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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】インプラント展開装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/04 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A61B17/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024522677
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-04-16
(86)【国際出願番号】 KR2022016892
(87)【国際公開番号】W WO2023080592
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0148759
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523117292
【氏名又は名称】オステオニック シーオー エルティディー
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】イ、ドンウォン
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ウィシク
(72)【発明者】
【氏名】クウォン、ヨンフン
(72)【発明者】
【氏名】ムン、ドンウク
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB30
4C160MM32
(57)【要約】
切開手術を行わないながらも、安定的にインプラントを破裂部位に展開できるインプラント展開装置を提供する。本発明は、一方向に長い形状で内部に形成された空間を含むボディー部と、一端部は、前記ボディー部の一端部と結合し、他端部には、決められた長さで形成された長さ方向のスリットが形成された中空状のニードルと、前記ボディー部の内部空間で前記ニードル方向である前方及びニードルの反対方向である後方へ移動可能に収容され、一部は、前記ニードルの中空部に収容され、残りの一部は、ボディー部の内部に収容される一方向に長い形状のプッシュロッドと、前記プッシュロッドと結合し、係止爪と収容溝とを含むスライダーを備えるプッシュ部と、前記係止爪に係止され、前記スライダーが後方へ移動することを制限する第1の位置と、前記係止爪の係止が解除され、前記収容溝に挿入されて、前記スライダーが後方へと決められた距離の分だけ移動することを許容する第2の位置との間で回転するカムロッドとを備えるインプラント展開装置を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に長い形状で内部に形成された空間を含むボディー部と、
一端部は、前記ボディー部の一端部と結合し、他端部には、決められた長さで形成された長さ方向のスリットが形成された中空状のニードルと、
前記ボディー部の内部空間で前記ニードル方向である前方及び前記ニードルの反対方向である後方へ移動可能に収容され、一部は、前記ニードルの中空部に収容され、残りの一部は、ボディー部の内部に収容される一方向に長い形状のプッシュロッドと、前記プッシュロッドと結合し、係止爪と収容溝とを含むスライダーを備えるプッシュ部と、
前記係止爪に係止され、前記スライダーが後方へ移動することを制限する第1の位置と、前記係止爪の係止が解除され、前記収容溝に挿入されて、前記スライダーが後方へと決められた距離の分だけ移動することを許容する第2の位置との間で回転するカムロッドと、を備え、
第1のインプラントは、前記ニードルの他端部に配置されて、前記プッシュロッドが前方へ移動するにつれてプッシュロッドにより加圧されて患部に展開され、
第2のインプラントは、前記ニードルの他端部のうち、前記第1のインプラントの後方に配置され、前記第2のインプラントの下部がプッシュロッドにより支持され、前記第2のインプラントの上部は、前記ニードルのスリットに収容されるように構成された、
インプラント展開装置。
【請求項2】
前記スライダーが後方へ移動するように弾性加圧する弾性加圧手段をさらに備える請求項1に記載のインプラント展開装置。
【請求項3】
前記ボディー部の外部に露出したハンドルを備え、前記ボディー部を貫通した状態でスライダーと結合してプッシュ部とともに移動するプッシュハンドルをさらに備え、プッシュハンドルを前方や後方へ移動させることでプッシュ部が移動する請求項1又は2に記載のインプラント展開装置。
