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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】遮蔽構造物を備えたRFコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/639 20060101AFI20241003BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H01R13/639 A
H05K9/00 W
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522576
(86)(22)【出願日】2022-10-13
(85)【翻訳文提出日】2024-04-11
(86)【国際出願番号】 KR2022015531
(87)【国際公開番号】W WO2023063755
(87)【国際公開日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】10-2021-0135597
(32)【優先日】2021-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524140400
【氏名又は名称】株式会社 ノバテック
【氏名又は名称原語表記】NOVATECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(U‐TOWER, YEONGDEOK‐DONG) 1113HO, 1112HO, 1111HO, 1101HO, 511HO, 120, HEUNGDEOK JUNGANG‐RO GIHEUNG‐GU, YONGIN‐SI GYEONGGI‐DO 16950, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】チャン,コンヒ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジョンヒョン
【テーマコード(参考)】
5E021
5E321
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA08
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB30
5E021FC21
5E021FC31
5E021FC40
5E021HC27
5E321BB25
5E321BB41
5E321BB53
5E321BB60
5E321GG09
(57)【要約】
遮蔽構造物を備えたRFコネクタを搭載しようとする通信設備と装置の種類や用途に応じて適切な結合力を有するように実現可能であり、着脱が容易で遮蔽機能を有する遮蔽構造物を備えたRFコネクタに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
末端の一部に第1構造のマグネットを含む第1コネクタと、
末端の一部に前記第1構造のマグネットと対面する部位の極性が互いに逆に対応する第2構造のマグネットを含み、前記第1構造のマグネットと前記第2構造のマグネットとの間に発生する磁力により、前記末端が前記第1コネクタの末端と互いに着脱可能に備えられる第2コネクタと、
前記第1構造のマグネットおよび前記第2構造のマグネットが互いに付着する面以外の少なくとも他の一面に備えられる遮蔽構造物と、
を含むことを特徴とする、遮蔽構造物を備えたRFコネクタ。
【請求項2】
前記第1コネクタは、
前記末端の断面を前記第1コネクタの長手方向に貫通する第1シグナル・コンダクタと、
前記第1シグナル・コンダクタを取り囲む絶縁部と、
前記絶縁部の一部の周りに沿って備えられる前記第1構造のマグネットと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の遮蔽構造物を備えたRFコネクタ。
【請求項3】
前記第2コネクタは、
前記末端の断面を前記第2コネクタの長手方向に貫通する第2シグナル・コンダクタと、
前記第2シグナル・コンダクタを取り囲む絶縁部と、
前記絶縁部の一部の周りに沿って備えられる前記第2構造のマグネットと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の遮蔽構造物を備えたRFコネクタ。
【請求項4】
前記第1構造のマグネットおよび前記第2構造のマグネットが引力によって付着すると、
前記第1シグナル・コンダクタおよび前記第2シグナル・コンダクタが互いに密着して電気的に接続することを特徴とする、請求項3に記載の遮蔽構造物を備えたRFコネクタ。
【請求項5】
前記第1構造は、断面全体が第1極性のマグネットで構成され、
