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特表2024-537439LNGトレインにおける再生可能エネルギーの使用を制御する電力プラント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】LNGトレインにおける再生可能エネルギーの使用を制御する電力プラント
(51)【国際特許分類】
   F02C 6/06 20060101AFI20241003BHJP
   F02C 7/36 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F02C6/06
F02C7/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523686
(86)(22)【出願日】2022-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 EP2022025502
(87)【国際公開番号】W WO2023083494
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】102021000028562
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】サッサネッリ,ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】ガビ,ジャンパオロ
(72)【発明者】
【氏名】アレゴリコ,カルミネ
(72)【発明者】
【氏名】ロンティーニ,ジュリア
(57)【要約】
【解決手段】 負荷、特に液化天然ガス(LNG)用の圧縮器を駆動するためのハイブリッドパワートレイン(2)によって吸収される再生可能エネルギーを制御する電力プラントが開示される。電力プラントは、負荷を駆動するその部品、特にハイブリッドガスタービンシステムの健康状態を分析する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッドパワートレイン(2)であって、
貫通シャフト(24)と、
前記シャフト(24)に機械的に接続されたガスタービン(21)と、
前記シャフト(24)に機械的に接続された電気モータ/発電機(22)と、
電気モータ/発電機(22)、発電プラント(PG)、及び再生可能エネルギー源(PV)に接続された可変周波数デバイス(23)であって、可変周波数デバイス(23)が、前記電気モータ/発電機(22)が前記発電プラント(PG)及び前記再生可能エネルギー源(PV)からのエネルギーを変換して前記負荷(3)を駆動するか、又は前記ガスタービン(21)の動作を助けることを可能にするように動作可能である、可変周波数デバイス(23)と、
前記ガスタービン(21)、前記電気モータ/発電機(22)、及び前記可変周波数デバイス(23)に動作可能に接続されたプラント制御ユニット(4)と、有し、
前記プラント制御ユニット(4)が、前記電気モータ/発電機(22)の駆動負荷を最大化することにより、前記再生可能エネルギー源(PV)から来る使用されるエネルギーを最大化するように前記ハイブリッドパワートレイン(2)を制御するように構成され、
前記ガスタービン(21)の前記負荷が、前記燃焼器予混合移行閾値(PmxLoad)より上に維持される
前記ハイブリッドパワートレイン(2)と、
前記シャフト(24)に機械的に接続された負荷(3)と、
を備えた電力プラント(1)。
【請求項2】
前記ガスタービン(21)の前記負荷が、前記燃焼器予混合移行閾値(PmxLoad)と一定の負荷マージン(ΔLoad)との合計より上に維持される、請求項1に記載の電力プラント(1)。
【請求項3】
前記プラント制御ユニット(4)が、
プロセッサ(41)と、
バス(42)であって、前記バス(42)に対し、前記プロセッサ(41)が、
前記プロセッサ(41)によってアクセス及び制御されるように前記バス(42)に接続されたデータベース(43)と、
前記バス(42)に接続され、それにより、前記プロセッサ(41)によってアクセス及び制御されるコンピュータ可読メモリ(44)と、前記バス(42)に接続され、前記ハイブリッドパワートレイン(2)との間でデータ及び信号を受信及び送信するための送受信モジュール(45)と、
に接続されている、バス(42)と、
を備えている、請求項1又は2に記載の電力プラント(1)。
【請求項4】
前記再生可能エネルギー源が、光起電力プラント(PV)及び/又は風力発電プラント及び/又は集光型太陽光発電システムである、請求項1~3のいずれか一項に記載の電力プラント(1)。
【請求項5】
前記負荷が、前記天然ガスを冷却するための1つ以上の遠心圧縮器(31、32)を備えている、請求項1~4のいずれか一項に記載の電力プラント(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液化天然ガス(LNG)プラントにおける再生可能エネルギー源の使用を最大化して、効率を向上させ、全体的な保守費用を削減し、大気中に導入される汚染を削減するように動作される電力プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、天然ガスは、現在市場で入手可能な最も重要なエネルギー源の1つである。世界のエネルギー需要の約30%は、天然ガスによって直接的又は間接的に満たされていると推定される。
【0003】
