(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】呼吸する農産物を保存する為の包装体、及び方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/50 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
B65D85/50 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522184
(86)(22)【出願日】2022-08-22
(85)【翻訳文提出日】2024-05-27
(86)【国際出願番号】 EP2022073360
(87)【国際公開番号】W WO2023061645
(87)【国際公開日】2023-04-20
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524137709
【氏名又は名称】ペルフォ ナレッジ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【氏名又は名称】村上 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100160738
【氏名又は名称】加藤 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100166718
【氏名又は名称】石渡 保敬
(72)【発明者】
【氏名】グルーネウェフ,バスティアーン リンケ アントニー
【テーマコード(参考)】
3E035
【Fターム(参考)】
3E035AA11
3E035BA08
3E035BB02
3E035BC02
3E035BD01
(57)【要約】
包装体内に収容される呼吸する農産物、特には、野菜、果実、ハーブ、スパイス及び/又は花、を保存する為の包装体、並びに、関連づけられた方法が提供される。前記包装体は、前記農産物の一部を収容する為の包装体体積と包装体雰囲気を画定し、並びに包装材料、特には、10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、最も好ましくは2以下、のヘイズを有するBOPE又はMDOPE含有ポリマーフィルム、を含み、前記包装体を、制御された雰囲気包装体(CAP)へと形成する為に、前記包装体を取り囲む雰囲気との気体交換を可能にする1以上の穿孔が備えられている。前記包装体は、包装体の二酸化炭素透過率(CO2TRpack)を有し、及び該CO2TRpackが、包装されるべき100グラムの農産物当たり、少なくとも1000ml/24時間である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装体内に収容される呼吸する農産物を保存する為の該包装体であって、前記包装体が、前記農産物の一部を収容する為の包装体体積と包装体雰囲気とを画定し、該包装体が、
ASTM D 1003によって決定された場合に、10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、最も好ましくは2以下、のヘイズを有する二軸配向ポリエチレン(BOPE)又は一方向配向ポリエチレン(MDOPE)含有ポリマーフィルムを含むところの包装材料
を含み、
ここで、前記ポリマーフィルムには、前記包装体を、制御された雰囲気包装体(CAP)へと形成する為に、前記包装体を取り囲む前記雰囲気と気体交換を可能にする1以上の穿孔が設けられており、
ここで、前記包装体は、包装体の二酸化炭素透過率(CO
2TR
pack)を有し、
ここで、前記包装体の二酸化炭素透過率(CO
2TR
pack)が前記包装材料の穿孔の二酸化炭素透過率(CO
2TR
perf)と前記包装材料の二酸化炭素透過率(CO
2TR
mat)との合計(CO
2TR
pack=CO
2TR
perf+CO
2TR
mat)であるように前記1以上の穿孔が穿孔の二酸化炭素透過率(CO
2TR
perf)を提供し、
ここで、前記CO
2TR
packが、包装されるべき100グラムの農産物当たり、少なくとも1000ml/24時間、好ましくは少なくとも1500ml/24時間、より好ましくは少なくとも2000ml/24時間、最も好ましくは少なくとも2500ml/24時間、である、
前記包装体。
【請求項2】
包装されるべき前記農産物が、生鮮カット葉物野菜、生鮮カット野菜、果実、ハーブ、花、又は調理済みのサラダから選択される、請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記生鮮カット葉物野菜が、レタス、ルッコラ、ホウレンソウ、ロメイン、又はそれらの組み合わせを含む、請求項2に記載の包装体。
【請求項4】
前記生鮮カット野菜が、インゲン豆、ズッキーニ、ニンジン、スプラウト、リーキ、カリフラワー、ブロッコリー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項2に記載の包装体。
【請求項5】
生鮮な前記果実が、ベリー類、リンゴ、ナシ、トマト、ペッパー、バナナ、石果、例えばマンゴー、又はそれらの組み合わせを含む、請求項2に記載の包装体。
【請求項6】
前記調理済みのサラダが、生鮮カット葉物野菜、及び/又は生鮮カット野菜、及び/又は生鮮な果実を含む、請求項2に記載の包装体。
【請求項7】
前記ポリマーフィルムの層の厚さが、5~200マイクロメートルの範囲、好ましくは10~150マイクロメートルの範囲、より好ましくは15~100マイクロメートルの範囲、更により好ましくは20~75マイクロメートルの範囲、最も好ましくは15~50マイクロメートルの範囲、である、請求項1~6のいずれか1項に記載の包装体。
【請求項8】
前記包装材料が、材料の酸素透過率(O
2TR
pack)と穿孔の酸素透過率(O
2TR
perf)を有し、並びに前記包装体の酸素透過率(O
2TR
pack)が、前記包装材料の穿孔の酸素透過率(O
2TR
perf)と前記包装材料の酸素透過率(O
2TR
mat)との合計(O
2TR
pack=O
2TR
perf+O
2TR
mat)であり、並びに前記包装体の透過率b
packが、b
pack=(CO
2TR
perf+CO
2TR
mat)/(O
2TR
perf+O
2TR
mat)であり、ここで、前記包装体の透過率b
pack=CO
2TR
pack/O
2TR
packが、少なくとも1.5、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3、更により好ましくは少なくとも4、例えば5以上、である、請求項1~7のいずれか1項に記載の包装体。
【請求項9】
前記包装材料が、少なくとも2000ml/(m
2.24時間)、好ましくは少なくとも3000ml/(m
2.24時間)、より好ましくは少なくとも4000ml/(m
2.24時間)、最も好ましくは少なくとも5000ml/(m
2.24時間)、の酸素透過率(O
2TR
mat)を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の包装体。
【請求項10】
前記包装材料が、少なくとも15000ml/(m
2.24時間)、好ましくは少なくとも20000ml/(m
2.24時間)、より好ましくは少なくとも25000ml/(m
2.24時間)、最も好ましくは少なくとも30000ml/(m
2.24時間)、の二酸化炭素透過率(CO
2TR
