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特表2024-537438水が低減されたコンパクトシャンプー組成物
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  • 特表-水が低減されたコンパクトシャンプー組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】水が低減されたコンパクトシャンプー組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20241003BHJP
   A61K 8/42 20060101ALI20241003BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20241003BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20241003BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/42
A61K8/46
A61K8/44
A61Q5/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523680
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 EP2022079449
(87)【国際公開番号】W WO2023067176
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2021/079372
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523044356
【氏名又は名称】ウェラ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュプリンゴブ, クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス-カンポイ, アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】ベッカー, サビーヌ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC111
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC302
4C083AC641
4C083AC642
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC782
4C083AC791
4C083AC792
4C083AC852
4C083AD132
4C083AD202
4C083AD352
4C083BB04
4C083BB05
4C083CC38
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE07
4C083EE28
(57)【要約】
界面活性剤成分、液体又は固体のポリオール、及び非常に低濃度の水の組み合わせを含むシャンプー組成物が開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水が低減されたシャンプー組成物であって、
i)約40重量%~約80重量%、好ましくは約45重量%~約80重量%の重量百分率濃度の液体ポリオールであって、
多価アルコール、三価アルコール、若しくは二価アルコール、又はそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、多価アルコールは、ポリヒドロキシルC4~C8アルカンであり、二価アルコールはジヒドロキシルC2~C8アルカンであり、三価アルコールはトリヒドロキシルC3~C8アルカンである、液体ポリオールと、
ii)約10重量%~約40重量%、好ましくは約15重量%~約35重量%、より好ましくは約20重量%~約30重量%の重量百分率濃度の界面活性剤成分であって、
少なくとも1つ又は複数の非イオン性界面活性剤、
少なくとも硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤、及び硫酸塩を含まない第2のアニオン性界面活性剤を含み、硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤と硫酸塩を含まない第2のアニオン性界面活性剤とは異なる成分である、界面活性剤成分と、
iii)約5重量%~約25重量%の重量百分率濃度の水と
を含み、
すべての重量百分率は、組成物の全重量に対するものである、水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項2】
ポリオールが三価アルコールを含む、請求項1に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項3】
三価アルコールが、グリセリン(プロピルトリオール)、1,2,3-ブチレントリオール、1,2,5-ペンチレントリオール、1,3,6-ヘキシレントリオール及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、好ましくは、三価アルコールはグリセリンである、請求項2に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項4】
硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤が、組成物の全重量に対して約5重量%~約25重量%の重量百分率範囲のイセチオナート化合物、好ましくはアシルイセチオナート又はアシルイセチオナートである、請求項1から3のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項5】
イセチオナート化合物が、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、及びラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウムからなる群から選択され、好ましくは、イセチオナート化合物はココイルイセチオン酸ナトリウムである、請求項4に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項6】
硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤が、シャンプー組成物の全重量に対して、約5重量%~約20重量%、好ましくは約10重量%~約20重量%、最も好ましくは約12重量%~約18重量%の濃度を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項7】
硫酸塩を含まない第2のアニオン性界面活性剤が、アシルイセチオナート/イセチオン酸メチル、アシルグリシネート、アシルタウレート、アシルアミノ酸、アシルサルコシネート、スルホスクシネート及びスルホネートの群から選択され、アシル基は6~30個の炭素原子を含み、好ましくは、硫酸塩を含まない第2のアニオン性界面活性剤は、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウムからなる群から選択され、より好ましくは、硫酸塩を含まない第2のアニオン性界面活性剤は、ラウロイルサルコシンナトリウムである、請求項1から6のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項8】
硫酸塩を含まない第2のアニオン性界面活性剤が、シャンプー組成物の全重量に対して、約2重量%~約10重量%、好ましくは約5重量%~約8重量%の濃度を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項9】
硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤と硫酸塩を含まない第2のアニオン性界面活性剤が、約1.5:1~約7:1、好ましくは約1.8:1~約4:1、より好ましくは約2:1~約3:1の重量%比にある、請求項1から8のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項10】
硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤をさらに含み、第1、第2及び硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤のそれぞれが異なる成分であり、好ましくは、硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤は、アシル/メチルイセチオネート又はアシルタウレートである、請求項1から9のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項11】
硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤が、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウムからなる群から選択され、好ましくは、硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤は、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム又はオレオイルメチルタウリンナトリウムであり、より好ましくは、硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤は、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウムである、請求項10に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項12】
硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤が、シャンプー組成物の全重量に対して、約2重量%~約10重量%、好ましくは約5重量%~約8重量%の濃度を有する、請求項10又は11に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項13】
硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤と硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤が、約1.3:1~約7:1、好ましくは約1.5:1~約4:1、より好ましくは約1.6:1~約3:1の重量%比にある、請求項10から12のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項14】
界面活性剤成分が、硫酸塩アニオン性界面活性剤を本質的に又は完全に含まない、請求項1から13のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項15】
アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量百分率比が、約5:1~約15:1、好ましくは約8:1~約12:1である、請求項1から14のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項16】
非イオン性界面活性剤が、ラウロイル/ミリスチルメチルグルカミド、カプリロイル/カプロイルメチルグルカミド、カプリロイル/カプロイルグルカミド、ラウリルグルコシド、デシルグルコシド、ココグルコシド、及びそれらの任意の組み合わせのうちの1つ又は複数を含み、好ましくは、非イオン性界面活性剤は、ラウロイル/ミリスチルメチルグルカミド及び/又はカプリロイル/カプロイルメチルグルカミドを含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項17】
