(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】コンピューティングデバイスのためのモジュール式システム検証プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/28 20060101AFI20241003BHJP
G06F 11/22 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G01R31/28 H
G06F11/22 621
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522111
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-29
(86)【国際出願番号】 US2022077955
(87)【国際公開番号】W WO2023064801
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,デイビッド・ネス
(72)【発明者】
【氏名】レビン,アレックス
【テーマコード(参考)】
2G132
【Fターム(参考)】
2G132AA20
2G132AB01
2G132AB20
2G132AC10
2G132AE22
2G132AE24
2G132AE25
2G132AE27
2G132AG08
2G132AG11
2G132AH07
2G132AJ02
2G132AL06
(57)【要約】
本書では、コンピューティングデバイスのモジュール式システム検証プラットフォームに関する装置、システム、および技術について説明する。モジュール式システム検証プラットフォーム(102)は、ホスト(106)と周辺機器(110)をインターフェースするためのインターフェースボード(108)を含む。インターフェースボード(108)は、装置識別子と、ホストに結合するように構成された第1のコネクタ(208-1)と、周辺機器に結合するように構成された第2のコネクタ(212)と、を含む。インターフェースボード(108)は、同じインターフェースボードを使用して異なる周辺機器がホストと動作できるように再構成可能なインターフェース回路(602)を含む。インターフェース回路は、ホストから周辺機器へ電力を分配し、ホストと周辺機器との間の通信を促進することにより、ホストと周辺機器との間の相互運用性を可能にする。再構成可能インターフェースボードを使用してプロセッサと周辺機器の相互運用性をテストおよびトラブルシューティングすることにより、コンピューティングデバイスの設計およびテスト段階で費やされるリソース、時間、コストを最小限に抑えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト(106)と少なくとも1つの周辺機器(110)とを含むシステムを検証するための装置であって、
装置識別子を含むプリント回路基板、PCB(108)と、
前記PCBに結合され、前記ホストに結合するように構成された第1のコネクタ(208-1)と、
前記PCBに結合され、前記周辺機器に結合するように構成された第2のコネクタ(208-2)と、
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間で前記PCBに結合されたインターフェース回路(602)と、
を含み、
前記インターフェース回路は、少なくとも、
前記装置識別子を前記ホストに提供し、
前記ホストに提供された前記装置識別子に基づく電力を前記ホストから受信し、
前記ホストから前記周辺機器に前記電力を分配し、または、
前記ホストに提供された前記装置識別子に基づく通信シグナリングを前記ホストから受信し、
前記通信シグナリングに基づいて、前記ホストと前記周辺機器との間の通信を促進する、
ことによって前記ホストが前記周辺機器と共に動作することを可能にするように構成される、
装置。
【請求項2】
前記周辺機器は第1の周辺機器であり、前記装置は前記インターフェース回路に結合された制御回路をさらに含み、前記制御回路は、
前記ホストが第1の周辺機器と共に動作することを可能にするために、前記インターフェース回路の第1の構成を確立し、
前記第2のコネクタに結合された、または別の周辺機器に結合するように構成された前記PCBの第3のコネクタに結合された、第2の周辺機器を検出し、
前記PCBの前記第2のコネクタまたは前記第3のコネクタに結合されたとき、前記ホストが前記第2の周辺機器と共に動作することを可能にする前記インターフェース回路の第2の構成を確立するために、前記インターフェース回路の少なくとも1つの動作特性を変更する、
ように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御回路は、さらに、
前記第2のコネクタを介して、前記第1の周辺機器から第1の周辺機器識別子を受信し、
前記第1の周辺機器識別子を前記ホストに提供し、
前記ホストから、前記ホストが前記第1の周辺機器と共に動作することを可能にするために、前記インターフェース回路の前記第1の構成を確立するのに有用な第1の構成情報を受信し、または、
前記第2のコネクタまたは前記第3のコネクタを介して、前記第2の周辺機器から第2の周辺機器識別子を受信し、
前記第2周辺機器識別子を前記ホストに提供し、
前記ホストから、前記ホストが前記第2の周辺機器と共に動作することを可能にするために、前記インターフェース回路の前記第2の構成を確立するのに有用な第2の構成情報を受信する、
ように構成される、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記インターフェース回路は、
前記ホストから供給される1つまたは複数の信号のそれぞれの電圧レベルを1つまたは複数の異なる電圧レベルに変換するように構成された複数のレベルシフタを含み、
前記異なる電圧レベルを有する前記1つまたは複数の信号は前記周辺機器に供給され、
前記インターフェース回路は、
前記ホストによって提供されるパワーレールに結合され、前記周辺機器に電力を分配またはシーケンスするように構成される1つまたは複数のスイッチを含む、
先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記第2のコネクタは第1の周辺機器コネクタであり、
前記装置は、前記第1の周辺機器コネクタを含む複数の周辺機器コネクタをさらに含み、
前記複数の周辺機器コネクタは、前記装置を複数のそれぞれの周辺機器と結合するように構成される、
先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記ホストと、他の周辺機器コネクタに結合された前記それぞれの周辺機器と、の間の通信を可能にするために、前記装置の前記第1のコネクタと、前記複数の周辺機器コネクタの他のコネクタとの間の電力経路または通信経路を切り替えるように構成されたマルチプレクサ回路をさらに含む、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のそれぞれの周辺機器は、周辺機器のクラスまたは周辺機器のタイプを含み、または、
前記複数の周辺機器コネクタは、前記周辺機器のクラスまたは前記周辺機器のタイプに対して、それぞれの電力および通信インターフェースを提供するように構成される、
請求項5または請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ホストはホストPCBを含み、前記ホストPCBは、
システムオンチップ(SoC)と、
前記装置の前記インターフェース回路の少なくとも前記第1の構成または前記第2の構成を決定するように構成されたシステム構成モジュールと、
前記装置から、前記装置によって分配された電力または促進された通信の信号レベルの測定値を受信するように構成されたデバッグモジュールと、
を含む、
請求項2または請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記システム構成モジュールは、前記ホストPCBに結合するように構成されたシステム構成モジュールPCBを含み、または、
前記デバッグモジュールは、前記ホストPCBに結合するように構成されたデバッグモジュールPCBを含む、
請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記システム構成モジュールは、さらに、
前記装置識別子を使用して前記装置を識別し、前記装置識別子に基づいて前記インターフェース回路の前記第1の構成または前記第2の構成を決定し、または、
前記第1の周辺機器識別子に基づいて、前記第1の周辺機器、前記第1の周辺機器のクラス、または前記第1の周辺機器のタイプを識別し、前記第1の周辺機器、前記第1の周辺機器の前記クラス、または前記第1の周辺機器の前記タイプの前記識別に基づいて、前記インターフェース回路の前記第1の構成を決定し、または、
第2の周辺機器識別子に基づいて、前記第2の周辺機器、前記第2の周辺機器のクラス、または前記第2の周辺機器のタイプを識別し、前記第2の周辺機器、前記第2の周辺機器の前記クラス、または前記第2の周辺機器の前記タイプの前記識別に基づいて、前記インターフェース回路の前記第2の構成を決定する、
ように構成される、
請求項8または請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記制御回路は、
前記システム構成モジュールから、前記インターフェース回路の前記第1の構成を示す前記第1の構成情報を受信し、
前記ホストが前記第1の周辺機器と共に動作することを可能にする前記インターフェース回路の前記第1の構成を確立するために、前記第1の構成情報に基づいて前記インターフェース回路を構成する、または、
前記システム構成モジュールから、前記インターフェース回路の前記第2の構成を示す前記第2の構成情報を受信し、
前記ホストが前記第1の周辺機器と共に動作することを可能にする前記インターフェース回路の前記第2の構成を確立するために、前記第2の構成情報に基づいて前記インターフェース回路を構成する、
ように構成される、
請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の構成および前記第1の周辺機器、または前記第2の構成および前記第2の周辺機器の少なくとも1つに対して、
前記インターフェース回路は、前記SoCと前記それぞれの周辺機器との間の前記インターフェース回路のそれぞれの構成に基づいて、前記SoC、前記それぞれの周辺機器、および前記インターフェース回路の一部を含むシステムPCBの回路図を生成するのに有用な、前記インターフェース回路の前記それぞれの構成のハードウェア回路図のネットに対応する、
請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記インターフェース回路は、
前記装置から電力を除去することなく、前記第1の周辺機器を前記第2の周辺機器または他の周辺機器とスワップし、
前記装置から電力を除去することなく、前記第1の周辺機器、前記第2の周辺機器、または前記他の周辺機器を追加または除去し、
前記装置に結合されたときに、前記第1の周辺機器、前記第2の周辺機器、または前記他の周辺機器の存在を検出し、または、
それぞれの周辺機器識別子に基づいて、前記第1の周辺機器、前記第2の周辺機器、または前記他の周辺機器の前記インターフェース回路のそれぞれの構成を確立する、
ことの少なくとも1つを可能にするように構成される、
先行する請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記デバッグモジュールに、前記装置によって分配された、または促進された通信の信号レベルの測定値を提供するように構成された監視回路、
をさらに含む、
請求項8から請求項13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
ホスト(106)と少なくとも1つの周辺機器(110)とを含むシステムを検証するための方法であって、
前記方法は、
インターフェースプリント回路基板(PCB)(108)の回路が、インターフェースPCB識別子を前記ホストに提供することを含み、
