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特表2024-537349スパイラルコンベヤとスパイラルコンベヤのドラムドライブ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】スパイラルコンベヤとスパイラルコンベヤのドラムドライブ
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/08 20060101AFI20241003BHJP
   B65G 21/18 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B65G17/08
B65G21/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024522226
(86)(22)【出願日】2022-10-11
(85)【翻訳文提出日】2024-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2022078267
(87)【国際公開番号】W WO2023062017
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】17/503,251
(32)【優先日】2021-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591270796
【氏名又は名称】ハバシット アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100230640
【弁理士】
【氏名又は名称】高山 望
(72)【発明者】
【氏名】エルスナー,ディートマー
(72)【発明者】
【氏名】ディングニス,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ゲルゲリー,ヤノス
【テーマコード(参考)】
3F034
【Fターム(参考)】
3F034AA18
3F034BA07
3F034CA04
(57)【要約】
スパイラルコンベヤは、底部(112)から頂部(114)まで延びるドラム(110)を有し、移行高さを有する。ドラム(110)は複数のドライブバー(120)を含み、各ドライブバー(120)はドラム(110)の回転軸(a)と平行なドライブ側を有する。ドライブ側は、長手方向において、移行高さからドラム(110)の上部(114)まで延びる。ドライブバー(120)はドラム(110)の円周に沿って間隔をあけて配置されている。ドラム(110)は複数の移行部材(130)を含み、各移行部材(130)はドライブ面を含む。各ドライブ面の少なくとも一部は、インフィード距離にわたって、各移行部材(130)のドライブ面の円周上の位置が、対応するモジュラーベルトの崩壊距離によって前進するように、ドラム(110)の回転軸(a)に対して角度をなしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部(112)から上部(114)まで延びるドラムであって、前記ドラムによってモジュラーベルト(290)が完全に係合される移行高さ(Ht)を有する回転する円筒状のドラム(110、210、300、400)であって、
前記ドラムは、
複数のドライブバー(120、220)であって、各ドライブバー(120、220)は、前記ドラムの回転軸(a)に平行なドライブ側(122、222)を有し、上昇コンベヤにおいて、前記移行高さ(Ht)から前記ドラムの前記上部まで、または、下降コンベヤにおいて、前記移行高さ(Ht)から前記ドラムの前記底部まで長さ方向に延びて、前記ドライブバー(120、220)は前記ドラムの円周の周りで間隔を有して配置される、複数のドライブバー(120、220)と、
複数の移行部材(130、230、330、430)であって、各移行部材は、ドライブ面(132、232)を有し、各移行部材の前記ドライブ面(132、232)の少なくとも一部は、インフィード距離にわたって、各移行部材の前記ドライブ面(132、232)の円周上の位置が、対応するモジュラーベルト(290)の少なくとも崩壊距離によって前進するように、前記ドラムの前記回転軸(a)に対して角度(α)をなす、複数の移行部材(130、230、330、430)と、を有し、
前記ドラムの前記移行高さ(Ht)において、各ドライブ面の円周上の位置は、対応するドライブバー(120、220)のドライブ側(122、222)の円周上の位置と並んで配置される、ドラム(110、210、300、400)と、
前記ドラムの円周の周りに位置する螺旋状支持部(240)であって、前記螺旋状支持部(240)のねじれ角(β)は、前記螺旋状支持部(240)がインフィード距離にわたって前記ドラムの円周の1/4から2倍延びるような角度である、螺旋状支持部(240)と、を備える、スパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項2】
複数の平行支持バー(140)をさらに備え、
少なくとも1つの支持バー(140)は、前記ドラムの円周の周りにおいて、前記ドライブバー(120、220)の隣接する各対の間に配置され、
各支持バー(140)は、上昇コンベヤにおいて少なくとも前記移行高さ(Ht)から上方に延びて、下降コンベヤにおいて少なくとも前記移行高さ(Ht)から下方に延びる、請求項1に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項3】
各支持バー(140)は、対応する移行部材(130、230、330、430)から前記ドラムのアウトフィード高さ(Ho)まで延びる、請求項2に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項4】
前記複数のドライブバー(120、220)がモジュラーベルト(290)の内側エッジにおける複数の歯(292)と係合することによって、前記ドラムの周りの螺旋状の経路上で駆動されるモジュラーベルト(290)をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項5】
前記モジュラーベルト(290)は、複数のベルトモジュールを有し、
前記複数の歯(292)の各歯(292)は、2つ以上のベルトモジュールによって間隔を空けられている、請求項4に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項6】
前記2つ以上のベルトモジュールのうち、少なくとも1つのベルトモジュールは、前記2つ以上のベルトモジュールの少なくとも他の1つのベルトモジュールのピッチと異なるピッチを有する、請求項5に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項7】
前記複数の歯(292)の各歯(292)は、ドライブバー(120、220)のドライブ側に接触するように構成されたドライブ面(294)を有する、請求項4から6のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項8】
前記インフィード距離にわたって、前記モジュラーベルト(290)は、前記ドラム上で半径方向内側に移動し、隣接する歯(292)の間の距離が減少する、請求項4から7のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項9】
前記移行高さ(Ht)において、前記モジュラーベルト(290)は完全に崩壊している、請求項1から8のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項10】
