(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ベンゾフラン誘導体の調製方法
(51)【国際特許分類】
C07D 405/12 20060101AFI20241003BHJP
C07D 405/14 20060101ALI20241003BHJP
A61K 31/4545 20060101ALI20241003BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
C07D405/12 CSP
C07D405/14
A61K31/4545
A61P35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522187
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 CN2022125302
(87)【国際公開番号】W WO2023061467
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】202111206101.0
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519352757
【氏名又は名称】江▲蘇▼恒瑞医▲薬▼股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU HENGRUI PHARMACEUTICALS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.7 KUNLUNSHAN ROAD, ECONOMIC AND TECHNOLOGICAL DEVELOPMENT ZONE, LIANYUNGANG, JIANGSU 222047, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲亜▼
(72)【発明者】
【氏名】王 入志
(72)【発明者】
【氏名】王 洋
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ ▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 磊
(72)【発明者】
【氏名】郭 昌山
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC21
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA12
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZB26
(57)【要約】
ベンゾフラン誘導体を調製するための方法。具体的には、本明細書は、式Iで示されるベンゾフラン誘導体の調製方法に関し、この方法は、収率を大幅に改良し、良好な利用可能性を有している。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法であって、式VIの化合物を式VIIの化合物と反応させるステップを含む方法。
【化1】
[式中、
R
1は同一であるか又は異なり、それぞれ独立して、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
Aによって置換され、前記R
Aは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
Bによって置換され、前記R
Bは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、及びニトロから選択され、
nは、1又は2から選択され、
Xは、ハロゲンから選択される。]
【請求項2】
化合物1を3-(アミノメチル)-4,6-ルチジン-2(1H)-オンと反応させて化合物2を得るステップを含む、請求項1に記載の、式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法。
【化2】
【請求項3】
式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法であって、式Vの化合物を式IVの化合物と反応させるステップを含む方法。
【化3】
[式中、
環Aは、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから選択され、
R
7は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、場合によっては、1個又は複数のR
Cを用いて置換され、前記R
Cは、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、
mは、0、1、2、3、4、5、又は6から選択され、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びnは、それぞれ、請求項1で言及されたとおりである。]
【請求項4】
化合物2を4-アミノテトラヒドロピランと反応させて化合物3を得るステップを含む、請求項3に記載の、式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法。
【化4】
【請求項5】
請求項1~2のいずれか1項に記載の、前記式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法におけるステップをさらに含む、請求項3又は4に記載の、式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法。
【請求項6】
式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法であって、式IIIの化合物を式IIの化合物と反応させるステップを含む方法。
【化5】
[式中、
R
8は、アルキルであり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、環A、n、及びmは、それぞれ、請求項3で言及されたとおりである。]
【請求項7】
化合物3をアセトアルデヒドと反応させて化合物4を得るステップを含む、請求項6に記載の、式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法。
【化6】
【請求項8】