非イオン性界面活性剤が、ラウロイル/ミリスチルメチルグルカミド、カプリロイル/カプロイルメチルグルカミド、カプリロイル/カプロイルグルカミド、ラウリルグルコシド、デシルグルコシド、ココグルコシド、及びそれらの任意の組み合わせのうちの1つ又は複数を含み、好ましくは、非イオン性界面活性剤は、ラウロイル/ミリスチルメチルグルカミド及び/又はカプリロイル/カプロイルメチルグルカミドを含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項18】
非イオン性界面活性剤が、シャンプー組成物の全重量に対して、約1重量%~約10重量%、好ましくは約2重量%~約5重量%の濃度を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項19】
硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤がイセチオネート化合物、好ましくはココイルイセチオン酸ナトリウムであり、硫酸塩を含まない第2のアニオン性界面活性剤がラウロイルサルコシンナトリウムであり、非イオン性界面活性剤は、ラウロイル/ミリスチルメチルグルカミド及び/又はカプリロイル/カプロイルメチルを含み、任意選択的に、硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤をさらに含み、硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤は、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウムであり、第1、第2及び硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤のそれぞれは、異なる成分である、請求項1から18のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項20】
硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤が、約10重量%~約20重量%の重量百分率範囲のイセチオナート化合物であり、硫酸塩を含まない第2のアニオン性界面活性剤が、約5重量%~約8重量%の濃度を有し、非イオン性界面活性剤が、ラウロイル/ミリスチルメチルグルカミド及び/又はカプリロイル/カプロイルメチルを含み、シャンプー組成物の全重量に対して、約2重量%~約5重量%の濃度を有し、任意選択的に、硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤は、シャンプー組成物の全重量に対して、約5重量%~約8重量%の濃度を有する、請求項1から19のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項21】
両性界面活性剤を実質的に含まない、請求項1から20のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項22】
ポリオールが、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、プロピレントリオール、1,2,3-ブチレントリオール、1,2,5-ペンチレントリオール、1,3,6-ヘキシレントリオール、エチレングリコール、1,2-プロピレンジオール、1,3プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、好ましくは、ポリオールは、ソルビトール、グリセリン(プロピルトリオール)、1,2,3-ブタントリオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2プロピレンジオール、1,3プロピレンジオール、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、より好ましくは、ポリオールは、ソルビトール、グリセリン、1,2-プロパンジオール、1,3プロパンジオール、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1から21のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項23】
約45重量%~約65重量%、好ましくは約50重量%~約60重量%の重量百分率濃度で液体ポリオールを含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項24】
コンディショニング剤をさらに含み、好ましくは、コンディショニング剤の濃度は、シャンプー組成物の全重量に対して、約0.05重量%~約10重量%、より好ましくは約0.1重量%~約5重量%の範囲にあり、特により好ましくは、コンディショニング剤は少なくとも第四級アンモニウム有機化合物を含む、請求項1から23のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【請求項25】
すすぎ水の使用を低減するための、請求項1から24のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、少なくともアニオン性界面活性剤、ポリオール及び非常に少量の水を含む界面活性剤成分を含む、安定で水が低減されたたコンパクトシャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]多くの消費者やスタイリストは、二酸化炭素の排出と水の使用量の低減にプラスの影響を与える、より持続可能な製品を求めている。例えば、コンパクト/水が低減されたシャンプー組成物は、従来のシャンプーには通常75%以上の水分が含まれており、水のレベル/シャンプー濃縮物をそれぞれ低下させると、シャンプーをコンパクト化して輸送重量を軽減できるため、持続可能性の向上に貢献でき、その結果、包装廃棄物が減り、全体的に二酸化炭素排出量が改善される。
【0003】
[0003]それにもかかわらず、今日の消費者らは高性能シャンプーを期待しており、典型的に、持続可能性を向上させるために製品の性能に妥協することを望まない。水が低減された、コンパクトなシャンプーに関する典型的な問題は、許容できる洗浄性/すすぎ性、コンディショニング性能、及び安定性、及び透明性を有するシャンプー組成物を配合することが難しいことである。特に、洗浄性/すすぎ性の速度が問題になることがよくあり、これは、水が低減されたコンパクトシャンプーは、ペースト状の粘稠度が高いため、より長く、より強力で、より多くの水を消費する洗い流し段階が必要になるためである。さらに、ますます多くの消費者が、刺激の強い成分を含まず、十分な泡量と洗浄力を生み出し、容易に希釈して残留物を残さずに洗い流すことができるシャンプー組成物を好むようになっている。
【0004】
[0004]したがって、従来の水ベースのシャンプーと比較して、同等又はそれ以上の洗浄性/すすぎ性及び製品性能をもたらす、コンパクトで水が低減されたシャンプー組成物を得ることができれば、非常に有利となるであろう。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本発明によれば、これらの望ましい属性及び特性は、コンパクトな減水シャンプー組成物を含む本発明の態様によって満たされる。本発明による減水シャンプー組成物の実施形態は、少なくとも界面活性剤成分、ポリオール及び少量の水を含む。驚くべきことに、少なくとも2つ(好ましくは3つさえ)の非硫酸塩アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の混合物を含む界面活性剤成分により、従来のシャンプー(通常は75%以上の水分を含む)と同等かそれ以上の高性能を有する一方で、より持続可能であり、環境負荷が大幅に改善された、水が低減されたシャンプー組成物が形成されることが判明した。
【0006】
[0006]界面活性剤成分は、少なくとも2つの非硫酸塩アニオン性界面活性剤と、非イオン界面活性剤とを含む。ポリオールは、過価アルコール、三価アルコール、二価アルコール、又はそれらの組み合わせであってもよい。ポリオールは液体であっても固体であってもよい。ポリオールが固体である場合、液体ポリオール、少量の水、又はそれらの組み合わせを用いて分散液又は溶液を形成する。
【0007】
[0007]シャンプー組成物の実施形態により、コンパクトで水が大幅に低減されたシャンプーの配合が可能になる。従来のシャンプーの典型的な水量の約1/3から1/4という大幅に低減された水の量は、洗浄性/すすぎ速度及び製品性能に関するコンパクト/水が低減されたシャンプーの典型的な欠点のない水が低減されたシャンプー組成物の実施形態によって達成される。
【0008】
[0008]1つの種類のみ又は2種類のみの界面活性剤を含む界面活性剤成分を有する水が低減されたシャンプー組成物は、性能特性に欠けていることが判明した。少なくとも2つの非硫酸塩陰イオン界面活性剤(好ましくは3つさえ)と、非イオン界面活性剤との組み合わせを含む本開示のシャンプー組成物は、既知のシャンプー組成物よりも少ない水で、優れた泡立ち挙動、改善された洗浄性、及び優れたすすぎ性を可能にする一方で、同時に満足のいく粘度と良好なコンディショニング性能を有する。本開示のシャンプー組成物は、適切な粘度を有し、すなわち、濃厚でペースト状の稠度を有さず、他の水が低減されたシャンプーと比較して、より少ない水の使用でより速く洗い流すことができる。
【0009】
[0009]理論に束縛されるものではないが、非イオン性界面活性剤は良好な発泡挙動に重要な役割を果たしていると考えられる。非硫酸系アニオン界面活性剤も起泡性を示しが、非イオン性界面活性剤を添加することにより、特にグルカミド非イオン界面活性剤を使用する場合に、起泡特性が実質的に増加することが判明した。第三の非硫酸塩アニオン性界面活性剤を含めることにより、性能をさらに向上させることができる。
【0010】
[0010]さらに、本発明の発明者らは、高い製品性能を実現でき-成分を沈殿させることなく全ての成分を可溶化しながら-適切な溶剤と併用して(従来のシャンプーと比較して)かなり大量の界面活性剤成分を使用することにより、水が低減されたシャンプーに使用されることを見出した。発明者らは、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%、さらには少なくとも20重量%の界面活性剤成分濃度と組み合わせた三価、二価又は低分子多価ポリオール(例えば、C4~C8パーヒドロキシアルカン)によって、優れた製品性能を実現し、成分の沈殿を引き起こすことなく安定した組成物を得ることができることを観察した。例えば、グリセリンは、使用されるかなり大量の界面活性剤を溶解するのに特によく適しており、その結果、長期間にわたって安定な組成物が得られることが観察された。イセチオネート化合物によって、界面活性剤濃度が高くても安定で皮膚適合性のある組成物の配合が可能となるため、第1の非硫酸塩陰イオン界面活性剤として特に適していることが判明した。第2の非硫酸塩陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤により、界面活性剤濃度をさらに高めることができる。
【0011】
[0011]さらに、本開示の水が低減されたシャンプー組成物は、硫酸塩アニオン性界面活性剤を本質的に又は完全に含まないことが好ましい。多くの硫酸塩アニオン性界面活性剤は環境に有害であると疑われている。さらに、いくつかの硫酸塩アニオン性界面活性剤は皮膚を刺激することが報告されている。
【0012】
定義
[0008]別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0013】
[0009]本明細書及び添付の記述で使用される場合、単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、及び「その(the)」には、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の指示対象が含まれる。
【0014】
[0010]本出願の文脈における「かもしれない(may)」という用語は、「~が許可される(is permitted)」又は「~することができる(is able to)」を意味し、用語「できる(can)」と同義である。本明細書で使用される「することができる、し得る(may)」という用語は、可能性や機会を意味するものではない。
【0015】