前記インターフェースPCBは、前記ホストと前記少なくとも1つの周辺機器との間に結合され、
前記方法は、
前記インターフェースPCBの前記回路が、前記ホストに提供された装置識別子に基づいて、前記ホストから電力を受信する(704)ことと、
前記インターフェースPCBの前記回路が、前記ホストから受信した電力を前記周辺機器に分配する(706)こと、または、
前記インターフェースPCBの前記回路が、前記ホストに提供された前記インターフェースPCB識別子に基づいて前記ホストから通信シグナリングを受信する(708)ことと、
前記インターフェースPCBの前記回路が、前記通信シグナリングに基づいて、前記ホストと前記周辺機器との間の通信を促進する(710)ことと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
ハードウェアシステム設計は、多くの場合、中心プラットフォーム(例えば、特定のプロセッサを含むプラットフォーム)を周辺機器(例えば、カメラ、キーボード、ハードドライブ)のセットと統合して、最終製品に望まれる仕様と機能に基づいて新しいプラットフォームを形成することを含む。周辺機器の中には、電源システムおよび周辺機器との相互作用の多くの態様を制御する組み込みコントローラのように、新しいプラットフォームに中核機能を提供するものもある。他の周辺機器は、入力デバイスまたはストレージインターフェース(例えば、セキュアデジタルカード(SDカード)スロット)のような、より付属的なものとなる場合がある。これらの周辺機器の多くは、周辺機器特有のデータ信号伝達、レベルシフト、電源、および電源シーケンスを含む相互運用性要件を有している。
【0002】
新しいプラットフォームを設計しテストするための1つのアプローチは、周辺機器を接続するための参照回路図を現在のプラットフォームから新しいプラットフォームの回路基板にコピーし、新しいプラットフォームのシーケンスおよび信号要件を満たすように設計を調整することである。しかし、このプロセスは一般的にエラーが発生しやすく、不適切な電圧、望ましくない電力リーク経路、コスト効率の悪いインターフェース、その他の統合上の問題が発生する可能性がある。多くの場合、問題は次の回路基板で発見され修正されるが、次の回路基板では、異なる問題が組み合わされ、問題が再発する。この回帰は、後続のプラットフォームにさらに周辺機器が追加されたり、新しいプラットフォーム上の周辺機器の1つまたは複数が後続のプラットフォーム上の異なる周辺機器と交換されたりした場合に発生する可能性がある。これらの統合は、統合されたハードウェアシステムの相互運用性を確保するために、広範で時間のかかるレビュー、回路基板製作の繰り返し、およびテストを必要とする場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
概要
本文書は、コンピューティングデバイスのためのモジュール式システム検証プラットフォームに向けられた装置、システム、および技術を説明する。以下に説明する態様は、ホストおよび少なくとも1つの周辺機器を含むシステムを検証するための装置を含む。装置は、装置識別子を含むプリント回路基板(PCB)を含む。本装置はさらに、PCBに結合され、ホストに結合するように構成された第1のコネクタと、PCBに結合され、周辺機器に結合するように構成された第2のコネクタと、を含む。本装置は、第1のコネクタと第2のコネクタとの間でPCBに結合されたインターフェース回路をさらに含み、インターフェース回路は、ホストから周辺機器に電力を分配することによって、またはホストと周辺機器との間の通信を容易にすることによって、ホストが周辺機器と共に動作することを可能にするように構成される。本開示の態様は、新しいコンピューティングデバイスまたはシステムの迅速なプロトタイピングまたはより効率的な開発を可能にし得る。場合によっては、再構成可能インターフェース回路は、新たな検証プラットフォームを再設計および製造することなく、複数のプロセッサおよび周辺機器の組み合わせをテストするために装置を再利用することを可能にし、したがって、新たなコンピューティングデバイスの設計およびプロトタイピングに関連するリソース、時間、およびコストが最小化され得る。さらに、本開示の態様は、インターフェース回路の代替実装がホストと周辺機器の結合を解除することなくテストされ得るように、インターフェース回路の動的再構成を可能にし得る。これにより、新たな検証プラットフォームの再設計と構築に伴う時間とリソースを必要とせずに、迅速な回路の最適化が可能になる可能性がある。
【0004】
本概要は、詳細な説明および図面にさらに記載されている、コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームに関する簡略化された概念を紹介するものである。本概要は、特許請求される主題の本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、特許請求される主題の範囲を決定するために使用することを意図したものでもない。
【0005】
本書では、コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームの1つまたは複数の態様の詳細を、以下の図を参照して説明する。図面全体を通して、同様の特徴およびコンポーネントを参照するために同じ符号がしばしば使用される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームの環境例を示す図である。
【
図2】1つまたは複数の態様に従って実装されたホストボード、インターフェースボード、および周辺ボードを含む、コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームの一例を示す図である。
【
図3】コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームに実装可能な、
図2のホストボードを示す図である。
【
図4】1つまたは複数の態様に従ってインテリジェントモジュールおよびデバッグブリッジモジュールを含む例示的なホストボードを示す図である。
【
図5】コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームに実装可能な、
図2の周辺ボードを示す図である。
【
図6-1】コンピューティングデバイス用モジュール式システム検証プラットフォームに実装可能な、
図2のインターフェースボードを示す図である。
【
図6-2】コンピューティングデバイス用モジュール式システム検証プラットフォームの一例のマルチプレクサインターフェースボードを示す図である。
【
図6-3】1つまたは複数の態様に従った、マルチプレクサインターフェースボードの構成例を示す図である。
【
図6-4】1つまたは複数の態様に従った、マルチプレクサインターフェースボードの構成例を示す図である。
【
図7】1つまたは複数の態様に従った、モジュール式システム検証プラットフォームのインターフェースボードの動作のための例示的な方法を示す図である。
【
図8-1】コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームのインターフェースボードによって実装される動作のための詳細な例示的方法を示す図である。
【
図8-2】コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームのインターフェースボードによって実装される動作のための詳細な例示的方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
概説
多くのプロセッサメーカーは、システム設計者が特定のプロセッサを複数のタイプの周辺機器とテストできるようにするリファレンスプラットフォームを作成する。これらのリファレンスプラットフォームは、一般的に、異なる周辺デバイスまたはチップの基本的なデータインターフェーステストのための限定的なプラグアンドプレイ機能を可能にする汎用または予め定義された入出力(I/O)インターフェースを含む。周辺機器設計の機能精度を決定するのに便利であるが、リファレンスプラットフォームの一般的なI/Oインターフェースは、一般的に、最終化された、または市場性のあるシステム設計に直接変換されない。各周辺機器へのインターフェースは、多くの場合、単純化されており、構成不可能で、様々な統合問題を回避するために制限されている。これらのリファレンスプラットフォームはプロセッサのブリングアップに焦点を当てているが、多くの場合、プラットフォームはモジュール化されていないか、異なるタイプの周辺機器に対するモジュール性が制限されている。プロセッサのブリングアップでは、周辺機器をシンプルなインターフェースに接続し、システムの電源を投入して、単一の電源状態または単一の周辺機器構成で機能または互換性をチェックする。さらに、これらのリファレンスプラットフォーム用の周辺機器は、多くの場合、ベンダー固有であり、特定のリファレンスプラットフォーム用に静的に設定されている。あるベンダーのリファレンスプラットフォーム用に設計された周辺モジュールは、異なるベンダーのリファレンスプラットフォームでは動作しない可能性がある。このように、リファレンスプラットフォームの設計は、プロセッサと周辺機器とのインターフェースが可能な回路の一般的な基礎を形成する可能性があるが、最終製品(例えば、設計中のコンピューティングデバイス)に必要な信頼性と機能性を達成するためには、通常、再設計と反復テストが必要であり、その結果、リソースと労力が無駄になる。プロジェクトが予備的な回路図の段階を越えて進行するにつれて、リファレンスプラットフォームは無視され、新しいまたは修正された周辺構成をもたらすために有用でなくなる可能性がある。
【0008】
システム検証のための先行技術とは対照的に、本開示は、プロセッサ(例えば、ホストボード上に存在するプロセッサ)と周辺機器(例えば、周辺ボード上に存在する周辺機器)とをインターフェースするための装置(例えば、インターフェースボード)を含む、コンピューティングデバイスのためのモジュール式システム検証プラットフォームの態様を説明する。各インターフェースボード、ホストボード、周辺ボードはモジュールである。モジュールは、最終製品の所望の機能に応じて、異なる構成で配置することができる。態様において、インターフェースボードは、インターフェースボードを識別するデジタルIDコードまたは回路であり得る識別子を含む。識別子はホストボードに提供することができ、ホストボードが検証プラットフォームの現在の構成においてインターフェースボードが期待されるものであることを確認することを可能にする。インターフェースボードは、同じインターフェースボードを使用して異なる周辺ボードがプロセッサボードと共に動作できるように再構成可能な回路を含んでいる。インターフェースボードはまた、ホストボードと周辺ボードとの間でインターフェースされている電力と通信信号を監視する回路を含むことができる。いくつかの実装では、インターフェースボードの回路は、インターフェースボードまたは周辺ボードの外部層または接点(例えば、テストポイントまたはコネクタヘッダ)に露出していない電気ネット、ノード、またはパス(例えば、内部PCB層上の信号線またはパワーレール)の構成および/または監視を可能にする。したがって、インターフェースボードは、先行するホスト、周辺機器、またはアダプタボードによって通常露出されない電気信号の制御(例えば、レベルシフトまたはパワーシーケンス)と測定を可能にすることができる。インターフェースボード回路の任意の特定の構成(例えば、ハードウェア設定または関連するメタデータ)はまた、プロセッサおよび周辺機器を含むコンピューティングデバイスの回路図を生成するときに使用することができるハードウェア回路図を表すか、または対応することができ、それにより、インターフェース回路を再確認するための反復的なボードターンの必要性を排除する。
【0009】
