(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】加温要素を備えるエアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/20 20200101AFI20241003BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20241003BHJP
【FI】
A24F40/20
A24F40/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024521825
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 EP2022078486
(87)【国際公開番号】W WO2023062120
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】コーラス, アントン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC13
4B162AC17
4B162AC22
4B162AC27
(57)【要約】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイス(102)が開示される。エアロゾル供給デバイス(102)は、フェライト材料を含む加温要素(200)を有する少なくとも1つのチャンバと、エアロゾル生成材料を含む平面状のエアロゾル生成物品(101)を受容するように構成された受容領域(225)と、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成された少なくとも1つのエアロゾル生成器(120)とを備える。受容領域(225)は、少なくとも1つのエアロゾル生成器(120)と少なくとも1つの加温要素(200)との間に配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
フェライト材料を含む加温要素を有する少なくとも1つのチャンバと、
エアロゾル生成材料を含む平面状のエアロゾル生成物品を受容するように構成された受容領域と、
前記エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成された少なくとも1つのエアロゾル生成器と
を備え、
前記受容領域が、前記少なくとも1つのエアロゾル生成器と前記少なくとも1つの加温要素との間に配置される、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記エアロゾル生成器が1つまたは複数の第1のインダクタを備える、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記1つまたは複数の第1のインダクタがまた、前記チャンバ内の凝縮の形成を低減するために前記加温要素を加温するように構成される、請求項2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記エアロゾル生成器が1つまたは複数の第1の抵抗加熱器を備える、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記エアロゾル生成器が、使用セッション中に前記加温要素を60~150℃の範囲内の温度に加温するように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記チャンバ内の凝縮の形成を低減するために前記加温要素を加温するように構成された加温ユニットをさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記加温ユニットが1つまたは複数の第2のインダクタを備える、請求項6に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記加温ユニットが1つまたは複数の第2の抵抗加熱器を備える、請求項6に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記フェライト材料がコーティングまたは箔を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記フェライト材料が25μm未満の厚さを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記フェライト材料が、(i)100~200μ/μ
0、(ii)200~300μ/μ
0、(iii)300~400μ/μ
0、(iv)400~500μ/μ
0、(v)500~600μ/μ
0、(vi)600~700μ/μ
0、(vii)700~800μ/μ
0、(viii)800~900μ/μ
0、(ix)900~1000μ/μ
0、(x)1000~1100μ/μ
0、(xi)1100~1200μ/μ
0、(xii)1200~1300μ/μ
0、(xiii)1300~1400μ/μ
0、(xiv)1400~1500μ/μ
0、(xv)1500~1600μ/μ
0、(xvi)1600~1700μ/μ
0、(xvii)1700~1800μ/μ
0、(xviii)1800~1900μ/μ
0、(xix)1900~2000μ/μ
0、(xx)2000μ/μ
0超の範囲から選択される比透磁率を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記加温要素が平面状である、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記加温要素が、湾曲形状、凹状、凸状またはドーム状である、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
前記エアロゾル供給デバイスが複数のエアロゾル生成器を備え、少なくともいくつかの、または各エアロゾル生成器が、前記平面状のエアロゾル生成物品の異なる部分からエアロゾルを生成させるように構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
前記エアロゾル供給デバイスが複数のチャンバを備え、少なくともいくつかの、または各チャンバが、前記平面状のエアロゾル生成物品の異なる部分から生成されたエアロゾルを受容するように構成される、請求項14に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
少なくともいくつかの、または各チャンバが、フェライト材料を含む加温要素を備える、請求項15に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
使用セッション中に前記少なくとも1つのエアロゾル生成器に対して前記平面状のエアロゾル生成物品を移動、並進または回転させるように構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料およびサセプタを含む平面状のエアロゾル生成物品と
を備える、エアロゾル生成システム。
【請求項19】
前記サセプタが金属箔を含む、請求項18に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項20】
前記サセプタがアルミニウムを含む、請求項18または19に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項21】
前記サセプタが1.0μ/μ
0の比透磁率を有するか、または、前記サセプタが、(i)100μ/μ
0未満、(ii)100~200μ/μ
0、(iii)200~300μ/μ
0、(iv)300~400μ/μ
0、(v)400~500μ/μ
0、(vi)500~600μ/μ
0、(vii)600~700μ/μ
0、(viii)700~800μ/μ
0、(ix)800~900μ/μ
0、(x)900~1000μ/μ
0、(xi)1000~1100μ/μ
0、(xii)1100~1200μ/μ
0、(xiii)1200~1300μ/μ
0、(xiv)1300~1400μ/μ
0、(xv)1400~1500μ/μ
0、(xvi)1500~1600μ/μ
0、(xvii)1600~1700μ/μ
0、(xviii)1700~1800μ/μ
0、(xix)1800~1900μ/μ
0、(xx)1900~2000μ/μ
0、および(xxi)2000μ/μ
0超からなるグループから選択される比透磁率を有する、請求項18、19または20に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項22】
前記サセプタが10μm未満の厚さを有する、請求項18~21のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項23】
前記加温要素と前記サセプタとが4mm未満離間している、請求項18~22のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項24】
前記エアロゾル生成器が、使用セッション中に前記サセプタおよび/または前記エアロゾル生成材料を200~400℃の範囲内の温度に加熱するように構成される、請求項18~23のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項25】
前記フェライト材料がμ
1の透磁率を有し、前記サセプタがμ
2の透磁率を有し、比μ
1/μ
2が、100未満、100~500、500~1000、1000~1500、1500~2000、2000~2500、2500~3000、3000~3500、3500~4000、4000~4500、4500~5000または5000超である、請求項18~24のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項26】
前記エアロゾル生成器が、前記サセプタの平面と平行な面内に第1の表面積A
1を有する1つまたは複数の誘導コイルを備え、前記加温要素が、前記サセプタの前記平面と平行な面内に第2の表面積A
2を有し、比A
2/A
1が、(i)0.7~0.8、(ii)0.8~0.9、(iii)0.9~1.0、(iv)1.0~1.1、(v)1.1~1.2および(vi)1.2~1.3の範囲内にある、請求項18~25のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項27】
請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスを設けるステップと、
エアロゾル生成材料およびサセプタを含む平面状のエアロゾル生成物品を前記エアロゾル供給デバイスに導入するステップと
を含む、エアロゾルを生成する方法。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイス、エアロゾル生成システム、およびエアロゾルを生成する方法に関する。
【背景】
【0002】
電子タバコ(eタバコ)などの電子エアロゾル生成システムは、一般に、例えば熱気化によってエアロゾルが生成される、典型的にはニコチンを含有する製剤を含む原料液のリザーバを含む。したがって、エアロゾル供給システムのためのエアロゾル源が、例えばウィッキングまたは毛細管作用によってリザーバから原料液を受け取るように構成された加熱要素を有する加熱器を備え得る。ユーザがデバイス上で吸入する間、電力が加熱要素に供給されて、加熱要素の近傍の原料液を気化させ、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを生成する。そのようなデバイスは、通常、システムのマウスピース端部から離れて配置された1つまたは複数の空気入口孔を備える。ユーザがシステムのマウスピース端部に接続されたマウスピースを吸うと、空気が入口孔を通して吸い込まれ、エアロゾル源を通過する。エアロゾル源とマウスピース中の開口部との間を接続する流路があり、それにより、エアロゾル源を通過した吸い込まれた空気が、その流路に沿ってマウスピース開口部まで進み続け、その空気と共に、エアロゾル源からのエアロゾルの一部が運ばれる。エアロゾルを運ぶ空気は、ユーザによる吸入のためにマウスピース開口部を通してエアロゾル供給システムから出る。
【0003】
他のエアロゾル供給デバイスは、タバコまたはタバコ派生物などの固体材料からエアロゾルを生成する。そのようなデバイスは、固体タバコ材料が気化温度に加熱されてエアロゾルを生成し、エアロゾルがその後ユーザによって吸入されるという点で、上記で説明された液体ベースのシステムとほぼ同様に動作する。
【0004】
ほとんどのエアロゾル供給デバイスでは、ユーザは、パフごとに同じ味が感じられ、および/または同じ所望の効果がもたらされるように、パフごとに一貫した送達を求める。しかしながら、上記で説明されたデバイスは、常に一貫した送達を提供することができるとは限らない。
【0005】
エアロゾルの改善された送達を送達する、および/またはユーザに改善された感覚体験を提供するエアロゾル供給デバイスを提供することが所望される。
【概要】
【0006】
一態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、エアロゾル供給デバイスは、
フェライト材料を含む加温要素を有する少なくとも1つのチャンバと、
エアロゾル生成材料を含む平面状のエアロゾル生成物品を受容するように構成された受容領域と、
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成された少なくとも1つのエアロゾル生成器と
を備え、受容領域は、少なくとも1つのエアロゾル生成器と少なくとも1つの加温要素との間に配置される。
【0007】
様々な実施形態によれば、平面状のエアロゾル生成物品から生成されたエアロゾルが加熱チャンバ内で凝縮する可能性を防止するかまたは少なくとも実質的に低減するために、加温要素が提供される。エアロゾル生成物品はサセプタを含み得る。任意選択的に、サセプタはアルミニウムを含む。サセプタがアルミニウム合金を含む他の実施形態が企図される。任意選択的に、加温要素とサセプタとは、使用時に4mm未満離間していることがある。加温要素は、使用セッション中に例えば60~150℃の温度に加熱され得るフェライト材料のプレートまたは表面を備え得る。加温要素は、エアロゾル生成器または加熱器を備え得る1つまたは複数の誘導コイルによって生成された時間変動磁場を受け取ることによって加温され得る。代替実施形態では、加温要素は、エアロゾル生成器または加熱器とは別個であり、それらに固有である、1つまたは複数の抵抗加熱器および/または1つまたは複数の誘導加熱器のいずれかを備え得る加温ユニットによって加熱され得る。加温要素200は、25μm未満の厚さを有し得る薄いプレート、コーティングまたは箔を含み得る。エアロゾル生成物品が平面状のエアロゾル生成物品を含むことは必須ではなく、受容領域が非平面状のエアロゾル生成物品を受容するように構成される実施形態が企図される。例えば、エアロゾル生成物品は、湾曲した、波形の、または円筒形の基板を備え得る。エアロゾル生成物品が円筒形であるか、または円形もしくは多角形の断面積を有する実施形態が企図される。
【0008】
様々な実施形態によれば、受容領域の壁および/またはエアロゾル供給デバイス内の他の場所に生じる凝縮物を低減するかまたは実質的に防止するのに役立つ加温要素を備えるエアロゾル供給デバイスが提供される。
【0009】
様々な実施形態によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、エアロゾル供給デバイスは、加温要素を有する少なくとも1つのチャンバを備える。加温要素はフェライト材料を含み得る。エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成材料を含むエアロゾル生成物品を受容するように構成された受容領域を備え得る。エアロゾル生成物品は、平面状のエアロゾル生成物品を含み得る。エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成された少なくとも1つのエアロゾル生成器をさらに備え得る。受容領域は、少なくとも1つのエアロゾル生成器と少なくとも1つの加温要素との間に配置され得る。
【0010】
任意選択的に、エアロゾル生成器は、1つまたは複数の第1のインダクタを備える。
【0011】
任意選択的に、1つまたは複数の第1のインダクタのうちの少なくとも1つは、略平面状のインダクタコイルを備える。
【0012】
任意選択的に、1つまたは複数の第1のインダクタはまた、チャンバ内の凝縮の形成を低減するために加温要素を加温するように構成される。
【0013】
任意選択的に、エアロゾル生成器は、1つまたは複数の第1の抵抗加熱器を備える。
【0014】
