(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】高ダイナミックレンジの蛍光撮像を有する外科手術カメラシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/045 20060101AFI20241003BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20241003BHJP
G02B 23/26 20060101ALI20241003BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61B1/045 610
G02B23/24 B
G02B23/26 D
A61B1/00 511
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522620
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-04-15
(86)【国際出願番号】 US2022047042
(87)【国際公開番号】W WO2023069451
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514290052
【氏名又は名称】アースレックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARTHREX, INC.
【住所又は居所原語表記】1370 Creekside Blvd, Naples, FL 34108, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー,マイケル ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】モラレス コレア,エフライン
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040GA05
4C161AA24
4C161CC06
4C161LL03
4C161LL08
4C161QQ04
4C161QQ07
4C161SS21
4C161WW04
4C161WW17
(57)【要約】
光学アセンブリと、第一の低ダイナミックレンジ画像を送信する第一のカラー画像センサと、第二の低ダイナミックレンジ画像を送信する第二のカラー画像センサと、モノクローム画像を送信するモノクローム画像センサと、第一の低ダイナミックレンジ画像および第二の低ダイナミックレンジ画像を受信するための第一のカラー画像センサおよび第二のカラー画像センサに結合されたHDRプロセッサであって、第一の低ダイナミックレンジ画像および第二のダイナミックレンジ画像を高ダイナミックレンジ画像に組み合わせるように構成されているHDRプロセッサと、HDRプロセッサおよびモノクローム画像センサに結合されたコンバイナであって、高ダイナミックレンジ画像をモノクローム画像と組み合わせるように構成されているコンバイナと、を有する内視鏡カメラシステム。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学アセンブリと、
前記光学アセンブリと光学連通している第一のカラー画像センサであって、前記第一の画像センサが、可視光の第一の露出を受信し、第一の低ダイナミックレンジ画像を送信する、第一のカラー画像センサと、
前記光学アセンブリと光学連通している第二のカラー画像センサであって、前記第二の画像センサが、可視光の第二の露出を受信し、第二の低ダイナミックレンジ画像を送信し、第二の露出が第一の露出よりも高い、第二のカラー画像センサと、
前記光学アセンブリと光学連通しているモノクローム画像センサであって、前記モノクローム画像センサが、非可視光の露出を受信し、モノクローム画像を送信する、モノクローム画像センサと、
前記第一の低ダイナミックレンジ画像および前記第二の低ダイナミックレンジ画像を受信するための前記第一のカラー画像センサおよび前記第二のカラー画像センサに結合されたHDRプロセッサであって、前記HDRプロセッサが、前記第一の低ダイナミックレンジ画像および前記第二のダイナミックレンジ画像を高ダイナミックレンジ画像に組み合わせるように構成されているHDRプロセッサと、
前記HDRプロセッサおよび前記モノクローム画像センサに結合されたコンバイナであって、前記コンバイナが、前記高ダイナミックレンジ画像を前記モノクローム画像と組み合わせるように構成されているコンバイナと、を備える内視鏡カメラシステム。