本明細書で説明するコンピューティングデバイスのためのモジュール式システム検証プラットフォーム(例えば、モジュール式リファレンスプラットフォーム)は、再利用性が高く、コンピューティングデバイスのための最終製品または最終化されたシステム設計に適用可能なモジュール式リファレンスプラットフォームを提供することができる。説明された利点のいくつかは、ホストボードを1つまたは複数の周辺ボードに結合する構成可能なインターフェース層(例えば、インターフェースボード)によって得ることができる。一例では、インターフェースボードは、ホストボード(例えば、システム構成モジュール)によって提供される構成ファイルを取り込み、周辺機器とプロセッサを含むホストボードとの間でレベルシフトと多用途の電力シーケンスを提供することができる。レベルシフトは、直接接続、一般的なレベルシフト技術のエミュレート、またはそれらの組み合わせに構成することができる。電力シーケンシングは、ホストボードに結合されたコネクタから信号の任意の論理的組み合わせを取り込み、それらを使用して周辺ボードに電力を分配する負荷スイッチを制御するように構成されてもよい。単純な非シーケンス構成では、負荷スイッチは常にオンであってもよいが、他のシーケンス構成では、ブリングアップ、スタンバイ状態、スリープ状態、ブリングダウンなどをシミュレートするために、周辺機器の複数のパワーレールをシーケンスしてもよい。このように、モジュール式リファレンスプラットフォームに固有の回路をインターフェースボード上に実装することができ、インターフェースボードは、システム検証のためのモジュール性と柔軟性を提供するために、ホストボードと1つまたは複数の周辺ボードとの間に物理的に設置することができる。場合によっては、インターフェースボードは、ホストボードと周辺ボードのあらゆる組み合わせで再利用することができる。リファレンス設計の複雑さをインターフェースボードに集中させることで、ホストボードと周辺ボードの複雑さを比較的単純に保ち、コストを最小限に抑えることができる。さらに、インターフェースボードの構成(または再構成)は、それぞれの構成ファイルを介して自動化できるため、各周辺機器のインターフェースボードのジャンパまたはスイッチを手動で構成する必要をなくすことができる。
【0010】
ある態様において、周辺機器の形で実装され得る広範囲の機能に対応するために、インターフェースボード、ホストボード、および周辺ボード上のコネクタは、最終製品または最終化されたシステム設計のための通常の設計よりも多くの信号および電源接続を含み得る。本明細書で説明するように、モジュール式システム検証プラットフォームの戦略は、標準化されたデータインターフェースと追加のサイドバンド信号(例えば、インターフェースボードの構成用)を含む可能性のある、これらの強化された、しかし予め定義されたインターフェースを使用して、複数のタイプの周辺機器をホストボードに接続することを可能にする。さらに、インターフェースボード、ホストボード、または周辺ボードの予め定義されたインターフェースは、複数のプラットフォームをテストするために使用することができる。
【0011】
また、説明したモジュール式システム検証プラットフォームは、ハードウェア構成とソフトウェア構成を実装する間の設計の柔軟性を高めることができる。インターフェースボード上で構成されるインターフェース回路は、構成ファイル内で十分に定義することができる。これにより、ソフトウェアは、構成ファイル、ホスト設計、および周辺機器の設計を使用して、最終製品の回路図を生成することができる。回路図は、現在のプラットフォームにとって有用であることが判明した最適化またはコンパクト化された回路(例えば、折り畳まれた回路図)を含み、最終製品にとって余計な回路(例えば、構成されていない回路、監視およびデバッグ回路)を含まないことがある。このように、最終製品の回路基板アセンブリは、モジュラープラットフォームで検証されたものと同等の機能、ソフトウェア、および動作でレイアウトし、製造することができる。
【0012】
ある態様において、本明細書で説明されるコンピューティングデバイスのためのモジュール式システム検証プラットフォームは、先行するリファレンスプラットフォームでは利用できない可能性のある遠隔測定およびデバッグ補助のための追加の機会を提供し得る。説明されたインターフェースボードは、複数の代替周辺機器実装を可能にするスイッチングファブリックを提供するように設計される場合があり、ソリューション間の比較および高度にスケーラブルなテストを可能にする。例えば、インターフェースボードは、コンポーネントの一括測定とは対照的に、個々のコンポーネントのパワーレールの電力測定を提供することができる。同様に、インターフェースボードは、期待される動作を確認したり、電圧または電流のリーク問題を監視したりするために、取り付けられた周辺ボードへの論理信号のアナログ監視を可能にし得る。測定または監視されるインターフェースボードの電気経路またはネットは、インターフェースボードの外部層または接点に露出されない場合がある、つまり、テストヘッダ、リード、パッド、または追加のテスト装置は、ホストと周辺機器の間の電気インターフェースをデバッグまたは特性評価するために必要ない場合がある。代替的または追加的に、いくつかのインターフェースボードは、複数の既存の周辺機器コネクタを単一ボードに結合することによって、新規の周辺機器インターフェースを提供し得る。
【0013】
先行するリファレンスプラットフォームでは、回路が特定の周辺機器タイプの全てのリファレンスボードに含まれなければならないので、説明された特徴の多くは、プラットフォームまたは周辺機器リファレンスボードに実装するために法外に高価であり、資源集約的であろう。本明細書で説明するように、インターフェースボード上にこれらの機能を含むモジュール式システム検証プラットフォームは、開発者または研究所のセットアップが、任意の数の異なるホストボードおよび周辺ボードと共に使用できる1セットのインターフェースボードを持つことを可能にする。さらに、ホストボードおよび周辺ボードから複雑な回路を取り除くことで、それらのボードを、先行する静的または固定リファレンスプラットフォームよりも安価に製造することができる。
【0014】
環境例
図1は、コンピューティングデバイス104用のモジュール式システム検証プラットフォーム102の環境例100を示す図である。環境例100は、プラットフォーム製造業者、プロセッサ製造業者、周辺機器製造業者、またはコンピューティングプラットフォームを設計、製造、またはテストする任意の個人または組織のための開発ラボを表すことができる。この例では、コンピューティングデバイス104は、コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォーム102を備えた開発ラボで設計されている。
【0015】
コンピューティングデバイス104の例としては、モバイルコンピューティングデバイス、モバイル通信デバイス、モデム、セルラーまたは携帯電話、モバイルステーション、ゲームデバイス、ナビゲーションデバイス、メディアまたはエンターテインメントデバイス(例えば、メディアストリーマまたはゲームコントローラ)、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマート家電、車両ベースのコンピューティングシステム、ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、衣服、時計、または現実を変える眼鏡)、モノのインターネット(IoT)デバイス、センサ、在庫管理デバイス、機械または装置のコンピューティング部分(例えば、車両またはロボット)、サーバコンピュータまたはその一部(例えば、サーバブレードまたはラック、またはデータセンタの別の部分)などを含み得る。
図1のコンピューティングデバイス104の図示された例には、スマートフォン104-1、タブレット104-2、ラップトップコンピュータ104-3、およびデスクトップコンピュータ104-4が含まれる。
【0016】
例示的な実装では、コンピューティングデバイス104は、コンピューティングデバイス104のプロセッサ、メモリ、および周辺機器に対応する1つまたは複数の集積回路(IC)を含む。ICは、コンピューティングデバイス104のモジュール、カード、またはプリント回路基板(PCB)に搭載される1つまたは複数のそれぞれのICチップまたはICパッケージとして実装され得る。PCBの例には、フレキシブルPCB、リジッドPCB、単層または多層PCB、表面実装またはスルーホールPCBアセンブリ、それらの組み合わせなどが含まれる。各集積回路は、汎用プロセッサ、システムオンチップ(SoC)、セキュリティ指向IC(例えば、ルートオブトラスト(RoT)ICチップ)、メモリチップ、通信IC(例えば、モデムまたは高周波IC)、グラフィックプロセッサ、人工知能(AI)アクセラレータ、それらの組み合わせ等として実現することができる。集積回路は、個々に、または他のICチップと共にパッケージされ得る。コンピューティングデバイス104はまた、コンピューティングデバイス104のICおよび回路に電力を供給するように構成される、1つまたは複数の電源および配電ネットワークとして実装され得る電力システムを含む。
【0017】
ある態様において、モジュール式システム検証プラットフォーム102は、コンピューティングデバイス104のプロセッサIC、メモリIC、および電源システム(または電源システムIC)のインスタンスを含むホストボード106(例えば、PCB)を含む。言い換えれば、ホストボード106は、周辺機器または周辺インターフェース回路を含まないコンピューティングデバイスのコアコンポーネントを含み得る。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、不揮発性RAM(NVRAM)、または短期メモリの他のバリエーションであり得る。ホストボードは、システム構成回路およびデバッグ回路をさらに含み得る。システム構成回路およびデバッグ回路は、ホストボード上の追加回路であってもよいし、それぞれのコネクタを介してホストボードに結合された1つまたは複数の別個のPCB上の追加回路であってもよい。
【0018】
モジュール式システム検証プラットフォーム102は、1つまたは複数のインターフェースボード108を含むことができる。一般に、インターフェースボード108は、ホストボード106を1つまたは複数の周辺ボード110にインターフェースするように設計された再構成可能インターフェース回路を含むことができる。本明細書で説明するように、インターフェース回路は、ホストボード106と周辺ボード110との間の電力および/または信号の選択的制御を可能にし得る。周辺ボード110は、ホストボード106のプロセッサおよび集積回路と統合される少なくとも1つの周辺機器(例えば、周辺ICおよび関連コンポーネント)を含み得る。この例では、同じタイプの周辺機器(例えば、ハードドライブ)を含んでもよいし、異なるタイプの周辺機器(例えば、カメラ、指紋リーダ、マウス、キーボード、バッテリなど)を含んでもよい4つの周辺ボード110が、4つのそれぞれのインターフェースボード108を介してホストボード106にインターフェース接続されている。しかしながら、コンピューティングデバイス104の仕様に基づく周辺ボード110の任意の数量または組み合わせが、インターフェースボード108を使用して、ホストボード106にインターフェース接続されてもよい。いくつかの態様において、インターフェースボード108は、複数の周辺ボード110をホストボード106にインターフェース接続するために、複数のコネクタ(例えば、多重化された電力および/または信号を有する)を含み得る。モジュール式システム検証プラットフォーム102は、同じセットのインターフェースボード108を使用して、ホストボード106と周辺ボード110の交換を可能にすることができる。さらに、周辺ボード110は、(従来のリファレンスプラットフォームと比較して)コンピューティングデバイス104の異なる構成を迅速にテストおよび評価するために、追加、削除、またはスワップ(例えば、ホストボード106に電力が供給されている間にホットスワップ)することができる。
【0019】
アーキテクチャ例
