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特表2024-537377多機能焼結装置、または拡散はんだ付け装置および押圧ツール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】多機能焼結装置、または拡散はんだ付け装置および押圧ツール
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024522381
(86)(22)【出願日】2022-10-07
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 EP2022077939
(87)【国際公開番号】W WO2023061872
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】102021126716.1
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】202021105596.0
(32)【優先日】2021-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517190359
【氏名又は名称】ピンク ゲーエムベーハー テルモジステーメ
【氏名又は名称原語表記】PINK GMBH THERMOSYSTEME
【住所又は居所原語表記】Am Kessler 6 Wertheim Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【弁理士】
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【弁理士】
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 香子
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】エッツェル,クリストフ
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044KK01
5F044LL07
5F044PP15
(57)【要約】
本発明は、加圧焼結によって少なくとも1つの電子アセンブリのコンポーネントを接続するための焼結装置または拡散はんだ付け装置であって、アセンブリを挟持して押圧力を作用させるために互いの距離を相対的に変位可能な上部ツールと下部ツールとが配置される排気可能なプロセスチャンバを備える焼結装置または拡散はんだ付け装置に関する。プロセスチャンバは、その上側にアクセス開口を有するベース体と、アクセス開口がカバーによって閉鎖される閉鎖位置と開放位置との間で調節可能なカバーとを有し、上部ツールは、少なくとも押圧力が作用している間、カバーの閉鎖位置においてカバーに支持されることを特徴とする。本発明はさらに、焼結装置および押圧ツールに関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧焼結または拡散はんだ付けによって少なくとも1つの電子アセンブリのコンポーネントを接続するための焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)において、前記アセンブリを挟持し、押圧力を作用させるために互いに離間して相対的に変位可能である上部ツール(30)および下部ツール(32)が配置され、排気可能なプロセスチャンバ(20)を備え、前記プロセスチャンバ(20)は、その上側にアクセス開口(23)を有するベース体(22)と、前記アクセス開口(23)を閉鎖する閉鎖位置と開放位置との間で調節可能なカバー(24)とを有し、前記上部ツール(30)は、少なくとも前記押圧力が作用している間、前記カバー(24)の閉鎖位置において前記カバー(24)に支持される、焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項2】
前記カバー(24)は前記ベース体(22)に対して傾斜軸を中心として旋回可能にジョイントされており、好ましくは、前記カバー(24)を旋回させるように構成される作動アーム(26)が前記カバー(24)に固定されることを特徴とする、請求項1に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項3】
前記プロセスチャンバ(20)はロック位置とロック解除位置との間で移動可能なロック装置(40)を有し、前記ロック装置(40)は前記ロック位置において前記カバー(24)を前記ベース体(22)上のその閉鎖位置に固定するように構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項4】
前記ロック装置(40)は、前記ロック位置で前記カバー(24)および前記ベース体(22)の両方に積極的に連結される複数の旋回可能なロックアーム(42.1~42.3)を有することを特徴とする、請求項1に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項5】
前記ロックアーム(42.1~42.3)の各々は、その第1の端部でそれぞれの旋回軸(44.1~44.3)を中心に旋回可能に前記カバー(24)に固定され、その第2の端部のそれぞれに、ロックボルト(50.1~50.3)を使用して前記ロック位置にロックされるロック部(46.1~46.3)を有し、前記アクセス開口(23)、自身のロック位置にある前記カバー(24)、および前記ロックアーム(42.1~42.3)の旋回軸(44.1~44.3)は、それぞれの水平面内で延びることを特徴とする、請求項4に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項6】
前記ロックアーム(42.1~42.3)は、前記カバー(24)の2つの側面に互いに対向して配置されることを特徴とする、請求項4または5に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項7】
前記ロック装置(40)は丁度3つのロックアーム(42.1~42.3)を有し、第1および第2のロックアーム(42.1~42.3)が一方の側部表面に配置され、第3のロックアーム(42.1~42.3)が他方の側部表面に配置されることを特徴とする、請求項6に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項8】
前記ロックアーム(42.1~42.3)の前記旋回軸(44.1~44.3)およびこれらのロックアーム(42.1~42.3)に関連するロックボルト(50.1~50.3)は、それぞれのロックアーム(42.1~42.3)を介して前記カバー(24)と前記ベース体(22)との間に前記押圧力の作用により伝達されるロック力の有効方向が、それぞれのロックアーム(42.1~42.3)を介して前記カバー(24)と前記ベース体(22)との間に伝達されるように配置され、少なくとも前記第1および第2のロックアーム(42.1,42.2)について前記押圧力の有効方向と平行に延び、好ましくは前記第3のロックアーム(42.3)について前記押圧力の有効方向に対して斜めに延びることを特徴とする、請求項7に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項9】
前記第1および第2のロックアーム(42.1~42.3)は、前記第1および第2のロックアーム(42.1、42,2)が前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で同期して移動可能であるように、連結ロッド(64)を介して連結されることを特徴とする、請求項7または8に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項10】
前記第3のロックアーム(42.3)の質量分布と、前記第3のロックアーム(42.3)の前記旋回軸の位置と、前記第3のロックアーム(42.1~42.3)に関連する前記ロックボルト(50.3)の位置が、前記カバー(24)が閉じられたときに、付加的な力がない状態で、前記第3のロックアーム(42.3)が重力の影響のみによって自身のロック位置に保持されるように選択されることを特徴とする、請求項7~9のいずれかに記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項11】
好ましくはトグルレバーとして設計され、それぞれの関連するロックアーム(42.1~ 42.3)と相互作用する少なくとも1つのブロッキングレバー(60.1, 60.3)が設けられ、該ブロッキングレバー(60.1, 60.3)は前記ロックアーム(42.1~42.3)をそのロック位置で移動不能にブロックするブロック位置と、前記ブロッキングレバー(60.1, 60.3)が前記ロックアーム(42.1~42.3)の移動を解放する解放位置との間で移動可能であり、および/または、
好ましくはトグルレバーとして設計され、それぞれの関連するロックアーム(42.1~42.3)と相互作用する少なくとも1つの解除レバー(62)が設けられ、前記解除レバーは前記ロックアーム(42.1~42.3)をそのロック位置からそのロック解除位置に移動させるように構成されることを特徴とする、請求項4~10のいずれかに記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項12】
加圧焼結または拡散はんだ付けによって少なくとも1つの電子アセンブリのコンポーネント(130)を接続するための焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)であって、押圧力を作用させるために互いに距離を隔てて相対的に変位可能な上部ツール(30、120、120.2)および下部ツール(32、122)と、押圧ヨーク(112)とを備え、これらツールの間に前記アセンブリが挟持され、前記押圧ヨーク上に前記上部ツール(30、120、120.2)は配置され、前記押圧ヨーク(112)と前記上部ツール(30、120、120.1、120.2)との間、および/または前記下部ツール(32、122)内に、弾性箔(140)、好ましくは黒鉛箔が配置される、請求項1~11のいずれかに記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項13】
前記下部ツール(32、122)は、前記アセンブリに面する側に流体充填圧力パッド(90)を有することを特徴とする、請求項12に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項14】
請求項1~12のいずれかに記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10,110,210,310,410,510)の上部ツール(30,120,120.2)または下部ツール(32、122)のための押圧ツール(70)であって、
