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特表2024-537441胆管アクセスデバイスによるデバイス送達
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-10-10
(54)【発明の名称】胆管アクセスデバイスによるデバイス送達
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/95 20130101AFI20241003BHJP
   A61M 25/06 20060101ALI20241003BHJP
   A61M 25/01 20060101ALI20241003BHJP
   A61B 18/14 20060101ALI20241003BHJP
   A61B 17/34 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61F2/95
A61M25/06 550
A61M25/01 510
A61B18/14
A61B17/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523705
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2024-04-19
(86)【国際出願番号】 US2022048020
(87)【国際公開番号】W WO2023076473
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/272,845
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】テラニ、ラミン エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ガコン、エリック
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160FF48
4C160KK03
4C160KK04
4C160MM43
4C267AA14
4C267AA26
4C267AA56
4C267BB02
4C267BB26
4C267CC22
(57)【要約】
送達エンドキャップアセンブリは、胆管アクセスデバイスと共に使用するように構成され、かつ医療デバイスが胆管アクセスデバイスを通して送達されることを可能にするように構成される。送達エンドキャップアセンブリは、1つまたは複数の取り外し可能な構成要素がハンドルから取り外された後にハンドルの近位端に解放可能に固定可能に構成された固定部分と、固定部分から近位に延在するテーパー状部分と、固定部分に結合されるように構成された回転ハブと、回転ハブに結合されるように構成されたバルブと、送達エンドキャップアセンブリを貫通して延在するルーメンとを含み、送達エンドキャップアセンブリを貫通して延在するルーメンは、イントロデューサシース内の医療デバイスが胆管アクセスデバイスを通って前進することを可能にするように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の胆管または膵管内に医療デバイスを配備するためのアセンブリであって、
胆管アクセスデバイスであって、
ハンドルと、
前記ハンドルに対して移動可能な電気外科用シースであって、電気外科用チップを含むとともに、前記電気外科用シースを貫通して延在する電気外科用シースルーメンを形成する前記電気外科用シースと、
前記電気外科用シースルーメンを貫通して延在可能なアクセスカニューレであって、前記アクセスカニューレは、前記アクセスカニューレを貫通して延在するカニューレルーメンを形成しており、前記アクセスカニューレは、前記胆管アクセスデバイスから取り外し可能に構成されている、前記アクセスカニューレと、
前記カニューレルーメンを貫通して延在可能な鋭利なスタイレットであって、前記胆管アクセスデバイスから取り外し可能に構成された前記鋭利なスタイレットと、
前記ハンドルの近位端に配置可能なアクセスエンドキャップアセンブリであって、前記胆管アクセスデバイスから取り外し可能に構成された前記アクセスエンドキャップアセンブリと、を含む前記胆管アクセスデバイスと、
前記アクセスエンドキャップアセンブリの代わりに前記ハンドルの前記近位端に固定可能に構成された送達エンドキャップアセンブリであって、
前記ハンドルの前記近位端に解放可能に固定可能に構成された固定部分と、
前記送達エンドキャップアセンブリを貫通して延在するとともに、前記医療デバイスを収容するように構成されたルーメンと、を含む前記送達エンドキャップアセンブリと、を備えるアセンブリ。
【請求項2】
前記送達エンドキャップアセンブリは、
前記固定部分から近位に延在するテーパー状部分と、
前記固定部分に結合されるように構成された回転ハブと、
前記回転ハブに結合されるように構成されたバルブと、をさらに含んでおり、
前記送達エンドキャップアセンブリの前記ルーメンは、前記テーパー状部分、前記回転ハブ、および前記バルブの各々を貫通して延在している、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記アクセスエンドキャップアセンブリは、回転ハブをさらに含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記鋭利なスタイレットは、前記鋭利なスタイレットを前記回転ハブに解放可能に固定するように構成された鋭利なキャップをさらに含む、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記アクセスカニューレは、前記回転ハブの回転によって前記アクセスカニューレの回転が生じるように、前記回転ハブと動作可能に結合されている、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記アクセスカニューレは、前記回転ハブの取り外しによって、前記アクセスカニューレも前記胆管アクセスデバイスから取り外されるように、前記回転ハブと動作可能に結合されている、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記アクセスカニューレおよび前記鋭利なスタイレットが前記胆管アクセスデバイスから取り外され、かつ前記送達エンドキャップアセンブリが前記胆管アクセスデバイスの前記ハンドルの前記近位端に固定されると、前記電気外科用シースが前記電気外科用シースルーメンを通って延在する前記医療デバイスを収容するように適合されるように、前記送達エンドキャップアセンブリの前記ルーメンは、前記電気外科用シースルーメンと整列して連通するように位置決め可能である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記医療デバイスは、イントロデューサシース内に配置された拡張可能なステントを備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記イントロデューサシースは、マンドレルを使用して、前記拡張可能なステントを前記イントロデューサシースから前記電気外科用シースルーメンを通して前進させることができるように、前記電気外科用シースルーメンの近位端に係合するように構成されている、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記ハンドルは、内側部材と、外側部材とを備え、前記内側部材は、前記外側部材内に摺動可能に配置されており、
