(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】深さ測定延長部材を有する動力式外科用ドリル
(51)【国際特許分類】
A61B 17/16 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A61B17/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523501
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(85)【翻訳文提出日】2024-06-18
(86)【国際出願番号】 US2022047132
(87)【国際公開番号】W WO2023069516
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】ランバート,トレヴァー,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】クナイネンブルク,ジェラルドゥス,フランシスカス
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL09
(57)【要約】
外科用ハンドピースシステム。外科用ハンドピースシステムは、シャンク部分および切削部分を有するドリルビットを含む。外科用ハンドピースシステムはまた、外科用ハンドピースアセンブリを含む。外科用ハンドピースアセンブリは、モータと、ドリルビットを回転させるように構成された駆動要素と、を含む。深さ測定部材は、ドリルビットの軸に沿って移動可能である。変位センサは、深さ測定部材の移動に応答して変位信号を発生する。深さ測定延長部材は、深さ測定部材に結合されるように構成される。深さ測定延長部材は、ドリルビットを受けるための細長形本体を有する。細長形本体は、ドリルビットのシャンク部分および切削部分を収容できる大きさである。細長形本体はまた、ドリルビットが細長形本体を完全に通過するのを防止する大きさである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ハンドピースシステムであって、
シャンク部分および切削部分を有するドリルビットと、
外科用ハンドピースアセンブリであって、
ハンドピースハウジング、
前記ハンドピースハウジング内に配置され、トルクを発生するように構成されたモータ、
前記ハンドピースハウジング内に配置され、前記ドリルビットに結合されるように構成された駆動要素であって、前記ドリルビットが前記駆動要素に結合されたときに前記モータから前記トルクを受容し、前記トルクに応答して前記ドリルビットを回転させるように構成された、駆動要素、
前記ドリルビットの軸に平行な軸に沿って前記ハンドピースハウジングに対して移動可能な深さ測定部材、および、
前記ハンドピースハウジングに対する前記深さ測定部材の移動に応答して変位信号を生成するための変位センサ、
を含む、外科用ハンドピースアセンブリと、
深さ測定延長部材であって、
前記ドリルビットを受容するための近位端と遠位端との間に延びるボアを画定する内面を有する細長形本体であって、
前記ボアを通る前記ドリルビットの前記シャンク部分の通過を収容するようにサイズ決めされ、前記ボアを通る前記ドリルビットの前記切削部分の通過を阻止するようにサイズ決めされた近位部分、および、
前記ボアを通る前記ドリルビットの前記シャンク部分および前記切削部分の通過を収容するようにサイズ決めされた遠位部分、
を含む、細長形本体、
を含み、前記深さ測定部材に結合されるように構成された、深さ測定延長部材と、
を備えた、外科用ハンドピースシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記ドリルビットの前記シャンク部分は、第1の外径を有し、前記ドリルビットの前記切削部分は、前記第1の外径よりも大きい第2の外径を有し、前記細長形本体の前記近位部分は、前記第1の外径よりも大きく前記第2の外径よりも小さい第1の内径を有し、前記細長形本体の前記遠位部分は、前記第1の外径および前記第2の外径よりも大きい第2の内径を有する、外科用ハンドピースシステム。
【請求項3】
請求項1から2の1項に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記深さ測定延長部材および前記深さ測定部材の一方は、第1のカプラを含み、前記深さ測定延長部材および前記深さ測定部材の他方は、第2のカプラを含み、前記第1のカプラは、前記深さ測定延長部材および前記深さ測定部材の取り外し可能な結合を容易にするために前記第2のカプラと係合するように構成される、外科用ハンドピースシステム。
【請求項4】
請求項3に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記第1のカプラおよび前記第2のカプラの一方は、1つまたは複数の偏向可能な突起を有し、前記第1のカプラおよび前記第2のカプラの他方は、1つまたは複数の凹部を画定し、各凹部は、前記深さ測定延長部材と前記深さ測定部材との間の取り外し可能な結合を容易にするために前記1つまたは複数の突起のうちの1つの部分を受容するように構成される、外科用ハンドピースシステム。
【請求項5】
請求項4に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記第1のカプラおよび前記第2のカプラの一方は、前記1つまたは複数の突起の少なくとも1つを部分的に取り囲むカットアウトを画定する、外科用ハンドピースシステム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記深さ測定部材は、内腔を画定するカニューレを含み、前記カニューレの前記内腔は、前記深さ測定延長部材が前記深さ測定部材に結合されるとき、前記深さ測定延長部材の前記ボアと連通する、外科用ハンドピースシステム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記深さ測定延長部材は、前記細長形本体の前記遠位部分の前記ボア内に少なくとも部分的に配置されたブッシングを備える、外科用ハンドピースシステム。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記細長形本体は、モノリシック構造を備える、外科用ハンドピースシステム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記細長形本体の前記近位部分は、非円形の内面を有する、外科用ハンドピースシステム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記駆動要素は、駆動カニューレを備える、外科用ハンドピースシステム。
【請求項11】
外科用ハンドピースシステムであって、
第1のシャンク部分および第1の切削部分を有する第1のドリルビットであって、前記第1の切削部分が第1の外径を有する、第1のドリルビットと、
第2のシャンク部分および第2の切削部分を有する第2のドリルビットであって、前記第2の切削部分が前記第1の外径よりも大きい第2の外径を有する、第2のドリルビットと、