任意選択的に、エアロゾル生成器は、使用セッション中に加温要素を60~150℃の範囲内の温度に加温するように構成される。一実施形態によれば、エアロゾル生成器は、加温要素を、60~70℃、70~80℃、80~90℃、90~100℃、100~110℃、110~120℃、120~130℃、130~140℃または140~150℃の範囲内の温度に加温するように構成され得る。
【0015】
任意選択的に、エアロゾル供給デバイスは、チャンバ内の凝縮の形成を低減するために加温要素を加温するように構成された加温ユニットをさらに備える。
【0016】
任意選択的に、加温ユニットは、1つまたは複数の第2のインダクタを備える。
【0017】
任意選択的に、加温ユニットは、1つまたは複数の第2の抵抗加熱器を備える。
【0018】
任意選択的に、フェライト材料はコーティングまたは箔を含む。
【0019】
任意選択的に、フェライト材料は25μm未満の厚さを有する。様々な実施形態によれば、フェライト材料は、5μm未満、5~10μm、10~15μm、15~20μmまたは20~25μmの厚さを有し得る。
【0020】
任意選択的に、フェライト材料は、(i)100~200μ/μ0、(ii)200~300μ/μ0、(iii)300~400μ/μ0、(iv)400~500μ/μ0、(v)500~600μ/μ0、(vi)600~700μ/μ0、(vii)700~800μ/μ0、(viii)800~900μ/μ0、(ix)900~1000μ/μ0、(x)1000~1100μ/μ0、(xi)1100~1200μ/μ0、(xii)1200~1300μ/μ0、(xiii)1300~1400μ/μ0、(xiv)1400~1500μ/μ0、(xv)1500~1600μ/μ0、(xvi)1600~1700μ/μ0、(xvii)1700~1800μ/μ0、(xviii)1800~1900μ/μ0、(xix)1900~2000μ/μ0、(xx)2000μ/μ0超の範囲から選択される比透磁率を有し得る。
【0021】
任意選択的に、加温要素は平面状である。代替的に、加温要素は、湾曲形状、凹状、凸状またはドーム状であり得る。
【0022】
任意選択的に、エアロゾル供給デバイスは複数のエアロゾル生成器を備え、少なくともいくつかの、または各エアロゾル生成器は、平面状のエアロゾル生成物品の異なる部分からエアロゾルを生成させるように構成される。
【0023】
任意選択的に、エアロゾル供給デバイスは複数のチャンバを備え、少なくともいくつかの、または各チャンバは、平面状のエアロゾル生成物品の異なる部分から生成されたエアロゾルを受容するように構成される。
【0024】
任意選択的に、少なくともいくつかの、または各チャンバは、フェライト材料を含む加温要素を備える。
【0025】
任意選択的に、エアロゾル供給デバイスは、使用セッション中に少なくとも1つのエアロゾル生成器に対して平面状のエアロゾル生成物品を移動、並進または回転させるように構成される。
【0026】
別の態様によれば、
上記で説明されたエアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料およびサセプタを含む平面状のエアロゾル生成物品と
を備えるエアロゾル生成システムが提供される。
【0027】
任意選択的に、サセプタは金属箔を含む。サセプタが基板上に金属コーティングを含む他の実施形態が企図される。
【0028】
任意選択的に、サセプタはアルミニウムを含む。サセプタがアルミニウム合金を含む他の実施形態が企図される。
【0029】
特に、サセプタは、基板上にアルミニウム箔またはアルミニウムコーティングを含み得る。基板は、平面状のエアロゾル生成物品に、ある程度の剛性を付与し得る。
【0030】
任意選択的に、サセプタは1.0μ/μ0の比透磁率を有するか、または、サセプタは、(i)100μ/μ0未満、(ii)100~200μ/μ0、(iii)200~300μ/μ0、(iv)300~400μ/μ0、(v)400~500μ/μ0、(vi)500~600μ/μ0、(vii)600~700μ/μ0、(viii)700~800μ/μ0、(ix)800~900μ/μ0、(x)900~1000μ/μ0、(xi)1000~1100μ/μ0、(xii)1100~1200μ/μ0、(xiii)1200~1300μ/μ0、(xiv)1300~1400μ/μ0、(xv)1400~1500μ/μ0、(xvi)1500~1600μ/μ0、(xvii)1600~1700μ/μ0、(xviii)1700~1800μ/μ0、(xix)1800~1900μ/μ0、(xx)1900~2000μ/μ0、および(xxi)2000μ/μ0超からなるグループから選択される比透磁率を有する。
【0031】
任意選択的に、サセプタは10μm未満の厚さを有する。様々な実施形態によれば、サセプタは、1μm未満、1~2μm、2~3μm、3~4μm、4~5μm、5~6μm、6~7μm、7~8μm、8~9μmまたは9~10μmの厚さを有し得る。サセプタが複数の層を備え得、10μm超の総厚を有し得る他の実施形態が企図される。
【0032】
任意選択的に、加温要素とサセプタとは、4mm未満離間していることがある。例えば、様々な実施形態によれば、加温要素とサセプタとの間の間隔は、1mm未満、1~2mm、2~3mmまたは3~4mmであり得る。
【0033】
任意選択的に、エアロゾル生成器は、使用セッション中にサセプタおよび/またはエアロゾル生成材料を200~400℃の範囲内の温度に加熱するように構成される。様々な実施形態によれば、エアロゾル生成器は、使用セッション中に、サセプタを、200~220℃、220~240℃、240~260℃、260~280℃、280~300℃、300~320℃、320~340℃、340~360℃、360~380℃または380~400℃の範囲内の温度に加熱するように構成される。様々な実施形態によれば、エアロゾル生成器は、使用セッション中に、エアロゾル生成材料を、200~220℃、220~240℃、240~260℃、260~280℃、280~300℃、300~320℃、320~340℃、340~360℃、360~380℃または380~400℃の範囲内の温度に加熱するように構成される。
【0034】
任意選択的に、フェライト材料はμ1の透磁率を有し、サセプタはμ2の透磁率を有し、比μ1/μ2は、100未満、100~500、500~1000、1000~1500、1500~2000、2000~2500、2500~3000、3000~3500、3500~4000、4000~4500、4500~5000または5000超である。
【0035】
任意選択的に、エアロゾル生成器は、サセプタの平面と平行な面内に第1の表面積A1を有する1つまたは複数の誘導コイルを備え、加温要素は、サセプタの平面と平行な面内に第2の表面積A2を有し、比A2/A1は、(i)0.7~0.8、(ii)0.8~0.9、(iii)0.9~1.0、(iv)1.0~1.1、(v)1.1~1.2および(vi)1.2~1.3の範囲内にある。
【0036】
別の態様によれば、
上記で説明されたエアロゾル供給デバイスを設けるステップと、
エアロゾル生成材料およびサセプタを含む平面状のエアロゾル生成物品をエアロゾル供給デバイスに導入するステップと
を含む、エアロゾルを生成する方法が提供される。
【0037】
エアロゾル生成物品が平面状のエアロゾル生成物品を必ずしも含まなくてもよい他の実施形態が企図される。例えば、エアロゾル生成物品が、湾曲した、波形の、または非平面状の基板を備え得る実施形態が企図される。
【0038】
別の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、エアロゾル供給デバイスは、
フェライト材料を含む加温要素を有する少なくとも1つのチャンバと、
エアロゾル生成材料を含むエアロゾル生成物品を受容するように構成された受容領域と、
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成された少なくとも1つのエアロゾル生成器と
を備える。
【0039】
任意選択的に、受容領域は、少なくとも1つのエアロゾル生成器と少なくとも1つの加温要素との間に配置される。
【0040】
任意選択的に、受容領域は、エアロゾル生成材料を含む平面状のエアロゾル生成物品を受容するように構成される。
【0041】
別の態様によれば、
上記で説明されたエアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料およびサセプタを含むエアロゾル生成物品と
を備えるエアロゾル生成システムが提供される。
【0042】
別の態様によれば、
上記で説明されたエアロゾル供給デバイスを設けるステップと、
エアロゾル生成材料およびサセプタを含むエアロゾル生成物品をエアロゾル供給デバイスに導入するステップと
を含む、エアロゾルを生成する方法が提供される。
【0043】
本方法は、エアロゾル供給デバイスを作動させることをさらに含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】エアロゾル供給デバイスの一部分の概略断面図である。
【
図2】一実施形態によるエアロゾル供給デバイスの一部分の概略断面図である。
【
図3】一実施形態によるエアロゾル供給デバイスの一部分の概略断面図である。
【
図4】エアロゾル生成材料の部分を含む丸い基板の概略トップダウン図である。
【
図5】エアロゾル供給デバイスの一部分の概略トップダウン図であり、エアロゾル供給デバイスの受容領域内に受容されるエアロゾル生成材料の部分がその上に設けられた基板と、基板の下に配置され得る加熱要素を備えるエアロゾル生成器または加熱器とを示す図である。
【
図6】一実施形態によるエアロゾル生成物品の一部分の概略トップダウン図である。
【
図7A】エアロゾル供給デバイスが複数の略平面状のインダクタコイルを備え、平面状のエアロゾル生成物品がエアロゾル生成材料の複数の部分および対応するサセプタ部分を含む、平面状のエアロゾル生成物品と組み合わせた、一実施形態によるエアロゾル供給デバイスを備える、エアロゾル供給システムの概略表現の断面の一例の図である。
【
図7B】平面状のエアロゾル生成物品の平面図である。
【
図7C】平面状のエアロゾル生成物品の真横からの図である。
【
図7D】平面状のエアロゾル生成物品の側面図である。
【
図7E】一実施形態によるエアロゾル供給デバイスの加熱要素の断面トップダウン図である。
【
図8A】台形形状を有する略平面状のインダクタコイルの一例を示す図である。
【
図8B】全体的台形形状を有する略平面状の多層インダクタコイルの別の例を示す図である。
【
図9】エアロゾル供給デバイスがチャンバを備え、平面状のエアロゾル生成物品がエアロゾル供給デバイスの受容領域に配置され、加温要素が受容領域に隣接して配置され、チャンバ内の凝縮の形成を低減するように構成される、一実施形態によるエアロゾル供給デバイスを示す図である。
【
図10】一実施形態による、ディスク形の平面状のエアロゾル生成物品と、その中に一体型加温要素が設けられたチャンバを有するエアロゾル供給デバイスの一部分との画像を示す図である。
【
図11】一実施形態による、インダクタコイルによって生成された時間変動磁場によって両方が加熱されたアルミニウムサセプタ(上部トレース)およびステンレス鋼加温要素(下部トレース)の温度を時間の関数として示す実験結果を示す図である。
【詳細な説明】
【0045】
本発明は様々な修正および代替形態が可能であるが、特定の実施形態が図面に例として示され、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、特定の実施形態の図面および詳細な説明は、本発明を開示された特定の形態に限定するものではないことを理解されたい。それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に入るすべての修正形態、均等物および代替形態を包含する。
【0046】
特定の例および実施形態の態様および特徴が、本明細書で考察/説明される。特定の例および実施形態のいくつかの態様および特徴は、従来通りに実装され得、これらは、簡潔にするために詳細に考察/説明されない。したがって、詳細に説明されない本明細書で考察される装置および方法の態様および特徴は、そのような態様および特徴を実装するための任意の従来技術に従って実装され得ることが理解されよう。
【0047】
本開示は、eタバコなど、エアロゾル供給システムと呼ばれることもあるエアロゾル供給システムに関する。以下の説明を通して、「eタバコ」または「電子タバコ」という用語が使用されることがあるが、この用語はエアロゾル供給システム/デバイスおよび電子エアロゾル供給システム/デバイスと互換的に使用され得ることが理解されよう。さらに、技術分野において一般的であるように、「エアロゾル」および「蒸気」という用語、ならびに、「気化させる」、「揮発させる」および「エアロゾル化する」などの関連する用語は、一般に、互換的に使用され得る。
【0048】
図1は、エアロゾル供給デバイス100の一部分の概略図を示す。エアロゾル供給デバイス100は、エアロゾル供給デバイス100のチャンバ190内に配置されたエアロゾル生成物品101を有する。エアロゾル供給デバイス100は、エアロゾル生成物品101を受容するように構成された受容領域225を含む。エアロゾル生成物品101は、基板110上に設けられ得るエアロゾル生成材料114を含む。
【0049】
様々な実施形態によれば、エアロゾル生成材料114は、基板110を形成するために、支持体上または支持体内に存在し得る。支持体(または基板110)は、例えば、紙、カード、板紙、厚紙、再構成材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属または金属合金であるか、またはそれらを含み得る。いくつかの実施形態では、支持体はサセプタを含む。いくつかの実施形態では、サセプタは、エアロゾル生成材料114内に埋め込まれる。いくつかの代替実施形態では、サセプタは、エアロゾル生成材料114の片面または両面にある。
【0050】
様々な実施形態によれば、サセプタ112が基板110上に設けられ得る。サセプタ112はアルミニウム箔を含み得る。しかしながら、基板110上にサセプタが設けられていない他の実施形態が企図される。アルミニウム以外の材料から作られたサセプタが基板110上に設けられる、またさらなる実施形態が企図される。様々な実施形態によれば、基板110は紙またはカードを含み得る。エアロゾル生成材料114は、アルミニウム箔を含み得るサセプタ112上に配置され得る。エアロゾル供給デバイス100とエアロゾル生成物品101との組合せは、エアロゾル供給システムを形成する。
【0051】
エアロゾル生成材料114は、サセプタ112上、またはより一般的には基板110上に、複数の分量または部分として配置され得る。基板110の下面は、滑らかであることも粗いこともある。サセプタ112(設けられる場合)および/またはエアロゾル生成材料114および/または基板110の上面は、滑らかであることも粗いこともある。
【0052】
エアロゾル供給デバイス100は、エアロゾル生成材料114を加熱し、任意選択的に基板110上に配置され得るサセプタ112をも加熱するためのエアロゾル生成器または加熱器120を有する。エアロゾル生成器または加熱器120は、エアロゾル生成材料114からエアロゾルを生成するためにバッテリー(図示せず)などの電源からエアロゾル生成材料114にエネルギーを伝達する、エアロゾル供給デバイス100の要素である。エアロゾル生成器または加熱器120は1つまたは複数のインダクタコイルを備え得、1つまたは複数のインダクタコイルは時間変動磁場を生成するように構成され得、時間変動磁場がサセプタ112と相互作用すると、サセプタ112が熱くなり、加熱されたサセプタ112の部分と接触しているエアロゾル生成材料114からエアロゾルが生成される。
【0053】
エアロゾル供給デバイス100は、基板110、特にエアロゾル生成材料114の部分(または、場合によっては、分量)を移動させるように構成された移動機構130を備え得る。エアロゾル生成材料114の部分は、エアロゾル生成材料114の部分が、この場合は個々に、エアロゾル生成器または加熱器120に提示されるように、エアロゾル生成器または加熱器120に対して回転移動可能であり得る。エアロゾル供給デバイス100は、エアロゾル生成材料114の少なくとも1つの分量が基板110の後面116に対して角度θで軸線Aの周りを回転されるように配置される。この実装形態における基板110は、略平坦または平面状の基板110を含み、部分的または全体的に紙またはカードから形成され得る。
【0054】
図1に示されている基板110は、アルミニウム箔を含み得るサセプタ112上に設けられたエアロゾル生成材料114の5つの分量(または部分)を有する。しかしながら、他の実施形態によれば、基板110は、より多いまたはより少ない分量のエアロゾル生成材料114を有し得る。
【0055】
様々な実施形態によれば、基板110は、
