(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】自動車前照灯用照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 41/20 20180101AFI20241003BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20241003BHJP
F21W 102/155 20180101ALN20241003BHJP
【FI】
F21S41/20
F21S41/143
F21W102:155
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523665
(86)(22)【出願日】2022-10-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 EP2022078396
(87)【国際公開番号】W WO2023066756
(87)【国際公開日】2023-04-27
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】パク、スンジュン
(72)【発明者】
【氏名】マンドル、ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】クリスト、ベネディクト
(72)【発明者】
【氏名】ピューリンガー、ヤーコブ
(57)【要約】
【課題】改善された照明装置を提供する。
【解決手段】ロービームを生成する自動車前照灯用照明装置。ロービームの垂直延伸はV-Vラインに沿ってV-Vライン上の少なくとも0°から少なくとも-10°下方に及ぶ。照明装置(10)は共通の光入射部(110)、光出射部(130)及び光学体(100)を画成するシェル面(140)を含む光学体(100)及び照明装置(10)の前方へ光線を投影するよう構成された投影レンズシステム(200)を含む。投影レンズシステム(200)は光学体(100)と組み合わされて投影レンズシステム(200)によって照射されるロービームを生成するよう構成されている。光学体(100)は第1光線路(LR1)に沿って光線を導くための第1セットの光学的作用面を含む。第1セットの光学的作用面は第1、第2光偏向面(300a、300b)と第1光出射面(300c)を含む。第1、第2光偏向面(300a、300b)はシェル面(140)に配され、第1光出射面(300c)は光出射部(130)に配される。第1光線路(LR1)を進む光線は第1偏向面(300a)に入射して第2偏向面(300b)へ偏向され、第2偏向面(300b)に入射する光線は第1光出射面(300c)へ偏向され、第1光出射面(300c)によって放出される光線はロービームの第1部分の生成に寄与する。光学体(100)は第2及び第3光線路(LR2、LR3)に沿って光線を導くための第2セットの光学的作用面を含み、第2セットの光学的作用面は第3光偏向面(400a)と第2光出射面(400b)を含み、第3光偏向面(400a)はシェル面(140)に配され、第2光出射面(400b)は光出射部(130)の第1光出射面(300c)から離れた所に配され、第2光線路(LR2)を進む光線は第3偏向面(400a)に入射して光学体(100)の外部への分離のために第2光出射面(400b)へ偏向され、第2光出射面(400b)によって放出される光線はロービームの第2部分の生成に寄与する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車前照灯のための照明装置であって、
前記照明装置はロービームを生成し、
前記ロービームの垂直延伸は、V-Vラインに沿って、前記V-Vライン上の少なくとも0°から少なくとも-10°下方に及び、
前記照明装置(10)は、
・複数の異なる光線路において光線を放出するよう構成された少なくとも1つの光源(50)、
・光学体(100)であって、
・前記少なくとも1つの光源(50)からの光線を前記光学体(100)内へ結合するための共通の光入射部(110)、但し前記光入射部(110)は少なくとも1つの光収集要素(120)を有し、前記少なくとも1つの光収集要素(120)は夫々の光源(50)に割り当てられており、かつ、割り当てられた光源(50)からの光線を前記光学体(100)内へ結合するよう構成されている、
・前記共通の光入射部(110)を介して前記光学体(100)内へ結合された光線を前記照明装置(10)の主方向(X)において前記光学体(100)の外部へ分離するための光出射部(130)、
・前記光学体(100)を限定するシェル面(140)、但し前記シェル面(140)は前記光学体(100)内へ結合された光線を偏向するよう構成されており、前記シェル面(140)は前記共通の光入射部(110)と前記光出射部(130)の間に延在している、
を含む光学体(100)、
・前記光学体(100)の光出射部(130)から放出された光線を受容するために前記主方向(X)に沿って前記光学体(100)の下流側に配置され、少なくとも1つのレンズを含む投影レンズシステム(200)、但し前記投影レンズシステム(200)は前記照明装置(10)の前方へ光線を投影するよう構成されている、
を含み、
前記少なくとも1つの光源(50)及び前記光学体(100)と組み合わされた前記投影レンズシステム(200)は、前記投影レンズシステム(200)によって照射されるロービームを生成するよう構成されており、
前記光学体(100)は、前記共通の光入射部(110)を介して前記光学体(100)内へ結合された光線の少なくとも一部分を第1光線路(LR1)に沿って前記共通の光入射部(110)から前記光出射部(130)へ導くための、第1セットの光学的作用面を含むこと、
前記第1セットの光学的作用面は第1及び第2光偏向面(300a、300b)と第1光出射面(300c)を含み、前記第1及び第2光偏向面(300a、300b)は前記シェル面(140)に配されており、前記第1光出射面(300c)は前記光出射部(130)に配されていること、