剛性のベースプレート(72)と、押圧面(92)の方向に前記ベースプレート(72)に接続されて可撓性に形成されて好ましくは皿状膜であり好ましくはシリコーンあるいは鋼合金から作られる膜部分(80)とを有し、
好ましくは流体で満たされて前記ベースプレート(72)と前記膜部分(80)によって限定される閉鎖された受け入れ領域に配置される圧力パッド(90)を有する圧力チャンバを含む、押圧ツール(70)。
【請求項15】
前記膜部分(80)は、前記ベースプレート(72)とクランプリング(84)との間にクランプされ、前記ベースプレート(72)に接続されて好ましくはボルト止めされる全周リム部を有することを特徴とする、請求項14に記載の押圧ツール(70)。
【請求項16】
前記圧力チャンバの少なくとも1つのサブ領域、特に前記圧力パッド(90)は、制御可能に流体を充填可能であり、特にガスを充填可能であり、好ましくは少なくとも1つの充填弁(146)によって充填可能であることを特徴とする、請求項14または15に記載の押圧ツール(70)。
【請求項17】
ガイドフレーム(154)に案内される複数のプレスプランジャ(152)とともにマルチプランジャユニット(150)が前記膜部分(80)の下に配置されることを特徴とする、請求項14~16のいずれかに記載の押圧ツール(70)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡散はんだ付けまたは加圧焼結によって少なくとも1つの電子アセンブリのコンポーネントを接続するための多機能拡散はんだ付けまたは焼結装置に関し、拡散はんだ付けまたは焼結装置は、アセンブリが保持され、押圧力を作用させるために互いに距離を隔てて相対的に変位可能な上側ツールと下側ツールとが配置された排気可能なプロセスチャンバを備える。
【背景技術】
【0002】
一般的な拡散はんだ付け装置または焼結装置は、エレクトロニクスアセンブリのコンポーネントを互いに機械的、電気的、および熱伝導的に接続するために使用される。例えば、汎用の拡散はんだ付け装置または焼結装置は、高性能スイッチング素子または半導体アセンブリなどの電子―電気半導体コンポーネントと、例えばPCB、ヒートシンクなどの基本ボディとを、拡散はんだ付けまたは加圧焼結によって互いに接続するために使用することができる。拡散はんだ付けでは、固体基本材料の原子が、押圧力を用いて液体はんだの原子と混合される。この結果、基本材料とはんだの間に物質対物質の接続を形成する合金ゾーンが形成される。加圧焼結では、2つ以上の部品、特に電子コンポーネントと基板を、電気的および/または熱的に導電性の接合材料によって互いに接続することができ、接続する接合材料は焼結される。対応する装置および方法は、例えばWO 2014/135151 A2から公知である。
【0003】
一般的な拡散はんだ付けまたは焼結装置は、自動はんだ付けまたは焼結システム、特に自動マルチチャンバ焼結システムで頻繁に使用されている。複数のゾーンに分割されたプロセスチャンバを備えた同様の構造のはんだ付け装置は、EP 2 026 927 B1に記載されている。
【0004】
電子アセンブリ自体の焼結は、焼結されるアセンブリおよび/またはそのコンポーネントの温度の調節と、上部ツールおよび下部ツールによって付与される押圧力の作用によって達成される。従って、例えば銀を接合材料とする加圧焼結(低温加圧焼結)の変形において、接続と拡散に必要な温度は、約130℃と250℃~300℃の間で規則的に変化する。焼結操作は、30MPaまでの圧力で約5~10分間必要である。新しいタイプの焼結ペーストを使用することで、より短時間での焼結が可能である。
【0005】
加圧焼結中に、コンポーネント間に挿入される焼結材料から可能な限り気孔の閉じた層を得るために、機械的に安定した、特に耐せん断性の接続と、必要な電気伝導率および熱伝導率を確保するために、接合層は拡散プロセスの前および間に圧力によって圧縮される。焼結の終了に向けて、圧力および温度は低下される。
【0006】
1つ以上の焼結室を有する焼結装置および関連する方法は、DE 10 2014 114 093 B4に記載されている。
【0007】
DE 10 2017 216 545 A1には、少なくとも1つの電子アセンブリの低温加圧焼結接続を形成するための装置が示されている。
【0008】
DE 10 2019 134 410 A1には、電子アセンブリを接続するための方法およびシステム、および/またはワークピースを製造するための方法が記載されている。
【0009】
US 2007/0296035 A1は、半導体構造を接続する装置を示している。
【0010】
US 2013/0133828 A1には、処理される基板と支持基板を接続するための装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】WO 2014/135151 A2
【特許文献2】EP 2 026 927 B1
【特許文献3】DE 10 2014 114 093 B4
【特許文献4】DE 10 2017 216 545 A1
【特許文献5】DE 10 2019 134 410 A1
【特許文献6】US 2007/0296035 A1
【特許文献7】US 2013/0133828 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
一つの課題は、拡散はんだ付けまたは焼結に必要な押圧力を可能な限り均等な方法でアセンブリに加え、アセンブリのコンポーネントが局所的または一時的なピーク圧力を受けないようにすることである。特に、高さの異なる複数の電子部品が1つの基板または支持体上に配置されたアセンブリを接続する場合、このような局所的なピーク圧力を防止することが要求される。
【0013】
一般的な拡散はんだ付け装置または焼結装置は、製造される電子アセンブリまたはそのコンポーネントの寸法に適合する上部ツールおよび/または下部ツールを採用することが多い。例えば、長さの異なる適切なプランジャが押圧ツールに固定される。
【0014】
原則として、ある拡散はんだ付け装置または焼結装置では、1種類のアセンブリだけでなく、異なるアセンブリタイプも製造される。アセンブリタイプを変更すると、関連する上部ツールおよび/または下部ツールの変更も必要になることがよくある。そのため、必要なリセット作業を行うために、プロセスチャンバに定期的にアクセスする必要がある。その他のメンテナンスおよび/またはクリーニング作業や、故障の場合にも、プロセスチャンバへの定期的なアクセスが必要である。しかし、この種のアクセスは、拡散はんだ付け装置または焼結装置の要素を取り外し、後で元の位置に戻すという、より多くの作業工程を伴うことが多い。このため、拡散はんだ付け装置または焼結装置のダウンタイムが少なくなく、生産順序が大幅に乱れる可能性がある。
【0015】
したがって、本発明の1つの目的は、プロセスチャンバへのアクセスが簡素化された拡散はんだ付け装置または焼結装置を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的は、請求項1の特徴を有する拡散はんだ付け装置または焼結装置によって達成される。焼結装置の有利な実施形態は、従属請求項に記載される。
【0017】
本発明は、拡散はんだ付けまたは加圧焼結によって少なくとも1つの電子アセンブリのコンポーネントを接続するための拡散はんだ付けまたは焼結装置であって、プロセスチャンバ内部にアセンブリが保持され、押圧力を作用させるために互いに距離を隔てて相対的に変位可能な上側ツールおよび下側ツールがプロセスチャンバ内部に配置された排気可能なプロセスチャンバを備え、プロセスチャンバは、その上側にアクセス開口を有するベース体と、アクセス開口をカバーで閉鎖する閉鎖位置と開放位置との間で調節可能なカバーとを有し、上側ツールは、少なくとも押圧力が作用している間、カバーの閉鎖位置においてカバーに支持される、拡散はんだ付けまたは焼結装置を提供する。
【0018】
拡散はんだ付け装置または焼結装置は、特に調整可能な大気条件、特に真空中で作動させることができる。その結果、真空または大気圧下での乾燥目的にも多機能に使用できる。好ましくは、はんだ付けまたは焼結ペーストをこれで乾燥させることができ、乾燥、はんだ付けまたは焼結のような複数の機能を、調整可能な大気条件下で多機能に使用することができる。腐食防止のための洗浄液、例えば窒素(N2)および/またはギ酸(HCOOH)を用いたパージも可能である。
【0019】
プロセスチャンバの上側またはベース体にアクセス開口を配置することにより、カバーが開いているときに、プロセスチャンバの内部、特に上部および/または下部ツールへのアクセスが容易になる。押圧力または対応する反力の作動中に生じる力は、閉じた状態でカバーに伝達され、カバーが押圧ヨークの機能を果たす。
【0020】
アクセス開口は、好ましくは、カバーの閉鎖位置において、例えば、カバーまたはベース体に設けられた全周シールによって気密的に封止される。
【0021】
これにより、調整可能な大気条件下、特に真空中で乾燥目的に使用でき、はんだ付けおよび焼結目的、特に少量生産または開発目的に多機能的に使用可能な拡散はんだ付けまたは焼結装置が得られる。
【0022】
好ましくは、上部ツールは、カバーが開いているときに上部ツールを特に容易に交換できるようにカバーに固定される。
【0023】
好ましい実施形態によれば、カバーは、傾動軸を中心としてベース体に旋回可能にジョイントされ、好ましくは、カバーを旋回させるように設定された作動アームがカバーに固定される。カバーをベース体にジョイント接続することで、開閉時のカバーのガイドが確保される。特にレバーアームとして機能する作動アームは、開閉操作を単純化する。作動アームは、カバーに永久的に固定され、後者が再設定の労力なしに直接使用できるようにすることができる。好ましくは、作動アームはカバーに着脱自在に固定され、不使用の間はカバーから取り外すことができ、例えば拡散はんだ付け装置または焼結装置の内部に設けられた保管場所に省スペースで収納することができる。作動アームは、カバーの開閉時に空気圧、油圧、またはバネ力によって支持されることができる。代替的または追加的に、例えば電気モーターや油圧または空圧駆動装置によるモーター駆動で、カバーの開閉を補助または実行することができる。ここで作動アームを省略することも可能である。
【0024】
さらに好ましい実施形態によれば、プロセスチャンバは、ロック位置とロック解除位置との間で移動可能なロック装置を備え、このロック装置は、ロック位置において、カバーをベース体上の閉鎖位置に固定するように構成されている。押圧力または対応する反力は、閉位置においてロック装置によってカバーからベース体に伝達され、これによりカバーは押圧力または反力に抗して閉鎖位置に保持される。特に、ロック位置では、カバーが傾動軸を中心にベース体に旋回可能にジョイントされているジョイントが、ロック装置によって負荷から解放されるため、押圧力または対応する反力は、カバーとベース体との間のロック装置を介してのみ伝達される。これにより、比較的単純なデザインのジョイントを使用することができ、このジョイントは、押圧力による付加的な荷重を受けることなく、カバーの重量力に耐えるだけでよい。
【0025】