前記移行高さ(Ht)と前記アウトフィード高さ(Ho)との間において、前記モジュラーベルト(290)の内側エッジは、前記ドライブバー(120、220)と前記支持バー(140)とに接触する、請求項4から8のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項11】
底部(112)から上部(114)まで延びる外周を有し、上昇スパイラルにおいて前記底部(112)の近くに、または下降スパイラルにおいて前記上部(114)の近くに移行高さ(Ht)を有するドラム(110、210、300、400)であって、
前記ドラムは、
複数の平行なドライブバー(120、220)であって、各ドライブバー(120、220)が、上昇スパイラルにおいて、前記移行高さ(Ht)と前記ドラムの前記上部との間で、または、下降スパイラルにおいて、前記移行高さ(Ht)と前記ドラムの前記底部との間で、前記ドラムの周囲上で長さ方向に延びるドライブ側(122、222)を有する、複数の平行なドライブバー(120、220)と、
複数の移行部材(130、230、330、430)であって、各移行部材は、前記ドラムの周囲上に長さを有するドライブ面(132、232)を有し、各ドライブ面(132、232)は、前記移行高さ(Ht)においてドライブバー(120、220)の対応するドライブ側(122、222)と円周上で並び、各ドライブ面(132、232)の少なくとも一部は、インフィード距離にわたって、前記ドライブ面(132、232)の円周上の位置がモジュラーベルト(290)の少なくとも崩壊距離によって前進するように、前記ドラムの回転軸(a)に対して角度(α)をなす、複数の移行部材(130、230、330、430)と、を有する、ドラム(110、210、300、400)と、
前記ドラムの周囲の周りの螺旋状の搬送経路に沿って搬送方向に上方へまたは下方へ前進するように構成されたモジュラーベルト(290)であって、内側エッジにおいて前記モジュラーベルト(290)の長さに沿って間隔を有して配置された複数の歯(292)を有し、前記複数の歯(292)の各歯(292)は、前記ドラムの移行部材(130、230、330、430)とドライブバー(120、220)とに係合するように構成される、モジュラーベルト(290)と、を備える、スパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項12】
前記ドラムの周囲の周りで螺旋状支持部(240)をさらに備え、
前記螺旋状支持部(240)のねじれ角(β)は、前記螺旋状支持部(240)が前記インフィード距離にわたって前記ドラムの円周の1/4から2倍延びるような角度である、請求項11に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項13】
複数の平行な支持バー(140)をさらに備え、
少なくとも1つの支持バー(140)は、前記ドラムの円周の周りで、ドライブバー(120、220)の隣接する各対の間に配置され、
各支持バー(140)は、上昇コンベヤにおいて、少なくとも移行高さ(Ht)から上方に延びて、下降コンベヤにおいて、少なくとも移行高さ(Ht)から下方に延びる、請求項11または12に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項14】
各支持バー(140)は、対応する移行部材(130、230、330、430)から前記ドラムのアウトフィード高さ(Ho)まで延びる、請求項13に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項15】
前記複数の歯(292)の各歯(292)は、ドライブバー(120、220)に接触するように構成されたドライブ面(294)を有する、請求項11から14のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項16】
各ドライブ面(294)は、前記ドライブバー(120、220)の対応するドライブ側(122、222)に対して1°以上5°以下の角度(γ)をなしている、請求項15に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項17】
前記インフィード距離にわたって、前記モジュラーベルト(290)は、前記ドラム上半径方向内側に移動し、隣接する歯(292)の間の距離が減少する、請求項11から16のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項18】
前記移行高さ(Ht)において、前記モジュラーベルト(290)は、完全に崩壊している、請求項11から17のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項19】
前記移行高さ(Ht)と前記アウトフィード高さ(Ho)との間において、前記モジュラーベルト(290)の内側エッジは、前記ドライブバー(120、220)と前記支持バー(140)とに接触する、請求項14から17のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項20】
前記モジュラーベルト(290)は、複数のベルトモジュールを有し、
前記複数の歯(292)の各歯(292)は、2つ以上のベルトモジュールによって間隔を空けられている、請求項11から19のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項21】
前記2つ以上のベルトモジュールのうち、少なくとも1つのベルトモジュールは、前記2つ以上のベルトモジュールの少なくとも他の1つのベルトモジュールのピッチと異なるピッチを有する、請求項20に記載のスパイラルコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスパイラルコンベヤに関するものであり、特にスパイラルコンベヤシステムに関するダイレクトドライブドラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
螺旋状の経路を走行するコンベヤベルト(いわゆる「スパイラルコンベヤ」)は、長時間にわたって気候管理された環境内で物品を搬送するために使用されることが多い。例えば、スパイラルコンベヤは冷凍庫や醗酵室などで食品を搬送するために使用される。
【0003】
以前のスパイラルコンベヤでは、スパイラル外のベルト経路の位置で駆動されるものがあり、スパイラルを通じてベルトを引っ張るために、駆動位置付近で非常に高いベルト張力が必要である。ベルトの張力を減らすために、他のスパイラルコンベヤは、コンベヤベルトが中央ドラムの周りの螺旋状の経路をたどり、中央ドラムがベルトの内側エッジとの摩擦によってベルトを駆動するオーバードライブ構成を使用して駆動されてきた。中央ドラムは、ベルトの速度よりも大きな速度で駆動される(すなわち、ベルトはスリップさせられる)。このようにして、ベルトは中央ドラムの周りの螺旋状の経路全体に沿って駆動されるため、駆動位置でベルトの最大張力を高くする必要がなくなる。しかしながら、スパイラルコンベヤ用のオーバードライブシステムは、ドラム上でベルトが常に滑るため、コンベヤベルトの従動エッジとドラムの外面にかなりの摩耗を生じる可能性がある。さらに、摩擦ドラムに加えて、ベルト速度を決定するために第2駆動装置を使用しなければならない。
【0004】