【請求項2】
前記モノクローム画像センサおよび前記コンバイナに結合されたスケーラをさらに備え、前記第一のカラー画像センサおよび前記第二のカラー画像センサがそれぞれ第一の解像度を有し、前記モノクローム画像センサが第二の解像度を有し、前記第二の解像度が前記第一の解像度よりも低く、前記スケーラが、前記高ダイナミックレンジ画像とほぼ同じ解像度を有するように前記モノクローム画像を拡大縮小するように構成されている、請求項1に記載の内視鏡カメラシステム。
【請求項3】
前記モノクローム画像センサおよび前記コンバイナに結合されたスケーラをさらに備え、前記第一のカラー画像センサおよび前記第二のカラー画像センサがそれぞれ約4Kの解像度を有し、前記モノクローム画像センサが約2Kの解像度を有し、前記スケーラが、前記高ダイナミックレンジ画像とほぼ同じ解像度を有するように前記モノクローム画像を拡大縮小するように構成されている、請求項1に記載の内視鏡カメラシステム。
【請求項4】
前記モノクローム画像センサが、近赤外放射を検出するように構成されている、請求項3に記載の内視鏡カメラシステム。
【請求項5】
前記カラー画像センサが、前記モノクローム画像センサの少なくとも約2倍の解像度を有する、請求項1に記載の内視鏡カメラシステム。
【請求項6】
前記カラー画像センサが、前記モノクローム画像センサの約4倍の解像度を有する、請求項5に記載の内視鏡カメラシステム。
【請求項7】
前記モノクローム画像センサが、前記第一のカラー画像センサおよび前記第二のカラー画像センサよりも大きなピクセルサイズを有する、請求項1に記載の内視鏡カメラシステム。
【請求項8】
光学アセンブリと、
前記光学アセンブリと光学連通している第一のカラー画像センサであって、前記第一の画像センサが、可視光の第一の露出を受信し、第一の低ダイナミックレンジ画像を送信する、第一のカラー画像センサと、
前記光学アセンブリと光学連通している第二のカラー画像センサであって、前記第二の画像センサが、可視光の第二の露出を受信し、第二の低ダイナミックレンジ画像を送信し、第二の露出が第一の露出よりも高い、第二のカラー画像センサと、
前記光学アセンブリと光学連通しているモノクローム画像センサであって、前記モノクローム画像センサが、非可視光の露出を受信し、モノクローム画像を送信する、モノクローム画像センサと、
前記第一のカラー画像センサから前記第一の低ダイナミックレンジ画像を受信し、前記第二の画像センサから前記第二の低ダイナミックレンジ画像を受信するためのカラー受信機と、
前記モノクローム画像センサから前記モノクローム画像を受信するためのモノクローム受信機と、
前記第一の低ダイナミックレンジ画像および前記第二の低ダイナミックレンジ画像を受信するためのカラー受信機に結合されたプロセッサであって、前記第一の低ダイナミックレンジ画像および前記第二のダイナミックレンジ画像を高ダイナミックレンジ画像に組み合わせるように構成されているプロセッサと、
前記高ダイナミックレンジ画像の解像度に一致するように、前記モノクローム画像を拡大縮小されたモノクローム画像にスケーリングするために、前記モノクローム受信機に結合されたスケーラと、
前記プロセッサおよび前記スケーラに結合されたコンバイナであって、前記高ダイナミックレンジ画像および前記拡大縮小されたモノクローム画像を組み合わせるように構成されているコンバイナと、を備える内視鏡カメラシステム。
【請求項9】
前記第一のカラー画像センサおよび前記第二のカラー画像センサがそれぞれ約4Kの解像度を有し、前記モノクローム画像センサが約2Kの解像度を有する、請求項8に記載の内視鏡カメラシステム。
【請求項10】
前記モノクローム画像センサが、近赤外放射を検出するように構成されている、請求項8に記載の内視鏡カメラシステム。
【請求項11】
前記カラー画像センサが、前記モノクローム画像センサの少なくとも約2倍の解像度を有する、請求項8に記載の内視鏡カメラシステム。
【請求項12】
前記カラー画像センサが、前記モノクローム画像センサの約4倍の解像度を有する、請求項8に記載の内視鏡カメラシステム。
【請求項13】
前記モノクローム画像センサが、前記第一のカラー画像センサおよび前記第二のカラー画像センサよりも大きなピクセルサイズを有する、請求項8に記載の内視鏡カメラシステム。
【請求項14】