[0011]本出願の文脈における「及び/又は」という用語は、一方又は他方、又は両方を意味する。例えば、「A及び/又はBの水溶液」とは、A単独の水溶液、B単独の水溶液、及びAとBを組み合わせた水溶液を意味する。
【0016】
[0012]「約(about)」という用語は、列挙された数、数又は数の範囲の±10パーセントを意味すると理解される。
【0017】
[0013]「約0重量%」という用語は、ゼロ(0)が指す物質、化合物、又は材料が、無視できる程度まで存在しないことを意味すると理解されるが、検出可能性が百万分率ベースで決定できると仮定すると、検出可能な量が存在する。
【0018】
[0014]本発明の特徴又は態様がマーカッシュ群の観点から説明される場合、当業者は、本発明もまた、それ故にマーカッシュ群の任意の個々のメンバー又はメンバーのサブグループに関しても説明されることを認識するであろう。例えば、Xがメチル、エチル又はプロピルからなる群から選択されるものとして記載されている場合、Xがメチルであることについての請求項、及びXがエチル及びXがプロピルであることについての請求項が十分に記載されている。さらに、本発明の特徴又は態様がマーカッシュ群の観点から説明される場合、当業者は、本発明もまた、それ故にマーカッシュ群の任意の個々のメンバー又はメンバーのサブグループの組み合わせに関しても説明されることを認識するであろう。したがって、例えば、Xが臭素、塩素、及びヨウ素からなる群から選択されるものとして記述され、Yがメチル、エチル、及びプロピルからなる群から選択されるものとして記述される場合、Xが臭素であり、Yがメチルであるという請求項は十分に記載されている。
【0019】
[0015]アルキル基の炭素原子数や環上の置換基の数など、必ず整数である変数の値を範囲として記述する場合、例えば、値は0~4の任意の整数(つまり、0、1、2、3、又は4)にできることを意味する。同様に、範囲形式で表現された値は、範囲の限界として明示的に記載された数値だけでなく、あたかも各数値及び部分範囲が明示的に記載されているかのように、その範囲内に含まれるすべての個々の数値又は部分範囲を含むように柔軟に解釈されるべきである。例えば、「約0.1%~約5%」又は「約0.1%~5%」の範囲は、約0.1%から約5%だけでなく、個々の値(例えば、1%、2%、3%、及び4%)、及び示された範囲内のサブ範囲(例えば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)を含むものと解釈されるべきである。
【0020】
[0016]「すすぎ落とすこと」又は「すすぎ性」という用語は、一般に、皮膚及び/又は毛髪への塗布に続いて、通常シャワーで行われるように、数秒から数分以内に水で皮膚及び/又は毛髪から製品をすすぐことを含む。
【0021】
[0017]これは、本発明の原理を説明する上でのものである。添付の図面は本開示の実施形態に関するものであり、以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】[0018]本明細書に記載の実施形態によるシャンプー組成物を適用する例示的な方法を示す3つの画像を示す。図1は、本明細書に記載の実施形態による組成物のすすぎの容易さを示す。
【発明を実行するための形態】
【0023】
[0019]本発明によれば、シャンプー組成物の実施形態は、少なくとも(a)界面活性剤成分、及び(b)固体又は液体のポリオールを含む。ポリオールが固体である場合、液体ポリオール又は少量の水と組み合わせて、分散液又は溶液として配合することができる。
【0024】
[0020]本発明によれば、シャンプー組成物の界面活性剤成分の実施形態は、硫酸塩アニオン界面活性剤又は非硫酸塩アニオン界面活性剤を含むアニオン界面活性剤クラスの少なくとも2つのメンバーを含み得る。アニオン性界面活性剤のクラスには、各メンバーの複数の種、並びにこれらのクラスのメンバーの組み合わせ、及び両方のメンバーの複数の種の任意の組み合わせも含まれ得る。
【0025】
[0021]さらに、界面活性剤成分は、上述のアニオン性界面活性剤クラスの任意のバリエーションと組み合わせた非イオン性界面活性剤をさらに含む。
【0026】
[0022]界面活性剤成分は、1つ又は複数の硫酸塩アニオン性界面活性剤単独、1つ又は複数の非硫酸塩アニオン性界面活性剤単独、少量の1つ又は複数の硫酸塩アニオン性界面活性剤及び主要量の1つ又は複数の非硫酸塩アニオン性界面活性剤との混合物、1つ又は複数の硫酸塩陰イオン界面活性剤及び1つ又は複数の非イオン界面活性剤の混合物、又は1つ又は複数の非イオン性界面活性剤、又は1つ又は複数の非硫酸塩アニオン性界面活性剤及び1つ又は複数の非イオン界面活性剤の混合物を含み得る。界面活性剤成分は、1つ又は複数の非硫酸塩アニオン性界面活性剤を単独で含んでもよい。
【0027】
[0023]好ましくは、界面活性剤成分は、1つ又は複数の非イオン性界面活性剤と組み合わせた1つ又は複数の非硫酸塩アニオン性界面活性剤を含み得る。特により好ましくは、界面活性剤成分は、限定されないが、1つ又は複数の硫酸塩を含まない非硫酸塩アニオン性界面活性剤と、1つ又は複数の非イオン性界面活性剤との組み合わせなど、界面活性剤クラスの2つのメンバーの組み合わせを含み得る。別の特に好ましい界面活性剤クラスは、硫酸塩アニオン性界面活性剤を含まなくてもよい非硫酸塩アニオン性界面活性剤を含む実施形態のいずれかを含み得る。この界面活性剤クラスは、硫酸塩を含まない非硫酸塩アニオン性界面活性剤として特徴付けることができる。「硫酸塩を含まない」という特徴がなければ、非硫酸塩アニオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤成分は、必ずしも含む必要はないが、偶発的又は意図的に存在する可能性のある、微量濃度からほとんど検出できない濃度の硫酸塩アニオン性界面活性剤を含み得る。
【0028】
[0024]本発明のシャンプー組成物の界面活性剤成分の硫酸塩アニオン性界面活性剤クラスは、分岐鎖状及び/又は直鎖状のC8~C20のアルキル及び/又はアルケニル硫酸塩、直鎖状及び/又は分岐鎖状のC8~C20アルキルベンゼン硫酸塩、又は直鎖状及び/又は分岐鎖状のC8~C20アルキルベンジル硫酸塩、又はエチレンエポキシド/エチレングリコールから得られる対応するエーテル及び/又はグリセリル及び/又は糖アルコール誘導体、プロピレンエポキシド/1,2-プロピレングリコール、グリセリン及び/又は糖アルコールモノマーを含み得る。直鎖状及び/又は分岐鎖状のアルキル基及び/又はアルケニル基は、単一の鎖長であってもよく、又は鎖長の混合であってもよい。アルケニル基は、1又は2箇所の不飽和部位を有していてもよい。エーテル及びグリセリル誘導体は、100まで、好ましくは50まで、より好ましくは20までのモノマー単位のモノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタモノマーを含んでもよい。糖アルコール誘導体は、C4~C6糖アルコールのモノマー、ジ、トリ、テトラ、ペンタモノマーを100まで、好ましくは50まで、より好ましくは20までのモノマー単位含み得、例としては、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、イソマルト、マルチトールなどを含むが、これらに限定されない。硫酸塩アニオン性界面活性剤の対イオンは、アルカリ金属、アンモニア及び/又は第一級、第二級、又は第三級C1~C6アルキルアミン、又はアミノアルコール、例えばアンモニウムカチオン、ナトリウム、カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどであるが、これらに限定されない。
【0029】
[0025]硫酸塩アニオン性界面活性剤のクラスは、次の化学式で表すことができる。ROSOM、RCOSOM、RCCHOSOM、RO(CO)OSOM、RO(CO)OSOM、RO(CO)CHOSOM、RO(CHCH(Me)O)OSOM、RO(CHCH(Me)O)OSOM、RO(CHCH(Me)O)CHOSOM、RO(CHCHOHCHO)OSOM、RO(CHCHOHCHO)OSOM、RO(CHCHOHCHO)CHOSOM、RO(sugar alcohol)OSOM、RCO(CO)OSOM、RCO(CO)OSOM、RCO(CO)CHOSOM、RCO(CHCH(Me)O)OSOM、RCO(CHCH(Me)O)OSOM、RCO(CHCH(Me)O)CHOSOM、RCO(CHCHOHCHO)OSOM、RCO(CHCHOHCHO)OSOM、RCO(CHCHOHCHO)CHOSOM、RCO(sugar alcohol)OSOM。これらの式のR基は、脂肪族アルコールから誘導される直鎖状又は分岐鎖状のC8~C20アルキル基及び/又はアルケニル基であってもよく、単鎖長であってもよく、又は(複数の)鎖長の混合であってもよい。RCO基は、脂肪族アルコール誘導体RO-に対応する脂肪酸誘導体である。エーテル/ポリエーテル/ポリグリセリル/多糖アルコール単位の指定子xは、1~100、好ましくは50まで、より好ましくは20までの整数であってよい。上述したように、Meはメチルであり、Mは対イオンである。このクラスの好ましいメンバーには、式ROSOM、RCOSOM、RO(CO)OSOM及び/又はRO(CHCHOHCHO)OSOMの直鎖及び/又は分岐鎖硫酸塩陰イオン界面活性剤が含まれる。これらの好ましいメンバーの好ましいアルキル/アルケニル基は、C8~C20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、又はC14~C20の直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基、又はアルキル及び/又はアルケニルの長さの混合物、又はアルキル基とアルケニル基の混合物であり得る。より好ましくは、アルキル基は、C10~C18の直鎖もしくは分岐鎖の単一長アルキル又は長さの混合物であり得、アルケニル基は、C14~C20の直鎖の単一長アルケニル基及び/又はそれらの混合物であり得る。さらに、アルキル基とアルケニル基の混合物も含まれる。特により好ましくは、アルキル基及びアルケニル基は、カプリル、ウンデシル、ラウリル、ミリスチル、パルミチル、セチル、ステアリルオレイル、ミリストリル、パルミトリル、サピエニル、又はココイルなどのそれらの混合物であることができ、これはココナッツ油に由来するアルキル基の混合物であり、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸基が含まれる。
【0030】
[0026]硫酸塩アニオン性界面活性剤の例は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリン酸モノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ココイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、モノエタノールアミンラウリル硫酸塩、トリデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウムのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0031】
[0027]本発明のシャンプー組成物の界面活性剤成分の非硫酸塩アニオン性界面活性剤クラス-つまり、第1、第2、及び任意選択の第3、又は任意選択の第4の硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤-は、アシルイセチオン酸塩/イセチオン酸メチル、アシルグリシネート、アシルタウリン酸塩、アシルアミノ酸、アシルサルコシン酸塩、スルホコハク酸塩及びスルホン酸塩の群から選択することができ、これらすべての界面活性剤クラスのアシル基は、6~30個の炭素原子を含む。非硫酸塩アニオン性界面活性剤は、これらの界面活性剤の2つ以上を含んでもよく、それらの混合物を含んでもよい。非硫酸塩アニオン性界面活性剤セグメントはまた、これらの界面活性剤クラスのいずれかの個々の化合物の1つ又は複数のアルカリ塩及びアルカリ土類塩又は混合物、及びそれらの混合物を含んでもよい。
【0032】
