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特表2024-537366発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/02 20100101AFI20241003BHJP
   H01L 33/46 20100101ALI20241003BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H01L33/02
H01L33/46
H01L29/78 613Z
H01L29/78 618B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522327
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 KR2022015504
(87)【国際公開番号】W WO2023068654
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0138964
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0129462
(32)【優先日】2022-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】314000442
【氏名又は名称】高麗大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】KOREA UNIVERSITY RESEARCH AND BUSINESS FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】145, Anam-ro Seongbuk-gu Seoul 02841, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ インファン
【テーマコード(参考)】
5F110
5F241
【Fターム(参考)】
5F110AA04
5F110CC01
5F110DD01
5F110DD02
5F110EE01
5F110FF01
5F110GG01
5F110GG02
5F110GG13
5F110GG14
5F110GG15
5F110HK01
5F110NN22
5F110NN23
5F110NN71
5F241AA31
5F241AA40
5F241CA04
5F241CA40
5F241CA65
5F241CA66
5F241CA74
5F241CA88
5F241CB15
5F241CB33
5F241FF01
(57)【要約】
発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造は、発光領域及び駆動領域を含む基板、前記基板上に形成される金属反射膜、前記金属反射膜の上部に形成されるバッファ層、前記発光領域に配置される発光素子、前記発光素子上に形成される保護層、前記駆動領域に配置され、前記発光素子を駆動する薄膜トランジスタ、及び前記発光素子のカソード電極と前記金属反射膜とを電気的に接続するオーミックコンタクトメタルを含むことができる。前記発光素子及び前記薄膜トランジスタは、前記基板上に一体に形成され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光領域及び駆動領域を含む基板と、
前記基板上に形成される金属反射膜と、
前記金属反射膜の上部に形成されるバッファ層と、
前記発光領域に配置される発光素子と、
前記発光素子上に形成される保護層と、
前記駆動領域に配置され、前記発光素子を駆動する薄膜トランジスタと、
前記発光素子のカソード電極と前記金属反射膜とを電気的に接続するオーミックコンタクトメタルとを含み、
前記発光素子及び前記薄膜トランジスタは、前記基板上に一体に形成されることを特徴とする、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造。
【請求項2】
前記薄膜トランジスタの活性層は、前記発光素子の発光層よりも下部に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造。
【請求項3】
前記薄膜トランジスタのソース薄膜は、前記発光素子から放出される光が前記薄膜トランジスタの前記活性層に流入することを遮断することを特徴とする、請求項2に記載の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造。
【請求項4】
前記薄膜トランジスタの前記活性層は、非晶質シリコン、ナノ結晶質シリコン、マイクロ結晶質シリコン、ポリ結晶質シリコン、及びInGaZnO系列物質のうちの少なくとも1つを含む酸化物半導体であることを特徴とする、請求項2に記載の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造。
【請求項5】
基板上に金属反射膜を形成するステップと、
前記金属反射膜の上部にバッファ層を形成するステップと、
前記基板の上部の発光領域に発光素子を形成するステップと、
前記発光素子の上部に保護層を形成するステップと、
前記基板の上部の駆動領域に薄膜トランジスタを形成するステップと、
オーミックコンタクトメタルを用いて、前記発光素子のカソード電極と前記金属反射膜とを電気的に接続するステップと、を含む工程で製造されることを特徴とする、請求項2に記載の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造。
【請求項6】
前記発光素子及び前記薄膜トランジスタは、発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を用いて一括製造され、
前記発光素子-薄膜トランジスタ統合基板は、
前記基板、前記金属反射膜、前記バッファ層、発光素子層、前記保護層、及び薄膜トランジスタ層が順次積層されたことを特徴とする、請求項1に記載の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造。
【請求項7】
前記発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を製造するステップと、
前記発光素子層の露出のために前記薄膜トランジスタ層をエッチングするステップと、
光防止膜を形成するステップと、
前記薄膜トランジスタのゲートを形成するステップと、
前記発光素子層の上部にTCOを形成するステップと、
前記TCOと前記薄膜トランジスタとの間に絶縁保護膜を形成するステップと、
前記薄膜トランジスタのソース薄膜及びドレイン薄膜を形成するステップと、
オーミックコンタクトメタルを用いて、前記発光素子のカソード電極と前記金属反射膜とを電気的に接続するステップと、を含む工程で製造されることを特徴とする、請求項6に記載の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造。
【請求項8】
前記発光素子及び前記薄膜トランジスタは、発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を用いて一括製造され、
前記発光素子-薄膜トランジスタ統合基板は、
前記基板、前記金属反射膜、前記バッファ層、発光素子層、TCO、前記保護層、及び薄膜トランジスタ層が順次積層されたことを特徴とする、請求項1に記載の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造。
【請求項9】
前記金属反射膜は、
Ag及びAlのうちの少なくとも1つを含み、前記発光素子から発生する光を反射させることによって、前記発光素子の光取り出し効率を増加させることを特徴とする、請求項1に記載の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造。
【請求項10】
前記発光素子の半導体薄膜は、物理的蒸着方式及び化学的蒸着方式に追加のエネルギーが供給されることによって低温成長し、
前記基板は、ガラス基板、ステンレススチール基板、及び高分子基板のうちの少なくとも1つであることを特徴とする、請求項1に記載の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造。
【請求項11】
前記物理的蒸着方式は、スパッタリング方式、eビーム(e-beam)蒸着方式、及び熱蒸着方式のうちの少なくとも1つを用いることを特徴とする、請求項10に記載の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造。
【請求項12】
前記追加のエネルギーは、イオンビーム、電子ビーム、プラズマ、紫外線、レーザー、及びLED光のうちの少なくとも1つを用いることを特徴とする、請求項10に記載の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造。
【請求項13】
発光領域及び駆動領域を含む基板と、
前記基板上に形成される保護層と、
前記駆動領域に配置され、前記発光素子を駆動する薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタ上に形成される金属反射膜と、
前記発光領域に配置される発光素子と、
前記発光素子上に形成されるTCOとを含み、
前記薄膜トランジスタ及び前記発光素子は、前記基板上に一体に形成されることを特徴とする、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造。
