(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】ネイルステッカー
(51)【国際特許分類】
A45D 31/00 20060101AFI20241003BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20241003BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A45D31/00
C09J7/38
C09J201/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522473
(86)(22)【出願日】2023-05-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-12
(86)【国際出願番号】 KR2023006765
(87)【国際公開番号】W WO2023224406
(87)【国際公開日】2023-11-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0062244
(32)【優先日】2022-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0119369
(32)【優先日】2022-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524139817
【氏名又は名称】グルーガ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GLLUGA INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オム,ジュンギル
(72)【発明者】
【氏名】アン,チェパク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョソプ
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4J004AB01
4J004CA01
4J004CB03
4J004CC03
4J004CE01
4J004DB02
4J004FA08
4J040MA14
4J040NA02
4J040PB18
4J040PB19
(57)【要約】
本発明は、ネイルステッカーに関するものであって、前記ネイルステッカーは硬化可能なネイルステッカーにおいて、前記ネイルステッカーはソフト層を含み、前記ソフト層はソフト層用樹脂を含み、前記ソフト層用樹脂はセルロースアセテートブチレートおよびセルロースアセテートプロピオネートのうち少なくともいずれかを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化可能なネイルステッカーであって、
前記ネイルステッカーは、ソフト層を含み、
前記ソフト層は、ソフト層用樹脂を含み、
前記ソフト層用樹脂は、セルロースアセテートブチレートおよびセルロースアセテートプロピオネートのうち少なくともいずれかを含む、
ネイルステッカー。
【請求項2】
前記ソフト層用樹脂は、前記ソフト層中に10重量%~90重量%で含まれる、
請求項1に記載のネイルステッカー。
【請求項3】
前記ソフト層は、紫外線照射によって硬化され得ることを特徴とする、請求項1に記載のネイルステッカー。
【請求項4】
前記ソフト層は、ソフト層用紫外線硬化原料をさらに含む、
請求項1に記載のネイルステッカー。
【請求項5】
前記ソフト層用紫外線硬化原料は、前記ソフト層中に10重量%~90重量%で含まれる、
請求項4に記載のネイルステッカー。
【請求項6】
基材層をさらに含み、
前記ソフト層は、前記基材層上に配置される、
請求項1に記載のネイルステッカー。
【請求項7】
コーティング層をさらに含み、
前記コーティング層は、前記ソフト層上に配置された、
請求項1に記載のネイルステッカー。
【請求項8】
前記コーティング層は、コーティング層用紫外線硬化原料およびコーティング層用樹脂を含む、
請求項7に記載のネイルステッカー。
【請求項9】
前記ネイルステッカーは、紫外線照射時に硬化される、
請求項1に記載のネイルステッカー。
【請求項10】
硬化可能なネイルステッカーであって、
前記ネイルステッカーは、ソフト層を含み、
前記ネイルステッカーを平坦な床に貼り付けした上、前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力を加えるとき、前記ソフト層の最大厚さが増加する、
ネイルステッカー。
【請求項11】
下記式1による前記ソフト層の厚さ増加率が2%以上である、
請求項10に記載のネイルステッカー。
[式1]
ソフト層の厚さ増加率=[(A
2-A
1)/A
1]×100
前記A
1は、床に貼り付けされた前記ネイルステッカーに前記圧力が加わらなかったときに測定された前記ソフト層の最大厚さであり、
前記A
2は、前記圧力を3秒間加え、前記圧力を除去してから36℃の温度雰囲気で30分間、前記ネイルステッカーを放置した後に測定した前記ソフト層の最大厚さであり、
前記圧力は、36℃の温度雰囲気で前記ネイルステッカーの上面の全面積の40%~80%に相当する面積の領域に38.5Nの力を加えることを含む。
【請求項12】
硬化可能なネイルステッカーであって、
前記ネイルステッカーは、ソフト層を含み、
前記ネイルステッカーを平坦な床に貼り付けした上、前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力を加えるとき、前記ネイルステッカーの最大厚さが増加する、
ネイルステッカー。
【請求項13】
下記式2による前記ネイルステッカーの厚さ増加率が2%以上である、
請求項12に記載のネイルステッカー。
[式2]
ネイルステッカーの厚さ増加率=[(B
2-B
1)/B
1]×100
前記B
1は、床に貼り付けされた前記ネイルステッカーに前記圧力が加えられなかったときに測定された前記ネイルステッカーの最大厚さであり、
前記B
2は、前記圧力を3秒間加え、前記圧力を除去してから36℃の温度雰囲気で30分間、前記ネイルステッカーを放置した後に測定した前記ソフト層の最大厚さであり、
前記圧力は、36℃の温度雰囲気で前記ネイルステッカーの上面の全面積の40%~80%に相当する面積の領域に38.5Nの力を加えることを含む。
【請求項14】
硬化可能なネイルステッカーであって、
前記ネイルステッカーは、ソフト層を含み、
平坦な床上に配置された厚さが0.7mmの直方体の基板を準備し、ネイルステッカーの全長の70%に相当する長さを有する領域が前記基板の平坦な上面に接するように前記ネイルステッカーを前記基板上面に貼り付けし、36℃の温度雰囲気で前記ネイルステッカーのうち前記基板と上下方向に重畳する部分の上面の少なくとも一部に38.5Nの力を床方向に加えた後、前記力を除去し、36℃で30分間放置してから測定したとき、前記ネイルステッカーのうち前記基板に上下方向に重畳されずに、前記基板を外れて突出した部分が前記床と接する領域と前記基板間の最短距離が1.5mm以下であり、
前記力は、前記ネイルステッカーの上面の全面積の40%~80%に相当する面積に加えられる、
ネイルステッカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフト層を含む硬化可能なネイルステッカーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ヒトが追求する身体的美しさを表現する方式の1つとして、美容産業は発達が加速化するとともに細分化している。特に、20世紀以来、急激な市場拡大とともに一般人に美容産業は大衆化し始めた。美容産業の中でも、ネイルアート(nail art)は、年齢や性別を問わず、身体に対する表現芸術に不可欠な要素として近年急激に発展を成し遂げている。
【0003】
本来、ネイルアートは、美容芸術の1つの分野であって、ヒトのボディーを美しく飾るための方法の1つであり、爪の長さや形若しくは色は時代の文化の変化と価値を反映して表現されてきた。
【0004】
ネイルアートの中でも人工的に作製した指の爪または足の爪の形状のネイルステッカーが多くの人々に使われている。以前は、指の爪または足の爪の形状のように曲線を描き、湾曲した形状にネイルステッカーが製造され、消費者に供給された。ただ、ヒトそれぞれ指の爪または足の爪の形状(特に曲率)が異なっているがため、既に湾曲した形状を有するネイルステッカーと消費者の指の爪または足の爪が密接に粘着されにくい問題があった。
【0005】
これを解決するための方法として、紫外線硬化原料を含むネイルステッカーが最近になって脚光を浴びている。具体的には、消費者は自分の指の爪または足の爪に合わせて前記ネイルステッカーを変形させた後、紫外線を照射して前記ネイルステッカーを硬化させる。これによって消費者の指の爪または足の爪と前記ネイルステッカーが密接に粘着され得るため、前記ネイルステッカーの粘着力が改善されることができる。このようなネイルステッカーは、ジェルネイルステッカーとも呼ばれる。
【0006】
なお、紫外線硬化可能なネイルステッカーを使用する過程で、消費者の指の爪または足の爪の形状に合わせて前記ネイルステッカーを貼り付けする形態が変わり得る。ただし、
図1を参照して、指3上の指の爪または足の爪2が急激な曲線が小さい)を描いて湾曲した場合、指の爪または足の爪の上面領域のうち、キューティクルに近い領域2aでは、前記ネイルステッカーが指の爪または足の爪としっかりと貼り付けしているが、指の爪または足の爪の先端近傍領域(フリーエッジに近い領域、2b)では、前記ネイルステッカーが指の爪または足の爪と貼り付けされずに、浮き現象(e)が発生することがある。
【0007】
前記ネイルステッカーと指の爪または足の爪が円滑に貼り付けされずに、前記ネイルステッカーが浮いた場合、異物が浮き領域に位置付けし易くなり、ネイルステッカーが汚染され、消費者に異物感が感じられ、ネイルステッカーの貼付力が低下する。
【0008】
また、場合によって
図2のように、前記ネイルステッカーを指の爪に貼り付けした後、硬化させるとき、前記ネイルステッカーが過度に折れてしまい(f)、ネイルステッカーの外観を損なう問題も発生し得る。
【0009】
また、
図3のように指の爪または足の爪の表面が過度に凹凸の場合、ネイルステッカーを貼り付けする際、ネイルステッカーの表面も指の爪または足の爪の表面に沿って過度に凹凸となる問題がある。
【0010】
したがって、ネイルステッカーの浮き現象を最小限に抑え、ネイルステッカーの表面を滑らかにするための新規ネイルステッカーが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】大韓民国公開特許第10-2019-0014044号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明が解決しようとする一課題は、ネイルステッカーと指の爪(または足の爪)間の浮き現象を最小化し、ネイルステッカーの汚染を最小限に抑え、使用者に異物感が感じられにくくするネイルステッカーを提供することである。