前記内側部材を前記外側部材に対して平行移動させることによって、前記鋭利なスタイレットが平行移動する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記ハンドルは、前記ハンドルの外側部材とスライド可能に結合された電気外科用アクチュエータをさらに備えており、
前記ハンドルに対して前記電気外科用アクチュエータを平行移動させることによって、前記電気外科用シースが平行移動する、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項12】
治療部位へのアクセスを提供するように構成された胆管アクセスデバイスと共に使用するように構成された送達エンドキャップアセンブリであって、前記胆管アクセスデバイスは、ハンドルと、前記ハンドルから近位に延在するシースと、前記シース内で近位に延在する1つまたは複数の取り外し可能な構成要素とを含んでおり、前記1つまたは複数の取り外し可能な構成要素は、アクセスを提供するように構成されており、前記送達エンドキャップアセンブリは、医療デバイスが前記胆管アクセスデバイスを通して送達されることを可能にするように構成されており、前記送達エンドキャップアセンブリは、
前記1つまたは複数の取り外し可能な構成要素が前記ハンドルから取り外された後に、前記ハンドルの近位端に解放可能に固定可能に構成された固定部分と、
前記固定部分から近位に延在するテーパー状部分と、
前記固定部分に結合されるように構成された回転ハブと、
前記回転ハブに結合されるように構成されたバルブと、
前記送達エンドキャップアセンブリを貫通して延在するルーメンと、を備え、
前記送達エンドキャップアセンブリを貫通して延在する前記ルーメンは、イントロデューサシース内の医療デバイスが前記胆管アクセスデバイスを通って前進することを可能にするように構成されている、送達エンドキャップアセンブリ。
【請求項13】
前記1つまたは複数の取り外し可能な構成要素のうちの1つは、前記胆管アクセスデバイスに取り外し可能に固定可能な鋭利なスタイレットキャップと動作可能に結合された鋭利なスタイレットを含む、請求項12に記載の送達エンドキャップアセンブリ。
【請求項14】
前記1つまたは複数の取り外し可能な構成要素のうちの1つは、前記胆管アクセスデバイスに取り外し可能に固定可能な回転ハブと動作可能に結合されたアクセスカニューレを含む、請求項12または13に記載の送達エンドキャップアセンブリ。
【請求項15】
前記医療デバイスは、イントロデューサシース内に配置された拡張可能なステントを備えており、前記イントロデューサシースは、マンドレルを使用して、前記拡張可能なステントを前記胆管アクセスデバイスを通して前進させることができるように、シースの近位端に当接するように構成されている、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の送達エンドキャップアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療デバイス、ならびに医療デバイスを製造及び使用するための方法に関する。より詳細には、本開示は、拡張可能なステントなどの医療デバイスを後に送達するために胆管アクセスデバイスを使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様な医療機器が、例えば、体腔にアクセスし、体腔内の流体及び構造と相互作用する際に使用するなど、医療用に開発されてきた。これらのデバイスのいくつかには、ガイドワイヤ、カテーテル、ポンプ、モータ、コントローラ、フィルタ、グラインダー、針、バルブ、及びそのようなデバイスを送達するために使用される送達デバイス及び/又はシステムが含まれる。これらのデバイスは、さまざまな異なる製造方法のいずれかによって製造され、さまざまな方法のいずれかに従って使用できる。既知の医療機器及び方法のうち、それぞれに特定の利点と欠点がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、医療デバイスのための代替案の設計、材料、製造方法、および使用方法を提供する。一例として、患者の胆管または膵管内に医療デバイスを配備するためのアセンブリは、胆管アクセスデバイスおよび送達エンドキャップアセンブリを含む。胆管アクセスデバイスは、ハンドルと、ハンドルに対して移動可能な電気外科用シースとを含み、電気外科用シースは、電気外科用チップを含むとともに、電気外科用シースを貫通して延在する電気外科用シースルーメンを形成している。アクセスカニューレは、電気外科用シースルーメンを貫通して延在可能であるとともに、アクセスカニューレを貫通して延在するカニューレルーメンを形成しており、アクセスカニューレは、胆管アクセスデバイスから取り外し可能に構成されている。鋭利なスタイレットは、カニューレルーメンを貫通して延在可能であるとともに、胆管アクセスデバイスから取り外し可能に構成されている。アクセスエンドキャップアセンブリは、ハンドルの近位端に配置可能であるとともに、胆管アクセスデバイスから取り外し可能に構成されている。送達エンドキャップアセンブリは、アクセスエンドキャップアセンブリの代わりにハンドルの近位端に固定可能に構成されている。送達エンドキャップアセンブリは、ハンドルの近位端に解放可能に固定可能に構成された固定部分と、送達エンドキャップアセンブリを貫通して延在するとともに、医療デバイスを収容するように構成されたルーメンとを含む。
【0004】
代替的にまたは追加的に、送達エンドキャップアセンブリは、固定部分から近位に延在するテーパー状部分と、固定部分に結合されるように構成された回転ハブと、回転ハブに結合されるように構成されたバルブとをさらに含み得、送達エンドキャップアセンブリのルーメンは、テーパー状部分、回転ハブ、およびバルブの各々を貫通して延在している。
【0005】
代替的にまたは追加的に、アクセスエンドキャップアセンブリは、回転ハブをさらに含み得る。
代替的にまたは追加的に、鋭利なスタイレットは、鋭利なスタイレットを回転ハブに解放可能に固定するように構成された鋭利なキャップをさらに含み得る。
【0006】
代替的にまたは追加的に、アクセスカニューレは、回転ハブの回転によってアクセスカニューレの回転が生じるように、回転ハブと動作可能に結合され得る。
代替的にまたは追加的に、アクセスカニューレは、回転ハブの取り外しによって、アクセスカニューレも胆管アクセスデバイスからを取り外されるように、回転ハブと動作可能に結合され得る。
【0007】
代替的にまたは追加的に、アクセスカニューレおよび鋭利なスタイレットが胆管アクセスデバイスから取り外され、かつ送達エンドキャップアセンブリが胆管アクセスデバイスのハンドルの近位端に固定されると、電気外科用シースが電気外科用シースルーメンを通って延在する医療デバイスを収容するように適合されるように、送達エンドキャップアセンブリのルーメンは、電気外科用シースルーメンと整列して連通するように位置決め可能であり得る。
【0008】