通常、天然ガスは、ガス形態でパイプラインによって供給される。しかしながら、過去20年間に、液化天然ガス(LNG)プラントが、エネルギー市場においてはるかに重要になってきた。LNGは、よりクリーンな(グリーンな)エネルギー源への世界の移行において非常に重要な役割を果たすと予想される。これが、LNGが中央政府並びにいくつかの公的機関及び民間機関によって強く奨励されている理由である。
【0004】
LNGは、液体形態の天然ガスである。天然ガスを液化するには、その温度を約-160℃の極低温まで低下させなければならない。液体として、天然ガスは、抽出されたときに有する体積の一部を占め(大気圧で天然ガスの体積の約1/600を占める)、したがって、その輸送及び貯蔵コストは、はるかに低く、実用的であることが分かる。LNGはまた、長距離輸送がより容易である。これに関して、天然ガスは、パイプライン輸送が不可能な地域で採取されることが多いと考えられる。
【0005】
天然ガスを冷却するために、いくつかの圧縮器を駆動しなければならない。周知のように、圧縮器は、ガスタービンによって駆動され、冷凍機ガスに作用して流体の圧力ヘッドを上昇させる機械である。遠心圧縮器、往復圧縮器など、いくつかの異なる圧縮器が利用可能である。一般に、遠心圧縮器のアレイが駆動される。
【0006】
LNGプラントの遠心圧縮器アレイは、通常、少なくとも1つのガスタービンによって駆動される。近年、エネルギー需要が増大しているためでさえ、ガスタービンに加えて、ガスタービンの同じシャフト上で動作する電気モータ/発電機が追加されている。ガスタービンと電気モータ/発電機との組合せは、ハイブリッドガスタービンシステム又はハイブリッドガスタービントレイン又はハイブリッドパワートレインとも呼ばれる。
【0007】
ハイブリッドパワートレインを含む、LNGプラントにおいて典型的に使用されるパワートレインの問題の1つは、それらが、特にガスタービンの動作に起因して汚染物質を放出することである。特に、この問題は、電気モータ/発電機が、それが接続されている本線からエネルギーを吸収するか、又はガスタービンによって生成された過剰なエネルギーを本線に導入して、生成されたワット当たりに生成される汚染物質の比率を低減することができるので、ハイブリッドパワートレインによって克服されている。
【0008】
実際、電気モータ/発電機は、発電機としても動作することができるので、電気可逆機械とも呼ばれる。電気モータ/発電機は、可変周波数ドライブ(VFD)として知られる装置、すなわち、機械的負荷(圧縮器又はガスタービンのいずれか、例えばそれを始動させるためのもの)を駆動しながら任意の異なる動作条件で電気モータ/発電機を駆動して電力伝達を最大化するように設計された装置によって制御される。
【0009】
ガスタービンと電気モータ/発電機との間の相乗効果は、大気中に放出される汚染物質を低減するために、過去数年にわたって利用されてきた。
【0010】
例えば、動作変数を監視及び調整することによって、LNGプラントに設置されたハイブリッドパワートレインを制御する利用可能なシステムがある。これらのシステムは、経時的なシステムの性能の全体的な劣化を監視することができる。しかしながら、ハイブリッドパワートレインの全ての部品が同程度に劣化するわけではない。利用可能な監視及び制御システムは、それらを構成する部品の持続時間を最大化するためにハイブリッドパワートレインを制御することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、汚染を低減し、保守費用(したがってCAPEX)を低減することができる改善されたハイブリッドパワートレインが、当該技術分野において歓迎されるであろう。
【0012】
本明細書に開示される主題は、例えば、限定ではないが、圧縮器、ポンプ、又は任意の他の機械などの負荷を駆動している間、LNGプラント又は同様に他の種類のプラントに設置される、ハイブリッドパワートレインを制御するための方法によって動作される電力プラントである。この電力プラントは、ガスタービンに供給される燃料及び電気モータ/発電機によって生成又は変換される電力の制御を可能にし、生成される電力を最大化し、ガスタービンの寿命を最大化し、汚染物質排出を最小化するために、機器及びハイブリッドパワートレインの部品から受信される1つ以上の制御信号を使用する。
【0013】
開示される事項は、いくつかの実施形態では、電気モータ/発電機に堅固に接続され、特に、情報及び可変値を使用することが可能な、LNG生産又は同様の高エネルギー集中プロセスを意図する、単一シャフトユニットに関する。この電力プラント動作は、限定はしないが、ガスタービン診断及び物理ベースのモデル、乾燥低NO(DLN乾燥低NO;汚染物質の低減が、水又は蒸気の注入なしに燃焼器自体によって達成されるので乾燥であり、したがって、湿潤低減)の燃焼、部分放電などの電気/モータ健康パラメータ、ガスタービン電力管理を予測するための可変周波数デバイスの健康パラメータ、太陽光/風力発電基地の健康パラメータなどの、利用可能性及び生成目標の最適化に関連する特定のイベントベースのアクションに基づく。
【0014】
また、本明細書に開示される主題は、再生可能エネルギー源を使用する場合、再生可能資源から得られるエネルギーのバランスを取り、再生可能資源の使用とガスタービンによって生成されるエネルギーのバランスを取り、再生可能なもの並びにトレインの信頼性及び利用可能性のRTE(往復効率;これは、エネルギー貯蔵装置を充電し、貯蔵装置からエネルギーを回収して再利用するプロセスの全体的な効率に関する)を最大化することによって汚染を低減することができるハイブリッドパワートレインを対象とする。
【0015】
