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特表2024-537437シート材料型抜き機用ダイ保持シリンダ
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  • 特表-シート材料型抜き機用ダイ保持シリンダ 図1
  • 特表-シート材料型抜き機用ダイ保持シリンダ 図2
  • 特表-シート材料型抜き機用ダイ保持シリンダ 図3
  • 特表-シート材料型抜き機用ダイ保持シリンダ 図4a-4c
  • 特表-シート材料型抜き機用ダイ保持シリンダ 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】シート材料型抜き機用ダイ保持シリンダ
(51)【国際特許分類】
   B26F 1/00 20060101AFI20241003BHJP
   B26F 1/44 20060101ALI20241003BHJP
   B26F 1/38 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B26F1/00 A
B26F1/44 Z
B26F1/38 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523676
(86)(22)【出願日】2022-10-19
(85)【翻訳文提出日】2024-06-17
(86)【国際出願番号】 ES2022070662
(87)【国際公開番号】W WO2023067220
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】U202132071
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510328582
【氏名又は名称】コメルシアル インドゥストリアル マキナリア カルトン オンドゥラド,エセ.エレ.
(74)【代理人】
【識別番号】100141346
【弁理士】
【氏名又は名称】潮崎 宗
(74)【代理人】
【識別番号】100212082
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 貴康
(72)【発明者】
【氏名】セラ オビオル,ラモン
(72)【発明者】
【氏名】プッチ バルガス,ジョルディ
【テーマコード(参考)】
3C060
【Fターム(参考)】
3C060AA01
3C060BA03
3C060BC12
3C060BC22
3C060BC26
3C060BD03
(57)【要約】
ダイ保持シリンダ(1)は、複数の雌ねじ穴(4)を備える表面(3)であって、前記穴(4)が座標軸「X」および「Y」における複数の行と列によって形成された格子配列を呈する表面と、複数の締結アセンブリ(5)からなる係合手段とを備え、締結アセンブリの各々は幾何学的中心および幾何学的軸を画定するシリンダ(1)の表面から突出する格納式ボルト(7)を有し、ボルト(7)はダイと連結するようになっており、ここで、締結アセンブリ(5)のボルト(7)の幾何学的軸は、それらが2つの雌ねじ穴(4)の間に各々分配され、2つの穴(4)を通る座標軸「X」上でかつ当該2つの穴(4)間の等距離の箇所において軸方向に整列するように、配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
型抜き機に組み込むことを目的とし、その後の包装材製造業において使用されるボール紙シートを型抜きするために特に設計された層状材料用型抜き機用のダイ保持シリンダ(1)であって、前記ダイ保持シリンダ(1)は:
複数の雌ねじ穴(4)が設けられた表面(3)であって、そのような穴(4)が座標軸「X」および「Y」における複数の行と列によって形成された格子配置を呈する表面(3)と、
複数の締結アセンブリ(5)からなる係合手段であって、複数の締結アセンブリ(5)の各々は幾何学的中心および幾何学的軸を画定するシリンダ(1)の表面から突出する格納式ボルト(7)を有し、前記ボルト(7)は、ダイに取り付けられるようになっている係合手段と、
を備え、
前記複数の締結アセンブリ(5)のボルト(7)の幾何学的軸は、それらが2つの雌ねじ穴(4)の間に各々分配され、2つの穴(4)を通る座標軸「X」上でかつ当該2つの穴(4)の間の等距離の箇所において軸方向に整列されるように、配置されることを特徴とするダイ保持シリンダ(1)。