前記第2構造は、断面全体が前記第1極性とは逆極性である第2極性のマグネットで構成されることを特徴とする、請求項3に記載の遮蔽構造物を備えたRFコネクタ。
【請求項6】
前記第1構造は、断面を基準に、第1極性のマグネットと、前記第1極性とは逆極性である第2極性のマグネットとが第1方向の側面に隣接して備えられ、
前記第2構造は、断面を基準に、第1極性のマグネットと、前記第1極性とは逆極性である第2極性のマグネットとが第1方向の側面に隣接して備えられることを特徴とする、請求項3に記載の遮蔽構造物を備えたRFコネクタ。
【請求項7】
前記第1構造は、断面を基準に、複数の前記第1極性のマグネットと複数の前記第2極性のマグネットとが第1方向の側面に交互に配置されて多極着磁を形成し、
前記第2構造は、断面を基準に、複数の前記第1極性のマグネットと複数の前記第2極性のマグネットとが第1方向の側面に交互に配置されて多極着磁を形成することを特徴とする、請求項6に記載の遮蔽構造物を備えたRFコネクタ。
【請求項8】
前記第1構造は、断面を基準に、複数の第1極性のマグネットと複数の第2極性のマグネットとが、第1方向、第2方向及び第3方向の少なくとも2つの方向において交互に配置されて多極着磁を形成し、
前記第2構造は、断面を基準に、複数の前記第1極性のマグネットと複数の第2極性のマグネットとが、第1方向、第2方向及び第3方向の少なくとも2つの方向で交互に配置されて多極着磁を形成し、
前記第1方向はX軸方向、前記第2方向はY軸方向、前記第3方向はZ軸方向であることを特徴とする、請求項7に記載の遮蔽構造物を備えたRFコネクタ。
【請求項9】
前記第1コネクタおよび前記第2コネクタは、
前記第1構造のマグネットと前記第2構造のマグネットとの互いに対面する部分が引力によって付着した状態で、外部から加えられる外力によって前記互いに対面する部分が変動することにより発生した斥力によって分離可能な構造であることを特徴とする、請求項6、7及び8のいずれかに記載の遮蔽構造物を備えたRFコネクタ。
【請求項10】
前記遮蔽構造物は、
炭素繊維、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、グラフェン、アルミニウム、チタン、亜鉛、鉄、ニッケル、クロム、コバルト、銅、銀および金のいずれか1つの材料または2つ以上の材料で構成されることを特徴とする、請求項1に記載の遮蔽構造物を備えたRFコネクタ。
【請求項11】
前記遮蔽構造物は、
前記第1構造のマグネットおよび前記第2構造のマグネットの少なくとも1つの底面、内周面および外周面の少なくとも一つの面に密着してカバーすることを特徴とする、請求項1に記載の遮蔽構造物を備えたRFコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮蔽構造物を備えたRFコネクタに関し、RFコネクタを搭載しようとする通信設備と装置の種類や用途に応じて目的に合致する結合力を有するように実現可能であり、着脱が容易で遮蔽機能を有する遮蔽構造物を備えたRFコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯通信機器を使用するユーザの相互通信のための通信網としては、基地局と中継器などの相互間の無線通信およびその通信機器内における有線通信のような有無線が利用されており、有線の場合には各通信装置を接続するためにRF(Radio Frequency)ケーブルが多用されている。
【0003】
また、アパートやビルなどには電話線、超高速インターネット専用線、CATV/MATV用ケーブルなどの電気線以外の様々な通信ケーブルを施工している。
【0004】
最近のホームオートメーション技術の発展に伴い、様々な通信ケーブルを介して各種家電機器の制御及び通信を行う場合も増えている。通信ケーブル施工の増加により、施工後の点検や交換変更が容易でありながらもコストを軽減できる構造が求められている。
【0005】
さらに、無線通信機器は、ますます小型化、高性能化、スリム化して、限られたPCBスペースに多数の部品とともに遮蔽構造物を備えたRFコネクタが装着される。
【0006】
この遮蔽構造物を備えたRFコネクタは信号の反射と歪みが発生する可能性があるので、接続部分を遮蔽して相互干渉しないようにすることが重要である。
【0007】
また、戦争などの有事時の環境では、通信装置を用いる兵士が緊急状況で通信装置を交換変更する場合、遮蔽構造物を備えたRFコネクタの着脱が容易かつ迅速である構造が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は従来の問題を解決するために案出したものであり、RFコネクタを搭載しようとする通信装置の種類や用途に応じて適切な結合力を有するように実現可能であり、着脱が容易で遮蔽機能を有する遮蔽構造物を備えたRFコネクタを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態による遮蔽構造物を備えたRFコネクタは、末端の一部に第1構造のマグネットを含む第1コネクタと、