図1に示されているように個別分量で配置されたエアロゾル生成材料114の分量を有し得る。他の例では、分量は、ディスクの形態であり得、これは、基板110の周方向に連続的または非連続的であり得る。さらに他の例では、分量は、環、リング、または任意の他の形状の形態であり得る。基板110は、軸線Aを中心とした基板110の上面における分量の回転対称分布を有することも有しないこともある。分量の対称分布は、必要に応じて、軸線Aを中心とした回転時にエアロゾル生成器または加熱器120から同等の加熱プロファイルを受けるように、(回転対称分布内に)同等に配置された分量を可能にする。
【0056】
様々な実施形態によれば、基板110は、層状構造を有し得、複数の材料から作製され得る。一例では、基板110は、熱伝導性材料、誘導性材料、透過性材料、または不透過性材料のうちの少なくとも1つから形成された層を有し得る。
【0057】
サセプタ層112は、時間変動磁場によって加熱されるように構成された金属要素を備え得る。そのような実装形態では、エアロゾル生成器または加熱器120は誘導コイルを含み得、誘導コイルは、通電されると、基板110上に設けられた金属要素内で加熱を引き起こす。加熱の程度は、金属要素と誘導コイルとの間の距離に影響され得る。
【0058】
エアロゾル生成物品101が、エアロゾル生成材料114が設けられる(サセプタとして機能する)金属要素を備え、金属要素とエアロゾル生成材料114との組合せが、基板110(例えば、紙またはカード)が設けられないように十分に剛性である、実施形態も、企図される。
【0059】
エアロゾル形成材料114は、エアロゾル生成器または加熱器120からエアロゾル形成材料114までの距離が、0.010mm、0.015mm、0.017mm、0.020mm、0.023mm、0.025mm、0.05mm、0.075mm、0.1mmから約4mm、3.5mm、3mm、2.5mm、2.0mm、1.5mm、1.0mm、0.5mmまたは0.3mmの範囲内にあるようにサセプタ層112上に配置され得る。場合によっては、少なくとも約10μm、15μm、17μm、20μm、23μm、25μm、50μm、75μmまたは0.1mmの、エアロゾル生成器または加熱器120と基板110上に設けられたエアロゾル形成材料114との間の最小間隔があり得る。
【0060】
エアロゾル供給デバイス100は、エアロゾル生成材料114から生成されたエアロゾルを受容するように構成された、互いに別個であることも別個でないこともある、複数のチャンバまたは領域を有し得る。エアロゾル供給デバイス100は、エアロゾル生成器もしくは加熱器120および/または移動機構130に電力を供給するための電源を備える電力チャンバ(図示せず)を有し得る。エアロゾル生成器または加熱器120は、誘導加熱器または電気抵抗加熱器のいずれかを含み得る。しかしながら、他の例では、エアロゾル生成器または加熱器120は、発熱反応などを介して動作することも動作しないこともある化学的に活性化された加熱器を含み得る。
【0061】
一実施形態によれば、エアロゾル生成器または加熱器120は誘導加熱システムの一部であり得、エアロゾル生成器または加熱器120は、銅線のコイルなど、誘導加熱のためのエネルギー源であり、基板110はサセプタなどを含み得る。サセプタは、例えば、アルミニウム箔などのシートであり得る。
【0062】
エアロゾル生成器または加熱器120は、エアロゾル生成器または加熱器120の周囲環境に熱エネルギー、熱を供給し得る。基板110の少なくとも一部分は、エアロゾル生成器または加熱器120の効果エリア内にある。エアロゾル生成器または加熱器120の効果エリアは、エアロゾル生成器または加熱器120がアイテムに熱を供給し得るエリアである。
【0063】
図1に示されている構成は、エアロゾル生成材料114の複数の部分を加熱するために1つのエアロゾル生成器または加熱器120のみが必要とされるという利点を伴って、エアロゾル生成器または加熱器120に対してエアロゾル生成材料114の複数の分量を割出しする(または移動させる)ことによって動作し得る。例えば、
図1の構成におけるエアロゾル生成器または加熱器120は、各々が別個の制御機構を必要とする複数の加熱器とは対照的に、1つの制御機構のみを必要とする。したがって、この構成は、エアロゾル生成器または加熱器120の動作および制御に関するコストおよび制御の複雑さを低減することができる。
【0064】
エアロゾル供給デバイス100の形状は、タバコ形状(すなわち、1つの寸法が他の2つの寸法よりも長い)であっても他の形状であってもよい。一例では、エアロゾル供給デバイス100は、例えばコンパクトディスクプレーヤなどのように、2つの寸法が他の1つの寸法よりも長い形状を有し得る。代替的に、形状は、基板110、エアロゾル生成器または加熱器120、エアロゾル生成物品101および移動機構130を適切に収容することができる任意の形状であり得る。
【0065】
図2は、一実施形態によるエアロゾル供給デバイス100の断面図を示し、エアロゾル生成材料の特定の個別化された分量114A、114B、114Cと加温要素200とを含む追加の特徴を有する、
図1に示されているものと同様である。エアロゾル生成器または加熱器120は、加熱位置140と呼ばれる、基板110に関連する特定の影響領域を有する。加熱位置140は、エアロゾル生成器または加熱器120の真上に配置され得る。加熱位置140は、エアロゾルを形成するためにエアロゾル生成材料114の分量が移動機構130によって移動される領域である。加熱位置140への分量のこの移動は、エアロゾル生成器または加熱器120によるエアロゾル生成材料の分量114A、114B、114C、114Dの加熱の前に起こり得る。
図2に示されている例では、エアロゾル生成材料の分量114Cが加熱領域140に移動されている。エアロゾル生成器または加熱器120は、エアロゾルを発生させるために加熱領域140内の分量114Cを加熱し得る。逆に、加熱位置140に配置されない分量114A、114Bは、エアロゾル生成器または加熱器120によって加熱されないように、加熱位置140から十分に遠く離れて配置される。
【0066】
エアロゾル生成器または加熱器120は、分量114Cが加熱領域140に移動された後に作動され得る。この構成は、基板110の移動段階中にエネルギーが保存されるという利点を有する。これは、エアロゾル生成器または加熱器120への電源(図示せず)の寿命の長さによって、およびエアロゾル生成器または加熱器120自体の寿命の長さによって、エアロゾル供給デバイス110のより長い動作寿命をもたらす。
【0067】
別の例では、エアロゾル生成器または加熱器120は、分量114Cが加熱領域140に移動される前に作動され得る。この構成は、分量114Cが加熱領域140に到達すると、エアロゾル生成器または加熱器120がエアロゾル生成材料のエアロゾル化を誘発するのに適した温度に達するためにウォームアップ期間が必要とされないという利点を有する。したがって、エアロゾル供給デバイス100上で吸入するユーザへのエアロゾルの送達は、より迅速に行われ、したがって、エアロゾル供給デバイス100のユーザ体験を改善する。この構成では、エアロゾル生成器または加熱器120は、分量114Cが加熱領域140に移動される前にエアロゾル生成材料をエアロゾル化するのに適した動作温度にされ得るか、あるいは、エアロゾル生成器または加熱器120は、分量114Cが加熱領域140に移動される前に予熱温度(すなわち、周囲温度と動作温度との間の温度)にされ、その後、分量114Cが加熱領域140に移動された後に動作温度まで上昇され得る。
【0068】
引き続き
図2を参照すると、エアロゾル供給デバイス100は、分量114A、114B、114C、114Dの移動を可能にするための移動機構130を有する。
図2に示されている例における移動機構130は接続要素132を含み、接続要素132によって基板110に接続するように構成される。移動機構130は、ボールベアリングなど、基板110がそれを中心として回転することができる回転要素を含み得る。一例では、基板110は、移動機構130のベアリング上に配置され、ユーザまたはエアロゾル供給デバイス100内に含まれる回転システム(例えば、モータおよびシャフト)によって回転され得る。移動機構130は、
図2に概略的に示されているように基板110内の実質的に中心に配置されるか、または代替的に、基板110に対して異なる相対位置に配置され得る。中心に移動機構130を配置することは、明確な中心軸線A(
図1参照)が基板110の中心を通り、移動機構130の結果として、基板110がその中心軸線Aを中心として回転し得るという利点をもたらす。基板110に対する移動機構130の位置は、代替または追加として、部分的には、基板110に接続された移動機構130の部分上で基板110を平衡させたいという要望によって、決定され得る。接続要素132を省略し得るこの構成は、支柱またはガイドなど、エアロゾル供給デバイス100内で基板110を平衡させるための追加の構造を必要としないという利点を有する。
【0069】
代替的に、移動機構130が基板110に対して任意の位置に配置されることを可能にするために、追加の構造が使用され得る。(基板110がそれを中心として回転し得る)軸線Aが基板110の中心軸線に対して中心から外れている任意のそのような構成が可能であるが、エアロゾル生成器または加熱器120の配置と並んで、基板110上のエアロゾル生成材料の分量のインテリジェントな配置を必要とし得る。追加の構造は、エアロゾル供給デバイス100のハウジングの側部から突出し、基板110の運動を可能にしながら基板110を定位置に固定するのを助け得る。
【0070】
移動機構130および接続要素132は、ベアリングを中心としてモータによって駆動される回転可能なシャフト、ならびに基板110と接続するように構成されたスプロケットおよび/またはキーイング機構の形態をとり得る。この場合、モータは、回転可能なシャフト132を駆動するために使用され、その間、移動機構130のベアリングがシャフトを支持し、シャフト132の回転移動を容易にする。基板110および接続要素132は、基板110が接続要素132に接続されることを可能にするキーイングおよび位置合わせ特徴の組合せを備え得る。代替的に、移動機構130を移動させるための力は、例えば基板110を手動で移動させることによって、ユーザによって供給され得る。この手動移動は、基板110を回転させること、または基板110を引っ張ることなどによるものであり得る。したがって、エアロゾル供給デバイス100は、ユーザが基板110に物理的に接触し、基板110を移動させるために基板110の少なくとも一部を露出させ得、例えば、基板110の周縁部の一部を露出させるために開口部が設けられ得る。移動機構130によって行われる移動は、回転移動に制限されない。とりわけ、直線移動および振動移動も行われ得る。そのような移動を行う構成は、よく知られている。基板110は、可変であるかまたは一貫していることがある回転速度で移動機構130を介して回転され得る。基板110が一貫して回転し、したがって新しいエアロゾル形成材料をエアロゾル生成器または加熱器120に提供するので、一貫した移動は、ユーザに、実質的に一貫したレベルのエアロゾル発生を提供する。エアロゾルが生成される速度は、加熱器の温度など、他のパラメータに加えて、基板100の回転速度に依存し得る。
【0071】
代替的に、基板110は、可変回転速度で移動機構130を介して回転され得る。この例では、エアロゾル供給デバイス100は、より大きいまたはより小さい回転速度を使用することによって、ユーザが所望する通りに、より多いまたはより少ない量のエアロゾルを供給することができる。変動回転速度の使用は、エアロゾル生成器または加熱器120からの可変加熱プロファイルと共に使用され得る。移動機構130はまた、基板110が離散的に移動するように、割出し移動を提供し得る。すなわち、基板110は、予め設定された角度位置に移動するように構成される。割出し位置ごとに基板110が移動する量は、基板110の回転全体を通して(すなわち、360度にわたって)一貫していることも、可変であることもある。
【0072】
図2はまた、空気入口201およびエアロゾル出口202と共に、加熱位置140の上方に配置された加温要素200を示す。エアロゾル供給デバイス100は、加温要素200が設けられたチャンバ190を備える。エアロゾル生成物品101が、エアロゾル供給デバイス100内の受容領域225内に受容される。受容領域225は、エアロゾル生成器または加熱器120と加温要素200との間に配置される。エアロゾル出口202は、エアロゾルが流れてユーザによって吸入され得る出口を提供する。エアロゾル出口202は、エアロゾル供給デバイス100内で生成されたエアロゾルがエアロゾル供給デバイス100から出ることを可能にする。このようにして、エアロゾル出口202上で吸入するユーザは、エアロゾル生成材料の分量114A、114B、114Cの加熱から生成されたエアロゾルを吸入し得る。出口202は、ユーザが吸入するのに快適なマウスピースなどの形態であり得る。
【0073】
図2に示されているように、実質的にエアロゾル生成器または加熱器120と加熱位置140とエアロゾル出口202との間に配置された、エアロゾル供給デバイス100は、流路160を有する。流路160は、加熱された分量から形成された、エアロゾル供給デバイス100内で生成されたエアロゾルが流れてエアロゾル供給デバイス100から出る経路である。流路160(すなわち、加熱されている分量と出口202との間の距離)は比較的短いことがあり、したがって、場合によってはエアロゾルが凝縮する可能性があるエアロゾル供給デバイス100の内側の面積が低減される。これは、エアロゾル供給デバイス100の機能の全体的な清浄度を改善し、その結果、エアロゾル供給デバイス100が洗浄されなければならない頻度が低減する。
【0074】
以下でより詳細に考察されるように、加温要素200は、分量から生成されたエアロゾルがチャンバ190内で凝縮する可能性を防止するかまたは少なくとも実質的に低減するために設けられる。加温要素200は、使用セッション中に例えば60~150℃の温度に加熱され得るフェライト材料のプレートまたは表面を備え得る。加温要素200は、エアロゾル生成器または加熱器120を備え得る1つまたは複数の誘導コイルによって生成された時間変動磁場を受け取ることによって加温され得る。代替実施形態では、加温要素200は、エアロゾル生成器または加熱器120とは別個であり、それらに固有である、1つまたは複数の抵抗加熱器および/または1つまたは複数の誘導加熱器のいずれかを備え得る加温ユニット(図示せず)によって加熱され得る。加温要素200は、25μm未満の厚さを有し得る薄いプレート、コーティングまたは箔を含み得る。
【0075】
エアロゾルがエアロゾル供給デバイス100の中から比較的短い流路に沿ってより少ない構成要素を通過すると、エアロゾルがそれらの上で凝縮することによって影響を及ぼされる構成要素がより少なくなり得、したがって、それらの構成要素を交換する必要が生じる頻度がより少なくなる。これは、エアロゾル供給デバイス100のメンテナンスのコストを低減し、エアロゾル供給デバイス100全体の寿命を延ばす。
【0076】
図2では、エアロゾル供給デバイス100の中心からオフセットされたエアロゾル出口202が示されているが、いくつかの実装形態では、エアロゾル出口202は、より中心にあり得る。またさらなる実装形態では、エアロゾル出口202は、加熱されている分量および/またはエアロゾル生成器もしくは加熱器120とほぼ一直線に配置され得る(例えば、出口の中心軸線は、分量の法線と位置合わせされ得る)。これは、流路160をさらに縮小し得る。
【0077】
様々な実施形態によれば、エアロゾル生成器または加熱器120は固定され得、基板110は、例えばエアロゾル生成器または加熱器120に対して移動され、例えば回転され得る。しかしながら、他の実施形態では、エアロゾル生成器または加熱器120は移動可能であり得る。
【0078】
図3を参照すると、エアロゾル生成器または加熱器120からエアロゾル生成材料への熱送達を改善するために、エアロゾル生成器または加熱器120が基板110に対して移動され得る様々な実施形態による、エアロゾル供給デバイス100が示されている。エアロゾル生成器または加熱器120は、例えば、特定の分量が加熱位置140に移動されるか、または移動されたとき、基板110に向かって、または基板110から離れて移動され得る。エアロゾル生成器または加熱器120を、加熱される分量に向かって移動させると、エアロゾル生成器または加熱器120と基板110との間の分離が低減する。エアロゾル供給デバイス100は、チャンバ190と、エアロゾル生成物品101を受容するための受容領域225とを備える。受容領域225は、エアロゾル生成器または加熱器120と加温要素200との間に配置される。
【0079】
エアロゾル生成器または加熱器120は誘導加熱器(すなわち、RF生成器)を含み得、誘導加熱は、RF生成器とサセプタを含む基板110との間の距離を低減することによって改善され得る。サセプタは、10μm未満の厚さを有する薄いアルミニウム箔を含み得る。
【0080】