さらに、ドラムとベルトの間の摩擦係数は、ベルトの材質、ケージバーの材質、温度、湿度、表面粗さ、表面形状、接触圧力、速度などの要因に依存するため、予測することは困難である。摩擦係数へのもう一つの影響は、搬送される物品から生じる。例えば、マリネ肉のような食品を搬送する場合、脂肪やその他のドリップがドラムに接触することがあり、その場合、ドラムとベルトの間の摩擦係数は著しく低下する。より具体的な例では、スチール製ドラムとポリプロピレン製ベルトの摩擦係数は約0.3だが、ドラムとベルトの間に搬送される食肉から出る脂肪のような物質が流入すると、係数は0.1以下に低下する可能性がある。ドラムがベルトに与える駆動力は、摩擦係数の変化に比例して低下する。最終的に、このような駆動力の変化は、ベルトの浮き上がり、ベルトの破損、またはその両方によって生産を中断させる可能性が高い。
【0005】
一方、ベルトとその支持部との間の摩擦は、時間とともに変化する可能性がある。ここで、ベルト上を搬送される製品から出る破片が支持部を汚染する可能性が非常に高い。ほとんどの場合、ベルトと支持部との間の摩擦は時間とともに増加する。ある時点で、ベルトとベルトを駆動するために使用されるドラムとの間の摩擦は、ベルトと支持部との間の摩擦に打ち勝つにはもはや十分でなくなるかもしれない。これは生産停止を引き起こす可能性がある。
【0006】
他のスパイラルコンベヤシステムは、ポジティブドライブを使用し、回転ドラムはその外周にドライブバーを含み、駆動されるコンベヤベルトの内側エッジの構造物に直接係合する。このようなポジティブドライブシステムは、ドラムとベルトの間のスリップや摩擦に依存しないため、オーバードライブシステムの欠点に悩まされることはない。しかしながら、ポジティブドライブシステムは、コンベヤベルトがドラム(「インフィード」)と接触するところで問題がある。インフィードでは、ベルトの内側エッジがドラムの回転半径に倒れ込むと、ドラム上のドライブバーのピッチとベルトの内側エッジ上の構造のピッチとの間に瞬間的な差が生じる。このピッチの違いは、チャタリングやベルト張力の急上昇などを引き起こし、ベルトの破損につながる可能性がある。
【0007】
US 2017/0022012 A1および関連特許出願公開US 2018/0290833 A1およびUS 2019/0308817 A1から、スパイラルコンベヤベルト用の、ダイレクトドライブシステムとしても知られるポジティブドライブシステムが知られており、このシステムでは、ドライブ要素が、特に、ドライブドラムの一部を形成する輪郭リブおよびケージバーの形態で、モジュラーコンベヤベルトに係合し、これを駆動するだけでなく、これを支持する。ドライブドラムはまた、リブの終端とドラムの入口端との間に延びる連続した円周リングを含むことができ、それによってドライブ要素を連結し、ベルト支持面を提供する。
【0008】
WO 2013/142136 A1には、同様のポジティブドライブシステムが開示されており、このシステムでは、組み合わせられたドライブ要素と支持要素がモジュラーコンベヤベルトに係合し、駆動し、支持する。これらの組み合わせられたドライブ要素と支持要素の間には、追加の支持要素を配置されてもよい。
【0009】
モジュラーコンベヤベルト(この文脈で「モジュラー」とは、複数の個々のベルトモジュールから構成されることを意味する)を駆動するために使用される場合、このような公知のポジティブドライブシステムまたはダイレクトドライブシステムで遭遇する技術的問題は、ドライブドラムとコンベヤベルトとの間に十分な滑りを許容しないため、モジュラーコンベヤベルトに不要な張力が生じることである。このような張力は、特に、モジュラーコンベヤベルトにおいて、進行方向が変わるときや、ベルトの移動量が変わるときに発生する。
【0010】
ダイレクトドライブドラムがコンベヤベルトを直線方向のベルト移動から円周方向へ、すなわちスパイラルコンベヤシステムのようにダイレクトドライブドラムの周囲を円周方向へ強制的に移動させると、モジュラーコンベヤベルトの個々のベルトモジュールは、ダイレクトドライブドラムに近接し支持されている(内側の)端部に向かって接近し、ダイレクトドライブドラムから離れた(外側の)端部に向かって離間するよう強制される。したがって、この「崩壊段階」の間、コンベヤベルトの個々のベルトモジュール間の距離は変化する必要があるが、ドライブドラムの個々のドライブ要素(コンベヤベルトにその個々のベルトモジュールで、またはその個々のベルトモジュール間で係合するドライブ要素)間の距離は一定のままである。個々のベルトモジュールは強制的に引き合わされ、同時に引き離されるため、モジュラーコンベヤベルト内とモジュラーコンベヤベルトとダイレクトドライブドラムの間で動きが生じる。さらに、いくつかのダイレクトドライブソリューションでは、コンベヤベルトに配置されたドライブ要素が、ドラムに配置された対応するドライブ要素と適切に嵌合しないリスクがある。これは予期せぬ力を生み出し、ベルトやドライブバー、あるいはその両方を損傷させる可能性がある。このような損傷は、時間の経過とともにスパイラルシステム全体の故障につながる可能性がある。
【0011】
モジュラーコンベヤベルトが、離脱段階でダイレクトドライブドラムから離れる際に、円形のベルト移動から直線方向へ変化するとき、個々のベルトモジュールは再整列する必要があり、外面、特に同様に張力を発生させるダイレクトドライブドラムのドライブ要素から外れる。出口の張力も低すぎて、少し上げる必要がある場合がある。
【0012】
したがって、ベルトにきれいに係合するインフィードを有するポジティブドライブスパイラルコンベヤに対する長年のニーズがある。
【発明の概要】
【0013】
第一の態様において、本発明の実施形態の目的は、モジュラーコンベヤベルト内で発生する張力をよりよく制御するためのダイレクトドライブドラムを提供することであり、特に、モジュラーコンベヤベルトの崩壊段階においてより多くの係合許容度を可能にすることである。
【0014】
この目的は、独立請求項1に記載のスパイラルコンベヤまたは独立請求項11に記載のスパイラルコンベヤを提供することによって達成される。本発明の特に有利な実施形態は、従属請求項から得られる。
【0015】
いくつかの実施形態では、本発明は、回転する円筒状のドラムを有するスパイラルコンベヤとして実施されてもよい。ドラムは底部から上部まで延びる。ドラムは、モジュラーベルトがドラムに完全に係合している移行高さを有する。ドラムは複数のドライブバーを含む。各ドライブバーは、ドラムの回転軸と平行なドライブ側を有する。ドライブ側は、長さにおいて、上昇コンベヤの場合は移行高さからドラムの上部まで、下降コンベヤの場合は移行高さからドラムの下部まで延びる。ドライブバーはドラムの円周上に間隔を有して配置される。
【0016】
ドラムは複数の移行部材を含む。各移行部材はドライブ面を有する。各移行部材のドライブ面の少なくとも一部は、インフィード距離にわたって、各移行部材のドライブ面の円周上の位置が対応するモジュラーベルトの崩壊距離によって前進するように、ドラムの回転軸に対して角度をなしている。ドラムの移行高さでは、各ドライブ面の円周上の位置が、対応するドライブバーのドライブ側の対応する円周上の位置と並んでいる。
【0017】
スパイラルコンベヤはさらに、ドラムの円周上に螺旋状支持部を含む。螺旋状支持部のねじれ角は、螺旋状支持部がインフィード距離の上にドラムの円周の1/4から2倍延びるように選択される。
【0018】
いくつかの実施形態では、スパイラルコンベヤは複数の平行支持バーを含む。少なくとも1つの支持バーは、ドラムの円周上でドライブバーの隣接する各対の間に配置される。各支持バーは、少なくとも移行高さから上昇コンベヤにおいては上に、下降コンベヤにおいては下に延びている。いくつかの実施形態では、各支持バーは対応する移行部材からドラムのアウトフィード高さまで延びている。いくつかの実施形態では、アウトフィード高さは上昇コンベヤにおいてドラムの上部より低く、または下降コンベヤにおいてドラムの下部より高い。いくつかの実施形態では、モジュラーベルトの内側エッジは、移行高さとアウトフィード高さの間で、ドライブバーおよび支持バーと接触している。
【0019】