末端の一部に第1構造のマグネットと対面する部位の極性が互いに逆に対応する第2構造のマグネットを含み、第1構造のマグネットと第2構造のマグネットとの間に発生する磁力により、末端が第1コネクタの末端と互いに着脱可能に備えられる第2コネクタと、
第1構造のマグネットと第2構造のマグネットが互いに付着する面以外の少なくとも他の一面に備えられる遮蔽構造物と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
上述のような本発明の実施形態によるRFコネクタは、着脱部材としてマグネットを採用することにより、通信装置の交換や変更に容易かつ迅速に対応することができる。
【0011】
また、本発明の実施形態による遮蔽構造物を備えたRFコネクタは、遮蔽機能が強化された構造を採用することができる。
【0012】
さらに、本発明によれば、遮蔽構造物を備えたRFコネクタの設計者は、遮蔽構造物を備えたRFコネクタを搭載しようとする通信装置の種類や用途に応じて、マグネットの数またはマグネットをカバーする遮蔽構造物のカバー程度を決定することにより、目的に合致する遮蔽構造物を備えたRFコネクタの結合力を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態による遮蔽構造物を備えたRFコネクタの斜視図である。
図2】本発明の第2実施形態による遮蔽構造物を備えたRFコネクタの斜視図である。
図3】本発明の第3実施形態による遮蔽構造物を備えたRFコネクタの斜視図である。
図4】本発明の第3実施形態による遮蔽構造物を備えたRFコネクタが結合した状態の側断面図である。
図5】本発明の第3実施形態による遮蔽構造物を備えたRFコネクタが結合した状態の断面図である。
図6】本発明の遮蔽構造物を搭載した第1コネクタの側断面図及び断面図である。
図7】本発明の第4実施形態による遮蔽構造物を備えたRFコネクタの斜視図である。
図8】本発明の第4実施形態による遮蔽構造物を備えたRFコネクタが結合した状態の側断面図である。
図9】本発明の遮蔽構造物を搭載した第1コネクタの側断面図及び断面図である。
図10】第1コネクタの一例を示す図である。
図11】本発明の実施形態による遮蔽構造物の一例を示す図である。
図12】本発明の様々な実施形態による遮蔽構造物が搭載された遮蔽構造物を備えたRFコネクタの側断面図の一例を示す図である。
図13】本発明の様々な実施形態による遮蔽構造物が搭載された遮蔽構造物を備えたRFコネクタの側断面図の一例を示す図である。
図14】本発明の様々な実施形態による遮蔽構造物が搭載された遮蔽構造物を備えたRFコネクタの側断面図の一例を示す図である。
図15】本発明の様々な実施形態による遮蔽構造物が搭載された遮蔽構造物を備えたRFコネクタの側断面図の一例を示す図である。
図16】本発明の一実施形態による遮蔽構造物を備えたRFコネクタの活用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による実施形態を添付された図面を参照して説明する。各図面の構成要素に参照符号を付するにあたり、同じ構成要素に対してはたとえ他の図面上に表示されているとしても、可能な限り同じ符号を付するようにしていることに留意すべきである。また、本発明の実施形態を説明するにあたり、関連する公知の構成又は機能に関する具体的な説明が本発明の実施形態に対する理解を妨げると判断された場合、その詳細な説明は省略する。また、下記で本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的思想はこれに限定又は制限されず当業者によって変形されて様々に実施され得る。
【0015】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されるというのは、「直接的に連結」されている場合だけでなく、他の素子を挟んで「間接的に連結」されている場合も含む。明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というのは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態によるRFコネクタの斜視図である。
【0017】
図1を参照すると、第1実施形態によるRFコネクタは、第1コネクタ100と、第2コネクタ200とを含む。
【0018】
ここで、第1コネクタ100及び第2コネクタ200は、RFケーブルとRFケーブルとの接続、又はRFケーブルとアダプタとの接続などを媒介するコネクタを意味する。
【0019】