エアロゾル生成器または加熱器120が抵抗加熱器を含む場合、抵抗加熱器120とエアロゾル生成材料との間に空気ジャケットがあり、これは、場合によっては抵抗加熱器120から熱エネルギーを吸収し、したがって、エアロゾル生成材料に供給される熱エネルギーを低減する。代わりに、空気ジャケットを低減することによって、抵抗加熱器120は、加熱位置140内のエアロゾル生成材料に、より効率的に熱エネルギーを送達する。
図3の例では、エアロゾル生成器または加熱器120は、基板110に向かってまたは基板110から離れて直線的に移動され得る。
【0081】
一例では、エアロゾル生成器または加熱器120は、エアロゾル生成材料の特定の分量の加熱を最適化するために、基板110の後面と接触するように移動され得る。1つの特定の分量が加熱された後に、分量は、新しい分量が加熱位置140に移動され得るように移動(例えば回転)され得る。エアロゾル生成器または加熱器120が、新しい特定の分量を加熱位置140に移動させるように分量を移動させる前に、基板110に接触する場合には、エアロゾル生成器または加熱器120は、エアロゾル生成器または加熱器120が使用セッション中に常に基板110の後面と密着したままである場合、場合によっては分量の移動中に生じる摩擦を防止するために、基板110から離れて(またはそれと接触せずに)移動され得る。
【0082】
しかしながら、基板110が、使用セッションの全体を通して誘導加熱器または抵抗加熱器のいずれかを含み得るエアロゾル生成器または加熱器120と接触したままである実施形態も企図される。
【0083】
図1および
図2を参照すると、回転軸線Aと基板110の下面との間の角度θは、略垂直である。他の例では、角度θは、少なくとも5°、少なくとも10°、少なくとも15°、少なくとも20°、少なくとも25°、少なくとも30°、少なくとも35°、少なくとも40°、少なくとも45°、少なくとも50°、少なくとも55°、少なくとも60°、少なくとも65°、少なくとも70°、少なくとも75°、少なくとも80°、または少なくとも85°であり得る。
【0084】
図2を参照すると、エアロゾル供給デバイス100は、移動機構130によって提供される移動を監視および/または制御するためのコントローラ172を備え得る。コントローラ172は、エアロゾル生成材料の分量114A、114B、114Cの移動を、分量が加熱位置140に制御可能に移動されるように制御し得る。コントローラ172はまた、エアロゾル供給デバイス100内の残りの実施可能な分量の数に関してユーザに知らせることが可能であり得る。一例では、エアロゾル供給デバイス100は、(例えば、
図2に示されている)コントローラ172および任意選択的に検出器174を備える運動監視システム170を有し得る。
【0085】
監視システム170は、エアロゾル供給デバイス100内の運動を監視し得る。監視システム170はまた、移動情報を検出するための検出器174を備え得る。監視システム170は、生じた移動を記録するために基板110および/またはエアロゾル生成材料の分量114A、114B、114Cの運動を監視し、それにより、同じ特定の分量を加熱位置140に二度移動させることを回避する。これは、「使用済みの」分量の再加熱から望まれていないエアロゾルが形成されることを回避する。検出器174は、エアロゾル供給デバイス100内に残っている「未使用の」分量の数に関する情報をユーザに中継し得、それにより、ユーザは、エアロゾル供給デバイス100内の複数の分量をいつ交換すべきかを知らされる。検出器174はまた、移動機構130(または任意の関連する要素、例えば接続要素132)が機能しない場合にユーザに知らせるように、基板110または分量あるいはエアロゾル生成器もしくは加熱器120の移動を観察することによって、移動機構130の機能に関するフィードバックを提供することができる。
【0086】
コントローラ172は、空間要件を低減するようにマイクロコントローラを備え得る。検出器174は、例えば、基板110の回転数、および加熱位置140に移動された基板110の位置に関する情報を提供するための、ブレークビームセンサ、ブラシ付きシステム、速度トラッカなどであり得る。この情報は、エアロゾル供給デバイスの機能に関する定期検査を可能にするために、ユーザまたは診断要素(図示せず)に中継され得る。運動監視システム170は、単純な電気接続などの有線接続、またはBluetooth(登録商標)などの無線を含む任意の他の接続によって移動機構130に接続され得る。
【0087】
図3は、一実施形態によるエアロゾル供給デバイス100の一部分の概略図である。
図3は、エアロゾル供給デバイス100内に受容されたエアロゾル生成物品101の一部を形成する基板110と、エアロゾル生成器または加熱器120と、エアロゾル出口202と、流路160とを含む、エアロゾル供給デバイス100の部分の拡大図を示す。基板110は、基板110の異なる部分がエアロゾル生成器または加熱器120に隣接して連続して配置されるように回転し得る。エアロゾル供給デバイス100は、チャンバ190と、エアロゾル生成物品101を受容するための受容領域225とを備える。受容領域225は、エアロゾル生成器または加熱器120と加温要素200との間に配置される。
【0088】
流路160に沿ったエアロゾルの一般的な移動方向Bは、矢印Bによって示されている。基板110の表面の面と、得られたエアロゾルの流路160の方向との間の差は、角度φによって示されている。角度φは、エアロゾル生成器または加熱器120とエアロゾル出口202との相対位置によって幾分制御される。図示の例では、加熱位置140は、実質的にエアロゾル出口202とエアロゾル生成器または加熱器120との間に配置される。エアロゾル出口202は、角度φが実質的に90°になるように、エアロゾル生成器または加熱器120および加熱位置140と実質的に一直線に配置され得る。他の例では、角度φは、少なくとも5°、少なくとも10°、少なくとも15°、少なくとも20°、少なくとも25°、少なくとも30°、少なくとも35°、少なくとも40°、少なくとも45°、少なくとも50°、少なくとも55°、少なくとも60°、少なくとも65°、少なくとも70°、少なくとも75°、少なくとも80°、または少なくとも85°であり得る。
【0089】
様々な実施形態によれば、基板110とエアロゾル出口202との間に加温要素200が設けられる。加温要素200は、基板110の表面に対して角度αで傾斜され得る平面を備え得る。様々な実施形態によれば、角度αは、10°未満、10~20°、20~30°、30~40°、40~50°、50~60°、60~70°、70~80°または80~90°であり得る。他の実施形態によれば、加温要素200は湾曲していることがある。例えば、加温要素200は、凸状または凹状を有し得る。加温要素200は、1つまたは複数の変曲点を有し得る。
【0090】
図3に示されている構成は、エアロゾルがとる流路160を単純化し、これは、エアロゾルがエアロゾル供給デバイス100内にある時間量を低減する。したがって、この構成は、エアロゾルが潜在的に凝縮する可能性があるエアロゾル供給デバイス100の内側の面積と、エアロゾルが凝縮することができる時間とを低減する。したがって、これは、デバイス内エアロゾル凝縮の関連する問題の影響を減少させる。
【0091】
さらに、以下でより詳細に考察されるように、加温要素200は、エアロゾルがチャンバ190内で凝縮するのを実質的に低減するかまたは防止するために設けられる。加温要素200は、使用セッション中に例えば60~150℃の温度に加熱され得るフェライト材料のプレートを備え得る。加温要素200は、エアロゾル生成器または加熱器120を備え得る1つまたは複数の誘導コイルによって生成された時間変動磁場を受け取ることによって加温され得る。代替実施形態では、加温要素200は、エアロゾル生成器または加熱器120とは別個であり、それらに固有である、1つまたは複数の抵抗加熱器および/または1つまたは複数の誘導加熱器のいずれかを備え得る加温ユニット(図示せず)によって加熱され得る。加温要素200は、25μm未満の厚さを有し得る薄いプレート、コーティングまたは箔を含み得る。
【0092】
基板110、および/またはエアロゾル生成材料の複数の分量は、実質的にいくつかの形状の形態であり得る。一実施形態によれば、基板110は、円形ディスクまたはリングの形態であり得る。基板110は、エアロゾル供給デバイス100に設置されたとき、これらの形状をとり、エアロゾル供給デバイス100内にないとき、同じまたは異なる形状であり得る。言い換えれば、基板110は、エアロゾル供給デバイス100に設置されたとき、その初期形状とは異なる特定の形状をとるように変形され得る。基板110は、基板110が移動機構と位置合わせされ、次いで移動機構に接続することを可能にするために、位置合わせ機構またはキーイング機構を有し得る。いくつかの実装形態では、位置合わせ機構またはキーイング機構は、例えば対称性のない形状を有することによって、基板110が移動機構と1つの配向にのみ位置合わせされ得るように配置される。
【0093】
様々な実施形態によれば、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成器または加熱器120を通過して移動され得る。この移動は、
図2に示されているような移動機構130によって提供され得る。移動機構130は、エアロゾル生成材料の分量の割出し運動を可能にするように構成された割出しシステム(図示せず)を備え得る。割出しシステムは、特定の分量からエアロゾルを生成する前にその特定の分量を加熱位置140に段階的に移動させ、次いで、エアロゾルを生成した後に加熱位置140から移動させる。割出しシステムは、より高い精度で1つの分量を加熱位置140に移動させることを可能にし得、その分量は、次いで、別の分量によって置き換えられる。割出しシステムは、基板110上に配置された、または基板110の一部を形成する、スプロケットおよび/またはキーイング機構によって提供され得る。代替例では、エアロゾル生成材料の分量の割出し運動を提供するためにゼネバホイールとカムとの組合せが使用され得る。
【0094】
割出しシステムは、エアロゾル生成材料の隣接する分量を順番に加熱位置140に移動させるように構成され得る。この構成の利点は、割出しシステムを構築し、動作させることが簡単であることである。隣接する分量が順番に加熱される構成では、第1の分量の加熱中に第2の分量に近接するために伝達される熱エネルギーにより、第2の分量を加熱することによるエネルギーが節約され得る。これは、ひいては、エアロゾル生成器または加熱器120に対する総負荷を低減し、したがってエアロゾル供給デバイス100の寿命を延ばすことができる。
【0095】
代替的に、割出しシステムは、エアロゾル生成材料の隣接しない分量のみを順番に加熱位置140に移動させるように構成され得る。これは、過度に高いレベルの間接的な熱(先行する分量の加熱中に分量に間接的に伝達される熱)と、それに続く直接的な熱(分量の加熱中にその同じ分量に供給される熱)とにより、特定の分量を過熱する危険なしに高密度の分量が基板110上に配置されることを可能にする。各分量は、規定量のニコチンおよび/またはエアロゾル形成成分を含有し得、誤った時間にエネルギーを供給することは、その分量からのニコチンおよび/またはエアロゾル形成成分が意図したよりも早い時間に放出されることを引き起こし得る。代替的に、ニコチンおよび/またはエアロゾル形成成分が放出された後に、使用済みの分量が再加熱され得、これは、分量の他の成分が加熱されることにつながり得る。しかしながら、説明された構成は、過熱を防止するように特定の分量について時間または加熱パワーの変動を提供する高度な加熱制御システムの必要性を除去する。
【0096】
割出しシステムは、上記で説明された技術を使用して、監視システム170によって観察され得る。これは、割出しシステムが予想通りに動作していることを保証するためのそのシステムの機能の検査を可能にする。上記で説明された構成のいずれにおいても、監視システム170は、任意の特定の分量の過熱を防止するのを助けるために使用され得る。
【0097】
移動機構130および監視システム170は、分量の割出し移動と、任意の特定の分量についての加熱期間とが、分量の過熱を防止するように調整されることを保証するために、エアロゾル生成器または加熱器120と組み合わせて動作することができる。移動機構130は、ある時間期間にわたってエアロゾル生成材料の1つの分量をエアロゾル生成器または加熱器120に提示し、異なる時間期間にわたってエアロゾル生成材料の別の分量をエアロゾル生成器または加熱器120に提示するように構成され得る。これは、異なる分量に異なる加熱レベルを提供するためであり得る。これは、上述のような線形割出しの場合に過熱を回避するのに有利であり得る。これはまた、エアロゾルを生成するために異なる加熱期間が必要とされるような、エアロゾル生成材料の1つの分量が別の分量とは異なる構造または物質であるとき、有利であり得る。
【0098】
移動機構130および監視システム170は、分量114の割出し移動と、任意の特定の分量114についての加熱器電力レベルとが調整されることを保証するために、エアロゾル生成器または加熱器120と組み合わせて動作することができる。これは、異なる分量に異なる加熱レベルを提供するためであり得る。これは、線形割出しまたは高密度分量の提供の場合に過熱を回避するのに有利であり得る。例えば、加熱器電力レベルは、第1の分量については高くなり、第2の分量についてはあまり高くならないことがある。これは、第2の分量が、エアロゾルを供給するために(加熱器の電力レベルを低下させることによって達成される)直接的な加熱をあまり必要としないように、第1の分量の加熱中に第2の分量があるレベルの間接的な熱を受けるので、有利である。これはまた、エアロゾルを生成するために異なる加熱器電力レベルが必要とされるような、エアロゾル生成材料の1つの分量が別の分量とは異なる構造または物質であるとき、有利であり得る。
【0099】
エアロゾル生成材料は、例えば、他の方法で加熱、照射または通電されたときにエアロゾルを生成することができる材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、活性物質および/または香料を含有してもしなくてもよい固体、液体、または半固体(ゲルなど)の形態であり得る。
【0100】
エアロゾル生成材料は、1つまたは複数の活性物質および/または香味料、1つまたは複数のエアロゾル形成剤材料、ならびに任意選択的に1つまたは複数の他の機能材料を含み得る。
【0101】
エアロゾル生成材料は、ゲル化剤などの結合剤と、エアロゾル形成剤とを含み得る。任意選択的に、送達される物質および/または充填剤も存在し得る。任意選択的に、水などの溶媒も存在し、エアロゾル生成材料の1つまたは複数の他の成分は、溶媒に可溶であっても可溶でなくてもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は、植物性材料を実質的に含まない。特に、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は実質的にタバコを含まない。
【0102】
エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成フィルムを含むか、またはエアロゾル生成フィルムの形態であり得る。エアロゾル生成フィルムは、ゲル化剤などの結合剤と、エアロゾル形成剤とを含み得る。任意選択的に、送達される物質および/または充填剤も存在し得る。エアロゾル生成フィルムは、植物性材料を実質的に含まなくてもよい。特に、いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料は実質的にタバコを含まない。エアロゾル生成フィルムは、約0.015mm~約1mmの厚さを有し得る。例えば、厚さは、約0.05mm、0.1mmまたは0.15mm~約0.5mmまたは0.3mmの範囲であり得る。エアロゾル生成材料は、2つ以上のフィルムを含み得、本明細書で説明される厚さは、それらのフィルムの合計の厚さを指し得る。エアロゾル生成フィルムは連続的であり得る。例えば、フィルムは、材料の連続シートを含むか、または材料の連続シートであり得る。シートは、包装紙の形態であり得るか、ギャザーを寄せてギャザーシートを形成し得るか、または細断されて細断シートを形成し得る。細断シートは、エアロゾル生成材料の1つまたは複数のストランドまたはストリップを含み得る。
【0103】
エアロゾル生成フィルムは非連続的であり得る。例えば、エアロゾル生成フィルムは、支持体上に支持され得る、ドット、ストライプまたはラインなどのエアロゾル生成材料の1つまたは複数の個別部分または領域を含み得る。そのような実施形態では、支持体は平面状または非平面状であり得る。エアロゾル生成フィルムは、ゲル化剤などの結合剤を、水などの溶媒、エアロゾル形成剤、および送達される1つまたは複数の物質などの1つまたは複数の他の成分と組み合わせてスラリーを形成し、次いでスラリーを加熱して溶媒の少なくとも一部を揮発させてエアロゾル生成フィルムを形成することによって形成され得る。スラリーが加熱されて、少なくとも約60wt%、70wt%、80wt%、85wt%または90wt%の溶媒が除去され得る。