【0013】
また、本発明が解決しようとする他の課題は、前記ネイルステッカーの形状が過度に変形されることを最小化できるネイルステッカーを提供することである。
【0014】
また、本発明が解決しようとするまた他の課題は、指の爪または足の爪の表面が凹凸であっても、貼り付けされたネイルステッカーの表面は滑らかな形態を有することができるネイルステッカーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施例によれば、硬化可能なネイルステッカーにおいて、前記ネイルステッカーはソフト層を含み、該ソフト層はソフト層用樹脂を含み、該ソフト層用樹脂は、セルロースアセテートブチレートおよびセルロースアセテートプロピオネートのうち少なくともいずれかを含む、ネイルステッカーを提供する。
【0016】
本発明の他の実施例によれば、硬化可能なネイルステッカーにおいて、前記ネイルステッカーはソフト層を含み、前記ネイルステッカーを平坦な床に貼り付けさせた上、前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力を加えたとき、前記ソフト層の最大厚さが増加するネイルステッカーが提供される。
【0017】
本発明のまた他の実施例によれば、硬化可能なネイルステッカーにおいて、前記ネイルステッカーはソフト層を含み、前記ネイルステッカーを平坦な床に貼り付けした上、前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力を加えたとき、前記ネイルステッカーの最大厚さが増加するネイルステッカーが提供される。
【0018】
本発明のまた他の実施例によれば、硬化可能なネイルステッカーであって、前記ネイルステッカーはソフト層を含み、平坦な床上に配置された厚さが0.7mmである直方体の基板を準備し、ネイルステッカーの全長70%に相当する長さを有する領域が、前記基板の平坦な上面に接するように前記ネイルステッカーを前記基板上面に貼り付けし、36℃の温度雰囲気で前記ネイルステッカーのうち、前記基板と上下方向に重畳する部分の上面の少なくとも一部に38.5Nの力を床方向に加えた後、前記力を除去し、36℃で30分間放置してから測定したとき、前記ネイルステッカーのうち前記基板に上下方向に重畳せずに前記基板を外れて突出した部分が前記床と接する領域と、前記基板間の最短距離が1.5mm以下であり、前記力は、前記ネイルステッカーの上面の全面積の40%~80%に相当する面積に加えられるネイルステッカーが提供される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、使用者がネイルステッカーを貼り付けする過程で、ネイル(指の爪または足の爪)の先端に隣接するソフト層の厚さが増加し得る。これによって、ソフト層がネイルステッカーとネイル(指の爪または足の爪)との間の空間を効果的に埋めることができるため、ネイルステッカーの浮き現象を最小化することができる。したがって、異物によるネイルステッカーの汚染を減らすことができ、使用者が感じる異物感が軽減され、ネイルステッカーの粘着力がさらに向上され得る。
【0020】
また、前記ソフト層によって前記ネイルステッカーの過度な変形を抑制することができる。
【0021】
また、指の爪または足の爪の表面が凹凸であっても、貼り付けされたネイルステッカーの表面は滑らかな形態を有することができるため、審美性が向上され得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】従来のネイルステッカーがネイルに着用した様子を示す断面図である。
【
図2】従来のネイルステッカーがネイルに着用した様子を示す断面図である。
【
図3】従来のネイルステッカーがネイルに着用した様子を示す断面図である。
【
図4】本発明の一実施例によるネイルステッカーの平面図(上面図)である。
【
図5】本発明の一実施例によるネイルステッカーの一部分の断面図である。
【
図6】本発明の一実施例によるネイルステッカーの一部分の断面図である。
【
図7】本発明の一実施例によるネイルステッカーを平坦な床に置いた断面図である。
【
図8】本発明の一実施例によるネイルステッカーに圧力を加えたときの断面図である。
【
図9】本発明の一実施例によるネイルステッカーに圧力を加えた後、前記圧力を除去して30分放置したときを示す断面図である。
【
図10】本発明の一実施例によるネイルステッカーがネイルに貼り付けされた後、前記ネイルステッカーに圧力が加えられた状態の様子を示す断面図である。
【
図11】本発明の一実施例によるネイルステッカーがネイルに貼り付けされた後、前記ネイルステッカーに圧力が加えられた状態の様子を示す断面図である。
【
図12】本発明の一実施例によるネイルステッカーの物性を説明するための断面図である。
【
図13】実施例1のネイルステッカーがネイルに貼り付けされていない状態(圧力も加えていない状態)の写真である。
【
図14】実施例1のネイルステッカーに圧力を数秒間加えた後、前記圧力を除去して一定時間放置した状態の写真である。
【
図15】比較例1のネイルステッカーがネイルに貼り付けされていない状態(圧力も加えていない状態)の写真である。
【
図16】比較例1のネイルステッカーに圧力を数秒間加えた後、前記圧力を除去して一定時間放置した状態の写真である。
【
図17】実施例1によるネイルステッカーを爪に着用した写真である。
【
図18】比較例1によるネイルステッカーを爪に着用した写真である。
【
図19】実施例1によるネイルステッカーを爪に着用した後、ネイルステッカーの断面を確認した写真である。
【
図20】比較例1によるネイルステッカーを爪に着用した後、ネイルステッカーの断面を確認した写真である。
【
図21】実施例1によるネイルステッカーを爪に着用した後、剥がし、ネイルステッカーの下面を撮影した写真である。
【
図22】比較例1によるネイルステッカーを爪に着用した後、剥がし、ネイルステッカーの下面を撮影した写真である。
【
図24】実施例1によるネイルステッカーを
図23の爪に着用した写真である。
【
図25】比較例1によるネイルステッカーを
図23の爪に着用した写真である。
【
図26】実施例1によるネイルステッカーを
図23の爪に着用した後、剥がし、ネイルステッカーの下面を撮影した写真である。
【
図27】比較例1によるネイルステッカーを
図23の爪に着用した後、剥がし、ネイルステッカーの下面を撮影した写真である。
【
図28】実施例1のネイルステッカーが外圧によって変形される様子を示す断面写真である。
【
図29】比較例1のネイルステッカーが外部圧力によって変形される様子を示す断面写真である。
【
図30】本発明の一実施例によるネイルステッカーに圧力を加える様子を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な実施例を有することができるため、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明に詳しく説明する。
【0024】
しかしながら、これは本発明を特定の実施例に対して限定することを意図するものではなく、本発明の思想および技術の範囲に含まれるあらゆる変更、均等物ないし代替物を含むことを理解すべきである。本発明を説明するにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0025】
本出願にて使用される用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられたものであって、本発明を限定することを意図するものではない。単数の表現は、文脈上明らかに異に意味するものでない限り、複数の表現を含む。
【0026】
本発明において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものであることが理解されるべきである。
【0027】
本発明における「上」に配置または位置することは、直接当接した状態で対象の上に存在するだけでなく、離隔した状態で対象の上に配置または位置することを意味することができる。
【0028】
本明細書におけるネイル(nail)とは、指の爪および/または足の爪を意味する。
【0029】
本発明にて測定される厚さは、keyenceのVHX-970F装置を介して確認することができる。
【0030】
本明細書において、ある構成の「最大厚さ」とは、当該構成の下面の任意の支点から垂直方向に沿って測定された前記構成の厚さのうち、最も厚い肉厚を意味する。圧力を加える前に最大厚さが示される支点と圧力を加えた後、圧力を除去したとき、最大厚さが示される支点とは同じであっても異なっていてもよい。
【0031】
本明細書におけるネイルステッカーの上面は、
図7~
図11のR方向を上部方向としたとき、前記上部方向に向かって露出した面を意味する。具体的には、前記ネイルステッカーの上面は、コーティング層が外部に露出する面であることができる。本明細書におけるネイルステッカーの下面は、
図7~
図11のR′方向を下部方向としたとき、前記下部方向に向かって露出した面を意味する。具体的には、前記ネイルステッカーの上面は、基材層(具体的には基材層の粘着層)が外部に露出する面であることができる。
【0032】
図4を参照すると、前記ネイルステッカーは長軸と短軸を含むことができる。前記長軸は、前記ネイルステッカーをネイルに着用したとき、ネイルがネイルの付け根からネイルの末端(指先が終わる支点に隣接した末端)に向かう方向において、ネイルステッカーの最長手に対応する仮想の線分を含む軸に相当する(
図4のA-A′)。
【0033】
ここで、ネイルステッカーの長さ(100L)とは、ネイルステッカーをネイルに着用したとき、ネイルがネイルの付け根からネイルの末端(指先が終わる支点に隣接した末端)に向かう方向において、ネイルステッカーの大きさを意味し、前記ネイルステッカーの長手方向は前記長軸と平行をなす。
【0034】
前記短軸は、前記長軸に垂直をなす仮想の線分であり(
図4のB-B′)、前記ネイルステッカーの幅(100W)は、前記ネイルステッカーの短軸と平行をなす。前記ネイルステッカーの中心部100aは、前記ネイルステッカー長さのうち最長手が2等分される支点を意味する。
【0035】
本明細書において、前記ネイルステッカーの物性を説明するための「圧力を加えること」とは、36℃の温度雰囲気で38.5Nの力を前記ネイルステッカー上面に加えることである。前記圧力は、IMADA社のpush gage装置を介して加えられることができ、また、圧力数値を測定し得る。前記圧力を加える部材の下面面積は、例えば177mm2であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0036】