外科用ハンドピースアセンブリであって、
ハンドピースハウジング、
前記ハンドピースハウジング内に配置され、トルクを発生するように構成されたモータ、
前記ハンドピースハウジング内に配置され、前記第1のドリルビットおよび前記第2のドリルビットの各々に別々に結合されるように構成された駆動要素であって、前記第1のドリルビットおよび前記第2のドリルビットの一方が前記駆動要素に結合されたときに前記モータから前記トルクを受容し、前記トルクに応答して前記第1のドリルビットおよび前記第2のドリルビットの一方を回転させるように構成された、駆動要素、
前記ハンドピースハウジングに対して移動可能な深さカニューレであって、前記深さカニューレは、前記深さカニューレの長さに沿って延びる内腔を画定し、前記深さカニューレは、前記第1のドリルビットおよび前記第2のドリルビットの少なくとも前記第1のシャンク部分および前記第2のシャンク部分を別個に受容するようにサイズ決めされ、前記深さカニューレは、前記第1のドリルビットの前記第1の切削部分の前記第1の外径よりも大きい第1の内径を有し、前記第1の内径は、前記第2のドリルビットの前記第2の切削部分の前記第2の外径よりも小さい、深さカニューレ、および、
前記ハンドピースハウジングに対する前記深さカニューレの移動に応答して変位信号を生成するための変位センサ、
を含む、外科用ハンドピースアセンブリと、
前記深さカニューレに結合されるように構成された深さ測定延長部材であって、細長形本体を備え、前記細長形本体は、前記第1のドリルビットおよび前記第2のドリルビットの前記第1の切削部分および前記第2の切削部分の前記第1の外径および前記第2の外径よりも大きい第2の内径を有する遠位部分を有する、深さ測定延長部材と、
を備える、外科用ハンドピースシステム。
【請求項12】
請求項11に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記第1のドリルビットおよび前記第2のドリルビットの前記第1のシャンク部分および前記第2のシャンク部分は各々、等しいシャンク外径を有する、外科用ハンドピースシステム。
【請求項13】
請求項11から12のいずれか1項に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記駆動要素は、駆動カニューレを備える、外科用ハンドピースシステム。
【請求項14】
シャンク部分および切削部分を有するドリルビットを含む外科用ドリルシステムの深さ測定部材に結合するための深さ測定延長部材であって、
前記ドリルビットおよび前記深さ測定部材を受容するための近位端と遠位端との間に延びるボアを画定する内面を有する細長形本体を備え、前記細長形本体は、
前記ドリルビットの前記シャンク部分を収容するための第1の内部断面積を有する近位部分、
前記ドリルビットの前記切削部分を収容するための第2の内部断面積を有する遠位部分であって、前記第2の内部断面積は前記第1の内部断面積よりも大きい、遠位部分、および、
前記近位部分の近位に配置された結合部分であって、前記深さ測定部材を収容するための第3の断面積を有し、前記第3の内部断面積は、前記第1の内部断面積よりも大きい、結合部分、
を備える、深さ測定延長部材。
【請求項15】
請求項14に記載の深さ測定延長部材であって、前記結合部は、前記深さ測定延長部材を前記深さ測定部材に結合するために、前記ボア内に偏向可能な1つまたは複数の突起を備える、深さ測定延長部材。
【請求項16】
請求項15に記載の深さ測定延長部材であって、前記結合部は、前記1つまたは複数の突起を部分的に取り囲むカットアウトを画定する、深さ測定延長部材。
【請求項17】
請求項14から16のいずれか1項に記載の深さ測定延長部材であって、前記細長形本体の前記遠位部分の前記ボア内に少なくとも部分的に配置されたブッシングをさらに備える、深さ測定延長部材。
【請求項18】
請求項17に記載の深さ測定延長部材であって、前記ブッシングは、前記第1の内部断面積よりも大きい内径を有する、深さ測定延長部材。
【請求項19】
請求項14から18のいずれか1項に記載の深さ測定延長部材であって、前記細長形本体は、モノリシック構造を備える、深さ測定延長部材。
【請求項20】
請求項14から19のいずれか1項に記載の深さ測定延長部材であって、前記近位部分の前記第1の内部断面積は、非円形である、深さ測定延長部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月19日に出願された米国仮特許出願第63/257,248号の優先権および全ての利点を主張するものであり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
従来の医学的処置および外科処置は、外科医が手術部位に接近して操作することを可能にする手術用具および器具の使用を日常的に伴う。非限定的な例として、ハンドヘルドドリルのような回転器具は、外傷、スポーツ傷害、変性疾患、関節再建等のような様々な筋骨格の状態に対処するための整形外科処置に関連して一般的に利用される。ハンドヘルドドリルまたは類似の外科用器具が採用される処置では、アクチュエータ(例えば、電気モータ)によって選択的に発生される回転トルクが、解放可能に取り付け可能なドリルビットまたは他の外科用アタッチメントを異なる速度で回転させるために使用される。
【0003】
外科用ハンドピースアセンブリは、ドリルビットが適用される組織に穴を開ける。ボアを穿孔する必要がある外科処置の1つのタイプは、骨折した骨を修復するための外傷処置である。この種の処置では、骨折した部分をつなぎ合わせるために、ネイルと呼ばれる細長い棒が使われることもある。ネイルを適位置に固定するために、骨に1つまたは複数のボアを打ち込む。これらのボアは、ネイルに形成された相補的な穴と一直線になるように配置される。位置合わせされたボアとネイル穴に、それぞれねじが挿入される。ねじは、骨に対して適切な位置にネイルを固定する。
【0004】
別のタイプの処置では、プレートとして知られるインプラントが、骨折した骨の部分の外面に固定され、骨の部分をつなぎ合わせる。ねじはプレートを骨の別々の部分に固定する。プレートを骨に固定するねじを取り付けるには、まずねじを受けるボアを開ける必要がある。
【0005】
骨にねじを受けるボアを開けるための処置の一部として、ボアの端から端までの深さを知ることが望ましい。この情報により、外科医はボア孔に装着するねじのサイズを選択することができる。ねじが短すぎると、ねじは、ねじが適位置に挿入されたネイルをしっかりと固定できないことがある。ねじが長すぎると、ねじが骨を通り越して余分な距離だけ外に出ることがある。ねじが骨から余分な距離だけ外に出ると、ねじの露出端が周囲の組織と擦れることがある。このような事態が起こると、ねじが擦れる組織が影響を受ける。
【0006】