前記第1光線路(LR1)を進行する光線は前記第1光偏向面(300a)に入射(当射)して前記第2光偏向面(300b)へ偏向され、前記第2光偏向面(300b)に入射した光線は、前記光学体(100)の外部への分離のために、前記第1光出射面(300c)へ偏向されること、
前記第1光出射面(300c)によって放出される光線はロービームの第1部分の生成に寄与すること、
前記光学体(100)は、前記共通の光入射部(110)を介して前記光学体(100)内へ結合(入射)された光線の少なくとも一部分を第2及び第3光線路(LR2、LR3)に沿って前記共通の光入射部(110)から前記光出射部(130)へ導くための、第2セットの光学的作用面を含むこと、
前記第2セットの光学的作用面は第3光偏向面(400a)と第2光出射面(400b)を含み、前記第3光偏向面(400a)は前記シェル面(140)に配されており、前記第2光出射面(400b)は前記光出射部(130)の前記第1光出射面(300c)から離れた所に配されていること、
前記第2光線路(LR2)を進行する光線は前記第3光偏向面(400a)に入射(当射)して、前記光学体(100)の外部への分離のために前記第2光出射面(400b)へ偏向され、前記第3光線路(LR3)を進行する光線は前記共通の光入射部(110)から直接的に前記第2光出射面(400b)に入射すること、
前記第2光出射面(400b)によって放出される光線はロービームの第2部分の生成に寄与すること、
前記第1光出射面(300c)によって与えられるロービームの前記第1部分と前記第2光出射面(400b)によって与えられるロービームの前記第2部分はロービームを形成し、当該ロービームの垂直延伸は前記V-Vラインに沿って前記V-Vライン上の少なくとも0°から-10°以下の下方に及ぶこと
を特徴とする、照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、
前記第2光偏向面(300b)と前記第3光偏向面(400a)は凸状結合面を介して結合されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の照明装置において、
前記投影レンズシステム(200)は光軸(A)を含み、前記第1光出射面(300c)は面ベクトルを有し、当該面ベクトルは前記投影レンズシステム(200)の前記光軸(A)に対して傾けられていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項4】
請求項3に記載の照明装置において、
前記第2光出射面(400b)は面ベクトルを有し、当該面ベクトルは前記投影レンズシステム(200)の前記光軸(A)に対して傾けられていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載の照明装置において、
前記光収集要素(120)はコリメータ光学系として構成されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載の照明装置において、
前記光収集要素(120)は、
・光軸(A1)を有する第1レンズ(120a)、但し前記第1レンズ(120a)は前記第1レンズ(120a)に入射した光を前記第1光線路(LR1)へ向けるよう構成されている、及び
・光軸(A2)を有する第2レンズ(120b)、但し前記第2レンズ(120b)は前記第2レンズ(120b)に入射した光を前記第3光線路(LR3)へ向けるよう構成されている、
を含み、
前記第1レンズ(120a)と前記第2レンズ(120b)は、それらの光軸(A1、A2)が水平方向及び/又は垂直方向において互いに対しオフセットを有するよう、直接的に隣り合うように配置されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項7】
請求項6に記載の照明装置において、
前記光収集要素(120)の前記第1レンズ(120a)の前記光軸(A1)と前記第2レンズ(120b)の前記光軸(A2)は前記主方向(X)に対し直角をなす軸の周りで互いに対し回転されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項8】
請求項1~7の何れかに記載の照明装置において、
前記光収集要素(120)は、複合放物面集光器(Compound Parabolic Concentrator)として、好ましくは非結像型複合放物面集光器として構成されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れかに記載の照明装置において、
前記第1光出射面(300c)と前記シェル面(140)は共通の面切断線(150)において交差すること、前記共通の面切断線(150)はロービームのための非対称的カットオフ境界を生成すること
を特徴とする、照明装置。
【請求項10】
請求項9に記載の照明装置において、
前記投影レンズシステム(200)は前記光軸(A)と当該光軸(A)に配された少なくとも1つの焦点(F)を含むこと、
前記共通の面切断線(150)は前記少なくとも1つの焦点(F)に配されること
を特徴とする、照明装置。
【請求項11】
請求項1~10の何れかに記載の照明装置において、
前記共通の光入射部(110)と前記光出射部(130)は前記主方向(X)に沿って互いに対しオフセットを有すること
を特徴とする、照明装置。
【請求項12】
請求項1~11の何れかに記載の照明装置において、
前記照明装置(10)は少なくとも2つの光源(50)を含むこと、
前記光源(50)は前記主方向(X)に対し実質的に直角をなす水平線に配置されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項13】
請求項1~12の何れかに記載の照明装置において、
前記少なくとも1つの光源(50)はLEDであること