また、1)圧力が加えられる前にソフト層の厚さが最大である支点と、2)圧力が加えられる前にネイルステッカーの厚さが最大である支点には、前記圧力が加えられないようにする。具体的には、前記圧力を加えることは、36℃の温度雰囲気で前記ネイルステッカーの上面の全面積の40%~80%に相当する面積の領域に38.5Nの力を下方向に加えるものであってもよい。
【0037】
<ネイルステッカー>
前記ネイルステッカーとは、ネイル(指の爪および/または足の爪)に貼り付けされる用途として作製された人工的な積層構造体を意味する。貼り付けする用途を考慮したとき、ネイルアート、ネイルアートステッカーとも呼ばれる。具体的には、消費者が前記ネイルステッカーの供給を受けると、消費者は前記ネイルステッカーがネイル上に密着されるように前記ネイルステッカーの形態を変形させながら前記ネイルアートをネイル上に貼り付けさせ、その後、紫外線を照射して前記ネイルステッカーを硬化させることができる。
【0038】
本発明の一実施例によるネイルステッカーは、硬化可能なソフト層を含み、前記ソフト層はソフト層用樹脂を含み、前記ソフト層用樹脂はセルロースアセテートブチレートおよびセルロースアセテートプロピオネートのうち少なくともいずれかを含むことができる。
【0039】
従来の硬化可能なネイルステッカーを使用するにあたって、ネイルが急激な曲線(曲率半径が小さい)を描いて湾曲した場合、ネイル上面の領域のうちキューティクルに近い領域では、前記ネイルステッカーがネイルとしっかりと貼り付けされているが、ネイルの末端近傍領域(フリーエッジに近い領域)では、前記ネイルステッカーがネイルに貼り付けされずに、浮き現象が発生し得る。前記ネイルステッカーとネイルが円滑に貼り付けされずに、前記ネイルステッカーが浮いた場合、異物が浮き領域に位置し易くなり、ネイルステッカーが汚染され、消費者が異物感を感じ、ネイルステッカーの貼付力が低下するようになる。
【0040】
こうした問題を解決するために、研究者たちは鋭意努力の末、ソフト層をネイルステッカーに含ませた。ソフト層が体温レベルで適切な貯蔵弾性率と損失弾性率を有するため、使用者がネイルステッカーを貼る過程で所定の力を与えると、体温によってソフト層が変形され易く、変形された形態が維持され得るため、ネイル(または足の爪)とネイルステッカーとの間の浮き空間をソフト層で埋めることができ、埋められた状態を維持することができる。
【0041】
これにより、異物によるネイルステッカーの汚染を減らすことができ、使用者が感じる異物感が軽減され、ネイルステッカーの粘着力をさらに改善させることができる。さらに、ネイルステッカーの一部がネイル領域から外れて延びて使用される場合において、前記延びて突出したネイルステッカーの一部が変形されないようにソフト層が支持する役割をすることもできる。また、ネイル表面が凹凸であっても、貼り付けされたネイルステッカーの表面は滑らかな形態を有することができるため、審美性を向上させることができる。
【0042】
以下おいて、より具体的に説明する。
【0043】
前記ソフト層は、ソフト層用樹脂を含むことができる。前記ソフト層用樹脂は、セルロースアセテートブチレートおよびセルロースアセテートプロピオネートのうち少なくともいずれかを含むことができる。
【0044】
これにより、使用者がネイルステッカーを貼り付ける過程で所定の力を与えると、ネイルとネイル間の浮き空間をソフト層で埋めることができ、埋められた形態を効果的に維持することができる。これによって、使用者が感じる異物感が軽減され、ネイルステッカーの粘着力を高めることができる。
【0045】
さらに、ネイルステッカーの一部がネイル領域から外れて延びて使用される場合において、前記延びて突出したネイルステッカーの一部が変形されないようにソフト層が支持する役割をすることもできる。
【0046】
また、ネイル表面が凹凸であっても、所定の力を加えてネイル表面の凹の部分上にはより多くのソフト層が配置されるように変形させることができる。これによって、ネイル表面が凹凸であっても、貼り付けされたネイルステッカーの表面は滑らかな形態を有することができるため、審美性を向上させることができる。さらに、前記セルロースアセテートブチレートおよび前記セルロースアセテートプロピオネートは、他の物質に比べて衝撃吸収に優れた利点がある。
【0047】
より具体的には、前記ソフト層用樹脂はセルロースアセテートブチレートを含むことができ、例えば、前記ソフト層用樹脂はセルロースアセテートブチレートであってもよい。この場合、衝撃吸収能力と耐久性に優れ、ソフト層用紫外線硬化原料と混合したとき、延性が増加し、外部衝撃によるソフト層の変形が衝撃吸収能力の効果により不可逆的な形がみられ、一度変形した形をより容易に維持することができる。
【0048】
前記ソフト層用樹脂は、前記ソフト層内に10重量%~90重量%で含まれていてもよく、具体的には15重量%~75重量%、より具体的には30重量%~65重量%で含まれていてもよい。前記範囲を満たす場合、ソフト層が体温レベルで変形され易く、変形されたソフト層の形態を維持することができる。
【0049】
前記ソフト層は、ソフト層用紫外線硬化原料をさらに含むことができる。これにより、前記ソフト層は紫外線照射によって硬化され得る。
【0050】
前記ソフト層用紫外線硬化原料は、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエステルアクリレート系オリゴマー、ポリエーテルアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、ポリカーボネートアクリレート系オリゴマー、シリコーンアクリレート系オリゴマー、およびアクリルアクリレート系オリゴマーからなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。
【0051】
具体的には、前記ソフト層用紫外線硬化原料は、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエステルアクリレート系オリゴマー、およびエポキシアクリレート系オリゴマーのうち少なくともいずれかを含むことができる。
【0052】
前記ウレタンアクリレート系オリゴマーは、紫外線による硬化が容易であり、硬化後にも所定の柔軟な物性を有することができるため有利である。
【0053】
また、ヘイズ現象を最小限に抑えることができるため、コーティング層の透明性を維持することができる。前記ウレタンアクリレート系オリゴマーは、二官能性ウレタンアクリレート系オリゴマー、四官能性ウレタンアクリレート系オリゴマー、六官能性ウレタンアクリレート系オリゴマー、および九官能性ウレタンアクリレート系オリゴマーのうち少なくともいずれかを含むことができる。
【0054】
具体的には、前記ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ミウォン社製品であるPU210、PU280、PU640、SC2404、SATOMER社製品であるCN9033、CN9047からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。前記ウレタンアクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、1,000g/mol~1,000,000g/molであってもよく、具体的には1,000g/mol~100,000g/molであってもよい。前記範囲を満たす場合、作業性を大幅に改善させることができる。
【0055】
前記エポキシアクリレート系オリゴマーの場合、高反応性を有しており、高硬度および研磨性等が良好で、硬化され易く、柔軟性に優れ、酸素との接触にも硬化が安定的に進められ得る。前記エポキシアクリレート系オリゴマーは、官能基1個または2個の官能基を有していてもよく、官能基1個の場合、延性を示し、官能基の数が高いほど剛性または熱的安定性に有利である。
【0056】
具体的には、前記エポキシアクリレート系オリゴマーは、ミウォン社製品であるPE210、PE2120、PE250からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。前記エポキシアクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、100g/mol~10,000g/molであってもよく、具体的には500g/mol~6,000g/molであってもよい。ソフト層形成用組成物の固形分と粘度を考慮したとき、前記範囲であることが好ましい。
【0057】
前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは反応性に優れ、ウレタンアクリレート系オリゴマーおよびエポキシアクリレート系オリゴマーより粘着力に優れた性質を有している。前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、官能基が4個または6個を有するオリゴマーであってもよい。
【0058】
具体的には、前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、ミウォン社製品であるPS4040、PS460、PS6300 Etermer 6311-100、6312-100、6314C-60からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、500g/mol~50,000g/molであってもよく、具体的には1,500g/mol~38,000g/molであってもよい。前記範囲を満たす場合、工程性および粘着力を改善させることができる。
【0059】
前記ソフト層内において、前記ウレタンアクリレート系オリゴマー100重量部に対して前記エポキシアクリレート系オリゴマーは、1重量部~10重量部で含まれていてもよく、具体的には1重量部~3重量部で含まれていてもよい。
【0060】
前記ソフト層内において、前記ウレタンアクリレート系オリゴマー100重量部に対して前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、10重量部~20重量部で含まれていてもよく、具体的には2重量部~8重量部で含まれていてもよい。
【0061】
前記組成を満たすとき、空気中に前記ソフト層が露出しても急速な硬化が発生せず、ネイルステッカー貼り付け後にも耐久性を維持することができる。
【0062】
これとは異なり、前記ソフト層用紫外線硬化原料は、前記ウレタンアクリレート系オリゴマーを含むことができ、具体的には、前記ウレタンアクリレート系オリゴマーからなることができる。
【0063】
前記ソフト層用紫外線硬化原料は、前記ソフト層内に10重量%~90重量%で含まれていてもよく、具体的には15重量%~75重量%、より具体的には30重量%~65重量%で含まれていてもよい。前記範囲を満たす場合、ソフト層が紫外線照射前には柔軟な物性を維持しているが、紫外線照射による硬化後には非常に硬い物性を有する。
【0064】