外科用ドリルは、様々な異なる種類の医療処置および/または外科処置の実施を支援するために日常的に利用されているが、当技術分野では、このような外科用ドリルを継続的に改良する必要性がある。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、外科用ハンドピースシステムを提供する。外科用ハンドピースシステムは、シャンク部分および切削部分を有するドリルビットを備える。外科用ハンドピースシステムは、外科用ハンドピースアセンブリをさらに備える。外科用ハンドピースアセンブリは、ハンドピースハウジングと、ハンドピースハウジング内に配置されたモータとを備える。モータは、トルクを発生するように構成される。外科用ハンドピースアセンブリは、ハンドピースハウジング内に配置され、ドリルビットに結合されるように構成された駆動要素をさらに備える。駆動要素は、ドリルビットが駆動要素に結合されたときにモータからトルクを受容し、トルクに応答してドリルビットを回転させるように構成される。外科用ハンドピースシステムは、ドリルビットの軸に平行な軸に沿ってハンドピースハウジングに対して移動可能な深さ測定部材をさらに備える。外科用ハンドピースシステムは、ハンドピースハウジングに対する深さ測定部材の移動に応答して変位信号を生成するための変位センサをさらに備える。外科用ハンドピースシステムは、深さ測定部材に結合されるように構成された深さ測定延長部材をさらに備える。深さ測定延長部材は、ドリルビットを受容するための近位端と遠位端との間に延びるボアを画定する内面を有する細長形本体を備える。細長形本体は、ボアを通るドリルビットのシャンク部分の通過を収容するようにサイズ決めされた近位部分を備える。近位部分は、ボアを通るドリルビットの切削部分の通過を阻止するようにサイズ決めされる。細長形本体は、ボアを通るドリルビットのシャンク部分および切削部分の通過を収容するようにサイズ決めされた遠位部分を備える。
【0008】
本開示はまた、外科用ハンドピースシステムを提供する。外科用ハンドピースシステムは、第1のシャンク部分および第1の切削部分を有する第1のドリルビットを備える。第1の切削部分は第1の外径を有する。外科用ハンドピースシステムは、第2のシャンク部分および第2の切削部分を有する第2のドリルビットを備える。第2の切削部分は、第1の外径よりも大きい第2の外径を有する。外科用ハンドピースシステムは、外科用ハンドピースアセンブリを備える。外科用ハンドピースアセンブリは、ハンドピースハウジングと、ハンドピースハウジング内に配置されたモータとを備える。モータは、トルクを発生するように構成される。外科用ハンドピースアセンブリは、ハンドピースハウジング内に配置された駆動要素を備える。駆動要素は、第1のドリルビットおよび第2のドリルビットの各々に別々に結合されるように構成される。駆動要素は、第1のドリルビットおよび第2のドリルビットの一方が駆動要素に結合されたときにモータからトルクを受容し、トルクに応答して第1のドリルビットおよび第2のドリルビットの一方を回転させるように構成される。外科用ハンドピースシステムは、ハンドピースハウジングに対して移動可能な深さカニューレを備える。深さカニューレは、深さカニューレの長さに沿って延びる内腔を画定する。深さカニューレは、第1のドリルビットおよび第2のドリルビットの少なくとも第1のシャンク部分および第2のシャンク部分を別個に受容するようにサイズ決めされる。深さカニューレは、第1のドリルビットの第1の切削部分の第1の外径よりも大きい第1の内径を有する。第1の内径は、第2のドリルビットの第2の切削部分の第2の外径よりも小さい。
【0009】
外科用ハンドピースシステムは、ハンドピースハウジングに対する深さカニューレの移動に応答して変位信号を生成するための変位センサを備える。外科用ハンドピースシステムは、深さカニューレに結合されるように構成された深さ測定延長部材を備える。深さ測定延長部材は、細長形本体を備える。細長形本体は、第1のドリルビットおよび第2のドリルビットの第1の切削部分および第2の切削部分の第1の外径および第2の外径よりも大きい第2の内径を有する遠位部分を有する。
【0010】
本開示はまた、シャンク部分および切削部分を有するドリルビットを含む外科用ドリルシステムの深さ測定部材に結合するための深さ測定延長部材(深さ測定エクステンション)を提供する。深さ測定延長部材は、ドリルビットおよび深さ測定部材を受容するための近位端と遠位端との間に延びるボアを画定する内面を有する細長形本体を備える。細長形本体は、ドリルビットのシャンク部分を収容するための第1の内部断面積を有する近位部分を備える。細長形本体は、ドリルビットの切削部分を収容するための第2の内部断面積を有する遠位部分を備える。第2の内部断面積は、第1の内部断面積よりも大きい。細長形本体は、近位部分の近位に配置された結合部分を備える。結合部分は、深さ測定部材を収容するための第3の内部断面積を有する。第3の内部断面積は、第1の内部断面積よりも大きい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】外科用ハンドピースアセンブリと測定モジュールとを備える外科用ハンドピースシステムの斜視図であって、外科用ハンドピースアセンブリが、1つの構成にしたがってドリルビットを有するように示されている斜視図である。
【
図2】
図1の外科用ハンドピースシステムの部分分解斜視図であって、測定モジュール、駆動カニューレ、深さ測定延長部材、およびハンドピースハウジングアセンブリから間隔を置いた解放アセンブリを有し、エンドエフェクタアセンブリが外科用ハンドピースアセンブリから取り外された状態で示されている部分分解斜視図である。
【
図3】
図1~
図2の外科用器具の一部の部分分解斜視図であって、アクチュエータアセンブリを描写するためにハンドピース本体のファントム外形から間隔を空けた駆動アセンブリおよび開放機構とともに示されている部分分解斜視図である。
【
図4】測定モジュールに取り付けられた深さ測定延長部材の配置を示す、
図1の線4-4に沿った部分等角断面図である。
【
図5A】深さ測定延長部材が第1の位置にある状態で測定モジュールに取り付けられた深さ測定延長部材の配置を示す、
図1~
図4の外科器具を縦断した断面図である。
【
図5B】深さ測定延長部材が第2の位置にある状態で測定モジュールに取り付けられた深さ測定延長部材の配置を示す、
図1~
図4の外科用器具を縦断した断面図である。
【
図6】深さ測定延長部材と外科用ハンドピースシステムのドリルビットの断面図である。
【
図7B】深さ測定延長部材を示す
図7Aの線7B-7Bに沿った断面図である。
【
図8B】深さ測定延長部材を示す
図8Aの線8B-8Bに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照すると、いくつかの図を通して同様の構造を指定するために同様の符号が使用されており、医療処置および/または外科処置に関連する操作機能を実行するための外科用システム、または外科用ドリルシステムが、
図1~
図2の60で示されている。いくつかの構成では、外科用ドリルシステム60は、外科用ハンドピースシステムとも呼ばれ得る。本明細書に図示される代表的な構成では、外科用ハンドピースシステム60は、患者の組織または骨などの被加工物を貫通することを容易にするために採用される。この目的のために、外科用ハンドピースシステム60の図示された構成は、ハンドヘルド外科器具と代替的に呼ばれるハンドピース62と、ドリルビット66と、を備える外科用ドリル61を備える。