[0028]本発明による本シャンプー組成物の界面活性剤成分の非硫酸塩アニオン性界面活性剤クラスの1つのメンバーは、アシルイセチオン酸/メチルイセチオン酸を含むことができる。このクラスは、2-ヒドロキシエチルスルホネート及び2-ヒドロキシ-2-メチルエチルスルホネートの脂肪酸エステルを含む。これらのアシルイセチオン酸塩/メチルイセチオン酸塩は、それぞれ、式RRCOCHCHSOX及びRCOCH(CH)CHSOXを有する。置換基Xは、水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属であってもよい。アシル基は、炭素数6~30の飽和又は不飽和基RCO-であってもよく、式中、Rは、炭素数5~29の直鎖状又は分岐鎖状、好ましくは直鎖飽和アルキル基、及び/又は炭素数5~29及び1~3の不飽和部位の直鎖不飽和アルキル基である。言い換えると、アシル基RCO-はC6~C30脂肪酸のアシル誘導体に相当し、限定するものではないが、C6~C30脂肪族の直鎖状もしくは分岐鎖状、好ましくは直鎖状のアルキルカルボン酸及び/又は1、2又は3個の不飽和部位を有するC6~C30アルケニルカルボン酸を含み、アルキルカルボン酸及びアルケニルカルボン酸のカルボン酸基は末端に位置する。
【0033】
[0029]例示的なアシルイセチオン酸及びメチルイセチオン酸は、イセチオン酸及び/又はメチルイセチオン酸と1つ又は複数のC6~C30脂肪酸とで形成されるエステルである。C6~C30脂肪酸に由来するアシル基RCO-の特定の実施形態は、ヘキソイル、ヘプトイル、カプリロイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル(セトイル)、ステアロイル、アラキドイル、ベヘノイル、リグノセロイル、セロトイル、ノノイル、ウンデコイル、トリデコイル、ペンタデコイル、ヘプタデコイル、ノナデコイルから選択されるがこれらに限定されないアシル基から;及びミリストイル、パルミトリル、サピエノイル、オレイル、エライドイル、バセノイル、リノレノイル、リノエライドイル、アラキドノイル、エイコサペンタエノイル、エルコイル、ドコサヘキサエノイル基、その飽和及び/又は不飽和基の任意の組み合わせを含むがこれに限定されない不飽和アシル基から選択することができる。慣用名アシル基は天然脂肪酸に由来するが、ノノイル、ウンデコイル、トリデコイル、ペンタデコリ、ヘプタデコイル、ノナデコイルなどの体系的な命名法アシル基は、石油源に由来すると考えられる半合成脂肪酸である。
【0034】
[0030]植物油由来の脂肪酸混合物も、このクラスのイセチオン酸エステル及びイセチオン酸メチルエステルを形成するために使用され得る。脂肪酸混合物は、単一のC6~C30脂肪酸の1つ又は複数の混合物を含んでもよく、その選択された実施形態は、上で挙げたアシル基に対応する。例示的な植物脂肪酸混合物は、ココナッツ油、パーム油、オリーブ油、ヒマワリ油、ピーナッツ油、綿実油、コーン油、ベニバナ油、亜麻仁油、及び類似の植物油に由来するものを含む。得られる例示的な脂肪酸混合物は、ココナツ脂肪酸、パーム脂肪酸、オリーブ脂肪酸、コーン油脂肪酸、ベニバナ脂肪酸、ヒマワリ脂肪酸、亜麻脂肪酸、及び同様の植物脂肪酸を含むが、これらに限定されない。これらの脂肪酸混合物は、イセチオン酸及び/又はメチルイセチオン酸をエステル化して、脂肪族アシルイセチオン酸エステル及び/又はアシルメチルイセチオン酸エステル混合物を形成する。
【0035】
[0031]本発明によるこのクラスの界面活性剤成分の好ましいイセチオナート及び/又はメチルイセチオナートメンバーは、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルメチルイセチオン酸ナトリウムの群から選択されるイセチオン酸/イセチオン酸メチルを含む。これらの好ましいイセチオン酸/イセチオン酸メチルのうち、ココイルイセチオン酸ナトリウム及びココイルメチルイセチオン酸ナトリウムが特に好ましい。
【0036】
[0032]本シャンプー組成物の界面活性剤成分の非硫酸塩アニオン性界面活性剤クラスの別のメンバーは、N-アシルグリシネート、N-アシルアミノ酸及びそれらの塩を含み得る。このメンバーには、アミノ酸、グリシンのC6~C30脂肪酸アミド、並びに他の天然及び合成アミノ酸のC6~C30脂肪酸アミド、及びそのアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が含まれる。N-アシルグリシネートは、式RCO-NHCHCOX[式中、Xは、水素、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属である]を有する。N-アシルアミノ酸は、式RCO-NH(CHCHR’COX[式中、R’は、他の天然及び周知の合成アミノ酸置換基のいずれかであり、nは、0又は1~4の整数であり、Xは、水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属である]を有する。N-アシルアミノ酸の特定の実施形態は、アラニン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、セリン、アスパラギン、チロシン、リジンなどの天然アミノ酸のα-置換基としてR’を提供する。N-アシルアミノ酸のアミノ酸部分としては、アラニン、フェニルアラニン、スレオニン、セリン、グルタミンが好ましい。さらに、合成アミノ酸の場合、R’は天然アミノ酸のα-置換基と同様に水素であってもよく、nは1~4の整数である。好ましい合成アミノ酸は、R’が水素であり、nが1又は2であるものを含む。
【0037】
[0033]上記式のN-アシルグリシネート及びN-アシルアミノ酸のアシル基RCO-は、アシルイセチオン酸/メチルイセチオン酸のクラスについて上述したように、脂肪アシル基RCO-を含み得る。アシル基は、単一のアシル基であってもよいし、アシルイセチオン酸/メチルイセチオン酸のクラスについて上述したようなアシル基の混合物を含んでもよい。この混合物は、イセチオン酸/メチルイセチオン酸のクラスについて上述したように、植物脂肪酸から誘導することができる。
【0038】
[0034]本発明のシャンプー組成物の界面活性剤成分の非硫酸塩アニオン性界面活性剤のクラスの別のメンバーは、アシルタウレート及びアシルサルコシネートのクラスを含み得る。このクラスには、N-脂肪アシルタウリン塩又はN-脂肪アシルサルコシン酸塩、それらのN-アルキル誘導体、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。タウレート界面活性剤とサルコシネート界面活性剤は次の式を有し、式中、RCO-は、脂肪アシル置換基を表し、R’は、水素又はアルキルであり、Mは、アルカリ金属又はアルカリ土類金属、好ましくはナトリウム及びカリウム、特にナトリウムを表す。
RCO-NR’CHCHSOM RCO-NR’CHCO
N-脂肪酸アシルタウレート塩 N-脂肪酸アシルサルコシンネート塩
【0039】
[0035]タウリン塩のN-脂肪アシル基は、より長鎖の飽和又は不飽和脂肪基であってもよい。好ましくは、タウリン塩の脂肪酸アシル基は、炭素数6~30、好ましくは炭素数12~22、より好ましくは炭素数14~20、特に好ましくは炭素数14~18の不飽和脂肪酸アシル基であり、ミリストイル、パルミトリル、サピエノイル、オレイル、エライドイル及びワクシノイルアシル基を含み、最も好ましくはオレイル及びパルミトイルアシル基、特に最も好ましくはオレイル基である。N-アルキル基は、炭素数1~6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピルであり、より好ましくはメチルである。
【0040】
[0036]サルコシネート塩のN-脂肪アシル基は、任意の短鎖飽和脂肪基であってもよい。好ましくは、サルコニン酸塩の脂肪アシル基は、炭素数6~30、特に好ましくは6~14個の炭素の飽和脂肪アシル基であり、カプロロイル、エナントイル、カプリロイル、ペラルゴノイル、カプロイル、ウンデシロイル、ラウロイル、トリデシロイル及びミリストイル基を含み、より好ましくは炭素数8~12であり、最も好ましくはラウロイルC12アシル基である。N-アルキル基は、水素であR’が除外されることを除いて、タウリン塩のN-アルキル基と同じである。サルコンシン酸塩のR’はメチルであることが好ましい。
【0041】
[0037]本発明のシャンプー組成物の界面活性剤成分の非硫酸塩アニオン性界面活性剤のクラスの別のメンバーは、スルホコハク酸塩及びスルホスルホネートのクラスを含んでもよい。これには、アルキルスルホコハク酸塩、ポリアルコキシル化スルホコハク酸塩、及びアルキルアミドスルホコハク酸塩及びそれらのスルホスルホン酸塩が含まれ、ここで、アルキル基はC6~C30アルキル基であってもよく、ポリアルコキシレート基は2~30単位のエチレン又はプロピレングリコールモノマーから形成されてもよい。例示的なアルキル、ポリアルコキシル化、及びアルキルアミドスルホコハク酸塩及びスルホスルホネートは、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム及びスルホスルホン酸、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム及びスルホスルホン酸、オレス-3スルホコハク酸二ナトリウム及びスルホスルホン酸、デセス-6スルホコハク酸二ナトリウム及びスルホスルホン酸、ポリエチレングリコール(10)スルホコハク酸二ナトリウム及びスルホスルホン酸、ポリプロピレングリコール(10)スルホコハク酸二ナトリウム及びスルホスルホン酸、セチルアミドスルホコハク酸二ナトリウム及びスルホスルホン酸二ナトリウム、ステアリルアミドスルホコハク酸二ナトリウム及びスルホスルホン酸、パルミルアミドスルホンコハク酸二ナトリウム及びスルホスルホン酸二ナトリウム及びドデシルアミドスルホコハク酸二ナトリウム及びスルホスルホン酸を含む。
【0042】
[0038]非硫酸塩アニオン界面活性剤のクラスの単一のメンバーが対応する界面活性剤成分として組み込まれる場合、好ましい非硫酸塩アニオン界面活性剤メンバーはアシルイセチオン酸塩/メチルイセチオン酸塩を含む。この好ましい構成により、非硫酸塩アニオン性界面活性剤のクラスの他のメンバーをアシルイセチオン酸塩/メチルイセチオン酸塩に添加して、非硫酸塩アニオン性界面活性剤のクラスのメンバーの混合物を提供することができる。この成分混合物の大部分の成分がアシルイセチオン酸塩/メチルイセチオン酸塩であることが好ましい。より好ましくは、他の非硫酸塩アニオン性界面活性剤メンバーに対するアシルイセチオン酸/メチルイセチオン酸は、約19:3~約17:6、好ましくは約19:3.5~約17:6、より好ましくは約18.5:3.5~約17.4:5.8の重量%比にあってよい。
【0043】
[0039]本発明によるシャンプー組成物の界面活性剤成分の非イオン性界面活性剤のクラスは、アシルアミノデオキシ糖、アシルアミノ糖アルコール及びアルキルグリコシドのクラスを含む。アシルアミノデオキシ糖及びアシルアミノ糖アルコールアルコールは、式R-CO-NX-Rを有し、式中、R-COは直鎖又は分枝鎖のC6~C30脂肪アシル基であり、R1は直鎖状又は分岐鎖状のC5~C29アルキル基である。Rは、水素又はC1~C6アルキルである。部分-NXは、アミノデオキシ糖又はアミノ糖アルコールである。アミノデオキシ糖基は、mが0又は1である開形式の式を有する。アミノ糖アルコール基は、式=N-CH-CHOH-CHOH-(CHOH)-CHOH-CHOHを有し、mは、0又は1である。アミノ糖及びアミノ糖アルコールの例は、デオキシペントース、デオキシヘキソース、ジデオキシヘキソース、及び対応するアルコールの-NH誘導体を含む。対応するデオキシ糖コアの例は、デオキシグルコース、デオキシマンノース、デオキシイドース、デオキシタロース、デオキシガラクトース、デオキシリボース、デオキシキシロース、ドキシアラビノース、デオキシリキソースを含むが、これらに限定されず、また、糖アルコールコアの例は、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトールを含むが、これらに限定されない。好ましいアミノデオキシ糖及びアミノ糖アルコールは、グルコサミン、アミノデオキシマンノース、アミノデオキシガラクトース、アミノソルビトール、アミノマンニトール、アミノデオキシリボースを含む。より好ましくはグルコサミンである。好ましいアシルアミノデオキシ糖は、ラウロイル/ミリスチルメチルグルカミド、カプリロイル/カプロイルメチルグルカミド、カプリロイル/カプロイルグルカミドを含む。