代替的にまたは追加的に、医療デバイスは、イントロデューサシース内に配置された拡張可能なステントを含み得る。
代替的にまたは追加的に、イントロデューサシースは、マンドレルを使用して、拡張可能なステントをイントロデューサシースから電気外科用シースルーメンを通して前進させることができるように、電気外科用シースルーメンの近位端に係合するように構成されている。
【0009】
代替的にまたは追加的に、ハンドルは、内側部材と、外側部材とを含み得、内側部材は、外側部材内に摺動可能に配置されており、内側部材を外側部材に対して平行移動させることによって、鋭利なスタイレットが平行移動し得る。
【0010】
代替的にまたは追加的に、ハンドルは、ハンドルの外側部材と摺動可能に結合された電気外科用アクチュエータをさらに含み得、ハンドルに対して電気外科用アクチュエータを平行移動させることによって、電気外科用シースが平行移動し得る。
【0011】
代替的にまたは追加的に、送達エンドキャップアセンブリは、変更された回転ハブをさらに含み得る。
別の例として、送達エンドキャップアセンブリは、治療部位へのアクセスを提供するように構成された胆管アクセスデバイスと共に使用するように構成されており、胆管アクセスデバイスは、ハンドルと、ハンドルから近位に延在するシースと、シース内で近位に延在する1つまたは複数の取り外し可能な構成要素とを含んでおり、1つまたは複数の取り外し可能な構成要素は、アクセスを提供するように適合されており、送達エンドキャップアセンブリは、医療デバイスが胆管アクセスデバイスを通して送達されることを可能にするように構成されている。送達エンドキャップアセンブリは、1つまたは複数の取り外し可能な構成要素がハンドルから取り外された後に、ハンドルの近位端に解放可能に固定可能に構成された固定部分を含む。テーパー状部分は、固定部分から近位に延在しており、回転ハブは、固定部分に結合されるように構成されている。バルブは、回転ハブに結合されるように構成されている。ルーメンは、送達エンドキャップアセンブリを貫通して延在するとともに、イントロデューサシース内の医療デバイスが胆管アクセスデバイスを通って前進することを可能にするように構成されている。
【0012】
代替的にまたは追加的に、1つまたは複数の取り外し可能な構成要素のうちの1つは、胆管アクセスデバイスに取り外し可能に固定可能な鋭利なスタイレットキャップと動作可能に結合された鋭利なスタイレットを含み得る。
【0013】
代替的にまたは追加的に、1つまたは複数の取り外し可能な構成要素のうちの1つは、胆管アクセスデバイスに取り外し可能に固定可能な回転ハブと動作可能に結合されたアクセスカニューレを含み得る。
【0014】
代替的にまたは追加的に、医療デバイスは、イントロデューサシース内に配置された拡張可能なステントを含み得、イントロデューサシースは、マンドレルを使用して、拡張可能なステントを胆管アクセスデバイスを通して前進させることができるように、シースの近位端に当接するように構成されている。
【0015】
別の例では、医療デバイスは、患者の解剖学的構造内の所望の部位へのアクセスを提供するアクセス開口を提供するように構成された胆管アクセスデバイスを使用して送達され、アクセスデバイスは、ハンドルと、シース内でハンドルから遠位に延在可能なスタイレットとを含む。アクセスデバイスは、患者の解剖学的構造内の所望の部位に到達するために使用され、スタイレットは、所望の部位に穿刺を提供するために伸展され、穿刺によってアクセス開口が形成される。スタイレットは、シースおよびハンドルから引き出される。送達エンドキャップアセンブリがハンドルに取り付けられ、送達エンドキャップアセンブリは、シースを貫通して延在するルーメンへのアクセスを提供するように構成されている。ガイドワイヤは、アクセスデバイスを通して、かつアクセス開口を通して伸展される。医療デバイスは、送達エンドキャップアセンブリを通ってガイドワイヤを下って所望の部位まで伸展される。医療デバイスは、所望の部位に配備される。
【0016】
代替的にまたは追加的に、シースは、電気外科用シースの遠位端に配置された電気外科用チップを有する電気外科用シースを含み得、方法は、電気外科用チップを使用して、スタイレットによって形成されたアクセス開口を拡大するステップをさらに含み得る。
【0017】
代替的にまたは追加的に、医療デバイスは、イントロデューサシース内に配置された拡張可能なステントを含み得、イントロデューサシースは、マンドレルを使用して、拡張可能なステントを胆管アクセスデバイスを通して前進させることができるように、電気外科用シースの近位端に当接するように構成されている。
【0018】
代替的にまたは追加的に、送達エンドキャップアセンブリは、スタイレットがハンドルから取り外された後にハンドルの近位端に解放可能に固定可能に構成された固定部分と、固定部分から近位に延在するテーパー状部分と、固定部分に結合されるように構成された回転ハブと、回転ハブに結合されるように構成されたバルブと、送達エンドキャップアセンブリを貫通して延在するルーメンとを含み得、送達エンドキャップアセンブリを貫通して延在するルーメンは、イントロデューサシース内の医療デバイスが胆管アクセスデバイスを通って前進することを可能にするように構成されている。
【0019】
いくつかの実施形態の上記の概要は、本開示の各開示された実施形態またはすべての実装形態を説明することを意図していない。以下の図面および詳細な説明は、これらの実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明は、添付の図面に関連する本発明の様々な実施形態の以下の詳細な説明を考慮して、より完全に理解され得る。
図1A】例示的な胆管アクセスデバイスの側面図である。
図1B図1Aの例示的な胆管アクセスデバイスの平面図である。
図1C図1Aおよび図1Bの例示的な胆管アクセスデバイスの一部の側面図である。
図1D図1Aおよび図1Bの例示的な胆管アクセスデバイスの一部の側面図である。
図1E図1Aおよび図1Bの例示的な胆管アクセスデバイスの一部の側面図である。
図2】アクセスを提供するために図1Aおよび図1Bの例示的な胆管アクセスデバイスを使用する方法を示す図である。
図3】アクセスを提供するために図1Aおよび図1Bの例示的な胆管アクセスデバイスを使用する方法を示す図である。
図4】アクセスを提供するために図1Aおよび図1Bの例示的な胆管アクセスデバイスを使用する方法を示す図である。
図5】アクセスを提供するために図1Aおよび図1Bの例示的な胆管アクセスデバイスを使用する方法を示す図である。
図6A】医療デバイスを送達するための図1Aおよび図1Bの例示的な胆管アクセスデバイスとともに使用可能な例示的な送達エンドキャップアセンブリの側面図である。
図6B図6Aの例示的な送達エンドキャップアセンブリの部分の斜視図である。
図6C図6Aの例示的な送達エンドキャップアセンブリの部分の斜視図である。
図6D図6Aの例示的な送達エンドキャップアセンブリの部分の斜視図である。
図6E図6Aの例示的な送達エンドキャップアセンブリの部分の斜視図である。
図7図1Aおよび図1Bの例示的な胆管アクセスデバイスと組み合わせた、図6Aの例示的な送達エンドキャップアセンブリの部分分解側面図である。
図8図1Aおよび図1Bの例示的な胆管アクセスデバイスに固定された図6Aの例示的な送達エンドキャップアセンブリの側面図である。
