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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】電気グリッドにおける電力の安定化
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/12 20060101AFI20241003BHJP
   H02M 7/48 20070101ALN20241003BHJP
【FI】
H02J3/12
H02M7/48 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523500
(86)(22)【出願日】2021-10-19
(85)【翻訳文提出日】2024-04-18
(86)【国際出願番号】 EP2021078998
(87)【国際公開番号】W WO2023066470
(87)【国際公開日】2023-04-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505056845
【氏名又は名称】アーベーベー・シュバイツ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】ABB Schweiz AG
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 66, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュタットラー、レト
(72)【発明者】
【氏名】ベヒレ、ラルフ
【テーマコード(参考)】
5G066
5H770
【Fターム(参考)】
5G066DA02
5H770BA13
5H770DA03
5H770DA11
5H770DA22
5H770DA24
5H770DA41
5H770HA02Z
5H770HA03Z
(57)【要約】
電気グリッド(18)における電力を安定化させるための方法であって、方法は、電気グリッド(18)における低減された電力需要を検出することと、電気グリッド(18)において補償されるべき有効電力及び無効電力を決定することと、電気グリッド(18)に接続された電力補償回路(12)を制御することによって、有効電力の少なくとも一部及び無効電力の少なくとも一部を補償することと、を備える。電力補償回路(12)は、半導体スイッチ(32)を介して電気グリッド(18)に接続可能な少なくとも抵抗型負荷(34)を備える。補償有効電力及び補償無効電力が、電気グリッド(18)におけるグリッド電圧(24)の位相角に対する半導体スイッチ(32)のスイッチング角(α、α)を設定することによって調整される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気グリッド(18)における電力を安定化させるための方法であって、前記方法は、
前記電気グリッド(18)における低減された電力需要を検出することと、
前記電気グリッド(18)において補償されるべき有効電力及び無効電力を決定することと、
前記電気グリッド(18)に接続された電力補償回路(12)を制御することによって、前記有効電力の少なくとも一部及び前記無効電力の少なくとも一部を補償することと、を備え、
前記電力補償回路(12)は、半導体スイッチ(32)を介して前記電気グリッド(18)に接続可能な少なくとも抵抗型負荷(34)を備え、
補償有効電力及び補償無効電力が、前記電気グリッド(18)におけるグリッド電圧(24)の位相角に対する前記半導体スイッチ(32)のスイッチング角(α、α)を設定することによって調整される、方法。
【請求項2】
前記半導体スイッチ(32)は、サイリスタであり、前記スイッチング角(α、α)は、前記サイリスタの点弧角である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記低減された電力需要は、前記電気グリッド(18)における電圧(24)及び電流(26)を測定することによって、並びに、前記電圧(24)及び前記電流(26)から電力を計算することによって、検出される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記電力補償回路(12)は、前記電気グリッド(18)の2つの相を接続及び切断するための一対の逆並列接続された半導体スイッチ(32)を備え、
前記少なくとも抵抗型負荷(34)は、前記一対の逆並列接続された半導体スイッチ(32)と直列に接続される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記電力補償回路(12)は、前記電気グリッド(18)の各相についてハーフブリッジ(38)を有する能動整流器(36、36a、36b)を備え、
前記少なくとも抵抗型負荷(34)は、前記ハーフブリッジ(38)に並列に接続される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記電力補償回路(12)は、前記電気グリッド(18)と前記半導体スイッチ(32)との間に接続された変圧器(42、42’)を備え、この変圧器(42、42’)は、調整可能な変圧比を有し、