前記ソフト層において、前記ソフト層用紫外線硬化原料および前記ソフト層用樹脂の重量比は、10:90~90:10であってもよく、具体的には20:80~80:20、より具体的には30:70~70:30であってもよい。前記範囲を満たすとき、ソフト層用樹脂の衝撃吸収性質とソフト層用紫外線硬化原料の粘性とが混合され、外部衝撃エネルギー吸収能力がより高くなる効果がある。
【0065】
前記ソフト層用光開始剤は、紫外線照射により重合反応を開始する役割をする。具体的には、前記光開始剤は紫外線光開始剤であってもよい。
【0066】
前記ソフト層用光開始剤は、200nm~600nm範囲の吸収波長帯域を有するものであってもよい。
【0067】
前記ソフト層用光開始剤は、トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド(Trimethylbenzoyl Phosphnie oxide)、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(Phenylbis(2,4,6-trimethylbenzoyl)phosphine oxide)、および2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-1-[4-4(4-モホリニル)フェニル]-1-ブタノン(2-Benzyl-2-(dimethylamino)-1-[4-(4-morpholinyl)phenyl]-1-butanone)からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができ、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0068】
前記ソフト層用光開始剤は、前記ソフト層中に1重量%~10重量%で含まれていてもよく、具体的には1重量%~8重量%、より具体的には2重量%~7重量%で含まれていてもよい。前記範囲を満たすとき、使用者が前記ネイルステッカーを硬化させるとき、前記ネイルステッカーは適切な硬度を有することができる。
【0069】
前記ソフト層の最大厚さは250μm~2500μmであってもよく、具体的には500μm~2400μm、より具体的には600μm~2000μm、例えば、1,000μm~2000μmであってもよい。
【0070】
前記範囲を満たすとき、ネイルステッカーとネイル間の浮き現象を最小限に抑えられるように、十分な量のソフト層の一部を移動させることができる。さらに、ネイルステッカーの一部がネイル領域を外れて延びて使用される場合において、前記延びて突出したネイルステッカーの一部が変形されないようにソフト層が支持する役割をより効果的に行うことができる。また、ネイル表面が凹凸であっても、ソフト層の移動によってネイルの凹の部分上にはより多くのソフト層を十分に位置することができるため、貼り付けされたネイルステッカーの表面がより滑らかな形態を有することができる。
【0071】
また、ソフト層が外部の衝撃によっても変化率が高くないこともあり得るため、前記効果を円滑に維持されることができる。前記ソフト層の最大厚さは、前記ソフト層の下面の任意の支点から垂直な方向に測定された前記ソフト層の厚さのうち、最も肉厚が大きいことを意味することができる。
【0072】
前記ソフト層は、単層であってもよく、これとは異なり、2以上の層からなるものであってもよい。
【0073】
前記ネイルステッカーは、基材層をさらに含むことができる。前記ソフト層は前記基材層上に配置されることができる。
【0074】
図5~
図11を参照すると、前記基材層120の上面と前記ソフト層110の下面は対向することができ、具体的には接することもできる。すなわち、前記基材層120上に前記ソフト層110を位置させることができる。
【0075】
前記基材層は、粘着層を含むことができる。前記粘着層は、前記ネイルステッカーがネイルに貼り付けされるようにする化学的粘着力を付与する。これによって、前記粘着層は、前記ネイルステッカーの最下面を構成することができる。本発明のネイルステッカーの外面は、平坦であってもよいが、これは前記粘着層の下面が平坦であることを意味することができる。前記粘着層は粘着成分を含み、これは当該技術分野で通常使用される粘着成分に該当し得る。
【0076】
前記基材層は、デザイン層をさらに含むことができる。前記デザイン層は、前記粘着層と前記ソフト層との間に位置することができる。前記デザイン層は、カラー層および印刷層のうち少なくともいずれかを含むことができる。前記デザイン層は、前記ネイルステッカーに色を付与する顔料を含むことができる。前記印刷層は模様を表現するための粒子、雲母などの審美性のための多様な材料を含むことができる。
【0077】
前記基材層の下面上には基材フィルムを配置することができる。前記基材フィルムは、前記粘着層の汚染を防止し、前記ネイルステッカーを使用する前までに粘着力を維持させる役割をし、前記ネイルステッカーを使用するとき、除去される構成に相当する。前記基材フィルムは、当該技術分野で通常使用される成分を含むことができる。
【0078】
前記ネイルステッカーは、コーティング層をさらに含むことができる。
【0079】
図5~
図11を参照すると、前記ネイルステッカー100内で、前記コーティング層130は前記ソフト層110上に位置することができる。
【0080】
前記コーティング層は、コーティング層用紫外線硬化原料、コーティング層用樹脂を含むことができる。
【0081】
前記コーティング層用紫外線硬化原料が前記コーティング層に含まれることによって、使用者は自爪と密着されるように前記ネイルステッカーを変形させた後、紫外線を照射して変形されたネイルステッカーの形状通りにネイルステッカーを硬化させることができる。これによって、前記ネイルステッカーと指の爪/足の爪とが完全に密着した状態で互いに接合され得るため、ネイルステッカーの粘着力が改善されることができる。
【0082】
前記コーティング層用紫外線硬化原料は、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエステルアクリレート系オリゴマー、ポリエーテルアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、ポリカーボネートアクリレート系オリゴマー、シリコーンアクリレート系オリゴマー、およびアクリルアクリレート系オリゴマーからなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。
【0083】
具体的には、前記コーティング層用紫外線硬化原料は、ウレタンアクリレート系オリゴマー、ポリエステルアクリレート系オリゴマー、およびエポキシアクリレート系オリゴマーのうち少なくともいずれかを含むことができる。
【0084】
前記ウレタンアクリレート系オリゴマーは、紫外線による硬化が容易であり、硬化後にも所定の柔軟な物性を有することができるため有利である。また、ヘイズ現象を最小限に抑えることができるため、コーティング層の透明性を維持することができる。
【0085】
前記ウレタンアクリレート系オリゴマーは、二官能性ウレタンアクリレート系オリゴマー、四官能性ウレタンアクリレート系オリゴマー、六官能性ウレタンアクリレート系オリゴマー、および九官能性ウレタンアクリレート系オリゴマーのうち少なくともいずれかを含むことができる。
【0086】
具体的には、前記ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ミウォン社製品であるPU210、PU280、PU640、SC2404、SATOMER社製品であるCN9033、CN9047からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。前記ウレタンアクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、1,000g/mol~1,000,000g/molであってもよく、具体的には1,000g/mol~100,000g/molであってもよい。前記範囲を満たす場合、作業性を大幅に改善させることができる。
【0087】
前記エポキシアクリレート系オリゴマーの場合、高反応性を有しており、高硬度および研磨性等が良好で、硬化され易く、柔軟性に優れ、酸素との接触にも硬化が安定的に進められ得る。前記エポキシアクリレート系オリゴマーは、官能基1個または2個の官能基を有していてもよく、官能基1個の場合、延性を示し、官能基数が高いほど剛性または熱的安定性に有利である。
【0088】
具体的には、前記エポキシアクリレート系オリゴマーは、ミウォン社製品であるPE210、PE2120、PE250からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。前記エポキシアクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、100g/mol~10,000g/molであってもよく、具体的には500g/mol~6,000g/molであってもよい。コーティング層形成用組成物の固形分と粘度を考慮したとき、前記範囲であることが好ましい。
【0089】
前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、反応性に優れ、ウレタンアクリレート系オリゴマーおよびエポキシアクリレート系オリゴマーよりも粘着力に優れた性質を有している。前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、官能基が4個または6個を有するオリゴマーであってもよい。
【0090】
具体的には、前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、ミウォン社製品であるPS4040、PS460、PS6300 Etermer 6311-100、6312-100、6314C-60からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。
【0091】
前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、500g/mol~50,000g/molであってもよく、具体的には1,500g/mol~38,000g/molであってもよい。前記範囲を満たす場合、工程性および粘着力を改善させることができる。
【0092】
前記コーティング層内において、前記ウレタンアクリレート系オリゴマー100重量部に対して、前記エポキシアクリレート系オリゴマーは、1重量部~10重量部で含まれていてもよく、具体的には1重量部~3重量部で含まれていてもよい。前記コーティング層内において、前記ウレタンアクリレート系オリゴマー100重量部に対して、前記ポリエステルアクリレート系オリゴマーは、10重量部~20重量部で含まれていてもよく、具体的には2重量部~8重量部で含まれていてもよい。前記組成を満たすとき、空気中に前記コーティング層が露出しても急速な硬化が発生せず、ネイルステッカー貼り付け後にも耐久性を維持させることができる。
【0093】