を特徴とする、照明装置。
【請求項14】
請求項1~13の何れかに記載の照明装置を少なくとも1つ含む自動車前照灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロービームを生成するための自動車前照灯のための照明装置であって、
前記ロービームの垂直(方向)延伸は、V-Vラインに沿って、前記V-Vライン上の少なくとも0°から少なくとも-10°下方に及び、
前記照明装置は、
・複数の異なる光線路において光線を放出するよう構成された少なくとも1つの光源、
・光学体であって、
・前記少なくとも1つの光源からの光線を前記光学体内へ結合(入射)するための共通の光入射部、但し前記光入射部は少なくとも1つの光収集要素を有し、前記少なくとも1つの光収集要素は夫々の光源に割り当てられて(対応付けられて)おり、かつ、割り当てられた光源からの光線を前記光学体内へ結合(入射)するよう構成されている、
・前記共通の光入射部を介して前記光学体内へ結合(入射)された光線を前記照明装置の主方向において前記光学体の外部へ分離(出射)するための光出射部、
・前記光学体を限定する(画成する)シェル面、但し前記シェル面は前記光学体内へ結合(入射)された光線を偏向するよう構成されており、前記シェル面は前記共通の光入射部と前記光出射部の間に延在している、
を含む光学体、
・前記光学体の光出射部から放出された光線を受容するために前記主方向に沿って前記光学体の下流側に配置され、少なくとも1つのレンズを含む投影レンズシステム、但し前記投影レンズシステムは前記照明装置の前方へ光線を投影するよう構成されている、
を含み、
前記少なくとも1つの光源及び前記光学体と組み合わされた前記投影レンズシステムは、前記投影レンズシステムによって照射されるロービームを生成するよう構成されている、
照明装置に関する。
【0002】
本発明は、更に、少なくとも1つの本発明の照明装置を含む自動車前照灯に関する。
【背景技術】
【0003】
あるケースでは、とりわけ高解像度ハイビーム及び/又は高解像度ロービームが自動車前照灯のために必要とされる場合、対応する照明装置の構成は、ロービームに対する法律上の条件を満たさない結果を往々にしてもたらすある種の条件を要求する(例えばEU L250/92の公報-2014年8月22日参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
照明強度値及び道路上の所要空間照明の観点からのロービームの対する条件も満たすために、改善された照明装置が必要とされる。
【0006】
本発明の目的は改善された照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
【0009】
上記の目的を達成するために、光学体は、共通の光入射部を介して光学体内へ結合(入射)された光線の少なくとも一部分を第1光線路に沿って共通の光入射部から光出射部へ導くための、第1セットの光学的作用面(複数)を含み、
第1セットの光学的作用面は第1光偏向面及び第2光偏向面と第1光出射面を含み、第1光偏向面及び第2光偏向面はシェル面に配されており、第1光出射面は光出射部に配され、
第1光線路を進行する光線は第1光偏向面に入射(当射)して第2光偏向面へ偏向され、第2光偏向面に入射(当射)した光線は、光学体の外部への分離のために、第1光出射面へ偏向され、
第1光出射面によって放出される光線はロービームの第1部分の生成に寄与し、
光学体は、共通の光入射部を介して光学体内へ結合(入射)された光線の少なくとも一部分を第2光線路及び第3光線路に沿って共通の光入射部から光出射部へ導くための、第2セットの光学的作用面(複数)を含み、
第2セットの光学的作用面は第3光偏向面と第2光出射面を含み、第3光偏向面はシェル面に配されており、第2光出射面は光出射部の第1光出射面から離れた所に配されており、
第2光線路を進行する光線は第3光偏向面に入射(当射)して、光学体の外部への分離のために第2光出射面へ偏向され、第3光線路を進行する光線は共通の光入射部から直接的に第2光出射面に入射(当射)し、
第2光出射面によって放出される光線はロービームの第2部分の生成に寄与し、
第1光出射面によって与えられるロービームの第1部分と第2光出射面によって与えられるロービームの第2部分はロービームを形成し、当該ロービームの垂直(方向)延伸はV-Vラインに沿って、V-Vライン上の少なくとも0°から-10°以下の下方に及ぶ。
【0010】
有利には、光線は、内部全反射(total internal reflection)によって、第1、第2及び第3光偏向面において偏向される。
【0011】
有利には、第2光偏向面と第3光偏向面は凸状[凹状]結合面を介して(互いに)結合されている。
【0012】
有利には、投影レンズシステムは光軸を含み、第1光出射面は面ベクトルを有し、当該面ベクトルは投影レンズシステムの光軸に対して傾けられている。
【0013】
有利には、第2光出射面は面ベクトルを有し、当該面ベクトルは投影レンズシステムの光軸に対して傾けられている。
【0014】
有利には、光収集要素はコリメータ光学系として構成されている。
【0015】
有利には、光収集要素は、
・光軸を有する第1レンズ、但し第1レンズは当該第1レンズに入射した光を第1光線路へ向けるよう構成されている、及び
・光軸を有する第2レンズ、但し第2レンズは当該第2レンズに入射した光を第3光線路へ向けるよう構成されている、
を含み、
第1レンズと第2レンズは、それらの光軸が水平面(方向)及び/又は垂直面(方向)において互いに対しオフセット(ずれ)を有するよう、直接的に隣り合うように配置されている。
【0016】
コリメータ光学系は光源からの光を受光し、2つのレンズ(又はコリメータ光学系の2つの屈折面)の異なる配向(alignment)ないし方向によって、2つの異なる光線路が得られる。
【0017】
有利には、光収集要素の第1レンズの光軸と第2レンズの光軸は主方向に対し直角をなす軸の周りで互いに対し回転されている((所定の)角度が形成されている:pivoted)。