mat)を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の包装体。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の包装体内に収容される呼吸する農産物を保存する為の包装体であって、前記包装材料が、トレーと、該トレーに密封され、従って該包装体を閉鎖する蓋フィルムとを備えており、
ここで、前記蓋フィルムが、二軸配向ポリエチレン(BOPE)又は一方向配向ポリエチレン(MDOPE)含有ポリマーフィルムである、
前記保存する為の包装体。
【請求項12】
包装体内に収容される呼吸する農産物を保存する為の該包装体を製造する為の方法であって、
i.ASTM D 1003によって決定された場合に、10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、最も好ましくは2以下、のヘイズを有する二軸配向ポリエチレン(BOPE)又は一方向配向ポリエチレン(MDOPE)含有ポリマーフィルムを含むところの包装材料から、前記呼吸する農産物の一部を前記包装体体積内に収容する為の包装体体積を画定するところの閉鎖された包装体を用意すること;並びに、
ii.前記包装体が、包装されるべき100グラムの農産物当たり、少なくとも1000ml/24時間、好ましくは少なくとも1500ml/24時間、より好ましくは少なくとも2000ml/24時間、最も好ましくは少なくとも2500ml/24時間、である包装体の二酸化炭素透過率(CO
2TR
pack)を有するように、前記包装体雰囲気と前記包装体を取り囲む雰囲気との間で気体交換を可能にする為に、前記包装材料中に備えられる又は備えられるべき1以上の穿孔のサイズ及び場合によっては該穿孔の数を決定して、前記包装体を、制御された雰囲気包装体(CAP)へと形成すること
を含む、前記方法。
【請求項13】
前記包装材料が、少なくとも10000ml/(m
2.24時間)、好ましくは少なくとも12000ml/(m
2.24時間)、より好ましくは少なくとも15000ml/(m
2.24時間)、最も好ましくは少なくとも20000ml/(m
2.24時間)、の二酸化炭素透過率(CO
2TR)を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記包装材料が、少なくとも2000ml/(m
2.24時間)、好ましくは少なくとも3000ml/(m
2.24時間)、より好ましくは少なくとも4000ml/(m
2.24時間)、最も好ましくは少なくとも5000ml/(m
2.24時間)、の酸素透過率(O
2TR)を有する、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか1項に記載の包装体内に収容される呼吸する農産物を保存する為の包装体を製造する方法であって、前記包装材料が、トレーと、該トレーに密封され、従って該包装体を閉鎖する蓋フィルムとを備えており、ここで、前記蓋フィルムが、二軸配向ポリエチレン(BOPE)又は一方向配向ポリエチレン(MDOPE)含有ポリマーフィルムである、前記包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包装体内に収容される呼吸する農産物、特には、野菜、果実、花及びハーブ、を保存する為の包装体であって、該包装体は包装材料、特にはポリマーフィルム、を含み、該包装体には、該包装体を囲む外部雰囲気との気体交換、特には酸素及び二酸化炭素の交換、を可能にする1以上の穿孔が備えられているところの上記の包装体に関する。本発明は更に、そのような包装体を製造する為の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
天然産物の貯蔵寿命(Shelf life)は、生産者、販売者、再販売者及び消費者のいずれにとっても同様に関心のあることである。食品、例えば、野菜、果実、ハーブ及び/又はスパイスを包含する上記の食品、の場合に、腐敗プロセス及び/又は病原菌の繁殖を抑制するだけでなく、味、風味、熟度及び/又は構造的特性(例えば、硬さ)が特には関係する。花の場合に、特に懸念することは所謂、花持ち、すなわち切り花及び/又は花束における花がディスプレイ上で許容可能な美しい外観及び/又は香りを保つ時間、である。典型的には、花瓶の寿命は数日から長くてもせいぜい2週間である。貯蔵寿命及び花瓶の寿命は、最初の農産物の品質、並びに保管及び/又は輸送の条件によって影響を受ける。
【0003】
天然農産物、例えば、花、野菜、果実及び/又はハーブ、は、収穫後に、なかんずく酸素の消費と二酸化炭素の発生とを伴う呼吸をする傾向がある。特には、農産物がほとんど加工されていない場合に、例えば、洗浄され、そして場合によっては皮がむかれ及び/又は刻まれているが、それ以外は新鮮で且つ調理されていない場合に、呼吸が長期間継続する。そのような農産物が包装されるときに、包装体内の雰囲気は呼吸する農産物により影響を受ける。逆に、自然の農産物を取り囲む雰囲気は、包装された農産物の呼吸(respiration)、熟成(maturation)、老化(aging)及び/又は劣化(deterioration)に影響を与える。それ故に、改質された雰囲気包装(MAP:Modified Atmosphere Package)を用いて又は制御された雰囲気包装(CAP:Controlled Atmosphere Package)を用いて生鮮な農産物を包装するのが通例となっている。MAPにおいて、該農産物が包装され、そして、人工的な気体混合物が使用されて、包装内に独特な雰囲気を確立し、しかしながら、それは、該包装された農産物の呼吸により後に変化する場合がある。CAPにおいて、該農産物が包装され、そして、該包装雰囲気の組成は、雰囲気成分に対する活性吸収剤、例えば脱酸素剤、を含むことによって、及び/又は外包装材料の透過性を適合させることによって、該包装体外の外部の雰囲気との交換を可能にすることによって、例えば該包装材料に穴を開けることによって、制御される。改質され且つ制御された雰囲気包装(MAP/CAP)は、例えば色、テクスチャ、風味及び香りのうちの1つ以上において、悪影響を及ぼしうる嫌気性プロセスを避けながら、好気性呼吸速度を低下させることによって、該農産物の品質を保持する。
【0004】
生鮮及び/又は呼吸する農産物の他の観点は、一方では農産物による水蒸気の生成であり、他方では農産物及び/又は生きた汚染物質(例えば、微生物、昆虫、寄生虫及び真菌)による湿度に対する感受性である。それ故に、包装体内の雰囲気の湿度がまた、好ましくは制御されるべきである。
【0005】
上記の観点において、異なる包装体及び包装材料が開発されてきており、例えば国際公開第WO2016/071922号パンフレット又は国際公開第WO2016/003899号パンフレットを参照されたい。更に、改質された/制御された雰囲気包装の様々な観点が、米国特許第US7,083,837号明細書及びP.V.Mahajan et al.,“An interactive design of MA-packaging for fresh produce”,in:“Handbook of food science,technology and engineering”,Y.H.Hui (ed),CRC Press (Taylor & Francis Group) 2006において開示されていることに更に留意されたい。
【0006】