第1コネクタ100は、末端の一部に第1構造のマグネット140を含む。
【0020】
第2コネクタ200は、末端の一部に第1構造に対応する第2構造のマグネット240を含む。言い換えれば、第2コネクタ200は、末端の一部に第1構造のマグネット140と対面する部位の極性が互いに逆に対応する第2構造のマグネット240を含む。
【0021】
第1構造のマグネット140による極性と、第2構造のマグネット240による極性との間に発生する磁力に基づいて、第1コネクタ100の末端と第2コネクタの末端とが互いに着脱可能な構造となる。
【0022】
第1コネクタ100は、末端の断面を第1コネクタ100の長手方向に貫通する第1シグナル・コンダクタ110と、第1シグナル・コンダクタ110を取り囲む絶縁部130と、絶縁部130の一部の周りに沿って備えられる第1構造のマグネット140と、第1コネクタ100をカバーするハウジング170とを含んで構成することができる。
【0023】
第2コネクタ200は、末端の断面を第2コネクタ200の長手方向に貫通する第2シグナル・コンダクタ210と、第2シグナル・コンダクタ210を取り囲む絶縁部230と、絶縁部230の一部の周りに沿って備えられる第2構造のマグネット240とを含んで構成することができる。
【0024】
具体的には、第1実施形態によるRFコネクタは、第1構造のマグネット140全体を第1極性で構成し、第2構造のマグネット240全体を第1極性とは逆極性である第2極性で構成することができる。すなわち、第1実施形態による第1コネクタ100において、第1構造は、断面全体を例えばS極のマグネットで構成し、第2構造は、断面全体をN極のマグネットで構成することができる。
【0025】
このような構造により、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240との間に引力が発生し、第1コネクタ100と第2コネクタ200が付着することにより、第1シグナル・コンダクタ110と第2シグナル・コンダクタ210を互いに密着して電気的に接続することができる。
【0026】
一実施形態では、第2構造のマグネット240を、ドーナツ形状の第1構造のマグネット140のホール部分に挿入される構造とし、第1コネクタ100と第2コネクタ200を結合して付着することができる。
【0027】
第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240が引力によって付着した状態で、第1コネクタ100と第2コネクタ200を互いに異なる方向に引っ張る外部の力が加わると、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240を分離することができる。これにより、第1シグナル・コンダクタ110と第2シグナル・コンダクタ210の電気的接続を切ることができる。
【0028】
本発明の実施形態では、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240のサイズは特に限定されないが、磁化の方向および空間的配置が磁気力を最大化するように設計される。
【0029】
第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240の材料としては、例えば、フェライト(ferrite)系、アルニコ(Alnico)系、希土類系、ボンド系磁石材料を用いることができる。この他にも、当技術分野で通常使用される磁石の材料であれば特に限定されない。
【0030】
第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240の極の数は特に制限されないが、好ましくは、単極以上、2極以上、4極以上または6極以上であってもよく、16極以下、12極以下、10極以下または8極以下であってもよい。
【0031】
一般的に、極の数が増加するほど磁気力は増加する。しかし、極の数が大きくなりすぎると、第1構造のマグネットの磁場方向が第2構造のマグネットに伝わらない問題が生じることがあり、(後述する実験例によれば)極の数が大きくなるほど磁力の増加幅もますます減少することが分かる。
【0032】
図2は、本発明の第2実施形態によるRFコネクタの斜視図である。
【0033】
第2実施形態のRFコネクタは、図1で説明した第1実施形態と比較して、第1構造のマグネット140および第2構造のマグネット240の構造だけが異なっており、その他の構成はその構造および役割が同様であるので、詳細は前述の説明を参照されたい。
【0034】
図2を参照すると、第2実施形態の第1コネクタ100の構造は、断面を基準に、第1極性のマグネット141と、第1極性とは逆極性である第2極性のマグネット143とが側面に隣接するようにすることができる。言い換えれば、第1極性のマグネット141と第2極性のマグネット143とを第1方向の側面に隣接するように備えることができる。