【0104】
場合によっては、エアロゾル生成材料は、1~50wt%のゲル化剤を含み得、これらの重量は、乾燥重量ベースで計算される。好適には、エアロゾル生成材料は、(すべて乾燥重量ベースで計算して)約1wt%、5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、または25wt%~約50wt%、45wt%、40wt%、35wt%、30wt%、または27wt%のゲル化剤を含み得る。例えば、エアロゾル生成材料は、5~40wt%、10~30wt%または15~27wt%のゲル化剤を含み得る。場合によっては、エアロゾル生成材料は、タバコ抽出物を含む。場合によっては、エアロゾル生成材料は、(乾燥重量ベースで計算して)5~60wt%のタバコ抽出物を含み得る。場合によっては、エアロゾル生成材料は、(乾燥重量ベースで計算して)約5wt%、10wt%、15wt%、20wt%、または25wt%~約55wt%、50wt%、45wt%、または40wt%のタバコ抽出物を含み得る。例えば、エアロゾル生成材料は、5~60wt%、10~55wt%、または25~55wt%のタバコ抽出物を含み得る。タバコ抽出物は、エアロゾル生成材料が(乾燥重量ベースで計算して)1wt%、1.5wt%、2wt%、または2.5wt%~約6wt%、5wt%、4.5wt%、または4wt%のニコチンを含むような濃度でニコチンを含有し得る。場合によっては、エアロゾル生成材料中には、タバコ抽出物から生じるニコチン以外のニコチンは存在しなくてもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、エアロゾル生成材料はタバコ材料を含まないが、ニコチンを含む。いくつかのそのような場合、エアロゾル生成材料は、(乾燥重量ベースで計算して)約1wt%、2wt%、3wt%、または4wt%~約20wt%、15wt%、10wt%、または5wt%のニコチンを含み得る。例えば、エアロゾル生成材料は、1~20wt%または2~5wt%のニコチンを含み得る。エアロゾル生成材料は、20wt%未満、好適には10wt%未満、または5wt%未満の充填剤を含み得る。充填剤は、炭酸カルシウム、パーライト、バーミキュライト、珪藻土、コロイダルシリカ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウムなどの1つまたは複数の無機充填材料、およびモレキュラーシーブなどの好適な無機吸着剤を含み得る。充填剤は、木材パルプ、セルロースおよびセルロース誘導体などの1つまたは複数の有機充填材料を含み得る。場合によっては、エアロゾル生成材料は1wt%未満の充填剤を含み、場合によっては充填剤を含まない。特に、場合によっては、エアロゾル生成材料は、チョークなどの炭酸カルシウムを含まない。
【0106】
場合によっては、エアロゾル生成材料は、基本的にゲル化剤、エアロゾル生成剤、タバコ材料および/またはニコチン源、水、ならびに任意選択的に香味料からなるか、あるいは、それらからなり得る。エアロゾル生成材料は、当業者によって適切と考えられる任意の他の好適なエアロゾル生成材料であり得ることを理解されたい。
【0107】
図4を参照すると、丸い基板110上に設けられたエアロゾル生成材料の部分114A、114B、114C、114Dの配置の一例が示されている。部分114A、114B、114C、114Dは、同心リング状に配置され、これは、同心リングのシーケンス内の次のリングを加熱するように、基板110の回転割出しと、それに続くエアロゾル生成器または加熱器の横方向割出しとを介して順に加熱され得る。この割出しシーケンスは、各分量114A、114B、114C、114Dが加熱されてエアロゾルを発生させるまで繰り返され得る。基板110に提供される割出しは、距離および/または時間において均一であっても不均一であってもよい。一例では、加熱される最終の部分114Dは、基板110の中心に向かって配置され得る。この部分114Dは、例えば、喫煙セッションの爽やかな終わりを実現するためのメントールなどの香味料を含む部分114Dであり得る。ユーザは、エアロゾル生成材料の変動配置の使用によって、喫煙セッションをパーソナライズすることが可能であり得る。
【0108】
部分114A、114B、114C、114Dは、特にエアロゾル生成器または加熱器の横方向移動に伴って回転対称性を有する配置にあるべきであるという制限はないことを理解されたい。様々な実施形態によれば、分量114A、114B、114C、114Dは、エアロゾルに対して実質的に不透過性であり得る基板110上に配置され得る。この配置は、エアロゾル生成材料分量114A、114B、114C、114Dの加熱から生成されたエアロゾルを、エアロゾル生成器または加熱器から離れて、エアロゾル出口に向かう流路に沿って流れるように促す。これは、エアロゾル供給デバイス内のエアロゾルの凝縮の可能性を低減し、したがって、上述のように、エアロゾル供給デバイスの清浄度を高め、寿命を延ばす。基板110は、紙、厚紙、木材パルプ、プラスチックまたはセラミックなどの材料から形成され得る。
【0109】
基板110は、エアロゾルに対して不透過性であり得るか、または、エアロゾル形成材料が基板110の細孔内に配置され得るように多孔質であり得る。一例では、基板110は、透過性部分と不透過性部分の両方を有し得る。透過性部分は、空気が基板110を通ってエアロゾル供給デバイス100の出口に向かって流れることを可能にするためになど、エアロゾルを、基板110を通過させることが望ましい部分に配置され得る。不透過性部分は、エアロゾルがエアロゾル生成器または加熱器に向かって流れるのを防止することが望ましい部分に配置され得る。
【0110】
図5は、一実施形態による、エアロゾル供給デバイス100の一部分の概略トップダウン図を示す。エアロゾル供給デバイス100の部分は、エアロゾル供給デバイス100の受容領域内に受容されるエアロゾル生成材料の部分がその上に設けられた基板110と、基板110の下に配置され得る加熱要素120A、120B、120Cを備えるエアロゾル生成器または加熱器120とを示す。基板110は、エアロゾルを発生させるためにエアロゾル生成器または加熱器120に対してエアロゾル生成材料の部分を移動させるために、エアロゾル生成器または加熱器120に対して移動され得る。
【0111】
エアロゾル生成器または加熱器120は、複数の加熱要素120A、120B、120Cを備え得る。代替的に、複数の加熱要素を有する1つのエアロゾル生成器または加熱器120ではなく、複数の別個の加熱器120A、120B、120Cが設けられ得る。
【0112】
エアロゾル生成器または加熱器120は、基板110に熱を供給するように電源によって作動され得る。使用中、エアロゾル生成器または加熱器120の加熱要素120A、120B、120Cは、同時に作動されないことがある。一例では、エアロゾル生成器または加熱器120の加熱要素120A、120B、120Cは、別々に作動され得る。加熱要素120A、120B、120Cは、順に作動され得る。特定の例では、加熱要素120A、120B、120Cは、第1の加熱要素120A、次いで第2の加熱要素120B、次いで第3の加熱要素120Cの順で次々に作動され得る。
図5に示されている例では、第1の加熱要素120Aは、基板110に対して最も中央に配置され、第2の加熱要素120Bは、第1の加熱要素120Aと第3の加熱要素120Cとの間に配置され、第3の加熱要素120Cは、基板110の外縁部に向かって配置される。
【0113】
一例では、第1の加熱要素120Aは、第1の加熱要素120Aの近位の基板110の一部分を加熱するように作動される。その後、第2の加熱要素120Bの近位にある基板110の異なる部分を加熱するために、第2の加熱要素120Bが作動される。その後、第3の加熱要素120Cの近位にある基板110の別の異なる部分を加熱するために、第3の加熱要素120Cが作動される。加熱要素120A、120B、120Cの作動の順序は、エアロゾルの所望の出力に基づいて変動し得る。加熱要素120A、120B、120Cの作動は、基板110上のエアロゾル生成材料の配置に応じて制御され得る。
【0114】
図5に示されている特定の例では、エアロゾル生成器または加熱器120は、丸い基部を有し得る三角形のエアロゾル生成器または加熱器120を含み得る。基部は丸い必要はないが、基板110の良好な被覆率を実現するように成形され得る。良好な被覆率は、基板110上のエアロゾル生成材料が加熱され得ることを保証しながら基板110の周りの環境を過度に加熱してエネルギーを浪費しない、好適なサイズのエアロゾル生成器または加熱器120によって実現される。したがって、基板110およびエアロゾル生成器または加熱器120の形状の異なる構成が想定され得る。加熱要素120A、120B、120Cは、三角形エアロゾル生成器または加熱器120内の異なる半径方向位置に設けられ得る。
【0115】
一例では、第1の加熱要素120Aは第1のパフのために作動され、第2の加熱要素120Bは第2のパフのために作動され、第3の加熱要素120Cは第3のパフのために作動される。最終の加熱要素が作動された後に(この3つの加熱要素の例では、これは第3の加熱要素120Cである)、基板110は、エアロゾル生成器または加熱器120に新しいエアロゾル生成材料を提示するために、エアロゾル生成器または加熱器120に相対的に移動し得る。
【0116】
加熱要素120A、120B、120Cは、異なる形状またはサイズであり得る。加熱要素120A、120B、120Cは、同じエリアまたは異なるエリアを占有し得る。これは、例えば上面図から見たとき、加熱要素120A、120B、120Cが基板110の比較的同様のエリアを覆うことができることを意味する。(図示のように)連続ディスクの同様のエリアを覆う加熱要素は、パフごとに発生する同様のエアロゾル量を供給し、それにより、ユーザのためのより良い一貫性を実現し得る。
【0117】
エアロゾル生成器または加熱器120に対する基板110の相対移動は、段階的な(例えば、割出し)移動であり得る。移動は、固定量であり得、加熱の各セッションの後に行われ得、セッションは、加熱要素120A、120B、120Cの各々の作動である。このようにして、エアロゾルを発生させるための加熱のために、新しいエアロゾル生成材料がエアロゾル生成器または加熱器120に供給され得る。この構成は、エアロゾル生成材料の一部分が2回加熱され、過熱または燃焼から望ましくない化合物を発生させる可能性を低減する。
【0118】
図6は、中心の円形の切り欠き、開口または孔600を有する環状形状を有する基板110を備える、一実施形態によるエアロゾル生成物品101を示す。エアロゾル生成物品101は、例えば、円形ワイヤコイルを備えるRF生成器を有する誘導加熱器を含み得るエアロゾル生成器または加熱器を備え得るエアロゾル供給デバイスの受容領域内に受容され得る。RF生成器は、インダクタコイルとしても知られている。ワイヤは、LITZ(RTM)ワイヤを含み得る。基板110は、RF生成器に面するバッキング材料を含み得、その上に、サセプタとして機能する薄いアルミニウム箔または他の金属要素が設けられる。エアロゾル生成材料は、アルミニウム箔または他の金属要素上に均一に設けられ得る。エアロゾル生成器または加熱器は、円形加熱領域601が基板110内に効果的に形成されるように、基板110と密着して配置され得る。基板110は、エアロゾル生成器または加熱器の周りを回転され得、それにより、単一の基板110からエアロゾルの複数のパフが生成される。
【0119】
図7Aは、別の実施形態によるエアロゾル供給システム300の概略表現を通る断面図を示す。エアロゾル供給システム300は、2つの主要な構成要素、すなわち、エアロゾル供給デバイス203と、エアロゾル供給デバイス203内で受容されるエアロゾル生成物品204とを備える。
【0120】
エアロゾル供給デバイス203は、外側ハウジング221と、電源222と、制御回路223と、1つまたは複数のエアロゾル生成器または加熱要素224aと、エアロゾル生成物品204を受容するための受容領域225と、マウスピース端部226と、空気入口227と、空気出口228と、タッチ感応パネル229と、吸入センサ230と、使用終了インジケータ231とを備える。受容領域225は、(インダクタコイル224aを含み得る)1つまたは複数のエアロゾル生成器または加熱要素と、加温要素200との間に配置される。
【0121】
受容領域225は、エアロゾル生成物品204が受容され、任意選択的に受容領域225内に固定され得るようなサイズである。図示されていないが、エアロゾル供給デバイス203は、ユーザがエアロゾル生成物品204を挿入し、および/または受容領域225から除去し得るように受容領域225へのアクセスを許可するための、外側ハウジング221のヒンジ付き扉または取外し可能な部分を備え得る。
【0122】
外側ハウジング221のヒンジ付き扉または取外し可能な部分は、閉じられたときにエアロゾル生成物品204を受容領域225内に保持するようにも機能し得る。エアロゾル生成物品204が使い果たされたか、またはユーザが異なるエアロゾル生成物品204に切り替えることを単に望むとき、エアロゾル生成物品204はエアロゾル供給デバイス203から取り外され得、交換用エアロゾル生成物品204がその場所で受容領域225内に配置され得る。
【0123】
代替的に、エアロゾル供給デバイス203は、受容領域225と連通し、それを通してエアロゾル生成物品204が受容領域225に挿入され得る、永久的な開口部を含み得る。そのような実装形態では、エアロゾル供給デバイス203の受容領域225内にエアロゾル生成物品204を保持するための保持機構が設けられ得る。様々な実施形態によれば、ハウジング221の部分の少なくとも一部は内側に面し、受容領域225を部分的に画定し得、この部分は、加温要素200を備え得る。
【0124】
一実施形態によれば、
図7Aに破線および網掛け領域で示されているように、エアロゾル生成構成要素224から最も遠い受容領域225の部分の実質的に全体が、使用中にエアロゾル生成物品204が1つまたは複数のエアロゾル生成器または加熱要素224aと加温要素200との間に配置されるように、加温要素200として形成され得る。上記と下記の両方でより詳細に説明されるように、加温要素200は、受容領域225の壁およびエアロゾル供給デバイス203内の他の場所に生じる凝縮物を低減するかまたは実質的に防止するのに役立つ。
【0125】
加温要素200は、使用セッション中に例えば60~150℃の温度に加熱され得るフェライト材料を含み得る。加温要素200は、1つまたは複数の誘導コイル224aによって生成された時間変動磁場と相互作用することによって加温され得、1つまたは複数の誘導コイル224aは、1つまたは複数のエアロゾル生成器または加熱要素の一部を形成する。
【0126】
代替実施形態では、加温要素200は、1つまたは複数の抵抗加熱器および/または1つまたは複数の誘導加熱器を備え得る加温ユニット(図示せず)によって加熱され得る。加温ユニット(図示せず)は、加温要素200に近接して配置され得、誘導コイル224a、またはより一般的には1つまたは複数のエアロゾル生成器もしくは加熱要素224aよりも、加温要素200の近くに配置され得る。加温要素200は、25μm未満の厚さを有し得る。
【0127】
外側ハウジング221は、電源222、制御回路223、1つまたは複数のエアロゾル生成器または加熱要素224a、受容領域225、および吸入センサ230が外側ハウジング221内に配置されるように構成され得る。外側ハウジング221はまた、空気入口227および空気出口228を画定する。タッチ感応パネル229および使用終了インジケータは、外側ハウジング221の外側に配置される。電源222は、エアロゾル供給デバイス203に動作電力を供給するように構成される。電源222は、バッテリーなどの任意の好適な電源であり得る。例えば、電源222は、リチウムイオンバッテリーなど、充電式バッテリーを備え得る。電源222は、取外し可能であるか、またはエアロゾル供給デバイス203の一体化された部分を形成し得る。いくつかの実装形態では、電源222は、USBポート(図示せず)などの関連する接続ポートを通して、または好適な無線受信機(図示せず)を介して、デバイス203を(商用電源などの)外部電源に接続することによって、再充電され得る。
【0128】
エアロゾル生成物品204は、キャリア構成要素または基板242と、エアロゾル生成材料244と、サセプタ要素244bとを備え得る。
【0129】
図7Bは、エアロゾル生成物品204のトップダウン図であり、
図7Cは、エアロゾル生成物品204の長手方向(長さ)軸線に沿った真横からの図であり、
図7Dは、エアロゾル生成物品204の幅軸線に沿った側面図である。
【0130】
図7A~