請求項1又は2に記載の、前記式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法におけるステップ、及び/又は請求項3又は4に記載の、式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法におけるステップをさらに含む、請求項6又は7に記載の、式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法。
【請求項9】
下記のステップを含む、請求項8に記載の、前記式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法。
【化7】
【請求項10】
式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩。
【化8】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、環A、n、及びmは、それぞれ、請求項3で言及されたとおりである。]
【請求項11】
次式の、請求項10に記載の、前記式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩。
【化9】
【請求項12】
式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩。
【化10】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、n、及びmは、それぞれ、請求項1に記載のとおりである。]
【請求項13】
次式の、請求項12に記載の、前記式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩。
【化11】
【請求項14】
医薬品組成物であって、前記式Iの化合物を得るための、請求項6~9の方法のいずれかにより調製される化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩の治療有効量、及び薬学的に許容される1種又は複数のキャリヤー、賦形剤、又は賦形剤を含む医薬品組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、中国特許出願公開第2021112061010号(出願日;2021年10月15日)についての優先権を主張する。本出願では、上述の中国特許出願の全文を引用している。
【0002】
本開示は、ベンゾフラン誘導体を調製するための方法に関し、薬剤学の分野に属する。
【背景技術】
【0003】
リンパ腫は、リンパ球血液産生系に起因する悪性腫瘍である。腫瘍細胞に基づいて、それは次の二つのタイプに分類される:非ホジキンリンパ腫(NHL)、及びホジキンリンパ腫(HL)。アジア地区においては、患者の90%がNHLであり、それには、病理学的には、リンパ球、組織球、又は網状赤血球の、異なるレベルの分化が主として含まれる。NHLの自然経過に基づけば、それは、次の三つの臨床的タイプに分類することができる:高浸潤性リンパ腫、浸潤性リンパ腫、及び緩慢性リンパ腫。各種のリンパ球の起因を基準にして、それは、以下のように分類することができる;B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、及びNK(ナチュラルキラー)細胞リンパ腫。B細胞の主たる機能は、種々の抗体を分泌して、各種の外因性侵襲から身体を防御するのに役立つことである。
【0004】
EZH2遺伝子によってコードされたヒストンメチルトランスフェラーゼは、ポリコーム抑制複合体2(PRC2)の触媒成分である。癌組織では、正常組織に比較して、EZH2の発現量が異常に高いが、一方で、EZH2発現量は、進行した癌又は予後不良では最も高くなる。いくつかのタイプの癌においては、EZH2の過剰発現がEZH2遺伝子の増幅と同時に起きる。多数のsi/shRNAの実験検討において、腫瘍細胞株におけるEZH2の発現を低下させると、腫瘍細胞の増殖、遊走、及び浸潤又は血管新生を抑制し、アポトーシスに導くということが見出されてきた。
【0005】
以下の構造を有するEZH2阻害薬が、国際公開第2017084494A号パンフレットで提供されている:
【化1】
【0006】
国際公開第2019091450A号パンフレットにも、前述の化合物を調製するための方法が開示されているが、本開示は、調製プロセスを簡潔化し、製造コストを低減させることを考慮した、薬学的に許容される化合物の塩を調製するための方法を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2017084494A号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2019091450A号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法であって、式VIの化合物を式VIIの化合物と反応させるステップを含む方法を提供する。
【化2】
[式中、
R
1は同一であるか又は異なり、それぞれ独立して、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
Aによって置換され、R
Aは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
Bによって置換され、R
Bは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、及びニトロから選択され、
nは、1又は2から選択され、
Xは、ハロゲンから選択される。]
【0009】
任意選択の実施態様において、式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法では、縮合剤の作用の下で、式VIの化合物を式VIIの化合物と反応させる。
【0010】
任意選択の実施態様において、縮合剤が、以下のものから選択される;N,N-カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(EDCI)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、4-ピロリジニルピリジン(4-PPY)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAT)、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N’,N’,N’-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート(HATU)、及びO-ベンゾトリアゾール-テトラメチルウレアヘキサフルオロホスフェート(HBTU)。
【0011】