【0044】
[0040]本発明によるシャンプー組成物の成分として機能する非イオン性界面活性剤のアルキルグリコシド類は、C8~C30の直鎖状及び分岐鎖状のアルキルグリコシドを含む。このクラスのグリコシドコアは、グルコシド、フルクトシド、グルクロニド、マンノシド、ガラクトシド、リボシドなどの糖部分、並びにポリグルコシド、ポリフルクトシド、ポリマンノシド、ポリガラクトシド及びポリグルクロン酸などのポリグリコシドを含むが、これらに限定されない。アルキル基はC8~C30脂肪族アルコールに由来し、カルボニル基からのケタール基の形成を通じて糖のアノマー炭素(カルボニル炭素)とグリコシド結合を形成する。例示的なグリコシドは、ラウリルグルコシド、デシルグルコシド、ココグルコシド、オクチルグルコシド、カプリルグルコシド、カプリリル/カプリルグルコシド、デシルポリグルコシド、ココポリグルコシド、ラウリルポリグルコシド及びそれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0045】
[0041]本シャンプー組成物のポリオール成分は、多価、三価及び/又は二価のアルコール(すなわち、過ヒドロキシアルカン、トリオールもしくはジオール)、あるいは複数のヒドロキシ基を縮合させてエーテル基を形成することによって形成されるその二量体、三量体、四量体、五量体、例えば、2つのエチレングリコールが縮合してジエチレングリコールを形成することによって形成されるもののうちの1つ又は複数の実施形態であってよい。ポリオールは液体であっても固体であってもよい。ポリオールが周囲条件で固体である場合、それを少量の水又は液体ポリオールで希釈して、流動性のポリオール混合物又は溶液を生成することができる。あるいは、ポリオールは周囲条件でペースト状であってもよく、液体ポリオールと混合して流動性の混合物又は溶液を提供してもよい。多価アルコールは、各炭素がヒドロキシル基で置換されたC4~C8アルカン、あるいはその二量体もしくは三量体であってもよい。三価アルコールは、3つのヒドロキシル基で置換されたC3~C8アルカン、あるいはその二量体もしくは三量体であってもよい。二価アルコールは、2つのヒドロキシル基で置換されたC2~C8アルカン、あるいはその二量体又は三量体であってもよい。好ましくは、三価及び二価のアルコールは、純粋な形で、水で希釈していない状態で、周囲条件で液体及び/又は流動性の特性を示す。例示的な多価アルコールには、エリスリトール、キシリトール及びソルビトールなどの糖アルコールが含まれるが、これらに限定されない。例示的なトリオールは、プロピレントリオール(グリセリン)、1,2,3-ブチレントリオール、1,2,5-ペンチレントリオール及び/又は1,3,6-ヘキシレントリオール、及びそれらの任意の組み合わせから選択され得る。例示的なジオールは、エチレングリコール、1,2-プロピレンジオール、1,3プロパンジオール、1,2-及び1,3-ブタンジオール、1,2ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、及びそれらの任意の組み合わせから選択され得る。好ましいポリオールには、ソルビトール、グリセリン(プロピルトリオール)、1,2,3-ブタントリオール、エチレングリコール及びジエチレングリコール、並びにそれらの任意の組み合わせが含まれる。より好ましいポリオールは、ソルビトール、グリセリン、1,2プロピレンジオール、1,3プロピレンジオール、及びそれらの任意の組み合わせである。
【0046】
[0042]本発明によるシャンプー組成物の実施形態には、シャンプー組成物の望ましい特性を提供するための界面活性剤成分、ポリオール及び水の組成物の全重量に対する重量百分率範囲が組み込まれている。シャンプー組成物の全重量に対する界面活性剤成分の重量百分率は、約5重量%~約45重量%、好ましくは約10重量%~約40重量%の範囲にあってよく、界面活性剤成分は、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤成分が1つ又は複数の硫酸塩アニオン性界面活性剤のみを含む場合、界面活性剤成分は、シャンプー組成物の全重量に対して、約5重量%~約35重量%、好ましくは約10重量%~約35重量%、より好ましくは約15重量%~約35重量%の範囲の濃度を有してよい。界面活性剤成分が1つ又は複数の非硫酸塩アニオン性界面活性剤のみを含む場合、界面活性剤成分は、組成物の全重量に対して、約10重量%~約45重量%、好ましくは約15重量%~約35重量%の範囲の濃度を有し得る。界面活性剤成分が1つ又は複数の硫酸塩アニオン界面活性剤と1つ又は複数の非硫酸塩アニオン性界面活性剤との混合物を含む場合、硫酸塩アニオン性界面活性剤は、界面活性剤成分の全重量の10重量%以下、好ましくは約5重量%以下、より好ましくは約2重量%以下を含む。界面活性剤成分がアニオン性界面活性剤と非イオン界面活性剤の組み合わせを含み、アニオン界面活性剤が、硫酸塩アニオン性界面活性剤及び非硫酸塩アニオン性界面活性剤の一方又は両方を含む場合、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の重量比は、約5:1~約15:1、好ましくは約6:1~約12:1、より好ましくは約7:1~約12:1の範囲であってよく、特により好ましくは約8:1~約12:1である。界面活性剤成分がアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の組み合わせを含む場合、界面活性剤成分の重量百分率は、約5重量%~約45重量%、好ましくは約10重量%~約40重量%の範囲であってもよく、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の重量百分率比は、硫酸塩アニオン性界面活性剤及び非硫酸塩アニオン性界面活性剤について上記で与えられた重量百分率範囲に対する非イオン性界面活性剤の濃度を与える。界面活性剤成分として非硫酸アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の組み合わせについては、界面活性剤成分の濃度は、10重量%~約40重量%、好ましくは約15重量%~約35重量%、より好ましくは約20重量%~約30重量%、特により好ましくは約20重量%~約26重量%の範囲であってよい。
【0047】
[0043]ポリオール又はその混合物対水の重量比は、約3:1~16:1、好ましくは3:1~10:1、最も好ましくは3:1~5:1の重量百分率範囲内である。ポリオール対水の比率のポリオールは、上述のポリオールのいずれであってもよく、好ましくは、この比率範囲のポリオールは三価アルコールであり、より好ましくはグリセロールである。組成物の重量に対するポリオールの重量百分率は、約45重量%~約80重量%、好ましくは約50重量%~約75重量%、より好ましくは約55重量%~約70重量%の範囲であり、特により好ましくは約55重量%~約65重量%の範囲である。組成物の重量に対する水の重量百分率は、約5重量%~約25重量%、好ましくは約10重量%~約20重量%、より好ましくは約13重量%~約17重量%、最も好ましくは14重量%~約17重量%の範囲である。
【0048】
[0044]組成物の実施形態は、必ずしも必要ではないが、コンディショニング剤、フケ防止剤、及び直接染毛剤などの任意選択の成分を含んでもよい。任意成分の選択は、界面活性剤成分及びポリオールとの適合性に基づいて行われる。
【0049】
[0045]シャンプー組成物の任意選択の成分の1つはコンディショニング剤を含む。コンディショニング剤は、第四級アンモニウム有機化合物及び対応する第三級アミン化合物などのカチオン性界面活性剤、アミドアンモニウム化合物及び対応する三級アミン化合物、第四級アンモニウム基又は第三級アミン基を有する単糖、二糖及び多糖、あるいはそれらの混合物を含む。これらのカチオン性界面活性剤の非限定的なクラスは、モノ又はジ脂肪族アルキル又はアルケニル第四級アンモニウム及び第三級アミン化合物、モノ又はジポリオール第四級アンモニウム及び第三級アミン化合物、モノ又はジ脂肪族アルキル又はアルケニルベンジル第四級アンモニウム及び第三級アミン化合物、脂肪族アルキル又はアルケニルアリール、ポリオール第四級アンモニウム及び第三級アミン化合物、ポリオール単糖、二糖又は三糖アルキル第四級アンモニウム及び第三級アミン化合物、第三級又は四級化アミノアルキル脂肪族アルキル又はアルケニルエステル又はアミド化合物、フェノキシアルキル脂肪族アルキル又はアルケニル第四級アンモニウム及び第三級アミン化合物、末端が四級化されたアンモニウム及び三級アミン化合物を含む加水分解デンプン、末端四級化アンモニウム及び第三級アミン化合物を有するマルチポリオールセルロース、スクロース、ラクトースの単糖類及び二糖類、アラビアゴム、ガッティゴム、グアイクムゴム、グアールゴム、カラヤゴム、ローカストビーンゴム、末端四級化アンモニウム及び三級アミン化合物で誘導体化されたキサンタンガム、及びカチオン性頭部有機化合物を備えた同様の疎水性尾部を含む。第三級アミン基を有するカチオン性界面活性剤の種類は、媒体又は有機酸によってプロトン化されてカチオン性基を形成し得る。
【0050】
[0046]これらのカチオン性界面活性剤の例は、塩化セトリモニウム、塩化ステアルトリモニウム、塩化ベヘントリモニウム、メト硫酸ベヘントリモニウム、メト硫酸ベヘアミドプロピルトリモニウム、塩化ステアラミドプロピルトリモニウム、塩化アラキドトリモニウム、塩化ジステアリルジモニウム、ジセチルジモニウムクロリド、トリセチルモニウムクロリド、オレアミドプロピルジメチルアミン、リノールアミドプロピルジメチルアミン、イソステアラミドプロピルジメチルアミン、オレイルヒドロキシエチルイミダゾリン、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ベヘアミドプロピルジメチルアミン、ベヘアミドプロピルジエチルアミン、ベヘアミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、塩化ベンザルコニウム、臭化ベンゾジデシニウム、塩化セタルコニウム、塩化ジセジルジメントスアンモニウム、塩化ジメチルジオクタデシルアンミン、ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン、ラウリルメチルグルセス-10ヒドロキシルプロピルジモニウムクロリド、N-オレイル-1,3-プロパンジアミン、ステアラルコニウムクロリド及びそれらの混合物から選択され、及び/又はそれらを含み得る。
【0051】
[0047]カチオン性界面活性剤を含むコンディショニング剤は、任意選択的に、シャンプー組成物の全重量に対して、約0.05重量%~約10重量%、好ましくは約0.1重量%~約5重量%の重量百分率範囲内で本発明のシャンプー組成物中に含まれてもよい。
【0052】
[0048]シャンプー組成物のさらなる実施形態には、フケ防止剤である別の任意成分が含まれる。フケ防止剤は、例えば、ケトコナゾール、クリンバゾール、ジンクピリチオンセレン二硫化物、コールタール、硫黄等を含む。任意選択のフケ防止剤は、本発明のシャンプー組成物中に、シャンプー組成物の全重量に対して、約0.1重量%~約5重量%、好ましくは約0.1重量%~約2重量%の重量百分率範囲内で含まれてもよい。
【0053】
[0049]コンディショナー組成物の実施形態に含める別の任意選択の成分には、着色の利点を提供する直接染料を含む。本発明の技術は、非イオン性直接染料、特に非イオン性ニトロベンゼン誘導体及びアニオン性直接染料に適している。
【0054】