前記第一のカラー画像センサが、前記第二のカラー画像センサとは異なる解像度を有し、前記システムが、前記カラー画像の前記解像度に一致するように少なくとも一つのカラー画像をスケーリングするために、前記第一のカラー画像センサおよび前記第二のカラー画像センサのうちの少なくとも一つに結合されたカラースケーラをさらに備える、請求項8に記載の内視鏡カメラシステム。
【請求項15】
画像を生成する方法であって、
第一の露出を有する第一のカラー画像センサから第一のカラー画像を受信する工程と、
第二の露出を有する第二のカラー画像センサから第二のカラー画像を受信する工程であって、前記第二の露出が前記第一の露出とは異なる、受信する工程と、
非可視光を検知するように構成されたモノクローム画像センサからモノクローム画像を受信する工程と、
前記第一のカラー画像および前記第二のカラー画像を組み合わせて、高ダイナミックレンジ画像を作製する工程と、
前記高ダイナミックレンジ画像を前記モノクローム画像と組み合わせる工程と、を含む、方法。
【請求項16】
前記カラー画像センサが、前記モノクローム画像センサの約4倍の解像度を有し、前記方法が、前記高ダイナミックレンジ画像との組み合わせの前に、前記モノクローム画像を拡大縮小する工程をさらに含む、請求項15に記載の画像を生成する方法。
【請求項17】
前記カラー画像センサが、前記モノクローム画像センサの約2倍の解像度を有し、前記方法が、前記高ダイナミックレンジ画像との組み合わせの前に、前記モノクローム画像を拡大縮小する工程をさらに含む、請求項15に記載の画像を生成する方法。
【請求項18】
前記カラー画像センサが約4Kの解像度を有し、前記モノクローム画像センサが約2Kの解像度を有し、前記方法が、前記高ダイナミックレンジ画像との組み合わせの前に、前記モノクローム画像を拡大縮小する工程をさらに含む、請求項15に記載の画像を生成する方法。
【請求項19】
前記モノクローム画像センサが、前記第一のカラー画像センサおよび前記第二のカラー画像センサよりも大きなピクセルサイズを有する、請求項15に記載の画像を生成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内視鏡外科手術で使用される装置に関し、より具体的には、高ダイナミックレンジの蛍光検出を用いて画像を生成するための内視鏡カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
シーンのダイナミックレンジは、シーンの最も明るい部分とシーンの最も暗い部分の放射輝度の比として定義され得る。これらの放射輝度は、固有ダイナミックレンジを有する撮像センサによって検出される。固有ダイナミックレンジは、最大検出シーン放射輝度と最小検出シーン放射輝度の比として定義することができる。最大値は、ピクセルウェル深度に強く依存し、最小値は、暗電流ノイズおよび読み取りノイズに強く依存する。ほとんどの既存の画像センサの固有ダイナミックレンジよりも大きなダイナミックレンジを有する画像を有することが望ましい。可視光検出に加えて、外科医は外科手術処置において蛍光を検出することがよくある。
【0003】
先行技術の欠点を改善する、高ダイナミックレンジの蛍光画像を提供するシステムおよび方法に対するニーズがある。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、二つの低ダイナミックレンジ画像および蛍光画像を単一の高ダイナミックレンジ画像に組み合わせるためのシステムおよび方法を対象とする。加えて、本開示は、二つの低ダイナミックレンジ画像および蛍光画像を異なる解像度で単一の高ダイナミックレンジ画像に組み合わせるためのシステムおよび方法を対象とする。
【0005】
一実装では、内視鏡カメラシステムは、光学アセンブリを有する。第一のカラー画像センサは、光学アセンブリと光学連通しており、第一の画像センサは、可視光の第一の露出を受信し、第一の低ダイナミックレンジ画像を送信する。第二のカラー画像センサもまた、光学アセンブリと光学連通しており、第二の画像センサは、可視光の第二の露出を受信し、第二の低ダイナミックレンジ画像を送信し、第二の露出は、第一の露出よりも高い。モノクローム画像センサもまた光学アセンブリと光学連通しており、モノクローム画像センサは、非可視光の露出を受信し、モノクローム画像を送信する。HDRプロセッサは、第一の低ダイナミックレンジ画像および第二の低ダイナミックレンジ画像を受信するための第一のカラー画像センサおよび第二のカラー画像センサに結合される。HDRプロセッサは、第一の低ダイナミックレンジ画像および第二のダイナミックレンジ画像を高ダイナミックレンジ画像に組み合わせるように構成されている。コンバイナは、HDRプロセッサおよびモノクローム画像センサに結合され、コンバイナは、高ダイナミックレンジ画像をモノクローム画像と組み合わせるように構成されている。