包装材料及び/又は呼吸する農産物の包装に関連する追加の観点は、欧州特許第EP2,294,923号、米国特許出願公開第US2010/221393号明細書、国際公開第WO2017/220801号パンフレット、米国特許出願公開第US2010/151166号明細書、国際公開第WO2018/147736号パンフレット、国際公開第WO2009/003675号パンフレット、独国特許発明第DE69,901,477号明細書において、並びにM.Mastromatteo,et al."A new approach to predict mass transport properties of micro-perforated films intended for food packaging applications",J.Food.Eng.113 (1):41-46 (2012-05-18),DOI:10.1016/J.JFOODENG.2012.05.029;及び、M.Scetar,et al,"Trends in Fruit and Vegetable Packaging - a Review",Croatian J.Food Tech.,Biotech.Nutr.,5(3-4):69-86 (2010),ISSN:1847-3423において開示されている。
【0007】
米国特許第US6,376,032号明細書は、生鮮カットフルーツ及び野菜、並びに他の呼吸する生物学的材料の包装において有用な気体透過性膜を記載する。該膜は、微多孔性ポリマーフィルム上に薄いポリマーコーティングを形成することによって製造される。好ましいコーティングポリマーは、側鎖結晶性ポリマー、例えばポリアクリレート、であり、溶液コーティングによって微多孔膜上に施与される。
【0008】
米国特許第US6,441,340号明細書は、生鮮な農産物の容器内へ及び/又は該容器内からの酸素及び二酸化炭素の流れを修正又は制御する為に使用する為の微穿孔付きの包装材料、ここで、該微穿孔は、特定の農産物用の為の大きさ、位置及び数において特別に調整されている;農産物を最適に保存する為に、特定の生鮮農産物の為の特別に調整された微穿孔付きの容器を指定する包装システム;並びに、CO2レーザとセンサ機構を用いて、包装材料に登録されたマイクロ穿孔を形成する方法を記載する。
【0009】
米国特許出願公開第US2015/321823号明細書は、シクロプロペン化合物と改質された雰囲気包装体との相乗効果により、アボカドのシェルライフ及び/又は保存を延長することに基づくものである。アボカドを保存する為の方法であって、該方法がアボカドをシクロプロペン化合物を含む雰囲気に曝露する工程を含み、ここで、(a)該シクロプロペン化合物への曝露の間に、改質された雰囲気包装体内に該アボカドがあるか、又は(b)該シクロプロペン化合物への曝露後に、改質された雰囲気包装体内に該アボカドが入れられるかのいずれかであり、並びに、該アボカドが、改質された雰囲気包装体内に少なくとも2時間留まるところの上記の方法が提供される。幾つかの実施形態において、改質された雰囲気包装体は、包装体全体についての酸素透過率がアボカドの1kg当たり及び1日当たり200~40,000立方センチメートルであるように構築される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、農産物の品質を向上させ、且つ腐敗(spoilage)及び損失を防ぐ為の継続的な努力の観点において、更なる改善が依然として望まれている。このことは特には、生鮮カット葉物野菜(freshly cut leafy greens)の為の包装体の場合に当てはまる。この種の農産物は特には、崩壊(decay)及び腐敗(spoilage)が生じやすい。それ故に、これらの種の農産物の為の包装体には、特には透明性及び貯蔵寿命に関して、依然として多くの要望が残されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ここに、呼吸する農産物を保存する為の包装体、及び包装体内に収容される呼吸する農産物を保存する為の該包装体の製造方法が提供され、添付の特許請求の範囲において特定されている。
【0012】
包装体内に収容される呼吸する農産物を保存する為の該包装体であって、該包装体が、該農産物の一部を収容する為の包装体体積と包装体雰囲気とを画定し、該包装体が、
ASTM D 1003によって決定された場合に、10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、最も好ましくは2以下、のヘイズを有する二軸配向ポリエチレン(BOPE:Biaxially Oriented Poly Ethylene)又は一方向配向ポリエチレン(MDOPE:Mono Directed Oriented poly Ethylene)含有ポリマーフィルムを含むところの包装材料
を含み、
ここで、該ポリマーフィルムには、該包装体を、制御された雰囲気包装体(CAP:Controlled Atmosphere Package)へと形成する為に、該包装体を取り囲む該雰囲気と気体交換を可能にする1以上の穿孔が設けられており、
ここで、該包装材料は、材料の二酸化炭素透過率(CO2TRmat)を有し、及び、
該包装体の二酸化炭素透過率(CO2TRpack)が該包装材料の穿孔の二酸化炭素透過率(CO2TRperf)と該包装材料の二酸化炭素透過率(CO2TRmat)との合計(CO2TRpack=CO2TRperf+CO2TRmat)であるように該1以上の穿孔が穿孔の二酸化炭素透過率(CO2TRperf)を提供し、
該CO2TRpackが、包装されるべき100グラムの農産物当たり、少なくとも1000ml/24時間、好ましくは少なくとも1500ml/24時間、より好ましくは少なくとも2000ml/24時間、最も好ましくは少なくとも2500ml/24時間、である
ところの上記の包装体。
【0013】
本開示の該包装体が、あらゆる呼吸する農産物、例えば、生鮮カット葉物野菜(freshly cut leafy greens)、生鮮カット野菜(freshly cut vegetables)、果実(fruit)、ハーブ、花、又は調理済みのサラダ、の為に好適に使用されうる。
【0014】
該生鮮カット葉物野菜が、レタス(lettuce)、ルッコラ(arugola)、ホウレンソウ(spinach)、ロメイン(romaine)、及びそれらの組み合わせを包含しうる。
【0015】
該生鮮カット野菜が、豆類(beans)、ズッキーニ(zucchini)、ニンジン(carrots)、スプラウト(sprouts)、リーキ(leaks)、カリフラワー(cauliflower)、ブロッコリー(broccoli)、及びそれらの組み合わせを包含しうる。
【0016】
生鮮な上記果実が、ベリー類(berries)、リンゴ(apples)、石果(stone-fruit)(例えば、マンゴー(mango))、ナシ(pears)、トマト(tomatoes)、ペッパー(peppers)、バナナ(bananas)、グレープ(grapes)等、及びそれらの組み合わせを包含しうる。
【0017】
該調理済みのサラダが、生鮮カット葉物野菜、及び/又は生鮮カット野菜、及び/又は生鮮な果実を含みうる。
【0018】
該ポリマーフィルム層の厚さが、5~200マイクロメートルの範囲、好ましくは10~150マイクロメートルの範囲、より好ましくは15~100マイクロメートルの範囲、更により好ましくは20~75マイクロメートルの範囲、最も好ましくは15~50マイクロメートルの範囲、である。
【0019】