[0050]ニトロベンゼン誘導体の例は、これに限定されないが、例えば、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、1-アミノ-5クロロ-4-[(2,3-ジヒドロキシプロピル)アミノ]-2-ニトロベンゼン(HC赤色10号)、及び5-クロロ-1,4-[ジ-(2,3-ジヒドロキシプロピル)アミノ]-2-ニトロベンゼン(HC赤色11号)又は4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノールを含む。本明細書で有用な非イオン性ニトロ染料は、例えば、1,4-ビス-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ニトロベンゼン、1-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロ-4-[ジ-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]ベンゼン(HCブルーNo.2)、1-アミノ-3-メチル-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-6-ニトロベンゼン(HCバイオレットNo.1)、2-アミノ-4、6-ジニトロフェノール、1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン(C176070)、4-アミノ-2-ニトロジフェニルアミン(HCレッド1号)、1-アミノ-4-[ジ-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ニトロベンゼン塩酸塩(HC赤色13号)、1-アミノ-5-クロロ-4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ニトロベンゼン、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロフェノール、4-[(2-ニトロフェニル)アミノ]フェノール(HCオレンジNo.1)、1-[(2-アミノエチル)アミノ]-4-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-ニトロベンゼン(HCオレンジNo.2)、4-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-1-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ニトロベンゼン(HCオレンジ3号)、1-アミノ-2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-5ニトロベンゼン(HC黄色5号)、1-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-[(2ヒドロキシエチル)アミノ]-5-ニトロベンゼン(HCイエローNo.4)、1-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ニトロベンゼン(HCイエロー2号)、2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-1-メトキシ-5-ニトロベンゼン、並びに、染料の文献で知られている同様のバリエーション及び誘導体も含まれる。
【0055】
[0051]本明細書で有用な他の非イオン性直接染料は、例えば、1,4-ジ-[(2,3-ジヒドロキシプロピル)アミノ]-9,10-アントラキノン、1,4-ジ-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-9,10-アントラキノン(C161545、ディスパースブルー23)、1-アミノ-4-ヒドロキシ-9,10-アントラキノン(C160710、ディスパースレッド15)、1-ヒドロキシ-4-[(4-メチル-2-スルホフェニル)アミノ]-9,10-アントラキノン、7-ベータ-D-グルコピラノシル-9,10-ジヒドロ-1-メチル-9、10-ジオキソ-3,5,6,8-テトラヒドロキシ-2-アントラセンカルボン酸(C175470、ナチュラルレッド4)、2-((4-(ジ-(2-ヒドロキシエチル)アミノ)フェニル)アミノ)-5-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)-2,5-シクロヘキサジエン-1,4-ジオン(HCグリーンNo.1)、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン(C175480、ナチュラルオレンジ6号)、1,2-ジヒドロ-2-(1,3-ジヒドロ-3-オキソ-2H-インドール-2-イリデン)-3H-インドール-3-オン(C173000)、1-[ジ-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-[(4-ニトロフェニル)アゾ]ベンゼン、(ディスパースブラックNo.9)、4-[(4-アミノフェニル)アゾ]-1[ジ-(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-メチルベンゼン(HCイエローNo.7)、2)、トリ-(4-アミノ-3-メチルフェニル)カルベニウムクロリド(Cl42520;塩基性バイオレットNo.2)、1-[(4-アミノフェニル)アゾ]-7(トリメチルアンモニオ)-2-ナフトールクロリド(Cl12250;塩基性褐色No.16)、3-[(4-アミノ-2,5-ジメトキシフェニル)アゾ]-N、N,N-トリメチルベンゾラニウムクロリド(C1112605、塩基性オレンジNo.69)、1-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)アゾ]-7-(トリメチルアンモニオ)-2-ナフトールクロリド(塩基性褐色17号)、1-メチル-4-((メチルフェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジニウムメチル硫酸塩(塩基性黄色87号)、及び1-メチル-4-((メチルフェニルヒドラゾノ)メチル)ピリジニウムメチル硫酸塩(塩基性黄色87号)を含む。
【0056】
[0052]本明細書で有用な他のカチオン性直接染料は、例えば、ベンゼンアミン、4-[(2,6-ジクロロフェニル)(4-イミノ-3,5-ジメチル-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン)メチル]-2,6ジメチル-、リン酸)(HCブルーNo.15)、1-(2-モルホリニウムプロピルアミノ)-4-ヒドロキシ-9,1O-アントラキノンメチル硫酸塩、及び1-[(3-(ジメチルプロピルアミニウム)プロピル)アミノ]4-(メチルアミノ)-9,10-アントラキノンクロリドを含む。
【0057】
[0053]本明細書で有用なアニオン性直接染料は、例えば、二ナトリウムビス[4-(N-エチル-N-3-スルホナトフェニルメチル)アミノフェニル]フェニルメチリウム(INCI名:アシッドブルー9)、ベンゼンスルホン酸、2-[(9,10-ジヒドロ-4-ヒドロキシ9,10-ジオキソ-1-アントラセニル)アミノ]-5-メチル-、一ナトリウム塩(INCI名:Ext.Violet 2)、p-((2-ヒドロキシ-1-ナフチル)アゾ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(INCI名:オレンジ4)、2,2’-(1,4-アントラキノニレンジイミノ)ビス(5-メチルベンゼンスルホン酸)二ナトリウム塩(INCI名:ACID GREEN 25)、酸2-(2-キノレイル)1,3-インダンジオン モノ、ジ、トリスルホン酸、ナトリウム塩(INCI名:黄色10)、5-アミノ-4-ヒドロキシ-3-O-(フェニルアゾ)-2,7-ナフタレンスルホン酸、二ナトリウム塩(INCI名:アシッドレッド33)を含む。
【0058】
[0054]別の態様によれば、本発明は、本発明の組成物の実施形態の使用による毛髪をシャンプー及びコンディショニングする方法に関する。本方法の実施形態は、シャンプー組成物を毛髪に適用し、その後、水で希釈するか、又はそれと同時に行うことを含む。
【0059】
[0055]本発明の態様及び実施形態は、以下の条項によって定義することができる。
【0060】
[0056]第1項 水が低減されたシャンプー組成物であって、
i)約40重量%~約80重量%、好ましくは約45重量%~約80重量%の重量百分率濃度の液体ポリオールと、
ii)約5重量%~約45重量%、好ましくは約10重量%~約40重量%、より好ましくは約15重量%~約35重量%の重量百分率濃度の界面活性剤成分であって、界面活性剤組成物は少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含む界面活性剤成分と、
iii)約5重量%~約25重量%の重量百分率濃度の水と
を含み、
すべての重量百分率は、組成物の全重量に対するものである、水が低減されたシャンプー組成物。
【0061】
[0057]第2項 界面活性剤成分が少なくとも1つ又は複数の非イオン性界面活性剤をさらに含む、第1項に記載の減水シャンプー組成物。
【0062】
第3項 硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤が、シャンプー組成物の全重量に対して、約5重量%~約35重量%、好ましくは約10重量%~約35重量%、最も好ましくは約15重量%~約35重量%の濃度を有する、第1項又第2項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0063】
第4項 界面活性剤成分が、硫酸塩陰イオン界面活性剤を本質的に又は完全に含まず、シャンプー組成物の全重量に対して約10重量%~約40重量%、好ましくは約15重量%~約35重量%の濃度を有し、少なくとも1つ又は複数の硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤を含む、第1項又は第2項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0064】
[0060]第5項 界面活性剤成分が、少なくとも硫酸塩アニオン性界面活性剤と硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤との混合物、及び好ましくは、硫酸塩アニオン性界面活性剤は、硫酸塩アニオン性界面活性剤と硫酸塩を含まないアニオン性界面活性剤との混合物の全重量%の10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下を含む、第1~第4のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【0065】
第6項 界面活性剤成分が、少なくともアニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤を含み、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の重量百分率比は約5:1~約15:1、好ましくは約8:1~約12:1である、第1項~第5項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0066】
[0062]第7項 アニオン性界面活性剤が、以下の1つ以上を含む:ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリン酸モノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ココイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウムの1つ又は複数を含み、好ましくは、アニオン性界面活性剤は、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウム、及びそれらの任意の組み合わせの1つ又は複数含み、より好ましくは、アニオン性界面活性剤は、組成物の全重量に対して約5重量%~約25重量%の重量百分率範囲のイセチオナート化合物を含む、第1項~第6項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0067】
[0063]第8項 非イオン性界面活性剤が、ラウロイル/ミリスチルメチルグルカミド、カプリロイル/カプロイルメチルグルカミド、カプリロイル/カプロイルグルカミド、ラウリルグルコシド、デシルグルコシド、ココグルコシド、及びそれらの任意の組み合わせのうちの1つ又は複数を含む、第1項~第7項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0068】
[0064]第9項 両性界面活性剤を実質的に含まない、第1項~第8項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0069】