任意選択の実施態様において、縮合剤が、EDCIとHOBTとの組合せから選択される。
【0012】
任意選択の実施態様において、式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩が、塩基性の環境の中で調製され、反応される。
【0013】
任意選択の実施態様において、式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法が、トリエチルアミン、ピリジン、及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)からなる群より選択される塩基性環境を備えている。
【0014】
任意選択の実施態様において、本開示における式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法において、反応溶媒が、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)又はジクロロメタンから選択される。
【0015】
任意選択の実施態様において、式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法には、化合物1を3-(アミノメチル)-4,6-ルチジン-2(1H)-オンと反応させて化合物2を得るステップが含まれる。
【化3】
【0016】
本開示のまた別の態様では、式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法であって、式Vの化合物を式IVの化合物と反応させるステップを含む方法が提供される。
【化4】
[式中、
環Aは、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから選択され、
R
7は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、場合によっては、1個又は複数のR
Cを用いて置換される。R
Cは、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、
mは、0、1、2、3、4、5、又は6から選択され、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、及びnは、それぞれ、式Vの化合物において定義されたとおりである。]
【0017】
任意選択の実施態様において、式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩の調製方法における式Vの化合物が、パラジウム触媒及びホスフィンリガンド触媒の存在下に、式IVの化合物と反応される。
【0018】
任意選択の実施態様におけるパラジウム触媒は、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(Pd(dba)2)である。
【0019】
任意選択の実施態様において、ホスフィンリガンド触媒が、R-(+)-2,2’-ビス(ジフェニルホスフィン)-1,1’-ビナフタレン(BINAP)である。
【0020】
任意選択の実施態様において、式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩が、塩基性の環境の中で反応される。
【0021】
任意選択の実施態様において、式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法が、カリウムtert-ブタノール(tBuOK)及び/又はナトリウムtert-ブタノール(tBuONa)から選択される塩基性環境を備えている。
【0022】
任意選択の実施態様において、式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法には、化合物2を4-アミノテトラヒドロピランと反応させて化合物3を得るステップが含まれる。
【化5】
【0023】
任意選択の実施態様において、本開示において得られる式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法には、上述の式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法におけるステップがさらに含まれる。
【0024】
本開示のまた別の態様では、式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法であって、式IIIの化合物を式IIの化合物と反応させるステップを含む方法が提供される。
【化6】
[式中、
R
8は、アルキルであり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、環A、n、及びmは、それぞれ、式IIIの化合物において定義されたとおりである。]
【0025】
任意選択の実施態様において、式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法が、弱酸環境下で反応される。
【0026】
任意選択の実施態様において、式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法において、酢酸によって弱酸性環境が与えられる。
【0027】
任意選択の実施態様において、式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法において、還元剤の存在下に、式IIIの化合物が式IIの化合物と反応される。
【0028】
任意選択の実施態様において、還元剤が、ホウ水素化ナトリウム又はシアノホウ水素化ナトリウムから選択される。
【0029】
任意選択の実施態様において、式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法には、化合物3をアセトアルデヒドと反応させて化合物4を得るステップが含まれる。
【化7】
【0030】
任意選択の実施態様において、本開示において提供される式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法には、式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための上述の方法におけるステップ、及び/又は式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための上述の方法におけるステップが、さらに含まれる。
【0031】
任意選択の実施態様において、本開示は、下記のステップを含む、式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法を与える。