前記補償有効電力及び前記補償無効電力は、前記調整可能な変圧比を設定することによって調整される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記変圧器(42、42’)は、タップ切換器(44)を備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記電力補償回路(12)は、前記電気グリッド(18)に接続された第1の整流器(36a)及び第2の整流器(36b)を備え、
前記補償有効電力及び前記補償無効電力は、前記第1の整流器(36a)についての第1のスイッチング角(α、α)と、前記第2の整流器(36b)についての対応する異なる第2のスイッチング角(α、α)と、を設定することによって調整される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のコンバータ(36a)のハーフブリッジ(38)の上側半導体スイッチ(32a)の前記スイッチング角(α)は、前記第1のコンバータ(36a)の前記ハーフブリッジ(38)の下側半導体スイッチ(32b)の前記スイッチング角(α)とは異なり、
前記第2のコンバータ(36b)のハーフブリッジ(38)の上側半導体スイッチ(32a)の前記スイッチング角(α)は、前記第2のコンバータ(36b)の前記ハーフブリッジ(38)の前記下側半導体スイッチ(32b)の前記スイッチング角(α)に等しく、
前記第2のコンバータ(36b)の前記ハーフブリッジ(38)の下側半導体スイッチ(32b)の前記スイッチング角(α)は、前記第1のコンバータ(36a)の前記ハーフブリッジ(38)の前記上側半導体スイッチ(32a)の前記スイッチング角(α)に等しい、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のコンバータ(36a)のハーフブリッジ(38)の上側半導体スイッチ(32a)の前記スイッチング角(α)は、前記第1のコンバータ(36a)の前記ハーフブリッジ(38)の下側半導体スイッチ(32b)の前記スイッチング角(α)に等しく、
前記第2のコンバータ(36b)のハーフブリッジ(38)の上側半導体スイッチ(32a)の前記スイッチング角(α)は、前記第2のコンバータ(36b)の前記ハーフブリッジ(38)の下側半導体スイッチ(32b)の前記スイッチング角(α)に等しく、
前記第1のコンバータ(36a)の前記ハーフブリッジ(38)の前記上側及び下側半導体スイッチ(32a、32b)の前記スイッチング角(α)は、前記第2のコンバータ(36b)の前記ハーフブリッジ(38)の前記上側及び下側半導体スイッチ(32a、32b)の前記スイッチング角(α)とは異なる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の整流器(36a)及び前記第2の整流器(36b)は、それらのDC出力(40)において直列に接続され、前記少なくとも抵抗型負荷(34)は、前記直列に接続されたDC出力(40)に並列に接続される、又は
前記第1の整流器(36a)、前記第2の整流器(36b)及び前記少なくとも抵抗型負荷(34)は、前記第1の整流器(36a)及び前記第2の整流器(36b)の前記DC出力(40)を介して、並列に接続される、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の整流器(36a)及び前記第2の整流器(36b)は、各整流器(36a、36b)についての二次巻線を有する変圧器(42’)を介して、前記電気グリッド(18)に接続される、請求項8~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
電気グリッド(18)における電力を安定化させるためのシステム(10)であって、前記システムは、
前記電気グリッド(18)と、
前記電気グリッド(18)に接続された電力補償回路(12)と、
前記電力補償回路(12)を制御するための制御装置(22)と、を備え、
前記システム(10)は、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法を実行するように適合される、システム(10)。
【請求項14】
前記電気グリッド(18)に接続された高調波フィルタ(14)を更に備える、請求項13に記載のシステム(10)。
【請求項15】
前記電気グリッド(18)に接続された少なくとも1つの負荷(16)であって、前記電気グリッド(18)から切断されると、前記低減された電力需要を引き起こす少なくとも1つの負荷(16)を更に備え、
前記少なくとも1つの負荷(16)は、電気駆動装置(16a)及び電気アーク炉(16b)のうちの少なくとも1つを備える、請求項13に記載のシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気グリッドにおける電力を安定化させるための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