図9図1Aおよび図1Bの例示的な胆管アクセスデバイスと組み合わせた、図6Aの例示的な送達エンドキャップアセンブリの斜視分解図である。
図10】医療デバイスを配備するための例示的なアセンブリの側面図である。
図11図10の10-10線に沿った断面図である。
図12A図10の例示的なアセンブリを通して送達される拡張可能なステントを示す側面図である。
図12B図10の例示的なアセンブリを通して送達される拡張可能なステントを示す側面図である。
図13】例示的な方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示は、様々な変更及び代替の形態が可能であるが、その詳細は、例として図面に示されており、詳細に説明される。しかしながら、その意図は、記載された特定の実施形態に本開示を限定することではないことを理解されたい。それどころか、その意図は、本開示の主旨及び範囲に含まれるすべての修正、同等物、及び代替物を網羅することにある。
【0022】
以下の定義された用語については、特許請求の範囲又は本明細書の他の箇所で異なる定義が与えられていない限り、これらの定義が適用されるものとする。
本明細書では、すべての数値は、明示的に示されているかどうかにかかわらず、「約」という用語によって変更されることが想定されている。「約」という用語は、一般に、当業者が列挙された値と同等であると考える(例えば、同じ機能又は結果を有する)数値の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語には、最も近い有効数字に四捨五入された数値が含まれ得る。
【0023】
終端による数値範囲の列挙には、その範囲内のすべての数値が含まれる(例えば、1~5には、1,1.5,2,2.75,3,3.80,4,5が含まれる)。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、内容が明確に別段の指示をしない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、用語「又は」は、内容が明確に他のことを指示しない限り、一般に「および/または」を含む意味で使用される。
【0024】
以下の詳細な説明は、異なる図面の類似した要素に同一の符号が付されている図面を参照して読む必要がある。必ずしも縮尺通りではない図面は、実施形態を例示的に示すものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0025】
図1Aは、例示的な胆管アクセスデバイス10の側面図であり、図1Bは、胆管アクセスデバイス10の平面図である。本開示は、胆管アクセスデバイス10としてアクセスを得て、最終的に医療デバイスを送達することに焦点を当てているが、本明細書に記載される概念は、人体の解剖学的構造の様々な異なる領域または系のいずれかにアクセスし、最終的に医療デバイスを送達することにも均等に適用可能であるため、これは単なる例示であることが理解されるであろう。
【0026】
例示的な胆管アクセスデバイス10は、超音波内視鏡の付属チャネルを通して胆管および膵管、並びに膵仮性嚢胞にアクセスするために使用され得る。胆管アクセスデバイス10は、ランデブー処置のためのガイドワイヤの配置、およびガイドワイヤ上で送達されるステントなどの補助デバイスの配置を可能にする。胆管アクセスデバイス10は、患者の胃または十二指腸を通して標的部位を穿刺し、ガイドワイヤを標的部位に前進させて誘導し、瘻孔を拡張する機能を備える。胆管アクセスデバイス10は、内視鏡超音波(EUS:endoscopic ultrasound)ガイド下、蛍光透視下、または更には直接可視化下で使用され得る。
【0027】
例示的な胆管アクセスデバイス10は、内側部材14および外側部材16を含むハンドル12を含む。内側部材14は、例えば、外側部材16内に摺動可能に配置されるとともに、外側部材16の遠位に延在し得る。ハンドル12は、胆管アクセスデバイス10を内視鏡の付属品または他のチャネルに固定し得るナット18を含む。長さ調節機構20は、ナット18と連結されているとともに、胆管アクセスデバイス10の相対的な長さを調節するために使用することができる。一部の例では、スケール22が内側部材14に沿って配置されており、胆管アクセスデバイス10の相対的な長さを調節する際のガイドとして使用することができる。長さ調節機構20は、固定機能24を含んでおり、固定機能24は、長さ調節機構20を内側部材14に対して定位置に固定して、胆管アクセスデバイス10の相対的な長さを調節するために使用され得る、
胆管アクセスデバイス10は、第1の作動部材26および第2の作動部材28を含む。一部の例では、第1の作動部材26は、外側部材16の遠位端に固定されるとともに、内側部材14に対して外側部材16を移動させ、従って、外側部材16を内側部材14に対して長手方向に平行移動させるように作動され得る。外側部材16を内側部材14に対して移動させるためのガイドとして、スケール30が内側部材14上に配置され得る。
【0028】
第1の作動部材26と組み合わせてスケール30を使用することによって、操作者は、内側部材14に対する外側部材16の軸方向平行移動を制御し、従って、外側部材16に対して固定される任意の内側部材の長手方向平行移動を制御することができることが理解されるであろう。従って、操作者は、スケール30によって示されるように、1つまたは複数の内側部材を特定の距離だけ平行移動させることができる。第1の作動部材26は、第1の作動部材26を内側部材14に対して移動させるために押下され得る作動ボタン32を含む。図1Bに見られるように、内側部材14は、第1の作動部材26ひいては外側部材16が内側部材14に対して長手方向に平行移動することを可能にするスロット34を含む。
【0029】
第2の作動部材28は、図1Bに見られるスロット36によって可能になるように、外側部材16に対して平行移動するように構成される。第2の作動部材28は、外側部材16に対して第2の作動部材28を移動させるために使用され得る作動ボタン29を含む。一部の例では、第2の作動部材28は、電気外科用要素と動作可能に結合され得、従って、第2の作動部材28は、電気外科用要素が給電され得る電気接続38を含み得る。
【0030】
胆管アクセスデバイス10は、近位端39において、所望の部位へのアクセスを提供する際に胆管アクセスデバイス10の機能性を提供するとともに、医療デバイスが胆管アクセスデバイス10を通して送達されることを可能にするために胆管アクセスデバイス10から取り外され得るいくつかの構成要素を含む。胆管アクセスデバイス10は、エンドキャップ40と、鋭利なキャップ42と、鋭利なキャップ42の下に部分的で視認可能な回転ハブ44とを含む。
【0031】