該包装材料が、材料の酸素透過率(O2TRpack)と穿孔の酸素透過率(O2TRperf)を有する。該包装体の酸素透過率(O2TRpack)が、該包装材料の該穿孔の酸素透過率(O2TRperf)と該包装材料の酸素透過率(O2TRmat)との合計(O2TRpack=O2TRperf+O2TRmat)である。該包装体の透過率bpackが、bpack=(CO2TRperf+CO2TRmat)/(O2TRperf+O2TRmat)である。該包装体の透過率bpack=CO2TRpack/O2TRpackが、少なくとも1.5、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3、更により好ましくは少なくとも4、例えば5以上、である。
【0020】
該包装材料が、少なくとも2000ml/(m2.24時間)、好ましくは少なくとも3000ml/(m2.24時間)、より好ましくは少なくとも4000ml/(m2.24時間)、最も好ましくは少なくとも5000ml/(m2.24時間)、の酸素透過率(O2TRmat)を有しうる。
【0021】
該包装材料が、少なくとも15000ml/(m2.24時間)、好ましくは少なくとも20000ml/(m2.24時間)、より好ましくは少なくとも25000ml/(m2.24時間)、最も好ましくは少なくとも30000ml/(m2.24時間)、の二酸化炭素透過率(CO2TRmat)を有しうる。
【0022】
本開示に従う包装体はまた、トレーと、該トレーに密封され、従って該包装体を閉鎖する蓋フィルムとの形態でありうる。その場合において、該蓋フィルムは、二軸延伸ポリエチレン(BOPE:Biaxially Oriented Poly Ethylene)又は単方向延伸ポリエチレン(MDOPE:Mono Directed Oriented poly Ethylene)含有ポリマーフィルムである。
【0023】
本開示は更に、包装体内に収容される呼吸する農産物を保存する為の包装体を製造する為の方法であって、
i.ASTM D 1003によって決定された場合に、10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、最も好ましくは2以下、のヘイズを有する二軸配向ポリエチレン(BOPE)又は一方向配向ポリエチレン(MDOPE)含有ポリマーフィルムを含むところの包装材料から、該呼吸する農産物の一部を該包装体体積内に収容する為の包装体体積を画定するところの閉鎖された包装体を用意すること;並びに、
ii.該包装体が、包装されるべき100グラムの農産物当たり、少なくとも1000ml/24時間、好ましくは少なくとも1500ml/24時間、より好ましくは少なくとも2000ml/24時間、最も好ましくは少なくとも2500ml/24時間、である包装体の二酸化炭素透過率(CO2TRpack)を有するように、該包装体雰囲気と該包装体を取り囲む雰囲気との間で気体交換を可能にする為に、該包装材料中に備えられる又は備えられるべき1以上の穿孔のサイズ及び場合によっては該穿孔の数を決定して、該包装体を、制御された雰囲気包装体(CAP)へと形成すること
を含むところの上記の方法に向けられている。
【0024】
該方法の為の好適な包装材料が、少なくとも2000ml/(m2.24時間)、好ましくは少なくとも3000ml/(m2.24時間)、より好ましくは少なくとも4000ml/(m2.24時間)、最も好ましくは少なくとも5000ml/(m2.24時間)の酸素透過率(O2TR)を有しうる。
【0025】
該方法の為の好適な包装材料の二酸化炭素透過率(CO2TR)が、少なくとも10000ml/(m2.24時間)、好ましくは少なくとも12000ml/(m2.24時間)、より好ましくは少なくとも15000ml/(m2.24時間)、最も好ましくは少なくとも20000ml/(m2.24時間)、を有しうる。
【0026】
該包装体内に収容される呼吸する農産物を保存する為の包装体を製造する方法がまた、トレーと、該トレーに密封され、従って該包装体を閉鎖する蓋フィルムとを製造することに向けられており、ここで、該蓋フィルムが、二軸配向ポリエチレン(BOPE)又は一方向配向ポリエチレン(MDOPE)含有ポリマーフィルムである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[詳細な説明]
本開示は、呼吸する農産物を保存する為の包装体、及び包装体内に収容される呼吸する農産物を保存する為の該包装体の製造方法が提供され、添付の特許請求の範囲において特定されている。
【0028】
より特には、本開示は、包装体内に収容される呼吸する農産物を保存する為の該包装体であって、該包装体が、該農産物の一部を収容する為の包装体体積と包装体雰囲気とを画定し、該包装体が、
ASTM D 1003によって決定された場合に、10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、最も好ましくは2以下、のヘイズを有する二軸配向ポリエチレン(BOPE:Biaxially Oriented Poly Ethylene)又は一方向配向ポリエチレン(MDOPE:Mono Directed Oriented poly Ethylene)含有ポリマーフィルムを含むところの包装材料
を含み、
ここで、該ポリマーフィルムには、該包装体を、制御された雰囲気包装体(CAP:Controlled Atmosphere Package)へと形成する為に、該包装体を取り囲む該雰囲気と気体交換を可能にする1以上の穿孔が設けられており、
ここで、該包装材料は、材料の二酸化炭素透過率(CO2TRmat)を有し、及び、
該包装体の二酸化炭素透過率(CO2TRpack)が該包装材料の該穿孔の二酸化炭素透過率(CO2TRperf)と該包装材料の二酸化炭素透過率(CO2TRmat)との合計(CO2TRpack=CO2TRperf+CO2TRmat)であるように該1以上の穿孔が穿孔の二酸化炭素透過率(CO2TRperf)及び穿孔の酸素透過率(O2TRperf)を提供し、
該CO2TRpackが、包装されるべき100グラムの農産物当たり、1000ml/24時間、好ましくは少なくとも1500ml/24時間、より好ましくは少なくとも2000ml/24時間、最も好ましくは少なくとも2500ml/24時間、である
ところの上記の包装体に向けられている。
【0029】
使用される該包装材料は、二軸配向ポリエチレン(BOPE)又は一方向配向ポリエチレン(MDOPE)含有ポリマーフィルムである。ポリエチレンフィルムが、機械方向と機械の横方向との両方に押し出され、そして延伸された場合に、それは二軸配向ポリエチレン(biaxially oriented polyethylene)と呼ばれる。押し出されたポリエチレンフィルムが一方向にのみ延伸されている場合に、それは一方向配向ポリエチレン(mono directed oriented polyethylene)と呼ばれる。BOPEフィルム及びMDOPEフィルムは多層であってもよい。例えば、BOPE又はMDOPE含有フィルムはまた、ポリエチレンコア層上に印刷可能な層及び/又はヒートシール可能な層を備えていてもよい。層間に必要な適合性を提供する為に、様々な層には任意的に、中間層が備えられていてもよい。好ましくは、該様々な層はポリエチレン層である。BOPEフィルム及びMDOPEフィルムは、慣用的なポリエチレンフィルムBOPEフィルムよりも高い引張強度及び衝撃強度を有する。更に、BOPE及びMDOPEは、高い透明度で製造されうる。本開示に従う包装体は農産物を保存する為に使用される故に、包装材料の透明性は重要である。顧客は、農産物の品質と新鮮さとを顧客自体が確実に確認したいことを望む。ASTM D 1003によって決定され場合に、10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、最も好ましくは2以下、のヘイズを有するBOPE及びMDOPE含有ポリマーフィルムが、本発明の包装体の為に適している。それらのより高い機械的強度の為に、BOPE及びMDOPE含有ポリマーフィルムは、厚さを減らして調製されてもよく、その結果、プラスチックの使用量が削減され、従ってコストが削減され及び廃棄物が削減される。その上、BOPEとMDOPEは100%再生可能である。本発明者等は、この種の材料が、非常に均質な穿孔を再現可能な様式で微穿孔を作成する為に特に適していることを見つけた。本発明者等はまた、BOPE及びMDOPEが、慣用的なポリエチレンに比べて、CO2の透過性とβ比とが非常に高く、並びに水蒸気透過率が高いことを見つけた。これらの特性により、該包装材料は本開示に従う包装体における使用の為に非常に適している。包装されるべき特定の農産物に合わせて包装体を調整することが更には可能である。