【請求項14】
前記発光素子及び前記薄膜トランジスタは、薄膜トランジスタ-発光素子統合基板を用いて一括製造され、
前記薄膜トランジスタ-発光素子統合基板は、
前記基板、前記保護層、薄膜トランジスタ層、前記金属反射膜、発光素子層、及び前記TCOが順次積層されたことを特徴とする、請求項13に記載の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造。
【請求項15】
前記薄膜トランジスタ-発光素子統合基板を製造するステップと、
前記薄膜トランジスタ層の露出のために前記発光素子層をエッチングするステップと、
前記金属反射膜をエッチングするステップと、
前記TCO及び前記発光素子上に絶縁保護膜を形成するステップと、
前記TCOの上部を露出させるステップと、
GIをエッチングするステップと、
金属薄膜を蒸着するステップと、
前記薄膜トランジスタのゲート、ソース薄膜、及びドレイン薄膜を形成するステップと、を含む工程で製造されることを特徴とする、請求項14に記載の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造、及び発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造の製造方法に関し、より詳細には、製造過程においてトランスファー工程が省略され、下部に金属反射膜を含む発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造、及び発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造を有する発光素子の半導体薄膜を形成する代表的な技術としては、MOCVD(Metal Organic CVD)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などがあるが、このような方法により半導体薄膜を得るためには、基板の温度を1,000~1,100℃程度に加熱された状態に維持しなければならない。
【0003】
これによって、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造を有する発光素子の半導体薄膜が形成される基板は、変形温度が相対的に高い単結晶サファイア(Al)、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)などに限定される。
【0004】
しかし、サファイア基板の場合、6インチ以上の大面積ウエハの生産が難しく、生産単価が高いため、大型TVのような大面積のディスプレイを実現するのに困難がある。
【0005】
また、サファイア基板の場合、基板の熱膨張による基板自体の歪みなどの劣化の問題が発生し得、基板上に形成された半導体薄膜と基板との格子定数(lattice constant)の差及び熱膨張係数の差による薄膜の損傷が問題となり得る。
【0006】
特に、MOCVD方法を用いて単結晶サファイア基板上に半導体薄膜を成長させる場合、例えば、マイクロLED(Micro LED)ディスプレイの製造過程において、発光素子をガラス基板などの第2基板に転写(transfer)する工程が必須である。
【0007】
発光素子の転写が必要な場合、発光素子の作製及びトランスファー工程に費用が多くかかるため、ディスプレイの生産コストが大きく増加し、結果的に、マイクロLEDなどの発光素子を用いた大型TVの生産コストが増加するようになる。
【0008】
また、従来の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造において、発光素子から発生した光は全ての方向に進行するため、発光素子の内部で再び吸収されて熱エネルギーに変わるという問題があった。すなわち、従来の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造では、発光素子から発生した光の一部のみが素子の外に抜け出るようになり、光取り出し効率が低いという問題があった。
【0009】
このような問題を解決するために、DBRミラーを使用して光取り出し効率を向上させる技術(韓国特許出願公開第10-2007-0094344号)が公開されたが、このようなDBRミラーを使用した技術では、DBRミラーを積層する工程が追加されるため、製造過程が複雑となり、製造コストが増加するという問題がある。
【0010】
そのため、トランスファー工程なしにも基板上で半導体薄膜を直接成長させ、下部に金属反射膜を含むことで光取り出し効率を増加させた発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造を製造できる技術が必要となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の一つの目的は、トランスファー工程なしに基板上に直接作製され得る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、発光素子-薄膜トランジスタ統合基板、及び薄膜トランジスタ-発光素子統合基板を用いることによって、基板上に一括製造され得る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造を提供することである。
【0013】
本発明の更に他の目的は、基板の上部に金属反射膜を含み、金属反射膜を用いて、発光素子の発光層で発生した光を上部に取り出すことによって、発光素子の上端に放出される光の量及び光取り出し効率を増加させることができる発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造を提供することである。
【0014】
本発明の更に他の目的は、製造工程において物理的蒸着方式を用いた薄膜成長過程に追加のエネルギーが提供されることによって、既存の工程と比較して、半導体薄膜の成長温度を下げることができる発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造を提供することである。
【0015】
但し、本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に限定されるものではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で多様に拡張され得る。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一つの目的を達成するために、本発明の実施例に係る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造は、発光領域及び駆動領域を含む基板、前記基板上に形成される金属反射膜、前記金属反射膜の上部に形成されるバッファ層、前記発光領域に配置される発光素子、前記発光素子上に形成される保護層、前記駆動領域に配置され、前記発光素子を駆動する薄膜トランジスタ、及び前記発光素子のカソード電極と前記金属反射膜とを電気的に接続するオーミックコンタクトメタルを含むことができる。前記発光素子及び前記薄膜トランジスタは、前記基板上に一体に形成されてもよい。
【0017】
一実施例において、前記薄膜トランジスタの活性層は、前記発光素子の発光層よりも下部に配置されてもよい。
【0018】
一実施例において、前記薄膜トランジスタのソース薄膜は、前記発光素子から放出される光が前記薄膜トランジスタの前記活性層に流入することを遮断することができる。
【0019】
一実施例において、前記薄膜トランジスタの前記活性層は、非晶質シリコン、ナノ結晶質シリコン、マイクロ結晶質シリコン、ポリ結晶質シリコン、及びInGaZnO系列物質のうちの少なくとも1つを含む酸化物半導体であってもよい。
【0020】
一実施例において、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造は、基板上に金属反射膜を形成するステップと、前記金属反射膜の上部にバッファ層を形成するステップと、前記基板の上部の発光領域に発光素子を形成するステップと、前記発光素子の上部に保護層を形成するステップと、前記基板の上部の駆動領域に薄膜トランジスタを形成するステップと、オーミックコンタクトメタルを用いて、前記発光素子のカソード電極と前記金属反射膜とを電気的に接続するステップと、を含む工程で製造されてもよい。
【0021】
一実施例において、前記発光素子及び前記薄膜トランジスタは、発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を用いて一括製造されてもよい。前記発光素子-薄膜トランジスタ統合基板は、前記基板、前記金属反射膜、前記バッファ層、発光素子層、前記保護層、及び薄膜トランジスタ層が順次積層されてもよい。
【0022】
一実施例において、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造は、前記発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を製造するステップと、前記発光素子層の露出のために前記薄膜トランジスタ層をエッチングするステップと、光防止膜を形成するステップと、前記薄膜トランジスタのゲートを形成するステップと、前記発光素子層の上部にTCOを形成するステップと、前記TCOと前記薄膜トランジスタとの間に絶縁保護膜を形成するステップと、前記薄膜トランジスタのソース薄膜及びドレイン薄膜を形成するステップと、オーミックコンタクトメタルを用いて、前記発光素子のカソード電極と前記金属反射膜とを電気的に接続するステップと、を含む工程で製造されてもよい。