これとは異なり、前記コーティング層用紫外線硬化原料は、前記ウレタンアクリレート系オリゴマーを含むことができ、具体的には、前記ウレタンアクリレート系オリゴマーからなることができる。
【0094】
前記コーティング層用紫外線硬化原料は、前記コーティング層内に10重量%~90重量%で含まれていてもよく、具体的には10重量%~60重量%、より具体的には20重量%~50重量%で含まれていてもよい。前記範囲を満たす場合、コーティング層が紫外線照射前には柔軟な物性を維持しているが、紫外線照射による硬化後には非常に硬い物性を有する。
【0095】
前記コーティング層用樹脂は、前記コーティング層の流動性を制御して形態を維持させる役割をすることができる。また、前記コーティング層用樹脂により前記コーティング層を形成するためのコーティング層形成用組成物が適切な粘度を有することができるため、前記コーティング層を所望の形態で製造することができる。
【0096】
前記コーティング層用樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が30℃~200℃、具体的には50℃~120℃の熱可塑性コーティング層用樹脂であってもよい。前記範囲を満たすとき、常温では前記コーティング層用樹脂の移動性が高くないが、ネイルステッカーの製造過程において乾燥炉内で前記コーティング層用樹脂が前記紫外線硬化原料と適切に混合され、ネイルステッカーの横ラインを滑らかに形成することができる。
【0097】
前記コーティング層用樹脂は、アクリル系コーティング層用樹脂、ニトロセルロースコーティング層用樹脂、エポキシ系コーティング層用樹脂、ポリエステルコーティング層用樹脂、ポリビニルコーティング層用樹脂、ウレタンコーティング層用樹脂、および酢酸ビニルコーティング層用樹脂からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができる。
【0098】
特に、前記コーティング層用樹脂は、アクリル系コーティング層用樹脂およびニトロセルロースコーティング層用樹脂を含むことができる。前記アクリル系コーティング層用樹脂のガラス転移温度(Tg)は、30℃~200℃、具体的には50℃~120℃であってもよい。前記ニトロセルロースコーティング層用樹脂は、韓国CNC HRS1/8~20SS type 1/8~1/2を含むことができる。
【0099】
前記ニトロセルロースコーティング層用樹脂の窒素含有量は11.5%~12.2%であってもよく、具体的には粘度に応じて1/8秒~20秒に分けることができる。前記範囲を満たす場合、低粘度が維持されることができて、固形分含有量を高めることができる。
【0100】
前記コーティング層用樹脂は、前記コーティング層中に10重量%~90重量%で含まれていてもよく、具体的には15重量%~75重量%、より具体的には15重量%~70重量%で含まれていてもよい。前記範囲を満たすとき、常温で取り扱っても問題がないほどに粘着性がなくなり、ラウンド状をなすことができる。
【0101】
一方、前記コーティング層用樹脂は、熱硬化性コーティング層用樹脂と熱開始剤を含むこともできる。
【0102】
前記コーティング層は、コーティング層用光開始剤をさらに含むことができる。
【0103】
前記光開始剤は、紫外線照射により重合反応を開始する役割をする。具体的には、前記光開始剤は紫外線光開始剤であってもよい。
【0104】
前記光開始剤は、200nm~600nm範囲の吸収波長帯域を有するものであってもよい。
【0105】
前記光開始剤は、トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド(Trimethylbenzoyl Phosphnie oxide)、フェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(Phenylbis(2,4,6-trimethylbenzoyl)phosphine oxide)、および2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-1-[4-4(4-モホリニル)フェニル]-1-ブタノン(2-Benzyl-2-(dimethylamino)-1-[4-(4-morpholinyl)phenyl]-1-butanone)からなる群から選択される少なくともいずれかを含むことができ、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0106】
前記光開始剤は、前記コーティング層中に1重量%~10重量%で含まれていてもよく、具体的には1重量%~8重量%、より具体的には2重量%~7重量%で含まれていてもよい。前記範囲を満たすとき、使用者が前記コーティング層を硬化させるとき、前記コーティング層が適切な硬度を有することができる。
【0107】
場合によっては、前記コーティング層は溶媒を含むこともできる。前記溶媒は、前記コーティング層を製造するためのコーティング層形成用組成物を形成する際に用いられた溶媒に相当し、前記コーティング層の製造過程にて乾燥によって除去される。ただし、前記コーティング層に一部溶媒が非常に低い含有量で残留することもできる。
【0108】
前記ネイルステッカーは、前記コーティング層上に配置されるデザイン表現層をさらに含むことができる。前記デザイン表現層は、艶なしのような表現をすることができ、立体的なラインまたは円錐、円形ドームなどのような厚膜型立体図形などを表現することができる。
【0109】
前記ネイルステッカーの最大厚さは300μm~3,000μmであってもよく、具体的には600μm~2,800μm、より具体的には700μm~2,600μmであってもよい。前記範囲を満たすとき、ソフト層の顕著な効果がある。
【0110】
本発明の他の実施例によるネイルステッカーは、硬化可能なステッカーであり、前記ネイルステッカーはソフト層を含み、前記ネイルステッカーを平坦な床に配置した後、前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力を加えたとき、前記ソフト層の最大厚さが増加され得る。
【0111】
ここで、前記ネイルステッカーは、上述したネイルステッカーと同じであることができる。上述したネイルステッカーのソフト層、コーティング層、基材層などは、本実施例のネイルステッカーにも同様に含まれることができる。
【0112】
前記圧力を加えることは、36℃の温度雰囲気で38.5Nの力を前記ネイルステッカーの上面に加えることである。
【0113】
前記圧力は、IMADA社のpush gage装置を介して加えられることができ、また、圧力数値が測定され得る。前記圧力を加える部材の下面面積は、例えば177mm2であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0114】
また、1)圧力が加えられる前にソフト層の厚さが最大である支点と、2)圧力が加えられる前にネイルステッカーの厚さが最大である支点には、前記圧力が加えられないようにする。
【0115】
具体的には、前記圧力を加えることは、36℃の温度雰囲気で前記ネイルステッカーの上面の全面積の40%~80%に相当する面積の領域に38.5Nの力を下方向に加えるものであってもよい。
【0116】
図8は前記圧力を加えることを図式化した図であり、
図30は圧力を加える部材の下面とネイルステッカーの上面が接する様子を上から見た図である。
【0117】
図8および
図30を参照すると、前記圧力は、前記ソフト層110の最大厚さ(A
1)が存在する支点と前記ネイルステッカー100の最大厚さ(A
2)が存在する支点には直接加えられない。すなわち、前記圧力を前記ネイルステッカーの上面の一部(Q)に加えられ、前記上面の一部(Q)には、前記ネイルステッカーの最大厚さが存在する支点と、前記ネイルステッカーの最大厚さが存在する支点とが含まれない。
【0118】
より具体的に説明すると以下の通りである。前記ネイルステッカー100を平坦な床(F1)に配置した。前記ネイルステッカー100は、長手方向において非対称構造を有することができる。すなわち、前記ネイルステッカー100の厚さが長手方向において非対称であってもよい。
【0119】
圧力を加えるとき、前記
図8の100bに相当する領域上に前記圧力を加える部材(P)の下面(Ps)が接する。
【0120】
例えば、前記ネイルステッカー100の一末端(100g)、ネイルステッカーを貼り付けしたとき、ネイルのキューティクル側に向かう末端)から前記一末端から前記ネイルステッカー100の長さ(100L)の70%に相当する距離だけ離れた支点までに対して(
図8の100bに相当する領域)、前記圧力を加える部材(P)に圧力を加える。
【0121】
図30を参照すると、前記圧力を加える部材(P)の下面(Ps)と前記ネイルステッカー100の上面が交わる領域は、前記ネイルステッカーの一末端(100g)から前記ネイルステッカー100の長さ(100L)の70%に相当する距離だけ離れた支点から始まり、前記一末端(100g)に向かう方向に前記領域を形成することができる。他末端(100h)は、一末端の反対方向に位置し、ネイルのフリーエッジに近い末端である。
【0122】
ここで、「貼り付け」とは、前記ネイルステッカーの下面と平坦な床の上面とが接するように前記ネイルステッカーを前記床上に配置することを意味し、具体的には、前記ネイルステッカーの粘着層が前記床の上面に粘着されるようにする行為を意味することができる。また、前記床は大理石床であってもよく、前記ネイルステッカーの下面の広さよりも広い上面を有する基板を床としてみることもできる。
【0123】
前記ネイルステッカーは、上述した実施例のソフト層を含むため、前記ネイルステッカーをネイルに貼り付けした後、前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力を加えると、圧力が加えられた前記上面の一部下のソフト層が隣接した領域へと押し出される。
【0124】
図7および
図8を参照すると、
図7のネイルステッカーを平坦な床に配置した後、
図8でのように圧力を加えると、圧力が加えられた領域でない他の領域の最大厚さが増加される。したがって、圧力が加えられていない上面の他部の下方に位置したソフト層のうち少なくとも一部は厚さが増加される。これはソフト層を構成する物質が前記のような性質を有する物質に該当するからである。これにより、ネイルステッカーの最大厚さも増加される。
【0125】
前記のように、前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力を加えるとき、前記ソフト層の最大厚さが増加し、この過程でネイルステッカーの最大厚さも増加するようになる。使用者は、前記ネイルステッカーをネイル上に貼り付けした後、ネイルの先端(フリーエッジ方向)に向かって前記ソフト層の一部が移動されるように、前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力を加えることができる。
【0126】