図2に最もよく描かれているように、ドリルビット66は、全体的に70で示される切削先端部分と全体的に72で示される挿入部分との間を軸AXに沿って概ね長手方向に延びている。以下により詳細に説明するように、切削先端部分と呼ばれることもある切削部分70は、組織に係合するように構成され、挿入部分72は、ドリルビット66の外科用ハンドピースアセンブリ62への解放可能な取り付けを容易にするように構成される。ドリルビット66のハンドピース62への結合を可能にするために、挿入部72の様々な構成が考えられ、例えば、様々な溝、スロット、および他の形状が挙げられる。挿入部の1つの例示的な構成は、米国特許第10,159,495号に見出すことができ、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。ドリルビット66のハンドピース62への取り付けを容易にするための他の構成が存在し得ることが企図される。
【0013】
図2にも示されているように、ドリルビット66は、軸AXに沿って近位端から遠位端まで延びている。切削部分70は、軸AXを中心として螺旋状に配置され、ドリルビット66の遠位端から近位に延びて、組織などの被加工物の貫通を促進するフルート182を画定することができる(
図2参照)。ドリルビット66は、挿入部分72と切削部分70との間で軸AXに沿って延びる、全体的に176で示されるシャンク部分を備える。シャンク部分176は、その長さに沿って厚さが異なっていてもよい。
図2に示される構成では、ドリルビット66のシャンク部分176は、シャンク部分176に結合されたベアリング領域184も含み得る。ベアリング領域184は、ハンドピースに結合され得る測定モジュール128の深さカニューレ134内に受容され、相対的に回転するような大きさにされる(以下でさらに詳細に論じる)。ここで、ベアリング領域184は、ドリルビット66の長さに沿って回転支持を与えるシャンク部分176の「段付き」外側領域を画定することができ、図示された構成では、シャンク部分176の隣接する遠位領域および近位領域よりも大きな直径を有することができる。しかしながら、ドリルビット66のシャンク部分176のベアリング領域184は、本開示の範囲から逸脱することなく他の方法で構成され得ることが理解されるであろう。
【0014】
ここで
図1~
図4を参照すると、本明細書に図示された代表的な構成では、ハンドピース62は、バッテリ76に解放可能に取り付けられるピストルグリップ形状のハンドピース本体74を有するハンドヘルドドリルとして実現されている(バッテリ取り付け部は詳細に図示されていない)。しかしながら、ハンドピース本体74は、ピストルグリップの有無にかかわらず、任意の適切な形状を有することができることが企図される。図示されたハンドピース62は、ドリルビット66を回転させるために利用されるハンドピース62に電力を供給するために、ハンドピース本体74に解放可能に取り付け可能なバッテリ76を採用しているが、ハンドピース62は、(例えば、取り外し不可能な)内部バッテリを有するか、または外部コンソール、電源等へのテザー接続を有する等の他の方法で構成され得ることが理解されるであろう。他の構成も考えられる。
【0015】
図示の構成では、バッテリ76または他の電源は、コントローラ78に電力を供給し、コントローラ78は、入力制御装置80およびアクチュエータアセンブリ82(
図3も参照)と通信可能に配置される。入力制御装置80とアクチュエータアセンブリ82は、それぞれハンドピース本体74によって支持されている。コントローラ78は、一般に、入力制御装置80の作動に応答してアクチュエータアセンブリ82の作動を促進するように構成されている。入力制御装置80は、図示の構成ではトリガー式の構成を有し、ユーザ(例えば、外科医)による作動に応答し、磁石およびホール効果センサによって生成される電気信号を介するなどして、コントローラ78と通信する。したがって、操作者がハンドピース62を操作するために入力制御装置80を作動させると、コントローラ78は、バッテリ76からアクチュエータアセンブリ82に電力を導き、このアクチュエータアセンブリ82は、以下でさらに詳細に説明するように、ドリルビット66を回転させるために使用される回転トルクを発生させる。ハンドピース本体74、バッテリ76、コントローラ78、および入力制御装置80はそれぞれ、本開示の範囲から逸脱することなく、回転トルクの発生を容易にする多数の異なる方法で構成され得る。
【0016】
図3にも示すように、アクチュエータアセンブリ82は、それぞれがハンドピース本体74内に支持される電気モータ84およびギアセット86を含み得る。モータ84は、コントローラ78から受信したコマンド、信号などに応答して選択的に回転トルクを発生するように構成されている。
図5に最もよく示されているように、モータ84は、一対のベアリング90によって軸AXを中心とする回転のために支持されたロータカニューレ88を備える。ギアセット86に隣接して配置された駆動ギアは、ロータカニューレ88に結合され、ロータカニューレ88と同時に回転し、ギアセット86に回転トルクを伝達するために採用される。この目的のために、図示された構成では、ギアセット86は、2段複合遊星配置として実現され、一般に、特に、ベアリング90を介して出力ハブ96を回転可能に支持するリングギアハウジング94と、1つまたは複数の保持クリップ98、ワッシャ100、および/またはシール102と、を備える。しかしながら、ギアセット86の他の構成も考えられる。
【0017】
ギアセット86の1つの構成のさらなる詳細は、例えば、2018年2月2日に出願され、「ハンドヘルド外科器具用ドリルビット」と題された米国特許出願第15/887,507号に記載されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、モータ84の作動を介した駆動ギアの回転が出力ハブ96の同時回転をもたらし、出力ハブ96がドリルビット66と同時回転することが記載されている。アクチュエータアセンブリ82は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の方法で構成され得る。非限定的な例として、図示されたアクチュエータアセンブリ82は、モータ84の駆動ギアと出力ハブ96との間の回転速度およびトルクを調整するために複合遊星配置を採用しているが、いくつかの構成では、他のタイプのギアセット86が利用され得る。さらに、図示されたアクチュエータアセンブリ82は、回転トルクを発生させるために電動ブラシレスDCモータを採用しているが、他のタイプの原動機を利用することも可能である。他の構成も考えられる。
【0018】
上述のように、モータ84によって発生される回転トルクは、出力ハブ96の回転をもたらし、この出力ハブ96は、結合されたドリルビット66と同時に回転する。この目的のために、
図2~