【請求項2】
前記ダイ保持シリンダ(1)の本体の表面の中心円周線(8)は、展開された前記表面の状態において中心とする位置の座標軸「Y」に一致し、前記表面の円周方向に延在し取り囲んで配置される雌ねじ穴(4)を備え、締結アセンブリ(5)を備えていない、請求項1に記載のダイ保持シリンダ(1)。
【請求項3】
前記座標軸「X」は、前記ダイ保持シリンダの長手方向軸である、請求項1または2に記載のダイ保持シリンダ(1)。
【請求項4】
前記座標軸「Y」は、前記ダイ保持シリンダの横方向軸である、請求項1または2に記載のダイ保持シリンダ(1)。
【請求項5】
前記締結アセンブリ(5)は、千鳥状に配置されている、請求項1に記載のダイ保持シリンダ(1)。
【請求項6】
前記締結アセンブリ(5)は、作動装置によって作動される可動ボルト(7)を備え、前記ダイ保持シリンダ(1)の前記本体に取り付けられた中空体の内部に収容される、先行する請求項のいずれかに記載のダイ保持シリンダ(1)。
【請求項7】
各締結アセンブリ(5)が、2つのねじ穴(4)のみを塞ぐ、先行する請求項のいずれかに記載のダイ保持シリンダ(1)。
【請求項8】
中央横断面がダイ保持シリンダを第1の半部(A)と第2の半部(B)とに分割し、前記第2の半部(B)における前記ねじ穴(4)と前記締結アセンブリ(5)との配置が、前記第1の半部(A)における前記ねじ穴(4)と前記締結アセンブリ(5)との配置に対して180°回転させたものである、先行する請求項のいずれかに記載のダイ保持シリンダ(1)。
【請求項9】
中央横断面がダイ保持シリンダを第1の半体(A)と第2の半体(B)とに分割し、前記第2の半体(B)における前記ねじ穴(4)と前記締結アセンブリ(5)との配置が、前記第1の半体(A)における前記ねじ穴(4)と前記締結アセンブリ(5)との配置に対して対称である、請求項1~8のいずれか一項に記載のダイ保持シリンダ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の目的は、シート材料型抜き機用のダイ保持シリンダの位置合わせである。
【0002】
より具体的には本発明は、係合ダイに設けられた穴の配置の最適化を可能にするダイ保持シリンダの開発を提案する。
【背景技術】
【0003】
ボール紙シートを取り扱うための回転式型抜き機の分野では、ダイ保持シリンダ上へのダイの迅速な取り付けおよび取り外しを可能にする、ダイ用の係合システムを有するダイ保持シリンダを使うことが知られている。この種の係合システムの例は、文献スペイン国発明特許第2155334号に開示されている。
【0004】
通常、ダイ保持シリンダは、ダイ保持シリンダ上に設けられた同じ分布のねじ穴とダイに設けられた穴にねじを通すことによってダイをシリンダに固定することができるように、格子状のねじ穴を有する。前記係合システムの配置は多くの利点を有するが、ダイ保持シリンダ内へ前記係合システムを設置することによって必然的にねじ穴の数が減少することに留意すべきである。全てのダイにおいて、ダイ表面の任意の位置に前記係合システム用の固定穴を開けることを可能にしていれば、これは問題にならないであろう。反対に、ダイ上にブレードまたは他の要素が高密度で存在する場合には、穴の位置がブレード、スプリッタ、エクストラクタなどと一致するので、ダイ保持シリンダ上にダイを良好に固定することを保証するための係合システムに十分な穴を作ることができない可能性がある。そのため、係合システムとは別の固定ねじを用いて、ダイをダイ保持シリンダに確実に固定する必要がある場合がある。これに対する可能な解決策としては、係合システムの締結要素の数を増やすことであるが、それはシリンダの機械的抵抗の点で弱体化を意味し、シリンダの動作中、すなわち、打ち抜き動作中にシリンダが受ける衝撃に悪影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【0005】
本発明は適用分野内の新規なものとして構成され、上述の欠点を解決するダイ保持シリンダを提供するために開発されたものであり、以下の説明から明らかとなる他の追加の利点も提供する。
【0006】
本発明によるダイ保持シリンダは請求項1に規定され、付加的な任意の特徴は従属請求項に含まれる。
【0007】