いくつかの実施形態では、スパイラルコンベヤは、モジュラーベルトの内側エッジ上の複数の歯と係合する複数のドライブバーによってドラムの周りの螺旋経路上で駆動されるモジュラーベルトをさらに含む。いくつかの実施形態では、複数の歯の各歯は、ドライブバーのドライブ側と接触するように構成されたドライブ面を有する。ドライブ面は、ドラムの半径に対して1°以上5°以下の角度で配置されてもよい。いくつかの実施形態では、モジュラーベルトはドラムの半径方向内側に移動し、隣接する歯間の距離はインフィード距離にわたって減少する。
【0020】
いくつかの実施形態では、本発明はドラムを有するスパイラルコンベヤとして実施されてもよい。ドラムは底部から上部まで延びる外周を有する。ドラムは、上昇スパイラルの場合は移行高さが下部に近接し、下降スパイラルの場合は上部に近接している。ドラムは複数の平行ドライブバーを有する。各ドライブバーは、上昇スパイラルの場合は移行高さとドラム上部との間に、下向きスパイラルの場合は移行高さとドラム下部の間に、ドラム外周上で長さ方向に延びるドライブ側を有する。
【0021】
ドラムは複数の移行部材を有する。各移行部材はドラムの外周に長さを有するドライブ面を有する。各ドライブ面は移行高さでドライブバーの対応するドライブ側と円周方向に並んでいる。各ドライブ面の少なくとも一部は、インフィード距離にわたって、ドライブ面の円周上の位置が少なくともモジュラーベルトの崩壊距離によって前進するように、ドラムの回転軸に対して角度をなしている。
【0022】
スパイラルコンベヤは、ドラムの外周の周りで螺旋状の搬送経路に沿って、上昇コンベヤでは上に、下降コンベヤでは下に、搬送方向に前進するように構成されたモジュラーベルトを含む。モジュラーベルトは、内側エッジのモジュラーベルトの長さに沿って間隔をあけて配置された複数の歯を有する。複数の歯の各歯は、ドラムの移行部材とドライブ部材バーに係合するように構成されている。いくつかの実施形態では、複数の歯の各歯は、ドライブバーと接触するように構成されたドライブ面を有する。いくつかの実施形態では、ドライブ面は、ドラムの半径に対して1°以上5°以下の角度で配置される。
【0023】
いくつかの実施形態では、モジュラーベルトはドラムの半径方向内側に移動し、隣接する歯間の距離はインフィード距離にわたって減少する。
【0024】
いくつかの実施形態では、スパイラルコンベヤは、ドラムの外周の周りに螺旋状支持部を含む。螺旋状支持部のねじれ角とは、螺旋状支持部がインフィード距離にわたってドラムの円周の1/4から2倍まで延びるようなものである。
【0025】
いくつかの実施形態では、スパイラルコンベヤは複数の平行支持バーをさらに含む。各支持バーは、ドラムの外周の周りの2つのドライブバーの間に配置され、上昇コンベヤでは対応する移行部材から上方に、下降コンベヤでは対応する移行部材から下方に延びている。いくつかの実施形態では、各支持バーは対応する移行部材からドラムのアウトフィード高さまで延びている。いくつかの実施形態では、モジュラーベルトの内側エッジは、移行高さとアウトフィード高さとの間におけるドライブバーおよび支持バーと接触している。
【0026】
本発明の性質と目的をより深く理解するために、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A】上昇コンベヤとして構成されたスパイラルコンベヤシステムの透視図である。
図1B図1Bのスパイラルコンベヤシステムの透視図である。
図2】下降スパイラルとして構成された別のスパイラルコンベヤの透視図である。
図3A】本発明の実施形態によるドラムである。
図3B図3Aのドラムのドライブバー、支持バー及び移行部材をドラムから分離して示す図である。
図3C】移行部材とドライブバー及び支持バーの一部とを示す詳細図である。
図4図3Aのドラムをコンベヤとともに示した図である。
図5】ドラムのインフィード部分におけるコンベヤの一部を示す詳細図である。
図6A】ドラムのインフィード部分におけるコンベヤの一部を示す他の詳細図である。
図6B図6Aのコンベヤよりも高いインフィード部分におけるコンベヤを示す別の詳細図である。
図6C】移行高さより高い位置で、コンベヤがドラムに完全に係合した状態を示す他の詳細図である。
図7A】内側部分を崩壊した状態の本発明に係るコンベヤの一部の上面図である。
図7B】コンベヤが崩壊していない図7Aのコンベア部分の上面図である。
図8】移行部材一式の側面立面図である。
図9A】ベルトモジュールの歯の上面図であり、ドライブ面の角度を示す。
図9B図9Aの歯の上面図であり、歯幅を示す。
図10A】コンベヤベルトのアウトフィードにおけるドラム部分とベルトの上面概略図である。
図10B】アウトフィードにおけるドラム部分の他の上面概略図である。
図11】本発明の他の実施形態によるドラムの一部を示す側面立面図である。
図12】本発明の別の実施形態によるドラムの一部を示す側面立面図である。
図13図12のドラムの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
第一の態様において、本発明は、回転円筒ドラム110を有するスパイラルコンベヤ100として実施されてもよい(例えば、図3A参照)。ドラム110は垂直回転軸aを中心に回転可能で、底部112から上部114まで延びている。ドラムは(ドラムの上方から見て)時計回り方向にも反時計回り方向にも回転してもよい。ドラムは、図1Aおよび図1Bに示す構成(「上昇」コンベア)のようにベルトが上方に移動するような螺旋状(すなわち、スパイラル)の経路に沿ってコンベヤベルトを駆動するように構成されてもよく、図2に示す構成(「下降」コンベア)のようにコンベヤベルトを下方に駆動するように構成してもよい。上昇コンベヤは、時計回りまたは反時計回りに回転するように配置されてもよい。同様に、下降コンベヤは、時計回りまたは反時計回りに回転するように配置されてもよい。明確さと便宜のため、特に断りのない限り、本発明の実施形態は、時計回りの上昇コンベヤを参照して説明する。これは限定を意図したものではなく、説明した概念は、反時計回りおよび/または下降する構成を有するコンベヤシステムに使用されてもよい。
【0029】
回転軸は、幾何学的な仮想の回転軸であり、ドラムの(仮想の)上下の円形領域のそれぞれの中心を通り、ドラムの全高にわたって延びる幾何学的な中間軸である。例えば、回転軸(または回転軸a)は、ドラムが(例えば、円周ギヤリムを特徴とする)ターンテーブル、ドライブディスク、または歯車に取り付けられ、これによって支持され、および/またはこれによって駆動される場合には、機械部品または要素でなくてもよい。しかしながら、ドラムは、ドラムを支持および/または駆動するために使用される機械部品の形態で回転軸を有してもよく、例えば、回転軸の一方または両方の端部に取り付けられた1つまたは複数のベアリング、スプロケットおよび/または歯車を有する。
【0030】
図3B及び図6Aを参照すると、ドラムは移行高さHtを有し、上昇コンベヤにおいて、その上方ではコンベヤベルトがドラムによって完全に係合される(下方では下降スパイラルのためにベルトが完全に係合される)。移行高さの下方では、上昇するスパイラルコンベヤのベルトは、ドラムに近づくと直線的な構成から、ベルトが最初にドラムに接触して崩壊し始めると部分的な係合に移行し、最終的には移行高さでベルトが完全に崩壊する完全な係合に移行する。
【0031】
複数のドライブバー120がドラム110の外側の円筒状の外周を構成している。複数のドライブバーのうちの各ドライブバー120は、回転軸a(図1Bに示す)に平行なドライブ側122を有する。ドライブバー120は円筒を形成するように配置されている。各ドライブバーは、ドラム110の円周上に隣接するドライブバーと間隔をあけて配置されている。複数のドライブバーのうちのドライブ側は、(上昇スパイラルの場合)移行高さHtからドラムの上部まで、または(下降スパイラルの場合)移行高さからドラムの下端までに延びる長さを有する。