さらに好ましい実施形態によれば、ロック装置は、ロック位置でカバーとベース体の両方に積極的に接続されるいくつかの旋回可能なロックアームを有する。従って、力は、はんだ付けまたは焼結作業中、実質的にロックアームを介して伝達され、カバーの不用意な開放は、積極的に接続されることによって防止される。
【0026】
さらに好ましい実施形態によれば、ロックアームのそれぞれは、その第1の端部において、それぞれの旋回軸を中心として旋回可能にカバーに固定され、その第2の端部には、ロック位置において、ロックアームと関連しベース体に固定されたそれぞれのロックボルトを用いてロックされるロック部を有する。ロック位置におけるロック部とロックボルトとの間の係合は、ロック装置をロック位置からロック解除位置に移動させようとしてロックアームをそれぞれの旋回軸回りに旋回させることによって解除され得る。この実施形態におけるロックアームは、重力の力によってカバーから揺動可能に吊り下げられており、これによって、ロック位置へのロックアームの移動が単純化され、特に、カバーの閉動作と組み合わせることができ、これは、例えば、ロックアームの第2の端部における適切な形状のインサート面取りによって補助され得る。
【0027】
好ましくは、アクセス開口、閉鎖位置にあるカバー、およびロックアームの旋回軸は、それぞれの水平面内で延びている。
【0028】
さらに好ましい実施形態によれば、ロックアームは、互いに対向するカバーの2つの側面上に配置される。これにより、カバーとベース体との間の力の伝達が均等になり、カバーの変形や曲げを引き起こす力がかなり低減される。好ましくはカバーは、上側と上側に平行な下側とを有する立方体形状を有し、下側はベース体と相互作用するシール面と、互いに平行に延びて上側および下側に対して垂直な2つの第1の側部表面と、互いに平行に延びて上側および下側に対して垂直であって第1の側部表面に対して垂直な2つの第2の側部表面とを有することができる。好ましくは、カバーの前述の傾斜軸は第1の側面に対して平行に延び、ロックアームは第2の側面に配置される。これにより、カバーが開いているときに、ロックアームによってプロセスチャンバへのアクセスが妨げられることを防止することができる。
【0029】
シール面は、シールリングによって、必要に応じて円形、正方形、長方形、または楕円形の断面を有するシールリングによって、形成可能である。このシールリングは、大気状態で、カバーのロック閉鎖が不可能となるために、カバーとベース体との間に間隔を生じさせる。負圧、好ましくは真空が形成されると、シールリングは負圧によってカバーとベース体の間で圧縮され、ロック機構を作動させることによってベース体へのカバーのロックが可能になる。
【0030】
カバーのロックとロック解除の方法は以下の通りである。ロックの際には、まず、作動アームによって、ロックアームが自動的にロックボルトに係合するまで、カバーがシールに押し付けられる。ロックアームの位置は、ブロッキングレバーによって所定の位置に固定されることができる。
【0031】
ロック解除の間、まずプロセスチャンバ内を負圧または真空にするのが有利であり、これはシールがカバーに反力を及ぼし、その結果ロックアームがロック位置でロックボルトに押し付けられるからである。大気圧がカバーに作用するため、ロックボルトに対するロックアームの負荷は軽減され、カバーは大気圧によってさらにシールへ押し込まれるため、ロックアームはロック解除レバーによってロック解除位置へ無理なく移動できるようになる。続いて真空が解除されると、膨張したシールがカバーを徐々に自動で旋回させ、開放位置へ向かわせる。その後、作動アームにより、カバーは比較的容易に開放位置まで旋回可能である。
【0032】
さらなる好ましい実施形態によれば、ロック装置は正確に3つのロックアームを有し、第1および第2のロックアームが一方の側部表面上に配置され、第3のロックアームが他方の側部表面上に配置される。上述した側部表面は、好ましくは、先に説明した第2側部表面である。
【0033】
さらに好ましい実施形態によれば、ロックアームの旋回軸およびロックアームに関連するロックボルトは、以下のように配置される。それぞれのロックされたロックアームを介してカバーとベース体との間に押圧力が作用することにより伝達されるロック力の有効な二方向は、少なくとも第1および第2のロックアームについては押圧力の有効な方向に対して平行に延び、第3のロックアームについては好ましくは押圧力の有効な方向に対して斜めに延びる。こうして、第1および第2のロックアームを介して伝達されるロック力は、カバーの主要な広がり方向に対して垂直に作用する。しかし、好ましくは、押圧力の有効方向に対して第3のロックアームを介して伝達されるロック力の斜めのコースに起因して、このロック力は、押圧力の有効方向に対して平行に延びる通常の成分に加えて、押圧力の有効方向に対して垂直に、かつカバーの主要範囲平面に対して平行に延びる横方向の成分を有する。カバーは、この横方向成分によって、その主要範囲平面の内側にプレテンションされる。好ましくは、押圧力の有効方向と第3のロックアームを介して伝達されるロック力との間に生じる角度は数度であり、横方向成分は押圧力に比べて小さい。
【0034】
さらに好ましい実施形態によれば、第1のロックアームと第2のロックアームは、ロック位置とロック解除位置との間で同期して移動可能であるように、連結ロッドを介して連結されている。ここで、ロックアームは、それらの旋回軸の想像上の連結線を形成し、連結ロッドは、角度が可変の一種の平行四辺形を形成し、ロックおよびロック解除操作を単純化する。
【0035】
さらに好ましい実施形態によれば、第3のロックアームの質量分布と、第3のロックアームの旋回軸の位置と、第3のロックアームに関連するロックボルトの位置は、カバーが閉じられたときに、付加的な力がない場合に、第3のロックアームが、重力の影響のみによって又は少なくとも実質的に、そのロック位置に保持されるように選択される。上記の質量分布は、例えば、旋回軸と、ロックアームがロックされたときに旋回軸に平行なロックボルトの対称軸との間に生じる仮想対称面に対して非対称であることができる。
【0036】
さらなる好ましい実施形態に従って、好ましくはトグルレバーとして設計され、それぞれの関連するロックアームと相互作用する少なくとも1つのブロックレバーが設けられ、このブロックレバーは、ロックアームを移動に対してそのロック位置でブロックするブロック位置と、ブロックレバーが移動に対してロックアームを解放する解放位置との間で移動可能である。代替的または付加的に、好ましくはトグルレバーとして設計され、それぞれの関連するロッキングアームと相互作用する少なくとも1つの解除レバーが設けられ、この解除レバーは、ロックアームをそのロック位置からそのロック解除位置に移動させるように構成される。ブロックレバーによって、ロックアームが完全にロック位置にあることが保証され、それゆえ、押圧力またはロックアームに作用する移動力による不注意なロック解除が防止される。ロックアームは解除レバーによってロック位置から解除され、それによってカバーのその後の開放が可能になる。少なくとも1つのブロックレバーおよび/または少なくとも1つの解除レバーは、好ましくはベース体に配置される。
【0037】
押圧力が作用している間、ロック装置が常にロック位置にあることを確実にするために、適切な位置センサをブロックレバーに設けることができ、拡散はんだ付け装置または焼結装置の制御装置に接続され、ブロックレバー(単数/複数)がブロック位置にない場合に、押圧力を加えるために設けられたドライブが作動するのを防止する。代替的または付加的に位置センサは、ロックアーム上および/またはロックボルト上に設けられることもでき、ロックアームがロック位置にあるかどうかを検出するように構成される。
【0038】
本発明は、さらなる局面において、拡散はんだ付けまたは加圧焼結によって少なくとも1つの電子アセンブリのコンポーネントを接続するための拡散はんだ付けまたは焼結装置、特に、本発明に好ましいまたは本発明に従った前述の実施形態の1つによる拡散はんだ付けまたは焼結装置に関して、ここで、拡散はんだ付けまたは焼結装置は、上部ツールと下部ツールを備え、これらの間にアセンブリが保持され、これらは押圧力を作用させるために互いの距離が離れて相対的に変位可能である、弾性箔、好ましくは黒鉛箔が、押圧ヨークと上部ツールとの間、および/または下部ツール内に配置される。押圧ヨークは、押圧力を吸収するために設けられた部品である。好ましくは、押圧ヨークは、先に説明した実施形態のカバーによって形成されることができ、あるいは、例えばカバーと上部ツールとの間に配置され得る別個の部品として形成されることができる。下部ツールは複数の部品、特に2つの部品で設計することができ、弾性箔は2つの部品の間に配置される。弾性箔は、押圧装置に向かって下部ツールの下に配置されることもできる。弾性箔は、上部工具と押圧ヨークとの間の非平行性を補償し、コンポーネントに作用する力の均質化を確実にするために使用される。特に、押圧領域の表面にわたる押圧力の勾配曲線が低減される。
【0039】
さらなる局面になる上述の拡散はんだ付けまたは焼結装置の有利な実施形態によれば、下部ツールは、アセンブリに面する側に流体で満たされた圧力パッドを有する。圧力パッドはシリコーンで構成されることもできる。圧力パッドは、弾性箔に加えて、押圧力のさらなる均質化をもたらし、特に、接続されるコンポーネントのあらゆる高さ公差を補償する。
【0040】
本発明は、さらなる局面において、好ましいまたは本発明に従う前述の実施形態の1つによる拡散はんだ付け装置または焼結装置の上部ツールまたは下部ツールのための押圧ツールに関し、押圧ツールは、剛性のベースプレートと、ベースプレートに接続され、可撓性の、好ましくは皿状のシリコーン膜によって、あるいは好ましくは鋼合金から作られた金属膜によって形成された膜部分と、好ましくは流体で充填されて押圧面の方向においてベースプレートおよび膜部分によって制限される閉じた受け入れ領域に配置される圧力パッドを有する圧力チャンバとを備える。圧力チャンバは、例えば、流体で満たされるか、あるいは支持構造を有するか、または圧力パッドをその中に配置されることができる。圧力パッドは原則として、流体用の容積を定義する柔軟な外囲材、例えばシリコーンを有する。圧力パッドは、全体がシリコーンあるいは他の耐熱性の圧力均一化材料で構成されることもある。外囲材は、通常、コンポーネントの輪郭に適合することによって、またコンポーネントや接合材料に起因する汚れによって激しく摩耗する。圧力パッドを保護するために、従来の拡散はんだ付けまたは焼結システムでは、接続されるコンポーネントと圧力パッドとの間に配置され、はんだ付けまたは焼結作業の完了後に除去される、特にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の箔が、使用されることが多い。しかし、このことは、一方では工程時間を延長し、他方では欠陥の新たな原因となる追加の方法ステップを伴う。本発明による上部ツールおよび下部ツールの実施形態では、金属膜は、一方ではこのような保護箔の機能を担い、他方では圧力パッドの保持装置の機能を担う。圧力パッドは損傷や 汚染から保護され、金属膜の柔軟性により、接続されるコンポーネントに対する上部ツールおよび/または下部ツールの十分な適合性が保証される。
