例ならびに図示の実施例の変化形および均等物が実現可能である。
【0045】
本発明を、例示的な実施形態に基づき添付の図面を参照して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】従来技術に基づくディスクブレーキの概略部分断面図である。
図2】従来技術に基づくディスクブレーキの変化態様の概略斜視図である。
図3】従来技術に基づくディスクブレーキの変化態様の概略斜視図である。
図4】従来技術に基づくディスクブレーキの従来の同期機構の概略図である。
図5】従来技術に基づくディスクブレーキの従来の同期機構の概略図である。
図6】本発明による同期機構を備える本発明によるディスクブレーキの1つの実施例の概略斜視図である。
図7図6に示した実施例のブレーキキャリパのレバーハウジングの拡大断面図である。
図8図6に示した本発明によるディスクブレーキの実施例の概略斜視図である。
図9図6に示した実施例の変形例の概略斜視図である。
図10図6に示した実施例の変形例の概略斜視図である。
【0047】
従来技術に基づく図1図5については、既に上述した。
【0048】
図6には、図6に示す実施例の同期機構12の概略斜視図が示されている。図7は、図6に示した本発明によるディスクブレーキ1の実施例のブレーキキャリパ3のレバーハウジング3cの拡大断面図である。図8には、本発明によるディスクブレーキ1の1つの実施例を上から見た概略斜視図が示されている。
【0049】
図6に示すように、ラジアルブレーキ、すなわちディスクブレーキ1のブレーキ回転レバー11のレバーハウジング3cは、ブレーキキャリパ3の締付け部分3aからブレーキディスク軸線2aの方向に突出している。レバーハウジング3cは、締付け部分3aの端面18の中心において、後調整体軸線9aと駆動軸線10aとの間に配置されている。
【0050】
レバーハウジング3c内には、ブレーキ回転レバー11が配置されている。図6では、ブレーキ回転レバー11のレバーアームの端部が、フランジ部分3bの開口内に認められる。レバーアームのこの端部は、フランジ部分3bに取り付けられるべきブレーキシリンダ17のプランジャと協働する。
【0051】
ブレーキ回転レバー11が、可能な限り単純でコンパクトな形状を得るためには、同期機構12の伝達機構を、ブレーキ回転レバー11およびそのレバーハウジング3cの周囲に巡らせる必要がある。他方では、車両におけるディスクブレーキの取付けに関する制約に基づき、同期機構12は、車両内のディスクブレーキ1用の許容取付け空間を超過しないように配置されていなければならない。
【0052】
したがって同期機構12は、同期機構12がホイールリムの外側で、ブレーキキャリパ3のキャリパハウジングの、車両のアクスルビームとは反対の側に配置されているように配置されている。
【0053】
レバーハウジング3cの周囲に同期機構12を巡らせることは、端面18の面積の拡張を引き起こす。このためにブレーキキャリパ3は、締付け部分3aの側方に取り付けられた、もしくは一体成形されたバルコニー状の支持体部分19を有している。この支持体部分19は、ブレーキキャリパ3の締付け部分3aからブレーキディスク軸線2aの方向に突出している。
【0054】
支持体部分19の上面20は、締付け部分3aの端面18と共通の平面内に延在しており、端面18に対して拡張部を形成している。
【0055】
支持体部分19はさらに、同期機構を保護するカバー21の支持に用いられる。カバー21の封止は、カバーシール21aにより可能になり、カバーシール21aは、支持体部分19の上面20の縁部領域と、締付け部分3aの端面18とにおいて、これらに適切に、例えば適合する輪郭に挿入されるかもしくは被着される。
【0056】
支持体部分19は、例えばブレーキキャリパ3の締付け部分3aの追加的な鋳造輪郭であってもよい。
【0057】
これについて、図7には図6に示した実施例のブレーキキャリパ3のレバーハウジング3cの拡大断面図が示されている。ブレーキ回転レバー11は、そのレバーアームとその端部と共に、スリムな形状でレバーハウジング3c内に配置されている。ブレーキ回転レバー11は、回転レバー軸線11aを中心として回転可能であり、回転レバー軸線11aは、ここではブレーキディスク軸線2aに対して90°の角度で延びている。
【0058】
支持体部分19は、ここではブレーキキャリパ3の締付け部分3aと一体に形成されている。
【0059】
支持体部分19は、締付け部分3aの縁部において、縁部の全長に沿って、またはより短い長さにわたり配置されていてもよい。支持体部分19の様々な幾何学形状が可能である。例えば図6には台形が示されており、図9には、それぞれ異なる半径を有する複数の湾曲部材と直線的な延在部とが示されている。長方形も考えられる。これらの形状の縁部は、部分円筒状の隆起部を備えており、これらの隆起部は、カバー21の取付け部材22の取付けに用いられる。もちろん、縁部の別の延在部も可能である。