【0032】
ドラムは、ドライブバーがモジュラーベルトの歯と噛み合うことによって、モジュラーコンベヤベルトと噛み合ってもよい。モジュラーベルトの歯は、ベルトのエッジから内側(半径方向)に延びてもよい。ドラムは、例えば、歯に押し当てることによって、各ドライブバーのドライブ側がベルトの歯と係合することによってコンベヤベルトと係合する。モジュラーベルトは、個々のベルトモジュールで構成され、隣接するベルトモジュールが互いにつながっている。半径または螺旋状の(モジュラー)コンベヤベルトでは、ベルトモジュールの相互接続は、ベルトモジュールが少なくともある程度ベルト移動方向へ相対的に回転できるようなものである。例えば、隣接するベルトモジュールは、インターカレートリンク端部によって連結されてもよく、インターカレートリンク端部は、リンク端部のスロットを通って延びるピボットロッドによって連結され、スロットは、ピボットロッドがベルト移動方向および反対方向にある程度動くことを可能にし、それによって、いくらか柔軟な連結を形成する、すなわち、ベルトモジュールが互いに相対的に動くことを可能にする。
【0033】
いくつかの実施形態では、スパイラルコンベヤは対応するモジュラーベルトを含まない。他の実施形態(例えば、図4の実施形態など)では、スパイラルコンベヤは、ドライブバー(すなわち、ドライブバーのドライブ面)と係合するように構成された複数の歯を有するモジュラーベルトを含む。図5及び図6Aを参照すると、ドラム210及び対応するモジュラーベルト290は、ベルトの歯292が、2つ以上のベルトモジュール、すなわち、例えば、Z=4のとき、4つ目のモジュールごとに歯があるように、Zだけ互いに間隔をあけて配置されるように構成されている。例えば、間隔は、ベルトが、3番目のモジュールごと、12番目のモジュールごと、またはその間の整数値(すなわち、3≦Z≦12)ごとに歯を有するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、Zは2以上20以下のモジュール(2≦Z≦20)の値になるように選択される。ある例では、Z=2の場合、コンベヤベルトは2番目のモジュールごとに歯を含み、即ち、歯を持つ各モジュールは、隣接する歯を持つモジュールから、歯を持たないモジュールによって隔てられている。いくつかの実施形態では、歯は5~15ベルトモジュールだけ離れている。
【0034】
歯付きモジュール間に間隔を有するコンベヤベルト(すなわち、Z>2)は、有利には、ベルトを同じピッチまたは異なるピッチを有するモジュールから製造することを可能にする。例えば、ベルトモジュールは、与えられたドライブバーの間隔に合わせた歯の間隔を提供するように選択されてもよい。多くの利点のなかでも、これによってコンベヤベルトを既存のドラム構成に後付けできるように構成することを可能にする。例えば、既存のドラムの半径やドライブバーの数がわかっている場合がある。この情報(および任意で他の考慮事項、例えば後述の螺旋勾配、ベルト幅など)に基づいて、歯間隔を含むコンベヤベルトモジュールの構成を選択してもよい。コンベヤベルトは、設計されたドライブバーの間隔と一致または密接に一致するように、同じピッチまたは異なるピッチのベルトモジュールを使用して構成してもよい。例示的な例では、57本のドライブバーを有する構成を有する所定のドラムの場合、ベルトモジュールの適切な構成は、7番目のモジュールごとに歯を有してもよく、モジュールのうち6つは30.9mmの崩壊したピッチを有し、モジュールのうち1つは35mmの崩壊したピッチを有する。あるいは、同じドラムが30本のドライブバーで構成され、ベルトが12モジュールごとに歯を有して構成され、モジュールのうち2モジュールが30.9mmピッチの崩壊したピッチを有し、モジュールのうち8モジュールが35mmピッチの崩壊したピッチを有し、モジュールのうち2モジュールが38.5mmピッチの崩壊したピッチを有する。これらの値は、様々なベルトモジュールと丸められた値を用いて歯の間隔の概念を説明することのみを意図していることに留意すべきである。このようにして、モジュラーベルトの各歯が2つ以上のベルトモジュールによって間隔をあけられている(すなわち、Z>2)場合、2つ以上のベルトモジュールの少なくとも1つのモジュールは、2つ以上のベルトモジュールの少なくとも1つの他のベルトモジュールのピッチとは異なるピッチを有してもよい。
【0035】
既存のドラムを使用するために、カスタム歯間隔を有するコンベヤベルトを設計できることは、問題のある摩擦に基づくスパイラルシステムを、既存のドラムを使用するダイレクトドライブシステムとして後付けできるため、有利である。これにより、システム変換に必要なコストと時間を劇的に削減できる。
【0036】
複数の歯の各歯292は、ドライブバー220のドライブ側222に接触するように構成されたドライブ面294を有してもよい(例えば、図6A図6C参照)。いくつかの実施形態では、ドライブ面294は、ドラムの半径方向に対して角度γで配置される。いくつかの実施形態において、γは、2°以上5°以下であるように選択される(例えば、図9A参照)。いくつかの実施形態では、γは0°以上15°以下であるように選択される。
【0037】
ドラムのドライブバーは、ドライブバーがモジュラーベルトの要素を押すことによってコンベヤベルトを前進させるために、モジュラーコンベヤベルトの要素と直接係合するように構成され、それによって摩擦駆動(オーバードライブ)ではなく、積極的な駆動(例えば、実質的にスリップなし)を提供する。
【0038】
ドラム110は複数の移行部材130を有する。複数の移行部材のうちの各移行部材130は、ドライブ面132を含む。各移行部材130は、ドラム110の円周上に配置されている。各移行部材130のドライブ面132の少なくとも一部は、回転軸に対して角度αで配置される(例えば、図3C参照)。角度は、ドラムの接線面における垂直軸を基準として測定される。各移行部材130のドライブ面132の少なくとも一部は、モジュラーベルトの歯と係合するように構成されており、移行部材に近接するベルトのセクションをドラムの回転速度よりも速い速度で前進させ、それによってベルトの局所モジュールを崩壊させることをもたらす場合がある。各ドライブ面132の少なくとも一部の角度αが構成され、ドライブ面の円周上の位置が対応するモジュラーベルトの「崩壊距離」によってインフィード距離i(コンベヤベルトの進入高さから移行高さまでの垂直距離)前進する。例えば、いくつかの実施形態では、αは1°から45°の間である。図7A及び図7Bを参照すると、崩壊距離は、拡大(伸張)状態のモジュラーベルトの隣接する歯間の距離Lstrと、縮小状態の隣接する歯間の距離Lcollとの差である。こうすることで、各移行部材は、インフィード距離の少なくとも一部のベルト(の局所的な部分)を崩すことができる。
【0039】
図6A図6Cは、本発明の例示的な実施形態のドラムのインフィード距離上のベルトの挙動を示す。図6Aでは、ベルトがエントリーハイト(ベルトがスパイラルシステムに入る位置)またはその近傍にあるのが見える。ベルトが崩壊しておらず(例えば、ベルトモジュールの少なくとも一部の間に距離が残っている)、特定のベルトモジュールの歯292が、移行部材230のドライブ面232の概ね前方に位置していることが分かる。この段階では、ベルトはドラムの湾曲に沿い始めるので、それ自体で崩壊し続ける。図6Bは、ベルトが概ね完全に崩壊しているが、その構成に小さな不規則性やその他の不整合(例えば、ベルト幅に沿って他の部分と均等に崩壊していないため、モジュールが他のモジュールと不一致の角度をなしている部分など)があることを示している。この段階で、ローカルベルトモジュールの歯は、例えば、ドラムの回転軸に対して角度αをなすドライブ面の部分で、対応する移行部材のドライブ面と係合し始める。図6Cは、移行高さ(Ht)におけるベルトを示しており、歯は移行部材230のドライブ面からドライブバー220のドライブ側222まで移動している。図示の実施形態では、各ドライブバーの一部(すなわち移行高さから始まる)は対応する移行部材と一体となっている。この段階では、ベルトは完全に崩壊し、ドラムの円周の周りで概ね規則正しく湾曲したパターンにある。そのため、ベルトはドラムの残りの高さにわたって、よりスムーズで予測可能な動きを提供できる。