図7Dは、吸入のためのエアロゾルを生成するために誘導を使用してエアロゾル生成材料244を加熱するエアロゾル供給システム300を表す。しかしながら、上記で考察されたように、エアロゾル供給システム300は、代わりにまたは追加として、抵抗加熱を使用してエアロゾル生成材料244を加熱し得る。そのような実施形態では、
図7Aにおいて224aとラベル付けされた構成要素は、抵抗加熱要素を備え得る。
【0131】
説明された実装形態では、エアロゾル生成構成要素224は、2つの部分、すなわち、エアロゾル供給デバイス203内に配置されたインダクタコイル224aなどの1つまたは複数の誘導加熱要素と、エアロゾル生成物品204内に配置された1つまたは複数のサセプタ224bとから形成され得る。1つまたは複数のインダクタコイル224aは、円形ワイヤコイルである必要はない。例えば、実施形態では、誘導加熱要素は、(i)平坦な渦巻きコイルであって、渦巻きコイルが、円形もしくは卵形の渦巻き、正方形もしくは矩形の渦巻き、台形の渦巻き、または三角形の渦巻きを含む、平坦な渦巻きコイル、(ii)多層誘導構成体であって、コイルの後続の完全なまたは部分的なターンが、隣接する層上に設けられており、任意選択的に、第1の層が、第2の層から間隔を置いて第1の方向に配置され、第3の層が、多層誘導構成体が互い違いの構造を形成するように、第2の層から間隔を置いて反対方向に配置されて第1の層内または第1の層の近くに存在する、多層誘導構成体、あるいは(iii)任意選択的に変動螺旋ピッチを有する、規則的な螺旋または円錐形状のインダクタコイルなどの三次元インダクタコイルのうちの1つまたは複数を備え得る。
【0132】
図7Cおよび
図7Dに見られるように、キャリア構成要素または基板242は、キャリア構成要素または基板242の表面上に配置されたエアロゾル生成材料244の個別部分にサイズおよび位置が対応し得る1つまたは複数のサセプタ224bを備え得る。すなわち、サセプタ224bは、エアロゾル生成材料244の個別部分と同様の幅および長さを有する。
【0133】
サセプタは、キャリア構成要素または基板242内に埋め込まれて示されている。しかしながら、他の実装形態では、サセプタ224bは、キャリア構成要素または基板242の表面上に配置され得る。別の実装形態(図示せず)では、サセプタは、キャリア構成要素または基板242を実質的に覆う層として設けられ得る。例えば、サセプタは金属箔を含み得る。一実施形態によれば、サセプタはアルミニウム箔を含み得る。
【0134】
エアロゾル供給デバイス203は、
図7Aに概略的に示されている1つまたは複数のインダクタコイル224aを備え得る。インダクタコイル224aは、受容領域225に隣接して示されており、所与のコイルが周りに巻回された回転軸線が(例えば、
図7Aに示されているようにz軸と平行に)受容領域225内に延在し、エアロゾル生成物品204のキャリア構成要素または基板242の面に対してほぼ垂直であるように配置された、略平坦なコイルを含み得る。正確な巻線は
図7Aには示されておらず、任意の好適な誘導コイルが使用され得ることを理解されたい。理解されるように、加温要素200は、エアロゾル生成物品204の一部として設けられたサセプタ224bによって吸収されなかった(インダクタコイル224aによって生成された)ある割合の変動磁束によって貫通されるように構成され得る。一実施形態によれば、加温要素200は、1つまたは複数のインダクタコイル224aによって生成された時間変動磁束の10%未満、10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%、80~90%、または90%超によって貫通され得る。
【0135】
図7Eは、エアロゾル生成器または加熱要素224a~fの配置をより詳細に示すエアロゾル供給デバイス203の断面トップダウン図である。エアロゾル生成器または加熱要素224a~fは、エアロゾル生成物品204が受容領域225内に受容されたとき、各エアロゾル生成器または加熱要素224a~fがエアロゾル生成材料244a~fの対応する個別部分と一致するように配置される。したがって、この例では、
図7A~
図7Dに示されているように、6つのエアロゾル生成器または加熱要素224a~fは、エアロゾル生成材料244a~fの6つの個別部分の2×3アレイの配置にほぼ対応する2×3アレイで配置される。しかしながら、上記で考察されたように、エアロゾル生成器または加熱要素224a~fの数は、異なる実装形態では異なり得、例えば、8、10、12、14個などのエアロゾル生成器または加熱要素224a~fが設けられ得る。いくつかの実装形態では、エアロゾル生成器または加熱要素224a~fの数は、6つ以上であるが20個以下であり得る。エアロゾル生成器または加熱要素224a~fの各々は、エアロゾル生成材料244a~fの対応する部分を加熱するために個々に作動され得る。
【0136】
いくつかの実施形態では、各インダクタコイル224aは、
図8Aおよび
図8Bに示されているように、および以下でより詳細に説明されるように、略台形の形状を有し得る。
図8Aおよび
図8Bは、略平面状のまたは略平坦なインダクタコイルの2つの異なる例を示す。
【0137】
図8Aは、台形形状のインダクタ構成体1000を示す。台形形状のインダクタ構成体は、銅トラックを含み得る導電トラック1001を備え得る。図示のように、導電トラック1001は、略台形形状のインダクタコイルを形成し得、略台形形状は、第1の斜めの辺1002、第2の斜めの辺1003、長辺1004、および短辺1005を備える。短辺1005の長さは長辺1004よりも短い。
【0138】
図8Bを参照すると、層状インダクタ構成体90を備える略平面状のインダクタコイルの一実施形態が示されており、層状インダクタ構成体90は、第1の層91および第2の層92を備える二層バイファイラコイルインダクタ構成体90を含む。
図9Bの層状インダクタ構成体90は、台形形状のインダクタ構成体として示されている。しかしながら、層状インダクタ構成体が、例えば円形、正方形、矩形などの異なる形状を有し得る他の実施形態が企図される。
【0139】
層状インダクタ構成体90が不規則な形状であり得る他の実施形態が企図される。層状インダクタ構成体は、1つまたは複数の第1の導電性ワイヤまたはトラック91aを備え得る第1の層91と、1つまたは複数の第2の導電性ワイヤまたはトラック92aを備え得る第2の層92とを備え得る。第1の導電性ワイヤまたはトラック91a、および第2の導電性ワイヤまたはトラック92aは、同心で実質的に重なり合っていてもよい。第1の層91上に設けられた第1の導電性ワイヤまたはトラック91aのうちの1つまたは複数を、第2の層92上に設けられた1つまたは複数の第2の導電性ワイヤまたはトラック92aに電気的に接続する、1つまたは複数の導電性連結部分93が設けられ得る。
【0140】
層状インダクタ構成体90はPCBフォーマットで形成され得、インダクタ要素の層を積み重ねるために垂直面が使用され得る。さらに、銅トラックの幅に対する銅トラックの高さに関するアスペクト比が低いことの結果、インダクタ構成体がコンパクトになる。ワイヤまたはトラックを水平方向ではなく垂直方向に結合することにより、ワイヤ間の位相シフトを最小限に抑えながら、ワイヤの相互結合または容量性連結がさらに向上することが判明した。
【0141】
理解されるように、誘導加熱は、サセプタと呼ばれる導電性物体を変動磁場で貫通することによってその物体が加熱されるプロセスである。このプロセスは、ファラデーの誘導法則およびオームの法則によって説明される。誘導加熱器は、電磁石と、電磁石に交流電流などの可変電流を通過させるためのデバイスとを備え得る。電磁石が発生させた、結果として生じる変動磁場が物体を貫通するように、電磁石および加熱される物体が好適には相対的に配置されたとき、1つまたは複数の渦電流が物体内部に生成される。物体は、電流の流れに対する抵抗を有する。したがって、そのような渦電流が物体内に生成されたとき、物体の電気抵抗に対する渦電流の流れが物体の加熱を引き起こす。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱、または抵抗加熱と呼ばれる。
【0142】
サセプタは、交流磁場などの変動磁場による貫通によって加熱可能な材料である。サセプタは導電性材料であってもよく、その結果、変動磁場による導電性材料の貫通が加熱材料の誘導加熱を引き起こす。加熱材料は磁性材料であってもよく、その結果、変動磁場による磁性材料の貫通が加熱材料の磁気ヒステリシス加熱を引き起こす。サセプタは、導電性と磁性の両方であってもよく、その結果、サセプタは両方の加熱機構によって加熱可能である。変動磁場を生成するように構成されたデバイスは、本明細書では磁場生成器と呼ばれる。
【0143】
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料で作られた物体を変動磁場で貫通することによってその物体が加熱されるプロセスである。磁性材料は、多くの原子スケール磁石、または磁気双極子を含むと考えられ得る。磁場がそのような材料を貫通すると、磁気双極子は磁場と一致する。したがって、例えば電磁石が発生させるような交流磁場などの変動磁場が磁性材料を貫通すると、磁気双極子の配向は、印加された変動磁場と共に変化する。そのような磁気双極子再配向は、磁性材料における熱の生成を引き起こす。
【0144】
物体が導電性と磁性の両方であるとき、その物体を変動磁場で貫通すると、物体内でジュール加熱と磁気ヒステリシス加熱の両方が引き起こされる可能性がある。さらに、磁性材料の使用は磁場を強化することができ、これは、ジュール加熱を増強することができる。
【0145】
説明された実装形態では、サセプタ224bはアルミニウム箔から形成され得るが、他の実装形態では、他の金属および/または導電性材料が使用され得ることを理解されたい。
【0146】
図9は、エアロゾル生成物品からエアロゾルが生成される領域において加温要素200が設けられる、一実施形態によるエアロゾル供給デバイス100を示す。エアロゾル供給デバイス100は、基板110を備え得るエアロゾル生成物品上に設けられるエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成される。基板110を含むエアロゾル生成物品は、エアロゾル生成器または加熱器192に近接して配置されたエアロゾル供給デバイス100の受容領域225に受容される。エアロゾル生成器または加熱器192は、受容領域225の一方の側に設けられ、1つまたは複数の加温要素200は、受容領域225の他方の側に設けられる。
【0147】
エアロゾル供給デバイス100は複数のエアロゾル生成器または加熱器192を備え得、少なくとも一部の、または各エアロゾル生成器または加熱器192は、エアロゾル生成物品の異なる部分からエアロゾルを生成させるように構成される。例えば、エアロゾル生成材料の複数の個別部分が基板110上に設けられ得、エアロゾル生成材料の各個別部分は、別個のエアロゾル生成器または加熱器192によって別々に加熱され得る。
【0148】
エアロゾル供給デバイス100は、1つまたは複数の加温要素200が配置された1つまたは複数のチャンバ190を備え得る。一実施形態によれば、エアロゾル生成物品を受容するように構成された共通の受容領域225の上方に、複数のチャンバ190が設けられ得る。チャンバ190のうちのいくつかまたは各々は、その中に配置された加温要素190を有し得る。
【0149】
そのまたは各加温要素200は、使用セッション中に例えば60~150℃の温度に加熱され得るフェライト材料を含み得る。一実施形態によれば、そのまたは各エアロゾル生成器または加熱器192は、加温要素200を、使用セッション中に60~70℃、70~80℃、80~90℃、90~100℃、100~110℃、110~120℃、120~130℃、130~140℃または140~150℃の範囲内の温度に加温するように構成され得る。フェライト材料を含む加温要素200は、1つまたは複数のインダクタコイルを含み得るエアロゾル生成器または加熱器192によって生成され得る時間変動磁場と相互作用することによって加温され得る。
【0150】
代替実施形態では、1つまたは複数の加温要素200は、1つまたは複数の抵抗加熱器および/または1つまたは複数の(さらなる)誘導加熱器のいずれかを備え得る加温ユニット(図示せず)によって加熱され得る。したがって、1つまたは複数の加温要素200は、受容領域192に隣接して配置されたエアロゾル生成器または加熱器192以外の抵抗または誘導加熱器によって加熱され得ると企図される。加温要素200は、比較的薄くてもよく、25μm未満の厚さを有してもよい。例えば、加温要素200を形成するフェライト材料は、25μm未満、20μm未満、15μm未満または10μm未満の厚さを有し得る。
【0151】
エアロゾル生成器または加熱器192は、基板110上に設けられたエアロゾル生成材料の急速な加熱が達成されることを可能にする誘導加熱器192を含み得るが、誘導加熱器は、凝縮物形成物質を、それらがエアロゾルの流れの中で運び去られ得るよりも高い速度で生成し得るので、そのような急速な加熱は凝縮物形成のリスクを高め得る。したがって、(エアロゾルが最初に放出される領域に配置され得る)1つまたは複数の加温要素200を設けることは、チャンバ190内の凝縮の形成を実質的に防止することができる。
【0152】
エアロゾル供給デバイス100は、エアロゾル生成材料を含むエアロゾル生成物品が導入される受容領域225を有する。エアロゾル生成物品は、エアロゾル生成材料を含む平面状のエアロゾル生成物品を含み得る。しかしながら、エアロゾル生成物品は、平面状以外の形状を有し得ることが理解されよう。様々な実施形態によれば、エアロゾル生成器または加熱器192は、受容領域225に隣接して配置され、基板110上に設けられるかまたは基板110を備え得るエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成される。特に、チャンバ190の上部内面(すなわち、エアロゾル生成器または加熱器192によって画定されるものとは反対側)の凝縮物の形成が特に問題となることが理解されよう。
【0153】
受容領域225は、エアロゾル生成器または加熱器192と1つまたは複数の加温要素200との間に配置される。すなわち、エアロゾル生成器または加熱器192が受容領域225よりも1つまたは複数の加温要素200に近くならないように、エアロゾル生成器または加熱器192が、受容領域225の一方の側に、またはそれに隣接して配置され、1つまたは複数の加温要素200が、受容領域225の他方の側に、またはそれに隣接して配置される。
【0154】
上記で考察されたように、一実施形態によれば、エアロゾル生成器または加熱器192は、1つまたは複数の第1のインダクタを備え得る。1つまたは複数の第1のインダクタはまた、チャンバ190内の凝縮の形成を低減するために加温要素200を加温するように構成される。
【0155】
基板110は、エアロゾル生成器または加熱器192を備え得る1つまたは複数の第1のインダクタが発生させた変動磁場によって加熱されるように構成された金属要素(すなわち、サセプタ)を含み得る。サセプタは金属箔を含み得、特に、サセプタはアルミニウム箔を含み得る。
【0156】
アルミニウム箔は比較的低い透磁率を有し、したがって、(1つまたは複数の第1のインダクタによって生成された)一部の磁束は、基板110上に設けられたサセプタを通過し、それを越えることが理解されよう。したがって、エアロゾル生成器または加熱器192を形成する1つまたは複数のインダクタの他方の側に対して受容領域225の他方の側に配置された1つまたは複数の加温要素200は、基板110のサセプタによって完全には吸収されていない変動磁束と相互作用するように構成され得る。結果として、フェライト材料を含む1つまたは複数の加温要素200は、誘導加熱によって加温されることになり得る。そのような誘導加熱は、使用セッション中に加温要素200が加熱され得る方法と見なされ得る。
【0157】
加温要素200がフェライト材料(例えば、強磁性体および/または強磁性材料)を含む実施形態では、加温要素200の誘導加熱は、磁気ヒステリシス損失の結果としてさらに増進される。したがって、加温要素200は、基板110のサセプタよりも、変動磁場による誘導加熱の影響を受けやすいことがある。しかしながら、エアロゾル生成器または加熱器192を備える1つまたは複数のインダクタと加温要素200との間の、使用中の、サセプタの相対的な配置により、比較的低いレベルの磁束が加温要素200に到達し、これを貫通し得る。しかしながら、加温要素200はフェライト材料を含み得るので、フェライト材料は、誘導加熱されることに対して比較的高い感度を有し得、これは、比較的低い磁束値においてであっても加温要素200が加温されることを可能にする。
【0158】