【化8】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、環A、n、及びmは、それぞれ、前述のとおりである。]
【0032】
任意選択の実施態様において、本開示において提供される式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法には、以下のステップが含まれる。
【化9】
【0033】
本開示のまた別の態様においては、式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩が得られる。
【化10】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、環A、n、及びmは、それぞれ、前述のとおりである。]
【0034】
任意選択の実施態様において、本開示において得られる式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩が、次のとおりである。
【化11】
【0035】
本開示のまた別の態様においては、式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩が得られる。
【化12】
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、n、及びmは、それぞれ、前述のとおりである。]
【0036】
任意選択の実施態様において、本開示により得られる式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩が、次のとおりである。
【化13】
【発明を実施するための形態】
【0037】
そうではないとの記載がない限り、本明細書及び特許請求項で使用される用語は、以下の意味合いを有している。
【0038】
「アルキル」という用語は、1~20個の炭素原子を含む、直鎖状又は分岐状の基である飽和脂肪族炭化水素基、好ましくは1~12個の炭素原子を含むアルキル基を指している。非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、n-ヘキシル、n-オクチル、n-ヘプチル、イソオクチル、デシル、ウンデシル、ドデシル、及び、それらの各種の分岐状異性体など。
【0039】
「シクロアルキル」という用語は、3~20個の炭素原子、好ましくは3~12個の炭素原子、好ましくは3~10個の炭素原子、より好ましくは3~6個の炭素原子を含むシクロアルキル環を有する、飽和又は部分的に不飽和の、単環式又は多環式の炭化水素置換基を指している。モノシクロアルキル基の非限定な例としては、以下のものが挙げられる;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプチジル、シクロヘプチジル、シクロオクチルなど。ポリシクロアルキル基としては、スピロ環、縮合環、及び橋架け環のシクロアルキル基が挙げられる。
【0040】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、その中で、1個又は複数の環原子が、窒素、酸素、又はS(O)m(ここで、mは整数の0~2)から選択されるヘテロ原子である(但し環の一部が、-O-O-、-O-S-、又は-S-S-であって残りの環原子が炭素であるものは除く)、3~20個の環原子を含む、飽和又は部分的に不飽和の、単環式又は多環式炭化水素置換基を指している。それが3~12個の環原子を含み、そのうちの1~4個がヘテロ原子であるのが、好ましい。それが3~10個の環原子を含み、そのうちの1~4個がヘテロ原子であるのが、より好ましい。それが5~6個の環原子を含み、内の1~3個がヘテロ原子であるのが、より好ましい。単環式ヘテロシクリル基の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、高ピペラジニルなど。多環式ヘテロシクリル基としては、スピロ環状環、縮合環、及び橋架け環のヘテロシクリル基が挙げられる。
【0041】
ヘテロシクリル環が縮合されて、アリール、ヘテロアリール、又はシクロアルキル環となっていてもよく、ここで親構造に結合された環がヘテロシクリル基であるが、非限定的な例としては、以下のものが挙げられる。
【化14】
【0042】
「アリール」という用語は、6~14員の全炭素の単環式基又は共役π電子系を有する縮合多環式基(すなわち、隣接炭素原子ペアを共有している環)、好ましくは6~10員の、たとえばフェニル及びナフチルを指している。アリール環が縮合されて、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、又はシクロアルキル環となっていてもよく、ここで親構造に結合された環はアリール環であるが、非限定的な例としては、以下のものが挙げられる。
【化15】
【0043】
アリール基は、置換されていても、或いは非置換であってもよく、置換されている場合には、置換基は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、シクロアルキル、及びヘテロシクリルの1種又は複数の置換基から独立して選択される基の1個又は複数であるのが好ましい。
【0044】
「ヘテロアリール」という用語は、1~4個のヘテロ原子及び5~14個の環原子を含むヘテロアロマティック系を指しているが、ここで、ヘテロ原子は、酸素、硫黄、及び窒素から選択される。ヘテロアリール基は、好ましくは5~10員の、たとえば以下のものである:フラニル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N-アルキルピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、イミダゾリル、ピラゾリル、テトラゾリルなど。ヘテロアリール環が縮合されて、アリール、ヘテロシクリル、又はシクロアルキル環となっていてもよいが、ここで親構造に結合された環がヘテロアリール環であり、非限定的な例としては、以下のものが挙げられる。
【化16】
【0045】
「アルコキシ」という用語は、-O-(アルキル)及び-O-(非置換シクロアルキル)を指しているが、ここで、アルキルの定義は先に記述されたものである。アルコキシ基の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、及びシクロヘキソキシ。アルコキシ基は、場合によっては置換されていても、或いは非置換であってもよく、置換されている場合には、置換基は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシアルキル、シアノ、アミノ、ニトロ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールの1種又は複数の置換基から独立して選択される基の1個又は複数であるのが好ましい。