開示される解決策は、LNG生産を最適化しながら、再生可能エネルギーから来る電力を可能な限り多く取ることを可能にするために、再生可能源を使用するときに、ハイブリッドパワートレインを備えるLNGプラントなどの高エネルギー集約的プロセスの信頼性を最大化することを目的とする。再生可能エネルギー生産プラントをLNG生産に直接使用することは、再生可能エネルギー及びタービン排出汚染物質(CO、NO)の使用を最適化する。
【0016】
一態様では、本明細書に開示の主題は、負荷を駆動するためのハイブリッドパワートレインによって吸収される再生可能エネルギーを制御する方法によって動作される電力プラントを対象とする。ハイブリッドパワートレインは、機器としてガスタービン及び電気モータ/発電機を備え、電気モータ/発電機は発電プラント及び再生可能エネルギー源に接続される。電力プラントを動作させる方法は、結合メンバーシップ関数を判定するために、第1の条件文を適用する前に、各機器の入力パラメータを検出するステップを提供する。結合メンバーシップ関数は、機器が正しく動作するか否かをチェックするために、出力として2つ以上の資格状態を有することができる。機器が正しく動作する場合、第2の条件文が再生可能エネルギー源(光起電力プラント、風力発電プラント、集光型太陽光発電システムなど)に適用され、それにより、再生可能エネルギー源のメンバーシップ関数が判定される。再生可能エネルギー源のメンバーシップ関数は、出力として2つ以上の資格状態を有し、それにより、資格状態が正しく動作しない場合、発電プラントへの第3の条件文が実施され、発電プラントが正しく動作するかどうかをチェックするようになっている。そうである場合、ガスタービンと電気モータ/発電機との間の負荷分割の変更が実施される。
【0017】
再生可能エネルギー源が正しい方法で動作する場合、ガスタービンによって生成される電力及び再生可能エネルギー源によって吸収されるエネルギーは、目的関数に従って判定される。そうでなければ、チェックされた機器が正しく動作しない場合、ガスタービンと電気モータ/発電機との間の負荷分割が実施される。
【0018】
別の態様では、本明細書に開示される主題は、電気モータ/発電機と、発電プラントと、再生可能エネルギー源とに接続された可変検出デバイスを備えた機器に関する。検出するステップにおいて、検出される初期状態が、電気モータ/発電機及び可変検出デバイスの状態である。また、第1の条件文は、パラメトリックメンバーシップ関数を電気モータ/発電機の各入力パラメータに関連付けるサブステップと、電気モータ/発電機のパラメトリックメンバーシップ関数を、真のテーブルを介して結合して、健康指標、次いで機器メンバーシップ関数を取得するサブステップと、パラメトリックメンバーシップ関数を可変周波数デバイスの各入力パラメータに関連付けるサブステップと、可変周波数デバイスのパラメトリックメンバーシップ関数を、真のテーブルを介して結合して、健康指標、次いで機器メンバーシップ関数を取得するサブステップと、を含む。最後に、出力として2つ以上の資格状態を有する結合メンバーシップ関数を得るために、機器の各ピースのメンバーシップ関数を結合する。
【0019】
別の態様では、結合メンバーシップ関数が、第1の資格状態、第2の資格状態、及び第3の資格状態を推定することができることが本明細書で開示される。結合メンバーシップ関数が第1の資格状態(Bad)を推定する場合、ガスタービンの負荷が増加され、電気モータ/発電機が遮断される。結合メンバーシップ関数が第2の資格状態(Medium)を推定する場合、ガスタービンと電気モータ/発電機との間の負荷分割が変更される。結合メンバーシップ関数が第3の資格状態(Good)を推定する場合、第2の条件文が再生可能エネルギー源に適用される。
【0020】
本開示の更なる態様は、ガスタービンの負荷が燃焼器伝達閾値PmxLoadと負荷マージンΔLoadとの合計より上のままであるように、ガスタービンの使用を最小化して、潜在的な負荷過度を処理するための目的関数を対象とする。
【0021】
別の態様では、入力パラメータがアナログ電気信号又はデジタル電気信号であることが本明細書で開示される。
【0022】
本開示の一態様では、電力プラントは、貫通シャフトを有するハイブリッドパワートレインと、シャフトに機械的に接続されたガスタービンと、シャフトに機械的に接続された電気モータ/発電機と、電気モータ/発電機、発電プラント、及び再生可能エネルギー源に接続された可変周波数デバイスとを備える。可変周波数デバイスは、電気モータ/発電機が発電プラント及び再生可能エネルギー源からのエネルギーを変換して負荷を駆動するか、又はガスタービンの動作を助けることを可能にするように動作可能である。電力プラントはまた、電気モータ/発電機の駆動負荷を最大化することによって再生可能エネルギー源から来る使用されるエネルギーを最大化するようにハイブリッドパワートレインを制御するために、シャフト及びプラント制御ユニットに機械的に接続される負荷を備える。
【0023】
本開示の一態様において、負荷は、天然ガスを冷却するための1つ以上の遠心圧縮器を含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の開示される実施形態、及びそれに付随する利点の多くについて、添付図面に関連して考慮される場合、以下の発明を実施するための形態を参照することによってそれらがより良好に理解されるため、完全な理解が容易に得られるであろう。
図1図1は、再生可能エネルギー源の使用を最大化するように負荷を制御するためのハイブリッドパワートレインの制御システムを示す図である。
図2図2は、エネルギー源及び駆動される負荷に接続されたプラントハイブリッドパワートレインの概略図である。