【0006】
一実装では、第一のカラー画像センサおよび第二のカラー画像センサはそれぞれ、第一の解像度を有し、モノクローム画像センサは、第二の解像度を有し、第二の解像度は、第一の解像度よりも低い。システムは、モノクローム画像センサおよびコンバイナに結合されたスケーラを有する。スケーラは、高ダイナミックレンジ画像とほぼ同じ解像度を有するように、モノクローム画像を拡大縮小するように構成されている。第一のカラー画像センサおよび第二のカラー画像センサはそれぞれ、約4Kの解像度を有してもよく、モノクローム画像センサは約2Kの解像度を有してもよい。カラー画像センサは、モノクローム画像センサの少なくとも約2倍の解像度を有してもよい。カラー画像センサは、モノクローム画像センサの少なくとも約4倍の解像度を有してもよい。モノクローム画像センサは、第一のカラー画像センサおよび第二のカラー画像センサよりも大きなピクセルサイズを有してもよい。随意に、モノクローム画像センサは、近赤外放射を検出するように構成されている。
【0007】
一実装では、内視鏡カメラシステムは、光学アセンブリを有する。第一のカラー画像センサは、光学アセンブリと光学連通しており、第一の画像センサは、可視光の第一の露出を受信し、第一の低ダイナミックレンジ画像を送信する。第二のカラー画像センサは、光学アセンブリと光学連通しており、第二の画像センサは、可視光の第二の露出を受信し、第二の低ダイナミックレンジ画像を送信し、第二の露出は、第一の露出よりも高い。モノクローム画像センサは光学アセンブリと光学連通しており、モノクローム画像センサは、非可視光の露出を受信し、モノクローム画像を送信する。
【0008】
カラー受信機は、第一のカラー画像センサから第一の低ダイナミックレンジ画像を受信し、第二の画像センサから第二の低ダイナミックレンジ画像を受信する。モノクローム受信機は、モノクローム画像センサからモノクローム画像を受信する。プロセッサは、第一の低ダイナミックレンジ画像および第二の低ダイナミックレンジ画像を受信するためのカラー受信機に結合され、プロセッサは、第一の低ダイナミックレンジ画像および第二のダイナミックレンジ画像を高ダイナミックレンジ画像に組み合わせるように構成されている。スケーラは、高ダイナミックレンジ画像の解像度に一致するように、モノクローム画像を拡大縮小されたモノクローム画像にスケーリングするために、モノクローム受信機に結合される。コンバイナは、プロセッサおよびスケーラに結合され、コンバイナは、高ダイナミックレンジ画像および拡大縮小されたモノクローム画像を組み合わせるように構成されている。
【0009】
一実装では、第一のカラー画像センサおよび第二のカラー画像センサはそれぞれ、約4Kの解像度を有し、モノクローム画像センサは約2Kの解像度を有する。随意に、モノクローム画像センサは、近赤外放射を検出するように構成されている。随意に、カラー画像センサは、モノクローム画像センサの少なくとも約2倍の解像度を有する。随意に、カラー画像センサは、モノクローム画像センサの少なくとも約4倍の解像度を有する。随意に、モノクローム画像センサは、第一のカラー画像センサおよび第二のカラー画像センサよりも大きなピクセルサイズを有する。随意に、第一のカラー画像センサは、第二のカラー画像センサとは異なる解像度を有し、システムは、カラー画像の解像度に一致するように少なくとも一つのカラー画像をスケーリングするために、第一のカラー画像センサおよび第二のカラー画像センサのうちの少なくとも一つに結合されたカラースケーラをさらに有する。
【0010】
本開示はまた、第一の露出を有する第一のカラー画像センサから第一のカラー画像を受信する工程と、第二の露出を有する第二のカラー画像センサから第二のカラー画像を受信する工程であって、第二の露出が第一の露出とは異なる、工程と、非可視光を検知するように構成されたモノクローム画像センサからモノクローム画像を受信する工程と、第一のカラー画像および第二のカラー画像を組み合わせて、高ダイナミックレンジ画像を作製する工程と、高ダイナミックレンジ画像をモノクローム画像と組み合わせる工程と、を有する、画像を生成する方法を対象とする。カラー画像センサは、モノクローム画像センサの約4倍の解像度を有してもよく、方法は、高ダイナミックレンジ画像との組み合わせの前に、モノクローム画像を拡大縮小する工程を有してもよい。一実装では、カラー画像センサは、モノクローム画像センサの約2倍の解像度を有する。一実装では、カラー画像センサは、約4Kの解像度を有し、モノクローム画像センサは約2Kの解像度を有する。モノクローム画像センサは、第一のカラー画像センサおよび第二のカラー画像センサよりも大きなピクセルサイズを有してもよい。