図1Cを参照すると、鋭利なキャップ42は、鋭利なスタイレット46と動作可能に結合されている。例えば、鋭利なスタイレット46の近位端領域は、鋭利なキャップ42に固定的に取り付けられるとともに、鋭利なキャップ42から遠位に延在し得る。鋭利なスタイレット46は、鋭利な遠位先端48を含んでおり、鋭利な遠位先端48は、外側部材16を内側部材14に対して遠位に移動させて、デバイス10の遠位端において鋭利な遠位先端48を露出させることによって、組織に穿刺を形成するために使用され得る。鋭利なキャップ42は、回転ハブ44の上に嵌合し得るとともに、エンドキャップ40に解放可能に固定可能であり得る。従って、鋭利なキャップ42は、エンドキャップ40から鋭利なキャップ42(従って、鋭利なスタイレット46)を取り外すために使用され得る把持機能部50を含む。また、鋭利なキャップ42は、鋭利なキャップ42をエンドキャップ40に解放可能に固定するために使用され得る固定機能部52(例えば、遠位に延在するタブ)を含む。一部の例では、図示されるように、鋭利なキャップ42は、鋭利なキャップ42に追加の要素を取り付けるために使用され得るルアー継手54を含み得る。
【0032】
図1Dを参照すると、アクセスカニューレ56は、エンドキャップ40および回転ハブ44から遠位に延在する。アクセスカニューレ56には、アクセスカニューレ56を貫通して延在するカニューレルーメン57が形成されている。カニューレルーメン57は、アクセスカニューレ56の全長を通って延在して、カニューレルーメン57が近位端においてルアー継手58まで開口している。一部の例では、カニューレルーメン57は、カニューレルーメン57を貫通して延在する鋭利なスタイレット46を収容するように寸法が決定され得る。一部の例では、アクセスカニューレ56の遠位領域は、患者の解剖学的構造の曲がりくねった部分へのアクセスを可能にするために、特定の形状を有し得る。例えば、アクセスカニューレ56の遠位領域は、鋭利なスタイレット46がアクセスカニューレ56の遠位領域から引き出されたときにJ字形(破線で示す)を有し得、一方、鋭利なスタイレットは、アクセスカニューレ56に挿入されたときにアクセスカニューレ56のJ字形の先端を真っ直ぐにし得る。アクセスカニューレ56を回転させることによって、および成形された遠位領域によって、操作者は、例えば、アクセスカニューレ56を特定の管路または管路の分岐部に誘導することができる。回転ハブ44は、ルアー継手58を含んでおり、ルアー継手58は、鋭利なキャップ42が取り外されたか、またはそれ以外に存在しない場合に、回転ハブ44に追加の要素を取り付けるために使用することができるその他の取付け技術も想定される。
【0033】
図1Eを参照すると、電気外科用シース58は、第2の作動部材28から遠位に延在する。電気外科用シース58は、電気外科用シース58の遠位端62に配置された電気外科用チップ60を含む。電気外科用シースルーメン64は、電気外科用シース58を貫通して延在する。一部の例では、電気外科用シースルーメン64は、電気外科用シースルーメン64を貫通して延在するアクセスカニューレ56を収容するように寸法が決定され得る。一部の例では、また、電気外科用シースルーメン64は、電気外科用チップ60を通って電気外科用シース58の最遠位範囲まで延在する。従って、電気外科用シースルーメン64は、特定の要素が胆管アクセスデバイス10から取り除かれると、電気外科用シースルーメン64を通って前進することができる医療デバイスを送達および配備するための経路を提供することが理解されるであろう。
【0034】
例示的な胆管アクセスデバイス10の内部構造に関する追加の詳細は、2021年2月18日に出願された「アクセスカニューレの前進のための装置、システムおよび方法(DEVICE,A SYSTEM,AND A METHOD FOR ACCESS CANNULA ADVANCEMENT)」という名称の米国特許出願公開第2021/0282807号、および2021年2月2日に出願された「医療デバイス回転アセンブリおよびその使用方法(MEDICAL DEVICE ROTATION ASSEMBLIES AND METHODS OF USING THE SAME)」という名称の米国特許出願公開第2021/0236105号に記載されており、これらの出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0035】
図1Aおよび図1Bは、ホーム位置にある例示的な胆管アクセスデバイス10を示す。図2では、作動ボタン32を作動させることによって、第1の作動部材26が矢印66によって示される方向に遠位に移動している。その結果、鋭利なスタイレット46は、アクセスカニューレ56の遠位端から電気外科用シース58を越えて露出し、穿刺が所望される組織に接触するのに十分な距離だけ遠位に移動する。鋭利なスタイレット46の鋭利な遠位先端48は、組織を貫通し、穿刺部を形成する。
【0036】
図3において作動ボタン29を作動させることによって、第2の作動部材28が矢印68によって示される方向に遠位に移動している。その結果、電気外科用シース58は、アクセスカニューレ56および鋭利なスタイレット46に対して遠位に移動して、電気外科用チップ60が穿刺部と接触する。鋭利なキャップ42および鋭利なスタイレット46は、図4に示されるように、鋭利なスタイレット46をハンドル12から近位に引き出すことによって、胆管アクセスデバイス10から取り外され得る。次いで、鋭利なスタイレット46の鋭利な遠位先端48によって穿刺部が最初に形成された場所に、より大きな開口を形成するために、電気外科用チップ60が作動され得る。一部の例では、電気外科用チップ60は、開口部を8F(フレンチ)(2.67mm)の開口部になるように拡大するために使用され得る。一部の例では、開口部は、瘻孔と呼ばれることがあり、これは、通常は開口部を間に持たない2つの身体構造間の開口部を指す、
次に、回転ハブ44および取り付けられたアクセスカニューレ56が、胆管アクセスデバイス10から取り外される。エンドキャップ40も取り外される。鋭利なキャップ42および鋭利なスタイレット46は以前に取り外されている。図5は、これらの要素が取り外された胆管アクセスデバイス10を示す。ハンドル12は、エンドキャップ40を解放可能に固定するように構成された近位端70を含んでおり、回転ハブ44および鋭利なキャップ42は、エンドキャップ40に固定されるように構成されている。後述するように、胆管アクセスデバイス10を医療デバイスを送達するために使用するために、追加の要素が近位端70に固定され得る。
【0037】
医療デバイスを送達するために使用されるべく胆管アクセスデバイス10を準備するために、図5を参照すると、第1の作動部材26は、矢印72によって示される方向に(即ち、遠位に)フルスロー位置まで移動され、第2の作動部材28は、矢印74によって示される方向に(即ち、近位に)ホーム位置まで移動される。換言すれば、第1の作動部材26および第2の作動部材28は、反対方向に移動され得る。これにより、送達のための追加の要素の取り付けが可能となる。
【0038】
図6Aは、送達エンドキャップアセンブリ80の側面図である。送達エンドキャップアセンブリ80は、胆管アクセスデバイス10によって到達された解剖学的位置において胆管アクセスデバイス10によって作成された瘻孔を通して医療デバイスを引き続いて送達する際の胆管アクセスデバイス10の使用を可能にするために、(アクセスエンドキャップ40が取り外された状態で)ハンドル12の近位端70に固定可能であるように構成されている。送達エンドキャップアセンブリ80は、送達エンドキャップ82、送達回転ハブ84、および/または送達バルブ86を含み得る。図6Bは、送達エンドキャップ82の斜視図である。一部の例では、送達バルブ86は、様々な体液または生理食塩水などの流体が、送達バルブ86を通って延在しているデバイスの周囲から漏出することを可能にすることなく、デバイスが送達バルブ86内に延在し、かつ送達バルブ86を通って延在することを可能にするツオヒー・ボースト(Touhy Borst)式アダプタである。