【請求項4】
前記カムロッドを回転させ得るように一部はボディー部の外部に露出し、一部はボディー部を貫通してカムロッドと結合する回転レバーをさらに備え、回転レバーを回転させてカムロッドを第1の位置または第2の位置に回転させる請求項1又は2に記載のインプラント展開装置。
【請求項5】
前記カムロッドを回転させ得るように一部はボディー部の外部に露出し、一部はボディー部を貫通してカムロッドと結合する回転レバーをさらに備え、回転レバーを回転させてカムロッドを第1の位置または第2の位置に回転させる請求項3に記載のインプラント展開装置。
【請求項6】
前記ボディー部の一端部でニードルと結合し、ボディー部の長さ方向へ移動可能に設けられる長さ調整部材をさらに備え、
前記ニードルは、前記長さ調整部材により前方へ移動可能である請求項1又は2に記載のインプラント展開装置。
【請求項7】
前記ボディー部の一端部でニードルと結合し、ボディー部の長さ方向へ移動可能に設けられる長さ調整部材をさらに備え、
前記ニードルは、前記長さ調整部材により前方へ移動可能である請求項3に記載のインプラント展開装置。
【請求項8】
前記ボディー部と長さ調整部材とには、長さ調整部材が前方へ移動することは許容し、後方へ移動することは制限する制限手段が形成される請求項6に記載のインプラント展開装置。
【請求項9】
前記ボディー部と長さ調整部材とには、長さ調整部材が前方へ移動することは許容し、後方へ移動することは制限する制限手段が形成される請求項7に記載のインプラント展開装置。
【請求項10】
前記制限手段は、
前記ボディー部に形成される直角三角形の歯車状の第1の歯車と、
前記長さ調整部材に形成され、第1の歯車に噛み合う直角三角形の歯車状の第2の歯車と、
を備え、
長さ調整部材がニードル方向へ移動するときは、第2の歯車が弾性変形されながら長さ調整部材が移動でき、反対方向の移動は、第2の歯車が第1の歯車に係止されて防止される請求項8に記載のインプラント展開装置。
【請求項11】
前記制限手段は、
前記ボディー部に形成される直角三角形の歯車状の第1の歯車と、
前記長さ調整部材に形成され、第1の歯車に噛み合う直角三角形の歯車状の第2の歯車と、
を備え、
長さ調整部材がニードル方向へ移動するときは、第2の歯車が弾性変形されながら長さ調整部材が移動でき、反対方向の移動は、第2の歯車が第1の歯車に係止されて防止される請求項9に記載のインプラント展開装置。
【請求項12】
前記プッシュロッドのニードル側端部の上面は平面であり、前記第2のインプラントの下面は平面であり、第2のインプラントの下面がプッシュロッドの端部上面に支持される請求項1又は2に記載のインプラント展開装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプラント展開装置に関し、詳細には、膝軟骨(meniscus)破裂の際、破裂部位に縫合のためのインプラントを展開するインプラント展開装置に関する。
【背景技術】
【0002】
軟骨(soft tissue)破裂復旧は、関節鏡手術が普遍化される傾向であり、膝軟骨(meniscus)破裂の際、病変部位を微細切開したり、関節内視鏡で病変部位を確認した後、破裂部位に縫合糸(suture)がついたインプラント(implant)を固定した後、縫合糸で固定する方式にて病変部位を治療している。
【0003】
前記インプラントには、縫合糸が固定連結されることによって病変部位を縫合させるが、このとき、インプラントを病変部位に展開するためのカニューレ(cannular)形態の展開装置(deployment device)を使用する。
【0004】
前記インプラント展開装置は、病変部位に展開されたインプラントに固定連結された縫合糸を介して病変部位を縫合した後、縫合糸の長さを最小化した状態で切断(cutting)するためのカッター(cutter)をさらに備える。
【0005】