【0041】
また、圧力パッド用の閉じた受け入れ領域が設けられることにより、圧力パッドの圧縮強度に対する要求が軽減される。なぜなら、押圧動作中に圧力パッド内に蓄積される圧力は、ベースプレートおよび膜部分を介して完全に吸収され、圧力パッドの外囲材の過度の伸張が防止されるからである。
【0042】
好ましい実施形態によれば、膜部分は、ベースプレートと、好ましくはボルトでベースプレートに連結されたクランプリングとの間にクランプされた全周リム部を有する。膜部分とベースプレートの確実な接続は、クランプリングによって達成され、また、欠陥がある場合には、圧力パッドまたは膜部分の交換を可能にする。
【0043】
膜部分は均等な厚さを有することができるが、厚さが変化する領域もある。特に、押圧される部分の配置および/または表面構造に応じて、膜部分の柔軟性を部分領域に適合させるために、厚くされた膜部分および薄くされた膜部分を設けることができる。このようにして、膜部分は、厚さの変化、すなわち膜表面が厚くなった領域と薄くなった領域によって、部分の配置、特に生産品キャリアに配置された部分の配置に適合した剛性構造を有することができる。
【0044】
有利な展開として、押圧ツールの圧力チャンバのサブ領域、特に圧力チャンバ内に保持された圧力パッドの少なくとも1つのサブ領域を、コントロールできる流体充填可能、特にガス充填可能に設計することができる。好ましくは、流体充填は、少なくとも1つの充填弁によって制御可能である。圧力チャンバのサブ領域、特にサブ領域の流体充填、特にガス充填により、押圧チャンバに充填された流体によって、プレスによって機械的に加えられる押圧力に対して、追加的または代替的な押圧力を発生させることができる。したがって、例えば、プロセスチャンバの雰囲気ガス、必要であれば窒素などのパージガスを、圧力チャンバのサブ領域に導入することにより、圧力チャンバが膜部分を通して膨張することが可能である。これにより、押圧プランジャを機械的に作動させる油圧プレスを使用することなく、例えばボンディング法、銀または銅による低圧焼結、例えば最大0.4MPaの拡散はんだ付け、例えば最大0.1MPaの熱圧着などのために、比較的低圧でありながら多くの場合十分な圧力をコンポーネントに発生させることになる。したがって、プロセスチャンバおよび/または圧力チャンバ内のプロセス雰囲気を設定するだけで、下側ツールおよび上側ツールの相対的な移動により、機械式プレスでは適用できなかった正確な押圧力をコンポーネントに適用することができる。
【0045】
この実施形態では、追加的または代替的な圧力付与のために、わずかな労力で安価かつ容易に押圧ツールが提供され得る。なぜなら、一般にプロセスに必要とされるプロセスチャンバ内のガス圧力およびプロセス雰囲気または真空を使用して、コンポーネント上の部分の高低差を補償するために、要求され制御された焼結圧力または拡散はんだ付け圧力または接合圧力を半導体素子に及ぼすことができるからである。
【0046】
そのためには、真空圧力センサと簡単なソフトウェア領域変換で十分であるため、追加の力測定システムや圧力測定システムは必要なく、必要かつ設定された焼結圧力または拡散はんだ付け圧力または接合圧力を得ることができる。
【0047】
真空中の真空チャンバは押圧ツールを介してコンポーネントに圧力をかけるので、予期せぬチャンバ圧力の上昇を即座に検出でき、酸素が外部から真空チャンバ内に侵入しているかどうかをプロセス中に連続的にモニタすることができる。これにより、高温のコンポーネント、特に銅の表面、は酸化しない。コンポーネントの圧力モニタは、例えば押圧ドライブに内蔵されるロードセルを用いて実施可能である。例えば、プランジャの詰まりを検出することができる。
【0048】
押圧ツールの有利な発展形として、ガイドフレームに案内される複数の押圧プランジャを有するマルチプランジャユニットを膜部分の下に配置することができる。これにより、コンポーネントの個々の部分に選択的に圧力をかけることができ、特に高さの違いを補償することができる。必要な部分にのみ圧力がかかるため、プレスエネルギーも削減できる。コンポーネントのサブ領域を過負荷から保護することができる。
【0049】
拡散はんだ付け装置または焼結装置は、好ましくは、少なくとも押圧ツールの下部ツールに有利に配置される冷却および/または加熱装置を有する。冷却および/または加熱装置は、誘導ヒータおよび/または対流ヒータを有することができるが、放射ヒータまたは接触ヒータを有することもできる。さらに、特に水、空気、または油による流体冷却を設けることができる。
【0050】
さらなる利点は、以下の図面の説明から明らかになる。図面は本発明の実施例を示している。図面、説明および特許請求の範囲は、多くの特徴の組み合わせを含んでいる。当業者であれば、特徴を個々に検討し、有用なさらなる組み合わせに組み合わせることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】実施例による拡散はんだ付けまたは焼結装置を示す概略斜視図である。
図2】実施例による拡散はんだ付けまたは焼結装置を異なる作業位置で示す概略斜視図である。
図3a図1および図2の拡散はんだ付けまたは焼結装置を閉鎖位置で示す側面図である。
図3b図1および図2の拡散はんだ付けまたは焼結装置を開放位置で示す側面図である。
図4図1図3の拡散はんだ付け装置または焼結装置を一部断面で表した斜視図である。
図5図1図4の拡散はんだ付けまたは焼結装置の斜視図である。
図6a図1図5の拡散はんだ付け装置または焼結装置のロック装置の概略側面図である。
図6b図1図5の拡散はんだ付け装置または焼結装置のロック装置の詳細図である。
図7a図1図6の拡散はんだ付けまたは焼結装置のカバーのロック位置を示す概略図である。
図7b図1図6の拡散はんだ付けまたは焼結装置のカバーの開放位置を示す概略図である。
図8】実施例に係る拡散はんだ付けまたは焼結装置の押圧ツールの分解斜視図である。
図9a図8の押圧ツールの断面図である。
図9b図8の押圧ツールの断面図である。
図10】さらなる実施例に係る拡散はんだ付けまたは焼結装置の概略側面図である。
図11a】さらなる実施例に係る拡散はんだ付けまたは焼結装置の概略側面図である。
図11b】さらなる実施例に係る拡散はんだ付けまたは焼結装置の概略側面図である。
図11c】さらなる実施例に係る拡散はんだ付けまたは焼結装置の概略側面図である。
図11d】さらなる実施例に係る拡散はんだ付けまたは焼結装置の概略側面図である。
図12a】実施例に係るかかる拡散はんだ付けまたは焼結装置のいくつかの方法段階におけるさらなる押圧ツールである。
図12b】実施例に係るかかる拡散はんだ付けまたは焼結装置のいくつかの方法段階におけるさらなる押圧ツールである。
図12c】実施例に係るかかる拡散はんだ付けまたは焼結装置のいくつかの方法段階におけるさらなる押圧ツールである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下において、同一または類似の要素には同一の参照数字が使用されている。
【0053】
図1および図2は、実施例に係る拡散はんだ付けまたは焼結装置10を示し、この装置は、排気可能なプロセスチャンバ20を囲むハウジング12と、詳細には言及しない拡散はんだ付けまたは焼結装置10の様々な補助ユニットおよび補助装置とを有する。ハウジング12は、旋回可能な蓋14を有し、この蓋14は、その開放位置において、ハウジング12の内部、特にプロセスチャンバ20へのさらなるアクセスを可能にする。プロセスチャンバ20は、例えば窒素(N2)やギ酸などの洗浄液でパージ可能である。プロセスチャンバ20内は、正圧、大気圧から負圧、真空までの圧力条件に設定可能である。特に、真空中または酸素を含まない雰囲気中でのはんだ付けまたは焼結方法は、望ましくない腐食の影響を防止する。
【0054】
特に図3a、図3bおよび図4にも追加的に示すように、プロセスチャンバ20は、その上側にアクセス開口23を有するベース体22を備え、このアクセス開口23は、閉鎖位置(図1図3a)と開放位置(図2図3b)との間で旋回可能なカバー24によって密閉可能である。カバー24は概ね立体形状を有し、カバー24の閉鎖位置では、カバー24の主要な広がり方向と平行に走る上側面および下側面が水平面で延び、カバー24の縦側面および横側面が垂直面で延びている。カバー24は、後部の縦側面に配置されたジョイント36を用いてベース体22に連結される。
【0055】
アクセス開口23は、カバー24の下面に設けられた全周シールリング28と相互作用するシール面によって縁取られている。シールリング28はカバー24の加重力によってベース体22のシール面に軽く押し付けられているため、アクセス開口23は、排気動作の開始時にすでに気密的に閉じられており、真空漏れは生じない。カバー24は、例えば800hPa未満の負圧がかかることにより、ベース体22に対してより強く押し付けられ、シールリング28がわずかに変形する可能性がある。負圧がかからない場合、好ましくはOリングとして設計されたシールリング28は安定し、カバー24がロック不可能なようにカバー24とベース体22の間で距離をあけることができる。ジョイント36は、カバー24に対する押圧や、ジョイント36によるシールリング28の変形が妨げられないように、ある程度の遊びを有することができる。800hPa以下の負圧によって、カバー24はすでにベース体22に密着していることができる。
【0056】
カバー24を作動させるために、レバーアームとして機能する作動アーム26が設けられており、この作動アームは、好ましくはカバー24に着脱自在に連結されており、使用しないときには取り外してハウジング12内に収納することができる(図1および図2参照)。
【0057】
特に図3a、図3bおよび図5に見られるように、プロセスチャンバ20は、プロセスチャンバ20の内部への追加のアクセスを可能にする更なるアクセス開口を有することができる。この更なるアクセス開口は、例えば蓋14、特に気密カバーまたはエアロック、例えばスライド式隔壁などを用いるように、更なるカバーによって密閉することができ、このカバーは、詳細には言及しない作動手段およびロック手段を用いて開閉することができ、またはベース体22に固定されることができる(図3a、図3b参照)。
【0058】
プロセスチャンバ20の内部に突出する上部ツール30(図2および図4)は、カバー24に固定される。さらに、拡散はんだ付けまたは焼結装置10は、上部ツール30に対向して配置された下部ツール32を有し、接続される電子アセンブリコンポーネントは、拡散はんだ付けまたは焼結作業を実行するために上部ツール30と下部ツール32との間に配置される。接続されるコンポーネントは、例えばワークピースキャリア38(図4)の助けにより、プロセスチャンバ20内に配置されることができる。
【0059】
押圧力を作用させるために、下部ツール32は垂直方向に移動可能に取り付けられ、プロセスチャンバ20の下に配置され、ベース体22に連結された押圧ドライブ34に連結されている。
【0060】