【0039】
送達エンドキャップ82は、ハンドル12の近位端70に解放可能に固定されるように構成され得る固定部分88を含むことが考えられ得る。一部の例では、固定部分88は、固定部分88をハンドル70の近位端70に固定するために、ハンドル12の近位端70と相互作用するように構成された1つまたは複数のラッチ90を含む。数個のラッチ90があるように示されているが(視認可能なラッチ90から固定部分88の円周方向に180度離れたところに別のラッチがある)、一部の例では、他の固定技術が使用され得る。例えば、固定部分88は、ハンドル12の近位端70と摩擦嵌合を形成し得る。固定部分88は、ハンドル12の近位端70と螺合されるように構成され得る。固定部分88は、ハンドル12の近位端70と係合するようにスナップ嵌めされ得る。これらはほんの一例に過ぎない。
【0040】
図6Bは、遠位に延在するテーパー状部分92を強調した送達エンドキャップ82の第1の斜視図であり、図6Cは、反対側の近位端96を強調した送達エンドキャップ82の第2の斜視図である。送達エンドキャップ82は、送達エンドキャップ82の近位端から遠位端まで送達エンドキャップ82を貫通して長手方向に延在するルーメン94を含む。反対側の近位端96は、回転ハブ84と係合するように構成された一対のラッチ98などの1つまたは複数のラッチを含み得る。他の固定技術も想定される。
【0041】
テーパー状部分92は、円錐台形(frustoconical)であり得、テーパー状部分92の遠位端まで、またはテーパー状部分92の遠位端に向かって遠位方向により小さい直径までテーパー状になる外壁、および/またはテーパー状部分92の遠位端まで、またはテーパー状部分92の遠位端に向かって遠位方向により小さい直径までテーパー状になる内壁(テーパー状部分92を貫通するルーメンを形成する)を含み得る。以下に説明するように、テーパー状部分92は、胆管アクセスデバイス10を貫通して延在する連続したルーメンを提供するために、胆管アクセスデバイス10内に延在するシースと係合するように構成されている。一部の例では、胆管アクセスデバイス10を貫通して延在するシースは、電気外科用シース58であり得る。一部の例では、別のシースまたはハイポチューブが、電気外科用シース58とテーパー状部分92との間、およびテーパー状部分92を貫通して延在するルーメン94との間に延在し得る。従って、送達エンドキャップ82を貫通する(テーパー状部分92を貫通することを含む)ルーメンは、電気外科用シース58のルーメン等のシースのルーメンと整列し、かつ連通して配置され得る。
【0042】
送達回転ハブ84は、回転ハブ84を送達エンドキャップ82に固定するために、ラッチ98に係合するように構成されている。図6Dは、送達回転ハブ84の斜視図である。送達回転ハブ84は、送達回転ハブ84を貫通して延在するルーメン100を含む。ルーメン100は、テーパー状部分92のルーメン94と整列し、かつ連通している。送達回転ハブ84は、送達エンドキャップ82の端部96内に着座し、ラッチ98を介して端部96で定位置に保持されるように構成される環状係合部102を含む。送達回転ハブ84を送達エンドキャップ82に固定して取り付けるか、または回転可能に取り付ける他の固定機構も想定される。送達回転ハブ84は、限定ではないが、送達バルブ86等の他のデバイスを送達回転ハブ84に結合するために使用され得るルアー継手104を含み得る。
【0043】
図6Eは、送達バルブ86の斜視図である。上述したように、一部の例では、送達バルブ86は、ツオヒー・ボースト(Touhy Borst)式アダプタであり得る。送達バルブ86は、送達バルブ86を貫通して延在するルーメン106を含む。ルーメン106は、送達回転ハブ84のルーメン100およびテーパー状部分92のルーメン94の両方と整列し、かつそれらと連通している。従って、医療デバイスは、送達バルブ86のルーメン106を通して、次いで、送達回転ハブ84のルーメン100を通して、次いで、送達エンドキャップ82のテーパー状部分92のルーメン94を通して、そこから延在するシースのルーメンに前進させることができ、従って、医療デバイスは、シースを通して送達され、シースから出て治療部位に配備することができる。送達バルブ86は、送達回転ハブ84に対して固定されるように構成される第1の領域108を含む。一部の例では、第1の領域108は、送達回転ハブ84上の定位置にあるルアー継手104と摩擦係合する。送達バルブ86は、円筒形部分114によって分割された第1のローレット加工部分110および第2のローレット加工部分112を含む。
【0044】
図7は、ハンドル12の近位端70に近接して配置された送達エンドキャップアセンブリ80を示す分解図であり、図8は、ハンドル12の近位端70に固定された送達エンドキャップアセンブリ80を示す側面図である。ハンドル12の近位端70は、送達エンドキャップ82の一部として形成されたラッチ80と係合するように構成されたラッチ機構116(例えば、タブ、耳部、スロット、凹部等)を含むことが分かる。従って、送達エンドキャップアセンブリ80は、ハンドル12の近位端70に対して容易に固定することができる。
【0045】
図9は、送達エンドキャップアセンブリ80を受容する状態にある胆管アクセスデバイス10の斜視図である。鋭利なキャップ42および鋭利なスタイレット46が取り外され、エンドキャップ40、回転ハブ44、およびアクセスカニューレ56が取り外された状態で、胆管アクセスデバイス10は、胆管アクセスデバイス10の近位端で視認可能なルーメン118を含む。送達エンドキャップ82を貫通して延在するルーメン94は、胆管アクセスデバイス10内で視認可能なルーメン118に対して当接するように構成されるか、または別様にルーメン118と整列し、かつそれと連通するように構成され得ることが理解されよう。ルーメン118は、例えば、電気外科用シース58の近位部分を表し得る。
【0046】
図10は、所望の治療部位内に医療デバイスを配備するために使用され得る例示的なアセンブリ120の側面図である。一例として、例示的なアセンブリ120は、拡張可能なステントなどの医療デバイスを配備するように構成され得る。一部の例では、例示的なアセンブリ120は、患者の胆管または膵管内、もしくは膵仮性嚢胞内に拡張可能なステントなどの医療デバイスを配備するように構成され得る。一部の例では、アセンブリ120は、胆管アクセスデバイス10(一旦標的解剖学的構造へのアクセスが得られると、特定の構成要素が取り外される)と送達エンドキャップアセンブリ80とを組み合わせた例であることが考えられ得る。
【0047】