【0018】
有利には、光収集要素は、複合放物面集光器(Compound Parabolic Concentrator)として、好ましくは非結像型(non-imaging)複合放物面集光器として構成されている。
【0019】
有利には、第1光出射面とシェル面は共通の面切断線(surface section line)において交差し、共通の面切断線はロービームのための非対称的カットオフ境界(線)を生成する。
【0020】
有利には、投影レンズシステムは光軸と当該光軸に配された少なくとも1つの焦点を含み、共通の面切断線は少なくとも1つの焦点に配されている。
【0021】
有利には、共通の光入射部と光出射部は主方向に沿って互いに対しオフセット(ずれ)を有する。
【0022】
有利には、照明装置は少なくとも2つの光源を含み、光源は主方向に対し実質的に直角をなす水平線に配置されている。
【0023】
有利には、少なくとも1つの光源はLEDである。
【0024】
上記の目的は、本発明の照明装置を少なくとも1つ含む自動車前照灯によっても達成されることができる。
【0025】
以下において、本発明を更に説明するために、図面に示されているような、例示的かつ非限定的な実施形態(ないし実施例)が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】ロービームを生成するための照明装置の一例の平面図。照明装置は、光源(複数)を有する光学体と、光学体から受容する光線を照明装置の前方へ投影するための投影レンズシステムとを含む。
【
図2】
図1の光学体のY-Y線断面図。光学体は、光源(複数)の光線を光学体内へ結合(入射)するための共通の光入射部と、光線を主方向において光学体の外部へ分離(出射)するための光出射部とを含む。
【
図4】共通の光入射部の斜視図。共通の光入射部は複数の光収集要素を含み、各光収集要素は第1レンズ及び第2レンズを含む。
【
図5】
図1の照明装置によって生成された例示的ロービームの一例。ロービームはV-V線に沿ってV-V線上の0°から少なくとも-10°下方へ延在する。
【実施例】
【0027】
図1はロービームを生成するための自動車前照灯のための照明装置10の一例を示す。ロービームの垂直(方向)延伸は、V-V線に沿って、V-V線上における少なくとも0°から少なくとも-10°下方に及ぶ。このロービームは
図5において詳細に示されている。
【0028】
照明装置10は、光線(複数)を異なる光線路(複数)において放出するよう構成された複数の光源50を含み、複数の光源50は、図示の例ではLEDとして構成されている。また、光源(複数)50は、主方向Xに対し実質的に直角をなす水平線に配置されている。
【0029】
更に、照明装置10は、
図1に示されたY-Y線に沿った断面が
図2に示されている光学体100を含む。光学体100は、光源50からの光線を光学体100内へ結合(入射)するための共通の光入射部110を含み、該光入射部110は複数の光収集要素120を有し、該複数の光収集要素120は、夫々、各々の光源50に割り当てられ(対応付けられ)ており、かつ、該割り当てられた光源からの光線を光学体100内へ結合(入射)するよう構成されており、光収集要素120はコリメータ光学系として構成されており、光収集要素120は、複合放物面集光器(Compound Parabolic Concentrator)として、好ましくは非結像型(non-imaging)複合放物面集光器として構成されることも可能である。
【0030】
更に、光学体100は、共通の光入射部110を介して光学体100内へ結合(入射)される光線を、照明装置10の主方向Xにおいて光学体100の外部へ分離(出射)するための光出射部130と、光学体100を限定する(境界を形成するないし画成する:limiting)シェル面140とを含み、該シェル面140は光学体100内へ結合(入射)される光線を偏向するよう構成されており、該シェル面140は共通の光入射部110と光出射部130の間に延在している。
【0031】
共通の光入射部110と光出射部130は主方向Xに沿って及び主方向Xに対し直角をなす軸に沿って互いに対しオフセット(ずれ)を有する。
【0032】
照明装置10は、更に、光学体100の光出射部130から放出された光線を受容するために主方向Xに沿って光学体100の下流側に配置され、少なくとも1つのレンズ(図示の例では投影レンズシステム200は2つのレンズを含んでいる)を含む投影レンズシステム200を含み、投影レンズシステム200は照明装置10の前方へ光線を投影するよう構成されており、投影レンズシステム200は、少なくとも1つの光源50及び光学体100と組み合わされて、投影レンズシステム200によって照射されるロービーム光分布を生成するよう構成されている。
【0033】
図2に関し、光学体100は、共通の光入射部110を介して光学体100内へ結合(入射)された光線の少なくとも一部分を第1光線路LR1に沿って共通の光入射部110から光出射部130へ導くための、第1セットの光学的作用面(複数)を含む。
【0034】
第1セットの(光学的)作用面は、第1光偏向面300a及び第2光偏向面300bと、第1光出射面300cとを含み、第1光偏向面300a及び第2光偏向面300bはシェル面140に配されており、第1光出射面300cは光出射部130に配されている。
【0035】
第1光線路LR1を進行する光線は第1光偏向面300aに入射(当射)して第2光偏向面300bへ偏向され、第2光偏向面300bに入射(当射)した光線は、光学体100の光の外部への分離(出射)のための第1光出射面300cへ偏向され、第1光出射面300cによって放出される光線は、
図5に示されている、ロービームの第1部分LB1の生成に寄与する。
【0036】