【0046】
「ハロアルキル」という用語は、1個又は複数のハロゲンで置換されたアルキルを指しているが、ここでアルキルは、上で定義されたとおりである。「ヒドロキシル」という用語は、-OH基を指している。
【0047】
「ヒドロキシアルキル」という用語は、ヒドロキシル基を用いて置換されたアルキルを指しているが、ここで、アルキル基は、上で定義されたとおりである。
【0048】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を指している。
【0049】
「アミノ」という用語は、-NH2を指している。
【0050】
「シアノ」という用語は、-CNを指している。
【0051】
「ニトロ」という用語は、-NO2を指している。
【0052】
「オキソ」という用語は、=Oを指している。
【0053】
本開示において記述される化合物の化学構造において、結合
【化17】
は、特定されていない立体配置を表す、すなわち、化学構造の中にキラル異性体が存在している場合に、結合
【化18】
は、立体配置
【化19】
であるか、又は次の立体配置の両方
【化20】
であり得る。本開示において記述される化合物の化学構造において、結合
【化21】
は立体配置を特定しない、すなわち、Z立体配置若しくはE立体配置、又は両方の立体配置をとることが可能である。
【0054】
本開示の化合物及び中間体はさらに、各種の互変異性体の形態で存在していることも可能であり、そのような形態すべてが、本開示の範囲の中に含まれる。「互変異性体」又は「互変異性体の形態」という用語は、各種のエネルギーの構造異性体を指していて、それらは、低いエネルギー障壁を介して互変異性化することができる。たとえば、プロトン互変異性体(プロトン移動互変異性体とも呼ばれる)には、たとえばケト-エノール異性化、イミン-エナミン異性化、及びラクタム-ラクチミド異性化のような、プロトン移行を介する互変異性化が含まれる。ラクタム-ラクチミド平衡の一例は、次のAとBとの間で示される。
【化22】
【0055】
本開示におけるすべての化合物は、タイプA又はタイプBとして表すことができる。すべての互変異性体の形態が本開示の範囲内に入る。化合物の命名から互変異性は除外されない。
【0056】
本開示の薬学的に許容される塩には、溶媒和化合物が含まれるが、溶媒和化合物に限定されるわけではなく、それらの溶媒としては以下のものが挙げられるが、それらに限定されない:水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、n-プロパノール、2-ブタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、n-ヘプタン、シクロヘキサン、及びn-ヘキサン。
【0057】
「任意選択の(optional)」又は「場合によっては(optionally)」という用語は、それに続けて記述される事象又は環境が起こり得る、或いは起こらなければならないわけではなく、その事象又は環境を含む記述が、ある状況設定で起こるか又は起こらないということを意味している。たとえば、「場合によってはアルキル基で置換されている(optionally substituted with an alkyl group)」という記述は、アルキル基が存在していてもよいし、或いは存在していなくてはならないわけではないということを意味しており、複素環式基がアルキル基で置換されている状態も、その複素環式基がアルキル基で置換されていない状態も含まれる。
【0058】
「置換された(substituted)」という記述は、基の中の1個又は複数の水素原子、好ましくは5個まで、より好ましくは1~3個の水素原子が互いに独立して、それぞれの数の置換基を用いて置換されているということを表している。言うまでもないことではあるが、置換基は、それらが化学的に可能な位置にのみ存在し、当業者であれば、それほど苦労することなく、可能な置換又は起こりそうにない置換を(実験的又は理論的に)決めることができる。たとえば、遊離の水素を有するアミノ基又はヒドロキシル基は、不飽和(たとえば、エチレン的)結合を有する炭素原子に結合されている場合には、不安定となり得る。
【0059】
「医薬品組成物(pharmaceutical composition)」という用語は、本明細書に記載された1種又は複数の化合物、又は生理的/薬学的に許容される塩、又はそれと他の化学成分とのプロドラッグ、さらには他の成分たとえば、生理的/薬学的に許容されるキャリヤー及び賦形剤の混合物を指している。医薬品組成物の目的は、生物体に対する投与を促進させて、有効成分の吸収を促し、それにより、生物活性を発揮させることである。本開示に記載されている「純度(purity)」又は「含量(content)」は、HPLCによる検出で求められ、化合物の構造解析データは、核磁気共鳴スペクトルの解析により得られる。本開示において使用された反応剤は、市販のルートで購入することが可能である。
【実施例】
【0060】
以下において、実施態様を参照しながら本開示をさらに詳しく説明するが、これらの実施態様は、本開示の技術的解決法を説明するために使用されるのみであって、本開示の物質及び範囲は、それらに限定されるわけではない。
【0061】
本開示の化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)及び/又は質量分光測定(MS)によって求めている。NMRの変位(シフト)Rは、10-6(ppm)の単位で表されている。NMRの測定は、Bruker AVANCE-400核磁気共鳴装置を使用して実施した。測定溶媒は、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)、重水素化クロロホルム(CDCl3)、及び重水素化メタノール(CD3OD)であり、内標準はテトラメチルシラン(TMS)であった。
【0062】
MSの測定には、FINNIGAN LCQ Ad(ESI)質量分析計(メーカー:Thermo、モデル:Finnigan LCQ advantage MAX)を使用した。
【0063】
HPLCは、WATER e2695-2489 高性能液体クロマトグラフを使用して測定した。
【0064】
本開示の公知の出発物質は、当業者には公知の方法を使用するか又はそれらの方法に従って合成することもできるし、或いは、たとえばBEPHARMのような会社から購入してもよい。