図5に最もよく示されているように、ハンドピース62は、一般に、アクチュエータアセンブリ82の様々なカニューレ状構成要素を貫通してギアセット86の出力ハブ96とスプライン係合するように延びる駆動アセンブリ114をさらに備える。駆動アセンブリ114は、ドリルビット66とハンドピース62との間の解放可能な取り付けを容易にするように構成されている。駆動アセンブリ114は、一般に、駆動カニューレのような駆動要素116と、駆動ヘッド118と、駆動要素116と駆動ヘッド118との間に延び、駆動要素116と同時に回転する駆動本体120と、を備える。駆動アセンブリ114は、駆動要素116に隣接する出力ハブ96とのスプライン係合、および駆動ヘッド118に隣接するベアリング、ワッシャ、およびシールの配置を介して、ハンドピース本体74内で軸AXを中心に回転するように支持される。ドリルビット66は、上述の方法とは異なる方法でトルクを受けるためにハンドピース62に取り付けるように構成されてもよいことが企図される。
【0019】
駆動アセンブリ114のさらなる詳細も、例えば、米国特許出願第15/887,507号に記載されており、その内容も参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。図示された構成において、駆動アセンブリ114の駆動ヘッド118は、全体的に126で示されるカップリングを含み、このカップリングは、ハンドピース62が、本開示のドリルビット66を回転させること以外の他の用途に関連して利用される場合に、回転トルクを伝達することを容易にするために提供される。より具体的には、図示された駆動アセンブリ114は、ハンドピース62が、駆動要素116のボア122、または駆動ヘッド118のカップリング126のいずれかと同時に係合して回転するように構成され得る、多数の異なるタイプの外科器具、ツール、モジュール、エンドエフェクタなどを回転、駆動、またはその他の方法で作動させることができるように構成される。この構成により、同じハンドピース62を広範な数の医療および/または外科処置に利用できることが理解されよう。しかしながら、駆動アセンブリ114は、本開示のドリルビット66とともに専用に使用するように構成されたハンドピース62が使用される構成においてカップリング126を有する駆動ヘッド118を省略するように、いくつかの構成において異なるように構成され得ることが企図される。
【0020】
図1~
図3に戻って参照すると、ハンドピース62の図示された構成は、ドリルビット66の取り外しを容易にするように構成された、全体的に150で示される解除機構、または結合機構をさらに備える。結合機構150は、一般に、解除サブアセンブリ152、キーパ本体154、およびハウジングアダプタ156を備える。キーパ本体154およびハウジングアダプタ156はそれぞれ、解除サブアセンブリ152をアクチュエータアセンブリ82およびハンドピース本体74に固定するように構成され、多数の異なる構成で実現されるか、またはいくつかの構成ではハンドピース62の他の部分に統合され得る。
【0021】
上述のように、ドリルビット66は、一般に、切削先端部分70と挿入部分72との間の軸AXに沿って延び、ドリルビット66のインターフェース124と駆動アセンブリ114の駆動要素116のボア122との間の係合を介して、本明細書に記載され、図面全体にわたって図示されたハンドピース62に解放可能に取り付けられるように構成されている。駆動要素116は、アクチュエータアセンブリ82のギアセット86の出力ハブ96と協働して、軸AXを中心としてドリルビット66を回転させる。
【0022】
外科用ドリルシステム60の図示された構成は、全体的に128で示される測定モジュール(代替的に測定ヘッドと呼ばれることもある)をさらに含んでおり、この測定モジュールは、使用中に外科医に測定機能を提供するためにハンドピース62に解放可能に取り付けられるように構成され得る。この目的のために、
図4および
図5に最もよく示されているように、測定モジュール128は、一般に、ハウジング130と、ガイドブッシュ132と、深さカニューレ134(すなわち、測定プローブ、深さ測定部材、または測定カニューレ)と、を含んでもよく、この深さカニューレ134は、深さカニューレ134の内腔の内径よりも小さい切削部分を有するドリルビットとともに使用される場合に、被加工物、または組織に対して配置されるように適合された遠位端134Aを含む。測定モジュールの好適な例は、国際特許公開第WO2019/035096A1号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。ハウジング130は、ハンドピース62に解放可能に取り付け可能であってよく、一般に、測定モジュール128の様々な構成要素を支持する。図示されたハウジング130は、インターロックされるか、さもなければ一緒に取り付けられる一対のハウジング構成要素138として形成されてもよく、測定モジュール128の洗浄または整備を容易にするために分解できるように構成されてもよい。測定モジュール128は、ハンドピース62の一体部品として形成されてもよく、または、測定モジュール128が使用後にハンドピース62から取り外し不可能な方法でハンドピース62に貼付されるか、または他の方法で固定される部品の形態であってもよいことを理解されたい。
【0023】
図示された構成において、ハウジング構成要素138およびガイドブッシュ132は、ハウジング構成要素に形成されたウエブまたはリブ(詳細には図示せず)に嵌合するガイドブッシュ132に形成されたノッチを介する等、その間の相対的な軸方向および回転の運動を防止するように配置された対応する形状の特徴を含む。ガイドブッシュ132は、以下に詳細に説明するように、窓142をさらに含み得る。
【0024】
深さカニューレ134は、ガイドブッシュ132内に配置されてもよく、ハンドピース62に対して軸AXに沿って並進運動するように支持される。細長い凹型スロット143(
図2に部分的に描かれている)は、深さカニューレ134に横方向に形成され、長手方向に延びていてもよい。本明細書では特に図示しないが、細長い凹型スロット143は、順次、ハウジング130によって支持され、同様にガイドブッシュ132の側面を横方向に貫通して形成された開口部を通って延びるトラベルストップ要素を受容する形状および配置であってもよい。この配置は、深さカニューレ134がガイドブッシュ132およびハウジング130に対して軸方向に伸長または収縮され得る範囲を制限する役割を果たし得、また、深さカニューレ134が軸AXを中心に回転するのを防止し得る。しかしながら、測定モジュール128は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の方法で深さカニューレ134の移動を制限または防止するように構成され得ることが理解されよう。
【0025】
図示されているように、深さカニューレ134は、変換器アセンブリ136のギア146と噛み合った状態で配置されているラック歯144をさらに備える。いくつかの構成では、変換器アセンブリ136は変位センサと見なされることがある。
図5に示すように、ガイドブッシュ132の窓142は、ラック歯144とギア146との間の噛み合い係合を容易にするために、変換器アセンブリ136に隣接して配置される。ギア146は、共通のギア軸CAXに沿って延びるシャフト部分147を含む。ギア146自体は、プローブ134がハウジング130に対して軸AXに沿って移動する際に、共通のギア軸CAXを中心として360度回転可能である。