図2は、1つまたは複数の態様に従って実装されたホストボード(例えば、ホストボード106)、インターフェースボード(例えば、インターフェースボード108)、および周辺ボード(例えば、周辺ボード110)を含む、コンピューティングデバイス用の例示的なモジュール式システム検証プラットフォーム200を示す図である。インターフェースボード108は、ホストボード106と周辺ボード110をインターフェースするように構成される。いくつかの態様では、インターフェースボード108は、周辺ボード110と同様のタイプの周辺ボードをインターフェースするように再構成することができる。例えば、周辺ボード110が第1の製造業者によって製造された指紋リーダ(例えば、指紋ICおよびセンサ)を含んでいた場合、インターフェースボード108は、第2の製造業者によって製造された指紋リーダを含む周辺ボードをインターフェースするように再構成することができる。他の態様では、インターフェースボード108は、例えば、外付けハードドライブとスワップされた指紋リーダなど、他のタイプの周辺機器とインターフェースするように再構成することができる。
【0020】
インターフェースボード108は、予め定義されたボード接続208-1によってホストボード106に結合される。予め定義されたボード接続208またはコネクタインターフェースは、ホストボード106がインターフェースボード108の回路を制御または構成することを可能にする、予め定義されたI/O信号ポート(例えば、第1のUSBまたはPCIeポート)、1つまたは複数のパワーレール、および/または帯域外制御ライン(または第2のUSBポート)用の導体を含み得る。ボード接続208-1は、インターフェースボード108上のコネクタに結合されたホストボード106上のコネクタを含む。予め定義されたボード接続208-2は、追加のボードチェーン(例えば、インターフェースボード108と周辺ボード110の組み合わせ)210をホストボード106に接続するための1つまたは複数のボード接続208を表す。追加のボードチェーン210は、コンピューティングデバイス104の仕様に応じて、周辺ボード110と同様の周辺ボード、または周辺ボード110とは異なる周辺ボードを含み得る。
【0021】
インターフェースボード108は、ボード接続212によって周辺ボード110に結合される。ボード接続212は、インターフェースボード108上のボードコネクタに結合された周辺ボード110上のボードコネクタを含む。ホストボード202、インターフェースボード204、および周辺ボード206は、
図3~
図6-3をそれぞれ参照してより詳細に説明される。
【0022】
図3は、コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームに実装可能な、
図2のホストボード106を示す。ホストボード106は、SoC302、DRAM304、電源管理集積回路(PMIC)306、およびSoCデバッグ回路308など、プロトタイピングされるコンピューティングデバイスのコアコンポーネントを含む。いくつかの態様では、ホストボード106は、ホストボードの電力および通信の詳細を示す構成データを有する制御回路(図示せず)を含むことができる。ホストボード106は、ボードチェーンを取り付けるための(ボード接続部208に含まれる)1つまたは複数の予め定義されたボードコネクタ310を含む。コアコンポーネントは、SoC302および他のコアコンポーネント(例えば、DRAM304、PMIC306)の仕様に従って、ホストボードPCB上で互いに結合され得る。
【0023】
コアコンポーネントは、構成可能な信号および/または電力インターフェースを可能にするために、予め定義された回路312でボードコネクタ310に結合される。予め定義された回路312は、ホストボード106に結合されるボードチェーンに応じて利用されることも利用されないこともある、コアコンポーネントとボードコネクタ310との間の複数の電源および信号経路を含み得る。複数の電源および信号経路は、ホストボード106のコアコンポーネントと共に多くの異なる周辺機器をテストすることを可能にする。特定の周辺機器への電力供給または通信に利用されない予め定義された回路312のどの部分も、プロトタイピングされるコンピューティングデバイスの最終的な回路図に含まれない場合がある。
【0024】
いくつかの態様において、ホストボード106は、特定のプロセッサまたはSoC製造業者のコアプラットフォームを表し得る。他のホストボードは、ホストボード106と類似している場合もあるが、他のSoCまたはプロセッサ製造業者のコアプラットフォームを表し得る。あるいは、ホストボード106と同様のホストボードは、同じSoCで製造され得るが、メモリ、PMIC、および他のコンポーネントの追加または削減が異なる。しかしながら、予め定義された回路312は、任意のホストボード上に含まれ、コアコンポーネントの特定の構成に利用可能な電力と信号に対応するように変更することができる。さらに、ボードコネクタ310は、モジュール式システム検証プラットフォーム(例えば、モジュール式システム検証プラットフォーム102)に含まれるインターフェースボードが、任意のホストボード上のボードコネクタ310に接続できるように、予め定義されている。開発中のコアプラットフォームの任意の構成を、ホストボード106と同様のホストボードとして表すことができる。
【0025】
図4は、1つまたは複数の態様に従ってインテリジェントモジュール402およびデバッグブリッジモジュール404を含む例示的なホストボード400を示す図である。ホストボード400は、ホストボード106と同様であってもよく、同じコンポーネントを含み得る。
図4に示されるように、ホストボード400は、SoC302、DRAM304、電源管理集積回路(PMIC)306、SoCデバッグ回路308、およびボードコネクタ310を含む。さらに、ホストボード400は、インテリジェントモジュール402およびデバッグブリッジモジュール404を通じて、それぞれ構成およびデバッグ機能を提供することができる。いくつかの態様では、インテリジェントモジュール402とデバッグブリッジモジュール404は別個のPCBであり、ホストボード400に結合されている。他の態様では、インテリジェントモジュール402とデバッグブリッジモジュール404の一方または両方は、ホストボードに含まれる追加のICと回路である。
【0026】
ある態様において、インテリジェントモジュール402は、コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームのシステム構成および再構成を制御することができる。例えば、インテリジェントモジュール402は、1つまたは複数のインターフェースボード108の構成を提供するために、それぞれの構成情報を決定または選択することができる。場合によっては、インテリジェントモジュールは、モジュール式システム検証プラットフォームに含まれるあらゆるボードの制御プレーン(例えば、構成面用)に電力を供給する電源も含むか、または管理する。制御プレーンは、ホストボード、周辺ボード、およびインターフェースボード上のボード管理ロジック(例えば、識別子、制御回路を含む非一時的コンピュータ可読媒体(CRM))に電力を供給し、通信する回路を含むことができる。インテリジェントモジュールは、制御プレーンを使用して、テストされる機能回路とは無関係に、モジュール式システム検証プラットフォームを構成することができる。
【0027】
インテリジェントモジュールは、SoC406と、構成モジュール410およびプロトタイプ作成またはテストされるプラットフォームの構成データ412を格納するためのCRM408(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、EEPROM)と、を含むことができる。構成モジュール410は命令を含み、SoC406によって実行されると、モジュール式システム検証プラットフォームの制御プレーンを起動し、構成モジュール410がモジュール式システム検証プラットフォームの一部であるホストボード106、インターフェースボード108、および周辺ボード110を検出および識別することを可能にする。ホストボード106、インターフェースボード108、または周辺ボード110が(例えば、サポートされるボードのインテリジェントモデルのライブラリに基づいて)識別子を提供しないか、または無効な識別子を提供する場合、命令はホストボード106が起動することを許可しないか、および/またはモジュール式プラットフォームの他の機能を無効にすることができる。構成モジュール410はまた、SoC406によって実行されると、ホストボード106から周辺ボード110に電力を供給し、ホストボード106と周辺ボード110との間の通信を確立するために、インターフェースボード108を構成する(例えば、レベルシフタを構成し、電力シーケンサおよび負荷スイッチを構成する)命令を含む。構成モジュール410はまた、ホストボード106と周辺ボード110との間の電力および通信を監視するための命令を含み得る。構成モジュール410は、同様に、インターフェースボード108の再構成を可能にしてもよい。ある実施態様では、構成モジュール410は、ホストボード106の電源を落とし、インターフェースボード108を再構成し、その後ホストボード106を再起動することができる。周辺ボード110のホットスワップが望まれる場合、構成モジュール410は、最初にホストボード106をパワーダウンすることなくインターフェースボード108を再構成し、および/またはホストボード106が電力を供給されたままインターフェースボード108または周辺ボード110のそれぞれのものの電力を落とすことができる。
【0028】
構成データ412は、予想されるホストボード106、ホストボード106に取り付けられる予想されるインターフェースボード108、およびインターフェースボード108に取り付けられる予想される周辺ボード110の識別子を含むことができる。いくつかの態様では、予想されるホストボード106、インターフェースボード108、および周辺ボード110の識別子は、デジタル識別コードとして格納される。構成データ412は、プラットフォームに結合され得る各周辺ボード110の電力および通信要件を含む。これらの要件は、周辺ボード110に必要な電力および通信接続を提供するインターフェースボード108上に存在するコンポーネント(例えば、レベルシフタ、電力シーケンサ、負荷スイッチ)に対する特定の構成の形態であり得る。構成データ412として格納されたインターフェースボード108(または、周辺機器専用インターフェースボードを含むインターフェースボードの他の態様)の1つまたは複数の異なる構成は、ハードウェア回路図として表される。システムの設計およびテストが完了すると、構成データを使用して、インターフェースボード108をハードウェア回路図に置き換えることによって、最終製品としてのコンピューティングデバイスの回路図を生成することができる。ハードウェア回路図は、取り付けられた周辺機器の電力および通信の考慮のために使用されないインターフェースボード108上の任意の回路を除外することができる。したがって、最終設計の回路図は、ホストボード106のコアコンポーネントを周辺機器に結合するために必要な回路のみを含み得る。構成データ412に含まれ得る他のデータのいくつかの具体例には、多電圧I/O信号のための好ましい電圧、いくつかのI/Oのための好ましい絶縁、周辺機器のための電力を制御するための好ましい汎用I/O(GPIO)、およびある周辺機器(例えば、センサ)のために複数のオプションが利用可能である場合に使用するための好ましいデバイスが含まれる。
【0029】
いくつかの態様において、インテリジェントモジュール402は、デバッグブリッジモジュール404にコンソールを提供する。デバッグブリッジモジュール404は、モニタリングステーションをモジュール式システム検証プラットフォームに接続するための接続を提供する。デバッグブリッジモジュール404は、電圧および電流レベルの検出、リーク問題の検索、計装アンプ(INA)の監視を含むがこれらに限定されない、インターフェースボード108を通過する電力および信号を監視するために、インターフェースボード108に結合される。
【0030】
図5は、コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームに実装され得る、