したがって、本発明の目的は、型抜き機に組み込むことを目的とし、その後の包装材製造業において使用されるボール紙シートを型抜きするために特に設計された層状材料用型抜き機用のダイ保持シリンダを提供することであって、ダイ保持シリンダは、複数の雌ねじ穴を備えた表面であって、その様な穴が「X」および「Y」座標軸における複数の行と列によって形成された格子配列を呈する表面と、幾何学的中心を画定するシリンダの表面から突出する格納式ボルトを有する複数の締結アセンブリからなる係合手段とを備え、ボルトはダイと係合するようになっている。
【0008】
加えて、締結アセンブリのボルトの幾何学的軸は、それらが2つの雌ねじ穴の間に各々分配され、2つの穴を通る座標軸「X」上でかつ当該2つの穴の間の等距離の箇所において軸方向に整列するように、配置される。
【0009】
これらのねじ穴は、格納式ボルトの使用に基づく以下に説明される係合システムが使用されない場合に、ねじ要素の手段によって、ダイ保持シリンダへの回転ダイの固定を保証するために設けられることに留意されたい。
【0010】
これらの特徴のおかげで、係合システムを組み込むことで、ねじでダイを固定するための最小限のねじ穴が不要になる。
【0011】
好ましくは、ダイ保持シリンダ本体表面の中心円周線が、展開された表面状態における中心位置における座標軸「Y」に一致し、表面から円周方向に延在して取り囲む雌ねじ穴を備え、それは締結アセンブリを備えていない。これは、ダイの中心がブレードまたはクリーバーなどの切断手段を有する可能性に起因する。このため、固定要素に穴を開けることが出来なくなり、その結果、前記要素はしばしば役に立たなくなる。
【0012】
好ましくは座標軸「X」がダイ保持シリンダの長手方向軸であり、座標軸「Y」はダイ保持シリンダの横方向軸である。
【0013】
好ましくは、締結アセンブリが千鳥状パターンでダイ保持シリンダの表面上に配置される。
【0014】
本発明によれば、締結アセンブリは、作動装置によって作動される可動ボルトを備え、ダイ保持シリンダの本体に取り付けられた中空体の内部に収容される。
【0015】
有利には、各締結アセンブリが2つのねじ穴のみを塞ぐ。
【0016】
加えて、中央横断面はダイ保持シリンダを第1の半部と第2の半部とに分割し、第2の半部におけるねじ穴および締結アセンブリの配置は、第1の半部のねじ穴および締結アセンブリの配置に対して180°回転させたものであるか、または対称である。この特徴により、ダイが2つの異なる位置に配置でき、したがって、操作者の位置決めが容易となる。
【0017】
したがって、記載されたダイ保持シリンダはその意図された目的に対してこれまで知られていない構造的および構成的特性を有する革新的な構造であり、その理由で、その実用的な有用性と共に、要求されている独占的な特権を得るための十分な基盤を提供するものである。
【0018】
本発明のダイ保持シリンダの目的の他の特徴および利点は、添付の図面において非限定的な例として示される、好ましいが排他的ではない実施形態の説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の第一の実施形態によるダイ保持シリンダを展開して示す概略平面図である;
図2図2は、本発明によるダイ保持シリンダと、この発明に備えられた係合手段を用いて設計されたダイの分解斜視図である;
図3図3は、本発明の一部を形成する係合手段で固定されるべき特定の穴で搭載されたダイを有する本発明によるダイ保持シリンダの斜視図である;
図4図4a,4bおよび4cは、ダイ保持シリンダの展開表面の3つの部分に対応する概略立面図であり、図4a及び4bは従来技術の構成に対応し、図4cは本発明によるダイ保持シリンダの表面に対応し;および
図5図5は、本発明の第2の実施形態によるダイ保持シリンダを展開して示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
前記の図面を考慮し、また採用された番号付けに従って、本発明の好ましい実施形態の例を見ることができ、これは、以下に示され詳細に説明される部品および要素を備える。
【0021】
さらに、本明細書および特許請求の範囲における第1、第2、第3などの用語は、同様のアイテムを区別するために使用され、必ずしも連続的または時系列的な順序を記述するものではない。これらの用語は適切な状況で入れ替えてもよく、本発明の実施形態は本明細書に記載または図示された順序以外の順序で動作してもよい。
【0022】