弱い電気グリッド又はアイランドグリッド(island grid)では、グリッド障害又は電気アーク炉若しくは大きい駆動装置のような大きい消費体の障害によって引き起こされる負荷遮断が、周波数の増大につながり得る。これは、電気グリッドに供給する発電機のトリップ及び/又は消費体がトリップすること(tripping of consumers)につながり得る。両方の場合において、貴重な生産時間が失われ得、システム全体の再始動は、時間及びコストがかかり得る。
【0003】
追加として、高調波フィルタが、例えば、大きい駆動装置、アーク炉又は整流器システムからの無効電力の補償のために、電気グリッドに接続され、グリッド障害後に戻るとき、これは、グリッドの低減された有効電力負荷及び無効電力負荷による、グリッド電圧のオーバースイングにつながり得る。これはまた、電圧変動が十分に大きい場合、大きい電気消費体のトリップ(スイッチオフ)にもつながり得る。特に、駆動装置は、通常、過電圧に対してあまり耐性がない。発電機の再始動は、典型的に、時間のかかる問題である。
【0004】
WO2020/113336A1は、アーク炉及びそれらの電源のために電力を安定化させるための方法及びシステムを記載している。この方法は、アーク炉電極のアークの消滅事象を決定することに応答して、負荷に電力を吸収させることを備える。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、電気グリッドにおける発電機がトリップすることを低減し、及び/又は、電気グリッドにおける消費体のダウンタイムを低減することである。
【0006】
これらの目的は、独立請求項の主題によって達成される。更なる例示的な実施形態は、従属請求項及び以下の説明から明らかである。
【0007】
本発明の第1の態様は、電気グリッドにおける電力を安定化させるための方法に関する。電気グリッドは、低(1kVまで)、中(50kVまで)、及び高(50kV超)電圧グリッドであり得る。それは、生産設備のグリッドであり得るか、又は大量の消費体及び生産設備に供給するための大規模グリッドであり得る。電気グリッドは、三相グリッドであり得る。
【0008】
本発明の実施形態によれば、方法は、電気グリッドにおける低減された電力需要を検出することと、電気グリッドにおいて補償されるべき有効電力及び無効電力を決定することと、を備える。電気グリッドにおける電圧及び電流が測定され得、電力需要は、そこから決定され得る。例えば、電気グリッドによって供給される経時的な電力が計算され得、経時的な電力が突然低減すると、低減された電力需要が仮定され得る。また、消費体及び/又は負荷の現在の電力需要が、方法を実行する制御装置に報告され、これらの制御装置が、経時的な電力需要を決定するために、報告された電力需要を合計することもあり得る。
【0009】
電気グリッドにおける測定された電圧及び測定された電流から、電気グリッドにおける有効電力及び無効電力もまた、決定され得る。電圧と電流を複素数と考えると、複素電力は、電圧と電流の複素共役との積となる。有効電力(active power)(又は有効電力(real power))は、複素電力の実部である。無効電力は、複素電力の虚部である。
【0010】
本発明の実施形態によれば、方法は、電気グリッドに接続された電力補償回路を制御することによって、有効電力の少なくとも一部及び無効電力の少なくとも一部を補償することを更に備える。電力補償回路を用いて、不足している有効電力及び無効電力の少なくとも一部が生成され得る。このようにして、低減された電力が平衡され得、グリッドにおける電圧の振幅及び周波数が安定化され得る。
【0011】
電力補償回路は、半導体スイッチを介して電気グリッドに接続可能な少なくとも抵抗型負荷を備える。少なくとも抵抗型負荷は、抵抗と、オプションで、容量及び/又はインピーダンスと、を提供し得る。有効電力及び無効電力は、少なくとも抵抗型負荷を電気グリッドに接続及び切断することによって生成され得る。これは、電気グリッドの周波数で行われ得る。
【0012】
補償有効電力及び補償無効電力が、電気グリッドにおけるグリッド電圧の位相角に対する半導体スイッチのスイッチング角を設定することによって調整される。従って、トリップした消費体及び/又は負荷によって引き起こされ得る低減された有効電力が少なくとも部分的に補償され得るだけでなく、例えば、電圧の周波数変化を受ける高調波フィルタによって引き起こされ得る、変化した無効電力もまた、少なくとも部分的に補償され得る。
【0013】
本発明の実施形態によれば、半導体スイッチは、サイリスタであり、スイッチング角は、サイリスタの点弧角である。このような点弧角は、0°~180°の間の値を有し得る。他の能動的に制御可能な半導体スイッチの場合、ターンオンスイッチング角及びターンオフスイッチング角が決定され得る。
【0014】
本発明の実施形態によれば、低減された電力需要は、電気グリッドにおける電圧及び電流を測定することによって、並びに測定された電圧及び測定された電流から電力を計算することによって、検出される。低減された電力を決定し、電力補償回路を制御するための制御装置が、電気グリッドにおける電圧及び電流信号からの信号を受信し得る。既に述べたように、これらの経時的な信号から、有効電力及び無効電力が計算され得る。
【0015】