[0065]第10項 ポリオールが、少なくとも、多価、三価又は二価のアルコール、それらの二量体又は三量体、又はそれらの任意の組み合わせ、好ましくは、多価アルコールはC4~C8パーヒドロキシアルカンであり、三価アルコールはトリヒドロキシルC3~C8アルカン、その二量体又は三量体であり、二価アルコールは、ジヒドロキシルC2~C8アルカン、その二量体又は三量体、ペルヒドロキシアルカン、三価アルコール、及び二価アルコールの任意の組み合わせであり、より好ましくは、ポリオールはエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、プロピレントリオール、1,2,3-ブチレントリオール、1,2,5-ペンチレントリオール、1,3,6-ヘキシレントリオール、エチレングリコール、1,2-プロピレンジオール、1,3プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール及びそれらの任意の組み合わせであり、特により好ましくは、ポリオールは、ソルビトール、グリセリン(プロピルトリオール)、1,2,3-ブタントリオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2プロピレンジオール、1,3プロピレンジオール、及びそれらの任意の組み合わせを含み、最も好ましくは、ポリオールは、ソルビトール、グリセリン、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、及びそれらの任意の組み合わせを含み、特に最も好ましくは、ポリオールはグリセリンである、第1項~第9項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0070】
[0066]第11項 コンディショニング剤をさらに含み、好ましくは、コンディショニング剤の濃度は、シャンプー組成物の全重量に対して約0.05重量%~約10重量%、より好ましくは約0.1重量%~約5重量%の範囲であり、特により好ましくは、コンディショニング剤は少なくとも第四級アンモニウム有機化合物を含む、第1項~第10項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0071】
[0067]第12項 クリンバゾール、ケトコナゾール、亜鉛ピリチオン、二硫化セレン及びそれらの混合物からなる群から選択されるフケ防止剤をさらに含む、第1項~第11項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0072】
[0068]第13項 フケ防止剤の濃度が、シャンプー組成物の全重量に対して、約0.1重量%~約5重量%、好ましくは0.1重量%~約2重量%の範囲内である、第12項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0073】
[0069]第14項 コールタール又は硫黄染料、アゾ染料、アントラキノン染料、カチオン染料、アニオン染料及びそれらの混合物からなる群から選択される直接染料をさらに含む、第1項~第13項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0074】
[0070]第15項 輸送重量を削減し、及び/又は包装廃棄物を削減するための、第1項~第14のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物の使用。
【0075】
[0071]第16項 水が低減されたシャンプー組成物であって、
i)約40重量%~約80重量%の重量百分率濃度の液体ポリオールであって、
ポリオールは、少なくとも多価、三価若しくは二価のアルコール、それらの二量体若しくは三量体、又はそれらの任意の組み合わせを含み、多価アルコールは、C4~C8のペルヒドロキシアルカンであり、二価アルコールはジヒドロキシルC2~C8アルカンである、液体ポリオールと、
ii)約10重量%~約40重量%の重量百分率濃度の界面活性剤成分であって、
少なくとも1つ又は複数の非イオン性界面活性剤をさらに含み、
少なくとも硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤と、硫酸塩を含まない第2のアニオン性界面活性剤をさらに含み、硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤と硫酸塩を含まない第2のアニオン性界面活性剤は異なる成分である、界面活性剤成分と、
iii)約5重量%~約25重量%の重量百分率濃度の水と
を含み、
すべての重量百分率は、組成物の全重量に対するものである、水が低減されたシャンプー組成物。
【0076】
[0072]第17項 ポリオールが三価アルコールを含み、三価アルコールはトリヒドロキシルC3~C8アルカンである、第1項~第16項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0077】
[0073]第18項 三価アルコールがグリセリンである、第17項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0078】
[0074]第19項 硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤が、組成物の全重量に対して約5重量%~約25重量%の重量百分率範囲のイセチオナート化合物である、第16項~第18項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0079】
[0075]第20項 硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤がココイルイセチオン酸ナトリウムである、請求項19に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0080】
[0076]第21項 硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤が約10重量%~約20重量%の濃度を有する、第16項~第20項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0081】
[0077]第22項硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤が、シャンプー組成物の全重量に対して、約12重量%~約18重量%の濃度を有する、第16項~第21項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0082】
[0078]第23項 硫酸塩を含まない第2のアニオン性界面活性剤が、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウムからなる群から選択される、第16項~第22項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0083】
[0079]第24項 硫酸塩を含まない第2のアニオン性界面活性剤がラウロイルサルコシンナトリウムである、第16項~第23項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0084】
[0080]第25項 硫酸塩を含まない第2のアニオン性界面活性剤が、シャンプー組成物の全重量に対して、約5重量%~約8重量%の濃度を有する、第16項~第24項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0085】
[0081]第26項 硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤と硫酸塩を含まない第2のアニオン性界面活性剤が、約1.8:1~約4:1、好ましくは約2:1~約3:1の重量%比にある、第16項から第25項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0086】
[0082]第27項 硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤をさらに含み、1、第2及び硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤のそれぞれは、異なる成分である、第16項から第26のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0087】
[0083]第28項 硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤が、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム又はオレオイルメチルタウリンナトリウムであり、好ましくは、硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤は、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウムである、第27項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0088】
[0084]第29項 硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤が、シャンプー組成物の全重量に対して、約5重量%~約8重量%の濃度を有する、第27項又第28項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0089】
[0085]第30項硫酸塩を含まない第1のアニオン性界面活性剤と硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤が約1.6:1から約2:1の重量%比にある、第27項~第29項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0090】
[0086]第31項 界面活性剤成分が硫酸塩アニオン性界面活性剤を本質的に又は完全に含まない、第16項~第30項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0091】
[0087]第32項 アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の重量百分率比が約8:1~約12:1である、第16項~第31項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0092】
[0088]第33項 非イオン性界面活性剤が、ラウロイル/ミリスチルメチルグルカミド及び/又はカプリロイル/カプロイルメチルグルカミドを含む、第16項~第32項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0093】
[0089]第34項 非イオン性界面活性剤が、シャンプー組成物の全重量に対して、約2重量%~約5重量%の濃度を有する、第16項~第33項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0094】
[0090]第35項 両性界面活性剤を実質的に含まない、第16項~第34項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0095】
[0091]第36項 ポリオールがソルビトールである、第16項~第35項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0096】
[0092]第37項 ポリオールが、1,2,3-ブタントリオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2プロピレンジオール、1,3プロピレンジオール、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される二価ポリオールであり、好ましくは、二価ポリオールは、1,2-プロパンジオール、1,3プロパンジオール、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第16項~第35項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0097】