【0060】
図8には、モノブロックキャリパとしてのブレーキキャリパ3が示されている。同期機構12は、カバー21により閉鎖されている。カバー21は、その周方向に延びる縁部において、取付け部材22,22a,22b,22cおよび22’,22’a,22’b,22’cにより、例えばねじにより、支持体部分19に取り付けられている。カバー21と同期機構12とは、図示の例では、ブレーキディスク軸線2aに対して平行に、後調整体軸線9aと駆動軸線10aとの仮想接続線の中間を通って延びる対称軸線に対して対称である。
【0061】
伝達部材としては、アキシャルブレーキ(図4参照)の場合と同様に、同期部材13としてのローラチェーンが用いられる。ねじ山付きプランジャ7,8(図1参照)は、図5およびその他の図では、それぞれ後調整体軸線9aと駆動軸線10aと共に示唆されている。この場合、2つのねじ山付きプランジャ7,8とローラチェーンとの連結は、直接的な経路では行うことができない。「直接的な経路」という用語は、ここではブレーキキャリパ3の締付け部分3aから突出しているレバーハウジング3cにより「遮断」された、軸線9aと10aとの間の仮想の直線を意味する。
【0062】
前述の条件に基づき、同期部材13(チェーン)を、チェーンガイドを介してレバーの周囲に巡らせる必要がある。このチェーンガイドは、ここでは円筒状の隆起部およびガイドレールの形態のガイド部材23,23aを有している。
【0063】
レバーハウジング3cを取り囲む、締付け部分3aの端面18および支持体部分19の上面における同期部材13の延在部は、仮想の台形の構成部分として表すことができる。この仮想の台形は、後調整体軸線9aと駆動軸線10aとの間の長い底辺から形成されている。これに対して平行に、より短い底辺が、支持体部分19の露出した縁部19aとして延びている。仮想の台形の脚部は、支持体部分19の傾斜した縁部19b,19cから形成される。
【0064】
この場合、同期部材13の延在部は、傾斜した縁部19b,19cおよび直線的な縁部19aの領域に配置されている。
【0065】
この場合に重要なのは、同期部材13としてのチェーンのガイドを可能な限り低摩擦で行い、これにより、隆起部の変向箇所におけるチェーンの摩擦に起因する伝達損失が極度に大きくならないようにする、という点である。変向角度が大きいほど、より大きな伝達損失が生じ得る。この関係は、ロープ摩擦方程式により表すことができる。
=F*eφμ
式中、
は変向後のチェーンにおける引張り力、
は変向前のチェーンにおける引張り力、
φは変位角度、
μは摩擦係数
を表す。
【0066】
伝達損失を最小にするためには、チェーンの変向を、変向ローラを介して行うこともできる。ただし、この構成の適用性は、供与される構成空間に左右される。
【0067】
ローラチェーンの代わりに、歯付きベルトが同期部材13として使用されてもよい。このことは図示されていないが、容易に考えられる。この場合、同期ホイール14,15は、相応して歯付きベルトホイールとして形成されている。
【0068】
図9には、図6に示した実施例の第1の変化形の概略斜視図が示されている。
【0069】
この第1の変化形では、同期部材13として複数の同期歯車24,25,25a、例えば平歯車が使用される。図9に示す例では、同期機構12は5つの同期歯車24,25,25aと、2つの同期ホイール14,15とを含む。
【0070】
同期ホイール14,15は、ここでは平歯車として形成されており、それぞれ第1の同期歯車24と係合している。これらの第1の同期歯車24は、それぞれ1つの第2の同期歯車25と係合しており、第2の同期歯車25自体は両方共、1つの共通の同期歯車25aと係合している。ねじ山付きプランジャ7,8の同じ回転方向を得るためには、奇数個の同期歯車24,25,25aが必要とされており、そうでない場合には、ねじ山付きプランジャ7,8のうちの一方のねじ山は、左ねじ山にならざるを得ない。
【0071】
ローラチェーンとしての同期部材13とは異なり、この変化形における伝達損失は、変位の大きさ、すなわち仮想の台形の辺の間の角度により、ほとんど影響を及ぼされない。伝達損失は、主に同期歯車24,25,25aの数により決定される。
【0072】
図10に概略斜視図で示す、図6に示した実施例の第2の変化形では、同期部材もしくは伝達部材として複数のシャフトが使用され、これらのシャフトは、ここでは同期シャフト26,26’,26’’と呼ばれている。
【0073】
図示の例では、同期機構12は3つの同期シャフト26,26’,26’’、4つの連結ユニットおよび2つの同期ホイール14,15を含む。
【0074】