本発明の実施形態によれば、電力補償回路は、電気グリッドの2つの相を接続及び切断するための一対の逆並列接続された半導体スイッチを備える。少なくとも抵抗型負荷は、一対の逆並列接続された半導体スイッチと直列に接続される。電気グリッドの相の全ての対は、一対の逆並列接続された半導体スイッチと、少なくとも抵抗型負荷と、によって接続され得る。逆並列接続された半導体スイッチのこれら対は、相間でデルタ結線され得る。
【0016】
また、逆並列接続された半導体スイッチのこれら対は、相間で星形結線され得る。この場合、各相は、一対の逆並列接続された半導体スイッチを介して、中性点(star-point)に接続され得る。
【0017】
本発明の実施形態によれば、電力補償回路は、電気グリッドの各相についてハーフブリッジを有する能動整流器を備え、ここで、少なくとも抵抗型負荷は、ハーフブリッジに並列に接続される。更なる可能性は、各相についてハーフブリッジを備え得る能動整流器を用いて、電気グリッドにおける電圧を整流することである。DC側では、整流された電圧は、少なくとも抵抗型負荷に印加され得る。
【0018】
各ハーフブリッジは、上側及び下側半導体スイッチを備え得、ここで、グリッドの相は、スイッチ間に接続される。それらの他端では、ハーフブリッジは並列に接続され、整流器のDC出力を提供する。上側及び下側半導体スイッチのスイッチング角は、電力補償回路が所望の有効電力及び無効電力を提供するように選択され得る。
【0019】
本発明の実施形態によれば、電力補償回路は、電気グリッドと半導体スイッチとの間に接続された変圧器を備え、この変圧器は、調整可能な変圧比を有する。変圧器は、変圧器の巻線の巻数を変更し得るタップ切換器を備え得る。変圧比は、タップ切換器を用いて調整され得る。このようにして、少なくとも抵抗型負荷に印加される電圧が調整され得、これはまた、少なくとも抵抗型負荷によって生成される有効電力及び無効電力を制御するためにも使用され得る。
【0020】
補償有効電力及び補償無効電力は、調整可能な変圧比を設定することによって調整される。
【0021】
本発明の実施形態によれば、電力補償回路は、電気グリッドに接続された第1の整流器及び第2の整流器を備える。両方の整流器は、変圧器を介して又は直接的に、電気グリッドに接続され得る。補償有効電力及び補償無効電力は、第1の整流器についての第1のスイッチング角と、第2の整流器についての対応する異なる第2のスイッチング角と、を設定することによって調整される。整流器は、等しく設計され得、対応する第1及び第2のスイッチング角は、それぞれ、第1及び第2の整流器の同じ半導体スイッチに関連し得る。
【0022】
本発明の実施形態によれば、第1のコンバータのハーフブリッジの上側半導体スイッチのスイッチング角は、第1のコンバータのハーフブリッジの下側半導体スイッチのスイッチング角とは異なる。第2のコンバータのハーフブリッジの上側半導体スイッチのスイッチング角は、第2のコンバータのハーフブリッジの下側半導体スイッチのスイッチング角に等しい。第2のコンバータのハーフブリッジの下側半導体スイッチのスイッチング角は、第1のコンバータのハーフブリッジの上側半導体スイッチのスイッチング角に等しい。このような切り替え方式は、「スプリットアルファ(split-alpha)」と呼ばれ得る。このようにして2つの整流器を切り替えることは、整流器がそれぞれの相電圧を打ち消すことに関して対称的に切り替えられるので、やや低い高次高調波がもたらされる。更に、このスイッチング方式を用いて、有効電力及び無効電力は、互いに独立して制御され得る。
【0023】
本発明の実施形態によれば、第1のコンバータのハーフブリッジの上側半導体スイッチのスイッチング角は、第1のコンバータのハーフブリッジの下側半導体スイッチのスイッチング角に等しい。第2のコンバータのハーフブリッジの上側半導体スイッチのスイッチング角は、第2のコンバータのハーフブリッジの下側半導体スイッチのスイッチング角に等しい。第1のコンバータのハーフブリッジの上側及び下側半導体スイッチのスイッチング角は、第2のコンバータのハーフブリッジの上側及び下側半導体スイッチのスイッチング角とは異なる。換言すれば、第1の整流器の半導体スイッチのオン時間は、第2の整流器の半導体スイッチのオン時間とは異なり得る(即ち、異なる閉じ角及び/又は異なる開き角)。また、このスイッチング方式を用いて、有効電力及び無効電力は、互いに独立して制御され得る。
【0024】
これらのスイッチング角は全て、電気グリッドのそれぞれの相電圧の負から正へのゼロ交差に関して提供されることに留意されたい。
【0025】
本発明の実施形態によれば、第1の整流器及び第2の整流器は、それらのDC出力において直列に接続され、少なくとも抵抗型負荷は、直列に接続されたDC出力に並列に接続される。また、第1の整流器、第2の整流器及び少なくとも抵抗型負荷は、第1の整流器及び第2の整流器のDC出力に並列に接続される。また、別個の少なくとも抵抗型負荷が、各整流器、即ち、それらのDC出力に接続されることも可能であり得る。
【0026】
本発明の実施形態によれば、第1の整流器及び第2の整流器は、各整流器についての二次巻線を有する変圧器を介して、電気グリッドに接続される。このようにして、第1及び第2の整流器が対称的に切り替えられるとき、切り替えによって引き起こされる高次高調波が、変圧器において補償され得る。