【0035】
ここで、第1方向はX軸、第2方向はY軸、第3方向はZ軸を意味し得る。
【0036】
第2コネクタ200の構造は、断面を基準に、第1極性のマグネット241と、第1極性とは逆極性である第2極性のマグネット243とを側面に隣接するようにすることができる。言い換えれば、第1極性のマグネット241と第2極性のマグネット243とを第1方向の側面に隣接するように備えることができる。
【0037】
ここで、第1極性がN極であれば第2極性はS極であり、逆に第1極性がS極であれば第2極性はN極であり得る。
【0038】
このような構造により、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240とが対面する部分が互いに異なる極性で対応する場合、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240との間に引力が発生し、第1コネクタ100と第2コネクタ200が付着することにより、第1シグナル・コンダクタ110と第2シグナル・コンダクタ210を互いに密着して電気的に接続することができる。
【0039】
一実施形態として、第2構造のマグネット240を、ドーナツ形状の第1構造のマグネット140のホール部分に挿入される構造とし、第1コネクタ100と第2コネクタ200とを結合することができる。
【0040】
第1コネクタ100と第2コネクタ200とが付着した状態で、外部から第1コネクタ100と第2コネクタ200を所定の角度で捻る外力が発生すると、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240が互いに対面する部分が変動し得る。
【0041】
つまり、第1コネクタ100および第2コネクタ200の少なくとも1つのコネクタを捻る外力により、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240が互いに対面する部分が同じ極性のマグネットで対応することができる。これにより、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240との間に斥力が発生して、第1コネクタ100と第2コネクタ200が互いに押し出す力によって容易に分離することができる。
【0042】
これにより、第1シグナル・コンダクタ110と第2シグナル・コンダクタ210との電気的接続を切ることができる。
【0043】
図3は本発明の第3実施形態によるRFコネクタの斜視図であり、図4は本発明の第3実施形態によるRFコネクタが結合した状態の側断面図であり、図5は本発明の第3実施形態によるRFコネクタが結合した状態の断面図であり、図6は本発明の遮蔽構造物を搭載した第1コネクタの側断面図及び断面図である。
【0044】
第3実施形態のRFコネクタは、同様に図1で説明した第1実施形態と比較して、第1構造のマグネット140および第2構造のマグネット240の構造だけが異なっており、その他の構成はその構造および役割が同様であるので、詳細は前述の説明を参照されたい。
【0045】
図3を参照すると、第3実施形態の第1コネクタ100は、第1構造のマグネット140の断面を基準に、複数の第1極性のマグネット141と複数の第2極性のマグネット143とが第1方向の側面に互いに交互に配置され、第2方向の側面にも少なくとも1つの第1極性のマグネット141と少なくとも1つの第2極性のマグネット143とが付着して多極着磁を形成することができる。
【0046】
第2コネクタ200の第2構造のマグネット240は、断面を基準に、複数の第1極性のマグネット241と複数の第2極性のマグネット243が第1方向の側面に交互に配置され、第2方向の側面にも少なくとも1つの第1極性のマグネット141と少なくとも1つの第2極性のマグネット143とが付着して多極着磁を形成することができる。
【0047】
ここで、第1極性がN極であれば第2極性はS極であり、逆に第1極性がS極であれば第2極性はN極であり得る。
【0048】
図3で説明した実施形態では、1つのコネクタ当たりに4つの第1極性のマグネットと4つの第2極性のマグネットを採用しているが、その数はこれに限定されない。
【0049】
図4及び図5を参照すると、この構造により第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240が対面する部分が互いに異なる極性で対応する場合、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240との間に引力が発生して第1コネクタ100と第2コネクタ200が付着することにより、第1シグナル・コンダクタ110と第2シグナル・コンダクタ210を電気的に接続することができる。