【0065】
実施態様1の化合物4の調製方法
【化23】
ステップ1.化合物2の合成
4LのDMF、500gの式1の化合物、及び800gのDIPEAを、この順で、反応容器の中に添加した。撹拌してから、335.5gのHOBt、476gのEDCI、及び257.5gの3-(アミノメチル)-4,6-ルチジン-2(1H)-オンをこの順で添加し、後で1LのDMFを添加した。それを加熱して、内温40℃にまで加温し、反応が完結するまで攪拌した。水を添加して、固形分を沈殿させ、こう解してから振盪濾過にかけた。水で洗浄してから、乾燥させると、式2の化合物(580g)が、94%の収率で得られた。
【化24】
【0066】
ステップ2.化合物3の合成
0.46gのPd(dba)2及び2.0gのBINAPを計量した。それらを十分に混合してから、反応容器に添加した。次いで、真空-N2置換して、20.0gの式2の化合物、11.52gのtBuONa及び3.2gのtBuOLiを添加した。N2保護下で、200mLの1,4-ジオキサンを添加してから、8.08gの4-アミノテトラヒドロピランを添加した。撹拌しながら、昇温させて100℃とし、反応物を24時間還流させて、反応を完結させ、次いで、後処理を開始した。
【0067】
水を添加して、反応溶液の反応を停止させ、DCMを用いて水相を洗浄した。有機相を廃棄し、水相を保持した。次いで、抽出のために、水相にDCMを添加し、水相を廃棄し、有機相を保持した。NaHSO3水溶液を添加し、内温を上昇させて30~40℃とした。1時間かけて攪拌し、分離溶液を静置した。有機相を分離した。乾燥させ、真空濾過し、脱水させると、粗製の式3の化合物が得られた。
【0068】
MTBEを添加し、攪拌し、還流させ、こう解させた。後で、n-ヘプタンを添加し、冷却して結晶化させた。母液を振盪濾過させ、n-ヘプタンを用いて濾過ケークを洗浄した。乾燥させると、式3の化合物(17.3g)が得られ、収率は83%であった。
【化25】
【0069】
ステップ3.化合物4の合成
反応容器に50mLのDCMを添加し、撹拌しながら、5.0gの式3の化合物を添加した。溶解させ、温度を下げて0~10℃とした。2.11gのアセトアルデヒド及び0.576gの酢酸を、この順で添加し、0.5時間攪拌した。次いで、6.31kgのホウ水素化ナトリウム酢酸塩を添加し、N
2保護下で、温度を徐々に上げて25℃として、反応を完結させた。水、NaOHを添加し、液相分離し、洗浄のために飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加し、乾燥させ、濾過し、スピン乾燥させた。容器にメチルtert-ブチルエーテルを添加し、攪拌して溶解させた後で、加熱還流させた。n-ヘプタンを滴下し、冷却して結晶化させ、濾過すると、粗製の式4の化合物(5.0g)が、収率95%で得られた。
【化26】
【手続補正書】
【提出日】2024-05-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法であって、式VIの化合物
又は薬学的に許容されるそれらの塩を式VIIの化合物
又は薬学的に許容されるそれらの塩と反応させるステップを含む方法。
【化1】
[式中、
各R
1は同一であるか又は異なり、それぞれ独立して、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、
ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
Aによって置換され、
ここで、前記R
Aは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、
R
2、R
3、R
4、R
5、R
6は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、
ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、
又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
Bによって置換され、
ここで、前記R
Bは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、及びニトロから選択され、
nは、1又は2から選択され、
Xは、ハロゲンから選択される。]
【請求項2】
化合物1
又は薬学的に許容されるそれらの塩を3-(アミノメチル)-4,6-ルチジン-2(1H)-オンと反応させて化合物2
又は薬学的に許容されるそれらの塩を得るステップを含む、請求項1に記載の、式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法。
【化2】
【請求項3】
式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法であって、式Vの化合物
又は薬学的に許容されるそれらの塩を式IVの化合物
又は薬学的に許容されるそれらの塩と反応させるステップを含む方法。
【化3】
[式中、
環Aは、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから選択され、
R
7は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、
ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、場合によっては、1個又は複数のR
C
によって置換され、
ここで、前記R
Cは、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、
mは、0、1、2、3、4、5、又は6から選択さ
れ、
各R
1
は同一であるか又は異なり、それぞれ独立して、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
A
によって置換され、ここで、前記R
A
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、
R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
6
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
B
によって置換され、ここで、前記R
B
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、及びニトロから選択され、
nは、1又は2から選択され、