[0093]第38項 約45重量%~約65重量%、好ましくは約50重量%~約60重量%の重量百分率濃度で液体ポリオールを含む、第16項~第37項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0098】
[0094]第39項 硫酸塩を含まない第3のアニオン性界面活性剤がタウレート界面活性剤である、第16項~第38項のいずれか一項に記載の水が低減されたシャンプー組成物。
【0099】
使用方法
[0095]本発明によるシャンプー組成物の実施形態は、濃縮シャンプー組成物のアリコートの毛髪への直接塗布、又は濃縮組成物のアリコートを水で予め希釈すること、続いて毛髪への塗布を含む方法で頭皮の毛髪に適用することができる。シャンプー組成物のアリコートを直接適用する場合、そのアリコートは、指又はブラシでマッサージすることによって毛髪全体に少なくとも部分的に分配され、続いて水で希釈し、指で擦る及び/又はマッサージすることによって毛髪全体に広げることができる。希釈した組成物の一部を毛髪に少なくとも20秒間作用させると、泡立ち作用が確立され、シャンプーが分散され、必要に応じて洗浄成分が供給される。シャンプーは、髪をこすりながら流れる温水で髪を浸すことによって、髪からすすぐことができる。すすいだ髪をタオルドライし、その後くしで梳かしながら温かいヘアドライヤーで乾燥させる。
【0100】
実施例
[0096]以下の実施例は本発明を説明するものである。例示された組成物は、従来の配合及び混合技術によって調製することができる。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、ヘアケア配合技術の当業者の技術の範囲内で本発明の他の変更を行うことができることが理解されよう。本明細書におけるすべての部、パーセンテージ、及び比は、特に指定しない限り、重量によるものである。一部の成分は、希釈溶液として供給元から供給される場合がある。指定されたレベルは、特に指定がない限り、活性物質の重量パーセントを反映している。
【0101】
[0097]驚くべきことに、本開示のシャンプー組成物、特に、少なくとも2つの非硫酸塩ベースのアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の組み合わせ、ポリオール(好ましくはグリセロール及び/又はプロパンジオール)及び一定量/少量の水を含むシャンプー組成物が、従来の水性シャンプーに比べて塗布量を3/4~2/3に低減できるコンパクトで大幅に水が低減されたシャンプーを実現するだけでなく、すすぎ速度及び製品の性能に関する典型的な圧縮シャンプーの欠点はなく、特にすすぎ速度に関しては、従来の硫酸塩界面活性剤ベースのシャンプーに勝ることが判明した。
【0102】
[0098]スタイリストによって行われたハーフヘッドテストは、高水位及びさらには硫酸塩ベースの界面活性剤を含む従来の基準/市販シャンプーと比較した、本発明よる水が低減されたシャンプーのこれらのヘアコンディショニング性能の利点を示す。ハーフヘッドの比較により、ヘアスタイリストは、定義された基準と比較してヘア製品の効果を評価できる。これは、試験製品の試料を1人のモデルの頭に塗布し、その後様々な技術的なヘアスタイリング基準に従って比較試料又は未処理の髪と直接比較することを含む。この試験は、試験試料と参照試料がそれぞれ頭の半分に適用され、完全に同一の試験条件(同一の毛髪構造、損傷の程度、毛髪の色など)下で直接比較できるため、ハーフヘッド比較と呼ばれる。本発明による水が低減されたシャンプー(実施例1、2及び3)の性能を、従来の硫酸塩界面活性剤ベースの参照シャンプーの性能と比較した。実施例1~3の参照シャンプーに対する塗布量重量比は0.25であり、絶対塗布量は、それぞれ実施例1では1~2グラム、参照シャンプーでは4~8グラムの範囲でモデルの毛髪長に適合させた。
【0103】
[0099]以下のヘアケア基準は経験豊富なスタイリストによって判断された:シャンプーを完全にすすぎ落とすのに必要な時間として測定されるすすぎ易さ、湿った状態での櫛通りの良さ、乾いた状態の櫛通りの良さ、ドライな感触、及び縮れ防止効果。
【0104】
[00100]すすぎ性測定プロトコル:
[00101]ハーフヘッド比較を行う場合は、必ず中央の分け目を考慮し、左右を分けて比較する。
【0105】
[00102]水の力が強すぎないように設定し、水流をすすぐ側に向ける。
【0106】
[00103]少量の水を加えて製品塊を乳化させる。
【0107】
[00104]流水のシャワーヘッドをフェイスラインの中央に配置する。
【0108】
[00105]右手の側面を使い、フェイスラインとトップ(頭頂部)からもみあげまですすぎ落とす。
【0109】
[00106]髪の中間と毛先をすすぐ。
【0110】
[00107]重要性:長い髪を扱う場合は、片側ずつ高くまとめて、両側をすすぐことができるようにする。
【0111】
[00108]すすぐ髪の部分からクリップを外す。
【0112】
[00109]すすいだ後、センター分け目を意識してタオルで軽く押さえて乾かす。
【0113】
[00110]測定されるすすぎ時間は、各毛髪部分で製品を完全にすすぎ落とすのに必要な時間によって決定される。所要時間をストップウォッチで計測し、すすぎ時間の長短を評価する。
【0114】
[00111]すすぎ時間は4人の被験者の間で決定され、例1、2、及び3が試験された。これに対して、各評価基準は何人の被験者に対して示された数字と比較して次のように判断された。
参照シャンプーの組成:
82.4%の水、7.9%のラウリルエーテル硫酸ナトリウム、5.7%のラウリル硫酸ナトリウム、2.1%のコカミドプロピルベタイン、0.5%の香料、0.5%のクエン酸、0.45%の安息香酸ナトリウム、0.2%のサリチル酸、0.15%のEDTA、0.1%のメチルパラベン
【0115】
[00112]結果は、本発明による水が低減された、コンパクトシャンプーは、従来の水が低減されていないシャンプーと比較して、統計的に有意に37%容易な/より速いすすぎをもたらすことを明らかに示した。
【0116】
[00113]さらに、本発明による水が低減された、コンパクトシャンプー(実施例1)と従来の水が低減されていない参照シャンプーとのハーフヘッド性能試験を行った。以下のヘアケア基準は経験豊富なスタイリストによって判断された:湿った髪の櫛通りの良さ(湿った髪の櫛通りのしやすさ/良い、又は悪い)、乾いた髪の櫛通りの良さ(乾燥後の洗った髪の櫛通りの容易さ/良い、又は悪い)、乾いた髪の感触(髪の柔らかい/良い/悪い/荒れた髪の感触)及び縮れ防止効果(より良好な場合/縮れ毛が少なくなり、より悪い場合/縮毛が増える)。それぞれのハーフヘッド試験は2人の被験者で実施され、各基準の被験者の数を示す数字は次のように判断された。
【0117】
[00114]結果は、本発明による水が低減されたコンパクトシャンプーが、従来の水が低減されていないシャンプーと比較して、さらに優れたヘアコンディショニング性能をもたらすことを明らかに示した。
【0118】
[00115]正味-本発明によるシャンプーは、平均的な水ベースのシャンプーよりも予期せぬ、はるかに高いすすぎ効果を有するだけでなく、より優れたコンディショニング性能も提供する。
【0119】
その他のステートメント
[00116]本発明は、本明細書において広範かつ一般的に説明されてきた。一般的な開示の範囲内に含まれるより狭い種及び亜属のグループのそれぞれも、本発明の一部を形成する。これは、切除された材料が本明細書に具体的に記載されているかどうかに関係なく、患者の事項を属から削除するという但し書き又は否定的な限定を伴う発明の一般的説明を含む。本明細書に記載され、記載され、特許請求される発明、実施例、結果及び実施形態の記述は、属性を有する場合があり、実施形態には、本出願に記載、記載、参照されるものが含まれるが、これらに限定されない。
【0120】
[00117]使用されている用語や表現は説明の用語として使用されており、限定するものではなく、このような用語や表現の使用には、図示され説明されている機能又はその一部と同等のものを除外する意図はないが、特許請求の範囲に記載され、実施形態の記載によって提供される本発明の範囲内で、様々な変更が可能であることが認識される。したがって、本発明は、様々な非限定的な実施形態及び/又は好ましい非限定的な実施形態及びオプションの特徴によって具体的に開示されてきたが、本明細書に開示された概念のあらゆる修正及び変形が利用可能であり、それらは、当業者によって、添付の特許請求の範囲及び実施形態の記述によって定義される本発明の範囲内にあるとみなされることが理解されるであろう。
【0121】
[00118]すべての特許、出版物、科学論文、ウェブサイト、その他の文書、閣僚の参考文献、又は本明細書で言及されているものは、本発明が関係する当業者の技術レベルを示すものであり、このような参照文書及び資料のそれぞれは、あたかもそのまま本明細書に組み込まれ、その全体が記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。かかる特許、刊行物、科学論文、ウェブサイト、電子的に入手可能な情報、教科書、又はその他の参照資料や文書からのあらゆる資料及び情報を本明細書に物理的に組み込む権利を留保する。
【0122】
[00119]この特許出願の書面による説明には、すべての特許請求の範囲、実施例及び実施形態の記述が含まれる。すべての元の請求項を含むすべての請求項及び実施形態の記述は、参照によりその全体が明細書の記述部分に組み込まれ、かかるすべての特許請求の範囲及び実施形態の記述を、書面による説明又は出願の他の部分に物理的に組み込む権利を留保する。したがって、例えば、いかなる状況においても、特許請求の範囲の正確な文言が特許の書面による説明部分に文字通り記載されていないという主張に基づいて、特許が請求項の書面による説明を提供していないと主張されていると解釈されてはならない。
【0123】
[00120]本発明をその詳細な説明と併せて説明してきたが、前述の説明は例示を目的とするものであり、本発明の範囲を限定するものではなく、これは、添付の特許請求の範囲及び実施形態の記述によって定義される。したがって、以上の説明から、本発明の特定の非限定的な実施形態が説明の目的で本明細書に記載されているが、本発明の範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができることが理解されるであろう。他の態様、利点、及び修正は、特許請求の範囲の範囲内にあり、本発明は、添付の特許請求の範囲及び実施形態の記述による場合を除いて限定されない。
【0124】
[00121]本明細書に記載される特定の方法及び組成物は、好ましい非限定的な実施形態の代表的なものであり、例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。他の目的、態様、及び実施形態は、本明細書を検討することにより当業者に想起され、特許請求の範囲によって定義される本発明の精神内に包含される。本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、本明細書に開示された本発明に対して様々な置換及び修正を行うことができることは、当業者には容易に明らかであろう。本明細書に例示的に記載される本発明は、本明細書において必須であるとして具体的に開示されていないいかなる要素又は限定も存在しない状態で適切に実施することができる。したがって、例えば、本明細書の各場合において、本発明の非限定的な実施形態又は実施例において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「含む(containing)」などの用語は、限定せずに拡張的に解釈されるべきである。
【0125】
[00122]本明細書に例示的に記載される方法及びプロセスは、異なるステップ順序で適切に実施することができ、本明細書又は特許請求の範囲に示されるステップの順序に必ずしも限定されない。
【0126】
[00123]別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
図1
【国際調査報告】