押圧作業中、下部ツール32は、ドライブ手段34によって上部ツール30に近づけられ、その結果、上部ツール30、ひいてはカバー24に作用する押圧力が非常に高くなり、ある押圧力を超えたときのカバー24の開放は、プロセスチャンバ20内に存在する負圧だけで防止できない。
【0061】
したがって、拡散はんだ付けまたは焼結装置10は、図5図6aおよび図6bで詳細に説明するロック装置40を有し、このロック装置40は、そのロック位置において、カバー24をその閉鎖位置においてベース体22上に固定し、カバー24の2つの横断面上に設けられた複数の旋回可能なロックアーム42.1~42. 3を有する。各ロックアーム42.1~42.3は、その第一端がそれぞれの旋回軸44.1~44.3を中心に旋回可能にカバー24に固定され、第一端とは反対側の第二端に、それぞれのロックアーム42.1~42.3に関連しベース体22に固定されたロックボルト50.1~50.3を用いてロック位置にロックされるそれぞれのロック部46.1~46.3を有する。旋回軸44.1~44.3、ロック部46.1~46.3、およびロックボルト50.1~50.3とロックアーム42.1~42.3との関連性は、参照数字における点の後ろの最後の数字によって示されている。図示の実施例によれば、旋回軸44.1~44.3は、カバー24の主要な範囲平面と平行に広がる共通の平面内に延びることができる。
【0062】
ロックアーム42.1~42.3は、図5に斜視図で、図6aに平面図で示すように、カバー24dの横側面の一方に配置される第1ロックアーム42.1および第2ロックアーム42.3と、前記横側面の反対側の横側面に配置される第3ロックアーム42.3とを有する。第1および第2のロックアーム42.1、42.3それぞれの旋回軸44.1、44.2と、関連するロックボルト50.1、50.2の対称軸は、特に図6aで容易に識別できるように、仮想の長方形の角を形成する。第1と第2のロックアーム42.1、42.3は、ジョイント固定された連結ロッド64(図3a、図3b、図4)によって連結され、ロックアーム42.1、42.2がロック位置とロック解除位置の間で同期して旋回できるようになっており、ロックアーム42.1、42.2は、ここでは平行四辺形のような動きをする。
【0063】
第3のロックアーム42.3の旋回軸44.3は、旋回軸44.1、44.2と同一平面内にあり、第3の旋回軸44.3の第1および第2の旋回軸44.1、44.2に対する距離は等しい(図6b参照)。第3のロックボルト50.3の対称軸は、第1および第2のロックボルト50.1、50.2の対称軸と同一平面上にあるが、第3のロックボルト50.3の対称軸の第2のロックボルト50.2の対称軸までの距離Aは、第1のロックボルト50.1の対称軸までの距離よりも小さい。
【0064】
3つのロックアーム42.1~42.3がカバー上に正確に配置されてそれらの旋回軸44.1~44.3が対称に配置されているため、カバー24のねじれや歪みをほとんど防止しつつカバー24の可能な限り均等なロックが確保される。このようにして、上部ツール30の上に接続されるコンポーネントの均等性に悪影響を及ぼす可能性のある変形や歪みがないことも確実にされる。
【0065】
特に図6bで容易に識別されるように、第3のロックアーム42.3の旋回軸44.3と、横方向から見たロックボルト50.3の対称軸とは、しかし互いにわずかにずれている。それぞれのロックされたロックアーム42.1~42.3を介してカバー24とベース体22との間に押圧力が作用することにより伝達されるロック力の有効方向は、第1および第2のロックアーム42.1、42.2については、下部ツール32の移動により発生する押圧力の有効方向に対して平行に延びるが、このロック力は、第3のロックアーム42.3については、押圧力の有効方向に対して斜めに延びる。したがって、第3のロックアーム42.3を介して伝達されるロック力は、押圧力の有効方向に平行な法線成分に加えて、押圧力の有効方向に対して垂直な横方向成分を有し、したがってカバーの主要な範囲の平面に平行である。その結果、カバー24は、その主要な範囲平面の内側でわずかに支えられ、特に、ロックされた位置でカバー24上のロックアーム42.1~42.3のジョイントされた取り付け部におけるその遊びを減少させることができ、その結果、カバー24は、押圧動作の間、正確に規定された位置にある。
【0066】
しかし、第3のロックアーム42.3を介して及ぼされる押圧力またはロック力の横方向成分は、その主要な広がり方向に延びる軸を中心とするカバー24のねじれを発生させないので、カバー24の平面性は損なわれない。
【0067】
図5および図6aで容易に識別できるように、第3のロックアーム42.3は、くぼんだ形状を有し、それにより、第3のロックアーム42.3は、カバー24が閉じられたとき、および付加的な力がないとき、重力の影響下でそのロック位置に移動され、このロック位置に保持されるように、質量の非対称分布が達成される。これにより、ベース体22におけるカバー24の閉鎖とロックが容易になる。
【0068】
ロックアーム42.1~42.3が完全にそのロック位置にあり、押圧力が開始されてもこのロック位置に留まり、不注意に抜け出ることができないようにするために、それぞれのブロッキングレバー60.1、60.3がベース体22の側面に設けられ、トグルレバーとして使用され、信号色を備えた作動エレメントを有するように設計することができ、使用者は、ロックアーム42.1~42.3が実際にそのロック位置にあり、それぞれのブロッキングレバー60.1、60.3によってこの位置で阻止されているかどうかを確実に認識することができる。ブロッキングレバー60.1がロックアーム42.1と、連結ロッド64を介して間接的にロックアーム42.2とも相互作用する一方、ベース体22の反対側に配置されたブロッキングレバー60.3はロックアーム42.3と相互作用する。
【0069】
ブロッキングレバー60.1がその解除位置にあるとき(図3b参照)、ロックアーム42.1~42.3は、同様にトグルレバーとして設計された解除レバー62によって、ロック位置からロック解除位置に旋回することができる。このタイプの解除レバーは、第3のロックアーム42.3については省略することもできる。そのために、ロック部46.3は、例えば、引き抜き面取り48によって、重力の助けを借りて、ロック位置からロック解除位置に移動させることができ、したがって、第3ロックボルト50.3から係合解除される。
【0070】
ロックアーム42.1~42.3のロック位置の追加モニタを確実にするために、例えば光学式、磁気式、静電式または機械式センサとして設計できるロックセンサをロックアーム42.1~42.3の1あるいは複数に設けることができ、それぞれのロックアーム42.1~42.3が関連するロックボルト50.1~50.3に係合しているかどうかを検出する。本実施例では、このようなロックセンサ66が第2ロックアーム42.2に設けられている(図3a、図3b、図4)。
【0071】
図7に示すように、カバー24の開閉は、例えば800hPa以下の負圧とシールリング76によって補助可能である。したがって、図7bに示すように、まずカバー24がシールリング76によってベース体22の方向に離間した状態に保たれ、ロックアーム42.1~42.3がロック位置になることを最初は許容しないようにすることが可能である。真空チャンバ20の排気により、カバー24上の矢印で示される大気圧が、シールリング76をプロセスチャンバ20の方向に押圧し、ロックアーム42.1~42.3が重力の影響下で自動的にロック位置に移動することができる(図7a参照)。1あるいは複数のロックセンサ66は正しいロック位置の想定をモニタする。ロックアーム42.1~42.3の位置は、ブロッキングレバー60.1~60.3によってロック可能であり、シールリング76がカバーをロック装置40に押し付けるので、無圧状態ではカバーの開放は不可能である。ロック位置を可能にするために、少なくとも一つのロックアーム42.1~42.3の少なくとも一つのロック部46.1~46.3には、ロックボルト50.1~50.3を受けるための遊び51が設けられている。
【0072】
本発明のさらなる態様にしたがって、図8および図9aまたは図9bは、拡散はんだ付けまたは焼結装置、特に上述した実施例の拡散はんだ付けまたは焼結装置10のための押圧ツール70を示す。押圧ツール70は、上部ツールとしても下部ツールとしても設計可能であり、ベースプレート72と、ベースプレート72から離れて延びる円筒形の壁部74とから構成される。実施例におけるベースプレート72の四角形状および壁部74の円筒形状は純粋な例示であり、それぞれ多様な形状を有することができる。
【0073】
ベースプレート72と壁部74とによって定義される中空空間は、膜部分80によって閉鎖される。膜部分80は、例えば金属膜または金属箔からの深絞り加工によって、平坦または皿状にすることができ、膜部分80の好ましい材料として、鋼合金、例えばクロム―ニッケル―鋼合金が挙げられる。膜部分80は、ベースプレート72に背を向ける側で中空空間に接しており、この中空空間には、例えば圧力パッド90が圧力チャンバとして受容可能である。あるいは、支持構造体、例えば機械的に柔らかい金属、流体チャンバまたはシリコーンパッドを中空空間内に受容することもできる。膜部分80は、壁部74と同様に側部に延びる全周リム部を有することができ、例えばベースプレート72とクランプリング84との間にクランプされる。クランプリング84はベースプレート72にボルトで固定され、特に壁部74の開放部に固定され、膜部分80の好ましくは皿状のリム部を固定することができる。あるいは、膜部分80を壁部74に直接固定することもできる。 壁部74の内周面と相互作用することができるシールリング76が、クランプリング84に配置された周溝内に設置可能である。
【0074】
ベースプレート72と膜部分80との間に形成された中空空間は、図9a、図9bを参照すると、圧力パッドまたは圧力チャンバ90のための四方を閉じた受入空間を画定する。この受入空間は、例えば流体、例えばシリコーンまたはオイルで満たされた圧力チャンバ90を形成することができ、図9aを参照して圧力パッド90を挿入することができ、図9bを参照して圧力パッド90は、例えばオイル充填パッドまたはシリコーンパッド等とすることができる。圧力パッド90は、例えば、ねじ付きインサートを有することができ、ベースプレート72にボルト取り付けすることができる。
【0075】
膜部分80の厚さは、接続される電子アセンブリコンポーネントと相互作用する押圧面92の領域における膜部分80が、適切な寸法だけ変形し、圧力パッド90を介して隣接するコンポーネント間に圧力の補償を与えるのに十分な弾性を有するように選択される。膜部分80は、均一な厚さを有することができるが、厚さが変化する領域を有することもできる。したがって、膜部分80は、一部の領域で厚くしたり薄くしたりすることができ、したがって、押圧されるコンポーネント130の配置構造に応じて、異なる圧力領域ゾーンに対応する構造を有することができる。押圧ツール70は、約40mmの全高を有することができ、図8および図9に示すサイズ比は、必ずしも縮尺に忠実である必要はない。特に、膜部分80の厚さは図示よりも小さくされることもできる。