図3図3は、プラント制御ユニットの概略図である。
図4図4は、第1の実施形態による、再生可能エネルギーの使用を制御する方法のフローチャートを示す図である。
図5図5は、第1の実施形態による、再生可能エネルギーの使用を制御する方法の第1の条件文のフローチャートを示す図である。
図6図6は、第1の実施形態による、再生可能エネルギーの使用を制御する方法によって処理されたパラメータの信号のセットを示す図である。
図7図7は、第1の実施形態による、再生可能エネルギーの使用を制御する方法において実施される真のテーブルのセットを示す図である。
図8図8は、第1の実施形態による、再生可能エネルギーの使用を制御する方法の第2の条件文のフローチャートを示す図である。
図9図9は、第1の実施形態による、再生可能エネルギーの使用を制御する方法の第3の条件文のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
液化天然ガスは、重要なエネルギー源である。抽出されたガスを液化する必要がある。この目的のために、いくつかの圧縮器が使用される。圧縮器を駆動するために、ハイブリッドパワートレインが使用される。ハイブリッドパワートレインは、ガスタービンと電気モータ/発電機とを備える。電気モータ/発電機は、とりわけ再生可能エネルギープラントに接続されて、そのようなプラントによって生成されたエネルギーを変換し、そのエネルギーを使用して圧縮器を駆動し、ガスタービンの使用を適切なレベルまで最小化し、それにより、周囲に放出される汚染物質を低減することができる機械である。
【0026】
一態様によれば、本主題は、LNGトレインにおける再生可能エネルギーの使用を制御する方法であって、LNGプラント/トレインの信頼できる動作を保証することができ、必要な電力を部分的に又は完全に供給するために再生可能源が使用される場合に、トレイン利用可能性に対する悪影響を回避することができる方法を対象とする。
【0027】
エネルギー集約的なプロセスであるLNG生産は、再生可能なもののストレージ又はエネルギー集積装置として見ることができ、生産される毎ワットは、瞬間(昼、夜、冬、又は夏)及びそれが生産される量にかかわらず、物理的貯蔵を必要とせずに、又はそれを最小化することによって、したがって非常に高いRTEで、生産のために使用することができる。
【0028】
図1を参照すると、LNG冷凍プラントの一実施形態が示されており、参照番号1で示されている。LNG冷凍プラント1は、ハイブリッドパワートレイン2と、ハイブリッドパワートレイン2に接続され、ハイブリッドパワートレイン2によって駆動される負荷3とを備える。本線又は任意の通常の発電設備であってもよい発電プラントPGと、参照符号PVで示される一般的な再生可能エネルギー源とは、以下でより詳細に説明されるように、両方ともハイブリッドパワートレイン2に接続される。
【0029】
再生可能エネルギー源PVに関しては、光起電力プラント、風力エネルギープラント、集光型太陽光発電システム、海洋又は波浪エネルギープラントなどのような、再生可能からエネルギーを生産することができる任意のエネルギープラント又はシステムが意図されている。以下では、説明される解決策の保護の範囲を限定することなく、再生可能エネルギー源PVとして光起電力プラントが意図される。いずれにしても、他の再生可能エネルギー生産プラント又はそれらの組合せを考慮することができる。
【0030】
ハイブリッドパワートレイン2は、ガスタービン21と、電気モータ/発電機22と、電気モータ/発電機22に接続され、発電プラントPG及び光起電力プラントPVに接続された可変周波数デバイス(VFD)23とを備える。ハイブリッドパワートレイン2はまた、シャフト24を備える。ガスタービン21と電気モータ/発電機22とは、同一のシャフト24に接続されている。
【0031】
負荷3への電力は、ガスタービン21、発電プラントPG、及び/又は光起電力プラントPVから得ることができる。
【0032】
図1に示される負荷3は、考慮される実施形態において液化天然ガスを圧縮するための2つの圧縮器31及び32を備える。圧縮器31及び32は、シャフト24に機械的に接続される。しかしながら、他の実施形態では、開示される解決策の保護の範囲から逸脱することなく、ポンプなどの異なる負荷をハイブリッドパワートレイン2によって駆動することができる。
【0033】
加えて、他の実施形態では、圧縮器は、プラントの要件に応じて、少なくとも1つであるか、又は3つ以上である。
【0034】
ガスタービン21は、例えば、二軸ガスタービン又は単軸ガスタービンのような異なる種類のものとすることができる。他の実施形態では、他のタイプのガスタービンを設置することができる。
【0035】
電気モータ/発電機22は、モータとして動作し、したがって発電プラントPG又は光起電力プラントPVから得られる電気エネルギーを機械エネルギーに変換して負荷3を駆動するように、又は負荷3によって必要とされるガスタービン21によって供給されるエネルギーに追加のエネルギーを供給するためのヘルパーとして、又はガスタービン21を作動させるためのスタータとして動作するように適合される。電気モータ/発電機22はまた、発電機として動作することができ、ガスタービン21によって生成された任意の余剰エネルギーを、例えば発電プラントPG又は本線に注入する。
【0036】
可変周波数デバイス23は、モータ駆動デバイスである。可変周波数デバイス23は通常、モータ入力周波数及び電圧を変化させることによってACモータ速度及びトルクを制御するために電気機械駆動システムにおいて使用される。一般に、VFDは、半導体スイッチングデバイス、駆動トポロジ、シミュレーション及び制御技術、並びに制御ハードウェア及びソフトウェアにおける進歩を通して性能を改善するために使用される。