さらに、本明細書および特許請求の範囲における上、下、上方、下方などの用語は、説明の目的のために使用され、必ずしも相対位置を記述するものではない。
【0023】
図示のように、一般的に参照符号(1)で示されるダイ保持シリンダは、例えばボール紙箱の製造など包材製造業においてその後に使用されるボール紙シートを型抜きするために特に設計された、型抜き機に組み込まれることを目的とする。
【0024】
このダイ保持シリンダ(1)は、型抜き機(図示せず)に係合される各端部にシャフト(2)を有するシリンダ形状の本体と、内部にねじ切りされた複数の穴(4)を備える表面(3)とを備える。図1においてより明確に見ることができるように、穴(4)は、座標軸「X」および「Y」における複数の行と列によって形成される格子状に配置され、そして係合手段は概して参照符号(5)で示される複数の締結アセンブリからなり、それらの各々は幾何学的中心を画定するシリンダの表面から突出する格納式ボルト(7)を有し、ボルトは特にアーチ形の断面を有するダイ(6)に係合するように意図されている。
【0025】
図に示される実施形態によれば、座標軸「X」はダイ保持シリンダの長手方向軸であり、座標軸「Y」は、ダイ保持シリンダの横方向軸である。
【0026】
また、中央横断面は、図1の実施形態に見られるように、ダイ保持シリンダを第1の半部(A)と第2の半部(B)とに分割し、第2の半部(B)におけるねじ穴(4)と締結アセンブリ(5)との配置は、第1の半部(A)のねじ穴(4)と締結アセンブリ(5)との配置に対して180°回転させたものである。この図によれば、平面図においてダイ保持シリンダから見た中央横断面は、中央円周線(8)と一致するであろう。
【0027】
締結アセンブリ(5)は、図1においてより明確に見られるように、千鳥状の分布にされており、これは、ボルト(7)が均一にダイ(6)の表面全体を占めることを保証する。
【0028】
締結アセンブリのボルト(7)の幾何学的軸線の基準点(O)(中心基準点)は、それらが内部ねじ切りされた2つの穴(4)の間に各々分配され、この2つの穴(4)を通る1つの座標軸「X」上でかつ当該2つの穴(4)間の等距離の箇所において軸方向に整列されるように、配置される。
【0029】
表面の円周方向に延在し取り囲んで配置される雌ねじ穴が設けられている中心線(8)(図1に破線で示され、ダイ保持シリンダの長手方向軸に垂直である)に一致する座標軸「Y」には、締結アセンブリ(5)を備えていないことに留意されたい。
【0030】
締結アセンブリ(5)に戻ると、それは、空気圧システム(シリンダ-ピストン)に基づく作動装置の手段によって作動される直線的に移動可能なマッシュルーム形状のボルト(7)を備え、ダイ保持シリンダ(1)の本体に取り付けられた中空体の内部に収容される。締結アセンブリの動作は、本出願と同じ所有者の文献スペイン国発明特許第2155334号に開示されているものと同じであるので、より詳細には説明しない。
【0031】
図4aおよび4bは従来技術のダイ保持シリンダの表面構成を示し、ここでは、より多くの数のねじ穴を遮る表面が必要とされるので、係合手段の存在によってねじ穴の数が著しく低減されている。一方で、図4cは図1に示されるものによるダイ保持シリンダの表面に対応し、係合手段が2つのねじ穴のみを塞ぐことが分かる。反対に、図4aおよび4bの実施形態では、各締結アセンブリのための未使用のねじ穴の数がより多いことが分かる。
【0032】
また、図4cにおいて、各締結アセンブリ(5)の基準点Oは、軸「X」の方向に整列された2つの隣接するねじ穴(4)の間に配置され、軸「Y」の方向のねじ穴(4)に対してずれていることが分かる。
【0033】
図5には、本発明によるダイ保持シリンダ(1)の第2の実施形態が示されている。
【0034】
この第2の実施形態では、先の実施形態との唯一の違いは、第2の半部(B)におけるねじ穴(4)および締結アセンブリ(5)の配置が第1の半部(A)のねじ穴(4)および締結アセンブリ(5)の配置に対して対称であることである。
【0035】
本発明のダイ保持シリンダの製造に使用される詳細、形状、寸法、および他の付属要素は、以下に含まれる特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱しない他のものと都合よく置き換えてもよい。
図1
図2
図3
図4a-4c】
図5
【国際調査報告】