【0011】
これらおよびその他の特徴を以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本開示の特徴、態様および利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲および添付図面に関してよりよく理解されるようになるであろう。
【0013】
【
図1】
図1は、一実装による内視鏡カメラシステムの概略図である。
【0014】
【
図2】
図2は、一実装に従って高ダイナミックレンジの蛍光画像を作製するための方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
好ましい実施の以下の説明では、添付図面への参照を行い、これらの添付図面は、例示として、本開示が実施され得る特定の実施を示している。当然のことながら、本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施を利用し得、構造的および機能的変更を行い得る。
【0016】
本開示は、高ダイナミックレンジおよび蛍光画像を生成するためのシステムおよび方法を対象とする。
【0017】
図1を参照すると、一実装による内視鏡カメラシステム10は、カメラヘッド12を有する。カメラヘッド12は、内視鏡14に結合される。カメラヘッド12は、ボタン、スイッチまたはダイヤルなどの入力装置を有してもよい。カメラヘッド12は、カメラコントローラ16(「CCU」または「カメラコントローラ」)に接続可能である。カメラヘッド12およびカメラコントローラ16は、ワイヤを介して接続されて、カメラとカメラコントローラの間のデータ転送を容易にしてもよい。カメラ12およびカメラコントローラ16はまた、IEEE 802.11bもしくはIEEE 802.11nまたは超広帯域(UWB)を介してなど、無線接続されて、データ転送を容易にしてもよい。カメラコントローラ16は、マウス、キーボード、タッチパッド、またはタッチスクリーンモニターなどの少なくとも一つの入力装置18に接続可能であってもよい。加えて、カメラコントローラ20は、ディスプレイ20と、画像を記憶するためなどの記憶装置22とに接続可能であってもよい。
【0018】
一実装では、プリズムアセンブリなどの光学素子24、モノクローム画像センサ26、第一のカラー画像センサ28および第二のカラー画像センサ30が、カメラヘッド12の内部に位置付けられる。画像光は、内視鏡14を通してプリズムアセンブリ24上に向けられる。代替的な実装では、光学素子24、モノクローム画像センサ26、第一のカラー画像センサ28、および第二のカラー画像センサ30は、内視鏡14の遠位端32の近位に位置付けられる。カメラヘッド12は光源34に結合されてもよい。追加の実装では、光源は、カメラヘッド12または内視鏡14の内部に位置付けられてもよい。
【0019】
光源34はランプを含む。ランプは例えば、視野を照明するためのレーザーまたはLEDなどの半導体光源であってもよい。光源36は、ビデオカメラの視野を適切に照明するように構成されている。さらに、発生した光ならびにカメラ感度は、可視スペクトルを超えて延在しうる。照明は、標的において、またはインドシアニングリーンなどの蛍光物質において蛍光を直接励起することが意図されている場合があり、これは次いで、モノクローム画像センサ26によって検知される。例えば、光源34は、近赤外(NIR)範囲内の照明を生成し得、モノクローム画像センサ26は、より長いIR波長で蛍光を検知する。照明およびカメラ感度は、UVからNIRまで継続的に延在する可能性があるか、または別個のナローバンドから成る可能性がある。
【0020】