【0023】
一実施例において、前記発光素子及び前記薄膜トランジスタは、発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を用いて一括製造されてもよい。前記発光素子-薄膜トランジスタ統合基板は、前記基板、前記金属反射膜、前記バッファ層、発光素子層、TCO、前記保護層、及び薄膜トランジスタ層が順次積層されてもよい。
【0024】
一実施例において、前記金属反射膜は、Ag及びAlのうちの少なくとも1つを含み、前記発光素子から発生する光を反射させることによって、前記発光素子の光取り出し効率を増加させることができる。
【0025】
一実施例において、前記発光素子の半導体薄膜は、物理的蒸着方式及び化学的蒸着方式に追加のエネルギーが供給されることによって低温成長することができる。前記基板は、ガラス基板、ステンレススチール基板、及び高分子基板のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0026】
一実施例において、前記物理的蒸着方式は、スパッタリング方式、eビーム(e-beam)蒸着方式、及び熱蒸着方式のうちの少なくとも1つを用いることができる。
【0027】
一実施例において、前記追加のエネルギーは、イオンビーム、電子ビーム、プラズマ、紫外線、レーザー、及びLED光のうちの少なくとも1つを用いることができる。
【0028】
本発明の他の目的を達成するために、本発明の実施例に係る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造は、発光領域及び駆動領域を含む基板と、前記基板上に形成される保護層と、前記駆動領域に配置され、前記発光素子を駆動する薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタ上に形成される金属反射膜と、前記発光領域に配置される発光素子と、前記発光素子上に形成されるTCOとを含むことができる。前記薄膜トランジスタ及び前記発光素子は、前記基板上に一体に形成されてもよい。
【0029】
一実施例において、前記発光素子及び前記薄膜トランジスタは、薄膜トランジスタ-発光素子統合基板を用いて一括製造されてもよい。前記薄膜トランジスタ-発光素子統合基板は、前記基板、前記保護層、薄膜トランジスタ層、前記金属反射膜、発光素子層、及び前記TCOが順次積層されてもよい。
【0030】
一実施例において、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造は、前記薄膜トランジスタ-発光素子統合基板を製造するステップと、前記薄膜トランジスタ層の露出のために前記発光素子層をエッチングするステップと、前記金属反射膜をエッチングするステップと、前記TCO及び前記発光素子上に絶縁保護膜を形成するステップと、前記TCOの上部を露出させるステップと、GIをエッチングするステップと、金属薄膜を蒸着するステップと、前記薄膜トランジスタのゲート、ソース薄膜、及びドレイン薄膜を形成するステップと、を含む工程で製造されてもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明の実施例に係る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造は、トランスファー工程なしに基板上に直接作製され得る。
【0032】
また、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造は、発光素子-薄膜トランジスタ統合基板、及び薄膜トランジスタ-発光素子統合基板を用いることによって、基板上に一括製造され得る。
【0033】
また、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造は、基板の上部に金属反射膜を含み、金属反射膜を用いて、発光素子の発光層で発生した光を上部に取り出すことによって、発光素子の上端に放出される光の量及び光取り出し効率を増加させることができる。
【0034】
また、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造の製造工程において物理的蒸着方式を用いた薄膜成長過程に追加のエネルギーが提供されるので、既存の工程と比較して、半導体薄膜の成長温度を下げることができる。したがって、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造は、変形温度が650度(℃)以下であるガラス基板、ステンレススチール基板、及び高分子基板を使用することができる。
【0035】
但し、本発明の効果は、上述した効果に限定されるものではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で多様に拡張され得る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施例に係る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造を示す断面図である。
図2図1の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造の製造方法を示すフローチャートである。
図3図2の製造方法によって基板、金属反射膜、及びバッファ層が形成されたことを示す図である。
図4図2の製造方法によって発光素子が形成されることを示す図である。
図5図4の発光素子が形成される一例示を示すフローチャートである。
図6図2の製造方法によって保護層が形成されることを示す図である。
図7図2の製造方法によって薄膜トランジスタが形成されることを示す図である。
図8図2の製造方法によって発光素子のカソード電極と金属反射膜が電気的に接続されることを示す図である。
図9】薄膜トランジスタにゲートライン及びデータラインが接続されることを示す図である。
図10】本発明の他の実施例に係る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造を示す断面図である。
図11図10の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造の製造方法を示すフローチャートである。
図12図11の製造方法によって発光素子-薄膜トランジスタ統合基板が製造されたことを示す図である。
図13図11の製造方法によって薄膜トランジスタ層がエッチングされることを示す図である。
図14図11の製造方法によって光防止膜が形成されることを示す図である。
図15図11の製造方法によって薄膜トランジスタのゲートが形成されることを示す図である。
図16図11の製造方法によって発光素子層の上部にTCOが形成されることを示す図である。
図17図11の製造方法によってTCOと薄膜トランジスタとの間に絶縁保護膜が形成されることを示す図である。
図18図11の製造方法によって薄膜トランジスタのソース薄膜及びドレイン薄膜が形成されることを示す図である。
図19図11の製造方法によって発光素子のカソード電極を金属反射膜と電気的に接続することを示す図である。
図20】発光素子-薄膜トランジスタ統合基板の他の実施例を示す図である。
図21図20の発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を用いて製造された発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造を示す図である。
図22】発光素子の半導体薄膜を形成するための物理的蒸着方式を示す図である。
図23】発光素子の半導体薄膜を形成するための追加のエネルギーの種類を示す図である。
図24】本発明の他の実施例に係る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造を示す断面図である。
図25図24の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造の製造方法を示すフローチャートである。
図26図25の製造方法によって発光素子-薄膜トランジスタ統合基板が製造されたことを示す図である。
図27図26の発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を用いて発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造が製造される過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本明細書に開示されている本発明の概念による実施例についての特定の構造的又は機能的な説明は、単に本発明の概念による実施例を説明するための目的で例示されたものであって、本発明の概念による実施例は、様々な形態で実施可能であり、本明細書に説明された実施例に限定されない。
【0038】
本発明の概念による実施例は、様々な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるので、実施例を図面に例示し、本明細書で詳しく説明する。しかし、これは、本発明の概念による実施例を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる変更、均等物、または代替物を含む。
【0039】