【0027】
本発明の更なる態様は、電気グリッドにおける電力を安定化させるためのシステムに関する。上記及び以下に記載されるような方法の特徴は、上記及び以下に記載されるようなシステムの特徴であり得、その逆もまた同様であることを理解されたい。
【0028】
本発明の実施形態によれば、システムは、上記及び以下に記載されるような電力補償回路と、上記及び以下に記載されるような電力補償回路を制御するための制御装置と、を備える。システムは、本明細書に記載されるような方法を実行するように適合される。
【0029】
本発明の実施形態によれば、高調波フィルタが、電気グリッドに接続される。システムは、高調波フィルタを更に備え得、これは、グリッドに接続された負荷によって引き起こされる高次高調波をフィルタリングするための受動フィルタであり得る。有効電力需要が低減したときに、高調波フィルタによって生成される無効電力は、この方法によって補償され得る。
【0030】
本発明の実施形態によれば、少なくとも1つの負荷が電気グリッドに接続され、これは、電気グリッドから切断されると、低減された電力需要を引き起こす。少なくとも1つの負荷は、電気駆動装置及び電気アーク炉のうちの少なくとも1つを備える。電気駆動装置は、コンバータと、電気モータ及び/又は発電機と、を備え得る。このような負荷は、1MWより大きい有効電力需要を有し得ることに留意されたい。
【0031】
本発明のこれら及び他の態様は、以下で説明される実施形態から明らかになり、またそれらを参照して解明されるであろう。
【0032】
本発明の主題は、添付の図面に示される例示的な実施形態を参照して、以下の本文により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明の実施形態によるシステムを概略的に示す。
図2A図2Aは、本発明の実施形態において使用される電力補償回路を概略的に示す。
図2B図2Bは、本発明の更なる実施形態において使用される電力補償回路を概略的に示す。
図3図3は、本発明の更なる実施形態において使用される電力補償回路を概略的に示す。
図4】4は、本発明の更なる実施形態において使用される電力補償回路を概略的に示す。
図5図5は、本発明の更なる実施形態において使用される電力補償回路を概略的に示す。
図6図6は、本発明の実施形態による、電気グリッドにおける電力を安定化させるための方法のための流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図面において使用されている参照符号及びそれらの意味は、参照符号のリストにおいて要約形式で列挙されている。原則として、図中では、同一の部分には同じ参照符号が付与されている。
【0035】
図1は、電力補償回路12と、高調波フィルタ14と、いくつかの負荷16、例えば、電気駆動装置16a、電気DC又はACアーク炉16b、及び/又は他の大きい電気負荷16cと、を備えるシステム10を示し、これらは全て、電気グリッド18に接続される。この文脈における大きいとは、負荷が、1MWより大きい最大電力消費を有し得ることを意味し得る。電気グリッド18は、例えば、33kVの電圧を有する、三相ACグリッドであり得、即ち、それは、中電圧グリッドであり得る。1つ以上の発電機20が、電気グリッドに電力を供給し得る。
【0036】
図1は、電力補償回路12のための制御装置22を更に示し、この制御装置22は、システム10全体の制御装置の一部であり得るか、又は、負荷16のうちの1つ以上等の、システムの特定の構成要素の制御装置の一部であり得る。制御装置22は、電気グリッド18についての電圧測定値24及び電流測定値26を受信する。これらの測定24、26は、システム10の入力において、及び/又は、負荷16の入力において、実行され得る。これらの測定値及び/又は更なるデータに基づいて、制御装置22は、電力補償回路12を制御する。制御装置22はまた、負荷16のうちの1つ以上及び/又はフィルタ14の、制御デバイス及び/又はセンサに通信可能に接続され得る。また、このようにして受信されたデータは、電力補償回路12を制御するために使用され得る。
【0037】
一般に、受信されたデータ(電圧測定値24及び電流測定値26など)に基づいて、制御装置22は、電気グリッド18において電力需要低下があるかどうかを決定し、この電力需要低下を平衡させるか、又は少なくとも低減させるように、電力補償回路12を制御する。例えば、有効電力及び無効電力は、負荷16のうちの1つの負荷遮断又は電力グリッド18のグリッド障害の場合、特に、電力グリッド18が弱いか又はアイランド運転にあるときに、補償され得る。これは、電気グリッド18が、過電圧になること、及び周波数が増大することを防止することになる。
【0038】
制御装置22は、負荷16のうちの1つ以上からの、又は架空線を備え得る電気グリッド18からの、外乱(disturbances)及び/又は障害を検出するように適合され得る。更なる障害及び/又は検出された電力需要は、電気アーク炉16bにおけるアークの消滅、及び100ms~1000ms以内での再点弧、大きい電気駆動装置16のトリップ、並びに、一般に、大きい電気負荷16cのトリップから決定され得る。
【0039】