【0076】
シールリング76は多層構造を有することができ、図8図9a、図9bのシールリング76の図は簡略化されている。クランプリング84を、挿入されるシールリング溝ではなく、いくつかの部分に分けて設計することも一般に考えられる。
【0077】
図10図12を参照すると、さらなる拡散はんだ付けまたは焼結装置110、210、310が記載されており、この関連で記載された特徴は、いずれも、図1図7に従って先に記載された拡散はんだ付けまたは焼結装置10の特徴と組み合わせて実現され、他の一般的に類似した焼結装置に使用され得る。
【0078】
図10に模式的かつ縮尺なしで示す拡散はんだ付けまたは焼結装置110は、上部ツールの押圧ヨーク112と、押圧ヨークの下方に設けられた下部ツールの押圧プランジャ114とを有し、これらは、押圧ヨーク112と押圧プランジャ114との間に接続されて配置される電子アセンブリコンポーネント130に押圧力を加えるために、ドライブ手段によって互いに相対的に移動可能である。ドライブは、押圧ヨーク112と押圧プランジャ114の両方に作用することができ、例えば油圧プレスとして設計可能である。押圧ヨーク112の下側には上部硬質ツール120が配置され、押圧ヨーク112と上部硬質ツール120との間には、押圧ヨーク112と上部硬質ツール120との間の圧力または勾配の補正の度合いを達成することができる黒鉛箔140が設けられている。黒鉛箔140は、弾性箔のように、上部硬質ツール120と下部ツール122との間に押圧力が作用したときに、上部硬質ツール120と下部ツール122との間の平面的な整列を達成することができるように、その種類および厚さを適合させることができる。その結果、黒鉛箔140によって、上部ツールと下部ツールの正確な平行整列を達成することができる。
【0079】
押圧プランジャ114の上側には、加熱プレート124が配置されており、この加熱プレート124は、1つまたは複数の加熱装置に加えて、1つまたは複数の冷却装置も有することができる。弾性圧力パッド90のための受容部を上面に有する下部ツール122は、加熱プレート124の上側に配置される。代替的または付加的に、図8図9aまたは図9bに示すように、上部硬質ツール120および/または下部ツール122を押圧ツール70で置き換えることができるように、軟質ツールとして設計された圧力パッドを上部ツール120に設けることができる。
【0080】
接続されるコンポーネント130は、圧力パッド90上に配置される。圧力パッド90、上部硬質ツール120および下部ツール122の損傷および/または汚れから保護するために、切断された金属箔またはPTFEフィルム(ポリテトラフルオロエチレンフィルム)に対応して形成されて例えば約250μmの厚みを有する分離している箔132.1、132.2は、コンポーネント130の上および下のそれぞれに配置される。分離している箔132.1、132.2の不用意な滑りを防止するために、圧縮ばね128によってプレテンションされた圧力リング126を上部硬質ツール120に設けることができ、このリングは、押圧ヨーク112と押圧プランジャ114を一緒にしたときに下部ツール122の全周リム部に接触し、それによって分離している箔132.1、132.2をクランプする。あるいは、特に図8図9a、図9bの設計に従った金属箔80を使用する場合には、分離している箔132を省略することができる。
【0081】
さらなる例示的な拡散はんだ付け装置または焼結装置210が図11a~図11dに示されており、それらの設計は、原理的には図10の拡散はんだ付け装置または焼結装置110の設計に対応するが、簡略化され、さらに縮尺に忠実に示されていない。したがって、以下では、主要な相違点のみを説明する。図11aの図では、押圧ヨークおよび押圧プランジャは示されていない。第1の上部硬質ツール120.1と第2の上部硬質ツール120.2とからなるツーピース設計の上部硬質ツール120が押圧ヨーク上に配置される。弾性補償箔、例えば黒鉛箔は設けられていない。下部ツール122は、拡散はんだ付け装置または焼結装置110と同様に、接続されるコンポーネント130が収納される埋め込み圧力パッド90を有する。コンポーネント130の上には、縮尺を示さない分離している箔132.1があり、コンポーネント130の下には、拡散はんだ付けまたは焼結装置110の設計に対応するさらなる分離している箔132.2がある。分離している箔132.1、132.2の厚さは、例えば250μmである。分離している箔132.1、132.2を固定するための圧力リングは図示されていないが、拡散はんだ付けまたは焼結装置110と同様の方法で設けられることができる。あるいは、圧力パッド90は、図8図9a、図9bに相当する金属箔80によってコンポーネント130から区切られることができる。
【0082】
図11bは、拡散はんだ付けまたは焼結装置310を示し、これは図10または図11aの拡散はんだ付けまたは焼結装置110、210を変更したものである。押圧ヨークおよび押圧プランジャは図示されていない。上部硬質ツールの設計は、図11aの拡散はんだ付けまたは焼結装置210と同様に2分割式であり、第1の上部硬質ツール120.1と、その下に配置された第2の上部硬質ツール120.2とからなる。図11aの拡散はんだ付けまたは焼結装置210とは異なり、弾性箔140が第1の上部硬質ツール120.1と第2の上部硬質ツール120.2との間に配置され、上部ツールと下部ツールとの間の平行度を達成する。さらなる相違点は、コンポーネント130と下部ツール122との間に配置され、その厚さが例えば500μmであり得る単一の分離している箔132のみが設けられていることである。
【0083】
図11cの拡散はんだ付けまたは焼結装置410の実施形態は、図11aの設計に実質的に対応するが、第1の上部硬質ツール120.1と第2の上部硬質ツール120.2との間に、上部ツールと下部ツールとの間の平行度を達成するために弾性箔140が配置されている点が異なる。その限りにおいて、実施形態410は、実施形態210および310の組み合わせに対応する。
【0084】
図11dは、拡散はんだ付けまたは焼結装置510のさらなる実施形態を示す。これは図11cの実施形態に実質的に対応するが、圧力パッド90が下部ツール122に配置されておらず、第2ツール120.2の下側の上部ツールに配置されている点が異なる。
【0085】
図12a~図12cは、例えば図8および図9a、図9bに示すような、押圧ツール70と組み合わせた拡散はんだ付けまたは焼結装置610の実施形態を示す。折り畳み式プロセスチャンバ20は、ベース体22とカバー24とを有する。先に説明した旋回軸44(軸44.1および44.3が示されている)により、カバー24はベース体22上に固定され、プロセスチャンバ20の内部および下部ツールおよび上部ツールにアクセスできるように旋回、すなわち折り畳まれて開くことができる。ベース体22の内部には、押圧ドライブ34が配置されており、この押圧ドライブ34は、押圧プランジャ114を介して、上部ツールに配置された押圧ツール70に対して、図示しないワークピースキャリアに保持されたコンポーネント130に送り運動を及ぼすことができる。コンポーネント130には、例えばIGBTなどのパワー半導体部品などの複数の部品142が配置されている。コンポーネント130の部品142は、異なる高さを有することができ、コンポーネント130上の拡散はんだ付け、接合または焼結プロセスにおいて、例えば冷却構造および接続ラインを用いて接続されるべきである。コンポーネント130は、ここでは、汚損防止および保護のために、例えば箔などの図示しないプロセス被覆で覆われ得る。温度調節のための流体ダクト156、すなわちオイルや空気などの加熱または冷却流体を通すための流体ダクトが、カバー24に組み込まれている。
【0086】
加熱用または冷却用の同一の流体ダクトを有することができる加熱プレート124が、押圧ツール70内に配置される。加熱プレート124は、圧力パッドが配置され得る圧力チャンバ90の下方限界である。圧力チャンバ90は、流体で制御可能に充填されるチャンバ領域144を有する。流体は気体でも液体でもよい。この実施形態では、チャンバ領域144は、プロセスチャンバ20の雰囲気ガス、例えば窒素のようなクリーニングガスまたは空気で充填されるように設けられる。そのために、2つの充填弁146がカバー24に設けられ、弁アクチュエータ148を介して圧力チャンバ90のチャンバ領域144をプロセスチャンバ20に対して流体密に閉じたり開いたりできるようになっている。
【0087】
圧力チャンバ90はさらに、膜部分80になる金属膜で下部ツールの方向に制限される。金属膜は、例えば、皿状に形成された鋼板などの鋼シートとすることができる。金属膜は、チャンバ領域144の流体充填により、プロセスチャンバ20の方向に下方に膨らむことができる。
【0088】
膜部分80の下にはマルチプランジャユニット150が配置されている。マルチプランジャユニット150は、複数の押圧プランジャ152を受け入れて案内するガイドプレート154を有する。押圧プランジャ152は、コンポーネント130の予め定義された領域に選択的に押圧力を導入するために使用され、押圧力が導入される部品142の様々な幾何学的寸法に形状およびサイズを適合させることができる。圧力付与、すなわち押圧ドライブ34の作動の間、押圧プランジャ152は、選択的に押圧力を作用させるために、ガイドフレーム154の内部でコンポーネント130の方向に移動される。
【0089】
図12aから図12cに示すシーケンスでは、押圧力は、押圧ドライブ34によって生成される押圧力に関係なく、プロセスチャンバ20と流体が充填可能な圧力チャンバ90のチャンバ領域144との間の圧力差によって膜部分80が膨出することによって生じるはずである。圧縮力の大きさは、チャンバ領域144とプロセスチャンバ20との間の圧力差から決定され、これにより膜部分80が下部ツールの方向に変位し、コンポーネント130に圧力が作用する。
【0090】
図12aに示される第1工程ステップでは、充填弁146は上部位置にあり、チャンバ領域144はプロセスチャンバ20と流体連通している。第2工程ステップでは、プロセスチャンバ20内に真空が生成され、これによってチャンバ領域144内も真空となる。 第1および第2工程ステップを図12aに示す。
【0091】
続く第3工程ステップでは、プロセスチャンバ20に、流体チャンバ90のチャンバ領域144に浸透する窒素のような洗浄ガスが注入される。第4工程ステップでは、充填弁146が弁アクチュエータ148によってプロセスチャンバ20から流体密に分離される。その後、押圧ドライブ34は、第5工程ステップにおいて、コンポーネント130とともにワークピースキャリア(図示せず)および位置決めされた工程カバー(図示せず)がマルチプランジャユニット154と隣接接触するまで作動させられることができる。第3工程ステップから第5工程ステップまでは、図12bに示されている。
【0092】