「第1」又は「第2」などの用語を様々な構成要素を説明するのに使用できるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ、使用される。例えば、本発明の概念による権利範囲から逸脱しないまま、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0040】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか、「接続されて」いると言及された際には、その他の構成要素に直接的に連結又は接続されていることもあるが、その構成要素間に他の構成要素が存在することもあると理解されなければならない。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか、「直接接続されて」いると言及された際には、その構成要素間に他の構成要素が存在しないものと理解されなければならない。構成要素間の関係を説明する表現、例えば、「~間に」と「すぐ~間に」又は「~に直接隣接する」なども同様に解釈されなければならない。
【0041】
本明細書で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられるものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに別の意味を示すものでない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性をあらかじめ排除しないものと理解されなければならない。
【0042】
別に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で明らかに定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0043】
図1は、本発明の一実施例に係る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10を示す断面図であり、図2は、図1の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10の製造方法を示すフローチャートである。
【0044】
図1を参照すると、本発明の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、基板100、金属反射膜200、バッファ層300、発光素子400、保護層500、薄膜トランジスタ600、及びオーミックコンタクトメタル700を含むことができる。
【0045】
具体的には、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、発光領域及び駆動領域を含む基板100、前記基板100上に形成される金属反射膜200、前記金属反射膜200の上部に形成されるバッファ層300、前記発光領域に配置される発光素子400、前記発光素子400上に形成される保護層500、前記駆動領域に配置され、前記発光素子400を駆動する薄膜トランジスタ600、及び前記発光素子400のカソード電極(Cathode)と前記金属反射膜200とを電気的に接続するオーミックコンタクトメタル700を含むことができる。
【0046】
例えば、前記発光素子400及び前記薄膜トランジスタ600は、前記基板100上に一体に形成されてもよい。
【0047】
図2を参照すると、本発明の実施例に係る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、基板100上に金属反射膜200を形成するステップ(S110)、前記金属反射膜200の上部にバッファ層300を形成するステップ(S120)、前記基板100の上部の発光領域に発光素子400を形成するステップ(S130)、前記発光素子400の上部に保護層500を形成するステップ(S140)、前記基板100の上部の駆動領域に薄膜トランジスタ600を形成するステップ(S150)、及びオーミックコンタクトメタル700を用いて前記発光素子400のカソード電極と前記金属反射膜200とを電気的に接続するステップ(S160)を通じて製造され得る。
【0048】
本発明の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、トランスファー工程なしに基板100上に直接作製され得る。
【0049】
また、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、薄膜トランジスタ600の活性層610が発光素子400の発光層420よりも低く配置されることによって、発光素子400から放出される光によって薄膜トランジスタ600で発生する漏れ電流を減少させることができる。
【0050】
また、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、基板100の上部に金属反射膜200を含み、金属反射膜200を用いて、発光素子400の発光層420で発生した光を上部に取り出すことによって、発光素子400の上端に放出される光の量及び光取り出し効率を増加させることができる。
【0051】
以下、本発明の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10の具体的な特徴については、図3乃至図9を通じて説明する。
【0052】
図3は、図2の製造方法によって基板100、金属反射膜200、及びバッファ層300が形成されたことを示す図である。
【0053】
図1図2及び図3を参照すると、本発明の実施例に係る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、基板100上に金属反射膜200を形成するステップ(S110)、及び前記金属反射膜200の上部にバッファ層300を形成するステップ(S120)を通じて製造され得る。
【0054】
例えば、金属反射膜200は、Ag及びAlのうちの少なくとも1つで構成されてもよい。
【0055】
発光素子400から発生する光は、金属反射膜200に反射されて発光素子400の光取り出し効率が増加することができる。
【0056】
例えば、金属反射膜200は、発光素子400の発光層420で発生した光を反射させて上部に取り出すことができる。
【0057】
したがって、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、金属反射膜200を用いて、前記発光素子400から発生する光を反射させることによって、発光素子400の上端に放出される光の量及び光取り出し効率を増加させることができる。
【0058】
発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、発光素子400と前記金属反射膜200との間に配置されるバッファ層300を含むことができる。
【0059】
バッファ層300は、発光素子400の半導体薄膜の蒸着を容易にするための層であり得る。
【0060】
例えば、バッファ層300は、発光素子400の半導体層が単一の結晶面を有し得るように役立ち得る。
【0061】
一実施例において、バッファ層300は、アルミニウム窒化物及び亜鉛酸化物のうちの少なくとも1つで構成されてもよい。
【0062】
図4は、図2の製造方法によって発光素子400が形成されることを示す図であり、図5は、図4の発光素子400が形成される一例示を示すフローチャートである。
【0063】
図1乃至図5を参照すると、本発明の実施例に係る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、前記基板100の上部の発光領域に発光素子400を形成するステップS130を通じて製造され得る。
【0064】
発光素子400は、第1半導体層410、発光層420、及び第2半導体層430を含むことができる。第1半導体層410はn型半導体層であり得る。発光層420は活性層であり得る。第2半導体層430はp型半導体層であり得る。
【0065】
例えば、発光層420は、第1半導体層410から供給される電子と、第2半導体層430から供給される正孔とが結合されることによって、光を発生させることができる。
【0066】
発光素子400の半導体層を蒸着する従来の代表的な技術としては、MOCVD(Metal Organic CVD)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などがある。このような方法により半導体層を蒸着するためには、基板100の温度を1,000度(℃)~1,100度(℃)程度に加熱された状態に維持しなければならない。
【0067】
したがって、MOCVD(Metal Organic CVD)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法を用いる場合、半導体薄膜が形成される基板100は、変形温度が相対的に高い単結晶サファイア(Al)、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)などに限定される。
【0068】
しかし、これらの基板100は、12インチ以上の大面積ウエハの生産が難しく、生産単価が高いため、大型TVのような大面積のディスプレイを実現するのに困難がある。
【0069】
また、サファイア基板100上に半導体薄膜を成長させる場合、マイクロLED(Micro LED)の製造過程において、発光素子400をガラス基板100に転写するトランスファー工程が必須であるため、トランスファー工程によるマイクロLEDの生産コストが大きく増加するという問題がある。
【0070】
このような問題を解決するために、本発明の発光素子400の半導体薄膜は、物理的蒸着方式及び化学的蒸着方式に追加のエネルギーが供給されることによって低温成長することができる。
【0071】