【0040】
いくつかの実施形態では、移行部材の構成に関する最小値は、数学的に決定されてもよい。例えば、図7A図9Bを参照して、Lcollを崩壊した状態のベルトの隣接する歯間の距離、Lstrを伸びた状態のベルトの隣接する歯間の距離、Wtを各歯の幅、Fsafeを入口カムの安全係数、Tsafeを歯隙間の安全係数とすると、次のようになる。
Xecmin=Lstr-Lcoll+Fsafe (1)
Cmin=Wt+Tsafe (2)
Yecmin=Lstr+Esafe (3)
Xecminは入口カムの最小距離、Cminは2つの入口カム間の歯の最小距離、Yecminは下側の入口カム間の最小距離である。
【0041】
インフィード距離にわたって、コンベヤベルトはモジュールが崩壊する(すなわち、歯と歯の間の距離が減少する)間に半径方向内側に移動してもよい。いくつかの実施形態では、移行部材及び/又はドライブバーは、それぞれの高さの少なくとも一部にわたってテーパ状であってもよく、例えば、ドラムの直径が高さにわたって変化するように、垂直軸に対して半径方向に角度を有してもよい。図11は、移行部材330の一部が、ドラムの直径が移行高さにおいてよりもドラムの底部において広くなるように角度を有してテーパ状になっているドラム300の実施形態の部分図である。図12及び図13に部分的に描かれているドラム400の実施形態では、移行部材430、又は移行部材の一部は、移行高さの通常の位置の直上までドラムが底部で広くなる(ドラムの底部での直径db>駆動高さでの直径dh)ようにテーパが付けられている。他の実施形態では、移行部材とドライブバーは、それぞれの高さにわたってテーパが付けられていない。
【0042】
移行部材130とドライブバー120は、移行高さにおいて、複数の移行部材130の各ドライブ面132の円周上の位置とドライブバー120の対応するドライブ側122の円周上の位置とが並ぶように構成されている。このようにして、コンベヤベルトがドラムに完全に噛み合うと、歯はドライブバーによって駆動されるように移行する。ドライブ面132と対応するドライブ側122との間のインターフェース136は、インターフェースを面取りするか、放射状にするか、またはインターフェースにおける同様の緩和によって平滑化されてもよいことに留意すべきである。このような平滑化されたインターフェースを有する実施形態も、本発明の範囲に含まれると考えるべきである。例えば、対応するドライブバーと面取りされたインターフェースを有する移行部材は、(インフィード距離上の移行部材の一部が面取りされていても)インフィード距離の少なくとも一部にわたって角度を有するとみなされる。
【0043】
ドライブバーとその対応する移行部材は、一体化した部品、例えば、単一部品から作られ、(例えば、溶接、ろう付けなどによって)単一部品になるように接合され、または他の方法で一体化した部品を構成してもよいことに留意すべきである。いくつかの実施形態では、ドライブバーとその対応する移行部材は、移行高さでインターフェースする別々の部品から作られてもよい。いくつかの実施形態では、ドライブバーとその対応する移行部材は、移行高さ以外の場所でインターフェースする2つ以上の別個の構成要素から作られてもよい。
【0044】
スパイラルコンベヤ200のいくつかの実施形態は、ドラムの円周の周りに螺旋状支持部240を含む(例えば、図4を参照)。螺旋状支持部240は、ドラム210を横断するコンベヤベルトを支持するように構成されている。螺旋状支持部240は、ねじれ角βを有し、ねじれ角βは、ベルトが所定の高さにわたって特定の周方向距離を移動するように構成されている。スパイラルコンベヤは、コンベヤベルトがインフィード距離にわたってドラムの周りを1/4~2回転(すなわち、90°~720°)するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、コンベヤは、対応するベルトがインフィード距離にわたってドラムの円周の200°、210°、220°、230°、240°、250°、260°、270°、280°、290°、300°、330°、360°、390°、420°、450°、480°、510°、540°、570°、600°、630°、660°、または690°以上移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、コンベヤは、ベルトがインフィード距離にわたってドラムの円周の260°から270°の間を移動するように構成されている。
【0045】
スパイラルコンベヤ100は、複数の支持バー140をさらに含んでもよい。支持バー140は、ドラム110の円周上に平行に配置されてもよい。支持バー140は、ドライブバー120の間に間隔をあけて配置されていてもよい。例えば、各支持バーは2つのドライブバーの間に配置されてもよく、ドライブバーと支持バーはドラムの円周上で交互に配置される。他の実施形態では、支持バーとドライブバーの比率は1:1でなくてもよい。例えば、隣接するドライブバーの間に2つ(またはそれ以上)の支持バーが配置されてもよい。各支持バー140は、少なくとも移行高さの上方(上昇コンベヤの場合)または下方(下降コンベヤの場合)に延びる長さを有する。いくつかの実施形態では、各支持バーは、対応する移行部材から上方または下方(該当する場合)に延びる。
【0046】
各支持バー140は、ドラムの周面構造の一部を形成し、ドラム回転軸から離れる半径方向で外側に向けられ、それによってモジュラーコンベヤベルトのエッジに接触して支持するベルト支持面142を有する。ベルト支持面は、ドラムの最外面の一部を形成してもよい。支持バーは異なる断面形状、例えば長方形や棒状を有することができる。支持バーの長さ(最長軸または長手軸に沿った長さ)は、幅または直径の数倍であり、例えば、長さ:幅または長さ:直径の比は、5:1から100:1である。いくつかの実施形態では、比は10:1から100:1の間である。いくつかの実施形態では、比は10:1から25:1の間である。支持バーの幅または直径は30mmから150mmの範囲であってもよいが、これらの幅より小さくても大きくてもよい。支持バーの長さは、ドラムの高さにもよるが、最大8m以上になってもよい。支持バーは、ベルト支持面の一部として機能しない1つまたは複数のエッジ、例えば、面取りされたエッジ、放射状のエッジ等を有してもよい。支持バーの形状は、ドライブバーの形状と同じであってもよく、または異なってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、支持バー140は、ドラム110のアウトフィード高さ、Hoまで延びている。アウトフィード高さは、コンベヤベルトがドラムから離れ始める高さである。言い換えれば、アウトフィード高さは、ベルトがドラムの完全な係合から部分的な係合まで移動する高さである。例えば、アウトフィード高さは、上昇スパイラルにおいてドラムの上部(例えば、ドライブバーの上部)より低くてもよく、下降スパイラルにおいてドラムの下部(例えば、ドライブバーの下部)より高くてもよい。いくつかの実施形態では、アウトフィード高さは上昇コンベヤにおけるドラムの上部より低い(下降コンベヤにおけるドラムの下部より高い)。このように、支持バーはドライブバーほどには延びていない。支持バーがアウトフィード高さで終わることにより、上昇コンベヤ(または下降コンベヤの下)において、コンベヤベルトの歯は支持バーの両端を越えることができる(例えば図10A図10B参照)。図10Aでは、移動方向が矢印Tで示されている。移行高さとアウトフィード高さとの間の距離にわたって、モジュラーベルトの内側端部は、ドライブバーと支持バーによって支持されてもよい。いくつかの実施形態では、各支持バーの後縁は、モジュラーベルトの歯が支持バーの干渉を受けずに通過できるように切り欠かれている。支持バーの干渉については、以下のように判断してもよい。