1つまたは複数の加温要素200を含み得るフェライト材料は透磁率μ1を有し得、エアロゾル生成物品または消耗品の一部として提供されるサセプタ(例えばアルミニウム箔)は透磁率μ2を有し得る。比μ1/μ2が100未満、100~500、500~1000、1000~1500、1500~2000、2000~2500、2500~3000、3000~3500、3500~4000、4000~4500、4500~5000、または5000超である実施形態が企図され、すなわち、1つまたは複数の加温要素200の一部として提供されるフェライト材料は、サセプタ(例えばアルミニウム箔)の透磁率よりも実質的に高い透磁率を有し得る。様々な実施形態によれば、フェライト材料は、(i)100~200μ/μ0、(ii)200~300μ/μ0、(iii)300~400μ/μ0、(iv)400~500μ/μ0、(v)500~600μ/μ0、(vi)600~700μ/μ0、(vii)700~800μ/μ0、(viii)800~900μ/μ0、(ix)900~1000μ/μ0、(x)1000~1100μ/μ0、(xi)1100~1200μ/μ0、(xii)1200~1300μ/μ0、(xiii)1300~1400μ/μ0、(xiv)1400~1500μ/μ0、(xv)1500~1600μ/μ0、(xvi)1600~1700μ/μ0、(xvii)1700~1800μ/μ0、(xviii)1800~1900μ/μ0、(xix)1900~2000μ/μ0、(xx)2000μ/μ0超の範囲から選択される比透磁率を有し得る。様々な実施形態によれば、エアロゾル生成器または加熱器192は、サセプタの平面と平行な面内に第1の表面積A1を有する1つまたは複数の誘導コイルを備え得、加温要素200は、サセプタの平面と平行な面内に第2の表面積A2を有し、比A2/A1は、(i)0.7~0.8、(ii)0.8~0.9、(iii)0.9~1.0、(iv)1.0~1.1、(v)1.1~1.2および(vi)1.2~1.3の範囲内にある。
【0159】
エアロゾル生成器または加熱器192は、使用セッション中にサセプタおよび/またはエアロゾル生成材料を200~400℃の範囲内の温度に加熱するように構成され得る。様々な実施形態によれば、エアロゾル生成器または加熱器192は、使用セッション中に、サセプタを、200~220℃、220~240℃、240~260℃、260~280℃、280~300℃、300~320℃、320~340℃、340~360℃、360~380℃または380~400℃の範囲内の温度に加熱するように構成され得る。様々な実施形態によれば、エアロゾル生成器または加熱器192は、使用セッション中に、エアロゾル生成材料を、200~220℃、220~240℃、240~260℃、260~280℃、280~300℃、300~320℃、320~340℃、340~360℃、360~380℃または380~400℃の範囲内の温度に加熱するように構成され得る。
【0160】
加温要素200は、受容領域225に近接して配置され得るエアロゾル生成器または加熱器192による誘導加熱によって加熱されることは、必須ではない。例えば、代替実施形態によれば、エアロゾル生成器または加熱器192は、1つまたは複数の第1の抵抗加熱器を備え得、この場合、加温要素200は他の手段によって加熱され得る。
【0161】
加温要素200は、エアロゾル生成器または加熱器192からの伝導または放射を介した熱伝達と組み合わせたいくつかの実施形態では、受容領域225内の空気を加熱することが想定される。受容領域225内の空気のこの加熱は、受容領域225内の凝縮の蓄積を実質的に防止するのに役立つ。特定の例では、基板110を備えるエアロゾル生成物品の近傍の空気は、120℃以上の温度に加熱され得る。これは、凝縮物がチャンバ190内に生じる可能性を実質的に低減するのに十分であり得る。他の実施形態では、加温要素200は、エアロゾル生成物品の近傍の空気が150℃以上、または、さらに他の場合には170℃以上、または、またさらなる場合には200℃以上の温度に加熱され得るように、より低いまたはより高い温度に加温され得る。
【0162】
使用セッション中に加温要素200を加熱または加温するための他の手法が企図される。例えば、一実施形態では、加温要素200が第1のインダクタによって加温される代わりに、加温要素200は、代わりに別個の加温ユニット(図示せず)によって加温され得る。加温ユニットは、チャンバ190内の凝縮の形成を低減するために加温要素200を加温するように構成される。加温ユニット200は、1つまたは複数のインダクタまたは1つまたは複数の抵抗加熱器のいずれかを備え得る。フェライト材料は、コーティングまたは箔を含み得、フェライト材料は、25μm未満の厚さを有し得る。
【0163】
加温要素200は、平面状になるように配置され得、チャンバ190の平面状の内面を含み得る。加温要素200が、湾曲形状、凹状、凸状またはドーム状であり得る他の実施形態が企図される。例えば、加温要素200は、チャンバ190の湾曲形状、凹状、凸状またはドーム状の内面を含み得る。
図9に示されている特定の例では、単一のチャンバ190が示されている。しかしながら、エアロゾル供給デバイス100が複数の個別チャンバを備え得る他の実施形態が企図される。例えば、少なくとも一部の、または各チャンバは、エアロゾル生成物品の異なる部分から生成されたエアロゾルを受容するために構成され得る。チャンバ190の少なくとも一部または各々は、フェライト材料を含む加温要素200を備え得、各加温要素200は、チャンバ190の各々の内部での凝縮の形成を防止するために設けられ得る。
【0164】
様々な実施形態によれば、エアロゾル供給デバイス100は、使用セッション中に少なくとも1つのエアロゾル生成器または加熱器192に対してエアロゾル生成物品を移動、並進または回転させるように構成され得る。エアロゾル生成材料およびサセプタを含む基板110またはエアロゾル生成物品と組み合わせたエアロゾル供給デバイス100を備えるエアロゾル生成システムも開示される。サセプタは、アルミニウム箔などの金属箔を含み得、サセプタは、1.0μ/μ0の比透磁率を有し得る。サセプタは、比較的薄くてもよく、10μm未満の厚さを有してもよい。
【0165】
サセプタがアルミニウム以外の材料を含み得る他の実施形態が企図される。特に、サセプタは、アルミニウムの比透磁率よりも高い比透磁率を有する材料を含み得る。例えば、様々な実施形態によれば、サセプタは、(i)100μ/μ0未満、(ii)100~200μ/μ0、(iii)200~300μ/μ0、(iv)300~400μ/μ0、(v)400~500μ/μ0、(vi)500~600μ/μ0、(vii)600~700μ/μ0、(viii)700~800μ/μ0、(ix)800~900μ/μ0、(x)900~1000μ/μ0、(xi)1000~1100μ/μ0、(xii)1100~1200μ/μ0、(xiii)1200~1300μ/μ0、(xiv)1300~1400μ/μ0、(xv)1400~1500μ/μ0、(xvi)1500~1600μ/μ0、(xvii)1600~1700μ/μ0、(xviii)1700~1800μ/μ0、(xix)1800~1900μ/μ0、(xx)1900~2000μ/μ0、および(xxi)2000μ/μ0超から選択される比透磁率を有し得る。
【0166】
加温要素200と、エアロゾル生成物品の一部を形成するサセプタとは、互いに比較的近接して配置されるように構成され得る。例えば、加温要素200の少なくとも一部分は、サセプタの上面から4mm未満離間していることがある。フェライト材料を含む加温要素200はまた、チャンバ190内の凝縮物の形成を低減するように加温要素200が十分に加温されることを依然として可能にしながら、チャンバ190が比較的大きい容積を有することを可能にする。
【0167】
様々な実施形態によれば、1つまたは複数の加温要素は、430型ステンレス鋼を含み得るフェライト材料を含み得る。430型ステンレス鋼は、430型ステンレス鋼が比較的高いレベルの耐食性を示すと同時に成形可能であり、比較的延性があり、所望の形状またはプロファイルを有する加温要素200を比較的低コストで製造または作製することができるという点で、特に有益である。
【0168】
様々な実施形態によれば、フェライト材料は、優れた仕上げ品質を有する非硬化性普通クロムステンレス鋼を含み得る。430型または430級ステンレス鋼はまた、窒素攻撃に対する優れた耐性を有し、これは、ステンレス鋼を、化学用途で使用するのに特によく適したものにする。様々な実施形態によれば、430型ステンレス鋼、または100~1800μ/μ0の範囲内の比透磁率μrを有する他の形態のステンレス鋼など、フェライト材料が利用され得る。
【0169】
より一般的には、フェライト材料は、クロム、および任意選択的に他の微量元素を含み得る鋼(すなわち、合金)を含み得る。フェライト材料は、ヒステリシス曲線からのB/Hの変動から決定され得る比透磁率μrを有し得、Bは磁束密度であり、Hは磁場強度である。フェライト材料は、比透磁率μr=μ/μ0を有し得、μ0=4π×10-7H/mである。
【0170】
エアロゾル供給デバイスを設けるステップと、エアロゾル生成材料およびサセプタを含む基板またはエアロゾル生成物品をエアロゾル供給デバイスに導入するステップとを含む、エアロゾルを生成する方法も開示される。
【0171】
図10は、加温要素200が受容領域225を有するチャンバ190の上部領域において設けられる一実施形態による、基板110および関連する加温要素200の画像を示す。加温要素200は、フェライト材料を含み、凝縮物がチャンバ190内に集まるリスクを低減するように意図されている。特に、エアロゾル供給デバイスを通るエアロゾル流路の非加熱部分が存在することを回避することが所望される。特に、エアロゾルがより低い温度の領域に遭遇した場合、エアロゾルは、その領域を通って流れるときに圧力降下を経験し得る。そのような状況では、凝縮物は、圧力差のために、より低温の領域に向かって移動する傾向があり得る。様々な実施形態による加温要素200は、これが生じるのを実質的に防止する。
【0172】
様々な実施形態によれば、チャンバ190の内面の少なくとも一部は、チャンバ190内の凝縮物の蓄積が制限されるかまたは実質的に防止され得るように、1つまたは複数の加温要素200を介して使用セッション中に効果的に加温または加熱され得る。チャンバ190内に配置された加温要素200の加熱または加温は、生じていることがある凝縮物が再蒸発するのを促し、それにより、凝縮物形成物質がチャンバ190から出るのを助ける。追加または代替として、チャンバ190の内面のそのような加熱は、チャンバ190内の空気を加温または加熱させ、それにより、空気によって保持される水分の量を増加させ、したがって、凝縮物がチャンバ190内に生じる可能性を低減し得る。理解されるように、加温要素200は、チャンバ190自体の内面の一部を形成し得るか、または別個の要素を備え得る。
【0173】
チャンバ190の内面の加温または加熱の結果、チャンバ190の内面の少なくとも一部分が、凝縮物の著しい再蒸発を引き起こすかまたは凝縮物が最初に生じるのを防止するのに十分な85℃以上の温度に達し得る。他の実施形態によれば、エアロゾル供給デバイスは、内面の少なくとも一部分について少なくとも90℃、他の場合には少なくとも95℃、さらに他の場合には少なくとも100℃の温度に達するように構成され得る。理解され得るように、これは、凝縮物が再蒸発するのを促し、入口導管から凝縮物形成物質が出るのを助け得る。
【0174】
上述のように、チャンバ190の内面の加熱は、当該領域内の空気を加熱させ、それにより、空気によって保持される水分の量を増加させ、したがって、凝縮物が当該導管内に生じる可能性を低減し得る。したがって、チャンバ190の内面の加熱は、当該導管内の空気を120℃以上の温度に加熱させ得、これは、多くの場合、当該領域において凝縮物が生じる可能性を実質的に低減するのに十分である。他の場合には、空気が150℃以上、または、さらに他の場合には170℃以上、または、またさらなる場合には200℃以上の温度に加熱されるように、エアロゾル供給デバイスを構成することが適切であり得る。
【0175】
図11は、
図10に示されているものと同様の基板110と共にフェライトプレートを備えた加温要素200を加熱することによって取得された実験結果を示す。
図11に示されている実験結果は、加温要素200の温度(下部トレース)と、基板110上に設けられたアルミニウム箔サセプタの温度(上部トレース)とが時間の関数としてどのように変動したかを示す。アルミニウム箔サセプタは厚さ6.5μmであり、(厚さ104μmの紙/カードを含む)基板110上に設けられた。エアロゾル生成材料がアルミニウム箔サセプタ上に配置された。加温要素200は、アルミニウム箔サセプタの上面から1.8mmに配置された。
【0176】
アルミニウム箔サセプタと加温要素200の両方を加熱または加温するために使用されたインダクタコイルは、LITZ(RTM)コイルを含んでいた。下部トレースは、インダクタコイルが最初に通電されてから約10秒後に、加温要素200の温度プロファイルが約130℃でどのようにピークに達したかを示す。上部トレースは、アルミニウム箔サセプタの温度プロファイルが時間の関数としてどのように変動したかを示す。エアロゾル供給デバイスは、300℃の所望の設定点または目標動作温度がアルミニウム箔サセプタについて設定されて、動作された。しかしながら、アルミニウム箔サセプタに近接した加温要素200の存在は、アルミニウム箔サセプタの最大温度が、インダクタコイルが通電されてから約10秒後に約280℃でピークに達するように、設定点をわずかに低減する効果を有した。
【0177】
上記で説明された実施形態は、いくつかの点で、いくつかの特定の例示的なエアロゾル生成システムに焦点を当てているが、他の技術を使用するエアロゾル生成システムについても同じ原理が適用され得ることが理解されよう。すなわち、エアロゾル供給システムの様々な態様が機能する特定の様式は、本明細書で説明された例の基礎となる原理に直接関連しない。
【0178】
エアロゾル供給システムは、タバコ産業製品、例えば不燃性エアロゾル供給システムにおいて使用され得る。タバコ産業製品は、基板材料を加熱するが燃焼させないことによって1つまたは複数の化合物を放出する加熱製品を含み得る。基板材料は、例えば、ニコチンを含有してもしていなくてもよい、タバコまたは他の非タバコ製品であり得る、エアロゾル化可能な材料を含み得る。加熱デバイス製品は、タバコ加熱製品を含み得る。加熱製品は、電子デバイスまたは非電子物品を含み得る。タバコ産業製品は、基板材料の組合せを加熱するが燃焼させないことによってエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムを備え得る。基板材料は、例えば、ニコチンを含有してもしていなくてもよい固体、液体またはゲルを含み得る。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、固体基板と組み合わせて液体またはゲル基板を備え得る。固体基板は、ニコチンを含有してもしていなくてもよいタバコまたは非タバコ製品を備え得る。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、タバコロッドまたは基板と組み合わせて液体またはゲル基板を備え得る。
【0179】
様々な問題に対処し、かつ当該技術を進歩させるために、本開示は、様々な実施形態を例示として示す。本開示の利点および特徴は、実施形態の代表的なサンプルにすぎず、網羅的および/または排他的ではない。それらは、理解を助け、特許請求される発明を教示するためにのみ提示される。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、および/または他の態様は、特許請求の範囲によって定義された本開示に対する制限または特許請求の範囲の均等物に対する制限と見なされるべきではなく、かつ特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく他の実施形態が利用され得、修正が行われ得ることを理解されたい。様々な実施形態は、本明細書に具体的に説明されたもの以外の開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組合せを好適に含み得るか、それからなり得るか、またはそれから本質的になり得、したがって、従属請求項の特徴は、請求項に明示的に記載されたもの以外の組合せで独立請求項の特徴と組み合わせられ得ることが理解されよう。本開示は、現在特許請求されていないが、将来特許請求され得る他の発明を含み得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
フェライト材料を含む加温要素を有する少なくとも1つのチャンバと、
エアロゾル生成材料を含む平面状のエアロゾル生成物品を受容するように構成された受容領域と、
前記エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成された少なくとも1つのエアロゾル生成器と
を備え、