【0026】
変換器アセンブリ136は、軸AXに沿ったハウジング130に対する測定プローブ134の相対的な位置の変化を表す電気信号(すなわち、変換器信号)を生成するために、測定プローブ134の軸方向移動から生じるギア146の回転に応答し、これは、外科用ドリル61が被加工物に対して配置されたときのハウジング130に対する深さカニューレ134の遠位端134Aの相対的な位置決めに対応する。したがって、変換器アセンブリ136は、外科用ハンドピースアセンブリ62に強化された機能性を提供することができることが理解されよう。一例として、いくつかの構成では、変換器アセンブリ136は、コントローラ78と通信可能に配置されてもよく、コントローラ78は、被加工物への特定の穿孔深さでドリルビット66の回転を減速させるなど、測定プローブ134の移動に基づいてモータ84がどのように駆動されるかを中断または調整するように構成されてもよい。変換器アセンブリ136はまた、表示スクリーン、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)等の出力装置148と通信可能に配置され、リアルタイムの掘削深さ、記録された過去の最大掘削深さ等を表示する等、測定プローブ134の移動に関連する情報を外科医に提供することができる。他の構成も考えられる。出力装置148は、取り外し可能な測定モジュールの一部であってもよい。さらに、
図4に図示された変換器アセンブリ136および深さカニューレ134は、深さカニューレ134のラック歯144および変換器アセンブリ136のギア146を備えたラックおよびピニオン設計を集合的に備えるが、変換器アセンブリ136は、ハウジング130に対する深さカニューレ134の変位に応答する変換器信号を生成するために、電位差計、光学センサ、および線形可変変位変圧器などの1つまたは複数のセンサを備えてもよいことが企図される。
【0027】
多くの構成において、異なる処置のために組織を貫通するために、様々なサイズのドリルビットが使用されることがある、例えば、外科処置は、別の外科処置のためのねじよりも大きなねじを必要とすることがある。そのような外科処置では、より大きなねじを収容するためにより大きな穴を確立するために、ドリルビット66の切削部分70の異なる外径を有するドリルビットを使用することが必要であり得る。ドリルビット66の大きな切削部分70を必要とするそのような構成では、駆動カニューレ116、深さカニューレ134、ガイドブッシュ132、およびドリルビット66のカニューレ状配置が、大きな切削部分70を有するドリルビット66を用いた深さ測定の操作を複雑にすることがある。いくつかの構成では、ドリルビット66の切削部分70の外径は、深さカニューレ134の内径よりも大きい場合がある。より大きな切削部分70を収容するようにサイズ決めされた内径を有するより大きな深さカニューレ134を採用することは、ドリルビット66と深さカニューレ134との間の寸法上の懸念を解決し得るが、より大きな深さカニューレ134は、深さカニューレ134がガイドブッシュ132および駆動カニューレ116に受容されることに関する新たなサイズ決め問題を生じ得る。他の構成では、ドリルビット66の切削部分70の外径は、駆動カニューレ116の内径よりも大きい場合がある。これらの懸念に対処するために、深さ測定延長部材200を深さカニューレ134の遠位部分に結合して、外科用ハンドピースシステム60のカニューレ配置を損なうことなく、より大きな切削部分70を有するドリルビット66を収容することができる。
【0028】
図6~
図8Bに示すように、深さ測定延長部材200は、ボアを画定する内面204を有する細長形本体202を備える。ボアは、細長形本体202の近位端と遠位端との間に延び、ドリルビット66を受容する。ボアは、深さカニューレ134が深さ測定延長部材200に結合されるとき、深さカニューレ134の内腔と連通する。細長形本体202は、細長形本体202が単一の一体構造を備えるようなモノリシック構造を含み得る。他の構成では、細長形本体202は、互いに固定された複数の構成要素を含み得る。細長形本体202は、ボアを通るドリルビット66のシャンク部分176の通過を収容する大きさの近位部分206を有する。近位部分206は、ボアを通るドリルビット66の切削部分70の通過を防止する大きさであり得る。別の言い方をすれば、細長形本体202の近位部分206は、切削部分70が細長形本体202の遠位端に入り細長形本体202の近位端から出ることができないように、ドリルビット66の切削部分70よりも小さいサイズであり得る。細長形本体202はまた、ボアを通るドリルビット66のシャンク部分176および切削部分70の通過を収容する大きさの遠位部分208を含む。
【0029】
ボアを通るドリルビット66の切削部分70の通過を阻止するようにサイズ決めされた近位部分206を有することの1つの利点は、深さカニューレ134および深さ測定延長部材200が切り離された場合に、深さ測定延長部材200がドリルビット66の端部に対して遠位側に相対的に、かつドリルビット66の端部から遠ざかるように意図せずに移動するのを防止することである。換言すれば、深さ測定延長部材200が深さカニューレ134から不注意に離脱した場合に、相対的なサイズ設定により、深さ測定延長部材200をドリルビット66の切削部分70と深さカニューレ134との間に捕捉できる。
【0030】
ドリルビット66のシャンク部分176は、第1の外径210を有する。ドリルビット66の切削部分70は、第2の外径212を有する。深さカニューレ134の内径214よりも大きい第2の外径212を有するドリルビット66の構成では、第2の外径212は第1の外径210よりも大きい。細長形本体202の近位部分206は、ドリルビット66の切削部分70が細長形本体202のボアを通過するのを防止するように、第1の外径210よりも大きく第2の外径212よりも小さい第1の内径216を有し得る。細長形本体202の遠位部分208は、ドリルビット66の切削部分70に沿った深さ測定延長部材200の軸方向移動を収容するために、第1および第2の外径210、212よりも大きい第2の内径218を有し得る。
【0031】
深さカニューレ134は、第1のカプラ220を備えることができ、深さ測定延長部材200の結合部分222は、第2のカプラ224を備えることができる。結合部分222は、近位部分206の近位に配置されてもよい。第1のカプラ220は、第2のカプラ224と係合して、深さカニューレ134と深さ測定部材200との間の取り外し可能な結合を容易にするように構成されている。
【0032】
図6~
図8Bに示される1つの構成では、第2のカプラ224は、1つまたは複数の偏向可能な突起226を含んでもよく、第1のカプラ220は、1つまたは複数の凹部228を画定してもよい。1つまたは複数の凹部228は、深さカニューレ134と深さ測定延長部材200との間の取り外し可能な結合を容易にするために、1つまたは複数の突起226の一部を受容するように構成されてもよい。より具体的には、1つまたは複数の凹部228は、ボアに向かって延びる1つまたは複数の突起226のタブ230を受容するように構成されてもよい。第2のカプラ224は、1つまたは複数の突起226の少なくとも1つを部分的に取り囲むカットアウト232を画定することができる。カットアウト232は、突起226がボアに対して撓曲可能であることを補助する。深さカニューレ134が突起226を備え、深さ測定延長部材200が凹部228を画定するように、第1および第2のカプラ220、224を逆にすることも考えられる。また、深さカニューレ134および深さ測定延長部材200は、ファスナーを介した結合、ねじ結合、接着剤の使用、または別の方法による結合を含む他の方法で一緒に取り付けられることも考えられる。