ここで、hcorr≦0は干渉なしを示し、hcorr>0は修正が必要であることを示す。上記において、RAはベルトの歯(図中Aと表示されている点)の最も内側の延在部における半径であって、RBは支持バー(図中Bと表示されている点)の最も外側の後縁の半径であって、αBは点Aと点Bの間の角度であって、bはベルトの幅である。補正が指示された場合(例えばhcorrが正の場合)、hcorrの値は補正の高さを示す。言い換えれば、hcorrは支持バーがドライブバーより短くなるべき量を示している。
【0048】
ドライブバー、支持バー、移行部材、および/またはコンベヤベルトの材料は、他の部品の材料と同じであっても異なってもよい。適切な材料は、金属(例えば、スチール、アルミニウムなど)、ポリマー(ポリエチレン、超高分子量(UHMW)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレート(PET、ポリエステル)、ポリウレタンなど)、複合材料または他の材料であってもよい。一部の適切な材料は、特定の用途で有益となり得る特性を強化するために修飾されてもよい。例えば、一部の材料には、ワックスおよび/または他の潤滑剤が注入されたり、低摩擦コーティングでコーティングされたり、摩擦損失を下げるためにその他の方法で変更されたりする場合がある。これは、例えば下降スパイラルの構成では、コンベヤベルトが重力を利用して下向きの螺旋経路に沿って下方に移動できるようにするために有益であってもよい。いくつかの実施形態では、一部またはすべての構成要素の材料は、それぞれの機能を活用するために異なるように選択される。例えば、支持バーは低摩擦材料(例えば、自己潤滑性添加剤を含むポリエチレン)で作られてもよく、それを支えるコンベヤベルトはより簡単に上方に(場合によっては下方に)移動できる。別の例では、ドライブバーは耐久性を高めるために鋼で作られていてもよい。別の例では、ドライブバーはポリマーで作られてもよく、ドライブ側は鋼で作られている。別の例では、スパイラルコンベヤのインフィード部分(例えば、移行部材および/またはドライブバーの一部など)は耐久性のある材料から作られてもよく、ベルト係合構成要素の残りの部分(例えば、ドライブバー、支持バーなど)は低摩擦材料から作られてもよい。さらに別の例では、ドライブバーは、第1の材料(例えば、鋼)で作られたコアと、別の材料(例えば、UHMWポリエチレン)で作られたキャップを有してもよい。材料の他の組み合わせを、ドライブバー、支持バー、移行部材、ベルトモジュール、またはドラムおよび/またはコンベヤベルトの他のコンポーネントに使用してもよい。
【0049】
上述ように、場合によっては、既存のドラムを後付けしてもよく、本明細書で説明するように機能させてもよい。例えば、既存の摩擦ドライブシステムで使用されるドラムでは、ドラムは外周を覆う材料(例えば金属)の閉じたシートを有してもよい。このようなドラムを後付けするために、本発明によるドライブバーおよび他の構成要素(例えば、移行部材、支持バーなど)を閉じた金属シートに取り付けてもよい。例えば、ドライブバーは金属ドラムの表面にボルトで固定されたり、溶接されたり、その他の方法で接合されてもよい。他の場合には、本発明のドラムの構成要素を追加できるようにするために、材料の閉じたシートを除去または部分的に除去してもよい。
【0050】
本開示では、「コンベヤベルト」、「モジュラーベルト」、および「モジュラーコンベヤベルト」という用語は、相互接続された複数のベルトモジュールから構成されるコンベヤベルトを説明するために一般に同じ意味で使用される用語である。本発明は、1つまたは複数の特定の実施形態に関して説明されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態が作成できることが理解されるであろう。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部(112)から上部(114)まで延びるドラムであって、前記ドラムによってモジュラーベルト(290)が完全に係合される移行高さ(Ht)を有する回転する円筒状のドラム(110、210、300、400)であって、
前記ドラムは、
複数のドライブバー(120、220)であって、各ドライブバー(120、220)は、前記ドラムの回転軸(a)に平行なドライブ側(122、222)を有し、上昇コンベヤにおいて、前記移行高さ(Ht)から前記ドラムの前記上部まで、または、下降コンベヤにおいて、前記移行高さ(Ht)から前記ドラムの前記底部まで長さ方向に延びて、前記ドライブバー(120、220)は前記ドラムの円周の周りで間隔を有して配置される、複数のドライブバー(120、220)を有するドラムと、
前記ドラムの周囲の周りに螺旋状支持部(240)と、を備え、
前記ドラムは、
複数の移行部材(130、230、330、430)であって、各移行部材は、ドライブ面(132、232)を有し、各移行部材の前記ドライブ面(132、232)の少なくとも一部は、インフィード距離にわたって、各移行部材の前記ドライブ面(132、232)の円周上の位置が、対応するモジュラーベルト(290)の少なくとも崩壊距離によって前進するように、前記ドラムの前記回転軸(a)に対して角度(α)をなす、複数の移行部材(130、230、330、430)をさらに有し、
前記モジュラーベルト(290)は、内側エッジにおいて前記モジュラーベルト(290)の長さに沿って間隔を有して配置された複数の歯(292)を有し、
前記崩壊距離は、伸張状態における前記モジュラーベルト(290)の隣接する歯(292)の間の距離(Lstr)と、完全に崩壊した状態における前記モジュラーベルト(290)の隣接する歯(292)の間の距離(Lcoll)との差であって、
前記ドラムの前記移行高さ(Ht)において、各ドライブ面の円周上の位置は、対応するドライブバー(120、220)のドライブ側(122、222)の円周上の位置と並んで配置され、
記螺旋状支持部(240)のねじれ角(β)は、前記螺旋状支持部(240)がインフィード距離にわたって前記ドラムの円周の1/4から2倍延びるような角度である、スパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項2】
複数の平行支持バー(140)をさらに備え、
少なくとも1つの支持バー(140)は、前記ドラムの円周の周りにおいて、前記ドライブバー(120、220)の隣接する各対の間に配置され、
各支持バー(140)は、上昇コンベヤにおいて少なくとも前記移行高さ(Ht)から上方に延びて、下降コンベヤにおいて少なくとも前記移行高さ(Ht)から下方に延びる、請求項1に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項3】
各支持バー(140)は、対応する移行部材(130、230、330、430)から前記ドラムのアウトフィード高さ(Ho)まで延びる、請求項2に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項4】