例えば、図5に示すように、発光素子400を形成するステップは、物理的蒸着方式で発光素子400の半導体薄膜を成長(S131)させるステップ、及び半導体薄膜成長工程中に基板100に追加のエネルギーを供給(S132)するステップを含むことができる。
【0072】
具体的には、薄膜成長工程に用いられる物理的蒸着方式は、スパッタリング方式、eビーム(e-beam)蒸着方式、及び熱蒸着方式のうちの少なくとも1つであり得る。
【0073】
薄膜成長工程ステップで基板100に供給される追加のエネルギーは、イオンビーム、電子ビーム、プラズマ、紫外線、レーザー、及びLED光のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0074】
例えば、本発明の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、薄膜成長過程にスパッタリングイオンビームが提供されて、半導体層の蒸着に必要なエネルギーの一部をイオンビームの運動エネルギーとして提供されることによって、既存の工程と比較して、半導体薄膜の成長温度を下げることができる。
【0075】
一実施例において、前記イオンビームスパッタリングには、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)、塩素(Cl)、及びアンモニア(NH)のうちの少なくとも1つが使用されてもよい。
【0076】
一実施例において、前記イオンビームスパッタリングに使用されるスパッタリングターゲットは、ガリウム(Ga)またはガリウム窒化物(GaN)を含むことができる。
【0077】
半導体層の薄膜蒸着工程が相対的に低い温度で行われる場合、製造工程に使用可能な基板100の範囲が拡張され得る。
【0078】
例えば、基板100は、非晶質基板または多結晶基板であってもよい。
【0079】
例えば、基板100は、変形温度が650度(℃)以下であるガラス基板、ステンレススチール基板、及び高分子基板のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0080】
このように、発光素子400の半導体層の製造工程が相対的に低い温度で行われることで、製造工程に使用可能な基板100の範囲が拡張される場合、基板100の上部に金属反射膜200が形成され得る。
【0081】
例えば、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10において、ガラス基板100上に銀(Ag)反射膜またはアルミニウム(Al)反射膜が形成されてもよい。
【0082】
イオンビームスパッタリングを用いて、薄膜成長ステップから単一の結晶面を有する半導体薄膜を成長させる場合、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10の生産工程が簡素化され、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10の製造コストが減少することができる。
【0083】
また、イオンビームスパッタリングを用いる場合、窒化物半導体層は、変形温度が650度(℃)以下であるガラス基板100上に蒸着され得る。窒化物半導体層がガラス基板100上で直接蒸着される場合、サファイア基板100で窒化物半導体層が蒸着される場合とは異なって、発光素子400がバックプレーン上に直接製造され得る。
【0084】
このように、イオンビームスパッタリングを用いて半導体層を蒸着する場合、マイクロLEDディスプレイの生産工程において発光素子チップの作製及び発光素子のトランスファー工程が省略され得る。
【0085】
したがって、本発明を適用する場合、発光素子チップの作製及びトランスファー工程による生産コストが減少するので、大面積の4K Micro-発光素子TVなど、マイクロLEDを含む大型ディスプレイの製造コストを画期的に節減することができる。
【0086】
図6は、図2の製造方法によって保護層500が形成されることを示す図である。
【0087】
図1図2及び図6を参照すると、本発明の実施例に係る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、前記発光素子400の上部に保護層500を形成するステップS140を通じて製造され得る。
【0088】
発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10において、保護層500は、絶縁層としての役割を果たすことができる。また、保護層500は、平坦化層としての役割を果たすことができる。
【0089】
保護層500は、PAC(Photo Acryl Compound)のような有機物で構成されてもよい。また、保護層500は、SiO、SiNxのような無機物で構成されてもよい。
【0090】
保護層500は単層で形成されてもよい。また、保護層500は多層で形成されてもよい。
【0091】
図7は、図2の製造方法によって薄膜トランジスタ600が形成されることを示す図である。
【0092】
図1図2及び図7を参照すると、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、前記基板100の上部の駆動領域に薄膜トランジスタ600を形成するステップS150を通じて製造され得る。
【0093】
薄膜トランジスタ600は、活性層610、ゲート620、ソース薄膜630、及びドレイン薄膜640を含むことができる。
【0094】
前記薄膜トランジスタ600の前記活性層610は、非晶質シリコン、ナノ結晶質シリコン、マイクロ結晶質シリコン、ポリ結晶質シリコン、及びInGaZnO系列物質のうちの少なくとも1つを含む酸化物半導体であってもよい。
【0095】
一実施例において、前記薄膜トランジスタ600の活性層610は、前記発光素子400の発光層420よりも下部に配置され得る。
【0096】
例えば、本発明の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、薄膜トランジスタ600の活性層610が発光素子400の発光層420よりも低く配置されることによって、発光素子400から放出される光が薄膜トランジスタ600に流入することを防止することができる。
【0097】
また、前記薄膜トランジスタ600のソース薄膜630は、前記発光素子400から放出される光が前記薄膜トランジスタ600の前記活性層610に流入することを遮断することができる。
【0098】
例えば、本発明の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、薄膜トランジスタ600のソース薄膜630が高く形成されることによって、発光素子400から発生する光が薄膜トランジスタ600の活性層610に流入することを遮断することができる。
【0099】
このように、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、薄膜トランジスタ600の活性層610が発光素子400の発光層420よりも低く配置されることによって、発光素子400から放出される光によって薄膜トランジスタ600で発生する漏れ電流を減少させることができる。
【0100】
図8は、図2の製造方法によって発光素子400のカソード電極(Cathode)と金属反射膜200が電気的に接続されることを示す図である。
【0101】
図1図2及び図8を参照すると、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、オーミックコンタクトメタル700を用いて、前記発光素子400のカソード電極と前記金属反射膜200を電気的に接続するステップS160を通じて製造され得る。
【0102】
図8に示すように、オーミックコンタクトメタル700は、カソード電極と金属反射膜200を電気的に接続することができる。
【0103】
例えば、発光素子400のカソード電極は、N-GaNオーミックコンタクトメタル700を介して第1半導体層410と接続されてもよい。発光素子400のカソード電極は、コンタクトホール(VIA)を介して金属反射膜200と接続されてもよい。
【0104】
例えば、カソード電極は、金属反射膜200と同一に、Ag及びAlのうちの少なくとも1つで構成されてもよく、または金属反射膜200と異なる種類の金属で構成されてもよい。
【0105】
例えば、発光素子400のカソード電極がオーミックコンタクトメタル700を介して前記金属反射膜200と電気的に接続されることによって、金属反射膜200は共通の負極として使用され得る。
【0106】
したがって、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、金属反射膜200を共通の負極として使用することによって、発光素子400の電気的特性を改善し、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10の製造工程を単純化し、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10の製造コストを減少させることができる。
【0107】
図9は、薄膜トランジスタ600にゲートライン及びデータラインが接続されることを示す図である。
【0108】
図9に示すように、薄膜トランジスタ600のソース薄膜630はデータラインに接続され得る。薄膜トランジスタ600のゲート620はゲートラインに接続され得る。
【0109】
例えば、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、データライン及びゲートラインに接続されてデータ電圧及びゲート電圧の印加を受けることによって、目標とする光を出力することができる。