電力補償回路12及び制御装置22は、有効電力及び無効電力を同時に生成するように設計され、特に、電気グリッド18上の電圧オーバースイングを防止し、同時に周波数の増大を防止するように設計される。電圧オーバースイング及び周波数の増大は、電力需要が低下している間に、1つ以上の発電機20が依然として大量の電力を生成していることによって引き起こされ得る。これは、負荷16及び発電機20がトリップすることを防止し、従って、この事象の後、工場、採鉱場、又は遠隔工業地域等のシステム10は、いかなる外乱もなくその動作を継続することが可能になる。これは、システム10が再始動するのを防止し得る。トリップ及び再始動は、生産時間の損失につながり得る。
【0040】
負荷遮断又はグリッド障害等の、決定された、低減された電力需要の場合、電力補償回路12は、有効(active)/有効(real)電力だけでなく、変化した無効電力も補償し得る。無効電力は、フィルタキャパシタンス及びフィルタインダクタンスを備え得る高調波フィルタ14により変化され得、これは、変化する電圧の場合に、無効電力を変化させ得る。
【0041】
以下の図2図5は、システム10において使用され得る、電力補償回路12の実施形態を示す。これらの実施形態は全て、必要に応じて、残りの無効電力を補償するために使用され得る、電気グリッド18に接続された同期コンデンサと組み合わせて使用され得ることに留意されたい。
【0042】
図2A及び図2Bは、3つの半導体スイッチ装置30を有する電力補償回路12を示し、各半導体スイッチ装置30は、一対の逆並列半導体スイッチ32を有する。ここで、及び以下の図において、半導体スイッチ32は、サイリスタであり得る。しかしながら、IGBT等の他のタイプの半導体スイッチ32もまた可能である。
【0043】
各半導体スイッチ装置30は、負荷34を備え、又は、図2Aに示されるように、一対の逆並列半導体スイッチ32と直列に接続された2つの負荷34を備える。一対の逆並列半導体スイッチ32は、2つの負荷34の間に接続されている。負荷34を異なる方法で配置することも可能である。負荷配置に応じて、半導体スイッチ32の直列接続及び/又は並列接続が実装され得る。これは、以下の実施形態にも適用され得る。
【0044】
各負荷34は、少なくとも抵抗型(又はオーム)負荷であり、無効部分、即ち、容量性部分及び/又は誘導性部分を備え得る。各負荷34は、受動的であり得、即ち、抵抗器、キャパシタ、及び/又はインダクタで構成され得る。例えば、各負荷34は、少なくとも0.1MWを損失するように適合され得る。図2に関して説明された負荷34の特性は、以下の図にも適用される。
【0045】
図2Aでは、3つの半導体スイッチ装置30の各々は、電気グリッド18の一対の相の間に接続され、即ち、これら半導体スイッチ装置30は、デルタ結線されている。
【0046】
図2Bでは、3つの半導体スイッチ装置30の各々は、電気グリッド18の相のうちの1つと中性点33との間に接続される。これら半導体スイッチ装置30は、星形結線されている。
【0047】
図2A図2B及び以下の図において、電力補償回路12の有効電力及び無効電力は、半導体スイッチ32のスイッチング角(又はサイリスタの場合は点弧角)を制御することによって制御され得る。半導体スイッチ32を導通に切り替えるためのスイッチング角が大きいほど、無効電力も大きくなる。負荷34が純抵抗型であるときも、無効電力が生成されることに留意されたい。
【0048】
電力補償回路12はまた、電力補償回路12を電気グリッド18に接続し、また、それを電気グリッド18から完全に切断するための機械スイッチ35も備え得る。
【0049】
図3は、負荷34が整流器36を介して電気グリッド18と接続された電力補償回路12を示す。整流器36は、3つのハーフブリッジ38を備え、その各々が、ハーフブリッジ38のDC出力40間に直列接続された2つの半導体スイッチ32を備える。電気グリッドの相が、半導体スイッチ32間の中点に接続される。DC出力40は、並列に接続され、負荷34は、DC出力40間に接続される。
【0050】
先と同様に、電力補償回路12の有効電力及び無効電力は、半導体スイッチ32のスイッチング角を制御することによって制御され得る。図2及び図3では、単にスイッチング角を変更することによって、供給される有効電力と無効電力との間の比が予め定義され、予期される動作点について最適化され得る。
【0051】
オプションの変圧器42が、電気グリッド18と整流器36との間に接続され得る。変圧器42は、例えば、タップ切換器44を介して、調整可能な変圧比を有し得る。変圧比を変更することによって、電力補償回路12によって供給される有効電力と無効電力との間の比も変更され得る。
【0052】
タップ切換器44を用いて、電力負荷の変化が、利用可能なタップに応じて考慮され得る。タップ切換器44の変圧器タップ位置と、半導体スイッチ32のスイッチング角とに応じて、電力補償回路12によって引き出される有効電力と無効電力とは、より互いに独立して制御可能である。これは、2つの様々な動作点を適合させることを可能にし、及び/又はより柔軟である。
【0053】
変圧器42はまた、図2にも設けられ得、そこで、それは、電気グリッド18と半導体スイッチ装置30との間に接続され得る。