これにより、前記ソフト層の一部がネイルステッカーの先端部分に向かって移動し、ネイルとネイル間の浮き空間をソフト層で埋めることができ、埋められた形態が効果的に維持されることができる。これによって、使用者が感じる異物感が軽減され、ネイルステッカーの粘着力を高めることができる。
【0127】
さらに、ネイルステッカーの一部がネイル領域を外れて延びて使用される場合において、前記延びて突出したネイルステッカーの一部が変形されないようにソフト層が支持する役割をすることもできる。
【0128】
また、ネイル表面が凹凸であっても、所定の力を加えて、ネイル表面の凹の部分上にはより多くのソフト層が配置されるように変形させることができる。これによって、ネイル表面が凹凸であっても、貼り付けされたネイルステッカーの表面は滑らかな形態を有することができるため、審美性を向上させることができる。
【0129】
前記ネイルステッカーにおいて、下記式1による前記ソフト層の厚さ増加率が2%以上であってもよい。具体的には、前記ソフト層の厚さ増加率は3%以上であってもよく、より具体的には3%~30%であってもよく、例えば5%~20%であってもよい。
【0130】
[式1]
ソフト層の厚さ増加率=[(A2-A1)/A1]×100
前記A1は、床に貼り付けされた前記ネイルステッカーに前記圧力が加えられなかったとき測定された前記ソフト層の最大厚さであり、前記A2は、前記圧力を3秒間加え、前記圧力を除去してから30分間前記ネイルステッカーを放置した後に測定した前記ソフト層の最大厚さである。前記圧力は、36℃の温度雰囲気で前記ネイルステッカーの上面の全面積の40%~80%に相当する面積の領域に38.5Nの力を加えることを含むことができる。
【0131】
前記圧力を加えることは、36℃の温度雰囲気で38.5Nの力を前記ネイルステッカーの上面に加えることである。前記圧力は、IMADA社のpush gage装置を介して加えることができ、
また、圧力数値が測定され得る。前記圧力を加える部材の下面面積は、例えば177mm2であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0132】
また、1)圧力が加えられる前にソフト層の厚さが最大である支点と、2)圧力が加えられる前にネイルステッカーの厚さが最大である支点には、前記圧力が加わらないようにする。具体的には、前記圧力を加えることは、36℃の温度雰囲気で前記ネイルステッカーの上面の全面積の40%~80%、具体的には50%~70%、例えば、60%に相当する面積の領域に38.5Nの力を下方向に加えるものであってもよい。
【0133】
図8は前記圧力を加えることを図式化した図であり、
図30は圧力を加える部材の下面とネイルステッカーの上面とが接する様子を図式化した図である。
【0134】
図8および
図30を参照すると、前記圧力は、前記ソフト層110の最大厚さ(A
1)が存在する支点と前記ネイルステッカー100の最大厚さ(A
2)が存在する支点には直接加えられない。要するに、前記圧力を前記ネイルステッカーの上面の一部に加えられ、前記上面の一部には、前記ネイルステッカーの最大厚さが存在する支点と、前記ネイルステッカーの最大厚さが存在する支点が含まれない。
【0135】
より具体的に説明すると以下の通りである。前記ネイルステッカー100を平坦な床(F1)に配置した。前記ネイルステッカー100は、長手方向において非対称構造を有することができる。すなわち、前記ネイルステッカー100の厚さが長手方向において非対称であってもよい。
【0136】
圧力を加えるとき、前記
図8の100bに相当する領域上に前記圧力を加える部材(P)の下面(Ps)が接する。
【0137】
例えば、前記ネイルステッカー100の一末端(100g、ネイルステッカーを貼り付けしたとき、ネイルのキューティクル側に向かう末端)から前記一末端から前記ネイルステッカー100の長さ(100L)の70%に相当する距離だけ離れた支点までに対して(
図8の100bに相当する領域)、前記圧力を加える部材(P)に圧力を加える。
【0138】
図30を参照すると、前記圧力を加える部材(P)の下面(Ps)と前記ネイルステッカー100の上面が交わる領域は、前記ネイルステッカーの一末端(100g)から前記ネイルステッカー100の長さ(100L)の70%に相当する距離だけ離れた支点から始まり、前記一末端(100g)に向かう方向に前記領域を形成され得る。
【0139】
ここで、「貼り付け」とは、前記ネイルステッカーの下面と前記平坦な床の上面とが接するように前記ネイルステッカーを前記床上に配置することを意味することができ、具体的には、前記ネイルステッカーの粘着層が前記床の上面に粘着するようにする行為を意味することができる。また、前記床は大理石床であってもよく、前記ネイルステッカーの下面の広さよりも広い上面を有する基板を床とみることもできる。
【0140】
ここで、前記ネイルステッカーは、上述したネイルステッカーと同じであることができる。上述したネイルステッカーのソフト層、コーティング層、基材層などは、本実施例のネイルステッカーにも同様に含まれることができる。
【0141】
前記ソフト層の厚さ増加率の範囲を満たすということは、前記ネイルステッカーの上面に圧力が加えられるとき、ソフト層がネイルステッカーの内部から移動され、ソフト層の最大厚さが増加されることができ、前記圧力を除去しても変形されたソフト層がその形状を効果的に維持することができることを意味する。
【0142】
図7および
図8を参照すると、
図7のネイルステッカーを平坦な床に配置した後、
図8のように圧力を加えると、圧力が加えられた領域でない他の領域の最大厚さが増加するようになる。
【0143】
さらに、本発明のネイルステッカーは、ネイルステッカーの長手方向からみたとき(
図4のA-A′に沿って確認した断面)、圧力を加える前にソフト層の最大厚さが示される支点がネイルステッカーの一末端側に偏っており、ネイルステッカーの長手方向において、ネイルステッカーの厚さが非対称であることができる。
【0144】
この場合、ネイルステッカー上面の中心部に圧力が加えられると、ネイルステッカー内のソフト層の大部分が一方向に移動されながら、ネイルステッカーの一末端に隣接する領域において最大厚さが示され、圧力を加える前の最大厚さと比較してその数値が大きいことを知ることができる。
【0145】
また、
図9のように、圧力が除去され、一定時間ネイルステッカーが放置されても、変形されたネイルステッカーが元の形になかなか戻らない。
【0146】
このようなネイルステッカーの物性が有する効果は、次の通りである。
【0147】
前記のように前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力を加えるとき、前記ソフト層の最大厚さが増加するため、使用者は前記ネイルステッカーをネイル上に貼り付けした後、ネイルの先端(フリーエッジ方向)に向かって前記ソフト層の一部が移動されるように、前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力を加えることができる。
【0148】
ここで最大厚さが増加するということは、圧力が加えられる領域の厚さが増加するというものではなく、圧力が加えられる領域でない他の領域の厚さのうち、前記ソフト層の最大厚さの数値が増加することを意味する。また、圧力を加える前と加えた後の最大厚さが示される支点も異なっていてもよい。
【0149】
これにより、前記ソフト層の一部がネイルステッカーの先端に向かって移動し、ネイルとネイルステッカーとの間の浮き空間をソフト層で埋めることができ、埋められた形態を効果的に維持することができる。よって、使用者が感じる異物感が軽減され、ネイルステッカーの粘着力を高めることができる。
【0150】
さらに、ネイルステッカーの一部がネイル領域から外れて延びて使用される場合において、前記延びて突出したネイルステッカーの一部が変形されないようにソフト層が支持する役割をすることもできる。
【0151】
また、ネイル表面が凹凸であっても、所定の力を加えてネイル表面の凹の部分上にはより多くのソフト層が配置されるように変形させることができる。これにより、ネイル表面が凹凸であっても、貼り付けされたネイルステッカーの表面は滑らかな形態を有することができるため、審美性を向上させることができる。
【0152】
また、前記ソフト層の厚さ増加率の範囲を満たすということは、上述した効果が、使用者がネイルを使用している間にも持続的に良好に維持することができることを意味する。
【0153】
本発明のまた他の実施例によるネイルステッカーは、硬化可能なネイルステッカーであり、前記ネイルステッカーはソフト層を含み、前記ネイルステッカーを平坦な床に貼り付けした上、前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力を加えるとき、前記ネイルステッカーの最大厚さを増加させることができる。ここで、前記ネイルステッカーは、上述したネイルステッカーと同じであってもよい。上述したネイルステッカーのソフト層、コーティング層、基材層などは、本実施例のネイルステッカーにも同様に含まれていてもよい。
【0154】
前記圧力を加える条件は、上述した実施例によるネイルステッカーにおいて、式1に関連して説明したものと同じであるところ、説明を省略する。
【0155】
前記ネイルステッカーは、上述した実施例のソフト層を含むため、前記ネイルステッカーをネイルに貼り付けした後、前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力を加えると、圧力が加えられた前記上面の一部下のソフト層が隣接する領域へ押し出される。
【0156】
図7および
図8を参照すると、
図7のネイルステッカーを平坦な床に配置した後、
図8でのように圧力を加えると、圧力が加えられた領域でない他の領域の最大厚さが増加される。
【0157】
したがって、圧力が加えられていない上面の他部の下方に位置するソフト層のうち少なくとも一部は厚さが増加される。これはソフト層を構成する物質が前記のような性質を有する物質に該当するからである。これにより、ネイルステッカーの最大厚さも増加するようになる。
【0158】
前記のように、前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力を加えるとき、前記ソフト層の最大厚さが増加し、この過程でネイルステッカーの最大厚さも増加される。使用者は、前記ネイルステッカーをネイル上に貼り付けした後、ネイルの先端(フリーエッジ方向)に向かって前記ソフト層の一部が移動されるように前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力を加えることができる。
【0159】
これにより、前記ソフト層の一部がネイルステッカーの先端に向かって移動し、ネイルとネイルステッカーとの間の浮き空間をソフト層で埋めることができ、埋められた形態を効果的に維持することができる。これにより、使用者が感じる異物感が軽減され、ネイルステッカーの粘着力を高めることができる。