一例として、インプラントは、一対で構成されることができ、前記インプラント展開装置は、手術者(外科医師)が病変部位に対してインプラント展開装置を利用してインプラントを展開するにあたり、インプラント展開装置が最小限の部位を切開しつつも、安定的にインプラントを展開できるかが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、切開手術を行わないながらも、安定的にインプラントを破裂部位に展開できるインプラント展開装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一方向に長い形状で内部に形成された空間を含むボディー部と、一端部は、前記ボディー部の一端部と結合し、他端部には、決められた長さで形成された長さ方向のスリットが形成された中空状のニードルと、前記ボディー部の内部空間で前記ニードル方向である前方及びニードル反対方向である後方へ移動可能に収容され、一部は、前記ニードルの中空部に収容され、残りの一部は、ボディー部の内部に収容される一方向に長い形状のプッシュロッドと、前記プッシュロッドと結合し、係止爪と収容溝とを含むスライダーを備えるプッシュ部と、前記係止爪に係止され、前記スライダーが後方へ移動することを制限する第1の位置と、前記係止爪の係止が解除され、前記収容溝に挿入されて、前記スライダーが後方へと決められた距離の分だけ移動することを許容する第2の位置との間で回転するカムロッドとを備え、第1のインプラントは、前記ニードルの他端部に配置されて、前記プッシュロッドが前方へ移動するにつれてプッシュロッドにより加圧されて患部に展開され、第2のインプラントは、前記ニードルの他端部のうち、前記第1のインプラントの後方に配置され、前記第2のインプラントの下部がプッシュロッドにより支持され、前記第2のインプラントの上部は、前記ニードルのスリットに収容されるように構成されたインプラント展開装置を提供する。
【0008】
一実施形態において、前記インプラント展開装置は、前記スライダーが後方へ移動するように弾性加圧する弾性加圧手段をさらに備える。
【0009】
また、前記インプラント展開装置は、前記ボディー部の外部に露出したハンドルを備え、前記ボディー部を貫通した状態でスライダーと結合してプッシュ部とともに移動するプッシュハンドルをさらに備えて、プッシュハンドルを前方や後方へ移動させてプッシュ部が移動され得る。
【0010】
また、前記インプラント展開装置は、前記カムロッドを回転させ得るように一部はボディー部の外部に露出し、一部はボディー部を貫通してカムロッドと結合する回転レバーをさらに備え、回転レバーを回転させてカムロッドを第1の位置または第2の位置に回転させることができる。
【0011】
また、前記インプラント展開装置は、前記ボディー部の一端部でニードルと結合し、ボディー部の長さ方向へ移動可能に設けられる長さ調整部材をさらに備えることができる。
【0012】
また、前記ニードルは、前記長さ調整部材により前方へ移動可能であることができる。
【0013】
また、前記ボディー部と長さ調整部材とには、長さ調整部材が前方へ移動することは許容し、後方へ移動することは制限する制限手段が形成されることが好ましい。
【0014】
一実施形態において、前記制限手段は、前記ボディー部に形成される直角三角形の歯車状の第1の歯車と、前記長さ調整部材に形成され、第1の歯車に噛み合う直角三角形の歯車状の第2の歯車とを備え、長さ調整部材がニードル方向へ移動するときは、第2の歯車が弾性変形されながら長さ調整部材が移動でき、反対方向の移動は、第2の歯車が第1の歯車に係止されて防止されることができる。
【0015】
一実施形態において、前記プッシュロッドのニードル側端部の上面は平面であり、前記第2のインプラントの下面は平面であり、第2のインプラントの下面がプッシュロッドの端部上面に支持され得る。
【発明の効果】
【0016】
本発明のインプラント展開装置によれば、切開手術せずに、最小侵襲方法にて安定的に破裂部位を縫合できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るインプラント展開装置の斜視図である。
図2図1に示されたインプラント展開装置の断面図である。
図3】プッシュ部が前方へ移動することを説明するための図である。
図4】カムロッドが第2の位置に回転してプッシュ部が後方へ移動することを説明するための図である。
図5】プッシュ部が前方へ移動して第1のインプラントが展開されることを説明するための図である。
図6】カムロッドが第2の位置に回転した状態でプッシュ部が後方へ移動して、第2のインプラントが下方へ移動することを説明するための図である。
図7】カムロッドが第2の位置に回転した状態でプッシュ部が後方へ移動して、第2のインプラントが下方へ移動することを説明するための図である。
図8】長さ調整部材が前方へ移動したことを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の望ましい実施形態を添付された図面を参照して詳細に説明することで、本発明を実施するための具体的な内容を提供する。
【0019】