【0030】
二軸配向ポリエチレン(BOPE)フィルムは当技術分野において知られている。例えば、国際公開第WO97/22470号パンフレットはBOPEフィルムとその製造方法を記載する。この例において、幾つかのフィルムが調製され、及び配向されている。該フィルムの開示されている特性は、酸素透過率及び水蒸気透過率を含む。該パンフレットは、該フィルムのCO2透過率について言及していない。
【0031】
上記のパンフレットに記載されているように、農産物の種が異なることにより及び農産物種内の品種が異なることにより、異なる呼吸速度を示すことが知られている。CAPの為の穿孔の総開口面積は、包装される(べき)農産物と包装材料それ自体の透過特性とに基づいて決定されるべきである。各物質についての包装体の透過率は、包装材料の透過率と夫々の物質についての穿孔を通る透過率との組み合わせによって形成される。
【0032】
本開示の包装体は、呼吸するあらゆる農産物、例えば、生鮮カット葉物野菜、生鮮カット野菜、果実、ハーブ、花、又は調理済みのサラダ、の為に好適に使用されうる。上述されているように、BOPE又はMDOPE含有ポリマーフィルムは、呼吸するあらゆる農産物の包装体への調整を可能にする。本発明者等は、このことが、包装されるべき100グラムの農産物当たり少なくとも1000ml/24時間に、包装体の二酸化炭素透過率を設定することによってなされることができることを見つけた。二酸化炭素が有害なレベルに達したときの影響は、葉物野菜、例えばホウレンソウ(spinach)、は、密度の高い野菜、例えばインゲン豆(green beans)又は芽キャベツ(brussels sprouts)、よりもはるかに高い。なぜならば、ホウレンソウの重量当たりの表面積はインゲン前のそれよりもはるかに大きいからである。従って、本開示により、要求の高い農産物、例えば葉物野菜、だけでなく、密度の高い野菜、例えばインゲン豆又は芽キャベツ、の為にも適した包装体が提供される。100グラムの農産物当たりの包装体のCO2TRのパラメータは、農産物の密度における違いが考慮されている。上記のパンフレットにおいて、このパラメータは開示されておらず、且つその関連性も認識されていなかった。
【0033】
生鮮カット葉物野菜の例は、レタス、ルッコラ、ホウレンソウ、ロメイン、及びそれらの組み合わせである。
【0034】
これらの生鮮カット葉物野菜の場合に、100グラム当たりの包装体のCO2TRは好ましくは、1500ml/24時間、より好ましくは2000ml/24時間、最も好ましくは2500ml/24時間、である。
【0035】
生鮮カット野菜の例は、豆類、ズッキーニ、ニンジン、スプラウト、リーキ、カリフラワー、ブロッコリー等、及びそれらの組み合わせである。
【0036】
生鮮な果実の例は、ベリー類、リンゴ、ナシ、トマト、ペッパー、バナナ、マンゴー、ブドウ、石果(例えばマンゴー、ブドウ)等、及びそれらの組み合わせである。
【0037】
本開示に従う包装体はまた、調理済みのサラダの為に好適に使用されうる。該調理済みのサラダは、生鮮カット葉物野菜、及び/又は生鮮カット野菜、及び/又は生鮮な果実を含みうる。
【0038】
上述されているように、BOPE及びMDOPEはその高い機械的強度の為に、慣用的なポリエチレンよりも小さな厚みで調製されることができる。これらの種類のフィルムの再生可能であることに加えて、これらの薄くされた厚みはコスト及び環境への影響に関しても利点を有する。
【0039】
該ポリマーフィルム層の厚さは、5~200マイクロメートルの範囲、好ましくは10~150マイクロメートルの範囲、より好ましくは15~100マイクロメートルの範囲、更により好ましくは20~75マイクロメートルの範囲、最も好ましくは15~50マイクロメートルの範囲、である。
【0040】
該包装材料は、二酸化炭素透過率CO2TRmat及び酸素透過率O2TRを有する。該包装体は、該包装体の二酸化炭素透過率CO2TRpack及び酸素透過率O2TRpack、並びに、少なくとも1.5、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3、更に好ましくは少なくとも4、例えば5以上、の包装体の透過率bpack=CO2TRpack/O2TRpackを有する。
【0041】
従って、包装体全体として、酸素と二酸化炭素とについての透過率の間で高い透過率を提供する。
【0042】
二酸化炭素透過率は二酸化炭素の排出を促進し、従って、包装体雰囲気中のCO2濃度の上昇を軽減し、従って、嫌気性崩壊プロセス(anaerobic decay processes)のリスクを軽減又は防止する。更に、CO2は水に溶解し得、後にそこから該包装体雰囲気に再び入る場合があり、そして、水と反応して二酸化炭素を形成する場合があり、その結果、該包装体内に保存されている食品である農産物の味及び/又は成分に影響を与える場合がある。
【0043】
呼吸する農産物を収容する包装が閉じられるときに、包装雰囲気中の酸素が消費され、そして、酸素濃度が低下する。
【0044】
O2濃度が低すぎることにより嫌気性崩壊プロセス(anaerobic decay processes)が加速される場合があり、しかしながら、該濃度が高すぎることにより農産物の老化を加速される。どちらも防がれるべきである。該包装体の酸素透過率O2TRは、該包装雰囲気内への酸素の流入を可能にし、酸素の完全な消費を防ぐ。
【0045】
典型的には1~10%、好ましくは2~8%、例えば3~7%、より好ましくは4~6%、の範囲の酸素濃度が、老化プロセスを減速し(「農産物を眠らせる」としてまた知られている)及び貯蔵寿命を最大化する為に好ましい場合がある。そのような濃度は、CAPとして該包装体を形成する1以上の穿孔によって達成されうる。1以上の穿孔によって、包装体全体として酸素透過率が高められることができる。
【0046】
核穿孔は、包装体全体としての酸素及び二酸化炭素の透過率に影響を与える。包装体の透過率 bpackは、1以上の穿孔で該包装材料を穿孔することによって、包装体雰囲気中の酸素濃度と二酸化炭素濃度との制御を容易にする。従って、酸素の流入増加と二酸化炭素の流出増加が、該1以上の穿孔によってバランスがとられうる。
【0047】
該1以上の穿孔は、1以上の微穿孔として提供されてもよい。包装体は、CAP内に形成されるときに、該包装体雰囲気を正確に制御する為に、1以上の穿孔によって提供される以外の開口部があってはならない。
【0048】