【0050】
一実施形態として、第2構造のマグネット240が、ドーナツ形状の第1構造のマグネット140のホール部分に挿入される構造とし、第1コネクタ100と第2コネクタ200を結合することができる。
【0051】
第1コネクタ100と第2コネクタ200が付着した状態で、外部から第1コネクタ100と第2コネクタ200を所定の角度で捻る外力が発生すると、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240が互いに対面する部分が変動し得る。
【0052】
つまり、第1コネクタ100及び第2コネクタ200の少なくとも一方のコネクタを捻る外力により、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240が互いに対面する部分が同じ極性のマグネットで対応することができる。これにより、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240との間に斥力が発生して、第1コネクタ100と第2コネクタ200が互いに押し出す力によって容易に分離することができる。
【0053】
これにより、第1シグナル・コンダクタ110と第2シグナル・コンダクタ210との電気的接続を切ることができる。
【0054】
本発明の実施形態による機械式磁石RFコネクタにおいて、第1コネクタ100と第2コネクタ200が磁性によって結合する力は、極の数によって変化し得る。
【0055】
例えば、図5に示す結合状態の機械式磁石RFコネクタは、第2方向のA線に沿う断面を基準として極が8個の場合であり、同じ条件で極が4個の場合と単極の場合に対して、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間に発生する引力を実験的に測定してみると、極の数が多い方が、第1コネクタ100と第2コネクタ200が磁性により結合する力が大きくなったことが分かる。
【0056】
このような本発明の実施形態により、RFコネクタの設計者は、遮蔽構造物を備えたRFコネクタを搭載しようとする通信装置の種類や用途に応じてマグネットの数を調整してRFコネクタを備えることにより、着脱が容易でありながらも目的に合致する結合力を有するRFコネクタを実現することができる。
【0057】
図7は本発明の第4実施形態によるRFコネクタの斜視図であり、図8は本発明の第4実施形態によるRFコネクタが結合した状態の側断面図であり、図9は本発明の第4実施形態による遮蔽構造物を備えたRFコネクタが結合した状態の断面図である。
【0058】
第4実施形態のRFコネクタは、第1実施形態と比較して、第1構造のマグネット140および第2構造のマグネット240の構造だけが異なっており、その他の構成はその構造および役割が同様であるので、詳細は前述の説明を参照されたい。
【0059】
図7を参照すると、第4実施形態の第1コネクタ100は、第1構造のマグネット140の断面を基準に、複数の第1極性のマグネット141と複数の第2極性のマグネット143が第1方向の側面に互いに交互に配置され、第3方向の側面にも少なくとも1つの第1極性のマグネット141と少なくとも1つの第2極性のマグネット143が付着して多極着磁を形成することができる。
【0060】
第2コネクタ200の第2構造のマグネット240は、断面を基準に、複数の第1極性のマグネット241と複数の第2極性のマグネット243が第1方向の側面に交互に配置されて多極着磁を形成し、第3方向の側面にも少なくとも1つの第1極性のマグネット141と少なくとも1つの第2極性のマグネット143が付着して多極着磁を形成することができる。
【0061】
ここで、第1極性がN極であれば第2極性はS極であり、逆に第1極性がS極であれば第2極性はN極であり得る。そして、第1方向はX軸、第2方向はY軸、第3方向はZ軸を意味し得る。
【0062】
図7で説明した実施形態では、1つのコネクタ当たりに4つの第1極性のマグネットと4つの第2極性のマグネットを採用しているが、その数はこれに限定されない。例えば、図10は、図7に示す第4実施形態の第1コネクタ100よりも第1方向にさらに多くのマグネット141,143を備える第1コネクタを示している。
【0063】
図7及び図8を参照すると、この構造により第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240が対面する部分が互いに異なる極性で対応する場合、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240との間に引力が発生して第1コネクタ100と第2コネクタ200が付着することにより、第1シグナル・コンダクタ110と第2シグナル・コンダクタ210が互いに密着して電気的に接続することができる。