【0037】
整流モータ/発電機22及び可変周波数デバイス23が、負荷3に供給するエネルギーの組合せを管理するデバイスであることが分かる。
【0038】
以下により詳細に説明するように、ハイブリッドパワートレイン2の各構成要素は、適切な健康指標HIによって特徴付けられる。特に、ガスタービン21は健康指標HIgtによって特徴付けられ、電気モータ/発電機22は健康指標HIemによって特徴付けられ、可変周波数デバイス23は健康指標HIvfdによって特徴付けられ、また、光起電力プラントPV及び発電プラントPGのラインは、それぞれ関連する健康指標HIpvと健康指標HIpgとによって特徴付けられ得る。各機器iのピースの健康指標HIを通じて、状態を各機器及びサブシステム並びに/又は機器及びサブシステムの組合せに関連付けて、それらの状態を総合的に判定し、生成されるべき最も適切なエネルギー分割を判定することが可能である。
【0039】
また、上述の健康指標HIの意味が以下でよりよく説明されるので、それらは、単一の機器の関数として、及びプラント又はプラントのフリートとして、ハイブリッドパワートレイン2の動作状態をチェックすることを可能にする。言い換えれば、健康指標HIを通して、ハイブリッドパワートレイン2の機器の現在の動作、並びにハイブリッドパワートレイン2全体の現在の動作を追跡することが可能である。総合的に、トレインの健康指標は、機器の健康指標の関数であり、数学的に以下のように表すことができる。
【数1】
以下では、機器の健康指標がどのように計算及び評価されるか、並びにハイブリッドパワートレイン2全体の健康指標の計算について、追加の詳細が与えられる。
【0040】
以下では、機器とともに、ハイブリッドパワートレイン2の任意の部分、すなわち、ガスタービン21、電気モータ/発電機22、又は可変周波数デバイス23、及びそれらの部品がインデントされる。
【0041】
ここで図2を参照すると、再生可能エネルギー源(複数可)、すなわち、説明される実施形態では光起電力プラントPVから来る再生可能エネルギーの使用を最大化するために、ハイブリッドパワートレイン2がどのように制御されるかが示されている。特に、各j番目の機器の健康指標Hが、ガスタービン21の使用を最小化するという目的関数を達成するために、判定され、処理される健康指標システムに導入される。このような目的関数は、以下の式で表すことができる。
【数2】
式中、目的関数Objectivefunctionは、ガスタービン21を駆動する範囲を有し、電気モータ/発電機22は、再生可能エネルギー及び電気モータ/発電機22における最大許容電力を最大化する範囲を有する。また、健康指標HIの条件の全てが満たされる場合、光起電力プラントPVの最大化は、ガスタービンの負荷が、燃焼器「予混合」移行閾値PmxLoadと、一定の負荷マージンΔLoadとの合計より上にあるままであるようにして、あらゆる潜在的な負荷過度を処理するように、ガスタービン21の負荷をターゲットにする必要がある。ガスタービン21の負荷が目標負荷を達成する場合、目的関数Objectivefunctionは、関数の最小値を達成する。また、ガスタービン21の予混合移行閾値PmxLoadは、プラント制御ユニット4に接続されたガスタービン21のデジタルインターフェース211によって計算することができる。デジタルインターフェース211は、ハイブリッドパワートレイン2及びそれが動作する環境のモデル(デジタルツインモデル)であり、組み合わされたシステムのパフォーマンスを表すことができる。デジタルインターフェース211モデルは、人工知能、機械学習、物理学ベース、又はそれらの組合せに基づくことができる。
【0042】
ガスタービン燃焼システムは、予混合燃焼モードを可能にするために、規定された動作エンベロープで動作する必要がある。予混合燃焼モードでは、燃料と空気とが完全に混合され、その結果、拡散火炎が低減された、広い領域の予混合火炎が得られる。これにより、NO及びCOなどの汚染物質の形成を大幅に低減することができる。予混合動作エンベロープは、中~高GT負荷に制限され、したがって、それ未満では予混合モードが不可能である正確な閾値が、エンジンモデルによって計算されて、タービンが予混合動作モードを維持することができる最小負荷を制御するための情報を提供する。
【0043】
また、負荷マージンΔLoadは、閾値を超えず、高い汚染物質含有量を生成する拡散火炎動作モードに入らないことを確実にするために、予混合移行閾値より上に維持される。
【0044】
いくつかの実施形態では、健康指標処理は、遠隔で、又はローカル(「エッジ」)で、又はこれら2つの組合せで行われ得る。
【0045】
一般に、プラント制御ユニット4(サブシステムのローカルコントローラであってもよく、又はその一部であってもよい)は、制御対象のプラント、すなわち本実施形態ではハイブリッドパワートレイン2の性能に基づくいくつかの制約に基づいて目的関数を取得するようにプログラム又は構成される。図2に示す実施形態では、制約は、電気モータ/発電機22が生成することができる最大エネルギーと、ガスタービン21が動作することができる出力範囲とに関連付けられる。すなわち、以下のようになる。
【数3】