Xは、ハロゲンから選択される。]
【請求項4】
化合物2
又は薬学的に許容されるそれらの塩を4-アミノテトラヒドロピランと反応させて化合物3
又は薬学的に許容されるそれらの塩を得るステップを含む、請求項3に記載の、式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法。
【化4】
【請求項5】
前記式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するた
めステッ
プを含む、請求項3又は4に記載の、式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法
であって、
ここで、前記ステップは、式VIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を式VIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を反応させるステップを含む、方法。
【化5】
[
式中、
各R
1
は同一であるか又は異なり、それぞれ独立して、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
A
によって置換され、ここで、前記R
A
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、
R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
6
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
B
によって置換され、ここで、前記R
B
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、及びニトロから選択され、
nは、1又は2から選択され、
Xは、ハロゲンから選択される。]
【請求項6】
式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法であって、式IIIの化合物
又は薬学的に許容されるそれらの塩を式IIの化合物
又は薬学的に許容されるそれらの塩と反応させるステップを含む方法。
【化6】
[式中、
R
8は、アルキルであり、
各R
1
は同一であるか又は異なり、それぞれ独立して、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
A
によって置換され、ここで、前記R
A
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、
R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
6
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
B
によって置換され、ここで、前記R
B
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、及びニトロから選択され、
環Aは、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから選択され、
R
7
は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、場合によっては、1個又は複数のR
C
によって置換され、ここで、前記R
C
は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、
mは、0、1、2、3、4、5又は6から選択され、
nは、1又は2から選択される。]
【請求項7】
化合物3
又は薬学的に許容されるそれらの塩をアセトアルデヒドと反応させて化合物4
又は薬学的に許容されるそれらの塩を得るステップを含む、請求項6に記載の、式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法。
【化7】
【請求項8】
前記式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するため
のステッ
プを含む、請求項6又は7に記載の、式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法
であって、ここで、前記ステップは、式VIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を、式VI又は薬学的に許容されるそれらの塩を反応させるステップを含み、
【化8】
前記方法は、式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製す
るためのステップをさらに含
み、ここで、前記ステップは、式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を式IVの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を反応させるステップを含む、方法。
【化9】
[式中、
各R
1
は同一であるか又は異なり、それぞれ独立して、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
A
によって置換され、ここで、前記R
A
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、
R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
6
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
B
によって置換され、ここで、前記R
B
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、及びニトロから選択され、
環Aは、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから選択され、
R
7
は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、場合によっては、1個又は複数のR
C
によって置換され、ここで、前記R
C
は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、
mは、0、1、2、3、4、5、又は6から選択され、
nは、1又は2から選択され、
Xは、ハロゲンから選択される。]
【請求項9】