【0110】
図10は、本発明の他の実施例に係る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10を示す断面図であり、図11は、図10の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10の製造方法を示すフローチャートである。
【0111】
図10を参照すると、本発明の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、基板100、金属反射膜200、バッファ層300、発光素子400、保護層500、薄膜トランジスタ600、及びオーミックコンタクトメタル700を含むことができる。
【0112】
具体的には、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、発光領域及び駆動領域を含む基板100、前記基板100上に形成される金属反射膜200、前記金属反射膜200の上部に形成されるバッファ層300、前記発光領域に配置される発光素子400、前記発光素子400上に形成される保護層500、前記駆動領域に配置され、前記発光素子400を駆動する薄膜トランジスタ600、及び前記発光素子400のカソード電極(Cathode)と前記金属反射膜200とを電気的に接続するオーミックコンタクトメタル700を含むことができる。
【0113】
例えば、前記発光素子400及び前記薄膜トランジスタ600は、前記基板100上に一体に形成されてもよい。
【0114】
一実施例において、前記発光素子400及び前記薄膜トランジスタ600は、発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を用いて一括製造されてもよい。
【0115】
例えば、前記発光素子-薄膜トランジスタ統合基板は、前記基板100、前記金属反射膜200、前記バッファ層300、発光素子層、前記保護層500、及び薄膜トランジスタ層が順次積層されてもよい。
【0116】
図11を参照すると、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、前記発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を製造するステップ(S210)、前記薄膜トランジスタ層をエッチングするステップ(S220)、光防止膜LBを形成するステップ(S230)、前記薄膜トランジスタ600のゲート620を形成するステップ(S240)、前記発光素子層の上部にTCOを形成するステップ(S250)、前記TCOと前記薄膜トランジスタ600との間に絶縁保護膜DPを形成するステップ(S260)、前記薄膜トランジスタ600のソース薄膜630及びドレイン薄膜640を形成するステップ(S270)、及びオーミックコンタクトメタル700を用いて、前記発光素子400のカソード電極と前記金属反射膜200とを電気的に接続するステップ(S280)を通じて製造され得る。
【0117】
本発明の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、トランスファー工程なしに基板100上に直接作製され得る。
【0118】
また、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を用いることによって、基板100上に一括製造され得る。
【0119】
また、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、基板100の上部に金属反射膜200を含み、金属反射膜200を用いて、発光素子400の発光層420で発生した光を上部に取り出すことによって、発光素子400の上端に放出される光の量及び光取り出し効率を増加させることができる。
【0120】
以下、本発明の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10の具体的な特徴については、図12乃至図19を通じて説明する。
【0121】
図12は、図11の製造方法によって発光素子-薄膜トランジスタ統合基板が製造されたことを示す図である。
【0122】
図10図11、及び図12を参照すると、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、前記発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を製造するステップS210を通じて製造され得る。
【0123】
発光素子-薄膜トランジスタ統合基板は、前記基板100、前記金属反射膜200、前記バッファ層300、発光素子層、前記保護層500、及び薄膜トランジスタ層が順次積層され得る。
【0124】
ここで、発光素子層は、図11の製造方法による工程を通じて発光素子400となり得る。また、薄膜トランジスタ層は、図11の製造方法による工程を通じて薄膜トランジスタ600となり得る。
【0125】
発光素子-薄膜トランジスタ統合基板は、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10の製造工程の前に予め製造され得る。
【0126】
例えば、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、予め製造された発光素子-薄膜トランジスタ統合基板をベースとして、図11の製造方法によって製造されることによって、薄膜トランジスタ600の製造工程及び発光素子400の製造工程の区分なしに、基板100上で一括して製造され得る。
【0127】
図13は、図11の製造方法によって薄膜トランジスタ層がエッチングされることを示す図である。
【0128】
図10図11、及び図13を参照すると、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、前記薄膜トランジスタ層をエッチングするステップS220を通じて製造され得る。
【0129】
薄膜トランジスタ層は、薄膜トランジスタ600の活性層610及びゲートインシュレータGIを含むことができる。
【0130】
薄膜トランジスタ層は、前記発光素子層を露出させるためにエッチングされ得る。
【0131】
例えば、駆動領域上に薄膜トランジスタ600を形成するために、薄膜トランジスタ層において駆動領域を除いた部分がエッチングされ得る。
【0132】
ここで、保護層500の一部が薄膜トランジスタ層と共にエッチングされ得る。
【0133】
図14は、図11の製造方法によって光防止膜LBが形成されることを示す図である。
【0134】
図10図11、及び図14を参照すると、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、光防止膜LBを形成するステップS230を通じて製造され得る。
【0135】
光防止膜LBは、発光素子400から放出される光が薄膜トランジスタ600に流入することを防止することができる。
【0136】
例えば、光防止膜LBは、発光素子層の発光層420を垂直方向に横切る形態で形成されることによって、発光素子400から発生する光が薄膜トランジスタ600の活性層610に流入することを遮断することができる。
【0137】
例えば、光防止膜LBの縁部には薄い絶縁膜が追加されてもよい。
【0138】
このように、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、光防止膜LBを含むことによって、発光素子400から放出される光によって薄膜トランジスタ600で発生する漏れ電流を減少させることができる。
【0139】
図15は、図11の製造方法によって薄膜トランジスタ600のゲート620が形成されることを示す図である。
【0140】
図10図11、及び図15を参照すると、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、前記薄膜トランジスタ600のゲート620を形成するステップS240を通じて製造され得る。
【0141】
例えば、ゲート620は、薄膜トランジスタ層のゲートインシュレータGIがパターニングされることによって、形成されてもよい。
【0142】
前記ゲート620はゲートラインに接続され、ゲート電圧の印加を受けることができる。
【0143】
図16は、図11の製造方法によって発光素子層の上部にTCOが形成されることを示す図である。
【0144】
図10図11、及び図16を参照すると、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、前記発光素子層の上部にTCOを形成するステップS250を通じて製造され得る。
【0145】
例えば、TCOは、発光素子層の上部の発光領域に形成されてもよい。
【0146】
TCOは、発光素子400の発光層420から出力される光を上部に通過させることができるように透明導電性物質を含むことができる。
【0147】
一実施例において、TCOは、p-オーミックコンタクト機能を行うことができる。
【0148】
発光素子400は、第1半導体層410、発光層420、及び第2半導体層430を含むことができる。
【0149】
具体的には、TCOは、発光素子400の発光層420から放出された光源が外部に出力され得るように、透明性を有する物質で構成され得る。
【0150】