モノクローム画像センサ26、第一のカラー画像センサ28、および第二のカラー画像センサ30の各々は、例えば、電荷結合素子(CCD)センサまたは相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサであってもよい。画像センサは同一である必要はなく、異なる特性を有してもよい。好ましい実装では、モノクローム画像センサ26は、近赤外および赤外光などの非可視光の検出に使用される2kセンサであり、第一のカラー画像センサ28および第二のカラー画像センサ30の各々は、4kセンサである。追加の実装では、第一のカラー画像センサ28および第二のカラー画像センサ30は、互いに異なる解像度を有する。例えば、一実装では、第一のカラー画像センサ28は4kセンサであり、第二のカラー画像センサ30は2kセンサであり、モノクローム画像センサ26は2kセンサである。
【0021】
一実装では、第一のカラー画像センサ28および第二の画像センサ30は、異なる量の光を受信する。第一のカラー画像センサ28がより低い露出を受信し、したがって低露出画像を生成する低露出センサであり、第二のカラー画像センサ30がより高い露出を受信し、したがって高露出画像を生成する高露出センサであるように、光学素子24は光を向けてもよい。一実装では、光学素子24は、約10%~約40%の光を第一のカラー画像センサ28に、約60%~約90%の光を第二のカラー画像センサ30に向ける。一実装では、光学素子24は、約10%~約20%の光を第一のカラー画像センサ28に、約80%~約90%の光を第二のカラー画像センサ30に向ける。一実装では、光学素子24は、約10%の光を第一のカラー画像センサ28に、約90%の光を第二のカラー画像センサ30に向ける。追加の実装では、第一のカラー画像センサ28および第二のカラー画像センサ30のうちの少なくとも一つは、露出を制御するための光学コーティングを有する。追加の実装では、第一のカラー画像センサ28および第二のカラー画像センサ30のうちの少なくとも一つの積分時間は、独立して制御されて露出を制御する。
【0022】
別の方法として、第一のカラー画像センサ28は、より高い露出を受信してもよく、第二のカラー画像センサ30は、より低い露出を受信してもよい。第一のカラー画像センサ28および第二のカラー画像センサ30の各々は、比較的低いダイナミックレンジ画像を生成する。両方のセンサからの画像を組み合わせて、高ダイナミックレンジを有する単一の画像を作成する。高ダイナミックレンジを有する単一の画像を作成するための組み合わせは、比較的低いダイナミックレンジ画像からRGB画像それぞれを作成する前または後に実施することができる。次いで、高ダイナミックレンジ画像を、ディスプレイの範囲にトーンマッピングすることができる。組み合わせおよびトーンマッピングの方法は、比較的低いダイナミックレンジ画像から高ダイナミックレンジを作成および表示する当技術分野で公知のものから選択することができる。
【0023】
例えば、限定されるものではないが、二つの比較的低いダイナミックレンジ画像を高ダイナミックレンジ画像に組み合わせるための方法は、Paul E. Debevec and Jitendra Malik, “Recovering High Dynamic Range Radiance Maps From Photographs”, ACM SISGRAPH 2008 Classes, Article 31, Pages 1-10、M.A. Robertson, S. Borman and R.L. Stevenson, “Dynamic Range Improvement Through Multiple Exposures”, 1999 International Conference on Image Processing. IEEE, 1999、およびTom Mertens, Jan Kautz and Frank Van Reeth, “Exposure fusion”, 15th Pacific Conference on Computer Graphics and Applications, IEEE 2007に記載される方法の一部を含み得るが、その各々の全内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0024】
各センサの電力消費量は、アクティブピクセルの数に正比例する。4kセンサは、典型的には3840×2160のアクティブピクセルを有し、約600mWを消費する一方、2kセンサは、典型的には1920×1080のアクティブピクセルを有し、約300mW以下を消費する。内視鏡カメラシステムでは、カメラヘッドは、長時間にわたってユーザによって保持され、より高温のカメラヘッド(著しい電力を引き出すカメラヘッド)は不快であり、余分な疲労を引き起こす場合がある。電力消費量を低く保ち、安全基準を満たすためにカメラヘッドを低温に保つことも必要である。