光学体100は、更に、共通の光入射部110を介して光学体100内へ結合(入射)された光線の少なくとも一部分を第2光線路LR2及び第3光線路LR3に沿って共通の光入射部110から光出射部130へ導くための、第2セットの光学的作用面(複数)を含む。
【0037】
第2セットの光学的作用面は第3光偏向面400aと第2光出射面400bを含み、第3光偏向面400aはシェル面140に配されており、第2光出射面400bは光出射部130の第1光出射面300cから離れた所に配されている。
【0038】
第2光線路LR2を進行する光線は第3光偏向面400aに入射(当射)して、光学体100の外部への分離(出射)のために第2光出射面400bへ偏向され、第3光線路LR3を進行する光線は共通の光入射部110から直接的に第2光出射面400bに入射(当射)し、第2光出射面400bによって放出される光線は、同様に
図5に示されている、ロービームの第2部分LB2の生成に寄与する。
【0039】
第1光出射面300cによって与えられる(寄与される)ロービームの第1部分LB1と第2光出射面400bによって与えられる(寄与される)ロービームの第2部分LB2はロービームを形成し、当該ロービームの垂直(方向)延伸は、V-Vラインに沿って、V-Vライン上の少なくとも0°から少なくとも-10°下方に及ぶ。
【0040】
図2においても見出すことができるように、第2光偏向面300bと第3光偏向面400aはシェル面140の凸状[凹状]結合面を介して(互いに)結合されている。
【0041】
更に、第1光出射面300cとシェル面140は共通の面切断線(surface section line)150において交差し、共通の面切断線150はロービーム光分布のための非対称的カットオフ境界を生成し、投影レンズシステム200は光軸Aと該光軸Aに配された少なくとも1つの焦点Fを含み、共通の面切断線150は、
図2において見出すことができるように、少なくとも1つの焦点Fに配されている。
【0042】
光学体100の第1光出射面300cは面ベクトルSV1を有し、該面ベクトルSV1は投影レンズシステム200の光軸Aに対して傾けられており、そのため、第1光出射面300cは傾けられており、第1光出射面300cの面ベクトルSV1は―自動車前照灯ないし自動車に照明装置10が正しく搭載された状態で見て―上方に傾けられている。
【0043】
また、第2光出射面400bは面ベクトルSV2を有し、該面ベクトルSV2は投影レンズシステム200の光軸Aに対して傾けられており、そのため、第2光出射面400bは傾けられており、第2光出射面400bの面ベクトルSV2は―自動車前照灯ないし自動車に照明装置10が正しく搭載された状態で見て―上方に傾けられている。
【0044】
図3は、上述したものと同じ光学体100を有するが、投影レンズシステム200が丁度1つのレンズを有する、例示的照明装置10の他の一例を示す。また、カットオフラインは投影レンズシステム200の光軸A内に位置している。
【0045】
更に、
図2及び
図3において見出すことができるように、光学体100の第1光出射面300cは、後側に(上流側に)ないし照明装置10の主方向Xの反対方向に傾けられている。
【0046】
更に、
図3は、第1光出射面300cによって放出された光線がロービームの第1部分LB1の生成に寄与する様子の一例を模式的に示す。ロービームの第1部分LB1は、V-V線に沿った0°の角度の所から始まる(に起点を有する)H-H線から出発し、V-V線上において角度β1で下方に延在する。図示の例の角度β1は8°から8.5°である。
【0047】
更に、第2光出射面400bによって放出される光線はロービームの第2部分LB2の生成に寄与し、ロービームの第1部分LB1と第2部分LB2は、V-V線上において角度β2で下方に一緒に延在する。図示の例の角度β2は、0°即ちV-V線[H-H線]ないしV-V線とH-H線の交点の位置から出発する少なくとも-10°である。
【0048】
図4は光学体100を後方(上流側)から見た斜視図であり、光収集要素(複数)がより詳細に示されている。各光収集要素120は、光軸A1を有する第1レンズ120aと光軸A2を有する第1レンズ120bと含み、第1レンズ120aは当該第1レンズ120aに入射した光を第1光線路LR1へ向けるよう構成されており、第2レンズ120bは当該第2レンズ120bに入射した光を第3光線路LR3へ向けるよう構成されている。
【0049】
第1レンズ120aと第2レンズ120bは、それらの光軸A1、A2が水平方向及び/又は垂直方向において互いに対しオフセット(ずれ)を有するよう、直接的に隣り合うように配置されている。
【0050】
用語「上」、「下」、「垂直」、「水平」、「前方」、「前」、「後方」及び「後」は、自動車前照灯ないし自動車に正しく搭載された状態にある照明装置を基準として理解されるべきものである。
【0051】
図示の例における各光収集要素120の第1レンズ120aの光軸A1と第2レンズ120bの光軸A2は、主方向Xに対し直角をなす軸の周りで互いに対し回転されている((所定の)角度が形成されている:pivoted)。
【0052】
また、各光収集要素120の第1及び第2レンズ120a、120bは、中央部のレンズ状面と周辺部の全反射面(複数)とを有する。
【0053】
図5は、図示の上記の例の照明装置10によって生成されたロービーム光分布を示す。ロービーム光分布はロービームの第1部分LB1とロービームの第2部分LB2とを含み、ロービーム光分布の垂直(方向)延伸は、V-V線に沿って、V-V線上の0°から少なくとも-10°下方にまで及び(広がり)、
図3について述べた角度β2は
図5にも妥当する。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車前照灯のための照明装置であって、
前記照明装置はロービームを生成し、
前記ロービームの垂直延伸は、V-Vラインに沿って、前記V-Vライン上の少なくとも0°から少なくとも-10°下方に及び、
前記照明装置(10)は、
・複数の異なる光線路において光線を放出するよう構成された少なくとも1つの光源(50)、