図12cに示す次の第6工程ステップでは、プロセスチャンバ20が排気される。ここで膜部分80は、圧力チャンバ90のチャンバ領域144とプロセスチャンバ20との間の圧力差により下方に膨らみ、ガイドフレーム154内の押圧プランジャ152をコンポーネント130の方向に移動させるので、圧縮力が個々の部品142に選択的に作用する。これにより、部品142の高さの差を補償することができ、圧力差に応じて押圧力を微調整することができる。
【0093】
プロセスチャンバ20と圧力チャンバ90との間の圧力差から生じるこの圧力付与は、押圧ドライブ34によって作用する押圧力に代替的または付加的に適用することができる。それによって発生する圧力は、押圧ドライブ34によって加えられる機械的な圧縮力よりも低く、より細かく適用可能である。接合法、拡散はんだ付け法または低圧焼結法は、これによって効果的にサポートされ得る。
【0094】
拡散はんだ付け装置または焼結装置110、210、310、410、510、610の異なる特徴を互いに組み合わせて、さらなる変形を得ることができることは明らかである。例えば、第1の上部硬質ツール120.1を押圧ヨーク112に置き換えることが可能である。さらに、拡散はんだ付けまたは焼結装置310と同様に、拡散はんだ付けまたは焼結装置110(図10)において、上部の分離している箔132.1を取り除くことも可能である。さらなる変更に従って、下部ツール122と圧力パッド90の組み合わせも、押圧ツール70(図8および図9)に置き換えることができる。更なる変更において、押圧ツール70は、上部硬質ツール120もしくは120.2、または上部硬質ツール120.1、120.2の両方の組合せを代替的または追加的に置き換えることができる。さらなる変更例では、押圧ヨーク112は、旋回可能なカバー24(図1図7)によって形成され得る。さらなる実施形態として、例えば上部ツールおよび下部ツールに圧力パッドを一体化したものがある。弾性箔140が下部ツール、上部ツール、または下部ツールと上部ツールに設けられることも可能である。
【符号の説明】
【0095】
10, 110, 210, 310, 410, 510, 610 拡散はんだ付けまたは焼結装置
12 ハウジング
14 蓋
20 プロセスチャンバ
22 ベース体
23 アクセス開口
24 カバー
26 作動アーム
28 シールリング
30 上部ツール
32 下部ツール
34 押圧ドライブ
36 ジョイント
38 ワークキャリア
40 ロック装置
42.1~42.3 ロックアーム
44.1~44.3 旋回軸
46.1~46.3 ロック部
48 引き抜き面取り
50.1~50.3 ロックボルト
51 ボルトの遊び
60.1, 60.3 ブロッキングレバー
62 解除レバー
64 カップリングロッド
66 ロックセンサ
70 押圧ツール
72 ベースプレート
74 壁部
76 シールリング
80 膜部分
84 クランプリング
90 圧力チャンバ/圧力パッド
92 押圧面
112 押圧ヨーク
114 押圧プランジャ
120, 120.1, 120.2 上部硬質ツール
122 下部ツール
124 加熱プレート
126 圧力リング
128 圧縮スプリング
130 コンポーネント
132, 132.1, 132.2 分離している箔
140 弾性箔/黒鉛箔
142 コンポーネント上の部分
144 流体チャンバの充填可能チャンバ領域
146 充填弁
148 弁アクチュエータ
150 マルチプランジャユニット
152 押圧プランジャ
154 ガイドフレーム
156 温度調節用流体ダクト。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6a
図6b
図7a
図7b
図8
図9a
図9b
図10
図11a
図11b
図11c
図11d
図12a
図12b
図12c
【手続補正書】
【提出日】2023-10-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧焼結または拡散はんだ付けによって少なくとも1つの電子アセンブリのコンポーネントを接続するため、前記アセンブリを挟持し、押圧力を作用させるために互いに離間して相対的に変位可能である上部ツール(30)および下部ツール(32)が配置される排気可能なプロセスチャンバ(20)を備え、前記プロセスチャンバ(20)は、その上側にアクセス開口(23)を有するベース体(22)と、前記アクセス開口(23)を閉鎖する閉鎖位置と開放位置との間で調節可能なカバー(24)とを有し、前記上部ツール(30)は、少なくとも前記押圧力が作用している間、前記カバー(24)の閉鎖位置において前記カバー(24)に支持される、焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)において、
前記プロセスチャンバ(20)はロック位置とロック解除位置との間で移動可能なロック装置(40)を有し、前記ロック装置(40)は前記ロック位置において前記カバー(24)を前記ベース体(22)上のその閉鎖位置に固定するように構成され、前記ロック装置(40)は、前記ロック位置で前記カバー(24)および前記ベース体(22)の両方に積極的に連結される複数の旋回可能なロックアーム(42.1~42.3)を有し、
前記ロックアーム(42.1~42.3)の各々は、その第1の端部でそれぞれの旋回軸(44.1~44.3)を中心に旋回可能に前記カバー(24)に固定され、重力によって振動するよう前記カバー(24)に装着され、その第2の端部のそれぞれに、入口傾斜が形成されるロック部(46.1~46.3)を有し、これにより前記ロック位置で前記ロック部(46.1~46.3)はそれぞれの前記ロックアーム(42.1~42.3)に割り当てられて前記ベース体(22)に固定されるロックボルト(50.1~50.3)でロックされることを特徴とする、焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項2】
前記カバー(24)は前記ベース体(22)に対して傾斜軸を中心として旋回可能にジョイントされており、好ましくは、前記カバー(24)を旋回させるように構成される作動アーム(26)が前記カバー(24)に固定されることを特徴とする、請求項1に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項3】
前記アクセス開口(23)、自身のロック位置にある前記カバー(24)、および前記ロックアーム(42.1~42.3)の旋回軸(44.1~44.3)は、それぞれの水平面内で延びることを特徴とする請求項1に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項4】
前記ロックアーム(42.1~42.3)は、前記カバー(24)の2つの側面に互いに対向して配置されることを特徴とする、請求項1または3に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項5】
前記ロック装置(40)は丁度3つのロックアーム(42.1~42.3)を有し、第1および第2のロックアーム(42.1~42.3)が一方の側部表面に配置され、第3のロックアーム(42.1~42.3)が他方の側部表面に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項6】
前記ロックアーム(42.1~42.3)の前記旋回軸(44.1~44.3)およびこれらのロックアーム(42.1~42.3)に関連するロックボルト(50.1~50.3)は、それぞれのロックアーム(42.1~42.3)を介して前記カバー(24)と前記ベース体(22)との間に前記押圧力の作用により伝達されるロック力の有効方向が、それぞれのロックアーム(42.1~42.3)を介して前記カバー(24)と前記ベース体(22)との間に伝達されるように配置され、少なくとも前記第1および第2のロックアーム(42.1、42.2)について前記押圧力の前記有効方向と平行に延び、好ましくは前記第3のロックアーム(42.3)について前記押圧力の前記有効方向に対して斜めに延びることを特徴とする、請求項5に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項7】
前記第1および第2のロックアーム(42.1~42.3)は、前記第1および第2のロックアーム(42.1、42,2)が前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で同期して移動可能であるように、連結ロッド(64)を介して連結されることを特徴とする、請求項5または6に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項8】
前記第3のロックアーム(42.3)の質量分布と、前記第3のロックアーム(42.3)の前記旋回軸の位置と、前記第3のロックアーム(42.1~42.3)に関連する前記ロックボルト(50.3)の位置が、前記旋回軸と、ロックアーム(42.3)がロックされたときに前記旋回軸に平行に延びる前記ロックボルト(50.3)の対称軸との間にまたがる仮想の対称面に関して非対称であり、これにより前記カバー(24)が閉じられたときに、付加的な力がない状態で、前記第3のロックアーム(42.3)が重力の影響のみによって自身のロック位置に保持されることを特徴とする、請求項5~7のいずれかに記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項9】
好ましくはトグルレバーとして設計され、それぞれの関連するロックアーム(42.1~ 42.3)と相互作用する少なくとも1つのブロッキングレバー(60.1, 60.3)が設けられ、該ブロッキングレバー(60.1, 60.3)は前記ロックアーム(42.1~42.3)をそのロック位置で移動不能にブロックするブロック位置と、前記ブロッキングレバー(60.1, 60.3)が前記ロックアーム(42.1~42.3)の移動を解放する解放位置との間で移動可能であり、および/または、
好ましくはトグルレバーとして設計され、それぞれの関連するロックアーム(42.1~42.3)と相互作用する少なくとも1つの解除レバー(62)が設けられ、前記解除レバーは前記ロックアーム(42.1~42.3)をそのロック位置からそのロック解除位置に移動させるように構成されることを特徴とする、請求項1、3~8のいずれかに記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項10】
圧ヨーク(112)を備え、前記押圧ヨーク上に前記上部ツール(30、120、120.2)が配置され、前記押圧ヨーク(112)と前記上部ツール(30、120、120.1、120.2)との間、および/または前記下部ツール(32、122)内に、弾性箔(140)、好ましくは黒鉛箔が配置される、請求項1~のいずれかに記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項11】
前記下部ツール(32、122)は、前記アセンブリに面する側に流体充填圧力パッド(90)を有することを特徴とする、請求項10に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項12】