【0033】
深さ測定延長部材200は、細長形本体202の遠位部分208のボア内に少なくとも部分的に配置されたブッシング234を含むことができる。ブッシング234は、ドリルビット66の切削部分70が細長形本体202に接触するのを防止することができる。ブッシング234は、ドリルビット66の切削部分70の第2の外径212よりも大きい内径236を有する。
【0034】
図7Aおよび
図8Aに示される構成では、細長形本体202の近位部分206は、円形の内面を有する。他の構成では、細長形本体202の近位部分206は非円形の内面を有する。他の構成では、細長形本体202の近位部分206の内面は、ドリルビット66の切削部分70の第2の外径212よりも小さい内接基準円を画定することができる。別の言い方をすれば、細長形本体202の近位部分206の内面によって画定されるボア内に配置され得る最大の円の直径は、ドリルビット66の切削部分70の第2の外径212よりも小さい直径を有する。
【0035】
別の構成では、細長形本体202の近位部分206は、ドリルビット66のシャンク部分176を収容するための第1の内部断面積を有することができる。細長形本体202の遠位部分208は、ドリルビット66の切削部分70を収容するための第2の内部断面積を有することができる。第2の内部断面積は、第1の内部断面積よりも大きくてもよい。細長形本体202の結合部分222は、深さカニューレ134を収容するための第3の内部断面積を有することができる。第3の内部断面積は、第1の内部断面積よりも大きくてもよい。第3の内部断面積は、第2の内部断面積よりも小さくてもよい。深さ測定延長部材200がブッシング234を含む構成では、ブッシング234は、第1の内部断面積よりも大きい内径を有し得る。
【0036】
例示的な構成では、介護者は、深さ測定延長部材200の取り付けが、深さカニューレ134の内径よりも大きい切削部分70を有する
図1に図示されたドリルビット66に対して必要であり得るように、異なるサイズのドリルビットに対して外科用ハンドピースシステム60を使用することができる。このような構成では、深さカニューレ134の内径よりも小さい切削部分を有するドリルビットのための深さカニューレ134の動作は、先に述べた国際特許公開第WO2019/035096A1号に記載された外科用ハンドピースシステムと一致する方法で機能するであろう。介護者が、より大きな切削部分70を有するドリルビット66を使用する必要がある場合、使用者は、上述のように、より大きなドリルビット66を駆動要素116に装填することができ、挿入部分72およびシャンク部分176は、より小さなドリルビットの挿入部分およびシャンク部分と同一であってもよい。このようにして、より大きなドリルビット66を外科用ハンドピースアセンブリ62に結合し、外科用ハンドピースアセンブリ62を操作してより大きなドリルビット66を回転させることは、より小さなドリルビットを外科用ハンドピースアセンブリに結合し、外科用ハンドピースアセンブリを操作してより小さなドリルビットを回転させることと同じである。
【0037】
前述の説明において、いくつかの構成について述べてきた。しかしながら、本明細書で論じた構成は、本発明を網羅することを意図するものではなく、本発明を特定の形態に限定することを意図するものでもない。使用された用語は、限定ではなく、説明の言葉の性質を意図したものである。上記の教示に照らして、多くの修正および変形が可能であり、本発明は、具体的に説明した以外の方法で実施することができる。
【0038】
用語「含む(include)」、「含む(includes)」および「含む(including)」は、用語「備える(comprise)」、「備える(comprises)」および「備える(comprising)」と同じ意味を有することがさらに理解されるであろう。さらに、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、本明細書において、明確性および一貫性のための非限定的、例示的な目的のために、特定の構造的特徴および構成要素を区別するために使用されることが理解されよう。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用ハンドピースシステムであって、
シャンク部分および切削部分を有するドリルビットと、
外科用ハンドピースアセンブリであって、
ハンドピースハウジング、
前記ハンドピースハウジング内に配置され、トルクを発生するように構成されたモータ、
前記ハンドピースハウジング内に配置され、前記ドリルビットに結合されるように構成された駆動要素であって、前記ドリルビットが前記駆動要素に結合されたときに前記モータから前記トルクを受容し、前記トルクに応答して前記ドリルビットを回転させるように構成された、駆動要素、
前記ドリルビットの軸に平行な軸に沿って前記ハンドピースハウジングに対して移動可能な深さ測定部材、および、
前記ハンドピースハウジングに対する前記深さ測定部材の移動に応答して変位信号を生成するための変位センサ、
を含む、外科用ハンドピースアセンブリと、
深さ測定延長部材であって、
前記ドリルビットを受容するための近位端と遠位端との間に延びるボアを画定する内面を有する細長形本体であって、
前記ボアを通る前記ドリルビットの前記シャンク部分の通過を収容するようにサイズ決めされ、前記ボアを通る前記ドリルビットの前記切削部分の通過を阻止するようにサイズ決めされた近位部分、および、
前記ボアを通る前記ドリルビットの前記シャンク部分および前記切削部分の通過を収容するようにサイズ決めされた遠位部分、
を含む、細長形本体、
を含み、前記深さ測定部材に結合されるように構成された、深さ測定延長部材と、
を備えた、外科用ハンドピースシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記ドリルビットの前記シャンク部分は、第1の外径を有し、前記ドリルビットの前記切削部分は、前記第1の外径よりも大きい第2の外径を有し、前記細長形本体の前記近位部分は、前記第1の外径よりも大きく前記第2の外径よりも小さい第1の内径を有し、前記細長形本体の前記遠位部分は、前記第1の外径および前記第2の外径よりも大きい第2の内径を有する、外科用ハンドピースシステム。
【請求項3】
請求項1
に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記深さ測定延長部材および前記深さ測定部材の一方は、第1のカプラを含み、前記深さ測定延長部材および前記深さ測定部材の他方は、第2のカプラを含み、前記第1のカプラは、前記深さ測定延長部材および前記深さ測定部材の取り外し可能な結合を容易にするために前記第2のカプラと係合するように構成される、外科用ハンドピースシステム。