該包装体の水蒸気透過率は、CAPの為の微穿孔の開口面積によってわずかな影響しか受けないことに留意されたい。
【0049】
1つの実施態様において、該1以上の穿孔は、1平方ミリメートル未満、好ましくは0.5平方ミリメートル未満、例えば約0.25平方ミリメートル以下、の開口面積を有する微穿孔を備えうる。そのような微穿孔は、該包装材を通じた気体の交換を容易にするが、外部起源からの包装材料の汚染を妨げる。そのような微穿孔は、(熱)針によって行われうる。レーザ穿孔は、そのような微穿孔を迅速に、信頼性高く、食品に安全で、且つ所望の位置に設ける為の効果的な様式である。微穿孔はまた、特には穿孔された包装材料が高分子フィルムを含む場合において、該包装材料の完全性を著しく損なわない傾向がある。好適なフィルムは、傷つけること無しに何度も折り曲げ及び/又は折り畳まれることができる可撓性フィルムから、トレーを作る為の硬質フィルムに及びうる。
【0050】
レーザ穿孔された微穿孔は、ほぼ円形又は長円形であってもよく、50~500マイクロメートルの範囲、特には60~400マイクロメートルの範囲、好ましくは70~200マイクロメートルの範囲、より好ましくは80~150マイクロメートルの範囲、例えば90~120マイクロメートルの範囲、の(最大)直径を有しうる。
【0051】
穿孔によって提供される酸素透過率及び/又は二酸化炭素透過率を決定することは、開口面積及び膜厚を決定することを含みうる。一般的に円形、楕円形又は楕円形の穿孔の場合に、該開口面積は、穴(hole)から決定される1以上の直径に基づいて決定することによって決定されてもよく、その為にカメラ画像が使用されてもよい。好適な計算モデルは、Fishman et al,"Mathematical model for perforation effect on oxygen and water vapor dynamics in modified atmosphere packages",J.Food Sci.61(5):956-961 (1996)において提供されている。
【0052】
適切な包装材料を選択し、そして微穿孔を追加することによって、該包装体の二酸化炭素透過率及び酸素透過率、すなわちβ、を適切に設定することで、CAPが確立されることができる。従って、1以上の穿孔により、該穿孔は、穿孔の二酸化炭素透過率CO2TRperfと穿孔の酸素透過率O2TRperfを提供し、従って、該包装体の二酸化炭素透過率CO2TRpackは、該穿孔の二酸化炭素透過率CO2TRperfと包装材料の二酸化炭素透過率CO2TRの合計、すなわちCO2TRpack=CO2TRperf+CO2TRmat、であり;並びに、該包装体の酸素透過率O2TRpackは、該穿孔の酸素透過率O2TRperfと該包装材料の酸素透過率O2TRの合計、すなわちO2TRpack=O2TRperf+O2TRmat、である。従って、該包装体の透過率bpackは、bpack=(CO2TRperf+CO2TRmat)/(O2TRperf+O2TRmat)である。上述されているように、本開示に従う包装体は、少なくとも1,5、好ましくは少なくとも2、より好ましくは少なくとも3、更により好ましくは少なくとも4、例えば5以上、のbpackを有する。
【0053】
該包装材料は、少なくとも2000ml/(m2.24時間)、好ましくは少なくとも3000ml/(m2.24時間)、より好ましくは少なくとも4000ml/(m2.24時間)、最も好ましくは少なくとも5000ml/(m2.24時間)、の酸素透過率(O2TRmat)を有しうる。該酸素透過率は、ASTM D3985 2556(クーロメトリック法(coulometric method))に従って、23℃の試験温度で測定される。
【0054】
該包装材料は、少なくとも15000ml/(m2.24時間)、好ましくは少なくとも20000ml/(m2.24時間)、より好ましくは少なくとも25000ml/(m2.24時間)、最も好ましくは少なくとも30000ml/(m2.24時間)、の二酸化炭素透過率(CO2TRmat)を有しうる。該二酸化炭素透過率は、ISO 2556(マノメトリック法(manometric method))に従って、23℃の試験温度で測定される。
【0055】
本開示に従う包装体はまた、トレーと、該トレーに密封され、従って該包装体を閉鎖する蓋フィルムとの形態であってもよい。その場合に、該蓋フィルムは、二軸配向ポリエチレン(BOPE)又は一方向配向ポリエチレン(MDOPE)含有ポリマーフィルムである。
【0056】
トレー包装体は、農産物を機械的な損傷から保護し得、及び/又は農産物から漏出する汁を回収し得、従って、柔らかく及び/又は液体を生成する農産物、例えば、柔らかい果実、ベリー類、ブドウ及び/又は花、の為に特に適している。バリア材料からなるトレー包装体は、そのような目的の為に特に頑丈でありうる。
【0057】
本概念に従ってそのようなトレー包装体に包装された農産物は、延長された貯蔵寿命を有しうる。該蓋フィルムは、1以上の穿孔の為の好ましい位置であってもよく、該包装体の透過率を決定する際に特に影響を及ぼしうる。例えば、該蓋フィルムは、該包装材料の特定の二酸化炭素透過率及び/又は酸素透過率を有しうる。
【0058】
ポリエチレンテレフタレート(PET)を含む1以上の層を含むシート材料から形成されたトレーは、強度が高く且つ軽量でありうる。該包装材料は、再生可能性が高く、環境フットプリント(environmental footprint)を低減する。そのようなPETトレーにおいて、該形成されたトレーの各層の包装材料は、少なくとも50%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも95%、の非晶質ポリエチレンテレフタレートを含んでいてもよく、それにより、該トレーの形成が容易になり、及び該トレーの高い透明性が提供される。
【0059】
該包装体は、該トレーの円周に沿って、好ましくはトレーの全周に沿って、接着剤の層を設けられた周辺シールリム(peripheral sealing rim)を備えていてもよい。該接着剤は、他の(非PET)材料の蓋フィルムを該トレーにシールすることを容易にしうる。
【0060】
本開示は、包装体内に収容される呼吸する農産物を保存する為の包装体を製造する為の方法であって、
i.ASTM D 1003によって決定された場合に、10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、最も好ましくは2以下、のヘイズを有する二軸配向ポリエチレン(BOPE)又は一方向配向ポリエチレン(MDOPE)含有ポリマーフィルムを含むところの包装材料から、該呼吸する農産物の一部を該包装体体積内に収容する為の包装体体積を画定するところの閉鎖された包装体を用意すること;並びに、
ii.該包装体が、包装されるべき100グラムの農産物当たり、少なくとも1000ml/24時間、好ましくは少なくとも1500ml/24時間、より好ましくは少なくとも2000ml/24時間、最も好ましくは少なくとも2500ml/24時間、である包装体の二酸化炭素透過率(CO2TRpack)を有するように、該包装体雰囲気と該包装体を取り囲む雰囲気との間で気体交換を可能にする為に、該包装材料中に備えられる又は備えられるべき1以上の穿孔のサイズ及び場合によっては該穿孔の数を決定して、該包装体を、制御された雰囲気包装体(CAP)へと形成すること
を含む上記の方法に更に向けられている。
【0061】