特に、EMmaxPowerは、健康状態における電気モータ/発電機22の最大出力関数である。アップセット状態によっては、モータ負荷の低減を必要とする場合があることに留意されたい。GTMaxPowerは、周囲温度、エンジン劣化、吸気及び排気損失などの関数の最大電力である。プラント制御ユニット4は、プロセス制御システムに通信されるエンジンの残りの負荷能力を計算する。GTMinPowerは、周囲温度、エンジン劣化、吸気及び排気損失、火炎温度などの関数であるガスタービン21の最小出力である。この場合、プラント制御ユニット4は、燃焼モードを予混合に維持し、NO排出を最小化するために、最小負荷に対する残りのマージンを計算する。
【0046】
上述したように、ハイブリッドパワートレイン2のプラント制御ユニット4は、以下により詳細に説明するように、特定のコンピュータプログラムに基づいてハイブリッドパワートレイン2の動作を制御するようにプログラムされている。制御ユニット4はまた、ガスタービン21及びその任意の部品又は機器に動作可能に接続される。同様に、プラント制御ユニット4は、電気モータ/発電機22及び可変周波数デバイス23に動作可能に接続される。また、この場合、プラント制御ユニット4は、電気モータ/発電機22及び可変周波数デバイス23の部品を制御及びチェックするようにプログラムされる。
【0047】
上述したように、プラント制御ユニット4は、ガスタービン21のエネルギー生成並びに他の機器の利用可能性及び信頼性を最適化するために、変動する外部源(すなわち、光起電力プラントPVのような再生可能エネルギー源)を管理するように、コンピュータプログラムを実行するようにプログラムされる。また、LNG冷凍プラント1は典型的にエネルギー集約的であるので、プログラムは、電力が常に必要とされるので貯蔵の必要性を低減する(増加した光起電力貯蔵効率など)。プラント制御ユニット4は、LNG冷凍プラント1のハイブリッドパワートレイン2に遠隔接続又は有線接続することができる。
【0048】
プラント制御ユニット4は、1つ以上のハイブリッドパワートレイン2、すなわちハイブリッドパワートレイン2のフリートに接続され得る。この接続において、制御ユニット4は、フリート全体の動作を最適化することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、特に図3を参照すると、プラント制御ユニット4は、プロセッサ41と、プロセッサ41が接続されているバス42と、プロセッサ41によってアクセス及び制御されるようにバス42に接続されたデータベース43と、同様にバス42に接続され、それにより、プロセッサ41によってアクセス及び制御されるコンピュータ可読メモリ44と、バス42に接続され、ハイブリッドパワートレイン2との間でデータ及び信号を受信及び送信するための送受信モジュール45と、を含む場合がある。
【0050】
上述したように、電力制御ユニット4は、エネルギー生産、再生可能資源から吸収されるエネルギー、すなわち、説明される実施形態では光起電力プラントPVから吸収されるエネルギーを最適化するため、そしてひいては、NO及びCOの排出を低減するために、ハイブリッドパワートレイン2を制御するためのプログラムを実行する。
【0051】
図4を参照すると、プラント制御ユニット4によって実行されるLNGプラント1を制御するためのプログラムが基づく一般的な方法が概略的に示されている。
【0052】
具体的には、図4はフローチャートを示す。方法5は、ハイブリッドパワートレイン2のリアルタイム条件がチェックされる検出ステップ51を含む(図4及び図5参照)。特に、この予備ステップでは、ガスタービン21の負荷及び電気モータ/発電機22の部分負荷が判定される。
【0053】
具体的には、プラント制御ユニット4は、上述したように、ガスタービン21、電気モータ/発電機22、及び可変周波数デバイス23に接続されている。この機器の各々から、プラント制御ユニット4は、1つ以上の入力パラメータPijを受信する。ここで、インデックスiは、ハイブリッドパワートレイン2の1つ以上の機器にラベル付けし、インデックスjは、パラメータにラベル付けする。機器の各ピースは、異なるパラメータを通してチェックされ得る。説明される実施形態では、チェックされる機器は、電気モータ/発電機22及び可変周波数デバイス23である。しかしながら、追加の又は異なる機器が、この初期チェックステップのために考慮され得る。
【0054】
パラメータPijは、機器性能を表す信号である。総数j×iのパラメータ、すなわちjの信号かけるiの機器が存在することになる。パラメータ信号は、機器の動作能力の程度を判定することを可能にする。また、それらの値、形状、又はスペクトルは、任意の特定の機器の保守の必要性によって影響を受ける。
【0055】
各パラメータ信号Pijに関し、パラメトリックメンバーシップ関数Mijがアサインされる(ステップ5211、電気モータ/発電機22を参照)。このことは、機器iのjのメンバーシップ関数を示す。各メンバーシップ関数Mijは、図6においてより詳細に理解され得るように、異なる形態又は形状を有することができる。パラメトリックメンバーシップ関数Mijは、論理状態関数であり、本実施形態では、各パラメータPij信号の値の関数として、3つの可能な値又は資格状態、すなわち、Low(分析中の機器が適切な条件で動作していない)、medium(分析中の機器が最適な条件ではないが依然として動作している)、及びhigh(機器が正しく動作している)を仮定することができる。他の実施形態では、メンバーシップ関数Mijは、異なる数の資格状態を仮定することができる。
【0056】