【0054】
図4は、2つの整流器36a、36bを備える電力補償回路12を示し、その各々は、図3のように設計される。整流器36a、36bの各々は、変圧器42’の二次巻線に接続され、変圧器42’は、一次巻線を介して電気グリッド18に接続される。変圧器42’は、例えば、図3の変圧器42と同様にタップ切換器44を用いて、調整可能な変圧比を有し得る。
【0055】
図4において、整流器36a、36bは、それらのDC出力40と直列に接続され、負荷34は、この直列接続に並列に接続される。
【0056】
図5は、図4と同様に2つの整流器36a、36bを有する電力補償回路12を示すが、これらは、それらのDC出力40と並列に接続される。負荷34は、整流器36a、36bに並列に接続されている。
【0057】
図4及び図5において、半導体スイッチ32のスイッチング角は、有効電力が一定に保たれ得ながら、無効電力がある特定の範囲内で調整され得るように、制御され得る。これは、整流器36a、36bを非対称的に切り替えることによって達成され得る。これは、一時的な外乱(transient disturbance)に対して最も速い応答を有し得る。
【0058】
図4に示されるように、整流器36aの上側ハーフブリッジの半導体スイッチ32aと、整流器36bの下側ハーフブリッジの半導体スイッチ32bとは、同じスイッチング角αを有し得、整流器36aの下側ハーフブリッジの半導体スイッチ32bと、整流器36bの上側ハーフブリッジの半導体スイッチ32aとは、同じスイッチング角α(αとは異なる)を有し得る。これは、スプリットアルファ制御と呼ばれ得る。
【0059】
図5に示されるように、整流器36aの上側ハーフブリッジの半導体スイッチ32aと下側ハーフブリッジの半導体スイッチ32bとは、同じスイッチング角αを有し得、整流器36bの上側ハーフブリッジの半導体スイッチ32aと下側ハーフブリッジの半導体スイッチ32bとは、同じスイッチング角α(αとは異なる)を有し得る。
【0060】
図5のスイッチング方式を図4の電力補償回路12に適用することも可能であり、その逆もまた可能である。
【0061】
図6は、制御装置22の制御下で、システム10によって実行され得る、電気グリッド18における電力を安定化させるための方法を用いた流れ図を示す。
【0062】
ステップS10において、制御装置22は、電気グリッド18における低減された電力需要を検出する。上述さたように、これは、電気グリッド18における電圧24及び電流26を測定することによって、並びに電圧24及び電流26から電力を計算することによって行われ得る。追加又は代替として、制御装置22は、電圧24及び電流26の測定データを評価することによって、グリッド障害又は他の障害を決定する。追加又は代替として、制御装置22は、負荷16、16a、16b、16cから、及び/又は、高調波フィルタ14から、低減された電力需要を示すデータを受信する。このようなデータは、負荷16、16a、16b、16cのうちの1つが障害を有し、及び/又はトリップしたという情報を備え得る。
【0063】
ステップS12において、制御装置22は、電気グリッド18において補償されるべき有効電力及び無効電力を決定する。例えば、制御装置は、低減された電力需要が出現する前に電気グリッド18から引き出された有効電力及び無効電力を決定する。補償されるべき有効電力は、低減された電力需要の出現前の有効電力と、その後の有効電力との差であり得る。同様に、補償されるべき無効電力は、低減された電力需要の出現前の無効電力と、その後の無効電力との間の差であり得る。また、負荷16のうちの1つがトリップしたとき、有効電力及び無効電力における低減された電力需要が、制御装置22に既に記憶されており、次いで、補償されるべき有効電力及び無効電力として使用されることもあり得る。更なる可能性は、グリッドにおける特定の電圧変化に関して高調波フィルタ14によって生成される無効電力が、制御装置22によって記憶及び/又は計算され得、次いで、補償されるべき無効電力として使用されることである。
【0064】
ステップS14において、制御装置22は、有効電力の少なくとも一部及び無効電力の少なくとも一部を補償するように、電力補償回路12を制御する。電力補償回路12は、少なくとも抵抗型負荷34が、半導体スイッチ32を介して、電気グリッド18に接続され、また、グリッド18から切断されるように制御され、これにより、それは、補償されるべき有効電力及び無効電力を生成する。
【0065】
特に、電力補償回路12は、有効電力を補償するだけでなく、例えば、高調波フィルタ14によって生成される無効電力も補償するように制御される。障害後に電圧が戻ると、これは、システム10が、不足している無効電力及び有効電力に起因して電圧がオーバースイングするのを防止し、従って、負荷16がトリップするのを防止し、これは、システム10全体を再始動するための時間を節約し得る。
【0066】
補償有効電力及び補償無効電力は、電力補償回路12の半導体スイッチ32のスイッチング角α、αを対応して設定することによって、調整及び/又は生成される。スイッチング角α、αは、電気グリッド18におけるグリッド電圧24の位相角に対して設定される。例えば、特定の半導体スイッチのためのスイッチング角は、電気グリッドのそれぞれの相電圧のゼロ交差後の特定の角度に設定され得る。