例えば、TCOは、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IZTO(Indium Zinc Tin Oxide)、ICO(Indium Cesium Oxide)、IWO(Indium Tungsten Oxide)、アルミニウムが添加されたZnO(Zinc Oxide)、PEDOT:PSS、ポリアニリン(Polyaniline)、及びポリチオフェン(Polythiophene)のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0151】
TCOは、発光素子400と電気的に接続され得る。例えば、TCOは、オーミック電極を介して発光素子400の第2半導体層430と電気的に接続されてもよい。
【0152】
図17は、図11の製造方法によってTCOと薄膜トランジスタ600との間に絶縁保護膜DPが形成されることを示す図である。
【0153】
図10図11、及び図17を参照すると、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、前記TCOと前記薄膜トランジスタ600との間に絶縁保護膜DPを形成するステップS260を通じて製造され得る。
【0154】
絶縁保護膜DPは、TCOと薄膜トランジスタ600との間に形成されることによって、TCOから放出される光が薄膜トランジスタ600に流入することを防止することができる。
【0155】
例えば、絶縁保護膜DPは、SiO、TiO、ZrO、及びAlのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0156】
図18は、図11の製造方法によって薄膜トランジスタ600のソース薄膜630及びドレイン薄膜640が形成されることを示す図である。
【0157】
図10図11、及び図18を参照すると、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、前記薄膜トランジスタ600のソース薄膜630及びドレイン薄膜640を形成するステップS270を通じて製造され得る。
【0158】
薄膜トランジスタ600は、活性層610、ゲート620、ソース薄膜630、及びドレイン薄膜640を含むことができる。
【0159】
例えば、ソース薄膜630は、前記絶縁保護膜DP上に形成されてもよい。
【0160】
ソース薄膜630は、p-オーミックコンタクト機能を行うTCOと活性層610とを電気的に接続することができる。
【0161】
例えば、ドレイン薄膜640は、活性層610上に形成されてもよい。
【0162】
前記薄膜トランジスタ600の前記活性層610は、非晶質シリコン、ナノ結晶質シリコン、マイクロ結晶質シリコン、ポリ結晶質シリコン、及びInGaZnO系列物質のうちの少なくとも1つを含む酸化物半導体であってもよい。
【0163】
例えば、薄膜トランジスタ600のソース薄膜630は、データラインに接続され、データ電圧の印加を受けることができる。
【0164】
図19は、図11の製造方法によって発光素子400のカソード電極(Cathode)を金属反射膜200と電気的に接続することを示す図である。
【0165】
図10図11、及び図19を参照すると、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、オーミックコンタクトメタル700を用いて、前記発光素子400のカソード電極と前記金属反射膜200とを電気的に接続するステップS280を通じて製造され得る。
【0166】
図19に示すように、オーミックコンタクトメタル700は、カソード電極と金属反射膜200を電気的に接続することができる。
【0167】
例えば、発光素子400のカソード電極は、N-GaNオーミックコンタクトメタル700を介して第1半導体層410と接続されてもよい。発光素子400のカソード電極は、コンタクトホール(VIA)を介して金属反射膜200と接続されてもよい。
【0168】
例えば、カソード電極は、金属反射膜200と同一に、Ag及びAlのうちの少なくとも1つで構成されてもよく、または金属反射膜200と異なる種類の金属で構成されてもよい。
【0169】
例えば、発光素子400のカソード電極がオーミックコンタクトメタル700を介して前記金属反射膜200と電気的に接続されることによって、金属反射膜200は共通の負極として使用され得る。
【0170】
すなわち、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、金属反射膜200を共通の負極として使用することによって、発光素子400の電気的特性を改善することができる。
【0171】
このように、本発明の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を用いることによって、基板100上に一括製造され得る。
【0172】
したがって、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10の製造工程が単純化され得、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10の製造コストが減少することができる。
【0173】
図20は、発光素子-薄膜トランジスタ統合基板の他の実施例を示す図であり、図21は、図20の発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を用いて製造された発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10を示す図である。
【0174】
図20を参照すると、前記発光素子400及び前記薄膜トランジスタ600は、発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を用いて一括製造され得る。
【0175】
例えば、前記発光素子-薄膜トランジスタ統合基板は、前記基板100、前記金属反射膜200、前記バッファ層300、発光素子層、TCO、前記保護層500、及び薄膜トランジスタ層が順次積層されてもよい。
【0176】
すなわち、前記発光素子-薄膜トランジスタ統合基板は、TCOをさらに含むことができる。
【0177】
この場合、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10の製造工程において、別途に前記発光素子層の上部にTCOを形成するステップが必要ないので、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10の製造工程を最小化することができる。
【0178】
図22は、発光素子400の半導体薄膜を形成するための物理的蒸着方式を示す図であり、図23は、発光素子400の半導体薄膜を形成するための追加のエネルギーの種類を示す図である。
【0179】
一実施例において、前記発光素子400の半導体薄膜は、物理的蒸着方式及び化学的蒸着方式に追加のエネルギーが供給されることによって低温成長することができる。
【0180】
これによって、基板100は、ガラス基板、ステンレススチール基板、及び高分子基板のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0181】
図22を参照すると、前記物理的蒸着方式は、スパッタリング方式、eビーム蒸着方式、及び熱蒸着方式のうちの少なくとも1つを用いることができる。
【0182】
図23を参照すると、前記追加のエネルギーは、イオンビーム、電子ビーム、プラズマ、紫外線、レーザー、及びLED光のうちの少なくとも1つを用いることができる。
【0183】
したがって、発光素子400の半導体薄膜の蒸着に必要なエネルギーの一部は、熱エネルギーではなく、追加のエネルギー(例えば、イオンビームエネルギー、プラズマエネルギー、及びUVエネルギー)として提供され得る。
【0184】
すなわち、発光素子400の半導体薄膜は、イオンビーム、電子ビーム、プラズマ、紫外線、レーザー、及びLED光源のうちの少なくとも1つの追加のエネルギーが供給されることによって、半導体薄膜に到達した原子及び分子の移動度を向上させることができる。
【0185】
例えば、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、薄膜成長過程にスパッタリングイオンビームが提供されるイオンビームスパッタリング方式を用いることができる。
【0186】
イオンビームスパッタリングを用いる場合、半導体層の蒸着に必要なエネルギーの一部をイオンビームの運動エネルギーとして提供されるので、半導体薄膜の成長温度が低くなることができる。
【0187】
前記イオンビームスパッタリングには、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn)、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)、塩素(Cl)、及びアンモニア(NH)のうちの少なくとも1つが使用されてもよい。
【0188】
前記イオンビームスパッタリングに使用されるスパッタリングターゲットは、ガリウム(Ga)またはガリウム窒化物(GaN)を含むことができる。
【0189】
前記発光素子400の半導体薄膜が相対的に低い温度で行われる場合、製造工程に使用可能な基板100の範囲が拡張され得る。
【0190】
例えば、基板100は、非晶質基板または多結晶基板であってもよい。
【0191】
例えば、基板100は、変形温度が650度(℃)以下であるガラス基板、ステンレススチール基板、及び高分子基板のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0192】