図2の周辺ボード110を示す図である。周辺ボード110は、周辺機器502、ボードコネクタ504、CRM506(例えば、EEPROM)、およびオプションのコネクタ508および510を含む。周辺ボード110は、周辺機器502に特有の追加回路(図示せず)を含み得る。周辺機器502は、入力周辺機器、出力周辺機器、CRM記憶装置、またはバッテリであり得る。周辺機器のいくつかの非限定的な例は、ユーザ入力デバイス(例えば、マウス、キーボード、トラックボール、ペンおよび感圧パッド、指紋リーダ)、プリンタ、スキャナ、ハードドライブ、フラッシュメモリ、WiFiおよび他のネットワークインターフェース、センサ(例えば、カメラ、温度センサ、圧力センサ、モーションセンサ)、オーディオ関連周辺機器(例えば、マイク、スピーカ、オーディオコーデック)、バッテリ、およびユニバーサルシリアルバス(USB)コントローラである。いくつかの態様では、複数の周辺機器502は単一の周辺ボード110に搭載されてもよい。例えば、周辺ボード110は、異なる製造業者からの複数のWiFiチップセットを含み得る。取り付けられたインターフェースボード108上または周辺ボード110上のいずれかに、試験中に異なるWiFiチップセット間を切り替えるためのマルチプレクサ回路が実装され得る。
【0031】
周辺機器502は、予め定義された回路を介してボードコネクタ504に結合され得る。ホストボード106およびインターフェースボード108と同様に、周辺機器502の機能に利用されない回路は、最終製品の最終回路図を生成する際に除外され得る。ボードコネクタ504は予め定義されていてもよく、つまり、ボードコネクタ504は汎用インターフェースボード108に結合される共通コネクタであり得る。他の態様では、ボードコネクタは、周辺機器固有のインターフェースボードに結合できる特定のタイプのコネクタ(例えば、USB-Cコネクタ)とすることができる。
【0032】
CRM506は、制御プレーンインターフェースに結合され、周辺ボード110の識別子を格納することができる。識別子は、周辺ボード110のタイプ(またはクラス)および/または周辺ボード110に搭載される特定の周辺機器502を表すデジタルIDコードであり得る。ある態様において、インターフェースボード108は、ボードコネクタ504を介して受信した周辺機器識別子をホストボード106に中継することができる。デジタルIDコードは、周辺ボード110を識別し、周辺ボード110がテストされるモジュール式システム検証プラットフォームの構成によってサポートされているかどうかを決定するために、インテリジェントモジュール402によって使用され得る。周辺ボード110がインテリジェントモジュール402に格納された構成データ412によってサポートされている場合、インテリジェントモジュール402はプラットフォームのブートに進むことができる。あるいは、周辺ボード110が構成データによってサポートされていないか、または構成データで利用可能でない場合、インテリジェントモジュール402は、プラットフォームを起動しないか、または周辺ボード110を無効にすることを決定することができる。
【0033】
いくつかの態様において、周辺ボード110は1つまたは複数のオプションコネクタ(例えば、オプションコネクタ508および510)を含む。オプションコネクタ508と510は周辺機器502(例えば周辺IC)に結合され、周辺機器502を外部デバイスに接続するために使用することができ、あるいはモジュール式周辺ボードのチェーンを拡張するために実装することができる。例えば、周辺機器502がWiFiアダプタである場合、オプションコネクタ508と510は、他のタイプの有線または無線ネットワークモジュール用のコネクタ(例えば、RJ45コネクタ)とすることができる。
【0034】
図6-1は、コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームで使用されるインターフェースボード108を示す図である。インターフェースボード108は、ホストボード106が周辺ボード110に電力を供給し、周辺ボード110と通信することを可能にするインターフェース回路602(および/または制御回路、図示せず)を含む。インターフェースボード108はまた、ボードコネクタ604および606(例えば、ボード接続部208-1および212にそれぞれ含まれるインターフェースボード108のボードコネクタ)と、ボード管理ロジック608(例えば、制御回路)と、を含む。
【0035】
ボードコネクタ604は、複数の異なるホスト基板106上の相補的なボードコネクタに接続するように構成され得る。ボードコネクタ604は、インターフェースボード108を複数の方法で構成できるようにする複数の電源および信号経路を含み得る。ほとんどの場合、これらの経路の一部またはサブセットは、インターフェースボード108の任意の明確な構成で利用される。言い換えれば、所与の周辺機器に対して、ボードコネクタ604の利用可能な信号線および/またはパワーレールの全てが、周辺機器のテストおよび動作をサポートするために使用されるわけではない。同様に、ボードコネクタ606は、複数の異なる周辺ボード110上の相補的なボードコネクタ504に接続するように構成することができ、ボードコネクタ606は、特定の周辺ボードによって利用されない場合もある複数の電力および信号経路を含み得る。いくつかの態様では、ボードコネクタ606は、標準通信プロトコル(例えば、USB、イーサネット、シリアル)に使用される共通コネクタであり得る。
【0036】
インターフェース回路602は、周辺ボード110にその必要な電圧を供給するために使用されるレベルシフタ602-1と、起動と電源を落とす目的のために周辺ボード110に電力をシーケンスするために使用される負荷スイッチ602-2と、を含むことができる。レベルシフタ602-1に代表されるように、単独または組み合わせて実装し得るいくつかのレベルシフト設計がある。例えば、オープンドレイン、非反転レベルシフト技術は、ショットキーダイオード(いずれかの方向)、パス構成の電界効果トランジスタ(FET)、パス構成のショットキーダイオードとFET、またはパス構成の2つのFETを使用して実装され得る。場合によっては、NチャネルFET(NFET)またはPチャネルFET(PFET)を利用したオープンドレイン反転レベルシフト技術が実装される。プッシュプルレベルシフト技術は、プッシュプル双方向レベルシフタ、セミプッシュプル双方向レベルシフタ、または論理ゲートバッファを使用して実装し得る。あるいは、ダイレクトコネクトを使用してレベルシフトを行わない機能を実装してもよい。ある態様において、取り付けられた周辺ボード110のために構成されたレベルシフト技術は、最終製品のための回路図で表されてもよい(未使用または不要な回路は省略される)。
【0037】
ある態様において、ホストボード106によって提供される電圧レールは、ボードコネクタ604を介して、レベルシフタ602-1と負荷スイッチ602-2に結合される。ホストボードによって電力が供給される電圧は、周辺機器502によって要求される電圧と一致する場合もあれば、一致しない場合もある。インターフェース回路は、周辺機器の動作を可能にする論理的に等価なレールを提供するために、周辺機器に提供される電力を制御または変更し得る。場合によっては、インターフェースボード108上のレベルシフトマネージャ(図示せず)がシーケンス信号を監視し、レベルシフトコンポーネントを適切にオンまたはオフし得る。
【0038】
負荷スイッチ602-2は、プラットフォームのパワーアップおよびパワーダウンの間、ホストボード106上に存在する必要なパワーレールを、設定された順序で周辺機器502に結合および切り離すことによって、周辺ボード110のパワーシーケンスを管理することができる。このようにして、仮想レールがインターフェースボード108上に形成され、ボードコネクタ606を介して周辺ボード110に結合される。ホストボード106は、各々が異なる電圧を有する複数のパワーレールを含むことができ、周辺ボード110によって必要とされるパワーレールは、負荷スイッチ602-2によってスイッチオンされる。したがって、ホストボード106は、インターフェースボード108に接続するホストボード106上の各ボードコネクタ310に、同じ電圧の複数の別個のパワーレールを配線する必要がない。
【0039】
負荷スイッチ602-2は、複数の動作に対応するように実装することができる。例えば、電源シーケンシングは、供給された電源がオンであり、周辺ボード110にとって適切な電源(例えば、パワーグッド)であるかどうかを判断することに基づいて有効にすることができる。場合によっては、負荷スイッチ602-2は逆電流保護および/または過電流保護を有する。負荷スイッチ602-2はまた、後続のシーケンシングのためのパワーグッド出力検証を有することができる。ある態様において、負荷スイッチ602-2は、様々なオン時間要件を有することができ、これには、最小オン時間要件(例えば、突入を回避するためのソフトスタート)および最大オン時間要件(例えば、IC内の実装不良のパワーオンリセット回路への対応)が含まれ得る。負荷スイッチ602-2は、同様に、パワーレールのための能動放電経路を有していてもよく、または能動放電経路を有していなくてもよい。
【0040】
いくつかの態様において、インターフェースボード108のインターフェース回路602または制御回路は、ホストボードの制御プレーンと結合され得るデバッグ回路(図示せず)を含む。いくつかの態様では、デバッグ回路またはテストポイントはインターフェースボード108上に露出しない。監視およびデバッグ回路は、制御プレーン上でホストボードのデバッグブリッジモジュールに結合することができる。一般に、デバッグ回路は、インターフェース回路602によって分配される電力および促進される通信の測定値を監視することを可能にする。さらに、デバッグ回路は、プラットフォーム上での自動テストを可能にすることができる。例えば、システム内の様々なI/Oラインまたはパワーレールのアナログ電圧を、任意の電力状態におけるリークについて継続的にチェックする自動テストが、デバッグ回路によって可能になる場合がある。
【0041】
ボード管理ロジック608は、インターフェース回路602に結合される制御回路を含み、同様に、制御プレーン上でインテリジェントモジュール402に結合され得る。ボード管理ロジック608は、プロセッサおよびCRM(例えば、マイクロコントローラ)を含むことができ、レベルシフタ602-1、負荷スイッチ602-2、および代替実装においてインターフェース回路に含まれ得る任意の他のロジックを管理する。ボード管理ロジック608のCRMは、インターフェースボード108の識別子を含むことができる。識別子は、インターフェースボード108を識別するために使用することができる。例えば、識別子は、インターフェースボード108のタイプを表すデジタルIDコードであり得る。場合によっては、識別子はインテリジェントモジュール402によって要求され、インテリジェントモジュール402上の構成データ412と照合され、インターフェースボード108がテストされているモジュール式システム検証プラットフォームの現在の構成で予期されるものであることを検証する。
【0042】
ある態様において、ボード管理ロジック608は、インテリジェントモジュール402から、インターフェースボード108の識別子に基づく構成データ412を受信する。構成データ412は、インターフェースボード108によって周辺ボード110をホストボード106にインターフェースするのに有用なインターフェース回路602の構成を含む。いくつかの態様では、インテリジェントモジュール402は、異なる方法でインターフェース回路602を再構成するために、新しい構成をボード管理ロジック608に送信し得る。この再構成は、インターフェース回路602の代替実装(例えば、回路最適化のための電力シーケンスまたはレベルシフト)をテストするためにインテリジェントモジュール402によって発行されてもよいし、異なる周辺ボード110がインターフェースボード108に接続され、インテリジェントモジュール402によって検出されたために再構成が発行されてもよい。同様に、インテリジェントモジュール402が本明細書では説明しない再構成を命令するための、他の状況が存在する可能性がある。