図11は、図10の11-11線に沿った断面図である。例えば、電気外科用シース58(または、存在する場合、別個のシース)を表し得るシース132は、送達エンドキャップ82を貫通して延在するルーメン94と軸方向に整列する。シース132は、外側部材16を通過する際に、シース132を支持するように機能するスレッドデバイス130を貫通して延在する。図面から分かるように、送達エンドキャップ82を貫通して延在するルーメン94は、送達回転ハブ84を貫通して延在するルーメン100、および送達バルブ86を貫通して延在するルーメン106と軸方向に整列している。ルーメン58、94、100および106を通過するのに適合することができる医療デバイスは、アセンブリ120を通過して送達され得る。アセンブリ120を介して送達するための様々な異なる医療デバイスが考えられるが、一部の例では、アセンブリ120は、医療デバイスとして拡張可能なステントを送達するように構成されていることが考えられ得る。
【0048】
図12Aおよび図12Bは、図10の例示的なアセンブリを通して送達される拡張可能なステントを示す側面図である。図12Aでは、拡張可能なステント140が、胆管アクセスデバイス10の一部を形成する電気外科用シース130を通って前進している様子が示されており、電気外科用シース130は、送達エンドキャップアセンブリ80と組み合わされてアセンブリ120を形成している。電気外科用シース130は、拡張可能なステント140を示すために透明であるように示されていることが理解されよう。電気外科用シース130内には、拡張可能なステント140を遠位に付勢するマンドレル142を確認することができる。図12Bにおいて、拡張可能なステント140は、電気外科用チップ60を通過して、電気外科用シース130から現れ始めている。
【0049】
図13は、患者の解剖学的構造内の所望の部位へのアクセスを提供するアクセス開口を提供するように構成された胆管アクセスデバイス(胆管アクセスデバイス10など)を使用して医療デバイスを送達する例示的な方法150を示すフロー図であり、アクセスデバイスは、ハンドルと、シース内でハンドルから遠位に延在可能なスタイレットとを含む。一部の例では、シースは、電気外科用シースの遠位端に配置された電気外科用チップを有する電気外科用シースを含んでおり、方法150は、電気外科用チップを使用して、スタイレットによって形成されたアクセス開口を拡大するステップをさらに含む。
【0050】
ブロック150に示されるように、患者の解剖学的構造内の所望の部位に到達させるためにアクセスデバイスが使用される。ブロック154に示されるように、スタイレットが所望の部位に穿刺を提供するために伸展され、穿刺によってアクセス開口が形成される。ブロック156に示されるように、その後、スタイレットがシースおよびハンドルから引き出される。ブロック158に示されるように、送達エンドキャップアセンブリがハンドルに取り付けられ、送達エンドキャップアセンブリは、シースを貫通して延在するルーメンへのアクセスを提供するように構成されている。ブロック160に示されるように、ガイドワイヤがアクセスデバイスを通して、かつアクセス開口を通して伸展される。ブロック162に示されるように、医療デバイスは、送達エンドキャップアセンブリを通ってガイドワイヤを下って所望の部位まで伸展される。ブロック164に示されるように、医療デバイスが所望の部位に配備される。
【0051】
一部の例では、送達される医療デバイスは、イントロデューサシース内に配置された拡張可能なステントを含んでおり、イントロデューサシースは、マンドレルを使用して、拡張可能なステントを胆管アクセスデバイスを通して前進させることができるように、電気外科用シースの近位端に当接するように構成されている。一部の例では、送達エンドキャップアセンブリは、スタイレットがハンドルから取り外された後にハンドルの近位端に解放可能に固定可能に構成された固定部分と、固定部分から近位に延在するテーパー状部分と、固定部分に結合されるように構成された回転ハブと、回転ハブに結合されるように構成されたバルブと、送達エンドキャップアセンブリを貫通して延在するルーメンとを含んでおり、送達エンドキャップアセンブリを貫通して延在するルーメンは、イントロデューサシース内の医療デバイスが胆管アクセスデバイスを通って前進することを可能にするように構成されている。
【0052】
胆管アクセスデバイス10、送達エンドキャップアセンブリ80、およびアセンブリ120を含むがこれらに限定されない本明細書に記載されるデバイスは、様々な異なる材料で形成され得る。一部の例では、胆管アクセスデバイス10、送達エンドキャップアセンブリ80、およびアセンブリ120は、1つまたは複数のポリマー材料から形成され得る。一部の例では、胆管アクセスデバイス10、送達エンドキャップアセンブリ80、およびアセンブリ120の様々な構成要素は、ポリウレタンなどのポリマーで形成され得る。
【0053】
適切なポリマーの追加例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、デュポン社から入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSM エンジニアリングプラスチックス社から入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテル又はエステルベースのコポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタレート及び/又はデュポン社から入手可能なHYTREL(登録商標)などの他のポリエステルエラストマー)、ポリアミド(例えば、バイエル社から入手可能なDURETHAN(登録商標)又はエルフアトケム社から入手可能なCRISTAMID(登録商標))、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(例えば、PEBAX(登録商標)の商品名で入手可能なPEBA)など、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、マーレックス(Marlex)高密度ポリエチレン、マーレックス低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(REXELL(登録商標)など)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタラミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン-12(EMS American Grilon社から入手可能なGRILAMID(登録商標)など)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリビニリデンクロリド(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBS及び/又はSIBS50A)、ポリカーボネート、イオノマー、生体適合性ポリマー、別の適切な材料、又は混合物、組み合わせ、それらのコポリマー、ポリマー/金属複合体などが含まれるが、これらに限定されない。
【0054】
本開示は、多くの点で、単なる例示であることを理解されたい。本開示の範囲を超えることなく、詳細において、特に形状、大きさ、およびステップの配置に関して変更が行われ得る。これは、適切な範囲で、1つの例示的な実施形態の特徴のいずれかを他の実施形態で使用することを含み得る。本発明の範囲は、当然ながら、添付の特許請求の範囲で表現される文言で定義される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の胆管または膵管内に医療デバイスを配備するためのアセンブリであって、