請求項8に記載の、前記式Iの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩を調製するための方法であって、
化合物1又は薬学的に許容されるそれらの塩を3-(アミノメチル)-4,6-ルチジン-2(1H)-オンと反応させて化合物2又は薬学的に許容されるそれらの塩を得るステップ;
化合物2又は薬学的に許容されるそれらの塩を4-アミノテトラヒドロピランと反応させて化合物3又は薬学的に許容されるそれらの塩を得るステップ;及び、
化合物3又は薬学的に許容されるそれらの塩をアセトアルデヒドと反応させて化合物4又は薬学的に許容されるそれらの塩を得るステップ、を含む方法。
【化10】
【請求項10】
式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩。
【化11】
[
式中、
各R
1
は同一であるか又は異なり、それぞれ独立して、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
A
によって置換され、ここで、前記R
A
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、
R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
6
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
B
によって置換され、ここで、前記R
B
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、及びニトロから選択され、
環Aは、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルから選択され、
R
7
は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、又はヘテロアリールは、場合によっては、1個又は複数のR
C
によって置換され、ここで、前記R
C
は、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、
mは、0、1、2、3、4、5、又は6から選択され、
nは、1又は2から選択される。]
【請求項11】
次式の、請求項10に記載の、前記式IIIの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩。
【化12】
【請求項12】
式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩。
【化13】
[
式中、
各R
1
は同一であるか又は異なり、それぞれ独立して、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
A
によって置換され、ここで、前記R
A
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、
R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
6
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ、ヒドロキシ、シアノ、シクロアルキル、及びヘテロシクロアルキルから選択され、ここで、前記アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、又はヘテロシクロアルキルは、場合によっては1個又は複数のR
B
によって置換され、ここで、前記R
B
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、及びニトロから選択され、
nは、1又は2から選択される。
Xは、ハロゲンから選択される。]
【請求項13】
次式の、請求項12に記載の、前記式Vの化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩。
【化14】
【請求項14】
医薬品組成物であっ
て、請求項6
又は7に記載の方
法により調製される
式1の化合物又は薬学的に許容されるそれらの塩の治療有効量、及び薬学的に許容される1種又は複数のキャリヤー、
希釈剤、又は賦形剤を含む医薬品組成物。
【誤訳訂正書】
【提出日】2024-08-27
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0039
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0039】
「シクロアルキル」という用語は、3~20個の炭素原子、好ましくは3~12個の炭素原子、好ましくは3~10個の炭素原子、より好ましくは3~6個の炭素原子を含むシクロアルキル環を有する、飽和又は部分的に不飽和の、単環式又は多環式の炭化水素置換基を指している。モノシクロアルキル基の非限定な例としては、以下のものが挙げられる;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクチルなど。ポリシクロアルキル基としては、スピロ環、縮合環、及び橋架け環のシクロアルキル基が挙げられる。
【誤訳訂正2】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0040
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0040】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、その中で、1個又は複数の環原子が、窒素、酸素、又はS(O)m(ここで、mは整数の0~2)から選択されるヘテロ原子である(但し環の一部が、-O-O-、-O-S-、又は-S-S-であって残りの環原子が炭素であるものは除く)、3~20個の環原子を含む、飽和又は部分的に不飽和の、単環式又は多環式炭化水素置換基を指している。それが3~12個の環原子を含み、そのうちの1~4個がヘテロ原子であるのが、好ましい。それが3~10個の環原子を含み、そのうちの1~4個がヘテロ原子であるのが、より好ましい。それが5~6個の環原子を含み、内の1~3個がヘテロ原子であるのが、より好ましい。単環式ヘテロシクリル基の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる:ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモピペラジニルなど。多環式ヘテロシクリル基としては、スピロ環状環、縮合環、及び橋架け環のヘテロシクリル基が挙げられる。
【国際調査報告】