前記上部ツール(30,120,120.2)または前記下部ツール(32、122)のための押圧ツール(70)をさらに備え該押圧ツールは、剛性のベースプレート(72)と、押圧面(92)の方向に前記ベースプレート(72)に接続されて可撓性に形成されて好ましくは皿状膜であり好ましくはシリコーンあるいは鋼合金から作られる膜部分(80)とを有し、
好ましくは流体で満たされて前記ベースプレート(72)と前記膜部分(80)によって限定される閉鎖された受け入れ領域に配置される圧力パッド(90)を有する圧力チャンバを含む、請求項1~11のいずれかに記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)
【請求項13】
前記膜部分(80)は、前記ベースプレート(72)とクランプリング(84)との間にクランプされ、前記ベースプレート(72)に接続されて好ましくはボルト止めされる全周リム部を有することを特徴とする、請求項12に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10,110,210,310,410,510)
【請求項14】
前記圧力チャンバの少なくとも1つのサブ領域、特に前記圧力パッド(90)は、制御可能に流体を充填可能であり、特にガスを充填可能であり、好ましくは少なくとも1つの充填弁(146)によって充填可能であることを特徴とする、請求項12または13に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10,110,210,310,410,510)
【請求項15】
ガイドフレーム(154)に案内される複数のプレスプランジャ(152)とともにマルチプランジャユニット(150)が前記膜部分(80)の下に配置されることを特徴とする、請求項12または14に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10,110,210,310,410,510)
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧焼結または拡散はんだ付けによって少なくとも1つの電子アセンブリのコンポーネントを接続するため、前記アセンブリを挟持し、押圧力を作用させるために互いに離間して相対的に変位可能である上部ツール(30)および下部ツール(32)が配置される排気可能なプロセスチャンバ(20)を備え、前記プロセスチャンバ(20)は、その上側にアクセス開口(23)を有するベース体(22)と、前記アクセス開口(23)を閉鎖する閉鎖位置と開放位置との間で調節可能なカバー(24)とを有し、前記上部ツール(30)は、少なくとも前記押圧力が作用している間、前記カバー(24)の閉鎖位置において前記カバー(24)に支持される、焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)において、
前記プロセスチャンバ(20)はロック位置とロック解除位置との間で移動可能なロック装置(40)を有し、前記ロック装置(40)は前記ロック位置において前記カバー(24)を前記ベース体(22)上のその閉鎖位置に固定するように構成され、前記ロック装置(40)は、前記ロック位置で前記カバー(24)および前記ベース体(22)の両方に積極的に連結される複数の旋回可能なロックアーム(42.1~42.3)を有し、
前記ロックアーム(42.1~42.3)の各々は、その第1の端部でそれぞれの旋回軸(44.1~44.3)を中心に旋回可能に前記カバー(24)に固定され、重力によって振動するよう前記カバー(24)に装着され、その第2の端部のそれぞれに、入口傾斜が形成されるロック部(46.1~46.3)を有し、これにより前記ロック位置で前記ロック部(46.1~46.3)はそれぞれの前記ロックアーム(42.1~42.3)に割り当てられて前記ベース体(22)に固定されるロックボルト(50.1~50.3)でロックされることを特徴とする、焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項2】
前記カバー(24)は前記ベース体(22)に対して傾斜軸を中心として旋回可能にジョイントされており、好ましくは、前記カバー(24)を旋回させるように構成される作動アーム(26)が前記カバー(24)に固定されることを特徴とする、請求項1に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項3】
前記アクセス開口(23)、自身のロック位置にある前記カバー(24)、および前記ロックアーム(42.1~42.3)の旋回軸(44.1~44.3)は、それぞれの水平面内で延びることを特徴とする、請求項1に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項4】
前記ロックアーム(42.1~42.3)は、前記カバー(24)の2つの側面に互いに対向して配置されることを特徴とする、請求項1に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項5】
前記ロック装置(40)は丁度3つのロックアーム(42.1~42.3)を有し、第1および第2のロックアーム(42.1~42.3)が一方の側部表面に配置され、第3のロックアーム(42.1~42.3)が他方の側部表面に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項6】
前記ロックアーム(42.1~42.3)の前記旋回軸(44.1~44.3)およびこれらのロックアーム(42.1~42.3)に関連するロックボルト(50.1~50.3)は、それぞれのロックアーム(42.1~42.3)を介して前記カバー(24)と前記ベース体(22)との間に前記押圧力の作用により伝達されるロック力の有効方向が、それぞれのロックアーム(42.1~42.3)を介して前記カバー(24)と前記ベース体(22)との間に伝達されるように配置され、少なくとも前記第1および第2のロックアーム(42.1、42.2)について前記押圧力の前記有効方向と平行に延び、好ましくは前記第3のロックアーム(42.3)について前記押圧力の前記有効方向に対して斜めに延びることを特徴とする、請求項5に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項7】
前記第1および第2のロックアーム(42.1~42.3)は、前記第1および第2のロックアーム(42.1、42.2)が前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で同期して移動可能であるように、連結ロッド(64)を介して連結されることを特徴とする、請求項5に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項8】
前記第3のロックアーム(42.3)の質量分布と、前記第3のロックアーム(42.3)の前記旋回軸の位置と、前記第3のロックアーム(42.1~42.3)に関連する前記ロックボルト(50.3)の位置が、前記旋回軸と、ロックアーム(42.3)がロックされたときに前記旋回軸に平行に延びる前記ロックボルト(50.3)の対称軸との間にまたがる仮想の対称面に関して非対称であり、これにより前記カバー(24)が閉じられたときに、付加的な力がない状態で、前記第3のロックアーム(42.3)が重力の影響のみによって自身のロック位置に保持されることを特徴とする、請求項5に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項9】
好ましくはトグルレバーとして設計され、それぞれの関連するロックアーム(42.1~ 42.3)と相互作用する少なくとも1つのブロッキングレバー(60.1、60.3)が設けられ、該ブロッキングレバー(60.1、60.3)は前記ロックアーム(42.1~42.3)をそのロック位置で移動不能にブロックするブロック位置と、前記ブロッキングレバー(60.1、60.3)が前記ロックアーム(42.1~42.3)の移動を解放する解放位置との間で移動可能であり、および/または、
好ましくはトグルレバーとして設計され、それぞれの関連するロックアーム(42.1~42.3)と相互作用する少なくとも1つの解除レバー(62)が設けられ、前記解除レバーは前記ロックアーム(42.1~42.3)をそのロック位置からそのロック解除位置に移動させるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項10】
押圧ヨーク(112)を備え、前記押圧ヨーク上に前記上部ツール(30、120、120.2)が配置され、前記押圧ヨーク(112)と前記上部ツール(30、120、120.1、120.2)との間、および/または前記下部ツール(32、122)内に、弾性箔(140)、好ましくは黒鉛箔が配置される、請求項1に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項11】
前記下部ツール(32、122)は、前記アセンブリに面する側に流体充填圧力パッド(90)を有することを特徴とする、請求項10に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項12】
前記上部ツール(30、120、120.2)または前記下部ツール(32、122)のための押圧ツール(70)をさらに備え、該押圧ツールは、剛性のベースプレート(72)と、押圧面(92)の方向に前記ベースプレート(72)に接続されて可撓性に形成されて好ましくは皿状膜であり好ましくはシリコーンあるいは鋼合金から作られる膜部分(80)とを有し、
好ましくは流体で満たされて前記ベースプレート(72)と前記膜部分(80)によって限定される閉鎖された受け入れ領域に配置される圧力パッド(90)を有する圧力チャンバを含む、請求項1~11のいずれかに記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項13】
前記膜部分(80)は、前記ベースプレート(72)とクランプリング(84)との間にクランプされ、前記ベースプレート(72)に接続されて好ましくはボルト止めされる全周リム部を有することを特徴とする、請求項12に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項14】
前記圧力チャンバの少なくとも1つのサブ領域、特に前記圧力パッド(90)は、制御可能に流体を充填可能であり、特にガスを充填可能であり、好ましくは少なくとも1つの充填弁(146)によって充填可能であることを特徴とする、請求項12に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【請求項15】
ガイドフレーム(154)に案内される複数のプレスプランジャ(152)とともにマルチプランジャユニット(150)が前記膜部分(80)の下に配置されることを特徴とする、請求項12に記載の焼結装置または拡散はんだ付け装置(10、110、210、310、410、510)。
【国際調査報告】