・光学体(100)であって、
・前記少なくとも1つの光源(50)からの光線を前記光学体(100)内へ結合するための共通の光入射部(110)、但し前記光入射部(110)は少なくとも1つの光収集要素(120)を有し、前記少なくとも1つの光収集要素(120)は夫々の光源(50)に割り当てられており、かつ、割り当てられた光源(50)からの光線を前記光学体(100)内へ結合するよう構成されている、
・前記共通の光入射部(110)を介して前記光学体(100)内へ結合された光線を前記照明装置(10)の主方向(X)において前記光学体(100)の外部へ分離するための光出射部(130)、
・前記光学体(100)を限定するシェル面(140)、但し前記シェル面(140)は前記光学体(100)内へ結合された光線を偏向するよう構成されており、前記シェル面(140)は前記共通の光入射部(110)と前記光出射部(130)の間に延在している、
を含む光学体(100)、
・前記光学体(100)の光出射部(130)から放出された光線を受容するために前記主方向(X)に沿って前記光学体(100)の下流側に配置され、少なくとも1つのレンズを含む投影レンズシステム(200)、但し前記投影レンズシステム(200)は前記照明装置(10)の前方へ光線を投影するよう構成されている、
を含み、
前記少なくとも1つの光源(50)及び前記光学体(100)と組み合わされた前記投影レンズシステム(200)は、前記投影レンズシステム(200)によって照射されるロービームを生成するよう構成されており、
前記光学体(100)は、前記共通の光入射部(110)を介して前記光学体(100)内へ結合された光線の少なくとも一部分を第1光線路(LR1)に沿って前記共通の光入射部(110)から前記光出射部(130)へ導くための、第1セットの光学的作用面を含むこと、
前記第1セットの光学的作用面は第1及び第2光偏向面(300a、300b)と第1光出射面(300c)を含み、前記第1及び第2光偏向面(300a、300b)は前記シェル面(140)に配されており、前記第1光出射面(300c)は前記光出射部(130)に配されていること、
前記第1光線路(LR1)を進行する光線は前記第1光偏向面(300a)に入
射して前記第2光偏向面(300b)へ偏向され、前記第2光偏向面(300b)に入射した光線は、前記光学体(100)の外部への分離のために、前記第1光出射面(300c)へ偏向されること、
前記第1光出射面(300c)によって放出される光線はロービームの第1部分の生成に寄与すること、
前記光学体(100)は、前記共通の光入射部(110)を介して前記光学体(100)内へ結
合された光線の少なくとも一部分を第2及び第3光線路(LR2、LR3)に沿って前記共通の光入射部(110)から前記光出射部(130)へ導くための、第2セットの光学的作用面を含むこと、
前記第2セットの光学的作用面は第3光偏向面(400a)と第2光出射面(400b)を含み、前記第3光偏向面(400a)は前記シェル面(140)に配されており、前記第2光出射面(400b)は前記光出射部(130)の前記第1光出射面(300c)から離れた所に配されていること、
前記第2光線路(LR2)を進行する光線は前記第3光偏向面(400a)に入
射して、前記光学体(100)の外部への分離のために前記第2光出射面(400b)へ偏向され、前記第3光線路(LR3)を進行する光線は前記共通の光入射部(110)から直接的に前記第2光出射面(400b)に入射すること、
前記第2光出射面(400b)によって放出される光線はロービームの第2部分の生成に寄与すること、
前記第1光出射面(300c)によって与えられるロービームの前記第1部分と前記第2光出射面(400b)によって与えられるロービームの前記第2部分はロービームを形成し、当該ロービームの垂直延伸は前記V-Vラインに沿って前記V-Vライン上の少なくとも0°から-10°以下の下方に及ぶこと
を特徴とする、照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、
前記第2光偏向面(300b)と前記第3光偏向面(400a)は
凹状結合面を介して結合されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項3】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記投影レンズシステム(200)は光軸(A)を含み、前記第1光出射面(300c)は面ベクトルを有し、当該面ベクトルは前記投影レンズシステム(200)の前記光軸(A)に対して傾けられていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項4】
請求項3に記載の照明装置において、
前記第2光出射面(400b)は面ベクトルを有し、当該面ベクトルは前記投影レンズシステム(200)の前記光軸(A)に対して傾けられていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項5】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記光収集要素(120)はコリメータ光学系として構成されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項6】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記光収集要素(120)は、
・光軸(A1)を有する第1レンズ(120a)、但し前記第1レンズ(120a)は前記第1レンズ(120a)に入射した光を前記第1光線路(LR1)へ向けるよう構成されている、及び
・光軸(A2)を有する第2レンズ(120b)、但し前記第2レンズ(120b)は前記第2レンズ(120b)に入射した光を前記第3光線路(LR3)へ向けるよう構成されている、
を含み、