【0043】
図6-2は、コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームに実装され得る、例示的なマルチプレクサインターフェースボード600-2を示す図である。マルチプレクサインターフェースボード600-2は、インターフェースボード108と同様のコンポーネント(例えば、レベルシフタ602-1、負荷スイッチ602-2、ボードコネクタ604および606、ボード管理ロジック608)を含み得る。この例では、インターフェース回路602は、さらに、マルチプレクサ回路602-3および1つまたは複数のボードコネクタ610を含む。マルチプレクサ回路602-3は、レベルシフタ602-1、負荷スイッチ602-2、および1つまたは複数のボードコネクタ610を互いに結合する。また、マルチプレクサ回路602-3は、同様に、ボードコネクタ606に結合されてもよい。マルチプレクサ回路602-3は、レベルシフタ602-1および負荷スイッチ602-2を介して、ボードコネクタ604と、複数のボードコネクタ606および610のそれぞれのものとの間で、電力および通信を切り替えるか、またはルーティングするように構成され得る。
図6-3および6-4は、マルチプレクサインターフェースボード600-2のいくつかの具体例を示している。
【0044】
マルチプレクサインターフェースボードの構成例
図6-3および
図6-4は、コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームで使用される、マルチプレクサインターフェースボード600-2の構成例600-3および600-4を示す図である。
図3では、マルチプレクサインターフェースボード600-2は、ホストボード106に接続されている。マルチプレクサインターフェースボード600-2は、周辺機器612-1に接続されてもよい。いくつかの態様では、周辺機器612-1(例えば、M.2ソリッドステートドライブ)をマルチプレクサインターフェースボード600-2に結合するために、インターポーザボード614-1が使用される。インターポーザボード614-1は、汎用高速IO616(HSIO)を周辺機器612-1に整列させ、GPIO/低速IO(LSIO)618を周辺機器612-1に結合することができる。ホストボード106は周辺機器612-1によって必要とされるより多くの量のHSIOを含み得る。インターポーザボード614-1は、周辺機器612-1の別個のタイプに特有であるため、周辺機器612-1に必要なHSIO616を結合またはルーティングすることができ、未使用のHSIOを通過させないことができる。インターポーザボード614-1は、周辺機器612-1を記述する識別子を格納するCRM(図示せず)を含み得る。マルチプレクサ回路620-1は、インターポーザボード614-1と、マルチプレクサインターフェースボード600-2に含まれ得る他のコネクタボード622との間で、GPIO/LSIO618を切り替えることができる。
【0045】
図6-4は、コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームで使用される、マルチプレクサインターフェースボード600-2の別の構成例600-4を示す図である。構成600-4は、構成600-3を参照して説明したのと同じまたは同様の回路を含む。さらに、構成600-4は、第2の周辺機器612-2、第2のインターポーザボード614-2、第2のマルチプレクサ回路620-2、ならびに電力および/またはI/Oを異なる周辺機器にルーティングするためのn極双投式(nPDT)マルチプレクサ回路624-1および624-2を含む。他のコネクタボード622は、説明を明確にするために、2つの別個のボックスとして図示されている。
【0046】
マルチプレクサ回路620-2は、インターポーザボード614-1と614-2との間でHSIOを切り替える。インターポーザボード614-2は第2の周辺機器612-2に結合される。インターポーザボード614と周辺機器612の2つのチェーンが構成600-4に図示されているが、インターポーザボード614と周辺機器612の複数のチェーンが構成600-4に含まれてもよい。同様に、第2の周辺機器612-2(または複数の周辺機器612)は、周辺機器612-1と同様の周辺機器(例えば、同じブランド、同じモデル)であってもよいし、周辺機器612が互いに異なるものであってもよい。
【0047】
nPDTマルチプレクサ回路624-1は、複数のインターポーザボード614の間でGPIO/LSIO618の結合を切り替え、nPDTマルチプレクサ回路624-2は、複数の他のコネクタボード622の間でGPIO/LSIO618の結合を切り替える。同様に、周辺機器612の特定の構成のために、インターポーザボード614の有無にかかわらず、他の構成のマルチプレクサインターフェースボード600-2を設計することができる。他の構成のいくつかの例は、USBベースのマルチプレクサインターフェースボード600-2(例えば、USBハブまたはUSBスイッチ)およびネットワーキングベースのマルチプレクサインターフェースボード600-2を含み得る。
【0048】
方法例
図7、
図8-1、および
図8-2は、コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームで使用されるインターフェースボードの動作のための詳細な方法例700および800を示す図である。図示された方法は、本明細書で説明されるモジュール式システム検証プラットフォームの様々な態様を実装するために、インターフェースボードの制御回路および/またはインターフェース回路によって、またはインターフェース回路と共に実行され得る動作(またはステップ)を含む。方法700および/または800を実施するために実行される動作またはステップは、本明細書において動作が示される順序または組み合わせに必ずしも限定されない。このように、1つまたは複数の動作のいずれかが、本明細書に記載の態様に従って他の動作または代替方法を提供するために繰り返され、組み合わされ、または再編成され得る。
【0049】
図7は、1つまたは複数の態様に従った、モジュール式システム検証プラットフォームのインターフェースボードの動作のための例示的な方法700を示す図である。ステップ702で、インターフェースボードは装置識別子をホストに提供する。装置識別子は、CRMに格納されたデジタルIDコード、ハードウェア(例えば、分圧回路)によって実装されたコード、または他の何らかの手段によって実装された識別子であり得る。装置識別子は、ホストが、取り付けられたインターフェースボードが検証プラットフォームの一部として予期されていることを確認し、正しい構成情報をインターフェースボードに提供することを可能にする。代替的または追加的に、インターフェースボードは、インターフェースボードに結合された特定の周辺機器、周辺機器のクラス、または周辺機器のタイプを識別する周辺機器識別子を提供または中継し得る。
【0050】
ステップ704で、インターフェースボードは、ホストに提供された装置識別子に基づいて、ホストから電力を受信する。オプションとして、インターフェースボードに対する電力または構成は、装置識別子および/または周辺機器識別子に基づいてホストから提供される。例えば、ホストまたはインテリジェントモジュールは、インターフェースボードのための構成を決定し、装置識別子および/または周辺識別子に基づいて、インターフェースボードを介して電力を提供またはシーケンスすることができる。電力に関して、ホストは、異なる電圧レベルの1つまたは複数のパワーレールを含み得る。これらのパワーレールは、(例えば、ホストとインターフェースボードの間の接続を介して)インターフェースボードに提供され得るが、インターフェースボードは、周辺機器コネクタに、取り付けられた周辺機器によって使用されるパワーレールだけを結合し得る。いくつかの態様では、インターフェースボードはバッテリをホストとインターフェースすることができる。このような態様では、電力はバッテリからインターフェースボードを介してホストに供給され得る。
【0051】
ステップ706で、インターフェースボードはホストから受け取った電力を周辺機器に分配する。周辺機器は設計されている電力レベルを受け取る。その他の電力レベルは周辺機器に分配されない。
【0052】
オプションとして、ステップ708で、インターフェースボードは、ホストに提供された装置識別子に基づいて、ホストから通信シグナリングを受信する。オプションとして、インターフェースボード用の通信シグナリングまたは構成は、装置識別子および/または周辺機器識別子に基づいてホストによって提供される。例えば、ホストまたはインテリジェントモジュールは、インターフェースボードのための構成を決定し、装置識別子および/または周辺識別子に基づいて、インターフェースボードを介した通信を提供またはレベルシフトし得る。通信に関して、ホストからの通信シグナリングは、インターフェースボードに接続された周辺機器のタイプまたはインターフェースボードによって提供される機能性に固有であり得る。
【0053】
オプションとして、ステップ710で、インターフェースボードは通信シグナリングに基づいてホストと周辺機器間の通信を容易にする。一旦ホストと周辺機器間の通信経路がインターフェースボード上に確立されると、ホストと周辺機器はあたかも互いに直接接続されインターフェースボードが存在しないかのように通信することができる。このような通信は周辺機器とホストとの統合をシミュレートし得、インターフェースボードの構成はシステム統合の後続段階の回路基板回路図の基礎として使用される。
【0054】
図8-1および
図8-2は、コンピューティングデバイス用のモジュール式システム検証プラットフォームのインターフェースボードによって実装される動作の詳細な例示的方法800、801を示す図である。
図8-1に示されるように、ステップ802で、インターフェースボードは、ホストボードのインテリジェントモジュールから構成命令を受信する。インテリジェントモジュールは、インテリジェントモジュール上のCRMに格納された構成データに基づいて構成命令を送信し得る。場合によっては、インテリジェントモジュールは、インターフェースボードおよび/またはインターフェースボードに結合された周辺機器によって提供された識別子に基づいて、構成命令を選択または決定する。構成命令は、インターフェースボードの制御回路によって受信され、格納される場合があり、インターフェースボードは、構成命令を受信することに応答して、インターフェースボードのインターフェース回路を構成し得る。
【0055】
ステップ804で、インターフェースボードは、構成命令に基づいて、インターフェースボード上に存在するインターフェース回路を構成する。場合によっては、インターフェースボードの制御回路は、周辺機器コネクタへの電力分配ネットワークの負荷スイッチを構成し、またはインターフェースボードのホストコネクタと周辺機器コネクタとの間で信号レベルを変換するためのレベルシフタのパラメータを設定する。前述したように、制御回路は、ホストボードまたはインテリジェントモジュールから構成命令を受信することに応答して、インターフェース回路を構成し得る。
【0056】
ステップ806で、インターフェースボードは、ホストボードから受け取った電力を、インターフェース回路を介して周辺ボードに分配する。例えば、インターフェースボードの制御回路は、負荷スイッチを選択的に活性化または非活性化して、ホストボードによって提供される電力を、インターフェースボードに結合される周辺機器に分配および/またはシーケンスし得る。
【0057】
ステップ808において、インターフェースボードは、インターフェース回路を介してホストボードと周辺ボードとの間の通信を容易にする。例えば、インターフェースボードのレベルシフタまたは他の帯域外信号線は、ホストボードとインターフェースボードに結合された周辺ボードとの間の通信を容易にすることができる。同様に、(例えば、信号フィルタリングまたは状態表示のために)他のロジックがインターフェースボード上に存在してもよい。
【0058】