【0067】
追加として、電力補償回路12が調整可能な変圧比を有する変圧器42、42’を備えるとき、補償有効電力及び補償無効電力は、調整可能な変圧比を対応して設定することによって調整され得る。
【0068】
電力補償回路12が整流器36、36a、36bを備えるとき、異なるスイッチング方式が、所望の有効電力及び無効電力を生成するために使用され得る。例えば、図3の整流器36は、整流器36のハーフブリッジ38の上側半導体スイッチ32a及び下側半導体スイッチ32bについて異なるスイッチング角で切り替えられ得る。しかしながら、これは、電気グリッド18において高次高調波を生成し得る。
【0069】
2つの整流器36a、36bが使用されるとき、高調波の生成は、整流器36a、36bを、(図5に示されるように)各整流器単独で、又は(図4に関して示されるように)互いに対してのいずれかで、対称的に切り替えることによって、平衡され得る。一般に、両方の場合において、補償有効電力及び補償無効電力は、第1の整流器36aについて第1のスイッチング角α、αと、第2の整流器36bについて対応する異なる第2のスイッチング角α、αと、を設定することによって調整及び/又は生成される。
【0070】
第1の可能性は、「スプリットアルファ」と呼ばれる制御方式で整流器を切り替えることである。第1のコンバータ36aのハーフブリッジ38の上側半導体スイッチ32aのスイッチング角αは、第1のコンバータ36aのハーフブリッジ38の下側半導体スイッチ32bのスイッチング角αとは異なるように選択される。第2のコンバータ36bのハーフブリッジ38の上側半導体スイッチ32aのスイッチング角αは、第2のコンバータ36bのハーフブリッジ38の下側半導体スイッチ32bのスイッチング角αに等しく設定される。第2のコンバータ36bのハーフブリッジ38の下側半導体スイッチ32bのスイッチング角αは、第1のコンバータ36aのハーフブリッジ38の上側半導体スイッチ32aのスイッチング角αに等しく設定される。
【0071】
第2の可能性は、各整流器36a、36bについての上側及び下側半導体スイッチ32a、32bに対して同じスイッチング角α、αを使用するが、整流器36a、36bに対して異なるスイッチング角α、αを使用することである。第1のコンバータ36aのハーフブリッジ38の上側半導体スイッチ32aのスイッチング角αは、第1のコンバータ36aのハーフブリッジ38の下側半導体スイッチ32bのスイッチング角αに等しくなるように選択される。第2のコンバータ36bのハーフブリッジ38の上側半導体スイッチ32aのスイッチング角αは、第2のコンバータ36bのハーフブリッジ38の下側半導体スイッチ32bのスイッチング角αに等しくなるように選択される。第1のコンバータ36aのハーフブリッジ38の上側及び下側半導体スイッチ32a、32bのスイッチング角αは、第2のコンバータ36bのハーフブリッジ38の上側及び下側半導体スイッチ32a、32bのスイッチング角αとは異なるように選択される。
【0072】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に例示及び説明されてきたが、このような例示及び説明は、例示的又は実例的であって、限定的ではないと見なされるべきであり、本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形例は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の参酌から、請求項に記載の発明を実施する当業者によって理解及び実施され得る。特許請求の範囲において、「備える」という単語は、他の要素又は工程を除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数を除外するものではない。単一のプロセッサ若しくは制御装置又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載されるいくつかのアイテムの機能を果たし得る。ある特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用され得ないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいずれの参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0073】
[参照符号のリスト]
10 システム
12 電力補償回路
14 高調波フィルタ
16 負荷
16a 電気駆動装置
16b 電気アーク炉
16c 大きい電気負荷
18 電気グリッド
20 発電機
22 制御装置
24 電圧測定値
26 電流測定値
30 半導体スイッチ装置
32 半導体スイッチ
33 中性点
34 負荷
35 機械スイッチ
36 整流器
36a 整流器
36b 整流器
38 ハーフブリッジ
40 DC出力
42 変圧器
42’ 変圧器
44 タップ切換器
α スイッチング角
α スイッチング角
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】