前記第1レンズ(120a)と前記第2レンズ(120b)は、それらの光軸(A1、A2)が水平方向及び/又は垂直方向において互いに対しオフセットを有するよう、直接的に隣り合うように配置されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項7】
請求項6に記載の照明装置において、
前記光収集要素(120)の前記第1レンズ(120a)の前記光軸(A1)と前記第2レンズ(120b)の前記光軸(A2)は前記主方向(X)に対し直角をなす軸の周りで互いに対し回転されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項8】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記光収集要素(120)は、複合放物面集光器(Compound Parabolic Concentrator)として
又は非結像型複合放物面集光器として構成されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項9】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記第1光出射面(300c)と前記シェル面(140)は共通の面切断線(150)において交差すること、前記共通の面切断線(150)はロービームのための非対称的カットオフ境界を生成すること
を特徴とする、照明装置。
【請求項10】
請求項9に記載の照明装置において、
前記投影レンズシステム(200)は光軸(A)と当該光軸(A)に配された少なくとも1つの焦点(F)を含むこと、
前記共通の面切断線(150)は前記少なくとも1つの焦点(F)に配されること
を特徴とする、照明装置。
【請求項11】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記共通の光入射部(110)と前記光出射部(130)は前記主方向(X)に沿って互いに対しオフセットを有すること
を特徴とする、照明装置。
【請求項12】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記照明装置(10)は少なくとも2つの光源(50)を含むこと、
前記光源(50)は前記主方向(X)に対し実質的に直角をなす水平線に配置されていること
を特徴とする、照明装置。
【請求項13】
請求項
1に記載の照明装置において、
前記少なくとも1つの光源(50)はLEDであること
を特徴とする、照明装置。
【請求項14】
請求項1~13の何れかに記載の照明装置を少なくとも1つ含む自動車前照灯。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
【特許文献1】KR 2019 0036807 A
【特許文献2】WO 2016/162921 A1
【特許文献3】JP 2015 185533 A
【特許文献4】US 10 753 562 B1
【特許文献5】EP 3 604 903 A1
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明の第1の視点により、自動車前照灯のための照明装置が提供される。
前記照明装置はロービームを生成し、
前記ロービームの垂直延伸は、V-Vラインに沿って、前記V-Vライン上の少なくとも0°から少なくとも-10°下方に及び、
前記照明装置は、
・複数の異なる光線路において光線を放出するよう構成された少なくとも1つの光源、
・光学体であって、
・前記少なくとも1つの光源からの光線を前記光学体内へ結合するための共通の光入射部、但し前記光入射部は少なくとも1つの光収集要素を有し、前記少なくとも1つの光収集要素は夫々の光源に割り当てられており、かつ、割り当てられた光源からの光線を前記光学体内へ結合するよう構成されている、
・前記共通の光入射部を介して前記光学体内へ結合された光線を前記照明装置の主方向において前記光学体の外部へ分離するための光出射部、
・前記光学体を限定するシェル面、但し前記シェル面は前記光学体内へ結合された光線を偏向するよう構成されており、前記シェル面は前記共通の光入射部と前記光出射部の間に延在している、
を含む光学体、
・前記光学体の光出射部から放出された光線を受容するために前記主方向に沿って前記光学体の下流側に配置され、少なくとも1つのレンズを含む投影レンズシステム、但し前記投影レンズシステムは前記照明装置の前方へ光線を投影するよう構成されている、
を含み、
前記少なくとも1つの光源及び前記光学体と組み合わされた前記投影レンズシステムは、前記投影レンズシステムによって照射されるロービームを生成するよう構成されており、
前記光学体は、前記共通の光入射部を介して前記光学体内へ結合された光線の少なくとも一部分を第1光線路に沿って前記共通の光入射部から前記光出射部へ導くための、第1セットの光学的作用面を含むこと、
前記第1セットの光学的作用面は第1及び第2光偏向面と第1光出射面を含み、前記第1及び第2光偏向面は前記シェル面に配されており、前記第1光出射面は前記光出射部に配されていること、
前記第1光線路を進行する光線は前記第1光偏向面に入射(当射)して前記第2光偏向面へ偏向され、前記第2光偏向面に入射した光線は、前記光学体の外部への分離のために、前記第1光出射面へ偏向されること、
前記第1光出射面によって放出される光線はロービームの第1部分の生成に寄与すること、
前記光学体は、前記共通の光入射部を介して前記光学体内へ結合された光線の少なくとも一部分を第2及び第3光線路に沿って前記共通の光入射部から前記光出射部へ導くための、第2セットの光学的作用面を含むこと、
前記第2セットの光学的作用面は第3光偏向面と第2光出射面を含み、前記第3光偏向面は前記シェル面に配されており、前記第2光出射面は前記光出射部の前記第1光出射面から離れた所に配されていること、