【0064】
一実施形態として、第2構造のマグネット240が、ドーナツ形状の第1構造のマグネット140のホール部分に挿入される構造とし、第1コネクタ100と第2コネクタ200を結合することができる。
【0065】
第1コネクタ100と第2コネクタ200が付着した状態で、外部から第1コネクタ100と第2コネクタ200とを所定の角度で捻る外力が発生すると、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240が互いに対面する部分が変動し得る。
【0066】
つまり、第1コネクタ100及び第2コネクタ200の少なくとも1つのコネクタを捻る外力により、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240が互いに対面する部分が同じ極性のマグネットで対応することができる。これにより、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240との間に斥力が発生して、第1コネクタ100と第2コネクタ200が互いに押し出す力によって容易に分離することができる。
【0067】
これにより、第1シグナル・コンダクタ110と第2シグナル・コンダクタ210の電気的接続を切ることができる。
【0068】
本発明の実施形態による遮蔽構造物を備えたRFコネクタにおいて、第1コネクタ100と第2コネクタ200が結合する力は、マグネットに密着してカバーする遮蔽構造物によっても影響を受けることができる。
【0069】
具体的には、図11に示すように、第1構造のマグネット140と第2構造のマグネット240が付着する面以外の少なくとも他の一面に遮蔽構造物160を備える場合、遮蔽構造物を備えていない場合よりも磁性の力が大きくなり得る。
【0070】
一例として、遮蔽構造物を備えたRFコネクタに搭載されたマグネットの数と構造が同じである場合、各コネクタの外郭の周りに遮蔽構造物を備えた場合と備えていない場合において、第1コネクタ100と第2コネクタ200との間に発生する引力を実験的に測定してみると、RFコネクタの外郭の周りに遮蔽構造物を備えた場合の方が、備えていない場合と比較して、対面するマグネットの間に発生する磁力がより大きいことが分かる。
【0071】
このような本発明の実施形態により、RFコネクタの設計者は、RFコネクタを搭載しようとする通信装置の種類や用途に応じてマグネットに密着してカバーする遮蔽構造物のカバー程度を調整してRFコネクタを備えることにより、目的に合致する結合力を有するRFコネクタを実現することができる。
【0072】
つまり、RFコネクタ間の着脱部位に備えられたマグネットを密着カバーする遮蔽構造物が、マグネットに密着してカバーする程度によって決定される第1コネクタと第2コネクタとの間の磁性に基づいて、所定の範囲の結合力を実現するRFコネクタを製造することができる。
【0073】
本発明の実施形態による遮蔽構造物は、第1構造のマグネットおよび第2構造のマグネットのうちの少なくとも1つの底面、内周面および外周面のうちの少なくとも一つの面に密着してカバーできる。
【0074】
図12は、遮蔽構造物がマグネット140,240の各底面のみに密着してカバーする遮蔽構造物を備えたRFコネクタの側断面図を示す。図13は、遮蔽構造物がマグネット140,240の各底面及び内周面に密着してカバーする遮蔽構造物を備えたRFコネクタの側断面図を示す。図14は、遮蔽構造物がマグネット140,240の底面及び外周面に密着してカバーする遮蔽構造物を備えたRFコネクタの側断面図を示す。図15は、遮蔽構造物がマグネット140,240の底面、内周面及び外周面に密着してカバーする遮蔽構造物を備えたRFコネクタの側断面図を示す。
【0075】
ここで、遮蔽構造物の材料は、当技術分野で通常使用されるものであれば特に限定されず、例えば、透磁率が高い磁性材料、具体的には、透磁率が高く、かつ磁石の磁力線を遮蔽、反射することができる磁性材料を使用することができる。
【0076】
具体的には、磁気遮蔽部材としては、炭素鋼板(例えば、S45Cなど)、ステンレス鋼板(stainless steel sheet)(例えば、SUS430、SUS304など)、快削鋼板(例えば、SUM21、SUM22など)、冷間圧延鋼板(cold rolled carbon steel sheet、SPCC)、熱間圧延鋼板(hot rolled carbon steel sheet)、ケイ素鋼板などの鋼板がある。また、鋼板をニッケル、亜鉛、銅などの(準)金属もしくは合金で電解めっきするか、または無電解めっきして得られためっき鋼板も磁気遮蔽部材として用いることができる。このめっき鋼板の例としては、冷延亜鉛めっき鋼板、熱延亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板(electrolytic galvanized iron、EGI)、ガルバニウムめっき鋼板(zinc aluminium alloy coated steel sheets)、溶融亜鉛めっき鋼板、電解ニッケルめっき鋼板、無電解ニッケルめっき鋼板、銅めっき鋼板などがある。めっき鋼板のめっき層は単層でも複数層であってもよい。