本方法の為の好適な包装材料は、少なくとも2000ml/(m2.24時間)、好ましくは少なくとも3000ml/(m2.24時間)、より好ましくは少なくとも4000ml/(m2.24時間)、最も好ましくは少なくとも5000ml/(m2.24時間)、の酸素透過率(O2TR)を有しうる。しかしながら、該包装材料の酸素透過率O2TRは好ましくは、該1以上の穿孔を用いて調整を容易にする為に、15000ml/(m2.24時間)未満、より好ましくは10000ml/(m2.24時間)未満、でありうる。
【0062】
該好適な包装材料の二酸化炭素透過率(CO2TR)は、少なくとも10000ml/(m2.24時間)、好ましくは少なくとも12000ml/(m2.24時間)、より好ましくは少なくとも15000ml/(m2.24時間)、最も好ましくは少なくとも20000ml/(m2.24時間)、を有しうる。しかしながら、該包装材料の二酸化炭素透過率CO2TRは、該1以上の穿孔を用いて調整を容易にする為に、100000ml/(m2.24時間)未満、より好ましくは75000ml/(m2.24時間)未満、でありうる。
【0063】
包装体内に収容される呼吸する農産物を保存する為の包装体を製造する方法はまた、トレーに密封され、従って該包装体を閉鎖する蓋フィルムを有するトレーを製造することに向けられていてもよく、ここで、該蓋フィルムが、二軸配向ポリエチレン(BOPE)又は一方向配向ポリエチレン(MDOPE)含有ポリマーフィルムである。
【0064】
呼吸する農産物を収容する包装体は、閉鎖装置(例えば、タイ、クリップ、テープ、弾性バンド等)を用いて手によって閉鎖されてもよく、及び/又は折り畳むことによって及び/又は結び目によって閉じられてもよい。それに加えて又はその代わりに、該包装は、他の技術によって、例えば、接着剤の使用によって、及び/又はハンドヘルドデバイス及び/又は装置に備えられていてもよい自動化デバイスを使用することを含んでいてもよい溶接によって、(更に)閉じられてもよい。該包装体は充填後直ちに閉じられてもよく、又は、農産物が包装体内に充填され、そして更なる処理工程及び/又は調整工程の後に、例えば冷却後に、該包装体が閉じられてもよい。
【0065】
BOPE又はMDOPE含有ポリマーフィルムを用いることにより、許容できないほど高いレベルのCO2を防止する為に望ましい酸素量よりも多くの酸素量を許容しなければならないCAPにおいて、包装体内の酸素量を通常許容される量よりも減らすことができることが判った。
【0066】
より重要なことには、そのような包装体により、CAP包装体内の呼吸する農産物の貯蔵寿命を数日間延長することが可能である。このことは、慣用的に使用されていたポリマーフィルムと比較して、貯蔵寿命を30~100%を超えて延長することに相当する。
【0067】
より詳細には、CAPにおいて、包装体雰囲気における酸素濃度は、老化プロセス(aging processes)を遅らせる為に、酸素濃度を低下させ、同時に酸素の最低レベルを確保しうる。それに加えて又はそれと代替的には、包装体雰囲気における二酸化炭素濃度が、有害になるよりも下のレベルを確保するように制御されてもよい。こうして、老化、熟成及び/又は崩壊(decay)が遅くなり、特には嫌気的プロセス、例えば、異臭、崩壊細胞膜破壊(decay cell membrane breakdown)、が防止される。一般的に、平衡酸素濃度及び/又は二酸化炭素濃度にできるだけ早く到達することが好ましい。その為には、CAPとMAPとの組み合わせが使用されてもよい。MAPについては、周囲雰囲気と異なる雰囲気修飾(atmosphere modification)気体又は気体混合物を包装体体積内に生成すること及び/又は包装体体積内に導入することによって、該包装体を閉じる時点又はその近傍で初期包装体雰囲気が確立されうる。
【0068】
長期保存の場合に、ほとんどの農産物は、包装体雰囲気内において低いCO2濃度と低いO2濃度との両方から恩恵を受ける。ここで、O2濃度は、約1~10体積%(「%vol」)の範囲、好ましくは3~7%volの範囲である。そのような低いO2濃度を維持する為に、該包装体の1以上の穿孔は、包装体体積への酸素の流入を制御するように構成された開口領域を提供する必要があり、特には、嫌気性を防止する為の最小流入量と、低い酸素濃度が農産物の代謝プロセスを遅らせる(別名「農産物を眠らせる」(putting the produce to sleep))ことを確実にする為の最大流入量を確立する。穿孔がO2とCO2とに関して非選択的であることを考慮すると、1以上の穿孔の開口面積に対するこの制限により、該穿孔を通じた包装体からのCO2の流出が本質的に制限される。典型的には、1つの小さなレーザ穿孔についてのCO2:O2の流量比はおよそ1である。それ故に、該包装体の穿孔は、CO2の流出及びO2の流入についての上限を同時に決定する。従って、CAP包装体の製造は、一方では望まれるCO2の流出を増加させ、他方では望まれないO2の流入を増加させるという妥協を強いる。
【0069】
それ故に、該包装材料のCO2TRが高いことは、包装体雰囲気におけるO2とCO2との間の改善された濃度バランスを確立する際に有益である。なぜならば、このことにより、CAP包帯全体のCO2についての透過率が上昇するからである。
【0070】
該包装体雰囲気は、該包装体雰囲気の20%vol未満、好ましくは17%vol未満、例えば15%vol未満、更には13%vol未満、を併せて占める酸素と二酸化炭素の平衡量を規定しうる。
【0071】
経験則として、生鮮な呼吸する農産物の為の現在の包装フィルムの場合、CAPにおいて一般的に、O2とCO2の量は合わせて包装雰囲気の約21~約23%volを占めることが判っている({量O2}+{量CO2}=包装体雰囲気の約21~約23%vol)。現在提供されている包装体において、該包装体の透過率により、前述された経験則を回避し、該包装体雰囲気におけるO2及びCO2の低濃度と、その組み合わせの濃度におけるCO2の低濃度の両方を達成することが容易になってきている。
【0072】
ほとんどの老化プロセスはCO2の発生をもたらし、該包装体雰囲気中に蓄積を引き起こす。CO2濃度が高くなると、嫌気性崩壊プロセス(anaerobic decay processes)が促進されうる為に、これは防止される必要がある。しかしながら、二酸化炭素の透過率が高すぎると、代謝プロセスの望ましい減速とそれに関連付けられた貯蔵寿命の延長が妨げられる場合がある。そのようなバランスを満たす為には、現在提供されている範囲が好ましい。
【0073】
呼吸及びほとんどの老化プロセスはO2の消費をもたらし、該包装材雰囲気における枯渇を引き起こす。該包装材料の高いO2TR及び/又は該包装材料の高い二酸化炭素透過率CO2TRは、例えば、該包装体の透過率を達成する為に、該包装材料の面積と1以上の穿孔の開口面積との比を正確に確立することによって、酸素流入及び夫々の二酸化炭素流出の微調整を容易にする。
【0074】
該包装体積は、該包装体における農産物の体積の2~5倍の範囲であってもよく、場合によっては、該包装体における農産物の体積の3~4倍の範囲であってもよい。場合によっては、該包装体積は農産物の体積の5~10倍の範囲、例えば6~8倍又は7倍、であってもよい。より大きな体積比は、特に消費者向けの包装体、及び/又はラズベリー、カットレタス、ハーブ(パセリの茎(parsley stalks)、タイムの小枝(thymian sprigs)等)のように中空で、繊細で且つ細かく分割された1以上の農産物の為に使用されうる。農産物によって占有されていない包装体容積は一般的に、ヘッドスペース(headspace)と呼ばれる。