ステップ810において、インターフェースボードは、インテリジェントモジュールから再構成命令を受信することができる。インテリジェントモジュールは、同じ周辺機器との異なるインターフェース構成、異なる周辺機器構成、またはホットスワップされた周辺機器の検出に基づいて、再構成指示を提供することができる。再構成命令を受信した場合、ステップ804から808を繰り返すことができる。
【0059】
図8-2は、801に示されたオプションのステップ812と814を含む。ステップ812では、分配される電力および促進される通信が測定される。測定値は、電圧レベル、電流レベル、I/O状態、および/または有用であり得る他の測定値を含み得る。ステップ814では、ステップ812で測定された測定値がデバッグブリッジモジュールに提供される。場合によっては、インテリジェントボードがデバッグモジュールにコンソールインターフェースを提供し、測定値を監視できるようにすることができる。他の場合には、デバッグモジュールはコンソールインターフェースを含み得る。
【0060】
このようにして、プラットフォームの複数の構成の迅速なプロトタイピングおよびテストのために、コンピューティングデバイスのための汎用的で再構成可能なモジュール式システム検証プラットフォームが実装され得る。本明細書で説明するモジュール式システム検証プラットフォームは、新しいコンピューティングデバイスを市場に投入することに関連するリソース、時間、およびコストを削減することができる。
【0061】
様々な例
以下では、コンピューティングデバイスのためのモジュール式システム検証プラットフォームの装置および技術の様々な実施例を説明する。
【0062】
実施例1:ホストと少なくとも1つの周辺機器とを含むシステムを検証するための装置であって、装置識別子を含むプリント回路基板(PCB)と、PCBに結合され、ホストに結合するように構成された第1のコネクタと、PCBに結合され、周辺機器に結合するように構成された第2のコネクタと、第1のコネクタと第2のコネクタとの間でPCBに結合されたインターフェース回路と、を含み、インターフェース回路は、少なくとも、装置識別子をホストに提供し、ホストに提供された装置識別子に基づく電力をホストから受信し、ホストから周辺機器に電力を分配し、または、ホストに提供された装置識別子に基づく通信シグナリングをホストから受信し、通信シグナリングに基づいて、ホストと周辺機器との間の通信を促進する、ことによってホストが周辺機器と共に動作することを可能にするように構成される。
【0063】
実施例2:周辺機器は第1の周辺機器であり、装置はインターフェース回路に結合された制御回路をさらに含み、制御回路は、ホストが第1の周辺機器と共に動作することを可能にするために、インターフェース回路の第1の構成を確立し、第2のコネクタに結合された、または別の周辺機器に結合するように構成されたPCBの第3のコネクタに結合された、第2の周辺機器を検出し、PCBの第2のコネクタまたは第3のコネクタに結合されたとき、ホストが第2の周辺機器と共に動作することを可能にするインターフェース回路の第2の構成を確立するために、インターフェース回路の少なくとも1つの動作特性を変更する、ように構成される、実施例1の装置。
【0064】
実施例3:制御回路は、さらに、第2のコネクタを介して、第1の周辺機器から第1の周辺機器識別子を受信し、第1の周辺機器識別子をホストに提供し、ホストから、ホストが第1の周辺機器と共に動作することを可能にするために、インターフェース回路の第1の構成を確立するのに有用な第1の構成情報を受信し、または、第2のコネクタまたは第3のコネクタを介して、第2の周辺機器から第2の周辺機器識別子を受信し、第2周辺機器識別子をホストに提供し、ホストから、ホストが第2の周辺機器と共に動作することを可能にするために、インターフェース回路の第2の構成を確立するのに有用な第2の構成情報を受信する、ように構成される、実施例2の装置。
【0065】
実施例4:インターフェース回路は、ホストから供給される1つまたは複数の信号のそれぞれの電圧レベルを1つまたは複数の異なる電圧レベルに変換するように構成された複数のレベルシフタを含み、異なる電圧レベルを有する1つまたは複数の信号は周辺機器に供給され、インターフェース回路は、ホストによって提供されるパワーレールに結合され、周辺機器に電力を分配またはシーケンスするように構成される1つまたは複数のスイッチを含む、先行する実施例のいずれか1つの装置。
【0066】
実施例5:第2のコネクタは第1の周辺機器コネクタであり、装置は、第1の周辺機器コネクタを含む複数の周辺機器コネクタをさらに含み、複数の周辺機器コネクタは、装置を複数のそれぞれの周辺機器と結合するように構成される、先行する実施例のいずれか1つの装置。
【0067】
実施例6:ホストと、他の周辺機器コネクタに結合されたそれぞれの周辺機器と、の間の通信を可能にするために、装置の第1のコネクタと、複数の周辺機器コネクタの他のコネクタとの間の電力経路または通信経路を切り替えるように構成されたマルチプレクサ回路をさらに含む、実施例5の装置。
【0068】
実施例7:複数のそれぞれの周辺機器は、周辺機器のクラスまたは周辺機器のタイプを含み、または、複数の周辺機器コネクタは、周辺機器のクラスまたは周辺機器のタイプに対して、それぞれの電力および通信インターフェースを提供するように構成される、実施例5または実施例6の装置。
【0069】
実施例8:ホストはホストPCBを含み、ホストPCBは、システムオンチップ(SoC)と、装置のインターフェース回路の少なくとも第1の構成または第2の構成を決定するように構成されたシステム構成モジュールと、装置から、装置によって分配された電力または促進された通信の信号レベルの測定値を受信するように構成されたデバッグモジュールと、を含む、実施例2または実施例3の装置。
【0070】
実施例9:システム構成モジュールは、ホストPCBに結合するように構成されたシステム構成モジュールPCBを含み、または、デバッグモジュールは、ホストPCBに結合するように構成されたデバッグモジュールPCBを含む、実施例8の装置。
【0071】
実施例10:システム構成モジュールは、さらに、装置識別子を使用して装置を識別し、装置識別子に基づいてインターフェース回路の第1の構成または第2の構成を決定し、または、第1の周辺機器識別子に基づいて、第1の周辺機器、第1の周辺機器のクラス、または第1の周辺機器のタイプを識別し、第1の周辺機器、第1の周辺機器のクラス、または第1の周辺機器のタイプの識別に基づいて、インターフェース回路の第1の構成を決定し、または、第2の周辺機器識別子に基づいて、第2の周辺機器、第2の周辺機器のクラス、または第2の周辺機器のタイプを識別し、第2の周辺機器、第2の周辺機器のクラス、または第2の周辺機器のタイプの識別に基づいて、インターフェース回路の第2の構成を決定する、ように構成される、実施例8または実施例9の装置。
【0072】
実施例11:制御回路は、システム構成モジュールから、インターフェース回路の第1の構成を示す第1の構成情報を受信し、ホストが第1の周辺機器と共に動作することを可能にするインターフェース回路の第1の構成を確立するために、第1の構成情報に基づいてインターフェース回路を構成する、または、システム構成モジュールから、インターフェース回路の第2の構成を示す第2の構成情報を受信し、ホストが第1の周辺機器と共に動作することを可能にするインターフェース回路の第2の構成を確立するために、第2の構成情報に基づいてインターフェース回路を構成する、ように構成される、実施例8から実施例10のいずれか1つの装置。
【0073】
実施例12:第1の構成および第1の周辺機器、または第2の構成および第2の周辺機器の少なくとも1つに対して、インターフェース回路は、SoCとそれぞれの周辺機器との間のインターフェース回路のそれぞれの構成に基づいて、SoC、それぞれの周辺機器、およびインターフェース回路の一部を含むシステムPCBの回路図を生成するのに有用な、インターフェース回路のそれぞれの構成のハードウェア回路図のネットに対応する、実施例8から実施例11のいずれか1つの装置。
【0074】
実施例13:インターフェース回路は、装置から電力を除去することなく、第1の周辺機器を第2の周辺機器または他の周辺機器とスワップし、装置から電力を除去することなく、第1の周辺機器、第2の周辺機器、または他の周辺機器を追加または除去し、装置に結合されたときに、第1の周辺機器、第2の周辺機器、または他の周辺機器の存在を検出し、または、それぞれの周辺機器識別子に基づいて、第1の周辺機器、第2の周辺機器、または他の周辺機器のインターフェース回路のそれぞれの構成を確立する、ことの少なくとも1つを可能にするように構成される、先行する実施例のいずれか1つの装置。
【0075】
実施例14:デバッグモジュールに、装置によって分配された、または促進された通信の信号レベルの測定値を提供するように構成された監視回路、をさらに含む、実施例8から実施例13のいずれか1つの装置。
【0076】
実施例15:監視回路は、装置のPCB上の外層に露出していない電気経路上の分散電力または促進された通信の自動テストを容易にするために、測定値をデバッグモジュールに提供するようにさらに構成される、実施例14の装置。
【0077】
実施例16:プロセッサと、先行する実施例のいずれか1つに記載の装置に結合されるように構成された少なくとも1つのコネクタとを含むホストPCBと、少なくとも1つの周辺機器と、先行する実施例のいずれか1つに記載の装置に結合されるように構成されたコネクタとを含む周辺機器PCBと、先行する実施例のいずれか1つに記載の装置と、を含む、モジュール式システム検証プラットフォーム。
【0078】
実施例17:ホストと少なくとも1つの周辺機器とを含むシステムを検証するための方法であって、方法は、インターフェースプリント回路基板(PCB)の回路が、インターフェースPCB識別子をホストに提供することを含み、インターフェースPCBは、ホストと少なくとも1つの周辺機器との間に結合され、方法は、インターフェースPCBの回路が、ホストに提供された装置識別子に基づいて、ホストから電力を受信することと、インターフェースPCBの回路が、ホストから受信した電力を周辺機器に分配すること、または、インターフェースPCBの回路が、ホストに提供されたインターフェースPCB識別子に基づいてホストから通信シグナリングを受信することと、インターフェースPCBの回路が、通信シグナリングに基づいて、ホストと周辺機器との間の通信を促進することと、を含む。
【0079】
実施例18:周辺機器が第1の周辺機器であり、方法は、インターフェースPCBの制御回路が、ホストが第1の周辺機器と共に動作することを可能にするインターフェースPCBの回路の第1の構成を確立することと、制御回路が、インターフェースPCBへの第2の周辺機器の結合を検出することと、制御回路が、インターフェースPCBの回路の少なくとも1つの動作特性を変更して、インターフェースPCBに結合されたときにホストが第2の周辺機器と共に動作することを可能にする回路の第2の構成を確立することと、をさらに含む、実施例17の方法。
【0080】
実施例19:インターフェースPCBの制御回路が、第1の周辺機器から第1の周辺機器識別子を受信することと、制御回路が、第1の周辺機器識別子をホストに提供することと、ホストから、ホストが第1の周辺機器と共に動作することを可能にするインターフェース回路の第1の構成に確立するために制御回路に有用な第1の構成情報を受信することと、または、制御回路が、第2の周辺機器から第2の周辺機器識別子を受信することと、制御回路が、第2の周辺機器識別子をホストに提供することと、ホストから、ホストが第2の周辺機器と共に動作することを可能にするインターフェース回路の第2の構成を確立するために制御回路に有用な第2の構成情報を受信することと、をさらに含む、実施例18の方法。
【0081】
実施例20:ホストから提供される1つまたは複数の信号のそれぞれの電圧レベルを1つまたは複数の異なる電圧レベルに変換するためにインターフェースPCBの複数のレベルシフタのうちの1つまたは複数を構成することと、周辺機器に提供される異なる電圧レベルを有する1つまたは複数の信号を構成すること、または周辺機器に提供される電力を分配またはシーケンスするためにインターフェースPCBの1つまたは複数の負荷スイッチを構成することと、をさらに含む、実施例15から19のいずれか1つの方法。