前記複数のドライブバー(120、220)がモジュラーベルト(290)の内側エッジにおける複数の歯(292)と係合することによって、前記ドラムの周りの螺旋状の経路上で駆動されるモジュラーベルト(290)をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項5】
前記モジュラーベルト(290)は、複数のベルトモジュールを有し、
前記複数の歯(292)の各歯(292)は、2つ以上のベルトモジュールによって間隔を空けられている、請求項4に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項6】
前記2つ以上のベルトモジュールのうち、少なくとも1つのベルトモジュールは、前記2つ以上のベルトモジュールの少なくとも他の1つのベルトモジュールのピッチと異なるピッチを有する、請求項5に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項7】
前記複数の歯(292)の各歯(292)は、ドライブバー(120、220)のドライブ側に接触するように構成されたドライブ面(294)を有する、請求項4から6のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項8】
前記インフィード距離にわたって、前記モジュラーベルト(290)は、前記ドラム上で半径方向内側に移動し、隣接する歯(292)の間の距離が減少する、請求項4から7のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項9】
前記移行高さ(Ht)において、前記モジュラーベルト(290)は完全に崩壊している、請求項1から8のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項10】
前記移行高さ(Ht)と前記アウトフィード高さ(Ho)との間において、前記モジュラーベルト(290)の内側エッジは、前記ドライブバー(120、220)と前記支持バー(140)とに接触する、請求項3及び請求項4から8のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項11】
底部(112)から上部(114)まで延びる外周を有し、上昇スパイラルにおいて前記底部(112)の近くに、または下降スパイラルにおいて前記上部(114)の近くに移行高さ(Ht)を有するドラム(110、210、300、400)であって、
前記ドラムは、
複数の平行なドライブバー(120、220)であって、各ドライブバー(120、220)が、上昇スパイラルにおいて、前記移行高さ(Ht)と前記ドラムの前記上部との間で、または、下降スパイラルにおいて、前記移行高さ(Ht)と前記ドラムの前記底部との間で、前記ドラムの周囲上で長さ方向に延びるドライブ側(122、222)を有する、複数の平行なドライブバー(120、220)を有するドラムと、
前記ドラムの周囲の周りの螺旋状の搬送経路に沿って搬送方向に上方へまたは下方へ前進するように構成されたモジュラーベルト(290)であって、内側エッジにおいて前記モジュラーベルト(290)の長さに沿って間隔を有して配置された複数の歯(292)を有するモジュラーベルト(290)と、を備え、
前記ドラムは、
複数の移行部材(130、230、330、430)であって、各移行部材は、前記ドラムの周囲上に長さを有するドライブ面(132、232)を有し、各ドライブ面(132、232)は、前記移行高さ(Ht)においてドライブバー(120、220)の対応するドライブ側(122、222)と円周上で並び、各ドライブ面(132、232)の少なくとも一部は、インフィード距離にわたって、前記ドライブ面(132、232)の円周上の位置がモジュラーベルト(290)の少なくとも崩壊距離によって前進するように、前記ドラムの回転軸(a)に対して角度(α)をなす、複数の移行部材(130、230、330、430)と、をさらに有し、
前記崩壊距離は、伸張状態における前記モジュラーベルト(290)の隣接する歯(292)の間の距離(Lstr)と、完全に崩壊した状態における前記モジュラーベルト(290)の隣接する歯(292)の間の距離(Lcoll)との差であって、
前記複数の歯(292)の各歯(292)は、前記ドラムの移行部材(130、230、330、430)とドライブバー(120、220)とに係合するように構成される、スパイラルコンベヤ(100、200)。
【請求項12】
前記ドラムの周囲の周りで螺旋状支持部(240)をさらに備え、
前記螺旋状支持部(240)のねじれ角(β)は、前記螺旋状支持部(240)が前記インフィード距離にわたって前記ドラムの円周の1/4から2倍延びるような角度である、請求項11に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項13】
前記複数の歯(292)の各歯(292)は、ドライブバー(120、220)に接触するように構成されたドライブ面(294)を有する、請求項11または12に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項14】
各ドライブ面(294)は、前記ドライブバー(120、220)の対応するドライブ側(122、222)に対して1°以上5°以下の角度(γ)をなしている、請求項13に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項15】
前記インフィード距離にわたって、前記モジュラーベルト(290)は、前記ドラム上半径方向内側に移動し、隣接する歯(292)の間の距離が減少する、請求項11から14のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項16】
複数の平行な支持バー(140)をさらに備え、
少なくとも1つの支持バー(140)は、前記ドラムの円周の周りで、ドライブバー(120、220)の隣接する各対の間に配置され、
各支持バー(140)は、上昇コンベヤにおいて、少なくとも移行高さ(Ht)から上方に延びて、下降コンベヤにおいて、少なくとも移行高さ(Ht)から下方に延びる、請求項11から15のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項17】
各支持バー(140)は、対応する移行部材(130、230、330、430)から前記ドラムのアウトフィード高さ(Ho)まで延びる、請求項16に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項18】
前記移行高さ(Ht)において、前記モジュラーベルト(290)は、完全に崩壊している、請求項11から17のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項19】
前記移行高さ(Ht)と前記アウトフィード高さ(Ho)との間において、前記モジュラーベルト(290)の内側エッジは、前記ドライブバー(120、220)と前記支持バー(140)とに接触する、請求項17に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項20】
前記モジュラーベルト(290)は、複数のベルトモジュールを有し、
前記複数の歯(292)の各歯(292)は、2つ以上のベルトモジュールによって間隔を空けられている、請求項11から19のいずれか一項に記載のスパイラルコンベヤ。
【請求項21】
前記2つ以上のベルトモジュールのうち、少なくとも1つのベルトモジュールは、前記2つ以上のベルトモジュールの少なくとも他の1つのベルトモジュールのピッチと異なるピッチを有する、請求項20に記載のスパイラルコンベヤ。
【国際調査報告】