【0075】
本開示は、下記の実施例によって更に説明される。これらの実施例は単に例示の為のものであり、限定的なものとして解釈されるべきでない。
【0076】
実施例
【0077】
実施例1~13
【0078】
特許請求の範囲に記載のBOPEフィルムの幾つかの小袋には農産物が提供された。該BOPEフィルムは5層フィルムであり、下記の特性を有していた:
厚さ:30マイクロメートル,
ヘイズ:AST D 1003に基づき、2.5
引張強さ:AST D882に従って決定された場合に、MD=80,HD=210
密度:0.937g/cm3
CO2TR:ISO 2556に従って、23℃の試験温度で決定された場合に、30.000ml/(m2.24時間)。
【0079】
結果が、下記の表Iにおいて与えられている。
【0080】
比較例14~26
【0081】
比較の為に、食品包装の為の慣用的なポリエチレン製とBOPP製の小袋に同様の大きさ及び体積の同じ農産物が同じ量で包装された場合の、包装後の品質保持日数が与えられた。結果が下記の表IIにおいて与えられている。
【0082】
実施例27~33 150gの包装したほうれん草の6℃で保存時の品質及び気体レベル
【0083】
150gのホウレンソウが穿孔を有する又は有しない小袋(260mm×270mm)内に包装され、そして、6℃で20日間保存された。2、6、9、14、17及び20日目に、該小袋内の酸素(O2)レベル及び二酸化炭素(CO2)レベル、並びに全体的な品質が評価された。
【0084】
BOPE製の小袋が使用される場合には、厚さ40マイクロメートルの実施例1~14と同じフィルムが使用された。BOPP製の小袋が使用される場合には、フィルム厚さ30マイクロメートルの実施例14~26におけるものと同じ材料(CO2TR 3500ml/m2.24時間)が使用され、そして、防曇コーティングが施された。フィルム厚さ40マイクロメートルと30マイクロメートルとは、CO2TR及びO2TRに関して同等であることが判り、それ故に、互換的に使用されることができた。また、充填された小袋の酸素フラッシュ(10%の残留O2)の関連性が評価された。微穿孔が存在する場合には、PerfoTecレーザーマイクロ穿孔PER 30によって施与され、全ての小袋には同じ穿孔パターンが施された。最適な微穿孔パターンを算出する為に、生産者の呼吸数が、Fast Respiration Meter System 4.0を用いて事前に決定された。
【0085】
結果が、下記の表IIIにおいてまとめられている。
【0086】
これらの結果は、穿孔と100gの農産物当たりのCO2TRとを有する本発明に従うBOPE内に包装されたホウレンソウが、少なくとも20日間の貯蔵寿命を提供することを示す。これらの包装体内のCO2レベルは、試験期間中5%未満を維持し、一方、O2レベルは、ほうれん草のこのバッチの為に最適な約10%の範囲に維持された。CO2レベルが5%を超えると、それは農産物の味(taste)及びにおい(odour)に影響する故に、有害とみなされる。酸素でフラッシュされている包装体及びフラッシュされていない包装体の両方で、肯定的な結果が得られた。BOPP包装体(9日間の貯蔵寿命)と比較すると、これは少なくとも222%の増加である。
【0087】
しかしながら、BOPPを使用した包装体は全て、試験期間の初期にCO2が増加に見舞われ、CO2レベルが5%を超えた。また、BOPP包装体に穿孔が備えられている場合に、CO2レベルが急激に上昇し、製品品質の低下を引き起こし、その結果、貯蔵寿命はせいぜい9日間であった。
【0088】
実施例34~39 80gの包装したラムズレタス(lambs lettuce)の6℃で保存時の品質及び気体レベル
【0089】
80gのラムズレタスが穿孔を有する又は有しない小袋(260mm×270mm)内に包装され、そして、6℃で17日間保存された。2、6、9、14及び17日目に、該小袋内の酸素(O2)レベル及び二酸化炭素(CO2)レベル、並びに全体的な品質が評価された。また、充填された小袋の酸素フラッシュ(10%の残留O2)の関連性が評価された。BOPE製の小袋及びBOPP製の小袋は、実施例27~33と同じ寸法及び穿孔パターン(ある場合)を有し、並びに同じ材料のものであった。
【0090】
結果が、下記の表IVにおいてまとめられている。
【0091】
これらの結果は、穿孔と100gの農産物当たりのCO2TRとを有する本発明に従うBOPE内に包装されたラムズレタスが、少なくとも17日間の貯蔵寿命を提供することを示す。これらの包装体内のCO2レベルは、試験期間中5%未満を維持し、一方、O2レベルは、ラムズレタスのこのバッチの為に最適な約10%の範囲に維持された。CO2レベルが5%を超えると、それは農産物の味(taste)及びにおい(odour)に影響する故に、有害とみなされる。酸素でフラッシュされている包装体及びフラッシュされていない包装体の両方で、肯定的な結果が得られた。BOPP包装体(6日間の貯蔵寿命)と比較すると、これは少なくとも283%の増加である。
【0092】
BOPPを使用した包装体は、100gの農産物当たりCO2TRの要件を満たしていたが、2日後にはCO2が5%超に増加した。また、穿孔を有するBOPP包装体が提供された場合には、CO2レベルは9日目以降に5%超に増加し、それにより、穿孔がないBOPP包装体と比較すると改善されているが、それでも十分でなく、9日目には黄葉及び腐敗を生じた。製品品質の低下により、BOPPを使用した場合の賞味期限はせいぜい8日である。
【0093】
実施例40~45 150gの包装されたルッコラの6℃で保存時の品質及び気体レベル
【0094】
150gのルッコラが穿孔を有する又は有しない小袋(260mm×270mm)内に包装され、そして、6℃で17日間保存された。2、6、9、14及び17日目に、該小袋内の酸素(O2)レベル及び二酸化炭素(CO2)レベル、並びに全体的な品質が評価された。また、充填された小袋の酸素フラッシュ(10%の残留O2)の関連性が評価された。BOPE製の小袋及びBOPP製の小袋は、実施例27~33と同じ寸法、穿孔のパターン、及び同じ材質であった。
【0095】
結果が、下記の表Vにおいてまとめられている。
【0096】
これらの結果は、穿孔と、100gの農産物当たりのCO2TRとを有する本発明に従うBOPE内に包装されたルッコラが、少なくとも17日間の貯蔵寿命を提供することを示す。これらの包装体内のCO2レベルは、試験期間中5%未満を維持し、一方、O2レベルは、ルッコラレタスのこのバッチの最適な約15%の範囲に維持された。CO2レベルが5%を超えると、それは農産物の味及びにおいに影響する故に、有害とみなされる。酸素でフラッシュされている包装体及びフラッシュされていない包装体の両方で、肯定的な結果が得られた。BOPP包装体(6日間の貯蔵寿命)と比較すると、これは少なくとも283%の増加である。
【0097】
BOPPを使用した包装体は、数日後にCO2が5%超に上昇した。有害なCO2レベルに加えて、O2レベルがまた最適に保たられることができず、試験期間中に0%まで低下した。また、穿孔を有するBOPP包装体が提供される場合に、CO2レベルは2日目以降に5%超に上昇し、O2レベルの低下はそれほど顕著ではなかったが、9日目には0%まで低下し、結果として、黄変及び腐敗を生じた。製品品質の低下により、結果として、BOPPを使用した場合の賞味期限はせいぜい8日である。
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【国際調査報告】