【0082】
実施例21:インターフェースPCBによって分配された電力またはホストと少なくとも1つの周辺機器との間の促進された通信の信号レベルの少なくとも1つの測定値を提供するようにインターフェースPCBの監視回路を構成することと、インターフェースPCBによって分配された電力またはホストと少なくとも1つの周辺機器との間の促進された通信の信号レベルの測定値をホストのデバッグモジュールに提供することと、をさらに含む、実施例17から20のいずれかの方法。
【0083】
結論
文脈により別段の指示がない限り、本明細書における「または」という言葉の使用は、「包括的なまたは」、または「または」という言葉によってリンクされている1つまたは複数の項目の包含または適用を許可する用語の使用とみなされ得る(例えば、「AまたはB」という語句は、「A」のみを許可するもの、「B」のみを許可するもの、または「A」と「B」の両方を許可するものとして解釈され得る)。また、本明細書で使用される場合、項目のリストの「少なくとも1つ」を指す語句は、単一のメンバーを含むそれらの項目の任意の組み合わせを指す。例えば、「a、b、またはcの少なくとも1つ」には、a、b、c、a-b、a-c、b-c、およびa-b-cだけでなく、同じ要素の複数の組み合わせも含まれる(例えば、a-a、a-a-a、a-a-b、a-a-c、a-b-b、a-c-c、b-b、b-b-b、b-b-c、c-c、c-c-c、またはa、b、およびcのその他の順序)。さらに、添付の図に表された項目および本明細書で議論される用語は、1つまたは複数の項目または用語を示す場合があり、したがって、本明細書では単一または複数の形式の項目および用語を互換的に参照することができる。コンピューティングデバイスのモジュール式システム検証プラットフォームの実装が、ある特徴および/または方法に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲の主題は、必ずしも説明された特定の特徴または方法に限定されない。むしろ、特定の特徴および方法は、モジュール式システム検証のための例示的な実装として開示される。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホスト(106)と少なくとも1つの周辺機器(110)とを含むシステムを検証するための装置であって、
装置識別子を含むプリント回路基板、PCB(108)と、
前記PCBに結合され、前記ホストに結合するように構成された第1のコネクタ(208-1)と、
前記PCBに結合され、前記周辺機器に結合するように構成された第2のコネクタ(208-2)と、
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの間で前記PCBに結合されたインターフェース回路(602)と、
を含み、
前記インターフェース回路は、少なくとも、
前記装置識別子を前記ホストに提供し、
前記ホストに提供された前記装置識別子に基づく電力を前記ホストから受信し、
前記ホストから前記周辺機器に前記電力を分配し、または、
前記ホストに提供された前記装置識別子に基づく通信シグナリングを前記ホストから受信し、
前記通信シグナリングに基づいて、前記ホストと前記周辺機器との間の通信を促進する、
ことによって前記ホストが前記周辺機器と共に動作することを可能にするように構成される、
装置。
【請求項2】
前記周辺機器は第1の周辺機器であり、前記装置は前記インターフェース回路に結合された制御回路をさらに含み、前記制御回路は、
前記ホストが第1の周辺機器と共に動作することを可能にするために、前記インターフェース回路の第1の構成を確立し、
前記第2のコネクタに結合された、または別の周辺機器に結合するように構成された前記PCBの第3のコネクタに結合された、第2の周辺機器を検出し、
前記PCBの前記第2のコネクタまたは前記第3のコネクタに結合されたとき、前記ホストが前記第2の周辺機器と共に動作することを可能にする前記インターフェース回路の第2の構成を確立するために、前記インターフェース回路の少なくとも1つの動作特性を変更する、
ように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御回路は、さらに、
前記第2のコネクタを介して、前記第1の周辺機器から第1の周辺機器識別子を受信し、
前記第1の周辺機器識別子を前記ホストに提供し、
前記ホストから、前記ホストが前記第1の周辺機器と共に動作することを可能にするために、前記インターフェース回路の前記第1の構成を確立するのに有用な第1の構成情報を受信し、または、
前記第2のコネクタまたは前記第3のコネクタを介して、前記第2の周辺機器から第2の周辺機器識別子を受信し、
前記第2周辺機器識別子を前記ホストに提供し、
前記ホストから、前記ホストが前記第2の周辺機器と共に動作することを可能にするために、前記インターフェース回路の前記第2の構成を確立するのに有用な第2の構成情報を受信する、
ように構成される、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記インターフェース回路は、
前記ホストから供給される1つまたは複数の信号のそれぞれの電圧レベルを1つまたは複数の異なる電圧レベルに変換するように構成された複数のレベルシフタを含み、
前記異なる電圧レベルを有する前記1つまたは複数の信号は前記周辺機器に供給され、
前記インターフェース回路は、
前記ホストによって提供されるパワーレールに結合され、前記周辺機器に電力を分配またはシーケンスするように構成される1つまたは複数のスイッチを含む、
請求項
1に記載の装置。
【請求項5】
前記第2のコネクタは第1の周辺機器コネクタであり、
前記装置は、前記第1の周辺機器コネクタを含む複数の周辺機器コネクタをさらに含み、
前記複数の周辺機器コネクタは、前記装置を複数のそれぞれの周辺機器と結合するように構成される、
請求項
1に記載の装置。
【請求項6】
前記ホストと、他の周辺機器コネクタに結合された前記それぞれの周辺機器と、の間の通信を可能にするために、前記装置の前記第1のコネクタと、前記複数の周辺機器コネクタの他のコネクタとの間の電力経路または通信経路を切り替えるように構成されたマルチプレクサ回路をさらに含む、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のそれぞれの周辺機器は、周辺機器のクラスまたは周辺機器のタイプを含み、または、
前記複数の周辺機器コネクタは、前記周辺機器のクラスまたは前記周辺機器のタイプに対して、それぞれの電力および通信インターフェースを提供するように構成される、
請求項5または請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ホストはホストPCBを含み、前記ホストPCBは、
システムオンチップ(SoC)と、
前記装置の前記インターフェース回路の少なくとも前記第1の構成または前記第2の構成を決定するように構成されたシステム構成モジュールと、
前記装置から、前記装置によって分配された電力または促進された通信の信号レベルの測定値を受信するように構成されたデバッグモジュールと、
を含む、
請求項2または請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記システム構成モジュールは、前記ホストPCBに結合するように構成されたシステム構成モジュールPCBを含み、または、
前記デバッグモジュールは、前記ホストPCBに結合するように構成されたデバッグモジュールPCBを含む、
請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記システム構成モジュールは、さらに、
前記装置識別子を使用して前記装置を識別し、前記装置識別子に基づいて前記インターフェース回路の前記第1の構成または前記第2の構成を決定し、または、
前記第1の周辺機器識別子に基づいて、前記第1の周辺機器、前記第1の周辺機器のクラス、または前記第1の周辺機器のタイプを識別し、前記第1の周辺機器、前記第1の周辺機器の前記クラス、または前記第1の周辺機器の前記タイプの前記識別に基づいて、前記インターフェース回路の前記第1の構成を決定し、または、
第2の周辺機器識別子に基づいて、前記第2の周辺機器、前記第2の周辺機器のクラス、または前記第2の周辺機器のタイプを識別し、前記第2の周辺機器、前記第2の周辺機器の前記クラス、または前記第2の周辺機器の前記タイプの前記識別に基づいて、前記インターフェース回路の前記第2の構成を決定する、
ように構成される、
請求項
8に記載の装置。
【請求項11】
前記制御回路は、
前記システム構成モジュールから、前記インターフェース回路の前記第1の構成を示す前記第1の構成情報を受信し、
前記ホストが前記第1の周辺機器と共に動作することを可能にする前記インターフェース回路の前記第1の構成を確立するために、前記第1の構成情報に基づいて前記インターフェース回路を構成する、または、
前記システム構成モジュールから、前記インターフェース回路の前記第2の構成を示す前記第2の構成情報を受信し、
前記ホストが前記第1の周辺機器と共に動作することを可能にする前記インターフェース回路の前記第2の構成を確立するために、前記第2の構成情報に基づいて前記インターフェース回路を構成する、
ように構成される、
請求項
8に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の構成および前記第1の周辺機器、または前記第2の構成および前記第2の周辺機器の少なくとも1つに対して、
前記インターフェース回路は、前記SoCと前記それぞれの周辺機器との間の前記インターフェース回路のそれぞれの構成に基づいて、前記SoC、前記それぞれの周辺機器、および前記インターフェース回路の一部を含むシステムPCBの回路図を生成するのに有用な、前記インターフェース回路の前記それぞれの構成のハードウェア回路図のネットに対応する、
請求項
8に記載の装置。
【請求項13】
前記インターフェース回路は、
前記装置から電力を除去することなく、前記第1の周辺機器を前記第2の周辺機器または他の周辺機器とスワップし、
前記装置から電力を除去することなく、前記第1の周辺機器、前記第2の周辺機器、または前記他の周辺機器を追加または除去し、
前記装置に結合されたときに、前記第1の周辺機器、前記第2の周辺機器、または前記他の周辺機器の存在を検出し、または、
それぞれの周辺機器識別子に基づいて、前記第1の周辺機器、前記第2の周辺機器、または前記他の周辺機器の前記インターフェース回路のそれぞれの構成を確立する、
ことの少なくとも1つを可能にするように構成される、
請求項
8に記載の装置。
【請求項14】
前記デバッグモジュールに、前記装置によって分配された、または促進された通信の信号レベルの測定値を提供するように構成された監視回路、
をさらに含む、
請求項
8に記載の装置。
【請求項15】
ホスト(106)と少なくとも1つの周辺機器(110)とを含むシステムを検証するための方法であって、
前記方法は、
インターフェースプリント回路基板(PCB)(108)の回路が、インターフェースPCB識別子を前記ホストに提供することを含み、
前記インターフェースPCBは、前記ホストと前記少なくとも1つの周辺機器との間に結合され、
前記方法は、
前記インターフェースPCBの前記回路が、前記ホストに提供された装置識別子に基づいて、前記ホストから電力を受信する(704)ことと、
前記インターフェースPCBの前記回路が、前記ホストから受信した電力を前記周辺機器に分配する(706)こと、または、
前記インターフェースPCBの前記回路が、前記ホストに提供された前記インターフェースPCB識別子に基づいて前記ホストから通信シグナリングを受信する(708)ことと、
前記インターフェースPCBの前記回路が、前記通信シグナリングに基づいて、前記ホストと前記周辺機器との間の通信を促進する(710)ことと、
を含む、方法。
【国際調査報告】