【0025】
近赤外波長はより長いため、ピクセルサイズがより小さい4kセンサを使用する利点は、2k画像センサを超えて画像品質を改善しない場合がある。二つの4kカラー画像センサを、非可視光用の一つの2kモノクロームセンサと組み合わせることによって、構成は、画像品質を損なうことなく、電力使用を最適化する。
【0026】
また、より大きなピクセルを有する2kセンサを使用することにも利点がある。典型的には、ピクセルサイズが大きいほど、画像センサの感度(信号対ノイズ比)はより良好になる。NIR信号が弱い内視鏡処置については、より大きなピクセルサイズは利点である。各センサが同じ光学形式(1/3インチなど)を有する、可視光用の二つの4kカラーセンサと非可視光用の一つの2kセンサとの組み合わせは、カメラヘッドの電力消費、可視光画像品質、およびNIR光感度のために有利な構成を提供する。
【0027】
カメラコントローラ16は、広範囲の制御、ユーザーインターフェース、および画像取得/処理機能に対応するのに十分な処理能力を包含する、プログラム可能なユニットであることが好ましい。カメラコントローラ16は、モノクローム画像センサ26からデータを受信するためのモノクローム受信機36を有する。カメラコントローラ16はまた、第一のカラーセンサ28および第二のカラーセンサ30からデータを受信するためのカラー受信機38を有する。HDRプロセッサ40は、第一のカラーセンサ28および第二のカラーセンサ30からの画像を組み合わせて、HDR画像を作成する。
【0028】
スケーラ42は、2Kモノクロームセンサからの2K画像を4K画像に拡大縮小する。実装では、スケーラ42は、行および列の倍加、または他の補間方法によってなど、2kセンサデータレートを4kデータレートにリタイミングする。一実装では、スケーラ42は、多相スケーリングまたは他のリサンプリング方法などによって、可視光画像の見かけのサイズに一致するように、結果として得られるNIR画像を拡大縮小する。この拡大縮小工程は、光路の特性を考慮すると、同時焦点要件を満たすことが望ましい(可視光画像焦点およびNIR画像焦点が、単一焦点ノブを使用して同じ点にある)。第一のカラー画像センサおよび第二のカラー画像センサからの画像を組み合わせる前に、第一のカラー画像センサ28および第二のカラー画像センサ30が、互いに異なる解像度を有する場合、類似のカラースケーラが使用されてもよい。
【0029】
画像コンバイナ44は、拡大縮小された非可視光画像を高ダイナミックレンジ可視光画像と組み合わせて、HDRおよびNIR画像を生成する。次に、結果として得られる画像は、ディスプレイ20に送信されてもよく、または記憶装置22上などに保存されてもよい。モノクローム受信機36、カラー受信機38、HDRプロセッサ40、スケーラ42、および画像コンバイナ44は、別個の要素として図示されているが、これらの要素のうちの一つ以上が、単一のプロセッサに組み合わせられてもよい。
【0030】
図2を参照すると、本開示はまた、高ダイナミックレンジの蛍光画像を生成するための方法を対象とする。工程50で、画像が第一のカラー画像センサ28および第二のカラー画像センサ30から受信される。検出された非可視光の画像(近赤外蛍光の画像など)は、工程52でモノクローム画像センサ26から受信される。工程54で、第一のカラー画像センサ28および第二のカラー画像センサ30から受信した画像を組み合わせて、高ダイナミックレンジ画像を作成する。工程56で、モノクローム画像は、高ダイナミックレンジ画像とほぼ同じ解像度を有するように拡大縮小される。最後に、工程58で、拡大縮小されたモノクローム画像を高ダイナミックレンジ画像と組み合わせて、高ダイナミックレンジおよび検出された非可視光の両方を有する最終画像を生成する。その後、最終画像を表示および保存することができる。
【0031】
先行技術に関連するデメリットを完全かつ効果的に克服する、高ダイナミックレンジの蛍光画像を作製するシステムおよび方法が、上記説明および図面に開示されている。しかしながら、本開示の実施の変形および修正が、本開示の原理から逸脱することなく行われてもよいことが明らかであろう。本明細書における実施の提示は、限定としてではなく、例示としてのみ提供され、本開示の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【国際調査報告】