引き続き図5を参照し、図7も考慮すると、パラメトリックメンバーシップ関数Mijが、受信されたパラメータPij信号に関連付けられると、機器iの各ピースに関し、パラメトリックメンバーシップ関数Mijの結果が、真のテーブルTを通して結合され(5221)、各i番目の機器に関する機器健康指標HIij、ここからの機器メンバーシップ関数Memのセットを取得する(ステップ5231参照)。
【0057】
したがって、電気モータ/発電機21を参照すると、パラメータPem,jから、メンバーシップ関数Mem,jが得られ、真のテーブルTemが組合せ規則をメンバーシップ関数Mem,jに適用して、電気モータ/発電機21の健康指標HIem,jを計算して、ハイブリッドパワートレイン2の電気モータ/発電機22のメンバーシップ関数Memを得る。
【0058】
同様に、電気モータ/発電機22を参照すると、パラメータPvfd,jから、メンバーシップ関数Mvfd,jが得られ、真のテーブルTvfdが組合せ規則を適用して健康指標HIvfd,j及び関連するメンバーシップ関数Mvfd,jを判定し、それにより、ハイブリッドパワートレイン2の可変周波数ドライブ23のメンバーシップ関数Mvfdを計算する。図7は、いくつかの機器のステージが適切に組み合わされる(ステップ5212、5222、5223を参照)コードのラインの例を示す。
【0059】
条件文サブプロセス52、すなわち各機器のメンバーシップ関数、すなわちMem及びMvfdは、3つの異なる出力、すなわち、ここでは「Bad」、「Medium」、又は「Good」として示される3つの異なる資格化「fuzzy」状態を推定することができる。より具体的には、第1の条件付きステップ52は、結合メンバーシップ関数Mem+vfdを得るための結合サブステップ524を含み、この結合メンバーシップ関数は、ここでは依然として「Bad」、「Medium」、又は「Good」と呼ばれる、3つの異なる出力又は資格化「fuzzy」状態を依然として推定することができる。
【0060】
結合メンバーシップ関数Mem+vfdがBadの値を推定するケースでは、電気モータ/発電機22及び/又は可変周波数デバイス23は、良好な技術的条件で動作していない。第1の組の操作アクションは、プラント制御ユニット4によって実施される(ステップ53)。特に、ガスタービン21の負荷が増大され、電気モータ/発電機が遮断され、全体のプロセス負荷が低減される。
【0061】
メンバーシップ関数Mem+vfdがMediumの値を推定するケースでは、電気モータ/発電機22及び可変周波数デバイス23が、汚染に過度に影響を及ぼすことなく、又はいずれにしてもハイブリッドパワートレイン2の動作を損なわずに、依然として動作することができるが、(ステップ54)ガスタービン21と電気モータ/発電機22との間の負荷分割が変更される。場合によっては、処理負荷を低減することもできる。この場合、ガスタービン21-電気モータ/発電機22の負荷能力に基づいて全体的なトレイン負荷を調整するステータスプロセスもプラント制御ユニット4によって通信される。
【0062】
最後に、メンバーシップ関数Mem+vfdがGoodの値を推定するケースでは、電気モータ/発電機22及び可変周波数デバイス23は、最適であるか、又は適切な条件で動作している。
【0063】
この場合、第2の条件文が実施されて(ステップ55)、光起電力源PVの健康指標HIpv,j、又は一般には、任意の再生可能エネルギー源の健康指標を判定する。特に、図8を参照すると、条件文サブプロセス55のサブステップが示されている。2つ以上のパラメータPpv,jが存在し得(サブステップ551参照)、このパラメータは、インデックスjによってカウントされる。各パラメータPpv,jは、特定の信号及び真のテーブルTpvを有し、問題の機器、すなわち、光起電力源PVに関する。真のテーブルTpvは、光起電力プラントPVのパラメータ信号Ppv,j間の適切な組合せ規則の適用を可能にし、それにより、光起電力プラントPVの健康指標HIpvを計算し、光起電力源PVのメンバーシップ関数Mpvを判定する。このことは、Bad、Medium、又はGoodの3つの資格状態を推定することができる。
【0064】
光起電力源PVのメンバーシップ関数MpvがBadの値を推定するケースでは、光起電力源PVは適切な方法で動作せず、このため、発電ユニットPGは、図9にも示されている第3の条件文サブプロセス56を実施することによってチェックされる。発電ユニットPGの動作チェックは、手順の観点から、光起電力プラント55の動作チェックと同様に実施される。
【0065】
図9は、第3の条件文56のサブステップを示す。また、このケースでは、2つ以上のパラメータPpg,j(サブステップ561参照)、同様に、インデックスjによってカウントされる光起電力プラントPVが存在し得る。各パラメータPpg,jは、パラメトリックメンバーシップ関数Mpg,jに関連付けられ(ステップ562)、特定の信号及び真のテーブルTpgを有し(ステップ563)、問題の機器、すなわち発電プラントPGに関する。真のテーブルTpgは、発電プラントPGのパラメータ信号Ppg,j間の適切な組合せ規則の適用を可能にして、健康指標HIpg,jを各パラメータ信号Ppg,jに関して算出し、次いで、発電プラントPGのメンバーシップ関数Mpgを算出する。これは、Bad、Medium、Goodの3つの資格状態を推定することができる。
【0066】
メンバーシップ関数Mpgの資格状態がBadである場合、負荷3の分割が変更され(ステップ53へ移行)、次いで、ガスタービン21の負荷が増大され、電気モータ/発電機が遮断され、全体のプロセス負荷が低減される。
【0067】