同期シャフト26,26’,26’’は、互いにかつ同期ホイール14,15に、それぞれ同期シャフト26,26’,26’’の端部に取り付けられた、円錐ホイールを備えた連結ユニットまたは別の連結部材(ユニバーサルジョイント、等速ジョイントまたは弾性的な連結部材)を介して連結されている。
【0075】
同期シャフト26,26’,26’’はそれぞれ、支持部28,28’,28’’(詳細には説明せず)を介して締付け部分3aの端面18と、支持体部分19の上面20とに取り付けられている。
【0076】
3つの同期シャフト26,26’,26’’の配置は、この変化形では、それぞれ同期ホイール14,15に連結された2つの同期シャフト26,26’’が、仮想の台形の傾斜した辺に延在するようになっている。他の2つの同期シャフト26,26’’に連結された同期シャフト26’は、仮想の台形の短い底辺に延在している。
【0077】
同期ホイール14,15は、この変化形では冠歯車として形成されている。これに相応して、同期シャフト26,26’,26’’の連結ギヤ27,27a;27’,27’a;27’’,27’’aは、かさ歯車として形成されている。同期ホイール14,15は、円錐歯列を備えた冠歯車である。
【0078】
第1の同期ホイール14は、第1の同期シャフト26の連結ギヤ27に係合している。第1の同期シャフト26の他方の連結ギヤ27aと、第2の同期シャフト26’の連結ギヤ27’とは、同期シャフト26と26’との連結部を形成している。同様に、第2の同期シャフト26’と第3の同期シャフト26’’とは、それらの連結ギヤ27’aと27’’とを介して連結されている。他方の連結ギヤ27’’aは、第2の同期ホイール15と係合している。
【0079】
1つまたは複数の可撓性のシャフトを備えた同期機構を介した、ねじ山付きプランジャ7,8の回転運動の伝達も考えられる。
【0080】
本発明は、上述の実施例に限定されるものではない。本発明は、添付の請求項の枠内で変更可能である。
【0081】
チェーンとしての同期部材13の延在部は、1つの半径を有する円弧形状として、またはそれぞれ異なる半径を有する複数の円弧から成る円弧形状として形成されていてもよい。ただしこの場合、ブレーキキャリパ3の締付け部分3aから支持体部分19の縁部が突出する寸法に注意しなければならない。それというのも、場合により、ディスクブレーキ1のより大きな取付け寸法が生じる場合があるからである。
【符号の説明】
【0082】
1 ディスクブレーキ
2 ブレーキディスク
2a ブレーキディスク軸線
3 ブレーキキャリパ
3a 締付け部分
3b フランジ部分
3c レバーハウジング
4,5 ブレーキパッド
6 トラバース
7,8 ねじ山付きプランジャ
9 後調整装置
9a 後調整体軸線
10 駆動装置
10a 駆動軸線
11 ブレーキ回転レバー
11a 回転レバー軸線
12 同期機構
13 同期部材
14,15 同期ホイール
16 カバー
17 ブレーキシリンダ
18 端面
19 支持体部分
19a,19b,19c 縁部
20 上面
21 カバー
21a カバーシール
22,22a,22b;22’,22’a,22’b 取付け部材
23,23a ガイド部材
24,25 同期歯車
26,26’,26’’ 同期シャフト
27,27’,27’’;27a,27’a,27’’a 連結ギヤ
28,28’,28’’ 支持部
B 底部金属薄板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に自動車用のディスクブレーキ(1)であって、
ブレーキ回転レバー(11)を備えた締付け装置と、少なくとも2つのねじ山付きプランジャ(7,8)と、後調整装置(9)と、駆動装置(10)とが配置された締付け部分(3a)を有するブレーキキャリパ(3)と、
前記ねじ山付きプランジャ(7,8)の回転運動を同期させる同期機構(12)と
を備え、
前記同期機構(12)は、前記ブレーキキャリパ(3)のハウジングの外側において、前記ブレーキキャリパ(3)の前記締付け部分(3a)に設けられた封止されたカバー(21)の内部に配置されており、
前記同期機構(12)は、少なくとも1つの同期部材(13)と、2つの同期ホイール(14,15)とを有しており、該同期ホイール(14,15)のうちの第1の同期ホイール(14)は、一方の前記ねじ山付きプランジャ(7)に相対回動不能に結合されており、第2の同期ホイール(15)は、他方の前記ねじ山付きプランジャ(8)に相対回動不能に結合されている、ディスクブレーキ(1)において、
前記同期機構(12)は、前記ブレーキキャリパ(3)の前記締付け部分(3a)において、前記ブレーキキャリパ(3)の前記締付け部分(3a)から突出した前記ブレーキ回転レバー(11)のレバーハウジング(3c)の周囲を巡って配置されていることを特徴とする、ディスクブレーキ(1)。