【0160】
さらに、ネイルステッカーの一部がネイル領域から外れて延びて使用される場合において、前記延びて突出したネイルステッカーの一部が変形されないようにソフト層が支持する役割をすることもできる。
【0161】
また、ネイル表面が凹凸であっても、所定の力を加えてネイル表面の凹の部分上にはより多くのソフト層が配置されるように変形させることができる。これにより、ネイル表面が凹凸であっても、貼り付けされたネイルステッカーの表面は滑らかな形態を有することができるため、審美性を向上させることができる。
【0162】
前記ネイルステッカーにおいて、下記式2による前記ネイルステッカーの厚さ増加率が2%以上であってもよい。具体的には、前記ネイルステッカーの厚さ増加率は3%以上であってもよく、より具体的には3%~30%であってもよく、例えば5%~20%であってもよい。
【0163】
[式2]
ネイルステッカーの厚さ増加率=[(B2-B1)/B1]×100
前記B1は床部に貼り付けされた前記ネイルステッカーに前記圧力が加えられていないとき測定された前記ネイルステッカーの最大厚さであり、前記B2は、前記圧力を3秒間加えて、前記圧力を除去した後30分間前記ネイルステッカーを放置した後に測定した前記ネイルステッカーの最大厚さであり、前記圧力は、36℃の温度雰囲気で前記ネイルステッカーの上面の全面積の40%~80%に相当する面積の領域に38.5Nの力を加えることを含めることができる。
【0164】
ここで、前記ネイルステッカーは、上述したネイルステッカーと同じであってもよい。上述したネイルステッカーのソフト層、コーティング層、基材層などは、本実施例のネイルステッカーにも同様に含まれてもよい。前記圧力を加える条件は、上述した実施例によるネイルステッカーにおいて、式1に関連して説明したものと同じであるため、説明を省略する。
【0165】
前記ネイルステッカーの厚さ増加率の範囲を満たすということは、前記ネイルステッカーの上面に圧力が加えられるとき、ソフト層がネイルステッカーの内部から移動され、ソフト層の最大厚さが増加することができ、前記圧力を除去しても変形されたソフト層がその形状を効果的に維持することができることを意味する。
【0166】
図7および
図8を参照すると、
図7のネイルステッカーを平坦な床に配置した後、
図8でのように圧力を加えると、圧力が加えられた領域でない他の領域の最大厚さが増加される。さらに、本発明のネイルステッカーは、ネイルステッカーの長手方向からみたとき(
図4のA-A′に沿って確認した断面)、圧力を加える前にソフト層の最大厚さが示される支点がネイルステッカーの一末端側に偏ってネイルステッカーの長手方向において、ネイルステッカーの厚さが非対称であることができる。
【0167】
この場合、ネイルステッカーの上面の中心部に圧力が加えられると、ネイルステッカー内のソフト層の大部分が一方向に移動されながら、ネイルステッカーの一末端に隣接する領域にて最大厚さが示され、圧力を加える前の最大厚さと比較してその数値が大きいことが分かる。
【0168】
また、
図9のように、圧力が除去されて一定時間ネイルステッカーが放置されても、変形されたネイルステッカーが元の形になかなか戻らない。
【0169】
このようなネイルステッカーの物性が有する効果は、次の通りである。
【0170】
前記のように前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力が加えるとき、前記ソフト層の最大厚さが増加するため、使用者は前記ネイルステッカーをネイル上に貼り付けした後、ネイルの先端(フリーエッジ方向)に向かって前記ソフト層の一部が移動されるように、前記ネイルステッカーの上面の一部に圧力を加えることができる。
【0171】
ここで最大厚さが増加するということは、圧力が加えられる領域の厚さが増加するというものではなく、圧力が加えられる領域でない他の領域の厚さのうち、前記ソフト層の最大厚さの数値が増加することを意味する。また、圧力を加える前と加えた後の最大厚さが示される支点も異なっていてもよい。
【0172】
これにより、前記ソフト層の一部がネイルステッカーの先端に向かって移動し、ネイルとネイルステッカーとの間の浮き空間をソフト層で埋めることができ、埋められた形態を効果的に維持することができる。よって、使用者が感じる異物感が軽減され、ネイルステッカーの粘着力を高めることができる。
【0173】
さらに、ネイルステッカーの一部がネイル領域から外れて延びて使用される場合において、前記延びて突出したネイルステッカーの一部が変形されないようにソフト層が支持する役割をすることもできる。また、ネイル表面が凹凸であっても、所定の力を加えてネイル表面の凹の部分上にはより多くのソフト層が配置されるように変形させることができる。
【0174】
これにより、ネイル表面が凹凸であっても、貼り付けされたネイルステッカーの表面は滑らかな形態を有することができるため、審美性を向上させることができる。また、前記ソフト層の厚さ増加率の範囲を満たすということは、上述した効果が、使用者がネイルを使用している間も持続的に良好に維持されることができることを意味する。
【0175】
本発明のまた他の実施例によるネイルステッカーは硬化可能であり、前記ネイルステッカーはソフト層を含み、平坦な床上に配置された厚さが0.7mmの直方体の基板を準備し、ネイルステッカーの全長の70%に相当する長さを有する領域が前記基板の平坦な上面に接するように前記ネイルステッカーを前記基板上面に貼り付けし、36℃の温度雰囲気で前記ネイルステッカーのうち前記基板と上下方向に重畳する部分の上面の少なくとも一部に38.5Nの力を床方向に加えた後、前記力を除去して36℃で30分間放置した後、測定時に、前記ネイルステッカーのうち前記基板に上下方向に重畳せずに前記基板を外れて突出した部分が前記床と接する領域と前記基板間の最短距離が1.5mm以下であり、前記力は、前記ネイルステッカーの上面の全面積の40%~80%に相当する面積に加えられることができる。
【0176】
具体的には、前記最短距離(D)は0mm~1.3mm、より具体的には0mm~1.0mmを満たすことができる。
【0177】
ここで、前記ソフト層は、上述した実施例のネイルステッカーにて説明したソフト層と同様であることができ、前記ネイルステッカーも同様に上述した実施例のネイルステッカーと同様であることができる。したがって、基材層、ソフト層、コーティング層など、上述したネイルステッカーにて説明した全ての構成が本実施例のネイルステッカーの構成と同様であることができる。
【0178】
前記内容に関して、
図12に基づいて説明すると以下の通りである。平坦な床(F)上に基板(S)を配置する。基板(S)は直方体であってもよく、基板(S)は所定の厚さ(T)を有し、厚さは0.7mmであってもよい。前記ネイルステッカー100の一部が基板(S)と上下方向(H)に重畳するように前記ネイルステッカー100の一部を基板(S)上に貼り付けさせる。
【0179】
このとき、前記ネイルステッカー100の一部の長さは、前記ネイルステッカー100の全長の70%であってもよい。ここで、全長とは、
図2を参照したとき、A-A′方向におけるネイルステッカーの最長手を意味し、前記ネイルステッカー100の一部の長さとは、A-A′方向におけるネイルステッカーの全長の一部の長さを意味する。このようにネイルステッカー100の一部を前記基板(S)上に貼り付けさせると、ネイルステッカー100のうち前記基板(S)に上下方向(H)に重畳されずに前記基板(S)から外れて突出した部分(100p)が存在し、突出した部分(100p)の長さはネイルステッカーの全長の30%であることができる。
【0180】
このとき、前記突出した部分(100p)は床(F)に向かって曲がり、床(F)に接する領域を有する。前記圧力を除去して36℃で30分間放置した後、測定する際、前記領域と基板(S)との最短距離(D)を測定することができる。
【0181】
一方、圧力が加えられる前に、前記ネイルステッカー100の厚さが最大である支点は、前記突出した部分(100p)に属することができる。前記力は、前記ネイルステッカーの上面の全面積の40%~80%、具体的には50%~70%、例えば60%に相当する面積の領域に加えることができる。
【0182】
前記力を加えることは、36℃の温度雰囲気で38.5Nの力を前記ネイルステッカーの上面の一部に加えることである。前記圧力はIMADA社のpush gage装置を介して加えることができ、また圧力値を測定することができる。前記圧力を加える部材の下面面積は、例えば177mm2であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0183】
前記最短距離(D)が1.5mm以下である特徴は、ネイルステッカーがソフト層を含むから達成が可能である。圧力がネイルステッカーの上面に加えられると、ネイルステッカー内部のソフト層が変形され、床に向かって一部移動される。これにより、最短距離(D)があまり大きくない状態で前記突出した部分100aが床(F)と接することができる。
【0184】
このような特徴は、ネイルステッカーが使用者のネイルに貼り付けされる過程で大きな効果を有する。すなわち、使用者がネイルステッカー100をネイルに貼り付ける過程で所定の力を与えると、ネイルとネイルステッカーとの間の浮き空間を前記ソフト層で効果的に埋められる。
【0185】
これにより、異物によるネイルステッカーの汚染を減らすことができ、使用者が感じる異物感が軽減され、ネイルステッカーの粘着力がさらに改善されることができる。
【0186】
さらに、ネイルステッカーの一部がネイル領域から外れて延びて使用される場合において、前記延びて突出したネイルステッカーの一部が変形されないようにソフト層が支持する役割をすることもできる。また、ネイル表面が凹凸であっても、貼り付けされたネイルステッカーの表面は滑らかな形状を有することができるため、審美性を向上させることができる。
【0187】
逆に、最短距離(D)が1.5mmを超過して大きすぎる場合、ソフト層の変形が発生しにくいことを意味するため、使用者がネイルステッカー100をネイルに貼り付ける過程で所定の力を与えても、前記ソフト層がネイルとネイルステッカーとの間の浮き空間を埋めることは難しい。
【0188】
また、前記ソフト層の移動が難しいため、ネイル表面の凹凸形態がネイルステッカーの表面にそのまま反映され、ネイルステッカーの表面も同様に凹凸形状を有する問題がある。さらに、ネイルステッカーの形態が変形され易いという問題がある。
【0189】
以下において、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示するが、前記実施例は本記載を例示するものに過ぎず、本記載の範囲および技術思想の範囲内で多様な変更および修正が可能であることは当業者にとって明らかなものであり、このような変形および修正が添付された特許請求の範囲に属することは当然のものである。
【0190】
<実施例および比較例>
実施例1