【請求項4】
請求項3に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記第1のカプラおよび前記第2のカプラの一方は、1つまたは複数の偏向可能な突起を有し、前記第1のカプラおよび前記第2のカプラの他方は、1つまたは複数の凹部を画定し、各凹部は、前記深さ測定延長部材と前記深さ測定部材との間の取り外し可能な結合を容易にするために前記1つまたは複数の突起のうちの1つの部分を受容するように構成される、外科用ハンドピースシステム。
【請求項5】
請求項4に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記第1のカプラおよび前記第2のカプラの一方は、前記1つまたは複数の突起の少なくとも1つを部分的に取り囲むカットアウトを画定する、外科用ハンドピースシステム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記深さ測定部材は、内腔を画定するカニューレを含み、前記カニューレの前記内腔は、前記深さ測定延長部材が前記深さ測定部材に結合されるとき、前記深さ測定延長部材の前記ボアと連通する、外科用ハンドピースシステム。
【請求項7】
請求項1から
5のいずれか1項に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記深さ測定延長部材は、前記細長形本体の前記遠位部分の前記ボア内に少なくとも部分的に配置されたブッシングを備える、外科用ハンドピースシステム。
【請求項8】
請求項1から
5のいずれか1項に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記細長形本体は、モノリシック構造を備える、外科用ハンドピースシステム。
【請求項9】
請求項1から
5のいずれか1項に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記細長形本体の前記近位部分は、非円形の内面を有する、外科用ハンドピースシステム。
【請求項10】
請求項1から
5のいずれか1項に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記駆動要素は、駆動カニューレを備える、外科用ハンドピースシステム。
【請求項11】
外科用ハンドピースシステムであって、
第1のシャンク部分および第1の切削部分を有する第1のドリルビットであって、前記第1の切削部分が第1の外径を有する、第1のドリルビットと、
第2のシャンク部分および第2の切削部分を有する第2のドリルビットであって、前記第2の切削部分が前記第1の外径よりも大きい第2の外径を有する、第2のドリルビットと、
外科用ハンドピースアセンブリであって、
ハンドピースハウジング、
前記ハンドピースハウジング内に配置され、トルクを発生するように構成されたモータ、
前記ハンドピースハウジング内に配置され、前記第1のドリルビットおよび前記第2のドリルビットの各々に別々に結合されるように構成された駆動要素であって、前記第1のドリルビットおよび前記第2のドリルビットの一方が前記駆動要素に結合されたときに前記モータから前記トルクを受容し、前記トルクに応答して前記第1のドリルビットおよび前記第2のドリルビットの一方を回転させるように構成された、駆動要素、
前記ハンドピースハウジングに対して移動可能な深さカニューレであって、前記深さカニューレは、前記深さカニューレの長さに沿って延びる内腔を画定し、前記深さカニューレは、前記第1のドリルビットおよび前記第2のドリルビットの少なくとも前記第1のシャンク部分および前記第2のシャンク部分を別個に受容するようにサイズ決めされ、前記深さカニューレは、前記第1のドリルビットの前記第1の切削部分の前記第1の外径よりも大きい第1の内径を有し、前記第1の内径は、前記第2のドリルビットの前記第2の切削部分の前記第2の外径よりも小さい、深さカニューレ、および、
前記ハンドピースハウジングに対する前記深さカニューレの移動に応答して変位信号を生成するための変位センサ、
を含む、外科用ハンドピースアセンブリと、
前記深さカニューレに結合されるように構成された深さ測定延長部材であって、細長形本体を備え、前記細長形本体は、前記第1のドリルビットおよび前記第2のドリルビットの前記第1の切削部分および前記第2の切削部分の前記第1の外径および前記第2の外径よりも大きい第2の内径を有する遠位部分を有する、深さ測定延長部材と、
を備える、外科用ハンドピースシステム。
【請求項12】
請求項11に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記第1のドリルビットおよび前記第2のドリルビットの前記第1のシャンク部分および前記第2のシャンク部分は各々、等しいシャンク外径を有する、外科用ハンドピースシステム。
【請求項13】
請求項11から12のいずれか1項に記載の外科用ハンドピースシステムであって、前記駆動要素は、駆動カニューレを備える、外科用ハンドピースシステム。
【請求項14】
シャンク部分および切削部分を有するドリルビットを含む外科用ドリルシステムの深さ測定部材に結合するための深さ測定延長部材であって、
前記ドリルビットおよび前記深さ測定部材を受容するための近位端と遠位端との間に延びるボアを画定する内面を有する細長形本体を備え、前記細長形本体は、
前記ドリルビットの前記シャンク部分を収容するための第1の内部断面積を有する近位部分、
前記ドリルビットの前記切削部分を収容するための第2の内部断面積を有する遠位部分であって、前記第2の内部断面積は前記第1の内部断面積よりも大きい、遠位部分、および、
前記近位部分の近位に配置された結合部分であって、前記深さ測定部材を収容するための第3の断面積を有し、前記第3の内部断面積は、前記第1の内部断面積よりも大きい、結合部分、
を備える、深さ測定延長部材。
【請求項15】
請求項14に記載の深さ測定延長部材であって、前記結合部は、前記深さ測定延長部材を前記深さ測定部材に結合するために、前記ボア内に偏向可能な1つまたは複数の突起を備える、深さ測定延長部材。
【請求項16】
請求項15に記載の深さ測定延長部材であって、前記結合部は、前記1つまたは複数の突起を部分的に取り囲むカットアウトを画定する、深さ測定延長部材。
【請求項17】
請求項14から16のいずれか1項に記載の深さ測定延長部材であって、前記細長形本体の前記遠位部分の前記ボア内に少なくとも部分的に配置されたブッシングをさらに備える、深さ測定延長部材。
【請求項18】
請求項17に記載の深さ測定延長部材であって、前記ブッシングは、前記第1の内部断面積よりも大きい内径を有する、深さ測定延長部材。
【請求項19】
請求項14から
16のいずれか1項に記載の深さ測定延長部材であって、前記細長形本体は、モノリシック構造を備える、深さ測定延長部材。
【請求項20】
請求項14から
16のいずれか1項に記載の深さ測定延長部材であって、前記近位部分の前記第1の内部断面積は、非円形である、深さ測定延長部材。
【国際調査報告】