図24は、本発明の他の実施例に係る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10を示す断面図であり、図25は、図24の発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10の製造方法を示すフローチャートである。
【0193】
図24を参照すると、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、発光領域及び駆動領域を含む基板100、前記基板100上に形成される保護層500、前記駆動領域に配置され、前記発光素子400を駆動する薄膜トランジスタ600、前記薄膜トランジスタ600上に形成される金属反射膜200、前記発光領域に配置される発光素子400、及び前記発光素子400上に形成されるTCOを含むことができる。
【0194】
例えば、前記薄膜トランジスタ600及び前記発光素子400は、前記基板100上に一体に形成されてもよい。
【0195】
一実施例において、前記発光素子400及び前記薄膜トランジスタ600は、薄膜トランジスタ-発光素子統合基板を用いて一括製造され得る。
【0196】
特に、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10において、発光素子400は、薄膜トランジスタ600の上部に形成され得る。
【0197】
図25を参照すると、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、前記薄膜トランジスタ600-発光素子400統合基板を製造するステップ(S310)、前記発光素子層をエッチングするステップ(S320)、前記金属反射膜200をエッチングするステップ(S330)、前記TCO及び前記発光素子400上に絶縁保護膜DPを形成するステップ(S340)、前記TCOの上部を露出させるステップ(S350)、ゲートインシュレータGIをエッチングするステップ(S360)、金属薄膜を蒸着するステップ(S370)、及び前記薄膜トランジスタ600のゲート620、ソース薄膜630、及びドレイン薄膜640を形成するステップ(S380)を通じて製造され得る。
【0198】
図26は、図25の製造方法によって発光素子-薄膜トランジスタ統合基板が製造されたことを示す図である。
【0199】
図26を参照すると、例えば、前記薄膜トランジスタ-発光素子統合基板は、前記基板100、前記保護層500、薄膜トランジスタ層、前記金属反射膜200、発光素子層、及び前記TCOが順次積層され得る。
【0200】
すなわち、薄膜トランジスタ-発光素子統合基板は、前記発光素子-薄膜トランジスタ統合基板とは異なって、発光素子層が薄膜トランジスタ層の上部に配置され得る。
【0201】
これによって、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10において、発光素子400は、薄膜トランジスタ600の上部に形成され得る。
【0202】
図27は、図26の発光素子-薄膜トランジスタ統合基板を用いて発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10が製造される過程を示す図である。
【0203】
前記薄膜トランジスタ-発光素子統合基板を製造するステップS310は、前記基板100、前記保護層500、薄膜トランジスタ層、前記金属反射膜200、発光素子層、及び前記TCOが順次積層された前記薄膜トランジスタ-発光素子統合基板を製造することができる。
【0204】
前記発光素子層をエッチングするステップS320は、薄膜トランジスタ層を露出させるために、発光素子層において発光領域を除いた部分をエッチングすることができる。
【0205】
ここで、発光素子層の上部のTCOが発光素子層と共にエッチングされ得る。
【0206】
前記金属反射膜200をエッチングするステップS330は、第1PRパターニングを行い、金属反射膜200を乾式エッチング又は湿式エッチングすることができる。
【0207】
例えば、金属反射膜200がエッチングされることによって、薄膜トランジスタ層の駆動領域が露出することができる。
【0208】
前記TCO及び前記発光素子400上に絶縁保護膜DPを形成するステップS340は、発光素子400を保護するための絶縁保護膜DPを蒸着することができる。
【0209】
例えば、絶縁保護膜DPは、SiO、TiO、ZrO、及びAlのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0210】
前記TCOの上部を露出させるステップS350は、第2PRパターニングを行い、乾式エッチング又は湿式エッチングでTCOの上部を露出させることができる。
【0211】
TCOは、発光素子400の発光層420から放出された光源が外部に出力され得るように、透明性を有する物質で構成され得る。
【0212】
したがって、発光素子400の発光層420から出力される光が、露出されたTCOの上部に通過することができる。
【0213】
ゲートインシュレータをエッチングするステップS360は、第3PRパターニングを行い、ゲートインシュレータGIを乾式エッチング又は湿式エッチングすることができる。
【0214】
金属薄膜を蒸着するステップS370は、金属物質を蒸着することによって、発光素子400と薄膜トランジスタ600を電気的に接続するための金属薄膜を形成することができる。
【0215】
前記薄膜トランジスタ600のゲート620、ソース薄膜630、及びドレイン薄膜640を形成するステップS380は、第4PRパターニングを行い、電極パターニングを行うことによって、ゲート620、ソース薄膜630、及びドレイン薄膜640を形成することができる。
【0216】
このように、本発明の実施例に係る発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、トランスファー工程なしに基板100上に直接作製され得る。
【0217】
また、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、薄膜トランジスタ-発光素子統合基板を用いることによって、基板100上に一括製造され得る。
【0218】
また、発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造10は、基板100の上部に金属反射膜200を含み、金属反射膜200を用いて、発光素子400の発光層420で発生した光を上部に取り出すことによって、発光素子400の上端に放出される光の量及び光取り出し効率を増加させることができる。
【0219】
以上で説明された装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、及び/又はハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素の組み合わせで実現されてもよい。例えば、実施例で説明された装置及び構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラー、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、FPA(field programmable array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令(instruction)を実行し、応答できる他のある装置のように、1つ以上の汎用コンピュータ又は特殊目的のコンピュータを用いて実現されてもよい。処理装置は、運用システム(OS)及び前記運用システム上で行われる1つ以上のソフトウェアアプリケーションを行うことができる。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答して、データをアクセス、格納、操作、処理及び生成することもできる。理解の便宜のために、処理装置は、1つが使用されるものとして説明された場合もあるが、当該技術分野における通常の知識を有する者は、処理装置が複数個の処理要素(processing element)及び/又は複数タイプの処理要素を含み得ることが分かる。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサ又は1つのプロセッサ及び1つのコントローラーを含むことができる。また、並列プロセッサ(parallel processor)のような、他の処理構成(processing configuration)も可能である。
【0220】
以上のように、実施例をたとえ限定された図面によって説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、前記の記載から様々な修正及び変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順序で行われたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合又は組み合わせられたり、他の構成要素又は均等物によって代替又は置換されたりしても適切な結果が達成され得る。
【0221】
したがって、他の具現、他の実施例及び特許請求の範囲と均等なものも、添付の特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0222】
10 発光素子-薄膜トランジスタのインテグレーション構造
100 基板
200 金属反射膜
300 バッファ層
400 発光素子
500 保護層
600 薄膜トランジスタ
700 オーミックコンタクトメタル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
【国際調査報告】