各図面の構成要素等に参照符号を付加するにあたり、同じ構成要素等に対しては、例え他の図面上に表示されても、なるべく同じ符号を付す。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に係るインプラント展開装置の斜視図、図2は、図1に示されたインプラント展開装置の断面図、図3は、プッシュ部が前方へ移動することを説明するための図、図4は、カムロッドが第2の位置に回転してプッシュ部が後方へ移動することを説明するための図、図5は、プッシュ部が前方へ移動して第1のインプラントが展開されることを説明するための図、図6及び図7は、カムロッドが第2の位置に回転した状態でプッシュ部が後方へ移動して、第2のインプラントが下方へ移動することを説明するための図、図8は、長さ調整部材が前方へ移動したことを示した図である。
【0021】
本実施形態に係るインプラント展開装置は、ボディー部10、ニードル20、プッシュ部30、プッシュハンドル40、弾性加圧手段50、カムロッド60、回転レバー70、第1のインプラント80、第2のインプラント90を備える。
【0022】
前記ボディー部10は、図1に示されたように、一方向に長い形状で内部に形成された空間を含み、空間には、プッシュ部30のスライダー31、弾性加圧手段50、カムロッド60などの構成が収容される。
【0023】
ボディー部10は、長さ調整部材100及び制限手段110を備える。
【0024】
前記長さ調整部材100は、ボディー部10の一端部に設けられて、ボディー部10の前方へ移動可能である。後方への移動は、後述する制限手段110により制限される。
【0025】
長さ調整部材100は、ニードル20と結合するが、ニードル20は、長さ調整部材100を媒介としてボディー部10と結合する。
【0026】
図8には、長さ調整部材100が前方へ移動した状態が示されているが、長さ調整部材100が前方へ移動すれば、ニードル20も共に移動してニードル20を肌中にさらに深く浸透させ得るようにする。
【0027】
前記制限手段110は、長さ調整部材100が前方へ移動することは許容するが、後方へ移動することを制限する構成であって、ラチェットとみなせば良い。
【0028】
制限手段110は、第1の歯車111と第2の歯車112とを備える。
【0029】
第1の歯車111は、ボディー部10に形成された直角三角形の歯車状の構成であり、第2の歯車112は、長さ調整部材100に形成された直角三角形の歯車状の構成であるが、第1の歯車111と噛み合い可能な形状である。
【0030】
長さ調整部材100が前方へ移動するときは、長さ調整部材100やボディー部10のうち、長さ調整部材100と接する部分が弾性変形しながら第2の歯車112が第1の歯車111を乗り越えて長さ調整部材100が移動することになる。長さ調整部材100が後方に動くことは遮断されるが、第2の歯車112が第1の歯車111に係止されるためである。
【0031】
前記ニードル20は、一方向に長い形状であって、一端部は、前記ボディー部10の一端部と結合し、他端部は、肌内側に浸透して第1のインプラント80と第2のインプラント90とを展開し、肌内側に浸透する他端部には、決められた長さで形成された長さ方向のスリット21が形成される。
【0032】
前記プッシュ部30は、プッシュロッド31とスライダー32とを備える。
【0033】
前記プッシュロッド31は、一部がニードル20に収容され、一部はボディー部10の内部に収容され、一方向に長い構成であって、ニードル20方向である前方及びニードル20の反対方向である後方へ移動可能に収容される。図2において左側が前方であり、右側が後方である。
【0034】
プッシュロッド31の他端部側の上面は、図3及び図4に示されたように、平面形態である。
【0035】
前記スライダー32は、プッシュロッド31と結合し、ボディー部10の内部に形成された空間に収容されて前方または後方へ移動し、係止爪321と収容溝322とを備える。
【0036】
前記プッシュハンドル40は、ボディー部10の外部に露出したハンドルを備え、ボディー部10を貫通してスライダー32と結合するが、プッシュハンドル40のハンドル突起41がスライダー32のハンドル溝33に挿入されて2つの構成が結合する。
【0037】
前記弾性加圧手段50は、スライダー32が後方へ移動するように弾性加圧する構成であって、図示されたように、コイルスプリングを用いることができる。
【0038】