前記受容領域が、前記少なくとも1つのエアロゾル生成器と前記少なくとも1つの加温要素との間に配置される、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記エアロゾル生成器が1つまたは複数の第1のインダクタを備える、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記1つまたは複数の第1のインダクタがまた、前記チャンバ内の凝縮の形成を低減するために前記加温要素を加温するように構成される、請求項2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記エアロゾル生成器が1つまたは複数の第1の抵抗加熱器を備える、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記エアロゾル生成器が、使用セッション中に前記加温要素を60~150℃の範囲内の温度に加温するように構成される、請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記チャンバ内の凝縮の形成を低減するために前記加温要素を加温するように構成された加温ユニットをさらに備える、請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記加温ユニットが1つまたは複数の第2のインダクタを備える、請求項6に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記加温ユニットが1つまたは複数の第2の抵抗加熱器を備える、請求項6に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記フェライト材料がコーティングまたは箔を含む、請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記フェライト材料が25μm未満の厚さを有する、請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記フェライト材料が、(i)100~200μ/μ
0、(ii)200~300μ/μ
0、(iii)300~400μ/μ
0、(iv)400~500μ/μ
0、(v)500~600μ/μ
0、(vi)600~700μ/μ
0、(vii)700~800μ/μ
0、(viii)800~900μ/μ
0、(ix)900~1000μ/μ
0、(x)1000~1100μ/μ
0、(xi)1100~1200μ/μ
0、(xii)1200~1300μ/μ
0、(xiii)1300~1400μ/μ
0、(xiv)1400~1500μ/μ
0、(xv)1500~1600μ/μ
0、(xvi)1600~1700μ/μ
0、(xvii)1700~1800μ/μ
0、(xviii)1800~1900μ/μ
0、(xix)1900~2000μ/μ
0、(xx)2000μ/μ
0超の範囲から選択される比透磁率を有する、請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記エアロゾル供給デバイスが複数のエアロゾル生成器を備え、少なくともいくつかの、または各エアロゾル生成器が、前記平面状のエアロゾル生成物品の異なる部分からエアロゾルを生成させるように構成される、請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記エアロゾル供給デバイスが複数のチャンバを備え、少なくともいくつかの、または各チャンバが、前記平面状のエアロゾル生成物品の異なる部分から生成されたエアロゾルを受容するように構成される、請求項1
2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
少なくともいくつかの、または各チャンバが、フェライト材料を含む加温要素を備える、請求項1
3に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
使用セッション中に前記少なくとも1つのエアロゾル生成器に対して前記平面状のエアロゾル生成物品を移動、並進または回転させるように構成される、請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
請求項1~1
5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料およびサセプタを含む平面状のエアロゾル生成物品と
を備える、エアロゾル生成システム。
【請求項17】
前記サセプタが金属箔を含む、請求項1
6に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項18】
前記サセプタがアルミニウムを含む、請求項1
6に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項19】
前記サセプタが1.0μ/μ
0の比透磁率を有するか、または、前記サセプタが、(i)100μ/μ
0未満、(ii)100~200μ/μ
0、(iii)200~300μ/μ
0、(iv)300~400μ/μ
0、(v)400~500μ/μ
0、(vi)500~600μ/μ
0、(vii)600~700μ/μ
0、(viii)700~800μ/μ
0、(ix)800~900μ/μ
0、(x)900~1000μ/μ
0、(xi)1000~1100μ/μ
0、(xii)1100~1200μ/μ
0、(xiii)1200~1300μ/μ
0、(xiv)1300~1400μ/μ
0、(xv)1400~1500μ/μ
0、(xvi)1500~1600μ/μ
0、(xvii)1600~1700μ/μ
0、(xviii)1700~1800μ/μ
0、(xix)1800~1900μ/μ
0、(xx)1900~2000μ/μ
0、および(xxi)2000μ/μ
0超からなるグループから選択される比透磁率を有する、請求項1
6に記載のエアロゾル生成システム。
【請求項20】
請求項
1に記載のエアロゾル供給デバイスを設けるステップと、
エアロゾル生成材料およびサセプタを含む平面状のエアロゾル生成物品を前記エアロゾル供給デバイスに導入するステップと
を含む、エアロゾルを生成する方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0179
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0179】
様々な問題に対処し、かつ当該技術を進歩させるために、本開示は、様々な実施形態を例示として示す。本開示の利点および特徴は、実施形態の代表的なサンプルにすぎず、網羅的および/または排他的ではない。それらは、理解を助け、特許請求される発明を教示するためにのみ提示される。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、および/または他の態様は、特許請求の範囲によって定義された本開示に対する制限または特許請求の範囲の均等物に対する制限と見なされるべきではなく、かつ特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく他の実施形態が利用され得、修正が行われ得ることを理解されたい。様々な実施形態は、本明細書に具体的に説明されたもの以外の開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組合せを好適に含み得るか、それからなり得るか、またはそれから本質的になり得、したがって、従属請求項の特徴は、請求項に明示的に記載されたもの以外の組合せで独立請求項の特徴と組み合わせられ得ることが理解されよう。本開示は、現在特許請求されていないが、将来特許請求され得る他の発明を含み得る。
本開示は以下の実施形態を含む。
(実施形態1)
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
フェライト材料を含む加温要素を有する少なくとも1つのチャンバと、
エアロゾル生成材料を含む平面状のエアロゾル生成物品を受容するように構成された受容領域と、
前記エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成された少なくとも1つのエアロゾル生成器と
を備え、
前記受容領域が、前記少なくとも1つのエアロゾル生成器と前記少なくとも1つの加温要素との間に配置される、エアロゾル供給デバイス。
(実施形態2)
前記エアロゾル生成器が1つまたは複数の第1のインダクタを備える、実施形態1に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態3)
前記1つまたは複数の第1のインダクタがまた、前記チャンバ内の凝縮の形成を低減するために前記加温要素を加温するように構成される、実施形態2に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態4)
前記エアロゾル生成器が1つまたは複数の第1の抵抗加熱器を備える、実施形態1に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態5)
前記エアロゾル生成器が、使用セッション中に前記加温要素を60~150℃の範囲内の温度に加温するように構成される、実施形態1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態6)
前記チャンバ内の凝縮の形成を低減するために前記加温要素を加温するように構成された加温ユニットをさらに備える、実施形態1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態7)
前記加温ユニットが1つまたは複数の第2のインダクタを備える、実施形態6に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態8)
前記加温ユニットが1つまたは複数の第2の抵抗加熱器を備える、実施形態6に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態9)
前記フェライト材料がコーティングまたは箔を含む、実施形態1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態10)
前記フェライト材料が25μm未満の厚さを有する、実施形態1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態11)
前記フェライト材料が、(i)100~200μ/μ
0
、(ii)200~300μ/μ
0
、(iii)300~400μ/μ
0
、(iv)400~500μ/μ
0
、(v)500~600μ/μ
0
、(vi)600~700μ/μ
0
、(vii)700~800μ/μ
0
、(viii)800~900μ/μ
0
、(ix)900~1000μ/μ
0
、(x)1000~1100μ/μ
0
、(xi)1100~1200μ/μ
0
、(xii)1200~1300μ/μ
0
、(xiii)1300~1400μ/μ
0
、(xiv)1400~1500μ/μ
0
、(xv)1500~1600μ/μ
0
、(xvi)1600~1700μ/μ
0
、(xvii)1700~1800μ/μ
0
、(xviii)1800~1900μ/μ
0
、(xix)1900~2000μ/μ
0
、(xx)2000μ/μ
0
超の範囲から選択される比透磁率を有する、実施形態1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態12)
前記加温要素が平面状である、実施形態1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態13)
前記加温要素が、湾曲形状、凹状、凸状またはドーム状である、実施形態1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態14)
前記エアロゾル供給デバイスが複数のエアロゾル生成器を備え、少なくともいくつかの、または各エアロゾル生成器が、前記平面状のエアロゾル生成物品の異なる部分からエアロゾルを生成させるように構成される、実施形態1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態15)
前記エアロゾル供給デバイスが複数のチャンバを備え、少なくともいくつかの、または各チャンバが、前記平面状のエアロゾル生成物品の異なる部分から生成されたエアロゾルを受容するように構成される、実施形態14に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態16)
少なくともいくつかの、または各チャンバが、フェライト材料を含む加温要素を備える、実施形態15に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態17)
使用セッション中に前記少なくとも1つのエアロゾル生成器に対して前記平面状のエアロゾル生成物品を移動、並進または回転させるように構成される、実施形態1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
(実施形態18)
実施形態1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料およびサセプタを含む平面状のエアロゾル生成物品と
を備える、エアロゾル生成システム。
(実施形態19)
前記サセプタが金属箔を含む、実施形態18に記載のエアロゾル生成システム。
(実施形態20)
前記サセプタがアルミニウムを含む、実施形態18または19に記載のエアロゾル生成システム。
(実施形態21)
前記サセプタが1.0μ/μ
0
の比透磁率を有するか、または、前記サセプタが、(i)100μ/μ
0
未満、(ii)100~200μ/μ
0
、(iii)200~300μ/μ
0
、(iv)300~400μ/μ
0
、(v)400~500μ/μ
0
、(vi)500~600μ/μ
0
、(vii)600~700μ/μ
0
、(viii)700~800μ/μ
0
、(ix)800~900μ/μ
0
、(x)900~1000μ/μ
0
、(xi)1000~1100μ/μ
0
、(xii)1100~1200μ/μ
0
、(xiii)1200~1300μ/μ
0
、(xiv)1300~1400μ/μ
0
、(xv)1400~1500μ/μ
0
、(xvi)1500~1600μ/μ
0
、(xvii)1600~1700μ/μ
0
、(xviii)1700~1800μ/μ
0
、(xix)1800~1900μ/μ
0
、(xx)1900~2000μ/μ
0
、および(xxi)2000μ/μ
0
超からなるグループから選択される比透磁率を有する、実施形態18、19または20に記載のエアロゾル生成システム。
(実施形態22)
前記サセプタが10μm未満の厚さを有する、実施形態18~21のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
(実施形態23)
前記加温要素と前記サセプタとが4mm未満離間している、実施形態18~22のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
(実施形態24)
前記エアロゾル生成器が、使用セッション中に前記サセプタおよび/または前記エアロゾル生成材料を200~400℃の範囲内の温度に加熱するように構成される、実施形態18~23のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
(実施形態25)
前記フェライト材料がμ
1
の透磁率を有し、前記サセプタがμ
2
の透磁率を有し、比μ
1
/μ
2
が、100未満、100~500、500~1000、1000~1500、1500~2000、2000~2500、2500~3000、3000~3500、3500~4000、4000~4500、4500~5000または5000超である、実施形態18~24のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
(実施形態26)
前記エアロゾル生成器が、前記サセプタの平面と平行な面内に第1の表面積A
1
を有する1つまたは複数の誘導コイルを備え、前記加温要素が、前記サセプタの前記平面と平行な面内に第2の表面積A
2
を有し、比A
2
/A
1
が、(i)0.7~0.8、(ii)0.8~0.9、(iii)0.9~1.0、(iv)1.0~1.1、(v)1.1~1.2および(vi)1.2~1.3の範囲内にある、実施形態18~25のいずれか一項に記載のエアロゾル生成システム。
(実施形態27)
実施形態1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスを設けるステップと、
エアロゾル生成材料およびサセプタを含む平面状のエアロゾル生成物品を前記エアロゾル供給デバイスに導入するステップと
を含む、エアロゾルを生成する方法。
【国際調査報告】