【0077】
また、遮蔽構造物は表面処理されたものであってもよい。表面処理方法の例としては、クロメート(chromate)処理、リン酸塩皮膜処理(例えば、三リン酸塩皮膜処理)、リン酸クロメート処理などの化成処理;粗化処理などがあるが、これらに限定されない。この表面処理された遮蔽部は、表面エネルギーの増加により熱融着接着層との接着力が増加する。
【0078】
一例として、磁気遮蔽部材が、ニッケルめっき鋼板、電解ニッケルめっき鋼板および無電解ニッケルめっきからなる群より選択される1種であり、このとき、鋼板の表面はクロメート(chromate)処理されたものであってもよい。この場合、熱融着接着層との接着力が向上するだけでなく、耐食性も向上することができる。
【0079】
また、遮蔽構造物の厚さは特に限定されない。
【0080】
遮蔽構造物は、第1構造のマグネットと第2構造のマグネットの底面または上面のみに配置されてもよく、第1構造のマグネットと第2構造のマグネットの側面のみに配置されてもよく、第1構造のマグネットと第2構造のマグネットの側面及び底面の両方に配置されてもよい。
【0081】
遮蔽部を第1構造のマグネットと第2構造のマグネットの最外郭の表面上に適宜配置することにより、磁石の周りの磁場を遮断することができ、場合によっては磁力の大きさを更に最大化することができる。
【0082】
一方、本発明の実施形態による遮蔽構造物を備えたRFコネクタによれば、第1コネクタまたは第2コネクタの着脱機能に異常が発生した場合や製品不良の場合、あるいは結合力を変動させようとする場合に、第1構造のマグネット及び第2構造のマグネット部分のみを除去して交換することができる。つまり、RFケーブル全体を交換する必要なく、第1構造のマグネット及び第2構造のマグネット部分のみを除去して他のものと交換することにより、着脱機能の不良を解消するか、またはコネクタ間の結合力を変化させることができる。ここで、各コネクタからマグネットを取り外して再挿入する方法は、公知の手法を用いることができるので詳細を省略する。
【0083】
このとき、マグネットの少なくとも一つの面に密着してカバーする遮蔽構造物にも変化を与えることができる。例えば、以前は、第1構造のマグネットと第2構造のマグネットの底面のみに遮蔽構造物を備えていたとしたら、RFコネクタの遮蔽機能を高めるために、交換によって第1構造のマグネットと第2構造のマグネットが互いに付着する面以外の全面に密着してカバーする遮蔽構造物を備えてもよい。
【0084】
図16は、本発明の実施形態による遮蔽構造物を備えたRFコネクタの活用例を示す。
【0085】
本発明の実施形態による遮蔽構造物を備えたRFコネクタによれば、戦争などの有事時の環境では、通信装置を用いる兵士が緊急状況で通信装置を交換または変更しなければならない場合に、遮蔽構造物を備えたRFコネクタの着脱を容易かつ迅速に行うことができる。
【0086】
また、図示はしていないが、アパートや建物等に施工される通信ケーブルに対しては、ケーブルの施工後の点検や交換変更が容易でありながらも、問題のケーブルを全体的に交換しなくても本発明のRFコネクタ単位で解決可能であるため経済的にコストを軽減することができる。
【0087】
前述のように、図面と明細書で好適な実施形態を開示した。本明細書で使用した特定の用語は、単に本発明を説明するための目的で使用したものであり、意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使用したものではない。よって、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、前述した実施形態に対する様々な変形が可能であることを理解するはずである。したがって、本発明の技術的保護範囲は添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定められるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、RFコネクタを搭載しようとする通信設備と装置の種類や用途に応じて目的に合致する結合力を有するように実現可能であり、着脱が容易で遮蔽機能を有する遮蔽構造物を備えたRFコネクタに適用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】