前記カムロッド60は、第1の位置と第2の位置とで回転するが、第1の位置は、図3に示されたように、係止爪321に係止されてスライダー32が後方へ移動することを制限する位置であり、第2の位置は、図4に示されたように、第1の位置から90度回転した位置であって、係止爪321との係止が解除され、収容溝322に挿入されて、スライダー32が後方へと決められた距離の分だけ移動することを許容する位置である。
【0039】
前記回転レバー70は、カムロッド60と結合する構成であって、手術者が回転レバー70を回転させると、カムロッド60が共に回転し、プッシュハンドル40と同様に、一部はボディー部10の外部に露出し、一部はボディー部10を貫通してカムロッド60と結合する。
【0040】
前記第1のインプラント80は、ニードル20の他端部に配置されて、プッシュロッド31が前方へ移動すれば、プッシュロッド31により加圧されて患部に展開される。
【0041】
前記第2のインプラント90は、ニードル20の他端部に配置されるが、位置は第1のインプラント80に比べて後方に配置される。第2のインプラント90の下面は、平面状でプッシュロッド31の上面に支持され、上部はニードル20のスリット21に収容される。
【0042】
以下では、前述した構成を利用して第1のインプラント80と第2のインプラント90とを展開する方法について説明することで、各構成の機能、作用、及び効果について説明する。
【0043】
まず、図1に示された状態でニードル20の他端部を裂けた組織付近の肌に挿入する。ニードル20が挿入されれば、第1のインプラント80と第2のインプラント90とが共に挿入される。図示されてはいないが、第1のインプラント80と第2のインプラント90とは、縫合糸と締め付けられている。
【0044】
ニードル20が挿入された状態でプッシュハンドル40を前方へと押すと、弾性加圧手段50は弾性圧縮され、プッシュハンドル40と結合したスライダー32が前方へ移動すれば、スライダー32に結合したプッシュロッド31がスライダー32とともに移動しながら第1のインプラント80を前方へと加圧する。プッシュロッド32により加圧された第1のインプラント80が前方(患部方向)へ移動して手術者が望む位置に移植される。図5には、第1のインプラント80がニードル20から脱離した状態が示されている。
【0045】
第1のインプラント80が移植されれば、手術者が回転レバー70を回転させてカムロッド60を第2の位置に回転させ、プッシュハンドル40に加えられた力を除去すれば、弾性加圧手段50によりプッシュロッド31とスライダー32とが後方へ移動するが、このとき、カムロッド60が収容溝322に挿入されながらプッシュロッド31とスライダー32とは、カムロッド60が収容溝322に係止されているとき(図2参照)よりさらに後方へ移動するようになる。(図4参照)
【0046】
図4に示されたように、プッシュロッド31とスライダー32とが後方へ移動すれば、第2のインプラント90が図6に示された状態を経て図7に示された状態のように下方へと降りる。第2のインプラント90は、プッシュロッド31により支持されている状態であったが、プッシュロッド31が後方へ移動すれば、第2のインプラント90が重力により図7に示された状態に移動するものである。
【0047】
第2のインプラント90が図7に示されたように、下方へ移動した状態でプッシュハンドル40を前方へと押すと、プッシュロッド31とスライダー32とが前方へ移動しながら、第2のインプラント90を前方へと押すと、第2のインプラント90が移動して手術者が望む位置に移植されるが、第1のインプラント80が移植されることと同じようなメカニズムでこのような動作がなされる。
【0048】
一方、第1のインプラント80や第2のインプラント90が移植されるべき位置が肌深い位置であれば、長さ調整部材100を図8に示されたように前方へ移動させれば、ニードル20も共に前方へ移動するようになり、図1に示された状態よりはさらに肌深い所に第1のインプラント80や第2のインプラント90を移植できる。
【0049】
第1のインプラント80と第2のインプラント90とが移植されれば、縫合糸を適宜操作して裂けた組織を連結できるようになる。
【0050】
以上の説明は、本発明の技術思想の例示的な説明に過ぎず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で様々な修正、変更、及び置換が可能であろう。したがって、本発明に開示された実施形態及び添付された図面は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施形態及び添付された図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】