メンバーシップ関数Mpgの値がMediumである場合、ステップ54がプラント制御ユニット4によって実施され、すなわち、ガスタービン21と電気モータ/発電機22との間の負荷分割が変更される。場合によっては、処理負荷を低減することもできる。この場合、ガスタービン21-電気モータ/発電機22の負荷能力に基づいて全体的なトレイン負荷を調整するステータスプロセスもプラント制御ユニット4によって通信される。
【0068】
最後に、メンバーシップ関数Mpgの値がGoodである場合、負荷分割は初期状態に従って維持される(ステップ57)。
【0069】
ステップ55、すなわち第2の条件文5に戻ると、光起電力プラントPVのメンバーシップ関数MpvがMediumの値を推定する場合、電気モータ/発電機22の負荷が、ヘルパーとして動作するように、許容可能な事前設定可能な閾値まで増加される(ステップ58)。
【0070】
最後に、光起電力プラントPVのメンバーシップ関数MpvがGoodの値を推定する場合、電気モータ/発電機22及びガスタービン21によって生成された電力の再配置又は異なる分割(ステップ59)が達成される。具体的には、電気モータ/発電機22は、ヘルパーとして負荷を最大化するように動作され(ステップ591)、すなわち、電気モータ/発電機22の動作及びガスタービン21の負荷は、「予混合」移行閾値PmxLoadの値まで減少される(ステップ592)。また、ガスタービン21の使用を最小化するという目的関数が達成される。このような目的関数は、上述した式(F2)で表すことができる。
【0071】
開示された解決策の利点は、再生可能エネルギーの典型的な間欠性及び周期性が考慮されるときにトレインの効率を最適化することである。
【0072】
開示された解決策の更なる利点は、LNGトレインの利用可能性が最適化されることを確実にし、電気モータ/発電機、実行可能な周波数デバイス、及びガスタービンの健康を分析し、生産損失のリスクを低減するように電力バランスに作用することである。
【0073】
加えて、開示された解決策を通して、汚染物質の排出を最適化することが可能であり、CO(システムレベル+燃料で生成される)並びにNO及びCO(燃焼レベルで生成される)生成が最小化されることを確実にする。これは、再生可能な供給源と従来の供給源とをブレンドすることによっても達成される。
【0074】
更に、開示された解決策は、燃料のコスト及び再生可能エネルギーのコストを考慮して、液化天然ガス生産の全体的なコストを最適化することを可能にする。これはまた、保守スケジューリング及びプラント利用可能性最適化のために、機器の健康状態及び経年変化を認識することによっても達成される。分析対象の機器は、発電機、モータ、可変周波数デバイス(すなわち、部分放電、専用計装が設置されている)である。特に、機器データ監視及び分析(リアルタイム又は後処理)は、生産に影響を及ぼし得る動作条件を認識し、最適化することを可能にする。
【0075】
保守スケジューリングのためにVFD及びモータの健康状態を認識し、プラント利用可能性を最適化する。
【0076】
CO2に限定されず、NOxも考慮して、概して汚染物質を最小化するためのガスタービン動作プロファイル最適化。
【0077】
本開示の更なる利点は、トレインの動作の最適化によってのみ、生産性、利用可能性、及び信頼性に影響を及ぼすことなく、LNGプラントの炭素強度を10%から15%に低減し、高温ガス部品の管理における柔軟性を増加させることである。
【0078】
開示された方法の別の利点は、再生可能な利用のRTE及び再生可能な供給源のCAPEXを実質的に最適化するように、LNGトレインの高度な制御を介して、トレイン自体のアーキテクチャと組み合わせて、再生可能な電力貯蔵を任意にし(LNGプロセスが生成されたエネルギーを消費する)、再生可能なRTEを最大化することである。
【0079】
本発明の態様は、様々な特定の実施形態に関して説明されてきたが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲を逸脱することなく多くの修正、変更、及び省略が可能であることが、当業者には明らかであろう。加えて、本明細書で別段の指定がない限り、いずれのプロセス又は方法ステップの順序又は配列も、代替的な実施形態に従って変更又は再配列され得る。
【0080】
本開示の実施形態に対して詳細な参照がなされており、これらの1つ以上の例は、図面に例解されている。各例は、本開示を限定するものではなく、本開示の説明として提供するものである。実際には、本開示の範囲又は趣旨から逸脱しない限り、本開示に様々な修正及び変形を加えることができるということが、当業者には明らかであろう。本明細書全体を通して「一実施形態」又は「ある実施形態」又は「いくつかの実施形態」への言及は、ある実施形態に関して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な個所に「一実施形態では」又は「ある実施形態では」又は「いくつかの実施形態では」という句が現れても、それは、必ずしも同一の実施形態を指しているものではない。また、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な様式において組み合わされ得る。
【0081】
様々な実施形態の要素を提示する際、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「当該(said)」は、要素のうちの1つ以上があることを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、非排他的であることが意図され、列記された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】