【請求項2】
前記ブレーキキャリパ(3)は、前記締付け部分(3a)の側方に取り付けられた、もしくは一体成形されたバルコニー状の支持体部分(19)を有しており、該支持体部分(19)は、前記ブレーキキャリパ(3)の前記締付け部分(3a)からブレーキディスク軸線(2a)の方向に突出しており、前記支持体部分(19)の上面(20)は、前記締付け部分(3a)の端面(18)と共通の平面内に延在している、請求項1記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項3】
前記支持体部分(19)は、前記ブレーキキャリパ(3)の前記締付け部分(3a)の追加的な鋳造輪郭である、請求項2記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項4】
前記同期機構(12)の前記少なくとも1つの同期部材(13)は、チェーンもしくはローラチェーンまたは歯付きベルトであり、巻掛け式伝動機構として前記同期ホイール(14,15)と協働し、前記同期機構(12)は、前記ブレーキキャリパ(3)の前記締付け部分(3a)および前記支持体部分(19)に設けられた前記封止されたカバー(21)の内部に配置されている、請求項2または3記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの同期部材(13)は、チェーンガイドを介して前記ブレーキ回転レバー(11)の前記レバーハウジング(3c)の周囲を巡って配置されている、請求項4記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項6】
前記チェーンガイドは、円筒形の隆起部、変向ローラおよび/またはガイドレールの形態のガイド部材(23,23a)を含む、請求項5記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項7】
前記ブレーキ回転レバー(11)の前記レバーハウジング(3c)の周りを取り囲む前記少なくとも1つの同期部材(13)の延在部は、仮想の台形の構成部分であり、前記同期部材(13)の前記延在部は、前記仮想の台形の脚部の構成部分を形成する、前記支持体部分(19)の傾斜した縁部(19b,19c)の領域と、前記仮想の台形の短い底辺である、前記支持体部分(19)の直線的な縁部(19a)の領域とに配置されている、請求項2または3記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項8】
前記同期機構(12)の前記少なくとも1つの同期部材(13)は、複数の同期歯車(24,25,25a)から形成されておりかつ平歯車伝動機構として前記同期ホイール(14,15)と協働し、前記同期機構(12)は、前記ブレーキキャリパ(3)の前記締付け部分(3a)および前記支持体部分(19)に設けられた前記封止されたカバー(21)の内部に配置されている、請求項2または3記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項9】
前記同期機構(12)の前記少なくとも1つの同期部材(13)は、複数の同期シャフト(26,26’,26’’)から形成されており、該同期シャフト(26,26’,26’’)は、互いにかつ前記同期ホイール(14,15)に、それぞれ前記同期シャフト(26,26’,26’’)の端部に取り付けられた連結ユニットを介して連結されている、請求項2または3記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項10】
前記連結ユニットは、かさ歯車(27,27a;27’,27’a;27’’,27’’a)を含み、前記同期ホイール(14,15)は、円錐歯列を備えた冠歯車である、請求項9記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項11】
前記連結ユニットは、ユニバーサルジョイント、等速ジョイントまたは弾性的な連結部材を有している、請求項9記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項12】
前記同期機構(12)の前記少なくとも1つの同期部材(13)は、1つまたは複数の可撓性のシャフトから形成されている、請求項2または3記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項13】
前記ブレーキキャリパ(3)は、前記支持体部分(19)と一緒にモノブロックキャリパとして一体に形成されている、請求項2または3記載のディスクブレーキ(1)。
【請求項14】
当該ディスクブレーキ(1)は、圧縮空気により操作されている、請求項1または2記載のディスクブレーキ(1)。
【国際調査報告】