基材層(厚さ:150μm)、前記基材層上に配置されたソフト層(最大厚さ:1380.3μm)、前記ソフト層上に配置されたコーティング層(最大厚さ:65μm)を含むネイルステッカーを準備した。前記基材層は、粘着層(最大厚さ:50μm)および前記粘着層上に配置された印刷層(最大厚さ:100μm)を含む。前記粘着層は前記ネイルステッカーの下面を構成した。
【0191】
前記ソフト層は、ソフト層用樹脂であるセルロースアセテートブチレートを60重量%、ソフト層用紫外線硬化原料であるウレタンアクリレートオリゴマーを38重量%、ソフト層用光開始剤であるフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドを2重量%含む。
【0192】
前記コーティング層は、コーティング層用紫外線硬化原料であるウレタンアクリレート、コーティング層用光開始剤であるフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、コーティング層用樹脂であるニトロセルロースを含む。
【0193】
比較例1
基材層(厚さ:150μm)、前記基材層上に配置された第1コーティング層(最大厚さ:1182.6μm)、前記第1コーティング層上に配置された第2コーティング層(最大厚さ:65μm)を含むネイルステッカーを準備した。前記基材層は、粘着層(最大厚さ:50μm)および前記粘着層上に配置された印刷層(最大厚さ:100μm)を含む。前記粘着層は、前記ネイルステッカーの下面を構成した。
【0194】
前記第1コーティング層は、第1コーティング層用樹脂であるニトロセルロース60重量%、第1コーティング層用紫外線硬化原料であるウレタンアクリレートオリゴマーを38重量%、第1コーティング層用光開始剤であるフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドを2重量%含む。
【0195】
前記第2コーティング層は、第2コーティング層用紫外線硬化原料であるウレタンアクリレート、第2コーティング層用光開始剤であるフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、第2コーティング層用樹脂であるニトロセルロースを含む。
【0196】
実験例1
実施例1および比較例1のネイルステッカーそれぞれについて、以下のように物性を確認した。
【0197】
平坦な床上に配置された厚さが0.7mmの直方体の基板を準備し、ネイルステッカーの全長の70%に相当する長さを有する領域を前記基板の平坦な上面に接するように前記ネイルステッカーの一部を前記基板上面に貼り付けし、36℃の温度雰囲気で38.5Nの力をネイルステッカーと前記基板が上下方向に互いに重畳した領域に(前記ネイルステッカーの上面の全面積の60%に相当する面積の領域)3秒間加えた後、前記圧力を除去し、36℃で30分間ネイルステッカーを放置した。
【0198】
その後、前記ネイルステッカーのうち前記基板に上下方向に重畳されず、前記基板から外れて導出された部分が前記床と接する領域と前記基板間の最短距離を測定した。
【0199】
図28は実施例1の実験結果を、
図29は比較例1の実験結果を撮影した写真である。
【0200】
【0201】
実験例2
実施例1および比較例1のネイルステッカーについて、以下のようにそれぞれ実験を行った。
【0202】
図13は、実施例1のネイルステッカーの下面が平坦な床の上面に向かうように、ネイルステッカーの粘着層を平坦な床の上面に貼り付けした状態であり、その後、圧力を加える前の断面写真である。
【0203】
図14は、36℃の温度雰囲気で
図13のように床上に貼り付けした実施例1のネイルステッカーに対して177mm
2の面積の下面(円形)を有する圧力部材を介して前記ネイルステッカーの上面の一部(上面全面積の60%に相当する面積の領域であるが、前記ネイルステッカーおよびソフト層の厚さが最大である支点を含まない)に38.5Nの力を3秒間加えた後、前記力を除去して36℃の温度雰囲気で30分間、前記ネイルステッカーを放置して撮影した断面写真である。
【0204】
図13と
図14の断面は、いずれも
図4のA-A′に沿ってネイルステッカーを切断したときの断面に該当する。
図13および
図14を通じて測定された最大厚さおよび厚さ増加率の情報を表2に示す。
【0205】
同様の方式で比較例1についても測定し、表2に示した。
図15は比較例1のネイルステッカーの下面が平坦な床の上面に向かうように、ネイルステッカーの粘着層を平坦な床の上面に貼り付けした状態であり、その後、圧力を加える前の断面写真である。
図16は、前記にて説明したことと同様の条件で圧力を加えた後、圧力を除去して放置した後、撮影した断面写真である。
【0206】
【0207】
前記ソフト層の厚さ増加率は、次のように計算した。
【0208】
[式1]
ソフト層の厚さ増加率(%)=[(A2-A1)/A1]×100
前記A1は床に貼り付けされた前記ネイルステッカーに前記圧力が加わらなかったときに測定された前記ソフト層の最大の厚さであり、前記A2は前記圧力を3秒間加え、前記圧力を除去した後、30分間前記ネイルステッカーを放置した後に測定した前記ソフト層の最大の厚さであり、前記圧力は、36℃の温度雰囲気で前記ネイルステッカーの上面の全面積の60%に相当する面積の領域に38.5Nの力を加えることが適用された。一方、前記式1を比較例1に適用するおいて、比較例1の第1コーティング層を実施例1のソフト層に対応させた。
【0209】
前記ネイルステッカーの厚さ増加率は、以下のように計算した。
【0210】
[式2]
ネイルステッカーの厚さ増加率=[(B2-B1)/B1]×100
前記B1は、床に貼り付けされた前記ネイルステッカーに前記圧力が加えられなかったときに測定された前記ネイルステッカーの最大厚さであり、前記圧力を3秒間加え、前記圧力を除去してから30分間前記ネイルステッカーを放置した後に測定した前記ネイルステッカーの最大厚さであり、前記圧力は、36℃の温度雰囲気で、前記ネイルステッカーの上面の全面積の60%に相当する面積の領域に38.5Nの力を加えることで適用された。
【0211】
実験例3
実施例1および比較例1のネイルステッカーについて、以下のようにそれぞれ実験を行った。
【0212】
屈曲したネイル表面とネイルステッカーの下面(粘着層が露出した面)が接するように、湾曲したネイル表面上にネイルステッカーを位置させた後、指で所定の力を与えてネイルステッカーをネイルに貼り付けた。その後、1,800mmJ/cm2以上の光量、6Wの出力、5V/1.2Aの定格電圧の条件で、395nmの波長帯を有する紫外線を45秒間2回照射し、ネイルステッカーを硬化させた。
【0213】
これを
図17(実施例1のネイルステッカー)と
図18(比較例1のネイルステッカー)で示した。
【0214】
図17を検討してみると、ネイルステッカーの表面が窪んだところなく滑らかであることが分かる。その反面、
図18をみると、ネイルステッカーの表面のうち、ネイルの先端近傍上に位置した領域の一部が窪んでいることが分かる。すなわち、実施例1の場合、ネイルステッカーをネイルに貼り付ける過程でソフト層の一部がネイル先端側に移動して、ネイル先端近傍でソフト層の厚さが厚くなり、厚くなったソフト層がネイルとネイルステッカーとの間に離隔した空間が発生しないようにする役割をしている。
【0215】
これは
図19(実施例1のネイルステッカーの断面)と
図20(比較例1のネイルステッカーの断面)をみると、より明確に確認することができる。
図19をみると、実施例1のネイルステッカーは、ネイルと上下方向に重畳した領域においてネイルになるべく密接に貼り付けしていることが分かる。
【0216】
特に、ネイルの先端に向かうにつれて厚さが厚くなると同時にネイルと接する状態を維持しているが、これはネイルステッカーの内部のソフト層がネイル先端部分に偏るように移動し、ネイルステッカーとネイルが持続的に接することができる状態を維持するからである。その反面、
図20をみると、比較例1のネイルステッカーは、ネイルの先端近傍からネイルと貼り付けしていないことが分かる。
【0217】
実験例4
一方、実施例1と比較例1について、実験例1と同様の条件でネイルステッカーを貼り付けして硬化させた後、ネイルステッカーを剥がし、ネイルステッカーの下面を観察した。
図21は実施例1のネイルステッカーの下面であり、
図22は比較例1のネイルステッカーの下面である。
【0218】
図21をみると、実施例1の場合、ソフト層が、ネイルが先端に向かって移動し、中間に周辺部よりも厚いネイルステッカーの一部分がネイルラインのように形成されることが分かる。すなわち、このような部分によってネイルとネイルステッカーが効果的に接し、ネイルステッカーの形が維持されることが分かる。その反面、
図22を参照すると、比較例1のネイルステッカーの場合、下面に層の移動によって示される厚い部分が観察されなかった。
【0219】
実験例5
図23は、表面に湾曲が激しいネイルの写真である。具体的には、
図23のネイルは、ネイルの上面は凸に突出した部分を含む。
【0220】
実施例1と比較例1それぞれのネイルステッカーを
図23のネイルに実験例1と同様の条件で貼り付けして硬化させた。
【0221】
図24を参照すると、ネイル表面に屈曲が激しくても、実施例1のネイルステッカーの上面にはそのような凹凸形態が示されていないことが分かる。これは、実施例1のネイルステッカー内でソフト層が効果的に移動し(
図11の断面図参照)、ネイルステッカーの表面が滑らかな形状を有するようにソフト層の形態が変形され得るからである。
【0222】
反面、
図25を参照すると、ソフト層を含まない比較例1のネイルステッカーの場合、ネイルステッカーの上面にネイル表面の湾曲がそのまま示される問題があることが分かる。具体的には、
図25のネイルステッカーの上面は、ネイル上面の凸の部分に対応する凸な領域を含む。
【0223】
実験例6
図23は、表面に湾曲が激しいネイルの写真である。
【0224】
実施例1と比較例1それぞれがネイルステッカーを
図23のネイルに実験例1と同様の条件で貼り付けして硬化させた。この後、ネイルステッカーを剥がした後、下面を観察した。
【0225】
図27を参照すると、比較例1のネイルステッカーの場合、ネイルステッカーの下面がネイルの凹とした領域とは接しにくいため、ネイル表面と離隔したネイルステッカーの下面の一部領域は粘着層の滑らかな領域が一部そのまま残っていることが分かる(滑らかでない領域は、ネイルと粘着層が接しつつ、粘着層の粘着成分が互いに凝集して網状を呈していることを意味する)。
【0226】
その反面、
図26を参照すると、実施例1のネイルステッカーの場合、ソフト層の移動によってネイルステッカーの下面がネイルの凹とした領域を効果的に埋めることができるため、ネイルステッカーの下面には滑らかな領域が存在しないことが分かる。
【符号の説明】
【0227】
1:従来のネイルステッカー
2:ネイル
3:指
100:ネイルステッカー
110:ソフト層
120:基材層
130:コーティング層
S:基板
F1、F2:床
【国際調査報告】