前記第2光線路を進行する光線は前記第3光偏向面に入射して、前記光学体の外部への分離のために前記第2光出射面へ偏向され、前記第3光線路を進行する光線は前記共通の光入射部から直接的に前記第2光出射面に入射すること、
前記第2光出射面によって放出される光線はロービームの第2部分の生成に寄与すること、
前記第1光出射面によって与えられるロービームの前記第1部分と前記第2光出射面によって与えられるロービームの前記第2部分はロービームを形成し、当該ロービームの垂直延伸は前記V-Vラインに沿って前記V-Vライン上の少なくとも0°から-10°以下の下方に及ぶこと
を特徴とする。
本発明の第2の視点により、本発明の照明装置を少なくとも1つ含む自動車前照灯が提供される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
以下に本発明の好ましい形態を示す。
(形態1)上掲本発明の第1の視点参照。
(形態2)形態1に記載の照明装置において、
前記第2光偏向面と前記第3光偏向面は凹状結合面を介して結合されていること
が好ましい。
(形態3)形態1に記載の照明装置において、
前記投影レンズシステムは光軸を含み、前記第1光出射面は面ベクトルを有し、当該面ベクトルは前記投影レンズシステムの前記光軸に対して傾けられていること
が好ましい。
(形態4)形態3に記載の照明装置において、
前記第2光出射面は面ベクトルを有し、当該面ベクトルは前記投影レンズシステムの前記光軸に対して傾けられていること
が好ましい。
(形態5)形態1に記載の照明装置において、
前記光収集要素はコリメータ光学系として構成されていること
が好ましい。
(形態6)形態1に記載の照明装置において、
前記光収集要素は、
・光軸を有する第1レンズ、但し前記第1レンズは前記第1レンズに入射した光を前記第1光線路へ向けるよう構成されている、及び
・光軸を有する第2レンズ、但し前記第2レンズは前記第2レンズに入射した光を前記第3光線路へ向けるよう構成されている、
を含み、
前記第1レンズと前記第2レンズは、それらの光軸が水平方向及び/又は垂直方向において互いに対しオフセットを有するよう、直接的に隣り合うように配置されていること
が好ましい。
(形態7)形態6に記載の照明装置において、
前記光収集要素の前記第1レンズの前記光軸と前記第2レンズの前記光軸は前記主方向に対し直角をなす軸の周りで互いに対し回転されていること
が好ましい。
(形態8)形態1に記載の照明装置において、
前記光収集要素は、複合放物面集光器(Compound Parabolic Concentrator)として又は非結像型複合放物面集光器として構成されていること
が好ましい。
(形態9)形態1に記載の照明装置において、
前記第1光出射面と前記シェル面は共通の面切断線において交差すること、前記共通の面切断線はロービームのための非対称的カットオフ境界を生成すること
が好ましい。
(形態10)形態9に記載の照明装置において、
前記投影レンズシステムは光軸と当該光軸に配された少なくとも1つの焦点を含むこと、
前記共通の面切断線は前記少なくとも1つの焦点に配されること
が好ましい。
(形態11)形態1に記載の照明装置において、
前記共通の光入射部と前記光出射部は前記主方向に沿って互いに対しオフセットを有すること
が好ましい。
(形態12)形態1に記載の照明装置において、
前記照明装置は少なくとも2つの光源を含むこと、
前記光源は前記主方向に対し実質的に直角をなす水平線に配置されていること
が好ましい。
(形態13)形態1に記載の照明装置において、
前記少なくとも1つの光源はLEDであること
が好ましい。
(形態14)上掲本発明の第2の視点参照。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上記の目的を達成するために、光学体は、共通の光入射部を介して光学体内へ結合(入射)された光線の少なくとも一部分を第1光線路に沿って共通の光入射部から光出射部へ導くための、第1セットの光学的作用面(複数)を含み、
第1セットの光学的作用面は第1光偏向面及び第2光偏向面と第1光出射面を含み、第1光偏向面及び第2光偏向面はシェル面に配されており、第1光出射面は光出射部に配され、
第1光線路を進行する光線は第1光偏向面に入射(当射)して第2光偏向面へ偏向され、第2光偏向面に入射(当射)した光線は、光学体の外部への分離のために、第1光出射面へ偏向され、
第1光出射面によって放出される光線はロービームの第1部分の生成に寄与し、
光学体は、共通の光入射部を介して光学体内へ結合(入射)された光線の少なくとも一部分を第2光線路及び第3光線路に沿って共通の光入射部から光出射部へ導くための、第2セットの光学的作用面(複数)を含み、
第2セットの光学的作用面は第3光偏向面と第2光出射面を含み、第3光偏向面はシェル面に配されており、第2光出射面は光出射部の第1光出射面から離れた所に配されており、
第2光線路を進行する光線は第3光偏向面に入射(当射)して、光学体の外部への分離のために第2光出射面へ偏向され、第3光線路を進行する光線は共通の光入射部から直接的に第2光出射面に入射(当射)し、
第2光出射面によって放出される光線はロービームの第2部分の生成に寄与し、
第1光出射面によって与えられるロービームの第1部分と第2光出射面によって与えられるロービームの第2部分はロービームを形成し、当該ロービームの垂直(方向)延伸はV-Vラインに沿って、V-Vライン上の少なくとも0°から-10°以下の下方(少なくとも-10°下方)に及ぶ。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
有利には、第2光偏向面と第3光偏向面は凹状結合面を介して(互いに)結合されている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
図2においても見出すことができるように、第2光偏向面300bと第3光偏向面400aはシェル面140の
凹状結合面を介して(互いに)結合されている。
【国際調査報告】