胆管アクセスデバイスであって、
ハンドルと、
前記ハンドルに対して移動可能な電気外科用シースであって、電気外科用チップを含むとともに、前記電気外科用シースを貫通して延在する電気外科用シースルーメンを形成する前記電気外科用シースと、
前記電気外科用シースルーメンを貫通して延在可能なアクセスカニューレであって、前記アクセスカニューレは、前記アクセスカニューレを貫通して延在するカニューレルーメンを形成しており、前記アクセスカニューレは、前記胆管アクセスデバイスから取り外し可能に構成されている、前記アクセスカニューレと、
前記カニューレルーメンを貫通して延在可能な鋭利なスタイレットであって、前記胆管アクセスデバイスから取り外し可能に構成された前記鋭利なスタイレットと、
前記ハンドルの近位端に配置可能なアクセスエンドキャップアセンブリであって、前記胆管アクセスデバイスから取り外し可能に構成された前記アクセスエンドキャップアセンブリと、を含む前記胆管アクセスデバイスと、
前記アクセスエンドキャップアセンブリの代わりに前記ハンドルの前記近位端に固定可能に構成された送達エンドキャップアセンブリであって、
前記ハンドルの前記近位端に解放可能に固定可能に構成された固定部分と、
前記送達エンドキャップアセンブリを貫通して延在するとともに、前記医療デバイスを収容するように構成されたルーメンと、を含む前記送達エンドキャップアセンブリと、を備えるアセンブリ。
【請求項2】
前記送達エンドキャップアセンブリは、
前記固定部分から近位に延在するテーパー状部分と、
前記固定部分に結合されるように構成された回転ハブと、
前記回転ハブに結合されるように構成されたバルブと、をさらに含んでおり、
前記送達エンドキャップアセンブリの前記ルーメンは、前記テーパー状部分、前記回転ハブ、および前記バルブの各々を貫通して延在している、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記アクセスエンドキャップアセンブリは、回転ハブをさらに含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記鋭利なスタイレットは、前記鋭利なスタイレットを前記回転ハブに解放可能に固定するように構成された鋭利なキャップをさらに含む、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記アクセスカニューレは、前記回転ハブの回転によって前記アクセスカニューレの回転が生じるように、前記回転ハブと動作可能に結合されている、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記アクセスカニューレは、前記回転ハブの取り外しによって、前記アクセスカニューレも前記胆管アクセスデバイスから取り外されるように、前記回転ハブと動作可能に結合されている、請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記アクセスカニューレおよび前記鋭利なスタイレットが前記胆管アクセスデバイスから取り外され、かつ前記送達エンドキャップアセンブリが前記胆管アクセスデバイスの前記ハンドルの前記近位端に固定されると、前記電気外科用シースが前記電気外科用シースルーメンを通って延在する前記医療デバイスを収容するように適合されるように、前記送達エンドキャップアセンブリの前記ルーメンは、前記電気外科用シースルーメンと整列して連通するように位置決め可能である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記医療デバイスは、イントロデューサシース内に配置された拡張可能なステントを備える、請求項1乃至のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記イントロデューサシースは、マンドレルを使用して、前記拡張可能なステントを前記イントロデューサシースから前記電気外科用シースルーメンを通して前進させることができるように、前記電気外科用シースルーメンの近位端に係合するように構成されている、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記ハンドルは、内側部材と、外側部材とを備え、前記内側部材は、前記外側部材内に摺動可能に配置されており、
前記内側部材を前記外側部材に対して平行移動させることによって、前記鋭利なスタイレットが平行移動する、請求項1乃至のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記ハンドルは、前記ハンドルの外側部材とスライド可能に結合された電気外科用アクチュエータをさらに備えており、
前記ハンドルに対して前記電気外科用アクチュエータを平行移動させることによって、前記電気外科用シースが平行移動する、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項12】
治療部位へのアクセスを提供するように構成された胆管アクセスデバイスと共に使用するように構成された送達エンドキャップアセンブリであって、前記胆管アクセスデバイスは、ハンドルと、前記ハンドルから近位に延在するシースと、前記シース内で近位に延在する1つまたは複数の取り外し可能な構成要素とを含んでおり、前記1つまたは複数の取り外し可能な構成要素は、アクセスを提供するように構成されており、前記送達エンドキャップアセンブリは、医療デバイスが前記胆管アクセスデバイスを通して送達されることを可能にするように構成されており、前記送達エンドキャップアセンブリは、
前記1つまたは複数の取り外し可能な構成要素が前記ハンドルから取り外された後に、前記ハンドルの近位端に解放可能に固定可能に構成された固定部分と、
前記固定部分から近位に延在するテーパー状部分と、
前記固定部分に結合されるように構成された回転ハブと、
前記回転ハブに結合されるように構成されたバルブと、
前記送達エンドキャップアセンブリを貫通して延在するルーメンと、を備え、
前記送達エンドキャップアセンブリを貫通して延在する前記ルーメンは、イントロデューサシース内の医療デバイスが前記胆管アクセスデバイスを通って前進することを可能にするように構成されている、送達エンドキャップアセンブリ。
【請求項13】
前記1つまたは複数の取り外し可能な構成要素のうちの1つは、前記胆管アクセスデバイスに取り外し可能に固定可能な鋭利なスタイレットキャップと動作可能に結合された鋭利なスタイレットを含む、請求項12に記載の送達エンドキャップアセンブリ。
【請求項14】
前記1つまたは複数の取り外し可能な構成要素のうちの1つは、前記胆管アクセスデバイスに取り外し可能に固定可能な回転ハブと動作可能に結合されたアクセスカニューレを含む、請求項12または13に記載の送達エンドキャップアセンブリ。
【請求項15】
前記医療デバイスは、イントロデューサシース内に配置された拡張可能なステントを備えており、前記イントロデューサシースは、マンドレルを使用して、前記拡張可能なステントを前記胆管アクセスデバイスを通して前進させることができるように、シースの近位端に当接するように構成されている、請求項12または13に記載の送達エンドキャップアセンブリ。
【国際調査報告】